くにさくロゴ
1995/02/02 第132回国会 参議院 参議院会議録情報 第132回国会 災害対策特別委員会 第3号
姉妹サイト
 
1995/02/02 第132回国会 参議院

参議院会議録情報 第132回国会 災害対策特別委員会 第3号

#1
第132回国会 災害対策特別委員会 第3号
平成七年二月二日(木曜日)
   午後六時七分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 二月一日
    辞任         補欠選任
     村沢  牧君     糸久八重子君
     安永 英雄君     本岡 昭次君
 二月二日
    辞任         補欠選任
     大森  昭君     粟原 君子君
     林  紀子君     上田耕一郎君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         陣内 孝雄君
    理 事
                浦田  勝君
                清水 達雄君
                野別 隆俊君
                横尾 和伸君
    委 員
                太田 豊秋君
                鎌田 要人君
                松谷蒼一郎君
                糸久八重子君
                上山 和人君
                栗原 君子君
                谷畑  孝君
                本岡 昭次君
                刈田 貞子君
                釘宮  磐君
                木暮 山人君
                江本 孟紀君
                上田耕一郎君
   国務大臣
       国 務 大 臣
       (国土庁長官)  小澤  潔君
       国 務 大 臣  小里 貞利君
   政府委員
       科学技術庁研究
       開発局長     沖村 憲樹君
       国土庁防災局長  村瀬 興一君
       運輸大臣官房技
       術参事官     澤田  諄君
       運輸省鉄道局長  戸矢 博道君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        駒澤 一夫君
   説明員
       法務省省民事局参
       事官       升田  純君
       大蔵省主税局税
       制第一課長    福田  進君
       厚生省健康政策
       局指導課長    磯部 文雄君
       厚生省生活衛生
       局水道環境部環
       境整備課長    三本木 徹君
       厚生省社会・援
       護局保護課長   松尾 武昌君
       中小企業庁長官
       官房総務課災害
       対策室長     玉木 昭久君
       運輸省港湾局管
       理課長      鶴野 泰孝君
       気象庁地震火山
       部地震津波監視
       課長       吉田  弘君
       建設省都市局都
       市計画課長    澤井 英一君
       建設省道路局有
       料道路課長    井上 靖武君
       建設省住宅局住
       宅・都市整備公
       団監理官     小平 申二君
       建設省住宅局住
       宅政策課長    山本繁太郎君
       建設省住宅局民
       間住宅課長    坂田 隆史君
       建設省住宅局住
       宅生産課長    稗田 祐史君
       建設省住宅局建
       築指導課長    羽生 洋治君
       自治省大臣官房
       参事官      陶山 具史君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○災害対策樹立に関する調査
 (平成七年兵庫県南部地震災害に関する件)
 (兵庫県南部地震の緊急災害対策に関する決議
 の件)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(陣内孝雄君) ただいまから災害対策特別委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日、安永英雄君及び村沢牧君が委員を辞任され、その補欠として本岡昭次君及び糸久八重子君が選任されました。
 また、本日、林紀子君及び大森昭君が委員を辞任され、その補欠として上田耕一郎君及び栗原君子君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(陣内孝雄君) 災害対策樹立に関する調査を議題とし、平成七年兵庫県南部地震災害に関する件について質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#4
○清水達雄君 私、自民党の清水達雄でございます。
 兵庫県南部の地震によりまして被災された方々、御遺族等に対しまして、心からお悔やみ、お見舞いを申し上げたいと存じます。また、小里大臣には、急遠地震対策担当大臣に任命されまして大変御苦労なさっていると思います。本当に御苦労さまでございます。
 時間もございませんので、端的に御質問いたしますので、端的な御答弁をお願いしたいと思います。
 まず、今の状況におきまして一番大事なことは、仮設住宅なりあるいは公営住宅等につきまして早く避難民を入れてあげるということが最も肝心なことだと思います。もう災害から二週間余を経過して相当避難民は疲れているわけでございまして、けさの読売新聞によりますと、衰弱とか心労で死亡した人も五人ほどいるとか、あるいは病院に運ばれた人も百人ぐらいいるとかいうふうなことで、お医者さん方ももう大体限界に来ているんじゃないかというふうなお話でございます。ぜひとも早く応急住宅を準備してやらなきゃいけないと思います。
 いろいろ応急住宅の手当てにつきまして、仮設住宅が三万戸であるとか、あるいは公営住宅等につきましては二万五千戸とか二万六千戸とかあるいは三万戸とか、いろんなことが言われてきておりますけれども、現状においてどの程度の必要量を見込み、どういうプログラムで供給をするのかということについてお答えをいただきたいと思います。
#5
○国務大臣(小里貞利君) まず一言申し上げる次第でございますが、住宅問題、ここに厚生省、建設省、この問題で大分苦労いただいておりまする幹部の諸君もおいででございますが、まず私の方からお答え申し上げます。
 ただいま先生、ひとつ要点をすぱっとというお話でございますから、そういう気持ちで申し上げますが、御指摘のとおり、全壊、半壊をいたしました戸数が約六万三千、そういう状況でありました。そこで、知事さんにもあるいは神戸の市長さん等にも、本当にどれぐらい対応をしなければいけないんですか、そういうような気持ちで検討をしていただきました。その結果が、先ほどお話のとおり、実は先月の三十日でございましたが、副知事とそして神戸市の震災復興本部総括局長が持っておいでになった数字でございます。言いかえますと六万三千、自立て何とかできるんじゃないかという数値が七千と読める、だからあとの五万六千を対応しなけりゃならぬと、これが一応の基本でございます。
 この五万六千からさらに応急仮設住宅として対応しなければならない数値は幾らですかと、実は三万だ、こういうお話でございましたので、一万一千を追加いたしまして三万、こういうことにいたしまして、三万を準備するべくお話を申し上げた、したがいまして、あとの三万六千というのは、御承知のとおり公営、公団等々の住宅でもって対応する、こういうことになったわけです。
 繰り返しますが、その三万の仮設住宅というのが大変大きな、需要にもきちんとこたえなければいけませんけれども、供給も実は苦労をいたしておるところでございます。その理由は、現品がまずそんなに多くありません、国内にありませんという実情があるわけです。したがいまして、厚生省等鋭意努力をいただいておるところでございますが、その三万のうち一万一千はとりあえず契約をいたしました。これはもう相当早い時点で契約いたしておるわけでございますが、さらにその一万一千の中で着工を既に七千いたしております。さらに、その七千の中で、もう既にでき上がりましてきのうきょうあたり入居を始めていらっしゃるものがその中にあると、こういうふうに考えておる次第でございます。
 それからさらに、今申し上げました応急仮設住宅三万戸を確保するという計画を立てましたが、そのほかに今度は、いろいろ避難所等々の中に高齢者、それから体を悪くしていらっしゃる方々、体調の悪い方々等々いらっしゃるものですから、そういう方々を特別な取り計らいによりましてこの八千戸の方に優先して入れたらどうか、こういうような段取りをいたしまして、ここに例えば個人の住宅あるいは民宿あるいは民間アパート等々を市で一応契約をして、そしてその老人の方々をとりあえず臨機応変の措置としてこちらの方に収容してくださいと、収容という言葉はどうでしょうか、とにかく入れてくださいと。そして、まあ急場しのぎの急場しのぎと申し上げましょうか、とりあえずこの方々をこの方に入れて、そしてやがて、申し上げました本体の三万の仮設住宅ができたときにはまたこちらの方へお帰りくださいと。しかも、その間の八千世帯の特別措置についても仮設住宅と同じような取り扱いを申し上げました。
 こういうようなことでございまして、あらまし申し上げまして住宅苦に対する対応はそのようなことでございます。
#6
○清水達雄君 新聞報道によりますと、この応急住宅なり公営住宅等に全部入れるには四月じゅうかかりますよ、四月の終わりにならないと全部入れない、こういう報道があるんですけれども、これはそういうふうにお考えでしょうか。
#7
○国務大臣(小里貞利君) 今申し上げましたように、三万の方は二月いっぱい、三月いっぱいで何とかひとつ完結をしたい、きちんと準備をいたしたい、その目標で一生懸命努力をいたしております。
 なおまた、今申し上げました別途の八千の方は既設の公私の施設を使うわけでございますから、これはもう臨機応変に対応できる、そういう状況でございます。
#8
○清水達雄君 じゃ、四月末ではなくて三月中にはできるということですね、そうすると、四月の上旬ぐらいにはみんなが入れるというふうに理解してよろしいですか、
#9
○国務大臣(小里貞利君) そのような目標で今必死になって、その調達方について厚生省、建設省で努力をいただいております。
 なおまた、その対象には海外の資材等もかなり含まれる、そういう状況でございます。
#10
○清水達雄君 それで、その三万戸の応急住宅を、仮設住宅を建てる用地の手当てはできているんでしょうか。
#11
○国務大臣(小里貞利君) 用地は、県市の所有物も若干期待を申し上げておりますが、さらに、実は今から八日ぐらい前の話でございますけれども、閣議におきまして、とにかく国が持てるあの近郊の公有地、国有地をひとつ仮設住宅を建てるという前提ですべての省庁出してくれぬかと、こういう相談をいたしました。その結果、国有地に仮設住宅建ててよろしいよという数字が三百二十ヘクタール出てまいりました。その中で、兵庫県域がおおむね百八十ヘクタールでございます。
 それから、そのほかに民間で、私の土地をひとつ提供しますよ、これはボランティアです、料金は要りませんと、そういう大変御奇特な、しかも規模の大きい申し出などもいただいておりますけれども、なかなか大きな土地になりますと、神戸の市街地から二十キロ、三十キロ遠いところにあるという傾向がありまして、その分は必ずしも円滑に契約するに至っておりません。
 ただし国有地の方は、ただいま申し上げましたように、兵庫県域だけでもおおむね百八十ヘクタール、そういう状況でございます。
#12
○清水達雄君 完全にできているかどうかという点まではお答えがありませんでしたけれども、かなりめどがついているというふうに思って議論を進めたいと思います。
 土地の手当てができていろんなら、あとはもう住宅を建てるだけなんですね、仮設住宅を。それで、要するに仮設住宅の生産が月に一万戸程度しかできないという話を聞きまして、経済大国と言われる日本で、住宅も年間百五十万戸以上も建てているような日本において、仮設住宅が月に一万戸しか生産できないということじゃ、これは何か非常に不思議でしょうがないなという感じを持ったわけでございます。
 私も建設省に聞きまして、プレハブ建築協会とかいうところにいろいろ調整なりあっせんなりさせながらやっているということを聞きましたが、いわゆる生産ラインを持っていないとだめだとかいう話もあるんですが、もしだめならば、建設工事用の仮設建築物ですね、飯場とか言われるものですけれども、あるいはそのほかにもいろいろ仮設建築物というのはあるわけで、リース会社とか建設会社に行けば、一たん使ったものであってもそういうものがもっとできるのではないかというふうに思うのでございます。
 これは三月中ということで、四月の上中旬までといったら相当な期間がありますから、避難民はああいう場所で暮らせというのかと、私は非常に心配なんですね、その点が。何かそういう新しい仮設住宅だけじゃなくて、既存のいろんなストックをうまく活用してやるというふうなことは考えられないでしょうか。
#13
○説明員(稗田祐史君) 応急仮設住宅につきましては、今までの災害経験から約二千戸を業界全体としてストックをしておりました。ところが、今回の兵庫県南部地震による必要戸数はその想定を大きく上回るものでございまして、ストックだけではとても対応し切れないという状態でございます。業界を挙げてさらに増産に励んでおりますが、応急仮設住宅用の簡易プレハブに用いる部品、部材の中には一般には需要の少ないものもございまして、最大限の量産体制をとりましても月産一万戸強が供給力の限界というふうに理解をしております。
 供給力として足りないというところがございますので、従来の業界の枠を超えて、従来仮設住宅をつくっていない一般住宅のハウスメーカー、あるいは海外の企業、それから先生がおっしゃいましたゼネコン等の仮設事務所というようなものの利用を含めて、三月末までに三万戸を供給すべく最善の努力をしているところでございます。
#14
○清水達雄君 だから、三月末じゃとても遅過ぎて本当に困るんじゃないかなという心配が、もっと早くできないのかということなんですけれども、これは何ぼ頑張ってもだめですか。
#15
○国務大臣(小里貞利君) 先生のそのお気持ちはもう本当に痛いほどよくわかります。
 ただいまも御説明申し上げましたように、私自身も本当に驚きました。こんなに供給力がないんだろうか、この経済大国日本、そして建築その他についても御案内のとおりのすばらしい日本なんだが、そう思ったんです。ですから鋭意もう全知全能を絞ってやっております。
 とにかく徹底的にやりまくっておりますが、海外もまたなかなかないですね。私どもは空輸でもいいからということを二、三日前から議論しておるのでございますが、なかなかございません。ざっくばらんな話、アメリカ等には相当あるという情報も実は先月の二十三日ごろから入ってきたものですからすぐ手配いたしましたけれども、まとまって提供できるというのは五百戸から六百戸程度、しかもそれはあと少なくとも一月は要します、そういうような程度でございます。あるいは他国ともいろいろ交渉をいたしておりますが、そういう状況です。
 もう一つ先生からお話がございましたように、プレハブの基準を落として、では何とかひとつ他に応用するその辺の既成の建物はないのかというお話でございますが、これは法制上の問題もありますけれども、これも一応実態があるかないか、それをひとつ検討してみろということだけは私が言っておりますが、それが出てきたらまた厚生省と打ち合わせまして、臨機応変の措置を可能な限りとりたい、こういうような気持ちでございます。
#16
○清水達雄君 それから、要するに応急住宅として仮設住宅と公営住宅等既存のものの活用の二種類あるわけですけれども、結局公営住宅等につきましては、恐らく所在する場所が神戸市の中だとかということになかなかいかなくて、かなり近県に散らばっているんじゃないかと思うんですけれども、二万六千戸とか言われる公営住宅等のうち、兵庫県及び大阪府の中にあるものはそのうち何戸ぐらいあるんでしょうか。
#17
○政府委員(村瀬興一君) 兵庫県が約三千戸でございます。それから、近県の大阪府が約四千四百戸ということでございます。
#18
○清水達雄君 結局、被災者の中でやっぱりどうしても近くにいなければ困るとか、あるいは自分は遠くたって構わないよと、いろいろあると思うんですね。そういう実態というのが十分まだ把握されていないんじゃないかと思うんですけれども、いかがでしょうか。
#19
○国務大臣(小里貞利君) 今、局長が答弁申し上げましたように、先ほど私が説明いたしましたいわゆる五万六千戸の中の二万六千戸、その二万六千戸の中で公営住宅というのが一万六千六百でございますか、これが先生御指摘の兵庫県外なんですね。とりあえずこれを間に合わせようということで緊急にそろえたわけでございますが、これは率直に申し上げまして、日がたつに従いまして、住宅を希望せられる方々のその同じ希望の中でも、どういう位置で、どういう程度の住宅を要求していらっしゃるのかというその辺の調査の精度が高まってくるに従って、おっしゃったように自分が苦労して建てた家あるいは育った家、あのふるさとの地域に帰りたいという傾向が確かに見えてきておることは事実でございます。
 したがいまして、先ほど申し上げましたように、仮設住宅三万戸計画したけれども、これではなかなか現品調達がおくれるので別途に八千戸を、個人の家をお借りして、あるいは民間マンションを借りて、それでも仮設住宅の取り扱いをするからお受けしようという対策を打ったのも実はそういうゆえんなるものを理由にいたしておるところでございます。
#20
○清水達雄君 それで私は、避難住民に対しまして、これは各所に非常にばらついておりますけれども、自分の命まで住んでいた家が危険度がない、それからライフラインも復活するということになると、今は避難所にいるけれどももう家に帰るよという人もおられるだろうし、それから近く設住宅なり公営住宅でなきゃだめだという人とか、遠くでもいいとか、そういう実態の調査をやっぱりやるべきではないかなと。そうすることによって本当の意味の必要総量もわかるし、それがどういう配置なら応じられるかということにもなると思うんですね。
 そういうことをぜひやっていただきたいことと、それから三月までそこにいろと言ったって無理ですから、時々は骨休みにどこかの公的なり民間のいろんな宿泊施設とかそういうところにも行って一息入れてくるとか、やっぱりそういう対策をとってやらないとみんな精神的に参っちゃうと思うんですね。そういうふうなことにつきまして、もう時間もありませんから御答弁は要りませんけれども、ぜひそういうことをやっていただきたいというふうに思うわけでございます。
 それから次に、被災地区の面的復興の問題についてお伺いしたいと思うんですけれども、二月一日、きのうですか、建築基準法八十四条の被災市街地における建築制限規定の適用というのが神戸市と西宮市で行われたわけですが、これの期間延長の問題も我々与党の災害対策本部などで議論もしていたんですけれども、しかしそれはしないと。そうではなくて新しい復興の仕組みに乗っけるんだと。つまり、三月十七日まで最大限延ばせますけれども、それまでに新しい復興の制度に乗っけるんだというふうなことのようなんですけれども、これは本当にそういうことができるんでしょうか。その辺についての見込みみたいなものをお伺いしたいと思います。
#21
○説明員(澤井英一君) 御指摘のように、二月一円から神戸と西宮で基準法の八十四条の建築行為の制限が実施されております。今後、地元の公共団体では市街地の、面的な整備事業の実施に向けまして必要な準備が進められていくということで、建設省としてはこれに万全の支援をしていくということが基本的な構えでございます。
 その際、現行の土地区画整理事業とか再開発事業とか、これは手順としてはまず区域を都市計画決定いたしまして、その後、事業計画、それから事業の実施と、こうなっていくわけでありますけれども、そういった計画、事業手法では必ずしも十分に対応できないという問題点がありますれば、地元公共団体と十分な連携をとりながら必要な措置をさらに検討してまいりたい、こういう構えでおります。
#22
○清水達雄君 要するに、特別立法の問題も含めまして新しい復興の制度といいますか、既存のものあるいは新規立法でもしかすればつくらなきゃならぬもの、そういう仕組みに乗り移っていけるから、だから三月十七日まで当面の私権制限的な建築規制というのはそれで十分だというふうに考えていいわけですね。
#23
○説明員(澤井英一君) 一カ月延長いたしますれば三月十七日ということになりますが、それまでに都市計画に移行していくということを地元が一生懸命これからやるわけですから、建設省としてもそれに万全の支援をしてまいりたいということに尽きると思います。
#24
○清水達雄君 それで、面的復興をやる場合には区画整理事業とか都市再開発事業とか住宅地区改良事業とか、いろいろそういう面的事業手法はありますが、これをどういう仕組みでやったらいいかというのは、地元の地域住民、地区内住民等の関係等においてなかなか難しいと思うんです。三月十七日ぐらいまでの時点にそれが決まるというのは非常に難しいんじゃないか。
 そうなりますと、特別立法なんかで、面的整備促進事業というのか、何かそういったふうな区画整理になるのか、再開発になるのか、地区改良事業になるのか、いずれかをその後検討して決めるといったふうなたぐいの仕組みということがどうも必要なような感じがするんですけれども、そういう点についてはどうお考えですか。
#25
○説明員(澤井英一君) 地元市におきましては、八十四条の制限の指定に際しまして、一定の事業を想定して指定しているというふうに理解しております。
 事業を本格的に実施するまでには、都市計画事業でいいますと、まず都市計画決定をいたしましてそこで区域を決める、その後さらに必要な調整を進めて事業計画を決めるという次の段階もございます。
 そこで、区画整理であれば、換地計画を定め、そういったことと並行しながら事業を実施していく、こういう手順を経てまいりますので、想定される流れといたしましては、まずは区域を決める。それまでにもちろん地元との調整をしながらやっていくわけでありますけれども……
#26
○清水達雄君 僕が聞いているのは、そういうことを言っているんじゃなくて、三月十七日までに区画整理とか再開発とかという事業の種類が決められるかということを聞いているわけです。
#27
○説明員(澤井英一君) ということを決める前提でこれから進んでいくものと思います。
 なお、そういったあたりも含めまして、現行の対応で十分かどうかということを含めて、これからさらにまた一生懸命検討していきたいというふうに考えております。
#28
○清水達雄君 それで、そういう面的事業をやっていくために、災害に強い町づくりをやるというためには、オープンスペースの確保であるとかインフラの整備だとか、あるいは災害に強い建物をつくるということが必要になってくるわけですね。
 私も被災前の状況については余りよく知らないんですけれども、狭小宅地に小さい建物がいっぱい並んでいるというふうなものがそのまままた新しくできたんじゃどうしようもないわけで、そうすると、例えば住宅なんかについても区分所有の共同建物を建てるとか、あるいは店舗等についても同じようなことをやらなきゃならぬかもしれない。
 そういうことを考えますと、やっぱり土地を買えるものはできるだけ買うということが必要なんですね、そういう面的事業をやるためには。その場合に、土地を買うのに、譲渡所得課税が高ければこれは非常に売りにくいし、買えないということになりますが、例えば大都市法の区画整理促進区域が指定されたときに、土地の譲渡所得課税というのは現行制度ではどういうふうになっておりますか。
#29
○説明員(福田進君) お答えいたします。
 被災土地を譲渡した場合に特別な措置を講じるべきではないか、こういった御主張じゃないかと思いますけれども、今御指摘のございましたように、現行の土地譲渡益課税制度におきましては、先生御案内のように、例えば居住用財産であれば特別控除、軽減税率等の適用がされます等さまざまな特例措置がございます。今御指摘の措置も含めてさまざまな特例措置が講じられております。そうした現行制度をまず最大限活用していただくことが重要であると考えております。
 いずれにいたしましても、この税制上の措置について、私どもといたしましては、今御議論されておりますような被災地域の復旧に関します他の施策との平仄をもとりつつ、総合的に検討してまいりたいと考えております。
#30
○清水達雄君 どうも答弁が具体的な答弁になってないんですよね。大都市法というちょっと略称して言っていますが、これで区画整理促進区域というのを指定しますね。これは要するに地区を指定するだけでいいと思うんですけれども、そういうことになった場合に、例えば千五百万円の特別控除制度があるようですけれども、そういうのが適用される。あるいは軽減税率ですね、譲渡所得課税の軽減税率が適用されるとか。これは居住用資産じゃなくて、例えば店舗、従前の建物が店舗であったというふうな場合にどういう税制になるかということを聞いているんですよ。
#31
○説明員(福田進君) 土地譲渡益課税の制度について若干御説明を申し上げますと、御案内のように、収用交換等の場合には五千万の特別控除がございます。それから居住用財産を譲渡した場合の譲渡所得については三千万の特別控除がございます。それから特定の土地区画整理事業等のために土地等を譲渡した場合、譲渡所得については二千万の特別控除がございます。そして、今一千五百万の特別控除のお話が出ましたが、特定住宅地造成事業等のために土地等を譲渡した場合には一千五百万の特別控除がございます。
 今御指摘のところは、ちょっと法律名、具体的でございませんので違っているかもしれませんが……
#32
○清水達雄君 軽減税率の適用については、現行の軽減税率制度に乗っからないとだめということですか。
#33
○説明員(福田進君) 軽減税率の特例につきましては、優良住宅地の造成等のために土地等を譲渡した場合にはこの軽減税率の特例が適用されます。
#34
○清水達雄君 従前の建物が店舗であった場合も、いわゆる優良住宅建築地の軽減税率の制度が適用されますか。
#35
○説明員(福田進君) 土地の有効利用の促進の一環といたしまして、優良な建築物の建築をする事業を行う者に対する土地等の譲渡をする場合には、これはその軽減税率の適用になっております。
#36
○清水達雄君 恐らく優良な建築物の建築が行われるかどうかというのはわかっていないんですよね、その段階では。区画整理促進区域を指定したという段階では、どういう建物がどういうふうに建つかということはわからないわけですよ。
 それで、この辺を十分検討していただいて、やっぱり事業計画がきちっとする前にも、少なくとも特別控除と軽減税率の適用と両方が適用されないと土地はうまく買えないんじゃないかという感じがしますので、ぜひそこのところを検討して、必要ならば特例法の中に書き込んでいただきたいというふうに思うわけでございます。
 それから、今まで仮設住宅とかあるいはケミカルシューズ工場の事業場とかいうものについてはいろいろ話が出ておりますけれども、商業地区についてはやっぱり仮設店舗をつくらなきゃいけないと思うんです。これは飲食料品店とかいろんな業種もあるわけで、私も以前、土地区画整理事業をやっている中で三百店舗ほど店舗が火災になっちゃった場合に担当していたことがあるんですが、これは直ちに県営の仮設店舗をつくったことがあります。そうしませんと、道路端で商売をやるとか、あいているところがあったら行ってそこへ掘っ立て小屋をつくっちゃうとか、もうすぐさまそういうことが考えられますので、やっぱり仮設店舗もつくらなきゃいけない。
 これについて、これは事業が始まればその事業の制度の中で仮設店舗がつくれるという話があって、神戸市長も、この間私が行ったときに話を聞いたら、区画整理事業の中で仮設店舗はつくりたいというような話をしていましたけれども、そこに至るまでの間にやっぱりそれは必要だろうと思うんですが、こういうものの対策についてどういうふうにお考えになっているか、これは小里大臣にお伺いいたします。
#37
○国務大臣(小里貞利君) なるほど仮設店舗あるいはまた仮設工場等々あろうかと思うのでございますが、前段の方はまだ話を詰めておりません。話題にはなっております。それから仮設工場の場合には、御案内のとおり高度化資金を運用いたしまして、九〇%融資をし、二十年間無利子、そういうことは決定をいたしましたが、前段の方はもう少し詰めてみたいと思います。
#38
○清水達雄君 それで、この前私が神戸市長にお話ししたときに、被災地の中には仮設店舗はつくりたくないみたいなお話がありました。だけどこれは、店舗というのは恐らくそうはいかなくて、被災地の中に私はつくらざるを得ないと思うんです。むしろ被災地の中につくった方がいいんです、ああいうものは。それで本格建築するときに取っ払っちゃえばいいわけですから。私の今までの経験からいうとそういう感じがいたします。この点につきましても今後十分御検討をいただきたいと思います。
 それから次に、公共施設関係の復興の問題についてお話を伺いたいんですけれども、まず道路橋の耐震基準の問題でございます。
 これは、道路橋につきましては鉛直震度は原則として考慮しないという耐震基準になっているわけですが、今度の阪神高速の倒壊とか橋脚の座屈とかというのを見ますと、新聞によっていろんなことを書いてありますけれども、例えば上下の引っ張りの強度に耐えられなかったとか、あるいは上下の地震波の伝わり方で中間部に非常に加速度が増幅されていたとか、いろんなことが新聞なんかに書いてあるんですが、こういうところはこれは十分解析が必要と思うんですけれども、一体どの程度の時間をかけてこの耐震基準の見直しの答えが出るのかということが一点。
 それからもう一つは、阪神高速の下に四十三号線という国道があるわけですね。これが一つの柱であればかなり車線をとれていたんだけれども、今度は両側に二本の柱を立てなきゃいかんよということになると、もう車が走る幅員が非常に小さくなっちゃうわけですね。そうすると、拡幅が必要になるよということになると、これは復興計画にも大いに関係があるので、この辺について早く私は結論を出す必要があると思うんですけれども、建設省のお考えを伺いたいと思います。
#39
○説明員(井上靖武君) 第一点目の耐震基準の見直しはいつごろ出るのかということからお答えいたします。
 我が国の道路橋につきましては、従来から関東大地震や新潟地震などの経験を生かしながら技術基準を定め、関東大地震クラスのまれに起こる大きな地震に対しても落橋が生じないことを目標に整備を行ってきたところでございます。
 今回の地震では、震度七という我が国未曾有の大きな揺れが生じたとは申しましても、高架橋が落橋するという大きな被害が発生しましたことを非常に重く受けとめているところでございます。そのため、建設省におきましては、地震工学、橋梁工学などの専門家から組織しました道路橋震災対策委員会を設けたところでございまして、この委員会におきまして被災原因の徹底的な究明を図り、必要な対策をこれにより講じていくということで考えております。委員会の方にはできる限り早急に結論をまとめてもらうようにお願いしているところでございます。
 それから第二点目の、こういった見直しとかに絡んで四十三号線の拡幅等の必要が出てくるのではないか、それを早急に結論を出すべきであるということでございましたけれども、これにつきましては、まず状況を説明申し上げますと、現在、国道四十三号線は幅員五十メートルでございまして、その上に幅員二十メートルの阪神高速神戸線を収容した構造でございます。
 阪神高速神戸線につきましては、先ほど申しましたように、できるだけ早期に復旧計画を固めまして設計に取りかかることにしておりますが、国道四十三号線をその際に拡幅するかどうかは、沿道地域を含む地域の振興計画が今後具体的に取りまとめられることになろうと思いますので、そういった地域の意向等を踏まえまして適切に対応してまいりたいと考えております。
#40
○清水達雄君 それから、運輸省に二点ほどお伺いしたいと思いますけれども、神戸高速鉄道の大開駅というところで、要するに地下鉄の天井がおっこっちゃって、道路が物すごく陥没をしているわけです。こういうことはどうもオープンカット工法でやったところについてこういったふうな被害が大きいというふうなことも出ておりますし、そういう点を踏まえて地下鉄の復興、再建をどういうふうにしていくのかという問題が一つ。
 それからもう一つは、我々はポートアイランドに行ったんですが、港湾の埠頭に非常に被害があるんですけれども、これは埠頭公社が管理をしているということで災害復旧の補助規定がないということになっておりまして、これはどうしたって公的補助をやらなきゃ復旧なんかできるはずはないと思いますので、これは当然特例法の中等に盛り込まれるものと思いますけれども、この二点についてお伺いいたします。
#41
○政府委員(澤田諄君) 神戸高速鉄道のトンネル区間につきましてはすべて開削工法により工事を行っているところでありますが、そのうち今回被災いたしましたのは大開駅の損壊、大開駅から高速長田駅に至る約一キロメートルの区間のトンネルの中間柱の損傷等が発生いたしました。これらの地下鉄等の被災した箇所の復旧につきましては、早期の再開を目指しまして、現在個別被災状況に応じまして施工方法を含めた復旧方法についての検討を事業者自体が行っておりますが、私ども運輸省といたしましても、鉄道施設耐震構造検討委員会の検討を踏まえて、適切に復旧できるよう事業者を指導してまいりたいと考えております。
#42
○説明員(鶴野泰孝君) 御説明申し上げます。
 神戸港は我が国の国際海上コンテナ貨物の約三割を取り扱う国際貿易の重要な拠点でございます。その中で埠頭公社が、また埠頭公社のコンテナバースが七割以上取り扱っております。したがいまして、埠頭公社のコンテナバースにつきましては神戸港の復興の中でも極めて重要な事項であると考えております。被害状況の把握に努めているところでありますけれども、現在把握しております状況からも相当の被害が見込まれておりまして、御指摘の補助規定がないという点も含めまして、支援のための適切な措置を現在鋭意検討しております。
#43
○清水達雄君 時間がもうなくなってきておりますが、一つは中小企業に対する災害融資の問題なんですけれども、四・四五%で貸す、あるいは非常に被害が大きい場合、七割以上がなんか被害が大きい場合は三%で貸すというふうなことになっておりますが、これではとても無理ではないか、中小企業の復興はなかなかこれではうまくいかないんじゃないかということが一つ。
 それから、住宅金融公庫の融資について四・一五%の利率で貸すということになっておりますが、従前借りていた債務もあり、さらにその上に新しい住宅の債務というふうなことになるとこれもなかなか難しいということもあって、私はかなり思い切ってこの利率を引き下げる必要があると思いますが、それぞれ通産省、小里大臣、よろしくお願いします。
#44
○国務大臣(小里貞利君) まず、私の本部長としての立場から申し上げまして、事務的にはまた答弁あろうかと思いますが、まず三%、これは実は三日ぐらい前から率直に申し上げまして非常に悩んでおるところでございます。通産大臣とは私は意見の一致を見ております。中身は先生のおっしゃるとおりです。今、大蔵大臣、大蔵省と詰めておるところでございますが、まあ三%というのはこれは実態に沿わないので何とかしなさいと非常に強く今交渉をいたしております。
 以上です。
#45
○説明員(玉木昭久君) 中小企業者に対しましては、従来の激甚災害に係る融資よりも、四・四五も、財政投融資の原資金利を下回る金利、あと三%も思い切った特例措置を実施しているところでございますが、今御指摘のように、被災中小企業者等からさらなる低利融資等の要望があることは私どもも十分承知しておりますので、それを十分踏まえて今後とも検討してまいりたいというふうに考えております。
#46
○清水達雄君 住宅の方。
#47
○説明員(坂田隆史君) 住宅金融公庫の災害復興住宅貸し付けにおきましては、御指摘のとおり、現在四・一五%の金利、三年間の元金据え置き、償還期間の延長の措置を行っております。激甚地域については据置期間中の金利をさらに三%に引き下げるという措置も講じております。また、従前の借り入れにつきましては、罹災の程度に応じまして、払い込みの据え置きでありますとか、償還期間の延長でありますとか、据置期間中の利率の引き下げ等の措置を講じているところでございます。
 金利の水準、まだ十分低くないではないかという御指摘でございますけれども、地方公共団体の中には公庫貸し付けに対します利子補給や上乗せ融資を行っているところもございまして、こうした地方公共団体の施策との連携を図りながら、公庫についても、一定の限界はございますけれども、その制約の中でできるだけの措置を講ずるように検討を行いまして、被災された方々の負担軽減に十分配慮してまいりたいと考えております。
#48
○清水達雄君 小里大臣から中小企業関係の融資について大変御努力をなさっているというお話を伺いましたし、それから住宅につきましても、これは何も国だけでやれと言っているわけじゃありませんで、公共団体と連携をとって、低い金利で復興が早く進むようにぜひともお願いしたいと思います。
 小澤国土庁長官にも危機管理絡みのお話も伺いたかったんですが、時間もございませんので、申しわけございませんがこれでやめさせていただきます。
#49
○松谷蒼一郎君 自民党の松谷でございます。
 初めに、このたびの震災でお亡くなりになった方々の御冥福を祈り、そしてまた被災者の方々にお見舞いを申し上げます。
 一月十七日に地震が発生をいたしましてもう既に二週間以上たったわけでございますが、やはり現在最も要望されておりますのは住宅の供給であろうというように思います。
 ところが、住宅供給につきましては、先ほど小里大臣からいろいろとお話がございましたが、応急仮設住宅は厚生省が担当し、公営住宅等は建設省ないしは地方公共団体が担当する、あるいは借り上げについては住宅・都市整備公団と、いろいろと組織が多岐に分かれております。いろいろ伺っておりますと、なかなかその辺が混然として、きちっとした供給の形をなしてないんじゃないかというような心配があるのでございます。
 これは通告はしてなくて大変申しわけないのでございますが、せっかく小里大臣がいらっしゃいますのでお伺いしたいんですが、住宅供給については、やはり地方公共団体と一体となって一元的な供給ないしはその供給についてのPR、これをやって、そして被災者の方々に安心感を与える。この間、住宅の抽せんに外れた人がテレビに出ておりましたけれども、もう生きる心地もない、そういうようなことが出ておりましたが、そうじゃない、あと二カ月もすれば必ず住宅は供給するんだというような、やはり政府が信頼感を与える必要があると思うんですが、そういった一元的な供給等について大臣の御見解を伺いたいと思います。
#50
○国務大臣(小里貞利君) まず、御心配いただいておりますこと、感謝申し上げます。
 すなわち、この地震の緊急な政府の対応、機構、姿勢の問題でございますが、お話しのとおり、私どもは平素の縦割り行政を排除いたしまして、また一体となりまして取り組まなければならないことはもうおっしゃるとおりでございます。また、正真正銘、担当大臣が設置されまして、各省庁深い御理解とそして旺盛な熱意をお示しいただきまして、この担当大臣の特命室のもとに各省庁から幹部の皆さんお集まりをいただきました。全部で三十名前後でございますが、その中の約半数は現地の方にもまた行き来をするというような体制でございます。その方々がもうまさに不眠不休で、一元化いたしまして情報をとり、対策を練り、知恵を絞ってやっていただいておりまして、大変私の立場からいたしますと感激もいたしますが、また皆様方もそういう気持ちにこたえなけりゃならぬと思いまして、みんなと一体となって取り組ませていただいております。
 なおまた、その特命室におきまして皆さんが協議されましたことは、もうそのまま各省庁に連絡をとり、あるいは帰られまして、上は大臣から一体となって取り組んでいただいておりますから、極めてと申し上げていいんじゃないでしょうか、有機的に、そして有効に合理的に促進をいたしております。決してやっておりますことが中身として十分であるという意味で申し上げておるのではございませんでして、御理解をいただきたいと思います。
 それからもう一つ、最後にお話がございました、仮設住宅の申し込みの長蛇の列を見たが本当にお気の毒じゃないかというお話でございますが、まさにそのとおりでございます。テレビ討論会等でも何回も指摘をいただきました。それは早速知事さんとも相談をいたしまして、かようなことは一切省略をして、ひとつ簡易、郵送の方法でやろうかと、そういう問い合わせが結論として一昨日知事から直接参りましたから、どうぞそうしてくださいと。一定のマニュアルは簡単なものをつくりますけれども、極端に言いますとはがきでいいですと。普通ならば、行きまして一々面倒くさい手続をいたしますけれども、もう郵送、簡易手続で結構ですと、そういうことも御返事申し上げまして、一昨日の知事の宣言になったいきさつがございます。
 そのような話も早速厚生省あるいは建設省とそれこそ数分間のうちに話をして、即決するものは大胆に即決をしてそして事を運んでおると、そういう事情でございますので御理解をいただきたいと思います。
#51
○松谷蒼一郎君 今のお話では大変改良されているということで心強く思っておりますが、やはり大変な数の被災者用住宅についての供給でありますから、それについてはいろいろと入居事務が大変だというふうに思うわけですね。
 それと、やはり単なる抽せんではなくて、できるだけ弱者対策といいますか、高齢者の方とか身障者の方あるいは乳幼児を抱えている母子、そういう方々を優先的に入居させていくということが大事だと思うんですが、そういうことのためにも、入居の事務が非常に複雑であろうというふうに思います。そのためには、住都公団がこういった入居事務についてはすばらしいノウハウを、経験を持っているわけでございますから、住都公団を大いに活用していったらどうかと思うんですが、いかがでございますか。
#52
○説明員(小平申二君) 被災者の方々に対しましては、既設の公営住宅ですとかあるいは公団住宅等の空き家に段階的に入居していただくための事務につきまして、地元市町村によって実施していただいているということでございますけれども、災害のためにその体制が十分に確保できない面もあるというのは御指摘のとおりだと思います。
 そのために、現在、公団といたしましては約五十人の職員を派遣いたしまして、受付とか応募等の事務の執行について支援を行っているということでございます。今後とも入居が円滑に進むよう支援してまいりたいというふうに考えております。
#53
○松谷蒼一郎君 今回の震災で非常に特徴的だったのは、かわらぶきの古い木造住宅が非常に多くの被害を受けた。そのことは、東京に翻って考えてみますと、江東区とか台東、区とかあるいは葛飾区とかいうような、いわゆる下町地区においてもかわらぶきの古い木造住宅が密集をしているわけでございますね。同じような地震が関東に来た場合はまた同じような震災を受けるんじゃないかと非常に憂慮をしているわけですが、特にかわらぶき木造住宅が危険なのかどうか。よく巷間にはプレハブ住宅は大丈夫だったとか、ツーバイフォーは大丈夫だったとかいうように聞いておりますが、その点いかがでございますか、建設省から。
#54
○説明員(稗田祐史君) 今回の震災で兵庫県下の住家被害は、消防庁の発表によりますと、全壊、半壊及び一部破損した住家の合計が一月三十一日現在で十万四千八百八十六棟であると報告されておりますが、そのうち戸建て住宅の工法別の被災状況は把握できない状況でございます。
 今回、木造住宅に被害が多いと言われておりますが、これは先生御指摘のように、震災を受けた地域が戦前及び戦後間もなく建てられた木造住宅の密集した市街地が多かったこと、被害を受けた住宅が土ぶきがわら、土塗り壁等の古い時期に建築されたものが圧倒的に多いことなどによるものと考えております、
 工法別の問題でございますが、住宅展示場には各種工法の住宅が展示されておりますが、今回の震災を受けた地域のうち、神戸市三カ所、西宮市ニカ所の住宅展示場では住宅の被害は認められていないかあるいは非常に軽微な被害でとどまっておりまして、最近の建設基準に基づいて建設された住宅については、木造軸組み、ツーバイフォー及びプレハブ等の工法間で耐震性の差はないものと考えております。
#55
○松谷蒼一郎君 そうしたら、新しい住宅、建設年度が同じようであれば特に木造住宅が危険ということはないわけですね。
#56
○説明員(稗田祐史君) さようでございます。
#57
○松谷蒼一郎君 せんだっての新聞にも、木造住宅の関係団体からそういうような抗議があったというふうに聞いておりますが、やはり木造住宅振興のためにもこのことは極めて重要なことでありますので、十分調査をされて、木造住宅が危険なのかどうか、他の工法に比べてどうかとかいうようなことについてもできるだけ早い時期に発表をしていただきたいというように思います。
 次に、今回の地震では鉄筋コンクリートの建物、マンション、ビル、そういうようなものが倒壊をして私たちもびっくりしたわけでございます。特に、七、八階建てのマンションで真ん中の階が座屈というかなくなってしまうような、そういうような倒壊の仕方とか、あるいは全く予期もしないような全壊をしたとか、そういうような結果を見たり聞いたりしているわけでございますが、これはやはり建築基準法で関東大震災程度の地震については十分安全であるという現行の規定が誤っていたのかどうか、その点について伺いたいと思います。
#58
○説明員(羽生洋治君) 今先生御指摘のように、今回の震災によりまして多数の木造住宅が崩壊したのを初めとしまして、鉄筋コンクリート造や鉄骨造の中層建築物にも倒壊したものが見られるなど大きな被害が生じております。また、比較的新しく建築されました大規模な建築物が倒壊したという報告は今のところ受けておりませんが、すべての被害の詳細につきまして今後の調査を待たなければならないというふうに思っております。
 また、発生した被害を見ますと、今先生御指摘のように、建築物の位置や建築の時期そして規模、構造などによって極めて多種多様であるというふうに思われますので、さまざまな角度から徹底的にその原因を究明して、今御指摘の現行の建築基準法の耐震性の基準につきましてのチェックも行いまして、今後人命に被害が生じないようにしていくことが重要だろうというふうに思っておる次第でございます。
#59
○松谷蒼一郎君 現行の建築基準法では水平力に対する強度の算定しかしていないんですね。ところが、今回の地震では最初にどおんと来て、縦揺れの波があったと。縦揺れについては現行建築基準法では全く想定をしていない。ということは、やはり今後縦揺れについても震度規定を見直して建設基準を見直すべきではないかというような意見を出されている専門家の方もいます。
 それと、建設基準を早目に見直さないと、これからいよいよ小里大臣の指揮のもとに復興が始まるわけですね。その復興する建物、これは一体どういうような基準によって建てていくのかということが必ず問題になってくるわけですから、そんな余り悠長なことは言えないんで、今回の地震がどういうような震動で建物が崩壊していったのか、これに対してどういうような震度規定を考慮していったらいいのか、あるいは法律の改正はどうしたらいいのかということを早急にする必要があると思うんですが、いかがですか。
#60
○説明員(羽生洋治君) 今御指摘のような点につきましては、現行の建築基準法で直接縦の震動に対する規定は設けておりませんけれども、水平力に対します規定を設けておりまして、その中で当然縦の震動に対する安全性も考慮されるということになっております。
 いずれにしましても、もう一つは今度の縦の地震動がどの程度の大きさであったか、いろいろな御意見があるようでございまして、現在、その点につきましても解明が進みつつあるということのようでございます。
 そういうことで、今回のそのような実態を、徹底的にその原因を究明していくことがまず先決ではないかというふうに思っておりまして、そういう意味で一月三十一日に、これまで応急的に建物の診断等をやっておりましたが、この時期になりまして、地元の迷惑にできるだけならないという時期で調査委員会もスタートさせまして、今、先生御指摘の問題も含めまして徹底的な原因究明をして、その後のチェックに誤りのないようにしていきたいと考えております。
#61
○松谷蒼一郎君 時間がございませんので、次に移ります。
 現在、雲仙岳災害につきまして、長崎県では雲仙岳災害対策基金を設けまして、それによって被災者に対する諸般の事業を実施しているわけですが、その資金はどういうような形で構成をされ、対策がどういうふうに実施されているか、長官からひとつ。
#62
○説明員(陶山具史君) お尋ねの雲仙岳災害対策基金でございますが、総額が現在六百三十億円となっております。
 その原資でございますが、県からの出資金が三十億円、同じく県からの貸付金が五百四十億円、それから義援金が六十億円という内訳になっております。
 このような原資でつくっております基金で行っております事業といたしましては、行政では対応しにくいきめ細かな対策を弾力的に行っているところでございまして、具体的には生業維持資金の利子補給等住民等の自立復興を支援する事業、農林水産業に係る災害対策事業及び復興事業、それから商店街の活性化、観光振興事業、その他災害対策、復興振興事業が挙げられておりまして、復興に向けて着実に事業が実施されていると聞いております。
#63
○委員長(陣内孝雄君) 時間が参りましたから、最後にしてください。
#64
○松谷蒼一郎君 今回の阪神大震災についても同じような基金構想があるというように承っておるのでございますが、これは小里大臣の方かと思いますが、震災の規模が非常に違うというのと、それから、震災の形が雲仙岳の場合には長期継続型であります。そういうように形状も違っておりますが、これらについて政府としてはどういうようなお考えでこういった基金対策を講じられるのか、ちょっとお伺いしたいと思います。
#65
○国務大臣(小里貞利君) その前に、ちょっと時間が先生もないようでございますが、ちょっと答弁漏れがございますのでよろしゅうございますか、先ほどの分も一言。
 先生の方から大変大事な御質問をいただいたと思っているんです。復興がどんどん計画が緒について始まっていくが法体制の整備はどうなるのかという御質問でございましたが、御案内のとおり早速緊急立法プロジェクトチームを編成いたしまして、目下各省庁の官房長級にお集まりをいただきまして鋭意検討を進めております。
 したがいまして、復興計画は、御承知のとおり地元の市あるいは県等が主体的に立てていきます。これはもちろんのこと、先生おっしゃるように、防災性の高い、明るいたくましい町づくりということが基本理念でございましょうけれども、長期的ビジョンのもとに各種の事業を戦略的に進めるために、いわゆる復興のための基本方針、これが三月いっぱい、そして六月いっぱいで基本計画を立てようというあらましの日程も持っておいでのようでございます。そのように各種のすそ野の広い復興事業が計画され進められていきますから、これに対しまして法体制が手おくれにならないように、緊急性を持ったものから順次整備いたしまして、そして対応しなければならない、そのような考え方でございます。
#66
○委員長(陣内孝雄君) 簡潔にお願いいたします。
#67
○国務大臣(小里貞利君) それから、後からお話がございました基金の問題でございますが、率直に申し上げまして、雲仙の場合とは災害の規模などの面におきましても相違するものもございますので、その基金の具体的な内容等については地元地方団体のニーズ等も十分勘案しながら目下調整協議をいたしておる、そういう状況でございます。
#68
○委員長(陣内孝雄君) もう最後にしてください。
#69
○松谷蒼一郎君 それでは最後に、長官、今申し上げましたように、やはり災害対策につきましては当面やらなくちゃならないもの、それと中長期的に考えていかなきゃならないもの、こういうことの仕分けをいたしまして、きめの細かい政策であると同時にめり張りのきいた政策を法体制の整備とあわせてやっていただくことをお願い申し上げまして、私の質問を終わります。
#70
○本岡昭次君 社会党の本岡です。
 五千名を超す人々がとうとい命を落とされた兵庫県南部地震から、はや半月が過ぎました。今もこの時間、被災地では二十七万人に上る人々が寒さに耐えながら不便な避難所やテントでの十七日目の夜を迎えています。
 私は、質問に入る前に、亡くなられた方々に心から哀悼の意を表するとともに、被災者の方々にも心からのお見舞いを申し上げる次第であります。
 また、この時間にも被災地で官民を問わず救援と復旧のため不眠不休の活動を展開されている地元の各関係者の皆さん、外国から、また全国各地から駆けつけてくださった皆さん方に心からの敬意を表し、感謝を申し上げます。
 さらに、県内はもとより、全国の各階層、各組織から真心のこもった義援金、救援物資をいただき、本当にありがとうございました。地元出身議員として心よりお礼を申し上げる次第であります。
 それでは質問に入ります。
 質問の要旨は、史上初の激震に襲われ、五十年前の、私も経験しましたが、神戸・阪神大空襲を思い起こさせる惨状の真っただ中にいる被災者救援のあり方を中心に進めてまいりたいと思います。
 まず最初の質問は、被災者救済のために今までどのような特例措置をとってきたかということであります。
 小里大臣は、一月三十一日の本委員会における就任あいさつの中で、今回の地震は人的、物的に見て戦後最大の災害であると述べられた。また、二十七万人余に及ぶ被災者に対する住宅の確保など、被災者の立場に立った対策をとりたいとの決意も披瀝されています。まさに戦後前例を見ない大規模災害になっております。失わなくてもよかった命を失い、辛うじて命拾いをした人にも、しなくてもよい苦労を強いております。
 これまでの通常災害に比べ、被災者救済のためにどのような特例措置をとってこられたのか、まずお伺いいたします。
#71
○国務大臣(小里貞利君) 申し上げるまでもなく、既成の制度、施策はもう精いっぱい各省庁で今対応をいたしておるところでございますが、特に先生は、今次の災害で新しくとった措置といいますか、そういうところをひとつ述べると、こういうことだろうと思います。
 一つは、特例的にまず、十万円を限度といたしまして、特に必要な場合は二十万円でございますが、小口融資を行いました。それからもう一つは、仮設住宅の対処が、内容の仕組みにおきまして、あるいはその適用範囲におきましてことごとく際立っていた、このことが言えるのではないかと思います。さらばとて、決してこれが十分であるとは考えておりませんが、もう通常考えられなかったこと、例えば民宿でもいい、あるいはホテルでもいい、あるいは個人の家でもいい、あるいは個人のマンションでも仮設住宅の取り扱いをいたしますという、この点じゃなかろうかとも思います。
 あるいはまた瓦れき対策でございますが、先ほど話が出ましたように、まず復興の第一歩のところが瓦れきの解体であり搬送じゃなかろうか。しかしながら、公共施設の上にある瓦れきは大体五〇%前後あるいは足らずというところでありまして、そのほかに民有資産にかかわる瓦れきというものが過半数であるというところにこの大都市の瓦れきの特徴があった。大変な量でございますが、簡単に申し上げますと一千二百万トン。一日五千台トラックを出しましても、延べでございますが約四カ月かかります。東京ドームの約三十杯分、そういうような瓦れきでございます。これを国費をもちまして、民有地あるいは個人の住家、あるいは中小企業でも出資金一億円従業員三百人以下の企業でも対象にいたしまして、全部それらは公費で解体し、そして搬出をいたしますというところが特徴ではなかろうかと思います。
 なおまた激甚法の適用も、これも決して十分ではありませんけれども、とりあえず緊急措置に伴うものだけは即座にやろうということで、災害発生三日後に方針を決定いたしまして二十四日にきちんと措置をいたした等々であろうかと思います。決して十分ではございませんが、そのようなことが申し上げられると思います。
#72
○本岡昭次君 それでは、具体的な中身に入りますが、神戸市では、被災中小企業の救済のため、市が所有する工業団地四カ所に百十億円を投じて約四百社分の仮設工場を整備しようとしております。賃貸し期間は三年から五年、二月半ばに建設着工し、三月末をめどに入居希望企業を公募する計画を立てております。これは、壊滅的な打撃を受けたケミカルシューズ業者など中小製造業者の救済ではありますが、そこに働いていた約五万人の従業員、労働者の仕事場を守っていくという、生活の糧を確保するという重大な意味を持っていると、私はこう思っております。
 しかしながら、この仮設工場建設は激甚災害特別財政援助法の対象外なのであります。どうしても救助対象事業としていただきたいと地元は申しております。四面の中小企業者と、そこに働く五万人とその家族の生活がかかっております。
 小里大臣の一声、対象事業にしますという答弁をぜひいただきたいと思います。
#73
○国務大臣(小里貞利君) これは先生、いわゆる既成措置でもって対応をいたしたという形に一応はなっております。
 高度化資金適用、そして災害関連をかけまして九〇%融資を申し上げます、無利子でございます、そして二十年間。そういう一つの新しい緊急措置を決定いたしております。
#74
○本岡昭次君 そうすると、先ほど言いました激甚災害の対象とならなくとも同じ効果というんですか、地元としてはそれと同じ立場で仮設工場建設が進められる、こういうふうに理解していいんですか。
#75
○国務大臣(小里貞利君) 先生、あくまでこれは仮設工場の前提の話でございます。私が申し上げたとおりでございますが、何か今おっしゃるところはどこでございましょうか、ちょっとわかりにくくて。
#76
○本岡昭次君 神戸市でございます。
#77
○国務大臣(小里貞利君) もう一回、先生恐れ入ります。どうも質問の中身がちょっとわからないのでございますが、申しわけないです。
#78
○本岡昭次君 時間が少ないのに、それならもう一遍言いますか。
 神戸市が、被災中小企業の救済のために、市が所有する工業団地四カ所に百十億円を投じて約四百社分の仮設工場を整備しようとしておるんですよ。その問題を質問しておるんです。
 それについて、仮設工場建設が激甚災害特別財政援助法の対象外になっているのでその対象にしてくれという地元の要請にこたえてもらいたい、こう言っているんです。対象にするとおっしゃっていただければいいんです。
#79
○国務大臣(小里貞利君) これは先ほどもお答え申し上げましたように、もう既成の法律、制度をそのまま利用いたしまして、さらに先生のおっしゃる、言うなれば激甚災害であったからその分もかさ上げをいたしまして、私が先ほど申し上げたような措置をとった。したがって、無利子でございます、そして二十年間、そして九〇%の融資を申し上げますと、こういう措置をとったわけです。
#80
○本岡昭次君 いや、その中身じゃなくて、激甚災害特別財政援助法の対象にするというふうに言っていただければ、あと細かいことはまた別のところで詰めればいいんですよ。
#81
○国務大臣(小里貞利君) 先生、先ほど申し上げたのでございますが、激甚法を適用いたしました中小企業の復興事業の資金の融資は三%だと。先ほども指摘がありましたように、それを下げろとおっしゃるから、私もそれは下げようと思っていると言っておるようなところでございまして、先生のおっしゃる激甚法適用でいきますと、率直に申し上げまして、私どもが既成の制度を応用いたしまして今度災害に関連して上乗せしてとりました、すなわち先ほど申し上げました方がはるかにいいんじゃないかと、そういうふうに理解をするのでございますが。
#82
○本岡昭次君 はい、わかりました。もっと細かい点はまた別のところで詰めます、たくさん詰めたいことがありますので。
 それでは次に、罹災都市借地借家臨時処理法について伺います。
 報道によりますと、この罹災都市借地借家臨時処理法の適用をあす三日の閣議で決めると言われています。この法律の適用については、居住権の確保を私人間の権利調整にすりかえるということで、政治、行政の無責任体制ではないかという意見もあります。混乱に乗じて無権原者が旧借家権者を装って敷地を占有することもあり得るし、秩序的な復興の阻害になることも予想されるという意見もございます。
 私は、行政責任により、既存の公有地や新たな民有地買い取りを含めた敷地確保を通じて、低家賃公営住宅を大量に供給することこそ最優先すべきだと考えております。
 そこで以下、具体的にこの法の問題について質問いたしますので、簡単にイエス、ノーでお答えください。
 適用地域はどのように考えておられますか。
#83
○説明員(山本繁太郎君) 建設省住宅政策課長でございます。
 本法の適用地域を定めるに当たりましては、被害の状況それから建物とか土地についての権利関係に通暁しております公共団体、具体的には市町村でございますけれども、市町村の適用すべきかどうかについての判断に基づいて適用するというのが戦後の自然災害に適用する場合のこれまでのやり方でございまして、今回の災害につきましても同じ手続に沿って適用するという考え方で進めております。
 現在、ただいままでに大阪府、兵庫県それぞれを通じまして確認しております適用してほしいと申し出ております市町村、大阪府につきましては豊中市を含めまして十二市、兵庫県につきましては神戸市を含めまして十市十一町、合わせまして三十二市町に対して適用するということで作業を進めております。
#84
○本岡昭次君 適用する法律は現行法のままですか、あるいは一定の改正を行ってやりますか。
#85
○説明員(升田純君) ただいま御指摘の罹災都市借地借家臨時処理法につきましては、現在の法律をそのまま適用するということを考えておりまして、同法を改正するという考えはございません。
#86
○本岡昭次君 現行法の場合は、第二条で借家権者に認める敷地優先賃借権は本建築のためか、それとも当面仮設住宅を建てるといったような仮建築のためか、あるいはまたその上に非木造のコンクリート住宅、そうしたものも認めるんですか。
#87
○説明員(升田純君) 先ほどの罹災都市借地借家臨時処理法二条第一項に基づく建物所有の目的の賃借権につきましては、所有目的となる建物の種類についての限定はございません。したがいまして、同法上本建築あるいは仮建築という区別もございませんので、この点の建物という意義につきましては、民法あるいは借地借家法上の建物としての実体を備えるものであれば足りるということになろうかと思います。
 また、今御指摘のコンクリートづくりのような堅固な建物ではどうかという御質問でございますけれども、こういう建物も含まれる、こういうことになろうと思います。
#88
○本岡昭次君 第五条に定める期間十年が経過した後はこれはどうなるんですか。
#89
○説明員(升田純君) この点につきましては、実は、現在は借地借家法の適用があるわけでございますけれども、判例上、旧借地法六条、これは借地権の更新の規定でございますけれども、この規定が適用されるということになっておりますので、今回の震災によりまして認められる御指摘の借地権につきましても借地借家法の適用があり、期間の更新に関する規定が適用される、こういうことになろうかと思います。
#90
○本岡昭次君 この十五条に、借地条件等について地権者との争いにかかわる裁判の問題がございますが、これは現実的に裁判が起こったときに対応ができるんですか。
#91
○説明員(升田純君) ただいま御指摘の裁判と申しますのは、普通の訴訟と違いまして非訟事件手続法による裁判ということでございますので、やはり迅速な権利の調整という面で有効ではなかろうかということになりますし、また、今御指摘の条文の後にあります二十三条には民事調停制度の活用ということもございますので、これらの制度を利用いたしますと裁判所において適切な解決が図られる、こういうことが期待できるだろうと思っております。
#92
○本岡昭次君 最後に、やはり防災都市づくりというふうなことが大きな被災のあった都市では考えられていくんですが、そのときにさまざまな計画が進められると思いますが、その新しく進めようという諸計画との関係において摩擦が生じる、そのようなことはありませんか。
#93
○説明員(山本繁太郎君) 計画的な復興事業に対して本件を適用することが支障にならないかという御質問でございます。
 計画的な復興を行うために区画整理事業などを行おうという場合には、通常この事業制度に基づきまして建築制限が課されるのが常でございます。罹災都市借地借家臨時処理法の特例は、この建築制限があります場合にはこれに従うのでなければ適用されないという規定がございます。したがいまして、計画的な事業の遂行の支障にはならないというのが私どもの考えでございます。
#94
○本岡昭次君 どうもありがとうございました。また改めて別の機会にさらに詳細に質問をさせていただきます。
 次に、住宅の問題に入ります。
 今回の地震で家屋損壊が十万棟を優に超えるというふうなことで、住宅、財産を失った人が数多くございます。先ほども申し上げましたけれども、災害から既に半月も経過しておりますが、被災者は寒さと不安でなれない避難所やテント暮らしを強いられているわけで、これはもう肉体的にも精神的にも私は追い詰められた状態にあると見ております。
 避難所になっておりました神戸市の本山第三小学校の校長さん、私もよく知っているんですが、この方が文字どおり校長であって避難所の言うたらリーダー的な役割で、事件発生以来不眠不休の活動をしておられるんですが、この方があるテレビを通して訴えることにこういうことがありました。今もその映像が私の目に焼きついているんですが、こういうことをおっしゃったんです。
 たくさん言いましたけれども、この避難所におられる被災者の皆さんを難民にしたらいかぬと言うんですよね。私は、難民にしたらいかぬというこの言葉は物すごい意味を持っていると思うんですね。この繁栄した豊かな中で、ある局地的に難民的状況が起こって、そして早く避難所から出さなければ難民的状態になると、こう訴えられた。この一言は非常に重要な意味を持っておると私は見ています。
 難民にしてはならないと思います。避難所はあくまで災害直後の一時的に身を寄せる場所なんですね。一時的に身を寄せる場所なんです。長くいると難民化するということと同じ意味を持つと思うんです。一日も早く家族がともに暮らせる、最低、人間らしい生活のできる場所を確保してあげなければならぬと私はいつも夜になったら思うんです。
 宿舎の中心は申すまでもなく、先ほども議論がありましたけれども、仮設住宅であろうと思います。そこで、国土庁の資料をもとに質問をいたします。
 国土庁の資料によりますと、応急仮設住宅が一月三十日現在、設置計画目標約三万戸のうち発注済み一万一千百二戸で、うち六千九百七十三戸が着工済みと、こうなっております。大体二月の中ごろには次々とこの仮設住宅に入っていけると思うのでありますが、しかし神戸市が仮設住宅申込者を受け付けたところ、五万一千三百二十人というのが一月三十一日現在、神戸市だけで来ているのであります。もう既に三万戸を上回っております。
 そこで与党としては、計画目標を三万から四万戸に引き上げなければならぬのではないかということを与党災害対策本部長の久保さんがおっしゃっているわけですが、小里大臣、このことに対してはどうお考えですか。
#95
○国務大臣(小里貞利君) 先生が今御指摘になっておりますように、三万でよろしいのかどうか、ここだと思うのでございますが、実はけさほども閣議でその話が出ました。したがいまして、私どもは今おっしゃるその点も含めましてもっとひとつこれを具体的に詰めてみようということで、厚生省、建設省、自治省の大臣、私、四名含めまして、言うなれば検討チームをつくりました。そして、きょうの昼も関係会議をいたしました。
 あわせて申し上げますが、三十日に副知事さんあるいは神戸市役所の震災復興本部総括局長の山下さんに私がじきじき申し上げましたのは、三万でいいんですかということであります。大分入念な、一つのこの時点におきまして可能な限りの材料を持っておいでになりまして、相当詰めておいでになりました。
 それからもう一つは、これもできるだけ早く調達するという含みの話もいたしましたけれども、問題はこの三万が決して十分であるとは思わないが、あともひとつ必要なときにはお願いしますよ、こういうことでございます。
 したがいまして、それにこたえましたのが一昨日の知事宣言です。先生お聞きのとおり、仮設住宅希望者は全員受け入れますと、この宣言をやっていただいたんです。あの宣言は、実は直接知事から問い合わせが来ましたので、総理大臣、官房長官とも打ち合わせ、なおかつ厚生大臣、建設大臣の了解もいただきまして一応あの宣言をしていただいたわけでございます。大変、この三万をふやしますというそのふやす背景は、積極的に、なおかつ、またその算定根拠は慎重を要するところが相当な要素にわたってあることもひとつ御了承いただきたいと思います。
#96
○本岡昭次君 大変御苦労をおかけしますが、ひとつ頑張っていただきたいと思うのであります。
 そこで、住宅はそのほかいろいろあるわけでありまして、公営・公団住宅、これも関係者の大変な御協力をいただいて約二万六千百戸を一月三十日現在確保したと国土庁の資料にございます。しかし、この入居者は三千九十八戸と、こういうことで一割強の入居率となっておるんですね。大変これはもったいないと思うんですが、なぜこういう入居率なのか、今後どうされるのか。
#97
○国務大臣(小里貞利君) ですから、責任ある立場にある私がこれを申し上げていいのかどうかわかりませんが、せっかくの先生のお話でございますから率直にお答えいたしますが、実は五万六千の対応をいたしましたというこの住宅の中で、仮設住宅を引きました二万六千、この二万六千は先生お話しのように、極端に言いますともうすぐにでも入れる既設のもろもろの施設でございます。ところが、その数字がどうもすぱっと埋まってこないところに私どもがもうひと知恵を絞らなければならない一つの背景があると、こう思っております。
#98
○本岡昭次君 いや、知恵を絞らなければいかぬのですけれども、この一割強という実態をどうされますか。
#99
○国務大臣(小里貞利君) 先生は本当につぶさに現地の事情に詳しいお方でございますから申し上げますが、一つはやはり自分たちのふるさとに、自分たちの町に、自分のやかたがあったところにという、そういう傾向がこれはもう当然のことだと思うんですが潜在的に流れておられるのではないか、こういうことも実は感じております。
#100
○本岡昭次君 例えば労働省の施設であれば労働省の役人の皆さんが、厚生省のであれば厚生省の役人の皆さんが、どうもそういう個別にやって、それでどこかに窓口があるようなんですが、申し込みに来なさいじゃなくて、本当に避難所におられる方、テント暮らしをしておられる方とやはり個々面接をそこでひざを交えて、同じ目線で座って、どう、おばあちゃん、こういうところがあるんだが一緒に行かないですか、行ったらこうですよと言って、やはりそういう形でしてあげなければ、どこかに受付所があって、ここへ来なさい、それであなたはどこに行きますか、こことここがあるんですという対応では、せっかくそういういい住宅あるいは宿泊施設があっても、私は多くの人は避難所から動かないんじゃないか。そこにおると、たとえ握り飯でもラーメン一杯でも三度三度の食事が食べられるんですよ、最低の。
 ところが、動いたときに一体どうなるのかという問題に対する具体的なケアみたいなものが欠けている。それを市なり県の職員にやれと言っても、県や市の職員は目が血走っていますよ、ほとんどもう寝ていないんですから。だから、そういう方が現場へ行くと、おまえ何や市の職員やないか、県の職員やないかと、こうくるんですよね。そうしたら、またこうなる。
 だから、これはよほどそういうケアという形ができるケースワーカーのような方々にどんどん助けてもらって、そしてお年寄りの皆さんや、障害を持っておる皆さんや、あるいは乳幼児を抱えておられる家族とかいった、やっぱり対象を絞って個別にやっていくぐらいのきめ細かいことを早く、暖かくなる前にやっていただきたいということを要望しておきます、これは。
 それで、そのほかまたホテルあるいは旅館等もかなり御苦労いただいておるようです。また公務員宿舎、保養所、かなりそういうようなところをどんどんと開拓していただいて、避難所におられる方、テント暮らしをしておられる方の住宅確保の努力は本当に私は大変なものだとここで感謝をしたいと思います。しかし、そのホテルにしても旅館にしても、公務員宿舎、保養所にしても結局同じような状況があって、なかなかそこへ行っていただけないという、そこのところ最後の、一遍努力をお願い申し上げておきます。
 それで最後に、家屋が焼失、全壊で住めなくなって避難所やテントにおる方々にはそういう対応をしますが、いち早く自力でもって疎開をしたり、あるいは自力でもってどこかの住宅を借りたりした方もかなりあるわけなんですね。その人は避難所に行ってないわけです。その人は自力でやられたんだからどうぞとおっしゃるのか。その人たちへの手だては何かあるんですか。
#101
○国務大臣(小里貞利君) これはもう先生おわかりいただいておりまするように、確かに兵庫県域外に出ていかれました方々も相当数ございます。ここの分封は今のところ、正直申し上げましてまだ私どもの手が届かないところでございます。
 それからもう一つ、先生、仮設住宅あるから出てこいと、事業込みをしなさいというのは修正をいたしました。はがきで、はがきというのは言い過ぎかもしれませんが、簡易郵送で結構でございますと、こういうふうに修正をいたしましたので御理解いただきたいと思います。
 なおまた、個別の懐の中に飛び込んでいっていろいろその辺の広報啓発をしないかというお話でございますが、これは研究課題でございますから、前向きでひとつ検討させていただきます。ただ、事業主があくまでこの場合は市役所であるものですから、私どもはそれを積極的に支援を申し上げる、そういう立場であることも御理解いただきたいと思います。
#102
○本岡昭次君 それじゃ、次に移ります。
 避難所から仮設住宅に抽せんで当たる、あるいはまた仮設住宅希望者を仮設住宅に全部入れる、こういうことで頑張っていただいておりますが、しかしそのことが終われば次の問題が起こると思うんです。
 それは、仮設住宅に入ったらその人たちはそこで生活せないかぬということが起こります。住居費は免除になりますが、三度三度の食事、今までは救援ということでいただいておりましたが、今度は自分でおかずを買い、米を買いして生活する。しかし、仮設住宅の中には別にそういうものが全部調っておるわけやない。家具をまず買わなければならない。要するに、丸裸になった人たちですからすべてゼロからやっていかないかぬわけですよ。生活必需品そのものを調えないかぬ。結局、当座の生活資金というものをどうするかということが要ると思うんです。今までは着のみ着のままというのが、これ一つの避難ですよね。
 次は、生活をするという場合に、その生活資金を確保するという問題について、これが確保をできない人、生活の糧を絶たれた人、収入の道を閉ざされてしまった人、この人たちは義援金のほか何か給付というふうなものが、給付ですよ、貸し付けや融資じゃないですよ、給付というものがあるんですか。
#103
○国務大臣(小里貞利君) 給付といいますと、これはまあ率直に申し上げまして、ございません。
 ただ、先生が非常に心配なさっておられる当面の、ここ一両日と申し上げますか、生活資金、これは十万円、ひどい人は二十万までは面倒見ます、そして生活援護資金というような意味におきまして三百五十万まではお貸し申し上げますと、そういう制度でございます。
#104
○本岡昭次君 災害弔慰金の支給等に関する法律というのがございまして、今大臣がおっしゃったように、その中に災害援護資金の貸し付けというのがございます。この災害弔慰金の支給等に関する法律というのもこれも議員立法として、亡くなられた佐藤隆議員ですか、この参議院で、自分の家族もその災害によって亡くすということの中から、天災だ、自然災害だといってとうとい命が失われたときに、ただそれは失った者が悪いんだとは言わないけれども、何にも国が給付できないという、一体そんなばかなことがあるかということで議員立法でできたのがこれですよね。国の側から、政府の側からは現在の法体系の中では個人に対しては出せないということで、議員立法としてつくられたものなんですよね。
 それで、そのことは弔慰金とかあるいはまたけがをした人のと、こう出てきましたね。それで、災害援護資金の貸し付けというふうなものもその中に加わってだんだんと充実して、金額もそのたびに改定されて、今おっしゃったように三百五十万までなったということになっておるんですが、しかしそれとても貸し付けですから返さにゃいけません。三年、五年の猶予期間があって、そしてその間は無利子、あと十年間のうちの残りの七年なり五年を三%の利子で返したらいいということですが、しかし返さなければならないお金でありまして、これはいわゆる給付ではないわけなんですね。給付ではないんです。
 しかも、それにはいわゆる所得制限が加わっておりますね、前年度所得の所得制限が加わっております。だから、前年度の所得がそれを上回って対象外になっておる人は、この地震によって財産も家も皆失って、働き口がなくなってその日から収入ゼロになっても、前年度あなたはこれだけの収入があって対象外だからこの貸し付けは受けられませんよという仕組みになっておるんですよ。前年度高いんだから備蓄があるだろう、貯金もたくさんあるだろうということであれば、それはそういう理屈も成り立つけれども、しかしこれだけの災害を受けた場合に、私は、貸し付けであるならば、やはり地震によってその人がどういう被害を受けたんだと、それで向こう一年なり二年なりどういう生活状況になるのかという判断でもって貸し付けるか貸し付けないかということをやるという問題の検討をぜひともお願いしたい。前年度はもちろん大事だと思いますよ。そこのところをお願いします。
#105
○国務大臣(小里貞利君) 私どもの判断の原則を申し上げますと、自然災害によっていわゆる個人が被害を受けた場合には自助努力という一つの原則がございますね、御承知のとおりそれはそれでございますが。それから、先ほど先輩云々のお話がございました問題は、私が申し上げましたこととは別に、お話しのとおり、亡くなられた世帯主に対しては五百万、世帯員に対しては二百五十万ずつ、重度の障害者に、大きな傷を受けられた方は、世帯主二百五十万、家族の構成員は百二十五万と、これが先生のおっしゃるお話だろうと思いますが、これはもう既に御承知のとおり執行いたしております。
#106
○本岡昭次君 いや、私の質問に答えてください。
#107
○説明員(松尾武昌君) 先生の御質問は、所得の制限を設けているというところの御質問だろうと思います。
 この趣旨でございますが、この限度額の考え方でございますけれども、世帯人員に応じて年間の総所得金額が全世帯の三分の二をカバーできるという程度の限度額が設けてあります。つまり、住居が滅失した場合は千二百七十万、これをサラリーマンの年収でいいますと大体千五百万ぐらいになろうかと思います。こういうような形でこの限度額以下の方に貸付金を給付するという仕掛けになっておりまして、私どもとしましては相当カバーできているんではないかというふうに理解をしております。
 ただ、おっしゃいましたように前年度所得で見ますので、これから貸し付けを始めますので、そこでトラブルが生じないような何か工夫をしたいというようなことで検討してみたいと思っております。
#108
○本岡昭次君 今おっしゃったように、前年度所得の高い方が災害に遭っても自助努力の能力というのはかなりあるとか、あるいはまた逆に言えば、前年度の所得制限の対象外というのがほとんどであろうという意味のことをおっしゃっているんですから、今この貸し付けが始まっておりますが、その中で私の言うようなトラブルが起こった場合は、ケース、ケースでひとつ検討していただくようにお願いを申し上げておきます。
 それから次に、雲仙の災害では食事供与事業というものが国土庁によって行われまして、長崎県と国から四人世帯で月十二万、いわゆる食事をするために一日千円ということで行われたんですね。県基金から生活諸雑費として月三万円、計十五万円の現金支給がなされた。これは融資でもなければ貸し付けでもないわけです。明らかに生活に使えるお金なんですね。
 それで、今回の災害にもこのような措置を国土庁としておやりになりませんか。
#109
○政府委員(村瀬興一君) 御承知のように、雲仙の場合は火山災害でございまして、非常に長期、いまだに続いておるわけでございます。しかも、その警戒区域を設定いたしまして、一定区域内は住民の方の自宅があるいは事業所等があってもそこに立ち入りを禁止するという措置を長期にわたって継続いたしておるわけでございます。
 したがいまして、自分の家あるいは仕事をしていた場所に帰りたくても帰れない、長期にわたって帰れないということを勘案いたしまして、先生が今おっしゃいましたような給付の措置を特例として講じたわけでございます。
 今回の災害は、災害自体として非常に激甚でございますけれども、雲仙と同じように長期にわたって自分の住宅、もといた場所に戻れないという状況では恐らくないと思いますので、雲仙でやりましたような食事供与事柴をやるということは現在のところは考えておらないところでございます。
#110
○本岡昭次君 今おっしゃったように、雲仙の普賢岳の爆発によって火砕流が起こり、いろいろ危険地帯が設けられて、そのことによっていろんな措置が設けられたということはよく知っております。
 しかし、災害にそのように危険地域を設けたからとか、あるいは長期に何年かにわたってまだ続いているからというふうな一つ一つの災害を特例化して、そしてそれに対するさまざまな措置をやる、それも一つの方法でしょう。しかし、もうこの段階に来れば、戦後初めてと、そして空前と言われるこの惨状の中に何十万という人間が被災者として、長期というのはどういうのを長期と言うのかというのもいろいろありますね。
 だから、長期だからするけれども短期ならやらない。しかし、短期だといっても一年間生活の手段を断たれ、収入の道を閉ざされ、そして例えば生活保護を受ける人なら生活保護が、あるいはまた失業になれば失業保険がというように、さまざまなそういうふうな社会保障制度の中で立ち直っていく過程の生活を支える金を入手できる人はよろしいわね。もしそういう人がこれがないとすれば、そういう方法に欠けているという人がいる場合はどうするかということと、もう一つ、基本的に人災か天災かという議論が災害にはございます。自然災害は防ぐことができない、だから自然災害は遭うたそこにおる人間が間が悪いんや、運が悪いんやというふうな形で見ていくのか。
 国は国民の生命、財産、これを守りますといって私たちは国民から税金をいただき、そしてあらゆる手だてを講じているわけでありますから、そういう立場に立ったときに、長期であるとかこういう特殊な事序があるからというふうなことだけでなく、ある 定のこういう大きな災害が、大規模なものが起こったときにはやはり国が見舞金というふうなものを支給する。そのことによって国民は、よし頑張ろうということになるわけで、あくまで立ち直りは自助努力やと、自助努力が原則ですよということをもうこれ以上前面に掲げてやるのはいかがなものかというふうに私は基本的に思っているんですよ。だからこの際、そうした個人に対する給付というふうなものを制度的にしっかりと考えていく時期が来ているんではないかということを思います。
 長崎のこれもいろいろ知恵を絞られたんだと思います、国土庁の中に食事供与事業ですか、こういうものを設置されて、そして非常に厳しい状況にあられる人を助けられたということでございます。
 そこで、もう時間がありませんからそこの問題と、私はこの間、読売新聞の一月二十六日付のアメリカの緊急事態管理庁、FEMAですか、この活動の中身を読ませていただいたんですよ。ここで、危機管理とかいう問題に対しての違いは別にしておきましょう。
 私の目を引いたのはこの記事であります。「特に震源地区では、郵便番号で被害のひどい地域を指定し、優先的に小切手を配ったこともあり、発生五日後には、総額百八十万ドルの一回目の小切手が五百七十一人に対して交付されるという迅速さだった。」、一人約三十万円ですね、これは。「この住宅関係だけで支出額は十一億三千万ドル、小切手を受けた人は三十九万六千六百三十二人。」、これは何も貸し付けを受けたんではないんですよ。そして、「緊急の生活費も約十九万二千七百人に、一億七千九百四十万ドルが支給された。」、これは支給されているんですよ、住宅のためとそれから緊急的な生活を助けるために。これはアメリカの連邦緊急事態管理庁というところに連邦災害救援基金十五億ドルを常備してやっている。こういうことを個人は個人でというなら、日本よりアメリカの方がよっぽどそういうのははっきり割り切るところとは思うんですが、そこでさえやはりこうしたことを取り入れているんでしょう。なぜ私たちがこういうことができないのか。
 災害対策基本法という法律の中に災害対策基金を設けなさいというようなことも書いてございます。しかし、できればこの災害対策基本法というものの中にアメリカのFEMAのやっているような災害救援基金というふうなものを設置して、一定規模の災害が起これは裁ちにその中から基金を支出して、そして被災に打ちひしがれて、さあ、どうしようかといって、自分の人生を悲観して、そして身も心も疲れ果てている人たちのところに、さあ、これが政府からの見舞金ですといって、それを激励とともに渡していくという仕組みをもうこの段階で私はつくるべきだと思うんですね。
 そこに小里大臣と小澤国土庁長官がおられますけれども、国土庁が何のためにできたのかという問題さえ問われるこの事態の中で、五千人ものとうとい人命を失い、大変悲惨な状態に追い込んだこの事態の中で、せめてこの個人の救援資金というものの突破口を開く、そのくらいの気迫を持ってやっていただきたい。それで私たちも、議会の立場からそれを何とか、政府でだめなら議員立法でというふうな形のものを取り組まなければならぬ時期に来ているんではないか、こう思います。
 小里大臣と小澤国土庁長官の、私がちょっと長々しゃべり過ぎましたけれども、その問題に対するひとつ御決意を聞かせていただいて、私の質問は終わりたいと思います。また次の予算委員会とかいろんなところで質問をこの後続けてやれる機会があると思いますので、きょうは締めくくりの意味において両大臣から答弁をいただいておきたいと思います。
#111
○国務大臣(小澤潔君) 政府においては、今次災害の経験にかんがみまして、当面は災害緊急事態の官邸及び関係機関の即応体制の整備など、危機管理体制の充実に全力を挙げることといたしております。
 これに続いて、災害対策基本法についても必要な見直しを行うこととしておりますが、先生の御指摘の点も一つの方策と受けとめられますので、学識経験者など関係各方面から十分に意見を伺うとともに、あらゆる角度から広く検討を行ってまいりたいと考えております。
#112
○国務大臣(小里貞利君) 小澤大臣の方から細やかにお答えいただきましたので、私は気持ちだけを申し上げておきたいと思いますが、あれだけのスケールの大きい、しかも大都市直下型の、中身におきましても深刻かつ広範、重大なる一つの状況でございます。すさまじいものがあります。私は、それをそのまま政治の中にストレートに打ち込んできて、そして対応を講じなければならぬ、そう思っております。
 したがいまして、先ほどの先生の個人給付に関するお話は重大な関心を持ちながら聞かせていただきました。そういうことでひとつ御理解いただきたいと思いますが、目下先ほど申し上げましたもろもろの緊急対策を展開中でございますから、御理解いただきたいと思います。
#113
○本岡昭次君 終わります。
#114
○横尾和伸君 平成会の横尾和伸でございます。
 このたびの阪神大震災によりまして亡くなられた方々に対しまして、衷心より哀悼の意を表するものでございます。また、御遺族、被災者の皆様におきましては、心からお悔やみとお見舞いを申し上げるものであります。
 私は、このたびの災害に際しまして、尼崎から神戸まで被災地域を二度にわたって延べ四日間見させていただきました。被災者の皆様の声も、限られた中でありますけれども、お聞きしてきました。二度目に参ったのはこの災害対策特別委員会の委員派遣でございまして、その件につきましてはもう既に一昨日の委員会で報告があったとおりでございます。
 それに先立つこと四日、私が一月二十二日と二十三日の二日間現地に行ったときの印象でございますが、神戸市の長田区で、ちょうど二十二日には雨が降っておりまして、火が消えたばかりの火災現場からはその時点でもまだあちこちから雨にぬれて湯気が上っていた。どこか灰の下から人が出てきやしないかというような淡い期待を持ちながら被災地を見たことを覚えております。
 また、最終的に生ずるところの瓦れき、これの処分はどうするんだろうということで、二十三日には大阪湾フェニックス計画、広域処分の最終処分地であります旭崎沖埋立処分地を見てまいりまして、そこに物理的には十分な容量がある。また、いろんな処分の仕方についても計画的にやらなきゃいけないということで、いろんな条件がつくということもよく聞いてきまして、ただし、それについてもそういった被災地から出る瓦れきを選別するといいますか、そういう場所も十分その埋立地の中にあるということも確認してきました。いろいろな制度があってそのまま使うことができるかどうかという問題はまたあろうかと思いますけれども、物理的には相当なものがあるということを確認いたしました。
 そういったことで、現地で見てきたことを踏まえまして質問をさせていただきたいと思います。
 まず、小里担当大臣にお聞きしたいんですが、地震担当大臣として地方分権、これをどのようにとらえているかということなんですが、なぜこのようなことを聞くかというと、一言説明しておかないと答えにくいかと思いますので申し上げますけれども、震災からこれまでの間、自民党の幹部であります加藤政調会長がテレビなどで発言されている言葉の中に、国政レベルでなく地方自治体で復旧に当たるべきだというようなお言葉もありました。また、野中自治大臣におきましては国会答弁の中で、地方分権の芽を摘まないためにも自治体が援助を申し出てくる前に国が独自に動くのはよくないと。ある意味では平常時においては正論かもしれません。こういった非常時において大変冷たく響いたわけでございます。
 私のみならず、むしろ現地の被災地の皆様からの声が私にまでも幾つか届いてきているわけであります。
 そういったことを踏まえまして、国の担当大臣がまさかこんな冷たい考え方ではなかろうという期待を持っているわけですけれども、これから新しい法律をつくるとか、これからが本番ですので、大臣のお気持ち、お心を、また特に地方分権という観点から、地方を尊重しつつも、このたびの非常時に際してどういう対応をとっていくか、その際に地方分権というのはどうとらえるのか、国の責任をしっかり踏まえてお答えいただきたいと思います。
#115
○国務大臣(小里貞利君) 時間もありませんからすぱっと申し上げますが、私は日ごろ、国、県、市町村、行政区分は節度正しく秩序を守るべきだと、その一つの持論を持っております。
 しかしながら、今次、この大規模災害対策に仕えるようになりまして、その対策を、もっともそのことをこの際はお互い忘れてかかろうと、国も県政も市政もないんだ、だから各省庁の職員の皆さんもどうかひとつ、日ごろは庁がやるべき仕事だ、あるいは県がやるべき仕事だと、そういうことなど遠慮は要らないから、大胆に、その区分の枠組みを越えて飛び込んでいって、一体となってやろうじゃありませんか、こう言っております。
 特に、二十日に現地へ参りましたときに貝原知事さんに申し上げたことは、あなたのこの知事の部屋の中に本庁のベテランを出向させますから、大いにひとつ協力を、手伝いをさせてくださいと。そのとおりしてくれました。だから、隣の部屋を三つ四つあけてくれた。そしてまた、政府の各省庁、建設省、厚生省、運輸省挙げまして、どこも積極的にこれに参加をしていただきました。
 ですから、日ごろ考えておるようなそういう気持ちは一切この際払拭をいたしまして、いわゆる特別な震災対応というその基本的な認識を自覚しながらやったつもりでございます。
 なおまた、先ほど二、三の幹部の皆さんが云々のお話がございますが、私は、そのお話は多少時点が早かったのかなということの感じは受けました。なじまないなということは感じました。しかしながら、いましばらく、ある意味ではひとまず落ちつくところでございますが、考えてみますと、先ほどから話がありまするように、都市計画などは具体的にはやはり地元の住民の皆様方を中心にして、おれたちの町は、おれたちの都市計画はこういうものを二十一世紀に向かって、あるいはたくましいひとつ自分たちのふるさとをつくろうというデッサン、ビジョン、そういうものは大事にいたさなければなりませんから、その意味でその皆さんもおっしゃったのではなかろうかと思いますが、それにいたしましても、これを国は行財政両面から、あるいは人の面からも積極的に私は支援をしていくべきである、そういう気持ちでおります。
 明日も実は現地に参りまして、今度は知事さんとは会わないつもりですが、主なる市長さんたちと直談判をいたしまして、その辺の具体的な意見を吸い上げてみたい。テーマはこういうことですよというのを先ほどちょっと連絡を申し上げておきましたが、その中にただいま先生からお聞かせいただきました一項も入っております。
#116
○横尾和伸君 こういう時期ですので、クールな頭脳も大切ですけれども、温かい心で国として救済していくという面をしっかり堅持していただきたいと思います。要望しておきたいと思います。
 次に、先日、新聞情報で知ったところなんですけれども、初動態勢の見直し、三十日だったでしょうか、官房長官が発表したということなんですけれども、その考え方、また検討のための組織、あるいは結論を得る目途、こういった基本的なことについてお聞かせいただきたいと思います。
#117
○国務大臣(小里貞利君) 危機管理のお話であろうかと思うのでございますが、先輩たちがっくりました法体制、諸制度、精いっぱい現行制度を中心にいたしましてこの地震対策を含め努力いただいておるところでございますが、今次の厳しい規模の大きい地震災害を経験いたしました。幾多の限りなく大きな教訓を私どもは得ました。したがいまして、危機管理、いろいろな意味におきまして、時間の関係もありますが、私どもはこの際基本的に素直に反省するところは反省して、そして是正するところは大胆に取り組まなけりゃならぬ、さように思っております。
 現実に、御案内のとおり、現段階におきまして各種の情報あるいは伝達体制、その辺を政府として一元化して機敏に対応するための一つの体制をつくるために、もう既に内閣におきましてはプロジェクトチームを編成いたしまして、その初期の段階における検討をいたそう、そういう作業に入っておるところでございます。
#118
○横尾和伸君 反省すべきは反省するというお言葉が村山総理の口癖になって、私も耳に少したこができかけてきて、しかしその反省の内容が見えなくていらついていたところなんです。そういう中ではありますけれども、このこと自体は私は反省点の一つとして一面では評価したいと思います。
 これをしっかりやっていただきたいと思いますが、いつまでにどうするということが今お答えの中に入っていなかったと思うんですけれども、その点だけ。私が聞き逃したんでしたらあれですが、どういう目標でいつまでにこの結論を出そうとされているのか。
#119
○国務大臣(小里貞利君) 今、プロジェクトチームを編成いたしまして取りかかっておりまするこの課題は、できるだけ早目に結論を出そうと、恐らく今週じゅうにも結論が出されるのではないかと思っております。
 なおまた、本来の初動態勢、情報体制及び出動態勢、一切を包括いたしましたいわゆる災害対策基本法にかかわるもろもろの問題は、かなり時間をかけまして、また短時間でできるそんなにボリュームの小さい課題でもないと思いますから、これは他日と申し上げましょうか、直ちに手はつけますけれども、相当な時間を要するのではないかと思います。
#120
○横尾和伸君 できるだけ迅速にお願いしたいと思います。特に、今言われた一週間後というのは期待して待っておりますので。
 次に私は、いろんな角度の問題がありますけれども、特に新幹線の問題をお聞きしたいと思うんです。
 私は、実は個人的なことを申し上げますと、十六日の夜、地震のあったちょうど九時間前、八時四十六分ごろに新幹線「のぞみ」に乗りまして新神戸と新大阪の間を相当な速度で走っていたことになるんです。ちょうどあの橋脚が、支柱が折れて倒れたあたりじゃないかなという計算になるんですけれども、別にそのことを言いたいわけじゃないんですが、そんなこともありますし、また日ごろから「のぞみ」を大体毎週一回往復で使っておりまして乗っているんですけれども、大変身近にこのことを感じているわけなんです。私自身が助かったとか、そんな了見じゃないんですけれども。
 そこで、新幹線についてお伺いしたいんですが、新聞情報によると新幹線の緊急停止の距離と時間について、非常時に異常を察知したその時点からとまるまでに相当な時間と距離がかかるということだそうですが、その点具体的に数字を挙げて御説明いただきたいと思います。
#121
○政府委員(戸矢博道君) 「のぞみ」あるいは「ひかり」の制動距離ということでございます。
 最高速度の場合でございますが、「のぞみ」でございますと、時速二百七十キロメーターで走っておりますと制動距離が約三・九キロ、約九十秒かかるというふうに聞いております。また、「ひかり」につきましては、二百二十キロで走っておりますと二・四キロ、約七十秒かかるというふうに聞いております。
#122
○横尾和伸君 これもまた新聞情報によりますと、山陽新幹線がどうかわかりませんけれども、地震の初期微動を感知して、その感知をした時点から制動が働くということで特別なシステムがあるそうです。ユレダスというちょっとふざけた名前ですね、名前がふざけていてもそれはしょうがないんですけれども。ユレダス、これは今申し上げたような理解でいいのか、またそれはどこで採用されているのか、簡単にお答えいただきたいと思います。
#123
○政府委員(戸矢博道君) ユレダスは、現在東海道新幹線の東京と新大阪間で採用されております。
 ユレダスの場合でございますと、地震が発生いたしますと、地震波速度の速い初期微動、P波と言っておりますが、このP波を検知して列車を停止させるということでございまして、沿線の変電所に設置した地震計によるシステムよりも早く停止命令が出せるということでございます。
#124
○横尾和伸君 そうしますと、先ほど、言われた「のぞみ」、二百七十キロで走っていたものが緊急停止する場合には三・九キロ、九十秒というのは、これはユレダスが採用されている場合なのかいない場合なのか、その両方の点についてわかるように説明していただけますか。
#125
○政府委員(戸矢博道君) 先ほど九十秒と申し上げましたのはユレダスが採用されていない場合でございまして、例えばユレダスを採用した場合には、震源までの距離等によりますけれども、例えば沿線の変電所からユレダス検知点までの距離が五十キロ、震源がその先百キロメーターであるといったような場合でございますと、約二十秒早く停止命令を出すことができるということでございます。
#126
○横尾和伸君 これは話をはぐらかさないでいただきたいんですが、緊急停止をかけてから九十秒かかると。今言ったのは二十秒早く察知するということで、察知してからの話は同じなんでしょう。
#127
○政府委員(戸矢博道君) 要するに、逆に申し上げれば七十秒で停止ができる、こういうことになろうかと思います。
#128
○横尾和伸君 それならそれで結構です。例えば「のぞみ」の場合は二百七十キロで走っていると、それがユレダスが採用されていると七十秒、約三キロから四キロ走る、こういうことになるわけですね。
 そこで次に、気象庁にお聞きしたいんですけれども、今回の阪神大震災の初期微動の時間はどの程度だったんでしょうか。
#129
○説明員(吉田弘君) 御説明いたします。
 気象庁の観測では、神戸市中央区にございます神戸海洋気象台で初期微動時間は約三秒でございます。
#130
○横尾和伸君 ちょっと驚くんですけれども、今回は特別な直下型の地震であったと、三秒。ですから、これはユレダスが採用されていても七十秒かかる。また、ついでなければ九十秒かかる。それに対して三秒程度の初期微動しかない特別な地震だったわけです。
 こういう状態で、もし昼間同じ地震が起きていたらどういうことになったかということを考えるとぞっとするんですけれども、これは間違いなく、今申し上げたように二百七十キロで走っている「のぞみ」、二百二十キロで走っている「ひかり」、どちらにしても数字を丸めて言いますと六十秒から七十秒、仮に最新の機器を搭載していてもかかる。それがついてなければさらに二十秒かかる。それに対して数秒の初期微動しかない地震の場合、今回のような場合はほぼ間違いなく大災害に遭っていたということが言えると思うんです。脱線転覆どころではなくて、脱線し、かつ飛散する。十六両の車両がとんでもない方向に飛び散っていく。これは十六両といいますと約千四、五百人の座席があります。満席ですと千四、五百人。その人たちだけではなくて、十六面の車両があちこちに飛び散って民家をなぎ倒す、押しつぶすということを考えますと、大変な大惨事に遭っていただろうと考えられるわけです。これは仮定の話ではありますけれども、簡単に否定できるものでしょうか。一言お答えいただきたいと思います。
#131
○政府委員(戸矢博道君) 今、先生御指摘のとおり、直下型地震の関係でございますけれども、基本的にはやはり安全対策、鉄道構造物の耐震性を向上させるということが大事なわけでございます。そういうことで、実は私ども、鉄道施設耐震構造検討委員会というのをつくりまして、現在検討を進めております。
 そういうことで、まず設備自体をきちっとしたものにするということと、また地震発生を検知した後、列車を停止させるためのブレーキの性能向上といったようなことも今後さらに勉強していく必要があるというふうに考えているところでございます。
#132
○横尾和伸君 そういう大変な状況の中で、さらにまたぞっとするような事実が出てきたわけです。
 鉄筋コンクリート製の支柱から木材が五カ所、これは五カ所でも六カ所でも同じだと思いますけれども、見つかったということが報道されております。写真も明快な写真が掲載されておりました。間違いないと思いますけれども、このことは事実かどうか。また事実であれば、これを運輸省としてはどう受けとめているのか、お聞かせいただきたいと思います。
#133
○政府委員(戸矢博道君) JR西日本によりますと、今回被災いたしました高架橋の一部、八本の柱から木片が見つかったというふうに聞いております。
 これは、もちろん木片の混入自体は好ましくないことではございますが、今見つかっております木片は小さいものでございまして、基本的には強度上は問題ないのではないかというふうに考えておりますが、事柄の性質上、引き続き復旧工事に際してさらに調査を行っていきたいというふうに考えております。
#134
○横尾和伸君 つまり、あの短い区間で八カ所も出てきたということは、これは全線について同じ危険性があるんではないかという心配があるわけです。コンクリート製のものの中に木片が入っていれば、当然その部分の強度は全くないと考えなきゃいけないわけで、設計強度は間違いなく得られていないということになります。
 私は、先ほど申し上げましたけれども、自分、自身が大体毎週一回往復で使っておりますけれども、これはやむを得ず使っているんで、大変不愉快なといいますか、揺れが大きい、また不安を持ちながら乗っているというのが正直なところでございます。
 そういう中で、今回、手抜き工事というのか、ミス工事というのか、設計強度が間違いなく得られないという事実が短い間に八本も見られた。これは全線について見直さなければいけないんではないかという気かいたします。これは後ほど聞きますけれども。
 さらに、今回そういったことに加えて支柱が損壊したという事実。また、これはちょっと角度が違いますけれども、フランスのTGVだと思いますけれども、フランスの新幹線、これはたしか一年半前か一年前かに脱線をして、たまたま車両の構造上、脱線した真ん中の部分が両方に助けられて大惨事にはならなかったということがありますけれども、いずれにしてもぞっとするような事件が起きております。
 私は、今回も嫌というほど思い知らされたわけなんですが、震災列島、この日本列島に大動脈として新幹線を張りめぐらそうとしているわけなんですけれども、こういった状況を踏まえますと、今回のことは謙虚に警鐘として受けとめるべきだと、こう思うわけです。
 そこで、運輸省に改めてお伺いしますけれども、安全性、信頼性を高めることが急務ですけれども、その方法についてはどのように考えておられるのか、責任を持ってお答えいただきたいと思います。
#135
○政府委員(戸矢博道君) 先ほどもちょっと申し上げましたように、現在、もともとこの新幹線の構造自体は過去に起きました最大レベルの地震に耐えるようにということで考えられてきたわけでございますが、今回大変大きな被害がございました。そういうことを踏まえまして、一月二十日に鉄道施設耐震構造検討委員会というのを学識経験者等の先生方にお集まりいただきまして設けておりまして、現在、被災施設の調査、分析、あるいは耐震構造の今後のあり方といったようなことについて検討をしていただいております。既設の新幹線構造物の取り扱いを含めましてこの検討委員会で御検討いただき、その結果を得て必要なことを実施していくというふうにしたいと考えております。
 また、今回、被災されたわけでございますが、運行再開に際しましても、復旧した新幹線の橋梁、高架橋につきましては十分に検査し試運転を行う等、輸送の安全の確保には万全を期すということでJR西日本にも指導していきたい、こういうふうに考えております。
#136
○横尾和伸君 まだ検討が始まったばかりだということで具体的なお答えがないのかもしれませんけれども、一つだけ確認しておきたいんですが、今検討されている中に、全線にわたって橋脚の同じような問題、設計強度が明らかに得られないような木片が入っていないかどうか、そういったことについて点検をすることは含まれているのかどうか、お聞きします。
#137
○政府委員(戸矢博道君) 先ほどの木片の関係でございますが、実は八本と申しましたが、六甲トンネルの入り口まで約十六キロの被災区間を調べたところではこの八本だけから見つかっておりまして、そのほかのところからは木片は見つかっておりません。
 いずれにいたしましても、この問題も含めまして、先ほど申し上げました検討委員会においていろいろ御検討をお願いしようと思っているところでございます。
#138
○横尾和伸君 含まれるということで理解してよろしいんですね。
 それから、その検討の間、私はもう一つ申し上げたいのは、「のぞみ」の運転について先ほど言いましたような不安が非常にある。この声は私一人ではありません。不安であり不快であるという声はよく聞いております。具体的に言いますと、「のぞみ」の中では本を読むのが非常に疲れるし読みたくない、「ひかりならば普通に読めるんだけれどもという方は大変多うございます。
 そういったことと先ほどの手抜き工事の可能性、危険性、また実際に支柱が、折れないはずの支柱が、これは土木工学的にも安全度を相当高くとって、そして日本としても胸を張って世界に誇れるような設計の考え方であり構造物であったかと思うんですけれども、それが実際には壊れた。この事実を踏まえると、今の「のぞみ」の運転というのは大変危険度の高いものになってきているのではないか。この点検をするために、もちろんその点検の一環が先ほどお答えいただいたものだと思いますけれども、その結論が得られるまでの間でも、危ないところあるいは明らかに揺れの激しいところというのは東海道新幹線、山陽新幹線の中であるわけで、そういったところをとりあえず徐行区間として徐行するというような対策も必要だと思うんですけれども、運輸省はどう考えますか。
#139
○政府委員(戸矢博道君) 私ども運輸省といたしましては、もちろん鉄道輸送の最大の使命というのは安全確保でございます。安全が何より大事でございます。そういう認識のもとで、先ほど申し上げましたような学識経験者の方々にお集まりいただきまして、検討委員会で現在、被災鉄道施設、壊れたものと壊れないものとあるわけでございまして、壊れないものについてはなぜ壊れなかったのか、壊れたものについてはなぜ壊れたかということを分析し、そして耐震構造をどういうふうにしたらいいのかということを御検討いただいているわけでございます。
 私どもといたしましては、その御検討を踏まえまして、今後とも新幹線の安全確保のために全力を挙げてまいりたいというふうに考えております。被災した区間につきまして、復旧に際しましても安全確保を第一に必要な配慮を行うように関係事業者にも指導していきたい、こんなふうに考えているところでございます。
#140
○横尾和伸君 先ほど言いましたように、今回の地震が五時四十六分という時間だったから新幹線は助かったという面、事故に巻き込まれなかったという点もしっかりと私は運輸省として踏まえなきゃいけない点だと思うんですよ。学識経験者を集めてやっているからということを繰り返されておりますけれども、運輸省の指導性をもってこの安全性の確保、今回の大惨事を免れたことを謙虚に警告と受けとめるべきだと私は思うんです。そのために今私は提言をしたわけなんですけれども、局長は下を向いて作文されたものを読むだけに終始しているものですから、私、大変そういう意味では保守的で困ったなと思うんですが、時間の都合もありますので、また次の機会にこの問題はお聞きすることにします。
 運輸省、これから大動脈として新幹線を整備していこうという時期ですので、ここでしっかり足元を固めてほしいと思うんです。私は新幹線そのものにブレーキをかけようとしているわけではないんです。警告と受けとめて、しっかり足元を固めて大動脈としての役割を今後も果たしていけるようにしたい、こう思っているわけですので、運輸省、しっかり頑張っていただきたいと思います。
 時間の都合もありますので次に移りますけれども、次に私が申し上げたかったのは、罹災都市借地借家臨時処理法、この件についてお伺いしたいと思ったんですけれども、先ほど同僚議員からの質問もありましたので、私としてはこの臨時処理法を円滑に適用していただいて借家人の方々を守っていただくようにお願いをしていきたいと思います。そういう方向で検討されているということをお聞きしておりますので、あえてここではお答えはいただかないことにいたします。
 次に、私、被災者の方々の生の声を聞きながら、その中で最も多く共通していたものの一つですけれども、それは水が欲しいということだった。また、団体からも、実はこの水を供給するための水道施設ですけれども、激甚法の対象事業にしてほしいという声が多数寄せられております。そういう観点から、私は水道施設が激甚法の対象事業になっているのかなと前は思っていた時期があったんですが、実は入っていないと。これだけ生活に密着し、また緊急時にはそれだけ人の生命、生活の基盤になるもの、これはやはり優先的に考えるべきではないか、こう考えているんです。
 そこで、現在の激甚法の対象事業、どういう選定基準といいますか、選定の考え方に立っているのか、お聞かせいただきたいと思います。
#141
○政府委員(村瀬興一君) まず、この法律ができます直前に、その当時まで特例法によりまして災害ごとにいろんな特例をつくるという運用をしておったわけでございまして、この激甚法ができます前にいろんな特例法によりまして国庫負担率や補助率の引き上げが行われておりました事業がまず入っております。
 逆に、考え方としてなかなか入りにくいんじゃないかという事業でございますが、これはある程度の収益性がある、それから独立した経理が行われている事業、例えば上水道あるいは鉄道事業なんかもそれに入ると思います。要するに、独立した経理を行っておってある程度の収益性があるような事業につきましては、激甚法の対象には従来の考え方からいきますとなりにくいんではないかというふうに考えております。
#142
○横尾和伸君 従来の考え方はわかりました。
 ただ、そのある程度の収入があるかどうかという基準で割り切れない部分も今の激甚法の対象事業にはあります。別にそのことを私は引きおろしたりなんかするつもりはありませんので具体的には言いませんけれども、今の基準では割り切れてないものが入っているわけです。ですから、別にそのことが悪いんじゃないんですけれども、ちょっとその考え方をもう少し柔軟に、公共性なら公共性ということをもう少し明確にしてすそ野を広げる形で考えていったらどうかと思うんで
 例えばこの水道の例でいきますと、災害があったと。災害直後にはいわゆる救助ということがあります。これは救助は応急給水で、いわゆる普通のパイプで蛇口から水を出してお金を取るという事業とは違って、応急給水をして救助をする、生活そのものを助ける、そういう役割というのは極めて公共性が強いんではないか。これは通常時の、復旧をして出した分だけお金もらいますよという部分ではない部分、水道の場合は、中途半端なといいますか小さな災害では目立ちませんけれども、今回こういった極端な災害のときにはよく見えたわけです。
 こういうことをきっかけに、やはり公共性ということを考えて、この激甚法の対象事業というのをすそ野を広げる形で考えていただけたらと私は思う次第なんです。いろいろ今政府部内で検討していることも漏れ聞いておりますので、検討の際にはぜひ御考慮いただきたいと思います。
 時間もありませんので次に行きます。
 次に、今回の地震の結果、これは損壊家屋の解体撤去とかという作業の中で、最終的には、言い方が瓦れきでいいのかどうかわかりませんけれども、瓦れきのようなものが相当な量、先ほどのお話ですと一千二百万トンと言われましたか、発生する。この発生する瓦れき、私が冒頭で申し上げました大阪湾フェニックス、廃棄物で計画的に大規模な海面埋め立てをする、近畿圏でそれが現在進行中で、相当今受け入れ能力があるというものですけれども、ただ受け入れ能力は、私自分の目で見た目の子なものですから、もう少し正確に、恐らくこれは地元の処理計画の中に組み込まれているのではないかと思うんですが、このフェニックスでの廃棄物の受け入れる可能性についてお伺いいたしたいと思います。
#143
○国務大臣(小里貞利君) 時間の関係もありますから、私の方からお答えいたします。
 先生今もお話しいただきましたように、大変な量でございます。これを運搬することも大変です、解体することも大変ですが。また、先生お話しの、どこにどういうふうに何カ所ためるかということも大変な仕事のようでございますが、きょうはもうこの委員会終わった後、警察庁の交通局長そこに来て待っておりますが、打ち合わせをする。この搬送一つをとっても大変な仕掛けでございまして、大変苦労いたしております。
 今お話しの、どういうところに特定してためるか、運ぶかという問題でございますが、例えば公共施設、運んでそれを副次的に活用できるような方法、これを今、市あるいは県の方で基準に置いて検討されておるということはきちんといたしておりますが、何分にも大変な量でございますので、目下まだきちんと説明できるような状況に至っておりません。
 以上です。
#144
○横尾和伸君 フェニックスは、もともと近畿圏の自治体等が共同して、二十年ぐらい前からでしょうか、相当な計画を練りながら進めてきたと思います。こういう際にはぜひとも活用していただきたいと思います。今までの計画が狂ってくるとは思いますけれども、ひとつそこのところはできるだけ今回の災害の復旧のために役立つように厚生省御指導いただきたいと思うんですけれども、その点について、支障はあるのではないかと思いますが、厚生省のお考えをお聞きして私の質問を終わりたいと思います。
#145
○説明員(三本木徹君) 先生御指摘のように、膨大な量が今フェニックス計画で実施しておりますこのセンターの埋立地に入ってきております。既にこの一月二十四日からの一週間余りで二万五千トンが入ってきておりまして、したがいまして、これから本格化するともっとふえるのは確実でございます。
 したがいまして、今まで考えておりました状況とは随分変わってきておりますので、次期処分場整備計画の基本計画の改定作業というものを今まで進めておりましたけれども、こういう事情を踏まえてその作業を急ぎ、できるだけ早期の計画策定、あるいはまた施設整備というものに取り組んでまいりたいというふうに考えております。
 さらにまた、当然のことながら減量化とかリサイクルとかということもあわせてより一層進めていかなければならないものと考えております。
#146
○横尾和伸君 終わります。
#147
○江本孟紀君 今までの各先生方の御意見は本当にもっともだと思います。ただ、この委員会は災害が起きるたびにいつもこのような会議をして、いろんな提案もされ、大体同じようなお答えをいただいて、そして何かどうかなったかなというとほとんどそのような実態がない。大体、この委員会というか災害対策というのは常に対策を先に立てていく、そういうことが非常に大事じゃないかなということで、我々もそういうことを考えながら、例えばこういうことをやった方がいいんじゃないかというふうな提言をしておるわけです。
 例えば、最近、この大震災の後に対策のための一つの方法としてFEMAという組織の問題が非常に出てき始めました。最近の新聞等を見ましても、災害対策庁、こういったものがアメリカにはあって、現在その長官が来られています。
 これは私のことで申しわけないですけれども、一昨年、平成五年十一月五日の当委員会で、このFEMAの必要性、この組織について質問をさせていただきました。このときに、FEMAということだけではなくて、その後にNDMSという国家災害医療システムというものを、非常にこれはすぐれた危機管理組織だということで御紹介をして、この必要性はどうかということをただしましたけれども、お答えの方は、これはちゃんと載ってあるんですけれども、関係省庁と連絡をしつつ研究をしていきたいということでありました。
 そこでお聞きしたいんですけれども、その後こういったことを、災害に備えてこういう方法がいいんじゃないかということで、これに対して本当に、本当にという言い方はおかしいんですが、関係省庁と連絡をしてそして研究をしたのかどうか、そのことについてお聞きをしたいと思います。これはしたのかしないのか、そして、したのならどういったことをやられたのか、それから、しなかった場合はなぜしなかったのか、その辺をお答えをしていただきたいと思います。
 それと、もう一つは小里大臣にお伺いしたいんですけれども、こういった問題を研究して創設する意思が、このことに関していろいろ問題はあろうかと思います、新たな省庁をつくるのはどうのこうのというような問題がありますけれども、このシステムを活用してこういったものをつくっておいた方がいいとお思いなのかどうかお聞きしたいと思います。
#148
○説明員(磯部文雄君) ただいま先生が御指摘になりましたFEMAの問題につきまして御提言をいただいて、直ちに私どもの方で日本医科大学の北総病院の山本院長を班長といたします研究班、具体的には集団災害時における救急医療・救急搬送体制のあり方に関する研究班を設けまして、関係省庁の参加も得まして七回ほどの会合を開き、我が国内外の事例や災害医療体制の現状について資料収集を行ってきております。関係省庁と申しますのは、国土庁防災局震災対策課、消防庁救急救助課、防衛庁の教育訓練馬衛生課と私どもの厚生省の内部でございます。
 さらに、情報収集、資料収集について少し詳しく申し上げますと、これまで各国の事例、例えばロサンゼルスのノースリッジの地震の事例、それから各国の災害対策システムに関する情報収集ということでFEMA等行政機関の災害対策システム、それから我が国で起きました北海道南西沖地震の事例でございますとか、また国内におきまして神奈川県の西部地震の想定調査報告書等も研究いたしております。残念ながら、七回で資料の収集とその整理に当たっているという段階でございまして、結論を得るには至っておりませんが、鋭意努力をしているところでございます。
#149
○国務大臣(小里貞利君) 今度のこの災害は、これはもう政府は厳粛に厳しく重く受けとめなけりゃならぬと、私はそう思います。
 ですから、緊急当面の、特に初動態勢、あるいは情報をどうして収集するか、その辺のことにつきましては、先ほど申し上げましたようにプロジェクトチームを編成いたしまして既に作業に入っております。もっと屋久的な、そしてこの際、とうとい一つの教訓を得たわけですから、厳しい教訓を得ました、これを参考にして、思い切って踏み込んだ私は一切の防災体制というものを考えなけりゃならぬと、それはひしひしと感じております。
#150
○江本孟紀君 それはぜひ早急に、こういうシステムづくりというのは本当に早くやらなきゃいけないと思いますので、ぜひお願いしたいと思います。
 次に、復興財源に関する問題について少し意見を述べさせていただきたいと思いますけれども、今回の震災対策の責任を今ただしてもすぐの対策にはつながりませんので、そういったものは後日改めてすべきだと思いますが、今はむしろ国政に携わる者自身が一体何ができるかを自問自答するときではないかと思います。今緊急に講じなければならない施策や補正予算など当然やるべき事柄のほかに、国会議員だから、また政党であるからこそできる支援と行動というのがあると思います。
 それは、極めて厳しい財政事情の中で、いささかも他の予算を圧迫せずに、また国民生活に負担をかけることなくこの大震災の復興費に充てられる財源というものであります。それはことしから実施される政党助成費ではないか、そういうふうに思います。この政党助成費は、各党の申請に基づき、これは御存じと思いますけれども、国の予算成立後、七月十日までに請求書を提出して交付を受けることになっておりますが、この請求書を提出しなければ、この助成金は国庫に入ることになります。
 そこで、私としては、今度の甚大な被害が救援態勢の立ちおくれや今までの防災対策のあり方、地震予知や予測の不備にもその原因があったとするならば、これは行政はもとより、そうした行政を看過していた政治の側の責任でもある、まさに人災と言うべき要素があると思います。しかし、その責任をとるべき政党や政権は頻繁にかわっており、今の総理や内閣を批判したところで建設的な意味はないんではないか。そして、これはひとしくすべての国政に携わる議員、そしてすべての政党が謙虚に受けとめなければならないものだと考えます。
 であれば、この際すべての政党がすべての国会議員の総意をもって政党交付金の請求を行わないことの国会決議を行い、あわせて国庫に入るべきこの財源の使途を復興費に充てる国会決議を行うよう、当委員会から議運に諮っていただくよう委員長にお願いしたいと思います。
 もともとこの財源は、国民一人当たり二百五十円の負担をしていただいているわけであります。この戦後例を見ない大震災に対する世論動向を見たときに、国民の理解と支持を必ずこの方法は得られるものではないかと思います。そして、こうした政治姿勢や決意こそ、恐怖と無念の中で亡くなられていった五千名を超える犠牲者と、今なお寒さと飢餓と病そして生活不安の中で闘っている被災者に対するほんの第一歩の救済のあかしであると考えます。
 なお、加えて申し上げれば、既に御承知とは思いますけれども、政党助成法の適用を受けるため各党とも昨年の収入はほぼ前年並みの金額を満たしているようであり、ことしも同様の努力をすれば何ら政治活動に支障はないものと考えられます。国会議員一人当たり五千万近い資金を受けていくことと被災地の復興に使われることと、果たしてどちらが的を射た判断が、お考えいただきたいと思います。
 また、ことしは統一地方選、参議院選挙も予定されているわけで、この際莫大な政党助成費を使って選挙を行うのか、あるいはこの際政治改革の精神の原点に立ってそうした費用に頼らない清潔な選挙を行うのか、選択と試練のよいチャンスだと思います、もちろん、今後永続的に交付を受けないというわけではありません。少なくともことし一年については全党一致で交付を辞退するのが、国民感情、被害の実情からしても筋であると申し上げているのであります。
 ことしの政策の最大課題がこの震災の復興であるとするなら、まさしく助成費の辞退と復興費への組み替えこそ立派な政策活動、政党活動であり、交付金を辞退したとしても、それは決して政党助成法の精神から逸脱するものではないと思います。今こそ「人にやさしい政治」を実証するよい機会だと思います。
 そして、この決断は行政マターではなく政治家自身の決断だけで済む立派な救援、復興策であり、少なくとも今現地が求めている最大の要求である仮設住宅の建設費用、これはきょうの新聞にも載っておりましたけれども、先ほどの話にもありましたが、あと三万戸もし要るとしても七百億はかかるのではないかと思います。こういったものを現在要求しているものの中に充てていけば相当賄えるのではないかと思います。
 以上、申し上げてきたような趣旨を踏まえて、復興政策に向けた一提案として、また政治改革の精神を最も具体的に実践している国会の姿を国民に知ってもらうという意味もあわせて、委員皆様の御理解の上、そして当委員会の決議事項として本会議に諮られますようにお願いをいたしたいと思います。
 これは委員会にお願いをしましたけれども、きょうはちょっと通告はしておりませんでしたけれども、この考え方に対して小里大臣と小澤大臣に、私のこの考えをどういうふうに思われるのか、御意見を少しお聞きしたいと思います。
#151
○国務大臣(小里貞利君) では、小澤大臣の方から私に先にやれということでございますからお許しいただきますが、今本当に規模の大きい大災害、これに政治家として、あるいはまた政治、行政としてどういうふうに対応するか、そういう視点からさまざまお話をお聞かせいただきました。傾聴させていただいた次第です、
 率直に申し上げまして、大変殊勝な感じを受けます。そしてまた、一考を要することもあるかな、あるいはまた響きの大きいお話も感じました。あるいはまたハウス自体で処理されるべき話だろうと思うお話もございました、
 いずれにいたしましても、このような重責を担って、まさに一刻も油断を許されない大きな仕事に仕えておりますから、傾聴させていただいた次第です。
#152
○国務大臣(小澤潔君) 結論は小里大臣と同じでありますが、やはりなかなかありがたい、貴重な御意見ではあろうと思います。
 しかしながら、失礼な言い方ですが、やはり政党もこれあり、この委員会でといっても、やはり理事会等々も開いて決めることではなかろうかと思いますが、先生の御趣旨は本当にありがたい、現在の大地震を想定してこんな立派な意見はないと思いますが、やはり国会は各政党いろいろありますので、これらを踏まえて慎重に検討をすべきであろうと思います。
 是非については、大臣として差し控えさせていただきます。
#153
○委員長(陣内孝雄君) 速記をとめてください。
   〔速記中止〕
#154
○委員長(陣内孝雄君) 速記を起こしてください。
 時間が参っておりますので、簡潔にお願いします。
#155
○江本孟紀君 もう一つ財源の問題について意見を申し上げたいと思います。
 第二の復興予算については、私の考えですけれども、被害が巨額かつ広範にわたることから、その手当てについても多様かつ弾力的に検討していかなければならないという考えから、現在、超党派のスポーツ議員連盟でまとめたサッカーくじの利用も視野に入れて考えてみてはどうかと思います。時間がないのでこの辺で終わりたいと思いますけれども、海外ではサッカーくじ等のようなものも復興の財源に充てているという例が幾らでもありますので、ぜひこれを機会に早期の実現を図っていただければありがたいと思います。
 以上で終わります。
#156
○上田耕一郎君 上田でございます。
 五千人を超える亡くなられた方、恐らく五十万を超える被災者の方々に心から弔意とお見舞いを申し上げたいと思います。
 二十六、二十七日両日、当委員会として現地を見てまいりました。聞きしにまさる深刻な事態だったんですが、私、建設委員でもありますので、特に阪神高速道路、驚いたのは十八本倒れたあの地域と別に長田区の近くのところ、ほぼ二キロにわたって五十本近く橋脚が鉄筋むき出しになっている。帰って見てみますと、建設省の報告書にもそのことは書いてない、それから毎日出ている被害状況とその対応も、県、市町村管理については道路四千六百二カ所なんて書いてあるんですが、国と公団については調査中で数字もないんです。これは大変おかしいことだと思うんですが、建設省、阪神高速道路で橋脚の破壊、破損の本数、何本あったんですか。時間が十五分なので簡潔に答えてください。
#157
○説明員(井上靖武君) 今回の震災におきます神戸線の橋脚の破損についての御質問でございますけれども、今後の調査によりまして数字には変更があり得るものの、これまでの調べでは、神戸線につきましては落橋に至る橋脚の倒壊区間も含めまして大きな損傷を受けた橋脚は約百五十基程度ございます。これまでその撤去あるいはベントの設置、支えるわけでございますが、そういったこと、あるいは鋼板による巻き立てなど二次災害の防止のための対策を講じてきたところでございます。
#158
○上田耕一郎君 私は、八九年のサンフランシスコ地震のとき、予算委員会でこの問題聞いたんです。建設省の道路局長が、今回の地震をはるかに上回るマグニチュード八クラスの極めてまれな大地震に対しても橋脚の破壊等の被害が生じないよう処置していると、そう答えたんですね。このマグニチュード七・二というのは計算するとマグニチュード八の十六分の一です、エネルギーは。一けた下です。それで百五十本の橋脚が破損しているというと、私は建設省の耐震基準に非常に重大な欠陥があった、あえて言えば国家賠償法に言う「公の営造物の設置又は管理に瑕疵があった」ということさえ言えるほど問題があったというように思うんですね。
 建設省だけではありません。今まで明らかになったように、神戸市のさまざまな対応、計画、消防体制、また国の体制、さまざまな問題があったわけで、今回の非常に甚大な被害には、自然災害の大きさだけでなく、そういう問題点があったということを前提にして対策を本当に充実していかなければならないとつくづく思っている次第です。
 きょうは、物の再建、復興と同時に人間生活の再建、これが何よりも主体だという点から、地場産業の問題をまず取り上げたい。
 懇談のときにも笹山神戸市長は、やはり神戸の地場産業、中小企業、この復興を本当に国会としても真剣にやってほしいと、再三強調されました。長田区のケミカルシューズ、灘の造り酒屋さん、神戸港のコンテナの荷役業、私たちが見ました淡路島のかわら製造業、ノリの養殖、加工などなど、こういうものの復興が非常に急がれている。
 私は、きょうはその中でも国内の年間生産高約四千五百万足の八割を生産している神戸のケミカルシューズの問題について取り上げたいんです。
 いただいた中小企業の資料を見ましても、約五百社中、全壊・焼失三百五十社、半壊百社、一部被害五十社、つまりほぼ全滅ですね。従業員数約五万人、関連事業者千二百あるそうで、約二十万人がこのケミカルシューズで今やもう路頭に迷っているという状況です。非常に急がれている。
 なぜ急がれるかというと、ケミカルシューズというのは国内の半数は輸入だというんですね。その八割は中国だというので、これは再建が早くできませんと産業空洞化も起きかねない。ですから、現地の声は一日も早くと。しかし、三%、一千万円ではどうにもならない。やっぱり無利子でなければ立ち上がりができない。目に見える再建を一日も早くというのが非常に強い声だったんですね。私も当然そうだと思うんです。
 昨日、日本共産党の寺前議員らが、日本ケミカルシューズ工業組合の理事会がちょうど開かれておりまして、そこへ参りました。藤本理事長の強い要望は二つです。早急に仮設工場をつくってほしい、これが一つ。二つ目は、今一番必要なのは融資だ、最高十億円、二年間無利子据え置き、二十年間月賦にしてほしいという要望でございます。要請書もここにございますが、そういう要望なんですけれども、通産省・中小企業庁の方、この問題でどういう対応をおとりになるおつもりですか。
#159
○説明員(玉木昭久君) 先生御指摘のとおり、被害が非常に甚大かつ広範ということでございまして、政府といたしましては一月二十日の閣議決定及び一月二十四日の激甚災害指定によりまして、従来の支援措置よりもさらに踏み込んだ思い切った災害融資等に関する特別措置を講ずることといたしました。今後、これらの措置が利用されることを期待するわけでありますけれども、さらに今後の支援策の拡充につきまして現在検討をしております。
 特に、ケミカルシューズの工業組合等を初めといたします小規模な事業者等の操業の再開を一刻も早く支援をするということが必要だと認識をしておりまして、仮設の共同工場等の設置あるいはこれを賃貸するようなそういった制度につきまして、中小企業事業団の高度化施策の一環として実施するような方策等について早急に検討したいというふうに考えております。
 また、御指摘の低利融資等の要望がたくさんございますことは私ども十分承知をいたしておりまして、こうした中小企業の実情に十分に配慮をして、法的措置の必要性等を含めてできる限りの措置を講ずるべく検討しておるところでございまして、今後とも早急に検討を進めてまいりたいというふうに考えております。
#160
○上田耕一郎君 平成四年度の国土庁委託調査、初動期災害対策に関する調査報告書というのがあるんです。これを見ますと、大規模長期災害の場合、長期避難の被災者に対する生活、生業の支援、これが非常に検討を求められているニーズだと。その内容は、一、各種の給付、二、低利・無利子貸し付け。ちゃんと国土庁にこういう報告書が出ているんです、平成四年度に。
 それで、小里さんにちょっとお伺いしたいんですが、この三%問題、先ほど御自身でも本気で考えているんだと。それ以下のことをということを考えておられましたけれども、きょう付の日経を見ますと、中小向けの特別融資、県と市で合計四千億円、利子補給で実質的に無利子、年二・五%の超低利、限度額は一企業五千万円、一組合一億円と、こう書いてあるんです。こういう制度を県と市でつくろうとしているんですね。この最後のところに「政府系金融機関が県、市とほぼ同じ内容の融資制度を創設するよう、大蔵省、通産省との間で調整を急いでいる。」と、こういう報道まであるんですよ。
 先ほど小田里大臣は、仮設工場をつくるのは高度化資金でおやりになると。高度化資金というのは工場と設備でしょう。そのほかに材料も買わなきゃいかぬ。人件費も要る。運転資金も要る。どうしてもケミカルシューズを初め地場産業や中小企業が再建するためには県と市がつくるこういうものに対応する国としての制度が必要なんですね。
 もう大蔵省、通産省は検討しているという報道なんですが、小里さんとしてもこういう県、市がやろうとしている制度と同様の方向でぜひ努力いただきたいと思うんですが、明確な答弁をお願いします。
#161
○国務大臣(小里貞利君) 実は、先ほども御説明申し上げたところでございますが、今、先生がおっしゃる中小企業事業融資、激甚法を適用いたしましてやりましたけれども、これでは納得できません、不十分です、その声が確かに強うございます、私どもはそれを受けまして、一応通産省と協議をいたしました。相当詰めております。
 もう率直に申し上げまして、大臣とは意見の一致を見ておりますが、今、財政当局とかけ合っているところでございますが、これは相当腰を据えて私も取りかかっておるつもりでございますから、ただいま先生お引き合わせのその新聞はまだ見ておりませんけれども、県、市でさえもさような措置をとっておるというお話は本当に強い響きでお受けいたしておるところでございます、
#162
○上田耕一郎君 今、小里震災担当相の決意をお伺いしましたので、通産省とは意見が一致しているということで、中小企業庁、通産省も本気でやろうとしていると。あとは大蔵省ですよ。国土庁も問題なんですな。国土庁は、これまで北海道南西沖地震以来、例の三%条項、これは政令委任に改正しようとする要求に対して、大蔵省だけではなく国土庁まで反対したと。事実だとすればとんでもないですな。
 国土庁、どうですか。この三%条項、これはもう政令条項に移して無利子、超低利の、そういう被災の事業者、これは働いている人にも大きな影響ありますから、そういう方向で国土庁も努力しますか。
#163
○政府委員(村瀬興一君) 今、先生おっしゃいましたのは中小企業の激甚の三%でございますが、これは政令条項じゃなくて法律事項になっております。
#164
○上田耕一郎君 だから法律事項を政令事項にしろと言うんだ。
#165
○政府委員(村瀬興一君) ですから、そこら辺は今のこの話の決着ぐあいにひとつよると思います。
#166
○上田耕一郎君 もう時間が余りございませんけれども、先ほど本岡委員の質問に対して、特に個人給付、個人補償、そういう非常に新しい問題について両大臣からかなり前向きの答弁があって、これは私非常に重視したいと思うんです。これはぜひ実現していただきたい。
 それで、先ほど基金の問題についてちょっと取り上げられました。基金については、野中自治大臣が三十一日記者会見で、県と市で総額約三千億円程度の災害対策の基金をつくろうとしている、国としてもこれを援助する、そう記者会見で述べておられるんです。それで、雲仙のときには先ほども六百三十億に対して国としても地方債の借人利子を地方交付金で面倒を見た、そういうことがあるんですけれども、今回も、態様はもちろん違いますけれども、規模も態様も違うけれども、県と市が三千億円の災害対策の基金をつくった場合、まあつくると言うんですけれども、国としても地方交付金で面倒を見る、地方債の借入利子については。そういうことを含めて措置をするというふうに受け取ってよろしいでしょうか。小里大臣の立場をお伺いします。
#167
○説明員(陶山具史君) 地元兵庫県などの地方公共団体の基金設置の構想でございますけれども、雲仙岳災害対策基金を参考にいたしまして、被災者対策の一環として被災者の方々の生活の再建とか、あるいは地域住民の方々の自立復興等を支援するため、行政では対応しにくいきめ細かな対策を弾力的に行うということなどを目的に、全国からの義援金でございますとか、県、市の拠出金などを積み立てた基金を設立するといったことを検討しているというふうに聞いておるところでございます。
 今、先生おっしゃいましたように、雲仙の場合とは災害の態様も異なっておりますし、規模も大きく異なっております。そういった相違点もありますことから、この基金の具体的な内容等につきまして、現在地元の地方公共団体において被災者のニーズなどを勘案しながら検討を進めるというふうに聞いておりますので、その考え方や内容が具体化しました段階で、政府といたしましても、各般にわたる災害救助対策あるいは災害復旧復興対策等の一環といたしまして、雲仙の際の財政措置なども参考としながらできるだけの支援をしてまいりたいというふうに考えております。
#168
○国務大臣(小里貞利君) せっかく先輩の方から御指摘でございますから一言お答え申し上げておきますが、個人給付の問題、これは原則は先ほど事業上げましたように自助努力による回復を原則といたしておりますと、こう申し上げておりますが、いろいろお話をお聞かせいただいております。勉強いたします。
#169
○上田耕一郎君 もう時間が参りましたけれども、雲仙のときの基金も、これは一番最初には、ここに島原の市長の鐘ヶ江さんの本があるんですが、海部首相が最初に見に来て、市長に特別立法をやると、個人補償。そう約束して、それでもう鐘ヶ江さんも本気になって、だめだったら国会の前で腹を切るとまで考えてやって、実はそれがついにだめになって基金になったという経過があるんですね。それだけの経過があるので、この個人給付問題、ぜひ今度は実現したい。
 これだけの大災害で、これ一歩を進めないと進めるチャンスはなかなかないですよ。しかも基金は、あの中には住宅対策として県が三百万、市が二百五十万で五百五十万、住宅再建の基金まで出る場合もあったわけなんで、それに対して間接的に国が援助するということなので、個人給付にも接近していく方向なんですね。
 もうぜひ両大臣を先頭に、今度の大災害を禍を転じて福となして、日本の災害対策が本当に国民的な規模で前進するものになるように心から要請いたしまして、質問を終わります。
#170
○委員長(陣内孝雄君) 本件に対する質疑は本日はこの程度にとどめます。
 次に、本件に関し、理事会において協議の結果、兵庫県南部地震の緊急災害対策に関する決議を行うことに意見が一致しました。
 この際、便宜私から、自由民主党、日本社会党・護憲民主連合、平成会、新緑風会及び日本共産党の各派共同提案による兵庫県南部地震の緊急災害対策に関する決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    兵庫県南部地震の緊急災害対策に関する決議(案)
 去る一月十七日に発生した兵庫県南部地震は、五千名を超える尊い人命を奪い、家屋やビルの倒壊、鉄道・高速道路・港湾等の損壊、電気・ガス・水道等ライフラインの寸断、また地震後に発生した火災による家屋等の焼失など、戦後最大規模の大災害になっており、その被害は市民生活を麻痺させ、兵庫県南部地域の都市機能を壊滅させるものである。避難住民は三十万人余に達し、被災者は長期化する避難生活のなかで断続的余震に怯えながら、不安な日々を送っている。
 未曾有の被害は、国民生活に甚大な被害をもたらし、内外の経済に深刻な影響を与えるものであり、その救済と復旧は、国家を挙げて取り組むべき課題である。
 災害対策特別委員会では、一月二十六日、二十七日の二日間、兵庫県南部地震による被害状況調査のため兵庫県に委員派遣を行って当面の緊急対策における課題について検討してきたところである。
 政府においては、応急対策に全力を挙げているが、被災者に対する生活援助措置、ライフラインの復旧、安全対策及び復旧・復興対策等について可能な限りの措置を積極的に講ずべきである。特に現時点において緊急を要する次の事項について万全を期するとともに、防災体制の見直しを行い、災害に強い都市づくりのため抜本的対策を樹立すべきである。一 被災住民の生活に必要な物資の確保と迅速な供給に努めるとともに、医療救護体制及び環境衛生対策の充実等住民の心身の健康に万全を期すること。特に、障害者、高齢者、乳幼児、外国人等にきめ細かな対策を講ずること。二 被災者に対する災害弔慰金等の早期支給、生活資金の貸付制度の弾力的活用、所得税等の軽減措置の拡大、各種保険金の支払の迅速化を図るとともに、住宅被害については、その再建に対する融資制度の適切かつ迅速な運用に努め、被災者等支援のため遺漏なきよう万全を期すること。三 生鮮食料品、建設資材等の安定供給を図るため、流通機能の早期回復に努めるとともに、不当な価格上昇を抑制するため、物価監視等の対策を講ずること。四 避難住民の住居を緊急に確保するため、必要な応急仮設住宅等を早急に建設するとともに、既存の公営住宅、宿泊施設等の活用を図るほか、全国の地方自治体、企業等に協力を要請するなど、遺漏なきよう対処すること。五 社会福祉施設、文教施設等の早期復旧を図り、その活動の再開に向けて、財政支援等適切な措置を講ずること。六 被災者の就業対策については、事業者へ雇用関係の維持を強く要請するとともに、被災事業所の休業等に伴う一時的離職者に対する失業給付について弾力的運用を行う等適切な措置を講ずるほか、雇用機会確保のため職業紹介・斡旋に努めること。七 被災中小企業者、被災農林漁業者等に対する各種融資措置の弾力的運用を図る等適切かつ円滑な実施に努めるほか、必要に応じ仮設共同工場・仮設共同店舗の建設を図ること。また、被災農林水産関係施設等の早期復旧を図ること。八 道路、鉄道、情報通信、ライフライン等の被災施設の早期復旧を図るとともに、当面の代替・緊急輸送対策に万全を期すること。九 国際貿易港である神戸港の重要性にかんがみ、被災施設の早急な復旧を図ること。十 被災地の安全を確保するため、治安の維持に努めるとともに、防災通信施設等の早期復旧・設置を図ること。十一 瓦れき処理について適切に対処するとともに、被災した建築物の安全度判定の実施に全力を挙げ、建物の崩落、がけ崩れその他の二次災害の防止に万全を期すること。十二 被災者に対し的確な災害関連情報を提供すること。十三 応急対策及び復旧対策に係る財政、金融、租税及び地方交付税等については適切な措置を講ずることにより地方負担を極力抑制すること。
 右決議する。
 以上であります。
 本決議案を本委員会の決議とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#171
○委員長(陣内孝雄君) 御異議ないと認めます。よって、さよう決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、小里国務大臣から発言を求められておりますので、これを許します。小里国務大臣。
#172
○国務大臣(小里貞利君) ただいまの決議につきましては、その御趣旨を十分尊重して、一日も早く住民の生活の安定並びに地域の復興が実現するよう、政府の総力を挙げ、地元地方公共団体とも連携して対策に万全を期してまいる所存でございますので、よろしくお願いいたします。
#173
○委員長(陣内孝雄君) なお、本決議は、関係政府機関に送付いたしたいと存じます。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後九時二十一分散会
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト