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1995/06/09 第132回国会 参議院 参議院会議録情報 第132回国会 災害対策特別委員会 第11号
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1995/06/09 第132回国会 参議院

参議院会議録情報 第132回国会 災害対策特別委員会 第11号

#1
第132回国会 災害対策特別委員会 第11号
平成七年六月九日(金曜日)
   午前八時三十分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 六月七日
    辞任         補欠選任
     佐藤 三吾君     野別 隆俊君
     渕上 貞雄君     安永 英雄君
     泉  信也君     釘宮  磐君
     猪木 寛至君     江本 孟紀君
 六月八日
    辞任         補欠選任
     大島 慶久君     上野 公成君
     太田 豊秋君     溝手 顕正君
     下条進一郎君     佐藤 静雄君
     松谷蒼一郎君     岡  利定君
     山崎 正昭君     加藤 紀文君
     村沢  牧君     稲村 稔夫君
     安永 英雄君     渡辺 四郎君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         陣内 孝雄君
    理 事
                浦田  勝君
                清水 達雄君
                横尾 和伸君
    委 員
                上野 公成君
                岡  利定君
                加藤 紀文君
                佐藤 静雄君
                溝手 顕正君
                稲村 稔夫君
                大森  昭君
                上山 和人君
                谷畑  孝君
                渡辺 四郎君
                刈田 貞子君
                釘宮  磐君
                木暮 山人君
                江本 孟紀君
                林  紀子君
   衆議院議員
       災害対策特別委
       員長       日野 市朗君
   国務大臣
       国 務 大 臣
       (国土庁長官)  小澤  潔君
   政府委員
       国土庁長官官房
       審議官
       兼阪神・淡路復
       興対策本部事務
       局次長      角地 徳久君
       国土庁防災局長  村瀬 興一君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        駒澤 一夫君
   説明員
       科学技術庁研究
       開発局企画課防
       災科学技術推進
       調査官      榊原 裕二君
       大蔵省主計局主
       計官       長尾 和彦君
       文部省学術国際
       局研究機関課長  早田 憲治君
       建設省国土地理
       院長       小野和日児君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○地震防災対策特別措置法案(衆議院提出)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(陣内孝雄君) ただいまから災害対策特別委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 去る六月七日、猪木寛至君、泉信也君、渕上貞雄君、佐藤三吾君が委員を辞任され、その補欠として江本孟紀君、釘宮磐君、安永英雄君及び野別隆俊君が選任されました。
 また、昨日、村沢牧君、安永英雄君、下条進一郎君、太田豊秋君、松谷蒼一郎君、山崎正昭君及び大島慶久君が委員を辞任され、その補欠として稲村稔夫君、渡辺四郎君、佐藤静雄君、溝手顕正君、岡利定君、加藤紀文君及び上野公成君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(陣内孝雄君) 地震防災対策特別措置法案を議題といたします。
 提出者から趣旨説明を聴取いたします。衆議院災害対策特別委員長日野市朗君。
#4
○衆議院議員(日野市朗君) おはようございます。
 ただいま議題となりました地震防災対策特別措置法案につきまして、提案の趣旨及びその概要を御説明申し上げます。
 地震防災対策特別措置法案は、地震防災緊急事業五カ年計画の作成及びこれに基づく事業に係る国の財政上の特別措置、地震に関する調査研究の推進のための体制の整備等を定めることにより、地震防災対策の強化を図り、震災から国民の生命、身体及び財産を保護し、社会秩序の維持と公共の福祉の確保に資することを目的とするもので、その主な内容について御説明いたします。
 第一は、地震防災緊急事業五カ年計画の作成等についてであります。
 都道府県知事は、地震により著しい被害が生ずるおそれがあると認められる地区について、地震防災緊急事業五カ年計画を作成することができることとし、計画を作成しようとするときは、関係市町村長の意見を聞き、内閣総理大臣と協議しなければならないこととなっております。
 なお、この場合、内閣総理大臣は、関係行政機関の長の意見を聞かなければならないこととなっております。
 第二は、地震防災緊急事業五カ年計画の内容についてであります。
 避難地、避難路、医療機関、公立の小中学校、地域防災拠点施設等の整備及び老朽住宅密集市街地に係る地震防災対策等であって、主務大臣の定める基準に適合するものに関する事項について定めるものであります。
 第三は、国の負担または補助の特例等についてであります。
 地震防災緊急事業五カ年計画に基づいて実施される事業の経費に対する国の負担または補助の割合を引き上げるものであります。
 第四は、地方債及び財政上の配慮等についてであります。
 地方公共団体が実施する事業に要する経費に充てるために起こす地方債についての特別の配慮、地震防災対策の強化に必要な財政上及び金融上の配慮を行うものであります。
 第五は、地震調査研究推進本部の設置及び組織についてであります。
 地震に関する調査及び研究の推進を図るため、総理府に地震調査研究推進本部を設置し、その所掌事務に関し、関係行政機関等に必要な協力を求めることができることとするものであります。
 また、その組織については、本部長には科学技術庁長官をもって充て、内閣総理大臣が任命する本部員で組織し、本部に政策委員会及び地震調査委員会を設置することとしております。
 第六は、地域に係る地震に関する情報の収集等についてであります。
 本部長は、気象庁長官に対し、地域に係る地震に関する調査または研究を行う関係行政機関等の調査結果等の収集を要請することができることとし、気象庁及び管区気象台は、その事務を行うに当たっては地域地震情報センターという名称を用いることとするものであります。
 第七は、関係行政機関等の協力についてであります。
 本部長は、その所掌事務に関し、関係行政機関の長その他の関係者に対し、資料の提供等必要な協力を求めることができることとするものであります。
 第八は、国の調査研究の推進等についてであります。
 国は、地震に関する調査及び研究のための体制整備に努めるとともに、地震防災に関する科学技術の振興を図るため必要な研究開発を推進し、その成果の普及に努めなければならないものとすることであります。
 また、国は、地方公共団体が行う研究等に必要な技術上及び財政上の援助に努めなければならないこと等となっております。
 なお、この法律は、公布の日から起算して二月を超えない範囲内において政令で定める日から施行するものであります。
 以上がこの法律案の提案の趣旨及びその概要であります。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。
#5
○委員長(陣内孝雄君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#6
○木暮山人君 おはようございます。平成会の木暮でございます。
 まず、ただいまの地震防災対策特別措置法案について幾つか質問をさせていただきたいと思います。
 第一には、阪神大震災の復旧・復興のために政府がとった具体的措置及び今後の施策についてちょっと細かく御説明を願いたいと思うのであります。
#7
○政府委員(角地徳久君) 阪神・淡路大震災に関しまして政府がこれまでに講じました具体的施策でございますが、まず応急、緊急の対策といたしまして、今回の災害を速やかに激甚災害に指定するとともに、生活資金の貸付制度の拡充、税の減免措置、医療費の特例、雇用対策、教育対策等の実施、応急仮設住宅の確保、瓦れき処理についての解体を含めました公費による実施、中小企業への低利融資等の特例措置を迅速に講じてまいりました。
 さらに、復旧・復興への足がかりともなる対策といたしまして、特別の財政援助等に関する法律によりまして補助率のかさ上げ等の措置を実施いたしました。
 また、被災地域での市街地復興を円滑に行うための被災市街地復興特別措置法、マンションなどの区分所有建物の再建を容易にするための被災区分所有建物の再建等に関する特別措置法、被災地における生活や事業活動の復旧等への対応についての税制上の立法措置など十六本の特別立法措置をいち早く講じました。
 また、被災者の救援や地域の総合的な復旧・復興対策を目的として設置されました阪神・淡路大震災復興基金に対しまして、積極的な支援を行うことといたしました。
 次に、本格的な復興に向けましては、まず復興事業への国の支援、その他復興に関する施策を政府一丸となって着実に推進するために、阪神・淡路復興対策本部を設置し体制の整備を図りました。
 また、復興のための施策につきまして大所高所より御意見や御提言をいただくために、阪神・淡路復興委員会を設置したところでございます。
 阪神・淡路復興対策本部におきましては、四月二十八日に、復興委員会よりの御意見を踏まえ、また地元や関係方面の御要望も参考にさせていただきながら、阪神・淡路地域の復旧・復興に向けての考え方と当面講ずべき施策を決定いたしました。被災地における生活の平常化の支援でございますとか、瓦れきの処理、二次災害防止、港湾機能の早期回復、早期インフラ整備、住宅対策、市街地の整備等、地震発生以来講じてまいりました応急復旧施策を引き続き積極的に推進するとともに、復旧・復興施策について当面必要となる施策を早急に講ずることとしたところでございます。
 これらの施策の推進のための財政措置といたしまして、総額一兆二百二十二億円の平成六年度第二次補正予算を編成するとともに、平成七年度補正予算には阪神・淡路大震災等関係経費といたしまして一兆四千二百九十三億円の経費を計上したところでございます。
 今後の施策につきましては、現在、地元地方公共団体におきまして十カ年の復興計画の策定作業を進めているところでございます。今後、復興に向けましての具体的な施策が示されてくるものと思われますので、これにつきまして地元の御要望をよく伺った上で政府として最大限の支援を講じてまいりたいと考えております。
#8
○木暮山人君 どうも御苦労さまです。こんな大きな災害でありますから、大変な御苦労が多かったと思うのであります。
 しかし、これを国民のサイドから見ますと、政府の地震防災対策にかかわる施策は断片的で、また合理的、効率的でないという批判を受けているわけであります。こうした国民の厳しい批判を国土庁はどのように受けとめておられるか、その所見をひとつ引き続きお伺いしたいと思います。
#9
○政府委員(村瀬興一君) 地震多発国であります我が国は過去多くの地震災害を経験しておりまして、総合的な防災対策は特に緊急な課題であるというふうに認識しております。
 このため政府の地震防災対策は、中央防災会議で決定されました大都市震災対策推進要綱、南関東地域震災応急対策活動要領、南関東地域直下の地震対策に関する大綱等に基づきまして、関係省庁、地方公共団体等が密接な連携をとりつつ、各般の対策を講じてきたところでございます。
 今回の阪神・淡路大震災の経験を踏まえまして政府といたしましては、初動期の情報連絡体制につきまして災害即応体制検討プロジェクトチームにおいて検討を行い、大規模災害発生時の被害規模の早期把握のための第一次情報収集体制の強化、関係省庁から内閣情報調査室を窓口とする総理大臣等への情報連絡体制の整備を図ることにつきまして二月二十一日に閣議決定をしたところでございます。
 また、我が国の防災対策の基本となります防災基本計画につきましては、総理を会長といたします中央防災会議におきまして、地震に強い国づくり、町づくりのための施策、災害の発生に対処するための事前対策、災害発生時の応急対策、復旧・復興対策等について具体的な対策を検討しており、今月中を目途に取りまとめをいたしたいというふうに考えておるところでございます。
 さらに、各界の有識者の方々から成ります防災問題懇談会を総理の私的諮問機関として設置いたしまして、災害情報の収集及び伝達体制のあり方、避難者の生活確保に関する支援体制及び広域連携のあり方、ボランティア、物資援助等民間協力の活用と行政の支援、防災基盤施設整備等について御検討いただいているところでありまして、十月を目途に取りまとめていただくという予定でございます。
 先ほども話が出ましたように、平成七年度補正予算におきましても各種施設の耐震性の向上対策等に約三千三百億円、自衛隊のヘリコプター等により収集した映像情報を伝送するシステムの整備等の災害対策用資機材及びシステムの整備に約八百億円、災害発生時における市民生活の安全確保対策等の公共施設等の防災機能の向上に約三千二百億円等、各般の施策を講ずるための所要の経費を計上しているところでございます。
 今後とも、関係省庁と密接な連絡をとりつつ、総合的な地震防災対策の一層の推進を図ってまいりたいというふうに考えておるところでございます。
#10
○木暮山人君 どうもありがとうございました。
 いろいろこの地震の経験、災害の経験によりましてきめ細かな対応策というものが考えられてきていると思うのでありますが、きょうまた同じようなことが起きた場合、それに対応できないというような現状もまだまだあるのではないか。すべてのものが十月を目途として集約していこうというような中で、いわゆる政府の対応のおくれ、このために今回、地震防災対策特別措置法案が衆議院災害対策特別委員会から提出されてきたわけです。
 こうした事態に対しまして、やはりまだ円滑に運営されているわけではございませんので、こういう法案を現時点で見た場合、国土庁といたしましてどんなような感想と、そしてまたどうしなければいけないかという決意等々があると思いますけれども、もしそういう御所見がありましたらひとつお伺いさせていただきたいと思います。
#11
○政府委員(村瀬興一君) 三月に本委員会で期限延長をしていただきました地震防災対策強化地域における地震対策緊急整備事業に係る国の財政上の特別措置に関する法律、いわゆる地震財特法でございますが、これにつきましても、制定から数次にわたります延長、いずれも今般の法律案と同様、議員立法としてやっていただいておりまして、関係議員の方々の御尽力により取りまとめられたものでございます。
 阪神・淡路大震災を踏まえまして、政府といたしましても全国的な地震防災対策への国の支援や地震に関する調査研究体制の確立の必要性は認識していたわけでございますけれども、一方で国会議員の方々の間でこれらの課題について議員立法を行うという動きがございまして、この動きを注視してきたところでございます。
 今般、地震防災対策特別措置法案としておまとめいただいたところでございますけれども、政府といたしましても、本法律案の提出に際しましての関係各位の御努力と御熱意に対しまして深く敬意を表するとともに、感謝をいたしているところでございます。
 本法律案を御可決いただきました暁には、その御趣旨を体しまして適切な運用に努め、関係省庁と緊密な連携をとりつつ地震防災対策の一層の推進を図ってまいりたいというふうに考えておるところでございます。
#12
○木暮山人君 結構なことだと思います。
 そこで、今からだんだんこの対応策というものが軌道に乗っていくと思うのでありますが、ひとつ委員長さんに。この提案理由説明を先ほどちょうだいしたのでありますが、きめ細かにいろいろ書いてあるわけであります。考えてみますと、それらの条項がどういうぐあいに実際作動されていくか、そしてまた、これは冷静に考えている事態でこの法の条理というものが構築されているわけでありますが、実際の現場というものは非常に混乱している現状で、これがどのように現実としては作動していくかというようなことが非常に何か憂慮されるようなこともあります。
 しかし、このたびの阪神大震災の甚大な被害状況から見ましてとても黙って見てられないというようなことでこの法案というものを提出されてきたのではないかと思いますが、本当の意味で、いわゆるやむにやまれないというようなところがありまして、今後こんなことを二度と繰り返しちゃいけないというようなこともあると思いますけれども、そんなような観点から、提案者といたしましてその本意、感情というものをひとつ御披瀝願いたいと思うのであります。
#13
○衆議院議員(日野市朗君) ただいまの木暮先生の御質問を伺っておりまして、まさにこれは全く同感という思いでございます。
 私、この大震災が起きましてから日ならずして現地に視察を行いました。参議院の諸先生にも御一緒においでをいただきまして、皆さん非常にあの場面を見ていろいろの思いを抱かれたと思います。私もそれまでテレビ等のブラウン管を通じまして被害の模様についてはある程度知っていたつもりでございますが、テレビのブラウン管というのは小さなブラウン管に被害の模様を切ってとったようなものでありまして、現地に赴いて現地に立ってみれば、その災害の恐ろしさ、その被害の規模の甚大さ、これにはまさに胸突かれる思いでございました。特に、ビルの倒壊、木造家屋の倒壊、火災の跡、そしてそれまで繁栄を誇った神戸港の惨たんたるさま、その及ぼす経済的なダメージというようなものに思いをいたせば、これはほうってはおけないという思いでございます。
 これは歴代の政府も、それから自治体もそれぞれ御苦労なさってきたのでありましょうけれども、しかし、それにしても災害というものはやはり結果であります。歴代政府は一体何をやってきたかというような思いは、これはもうやっぱり私としては禁じ得ないところもございました。そして同時に思うのは、この日本は地震と同居をしているような国でございますから、至るところに地震の種がございます。そして、このような災害がいつ起きてもおかしくないという状況にあります。
 これはもう木暮先生もよく御承知のとおり、我々がこうというアイデアを持ったからといってそれが直ちに実るものでないこと、これはよくわかっておりますが、政治家として今何らかの行動をとらなければならぬ、そうでなければ政治家の国民に対する責めを果たすことはできない。こういう思いから我々もこの地震に対する対策、特に防災、このことについてはきちっとした対応をとっていこうではないか、まず第一歩をしるそうではないかと。こういう思いからこの法案も、これは衆議院の同僚各位の甚大な御協力を賜りましてこのような法案を作成をいたし、そして衆議院も全会一致で通していただいたと、こういう経過になっております。
 今、こうやって参議院の皆さんの熱心な御討議の場に立たせていただきまして、やはり同じ政治家として同じような思いを抱きながら温かい目でこの法案を見ていただいていること、本当に私は今感謝を申し上げております。ぜひとも一日も早く、一刻も早くこの法律案を成立させていただきまして、一歩も二歩も防災体制を固めるために進んでいければと、こういう思いでいっぱいでございます。ひとつよろしくお願いいたしたいと思います。
#14
○木暮山人君 どうもありがとうございます。
 実際、お立場として、また我々を初め、何か焦りの中から国民を一日も一刻も早くいい方向へという立場では、もうこれはやむにやまれない考えであると思います。しかし、私のきょうの質問の中に、行政のお立場で、またいろいろなことが断片的なり、また一貫的に今考えられておりますが、その点も含めまして、将来ますますこれが円滑に、そして受けるのは国民であり国に住まっている人たちでありますから、今後ともその意欲を十分反映するように我々初め全部で努力していかなければいけないと、かように考えておる次第でございます。
 次に、法案の第三条第一項第十四号の地域防災拠点施設というのはどのようなものを考えておられるか、具体的にひとつお示しをちょうだいしたい。ここら辺がこれからの一番の問題になっていくんではないか、基本的なものだと思いますので、ひとつよろしくお願い申し上げます。
#15
○政府委員(村瀬興一君) 現在、私どもでは防災基地建設モデル事業というものをやっておりまして、これまでに九カ所完成をいたしております。
 その事業の目的でございますけれども、大都市地域における災害対策の一環といたしまして、既成市街地等において災害時の災害対策活動の拠点として機能し、平常時には防災に関するPR、教育、訓練等のコミュニティー活動の場となる防災基地の防災センター施設の整備を推進するということを目的といたしております。
 事業主体につきましては地方公共団体でございまして、実績といたしましては県、市、それから特別区、広域行政事務組合等がございます。
 それから事業の内容でございますけれども、防災基地の中核施設となります以下の要件に該当するような防災センターの建設ということでございまして、地震災害発生時及び平常時において防災基地の機能を総合的かつ有機的に果たすために、地域の実情において、総合管理施設、これは情報連絡室でございますとか職員の部屋、集会室、それから防災教育施設、これは地震体験室でございますとか展示室、図書室、それから備蓄施設、それからその他防災センターの建設目的に適合すると認められる施設でございますが、そういった施設を備えているものであるということ。それから、防災センターの規模及び構造が耐火構造でおおむね三千平米、しかも地震災害発生時における震動、延焼等に耐える堅牢なものであること、それから平常時及び地震災害発生時における利用者の利便を確保することができるものであることということでございます。
 現在、モデル事業でやっております補助率につきましては、補助対象事業に要する経費の三分の一ということでございます。
 以上でございます。
#16
○木暮山人君 どうもありがとうございます。
 これは考えてみますと、日本の国内にある活断層千五百、またプレート等から見ますと十分な施策を施していけるような段階の考えではないかと思います。ただ、数の問題だと思います。そこら辺もひとつ御考慮のほどをお願いします。
 次に、法案及び衆議院の決議に言う地域防災拠点施設の整備についてでございます。
 国民の生命、身体の安全に直接にかかわるものであるから今後急速に整備していく必要があると思われるので、国費の確保に特段の配慮をなすべきではないかと考えますが、これに対する御所見はどんなものでございましょう。
#17
○説明員(長尾和彦君) 御指摘のように、地域防災拠点施設は震災発生時に国民の生命、身体の安全にかかわるものでありまして、防災対策上重要なものと認識しております。国会で本法案が成立されたならば、今後の予算編成過程におきまして、関係省庁ともよく相談しつつ適切に対応を図ってまいりたいと考えております。
#18
○木暮山人君 そこら辺がこの法案が効果を発揮するかしないかでございますから、ひとつ熟慮の上、お願いしたいと思うのであります。
 次に、この法案の趣旨からも、地震防災緊急事業五カ年計画の各事業については、厳しい財政事情のもとではございますが、阪神大震災の甚大なる被害状況から見て十分なる事業費を確保すべきであると考えます。これにつきましても、最終的には現在提案された法律そのものの効果が出るか出ないかの岐路でございますので、そこら辺の御所見をひとつお伺いさせていただきたいと思います。
#19
○説明員(長尾和彦君) 今次の大震災及び本法案の趣旨にかんがみまして、今後とも地震防災対策については万全を期してまいる所存でございまして、本法案に盛り込まれました各事業につきましては、毎年度予算編成過程において関係省庁とも十分協議しつつ適切な対応を図ってまいりたいと考えております。
#20
○木暮山人君 御答弁にもありましたように、この法案につきましては、やはり一番の裏づけになるお金の問題でもありますから、ぜひこれが有効適切に全展開できるように、それが国民のためでもありますから、よろしく御要望申し上げて私の質問を終わらせていただきます。
 どうもありがとうございました。
#21
○林紀子君 私は、三月十五日のいわゆる地震財特法の意見表明で、本委員会で、第一に対象地域を広げてほしい、第二に対象事業の拡充を図ってほしい、第三に地元の要望を酌み尽くした防災整備計画にするとともに、必要な予算の確保を図ってほしいということを申し上げたわけですが、今回のこの地震防災対策特別措置法案ではこの点に関して留意されているということで賛成できるものです。しかし、さらに充実させるべき点、また、はっきりさせておきたい点がありますので御質問させていただきたいと思うわけですが、まず、提案者であります衆議院の日野委員長にお伺いいたします。
 今回の法案を提出するに当たって、報道によりますと、研究者には相談がない、もっとじっくりやるべきだという声も出ているということですが、例えば予知連の学者など関係者の意見がどのように反映されているのかという点をお伺いしたいと思います。
#22
○衆議院議員(日野市朗君) 我々、この法案の作成に当たって随分慎重な各方面との折衝をいたしたつもりでおります。決して我々がやみくもに突っ走ったなどということは絶対にないのでございまして、各省庁とは綿密に打ち合わせをいたしまして、それぞれ意見の調和点を求めながら作業をしてまいりました。
 でありますから、例えば予知連の学者の先生一人一人から御意見を我々聞くというわけにはまいりませんことでございまして、そういう意見の反映は各省庁との綿密なすり合わせといいますか意見交換の中で各省庁においてくみ上げていただけたものと我々考えているところでございます。
 それから、報道なんかもかなりいろんなこと言って、よくまあ言うなというような感じもしないわけではございませんが、実はその報道の中でもいろいろな人の意見が述べられておりますけれども、やはり一つの事象に対して行政がきちんと責任を持っていくという体制をつくることが我々必要だと思うのでございます。
 でありますから、そういう意味でこのような形で法案としてはまとめさせていただいたわけでありまして、決して予知連の先生方の御経験、学識、こういったものを無視しようなどとは思っておりませんで、これはまた新しい組織の中で十分に生かされると、このように思っております。
#23
○林紀子君 続いてお伺いしたいのは、地震防災緊急事業五カ年計画の内容には、避難地や消防活動が困難である区域の解消に資する道路、さらに老朽住宅密集市街地に係る地震防災対策などが含まれているわけですけれども、住民の合意がないまま整備されることはないのかということが心配なわけです。都市計画や再開発計画ともかかわってくることも想定されるわけですが、住民参加の体制ということを法文上も位置づける方がはっきりしたのではないかと思うわけですが、この点はいかがでしょうか。
#24
○衆議院議員(日野市朗君) 御意見まことに傾聴に値することであり、必要な住民の意向、これを最大限尊重するというのは極めて大事なプロセスであろうかと私思っております。特に、神戸市なんかでも今それで非常に問題が出ていることを私どももよく存じております。
 ただ、この法律の場合は個々の一つ一つの事業の内容につきましてああしろこうしろということは、むしろこの種の法律としては適切ではないのでございましょう。そういうことはきちっと住民の合意を得て事業を推進するという非常に大事な作業、これはまさに現地のといいますか、その地域のといいますか自治体の皆さんにそこを十分に御理解いただき、というよりはもう十分に理解しておられることであり、自治体の皆さんも本当にその点については最大限の留意を払って事業をお進めになることであろうと私は思います。その個々の事業の持つ特殊性、それからそれぞれの地域の住民の合意、これはその地域において取りまとめるのが最もふさわしいという意味において、この法律に書くよりはその地域の皆さんにお任せをするのがよりよいのではなかろうかというふうに考えております。
#25
○林紀子君 今の委員長の御答弁で、住民合意というのが基本的な精神だというふうに承りました。
 次に、国土庁に三点ほどお伺いしたいのですが、この第二条では、都道府県知事が著しい被害が見込まれる地区を指定することになっていますけれども、この地区指定というのはどういう基準で設定するのか。
 二点目は、五カ年計画を作成するとしているわけですが、五カ年でどういう水準まで整備するということを想定しているのか。
 関連して、国の負担、補助の特例が最初の五カ年に限定されているわけですが、二次、三次と五カ年計画を延長すべきではないか、することができるのかどうか、その点をお伺いしたいと思います。
#26
○政府委員(村瀬興一君) まず第一点目でございますが、本法案の第二条に定めております「地震により著しい被害が生ずるおそれがあると認められる地区」につきましては、例えば老朽木造住宅が密集するなど、地震による家屋倒壊や火災等に対して脆弱な地区でありますとか、ライフラインの老朽化により発災時の著しい機能低下が予想される地区でありますとか津波に対して円滑な避難が困難な地区でありますとか、そういった地区が考えられるわけでございます。
 しかし、実際に都道府県知事が地震防災緊急事業五カ年計画を作成するに当たりましては、この法案にもございます「人口及び産業の集積等の社会的条件、地勢等の自然的条件」につきましてはもちろん、地震防災施設の現行の整備水準といったようなことも含めまして、各地域の実情を総合的に勘案されて適切な地区を設定されるというふうに考えております。
 したがいまして、先ほど三つばかり例を挙げましたのは、そういった地区が代表例として考えられるということでございまして、必ずしもそういうところだけに限定されるというわけではないかと思います。
 それから二番目でございますが、五カ年計画でどれくらいの整備水準を目標としてっくるべきかということでございますけれども、これにつきましては地震から国民の生命、身体及び財産の保護を図るという本法律案の立法趣旨にかんがみますと、同計画に基づく事業により必要な施設等の整備の推進をできるだけやるということであろうかと思いますが、これにつきましても、ただ、五カ年間でできる可能な事業量というものにもおのずから限度がございましょうし、それから、これも現行の整備水準との絡みもございましょう。したがいまして、どれぐらいのというのは個々の地区によって異なると思われますので一概には申し上げられないのではないかと思います。
 それから三点目でございますが、この五カ年計画自体を第二次、第三次と延長することは可能であるというふうに思いますが、ただ、先ほど先生もおっしゃいましたように、国の負担または補助の特例等の財政上の特別措置に関しましては、最初に作成されました五カ年計画だけだというふうに法文上限定されておるところでございます。
#27
○林紀子君 この後どうするかということもあるかと思いますが、その予算のところが一番大きくどれだけ進むかということにかかわると思いますので、その辺も今後ぜひ考えていっていただきたいと思います。
 それから次に、国土地理院にお伺いしたいのですが、地震調査研究推進本部を設置することとしていますけれども、同様な既存の組織として、国土地理院の私的諮問機関として先ほどお話がありました地震予知連絡会が機能しているわけです。これとは十分な調整がなされているのか。先ほど日野委員長のお話では、省庁を通してというお話がありましたので、この点はどうなっているのか。また、この法律が制定された場合、地震予知連絡会の役割というのは見直していくということになるのかどうかお伺いしたいと思います。
#28
○説明員(小野和日児君) 先ほど日野委員長の御答弁にもございましたが、地震予知連絡会は、地震予知の実用化を促進するために地震予知に関する情報交換と学術的検討を行っています研究者の集まりでございます。委員の先生方は、いずれも地震に関する調査研究を推進するという必要性を常に強く主張しているところでございまして、この法案の趣旨に異論があるという認識は持っておりません。
 ただ、予知連の先生方は、具体の地震調査研究の進め方につきましては、その学識経験からそれぞれに意見がございます。今後この地震に関する調査研究を具体的にどう進めていくかということにつきましては関係機関で協議することになるかと存じますけれども、地震予知はまだまだ研究段階にあることが多うございますので、地震予知連絡会の役割は一層高まってくるものと思っております。
 したがいまして、地震予知連絡会とこの地震調査研究推進本部等との協調関係等につきましては、地震予知連絡会の委員の先生方の意見等を私どもが集約いたしまして協議に参加していく、その意見が生かされるような形で私ども努力をしてまいりたいというふうに考えておるところでございます。
#29
○林紀子君 今まで積み上げてきた研究成果、そういうものが今後十分引さ継がれて生かされるようにということもぜひ私の方からもお願いをしたいと思います。
 それから、文部省に同様の御質問なんですが、推進本部の事務の一つとして「地震に関する総合的な調査観測計画を策定する」ということを定めておりますけれども、既に測地学審議会の建議によって第七次の計画を進めて、今次の阪神大震災を教訓にその見直しを検討しているところだと聞いております。こうした測地学審議会との調整というのはどうなるのかというのをお聞かせいただきたいと思います。
#30
○説明員(早田憲治君) 御指摘がありましたように測地学審議会は、地震予知計画など政府機関の測地事業計画に関する事項を審議いたしまして、文部大臣及び関係各大臣に建議をいたしますいわゆる審議会でございます。
 我が国におきます地震予知研究は、この測地学審議会の建議する地震予知計画に基づきまして大学、気象庁、国土地理院などの関係機関が連携協力をしながら推進をしているところでございます。地震調査研究推進本部におきまして地震に関する調査観測計画の策定がなされる際にも、同様に測地学審議会の建議を踏まえた検討がなされるものと考えております。
#31
○林紀子君 科学技術庁に二点お伺いしたいのですが、推進本部は「評価に基づき、広報を行う」と定めておりますけれども、広報の内容はどのようなものが考えられるのか、また、内容によって住民が混乱を来すというような心配はないのかどうか。
 それから第二点目は、推進本部は地震観測の情報などを収集し、整理、分析すると定めておりますけれども、こうした情報というのは広くまた活用されるように公表されるのかどうか。その二点をお聞きいたします。
#32
○説明員(榊原裕二君) お答えさせていただきます。
 地震防災対策特別措置法案におきましては、地震調査研究推進本部の中に地震調査委員会を設けまして、この中で各機関が行います地震に関する観測、測量等の調査結果を分析、評価することといたしております。そして、その評価の結果につきまして取りまとめまして広報を行うということになっておるかと認識いたしております。
 一方、地震の予知に関する現状を申し上げますと、従来各機関において鋭意研究を進めてきたところではありますが、いわゆる東海地震以外の地震につきましては観測データの蓄積がいまだ十分ではございませんし、地震発生のメカニズムにつきましても十分まだ解明すべき点が残っておるかという理解をしておりまして、現時点におきましては具体的な予知そのものというのは極めて難しい課題でございますので、特にその中でも短期的な予知というものはほぼ事実上不可能といった現状にございます。
 こういう現状でございますが、今後本部が行います広報のあり方につきましては、今先生御指摘の点も踏まえまして、地震調査研究推進本部の中でさらに検討していくことといたしたいかと思います。
 それから情報の関係でございますが、一つこの法案の目的といたしましては、地震に関する調査研究を積極的に進めていくというのが法案の趣旨かと承知いたしておりまして、このような成果につきましては、国民に対して適宜還元していくということが極めて重要な課題であると思いますので、このような情報を還元することによりまして、例えば国民の防災に関する意識を啓発するとか、長期的に見ますと防災対策などにも十分お役に立てるようなものではないかと思っております。
#33
○委員長(陣内孝雄君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。――別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 地震防災対策特別措置法案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#34
○委員長(陣内孝雄君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 この際、横尾君から発言を求められておりますので、これを許します。横尾君。
#35
○横尾和伸君 私は、ただいま可決されました地震防災対策特別措置法案に対し、自由民主党、日本社会党・護憲民主連合、平成会、新緑風会及び日本共産党の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 以下、案文を朗読いたします。
    地震防災対策特別措置法案に対する附帯決議(案)
 政府は、本法の施行に当たり、次の諸点について適切な措置を講じ、その運用について遺憾なきを期すべきである。一、本法は、地震による災害から国民の生命、身体及び財産を保護することを目的としていることにかんがみ、地震防災対策の円滑かつ速やかな実施を図ることは、現下の緊急かつ最重要課題であり、政府は地震防災対策の実施に万全を期すること。二、地震災害発生の際に、国民の生命及び身体の安全を確保し、災害応急対策の拠点として機能する地域防災拠点施設の整備に係る事業の実施が極めて重要であり、地震防災対策を推進する上で不可欠なものであることから、政府は本事業の積極的な推進を図ること。
 右決議する。
 以上であります。
#36
○委員長(陣内孝雄君) ただいま横尾君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#37
○委員長(陣内孝雄君) 全会一致と認めます。よって、横尾君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、小澤国土庁長官から発言を求められておりますので、この際、これを許します。小澤国土庁長官。
#38
○国務大臣(小澤潔君) ただいまの決議につきましては、その御趣旨を十分尊重して、政府として地震防災対策の一層の拡充強化に努めてまいりますとともに、地域防災拠点施設につきましても、その整備を積極的に進めてまいる所存でありますので、議員の皆様の御支援をよろしくお願い申し上げます。
#39
○委員長(陣内孝雄君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#40
○委員長(陣内孝雄君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午前九時二十分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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