くにさくロゴ
1995/02/21 第132回国会 参議院 参議院会議録情報 第132回国会 環境特別委員会 第3号
姉妹サイト
 
1995/02/21 第132回国会 参議院

参議院会議録情報 第132回国会 環境特別委員会 第3号

#1
第132回国会 環境特別委員会 第3号
平成七年二月二十一日(火曜日)
   午前十時開会
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         篠崎 年子君
    理 事
                小野 清子君
                佐藤 泰三君
                大渕 絹子君
                山崎 順子君
    委 員
                笠原 潤一君
                須藤良太郎君
                西田 吉宏君
                野間  赳君
                南野知惠子君
                清水 澄子君
                矢田部 理君
                足立 良平君
                山下 栄一君
                粟森  喬君
                有働 正治君
                西野 康雄君
   国務大臣
       国 務 大 臣
       (環境庁長官)  宮下 創平君
   政府委員
       環境庁長官官房
       長        大西 孝夫君
       環境庁企画調整
       局長       石坂 匡身君
       環境庁企画調整
       局環境保健部長  野村  瞭君
       環境庁自然保護
       局長       奥村 明雄君
       環境庁大気保全
       局長       大澤  進君
       環境庁水質保全
       局長       嶌田 道夫君
   事務局側
       第二特別調査室
       長        林 五津夫君
   説明員
       科学技術庁研究
       開発局企画課防
       災科学技術推進
       調整官      山下 弘二君
       厚生省生活衛生
       局水道環境部環
       境整備課長    三本木 徹君
       運輸省鉄道局施
       設課長      藤森 泰明君
       建設省河川局開
       発課長      青山 俊樹君
       建設省河川局砂
       防部砂防課長   田畑 茂清君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○公害及び環境保全対策樹立に関する調査
 (公害対策及び環境保全の基本施策に関する件
 )
○公害健康被害の補償等に関する法律の一部を改
 正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(篠崎年子君) ただいまから環境特別委員会を開会いたします。
 公害及び環境保全対策樹立に関する調査を議題とし、公害対策及び環境保全の基本施策に関する件について質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#3
○野間赳君 おはようございます。
 まず、質問に先立ちまして、去る一月十七日に発生をいたしました阪神・淡路大震災においてお亡くなりになられました五千四百余の方々、その御遺族に対しまして衷心より哀悼の意を表しますとともに、被災をなされました、また今なお避難生活をやむなく強いられておられます皆様方に心からまずお見舞いを申し上げたいと存じます。
 地震が発生いたしまして一カ月が経過をいたすことになりましたが、少しずつではありますが明るさを取り戻しつつある、こういう状況でなかろうかと考えております。しかしながら、復興への道のりというのはこれから長いものであるわけでありまして、懸命に努力をして我々も頑張ってまいらなければならないと思っております。
 私は、四国の最北端に当たります高縄半島の根つけにあります今治市というところの出身の者であるわけでありますが、四国の開港場ということで開けてきた町でございます。船の行き来は今治港から神戸港に向かっての物の流れ、また人の流れが絶えないところであったわけでございますが、十七日の震災以来、そういうふうなものが一切途絶えてしまったということでありまして、いろんな意味で影響が大きく出かかっておるというのが実情でございます。
 これは、神戸港が大震災によって大破壊に遭ったということで、船を着けることができません。今までは青木港というところに船を着けさせていただいて、そしてそういうふうな物の流れができておったわけでございますが、一日も早くそういうふうな災害復旧をしていただかなければ、しなければ、我々四国の物の流れができていかないというような心配がここにございます。
 大臣におかれましては、所信の冒頭で触れておられますが、震災後直ちに現地にお入りになられましてつぶさに視察をなされておりますし、また、現地の声なども十分お聞きでお帰りをいただいておるということをお聞きいたしておるわけでございます。
 そこでまず、環境庁長官ということではなしに政治家宮下先生個人のお考えといたしまして、今回のこの大震災をどのように受けとめておられるか、そのことをお尋ねをさせていただきたいと思います。
#4
○国務大臣(宮下創平君) このたびの阪神・淡路大震災はまことに本当に言語に絶するような戦後初めての大災害でございまして、私も現地に赴きまして状況等を視察し、また市長、知事等にもお会いいたしましていろいろ要望を承ったり、今後の町づくりについてのお話等も申し上げてまいりましたが、何よりも今、委員のおっしゃられたとおり、五千四百人以上に上らんとする死者が出たということ、それから、今なお二十万を超す方々が被災地で寒空のもとで困難な避難生活を余儀なくされておられるというようなことなどもつぶさに見てまいりまして、本当に災害の悲惨さ、そういうものをつぶさに拝見して感慨無量のものがございました。
 内閣としては、この大震災に臨みまして、とにかくあとう限りの取り組みをしようということで今取り組まさせていただいておりまして、一カ月もたちましたけれども、なおかつまだ今申しましたように被災の方々が避難所で生活をなさる、そういう方々が二十万を超しておるという状況はまことに看過できないことだと思っております。内閣としては対策本部をつくり、また委員会等もつくって、この回復と同時に復興への足取りも確かなものにしていこうということで体制づくりをしているところでございます。
 両院におきましていろいろ議論がありましたが、一つは初期動作がどうであった、危機管理体制が一体どうであったのかという議論が非常に多く出されました。これにつきましては、きょうの閣議におきまして、大規模災害発生時の第一次情報収集体制の強化と内閣総理大臣等への情報連絡体制の整備に関する当面の措置ということで、情報網をきちっと整えよう、それから官邸に情報を集約しよう、そして適切な対応がとれるようにしよう、万全の体制を講じようということが閣議で決定を見ておりますことも申し添えさせていただきますが、やっぱり情報をきちっと把握して初期動作で的確に迅速に行うことが極めて重要であることは、これはもう申し上げるまでもございません。
 それから、当面の救援対策は、この寒空でございますから、政府として万全の対策を講じておるわけでございます。仮設住宅を四万戸建設するとかいろいろございますが、何よりも私も拝見をして、例えば市役所の一階、二階にはコンクリートの廊下の上にむしろを敷いて、お年を召した方々がなおそこに伏しておられるというような状況を目の当たりにして、これだけの経済大国になってもなおかつ一カ月たってもこういう状況が続いているということは何としても早く解消しなければならないと思っておりまして、当面の救援対策の徹底を期することがぜひ必要かと存じます。
 また、震災に対する都市づくり、これは当然でございまして、国際都市神戸でございますが、これを契機としてと申しますか新しい町づくりに向けて、本当に災害に強い、しかも環境に優しい町づくりが同時に災害に強い町づくりになると私は思うんですね。これは緑地の確保でありますとか公園の確保でありますとか、あらゆる配慮が結局大きな災害を防止することに役立つことも事実でございますから、そういった面でこれからひとつ対応していきたい、こう思っております。
 そして同時に、最後に私の感想だけ申し上げますと、神戸市民の方々が本当に落ちついてあの惨状の中できちっとした対応をしておられるということは感銘を受けました。えてして、ああいう混乱状況とか困難な状況でありますとトラブルも発生しやすいのでございますけれども、そうしたこともなく整々とその苦しみに耐えておられる、これはなかなかできないことで、私は本当に敬意を表したいと存じます。
 それから、もう一つの流れはボランティア活動であります。なかなか政府とか公共団体が大きな枠組みで対応しても細かな対応ができない面もございますが、日本全国各地からボランティア、また外国からの支援もございましたが、ボランティア活動等が行われて、そして気がつかないような点まで気をつけて活動しておられる姿は、やはり日本人の中には心が失われていないんだなという実感を持った次第でございます。これは私は今後の我々の生きざまの中で本当に反省し持ち続けていかなければならぬなというような感じがいたしております。
 環境庁としての取り組みにつきましては、これはまた後ほどいろいろ御議論がありますればお答えすることにいたしますが、何よりも一言で申しますと、二次災害の防止に万全を期するということだろうと思うんですね。そして、これからの復興については環境と調和した震災に強い都市づくり、これが大きな二つの任務であろうかと思っておりますから、この点は万全を期していきたい、このように存じておるところでございます。
#5
○野間赳君 お話しのとおり、大変な災害でありました。物の面でも心の面でも甚大な被害が出たわけでありまして、一刻も早く復興に向けて最大の努力をしていかなければならないのが今日与えられました課題であると思っております。
 そういうふうな非常事態という中であるわけでありますが、あえて先を見て、今大臣も少しお触れになられましたが、環境にもしっかり目を配らせていかなければならないときでもなかろうか、大事なときでなかろうかというような感じを抱いております。
 今回の震災は、七十二年前の関東大震災、五十年前の戦争によります戦災、そういったときと時代の流れが大きく変わってきておりますから、そういうふうな災害の質が大きくまた違ってきておるということを言われておるわけでございます。
 新聞の報道によりましても、被災住宅が十四万三千戸になんなんとするということでありますから、そこに皆様生活をしてきておられたわけでございますので、生活の必需品は全部その住宅に詰まっておったわけでございます。冷蔵庫一つとりましても、その冷蔵庫の中にフロンが含まれて、充てんをされておるわけでありまして、それを戸数で換算をいたしますと十一トンぐらいのフロンガスがあったのでなかろうか、こういうふうなことでありまして、そのほかエアコン等にもそういうふうなものが当然出てくるわけであります。
 環境庁におかれましては、こんな状況を今日どういうふうに把握をなされておるのか、またどのように今後対処をしていかれようとされておるのか。実際には、回収不能なフロンというのもかなり出てくると私は思っておるのでございますが、その辺の実情、環境への影響等、お尋ねを申し上げたいと思います。
#6
○政府委員(大澤進君) 今お話がありましたように多くの家屋が破壊、倒壊されたわけでございますが、そこには日常生活にいわば必須の冷蔵庫とかエアコン等が所有したり設置されているわけでございまして、それももろともに破壊されていったというのが実態かと思います。
 そこで、私どもは現地の地元とも連絡をとりながらその実情の把握に努めているところでございますが、正確に何がどの程度破壊し、フロンについてはどれだけまた空気中に放出したかというのは非常に難しいわけでございますが、今先生も挙げられましたように、倒壊家屋等の数字から一応の計算をしてみたわけでございます。およそ倒壊した家屋は全壊、半壊、焼失等を含めると約十五万戸弱、こういうぐあいになっておりまして、冷蔵庫の普及率は御承知のように大体各戸に一台はあるということから約十五万個あるわけでございますし、また、エアコン等は一戸に一台以上、二部屋、三部屋つけているところもあるわけでございますが、そんなことで平均的には全国統計でございますが約一・四倍、つまり家屋全体に対して一四〇%ぐらいの所有ではないかと推定されております。
 それをフロンの観点から計算してみたわけでございますが、フロンについては御承知のようにいろいろの種類のフロンがございまして、オゾン層に対する破壊の能力といいますか、それがいわゆるフロンと言われるものと、その他のいろいろな代替フロンも含めてですが、破壊の能力が違っておりまして、係数が一応計算されてございますが、それを換算してトータルとして計算したところ、冷蔵庫からの冷媒というのはこの計算で約二十七トン出るという計算になりますし、それからエアコンからはこれで換算計算しますと約八トンと、こうなります。
 そのうち、まだ機器の中に残っている、冷蔵庫の中に残っているというものについては、全壊あるいは焼失したものについては冷蔵庫もろとも破壊、焼失されてございますので現時点ではもうそこにはないわけでございますが、半壊家屋については相当残っておると。これが約六万個というぐあいに数字が出ておりますが、この六万個について冷蔵庫のフロンの残りを計算してみますと、先生が今挙げられましたように約十一トンぐらい残っていると、かなり概括的な計算ですが推計しております。この量は、現在、年間全国で廃棄される冷蔵庫全体の量に比較しますと約一・五%、二%弱というぐあいに推計されているところでございます。
 いずれにしましても、私どもとしては、この被災地におけるフロンが入っている、特に冷蔵庫を中心に一日も早く回収しなきゃならないというぐあいに考えていたところでございますが、何しろ地震発生当時は人命救助が第一でございまして、すべてのことが手につかなかったわけでございます。現在、地元被災地において、県と市と町それから事業者が協力して兵庫県フロン回収処理推進協議会というものを、これは既に地震の前から設置されているわけでございまして、ここが関係庁、事業者と協力、連携しながら現在この回収に努めている。たくさんの瓦れきとか建材等がたくさんあるわけでございますが、それを仮置き場に一時的に集めまして、そこで冷蔵庫をえり分けて、そこからフロンを抜いていくということで回収に努める、こういうやり方で現在、地元被災地において大変な努力をしているところでございます。
 私どもとしても、十分地元県と連携、連絡をとりながら、必要な支援なりあるいは今後の破壊等についても十分協議をして、支援すべき点について応援してまいりたい、かように考えております。
#7
○野間赳君 災害の復旧ですから、もう一つ大きな問題、当面しておりますのは瓦れきの処理でなかろうかと思っております。倒壊をした建物また焼失をした残材、そういったものが報道によりますと六百五十万立米というような数字、膨大な量であると私は思います。それに高架鉄道また高速道路、そういった関係の瓦れきを合わせますとざっと一千万立米ぐらいのものが出てくるのでなかろうかということが報道をされております。これは毎日二十四時間の体制でそういうふうな処理がなされておりまして、神戸の町にはかなり粉じんも舞い上がっておる、水をまこうにもその水がないというような状況で、大変な状況にさらされてきておると私は思っております。
 現在、粉じんの状況は、非常事態の中でありますからこういうことをあえてお尋ねを申し上げるのもいかがかというような気持ちもあるわけでありますが、そういうふうな状況をどういうふうに把握をなされておられるのか、まずお尋ねを申し上げたい。
 もう一点は、アスベストにつきましてもお尋ねをさせていただきたいわけでございます。
 ビルの倒壊であるとか、住宅その他の被覆材であったわけでございますから、アスベストというのが当然出てくると思っておるわけでございますが、これらの影響など、環境庁はモニタリングなども設置をなされておるようでございますので、おわかりになる範囲でその点についてもお尋ねを申し上げたいと思います。
#8
○政府委員(大澤進君) 今回の地震により多くの家屋、建築物が損壊され、さらにその後の解体撤去作業も進んでいるわけでございまして、これに伴いまして粉じんとかアスベスト等の飛散が懸念されているところでございます。私どももこの二月六日から一週間かけまして、震災後に伴う二次災害の未然防止の観点から被災十三市町で緊急の環境モニタリングを実施したところでございます。現在、分析、集計中でございまして間もなくまとまる予定でございますが、その結果、状況等はもう少し後にわかり次第公表していきたいと考えておりますが、そういう点で環境の実態というものは、今の時点では数字的には申し上げられない状況でございます。
 そこでさらに、被災の際に、もともとふだんには都道府県においては大気環境を測定監視するために固定の測定局を置いていろいろな大気の質を測定しているわけでございますが、これらの施設も地震によりかなり多くのものが被害を受けたわけでございます。現在早急に復旧に地元において取り組んでいるところで、今の時点では一部それも機能を開始しているという状況で、そういう地元のふだんの監視体制の中からも大気の環境のデータが出てくるものと期待しているところでございます。
 また、その粉じんとあわせてアスベストも問題になるわけでございますが、私どもとしてはこの地震が起きた後、アスベスト・粉じん対策に対処するべく、関係省庁の労働省あるいは建設省並びに兵庫県に対しまして直ちにその緊急対策、とるべき対策を要請しましたところでございます。
 具体的には、一つは、家屋等の解体撤去につきましては中小のビル等について公費負担とするということになりましたので、地元自治体の解体業者が申請手続をするわけでございますが、その際に各自治体から粉じん、アスベスト等の飛散防止について指導を徹底する、つまりシートをかけるとか、あるいは水がない場合もあるかもしれませんけれども、水があるところについては散水をするとか、そういう飛散防止のための指導を個別にしたところでございますし、また建設省、労働省におかれましては建設業団体等に対しまして同様の趣旨の徹底を既に図っているところでございます。
 また、このほかに環境庁におきましても、被災住民のこれらの飛散に対してみずから必要によって防止するために、また風邪等がはやっているというような観点から、約三十万個のマスクを関係市に送付して、それを使っていただくというような措置もしたところでございます。
 いずれにしましても、今後さらに解体事業が進むわけでございますので、私どもとしては給水率もかなり上がってきているように聞いておりますが、地域によってはまだ給水がそれほど思わしくないという地区もございます。そういうことから、その後も関係省庁と鋭意さらに飛散防止対策について具体的にきめ細かに指導しようという観点から毎日打ち合わせをしまして、この今後の具体的方針がもう一両日中にまとまるところまで来ておりますので、まとまり次第関係省庁と一緒に地元県等にも十分周知徹底して、これらに対するさらなる一層の飛散防止対策をとってまいりたい、かように考えております。
#9
○野間赳君 大変な御努力を賜っておりますことはよく承知ができたわけでありますが、もう一点。
 こういうふうな中でありますから非常時の例外措置ということになりましょう、恐らく。野焼きの問題について厚生省の見解、どのように把握をなされておるのか、このこともちょっとお聞きを申し上げておきたい。また、環境庁としての実情、影響等をお尋ね申し上げておきたいと思います。
#10
○説明員(三本木徹君) 今回の大震災におきましての廃棄物の処理の問題、廃家屋等の解体撤去の問題も含めまして、従来は個人でやっていたわけでございますけれども、この部分も含めて廃棄物の処理ということで市町村の事業として、公的主体のもとで公共の事業として行うというような形に位置づけたわけでございます。
 そういう中で、この瓦れき等が構成されますのは木材あるいはコンクリートカラあるいは鉄骨、そういったようなものがまとまって出てくるわけでございます。御案内のとおり、こういうものは通常時は大量に一時期に出てくるということがないわけでございますので、今回そういったケースでは初めてのケースとしてどのようにこれに取り組むかということを公共事業として実施している市町村においても大変悩んでいるところでございます。
 先生御指摘のように、この木材の野焼きの部分につきましては、まさに非常時というような観点でやむを得ず実施しているというのが実態ではないかと理解しております。しかし、やむを得ず行うにいたしましても、実際には防火とかあるいは周辺の住民への影響とか、そういったこともやはり当然のことながら考えておかなければならないものだというふうに考えております。
 それで、現在約三十九カ所仮置き場がございまして、ここで庭木材あるいはコンクリートガラ等々仕分けをしながらその後の最終処分に向けての作業を行っているわけでございます。現在まで把握できておりますのは、この三十九カ所の仮置き場のうち十九カ所で何がしかの野焼きが行われているというふうに聞いておりますが、そのほとんどは家から相当離れた距離で行っているようでございます。
 しかし、私ども厚生省としましては、できるだけやはりもとに戻したといいましょうか、安定した処理をしていくという観点からできるだけやはり適正に処理をしなければならない、そういったこともありまして、現在各種の焼却施設の確保、周辺の市町村や民間事業者が持っておりますので、こういったところへの協力を現在呼びかけております。しかし、周辺の市町村、民間の処理業者にいたしましても、通常時に入ってくるごみあるいは庭木材を想定してつくっておりますので、その余裕のあるものがいかほどあるのかということも踏まえて協力を要請するというふうな対応を現存しておるところでございます。
#11
○政府委員(大澤進君) 私ども、この震災に伴い自治体で緊急避難的に野焼きが行われているということは承知しているところでございますが、私ども既にその承知した段階で厚生省に対しまして、廃棄物の処理については環境保全にも十分配慮して適正に処理されるよう申し入れたところでございます。しかし、今厚生省からもお話がありましたように、やむを得ない事情もあろうかということで、今後適切な対応をするようお話があったところでございますが、私どもとしてもできるだけ早期に適切な処理がなされ、環境への影響ができるだけないようにしていただきたい、かように考えておるところでございます。
 私どもも、先ほども申し上げましたが、被災地全体についてとりあえず緊急的に全体の大気環境がどうなっているかというふうなことで調査を実施したところでございまして、当時必ずしも野焼きがそれほど行われていたようには承知しておりませんが、いずれにしても被災地全体についての、かなり大ざっぱなといいますか、それほどきめ細かくないわけでございます、全体の大気の状況というのは間もなく結果が出るわけでございますが、私どもとしては、さらにその結果も踏まえ、今後また野焼きの場所もかなり多いようでございます。住宅地から離れているとはいえ多いようでございますので、私どもとしては、次の段階のモニタリング調査では十分この点も考慮に入れて、つまり野焼きの行われている場所の周辺地域についてもモニタリングを充実させていきたい、かように考えております。
#12
○野間赳君 終わります。
#13
○大渕絹子君 おはようございます。
 兵庫県南部地震後、長官も現地に飛ばれまして、環境庁の地震後の対策について大変懸命に取り組んでおられますことに本当に心から敬意を表します。
 その地震ですけれども、六甲山の山腹や河川も大変大きな打撃を受けているというふうに聞いておりますけれども、その災害後の防災計画について建設省からちょっとお聞きをしたいと思います。
#14
○説明員(田畑茂清君) お答えいたします。
 六甲山の山の状態が今回の地震でどのような状況になっておるかということでございます。
 六甲山系は、御承知のように地形が大変急峻でございまして、花南岩等の地質で大変もろくなっております。昭和十二年の阪神大水害あるいは昭和四十二年の災害等で甚大な土砂災害を引き起こしております。
 今回の地震によりまして六甲山系で降雨によって土石流等の二次災害の発生が懸念されているところなんでございますが、このために地震発生後、直ちに建設省で六甲山系全体の土石流危険渓流等を対象に現地調査をいたしました。山腹の崩壊だとかクラックについて調べました。その中で、人家等が近接しておるところで直ちに砂防ダムの新設等の処置が必要とされる箇所が三十二渓流ほどございました。その箇所について直ちに砂防ダムを建設していこうということでございます。残る箇所につきましてももう少し現地調査、先ほど申し上げましたような調査は概略でございましたので詳細な調査を行って、次回の二次災害で、大雨で土石流が起こらないように、あるいは災害が起こらないように万全を期したいと考えているところでございます。
#15
○大渕絹子君 砂防ダムで二十基、それからのり面工は二カ所、それから既存の砂防ダムについて除石などが十カ所というようなことで御報告を受けているわけですけれども、それだけの大事業をやらなければことしの梅雨が乗り切れないほど山の崩壊が激しいというふうに受けとらせていただいてよろしゅうございますね。そういうことだと思います。一たび地震が起きれば山全体が大きく崩壊をされていくという実態を今私たちは兵庫県の地震で認識をしているわけでございます。
 そのことを受けまして、今建設が予定をされております丹生ダムについて以下お聞きをしていきたいと思いますから、できるだけ端的に私が聞くことだけにお答えをいただきたいと思います。
 昭和四十七年、当初計画が総貯水量五千三百万トン、それから堤の高さが九十メートルということで計画が決められたわけですけれども、昭和五十八年、今の計画、総貯水量が一億五千七百万トン、それから堤高が百四十五メーター、こんなふうに三倍もの大きさに変更された経緯について、そしてこのダムの主なる目的とされているものは何なのかということをお聞かせください。
#16
○説明員(青山俊樹君) 丹生ダムにつきましては、今、先生御指摘のように、計画につきましては昭和四十七年に琵琶湖総合開発の事業計画の中で、いわゆる治水関係分といたしまして高さ九十メートル、容量五千三百万立方メートルという数字が掲上されております。
 それで、実際上の実施計画調査に着手しましたのは昭和五十五年度でございます。したがいまして、この時点で初めて高さ百四十五メートル、総貯水容量一億五千七百万立方メートルの多目的ダムをつくりたいという計画を公表したわけでございます。
 言いかえますと、五十五年以前は予備調査段階と申しまして、いわゆるまだ計画を固めていない段階でございまして、例えば昭和五十三年度の「琵琶湖総合開発百問」という本には先ほどの九十メートル、五千三百万立方メートルというふうな数字が出ておりますが、これにつきましては、予備調査の段階で利水容量についての詳細な内容がいまだ確定していなかったことから、琵琶湖総合開発事業分として掲上されておりました治水関係分のみを記載していた、このような経緯でございます。
 したがいまして、五十五年度に実施計画調査に着手した段階で初めでこのようなダムをつくりたいという計画を公表したわけでございまして、また、これを受けて昭和五十七年度には淀川水系水資源開発基本計画というものが策定されておるわけでございますが、その淀川水系水資源開発基本計画におきましても、この高さ百四十五メートル、総貯水容量一億五千七百万立方メートルという計画を掲上させていただいておるわけでございます。
#17
○大渕絹子君 それでは、目的は治山と利水ということに変わってきた、当初は治水であったけれども、途中から、五十八年度からは利水ということも加えられてこれだけの容量に変わってきたということでいいですね。そこだけお答えいただければよかったわけでございます。
 それから、高時川流域での水害の被害があるということの中で洪水調節ということが言われているわけですけれども、実際に高時川流域での水害の被害についてどんなものがあるのか。
 私の記録の中では、余呉町の町政百周年の記念誌の中にも、昭和三十八年に高時川増水の記録だけしか残ってない。このときも全く人的な被害はないということで堤防も決壊されていないわけです。このこと一点だけしか出てないわけですよね。それから、彦根地方気象台、それから地元住民の皆さん、生きていらっしゃる方たちに会った人のお話を私は聞いてきたわけですけれども、全く洪水というか被害は起こっていないわけです。なぜそれでは洪水を防くあれが必要かということを私はお尋ねしたいと思います。端的にお願いします。
#18
○説明員(青山俊樹君) 先ほどの目的を確認させていただきますと、目的は洪水調節と流水の正常な機能の維持及び水道用水の供給でございます。
 それから、今、水害の件についてのお尋ねでございますが、ダム下流域では古くから多くの洪水が生じております。近年におきましても、昭和三十四年の伊勢湾台風による洪水では甚大な被害をこうむっているというふうに認識しております。また、昭和五十年八月の台風六号による洪水でも決壊寸前まで河川の水位が上昇しまして、必死の水防活動によって辛うじて大被害を免れるという事態となっております。
 私ども、洪水が起こり堤防が決壊するというのは非常に甚大な事態でございますので、そういった事態が生じないように必死になって水防活動、また事前の河川改修もしくはダム建設等を行っているわけでございますが、一般の方々がそういったことで洪水被害を認識しておられないということは、ある意味では洪水時に必死の水防活動等を行っているということの成果であろうと考えております。
#19
○大渕絹子君 そういう努力もあり、それから河川の改修、堤防の補強等々もあって、一九七〇年以降はダムを建設する川については、本当に洪水といいますか水害ということの実態は起こっておらないんです。ですから、皆さんが今ここで目的とする洪水調節ということは、その目的からは少し遠いということをまず私は言っておかなければならないと思っています。
 ここのダム建設予定地の二十二年前の自然の状況といいますか山の状況というのは、パルプの切り出しで落葉樹が非常に多く伐採をされて、裸の山になっていたという事実もございます。それから二十二年たっているわけですけれども、今は広葉の落葉樹が大変見事に復元いたしまして、ブナとかケヤキ、コナラ、それからミズナラ、サワシバ、イヌシデ等々の落葉樹が見事に大きく育って、おりまして、ダム計画当初あるいは洪水が頻発をした当初に比べますと、土地全体の保水力というのは非常に高まっているんです。
 まさに自然のダムといいますか、そういうような状況になっているというふうに私は現地の人からも聞きましたし、そういう状況であるというふうに伺っていますけれども、建設省ではこのダム計画をされた当初と今現在のこの地域の保水力についてどんなふうに認識されますか。
#20
○説明員(青山俊樹君) 先生御指摘のように、森林は山地の保全、水源の涵養等のさまざまな機能を有しておりまして、その保全は重要であるという認識は私どももいたしております。
 ただ、森林の雨を一時的に蓄える機能というものに着目した場合には、やはり一定の限界がある。まれに起こる大雨のときには雨水が十分浸透したような状態になりまして、飽和状態になりまして、降った雨の大半が流出するような状況となる。これは森林の状況が整備されているか荒廃しているかでかなり土砂流出等の場合については変わってくる部分もございますが、非常な大雨が降った場合にはやはり飽和状態になり、全部出てくるという状態についてはほとんど差がないんではなかろうかと思っております。
 また、このことは、過去において何百年、何千年の間に洪水の記録が古文書等で数多く記されております。これは、森林が良好な状態であったときも、あるいは一時荒れていた状態であったときもいろいろ含んでいると思いますが、そういった時代にやはりかなり頻繁に洪水が起きているということは、大雨が降ればやはり森林状態では一定の限界があって、それ以上に洪水が大きく流出してくるという可能性があるということだろうと認識しております。
#21
○大渕絹子君 昭和五十年以来、大変大雨のことも何度もあったわけですけれども、その間、皆さん方の努力で河川改修とかきちっとされたわけでしょう。それで洪水はもう出ていないということで町の記録や気象台の記録にこうしてちゃんと出ているわけですから、今現在はそういうことは大分もう防災上は予防ができたというふうに私は認識しています。
 そういうことの中で、山一帯には天然のダムがきちんとできていて、そして洪水に対しては心配ないような状況がつくり出されてきている。例えば、心配があるとすれば、それはその時々きちんと行政において弱くなっているところに補強、手を加えてやっていけばいいことだというふうに思うわけです。
 先ほど答弁者は、大雨が降ったときには天然ダムでは対応し切れないということを言われましたけれども、じゃ人工のダムで本当に大雨が降ったときに対応できますか、だめでしょう。許容能力を超えれば、今度は降った雨をそのまま下流に流す以外に手がないわけでしょう、今現在。そういうことの中だったら、天然ダムも人工ダムも能力としては同じじゃないですか。全くそこは根拠にはならないというふうに思うわけです。
 こういう良好な天然ダムになっている今のこの地域から琵琶湖に向けて水が入っていくんですね。琵琶湖は、もう御存じのように大阪や京都の大水がめになっているわけですけれども、その琵琶湖の水を良好なものにしていくためにも、上の方に人工ダムというのは全くつくるべきでないという主張を私はしたいと思います。
 今でも夏になると琵琶湖は赤潮やアオコが発生して、そこに生息する魚や貝や鳥など、いわゆる生き物たち全体に大きな打撃を与えているわけですけれども、琵琶湖一帯の生態系を良好なものにしたいということで運動している人たちは、ダムをつくることによって琵琶湖の水質がさらに悪くなるんしゃないかという危惧をしているわけです。私も、上にダムができれば今の天然の状況とは違う状況というのが起こってくると思います。そういう濁りの発生とか水質の悪化ということに対してどういうふうに考えていらっしゃいますか。
#22
○説明員(青山俊樹君) ダムを建設することによりまして下流河川へどのような影響が出るかということでございますが、まず濁水の影響については、これは丹生ダムにつきまして平均的な流況を持つ年を対象にシミュレーションを行い検討いたしております。その結果、表面の水をとるという表層取水を行いますと、年間のほとんどの期間におきましてダムからの放流水の濁度はダムヘの流入水の濁度を下回るというふうなシミュレーション結果になっております。また、丹生ダムにつきましては、このような表層取水ができるような選択取水設備を設置することといたしておりまして、この選択取水設備を適切に運用して濁水の軽減に努めてまいりたいと思っております。
 また、富栄養化の問題がございます。これにつきましては、燐、窒素といった因子が関係するわけでございますが、特に燐が大きな寄与をするわけでございます。この丹生ダムの建設に伴ってダム湖ができるわけでございますが、そこが富栄養化するかどうかという判定を燐を指標にいたしております。その結果、丹生ダムについては、上流域が生活排水とか工場があるとかそういった状態でもございませんし、非常に良好な状態に保たれておりますので、富栄養化の可能性は極めて少ないというふうに認識しております。
#23
○大渕絹子君 建設省はダム地震ということについてどういう認識を持っておられるか、聞きたいと思います。
 巨大ダムの建設によって地震が起きた例として、アメリカのフーバー・ダム、それから中国の新豊江ダム、インドのコイナ・ダム、ギリシャのクレマスタ・ダムなど大変多くの事例があるわけですけれども、日本でも、昭和五十九年十月五日付の日経新聞ですけれども、科学技術庁の防災センターが調査をして、全国で高さ百メーター以上の大型ダム四十二カ所のうち、ダムによって地震が発生をするというふうに思われる箇所が六カ所あるということを発表しておりますね。そして、ダム建設によって地震が誘発をされるという事実がこういうふうに調査結果として発表されているわけですね。
 ダム地震について、建設省の認識はどうですか。
#24
○説明員(青山俊樹君) 一般に、ダムの建設とその貯水によって地震が誘発されるのではないかという御懸念があるということでございますが、これまで幾つかの研究はございますが、物理的な因果関係が明確になっている、明らかにされているというものではないと認識しております。これまで報告されました例は、貯水量が二十億立方メートルを超えるような非常に大きな海外のダムでございまして、日本国内ではそのような大きなダムはございません。ダムの貯水と地震の発生の因果関係が日本においては明確に確認されているものはまだ私どもとしてはないというふうに考えております。
 なお、丹生ダムにつきましては、ダムの容量が約一億五千万立方メートルでございまして、大規模な地震がこの貯水によって引き起こされる可能性は極めて小さいというふうに考えております。
#25
○大渕絹子君 この防災センターの調査をした調査室長さんが言っているんです。「ダムが誘発する地震のメカニズムを、貯水で高い圧力のかかった水が地中に浸透し、岩石の小さな割れ目に水が染み込んで破壊が起こりやすくなることで説明できる」ということを言っています。そしてこの方は、引き続いて「個々の地震とダムの因果関係はまだ言えないが、この結果で調査の必要性は明らかになった」ということも言っています。それから、現存するダムや建設予定地の徹底した地質調査とか地下の岩石にある割れ目がどの程度多いかなどという地質学的な検査も続けていく必要があるというふうに指摘をしているわけですけれども、科学技術庁の方、見えておられますか。
 こういう御指摘について、その後科学技術庁は継続をした調査とか研究をやられておりますか。
#26
○説明員(山下弘二君) 御説明申し上げます。
 先生今御指摘の新聞記事は、当時、昭和五十二年から六十三年まで、今東北大学理学部の教授をなさっている大竹先生という方が研究員として在籍して、その結果……
#27
○大渕絹子君 聞いたことにだけ答えてください。
#28
○説明員(山下弘二君) その論文を出した以降、当科学技術庁傘下の研究所で継続的な調査研究を行った事実はございません。
#29
○大渕絹子君 科学技術庁としてそういう研究調査を行っておらないのですか、そういうことを聞いたのですけれども。
#30
○説明員(山下弘二君) お答え申し上げます。
 科学技術庁として、当時は防災科学技術センターと申しましたが、現在、防災科学技術研究所の研究としてその論文以降特に継続した調査研究は実施しておりません。
#31
○大渕絹子君 非常に問題があると思うんです。水が岩盤に浸入をしていく。そうすると、その全体が水の浮力といいますか、そういうものによって持ち上げられる。そうすると、その地下にたまっている地震エネルギーが誘発されて地震が起こってくるという原理なんです。非常にこれはわかりやすい原理なんです。
 このことを、今、運輸省ではJRの上野駅の改修工事というようなことで行っていると思いますけれども、その原因と、なぜそれが必要かということをちょっと端的に、時間ないですから言っていただけますか。
#32
○説明員(藤森泰明君) 上野駅の周辺におきましては、地下水の揚水規制によりまして昭和四十年ごろから地下水位が緩やかに上昇してきていることが判明いたしております。そのことが構造物の下面に作用する水圧の増加という形であらわれることが予想されておりますので、上野駅におきましては、東北・上越新幹線の上野地下駅におきます影響というものが心配されるようになってきましたので、JR東日本におきまして、外部の専門家も含めましてその影響等についていろいろ検討してきたところでございます。
 現在、上野駅の地下構造物というものは安定した状態にありますけれども、これから地下水位がさらに上昇することも考えられますので、それによりまして地下の構造物の下床板に作用する水圧の増加の影響というものが生じることが想定されますので、JR東日本では、地下四階のホームの下に、その空間を利用いたしまして鉄塊によるカウンターウエートといういわゆる重しを置きまして、そういう地下水位の上昇による下床板に作用する力の増加に対応するというふうにしているものでございます。
#33
○大渕絹子君 こういう例からもわかるように、地下に水が浸透していきますと重たいものを持ち上げる力というのは自然に発生しできます。そういうことの中で、大竹教授が指摘をしているこの地震説というのも十分に研究をしていかなければならない対象であろうというふうに思うわけです。そして、ダム地震ということもあり得るということも十分に御理解がいただけたと思います。
 かつて長野県の西部地震が起こったときにもこのことは非常に議論になったわけですけれども、その後そのことの是非というのは、地震というのは大変いろんなことで起きますから、そのことだけが特定されてということでなくて、科学技術庁自身も研究はやらないということを言っているわけですので。
 私は、今本当に言いたいのは、そういうダムをつくることによってそのダム自身が地震を誘発する、その原因になり得るということ、しかも地盤の緩い山の奥に、高いところにつくられるダムほどそれがそういう原因になり得るということを私は指摘をしておかなければなりません。
 丹生ダムがつくられる山というのは、行ってきた人から私は上もいただいてきていますけれども、非常にもろい地質なんですね。見た目は物すごくかたいんです。かつんかつんとして物すごくかたいんですけれども、層が大変細かく積み重ねられておりまして、手でもみますとぼろぼろと粉になっていきます、こういうふうに。(資料を示す)こういう地質の山ですので、水がしみ込んでいくのは当然考えられます。そして、しかも今現在でも崩落地が物すごく各所に見られます。豪雪地ですから雪崩は毎年毎年、春になれば物すごい雪崩も起こっています。そういう状況の中で、山は非常にもろい状態になっているということも御理解をいただきたいというふうに思うわけでございます。
 そして、本当にこの丹生ダムがそういう地理的条件に合った上で、そういうことも全部調査をされた上でつくられている、アセスメントもなされているわけですから、建設省としては十分に調査をしたということをおっしゃると思いますけれども、私はなかなかそうばかりも言えないんじゃないかと思いますけれども、ここの辺、建設省はどういうふうに認識していますか。
#34
○説明員(青山俊樹君) ダムにつきましては、先ほど先生お話ございました地震等につきましても、これは近くに活断層はないだろうかどうだろうか、もしくはダムの直下を通っていないだろうか、また貯水池の崩壊状況はどうなんだろうか、いろいろ地質的なまた地形的な調査も私ども綿密にやることにしておりまして、また堆砂問題等もあるわけでございますが、そういった観点からもいろんな流域調査をいたします。
 また、ダムそのものも巨大な構造物でございますで、それを支持する岩盤が所要の強さがあるかどうかというふうな調査も横坑を掘ったりボーリングをしたりしながら綿密な調査をしているところでございます。
#35
○大渕絹子君 活断層の話を今そちらが出してくださいましたので申し上げますけれども、この丹生ダムの四キロ西側には柳ケ瀬活断層といって全長三十五キロの物すごい活断層がございます。そして、このダムの集水地域の中には奥川並断層というのがございます。そして、そのすぐ北部には、福井県との県境になりますけれども、その柳ケ瀬断層と敦賀断層がこういうふうに重なる形でダムを取り囲んでいるんです。この敦賀断層は二十五キロございます。
 こういう中で、もし私の先ほどの原理でいきますと、ダムが微地震を誘発します。そうすると、その微地震がこの活断層のずれに影響を与えたときに直下型の、今回の兵庫県地震のような地震が起きないという断定は絶対にできないというふうに思います。私は、今度の兵庫県の南部地震を見まして、このダムは本当に危ないということを認識しました。だから、きょう、こうしてあえて質問をしています。
 そのことを現地の人たち、運動していらっしゃる人たちも非常に危惧をしています。そして、先ほど来から言うように、この地域一体はもう手を加えなくても自然のダムとして、天然ダムとして非常にいい働きをし出している山だということもあわせまして、この丹生ダムの建設、もう一度根本から考え直していただくための調査をしていただきたいというふうに強く思うわけでございます。
 そこで、環境庁長官にお願いを申し上げたいと思いますが、環境庁長官は所信の中でも、これからの環境について徹底的にその対策を講じて保全をして、いい状態に守っていきたいということを強く強く申されております。そして、政治が人間の生命、財産をきちんと守っていくために一番必要なものであるということを十分に認識されての所信表明というふうに見ております。その観点から、私が今まで大変短い時間で、まだ申し上げなきゃならないこといっぱいあったわけですけれども、言い足りませんけれども、その全体の中から長官としてのお取り組みをお聞きをしたいと思います。
#36
○国務大臣(宮下創平君) 今、委員の御指摘を拝聴いたしておりまして、率直に申しまして私も、ダムは地盤状況その他は的確に把握しておるんだなというように思っておりましたが、今大竹教授の見解等を中心に御披瀝がございました。そういう懸念が非常に大きい場合は、一応アセスメントは終わっております、そしてまた、これは環境庁としてはそれを受理しておりますから適法の処理であると存じますけれども、なおそういう意見等あるいは懸念が地元にたくさんある場合は、建設省の方としても、なお、建設省がこれでいいんだということであれば、御説明をしていただくなりして、やっぱり地域住民の人たちがある程度納得する形というものは、最後の一人まで納得するということはできませんけれども、多くの方々がどういう実情か調査をして、どの程度の方々が反対なのか、そういう見解をお持ちなのかよく調査をした上で、そして進めるべきだというように率直に感じております。
#37
○大渕絹子君 ありがとうございました。終わります。
#38
○山崎順子君 平成会の山崎順子です。
 まず、長官にお聞きしたいんですが、一月十七日に不幸なあの阪神大震災が起きましたけれども、その第一報はどこで受けられ、また長官として何をどうしなきゃいけないかと思われ、どういう行動をなさいましたか。ちょっとそれをお聞きしたいと思います。
#39
○国務大臣(宮下創平君) 私は、五時四十六分後に、朝早いものですから六時にはもう目を覚ましておりますから、NHKの報道によりまして、かなり大きな地震だなという感じは受けました。しかし、三陸沖地震のこともございましたし、こんなに大きな被害になるという感じは率直にあの報道からは感ぜられなかったのでありますが、その後閣議が十時からございましたし、その間刻々と伝えられる情報を拝聴しておりまして、かなり大規模な大変なことだなという感じで閣議には臨ましていただきました。
#40
○山崎順子君 それでは、その後全体の状況をおつかみになったときに環境庁としてはどういったことをしなければいけないか、そしてまた何をこれまでなさってきたか、ちょっとお伺いしたいのですが。
#41
○国務大臣(宮下創平君) 環境庁としては、ああいう被災が、もう始まったばかりで火災が起きておりますのであの状況の中へ直ちに私は乗り込むことができませんでしたが、二次汚染等の問題が大変心配されたわけで、あそこには工場等々もございますし、在庫である硫酸、アンモニアとかいろいろの物資を貯蔵しておられますから、それらによる人体への影響とか、そういうものが二次災害として発生すると大変だなということで、私はその後、翌日でございましたか、非常に大きな状況になっておりますから、県あるいは市を通じて、とにかく二次汚染の問題については特段の配慮を願いたいということでございました。
 報告によれば、アンモニアが一部流出したとか硫酸が一部出た事案もございましたが、それは大過なく処理が行われておるというような報告を受けまして、現在までのところ、そのときの二次災害の報告は受けておりません。
 しかし、二次災害ということであれば、大気の問題とか水の問題とか、これはもうあれだけの大災害になれば当然影響があるわけでございますから、直ちにというわけにはまいりませんでしたけれども、報告を受けつつ、職員を派遣いたしましてモニタリング調査その他を実施し、現在もまだ実施中であります。
#42
○山崎順子君 今現在、ビルの解体等早急に行わなければならない状況の中で、粉じんの被害が随分言われております。もちろんその中にはアスベストの問題もありますけれども、現実にはアスベストまでいかなくても目の痛みやのどの痛みを訴える人たちが多く、また本当に粉じんの被害の大きさに町じゅうの人たちが大変な思いをしているということがありますけれども、そういったことについてはいかがでしょうか。
#43
○国務大臣(宮下創平君) 災害直後ああいう火災が発生いたしまして、これは非常に、人間に対する影響というのは、環境問題以上の問題、生命の危機にもさらされている状況でございました。私どもとしては、やっぱり今申しましたように二次災害の防止ということでありますが、だんだんこれが経過をいたしますと、やはり瓦れきの処理とか粉じんの問題が出てまいりました。
 そこで私どもは、大気とか水の関係のモニタリングの調査を精力的にやらせているほか、とりあえず、一月の終わりでございましたか、そういう状況がだんだん、風邪もはやっておるということでありますから、三十万個のマスクも供与するというような応急措置を講じたところでございます。
 なお、アスベストについては、当時そういう問題の報道もございましたから、私も大変神経を使いまして、直ちに労働大臣にお願いして、現場における指導を徹底してもらいたい、それから建設大臣にもお願いをいたしまして、建設業者に徹底的にアスベストの分離処理あるいは分離できない場合には水をかけたりいろいろ被覆をするというようなことで、人間の健康に影響のない形でなるべくやっていただきたいということを両大臣に申し上げました。そして事務的にもそれをおろしまして、瓦れきの処理が全額公費でやることになっておりますから、建設業者も当然登録をしてくるわけですから、その際は発注者において厳重なひとつ注意と善後策の取りまとめをお願いしてほしいということで、徹底を期するように努力をさせていただきました。
#44
○山崎順子君 労働省や建設省の方に協力を呼びかけて厳重な注意というふうに今おっしゃいましたけれども、粉じんをまき散らすようなビルの解体は、ふだんでしたらもちろんシートをかけ、そして散水するということができますけれども、このような非常時でできないがためにということがあると思うんですが、現実にシートやそれから散水というような方法がきちんととられているか、それはごらんになったんでしょうか。
#45
○国務大臣(宮下創平君) 給水の状況は今大体七割くらい回復しておりますが、私が指示しました一月の終わりころはまだまだ水が来ておりません。したがって散水処理といっても限度があります。また、被覆をしてほしいといっても限度がございます。そういう点で、これはもういち早くとにかく取り壊し復興という問題と、それから私どもの汚染防止という、いわばスピーディーに瓦れきの処理もやらにゃいかぬ、しかし同時に環境の保全もやらにゃいかぬ、いわば二律背反的と言いますか、そういう状況の中でございましたから、必ずしも十分ではございませんが、しかし労働大臣あるいは建設大臣の方でも、それは大変なことだということで現場に直ちにおろしていただきましたし、その当時としてはできる限りの指示は申し上げたつもりです。
#46
○山崎順子君 もう一つ、野焼きのことについてお伺いいたしますけれども、この中でダイオキシンが出ているというようなことも新聞報道などに書かれていて不安に駆られている人もいらっしゃると思うんですが、この件についてお伺いしたいと思います。
#47
○国務大臣(宮下創平君) 廃棄物と言いましても通常の廃棄物と違いまして廃材等のことでございますが、分別がなかなかできませんから、プラスチック製のものその他も混入して野焼きが行われている可能性は十分ございます。しかし今のところダイオキシンの検出とかそういうことは報告されておりません。モニタリング調査の結果は今分析中でございますからまだ正確な報告を得る段階にありませんが、私どもが聞いたところでは、例えば阪大の教授あたりが行って野焼きの場所で検知もされたようでございますが、特にダイオキシンの発生は見られなかったというようなことも聞いておりますし、今のところはそうした大きな問題になっている可能性はないように存じております。
#48
○山崎順子君 今、粉じんとか野焼きの問題とか、いろいろモニタリングなさって有害物質の余り大気汚染になったり水質汚染になったりということがないようで安心いたしましたけれども、現実に五千人以上の方が亡くなられて、そして今二十万人以上の方がまだ避難所にいられる。それからまた、避難所にまで行っていらっしゃらなくても、余震の続く中でかなりひびの入った家で大変不安に思っていらっしゃる方、そしてガス、水道がまだ通じていないところで不便な生活を強いられている方もたくさんいらっしゃるわけです。
 そうした大きな災害になってしまったというところで、その二十万人以上の人たちの避難所暮らしというのは、もう今すぐにでも住宅をつくって何とかしてあげたいと思うのは皆さんだれでもそうだと思いますが、こういった方たちの生活を何とか快適にしてさしあげるというのも、ある意味では環境というものの仕事ではないかと思うんですけれども、長官としてはどのようになさりたい、なさればいいと考えていらっしゃいますでしょうか。
#49
○国務大臣(宮下創平君) 今御指摘のように、私は、やっぱり今なお二十万人を超す方々が避難生活をしておられるという窮状は本当に心の痛む思いがいたします。
 私も現地に参りまして、市役所の一階から市長の部屋に至るまで、廊下までコンクリートの上にむしろを敷いて寝ておられるお年寄りの方々を見るにつけても、こういうことは早くとにかく解消せにゃいかぬなと。政府は全力を挙げて、特に村山さんも、高齢者の方とか病弱な方とか幼少の方とか、そういう弱い立場の方々を優先して仮設住宅にも入れようということをしょっちゅうおっしゃっておられますが、私は、やっぱり仮設住宅を早くつくって、そしてそちらに落ちついていただくということが何よりも重要だと思います。三月中には約三万戸は完成できるという見通しでもあるようでございますから、なるべくそう処置したい。それからまた、環境庁としてできることは、国民宿舎とかそういった問題も、あの地区のあとう限り余力を調べまして提供いたしまして、若干御利用いただいています。
 ただ問題は、余り遠くに行きたくないとか、被災者の気持ちとしてはよくわかります。そういう点もございまして、なかなか、いまだに二十万人を超える人がおられるということは大変痛ましい限りで、そしてその生活を維持するためには、もう災害当初は食べ物と応急的なことで済んだんでしょうが、一カ月経過いたしますとやっぱり精神的にも大変いろいろの面でショックを受けられるし、病気になりがちですし、いろいろの面で大変だと存じますから、あとう限り食料その他日常品の支給その他もきちっと対応すべきだと思います。厚生省を中心にしてやって、また小里国務大臣の担当のもとでよく県、市と連絡をとってやっているはずです。しかし、それでもなかなか行き届かぬところがあるというのを、ボランティア活動その他が埋めて、カバーしていただいておるということもございまして、長期化すればするほどこれはなかなか大変なことでありますから、とにかくあとう限りの手を打っていくということだろうと思います。
#50
○山崎順子君 私も今回の震災の状況を見ておりましたら、例えば目の前で父親が瓦れきの中に埋もれて、上半身は出ていても下半身はどうしても出せないために、そこに火事が迫ってきて子供や妻の目の前でお父さんが焼かれ死ぬのを見なきゃいけなかったというような状況ですとか、大変悲惨な状況があったわけですけれども、例えば神戸でも十六メートルある道路の場合は延焼が免れていることがはっきりしているわけですね。そうしたようなことから、道路の狭さ、それから公園等のオープンスペースのなさ、そういったものが逆に火事を大きくして、そして死なないでも済む人を死なせてしまったのではないかという悔いが残るわけです。
 また、道路のことは、震災の後、緊急車両の通行がもう少しスムーズだったら、例えばようやく瓦れきの中から救い出した人たちを病院に運ぶまでに大変渋滞に巻き込まれて間に合わなかったということも聞いておりますが、そういったこともなかったかもしれないということがあるんです。当地の人たちの話によりますと、地震後二週間たっても大阪から神戸への道が大渋滞だった。これはしようがなかったのかもしれませんけれども、そのネックになったのが地震の倒壊による道が狭まったり通行できなかったりという問題だけではなくて、ふだんから渋滞を起こしていた、そういう地点が絶望的に渋滞になっていたということが言われております。
 こういったことですとか、公園のなさ、道路の狭さ、そういったことを考えますと、例えば仮設トイレのことにしてもそうなんですけれども、たくさんの公園が町の中にあってそこにすべてトイレが幾つかあれば、もう少しそのトイレの問題だって解決したはずですし、そういったことを考えますと、今回の大震災によって露呈したのは、何も耐震性の問題だけではなくて、社会資本の問題というのは、通常の都市生活に必要な社会資本すら整備されてなかったことが被害を大きくしたのではないかと思うんですね。それで、私などは環境の問題では素人ですけれども、例えば日常の生活が快適に営める都市というのは災害にも強くなるんじゃないか、そういうふうに考えるんです。
 環境庁の仕事といいますのは、もちろん今のような、有害物質が流れていないか、水質や大気が人間の生きるにふさわしい状況に保たれているか、そういったことは大きな仕事だと思うんですけれども、まず都市工学といいますか、町をつくるとき、また土木の方でもそうですけれども、衛生面やいろんな面から環境庁がもう少し発言権を強くして、本当に人間が住みやすい快適な空間がつくれるような都市づくりにまで、介入と言ってはおかしいですけれども、発言して一緒にやっていけるようなそういう方向であればということを考えるんです。
 今回の災害を見て、もちろん大地震というのは予測もできませんし人知の及ばないところもありますけれども、ある意味でこれは人災だったと思えるんですね。例えば、先ほど六甲山のことをおっしゃっていましたけれども、大変もろい土質であるというふうなことも聞きました。その六甲山を切り崩して埋め立てをし、そしてあそこには五つもトンネルをつくっているわけです。そういうような状況が、神戸市が神戸株式会社なんて一方で言われていまして、乱開発の最先端都市ではないかというふうなことも一方で言われている。
 そういったことを食いとめるといいますか、成長管理の仕事が環境庁に私はあるのではないかと考えるんですね。開発し過ぎについては抑制をし、そしてまた都市に必要なものができないときにはその開発を進めるというような、そういった成長管理が必要なんですけれども、バランスをとるということがとても大事だと思うんです。その成長管理について、今まで環境庁の方では乱開発を食いとめるだけのことをしてこなかったのではないかというような反省や今度の災害をより大きくしてしまった責任というものがあるのではないかというふうな気がするんですが、いかがでしょうか。
#51
○国務大臣(宮下創平君) 環境庁としては、基本的な考え方は、自然との共生とか、それから緑化の問題とか森林の問題は、やはり景観の問題と同時に、CO2の発生と地球温暖化と非常に関係しております。したがって、直接的には、都市形成の中では緩衝緑地をつくるとか公園を広めるとか、今委員の御指摘のような緑豊かな町にするということが、やはりそういうものと今申しましたような点と非常に関係がございますから、これは私ども、今現に、例えば道路をあける、道路をあけるだけじゃなくて必ず木を切ったりして道路をあけるわけですから、緩衝緑地を必ず持ってほしいとかいうような発想で、緩衝緑地についても助成をしたりいろいろ奨励をしておりますけれども、やっぱり自然的な条件との共生を基本的には考えて町づくりもいかないと、人間の本当の幸せはあるのかな、工業文明だけ尊重して合理性だけを尊重しても果たして本当に人間の幸せな生活が保障できるかという基本論はあると思います。
 したがって、そういう視点で私どもこれからの町づくりを考えていくべきだし、神戸というのは、今御指摘のように、前は海で後ろは山ですから、非常に無理な状況で国際都市神戸ということで密集した形で出てきたと思うんです。しかし、この災害を契機にして、これから市、県で復興計画もお立てになりますから、そして今度内閣の方でも復興本部をつくりましたから、あくまで地域の自主性を尊重しながら、そういった面の配慮が十分できるような私どもは発言もして、そしてアドバイスもしてやっていきたいと思っています。道路を広げること、公園をつくること、緑化に努めること等々をですね。神戸市長さんも、私が参ったものですからわざわざお礼でこの間来られましたが、そのときも、これからの復興計画の中で環境庁の果たす役割というのは非常に大きいと思います、御協力をぜひ申し上げたいということを申し上げておきましたが、委員と同じような考え方に基づくものです。
#52
○山崎順子君 大変失礼なんですが、自然との共生と言うときの自然というのはどういうふうに大臣はとらえていらっしゃいますでしょうか。
#53
○国務大臣(宮下創平君) 自然との共生という問題は、これは震災の問題を離れて、神戸の町づくりと離れて考えますと、非常に大きな課題です。地球は自然です。そしてその中に森林もあり、それから大気もあり水もあり、そして多様な動植物等も生存しています。これが自然の状況だと思います。
 それを次元が多少高い立場で申しますと、工業化文明というものがそれとの調和を図りつつも、しかしどちらかといえば、人間の経済水準を上げるために、経済成長オンリーな形で開発が優先してきたと思うんです。そして、やっぱり環境が開発に対して耐えきれなくなってきている、環境への負荷が大き過ぎて地球の循環、リサイクルの機能が働かなくなってきているというのが今日の環境問題だと存じます。
 したがって、広い意味では、自然との共生というのは大変哲学的な意味がありまして、地球環境というような視点から物を申させていただきますならば、この自然の体系を、循環の体系を保持していくということが人類的課題だと思うんです。狭くは、自然の中へ溶け込んで、自然を愛し自然の動植物を愛する、そういう気持ちを子供たちに植えつけるとか、そういう狭い意味でもとらえていますが、私はもっと広く、自然との共生という問題をそういった面で、言うなれば哲学的な基礎のあるものとして、対象領域として考えております。
#54
○山崎順子君 そういった自然を哲学的にとらえるというのも大変大事なことだと思うんですが、どうも、お話を聞いていたり、所信表明の中の緑のダイヤモンド計画ですとかエコ・ミュージアムとかというところで触れられている自然との共生というときの自然というのが、優しい自然、お釈迦様のようなそういう自然ということをイメージなさっているような気が私はいたします。
 自然というのは、人間にとっては悪魔でもあり、きばをむくものだと思うんです。今回の大地震もそうですし、水害もそうですし、風雨、そういったものすべてそうで、日本の島というか日本列島といいますのはどこに住んでも地震が起きてもしょうがないというか、今度の神戸でも、ある人が、奈良なんか千二百年も続いた仏像も寺もつぶれてないんだから一生そんな地震なんか起きないと思っていたというくらい、地震について不安を持っていらっしゃらなかった方が多いと思うんですが、そこでもああいった大地震が起きた。どこに住んでいても地震が起きるのは当たり前という、そういった国の上で私たちは暮らさなきゃいけない、避けて通れないわけですから。そうした自然との共生ということも念頭に置かないと、すべて自分たちにとって緑の優しい、人間にとって大事でまたいいことしかしてくれない自然だけを念頭に置いていては、これからの都市計画もまた私たちの生活もいつひっくり返るかわからないという状況になると思います。
 ぜひその辺を、もちろん重々頭に入れていらっしゃると思いますけれども、もう一度確認させていただきたいと思います。
#55
○国務大臣(宮下創平君) 委員のおっしゃるとおりで、自然は私どもの生存の基礎でありますが、それだけにまた自然災害と言われるようないろいろの事象が発生するわけでございまして、これはまたそれなりに防災とかそういう観点を強くして、そういうスタンドポイントからそれに対応することを考えていかなければならないと思います。
 環境庁の方は、防災に主眼を置くというよりも、むしろ豊かな自然環境を保持していくということがねらい、中心でございますから、したがって、エコ・ミュージアムとか緑のダイヤモンド計画というようなことを通じて、自然の優しさ豊かさ、そしてそれらをなるべく広めて保持して、さらにそれを増進していこうという姿勢が基本になることは間違いございません。
 委員のおっしゃるとおり、自然は猛威を振るいます。この猛威に対応する人間の知恵を結集して、防災上あるいはそういう災害が起きた場合の対処の仕方、あるいは地震予知なんかもまだまだ人間の知見では予知可能な状況になっておりませんから、そういう研究開発を進めていく、これはもう当然のことでございます。決して自然との共生と矛盾するものではないと思います。
#56
○山崎順子君 長官はよく御存じで、わざわざ私が私見を述べるまでもないんですけれども、環境庁の仕事を、大事なことなんですけれども優しい自然とかそういうところだけにとどめず、各省庁に協力して、力を持って、いい町づくり、質の高い町づくりなどをしていっていただきたいと私は思うものです。
 例えば都市工学でもそうですし、土木の方でもそうですけれども、まず、土木工学の方では、例えば熱帯雨林を復元し、地球の温暖化問題も解決する切り札となるような、砂防というような技術も持っているわけです。それから都市工学の方ですと、御存じだと思いますけれども、十九世紀半ばのイギリスの公衆保健法から都市工学というものが出てきて、都市に集まる人たちが伝染病から免れること、これをまず第一に考えて都市工学ができた。こうした関心がやがて上下水道の整備や廃棄物の処分等都市の衛生管理に結びついたわけで、もちろん火災などの災害から都市を守ったり家庭や工場からの排煙による大気汚染を防止することも重要になったということで、都市工学と環境問題、また土木工学と環境問題というのは本当に切り離せないもので、その辺の一番基本のところに環境庁がきちんと発言をしなければ本当の意味の環境は私は守られていかないんじゃないかというふうに思うんです。
 それ以外にも例えばこんなことがあるんです。お読みになったかもしれませんけれども、例えば昔私たちの子供のころは、学校の宿題とかテストは先生がガリ版を切って、そしてガリ版刷りの印刷をしていたわけですわ。あれを切りながら次にまた印刷すると、私たちも学級委員会とかでよくやりましたけれども、結構手に力が要って、そしてまた真っ黒になりますし、やれる枚数というのは限られているわけです。ところが今の先生たちというのはワープロでたったったと問題をつくりまして、それをまたコピーにかければ何枚でもつくれてしまうというようなところがありまして、その宿題やテストの数が子供の能力を超えているということがあるわけです。
 もう一つ考えますのは、例えばワープロとかは余りに長時間やりますと腱鞘炎になります。また子供たちのテレビゲームなどが問題になっていますけれども、あれも長時間見ていると視力が落ちるとかいろいろ言われますが、昔の英文タイプライターなどは腱鞘炎にはなかなかならない。ピアノもそうです。テレビゲームなどは最近の商品ですから、どうしても人間の健康とか、それから先ほど言いましたような子供の一日の能力を超えるものがつくれてしまうものとか、そういう人間の健康や精神状態や、そういったものを超える効率的な機械や物、そういったものがたくさん私たちの周りにあふれ出てるんじゃないかということもあるんです。
 そういったことに対しても、例えば文部省なり通産省なり、いろんなところと連携をとって、本当に今ある商品、物、それから私たちの周りの、そういった使うものだけじゃなくて、道とか橋とかいろんなものですけれども、そういったものが人間の体になじんでストレスを起こさないようなものなのか、そういったことまで、それは自然の環境の中に入ると思うんですけれども、ぜひそのあたりまで環境庁としては目を配って、これからの二十一世紀を担う子供たちや、それから高齢化社会になる人たちのことも考えて仕事をやっていっていただきたいなという気がするんです。
 特に災害のことで、今度ゴールドプランの中に、災害で老人の方がたくさん亡くなられたり、けがをなさいましたが、そういったことまでなかなかゴールドプランにも配慮してなかったというようなことを井出さんもおっしゃっていましたけれども、ぜひそういうところの視点を環境庁でいろんなところに目配りして注意を促していく。また、注意やそれだけじゃなくて、もう少し力を発揮できるような、例えば法律などまでつくっていくような、そういったことをぜひやっていただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。
#57
○国務大臣(宮下創平君) 委員御指摘のように、環境基本法というのが一昨年の暮れにできました。そして、昨年の暮れに環境基本計画というのを定めました。
 従来、公害対策という視点が強かったのでございますが、今申しましたように、キーワードとしては自然との共生。それから循環、我々の経済社会、その他資源のリサイクル、再利用。それからまた参加、これはすべての人が環境問題、やっぱり人間の幸福とつながるわけで、存在とつながるわけですから、参加をしてもらいたい。それから、いわゆる地球環境問題についての国際的取り組みをきちっとしていただきたいという、四つのキーワードのもとでやっております。
 そして、やっぱり総合的な企画調整機能を持ったような計画でございますから、今までと違ってといいますか、今まで以上に、各省庁の、例えば国土開発計画を立てるとか経済計画を立てるときは、もっと環境面の配慮をそういう計画の中に織り込んでいただくようにやるとか、あるいは各省庁との関係でいいますと、国もやっぱり消費者であり事業者でありますから、政府の行動計画を立てて、紙なんかリサイクルをしたものを官庁みずから使うとかというようなこと、あるいは省エネもやるとかというような行動計画をことしの八月くらいまでにつくりたいと思っていますが、まずできることからどんどん実行していこうということでございます。
 それから、今委員の御指摘になった点は非常に広範な我々の生活領域に関する問題でございますが、そういう配慮、環境配慮というものを隅々まで行き渡らせるということが非常に重要でございます。領域はどこまでが環境だ、どこまでが建設省だというのじゃなくて、この環境問題というのは各省庁に全部に関係しているんです。そういう意味で、都市工学やあるいは土木工学の話もございましたけれども、できる限りあとう限り環境基本計画の精神、つまり我々の幸せのために、我々の幸せだけじゃなくて、もっと広い、世界人類の生活のために、またその広がりだけじゃなくて、我々の子供、孫、その後代の世代のためにもきちっとした環境を保持して、そしてこれを伝えていくという視点に立って、いろいろな今御指摘のような問題についても取り組み、関心を示していくべきである、そのように感じましたので、率直に申し上げました。
#58
○山崎順子君 ありがとうございました。終わります。
#59
○粟森喬君 環境基本法が制定をされて約一年ちょっとたったわけでございます。きょうまでのことを申し上げますと、環境基本計画を閣議で決定をして、具体的実施段階に入っているというふうには承知をしております。
 この間の進め方で、これは私の感想でもあるのでございますが、例えば環境基本計画を策定するに当たって、いろいろ広く民間の皆さんの御意見、地方公共団体の御意見を聞かれたという、資料も私も拝見させていただきました。それぞれ価値観といいますか、全く逆の立場で、例えば環境アセスメント一つとっても、設置をすべきだという意見と設置をすべきではないという意見が両立をしている。
 そういう中でこれをどう処理するのかということでございますが、私が見る限りでは、今回の閣議決定の環境基本計画というのは、あえてその問題については余り触れずに、ともかく基本的なことを始める中でそれぞれの議論の違うところをこれから対応したい、こういう受けとめて、これはそれなりに、環境問題を具体的に進めるに当たって多少意見の分かれる問題をこれからどう対応するかということが、環境行政なり私どもにも与えられた非常に大きな課題だ、こういう認識で見ています。
 基本法が決まってからきょうまでの歩みというか期待というのは、率直に申し上げて、あの法ができて環境全体がよくなっていく具体的な道筋というのにはちょっとまだほど遠いのではないか。一年ぐらいで余り急がないでもう少し時間を与えてほしいという意見はわかるんですが、二十一世紀までにそれをやるというテンポから見ても、この進め方については、基本計画の段階は、私としても、これはあれほど意見をまとめて、閣議の決定の中身もここまでは仕方がないと思いますが、これからのことについてはできるだけ具体的にテンポを上げて、環境の時代、環境の世紀と言われるようにするための幾つかの準備の作業についてお尋ねを申し上げたい、こういうふうに思っています。
 その一つは、環境影響評価の問題でございます。これは、もう基本法をつくるときにもかんかんがくがくの議論をしたのは、これを法制化するかしないか、何を法制化するのかどうかと。決議を満場一致で決めた中にも、できるだけ速やかに結論を出して措置をするといいますか、法律をつくるということまでは明言をしなかったとしても、今回の大臣の所信を見ると、法整備を前提にしているということだけは何となくわかりますが、この進め方が私としてはちょっと納得できないのは、平成八年夏に調査の取りまとめだと、今一生懸命調査をしておる最中だと、こういうふうに私は理解をいたします。ところが、既に環境影響評価というのは、もちろんこれだけでいいというふうには思いませんが、閣議決定をして、いわゆる法律になっていない事項が幾つかこれございます。これは、経過からいっても、法制化をすべきかどうかということで議論がありまして、法制化の前提でつくったものが結果的に国会の対応の中でこれは法律にならなかった性格というか、そういうふうに理解をしています。
 少なくともこの部分について、環境影響評価をある程度整備をするに当たって、この部分として何を今議論をしておるのか。皆さんのやることですから、完璧を期するという意味でいろんなことをやられるのかと思うけれども、私は基本的に、環境影響評価を出すということは、ある意味では省庁間の利害もあるとか、もうちょっと言うと、国民的、国家的に利害がある意味ではあるから慎重であるべきだということはわかるんだけれど、そこで時間をかけていればこれがいいものになるというふうには必ずしも思えない。方法論が、環境庁という建物にはいろいろな議論があるんだけれども、我々が外から見ておる限り、どんな議論が問題で、何を筋として今それをやろうとしているかということなんですが、ほとんど見えないわけでございまして、その部分をどういうふうにお考えなのか、まずお聞かせ願いたい、こういうふうに思います。
#60
○政府委員(石坂匡身君) アセスメントについてのお尋ねでございますが、環境基本法が御質問のように一昨年の暮れに成立をいたしまして、その後一年間かけまして環境基本計画を策定させていただいたわけでございます。それが十二月十六日に閣議決定をしたわけでございます。
 今お尋ねのアセスメントにつきましては、この基本計画の中にこのような記載がございます。環境影響評価のあり方について、我が国におけるこれまでの経験の積み重ね、環境の保全に果たす環境影響評価の重要性に対する認識の高まり等にかんがみ、内外の制度の実施状況に関し、関係省庁一体となって調査研究を進め、その結果等を踏まえ、法制化を含め所要の見直しを行う。こうした基本計画の決定がございまして、それを受けまして、大臣の所信が今御指摘になったとおりの所信になっておるわけでございます。
 実は私どもは、基本計画ができましてから、この問題を放置しておいたわけではございません。お尋ねにございましたように検討会を今やっておるわけでございます。これは昨年の七月に総合研究会、これは加藤一郎先生に座長をお願いしておりますけれども、これをつくりました。
 そして、ここで何をやっておるかということでございますが、これは今委員も御指摘になりましたように、現在のアセスは閣議決定でやっておりますので十年近くを経過しておるということでございます。ただ、御案内のように、これは閣議決定でやっておるものでございますから、それぞれ各省がやっているという形になっております。閣議決定に基づきまして、各省庁がやっている。アセスメントはもちろんいつになっても各省庁がやるわけでございますけれども、その各省のやっているやり方の中には、基本的なラインは統一されておりますけれども、いろいろなやり方がございます。そういうふうな、物によって若干の差異がございます。それからもう一つは、そうしたものが十年間定着してまいりまして、運用実態が各省幾ばくかの差異があるわけでございますけれども、運用実態というものをこの際もう一遍きちっと見直して、改めるべきものがあれば改めていかなきゃならぬという、実証的な勉強をしなきゃいかぬという点が一つございます。
 それでまず、この研究会をつくりまして始めましたのは、各省庁のやっておりますアセスメントにつきまして詳細な見直しを、ただいまヒヤリングをやっております。それからもう一つは、地方公共団体です。これは委員も十分御案内かと思いますけれども、言ってみますれば、国よりもさらに幅の広い、あるいは基準のきついアセスメントをやっている地方公共団体もございますし、全く逆の地方公共団体もございます。そういったアセスメントが地方公共団体でかなり広く行われている実態がございますので、そうしたものをよく調べて、それと今、閣議決定でやっておりますアセスメントの関係というものも調べていかなければなりません。
 それからもう一つございますのは、この十年の間にやはり外国の制度も随分進んでまいってきております。そうした外国の法制、法制自体であればこれは法文を取り寄せればわかるわけでございますけれども、外国が実際どういう運用実態でやっているのか、そこにどういう問題があるのか、そういったことを調べまして、これを分析した上で、今委員の御指摘になりましたような、今、閣議決定でやっていることについてどうしたらいいかということを考えていこうということが、私どもの考えている進め方でございます。
 こうした勉強にはやはりかなりの時間をどうしても必要といたします。そこで、大臣の所信にございましたように、平成八年夏までにこの勉強の取りまとめをしたいということを申し上げておるわけでございまして、これは環境庁の中だけでやっておるわけではございませんで、このアセスメントに関係のあります十省庁に参加を求めまして、参加をしてもらった上でこれを進めておりますので、そうした形で結果が取りまとまりますればこれは公にしたい、そして委員を初めとして御議論を仰ぎたいというふうに思っております。
#61
○粟森喬君 私は何となくすっきりいたしません。地方公共団体、各省庁がやっていることは閣議の段階でも環境庁としては情報も何も持ってないなんというふうに私は言わせない。そんなものは当然あったはずです。問題点は、外国の実態をどこまで調べたか程度になろうかと思います。どう考えても、何となく時間稼ぎをしているのではないかという、そんな感じがするんですよ。
 やっぱり基本的に私は、環境基本法が決まったのは、各省庁にお任せしていたのじゃなく、少なくとも環境庁がリーダーシップを持ってこうあるべきだという指針をまず出す。調査して見直しを各省庁独自にやらしたって、こんなことを言って大変申しわけないけれども、建設省なんかはこの種のことには一番反対の急先鋒。通産省もそうだと思います。そんなところの意見を待っておったら、仮に法律がちゃんとできたって、それは、何となく省庁間の調整だといって、また抽象的な哲学的な環境影響評価を我々聞かされるのか、こういう思いになるわけです。
 ここは大臣、まず急げるかどうかです。それから、立法に当たっての基本的なところは、多少各省庁との摩擦があっても、どこかで、中間的であっても環境庁のまとめとしての見解を一度明らかにすることだ。私は、この種の問題は、確かにそれは実は省庁の中で取りまとめるという話じゃなく、そこにつながる関係業界とか関係国民の中でもいろいろ議論のある問題だと。しかしそれを、議会という手続があればいいというだけじゃなく、広く多くの人たちの意見を求めて、やっぱり環境を優先するときにはこうあるべきだという、結果的に環境庁の出した、大臣の出した指針みたいなものをみんなが同意をしていくような体制をとっていかなかったら、私はとてもじゃないが、何となく今のやり方を見ておって、環境影響評価に、本当のこれからの環境庁としての運び方に期待を持っていいのかどうかわからぬものでございますから、この辺はひとつ大臣の見解としてお出し願いたいと思います。
#62
○国務大臣(宮下創平君) 今、石坂局長の申し上げたとおりでございまして、アセスメントの問題は、建設その他大きなプロジェクトをやる場合にはかなりいろいろの正反の意見があるということはもう委員御指摘のとおりでございます。それをどうやって調整して環境保全という目的に沿ったものにしていくかということは、これはなかなか言うべくしてそう簡単にいかないと私も思います。これは今までの経験からしてそう思います。なればこそ、まだ統一的な問題ではなくて、ある省は閣僚会議の決定に従ってアセスメントをやる、あるところは告示だけでやるとか省庁会議でやるとか、いろいろなやり方がございます。また、やる手法についてもいろいろございます。そういう点をしっかり踏まえて、環境庁としてはこうだということを確信を持って言える準備段階というのは、私はある程度必要だと思うんですね。
 そういう意味で、委員の御指摘の点は大変よくわかります。環境基本計画をつくったんだから直ちに集大成できるではないかという御意見もわからぬではございませんが、それだけ各省庁が納得するものを、しかも環境保全という目的が達成されるものをつくるにはそれなりのやっぱり準備期間も要すると存じますから、私の所信表明であえて来年の八月というように申し上げさせていただいておるわけでありまして、これはもう鋭意早目に検討することは当然でございます。今直ちに、それ以前にできるかどうかということについてはちょっと言及は控えさせていただきますが、これはあとう限りスピードアップをしてやる一つの大きな問題点です。そういうような意識を私としては持っておることを表明させていただきます。
#63
○粟森喬君 一つだけちょっと念押しをしたいんだけれども、閣議決定した部分、過去決めた部分、これが結果的にこの部分まで含めて後退することはないでしょうね。その辺の流れはどうですか。
#64
○政府委員(石坂匡身君) 私どもはアセスメントを前進させるべく検討しておるわけでございまして、後退させるために検討しておるわけではございません。したがいまして、私どもの気持ちといたしましては前進したいということでございます。
#65
○粟森喬君 わかりました。
 それでは次に、経済的な手法のところについて多少、これも今の検討事項でございますし、これは環境影響評価ともセットみたいなところもありますが、大変難しい問題なので、私どもも少し、意見をお聞きしながらどう理解をしてそれぞれの立場で意見を言うかということもございますので、ちょっとお聞きしたいと思います。
 この問題も、法案をつくったときにこの部分のところがよく冷やかしに出るほど、法律制定のときでさえも経済的な手法のあり方についてはいろいろ議論があったことを私どもは承知をしているという前提なんであります。しかし、これまた今日の環境問題を考えると、経済的な手法をどうとるかということは避けて通れない問題だと思っています。
 既に庁内で内部検討を行ったというふうに聞いていますが、どのぐらいまでにどういうやり方でこれは流れをつくっていくのか。特に税ということになりますと、これは大蔵省の所管みたいな顔をするというのが、過去の税制からいってそうなんだと。しかし、環境という冠をかぶせて税をつくるためには、環境庁のあるべき見解があって、それを税としてやっぱり取りまとめるという性格だと思うんです。
 例えば課徴金、税だとかなりきつく当たるから課徴金という制度でやった方がいいんではないかという、多少弱気なのか、これは税制としてなじむかどうかという問題もありますが、そういう意見もございますが、まず基本的なこととして、この問題の議論というのはどういう格好で全体に具体的になっていくのか。
 これまた、税の問題をやるときに、日本の税制の大変な失敗の一つですが、ある構想が出て、とにかくある構想をそのときの政権党が一遍支持したらどうあろうと、そこで内閣の責任がどうかという、そういうことで何となく税制が入ったり税率が変わったりするというのは、これは日本の歴史の中では大抵そうだと思っています。私は、環境税というのは本来そういうような導入の仕方はやっぱり絶対すべきではないし、そうすると、環境庁のこの税に対するかかわり方に関する基本的な姿勢というのがどこかでにじみ出てこないと、何となくそのときになって考えればいいのかなということでは我々議会人としても済まされる問題ではないと思いますので、まず当面の道筋というか、いつごろの何を想定されているのか、検討している結果をお聞かせ願いたいと思います。
#66
○政府委員(石坂匡身君) この問題も基本法の御議論のときに出た話であることは重々承知しております。
 環境庁といたしましては、平成六年の八月に企画調整局に、環境に係る税・課徴金等の経済的手法研究会、これは一橋大学の石先生、税調の委員でもいらっしゃいますけれども、石先生を座長にいたしまして設けております。その後七回にわたりまして現在まで審議を重ねてきております。
 今まで何をしてきたかと申しますと、まず税の議論といいますのは、これは基本法にも書いてございますけれども、国民の理解と協力というものがまず前提にならなければなかなか成立しがたい問題でございますから、まず何といいましても、いろいろな方々からの意見を聞いてみょうということの作業をしております。産業界、市民団体、地方公共団体。
 その聞いています範囲は、経済的手法全般ということで、税、課徴金あるいはデポジット等々いろいろな経済的手法がありますけれども、そうしたものを含めまして、広く、どういう手法あるいはどういう考え方というものを国民の方々が持っていらっしゃるのかということを今伺っているところでございまして、まずはこうしたヒアリングの中で、どういう意見があるのかと、考え方を整理をするというのがまず第一の作業だろうと思っております。この作業をことしの前半ぐらいをめどに終わりたい。これは委員も御指摘のように、やはり国民的な問題でございますから、何らかの形でこうしたものは明らかにしていくということが必要だろうと思います。
 そしてその次に、やはりこの説あるいは課徴金あるいはデポジットにいたしましても制度の問題でございますから、どういう制度の枠組みにするのか、それによる経済への影響がどうなのか、それから環境改善効果がどうなのかというふうなことを当然検討しなければなりません。そうしたことの検討を進めてまいりたいというふうに考えております。
#67
○粟森喬君 時間もございませんので、それ以上の議論はちょっときようはできませんけれども、これまた環境税の問題、本当に環境に効果がある、そして国民がある意味では大議論もしなければいかぬけれども結果的に合意をできる、そういうものをつくるために、やっぱり環境庁が、今言った前半、ことしじゅうに何らかの格好で環境庁の見解を国民に示すべきだ、こういうふうに思いますので、大臣、もしそういうお考えがございましたら。
#68
○国務大臣(宮下創平君) 今さら申し上げるまでもございませんが、規制的な措置、これは伝統的な公害防止策として有効でございました。今後も、私は、基本的には規制的措置が、規制緩和の時代と言えども社会的規制は存続すべきものだと存じております。
 それから経済的手法につきましては、世間では普通カーボンタックスみたいなものをイメージとして描かれますけれども、今局長の言いましたように、いろいろの各種の課徴金、デポジット制度あるいは排出権売買制度等々がございますが、なおそれ以上に、税の問題としては、例えば公害防止施設に対して低利融資をするとか、特別償却するとか、そういう補助金的な意味の税法上の措置ももちろん従来とられておりましたね。
 今度は、賦課をしていくという面が焦点に、まあ委員のイメージもそうだと思いますが、これは例えばカーボンタックスにしても西欧では五カ国で導入しておりますけれども、そういうものをよく参考にして、やっぱり何を目的とするか、財源を取得するためでは私はないと思うんです。排出規制を目的とするんです。そういう意味で、いろいろ目的とそれから税の手段がどう組み合わされていくか、効果がどうなのか、経済に対する影響はどうなのか、これは非常に大きないろいろの諸方面の研究課題を内包しておりますから、私どもは環境保全の立場から十分適切なひとつ結論を出したいと思っておりますから、やがてどういう対応をとるかということも申し上げる段階が来ると思いますが、それまで徹底した議論を重ねていきたい、こう思っております。
#69
○有働正治君 私は、大臣所信の冒頭で述べられました今回の大震災のかかわりで、幾つか緊急に手だてをとっていただきたい点についてお尋ねします。
 被災地の中には、阪神高速道路や国道四十三号線など幹線道路沿いでの大型ディーゼル車の排ガスなどによります大気汚染の被害を受けまして、公害健康被害補償法に基づく認定患者が地区内に約六千名おられるというふうに聞いています。これらの方々は、大気汚染によりましてぜんそくなど呼吸器系疾患の被害を受け治療中でありまして、そのうちのかなりの方が、今回の大震災で神戸市や尼崎市などで被災されて、幾重もの苦しみを受けておられる状況であります。
 私お聞きしますと、このうち神戸市には千七百四名の公害認定患者がおられ、聞くところによりますと、所在が判明した方は、二月二十日現在で市当局が確認した数が三百十四名、神戸公害患者と家族の会が確認された方がそのほかに九十二名で、合計四百七名だと承知しています。双方とも消息をつかんでいない方が千二百九十七名ということになるわけであります。大震災発生後一カ月も過ぎていますのに、神戸市の公害認定患者の実に八割近い方々が今なお所在が未確認になっている、こういう状況のようであります。こういう認定患者のうち、症状の程度が比較的重くて治療や医師の管理が必要な、障害の等級が二級、三級の方々が九百名を超えておられる。所在未確認者の中にそういうランクの人々がかなりおられると心配されるわけであります。
 そこでお尋ねするわけでありますが、こういう公害認定患者の把握、この方々は命にもかかわる方々がおられるわけでありまして、関係自治体当局は実際上は本人からの電話を待つのに任せざるを得ないという状況にあるようであります。したがいまして、職員の手が回らないということもあるようで、私としては、国も援助しまして、また全国の自治体の応援等も得る、また公害健康被害補償予防協会や医療機関、またボランティアなどの方々の応援も求めるなどして、こういう公害認定患者の名簿をもとに避難所をチームを組んで回るなどして至急やはり掌握して、その後の手だての第一歩として掌握する必要がある。そういう点で、政府として万全の手だてを強化していただきたいということで、大臣の決断を求めるわけであります。
#70
○政府委員(野村瞭君) まず、私の方から状況につきまして、また今後の進め方について御説明をいたしたいと思います。
 認定患者の方々の所在あるいは被災状況につきましては、多くの避難所やあるいは被災地域外の親類、あるいは知人宅に分散をしておるということもございまして、なかなか把握が困難な状況にございますが、現在まで判明している状況について申し上げますと、神戸市につきましては、御指摘もございましたが、これまでに四百名余の所在が確認をされておりまして、連絡のあった方々の所在の内訳を申し上げますと……
#71
○有働正治君 いや、もういいです。今後の対応をお聞きしたいので。
#72
○政府委員(野村瞭君) それでは、対応についてでございますけれども、これまで私どもといたしましては、三回にわたりまして担当官を派遣いたしまして、神戸市、尼崎市を初めといたしまして関西地区におきまして公害患者の方々のための相談窓口を設置いたしましたほか、政府広報あるいは神戸市等の広報を通じまして、またNHK等のマスコミ等にも呼びかけをお願いいたしまして窓口等への御連絡をお願いいたしておるところでございますが、今後は特に、私どもから直接認定患者の方々に連絡を申し上げるというようなことをいたしまして、さらに所在の確認等に努めてまいりたいと考えておるところでございます。
#73
○有働正治君 今おっしゃられましたように、やはり直接、関係自治体、関係者とも協力して避難所等をチームで回るなりして、相手からの連絡を待つのでなくて積極的に対応していく、そうでなければ、八割近い方々が一カ月たってもどういう状況にあるかさえ、所在さえわからない、これはゆゆしい事態だと思うわけであります。
 その点で、今もおっしゃられたんですけれども、やはり全国放送、NHKテレビ等のこういうのももっともっとふやして周知徹底するということを含めて、直接の手だて、対応を大臣が決断して直ちに実行するということをやっていただきたいわけでありますが、いかがですか。
#74
○国務大臣(宮下創平君) 今、保健部長の申されたとおり、やっぱり実態を把握するということが先決でございます。なぜ実態を把握しなけりゃならぬかというと、やはり患者の方々がぜんそくその他で病んでおられるわけですから、こういう悪条件のもとで、その医療給付が継続されるということは何よりも必要ですね。
 そういった意味で、医療機関の確保、これはある程度行われておるようでございますが、公害医療機関だけではなしに普通の医院でもやっぱりできるようにしていただくとか、あるいは手帳を失った人でも十分医療給付が受けられるようにするとか、またいろいろ各種の手当を給付しておると存じますけれども、これは聞いてみますと郵便払い込みでやっているんですね。したがって、なかなかやっぱり、取りに来いというようなことになると実際問題として自分が公害患者だということを申し出ていただく機会が多いのですけれども、現実にそういうこともないという状況にもあるようでございます。
 しかし、さはさりながら、今申されたような状況で、把握状況が非常に少ないということはこれは行政の基本としては好ましいことじゃございませんから、今直ちに判明しないから給付が行われていないということではございませんけれども、行政の筋としてきちっと把握することが重要だと思いますから、広報その他を通じてあとう限りひとつ申し出をしていただくということが必要かと存じます。
 なお、亡くなられた方については、これは私も大変気になったんです。そういう病気を持っておられる方がああいう震災で余計犠牲をこうむっておられるんじゃないかなということで、調べさせていただきましたが、これは亡くなった方々の名簿がきちっと発表されておりますので、それを一々全部チェックをされておるようでございますね。しかし、意外に亡くなった方は、その六千人の中では少ないという報告も受けております。
 いずれにしても、実態を把握するためにはある程度本人の申告をいただきませんと、兵庫県から外へ出られている方もいらっしゃるだろうし、これ環境庁の職員が県を督励して一々捜してこいといってもなかなか問題ですから、広報等を通じて、あとう限り早く申し出てくださいよということでやってまいりたいと思います。当面の給付はきちっとしていますから、その点は大丈夫だと思います。
 それからもう一つやっていることは、公健法の改正案がありますが、期限切れで失権するような人は今度の手当てをお願いしてありますから、その点もよろしくお願いします。
#75
○有働正治君 NHKの広報を含めて、大臣、積極的にひとつ。その点もよろしいですね。
 それで、私がなぜこの問題を、本当に患者の方々からの深刻なやっぱり訴えが出されています。高齢の方は特に症状の悪化が避難所等で心配されているという状況です。神戸患者会が所在を確認している九十名のうち、避難所や親戚宅にいてその後体調を崩して入院なされた方が二月十八日現在で二十名おられる。うち五名は残念ながら亡くなられたんです。尼崎市でも震災後、認定患者が避難先などで相次いでやっぱり死亡なされている。文字どおり命に直結するという事態があるわけであります。一々例を私申し上げませんけれども、元気だったんだけれども、倒壊後、点滴を受けに行ったけれども入院せざるを得ない、その後ぜんそくの発作で亡くなった等々の事例を私も直接お聞きいたしました。
 したがいまして、非常に急がれるということで、一つは、環境庁としても医療機関を動員いたしまして認定患者の病状をよく掌握して早目の治療体制をとるように、この点でも大臣に積極的に対応していただきたい。簡潔にお願いします。
#76
○国務大臣(宮下創平君) 御趣旨はごもっともでございますから、県当局とも相談をいたしまして、その把握に努めます。
#77
○有働正治君 認定患者の方が体調を崩されて治療を受けた際、従来の病院でないところで、公害診療扱いでなく一般扱いで医療費を請求されたケースも出てきているわけであります。例えば、五十七歳の気管支ぜんそくの女性の認定患者が親戚宅でぜんそく発作で緊急入院した病院は、公害診療にふなれであったこともあろうかと思いますが、治療費を本人に請求されたという事例であります。
 こういう公害認定患者の治療は公害診療扱いで行うよう、医療機関にも改めて周知徹底してほしいというのが患者会からの要望であるわけで、この点の対応を求めます。
#78
○政府委員(野村瞭君) 制度的なことを申し上げますと、公健法の認定患者への医療というのは公害医療機関が担当することとされておるわけでございますが、基本的には、健康保険法の保険医療機関が特段の申し出がない限りはすべて公害医療機関を兼ねるということになっておりますので、認定患者の方々はほとんどすべての医療機関で自己負担なしに公害医療を受けられる仕組みにはなっておるわけでございます。
 また、今回の被災によりまして公害医療手帳をなくした方々につきましても、通常どおりの公害医療を受けられることといたしておりまして、その旨医師会等を通じまして周知徹底を図っているところでございます。
 今御指摘の、自己負担の請求をした事例があったとの御指摘でございますが、このようなケースがあった場合には、これはふだんからでございますけれども、関係自治体におきまして個別にその医療機関を指導することといたしております。今回、仮にそのような事態が生じた場合には、先ほど申し上げました公害患者さん方のための相談窓口に御連絡いただければ、直ちに個別に指導をするという体制をとっているところでございます。
#79
○有働正治君 私の質問に的確に、今後どうやるかを中心に言っていただきたいんです。現にあるから私は問題にしているわけですから。
 それから、避難所に入っている認定患者の方が仮設住宅の抽せんの申し込みにも応じたのでありますが、第一回目はだれも抽せんに当たらず、入居の当てがないというのが実態であります。したがいまして、避難所での病状の悪化は命に直結するという点からいって、避難所よりましな二次避難施設、例えば国民宿舎だとか保養所等々いろいろあり得ると思いますので、そういう施設確保を早目にやっていただけないだろうか、そして何とか命を失わないように手だてをとっていただきたい。認定患者、関係者の強い要望でありますので、この点で大臣、できるだけ努力していただきたい。
#80
○国務大臣(宮下創平君) 国民宿舎、国民休暇村等の施設につきましても、私どもあとう限りの施設を用意するように努力しております。そして、入居も兵庫県等で今選考が行われていると聞いておりますから、そういう方向で対処してまいりたいと思います。
#81
○有働正治君 ぜひ速やかな対応を求めます。
 いま一つの問題、今回の震災によりまして下水道処理場にも被害が出て、処理機能が停止した例が指摘されているわけであります。下水処理が果たせないとなりますと、流れ込む大阪湾、瀬戸内海の水質汚濁が心配されるわけであります。
 そこで、神戸市の東灘下水処理場の復旧に三カ月程度かかるということを聞いているわけであります。復旧までの応急措置として、処理場北側の運河をせきとめて沈澱池として汚水をプールするなど一定の対応を今図られているということを聞いていますが、大阪湾や瀬戸内海の水質汚濁が急速に進行している事態が憂慮されるわけでありまして、この水質汚濁防止の対策、それについても最大に対応していただきたいと思うわけでありますが、この点いかがですか。
#82
○政府委員(嶌田道夫君) 下水道につきましての状況は、神戸市内の八処理場のうち七処理場は通常処理となっていますが、被害の著しかった東灘処理場におきましては、今先生言われましたように、現在、仮設の沈澱池を設置する、それから滅菌処理して放流しているというような状況にございます。
 環境庁におきましては、今回の震災に伴います水質への影響を把握するために、被災地周辺の河川及び地下水のモニタリングを行うなど被災地におきます水質の状況を監視しているところでございまして、今後とも建設省、関係地方自治体と連携いたしまして、水質汚濁の防止に万全を期してまいりたいと思っております。
#83
○有働正治君 現行の瀬戸内海環境保全特別措置法によりまして、瀬戸内海及び大阪湾の水質などを環境保全するため、これらの水域に排水します特定施設、工場、事業所などには厳しい許可制度があるわけであります。その特定施設の損壊を再建する際に、安易に手続の簡素化、一定の手続の簡素化というのはやむを得ない事情もあろうかと思いますが、その際、環境アセスや許可の審査を緩和するということになれば、将来こういう地域の汚濁も非常に重大視されるわけでありますから、そういう点はよもやお考えではないと思いますが、念のために。
#84
○政府委員(嶌田道夫君) 確かに今度の震災によりまして、水質汚濁問題は生じておりませんけれども、特定施設につきましての破損状況はかなりあるものというふうに承知しております。現在、神戸市、それから兵庫県の方からこれにつきましていろいろ要望が出されてきておりまして、環境庁におきましてはこの扱いにつきまして現在検討しているところでございます。
 いずれにいたしましても、瀬戸内法がございますので、瀬戸内法の趣旨を十分勘案しながら、どのようにしたらいいのか現在検討しているところでございます。
#85
○有働正治君 最後に一つだけ。
 先ほども他の同僚委員から野焼きの問題がありましたけれども、それからアスベストの問題等、これについてもきちっと対応していただきたいわけであります。具体的には、環境庁として第二次の環境サンプリングを始めるという先ほど御答弁もありました。その際、野焼きによる大気汚染調査も、できるだけ正確にきっちり掌握できるように、測定場所や測定項目の拡大を図って、実態把握と防止に策を講ずるというふうにしていただきたいわけでありますが、いかがですか。
#86
○政府委員(大澤進君) 先ほどもお答えいたしましたが、粉じん問題あるいはアスベスト、それから野焼きが行われておるというようなことから、私どもも緊急に被災地全体をカバーする形で、とりあえず第一回目の緊急モニタリング調査を行ったところでございますが、その結果を十分分析しまして、さらに、特に野焼き問題が最近問題提起されておりますので、十分そういう点も配慮しまして、測定地点の選定、それから測定すべき項目等についても被災地の大気の環境状況ができるだけ把握できるような観点から、地点なり項目内容等を決めて、監視測定してまいりたい、かように考えております。
#87
○有働正治君 終わります。
#88
○西野康雄君 これは、委員長に対しての要望でもございますし、環境庁長官に対しての要望でもございますが、先ほどからだらだらだらだらした答弁が続いております。どれほど午前中からの質問の中で、議員各位が、端的にとか、的確にとか、明確にとか、こういう言葉が続いてきたか。だらだらだらだらした答弁なら答弁になっていないんです。状況を把握してその上で質問しているのに、まず状況から申し上げます、こんなものは答弁でも何でもないんです。しっかりと端的に、明確に答えるようにということを、委員長からもきっちりと、だらだら答弁が続いたときには注意をしていただきたい、このように思いますので、御要望だけさせていただきますし、環境庁長官にも、先ほどから環境庁の職員の答弁を聞いておりますとそのようなものが続いております。長官の答弁は非常に明確に端的にお答えになっておられまして私も好意を持っておるわけですけれども、ほかが余りにもひど過ぎると思いますので、後からもきっちりと御注意をお願いしたいと思いますが、そういう要望だけして質問に移らさせていただきます。
 二月の初めに阪神・淡路大震災の被災地を長官訪れられました。地元の皆さんからどんな要望が出されたのか、そしてまた要望を踏まえてどのような具体的な策をとられているのか、お答えください。
#89
○国務大臣(宮下創平君) 簡潔に申し上げたいと存じます。
 兵庫県知事と神戸市長と会いました。その主要な項目は、環境庁長官でございますから、先方さまも、全体の復旧についての御要請の後、特に環境監視体制の復旧に対する財政支援。これは措置を今しつつあります。それから、被災した公害認定患者への支援の問題、これも今御質問のあったとおりでございます。
 それから、被災した企業が、公害防止施設等、これも破壊されておりますから、これも企業の復興と同時にそういうこともきちっとやっていただきたいということでございまして、私どもは倒壊した測定機器は直ちに補正予算で手当てをしておりますし、認定患者の点も、先ほど申しましたように、認定の更新なんかが切れて失権にならないように法律改正をお願いしております。
 また、被災企業のためには、環境事業団等が低利融資をやっておりますから、これは中小企業並みの低利あるいは償還期限を延長いたします。それから、大企業も、開発銀行がやると同じような条件にやることを決定しておりますから、何としても早く立ち直るための施策をいろいろやっていきたい、こう思っております。
 そのほか、さっき議論にございました、いろいろ環境庁として現状を把握することが重要ですから、二次モニタリング調査等を精力的にやらせていく、こういうことでございます。
#90
○西野康雄君 オゾン層の破壊が進んでおります。フロンガスの回収が急がれます。この阪神・淡路大震災で瓦れきとなった冷蔵庫、クーラー等々からのフロンガスが空気中に放出されるという危険性がございます。その回収等はどうなさっておられるのかお伺いいたします。
#91
○政府委員(大澤進君) 地震が起こった当場は大変混乱しておりまして、人命救助が第一ということで、この瓦れきあるいは冷蔵庫等の家財なり家具等からフロンを取るということは非常に実際上困難でございましたけれども、その後現地において、先ほどもちょっと申し上げましたが、県と市と町、それからこれらの器具を扱っている事業者、これが一体となって兵庫県フロン回収処理推進協議会、これは既に地震前にできておるわけでございますが、ここが主体となって現場においてその回収を今進めているところでございまして、その回収されたものはボンベに詰められまして、加西市に県の回収フロン地域センターというところがございますが、そこに一時保管する。今後この処理について、私どもは連携をとりながら破壊処理等について対応してまいりたい、かように考えております。
#92
○西野康雄君 このごろ鼻の調子が悪いのは、瓦れきの処分だとかほこりのせいなのか、花粉のせいなのか、風邪引きのせいなのか、さっぱり区別が今つかない状況でございます。それぐらい西宮に帰りますと大変なほこりっぽい町になっております。
 震災による大量の瓦れきがフェニックス処分場で処分されることになります。新たな海面の埋め立てを許可しなければならないほどの瓦れきなのか、あるいは他都市への処分の依頼で間に合うのか、瀬戸内法を公然と破る理由にもなりかねないほどの瓦れきであるのか、そういうふうな瓦れきの問題、瓦れきの処分と埋め立てについての環境庁の方針をお伺いいたします。
#93
○政府委員(嶌田道夫君) 今回の震災に伴います廃棄物、その量が膨大でございます。そういうことで、そのすべてを既存の処分場で受け入れました場合、今後の廃棄物処分計画並びに運搬の面から問題があるということで、神戸市の方は、震災廃棄物の一部を神戸港において処分するための埋立免許の出願を、昨日でございますが、行ったと聞いております。
 今回の出願のありました新たな埋立処分場は、神戸港の港湾計画の改定に位置づけられた埋立計画の一部に該当するものでございまして、この港湾計画の改定につきましては、瀬戸内法に基づく埋め立ての基本方針に照らしまして、環境庁として検討しましたところ、水質環境並びに生態系への影響が軽微なこと、水質汚濁防止法に基づく特定施設を設置しないということなどから、埋め立てについてはやむを得ないと既に判断したものでございます。また、埋立用材として廃棄物を用いるに当たりましては、廃棄物処理法に基づく処分基準を確実に遵守するために、廃棄物の受け入れのときの分別を徹底して浮遊ごみ等の流出防止措置を十分講ずる等によりまして、環境保全上支障を生ずることのないように神戸市を指導しているところでございます。
#94
○西野康雄君 軽微、軽微と、環境に対しての影響は軽微だと、ずっとそういうふうな言葉を使われながら日本全国各地の海が埋め立てられてきて、結局、環境が破壊されていっているわけで、その軽微という言葉は軽々に使うべきものでもないし、軽微がずっと重なってくるというと大変な影響があるということもしっかりと認識をしておいていただきたいと思います。
 阪神・淡路大震災の被災地の公害認定患者の安否、動向等は、もう有働先生がお聞きになりましたし、質問も重なります。被災地における公害認定患者の治療等々ももうお答えをいただきましたので、これは省略をさせていただきます。
 所信表明の中に、自然学習や身近な地域における触れ合いの拠点づくり等がうたわれております。手入れが行き届き過ぎた樹木や池には、鳥だとか蛇だとか魚といった生物が近寄らないという例が散見をされます。
 私の出身地が大阪の堺というところで、そばに仁徳天皇陵とそれから履中天皇陵があって、そこのところに大山公園という大きな公園があるんです。私の子供のころにはフクロウはすんでおりましたし蛇もおった。もちろん魚もいっぱいおった、亀もおった。ところが公園になったら、フクロウはどこかへ飛んでしまっておれへんわ、蛇はおれへんわ、カエルはおれへんわと。ドングリのなる木はどこへ行ったんかといったら、どこにもあらへんと。何のためこれ公園にしたんだろうか。自然に親しむというふうな意味合いの公園が、公園を整備している――今、私なんかこっそりとドングリの苗だとかを公園に植えたりしておるんですが、いつの間にか公園を管理している人がまた引き抜いていっていると。イタチごっこを合しておるんでございますが。
 つまり、そういうふうな自然のあり方とか公園のあり方というのが今問われているんですね。池をきれいに整備してしもうたら、カエルが卵を産むところがなくなっている。カエルがいなくなると、それをえさにしている蛇がいなくなる。蛇がいなくなると、それをえさにしていたフクロウがいなくなるというふうなことですね。カエルは昆虫を食べる。しかし、樹木にはっと農業をまき散らすものですから昆虫がいなくなる。それで、さあきれいな公園でしょう、皆さん方御利用くださいと言ったって、これは今の子供たち、ファミコンしますよ。近くの公園に行ったって、そんなもん、遊ぶものあらへんのですから。
 そういうふうな公園づくりというふうなことは本当は今やっちゃいけないことで、過去そういうふうなものがあったとしても、これからの公園づくりというのは、環境庁として、身近な自然と公園づくりというふうなことをきっちりとテーマにして、建設省と連絡を取り合いながら、自然あふれる都市公園づくりというのをうまく進めていくべきではないか。それが所信表明の中の自然学習や身近な地域における触れ合いの拠点づくり等の一番の根本になるんじゃないかと思いますが、その辺の考え方をお伺いします。
#95
○政府委員(奥村明雄君) 先生御指摘のとおり、身近な自然との触れ合いの場の確保ということは大変重要な課題だと考えております。昨年策定をされました環境基本計画においてもこういう考え方が取り込まれておりますし、また近年では、都市公園でも、こうした自然を観察しまた触れ合うことのできる自然生態園という考え方も取り入れられてきております。
 環境庁としても、これまでトンボの里あるいは蛍の森というようなことで自然観察の森などをつくってきておりますが、あるいは「ふるさといきものふれあいの里」などの整備を行っておりますが、こうした経験、またいろいろな技術手法などについても研究を行いまして、建設省にも提供するなどいたしまして、こうした方向づけがさらに前進するよう努力してまいりたいと思っております。
#96
○西野康雄君 この間、広島でもそうでしたが、市街地にクマが出没をして射殺されるというケースを新聞記事で見受けます。しかし、ツキノワグマ、特に中国、四国、九州あたりは、近畿もそうですが、どうも絶滅寸前なんですね。それがとことことことこと町に出てくる、人命との兼ね合いの中からすぐ射殺をしてしまうというふうなことですね。これはやっぱり、片一方でクマのえさとなるようなドングリとかそういうものが切られていく、片っ方で杉やヒノキが植林をされるというふうなことですね。林野庁は杉やヒノキばっかり植えている。これが台風シーズンになったらばさばさと植林ですから倒れて、そして川にあふれる、ダムにあふれるというふうなことなんです。
 日本の環境行政というのはこのクマ一つ見てもばらばらやということがようわかるわけですね。そしてずっと山奥まで開発をしていく。今度は土砂崩れが起きて大変な被害になったりするというふうなことで、もう一つまとまりがない。ひとつ、そういうふうなものは本来環境庁がきちっとまとめていかなきゃならぬのですね。えさがあればクマも市街地には出てこないわけです。絶滅が危惧されるクマだけにその辺の対策を伺いたい。これがずっと本来の自然保護のあり方につながるんではないかなと思うので、あえてこの質問をさせていただきます。
#97
○政府委員(奥村明雄君) 先生御指摘のように、ツキノワグマは全国的に見ますとかなりの数が生息をしておるわけでございますが、地域的に見ますと、先生お話がございました九州や四国それから西中国などでは地域的に絶滅のおそれのある地域個体群というものも見受けられる状況になっておるところでございます。
 私ども、こうしたツキノワグマの保護を図るために、平成六年から五年間、西中国や四国などの地域を決めまして、そしてその地域では狩猟による捕獲禁止を行うという措置をとったところでございますが、さらに、野生生物の生態に詳しい専門家や地方自治体の関係者などから成る検討会を開催いたしまして、ツキノワグマの保護管理に対する対策について検討を行っているところでございます。また平成七年度からは、先生御指摘のような生息環境の整備という点も重要であると考えておりまして、えさのなる樹木を植栽いたしましたり、それから電気さくの設置などを行ったりして、その保護を図るための方策を検討するための実証的な調査を行いたいというふうに考えておるところでございます。
 なお、関係省庁の間では、いろいろ鳥獣をめぐる問題がございますので、連絡会議等の場を通じて連携を深めているということでございます。
#98
○委員長(篠崎年子君) 本件に対する質疑はこの程度といたします。
    ―――――――――――――
#99
○委員長(篠崎年子君) 次に、公害健康被害の補償等に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
 政府から趣旨説明を聴取いたします。宮下環境庁長官。
#100
○国務大臣(宮下創平君) ただいま議題となりました公害健康被害の補償等に関する法律の一部を改正する法律案について、その提案の理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
 公害健康被害の補償等に関する法律は、公害の影響による健康被害者の迅速かつ公正な保護を図るため、補償給付の支給等を行うものであります。
 今回の改正は、公害の影響による健康被害者の保護の一層の充実を図ることを目的として、近年における高い高等学校進学率の状況等にかんがみ、死亡した健康被害者の子等に支給する遺族補償費を一般に高等学校を卒業する時点まで支給できることとするとともに、健康被害に係る認定の更新の申請について、災害その他やむを得ない理由がある場合の特例措置を設けるために、所要の改正を行うものであります。
 次に、この法律案の内容について御説明申し上げます。
 第一に、公害の影響による健康被害者の遺族に支給する遺族補償費の支給対象として、子、孫または兄弟姉妹については、十八歳に達した日以後最初の三月三十一日までの間にある者を含めることといたします。
 第二に、公害の影響による健康被害に係る認定の更新について、災害その他やむを得ない理由により認定の有効期間の満了前に更新の申請をすることができなかったときは、その理由のやんだ日から二月以内に限り、更新の申請をすることができることといたします。
 この法律案は、認定の更新に係る改正規定は公布の日から、遺族補償費の支給対象に係る改正規定は平成七年四月一日から施行することとしております。なお、認定の更新に係る改正後の規定は、先般の兵庫県南部地震による災害についても適用することとしております。
 以上が、この法律案の提案の理由及びその内容の概要であります。
 何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
#101
○委員長(篠崎年子君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 本案に対する質疑は後日に譲ることといたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後零時三十七分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト