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1995/03/20 第132回国会 参議院 参議院会議録情報 第132回国会 環境特別委員会 第5号
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1995/03/20 第132回国会 参議院

参議院会議録情報 第132回国会 環境特別委員会 第5号

#1
第132回国会 環境特別委員会 第5号
平成七年三月二十日(月曜日)
   午後一時一分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 三月十日
    辞任         補欠選任
     三重野栄子君     萱野  茂君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         篠崎 年子君
    理 事
                小野 清子君
                佐藤 泰三君
                大渕 絹子君
                山崎 順子君
    委 員
                狩野  安君
                西田 吉宏君
                野間  赳君
                清水 澄子君
                足立 良平君
                長谷川 清君
                粟森  喬君
                有働 正治君
                西野 康雄君
   国務大臣
       国 務 大 臣
       (環境庁長官)  宮下 創平君
   政府委員
       公害等調整委員
       会事務局長    桑原  博君
       環境庁長官官房
       長        大西 孝夫君
       環境庁企画調整
       局長       石坂 匡身君
       環境庁企画調整
       局長       野村  瞭君
       環境庁自然保護
       局長       奥村 明雄君
       環境庁大気保全
       局長       大澤  進君
       環境庁水質保全
       局長       嶌田 道夫君
   事務局側
       第二特別調査室
       長        林 五津夫君
   説明員
       環境庁企画調整
       局地球環境部長  澤村  宏君
       外務省経済局国
       際エネルギー課
       長        二階 尚人君
       文化庁文化財保
       護部記念物課長  水野  豊君
       農林水産省農蚕
       園芸局企画課長  石原 一郎君
       建設省河川局河君
       川計画課長    脇  雅史君
       建設省河川局開
       発課長      青山 俊樹君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○平成七年度一般会計予算(内閣提出、衆議院送
 付)、平成七年度特別会計予算(内閣提出、衆
 議院送付)、平成七年度政府関係機関予算(内
 閣提出、衆議院送付)について
 (総理府所管(公害等調整委員会、環境庁))
○悪臭防止法の一部を改正する法律案(内閣提出
 )
    ―――――――――――――
#2
○委員長(篠崎年子君) ただいまから環境特別委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 去る十日、三重野栄子君が委員を辞任され、その補欠として萱野茂君が選任されました。
#3
○委員長(篠崎年子君) 去る十四日、予算委員会から、平成七年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、総理府所管のうち公害等調整委員会及び環境庁について、本日午後の半日間、審査の委嘱がありました。
 この際、本件を議題といたします。
 予算の説明につきましては既に聴取しておりますので、これより直ちに質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#4
○大渕絹子君 環境庁では全国各地の環境についてのモニタリング検査を実施していますが、琵琶湖について、水質、化学物質、生物検査の結果に基づき、琵琶湖の現状をどのように認識しておられるか、また、そうした現状の回復の見込みについて、あるいは将来とも関西地方の水がめとしてあり続けることができるかどうかをまずお伺いいたします。
#5
○政府委員(嶌田道夫君) 琵琶湖につきましては、水質汚濁防止法に基づきます工場の排出規制でありますとか、湖沼水質保全特別措置法に基づきます総合的な水質保全対策が実施されているにもかかわりませず、依然として富栄養化の進行が認められているところでございます。また、北湖のCOD濃度が全体的に漸増している傾向が近年見られますなど、琵琶湖の水質は厳しい状況にあると承知しております。
 琵琶湖は、近畿一千四百万人の飲料水源としてのみならず、自然生態系の宝庫として貴重な存在でございます。現在、滋賀県におきましては、琵琶湖の水質を保全するためのさまざまな検討が行われておりまして、環境庁といたしましても、滋賀県と連携しまして貴重な琵琶湖の水質保全を図っていきたいと考えております。
 水質の回復の見込みでございますけれども、今申しましたように現状は厳しい状況にございますけれども、水質保全計画に基づきます各般の施策を行うことによりまして、琵琶湖の水質の保全が図られるものというふうに考えております。
#6
○大渕絹子君 各種の施策によってよみがえるものというふうに今おっしゃるわけですけれども、大変見通しは厳しい状況じゃないかというふうに私は思うわけでございます。
 琵琶湖総合開発事業の重要な柱は水資源開発事業でしたけれども、水質の保全は水資源を供給するという立場からすれば最重要課題のはずですのに、琵琶湖総合開発事業が開始されて二十三年間継続をされてきているわけですけれども、淡水赤潮やアオコの発生に見られるように、水質が大変悪化をしてきています。こうした原因はどこにあると考えておられるのか、琵琶湖総合開発を担当しておられる建設省の方にお聞きをしたいと思います。
#7
○説明員(脇雅史君) ただいまもお話ございましたが、琵琶湖の水質をCODで見てみますと、昭和五十年代後半には若干改善の傾向にございましたが、昭和六十年代以降は横ばいということで、依然として環境基準を達成していない状況、厳しい状況にございます。
 建設省におきましては、琵琶湖総合開発事業において、琵琶湖の水質保全を図るため下水道の整備を促進するとともに、治水のために湖岸に前浜を確保することなどによりましてヨシの保全に努めますとともに、必要な箇所に積極的にヨシの復元を行ってきたところでございます。また、湖沼法によります琵琶湖水質保全計画に基づきまして、流入河川の河道のしゅんせつ、それから流入河川の水の直接の浄化対策等も実施をしてきたところでございます。
 しかしながら、人口の増加などによりまして、流域からの負荷量の増大等がますます進んでおりまして、依然として水質の改善が進んでいない状況でございます。
 建設省におきましては、今後ともさらに琵琶湖の水質保全に積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
#8
○大渕絹子君 建設省のそうした御努力は認めるものでございますけれども、琵琶湖周辺地域の開発事業が大変、何といいますか、自然を壊すというような形の中で進められてきたこともまた事実ではないかと思うんですね。大事なヨシが繁っている湖岸をコンクリートの湖岸にするために、そのヨシ原を削り取ってそして堤防をつくっていく。そうすると、今までは浅瀬の中で植物が自生をしながら水の浄化作用というものが行われておったのに、そのヨシ原自体が破壊されることによって水の浄化作用というのが大変少なくなってくるという事情もあったでしょう。そして、三十以上もあった内湖についても、私有地ということの中で、持っていらっしゃる方が田んぼにつくりかえたりというような事情もあったのでしょうけれども、内湖も半分以上もう埋め立てられたということの中で、そこの水の浄化作用も少なくなっているという状況だと思います。そうした開発のツケが水質の悪化という形で今あらわれているんではないかというふうに思いまして、大変危惧をしているものでございます。
 昭和六十年、先ほど建設省からもお話がありましたように、湖沼法が制定をされて琵琶湖もその指定湖になりましたが、それ以後環境庁が行った水質保全の施策を述べていただきたい。そして、琵琶湖水質保全のために対策費として使われた予算を、どのくらい使われているのか、年次を追って挙げていただければと思います。
#9
○政府委員(嶌田道夫君) 琵琶湖につきましては、今言われましたように、昭和六十年十二月に湖沼水質保全特別措置法に基づきます指定湖沼に指定されまして、滋賀県と京都府により湖沼水質保全計画が策定されておりまして、現在、平成三年度から平成七年度までの第二次計画に基づき、国、地方自治体が一体となって総合的な対策を推進してきているところでございます。特に、平成四年三月の第二期の湖沼水質保全計画の策定に際しましては、富栄養化対策の総合的な推進を図りますために、従来のCODに加えまして、窒素、燐を汚濁負荷量規制の対象項目とする政令改正を行ったところでございます。
 環境庁の対策でございますけれども、琵琶湖の湖沼水質保全計画に基づく施策の推進を図りますために、一つといたしましては、水質汚濁防止法に基づく生活排水対策地域内の市町村が行います生活排水汚濁水路浄化施設整備事業などに対する補助といたしまして、琵琶湖に関しまして平成四年度から平成六年度までに約一億円の補助を行っているところでございます。また、指定湖沼汚濁負荷量削減状況調査費補助金によりまして、事業の進捗状況や湖沼に流入する汚濁負荷の削減状況の把握のための調査に対しまして、平成四年度から平成六年度までに約七百万円の補助を行っているところでございます。
 金額としてはそう多くございませんけれども、環境庁といたしましては、今後とも関係省庁、関係府県との連携を図りながら、湖沼水質保全計画に盛り込んだ各種施策の着実な実施を図ることによりまして、琵琶湖の水質の着実な改善に努めてまいりたいと考えております。
#10
○大渕絹子君 お話がありましたように、湖沼法が昭和六十年に制定されていたにもかかわらず、環境庁としては、琵琶湖本体に対する水質保全に対しては大変対策がおくれているといいますか、滋賀県や京都府に対して指導的なことはやられておったかもしれませんけれども、予算としては、六十年から平成四年度までの予算額は今おっしゃらないわけですからないというふうに理解をしますけれども、四年から六年まで一億円、それから調査費として七百万円というような非常に乏しい予算の中で湖沼の水質保全ということが環境庁に任されている状態というのは、これは非常に私は、今の日本のこれだけ厳しく汚染をされている湖沼全体の状況から見るときに、心もとないというような予算額であろうというふうに思っています。
 せっかくつくられた法律が、水質や環境保全のために十分に法律の目的が生かされるために、予算というものを十分に獲得をして、ここは環境庁が先頭になってやっぱり水質保全のために頑張っていただかなければ、せっかくつくられたものも絵にかいたもちに終わってしまうということが懸念をされます。ぜひここは頑張っていただきたいということを思いを込めまして、これから先の琵琶湖の水質、あるいは琵琶湖だけではありません、湖沼法によって指定をされている湖はもう全部危機に瀕しているわけですから、その湖全体に対して一日も早く回復ができるような措置というものをきちっととっていただきたいことを強くお願いを申し上げます。
 大臣、いかがでございますか、ここのところについて。
#11
○国務大臣(宮下創平君) 今、水質保全局長の方から御答弁申し上げた点は、第二次の保全計画の中で一億円というようなお話がございましたが、これは環境庁プロパーの助成あるいは指導費等々であると思われます。
 したがいまして、この保全計画というのは、環境庁だけではございませんで、各省庁の環境保全に関する計画を総まとめをいたしまして計画されておりますから、例えば農林省でいいますと集落排水事業、これは、琵琶湖の周辺は日本では一番多く行われている地域でございます。また公共下水等も、建設省がおられますけれども、やられていると思いますので、そういう全体を環境庁がリードして、その地域の湖沼保全のために、あるいは浄化のために指導する立場にもございますので、今後とも指定湖沼についてはそのような覚悟でひとつリーダーシップを発揮していきたい、こう思っております。
#12
○大渕絹子君 ぜひ、そのようにお願いしたいと思います。
 琵琶湖の水質を回復させていくためにも、前々回、私はダム地震との関連の中で丹生ダムについての意見を申し上げたわけですけれども、高時川上流につくられる丹生ダムは、琵琶湖の水質を回復させていくためにもこのダムの建設はちょっと待っていただいた方がいいのではないかというふうに思うわけでございます。
 まず、環境庁は、ダム建設後の影響評価について検討されたことはございますでしょうか。
#13
○政府委員(石坂匡身君) ただいまお尋ねの件につきましては、個別の問題でございますし、またこの影響評価は建設省がやっておるところでございます。
 一般論として申し上げますれば、環境影響評価を行います場合に、私ども意見を申し上げるときにフォローアップについての意見を申し上げることもございます。そうしたものについてはフォローアップをしてまいっております。
#14
○大渕絹子君 それでは、一般論としてお聞きをしますけれども、一般論として琵琶湖の上流に、琵琶湖でなくてもいい、水道原水となるための貯水池があるとして、その上流にダムがつくられた場合、そこに流れ出る水は、全然つくられていない自然のままに流れてくる水と比較をして、どちらがきれいだと思いますか。
#15
○説明員(青山俊樹君) 今、湖の上流にダムが建設されることによって湖の方の水質がどうなるかというお尋ねでございますが、燐や窒素などの栄養塩類がダムの貯水池に貯留される分だけ湖への流出負荷量は減ることになるわけでございます。したがいまして、湖の上流域のダムは、一般的にはむしろ湖の水質を向上させる方向に働くものと考えております。
#16
○大渕絹子君 全く自然の生態系を無視した御答弁ではございませんか。自分でもそういう御答弁をされていて御満足でございますか。
 自然のままに浄化をされた、山で降った水が森林を通して、あるいは地下を通って再び川のところに流れ出て浄化をされて琵琶湖に注いでいる今の状態と、上流にダムがつくられて、そしてそのダムの水を幾ら表流水、上のところのきれいな水をとるといっても、下の方は死んだ水になっていってしまうわけですね、長い間には。そういう状態の中で、ダムの水の方がきれいだという答弁というのは、ちょっと私は環境庁の方の御意見というふうには思われないわけですけれども――建設省でございますか、建設省もそれではそういう認識の中で影響評価をしているというふうに私は受け取らせていただきますけれども、今これから環境をどう回復していくかという視点に立った場合には、そのお考えではちょっと、これから先の行政というのはますます日本の環境保全にとっては厳しい状況になっていくんじゃないかということを私は指摘せざるを得ません。
 湖沼法の指定を受けた諏訪湖でも、下諏訪ダムとそれから蓼科ダムの二つの建設が進められております。そして、琵琶湖では今言いました丹生ダム。このことは、建設省の今の答弁からすれば、全く問題がなくて、かえって琵琶湖や諏訪湖の水をきれいにする方向に働くんだということでございますけれども、私は全くそうは思わないわけでございます。認識の違いだと言われてしまえばそれまででございますけれども。
 大臣、湖沼法というのは、湖沼の水質保全に関する特別措置法ですね。それは、もうどうにも汚染がされておる湖を何とかいいものにしていきたいためにつくられた法律なわけですけれども、ダム建設によってもし水が汚染をされるということになれば、私はこの法律に触れてくる部分もあるんではないかというふうに思うわけですけれども、ここの部分はいかがでございましょう。
#17
○国務大臣(宮下創平君) いわゆる湖沼法による流入河川等の問題は、流入河川自体の浄化を図ることが湖沼の浄化にもつながるという考え方に立っておりますから、流入河川自体が汚染されるような事態は防がなければなりません。
 一方、今御指摘のございました例えば諏訪湖の下諏訪ダム、萩倉ダムと言っておりまして、私の選挙区でございますのでよく承知をいたしておりますが、これは下諏訪町並びに岡谷の上水道のための貯水施設でございまして、同時に治水機能も持つということでございます。私ども聞いている限りでは、それによって諏訪湖のCODがさらに増すとか汚染がさらに進むとか、今建設省の方は窒素、燐は減るんじゃないかというような見方も示されましたけれども、これはよく考えてみませんとにわかに断定できない、それぞれのケース・バイ・ケースだと存じます。
 一般的には、湖沼法の精神というのは、湖沼の浄化をする、そのために流入河川その他あらゆる面で、雑排水の規制をやるとか、そういうことによってCODの低下を図るとか、そういうことでございますから、ダムができたから法律違反になるとか、そういうことではないと存じます。したがって、これから環境のアセスメント、そういう構造物をつくった場合にどのような影響があるかを科学的にやっぱりきちっと納得のいく形でこれを探究し、示すことが必要であろうと私は思います。
#18
○大渕絹子君 建設省の方に重ねて伺いますけれども、この丹生ダムが完成をされまして、当初はいいですね、堆砂もそれほどきっと一度には落ちてきませんけれども、これが五年十年、五十年百年と積み重なっていった場合にどうなりますか。先ほどのようなことを言っていられますか。ずっと上流、上につくられるわけですから。
#19
○説明員(青山俊樹君) 今、丹生ダムの件でのお尋ねだったと思いますが、丹生ダムにつきましては、建設に際して下流河川への影響について、例えば濁水の問題についてはシミュレーションを行っております。また、栄養塩類の問題につきましては、富栄養化現象の制限因子であります燐の湛水面積当たりの負荷量と、ダム湖の特性であります平均水深それから回転率というふうなものも用いまして、統計的な手法により解析をいたしております。それで、丹生ダム貯水池におきます富栄養化の可能性は、流域自体が非常に山林豊かなところでございますし、生活排水もしくは工場排水等の問題も非常に少のうございますので、富栄養化の可能性は非常に小さいと思っております。また、下流の琵琶湖への影響につきましては、先ほど申し上げましたが、むしろダムでたまることの効果もあるだろうと思っております。
 ただ、申し上げておきたいのは、湖全体の集水面積といいますか雨水を集めてくる面積、これは琵琶湖の場合は三千八百四十八平方キロあるわけでございますが、既に滋賀県内にダムが幾つかございます。その既設ダム、建設中のダムの集めます集水面積が六百平方キロ程度でございます。パーセントにしまして一五・六%というウエートでございますので、琵琶湖の水質を考えますときには、残り全体の八五%程度の、ほかの流域から出てくる家庭排水、工場排水、農業排水等の水質、またそれの浄化問題が非常に重要なウエートを持ってくると認識しております。私どもも、先生おっしゃるように、下水道整備等の推進に加えましてヨシなどの自然浄化機能も生かした浄化対策に取り組んでまいりたいというふうに考えているところでございます。
#20
○大渕絹子君 今、高時川が自然のままに流入をしている状態でも、先ほど来一番最初から私がお聞きをしておりますように、琵琶湖の水質はどんどんどんどん悪くなってきている状況なんです。だから言っているわけで、さらにその上にダムによってせきとめられた水が入ってくるということになれば、なおさら琵琶湖の水質の保全というのは難しくなるんじゃないかなという私の主張は、わかっていただけるんじゃないかというふうに思うわけですけれども、それはまたいずれ時間のあるときにゆっくりとやらしていただきます。
 建設委員会でこの琵琶湖総合開発をやられたときに、各委員から大変細にわたって御指摘がされております。議事録を見させていただきました。あの基本的な線に沿って進めていただかなければならないというふうに思います。ぜひそれはよろしくお願いします。
 それで、最近は工学的な手法で環境問題を解決しようとする考えが広まっています。ポンプで水を循環させたり、水に空気を吹き込んだり、あるいは汚泥をしゅんせつをしたり、あるいは下水道施設や水道のための浄水施設など、あるいはまたアユの産卵用の人工河川をつくるなども工学的な手法であると思います。これらは常に厳しい管理が必要であり、いつも危険と被害の発生との隣り合わせの中で管理を続けていかなければならないと思います。それに引きかえて、自然の生態系をよく理解をし、自然の仕組みを最大限に活用しながら問題の解決を図る生態学的な手法をもっと取り入れるべきだという主張をしたいと思います。
 滋賀県においてはヨシ原の復元条例を制定をし、その復元に取り組んでいるということは大変評価ができますし、建設省も、先ほど来、復活のためのいろいろな施策をやっているという御報告もあったわけですけれども、さらに建設省においても、この琵琶総開発事業そのものが琵琶湖を復活させる事業でなければならないというふうに思うわけでございます。そういう時代に入ったと思いますけれども、いかがでございますか。
#21
○説明員(脇雅史君) 先生御指摘のとおり、工学的な手法だけに頼ればそれでよいとするものではございません。やはり環境、水質をよくするためには自然の生態系も生かしたもので進めてまいらねばならないと思っております。
 それから、琵琶湖総合開発事業そのものの性格でございますが、水を開発するというのも一つの大きな目的でございますが、御承知のように、同時に、治水でございますね、あそこに水がたまるということで下流の洪水を軽減するということもありますし、今までたまって湖岸が被害を受けていたということもございますから、それを解消するということも一つの目的でございました。そのほかにやはり、環境をよくするというのも目的に入っておりまして、ここにあります資料によりますと、計画の事業費が約一兆八千億強あるわけでございますが、その中の四〇%ぐらいはそちらの方の目的だと。水を開発するためだけのものですと一八・九%と、思っているよりはその目的のお金は小さいものでございます。ですから私どもといたしましても、要するに、環境をよくするためにできることは積極的にやってまいりたいというふうに考えておりますので、よろしくお願い申し上げます。
#22
○大渕絹子君 琵琶湖の自然回復というか、復元を願っている人たちの目から見ると、建設省はただひたすら壊す人の方に見えるということで訴えがあるわけでございますけれども、そういう要望というか、そういうものをしっかりと受けとめて、一日も早くもどのような、それこそ芭蕉が句に詠んだような琵琶湖を復元させていただきたいというふうに思うわけでございます。
 環境庁にお願いがございます。人間の生活が優先され開発の名のもとに公共事業が展開されて、多くの動植物の種が絶滅の危機に瀕しています。二十一世紀を間近に控えて、ようやく、生態系を破壊し続けていることは人間もまた生存できなくなることに続くということに気づいた、そういう人々にとって生態系の復元が本当に叫ばれ始めています。
 ここにドイツのバイエルン州の内務省建設局で刊行されました「水と小川のビオトープづくり」という、大変写真もふんだんに使われて、そして新しい国づくりといいますか、それがもう見事に盛り込まれたすばらしい本があるわけですけれども、これが日本語に訳されて発行されています。私はこれを読みまして、これからの行政のあり方を本当に根本から変えていかなければならないというふうに思いました。
 道路建設事業や河川改修事業を行う際に、まず自然環境保全上の施策が最重要視されるようにしなければなりません。ぜひこうした先進地の視察とか、あるいは技術者を派遣していただくとかして、今壊されている日本の自然環境の復元のために環境庁から大きなお骨折りをしていただきたい、そのためにまた大きな予算をつけていただけるように、私たち委員としても精いっぱいの努力をこれから先もしていきたいというふうに思っています。
 環境庁長官は四月四日から八日までドイツの方に行かれる予定があるということでございますけれども、お時間が許せばこのバイエルン州の方にも寄っていただきたいという気持ちは強くあるわけでございます。ぜひ、環境庁長官が無理でありましたら環境庁の職員なりを現地に派遣をさせて、そのノウハウといいますか、そういうものをきちっと受けとめてきていただきたいなというふうに思うわけでございますけれども、いかがでございましょうか。
#23
○国務大臣(宮下創平君) ドイツのバイエルン州の今のビオトープのお話がございました。私も委員の御質問があるということで、その資料を見させていただきました。大変参考になります。U字溝を、今まで金をかけてつくったのをわざわざもとに戻して、そして動植物が生息できるような環境をつくろうという、建設と自然との共生の調和を図ろうということでありまして、大変私も興味深く、大変意義のあることだというように受けとめて拝見させていただきました。
 国会のお許しがあれば私もドイツヘ参りたいと思っております。これは温暖化防止の締約国第一回の会合でございますので非常に重要な会議であると思っておりますが、ただ予定でお訪ねできるかどうかわかりませんが、こうしたドイツの環境に対する、非常に進んだ熱心な国でもございますから、よく調査をして我が国の環境行政に反映させていきたいと思っております。
#24
○大渕絹子君 終わります。
#25
○山崎順子君 平成会の山崎です。
 千九百九十四年の国際熱帯木材協定、ITTAの正式締結が国会審議、承認の手続が行われるところでございますけれども、このITTAのことと、またそれを実施しているこの協定の実施機関である国際熱帯木材機関、ITTOについてお伺いしたいと思います。
 日本は世界の熱帯木材の流通量の四割をも消費していると言われておりますが、その大きな消費量により、日本が熱帯雨林を破壊しているのではないかといった批判を一部の国からもされていますけれども、そのようなことがないように、生産国と協調しながら地球環境を保全し安定した価格の木材が安定供給されるためには、消費国と生産国両者の多国間協定としてこの協定が国際協力上も環境保全上も非常に重要なものだというふうに私も理解しております。
 そこで、まず外務省にお聞きしたいのですが、このITTOの事業内容やまたは資金分担、任意拠出のシステムについてはどうなっているのか、現在我が国はどの程度負担しているのか、お聞かせくださいますか。
#26
○説明員(二階尚人君) 御説明申し上げます。
 ITTOは国際熱帯木材機関でございますけれども、熱帯木材に関する貿易の拡大、それと熱帯木材の保全の問題、環境面での保全の問題等について活動している機関でございます。
 御質問のございました日本の拠出とか予算でございますけれども、現在ITTOの運営のための分担金の総額というのは、これは九四年でございますが、三百四十万ドルでございますけれども、そのうち日本の分担率は一七・五%の五十九・三万ドルでございます。それから、ITTOが実施しております各種事業のための拠出に関してでございますけれども、これはやはり九四年で機関全体で二千百五十三万ドルでございますけれども、このうち日本は千六百五十一、二万ドル拠出しております。
#27
○山崎順子君 ということは、全体では約六〇%ぐらいを日本が負担していると考えてよろしいでしょうか。
#28
○説明員(二階尚人君) 九四年ベースでございますと七〇%以上でございます。
#29
○山崎順子君 かなりの金額を負担していらっしゃるんですが、それだけのリーダーシップをとれているのか、きちんとそれだけの拠出をした効果が上がっているのか、その辺をお聞かせください。
#30
○説明員(二階尚人君) 確かに日本はITTOにおきましてかなりの拠出をしております。これは、まず御説明しておかなくてはいけないと思うんですけれども、何ゆえ日本が日本政府としてこれだけ拠出しているかということなんでございます。委員御承知のとおり、一つは、日本が世界の熱帯貿易において四割近い比重を占めているということで、熱帯貿易問題についてそれなりの責務がある、積極的に対処していく必要があるということ。それから、熱帯木材の問題というのはまさに世界の熱帯雨林の減少問題等から来て地球環境問題の中で非常に大きな問題の一つであるわけでございまして、そういう観点から日本政府として積極的に取り組んでいる次第でございます。さらに、日本が熱帯雨林を輸入している大宗はアジアの国でございまして、アジアとの関係という面からもやはりITTOを重視しているということがあるということをまず御説明しておきたいと思います。
 その上で、どういう形でその中で日本がITTOの活動、運営に対処しているかということでございますけれども、我が国としましては、ITTOの政策作成の過程あるいは事業の実施の過程、両面において積極的に貢献しているところでございます。
 例えば一例を申し上げますと、ITTOの理事会、これは全加盟国で構成している年に二度開かれるものでございますけれども、昨年九四年においては理事会の議長に日本人を出しまして理事会の審議というのに積極的に貢献したということが一例でございます。
 それから、九四年の協定交渉、これがようやくまとまって、現在国会に御審議いただくことになるわけですけれども、この際にいろいろな問題点が生産国、消費国の間から交渉の過程で出たわけでございますけれども、その間で、日本が生産国、消費国両方が歩み寄れるような建設的な妥協案とかそういう形を提示したりして、実質的に議論をリードしていったわけでございます。
 具体的には、八三年協定との関係での九四年協定の一つの主要な改正点でございます二〇〇〇年目標というのがございまして、これは今後、熱帯木材の供給を二〇〇〇年には専ら持続可能な供給源からしていこう、そういう目標を達成するために生産国を支援していこうということなんでございます。その実施のためにバリ・パートナーシップ基金というものが今回の九四年協定の中で設けられたのでございますけれども、このバリ・パートナーシップ基金につきましては、日本政府が交渉過程で提案していって、それで賛同が得られて協定の中に設けられたものでございます。
#31
○山崎順子君 字面を読んでいきますと、熱帯雨林のためには大変いい協定であり、いい機関というふうに見えるんですが、例えば二〇〇〇年目標についてもなかなか抽象的で、具体的にはではどうしていくのかというのがちょっと御説明からは見えてこないのです。
 今までITTOに関しては、貿易志向型の機関であったことも関係していると思いますが、外務省と林野庁の方がどちらかというと積極的にかかわりを持っていらして、環境庁のかかわりというのは随分希薄だったのではないかと思われるのですが、今後ITTO、またITTAにどのように積極的にかかわっていかれるおつもりなのか。また、熱帯木材の国際貿易を専ら持続可能であるように経営されている供給源からのものについて行うことを西暦二〇〇〇年までに達成する、私何となくこの日本語がよくわからないのですが、持続可能な供給ということで二〇〇〇年までどういった青写真を環境庁は持ち、積極的にかかわろうとしていらっしゃるのか、ぜひ長官からお伺いできればと思います。
#32
○国務大臣(宮下創平君) 今委員の御指摘のように、我が国にITTOという国際機関が横浜にございます。国連と同時に非常に重要な機能を持っているわけでございます。特に、今外務省の担当課長からお話もございましたように、今度は協定の改定等がございまして、暫定協定の受諾は去年いたしましたが、これから国会のまた御審議を願うことになります。その中での二〇〇〇年の目標というのは大変重要だと存じます。今委員の御指摘のとおり、持続可能な経営のもとで行われたそういった木材の取引だけに限定しようということは、地球環境保全の視点が非常に強く色濃く反映されていると存じます。
 具体的な施策、二〇〇〇年までに何をやるかということにつきましては、担当の地球部長から答弁をさせていただきます。
#33
○説明員(澤村宏君) 今ここで御議論がありますように、国際熱帯木材機関は熱帯木材貿易の拡大と森林の保全を目的として国際熱帯木材協定に基づきまして設置されたものでございます。環境庁といたしましては、こうした目的の達成に向けまして、特に森林の保全という観点から専門的知見等の提供を行う、そういうことで協力しているわけでございます。現在、森林の保全ということにつきましては、いろいろなところで国際会議が持たれまして国際的に検討されているわけでございます。これまでも環境庁といたしましては、これらの国際会議に出席いたしまして議論へ積極的に参加しておるところでございます。
 今後とも、二〇〇〇年目標につきましても、そうした国際的な基準づくりというものに参画しながら、その目的に沿うように協力してまいりたい、そのように考えております。
#34
○山崎順子君 現実にガイドラインを出されたりいろいろなさるんだと思いますけれども、それがきちんと実行されているか、効果があるのか、そういったことも環境庁は生産国に行ってごらんになったりという、調査はなさっているんでしょうか。
#35
○説明員(澤村宏君) ITTO、国際熱帯木材機関の事業につきましては、理事会で厳正な審査、承認を得まして資金の供与の決定が行われているところでございます。また、事業の実施に当たりましては事務局等におきまして監視、評価が行われますとともに、事業結果につきましても理事会へ報告が行われているわけでございます。
 そういった場に、環境庁といたしましても、今後いろいろな形でもって積極的に関係省庁と連携をとりながら参画していきたい、そのように考えております。
#36
○山崎順子君 それでは次に別の質問に移らせていただきたいと思います。
 閣議決定に基づく環境影響評価実施要綱、現行のアセスメント制度と言われておりますが、この制度によって環境庁はどの程度の実績を上げられたのか、どうかかわっていらしたのか、ちょっとお伺いしたいと思います。
#37
○政府委員(石坂匡身君) 昭和五十九年に閣議決定をいたしました環境影響評価実施要綱がございます。これに基づきましてただいまアセスメントが行われているわけでございますが、平成五年度末までに二百三十五件が実施されておるところでございます。その内訳について申し上げますと、道路が百六十六件、それから区画整理が二十件、埋め立てが十五件、ダム・放水路が十二件等々となっておるところでございます。
#38
○山崎順子君 この閣議決定の、現行のアセスメント制度では長官が意見を言われるというふうに聞いておりますけれども、環境庁の意見というのもかなり反映されて閣議決定がなされているのか。長官が何度かそういった場に立ち会ってよかったと思われたのか、他省庁に押されぎみでなかなか意見が反映されないなんていうことはなかったのか、ちょっとお伺いしたいと思います。
#39
○政府委員(石坂匡身君) アセスメントはただいま申し上げたような件数を実施しておりまして、これはそれぞれ各省庁で指針をつくりまして、それに基づきましてアセスをやっております。アセス自体は大変まじめに各省とも取り組んでいただいているというふうに認識しております。
 環境庁長官の意見でございますけれども、対象事業の中で規模が大きくまたその実施により環境に及ぼす影響につきまして特に配慮する必要があると認められるような場合には、環境庁長官が意見を申し上げることになっておるところでございまして、例えば東京湾横断道路でございますとか、あるいは第二東名・名神自動車道でございますとか、意見を申し上げているところでございます。そうした意見につきましては、十分各省とも協議をしつつ、酌み取るべきは酌み取っていただいているというふうに考えております。
#40
○山崎順子君 現行アセス制度には代替案についての規定もありませんし、アセスメントを実施すべき対象としての許認可を受けて行われる民間事業の範囲も狭いです。また、住民の意見を計画決定のときに反映させる現実的なシステムも持っておりませんし、事後調査や事後評価などもございません。こうした現行制度のもとでは十分な環境政策が実施できないと思うんです。環境庁としては随分隔靴掻痒の思いでいらしたのではないかと思いますけれども、そういう中でどういう工夫をなさってこられましたか。
#41
○政府委員(石坂匡身君) これは、それぞれケース・バイ・ケースで、現行制度のもとでは私どももできる限りの研究をし、また意見も申し上げてきているところでございます。
 ただ、おっしゃいますように、このアセスにつきましては大変いろいろな御意見がございます。昨年の十月に環境基本計画の国民意見の聴取をしたものの取りまとめを発表させていただきましたけれども、その中でもいろいろな意見がこのアセスメントにつきましてはございました。もちろん法制化を求めるという積極意見が多うございますけれども、逆の意見もないわけではございません。今委員が御指摘になりましたような、計画段階の問題でございますとか、あるいは住民参加の問題でございますとか、あるいはフォローアップの問題でございますとか、そういうことにつきましてさまざまな意見が寄せられておるところでございます。
 私どもは、この環境影響評価制度の今後のあり方につきまして、これは環境基本計画にも記載があるところでございますけれども、大変国民の皆様方の関心も高まっておるわけでございまして、各面からこれの検討をしなければならぬというふうに考えております。昨年の七月に環境影響評価制度総合研究会というものを発足させまして、そこで各般の調査研究を進めているというのが現段階でございます。
#42
○山崎順子君 今フォローアップの話も出ましたけれども、今までの現行制度のもとで行われたアセスメントによって環境庁長官が意見を言われた、そういったケースは、その後きちんと環境庁の方でフォローアップなさっていらっしゃいますでしょうか。そのための予算とか人員とかはあったのでしょうか。
#43
○政府委員(石坂匡身君) 環境庁長官がフォローアップをするように意見を申し上げるというふうなケースにつきましては、必要に応じて報告を求めておるところでございます。
 ただ、一般的に申し上げまして、全部が全部というわけではもちろんございません。このアセスメントにつきましては、審査をいたします、そして事業の免許等を所管官庁が行うわけでございますけれども、その際にそうした事後の点についても配慮をするのは当然のことでございまして、それぞれの所管官庁がフォローアップを適切にやっていっていただかなければなりません。
 同時に、私どもも、環境庁といたしまして、大気汚染防止法等々の環境汚染の防止に関する規制法令を持っております。そういったものに基づくところの監視もやっておるところでございますけれども、いずれにいたしましても、そうしたモニタリング等の意見を申し上げたような場合につきましては、環境庁といたしましても適切に対応しておるというところでございます。
#44
○山崎順子君 いろいろなケースがあると思うんです。例えば国定公園というのは環境庁の管轄だと思いますが、国定公園である高尾山にトンネルを掘って、裏高尾に中央自動車道と連結するジャンクションをつくる。そういうものができると大気の悪化は避けられないんですけれども、この圏央道高尾山ルートの環境アセスメントには環境庁はかかわっていらっしゃらなかったんでしょうか。
 建設省や東京都が行う環境アセスメントをそこの住民が信用せずに、三年余にわたって自主アセスを実施したと聞いております。今この圏央道とその沿線の大規模な開発はどうなっているのか、このあたりについてちょっとお聞かせ願いたいんですが。
#45
○政府委員(石坂匡身君) この圏央道につきましては平成元年二月にいわゆるアセスメントが実施をされたところでございます。今の閣議決定に基づきますやり方では必要に応じて環境庁長官の意見を求めるということになっておるわけでございますが、これにつきましては環境庁長官の意見を求めるという行為がございませんでした。
 そういう事情があったということを御答弁させていただきたいと思いますが、その後、平成五年十一月に、道路法に基づく道路の区域の決定が行われているというふうに伺っておりますけれども、まだ工事が開始されているというふうな状況には伺っておらないところでございます。
#46
○山崎順子君 環境庁長官の意見を求められなかったとか、そういう規定があればしょうがないのかもしれませんけれども、環境行政全般にわたってぜひとも環境庁長官が意見を言えるような、そういうものになっていただければ、環境庁がそれだけ力を持てばどれだけ日本の環境行政がよくなるかなというふうに思うわけです。
 一つは、環境基本法の施行に伴って多分これから環境アセスメント法の立法化がどんどん進んでいくのではないかと思いますけれども、その際に住民参加、それも企画立案の本当に初期の段階での参加が重要だと思うんですけれども、多分その基本法のときに、審議会のメンバーではなくてごく普通の方々からいろんな意見を聴取なさったんだと思うんですが、そういった住民参加とか事後調査、事後評価などいろいろ国民の知る権利、情報提供、情報公開等、そういったことについて国民の皆様からの意見はどのようなものがあったか、ちょっと教えてほしいんですが。
#47
○政府委員(石坂匡身君) 先ほどちょっと御答弁を申し上げたところでございますけれども、基本計画の際のこのアセスにつきましては大変いろんな意見をいただいたところでございます。私どもいただきました意見は二百十四件ございましたんですけれども、これを詳細に分析をいたしますと二十三項目、二百九十三件というふうに整理をされます。
 これを分析してみますと、法制化が必要であるという御意見を言っておられる方が四十九件、それから住民参加、情報公開が大切だと言っておられる方が四十四件、それから事業の計画段階における環境影響評価が必要だと言っておられる方が四十一件、第三者機関による評価、審査が必要だと言っておられる方が三十七件、法制化は慎重にと言っておられる方が十一件等々、あとは非常に件数が少のうございますけれども、さまざまな意見をいただいております。
 ただ、この件数は、団体一つで一件というふうなものもございますし、全く個人一人で一件というのもございますので、件数の多い少ないによってにわかにそのウエートづけは無理がと思いますけれども、大変きまざまな御意見をいただいているということは事実でございまして、ただいま委員がおっしやいましたフォローアップの問題、あるいはどういう形で住民がかかわっていくのかというふうな問題も、今後のこのアセスメントというものをいろいろ研究しておるわけでございますけれども、その中で検討すべき課題であるというふうに考えております。
#48
○山崎順子君 これは一九七四年にOECDが加盟各国に環境アセスメントの立法化を勧告して以来、環境庁の方はずっと環境アセスメント制度の立法化の実現に御努力をなさってきたと思うんですけれども、中公審答申に基づく環境アセスメントを立法化する段階になって、事業関係省庁、官庁からの反対で立法案を後退させたという経緯があったと思います。また、その後退させた立法案が、その当時の野党や環境保護市民団体の反対ということもあって、遂に立法化がとんざのやむなきに至ったという、そういうちょっと残念な経緯があるわけですけれども、今度この環境アセスメント法を立法化するに当たっては、ぜひそういったことがないよう頑張っていただきたいんです。
 今ちょっとお聞きした、国民、市民の皆さんからの意見聴取、私は件数が少ないんじゃないかなという気がしないでもないんですね。環境アセスメント法をやはり環境庁主導でしっかりしたものをつくっていくためには、国民の強力なバックアップがないといけないんだと思うんですけれども、前回はどのくらいの期間でどういったPRをなさったのかちょっとわかりませんけれども、今後またそういったことを大々的にして国民の皆さんからのバックアップをもらえるような形にしていかれるおつもりがあるのか。
 それからもう一つは、どうも関係官庁からの反対があったというところでは、法律上、事実上の権限が環境庁はほかの省庁に比べて弱いんじゃないかとも言われていますけれども、そういう点ほどう変えていけば環境庁主導の環境アセスメント法ができるのか、そのあたりについてどういうお考えを長官が持っていらっしやるか、また今後どういったお気持ちで取り組んでいこうと思っていらっしゃるか、その辺の重要性の認識度についてもお伺いしたいと思います。
#49
○国務大臣(宮下創平君) 御承知のように環境基本計画を昨年の暮れにつくりましたが、その中でも重要項目の一つとして、環境アセスメントにつきまして、今、閣議決定あるいは各省の告示なり、根拠はばらばらと言っちゃ失礼ですが、そういう形で行われております。したがって、これをよく検討して、そして来年の夏ぐらいまでにはその結論を得て、そしてそれを法制化に向けての手法も含めて最終的に結論を得たいと思っております。
 その場合には、委員の御指摘のように、やはり開発と自然環境保全等々の問題がございますから、地域住民の御了解も得る必要もぜひあると存じます。また、情報もある程度公開いたしませんとその判断が誤る可能性もありますから、そういった点をも考慮して、そしてこれは、もうこういう開発行為とかいう問題は国民のためにあるわけですから、国民がみんな反対するのにそれはできるはずはないわけですから、そこの調整、調和をどうやってアセスメントの中で調和させていくかということでございます。私どもとしてもそういった趣旨でこのスケジュールに従って検討を進めてまいりたい、こう思っております。
#50
○山崎順子君 先ほどの質問の中で、通産省や建設省などに比べて権限が弱いんじゃないかというふうに御質問したんですが、長官もそういうふうにお思いになることがございますか。もしそうお思いになるとしたら、どういうふうに変えていけばいいとお思いになっているでしょうか。
#51
○国務大臣(宮下創平君) 環境庁の歴史は、昭和四十六年にできまして、比較的新しい、公害防止の、高度成長期にできた役所でございます。しかし、公害防止というのはもう脱皮して克服できました。今、生活都市型の公害と自然環境問題ということでございますから、そして環境基本法という形で公害対策基本法から新たな装いで一昨年に法律も制定させていただいたわけですね。それに基づいて環境基本計画というのを初めて閣議レベルで決定させていただきましたので、その中における環境庁のイニシアチブというのは色濃くその環境基本計画の中に各所ににじみ出ていると私は思います。
 調整官庁というのはえてして予算が余りありませんから、予算をどうのこうのしてコントロールするということは不可能でありますが、私はよく言っているんですが、これは頭で勝負するしかない、知恵で勝負するということで、環境については少なくとも各省が環境庁の知見その他経験を求めなければあらゆる事業はできないというような、そういうイニシアチブを発揮できるような官庁にぜひしていきたいと、職員を督励もしているところであります。
#52
○山崎順子君 私どもも応援したいと思いますので、ぜひ頑張っていただきたいと思います。
 この環境アセスメントについては、私どもの党では、結党大会で、当面する重点政策としてこの法制化を推進することをうたっておりまして、今の地球環境は国際的な取り組みの面から見ても早急に検討しなければならないと思っております。もちろん研究会などをやっていらっしゃるようですけれども、ぜひとも平成七年度内に法制化すべきではないかと考えておりますので、それを申し添えて、質問を終わらせていただきます。
#53
○粟森喬君 最初に、トキの話を、少し環境庁の見解をいただきたいと思います。
   〔委員長退席、理事大渕絹子君着席〕
 日本では今、絶滅の危機にあるのが鳥としてはトキではないかということがしばしばにわたって言われています。環境庁としては、中国に生息するトキを借りてきて何とか繁殖をしようという努力をされたようでございますが、原因はいろんな別のところにあったというふうにお聞きをしておりますが、失敗をした、こういう状況でございます。
 まず、その現状、トキを、日本の特別天然記念物というだけではなく、原名もニッポニア・ニッポンというんですか、こういうことでございますので、どういうふうにして日本に再びトキが生息できるようにする道筋をとろうとしているのか、当面の現状と今後の考え方についてまずお聞きをしたい、こういうふうに思います。
#54
○政府委員(奥村明雄君) 先生御指摘のように、トキは我が国では現在二羽生息をしている、こういう状況でございまして、かつてはかなりな数が生息していた時期がございますが、大変絶滅の危機に瀕する状態に立ち至っているところでございます。
 トキは、日本と中国両国に生息をしておりますが、合わせましてもやっと五十羽というところでございまして、まずこの数をふやしていくということが大切であろうということで、中国ともこれまでいろいろな形で協力しながら努力をしてきたところでございます。その一環として、昨年秋に、中国からつがいを借り受けて我が国でも繁殖させるということで取り組んだところでございますが、残念ながら不幸なことで、雄のトキが死亡をするという事態になっておるところでございます。
 今後、中国の野生のトキを増加させるために、環境庁としても、平成七年度から三カ年計画で共同調査事業を始めるということを考えておりまして、そうした努力を通じましてトキの増加に取り組んでいきたいというふうに考えているところでございます。
#55
○粟森喬君 共同調査の中身は具体的にどういうことをお考えになっているのか、もう少し説明してください。
   〔理事大渕絹子君退席、委員長着席〕
#56
○政府委員(奥村明雄君) お答えを申し上げます。
 共同調査事業は、平成七年度から三年計画で実施することを予定しておりまして、具体的には、野外個体の保護、回復に必要な環境条件に関する調査、それから野外個体群の行動をモニターいたしましてどういう行動をとっているかということを調べる調査、それからえさ場などの生息環境の改善整備を図るためにどういう対応をしたらいいかというような実証的な調査、それからそうしたことを通じまして人工繁殖個体群の育成、野外復帰に関する研究といったような内容を現在考えているところでございますが、具体的な実施に当たりましては、中国側と十分連絡調整を図り、協力内容を検討していきたいというふうに考えているところでございます。
#57
○粟森喬君 これからやろうというんでしょうが、私は今現状をどう思っているかというと、もう生息どころか飼育しているということで、繁殖能力のないのが二羽いて、中国からお借りをした。一匹死んじゃったというので、あと続きの話もなかなか出てこない。私は、これは中国との外交上の問題もあるのかもしれませんが、日本が本質的にトキを本当に日本の象徴的な鳥として自然に生息する状態に戻せるかどうかということについて、多少私は中国が疑問に思っているのではないか。
 どういうことかといいますと、私も石川県なので、能登半島は昔トキの生息地と言われておりましたが、その地域一帯のことも私は承知をしているんです。恐らく現状、能登半島にトキの生息できる可能性のある地域というのは、非常に私は困難なのではないか。人間がいろんな形で自然に働きかけをしてしまった。それから、人がだんだん住んで、道路ができたりしますと、あの種の非常に繁殖が弱いという鳥ほど音や人間の生活に対して敏感でございます。そういう状況から見ても、能登は非常に何か難しいという感じがします。
 これは、佐渡島と能登半島というのは非常に気候風土、自然体系、大変共通なところがございます。それから、中国のトキの生息が一番最近わかったところの地域の写真なども見せていただきましたが、大変似通って、どういいますか、人間が余り近寄らないというか、そういう地域でしかこれはなかなか育たない鳥でございます。それで、佐渡島の状況も、保護センターで囲い込みをして、言ってみればでっかい鳥かごという感じでございまして、私は、生息という状況とはかなりこれ実態はもう今違うんじゃないか。
 かなり早目からこのことの危機が指摘をされていて、土壇場に来て大変だ大変だという話でやったのと、やっぱり行政の手だてといいますか、それから多くの人たちが何とかしたいという意見があってもなかなかできなかったことの中で、もう少し具体的にやらないと、とりあえずの話をいろいろ、環境条件の話だとか行動モニター、まだこんな段階なのかという私は気もいたします。
 もし本格的にやるとすれば、これはもう環境庁長官もぜひとも中国へ出かけていただくか、中国に正式に日本の決意というのか熱意みたいなものをきちんと伝えていかないと、どうも事務レベルでは私は限界があるような話として理解をしているんですが、その辺のところについて多少御見解をいただきたい、こういうふうに思います。
#58
○政府委員(奥村明雄君) 中国に対する協力につきましては、昭和六十年から既に十年ぐらいの間いろいろな形での協力を進めてきておるところでございます。その間日本産のトキと中国側でそれから日本側でペアリングを実施いたしますとか、保護増殖のための器材供与とか、専門家の派遣また専門家の受け入れというようなことをやってきておるところでございます。
 そうしたこれまでの経緯を踏まえながら進めていかなければいけないわけでございますが、中国側のトキ自体も現在のところまだ野生のものが二十六羽程度、飼育個体が二十一羽程度ということでありまして、いずれにしても、まず数をふやしていく、そしてそのための環境条件を調査していくというようなことが急務ではないかというふうに考えておるところでございます。具体的な実施については、十分協議し、中国側の意向などをよくお聞きしながら、今後のトキの復元に向けて努力してまいりたいというふうに考えておるところでございます。
#59
○粟森喬君 決意表明はいいんだけれど、一匹今死んじゃったんでしょう、その見返りもまだ決まってないというのは、努力している、努力していると言うけれども、気の遠くなる話と。
 本当にこの種の問題を系統的にやるときの、こればかりが私は環境じゃないというふうに思うけれども、こんなことをめったに言う機会ないんだから、やっぱり環境庁長官としても、これ何か具体的にもう少し日本としての決意を、中国との間に、私は民間レベルの方との話を聞いても、ちょっとやっぱりずれがあるというのは、どうもかなり中国という国家の中の一つの仕組みの中で、日本政府に対する、熱意というものについて必ずしもきちんと伝わっていないような私は印象で、これは関係者からもお聞きしました。
 長官いかがですか。これ、どういうふうに扱っていただけるか。
#60
○国務大臣(宮下創平君) 昨年つがいをお借りいたしまして、そして私どもとしては今春の子供の出生を大変楽しみにしておりましたが、雄の方が亡くなってしまったということでございます。
 本件につきましては、前内閣の細川さんのころから提案されまして政治レベルでかなりその端緒がつくられました。この問題につきましては私も、中国は林務部長という向こうの国務大臣でありますが、林務部長とも直接書簡のやりとりもいたしましたし、それから雄が亡くなったことについての責任という問題もございますからおわびのお手紙等も差し上げて、今後よりこの問題についての御協力を賜りたいということでございました。
 具体的にいろいろ話し合いは事務的にはされておられるようでありますが、何よりも個体が非常に少ないということがございますから、今局長の申されたとおり、三カ年計画で中国自身の五十羽程度のこれを増殖していくということに我が国でも協力していくということがまず第一だと思います。そして、その協力した結果かなりの数がふえれば、全くこれは同種類のものであるそうでございますから、日本にもこれを持ってきてそしてその生殖、増殖を図っていくということが必要だと存じます。
 私も必要であれば、中国との関係は、いろいろの環境問題、これから、今事務的にも接触はさせていただいてはおりますが、なお、トップレベルといいますか、環境のトップレベルでもいろいろ話し合わなけりゃならぬ問題等もございますから、機会があればまたそういうことの我が国の決意、熱意のほども向こうにお伝えもしたい、こう思っております。
#61
○粟森喬君 私は雄の後がどうなるのかということを具体的に聞きたかったんですけれども、どうもまだ確認されていないようだから、改めて私は、日本の環境を復権していく象徴的な存在としてのトキではないかというふうに思いますので、ぜひとも三年計画で予算的な財政的な裏づけも幾つかしていただいてやっていただきたい、こういうふうに思います。
 水俣の関係で多少お伺いをしたい、こういうふうに思います。
 水俣病の福岡高裁の判決というのは、これは日時がまだ指定をされていません。いろんな理解の仕方があるんだろうと思いますが、一つは、高裁そのものが和解についての勧告といいますか打診を行政関係者にしたということがあります。そのことをめぐっていろいろこれまでもこの委員会でも何回かいろんな方がいろんな提案をしたり、意見交換をやっているようでございますが、最近幾つかのマスメディアを通じていろんなことが出ていることを多少見ながら申し上げたいと思います。
 いずれにしても、患者の実態や企業の現状などから見て、これは早期解決という前提に立たないといけないんではないか、こういうふうに思っているわけですが、環境庁としてのとりあえずの対応の仕方については、福岡高裁が判決を出していただくしかないということなのか、事前に何らかの解決策を、現状以上のものを考えているのかどうか、そのことについてまずお尋ねをしたいと思います。
#62
○政府委員(石坂匡身君) 水俣病につきましては、これは行政上の重要な課題の一つというふうな認識は私どもも当然持っております。そうした認識のもとに、認定業務の促進でございますとか、それから平成四年の後半からは水俣病総合対策というふうな新しい施策を実施する、さまざまな努力をしてまいったところでございます。
 しかし、この問題をめぐりましては、裁判所の判決が三対三に分かれておりますように、行政としてゆるがせにできないいろいろな問題、難しい点があることもまた御理解を賜りたいと思います。
 私ども、福岡高裁に係属している事案、結審後二年以上を経過しておりますので、判決が速やかに出されることを期待しているというのが現在の状況でございます。
#63
○粟森喬君 行政としての考え方は、いずれにしても、裁判による判決の結果でなかったらやっぱり受けられないという立場にはこれは変わりはないんでしょうか、どうなんですか。
#64
○政府委員(石坂匡身君) 本件は国の国家賠償責任を問われている問題でございます。国は被告としての立場にあるわけでございまして、この問題につきましてやはりこれは法律上の判断をいただきたいというのが私どもの基本的な立場でございます。
#65
○粟森喬君 そこで、大臣にこれはお尋ねをしたい、こういうふうに思います。
 与党とか野党とかいろんな難しい立場が本件の問題を議論するに当たって全く内在をしていないというふうに私は思いません。しかし、すべからく政治家大半が、行政が言うように国家賠償法に基づく原則があるから話し合いはだめなんだという立場に、私は、水俣病に関する国会議員のアンケートなんかも何回も出されたもので、圧倒的な多数は、できることなら何らかの和解というか、裁判以外の、判決以外の方法で決着の方法がないんだろうかと。
 といいますのは、これは裁判所の出すことでございますからどういう裁判が出るかも定かではございません。仮に全面的に原告どおりの主張になるというのもちょっと私も考えにくい。だとすれば、行政が前へ出て多少さばいていくというのは、行政官たる者にこれを求めても非常に私は限度があると思うんです。私も何回かこのことで環境庁の方と意見交換もしたことがありますが、やっぱりそれは行政の非常に難しい壁なのかなというふうに思います。
 しかし、この状態をこのまま継続するというのは、行政はあるけれども政治がないというものに場合によってはとられかねない。この間、超法規的にといいますか、法の原則でいうと全くそれは話が違うかもしれませんが、阪神大震災なんかでも超法規的にいろんなことをやられたり、それが結果として世の中の一つの流れに即しているということに私はやっぱりなっていると思うんです。これですべてを、だからこれを全部やれというわけにはちょっといきかねるとしても、いずれかの、環境庁の長官が、裁判の結果をまって結論を求めるだけではなく、何らかのやっぱり解決へ向けて動き出さなければならない段階に私は来ているんではないか。
 そういう意味で、今の環境庁長官として、この問題についてどういうふうに今所見を持っていただいて、私が提起をするように何らかのそういう解決方法というものについて検討する余地がないのかどうかお尋ねをしたい、こういうふうに思います。
#66
○国務大臣(宮下創平君) この水俣の問題は非常に長い歴史と経過を持っております。
 そして今、企画調整局長の言われましたように、現在は公健法の認定患者三千人、これは新潟が七百人くらいが入っておりますが、これらの方々に対しては、公健法に基づく、そしてまたチッソあるいは昭和電工との間で話し合われた水準の給付を行い、そして国もこの金融支援をやっておりまして、昨年の秋におきましてもかなりな思い切った金融支援をやって、今の認定患者にきちっとした対応ができることがまず必要だろうということで精力的に取り組まさせていただいております。しかし、棄却された方々がこれを納得しないという形で訴訟を各地で提起されております。
 そして、行政上ゆるがせにできない問題というのは、一つは国家賠償法上のいろいろ各種の法律に基づく不作為責任、当時の、それが問われておるということ、それから今現在、公健法の規定によりましてきちっと病状を専門家の意見を聞いて認定をして、そして給付を行っておるということ、それから言うまでもございませんが企業家責任、この汚染責任はやっぱりPPPの原則を今後も厳守すべきものであると存じますから、そういった諸点を考えますときになかなか容易でないなという率直な感じがございます。そして、今高等裁判所にも、福岡高等裁判所が今局長の言われましたようにもう二年一カ月前に結審をしているわけですね。その前には和解には応ぜられないという国の意思も明確にしております。そういう経過で来ております。
 しかし、今委員のおっしゃられるように、この長い裁判の歴史を通じまして、何とか、高年齢化していきますし、対応をすべきではないかというのは、与野党を通じて私は気持ちとしてはあると思います。私自身も、この問題はやはり、重要な問題であるだけに、行政の筋を揺るがすことのない範囲内で解決が図られるならば何とかしたいという気持ちでいっぱいでございます。
 したがって、これは環境庁長官だけというわけにもなかなかまいらない点がございますから、与党の方では、三党の間で環境調整会議を中心にいたしました水俣対策会議というのをつくって今いろいろのヒアリングをされたり、非常に勉強されておられますので、やはり行政の筋を曲げるわけにはまいりませんから、その中へ意見を取り入れていただきながら、そしてそこで本当に解決策が出るということであれば、私としても、これはきちっと対応すべきものだ、なるべく早くこういう問題は解決した方が環境庁のためにも大変プラスになるなどいう思いは、私も持っておるところであります。
#67
○粟森喬君 今のお話を聞いておって、私どもも与党の立場のときにこれで意見を申し上げたことがございます。大事なことなんですが、行政のあるべき原則みたいなものだけで果たしてこれは律し切れるのかどうかという問題になると、私は例えばPPPの原則をこの際曲げるなどということはやっぱりできないだろうと思います。しかし、何とかそこはできないのかということで、行政として声を出すというのが、必ずしもこの間、結果的に、政治家同士で何とか少し詰めていこうというときに行政がまた旧来の原則を持ち出してはしゃっとなって、話が行ったり来たりという傾向もございます、
 私は、裁判の結果で求めるより、これはやっぱりできることならその前に何らかの格好で前へ出て解決をするということを、重ねてこれ申し上げておきますから、また機会がございましたら。いろんな推移があると思います、地方公共団体の方からも御意見をいただいておりますので、しかるべき筋からもそういう話があるかと思いますが、ぜひとも前向きにこれはお考え願いたいということで、きょうはここはこのぐらいにしておきます。
 あと質問を幾つか考えておりますので、申し上げます。環境の予算にかかわる問題と環境基本計画にかかわる問題で幾つかお聞きをしたい、こういうふうに思っております。
 一つは、環境保全経費の伸び率の見方の問題でございます。私は、この環境保全経費というのは、環境庁が全部の省庁の予算の伸び率やつくり方について参加、介入しておるわけではございませんから、これが伸びたか伸びないかというのは環境庁はあずかり知らないと言えばそれまでかもしれませんが、これはちゃんと環境庁長官の所信の中にも入っておりますから、ちょっとこのことに見解もお尋ねをしておきたいと思います。
 ことしは伸び率の計算の仕方が違ったので、三六%という、これはもう下水道とか全部入っているから、新しく入ったものが幾つかございますので、これはちょっと参考になりません。ただ、従来の伸び率の計算式でいくと三・四%の増だ、こういうことでございます。これは過去の伸び率から見ると恐らく低い方にあるんじゃないかと私は思います。環境関係の予算が比較的順調に伸びてきていたんですが、この三・四%というのは伸び率として余り高くないように思うんですが、この辺のところについての見解はいかがですか。
#68
○政府委員(石坂匡身君) これは、三・四という数字、絶対数自体が高いというふうにはそれはなかなか申し上げにくい数字かと思います。ただ、一般的に申し上げまして、非常に財政自体が緊縮といいましょうか厳しい編成の中での数字でございますので、それはそれなりの意味があるのかなというふうにも思っております。
 と申しますのは、予算の中で一般歳出の本年度の伸びは三・一でございます。それよりは上回っているということは申し上げられるかと思います。それからもう一つ、環境庁といたしましては、これはかなり頑張りまして、平成七年度の予算というのは六・一%の増になっております。そうしたことで、各省にも環境予算のことをいろいろお願いしてございますし、精いっぱいの努力をさせていただいた結果の数字であるというふうに考えております。
#69
○粟森喬君 この三・四というのは、たしか私はこの数年で言うと一番低いのではないかと思うんですが、違いますか、それは。
#70
○政府委員(石坂匡身君) その絶対数の伸び率でごらんいただきますと、委員が御指摘になりましたように三年、四年、五年、六年はこの伸びを上回っております。それ以前はそれより低うございます。
#71
○粟森喬君 さっきも申し上げたように、政策的にどのくらい環境に対して関心があるかということと必ずしも一致しない。例えば、環境庁の予算だけを見ていると、六%伸びたというけれども、絶対量がこれは低いのでございますからこのぐらい伸びてもあれなんですが、全体の環境保全経費というのは、私は行政全体の環境に対する関心のもう一つの物差してはないか、こういうふうに思っているところでございます。
 したがって、環境基本法が決められて、確かにことしは予算が大変だったというのはわかるけれども、やはりこの種のことについてはきちんと処理をしていただく前提でわざわざこの数字までここに挙げて説明があったんだろうと思いますので、今後の問題としてはこのことについてもぜひともお考え願って、概算要求の段階からここはきちんとチェックしていただいて、来年はもう少し伸びるようによろしくやっていただきたい、こういうふうに思います。
 時間のこともございますので、最後にもう一つ質問をしたいのでございますが、環境基本計画のことでございます。
 私は、環境の問題というのは、アジェンダがあったりいろんなことがあって基本法が定められるまでは国民的な運動が非常に高まっていたというふうに認識をしております。環境基本計画の取りまとめをするときの地方の意見の概要などを見ても、全く逆のベクトルで賛成反対というような意見もかなりあるようでございますが、比較的私は、前向きにこれからの環境のことを考えようとする国民全体の意向というのは、この中にやっぱり反映をされている、こういうふうに理解をしているわけです。
 ところが、私、このまとめを見ていてちょっと思ったんですが、このパンフレット一枚、どこからいただいたのかは別にして、これは何遍読んでも、この環境基本計画を読んだら環境について頑張ってやろうという話になるようなパンフレットじゃないんですよ。何が書いてあるかさっぱりわからない。これを全部解読できたら大したものですよ。私なんかもこれを読んでおって、ここはこんな議論をしたからこういうことなんだろうと思いますが、余りにも哲学的というか抽象的というか、こういうものにお金をかけるときにはもうちょっと具体的にすべきではなかったのか。
 それはどういうことかといいますと、環境基本計画の中で参考として出してあるさまざまな数量的指標、これはここにも断っているように、まだ閣議における参考資料だということで、逃げを打っているというか、計画の定め方の問題でもあると思うんです。例えば、二〇〇〇年までにCO2をどうするという話は、これは一九九〇年の数と絶対数で一緒にするというのはこれはかなり具体的な、我々なんかぴしっと受けとめられる感じですね。基本計画にはそんな話が出てこないというか、こういうパンフレットに出てこないというのに、どうも基本計画というものそのものが余りにも抽象的過ぎるという嫌いをこのことで私は思いました。
 基本計画以降、今後の具体的にしていく過程の中で、例えば地方公共団体の役割なども独自で積極的にやれということでございますが、例えば今各県あたりの事情を聞きますと、国の方針が決まらないから独自の条例をつくるとかそういうことは余りやらないというか、むしろ環境庁としてどういう指導をされているのかが問題だと思いますが、そういう地方公共団体で独自の条例をつくったりする積極的な動きを受けとめようとされているのかどうか。私は、ぜひともそういう意味で、地方からももう少し運動のつくり方を考えていかにゃいかぬし、計画をより本当に国民に確かなものにするためには、そういうふうに向いているというふうに見られるようにやっぱりやっていただきたいなと思いますので、これは長官の意見と事務当局の意見を聞いて、私の質問を終わります。
#72
○政府委員(石坂匡身君) 大変貴重な御意見を賜ったと存じます。
 私どもも、なるべくお話を申し上げるときに具体性をというふうなことに心がけてきたつもりでございますが、ただ計画全体が非常に長期の政策の方向をまとめるというふうな点があるということも若干は御理解を賜りたいと思いますが、具体的には、これからいろんな具体的な施策を打ち出してまいるつもりでございます。
 例えば、ただいま検討しておりますのは、政府が大きな事業者、消費者でございますから、政府率先の行動計画、これをことしの夏を目途につくっております。こうしたものほかなり具体性を持ったものになりますので、そうした具体性を持った施策を打ち出してまいりたいと思いますし、またただいま御指摘のございました、地方につきましても環境基本条例あるいは地方の総合的な環境計画、これもかなり策定の動きが出てまいってきております。こうした動きにつきましても、環境庁として十分手助けをしてまいりたいというふうに考えております。
#73
○国務大臣(宮下創平君) 委員の御指摘のように、環境基本計画が非常に抽象的ではないかという御指摘は、私も率直に言いまして、当初いろいろ中間取りまとめの段階で感じました。
 しかし、環境基本計画の中にも十五の類型について数値を参考として掲げてございます。これは、実際の環境行政をやる場合の基本計画に基づく具体的な展開の仕方の一つの例示として挙げてあるわけですね。そういうことで御理解いただかないと、そのすべての数値目標、それ自体が環境基本計画ではありません。より次元の高いものとして構築されております。そして、数値目標を全体として統一的なものとしてできるかどうかの検討をしようということも中に含まれております。
 環境分野というのは非常に多岐にわたってございますから、今温暖化防止計画の一九九〇年と二〇〇〇年レベルの炭素の排出量の問題がございましたが、これ自体非常に大きな課題でございます。今度ベルリンで第一回の地球温暖化防止計画の締約国会議の環境長官会議がございまして、私もお許しをいただければぜひ出席したい、世界百二、三十カ国が参りますから。温暖化一つとってもそういう問題がございます。
 したがって、具体性がないという御指摘ではありますが、個々の問題を全部やっぱり集約した形でこういう基本計画の解説書みたいになっておりますからその点は御理解いただかないと、環境庁はどうも抽象的なことばか旦言っていて具体的なことはどうも進まないという御認識はちょっと改めていただいて、我々もそういう意欲で取り組んでいることだけは申し上げさせていただきたいと思います。
#74
○有働正治君 まず、鹿児島県出水平野のツルの越冬、保護対策についてお聞きします。
 私は、ことし一月早々、現地を視察いたしました。そして、関係自治体、農地の地権者の代表の方々、日本野鳥の会の役員を含む自然保護団体、そして県当局などと意見の交換を行ってまいりました。ここに私写真も持ってまいりましたが、(写真を示す)出水平野で越冬するツルですね。ごらんになられたこと大臣もおありだと思いますけれども、ここに写真もお持ちしましたけれども、一九九二年に一万羽を超えた。それから、ここ数年約一万羽を数えて、中でもナベヅルは世界の八、九割、マナヅルは三−五割飛来してきているようであります。現在まだ七千羽ほどのナベヅルがいるようであります。出水平野でのツルと人間との共存というのはもう四百年ほど前にもさかのぼる歴史がある、非常に古いということのようであります。
 このツルは、絶滅のおそれのある種の保存法で国際希少野生動物種に、また国の特別天然記念物に指定されていることは御承知のとおりであります。また、ワシントン条約と日中、日ロの両渡り鳥保護条約で日本はその保護の国際的責務を負っているわけであります。この間のツル保護のための生態調査によりますと、ロシア−南朝鮮(韓国)−出水の飛来ルートも明らかになっているようであります。
 今日、環境基本法制下のもとで昨年末策定されました環境基本計画の中の「自然と人間との共生の確保」の章の中で、生物多様性の確保のため、野生生物の生息・生育地の保全、野生生物の個体等の適正な保護管理、調査研究等の施策を進めるとされているわけであります。そこで、この出水平野のツルの越冬・保護対策について、国内的にもそして国際的にも極めて重要でありまして、政府としてまた環境庁としても早急なさまざまの施策が求められていると感ずるわけであります。
 そこでまず大臣、この問題についての基本認識、そして従来の枠にとらわれないイニシアチブがやっぱり環境庁に求められているんではないかという点で、まず所信をお伺いしたわけであります。
#75
○国務大臣(宮下創平君) 御指摘のように、出水平野におけるマナヅル、ナベヅル、これは日中、日ロ渡り鳥保護条約の保護対象でもございますし、天然記念物、また国際的な関係の指定の鳥でもございます。極めて重要な種の一種であるというように感じておりまして、環境庁としても従来適切な対応をしてまいったところであります。国設の鳥獣保護区としてもこの地域を指定いたしまして、そして保護に努めておりますし、また文化庁あるいは地方自治体、住民等の協力を得ながら今までも適切な処理をやってまいっておるつもりでございますが、渡り鳥の大変貴重な地域でございますから、この保全、それから自然との共生の趣旨に沿って対応をきちんとしていきたいと思っております。
#76
○有働正治君 現地でいろいろ懇談して、現場も見てくる中で、解決がいろんな点で求められている、新たな対応が求められている点が幾つも山されました。
 その幾つかについてお尋ねするわけでありますが、まず国際希少野生動物種に指定されているツルの種の保存の見地からでありますが、特に出水平野に渡来するナベヅルは地球上の総個体数の九割に当たる約八千羽がいわばここに一極集中しているわけであります。このことは、もし伝染病が蔓延すれば決定的なダメージが懸念されているわけであります。これまで伝染病が発生しなかったのは幸運であったわけでありますが、伝染病発生のリスクは常にあるわけで、野鳥保護の関係者から常々指摘されている緊急課題の一つであるわけであります。
 アメリカに本部を置く国際ツル財団、ICFでは、一九七八年四月に、飼育されていたツルのほとんどが死ぬ事態が起こったわけであります。その病原体はツルの病原性顆粒、IBDCと呼ばれるヘルペスウイルスであったようであります。このヘルペスウイルスに関連したツルの大量死というのは七三年から七四年にかけて冬のオーストリアのウィーンでも起こっていると承知しているわけであります。
 伝染病発生のリスクを回避する根本的方策というのは、ツルの越冬地を分散化させることにあるわけであります。このことが関係者からも強く要望されています。もちろん関係者のこれは合意が当然必要なわけであります。先ほど紹介いたしました国際ツル財団なども、伝染病による大量死を防ぐため、出水平野のツルの分散を呼びかけているようであります。
 ツルの分散では、自然分散してくれるのが最も望ましいわけでありますが、現時点では朝鮮半島と西南日本で幾つかの分散の候補地があるようであります。一つは長崎県諌早干拓、一つは高知県中村市に少数が定期的に飛来しているようであります。また山口県熊毛町では、分散化が急がれるナベヅルが来ていますが、近年数が減りつつあるようで、計画的な人為的分散化の期待も非常に高いようであります。ことし二月十一日に山口県熊毛町で開催されましたナベヅル・サミット、この中でも分散化について集中的に熱心に議論されるなど、分散化の雰囲気も非常に高かったということを、私は後日お伺いいたしました。人為的な分散の課題は、関係者によりますと、分散技術の確立と社会的コンセンサスが求められるわけでありますが、技術的に言えば十分可能性はあるということが指摘されているようであります。
 そこで、環境庁といたしまして、とりわけ種の保存という立場から、所管庁といたしまして、特にナベヅルの分散対策等について、その実施体制、予算などを含めて研究し対応するということが強く要望されていますので、対応を求めたいと思います。
#77
○政府委員(奥村明雄君) 先生御指摘のように、出水地区には大変多くのマナヅル、ナベヅルが集中をしている、その結果いろいろな問題が生じているというふうに私どもも考えております。先生の御指摘のありました山口県の熊毛地区は、過去にかなりな数のツルが飛来してきたわけでございますが、近年減少しているという点についても、先生御指摘のとおりでございます。
 私どもといたしましても、ツルの集中化をどのようにしたら避けられるのか、いろいろ難しい問題もございまして、水鳥類渡来地集中化問題検討会ということで各方面の専門家の先生方にお集まりをいただきまして、この集中化の原因やその機構をまず解明し、そしてどのような対策を講じていけばいいか、その方向性などにつきまして総合的な検討を現在進めていただいているところでございます。今後、この検討をさらにお進めいただきまして、その成果等を踏まえ、必要に応じ適切に対処してまいりたいというふうに考えているところでございます。
#78
○有働正治君 次に、ツルの越冬地となっています出水、高尾野、野田の一市二町の自治体、地権者、保護に携わっておられる方々、日本野鳥の会など自然保護関係者から、ツルが越冬の際のえさ場、それからねぐらの拡張、ツル外遊地の拡大を図ってほしいと強い要望が出されています。
 私も現場を見まして、ねぐらあるいはえさ場、朝のJRのラッシュ並みあるいはそれ以上だなということを実感したところであります。確かにツルというのはお互いに体を寄せ合ってねぐらにつく、そういう習性があることは事実であります。それにしても狭くて異常で、そういう点を、日ごろ携わっておられる関係者は、何とかこの拡張、外遊地の拡大、えさ場の拡大等々を強く要望されている。そういう点で国が積極的に対応していただきたいと、強い要望であるわけでありますが、この点いかがですか。
#79
○説明員(水野豊君) お答えいたしたいと思います。
 文化庁では、従来、出水のツルにつきましては、文化財保護法に基づきまして出水平野の二百四十五ヘクタールほどを鹿児島県のツル及び渡来地といたしまして特別天然記念物に指定いたしましてその保護に当たっているわけでございます。具体的に外遊地の借り上げ等を含めました対策をとっているわけでございます。
 お尋ねの外遊地でございますが、昭和四十七年から地元一市二町から構成していただいておりますツル保護会等が、ツルのねぐらと給餌のための場所といたしまして、ツルの渡来期間中、指定地内の農地を借り上げておるわけでございます。そしてその規模につきましては、昭和五十五年度に約五十ヘクタールになっておるわけでございます。確かに五十五年当時と比べますと数は増加しているわけでございますが、私ども、現段階におきましては、外遊地のツルのねぐら、給餌の場所というその目的からいたしまして、その機能を現時点で十分果たしていると思っておるわけでございまして、現段階でそれを拡大するということは考えていないわけでございます。
#80
○有働正治君 全く問題にならないですよ、あなた。現場の声を聞いてくださいよ。聞いたことありますか。
#81
○説明員(水野豊君) 私ども、毎年、専門家の調査官等も現地に赴いておるわけでございますが、また地元からの陳情があった際、外遊地の拡大そのものにつきましては直接聞いたことがないわけでございます。
#82
○有働正治君 では、ちゃんと要望が強く出されているから、現地の声を聞くように直ちに手だてをとってください。はっきり述べてください。聞いたこともないんじゃしょうがないよ。
#83
○説明員(水野豊君) 御指摘でございますので、地元とも連絡をし、実情の把握に努めてまいりたいと思っております。
#84
○有働正治君 現場に行って聞いてください。
 次に、一市二町の自治体と地権者、自然保護団体などの関係者が一致して声を大にして国に要望しているのがツル外遊地の公有地化であります。公有地化について国が具体策を示されれば、それぞれの立場で協力し、現状打開の道は開かれると共通して語っているわけであります。自治体、地権者を含む農業団体でつくっている鹿児島県ツル保護者会は、その都度、外遊地の公有化、これを国に要望しています。去る二月十七日、国に対してもこの問題を要望されたやに聞いているわけであります。その中で地元側は、特別記念物に指定した当初とは環境が著しく変化しており、土地の借り上げ制度ではツルに適した環境はっくれないということで、国や県の助成で外遊地のうち五ヘクタールでも十ヘクタールでも公有地化したいと強く要望されているようであります。日本野鳥の会でも公有地化についての構想やそのための募金にも着手していると聞いているわけであります。
 この公有地化の問題というのはツルの越冬・保護対策のキーポイントだと考えるわけであります。政府が具体的手だてをとる、イニシアをとっていただきたい、そのことが強く要望されているわけでありまして、そういう点で、これは環境庁長官としてもできるだけ関係省庁との調整も図りながら積極的に検討していただくという方向でお願いしたいわけでありますが、時間がありませんから、長官ちょっと。
#85
○国務大臣(宮下創平君) 委員が現地を御視察の結果の御判断に基づく御質問でございます。
 お聞きいたしておりまして、そういう可能性もあるかなという感じも率直に受付ましたので、関係省庁でひとつこの問題、五ヘクタールでも十ヘクタールでも拡大すれば本当に有効な手段かどうかということと含めて、検討はさせていただきます。
#86
○有働正治君 私は、関係の自治体の方々、もうすべての自治体の方々とこの問題についても御意見を交換いたしました。地権者の方々にもじっくり話を聞きました。そのほか、野鳥の金その他自然保護団体の方々とも、それこそフルスケジュールでじっくり意見を聞いたんです。
 自治体の方々も、確かにこれはいろいろ難しい問題もある、しかし国が具体的に、こういう方向でこういう手だてをとるということで具体策の方向を示していただきさえすれば、自治体としても何ぼでも対応できると、はっきりおっしゃっておられるんです。どこがネックになっているか。関係者あまねく私は聞いて、どこが問題かというのを詰めたんです。結局のところ、政府がこういうふうに天然記念物に指定、その保護策をとっておられる。その点で、公有地化の問題も政府の方でイニシアチブをとってもらえれば、自治体としては代替地の問題だとかいろんな問題を含めて何ぼでもやれますと、はっきり自治体の責任ある方が私に言っておられたんですよ、当事者の自治体です。
 だから、私は、今大臣言われたように、問題のネックはどこにあるかというのがよくわかりましたよ。国なんですよ。だから、農水省も文化庁もこの問題に前向きに対応すべきだ。そして、大臣もおっしゃられたように、環境庁という、種の保存の立場から、これはどこが管理するかとかいろいろな問題もあるでしょうけれども、やっぱり大臣としてそういう点で積極的に詰めていただくということを切に要望しておくわけであります。
 それで、次に進みますけれども、公有地化までの当面の措置として借り上げ料の問題があります。特に、外遊地の地権者の理事長を含む代表者の方々からいろいろお話をお伺いいたしました。ざっくばらんな話を私は聞きました。一等地でありながら、土地改良事業や利水事業の負担金を十アール当たり三万円を年々払っておられ、十アール当たり数十万円の利益が見込まれながら裏作ができない苦悩などがこもごも訴えられました。この間、若干の引き上げが図られたことは私も承知しているわけですけれども、関係者の要望から見れば、借り上げ料の実情に応じた抜本的引き上げを関係者は強く求められている。
 国として直接、実情、要望も聞いて、実態に見合うよう借り上げ料の引き上げを求めるということでありますが、いかがでありますか。簡潔にお述べいただきたい。
#87
○説明員(水野豊君) 外遊地の借り上げ料の件でございますが、借り上げ料の単価につきましては、平成六年度で申し上げますと十アール当たり三万九千円となっておるわけでございます。この単価は、ツル保護会が地元の農業委員会で定めます一般の農地借り上げの場合の標準単価に、ツルによって壊されますあぜでございますとか水利の復旧のための経費を加算して算出しておるわけでございます。したがいまして、借り上げ料をいわば幾らにするかということは、主といたしまして地元公共団体におきますこれら客観的な基準がどのようになるかということによって決まってくるわけでございまして、私どもが直接金額をどうこうするというものではないわけでございます。
 文化庁といたしましては、今後とも、従来行ってきました方式で算出されました借り上げ料につきまして、これをいわば私ども国庫補助するという立場にあるわけでございますから、そういう立場からも適切に対処してまいりたいと考えております。
#88
○有働正治君 実情に合っていないとこもごも訴えられているわけでありますので、これについても実情をじかに、特に現場の人おっしゃっていたんです、一度もじかに聞いてもらったためしがないということでありますから、じかに聞いて、直接生の声を聞いて、実態に合うよう、私としては強く要望しておきます。
 次に、ツルによる農家の被害対策があります。被害補償額の増額、外遊地に隣接する東・西干拓農家への補償の問題、それから、現在実施している防護網やハウス設置に莫大な人件費と労力がかかるわけでありますけれども、それに見合う補償、これはいずれも実態が伴っていない。防護さくに対する一定の対応がとられていますけれども、人も雇って手だてもとって防護さくをつけなくちゃいけない等々、あるいは西干拓その他の隣接地への補償の問題等々、関係者からも強い要望が出されたわけであります。
 実態をこういう点も把握して誠実に対応するよう求めるわけであります。簡潔にお答えください。
#89
○説明員(水野豊君) 私ども文化庁がやってございます対策につきまして回答させていただきたいと思うわけでございます。
 私ども、ツルによる農作物への食害の防除のために、ツルがいわば飛び回ります指定地の周辺約六百五十ヘクタールを対象といたしまして、防護網また網の支柱を農家に支給する事業を補助事業として実施をいたしてきております。それによりましてツルの食害防除は相当の効果を上げておると認識しておるわけでございまして、引き続きこの事業につきましては補助を行ってまいりたいというふうに考えております。
 また、その設置に際しましてなるべく農家の方々に負担がかからないように軽便でかつ効果のあるものを、これまでも開発してまいったわけでございますが、これからもその点につきましては努力をしてまいりたいと思っているわけでございます。
 以上でございます。
#90
○有働正治君 これも本当に現場の声が行政府にやっぱり届くように、実情もよくお調べいただきたいということを強く要望しておきます。
 地権者からは、特に政府・国と県当局が直接地権者の話を聞く手だてをとってほしいと強い要望が出されています。関係者が直接横断的に会して懇談すること、これを各方面から強く要望されたわけであります。
 そこで私は、ツルの越冬・保護対策の具体的な対策を図る上で一つ提案をいたします。
 それは何かと申しますと、この出水平野のツル越冬地の確保を、国際希少動物種としての種の保存をより効果的に推進し国際的責務を果たすために、関係者となっています国から、国としては環境庁、文化庁、農水省の三省庁、それから自治体からは鹿児島県出水市、高尾野町、野田町、こういう自治体関係者、それから地元地権者を含む農業関係者、それから日本野鳥の会を含む自然保護団体の関係者、この問題を研究なされておられる学者、研究者、こういう方が一堂に会する懇談の場、仮に、出水平野のツル越冬・保護対策懇談会、例えばこういう懇談会を恒常的な機関として設置して、今述べました政府、自治体、関係者、網羅的に一堂に会する。
 そして、私が今言いましたように、例えば文化庁あたりも、現場の声がよくそこで聞けるわけです。そしてそれぞれのお立場も当然あるわけです。しかし、ツルの保護、しかも国際的な重要性、種の保存、幾久しくこれを保存していく、気持ちとしてはみんな共通の気持ちをお持ちなわけです。だから、そういう方々がやはり一堂に会して、そして自分たちの要望はこういうことですけれどもいかがでしょうかと、いやそれについては自分たちはこう思うけれども、あるいは私たちは別の立場からこう思うけれどと、やっぱり一堂に会して論議して深める、そして一致するところがあれば一致した点から実行に移していく。政府は政府として、予算措置をとって行政府としていろんな対応をやっていただく。そういう一堂に会した懇談会なりを設けて、そこで具体策、今私がいろんなことを述べました、こういう問題、それそれ意見を持っているわけでありますから、その意見を一堂に会して議論して、そして必要な提案等も行う、また一致した点は一致したところから実行に移していく、そういうことが求められている。決まった以上、それこそツルの一声で実行すればいいわけですよ。
 そういう点で、文化庁、農水省など積極的に、これは私、関係自治体、関係者全部この問題を話したんですよ。そうしたら、自然保護団体は、自然保護団体としての思いと同時に苦労もある、そしてお伝えして御検討いただきたい点もあると。自治体当局は自治体当局として、これまで政府はそれなりにやってきた、それは承知の上なんです、同時に、今後解決してもらいたい点がやっぱりある、そういうものをぜひお聞きいただきたいと。関係者が集まれば、一堂に余すればその問題の解決の道は開かれるということで、関係者は、それはいい考えだということをこもごもおっしゃってくれました。
 そういう点で、先ほど来述べました一連の対策をとる上で、そういうことを政府がイニシアチブをとって関係者と話し合って進めるということで、積極的に前向きに私は対応していただきたいということで、環境庁の方は後でお尋ねしますから、最初、文化庁、農水省の方からお答えいただければと思います。
#91
○説明員(水野豊君) 私ども、出水のツルの保護につきましては、関係省庁と常々御連絡をさせていただきまして、私どもとしてやるべき事柄につきまして措置をとってきておるわけでございます。
 今後とも、引き続き各関係省庁と御連絡を申し上げまして努力させていただきたいと思います。
#92
○説明員(石原一郎君) 出水平野のツルの問題につきましては、関係省庁及び自治体等とも連絡をとりながら対応してきたところでございまして、今後とも同様の考えにより対応していきたいというふうに考えております。
#93
○有働正治君 今までやってきたどうのこうのを聞くために私はここで質問しているんじゃないんですよ。私が具体的な提案を申し上げて、関係者もそれはいいなと。そして、話し合ったところを一致するところから実行するという、そういう方策について私たちは大いに賛成だと。だから、あなたたちも前向きに検討していただき、そして対応していただきたい。それだけ。それについてどう答えるか、それだけ聞きたい。
#94
○説明員(水野豊君) 私ども、環境庁の呼びかけで、従来から、文化庁、農水省、三庁連絡会を設けて、環境庁のもとで総合的な連絡調整、そこで必要な検討をしておるわけでございます。私ども、今後ともそういう意味で、そういう枠組みを踏まえまして、地元、県、市町村とも十分連絡を密にしてまいりたいと思っております。
#95
○説明員(石原一郎君) 農林水産省としましても、この問題につきまして従来から連絡をとりながらやってきたところでございます。
 また、今後どのような形でするのがいいのかにつきましては、関係省庁初め関係自治体等も含め、御相談させていただきたいというふうに考えております。
#96
○有働正治君 大臣、お聞きのとおりです。今までどうのこうのということを私は聞いているわけじゃないんです。現地に行って私は全部の人の意見を聞いたんですよ。いろんな今後解決しなければいけない問題、地元の問題でもあると同時に国際的な大きな問題だと。それを一堂に会する場、そういうのを設けながら、そして決まったところからそれこそツルの一声でやればいいと。これはいい考えだと、地元の人たちももろ手を挙げて賛成なんですよ。
 だから私は、長官、こういう具体的なことを地元も要望されて私も提案して、解決策はそこで手だてをとっていくと。その点でやっぱり、国務大臣として、また環境庁長官として、そういう懇談会の場の設置を含めて前向きにイニシアをとって対応していただきたい。事務当局では話にならぬですよ。大臣、はっきりしてください。
#97
○国務大臣(宮下創平君) 関係者とよく連絡をとって検討させていただきます。
#98
○有働正治君 ほかに質問に準備いただいた方々は、時間がなくなりましたので後日に譲りたいと思います。
 本当に根っこを打開する道は、やっぱり政府のイニシアチブ、とりわけ環境庁長官のイニシアチブということを重ねて強く要望して、終わります。
#99
○西野康雄君 長官、今の文化庁だとか農水省の課長の答弁を聞いておっても、部下の書いてきたのをつっかえつっかえ読んでいる。問題点を全く把握していない。こういうふうなことで委員会に臨むという、そういうふうな態度というんですか、ひとつ閣議の中で、こんな政府委員がおったんだということだけははっきりとさせておいていただきたいなと思うんですね。やっぱり議員は議員なりに、いろんな方の要望を受けて質問しておるわけでございます。そうした中で、農水省と文化庁の答弁を聞いておったら全く同じ答弁が出てきました、関係省庁と連絡をとり合いましてどうのこうのというふうな。こういうふうな答弁のあり方というのは、やっぱり間違いだと思います。ひとつ、こういうふうなことが環境特であったんだ、声があったんだということだけは閣議のときにでも言っていただきたいなと思うんです。
 そういうぼやきはぼやきとして、私も、被災地の兵庫県の西宮でございます。お隣が尼崎市でありまして、中小企業の町というよりは零細企業の町でございます。そういう中で工場だとかも随分と被害に遭いました。神戸あたりでもケミカルシューズの工場が随分と被害に遭いました。できるだけ燃やしたものの煙の中から硫黄が出ないようにと、脱硫装置だとか、そういうものをつけて頑張っておられる良心的な零細業者も多うございます。しかし、随分と被害に遭われたわけでございます。
 環境庁でございますので、公害防止施設、ここで被害を受けたと思われるそういう中小零細企業に対しての復旧策だとか現状についてお答えをいただきたいと思います。
#100
○政府委員(石坂匡身君) 公害防止施設につきましては、私ども、環境事業団からの融資というふうなシステムがございます。現在、環境事業団で融資を行っております兵庫県、大阪府内の企業の被災状況につきましては、償還中の融資案件が四十社ございますけれども、そのうちの三社が壁や柱などに大きな被害があったという報告を受けております。
 こうした被災地の被災された企業の方々の復興はもちろん重要な課題でございますけれども、同時に公害の防止、環境の保全、これの配慮が重要であるということは当然のことでございます。そこで、この環境事業団におきましても、被災企業に対しまして、公害防止施設を復旧整備する資金につきまして通常よりも特別に有利な条件で融資をするということにしたところでございます。
 代表的な例を申し上げますと、震災によります事業所等の損失額が七割以上の被害を受けた中小企業に対しましては、貸付金利、通常は四・四五%でございますが、これを二・五%という実質金利に引き下げる、融資比率も九〇%、償還期限も二十年ということ、それから据置期間も五年ということで、格別の優遇措置をとることにいたしております。また、被害がそこまで至らない場合につきましても、被害の程度に応じまして通常の融資条件よりも有利な優遇措置を講じたところでございまして、こうした措置につきましてただいまPRにも努めているところでございます。
#101
○西野康雄君 震災に関してのいろんな政策が出され、また我々もいろいろと質問をしてまいりました。仮設住宅については厚生省であったりとか、あるいはケミカルシューズのことに関しては通産省であったりとか、それからいろいろな家屋の倒壊等については建設省であったりするわけでございますが、実は、やはり一番大事なポイントとでも申しましょうか、復旧をずっと続けていく上において今求められているのは環境庁の役割ではないだろうか。瓦れきの問題もそうですし、それからその瓦れきを焼く野焼きの問題もそうでございます。アスベスト等は後で少しお伺いをいたしますけれども、環境庁長官としても、恐らく、復旧政策、復旧策全体の中で環境庁はこうあるべきだということもお考えになっているかと思います。予算委員会を見ておりますと、環境庁長官の出番が余りないようでございます。皆そっちも港湾だとかそういうふうなところに行っている。しかし、本当はきっちりと詰めていかなければならないのは、最終的に残ってくるのは環境問題ではないかと思うんです。そういう中で、環境庁長官として、復旧政策の中の環境問題をどうお考えなのか、ちょっとお伺いいたします。
#102
○国務大臣(宮下創平君) 確かに、今国会の予算委員会等を通じまして阪神・淡路大震災の復旧についての質問がもう八割方以上だったと存じます。委員ももう大変熱心に御質問をなされまして、大変参考にさせていただいております。
 環境庁長官については、全然質問がなかったわけではございませんで、二次汚染防止のためのモニタリング調査でありますとかアスベストの問題、あるいはフロンガスの問題等々、多少の御質問等もございましたが、私は、質問のあるなしにかかわらず、これは非常に地味ではございます、しかし非常に重要な視点でございますから、震災直後から直ちに職員を派遣したり、またモニタリング調査をやったり、環境庁としてなすべきことはきちっと対応していかないと、万が一のことがありますと大変な責任を負わざるを得ない、そういう事態だと存じまして、やってまいった次第でございます。
 今後も、瓦れきの処理問題、今議員の御指摘のような問題、アスベストの問題あるいはフロンガスの処理の問題等々、全体としてスピーディーに処理するという中で、なおかつ大きな問題がはらんでいることも事実でございますから、こうした問題についてはひとつよく職員を督励して、現地にもよく行っておりますし、県と市ともよく相談をさせていただいております。万全というわけにまいらないかもしれません、瓦れきの処理なんかは、スピーディーにやらなくちゃいけないということと、人体に対する影響を最小限に食いとめるということのいわば二律背反的な面がございますから。そんなことではありますが、精いっぱいひとつ努力をさせて、そしてまた、いよいよ復旧から復興へという問題意識もございますので、環境庁としていよいよ、震災に強い町づくりは同時に環境に優しい町づくりであることは表裏一体の関係にあると存じますので、そんな点で努力をしていきたいと思っております。
#103
○西野康雄君 芦屋あるいは西宮、神戸市内もそうでございますし淡路島もそうなんですが、被災地では復興計画というものが随分と出されてまいりました。しかし、その復興計画の中に環境という問題、道路を通してそして公園をつくるんだというふうなぐあいであって、随分と都市計画家が、何というんでしょうか、頭の中だけで考えている。環境庁の意見をそこにどう反映させるかということが今後の都市計画の中の課題だと、こういうふうに思うんですけれども、特に質問通告はしておりませんけれども、今ちょっと公園をとか、そういうふうなお話がございました。どういうふうなイメージを抱いておられるでしょうか。
#104
○国務大臣(宮下創平君) 委員の御指摘のような問題意識は私も強く持っておりまして、これからの復興段階におきまして本当に立派な国際都市神戸をつくり出す、あの地域を再生するためには復興の中身が非常に重要だと思っております。
 今、国会で、予算委員会等で議論されているのは外側のいろいろな問題、ハードの面でありますが、私どもはやっぱり、都市づくりの中で、緑とか緩衝緑地とか公園とか、そういう自然との調整の問題等がございますほかに、環境に優しい都市づくりといいますと、建物それ自体も省エネ化するとか、あるいは水環境、大気環境の施設をきちっとしていただくとか、もうあらゆる面でいろいろ問題がございますから、そしてまた循環的な体系に都市をしていただきたいとか、そういうことがございましたので、これを取りまとめをいたしました。そして、既に県と市にはこれを提示して、なるべく織り込んでもらう努力をしていただくようにお願いしましたし、また政府の緊急対策本部でも私が特に発言を求めまして、この点は特に政府としても配慮すべき重要な事項ではないかということで、二カ月経過した三月十七日の緊急対策本部ではそのように特に申し上げておるところでございます。
#105
○西野康雄君 今話題となりました建築物の解体に伴うアスベストの飛散の問題でございます。
 建設省に聞いても、いろいろと対策はやっているんだと。工事現場で水まきをやって、解体現場で水まきをやってなるべく飛散せぬようにしているんだとか、環境庁にお伺いすると、マスクですか、三十万個を配ったとか、何かそんな話も聞くんですが、うちへちっとも来へんなと、私の健康はどうなっているんだろうか、こう思うのでございますが、お医者さんの意見、まあこれは一人の御意見ですけれども、さあ十年後にはひょっとしたら肺がん患者がふえるかもしれぬねと。これはもう単なる世間話の中で出てきたことですが、しかしこれは備えておかなければならないことでもあるわけです。統計的に、ずっと十年後ですよ、神戸の長田区だとか兵庫区あたりで肺がんがふえたとなったならば、これはやっぱり今の時点のアスベストの飛散だとかそういうふうなことが原因であったというふうなことが言えるわけですね。
 ですから、その十年後のがん発生が懸念されるというお医者さんの意見じゃないんですけれども、防止対策の徹底周知というのは、これは今やっておかなければならないし、後顧の憂いを残してはならないと私自身は思うわけです。
 現実を見るというと、本当に来ていただくと、ほこりっぽいんです。果たしてこれ、私、建設委員会でも質問したけれども、周知徹底がいっているのかなという思いですね。それはもうすぐほこりだらけになります。自転車とめておいてもサドルのところがもう五、六分で真っ白になったりとか、それが私の住んでいるところの現状でございます。どうでしょうか、その徹底周知というものを今どのような方法をとられておるのでしょうか。
#106
○政府委員(大澤進君) 私ども、地震発生以来、そういうアスベストあるいは粉じん等による住民の健康影響というものを懸念しておりまして、発生後、工事を請け負う関係の建設省とかあるいは作業現場の労働省関係の人と、それからさらにはもちろん地元県、市とも十分協議して、これまでも申し上げましたが、飛散防止について徹底を図ったわけでございます。
 その間、二月に大気環境のモニタリングの一環としてアスベストについても測定したところでございまして、その結果は、おおむね都市部においては日本の他の都市部に比較するとやや高いという状況があり、しかし一部については少し高いところがあるとか、さらにずばりその解体中のところの近傍ではかると基準を超えている高いところもあったというふうなことで、再度二月の末に、関係省庁にも集まっていただきまして、もっと個別にきめ細かく指導するというようなことで、二月下旬にそれぞれのところから通知を出していただきまして、県、市にも十分その趣旨を徹底してお願いしたというようなこともやっております。
 さらに私どもは、地元県、市とも協力いたしまして、被災地の建物の点検調査というものを既に始めておりまして、これは点検中でございましてまだ結果は出ておりませんが、一戸一戸、アスベストを使っているかどうか、使っていればどういう飛散防止対策をやっているかということを指導もしながら確認をするというふうなことをやっておりまして、全体のまだ結果が出ておりませんが、できるだけ早くに終了して取りまとめたいと思います。
 いずれにしましても、私どもとして、これから工事もまだ続くと思いますけれども、その趣旨の徹底をさらに状況を見ながら指導してまいりたい、かように考えております。
#107
○西野康雄君 今、全壊家屋とか、それからまさに瓦れきとなったところの部分を取り除いているんですが、今後は、半壊家屋というんですか、マンションだとか、今は臨時に住んでおられますけれども、今後それが住めないというふうな状況になったら取り壊しが当然起きてまいります。だから、全壊のところよりもむしろ半壊しているところの取り壊しが始まると随分とアスベストの飛び散るぐあいが高くなってくるのじゃないだろうか、そんな思いをしております。今は瓦れきとなった部分の取り除きが大半ですから、それほど、むしろアスベストの値だとかそういうふうなものはまだ他都市の平均値よりも若干上回るとか、そんな程度の部分でしょうけれども、むしろ今からが警戒をすべきことではないか。確実にアスベストが残っている半壊したものが壊されていくので、その辺の徹底周知をひとつお願いをしたいと思います。
 長官も御存じでしょうけれども、私は大学の農学部の出身でございまして、ある党の方がいつも私の前に質問をして、大学を出ながら、農学部を出ながら少しも農業の方に後継者として行かない人が多いのでゆゆしき問題だということをおっしゃるんでございまして、私としては本当にその方の質問だけは耳が痛いわけでございます。武田邦太郎先生でございますが。実は私も、鳥取大学の農学部へ行ってそして砂漠の緑化という問題をやりたいなとか、そういうふうなことも高校時代思っておったことがございます。今、遠山さん親子が随分とあちらこちらでやっておられますし、クズの種を中国でまいたりとかいろいろやっておられます。
 環境庁は外務省だとか農水省だとかに比べると砂漠化の事業というものはちょっと一、二年取り組み方がおくれたかなという印象は私は持っておるわけでございますが、答弁の中で、いやそうやおまへんでと言っておるならそれも結構でございますが。今どうも砂漠化の防止というと中国の方に偏りがちなような気がいたしますけれども、砂漠化防止というのが予算書を見るというと書いてございました。今どのような計画とどのような政策をお持ちなのか、ちょっとお伺いいたします。
#108
○説明員(澤村宏君) 先生も御案内のとおり、昨年六月に砂漠化防止条約が採択されまして、国連のもとで、国際的に協力していく、砂漠化防止の対策を進めていく枠組みができたわけでございます。
 環境庁ではこれまでその条約の採択に向けまして積極的に取り組んできたところでございますが、また砂漠化防止に向けていろいろなことも取り組んでやっております。例えば、総合的な砂漠化防止対策の進め方等につきまして各方面の専門家から成る検討会による検討を実施しております。また、研究分野でも地球環境研究総合推進費におきまして砂漠化とその主要因とされます人間活動の総合影響評価に関する調査研究の実施をしております。環境庁といたしましては、採択されました条約につきまして、今後、各省と協力しまして締結に向けた作業を行うということをやっていきたいと思っております。
 また、今回の条約の中でいろんなことが示されております。一つは、早期の行動を促す決議というものもありました。また、ボトム・アップ・アプローチということを重視しております。このボトム・アップ・アプローチというものにつきましては、先生御案内とは思いますが、どういうものかと申しますと、対策の計画段階から積極的に住民あるいは地域社会の参加を得て、最終的には地域住民自身によって対策が実施されるための取り組み手法というふうに言われております。
 こうした条約の考え方に沿いまして、環境庁におきましても、平成七年度から、砂漠化の進行しております地域で地域のコミュニティーと共同して地下水の有効利用を図るための知見あるいは情報を収集いたします砂漠化防止対策モデル事業調査、そういったものを実施するということになっております。
#109
○西野康雄君 なかなか砂漠化の防止というのは難しいので、家畜圧だとかそれから塩害だとかいろいろありますし、地域地域によって砂漠の形態も違ってきておりますし、サウジアラビアあたりに行くと、上から見るというと円形の小麦畑が広がっていていいように思うんですけれども、あそこも地下水で散水しているんですが、だんだんと下から塩分が析出してくるとか随分といろいろな問題が出てきております。
 日本では砂漠化がないんだ、鳥取砂丘でもどんどんと草が生い茂ってきているようですけれども、しかし、国際貢献という意味からいって、いろんなところで日本の農業技術なり科学技術なりが役に立ってくる時期が今後ますますやってくると思います。機会が多くなってくると思うので、環境庁、予算はない中でございますが、僕は環境庁というのは各省庁をリードするところだと思っております。予算は各省庁に立てさせたらいいわけで、それのリードをする省庁として砂漠化の防止にも随分と力を入れていただきたいと思います。
 それからオゾン層の破壊です。随分と被災地でも問題となりました冷蔵庫等々からのフロンガスですけれども、今後どのような方針で臨んでいかれるんですか。
#110
○政府委員(大澤進君) オゾン層全般につきましては、既に国際的にもこれは地球規模の問題として条約も締結され、議定書も締結、承認して取り組んでいるところでございますが、私ども、地球環境問題として国際的に歩調を合わせながら、その回収あるいは製造の抑制なり禁止等の施策の徹底を図ってまいりたいと思います。
 現在、特に回収に関しましては、あるいは回収破壊につきましては、環境庁としては、都道府県と連携をしながらモデル事業というものを起こしまして、平成五年から都道府県と回収のシステムのあり方についてモデル的に取り組んで、それをひな型にして全国に広げていこうというような趣旨で取り組んでいるところでございますし、それから、破壊につきましても調査研究をやっておりまして、今年度ないし来年度以降にはかなり実際の試験まで行える、トライアルが行えるという段階まで来て、おります。
 いずれにしましても、使われたものについてはできる限り回収して何としても大気中に出さないということであろうかと思いますし、さらに、回収したものをきちんと大気に影響がない形に破壊していくということが大切かと思います。
 また、被災地におきましても、自治体とそれから事業者が一緒になった対策協議会がございますので、そこでできるだけ回収に努める。私どももそういう回収についてはいろいろな面で相談に乗ったり支援をしてまいりたい、かように考えております。
#111
○西野康雄君 続いて、絶滅のおそれのある野生生物の保護強化を予算案でうたっておいででございます。具体的にはどのようなことを実施するのか、御答弁ください。
#112
○政府委員(奥村明雄君) 絶滅のおそれのある野生動植物の種の保護は大変重要な課題でございます。私ども、国内的には捕獲、採取規制、それから国際的には輸出入規制などによりましてその保存に努力をしているわけでございます。それだけではなく、生息地を保護するということで保護区を指定いたしますとか、例えばイリオモテヤマネコなどのように百頭前後しかいない、こういうことになってきておるものについては保護増殖事業というのを積極的に進めております。人工繁殖、えづけ、それからつがい形成の促進でありますとか、生息地の保全事業であるとか、そういう対策を講じまして、その保存の強化に努めておるというのが現状でございます。
#113
○西野康雄君 捕まえてそして増殖をしていくというので、これで失敗をしたのがトキであったかと記憶しております。もう少し早い段階で捕まえて増殖をしておったならば、今このような事態は避けられたわけでございます。そういう意味においては、ツシマヤマネコだとかイリオモテヤマネコだとか、今、手を打っておかなければならないもの、そういうものが随分とございますし、既に失敗したものに、カワウソですね、まさにこれは本当に高知県の一部にしか、これはまだ存在がきっちりと今写真で撮られているわけじゃない、ふんだけが見つかっておるというふうな状況です。ですから、後から後悔しても遅いわけで、積極的な対応をひとつお願いしたいと思います。
 最後の質問になりますが、今、杉の花粉情報というものが随分と出てきております。植林は環境庁の問題ではないわけでございますが、日本は、照葉樹林文化の雲南省から始まるその最後の部分が日本である、こういうふうに言われております。日本の植生を考えた場合に、杉ばかりを植える、ヒノキばかりを植える、杉の植林も行き着くところまで行き着いて、直径三、四十センチでしょうか、植林ですから、植木鉢を中に植えているようなものですぐ倒れる。台風のたびに各ダムのところに流れ出してきているというのが現状なわけですね。
 私、先ほど、環境庁というのは各省庁を引っ張っていくところだ、こういうふうに申し上げましたけれども、実はそれは植林の分野でも言えるんじゃないだろうか、そう思うわけですね。幅広な、日本の動植物に対しての影響にも及ぶわけですけれども、植林の見直したとか、植林すべきものはこういう樹種なんですよとか、そういうふうなものを今きっちりと各省庁、林野庁に特に伝えていかなければならないことではないだろうかと思いますし、自然保護で今ネックになっているのは、建設省ではなくて、建設省は大分河川に対しての意識が変わってまいりました、むしろ農水省ではないだろうか、そんな思いを今しております。
 環境庁として、植林ですね、その部分だけちょっとお伺いをいたします。
#114
○政府委員(奥村明雄君) 広葉樹の植林というのは、先生御指摘のように、自然環境の保全、また野生生物を含む生物多様性の保全の観点からも大変重要な課題だというふうに考えております。
 環境基本計画においても、地域の特性に応じた適切な森林の造成を掲げておりまして、林野庁においても、環境保全機能の高度化といった観点から、広葉樹の造成、整備を図る取り組みが進められているというふうに承知しているところでございます。環境庁といたしましても、関係省庁とともにこうした施策が推進されるよう努力してまいりたいと考えております。
#115
○西野康雄君 ぜひとも、花粉症の一人としてお願いをいたしておきます。
 これで質問を終えさせていただきます。
#116
○委員長(篠崎年子君) 以上をもちまして、平成七年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、総理府所管のうち公害等調整委員会及び環境庁についての委嘱審査は終了いたしました。
 なお、委嘱審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#117
○委員長(篠崎年子君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#118
○委員長(篠崎年子君) 次に、悪臭防止法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 政府から趣旨説明を聴取いたします。宮下環境庁長官。
#119
○国務大臣(宮下創平君) ただいま議題となりました悪臭防止法の一部を改正する法律案について、その提案理由及び内客の概要を御説明申し上げます。
 悪臭は、各種の公害の中でも苦情件数が多く、良好な生活環境を実現する上で一層の対策が必要な分野であり、特に、複数の物質が複合してより強い悪臭となって苦情の原因となる場合が多く生じていることから、これに対応した仕組みを設けることが必要となっております。
 また、近年、調理やペットの飼育等の日常生活に起因する悪臭についての苦情の割合が増加する傾向にあります。一昨年成立した環境基本法において、環境への負荷の低減への努力が関係者に幅広く求められていることも踏まえ、国民一人一人にこうした悪臭の防止のための努力を求めることも必要となっております。
 今回の改正は、こうした状況に対応して、人間の嗅覚を用いた測定法に基づく規制基準を設けることができることとするとともに、国民の日常生活に起因する悪臭の防止に関し、国民、地方公共団体及び国の責務を定める等所要の改正を行うものであります。
 次に、この法律案の内容についてその概要を御説明申し上げます。
 第一は、人間の嗅覚を用いた測定法に基づく規制基準の設定に関する改正であります。
 都道府県知事は、指定した規制地域のうち、特定の悪臭物質の濃度による規制基準によっては生活環境を十分に保全することができないと認められる区域については、その規制基準にかえて人間の嗅覚を用いた測定法に基づく規制基準を定めることができることといたします。
 第二に、国民の日常生活に起因する悪臭の防止に関する国民、地方公共団体及び国の責務を定める等の規定の整備であります。
 国民の責務として、住居が集合している地域においては、日常生活に伴う悪臭の発生の防止に努めるとともに、地方公共団体または国による施策に協力することを求めることとしております。また、これに対応して、地方公共団体及び国の責務として、普及啓発その他悪臭の防止のための施策を進めることを定めております。
 なお、この法律案につきましては、平成八年四月一日から施行することとしております。
 以上が、この法律の提案の理由及びその内容の概要であります。
 何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
#120
○委員長(篠崎年子君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 本案に対する質疑は後日に譲ることといたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後三時三十七分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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