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1995/03/24 第132回国会 参議院 参議院会議録情報 第132回国会 環境特別委員会 第6号
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1995/03/24 第132回国会 参議院

参議院会議録情報 第132回国会 環境特別委員会 第6号

#1
第132回国会 環境特別委員会 第6号
平成七年三月二十四日(金曜日)
   午前十時五十四分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 三月二十三日
    辞任         補欠選任
     萱野  茂君     栗原 君子君
 三月二十四日
    辞任         補欠選任
     須藤良太郎君     鈴木 栄治君
     野間  赳君     河本 三郎君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         篠崎 年子君
    理 事
                佐藤 泰三君
                大渕 絹子君
                山崎 順子君
    委 員
                狩野  安君
                笠原 潤一君
                河本 三郎君
                鈴木 栄治君
                西田 吉宏君
                栗原 君子君
                清水 澄子君
                矢田部 理君
                足立 良平君
                長谷川 清君
                山下 栄一君
                粟森  喬君
                有働 正治君
                西野 康雄君
   国務大臣
       国 務 大 臣
       (環境庁長官)  宮下 創平君
   政府委員
       環境庁長官官房
       長        大西 孝夫君
       環境庁企画調整
       局長       石坂 匡身君
       環境庁大気保全
       局長       大澤  進君
       環境庁水質保全
       局長       嶌田 道夫君
   事務局側
       第二特別調査室
       長        林 五津夫君
   説明員
       警察庁刑事局刑
       事企画課長    篠原 弘志君
       農林水産省畜産
       局畜産経営課長  信國 卓史君
       通商産業省環境
       立地局環境指導
       課長       浦嶋 将年君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○悪臭防止法の一部を改正する法律案(内閣提出)
○大気汚染防止法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(篠崎年子君) ただいまから環境特別委員会を開会いたします。
 委員の異動についで御報告いたします。
 昨日、萱野茂君が委員を辞任され、その補欠として栗原君子君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(篠崎年子君) 悪臭防止法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#4
○西田吉宏君 時間が大変経過しておりますから、できるだけ時間内に短縮したいと思います。
 我が国の高度経済成長の中の落とし子と言われる公害問題があったわけでありますけれども、大臣もこの間おっしゃるように、昭和四十年代半ばごろに環境庁が設置された、こういうことであります。特に、近時は地球の温暖化だとかオゾン層の破壊、酸性雨、さらには森林の砂漠化など、地球全体規模としての環境が問題になっていることは私もよく承知しておりますし、環境庁としても大変この点について行政をお進めいただいているところであります。
 一昨年だと記憶いたしますが、そういうところから対応すべく環境基本法が制定をされたところであります。これは国内はもとより国際社会全体においてその任務を果たしていかなければならない、こういうことを私どもは基本的に認識をいたしておるところでありますし、それに私どもがさらに議会としても推進をしていかなければならない、このように思っておるわけであります。
 今回出されました悪臭防止法の一部改正の法案についてでありますけれども、これまでの法律の上にさらに嗅覚を用いた測定法を取り入れる、こういう内容でございます。これについては、総論的には、基本的には対応処置としてはやっていかなければならない、このように私は考えているところであります。ただ問題は、特にこの悪臭防止法の嗅覚を用いて測定するという問題は、いろいろの問題があろうと思いますけれども、とりわけ私は畜産問題についてお尋ねをしてみたい、このように思うわけなんです。
 汚いとか臭いとかやかましい、こういう問題が出てまいりますけれども、やかましいというような問題は、例えば豚が鶏が牛がと、こういうような畜産関係、ペットもありましょう。やかましいというような問題であると、これはデシベルなんかできちっと基準があるんです。ところが、臭いとか汚いというような問題は一体どこで測定するんだろうな、僕はやっぱりその人の感じた主観によるものが基本的な問題でなかろうかな、このように実は思うわけなんです。
 なるほど、汚いのと臭いのと一緒にしますと、見えて良ければ主観は大きく変わらぬでしょう。ところが、遮へい物がある。そうすると、まあ半減はしないだろうけれども、そういうことでは一般の方々から見ると遮へい物によって汚いのと臭いのとが遮へいされることによって随分変わってくるんだろう、こう思うわけなんです。
 私は、特に、もう時間がありませんから、農水省おいでだろうと思いますからお聞きをしたいんですけれども、畜産ジプシーというような言葉をお聞きになったことがありますか。
#5
○説明員(信國卓史君) 残念ながら、直接的に畜産ジプシーという言葉では聞いておりませんが、多分畜産農家がいわゆる都市の近辺からだんだん外へ追いやられている、そういうことをおっしゃっているのではないだろうかと思います。
#6
○西田吉宏君 半分ぐらいそうだ。
 というのは、もちろん政令都市など大都会なんかで、かつて先祖伝来でやっておった畜産業を今この時代になってまたそこでやるということは僕はやっぱり否定していきたい、こう思うんです。そういう中で新天地を求めていく。市町村ではなかなかそういうことはできない。大都市の中で、例えば中心部でそういうことをやっておると周辺へ行ったって受け入れ側がなかなかそうは受け入れてくれない。したがって、広域行政をやるような都道府県行政あたりの中で、いわゆる適地を探しながら新天地を求めていく。新天地を求めていくといっても、山林開発などいろいろやりまして、道路をつける、そして電柱を立てていく、もちろん搬出、搬入にきちっと伏せるような設備投資をするわけだ。そこでやれやれ新天地だと、こういうことになりますと、そこへ、ああ、いい道路ができたということでその周辺にまた家が建ってくるんです。後から家を建てた人が汚い、やかましい、臭いと、こうやる。これは振興の立場からどのようにお考えですか。
#7
○説明員(信國卓史君) 畜産は大変多大な投資をいたしますから、新たに畜舎等を設置いたしましたらできるだけ長く畜産をやるということは大変重要なことでございまして、そういう規模拡大等で多大の投資をしておる畜産農家は多いわけでございますので、こういう農家ができるだけ長く安定的に畜産を続けられるということは畜産振興の上から極めて重要だと私ども認識いたしております。
#8
○西田吉宏君 言葉でそう言われるけれども、僕が言うとるのは、そういう形で後から入ってきて家を建てて、ある程度の民家ができるとその方々が汚い、臭い、やかましい、こういう問題が出たときに、いわゆる畜産振興の担当行政官としてどのようにお考えですかと聞けば、できるだけ長くやってくれと、こう言うんだよ。ところが、振興の立場からはどういうような、いわゆる行政から住民に対して、実は日本国民のいわゆる食生活の多様化、さらにはたんぱくの摂取量も大変多くなった等々を考えるとやっぱり畜産振興というのは重要なんだ、こういう形なんかで、農水省は、さらには都道府県に対してでも何かそういうような通達及び指導等をおやりになるのかということを聞いている。長いことやってくれというのは、だれでもやりたいから新天地へ行くんだよ。ちょっと聞かせてください。
#9
○説明員(信國卓史君) 畜産側といたしましても、今申し上げましたように長くやるためには近辺の住民の方々の理解を得るということは大変重要でございまして、畜産振興に当たりましては、したがいまして環境対策をきっちりやっていただくということで、その環境対策のあり方等につきましては都道府県を通じていろいろ指導をいたしているところでございます。
#10
○西田吉宏君 どんな指導をしているの。
#11
○説明員(信國卓史君) 主としていわゆる家畜ふん尿等が問題になるわけでございまして、こういうものは片一方でそういう公害等の元凶になりますけれども、一方ではいわゆる有機物としての資源でございますので、こういうものが地域の中で処理されてきちんと使っていただくということが基本だということで指導いたしているところでございます。
#12
○西田吉宏君 有機物は農業に対して重要だから、そういう生産をしているんだからと、こういう形でおっしゃっているんでしょう。その観点もありますけれども、僕はまずお聞きしたいのは、そういうような新天地がある、その横べりに住民がたくさん住みつく、いいことだと思う。しかし、そこでいわゆる公害だと、こういうことで追い出し運動ができるときは、どういうようなあなた方は推進的な行政を行っているかということを聞いているのが一つなんです。
 それからもう一つだけ聞いておきましょう。じゃ、これは僕は考えるんだけれども、僕は逆差別じゃなかろうかなと、こう思うんだがな、その点について。
#13
○説明員(信國卓史君) まさに先生御指摘のように、先にその地域に進出して、後から、いわば私ども混住化と言っておりますけれども、いわゆる住宅が出てくる、こういう現象は大変多いわけでございまして、そういうことにつきまして、やはり畜産農家の気持ちといたしましては何か非常に納得しがたいという気持ちがあることは重々承知いたしております。
 しかしながら、かといってやはり地域に受け入れていただく形で畜産を続けるためには、いわばきちんとそういう指摘を受けないようにする必要があるわけでございまして、そのために例えば堆肥センター等で共同で処理するとか、あるいはなかなか共同化が進まない場合につきましては個人でそういう整備をしていただく。そのためのいわば低利の資金でございますとかリースといったようなことを私どもといたしましても極力有効に使っていただくという形で環境の保全に努めていただくように指導いたしているところでございます。
#14
○西田吉宏君 今言われるように、ふん尿処理施設等の問題なんかは、ここは農水委員会と違いますから環境だけについてあなたにばっかり聞いてもどうかと思うけれども、やっぱり基本的に先に聞いておきたいと思う。
 ここへ入ると農林水産委員会の域に入るかわからぬけれども、いわゆる公害除去装置、すなわちふん尿処理なんかの除去装置というのは非生産的ないわゆる生産の上がらない投資なんだと。これはやってもらっているから、組合単位だとか、いわゆる農林行政の対象団体あたり、JAですか、こういうところを通じたところなんかをやっておるからこのことは僕はよく理解しておるんです。ただ、そういうことをやっておっても、いわゆる汚い、臭い、やかましいは別にほかしましょう。この問題に対してそういうことはやっているんだと。しかし住民パワーにもうやられっ放しじゃないの。この点についてどのようにお思いですか。
#15
○説明員(信國卓史君) 先生御指摘のとおり、環境に対します投資と申しますのは生産効率の向上に結びつかないということで、畜産農家として大変これへの対応というのは厳しいわけでございまして、そういう中で地域の住民の方々からそういういわゆる追い出しを食らうということになりますと、ますます経営の安定ということで問題でございます。
 したがいまして、行政部局に極力入っていただきまして、住民に理解していただくとともに、畜産農家側といたしましてもできるだけのことをやる。もちろん冒頭御指摘ございましたように、いわゆるマイナス要因といいましょうか、経営的にはマイナス要因のものでございますから、どこまでもきれいなものといいましょうか、どこまでも公害が出ないようにというようなことはなかなか言えないわけでございますけれども、いろいろ法令等の範囲の中でぎりぎりやれるように間に立っていただくようにお願いしているところでございます。
#16
○西田吉宏君 ちょっと端的に答えてください、時間がないから。
 僕が言っておるのは、これは住民パワーによって逆差別じゃないのということを聞いておる。端的に答えてください。
#17
○委員長(篠崎年子君) 簡単に御答弁願います。
#18
○説明員(信國卓史君) 一概には言えないと思いますけれども、そういう受けとめ方が多いということです。
#19
○西田吉宏君 それじゃ、今度新法ができることによって、そういうことには特段のそういう配意はあるの。
#20
○説明員(信國卓史君) 今回導入されます臭気指数によります規制というのは、現行の特定の悪臭物質の規制では十分でないというものについて行われると聞いておりまして、畜産農業の場合、現行の濃度規制で十分対応可能ということでございます。
 しかしながら、これはあくまで原則でございますので、実態といたしましては、こういう規制が無原則に入ってまいりますと新たな負担ということになるおそれがございますので、環境庁の方におかれましても、いわばこの新たな臭気指数による規制が今までの濃度規制というもので対応可能なところまで及ばないように、例えばそういう地域指定といったような場合に、それが畜産農業等につきましてはそういう規制地域に含まれないように指導していただくということで約束していただいておりますので、私たちといたしましてもそういう環境庁の御指導を十分見守らせていただくとともに、私どもも畜産部局の方にそのような指導を行っていきたいと考えております。
#21
○西田吉宏君 御案内のように、ウルグアイ・ラウンドの妥結によって、さらに最近の円高によって、畜産業というものは大動物、中動物、小動物を含めてまさに首を絞められ、足を引っ張られ、ボディーブローをこれできかされることになるんです、一言で言えば。
 そこで、私は畜産関係はこれぐらいにおきますけれども、さて、においの問題で、これを判定するという環境庁にお聞きをしたいのでありますが、私は酒も飲みますけれども、酒蔵の横を通ると新春の香り、まさに希望に満ちあふれた春を思い出すような、春を呼び出すような形で景気ようかいでくれるんだ。酒を飲まない人があのにおいをかいだらやっぱり嫌悪感が起きると思うんだ。人間だって、動物だって食べたら出すんです、いいですか。必ずそこには悪臭はあるんです。さらには、汗をかくとやっぱりそれによって体臭が出るんです、動物にも人間にも。そういうことをよく基本に置いておいてもらいたい、こう思うんだが、酒がそうだ。まあきょうは女性の議員もおられますけれども、香水を塗ったりオーデコロンを塗ったりする。
 ところが、畜産から出る排せつ物というのは、どこまでいったってこれは嫌悪感を感ずるのは当たり前なんだ。今までの規定の上に、この物質二十ほどこれ指定されておりますけれども、この上にまだにおいをかぶせてそしてやると。それも判定は嗅覚によって判定するんだと、こう言われるんだけれども、私は大変主観的なものだ、こう思うんだけれども、この点についてひとつお答えください。
#22
○政府委員(大澤進君) 嗅覚測定法を新たに導入するということでお願いしているわけでございますが、これ自体は三点比較式臭袋法という方式でやるわけでございまして、これを扱う際には、悪臭についての専門的知識、技術を持つ臭気判定技士という国が認定する資格を有する者がそこで詳細に指導監督する。その際、今御指摘の主観的なものを排除することによってその精度を高めるということは、これまでの調査研究で今回の新しい方法が確立しているわけでございます。
 具体的に申し上げますと、悪臭というのは感情的には快、不快の問題が出てくるかと思いますが、今回の測定法ではそういう快、不快に着目するんではなくて、悪臭の発生源における、そこでとられた試料、サンプリングですね、サンプルを希釈していって、単にどの段階でにおいがしなくなるかという方法で判定していくということで、嫌なにおいだからこれは強く感じるとか、そういうことじゃなくて、あくまでも機械的に希釈していって、しかもその希釈する際に、ちょっと細かく立ち入りますが、二つのダミーを使いまして、それには全く無臭のものを入れておきまして、もう一つの三つ目のものに採取した試料を入れておく。それを段階的に希釈していって、どの袋がにおいがするかしないかという判定をするわけでございまして、決して主観の入る余地がないというか、入らない形でこの測定法は規定されておりますので、御心配の点はないと思います。しかも欧米諸国においても既に長年使われておりますし、我が国においても条例、要綱等で国内自治体でもかなり多くのところで使われておりますので、御理解願いたいと思います。
#23
○西田吉宏君 科学的根拠のあるものはいいですよ。しかし、あなた今言われるように、希釈していくんだと。希釈していく元素そのもの自体は、どっちみちアンモニアガスだとか、いわゆるそういうものを基本にしながら、それを百倍に希釈するか二百倍にするか、それと無臭のもの、無臭のものというか、全然そういうものの物質が入ってないものとを置いて、わからぬ程度までいくんだと言うけれども、凝縮していったらもとに戻る。あくまでもやっぱり基本的にはそういう物質のもとになるものをずっと希釈していくんでしょう。
#24
○政府委員(大澤進君) まさに試料は悪臭を発生している、問題となっているところからとるわけでございますから、においがもちろんあるわけでございます。ただ、それを嫌なにおいとかいいにおいという観点からでなくて、その三つの袋の中から、これはにおいをかぐ人をパネルと申しますが、パネルはどこに入っているかわからぬやり方で一つ選んでいく。つまり、正確ににおいを感じないとそれは判断できないということで、そういう仕組みで、しかも段階的に希釈することによって、最終的ににおいがしない直前のところまで行くわけですね。そこで、六人以上のパネルが判断するわけですが、その最終的ににおいがしなくなった段階でそれらの人たちの平均値をとって臭気指数を決めていく、判断していく、こういう仕組みでございまして、あくまでも快、不快じゃなくて、においを感知するかどうかという観点で整理されていくということでございます。
#25
○西田吉宏君 聞いておってますますわからぬ。二十年ほど私この問題をやっている。それで、嗅覚で測定しているというのは東京都だけやったんです。他の都道府県はこれをやってなかった。東京都からいささか他の県に一、二県それを採用したところがあるようでありますけれども、まさにその原点は何かというと、先ほど言いましたように主観、感情から発するんです。そのことで慎重を期してきたんです、歴史は。
 あなたの話を聞いておると、急に思い出したんだけれども、茶歌舞伎というのがあるんだ、京都には。茶歌舞伎といってね、これは何だというと、玉露の一番いいのから番茶までずっとお茶を置くんです。それで、同じ分量で、同じ温度でお茶を入れて、同じ時間置いておいて、それを色とにおいと床とでかぎながら入札していく、いわゆる闘茶会ともいう、茶歌舞伎というのがあるんです。これと一緒なんです。もともとやっぱり素質はその中にあるんだけれども、それだけ同じ温度にすると、玉露なんかであればこれ出過ぎてしまう。番茶であればもっと沸騰させなきゃいかぬ。こういう問題だけれども、それを順番に全く同じ入れ物に同じ量を入れながらいわゆるきき酒みたいな形でやる。こういう昔からのお遊びというか、闘茶会という名前でも一部言われておる。それに等しいんだ、これ。
 しかし、その元素は何だというと、やっぱりアンモニアが入っておるか香水の原料が入っておるか、そういうようなもので、何ぼ希釈すると言うけれども、あくまで基本はそこにある。そうすると、これはなるほどその主観を持たない人と言うけれども、濃縮していったらやっぱりだれだって、やっぱりこれはアンモニアの嫌悪感を感じるものだな、これは香水のにおいだな、これはやっぱりほかのにおいだな、こういうことになるんです。
 したがって、何ぼ文化が進んだといえども、公平にやると言われたって、僕は、鑑定官の問題に大変問題がある、この導入の中の基礎の問題が間違っておる、このように思うわけなんです。あなたの答弁、もう時間が来ましたから要りません。
 大臣にお聞きしたいのは、こういうような状況の中で、僕は冒頭申しましたように、日本列島規模、国内規模、さらにはいわゆる国際規模、地球的規模でこれから環境の浄化をしていかなければならぬことはよくわかる。しかし、食べたら必ず排せつするんです。それはだれが見たってやっぱり嫌悪感を感ずるんです。いささかそれは酵母やとか酵素を使いながら、そういうことの問題は有機肥料として出せるようにはやっている。農林省の答えもよくわかっているんです。しかし、基本的な問題として、今WTO元年だと言われる中で、ここの管轄じゃありませんけれども、片方大変厳しい経営を強いられている中にこういう問題が来ることは大変な問題だということが一点。
 それから、列島の中で今あの養鶏場が、あの養豚場が、あの大家畜が大変やっぱり汚い、臭い、こういう多くの問題が住民パワーとして起きているときに、この法案が成立することによって私は大変な社会問題を起こすような懸念を持つわけでありまして、大臣の御答弁をお聞きをしておきたい。
#26
○国務大臣(宮下創平君) 今回の悪臭防止法につきましては、技術的な三点比較式臭袋法、これは技士を置きまして、六人以上のパネルで、なるべく薄めていって客観的な基準を設けようということでございますから、私も中原審の答申をいただきましていろいろ御説明を承りましたが、それなりの客観性は持ち得るものという判断で、今回、法の改正をお願いしてございます。
 今、委員の御指摘の畜産行政とこの臭気の問題でありますが、畜産行政も委員の御指摘のとおり大変困難な中で、自由化のもとで経営の合理化を迫られておりますし、私どもの食糧の安定という点から大変重要な産業でございます。一方、その立地その他においてやはり環境への負荷の少ない経済活動等々も要請される。その調和点をどこで見出すかという問題であろうかと存じます。
 私どもは今回この基準を提出いたしましたが、畜産につきましては私も十分理解できますし、そしてまた従来の二十二の規制物質の、アンモニアその他ですね、中の規制で十分対応できる面も相当あります。私は、そういうことで畜産の問題はある程度今回の手法によらないでも規制が恐らく可能ではないかというように存じております。
 一方、農水省の課長からもお答えがありましたように、これからの畜産経営は生産性を上げると同時に、やはり環境の負荷に配慮した清浄な生産施設、その他助成も今いたしておりますが、それをさらに徹底して調和を図っていかなきゃいかぬなということでございまして、西田委員のおっしゃられるような畜産行政の重要性というものを十分加味しながらも、環境との調整、調和を図ってまいりたい、このように思っております。
#27
○西田吉宏君 時間ですので。
#28
○清水澄子君 今回の悪臭防止法の改正案は、昨年十二月に閣議決定された環境基本計画後の最初の法案だと思います。環境基本計画では、地域の生活環境に係るものとして騒音とか振動、そして悪臭と、人の感覚に係る問題を取り上げております。今回の法改正が人の嗅覚を使って複合した悪臭の防止に努めようとしているということについては、私は生活環境の快適を保つ上では重要なことだと思います。
 そこでお尋ねしたいんですが、従来の方法では規制の対象とならなかった工場とか事業場のうち、どのような種類のもの、またどの程度のものが、今回の法改正によって、人間の嗅覚を用いた測定基準によって悪臭規制の対象になるのか、その点について御説明いただきたいと思います。
#29
○政府委員(大澤進君) 御承知のように、今回の改正というのは人間の嗅覚を用いて悪臭を測定する方法を導入するわけでございますが、これまで現行の特定の悪臭物質の濃度による規制では対応できない悪臭が生じている工場・事業場、これはどういう事業場かということでございますが、私どもは、これまでの実態から見ますと、これまでの物質規制でできない可能性が高いと考えられるものについては、その業種として例えば飼料・肥料製造業関係、それから食品製造業関係、飲食店などのサービス業関係、つまり非常に悪臭の原因となる物質が多くまじっているという業種、そういうものが今回の新しい法によって適切な対応ができるようになるということでございます。
 それから、どの程度という御指摘もございましたが、これは、最近の悪臭の苦情五千件を分析しましたところ、現行法で対応できるのは、約六割は物質規制で対応できておるわけでございますが、残り四割については複合臭等の問題でなかなか対応できないというようなことで、今回の改正によってそういう残りの四割前後のものについては従来よりはより適切な対応ができる、かように考えております。
#30
○清水澄子君 そこで、今回の法改正によって人間の嗅覚を用いた測定基準を設定した場合、従来の総理府令で定めている悪臭物質の濃度の許容基準にかえることができるというふうになっているわけですね。どちらかを選ぶということになるわけですけれども、私は、人間の嗅覚を用いた新たな測定基準の設定とともに従来の方式を併用する方がより完全な悪臭防止につながるのではないのかと思うんですけれども、この点に関して法の運用を含めて環境庁の考え方を聞かせていただきたいと思います。
#31
○政府委員(大澤進君) 今回、現行法の物質濃度による規制に加えて新たに臭気指数による規制を導入するわけでございますが、もともと同じ悪臭という現象に対して異なる方法でアプローチする、こういうことで、法律の専門家の意見も踏まえまして、一つの地域に二つの規制基準がダブルにかからないように「代えて、」と。つまり、現行法で難しい場合には今回の新しいものにかえてやるというのが法の建前として基本になっております。
 今回、かえる必要がない地域につきましては当然現行の規制方式が引き続き適用されるわけでございますし、先ほども申しましたが、複合臭など問題が出ているそういう地域についてはそれにかえて新しい方式を導入する、こういうことになるわけでございまして、これまで対応できない問題についてはより適切な規制方式を、これはどう選択するかは地域指定でございますので、知事が市町村長の意見を聞きながら現地の悪臭問題あるいはいろいろな生活、経済上の状況を踏まえてどちらを採用していくかを判断されていく、決めていく、こういう仕組みになっております。
#32
○清水澄子君 実際に運用していくときに、現行のやり方とそれから新たに嗅覚を用いるということを別々にきちっと地域というのは区別できますか。
#33
○政府委員(大澤進君) ある規制地域にいろいろな業種が多種類入った場合に、それを厳密に線引きするというのは確かに難しい点があろうかと思います。そういう場合に、主として現行法で対応できる区域、地域をさらに区域に細分化するわけですが、それと、それで対応が難しい業種なり区域があれば新しい方法を導入する。こういうことは、先ほども申しましたが、地域の実情を市町村長の意見等を十分お聞きしながら設定していくということで、正確な意味できちんと整理するというのは非常に難しいけれども、運用上いろいろな指導でできるだけトラブルのないように適用するよう自治体等を指導してまいりたいと考えております。
#34
○清水澄子君 今回の人間の嗅覚を用いた測定基準の設定によって、総理府令で定めた物質の規制基準である臭気強度二・五から三・五の範囲を超えて嗅覚の方法を取り入れたときに規制強化につながるのかどうかという点について。
#35
○政府委員(大澤進君) 現行の臭気強度の範囲、二・五から三・五に範囲を定めておりますが、新しい方法についてもこの強度そのものについては同じ範囲を適用するわけでございまして、現行と変化はございません。
#36
○清水澄子君 今回のこの法改正では第四条第二項の追加があるわけですけれども、都道府県知事は規制地域の自然的、社会的条件を判断して人間の嗅覚を用いた測定基準を設定するのかどうかを決めるということになっております。ここで言う自然的、社会的条件というのは何を意味しているのでしょうか。例えば、工場や事業場が集中しているという地域では常に住民はある一定の悪臭の中で順応を求められていると思うんですけれども、そういう問題をここで含んでいるのかどうか、お尋ねします。
#37
○政府委員(大澤進君) まず、自然的条件といいますのは、その置かれている立地の状況が盆地であるとか平野であるとかさらには高い山があるとか、そういう地形、地理的な条件、それから、それによっても影響を受けるわけでございますが、風の向きとか風の強さとか、そういう気象の問題もございます。これを自然的条件。においの発生、あるいはそれが拡散するのに影響する自然的条件は今申し上げたような点があろうかと思います。
 それから社会的条件とは、そこに立地しております工場とか事業場あるいは住宅とか学校とか病院等、そこで生活あるいは産業活動が行われるわけですが、いろんな施設なり人が住んでいるわけでございますが、そういう要素を社会的条件と申しますし、さらには、いい例か悪い例がちょっとわかりませんが、順応の問題ですが、例えば農村地帯といいますか、魚をとる港の近くに住んでいる方であれば魚のにおいに比較的なれているとか、別なところでは別のにおいにあるいはなれていると。そういうことで、そういう順応も社会的条件の中に入れて考慮して地域指定なり規制基準を適用するときには判断をしていく、こういうことでございます。
#38
○清水澄子君 そういたしますと、今回の人間の嗅覚を用いた測定基準の設定の実施体制なんですけれども、法第十一条によりますと、都道府県知事が大気の臭気指数の測定を義務づけられておりますね。ですから、環境庁は大気の臭気指数の測定を行う要員の養成とか確保ということについてはどういう方法でどのような見通しを持っていらっしゃるんでしょうか。
#39
○政府委員(大澤進君) この悪臭問題に携わる専門的な職員の養成は大変私どもも重要であると考えておりまして、自治体の職員につきましてはこれまでも研修会を行っておるわけでございますが、特に今回の法改正を踏まえて、新たに内容も今回の新しい方法も含めた研修会等を今後とも施行までに十分間に合うように開催して、職員の技術的あるいは知識の向上を図ってまいりたいと考えております。
 それからこれは、悪臭の測定については検査機関でもちろんできるわけでございますが、検査機関には、先ほども申し上げましたが、悪臭を扱う臭気判定技士という方を配置するのが望ましいわけでございます。平成四年度に発足させた制度でございますが、これまで、今年度中でございますが、約六百名ぐらいこの認定を受けております。今後も年間約百八十名程度の数でこの認定事業が進むこととなっておりまして、この法施行までには、現在、悪臭環境を測定する民間の機関というのは約四百六十あるわけでございますが、この間にこれらの判定技士を認定することは可能でございますので、十分体制としては間に合う、かように考えております。
#40
○清水澄子君 今度は長官にお尋ねします。
 最初に指摘しましたように、今回の改正法案は環境基本計画を策定してから初めての生活環境保全のための法案であると思います。
 確かに人間はある程度においに順応いたしますけれども、それを前提とした法の運用であってはならないと思います。良好な生活環境の保全のために、悪臭を防止するさまざまな努力が必要だと私は思いますけれども、環境庁長官はどういう決意をお持ちかということについてひとつお聞かせいただきたいと思います。
#41
○国務大臣(宮下創平君) 今回、悪臭防止法の改正を御提案申し上げた基本的な認識といたしましては、今委員の御指摘のように、環境基本計画が定められまして快適な環境づくりということが環境行政にとって極めて重要でありますし、基本計画の精神でもございますから、そういった点に着意すると同時に、四つのキーワードの中で各主体の参加ということも掲げてございますから、それぞれ国民参加のもとにこうした基本計画の趣旨を生かしていかなければならないという基本認識のもとに今回の法案の改正を提案させていただきました。
 そこで、国民が良好な生活環境を享受するためには、今いろいろ質疑がございますように、従来の規制では十分悪臭に対応できないということで、複合臭でありますとかあるいは未規制物質による悪臭等の問題が提起されてございますので、新たな測定方法に基づく規制基準を導入するということを御提案申し上げております。
 そして同時に、国や地方公共団体や国民や、それぞれの主体が公平な役割分担と責任を持ってこうした悪臭防止対策に取り組む必要があろうと考えております。
 この悪臭防止法は四十七年につくられた法律でございますけれども、今回大々的なそういう新しい手法を取り入れるわけでございますので、事業者の悪臭対策の、この新手法に対する理解とかあるいは地方公共団体の理解、指導等が必要でございますし、さらに研究開発あるいは知識の普及等々努めてまいりたいと思っておりますし、それに必要な平成七年度の予算も新たに計上してございますから、この悪臭防止法の精神をより徹底して快適な我々の生活環境を樹立するために努力をさせていただきたい、かように思っております。
#42
○清水澄子君 次に私は、農薬取締法に関する中央環境審議会の答申についてお尋ねしたいと思います。
 去る三月二十日にその答申が出ておりますけれども、この答申の概略を見ますと、二十二の農薬の新たな基準と、それから作物の残留基準が設定されております。そして一方では、三十二の農薬の基準を削除するものになっております。この削除される三十二の農薬のうち、登録の失効したものが二十七農薬ですが、五種類の農薬は食品衛生法に基づく残留農薬基準の設定が予定されたものになっております。このことは、食品衛生法の残留農薬基準が農薬取締法の農薬登録保留基準へと連動しているというのは、実に何かちょっと法的に、二つの法の目的は違うはずなんだと思うんですけれども、こういうことがもう既に行われているということについて非常に私は疑問を持っております。
 ですから、農薬取締法に基づく登録保留基準と食品衛生法に基づく残留農薬基準の関係というのはどのようになっているのか。なぜ、登録保留基準は残留農薬基準を準用しているのかということについてお聞かせください。
#43
○政府委員(嶌田道夫君) 農薬取締法に基づきます作物残留に係る登録保留基準は、国内で販売、使用されます農薬を農林水産大臣が登録する際の判断基準として適用されるものであるのに対しまして、食品衛生法に基づく残留農薬基準は、外国から輸入される物も含めまして食品全体の流通、販売を規制するためのものでございます。
 いずれの基準とも、その設定の考え方は、人の健康を保護する観点から、農薬の一日摂取許容量、ADIと言っておりますが、一日摂取許容量を前提として、その範囲内で基準値を定めているものでございまして、その設定の考え方は同じでございます。
 次に、なぜ登録保留基準が残留農薬基準を引用しているかということでございますけれども、まず一つといたしましては、昭和四十六年に登録保留基準の制度が発足しましたが、それ以前に食品衛生法に基づく残留農薬基準の制度が既にあったという制度発足時の問題が一つございます。
 それから二つ目には、残留農薬基準は、国内で流通する食品全体を対象に、人の健康を保護する観点から、安全な範囲内で基準値を設定しているということ、また流通規制措置もあるということもございまして、残留農薬基準があればそれを登録保留基準として適用するということで、残留農薬基準がない場合には登録保留基準を別途定めるということで従来扱ってきているものでございます。
#44
○清水澄子君 実は私はこのことを非常に気がかりにしているわけです。
 と申しますのは、厚生省がWTOの批准によって残留農薬基準を、いわゆる国際基準、SPS協定に基づく国際食品規格に平準化するというそういう動きがあるわけです。ですから、そうなりますと、本当の意味の国民の生活とか健康の安全という問題に加えて、世界貿易促進の立場に立った基準づくりという傾向が今起きているわけです。ですから、いろいろ従来より基準の規制が緩められてきているという側面もあって、それは消費者団体からも非常に危惧されている状況がございます。
 ですから、今、残留基準をADIで、一日摂取許容量で判断すると言いましたけれども、それだけで判断しますと、農作物以外からも人体に入ってくる農薬というのは、大気汚染とか水系汚染等もあるわけですから、そうなりますとADIだけでは私はそれを超えてしまう状況も起きてくると思うわけです。特に農薬問題については、人の健康への影響を未然に防ぐという意味で、私は、環境庁は農薬の摂取量をもっと総合的に、トータルな人間の環境、生活として農薬の残留規制を考えていく必要があると思うわけです。ですから、この点について環境庁としては今後どのように対応していくのか。
 一方で、WTOの問題があるものですから、やはりその点で特にこの問題については、私は十分に、せっかく農薬取締法は環境庁と農水省がやっているんですけれども、厚生省の食品衛生法からの残留農薬基準の方に合わせていってしまうのではちょっと違っているんじゃないかと思いますので、環境庁はよりこの基準について、もっとしっかり調整し、監視していただきたいと思いますので、その点について御意見をいただきたいと思います。
#45
○政府委員(嶌田道夫君) 御指摘のとおり、農薬の摂取は食品からだけではございませんで、飲料水経由の摂取もございます。残留農薬の安全性を確保するためには、全体としての摂取が農薬の一日摂取許容量、ADIでございますが、の範囲内に入っていることがまず基本になっております。
 環境庁としては、従来より農薬取締法に基づきまして作物残留に係ります農薬登録保留基準の設定にかえまして飲料水経由の摂取を考慮した水質汚濁に係る登録保留基準の設定を行ってきておりますが、その設定に当たりましては、全体としての農薬の摂取がADIの範囲内に入っていることを確認しております。
 今後とも、残留農薬による人の健康被害を防止するために、関係省庁とも連携をとりながら、全体としての農薬の摂取が安全サイドに保たれるように努めてまいりたいと考えております。
#46
○清水澄子君 終わります。
#47
○長谷川清君 最初に警察庁、一番今忙しいところでしょうから、先に質問をさせていただきます。
 一昨日起こりました地下鉄のサリン事件、この場合の被害者の証言は、一様にまず悪臭、異様なにおいというところから気がついたと。過去においても、東京都内のビルであるとか、あるいは山梨の工場等に、いろんな化学物質から生ずる悪臭という問題が地域住民との間にいろいろトラぶっておるということがございました。
 一連のこういう悪臭に関します法律上、事実上これを取り締まっております警察、現状における法律上の不備という点について、ないかどうか。特に化学物質、これは非常に有害であり殺傷能力がありますから、においそれ自身が殺傷するわけではありませんけれども、そういう物質が発生する悪臭というものについて、その製造や使用や運搬やあるいは蓄積、あるいは混合化合物をつくるといった各段階において取り締まる立場においての法律上の不備はないか、これが一つの質問であります。
 さらに、今後のそれらに対する対応策としてどのようなことを考えているか。
 一つ例を挙げますと、いわゆる罰則の問題でありますが、この種の化学物質に対して今これからやろうとする商法関係では、非常に商法の場合には甘くなっております。せいぜい三年以下の懲役、百万以下の罰金、この程度になっておりますけれども、これは一つの案であります。やがてこれは通過をしようとしておりますけれども、刑法においては、これはやはり商法とは違います。商法上の罰則というのはいろんなかかわりがありますから、他との並びの関係でバランス上そうせざるを得ないという制約があると思いますが、事は、刑法上になってまいりますと、殺傷能力を持っているこれらの物質について罰則は重くすべきであると考えますけれども、それらにも触れていただいて、簡単で結構ですから、これをひとつお聞きしたいと思います。
#48
○説明員(篠原弘志君) お答えをいたしたいと思います。
 単に悪臭を発生させたということのみで、直ちに警察がどの程度積極的に行うかという点につきましてはいろいろ問題点があろうかなということもございます。私どもとしては、それなりの背景のある事案なり、そういったものについてのことを考えていきたいというふうに思っておるところでございます。
 三月二十日に発生しましたサリン事件等におきまして、また山梨の上九一色村等でサリン残留物というものが検出されておるという点がございますけれども、私どもの方の立場からいたしますと、現在、サリンやサリンを製造するために必要な原料物質の、これについての取り締まり法規というものは存在していないというところでございます。
 このような状況の中で、今般、サリンと推定されます有毒ガスによります無差別の大量殺傷事件が発生をいたしましたところでございますけれども、私どもの方としましては、サリンの所持などを取り締まるための特別立法の必要性というものを捜査の過程を通じて感じておるところでございまして、現在関係省庁と連絡をとりながら検討を行っておる、そういう段階でございます。
#49
○長谷川清君 ありがとうございました。私の方の質問は以上でございます。忙しい中でございますから、私の方はもう結構でございます。
 それでは環境庁の方に、本件にちょっと関係します諸点について、意見を交えながらの質問となるかもしれません。
 そもそも先ほどからも既に質疑がされておりますように、人間の五感の中でも特にこの嗅覚という、においということに対する特性とでもいいましょうか、音と比較をしましても、音の場合にはただ音が大きい小さい、強い弱い、音色ぐらいの、その三つぐらいの要素で、いろいろとそれに対する対応策というものが組み立てられていくということだと思いますが、においという場合には、五感の中でも特に最近退化しつつあるということが言われております。そのくせ非常に快、不快というものの判断は鮮明に、他のものとは違ってより強く反応するという特性があるのではないか。
 いろいろと今まで、焦げ臭いとかあるいは腐敗臭であるとか汚物臭であるとか、こういうふうに言われておりましたけれども、今回のこういう、いろいろと昨今におきます化学物質から発生いたします、えも言えない異様な悪臭、これはいわゆる無害ではなくして非常に有害であり殺傷能力があるということと関連する悪臭、悪臭にもいろいろさまざまな問題があると思います。しかも、今も質問の中でありましたように個人差がそこには生じていると。ある人は全然たばこのにおいは気にならない、むしろいい香りといっても、ある人にはとってもえらい迷惑という、種類が、いろいろと個人差が生じてくる、だからいろいろ問題があるし容易ではない、こうなっていると思います。
 私は、やはりそういう視点に立って、聴覚がそうであるように、音という問題が割と単純に今規定づけられており定着もしておりますけれども、それと同じようにもう少しこれは学問的な研究というものをこれからも進めていく必要があると思っておりますが、その点についてひとつ簡単にお願いします。
#50
○政府委員(大澤進君) 今の御指摘のように、嗅覚、感覚に関する理論とか、あるいは快、不快、主観といいますか感情が入るような点についての研究というか、学問的な解明というのはいろいろ問題点を究明されていない点もありまして、現在研究がされておるわけでございます。御承知のように、私ども今回新しい法を導入するわけでございますが、においがするかしないかというようなことは、先ほども若干申し上げましたが、いわばコントロール、全く無臭のものと比較しながら判断するという点では、人間、個人差は若干あるにしても、そういう点については一定の能力があるというようなことに考えております。
 しかし、いずれにしましても、においあるいは悪臭の問題について今後とも解明すべき点も多々あろうかと思いますし、私どもとしては、平成六年度からとりあえず当面五カ年の予定で、これらに関する知見の収集等に努めて、できるだけ日進月歩のそういう技術の進歩に合わせて適切な対応をしてまいりたい、かように考えております。
#51
○長谷川清君 ぜひその研究はしていただきたいと思います。
 では次に、東京都で、悪臭という問題だけに絞って、苦情処理件数、扱っておる傾向を見ますると、大体四十九年から五十年ぐらいが一番ピークだったと思います。四十九年で千九百五十四件、五十年が二千八百三十九件、ここをピークといたしまして、今日まで年々歳々件数はずっとダウンをしてきておりまして、平成四年の段階では千九十九件となっています。件数が少なくなっているという好ましい傾向と同時に、内容的な部分で、悪臭防止法の中でアンモニアを初めとして二十二品目を規制しておりますけれども、それが直接ひっかかるというんじゃなくて、ほとんど八〇から八五%はいわゆる複合、混合の悪臭というものが実情の中ではチェックされております。
 でございますから、今後におきましても、今まで五品目を八品目に、そして二十二品目にと、この品目を一つずつ拡大していったとしましても、混合でございますから、その一つ一つの根源を断たなきゃなりませんが、同時に、混合的、複合的、そういう悪臭というものを意識して今後に対して対処しなければならぬと思います。
 そういう意味合いにおいて、ここでは、東京都の例でそういうふうになっておりますから、これは都市型の中の特徴なのか。全国の各自治体の傾向だけ、大体およそそのような、件数は減っているが内容的にはそうなっているという状況にあるのかどうかだけをお聞きしておきたいと思います。
#52
○政府委員(大澤進君) 今御指摘あるいは御紹介がありましたように、全国的にはこの数年大体悪臭の苦情問題というのは横ばい的な状況に、全体ではそういう状況にございますが、今御指摘のような複合的、総体的といいますか、そういうにおいの問題につきましては、この五年十年振り返ってみると減っていない。ただ急激にはもちろんふえてはございませんが、少なくとも減少傾向にはない。若干ふえたり若干減ったりということの状況でございまして、私ども、そういう問題、実態があるということから、今回このような嗅覚測定法を導入したい、かように考えておるわけでございます。
#53
○長谷川清君 一番多いのはサービス業三三・二%、それから個人の住宅やアパートから出てくるやつが結構多く一三・一%、下水・用水関係一二・二%、建設作業現場七・四%、製造工場関係一四・四%、化学工場三・八%、あと食品製造工場とか多岐にわたっています。こういう点をひとつ、現状、実情というものをきちんととらえた対策というものを今後ぜひお願いしたいと思います。
 それから、今回初めて導入しようとしております嗅覚の測定法、この嗅覚の測定法は三点式を今ここでは提案されておりますが、宮城県では五点比較式をやっている。調べてみますと宮城県だけですね、あとは全部三点式をやっている。普通考えますと三点プロットよりは五点プロットの方がより正確に出るのではないかと思われますけれども、これも簡単で結構です、三点と五点の長短を述べてください。
#54
○政府委員(大澤進君) 五点は御指摘のように宮城県だけで、あと他の自治体は三点法を使っておるわけでございますが、これを比較すると、確かに理論的にも多くの、五点とか十点にふやすということによって一般には精度が高まるということは評価されているところでございますが、一方、ふやせばふやすほどそれに要する費用がかかるとか、いろいろな試料等が必要なわけでございます。それから、それと同時にまた時間がかかるというようなことがございます。
 なお、三点比較法につきましては、私どもも専門家に十分検討していただいたわけでございまして、三点法でも五点法とそれほど大きな精度について差は余りない、つまり実効上から見ても三点法でもそう差し支えない。それから、しかも五点法に比較すると費用とか時間的にも楽になるというようなことから、私どもとしては、総合的に判断しまして今回の三点比較法を導入するのが適当ではないか、かように考えたわけでございます。
#55
○長谷川清君 確かにバランスから考えますと、そういった長短を考えると三点式の方がいい、だからそういう他の地方自治体の採用状況もそういうふうになっておる、こう判断できますね。
 それでは次に、罰則の問題につきまして。
 この罰則について、各地方の状況からいきますと、既にこれをやっておるところで罰則を条例で決めているところは東京都と宮城県、埼玉県、新潟県、草加市、それから草津市、花巻市、これぐらいでございます。あと、罰則は一応決めているが違反者に対しては氏名の公表をしますよというのは富士市。それからそれと同じような事実広報をしますよというのが泉大津市、八戸市、大竹市。それ以外のところはすべて罰則規定なし。千葉県から横浜、群馬、神奈川、長崎、神戸、北海道、名古屋、京都、ざっと、読みませんけれども今挙げた以外は罰則規定を持っていない。
 これは、法律で制定をしましても、もちろんいきなり罰則に行くわけじゃありませんね、通告があります。最終的なところの、最終駅が罰則を持っている持っていない、要するに、せっかく法律で中央で決めても、それを受ける各地方、これは少なくも罰則という問題については統一をしておく必要があるのではないかと私は思いますが、あえてこれは統一をしない方がよろしいと、そちらにもし利点があるなら、そこら辺のところをひとつ御説明をいただきたい。
#56
○政府委員(大澤進君) 新たなる嗅覚測定法というのを導入することとしているわけでございますが、これは、先ほども申しましたが、現行の機器測定法と同等のレベルにあるということが専門家にも評価を受けておりまして、測定法そのものを新たに導入するということでございます。今回は、その測定法以外については現行の基本骨格は変えるものではございませんので、したがいまして、この罰則の部分につきましても、現行の規制制度と同様、例えば改善勧告とか改善命令を必要な場合にはやっていく、それからさらに最終的には罰則も適用するといいますか結びつく、こういう基本骨格は現行と変わりません。そのように運用していくこととしております。
#57
○長谷川清君 ですから、現行と変わらない、いわゆる嗅覚法だけを変える、そうなっています。ところが、その変えないところで、現行法の中でも、本則の中で、勧告をしますよ、あるものについてはそれは罰則規定をしますよというのがあるんですから。全部じゃありませんが、ありますね、現行法の中に。その程度の範疇において少なくも統一的にしておく必要はないのですかということを私は聞いているわけです。
#58
○政府委員(大澤進君) もちろん今まで自治体においては条例等でやっておられるわけでございますが、今回、この法改正で新しい方法を導入し、しかし改善命令あるいは罰則等は現行どおりでございますので、この法律が成立すれば、施行すれば、全国一律にこの法律がかかっていく、こういうことになります。
#59
○長谷川清君 わかりました。いわゆる条例であれ、それからそれが指導要綱であれ指導基準であれ、何らかの形でそれは入るという解釈でいいんですね。わかりました。
 それでは、まずにおい、悪臭というものを考える場合に、悪臭が発生してからそれに対する対応ということがありますが、発生以前の段階でその悪臭と闘う、こういう視点がやはりどうしても大事になってくると思うんです。これは悪臭には限りません。騒音においてもしかりであります。その基本になっておりますのは、できるだけ質の高い、快適性、利便性を高める、そういう生活環境全体とかかわってまいりますけれども、特に悪臭に絞った場合でも、今現在でも、悪臭、これを事前に少しでも発生前にとめ置こうという知恵は働いてはいるんですね。
 例えばビルにおける汚水槽、本来ほっておきますとあれは相当におうはずであります。汚水槽の中に硫化水素が発生するからにおってくるわけですね。その部分を自動的にちゃんと水位を制御していく、しかも時間制御もしていくということを今しているから、そういう手だてをしているからビルの汚水槽はにおわないわけですね。これは一つの例でありますけれども、もっと広げていくと、それは発生源ごとに、例えば自動車の排気ガス、このマフラーをつければにおわないよというものが現にないわけではないんです。ただ、コストが高いから実用化されていないという、そういう問題がありましょうし、先ほどから出ておる生ものに対して、これはしょっぱなから脱臭する。そういうものなどについていろいろと事前にあらゆる手だてを尽くしていく、これはむしろ環境庁ではなくて通産関係になってくると思います。
 通産省の方で、そういう技術の研究という点というものを進めて、さらにそれが新しい商品開発を促進していくという結果を生むような、そういう点について、ひとつその視点からのお答えをいただきたいと思います。
#60
○説明員(浦嶋将年君) 御説明申し上げます。
 通産省といたしましても、生活環境改善の観点から、悪臭防止対策につきましてその重要性を十分に認識しておるところでございまして、先生御指摘のとおり研究開発の推進に努力したいと思っておるところでございます。
 具体的には、工業技術院の研究所におきまして、現在までに機能性高分子の機能だとかあるいは微生物の脱臭能力を活用いたしました脱臭法あるいは脱臭装置の研究開発を行ってきているところでございまして、今後とも悪臭防止対策技術に関する研究開発にも鋭意努力してまいりたいと思っております。
#61
○長谷川清君 最後に、時間がありませんから大臣にお伺いしたいんですが、事さように、悪臭という問題を根絶していこうといたしますと、これは悪臭だけじゃございませんで、生活環境全体の改善ということ、これは単に環境庁だけではなし得ないことでありますが、関係省庁とそれぞれ総合的な政策プランというものの立案が必要になってくると思います。
 今回は、悪臭防止法の中で一つのそういう嗅覚法というやつを用いようということにとめ置いてありますけれども、これを機会としまして、ひとつぜひ予算の伴ったような、そういうこれからの社会の中における生活環境全般を見た政策立案ということを、においに限らず、音についても、あらゆる環境についても、今のレベルはやはりまだまだ日本の社会は中学一年レベルのところではないかと思います。このためにはやはりかなり意志をもってかからなきゃならぬと思います。そういう点についてのひとつ決意のほどをお伺いして、私の質問を終わります。
#62
○国務大臣(宮下創平君) 良好で快適な環境を保持することは、環境基本計画の目的でございます。
 御審議をいただいておりますのは悪臭防止法という観点ですが、今委員の御指摘のように、私どもの快適な生活環境は、悪臭だけではございません、騒音その他さまざまな障害がございますから、環境基本計画にも示されているとおり、引き続き良好な環境の保持に努めてまいりたい、こう思っております。
 今、予算その他もきちっととってやれよというお話でございますので、ちょっと申し上げておきますと、平成七年度の予算でも、例えば環境都市モデル事業、香りを中心にした都市モデル事業をやろうとか、あるいは音環境のモデル都市事業、これは既にもうやっておりますが、これを継続してさらに重点化してやろうというような手法もやるつもりでございますし、また先ほどのお話のように予防措置を含めて総合的に調査・研究その他も進めていかなければならないという決意でございます。
#63
○長谷川清君 以上で終わります。
#64
○粟森喬君 まず最初にお尋ねをしたいわけでございますが、今度の法律改正というものは環境基本法に基づく新たな環境に係る規制なりの法律として一番初めでございますので、幾つかの新しい点がございますけれども、まず、立法に当たっての基本的な考え方でちょっとお尋ねをしたいんです。
 まず、第二条で、悪臭物質を特定悪臭物質というふうに言い方を変えております。今までは悪臭一般を政令で二十二決めまして、そういうふうになっておったんですが、特定という言葉を定めたのは、この部分に対する集中的にいろんな規制や基準をつくっていこうという意味だろうというのは、後の各条項を見ると、一つはそういうふうに思うんです。それからもう一つ、国民の責務の中に、動物を飼うとき、飲食物を調理するときもちゃんと注意をしろというように、環境基本法に言う責務が、具体的にこうなると、普通一般的な国民すべてが悪臭に対する自己管理、自己規制みたいなのが必要だという認識を、この部分は罰則も何にもなしでございますが、特に特定というふうに一つの従来の考え方を変えた理由。そしてそのことと、三条では都道府県知事に対して、悪臭原因物という中には特定悪臭物質も入っているけれども、いわゆるこういう使い分けをする立法根拠についてお尋ねをしたいと思います。
#65
○政府委員(大澤進君) 御承知のように、現行では二十二物質を悪臭物質として政令で指定しております。今回の改正で、それのそういう濃度規制によるものに加えまして、臭気指数に基づく規制の導入というのが今回の新しい改正でございます。したがいまして、それによって悪臭の原因となる気体または水全般がこれからは規制対象となる、そういうことで、その全般が対象となることで、それを全体で悪臭原因物とまず定義しました。そういう定義をします。そうすると、従来のものについては、悪臭物質となっているわけでございますが、悪臭原因物質という新しい用語を今回導入したわけでございますので、その用語の整理上単純に名称変更として悪臭物質は特定悪臭物質と、こういうぐあいに変更したわけでございます。
 ですから、悪臭物質と実態は全く同じでございます。悪臭原因物質とか似たような表現が出てくるものですから、そこでわかりやすく整理するためにそういう用語を導入した、こういうことでございます。
#66
○粟森喬君 わかりやすくしたと言いますが、私はなおわかりにくくなったと思ったんです。
 それで、本来、立法の作業ですから、従来の法を改正するのですからどうしてもこうなるんだろうと思いますが、国民の責務みたいなのがきちんと入ると、やっぱりそこは総則でいったり、そして一つ一つこういかないと、特に全国民に責務がかかわるような法律はできるだけわかりやすく記述をするということを努力していかないと、私は環境基本法のときにも思ったんだけれども、あれほどわかりにくい法律は、国民に読んでもらうという前提が私はない法律だと思うんです。やっぱり法律というのは、ある種の非常に概念的にきちんと、だれが見ても多少そのイメージがわかるようなものをやっぱりつくるように、今後同じような大気汚染とかいろいろな法律が出てくる過程の中で、立法技術上の問題はぜひともクリアをしてほしい、こういうふうに思います。
 そこで、さっきの答弁で非常に私は気になったんですが、農林省の担当の課長が、この法律をつくるときに既にして農産の畜産事業者に対して特別な配慮をしてもらうことを環境庁に了解をしてもらったというような答弁をされたと思うんです。
 私ちょっとけしからぬと言ったのは、本来環境庁の法律というのは各省庁に全部がかわる問題ですから、多少の調整的な役割をしなかったら立法作業ができないということは私は承知しています。しかし、何かあたかも特定のそういう、もう初めからここは緩くするんだよというような、そのような法律のつくり方というのは果たしてあるのかどうか。私は、特に悪臭という問題は、非常に概念もまだまだ固定的にならない、それから取り締まるにしてもかなり過渡的ないろんな方法をとっていかないとなかなか難しい問題だというふうに認識しておるんですが、環境庁は各省庁に対してそういう特別なことは一切やってないんですね。
#67
○政府委員(大澤進君) 御承知かと思いますけれども、私ども政府提案として法令を出す際に、先ほどの言葉の問題もそうですが、法制局というところで十分その用語上の審査といいますか検討もしてもらって今回法案を出しているわけでございますし、それから内容につきましても、これは閣議で最終決定されて国会に提出、そういう手続からして、こういう法案改正の場合には各省庁に法案の内容についても意見を聴取しながら成案を得ていく、こういう過程がございまして、したがいまして特定の業種なり特定の省庁について特別のやりとりをしてやるということではございません。
#68
○粟森喬君 環境庁長官に私は質問の予告はしてないんですが、そういう理解で間違いございませんね。
#69
○国務大臣(宮下創平君) これは、法案を作成する段階で各省との調整の間で、いろいろの業種についてどうあるべきかということは、各省がいろいろ御意見を述べられることはあると存じます。しかし、法案を御審議される前にその運用の実態についてまで各省庁と決めるというようなことはあり得るはずはございません。
 先ほどの委員の質問、西田委員の質問も畜産との関係がございましたが、私が答弁いたしましたように、この法律自体は、今委員も御指摘のように、大変、必ずしも刑事法みたいにきちっきちっとなっていないという点がございます。つまり、嗅覚法でいくかあるいは個別の規制でいくか、あるいはその総理府令をどう定めるか、またその期間も何年か猶予を置いてやるとか、いろいろ、また地方公共団体が市町村と協議して定める内容等の枠組みを決めてございますので、その中で実際に畜産団地はどうであるかというようなことが決められてくる性質のものでございますから、趣旨は、先ほど西田委員にも答弁したとおりでございますが、決められているというようなものではないと存じます。
#70
○粟森喬君 政令で定められた二十二規制物質、これはアルデヒド系であるとかアンモニア系とか窒素系とかいろいろあると思うんですが、これで網羅できるのは一般的にその悪臭の出た部分のすべてではないと私は思うんですね。したがってこれを拡大するということも考えていかなきゃいかぬのですが、当面これを拡大していくのか、それともこれに係るところの規制というんですか、を重点にやっていくのか、その辺のところをお尋ねして、私の質問それで終わりたいと思います。
#71
○政府委員(大澤進君) 今の指定物質につきましては、これまで四十七年から順次二十二物質まできて、現時点での悪臭の主要な原因となっているものについてはこの二十二物質で大体対応できると考えておるわけでございます。今回、新たなる規制の導入は、それ以外といいますかその周辺といいますか、複合臭等の問題については物の特定ではなかなか対応できないということで、新しい規制法を導入しているわけでございます。
 しかし今後、産業構造、つまりいろいろな業種の産業が興ったり変化したりすると思うんですね。そういう場合に、それらの産業からあるいは事業場等から、悪臭公害の主要な原因物質は特定できなきゃいかぬ。特定できまして、しかもそれが比較的容易といいますか、現場でも測定したりはかったりできる、こういうものであればやはり二十二に新たに追加をする必要が出てくるかと思いますが、今の時点でそういうものは特に想定はされておりません。
#72
○粟森喬君 終わります。
#73
○有働正治君 限られた時間でありますので、私の質問に対して簡潔に的確にかみ合ってお答えいただくようまず要望しておきます。
 今回の法案は、昨今の複合悪臭やあるいはいまだ規制が行われていない物質を原因とする悪臭に対して、三十八の自治体が既に導入しています嗅覚測定法を法制化したものと考えるわけで、その点では当然の措置だと考えるわけであります。
 そこで、順次お尋ねしますが、問題の一つは、現行の悪臭防止法によります規制地域を有する市町村の数は九三年度末で一千六百四十自治体、全国自治体数の五〇・三%、ちょうど半分程度にとどまっているわけで、規制地域外からの悪臭苦情件数の実態から見ましても、規制地域の拡大、これがもっともっと必要だと考えるわけであります。環境庁としての今後の積極的な対応を求めるわけでありますが、いかがですか。
#74
○政府委員(大澤進君) 今御紹介ありましたように、年々規制地域はふえているわけでございますが、環境庁では、この悪臭防止法の趣旨あるいは条項にのっとって都道府県知事が地元市町村の意見を聴取して実態を十分考慮した上で規制地域を指定する、そういう仕組みになっておりますので、その仕組みに基づいて今後とも指導してまいりたいと考えております。
#75
○有働正治君 悪臭に係る苦情件数の発生源別で見ますと、事業場、サービス業が約半数を占めています。事業場、サービス業を発生源といたします苦情は、単に悪臭にとどまらないで、ほかの公害の汚染源ともなっているわけであります。
 例えばガソリンスタンドで、これは苦情件数で九二年度二十一件あるようでありますが、市民から井戸水がガソリン臭いとの通報があって、周辺の井戸二十本の井戸水からガソリン成分が検出された、これは熊本市の実例でありますが、等々の事例が全国的にもあるわけであります。
 地下水というのは、全国で水の使用量の約七分の一、都市の生活用水及び工業用水の約三分の一を占め、全国で約三千万人分に相当する飲料水となっていると私は承知しています。地下水が有害物質により汚染されるとなりますと、汚染物質の希釈が地表の本ほどには期待できないし、揮発も少ない。そういう点で、汚染の影響が長期的に続く危険性が指摘されて、問題になっているわけであります。
 そこでお尋ねするわけでありますが、環境庁は、自治体が行っている汚染範囲を確認するための汚染井戸周辺地区調査について、水質分析結果と井戸の所在地の報告、これを自治体から求めています。が、肝心の汚染範囲の確認状況の報告はとっておられないようであります。これは昨年五月三十日の総務庁の行政勧告でも指摘されている問題であります。地下水汚染の面的な範囲を把握しないでは、効果的な汚染防止策は不可能である。地下水汚染防止対策の国の元締めである環境庁としまして、全国的な広がりの現状を正確に把握する、その点での改善処置を求めるわけでありますが、いかがでありますか。
#76
○政府委員(嶌田道夫君) 地下水の汚染状況につきましては、先生言われましたように、都道府県において、地域の地下水の汚染状況を全体的に把握します概況調査、その概況調査によりまして汚染が発見された場合にその汚染範囲を確認します汚染井戸周辺地区調査、さらにその汚染井戸の継続的な監視を経年的に調査します定期モニタリング調査、この三つによりまして汚染状況の把握に努めているところでございます。
 地下水汚染の面的な広がりに関する調査につきましては、技術及び経費の面で限界もございますけれども、環境庁といたしましては、都道府県の協力を得まして、できる限りその把握に努めていきたいと考えております。
#77
○有働正治君 熊本市及び周辺地域、対象人口としては約九十万人でありますが、上水道をすべて地下水に依存して、水源のすべてを地下水で賄う水道事業体としては全国最大規模であります。ここでは、地下水の減少や枯渇問題とともに汚染問題が極めて深刻であります。熊本市域の地下水の汚染問題では、汚染井戸周辺の定期モニタリング調査結果で見ますと、九二年、九三年度とも、発がん性物質のトリクロロエチレンで基準値を超えていまして、全国のこの超えている数の約一割を占めている。また、テトラクロロエチレンで全国の超過数の一割から一四%と、全国の中でも突出している状況であります。
 そこで、この点で、熊本市を含めまして全国的に第一の問題として私考えますのは、こういう汚染状況について発生源が特定されないで事実上うやむやになっている、こういう問題があるわけであります。しかも、特定されていない傾向が強まっている状況にさえあるのではないかということが国民から指摘され、批判されているわけであります。総務庁の行政監察での抽出調査結果を拝見しますと、地下水汚染五十六地区のうち約半数の二十八地区が汚染源特定の調査を実施していない。調査を実施いたしました二十八地区でも特定できたとしているのがわずか六地区なんです。大半が汚染発生源の特定がなされていない、こういう状況であります。となりますと、除去するなり回復手だてがとられないで放置される。熊本の場合も何十カ所と検査はやられていますけれども、除去、回復措置がとられているというのは、私も現場を見ましたけれども、わずか二カ所ほどだということで、大半が残されている。全国的にもそういう状況です。
 私が感ずる第二の問題として、費用の問題があると思います。つまり、発がん性の疑いがあるトリクロロエチレンやテトラクロロエチレンの有害物質が地下水から検出されながら汚染源を調査していない大きな理由、これは、調査に多額な費用がかかる、一般に一カ所の調査に三千万円程度ということが言われていることから、自治体が財政的な事情で調査の実施が困難で、事実上手だてがとられていない。汚染源調査が進まないで汚染が野放しになってしまっている実情というのは、やはりこれは問題を残したことになっているわけで、環境庁として土壌汚染浄化新技術確立の実証調査として幾つかのモデル事業を行って、そして自治体の地下水汚染対策を予算上一定支援されている、こういうことは私も承知しています。承知していますが、それだけではやっぱり不十分だということで、時間の関係で大臣に端的にお尋ねします。
 一つは、環境庁が全国の地下水汚染の発生源の特定状況を厳密に把握して、発生源の特定を急ぐよう自治体を督励する必要があるのではないか。
 第二点目に、全国の汚染された井戸の地下水汚染調査を徹底して、実効を上げるために、政府、環境庁として、地下水汚染調査の自治体への補助制度の拡充と大幅な予算措置、これを講じることが求められているのではないか。
 第三として、地下水汚染の浄化対策の現状の把握についてでありますが、総務庁の勧告でも、環境庁に対し速やかに全国の浄化対策の現状を把握するよう求めています。汚染が深刻なだけに、浄化対策がどうなっているかを把握すること、これは第一義的な責務だと感ずるわけであります。
 以上三点について、長官の責任ある積極的な対応を求めるわけであります。
#78
○国務大臣(宮下創平君) 簡潔に御答弁申し上げたいと存じますが、地方公共団体に対して技術的な指導等をやって、そしてきちっと汚染源を把握するということは、これは基本でございますから、鋭意これからも努力してまいります。
 それから、補助制度につきましては、一部汚染井戸の周辺地区の調査費等は一億円以上つけてございますけれども、なお必要であればこれは検討すべきものというように考えます。
 また、汚染対策の実施状況の全体的な把握でございますが、これは都道府県等の協力を得まして、大変重要な問題でございますから、さらに努力をさせていただくつもりでございます。
#79
○有働正治君 やはり従来の枠にとらわれない積極的な対応が求められているわけで、そのことを改めて強く要望しておきます。
 その際、中小零細企業が発生源ということも十分あり得る、その際はやっぱり過大な負担にならないよう、政府、自治体の方で十分考慮して、公的な責任で積極的に対応するということもあわせ要望しておきます。
 ところで、全国的に浄化対策がおくれている一方で、条例によりまして地下水汚染対策が一定進んでいる自治体の努力も見られるわけであります。
 例えば、神奈川県秦野市では、地下水汚染の防止及び浄化に関する条例を昨年一月から施行して、その結果、主要な汚染現場の詳細調査及び浄化事業も一定進んで、地中の汚染物質が予測した以上に回収されていまして、浄化効果の大きい汚染地直下の地下水が急速に改善されている、現在、浄化事業着手二十四カ所、計画中三カ所ということを当該自治体からはお聞きしました。ここは秦野盆地湧水群、弘法の清水などの名水が有機塩素系の溶剤で汚染された、それをきっかけに対策がとられたということをお聞きしています。
 もう一例挙げますと、例えば新潟県では、地下水汚染対策事業補助金交付要綱を九三年六月から、地下水汚染範囲が広域的で汚染原因者が特定できていない場合に、市町村が浄化対策を進める場合、その事業経費を助成している。昨年度一カ所、今年度一カ所が対象となっていると聞いています。しかし、自治体の財政状況等々からいって、これも努力はしているけれども、もっと政府が積極的にやっていただければ助かるということを、私、熊本市からも聞きましたし、関係自治体からも要望されています。
 そこで、この地下水汚染の原状回復対策事業にかかる経費は相当な多額に上るわけで、こうした事態打開のため、自治体の浄化対策事業を全国に広げる、そして国としてそのために補助制度の創設が要望として出されているわけで、この点、創設する方向で大臣として積極的に検討していただきたいということを求めるわけであります。
#80
○国務大臣(宮下創平君) 地下水の汚染の浄化対策は、土壌汚染対策と大変密接な関係にございます。したがって、今、土壌問題懇談会というものを設けまして、そういった問題、今御指摘のような問題意識を含めて、補助制度のあり方、費用負担のあり方等についても検討を重ねておりますので、その結果を待って十分なひとつ措置を講じていきたい、こう考えております。
#81
○有働正治君 最後に、今大臣おっしゃられたように、この問題、全国に依然として深刻な実態がある、そこを認識されて、従来の枠にとらわれない積極的な手だて、予算措置を含めて求めまして、私の質問を終わります。
#82
○西野康雄君 新党・護憲リベラル・市民連合の西野でございます。
 悪臭と公共福祉というのは、これはまさに古典的な命題で、昔、イギリスのロンドンの郊外にパン工場があって、初めはよかったんですが、そこへどんどんどんどん住宅が進出をしてきた。住宅に住んでいる人は、パン工場は朝早くからですし、昔のことですからまきを割る、そしてまた悪臭も放つ。出ていけというふうなことで訴訟合戦になって、結局、公共の福祉ということでパン工場が出ていかざるを得なかったという、こういうふうな、今から二百年ほど前の話で、法律を学ぶ方は、大抵の方はこれは学んできたことでございます。
 畜産の場合も今そういうふうなことが言えるんです。畜産の悪臭というのは工業と違うところは何かというと、工業団地だとかあるいは工業地域だとか、そういうことできっちりと枠が指定されておるわけですね、そこへ住宅が進出してきたりとかそういうふうなことはないわけですが、畜産ジプシーという言葉を西田先生がお話しになりました。
   〔委員長退席、理事大渕絹子君着席〕
先ほど農水省の方ともお話をしていた中で、豚山へ登る、こういうふうな表現もあるんですね。ところが、今もう山へ登るスペースがないんです。もう本当にないんですね。先ほどのパン工場はまた郊外へ行ってもいいんですよ。ところが、今の畜産のところは、ジプシーするにもジプシーする場所がもうないんですよ。その辺が畜産業と普通の中小零細企業の工業に関する悪臭との大きな違いなんですね。
 そんな中で今、畜産農家は一生懸命頑張っておるんですね。ですから、そういうふうなことをきっちりと、この悪臭防止法の法律が嗅覚測定法で出されてきたときに、その畜産業に対しての思いというんですか、そういう配慮というんですか、そういうものが今本当に必要なんですね。黒毛和牛うまいわ、うまいわと言って食っておったって、その畜産業の人たちは周りからの苦情を受けながら肩身の狭い思いでやっているわけですよ。じゃ、山奥へ行くかといったら、もう行くスペースもないというふうな状況なんで、この法律をつくるときの一つの配慮みたいなものは必要ではないかなと私は思うんですけれども、質問通告もしておりませんけれども、大臣どうでしょうか。
#83
○国務大臣(宮下創平君) 畜産行政、畜産は私どもの食料の供給源として非常に重要な農業の一つの形態でございます。これにつきましても、やっぱり悪臭があればこれを規制していくという今の悪臭防止法の体系でございまして、二十二の規制物質のアンモニアその他現在も規制はいたしております。
   〔理事大渕絹子君退席、委員長着席〕
 しかし、今委員の御指摘のように、この生産の重要性とそれから我々の快適な環境保持との調和をどう図っていくか。これはやっぱりある程度、畜産農家の方々にも理解をいただいていくと同時に、国もある程度助成をしてやっぱり畜産経営の近代化、合理化をしていくということがぜひ必要でございますし、現に畜産経営のそういった汚物の処理施設その他は補助ないし低利融資等も行われておりますから、こういったことでやはり調和を図っていかないといけないのではないか、こう思っております。
#84
○西野康雄君 畜産農家に関しては西田先生が大分細かくお問いになったんで、これ以上は質問はいたしませんけれども、今おっしゃいましたけれども、業者へのいろんな補助制度ですね、特に中小企業、零細、そういったところの経営基盤が脆弱であるということですが、補助制度についての御説明をお願いします。
#85
○政府委員(大澤進君) この事業者の悪臭防止対策の援助という措置等でございますが、現在あるものとしては、まず優遇税制としましては脱臭用設備等に係る事業税の軽減、それから特別土地保有税の軽減がございます。それから、金融措置としましては、環境事業団の融資事業それから建設譲渡事業のほか、日本開発銀行、中小企業金融公庫、国民金融公庫等の政府系金融機関による融資制度がございます。さらに、補助制度としましては、農林水産省の畜産環境対策事業、畜産経営移転促進事業、畜産経営環境整備事業等がございます。
#86
○西野康雄君 できるだけそういうふうな補助制度をきっちりと中小企業あるいは零細企業の方々に行き渡るようにしていただきたいと思います。
 悪臭防止に関する啓発活動、これもしっかりとしていかなければならないと思います。それは、こういう補助金制度があるんですよというものもそうでしょうし、住民の意識の向上という面においてもそうでございましょう。昔はにおいがあって当たり前だったんですよね。ごみ箱といったらリンゴ箱とかあんなの使っていたわけでございますから。それに対してさらに強いにおいでにおい消しをしていた、そこから無臭の時代に入って、そして人工臭の時代に入って、今は自然の香りの時代に入っているのかなと、そんな思いもいたしますが、やはりそういう自然の香りの時代に入って、皆さん方が悪臭を出さないという、その啓発活動というのは大変重要かと思いますが、どのようなことを今後なさいますか。
#87
○政府委員(大澤進君) 事業者に対しても、悪臭の防止のPRというか、そういうことも大変大事だと思いますし、国民の皆様に対しましても、今回新たに責務の規定も設けたわけでございますので、市民を対象にしましては、手引書を作成してそれを配布すること、あるいは政府の広報等によりまして日常の悪臭防止を呼びかけする、あるいは地方における悪臭防止イベントに対する支援をする、あるいは市町村等への悪臭防止に関する情報の提供等もやっていかなきゃいかぬと考えております。
 また、今おっしゃられたように、においに関して快適な生活環境、これにつきましても、例えばクリーンアロマ計画といいますか、そういう事業も七年度でやる予定としておりますので、そういう形でできるだけ広く国民の皆さんににおいの問題あるいは快適なにおい環境の形成についてもPRしてまいりたいと考えております。
#88
○西野康雄君 においという非常に微妙な問題です。人間の五感にかかわることですから、嗅覚測定法を採用するということ自身が私は正しい方向だと思います。こういうものは科学的に何ぼ測定したって、最終的には人間が判断するわけですから、そういう意味においてはきっちりそういう嗅覚測定法が入ってきたということは一歩前進であるかと思います。しかしながら、それに伴ってのオペレーターの確保や養成ということが大変に重要なポイントになってくるかと思うんですね。その対策をお伺いいたします。
#89
○政府委員(大澤進君) 自治体の職員につきましてはこれまでも研修を行ってきているところでございますが、来年度以降も、今回の悪臭防止法改正の施行に向けて、さらに技術力の向上とかあるいは体制の整備を図るということに努めてまいりいたいと思いますし、また、市町村においては、民間に委託して測定をやるというところもあるわけでございますので、私ども平成四年度に発足させました制度により認定されました臭気判定技士、これの養成についても、今後とも、年間約百八十名程度を見込んでおりますが、これらの養成に努めまして、法が全面施行するときに全国の必要な自治体において対応できるよう整備してまいりたいと考えております。
#90
○西野康雄君 国内においても嗅覚測定法が条例で採用されておるという地域もございます。採用された経緯ですね、そういうふうなところを少しお伺いをしたいと思います。
#91
○政府委員(大澤進君) 現時点では、この嗅覚測定法を採用している自治体は三十八あるわけでございますが、この経緯につきましては、やはり、最初の自治体においては、大変大規模な悪臭問題がありまして、しかもその解決が非常に困難である、難しい問題が起こっていた。その実態は、いろいろなにおいがまざって複合臭の形で悪臭が出ておったというような状況があったり、しかし、それには、現行法では物質を特定して対応するわけでございますが、それが非常に難しいというようなことから、また、この悪臭防止法そのものは事務の委任で、実際は第一線の市町村において行われておるわけでございますが、そこでいろいろな機器を整備するということも、またこれ非常に財政的にも技術的にも困難である。そういう状況から、これらの先ほど申し上げたような自治体においてこの嗅覚測定法が導入されている状況でございます。
#92
○西野康雄君 においというのはまことに微妙な問題でございます。例えば、スカトールという物質がございますが、名前から察するとおりふん尿のにおいでございます。しかし、これは実は香水の原料になっているんですね。ずっと希釈していくというと、本当に人間の嗅覚というものは実に微妙だなと思うんですが、いいにおいに変わってくるんですね。ですから、薄めるともとと違う香りを発してきたりするという、実に微妙な問題がいっぱい含まれておるわけでございます。
 最後になりますけれども、悪臭防止法というこの微妙な問題に対処される大臣の御所見なりをお伺いいたします。
#93
○国務大臣(宮下創平君) 農学の御出身であられるだけに、大変貴重な御意見として拝聴させていただきました。
 この悪臭防止法の運用に当たりましては、都道府県知事が市町村と協議して地域あるいは区域を設定する等々、それからまた小規模事業者に対する配慮とか、いろいろの問題がございますから、これは一遍にこの規制法によって急激な変化を来すことのないように、達成を目的としながらも、ある程度弾力的なやり方は当然これは行政措置として考えていかなければならないと思っておりますから、そういうつもりでやらせていただきます。
#94
○西野康雄君 結構です。
    ―――――――――――――
#95
○委員長(篠崎年子君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、須藤良太郎君及び野間赳君が委員を辞任され、その補欠として鈴木栄治承及び河本三郎君が選任されました。
    ―――――――――――――
#96
○委員長(篠崎年子君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#97
○委員長(篠崎年子君) 御異議ないと認めます。
 それでは、これより討論に入ります。別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 悪臭防止法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を求めます。
   〔賛成者挙手〕
#98
○委員長(篠崎年子君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#99
○委員長(篠崎年子君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#100
○委員長(篠崎年子君) 次に、大気汚染防止法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 政府から趣旨説明を聴取いたします。宮下環境庁長官。
#101
○国務大臣(宮下創平君) ただいま議題となりました大気汚染防止法の一部を改正する法律案について、その提案の理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
 自動車排出ガスによる大気汚染は、依然として、大都市地域を中心として改善が思わしくない状況にありますが、自動車排出ガス対策の一層の推進を図るためには、これまでの自動車の構造に着目した対策に加えて、自動車の燃料に着目した対策を行うことが必要となっております。今日の規制緩和の流れの中、来年四月からガソリン等の石油製品の輸入が自由化されることが見込まれ、今後、さまざまな品質の燃料が流通し、自動車排出ガスによる大気汚染の悪化をもたらす懸念があることを踏まえ、自動車燃料の品質について大気汚染防止の観点から一定の水準を設定し、確保していくことが必要不可欠であると考えられます。
 また、一昨年成立した環境基本法において、環境への負荷の低減が関係者に幅広く求められており、この理念を踏まえ、国民に対し自動車の使用等に当たって自動車排出ガスの排出を抑制する一層の努力を求めることも必要と考えております。
 今回の改正は、こうした状況認識及び考え方のもとに、自動車燃料の品質の確保のための規定を設けるとともに、自動車排出ガスの排出の抑制のための国民の努力について規定するものであります。
 次に、この法律案の内容について御説明申し上げます。
 第一に、環境庁長官は、自動車排出ガスに影響を及ぼす燃料の性状及び燃料に含まれる物質の量について、許容限度を設定することとしております。
 第二に、通商産業大臣に対し、揮発油等の品質の確保等に関する法律において、当該許容限度が確保されるよう考慮することを求めることとしております。また、運輸大臣に対しても、道路運送車両法に基づく措置が当該許容限度の確保に資することとなるよう考慮することを求めることとしております。
 第三に、国民に、自動車排出ガスの排出の抑制のため、自動車の適切な運転等に努めるよう求めることとしております。
 この法律案は、石油製品の安定的かつ効率的な供給の確保のための関係法律の整備等に関する法律の施行と同時に、平成八年四月一日に施行することを予定しております。ただし、国民の努力に係る規定を加える改正規定等は、公布の日から施行することとしております。
 以上が、この法律案の提案の理由及びその内容の概要であります。
 何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
#102
○委員長(篠崎年子君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 本案に対する質疑は後日に譲ることといたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後零時五十二分散会
ソース: 国立国会図書館
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