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1995/04/11 第132回国会 参議院 参議院会議録情報 第132回国会 決算委員会 第3号
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1995/04/11 第132回国会 参議院

参議院会議録情報 第132回国会 決算委員会 第3号

#1
第132回国会 決算委員会 第3号
平成七年四月十一日(火曜日)
   午前十時開会
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         前畑 幸子君
    理 事
                岡部 三郎君
                松谷蒼一郎君
                今井  澄君
                牛嶋  正君
                武田 節子君
                高崎 裕子君
    委 員
                笠原 潤一君
                鎌田 要人君
                北  修二君
                佐藤 静雄君
                清水 達雄君
                楢崎 泰昌君
                南野知惠子君
                溝手 顕正君
                守住 有信君
                会田 長栄君
                梶原 敬義君
                川橋 幸子君
                栗原 君子君
                佐藤 三吾君
                小林  正君
                続  訓弘君
                山崎 順子君
                横尾 和伸君
                星川 保松君
                翫  正敏君
                下村  泰君
   国務大臣
       外 務 大 臣  河野 洋平君
       大 蔵 大 臣  武村 正義君
       文 部 大 臣  与謝野 馨君
       厚 生 大 臣  井出 正一君
       農林水産大臣  大河原太一郎君
       通商産業大臣   橋本龍太郎君
       郵 政 大 臣  大出  俊君
       労 働 大 臣  浜本 万三君
       建 設 大 臣  野坂 浩賢君
       自 治 大 臣
       国 務 大 臣
       (国家公安委員
       会委員長)    野中 広務君
       国 務 大 臣
       (内閣官房長官) 五十嵐広三君
       国 務 大 臣
       (防衛庁長官)  玉沢徳一郎君
       国 務 大 臣
       (経済企画庁長
       官)       高村 正彦君
        ―――――
       会計検査院長   矢崎 新二君
        ―――――
   政府委員
       警察庁長官官房
       長        菅沼 清高君
       警察庁刑事局長  垣見  隆君
       警察庁警備局長  杉田 和博君
       防衛庁参事官   小池 寛治君
       防衛庁防衛局長  村田 直昭君
       防衛施設庁長官  宝珠山 昇君
       防衛施設庁施設
       部長       小澤  毅君
       経済企画庁調整
       局長       吉川  淳君
       経済企画庁調査
       局長       大来 洋一君
       公安調査庁長官  緒方 重威君
       外務大臣官房外
       務参事官     谷内正太郎君
       外務省総合外交
       政策局軍備管
       理・科学審議官  林   暘君
       外務省アジア局
       長        川島  裕君
       外務省条約局長  折田 正樹君
       大蔵大臣官房総
       務審議官     竹島 一彦君
       大蔵大臣官房審
       議官       薄井 信明君
       大蔵省主計局次
       長        中島 義雄君
       大蔵省関税局長  鏡味 徳房君
       大蔵省理財局長  田波 耕治君
       大蔵省銀行局長  西村 吉正君
       大蔵省国際金融
       局長       加藤 隆俊君
       文部省初等中等
       教育局長     井上 孝美君
       文部省教育助成
       局長       遠山 耕平君
       文部省体育局長  小林 敬治君
       文化庁次長    林田 英樹君
       厚生省健康政策
       局長       谷  修一君
       厚生省保健医療
       局長       松村 明仁君
       厚生省生活衛生
       局長       小林 秀資君
       厚生省社会・援
       護局長      佐野 利昭君
       厚生省児童家庭
       局長       佐々木典夫君
       厚生省保険局長  岡光 序治君
       厚生省年金局長  近藤純五郎君
       農林水産大臣官
       房長       高橋 政行君
       農林水産省経済
       局長       東  久雄君
       農林水産省構造
       改善局長     野中 和雄君
       通商産業大臣官
       房審議官     河野 博文君
       中小企業庁長官  中田 哲雄君
       郵政省郵務局長  加藤豊太郎君
       郵政省貯金局長  谷  公士君
       郵政省簡易保険
       局長       高木 繁俊君
       労働大臣官房長  伊藤 庄平君
       労働省職業安定
       局長       征矢 紀臣君
       建設大臣官房長  伴   襄君
       建設省建設経済
       局長       小野 邦久君
       建設省都市局長  近藤 茂夫君
       建設省住宅局長  梅野捷一郎君
       自治大臣官房総
       務審議官     二橋 正弘君
       自治省行政局長  吉田 弘正君
       自治省行政局公
       務員部長     鈴木 正明君
       自治省行政局選
       挙部長      谷合 靖夫君
       自治省財政局長  遠藤 安彦君
       消防庁長官    滝   実君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        鈴木 重夫君
   説明員
       会計検査院事務
       総局次長     中島 孝夫君
       会計検査院事務
       総局第一局長   阿部 杉人君
       会計検査院事務
       総局第二局長   森下 伸昭君
       会計検査院事務
       総局第三局長   天野  進君
       会計検査院事務
       総局第四局長   五十嵐清人君
       会計検査院事務
       総局第五局長   平岡 哲也君
   参考人
       日本銀行理事   田村 達也君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○平成四年度一般会計歳入歳出決算、平成四年度
 特別会計歳入歳出決算、平成四年度国税収納金
 整理資金受払計算書、平成四年度政府関係機関
 決算書(第百二十九回国会内閣提出)(継続案
 件)
○平成四年度国有財産増減及び現在額総計算書
 (第百二十九回国会内閣提出)(継続案件)
○平成四年度国有財産無償貸付状況総計算書(第
 百二十九回国会内閣提出)(継続案件)
○平成五年度一般会計歳入歳出決算、平成五年度
 特別会計歳入歳出決算、平成五年度国税収納金
 整理資金受払計算書、平成五年度政府関係機関
 決算書
○平成五年度国有財産増減及び現在額総計算書
○平成五年度国有財産無償貸付状況総計算書
    ―――――――――――――
#2
○委員長(前畑幸子君) ただいまから決算委員会を開会いたします。
 平成四年度決算外二件及び平成五年度決算外二件を一括して議題といたします。
 本日は、前回に引き続き、全般的質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#3
○清水達雄君 自民党の清水達雄でございます。
 まず、決算の問題からお伺いしたいと思いますが、平成四年度、五年度、二カ年連続決算上の不足を生じたわけでございますけれども、平成五年度の決算上の不足額五千六百六十二億円につきましては、六年の七月に決算調整資金から一般会計の歳入に組み入れたわけでございます。ただ、決算調整資金には金がありませんので、国債整理基金から繰り入れたと、こういうことになるわけでございまして、国債整理基金から繰り入れた場合には法律に基づきまして平成七年度に一般会計から決算調整資金を通じて国債整理基金に繰り戻すことになっているわけですけれども、これを繰り戻しをしないで八年度まで延期をするという異例の措置がとられたわけでございます。
 この点につきまして、大蔵大臣の御見解を伺いたいと思います。
#4
○国務大臣(武村正義君) 御指摘のように、決算調整資金制度は昭和五十二年度につくられたものでございます。
 この決算調整資金の現在高のみでは不足を補てんし切れない場合に備えまして、当分の間の措置として国債整理基金から決算調整資金に繰り入れを行う道が開かれているわけでございます。この繰り入れを行った場合には、その繰り入れ相当額をその日の属する年度の翌年度までに一般会計から資金を通じて国債整理基金に繰り戻さなければならないということになっております。
 この規定に従いますと、平成五年度の決算上の不足に係る国債整理基金からの繰り入れ相当額につきましては、七年度においてこれを繰り戻すことが必要でございますが、今回七年度予算におきまして大変厳しい財政状況の中でやむを得ずこの繰り戻しを八年度まで延期をさせていただくことになった次第でございます。基本は赤字公債、いわゆる特例公債の発行だけは何としても回避したいという考え方が前提にございます。
#5
○清水達雄君 これはいわば財政のやりくり措置、俗に隠れ借金とか言われるわけでございますけれども、特に決算上の不足額の処理につきまして、こういう特例公債を発行するよりも、こういったいわば隠れ借金みたいなことをやる方が問題が少ないというふうにお考えになっているんだろうと思うんですけれども、財政の透明性の確保とかあるいは国民に非常にわかりにくいといった問題点も指摘されているわけでございまして、どうして特例公債を発行しないでこういったいわゆる隠れ借金的な措置をとるのか、その理由、根拠につきまして具体的にお示しをいただきたい。
 ただここで、いわば隠れ借金的な措置につきましても、国の負担金や補助金を例えば国民年金や政管健保などへ繰り入れるという、つまり政府が一般会計から繰り入れる措置があるんだけれども、今のところまだ大丈夫だからもうちょっと延ばそうかというのと、決算上不足が生じたその資金の処理というものとはちょっと趣が違うような感じもするんですけれども、そういう点も踏まえてお答えをいただきたいと思います。
#6
○政府委員(中島義雄君) ただいま先生より財政のいわゆるやりくり措置につきまして御指摘がございました。
 これは、厚生年金とか政管健保のようなものも、それからこのたび特別にやらせていただきました決算上の不足資金の先延ばしも、いろいろなものが含まれているわけでございますけれども、ただいま大臣から御答弁いたしましたように、何とか特例公債の発行だけは避けたいという気持ちからそういった措置をとらせていただいた次第でございます。
 それで、特例公債の発行といいますのは、申し上げるまでもなく、歳出は経常的な収入で賄うという財政の基本原則に反するばかりでなく、財政節度の観点からいろいろ問題があるというふうに私ども考えております。
 それはすなわち、後世代に資産を残さず、利払い費等の負担だけを残す結果になりますから、世代間の負担の公平という観点から大変大きな問題がある。それから、一たび特例公債を発行いたしますと、歳出増加圧力に対する歯どめがきかなくなる傾向がございまして、財政状況の急速な悪化への道を開くことになりかねないという点があると思います。
 こういったことから、平成七年度予算編成は大変厳しい状況でございましたけれども、いろいろな工夫を凝らして何とか特例公債の発行を避けるということにしたわけでございます。
 しからば、特例公債の発行を避けていわゆるやりくり措置をするとどこが違うのかというお尋ねでございますけれども、特例公債は、結果として生ずる単年度の歳出、歳入の差を単純に補てんするだけのものでございますから、先ほど申し上げましたように、一たび発行に追い込まれれば発行額の歯どめがないわけでございます。それに対しまして、特例的な歳出削減措置、いわゆるやりくり措置でございますけれども、それは一応それぞれの制度、施策をめぐる状況をいろいろ検討した上で運営に支障を生じない範囲でやむを得なく行っているものでございますから、その性格とか金額の点でおのずと歯どめがあるわけでございます。
 それから第二点は、広く市中等から資金調達を行う特例公債と違いまして、特例的な歳出削減措置は基本的には国の内部における措置、いわゆるいろいろな会計間のやりくり措置にとどまるものであるという点も違っていると思われます。
 なお、隠れ借金と俗に言われますように、大変わかりにくいという御批判もあることは十分承知しております。そこで、私どもこういったことができるだけわかりやすく国民の方々にも理解いただけますように、資料をもちまして国会に御説明を行わさせていただくとともに、種々財政の状況についてPRをする際にもこの点についてわかりやすく説明するよう心がけているところでございます。
#7
○清水達雄君 やっぱり財政がどういう状況にあるかということは国民によくわかってもらわなければいけないわけでございまして、国会に報告するとかいうことでは国民の目には触れないわけですから、私はテレビの活用とかいうふうなことで実態をきちっとわかってもらうということが非常に大事ではないかと思うわけでございます。
 借金を減らす方がいいのか、あるいは積極財政支出でふやす方がいいのかということも、そういう実態がわかった上でやっぱり議論をしてやっていかなきゃいかぬというふうに思うわけでございます。
 それから次に、円高の我が国経済に与える影響と今後の対策の基本的考え方ということでございますが、まず円高、それから株価の下落、さらに阪神大震災の影響による消費支出の削減傾向といったふうなことによりまして、景気回復の腰折れや下振れも非常に懸念をされているわけでございます。
 この点につきまして、経企、通産、大蔵三大臣の現状あるいは将来に対する認識と対策の基本的な考え方というのをお伺いしたいと思います。
#8
○国務大臣(高村正彦君) きょう月例経済報告が出まして、そこをちょっと忠実に読んでみますと、「企業設備等の調整が進展するなかで、我が国経済は緩やかながら回復基調をたどっている。ただし、最近の急激な為替相場等の変動によって、景気に悪影響が生じるおそれがある。」と認識していると。これはここ一、二カ月ぐらい懸念要素として円高というものが消えていたわけでありますが、また復活して、前より強い形で復活させた、こういうことでございます。
 対策は、昨日、総理から指示がありまして、内閣一体となって、十四日、今週の金曜日に全体的にまとめる、こういうことになっています。
 そのときに、小さいものがぼろぼろ出るよりもそのとき一遍に出した方がいいと思うんですが、ごく大ざっぱに今私が頭に考えている柱とすれば、今国会中に提案して成立させるべき補正予算、復旧・復興に加えて円高対策というものを積極的に加えていく、こういうことが一つでありましょうし、さらに円高で困っている中小企業対策を強化する、こういうことがありましょうし、それから、規制緩和五カ年計画が出たばかりでありますが、そういったことも含めた経済構造改革といったことも考えていかなければいけないのかなと、現時点でごく抽象的なことしか述べられませんが、そういうことだというふうに御理解いただきたいと思います。
#9
○国務大臣(橋本龍太郎君) 今、企画庁長官からお答えがございましたけれども、確かに我が国の経済が回復基調をたどっている。大きな目で見たときにはそのとおりでありましょうけれども、そのテンポは私は極めて緩やかなものにとどまっていると思っております。
 それだけに、こうした状況の中での急激な円高、さらに株価の下落などは、非常に私にとりましては深刻な問題としてのしかかってきております。殊に産業界におきましては、何と申しましてもやはり輸出産業を中心に今回の急激な円高に十分対応するというのは非常に困難でありますし、輸出採算の悪化及びそれに伴う収益の悪化を非常に懸念をいたしております。
 昨年七月に輸出関連の中小企業の皆さんの調査をさせていただきましたときには、採算分岐点は百十三円でありました。今回、この三月八日以降の急激な変動の中で再度調査をさせていただきますと、その採算分岐点は百十円にまで上がってきております。わずか八カ月の間で、それだけ私は輸出関連中小企業の皆さんが努力をされたということに非常に敬意を表したい気持ちでいっぱいでありますけれども、その努力はこの円高でははるかに及ばないものになり、吹き飛ばされたという感じすら持っております。
 今、経企庁長官から御答弁がありましたように、昨日、長官に総理から御指示があり、けさの閣議におきましても、具体的に総理及び経済企画庁長官から我々に対しても全力を挙げて対応を、御指示をいただきました。
 私自身は、何と申しましても、平成七年度の補正予算を五月のできるだけ早い時期に編成を願いたいと思いますとともに、従来当然のことながら考えておりました災害の復旧・復興ということだけではなく、この円高影響というものに対して真剣に対応できるような予算編成を心から願っておりますし、この方針と歩調を合わせながら、中小企業対策と一言で言いますけれども、私は、今度は中小企業だけではちょっと足りない、むしろ中堅企業までを含めて視野に入れなければならないと考えておりますけれども、円高に対する対応策を強化していく。さらに、少し長い時間のかかるものでありますけれども、経済構造改革というものはきちんとやり上げていく。こうしたことを努力していかなければならない、そのように考えております。
#10
○国務大臣(武村正義君) まず、けさの為替の動向でございますが、九時三十分現在は八十三円七十五銭であります。昨日のニューヨーク市場は、一時、米系ファンド投資家のドル売りから八十二円六十銭まで上がりましたが、ドルの下値がかたかった等から逆にドルの買い戻しが進みまして、一時八十四円三十五銭まで戻して、八十四円ちょうどで引けております。これはニューヨークの動向であります。
 刻々こういう動きを続けているわけでありますが、私もこのことが日本の経済に与える影響を大変深刻に心配をするものであります。せっかく緩やかな回復軌道に入っていた日本経済、この回復のテンポがより緩慢になったり、御指摘のように下振れするようなことがあってはならない。むしろ、これはあらゆる対策を講じて回復のテンポを確実なものにしていく努力が大事であるという認識を持っております。
 昨日の総理の御指摘を踏まえながら、大蔵省としましても、過般、財政金融運営についての基本的な考え方を発表いたしておりますが、さらに各省庁と足並みをそろえてより一層具体的な方針を固めて、政府全体として緊急経済対策を取りまとめていかなければならないというふうに認識をいたしております。
#11
○清水達雄君 私は、この円高問題に対処するのに、短期的な対策といいますか、政策協調でありますとかあるいは協調介入だとか、市場に対するいろんな対策ということよりも、やっぱり我が国の経済のあり方についての構造対策というのが非常に重要ではないかというふうに思っているわけでございまして、そういう視点から幾つか質問をさせていただきたいと思うんです。
 まず通産大臣に、加工組み立て型製造業というのが円高で一番打撃を受けるわけでございますけれども、これが非常に海外に生産を移転していて、海外生産比率も高まってきている。特に中小企業についても、下請の中小企業等が今のままではやっていけない。中堅企業のさっきお話がありましたが、私は今、中堅企業は非常に大事だと思っていますけれども、海外に移転をするか、あるいはそんな力がなければもうやめなきゃならぬというふうな状況も非常に危惧をされるわけでございます。
 それから、株安によりまして含み益が減少するから、企業の生産構造を改善するためのいわゆるリストラがなかなか進まなくなるんではないかとか、あるいは金融機関もやっぱり含み益の減少で不良債権の処理がおくれて、これが貸し渋りの再発につながっていきやしないかとか、いろんなことが言われているわけでございまして、結局、特に国内製造業の空洞化という問題、これについてどのように認識をし、通産省としてどういうふうにこの問題を考えておられるのかというのを伺いたいと思います。
#12
○国務大臣(橋本龍太郎君) 確かに、委員が御指摘になりましたように、近年の中小企業をめぐる環境と申しますものは、例えばアジア諸国との間の競争の激化でありますとか、あるいは親企業の海外進出に伴いまして下請企業の受注難が発生する、非常に厳しいものがございます。そして、中小企業全体としてとらえました場合にも、景気回復は一進一退という状況が続いてまいりました。
 例えば、今委員が御指摘になりましたようなケースに非常に当てはまるものとして、昨年の九月に東京商工会議所の方にお願いをいたしまして大田区の実態を調査していただいたことがございます。これは中小企業の集積として非常に高いところでありますし、技術水準からも評価を得ている地域であります。ところが、ここをとらえてみましても、事業所数は減少の傾向にございますし、将来の事業見通しというものにつきましても、転廃業やむなしという感じのお答えを返してこられるところが約一〇%を超えておりました。
 これは必ずしも経営環境の問題だけではなく、後継者がいない、自分の技術の伝承ができないという意味で問題を生じておるケースもありますので、経営環境だけではございません。しかし、この辺にも我々がこれから目を向けなければならない一つの問題点がございます。これに加えて、最近の急激な、また異常な円高というものがのしかかってきておるわけでありまして、これが継続する場合には非常に大きな打撃を受けるということは必定でありまして、事態を非常に深刻に受けとめております。
 現に、先ほどちょっと触れました本年の三月緊急に行いました調査の中でも、有効な対応策なしというお答えが二五%を占めておりました。そして、この状況が続くなら転廃業やむなしというお答えも八・九%、異常な高率であります。
 それだけに、我々といたしましては、本院でも大変審議に御協力をいただき早期に成立をさせていただきました中小企業創造活動促進法、これを事務的に施行を急がせまして四月十四日に施行が可能な状態にまで参りました。従来からございました新分野進出等円滑化法を活用する、さらにこの創造活動促進法を活用しながら新規分野の開拓、創業といった、いわば種を育てる段階から積極的な支援体制をとってまいりたい。同時に、立ち上げの資金調達の円滑化ということに対しても努力をいたさなければならぬと思っておりますし、販路の開拓支援、こうした総合的な支援策を講じてまいりたいと考えております。
 そして、その一環といたしまして大蔵大臣の方にも、立ち上げの資金を民間においてもできるだけ安くいい状態をつくっていただきたいということから、店頭市場を初めとする証券市場の活性化に一層の御努力をお願い申し上げておるところであります。
#13
○清水達雄君 大蔵大臣に伺いますけれども、都銀、長信銀、信託、二十一行の株式含み益が三月末で十兆一千億円、この半年で九兆円減ったというのが四月一日の朝日新聞で報道されているわけですけれども、こういうことで不良債権の処理はさらに長引くというふうに言われているわけですが、大臣もそのようにお考えでしょうか。
#14
○国務大臣(武村正義君) 確かに、株価の下落によって金融機関は、それなりにかなりの株式を保有しておりますから、下落に見合うというか比例して含み益がダウンする、減るという状況であります。私どもは、そのことといわゆる不良債権の処理とは必ずしも直接に結びついているとは思っておりません、もちろん銀行の経営全体としては大きなかかわりがございますけれども。
 今まで申し上げておりますように、都銀、長信銀、信託三業態について見ますと、破綻先、延滞の債権の残高そのものは平成五年九月末を境にしまして減少に転じてきております。また、債権償却特別勘定の残高もむしろ徐々にふえてきているという状況でございますので、現実の動きとしてはそういうふうに御報告を申し上げたいと思いますし、また私どもの今後の姿勢としましても、都銀から信用組合に至る各金融機関のバブル時期のいわゆる不良債権をどう処理していくのか、それぞれ個々には大変な努力をいただいているところでございますが、この問題についても政府としての一定の考え方をまとめる時期に来ているというふうに認識をしている次第であります。
#15
○清水達雄君 不良債権の処理問題につきましては、その債権担保土地が全然流動化をしないといったふうな問題もありますし、私、この際かなり本格的な対策を講じないといつまでたっても我が国経済にのしかかる重荷がおりないということで、また後からいろいろこの点について申し上げたいと思います。
 それから次に、経済企画庁長官にお伺いしたいんですけれども、まず今後の経済見通しの問題でございます。
 例えば住宅投資です。今まで我が国の景気のいわば回復過程といいますか、引っ張ってきたのは公共投資と住宅だと思うんです。この住宅投資につきましては、六年度は恐らく百五十五万戸ぐらいの着工があると見込まれるわけですけれども、七年度は恐らく十万戸ぐらい減るんじゃないか、百四十五万戸前後に下降するんじゃないかというふうなことがよく言われるわけでございます。
 それから、七年度の公共投資につきましては、政府経済見通しては三・八%の増加というようなことになっております。これはこれまでの経済対策で相当追加補正で公共投資をふやしたということもあってだんだんと減りぎみといいますか、伸び率を非常に小さくさせてきている、そういう状況になっているわけでございます。
 そこで、今後の景気回復の牽引役というのは個人消費と民間設備投資ということだろうと思います。ところが、六年度には減税を行ったにもかかわらず余り個人消費が伸びていないように思うんですけれども、この点についてどう判断をしておられるのか。
 それから、設備投資につきましても、もうずっと減ってきておりました。これはある意味ではストック調整期間も含めて減ってきていたわけですけれども、特に大企業などは大体減りどまりと。中堅企業などは、この間の開銀の調査なんかによるとまだ平成七年も減るよというふうなことにもなっているわけですけれども、ここに来てこの円高が出てきたわけでございます。これの影響がかなり大きいんじゃないかというふうに思うんですが、その点についてどういうふうにお考えがお伺いいたします。
#16
○国務大臣(高村正彦君) 委員御指摘のように、平成七年度は消費それから設備投資、民需の二大項目が景気を引っ張る、そういう中で二・八%と、こう見込んだわけであります。
 消費については確かに減税、猛暑で七−九がかなり伸びた、十−十二月がその反動でちょっと減った、こういうようなこともあるわけであります。そして、ことし一月は阪神・淡路大震災の影響があって落ち込んだということもありますけれども、また耐久消費財などの売れ行きが好調であるというようなこともあって、総じて見ればやはり回復基調にある、こういうふうに思っております。
 それから設備投資でありますけれども、七−九、十−十二月、二期連続してわずかでありますが昨年伸びた、こういうような中で調整が最終局面に来たのかな、こういう感じを一方で持っているとともに、しかしこの円高がどうなんだろうという警戒感を強く持っていると。
 これに対して、こんな為替の水準が、ファンダメンタルズからこれだけ離れた水準がそう長く続くとは思えませんが、それにしても既に若干の影響もあらわれている、これが続けば大変な影響が出てくる、そういったところできっちりした対策をとっていかなければいけない、こういうふうに思います。そういう中で、今現在、直ちに二・八%が不可能になったというふうには考えておりません。
#17
○清水達雄君 どうも消費も余り伸びていない、設備投資は非常に円高の問題が懸念されるということでございますので、経企庁としてこれが今後どういうふうに展開をしていくのか、非常に大事な点でございますので、十分な見通しの分析をお願いしたいというふうに思うわけでございます。
 それで、今後の経済運営の問題に入りますが、大蔵大臣に伺いますけれども、三月二十七日に「当面の財政金融運営について」という記者会見をやられまして、ここで阪神大震災の復興や円高をも考慮した補正予算を提出する必要があるというふうなお話もされたわけでございます。
 それから、平成七年度の予算の執行につきまして三月三十一日の閣議で、いわゆる留保の問題とか、これは実態的にはどうも公共事業に関しまして五%留保が一律に行われているというふうに思うんですけれども、そういうこととか、あるいは平成七年度の公共事業の積極的推進というふうなことを言っておられるわけでございまして、この点について伺うわけですけれども、円高で景気の動向が危惧されているときに、しかも阪神の大震災の復旧・復興とあわせて円高をも考慮した補正予算を今国会中に成立させようというふうに思っているときに、なぜ七年度の当初予算で五%の公共事業についての一律留保を行ったのか、私はどうもよくわからないし違和感を非常に持つわけでございまして、お答えをいただきたいと思います。
#18
○国務大臣(武村正義君) 当初予算の公共事業の執行の問題でありますが、一、二新聞等で五%カットとか、留保という言葉もあるでしょうか、カットというふうな表現で報道されましたために、むしろ補正を組むべきような経済情勢の中でそもそもカットするとは何事だというそういう見方をお与えした嫌いがありますが、私ども決してこれカットという考えはありませんし、留保というのも必ずしも正確でないと思っております。
 申し上げているのは、約五%増で新年度も公共事業はいわばほかの予算に比べれば積極的な編成をさせていただいているわけでございますが、これをきちっと執行していく、全額執行していくという方針であります。
 問題は、ああいう大震災が起こりましたので、各省庁は今地域配分、どこの地域にあるいはどの事業に予算を充てるかというそういう御努力をされているさなかでありますが、そのときに阪神地域あるいは防災対策、そっちに少し重点を置いてもらいたい、一定割合は、そして執行してもらいたいという考え方を御相談しているという状況でございまして、そういう意味では全体を執行するという方針はいささかも変化はありませんので、地域配分を基本にしてそういう震災に対する工夫を各省庁できる範囲でしていただこうということでありますので、ぜひ御理解を賜りたいと存じます。
 そして、今の円高局面で財政の対応の問題も、過般お認めいただいた第二次補正、一兆円余りございます、これを多くは繰越明許に地元の自治体ではされておりまして、新年度に入ってから実質はどんどん執行していくという状況にございます。そして当初予算、今申し上げた予算を、これも今の時期に少しでも早く出動をしていく、執行していくという姿勢を強調していきたいと思っております。いわゆる前倒しという今までの考え方と一体でございますけれども、早期に発注をしていくという姿勢を貫いていきたいと思っております。
 その上、今御議論がありますような新年度の震災プラス円高対策を前提にした補正の努力も目下させていただいているさなかでございまして、これも一日でも早くこの国会に運ばせていただきたいという考えでおりまして、新年度当初、この春の財政状況としては、前年の第二次補正の執行を控えているし、当初の予算を控えているし、そして新たに第一回の補正対応もしていくという状況の中では、執行する財政資金量は非常に豊富である、問題は早くそれを執行することによって景気にプラスの影響を与えていきたいということを基本に考えていきたいと思っている次第でございます。
#19
○清水達雄君 早く執行するというふうな意味だったら、平成七年度の当初予算につきまして五%留保とかなんとか言わずに、これを素直に執行させてやるという方が手間暇かからずにうまくいくだろうと思うんですよ。現実には、恐らくこの留保分については阪神地域だけの復興対策に充てるわけじゃなくて、全国的な防災対策上必要なところに充てなきゃならぬわけです。そのいろんな、どういう経費をどこに充てようかというようなことを役所は一生懸命考えているみたいですね。
 これは言っていいのかどうかよくわかりませんが、建設省の資料を見ますと、平成六年度の二次補正では、これは災害対策ですから、これはこういうことをやります、それから平成七年度の当初配分では復興とか防災事業についてはこういうことをやります、平成七年度の配分重点化措置、つまり阪神の復興や全国の防災対策ではこういうことをやりますというようなことをみんなこれ書いて大蔵省に持っていかなきゃならぬということになっているみたいですよ。そうなってくると、中途半端な金でいろんなことをやるようなことを書いてあるんだけれども、こんなことでできるのかなというふうな、何か非常にごてごてと事務ばかり複雑で中途半端なことをやっているような気がしてしょうがない。
 なぜこういうことになったか。これは、一時やっぱり阪神大震災が起きた後、復興財源をどうするかというところから問題が出てきていろんな流れがあったんだろうと思いますけれども、もう三月の初旬から、六日ぐらいから急速な円高が始まっているわけですから、きめ細かく復興予算をどういうふうに割り振るかなんというそういう背景じゃなくなってしまっているわけですね。だから、どうもこの辺が私はよくわからない。与党だから余り変なこともいろいろ言えないんだけれども、そんなふうな気がするわけでございます。
 私は、やるとすれば、阪神の復興予算で必要なものがあるならば、それは平成七年度の当初予算ベースできちっととるべきものはとる、今積算できてとれるものはとる、あとまたさらに時間がたって、今度はこういう予算を乗っけようといえばそのときに措置をするというふうにすればいいんであって、どうもそういう気がするわけです。
 全国の防災対策なんかにつきましては、地域防災計画の見直しを今後やろうとしているわけですから、本当はそういう対策が確立されてから全国的な防災対策はどうするかというちゃんとした計画というか、そういうものをつくった上でやるべきだろうと思うんですよ。今頭に浮かぶいろんなことをちょこちょこやってみてというのは、どうも余り効率的な執行じゃないなという感じが非常にするわけでございます。
 そういう意味で、この留保分については大蔵省は余り難しいことを言わないで素直に執行できるように私はすべきだと思うし、したがってこの留保分の解除、執行とかなんとかいうことはどういう形で行われるのか、いつごろ行われるのか伺いたいと思います。
#20
○政府委員(中島義雄君) 今回の五%の措置でございますけれども、これは大臣からも御答弁申し上げましたように、早期に被災地域の復興あるいは全国的なベースでの防災対策の充実に重点配分していただくということでございまして、いわゆる留保とか凍結といった性格のものではないというふうに私どもは考えております。
 したがいまして、これを解除するとかしないとかということではございませんで、こういった趣旨に合致するもので具体的な使途が確定いたしましたら、もうその都度できるだけ早く執行していただくように、私どもとしても円滑な事務の運営に努めてまいりたいと考えているところでございます。
#21
○清水達雄君 それで、建設大臣に来ていただいておりますが、実施官庁として今留保分じゃないというお話だけれども、現実には留保分になっているわけですけれども、これを補正予算の編成前に効率的に使えるような準備ができるのかということについて一般的なお話と、それから下水道事業について、余り抽象的な話でもまずいので、どういうふうな使い方になるのかということについてお答えいただきたいと思います。
#22
○国務大臣(野坂浩賢君) お答えいたします。
 お話がありましたように、阪神・淡路の復興のための財源の捻出あるいは重点配分はここにということであろうと考えておりますが、そういう考え方に立ちまして、私どもは阪神・淡路大震災にかかわる被災地域の復興対策及び震災の被害を踏まえた全国的な防災対策の強化に充てることとしております。これは先生がおっしゃったとおりでございます。被災地の地元地方公共団体による復興計画に即して必要となる事業、例えば復興三カ年計画、住宅は十一万戸、こういうふうな内容でございますが、地震災害等に強い町づくりのために必要な事業、こういうことで早期に執行してまいりたい、これは当然の考え方でございます。
 具体的には下水道の事業ということがございましたが、一般論としてはできるだけ速やかに執行してまいりたい。さらに、先生等が残されました後を追いまして、事業も早期発注が必要であるという考え方から、ゼロ国債をことしは七千五百億つくりまして四月から発注をするという体制をとっておるところでございまして、いずれ五%の留保分につきましても、こちらの方に回ってくるんではなかろうかという期待感を込めておりますので、こちらに来たら受け皿は用意しておる、こういうのが現況の建設省の態度であります。
 下水道事業につきましては、そう大きな被害はなかったわけでありますけれども、御承知のように、開削工法による幹線管の管渠の工事とか、下水処理場の場内における導配管工事とか、いわゆる配管につきまして、現在耐震基準という意味で弾力性のある配管をする。継ぎ目等については特に破壊されておるところがたくさんあったわけでありますから、それについては研究をしてそれに対応する。それは全国的に波及するということで、一つは五%の配分の今度の補正予算までにやりたいという考え方で作業は進めておりますし、五%の留保分が他省庁からも少しは多く建設省に来るんではなかろうか。そして、復興三カ年計画の趣旨に沿いましてこちらの方に対応ができる体制というものは、住宅公団なり道路公団等も駆使しまして十分な対応ができるというふうに考えております。
#23
○清水達雄君 五%の留保が建設省に余分に行くということはないと思いますが、いずれにしましても、効率的に早く執行できるように、そういう精神でやっていただきたい。いろいろ細かい点を言うとあるんですが、時間もありますからこの辺でやめておきます。
 この問題の最後に、いわゆる積極的な施行ということを言っておられますが、大蔵大臣、上半期に何%ぐらいというふうにお考えですか。
#24
○国務大臣(武村正義君) 今明確な数字で申し上げる用意がありませんが、まだ固まっていないからということだけでなしに、今の時期としては、先ほど申し上げたように、財政環境としては積極的な出動をするために条件が一番整っているという認識でおります。だから、もう言葉で言えば数字よりも積極的な財政の執行、施行ということが一番わかりやすいんではないかというふうにも思っているわけでございます。
 片方、もう少し込み入って申し上げますと、神戸を中心にした阪神地域の被害の立ち直りの状況が、やっぱり現場も新しいプランをつくったり、あるいは住民の説得に当たったり、さまざまな御努力をいただいている中で、ことしの例えば前半なら前半でどの程度の復興事業が執行できるのか、まだなかなかこれは明らかでありません。気持ちは急いで、早くということは理解しておりますが……
#25
○清水達雄君 阪神じゃなくて、全体の公共事業の。
#26
○国務大臣(武村正義君) それがあるもんですから、全体についても、例年のように七〇とか七五とか八〇とか、数字を固め切れないでいるわけであります。
 それでも、無理をして数字を明らかにした方がいいのかどうか、むしろ数字は明らかにしなくても、極力各省とも挙げて積極的に早い時期の公共事業の施行でお願いしていくということの方がいいのか、これはもう少し時間をおかしいただきたいと存じます。
#27
○清水達雄君 さっき経企庁長官からお話がありましたように、十四日には円高対策をまとめるというお話でございます。
 それで、補正予算の中身の問題なんですが、公共事業の問題がもちろん一つあると思いますけれども、そのほかに大蔵大臣のこの前の記者会見のときには、中小企業、雇用対策を中心に検討していくというふうに話されたという記事が載っていたわけでございます。
 そこで、まず通産大臣に中小企業対策というのは具体的にはどういうことをやろうとするのかについてお伺いをいたしますし、それから大蔵大臣に、補正予算の中で公共事業についてどういう取り組みをされようとするのか、その点についてお伺いしたいと思います。
#28
○国務大臣(橋本龍太郎君) 先ほど来御答弁申し上げてまいりましたように、私どもとしては使える武器は何でも使いたい、これがもう率直な感じであります。それだけに、今日までの状況の中でも、三月三十一日をもって終了する予定でおりましたつなぎ資金等の低利融資措置の適用期間の延長は既に実行させていただきました。また、国、県、関係機関が一体となりました緊急相談でありますとか、中小企業創造活動促進法の活用などによります緊急対策を既にそれぞれ実行に移しております。
 これから後、具体的な問題となって出てまいりますのは、やはり新規事業の開拓などの前向きの努力を積極的に支援する、そのためにどういう手法があり得るか、また中小企業の経営基盤の安定強化のための資金供給を一層円滑に行うためにどのような措置をとればよいか、こうした点が大きなポイントになろうかと考えておりまして、なお他にも工夫のできるものがありましたなら、我々としてはフルにそれを使わせていただきたい、こう思っております。
 同時に、これは他省庁のことでありますけれども、労働省にもお願いをいたしまして雇用調整助成金の支給の時期も延ばしていただいておりまして、こうした措置も当然お願いを申し上げたいことの一つであります。
#29
○国務大臣(武村正義君) 公共事業については、先ほど申し上げたような状況でありますだけに、積極的な予算の執行を基本にして当面この時期は対応をしていきたいと思っております。
 補正対応につきましては、そういう意味では、今通産大臣お話しになりましたが、通産省を初めとして各省庁、この円高に直接結びつくさまざまな予算要求に対して真剣に対応をさせていただきたいと考えておる次第でございます。
#30
○清水達雄君 我が国の経済状況を見ていますと、やっぱり極端なデフレ経済というのが、もう我が国の今苦しんでいるいろんな問題の根底に全部このデフレ経済という面があるというふうに思っているわけでございます。
 まず資産デフレ、土地や株の値段がどんどん下がる、それによって金融不安ということにつながってくる。それから、円高も関係ありますけれども、いわゆる価格破壊と言われるような安値売りという状況が非常に進んできております。それから企業につきましても、いわゆる資産価格がどんどん減っていっている、土地や株の。ところが、借金の方は減らないという、つまりバランスシートがどんどん合わなくなって差が大きくなってきている。
 それから、円高でコストダウンをうんとやらなきゃならない。それから個人につきましても、土地や株や住宅などの値段が下がっているけれども借金は減らないというバランスシート問題がやっぱりあるわけですし、企業の収益が非常に悪いから賃金は上げられないということになるし、雇用につきましても、リストラで人員整理をするとか、あるいは新規雇用を減らすとかやらないとかというようなことになってくる。税収につきましても、きのう岡部先生からお話があったように、いわゆる実質GDPと名目GDPの差がないものだから、要するに税収の面でも非常に苦しい。しかも、GDPに関係ないような土地や株の取引というのが非常に減ってきているというような問題もある。
 要するに、デフレ経済というものを転換させていかないと、つまり経済の基調を変えていかないと、私は日本経済の本当の復興は進んでいかないんじゃないかというふうに思うわけでございます。すべてそういうことが消費や投資の低迷であるとか財政危機の根源になってきているわけだと思います。
 この際、経済の基調を変えるようなダイナミックな政策をやろうとした場合に、やっぱり大きな柱として積極的な財政支出というのがあると思います。これは国債発行額が非常に大きくなっているから、もうそうできないじゃないかということはありますけれども、今までにも物価が非常に上がったときは物価調整減税というようなことをやったわけですよ。今、物価が上がらない、むしろ下がるというふうな状況になってきているから、物価調整増税をやったっていいと思うんです。これは消費税の値上げ、税率の引き上げということにつながるのかもしれませんけれども、そういう選択をしてでもつまり内需振興をやって日本の国内経済を充実してきちっとしたものにしていくか、あるいは空洞化を我慢して、もう空洞化でもいいやというふうにしていくか、そういう選択というのがやっぱり財政支出問題にはあると思うんです。
 これはやっぱり国民の間でよく考えてもらうということで、そのためには、相当な部分は建設国債でいくけれども、あとはやっぱりある程度増税策も考えるというふうなことも踏まえて、ただ景気の悪いうちはだめですけれども、景気が回復したらそういうことも考えたっていいんじゃないかという感じがします。
 それから、公的資金の投入を含めた不良債権の処理の問題でございます。これはやっぱり非常に値下がりをしております。土地などは三分の一ぐらいになっちゃっているから、これをいわゆる損切りをしてやるということになると、会社の赤字が物すごく大きくなっちゃうからできないということがあるわけです。
 だから私は、損切りの程度を小さくして塩漬け機構みたいなものをつくったらどうかということです。今の時価評価をすれば、三分の一ぐらいになるのを半分とかなんとかにして、もちろん買い戻し特約をつけて、塩漬け機構に土地をいわば預けるみたいなものだと思うんですけれども、やると。これは前の昭和五十年のときなんかも、企業の中ではかなりこういうことがやられたわけですよ、今でもやられていると思いますけれども。こういう機構に対して日銀が低利融資をする、今公定歩合が非常に低いですから。そういうふうなことで公的資金も使いながら、やっぱり重い荷物をある程度おろしてやらないととてもだめじゃないかなという感じがします。
 二つの信用組合問題が出てきましたけれども、ああいう形で具体化したものになりますと、だれが高金利で金を貸したとか、だれがそれを借りて使ったとかというふうな話ばっかりになっちゃって、やっぱり全体としての不良債権問題にどう取り組むかということをやらないとだめじゃないかなという感じが非常にします。
 それからもう一つは、厳しい土地税制の適正化でございます。三二・五%に長期譲渡所得課税率を引き下げましたけれども、この程度では土地の流動化は進まないと思います。それから例えば、企業が遊休土地にマンションを建てて売る場合に幾ら税金がかかるか、古くから持っている土地に、遊休化しているからマンションを建てて売るといった場合に幾ら税金がかかるか。一〇%の追加課税もかかっていますから、実効税率で六二、三%税金を取られるんです。こういうことでは東京臨海部とかなんとかにある企業の遊休資産というのが有効活用されないと思いますよ。やっぱりそういうことをもっと思い切ってやらなきゃだめだというふうに思います。
 それから規制緩和につきまして、一千九十一項目も並べてあって、きのう松谷先生の話にもありましたけれども、あれを見ていても本当にわからない。国民であれがわかる人がどのくらいいるだろうかと思うわけですし、外国人だってわかりっこないと思うんです、あんなものを見せたって。だから、細かいこともそれはやってもいいですけれども、やっぱり大きなこと、経済に対して大きな効果を与えるような重点項目を挙げて、これについては、内閣としてはもう全力を挙げてしっかりやるんだというふうなことにしないと、数だけいっぱい並べるというふうなことじゃ私はだめだろうと思うんです。
 何か、こういった積極的な財政支出だとか不良債権処理、土地税制の適正化、思い切った大きな項目の規制緩和、こういうふうなことを一遍にやる、こういう僕は経済対策を十四日には出していただきたいと思うんですよ。それは当面の細かい問題もあるかもしれないけれども、大きな方向としてそういうことをやるということにしないと、世の中のムードは変わらないと思います。
 けさの朝日新聞か何か見ると、貿易黒字削減の数値目標の設定というふうなことが、何か自民党のどうとかなんとかというような形で出ているという話がありますが、私はこういうことには反対ですね、これ、こんなことをやるということに対しては。こんな貿易黒字削減の数値目標なんというものをつくって、一体どうやってこの数値を各産業とか企業に割り当てたらいいのかとかという問題があるし、その千三百億ドルあるのを五百億ドルにするとかなんとか言っているけれども、一体幾らならいいのかということが、こんなのわかりっこないわけだし、これはこれ自身がまた外交上の問題にもなってくる。やっぱりこういうところにこういう手を、こんな仕掛けをつくるということは私は非常にだめであって、それよりも私がさっき言ったようなことをやらなきゃいけないというふうに思うわけでございます。
 これは非常に大きな問題でございますが、やっぱり金が非常にかかるので、大蔵大臣に、今の私の主張みたいなことですけれども、お考えを伺いたいと思います。
#31
○国務大臣(武村正義君) 一挙にたくさんのことをお伺いいたしました。
 まず財政の姿勢でありますが、少なくとも経済がまだ本格的な回復軌道に乗っていない状況であります。地震や円高がなくても新年度もそういう過程にあるという認識でございますので、震災対策も含め新年度の予算も、そういう意味で五・五兆円の減税の継続や、あるいは公共事業については五%の積極的な姿勢を貫こうとしているわけであります。その意味では、委員のおっしゃるような姿勢に私どもは基本的には異議はありません。
 不良債権の問題も、これからの日本経済が元気を取り戻すためには、どうしても避けて通れない大事なテーマであります。日本の経済のいわば中枢に立つ金融機関がこういう傷を大きく負っている状況ではなかなか元気は出ません。そんな意味で、先ほども申し上げたように、大は都銀から小は信用組合に至るまで全体を見詰めながらどう対応するのか、そのことに今私どもとしましても真剣に取り組んでいきたいと思っております。二つの信用組合の千数百億の不良債権に対する対応だけでも、公金を出すことの是非をめぐってこれだけ議論が起こってしまっている。これの百倍、二百倍という数字になるかもしれませんが、そういう全体をどう見でどう処理していくかというテーマでございますだけに、国会におきましてもひとつ最大の御関心を賜りたいと存じます。
 土地についてはかねてずっと議論がございます。資産デフレの中で土地が動かなければという委員の御主張は傾聴させていただいておりますが、今年も、中間的であるかもしれませんが、長期譲渡に対する課税は三二・五まで下げさせていただきまして、昨年もいささか努力させていただいたわけですが、効果が出るかどうかですね。いや、もっと下げないからだめだという御批判を受けるかもしれませんが、どうも今の経済の状況全体を見ると、そのことでどれだけ有効に働くのかというところにも議論があろうかと思いますが、これは重ねて拝聴させていただきました。
 やはり数値目標の議論はありますが、いわゆる日米包括協議で日米間で激しくやり合った、政府相互で数値目標を定めるなんということは私は正しくないと、そう思います。しかし、日米間に数百億ドルの貿易ギャップがもう十数年続いている、ドルベースではそれが一向に変わっていない現実が存在する、それと円高ドル安のこの問題とは決して無関係ではないことは改めて認識しなければなりません。そういう中で、おっしゃったような規制緩和の中で本当に輸入が拡大する道を政府としても積極的に開いていかなければいけないというふうに思っております。
#32
○清水達雄君 ちょっと後の楢崎先生にお話ししてありますから、もうちょっと続けさせていただきます。
 要するに、構造的な円高傾向をとめるにはやっぱり内需拡大しかない。やっぱり日本の景気をちゃんとよくするということが一番大事だというふうに思っているわけでございまして、そういう観点から今のようなお話をしたわけでございます。
 それで、規制緩和問題で今幾つか大きなことをというお話をしましたので、そのことの一つの例として宅地開発指導要綱の問題を取り上げて、私の質問を終わりたいと思います。
 この宅地開発指導要綱というのは、私も建設省にいましたときから取り組んできて、事務次官通達で行き過ぎ是正の通達を出したんです。これは昭和五十八年ごろだったと思います。ところが、それからなかなか現実的には改善が進まないわけでございまして、地方分権の問題もありますけれども、地方公共団体がこういう形で都市づくりなり町づくりというか、宅地開発もやらなきゃ困るというふうなことで、いわゆる指導要綱みたいなものをつくってやってきている。これがなかなか行き過ぎが直らない面が非常に多いわけでございます。この行き過ぎを本当に是正していこうと思ったら、私はやっぱり法律で規制の上限を定めなきゃならぬだろうと、長年やってみてそういうふうに思うんですよ。
 実は、議員立法で住宅基本法を提案しようがなという議論をしているときに、これも一部に盛り込んではおりますけれども、まだ提案とかなんとかということにはなっておりませんが、ただ公共団体もそれだけじゃ困るから、やっぱり公共団体に適切な援助もしてやらなきゃならない。援助の中身というのは、私は、公共事業の補助対象基準の見直し、緩和ということが新しい宅地開発みたいなところには必要だろうということと、それから地方債、さらにそれの交付税による補てんとかいうふうなことがあるんじゃないかというふうに思うんです。
 法律で上限を定めて、それで援助策も必要な援助はやってやるということにしないと、今どういう状況が起こっているかといいますと、マンションが二戸当たりどのくらい指導要綱がない場合に比べて値上がりしているかというのを見ますと、東京近郊で調べますと、二戸当たり八百九十万円、それから七百五十万円、六百四十万円、五百六十万円なんということですよ、幾つかの資料を選んでやると。これだけのことをやらせていたんじゃ、やっぱりいい住宅はつくっていけないですよ。だから、今できているのは小さい住宅ばっかりできているわけです。ということで、これは非常に大事な問題だと思います。
 しかも、人口密度規制というような問題があって、これなどは金がかからないわけですよ、対策自体にそれほど。ということもありますから、これは真剣に取り組んでいただきたいと思いますので、建設大臣と、それから自治大臣がおられませんので自治省のこれに対する、今の私のようなお話についての御見解を承りたいと思います。
#33
○国務大臣(野坂浩賢君) お答えをいたします。
 先生からお話しいただきました点、我々としても非常に貴重な意見として承っておかなきゃならぬ、そういうふうに思っております。
 今お話がありましたように、宅地開発等の指導要綱、これについては一部の行き過ぎた内容のものが円滑な住宅宅地供給の支障となっているというふうに認識しております。そのために我々建設省におきましては、昨年の八月に自治省と共同で全国の指導要綱の実態調査結果を公表して指導要綱の行き過ぎ是正の徹底について通達を発送しました。先生御案内のとおりです。
 本年一月から三月にかけて大都市圏を中心に四十の市及び区、町について個別ヒアリングを実施するなど、指導要綱による行き過ぎた行政指導の是正に努めておるところでございます。ただ、地方公共団体の行政指導については、先生から今お話がありましたように、法律によって上限を設けるなどの規制を行うことについては、地方自治の本旨、そういうもの等を考えて十分検討しなきゃならぬ、こういうふうな考え方に立っております。
 したがいまして、当面は、今お話がありましたように三月三十一日に閣議決定されました規制緩和推進計画を踏まえて、今自治省と緊密な連携を図りつつ、フォローアップ調査の実施や指導要綱の見直しに関する新たな指針の策定等によって、より指導要綱の行き過ぎ是正の徹底に向けて努めてまいりたいと考えております。これと相まちまして、先生の御提言等もあわせて検討いたします。
 また、地方公共団体の財政負担を軽減せいというお話でございます。良質かつ適正な価格の住宅宅地の供給を促進しなければならない、そういう使命と任務を持っておりますので、住宅宅地関係公共施設整備促進事業等の助成措置の強化拡充を講じたところでございます。
 したがいまして、今後とも、地方公共団体に対する財政上の措置も含め、住宅宅地開発事業を一層促進する環境を整えるための今後の施策についても、先生の御提言を受けて前向きに検討してまいりたい、そういうふうに思います。
#34
○政府委員(二橋正弘君) お話のございました宅地開発指導要綱は、地方公共団体がそれぞれ地域の実情に応じまして良好な都市環境を保全するという観点から設けておるものでございまして、それぞれの地域において一定の役割を果たしているというふうに私どもは考えております。また、この要綱に基づきます行政指導は相手方の協力を前提にして行われるものでございまして、法律によりまして一律の規制を行うことは困難ではないかというふうに考えております。
 お話のございました住宅宅地関連事業に関連いたします地方負担につきましてでございますが、この関連公共施設整備の促進事業に対します地方債措置は平成五年度以降拡充してきておりますし、また、それに関連して行われます生活道路あるいは小公園等の地方団体の単独事業の財政措置につきましても、都市生活環境整備特別対策事業という事業の中で推進をしてきておるところでございまして、今後ともこれらの財政措置の活用を行うような指導に努めてまいりたいというふうに考えております。
 自治省といたしましては、一部の地方団体の宅地開発指導要綱にございます行き過ぎの是正につきましては、これまでも地方団体に適切な対応を要請してまいっておりますが、ただいま建設大臣から御答弁がございましたように、建設省とも密接な連携をとりながら、引き続き適切に対応するように地方団体に求めてまいりたいというふうに考えております。
#35
○清水達雄君 最後に。
 やっぱりこれは自治省が一生懸命やってもらわないと効果が上がりませんので、いろいろ地方債の措置なども拡充されたようですから、そういうものを使って余り負担をかけるなということで強く御指導をいただきたいと思います。
 これで終わります。
#36
○楢崎泰昌君 同僚議員から既にいろいろ御質問ございましたけれども、私も、今日の日本経済にとって最大のテーマは外国為替の問題であるというぐあいに認識をしております。
 ところで、大蔵大臣、為替の問題が起こると、今までも随分何回となく為替が円高になってきた、大変だ大変だという問題があったわけですけれども、そのときは、いや協調介入だ、それから中小企業対策だ、あるいは輸入の拡大をやって円高差益を国民に還元するなど、いろんなことを言われてきましたね。その中で、当面の問題として一番効果がありそうだなと思われるのは協調介入なんですけれども、協調介入のお話は現在どういうぐあいになっておりますか。
#37
○国務大臣(武村正義君) 為替の市場に対する通貨当局の関与の手段としては、やはり協調介入というこの手段は大変大事な手段だというふうに認識をいたしておりますし、今回の事態につきましても、日米欧でも対応させていただきましたし、また日米の協調介入という状況もございました。そういう意味で、かなり真剣に介入を、この一カ月半の急速な国際通貨の変動の中で、介入という措置を出動させてきたわけであります。しかし、全体としては、このとうとうたるドル安の流れの中で決定的な役割を演ずることはできなかったなというふうに振り返っておるわけです。
 過去を見ましても、協調介入が大変有効に働く場合と、さほど働かないでのみ込まれてしまう場合と確かにございます。これは何も、介入が協調であれば必ず有効であるとか、あるいは規模が大きければ有効であるということでもないようでございまして、まさに刻々生き物のように動いております市場の中で、結果論として、やはりタイミングといいますか、そのことが非常に期待するようなプラスの役割を演ずるときと、残念ながら期待どおりいかない場合とがあったというふうに思っております。
 今後とも協調介入というこの手段はやはり各国とも大事にしていかなければならないというふうに認識をいたします。
#38
○楢崎泰昌君 今いみじくも大蔵大臣が言われましたけれども、協調介入が必ずしも成功するものでもないし、成功する場合もあるということなんですが、協調介入というのは、基本的には円為替、円ドルの、円ドルに限りませんが、外国為替の水準を急激に変化させるということは難しい、国民生活、経済にとっては非常に影響があるんだよと。これは非常にモダレートな形で、円が徐々に円高になるにしても、モダレートな形でこれを推移させようじゃないかと。もとの水準へ戻そうというのが介入ではないんですね。ファンダメンタルズというものもある。為替がファンダメンタルズだけで動いてくれれば大変ありがたいんですけれども、必ずしもそうなっていないようでございますけれども、協調介入というのはその程度の意味を持っているわけですね。今慌てふためいて、協調介入を一生懸命やります、それから先ほど、補正予算で中小企業対策を一生懸命やりますと、それはそれで従来的手法でやらざるを得ないんですけれども。
 実は大蔵大臣、おとつい、東京の都知事選挙、大阪の府知事選挙、ノンポリの方が、無党派層が勝っていった。残念ながら、既成政党が、どうだと言ってスクラム組んだ我が候補が無残にも敗れていった。これを見ますと、やっぱり既存の経済政策あるいは政党政治に対する不信任案の提出みたいなものですね。私は、異議申し立てではないかというぐあいに思っているんです。どうも経済の基本の構造が、構造改革をせないかぬというのじゃなくて、構造そのものが既に動き始めている。それに対して、現在政権を持っている政党、あるいは政権を持っていないけれども野党にいる政党、そこら辺が適切な回答を出していないところに、今日、東京都知事選挙あるいは大阪府知事選挙が敗れた基本がある。新聞でもいろいろなことを書いていますけれども、どうも私は、政党が思い切った政策を従来提示していないところに問題があるんではないか、そんな感じがするんです。
 今度の円高についても、実はやはり協調介入が非常に強調されて、当然やらなきゃいけないことでありますけれども、協調介入ではこれけりがつかない話にもう来ちゃっているんですね。全然別の発想をなすって、この円高については、ちょっと乱暴かもしれませんけれども、従来の政策以外に考えるべきことがある。それは私は、やっぱり対症療法の短期的姿勢じゃなくて、中期、長期の為替対策というものを大蔵省なりあるいは、大蔵省とは言いません、日本国政府と言った方がいいでしょう、日本国政府が、基本的にはこう考えてこういうぐあいに行こうと思っているんだと。しかし対症療法としては、これしかないというとちょっと残念ですけれども、これしかないんでそれを頑張りたいんだよというようなことをやはり政府が御発言になり、あるいは政権を担当しておられる政党が、あるいは野党におられる政党がそういう発言、提言をしてやっていかないと、どうも一カ月半の間に十何円も動いちゃう、約十数%ですね、動いちゃうという事態になかなか対応ができないと思っているんです。
 そういう意味では、何か中期的な発想をお持ちでございましょうか。
#39
○国務大臣(武村正義君) 御指摘のとおり、緊急対応といいますか、短期的な対応としては、今後とも協調介入という手段もやはりこれはこれで残していかなければならないし、大事な手段だと思っております。また、金融政策の操作もこれまた、これは必ずしも短期目的だけではありませんが、各国の中央銀行がとり得る手段としては大変大事な政策の道であると思っておりますし、また財政出動もこれも大事な手段だと認識をいたします。
 しかし、おっしゃるとおりもっと根本的なところに目を向けなければいけないのではないか、あるいは構造政策とも言われますが、中長期的な視点からこの事態をとらえて対策を打ち出していかないとだめだぞ、こういう御批判や激励もたびたび承っているわけであります。私もそのとおりでもある、短期の対策と中長期的な対策あるいは基本的な対策、両方が大事だというふうに認識をいたしております。
 まさに、そういう認識に立って今週末に政府がまとめる対応策もまとめていかなければならないというふうに思っておりますが、私が先ほど来申し上げておりますように、一つは、やはり日米間に横たわる貿易を基本にした経常収支の一方的なギャップというか、太平洋の水に例えれば絶えず干潮と満潮が繰り返されるわけでありますが、もう十数年間日本側が満潮でアメリカが干潮と、二国間で見る限り。これはどう見てもノーマルではないというふうに思いますと、ここにやはり、数値目標の議論ではありませんが、この数値に対して真剣に日本みずからが改めて見詰めなければいけない。
 そうすると、輸入をどうして拡大していけるか。それはもう内需拡大であり、景気回復だということでありますが、もう少し具体的に、輸入を拡大するための壁が本当にあるのかどうか、規制緩和の議論も含めて。では、アメリカの車がもっと日本に入ってくるためには何が必要か。阪神大震災で応急住宅で急いで外国の住宅資材を買いました。確かに安いです。その経験も含めて、アメリカの住宅建材を安い値段で大量に仕入れて、日本のサラリーマンの皆さんが安い住宅を建てるには何が問題なのか。どうも安い値段で入ってくるけれども、結局でき上がってしまうと高くなる。どこかに問題があるんだと。まさに円高メリットがどこで吸収されてしまうのか、何が矛盾なのかというところに目を向けて、そこにもし規制とかそういうものが働いているならば、それを大胆に緩和することも改めて考えなきゃいけない、そういう認識を持ちます。
 もう一つは、やっぱり経済構造改革、まさに新しい経済のニューフロンティアをどう広げていくか。既に二つの法律を出したりしながら政府も今努力を始めているわけでありますが、これで足りるのかどうか。これはもう本当に日本経済の将来を考えた基本的な政策だと思います。
 あるいは円の国際化というテーマも、円建てでなるだけ契約をしていくことも含めて、今のようにアジアの中央銀行がどんどんドルを売って円にかえていただくのは、逆に円高促進に働いているとも思われますから困惑をするわけでありますが、しかしそういうことだけでなしに、やはりアジアを中心にして円の経済圏、円の力というものがもう少しきちっと確立されていくことによって急速な円の上下が余り響かないという状況を目指していくことも大事だと思います。
 等々、幾つか大事な中長期にわたる基本政策に私どもは真剣に取り組んでいかなければいけないというふうに思っている次第であります。
#40
○楢崎泰昌君 今、大蔵大臣から中期政策についてのいろいろな認識をお話しいただきました。
 また知事選挙の話に戻って悪いんですけれども、私は、どうも今の政府、今の政党はちゃんとした回答をどんどん出していないと思うんです、非常にティミッドだと思うんです。いろいろなところの調整をしなきゃなかなか政策というものはできないわけで、少しゆっくりやっておられるのかもしれませんけれども、やっぱり無党派層が政治に対して異議申し立てをしている、今の政策ではぐあいが悪いんだ、納得しないということを十分今度の、経済対策を今週じゅうにおつくりになるそうですが、その中できちっとやらなきゃいけないんですね。
 例えば、経済界でも京セラの稲盛和夫さんですね、その方は、今度の円高に際して、従来の円高対策というのは、各企業がリストラをやって値段を下げて、そして円高に対応しようということばかりだったけれども、それは違うんじゃないかと。それをいつまでもやっていると結局円高がどんどん進行するだけの話で、そして中小企業は痛い目に遭ってしまう。これは稲盛さん、京セラは非常に強い企業ですからそういうぐあいに言えたのかもしれませんけれども、中小企業はみんなそういうぐあいに思っていると思いますよ。
 ほら円高になりました。円高をそれではもとへ戻してくれるんですか。なかなか戻らない。そして大企業からリストラ、リストラと言われてどんどんやってきた。先ほどの通産大臣の大田区の調査じゃありませんけれども、中小企業としてはこれはなかなか耐えられない状態が続いてきているわけです。要するに、フラストレーションが非常にたまっているというぐあいに思わざるを得ないんです。
 稲盛さんは、そうじゃなくて、輸出企業はドルが安くなったら値段を上げなさいと。値段を上げたら売れないかもしれません。しかし、値段をずっと下げていけば生き残れるかというと、なかなか生き残れないような状態。特に今回のように激しいあれについてはそういうぐあいにお感じになるだろうと思います。そういうようなときに、政府がそういうことについて何を考えているんだということをはっきりさせるべきである。
 今、いみじくも大臣は円建ての話をなさいました。通産省は、円建て契約を推進すべきであるというような意見を来月ぐらいには出したいということが新聞に出ていました。これは通産省に直接聞いていませんのでわかりませんけれども、例えば円建てをふやせということは値段を下げるなということですから、稲盛さんのおっしゃっていることとほとんど同じなんですね。ほとんど同じなんです。
 そのようなことは従来うっかり言っても、おまえさん、そんなこと言ったって売れないものはしょうがないよということだったと思いますが、経済情勢が少しずつやっぱり変わってきている。素材産業は、紙だとか鉄鋼だとか合成繊維であるとかあるいは石油製品だとか、ここら辺の価格というものは国際価格として非常にタイトになっていて、そして海外に値段を崩さずに売れるという記事が先般日経新聞に載っていました。
 なるほどそういうことかなと。いろいろな考え方はもちろんあると思いますけれども、日本国としてはやはり円建てを、これは実は円高でつらいつらいと思うからいろんな対策をと、こう言うんですね。経済事情ばかりじゃない、人生、社会すべていい面があれば悪い面があるわけですから、円高にだって当然いい面があるわけですよ。さっき大蔵大臣が言われたように、東南アジアの中央銀行は今ドル資産を減らして円資産にどんどん来ている。これは円の価格が上がる、日本の国の経済力が増していることの証明ですから大変ありがたいことである。困惑するんじゃなくて、これはありがたいことであると思わなきゃいかぬです。
 そういうぐあいに発想をやっぱり変えていって、国民に対して、円高になるのはつらいけれども、いろんな点があるんだと、対策としては短期的にはこうだけれども、中期的にはこういう手を打つんだということをぜひ御表明になる必要があると思うんです。
 さらに、今週の経済対策に関連して申し上げますけれども、日本国内の経済を広げよう、輸入を広げようというならば、例えて言えば、これも規制緩和のうちに入ると思いますけれども、有取税を廃止するとか、あるいは取引所税、ここら辺も廃止するとか、あるいは廃止する方向で検討するとか、あるいは黒字減らしの目標の話が先ほど出ました。何億ドル減らしますと言う必要はありません。ありませんけれども、日本国としては黒字減らしに最大の努力を払うんだ、だから世界の諸君安心してくれと。まあ安心はなかなかしないと思いますけれどもね、そんなこと言ったって。安心しないと思うけれども、言わないより言った方がよっぽどいいんだ、こんなことは。
 それから、諸外国が日本の円を外貨準備として持ちたい、ドルで外貨準備を持ちたくないんだと。東南アジアは今円建て契約がふえつつありますよ。日本企業が進出しているということも影響しているというぐあいに言われていますけれども、それならば諸外国の中央銀行が日本で外貨準備を持つための短期市場、国際市場ですよ、短期国際市場、これが一番大きな受け入れ先だと思いますけれども、こういうものをきちんと整備するんだと。
 これ困惑だというぐあいに大臣言われましたけれども、まあ多分困惑するのが本当だと思いますけれども、困惑しないんですよ、こういうことには。そしてそういうことをちゃんと整備するというような中期的対策、中期的視野、そして本当を言えば長期的視野も必要なんだと思いますが、長期的視野についてはなかなか案がないようです。もう一遍フィックスの近くに戻せ、スネークに戻せというような議論もあるようですけれども、現在の経済情勢ではなかなか無理かなというぐあいに思いますが、そういう中期的な政策を大蔵省として御発言になる用意がありますか。
#41
○国務大臣(武村正義君) 先ほど中長期的な私の考え方を申し上げたわけでありますが、大蔵省といいますか、この円建ての問題も、おっしゃるとおり今日本の輸出の約四〇%が円建てのようです。輸入は二〇%。ドイツはもう八割近くになっていまして、ここにやはりマルクが変動してもドイツはそれほど騒がないといいますか、状況があるんだなと改めて認識をしているわけですが、やっぱりこれは産業の空洞化ということに絡まってきますから問題もありますが、しかし東南アジアやアメリカに進出した日本企業の間の契約は円建てがかなりふえておりますし、そんなことで円建てであれば少なくとも円の変動に対しては直接響かないという意味で、輸出業者にとっては大変そういう意味ではこういう事態に対しては混乱を小さくとどめることができるということが言えましょう。
 ただ、稲盛会長が言っておられる円が上がれば輸出コストを上げればいいというのは、ちょっと円建てとは違った面もありまして、これは液晶とか半導体なんかよく例に挙げられますが、やはりこれまで頑張ってきた日本企業は、今の時期まだ世界の激しい競争の中でかなり独占状態といいますか、日本のあの会社のあの部品でなければだめだというものがかなり存在しているようでございます。それがあるからまだ今の時期ある程度強いといいますか、一説によると輸出の七〇%ぐらいはコストアップで対応できるんだということをおっしゃる財界人もありました。
 本当にそうであれば、その七〇%は余り円高の心配がないということにもなるんですが、現実はそのまま稲盛さんのように円高になればどんどん比例してコストアップされている企業はどの程度あるのか。一部は下請を泣かしたり、会社の人員整理やら合理化をさらにやりながら、片方ちょっぴりコストアップという、そういう及び腰の会社もあるでしょうから、単純にはこれは判断できないと思いますが、しかし本当に強い企業はそういう形で積極的に対応していただくことも大事だというふうに思っております。
 いずれにしましても、財政金融も含めてでありますが、大蔵省も、今回のこの通貨の乱高下といいますか、ファンダメンタルズを反映しない動きというものを経験して、この経験を貴重な教訓にしながら新たな努力をしなければいけないというふうに痛切に感じている次第であります。
#42
○楢崎泰昌君 私は、この時期にアメリカの世界基軸通貨としての地位が本当はどんどん崩れつつあるんだ、円がそれにかわる非常に大きなチャンスがここに来たんだという認識をする必要があるというぐあいに思っているんです。
 協調介入が大事だと申し上げましたから、協調介入しちゃいかぬとは言いませんけれども、実は日本銀行の外貨準備がここ一カ月の間に百五十五億ドルふえているというぐあいに報道をされています。実はこの百五十五億ドルというのは米貨で、恐らくドルで買ったんだというぐあいに思いますけれども、実はアメリカの基準通貨としての地位が落ちていくということは、通貨としての信用がなくなるわけですから、アメリカの国内において資本不足が本来生ずるべき性格のものなんですね。
 ところが、アメリカにとっては非常に神風的に、メキシコのペソが暴落をする、メキシコからドルの資本がどんどんアメリカに還流していくという事情もある。それから、アメリカ自体が非常に景気が今、非常にとは言いませんけれども、ある程度いいという状況もあるというようなことで、アメリカの中の資本市場というのは今非常に安定しているんですね、あべこべに、これだけドルが下がっても。しかし、これは必ず効いてきますよ。経済原則というのはそんなに甘っちょろいものじゃありません、必ず効いてくると思います。
 そういうこともにらんで、極端に言えば、アメリカが基準通貨で維持するために一生懸命日本が手をかすなんていう必要は本来ないんじゃないかというふうにも考えられるんですね。非常に極端に言えば、日銀が介入するときに、ドルを買わなくてカナダドルだっていいじゃないか、何もアメリカドルやる必要ないよと。あるいはマルクだって構わないんです。そういうような感じになり、またさらに付言しますと、実はドルを買わなくたって金だっていいんですよ。直接的に金を買って介入ということにはならぬと思いますけれども、金を保有してもいいんです。
 先日、報道で見ておりますと、日本銀行が天皇陛下の記念通貨ですか、あれの金をつぶしたのを何百個か買ったと。大蔵省はそれをふやすつもりはないというぐあいに言っていたようですけれども、実はドルなんかで外貨準備を持っている必要はないんですよ。東南アジアと同じように日本円で持っているんだとちょっと外貨準備にはならぬかもしれませんけれども、金だっていいんじゃないですか。
 そういうぐあいにこの国際通貨、アメリカの基準通貨としての、余り強く評価し過ぎるというところに問題があると思いますが、いかがですか。
#43
○政府委員(加藤隆俊君) 委員御指摘のとおり、我が国の外貨準備が最近ふえてきておることは事実でございます。外貨準備がふえる一番の要因は平衡操作の結果でございます。平衡操作は、当面日本として一番関心のあります円ドル相場の安定を目指して平衡操作を行う。そのことの結果として外貨準備がふえてきておる、これが現実の姿かと思います。
 外貨準備資産の多様化ということは私ども通貨当局にとりまして一つの課題であろうかと思いますが、それは時期を選んで慎重に検討する必要がある。乗りかえということはまた通貨にも変動を及ぼす事柄でございますので、中長期的に一つの課題として慎重に対応すべき課題であろうかと考えております。
#44
○楢崎泰昌君 いずれにしても、私がきょう論じたかったことは、アメリカの国際通貨としての位置に少し変化が見えてきたということが日本に影響を及ぼしてきているんだと、そういうことを頭に置いて何らかの中期的展望というものを持っていく必要があるんじゃないかということを申し上げたかったわけでございます。
 それで、ちょっとこの問題と関連して、郵政大臣においでいただいておりますので郵政大臣にお伺いをいたしたいと思うんです。
 郵政省のおやりになっている郵政事業並びに簡易生命保険事業というのは今非常に大きくなってきた。むしろ、大きくなってきたというよりも肥大化してきたと言った方がいいと思います。民間に対するシェアも郵便貯金は三三%に今なっている。簡易生命保険は、とりようによりますけれども、保険料収入では六四%になってきている。六四%というと半分以上ですよ。民業を補完する官業というぐあいに言われたんですけれども、民間の人たちは、民業を圧迫する官業というぐあいに表現されていますが、この問題は置いておくとして。
 外国債を相当お買いになっておられるんですね。直接本省がお持ちになっているんです、これは。どういう状況でしょうか。
#45
○政府委員(高木繁俊君) 平成五年度末の数字で申し上げますが、簡保資金で外貨債に運用いたしております残高が三兆七千五百億円になっております。
#46
○楢崎泰昌君 それは簡保の話で、貯金の話は私の方で言いますから。
 平成五年末で一兆七千億という資金を持っておられる。そして、外国為替ですから実は損が出ている。評価損が出ているわけですよ。これは平成五年末で郵便貯金が四千六百四十二億、簡保が九千百二十一億というぐあいに決算書上注記されていますが、そのとおりですか。
#47
○政府委員(高木繁俊君) 郵貯、簡保ともそのとおりでございます。
#48
○楢崎泰昌君 郵政大臣、これは困ったですね。どうしますか。
#49
○国務大臣(大出俊君) 楢崎さんが今おっしゃるとおりで、随分これは逓信委員会でも議論を続けてきているところなんです。
 ただ、外貨債にしてもあるいは株にしても同じことですけれども、今別に売っているわけじゃないので持っているわけですから、評価となりますとこの時点でと、こういうことになりますからね。
 だから、これは後の方で恐らく楢崎さんから御質問があるんだろうと思っていますけれども、時間の関係もありますのでひとつお答えをいたしておきます。
 つまり、含み損、含み益の場合もございましょうけれども、特定の時点でそれじゃ含み損なり含み益なりを公表しろと、こう言われましても、各省みんなそうなんでしょうけれども、原価法といいますか、もうこれは楢崎さん御専門なんですけれども、そういう建前でございますからいろんな影響もあり、実際に実現はしない。今の時点で売るわけではないし、満期が来たわけではないし、評価損であっても将来どうなるかという問題は残りますし、それから利子というのも外貨債ならございます。
 ですから、無用な誤解を与える。つまり加入者、預金者の金でございますから、そういう意味で、長期的な観点で運用しているわけでございますから、評価額をここで出せと言われましてもこれはなかなか難しい。
 それからもう一つ、ディスクローズのあり方といいますか、貯金なんかは見ればわかるわけでございますけれども、保険も含めての話がございますので、これも非常に実は実際問題としては市場に与える影響もございます。それから、国の会計制度全体との整合性という問題もございます。ということになると、省庁間で一体どうするかということをあらかじめ調整してみないと。
 御質問わからぬわけじゃないんですよ。私も非常に心配して、逓信委員会でも議論があって内部でも話はしていますけれども、今私が申し上げたようなことが当面、ございます。したがって、そこのところは評価損じゃないか、どうなんだと。この点は、御指摘はわかっているわけでございますから、慎重にひとつ今の幾つか私が申し上げたことを踏まえて検討させていただきたいなと、こういうふうに思っています。
#50
○楢崎泰昌君 今、郵政大臣から早手回しにそういう御答弁があったわけですが、実は二つ問題があるんですね。要するに外貨で保有しているものをどういうぐあいに考えるのか。実はこれはディスクロージャーされていて、幾ら年度末に評価損が出ているかはっきりわかっている。
 今、郵政大臣が言われたのは、実は株式運用の話なんですね。この株式運用は指定単という形で信託銀行に運用をお願いしている。その金額は平成五年末で郵貯が四兆五百億、簡保が七兆六千二百億というぐあいに私は思っていますが、郵政省、間違いないですか。
#51
○政府委員(高木繁俊君) そのとおりでございます。
#52
○楢崎泰昌君 実は、郵政大臣、この指定単がディスクローズされていないんですね。これはディスクローズされていないということはどういうことかよくわかりませんけれども、事務当局にお伺いをしても、いや、金銭信託というのはこうだとかああだとか、こういう議論があるようですけれども、郵政事業、特に郵便事業の方は損益がはっきりしています。簡保事業の方は剰余金という形ですからなかなか損益ははっきりしないんですけれども、非常に評価損の金額というものは大きなウエートを占めているんですね。
 例えば、これは郵政省は明らかにしませんからあれですけれども、郵貯で四兆円の資産を持っておられる。一割評価損があれば、今の株の状態ですからもっと評価損が発生していると思いますけれども、四千億になっちゃうんですね。ところが、郵便貯金の損益を見てみますと、平成五年で四百十億円しかないわけですよ。予算書で見ましても、平成六年で二千億と。そういう小さい損益のところで今デッドヒートをやっているわけです。
 ところが、片方でディスクロージャーしないで何千億もの欠損を抱えておる。特に申し上げますと、外貨の運用のところは、先ほど申し上げたように日本経済の大きな流れが変わってきているわけですから、なかなか百二十円になるんだよとか百二十円になるんだよということには相ならぬ。そういう状態の中でこういうことでいいんだろうか。
 私は、やっぱり郵便貯金なり簡易生命保険の現在の財政ポジションというのはこうなんだということを国民に対してはっきり言うべきである。そういう意味で、特に指定単のディスクロージャーをやるべきだというぐあいに考えておりますけれども、ここはちょっと郵政大臣にお待ちいただいて、会計検査院に聞きます。
 会計検査院は、郵便貯金あるいは簡易生命保険が指定単に対してディスクロージャーしていない、損益を明らかにしていないということについてどういうお考えをお持ちですか。
#53
○会計検査院長(矢崎新二君) 簡保事業団の貸借対照表に評価損を計上するかどうか、表示するかどうかということにつきましては、まず事業団において検討していただく問題であると考えてはおりますけれども、会計検査院としても事業団からよく説明をお聞きしてみたいと思っているところでございます。
 また、委員御指摘のとおり、郵便貯金、簡易生命保険、両特別会計の外国債運用での評価損は多額に上っておりますし、また簡保事業団の実施している指定単運用でも評価損が懸念されているという状況でございますので、これらにつきましては、今後も引き続き資産の運用が有効にされているかどうかということに留意をして検査をしてまいりたいというふうに考えております。
#54
○楢崎泰昌君 従来から問題はもちろんあったと思うんですよ。あったと思うけれども、これだけ株式市場が変動し、そしてこれだけ外国為替が円高に向かうという状態になったときに、これを放置しておくわけにはいかぬじゃないか。検査院にお願いをしますが、少なくとも郵政省ときちんと相談をされて、国民のお金を預かっているわけですから、その損益をディスクローズしてやるべきだ。
 結局、二信組、東京共同銀行もそうなんですよ、あれディスクローズしないからああいう問題になってきちゃった。やっぱり国民をばかにしたようなことをしないで、少しずつきちんと国民に対して説明をする。悪いことをやっているわけじゃないんですから、一生懸命みんなやっているんですから、そういうようなことが必要なんじゃないかと思います。実のことを言いますと、株式の運用は指定単ですから信託銀行にその運営をお願いしているわけです。これだけ運用したいということは大枠は郵政省がお決めになりますよ。ところが、外貨については、本省のセクションが直接幾ら外貨に投資をすべきであるか、どういうぐあいにどこの外貨を選ぶべきであるかというようなことを郵政省のお役人方が決めているんですね。
 僕は、郵政省のお役人方というのは経済の、外国為替の専門家だと思って、あなたは何年この課に勤めておるんですかと言うと、ほとんど交代交代で行くわけですね。少なくとも課長さん、局長さんはみんなそうです。そういう方が外国為替をどういうぐあいに運用するかということを決めておられるというのは僕は随分おかしなことじゃないかと。専門家に任せるべきじゃないか。専門家に任せるとすれば、指定単という形で、指定単の中に外貨運用を入れて結構ですよ、運用すべき外貨の割合はこれが限度ですよということを条件づければできるんですね。いかがですか。
#55
○政府委員(高木繁俊君) 先生よく御承知のとおり、いわゆるポートフォリオ管理という面から考えますと、いろんな資産に分散投資をしながら、それを経済状況あるいは金融情勢等の変化に対応して変化させていくということが大変大事なわけでございまして、いわゆる機動的に運用するという面からは……
#56
○楢崎泰昌君 役所が決めていることについて聞いているんだ。
#57
○政府委員(高木繁俊君) みずからの手で運用することが大切だというふうに基本的に考えております。
 あとは指定単運用の中でというお話でございますが、現在の指定単という仕組みは、これも御承知のとおり株式の運用ということで例外的に事業団経由で行う、こういう仕組みで出発をいたしておりまして、その中に外債を含めるということは、今の指定単の仕組みの成り立ちから考えて多少問題があるかというふうに考えております。
#58
○楢崎泰昌君 そんなことを聞いているんじゃないんだ。今の仕組みを聞いているんじゃないんだ。これからどうするかということを聞いているんだ。
 大臣、ぜひ検討していただきたいと思います。
#59
○国務大臣(大出俊君) 楢崎さん御存じのように、私も予算委におりましたころにほとんど同じような問題の質問を長々したこともありまして、わかっていないわけじゃないんですけれども、そのときもそうなんですけれども、やっぱり原価法という一つの資産の見直し、再評価というのをしないで来ているんです。問題はあるんですけれども、しかしこれも今までそうであるとすれば、やっぱり省庁間のそういう状況というのはそうやってみてわかりますので、検討してみたい、そう思います。
#60
○楢崎泰昌君 ちょっと時間がなくなりましたけれども、最後に公務員宿舎について若干お伺いをしたいと思うんです。
 公務員宿舎、実は私は大蔵省で公務員宿舎の担当次長をやっていたことがありまして、私が言うのは天につばすることかもしれませんけれども、非常に公務員宿舎の老朽化、狭隘化が目立っているんです。大蔵省から資料をいただいたところでは、年間の建設予算は三千戸、それに対して保有している宿舎は三十万戸。そうなってくると百年に一遍の更新になっちゃうんですね。まあそんな極端なことじゃないでしょう、本当は。各省庁にも予算が若干ついていますから、そんな極端じゃないでしょう。それから築後三十年たった公務員宿舎が四万戸あるんです、四万戸。これも三千戸ずつやっていったら十年以上かかっちゃう。
 大蔵大臣、公共事業六百三十兆と言っているけれども、あの中にはいろんな箱物が入っているわけです。私はその中で、それは道路をつくるのもいい、いろいろ必要ですよ。でも、自分のところの職員の生活ぐらいきちんとしてくれないと何ともならぬ。
 特に老朽化が目立っているところは、取り壊す都合もあるのかもしれないけれども、修繕しないんです。各所修繕というのがありますね、修繕費。これがどうも少ない。極端な話で恐縮なんですけれども、穴があいていて蛇が出るとかナメクジが出るとかいろんな文句、極端だと思いますよ、いろいろありますから。やっぱりきちんと公務員宿舎を建設し、運営をしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
#61
○国務大臣(武村正義君) 公務員宿舎に住みながら頑張ってこられた楢崎先輩の貴重な後輩を思う御意見、ありがとうございました。
 老朽化したものあるいは狭隘なものを中心にして、今後も積極的にひとつ努力をさせていただきます。
#62
○楢崎泰昌君 ぜひそのようにお願いを申し上げまして、質問を終わります。
#63
○委員長(前畑幸子君) 午前の審査はこの程度とし、午後一時まで休憩いたします。
   午前十一時五十八分休憩
     ――――◇―――――
   午後一時二分開会
#64
○委員長(前畑幸子君) ただいまから決算委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、平成四年度決算外二件及び平成五年度決算外二件を一括して議題とし、全般的質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#65
○栗原君子君 日本社会党・護憲民主連合の粟原君子でございます。
 私は、今回初めて決算委員に加えていただきまして、なかなか十分に御理解のいただけるような質問ができないかもしれませんけれども、まずお許しをいただきたいと存じます。
 さて、質問に先立ちまして武村大蔵大臣に一言お聞きをさせていただきたいと思いますけれども、統一自治体選挙の前段部分が終わりまして、東京では青島幸男さん、そして大阪では横山ノックさんがお通りになられたわけでございます。この中で、特に東京での青島幸男さんは二信組の救済に三百億円もの金を出すということは大変これはもってのほかである、こういったことを公約に挙げられたわけでございます。それを都民の人たちが支援をなさって今回知事におなりになられたわけでございます。きょうも衆議院におきましてこの関連の証人喚問が行われているわけでございますが、こういったことにつきまして、もし都が出さないということになれば大蔵省にとっても大変重大な問題であろうかと、このように思いますので、まず最初に一言、大蔵大臣からそのことについてお聞きします。
#66
○国務大臣(武村正義君) まず、今回の都知事選挙あるいは大阪府知事選挙を含めた都民や府民の皆さんの選択といいますか、これは率直に政治家の一人としても受けとめなければならないと思っております。そういう意味で、新知事さんがこれまで選挙をめぐってどういう政党間のかかわりがあろうとも、都民の代表として精いっぱい向こう四年間御活躍をいただきたいと期待するものであります。
 そういう前提で私どもの役所のかかわる今回の二つの信用組合の処理対策、いわゆるスキームと言っております方針の中で、都は三百億円の低利融資を約束いただいているわけであります。過般の都議会ではこれが一時棚上げというふうな、財政調整基金に積み立てるというふうな措置をとられるに至ったわけでありますが、そういう状況を踏まえて新知事がどういう措置をとられるのか、関心を持って見詰めているところであります。
 当選された直後の青島新知事の御発言は私もテレビで拝見しておりますが、これは出すべきでないと明快に言い切っておられるということを大変心配しながら聞いておりました。実際に御就任をなさって、恐らくその時点で新知事はこの問題の今日までの沿革とか背景とかあるいは都議会との関係、関係団体とのかかわりを整理しながら認識いただくことになるんだろうと思っておりますし、そういう全体像をそれなりに御認識いただけるならば、この問題は少なくとも東京都が無責任であることはあり得ない。むしろ直接の管理監督に当たってきた団体であります。みずから信用組合を認可し、経営指導し、あるいは経営改善を指導し、あるいは検査をし、法律上の権限は全部都知事にゆだねられているわけでありますから、そういう中での問題でございますだけに、むしろ大きな責任を当然感じられることと私は信じております。
 そういう中で、この三百億をめぐる問題をどういうふうに御判断されるのか真剣に見守ってまいりたいというふうに考えている次第でございます。
#67
○栗原君子君 それでは、防衛庁長官にお伺いをさせていただきます。
 まず、沖縄の米軍基地の問題でございますけれども、いわゆる三事案件と言っております那覇港湾施設の移設、そしてまた読谷の補助飛行場の返還、そしてまた県道百四号線を越えての実弾の射撃訓練廃止、この三事案件にかかわってのことでございますけれども、一月に村山総理がアメリカに参りましてクリントン大統領との中で、クリントン大統領もその沖縄の米軍基地の整理統合に努力をする、こういうことを表明されておるわけでございます。
 そこで沖縄の県民の人たちは、域内で代替地を求めての対応であって、これは基地の縮小ではないと、機能強化そしてまた整理統合にしかなっていないと、こういうことを言っているわけでございますけれども、村山内閣の最大の課題は軍縮とそして行政改革でございますが、軍縮の面での基地の削減ということも私は大きな課題であると思います。防衛庁長官の御見解をお願いします。
#68
○国務大臣(玉沢徳一郎君) 沖縄県に所在する施設・区域の整理統合の円滑な推進に当たりましては、日米安保条約の目的達成と地域住民の要望との調和を図りつつ、私といたしましてもいわゆる三事案を中心に一つでも多く、できるだけ早期に問題解決の道筋をつけられるよう最大限の努力をしてまいる所存でございます。
 整理統合問題につきましては、昨年九月の訪米時に私もペリー国防長官と意見交換したところでありまして、また一月の日米首脳会談におきましてはこの問題が話し合われまして、村山総理からもその推進方について私と外務大臣に指示があったところであります。
 また、いわゆる三事案の解決に当たりましては、地元の理解と協力を得られることが不可欠であるため、本年一月には村山総理から沖縄県知事に対し協力を要請され、さらに二月には私自身が沖縄県を訪問の上、県知事に協力を要請したところであります。
 いずれにしましても、政府としましては、特に本年が戦後五十年の節目の年でもあり、これらの事案について一つでも多く、できるだけ早期に解決の方向性、道筋がつけられるよう努力しているところであります。
 三事案の詳細について、もし必要であれば防衛施設庁長官から御説明させていただきます。
#69
○栗原君子君 三事案の中身は大体私も把握しておりますので結構でございます。防衛庁長官には、後ほど時間があればまたその沖縄の基地の問題にかかわって質問をさせていただきます。
 そこで、きょうはひとつ私は、現職の大蔵大臣が基地の中でパーティーを開いている、こういったことにつきまして国民の疑惑を招くような状況が起きている、こういったことに関して質問をさせていただきたいと存じます。
 閣僚席にはコピーを差し上げさせていただいております。これは九四年三月二十九日の写真週刊誌でございますけれども、こういったものが出されております。
 まず、細川連立内閣のもとで大蔵大臣を務められた藤井大臣が米軍基地内で後援会の総会をなさったわけでございます。当時、細川総理から突然国民福祉税構想が深夜に出されまして、大変国民の皆さんから怒りの声が出たわけでございます。その十数日後のことでございますけれども、平成六年二月二十日、日曜日に当時の藤井大蔵大臣は、米軍の厚木基地の中の将校クラブで御自分の後援会の総会を開催し、これに昼の十二時から出席をしてあいさつをし、その後立食パーティーにも参加をしておられるわけでございます。コピーをお渡ししておりますけれども、そこに米軍のマークをバックにあいさつをされている姿が大きく載っているわけでございます。六年の二月二十日午後一時ごろと思われますけれども、米軍基地内で後援会のパーティーを開くということは大変私は非常識ではなかろうか、こういうことを思うわけでございます。
 けさほど同僚の委員からも、日本の公務員の宿舎が大変破れて蛇が入りそうなとか、そんなお話がなされました。私もこの前、内閣委員会において地位協定の中でのいわゆる思いやり予算の使われ方について大変疑問がある、フィットネスクラブとか、あるいはちょうネクタイまで買うとか、こんなこともあるではないか、それでぜひ防衛費の削減の中に思いやり予算も削減をしてほしいということを言ったわけでございますが、何や何やこういったことも実際に起きているわけでございまして、このことについて、武村大蔵大臣は当時官房長官でもいらっしゃったわけでございますけれども、ちょっと御見解を伺いたいと存じます。
#70
○国務大臣(武村正義君) 初めてお伺いするわけでありますが、米軍基地といえば、当然日米安保条約を背景にして今御指摘の地位協定があり、国家間の特別のこうした協定によって米軍に対して日本政府は特別の配慮をしている施設でございますのでありますから、ちょっとここにも書いてありますように、無税といいますか、税の面でも日本国とは違う特別の計らいがなされているわけであります。
 そういうところで政治家がみずからの後援会の会合を持つというのは、法的に即何々に違反するということではないのかもしれませんが、やはり世間に対して誤解を与えかねないと。政治家であるがゆえに、あるいは大蔵大臣であるがゆえに、その特権を利用してそういう特別な施設をいわば政治活動という特別の活動のために利用するのはいかがだろうかという、そういう見方が出るのではないかというふうに私も思います。
 そういう意味で、こういう行為は慎重でなければならないというふうにまず思います。事の経緯がどうであったか藤井前大臣から聞かないとよくわかりませんけれども、少なくとも今伺ってそういう感想であります。
#71
○栗原君子君 それでは国税庁にお伺いをいたします。
 米軍の将校クラブで飲食をする場合、日本の消費税とか関税とか酒税等はどのようになっているのか、簡潔にお答えいただきたいと存じます。
#72
○政府委員(薄井信明君) 御指摘の個別の事例についてとは別に、一般論として、今御指摘ありましたような地位協定十五条に規定されております米軍のいわゆる社交クラブ、将校クラブと申しますか等が食材とか酒類を仕入れまして、それらを飲食サービスとして提供するケースにつきまして消費税等がどのように課税されるか、あるいは酒税がどのように課税されるかされないかについて、流れに沿って整理して御説明いたします。
 まず、当該米軍の社交クラブ等が材料を仕入れるわけですが、食材とかお酒を仕入れるということになりますが、日本の国内の業者といいますか、日本国内で仕入れる場合には日本の業者の売り上げに消費税がかかります。消費税のかかったものを社交クラブは購入するということになります。
 それから、日本の国内で酒類、お酒を購入すれば、お酒はメーカーの段階で酒税がかかっておりますので、酒税のかかった酒類を購入するということになります。
 ただ、この社交クラブが輸入をした、あるいは米国からビール等を入れましたというような場合には、これは日米関税臨時法というのがございまして、これに基づきまして関税、それから酒税、消費税、いずれも免除されます。
 それから、もう一つの段階は、そういった材料をもとにいたしまして社交クラブにおいて飲食サービスを提供するわけです。これは社交クラブの売り上げになりますが、この点につきましては地位協定の十五条に基づきまして消費税は課税されません。酒税の問題はもともと生じないということです。
 以上、いろいろ申し上げましたが、米軍の社交クラブが輸入した食材とか酒類を使いまして飲食サービスを提供する場合について言えば、関税も消費税も酒税もかからない、こういうことになります。
#73
○栗原君子君 そういたしますと、藤井前大蔵大臣は職務中に日本の消費税を払わずに後援会のパーティーを開催した、そしてスコッチとか輸入ビールであれば関税も酒税も払っていないものを後援会の皆さんと一緒に召し上がったと、これでよろしいですね。いいか悪いかだけ言ってください。そういうことでよろしいですね、確認します。
#74
○政府委員(薄井信明君) 制度的に一般論としては先ほど申し上げたとおりでございます。
#75
○栗原君子君 はい、わかりました。
 それでは自治省に伺います。
 在日米軍の基地内で政治家が後援会の総会を開催し、政治活動を行うということは日本の法令に照らして何か問題があるものでしょうか、ないものでしょうか。そしてまた、米軍の将校クラブで日本の政治家が後援会を開催し、そして消費税も払わずにパーティーを開催するということは、米軍から便宜供与を受けているということにはなるんでしょうか、ならないんでしょうか。
#76
○政府委員(谷合靖夫君) 一般的に申し上げるわけでございますが、外国の施設で政治団体が集会を開くということにつきましては、公職選挙法上、特に規制はないわけでございます。
 それからまた、その施設の利用について、例えば通常は有料でそれを使用させているにもかかわらず特定の政治団体に限って無償にする、そのような特段の事情がない限りは政治資金規正法上の問題も生じないというふうに考えております。
#77
○栗原君子君 そうおっしゃるだろうと思うんですけれども、防衛施設庁が随分と米軍のそういったことをお世話しておられるんです。予算をつけるためのさまざまなお世話をしていらっしゃいますけれども、その窓口の人も、「基地は米軍に提供されているのでアメリカ本土と同じ。基本的には米軍の軍人や軍属しか利用できない。基地内の施設は中で働く日本人従業員は使えるが、一般の人はまず利用できない」ということを言っているわけでございます。この文は、中に働いている人を集めて飲み食いしたのではなくして、外部から一般の人がたくさん行って飲み食いをしたということでございます。
 それから、「一般市民が入ることのできない基地内で、しかも政治活動である後援会を開くことは、この協定に違反している」と、これは防衛庁の関係者の方がこうおっしゃっています。やっぱり違反ではあるということでございましょう。それから、将校クラブの管理者でも、「政治的な催しはまずいと思う」と、こんな話もあるわけでございます。
 それから、綾瀬市の市長とか座間市の市長が、かつて基地内のゴルフ場に行ったということで問題になったということもあるわけでございまして、そうしてみたら、国民感情からいたしますとだれでも入れるところじゃないんです。そこの中でこういった活動をされているということ、やっぱり私は政治家はここで襟を正す意味でも再びこういうことがあってはならないと思っています。そして、ましてや徴税事務の最高責任者である大蔵大臣が、消費税も払わずに後援会のパーティーを基地内で開くということは前代未聞ではなかろうか、こういうことを思うわけです。
 こんな中で、村山内閣の閣僚にはこういう大臣はいらっしゃらないと思いますけれども、五十嵐官房長官、政治家のモラルとして何かコメントをいただければと思います。
#78
○国務大臣(五十嵐広三君) 御指摘の食堂は、日米安保条約及び地位協定に基づいて米軍の厚生施設として米軍構成員、軍属、家族の用などに供するために設けられているものであります。しかし他方、このことは協定上、在日米軍が米軍の利用に支障のない範囲に限って、友好親善の意味合いからこの食堂を在日米軍関係者以外の者に利用させることを排除しているものではないのであろうというふうに思います。
 しかし、いずれにいたしましても、食堂の使用に当たりましては、地位協定の趣旨、目的に照らせば、無制約に第三者による利用が許されるというものではないように解されますし、今後、地位協定の規定の趣旨に照らして節度ある適切な使用がなされるよう期待いたしたい、このように存ずる次第でございます。まして御指摘のように政治家の立場にある、あるいは閣僚の立場にあるというような場合には、おのずとそこにはより厳しい節度が求められるものであろう、こういうぐあいに思います。
#79
○栗原君子君 この間、古川官房副長官が記者会見でおっしゃったんでしょうか、例の東京協和信用組合の高橋治則前理事長と大蔵省の官僚の人が飲み食いをなさったと。必要以上のつながりをお持ちであったと。そういったことに対して、公務員の綱紀の粛正の徹底を指示なさっているわけでございます。私はまた、聞くところによると高級官僚も何か基地内のゴルフ場に行っている人がいるんじゃなかろうかと、こんな国民の素朴な声もあるわけでございますから、ぜひ十分にそこらは襟を正していただきますようにお願いを申し上げます。ぜひ、そういうことがあるのかないのか調査して報告をしていただけませんでしょうか。よろしくお願いをいたします。
 それでは続きまして、NPTの問題にかかわって質問をさせていただきたいと存じます。
 核不拡散の条約でございますけれども、ことしは被爆五十年の年でございまして、広島出身の私の気持ちからいたしますと、無条件に無期延長をするということについて大変何か心に詰まるものがあるわけでございまして、広島、長崎の悲劇から五十年たちまして、軍縮とすべての核兵器の廃絶を願う立場から、核不拡散の条約につきましてお尋ねをさせていただきたいと存じます。
 特に、このNPTの再検討・延長会議が四月十七日から五月十二日まで、二十五年ぶりの再検討会議がニューヨークの国連本部で開催されるわけでございます。日本政府、外務省はこの会議にどのような態度で臨まれるのかお聞きをしたいと思います。
#80
○政府委員(林暘君) お答え申し上げます。
 今御指摘のとおり、核不拡散条約は発効後二十五年の時点でそれ以降の有効期間について決定をするという定めがございまして、それに基づきます延長会議が御指摘のとおり今月の十七日から四週間ニューヨークで開催をされます。
 政府といたしましては、この延長問題に対しましては、これまでのNPTの存在しておりました二十五年の間、いわゆる核の不拡散、核を持つ国をふやさないという意味において重要な役割を果たしてきたというふうに考えておりますし、さらにその体制が今後も将来にわたって続くことが世界の平和のため、ないしは日本の安全保障のためにも必要であろうというふうに思っております。そういう観点から、政府としましてはNPTの無期限の延長を支持していきたい、そのための決定が行われることが実現しますように努力をしていきたいというふうに思っております。
 ただ、他方、日本が唯一の被爆国といたしまして、核兵器の究極的廃絶へ向けての核軍縮努力というものを今までも努力しておりましたけれども、今後ともこれを積極的に進めていくということが必要であろうと思っておりますし、核不拡散条約の第六条におきましても、これはいわゆる条約の中で核軍縮交渉の義務を定めました唯一の条約でございますが、核軍縮交渉を核保有国に義務づけているという条約の規定がございますので、それに基づきます核軍縮の努力が核保有国によって一層なされるように日本としても積極的に働きかけていきたいというふうに思っております。
#81
○栗原君子君 私は、この間、日本政府はアメリカへの配慮から一貫して消極的な態度をとってきたことがあると思うんです。それからこういったことは余り日本のマスコミでも報道をされていないことでございます。そして日本には、核兵器を持たず、つくらず、持ち込まずのいわゆる非核三原則というものがあるわけでございますが、今回の無期限延長ということは、やっぱり核兵器を持ち続ける五大国と言いましょう、五大国が核兵器を持ち続けることを認めるというものになるような気がするわけでございます。不拡散を主張するのであれば、核兵器が核廃絶に向かうことをやっぱりきちっとやらなければいけないと思うんです。
 そのことを、日本が被爆国だから五十年間、日本の広島、長崎にたった一発落ちた原子爆弾によってあれだけひどいことになったんだということを世界の核保有国が知っているから、五十年間核戦争がなかったわけでございます。そういう意味では、私は、広島、長崎の被爆者というのは大変国際平和のために大きな貢献をしていると思うわけでございます。
 それで、実は広島では今回のNPTの延長会議があることに並行いたしまして、四月十八日から四月二十六日までに開催される国際司法プロジェクト会議あるいはまた国際市民会議というのがあるわけでございます、これはアメリカであるわけでございますが、これに被爆者の代表とかそれから労働組合の代表、市民の代表の人たちが参加をするわけでございます。そして、世界の核兵器廃絶に向けて世界の人たちとの共同行動をするということをやるわけでございます。
 それにあわせまして、これは反核意見広告をニューヨーク・タイムス紙へ掲載する運動へ協力してくださいという、こういったカンパ活動もするんです。(資料を示す)ニューヨーク・タイムスの紙面をかりまして、そこに意見広告を出すというのでございます。それに四百万円のお金がかかるからというので、今、市民の人たち、平和団体がカンパ活動をしているという、そういった本当に核兵器廃絶ということについてはいたたまれない思いで、とにかくこれは地球上からなくさなきゃいけないと、そういう思いで広島の県民、市民の人たちは、この間、平和運動などにかかわってきたわけでございます。
 それをただ、日本政府の立場でもうこれは無期限そして無条件延長ということについては、何か一つやっぱり納得ができないわけでございます。県民、市民に対して外務省から何かメッセージをちょっと一言言っていただきたいんですけれども、いかがでございましょうか。核廃絶への強い決意を私はここで述べていただきたいと思います。
#82
○政府委員(林暘君) 先ほども申し上げましたとおり、唯一の被爆国として、日本政府といたしましては、核の究極的廃絶を目指す努力をいたしております。
 例えば、昨年の秋、国連総会の第一委員会、これは軍縮関係をやっておる委員会でございますけれども、それに日本といたしましては、核の究極的廃絶を求める決議案、これは日本の単独提出でございますけれども、それを提出いたしまして、八カ国棄権をした国はございましたけれども他の国が賛成する圧倒的多数でこの決議案は採択をされたわけでございます。そういうような形で、日本政府としても核兵器というものが究極的に廃絶をされる、世界からなくなるということを実現するための努力は続けているつもりでございます。
 ただ、ひとつ御理解をいただきたいと思いますのは、NPT条約といいますのは、先ほども申し上げましたように、その主要な部分、本質的な部分というのは核兵器が拡散するということをまず防止するという条約でございまして、言いかえますと、NPTがなくなれば核保有国がなくなるという条約ではございません。
 これは、核不拡散条約ができましたときの国際的な現実というものを踏まえまして、結果的に五つの核保有国というものを認めた上での核不拡散になっておるということは事実でございますけれども、言いかえますと、この核不拡散条約をなくせばないしは期限をつけてそれまでにやめれば核保有国がなくなるということではございませんで、やはり核保有国をなくすためには核軍縮の努力というものを、この核不拡散体制というものをつくり上げた上で核軍縮の努力を続けていくという努力がどうしても必要だろうというふうに政府としては考えておりますので、先ほど申し上げましたように、まずこの条約は無期限に延長した上で核軍縮を努力していきたいというふうに考えている次第でございます。
#83
○栗原君子君 これは先般の、七日の新聞に出ていたんですけれども、「「広島、長崎」避ける」という見出しで出ておりまして、史上初めての被爆地となった広島、長崎の地名には言及しない、これは外務省筋が六日明らかにした、「同筋は「演説の文脈のうえで言及する必要がないと判断されたので、触れないことになった」」ということを報道されているわけでございます。
 やっぱり私は、もっとこの問題については、広島、長崎というのは核のそういった被害を受けたということは逃げることができないわけでございますから、きちんとそのことは演説の中にも、外務大臣が十八日に演説をなさるわけですからその中にもしっかりと加えていただきたい、こういうことをお願いさせていただきたいと思います。
 それから、もう一つには、私はやっぱり日本を中心にしたこういったアジア地域に非核地帯をつくるということはできないものか、ちょっと提案をさせていただきたいと存じます。
 例えば、朝鮮民主主義人民共和国はアメリカとの合意の中で、アメリカが北朝鮮に対して核兵器による威嚇や使用を行わない保証を公式に取りつけることができたと。さらにはまたウクライナも、自国内に配備されている核兵器をロシアに引き渡すに当たって、米ロの両国から同様の保証を得たということがあるわけでございます。そしてまた、南米とか南太平洋は既に非核地帯をつくっているという国際条約もあるわけでございます。
 そうすれば、やっぱりこのアジア地域で唯一の被爆国である日本が中心になって非核地帯をつくるということはできないものであろうかと。そういう呼びかけはやっぱり日本だからできるんです。被爆国だからできるんです。核兵器を持たない国だからできるんです。日本はそういった意味で平和のために貢献をする、このことをやっぱり世界に高らかに表明すべきではなかろうかと思うんです。憲法第九条もあるわけでございますから、これを大事にしていくという精神のもとに立って、外務省はこれから私は努力をしていただきたいと思うわけですけれども、もう一度ちょっと決意のほどをお聞かせください。
#84
○政府委員(林暘君) 非核地帯の件についてのお尋ねと承知いたしますが、御指摘のとおり世界には、ラ米地域のトラテロルコ条約、それから南太平洋のラロトンガ条約、その二つの非核地域というのが条約上できております。さらにアフリカにおいても、アフリカを非核地帯にしようという試みがほぼ実現しつつある状況にございます。
 そういうように、一般的に適切な条件がそろっている地域において、その地域の国々が提唱し賛成して非核地帯をつくっていくということは適当なことだろうというふうに我々も思っております。
 この地域において、そういう状況に今あるかどうかという点につきましてはいろいろな見方があろうかと思いますけれども、一般的に申し上げまして、今申し上げたような条件を達成した地域において非核地帯というものができ上がっていくということは適当なことだろうというふうに思っております。
 それからさらに、先ほど先生御指摘のいわゆる核を使用しない、核を威嚇に使用しないという意味での核保有国の約束といいますか宣言といいますか、北朝鮮、ウクライナの例をお挙げになりましたけれども、先日、いわゆる五核兵器国、米、英、仏、ロシア、中国でございますが、それがそれぞれ、先生が今御指摘になりましたような、核をNPTに参加しております非核国に対しては使用しないという宣言を出しておりまして、そういう意味でのいわゆる非核保有国に対する安全保障上の配慮というものは、核保有国においてもそれなりになされているというふうに承知をいたしております。
#85
○栗原君子君 これは実はけさの新聞の記事なんですけれども、先般、クリントン・アメリカ大統領が日本への原爆投下には謝罪の必要がないと発言したことにつきまして、大変広島の被爆者の人たちは怒っているわけなんですね。
 私は、政府のどういった人たちがこれに対して抗議の声を出してくださるものかと見ておりましたら、斉藤事務次官が昨日、原爆投下はいかなる理由であっても正当化されない、日本人の感情に配慮してもらいたい、こういう不快感を示してくださいまして、私はある意味ではほっとしたわけでございます。しかし、この次があるんですね。外交ルートを通じて抗議することは考えていないということなんです。広島の市長は、核兵器使用は頑として国際法違反である、長崎の本島市長もそうおっしゃっているわけです。広島の被爆者はみんなそうで、県民も大多数の人はそういう考えに立っていると思うわけです。
 そういった意味で、何で外交ルートを通じて抗議することは考えられないのか、そこに矛盾があると思うんです。せっかくそういう発言をしてくださったんですけれども、外務省はどういうお考えでいらっしゃるんでしょうか。どなたでも結構でございます。
#86
○政府委員(林暘君) 私の直接の担当ではございませんけれども、外務省から来ております者がほかにおりませんものですから御答弁をさせていただきたいと思います。
 政府として、その報道にありますように、核というものが二度と使用されてはならぬものだというふうに思っておりますし、そういう意味で斉藤次官の発言になったものというふうに私としても考えております。
 核兵器の使用というのは、国際法の基盤にあります人道主義に違反するものでございます。そういう意味において、核兵器というのはこれからも二度と使用されてはならないというのが日本政府の確固たる考えでございますし、そういう考え方で対処をしていきたいというふうに思っております。
#87
○栗原君子君 日本だからこそ世界に対して発信できるメッセージがあるわけでございますから、そういった意味で、平和のためにそういった世界の人たちが日本の出方というのは大変期待をしておられますので、ぜひ頑張っていただきたいと存じます。
 きょうは外務大臣がいてくださったら、外務大臣は大変人間味のある方でございますので、私はもっといい答弁がいただけたものであろうと思ったんですけれども、また次の機会にしたいと思います。
 沖縄の基地の問題については、もう時間がなくなりましたので終わりますが、五十嵐官房長官がおいででございますので、最後に官房長官に一言、選挙の関係についてお尋ねをしたいと思うんです。
 統一自治体選挙の前段部分が終わりまして、特に首都東京、そして第二の首都大阪につきましては、政党離れと言われる人たちの支持を得て無党派の青島幸男さん、山出勇さんが知事としてスタートをされたわけでございますが、官房長官は、今回のそういった無党派層に支持をされてお二人が知事におなりになられた、こういったことについてどういう御見解をお持ちでございましょうか。最後に一言お聞かせいただければと思います。
#88
○国務大臣(五十嵐広三君) このたび、統一地方選挙の前半でそれぞれ選挙結果が出まして、政府は、御承知のように今日、地方分権を強力に推進しよう、こういう折であるだけに、それぞれ御当選いただきました知事さん初め各地方議員の皆さんの御活躍に期待し、またともに分権を促進してまいりたい、こういうぐあいに思う次第であります。
 今お話しの点では、ここ一両日の各新聞の紙面等でそれぞれ識者のこの問題についての見解等が多様に出ているところでありますし、あるいは各党の責任者からもそれぞれの思いを込めての発言がなされていて、私はそれをずっと通して見ながら、それぞれ一つの見解がそのとおりであろうという感じで示されているというふうに思うのであります。
 一つは、殊に御指摘の東京、大阪の点につきましては、各政党がそろって推薦、支持をいたしました。そろってといいましても一部外れている党もございましたが、通常ですと圧倒的な御支持をいただくべきこれらの候補が残念ながら敗北をした。候補自身の人格、識見からいってどうかというと、これは僕は、各党がそろって推薦した候補にいたしましてもなかなか立派な識見、人格を持った候補であったと思うのであります。しかし結果はお話しのような結果になった。
 このことは、今日の政党政治のあり方からいいますと、大変我々としては衝撃の大きい問題であって、やはり政見も含めて現在の政党全体が深くいろいろ考えを持たなければならぬ点であろう、こういうぐあいに思っている次第であります。
 何にいたしましても、当選された首長は、無党派であろうと何党であろうと、要するにそれぞれ有権者の支持を得て当選した方々なのでありますから、これはもちろん住民の代表として、また自治体の代表者として政府としてはしっかり話し合って、我が国の地方自治あるいはその地域の住民の幸せのためにともに努力しなければだめだ、こういうぐあいに思っている次第であります。
#89
○栗原君子君 終わります。
#90
○会田長栄君 日本社会党・護憲民主連合の会田でございます。
 私は決算委員となって以来、国営土地改良事業の抱える問題を六十三年度の決算審査から幾度も取り上げてまいりました。今回も木曽岬の問題を取り上げます。
 事業効果がいまだ発現しておらず、むだの象徴のような事例で、決算委員としてフォローアップしなければなりません。御承知のとおり、木曽岬干拓は昭和四十九年に土地造成が終了したものの、それから二十年も経過しております。本委員会で私は何度もその問題解決を促し、両県知事に参考人として出席いただきたいとまで申し上げました。
 昨年六月にようやく県境問題で知事間合意が成立いたしましたが、これまで投入した総事業費は幾らで、うち国費負担分は幾らになっているでしょうか、お聞きいたします。残余は、償還を要する運用部からの借入金どこれに対する利息でありますが、これらはいずれは地元と土地取得者の負担となります。この借入額、利息はそれぞれ現在幾らになっていますか。そして、その後の進捗状況はどうなっておりますか、簡潔に農水省お答え願いたい。
#91
○政府委員(野中和雄君) 木曽岬干拓事業についてでございますが、平成五年度までに投入をいたしました総事業費は百五十四億円、うち国費負担分は百九億円、借入金四十五億円、利息六十四億円というふうになっております。本件につきましては、最大の懸案でございました県境問題が平成六年六月に両県知事の間で基本的な合意がなされまして、あとは地方自治法に基づく境界確定のための手続を残すだけとなっております。現在、愛知県、三重県及び農林水産省の東海農政局で構成いたします木曽岬干拓土地利用検討会議におきまして、両県共同で干拓地の土地利用計画について調整が進められているところでございます。
#92
○会田長栄君 これほどの国費を投入し、昭和四十一年度着工以来いまだ事業効果が出ていないということについて、農水大臣はどういうお考えをお持ちかお聞かせください。
#93
○国務大臣(大河原太一郎君) ただいま事務当局から申し上げたような経緯になっておるわけでございますが、当干拓地におきましては、平成元年までに干拓が着実に進行して、ほぼ地域内の農用地整備を除いては工事の完了に至ろうとしておるところでございますが、県境合意が両県の間で、委員十二分に御案内のとおり、調わないために今日に至ったわけでございます。
 その間、当決算委員会においても委員等の御指摘もございまして、農林水産省といたしましては両県に対していわばトップレベルで早急に県境合意をいたすよう要請をしてきたところでございますが、ようやく昨年六月に合意ができたということでございまして、その点については事業効果の早期発現という点からまことに遺憾だと思うわけでございます。幸いこの県境の合意ができましたので、速やかに両県が土地利用計画、これを作成いたしまして、そして事業を完了いたしたい、さように思っております。土地利用計画については、私どもの希望としてはことしの夏ぐらいまでには土地利用計画を策定いたしたいということで、早急に終えたいというふうに考えております。
#94
○会田長栄君 大体、国費百九億、借り入れ四十五億、利息六十四億、そして二十年過ぎてなおかつ明らかでない、こういうことでありますから、きょうはそれだけ指摘しておきます。もちろん愛知県の計画というのは、私がお聞きしている点では、せっかくつくった農地、これを今度は物流拠点、第二名神高速道路にやりたい、こう言っているから、ああ変な話だなと、こういう意見だけ申し上げておきます。後の機会にまた、
 次に、五年度特記事項の国営羊角湾土地改良事業について、検査院長、農水省にお尋ねいたします。
 その一つは、これまで五十一年、五十四年、五十五年と過去三回にわたって特記事項の中に記述が見られますが、今回、単独で検査報告に掲記した理由をまずお聞かせください。
 それから二つ目の問題として、私が疑問に思うのは、これほど過去に何度も取り上げられながらいまだ改善を見ない本件を、なぜ意見表示とか処置要求とせずに特記事項にとどめたのかということです。先ほどの木曽岬については、元年度に意見表示をし、そのため翌二年、三年、四年、五年と連続してその後の状況が検査報告に毎年フォローされております。それでも事態の改善はなかなか進まなかったわけであります。ましてや特記事項の形で書くと、来年以降は本件の記述がなくなってしまいます。検査院は羊角湾の問題を引き続き追跡しないんでしょうか、もうあきらめるんでしょうか、こういう問題です。
 それから、農水大臣にお伺いしたいのは、過去に三回、検査報告に特記事項の指摘を受けながら、羊角湾について改善が見られなかったのはなぜですか。農水省としては、今後どうやって本事業を完結へ導いていこうとしているのか、その目途をいつごろに置くのかお聞かせください。これまた簡潔で結構であります。
#95
○会計検査院長(矢崎新二君) 本件国営羊角湾土地改良事業の指摘をしたわけでございますが、土地改良事業全般につきましては、御指摘のとおりに過去三回にわたって特記事項として掲記をしてきております。
 今回、検査報告に掲記するに当たりましても、羊角湾地区だけではなくて、他地区において実施されております土地改良事業も含めて総合的に検査を行ったわけであります。その結果、いろいろと検討いたしまして、最終的に羊角湾以外の地区につきましては、一部の地区において事業が長期化したり事業費が増嵩したりするなどの事態が見受けられはしましたものの、本院として検査報告に掲記するほどの事態であると認められるものはほかになかったということでございます。
 こういったものに対しまして、本件は一地区におきます事態ではありますが、百九億円という多額の事業費を投下しながら工事が休止されておりまして、再開の目途も立たないままに事業が長期化をしております。そういうことで、事業効果も発現をしていない、それからまた、工事が休止されたまま借入金利息が増加する中で、事業を完了させることができないために受益者負担金の償還も開始されていないというようなことなど、本院として看過できない事態であると認めまして、平成五年度の決算検査報告に掲記をしたものでございます。
 なお、国営土地改良事業全般につきましては、本件のほか、今回検査報告に掲記するに至らなかった地区も含めまして、引き続き事業効果に着目して注視をしてまいりたいと考えております。
 それからまた、平成五年度決算検査報告におきます掲記の態様が特記事項になっていることについてのお尋ねがございました。国営羊角湾土地改良事業におきまして事業効果が発現していないことなどの原因を調べてみますと、真珠養殖事業者との間の漁業補償問題が解決していないことであるとか、あるいは農業就業者が著しく減少しておりまして高齢化も進行しているということなど、地域の農業情勢が著しく変化してきているということなどにあるのでありまして、農林水産省の行政上の努力で容易に解決できる状況にはないというふうに認められたわけでございます。
 その意味で、会計検査院法第三十六条あるいは三十四条による意見表示や処置要求の対象にはなじみにくいというふうに判断をしたわけでございます。しかしながら、投下した多額の事業費がその効果を発現しない事態は早期に解決されることが必要であると認められましたので、広く問題を提起いたしまして、今後の進展を促すために「特に掲記を要すると認めた事項」という形で掲記をしたわけでございます。
 本件もその後の事態の進展につきましては関心を持って見守っていくこととしているわけでありまして、今後も会計検査におきまして引き続き状況把握に努めてまいる所存でございます。
#96
○会田長栄君 私は今回、木曽岬と羊角湾の二つの問題だけ取り上げました。しかし、今考えてみますと、木曽岬で言っているとおり、国費百九億、借入金四十五億、ましてやそれを負担すべき地元あるいは受益者、これが利息六十四億というように大変なことなんですよ、これ。そういうこととかかわって、私は、決算委員会が検査報告で指摘されたその後の状況を粘り強くフォローアップしていかなきゃいけない、これは大変重要なことだと思います。このことをやっぱり決算委員長に強く申し上げると同時に、政府側及び会計検査院に決算審査に対する協力を今後お願いしていきたいと思います。
 私はどちらかというと、こういうせっかくつくった事業、計画、それを実施して途中で余して他目的に転用するのではなくて、農業振興のために役立てた方がいいというのを最初から言っているんです。そこのところを積極的に私は協力してほしいと、こう思いますから、委員長初め、特に大蔵大臣、農水大臣、会計検査院に一言ずつ、協力すると言ってください。
#97
○委員長(前畑幸子君) 委員長としても検査報告のフォローアップは大変に重要なことと思います。政府間の協力と会計検査院との有機的連携の中で対応していきたいと思います。
#98
○国務大臣(武村正義君) 具体的なケースから反省すべきは反省をして、予算編成に生かしていきたいというふうに思っております。
#99
○国務大臣(大河原太一郎君) 御指摘のとおりでございまして、検査院の指摘自体も厳粛に受けとめ、その改善に努めていかなければならないわけでございますし、また当決算委員会におきます御指摘なり御審議、これもその事業の改善について重要な問題として努力をしなければなりませんし、また今後、同種事業、土地改良事業等の執行についても、予算の執行についても、適正かつ効率的な執行という点についても、再発の防止ということから十二分に配慮していかなければ相ならぬと、さように思っているところでございます。
#100
○会計検査院長(矢崎新二君) 委員御指摘のとおりでございまして、検査報告で取り上げました事態の改善、あるいは検査成果の実効性が確保されるということのためには、国会の御審議におきまして決算検査報告を活用していただくことが非常に重要であると考えているところでございまして、本院といたしましても、決算委員会などでの御審議に際しましては、審議が十分に尽くされますように、できる限りの御協力を申し上げていきたいというふうに考えている次第であります。
#101
○会田長栄君 ぜひ国営干拓事業については、審査をしていくための一覧表の資料など、後の機会に提出してほしいということを申し上げておきます。
 次に、民間金融機関の今後の不良債権公表の問題についてお尋ねいたします。
 東京協和、安全の都内二信用組合をめぐる問題については他の委員会で証人喚問、集中審議等が行われており、事案の解明と日銀出資に至った経緯が国民の前に明らかになることを期待しております。私はこういう事態を招かないためにも、日ごろから金融機関の経営の健全性と透明性の確保を図る観点で、一層のディスクロージャーが必要であると考えております。現行の不良債権については五年三月期決算から公表されるようになりましたが、その範囲は都銀と地銀では異なるし、協同組織の金融機関については手がついておりません。
 以下、四点にわたって簡潔に質問いたしますから、簡潔で結構であります。
 第一は、新たなディスクロージャーとして、都銀等の金利減免債権の公表については具体的検討が始まっているのですか。
 二つ目、大蔵省は金融機関に対する検査、ヒアリング等を通じて金利減免債権の状況を把握していると思われるが、これをまとめて業態別にその総額を概数として公表する用意はありますか。わかっていれば報告を願いたい。
 三番目、公表に当たっては金利減免債権の定義づくりが難しいという御意見が今日までありましたが、金利減免という主観的要素にとらわれるからであると私は思っています。短期プライムレート未満の貸出額というようにすれば定義づくりが容易ではないかと思うんですが、それはどうですか。短期プライムレート未満の貸出額の状況は金融機関の経営状況を判断する上でも重要な点です。今後、株主及び利用者にディスクローズすべき内容ではないか。大蔵省の御意見を聞かせてください。
 それから四つ目は、今回の信組問題を見ると、協同組織の金融機関についての不良債権公表を急ぐべきであると、こう思いますが、どのようなものですか。もう簡潔で結構でありますから。
#102
○政府委員(西村吉正君) 第一点でございますが、私どもも金融機関の経営内容のディスクロージャーは、金融機関の自己規制を促すことにより経営の健全化に資するという効果を持つものと思っております。そういう観点から、私どももこの問題には積極的に取り組んでまいりたいと思っておりますが、本日、午前中でございますが、金融機関のディスクロージャーに関する作業部会が再開されまして、デリバティブの取引のディスクロージャーに係る問題及び金融機関の資産の健全性に関する情報開示の範囲拡大についての検討が開始されたところでございます。今後こういう努力を重ねてまいりたいと考えております。
 第二点でございますが、金利減免債権の状況を把握しておるかという御指摘でございますが、現在のところ、先ほど先生御指摘のように、まだ金利減免債権については公表になじまないものと考えられているわけでございますけれども、私ども、個々の金融機関につきまして一部その状況を把握しておるところもございますけれども、各行ごとにその定義が異なっておる等、単純に比較できないような状況でございまして、こういう問題も含めまして、先ほど申し上げました場等を通じまして今後取り扱いを積極的にしていく方向で検討をしてまいりたいと思います。
 第三点でございますが、そのような場合に、短期プライムレート未満の貸し出しというようなことで考えてみれば定義づくりとしていいんではないかという御指摘がございましたが、そういう考え方も一つあろうかと思いますし、また公定歩合というようなものを基準にして考えたらどうかというような御指摘もございます。いろいろな考え方があろうかと思いますが、御指摘の点も貴重な御意見といたしまして、それを踏まえまして先ほどの研究の場でも検討を続けてみたいと存じております。
 それから、信用組合の問題にかんがみまして、協同組織の金融機関についての不良債権の公表を急ぐべきではないかという御指摘ではございますが、今までのディスクロージャーの議論におきましては、協同組織金融機関というものは組合員、会員の相互扶助を基本理念とする非営利団体であるということにかんがみまして、当面、資産の健全性に関するディスクロージャーは求めないこととされてまいりました。しかし、先般のような問題も起こっておりますことでございますので、今後他業態のディスクロージャーの状況等を見きわめました上で、実態に即したディスクロージャーのあり方について検討する必要があると考えているところでございます。
#103
○会田長栄君 私はなぜそのことをお伺いしたかというのは、昨日もお答え願ったように、東京都に全く責任のある二つの信用組合の問題で、今日国民は、政治とは適当だな、こういう気持ちになっているんですからね。そういうことを考えると、大蔵大臣が表明しているとおり、二つの信用組合を救ったのではない、金融システムを救ったのだ、こういうふうになっているんですからね。そういうことを考えると、まさしく金融は不良債権で傷ついているから私は聞いているんですよ。このことも大臣もおっしゃっているんですね。ここははっきりしているんです。下手をすると取りつけ騒ぎになって大変になるとまでおっしゃっているんです。だから、東京都の責任というのはまさしく大変なものなんです。それは指導、監督すべき大蔵省も同様でありますよ。しかし、一には東京都なんです。そういう点でお伺いしたことでございますから、その点。
 次にお伺いしたいのは、日銀の出資に対する会計検査のあり方についてお尋ねいたします。信用組合問題の成り行きに国民は今注目しています。そこで、会計検査院に伺います。
 日銀に対する会計検査にはもう入られましたか。入ったなら入った、入らないなら入らない。
 二つ目、日銀に対する会計検査は東京共同銀行への出資を含めて検査されましたか。していなけりゃしてないで結構。通常の一般的検査だったのか、それとも特殊の検査だったのか。
 それから三番目、会計検査院は日銀の出資先、すなわち東京協和、安全の二信用組合の経営を引き継いだ東京共同銀行に対しても検査できると思いますが、いかがですか。簡潔で結構であります。
#104
○説明員(阿部杉人君) まず第一点でございます。日銀に対する会計実地検査はいたしました。時期は平成七年三月八日から十日までの三日間でございます。
 第二点でございます。三月に行いました検査は日本銀行の全般的な検査の一環として行いましたが、その際、東京共同銀行への二百億円の出資についても検査いたしました。
 次は第三点でございます。東京共同銀行は国の出資法人であります日本銀行によってさらに出資が行われたものでありまして、会計検査院法第二十三条第一項第五号により必要と認める場合は検査をすることができるものとされております。
#105
○会田長栄君 それでは、最後に日銀さんにお願いいたしますが、二信組問題については国会で集中審議や証人喚問が繰り返し行われるなど、国民の関心が非常に高い問題であります。そこで、国会は国会の立場で審議し、また会計検査院は会計検査院の観点で検査されるでしょうが、これには日銀は全面的に協力をしなければいけない、こう思いますが、その点についてお答え願います。
#106
○参考人(田村達也君) おっしゃるとおりでございます。全面的に協力させていただいております。
#107
○会田長栄君 それでは最後に、国民が最も関心が強く不安に思っている問題について端的に私は質問したい、こう思います。
 まず大蔵大臣でありますが、この東京の二つの信用組合の救済問題について先ほど言ったとおりでありますが、国民が何と考えているかといえば、私は端的だと思うんですよ。金もうけのために金利の高いところに預けた人を救済するためにやったのではないか、本当に金融システムというのを救済しない限り今日金融混乱が起きる、そういう意味で政府は責任を持ってこれを処理していくんだというのであれば、そのように国民の前に明確に私はおっしゃっていく必要があるだろう、こう思いますから、その点についての御所見を第一点伺いたい。
 第二点は円高対策です。もう既に多くの議論がされていて、何を手を打つべきかというのはおおよそ明らかになってまいりました。四月十四日、政府は円高対策を中心として総合対策を発表するということを聞かせていただきました。そこで、中小企業などを含めてまさしく大蔵大臣は決断してくれたと言われるように、ぜひ国民にわかりやすく決断していただけるんでしょうねというのが二つ目の問題。
 それから、三つ目の問題は国家公安委員長に、これはサリン事件の問題です。
 そこでただ一点です。国内的にも国外的にも大変注目されている事件でありますが、一番肝心なオウム教の麻原教祖がどこにいるのかということの存在はつかんでいるんでしょうね。これは一番いわゆるオウム教をめぐるもろもろの問題についてわかっている人なんでありますから、その点についてお尋ねいたします。
 それから、わかっているというならそれで結構です。わからないというんであればそれはおかしなものになってしまいますから、刑事局長にお伺いいたしますが、再びサリン事件の起きないように、まさしく全警察の能力を挙げて未然に防止するという体制ができ上がっているのかどうか、それを。
 それからもう一つ、警察庁長官が襲撃をされたという問題について、これは大変な治安に対する警告でありますから、この点について国民が安心できるように捜査の進展が進んでいるのかどうか、これを最後に聞かせてください。
#108
○国務大臣(武村正義君) 今回の二信組に対する大蔵省、日本銀行、都庁の対策は、特定の人、特定の経済人を救済するものではありませんし、また預金者といえども、預金者に金額や金利で差別をすることはできませんが、特定の預金者を救済するものでは全くありません。同時に、日本のまさに信用秩序全体を維持することが目的でありますし、国民の皆さんの戦後五十年にわたる預金とか金融機関に対する御信頼を損ねてはならない、この一点が目的であります。
 円高対策につきましては、週末、政府全体の取りまとめの作業のさなかでございます。きょうここで中身に触れることはできませんが、大蔵大臣として財政出動も含めてやるべきことは御批判を受けることのないようしっかりやらせていただきたいと思っております。
#109
○国務大臣(野中広務君) ただいま御指摘をいただきました地下鉄サリン事件というのは、多数の何の関係もない善良な市民を猛毒性のサリンをもって殺傷するという許しがたい犯罪でございます。警察はその総力を挙げまして、早期検挙並びに犯罪の解明に全力を挙げて取り組んでおるところでございますし、また國松警察庁長官の襲撃事件も同様でございまして、私ども総力を挙げてその検挙に取り組んでおるところでございます。
 政府委員から御答弁を申し上げますけれども、捜査中でございますので具体的な内容に触れることができませんことをあらかじめ御理解いただきたいと存じます。
#110
○政府委員(垣見隆君) お答えいたします。
 地下鉄サリン事件につきましては、大変重大な事件ということで、現在全力を挙げて捜査をいたしているところでございますけれども、この事件の関連で具体的にどういう人物あるいはどういうグループに焦点を当てて捜査をしているか否かにつきましては、捜査中の事案でございますのでお答えを差し控えさせていただきたいと存じます。
 それから、再発防止対策でございますけれども、この問題は、御指摘いただきましたように再発するということが大変な事案でございまして、その再発防止に向けましても警察としては全力を尽くしているところでございます。
 そのためにも、この地下鉄サリン事件を早期に解決するということが大事でございますので全力を挙げているところでございますが、それに加えまして、警戒活動といたしましても関係機関の御協力をいただいて、地下鉄等の交通機関や多数人が蝟集する場所についても、所要の警戒というか多数の警察官等を配置し警戒をいたしているところでございますし、また、それらの機関の管理者にもお願いをいたしまして、自主警戒の強化や不審物発見の場合の措置等をお願いいたしているところでございます。
 また、この問題、サリンを所持していた場合の取り扱い等の問題もございますので、この問題につきましては、公共の危険防止の観点からサリンの所持等を取り締まるための特別立法を今国会に提出をいたす方向で関係省庁とも協議をし、検討を進めているところでございます。
 三点目の長官狙撃事件の捜査でございますけれども、これも御指摘いただきましたように大変私ども重大な事案と考えておりまして、体制を整えて早期に解決をすべく努力をしているところでございますので、よろしく御理解をいただきたいと存じます。
#111
○会田長栄君 終わります。ありがとうございました。
#112
○小林正君 お手元の質問の順序について、一番最後の金融機関の問題について先にお尋ねをさせていただきたいと存じます。
 午前中から今までの方々の中でも、金融機関の不良債権、ディスクロージャーの問題が指摘をされておりましたけれども、従来、ともすれば信用に名をかりて秘密のベールに包んできたというのがこの間の経過ではなかったか。それに対するさまざまな反省、積み上げというものが一枚一枚ベールをはがしていくというような形で、先ほどの答弁でも、民間金融機関において平成五年の三月期決算から自主的に不良債権についてのディスクロージャーの問題が出てまいってそれなりの努力はされていると思いますけれども、なお、さらにこれを進める必要がある、このように考えているわけでございます。
 そうした状況の進展に伴って、当然のこととして政府関係の金融機関についても、この問題についてはやはり民間がそのような対応になっていること等も考え合わせれば一層進めていく課題ではないか、このように考えているわけでございます。と申しますのは、やはり政府関係の金融機関や公団、事業団等々について言えば、これは公的な資金ということでありますし、そういうことからしますと当然国民に対して常にガラス張りであるということが求められている性格のものであろう、このように考えておるわけでございます。
 そういう点で考えまして、先ほど言いましたように民間で自主的な公表がされているということを受けて、政府系の金融機関等について不良債権等の問題が自主的に公表されていない、その問題についてどのようにお考えなのか。そして、それぞれの各省の段階でいえばいろいろなそうした金融機関を持っているわけですから、そのところについていろいろこの間の取り組みなり今後の課題についてお伺いをしたいというふうに思います。
 政府関係の問題でいえば、政府が出資し、いわゆる一般会計という位置づけになっておりますし、さらに財投資金が充てられている。一般会計からの利子補給といったような問題もあるわけですから当然そうした努力がされてしかるべきであろうと思いますし、同時にまた、政府と会計検査院との関係だけのやりとりの問題ということに範囲をとどめていくということではなかなか問題があるのではないか、このようにも思います。
 例えば、昨年十二月に北海道東北開発公庫等の問題で、新聞等でも報ぜられておりましたむつ小川原の問題、あるいは苫東の開発をめぐってかなりの不良債権の問題が出てきて、これを不良債権と位置づけるかどうかというような議論がされているわけですけれども、実際問題としては今後の展望も含めていろんな課題、問題を残しているわけで、そういうことを含めて考えますと、やはり国民の中にそういう問題について明確に開示していくという姿勢が求められているだろう、こういうふうに思います。
 そういう意味で、まず総括的には大蔵省から、その次に引き続いて関係各省庁から御見解を承りたいと存じます。
#113
○国務大臣(武村正義君) 他を言う前にまずみずからしっかり足元を見詰めよという御指摘でございました。
 政府系金融機関、たくさんございますが、貸付金に係る延滞債権というふうな表現を使っているわけでございますが、この状況につきましては決してクローズしているわけではありません。毎年度国会に提出をされます会計検査院の決算検査報告の中で個々の金融機関ごとに明らかにされているところでございます。一般にも公表されていると思いますが、総額では、例えば平成五年度では四千七百六十八億という指摘がなされているところでございます。
 貴重な財政投融資計画の中で融資をさせていただいているわけでありますだけに、融資の健全な償還についてはひときわ真剣に厳しく見詰めなければならないというふうに思っております。
#114
○国務大臣(橋本龍太郎君) 通産省が所管をいたしております政府系金融機関といたしましては、中小企業金融公庫及び中小企業事業団におきましては委員御指摘のように会計検査院が行っていただきます決算検査報告によって公表されておりまして、翌年度開会の通常国会にこれは提出をされております。また、商工組合中央金庫におきましては自主的に不良債権について公表をいたしております。
 これから先も、延滞債権など財務内容の公表につきましては、会計検査院などと御相談をいたしながら適切な情報公開のあり方について検討してまいりたいと考えます。
#115
○国務大臣(大河原太一郎君) 農林水産省の所管としては、農林漁業金融公庫がございますが、これについても先ほど大蔵大臣なり通産大臣のお答えのとおりでございまして、毎年国会に提出される決算検査報告書の中で、延滞期限が六カ月以上過ぎた延滞の債権総額が表記されておるところでございまして、明らかにされているところだというふうに承知しております。
#116
○国務大臣(井出正一君) お答えいたします。
 厚生省関係では、社会福祉・医療事業団、それから環境衛生金融公庫並びに年金福祉事業団の三つがございますが、これも先ほど大蔵大臣あるいは通産、農水大臣の御答弁にありましたように、国の決算とともに会計検査院から国会に提出され、公表されております。今後とも債権管理の徹底により延滞防止に努めるとともに、適切なディスクロージャーに努めてまいるつもりでおります。
#117
○国務大臣(野坂浩賢君) 私の所管する住宅金融公庫について申し上げます。
 融資額は五十五兆三千億円でございますが、六カ月以上の延滞額が平成五年度末二百七十九億円、貸付総額に対して〇・〇五%でございます。このうち、一年以上の延滞のものは二百七億円で〇・〇三七%でございます。
 これらの額については、今も皆さん方から申し上げられましたように、会計検査院に対して毎年度提出しておるとともに、国会に対して決算審議の資料として提出をしておるところでございます。
 以上です。
#118
○小林正君 それぞれ各省から御答弁をいただいたわけでありますが、冒頭申し上げましたように、会計検査院と各省との関係、そして国会等との関係の中ではということでのことでございましたけれども、これからさらに開示の透明性といいますか、わかりやすさといいますか、そういう点ではやはり一層の努力がされていって、特に政府関係金融機関に対する信頼関係を高めていく必要があるだろうという点を御指摘を申し上げて、この項についての質問は終わらせていただきます。
 次に、教育の関係で文部大臣にお伺いしたいというふうに思います。
 この三月にいじめについての緊急会議の最終報告が出されました。考えてみますと、十年前に東京で鹿川君という中学生が痛ましいいじめに遭って遺書を残して自殺をした。そして昨年、愛知において同様のいじめによる自殺、そして遺書が残された。こういうことで、その都度さまざまな対策、検討会議、報告を経て、それぞれ学校、地域社会、行政と一体となった対応が求められるというようなことが言われて取り組みがされてきました。しかし、この十年間一体何をしていたんだという、教育に携わる者の反省もまたひとしおのものがあるわけであります。
 三月十三日にその緊急会議の最終報告を受けまして、文部省が各県に通達を出されたわけですが、その通達の内容についてお伺いをしたいと思います。
#119
○政府委員(井上孝美君) ただいま先生からお話がございましたように、いじめ対策緊急会議の最終報告を踏まえまして、その趣旨の徹底を図るべく、学校、家庭、地域社会が一体となった取り組みをしていただくための取り組みにつきまして通知を差し上げたわけでございまして、そのいじめ対策緊急会議の最終報告の全文をそれに添えまして、それぞれの項目につきまして具体的な取り組みについて触れておりますので、それらについて学校、家庭、地域社会また教育委員会、国としての取り組むべき対策、そういうものについてあわせて通知を差し上げたところでございます。
#120
○小林正君 この問題について過去にも何度か御質問、いじめ集中審議でもしたことがございますけれども、地方教育行政の組織及び運営に関する法律によって、服務監督権を有する地教委がそれぞれの自治体の議会においてこの問題についての発言を今回もされているわけですが、その中で教師の未熟さというようなことが指摘をされたわけです。これは愛知県議会においても同様の答弁がされたわけです。
 こういう問題というのは大変重大な意味を持っているというふうに私は思います。と申しますのも、いじめの問題で、教師の指導の未熟さということが原因で子供が自殺に追い込まれるということを想定した場合に、教師というのは免許状を持った専門職種、言ってみればスペシャリストとして位置づいているという点を考えますと、仮に、お医者さんが医療のミスについて、その未熟さから適格性が問われるということと質を同じくするぐらいの重大な意味を持っていると、このように思うんですけれども、文部大臣はどのようにお考えでしょうか。
#121
○国務大臣(与謝野馨君) 教育というのは、知識を教える部分もございますし、また教師が全人格的に児童生徒と接するということもございます。教師の活動というのはその片一方だけで成り立っているわけでございませんで、やはり専門的な知識を教えるということも必要ですし、全人格的に児童生徒に接触をするということも大事なわけでございます。
 そういう意味では、大学を出まして教職員の資格を得て学校に来るわけでございますけれども、やはり人間は年齢とともに少しずつですが人格がさらに高まっていくということもございますし、また、教育現場にある一定の期間いるということがその教師の教え方あるいは児童生徒に対する接し方、そういうものも随分改善をしていくわけでございまして、そういう意味では、先生が御指摘になったことは、教師の資質というものが一生にわたって一定のものではないということはぜひ御理解をいただきたいと思っております。
#122
○小林正君 人間ですから、常に完成を目指して途上にあるということは全くおっしゃるとおりだというふうに思いますが、だからといって、その至らなさのゆえにそうした事態を招来するというようなことがあってはならないというふうに思うんです。
 それで、今度の報告書の中で、特に担任の教師の責任という問題を強調されているのは全く私も賛成であります。と同時に、一方において子供たちの心の居場所として保健室、養護教諭という関係が非常に、他の部分というのはかなり一般論的なんですけれども、この報告書の中で見ますと養護教諭と保健室の問題というのがかなり生々しく問題提起がされております。
 これは、長年にわたって養護教諭そして保健室が実態として子供たちの心と体の緊急避難場所といいますか、そういうようなものとして位置づいていて、実態的にそこに子供たちが集まってくるという状況があることも事実ではありますが、だからそこに着目をしてというふうに報告書はなっておりまして、具体的にはそこに着目をして、養護教諭をしたがって生徒指導の校務分掌上に位置づけをする、こういう文脈になっているわけですね。そしてその後の段で、従来、保健主事という職責について、大体保健体育の担当、教科を担っている方が保健主事になるケースが多いんですけれども、従来は養護教諭と保健主事の間には壁があったなという認識があります。私は、その壁内体は反対ですけれども、今度はそういう職責を養護教諭が担うので、したがって保健主事に充てる道を開く、こういう具体的な提起もされているわけです。
 この問題というのは、確かに保健室が心の居場所であるという実態に着目をして、子供たちのいじめ対策として分掌上の位置づけの中に養護教諭を明確に位置づけて、あと保健主事という職への道を開く、こういう文脈ですから、今まで子供たちがざっくばらんに話をしてこられた養護教諭の先生がこれからはそういう情報収集の担当者ということになりかねないということになると、いわゆる心の通い路と言われる子供と教師の信頼関係の中で、ざっくばらんに何でも物が話せるという関係が崩されていくという危険があるわけで、私は、この問題については報告書の周知徹底を通達の中で強調されるようでありますけれども、そのことを恐らく各学校はまともに受けとめてそうした措置をするだろうと思うんですね。そのことが結果としてこの問題解決に道を開くのかどうかというと、私は保健室というものが心の居場所であることには基本的に反対なんです。
 なぜかというと、やっぱりホームルームですね。ホームルーム、学級担任が子供たちにとって心の居場所になる。それは小学校の場合は学級担任制、そして中学校は教科担任制ですけれども、いずれにしても学級担任というものがホームルームを心の居場所にする努力というものなしに保健室にそれをゆだねるというようなことでは、問題解決の本筋を外すんじゃないかという気がするわけです。このことについてはどのようにお考えでしょうか。
#123
○国務大臣(与謝野馨君) 児童生徒がいろいろな悩みを学校生活において持つ、これはごく当たり前のことでございます。その場合、親に相談するという場合もあるでしょう、また担任の先生に相談するという場合もあるでしょう、また保健室に行って養護教諭にお話をしていろいろ相談に乗ってもらうということも私はあると思います。
 しかしながら、先生御指摘のように、今回の養護教諭を保健主事に充てることができるようにした結果、実は子供の相談相手がいなくなるということでは困る、これはもうそのとおりでございまして、これは学校の運営において、やはり先生の御指摘のようなことがないように心がけて学校運営に当たらなければならないと思っております。
 それから、やはり担任の先生に相談をしたり話をしたりということが第一義的ではないか、こういうお話であろうと思いますが、私は先生の御指摘のとおりだと思っております。
#124
○小林正君 冒頭申し上げましたように、学級担任もまさにこれから向上していく途上にある人間として子供からも教えられるということも当然あるわけで、そのことは未熟さとしてとがめられる要素ではもちろんないだろうと思うんですね。ですから、まず教師になるという心構えの中に、必要な知識と技術を子供たちにきちんと教えられるというのが最低の条件で、しかも何よりも教育を愛するということが必須の条件だというふうに思うんです。
 そういうことの中で、基本的に教師の適格性の問題があります。そして、知識と技術と、それから教師になることを志した心構えの問題、そういうような問題については、現在の教員養成の課程というものを検討してみましてもかなりマルチタイプの教師像みたいなものが一つありますね。つまり、オープン制ですから、だれでも免許を取れば教師になれるというシステムですから、かなりそれは絞られてはきていますけれども、実態はまだそういう条件を残しているということの中で、やはり大事な命と心、体というものを預かる教師としての専門的な資質というものを磨いていくための養成課程を今後相当真剣に考える必要があるんじゃないかと思うんです。
 子供自体も社会全体も非常に複雑化しているわけですから、やる気のある先生というそういう単純な発想だけではもはや律し切れない段階に来ていますから、ぜひ養成課程の問題も含んでやっぱり国民的な論議を巻き起こしていく必要があるんじゃないか。これをやっていって、人を得て、そして学級の中で心の通い路が生まれて、心の居場所になっていくような方向へぜひこれからの基本を据えておいていただきたいと思うんです、変化球じゃなくて。そのことを特にお願いしておきたいと思います。
 それからもう一点、今度具体的な提起をしているのは、加害者になった子供の出校停止の問題がございます。
 それは、むしろ学習権を保障するという視点に立ては、そのことを理由として不登校になった子供たちが学校に行く道が開けるわけですから、それは当然必要な措置だと思います。そこに踏み込んだことも大変私は賛成なんですが、ただ出校停止で排除したというだけでこれが済むのかというと、やっぱり教育の問題というのはそこにはとどまらないわけですから、当然のこととしてこの次に学校へ出てきたときに、そうした問題解決なり、子供がつまずきを克服して新たな視点で学校に再登校できるような道筋をその出校停止の期間にどう手だてを尽くすかということもまた重要な課題だろうと思うんです。ですから、そのことについても今後の課題としてぜひ御検討いただきたいというふうに御要望をしておきたいと思います。
 それから次の問題に移りますけれども、前回三日のオウム真理教にかかわる集中審議の中でも申し上げたわけですが、現行の宗教法人法についていろいろ指摘がされているわけですけれども、この問題についてお伺いをしていきたいと思います。
 宗教法人法というのが結局取り締まるための法律ではないという基本的な認識は私も持っています。それから憲法二十条が信教の自由を保障している。そして、戦前の国家神道を中心として対応した結果として、キリスト教、仏教が弾圧をされた歴史とか大本教の大弾圧の問題とか、いろいろな過去を清算する意味から憲法二十条が相当細かく、憲法の規定とは思われないぐらいに細かく条文で触れていますね。ですから、そのくらい配慮をした形で信教の自由が今の憲法で保障されているわけです。
 そして、宗教法人法というのはまさにそうした宗教法人になるための手だてについて述べていて、その教義の内容とかその他については一切チェックしないという形で、外形的な審査ということで来ている。そういう法体系であるということも承知をしているわけです。
 しかし、それでは一体、宗教法人が日本の社会の中にあってどういう約束事が求められるのかといえば、やはりそうした憲法の基本的人権の諸原則というものは、法と秩序というものをもとにした市民社会において享受し得る権利だということだと思うんですね。だから、法と秩序を否定するような前提に立って宗教法人になることはあり得ないんじゃないか。信教の自由もまた、そうした法と秩序をもとにした市民社会の市民として享受し得る権利として位置づいているんだろうと思うんですね。ですから、そういう視点に立って考えたときに、果たしてこれが宗教法人として適格性があるのかどうかということは、やっぱり一般社会通念なり常識として見ていく必要があるだろうと思うんです。
 オウム真理教について言えば、これは東京の行政部指導課宗教法人係ですか、そういうところでこれが認証されたいきさつからすると、三カ月ぐらいの間に、届けを出してから信者たちが相当この係のところに押しかけていって圧力をかける、そしてどたばたがあって、結果として押し切られたみたいな認証のされ方になっているわけですね。だから、事の始まりからいろいろ問題があったということはもう言うまでもないことだというふうに思うんです。
 その結果、何を受益できたかといえば、結局、一般的に言われている不動産登記とか、それから銀行預金とか、これが法人名義で権利の主体になり得るという点が一つと、それから税法上の優遇措置ですね。そしてもう一つは何かというと、つまり国家によって、法によってお墨つきを得ているという、この三つだと思うんです。そういうことを受益している宗教法人が現在公共の福祉に最大の障害になるような危険性、事態を招来しているという実態が今出てきているわけです。刻々とそのベールははがれているわけです。
 この状況をどう判断するかというときに、法人法八十一条の解散命令といったようなところの手続へ踏み切っていく時期ではないのかということを三日にも申し上げましたが、文部大臣としてこの時点でどのように判断をされるか。当然あの機関委任事務の関係でいえば、東京都との関係がおありでしょうから十分協議をされるのはいいんですけれども、基本的な姿勢としてこの程度ならまだ宗教法人として国から認められていますよということであれば、結果としてそれがだれに災いをもたらすかといえば国民一般なんですね。ですから、そのことをも踏まえてどのようにお考えなのか。
#125
○国務大臣(与謝野馨君) 宗教法人法は、宗教団体に法人格を付与するための法律でございます。付与するわけでございますから、その反射としてそれを剥奪するケースも書いてございます。それが先生が今御指摘になりました宗教法人法第八十一条の規定でございます。
 宗教法人法八十一条の規定をいかなる時点で発動するかという問題でございますが、これは裁判所に所轄庁あるいは利害関係人あるいは検察官がこの解散を請求することができることになっております。しかしながら、その場合にはやはり請求に足る事由を説明した書面を裁判所に提出しなければならないわけでございまして、現時点では、刑事事件としてはまだ十分成熟をしていないという段階では、その必要な法手続をするに足る資料がそろっていない。
 しかしながら、先生が直観的に御判断されるように、現時点で私どもがわかっている限りにおいては、宗教法人法第八十一条には直観的に抵触しているんだろうということは一つの感触として持ち得る段階であると私は思っております。
#126
○小林正君 今の答弁は、前回より一歩進めた答弁をいただいたというふうに理解しております。
 これも教育の問題としてとらえますと、オウム真理教の存在を知っているかというのを年齢階層別に見ると、若い人の方がはるかにこの問題なり名前の知名度が高いという。年齢が上がるにつれてよく知らない。確かに新新宗教一般のそういう問題があるのかもしれませんけれども、つまり、若いまだ無防備な心に食い込んでいくような、さまざまなカルト教団一流のテクニックを駆使しながらあらゆるメディアを使って対応していく、そのことに対して非常に若い心では無防備であるということが犠牲になっていくことにつながるんだろうと思うんですね。
 それはアメリカでも、社会現象としてやはり社会不安と終末観みたいなもので土壌ができていてどんどん増殖していくという実態が今出ているわけで、日本でも、この問題がどういう形で解決されるのかということによってはさらにいろいろな形のものが登場してくる危険というのはあるだろうと思うんです。ですから、このことへの間違いのない対処をやっぱりやっていかなきゃいけないんじゃないか。特に教育の場の中で、今ちょうど新入生が大学に入っていく、そういうのがターゲットになっているという報道もされていますが、そうした問題も含んで、やっぱり注意を喚起する必要があるだろうというふうに思います。
 それから、これも報道されていて関係者が記者会見もやっているわけですけれども、富士宮市では二十六名、そして上九一色村では五十二名の児童生徒がいて、これが現に就学をしていないという実態があって、彼らはその理由として、文部省は強権を使って何か攻撃をしそうな気配だけれども、全国には七万人の不登校児がいて、それへの対策もやらないでいて我々だけをターゲットにしようとは何事かということを言っていますね。それともう一つは、住民登録の問題で、受け付けない以上学校に行きたくても行けない。さらにはいじめの問題があって、オウムの子だからというのでいじめられるから出さない。加えて、真理学園という宗教法人としての学校を設立したいけれども認めてもらえない。だから、独自の教育は行ってはいるが、一般の学校へは行けないんだ、こういう記者会見です、くぐって言うと。
 このことについて、本当に学校へやる意思があるのなら、その人たちが今までいたところの原籍の学校から学籍を新しい学校に送ってそういう一般手続をとれば、就学の意思があるあるいは親の義務としてそれを履行しているということになりますけれども、現実を文部省にお伺いしましたら、実態的にはそういうことは一切行われていないということからすると、単に子供をあの施設に連れてきただけで、学校にいた当時のその後の手続は一切されていないんですね。だから、親としては就学の義務について極めて無責任な対応をしてきているというにもかかわらず、記者会見の中ではそういう文部省なり日本の学校制度なり自治体の受けとめ方を問題として責任を転嫁しているということですから、これについてもぜひ明確に、報道機関も使いながら、文部省としての対応、今日までの努力ということも含んで国民に十分理解していただけるような手だては尽くすべきだろうというふうに思うんですが、この点についてはいかがでしょうか。
#127
○国務大臣(与謝野馨君) オウム真理教側が挙げております幾つかの理由でございますが、一つは、真理学園を創設しようと思ったけれどもこれがかなわなかったということでございますが、学校法人の設立の問題と就学義務の問題は全く別の問題でございます。就学義務は、やはり憲法に書いてあります国民に対する義務規定の中では最も厳格なものだろうと私は思っておりまして、親の恣意あるいはわがままで子供を就学させるさせないという判断の余地はない、そういう規定になっていると私は考えております。
 それから第二に、不登校の理由として住民登録の問題を挙げておりますけれども、住民登録があるかないかというのは就学に必要的な条件ではございません。住民登録がなくても就学ができるというのが現在の制度でございます。
 それからもう一つは、いじめがあったから就学していないという説明をしておりますが、富士宮市の場合では、就学をぜひしてほしいという地元の教育委員会の督促というのは五年間、長期五年にわたる方もおられます。その間、全く就学した経緯は見られないわけでございまして、そういうことでいじめが発生したということは、学校に行っていないわけですから、それ自体はその現場では発生していないということですから、これもやはり私は苦しい言いわけであろうと思っております。
 いずれにいたしましても、やはり親の恣意によって学校に行かせる行かせないということが決められるという制度ではございません。すべての児童生徒は義務教育九年間を受けるというのは、憲法、教育基本法、学校教育法の基本的な考え方でございまして、これは場合によっては告発ができるという厳しい規定になっているということは十分保護者、両親は理解するべきだと、そのように考えております。
#128
○小林正君 ぜひそういう対応をして、引き続き御努力をいただきたいと思います。事はこれから人間として成長する最も大事な時期を迎えている子供たちの問題ですから、そういう努力をしていく必要があろうかと思います。
 それから次に、同じくこれとの関連で今度は自治省にお伺いをしておきたいというふうに思いますけれども、自治体とのトラブルの問題が相当出てきていますね。
 これは週刊誌の記事ですけれども、「オウムの里はトラブル続き」ということで、これは熊本県波野村のケースでもあるわけですけれども、つまりオウムということがわからないような形で不動産を取得して、そこに一気に押しかけていってキャンプ建設を始める。こういうことの中から具体的にさまざまなトラブルが起きてきているわけですけれども、これは上九一色村についても同様、それから東京においてもそうしたことが現に起きて住民との間に摩擦が生じているわけです。
 普通、宗教といいますと、昔なら神社ができあるいはお寺ができれば、門前市をなしてその地域の振興が図られるというようなのが、地域住民と溶け込んでいってつながりを持っていくというようなことが求められるわけですけれども、地域住民と全く最初から敵対関係という状況の中で、一気に住民をふやすことによって自治体乗っ取りを画策しているんじゃないかと言われるような事態まで起きている。この状況について、私は地方自治法というのはそういうことは予定していなかったと思うんですね。
 ですから、そういうことでいった場合に、波野村では行政訴訟の問題等もあって最終的に和解したと。九七年までに九億二千万円を払わなければならない、年間二十億の村の財政の中で。そういう立場に追い込まれた自治体が出てきた。加えて、上九一色村では、立ち退きを迫ったら十億円出せと言われて、これは和解金ではなくて、税金対策上寄進しろというような話で壊れたなんということまで言われているわけですから、そういうことになると、これもまた大変な事態だなというふうに思います。
 自治体を守るという視点から、これからそういうことで自治体の乗っ取りを画策する、全国には三けたの人口しかいないような自治体で広大な面積を持っている村もかなりあるわけですから、そういうことを考えますと、そうした目的意識を持って対応しようとしている者について何らかの自治体を守る手だてというものはないのかなと思うんですが、この点について、自治大臣どのようにお考えでしょうか。
#129
○国務大臣(野中広務君) 今、それぞれ御指摘ございましたように、最初に熊本県の波野村につきましては九億二千万という多額の支出を和解として行ったということでございました。これは住民基本台帳の登録等を含めてそれぞれ村とのトラブルがあり、また立ち退き等を含めた中におきまして、村議会の議決をも得まして訴訟上の和解に応じたということでございまして、私どもとしてこの内容に立ち入って特別云々することはできないわけでございます。
 ただ、九億二千万を、六年の八月三十日に五億円支払い、あと四億二千万はそれぞれ六回に分けて平成七年から九年の三年間に支払うという和解の内容であるようでございます。一般的には、それぞれ当該地方公共団体が財政運営に困らないようには関係都道府県とも協議をしてやってまいらなくてはならないというように自治省としては考えておるところでございます。
 また、山梨県あるいは静岡県等、それぞれ住民基本台帳に関する問題が生じておりますことも報告を受けてきたところでございます。住民基本台帳を所管する立場から、関係地方公共団体と密接な連携を図りまして十分相談に応じてまいりましたし、今後も応じてまいらなくてはならないと考えておるわけでございます。
 そういう中におきまして、一般論としては、地方自治法におきまして、市町村の区域内に住所を有する者は当該市町村の住民とすることとされておるわけでございますが、住民基本台帳法におきまして、市町村はその住民につき当該市町村の住民基本台帳に住所、氏名等の事項を記載するものとされておるわけでございまして、この取り扱いは小規模の団体につきましても同様でございまして、当該市町村の区域内に住所を有する者について住民基本台帳に記録されるべきものと基本的には考えられるわけでございます。
 しかし、今回の上九一色村の事例のように、大量の転入届が提出されました場合には、通常一般の転入の態様とは異なるわけでございますので、実態調査の上、客観的居住の事実が明らかにならない限り住民基本台帳に記録することは適当でないと考えておるところでございます。
 また、そういう一連の集団的な転入によりまして市町村の行政運営に重大な影響を与えると私も考えるわけでございまして、今後重大な関心を持ってまいらなくてはならないと思うのでございます。
 委員が御指摘のように、小規模な市町村が特定の集団に乗っ取られるというようなおそれがあるのではなかろうかというお話はお説のとおりでございまして、そのような事態はその存立基盤にもかかわるわけでございますので、今後事態の推移に大きな関心を持ちながらも、また一方、憲法で保障されております基本的な人権との関係もあるわけでございますので、慎重に対処してまいりたいと考えておる次第でございます。
#130
○小林正君 今の御答弁で、こういう問題はどうなんでしょうか。
 波野村が公金を支出して、その対象が特定の宗教法人という場合に、公金の支出が特定の宗教法人になされるという形ですね、これは明らかに。それは自治省としてはどのように受けとめていますか。
#131
○国務大臣(野中広務君) 波野村におきましては、その住民基本台帳の登録の経緯あるいは立ち退きを要請した経緯等から、村議会の議決を得まして、先ほど申し上げたように訴訟上の和議を行った次第でございますので、そのことについて私どもの方からとかく申し上げる立場にはないと考えておるわけでございます。
#132
○小林正君 憲法二十条の条文を読みますと、やっぱり問題が残るように思います。ただ、民事訴訟の中でそれぞれの、AとBがこういう関係でこうしましたということでは、外形的にはそのとおりだと思いますけれども、そういう形での公金の支出がなされたということについては、内容的には特定の宗教法人に対する支出という問題としてやはり残るだろうと私は思っております。
 次に、これも週刊誌の見出しなんですが、「テレビが負けてオウムが勝った」というのが載っています。「たれ流し放送の罪と罰」ということで、「独占取材 生出演 新情報」ということで、視聴率を上げるためにオウムの代表と名乗る幹部が入れかわり立ちかわりテレビに登場して、愚にもつかない弁明とそれから教団の自己宣伝の場に電波を使っている、こういう実態が現に毎日繰り返されている。こういうことについて、やっぱりもう少し基本的に考えるべき問題じゃないかなというふうに私は思っております。
 というのは、外人記者クラブでの会見で、一回目はかなり参加した方が多くて、しかしうそつきだといったような言い方の中で、二回目が行われたときには参加者が非常に少なくて非常に不評を買ったと。やっぱり一つ一つの問題についてのめり張りをきちっとした報道というものが基本的には必要だろうと思うんです。
 これが電波を通して各家庭に行って、本質に迫る話ではなくて、あたかも人気番組であるような扱われ方になっている、何か風俗的な問題にまでこれが広がっていくような形というのは私は非常に問題だと思いますし、特定の宗教を電波を使って宣伝するということは、公器としての電波のあり方の問題としても、ほかの宗教法人の皆さん方にとっても大変迷惑な問題だろうというふうにも思います。こうしたことについての一定のめり張りをきかせた対応というのがやはり報道機関にあってしかるべきじゃないかなというのを私は考えているわけでございます。
 それで、今度は警察庁の方にお伺いしたいんですが、実は昨年の松本サリン事件に関して、これもいろいろな報道がされているわけですけれども、地下鉄サリン事件、上九一色村でのサリン残留物等の関連等を考えてみると、当時我々が知らされていたのは何だったかというと、民家の庭で農薬をいじくっていたら、いつの間にかサリンが発生したというようなところからスタートしたんだなという思いがあるわけですが、以降の経過で言いますと、全くそれは科学捜査の初歩的な段階での誤りではなかったかと今思うところでございます。
 このことについて当該の、被疑者ではない、被害者だと警察は言っておりますけれども、の方が日弁連に人権救済の申し立てをした、そして言論機関に対して訴訟を起こしているという状況があるわけですけれども、このことについて、今日時点で警察庁としてはどのような認識に立っておられますか。
#133
○政府委員(垣見隆君) お答えいたします。
 委員御指摘のいわゆる松本サリン事件でございますけれども、この関係者から日本弁護士連合会の人権擁護委員会に人権救済の申し立てが行われているということについては承知をいたしております。
 この事件につきましては、現在長野県警察において捜査をしているわけでございますけれども、その長野県警察における捜査におきまして、御指摘のように、有毒ガスの発生源と推定された場所及びその周辺に対しまして捜索、差し押さえ及び検証を実施したほか、多くの人から事情を聴取いたしておりますが、これは迅速に証拠を確保するとともに、早期に事態の把握を行う必要があるということで実施をしたものでございまして、またこれらの捜査活動は当然のことながら法令に従い実施したものと承知をいたしているところでございます。
#134
○小林正君 この問題について、警察は一度だって河野さんを被疑者扱いにしたことはない云々とあって、あくまでも第一通報者かつ被害者の立場で話を伺っているというふうに言っているんですけれども、退院した直後ポリグラフをお使いになっているんですね、うそ発見器。そういうようなことで被害者扱いということで、適法な捜査なのかどうかということについて本人も大変怒っているし、息子さんに対するいろんな取り調べについても言われております。
 今日時点では日弁連に対する人権救済の申し立てをされていて、実は今後の課題として本人が言っているのは、仮に犯人が逮捕されても起訴の段階ではアクションを起こさない、裁判で有罪が確定した場合に初めて損害賠償を請求するなどの行動を起こそうと思うと、このようにおっしゃっているわけです。
 ですから、かなり冷静にこの問題についての対応をされようとしている河野さんについて、この間の経過を含めて適法な捜査ということだけで事が済むのかどうなのか、もう一度お伺いします。
#135
○政府委員(垣見隆君) ただいま申し上げましたように、この事案につきましては現在長野県警察において捜査をいたしているところでございますけれども、残念ながら現在に至るまで犯人の検挙なり事案の解明に至っていないということでございまして、引き続き捜査を推進し、事案の解明を図ってまいるということを進めていきたいというのが現在私どもの立場でございます。
#136
○小林正君 今はそういう言い方しかできないのかどうか、非常に残念ではありますけれども、初期の捜査の段階が、こうした地下鉄サリン事件につながるような一連のものとしてつくられているというこのことについて、今考えてみますと、やはり初期の捜査の段階での問題が尾を引いているなというのが率直な私の感想であります。
 と同時に、今後の捜査のあり方として、犯罪がこういうふうに広域化し国際化をしてくる、そういう状況の中でやはり科学捜査というものが今後非常に重要な位置を占めるだろうと思うんですね。そういう体制を今後はこれを一つの反省材料として整えていく必要があるんじゃないか、このように考えるわけであります。どうも十手捕り縄、巻尺的な捜査じゃないのかなというような気がしてならないわけで、新たなこういう状況が出てきているわけですから、ぜひ科学捜査についての装備の格段の充実といったようなものについての対応をすべきじゃないかというふうに思います。
 サリンについて今度法案も準備されるようでありますから、十分にそれへの対応が可能なような、警察が自前でそうした装備品を持てるような体制にしなければならないと思うんです。これは自衛隊からの借り物で済ましているというわけにこれからはいかなくなるだろうというふうに思います。
 CBR兵器ということが言われて、上九一色村からはボツリヌス菌も出たというようなことで、サリンが貧者の原爆なら、ボツリヌス菌は貧者の水爆だという言い方まであるわけで、そういう点を考えますと、今後の対応として、国民の生命、財産を守るための新たなそういうものへの対応としての装備の強化ということが極めて重要な課題になってきておりますし、体制としても広域化、国際化ということの中で今日的に今早急に体制を整備すべきじゃないか、このようにも考えるわけであります。
 一つの問題としては、公共交通機関とか公共の場所にはそうしたことをも想定してあらかじめ準備をしておくと。防犯カメラの設置なんというのも一つ出てきていますけれども、この間の巨人・ヤクルト戦の東京ドームのあの物々しい警備体制というものを考えてみますと、横浜にもアリーナというのがあって、そこも話題になっているわけですが、これから人の集まる場所はいつでもそういうことがまず話題になるという、全く今まで考えられなかったような事態が今起きているわけで、そこへの対応というものが十分できるような自治体と、それから公共機関を担っている人たちとそれから警察、これはきちっとそうした装備を整えるような体制がないと、中和剤もないような状況の中では国民の生命、財産は守れないだろう、このようにも考えます。
 それから、広域捜査という点で考えますと、やはりアメリカの連邦捜査局のようなもっと横断的で広域的な対応ができるような組織体制というものが、警視庁と都道府県警察という今日の実態と合わせてどうなんだろうかという問題もありますが、この点について国家公安委員長の御見解を承りたいと思います。
#137
○国務大臣(野中広務君) ただいま御指摘ございましたように、サリン等の毒ガス事件に今回対応できる要員あるいは防護服、諸機材等それぞれ十分な装備ができておらなかったということにつきましては御指摘のとおりでございまして、今後、早急に十分な人員あるいは防護服あるいは諸機材の整備に努めるべきであると思うわけでございます。
 また、広域的な府県間の捜査等につきましては、先般警察法の改正等で行っていただいたわけでございますが、さらに外国との情報交換等にも十分留意をしてやっていかなくてはならないと考えるわけでございます。
 具体的には政府委員から御答弁を申し上げます。
   〔委員長退席、理事今井澄君着席〕
#138
○政府委員(垣見隆君) 委員御指摘のように、先般の地下鉄における事件あるいは昨年の松本の事件につきましては、大変私ども重大な事案と受けとめております。
 また、それらの事案、特にサリンの問題について申し上げれば、やはり私どもにとってはなじみのない物質でございまして、ある意味で予期しない物質であったというようなこともございまして、今後この種の事件の対応に遺憾なきを期するように、ただいま御指摘いただきましたように、化学知識を有する専門捜査員の確保とか、あるいは装備、資機材の整備、あるいは関係機関との合同の訓練等も実施をし、また検討する必要があると思っておりますし、また広域的な捜査の問題につきましても、とりあえずというか、現段階では現在の捜査を何とか迅速に進めて全容解明を図ることに全力を尽くしたいと思いますけれども、その過程で得られたさまざまな教訓、反省事項等については、今後十分内部で検討し、また関係の方々からもいろいろ御意見も承りながら今後の私どもの対応を考えていく必要があるというふうに認識をしているところでございます。
#139
○小林正君 APECの会議が行われるとか、国際会議が日本を舞台に行われる回数がどんどんふえてきている。そういうことを考えますと、やはり来年度予算でこれをどうするかということではまずいと思うんですね。補正予算が早期に組まれるという話も伺っていますが、阪神・淡路大震災での問題そして今日の治安にかかわる問題等については、今までは水と安全はただだと言ってきた日本の神話が崩れたわけですから、この治安の問題等を含んでも、国民の生命、財産そして国際的な信用の問題として緊急に対応を要する状況が今来ているというふうに思いますので、積極的なお取り組みをお願いしたい、このように考えます。
 それからもう一つ申し上げますと、自衛隊の化学部隊が今回災害出動という形で警察と一緒に行動をして、地下鉄の内部の洗浄その他活躍をされ、さらには上九一色村等での捜査段階でもいろいろな助言をされているという状況がございますけれども、この問題については、そうしたことが使われるような状況が出てきたときにこうした存在というものが意味を持ってくるということが今回明らかにされたというふうに思います。
 ある新聞の論説の中に「百年兵を養うは、一朝のためにあり」という言葉を引用した文章が載っていて、あらゆる事態に対応できるような備えを持つことによって、平時においてはそれが無用の長物である、あるいは危険だと思われるようなことが一朝事あるときに役立つという一つの教訓として非常に重要な働きをされた、このように思います。
 そういう意味で、今後そうした緊急非常の事態に備えて、警察、消防、自衛隊というものが一体的な対応ができるような日常的な共同訓練とか、あるいは、こういうことは想定したくありませんけれども、第三国あるいは国際的なテロといったような国際的なあるいは広域的な対応というものが出てきている今日でありますので、そうした対応への備えとしての訓練というものもこれからは必要になるだろうと思うんですね。このことについて防衛庁長官の御所見を承りたいと思います。
#140
○国務大臣(玉沢徳一郎君) 今回の事案につきましては、防衛庁・自衛隊は警察や消防と緊密に連携し各種の活動を行ったところでありますが、これは日ごろから防衛庁・自衛隊と警察や消防の各部局が密接な協力関係を確保していたことにより対応できたものと考えているところであります。
 防衛庁としましては、国民の生命と財産を守ることが最も重要であるという観点から、今後、警察や消防の関係部局から共同訓練等に関しましてもお申し出があれば前向きに検討し、対応してまいりたいと考えております。
#141
○小林正君 次に、これは七日の読売新聞ですが、官房長官の談話として、破壊活動防止法の問題について、「捜査当局がどう判断するか、ということだ」と述べたと。したがって、捜査の進展状況によって適用することに含みを残したという言い方で記事になっているわけですけれども、このことについて担当のところから御見解を承りたいと思います。
#142
○政府委員(緒方重威君) 破壊活動防止法による団体規制は、公安調査庁の長官が公安審査委員会に請求して行うということに相なってございます。
 その場合、団体規制が行い得るかどうかは、団体の活動として暴力主義的な破壊活動が現に行われたということと、さらにそれが将来、継続または反復して行われるおそれが明らかであると認めるに足る十分な理由がある場合には、当該団体につきまして、その団体の設立の目的であるとかあるいは性格とかそういったことは一切問わずに、とにかく団体として存在する以上、いかなる団体をも適用の対象となるというふうに考えてございます。
 もちろん、今回の事件についてでございますけれども、これにつきまして事件の全容の解明は警察、検察の捜査によらなければならないところではございますけれども、公安調査庁としましても事件に対し重大な関心を持って目下情報収集に努めているところでございます。
#143
○小林正君 現在、捜査の状況についてはマスコミを通していろいろな情報が出ておりまして、マスコミ先行型で私たちは情報を得ながら、まさにおどろおどろしいといいますか、次は何が出てくるのかというような思いでテレビを見ておりますし、また世界にもこれが発信をされているという状況がございます。
 こうした事態の中で、やはり予断と偏見を持って事に当たるということであれば、最終裁判の段階でいろんな問題が出てくるということも当然予想されますので、いろんな言い方はあるかもしれないけれども、事実をして語らしめよということで、捜査によって事実を積み上げて、そして揺るぎないものにしてこうした禍根を絶つという努力を進めていただきたいということで、最後に御決意を賜りたいと思います。
#144
○国務大臣(野中広務君) 今御指摘ございましたように、昨年来の松本市及び地下鉄の駅構内におきます事件、さらにはその後の警察庁長官狙撃事件等、それぞれまことに悪質きわまりない事件でございました。さらには、公証役場の事務長の拉致事件などというのは、公道上において人を連れ去るという点で、治安というものを考える上でまことに憂慮にたえない事件であるわけでございます。
 これまで警察におきましては、それぞれの事件につきまして犯人の早期検挙と事件の全容解明、さらには再犯防止等に警察の総力を挙げ、関係機関の御協力を得ながら取り組んでおるところでございますが、今御指摘ございましたように、捜査を的確に一つずつ積み上げながら、国民の治安に対する不安を一刻も早く解消するように努力をしてまいりたい決意であります。
#145
○小林正君 ぜひそのような形で一刻も早い解決を心からお願いいたしまして、質問を終わります。
 ありがとうございました。
#146
○星川保松君 防衛庁長官にお尋ねをいたします。
 私は昭和一けたの生まれでありまして、私たちの少年のころは日本は戦争ばかりやっておりまして、私どもも日本の国を守るということについて少年のころからいろいろと考えさせられ、そういう行動もとってきたわけであります。私は、日本は島国である、四方を海に囲まれている国であるから、まず海で日本を守るということをしなければならないというふうに考えまして海軍に志願をいたしまして、当時、海軍特別年少兵という制度がありまして、それに志願をして終戦のときに海軍におったわけでございます。そのような立場で日本の防衛という問題に私なりに関心を持ってきておるわけでありますけれども、そういう立場から質問をいたします。
 まず、東西の冷戦構造ということで、世界が東西に分かれて大変な緊張状態にあったわけでございます。それが崩壊をいたしまして、その緊張関係も大きく変化したわけでございます。その東西のはざまに我が国も位置しておりまして、その緊張関係の真っただ中にあったわけでございます。そのときはそのときなりの防衛上の政策があり配慮があって日本の防衛政策というものが進められてきたわけでありますが、その緊張状態がほぐれて、我が国の周辺のいわゆる緊張状態というものはまずどういうふうに変化したと防衛庁長官としてとらえておられるか、そこからお尋ねをいたします。
#147
○国務大臣(玉沢徳一郎君) 今日の世界におきましては、冷戦の終結、特にソ連の解体によりまして世界的規模の戦争の可能性は減少したと考えております。これを受けまして、アメリカ、ロシア間で核戦力をめぐる軍備管理、軍縮の動きが進展をいたしております。また欧州におきましては、厳しい対峙を前提としていた通常戦力につきましても軍備管理、軍縮の動きが進展をいたしております。
 他方、これまで東西対立のもとでともすれば抑え込まれてきた世界各地の宗教上や民族上の問題等に起因する種々の対立が表面化、先鋭化する危険性が高まっております。そうした観点から各地における紛争が勃発をいたしておるわけでございまして、今日の国際情勢は先行きが不透明であり不確実であると、このように認識をいたしております。
 アジア・太平洋地域は、地理的、歴史的な面などで多様性に富み、各国の安全保障観がさまざまでありまして、複雑な軍事情勢となっております。冷戦終結後におきましてもこの地域においては、朝鮮半島、南沙群島や我が国の北方領土などの諸問題が未解決のまま存在をいたしておりまして、欧州において生起したような大きな変化が見られる状況にはないと考えております。
#148
○星川保松君 とにかく東西の冷戦構造がなくなったということで、それまでは冷戦構造のはざまの中にあって日本の防衛政策というものが行われてきた。したがって、今度は緊張関係がほぐれたということで防衛政策がどのように変わったか。簡単でいいですから、人員や装備や配置について、陸海空のそれぞれについてひとつお答えを願います。
#149
○国務大臣(玉沢徳一郎君) 東西の冷戦構造が崩壊をいたしましても、国を守るという基本的な政策は、これは変わっておりません。ただ、我が国としましては、今後、周辺諸国との信頼関係の構築を進めつつ、我が国の防衛力のあり方については検討をする必要があるのではないか。これにつきましては、やはり国際情勢の変化、国際社会における軍備管理、軍縮に向けての努力、将来における我が国の人的資源の制約の増大、科学技術の進歩、財政事情等、こうしたものを踏まえて今後とも慎重に検討することが必要である、こういうふうに考えておるところであります。
#150
○星川保松君 私はそういうことを尋ねておるわけじゃなくて、今までは特に北方の脅威ということが言われてきたわけですよ。それで、北海道あたりに師団編成でも大きな師団を張りつけるとか、あるいは機甲部隊を北海道に配置するとかというような、脅威に対してそういう方向性を持った重点的な防衛政策をやってきた。今度はそれがなくなったら、いわゆる一方向ではなくて全体的なものに再編成するとか、再配備するとかということをしなくちゃならないと思うんですが、その点はどうやったか、こういうことです。
#151
○国務大臣(玉沢徳一郎君) 東西冷戦が崩壊をいたしましても、例えば極東ロシア軍はいまだに大きな戦力を有しておるわけでございます。これは直接的な脅威はないといたしましても、仮に将来、もし意図が変わった場合、これは日本に対する脅威にもなり得るという認識は持っておらなければならぬだろうと思います。また、日本は列島を構成しておりまして、四面海に囲まれまして、北から南まで大きな海岸線を有しておる。そういう中におきまして、仮に日本が攻撃をされるというような場合を想定した場合におきましては、もちろん北方だけを重視するわけではなくして、国全体が攻撃をされた場合におきましても対処できるようにバランスのある対応といいますか、そういうことは常に念頭に置いて検討していかなければならぬだろう、こう思うわけです。
#152
○星川保松君 ですから、私が言っておるのは、東西対立のぎりぎりの緊張した状態にとってきた防衛政策というものを、今度はいわゆる全方向に向かっての平時の備えということにしなくちゃならない。だからどういう切りかえをしたかということなんですよ。そこのところ、じゃもう一遍。
#153
○国務大臣(玉沢徳一郎君) 今日まで防衛大綱という大綱のもとに必要最小限の防衛力を保持してやってきたわけでありますから、それをどのように変えるかということにつきましては、国際情勢の変化等を見ながら現在検討しておるということでございます。
#154
○星川保松君 東西冷戦構造が、これがなくなったということですから、それなりの今までの防衛政策というものにやっぱり変更を加えなきゃならないわけですよ。北方の脅威ということに重点的な配備でなくて、今度は日本の国全体を見渡した平時の体制といいますか、そういうものに切りかえなければいけないんじゃないか、こういうことを私は言っているんですよ。それ、これからやるのかどうか知りませんが、時間がなくなりますので次に行きます。
 防衛庁長官は林子平の「海国兵談」というものをお読みになったことはありますか。
#155
○国務大臣(玉沢徳一郎君) 全部は読んでおりませんけれども、日本を防衛するという点におきまして、日本は四面海に囲まれていまして、そういう観点からの防衛というものをよく認識してやるべきである、こういうように書いてある一つの軍略論といいますか、そういうものであると、こういうふうに認識しております。
#156
○星川保松君 私が子供のころに海軍に志願したのも、この「海国兵談」を読んで、なるほどなと思ったことがその動機でもあったわけですけれども、これは今長官がおっしゃるように、「海国兵談」というのはやっぱり四面海の国の防衛政策論だと私は思うんですよ。
 それで、「地積の隣国無して四方皆海に沿ル國を謂也。」、いわゆる「海国とハ何の謂ぞ、」というところに始まりまして、「唐山の軍書及ヒ 日本にて古今傳授する諸流の説ト品番れる也。」、いわゆる大陸の戦法とは違うんだと、防備とは違うんだということなんですね。それで、「古今傳授する諸流」というのは、日本も補正成、甲越二子、つまり上杉謙信と甲州の武田信玄と、こういう「世に軍の名人ト稱するも其根。」、唐山の軍書を宗トしてこということで、大陸の戦法でやっているんだと、これではだめだということなんですよ。ですから、日本は日本なりのいわゆる国防政策があるべきだということなんですね、これは。
 これを私は子供のころから読んで、そのとおりだなと、こう思っているんですけれども、今、防衛白書を見ましても、私はまだ日本の防衛政策がこの大陸の戦法みたいなことをまねているんじゃないかと思われて仕方がないんです。
 時間がないので、一つ挙げますけれども、それは、例えば白書の中に「着上陸侵攻対処作戦の例」というのがあるんです。これ、絵がかいてあるんですよ。(資料を示す)なかなか立派な絵だと思うんですけれども、これはいわゆるもう侵略軍が上陸してきたという想定なんです。それで、侵略軍の戦車がいっぱいそろっていまして、それに対して日本の戦車やいろんな大砲やら、いっぱい並んで対応しているという図なんですね、これは。
 それで、この図というのはいかにも立派に見えますけれども、これはこれはもう大変なことなんですね。といいますのは、いわゆる島国でありますから、日本が侵攻を受けるということは、まず第一は空からなわけです。だから、空の戦いで勝たなきゃならぬですね、これ。守らなきゃならないんです。それで、空の戦いで早く言えばこれは負けて、制空権を握られて、今度は、その次には海から来るわけですよ。それで、海から来るその敵に対して戦いを挑んで、防衛戦を挑んで、そして負けて、空で負けて海で負けて、そうしていよいよ敵が本土上陸をしてきたという、これはもう断末魔ですよ、これは。それに対して戦車でもって対応するというような図なんですよ。
 ところが、「陸上自衛隊」のところを見ますと、「わが国の領域のどの方面においても、侵略の当初から組織的な防衛行動を迅速かつ効果的に実施し得るよう、わが国の地理的特性等に従って均衡をとって配置された師団等を有していること」というふうなことが書いてあるんです。
 日本の海岸線は長いわけですよ。ここの図には何ともかいていませんけれども、これは都道府県のどこかの町か村なわけです。どこへ上陸されてもこんなふうに戦車をさっとそろえるようなことができるんですか。この背後には何もかいていませんけれども、この背後はもう恐ろしい状況なわけですよ。敵が上陸してきたというので我先に、今回の震災のとき以上です、逃げる住民の姿がこのバックにあるわけなんです。そのときに、どこからこの戦車を迅速にこういう場に持っていくことができるのか、そのことを考えますと、この図というのは私はもう漫画じゃないかと思うんです、これは。
 だから、こういうのは、やっぱり子供だましみたいなことをかかないで、もっと現実味のある、そういう図に直してもらわなきゃならぬと私は思うんですが、どうですか。
#157
○国務大臣(玉沢徳一郎君) 私もこれをちゃんと持っております。「着上陸侵攻対処作戦の例」、ちゃんと海がかいてあります、空もかいてあります。つまり、日本が仮に侵略をされるということを想定した場合は、当然のことでありますが、空からの攻撃があります。また、その次に海からの攻撃がありまして……
#158
○星川保松君 それは私も見ているんです。
#159
○国務大臣(玉沢徳一郎君) ですから、そのもとにかいてあるわけでございますから、最初から戦車を持って上陸してくる部隊に戦うことだけを考えているわけじゃないんですよ。それだけは御理解を賜りたいと思いますがね。
#160
○星川保松君 戦車がかいてある。
#161
○国務大臣(玉沢徳一郎君) いや、上陸をしてきた場合におきましては、それは上陸した場合においてはそこで戦うということになるわけでありますが、その前には空、海で当然戦うわけでありまして……
#162
○星川保松君 負けているんじゃないですか。
#163
○国務大臣(玉沢徳一郎君) いや、負けているとかなんとかじゃなく、そういう気持ちにさせないということが大事でございまして、それで今委員が、戦車をどこからどこまで持ってくるかということですが、やはり日本が侵略される場合には、いきなり侵略されるということではなく、ある一定の兆候なり、日本に対する一つの政治的目的を持っている国が軍事的な手段をもってそれを果たそうと、こういうような情勢になってこういうのは出てくるわけでありますから、いきなり攻撃をされるということはない。
 したがって、まず周辺諸国の国々とはお互いに対話をする、信頼醸成も行う。それからまた、同時に情報を十分確保して、そして有事対応をしていくということを考えて我々は今日まで努力してきたと、このことを申し上げたいと思います。
#164
○星川保松君 それは長官、おかしいですよ。だれも前もって予告して、戦車が来るまで待って、そしてここに上陸してくる人はいませんよ。いつ来るかどこへ来るかそれはわからない、だから即時に対応できるように配置しているんだ、こう書いてあるんですよ、この陸上自衛隊のところに。陸上自衛隊でしょう、戦車というのは。
 だから、こういう漫画じゃなくて、もしこれをかくのなら、戦車で対応なんかできるわけないんですよ、注文どおりに。それで、対戦車ヘリコプターがあるでしょう。北海道にあるでしょう。だから、戦車が来たら、まず対戦車ヘリコプターなら、それは飛んでいきますからかなりの速度でそこへ着きますよ。だから、対戦車ヘリコプターで対応するとかそういう図にしてもらわないと、これはちょっと見ると大変よくできているようですけれども、よく読むととんでもない漫画なんですよ、長官。
#165
○国務大臣(玉沢徳一郎君) 林子平の「海国兵談」によりまして、当然我が国の防衛は海上の方からも守るということを明確にいたしておるわけでございまして、これは漫画ではございませんで、できるだけ図を用いて理解ができるようにかいてあるわけでございます。
 そこで、先ほど、では防空作戦はどうだと、こうかいてある、ちゃんと。それから、海上はどうだと、これもちゃんとかいてあるわけですからね。海もこう、かいてあります。そして、なおかつ岩上陸をした場合においては陸上兵力で対応すると、その一環として戦車もかいてあるわけでございますし、また、対上陸作戦に対しましては、武装ヘリその他の対応あるいは地対艦の対応もかいてあるわけでございますので、決して漫画ではございませんで、できるだけ具体的に御理解ができるようにかいてある、こういうことで御理解を賜りたいと思います。
#166
○星川保松君 長官、もう少し勉強してもらわないと、これはもう心配ですよ。
 これは陸海空、林子平のときは空はなかったんですから、だからまず海で守れということになっているんですよ。今度は空もできたわけですから、だからまず空で守らなきゃいかぬのですよ、領空で。そして、その次はやっぱり海で、領海で守らなくちゃいかぬのですよ。そして領土で守るという三段階でいかなくちゃいかぬのですよ。
 それは、言うなら、上陸してくるということは、制空権を握られて、制海権を握られてどうにも手が出なくなったときにしか上陸なんかないんですよ、これは。そのときに上陸した場合のこれは想定ですからね。だから、ただ簡単にこうかきますけれども、もう少しやっぱり考えてかいてほしいんですよ。
 このときはもう本当に最後ですから、この背後ではもう東京の国会なんかどうなっているでしょう。こんな事態が日本のどこかに出たら、大変なもう最後の状況なんですよ。ですから、きちんと空を守り、海を守り、陸を守る、そういうふうに、島国ですからね。
 だから、そういう意味で、こういう漫画をかくということは、やはりこの林子平の「海国兵談」もよくお読みになっていない。まさに林子平が忠告をしているような、大陸的な、戦車なんというのは大体大陸のものですよ、これは。日本は大陸で戦車戦で勝ったことはありませんよ。ノモンハン事件を見てきたでしょう。ですから、これはまさしく私は、アメリカや中国や大陸の防衛の考え方に、これは毒されていると言っては言葉は過ぎるかもしれませんが、影響を余りにも受け過ぎて、海国であることをまさに忘れているんじゃないかと思いますが、最後にそのことをひとつお聞きします。
#167
○国務大臣(玉沢徳一郎君) 四面海に囲まれているということは、防衛上極めて有効な処置をとれる、また極めて有利な立場にある、これを十分生かすことが大事であると。しかも、また陸海空それぞれの防衛力がこれだけのものがあるということは、相手の国々にも、もし日本に侵攻するというような意図を持った国に対しましても明確に示しておくということが抑止力になるということも考えておかなければならぬのではないかと。
 しかし、委員の意見に反論するわけではございませんが、我が国の国土において戦車戦が行われましたのは、沖縄の決戦において行われたということをお考えいただければ、あの狭い島の南部において六百両の米軍の戦車が上陸したということを考えれば、これだけ日本の大きな国土の中におきましては、戦車戦も想定をして防衛をするということは当然のことではないかと、こう思います。
#168
○星川保松君 終わりますけれども、この図だけはもう一遍ひとつ考え直してください。これだけ要望して終わります。
#169
○高崎裕子君 まず、厚生大臣にお尋ねいたしますが、千グラム未満の超未熟児などハイリスク新生児の救命で極めて重要な役割を担っているのがNICU、PICUで、この対策については、私は昨年五月の当委員会で取り上げて、当時の厚生大臣の大変積極的な答弁もいただきました。
 厚生省は、地域周産期医療システムの研究を行い平成六年三月に五年度報告書をまとめており、今年度完成させるということになっているわけですが、人口百万を一つの周産期医療圏としてNICU、これは狭義と広義合わせて百二十床必要というふうに指摘されております。また、周産期医療施設数や規模も検討されているわけです。そして、全国で九十八から百十三の診療圏になるという試算も行われているわけです。
 これを受けて具体的対策をどんどん進めていただきたいというふうに思うんですが、今後の具体的な対応について、例えば各自治体での協議会を設置するなども含めて検討されているというふうにも伺っておりますが、この具体的な対応、段取りについてお尋ねいたします。
#170
○国務大臣(井出正一君) お答えをいたします。
 新生児のための医療の充実は、次代を担う子供たちが健やかに生まれ育つ環境づくりの中で、極めて重要な課題であると考えております。昨年五月ですか、本委員会での委員の御質問を私も議事録を拝見しております。
 NICUを含む新生児医療につきましては、従前から必要な施設の整備に努めてきたところでございますが、近年、超未熟児の出生数の増加あるいは収容される未熟児の入院期間の長期化傾向に伴いまして、超未熟児医療に必要な病床が円滑に確保されないケースがあり、また地域によってはNICUの病床数が不足しており、大変深刻化しているところが存在していることも事実でございます。
 したがいまして、今後、心身障害研究の成果やあるいは地域的に不足しているという現状を踏まえまして、必要な病床が確保されるよう都道府県とも協議をしながら、その整備に努めてまいるつもりでございます。
#171
○高崎裕子君 今、大臣は、都道府県とも協議をしながらということで、段取りとしては、各都道府県に協議会を設置するというようなことも含めて、専門家の意見も入れながら具体的には段取りとして進んでいくというふうに伺ってよろしいでしょうか。
#172
○政府委員(佐々木典夫君) NICUの状況につきましては今大臣からお答えしたとおりでございますが、それぞれの都道府県との協議のやり方につきましては、実際の整備の状況等いろいろな違いがございますので、それぞれの地域に応じた形で自治体とよく相談をしていきたい、方法は必ずしも一々こだわらない形でまいりたいと思っております。
#173
○高崎裕子君 今、大臣は地域によって不足というふうに言われましたが、これはもう全国的には、地域ということでなくて全国的に不足もしているということで、昨年の大臣の答弁を受けて今進めていただいておりますし、ここはぜひ具体的に進めていただくという方向で頑張っていただきたいというふうに思います。
 さらに、これも昨年の大臣の答弁を受けて、今年度初めてNICUの施設の整備費で二十億円追加されたということで、関係者の皆さんからは一つの前進ということで大変喜ばれているわけですけれども、これは来年度予算に向けて、施設それから設備の整備費の枠をぜひ広げてほしいということと、運営費の補助拡大もぜひ検討していただきたいと思います。
 そしてまた、施設の承認基準が大変厳しいということもございまして、これは小児科学会の方で今年度意見を取りまとめたいということで伺ってもおりますが、医療レベルは下げないで施設承認の基準についての見直しというようなことで、ぜひそういう要望も受けて積極的に受けとめていただきたいですし、来年四月の診療報酬の改定に向けて、これも前大臣が実態に見合うように努力をしていくということで約束もしていただいておりますので、ぜひここは改善をしていただきたいというふうに思いますが、いかがでしょうか。
#174
○国務大臣(井出正一君) 先ほどもお答えいたしましたように、大変大事な問題でございますから運営費の補助等必要な補助をさらに増額しなくちゃならぬ、こう考えておりますし、委員御指摘のように、今年度からは二十億円の増額が図られましたから、さらに来年度の概算要求には一層努力しなくちゃならぬ。必要な施策の推進に努める所存でございます。
 それから、診療報酬の引き上げでございますが、昨年の四月に御承知のように一〇%ほど上げたところでありますし、また、新生児の集中管理室の算定期間も延長をさせていただいたところであります。次期改定、来年でございますが、におきましても、新生児の心身の特性等を考慮して、中央社会保険医療協議会の御議論を踏まえながら診療報酬上の評価に努めてまいりたいと考えております。
#175
○高崎裕子君 施設承認基準の見直しについてはいかがでしょうか。
#176
○政府委員(岡光序治君) これも診療報酬に絡んでまいりますので、十分御意見を承りながら協議会で十分議論していただきます。
#177
○高崎裕子君 次に、障害者にかかわる問題で厚生大臣にお尋ねいたしますが、無年金問題というのが大変論議になっておりまして、その中で、民間レベルで心身障害者扶養共済制度が細々と年金支給を行っているわけです。これは、障害を持つ子のために親が掛金を掛け、親が亡くなったときに月二万円の年金を支給するというもので、国は福祉事業団を経由して事務費のみ負担しているというだけで、本来これは私は国が行うべきことを民間に委託しているということだと思うんですが、そうしたこともあって大変大きな赤字を抱えて、今度掛金が二倍から二・五倍に大幅アップになるということが大問題になっているわけです。
 そのアップの理由が、障害者の寿命が当初予定よりも算定根拠と違って延びたというもので、これでは余りにも無責任だと。各道府県は、これ出発のときに厚生省の指導のもとに、安くて安心だから入ろうということで奨励もされ、積極的に働きかけたという経緯があったわけです。障害者の親は、この子を残したまま先に死ぬことになる、そうすると本当にせつない、少しでも役に立てばと、そういう思いだけで加入した人たちなんです。皆さん掛金が上がると約束が違うというふうに深刻におっしやられるわけで、その点どうお考えになるのか。
 そして、新たな補てん制度として来年、平成八年の一月から年間で九十二億、二十年間補てんをするという制度も始まるわけですけれども、これは障害者の死亡率が、今度長期予測ということで変えた、その死亡率が変わらなければこの二十年間は掛金が上がらないということでこれはよろしいわけですね。
 それともう一つは、これは圧倒的な加入者がこのアップについてほとんど知らされていないわけです。ですから、少なくともすべての加入者にきちんと説明すべきですし、納得を得られないままの値上げはすべきではないと。それから、こんなに上がるのではやめたいという方も出てくるわけで、掛金はこれは返還すべきだというふうに思うんですけれども、これらの点についてはいかがでしょうか。
#178
○政府委員(佐々木典夫君) まず最初に、若干制度のいきさつ等を御説明させていただきたいと思います。
 今、先生の方からお話がございましたけれども、この制度につきましては、実は昭和四十年代前半に地方自治体が条例で、いわば親亡き後の保障をどうするかということで制度を先行させてつくってきた経過がございます。これが非常に各地域に広がってまいりましたので、昭和四十五年に全国的な制度として統一をしてきたというふうな経過がございます。
 そんなことで、昭和四十五年にこの制度は発足したわけでございますが、基本的にこれは障害者の保護者の方々、親御さん方の相互扶助の精神に基づきまして保護者の方々が生存中に保険料を納付することによりまして、保護者が亡くなられた後、残された障害者に終身年金を支給する、そういったような形で任意加入の制度ということでスタートしてきたものでございます。そういう意味では、制度発足当時の見込み得る障害者死亡率、かなりデータも不足しておりましたので当時の情報で判断をしたわけでございますが、それから当時の運用利率を基礎として制度を動かしてきた経過がございます。
 しかし、その後、制度の改革に当たりまして二度ほど、具体的には昭和五十四年と六十一年でございますが、制度の見直し、具体的には掛金の引き上げ等の措置を講じてまいってきております。
 しかしながら、その後の、先ほども先生のお話にもございましたが、障害者死亡率が当時の知見に比べますと非常にいい形で延びてまいりました。そういう意味で、給付費が予想した以上に大きくふえたといったようなことやら、あるいはその後の資金運用は御案内のとおり厳しい展開になっているといったようなことから、年金の支払い原資が非常に不足してきた。
 このような状況にありますために、今回、制度の安定的な運営を図っていくという観点から、将来にわたっての給付を確実にする、そういう観点で保険料、掛金の引き上げをお願いいたしますけれども、実施主体である道府県、政令市、それから国の方、それぞれがこの事業につきましては責任を持っておりますので、過去の保険料不足分、これからの年金の支払いを安定にしていく上で必要な不足分について折半で負担をして財政の安定化方策を講じていくこと、こんなような趣旨で講じているものでございますので、御理解を賜りたいというふうに思います。
#179
○高崎裕子君 ですから、これ今二倍から二・五倍というふうに上がるんですけれども、そういうことで、補てんして二十年間はこの死亡率が変わらなければ上がらないというふうに理解してよろしいわけですか。結論だけお願いいたします。
#180
○政府委員(佐々木典夫君) 答えが十分でなくて済みませんでした。
 この制度は任意の保険制度でできてございます。今回、財政の安定化策を講じますが、今後、これは任意の加入の制度でございますので定期的な見直しを行い、将来の安定財源に必要な掛金等、財政のいわば定期的な見直しを今後ともきちっとやっていく必要があるというふうに考えているところでございます。
#181
○高崎裕子君 これは本来国が行うべき制度ですから、こういう民間に任せるということではなくて、本当に親が亡くなった後のそういう制度については十分検討していただきたいというふうに思います。
 次の質問に移りますけれども、まず自治省にお尋ねいたしますが、教職員の健康、それから安全衛生問題が大変大きな問題となっておりますが、超過勤務、ストレスなどで教職員の過労死というものもふえております。この教職員の休職原因の第一番が神経・精神疾患と、養護学校では腰痛が慢性化しているというような大変過酷な労働実態となっているわけですが、労働安全衛生体制の充実強化ということが求められており、これ自治省が実施された調査で、地方公共団体における安全衛生管理体制の整備状況調査、これで学校の状況としては衛生管理者が四九・五%、安全衛生推進者が三五・二%、そして衛生委員会が三〇・一%ということでよろしいですね。
#182
○政府委員(鈴木正明君) 教育委員会部門における衛生管理者等の整備状況でございますが、平成六年の三月末の状況がわかっておりますので、それで申し上げます。
 衛生管理者が選任されておりますのは五一・三%でございます。安全衛生推進者等が選任されておりますのが三七・四%、衛生委員会の設置は三二・〇%でございまして、首長部門、知事あるいは市町村長部門に比べまして低い状況にございますが、整備状況は年々向上している、こういう状況でございます。
#183
○高崎裕子君 それで、引き続き今度は自治大臣にお尋ねいたしますけれども、学校の場合、学校保健法があります。教職員の健康と安全を確保し快適な職場環境をつくるということが労安法の目的となっており、学校保健法と労安法というのは全く別個の法律に当然なっているわけで、その労働安全衛生法が学校現場にもこれは当然適用されるということになるわけです。
 そこはそういうことで、自治省の調査でも、今学校は年々ふえてきていてもおくれているという事実が指摘されたわけですが、この労安法に定められた衛生管理者それから産業医などを選任して衛生委員会を設置し、その機能を果たすべきというふうに思うわけですけれども、この点いかがでしょうか。そして、その上で地方自治体にぜひそういうことで指導をしていただきたいというふうに思いますが、この点いかがですか。
#184
○国務大臣(野中広務君) 委員御指摘のように、快適な職場環境の形成を促進いたしまして職員の安全と健康を確保いたしますことは、職員にとってはもちろんでございますが、地方公共団体にとりましても公務能率向上の観点から重要なことであると認識をいたしております。
 自治省といたしましては、こうした観点から労働安全衛生法に基づきまして、必要とされます安全衛生管理体制を整備するよう従来から地方公共団体を指導してきたところでございますが、今後とも、担当者会議はもちろんのこと、研修会等の開催等によりまして、学校はもとより地方公共団体の各職場においてこの法律の趣旨の周知徹底が図られるよう指導してまいりたいと存じます。
 特に教育委員会につきましては、教育を所管されます文部省とも連携を図りながら、会議の開催や研修会の実施などにより安全衛生管理体制の充実に努めてまいりたいと存じております。
   〔理事今井澄君退席、委員長着席〕
#185
○高崎裕子君 そこで、文部大臣にお尋ねいたしますけれども、教職員の健康問題は、過労死で年間三十件も起きるということで、現在健康破壊が大変進んでおります。
 根本問題としては、超過勤務の解消など定数の抜本的な改善あるいは施設整備の改善を進めていくことが必要だというふうに思いますが、今この具体的な数字も含めて指摘したように、学校に衛生委員会が設置されているところが大変少ないわけです。私の北海道では全くこれ設置されていないということで、労安法の内容を今自治大臣も言われましたけれども、ぜひこれは周知徹底し、現場できちんとこの法令に基づいて実施するように指導していただきたいと思いますし、それから衛生委員会の設置状況など実態の調査をぜひ文部省としてもされて、これは全校対象としてされて、衛生委員会の設置をぜひ促進させていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
#186
○国務大臣(与謝野馨君) 自治大臣が御答弁したとおりでございまして、私どもとしては、自治省とも御相談しながら、それぞれの教育委員会に対して指導をしてまいりたいと考えております。
#187
○高崎裕子君 指導をされるということで、それをぜひお願いしたいんですけれども、もう一つ、こういう衛生委員会の設置状況など実態調査をしていただいて、ぜひこれは全校対象としてその衛生委員会を進めるという方向で頑張っていただきたいんですけれども、この実態調査についてはいかがでしょうか。
#188
○政府委員(小林敬治君) 先ほど来御答弁申し上げておりますように、衛生委員会その他の労働安全体制が教育委員会関係で非常におくれているという認識に立ちまして、私どもとしてぜひこれらのしっかりした実態を調査してみたいということで、三月三十一日付で調査を依頼したところでございます。
 いろんな原因があろうかと思いますけれども、先生が先ほどおっしゃられましたように、ずっと前に学校保健法がございまして、それで大体足りるんじゃないかというふうな認識が学校の中にあるいはあるのかなと。やはり私どもとしてもこの調査を通じまして、文部省もこの体制づくりに強い関心を持っているということをお示ししながら、この労働安全体制の推進に努めてまいりたいと考えております。
#189
○高崎裕子君 それでは次に、自治省にお尋ねいたします。
 衛生委員会設置に伴って、衛生管理者、衛生推進者などは、今までの業務に環境管理、作業管理、健康管理という三つの管理が日常的な業務となったり、あるいは職場の巡回、チェックなど新たな業務が追加されてくるわけですね。京都や岡山では事務の人が担当しているということで、研修など自治体の負担ともなっているわけで、こういう状況を考慮して人員配置など充実も含めて検討していただきたいわけです。
 平成四年度から新たに健康管理医設置で公立学校教職員保健管理費が計上されました。本来、産業医は少なくとも毎月一回作業場等を巡視することというふうになっております。今の交付税措置では、北海道では各学期一回以上行うこととするということで、つまり各学期一回プラスアルファ程度しかできないわけですね。そういう意味では、こうした報酬の充実を図り実りのある衛生保健対策をぜひ行っていただきたいというふうに思いますが、いかがでしょうか。
 そして、あわせて文部省にお尋ねいたします。
 職場環境を改善していく上で、休憩室や男女別のトイレの改善というのはこれはもうずっと求められており、全日本教職員組合の婦人部が約二千五百校を調査して、休憩室がない学校が六二%という大変な数になっているということが明らかになりましたが、余裕教室、いわゆる空き教室ですが、これを活用するなど、補助をして改善していただきたいと。トイレも男女別というのは七二%で、あとの三〇%は共同ということもありますので、この点もぜひ改善していただきたいというふうに思います。
 そして、最後に建設省に。
 昨年八月の当委員会で、私はマンション対策でお伺いいたしました。特に建てかえの公的援助の強化という点では、優良建築物等整備事業等についての拡充、また公庫融資も建てかえ加算の拡大ということで、検討すると積極的答弁をいただきました。平成六年度、札幌など四地区で予算がつきましたが、七年度予算及びそれ以降の強力な対策ということでこれはぜひお願いしたい。そして、阪神大震災でマンションの被害が入居者に大変深刻な影響、人ごとじゃないということでありますので、この建てかえ対策等も含めてぜひ充実強化していただきたいので、この点お願いいたします。
#190
○政府委員(遠藤安彦君) 平成四年度から、御指摘のとおり公立学校教職員保健管理費を交付税の基準財政需要額に算入しているところでございますが、例えば教職員数が五十人以上の学校につきましては、一日六時間、三日分の医師の報酬を算入いたしているところでございます。医師の単価は学校医の単価を用いているところでございますが、これからも、地方団体の実態や関係省庁からの要望もございますので、そういった点を勘案しながら適切な算入を行うように努めてまいりたいと思っております。
#191
○政府委員(遠山耕平君) 休養室と男女別のトイレの関係でございますが、現在、児童生徒数が減少しておりまして、学校に余裕教室が生じてきております。文部省としましては、余裕教室の活用指針というものを策定しまして、各教育委員会に対しましてその有効な活用を指導しているところでございます。
 御指摘の休養室あるいは更衣室等の教職員の執務環境の充実に資するためのスペースにつきましても、余裕教室活用の例としまして余裕教室活用指針に示しておりまして、設置者の判断によりまして転用することが可能でございます。そして、それに対する補助でございますが、既存の学校におけるこれらの施設の整備につきましては、余裕教室を活用した改造工事、それから老朽校舎の改造工事と並行して実施する場合には、大規模改造事業によりまして国庫補助対象にしているところでございます。
 それから男女別のトイレでございますが、これは学校がやはり教職員の生活の場でもあるということから、男女別に配慮をした施設の整備を行うことが必要でございまして、文部省としましても、特にトイレ等につきましては、学校施設整備指針におきましてあるいは課長会議等の場を通じまして設置者に対しその旨を指導しているところでございます。これから順次解消されていくものと考えております。
#192
○政府委員(梅野捷一郎君) 最初のマンションの建てかえの関係でございますが、老朽化したマンションを円滑に建てかえていこうということで、従来からございます優良建築物等整備事業という一般の全体的に建物の共同化とかそういうものを支援する事業をマンションに特別に適用していこうということで、六年度からそういう類型を設けて促進に入ったところでございます。
 初年度でございます六年度においては五地区採択をいたしましたが、今年度の当初の段階では今のところ五地区ということでございまして、なお引き続きそういうものが出てまいりますれば、年度途中でも積極的に支援をしてまいりたいなというふうに思っているところでございます。
 この被災をしました、特に今回の災害におきますところでもマンションが相当被害を受けたというようなこともございまして、建てかえはいろんな合意形成その他で大変な問題がございますけれども、この制度をできるだけ積極的に活用しようということで、より使いやすくするために、採択要件は一般には一千平米でございますけれども、これを五百平米に緩和しますとか、それから補助率の三分の一を五分の二に引き上げるとか、補助の対象を一部加えるとか、そんなことを拡充いたしまして、今回の被災地でも積極的にこの仕組みを活用いただいて円滑な建てかえを進めていただきたいというふうに私ども考えているところでございますし、公共団体と相談をして進めているところでございます。
 マンションの建てかえに関する融資制度につきましては従来からもやっているわけでございますけれども、全員が御参加いただいて共同で建てかえをされる場合には資金面からの支援をさらに強化しようということで、特別に二百万円の加算をするというようなことも設けました。それからまた、一部の方がその建てかえから出ていかれるというケースもございますので、そういう場合にはいわゆるディベロッパー等が途中に入りまして、その場合の補償費等についても融資をするというようなことで、ケースに応じて支援ができるような形に融資制度も拡充しているところでございます。
#193
○高崎裕子君 終わります。
#194
○翫正敏君 外務大臣に質問します。
 化学兵器禁止条約に関連してなんですけれども、この条約は、この間日本が批准しましたが、一九九三年の一月十三日から十五日の間に会議で署名がされまして、そのとき百三十カ国、その後に二十九カ国が署名をいたしまして百五十九カ国署名しているわけです。条約によれば、六十五カ国が批准してその百八十日後に効力が発する、こういうことになっておりまして、現在、日本がしましたので二十八カ国の批准国であります。
 まだ効力が発揮するまでに時間があるようにも見えますが、ことしになりましてから特に日本を初めとして九カ国が批准をしているというそういう事実がありますし、さらには、まだ批准をしておりませんアメリカの方が、東京の地下鉄サリン事件をきっかけに化学兵器禁止条約の早期批准を求めるという、そういう動きが強まってきたと報道されておりまして、連邦軍備管理軍縮局ですか、これが三月二十三日に、米国が率先して批准すべきだと議会に対して速やかな対応を促したと報道されております。「「東京の事件は化学兵器の恐ろしい性質を浮き彫りにした。条約の早期批准を求める強力な根拠だ」と強調した。「もし、米国が率先して批准すれば、多くの国がそれに続くだろう」」、こういうふうに報道されております。
 ことしじゅうぐらいには、六十五カ国からさらに百八十日、半年間ありますが、それでもなおかつことしじゅうないし来年年頭ぐらいには効力を発揮するというふうに考えられるんですけれども、その辺の見通しをどういうふうに見ておられるか、まずお答えください。
#195
○国務大臣(河野洋平君) 議員お尋ねのとおり、私どもとしてはできるだけ早くこの条約の効力が出るようになってほしいと願っておるわけでありますが、ただいまお話しのとおり、まだ二十数カ国。六十五カ国まで何とかこの夏ごろまでにはというふうに期待をいたしておりまして、それからまさに半年ということでございますから、年末もしくは来年初頭ということであってほしいと、これはやや念願でございますが、そう考えております。
#196
○翫正敏君 この条約が発効いたしますと、条約に基づいて各国に義務が生ずるわけでありますけれども、それを八項目にちょっとまとめてみますと、一、化学兵器の開発、生産、取得、保有、貯蔵、使用及び移転の禁止。二、他国の領域内に遺棄した化学兵器の申告と廃棄。三、保有している化学兵器及び回生産施設等の申告と廃棄。四、化学兵器関連化学物質の研究開発、生産活動等に関するデータの申告。五、申告に基づく査察、監視等の検証措置の受け入れ。六、チャレンジ査察への対応。七、戦争手段としての暴動鎮圧剤の不使用。八、以上の義務履行を確保させる査察、監視等の検証機能の確保。
 こういうことが義務づけられておりますので、我が国としても、まだ効力が出ておりませんが、先行してこの国会で化学兵器の禁止及び特定物質の規制等に関する法律もできておりますので、国内体制については一応整っているとこのように理解してよいと思うんですけれども、そういうことでよろしいでしょうか。
#197
○国務大臣(河野洋平君) 結構でございます。
#198
○翫正敏君 国内体制はいいとしまして、ここの二番目のところの他国の領域内に遺棄した化学兵器の申告とその廃棄の責任があるという項目が問題になってくると思うんですけれども、これについて、一九九三年一月にこの条約に我が国が調印後、この二番目の項目に関連をして、発効した場合に我が国の責任でやらなければならないだろうという想定のもとに予算をつけてきたと思いますので、その予算の概要を示してください。
#199
○政府委員(川島裕君) これは、中国に遺棄されている化学兵器につきまして調査のために予算の手当てをしております。
 それで、平成四年度からでございまして、平成四年度は四百二十六万円何がし、平成五年度は千三百七十万円、それから平成六年度は三千七百二十五万八千と、そういうふうに推移しております。それから、今年度につきましては五千百四十七万円が計上されております。いずれも中国に遺棄されている化学兵器の調査について使うことを想定した予算でございます。
#200
○翫正敏君 中国側の主張によりますと、膨大力量の化学兵器が日本によって遺棄されたというふうに主張されているんですが、そのことは後で言いますが、今までここ四年ぐらいの間にそのために使ってきた予算としては少額に過ぎるような感じがするんです。外務省の方の予算額が少ないのか、それとも外務省の方はもっと調査したりさまざまなことをしたかったんだけれども、大蔵省の方の財布がかたくてお金が出なかったということなのか。どういうふうに理解すればよろしいですか。
#201
○政府委員(川島裕君) お答え申し上げます。
 今までやっておりますのは、主として現地視察を中心にしております。今まで三回やっております。一回目が九一年六月、二回目が九二年六月、三回目は実は本年の二月から三月にかけて行いまして、最初のころは比較的小規模で、とりあえず現地に行ってみるというようなどちらかといえば作業でございますけれども、より本格的な取り組みになるにつれまして、人数あるいは滞在期間等々も長引いております。したがいまして、それに伴って予算の方も諸予算ふえていると、こういうことでございます。
#202
○翫正敏君 既に中国の方へ行って我が国の責任でこの毒ガス弾を密封したというところがありますが、その密封したものについては我が国が遺棄したものであるということを確認したと、こういうふうに理解してよいと思うんですが、その場所と概略の数量を示してください。
#203
○政府委員(川島裕君) お答え申し上げます。
 密封というのはとりあえずの処置でございまして、最終的にはしかるべくプラントみたいなものを建てて、そこで処理をして無毒化しないとならない。それまでの間の処置ということが言えるかと思います。
 それで、先般二月から三月にかけて参りましたとき、一つは浙江省で、これは二十九発の毒ガス弾を密封いたしまして、とりあえずそれをしまったということ。それから安徽省で別途、これは缶に入っている化学物質でございますけれども、これを密封して収納したというのが現状でございます。
#204
○翫正敏君 中国側の主張している資料によりますと、吉林省敦化地区が最も多い、百八十万発あるというふうに言っているんですが、これは既に調査は行っているはずですが、我が国が遺棄したものであると、このように確認できましたか。
#205
○政府委員(川島裕君) お答え申し上げます。
 中国側が言っておりますのは、二百万発、化学剤で約百トンということでございまして、随分埋まっているわけでございます。したがいまして、これまで三回の現地視察調査では、その全部を当然のことながら確認するというふうにはいっておりません。
 ただ、見まして、刻印や何かでこれは旧軍のものではないかというものが見つかった場合もございます。それから旧軍が使っていたのと同じ物質が確認されたもの、それから埋没している状況等々を中国側から聞きますと、やっぱり総合的にこれは日本旧軍のものではないかと思われるのが多かったということで、その全部を確認したわけではございませんけれども、調べたものを見まする限り、明らかに日本のものでないというようなものが出てきたということではないわけでございます。
#206
○翫正敏君 そうすると、外務大臣、大きい穴に二つか三つ埋まっているようですから、それを底まで全部調べないとその全体量がすべて旧日本軍が遺棄したものであるかどうかは確認できないけれども、少なくとも上の方にあって掘り出してみて調べたものは旧日本軍が遺棄したものであることが大体わかった、調査でわかったと。
 こういうことになりますと、この化学兵器禁止条約が発効すれば、我が国の責任で、単に密封ではだめなわけで、これは一時的な処置で、廃棄処分をしなければならない責任が生じてくるんですけれども、この中国側が主張している特に吉林省敦化地区についても、鋭意廃棄するために責任を持ってやる、こういう理解をしてよろしいでしょうか。
#207
○国務大臣(河野洋平君) 政府委員が御答弁申し上げましたように、日本の旧軍のものであるということがはっきりすれば、当然我が国がそれを処理する義務、責任があるというふうに思います。
 これは化学兵器禁止条約のみならず、日中共同声明その他の精神からいっても、誠意を持ってこの処理をいたすべきものだというふうに考えます。
#208
○翫正敏君 中国側で発行されております「解放軍生活」という名の去年出されたものなんですけれども、その一部をちょっと読んでみますと、ここへ書いてあるとおりですから読みますが、
  一九九〇年十二月、中華人民共和国外交部は正式に日本大使館に覚書きを送り、日本政府が日軍の遺棄したこれらの化学弾剤に対してすべての責任を受け持つべきであり、同時に出来るだけ早く処理することを要求した。
 日本政府はこの覚書きを受けとってから、一九九一年一月政府の役人を派遣して、この問題について話し合う用意のあることを伝えた。
 一九九一年七月十八日、沼の中に何十年ものあいだ沈黙していたバルバ嶺は、これが吉林省の敦化地区のことですが、突然ヘリコプターの音で驚いて目を覚ました。飛行機から降りてきた日本政府の役人と中国外交部の役人及び専門家達は重苦しい雰囲気の中をハルバ嶺に登り、実地にここに埋められている日軍の遺留した毒ガス弾の調査をおこなった。一号穴では別に道具を使わなくても「昭一八」の日本の文字の見える砲弾や錆びはじめた弾体を手にとることが出来、拭いてみると明らかに赤い筋の標識を確認することが出来た。当時の日軍は自分達が識別するのに便利なように、弾体に赤や黄色の帯びを記した。当時ここでこれらの化学弾剤を担いではこんだ二人の農民は日本側の人達に自分が怪我をした跡を見せた。
  日本側は長さ二十五メートル、幅十メートル、深さ十メートル二号穴を測量した。日本側の人々は極めて厳粛な面持ちで沈黙し、それがどのように処理されたかを見守っていた。云々。
 私の知り合いの人に頼んで訳してもらったので、ちょっと訳として適切でないようなところがあるかもしれませんが、こういうようなのが書かれているとおりでありまして、やはり最も大規模な吉林省敦化地区、ハルバ嶺と言われている地区にそのままほとんど手つかずで残っている。ここを何とかしないことには、そのような少量のものを密封処理する程度のことではどうしようもないと。かなり膨大な費用がこのために使われなければならないと、我が国の。そういうふうに思うので、誠実に政府として対応していただくように強く要望をしておきます。
 同じ中国の問題ですが、ちょっと内容が違うんですが、この間、中国の国会ですね、人民代表大会が開かれた席で、銭其シン副首相兼外務大臣が三月七日に中国の国会で演説をされたのか答弁をされたのかわかりませんが、一九七二年の中日共同声明で中国政府は国家間の賠償請求を放棄したが、これに個人への補償は含まれていないと述べ、個人の賠償請求を放棄していないという見解を示したと、こういうふうに新聞に何組にも報道されているんです。
 まず、外務省としての日中共同声明の見解を聞く前に、中国側の首脳が中国の国会、人民代表大会、こういう席でこのような趣旨の条約解釈といいますか、そういう個人補償、中国では民間賠償というふうに呼んでいるようですが、こういう問題についての新しい見解を述べたということを把握しておられるかどうかをお述べください。
#209
○政府委員(川島裕君) お答え申し上げます。
 確かに、銭其シン外相が全人代の際にそういう個人の賠償までは含まれない云々という発言をしたという報道があるわけでございます。
 それで、私どもも中国側に念のためこれを照会いたしたんですけれども、発言の記録と申しますか、書いたものではそういうものはないということでございましたので、正確な発言は把握していないということでございます。
#210
○翫正敏君 きのうからちょうど中国の首脳が見えていますが、こういうことについてのお話、まだ出ていませんか。
#211
○国務大臣(河野洋平君) まだ中国の喬石さんとお目にかかっておりませんので、その話は出ておりません。
#212
○翫正敏君 私も数回中国へ行って民間賠償運動というものに取り組んでおられる人に話を聞いたりしたことがあるんですが、やはり日中間の問題につきましては、共同声明において戦争賠償ですね、これを中国側が放棄するという、そういう形になっているわけでありまして、それで条約が結ばれて日中の国交回復がなされたと、こういうことなんですけれども、そういう歴史的な経過というものにかんがみましても、それからさらには、個人の戦争請求権というものはそもそも条約によって消滅するものではない。
 例えば、台湾の貯金のこととか、そういうようなことなどについても、それは現在の物価にスライドするのかどうかというようなことはともかくとして、少なくとももうそれはその人のものだというようなことでありますから、たとえ、そういう日中間のような戦争賠償は放棄をしたということがなくて、賠償していた場合においてさえも個人の請求権というものは基本的には残ると。ただし、それを我が国でいえば、我が国の国内法でそういうものをできるかどうか、そういうことについてはあれだけれども、なくなるものではないということであろうと思うんですね。
 そういうことに加えて、ましてや中国の場合には、戦時賠償というものは向こうの方から友好のためにということで放棄をしたと、こういう経過がありますから、民間賠償と中国で言われている、日本では個人補償というふうに言っていますが、この戦争中の個人補償については、我が国としても誠実に対応するということが政治的に必要だと、そういうふうに思うんですけれども、大臣の御見解はいかがでしょうか。
#213
○国務大臣(河野洋平君) 戦争請求にかかわる問題については、日中両国間において中国人民及びその財産に関するものを含めて日中共同声明発出後は存在していないというのが公式の見解でございます。日中共同声明第五項、すなわち、「中華人民共和国政府は、中日両国国民の友好のために、日本国に対する戦争賠償の請求を放棄することを宣言する。」、これが日中共同声明の第五項でございますが、ここにはかかる戦争請求も含まれているというふうに考えております。
#214
○翫正敏君 繰り返しになりますけれども、本来ですと戦争相手国で、我が国は負けたわけでありますから、お金を請求されてもやむを得ないというそういう関係なんだと思うんですね。それが向こうの国の方から、つまり中国側から請求を放棄するというふうになったということで今日来ている。
 一方、中国の国内では民間賠償請求と中国で呼ばれている個人補償についていろんな形でのさまざまな請求があって、我が国の企業の方に請求をしたり、また政府の方にいろいろな要求をしたりということが起こっているということでありますから、これは条約が結ばれたから放棄した損だということになってはやっぱりよくないと思うんですね。今後の、これからの日中関係というものを考えた場合に、やっぱり放棄をしてもらったということの、言葉は適切かわかりませんが、恩義といいますか、そういうことがあると思うんです。
 ですから、戦時賠償はもちろん解決しているわけですから、それはいいんですけれども、特に中国、台湾もそういう意味では、中国の一部という面もありますし、別個の政治勢力として存在すると見ても、台湾についても放棄をしたということですから、同じような面あると思いますが。
 その点について、やっぱり今ほどおっしゃったのは、従来からの一貫した政府の、日中共同声明においてすべて解決済みというのが外務省の、政府の基本的方針であるということは従来から何度も国会の場などで聞いていて知っていることなんですけれども、あえて私なりに知っていることをこうして質問しているという意味は、中国の国会において民間請求権についてのことが議論されるようにここ数年なってきている。各地方の代表の人、代議員というんですか、日本でいえば国会議員に当たる人がかなり再三にわたってそういう主張をしている。
 それ今までは割と政府首脳の方は抑える方向にあったというふうに思うんですけれども、ことしの全人代、国会の方では、先ほどの政府委員の答弁では確認されていないと、新聞に報道されているというだけで確認されていないということだったですけれども、私はこれだけ各紙がこぞって日本の大新聞すべて一斉に報道していますから、全くない話ではないと。こういうふうに、このとおり発言したかどうかはともかく、やはり中国でいうところの民間賠償については、やっぱりこれは民間の人が自分たちで請求するということについては、政府としては別にどうこうしないとか、そんなような言い方をしたのかもわかりませんけれども、何か今までよりも一歩か二歩か踏み込んだ発言をされたことであろうことは私は推測できると思うんですね。
 そういうことからいいますと、やはり政府としては従来の方針に固執するということだけではなくて、やはり我が国の方も一歩進んで個人補償、我が国で言っている個人補償、中国で言っている民間賠償の問題について何らかの新しい見解、前進、こういうものを打ち出すべきときに来ているのではないかと、このように思うんです。
 これから十数億の多くの人たちが生活している大きな国、そういうところとのいろんな関係を良好に保っていくということは非常に重要なことですから、そういう意味合いからもう一度外務大臣の中長期的な視点に立っての御見解を承りたい、そのように思います。
#215
○国務大臣(河野洋平君) 日中関係が極めて重要であるということはもう議員の御指摘のとおりだと思います。我々も中国という我が国と極めて近い隣国、しかも長い歴史とその間にはさまざまな状況であったこの国のことを極めて重要に考えるというのは当然のことでありますし、私もそう思っております。
 ただ、そういう極めて重要な日中関係でありますだけに、我々の先輩はこの日中関係を正常化するために大変な困難あるいは努力をして日中間の国交の正常化を果たしたわけで、そのときに日中共同声明というものは発出されたと。その後、我が国はこの日中共同声明を遵守して、どちらかといえば少しかたくなにと言われるほど我々はこの日中共同声明というものは遵守してきているわけであります。
 したがって、私はそうした日中関係、二国間関係を中国側にもぜひそういう気持ちで、向こうから言えば中日関係と言うんでしょうか、が重要だと考えてくれていると思いますし、そのためにこの中日共同声明というものは遵守してほしい、大事なものとして守っていってほしいという気持ちを私は持っているわけでございます。
 もちろん、議員がおっしゃるように、あれだけの多くの国民の中にはさまざまな戦争体験を持った方々、あるいは過去のさまざまな経過で特殊な事情を持った方もおられるかもしれないということは想像にかたくありません。
 しかし、両方ともにさまざまな経験を持ち、経過を持っている両国が、日中共同声明によって過去のことはもうこれで終わりにして、未来志向の関係をつくって子々孫々まで友好を培っていこうと、こう言い合っているわけですから、この友好関係を損なわないように両国が努力をする、そういう意味での努力を我々はしているわけでございます。
#216
○翫正敏君 毒ガスの方だけはちゃんとやっていただくということを最後にお願いして、終わります。
#217
○下村泰君 まず、障害者雇用についてお伺いを申し上げます。
 東京の障害児学校卒業生の進路実態が毎年報告されておりますけれども、就業率が大分下がっているように見受けられるんです。しかし、昨年の雇用率は若干よくなっているというような報告もあるんですが、どういうふうになっておりましょうか、お答え願いたいと思います。
#218
○国務大臣(浜本万三君) お答えいたします。
 障害者の雇用状況を見ますと、障害者の自立意識の高まりと相まちまして、雇用される障害者数は着実に増加をしております。障害者の実雇用率で申し上げますと、平成六年六月現在、一・四四%となっております。しかし、これは依然として法定雇用率の一・六%を下回っておる次第でございますが、だんだん上昇しておることを申し上げたいと思います。
 しかしながら、重度身障者が、または精神薄弱者及び精神障害回復者等、就職を希望されながら雇用につくことのできない障害者がまだ多数存在しているものと思います。このため、特に重度障害者に重点を置きまして施策の充実とその効果的な運用を図り、全力を挙げて障害者の雇用の促進と安定のために努めてまいっておる次第でございます。
#219
○下村泰君 前はたしか身体障害者雇用促進法でしたが、今は障害者の雇用の促進等に関する法律というふうに名称が変わっております。ことしはこの制度が制定されてから三十五周年になるんだそうですが、ただいまの大臣、本当はもう浜本大臣とは余りこういうことで言い合いはしたくないのでございますけれども、昔から同じようなことばかりやってきましたので、お顔を見ているうちに余りきついことは言えなくなるんですけれども。
 そこで、障害者雇用促進協会の決算について伺いますが、事前に申し上げておいた内容と少し違うかもしれませんけれども、難しいことではありませんのでよろしくお答え願いたいと思います。
 平成五年の協会の一年間の職員の人件費あるいは備品、こういうものに使われた経費総額はどのぐらいでしょうか。
#220
○政府委員(征矢紀臣君) 恐縮でございます。手元に資料がただいまございませんので、早急に調べさせていただきたいと存じます。
#221
○下村泰君 今も申し上げましたように、さほど難しい問題ではないと思いましたんですが、私の手元にありますけれども、それはそれとして御報告は受けることにいたしましょう。
 それで、平成五年の一年間に雇用された障害者数、これはどのぐらいでしょうか。一年間でふえた数、どのぐらいですか。
#222
○政府委員(征矢紀臣君) 一般の民間企業におきます障害者の雇用状況、平成六年六月一日現在で見ますと、障害者数が二十四万五千三百四十八名でございます。これは前年が二十四万九百八十五名でございますので、四千数百人の増加というような結果になっております。
#223
○下村泰君 それで、納付金の総額、これは一体どのぐらいになっていましょうか。そのうち役職員の給与はどのくらい支払われているんでしょうか。
#224
○政府委員(征矢紀臣君) 納付金の総額につきましては、正確な数字はあれでございますが、大体年間四百億程度でございます。
 それに対しまして役員の報酬額でございますが、これにつきましては、日本障害者雇用促進協会の役員数、現在九名でございまして、年間報酬総額は、平成五年度決算で申し上げますと、一億四千万円でございます。
#225
○下村泰君 これはおたくの方の資料ですね。おたくの方からいただいた資料によりますると、役員の数が九人です。うち八人が納付金から一億二千二百六十二万九千円、一人平均一千五百三十二万八千六百二十五円支給されているんですね。労働省出身の役員さんが九人中六人なんです。納付金から給与をもらっているのが八人中五人、一人平均千五百三万六千八百円。
 先般、自閉症の養護学校高等科二年生の男子生徒が八年前水泳の事故で亡くなったことがあるんです。そのときに、たまたま裁判となりました。その逸失利益が争われたことがあるんですが、一審では何と百二十万千百六十二円、生涯の逸失利益が、こんな計算されたんです。二審では千八百万円。一定の算定方法によるものなんですけれども、一審等はもう論外として、二審では多いといったってしかし知れている額なんですね、これは。人間の命の料金としては余りにも低過ぎる。
 口の悪い人は、労働省雇用促進協会が幾つもの同じような機能の建物を建てて天下り先を確保しているという、そういう口の悪いことを、まあもっともこれは私でございますけれども、まことに申しわけないとは思いますけれども、こういうことを言いたくなるんです。
 果たして、これだけの費用をかけて、これだけの人たちを動かしていて、じゃその人たちに払っている給料の割には仕事をそれだけしてくれているんだろうか、こういうことになるわけですよ。
 そうしますと、納付金というのは一体どういう使われ方をしているのか、もうこれは再三私は納付金制度ができてから申し上げておる。私の記憶に間違いかなければ昭和五十五年です、まだ大平さんが存命のときで、あのときたしか伺ったときには納付金が二百八十億あったんですよ。それから私、三年間ちょっとお休みして戻ってきまして、お尋ねしたんです。四億しかない。二百八十億もあった納付金が四億しかない。どういうふうに使ったんですかと言ったら、いろいろお答えになっていました。
 ところが、非常に悪い企業の方がいまして、障害者を雇うと、もう大臣は御存じのごとく、いろいろと補助金が出ますね。それ二年間なら二年間もらっておいて、すぐにやめちまうんですね。そういうことの繰り返しをして、その二百八十億という金が四億になってしまったというような話を伺ったことがあるんです。
 そうしますと、この納付金というのは一体何のためにあるのかということになるわけで、本気で、本当に一生懸命皆さんがやってくれているのかどうかということが心配になってきます。だから、ノーマライゼーションというのは、労働省の天下りの方々のためにあるのだろうかなんという変な感覚を持ちたくなるんですけれども。
 しかも、先ほども申し上げましたように、この制度ができて三十五周年を迎えることし、労働大臣はどういうふうに今の私に対してお答えいただけますでしょうか。
#226
○国務大臣(浜本万三君) 議員も御承知のように、納付金がだんだん少なくなるということは、雇用率がだんだん上がりまして、雇用率が上がれば納付金は少なくなる、こういう仕組みになっておるわけでございます。したがって、事業団の方々が一生懸命、まず雇っていただくように雇用の確保に一生懸命全力を挙げておると。法定率を達成できない企業については納付金を納めていただいて、それを障害者雇用対策費に使わせていただく、こういう仕組みになっておることをひとつ御理解いただきたいと思います。
#227
○下村泰君 実際のこと言って、納付金を納めてもらうのが本来じゃございませんものね。本来は、雇っていただくことが本来の姿なんです。
 障害者手帳を持たない難病の方々の雇用について、何か検討あるいは対応をされていらっしゃいましょうか。
#228
○国務大臣(浜本万三君) いわゆる難病の方々につきましては、一人一人の病気の特性に応じて、適切な職業の選択により、その職場を確保するように努力をしておるわけでございます。そして、その勤務時間でありますとか業務の内容などについて、事業主の皆さんに対しまして必要な指導を行いながら、就職の促進を行っておるということでございます。
 ちょっと二、三例がございますが、時間を余りとっちゃいけませんが一つだけ申し上げたいと思います。
 これは腎炎の求職者、男性、二十七歳の方でございますが、相談内容は、歯科技工士の仕事を希望されたわけです。そういう方に対しましては、本人の体調に合わせて仕事量の調整が可能である職場が適当ではないかということで、公共職業安定所におきましていろいろお世話をした結果、現在はその仕事に就職をされまして、仕事も体調に応じて休暇をとることもよろしいというので、現在、三年間勤めていただいておるということでございます。
 その他例がございますが、時間がございませんので一つだけにさせていただきます。
#229
○下村泰君 ありがとうございます。
 私も幾つかの例は知っておりますけれども、これは雇用主がよほどしっかりした考えを持っていただかないとなかなか、殊に知恵おくれのお方、いわゆる知的障害のある方というのは勤まりませんもので、そういう雇用主の方々がふえていただけますと大変助かるんですけれども。
 ところで、大臣、レックリングハウゼン病という言葉は、ちょっとこれは難しい言葉で、大抵こういうふうに言ったってわからないですよ、私もわからないですから、本当は、これで言われたのでは。ところが、かつて「エレファントマン」という映画がありましたね、あれと言えば御存じだろうと思いますけれども、ああいう症状になるんです。実際にこの映画のモデルになった人、これはもちろん向こうの方なんですけれども、日本人にもこういう方がいらっしゃるんです、御殿場の方に。いわゆる難病でも希少難病、数の少ない難病の中にこれは入っておるんです。こういう方々がいらっしゃるんですけれども、果たしてこういう方々に対してどれだけの知識がおありでしょうか。
 これは厚生大臣にも伺っておきたいと思いますけれども、こういう例えば御病気の方々に対して、厚生省はどんな対応をしているんでしょうか。
#230
○国務大臣(井出正一君) 今の病名、私、実はお恥ずかしいんですが、今初めてお聞きしたような状態であります。これから勉強させていただきます。
#231
○国務大臣(浜本万三君) 私もよくその病名は知りません。
 ただ、今労働省の方で、ちょっと言いわけになるかもわかりませんが申し上げますと、難病の方々が就職することにつきましては、いろんな困難な事情を抱えておられますので、事業場においてどういう配慮をしていただけるだろうかということを含めまして、病気ごとに平成四年から調査研究を行っておりまして、その調査研究に従いまして、できるだけ病状に応じて就職の機会を支援してさしあげるように今努力をしておるわけです。平成四年から始まっていますからそんなに長い期間ではございませんが、できるだけ努力をしておるような次第でございます。
#232
○下村泰君 健常者でさえもそうですし、学校を卒業した大学生でもいろいろと内定も取り消しとか言われて就職難のときでございますから、そう私も強くは申し上げられませんけれども、実際の福祉というもの、いわゆる福祉国家というような言葉を口にする以上は、あるいはそうする以上は、やはりこういう方々にも手厚い保護が欲しいというのが私の実感でございます。
 先般、学習障害児の指導についての調査研究協力者会議というものが報告を出されて、学習障害についていわゆる定義を述べられていますけれども、そのことを含めて、内容について御説明ください。これはLD児のことです。
#233
○政府委員(井上孝美君) お答え申し上げます。
 三月二十七日に文部省の調査研究協力者会議がまとめました中間報告では、まず「学習障害の定義」といたしまして、「全般的な知的発達に遅れはないが、聞く、話す、読む、書く、計算する、推論するなどの特定の能力の習得と使用に著しい困難を示す、様々な障害を指すもの」でありまして、その背景といたしまして、「中枢神経系に何らかの機能障害があると推定され」ているものとしているところでございます。
 その上で、学習障害のある児童生徒の実態把握につきましては、知的発達の状態や教科の基礎的能力、個人内の能力のアンバランスなど、種々の検査、観察を行った上で、専門家により総合的かつ慎重に行うことが必要であるとしております。
 また、このような学習障害児及びこれに類似する学習上の困難を有する児童生徒に対する指導に当たりましては、一人一人の学習障害児等の示す特性や状態はさまざまであることから、個に応じた指導内容、方法が重要であるとしております。
 さらに、学習障害児等に対する指導を進めるに当たりましては、学習障害に関する理解、認識の推進を図ることや、教員の専門性と指導力の向上を図ること、このような学習障害児等をできる限り早期に発見して適切な指導を行うことができる教育相談体制の整備を図ることなどが必要であるとしております。
 文部省におきましては、この中間報告を受けまして、平成七年度におきまして、新たに小中学校の教員などを対象として、学習障害児等の理解啓発リーフレットを二十四万部作成いたしまして各学校現場等に配布することといたしております。また、教育委員会指導主事や特殊教育センター職員等を対象として、学習障害児等に関する初めての講習会を今月末に開催することといたしているところでございます。
 なお、本年度におきましても、学習障害児等に関する調査研究を引き続き行いまして適切な指導の形態や場について検討を進めることといたしております。
#234
○下村泰君 私にしてみれば、やっとここまで来たかという感じなんですよ。私はこれ九年間やっているんです、九年間。これを一番最初に持ち出したときにはおわかりになっていただけないんですよ、聞いていらっしゃる方々が、LD児、学習障害児とは何なんだと言って。つまり、今も御説明にありましたように、いわゆる聞く、話す、読む、書く、こういうことがある。それから計算する。足し算はできるが引き算ができない、引き算はできなくても掛け算ができるというふうに、何かちょっとずれるんですね。
 そういうお子さんがいるんで、これをつまり先生に言わせると、本人の努力が足りないとか、あるいは本人にやる気がない。それからお父さん、お母さんがかえって何か邪魔をしているんじゃないか、子供の。この子供が家庭にいてはどういう勉強をしているんだ、不満じゃないのかというようなことで今まで片づけられていたお子さんなんです。
 これがたまたまニューヨークの方で、商社の方々が行って向こうで発見されて、おたくのお子さんはこういうお子さんですよと言われてびっくりした。先生がいらっしゃらないんで、日本語の先生を何とかして世話してくれと言われたのがもう本当に九年も前なんですよ。やっと文部省の方から先生が向こうへ行ったんです、ニューヨークの方へ。そしてそのころから始まって、いろいろ文部省にもお願いしてきたんですけれども、やっとここまで来たという感じなんです。
 さて、この問題は文部省だけにおっつけちゃいけないんです、これは。このお子さんたちが就業するんですから、実務につくんですから。そうすると、労働省はこれどうしようか、それから厚生省の方でも当然これは医学的なことですから考えざるを得ない、こういうことになるんですけれども、どうぞひとつ文部大臣からまずお答えを願いたいと思います。
#235
○国務大臣(与謝野馨君) 中間報告につきましてはただいま局長が御説明しましたが、私どもとしては、この中間報告を受けまして平成七年度より、学習障害に関する小中学校教員に対する理解啓発の推進や教育委員会指導主事等に対する講習会の開催などを行うこととしておりまして、今後学習障害児等に対して適切な指導が行われるよう努めてまいりたいと考えております。
#236
○国務大臣(井出正一君) 三月末に文部省からそういう報告が出されたことを私も聞いておりますが、実は厚生省の方でも心身障害研究を専門家の先生方にしていただいて、平成四年度から学習障害の定義の明確化とか原因あるいは対応方法等について研究を行っているところであります。大体その報告は過般の文部省の御報告とほとんど同じと聞いております。
 なお、児童相談所において相談業務に役立てるための学習障害児に関する事例集といったものも平成四年度に発行をしておるわけでございますが、しかしまだ正直のところこの原因に不明な部分がございますし、今やまだ定義の議論をされている段階でございます。したがいまして、対応方法なども確立していない状況にございますが、この問題はやっぱり厚生省としても重要な課題であると認識しており、今後とも引き続き調査研究を推進してまいりたいと思います。一方、丁寧な個別相談も、その間児童相談業務としてやっていかなくちゃならぬと、こう考えております。
#237
○政府委員(征矢紀臣君) ただいま先生御指摘の学習障害を持つ方々につきましては、これは職業につくことがなかなか困難な問題を抱えているわけでございまして、こうした方々の雇用の場を確保するためには、一人一人の方の職業上の問題点を把握いたしまして、適切な職業選択がされるようきめ細かく相談、援助を行うことが必要であるというふうに考えておりまして、私ども公共職業安定所におきましても、そういう観点から相談しながら就職の促進に努めておるところでございます。
 ただ、今後におきまして、ただいま文部省から検討結果についての御指摘もございましたように、なかなか難しい問題点もございまして、私どもといたしましても、学習障害を持つ方々が就職する上での問題点、あるいは事業所等におきます必要な配慮などについて今後調査研究を行うことといたしておりまして、その研究成果等も活用しながらさらに雇用の促進に努めてまいりたいというふうに考えております。
#238
○下村泰君 この問題を取り上げるたびに私は申し上げておるんですけれども、一つのことに凝りますと普通人以上の能力を発揮するんですよ、こういう方々は。ですから一説には、山下清さんという画伯がおりましたけれども、あの方もそうではなかったかという説もあります。いろんな説があります。エジソンもそうじやなかったかという説もあるんです。ですから、そのくらい指導の仕方によっては物すごい天才ぶりを発揮するということもあり得ることなんでございます。よろしくひとつ皆様方で大きな目を向けていただきたいと思います。
 次は、医療的ケアを必要とする児童生徒の教育についてお伺いしますが、まず病院内学級について、先日の予算委員会でお答えをいただいた点についてまた数点伺いたいと思いますけれども、まず入院し院内学級で勉強する場合に学籍の移動ということが行われるようです。その手続の問題あるいは移動させたくないという方々への対応、こういうものについてお伺いしたいと思います。
#239
○政府委員(井上孝美君) お答えを申し上げます。
 病院等に入院いたしまして小中学校等を欠席する病気療養児に対しましては、教育の機会をできる限り速やかに提供する観点から、学校や教育委員会が、入院先や医療・生活規制を必要とする期間、欠席日数、病状等を的確に把握いたしまして、病院に併設・隣接する病弱養護学校等への転学の必要性について判断した上で、転学措置が適当な児童生徒に対しましては迅速な転学手続がとられることが必要であると考えております。
 このため、昨年十二月の都道府県教育委員会に対する病気療養児の教育に関する通知におきましても、病弱養護学校等への転学措置が速やかに講じられるよう、病気療養児の教育の必要性、制度、手続、留意事項を教職員、保護者その他の関係者に周知徹底いたしまして、転学事務処理の迅速化を図りますとともに、転学手続が完了していない児童生徒についても、病弱養護学校等において実際上教育を受けられるような配慮が望まれるとしているところでございまして、今後ともその趣旨について徹底を図ってまいりたいと考えているところでございます。
 また、そのような転学を希望しない場合につきましては、その前に在籍しておりました学校と十分連携をとりながら、その教育について適切な対応をどのようにするかということにつきましても、教育委員会、学校が協力して教育の機会の提供を確保できるように対応をしていただくようにお願いをしているところでございます。
#240
○下村泰君 残余の質問がまだこんなにあるんですが、時間ですからやめますけれども、今までの問題をよろしくひとつお願いをいたします。
#241
○委員長(前畑幸子君) 以上で平成四年度決算外二件及び平成五年度決算外二件の全般的質疑は終了いたしました。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後五時十八分散会
ソース: 国立国会図書館
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