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1995/02/09 第132回国会 参議院 参議院会議録情報 第132回国会 予算委員会 第3号
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1995/02/09 第132回国会 参議院

参議院会議録情報 第132回国会 予算委員会 第3号

#1
第132回国会 予算委員会 第3号
平成七年二月九日(木曜日)
   午前九時三分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 二月八日
    辞任         補欠選任
     足立 良平君     泉  信也君
     林  紀子君     吉川 春子君
     青島 幸男君     下村  泰君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         坂野 重信君
    理 事
                伊江 朝雄君
                片山虎之助君
                成瀬 守重君
                山崎 正昭君
                穐山  篤君
                山本 正和君
                藁科 滿治君
                猪熊 重二君
                井上 哲夫君
    委 員
                遠藤  要君
                大塚清次郎君
                加藤 紀文君
                木宮 和彦君
                沓掛 哲男君
                河本 三郎君
                斎藤 文夫君
                下稲葉耕吉君
                野間  赳君
                野村 五男君
                服部三男雄君
                松谷蒼一郎君
                宮崎 秀樹君
                大渕 絹子君
                大脇 雅子君
                北村 哲男君
               日下部禧代子君
                瀬谷 英行君
                竹村 泰子君
                堀  利和君
                峰崎 直樹君
                本岡 昭次君
                渡辺 四郎君
                荒木 清寛君
                泉  信也君
                北澤 俊美届
                都築  譲君
                寺澤 芳男君
                中村 鋭一君
                磯村  修君
                武田邦太郎君
                有働 正治君
                吉川 春子君
                西野 康雄君
                下村  泰君
   国務大臣
       内閣総理大臣   村山 富市君
       外 務 大 臣  河野 洋平君
       法 務 大 臣  前田 勲男君
       大 蔵 大 臣  武村 正義君
       文 部 大 臣  与謝野 馨君
       厚 生 大 臣  井出 正一君
       農林水産大臣  大河原太一郎君
       通商産業大臣   橋本龍太郎君
       運 輸 大 臣  亀井 静香君
       郵 政 大 臣  大出  俊君
       労 働 大 臣  浜本 万三君
       建 設 大 臣  野坂 浩賢君
       自 治 大 臣
       国 務 大 臣
       (国家公安委員
       会委員長)    野中 広務君
       国 務 大 臣
       (内閣官房長官) 五十嵐広三君
       国 務 大 臣
       (総務庁長官)  山口 鶴男君
       国 務 大 臣
       (北海道開発庁
       長官)
       (沖縄開発庁長
       官)
       (国土庁長官)  小澤  潔君
       国 務 大 臣
       (防衛庁長官)  玉沢徳一郎君
       国 務 大 臣
       (経済企画庁長
       官)       高村 正彦君
       国 務 大 臣
       (科学技術庁長
       官)       田中眞紀子君
       国 務 大 臣
       (環境庁長官)  宮下 創平君
       国 務 大 臣  小里 貞利君
   政府委員
       内閣法制局長官  大出 峻郎君
       内閣法制局第一
       部長       津野  修君
       警察庁刑事局長  垣見  隆君
       防衛庁防衛局長  村田 直昭君
       防衛庁経理局長  秋山 昌廣君
       防衛庁装備局長  荒井 寿光君
       防衛施設庁総務
       部長       粟  威之君
       国土庁防災局長  村瀬 興一君
       外務省条約局長  折田 正樹君
       大蔵省主計局長  篠沢 恭助君
       大蔵省主税局長  小川  是君
       文部大臣官房長  佐藤 禎一君
       文部省初等中等
       教育局長     井上 孝美君
       文部省学術国際
       局長       岡村  豊君
       厚生大臣官房総
       務審議官     太田 義武君
       厚生省保健医療
       局長       松村 明仁君
       厚生省社会・援
       護局長      佐野 利昭君
       厚生省老人保健
       福祉局長     阿部 正俊君
       農林水産大臣官
       房長       高橋 政行君
       農林水産省農蚕
       園芸局長     日出 英輔君
       食糧庁長官    上野 博史君
       通商産業省機械
       情報産業局長   渡辺  修君
       中小企業庁計画
       部長       安本 晧信君
       運輸省鉄道局長  戸矢 博道君
       運輸省港湾局長  栢原 英郎君
       郵政大臣官房審
       議官       品川 萬里君
       郵政省放送行政
       局長       江川 晃正君
       労働大臣官房長  伊藤 庄平君
       建設大臣官房長  伴   襄君
       建設省河川局長  豊田 高司君
       建設省住宅局長  梅野捷一郎君
       自治大臣官房総
       務審議官     二橋 正弘君
       消防庁長官    滝   実君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        宮本 武夫君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
○平成六年度一般会計補正予算(第一号)(内閣
 提出、衆議院送付)
○平成六年度特別会計補正予算(時第一号)(内
 閣提出、衆議院送付)
○平成六年度政府関係機関補正予算(機第一号)
 (内閣提出、衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(坂野重信君) ただいまから予算委員会を開会いたします。
 この際、御報告いたします。
 昨日の中村鋭一君の発言の取り扱いにつきましては、理事会において協議の結果、発言の一部を取り消すことといたしました。これに伴い、政府御答弁の一部も整理いたしました。
#3
○委員長(坂野重信君) まず、平成六年度補正予算三案についての理事会決定事項について御報告いたします。
 質疑は、本日一日間行うこととし、総括質疑方式とすること、質疑割り当て時間の総計は六十分とし、各会派への割り当て時間は、平成会二十八分、新緑風会十二分、日本共産党十分、新党・護憲リベラル・市民連合五分、二院クラブ五分とすること、質疑順位についてはお手元に配付しておりますとおりとすること、以上でございます。
    ―――――――――――――
#4
○委員長(坂野重信君) 平成六年度一般会計補正予算(第一号)、平成六年度特別会計補正予算(特第一号)、平成六年度政府関係機関補正予算(機第一号)、以上三案を一括して議題といたします。
 三案の趣旨説明は既に聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。猪熊重二君。
#5
○猪熊重二君 平成六年度の補正予算に対する質問に先立って、今回の阪神大震災に関連して一、二点質問させていただきます。
 まず厚生大臣にお伺いしますが、今回の災害のうち、人身の負傷、疾病に対する医療行為の不足が重要な問題の一つとなっております。
 例えば、海上保安庁のヘリコプター搭載型巡視艇が医師、看護婦の宿泊休養施設として臨時に利用され、これらの医師、看護婦によって地上における医療行為が効果的に行われたというような例もあります。
 そこで、今後のために、災害時における使用を主目的としたいわゆる一口に言って病院船のようなものを装備しておくことを検討してみたらどうかと、こう思いますが、大臣の御見解はいかがでしょうか。
#6
○国務大臣(井出正一君) お答えいたします。
 災害時における応急医療対策につきましては、災害救助法、厚生省の防災業務計画等に基づきまして、日本赤十字社や国立病院、国立療養所等からの救護班の派遣により対応することとなっておりまして、今回の震災時におきましてもこうした医療救護活動が行われたところでありますが、先生ただいま御指摘のように、初期におきましてなかなか思うようなきちっとした行動がとれなかったことは事実でございます。
 さて、御指摘の病院船についてでございますが、被災者の収容等は周辺病院の受け入れ体制と搬送の確保によって基本的には解決しなくちゃならぬと考えております。また、こういう船を用意した場合、平常時におきましても、診療機能を有する船舶でございますから、それを維持するためには膨大な経費も必要となることでございます。
 実は、湾岸戦争のころでしたか、平成三年度に総合的多目的な総合多目的船あるいは医療多目的船の検討が内閣の内政審議室で行われて今日まで来ております。いろんな検討の結果、むしろ総合多目的船とした方向でその検討が今も各関係省庁が参加するもとで調査が進められておることと承知しております。
 そんなことを考え合わせますときに、せっかくの御提言でございますが、当面、実現はなかなか難しいと、こうお答えする以外ございません。御了承をお願いしたいと思います。
#7
○猪熊重二君 政府が現在、災害復旧あるいは市街地の再興のために鋭意努力中であるということに対しては、非常にその努力を多とするものです。しかし、災害復旧に真剣に取り組んでいるということの理由だけでもって、今回の災害を生じさせた真の原因の調査や究明ということがなおざりになっては困るというふうな観点から一、二点質問します。
 まず警察庁にお伺いしますが、今回の災害において、自衛隊はもちろんのことですが、警察も非常に活動していただいたということについて感謝申し上げたいと思います。
 ところで、今回、五千人を超える死亡者の発生を見たわけですが、これらの方々の死亡原因を特定することが、なぜ亡くなったのかということの原因を究明することが国や行政の責任を考える上において非常に重要だと思います。
 そのような意味において、死亡者の死因についてどの程度おわかりになるんだろうか。また、今後もその死因を調査研究していくことができるのかどうか、お伺いしたいと思います。
#8
○国務大臣(野中広務君) お答えいたします。
 現在、今回の災害によりましてお亡くなりになりました方々の原因調査につきまして、基礎データの整理作業を行っておるところでございます。
 現在の段階の検案に基づきます死亡原因別の死者の概数につきましては、第一に土砂崩れやあるいは家屋、家具の倒壊に基づく圧迫死、窒息死と思われる方々が約九割であります。なお、火災によります焼死あるいはその疑いの持たれるものが約一割でございます。その他、橋梁から落ちられたとかが若干名いらっしゃいますとの報告を受けております。
 なお、十分この経過を踏まえながら、今後災害時における諸般の問題に万全を期してまいるよう調査を進めてまいりたいと存じております。
#9
○猪熊重二君 次に、建設大臣にお伺いしますが、今回の倒壊家巌のうち、建築基準法に適合しているにもかかわらず倒壊した家屋と、建築基準法の基準を満たしていないがために倒壊したと考えられる家屋、こんなような比率はおわかりになるんでしょうか。
#10
○国務大臣(野坂浩賢君) お答えをいたします。
 先生御指摘の建築基準法に適法があるいは不適法がという問題でありますが、建設省といたしましては、未曾有の大震災であって、家屋の倒壊あるいは部材の落下、二次災害の防止、こういうことに全力を傾注してまいりましたので、先生御指摘の合法か不合法がというような点についてまで行き届いた調査はでき得なかったことを率直に申し上げたいと思っております。
 なお、これからの適合性、今後の耐震性、そういうものを考えて、走りながらではありますけれども、できるだけ十分に調査をして、これは国民全般に対して、基準法をぎりぎりクリアするんでなしに、昨日申し上げましたように、ゆとりのある建築をやっていただくように教育、啓蒙といいますか、啓発をして国民に訴えてまいりたい、こういうふうに考えております。
#11
○猪熊重二君 総理に一つお願いというか提案なんですが、災害復旧を一生懸命やっておられるこのこと自体は今も申し上げましたようによろしいことで、非常に頑張っておられるということはわかるんですが、そのほかに被害の真の原因がどこにあるのかというふうな意味において、国や行政府の国民に対する責任を明確にするということを目的として、今回の災害の真の発生原因を調査するための第三者機関を設けて徹底的に客観的ないろんな調査を行ったらどうだろう。
 災害で忙しいのにそんなことをやっている暇はないということになると、結局国やあるいは行政の責任というものがいつの間にかかすみのごとく消えてしまう可能性がある。ですから、第三者機関を設けて、今警察庁にもお伺いした圧死あるいは焼死、その焼死の中にも生きながら結局消防活動の不手際によって亡くなったという、生きながら焼死せざるを得なかったというような人も何人がおられるわけです。
 そういう意味において、今回の人的物的災害の原因を本当に客観的に調査するための機関というものを設けて、復旧とは別の問題としてやっぱり究明するべきだ、それが国民に対する政府だけでなくして国会も含めた国のすべての機関の責任のとりようだと私は思うんです。いかがでしょうか。
#12
○国務大臣(村山富市君) 今般の兵庫県南部地震によりまして想像を絶する甚大な被害が発生しましたが、このことを重く受けとめながら、今回の災害について詳細な調査分析を早急に行うことが重要である、これは極めて大事なことだと認識をいたしております。
 政府といたしましては、各分野における専門家等によって、これは単に何をすればいいというのではなくて、いろんな角度からいろいろな分野にわたって調査分析を行う必要があるし、その結果を踏まえて今後の地震対策について一層の強化を図っていく必要があると、このように認識をいたしておるところでございます。
#13
○猪熊重二君 関連をお願いします。
#14
○委員長(坂野重信君) 関連質問を許します。泉信也君。
#15
○泉信也君 地震発生以来、企業の行動はトップの即決即断であったのに対し、政府の行動は概して平時とほとんど変わらないのではないか、こうしたことが言われております。このことが国民の政治不信を一層助長することになってはいないかと危惧するものであります。
 まず総理にお尋ねいたしますが、総理発言のぶれ、あるいは被災地を視察されましたときの後ろ手の姿、こうした事柄を通して被災者のみならず国民の多くが政治に対する不満を募らせています。
 三十四年の伊勢湾台風のとき、岸総理は、益谷副総理を本部長とする現地対策本部を設けて、被災後七日目には副総理が現地入りをし、しばらく現地に踏みとどまって陣頭指揮をとっておられます。人間の温かみの感じられる指揮であったと私は思います。
 皇室のことに言及するのはいささか申しわけないことでありますが、両陛下が現地で腰を曲げ両ひざをついて被災者の方を励まされました姿は、大変国民全体に心温まるものを感じさせました。そして新聞も、被災者の方はパンや毛布も欲しいけれども、本当に求めているものは人間としての尊厳であると、住民が両陛下を通じてでも行政に訴えたかったのはそのことではなかったかと論じておるわけであります。
 総理は、今日までの施策の反省の上に今後どんな対応を考えておられるのか、主要な項目、そしてタイムスケジュールについても論じていただきたいと思います。
#16
○国務大臣(村山富市君) 私は、十九日に現地に参りましたけれども、両陛下と比較をされて今論評がございましたけれども、まことに恐れ多い限りでございます。
 手を後ろにこうやってするのは、私は若干癖があるものですから、ですからこれが悪いといえばそれは直さなきゃなりませんけれども、前に組んでも横に置いてもそれは余り皆さん方には御関係ないのではないかというふうに私は思いましたし、それから被災者の中に入っていって、そしてそれは向こうの方も腰かけに腰かけてますから、腰かけに腰かけておるから私も腰をかがめて同じ視線でもって話をしたことはあちこちでありますけれども、まあ誤解のないように、私もそういう気持ちで接してきたということについては御理解を賜りたいというふうに思います。
 それから政府といたしましては、地震直後から被災者に対する救援措置あるいは道路、鉄道、ライフライン等、被災施設の早期応急復旧などの対策に重点を置いてこれまで対策を実施してきたところでございます。今後、これら応急対策の推進とあわせて、さらに今回の災害を教訓として災害に強い町づくりを進めるなど、長期的ビジョンに立った復興対策にも重点を置いて対策を講じていくことが必要であると考えております。このため政府としては、地元自治体において策定作業を進めておられます復興計画を一体となって支援していくということが何よりも大事ではないかというふうに考えておりますから、政府部内におきまして内閣総理大臣を本部長とする復興本部を設置し、復興施策についての調査審議を行う復興委員会の設置等につきましても具体的な内容について今検討中でありますが、速やかに設置をして、自治体、地元の要請にもこたえて十分対応できるような対策というものをしっかり講じてまいりたいと考えているところでございます。
#17
○泉信也君 まさに時間との競争であるわけであります。災害直後は救出や消火が最大の課題でありましたが、三週間を経過しました今日必要なものは、議論ではなくてスピーディーな意思決定と果敢な実行であると私は思っております。
 今、政治に求められていますのは、復興への見通し、被災者の生活設計に対する予見、方向性、枠組みを明確にすることではないでしょうか。被災者の要求に対して政府がどのように対応しようとするのか、その水準を明確にし、現行法で処理できるもの、法を超えるもの、新たな立法の措置を講じなければならないものを区分し、そしてそれに必要な財源を確保するということが手順だと私は考えております。現行法規の中でも、例えば中小企業に対します金融助成等はかなり早い時期から弾力的な運用の方針が打ち出されていたと私は承知をいたしておりますが、そうしたことがもっとできるのではないか、こういうふうに思えるわけであります。
 そこで、総理は、兵庫県などから出されておりますこの緊急要望の各項目にイエス・ノー、あるいはノーであるならばどこまで政府ができるのかをこの数日中にでもきちんとお答えをすべきではないか。そのことによって関係の自治体が被災者に対してまたさらに温かい施策を展開していけると私は思うのですが、いかがでしょうか。
#18
○国務大臣(村山富市君) これは冒頭に申し上げておきますけれども、政府が今とっておる対応については、被災者のニーズにどうおこたえできるかという視点に立ってすべて検討いたしております用地元の知事さんやあるいは関係の市長さん等々から具体的な要求も出ておりますが、その要求については各分野において、今の制度、今の法体系の中でできることはすべてやり尽くす。その上で、なおかつ不足する部分があれば、法律の改正をする必要があるならば法律の改正もするし、弾力的に運用できるものについては弾力的に運用して、できるだけおこたえしようではないかというようなことを各分野において、緊急対策本部のもとにつくられたプロジェクトチームの中で各省が集まって今検討しておる段階でありますから、そのように御理解を賜りたいというふうに思います。
#19
○泉信也君 大変忙しい中で各関係者がこの要望書をつくっておられるわけでありますので、早く政府の意思を明示していただきたい、このように思います。
 次に、大蔵大臣にお尋ねをいたしますが、六年度の一次補正予算には震災復旧の予算は計上していない、震災関連は二次補正と言われております。しかし、七年度本予算にも復旧のための予算は計上されていない。これは七年度の一次補正で計上すると伝えられています。このことは非常に被災者にとってもわかりにくくて、また政府の復旧復興に対する熱意を疑わせることにもなりかねません。財源の確保に見通しがあれば、本予算成立後、直ちに補正予算を組むことも可能であろうと思いますが、しかし財源確保が甚だ厳しい上に、災害の発生が予算提出前であったことから考えますと、論理的には七年度本予算に震災関連の予算措置を明確にすべきである、このように思っております。
 私どもは本予算の組み替えを主張しておるところでございますが、大臣の考え方はいかがでしょうか。特に組み替えに時間的余裕がないならば、震災対策財源を捻出するために七年度第一次補正で本予算を減額修正する、あるいは一部凍結するというようなことも考えておられるのか。また、七年度政府原案の中でも、例えば箇所づけに際し、阪神地区に重点配分をするなどということも考慮しておられるのか。さらに、前後いたしますが、六年度の第二次補正で執行残高の活用等も考えておられるのかあわせてお答えをお願いいたします。
#20
○国務大臣(武村正義君) 予算対応は、もうたびたびお答えをしてまいりましたように、迅速果敢に適時適切に対処をしていくということに尽きると思うんです。特に、ましてや震災というこういう非常事態でございますから、いわゆる慣行とか形式にとらわれないで対応させていただく。要するに現地の御期待にどういう手段をとるのが一番こたえられるかということに尽きると思います。そういう点でぜひ衆議院も御判断いただきたい、お役所におられましたから。
 今、確かに震災が十七日に起こって国会が二十日ですから、三日間余裕がありますから組み替えを考えてもよかったじゃないかというお話がございましたが、これは本予算の組み替え、しかも災害のように、各省あらゆる事業にわたった災害復旧を予算で組み替えをしようとしますと、もう予算全体をいじらなきゃならない作業になります。しかも、年度は三月で終わりでございますから、これゆっくり時間があれば組み替えの手段も検討ができたと思いますが、このスケジュールの中で、しかも震災者の期待にこたえていくならもう二次補正しかないし、当初、新しい年度についても早く予算を上げていただいて、補正というのも実質組み替えですよ、あれは。組み替えということは言いませんが修正になるわけですから。それは広範になれば非常に効果は全般に及ぶわけでございますから、予算はこの予算でお認めいただいて、これに震災という新たな緊急需要をどうのせて全体を修正していくかということに尽きると思うのであります。
 そういう意味で、組み替えの御意見につきましてはぜひ御理解を賜りたいと思います。
#21
○泉信也君 いずれにいたしましても、財源の確保が大変大切な問題であります。
 財政に関する大臣の演説の中でも、公債残高が累増しないような財政体質をつくり上げていくことが基本的な課題であると論じられておられますが、当面国債を発行するといたしましても、あるいは建設国債、赤字国債、復興国債、名称はいずれであっても、景気の動向を見ながらいずれ国民の皆さんにこの重荷を背負っていただく、増税を明確にお願いするということが必要ではないかこのように思います。
 七日の閣議後の記者会見でも大臣は、選挙のことなど考えないで財源論議を急げと、こういうお話をしておられます。閣僚の皆様方は選挙には強い方々ばかりでございますので、ぜひともこの税に対する考え方をはっきり打ち出していただきたいと思います。
#22
○国務大臣(武村正義君) ありがとうございます。財源についても本当にまじめに真剣にともども論議を重ねて結論を見出していかなければいけないというふうに思っております。
 昨日も申し上げましたように、何か初めに先入観で物を言ってはいけないと思っていますし、また初めに枠をはめたりしないで、そういう意味では幅広く柔軟に財源についてはあらゆる可能性を検討させていただきたいと。国民の皆様にもぜひお考えをいただきたいし、国民の皆さんからもこの震災に関する共感あるいは連帯感からいろんなふだんにない積極的な提案がたくさん出ているというふうに感じております。先生方もいろんな御意見を肌でお感じいただいていると思うのでありますが、そういうものを肌で感じながら国会で議論をし、政府も一定の方向を集約させていただけたらというふうに思っている次第でございます。
#23
○泉信也君 次に、運輸大臣にお尋ねをいたします。
 神戸港の復旧についてはぜひ英知を結集して果敢な取り組みをしていただきたい、このように思っております。復旧に際しては、単に原形に復旧するだけではなくて、神戸港がアジアにおける基幹的機能を今後とも維持していきますためには、さらに大型化をする、あるいは船会社へのリース料がこれ以上高くならないように、現状よりも高くならないような配慮をぜひお願いいたしたいと思います。
 また、鉄道につきましても、鉄道軌道整備法により論理的には可能であるわけでありますが、大変大きな被害を受けておる各社に対しまして、今後とも公共的輸送機関としての機能を果たせるように、言いかえますならば適切な料金設定ができるような、あるいは安定した経営基盤ができますような財政措置、金融措置をお願いいたしたいと思いますが、大臣のお考えはいかがでしょうか。
#24
○国務大臣(亀井静香君) 神戸港、また各種交通機関の惨々たる状況、これを私どもはただ旧に復するという復旧という考え方は持っておりません。今後、防災都市の建設、また神戸港につきましてもこれはまさに世界的な貿易港で、御承知のように、日本の三割の取扱量ということになっておるわけでありますから、そういう意味では、神戸港につきましては埠頭公社に関しては現在の法律では国が援助することができないわけでありますが、これは法律を改正いたしまして、しかも従来は耐震性がBランクでございましたが、東京、横浜港と同じようなAランクで復興をいたす考えでございますし、またそれはただ復旧ではなくて、二十一世紀を見据えて流通の一大拠点となるべき港として再建をいたしたいと思っております。
 また、鉄道につきましては今の鉄軌法では対象にならないのがたくさんございますので、これにつきましても省令等を改正したいと思います。ただ、これにつきましては事業者の要望を十分に聞いて、融資がいいのか国からの補助がいいのか、そのあたりを見きわめて対処をいたしていくつもりでございます。
#25
○泉信也君 担当大臣にお尋ねいたします。
 私はこれまで三度被災地を訪ねましたが、そのたびごとに、とにかく家に住みたいと、こういう御要望が大変強くなってまいっております。トータルの額では政府のお考えと要望が合うことは合ったといたしましても、地域別に見ますと需給に相当なギャップがあることは事実であります。
 そこで、私はモービルハウスの導入ということを御提案したいわけであります。この場合、これは車ということではなくて、当面仮設住宅という概念で対処してはどうかと思っております。国内の供給力はほとんどないということではございますが、米国には相当数の在庫がある模様で、二カ月ほどの時間があれば三千台の準備は可能と言われておりますし、在日アメリカ大使館も全面的に協力する意向でございます。導入に際しての問題、使用後の処理、たくさん問題がありますが、このことにつきまして、検討するというようなことではなくて即決をしていただきたい。
 また、自衛隊は、十一平米ほどの宿営用テント一万二千張り、その他業務用二号、これは二十五平米でありますが三千五百張り、こうした多数のテントをお持ちであると伺っておりますが、防衛庁とも十分協議をしていただいておるのかどうか、お尋ねをいたします。
#26
○国務大臣(小里貞利君) 避難所のことを含めまして住宅対策、緊急要請でございます。お話のとおりでございますが、せっかく御提案ございましたモービルハウスあるいはキャンピングカー等、いろいろ用地確保上の問題もございます。あるいはまた、生活環境上のことにおきまして解決をしなければならない問題等も伴っておりまして、せっかくの御提案でございますが、今のところその用意はございません。
 それから自衛隊の宿営用天幕のお話であろうと思うのでございますが、これは御承知いただいておるかと思いますが、既に五百三十張りは御支援をいただいております。
 さらにこれを仮設住宅としてどうかという話でございますが、御承知のとおり、耐寒性あるいは耐暑性、あるいは強い風、あるいはまた軒高が構造的に非常に低い、そういうようなことから居住性に乏しいのではないかと、そういうような検討をしばしばいたしまして、結論といたしましてはただいま申し上げましたようなことでございます。
#27
○泉信也君 モービルハウスにつきましてももう一度御検討をいただきたい。土地がないわけではない、私はそう思いますし、天幕にいたしましても一メーター九十という背丈があるわけでありますから、これももう一度御検討をいただきたいと思います。
 次に、建設省河川局長にお尋ねいたしますが、かつて昭和十三年に六甲山は長雨によりまして約三百万立米を超える大量の流砂、流下土砂があって大災害を受けました。今回の地震によりましても二次災害、ことしの梅雨どき、台風時期の災害の発生が大変心配されるわけでありますが、このことについてどのような対応をとっておられるのかお尋ねをいたします。
#28
○政府委員(豊田高司君) お答え申し上げます。
 この地方は、先生御存じのように、もともと大変地形、地質上脆弱なところでございまして、在来から危険箇所が多いということで点検等を進めるとともに、この十三年の大水害以来この地域の人命、財産を守る一番大事なことは治山治水事業だということで対策を進めてまいったところでございますが、今回の地震によりまして仁川地区を初め大変大きな災害が出ました。そこで、早速ヘリコプター等によりまして空から調査いたしまして、大量の調査団をここへ派遣いたしまして、地すべり、がけ崩れ約千二百カ所、あるいは土石流の心配をしております六甲山流域の渓流全部で約三百五十ほどございますが、これを徹底的に点検いたしました。
 その結果、がけ崩れの心配のあるところが七十カ所ほど、それから渓流土石流の心配のあるところが三十カ所ぐらい出てまいりまして、そこに注意をいたしまして、いろんな警報装置だとかそういうものを設置いたしまして二次災害の防止に努めております。また、がけ崩れ等で地割れをしているようなところはシートをかぶせるとか、あるいはそこに雨水がしみ込んで二次災害を起こすのを心配しておりまして、起こさないようにすぐ埋め戻すだとかという応急処置をした上で、引き続き災害復旧事業だとかいうようなことですぐ恒久対策にかかりたいと思っているところでございます。
 いずれにしましても、この地震災害で辛うじて被害を免れた方々が二次災害でまた被害に遭うというようなことは、これは絶対避けたいという強い決意で対策に取り組んでまいる所存でございます。
#29
○泉信也君 十三年当時に比べますと大変開発も進んでおりますので、ぜひ万全を期していただきたい、このように思います。
 防衛庁長官にお尋ねいたします。
 自衛隊の皆さんが地震発生以来大変苦労なさっておられることに対しまして感謝をし、敬意を表したいと思います。
 今回の災害出動に関しましてはもろもろの問題が指摘されています。早急なしかも慎重な分析、検討が必要であります。例えば自衛隊、海上保安庁、消防庁、警察庁それぞれの活動を時間的に横に並べてみましただけでもいろいろな新たな考え方が浮かんでくるわけであります。
 また、独自に長官は万全を期せとの指示をなさっておられるわけでありますが、これが秘書官を通じてなされたことの是非もまた議論をする必要があるのではないか。さらにこの長官の指示が具体的にどのような形で第一線に到達をし、その指示に対する実効性の担保をだれがウォッチしていたかまたそれがどのような形で長官にフィードバックされたか、こうした詳細な分析が今後必要になると私は思っております。
 この機会に、この分析結果をいずれ報告するというお約束をいただけるかどうか、恐縮でございますがお願いをいたします。
#30
○国務大臣(玉沢徳一郎君) 情報伝達についての委員の御質問でございましたので、防衛庁長官に対しましては我が方は二十四時間体制をとっておりまして、陸上自衛隊、海上自衛隊、航空自衛隊、それから内局の当直とそれぞれありまして我が国の有事に対処する、こういうことになっております。例えばゴマ等の人道支援で行った場合におきまして、時差がありますので、いろんな事件が起きた場合におきましては二十四時間体制の中央指揮所の方に連絡が入りまして、秘書官を通じて私の方に連絡が来ることになっております。
 したがいまして、その際に私の方からも指示を行うわけでございまして、今回の場合は秘書官が地震発生のテレビのテロップを見まして、中央指揮所からの連絡を待つことなく私の方に連絡をしたものであります。したがいまして私の方からは、あくまでも状況の把握の徹底をするということ、それからさらに対応に対しては万全を期すようにと、こういう指示を秘書官を通じて行ったところでございます。
 現地におきましては、既に私の指示を待つまでもなく、中部方面隊におきまして指令のもとに総監部の非常呼集が六時に行われまして、第三師団には直ちに非常呼集がかかり、六時半には隷下の部隊に全部行き届いております。そして、七時十四分に中部方面隊の航空部隊からヘリコプターが飛び立ちまして、被災地の偵察を約一時間半にわたって行っております。また、徳島の海上自衛隊でありますけれども、これも六時十四分に非常呼集が行われまして、徳島の教育航空団の方から八時十一分にヘリコプターが飛び立ちまして、この場合は海上とそれから淡路島の状況を約一時間以上にわたって偵察をいたしておるわけであります。
 その結果でございますが、私の方には、九時に防衛庁に出席をいたしたわけでありますが、九時までの時点の三自衛隊の出動態勢について、あるいは各基地の損害状況がどうであるかということについて報告がございまして、これは十時の閣議に報告をいたしたところでございます。
 なお、偵察中のことでございますが、これはリアルタイムで空中からそのまま我が方には伝わりませんでした。偵察中と、こういう報告であったわけでございます。
 したがいまして、この航空方面隊の情報につきましては、中部方面隊の指令ではありますが、総監がこの情報に基づきまして適時適切な部隊の配置を行った。それから海上自衛隊の情報でありますけれども、これは現地の海上保安庁の地域の責任者、それからまた広域消防につきましてその情報が伝えられまして、私の方には海上自衛隊の幕僚長を通じまして報告があったわけでございます。
 したがいまして、あえて言いますならば、できるだけリアルタイムに現在行われておることが長官に伝わるようにというところが、もう少しこれは反省材料ではないか。そこで、緊急事態への官邸及び関係機関の即応体制検討プロジェクトチームの中で、できるだけ情報が即応的に中央に伝わるように、こういう点が改善の余地があるのではないか、このように考えておるところであります。
#31
○泉信也君 今後のことを考えますときに、新たな視点からの分析がぜひ必要だと思っております。
 最後に、総理にお尋ねをいたします。
 発生時の政府対応につきましては、二十日の衆議院本会議でお答えをなさっておられます。しかも、それは議事録、会議録を読む限りにおいては中央政府のことをお答えになった、いわゆる早朝の出来事であり初めての経験であるという部分でございますが、会議録を読む限りはそうとしか受け取れません。
 この発言に対しまして総理は、混乱があったのは地方であると二十四日の参議院本会議でこれを訂正され、さらに昨日も当委員会においてそのことを再度確認をしておられます。
 確かに大地震でありますので地方は混乱があったことは事実であります。これを正常に戻すことあるいはその間の機能を代替することも私は政府の重要な役割だと、このように思うものであります。政府は混乱がなかった、正しく対応したと本当に言い切れるのか。私は、もしも正常な指揮のもとにあのような五千人を超えるような生命が失われたということであるならば、我が国の最高司令官としての信頼性に不安を抱かざるを得ないわけであります。
 総理が訂正をされましたこの文言は、大変重要な意味を持っていると私は思います。県、市の職員を初め必死に頑張られた地元の方々に、このような地元が混乱しておったというような非情な発言が許されるか、私はぜひとも再度この点は訂正をしていただきたい。衆議院本会議の質問も政府の対応についてのお尋ねであり、会議録もそのように答えておられるのをなぜあえて総理は訂正されるのがその点をお尋ねいたします。
#32
○国務大臣(村山富市君) 私の二十日の本会議における答弁は境地の実態を申し上げたので、それは誤解のないように御理解をお願いしますと言ってきのうは中村議員の質問にお答えをしたわけです。
 これは私は、五時四十六分に地震が発生して、そして恐らく皆さんお休みになっている時刻ではないかと思いますし、それから県庁の職員やら市役所の職員やら、そういう行政に携わっておる職員の皆さん方もある意味ではこれは被災者ですよね。それから消防署、警察の関係者の皆さんも被災者であるし、何分、県の中枢部がやられたということによって、そういう意味における全体的な混乱というものはだれが考えても私はやっぱりあり得たのではないかというふうに思いますから、そこのことを申し上げたのであって、それはしかし、今お話もございましたように、自分の家の被災も顧みずに出ていって、不眠不休で一生懸命職務に専念をして働いてこられている職員の方もおられると思いますよ。そういう方々には本当に心から頭の下がる思いで感謝を申し上げますけれども、そういう混乱が現状を考えた場合に現地ではあり得たのではないかということを私は想定して、それだけにやっぱり初動の捜査についても現地も混乱があったと思います。
 それからこれはたびたび申し上げておりまするけれども、今の危機管理の体制というものについては振り返ってみるとやっぱり問題点がある。これはもう早急に直して、あしたまた再び事故があった場合にどう対応するのかということについては、今度の経験に学んで早急に危機管理体制というものは確立する必要があるということを深刻に受けとめて考えておるということを申し上げている次第でありますから、その点についてはそのように御理解をいただきたいと思います。
#33
○泉信也君 本会議でなさった先生の質問の意向も、また答えられた総理の御発言も、今、総理がここでおっしゃったようなこととはとても受け取られない内容であります。しかし、時間が参りましたので、これで私の質問は終わらせていただきます。
 ありがとうございました。(拍手)
#34
○猪熊重二君 引き続いて、補正予算について若干質問をさせてもらいます。
 まず、租税・印紙収入の問題について大蔵大臣に伺います。
 租税・印紙収入が二兆二千四百七十億円の減収見込みとなっている。これは当初予算額五十二兆六千六百五十億円の四%にも当たる大きな金額です。このような見込み違いが生じたことの原因や理由をどのようにお考えでしょうか。
#35
○政府委員(小川是君) 御提案しております補正予算の中で二兆二千四百七十億円の税収減額を補正いたしております。
 この税収減の内容でございますが、一つは税制改革による所得税減税に基づき六年度内に生ずる減収見込み額が二千九百四十億円ございます。これは制度改革によるものでございます。そのほかの減収額は、一つは申告所得のものであり、大きな部分は法人税の一兆二千八百四十億円でございます。この点の減額修正につきましては、六年度が始まりましてから既にかなりの月数を経ております。これまでの脚の課税実績が出てまいっております。
 それからいま一つは、大法人に対する聞き取り調査というものを繰り返しておりますが、そうした結果あるいは経済全体の進みぐあいなどからこのような減額を計上させていただいたものでございまして、昨年の当初予算を編成する際にわかっていた各種の指標から直近のものに置きかえて見込みをした、そういう性格のものでございます。
#36
○猪熊重二君 本年度の補正予算だけでなくして、もうここのところ四年間引き続き見込み違いばかりしているんです。
 今度の第二次補正においてもさらにまた落ち込む可能性があるんでしょうか。大臣、どうなんですか。
#37
○国務大臣(武村正義君) 経済情勢の見通しとしては、第一次補正で大体三月いっぱいまでをそれなりに精査して御提案をいたしているつもりでございます。
 問題は、こういう形で大震災が起こりました。この震災の日本経済に与える影響、阪神地区を中心にして生産、流通、消費の各分野に多大の打撃を与えることになります。当然マイナスに作用いたします。これをどの程度に見込むのか。
 もう一つは、税の面でも急いで対応させていただいておりまして、納期の延長もございますが、軽減免措置を進めさせていただいておりまして、特に所得税につきましては六年の所得から今年の災害の被害額を控除するという、かつてない初めての思い切った対応を近々閣議で決定させていただく方針でございます。これによりましてもかなり税収はまた落ち込みます。これはもう政策としてまた減る。
 この二つの要素、災害のダメージと政策的な減免税措置と、これでどの程度さらにこの第一次の補正からマイナスになるかというところを今精査いたしているところでございまして、御指摘のとおり、さらにこの災害の影響で減るということは避けがたい情勢にございます。
#38
○猪熊重二君 ことしの災害の分を六年度の税収の減の方へ持っていくということになると、今ですら二兆二千四百七十億も減収だと、この数字をはるかに上回るようなことになってしまってえらいことになると思いますが、いろいろ検討してみてください。
 次に、ウルグアイ・ラウンドの農業合意関連対策費に関連してお伺いします。
 やはり最初に大蔵大臣にお伺いしたいんですが、今のように非常に大きな税収不足が生じているにもかかわらず、この補正予算には大きな施策としてウルグアイ・ラウンド対策費が含まれている。しかし、このウルグアイ・ラウンド対策費を計上することは、本来財政法二十九条からいえば、補正予算に計上できる経費は義務的経費の不足とそれから後発的な予算編成後に生じた事由に基づく緊急かつ必要最小限度の支出、こういうことになっているわけなんです。
 このウルグアイ・ラウンド対策費は全く純然たる政策経費であって、もし必要ならば本来六年度当初予算あるいは七年度当初予算に計上するべきものだと思いますが、この点に関して財政法との関係をどうお考えでしょうか。
#39
○国務大臣(武村正義君) 御承知のように、六年度予算が成立をした後、昨年の秋でございましたが、政府・与党の中で真剣な議論を重ねて、向こう六年間で六兆百億円のウルグアイ・ラウンド農業合意に伴う対策事業を進めていこうということに相なりました。しかも、これは新しい事業を中心に進めようということでありました。
 たびたび昨年の参議院でのWTO委員会でもお尋ねをいただく中でお答えをしてまいったわけでございますが、向こう六年間、六兆百億円でございます。年次割の数字とまでは申し上げておりませんが、これをきちっと初年度対応していくことが財政当局の大変大事な課題でございました。
 こういう年度途中に起こった新しい政策意図といいますか政府・与党の方針に対応して、この新しい事業そのものを見てまいりますと、極力少しでも前倒しをして早期に予算的な措置をとった方が仕事がスムーズにいくというものが少なくありません。例えば農業大学校の開校に伴う仕事なんかを見ますと、学校は新年度でございますが、事業は、募集事務その他準備は前年度に始めなければなりません。土地改良の事業一つとりましても、そういう予算がついたら、じゃ大規模な圃場整備をやろうということになっても、現場で、集落で何回も会合をしながら合意を見るためには相当時間がかかります。
 そんなことも考えますと、かなりの事業は前倒しをさせていただいて補正で対応する方がむしろスムーズにいくという判断もございまして、今回こういうふうな補正措置をとらせていただきました。そういう意味では、補正と七年度の当初と合わせて第一年度として約一兆千四百億前後、国、地方含めてウルグアイ・ラウンドの対応をさせていただきたいというふうに考える次第でございます。
#40
○猪熊重二君 農水大臣にお伺いします。
 今回のウルグアイ・ラウンド農業合意関連対策費の内容を御説明いただきたい。特にこれらの費用が財政法二十九条に言う予算編成後に生じた事由に基づく緊急かつ必要最小限度の支出であるかどうかという観点から御説明いただきたい。
#41
○国務大臣(大河原太一郎君) お答え申し上げます。
 六年度補正予算につきましては、その性格その他についてはただいま大蔵大臣が御答弁申し上げたとおりでございますが、内容といたしましては、公共事業、すなわちウルグアイ・ラウンド関連の農業農村整備緊急特別対策事業、これが国費として三千億、それから農業構造改善事業等の施設整備費、これが七百五十億、新規就農対策は四十八億、新技術開発のための五十億、あるいは果樹対策二十億、中山間地域対策百六十億、さらには融資事業として総額七千七百億を予定しております。それが総額でございますけれども、そのうちの千五百億等々の融資事業を予定して、そのための利子補給等についての二百十九億なり二百二十七億を計上しております。
 それで、特に先生が財政法二十九条との関係でいかんというお話でございましたが、ただいま大蔵大臣も既に御説明したとおりでございまして、現地において実施体制が整っており、早期に着工いたすことによって早期の効果が発現できる事業等々を取り上げまして基盤整備事業等を行うわけでございまして、また農業構造改善事業につきましても同様でございまして、現地の受け入れ体制あるいは実施体制が整ったものについて重点的に取り上げるということにしておるわけでございます。
 それから大蔵大臣も触れましたが、新規就農対策、これは新規の就農者が春先のまず研修をするということで、各県の農業者大学校の開校に合わせる、あるいは現地の岡場の勉強をするため等々を合わせますと、やはり四月に始まる大学校等にすぐに研修に参加し得るようにするために早期に事業開始をする必要がある。
 さらには果樹対策で二十億と申し上げたのは、御案内のとおり、昨年の秋にリンゴの輸入検疫が解除された。早急に矮化栽培その他の体制を整える必要があるというようなことを加味いたしまして、緊急の対策として取り上げたところでございます。
 それから新規部門導入資金、中山間地域の。これもやはり準備期間である二、三月に新規作物の導入をするための機械、施設等の購入を可能とするようにいたします等、それぞれその早急な事業着手が必要とされるというものを取り上げましてお願いを申し上げているところでございます。
#42
○猪熊重二君 今、農水大臣にいろいろお答えいただいたんですが、要するに今回の大蔵省から出ているこの補正予算等の説明、これを読む限りにおいては、事業総額六下二百七十四億円のうち大半を占める五千五百七十億円が公共事業費の従前の事業に対する追加であり、融資事業に関する七百四億円も農家の負債対策費としての従前のものに対する単なる追加と見えるんです。
 要するにこれは、今回のこの対策費というのは、従前の事業ないし融資事業を含めてこのようなものの追加費用の計上にすぎない。新規経費だとはほとんど認められるものがない。ということは、従前の農薬予算の上積みをしたにすぎない。それで、従前の農業予算に対しても、農業強化のための費用というよりも保護、補助的ばらまき的対策のものであるというような批判もいろいろあるわけですが、それをたださらに上積みしただけにすぎないというふうに見えるんです。
 このようなウルグアイ・ラウンド農業合意関連対策費というものによって日本震巣の再生というふうな根本問題が解決できるのかどうか、農水大臣の所見を伺いたい。
#43
○国務大臣(大河原太一郎君) お答え申し上げます。
 WTO等特別委員会におきましてもそれぞれ各般の御指摘をちょうだいいたしましたが、ガット・ウルグアイ・ラウンドの受け入れに伴う厳しい農業に対する影響、これを防止するとともに、二十一世紀に対する農業農村の自立を速やかに図るための対策を講ずるということで、細川内閣時代に農政審議会に諮問をいたしました。その答申に基づきまして、昨年秋十月、総合的な国内対策を樹立したところでございます。そこに示された各種施策を総合的に実施するということで、新たな事業として取り上げたところでございます。
 先生いろいろ御指摘でございますが、例えば農薬農村基盤整備事業におきましても、大区画等高い生産性を上げる岡場整備を重点的に行うというようなこと、あるいはそれらの事業についても、従来はその核となる事業と関連事業とが時間差があったのを同時着工いたして、そして下期を短縮して早期に事業を完了いたすというような措置がとられて、新しい事業として積み上げたものでございます。
 それぞれのその他の事業についても同様でございまして、私どもはこれは新しい事業として展開をいたす。この事業の展開によって、六年間の着実な振興によりまして我々の日本震菜の歩むべき目標を達成したい、さように思っておるところでございます。
#44
○猪熊重二君 農水大臣にこれは質問じゃなくてちょっと申し上げたいんですけれども、ずっといろいろ岡場整備やってきているわけです。だけれども、ほとんど成果が、失礼ですが余り上がらない。なぜかといえば、結局、農地所有権というものに対して何らかのもう少し公共的な制約というものを考えたらどうなんだという点なんです。
 要するに土地は所有権があるけれども、しかしそれ以上にもっと考えるべきは利用権なんです。これは何も農地だけでなくして、今回の震災の場合においても、都市計画をやっていく上において、おれの土地はおれの土地、寸分も動かさぬと国民が、言っている限り都市計画だってできやしない。もし都市計画をきちんとやっていれば、余計なことだが、今回の災害だってずっと違ったはずなんです。
 土地というのはすぐに所有権侵害だと言うんです。しかし、憲法第二十九条には、財産権の内容は法律でこれを定めると書いてあるんです。法律で定めたその中身が財産権の内容なんです。その辺のことを考えていただかないと、金だけ出して幾らやっても、おれの土地はおれの土地、絶対動かぬよ、これを減らすわけにもいかぬと、こんなことをやっていたんでは大規模農業なんてといったってできやせぬということ。ですから、土地所有権に対するもう少し制約というか限定というか、こういうものを内閣全体としてお考えいただかないと、にっちもさっちもいかないんじゃないか。
 これは意見ですので、農水大臣、いろいろきついことを言って気の毒で申しわけなかったけれども、まあそういうことなんです。
 次に、既定給費の節減についてお伺いします。
 この税収持ち込みの国家財政のもとにおいて、既定維費の節減ということは最重要課題ですし、また行政改革の側面からも重要なことだということで、今回の補正において総額一兆八百六十億円の経費節減ということは、行政府として大いに努力されたということで大変結構なことだと思います。
 特にその中の優等生が、また大蔵大臣なんですが、大蔵省の修正減少額七千七百八億円なんです。非常に七千七百八億円も節減してもらったのはいいけれども、こんなに節減できるんだったら最初からでたらめに計上していたんじゃないかというふうなことにもなるので、この減少の内容を説明してください。
#45
○政府委員(篠沢恭助君) お答えいたします。
 大蔵省の既定経費節減額の総額は七千七百八億円となっておりますが、その中で大宗を占めておりますのは国債費の不用七千六百二十六億円でございます。主な要因は、六年度の当初予算策定時の見込み金利に対しまして実勢金利が下回りまして推移したということで国債利子の不用がありましたり、あるいは国庫の資金繰りが予想よりも平準的に推移をしたことに伴います大蔵省証券の、いわゆる蔵券の割引料の不用が出ました。あるいは、国際機関に出しております拠出国債の償還が来るのではないかという予定をしておりました予定よりも償還額が少なかったということで、拠出国債関係で減額が立ったといったような要因によるものでございます。
 いわゆる通常の一般歳出の経費の節減額は、大蔵省におきましては三十八億円でございますので、これは特にお褒めをいただくような状態ではないというふうに考えております。
 以上でございます。
#46
○猪熊重二君 大いに経費を節減したというわけじゃなくて、そういうことに結果的になったというようなことらしいですが、いずれにせよ減らしてもらうことは結構なことでございます。
 次に、補正予算の項目中の災害復旧等事業費についてお伺いします。
 この災害復旧等事業費の追加として三千四百十六億円が計上されているわけです。平成六年度の本予算編成後に生じた大きな災害としては、平成六年十月四日の北海道東方沖地震、平成六年十二月二十八日の三陸はるか沖地震というふうなものがあると思います。今回の災害復旧等事業費は、当然このような今申し上げたような二つの災害等に対する緊急必要経費の計上と考えられるんですが、この今回の補正、三子四百十六億円の追加のうち、六年度発生災害対策費が二千二十五億円余、それに対して六年度の発生対策費ではなくして過年度の災害対策費として千三百九十一億円余が計上されております。
 お伺いしたいのは、六年度に発生した災害に対する対策費二千二十五億円で、今申し上げたような二つの地震災害をも含めて災害対策費として十分なのかどうなのか、この点が一点。
 それからもう一点は、千三百九十一億円余の過年度災害対策費というものを補正予算に計上することの妥当性、先ほど申し上げた財政法との兼ね合いでの妥当性ということについて、二点お伺いしたいと思います。
#47
○政府委員(篠沢恭助君) 事務的な積算の問題でございますので、お答えをさせていただきます。
 今、先生おっしゃいましたとおり、今回の補正予算におきます災害復旧等事業費は三千四百十六億円でございます。
 まず平成六年に発生いたしました災害、いわゆる当年災でございますが、この復旧費につきましては、おっしゃいましたように二千二十五億円の計上でございますが、直轄公共事業施設の災害あるいはその補助災害両方含めましてそれぞれ、本来でございますと初年度は五〇%あるいは三〇%程度の進捗率で計上しておるのでございますが、平成六年につきましてはそれぞれ八五%の初年度執行率ということで計上をしておるところでございます。そういう意味からいきまして、今年度に発生しました災害に対する対応額としては十分なものがあるというふうに考えております。
 それからあと千四百億円ほど平成五年以前の発生災害についての後年度分がこの補正予算に入っているではないかという御指摘でございますが、災害が発生しました後、二年目あるいは三年目に計上します分というのが当然当初予算に盛り込まれるのでございますが、当初予算で執行いたしましたその執行状況等の進捗、そして事業のいわば吸収力、そういったものを見込みまして、災害でございますので、もしそういう吸収力、執行力が余力がございます場合にはこの補正予算で、いわば七年度当初予算を待たず、六年度当初予算において少し前倒しぎみに計上させていただくということで、そのような計上をしておるわけでございます。
 このような例は過去にもたびたびあるわけでございます。平成六年度におきましては、今回の大震災は別といたしますと、全体といたしましては災害額が非常に少ない年であったのでございます。そういったことで、平成六年の災害に関する災害復旧費の計上はそのような工夫をいたしたところであります。
#48
○猪熊重二君 今あなた、こういうことはたびたびもとからやっているんだ、こうおっしゃるんだけれども、私はそういうふうにもとからたびたび財政法の趣旨を私の立場からいえば逸脱してやっていることは不適切じゃありませんかと言っているんであって、前にもやっているんだから今回もいいんだと、こんなことは余り通らぬ理屈だと思います。
 ちょっと急な質問で、玉沢防衛庁長官に一言お伺いしたいと思います。
 先ほどの泉委員の質問に対する玉沢長官の答弁の中に、自衛隊のヘリコプターが神戸を偵察に行ったというふうな答弁がありましたが、この偵察に行ったという言葉の妥当性についてはどうなんでしょうか。人が焼け死んでいる、逃げ回っている、ヘリコプターで偵察に行く問題じゃないと私は思うし、用語の揚げ足取りみたいだけれども、偵察というふうな言葉の妥当性はどうお考えですか。
#49
○国務大臣(玉沢徳一郎君) 現在では災害で最も被害をこうむったのは神戸市、こういうことになっておるわけでありますが、実際におきましては、あの活断層のもとで災害を受けたとされる地域は名古屋、大阪から姫路、淡路島、相当の広範囲にわたっておるわけでございます。したがいまして、自衛隊も何万名という手持ちを持っているわけではありませんから、中部方面隊におきましては約三千五百ぐらいだと思うわけでありますが、これができるだけ効果的に救済に赴くということを判断するためには、やはり偵察機といいますか、ヘリコプターで調査をする。偵察という言葉を使いましたが、調査、こういうことになっておるわけでございます。訓令第十条にございます。
 以上であります。
#50
○猪熊重二君 最後に総理に、第二次補正に関連してお伺いしたいと思います。
 今回の災害を起因にして、第一次補正は災害前の問題ですから当然これはもうやむを得ないことなんですが、これだけの大災害に対する復旧の臨時出費ということも考えると、今回の補正で計上した支出についてもさらに検討するというか、その項目をも含めた上で第二次補正において災害復旧のための補正を考えたらどうなんだろうと私は思っているんです。具体的には項目等は申し上げませんけれども、緊急性だとか必要性だとかそういうことを考えれば、今回の補正で計上した事業費用にしても、それらも含めて第二次補正で本当に被災者のための災害救済のための補正を早急にやっていただきたい。
 この第二次補正の規模だとか時期だとか第二次補正に取り組む総理の決意をお伺いして、質問を終わりたいと思います。
#51
○国務大臣(村山富市君) 今回の災害に当たりましては、これまでたびたび申し上げておりますように、被災者の立場に立った要求、ニーズにこたえ得るような対応をしていきたい。同時に、地元県市町村と一体となって救援と復旧復興に取り組む、こういう姿勢で臨んでおるところでございます。それに伴って当面必要な財政需要にこたえるために六年度第二次補正予算の編成作業に今鋭意取り組んでおるところでありますけれども、今、その規模と時期というものをここで明確に申し上げられないことについては御理解を賜りたいと思います。
 いずれにいたしましても、今回の地震災害にかかわる救援・復旧対策に支障がないよう財政的に必要な措置を適時適切に講じてまいる所存でございますが、第二次補正予算につきましても鋭意今、編成作業を進めておるという段階でございますから御理解を賜りたいと思います。
#52
○猪熊重二君 以上で終わります。ありがとうございました。
#53
○委員長(坂野重信君) 以上で猪熊重二君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ―――――――――――――
#54
○委員長(坂野重信君) 次に、武田邦太郎増の質疑を行います。武田邦太郎君。
#55
○武田邦太郎君 新緑風会の武田邦太郎でございます。
 ウルグアイ・ラウンドないしWTO関連で、緊急農業農村対策本部長としての総理にお願いがあります。
 この本格的な自由化、関税化を前にしまして、農業者、農業団体が確信なり希望なりを持つところでなくて、むしろ不平不満を持っている、これは深憂にたえないところであります。そこで、今、農業をめぐる諸条件が非常に好転しているということを十分に農業関係者に理解を求めて、的確な長期展望あるいは十分な準備あるいは弾力的な対応によって自由化なり関税化なりを堂々と乗り越えることができるという、そういう考え方を農業関係者に鼓吹していただけないかこう思うのであります。
 その条件は、まず第一に、日本は太陽がよく照って雨が降る非常に恵まれた条件です。農業者は勤勉で能力が高いです。
 第三は、これからが大事でありますけれども、高度成長の中で、二次、三次産業の能力は非常に高まりました。したがって、現在よりもはるかにすぐれた農機具、肥料、農薬を供給することが可能であります。特にこれから先はアメリカやオーストラリアがやっているような重厚長大農業ではなくて必ず軽薄短小農業に、ハイレベルな農業段階に移ることはまず間違いがないと思います。
 その場合に、日本の二次、三次産業は農業に対して、コンピュータリゼーションの進む状況においてあるいはロボット作業はもう間もなく現実段階に入っていくと思います。そうして、背景としてはマルチメディアの広範なシステムが前進する。こういう背景において軽薄短小農業の時代が始まれば、農業は世界に先駆けるぐらいの条件が二次、三次産業の側から生まれつつある。
 そして、その次はお金でありますけれども、お金は農業関係にはありませんが、第四次土地改良長期計画に見られますように、十年で四十一兆円の事業費を計上するほど政治は農業に対して資金を供給する能力と姿勢がある。これは農業が本当に採算ベースに乗ってくればもちろん銀行からでも堂々と融資を受ける。そこまでいかなければこれは自由化を乗り越えるレベルではないということになります。
 第五は、国内に一億二千四百万のハイレベルの食生活をする消費者がおりまして、食料マーケットが非常に豊かである。
 第六が最も人事でありますけれども、高度成長の中で後継者が非常に減りまして、後継者一人当たりの農地というものは非常な面積が国内に存在しております。これは昨年の十月十八日の本委員会で細かな統計をごらんに入れたと思いますけれども、後継者の定義もいろいろありますけれども、ごく常識的に言えば、平成五年一月一日現在で三万八千人、全国で農地面積は五百万五千ヘクタールでありますから、後継者一人に対して国内の農地は百三十ヘクあるわけです。アメリカといえども一億九千万ヘクタールを二百十万戸でやっているわけでありますから、一戸当たりは九十ヘクであります。それ以上の面積が国内に後継者一人当たりにあるということは、もちろん百三十ヘクになるということはありませんけれども、規模拡大についてはもう恵まれ過ぎるほどの土地が十分にある。
 この六つの条件を総合運用しまして、自由化時代、関税化時代のハイレベルな農業を実現していくということが政治の任務だろうと思うんですね。きょうはいきなりこういう問題を出しましたから、即答してくださいとは申し上げませんけれども、こういう恵まれた条件を最高度に使って日本の農業に自由化、関税化を十分乗り越える生庫性を与えるだけの政治をやるから、農業関係者もそのつもりで立ち上がってもらいたい、こういう要求をしていただけるかどうか、お願いします。
#56
○国務大臣(村山富市君) ウルグアイ・ラウンド合意後の日本の農業をどう国際的な競争の中に耐え得る体質を持った農業にしていくか。今、委員からあらゆる角度から問題点が提起されて、そしてそういうところを総合的に組み合わせて、第二次、第三次産業の進んだ技術も受け入れてハイレベルの日本の農業のあり方というものを追求していけば、必ずから得る条件があるんではないか、耐え得る条件があるんではないかこういう御指摘がございました。私は、やっぱりそれは本当に大事なことだと思います。
 日本の農薬というのはもう伝統的に国内の需要を賄うという意味でつくられている農業ですし、輸出を前提にして農薬を経営していくというわけじゃありませんから、したがって輸出国と輸入国との違いというものはこれまではあったと思いますね。しかし、もうそんなことは言っておれないわけですから。
 今お話がございましたように、農業経営の規模の拡大とかあるいは生産基盤の整備とか、あるいは資本装備の高度化とか、今お話のございましたような新技術の導入とかそういうものを組み合わせて、そしてハイレベルの生産性の高い農業というものを構築していく。そうすれば必ずそれだけの所得も保障されるし経営も成り立っていく。そうすれば今の近代産業と肩を並べていけるような条件がつくられていくんじゃないか。そういう希望の持てる、展望の開けるような、そういう指針というものをしっかり与えて後継者に元気を出していただく、後継者に頑張っていただくというようなことがやっぱり必要ではないかと。
 全く私も御指摘のとおりだと思いますから、そういう心組みで今後も取り組んでいきたいというふうに思います。
#57
○武田邦太郎君 どうかよろしく。
 その次に、文部大臣にお考えを伺います。
 この重大な時期に、しかも非常に恵まれた条件にあるにかかわらず、農業高校出あるいは大学出がほとんど農業に入らないということは、これは文部行政が農業教育、農業研究について非常に大きな欠陥があるんじゃないか、もちろん現在の文部大臣の御責任じゃありませんけれども。ここにおいて思い切った研究と教育を農業について取り込められるということをお願いしたいと思います。
 一番大事なことは、今申しましたような高生産性の農業を全農家あるいは全国民の前でパイロットファームとして見せる。ああ、こういうふうにすれば自由化、関税化は十分堂々と乗り越え得るなというモデルを国内でつくって見せるということが何より肝心の問題で、これはもちろん農水省のお仕事でもありますけれども、今申しました研究、教育という観点からいえば、これは文部省が非常に大きな責任を負っていただかなければならない。
 簡単に申しますと、農業と二次、三次産業の一人当たり年間純牛岸、毎年農業白書に出ますが、農業を一とすれば二次、三次産業は三・二倍の格差があるわけですね。ところが、主要農産物の輸入価格と国内生産者価格との格差は、いろいろありますけれども、大ざっぱに言えば六倍ぐらいの違いがある。したがって、これを掛け合わせますと大体二十倍ぐらいですよ。だから、実質的に農業と二次、三次産業との生産性格差は一対二十の格差がある、こう言って大きな間違いはないと思います。
 今、一戸当たり一・四ヘクタールでやっておるのでありますから、その計算でいけば大体三十ヘクぐらいを一戸当たりの営農規模とするということが一応の目安になるわけでありますから、できれば一つの県に二十戸ぐらい、全国で一千戸ぐらいのパイロットファームをつくりまして、こういう農業のモデルをつくるから引き受けたい農業者がいれば手を挙げろ、こう言えば、今日、日本の農村ではそういう意欲的な農家は十分育っておりますから、これを手を挙げさせてやっていく。恐らく予算は三千億は要らないと思います。
 でありますから、これを何とかして農水省との御協力で全国一千戸の自由化時代に先駆けするモデルファームをつくるようなことを御検討いただけるかどうか。こうすればやれるということを、農水省の高い能力はよく知っております、個人的にもよく知っておりますが、しかし農業者が確信を持ってくれなきゃ何にもならぬわけで、農業者自身にそういうモデルをつくらせるということを農水省との御協力においてお考えいただけるかどうか、お願いします。
#58
○国務大臣(与謝野馨君) 先生の御指摘のように、せっかく農業高校を出たあるいは大学で農業を学んだ、非常に新しいバイオ技術の知識も持ち、またあるいは環境問題にも非常に関心を持って勉強をした人たちが、実は農業に進まないで他の分野に進むというケースが非常に多いわけでございます。
 高校を卒業した方で直ちに農業につくという方は五%ちょっとでございますし、また将来農業に従事しようということを前提にさらに大学等に進む方を含めましても、実際農業高校等を経て農業に従事する方は一〇%強でございます。二%前後でございまして、これは大変日本の将来の農業にとりましては嘆かわしいことでございまして、また憂慮すべきことであろうと思っております。
 先生の御提案は大変貴重でございまして、私どもとしては、農水省ともよく相談をしながら、魅力ある農業、あるいはそういう農業に従事するための教育は今後いかにあるべきかということはさらに勉強をしていかなければならないと思っております。
#59
○武田邦太郎君 お願いいたします。
 その次に、農水大臣にお伺いします。
 これは農政のプロですからお尋ねすることもないのでありますけれども、今までの農政を引き継いでおやりになった関係上、本当に自分の思う存分のことをおやりになっていないことは重々お察ししますが、今申しましたように、土地利用型農業が自由化時代の方向へと行こうとすれば三十ヘク前後、北海適だと五十ヘクから七十ヘク、これは農家自身が言っております、それぐらいやれればいける、こう言っているわけでありますから。今ある新政策は十ヘクから二十ヘク、組織経営体で三十五ヘクから五十ヘクを三人でやるのでありますから、やっぱり十七ヘクどまりですよね。
 でありますから、これでは勝負にならない。本当にやればやれるというスケールを目標にした規模拡大の計画をやらなきゃなりませんし、それには膨大な農地の所有権移転は不可欠でありますから、先ほど猪熊委員がおっしゃったように、所有権と土地利用との総合的な調整をやる。これは恐らく農業だけじゃありませんで、今日の日本の経済が直面している歴史的な課題だろうと思いますが、そういうことを前提にして規模を拡大する。
 さっき大臣がおっしゃったように、規模拡大と基盤整備である、これは全くそのとおりでありますが、その場合に現在の新農政の角度では基盤整備は一区画一ヘクタールを主体にするらしい。しかし、それでは労働力がまだまだ非常にかかりまして、十アール当たり十時間ぐらいはかかります。今四十時間かかっているから十時間になれば大変な進歩でありますけれども、これでは外国の農業と相撲はとれません。
 二区画が三ヘク以上になりますれば、これは十アール二時間、五百キロとれば一時間当たり二百五十キロでありますから、アメリカと十分相撲がとれます。しかも、それだけの土地は、五百万五千ヘクタールの中で平野部は七二・二%あります。したがって、三百六十万ヘクは平野部なんですよ。田んぼは二百万ヘクぐらいは平野部です。その二百万ヘクに、十アール五百キロとれば一千万トンでありますから、これはもう一区画を三ヘクタールにすることは十分できるわけでありますから、ぜひその方の検討をお願いしたい。
 これはお尋ねではありませんけれども、大蔵大臣に聞いておいていただきたいのは、一ヘクタールの田んぼをつくるのと三ヘクタールの田んぼをつくるのでは三ヘクタールの方がずっと安いのです。十アール当たり八十万かかるものが六十万以下でできるのです。なぜそうかというと、区画を大きくすれば道路や水路がうんと減りますから道路や水路にかかる金が全く要らなくなる、だから国際競争できる田んぼが今までよりもずっと安くできるということを大蔵大臣はよく御承知おき願いたい。
 そういうことで、もう時間がありません。ありませんが、輸入価格がお米が五千円くらいですよね、それで現在のコストは二万円です。これと太刀打ちするわけでありますから、これは私どもの願いとしては、輸入米が五千円であっても日本の米は八千円ぐらいに売れるだろう。一俵当たり三千円ぐらいもうけるようにするには五千円を目指していかなきゃならぬ。これも新政策のコスト目標とはかなり違いがあります。
 一応時間が終わりました。もう大臣はよくわかっていると思いますので御返事は要りません。終わります。
#60
○委員長(坂野重信君) 以上で武田邦太郎君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ―――――――――――――
#61
○委員長(坂野重信君) 次に、有働正治君の質疑を行います。有働正治君。
#62
○有働正治君 まず、今回の大震災で亡くなられた方々に、そして御遺族の方々に心からのお悔やみを申し上げたいと思います。そして、被災者の方々にまたお見舞いを申し上げたいと思います。
 私は、審議中の補正予算案の中の消防消火体制の拡充をめぐって質問したいと思います。
 今回の大災害というのは、死者、行方不明者五千人を超える、家屋損壊が十万棟を超える、避難生活を送る住民の方々三十万人に及ぶというかつてない未曾有のものとなりました。
 この問題に関連しまして、衆議院の本予算の総括質問で我が党の志位書記局長が消防消火体制のおくれの問題を指摘し、その拡充を求める中で、野中自治大臣は、消防防災車両の整備あるいは人員の配置等について財政支援を含めて配慮してまいりたい旨御答弁されました。
 今回の大災害の教訓に立って、消防防火体制について担当大臣としての今後の基本姿勢をまずお尋ねします。
#63
○国務大臣(野中広務君) 今回の地震に際しましては、初期の段階で消火に大変困難をきわめたところでございます。加えて、消防職員あるいは消防団員がみずから家族を含めて被災者であったこと。次には、地震によりまして火災とそして救助活動が同時に多発をいたしまして今申し上げたような状況になりましたこと。次に、建物等の倒壊やらあるいは道路の破損等によりまして消防車の走行に支障が生じましたこと。また、消防用水が消火栓に頼っておりましたために、消火栓の破壊によりまして消防水利に非常に支障を来しまして、残念ながら消火活動に支障があったわけでございます。
 このような教訓にかんがみまして、今後、自治体の意見等を十分踏まえまして、消防水利の多様化あるいは消防資機材の整備等の促進に多面的な見地から消防防災体制の充実強化を図ってまいりたいと考えております。
#64
○有働正治君 総理も、自治体の意見をくみ上げながら検討して対応していくというふうにお答えになりました。本当に今回の大惨事にこたえる道、また五千人余りのこの悲しい犠牲にこたえる逆という点で、消防消火体制の拡充について総理の基本見地をお尋ねします。
#65
○国務大臣(村山富市君) 今、自治大臣から答弁もございましたように、今回の兵庫県のあの地震による火事の現状というものを見た場合に、今お話もございましたような要因が絡んで十分に消火体制が発揮できなかったというところにやっぱり問題があると思いますから、この教訓に学んで、自治体の意見等も十分尊重しながら、消防水利の多様化あるいは消防資機材の整備の促進等、多面的な見地から消防防災体制の充実強化が必要であるというふうに認識をいたしておりますから、積極的に努力してまいりたいと考えています。
#66
○有働正治君 以上の基本見地を前提にしてお尋ねしますが、今審議中の補正予算案で消防庁予算は幾らふえているのか減っているのか、その中で消防ポンプ自動車あるいは化学消防車などの設備整備はどうなっているのか、お示しいただきたい。
#67
○国務大臣(野中広務君) 今回の消防の予算でございますが、平成六年度の消防庁の当初予算は百九十二億二百万であります。補正後の予算は百八十億五千九百万で、十二億四千三百万円の城となっております。このうち、消防防災設備の補助金の当初予算は百十五億六千四百万円で、補正後は百四億二千八百万円で、十一億三千六百万円の城となっております。
#68
○有働正治君 削減率は何%になりますか。
#69
○国務大臣(野中広務君) 率は今、計算しておりません。
#70
○有働正治君 全体で六%余り、そして拡充強化するという趣旨の意向を示されました消防防災、消防ポンプ自動車あるいは化学消防車等、これが九・九%、約一〇%削減になっているわけであります。
 この補正予算案が国会に提出されたのはいつでありますか、大震災の前か後か答えてください。
#71
○政府委員(篠沢恭助君) 現在御審議いただいております補正予算は、去る一月二十日に国会に提出をいたしました。
#72
○有働正治君 あれだけの大震災があって、あれだけの大被害が出たわけであります。その中で消防消火体制の問題が大きな問題になりまして、被災された地域はもちろんでございますが、全国の自治体にも大きな衝撃を与え、この問題の根本的見直し、拡充というのが各自治体から相次いで上がっているところであります。
 ところが、その消防防災の設備費が一〇%、十一億円余りも削られている。あれだけの大震災の後にこういうのを削って出すというところに私は問題があると。震災が起こったらその時点でやはり見直して対応するということが当然必要だと思うわけでありますが、こういう削られていること、先ほど総理や自治大臣が今後拡充するその他について述べられたこと、ところが実際の姿というのは違うわけであります。これについて胸が痛まないのかどうか、それについて総理もあわせお答え願いたい。
#73
○国務大臣(野中広務君) 今回の消防施設経費等の問題は、住民の生命、身体、財産を守る上に極めて重要でございます。一方、先ほど主計局長からお話がございましたように、今回の補正はこの地震災害を踏まえない中で積算されたものでございまして、毎年度の予算全体の効率化を図る上で執行経費の節減を図られたところでございます。
 御指摘の消防補助金につきましてもその一環でありますけれども、今回のいわゆる災害を深刻に受けとめまして、今後災害に対する補正予算におきましては、被災地の地方公共団体の要望をそれぞれ厳粛に見ながら消防防災施設等の緊急整備を図ってまいりたいと存じますし、この地震災害の深刻さを思いますときに、補助率等も含めて私どもは今後の補正にかかってまいりたいと考えておるところでございます。
#74
○有働正治君 今後いろいろ手だてをとる、これ自体を私は否定するものではありませんし、それは当然のことなんです。しかし、政治というのは、これだけの大震災が起きた、これだけの大問題、全国に衝撃を与えている、それに対して直ちに対応すると。何カ月も予算組み直しでかかるわけじゃないんですよ。
 総理、お尋ねします。
 この消防防火予算というのは、文字どおり人々の今、財産にかかわる問題なんです。それを一〇%も削っている。あなたはかねがね人にやさしい政治と言われますけれども、一〇%削るというのが人にやさしい政治とどういう関係にありますか。
#75
○国務大臣(村山富市君) 一つお断りしておきますけれども、今御審議をいただいておりまするこの補正予算というのは、二十日に国会に提出をいたしましたけれども、閣議決定をして印刷を全部完了したのはこれは震災の起こる前でございますから、この震災というものを全然想定せずに編成された補正予算であるということについては御理解を賜りたいと思うんです。
 それからもう一つは、今、消防防災体制を確立するために例えばヘリコプターを配置するとかそういう高度に進んだ技術をできるだけ導入していくことが必要なんで、そういうものの装備についての予算というのは別に減額しているわけじゃなくておるわけですから、中身についてはこれはそれなりに分析をしていただきたいと思うんです。
 ただ、御指摘のように、今度の兵庫県における地震の大きな災害というものにかんがみまして、こういう点は、先ほど来自治大臣からもお話がありましたように、装備については、あるいは施設についてはもっと充実強化する必要があるなというように考えておりますから、こうした経験を大事に踏まえながら次の予算の編成の中には十分考えていかなきゃならない課題であるというふうに考えています。
#76
○有働正治君 次の予算ということで先送りするところに私は問題があると思うんです。だから、平成七年度本予算についても組み替える意思は全くないと。直ちに対応するというのが政治の姿勢だと私は思うんですよ。水がない、消火態勢がとれなかったと。それから兵庫、神戸の場合は同報無線もなかったんですよ。そういうのが整備されていれば、また全国でも整備されていれば、情報が伝わらない問題その他についても格段の措置がとれるわけですよ。
 あれだけの大震災が起きた後に国会に出す。これだけ大問題になった、全国にも大問題になった、せめて消防、こういう問題は削らないようにと、そういう措置をとるというのが政治の責任だと。どういう気持ちでああいう方々が文字どおりの戦火と雷われるような状況の中でお亡くなりになったのか、本当に胸が痛むわけであります。本当に死の叫び、これにこたえる道が予算を削ることなのかと私ははっきり言わざるを得ない、そういう気持ちなんです。
 直ちに措置する、そういう点からいって、やれなかった、申しわけないという気持ち、総理はっきり謝ってくださいよ。
#77
○国務大臣(野中広務君) 先ほど来私も総理も申し上げておりますとおりに、この現在お願いをいたしております予算は地震が起こる前に既に決定をしたものでございまして、平成六年度の第二次補正に対しましては、先ほど来申し上げておりますように、今回の地震の深刻さにかんがみましてそれぞれ十分な予算の補正を今大蔵省と協議を進めておるところでございます。
 委員御指摘になりました防災無線は、兵庫県は完備をしておるわけでございます。ただ、停電のためにこれが作動をいたしませんでして、途中で自家発電装置にかえましたけれども、これが転倒をいたして水漏れをいたしましたために約一時間余りこの防災無線が作動することができなかったというのが十時過ぎから起きたわけでございます。その点は兵庫県の名誉のために御了解をいただいておきたいと存じます。
#78
○国務大臣(村山富市君) 委員が言われるお気持ちはよくわかりますけれども、何かあったらすぐ予算を組めばいいじゃないかというわけにはいかないんで、それはあなたもおっしゃるように、地方自治体の要望なりというものも踏まえて、そしてどういうふうに充実すればいいのか、そういう消防防災体制全体の点検を行って、そしてやっぱりそれに充当できるようなものをきちっとしていくためには、それは若干の時間も要するでしょうし、そういうことも踏まえて、何も拙速をして予算だけ組めばいいというようなものでは私はないと思いますから、そういう点も十分点検をして、そして災害に備えるための消防防災体制というものは一体どうあればいいのかというようなことも総合的に判断をして、そして体制を整えて予算を編成するということも大事なことではないかというふうに思いますから、積極的にそういうような点については、この経験にかんがみて重く受けとめて取り組んでいく決意だけは申し上げておきたいと思います。
#79
○有働正治君 何カ月も組み直すのにかかるわけじゃないんですよ。せめて一〇%も削っているのをもとに戻すぐらいの措置が何でとれなかったのか、そういう問題だと。
 それから自治大臣、神戸市は同報無線なかったんです。私は神戸市のことを問題にしているのであります。
 それで、具体的に聞きますけれども、削られた十一億円で、国の補助基準額、補助率で計算しますと、百トンの飲料水兼用の耐震貯水槽がどれぐらいつくれるか。神戸市でも整備されていなかった防災行政無線は幾つの政令市、整備されていないところがまだあります、幾つぐらい整備できるのか。また、タンクつきの消防自動車は何台分に相当するのか。また、地方自治体の同報無線は何自治体ぐらいに整備できるのか。お答えいただきます。
#80
○政府委員(滝実君) お尋ねでございますから申し上げたいと存じます。
 十一億の節減の中で、例えば今御提示の飲料水兼用の耐震性貯水槽百トンはどの程度になるかと申しますと、これは百七基でございます。それから水槽つき消防ポンプ自動車、これが二百六十九台、防災行政無線が政令市の場合は五施設、防災行政無線は同報系三十施設、こういうことでございます。
 なお、改めて申すまでもないのでございますけれども、念のために申させていただきますと、この中で例えば貯水槽とか防災行政無線は、先ほど来御答弁申し上げているわけでございますけれども、今回の節約の対象にはなっていない、こういうことだけは申し上げておきたいと思います。
 それからもう一つ、防災行政無線でございますけれども、兵庫県下の場合には防災行政無線は衛星通信系ということでやっておりまして、神戸市の場合もその一環でございまして、例の問題になっております県庁の衛星通信局は十時二十二分から十二時五分まで機能がダウンいたしましたけれども、その他の市町村の衛星通信系はダウンせずに稼働をいたしておりますので、それもあわせて申し上げたいと存じます。
#81
○有働正治君 十一億円でそういう措置がとれるという問題であります。
 同じく消防庁にお尋ねします。平成三年以降、補正減額で消防自動車などの設備整備費は幾ら削られて、それは何%なのか。
#82
○政府委員(滝実君) 比率は手元に計算しておりませんので申し上げられないところがございますけれども、平成三年度におきましては八億八千六百万、平成四年度は八億九千四百万、五年度補正が十一億八百万、こういうことでございます。
 なお、今の比率についてはちょっと数字を出しておりませんので、御容赦をいただきたいと存じます。
#83
○有働正治君 今、審議中の平成六年度補正の十一億余りを加えますと、この四年間で四十億も削られているんです。こういうふうに次々に削られていっているんです。そういう惰性の上に立って今年度補正予算もやられているんですよ。そこを私は問題にしているんです。これだけ大問題になったんだったら直ちに政治の手でそれにメスを入れる、そこが求められているということであります。
 それとの関係で防衛庁に聞きます。
 今回の補正案で武器車両等の購入費は幾ら削られ、当初予算に対し何%の削減率か。同じように航空機購入費、艦船建造費、そして防衛庁予算全体はどうなっているか。
#84
○政府委員(秋山昌廣君) 国会に提出しております平成六年度の一般会計補正予算の予算書の百二十五ページに出ておりますが、武器車両等購入費の修正減少額は十九億八千六百万でございます。これの当初予算に対する比率は〇・四%。それから航空機購入費でございますが、十六億六千六百万の修正減少でございまして、当初予算に対しまして〇・六%でございます。それから艦船建造費でございますが、八百万の減少でございまして、当初予算に対して〇・〇一%に相当いたします。
 それから防衛関係費、これは主要経費別分類でございますが、同じく予算書の七十四ページに出ておりますが、修正減少額は三百十七億二千七百万でございまして、当初予算に対して〇・七%に相当いたします。
 ただ、当初予算に比較する場合にちょっと一言お断りしたいと思いますが、武器車両等購入費、航空機購入費、艦船建造費等につきましては、正面装備を中心といたしまして大半が過去の国庫債務負担行為あるいは継続費の歳出化予算でございまして、なかなか例えば節約といったような対象経費になじまないという点と、それから防衛関係費につきまして三百十七億修正減少しておりますが、御案内のとおり、防衛関係費の四割強が人件糧食費でございますし、それからまた先ほど申し上げました国庫債務負担行為等の歳出化予算が大変大きいという点をぜひ御理解いただきたいと思います。
#85
○有働正治君 〇・四、〇・六、〇・〇一、〇・七と、零コンマ以下、しかもミクロ的な削減しかやっていない。この削減の比率は、先ほど消防設備一〇%の削減率の何分の一に当たりますか。
#86
○政府委員(秋山昌廣君) 御質問の趣旨がちょっとよく理解できないんですが、消防庁の方の修正減少額あるいは修正減少について私、知る立場にございませんけれども、ただいま申し上げました数字は修正減少額のそれぞれの項目の当初予算の金額に対する比率でございまして、申しわけありません、御質問の意味が私はよくわかりません。
#87
○有働正治君 つまり消防の設備関係は一〇%削ったわけです。ところが防衛庁の先ほどの項目は〇・四%。つまり〇・四%というのは一〇%に対しての何分の一に当たるかということを示せということなんです。
#88
○政府委員(秋山昌廣君) 消防庁の方の一〇%の削減率というのが、分母、分子どういうふうになっているのか私、存じ上げませんが、防衛庁の方につきまして、先ほど申し上げましたように、人件費の削減というのがかなり大きいわけでございますが、これは不用が出ておるわけでございまして、人件費の不用を除いたところの物件費の修正減少額は全体で百五十億ぐらいになっておりますが、これはいわゆる修正減少対象経費の約一〇%に相当しております。
#89
○有働正治君 きのうちゃんと通告してあるわけで、なかなか言いにくそうなので、武器購入費の場合は消防の設備整備費削減の二十四分の一しか削ってないんです。航空機は十六分の一で、艦船の場合は一千分の一なんです。防衛庁予算全体というのは十三分の一。
 総理、一言お尋ねします。
 かねがね防衛費にメスを入れるだの何だかんだと言いながら、実際上は私に言わせればミクロのような削減というしか当たらない、こういう状況で事実上聖域にされている。メスを入れるべきところにメスを入れられていない。不要不急のところに入れられていない。どう思いますか。
#90
○国務大臣(村山富市君) 各費目について比較をすればいろいろな意見がおありになると思います。しかし、事この平成六年度当初予算自体が、まことに深刻な財政事情もありますから、したがって防衛関係予算につきましても対前年度化伸び率については〇・九%に抑える。これは昭和三十五年度以来三十四年ぶりに一%を割る極めて抑制されたものになっておるわけでありますから、ですからその点はそれなりの努力をしてつくられたものだというふうに私は思っておりますし、またその努力はしたと、私はそう思いますから御理解を賜りたいと思うんです。
#91
○有働正治君 全く納得できない答弁であります。これだけの五千人余りの犠牲者、その遺族の方々の願いは何だということを考えますと、本当にあれだけの大惨事の中で、苦しみというのは自分たちだけで結構なんだと、二度とやらないようにしていただきたいと、そういう思いがあると思うんです。また全国の住民の方々、国民の方々もあれだけの大惨事を見て、こういう問題についてきっちりメスを入れていただきたいという気持ちはおありだと思うんです。
 少なくとも本補正予算案、消防防火体制の整備などをふやすべきでありまして、削るなど問題だと、逆行だと、こういうひどい補正予算案に我が党として同調するわけにはいかないということを、撤回して本来組み直すべきだと、そして七年度本予算案についても直ちに組み直すべきだということを強く主張して、私の質問を終わります。
#92
○委員長(坂野重信君) 以上で有働正治若の質疑は終了いたしました。(拍手)
#93
○委員長(坂野重信君) 次に、西野康雄君の質疑を行います。西野康雄君。
#94
○西野康雄君 新党・護憲リベラル・市民連合の西野でございます。よろしくお願いいたします。
 大震災あるいは大地震、そしてまたいろんな国家の危機が出てくるとすぐ持ち出されるのが増税論でございます。先ほども増税というふうな文言を出しておられた委員もいらっしゃいます。増税論だとか消費税率アップの前倒したとかそういう論議がされているわけでございます。しかし、ずっと国民は重税感を持っていて、そして大変な重税の中であえいでいて、皆さん方も何とかしてその重税感をぬぐい去ろうということでずっとここ数年来やってこられました。そのことも十二分に承知でございます。
 今いきなり増税論というのを持ち出すというのは大変に安易なことではないだろうか。きっと国民の側からは、それならば政府、もう少し削るべきところは削ったらどうなんだと、不要不急の部分は一年二年先送りしていいんじゃないだろうかそういうふうな洗い出しの作業もきっちりとしてくださいよと、やっぱり国民の側からは出てくると思うんですね。いっぱい努力をしました、ここも削りました、ここも先送りをしました、しかしやっぱり国民の皆さん方にこれだけは負担してもらわなければならないんですというふうな形で持ってこない限りは、今、国民は私は納得しないと思うんですね。
 ですから、増税論だとか消費税率アップの前倒し等が論議されているが、国民に負担を求めるのではなくて政府みずからがもう一度予算の見直しと。私、今やっていることの組み替えだとか、そんなもの物理的に無理なのはわかっておりますから、そうではなくて考え方として、財政論の方向として、やはり国民にいきなり増税を求めるというふうな発想というのはいけないんじゃないだろうか、そう思うんですが、総理と大蔵大臣にお伺いをいたします。
#95
○国務大臣(武村正義君) それはもうおっしゃるとおり、いきなり増税を求める発想はよくないと私も思います。そしてまた同感いたしますのは、やはり今の予算の中で精いっぱいやりくりをしながら、特に予備費の対応を含めて、まず今の成立している予算、あるいは今後成立する予算の範囲内で精いっぱいの予算執行の対応をしていくことが基本であります。それは、予備費の執行は今年度の残額もそうですし、新年度もそうです。あるいは切り詰めといいますか、そういうことはもう当然各予算項目について徹底してしなければなりません。
 しかし、不要不急といいますと、今提案をしているものの中には不要、要がない、不急、急がなくてもいい、そういうものは一つも入っていないということでありまして、すべて急がなきゃならない、新年度で真剣に対応をしなきゃならないものを精査に精査を重ねてこうして提案いたしております。
 それはこういう非常事態が起こったわけですから、さらにその中で、真剣に全部急がなきゃならないけれども、より急がなきゃならないのは何なのか、より優先度の高いのは何なのか、こういうところに議論を当てて、そして一つの考え方を出していくことは、私はこれはいいことだと思います。
 しかし、非常に災害の被害の額が巨額でございますから、これはもう直観的に、数字はまだ見えておりませんが、直観的に判断してもそういう努力はもちろん先行していたします。それでも賄い切れないんじゃないか、そういうところからどうしようか、債券でいこうか増税でいこうかと、いろんな議論が出ているというふうにお考えをいただきたいと思うのでございます。
#96
○国務大臣(村山富市君) 今、大蔵大臣から御答弁ございましたから御理解がいただけたと思いますけれども、やっぱり歳出については、むだはないか、その必要性の緊急度はどうか等々根源から洗い直して、可能な限り効率的に使っていくということはもう当然のことだと私は思います。
 ただ、今回の災害に対する財源をどうしていくかというような問題については、これはもう必要な財源はきちっと確保するというのは当然の話であります。と同時に、その財源の確保についてはやっぱり国民の皆さんから理解してもらえるような方法をとらにゃいかぬというふうに考えますから、そうした視点に立って全体の動向もにらみながら十分対応していけるように取り組んでいきたいというふうに思っています。
#97
○西野康雄君 総理から、国民の皆さん方に御理解ができる、国民がきっちり、ああ政府もあれだけのことをやった中で増税とかそういうふうなものを持ち出してきているんだなとわかる姿というんですか、そういうふうなものを見せていくということが一番大事なポイントではないだろうか、私、さように思っております。
 補助金補助金という話が随分と出てまいります。厚生大臣にお伺いをいたしたいんですが、現行の災害時の見舞金制度、死亡者に対する災害弔慰金、重傷者に対する災害見舞金はあります。あるんですが、重度障害者を除く重傷者とか家屋を破損した者に対する見舞金制度が欠落をしております。新たにこうしたことに対応できる特別災害見舞金制度の創設、これはもう兵庫県の側からも要望として出されておるかと思いますが、厚生省の御見解をお伺いいたします。
#98
○国務大臣(井出正一君) お答えをいたします。
 先生今御指摘の点につきましては、衆議院の予算委員会でも何人かの先生から御要望いただきましたし、地元の兵庫県からもちょうだいしておることは事実であります。
 しかしながら、国といたしましては、災害については、各種公共的施設の復旧等に努めることといたしまして、個人の損害については個人による自主的な回復によることを原則と考えております。ただ、自然災害により回復不能の死亡や重度の障害に見舞われた方々に対しましては、既に御承知のような災害弔慰金及び災害障害見舞金の支給により弔慰あるいはお見舞いを行うこととしております。
 住居、家財の被害や重度に至らない障害については、今申し上げましたような死亡等の人的被害とは異なり修復し得るものであることから、もちろんこれは大変な御苦労が伴うことは想像できるわけでございますが、低利の融資制度、災害援護資金等によりその支援を図ってきているところでございまして、このような障害に対して見舞金制度を創設することは困難であると申し上げざるを得ません。
#99
○西野康雄君 困難であると申し上げざるを得ませんということですが、財源措置があったならばやれるんじゃないだろうかと思うんですが、大蔵大臣、特別災害見舞金制度の創設に伴う財源措置の検討というものをお願いしたいんですが、どうですか。
#100
○国務大臣(武村正義君) きのうからたびたびお答えしてまいりましたが、西野議員には、どういう財源で考えたらいいんでしょうか、ぜひまたお聞かせをいただきたいと思います。
 井出大臣もお答えしておりますように、この災害で亡くなった方や重度の障害者はああした制度がございます。さらに一般的にはもちろん身体障害者、お年寄りあるいは生活保護の方あるいは乳幼児、それぞれ福祉の制度がございますから、これはもう既存の制度を総動員で対応しなければなりません。幸い、あの災害があったけれども五体そこそこ元気で、家はつぶれた、経済的には大損害を受けた、しかし体はまあまあおかげさまでという方々には、再起を図っていくための激励としてはさまざまな融資制度、そうした措置で対応してきたのが今日までの姿勢でございます。
 従来の制度だけでいいと思っておりません。今回は異常でございますから、それぞれ真剣に各省ともその従来の制度を見直し、少しでもそういう方々の力になるような仕組みの改善も検討いたしているところでございまして、そういう前提で詰めていきたいと思っております。
 絶対におっしゃるような制度がだめだ、これは間違っているとは思いませんが、そういう制度をとる以上は日本の国の成り立ちを大きく変えていくことになりますから、それこそ国民の負担とそういった新たなサービスとの関係で大きな議論を経なければならない問題ではないかというふうに思うわけであります。
#101
○西野康雄君 次に、通産大臣にお伺いをいたします。
 瓦れきの中で、仮設店舗だとかあるいは店舗もない中で商品を仕入れてきて簡易こんろみたいなのでお魚を焼いている、そういうふうなお商売をなさっている方の姿をよく見かけるわけでございます。町の復興というときに、まず真っ先に出てくるのが市場とかマーケットの復興でございます。市場とかマーケットの人々が瓦れきの前で商売をしている。その本格的復旧のためには政府の助けが必要でございます。
 何度かいろいろな人からその質問も出ているかと思いますけれども、しかし仮設共同店舗を設置する場合の補助制度というものはございません。そういうものを創設していただきたいという要望が地元からも寄せられております。商店街復興のためにも私はこれは必要ではないだろうかそんな思いをいたしております。大臣のお考えをお聞きいたします。
#102
○国務大臣(橋本龍太郎君) 今、委員から店舗の方のお話が出ましたが、実は工業の方における仮設工場、同様の問題が提起をされております。
 先般、私が現地に参りましたとき、知事さん、市長さんにお願いをいたしましたのは、私どもは中小企業高度化融資事業を活用してこれに対応したい、ですから資金的な方法はこういうことを講じます、ただその上で場所を早く決めていただきたい。殊に工業の方と商業の方、商圏の違いがございます。国としては、まだ工場団地の方はある程度決めていただけば対応ができますが、その被災の状況とあわせまして仮設店舗のお商売の方についてはどこに対応すればいいのかわかりません。
 現在、工場の方についてはいろいろなお考えを既にちょうだいいたしておりまして、早急に対応していくようにいたします。ありがとうございます。
#103
○西野康雄君 仮設店舗、本当に商業の方が少しおくれているかなと、そんな思いもいたしますので、商売なさっている方の力にぜひともなるようないい政策をお出しいただければと思います。
 これで終わります。
#104
○委員長(坂野重信君) 以上で西野康雄君の質疑は終了いたしました。(拍手)
#105
○委員長(坂野重信君) 次に、下村泰君の質疑を行います。下村泰君。
#106
○下村泰君 質問に入ります前に、阪神大地震、それから三陸はるか沖地震でお亡くなりになりました方々に弔意の言葉を申し上げます。そして、被災されました方々、一日も早く立ち直られることをお祈り申し上げます。
 さて、今回の大震災で、難病の方々やあるいはお子さん、障害を持つ方々、こういうお子さんあるいは高齢、とりわけ要介護状態の方々の避難状況、安否確認の状況などをどういうふうに把握していらっしゃいますかということをまずお伺いするんですが、実は私のところに現地の幾つもの障害者団体からも逐一連絡がございまして、率直なところ行政の対応に多くの人が不信と怒りを持っていらっしゃいます。
 それは人手不足で多忙というよりも、障害を持っている人をこの際面倒だから施設に入れようというような風潮が多いわけですね。こういった方々が一番嫌がるのはそういうことなんです。そういうところに何かしらこういった方々に対する最初から心のあり方が、どういうふうな心でこういう方々に接しているのかなといつも私は疑問を持つんです。中にはもちろん御自分から進んで入所をなさる方もいらっしゃいます。
 ただ、避難所に避難しても車いすが使えないトイレが多い、あるいはトイレがないので壊れかけた家に戻って用を足す方もいらっしゃる。中にはトイレに行く回数を少なくするために食べる物も飲む物も少なくするという方もいらっしゃる。そういった状況の中で安否の確認にも来ないということが言われているわけです、その筋の方たちから。
 それから団体やグループに入っていたりネットワークを持っている人々はそうした仲間の助けを受けて避難されていますが、そうしたつながりのない人々の状況はほとんどつかめていません。各団体間の情報を総合しますと、なお所在不明の方々が二百人を超えているというのが現況のようです。
 こういうこともございますので、一体どういうふうにこういう方々に対処しているのか、ひとつ総理にそういったことをあわせてお伺いしたいと思います。
#107
○国務大臣(井出正一君) お答えいたします。
 ただ、先生、大変いろんな面にお触れになられたものですから、どんな順序でお答えしていったらよろしいのかちょっと苦しむところでございますが、今おっしゃられた被災した障害者あるいは高齢者等の災害に対して弱い立場にあられる方々につきましては、その状況を把握した上で適切な援助を行っていかなくちゃならぬと当然考えておるところであります。これらの方々の全体の数は、正直なところなかなか把握するに至っておりません。
 しかし、従来在宅サービスを利用していただいた方などにつきましては、ホームヘルパーや民生委員等の御協力を得てほぼその状況把握が完了しているところだと聞いております。その結果によれば、自宅生活を継続されている方以外の方々は、近親者宅やあるいは避難所での避難生活、福祉施設への入所、病院に入院された方もいらっしゃいます。そんな状態でございます。
 また、避難所にパトロール隊百班が出動しておりますが、巡回する中でその近隣に住んでいる方も含めて援護を必要とする方の把握に努めているところでございまして、今日まで二百二十四人の方が援護を必要としているという報告を受けております。
 また、このような方々への対応に関しましては、避難所において救護センター、常駐百五十八カ所ございますが、のお医者さんやなんかのところ、あるいは巡回チームによりまして健康管理を行うとともに、福祉施設で介護等を受ける必要のある方につきましては緊急に施設の方へ受け入れを行っているところでございまして、現在まで千七百六十五人の方を受け入れております。
 さらに住宅に関しましては、応急仮設住宅への優先入居を行うこととしておりますほか、今回特に旅館あるいは民間アパート等の借り上げ等の措置も行っていくこととしておるところでございます。
 なお、被災地の全市町でホームヘルパーの派遣が再開されまして、デイサービス事業も再開されつつあるところでございます。今後さらにサービスの提供体制を強化していく考えでございます。
#108
○下村泰君 これからもう少し落ちついできますといろんな状況が出てきますので、その都度ひとつ皆様方にお伺いしていきたいと思います。
 郵政大臣にお伺いしますが、災害時におけるコミュニケーション、障害を持っている方々のこういった情報伝達というのは、私はもう前から数年間にわたって言い続けてきて、ひどいときには一年間言い続けてきた。ところが、今回もやっぱりこの障害が出ているんです。
 例えばNHKは定時ニュースに手話を入れていないんです。しかも、私が見ていまして、あの災害がどんどんテレビで放送されます。そのテレビで放送されているときにも手話がないんです、全然。そうしますと、耳の不自由な方々はただ口をぱくぱくやっているだけでどういう状況になっているか見当がつかない。
 こういうようなことで、果たしてこういう方たちにこれからどういうふうになさるのか。何か災害放送に財政援助の検討なんということを言われていますけれども、そういうところも含めてこれからどういうふうになさるのかお考えを聞かせてください。
#109
○国務大臣(大出俊君) お答えをいたします。
 今、先生お話しのように、十七日から二十日までNHKの教育テレビが安否情報を流すというので手話を放映できなかったという事情がございまして、大阪の関係協会から抗議などもございまして、私もいろいろ承っておりますけれども、それで慌ててすぐ直せというので、もとへ戻して手話をやるようにいたしまして、以後は一生懸命やっているわけでございます。ただ、民放の場合に四社だけはやっていますけれども、時間その他調べてみて非常に手話については不十分でございます。今後、したがってこれは検討したい、こう思っていますが、かつテロップを、今お話ございましたように、何もわからぬじゃないかという、テロップならば受信装置がなくても普通のテレビで見られるわけでございますから、いち早くテロップを流してくれと何遍か私の方からも各社に要請をいたしました。
 相当やっておりますが、文字放送、字幕放送となりますと、受信機に内蔵をしているつまり受信装置がなければ見られないわけでございますのでなければアダプターでございますから、そういう点等ございますので、いろいろ相談をいたしまして、民間の放送業界から三十台ばかりとりあえずアダプターその他の内蔵しているものをいただきまして、それにプラス五十台、メーカーその他に御協力いただきまして、できるだけその方々のおられるところに配ってくれということでお配りしたりしていますが、重大な問題でございますから今後懸命に検討させていただきます。
#110
○下村泰君 通産大臣にお伺いします。
 こういうテレビをつくっている非常に理解のあるメーカーがあるんですよ。そういうところへ一言通産大臣の方からお話しくだされば、幾らでもそういうところから御寄附願えるんです。そういう施設に一台でも多く届けますとその方たちのどれぐらいプラスになるか、ひとつお答えいただけますか。
#111
○国務大臣(橋本龍太郎君) 今、郵政大臣からもお触れになりましたけれども、実は当初私ども相談をいたしまして、御寄附を願います四百台のうち五十台を文字放送対応機種としてお願いをし、そういう形でスタートをいたしました。ただ、今、委員から御指摘を受けますと、その後県市と必要なものについての打ち合わせを毎日いたしておりますが、そういうお話が参っておりません。
 きょう、この委員会の前に実は相談をいたしまして、産業界の方にもその意向を打診いたしました。この委員会が終わり次第、改めて私の方からお願いをし、産業界としては県市に必要台数を直ちに確認する手配をすることにいたしております。
 御注意をありがとうございました。
#112
○下村泰君 通産大臣は厚生大臣もおやりになって、口唇口蓋裂の保険適用のときにも随分御尽力願って、御理解のある方だと私はお見受けをしておりますので、よろしくこれからも手厚きひとつ介護をお願いしたいと思います。
 私、総理にお伺いしたいんですが、総理は人にやさしい政治というお言葉をお使いになりますよね。だけれども、現状としてこれが果たしてやさしいのかというのが生まれてくるんですな、こういう非常事態になりますとね。ですから、総理がせっかくそういうお心があっても、一番先の方で仕事している方にはまるで人間性のない方がおるんですね。
 こういう書状が出ておるんですよ。これはあるケースワーカーの方で、手書きですから本当の公文書じゃないんですけれども、
  お知らせ
 この度の震災では大変ご苦労なさったことと存じます。お見舞い申し上げます。さて、二月分の保護費ですが、通常どおり二月三日に支給させていただきます。もし銀行の通帳、カードなどを紛失してお困りの方がございましたら、銀行窓口確認用の証明害を発行しますので、担当者までご連絡ください。
 なお、倒壊、火災などにより住居が無くなった方につきましては、二月以降の家賃の支払いは不要と思われますので、既にその旨ご報告をいただいている方につきましては二月分の住宅費は削除しておりますが、それ以外の住居消失の方につきましては、二月分の住宅費が入ったままで支給されておりますため、三月分以降の保護費で調整させていただきますのでよろしくお願いいたします。 平成七年一月二十六日
 福祉事務所厚生課もう一つは、
 家屋の倒壊状況の確認ができていませんが、住めないぐらい倒壊しているものと推定し、二月分の住宅費を削除しました。
 但し、現在も住んでおり、住み続けることが可能であるとわかった時は、二月分住宅費を追加で振り込み致します。(この確認は早急に行なう予定です。)
 あしからずご了承下さい。
 何よりも命が助かって一安心しております。
  今後も余震等に十分気を付けて下さい。西宮市福祉事務所厚生課
 これ、今ここにいらっしゃる各大臣、聞いてどう思いますか。これが本当に一番最前線でこういう障害者の方々あるいは生活保護を受けている方々に対する態度ですか、これは。総理の言っていらっしゃる心やさしい政治というのはどこにあるんですか。だから日本という国はばかにされるんですよ、こういうことがあるからほかの国から。日本の福祉というのは一体何なんだというのはこういうところに原点がある。こういうことをお聞きになりまして、厚生大臣、お答えください、きちんと。総理にもお答え願います。
#113
○国務大臣(井出正一君) お答えいたします。
 ただいま先生が挙げられました通知、ちょっと私の手元にあるのとかなり違っておるものですから、ひどいなと私自身も思っております。
#114
○下村泰君 後から訂正してください。
#115
○国務大臣(井出正一君) はい。
 それで、地震発生後、被害の大きい地域につきましては、被保護世帯の方の住宅も居住不能となったと見て住宅扶助を支給しない旨通知したケースが西宮市にあったということは私も聞いております。その後、支給日までに居住可能と確認されたものですから、その方のところへ伺って謝罪をして御了解をいただいたと、定例日に生活扶助とともに支給したと、こういう報告を受けております。
 厚生省といたしましては、災害発生後直ちに兵庫県に対して、被災された被保護世帯等の置かれた状況を十分勘案し、各種の相談には懇切丁寧に応ずるとともに、迅速な対応やきめ細やかな処遇が確保されるよう指導してほしい、こういう連絡をしたところであります。
 今後とも被保護者の方々への適切な保護が行われるよう配意していかなくちゃならぬと、こう思っております。
#116
○国務大臣(村山富市君) 今読み上げられた文書も私は初めて今拝聴したわけですけれども、やっぱりもう少し何といいますか、人間のぬくもりが感じられるような、そういう中身のものにしなきゃいかぬなと痛切に感じました。
 これは私は閣議でもたびたび、同じ避難生活をするにしても、健常者の場合とそれから寝たきりのお年寄りや身体障害者の場合やら、今お話のございましたような車いすを使っている方々や、あるいはまた乳幼児を抱えている方々なんというのは一般の人とは違うやっぱりハンディを持っているわけですから、そういうハンディはお互いで充足し合って健常者と同じような暮らしができるようにしていくというぐらいの細かな配慮をぜひしてほしいということをもうたびたびお願いしてきているわけですね。
 しかし、ああいう状況の中ですから人手も足りずに行き届かない面があると思いますし、不眠不休でやっている姿の中ですからいろいろな指摘される問題点があると思いますし、今お話もございましたように、時間がたつに従ってまだまだいろいろな問題が起こってくる可能性もありますから、そういう点はこれからも十分心を配って、配慮して、そして本当にぬくもりが感じられるような施策というものをこういう機会だけに私はやっぱりやっていただく必要があるというふうに思っていますから、そういう点は徹底されるようにこれからも努めていきたい。
 御指摘されるような点は多々やっぱりあり得たんではないかと私も思います。十分注意してやるつもりですから、よろしくお願いいたします。
#117
○下村泰君 時間が来ていますが、一言許してください。
#118
○委員長(坂野重信君) ひとつ簡潔に願います。
#119
○下村泰君 私いつも申し上げますように、障害があるから悲しいのではない、日本という国に生まれたから悲しいんだというようなことを言われないように、ひとつ心のやさしい政治をお願いいたしまして、終わりにします。
#120
○委員長(坂野重信君) 以上で下村泰君の質疑は終了いたしました。(拍手)
 これにて質疑通告者の発言はすべて終了いたしました。質疑は終局したものと認めます。
    ―――――――――――――
#121
○委員長(坂野重信君) それでは、これより討論に入ります。
 討論の通告がございますので、これを許します。なお、討論者は賛否を明らかにしてお述べ願います。有働正治君。
#122
○有働正治君 私は、日本共産党を代表して、平成六年度一般会計補正予算外二件に反対の討論を行います。
 反対の第一の理由は、死亡者が五千二百人を超す戦後最大の大惨事となった今回の大震災後に国会提出された予算案にもかかわらず、大震災の救援、復興、全国的な震災対策の促進に逆行する内容になっていることであります。
 消防庁の消防ポンプ自動車などの消防防災設備整備費は、増額するのでなく、当初案に比べ約一〇%も削減され、消防庁予算全体で十二億四千三百万円も削減されています。五千人以上の犠牲者、遺族の方々、三十万人の避難に苦しんでいる被災者の方々は、こうした予算を何と思われるでありましょう。政府は何と説明するのか。私どもは怒りを禁じ得ません。我が党は、こうした犠牲者、国民の願いを土足で踏みにじるような逆行した予算に同調することは断じてできません。これに対し、防衛庁予算のうち武器車両等購入費はわずか〇・四一%、防衛庁予算全体を見ても〇・七%の削減にとどまっています。火災が起きても水がないため消防はなすすべがない、阪神大震災でこうした実態を目の当たりにしながら、このような予算配分を見る限り政府はとてもその教訓に学んでいるとは見えません。撤回し、組み直すべきです。
 第二は、国民の暮らしや福祉を直撃する内容となっています。中小企業が戦後最大の不況で苦しんでいる中、中小企業への補助金等の九十七億円カットを初め、学生や研究者から強い要求が出ている国立学校運営費の三百二十一億円、私学助成三十二億円などが削られています。
 第三は、補正予算の追加財政需要額の四七・一%はウルグアイ・ラウンド農業合意関連対策に充てられていますが、これは日本農業を守ることになりません。その中心は、ゼネコンを潤す公共事業、土地改良事業です。しかも、自由化に耐えられる農家の大規模化、法人化の促進は、九割以上の中小零細農家を切り捨て、日本の農業を荒廃に導くことになります。日本農業を守るためには、WTO協定の改定以外にありません。
 第四は、本補正予算が軍拡と対米追随、大企業中心という当初予算の骨格を何ら変えるものとなっていないことです。
 補正を組まざるを得なくなった最大の原因は大幅な税収不足ですが、これは旧連立政権が二・四%と異常に高い成長率を見込んで税収を見積もり、これを前提にして予算を組んだためです。さらに、その後の政権が医療、年金改悪や消費税増税など、国民の生活を圧迫する政治を続けてきた結果、不況がさらに長期化し、租税収入が大幅に減収しました。この予算の骨格に何ら手をつけず、逆に国債の追加発行で財源を賄おうとすることは、国民に新たな負担を強いるだけでなく、消費税率の一層の引き上げへの逆につながるものと言えます。
 以上、反対討論を終わります。
#123
○委員長(坂野重信君) 以上で討論は終局したものと認めます。
 それでは、これより採決に入ります。
 平成六年度一般会計補正予算(第1号)、平成六年度特別会計補正予算(時第1号)、平成六年度政府関係機関補正予算(機第1号)、以上三案を一括して採決いたします。
 三案に賛成の方の起立を願います。
   〔賛成者起立〕
#124
○委員長(坂野重信君) 多数と認めます。よって、平成六年度補正予算三案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#125
○委員長(坂野重信君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午前十一時三十八分散会
ソース: 国立国会図書館
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