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1995/03/02 第132回国会 参議院 参議院会議録情報 第132回国会 予算委員会 第6号
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1995/03/02 第132回国会 参議院

参議院会議録情報 第132回国会 予算委員会 第6号

#1
第132回国会 予算委員会 第6号
平成七年三月二日(木曜日)
   午前十時一分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 三月一日
    辞任         補欠選任
     佐藤 泰三君     前島英三郎君
     渡辺 四郎君     庄司  中君
     石井 一二君     荒木 清寛君
     白浜 一良君     都築  譲君
 三月二日
    辞任         補欠選任
     篠崎 年子君    日下部禧代子君
     庄司  中君     渡辺 四郎君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         坂野 重信君
    理 事
                伊江 朝雄君
                片山虎之助君
                成瀬 守重君
                山崎 正昭君
                穐山  篤君
                山本 正和君
                藁科 滿治君
                猪熊 重二君
                井上 哲夫君
    委 員
                遠藤  要君
                大塚清次郎君
                加藤 紀文君
                木宮 和彦君
                沓掛 哲男君
                河本 三郎君
                斎藤 文夫君
                下稲葉耕吉君
                野間  赳君
                野村 五男君
                服部三男雄君
                前島英三郎君
                宮崎 秀樹君
                大渕 絹子君
                大脇 雅子君
                北村 哲男君
               日下部禧代子君
                篠崎 年子君
                庄司  中君
                瀬谷 英行君
                竹村 泰子君
                堀  利和君
                峰崎 直樹君
                本岡 昭次君
                渡辺 四郎君
                荒木 清寛君
                北澤 俊美君
                都築  譲君
                寺崎 昭久君
                中村 鋭一君
                和田 教美君
                磯村  修君
                武田邦太郎君
                有働 正治君
                上田耕一郎君
                西野 康雄君
                下村  泰君
   国務大臣
       内閣総理大臣   村山 富市君
       外 務 大 臣  河野 洋平君
       法 務 大 臣  前田 勲男君
       大 蔵 大 臣  武村 正義君
       文 部 大 臣  与謝野 馨君
       厚 生 大 臣  井出 正一君
       農林水産大臣  大河原太一郎君
       通商産業大臣   橋本龍太郎君
       運 輸 大 臣  亀井 静香君
       郵 政 大 臣  大出  俊君
       労 働 大 臣  浜本 万三君
       建 設 大 臣  野坂 浩賢君
       自 治 大 臣
       国 務 大 臣
       (国家公安委員
       会委員長)    野中 広務君
       国 務 大 臣
       (内閣官房長官) 五十嵐広三君
       国 務 大 臣
       (総務庁長官)  山口 鶴男君
       国 務 大 臣
       (北海道開発庁
       長官)
       (沖縄開発庁長
       官)
       (国土庁長官)  小澤  潔君
       国 務 大 臣
       (防衛庁長官)  玉沢徳一郎君
       国 務 大 臣
       (経済企画庁長
       官)       高村 正彦君
       国 務 大 臣
       (科学技術庁長
       官)       田中眞紀子君
       国 務 大 臣
       (環境庁長官)  宮下 創平君
       国 務 大 臣  小里 貞利君
   政府委員
       内閣官房内閣広
       報官室内閣広報
       官
       兼内閣総理大臣
       官房広報室長   半田 嘉弘君
       内閣法制局長官  大出 峻郎君
       内閣法制局第一
       部長       津野  修君
       警察庁長官官房
       総務審議官    山本  望君
       警察庁刑事局長  垣見  隆君
       総務庁長官官房
       審議官
       兼内閣審議官   菊池 光興君
       総務庁行政管理
       局長       陶山  晧君
       防衛庁参事官   小池 寛治君
       防衛庁参事官   熊谷冨士雄君
       防衛庁参事官   江間 清二君
       防衛庁参事官   別府 信宏君
       防衛庁長官官房
       長        三井 康有君
       経済企画庁調整
       局長       吉川  淳君
       経済企画庁国民
       計画局長     坂本 導聰君
       経済企画庁総合
       計画局長     土志田征二君
       科学技術庁研究
       開発局長     中村 憲樹君
       科学技術庁原子
       力局長      岡崎 俊雄君
       科学技術庁原子
       力安全局長    笹谷  勇君
       国土庁防災局長  村瀬 興一君
       法務省刑事局長  則定  衛君
       外務締総合外交
       政策局長     柳井 俊二君
       外務省総合外交
       政策局軍備管
       理・科学審議官  林   暘君
       外務省アジア局
       長        川島  祐君
       外務省北米局長  時野谷 敦君
       外務省条約局長  折田 正樹君
       大蔵省主計局長  篠沢 恭助君
       大蔵省王税局長  小川  是君
       大蔵省銀行局長  西村 吉正君
       大蔵省銀行局保
       険部長      山口 公生君
       文部大臣官房長  佐藤 禎一君
       文部省初等中等
       教育局長     井上 孝美君
       文部省高等教育
       局長       吉田  茂君
       文部省学術国際
       局長       岡村  豊君
       文化庁次長    林田 英樹君
       厚生大臣官房総
       務審議官     太田 義武君
       厚生省保健医療
       局長       松村 明仁君
       厚生省社会・援
       護局長      佐野 利昭君
       厚生省老人保健
       福祉局長     阿部 正俊君
       農林水産大臣官
       房長       高橋 政行君
       通商産業大臣官
       房審議官     河野 博文君
       通商産業省機械
       情報産業局長   渡辺  修君
       資源エネルギー
       庁長官      川田 洋輝君
       中小企業庁長官  中田 哲雄耕
       運輸省鉄道局長  戸矢 博道君
       運輸省海上技術
       安全局長     小川 健兒君
       海上保安庁次長  松浦 道夫君
       郵政大臣官房長  木村  強君
       郵政大臣官房審
       技官       品川 萬里君
       郵政省通信政策
       局長       山口 憲美君
       労働大臣官房長  伊藤 庄平君
       労働省労政局長  七瀬 時雄君
       労働省労働基準
       局長       廣見 知夫君
       労働省職業安定
       局長       征矢 紀臣君
       労働省職業能力
       開発局長     中井 敏夫君
       建設大臣官房長  伴   襄君
       建設省道路局長  藤川 寛之君
       建設省住宅局長  梅野捷一郎君
       自治大臣官房総
       務審議官     二橋 正弘君
       自治省財政局長  遠藤 安彦君
       消防庁長官    滝   実君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        宮本 武夫君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○平成七年度一般会計予算(内閣提出、衆議院送
 付)
○平成七年度特別会計予算(内閣提出、衆議院送
 付)
○平成七年度政府関係機関予算(内閣提出、衆議
 院送付)
○予算の執行状況に関する調査
 (派遣委員の報告に関する件)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(坂野重信君) ただいまから予算委員会を開会いたします。
 平成七年度一般会計予算、平成七年度特別会計予算、平成七年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題といたします。
 昨日に引き続き、総括質疑を行います。穐山篤君。
#3
○穐山篤君 おはようございます。日本社会党の穐山でございます。
 連日、本当に御苦労さまです。昨年の六月二十九日から約八カ月間頑張っていただきまして、なかんずく、一月十七日に発生しました大震災対策には、総理初め全閣僚に身を賭して頑張っていただいておりまして、改めて敬意を表する次第です。
 また、今回の大震災は、従来我々が考えておりました地震が来る、そのときのとっさの動作と同時に火を消すと、そういう防災対策を念頭に置いていただけに、直下型の地震の影響というのは予想を超えていたと思うわけです。それだけに今日、五千五百名に近い死者あるいは二万五千人以上の負傷した方々も、圧死に直接関係ある死亡であるとかあるいは負傷ということがほとんど、九割なんですね。そのことを十分意識しなければならないと思います。
 亡くなられた方には改めて弔意を表すると同時に、非常に困難な中で耐えに耐えながらお互いが助け合って今日まで復旧・復興のために全力を挙げておられまして、ぜひ現地の皆さん方に頑張ってほしいということを強く私も希望するものであります。
 先日からいろいろ質問がたくさん出ております。それぞれ専門の分野の質問もありますが、私はきょう特にこの場で、皆さん方、対策本部の方々にぜひ考えてほしい、直ちに対策をとってほしいという問題についてだけ提案をします。
 その前に地震担当大臣に、仮設住宅の状況、それから各府県で準備されております公共の建物、それに対する希望者、現在の被災者のニーズということをとりあえず先に明らかにしてもらいたいと思います。
#4
○国務大臣(小里貞利君) 一時使用住宅を希望された方々は、概数で申し上げまして九万八千戸でございます。これは仮設住宅を含め、ただいまお話しの公営・公団・公社住宅等も含めての合計数でございます。
 それに対しましてどのような対応をいたしておるかということを要約申し上げますと、御承知のとおり、仮設住宅四万戸、それから公営・公社・公団住宅等二万七千戸と申し上げておりますが、これは実態といたしましては、県内域に限定せず申し上げますと三万ないし三万七、八千戸は用意ができたと、かように判断をいたしております。
 さらに当初の段階でございましたが、そのほかに、仮設住宅三万戸の計画の段階でございましたけれども、特に高齢者あるいは体調の整わない皆様方、あるいは身体障害者の皆様方等を対象にいたしまして、別途に仮設住宅以外にいわゆる既設の施設を利用してよろしいと、例えば個人マンション、個人旅館あるいは住宅等も結構ですと。既設の今直ちに間に合う一つの施設を利用する、言いかえますと、仮設住宅取り扱いの施設を八千戸準備していただいてよろしゅうございますと、こういうような対応をいたしたところでございます。
 大体ニーズとしては、需要としては、そういう状況でございます。
#5
○穐山篤君 今、罹災をしている方は、体育館であるとか区役所、市役所、もういろんなところに入られていますね、あるいはテントを張っているわけです。しかし現実は、水は出ますけれども火を使ってはならないというところにもたくさん入られているわけで、昼間の弁当の数と夜の弁当の数では違う、なかなか複雑な状況にあるわけです。
 現地の人の気持ちは、あと二カ月待てば仮設に入れるのかあと四カ月頑張れば入れるのかという気持ちで毎日いらいらしているわけですね。それと同時に、瓦れきの始末をしているそこの場所に行って、何か残っていないか、先祖の位牌を取り出したいという気持ちの人があって、毎日その現場に通っているという状況もあるわけです。
 そこで、ぜひ総理初め全閣僚にお願いをしたいのは、そのためにあと何カ月辛抱すればいいのかというための知恵を出してもらいたい。
 例えば仮設住宅の希望を毎回毎回とるというふうなぶざまなことはやめた方がいい。通し番号で、例えば一万八百番の方はあと二カ月我慢してください、こういう計画表を考える。その人が都合で今回は私はおりますというならば、おりたなりの弾力的な措置をしてやる。交通機関がこれから回復します。そうしますとニーズがまた変わってくるんです。
 あと三カ月待てというならば、じゃ大阪の公社公団のところに行ってもいいといって、今二万七千戸の公営その他の住宅を準備して待っているわけですが、現実に希望者は九千七百人しかないんですね。ですから、あと何カ月辛抱してください、頑張ってください、見通しはありますよということを、元気を、希望を与えてやるという方法をとってもらいたい。そのことはいかがでしょうか。
#6
○国務大臣(小里貞利君) 結論から申し上げまして、大変大事にいたさなければならない具体的御提示である、さように思っております。
 仮設住宅の進捗状況、本当に私どもも胸を痛めておるところでございます。なぜこういうふうに現品調達が現場においておくれておるかという事情はもう御承知いただいておると思いますので省略をさせていただきますが、先生のただいまお話しをいただきました、いわゆるいつ自分は入居できるかというその日付をきちんとすることは、次の生活、生薬の再起にかける大きな基本でございまして、概して申し上げますと、地方の町あたりにおきましてはもう既におっしゃるような段取りがきちんと整理されておる。
 例えて申し上げますと、津名町あたりではもう既に先月末の段階で、私、現地に参りましたら、仮設住宅建設計画戸数の半分ができ上がっておりました。あとの半分はどういう状況ですかとお伺いしましたら、三月に入ったらこうこうだということを、きちんと責任ある明示をいただいておりました。
 ただ、残念ながら、神戸市のような限りなく多くの皆様方がおいでになる御承知のとおり避難所の方々の多いところでは、しかも地域が仮設住宅を建てる箇所も非常に多いし、そして広範にわたっております関係で、最初の段階におきまして募集は申し上げましたが、先生御指摘のように、とりあえず高齢者の皆様方からということで、一つの要素のもとでその抽せんをなさった、こういういきさつがございます。
 若干の経験も手伝いまして、ただいまお話しのように、それではなかなか後ほど完成してくるその住宅にお入りになる方々の計画が立たないので、できるだけその辺を合理的にやろうという一つの基準、それからもう一つは、自分たちの今まで住んでいたところにできるだけ近いところにという大変強い希望が出てきましたので、それらを一つのまた基準にいたしまして、いわば抽せんをやり直すような形をとられたわけであります。それが第二次の募集であります。しかしながら、それであっても第一次の募集で権利を獲得しておいでになった方はそれはそのまま継続いたしますよと、そういう一応の措置をとりましたので、先生のお話しのような形で今は進められております。
 それからもう一つこの機会に申し上げたいのは、御承知のとおり、避難所におきまする生活者数がここ一両日中に、今までは漸減でございましたけれども激減をしてまいりました。その激減は主として神戸市でございますが、一挙に一両日中に六万から七万前後、六万四、五千前後激減をいたしました。
 この激減をいたしました背景、理由等も私どもおおむね掌握をいたしておるつもりでございますが、今日の緊急災害、そして応急対策下でございますから、私どもは必ずしもその原因と申し上げましょうか、背景をそんなに気難しく言わなくてもいいんじゃなかろうか、みんな最善の努力をしていただいた、そういう原則に私どもは立ちまして、寛大なその激減に対する対応策も考えておるところでございます。
#7
○穐山篤君 今の問題にも関連をしますが、官房長官、おととい参議院でも予算を成立させ、最小限度の法律を改正しました。直ちに前回と同じように広報活動の成果を私どもは期待しているんです。親切にやってもらいたい。
 その場合に、長田区のようなところははっきりしておりますけれども、現地から周りに疎開と言っては語弊がありますけれども、退避された方々へのサービスが非常におくれておりますし、不完全なんですね。そのことも実は他の公社・公団の空き家に入らない理由の一つにもなっているんです。その点についてどういうお考えか、あったらお伺いしたいと思います。
#8
○国務大臣(五十嵐広三君) 住宅等に関しましては、今、小里担当大臣からお話がございましたように、各種の方策をとっているわけでありますが、今、委員御指摘のように、できるだけそれを多くの人にわかってもらうということが大事なことであります。
 特に先ほどもお話がございましたように、公団であるとか公営住宅であるとか、こういうところが相当準備したんですが、その割に希望者が出てこない。そのためにはそれぞれの市町村の役場の皆さんの応援もいただいて、そしてうちの県ではどこどこにこういう公営住宅を用意しているというようなことの窓口も兼ねてサービスをするというようなこと等もしながら、できるだけ皆さんに御理解いただけるようにということで努力はしているのでありますが、なおそういう努力は続けてまいりたいと思います。
 また、今御指摘の広報の面でございますが、この面については、各種のメディアがいろいろ迅速な御協力をいただいているわけでありますが、特に政府自身としても、わかりやすい、また被災者に利用しやすいような情報をまとめて提供するということが大事だというふうに思いますので、政府広報の「今週の日本」というのがあるわけでありますが、あれの特集号を、最初、第一号は二月四日の日、十五万部について、これはつまり被災者、殊に避難所におる方々を中心に出させていただきました。とりあえずのものでございましたが、大変好評でございました。
 したがいまして、これをもっと充足して出していこうということで、第二号を二月十五日、これは単に避難所にいる人を中心にというんじゃなくて、お話のような点がございますものですから、大阪府や兵庫県で罹災された万全般にこの対象を広げるということで、新聞折り込みなどを利用することによって約百九十万部に一気にふやして、これを提供いたしたようなところであります。
 あす三月三日には、第三号になりますが、これも百九十万部発行する予定でございまして、この場合は、今回成立した阪神・淡路復興対策関係の特別立法に盛り込まれた各種施策に関する情報を中心にして被災者の皆さんにお知らせしようと、こういう考えております。
 あるいは、その他のテレビ等のいろいろなメディアを活用して、あるいは神戸新聞を初めとして全国七十五新聞、政府広報等も含めていろいろなことを現在努力している次第でございます。
#9
○穐山篤君 次は、震災復興基金制度という問題について伺いたいと思います。
 兵庫県、神戸市は今回の震災で基金ということを考えたわけですね。全国の都道府県もその必要性を感じたと思うんです。したがって、村山内閣としては、強制はできないにしても、各都道府県が基金制度をつくる条件を整備してやったらどうかなというふうに私は思うわけです。
 一つの例ですけれども、義援金を基金の一部にする、県債を発行する、こういうことが当然あり得るわけです。その場合に、国は手ぶらでいるというわけには多分いかないと思う。いろんな財政的な援助の方法があると思います。私もそれなりきの提案はしますけれども、ぜひそのことについて検討してもらいたい。もし構想があればこの際明らかにしてもらいたいと思います。
#10
○国務大臣(野中広務君) 先生御指摘の、それぞれの都道府県におきます復興基金につきましては、地元の地方公共団体において現在それぞれ被災者のニーズ等を把握しながら御考慮になっておると伺っておるところでございます。当然、その際に義援金の取り扱いも含めてお考えになっておると承知をいたしておるところでございます。私ども、長崎の雲仙・普賢岳におきます復興基金のあり方等を参考にしながら、そういう場合には応分の御支援をしてまいりたいと考えておるところでございます。
#11
○穐山篤君 衆議院でも参議院でも集中審議の際に、亡くなられた方には制度的には弔慰金がありますけれども、今回は特別な震災だから個人補償をすべきという意見が実は与野党から出たわけですね。しかし、それを実行するということになれば、従来の法律の立て方を変える革命的なことになるわけです。しかし、それに近いものを何らか手当てをするという意味の一つにこの基金制度を活用するということはあり得るというふうに考えるわけです。ぜひそのことを踏まえて勉強していただきたい。これは要望にしておきたいと思うんです。
 三つ目の問題。いろいろ対策を政府並びに議会もやりましたが、まだ落としている問題が幾つかあると思うんです。これは当面の問題でも復旧の段階でも復興の段階でも、これからことしもやらなきゃならぬ、来年もやらなきゃならぬ中長期的なこともありますから全部は申し上げませんが、とりあえずの問題として例えば地価税の問題がございます。相続税の問題が南面しております。あるいは例の借りかえ特例という問題が出てきます。これを法律で手直しをするあるいは法律の弾力的な運用ということを考えませんと、これは当面の対策にならないというふうに考えます。その点について関係大臣の考え方をお伺いしたいと思います。
#12
○国務大臣(武村正義君) 税法上の対応策でございますが、既に所得税につきましては雑損控除等によって法律としてお認めをいただきました。目下、申告時期でございますが、PRも含めながら対応しているところでございます。
 今御指摘の相続税あるいは地価税等々その他の税目に対するお尋ねでございますが、こうした税目につきましても、被災の状況や被災者の生活再建やあるいは事業再建の実情を把握させていただきながら、今、真剣に詰めをいたしているところでございます。
#13
○穐山篤君 震災に関連をして、震災が日本経済に与える影響につきましてはきのう質問がございました。したがって、多くを質問する必要はないと思いますが、これから具体的に被災総額や影響を全部調べられまして第一次の補正を組まれると思うんです。補正の時期について明示されませんでしたけれども、私は希望を申し上げて、感想をいただきたいと思うんです。
 あと、ざっくばらんに言えば、三月、四月、五月ぐらいまで入ればおおむねの状況というのは掌握できるんじゃないかなというふうに思います。当然大きなものとしては神戸港の再建の問題であるとか、あるいは新幹線の復興の問題であるとかそれから中期、長期的には町づくりという大きい問題があるわけです。そういう問題は当面先になると思うんです。とりあえず、きのうからも指摘されたようなことについて、おおむね今国会が終わるまでぐらいには物の考え方を国民の前に明示をして十分理解してもらうという努力を内閣も与党もすべきではないかなというふうに思うんです。
 当然その場合には、被災の状況、復興の計画、テンポ、それについての財源についての考え方を、完全なものをお示しすることはできないにしても目安というものを今国会中に明らかにしてやるということが本内閣の責任ではなかろうかなというふうに思いますが、いかがでしょうか。
#14
○国務大臣(武村正義君) 新年度におきます大震災に対する財政上の対応について御指摘をいただきました。
 昨日も御答弁申し上げてまいりました。明確に時期を今申し上げる状況ではありません。これは今年度の第二次対応に続いてあるいは並行しながら、現地でもあるいは各省庁も大変な御苦労を今いただいているさなかでございます。そういう個々の現場の復旧・復興に対する御努力の具体的な成果を踏まえながら、私たちも遅滞なく少しでも早く、一日でも早くという気持ちを持ちながら対応させていただきたいと思っております。
 今、先生は、せめて今国会中に基本的な考え方あるいは財源の基本的な考え方ぐらいは明らかにすべきであるという御指摘でございました。もっともな御指摘として受けとめて真剣に努力をさせていただきたいと思います。
#15
○国務大臣(五十嵐広三君) 今、委員御質問の前段の復興計画等の見通してございますが、御承知のように、復興委員会におきまして精力的に現在検討していただきまして、その考え方を受けて復興対策本部で具体的な復興の詰めの作業をしていく、こういう状況で対策を具体的にしていくという方針を詰めてきているわけでございます。
 今のこの状況では、およそ三月には県、市の方で基本的な方針、六月には基本計画を立てよう、こういう考え方で、それを軸にいたしまして復興委員会の方でもおおよそその辺のところをめどにあらかたの方向というものは固めていきたい、こう考えているところでありまして、先日、復興委員会からの御提言によりますと、十カ年計画を六、七月ぐらいにはやや形をつくっていきたい、あるいは住宅に関しては、復興住宅の三年計画で十万戸というのをまとめて御提示がございましたが、これらの具体的な作業も詰めていきながら、おおよそ六月ぐらい、つまり今国会中でどうかという御意見でございましたが、およそのところは方向が出てくるのではないかこういうぐあいに思っている次第であります。
#16
○穐山篤君 地震関係の取りまとめとして、総理にぜひ決意を明らかにしてもらいたい。
 私は今、とりあえずの希望のある地震対策というものを念頭に殿いてお伺いしたわけですが、当然、対策本部長としても決意はかたいと思います。しかし、地元罹災者は一日一日がもう本当に身を削る思いであります。ぜひ希望のある復興対策というものを明らかにしてもらいたいし、その決意も表明をしていただきたいものだというふうに思います。
#17
○国務大臣(村山富市君) 今、委員から御発言もございましたように、一月十七日に発生しました阪神・淡路地区のあの大震災というものは、一月、二月という一番厳しい寒い時期でもありましたし、そうした時期に避難生活をされておる皆さん方のいろいろな角度からの配慮をされた御発言がございました。私もそういう意味で、集団で避難生活をされておる実態というのは、あらゆる角度から考えてみてもうぎりぎりの限界に来ているのではないかと。
 何とか分散をしてもう少し落ちついた生活ができるような環境ができないかというので、これはもう業界から各市町村から、持っているものは全部ひとつ協力してほしいということも要請して、総動員して今体制をつくっておるところでありますけれども、しかしそれなりの努力はしているにもかかわらず、本当にそうした生活をされている皆さん方のお気持ちを考えた場合に、微に入り細に入り行き届いたことが完全にできておるかといえば、まだまだ足りない点もたくさんあるんではないかということも反省しながらやっているところであります。
 今、委員からもお話がございましたように、大阪あたりでは公営住宅をあけて待っているというようなお話も聞きますけれども、しかしそこに行って住んだ場合に後がどうなるのかという心配があればやっぱりなかなか行く気持ちにもなれないというので、情報を正確に伝えて、そしてあすに不安のないような手だてをしっかり講じてやることが大事ではないかというので、先ほど官房長官からもお話がございましたように、そういう点の配慮もしながらできるだけの努力をしていかなきゃならぬというふうに思っているわけです。
 これから復旧・復興にも入らなきゃならぬわけでありますけれども、例えば瓦れきの処理一つを考えてみましても、その瓦れきの中には鉄材もあればコンクリートもあるし木片もある。そうすると、やっぱりそれぞれを仕分けしながら再生して使えるものについては大いに活用して使わなきゃならぬ。それからまた、埋め立て等に使えるものについては埋め立てに使って活用をしていく必要があるし、それから同じ木材を焼却するにしても、これまた公害、環境汚染なんかやっぱり配慮しなきゃならぬというようなこともあるかもしれません。同時に、単に焼却するだけではなくて、木炭をつくったり、あるいはまたできれば銭湯あたりを設置して、そしてそこで入浴してもらえるような方法というのは考えられないのかというようなきめの細かな検討もしながら、何としてもやっぱりそうした瓦れきの処理についても細心の配慮をする必要があるというようなことまで検討されながら今取り組んでやっておるような状況なんです。
 これは何といっても県や市町村が主体でありますから、県や市町村の考え方と十分連携をとり合いながら、今、委員からも御指摘のございましたような現状が一日も早く打開できて、そして健全な状況、健全とまでは言えませんけれども、少しでも改善される方向になるような努力は最大限にせにゃいかぬ、こういう気持ちでおるわけであります。
 先ほどお話もございましたように、復興委員会の方でも、そうした問題も検討しながら、瓦れきの処理の問題やらあるいは産業と雇用の問題やら、あるいはまた港の回復をどう図っていくかこれはスピードを上げていかないと、やっぱり兵庫県全体の産業については国際的にも競争の条件というのもあるわけですから、安閑としていつまでもそのままにしておくわけにはいかぬということもございまして、そうした問題についても真剣な議論を今していただいておる。その議論を踏まえながら、地方自治体と一体となって政府も全力を挙げて可能な限りのことはやり尽くす、こういう決意で取り組んでおることについて御理解を賜りたいというふうに思います。
#18
○穐山篤君 ぜひそのかたい決意のもとに進めてもらいたいと思います。
 次に、運輸大臣と科学技術庁長官に伺います。
 先月二十三日、高レベル廃棄物の輸送船ピンテールは出航しました。私は公表されないことについて甚だ反対でありますけれども、国際信義ですからそのことを多く追及はしません。ただ、航行する船も安全です、あるいは搭載をしているガラス固化体も安全ですと言うだけでは安全ではないんですね。これこれこういう理由です、国民の皆さん安心してくださいという説明がなければこれはよくないと思う。その二点について具体的にお伺いします。
#19
○国務大臣(亀井静香君) 当船につきましては、船舶安全法に基づきましての書類による事前審査をいたしまして、私どもとしてはこれをパスさせております。なお、フランス政府におきましては、船に立入検査等も実施をいたした上でこれもパスさせておるわけでございます。
 同船が日本国の領海に入ってまいりました後、海上保安庁による警備等の万全の措置をとることにいたしておる次第でございます。
#20
○政府委員(岡崎俊雄君) ただいま運輸大臣から御説明がございましたものに加えまして、使っておりますこの輸送容器が国際基準に合致しておる、あるいはどういった性能を持っているかということについても、あるいは場合によって万が一これが沈没したときにどういう影響があるかこういった安全性についてもできるだけわかりやすくパンフレットをつくり、関係の方に御説明を申し上げているところでございます。
#21
○穐山篤君 さてそこで、今このピンテール号はポルトガルの沖合を通っております。その後ろにグリーンピース、ソロ号がついています。その横にポルトガルの海軍の船が今一緒に航行しているんです。
 これはまだ明らかになっておりませんことですが、私は申し上げたいと思うんです。
 実は、去年の十月にポルトガルの政府が弾薬の処理を海上で行った。船と弾薬を一緒に海底に沈めるというつもりで作業をやったんですが、過って、船は沈人んだけれども弾薬だけ浮いてしまった。これが去年の十月です。百箱です。そのうちの二十箱はポルトガル周辺を含めて上がりました。あと八十箱が残っているんです。そこの横を今ピンテール号が走っている、航行しているという状況に、私は高い情報だと信じて今連絡を受けているわけですが、このことについて政府部内は十分御存じでしょうか外務大臣。
#22
○政府委員(林暘君) 今、穐山先生御指摘のことについては、我々もポルトガルの新聞その他に出ておりますので承知をしております。かつまた、本件につきましては、我が国の事業者から輸送の責任を有するイギリスの事業者に対しまして照会をいたしまして、本件の輸送の安全上の影響がないということの確認を得ております。
 輸送ルートを公開いたしておりませんので、具体的にどこでどうということはちょっと酌し上げかねますけれども、本件については運航している者も十分承知をいたしております。
#23
○穐山篤君 随分さっぱりした御答弁で、いいんでしょうかという気持ちになります。もっとも輸送の責任はフランス、イギリス。イギリスの護衛艦もついています。しかし、その搭載物はあくまでも日本、電力会社のものであるということについては逃れるわけにはいかないと思うんです。その意味で、ルートは三つある中でどちらを選ぶかという今、境目に来ているんじゃないかと思うんです。
 私はこれによって社会不安を起こそうなんという気持ちはありません。帰ってもらうわけにもいきません。やっぱり六ケ所村に持ってきてもらわなきゃならないものだというふうに認識をするわけです。しかし、航行の安全、輸送の安全というものについて日本政府は責任を持つ立場にあるわけです。そのことを私は強く主張したつもりなんですけれども、改めて外務大臣、関係大臣の御意見を伺いたいと思うんです。
#24
○国務大臣(亀井静香君) 日本国政府といたしましては、フランス政府等とも緊密な連絡をとりながら輸送の安全に対しては万全な措置をとっておりますので、御安心をいただきたいと思います。
#25
○国務大臣(河野洋平君) ただいま運輸大臣、御答弁がございましたが、議員が御心配、御指摘をいただきましたとおり、この問題、極めて我々も慎重に細心の打ち合わせをいたしておるわけでございます。
 議員もよく御承知のとおり、この航行につきましては、フランス、イギリス、我が国と慎重な打ち合わせをいたしておりまして、我が方からはできるだけ公開の原則を主張いたしましたけれども、船、航行の責任を負う当事者がこの問題についてはぜひとも公開をしないでもらいたい、こういう強い希望がございまして、合意せざるを得ませんでした。一たん合意いたしました以上は、国際的な信義もございますので、我が方としては公表をするわけにはまいらないわけでございます。
 今、運輸大臣御答弁のとおり、十分慎重にこの問題を扱っているということだけ申し上げさせていただきたいと思います。
#26
○穐山篤君 ぜひ努力をしてもらいたいと思います。
 次に、東京協和・安全信組の事件問題について。
 きのうここでも議論になりました。夕方までは、ざっくばらんに申し上げますと東京都の議会の状況は仮定の話でした。しかし、その後、五会派が努力をした結果、一定の結論をまとめた、こういうふうに聞いております。
 しかし、この事件は、長い間の経理を調べてみましても、なかんずく一昨年、昨年が問題で、乱脈経営でありまして、経営者は金融機関を扱う資格さえもないとんでもない者だという意味では、私は現状を明らかにし責任をきちっとしなければならぬという前提にあります。
 しかし、そのことは改めて詳しく議論させていただきますが、昨晩、東京都議会で申し合わされたことについて、おわかりになっておればこの場で明らかにしてもらいたいと思います。
#27
○国務大臣(武村正義君) 今未明になりましたか、東京都議会の五つの党の相談で共同修正案が明らかにされました。
 その内容は、かいつまんで申し上げますと、この経営破綻した二つの信用組合の処理対策としては、組合の前理事長が告訴を受けている、また国会で証人喚問が予定されている。こうした状況で、責任の所在について厳正に捜査が行われようとしている、こういう時期でありますので、「我々もその推移を慎重に見守り、今、直ちに三百億円の信用組合経営特別対策費の採否の判断を下し得る状況ではない。」ということであります。
 しかし、都の信用組合に対する機関委任事務の監理・指導責任は重いと明確に言い切っておられます。また、「信用組合の破綻による金融不安、預金者の保護に対しては、都の立場から責任を十分に果たしていかなければならない。」ということが書かれておりまして、「よって、上記推移を慎重に見守る必要がある。」、これが御認識であります。
 結論としましては、都議会に提案をされている都の補正予算案、信用組合経営特別対策費という名目で三百億円が提案をされているわけでありますが、これを削除して、別途、財政調整基金、これは全国の都道府県に自治省の指導で、いざというときのために地方自治体はこうしたものを大なり小なり持っているわけでございますが、財政調整基金に三百億円を増額するといういわば修正案で一致をしたという発表でございました。
 私ども、この文書やその後の代表の記者発表のコメント等を見ておりまして大まかに認識をいたしますと、今も御紹介申し上げたように、機関委任事務ではあるが、都の信用組合に対する「監理・指導責任」という表現ですが、は重いということを明確に表明され、また金融不安や預金者の保護に対しても都は責任を十分果たさなければならないということも鮮明にされているわけであります。しかし、捜査その他国会の証人喚問等疑惑が解明されるさなかであるので、今ここでこの時期に「採否の判断を下し得る状況ではない。」という表現がなされておりまして、後のコメントでは、新しい知事に判断をゆだねたい、こういう考え方でありました。
 私ども大蔵省としましては、たびたび申し上げてまいりましたように、大蔵省、日本銀行、東京都、三者がこの処理対策案については共同して責任を負うという前提に立ちながら知恵を絞り、昨年の末に具体的な方策で合意をし、発表し、今日に至っているところでございます。都がその合意に基づいて提案をされた予算が都議会で通らないということは残念に思います。
 しかし、都議会の五会派におかれても事の本質はきちっとわきまえていただいている。そして、こういう時期であるから新しい知事のもとに判断をゆだねようという結論でございますので、残念ではありますが、それなりの都議会としての対処をしていこうというお考えのようにもうかがえます。まだ、議会側にもあるいは執行部側にも詳しい事情説明を受けておりません。ぜひお考えを承りながら、私どもとしてはこの事態には冷静に対処をしていかなければいけないというふうに思っております。
 既にこの処理対策案に従って東京共同銀行は認可を与え設立されております。そして、日本銀行の二百億、全国の金融機関の二百億の出資は終わっております。また、預金保険機構から贈与として四百億拠出されることも決定されております。そして、今月の二十日に頭取が決まり、頭取以外の役員はもう決まっておりますが、頭取が最終的に決まるようでありますし、いよいよこの二つの信用組合、破綻した信用組合の債権債務関係の全体の移譲をこの共同銀行が受けるということが実現をいたしまして、正式には今月の二十日からこの東京共同銀行が動き始めるという状況でございます。したがって、今回の東京都の措置がこの基本的なスキームに今直ちに影響を与えるものではありません。
 ぜひ適切な御判断をいただいて、この基本的な処理対策案の骨格がゆがまないで当初の三者の合意に従って進められることを大蔵省としては期待をいたしたいと思っております。
#28
○穐山篤君 両信金とも、貸し出し、融資については組合員外に違法に多額に出ておりますけれども、現に預金をしている個人、あるいはそれぞれは東京都民であったり東京都の中で事業をやっている人が大部分なんですね。その意味では、東京都議会が苦しいぎりぎりの選択をしたというふうに私も理解をするわけです。
 きのうまでは、三百億が否決されたらその責任をどうするとかというような議論がありましたけれども、こういう今説明されたような立場をお互いに踏まえて、善良な預金者の気持ちも考えなければいかぬし、不良債権もしっかり回収するというのが金融機関ではないかと思うし、それから機関委任事務を受けている東京都もその一半の責任を負い、また我々もその役割を担わなきゃならぬというふうに思うわけです。
 したがって、三百億はストレートに出資ということにはなりませんでしたけれども、全体枠としては、金融の秩序維持という点では私は東京都議会も賢明な判断をしてくれたというふうに思いますしばらく時間がかかると思うんですね。東京都の最終決定というのは時間がかかると思いますが、その間、懸命なまた努力をお願いしたい。
 それからもう一つ、この機会に申し上げておきます。
 大銀行も今、不良債権の処理をやっております。それから地銀その他のファイナンスもやっております。それから一番気になりますのは住宅専門会社七社の不良債権について、非常にふえつつあります。それから各都道府県のこの種の信用組合につきましても随分問題意識を持っているわけです。BIS規制に照らしてみても問題がありますし、計算上倒産率を調べてみますと真っ青にならざるを得ない金融組織もあるわけです。
 そういう意味で、今後、目配りの点についてどうお考えであるかあわせて伺っておきたいと思います。
#29
○国務大臣(武村正義君) 東京都も預金者保護あるいは金融不安という視点を大変重視されている、都みずからも十分責任を果たさなければならないというのがこの五会派の声明文でありますし、都知事の昨夜の発表もそのことを特に強調されております。引き続き都としては努力をしていきたいと、鈴木都知事もそういうコメントを発表されております。
 私どもも、決して私どもの判断をさせていただいたこのスキームといいますか処理対策案を美化するために独調しているつもりはありません。とにかく信用秩序に不安が起こるようなことだけは、大蔵省や特に日本銀行の責任の立場からいきますと、これこそ万難を排して回避をしなければならない一番重い責任を背負っていると思っております。
 評論家その他、新聞紙上で見ていますと、今の日本は心配要らないと、二つの信用組合がペイオフになってもそんな影響は出ないと明確におっしゃっている方もあります。
 しかし、これは不安でございますから、私ども断定的にどうこう申し上げているわけではありません。起こらないのが一番望ましいと思っていますが、少なくともこの処理案についての是非論はあろうかと思います。一層真剣に御議論をいただきたいと思いますが、突き詰めて言えば、ペイオフで倒産を覚悟すべきであったか、今回のような措置をとるべきであったかシンプルに、言えばこの二つの選択だと思っております。この処理案はだめだというなら、じゃペイオフで行くべきであったということになるわけですが、問題は預金者保護や信用秩序維持ということをどう考えるのか不安はないとおっしゃるのかその不安が起こったときにどうするのかというところまで真剣に目を向けながら私どもは議論をしなければならないと思っております。
 おっしゃるように、大銀行から信用組合に至るまでバブルの、ある種、傷を負っているといいますか、不良債権等を抱えております。大銀行等でもう十三兆円余が発表されているところでもございまして、そういう状況であるだけに、今回の事態を大変重視いたしているところでございます。
 東京都ともどもその視点に立って、今回の一日一日の動きも、金融界全体の動きも注視をしながら、私としましても、信用秩序が損なわれることが絶対あってはならないと、この点については全責任を負いながら努力をさせていただかなければならないと思っております。
#30
○穐山篤君 次に問題を移しますが、三月は例のNPT、核不拡散条約の改定といいますか期限延長の月に入っております。
 そこで、最初に総理に、総理はあらゆるところで核廃絶の態度を主張しておりますが、その点についての改めて総理の決意を伺っておきたいと思います。
#31
○国務大臣(村山富市君) これはもう申し上げるまでもございませんが、政府としては、核不拡散体制を安定的なものとする観点から、NPTの無期限延長は支持をしてまいりました。同時に、政府としては、核軍縮がNPT第六条に基づき行われることが重要であると。
 これは、第六条はもう申し上げるまでもございませんが、委員御案内のように、「各締約国は、核軍備競争の早期の停止及び核軍備の縮小に関する効果的な措置につき、並びに厳重かつ効果的な国際管理の下における全面的かつ完全な軍備縮小に関する条約について、誠実に交渉を行うことを約束する。」、こういう第六条の規定があるわけでありますが、この第六条に基づきまして行われることが重要であると考えております。
 したがいまして、引き続きすべての核兵器国に対しまして一層の核軍縮努力を促していくこととともに、核実験全面禁止交渉の早期妥結に向けても政府としては全力を挙げてこれからも取り組んでまいらなきゃならぬというふうに考えているところでございます。
#32
○穐山篤君 次に、外務大臣、NPTに百七十カ国ぐらい参加しているわけですが、参加をしていない国、それからIAEAに参加をしていない国、その中で、国連でも言われておりますが、核を開発しているのではないかあるいは核兵器を持っているのではないかと報道されている国などがいろいろあるわけです。その点についてまず具体的に説明をしていただきたいと思います。
#33
○国務大臣(河野洋平君) NPTに参加していない国がたしか十四カ国ほどあると思います。この中で、具体的な国名を挙げることが適当かどうかわかりませんが、報道その他によっていろいろと言われている国々が幾つかございます。
 私どもとしても、例えば我々周辺にございます国、現在北朝鮮についてはIAEAへの復帰等を言っているわけでございまして、これは恐らく米朝合意の約束を誠実に守られることと確信をいたしますが、それ以外にもあるいはインドであるとかパキスタンであるとか中東にも幾つかそういうことを言われている国がございます。
#34
○政府委員(林暘君) お尋ねがIAEAの未加盟国ということか、NPTの未加入でIAEAにも加盟していないという御質問が、ちょっと定かでございませんでしたけれども、今、大臣から御答弁申し上げましたように、一般に核開発をしているのではないかと疑われている国が幾つかございますけれども、そういった国々はIAEAには皆、加盟をいたしております。
#35
○穐山篤君 具体的な国を挙げてください。
#36
○政府委員(林暘君) IAEAの加盟国リストを今ちょっと持ち合わせておりませんが、原子力開発をしている国でIAEAに加盟していない国というのは、私の記憶では特に大きな国はなかったというふうに承知をいたしております。
#37
○穐山篤君 不十分な答弁ですが、まあいいでしょう。
 さてそこで、細川総理も国連総会で演説をし、この無期限延長を支持しているわけです。核の究極的な廃絶というものについて当然総理も主張しているわけですが、叫んでいるだけでは実現ができないんですね。五つの国が常任理事国で核を持っている、そのことについて条約の不平等性を言っている国がある。その主張をしている国が今も言っておりますようにNPTに参加をしていない、あるいは現実に国連には入っているけれども核実験を行っているという国が幾つかあるわけなんですね。御承知だと思うんです。
 そこで、つい最近まで準備会がニューヨークで行われていたわけですけれども、その経過がおわかりになっておれば明らかしてもらいたいと思います。
#38
○政府委員(林暘君) 本年開催が予定されておりますNPT再検討延長会議の準備のための会合というのが過去四回開催をされております。九三年の五月及び昨年の一月、九月、それから本年一月の四回にわたって一週間ずつ開催をされております。
 この準備委員会の目的は、NPT再検討延長会議の組織、運営、それから表決その他の手続事項、そういったものを決定するために行われたのが主目的でございまして、大方の問題についてはこの四回の準備会合を経て決定いたしましたけれども、ただ手続事項のうちで延長の方式を決定するための手続事項、投票方式につきましてはまだ合意に至っておりませんので、四月の延長会議の寸前にもう一度会合を開いてその点についての討議をし、決定をするという予定になっております。
 また、準備委員会においては、参加国が一般的な考え方を演説するという機会も与えられておりましたので、その機会に各国が、これは全加盟国ではございませんけれども、希望する各国がNPTの延長問題等についてそれぞれの立場から意見を述べたということがございます。
#39
○穐山篤君 今もお話がありますように、この準備会はまだ合意に達しておりません。鋭い対立が残ったまま日が続いているわけであります。
 そこで、私は次のことを提案しますので、それぞれ関係者から見解を明らかにしてもらいたいと思うんです。
 まず、何といいましても、先ほど私がお伺いをしましたように、NPTに加盟していない国、IAEAに加盟していない、査察を、保障措置を受けていない国というのが核を開発したり持っていると思われる国もあるわけです。したがって、これらの国々が加盟をして、少なくとも平和利用に徹するということを明らかにさせなければならない、これがまず第一の仕事でしょう。
 それから二つ目の提案は、今、一時的に核実験を停止しておりますが、これを恒久的に停止させることと、核兵器を持っている大国が核の軍縮を進めるということを合意どおり進めてもらう。前回、米ソで決めたものが非常に速度がおくれているんですよ。金と技術的な問題でしょう。これが二つ目。
 三つ目は、こういう状況ですから非核地帯を相互に協力し合って設定する、そして核の先制使用を禁止するという非核地帯の設置というものが三つ目に必要だ。
 それから四つ目に、とりあえず、前の江田長官のときにIAEAで提案をされたわけですが、プルトニウムの国際管理、これを国際的に合意する、その努力を払う。日本が提案した以上、全責任を持って推進をするというこの四つを私は提案しているわけですが、それについて具体的にお考えがあれば明らかにしてもらいたいと思います。
#40
○国務大臣(河野洋平君) 議員御指摘のまず第一の問題でございますが、これは私どもあらゆる機会にNPTへの参加の呼びかけをいたしておりますし、現在ではNPTの無期限延長に対する賛成の呼びかけを機会をとらえて言っているところでございます。それぞれの国にはまだまださまざまな意見がございまして、必ずしも無期限延長について賛成をする国が圧倒的に多いというところまでいっていないことは極めて残念なことでございますが、これはぜひ我々としても来るべきNPTの延長を論ずる会合までに多数を得たいというふうに思っております。
 ただ、ここで申し上げておきたいと思いますことは、この無期限延長について過半数を得て投票で決めるということであっては、これは決定的な意味になるかどうかということについて問題があるのではないかと思っております。これはでき得べくんばコンセンサスで、全員の賛成によって決められることが本来望ましいというふうに思います。
 それから二つ目の問題については、核実験の禁止についてでございますが、これは私どももぜひともCTBT条約を早くきちんとつくり上げてもらいたいということを考えておりまして、我々としてもできる限りの協力をいたしております。核を持っていない国が核実験禁止にどういう協力をするのかこういうお話もあろうかと思いますが、私どもとしては技術的な協力、すなわち核実験禁止条約の最も大事な点は、いかに査察ができるか検証ができるかつまり実験をやっておりません、あるいはやったのではないかということを技術的にチェックができるかどうかというところが非常に重要なことでございまして、我が国の技術がそうした査察、検証に役に立つというふうに考えて、これは全面的な協力をしたい、こう考えているところでございます。
 三つ目は、非核地帯の創設についてかねてから先生は御提唱でございました。現実に中南米にはトラテロルコ条約もございますし、南太平洋にもそうしたことがございます。今、世界的にそうした動きが他にも幾つかあるという状況でございます。我々も非核地帯には関心を持っております。関心を持っておりますが、しからば我が国周辺で非核地帯構想というものが現実のものになるかどうかということになりますと、我が国周辺にはもう核保有国が既に中国でございますとかロシアでございますとかというところがあるわけでございます。
 私は、日本と朝鮮半島ということで、非核地帯という構想があるではないかという議論もあるかと思いますが、それでは余りに小さ過ぎるんではないか。もう少し広がりのある構想でなければ、つまり非核地帯構想というのは、そこだけが非核だというのではなくて、そういうものを拠点に世界的な非核をつくるということが目的であろうと思います。そうしたことを考えますと、我々さらにこの問題は研究をしなければならない、あるいは周辺国の意向というものをさらによく確かめなければならぬという状況に今あるということを申し上げたいと思います。
 プルトニウムのことは科学技術庁から御答弁申し上げます。
#41
○国務大臣(田中眞紀子君) NPT及び国際間でのことにつきましては外務大臣が今お話しなさったとおりでございますけれども、先ほど先生が江田元長官のことについてお触れになりましたので一言申し上げたいと思いますけれども、プルトニウムの管理とか利用状況につきましては、国際間で情報を公開して透明性を高めていくべきであるということが江田先生の御主張でありまして、私も全く同感でございます。昨年九月のIAEAの総会でも、私もその趣旨に沿った発言をいたしております。
 そして、具体的に実情について御報告を申し上げたいと思いますけれども、これまでに国際間で四回の会合が開かれております。ちなみに、具体的な検討をしている国は、日本、アメリカ、イギリス、フランス、ロシア、中国、ドイツ、スイス、ベルギーの九カ国でございまして、IAEAからオブザーバーとして出席もいたしております。そして、この次の会は三月二十四日を予定いたしておりますけれども、中身は先ほど申し上げましたような趣旨に沿って国際間の合意に向けて努力をいたしております。
 以上でございます。
#42
○穐山篤君 このNPT参加国百七十国、八十六票ですかないと成立しないんです。計算はどちらとも言えないという、今、境目にある。これは先天的に五大国、常任理事国が核を持っていて、その他は持っていてはいけないという不平等性という問題と、国連改革と無関係でなく話が進んでいるわけです。その意味で、国連改革を提唱している我が国としても重大な関心を払わなければならないと思うんです。
 冒頭、主張しているだけでは実現は困難だと申し上げたが、それらを含めて最後に総理の考え方、決意を求めたいと思っております。
#43
○国務大臣(村山富市君) 議員が核問題に対していろんな論文も書かれたりあるいは貴重な提言をされている中身についても、ある程度私も理解をしているつもりでありますが、今、外務大臣を初めそれぞれの担当大臣からお話もございましたが、技術的には難しい点が幾つかあると思いますし、それぞれの国の置かれている事情も複雑で、そう簡単に単純にはいかない問題があると思います。
 しかし、日本の立場からすれば、唯一の被爆国として可能な限り核軍縮は進めてもらう、同時に核実験はやめていただく、そして究極的に核は廃絶をされなきゃならぬものだ、こういう一貫した考え方はもう変わりはないというふうに私は思っておりますから、あらゆる国際機関を通じ、国連改革の問題も関連をさせながら、そういう日本政府の考え方というものが実現できるような方向でこれからも全力を挙げて努力をして頑張っていきたいというふうに思っていることだけは申し上げておきたいと思います。
#44
○穐山篤君 部落解放問題、人権擁護について、もう時間がありませんから。
 この問題は、実態調査を十分に進めて現状を把握する、末指定地域についてもこの際十分調査をするという前提条件に立って同和対策を進めるというのが私は基本だろうというふうに思うんです。
 そこで、時間がありませんからまとめて申し上げますが、伺うところによりますと、去年行いました調査の実績、アンケート調査を含めて三月に集約されるという段取りになっておりますが、ただまとめられるだけでは問題意識が起きてきません。どういう状況にあるかという特徴点、問題点を明らかにして、これについての評価を行う、あるいは直ちにできないにしてみても改善の具体的な方向を明示するというくらいの決意がないと、人権擁護、人間の解放問題というのは無理があると思うんですが、まずその点について山口長官の御見解を伺っておきたいと思います。
#45
○国務大臣(山口鶴男君) お答えいたします。
 平成三年十二月の地域改善対策協議会の意見具申を踏まえまして、御指摘ございましたような調査を平成五年に同和地区実態把握等調査という名前で実施をいたしたところでございます。その結果につきましては、今、鋭意作業中でございますが、今月末までには何とか取りまとめをいたしたいということで作業をいたしているところでございます。ただし、何せ膨大な調査でございまして、全体で二千ページにも及ぶというものでございますから、鋭意努力をしているということで御理解をいただきたいと思います。
 そして、御指摘のございました点でございますが、これは過般の衆議院の予算委員会でも御意見があったものですから申しておいたのでございますが、長官の談話なりあるいは地域改善対策協議会の会長談話なりというものを出したらどうかという御指摘でございました。
 今度の調査が、ハードな面についてはかなり改善が進んでいる、しかしソフトの面、例えば就職でありますとか、就学でありますとか、結婚でありますとかそういう点については今なお根強い差別が残っているという状況でございますが、これらの問題につきましては、調査が終わりました段階で当然地域改善対策協議会長がお考え方を出すと思いますが、それを拝見した段階で長官としての談話というものも考えてしかるべきであるというふうに思っております。
#46
○穐山篤君 与党でもプロジェクトチームをつくりました。それから全国の地方自治体が人権宣言あるいは条例というものをつくって、国内的には非常に盛り上がっております。それを集大成するのは、例の人種差別撤廃条約の批准、これと国内法の整備ができて初めて人にやさしいという具体的な成果が出ると思うんです。
 そういうふうにつなげるという努力を、我々も、連立政権も行うべきだと思いますが、長官並びに最後に総理に決意を伺っておきたいと思います。
#47
○国務大臣(山口鶴男君) お答えいたします。
 御指摘のとおり、与党三党におきましてもプロジェクトチームをつくっていただきまして、鋭意この問題について御論議をいただいております。また、政府といたしましても、今申しましたような調査ができ上がります。今、地域改善対策協議会の総括部会におきましてこの問題についても真剣な議論をいただいております。
 その両者を結合いたしまして、先ほど申し上げたように、この「人にやさしい政治」、すなわち基本的人権の尊重、この上に立ってどうあるべきかということについての結論を出してまいりたい、かように考えておる次第でございます。
#48
○国務大臣(村山富市君) 今、総務庁長官からも御答弁がございましたように、憲法に保障された基本的人権が重要な問題であるということについては、もう厳しく認識をいたしております。
 これは今もお話ございましたように、そういう差別の実態というものを正確に把握して、そしてそれが解消されるような手当てを講ずるということは大事なことでありまするし、これはいろんな改善事業を通じて今努力もいたしておるところでございまするけれども、しかしそれだけですべてが解決するとも思われませんから、先ほど来お話がございましたように、与党の中にもチームができて、そのチームでも鋭意検討していただいているところでありますが、そうした与党と政府と一体となってこの問題の解決のために積極的に取り組んでいきたいという考え方については御理解を賜っておきたいと思います。
 さらに国際的な人権にかかわる条約等もございます。漸次、条約の批准については進めておるところでありまするけれども、とりわけ人種差別撤廃条約というものについても、これは私は外務大臣にもあるいは法務大臣にもそれなりに早期にやっぱり解決すべきではないかということを指示もし要請もして検討してもらっておりまするけれども、そうした問題の解消に努めて、国際的にもやっぱり日本の国は人権が大事にされる国だというような評価が得られるような、そういう体制というものはしっかりつくっていく必要があるという心がけでこれからも努力をしてまいらなきゃならぬというふうに思っておるところでございます。
#49
○穐山篤君 ありがとうございました。
 以下、関連がありますので、お許しをいただきたいと思います。
#50
○委員長(坂野重信君) 関連質疑を許します。藁科滿治君。
#51
○藁科滿治君 引き続き、関連の質問をさせていただきます。
 大震災が発生してから一カ月半を経過いたしました。この間、政府、地方自治体、そして各種団体、さらには現地の被災者の皆さん、それぞれ災害の復興に向けて懸命な取り組みを進めております。この機会に私は改めて敬意を表したいと思っております。
 しかし、復興の展望は大変険しいわけでありまして、現在なお幾つかの重要な問題が横たわっております。現地からは今日なお三つの問題、医職住、これは当地で言われる医職は医療に職業でございますが、この三つの対策独化を望む強い要求が出ております。
 そこで私は、まずもってこの三つの問題について関係大臣に質問をしたいと思います。
 何といっても、第一は住宅対策でございます。昨日来からの論議でも問題になっております。衆議院の論議でも大変重要な問題として浮上しております。平常時でも住宅は生活の根幹にあるものでありますが、被災者にとってみればまさに死活の問題でございます。仮設住宅に入った方の生の声が報道されております。本当によかった、ようやく畳の上に寝れると。こういう喜びの声、それはある面では叫びでございます。
 政府はこれに対応して、先ほども答弁がありましたように、公的住宅で三万から四万、そして仮設住宅五万というお話がございましたが、住宅を求める世帯に一応数の上では符合いたします。しかし、問題は非常に深刻でございます。
 まず第一に、公的住宅の見通しについて三万七千戸ぐらい確保したというお話がありますが、実際には北海道など実効的に利用できない地域の事情も含まれているわけでありまして、こういう点についてはぜひ民間の借り上げその他の問題でできるだけ速やかに埋め合わせをしていかなきゃならぬ。さらにまた仮設住宅についても、資材の問題、労働力の問題等が出ているようでございますが、それ以上に用地の確保がネックになっているように伺っております。
 先ほど触れましたように、住宅問題は罹災者にとってみればまさに命綱、そういう意味でぜひ予定どおり貫徹してほしい。四月までは数えてみれば百日超えるんですよ。これらの事情も含めてぜひ建設大臣に前向きな答弁を期待したいと思います。
#52
○国務大臣(野坂浩賢君) お答えいたします。
 まず仮設住宅の四万戸の問題につきましては、現在完成しておりますのは七千十三戸であります。したがって、お入りになっておる方々は二千三百十七戸お入りになっておりますが、これは二十八日にでき上がりましたので、きょうごろには大量にお入りになるだろうと思っております。それから公営の住宅、公団の住宅には八千八百六十四世帯お入りになっておりまして、おっしゃるように、三万戸にはまだ届かないというような状況であります。
 ただ、御指摘がありましたように、兵庫県の近隣県に集中しておりますので全体的に広がってまいりませんが、先ほども担当大臣から御答弁がありましたように、二十万人とか二十一万人とか言われてまいりましたけれども、きのうごろから急激に減りまして、神戸市その他兵庫県から一つ一つ数えた結果、十一万人程度というふうに今は掌握をしております。
 したがって、我々としては、指摘がありましたように、三万五千の発注をいただきまして、あと五千戸につきましては、今お話がありましたように、土地はあるんですけれども、避難されておる方々のニーズといいますか希望といいますかその土地についてまだ検討中でございますが、四月中には完全に四万戸は建設ができる。三万五千戸の発注があってこれは早急に建設ができますけれども、あとの五千戸は四月に入るだろう、こういうふうに理解をしておりまして、積極的に推進し、公的な住宅あるいは担当大臣が申し上げました民宿なり旅館、そういう点も含み合わせますと対象がぐっと減ってまいると思っておりますけれども、現在、我々としては全力を挙げて進めております。
 外国からは九カ国七十三企業から引き合いが来ておりまして、これについては住宅公団及び建設省の職員がその対応に当たっておるところでございます。四月中には被災者の方々が避難所からお出になるような段取りにしなければならぬ、そういうふうに決意をして、作業は懸命に進めておるところでございます。
#53
○藁科滿治君 私の聞き違いでしょうか。先ほど担当大臣から五万戸というような数字が出たように思うんですが、後でちょっとすり合わせをしていただきたいと思っております。
 次に、厚生大臣に伺いますが、今なお二十万人近くの方が共回生活を強いられている。残念ながら、地震では助かったけれども、その後緊張感が続き、寒さにもやられているんです。体調を崩して亡くなっていくという方も後を絶たない、こういう状態が続いている。二十万人の方を、また千カ所以上の分散している箇所に集中的に全面的に診療するというようなことはこれは無理だろうと思います。そこで、ぜひひとつ高齢者とか障害者とか重病患者とか幼児とかいわゆるこういった弱者と言われる方々に集中的な重点的な対応ができないのかどうか、これをまず一つ伺いたいと思います。
 それからもう一つは、仮設住宅は厚生省の担当であるというお話も伺っているんですけれども、ここらはやっぱり縦割りの話ではどうにもならないので、建設省、厚生省、そして担当の大臣を含めてぜひ相互に連携をとっていただいて、住宅をしっかり確立することが健康の第一でございますから、そういう面も含めてひとつお考えを聞きたいと思います。
#54
○国務大臣(小里貞利君) 主なる答弁は厚生大臣の方からお願い申し上げなければならぬと思うのでございますが、その前に一言だけ御説明申し上げておきたいと思いますが、私、先ほどの答弁の中で、仮設住宅四万戸、この数字を申し上げたつもりでございまして、御理解いただきたいと思います。
 それから避難者の数でございますが、先ほども実はこれはきちんと数字は申し上げませんでしたけれども、この機会にきちんと御説明申し上げた方がよかろうと判断いたしますから申し上げますが、ただいま先生は避難者数二十万と、こういうお話いただいておるところでございますが、実は正確に申し上げますと、二日前までは確かに十八万六千前後と、この辺の数字を御報告申し上げておりました。ところが、一昨日の夕方からきのうにかけましてこの数字が、私が先ほど漸減しておったが激減をいたしましたと、こういう表現を申し上げたのでございますが、まさに激減という表現に値するぐらい物すごい数字が減ってまいりました。
 はっきり申し上げますと、ここ一両日中に避難者数約七万前後減りまして、きょうの公表では、私どもは、先ほど建設大臣が説明なさったように、十一万四、五千前後と、こう申し上げておりますけれども、避難所の管理等に身近な立場においでになる自治体等の報告を累計いたしますとおよそ十万を割っている、そういう状況でございまして、もう極めて激減をしてまいっております。
 しからば、なぜそのような大事な数値が一両日中に変動したかということでございますが、私は先ほどは、今日、緊急災害応急施策のその最中でございますから日ごろの行政とは概念を変えております、言うなれば視点を変えて余り気難しいことを言わないで、その辺は言うなれば寛大な対応を申し上げることが適切ではなかろうかと、そういう気持ちで対処をいたしておりますということを申し上げた次第でございまして、御理解いただきたいと思います。
#55
○国務大臣(井出正一君) 仮設住宅の問題は、実は災害救助法の関係で厚生省も知事さんを窓口に御協議をしておるわけでございます。決して縦割りでやっておるとは考えておりません。建設省ともあるいは地震担当大臣とも十分御協議をしながら、特に担当大臣に御苦労いただいておる、今こういった体制でございます。
 被災地で高齢者の皆さんが大変厳しい中で御生活をなさっていらっしゃる、中にはお亡くなりになられたという報も私どもも聞いておるわけでございます。医療体制につきましては、避難所において生活していらっしゃる皆様方に対する医療の確保がまず急務でございますから、お医者さんや看護婦さんの常駐する避難所救護センターの設置を進めたところであります。これはこのところ少しずつ減ってきております。大体既存のそれぞれの地域医療の方へ少しずつ移っていく様子がうかがわれるわけでございますが、昨日現在、百三十九カ所が設置されております。設置されていない避難所につきましては、医師、看護婦による巡回診療体制を続けておるところでございますし、二十カ所の保健所を拠点とする保健婦さんによる母子あるいは老人等に対する巡回指導相談を実施しているところでございます。
 さらにまた、高齢者の皆さん、在宅を含めて、パトロール隊の巡回によって要保護者の発見に努め、必要な場合には医療施設への収容を行うとともに、福祉関係機関への連絡も行いまして、特養あるいはホームヘルパーの派遣等を実施しているところであります。それらの皆さんは既に二千人を超えていらっしゃいます。
 さらに、高齢者あるいは障害者の皆さんにとにかく一日も早く避難所から出て生活していただく必要があるものですから、なかなか土地の問題があるんですが、神戸市あるいは芦屋市を中心に地域型仮設住宅、寮形式というんでありますが、生活援助員の皆さんもそこに派遣されるようなシステムで、プレハブで二階建てなんでございますが、これが約千五百室用意されまして、きょうから工事が始まったと聞いております。四月中の入居を目指しているところでございます。
 以上でございます。
#56
○藁科滿治君 それから三番目の雇用対策の問題を労働大臣に質問いたしますが、災害後いろんな手を打っていただいておりますけれども、その上に立って私はこの場で二つ質問をいたします。
 一つは、災害で休業、失業に追い込まれた人たち、一部の報道では五万人から六万人というようなことが言われております。この中で、特に雇用保険制度に入っていない零細企業、そこで働く労働者、大変難しい問題ですが、しかし今回は極めて深刻な状態でありますから、こういった方々に対する対策が何かとれないのかどうかということが第一。
 それから二つ目は、今回の対応で現地の被災者を優先して公共事業に就労させる、こういう特別措置をとっていただく。これは量的には大変魅力のある期待される制度であると我々も高く評価しているわけですが、問題はやっぱり質の問題です。失業した労働者が即公共事業にうまく当てはまるかどうかなかなか考えにくい面もあるわけで、そういう意味ではぜひ教育訓練、特に公共事業の場合には安全度が高く求められる菜種でございますから、そういう意味ではぜひ安全教育、こういうものを徹底させるようなきめの細かい行政指導、こういうものを期待したいというふうに思っていますので、大臣の考え方を伺いたいと思います。
#57
○国務大臣(浜本万三君) 三点について御質問ございましたので、順次お答えをいたしたいと思います。
 今回の震災への労働省の対応といたしましては、雇用維持及び確保、さらには失業者の生活安定対策を基本にいたしまして積極的な取り組みをいたしておる次第でございます。
 議員も御承知のように、雇用保険の未加入者の者たちを何とか救済することはできないかというお話でございます。この点につきましては、雇用保険未加入者のうち、被保険者となるべき方で雇用保険の手続がなされていない労働者の方があると思います。そういう方につきましては、遡及制度というのがございますので、この制度に基づきまして、労働者の方々から請求がありますれば、被保険者であった期間について一定期間遡及いたしまして確認を行いました上で失業給付を支給し、そして再就職への促進を支援してまいりたいと思っております。
 それからもう一つの、離職者の地元の被災者の方々に対する一定率の。雇用の問題でございますが、この点につきましても、先般法律を可決していただきましたので、積極的に雇用機会を確保するように努力をしてまいりたいと思っておるわけでございます。
 それから第二番目の問題は訓練の問題でございますが、今回の阪神・淡路大震災による離職者の再就職を促進するためには職業訓練の実施が非常に大切であるということは、議員の御主張のとおりでございます。当面の対策といたしましては、訓練ニーズが高い建設関連職種について新たな訓練科の新設を行いまして、その就職促進に努力をいたしておるような次第でございます。
 また、被災離職者の幅広い訓練ニーズに対応いたしますために、例えば機械加工科でありますとかOA事務科でありますとかあるいはまたその他の御希望のある職種につきまして、できるだけ現在あります既設の訓練科の定員を拡大するように努力をいたしております。現在の定員というのは約三千名でございますが、これに対しまして六百七十名ぐらいの定員を増加させるとかあるいはさらに必要であれば委託をいたしまして訓練をさせていただくとかいうような制度をあわせ実施いたしまして、できるだけニーズにおこたえするような体制を確立してまいりたいと思っておる次第でございます。
 また、関係公共職業安定所の特別窓口等を活用いたしまして、さらに求職者の皆さんのニーズに合ったような職業細分もさせていただきたいと思っておるわけでございます。
 それから第三の労働安全の問題につきましては、御指摘のとおりでございます。現在の状況をちょっと調べてみますと、復旧工事にかかわる労働災害が若干多くなっておりまして、私も大変懸念をしておるところでございます。したがいまして、労働安全が非常に大切だということを私どもも考えておりますので、災害復旧工事に伴う労働災害の発生を防止するために、現在、一斉に安全パトロール等によって指導をいたしておるところでございます。
 また、建築物等の解体や撤去工事におきましては、粉じんによる健康障害が懸念をされますために、例えば防じんマスクを無料配付するとか散水をして工事をしてもらうとか、あるいは防じんマスクの着用を徹底するとかいうような指導を行いまして、できるだけ労働災害の防止に努めておるところでございます。
 また、関係の事業主に対しましても安全に注意するように指導いたしておるところでございます。
#58
○藁科滿治君 次に、危機管理の問題について総理に御質問したいんですが、時間的にちょっと中途半端になるかもしれませんが、少し質問の趣旨だけちょっと申し上げます。
 現在、危機管理の体制確立に向けて政府・与党、さらには野党、民間レベルも含めて多角的な論議が進んでおります。既に与党のプロジェクトから一定の。言も出されております。衆議院の審議、それから昨日来の質疑を通じまして、私はこの問題を通じての政府の基本的な考え方、姿勢というものがおおよそ輪郭的に出てきたというふうに考えております。
 私は二つの面で注目をしているわけでありますが、一つは、旧来の発想、システムではもう通用しない、抜本的な改革、整備をしなきゃいかぬ。これは昨日の総理の答弁にもそういうものがにじみ出ていたわけです。それからもう一つは、これもおっしゃっておりましたが、短期の課題と中長期の課題としっかり仕分けをしていこう、こういうお話がありまして、私も十分理解できるところでございます。
 しかし、その上に立って私はもう一つ重要な留意点があると思っております。それは国際的な視点です。国際化、情報化が言われて大変久しいわけでありますが、今回の事件、災害ほどこの二つを実感する体験はなかったと思うんですね。日本の地震が一瞬のうちに世界各国に知れ渡る、情報が駆けめぐる。そればかりではなく、各国から大変手厚い支援、救援の手が差し伸べられる。これは既に日本の災害だけではなくなっているんですね。世界全体の災害として注目されている。
 数年前に我が国初め数カ国が環境問題をOECDの諮問委員会に提起をして、今やサミットの主要テーマになっております。私も、この災害問題はいつどこかで起きるのじゃなくて、世界的に見た場合には必ずどこかで起きているんだと。そういう観点からいえば、論外国からの温かい支援にこたえる意味でも、それから五千名を超える犠牲者の霊に報いる意味でも、今、我々が検討している危機管理体制というのは、ただ日本の対応だけではなくて世界の見本になるような、世界にも貢献できるようなものをつくっていく、こういうことが今は求められていると思うんですね。
 八日から総理は社会開発サミットにいらっしゃるようでございますが、当然お礼のごあいさつもされるかもしれませんね。それから六月のサミットでも、これほど我が国の災害が世界的に注目されれば当然話題になるかもしれません。
 既にエイズもテロも、これはもう人為的なものですが、世界的な話題になっている。ある面ではこの災害問題は世界人類の宿命として永遠に挑戦しなきゃならない課題ですから、これは途上国がやろうと思ってもできないわけですから、そういう意味では、先進国、このサミットに参加している各国が責任を持って世界人類のためにそれなりの役割を果たしていくということが今求められているんではないかというふうに私は思うんですが、ここらについては、時間がなければ午後早速、総理のお考えを承りたいというふうに思っております。
#59
○委員長(坂野重信君) 穐山篤君の残余の質疑は午後に譲ることといたします。
 午後一時に再開することとし、休憩いたします。
   午前十一時五十四分休憩
     ―――――・―――――
   午後一時一分開会
#60
○委員長(坂野重信君) ただいまから予算委員会を再開いたします。
 平成七年度一般会計予算、平成七年度特別会計予算、平成七年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題とし、休憩前に引き続き、藁科滿治君の関連質疑を行います。
 その前に、総理大臣の御答弁をお願いいたします。村山内閣総理大臣。
#61
○国務大臣(村山富市君) 休憩前にいただきました御質問に対してお答えを申し上げたいと思います。
 今回の阪神・淡路地区の大震災に対しましては、世界のほとんどの国からお見舞いのメッセージが寄せられておりまするし、七十を超える国や地域及び国際機関や多くのNGOや民間の方々より御支援の申し出をいただいております。
 こうした困難なときに諸外国より届けられましたこれらの見舞いの言葉や支援の申し出に対しましては、全国の国民から寄せられておりました被災地に対する御支援と同様に、私は深く感謝の意を表したいと考えておりまするし、感謝の気持ちでいっぱいでございます。
 今後、海外からの支援につきましては、その受け入れ体制の整備に関する事項等も踏まえて、我が国としても防災の基本計画の改定に際しては十分検討してまいらなければならない問題であるというふうに認識もいたしております。
 同時に、委員から貴重な御意見もございましたが、今回の震災の経験にかんがみまして、防災について国際的な連絡協調を行うことが必要ではないか重要な問題ではないかと、こういう御提言もいただいたわけでありますが、幸いに三月十一日にコペンハーゲンで国連社会開発サミットの会合が開かれますので、私も演説をする機会に、今、委員から御指摘のございましたような問題について国際的な連絡協調の必要性について訴えてまいりたいというふうに考えておるところでございます。
#62
○委員長(坂野重信君) 藁科滿治君。
#63
○藁科滿治君 ぜひそういった趣旨の対応努力をお願いしたいと思います。
 それでは次に、国連改革と外交問題について。
 昨年九月末だったと思いますが、河野外務大臣は国連総会で演説をされました。時代に適合する国連改革について、そのためには機構改革、行財政改革、そして安全保障理事会の改組、これがぜひ必要であるということを訴えられてまいりました。その後、作業部会も設定されまして論議が始まっているように伺っておりますが、なかなか論議の展望は容易ならざるものがある、このようにも伺っており、これからの対応について、我が国が特に国連改革についてイニシアチブを発揮するためにはどういう手だてを講じていかれようとしているか、まず伺っておきたい。
#64
○国務大臣(河野洋平君) 議員御指摘のとおり、昨年秋の国連総会におきまして国連改革に言及をいたしました。
 御承知のとおり、現在の国連が五十年近い年月を経て、発足当時五十カ国を少し超えるメンバーであったものが今百八十カ国を超えるメンバーになっております。にもかかわらず、国連自体は安保理の常任理事国を初めとして発足当初の機構がそのまま残っておるわけでございます。さらには財政面でも大変な苦しい状況になってきているということもございまして、この代表制の問題あるいは百八十を超える国々が参加する総会の活性化、こういった問題は各国がみんな問題として認識をしているところでございまして、五十周年を迎えるこの節風にぜひ改革を実現するべきだということを言ったわけでございます。その後、御指摘のとおり、ワーキンググループがこの改革について、これは安保理の改革でございますが、作業をいたしております。
 議員御指摘の点は、安保理の改革ではなくて国連全体の改革についてまず考えるべきだと、こういう御指摘であろうかと思いますが、国連全体につきましては、発足当時とは違って今は、環境問題であるとか難民問題であるとかあるいはエイズの問題であるとかつまり国際社会がごく最近になって大変強い期待をかけられている問題をどういうふうにそれに対応するかというようなことを考える場が欲しい、あるいは議論をするシステムをつくるべきだ、こんなふうに考えているわけでございます。
 と同時に、安保理の改革という点につきましても今考えていかなきゃならぬ。東西の冷戦が終わりました後、各地に散見されます不安定な状況にどう対応するかということを含めて安保理についても検討する必要がある、こういった点を言及したわけでございまして、今、ワーキンググループにおきましても日本代表がしきりに我が国の主張、すなわち安保理の代表制の問題、透明性の問題等について言及をしているところでございます。
#65
○藁科滿治君 我が国が国際貢献なり国連の改革を推進していくに当たって、特にアジア諸国との連携、こういった国々の理解と協力というものが不可欠の要件になると思います。
 しかるに、昨年末、NHKが実施いたしましたアジア諸国の世論調査の資料がここにございますが、大変厳しい調査結果が出ているわけでございまして、特に韓国の結果については大変ショッキングな結果でございます。
 ごく一部御紹介申し上げますと、日本が安全保障理事会の常任理事国になることに賛成が一六・二、反対が三八・四。反対の理由が第二次世界大戦の、反省がない、これが五八・九。さらに戦後五十年を迎えての感想という設問に対して、日本による戦争の被害に今でも憤りを感じるというのが実に七三・四%、こういう結果が出ているわけでございます。
 この結果がすべてとは思えませんけれども、残念ながら、戦後五十年を経て韓国の国民が日本に対してこのように根強い不信感を持っている。まことに残念であります。こういった事実をやっぱり厳粛に受けとめなければならないと思いますが、外務大臣、どのように受けとめていらっしゃいますか。
#66
○国務大臣(河野洋平君) 韓国国民の間には過去に起因する日本に対する厳しい感情があるということは十分承知をいたしておりますし、また我々忘れてはならないことであろうと思います。
 しかし、日韓両国が将来に向けた協力関係を構築していくということは、これまた両国にとって大事なことであって、このことは両国国民が信頼関係を構築する、あるいは相互理解を進めるということによってできるわけでございますから、そのための努力というものをしなければならない。我々は、先ほども申し上げましたように、過去の歴史を直視して、未来に向けた友好関係を発展させるためのたゆまない努力を続けることが必要であろうと考えているわけでございます。
 我々は、極めて近い地理的条件にあって、双方が長い歴史の中でお互いに理解し合える部分もたくさん持っていることも事実だろうと思います。文化の源流を同じくするといったこともございます。こうしたことを十分に考えながら、お互いに次の世代に向けてよりよい関係を築き上げるために努力をしていく必要があるだろうと考えております。
#67
○藁科滿治君 ぜひこれからの外交の中身をより密度の濃いものにしていただいて、近くて遠い国ではなくて、近くて親しい国にしていただきたいというふうに思っております。
 今の御答弁で文化というような御指摘がありましたから、私はこの際、二つの民間外交の事例を細分しながら、その意義を訴えさせていただきたいと思っております。
 一つは、昨年の九月、ちょうど外務大臣が国連で演説を打たれているころでございますが、日本の劇団四季がソウルで公演をされました。この話は河野大臣も御存じかもしれません。これは両国の親善を兼ねた相互の交流事業として実現したものでございます。
 しかし、準備段階から公演が終わるまで大変な苦労が伴った。私は浅利代表に直接お話を聞く機会がございました。驚いたことに、戦後五十年で日本の団が初めてソウルで公演をした。一般の人はちょっと考えられないことです。まことに残念なことであります。誤解もあったんだろうと思いますが、韓国の政府の大変な御支援もある中で、なおかつ練習が大変な妨害に遭ったとかガラスを割られたとかそれから記者会見のときには大変な攻撃を受けて、これは誤解からくるものだと思いますけれども、反日感情丸出しで文化侵略であるという大合唱の中で記者会見をやったというような、こういう経験があるわけです。
 しかし、彼は耐えに耐えて、最後は芝居の中身で勝負をしたいということで最後まで頑張って、それで公演を予定どおり終わった。結果は大変よくて、韓国の中央劇場で初めて、政府の御協力も劇場の御理解もあったんだろうと思うんですが、立ち見席まで出て満員で、それで熱狂的な拍手で終わったということなんです。終わってからマスコミも、日本のミュージカルのレベルの高さは大変なものだということで激賞してくれたんですね。
 それからもう一つは、たしか先月の初めだったと思うんですが、テレビで放映された日韓青年交流の話でございます。
 日本の代表は宮城の若生さんという方なんですが、韓国側は学生のイムさん、この二人の出会いがたまたまドキュメントで放映された。偶然だと思うんですが、二人ともおじいさんを戦争で亡くしているんですね。ソウルで四日間交流してディスカッションをして、まさに次の世代を背負う若者ですよ。ところが、イムさんの反日感情が潜在的に強烈なものがあって、いわゆる取りつく島がないというような雰囲気だった。しかし、若生さんはこれまた忍耐強く自分の世界観やらこれからの自分が進むべき展望、夢などを語って、それでようやく最後の晩になったらイムさんの方から、本当にすばらしい日本の友人を得ることができた、またぜひ会いたいものだと、こういう話があったというんですね。
 私がここで申し上げたいのは、文化交流、民間外交、時にはやはり政府が及ばざるところを物の見事に補完しているというようなことを私は痛感させられまして、この間、若生さんとちょっと話をしたんです。そうしたら彼は、日韓にこんな厚い壁があるとは知らなかった、この壁を取り払うことはできなかったけれども多少薄くできたと、こういうことを言われた。
 外務大臣、ちょっと感想を聞かせてください。
#68
○国務大臣(河野洋平君) 劇団四季が「ジーザス・クライスト=スーパースター」という立派なミュージカルの舞台を韓国の皆さんにお見せした、その結果は大変立派な評価を得たということを私は伺っております。立派な評価をいただくまでの間には、初めてのことでございますからいろいろ難しい点もあったんだろう、御苦労もあったんだろうと思いますが、結果的に大変高い評価をいただけたということは本当によかったと思います。
 それから今のテレビで御紹介の二人の友情をはぐくむ苦労のプロセスは、私も伺ったことがございますけれども、これもまたお互いの努力によってそういうことが克服されたということは本当に感動的なものだと思います。
 私は、日本から劇団が行く、あるいは映画が行く、これらは今、行けないわけでございますけれども、行きたいと思っている人はたくさんいる。あるいは韓国の中に、聞きたいと思っている、見たいと思っている方も相当いらっしゃるだろうと思うんです。しかし、それが壁が今ある。
 しかし、これはまた逆に言いますと、我が国でも韓国から劇団がもっとたくさん来てくれるように、劇団を呼ぶ必要があるんじゃないか。また、韓国から歌手が来て歌う。これはたくさん来ておられますけれども、日本へ来て日本語で歌うのではなくて韓国語で歌うことを我々が評価をする、そういうことになったらいいと思うんですね。
 私は、非常に近い国でありながら、これは文部大臣もいらっしゃいますけれども、もっともっと我が国で韓国語の教育といいますか、韓国論を教えるということがあっていいのではないか。若者は英語を一生懸命勉強する、あるいはフランス語やドイツ語を勉強する。それと同じように韓国語についても、もっと講座があって授業があって韓国論を学ぶ、そしてその韓国語で韓国の舞台を見る、あるいは音楽を聞く、歌を聞く、そういうことができるようなこともまた考えていかなきゃいけないんじゃないかというふうに思うのです。
 外務省としては、この広報といいますか、両国間の文化の交流についてもできるだけのサポートをしていきたいと思っておりますが、と同時にやはり人と人との心の、何といいますか、胸襟を開いて、心と心のつながりが何よりも大事、それを助けるためにはやっぱり言葉というものが大事なのではないかという気持ちを持っております。
#69
○藁科滿治君 どうもありがとうございました。
 それでは最後に、これからの経済のありようという意味で総理に質問させていただきます。
 現在、経済審議会でこれからの中期的な経済計画の策定作業が始まっております。言うまでもなく、現政権は「人にやさしい政治」、これが基本理念でございますから、現在の生活者重視という路線を継承しながら、私はあえて二つのことを補強していくべきであるというふうに考えております。
 その一つは、今次災害の経験を生かして、国民の生命と財産を守る基盤をつくる、そういった社会をつくるということが一つ。それからもう一つは、戦後、我々はややもすると成長、輸出、消費、そういう面に力を注ぎ過ぎてきている。適度の振興は必要でありますけれども、そちら側の方にウエートがかかり過ぎている。逆に言えば、心の問題をどこかへ置いてきぼりにしているのではないかこういうふうに思うわけです。
 今、学校ではいじめの問題が起こっています。それから職場では過労死の問題が出ています。こういった問題は、やはり思いやりとか助け合いとかそういった心の問題がどこかに欠落しているのではないかと私は思うわけであります。老人を大事にする、両親を大事にする、兄弟を大事にする、心身障害者を大事にする、女性を大事にする、こういうような風潮がだんだん形骸化されているんじゃないかこういうふうに思うわけでして、思いやりとか助け合いとか、こういった心の質の問題を組み込んでいく必要が第二にあるんじゃないか、こういうふうに私は思うんですが、いかがでしょうか。
#70
○国務大臣(村山富市君) 今、委員から御指摘もございましたように、バブル経済から今日に至る日本の社会の傾向を見ておりますと、どうもやっぱり物の豊かさに酔いしれておったんではないかその反面、物質万能主義で心を大事にするという部面が欠けておったんではないか、こういう反省はしきりにされておると思うんです。
 しかし一面、考えてみますと、今度の阪神・淡路の大震災の中で、お互いに困った者同士が協力し合い助け合う、先ほど韓国人のお話もございましたけれども、そういう隔てもなくみんなが協力し合っておる、力の強い者は弱い者を助ける、若い者がお年寄りを助ける、こういう姿が呈されておるといったようなことも紹介されておりましたけれども、私は本当に救われる思いでそういうお話も聞かせていただいたわけでありますが、まだまだやっぱりそういう部面は大事にされてきておるなという印象を受けました。
 しかし、今お話もございましたようなこともございまして、今の経済審議会に答申をする際に私の方から申し上げましたのは、自由で活力ある創造的な産業や経済の構築は大事なことであるけれども、同時に国民が豊かで安心できる暮らしの実現というようなことも大事にしてほしい。したがって、お話のございましたような国民の生命、財産の安全や、人と人との交流を深めながらお互いにぬくもりを感じ合って生きられるような、そういう社会環境というものをやっぱり経済審議会の中でも重要視をして十分検討してほしいということをお願い申し上げておるわけでありますが、そういう点は極めて大事な問題であるというふうに認識をし理解をしてこれからも推進してまいりたいと考えております。
#71
○藁科滿治君 以上で私の質問を終わります。ありがとうございました。
#72
○委員長(坂野重信君) 関連質疑を許します。竹村泰子君。
#73
○竹村泰子君 未曾有の震災が阪神間を襲ったわけでありますけれども、全国からというよりも世界じゅうから、激励やボランティアの方々、カンパなどなど手が差し伸べられております。
 この不幸な恐ろしい出来事を通じて、日本人はもしかしたら大きな警告を与えられたのかもしれないとも思いますし、また私たちの生き方の基本が少し変わったのではないかという気もいたします。
 被災者の方々が本当に冷静な態度で助け合われ、そして本当に協力をし合っていらっしゃる、大変な苦しみの中で避難をしていらっしゃることを世界じゅうに報道され、大きな感動を与えております。私たちも、被災された方々が苦しみの中から希望を見出してくださるような対策を、そのためにはできることをすべてやり、全力を尽くしたいというふうに思うわけでございます。総理初め内閣の皆様方も本当に大変でしょうけれども、どうか頑張っていただきたいと、心からそう願うわけでございます。
 同時に、関東大震災級の地震にも耐えられるとされました高速道路や新幹線橋脚の崩壊を見るにつけましてとても気になりますのは、四十九基稼働しております原発であります。阪神間の中にもし一基原発がありましたらどういうことになったのかと思いますと、本当に背筋が寒くなる思いがするわけです。
 御案内のとおり、我が国の原発の歴史というのはまだ浅いものであります。二月一日の衆議院の予算委員会で田中技術庁長官は、三陸はるか沖地震及び阪神大震災の発生後、全国の稼働中の原発などには影響なしという答弁をなさっていらっしゃいますけれども、三陸はるか沖地震の際の六ケ所村にある核燃施設の状況について、詳しい御報告があれば教えていただきたいと思います。
#74
○国務大臣(田中眞紀子君) お答えを申し上げます。
 結論から申しますと、はるか沖地震の後、私もすぐに役所に電話をかけまして、六ケ所、それ以外のところもそうですけれども、核施設に対する安全は大丈夫かという問い合わせをいたしました。その後、調べていただいた結果といたしましては、まことに幸いなことに、今、先生もおっしゃいましたように、異常は認められないと。具体的に申しますと、現在運転中のウランの濃縮施設にも異常がなく、また低レベルの放射性廃棄物の埋設センターでございます、今ちょうど問題になって、話題になっておりますけれども、そこの施設にも異常がないということは確認をいたしました。
 ですが、これから先生が多分お尋ねになることだろうと思いますのでちょっと先行するかと思いますけれども、よろしゅうございましょうか。それともお尋ねがあってからにいたしましょうか。
 では、またお尋ねがあったらお答えします。
#75
○竹村泰子君 今回の阪神大震災の際にも多くの水道の継ぎ手に被害が出ております。この配管の集合体といってもいい原発ですけれども、その原子炉本体ももちろんですが、例えば加圧水型では一次系から二次系への継ぎ手などについても、仮に今回級の地震があった場合どのようになりますでしょうか。原子炉の耐震設計は四百ガル程度だというふうにお聞きしておりますが、通産大臣、今回は最大八百ガルだったわけですね。どのようにお考えでしょうか。
#76
○国務大臣(橋本龍太郎君) 資源エネルギー庁長官からの答弁をお許しいただきたいと思います。
#77
○政府委員(川田洋輝君) お答え申し上げます。
 今回の阪神・淡路大震災の際における原子力発電所、先ほどお触れになりましたように、日本では今、四十九基、四千五十三万キロワットの原子力発電所が動いておりますが、これらについていずれも影響は生じておりません。
 そこで、今お話しの配管の問題でございますけれども、私ども同時にガス事業を所管いたしておりますので、ガス事業との関連で見てみますと、いわゆるねじ込み継ぎ手というものを使用しているものについては大変大きな被害が発生をしているというふうに言われております。これはさきの釧路沖地震の際にもガスが大分支障を生じましたが、このときもねじ込み継ぎ手を使っているものについて被害が多かったようであります。
 これに対しまして、原子力発電所の主要な配管につきましては、その継ぎ手につきまして技術基準に基づいた溶接というのを原則にいたしておりまして、もう一つ、大変強固なボルト接合によりますフランジというものを用いて接合するということになっております。これらにつきましては、国が使用前検査を実施しているほか、溶接につきましては溶接検査を実施いたしておりまして、その安全性の確保に万全を期しているところでございます。
 また、主要な機器、配管にはサポートやショックアブソーバーが取りつけられているほか、ただいま先生もお触れになりましたように、原子力発電所全体として大きなシステム型装置でございます。そういうものを十分考えた上で十分な耐震設計を行うということにされておるところでございまして、配管の問題も含めて、現在、耐震上の安全性に問題はないものということが我々考えているところであります。
 ただ、これに慢心することなく、その安全性の確認をしながら、より安全なものにしていく努力が必要であろうと思っております。
#78
○竹村泰子君 安全安全という安全神話で日本の原発行政は来たわけでありますけれども、八百ガルを超えるような地震のことを本当にだれも考えていなかったかもしれない。今、だからあなたが安全であると、慢心することなくとおつけ加えになりましたけれども、ぜひ見直しをしていただきたい。
 二月三日、原子力安全委員会は原子力施設耐震安全検討会を開かれました。これは一月十九日に設置されたのでしょうかつまり地震の二日後に設置をされたわけですけれども、耐震設計審査指針等その妥当性について検討していらっしゃる途中だというふうにお聞きをしておりますが、仮に見直しをするということになったならば、現在稼働中の原発についてはどのように対応なさるおつもりでしょうか。
#79
○国務大臣(田中眞紀子君) 今のお尋ねでございますけれども、このたびの地震の事実関係を今、情報を収集して分析中でございまして、その結果を得まして具体的に指針に盛り込みたいと思っております。
 技術的な問題につきましては安全局長から御答弁申し上げますが、先日の答弁もちょっと余り安全でないような印象を与えかねないような発言をされましたので、それにも加えまして私も納得がいきませんので、もう一回詳しく説明をさせます。
#80
○政府委員(笹谷勇君) お答えいたします。
 原子力発電所の立地に当たりましては、活動性の可能性のある活断層、これを避ける、そしてまた、かたい岩盤上に設置するということがまず基本でございます。その上で、その立地点で想定されます局限的な地震を想定いたしまして、その重要度に応じました耐震設計をいたします。さらに、稼働いたしている原発がある一定の地震を受けますと自動的に原子炉が停止するということになっております。このように、立地、設計、運転管理、こういう各段階で耐震対策は十分とられているわけでございます。
 しかしながら、原子力安全委員会においては、安全確保には万全を期すという観点から耐震の設計指針を確認し検討するという検討会を設置いたしました。先生おっしゃいましたように、地震の二日後に直ちに設置いたしまして、現在、各方面での検討状況の情報を収集し、この地震にかかわります事実関係を詳細に把握して分析しているところでございます。
 いずれにいたしましても、先生御指摘のありました既設の施設を含めまして、今回の地震の経験を十分踏まえて原子力施設の地震対策には万全を期してまいりたい、このように考えております。
#81
○竹村泰子君 今お答えいただきました笹谷安全局長、あなたが二月一日の衆議院予算委員会で答弁をなさっているんですけれども、大変おもしろい答弁をしていらっしゃるんですね。原発等の耐震設計の基本というのは、活動性のある活断層の付近は立地点を避ける、しかし、付近の活動性の低い活断層については最大のものを想定して評価するとなっており、建築基準法で定める基準の地震力の三倍の地震力を想定している、こういうふうにお答えになりましたね。
 私、これを聞いていて大変おもしろいと思ったんですが、まず阪神大震災の震源地は活動性のある活断層の付近と言えますか。野島断層などについてはどのような活断層と思っておられるのでしょうか。それから活動性の低い活断層とはどういうものなんでしょうか。活動性の低い活断層について最大のものを想定してとおっしゃっていますけれども、ここで言う最大のものとはどのくらいの規模の地震なんでしょうか。
#82
○政府委員(笹谷勇君) お答えいたします。
 先生おっしゃるとおり、活動性の高いものについてはその活断層について評価し、活動性の低いもの、これについても評価いたしております。
 それで、その活動性の高いものといいますのは、ちょっと専門的で恐縮でございますが、一万年以内に地震が発生する可能性のあるものについては、設計をする隠そういうものについて十分耐えるように設計いたします。この活動性の低い活断層の場合は、起きる可能性は非常に薄いわけでございますが、一たん起きると今申し上げました活動性の高い活断層より大きな地震力を生じるもの、こういうものについても設計上、限界地震ということで、ほぼ起こるようなことはないんですが、そういうものに対しても十分耐えるように対策をとっているということでございます。
 それで、野島断層の件でございますが、「日本の活断層」という、学術書だと思いますが、これにその活断層について記述されております。確実度一、それから活動度Bということでございます。活動度Bといいますのは、恐縮でございますが、一年当たり一ミリメートルの移動速度、こういうものでございまして、そういうことからいいますとかなり地震の頻度が高いものでございます。
 最大はそういうことでございまして、どれぐらいのものに耐えるかというような御質問でございますが、これは非常に数字を挙げて申し上げるのは難しい点もございますが、震度階で申しますと四百ガル以上を震度七という表現をしてまして、震度七以上は無制限になっておりますので、震度七に耐えますというと必ずしも正確ではございません。非常に大胆に申し上げますと地表での加速度については八百から千ガル、いろんな前提がございますが、十分耐えるような実証試験を含めまして確認しております。
 長くなって恐縮でございます。
#83
○竹村泰子君 よくわからないですね。私も素人でございますから、「日本の活断層」という東大で出していらっしゃる大きな本、ちょっと重いので持ってこられませんでしたけれども、見ました。
 日本じゅう活断層だらけなんですけれども、地質学の何というか、時間のタームというのは、十七万年とか十数万年とか大変な我々の尺度ではない尺度でおっしゃっているようなんですけれども、それにいたしましても例えば福井県の敦賀半島あたりは、日本原子力発電敦賀発電所とか新型転換炉「ふげん」あるいは高速増殖炉「もんじゅ」などが密集している。しかし、ここの近くには断層がございます。
 そして、野島断層などについてどうかと今お聞きしましたが、安全局長は素人に説明しても多分わからないだろうとお思いになったのかどうかわかりませんけれども、断層か活断層があるいは活動する可能性があるのかないのかそういうことというのは非常に難しいというのは私もよくわかりますけれども、本当にそういうことを考えておりますと、断層があるからそれが活断層になるとは限らないと思いますし、その上に十七万年動かない地層があるからそれはもうこの後も動かないんだということも蓄えないと思いますし、本当にこれは大変難しいことだと思います。
 今回の阪神大震災の震源地は、地震予知連の特定観測地域の西外れに位置していたというふうに思います。我が国の現在稼働中の四十九基の原発で、この予知連が示した特定観測地域及び首都圏観測強化地域の中に柏崎刈羽、東海、常陽、浜岡、敦賀、美浜、高浜、大飯、もんじゅ、ふげん、島根、伊方などの原発が含まれておりますね。
 六ケ所村や福井県に大きな活断層の存在が、ある学者たちのグループによって指摘されていることも御存じと思います。もちろん科技庁は否定していらっしゃるんですけれども、たくさんの学者たちが六ケ所村の下に、私もここに図がありますけれども、確かに断層は二つあります。(資料を示す)断層はきれいに見ることができます。ですけれども、これが活断層であるかどうかということは、それはまだ諸説紛々というところのようでありますけれども、それぞれの原発の耐用年数などを考えますと、仮に耐震設計の基本を見直したとしても、それだけで果たして本当に大丈夫なのだろうかという思いがいたしますが、長官、いかがでしょうか。
#84
○国務大臣(田中眞紀子君) 先ほどの安全局長の答弁で、ますます何かちょっとおわかりになりにくくなったとしたら、まことに申しわけないと思います。私の方がもう少しよく御説明できるかと思いますので、努力させていただきたいと思います。
 先ほど申しましたのは、要するに文献調査、活断層もあれですけれども、日本はとにかく二千以上の活断層があって、その上に日本列島が成り立っております。逃げられないんですね、これはもう日本列島に住んでいる限りは。そうして、そのときに文献調査それから空中写真の判読とか地表の地質調査、海上音波の調査、ボーリング、トレンチ等をやっておりまして、あらゆる技術でもって調査をして、そして何万年、何十万年、先ほど先生具体的な地層もおっしゃいましたけれども、活断層でないというところ、それぞれのサイトがたくさんございます。浜岡にいたしましても九州にしましても、福井県、新潟県、福島県ございますけれども、とにかく活断層でないというそれぞれのサイトを探しまして、そこの岩盤上に立地をしております。まずそのことを御理解いただきたい。
 それから、しかも耐震構造をやっておりまして、そして緊急の場合には自動制御もできますし、それでも何かの場合がありますので、万一ということが一番大事でございますし、安全管理、危機管理というものはやっぱり人間が一番アラートな状態でなければいけませんので、自動制御をできるように二十四時間体制でやっているということが実情でございます。
 それであとは、今もう一つお尋ねくださいましたのは何でございましたでしょうか。もう一点おっしゃいましたことは何でしたか失礼しました。
#85
○竹村泰子君 六ケ所村ですか。
#86
○国務大臣(田中眞紀子君) そうですね、済みません。
 六ケ所につきましても、同じように立地条件を考えてつくられております。
 ただ、とにかく日本が原子力政策、いつも総理も言っていらっしゃいますけれども、将来のエネルギー需要がふえていって、そして化石エネルギーも減っていって、今、一生懸命新エネルギーの開発を急いでおりますけれども、原子力政策を推進しなければならないということと、断層がたくさんある中で日本列島が成り立っているという中で、どのようにしてエネルギー政策を遂行していくかという基本的な問題がありますので、そういう観点、視点を忘れずにやはり御議論いただきたいというふうに思います。
#87
○竹村泰子君 もちろんよくわかって議論をしておりますつもりでございます。
 非常に物すごいタームの地層の問題を考えていきますと、やっぱりこれはどこだから安全、どこだから危ないというふうなことは言えないわけで、関西の今度の大地震もだれも起こるとは予想しなかったわけですから。
 そういう意味で言いますと、この地震列島と言われる活断層が至るところ走っている国で、いつの間にか原発は四十九基になっている。これは電気事業者がつくるわけでして、国民も知らぬ間にふえていってしまうわけですね。国会の承認も必要ありません。ですから、住民の不安や反対で立地が抑えられている例もありますし、立地が非常に難しくなっているということは聞いておりますけれども、裁判が起こされても大きな権力の前には結果的には負かされてしまうわけです。
 放射能は一たん漏れてしまいますと、地域に大きな被害を及ぼすばかりではなく生態系にも影響してまいりますので、これは子供たち、孫たちの世代にも非常に大きな取り返しのつかない被害を及ぼしてしまうわけです。放射性廃棄物はとりあえずは六ケ所村に三十年から五十年保管されるわけですけれども、その後、最終処分地も決まっていない。そういうまま原子力行政は走り出してしまっているわけです。この狭い国に四十九基というのは私は恐るべき数字だと思いますけれども、その最終処分地はもしかしたら北海道の幌延なのではないかと、私どもはずっとこのことを案じてきたわけです。
 私は、ここでその結論を出して、原発政策をやめますとか減らしますとか、すぐにもちろんおっしゃれないのはよくわかっておりますけれども、与党とか野党とかということじゃなくて、私たちこの現代に生きる人間一人一人が、そして内閣に属される皆様お一人お一人が、あるいは国会議員の一人一人がやっぱり考えていかなきゃならない問題ではないかと思います。
 そこで、長官と総理に二つ提案を申し上げたいと思いますので、御感想をおっしゃってください。
 一つは、やっぱりクリーンなエネルギーの開発。原発四十九基つくる何分の一がでいいです、クリーンなエネルギーの開発に使えば、原発を超えた脱原発の新しいエネルギーの政策が必ずつくっていける。通産大臣もそうお思いになると思います。もう既にかなり予算を使って開発を工夫してくださっていることはよくわかりますけれども、これをやはり新しいエネルギーの国に日本をしたい、そうしようではありませんかという御提案を今、私、申し上げたいと思っています。
 それからもう一つは、地方分権の議論が盛んですけれども、私は、地方分権というのは行政単位で考えるのではなくて広範な、今度のような災害では県単位でなくては、市町村単位ではやっぱり十分機能しなくなってしまいます。そのために行政ブロックを一つの政府という考え方、これはきっともう考えていらっしゃると思いますけれども、共通の条例やシステムを設けて、いざというときに対処するということで、各ブロック内では県を超えてこういう避難所や避難施設を整備する。
 今のクリーンなエネルギーも、太陽熱やそういった風力などの自家発電、代替エネルギーの確保もそういう行政のレベルでブロックですることができたら、きっと災害を予防する国家、そしてクリーンなエネルギーの国家というものがつくっていけるのではないかというふうに思うのですけれども、長官と総理の御感想をお伺いいたします。 
#88
○国務大臣(田中眞紀子君) 常々私も考えているようなことを御提言していただきまして、大変ありがたいと思っております。
 一つ目のクリーンエネルギーの問題につきましては、脱原発というようなことは完全に実現するのは難しいかと思いますけれども、ソーラー、太陽の光、熱等の利用及び燃料電池もそうでございますし、ITERの開発、核融合ももちろんございますんですけれども、やはり今、先生がおっしゃったように、化石燃料と原手力そして新エネルギーを併用してうまく使って、バランスよく使い分けることによって子孫に伝えていけるようにする、そのための英知を傾けていくべきだろうというふうに思います。
 それから二つ目の地方分権については、もちろん総理の方からお答えになると思います。
#89
○国務大臣(村山富市君) 日本の産業経済を維持して、国民の暮らしを保障していくという前提から考えた場合に、これはもう欠かせないのはエネルギーです。
 そのエネルギーをどう充足していくかという、これは長期的な計画も持って計画的に進めているわけでありますけれども、今、委員御指摘もございましたように、できるだけ環境が保全をされるという視点も私は大事だと思いますし、それから同時に、今御指摘もございましたようないろんな厳しい困難な、危険が伴うと思われるようなものではなくて、可能な限りクリーンなエネルギーでもって充足できるようにしていくという努力も私は本当に大事なことだと思います。
 例えば太陽光とか、それからごみによる発電とか、いろんな工夫も凝らしながら今、力を入れて、補助金も出してそして促進をしておる、こういう状況でありますけれども、しかしそれが右から左にすぐ可能になるということもございませんので、やっぱり全体として必要なエネルギーというものは充足しなきゃならぬ。こういう状況にあることについても御理解をいただきたいと思いまするし、その限りにおいては、何よりも安全性というものをやっぱり最重要視してきちっと保障していくということが大事ではないかと言われることは、もう御指摘のとおりだと私は思います。
 それから分権の問題に関連をしてでありますけれども、今回のような阪神・淡路地区のような大変広範囲にわたるような地震というものは、これはもう当然考えられるわけですね。ですから、関東なんかの場合には一都八県ですか相当広域的な分野で共同して防災訓練が行われておる、しかもそれにはもう関係者が全部参加して一緒にやられておる、こういう状況であります。したがって、単に市町村とか県とかという単位ではなくて、広域的なブロックでもって共同して防災訓練を行うとかあるいは防災計画を立てるとかいうような視点というものもこれからやっぱり大事に検討していかなければならない課題であるし、防災計画をこれから見直す場合にはそういう視点も大事にして検討してもらわなきゃならぬ問題であるというふうに私は認識をいたします。
#90
○竹村泰子君 ありがとうございました。
 それでは、核の放射性廃棄物の輸送の方に移りたいと思いますけれども、余り時間がなくなってしまいました。
 使用済み核燃料から出た高レベル放射性廃棄物、けさの穐山先生の御質問にもありましたように、今ポルトガルの沖を過ぎたあたりを航海中かと思いますけれども、日本は国際的責任をきちんと果たしていないのではないか。二月二十三日の外務委員会で、外務大臣、規定を守っている限り責任はないと。もし何かあって事故が発生して沈んだり火災が起きたりした場合に、日本政府は賠償責任を負うのでしょうかどうでしょうかという質問に対して、規定を守っている限り責任はないというふうにお答えになったと聞いておりますけれども、どうぞお答えいただきたいと思います。
#91
○国務大臣(河野洋平君) 政府に責任があるかと、こういうお話でございましたから、国際ルールにのっとって国際的に決められたルールをきちんと果たしていれば事故は起こらないだろうということを申し上げました。それにもかかわらず万が一事故が起きた場合にということであれば、今回の場合には電気事業者が行っております作業でございますから、それは電気事業者がその責任を負うべきものだということがルールだろうと思います。
#92
○竹村泰子君 高レベル廃棄物の通過に当たっては、ガラス固化体の仕様、これを日本の関係当局が承認をする必要があるということになっておりますけれども、日本ではこの仕様の承認をしたのでしょうか。したのであれば、どこが承認したのでしょうか。それはどんな基準に基づいて承認したのでしょうか。
#93
○国務大臣(河野洋平君) 申しわけありません、私の答弁は舌足らずでございまして、電気事業者と申しましたけれども、運搬中の事故の場合には運送業者であろうかと思います。
#94
○政府委員(岡崎俊雄君) 今回の返還されます高レベル固化体について内外の関心が大変高いわけでございます。あるいはその安全性に対して御心配をされる方が大変多うございます。したがいまして、今回の輸送に当たりましては、できる限りその輸送に関する情報を公開していくという姿勢で臨んでまいりました。その結果、事前にその安全性についての情報を公開したわけでございますが、その中で実際に返還されます固化体がどういうものであるかということも十分お知らせをしているつもりでございます。
 それからただいま先生から御指摘ございました仕様の承認でございますけれども、これはいずれ日本が引き取るわけでございますので、事業者からの問い合わせに対して、科学技術庁がその返還されます固化体の仕様についての審査をいたしたことはございます。
#95
○竹村泰子君 通過する国々から大変な反対が出ておりますが、環境影響評価についてはどうなっておりますでしょうか。
#96
○政府委員(岡崎俊雄君) くれぐれもこの輸送が、輸送容器あるいはその輸送に使われます船というものが国際基準にのっとって十分安全に行われるということを繰り返し御説明申し上げてまいりました。ただし、万が一それが沈んだ場合にどうなるかということについての御心配もございましたので、その点について評価をいたしまして、十分それが安全であるということもお示しをしたところでございます。
#97
○竹村泰子君 十分安全であるというような評価は私たちは受けておりません。例えば火災が起きたときの耐熱の検査も、それから容器の落下テストも、日本がやったのではなくて全部外国でやっているわけだし、船の火災が起きたときにそんな三十分でおさまるなんてことは全然思いませんし、国民が信頼できないそういう安全性のもとでだれに一体責任があるのかわからない、そういう状態で運ばれてくるということに非常に不安を覚え危倶を覚えます。日本が出したものですから受け取らないなんて言えないと思いますし、受け取らざるを得ない。
 やはりこういった問題を、きょうは時間がなくなってしまいましたけれども、また引き続き私たちは考えていかなければならない。その受け取り方も決まらないまま船は出発しているわけですから本当に困ったことだというふうに思いますが、今後ともしっかりとみんなで考えていきたいというふうに思います。
#98
○国務大臣(亀井静香君) 委員御承知と思いますが、使用しております船舶は特別仕様の二重底等の特別に強化された船でございまして、これはそのために建造された船でもございますから一般の船舶とは違うわけでもございますし、安全性については、先ほど他の委員の御質問にもお答えいたしましたけれども、日本といたしましては船舶安全法に基づく事前のチェックをいたし、フランス政府は立入検査等を詳細にやった上で安全性を確認いたしておるわけでございます。
    ―――――――――――――
#99
○委員長(坂野重信君) 以上で穐山篤君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ―――――――――――――
#100
○委員長(坂野重信君) 次に、磯村修君の質疑を行います。磯村修君。
#101
○磯村修君 私は、初めに財政のあり方につきまして一言お伺いしたいと思うんですけれども、国の財政も、非常に税収の落ち込み、それによって大変窮屈になってきている、そうした中でいろんな国民のニーズにこたえていかなければならない、大変厳しい環境の中で財政を運営していかたきゃならないという、よく理解できるわけでございます。
 そこで、できるだけこれからの財政というものは、これまでの毎年度の積み増し型のこういうやり方ではなくて、もう少し本当に国民のニーズに的確にこたえていける事業、そういう事業に絞って財政というものを組み立ててはどうか、予算というものを組み立ててはどうか、いわば小さな政府を志向するようなそういう考えで予算というものを考えていったらどうか、こういうふうに思うわけであります。
 これまでの行き方をずっとやっていきますと、非常に歳入増加策というものを考えていかなきゃならない。それはつまり増税につながっていく、国民のかなりの負担につながってくるということにもなるわけですね。そういう観点に立ちまして、総理は、簡単な言葉で言えばこれからも大きな政府を志向していくのか、あるいはこれからはできるだけ財政を的確に絞って運営していくそういう小さな政府を志向していくのか、まずその辺のことを一つお伺いしておきたいと思います。
#102
○国務大臣(村山富市君) 今、委員からも御指摘がございましたように、日本の財政が巨額な国債を抱える、同時に高齢化社会等を迎えながら財政需要というものは一層大きくなっていく、こういう状況にある。それにかてて加えて、最近の経済の動向等から見まして平成五年度決算においても税収が三年間連続して減少する、こういった厳しい状況にあることはもう御案内のとおりであります。
 それだけに、これから財政を考える場合に、できるだけ公債残高が累増しないようにするためには、歳出の必要な経費についての根源まで一遍洗い直して、そして見直しをするということも大事なことですし、同時に、今お話もございましたように、政策を選択して必要なものからやっていくというぐらいの厳しい態度でもって取り組んでいくことが大事ではないかというふうに思います。
 しかし、大きな政府がいいのか小さな政府がいいのかという二者択一で選ぶということは、私はやっぱり大変難しい問題があると思いますね。国が当然やらなきゃならぬことはそれは国として背任を持つと。これはやっぱり身近な問題として地方自治体が創意工夫を凝らしてやっていただいた方がいいというような問題については、これは当然分権の時代ですから地方に負担をしていただくということも大事です。そういう意味におけるお互いの役割というものを分担し合っていくということは極めて大事なことだと思いますけれども、それが結果的に大きな政府になるのか小さな政府になるのかということは結果によって判断をされるものであって、二者択一でどちらを選ぶかということをここでお答えすることはなかなか難しい問題ではないかというふうに思っております。
 基本的にはやっぱり住民に身近な問題は地方自治体でもってやっていただく、それを政府は大きな立場からバックアップする、支援をしていくというような考え方というのは大事なことではないかというふうに私は思っていますし、自治体を通じて、できるだけ弾力的に需要に対応できるような日本の財政体質というものを心がけていくということは大事なことではないかというふうに認識をいたしております。
#103
○磯村修君 とにかく概算要求の基準を設定するときにも十分に事業の選択というものはでき得ると思うんですね。そしてまた、最近の動きから見ましても、例えば七年度予算では防衛費を削減している。あるいは今回の震災の復興に振り向けていく費用も、公共事業を一律に五%削減する、凍結するというふうなこともやればでき得る要素があるわけなんですね。そういう意味合いにおいて、これからは的確な予算というものをつくって、できるだけ将来に負担がかからないような財政運営というものをぜひ進めてほしい、こういうふうに思います。
 それからこういう財政状況の中でいよいよ阪神・淡路大震災の復興もしていかなきゃならないということになるわけなんですけれども、この震災を教訓にしまして危機管理の問題がいろいろ議論されてまいりました。これは的確な情報を収集できる体制、そしてその情報に基づいて初動ができるシステムを確立するということがこれからの災害、震災に対して大変重要なことであるわけです。あわせまして、財政上の震災、災害に対する危機管理と申しましょうか、第二、第三の震災に向けての準備と申しましょうかそういうものも必要ではないかと思うんです。
 私は、そういう災害とかあるいは大きな震災に対する備えを持つためにも、今こういう窮屈な中から復興を考えていかなきゃならないという立場に立った場合、特別会計というものを一つつくって、そして将来、第二、第三の震災が起きたときにはそうした特別会計からぱんと支出できるようなそういう形をつくることも危機管理の一つではないか、こういうふうに思うわけなんです。
 例えば新潟地震の場合を見ますと、昭和三十九年六月十六日の新潟地震に際しまして、日本の国の保険体制というものが十分でないというふうなことが国会でも非常に論議されて、そして地震再保険特別会計法という法律が四十一年の五月十八日に施行されているわけであります。あくまでもこの制度というのは、いわば民間の保険会社の資力をもってしても担保し得ない大きな地震損害に対する担保を再保険の形でもって国が引き受けている、こういうシステムになっているんですけれども、例えば今回のような震災が発生した場合に、これはもうこれだけの枠のものですから、直ちにこれが使えないわけですね。例えば防災とかあるいは震災に対する事業として使えないわけです。これはあくまでも保険ですからね。
 ですから、過去にこういう一つの経緯があるわけですから、でき得るならば国がそういう純粋な特別会計というものをつくれればそういうものがいいんだろうし、もしそれが非常に技術的にも難しいという問題があれば、こういう制度を少し改めて、拡大して、そして防災事業にも使えるようなお金、あるいは一たん大きな震災が発生した場合にその災害に対して使えるような枠組みができないものかこういうふうに思うんです。私は、やはり国も危機管理の一つとして特別会計あるいはこういうものを拡大してそういう制度的なものをつくってはどうか、こういうふうに思うんですけれども、大蔵大臣、いかがですか。
#104
○国務大臣(武村正義君) 今回の大震災の反省に立った一つの貴重な御提案だと思って伺いました。
 昨日も基金という御提案もあったわけであります。基金についても特別会計の御主張もある意味では似ているわけでありますが、財政に余裕があればといいますか、健全な財政状況でもう過去の借金もほとんどない、そういう中で少し切り詰めて将来に備えようと。本当は財政はそうありたいと思うんですけれども、今こういう状況でございますだけに、それはわずかな額ならともかく、こういう大きな震災も含めた危機管理、財政上の危機管理として一定の資金を用意するとなると相当な量でございます。それだけの量の基金なり資金を用意することになりますと、どう考えても建設国債を発行して積むということに、今の財政、昨今の財政状況で言えば、正直に謀ってそれしか道はないと。それはまた金利を伴いますから財政運営上大きな矛盾を抱えることになりまして、一にも二にもやっぱり我が国の財政を健全化した、そういう状況の中で今の御提案が生きてくるといいますか基本的には大変震災の反省に立った御提案だと思って真剣に承りました。ぜひ将来のテーマにと拝聴させていただいた次第であります。
#105
○磯村修君 大蔵大臣の御答弁を伺いまして、将来に向かって一つの課題としてぜひ御検討願いたいと思うんであります。
 それから、総理、行政改革の問題なんですけれども一言伺いたいんですが、きのうも総理は、特殊法人の問題については年度内に決着をつけたいというふうな御趣旨の発言をなされております。それから総務庁長官も、政府の立場で従来でき得なかった、十年間ですか、でき得なかったものを今日こういう姿でもって提案することができた、こういうお答えもあったわけでありますね。これは政府としてはそういうふうなお立場でありましょう。しかし、国民の側から見た場合に、やはり今進めている例えば特殊法人の統廃合あるいは民営化の問題につきましても、そういう行革が進めばどういう結果が生まれてくるんだろうかというのがなかなか国民の目には明確に見えてこないんですね。政府は幾ら説明してもなかなか具体的なものがないから、いわば具体的な説明がない限り、やはり国民の目に映るものは何となく漠然とした何かよくわからないというふうなものではないかと思うんです。やはりそこには例えば特殊法人をこういうふうに統合したり民営化したりあるいは廃止したりしていけばこういう結果が生まれるんだ、財政的にもこういう結果が生まれるんだ、あるいはそこで失われた職員の雇用もこういう対策でもって臨むんだと、こういうふうな具体的なものを国民の目の前に明確に示していかない限り、なかなか国民も納得し得ない問題だろうと思うんですね。
 国民の側から見ればそういうふうな立場も言えると思うんですけれども、そういう意味合いにおいて総理は今の行革の進みぐあいをどういうふうに評価しているのか。国民もなかなか納得しない面が多いわけですから、総理としてはどういうふうにそれを評価し、これからわかりやすくどういうふうに対応していくのかその辺、一言伺っておきます。
#106
○国務大臣(山口鶴男君) お答えいたします。
 三年以内に十四の法人は七つに統合いたしますので、ああなるほど特殊法人がこのように減ったなというのは明確におわかりいただけると思います。また、社会保障研究所は廃止ですから、これも明確におわかりをいただけると思いますし、さらに本四公団あるいは営団地下鉄、期間は若干かかると思いますけれども、これも民営化していくわけでございますから、ああなるほどそうかということで御理解いただけると思います。
 そればかりではなく、九十二ございますすべての特殊法人、組織、機構、全部見直すことにいたしました。特に道路公団あるいは住都公団等におきましては子会社が大変多いわけであります。道路公団のごときは、サービスエリアなんかは特定の子会社が運営している。なかなか一般の人たちが参入できない。こういった子会社の問題につきましても、今回はこれを国民の目にわかるように透明化していくということもつけ加えておるわけでございますので、そういう意味では国民の目におわかりいただけるような特殊法人の整理合理化を断行できると、かように思っております。
 それから先日、地方分権に関しましては推進法案を提案いたしました。これにつきましては、地方六団体、そしてまた地方制度調査会長、大変努力をしてよい法律を提案いただいたと高く評価をいただいた声明もいただいている次第でございます。
#107
○国務大臣(村山富市君) 今、総務庁長官の答弁で私も尽きると思いますけれども、率直に申し上げまして、この委員会でも今お話がございましたような質問がなされるぐらいですから、国民の目から見たら一体特殊法人はどういうものを言うのかあるいは十四の法人を七法人に統合するとか、あるいはまた五つの法人について廃止、民営化すると言われているけれども、具体的にどういうふうに変わっていくのかというのはなかなかやっぱり目に見えてわかりにくいと思いますね、正直申し上げまして。これは私はやっぱり懇切丁寧に国民にわかるような形でPRする必要もあるというふうに思っております。
 正直に申し上げまして、これは六年の二月に、細川内閣のときに、二年間かけて特殊法人の見直しをする、こういう決定をいたしておりましたけれども、やるのならひとつ前倒しをして一年ぐらいで思い切ってやろうじゃないかというので、内閣で確認をいたしまして、そして自分が所管をする所管の中身について、内容についてもう徹底的な見直しと洗い直しをしてほしい、そしてやれるだけのことはやってほしいというので、各省にわたる自分の所管に関する問題については、先ほど来お話がございましたようなことで二月十日に一応の報告をいただいたわけです。これはこれで確認をいたしました。
 しかし、年度内までにはまだ時間もあるわけですから、やるだけのことはひとつやり尽くそうではないかというので私の方からまたお願いを申し上げまして、今努力の過程にあるわけです。ですから、これで終わっているというわけではございません。
 それからまた、今お話もございましたように、規制緩和もこの年度内に五カ年計画をこしらえて、そしてこれは内外から注目をされている課題でもございますし、国民の暮らしにも大きな影響がある問題でありますから、もう徹底してひとつ洗い直して取り組んでいこうといって今作業を進めている段階にもございます。
 それからまた、国の基本的な行政の仕組みを変えていくという意味では、私は地方分権というのは大変やっぱり大きな課題を担っていると思うんですが、そういう法案もこの国会に提出をして皆さん方の御審議をいただきながら進めていこう、こういう構えでおるわけでありますから、この内閣としては、私は本当にお互い一体となって真剣に取り組んでおる姿というものは正しく御理解をいただきたいというふうに思います。
#108
○磯村修君 行革はやはり村山内閣の大きなテーマでもございます。ぜひ国民が理解できるそういう透明性を持った行革の推進をお願いしておきたいと思います。
 それから被災者の問題につきましてちょっとお話ししておきたいと思うんですけれども、今回の阪神・淡路大震災、被災された方々もこれからの生活ということが非常に重要な問題として残されているわけであります。
 そこで、まず通産大臣にお伺いしたいんですけれども、経済の活性化、経済活動が早く立ち直ってほしい、こういう意味合いから、やはり従業員を抱えながらも仕事をする場所がない、工場がない、こういうふうなことで大変困っている企業もあると思うんですね。そういう意味合いにおいて、この中小企業の対策についてはいろいろの対策がとられておるわけですけれども、こういう地場産業の早期操業ができるようなそういう体制をやはり公的な資金によってできないものかどうか。例えば仮設の工場をつくってそれを貸与するとか、そういうふうな対策はお考えかどうか、お伺いしたいと思います。
#109
○国務大臣(橋本龍太郎君) 委員が御指摘になりましたような方向に現実に私どもも努力中であります。
 そして、先般ようやく、たしか二十四日ぐらいでありましたが、神戸市、兵庫県の方で場所の選定が終わりまして、ケミカルシューズ関連で二地区、そして機械金属等で一地区、計三地域を選定いただきまして仮設工場の建設に入りました。恐らく今月末には、ケミカル工場の予定いたします一地区及び機械金属等に充てます一地区の入所が開始になろうかと考えております。
 なお、ここにお入りをいただく方々は皆、被災者でありますから、家賃あるいは共益料といったものも費用の徴収はするわけでありますけれども、それぞれ平米当たり五百円、平米当たり十円という価格に設定いたしておりまして、十分これが役立ってくれるものと期待をいたしております。
#110
○磯村修君 それから厚生大臣にお伺いしたいと思うんですけれども、被災者の中には住宅の問題があるわけですね。例えば高齢者とかあるいは障害者、こういう方々の仮設住宅への入居ということなんですけれども、やはり高齢者、あるいは障害者の場合は特にその障害の程度にもよるわけなんですけれども、いろんな装具が必要になってくるわけですね。そういういわば備えられた仮設住宅というものも必要ではないかと思うのであります。そして、そうした人たちをできるだけ優先的に措置できないかというふうな声も聞くわけなんですけれども、その辺のお考えをひとつ伺っておきます。
#111
○国務大臣(井出正一君) 今回の震災によって大変な方が今不自由な避難生活をされていらっしゃるわけでございます。その中にお年寄りや障害を持った方も大勢いらっしゃるものですから、今、鋭意建設をしております仮設住宅の方もそういう皆さんに優先的に入っていただくというのを一方で進めておりますが、もう一つ、高齢者、障害者向けの仮設住宅を、実はきょうから着工が始まったと思いますけれども、神戸市あるいは芦屋市等で二十カ所ぐらいの場所が確保できたようでございます。千五百室程度を用意しようという計画が今着工になったところでございます。
 これは実は、身体的あるいは精神的に虚弱な状態にある今申し上げたような皆様方が、単身あるいは御家族と一緒に従前の居住地に比較的近い地域で福祉等のケアを受けながら生活することができるよう整備しようとするものでございまして、例えば出入り口の段差の解消とか、あるいは廊下、階段には手すりをつけるとか、あるいはお部屋、トイレ、浴室には緊急ブザーをつけるなど、高齢者、障害者に配慮した仕様のプレハブ二階建てのいわゆる寮形式でございます。
 この整備、今、千五百室と申し上げましたが、当面、土地の確保状況等を踏まえた地元の要望による数でございますが、現在、高齢者等の実態把握を各市町が徹底的にやっておるところでございます。その結果も踏まえまして増設がもし必要と認められた場合には、県とも緊密な連携をとって適切に対応してまいる所存でございます。
#112
○磯村修君 それとあわせまして厚生大臣にお伺いしたいんですけれども、高齢者の中でも、今回の大きな震災でもって、ひとり暮らしのお年寄りもかなりいるわけであります。これは先日、建設委員会でも公営住宅につきまして質問した経緯がありますけれども、例えばこういう一人残された、あるいはひとり暮らしのお年寄りを収容できるような養護施設と申しましょうか、将来そういうものをつくることが可能なのかどうか、またそういう施設を建設していくことがこの際大事ではないかこういうふうに思うわけでなんです。その辺をひとつお伺いしたいと思います。
#113
○国務大臣(井出正一君) おっしゃるとおり、今回の震災により住居を失った方につきましては、長期的には恒久的な住宅の建設が当然必要でございます。特にひとり暮らしのお年寄りの場合はそれがなお緊急を要すると思います。
 ただ、御指摘の点につきましては、いきなり養護施設というよりは、これは建設省などと相談しなくちゃならぬわけですが、まず在宅福祉サービスの供給に配慮した公共住宅の整備等を進める必要があるんじゃないかなと思います。そして、その上で、高齢者の心身の状況等を踏まえて、必要に応じてケアハウスや養護老人ホーム等の老人福祉施設を計画的に整備していくべきだと考えます。地元自治体も、今後、復旧・復興に当たりましては高齢者やあるいは身障者の皆さんが住みよい町づくりをしていくんだと、こういうことを市長の皆さんもおっしゃっていますから、厚生省といたしましてもそういった方面にできるだけの協力をしていきたい、こう考えておるところでございます。
#114
○磯村修君 時間が迫ってまいりましたので、私の質問の最後に労働大臣にお伺いしたいんですけれども、春の生活要求ということが今進められております。今回は、特に景気の状況から見ても日経連としてはなかなかベアは難しい、こういう立場をとっております。一方の労働組合、連合は、ベアというのは景気回復の道を歩んでいくためにはやはり減税とともに所得の着実な増加が必要なんだ、こういう立場をとりまして要求活動をしているわけであります。これからの生活主導型の経済社会というものをつくっていくためにはやはり消費の拡大というものも必要、それにはベアということも大事な役割を果たしてくるわけです。そういう意味合いにおいて、春闘というのは大変意味の深いものがあると思うんです。
 その点、最後に労働大臣の所見を伺いたいと思います。
#115
○国務大臣(浜本万三君) お答えいたします。
 春闘につきましては、賃金等の労働条件のみならず、企業をめぐる環境や企業の経営状態等について労使がさまざまな角度から真剣な論議を行うことによりまして労使の意思疎通が図られ、良好な労使関係の形成にも一定の役割を果たすものだと思っております。
 春闘の決定する内容につきましてはいろいろありますが、その決定の中に賃金その他の労働条件があるというふうに思います。しかし、これはあくまでも労使が自主的に交渉いたしまして決定するのが原則でございます。その水準等につきまして私の方からとかく御意見を申し上げることは差し控えたいと思うわけでございます。
 いずれにいたしましても、今回の春闘におきましても、景気の回復や国民生活の向上といった国民的な経済視点にも配慮をしていただきながら十分話し合いを行っていただきまして、合理的な解決を図っていただくように期待をいたしておる次第でございます。
#116
○磯村修君 以下、関連質問に移らせていただきます。
#117
○委員長(坂野重信君) 関連質疑を許します。井上哲夫君。
#118
○井上哲夫君 私は、新緑風会、民主改革連合の井上哲夫でございます。持ち時間はあと十六分でございます。
 関連質問として、まず東京共同銀行、昨日それから本日と各委員からこの問題に集中をした質問が出ました。二つの信用組合が大変ずさんというか これほどのずさんは聞いたことがないというような乱脈経営、不良債権の額が大変大きいと見込まれるというふうなことから、やむにやまれず日銀法の、二十五条を使って共同銀行を設立して、信用システムといいますか、金融秩序の維持のために乗り出したんだと、こういうふうな御説明がありました。それで、きのう石井委員あるいは片山委員、そして本日は穐山委員が質問をされている間に東京都の状況が刻々変わりました。
 そこで、大蔵大臣、先ほど答弁をされましたが、現在東京都は、この三者で昨年暮れにつくったスキームでやっていくというところからおりているのかまだ乗っているのか、どうお考えなのか、そこから御質問をしたいと思います。
 先ほど大臣は、平静に対処をしていくし、これが信用秩序の維持のための所期の目的は何ら影響がなく変わらないし、さらに東京都はいずれ三者共同の足並みのところに帰ってきてくれるであろうという期待は十分していると、こういう趣旨のお答えをされましたが、それを踏まえて御質問をいたします。
#119
○国務大臣(武村正義君) けさ早朝の、東京都の方針というよりは議会の五会派の考え方が記者発表されまして、そのことを中心に穐山先生の御質問にお答えをしたわけであります。
 その後、きょうこの委員会の最中の変化は詳細を承っておりませんが、基本的にはそう変わっていないのかと想定をいたしておりますが、昨夜の発表を基本にして繰り返しお答えいたしますと、東京都は、議会のこの声明文を見る限りは、三機関が共同でまとめた今回のスキームといいますか処理方策は踏まえておられるというふうに認識をいたしております。これを放棄したという話は全く聞いておりません。
 午前中も御紹介いたしましたように、修正案の声明文の中には、「信用組合の破綻による金融不安、預金者の保護に対しては、都の立場から責任を十分に果たしていかなければならない。」、この前段には、都の責任は重いということも表明されているところでございます。
 事実また、三百億につきましても、とりあえず財政調整基金積立金、ここに一たんこれを預けるというふうに理解をした方がいいんでしょうかそして財源はそこに預けておいて、新しい知事が決まった段階でその知事の判断にゆだねると、おおむねこういう趣旨であるというふうに認識をいたしております。
 大蔵省としましては、当然、この三つの団体が責任を持ってまとめさせていただいた処理方策を今後も基本的には堅持をして対処をしていかなければいけないというふうに思っております。
#120
○井上哲夫君 きのうの質問で大蔵大臣は、東京都議会が大蔵省や日銀とつくったスキームに乗ってくれる、それしか考えられないと、万が一そうでないようなことは考えていないんだというふうなことをおっしゃいました。しかし、一夜明けてというか、一夜も明けない未明にただいまのような事態になって、これをどう受けとめるかは確かに問題でありますが、お昼のニュースでは、これで東京都は大きくトロイカの三つの車からいえば後退をしたと、あとは日銀と大蔵省でどうやってしのいでいくんだろうかというような趣旨のニュースもありました。私も聞いておりました。
 そうだとすると、今またここで、今後この問題はどうやってしのいでいかれるのか。新聞では、民間の銀行の協会がもっとたくさん支援を厚くしてくれなければできないのじゃないかしかし民間の銀行の中には、そうなったらまた一つは契約条項で問題が出てくるのじゃないかというような憶測記事もけさの新聞には書かれております。いかがでしょうか。
#121
○国務大臣(武村正義君) 今お答えをいたしましたように、一たん三百億が積み立てをされて留保された、新しい知事の判断にゆだねられた、こういうふうに認識、認識というかそういうふうに説明をされてもおりますので、素直にそう認識をいたしたいと思っております。
 したがって、東京都の一たん提案された考え方が否決されたわけではもちろんありませんし、ある程度決断の時期が延びたという認識でいきたいと思っておりますので、新しい知事が誕生した後、できるだけ早期に、三者が共同してまとめたスキームの案に沿って東京都が適切な御判断をいただくことを期待いたしたいというふうに思っております。
#122
○井上哲夫君 その期待ですが、仮に新しい東京都の知事が乗らない、そういう意向でしか当選ができないかどうかこれは選挙の客観情勢にもよるわけですが、大体都議会がこの二、三日、一週間、急速にこの問題について慎重になってきたということも、実は選挙の洗礼を意識してではないかというような記事も出ているぐらいですから。
 そうしますと、すべて大丈夫だ、期待するだけではそんなにうまくいかないのではないかという危倶の念は多分に皆さんあるし、ではその危惧の念を裏づけるようなものは何かといいますと、一般の庶民の感覚からいえば、大口の預金者だけが助かる、これはどうしてもわからないというところの壁がある限りは私が言う危惧の念もなかなか消えないと思うんです。
 そうしますと、一体この先どうされるのか。もしお答えができますれば再度、しつこくお尋ねをして申しわけありませんが、お答え願いたいと思います。
#123
○国務大臣(武村正義君) 委員が御疑念をお持ちになっているというのもわかりますが、そうなりますと、危惧とおっしゃっているのはそうなることをむしろ期待をしているという意味にも聞こえますが、そういうことではありませんね。
 私ども本当に、信用秩序が損なわれることを心底から心配いたしております。そういう意味で、強く従来合意をして提案までされた都の執行部の判断でございますから、その判断は変わることはないと思いますし、受けとめる議会側も、先ほど御紹介したように、都の責任は重いということとあわせて、金融不安や預金者保護に対する影響というものを十分責任を感じているということを表明されているわけでありますから、こういう声明文を素直に読ませていただく限りは、東京都は従来からのこの問題に対する責任はしかと背負いながら対処していただけるものと、これは期待をして間違いはないと思っております。
 都知事選挙が間近にあるとかいういろんなうわさはありますが、そういうこともあるかどうかわかりませんが、私はむしろこの問題をやや時間を置いて慎重に判断しながら決断をしたい、こういうちょうど知事のかわり目でございますからそういう判断が行われたのではないかというふうに、私の想像でございますが、拝察いたしております。
#124
○井上哲夫君 そこで私はお尋ねしたいんですが、決してそんなことを望んで質問するわけではないんですが、一般の人から見ますと、信用秩序が壊れる、あるいは金融システムを守らなきゃいけないんだ、これはまことにどうしようもない異例中の異例の措置なんだと従来ずっと一貫しておっしゃってみえる。
 しかし、その信用秩序はそんなにガラス細工のようにすぐ壊れるような、大蔵省の局長さんは、一割の不安があっても守らなきゃいかぬ、昭和初期の東京渡辺銀行の例を出すまでもなく、この連鎖反応で取りつけ騒ぎが起きたら日本の経済も大変だということから、一割の可能性が不安としてあっても信用秩序は守り金融システムは守るんだ、そういう観点から今回は異例中の異例でやむを得なかった、こういうふうなお答えですが、ここまで来て都議会がけさの未明ああいう結論を出したということになると、信用秩序の維持にこの方策でよかったのかという問題はかなり疑問が出てくるかもしれないと思うんです。
 つまり、不安はなかったんではないかという見方と、いやいやもうここまで来るともっと不安が出てくるんじゃないかと。現にきのうの夕刊の新聞では、信用組合への預金者のいわゆる取りつけ騒ぎが、騒ぎとは言いませんが、取りつけが進んでいるとかあるいはこれで優良市中銀行へ、あるいは特定郵便局へ金融の預金層が流れるんではないかという観測もあるとか言われておりますが、現段階でこの策で信用秩序の維持は十分目的を達し、今後も目的を達する見込みであると言えるかどうかお尋ねをいたしたいと思います。
#125
○国務大臣(武村正義君) そこを私どもは心配いたしているわけであります。
 信用不安の可能性が数字で表現できるものではありません。私に言わせれば、一割どころか五%でも、いや三%でもその不安があれば、精いっぱい私どもの立場で言えば回避をしなきゃいけない。回避の努力をしなければいけない。ある種これも危機管理だと思いますね。
 日本は、ふだんは皆さんも信頼し切っていただいているし何の事件も起こりませんが、これが一たび崩れますとどうなるかということでありますから、そういう意味では、まさにその不安が起こる可能性がある以上は、日銀のような通貨当局も、銀行行政を預かっている大蔵省も、その一点には重大な関心を寄せ、精いっぱいの努力をしなければいけないという思いであります。大蔵大臣として、昨日の夕刊の報道もございますが、ああいう動きを非常に神経質に心配しているところでございます。
 私どもは、ここで余り不安を印象づけ過ぎるような発言は慎みたいと思っておりまして、そういう意味で絶えず金融秩序の維持とか安定とか、そういう抽象的な言葉を繰り返しておりまして、こういうことになりますなんということをわかりやすく大げさに言うことを控えておりますので、そこはぜひ賢明な議員各位の静かな良識ある御判断を賜りたいと思う次第でございます。
#126
○井上哲夫君 大臣のおっしゃる趣旨はわかりますが、こうも考えられるんですよ。そんなに心配だ、しかし救われる大口預金者の実名リストは出てこない、これなんですね。表現は悪いですが、一般の国民が一番頭に来る。何でその人たちだけ救われるんだと。普通の民間の会社が倒産して破産すればみんなあきらめる。あるいは中には、私も弁護士時代にやりましたが、たくさんの人を雇って、人の世話をして、大工さんや工事店が下請をして、それで倒産してそのお金がもらえない。つまり労働賃金に等しいようなものまで破産をすると配当がない。どうしてそれをカバーしていくかこれが世間の常識なのに、実名リストは出ないし、信用秩序の不安があったらいけないから静かに静かに我慢してくださいと。これは我慢ができる問題がどうか。
 現に都議会では、これは大蔵省が都に勝手に言っておることだけだと。だから、都議会としては都民の税金をどうするか都民の感情をどうするかそういうことから昨夜からきょうにかけての判断に至ったのではないでしょうか。
 私は、決して信用秩序破綻をあおる、そういう質問をしているわけではありません。よろしくお答えをお願いいたします。
#127
○国務大臣(武村正義君) 私どもは、信用秩序の維持をもちろん重視しながら強調させていただいておりますが、しかしこの二つの信用組合の今日までの経営、まさに異常としか言いようがありませんし、これは常軌どころか法にまで触れながら乱脈経営が行われてきた。そういう経営だから今回のような異常な事態を招いたわけでありますが、この事態はやはり当然解明もされなければなりませんし、その法的な責任も最大限厳しく追及されなければならないと思っております。
 今御指摘の点は、資料開示の問題であります。これも、大蔵大臣としては、言われたら全部何もかも発表してほしい立場、政治家としてはそういう立場でありますが、問題は政府全体として、いわゆるプライバシーという表現を使っておりますが、こういうケースがあれば、このケースをどう認識するかにもよりけりですが、超例外的なケースとしてこのケースは踏み切るという道もなくはありません。しかし、今まで一般的な方針としては、これで踏み切るならば今後要求があればどんどん表へ出していくという道を開くことになります。
 問題は、政府が困るというよりは、そこに出てくる個人の名前、事業者の名前、これは悪いことをしている人は困るでしょうね。しかし、悪いことをしていない善良な預金者あるいは中小事業者にしましても、金の貸し借りの世界でございますから、極めてふだんは表に出ない世界であります。それを一方的に行政がばあっと表へ出してしまうことが一体どういうことになるのかという、その問題であります。
 そういう意味では、極力出させていただく、しかしそれにしても一定の限度があるんではないかという中で、衆議院ではああいう、実名は挙げておりませんが、大体個人とかどういう業種であるとかそこまで初めて踏み切らせていただいた。
 しかし、今回証人喚問になりまして、これでは不十分だと。やはり実名を一定額以上は明らかにせよという要請を今受けておりまして、改めてそういう議院証言法による要求も踏まえて再度真剣に今検討をさせていただいております。
#128
○井上哲夫君 それはプライバシーの保護は大事です。しかし、これだけでたらめで、これだけ巨額でというときに、何でもかんでもプライバシーで保護される。しかし、考えてみたら、何か甘い汁がないと今どきどんと預け入れはしないんじゃないかというようなことから、いろいろ週刊誌に書かれていますよね。
 そうすると、それを読めば、何だかプライバシー、プライバシーと言われるけれども、実際には危険を冒して金利が高いから預けたんではないだろうかと。それならその人たちは、破産をして普通ならば債権の回収はあきらめるというのにかかわらず、こういう形で身を守られる。これはという疑問は尽きないわけであります。
 しかし、そのことを私は今、大蔵大臣に質問しようというのじゃなくて、実は今度は監督責任の問題についてお尋ねをします。
 東京都議会も全くトロイカ、大蔵、日銀、そして東京都の救済スキームを否定したわけではない。これは、否定したわけではないということは、信用秩序の維持の点よりも、これは東京都にとっては大きな監督責任があると。監督責任を意識して今回の急遽あのような五会派といいますか五党間のものが、とりあえずのしのぎ策が出てきたと私は思いますが、一体この監督責任については、普通であれば非常に厳しいものであるにもかかわらず、今回この件でいいますとどうも東京都にあるのか大蔵にあるのか。立入検査でいけば両方が一緒でないとやれないような実態があるが、しかし機関委任事務でいくと東京都に監督責任があると。
 では、その監督責任を本当に尽くしているかどうかについて、東京都はこの問題で本当に立ち上がっているのかということになると、告訴、告発をしなかったのではないか。昨日、大蔵大臣は、告訴は被害者がやるというシステムですから、そしてしかも正確な事実に欠けると。大蔵や東京都は告発ということになって関係者、第三者という言葉は違いますが、関係者としてはなかなか背任容疑を的確につかんで摘示して、そして訴追まで求めるということは難しいとおっしゃいましたが、実際はこれはほとんどやろうと思えばやれるんですよね。
 それで、私は、なぜ告訴というより告発を大蔵省や監督の責任者である東京都は今回避けたのか。閣内ではすべきだという声もあったとか新聞には載っていますが、なぜ避けたか。これは、この問題は監督責任者にもはね返ってくるからじゃないでしょうか。その点は今回監督責任をどのように考えてみえるか、お尋ねをしたいと思います。
#129
○国務大臣(武村正義君) その前に先ほどの、この乱脈な経営の中で法に触れるような行為をした人、今、資料開示では明らかになっておりませんが、当然司法当局も大きな関心を持っていただいているということでございますから、恐らくそうした中で徹底したあらゆる調べが行われて、だれがどういう内容で法に触れていたのかということが明らかにされるものと私どもは期待をいたしております。
 さて、今の監督責任の問題でありますが、これももうたびたびお答えをしてまいりました。協同組合法等によるいわゆる信用組合に対する監督責任を全国の都道府県知事に機関として委任をさせていただいているということであります。したがって、自分の県内で信用組合を認可するのも、平常時これを監督いただくのも知事であります。検査というのも、金庫以上は全部大蔵省が検査をいたしておりますが、信用組合については都道府県知事の検査です。それで、どうしても今回のケースのように知事の検査では手に負えないといいますか複雑であるというようなときに、大蔵省へ協力をしていただきたいという要請が来たときに大蔵省は検査官が協力をさせていただいている、こういうことであります。
 平常は検査も東京都でございますし、したがって業務改善命令を発したり業務停止命令を発するのも東京都知事の権限です。役員の罷免権も東京都知事の権限でございます。そういう形で金融機関の指導監督が行われているわけであります。
 今回は事態が非常に大きくて、もう二年目の大蔵省が入った検査の去年の夏の結果では、もはや都の力ではどうしようもない大きな不良債権、回収不能額に至っておって、東京都の対処というのは、都下の信用組合で合併とかあるいは信用組合でなくてもいいですが、ほかの金融機関と合併の方法がないかとか、そういう道を恐らく探られたんじゃないかと思うんですが、そういう通常の処理ではとても吸収合併をしていただく金融機関も見当たらないと。そういう意味で、大蔵省、日本銀行に相談があって、一生懸命考えて三者が初めてのスキームといいますか対処方策を決定させていただいたと。その瞬間から大蔵省も日銀も三者共同の責任を負っているということであります。
 もちろん平常時も、機関委任でございますから、地方自治法には指揮監督権というのがございますから、一般的にはそういう責任もありますし、ましてや信用秩序、金融行政全体の責任を預かっておりますから、信用組合も含めた責任は大蔵大臣にございます。
#130
○井上哲夫君 実は、その後の新聞で、こういう信用組合を都道府県が監督するのは荷が重い、返上したいと。それに対して自治大臣は、いやそんなわけじゃない、健全な信用組合もあるので、一つのあしき例をもって監督権を云々するのはよくないときのうお答えになっております。
 ただ問題は、私はお尋ねをしたいんですが、一国の金融システムなり信用秩序の不安まで招きかねないようなことを、じゃ都道府県の監督でやっていっていいんだろうかと。この問題はやはりゆるがせにできない。そうなると、今回は異常異例であります、今回だけは異常異例でありますと言えば言うほど、これは都道府県にとっては大変な荷物を背負うことになりかねないと思うんですが、大蔵大臣としてはその点はいかがお考えでしょうか。
#131
○国務大臣(武村正義君) 確かに今回は、この一千億を超える不良債権や回収不能額という数字でも全国にも例がない大きさであります。都道府県、大東京都といえども対処できないということが示しておりますように、大きな事件になったということであります。
 問題は、そのことと、大きくなったから国である大蔵省や日本銀行も共同して責任を負って今対処をしておりますが、今後もそういう基本的な考え方でいくかどうか。
 今おっしゃるように、だからこういう問題になる可能性がある以上はもう機関委任でない方がいいのではないかというお考えもあるかと思いますが、このことについてはまさに地方分権推進法案が提案をされましたが、機関委任は廃止せよ、すべしという根強い議論もあるところでございます。これを機関委任しないで廃止ということは、信用組合の監督権限はもう固有の仕事として都道府県知事さんに全面的にお任せじょう、こういうことになるわけでありますが、そういう地方分権の流れの中で、逆に機関委任を国に返上するというのは、これはやはりかなり慎重に議論をして判断をしなければならない。地方自治尊重の立場からも、自治大臣もおっしゃっておられますように、十分慎重でなければならない。
 むしろ機関委任であってもこういう事態を防ぐための知恵は何か。あるいは大蔵省の平常の検査なんかはもっと緊密に連携し合って平常時からチェックしていく、あるいは預金保険機構の中に検査システムを置いてそこも第三の立場で絶えず信用組合を検査していただくとか、今回の事件を教訓にしながらそういうさまざまな新しい改革の努力が必要ではないかと。
 私どもは、理事が兼務を認められているというのも、これは協同組合だからある程度やむを得ない面があるんです。同じ業者の方が集まって信用組合をつくっている以上、簡単に自分の関係のところでも金が借りられるということからスタートをしていますから。でも、この問題も今回の事件からやはり、反省をする必要があるのではないかあるいは外部の公認会計士に監事に入っていただくような新しい仕組みも勉強してみる必要があるのではないか。さまざまなそういう努力を、新しい努力をしなければならないと思っております。
#132
○井上哲夫君 こういう金融機関の経営の検査というのは極めて難しい特殊な面も持っているということはありますから、一概に私も都道府県の監督権限よりも国の方がいいとは言いませんが、実はこういう監督権限は今回一般の目から見ると、東京都の監督も甘かったんではないか、あるいは大蔵省の指導監督も甘かったんではないかという見方があるわけです、何しろこれほど乱脈な事態が次々出てきますと。
 では、いつも監督はそんなに緩いのかといいますと、私は弁護士時代に経験しましたが、ある特定郵便局の方がわずか二百万円不明朗な金があったというわけで、三日にわたってぎゅうぎゅう立入検査をやられた。そのあげく夫婦とも車の中に入ったまま池にどぶんで入水自殺をしてしまった、一年後にわかりましたけれども。そのくらい庶民の中では厳しいんですよ、立入検査は。今回の検査は本当に誤りがなかったかどうかその点は私は強い疑問を持っておりますが、いかがでしょうか。
#133
○政府委員(西村吉正君) 先ほど大臣からも答弁申し上げましたように、この信用組合につきましては、一昨年、昨年と二度にわたりまして私どもも検査に協力してきたところでございます。検査の担当者は全力を尽くして実態の解明に当たったと私どもは信じておりますが、なお今後も努力を続けてまいりたいと考えております。
#134
○井上哲夫君 そこからは勘ぐりになりますから言いませんが、いろいろ根拠がないか根拠があるか知りませんが、特定の政治家とのつながりがあったんじゃないかとか、癒着があったんじゃないかとかだからこうなったんじゃないかと言われておりますが、そのことを私は質問しません。
 時間がないので、総務庁長官に申し上げたいんですが、二年以内に情報公開法の制定について考える、そういう行革推進委員会の問題が出ましたが、いかがですか。
#135
○国務大臣(山口鶴男君) 昨年設置いたしました行政改革委員会におきまして、近く情報公開に関する専門部会が発足をすることになっております。法律審議の際に、行政改革委員会の任期は三年でございますが、情報公開は極めて必要な事項であるということから、意見の具申は二年以内に行うべきだという修正をいただきました。したがいまして、その修正されました法案に従いまして行政改革委員会では鋭意識論をいたしまして、二年以内に意見具申をいただくものと私ども考えております。
 意見具申をいただきましたならば、政府といたしましてはその意見に沿いまして情報公開法を制定してまいりたい、かように考えております。
#136
○井上哲夫君 それは情報公開法をつくった方がいいという意見が出てくるかどうかわからないけれどもという前提でしょうが、できることならそういう意見が出てほしい、そういうお考えでしょうか。
#137
○国務大臣(山口鶴男君) 国会で法案修正をいただきましたのもそういう趣旨であったろうと思いますし、また政府といたしましても、今、情報公開というものは進めていくべき重要な課題である、村山内閣としてもこれは進めていくべき行政改革の一環である、かように認識をいたしておりますので、意見具申も多分情報公開法は必要であるという意見具申がなされるであろうと思いますし、そういう場合には政府といたしましては直ちに法案成立に努力をいたしたいということでございます。
#138
○井上哲夫君 実はこの情報公開法というのは、大蔵大臣、大変必要なんですよ。今、私が再三聞いた東京都や大蔵省の監督あるいは指揮監督義務を尽くしたかどうか、これは今は言えないわけですよね。信用秩序を壊したらいかぬとか、だから昨年暮れから三者がいろいろ話し合ったことは言えないと。しかし、これが二年、三年後にばっと出てきたら、情報公開法でもし出てきたら、だれが一番サボっていたか、だれが一番義務を尽くさなかったのかはっきりするわけですよ。そういう意味では、この情報公開法が本当に必要だとは思いませんか。ちょっと通告をしておりませんが。
#139
○国務大臣(武村正義君) 私も情報公開については積極的に取り組んでいくべきだと思っている一人でございます。
#140
○井上哲夫君 もう時間が来ましたので、総理大臣にもお尋ねしようと思いましたけれども、また次の機会にいたします。
 それで、私の方の新緑風会も証人喚問の要求を、前理事長二人、さらに日本長銀の前の頭取ですか今の頭取ですね、堀江さん、さらに日銀の前総裁の証人喚問の要求をしたいと思います。後日また御協議を願いたいと思います。
 以上、終わります。
#141
○委員長(坂野重信君) 今の発言につきましては、後日、理事会で協議いたします。
 以上で磯村修君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ―――――――――――――
#142
○委員長(坂野重信君) 次に、上田耕一郎君の質疑を行います。
   〔委員長退席、理事伊江朝雄君着席〕
#143
○理事(伊江朝雄君) 上田耕一郎君。
#144
○上田耕一郎君 共産党の上田でございます。
 戦争が終わって五十周年の問題、阪神大震災の問題、それから東京共同銀行の問題など質問させていただきます。
 ことしは太平洋戦争が終わって五十周年で、与党二党は村山内閣の発足時に不戦決議について合意をされました。ところが、今いろいろ見解の相違、自民党内の動き、新進党などの動きもございますので、三人の党首の方々に現在の見解、お気持ちをまずそれぞれお伺いしたいと思います。
#145
○国務大臣(村山富市君) 御指摘の国会決議につきましては、それは国会で御決定になられることでございますが、今お話もございましたように、戦後五十周年を迎えまして、私は所信表明演説の中でも申し上げましたが、我が国の侵略行為や植民地支配などが多くの人々に耐えがたい苦しみと悲しみをもたらしたことを心に深くとどめ、深い反省の上に立って、不戦の決意のもと、世界平和の創造にこれから全力を挙げて尽くしていく必要があるという決意で臨んでおります。
#146
○国務大臣(河野洋平君) 三党で合意をいたしたことをきちんと認識いたしております。
 私は、閣僚の身で院の決議についてあれこれ言うということは甚だ不適当であろうと思いますが、そのことをあらかじめ申し上げた上で、若干価人的な感想めいたものを申し上げるとすれば、五十周年に当たって、その五十周年にふさわしい文言の合意点を探す努力をする必要があると、こんなふうに考えております。
#147
○国務大臣(武村正義君) 不戦の宣言としては、まさに日本国憲法だと私は思っております。憲法の前文も含めた趣旨をもう少し現代風な表現で各政党の間でおまとめをいただくことができればと期待をいたしております。
#148
○上田耕一郎君 ところが、自民党内に終戦五十周年国会議員連盟というのが生まれたんですね。ここに活動方針がありますが、「国会の反省・謝罪や不戦の決議は、」「わが国の前途に禍根をもたらすものとして決して容認できない」という方針で集まっている。
 河村総裁、自民党内のこの議員連盟に何名参加しておられるか御存じでしょう。
#149
○国務大臣(河野洋平君) 議員連盟に何名入会をしておるかは承知いたしておりません。
#150
○上田耕一郎君 新聞は百六十一名と報道されまして、きのうの私どもの赤旗に全員名前が載っております。どうぞ赤旗、読んでください。衆議院は九十六名、参議院は四十六名。そうすると、自民党は衆議院二百名でしょう。参議院は九十四名でしょう。それぞれ半数近いんです。半数近い方々がこういう意見なんですね。
 さて、閣僚の中でこれに参加しておられる方がいらっしゃいます。橋本通産大臣、玉沢防衛庁長官。お二人、どういう真意なんですか、お答えいただきたい。
#151
○国務大臣(橋本龍太郎君) 自由民主党所属の衆議院議員として、私は現在、スポーツ振興その他随分たくさんの議員連盟に籍を残しております。しかし、閣僚としてその席にある間、それぞれの議員連盟の活動は私は参加をいたしておりません。ただいま御指摘になりました議員連盟につきましても同様の態勢であります。
#152
○国務大臣(玉沢徳一郎君) 与党三党の合意は、「過去の戦争を、反省し、未来の平和への決意を表明する国会決議の採択などに積極的に取り組む。」と、こうございまして、この三党合意は尊重さるべきものと考えるわけであります。自由民主党も党議決定をしてこれを決めておるわけであります。
 ただ、いろいろな考え方があるわけでございますから、御指摘の議員連盟もその一つであると考えております。しかし、閣僚としましては、国会の決議にかかわることにつきましては差し出がましくすべきではないと考えておりますので、会員としての活動は自粛すべきものと考えております。
#153
○上田耕一郎君 自民党の半数近い議員がこういうことになり、森幹事長、武藤総務会長、三役のお二人まで入っているんですね。こういうふうになるのは非常に大問題で、私は首相の指導力、政治責任、総裁とともに問われると思うんです。
 そこで、首相にお伺いします。
 村山首相は、昨年の五月十二日、社会党委員長として羽田内閣での代表質問でこう述べられている。永野法務大臣が侵略戦争と定義されるのは間違っているなどと発言したと、こう言っているんですよ。それで、永野発言で大きく失墜した日本の立場を一日も早く回復しなきゃならぬ、そのため、戦後五十周年の節目を目前にしたこの国会で侵略戦争の過ちに対する国家意思の表明として謝罪と不戦の決議を行うと、こういう代表質問をしているんです。
 つまり昨年の五月は、侵略戦争として定義すべきだと、定義すべきでないと言う人を非難して国会決議をやれと言ったんだから、そういう歴史認識だったんですね。これは非常にいい歴史認識ですよ。日本の現代史の最大の問題である日本軍国主義のあの侵略戦争に対して侵略戦争と定義せよと、堂々たる演説です。
 さて、首相、この歴史認識、今でも変わりはありませんね。
#154
○国務大臣(村山富市君) 今の内閣は三党連立政権でございまして、社会党委員長として発言したその発言がそのままこの政権のものであるということができるのなら、それはそのとおりになると思いますけれども、しかしこれは三党合意でもって連立政権が構成されておるわけでありますから、その合意事項は守らなきゃいけないと、私はそう思っております。
 そこで、我が国が戦後、歴史の教訓に学び、国民の総意として平和国家として再生の道を一貫して歩み続け、国民一人一人のたゆまぬ努力と各国との友好協力によって飛躍的な発展を遂げ、国際社会における今のような地位が維持されておると私は確信をいたしております。
 さきの大戦は、国民の多くの犠牲をもたらしたばかりではなくて、我が国の侵略行為や植民地支配などがアジア近隣諸国等の多くの人々に耐えがたい苦しみと悲しみをもたらした。本年は戦後五十周年に当たりますから、この平和で豊かな今日においてこそこれらに対する深い反省の気持ちに立って、不戦の決意のもと、世界平和の創造に向かって力を尽くしていくことこそが我々に課せられた課題ではないかという決意で取り組んでおるのが私の今の心境でございます。
#155
○上田耕一郎君 社会党は村山内閣をつくったら公約を初め何もかも投げ捨てられたので平気なんでしょうけれども、これは、歴史認識の非常に重大な問題なんです。
 私ども日本共産党はこの問題を非常に重視している。私、昨年も取り上げた。それは過去の問題を明らかにするだけじゃないんです、日本のきょう、あすに大きなかかわりがあるからなんですね。
 それで、今お言葉にありましたけれども、去年の質問では侵略戦争と、この定義づけを問題にされた。今のお言葉に侵略的行為と植民地支配と言われたでしょう。つまり部分的になっちゃうんです、問題が。戦争の中に侵略的行為あったでしょう、部分的に。植民地支配もあったでしょうと。そういうことで戦争全体の性格を歴史的に反省するという立場があいまいにされて、ここが大問題なんです。
 私、ここにシュミット西ドイツ元首相の回想録を持っていますが、シュミット首相はこの中で、日本は経済的には小人だけれども政治的には小人だと言っているんですよ。なぜかというと、ドイツと日本は同じ侵略戦争をやって、戦後国民的運命に大きな相違が生まれたと。日本はかつての侵略戦争について反省のしるしも見せない。そのために近隣諸国との間の友好に大きな困難が生まれたと、こういう非常に厳しい非難をしておる。ですから、この問題を明らかにすることは、特に戦後五十周年で、日本の今後、日本の進路、アジアの諸国とどういう本物の友好関係を結んでいけるかということにかかわっているんです。
   〔理事伊江朝雄君退席、委員長着席〕
 そこで、私は首相にお聞きしたいんだけれども、総理、じゃ具体的にお伺いしたい。
 まず最初に、一九三一年満鉄爆破の満州事変から始まって全面的な戦争になり、十五年続いて中国全土で一千万人以上の中国の国民に死者を山させたあの対中国戦争、この戦争の目的は何だったと認識されていますか。
#156
○国務大臣(村山富市君) 御指摘の戦争に至った経緯は、これは極めて複雑な内容もございまするし、一般的にその戦争の目的というものを特定することは必ずしも容易ではないと私は思います。本件についてもさまざまな御議論があることは承知をいたしておりますが、政府としての立場から断定的に申し上げることは困難であるというふうに言わなければならないと思います。
 しかし、いずれにいたしましても、先ほど来申し上げておりますように、過去の我が国の行為が多くの人々に耐えがたい苦しみと悲しみをもたらしたことを深く心にとどめ、深い反省の上に立って、不戦の決意のもと、世界平和の創造に力を尽くすというのがこれからの日本に課せられた当面の課題だというふうに私は申し上げたいと思います。
#157
○上田耕一郎君 いろいろ複雑だというようなことをおっしゃっては困るんですな。非常に私は悲しい。
 私はここに、これは防衛庁提出の資料です。中国と全面戦争を始める前の年の一九三六年六月三十日、参謀本部の第二課が作成しました「国防国策大綱」という資料で何が書いてあるか。結局、「日支親善ハ東亜経営ノ核心ニシテ支那ノ新建設ハ我国ノ天職ナリ然レトモ白人ノ圧迫ニ対シ十分ナル実力無クシテ其実現ハ至難」だと。ロシアとアメリカとの戦争の決意まで書いてあるんですよ。
 つまり、中国全土に日本の言うなりになる満州国に続いて新しい中国を建設するんだと、これが戦争目的ですよ。明白じゃありませんか。それも言えないと。
 じゃ、二番目。十二月八日に始めたイギリス、アメリカ、オランダに対する太平洋戦争、この戦争目的は何ですか、また戦争の性格は。
#158
○国務大臣(村山富市君) これは今、私が御説明したところと全く同様でありまして、戦争至っている経緯というのはやっぱりそれぞれの見方によって複雑な要素が私はあると思いますから、一概にこれだといって決定づけることは極めて難しいんではないかと。それだけにやっぱりいろんな角度からいろんな議論があるわけですよ。
 したがって、総体的に私どもは、やっぱりやった行為について、これは多くの方々に本当に取り返しのつかない痛みも与えているわけでありますから、そういう反省は反省として十分した上で、その反省に立ってこれからの日本の国は、平和憲法もつくったことだし、平和に向かって全力を挙げて未来志向で取り組んでいこう、こういう方向をお互いに確認し合って今の政権がつくられているわけでありますから、御理解を賜りたいと思います。
#159
○上田耕一郎君 村山首相が昨年質問した羽田首相は、私の昨年のこういう質問に答えている。サンフランシスコ平和会議で極東軍事裁判の結果をすべて受諾したと。「この侵略戦争という判決を首相は受諾しているでしょうね。」。羽田首相「これは間違いなく受諾をいたしております。」。
 ここに私は判決を持っています。極東軍事裁判の判決です。これは、「日本が」「開始したイギリス、アメリカ合衆国及びオランダに対する攻撃は、侵略戦争であった。これらは挑発を受けない攻撃であり、その動機はこれらの諸国の領土を占拠しようとする欲望であった。「侵略戦争」の完全な定義を述べることがいかにむずかしいものであるにせよ、右の動機で行なわれた攻撃は、侵略戦争と名づけないわけにはいかない。」。
 どうです、首相。サンフランシスコ条約十一条でこの侵略戦争という判決を受諾したんでしょう。どうですか。
#160
○政府委員(折田正樹君) 法律的な問題について私から御説明させていただきます。
 日本国との平和条約、いわゆるサンフランシスコ平和条約でございますが、第十一条におきまして、「日本国は、極東国際軍事裁判所並びに日本国内及び国外の他の連合国戦争犯罪法廷の裁判を受諾し、且つ、日本国で拘禁されている日本国民にこれらの法廷が課した刑を執行するものとする。」ということでございまして、我が国は、国と国との関係におきましてはこの条項で極東国際軍事裁判所の裁判を受諾しているわけでございます。
 そして、極東国際軍事裁判所の裁判について御説明させていただきますと、中国等七カ国に対して被告が侵略戦争並びに国際法、条約、協定及び誓約に違反する戦争を行ったとしまして、平和に対する罪について個人責任があるものとして起訴を行っているところでございます。判決は、七カ国に侵略戦争が行われたものと認定して二十五名の被告を有罪としているわけでございます。
 平和条約の第十一条によりまして、日本政府はこの裁判をそういう内容のものとして受けとめ、受諾したものでございます。裁判を受諾した以上、法的、歴史的に種々御議論はございますが、この裁判について日本国として連合国に異議を申し立てることはできないというのが政府の立場でございます。
#161
○上田耕一郎君 言ったじゃないですか、七カ国に対する侵略、これ受諾したんです、侵略戦争という。どうですか、首相。
#162
○政府委員(折田正樹君) 受諾したのは裁判を受諾したわけでございます。
#163
○上田耕一郎君 国と国との関係。
#164
○国務大臣(村山富市君) 我が国は、国と国との関係においてはサンフランシスコ平和条約第十一条で、極東国際軍事裁判所の裁判を受諾したことはもう今答弁があったとおりであります。それはもうその限りです。
#165
○上田耕一郎君 そんないいかげんな答弁じゃだめですよ。国と国との関係で七カ国に対する侵略をした、それに罪があったということを受諾したんですから。侵略は個人じゃないですよ、日本軍国主義がやったんですから。首相、あれは侵略戦争だったという判決を受諾したと、国と国との関係で認めている。
#166
○政府委員(折田正樹君) 法律的に申しますと、我が国としてこの裁判を受諾したということでございまして、これを受諾した以上、この裁判が国際法上不法になされたとして連合国に対して異議を唱える立場にはないということでございます。
#167
○国務大臣(村山富市君) これは今、局長から答弁があったとおりでありまして、極東国際軍事裁判所の裁判を受諾したことはもう今答弁のあったとおりです。
 しかし、いずれにいたしましても、さきの大戦が、これは繰り返し申し上げますけれども、国民に多くの犠牲をもたらしたばかりではなくて、我が国の侵略行為、あなたは侵略的行為と申しましたけれども、正確に言えば侵略行為です。侵略行為や植民地支配などがアジア近隣諸国等の多くの人々に耐えがたい苦しみと悲しみをもたらしたと考えておりますから、これに対する深い反省の気持ちに立って、そして不戦の決意のもと世界平和の創造に向かってやっていくことがこの国家、内閣に課せられた課題である、国民に課せられた課題だ、こう受けとめて私どもは今政権を担っておりますということを申し上げているわけです。
#168
○上田耕一郎君 裁判を受諾したというのは、英文では裁判というのはジャッジメントです、判決という意味なんですよ。
 外務省、この説明をしてほしいんだが、開戦前の四〇年九月、第二次近衛内閣が決めた「皇国ノ大東亜新秩序建設ノ地ノ生存圏ニ就テ」、この文書で生存圏の範囲をどうしていたか、述べていただきたい。
#169
○政府委員(折田正樹君) 御指摘の資料には、大東亜新秩序建設のための生存圏の範囲に関しまして次のような記述がございます。これは独、伊との交渉の対処方針に当たるようなものだろうと思いますけれども、
  独伊トノ交渉ニ於テ皇国ノ大東亜新秩序建設ノ地ノ生存圏トシテ考慮スヘキ範囲ハ日満支ヲ根幹トシ旧独領委任統治諸島、仏領印度及同太平洋島嶼、泰国、英領馬来、英領ボルネオ、蘭領東印度、ビルマ、濠洲、新西蘭並ニ印度等トス等と書かれております。
#170
○上田耕一郎君 生存圏と称してオーストラリアからインドまで決めたんですよ。
 四三年の文書、これは戦争が始まってからだ。御前会議で四三年五月三十一日に決定された「大東亜政略指導大綱」、これは外務省編さんのこの本にあるんだが、マライ、スマトラ、ジャワ、ボルネオ、セレベスについてどう書かれていますか。
#171
○政府委員(折田正樹君) 御指摘の資料には次のように記述されているものと承知しております。
 「六」となっておりまして、
 ソノ他ノ占領地域ニ対スル方策ヲ左ノ通リ定ム。
 但シ(ロ)、(ハ)以外ハ当分発表セス。
 (イ) 「マライ」「スマトラ」「ジャワ」「ボルネオ」「セレベス」ハ帝国領土ト決定シ重要資源ノ供給地トシテ極力コレカ開発並ビニ民心把握ニ努ム。
 (ロ) 前号各地域ニオイテハ原住民ノ民度ニ応シ努メテ政治ニ参与セシム。
 (ハ) 「ニューギニア」等(イ)以外ノ地域ノ処理ニ関シテハ前二号ニ准シ追テ査定ム。
 (ニ)前記各地ニオイテハ当分軍政ヲ継続ス。
#172
○上田耕一郎君 お聞きのとおりで、極東軍事裁判の判決が、動機、戦争目的は諸国の領土を占拠しようとする欲望だったと近衛内閣閣議決定の文書にあるんですよ、これ。領土と決定する、それは公表しないと決めているんですよ。実際に大東亜共栄圏と称して、生存圏と称してこれだけ広大な地域に軍を送って――――――――――その侵略戦争をあいまいにしているわけだ。これを反省しようとすると将来に禍根をもたらすなんて、自民党は半分も議員連盟をつくる、首相がそれもあいまいにしていると。だからこそアジアの諸民族は日本を信頼しないんですよ、日本を。反省しないと。
 私は、この問題は非常に大きい。ことし敗戦五十周年でしょう。ですから、首相は三党合意で、天皇のことも頭にあるかもしれぬけれども、なかなか言わない。言えないかもしれないけれども、首相がこの五十周年の年にこの問題について、侵略戦争を反省する、呼びこういうことをしないということを国家として、政府として明確にできないで日本の未来はないですよ。今すぐは言えないでしょうけれどもね。我々は、この侵略戦争問題を追及できる資格を持っているまた責任のある党ですから、この問題を本当に日本国民を代表して今後も主張し続けることを表明して、次の大震災の問題に移ります。
 私は、十九、二十日の二日、亡くなられた方が最も多い神戸市の東灘区に、元衆議院議員で東神戸病院の理事長の浦井洋さんと一緒に、また筒井県議と一緒に二日間、五つの避難所を回っていろいろ懇談し、要望を聞いてきました。一晩泊まらせていただきました。そうしたら、三日いないとつらさはわかりませんよと被災者の方に言われました。東灘区へ行ってみますと、裏通りへ入ったら、いまだにほとんど手つかずですよ、家のつぶれたのも瓦れきも。いやこれはなかなかやっぱり大変だとつくづく思いましたね。
 それで、ここに厚生省の文書があるんですが、災害救助法による救助の次官通知、これには避難所を開設できる期間は災害発生の日から七日以内とすることと書いてある。避難所七日以内ですよ。それがもう一カ月半でしょう。非常に激減して、先ほど十万数千というお話がありましたけれども、でも七日以内と決めたのが一カ月半でしょう。これは本当に法律や予想を超える大災害で、私たち政党も今までの発想にとらわれないで、政府も本気でやっぱりやらないといかぬということを改めて思いました。
 厚生省に、避難生活中に不幸にして亡くなられた方の数をお伺いしたいんですが。
#173
○政府委員(佐野利昭君) 正確に避難所で亡くなられたのが何人というデータをとる手法はないわけでございますけれども、たまたま災害発生と因果関係を持つと思われるような方々につきまして、兵庫県では監察医務院で死体検案をやっております。その死体検案をやった結果で見ますと、避難所を住所地として亡くなられた方は十三人というふうな報告を受けております。
#174
○上田耕一郎君 二月十六日のNHKの「クローズアップ現代」、これは避難生活中の高齢者の死亡数、NHK集約で百十三名という数字を公表された。NHKに確かめました。これ十六日ですからね。だからこれは本当に早く解決しなきゃならぬ、いろんな問題を。
 厚生省、食事の問題、八百五十円、これはどうなっていますか。
#175
○国務大臣(井出正一君) 一般基準としては八百五十円ということになっておりますが、特別基準というのが設けられておりまして協議をすることになっております。そして、今回の大変な災害にかんがみまして、一般基準にのっとらなくて結構です、特別基準に応じてくださいということを市の方へ申し上げてあるところでございます。
#176
○上田耕一郎君 厚生大臣知らないんだな。神戸市は厚生省の指導で二月一日から千二百円に決めたんですよ。知らないんですか。
#177
○国務大臣(井出正一君) ずっと八百五十円で神戸市はやっておいでだということは承知しておりますが、私どもは八百五十円でなくちゃいかぬと、こういう指導はいたしておりません。必要ならば、特別基準というのがあるのでございますから、それにのっとって用意をしていただきたいと、こういう指示をしたところであります。
#178
○上田耕一郎君 大分暖かくなってまいりましたけれども、雪も降りますし、まだ寒い日もあると思うんです、暖房の問題。それから私いろいろ言われたのは、毛布が湿っちゃったというんですよ。マットを上げますと床がぬれているんですから。この湿った毛布の交換、それからプライバシーを守るための間仕切り問題、こういうのをこの避難所十万の方々のために至急やっていただきたいのだが、小里担当相、いかがでしょう。
#179
○国務大臣(小里貞利君) ただいまお話しの避難所におきまする毛布の問題のみならず、あるいは暖房あるいは仮設トイレあるいは仮設ぶろ等々、今お話しのことなどにつきましても、具体的に連日のごとくパトロール隊等が巡視をし、かつまた市におきましても、それらの指導あるいは管理が徹底するように相当留意されておると私は判断をいたしております。
 しかしながら、個人的に格差が若干あったかなと、そういうことは過程におきまして感じておるところでございますが、先生が現場を御視察になったのは先月の二十日前後でございますか大分今日におきましてはそれらの指摘もあり改善されてまいっておる、さように存じております。
#180
○上田耕一郎君 私、十九日に行ったとき、お弁当一日分、上田さん、村山首相に見せてほしいともらったんですよ。その後聞きましたら大分改善されてきて、この間カツ重が出たという。千二百円になるとそういうときもあるんですよ。きょう古い弁当は持ってこなかったけれども、やっぱり少しずつ改善されていますけれども、ぜひやっていただきたい。
 それで、小里さん、一番被災者の方に口々に言われたのは、けさから言われている仮設住宅ですね、パニック状態だというので。それで、ここで僕はつくづく思ったのは、いろんな要求で、例えば土地を提供する人がいるからそこに建ててほしいと、仮設住宅、自分で建てていいという。仮設だからいろいろ権利、面倒じゃない。ところが翌日、県に行って芦尾副知事に会った。県としては五百平米まとまればというんですよ。やっぱり枠をつくるわけね。
 それからもう一つは、これは二十八日に神戸市議会の要望書、小里さんも行ったと思うんだけれども、これは自民党から共産党まで全会一致ですよ。この冒頭の要求はこうです。個人が建設する仮設住宅に国庫補助制度を。零細商店主のために店舗つきの仮設住宅を、これにも国庫補助を。県と市は、いや仮設住宅は公募だから、そこに個人が建てるというとうまくいかないというわけですよ。私は、こういうふうに今までの枠、公募の原則とかそういうことを言っていたんじゃ、手つかずのいろんな問題、解決しないと思う。
 私は、被災者、神戸、芦屋、西宮の市民、ボランティア、この人たちの物すごいエネルギーに依拠して、今までの決まりやら枠にとらわれないで、枠もある程度大事でしょうけれども、いや公募だからだめだというふうに言わないで、みんなのエネルギーを使って、土地を提供するならそこの瓦れきを片づけてくれ、仮設住宅建ててあげるよといったら一斉にみんなやりますよ。それで日当も出しますよといったら仕事にもなりますからね。
 だから、やっぱり本当に今までの法律の予想を超えた大災害で、仮説住宅がおくれればこれは延びちゃうんですから、避難所が。そういう点でどうしても私はやっぱり国としてこの問題きっちりする必要がある。
 それで、一つ首相に、この間、仮設住宅四万戸以上建てる場合は県と協議すると本会議でお答えになったけれども、県と協議として県に任せないで、やっぱり内閣が乗り出して本当に実態を調査する、本当に仮設住宅が一体何万戸要るのか。共産党は十万戸要ると育っているんですよ。実態調査していついつまでに何月つくる、そのためにはみんなのエネルギーをどうやって生かしていくということを内閣が先頭に立って新しい気持ちでやるべきだと思うんですが、小里さんと首相のお考えを聞きたいと思います。
#181
○国務大臣(小里貞利君) まず最初の五百平米以下云々のお話でございますが、これは先生何かお聞き違いじゃないでしょうか。もう現実にそれ以下のところでも二一戸でも二戸でも建てております。恐らく最初の段階におきまして事務が若干混乱いたしました当時のお話ではなかろうかかように思っております。
 それからもう一つ、個人の宅地に仮設住宅を建てたなればいかがであるかあるいはまた店舗つき仮設住宅、これらをひとつ考えたらどうかという御提案でございますが、一見いたしましてなるほどと私どもも感じないわけでもございませんでした。その後、かなり早い時点の話でございますけれども、検討いたしました。
 ところが、およそ仮設住宅とは、御承知のとおり、土地を持たない方々、しかも自力で今すぐ家族が入れる家がない、その家を自力で求めることができない方々を対象にいたしておる、そういう一つの、原則との均衡。それからもう一つは、災害のため住宅をなくしまして、さらに自力で自分の今住み家を求めることができない人々の応急的な安定を図るという目的からいたしましても、およそ土地を持った方々を対象にした仮設住宅を建てるということはなかなか本質的に困難である、こういう判断をいたしました。
 また、その話は現地の全部の市町ではございませんでしたが、一部の市町、それから県当局とも話をいたしました。もちろん厚生省でも十分検討いただきましたけれども、これはなかなかできないな、そういう判断に至ったものでございます。
 それから最後に、土地の供給が仮設住宅を建てる場合の最大の要請だ、先決問題じゃないかというお話でございますが、まさにそのとおりでございます。
 これは議会にもかなり細やかに報告をいたしたつもりでございますが、御承知のとおり、三万四千五百戸の分はもう土地は十分計画がなされております。そしてまた、あとの五千戸余りの分も既に、県ではございません、国有地等を提供いたしました約百二十ヘクタール前後が残っております。これはしかも兵庫県内域でございます。
 したがいまして、あと五千戸建てるその土地が未定の分も、あと大体余計見まして六十ヘクタールあればいいわけでございますから、国有地を準備をいたしておる分だけでも六十ヘクタール前後はあるわけです。さらにまた、地元の県、市におきましても若干準備がある。さらに民間にも提供してくれというような御相談をいたしておりますから、いたずらに算術計算のみならず均衡をという、そういう視点から見ましても、地元において御苦労されるだろうけれども、大体対応できるのではないか、さように思っております。
 それからもう一つ、これは総理大臣にお尋ねのお話かもわかりませんけれども、政府が主体的にやるべきじゃないかというお話でございますが、およそ私ども政府部局は、総理大臣の指示のもとに、日ごろのこれは町の仕事、県の仕事というような行政区分をおよそ全く考えてはおりません。これはもうまさに我々政府が責任を持ってやるべき仕事であるぐらいの気持ちを持ちまして旺盛に取り組んでおるところでございます。
 現実にきのうも、実はプレハブ業界の方々あるいはあの現地で契約を結んでどんどん仮設住宅の現場で仕事をしておられる企業の方々も二十名近くお集まりをいただきまして、そして建設省、厚生省の主管局長とも出てもらって、ぜひ三月いっぱいの三万戸、そして四月いっぱいの四万戸は完成してくれと、そしてまた甚だ僭越なことであるけれども、私ども政府も中間検証をこれからしばしばやりますよと、しかも私ども対策本部といたしましては担当専従者を決定いたしまして毎日現場を踏査して督励、検証すると、そういうような措置なども講じておるところでございます。
#182
○国務大臣(村山富市君) 今、小里担当大臣からもう微に入り細に入り答弁がございました。
 私は聞いておりまして、小里大臣はもう毎日のように現地に行ったり来たりしていますし、行けないときには県知事やら市町村長さんと連絡をとってそして絶え間なく一生懸命やっていただいておる、もうそれは本当に敬服をいたしております。
 ただ、この問題に取り組む視点として一番大事なことは、今お話もございましたように、被災者のニーズ、被災者の要請にどうこたえていくかということが前提です。それにどうこたえ得るかという市町村の取り組みが一生懸命されておる、その市町村の考え方も大事にしながら国も一体となって取り組んでいこうと、こういう決意でやっているところでありますから御理解をいただきたいと思います。
#183
○上田耕一郎君 首相、一つだけ確認します。
 知事もそれから小里さんも首相も言われたけれども、仮設住宅については希望者全員にとにかく建てると、このお約束はそのままでいいですね。
#184
○国務大臣(小里貞利君) 三万戸を計画いたしておりまするあの当時の段階におきまして、知事の方から問い合わせがございました。そのときに政府で官房長官等を中心に御相談申し上げました。その後、御承知のとおり一万戸ふやしたわけでございますが、知事が、仮設住宅に限って申し上げるが、これに対して県民からさらに要望があったときには私はその応募者にはこたえる、希望者にはこたえるということを宣言しようと思うがどうであるかと、そういうような問い合わせがございました。
 これは仮設住宅を物理的にきちんと間に合わせなければならないという行政上の責任あるいわゆる観点と、もう一つは当時大分混乱いたしておりましたことも私は背景にあったかなと、私自身またそのような気持ちがなかったわけでもございませんが、とにかくきちんとそのことはよろしゅうございますと申し上げたいきさつがございます。
 したがいまして、御承知のとおり、仮設住宅は県知事が設置者でございますし、市町長はそれを補う立場にあられますから、その辺の需要につきましては実態を地元の市町長及び県知事が十分把握された上できちんと責任ある要請があるものと、私どもはそのように考えております。そのような前提におきまして要請があったときには率直に、できるだけ機敏に対応しなきゃならぬ、さように思っております。
#185
○上田耕一郎君 首相は、やっぱり被災者の要望にこたえることが一番大事だと。私は被災者の知恵とエネルギーを本当に生かしてやることが大事だと思うんだが。あの恐るべき災害で身内を失い、財産を失い、家を失い、職を失った。住宅、家財、それから中小業者の営業用資産を国として何とかできないかという問題がどうしても出るんですね。
 大蔵大臣、大蔵大臣は前の答弁で、日本は私有財産制だと、個人の財産は個人の責任のもとに維持するのが建前だと言われた。これは冷たいと思うんですよ、あの災害を個人の責任で立て直せというのは。
 それで、きのうから大問題になっております東京共同銀行のあの二つの信用組合、特にあの高橋理事長などの乱脈経営を何で個人責任の原則でしないで公金を使って救済するのか、おかしいじゃないかという問題にどうしてもぶつかってくるんです。
 そこで、武村さん、この矛盾はどうお考えですか。
#186
○国務大臣(武村正義君) そういう御質問はここには答弁が書いておりませんが、別に、冷たいとおっしゃいましたが、そんな気持ちで申し上げたわけではありません。この国はそのことを基本にして今までは成り立っていると。私有財産が認められていて、かつてのソ連とは違います。それぞれ自分で努力をして稼いで、土地を買ったり住宅を持つことができます。その個人財産というのは持った本人の自由に使える、あるいは排他的とも言いましたが、自分の財産に対して他人が干渉することを排除することもできる。自分の責任で自分が自由に持って、活用しあるいは処分することができる。それが建前になっておりますと。そういう国で、問題は今回の事態をどうするか。私どもは、だからもう何もしないとは言っていないんです。
 例えば本当に亡くなられた気の毒な方々には弔慰金をお出しいたします、五百万。あるいはもう二度と社会的に復帰できない重度の障害者に対しては二百五十万見舞金をお出しいたします。これは個人補償です。
 あるいは住宅についても、先般来説明を申し上げておりますように、ローンのかかわりがございますが、過去の焼けた家に残ったローンをどうするか。そして、それにもめげず新しい住宅を再建するためにもう一度借金をされたサラリーマンに対してどういう対応をするか。それは確かに焼けたもの、家屋の全額を政府が税金で補償するという、そういう提案もあるかもしれません。そこまでは考えていませんと。せいぜい低利の有利な条件でお貸しをし、それを活用していただいて、よしもう一度出直そう、もう一度頑張ろうという気持ちを持っていただくのを励ましていくということだと思います。これは中小企業に至るまでほぼ同じような姿勢で、低利の企業再建に対する激励策を金融政策でやらせていただこうということであります。
 応急仮設住宅とか瓦れき対策とかこういうのも、今回は特に瓦れきは初めて半分国が持つという方針をとらせていただきましたのも、たとえ個人の住宅であれ個人のビルであっても、中小企業のものは半分は国が負担をする、あとの半分もおおむね自治大臣の方で地方財政措置で負担をいただくということで、そういう個人にかかわる実質補償と思われるさまざまな措置もやらせていただいておりますが、個人の財産の損失を丸々公金で、税で負担するという考え方はとっておりませんということを申し上げてきたわけであります。
#187
○上田耕一郎君 この二つの信用組合問題で、協同組合法を初め、法律違反は何と何が問題になっているんですか。
#188
○政府委員(西村吉正君) 両信組の法令違反は、大口融資限度、これは自己資本の二〇%以上でございますが、これを超過して貸し出しを行っていること。それから法定限度、これは総預金の二〇%でございますが、これを超えた員外預金の受け入れを行っていること。それから理事会の承認を得ないで理事が自己契約をしたことが認められております。
#189
○上田耕一郎君 法務省、警察庁にお伺いします。
 この問題で日銀や大蔵官僚に対する接待の問題とか、あるいは政治家の問題、一部名前が出てきましたけれども、いろいろ動きがあって証人喚問も始まろうとしておりますけれども、法務省、警察庁はこの問題にどういう関心を持ち、汚職その他があったらどういう捜査を行っているか行おうとしているか、それぞれ答弁いただきたい。
#190
○政府委員(則定衛君) 二つの信用組合の前理事長に対します刑事責任を追及してもらいたいということで、三日前の二月二十七日に背任罪の告訴状が東京地検に提出されたわけでございます。検察当局といたしましては、それも踏まえまして適正な捜査活動を展開するということになるわけでございます。
 今お尋ねの点は、それ以外の問題についてどうするのだ、こういうことでございますけれども、いわゆる疑獄捜査と称されるものにつきましてはいろんな観点から捜査活動をいたすわけでございますけれども、あくまでもそれは刑事責任として取り上げるべきものがあればということでございまして、今回におきましてもそういう前提のもとで的確な捜査を遂げるものと考えております。
#191
○政府委員(垣見隆君) お答えいたします。御質問の件につきましては、警視庁におきまして、二月二十七日、両信用組合前理事長に係る背任容疑の告訴を受け、現在、事案の解明に向け所要の捜査を行っているところでございます。
 具体的な捜査状況につきましては答弁を差し控えさせていただきたいと思います。
#192
○上田耕一郎君 先ほどのお話で、協同組合法の違法内容で、預金総額の二〇%が限度なのに、員外預金の比率は協和八三・六五%、八割です。大口融資規制違反の貸し出しが協和八一・三七、八割です。恐るべき大口貸し出しです。結局、これは本当の大口のハイリスク・ハイリターンで、高金利でリスク承知でここに群がったプロの投機家、大口ですよ。この人たちが今度の措置で助けられるんですよ、公金を使って。おかしいでしょう。
 それで、預金保険機構、これについて説明していただきたい。それから信用組合の金融機関としての性格についても説明していただきたい。
#193
○政府委員(西村吉正君) まず預金保険機構とは、預金保険法によりまして預金者の保護を図るため、金融機関が預金の払い戻しを停止した場合に必要な保険金の支払いを行いますほか破綻した金融機関に係る合併等に対し適切な資金援助を行い、もって信用秩序の維持に資することを目的として設立された法人でございます。
 次に、信用組合について御説明申し上げますと、中小企業等協同組合法により都道府県知事の認可を受けて設立され、組合の地区内の小規模の事業者や勤労者等の相互扶助を目的とした非常利の協同組織金融機関でございます。
#194
○上田耕一郎君 預金者の人数のうち一千万円以下の割合、人員、それから金額、また組合員の中で預金一千万円以下、その割合はどのくらいですか。
#195
○政府委員(西村吉正君) まず預金者数でございますが、一千万円以下の預金者は、預金者数で申しまして八八・一%、預金額で申しまして一〇・九%でございます。
 そのうち組合員と組合員でない者との割合についてはちょっと手元の資料にございません。失礼をいたします。
#196
○委員長(坂野重信君) 最後の一問。
#197
○上田耕一郎君 もう終わりますけれども、武村さん、あなた先ほど、今の公金を使った千六百億のスキーム、あるいはペイオフを使うかどっちかの一つだったでしょう。ペイオフでこの預金保険機構を使えば、人数で八八%、これは二万三千人ですけれども、一千万円以下の元金は全部戻るんですよ。小口預金者は全部戻るじゃありませんか。
 それを今度の千六百億で、東京都はちょっと延期したけれども、日銀二百億でしょう。公金を出して助かるのは大口のプロの投機家ですよ。おかしいじゃないですか。これは助けるべきでない者を公金で助けて、助けるべき兵庫の被災者たちに、多少助けても本当に個人補償をやらないというのは、これは大体おかしいですよ。だから今度の東京都の延期も、あれは世論の勝利ですよ。だからこの世論をまともに受けとめてきちんとやっていただきたい。
 最後に答弁を求めて、私の質問を終わります。
#198
○国務大臣(武村正義君) 一千万円以下の方も金利は払われないという異常な事態になりますし、一千万を超える人が全部おっしゃるような問題の預金者ではありません。そのほかにも中小企業者がなけなしの金で預金して、事業のために預金しているのもありますから、そういうのも全部だめになるわけですから、やはりペイオフというのは、これはかって一度も経験をしていないことが示しておりますように、大変非情な企業倒産に伴う措置であるというふうに認識をしなければなりません。同時に、そのことが全国の金融秩序にどういう影響を与えるかということも真剣に考えながら私どもの今回のスキームは考え出しているものでございまして、責任を厳しく追及するという姿勢と、金融秩序全体を保持していくという考え方と、この二つについての御理解を賜りたいと存じます。
#199
○上田耕一郎君 終わります。
#200
○委員長(坂野重信君) 速記をとめて。
   〔速記中止〕
#201
○委員長(坂野重信君) 速記を起こして。
 申し上げます。
 先ほどの上田議員の発言の中で問題のある発言があるという指摘がありましたので、理事会で協議いたします。
 以上で上田耕一郎君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ―――――――――――――
#202
○委員長(坂野重信君) 次に、西野康雄君の質疑を行います。西野康雄君。
#203
○西野康雄君 新党・護憲リベラル・市民連合の西野康雄でございます。よろしくお願いいたします。
 四年ほど前に、全日建運輸連帯労組という労組と一緒に、山陽新幹線がどうもぼろぼろとコンクリートが落ちたりしている、手抜き工事があるのではないかというふうなことで調査をしたことがございます。事実、下からずっと橋脚がコンクリート打設されていく、そして上に線路の台が乗るわけですが、その境目あたりが随分と壊れたりしている。何が原因なんだろうかなと思っておって、海砂利だろうかな、そんな思いもしておったんですが、今回、高架橋の落下現場で見たものは何かといったら、コンクリートの上に発泡スチロールが乗っている。(資料を示す)これは両面に発泡スチロールが乗っている。つまりずっと台が上げられてきたその上に線路の台が乗るわけですけれども、その間のすき間に入れられていたのはこういうふうなものなんですよ。
 私、今まで、特殊なゴムを使ったりとかそんなんでアブソーバーの役割を果たすような、そういうふうな工法は見たことはありますけれども、しかし新幹線が通っているその部分にこういうふうな発泡スチロールが何度も何度も何重にも使われているというのは、これは見たことないです。おかしいな、おかしいなというふうなことの指摘をずっとしてまいりましたが、JRはそのたびに、まあ言うたら知らぬ顔をしておりました。四年前の写真がここにもございます。今回起きたところというのも、本当に民家の近くでそういうふうなことが起きておったわけですね。ここにも写真もございますけれども、本当にひどい手抜きが行われておったわけです。これはもう犯罪行為に等しいようなことが行われていたわけです。
 そこで、運輸大臣、今回は、こういうのは新幹線動いていたら大変な人命が失われているところですよ。犯罪行為に等しいようなことが行われていた。ひとつ今回は、急がずに徹底的にこういう部分についてはきっちりと対処していただきたい。それでないと安心して乗れない。橋本通産大臣も片山理事も安心して岡山へ帰れるようにきっちりとやっていただきたいと思う。運輸大臣、ちょっと答弁お願いします。
#204
○国務大臣(亀井静香君) 前々から国会におきまして御答弁を申し上げておりますように、松本委員会、現地調査を徹底して続けてやっておるわけでございまして、それについては、四十二年から四十七年に建設したわけでございますが、本来の耐震設計そのものに問題があったのかあるいは耐震設計そのものは十分であっても、委員御指摘のようなことが、手抜き工事等の施工上の問題があったのかそういうことを含めまして現在徹底的な調査を続けておるところでございまして、私どもといたしましてはその調査を踏まえて、新幹線の再開等については安全を最優先にしてこれをやらせたい、このように考えておるわけでございます。
 ただ、最終結論が出る前にやはり工事に取りかからなければならない現実的な事情もございますので、私どもといたしましては、鋼板を巻くといったようなこと、検討委員会の先生方の御指導もいただきまして、現在、極めてハイレベルな復興工事を実施いたしておるところでございます。
 なお、今の発泡スチロールか何か知りませんが、検討委員会においても当然そのあたりの素材は入手もいたしておると思いますので、検討しておると思いますが、それをどう判断しておるか等につきましては私どもまだ報告を受けておりません。
#205
○西野康雄君 ひとつ検討委員会の調査結果というものもきっちりと公開もしていただきたいし、この施工が手抜きというふうなことになったら、そこの業者というものの名前もきっちりと出して社会的な制裁というものを加えなければならないんじゃないか。殺人者と等しいと、私はそのように思いますので、ぜひともそういうことも含めてきっちりと運輸大臣、検討していただきたいと思います。
#206
○国務大臣(亀井静香君) 私どもは、調査の中身、また手順その他を含めましてすべて公開をしていくつもりでございます。一切これはオープンでやっていくつもりでございます。
#207
○西野康雄君 ありがとうございます。その方向でひとつ御検討をお願いいたします。
 続いて、阪神・淡路大震災によって火事で家族を失ったり財産を失った方も多うございます。火災保険に入っている方は、保険会社に連絡しても地震による火災だから保険金は払えないと言われて、今、一銭ももらっていないわけですね。
 地震が起きた直後ならいざ知らず、五時間も六時間もたって出火原因さえ定かでないにもかかわらず、地震と間接的に関係があると。だれかが瓦れきのところにたばこをぽい捨てしたかもしれないし、聞いている話では、電力会社が通電をして、そのまま火花がバチバチと散ってそして出火したというふうなことも聞いております。
 火災原因を何でもかんでも風が吹けばおけ屋がもうかる方式で無限大に解釈して、損保会社が支払いを拒否しているというのは、どうも私、一市民の感情として納得できないんですけれども、その辺、大蔵大臣、どうですか。
#208
○政府委員(山口公生君) お答え申し上げます。
 火災保険の約款上は、地震を直接または間接の原因として発生または延焼、拡大したものは支払いの対象外となっております。これは大きな地震が発生した場合、その損害は大変広域に及びまして、被害件数、損害額とも膨大なものとなる可能性がございまして、通常、保険で予想されているリスクをはるかに超えたものとなるからでございます。
 ただ、具体的なケースとしてその約款上どういうふうな解釈に、適用になるかというものにつきましては、それぞれの事実に基づいてなされるべきでございまして、個々のケースにつきまして行政当局で具体的に云々ということは差し控えさせていただきたいと存じますが、個々のケースにつきましてそれぞれ御事情があろうかと思います。事実関係を損害保険会社等によく御連絡を賜り、御相談をいただければ幸いでございます。
 なお、地震保険契約を附帯していないそういった火災保険の場合につきまして、火災による一定以上の損害によって臨時に生ずる費用に対しては、保険金額の五%、三百万円までが地震火災費用保険金として支払われることになっております。
#209
○西野康雄君 もうそんな答弁は、私もこれを質問するときに勉強もしています。五%の部分も知っているんです。しかし、東京共同銀行であんなのでしょう、あそこへ公費をつぎ込むんでしょう。保険会社のそういうふうなところで全部支払ったら火災保険会社がつぶれるというんならそういうふうなシステムをとればいいわけで、官民一体で総力を挙げて被災者救済に全力を挙げているときに、火災保険会社だけで、上場会社だけでもその利益、九四年度で千百三十六億余の額に上っておるわけですね。含み資産も膨大なわけです。
 それで、加入者の声を聞くと、地震火災の免責など知らされていないということも事実としてあるわけなんですね。そうすると、火災保険会社はこういう非常時に約款をしゃくし定規に解釈せずに弾力的に運用すべきであろうし、そうしなさいと大蔵省が指導すべきじゃないか。全額支払うと損保会付の方も破産をしてしまうからと。それならば、ある程度のところで歩み寄れるものは歩み寄らなきゃならぬのじゃないかというふうなことを言ってしかるべきかと思うんですが、大臣、どうですか。
#210
○国務大臣(武村正義君) この件は、今も部長がお答えをいたしましたが、大臣がほろりとして、よっしゃと言って判こを押してやるわけにはいきませんので。
 これまでの保険法も含めて日本の損害保険のシステムが成り立っておりますだけに、そういう中で今回も、今申し上げた三百万までの契約額の五%という措置は、損害保険会社もこの大震災に対応して素早く表明した措置だと私は思っているところでございます。
 なお、個々のケース、おっしゃったような何で火事が起こったのかという疑問のあるケースも確かにございますから、これは保険会社が親切に親身になってやはり対応をさせていただかなければいけないというふうに思います。
#211
○西野康雄君 本当に困っておられて、そして何のための火災保険なのか、何やわからへんと。地震保険に入っている人も、ある中華料理屋さんですが、もういっぱい茶わんとかそんなものもつぶれてしもうた。聞いたら、ああ、動産はだめですというふうなことで、もう何のための保険なのか。それやったらこれからもう火災保険やとかそういうふうなものは入らへんぞ、損保会社はもうけるだけもうけてというふうなことにもう皆なっているわけですね。ですから、そこは大蔵大臣、あうんの呼吸でよろしくひとつお願いをしておきます。
 続いて文部大臣ですが、阪神・淡路大震災で一瞬にして両親を失ったいわゆる震災孤児も多いはずなんですね。広島の田中仁美さんという方からファクスが寄せられて、大震災により孤児となった子供たちをアメリカのモンタナの大自然の中でのキャンプ、地元子供たちとの交流体験を通してリラックスさせたいというふうな申し出も私どものところに寄せられているわけです。実現まではいろいろと乗り越えなければならない事柄というのはあるわけですが、そのベースとなる基本となる震災孤児ですね、それの実態が全くつかめていない。できるだけ手を差し伸べてやりたいと思う方はたくさんいらっしゃるかと思うんですがね。
 ところが、文部省からの問い合わせがあったが震災孤児の数は全然わからない、調査しようにも果たしてうまくいきますかというのが兵蔵県教育委員会の答えです、新聞によりますと。神戸市教委は、学校は避難所の世話と学校再開の準備にかかりっ切りで、とても指示を流せるような状況ではないというふうなことなんですが、やっぱり文部省として、震災孤児に対して調査を実施すべきじゃないですか。状態を把握すべきじゃないですか。
#212
○国務大臣(与謝野馨君) 現時点でわかっております御両親を同時に失った方は、児童生徒五十二名でございます。
 この方々は、当然修学のために必要な経済的なバックグラウンドがなくなるわけでございますから、修学援助をどうするか、授業料の減免をどうするか等々、あるいは育英資金をどうするかというようなことも考えなければなりませんし、また保護者がいなくなったわけですから、学校もあるいは教育委員会、児童相談所等も愛情を持ってこういう方々に接しなければならないと、そういう事態であると考えております。
#213
○西野康雄君 できるだけ早く震災孤児の方々の実態の把握をお願いしたいと思います。
 そしてまた、「「激甚災害に対処するための特別の財政援助等に関する法律」の適用に当っての特別措置」に関して、地元の阪神地区の被災した私立大学、短期大学よりいろいろな要望が寄せられております。
 大臣もその要望というのはよく御存じかと思いますが、特に「「激甚災害に対処するための特別の財政援助等に関する法律」の適用に当っての特別措置」のお願い事項として、「現行の補助率二分の一を三分の二に引き上げて適用していただきたい。なお、補助の算定基準から耐用年数並びに減価償却期間を除外していただきたい。」とか、あるいは「仮設校舎の建設、校地の整地・補強、機器備品、図書等に要する費用が補助対象となるよう適用範囲を拡大していただきたい。」、あるいは「復旧が数年に亘ることが予想されるため、それに対応する予算措置を講じていただきたい。」「激甚災害法の適用に当って、申請手続の簡素化をはかっていただきたい。」という要望、四項目ほど寄せられておりますが、文部省としてどういう対応をなされますか。
#214
○国務大臣(与謝野馨君) 激甚災害法による二分の一の数字は、なかなか横並びの関係がありまして動かすことは難しい。ただ、残りの二分の一の私学振興財団を通じての融資ということについては、利率が期間平均で三・九%になるように工夫されております。また、備品等については補助の対象にしております。仮設校舎も当然でございます。それから復旧するときの計算でございますが、これは簿価で計算するあるいは残存価額で計算するのではなくて、原状に復旧するために幾ら費用がかかるかということを基礎に計算いたします。もちろん、手続の簡素化は当然のことであると考えております。
#215
○西野康雄君 続いて「受験料、授業料等学納金の減免措置に対する特別補助」ということで、「被災した学生・生徒等にたいする受験料、授業料等学納金の減免措置を実施した被災私立学校に対しては、全額補損の予算措置を講じていただきたい。」、この要望に対してはいかがでございましょうか。
#216
○国務大臣(与謝野馨君) 大学等につきましては、私学振興財団を通じての経常費助成の中で配慮をしてまいります。また、私立高等学校等につきましては、当該県を通じまして補助をしてまいるわけでございますが、これは県の予算、文部省の予算を合わせましての補助でございます。そういう授業料等の減免を行ったところには十分な配慮をしていくということは当然のことであると考えております。
#217
○西野康雄君 この問題に関して、実施期間だとかいろいろなところでまだまだ要望が寄せられていると思うので、事務方で結構ですから、その被災の私学ともう少しすり合わせを細かくお願いしたいと思います。
 少し気になることで、厚生大臣が、二十七日現在で寝泊まりされている方は九万四千人台、食事を提供される方、数は十七万三千人というふうなことでおっしゃっていまして、仮設住宅のことでファクスが寄せられました。
  昨日のニュースで神戸市は避難所のお弁当の数で十六万五千人程が避難民の数としていたが、実際は六万人少い数で(九万五千)、電気や水道が通ったので自宅に帰り、お弁当だけ取りに来ている人がいるので、仮設住宅の数も見直して行くと、言ってました。
 うちの近所もそうですが、自費でマンション借りたりしている人の他に、ずっとは住めないけど、仮設住宅が当る迄は避難所に行かず、何とか自分の家にこわごわ住んだり、親類や知人の家を移りあるいている人がたくさんいる。
 又、避難所の人数で仮設住宅の数を決めると、又、大きな誤差がでて来てあわてなければならない。もっとキッチリした数を行政は把握できるはず。
 これでは、ヘリコプターで空から倒壊した家を把握したのと同じぐらいずさんなやり方だと思ったので一応FAXしました。こういうふうなことで、人数分と、それから、いてる人は本当にこわごわいてるんですね。
 マンションで、余震四以上あったら気をつけてください、こう言われながら住んでいる人がおる。私に、余震四以上って、どないやって気をつけまんねんというふうなことが言われたりいたしておりますので、ぜひともその辺のところの把握、神戸市から上がってくるだけではなくて、実態を把握していただきたいと思います。
 答弁結構です、時間が来ておりますので。どうかよろしくお願いしておきます。
#218
○委員長(坂野重信君) 以上で西野康雄君の本日の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ―――――――――――――
#219
○委員長(坂野重信君) 次に、下村泰君の質疑を行います。下村泰君。
#220
○下村泰君 先般、神戸の方に私、行きましたときに、福祉の関係の方々とお会いしていろいろお話ししておりましたところ、一番対応の早かったのが通産省と労働省、こんなようなことを言っていました。別に労働省と通産省を持ち上げるわけじゃございませんけれども、もちろんほかの省庁も一生懸命おやりになったんでしょうけれども、大変対応の仕方が早かったというようなお話を承ってきました。
 さあそこで、それはそれとして、この間通産大臣にもお願いしておきましたけれども、耳の不自由な方、聴覚障害者の方とかあるいはお年寄りで難聴の方々、そういう方たちのために文字放送とかあるいは字幕放送の受像できるアダプターの入ったテレビをお願いしますというふうに申し上げましたけれども、その後どんなふうになりましたか。
#221
○国務大臣(橋本龍太郎君) 冒頭、職員の努力を褒めていただきましてありがとうございました。
 ちょうど二月九日、委員から文字放送対応テレビの話をいただきまして、その後すぐに日本電子機械工業会に対してお願いをいたしましたところ非常に気持ちよく了解をしてくださいまして、その足で兵庫県の方の災害対策総合本部に寄附の申し出をしてくださいました。その後、この日本電子機械工業会と兵庫県聴覚障害者協会との間で御相談をいただきまして、神戸市立総合福祉センターなど十一カ所を地元の方から指定してくださいましたので、既にその十一カ所に文字放送対応テレビを設置することを決定して、お引き渡しを済ませております。
#222
○下村泰君 どうもありがとうございました。
 次に、小規模作業所のことについてお伺いします。ほかの委員会でも私は取り上げておるんですけれども、無認可作業所への行政の今後の対応について伺いたいと思います。
 私もいろいろ関係者の方の会議に出席してきたんですけれども、あちらの方では、神戸の関係者なんですけれども、九十六カ所のうちに全壊が十一、半壊が十三、これを含めてめどの立たないのが三十六カ所、こういうふうな報告を受けたんですけれども、厚生省の方ではどういうふうにつかんでいらっしゃいましょうか。
#223
○政府委員(佐野利昭君) ただいま先生がおっしゃったとおりの数字を把握しております。
#224
○下村泰君 ただ、困ったことに、こういう作業所というのは家賃の安いところあるいは人の御好意で借りるような場所ですから、当然もう古いんです。したがいまして、今回のこういった災害にはもろくも崩れておるわけなんです。大きな被害を受けているわけです。福祉保健関係の対応が大変厳しかったそうです、そのときは。でも、当事者の方々に言わせれば、いつも親身になって世話をしてくれる人たちなんだけれども、こういう状態で御自分たちも被災者なんだから仕方がない、これはもう何も申し上げませんというふうにおっしゃっていました。
 これから私がお尋ねすることは、これはもう本当にしっかりお答え願いたいと思うんですが、実はこういうことで作業所その他を失った方々が、通知申し上げまして、きょう皆さんテレビの前に集まっています。ですから、関係大臣がお答えになることが今テレビをごらんの皆様方一つ一つの胸に突き刺さるんじゃないかと思いますので、よろしくひとつお願いをしておきます。
 一つは、これまで国、自治体が出してくれた補助金です。これはぜひとも滞りなく継続してほしいというのが要望なんですね。作業所が壊れたために通っていた人々は自宅待機、したがいまして実質的に機能していないということになって打ち切られるのではないかという心配が今、関係者の間に起きているわけです。それから職員も一人としてやめずにそれぞれの自宅やあるいは避難所を回ったり、週に一回、公園とか、それから集まる場所がないので川辺に集まって寄り寄り相談して皆、活動していらっしゃる。つまり行政のすき間を埋めてくれているわけですよ、この方たちは。
 したがいまして、市でありますとか県、国、それぞれについて、ぜひとも厚生省としても総理のおっしゃっている人にやさしい、心のぬくもりを感じる対応をしてほしいと思いますが、どうぞひとつテレビの前の皆さんに安心するようなお答えを出していただきたいと思います。
#225
○国務大臣(井出正一君) お答えをいたします。
 厚生省といたしましては、このたびの震災により全壊等の被害を受けた、今、先生、数をおっしゃられましたが、小規模作業所でありましても、ほかの小規模作業所と協力して運営するとかあるいは新たに場所を設けるなどして運営を再開する予定の作業所につきましては、引き続き運営費の補助をすることといたしております。
 なお、兵庫県及び神戸市の単独の助成についても同様の取り扱いを行うということを聞いておるところでございます。
#226
○下村泰君 それを聞いた皆さん、きっと安心するだろうと思います。ありがとうございました。
 次に、建物の方なんですけれども、新たに借りられる余力なんというものは全然この方たちはないわけなんです。ほかの福祉法人並みの扱いをしてもらいたいということなんですが、いかがでしょうか。法人になればいい、あるいは法人の中に入ればいいとよく厚生省の方はおっしゃるんですけれども、しかし私も先ほど申し上げましたように、実はこういう災難が起きた場合には、厚生省の手の足らないところをやってくださっている方々なんですから、何とかしてバックアップしてあげられる方法がないものか、検討される何か余地があるだろうか、ひとつ伺いたいと思います。
#227
○国務大臣(井出正一君) 小規模作業所の土地の確保、これは私も現地で御要望をお聞きはしております。ただ、多くの方々の生活の場の仮設住宅の土地の確保にも大変今、難渋をしておる中でございまして、現実問題としてそのようなものの実現はなかなか難しいと考えられますが、しかしその実態を十分把握しております兵庫県やあるいは地元の神戸市等の自治体と十分に連携をとりながら、在宅障害者の皆さんの福祉の確保のためにどのような支援が可能か検討してまいりたいと思っております。
 なお、小規模作業所の再建に当たりましては、公的な助成が受けられる授産施設の分譲あるいはデイサービス事業等として整備できないかまたはそれまでの臨時的な対応について具体的な方策がないか等について、目下、地元自治体とも協議し構想がまとまるようであれば積極的に支援をしてまいりたいと、こう考えておるところでございます。
#228
○下村泰君 もう一つ、厚生省が地域型仮設住宅の整備を行うというふうに伺っておりますけれども、こういうところを何か利用させていただくというような考えございませんでしょうかね。
#229
○国務大臣(井出正一君) この地域型仮設住宅に小規模作業所としての機能を持たせるのはどうかという御提案でございますが、現実問題として仮設住宅の用地の確保にも先ほど申し上げましたように苦慮しておる中で、高齢者やあるいは障害者の皆さんを対象としております福祉的ケアが受けられる住宅を応急的に整備しようとするのがこれでございますから、実態として仕事場としての性格を持つ小規模作業所の機能まで持ったものとすることはなかなか申しわけございませんが困難だと申し上げざるを得ません。
#230
○下村泰君 多分そういう御答弁になるんじゃないかとは思っていましたけれども、何かちょっと温かみがないですな、やっぱり。
 精神障害の方々なんですが、自宅があってもそこで待機を続けることで症状がますます悪くなっているんだそうです。あるいは避難生活をしている精神障害の人がなおさら進行が早くなる。こういうときほど作業所のような場所が必要なんですけれども、既に一たん退院して共同作業所、いわゆる小規模作業所のようなところでお働きになっていた方々がまたまた発病して、八百人以上の方が病院にまた戻っているというような傾向が出ているわけです。ですから今大臣そういうようなお答えになりましたけれども、こういうふうな傾向が出ているわけですよ。
 それだけに余計何とかこういう方々の扱い方を、そういった小規模作業所のようなところをつくっていただくということがいかに大事かということがよくわかるわけなんですけれども、どうでしょうかね。
#231
○国務大臣(井出正一君) 地域型仮設住宅は目下のところ千五百室を計画しておるわけでございますが、あるいは地元、もう少したくさんつくる必要があるという話を持ってくるか、あるいは今調査をしておりますが、若干余裕が出るような結果になるかそのようなときには今の先生の御提案も協議の対象として地元と相談していきたい、こう考えているところでございます。
#232
○下村泰君 この小規模作業所の無認可作業所というものの役割というのは意外と大きいんですよ、やっていることは小さいんですけれども。
 例えば、文部省に伺いますけれども、養護学校がございますね。卒業していく。就職できませんでしょう。
 今度は労働省に伺います。労働省の方は各企業に対して一・六%は雇わなきゃいけないよ、ところが企業の方は雇いたくないから納付金を出してごめんなさいですわな。
 そういうように各省庁にそれぞれかかわる問題なんですよ。今度は厚生省が小規模作業所にいろいろ援助してくださいますわな。すると今度、心のある企業の方々がそういう方たちにできる仕事を提供してくださるわけ。するとこれは今度、通産省ということになるわけです。
 ですから、少なくとも僕は文部街とか労働省とか通産、厚生というところがよほど連絡をとって、ましてやこういう災害時のときですものね、これに対応できるだけの力を持たなきゃいけないと思うんです。
 こういう記事も出ておるんですよ。
  授産施設の再建に行政が取り組むのは当たり前だが、共同作業所への支援は「無認可のままでは無理」(厚生得)という。いつも厚生省はこうなんですね。
 もう一度、共同作業所の担う役割を考えてほしい。福祉の不在や欠陥を埋め、地域で普通に暮らし、働ける場を障害者と支援者が自力で築いてきた。福祉行政が自らを正すための、いわば先導役ではないか。
 復興計画の中に共同作業所の再生の場を、ぜひ盛り込んでほしい。
 各種の公共施設を再建する時、その一隅を割いたり、学校の空き教室利用を認めるのは、そう難しいことでも、費用のかかることでもない。
 複数の作業所が手を携え再建を目指すケースには原則二十人にこだわらず認可施設として職場を提供する温かく、柔軟な対応を切に望む。それこそ、この最後のところの結びは村山総理の言っていることと同じなんです、これ。ところが、対応の仕方はまるっきりだめなんです。
 それで、私は伺いたいんですが、四省のそれぞれの大山が将来連係プレーをとって、果たしてそのぐらい福祉対策にして大きな事業ができるのかできないのか、そのくらいのプランがあるのかないのか、考えることすらもできないのか。
 簡単に申し上げますけれども、きのうからもうずっと問題になっていますでしょう、今度あの信用組合二つを助けるの助けないのって。あれは自分たちが悪いことをしてああなっちゃったんですよ。ところが今度の震災というのは、何もしていないんですよ、自分たちは。ただ、下の活断層というのが高下型でああいうことになって、何もしていないのにひどい目に遭っているんですよ。こういう人たちをほったらかして、いろんな言いわけをおっしゃって、こっちは理屈にも合わないことをしている。どうも世の中が矛盾していると、これ皆さんお考えになるのは当たり前だと思いますよ。
 四大臣、ひとつみんな抱負を語ってください。
#233
○国務大臣(与謝野馨君) この大震災が起きました後に、それでなくても大変な就職難の時代でございまして、被災地で就職内定取り消しが相次ぐのではないか、あるいは被災地へ就職する近隣の県の方の就職内定が取り消されるのではないかということを大変心配いたしまして、労働大臣も大変御尽力をくださり、また私も経済団体等を回って内定取り消しがないようにぜひ御尽力を賜りたいと、また内定取り消しがあったような場合、余裕がある企業というのがあるかどうかわかりませんが、そういうところで雇用数をふやしていただくというような措置もとっていただきたいということで、雇用不安が新卒者に起きないように特段の配慮をお願いしたわけでございます。
 先生のお尋ねの特殊教育詩学校等の卒業生についてもやはり特段の配慮が必要でございまして、このため、関係の教育委員会、また労働福祉関係機関とも非常に密接な連携を図る必要もございますし、文部省としても関係省庁あるいは地元の関係諸機関によくお願いをし、また経済団体等にもこういう面での特段の配慮をお願いしたいと思っております。
#234
○国務大臣(橋本龍太郎君) 私は、その小規模作業所の所在地、恐らくそれなりに従来は地元の中小企業等ともつながりを持たれ、それなりに受注のできる商品もあったと思います。今回の場合、被災を受けられた小規模作業所の周辺のそうしたつながりのあった企業自身も、恐らく私は被災企業ではなかろうかという想像をいたします。
 私どもは本当は、願わくばその小規模作業所が再開をされました時点で、従来そことのつながりを持っておられた企業が健在であれば当然のことながらそれを引き続いて使ってほしいと思いますけれども、そうした企業がない場合、我々なりにどこまでのお手伝いができるかわかりません。被災企業そのものも立ち上がろうとしている中でありますから、どこまでできるかわかりませんが、その場合、県、市の担当部局とも相談をしながら、あるいは公的な部分で多少ともに仕事を回してあげることができないのかといったことを含めて議論してみたいと思います。
#235
○国務大臣(浜本万三君) お答えします。
 議員も御承知のように、労働省の助成金というのは雇用関係がございませんと助成してさしあげることはなかなかできない仕組みになっております。したがって、小規模作業所につきましては、障害者との間に雇用関係が認められれば助成をさせていただくことになっておるわけでございます。
 したがって、今度の震災に際しまして小規模作業所の皆さんが、例えばその再建に当たりまして複数の作業所が一つになって大きくされて雇用関係を結ばれるということになりますと、納付金の中から助成金を差し上げることができると思います。そういう方法をぜひ活用していただければ積極的に支援をさせていただきたいと思うんです。
 現に平成五年にも八件ございますし、今年度も三件ございますので、ぜひ兵庫県の被災地においてこの制度を活用していただきまして、頑張っておる皆さんのために何かお手伝いができればと思っております。
#236
○国務大臣(井出正一君) ただいま先生がお読みになられた論説は私も実は読みまして、大変感銘もいたしましたし、何とかならないかなと事務当局とも話をしておるところでございます。大変な三千有余の数がございまして、まさに私どもの届かないところで頑張っていらっしゃるということもよく承知しております。
 そこで、何とか国の助成が描くようなところまで、例えば授産施設の分場ならば、五人以上でいいんですし、小規模デイサービスでしたら八人程度でもいいんですから、この隠そういう小規模な皆さん、連絡をとり合って何とかこの基準に達するような努力もしていただきたいと思います。また、この震災の復旧・復興の過程でまさに福祉の町づくりをしていかなくちゃならぬわけでございますから、そういった中にこういったものが取り入れられるような計画をぜひ地元にもとっていただけるようお願いをしていこうかな、こう考えておるところであります。
#237
○下村泰君 本当に、四大臣のそれぞれのお話を承りまして、皆さん温かいんだな、温かいんだけれども変に法が邪魔をしているなという感じを受けました。
 今、テレビの前の皆さんも、労働大臣の先ほどのお言葉で何か考えが出てくるでしょうし、通産大臣の温かいお言葉も受けとめていらっしゃると思いますが、私、いつも申し上げるんですが、諸外国のよく福祉の型をまねするというのは寂しいんじゃないかと思うんですよね。ですから、少なくとも河野外務大臣がよその国にお出かけになっても、日本という国はすばらしい福祉国家ですね、日本型というのがあるんですねと言われるくらいになりたいですな。そのためにお金かけてくたさい、つまらないところに出さないで。
 今度は難病対策についてちょっとお伺いいたします。とにかく人の命は地球よりも重いとよく言いますけれども、そんなものは、人間の命のとうとさとか重さというのはもう言をまたないものだと思います
 私の友人に筋ジスの方がいらっしゃる。御兄弟三人とも筋ジスで、お二人はもう風邪引いて亡くなりました。今お一人なんですが、仙台で一生懸命活躍しています。この方がこの間の神戸の大震災をごらんになっていて、もし私が助けられても恐らく私の体力、生命力ではもたないだろう、そのくらいこの筋ジスという病は大変な病なんですね。
 この病気は医学的な解明を座して待つしかないと私は考えておりましたけれども、だんだん医学が進歩してきました。
 済みません、時間になりましたけれども、これだけやらせてください。お願いいたします。
 政府には医療費の問題や福祉や教育のサイドの問題、こんなことを中心に私は二十年間この国会で取り上げてまいりました。これから医学が進歩すればするほどいろいろなこの面、解明できるような時代が来るのではないかと思いますが、何せ我が国はこういうことに対する予算がないんですね。
 残念ながら、私の知る人、必ず風邪を引くことによって亡くなっていきます。最近では小学校六年生の男の子が亡くなっているんです、風邪を引いただけで。
 伺いましたところが、何か七年度はちょっと予算がふえるようなんですけれども、筋ジスの関係研究費予算は二億一千八百万円、平成三年からこれはふえてない。七年度が幾らかふえる。
 難病の数というのは大変多いんです。ここで申し上げたらもう難病の数を言っているだけで時間が大変たちますので申し上げられませんが、この難病対策の二億一千八百万ですけれども、この研究費が、すべての政府が認めている難病に対して全部二億かけてもあの信用組合二つ救済するほどの金と余り変わらないんですよね。ですから、いかに日本という国はこういうことに対して無縁が、むとんちゃくか、何にも感じてないかということがよくわかるわけです。
 こういう人たちを少しでも安らげるためには、これから先、難病問題にどういうふうに対処していくのか総理のひとつ御意見を伺いまして、私の質問は終わらせていただきます。
#238
○国務大臣(井出正一君) 難病については、先生既にもう御存じのことでございますが、原因が不明で治療方法が未確立であり、かつ後遺症を残すおそれが少なくない疾病や、あるいは経過が慢性にわたり、単に経済的な問題のみならず介護等に著しく人手を要するために家庭の負担が重く、また精神的にも負担の大きい疾病でありますことから、患者や家族に対する総合的な施策が必要であると認識し、その充実に努めていかなくちゃならぬと考えております。
 そして、その中では、原因や治療法の調査研究の推進、また専門的な医療施設の整備、さらに医療費の自己負担の解消等を推進してきたところでございますが、さらに新年度からは在宅で療養されている方々の生活環境の一層の向上を図るために、患者さんやその家族に対する日常生活上の指導の強化、また保健婦さんたちが適切な療養指導を行うための専門的な技術研修などを少し強化しようと考えまして、新たにこれらを実施したいと思って関係予算は昨年度対比五・五%増の八百十六億円を計上したところであります。また、これからさらに充実のために頑張っていかなくちゃならぬと思うところでございます。
#239
○国務大臣(村山富市君) 小規模作業場の問題やあるいは難病患者を抱えた家族の問題等々のお話を聞いておりまして、全く身につまされる思いでお聞きしておりましたけれども、それぞれ関係各省の大臣からもお話がございましたように、これはもう縦割りでばらばらにやっているのではなくて、作業場についてはどうして働く場所を確保していくかとか、あるいは場所を確保した場合に仕事はどこからもらうかとか、いろいろ関連する問題があるわけでありますから、十分連携をとり合って知恵を出し合わないかぬというふうに思っております。できるだけ現状に即応した知恵を出して、御期待におこたえできるような施策というものをやらなきゃいかぬと私は痛切に感じさせられました。
 難病の問題等については、今もお話がございましたように、まだ治療法やら何か研究をしなきゃならぬ余地がたくさんある。しかし、難病を抱え、経済的な負担も抱えながら困っている家庭というのはやっぱりたくさんあると思います。そういう問題も含めて総合的にどう助成をしていくか、そして少しでも人間らしく生活ができるような条件の整備をしていくかというようなことも大変大事なことだというふうに私は思いますので、これからもさらに一層そういう方向で尽力ができるように検討させていただきたいというふうに思います。
#240
○下村泰君 ありがとうございました。
 皆様方に申し上げておきますけれども、難病といっても名前のあるのはまだいいんですよ。名前のつけようもない、病名すらない難病もあるということをひとつ銘記しておいていただきたいと思います。
 ありがとうございました。
#241
○委員長(坂野重信君) 以上で下村泰君の本日の質疑は終了いたしました。(拍手)
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#242
○委員長(坂野重信君) この際、派遣委員の報告に関する件についてお諮りいたします。
 先般、本委員会が行いました委員派遣につきましては、報告書が提出されておりますので、これを本日の会議録の末尾に掲載することにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#243
○委員長(坂野重信君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。
 明日は午前十時から閉会することとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後四時四十九分散会
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ソース: 国立国会図書館
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