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1995/03/03 第132回国会 参議院 参議院会議録情報 第132回国会 予算委員会 第7号
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1995/03/03 第132回国会 参議院

参議院会議録情報 第132回国会 予算委員会 第7号

#1
第132回国会 予算委員会 第7号
平成七年三月三日(金曜日)
   午前十時開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 三月二日
    辞任         補欠選任
     大塚清次郎君     石井 道子君
     木宮 和彦君     野沢 太三君
     寺崎 昭久君     寺澤 芳男君
     上田耕一郎君     吉川 春子君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         坂野 重信君
    理 事
                伊江 朝雄君
                片山虎之助君
                成瀬 守重君
                山崎 正明君
                穐山  篤君
                山本 正和君
                藁科 滿治君
                猪熊 重二君
                井上 哲夫君
    委 員
                石井 道子君
                遠藤  要君
                加藤 紀文君
                沓掛 哲男君
                河本 三郎君
                斎藤 文夫君
                下稲葉耕吉君
                野沢 太三君
                野間  赳君
                野村 五男君
                服部三男雄君
                前島英三郎君
                宮崎 秀樹君
                大渕 絹子君
                大脇 雅子君
                北村 哲男君
               日下部禧代子君
                瀬谷 英行君
                竹村 泰子君
                堀  利和君
                峰崎 直樹君
                本岡 昭次君
                渡辺 四郎君
                荒木 清寛君
                北澤 俊美君
                都築  譲君
                寺澤 芳男君
                中村 鋭一君
                和田 教美君
                磯村  修君
                武田邦太郎君
                有働 正治君
                吉川 春子君
                西野 康雄君
                下村  泰君
   国務大臣
       内閣総理大臣   村山 富市君
       外 務 大 臣  河野 洋平君
       法 務 大 臣  前田 勲男君
       大 蔵 大 臣  武村 正義君
       文 部 大 臣  与謝野 馨君
       厚 生 大 臣  井出 正一君
       農林水産大臣  大河原太一郎君
       通商産業大臣   橋本龍太郎君
       運 輸 大 臣  亀井 静香君
       郵 政 大 臣  大出  俊君
       労 働 大 臣  浜本 万三君
       建 設 大 距  野坂 浩賢君
       自 治 大 臣
       国 務 大 臣
       (国家公安委員
       会委員長)    野中 広務君
       国 務 大 臣  五十嵐広三君
       (内閣官房長官)
       国 務 大 臣
       (総務庁長官)  山口 鶴男君
       国 務 大 臣
       (北海道開発庁
       長官)
       (沖縄開発庁庁
       官)
       (国土庁長官)  小澤  潔君
       国 務 大 臣
       (防衛庁長官)  玉沢徳一郎君
       国 務 大 臣
       (経済企画庁長
       官)       高村 正彦君
       国 務 大 臣
       (科学技術庁長
       官)       田中眞紀子君
       国 務 大 臣
       (環境庁長官)  宮下 創平君
       国 務 大 臣  小里 貞利君
   政府委員
       内閣法制局長官  大出 峻郎君
       内閣法制局第一
       部長       津野  修君
       内閣総理大臣官
       房審議官     平野 治生君
       国際平和協力本
       部事務局長    鈴木 勝也君
       防衛庁防衛局長  村田 直昭君
       防衛庁経理局長  秋山 昌廣君
       防衛施設庁施設
       部長       小澤  毅君
       防衛施設庁建設
       部長       田中 幹雄君
       科学技術庁研究
       開発局長     沖村 憲樹君
       科学技術庁原子
       力局長      岡崎 俊雄君
       環境庁大気保全
       局長       大澤  進君
       国土庁長官官房
       審議官
       兼阪神・淡路復
       興対策本部事務
       局次長      角地 徳久君
       国土庁土地局長  山田 榮司君
       国土庁防災局長  村瀬 興一君
       法務省民事局長  濱崎 恭生君
       外務大臣官房長  池田  維君
       外務省総合外交
       政策局長     柳井 俊二君
       外務省総合外交
       政策局国際社会
       協力部長     高野幸二郎君
       外務省総合外交
       政策局軍備管
       理・科学審議官  林   暘君
       外務省北米局長  時野谷 敦君
       外務省欧亜局長  野村 一成君
       外務省経済協力
       局長       平林  博君
       外務省条約局長  折田 正樹君
       大蔵省主計局長  篠沢 恭助君
       大蔵省主計局次
       長
       兼内閣審議官   武藤 敏郎君
       大蔵省主税局長  小川  是君
       大蔵省銀行局長  西村 吉正君
       大蔵省銀行局保
       険部長      山口 公生君
       文部大臣官房長  佐藤 禎一君
       文部大臣官房総
       務審議官     雨宮  忠君
       文部省生涯学習
       局長       泊  龍雄君
       文部省初等中等
       教育局長     井上 孝美君
       文部省教育助成
       教育局長     遠山 耕平君
       文部省学術国際
       局長       岡村  豊君
       文化庁次長    林田 英樹君
       厚生大臣官房総
       務審議官     太田 義武君
       厚生大臣官房審
       議官       和田  勝君
       厚生省保健医療
       局長       松村 明仁君
       厚生省生活衛生
       局水道環境部長  藤原 正弘君
       厚生省社会・援
       護局       佐野 利昭君
       厚生省老人保健
       福祉局長     阿部 正俊君
       厚生省児童家庭
       局長       佐々木典夫君
       厚生省年金局長  近藤純五郎君
       農林水産大臣官
       房長       高橋 政行君
       農林水産省構造
       改善局長     野中 和雄君
       農林水産省農蚕
       園芸局長     日出 英輔君
       工業技術院長   平石 次郎君
       資源エネルギー
       庁長官      川田 洋輝君
       中小企業庁長官  中田 哲雄君
       運輸省運輸政策
       局長       豊田  実君
       運輸省鉄道局長  戸矢 博道君
       気象庁長官    二宮 洸三君
       郵政大臣官房長  木村  強君
       郵政大臣官房審
       議官       品川 萬里君
       労働大臣官房長  伊藤 庄平君
       労働省婦人局長  松原 亘子君
       労働省職業安定
       局長       征矢 紀臣君
       建設大臣官房長  伴   襄君
       建設大臣官房総
       務審議官     原  隆之君
       建設大臣官房技
       術審議官     尾田 栄章君
       建設省都市局長  近藤 茂夫君
       建設省道路局長  藤川 寛之君
       建設省住宅局長  梅野捷一郎君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        宮本 武夫君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○平成七年度一般会計予算(内閣提出、衆議院送
 付)
○平成七年度特別会計予算(内閣提出、衆議院送
 付)
○平成七年度政府関係機関予算(内閣提出、衆議
 院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(坂野重信君) ただいまから予算委員会を開会いたします。
 平成七年度一般会計予算、平成七年度特別会計予算、平成七年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題といたします。
 昨日に引き続き、総括質疑を行います。前島英三郎君。
#3
○前島英三郎君 きょうの新聞は、二つの信用組合の問題、ずっと大蔵大臣も眠れない毎回であったろうと思うんです。私は、都議会のあの決着法はあれはあれなりで大人の解決法だというふうに思います。
 この内閣は細川内閣のいろいろ後始末が、ガットの問題あるいはまた政治改革の問題、あるいは税制の問題、何かもう後始末がずっと続いていまして、私たちもそういう意味では、あの信用組合の問題は一昨年のあの時点で本当にわずかな不良債権という形で決着できたという思いを持ちますと、何かしら大蔵大臣、村山内閣だけが責められているような質問のあり方を見ていますと非常に不愉快な思いもするんですが、今、率直に、けさを迎えた大蔵大臣の気持ちを伺っておきたいと思います。
#4
○国務大臣(武村正義君) 公の職責というのは絶えず過去を引き継ぐわけでありますから、いいこともあるいはいろんな課題も全部引き継いで責任を全うするのが役目だと思っております。
 これまでも市長、知事という仕事をやらせてもらいましたが、大体一期四年ぐらいは前首長さんのさまざまな方針を継承して処理をしていくということでありました。就任した時点でそれ以前は責任がないというわけにはいきませんで、これは事態も動いておりましたし、そういう中で今の時期の大蔵大臣としての職責は精いっぱい背負わなければならないという思いでございます。
 私どもは、この問題は、過去の二つの組合の不始末、乱脈な経営を解明しながら、この責任も厳しく求めながら、同時に倒産という事態から起こる金融不安を真剣に見詰めて、いささかもこの国の経済の土台になる信用・金融秩序に不安が起こることのないように、それだけは回避するという姿勢で努力をしていかなければならないというふうに思っております。
 一生懸命、今後も日々緊張しながらこの事態に全力を尽くさせていただきたいと思っております。
#5
○前島英三郎君 これからは一つの共同銀行という形で公費もつぎ込んで後始末をするということになっていくわけです。
 しかし、あの乱脈な融資の、それは取り立てられるものと取り立てられないものがあるかもしれませんけれども、その辺はやはり徹底的に今後も後を追いながら、不良貸し付けをしたものでも徹底的に取り上げて、そして何としても公費を使っていくんですから、その辺は金融の信用ということはまず第一義にあるとして、そのずさんなものに対するものはこれからも国民の目は厳しいまなざしを持って見詰めていくだろうと思いますから、いろんな融資の仕方を見ましても、預けた高金利の問題も、確かに世論は反発するけれども、融資をしたものに対する後始末、取り立て債務は一体これからどうなっていくんだろう、あのまままたなし崩しにそれもすべて消えてしまうんじゃないかというようなものもありますから、その辺は怠りなくやっていただきたいと思うんですが、いかがですか。
#6
○国務大臣(武村正義君) 今も申し上げましたが、過去の二つの信用組合の経営に対する責任は、これはもちろん刑事的なものも含めてでありますが、厳しく追及されていくものと思っておりますし、私ども新銀行の設立を認めました以上は、今度はこの東京共同銀行に対する監督権は大蔵省になります。今おっしゃったような過去のこの信組にかかわる債権債務関係の処理に対しても、しっかり指導監督をさせていただきたいと思っております。
#7
○前島英三郎君 それでは本題に入りますが、このたびの阪神・淡路大震災、一月十七日、これは永遠に国民の脳裏から消えないことだと思うんですが、連日の国会で総理を初め全閣僚の皆さんが復旧・復興に向かって大変な御努力をしておられて、心から敬意を表したいと思いますし、お疲れさまでございます。
 それ以上に当事者の方々は大変でございまして、日がたつにつれ無念さと、また困難が続くであろう今後のことを思うと、ますますこれからも疲労は積み重なっていくんじゃないかというような思いがいたします。
 ぜひ皆さんも頑張っていただきたいと思うんですが、被災者の皆様の御苦労に報い、そしてこたえるためにも、改めて、総理、この震災についての思い、そして今後の復旧・復興に対する御決意を伺っておきたいと思います。
#8
○国務大臣(村山富市君) 今回の阪神・淡路大震災は想像を絶する未曾有の被害をもたらしたわけでありますが、それだけに政府としては、やれる範囲のことは最大限やり尽くすという気持ちのもとに、緊急に必要な支援、救援対策についてはそれなりの努力をしてきたつもりでありまするし、また議会の皆さん方の御理解もいただきまして補正予算も通し、関連する支援のための法案も成立をさせていただいたわけでありますから、これに引き続き万全を期していきたい。
 同時に、単なる救援だけではなくて、これは復旧・復興というものに対してこれから大きなやっぱり課題を背負うわけです。したがって、先般も法案を通していただきましたが、私が本部長になった内閣全体として一体となって取り組めるような復興本部を設置して、同時に地元の知事や市長も加えた地元を上体とした復興対策が推進されるような、専門家も集めた復興委員会も設置をして、そして生活の再建あるいはまた経済の復興、安全な地域づくりといったようなものを主体にして、これから全力を挙げて政府の役割を果たしていく、責任を果たしていくということが、亡くなられた皆さん方の霊にも報いることになりますし、また、今なおかつこの厳しい中に困難な生活を余儀なくされておる被災者の皆さん方に報いることにもなるというふうに思いますので、そういう決意で、内閣一体となって全力を挙げて取り組んでいきたいという気持ちでいっぱいでございます。
#9
○前島英三郎君 ぜひ頑張ってください。
 この震災で五千四百人余りのとうとい命が失われました。心から御冥福を祈りたいと思います。
 特に高齢者の犠牲が多かったと存じますし、また障害者の犠牲者も多くございました。難を逃れた方々も避難生活は本当に大変でございます。その大変さも高齢者、障害者を直撃しておりまして、大都市直下型地震の恐ろしさと災害弱者とも言うべき高齢者、障害者の都市生活における安全、安心について考えさせられた思いがいたします。
 厚生省もその辺は痛いほど感じたことと思うんですが、現時点での状況の中で、避難生活を余儀なくされている方々に何をなすべきと考えているか伺いたいと思います。厚生大臣。
#10
○国務大臣(井出正一君) 今回の大震災で、犠牲になられた方の中に特にお年寄りやあるいは障害を持った方がたくさんいらっしゃったということ、私も考えさせられるところ大きなものがございました。また、被災した高齢者や障害者など災害に対して弱い立場にあられる皆さん方については、その状況を把握した上、適切な援助をしなくちゃならぬと考えておるところでございます。
 このため、避難所の高齢者等につきましては、パトロール隊が巡回する中で要保護者の発見に努め、必要に応じ医療施設への収容を行うとともに、福祉関係機関への連絡を行い、特別養護老人ホームなどの施設へ緊急入所していただくことや、ホームヘルパーの派遣などを実施しているところでございます。
 また、避難所の生活環境の改善も大変大事でございます。救護センターの設置あるいは畳、暖房器具等の配備あるいは適正な食事の確保など、でき得る限りの対策を講じているところでございますし、何よりも避難されている方々が一日も早く避難所を出て平常な生活に戻っていただけるようにするために応急仮設住宅の整備を急ぎ、その中でも高齢者や障害者の皆さんに優先的に入居していただくとともに、具体的には、新たに身体的あるいは精神的に虚弱なお年寄りや障害者向けの地域型仮設住宅も整備することとしたところでございます。
 今後とも、被災されたお年寄りや障害者の皆さんの生活の安定へ向けて万全な配慮を行ってまいりたい、こう考えているところであります。
#11
○前島英三郎君 一昨年、障害者基本法が公布されまして、本格的にノーマライゼーション、つまり万民共生の社会の始まりと意気込んだのですが、そのやさきの大地震でございましたから、地域での自立生活といったことへのためらいを抱かせるような事態を大変心くするわけであります。例えば、安全、安心を求めるかわりに、危ないから自立生活でなく施設収容が望ましいなんという時代の逆行を心配するわけでございます。
 私は、今回の震災から、ふだん隠されている弱点というものがあらわにされるものだということを痛感いたしました。それは建造物でもそうでありますが、地域社会のありようという点でも、支え合うつながりのあるところと、そういうつながりの薄いところとでは相当違いがあらわれたように思います。その意味で、しなやかで強靭な地域社会とは何かということを改めて教えられた思いがするんです。
 今回の震災の教訓としてどのようなことを一番強く厚生省は感じたか、伺います。
#12
○国務大臣(井出正一君) 先生御指摘のように、地域福祉の基本は、高齢になったりあるいは障害を負うこととなっても地域の中で支え合いながら日常生活を送ることのできる、いわゆるノーマライゼーションの理念が浸透した社会を築いていくことだと思うのでございます。今回の震災では多くの高齢者等が被災され、避難所で大変な御苦労をされているわけでございますが、その中にあってもお互いの積極的な助け合いや、あるいはボランティアの方々による熱心な支援活動が見られたことは大変喜ばしいことだと思っております。
 今回の経験を踏まえ、ふだんから、地域の中には数多くのお年寄りや障害者の方々がおられるのであるということを前提として、地域の支え合いのしっかりした基盤を築いていけるようにしなくちゃならぬ、自治体の方々と一体となって努力していこうと思う次第でございます。
#13
○前島英三郎君 先ほど、支え合うつながりのある地域社会ということを申し上げましたけれども、常々こうしたことを、私は福祉の基本は向こう三軒両隣福祉にありということを提唱しているんですね。これは高齢者とか障害者等の福祉は施設も含めてなるべく町の中につくる、そして地域社会の中に他のすべての人々と一緒にともに生きる方向に推進すべきだということであります。
 私は、福祉の危機管理ということもこの震災以来提唱をいたしておるわけでありますが、危機管理のベースといいますか基盤というものは、私の言う向こう三軒両隣福祉、これをすべての地域に定着させることであろうというふうに思うんです。後で二十一世紀の福祉ビジョンとかあるいは介護システムなどについて質問はいたしますけれども、災害などの危機に対して本当に強い強靭な社会づくりとは、すなわち真の福祉社会づくりということだと思うんです。
 そういうことを前提にしつつも、やはり現実的な危機管理あるいは非常時を念頭に置いた危機管理、それもこの場合、福祉の危機管理ということを考える必要があるのではないかと思うんですけれども、この国会でも非常に危機管理ということが青葉ではかなり衆参会わせて飛び出しておりますけれども、総理は、その必要性とあわせて、国の危機管理あるいはその基盤となるべき福祉の危機管理、どういうイメージを危機管理という中でお持ちでございましょうか。
#14
○国務大臣(村山富市君) 今回の大地震に対する今の危機管理というものに対して、いろんな批判やら御意見もいただいてまいりました。これはやっぱりできるだけ早く正確に情報を把握する、実態をつかむ、その上で必要な対策が緊急にとられていくということが何よりも大事ではないか、そんな意味では見直すべき点は多々あったんではないかということが一つですね。
 それからもう一つは、今、委員からもお話がございましたように、地域におけるコミュニケーション、お互い同士がよく知り合っておく。そのことで何かあったときに、ああ、あそこが一番困るんじゃないかといって皆さんが手を差し伸べる、こういうこともできると思いますから、大きな大枠として危機管理というものをどうつくっていくか、その基礎になるものはやっぱり地域におけるコミュニケーションだということを考えた場合に、私はそういうことも含めてこれからの防災計画というものは配慮していく必要があるんではないかということを教えられました。
#15
○前島英三郎君 危機管理の原則はIアンド3Cなんということをちょっと見たんですけれども、Iというのはインフォメーション、情報ですね。3CのCはコミュニケーション、コントロール、それからコマンド、これは一つは総理のコマンドも含まれると思うんです。
 今度の地震で高齢者や障害者にとって何が最も問題だったかということを振り返りますと、私が承知している限りにおいてはインフォメーション、つまり情報が非常に欠落していたという点だろうと思うんです。
 震災直後、そしてそれからの避難所生活、水がない、食べ物がない、薬がない、寒い、プライバシーがないとかいろいろと悩みや不満の声はあったと思うんです。しかし、高齢者や障害者が一番欲しかったのは水や食べ物や薬よりもその前に情報であったというんです。特に視覚や聴覚といったコミュニケーション面での障害を持つ方々にとっては極めてこれは深刻であったということを伺いました。また、肢体障害で移動に障害を持つ人々もこれまた同じでありまして、動けなければ情報が入ってこないわけですよ。ところが動けないわけですね。これは高齢者にとっても多分同じだったと思います。
 事態がどうなっているかおよその状況が把握できているのと、どうなっているのか状況が全くわからないとでは、これはもう心理的には天と地の開きがあるのではないでしょうか。見通しをつけて我慢できるか、それともわからなくてますます不安が募るか、この差は想像する以上に大きかったようであります。
 そういう意味では、情報というと無機的なデータを想像する向きもあるかもしれませんが、情報こそ人と人の間で伝え合うものであり、情報が伝わる回路があるということはそれ以上のニーズに対応し得る可能性というものを物語っていると思うんです。
 福祉の危機管理マニュアルをこれからつくっていただくとしたならば、まさにこの点にぜひ着目していただきまして、テレビ、ラジオ、電話、ファクス、無線、いろいろありますよね。そういう通信手段を初め、直接訪問するホームヘルパーさんとかボランティアさんとか、こういう対面コミュニケーションまで含めたものを体系的な回路をつくっていく、ネットワークをつくっていく、これが私はこの震災で教えられたことではないのかなという思いがいたします。その辺は厚生省と郵政省がこれからしっかりと連携をしていただいて、そういう方向の回路、ネットワーク化ということを考えるべきではないかと思うんですが、両大臣はいかがでしょうか。
#16
○国務大臣(大出俊君) お答えをいたします。
 今のお話のように、厚生省の皆さんとも緊密に相談をしていかなきゃならない面がたくさんございますけれども、まず今の冒頭にございましたように、今回の震災で食べるものというより以上に深刻な情報の途絶というお話がございました。
 今度の大震災の経験で実は非常に私ども深刻な思いをいたしたわけでございますけれども、この中で特にまず有線の通信、三十万からの回線が切れました。市外は八つばかり交換局がおかしくなりましたけれども、十八日、翌日の昼ごろまでに迂回路を使ったりいろんなことをして、私、現地に参りましたけれども、約一日半で市外はほとんどつながるようになりましたが、市内網というのはこれ三十万からの回線が不通になっておりまして、これを今後どうするかという大きな問題を抱えることになると思っておりまして、まず通信回線、CATVなどを含めた地中化、非常に被害が少なくて〇・〇三%ぐらいしかございませんでしたから、これはもう金はかかりますけれども進める、これが一つでございます。
 それから携帯電話でございますけれども、これは二千からの携帯電話を無料でお貸ししたところが非常な好評でございまして、もっと必要だというお話もございますので、今度の補正に一千台分携帯電話を入れまして、早速これ千台確保して直ちに補正を実施するという中で貸与をさせていただこう、こういうふうに今思っているわけでございます。
 それから防災無線の整備あるいは非常災害時の管理センター、ちょっと時間がかかるかもしれませんが、管理センターはどうしてもつくりたい。御説のとおりでございまして、トータルで見た情報が孤立しない途絶しない管理センターをどうしてもつくる。そのためにもう既に郵政省の中に検討委員会をつくりまして、五月に結論が出ると思うのでありますけれども、今進めている最中でございます。
 さらに内閣に情報収集体制の強化等のためのプロジェクトというのを先般総理を中心にしてつくったわけでございまして、この中にお願いをして郵政省も最近入れてもらうことになりました。したがって、この中でも郵政省の機能を最大限に生かしまして、情報が途絶しない社会づくりということで懸命にやってまいりたい、こういうふうに思っております。
#17
○国務大臣(井出正一君) Iアンド3Cのお話、大変興味深く拝聴をいたしました。
 私どもも初期におきまして全く情報がつかめないで大変な混乱をいたしました。ましてや地元の行政もそうだったでしょうし、あるいはまた高齢者や障害を持った皆さんはなお御不安だったんじゃないかなと、こう思うのでございます。
 今回の震災に際しては、災害発生直後から、障害者や高齢者に対する情報の的確かつ迅速な伝達の確保が本当に必要でございました。そんなところから、ただいま郵政大臣から御答弁ございましたが、郵政省の御協力を得まして、聴覚障害者の方々には文字放送やテロップをふやすよう各方面に要請するなど対応を図ったところでございますし、通産省の御協力もいただきまして、各避難所に文字放送テレビとか無料ファクスを配置するとともに、掲示板を設置するなど情報のきめ細やかな伝達に努めたところであります。
 さらに兵庫県庁の方でも、被災者福祉何でも相談というのを設けまして、障害者専用のファクスを設置して被災者の生活相談に当たったと聞いておりますし、また各障害者の団体におかれましても、例えば身体障害者の安否の確認や生活相談、あるいはラジオ、テープレコーダー、点字器等の提供、さらには手話通訳、ボランティアの派遣などといった御支援をしていただいたところでもございます。
 想像を絶する大震災でございましたから、必ずしも十分な情報の伝達対策が講じられたとは言いがたいわけでございますが、今日このような各方面の取り組みを生かして、今後の災害発生時には障害者等に迅速かつ的確に情報伝達ができるよう、関係省庁やあるいは関係団体と連携を図って体制の強化に努めてまいりたいと思う次第であります。
#18
○前島英三郎君 まさに縦割り行政ではない、厚生省と郵政省がともにそういう一つの情報ネットワーク化にやっぱりニーズにこたえた形のものをやっていく。そこでまた、科学技術というものをこれからやっぱり駆使していく。河野外務大臣が科学技術庁長官、私が科学技術政務次官のあのときにも私、申し上げたんですが、不便さを便利にするのが科学技術、やっぱり安全を私たちに担保するのが科学技術でなければならないという思いになりますと、田中科学技術庁長官は大変福祉にも熱を入れた方で、きょうは何か風邪で熱もあるそうですが、ひとつやっぱり科学技術庁がまたそこで調整をしていくということによって、やっぱりトータルな回路ネットワーク化ということが進められるんじゃないかと思うんですが、いかがでしょうか。
#19
○国務大臣(田中眞紀子君) 鬼の霍乱でございまして、風邪ぐらい私にも取りついてくれることが証明されて恵んでおりますけれども、先生がおっしゃっておられることの基本は、災害情報をいかにリアルタイムに要するに生活者に、お年寄りや障害者や子供さんや妊婦さんがおられますけれども、そういう皆さんにいかに伝達するか、それが今回欠落していたために多くの方の命が余計失われてしまったということを視点にしておられるというふうに理解しております。
 郵政大臣も、それから厚生大臣も先ほど御答弁なさいましたけれども、まさにリモートセンシングにいたしましても衛星通信にいたしましても無線にしても、技術はそれぞれ発達しているかもしれませんが、要はそういうハードを十二分に使いこなす人間のソフトといいますか、そのシステムづくりがやはりできていなかったということを御指摘なさっていると思うんです。
 それをやっぱり具体的に、情報の一元化ということもありますし、そのために予知関係、ちょっと話がずれますけれども、それについては私ども科技庁では随分具体的に前に出しました。それでも議論ばかりやっていて具体的なものがなかなか上がってこないので私はいらいらしておりますけれども、今おっしゃったようなことを、本当に今すぐ上空から、今ここで洪水が起こっているとか、火災がこの地域にあるとか、風はどちらから吹いているとか、そういう情報を本当に現場に期オンタイムで流すというシステムをつくるように努力をしたいと思います。
#20
○前島英三郎君 アメリカではADAという、障害を持つアメリカ人法というのが一九九〇年につくられまして、それに我々も刺激されて、橋本通産大臣の議員立法された、二十三年ぶりの障害者基本法というものの改正作業に入ったというそういうこともあるわけですが、実はこのADAの中には、障害を持つすべての人々に差別を禁止するということは当然なんですが、それと一緒に障害を持つ人々の非常時の安全という観点がきちんとこの法律の中には位置づけられているんです。
 例えば新築の建築物には車いすのための一時避難場所を備えることを義務づけておりますし、エレベーターがとまっても車いすがしばらく危険を避けることができるようにという観点からこういうものができているわけです。車いすで出入りできる、使用できるから車いすでも安全に避難できる、こういう形を考えて建築基準が非常に高まっていったわけですが、それにはかなり歴史も時間もかかったと思います。マンハッタンでのビルの爆破事件がありますと、ああいうときにまた一つの教訓を得て、そしてそういうものを法律の中に着実に生かしていくというところが僕はアメリカのすごさだと思うんです。
 建設省も、いわゆるハートビル法、障害者、高齢者にやさしい町づくり法案も昨年できまして大変評価したいと思うんですが、建築基準法など関係する法律制度というものにはまだ災害弱者の安全、安心という点ではやっぱり欠落している部分があるんじゃないかというふうに思うんです。
 この際、今までのは別としてこれからつくられる公共物、準公共物は、すべての人が利用でき、かつ安全が確保されるよう設計施工されなければならない、このぐらいのことはもう私は日本でも始めてもいいんじゃないかという気がするんです。
 建設大臣、ハートビル法の一つのことも含めてお答えいただければと思うんですが、いかがでしょうか。
#21
○国務大臣(野坂浩賢君) お答えいたします。
 先生が先ほどお話しになりましたように、万民共生の社会をつくっていかなければならぬと、重く受けとめております。
 お話がございましたように、高齢者やあるいは障害者の皆さん方がこの大震災において大きな犠牲になられたということは十分承知しております。したがって、昨年の九月二十八日に施行されましたハートビル法、この内容については、御案内のとおり、デパートとかホテルとか不特定多数の人が出入りをするということについては、例えば出入り口とか廊下とか階段とか便所とか、そういう点についても十分に対応していかなきゃならぬという義務規定があるわけです。ただ義務規定は、やらなければならないというふうに書いていないですね。やることが必要であるという誘導政策として出ておると。したがって、全国民のコンセンサスを得て実施するというのは当然でありますけれども、この震災、大災害を見て十分に我々は検討して、そして材料とかあるいはそういう設計施工についても建築基準法についてさらに検討していく必要があるということをきょうも話し合ったところであります。
 先生が国際会議に出て、これを英語で直されて世界の諸君に紹介されたということも我々は深く受けとめておるわけでありまして、これについても検討してまいりたい、こういうふうに考えております。
#22
○前島英三郎君 ぜひ前向きな検討を期待しております。
 さて、震災などの大災害などに対して真に強靭な社会を築くことは、現在進行しております急速な高齢化に対応する政策を推進していくことと実は全く重なっていると私は思っております。
 私は、非常災害などのときにはふだんは隠されている弱点があらわにされると先ほど申し述べましたが、言いかえればそれは高齢化に対する備えが十分にできていなかったということになると思うんです。そういう点では、二十一世紀になると国民の四人に一人が六十五歳以上という社会を迎えるという急速な高齢化時代を迎えるわけでありますから、きちんと備えをする必要があるという思いがいたします。
 年はとりたくないものだなどと何げなく言うこともありますが、私もあっという間の五十七歳でありまして、自分自身が高齢期に差しかかってまいりますと、老後に寝たきりや痴呆になった場合の心配がそろそろ頭をもたげてくるんですね。もう総理はもたげたのは過ぎちゃったかもしれませんが。世論調査でもこうした不安を抱えている人というのは割合多いんです。昭和二けた生まれの人たちでももうそういうことを考えるような人たちが多いんですが、実際に介護を必要とする高齢者の数も大幅にこれからふえていくと予測されておりますし、高齢者の介護についてはこれまで家族に非常に依存をしていたと。
 高原須美子さんでしたかね、私も質問したことがあるんですが、女は三度老いを生きる、それは親の老後、夫の老後そして自分の老後であるということを御紹介しながらこの席で質問したことを思い返すんですけれども、こうした我が国の急速な高齢化ということに対して、これもまたぜひ人にやさしい内閣の村山内閣でございますから、どのような問題をこれから総理としてお考えになっておられるか。また確認する意味で、総理の二十一世紀の高齢化時代に対応する一つのお考えを伺いたいと思うんですが、いかがでしょうか。
#23
○国務大臣(村山富市君) 今、委員からお話もございましたように、我が国の二十一世紀を展望してみますと、現状から推移しますと高齢化はもう急速に進んでまいりますし、同時に少子化も進んできていると。したがって、そうした場合に日本の経済の活力というものがどういう形で維持がされていくのかまたその活力の維持された中から高齢者や障害者の方々等に対する環境というものを、あるいはまた社会的に公正に生きられる条件というものがどういうふうに整備されていく必要があるのか。これは私はやっぱりこれからの日本の政治に課せられた重要な課題であるという認識は持っておるつもりでございます。
 そのために、これは何といっても年金やら医療やら福祉やらそういう公的な条件というものを整備していくということは大事なことだと思いますけれども、しかし完全にそうした行政需要に対応し得るかといえば、やっぱりそれは財政的な面もありますし、いろんな条件もございますから、したがって国として必要な最低の条件というものは満たしていく必要があると。
 同時に、先ほど来お話もございますように、今度の地震の現況を見ましても、やっぱり高校生やら中学生やら小学生がお互いに話し合うて、そしてお年寄りの方に何か役立つことはないかとか、あるいは障害者の皆さんにこういう手をかす方法はないかとかいうようなことを相談してやったというようなことも聞いております。
 私は、そういう意味で、社会的にそうした方々に対して手が差し伸べられるような、そういうボランティア活動というものもやっぱりゆるがせにできないものだと。国がしなきゃならぬことと、そしてお互いに助け合う、支え合う、そういう人間的なぬくもりでもって世の中の基礎的条件を満たしていくというようなことも必要ではないかというようなことも考えますし、そうしたものも含めて、これからの社会というものがどういうふうにつくられていくことが一番いいのかということについて、やっぱり真剣に考えていかなきゃならぬ課題であるというふうに受けとめております。
#24
○前島英三郎君 約一年前の三月、二十一世紀福祉ビジョンがまとめられて、そして当時の細川さんの夜中の福祉税構想が出てきて、それからいろいろありまして、そして政権が変わって新ゴールドプランができて、いろいろなものが着実に今の形にはできておりますよね。それからさらに発展して昨年末には「新たな高齢者介護システムの構築を目指して」と、こういう研究会の報告まで発表されるようになってまいりました。
 私は、これからの二十一世紀の最終的な目標は介護システムをどうつくるかということだろうというふうに思います。その介護はまた安全、安心のネットワークになっていくものですから、なおのこといわば地域福祉というものが重要視されていくという一つのまた前提でもあるような気がするんです。
 この研究会の報告なんですが、我が国の福祉社会構築のための具体的なイメージを国民に提供するために大変いい中身であります。私も何回も読みましたが、崇高な理念になっているんです。最終的にそれを保険制度にするとか、いろいろ問題点はこれから議論しなきゃならぬところがあるんですが、やっぱりこの研究報告の性格ですね。実はきょうから、私も一貝ですが、与党福祉プロジェクトチームでいよいよ介護につきましての勉強会がけさ八時からも行われたわけですが、これを何とか年内にまとめようということで今、座長初めみんな頑張っていただいておるんですが、この一つの研究報告の性格、またこれを基礎に今後どのような手順で検討を進めるのか、厚生省に伺いたいと思います。
#25
○国務大臣(井出正一君) 先生ただいまお述べになられましたように、日本はこれから急速な勢いで高齢化社会に入っていくわけでございます。しかし、私はこれは決して悲観すべきことではないと思います。むしろ日本人として生を受けた人たちの大部分が天寿を全うできる時代をようやく我々は手にしたと考えるべきだと思うのでございますが、しかしそのためには、来るべきそういう高齢社会において国民が生涯を通じて健康で安心して募らせるよう、年金とかあるいは医療とか福祉などの社会保障制度を時代のニーズに対応して揺るぎないものとしていくことが重要でございます。
 このための具体的な課題といたしましては、国民の老後の生活設計の主柱であります年金制度の長期的安定、昨年秋に改正をしていただいたのもこの一環でございます。そしてまた、良質かつ適切な医療サービスを受けることのできる医療供給体制の整備や医療保険制度の安定的な運営、さらに高齢者介護あるいは子育て支援、障害者福祉等について、ニーズに対応した施策の充実が大きな課題だと考えておるところであります。
 とりわけ、急速な高齢化の進展の中で老後の最も大きな不安要因となっております介護問題について、国民だれもが身近で必要な介護サービスをスムーズに確実に手に入れられるような新たな高齢者介護システムの実現を図ることは緊急に取り組むべき課題だと認識しておりますし、そのまた前提といいましょうか条件でもありますのが、昨年来大変な皆さん方のお力をいただいてこの四月からスタートできます新ゴールドプランでもあると考えておるわけでございます。
 ただいま先生御質問の新介護システム研究会の件でございますが、実は省内に設置した高齢者介護対策本部の研究会として、高齢者介護問題に関する基本的な論点や考え方を整理する目的で開催したものてございます、昨年の十二月、報告書を取りまとめたところでございまして、ただいま先生大変評価をしていただきましたが、高齢者の自立支援を基本理念として既存の介護に関連する諸制度を再編成し、社会保険方式を基本とする新たな高齢者介護システムの構築を提言しているものであります。
 厚生省といたしましては、昨年十二月に策定された新ゴールドプランにおいても新しい高齢者介護システムの検討を行うこととしたところでございますし、こうした報告書等の指摘を踏まえつつ、実は本年二月から、過日、第一固が開かれましたが、老人保健福祉審議会において高齢者介護問題に関する審議を開始したところであります。
 今後、関係各方面のさまざまな御意見をお聞きしながら具体化に向けて鋭意検討を進めてまいりたいと考えておるところでございます。
#26
○前島英三郎君 ことしじゅうにはまとめようではないかという思いに立って我々も頑張りたいと思うんですが、しかし二十一世紀を展望したビジョンを論じているわけでありますから、また、来るべき二十一世紀をどのような社会にしたいのす。
 研究会の報告では、中身はなかなかいいんですよ、いいんですが、新介護システムの基本理念としてこういうことを言っているんです。
 高齢者が自らの有する能力を最大限活かし、自らが望む環境で、人生を尊厳を持って過ごすことができるような長寿社会の実現が強く求められている。
 そのためには、これまで述べてきたように、介護に関連する既存制度の枠組みの中での対応では限界があることから、新たな基本理念の下で関連制度を再編成し、二十一世紀に向けた「新介護システム」の創設を目指すことが適当である。こういうことをうたっている。なかなかいいんですよ。いいんですが、これはこれで正しいと思うんですけれども、実は、高齢者の自立とかあるいはみずからの選択ということは大切でありますが、私としてはもう少し人と人との横のつながりということを重視すべきじゃないかという気がいたしておるんです。
   〔委員長退席、理事伊江朝雄君着席〕
 研究会報告書をもう少し読み進むと、「重度の障害を有する高齢者であっても、例えば、車椅子で外出し、好きな買い物ができ、友人に会い、地域社会の一員として様々な活動に参加するなど、自分の生活を楽しむことができるような」云々と書いてあるんですね。私はむしろこのあたりに本質があるというふうな気がするんです。
 実は、その新介護システムを構築していく中において介護ということを考えますと、基本はやっぱり障害者の介護ということが、今まで論じてきたことがそのベースにはあるんですね。ところが、これは六十五歳以上のお年寄りの一つの高齢化時代への介護の研究報告なものですから、十歳でも介護の必要な人がいるし、七十歳でも介護の要らない人がいるということが欠落しているんです。つまり、あなたは年寄りにならないと介護はしませんよということに誤解されがちなところがこの研究会報告。
 なかなかいいんですが、これはそっくりやっぱりノーマライゼーションというか、障害者とあるいはお年寄りの政策というのは私は車の両輪だと思いますよ。お年寄りの住みよい町は障害者に住みよいし、障害者にやさしい町はお年寄りにもやさしい町なんです。肉体的なハンディキャップというのはそれは障害を持つことですから、障害を持ってそのお年寄りが介護のサービスを受けて町へ出るということは、障害者はだめですよ、お年寄りだけですよということではないと思うんです。
 その辺が、どうも介護の理念というものがこの研究会報告の中では欠落しておるものですから、全体を介護というとらえ方でここに障害者も含めるといい報告なんです。ところが障害者という部分は、慎重な検討を要す、障害者の介護は慎重な検討を要すと、最後に一行で片づけられているものですから、これから我々も議論しなければならないことなんですが、総理はどんなふうに今、私のこの研究会報告のあらましをお聞きになってお感じになりましたか。
#27
○国務大臣(村山富市君) 委員は専門的に勉強もされ研究もされておる、含蓄のあるお話を今拝聴したわけでありますけれども、えてして介護といいますと年齢を基準にして、そしてだんだん高齢化が進んでいくから、高齢者に対する介護をどうするかということが一番やっぱり中心の課題になっておるというふうに私も思います。
 今、委員のお話を聞きながらちょっと思い出したんですけれども、これは自分の県のことを言って大変恐縮ですけれども、大分県の平松知事から連絡がありまして、そして今度こういう条例をつくったと。それは障害者が健常者と同じように社会的生活ができるような条件をどう整備していくかということのために条例をつくって、予算も計上してやりたいと思いますと。これはあなたが言われる「人にやさしい政治」の実現だと。こういうふうなお話を聞きまして、だんだん地方自治体もそういう取り組みを始めたんだな、これはやっぱり国もそれに合わせてこれから大いに進めていかなければならぬというふうに私は強く認識をさせられたわけであります。
 介護というのは、今お話がございましたように、単に年齢だけの問題ではなくて、介護を必要とする人はたくさんおられるわけです。そういう方々も含めた上でこの介護問題というものがやっぱり結論づけられていく、対策が立てられていくということが大事ではないかというふうに思いますので、せっかく今、与党の中でもそういう議論をされておるようでありますから、そういう意見も十分ひとつ尊重させていただき、踏まえさせていただきまして、これから遺憾のないような介護対策というものを全体的に充実させていくという方向で取り組んでいきたいというふうに思います。
#28
○前島英三郎君 新介護システムを構築していく、これはやはり究極の福祉だろうというふうに私は思います。それ相応のこれはまた国民の負担ということも一方では考えなければならないと思いますが、研究会の報告によれば、社会保険方式を基礎に置くことを提唱しているわけでありますが、同時に制度上一定の公費の組み入れが検討される必要があるとも述べておるわけであります。
 このあたりにつきましては、これから検討することでありますから大蔵大臣は答えにくいところもあろうかと思いますが、厚生大臣と大蔵大臣はさきがけでコンビでありますから、この辺は息がかなりもう合っているんじゃないかと、こう私ども期待しているわけです。期待倒れじゃ、先が崖でさきがけなんということになったらこれは大変なことでありますから、ちょっと大蔵大臣もこの辺の一つの負担方式についてはどんなふうに介護システムを考えておられますか。
#29
○国務大臣(武村正義君) 熱心に介護の問題について御議論をいただいておりまして拝聴をしておりました。
 政府は厚生省を中心に、そして今のお話でありますと、きょう与党の方でも真剣に論議を始めていただいておりまして、私ども財政当局も最大の関心を持たなければいけないというふうに思っております。
 介護の問題は、お話のように、年金、医療とも非常に大きなかかわりがございます。この三つの福祉の大事な政策を本当に長期の視点からもしっかり見詰め直して、同時にまた国民の負担の面からも、国家財政、地方財政の負担の面からもそれなりにみんなが納得できるような新しい方向をぜひ見出していただきたいし、大蔵省としてもそのために努力をしていきたいと思っております。
#30
○国務大臣(井出正一君) 高齢者介護システムの費用保障のあり方でございますが、昨年のあれは九月でしたか、社会保障制度審議会からも公的介護保険制度の導入が提言されております。また、先ほど申し上げました高齢者介護・自立支援システム研究会の報告書でも、社会保険方式が適当であるとしつつ、現行の高齢者福祉制度や老人保健制度において公費負担が組み込まれていること等を踏まえて、保険料と並んで公費負担についても制度的に組み込むことを考えるべきだ、こう言われていらっしゃるわけでございます。
   〔理事伊江朝雄君退席、委員長着席〕
 いずれにいたしましても、この二月から老人保健福祉審議会において高齢者介護問題についての審議が始まったところでございます。どんなサービスをどんな方法で提供すべきか、新しい高齢者介護システムの費用保障のあり方についていろんな皆さんの御意見を聞きながら検討を進めてまいりたいと思うところであります。
#31
○前島英三郎君 我々も一生懸命議論をしていきたいと思っております。
 さて、障害者施策についてちょっと伺いたいと思いますが、昨年十二月、初めての障害者白書が出されまして、五十嵐官房長官の写真入りでございます、こういうふうにね。(資料を示す)いいですね。
 それで、平成六年版障害者白書、これ初めてなんですから、何といったって。障害者基本法の中で、国は障害者の基本計画を発表しなければならない、総括しなければならないということをうたってありますが、総理も目を通されたと思うんですけれども、ごらんになってこの障害者白書、いかがでございますか。
#32
○国務大臣(村山富市君) 今、委員からお話がございましたように、平成五年の十一月に成立しました障害者基本法の第九条で、毎年国会に報告をすることが義務づけられておるわけであります。昨年十二月に国会に報告するとともに、今お示しになりました障害者白書を初めて公表したわけであります。
 この白書は、いろいろ内容はございますけれども、国連障害者の十年というのがございました。その総括を中心に編成するということが一つと、それからこれまで政府が取り組んできた政策について総括をする。単にこれは厚生省なら厚生省だけではなくて、関係のある各省がどういう取り組みをしてきたということについても全体的に白書の中に掲上していって皆さん方の理解をいただくというようなことで、私はこれからの障害者に対する政策を進める上で大いに参考になる、意義のあるものだというふうに理解をし、読ませていただきました。
#33
○前島英三郎君 この障害者基本法の前身は心身障害者対策基本法、昭和四十五年、まだ当選したての橋本龍太郎先生が中心になって議員立法をおつくりになって、二十数年たった今もその魂というものは不変なものでありましたから、かなり橋本試案というものが根底に流れて、改正作業を私どもはさせていただきました。
 二十五年前、今日また、橋本通産大臣も福祉畑の方でございますからお伺いするんですが、隔世の感もあろうと思いますし、感慨をお伺いできればと思うんです。いかがでしょう。
#34
○国務大臣(橋本龍太郎君) この場をかりまして、改めて私は、前島議員また堀議員を初めとして、この基本法の全面改正に当たり御努力をいただいた両院の皆さんに心からお礼を申し上げたい気持ちでいっぱいであります。
 私自身の父親が肢体不自由でありましたことも理由の一つでありましたが、たまたま基本法の取りまとめの中心の役割をさせていただきました。
 そして、その当時、一つは精神障害の位置づけ、また内部臓器機能障害の方々の位置づけ、この問題がどうしても結論を出すことができませんでした。また、特に公共交通の分野において、障害を持つ方々が自力で行動のできる状態をどうつくり出すかにつき、当時の国鉄についてのみ一部規定はできましたが、他の交通機関についてはほとんど構造を変えていくための手がかりにする規定をつくることができませんでした。さらに公共の建造物等におきましても、必ずしも対応は十分ではありませんでした。
 なぜなら、その当時におきましては、残念でありますけれども、ハンディキャップを持つ方々がそのハンディをお互いが認めた上で公正な競争のチャンスをつくるという考え方よりも、どちらかといえば施設入所中心主義というものが非常に根強く、障害を持った方々の中にもまたその御家族にも施設入所が望ましい対策という観念が根強くありました。行政の中にもありましたし、民間でもそういう感覚がありました。
 それだけに、心身障害者対策基本法というものを超党派でつくり上げますプロセスにおきまして、各党の関係議員はそれぞれの団体を説得するにも非常に御苦労いただきました。その上で、心身の文字を付すかどうか、肢体不自由あるいは視覚障害、聴覚障害とその他障害は別の法律の体系をつくれといった御議論すらありまして、大変な御苦労を多くの方々に煩わせました。それだけに随分心残りを持ちながら、しかしその時点でできる私どもは最善を尽くしたつもりであります。それが本当に全面的に見直され、私どもが当時、心を残しました点の多くの部分にも改正の努力をお払いいただきましたことに心からお礼を申し上げます。
 ありがとうございました。
#35
○前島英三郎君 ありがとうございました。
 この障害者基本法、障害者にとっては一つの憲法のような思いを持つだけに、ぜひ積極的にこの施策は推進していただきたいというふうに思うわけであります。
 重要な改正点は幾つかございますが、その一つは第七条の二に障害者基本計画の条文を加えたことであります。
 国の障害者基本計画というものも、当然毎年これは基本計画は立てなければならない。これから地方の時代ということになってまいりますから、やっぱり地方公共団体の障害者計画というのが向こう三軒両隣福祉を推進するにいたしましても、またそういう大震災、予期せぬ災害に対応するためにも、まさにそこがかぎになるだろうというふうに思うんです。
 基本法をつくります際に、都道府県及び市町村につきましては、この基本法では計画づくりにつきましては「策定するよう努めなければならない。」、努力義務規定になっているんです。国はやらなければならない、こうなっておりますが、しかし地方自治の活力あるいは地域住民、地域に生活する障害者自身などのエネルギーというものを私たちは期待して努力義務というところに落ちついた思いもございます。
 都道府県では、山梨では幸住県条例とか、東京では福祉のまちづくり条例とか、いろんなものがつくられて、その一番先につくったのが大震災のあった神戸であるということを思いますと、そういう地域のこれからの基本計画というものをやっぱりしっかり、絵にかいたもちではなくて、おいしいもちにしていかなければならないという思いも大変強いんですが、とはいえ、これはやっぱり国がかなりガイドラインを示すなど地方が計画を策定しやすいようなアドバイスをすることが大変必要で、誘導支援ということが必要だと思うんですが、官房長官、その辺はいかがでございましょうか。
#36
○国務大臣(五十嵐広三君) 委員、今お話しのとおり、一番身近にある行政主体である市町村が障害者福祉等につきましても熱心に取り組んでいくということが一番大事なことであろうというふうに思います。
 そういう意味では、障害者基本法に基づいて、お話のように、各市町村が積極的に障害者計画を立てているというものではあるのでありますが、しかしここでやはり政府としてみても御指摘のようなガイドライン的なものを示すということがそういう勢いを一層加速させるというものにもなろう、こういうぐあいに思って今取り組んでいる最中でございます。大体今月いっぱいぐらいに各省庁における詰めが終わって、新年度早々そういう指針を明らかにして少しでもお役に立つようにいたしてまいりたい、こういうぐあいに考えている次第であります。
#37
○前島英三郎君 かつて中心協というものがありまして、これがいわば総理にいろいろ政策を進言する中央心身障害者対策協議会、これが今度、中央障害者協議会ということになりました。これも総理が任命する二十人の方で構成されるんですが、この中に障害者が必ず入らなければならない、障害者のことをする方も入ってもらわなければならないというのが特徴なんですね。
 つまり、我々障害を持っていますと、もう私は二十二年車いすに乗っているんですが、いわば二十二年車いす大学の学生だと思っていますから、車いすについてはかなり知恵を持っているわけですね。ですから、そういう当事者の知恵もこれから使いながら、やはりコストのかからない町づくりをしていこうということにおいては当事者の声が中央障害者協議会に反映されなければならないということで、ついこの間、初会含も開かれたようであります。
 今後はこの中央障害者協議会はどういう活動をし、どういうことを目標にしながらやっていくのか、ちょっと伺っておきたいと思います。
#38
○国務大臣(井出正一君) 先生御指摘のように、中央障害者施策推進協議会は先月の二十一日に第一回目の会合を開催されました。ここでは、各省庁における最近の障害者施策への取り組みの状況や今般の阪神・淡路大震災への対応状況の報告等が行われ、これらについて幅広い意見交換が行われたと聞いております。
 今後はこの協議会の中に必要な都会を設けて、新長期計画の実施状況やあるいは地方における障害者計画の策定状況等を踏まえながら、真の意味でのノーマライゼーションの理念の実現に向けた障害者施策の推進について活発な御審議をいただいてまいりたい、こう考えております。
#39
○前島英三郎君 ぜひそういう意味では、財源にも限りがありますから、足らない財源は人々の心という財源を下支えにしたり、当事者の知恵という財源を下支えにしたりしながら、やっぱり日本型のいい福祉社会というものをつくっていきたいと思うんです。
 さて、福祉は厚生省だけという時代から、各省庁がそれぞれ分担をしていただくように、実はこの基本法にはいろいろな省庁にお願いを申し上げておるわけであります。
 先ほど橋本大臣からも移動の問題の御指摘がありましたが、その辺は運輸省にもちゃんとお願いをするようになっておるわけでありまして、ちょっと元気な運輸大臣にも伺いたいわけでありますが、特に公共交通機関のアクセス、障害者や高齢者が利用しやすいようにすることが急務でありますけれども、なかなかこれが進まないんです。
 現状を申し上げますと、一番利用が困難なのが最も身近な交通機関であり、最も利用しやすいのが新幹線や航空機、つまり非日常的な交通機関なんですよ。いわば毎日の通勤、通学あるいは通院などには利用できないけれども、たまに旅行に行くときには非常に使いやすいと。これはやっぱり地域福祉とはちょっと違うんですね。その辺で早くこれは改善しなければならないと思うんですが、亀井運輸大臣、いかがでございますか。
#40
○国務大臣(亀井静香君) 人にやさしい村山政治でありますから、障害者の方には特にやさしくなければならないと思います。
 委員も御承知のように、昨年から駅のエスカレーター、エレベーターについての補助制度を導入いたしておりますが、これは国が十分の一、さらに交通アメニティ推進機構が十分の一という補助でやっております。ことしはまだ額は非常に少ないと思いますが、今後、大蔵大臣の理解を得て取り組んでまいりたいと思います。ことしは一億一千二百万計上いたしておりますが、さらにことしから新規にリフト付バス、これについての補助をする。これは国が五分の一でございます。それからまた地方が五分の一、さらに交通アメニティ推進機構が十分の一の補助ということで、ことしは初年度でございますので八千八百万を新規に予算計上いたしております。
 委員が非常に細かく私どもにも御指導、御指摘をいただいておりますので、それを受けまして今後とも推進をしてまいりたいと思います。
#41
○前島英三郎君 今回の震災の話にまた戻るんですが、情報通信が一番必要なときに切れてしまったわけでありますけれども、視覚、聴覚というコミュニケーション障害を持つ方々は二重のハンディーを負わされたわけであります。
 特に問題が深刻だったのは聴覚に障害のある皆さんでした。きのうも下村さんが御質問されて、文字放送が十数カ所に配置されたという大変温かい話も伺ったんですが、これからはやっぱり文字放送の普及とか文字放送のアダプターつきのテレビの製造というようなことも、これも通産省と連携をとっていただきながらやっていくということが大切であります。
 また、今度の大震災で肢体障害者の多くは、ふだん余り欲しいと思っていなかった携帯電話の威力を思い知らされた、こういう報告も来ております。携帯電話の普及、あるいは価格を下げる努力、あるいは補装具化をするというようなことも含めていかがでしょうか。
#42
○国務大臣(大出俊君) 今の御質問にお答えいたします。
 あらかじめお話もございました携帯電話でございますけれども、いろいろ相談をいたしましたが、できるだけ補装具化、つまり補装具としてどうしても必要な携帯電話にこれからはなっていくと思っております。今度の災害でしみじみ携帯電話のよさがわかってまいりまして、一・五キロぐらいの某地をつくっておりますので、基地が幾つも重なりますから、つぶれたところがあってもちょっと動けば聞こえるというわけです。
 だから、そういう意味でぜひこれは前向きに、前向きにという言葉は余り私、好きじゃありませんけれども、できるだけひとつ御要望のお考えの方向に向かって努力をしていきたい、こういうふうに思っております。
 それから聴覚に障害のある皆さん、今お話しございましたけれども、これは前に私がお答えしたこともあるのでありますが、確かにこのたび大きな問題になりまして、文字放送なり字幕放送なりテロップなりあるいは手話なりという問題でございますけれども、これもそれなりに私ども一生懸命対処をしてまいりました。ただ、アメリカなどでやっておりますように、十三インチ以上のテレビにすべてアダプター式受像機を内蔵するというような、あれは法律ができておりますけれども、果たして日本の場合はそこらがどういうことになるのかという点なども勉強させていただいて、懸命に前に進める努力をしたい。
 特に一つだけ申し上げておきたいのは、今の基本法に基づきましてNTT等を通じましていろんな機器ができておりまして、寝たきりの皆さんの場合の「あんしん」というのもございます。電話機につないでおきますと、ボタンを押すと支援センターにつながる、あるいは医師につながるということになっているわけでございますけれども、これらの問題について料金という問題があるんですね。だから、できるだけレンタル料を下げて、今のところは四百八十円のものを百八十円まで下げておりますけれども、さらに下げられないかと。
 それから耳の御不自由な方、例の「めいりょう」という普通の音声の十八倍ぐらいに聞こえるのがございます、一番いいのは十倍ぐらいのようでございますけれども。これも高過ぎるというお話がございますが、目下のところ万円にしております。
 この種のことは幾つもございますけれども、これも懸命に御要望の方向に向かって進めたい、こう思っております。
#43
○前島英三郎君 郵政大臣、前向きな御答弁、どうもありがとうございました。
 やっぱり障害者は働きたい、自立するには就業したい。しかし、今度の震災で西宮にあります重度障害者を多数雇用しているそういう中小企業、事業所が倒れたりする。基本法の中でも事業者に対して国は大いなる支援をお願いしますということをうたってあるんですが、この辺は、労働大臣、いかがでございますか。
#44
○国務大臣(浜本万三君) 震災対策で特に障害者の皆さんに対してどういう対策を行っておるかということについてのみお答えいたしたいと思うのであります。
 労働省は、今回の震災に伴う障害者の対策といたしましては、雇用の継続に重点を置いて対策を講じております。したがって、雇用調整助成金の活用とか納付金制度に基づく助成金の活用などを行いまして、障害者の雇用継続に対する支援を図っておるわけでございます。特に雇用の継続については事業主の皆さんにお願いをいたさねばなりませんので、事業主の皆さんを訪問いたしまして雇用継続を特に要求をしておるわけでございます。
#45
○前島英三郎君 もう時間がなくなりまして、そのほか文部省にももう統合教育の時代ではないのかなというような御質問もしたかったわけでありますが、あるいはほかの省庁にもいろいろとお願いを申し上げたいことがたくさんあったんですが、時間になりますので最後に申し上げたいと思います。
 この国会、当然のことながら阪神淡路大震災が議論の中心となっております。初動がおくれたとか総理の責任だとか、責任追及型の野党の皆さんの質問には余り実がないように思えてなりません、正直言いまして。今、大切なことは、みんなであらゆる努力を傾注して頑張ることである、精いっぱい支え合うことであり、復興に向けて少しでも早く対応策を推進することだと私は思っております。声なき声にも日配り、耳配りをしていただきながら、村山内閣が持てる力をフルに発揮できるようにすることに尽きると私は思っているわけであります。
 元気印の小里大臣と村山総理にさらなる決意を伺いまして、私の質問を閉じたいと思います。どうぞよろしく。
#46
○国務大臣(小里貞利君) 申し上げるまでもなく災害対策は、通常行政とは基本的に異なりましていろんなところに気配りをしながら進めていかなければならないと考えております。殊に、ただいま先生、先ほどから造詣の深い幾つかの問題を社会福祉を中心にお聞かせいただきました。要するに、そのような声なき声を大事にしながら、私どもはこれからの復興にかけていかなけりゃならぬと思っております。
 お話をいただきましたことなどをそれぞれ拳々服膺して怠りなきよう、万全を期してその復興に邁進する決意でございます。よろしくお願いいたします。
#47
○国務大臣(村山富市君) まだ救援を必要とされる方々もたくさんおられるわけでありますから、そういう点に遺漏のないような配慮も加えながら、何よりも復旧と復興がこれから大事ですから、見事によみがえった兵庫県、神戸市、市町村というものをつくり上げていくために、今、委員からもお話が数々ございましたけれども、そういう配慮も十分加えながら全力を挙げて取り組んでいきたいという決意だけは申し上げておきたいと思います。
#48
○前島英三郎君 どうもありがとうございました、
#49
○委員長(坂野重信君) 以上で前島英三郎君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ―――――――――――――
#50
○委員長(坂野重信君) 次に、瀬谷英行君の質疑を行います。瀬谷英行君。
#51
○瀬谷英行君 私は、手近な問題からちょっと取り上げてみたいというふうに思っております。
 実は私の父親が、もう十七年前に亡くなりましたけれども、関東大震災を体験しまして、私も実は関東大震災の体験者です。体験者といったところで、当時四歳でしたから余り詳しいことは覚えておりません。しかし、四歳であっても、ほかのことはよく覚えていないんだけれども、この大震災のことだけはよく覚えているんですよ。
 その瞬間は何をしていたかというと、おもちゃの電車を持って畳の上を転がして遊んでいた、突如として体が宙に浮いた、それは上下動で浮いたわけじゃなくて、母親が私を横抱きにして表へ飛び出したということであります。そうしたら向かい側の家の二階の屋根がわらが土煙を上げて雪崩のように落っこちてきた、そこの奥さんは危なくその下敷きになるところだった、そんなことが極めて強い印象になって私の記憶に残っております。
 それで、その当時父親が持っていた本を引っ張り出してみました。こういう本なんです。「大正大震災大火災」、大劇本雄弁会、講談社の発行なんですね。これはもう写真から記事からいろいろありますけれども、これを読んでみると非常に興味深いのであります。この関東大震災の教訓というものを果たして我々がちゃんと生かしていたかどうかということも考えなきゃいかぬと思うんです。
 この本の中に挟んでありました父親のメモがあります。そのメモはどういうことかというと、
 大正十二年九月一日の大地震。十二時三十分より東京市部に百二十二件の火災が起こる。地震と共に電話、火災報知機が不通となる。水道はこわれ、七千二百の消火栓は役に立たなくなった。地震の時は南の強風毎秒一二メートルたつたが、夜の十一時には北の二一メートルとなり、南千住から芝、金杉に至るまで個々の火災が合流して広大な、面積火の海と化した。空地に乏しい本所付近の住民が三万坪被服廠に荷物と共に殺到し、火に包まれて三万二千人が焼死する未曾有の惨事を生んだ。九月一日の犠牲者は十四万人。こう書いてあるんです。
 これは明治生まれの小学校しか出てない父親ですから仮名遣いもちょっと背の仮名遣いでありますけれども、これを読んで、特に「水道は壊れ、七千二百の消火栓は役に立たなくなった。」、こうあるわけです。そして、下町の方から火災が起きた。見る見るうちにそれがその周辺に広がった。その火災が広がった中で旋風が起きる。多くの人が被服廠跡で亡くなった。こういう時代があったわけですね。
 こういう歴史的な事実にかんがみて、我々はどこに地震が来るかわからないんですから、そういったようなことを想定した訓練なり準備を一体していただろうかということを考えると、なかなかその準備はできていないところの方が多いと思います。これは総理もちょっと目を通していただきたいと思います。(資料を手渡す)
 そこで、まず具体的な問題で聞いてみたいと思うんですけれども、私どもが日常使っている高速道路ですね。衆参の議長公邸がそこにあります。その前を高速道路が走っております。その高速道路をよく見ると、支えの柱はこのくらいの太さの丸い柱が一本ですよ。前はよくあの一本の柱でもってあの広い高速道路を支えられているものだなというふうに思ったものでありますが、今度の阪神の高速道路を見ると、それがみんな並んでぼっきり折れてしまっているんですね。これはやはり人ごとじゃないと思いました。
 もしここで同じような地震が起きたならば、あれも同じように倒れるんじゃないか。あれはどっちへ倒れるかわからないけれども、こっち側へ倒れれば議長公邸へもろにおっかぶさっていくだろうと。もし車がいっぱい通っていたならば、その車がみんなもんどり打って議長公邸に飛び込んでいくんじゃないかと。これは容易に想像されるんですよ。そういうことを思うと大変恐ろしいですね。
 そこで、建設大臣にお伺いしたいんですけれども、ああいう阪神高速道路が倒れたと。あのような似たような道路はいっぱいあるはずです。それらの似たような高速道路の安全性というものは点検をしなくていいものかどうか、もし危ないというふうにわかったならば改造しなくてもいいものかどうか。この辺はやっぱり、もしという言葉がつくけれども、現実のものとなるとえらいことになると思いますね。その辺のところをまず建設大臣にお伺いしたい。
#52
○国務大臣(野坂浩賢君) 今、先生がお話しになりましたように、阪神高速道路はああいうような事態を招きました。したがって、その原因の究明を徹底しなければならぬということで、地震学会あるいは橋梁学会の先生方に集まっていただいて、過去三回討議を重ねてまいりました。阪神高速道路の問題については、七項目でありますけれども耐震基準というものを出して、それで復旧作業に入るということを御了承いただきました。
 その後につきましては、さらに原因を追求して進めていかなきゃならぬと思いますが、お話がありましたように、首都高速等は議長公邸の前や、大変ふくそうしておるわけでありますから、とりあえず鋼板といいますか、詳しくは道路局長の方から説明させても結構ですが、鋼板という、鋼を巻くと非常に弾力的になって、加速度がありましてもそれに対応することができる。当面それを首都高速道路はやるということに決めておるところでございまして、これから原因の追求で決定できるものは出てまいりますが、当面はそういう格好で全部点検をして、さらに強化し粘りのある橋に補強していこう、こういうふうに決めて進めておるところでございます。
#53
○瀬谷英行君 もう専門的な話なので、できたら担当者にも説明してもらいたいと思います。
 例えば、コウバンなんと言うから、私はあの巡査のいる交番がなと最初思ったら、そうじゃなくて鋼の板である、こういうことでありますから、それらの点も安心のいくようにひとつ話をしてもらいたい。
#54
○政府委員(藤川寛之君) 今、大臣の方からお答え申し上げましたように、現在、専門家から成ります検討委員会の方で原因の徹底的な究明を進めているところでございます。具体的に、どんな地震の力が働いたのか、どういう形で倒壊に至ったのか、そういうところを今調べているところでございます。私どもといたしましては、そういう徹底的な究明の結果を踏まえまして早急に総点検をしたい。
 それで、今お話がございましたような橋脚については、今、大臣からの説明にもございましたが、地震力が働きますと、鉄筋コンクリートの橋ですとまずひび割れが生じまして、そのひび割れが生じた事態でまた地震力が加わっていきますとどんどんそのひび割れが進んで損壊に至るという、そういうメカニズムで壊れていくようでございます。それで、今申し上げましたように、橋脚に鋼板を張りつけるわけです。橋脚の周りに鋼板を張りつけますとひび割れが生じにくくなる、ひび割れが進みにくくなるというようなことで大変粘り強い橋脚になるわけでございます。
 そういうことで、私どもといたしましては、そういう橋脚の補強をできるだけ今回の検討結果を踏まえて早急に進めていきたいというふうに考えているところでございます。
#55
○瀬谷英行君 その橋脚の補強の問題でありますけれども、今度は新幹線の問題にちょっと触れてみたいと思うんです。
 きのうも西野さんからも質問がありましたが、実はこういうものがあったという、発砲スチロールですか、新幹線の橋脚の中でそんなのが出てきたわけですね。実際にでき上がった橋脚は我々素人が外から見たってわからないわけなんですよ、強いんだか弱いんだか。だから、実際に電車が一走っていってだんだん落ちこぼれが出てくるということになると、またこれ大き衝撃があれば崩れるおそれがある。
 新幹線の安全の問題を考えると、新幹線はやはり橋が落下をして線路がだらんとぶら下がったんですね。あれを見て、これは恐ろしいことだと思いました。もしあれが、五時四十六分という早朝の電車が定らない時間帯だからよかったけれど足も、あと二時間か三時間、時間がずれていると、新幹線は二百何十キロというスピードでもって立て続けに走っている、上下線とも。それから新幹線だけじゃなくて在来線も、あるいは阪神とか阪急とかいう民鉄の場合も、やはりあの近辺は高架が多いわけですから高架を走っている。そうすると、どの線路もみんなああいうように浮き上がったりすると、脱線、転覆ということになる。新幹線が二百キロ以上のスピードでもって走ってきてあそこに差しかかったら、これはどうなるだろうかということを考えるとまことに恐ろしい話です。
 そこで、幸いにしてあのときは走っていなかったけれども、今後の問題として新幹線は大丈夫だろうか、こういう心配があるわけです。これはあそこだけの話じゃない。何しろ九州まで走っている新幹線ですから、あるいは東北地方、盛岡まで走っている新幹線ですから、この高速の新幹線が走っている地域において地震があったら一体どうなるだろうかと、そういう心配はしなくてもいいものかどうか。もし心配だとすればどういう対策があるのか。今まで点検をした結果は、その点、安全性についてどうなのか、これらのことも含めまして運輸大臣にお伺いしたい。
#56
○国務大臣(亀井静香君) 先生御指摘のように、あと十五、六分後に発生をしておりますと、六時始発がございますから大変な惨事になっておったということでございます。
 これは四十二年―四十七年に建設をした線路でございますけれども、当時、日本列島を襲った過去の地震、これに十分耐え得るという、そうした耐震設計に基づいて建設をしておっただけに私どもとしては非常にショックを受けておるわけでございまして、耐震設計そのものに不十分な点がなかったかどうか、また設計自体はちゃんとしておっても施工について問題があったのかどうか。
 今後この日本刑鳥を将来も必ず襲うわけでございますから、襲うであろう地震にどう耐え得るか。そういう面で、上限と言いますと、地球が爆発しますとこれはどうしようもないわけでございますから、天災の上限というのは予測できないわけでありますけれども、しかし過去のそうしたいろんなデータ、このたびのそうした経験、また世界の国々のそうした地震の発生しておる状況等をこの際、謙虚に検討いたしまして、新幹線につきましては今、総点検を実施いたしております。
 東京理科大学の松本教授を委員長とする検討委員会が連日検討しておるわけでございます。現在はまだどこに問題があったかという結論は出ておりませんが、いろいろ発砲スチロールの問題だとか木片が出たとか、いろんなことが報道されておりますけれども、そういう実態も全部掌握をいたしております。
 ただ、素人談義でああだこうだと言うことはかえって不安を募らせるもとでございますので、純科学的見地から徹底的に現在検討していただいております。
 なお、これにつきましてはすべてオープンにいたしたい。調査内容その他含めて一切オープンにして、検討委員会の先生方以外の学者の方々、いろんな方々の批判の目といいますか、そういうものをきちっとクリアした形で新幹線の安全を確立したい、このように考えております。
#57
○瀬谷英行君 大丈夫だと地震に対して自信を持って答えてもらえるような設備をこれからもお願いしたいと思います。
 それから今、総理にもお見せしたんですけれども、その本の中にやはり当時の東京帝国大学の先生の書いたものがあります。遠からず関東大地震が襲うかもしれないという説を述べた先生と、そんなことはないという説を述べた先生とがあって、結果的にはそんなことがあったわけです。大地震があった。十万ないし二十万の犠牲者が出るんじゃないかというふうな予想の説を述べた先生があるんですね。
 だから、地震の予知なんかの問題についても我々は真剣になって、できるかできないかはともかくやってみる必要があると思うのでありますが、これは小里大臣に、今後の問題として、地震の予知といったようなこと、どういうふうな研究が行われているのか、また行われるのか、その点をお伺いしたいと思うんです。
#58
○国務大臣(与謝野馨君) 地震の予知の問題でございますけれども、地震が予知できるか予知できないかというのは学説上分かれているところでございます。
 しかしながら、予知できるとしたらどういうことが必要なのかということでございまして、地震予知のためにはいろいろなデータを集めなけれはならないわけでございます。それは微小地震を観測する、あるいは岩盤の傾斜あるいはひずみ、二地点の距離の測定、あるいは地下水の推移の測定、地下水の中に入っておりますラドンの濃度の測定等々でございますが、これらのデータを持っておりますのは分かれております。一つは気象庁、そして一つは国立大学、これは北大、東北大学、東京大学、名古屋大学、京都大学等でございます。それから海上保安庁もデータを持っております。国土地理院もデータを持っております。通産省の地質調査所もデータを持っております。
 こういうデータを有機的に結びつけて地震の予知ができるかどうかということを判断する必要がございまして、これを有機的に結びつける方法としては、文部省の傘下にございます測地学審議会というのがございまして、そこが健議をしました地震予知の方法というものをもとに建設省が事務局となって地震予知連絡会というのをつくっております。
 この件に関しましては、東海地震に関しましては予知体制というのが比較的整備をされております。また、最近では南関東の予知についても整備がされ始めておりますけれども、全国的な規模では手知体制というものはまだ不備と、こういう状況でございます。
#59
○瀬谷英行君 こういう話は的確にできればそれにこしたことはないけれども、なかなか難しかろうという気がします。しかし、生半可に秘密にしておくとかえって憶測を生むと思うんですね。だから、オープンにしてどんどん積極的にこれからも研究してもらった方がいいんじゃないかという気がいたします。
 それから対策の問題でありますが、私もさっき総理にお渡しした父親のメモでもって感じたんですが、水道が壊れた、消火栓がみんな壊れたということになると、とっさの場面では消火活動に困るわけですね。その点では神戸の場合だって関東大震災の場合だって似たような現象を生じたんじゃないかという気がするんです。ただ、当時と今と違うのは、今は高層建築がどんどんできている。しかし、密集した木造家屋のところは、発火したならばこれはなかなか消しがたいということは容易に想像されます。それらの対策の面で初動のおくれがあったかなかったか、いろいろありますけれども、やはり場所が、地元の神戸市あるいは県当局が、本来ならばどこで何が起こったからどれだけの応援をひとつ自衛隊に頼むということをやらなきゃならないだろうと思うんです。
 しかし、自衛隊自体が神戸に駐屯しているわけじゃないんですね。昔の関東大震災のときは、軍隊は東京のど真ん中にいたわけですよ。近衛歩兵第一連隊から第四連隊、麻布第三連隊とか、それから工兵隊から電信隊から今の東京都内に軍隊がいっぱいいたわけですね。しかも、それは今の自衛隊のように通いの兵隊なんというのはいないんです。みんな住み込みなんですよ。だから、非常呼集がかかれば、あっという間に一個連隊でも一個大隊でも勢ぞろいできるようになっている。
 ところが、その軍隊が必ずしも関東大震災では役に立たなかった。治安の維持ということだけに重点が置かれたんでしょう、その本によれば、大変理不尽な殺人事件やらそういうことが起こっているんですね。甘粕大尉事件であるとか、さらにまた非常に許しがたい集団殺人なんかもあったわけです。こういうことがあったことを考えると、軍隊も使いようによっては役に立たない場合とそれから役に立つ場合とがあるわけですよ。
 だから、自衛隊だってやはり地方自治体と緊密な連携をとって行動できるようにしておけば役に立つんじゃないかという気が私はするんですが、その辺のところが必ずしもうまくいっていなかったという点があれば、これからの問題としてどうしたらいいかということは考えるべきではないかと思うんですが、まずその点の見解を総理にお伺いしたいと思うんです。
#60
○国務大臣(村山富市君) 今、この本も見せていただきましたし、それからお父さんがお書きになったというその文章を読ませていただきながら、関東大震災と今度起こりました阪神・淡路地区の大地震との比較をしてみますと、火災による被害というのはそれはもう本当に大きかったというふうに言わざるを得ないと思うんですけれども、消火栓が全然使えなかったとか水がなくなったとかいうことがやっぱり大きな原因になっておる。
 これはこれだけの大きな経験を一週しているんですから、九月一日を防災の日として行事もやっていますけれども、この教訓が今度の地震にどの程度生かされているかというようなことを考えてみますと、やっぱり抜かる点が多かったんじゃないかなという気がいたします。これはよく言われますように、災害は忘れたころにやってくるという言葉がありますけれども、これをやっぱりかみしめてふだんから備えはきちっとやっておくものだということを教えられるわけであります。
 特に、今お話もございましたように、自衛隊がこうした災害等に果たしてきました役割というものは、これまでの経験に照らしても、それはもう多くの国民の皆さんが評価し認めておりますように大きなものがあるわけです。したがって、私は、やっぱりふだんからそうした防災訓練をする際に関係者がそれぞれ参加されてそして協力がし合えるようなものを用意しておく、ふだんから訓練しておくということは大変大事なことではないかというふうに思うんです、
 関東地区で先般、昨年も九月一日に埼玉でございましたけれども、あのときにはそれぞれ部署部署に関係者が全部参加してそして共同で訓練をされていましたけれども、そういう意味における自衛隊も参加をしたふだんからの連携と訓練というものは大事なことだなということはもう痛切に感じておりますから、そういう点もやっぱり心がけてこれからやらなきゃならぬことだと、御指摘のとおりだと思います。
#61
○瀬谷英行君 私は、予算委員会もせっかくこう連続をして開かれておりますし、閣僚も総理以下ずっと毎日座りっぱなしです。しゃべる方は入れかわり立ちかわりですけれども、そちらの方は交代ができないからなかなか大変だと思うんですが、せっかくですから、この予算委員会でもって出てきた意見というもので生かし得るものは具体的に生かしてもらいたい、こういう気がするんですよ。
 今までの議論の中で、片山議員とかそれから佐藤議員ですか、病院船の話が出ました。今、我々が聞くのは、お年寄りや病人が体育館みたいなところで非常に不自由な思いをして、中には命を失うという人も出てくる、こういう話が聞かれるんですけれども、なぜそんなことを放置しなきゃならないのかという疑問があります。
   〔委員長退席、理事片山虎之助君着席〕
 もっとも、地元の病院がみんなつぶれてしまって使えなくなったという事情があるでしょうけれども、そういう場合にはなぜ船を使わないかという気がするんです。
 神戸港自体は大きな損害をこうむって使えないかもしれないけれども、陸路を使おうとしても道路が壊れている、線路の方はみんなぶっ壊れている。電車も使えない自動車も使えない、こういう状態になってくれば海路に頼るほかないでしょう。海に頼るということになれば船ということになるんです。船ならばこれはどこでも往復できるわけですから、多目的の艦船を用意していて、いざという場合にはそういう人たちを収容する病院に早変わりをする。
 病院船という言葉がありましたけれども、昔は大島航路の橘丸のように二千トン足らずの船が徴用されて病院船として活躍をしたという実績があるんです。だから、これからだってそういう多目的の艦船を用意をしておいて、しょっちゅうというわけにいかないと思いますけれども、いざという場合には病院船に早変わりできる、こういうことを考えてみられないものだろうか。せっかく片山さん、佐藤さん、それぞれの御意見が出ているし、私もそういう使い道ということは考える必要があるのではないかと思うのでありますが、その点、防衛庁長官にまずお伺いしてみたいと思うん
#62
○国務大臣(亀井静香君) このたびの震災におきまして、村山総理から非常に細かいいろいろ御指示がございましたが、その一つが船を活用せよということでございまして、民間の船会社の協力をいただきまして、五隻の船に御協力いただきました。
 お年寄りの方、病弱の方々等、収容人員が大体三千名程度、個室でバス・トイレつきというようなところもございますし、広間に雑魚寝というような場合もございましたけれども、相当広範に船は活用をさせていただきましたことを御説明申しておきます。
#63
○国務大臣(玉沢徳一郎君) 自衛隊としましては、神戸港が大変な被害になりましてどのような突起物があるかわからない、こういうわけでございますから、港が自由に出入りできますように、阪神基地隊を通じましい水中に潜りまして、そして安全に船が入れるようにしたというのがまず第一点であります。
 そこで、病院船のお話でありましたが、神戸の医療機関がかなり被害を受けたと。そこで、自衛隊としましては、救護所は用意したわけでございますが、大阪市とかそういう周りの地域の医療機関は被害を受けずに治療ができるという状況であったわけでございますので、やはりそちらの方をできるだけ使うという判断をしながら今回は対応したと、こういうことでございます。
 それで、多目的の船を持つべきであると、これは自衛艦ということになるわけでございますが、その活用のあり方については今後経験を踏まえまして検討してみたい、こう思っております。
#64
○国務大臣(五十嵐広三君) 委員御指摘の病院船あるいは多目的船につきましては、これまでもしばしば国会からも御意見をいただきまして、政府としてはここ数年検討させていただいておりまして、大体予定ではことしぐらいには一応結論を出してみようと、こういう感じになっております。
 考え方には二通りございまして、病院船と、それからもう一つは災害等も含めた多目的の船にしていくか。これは国内もそうでありますが、もちろん外国における災害等についての支援にも駆けつけていけるというようなことも考えながら構想を練っているわけであります。
 ただ、大変やっぱり実際の議論になってまいりますと問題も多くあるようであります。今もちょっとお話がございましたが、問題は、被災地の現場から船までどういうぐあいに運ぶかということもまたなかなか大変なことでございます。
 それからいろんなそういう問題点もあるものですから、今、世界的に見てその種のものがあるというのはアメリカで軍の方の病院船があるわけでありますが、やはり常にどこの場合でも問題視されながらなかなか具体化しないという点では、あるいは国連でもいまだそういうことが具体化していないという点に関しては、やはりそれなりの問題点が多くあるようであります。
 しかし、こういう点について、殊に今回のこの阪神・淡路災害というものも踏まえて、私どもとしては一層、今の委員の御提言も踏まえて結論を得るように努力してまいりたい、このように思う次第でございます。
#65
○瀬谷英行君 先般、海の日が参議院を通過いたしまして、幸い成立をいたしました。皆さんの御協力に感謝したいというふうに思っております。
   〔理事片山虎之助君退席、委員長着席〕
 海の日にちなんで神戸港の問題を考えると、神戸港が果たしている役割というものは非常に重要だと思うんですね。日本の輸出入の三割以上を占めているということになりますと、単なる神戸港だけの問題ではない、日本経済あるいはアジアの経済にも甚大な影響を及ぼす。
 したがって、その神戸港の速やかなる再建、私は、この神戸の問題にしても復旧というよりも復興と言わなきゃならないと思うんですね。復旧ということになると、もとどおりということになるんですから。やはり、もとどおりじゃいろいろ問題があるんですよ。だから、都市計画を立てて、広い道路と豊かな緑というものを備えた新しい都市づくりをする、それから港もなるべく早く再建をする、そういうことが望まれているんではないかと思うのであります。
 それらの再建計画等についてどのような構想があるのか、どのような障害があるのか、その点もお伺いしたいと思うんです。
#66
○国務大臣(亀井静香君) お説のとおりでございまして、よみがえる神戸の象徴的なあの国際港を建設するというような気持ちで、現在、神戸市また兵庫県とも協議をしながら進めておるところでございます。
 具体的には、水深十五メートルの大型バース十バース建設をいたしたい。当面、二カ年間で一応の復興はなし遂げたいと思いますが、しかしそうした意味での大型の近代港の建設はもうちょっと時間がかかるかと思いますけれども、そういう取り組みをやっていることを御承知いただきたいと思います。
#67
○瀬谷英行君 運輸大臣の御答弁をいただきましたが、運輸大臣、関連してもう一つ、新幹線の安全性についてお伺いしておきたいと思うんです。
 新幹線ができて、だんだんスピードアップされる。しかし、今の日本の国内ではそんなにスピード競争をする必要はないと思うんです。スピード競争をするよりも安全性を確保するということの方が大事なことだと思うんです。少しぐらい早く着いたって、もっと急ぐ人は飛行機に乗ればいいんだから。だから、我々は新幹線を利用する場合は大丈夫だ、この新幹線は安全だという安心感を持って乗りたいと思うんですよ。
 私は、率直に言って、「のぞみ」と「ひかり」と両方乗り比べてみましたけれども、やっぱり「ひかり」より「のぞみ」の方が速いことは速い。速いけれども、揺れて乗り心地は悪いんです。やっぱりそれだけのことがあるんですよ、無理に速くすれば。だから、無理に速く走らなくてもいいから快適に走るということの方に重点を置くべきじゃないかというふうに思いますが、その点いかがですか。
#68
○国務大臣(亀井静香君) 私は委員の御意見に全く同感でございます。乗り物につきましては安全が何よりも第一である。
 現在の新幹線につきましても、各社がいわゆるスピード競争をして安全面で手落ちがあることがあっては絶対ならない、そういう姿勢で運輸省といたしましては指導をいたしておるところでございます。
#69
○瀬谷英行君 ぜひそのようにお願いしたいというふうに思います。
 それから情報の問題でありますけれども、やはり今回の地震でもって総理がこの事件を知ったのはテレビであったと。恐らく総理だけじゃない、各閣僚はみんなテレビでもって、東京にいる方は初めてこの地震というのはただごとでないということを知っただろうと思うんですね。そのときには現場はどうかというと、神戸もあるいは兵庫県の県庁も、それこそその職場の人たちが被災者であったり犠牲者であったり、そういう状態だったから、そこが中心になって的確な情報を発することができなかったということもあると思います。しかし、情報が不確実であるということは、これはやはりよくないことだと思うんです。
 背の関東大震災はテレビなんかなかったころでありますから、新聞社の新聞の内容もまことにさまざまなんですね。岩手新聞によれば、小笠原・伊豆諸島は全く消息皆無だが、海上視察者の談によれば、島が海中に没してすべてなくなったと、こういうような新聞記事。それから長野県の新聞でも、関東方面は真っ赤になっておるから、これは秩父連山が爆発したんじゃないかと、こういうような記事。それから台湾日々新聞に至っては、富士山が大爆発をしたようだと、こういうような記事。こういうふうに新聞記事というのは憶測でもっていろんなことを流している。そこに流言飛語が生ずる余地があったと思うのでありますが、この流言飛語によって理不尽な殺人行為等があった。軍隊まで関与しているということがあった。
 したがって、正確な情報をどこが把握をしていくか、どこの情報が一番正しいかということを一元化してやっていく必要があると思うのでありますが、その点について政府の見解をお伺いしたいと思うんです。
#70
○国務大臣(五十嵐広三君) 仰せのとおりであろうというふうに思います。
 今度の阪神・淡路大震災の反省の上からは、やはり情報に関する問題が一つの大きなポイントであろうと思います。震度六なら六という情報そのものは大変早く伝わるのでありますが、今度の場合、問題は被害の程度、規模というものが把握できなかった。これをほぼ把握できるのに相当な時間があった。
 この点を反省いたしまして、今度一体どういうぐあいにするかということで、特に初動時の災害の規模の把握というようなところに絞って、かつその情報が正確に早く必要なところに伝わるということも含めて、この間来プロジェクトチームをつくって作業をいたしまして、この即応体制の部分だけは一週間ほど前にまとめまして閣議で決めて、即刻実施体制に入ったところであります。
 内容的には、余り時間をかけてもいかがかと思いますので簡略をさせていただきますが、一つには、各政府関係機関のすべての情報というものを総合的に、殊に我々官邸の方で掌握するということは言うまでもございませんが、それだけではなくて民間の情報、例えばNTTであるとかJRであるとか、あるいは電力であるとか私鉄であるとかガスであるとか、こういう民間の公的な仕事をしているところにおける情報の把握の仕方というのは実は非常にやっぱりすぐれたものがあって、これらのものを総合的に我々官邸の方で、これも同時に一括して掌握するということによって状況が非常に立体的に重層的に把握できると。これを解析して直ちにどの程度の規模だなということを判断できるようにしたいと思いまして、それぞれの御協力もいただけることになりましたので、その体制が整ったところであります。
 加えて、アメリカのFEMAでとっているGISというシステムがあるのでありますが、そういうシステム等につきましてもできるだけ我々としては参考にさせていただいて、お話しのような趣旨に沿った情報の把握に努めてまいりたい、こういうぐあいに考えております。
#71
○瀬谷英行君 総理、近々社会開発サミットの方に向かわれるようでありますが、その機会に私は、まず今回の災害に対していろいろな支援をしていただいた各国に感謝の意を表明していただくということが一つと、もう一つ日本の立場として、総理も言われた軍縮を具体的に何とかして実践をしたいと思うから、日本だけの軍縮というんじゃだめだから、よその国も全部、世界じゅうが軍縮に歩調を合わせてもらいたい、そういうことをひとつ強力に提言をしてもらいたいと思うんです。
 そこで、日本の防衛について、防衛庁の白書でありますか、これをいろいろ読んでみますと、意識調査の中に、自衛隊がこれまで役立ってきたこと、あるいは自衛隊が今後力を入れていくべき面、こういったのがあるんですね。これは防衛庁が発行している。
 それを見ますと、国の安全の確保というのが七%、国内の治安維持というのが五・〇%、災害派遣というのが七三%、こういうふうになっているんですね。それから今後力を入れていくべき面という調査を見ると、国の安全の確保が二四%、治安維持が九%、災害派遣が三四%、こういうふうに災害派遣に対する期待が非常に大きいんですよ。
 今回の阪神地震災害を契機として、自衛隊に対してはこういう期待があるのだということを承知してもらって、自衛隊自体のあり方について、訓練について、それから各地方自治体との連係プレー等についても、これは今まで以上に今回の地震の教訓を生かせるようなことをやってもらわなきゃなるまい、こういう気がいたしますが、総理もしくは防衛庁長官の見解を承りたいと思います。
#72
○国務大臣(玉沢徳一郎君) 委員の御指摘されますように、自衛隊に対する期待といいますのはますます高まってきておると考えております。特に災害につきましては、地域を守る、こういう意味で地方自治体との連携を十分とりながら、ふだんからの計画、訓練を十分行う必要があるんではないか、このように考えるわけであります。
#73
○瀬谷英行君 最後に、もう時間となりましたので、まとめでもってもう一つ要望したいと思いますが、先ほどのこういう災害時における多目的利用のできるような艦船の整備ということについては、私以外にも意見があったし、これはできることだと思うんですね。
 だから、海上自衛隊の艦船にいたしましても、海上保安庁あるいは運輸省の練習船にいたしましても、これは、五千トンから三千トンぐらいでありますが、何万トンという大きな船をそろえる必要はないと思います。小さな船をたくさん持っていて、いざという場合にはそういう多目的な使用が可能であるという状態にしておけば、海は交通渋滞がないわけでありますからどこへでも行けるというふうに思いますし、有効に使えるんじゃないかと思うんです。その使い方についても、先ほどの御答弁では極めて前向きの御答弁がございましたから、実現をさせていただくように強く要望いたしまして、私の質問を終わります、
#74
○委員長(坂野重信君) 以上で瀬谷英行君の質疑は終了いたしました。(拍手)
 午後一時に再開することとし、休憩いたします。
   午後零時二分休憩
     ―――――・―――――
   午後一時一分開会
#75
○委員長(坂野重信君) ただいまから予算委員会を再開いたします。
 平成七年度一般会計予算、平成七年度特別会計予算、平成七年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題とし、休憩前に引き続き、質疑を行います。野沢太三君。
#76
○野沢太三君 自由民主党の野沢でございます。
 質問に入ります前に、このたびの阪神・淡路大震災でお亡くなりになられました方々の御冥福をお祈り申し上げ、御遺族の皆様に心からお悔やみを申し上げる次第でございます。また、今なお避難生活で不自由な毎日をお過ごしの皆様に衷心よりお見舞いを申し上げるところでございます。
 そして、阪神・淡路地区が未曾有の大災害を受けながら、今、市民の皆様が瓦れきの中から立ち上がりまして、助け合い、復興に向けて歩み出しておられることに心から敬意を表する次第でございます。
 この中で、みずからも被災者でありながら、日夜周辺被災者の皆様のお世話に奔走されております警察、消防、自衛隊初め行政の皆様、とりわけ全国から駆けつけて御奉仕をいただいておりまするボランティアの皆様に、深甚なる謝意を表明する次第でございます。
 政府におかれましても、発災当初、早速緊急対策本部をつくられて対応してこられましたけれども、このたびの基本法によりまして復興本部が発足し、総理みずから本部長に御就任されました。
 今回のような国家的非常事態を打開して展望を開いていくには、何よりもやはりトップのリーダーシップというものが重要であると思います。これまでの審議の中で、しばしば総理初め閣僚の対応につきまして御議論がございましたけれども、今回のような大災害は事が森羅万象に及びまして、対応は広範かつ多岐にわたっております。このような場合には、単純に意見を発動して引っ張っていくということももちろん大事でございますけれども、できるだけ多くの皆様の御意見あるいは体験を集約いたしまして方向を明らかにするいわゆる意見集貌のリーダーシップが何よりも大事ではないかと思うわけでございます。
 どうか被災されました現地の皆様の御意向、希望に耳を傾けられまして、専門家あるいは学識経験者の御意見等を承りながら立派な方針を樹立され、これを実行に移していただきたいものと希望をする次第でございます。
 昭和の初めに活躍しました地震学者寺田寅彦の随筆に「天災と国防」という時事雑感がございます。この中に、陸海軍当事者が仮想敵国の襲来を予想して憂慮するのももっともなことである、これと同じように、平生地震というものの災害を調べている者の目から見ると、この恐るべき強敵に対する国防の余りに手薄過ぎるのは心配にならないわけにはいかないという一文がございます。政治の最大の使命は国民の生命と財産を守ることにあるわけでございますので、地震対策はまさに国防そのものであると言ってもよろしいかと思います。
 ここで、復興本部長に御就任されました総理の御決意を初めにお伺いしたいと思います。
#77
○国務大臣(村山富市君) 今、委員から御意見がございましたように、政治を担当する者の最大の責任というのは、国民の生命と身体と財産を守るということにあることはもう申し上げるまでもないと思います。
 今回のこの未曾有の災害をもたらしました阪神・淡路大地震というものにつきましては、当面緊急に必要とされるような救援対策につきましては、先ほどもお話し申し上げましたけれども、補正予算も国会の御協力もいただきまして上げていただきましたし、同時にそれに必要な法案についても成立をしていただいたところでありますから、適切に対応していかなきゃならぬというふうに思っておりますが、単に救援だけではなくて、これからいよいよ復旧・復興にとりかからなければならぬということになるわけであります。
 この大きな経験を十分ここに学びながら、地震に強い、災害に強い、本当に地域住民の気持ちがしっかり安心できるような、そういう体制というものをどうつくっていくかということは極めて大事なことだと思いまするし、今、委員からも御意見がございましたように、地元の皆さんの意見というものを主体にしてこれから町づくりに専念をする必要があるという意味で、知事や市長さんも参加をいただいた有識者による復興委員会というものを組織して、その意見も十分に反映をさせながら、内閣が一体となってこの復旧・復興に取り組んでいくという体制をつくるために、私が本部長となって、そして各大臣をメンバーとする体制というものを復興本部という名称でおつくりをいただいたわけでございます。
 今お話もございましたような意見を十分体して、これから全力を挙げてこの復旧・復興に取り組んでまいりたいという決意だけは申し上げておきたいと思います。
#78
○野沢太三君 ぜひひとつ、その復興本部の機能が各省庁固有の権限なり仕事とうまく調和をとれるようなリーダーシップをぜひ総理にお願いを申し上げたいと思います。
 そういう中で、やはりこれまでの流れを反省してみますと、官邸機能の充実強化ということが全体を見たときにどうしてもこれは大事ではないかと。一種の司令塔でございますが、これまで官邸に御勤務の方々の御感想等を聞きますと、あそこはどうも情報過疎地だ、どこで何をやっているのかなかなかよくわからないというようなことが嘆きとして、反省としてうかがえるようなことがこれまであったわけでございます。
 しかし、そうは言っちゃおれないのが現在でございますので、これからどうするかということについて、既に体制をある程度整えて方向も出されておるかと思いますが、これまでに決まったこと、そして既に実施をしておること、さらにまたこれからやらなきゃいかぬこと、多々あると思いますが、官房長官にこの件についてお伺いしたいと思います。
#79
○国務大臣(五十嵐広三君) お話しのように、現在の官邸の機能をもっと強化、近代化する必要があるということは痛感をいたしているところであります。
 昨年の十月ころからこういうことについての対応に取りかかりまして、諸外国の例などを参考にしながら取りかかっていたところでありますが、そのさなか一月十七日、あのような大災害がございまして、この折にさらに我々としては、殊にこういう危機管理的なことへの対応についての官邸の機能の強化ということを本当に骨身にしみて痛感をいたしたような次第であります。
 そういうようなことから、当面まず災害に対する即応体制の強化という点に絞ってプロジェクトチームを設置いたしまして、いろいろ改善策を検討してもらいました。二月二十一日、まず「大規模災害発生時の第一次情報収集体制の強化と内閣総理大臣等への情報連絡体制の整備に関する当面の措置について」閣議決定をさせていただいて、即日これを実施することにいたしたような次第であります。
 そのポイントを若干申し上げますと、大地震発生時において、被害規模の早期の実態把握ということのために航空機などの活用を図りながら現地の情報を効果的にかつ迅速に集約するということをする。あるいはこういう情報を迅速に官邸においても受けて初期の対応に万全を期するという意味で、内閣情報調査室を官邸への情報連絡の窓口として二十四時間体制で報告を受けることにいたした次第であります。また、関係省庁も現地情報を早期に集約するために現地無線をモニターしたり報告ルートを中央に直結するなど改善を行ったところであります。
 また、今回の検討で従前にない新しい方法の導入といたしましては、電力、ガス、NTTなどの民間公共機関などの持っている第一次情報についても報告を求めることにいたしました。いわゆる情報の多元化あるいは重層化を図って、多様な情報のもとに情報の正確な分析ができるようにいたしたいということになったわけであります。
 さらに、以上のような各般にわたる情報をもとにして、一定の規模の大地震が発生した場合には関係省庁の幹部が官邸に参集する、そして情報の集約を行って内閣としての初動措置を始動することで対応に万全を期していきたい、こういうようなことなどを決めさせていただきました。
 なお、さらにこれから、先ほど委員御指摘のように、広範な専門家やあるいは今回の被災なされた方々の意見等も集約をいたしまして、この際抜本的に防災に関する全面的な見直しをしてみるというような意味での、総理も御発言になっておられますように、いわゆる防災臨調といいますか、こういうようなもの等も開いてしっかりと検討し直してみたい、こういうぐあいに思う次第であります。
#80
○野沢太三君 しっかりひとつ進めていただきたいんですが、一番私、愕然といたしましたのは、夜、全く防備がない、昼間の時間しかわからないということではだめだということでございます。
 私自身も昔国鉄で鉄道管理局長という職務を拝命したんですが、全部寝ずの番がおります。そして出勤すると、必ず朝十分間程度は昨晩の状況の報告を受けて動く、あるいは万一のことがあれば必ずその寝ずの番の者が直接連絡をよこす、こういう体制が既にとれているわけでございます。
 伺ってみると、外務省でもそういう体制を既にとっておる、あるいは新聞社も当然それをやっておる、あるいは民間でも今のお話のようにやっておるということでございまして、こういった二十四時間体制を災害対策についても組んでおくということが日本のような発達した国でできないはずがないし、またその必要は大いにあると思うわけでございます。
 ただ、そのときに情報を受けた人の判断ができないとだめだ。ポケットベルの取り次ぎだけをしているというような体制ではこれは十分ではない。専門家としての判断をしてきちんと横に伝え、上に伝える、こういう体制をぜひひとつ早々に固めていただきたい。
 伺いますと、これから置く部屋が総理府の六階とかということでございますが、でき得ればこれは総理か官房長官のすぐ隣にこういった部屋がなければならない。手狭な今の官邸ではだめだとすれば、今後の建てかえ計画の中ではそのような配置等をぜひひとつ御検討いただきたいと思います。
 それはそれとしまして、復興本部でこれから進めてまいります仕事は山のようにあろうかと思います。委員会からの御答申を受ける、あるいは現地の復興計画を伺うとさまざまな仕事がありますが、これからの当面の課題、それから中長期的な見通し等につきましてどのような進め方をなさいますか、小里大臣からお伺いしたいと思います。
#81
○国務大臣(小里貞利君) 御案内のとおり、復旧あるいは応急等々を手がけてまいったわけでございますが、いよいよ復興に本格的に着手、作業が始まった、そういう現段階でございます。
 先ほどもお話がございましたように、政府といたしましても、総理大臣を本部長とする復興本部、そしてまた、お話しのとおり、委員会等もつくるよういたしました。大所高所から政府の言うなれば総合調整、その一元化、そして言うなれば質、量ともに一丸となった体制のもとに取り込めるように、そういうことに留意しながら組織とともに私どもは対応してまいらなければならぬと思っております。
 あわせまして、先ほど議員の方からお話がございましたように、復興はあくまで地元の罹災者を中心にいたしました広く市民、町民の皆様方の意向を中心に据えなければならない。関係市町あるいは県などと周到な連絡のもとに、復興の計画なりあるいはその推進は言うなれば、お話がございましたように、地元が主役でございますから、私どもは地元の皆さんの御意向を十分拝聴しながら、そしてこれを支援を申し上げていく。同時に、また政府は政府で主体的に施さなければならない施策があるわけでございますので、それらも積極的に努めていきたい、推進していかなければならないと思っております。
 先生も御承知のとおり、あの地帯は平素、町づくりあるいは都市計画等におきましても志の高いビジョンを描ける、そしてまた持っておいでになる地帯である。しかも、先ほども神戸の市役所の助役さん等と私は昼の時間も話をしてまいりましたが、大変役所としても行政の仕組みにおきまして具体的なノウハウあるいはリーダーシップを持っておいでになる、そういう私自身実感を持っておるところでございます。加えましてまた、今次のこの大きな災害の中から復興にかける地元の市あるいは県などのたくましい息吹はもう本当に目をみはるものがございます。十分それらの連携をとりながら進めてまいらなければならないと思います。
 なおまた、その平順につきましてもお話がございましたが、先ほどからお話し申し上げておりまするように、地元におきまして復興にかけましてこれを戦略的に進めるために各級の施策がそれぞれの機関で進められるわけでございますが、一応戦略的な進め方の大きな要素として、基本方針を三月いっぱい、そして具体的な計画を六月、そういう一つの目標が示されておりますから、私ども国としての施策もそれを横にらみをしながら、あるいは連携をしながら、有機的なしかも有効な総合的な国、県、地元と一体となった施策が展開せられるように心得ていかなければならない、さように思っております。
#82
○野沢太三君 組織の方は大分整備が進んでまいりましたが、これが屋上屋にならないように、とにかく困ったときには駆け込める、そこへ行けば何とかなる、そういう組織であっていただきたい、かように念願をする次第でございます。
 そういう中で、やはりこういった災害に対応をいたしまするには第一報というものが非常に重要であると思います。私もたまたま五時四十六分、テレビを見ていたところ、NHKのテレビでございましたが、テロップが流れまして、滋賀県それから京都地区には震度情報が出ましたが、神戸・淡路地区についてはややおくれてこれが出てきた。それが震度六ということで、これは大変だなと思っていたんですが、後々でございますけれども、被害状況を聞けばこれはとても六では済まないんじゃないか、七はあったんではないかということで現地調査をしていただいた結果、七の地域が相当広がっていたということが判明してきたわけでございます。
 この意味で、震度七の情報は、今のところではルールにより後調査によって確定することになっておりますけれども、でき得ればこれが震度、五、六と同様にもう機械的にリアルタイムに発信できるようなひとつ改善をしていただく、これが非常に重要ではないかと思うわけです。五、六、七においては対応の仕方が全く変わってきてしかるべきだと、こう思うわけでございますが、この震度情報の収集と伝達について、これは気象庁長官、ちょっとお願いします。
#83
○政府委員(二宮洸三君) 二つの点についてお答え申し上げます。
 今回の地震につきましては、地震発生後、直ちに大規模な直下型地震であるということを意味します深さ二十キロメートル、マグニチュード七・二という情報を出してございます。同時に各地の震度を速報したわけでございますが、ただいま御指摘がございましたように、神戸におきましては通信障害のため、それから洲本におきましては通信障害と計測器の故障がございまして、この二地点につきましては、大変残念でございますが、震度情報の発表がおくれております。
 今後このようなことがないように、計測震度計の信頼性の向上を図るとともに、万一地上通信回線が途絶した場合の他の通信手段の確保というふうな技術的な検討を重ねてまいりたいと思います。また、正確に震度分布を把握するために、震度計の増設等も含めまして検討してまいりたいというふうに存じでございます。
 それから二番目の点につきまして、計測震度計におきます震度七の自動計測の点でございます。これにつきましては、気象庁で現在それにつきまして技術的な検討を進めてございますし、都外の学識経験者を含めました検討会議を早急に開催する予定でございまして、その検討結果を踏まえまして、できるだけ早く震度七の自動計測を図りたいというふうに考えておるところでございます。
#84
○野沢太三君 震度は単に加速度だけではなくて、周期とかあるいは時間とかいろんな要素を加味して決めなきゃいかぬということでありますので、その辺はぜひ有機的な判断をして一日も早くこれが実用化し全国に配備できまするよう、これはお願いをいたしておきたいと思います。
 そこで、もう一つの問題は、伝達機能としての通信機能が、今回大変電柱が倒れたりいろいろして通話ができなくなった、こんなケースがございます。地上系でも、電柱のものと地下に埋めたものではまたこれ違うということでありますが、でき得ればこれは衛星系等を活用しまして主な回線はダブルになっているということが大変大事ではないかと思うわけです。この国会でも随分その議論が出ておりますけれども、これについてはひとつ大いに急いで実現をしていただきたいと思いますが、郵政大臣、いかがでしょうか。
#85
○国務大臣(大出俊君) お答えをいたします。
 何回かこれはこの国会で議論をしてまいりましたが、まさに御指摘のとおりでございまして、衛星通信などの無線を使った通信システム、これは地震に対して非常に強いということが明確になっております。従来から電話などの中継伝送路などは光ファイバー等の有線通信、地上のマイクロ通信、それと衛生通信、三つ組み合わせてきているわけでございますけれども、今回の地震を契機にさらにこれを推し進めたい。
 このため、今般の地震においても幾つかの中継伝送路において障害が発生いたしました。当初は八つの交換機でございますけれども、十八日の正午までに、今申し上げましたように、幾つかの伝送路を持っておりますので切りかえまして非常に早く市外は復旧をしたということでございます。
 また、加入者系回線の障害、三十万を超えましたけれども、このような場合、簡便に搬入利用できる衛基地球局と携帯電話でございまして、移動無線機が非常に有効であった。衛星地球局につきましては車載型、可搬型合わせて約四十台、今回導入をいたしまして使ってきたところでございます。業者、メーカー等の協力によりまして移動無線機が約四千五百台、こういう使われ方でございました。
 したがいまして、今回の地震を契機に衛星系、移動系、この有効性、これを前面に置きまして、郵政省としても非常災害に強いネットワークの構築のために、衛星通信や無線を活用した伝送路の多様化の、これは今御指摘のとおりでございますが、一層の推進や国による携帯電話や可搬型地球局の配備、備蓄などの方策を講じてまいりたい。これは検討委員会をつくりまして急いでという今お話でございますが、大地震対応の通信ネットワーク体制に関する検討会、五月に結論を得るように最大限急いでやってみたい、こういうことで今進めておりますが、また御報告いたします。
 以上でございます。
#86
○野沢太三君 ぜひ、これは業務上も必要でございますが、安否の確認というもう全く個人的なものも含めまして大変意義のあるお仕事と思いますので、御期待をいたす次第でございます。
 こういう中で、一体地震というものは予知予測が可能であるかないか、これは学会でもまだ論が分かれておるような状況でございますけれども、既に東海地方におきましては東海大地震、これは予知可能という前挑のもとに、大規模地震対策特別措置法、こういったものをつくりまして観測の強化と対策を講じておるというわけでございますが、今回のような活断層によるあるいは直下型の地震ということになると、なかなかこれは難しいということが巷間言われておるわけでございます。
 既に昭和三十九年に測地学審議会で予知予測ということに関する鑑識がなされ、科学技術庁やあるいは建設省、さらには気象庁を含め政府挙げて各方面でやってきておられますが、現段階におきまする地震予知予測の可能性といったものについて、総括的にひとつ文部大臣にまず一言。科学技術庁長官、次にお願いします。
#87
○国務大臣(与謝野馨君) 予知ということはあらかじめ将来起きることを知るということでございますが、例えば身近でございますと夕焼けだとあしたは晴れと、こういう経験則に基づいた予知もございます。ただ地震の場合は非常に予知が難しい面がございます。
 と申しますのは、まず地震の発生のメカニズム自体が完全には解明されていないわけでございます。したがいまして、予知の前提としてやはり地震発生のメカニズムをしっかりと研究する、こういうことが必要となるわけでございます。
 ただいま先生が御指摘になりましたように、直下型地震のようなもの、あるいは太平洋プレートが押し寄せてくるために蓄積されるひずみ、ストレスによる地震、いろんな形の地震があるわけでございます。そこで、地震予知も可能ではないかという手探りの研究が始まりましてから、現在は第七次計画をやっております。平成七年度予算にいたしますと、これに投入するお金は二十三億でございます。
 そこで、どういう体制でやるかという問題でございますが、どれだけのデータ、どれだけの資料を集めるかという大変難しい問題があります。いろいろな地震に関するデータを集めておりますのは、まず気象庁、それから国立大学の北大、東北大、東京大学、名古屋大学、京都大学等がデータを集めております。海上保安庁も集めておりますし、国土地理院、通産省の地質調査所、こういうところがいろんなデータを持っております。
 そういうデータを有機的につなぎ合わせまして、その中から将来起こり得る地震というものを予知していくわけでございまして、まず地震発生のメカニズムをきちんと研究すること、また多いろいろな機関が集めるデータを有機的につなげること、そしてその有機的につながったデータの中から地震の予兆というものをどうやって発見するかと。いずれも難しい研究でございますが、科学者や研究者は地震予知というものが可能であろうということを前提に第七次の研究をやっております。全体の取りまとめは建設省が事務局でございます地震予知連絡会というところが全部を包含し、文部省にございます測地学審議会の建議に基づいて地震予知体制をとっているところでございます。
#88
○野沢太三君 七次まで来たんですが、予算は二十三億と。大変これはりょうりょうたるものだと思います。もうちょっとここへ力を入れたら成果が得られるのかどうか、これはやはり調査なりあるいは予知予測の手法との関係もこれありと思うわけでございます。その意味で、推進本部を所管しております科学技術庁長官にお話をちょっと伺いたいんです。
#89
○国務大臣(田中眞紀子君) 科学技術庁も地震予知推進本部といたしまして予知に一生懸命仕事をしておりますのですが、なかなか文部大臣から触れていただけませんで残念でございますけれども、とにかくこの地震が起こりまして、この予知関係のことの会議をいろいろいたしておりますが、私、一番求められているのは何かといいましたらば、持てる情報をいかにして市民に還元していくかということではないかと思うんですね。
 そして、予知ということにつきましては、どうもその学者先生のお話を聞きますと、いつどの規模でということが極めて特定しづらい、しかし場所についてはわかるところもあるんだというような話を、二月の十日に予知会議がございましたときに先生から伺ったことがございます。ただ、公表するとパニックが起こるとか、社会的コストがかかるとか、地価が下落するといけないとか、いろいろなことを思うらしいんですが、そういうことは別問題といたしまして、わかる範囲のことをやはり情報は公開していくべきです。
 それからさらに、今、文部大臣がおっしゃったように、科技庁のほかにも気象庁、大学、国土地理院等に分かれておりますが、そういうところで予知の話をしている先生方が意外と同じ学者さんが顔を出しているという実態を知りまして、こういうこと自体が非常に後ろ向きなんですね。でございますから、私はこういうことがわかりましたので、二月二十一日の閣議のときに情報の一元化ということは絶対するべきではないかという提案をいたしまして、それは各大臣から認めていただきました。
 そして、その二十日、前日ですけれども、私どもが所管しておりますJICSTというところでもいろいろなデータベースを持っておりますので、現実にどのくらいの予知に関する、防災に関する資料があるのかというものを調べましたら三千を超すものがあるんです。それで私は、そこでホールドしておかないで、各自治体に即その日の夜のうちに発信をしていただきました。こういうことなんではないでしょうか、求められていることは。それを各自治体がどのように活用なさるかというのはそれぞれの長の識見にかかることだと思います。
 ですから、あとにつきましては、具体的に会議もやっていただいているようでございまして、この次は三月八日の日に各省庁一緒に集まって会議をすることになっております。具体的なことは先ほど文部大臣もお答えになりましたので復唱は避けたいと思います。
 いずれにしましても、防災ということで避難訓練についてやはりかなりトータルなシステマチックなものを構築することが求められているのではないかというように考えます。
#90
○野沢太三君 なかなか難しい課題でございますので、どうかひとつ今後とも、うまずたゆまず進めていただきたいとお願いを申し上げます。
 そういう中で、今回の阪神・淡路の地震は活断層に起因する地震と、こうなりますと、そこにあることは既にわかっている、それから地震の規模もある程度断層の大きさから類推ができる。問題はいつ起こるかということ、これが特定できないことによってなかなかその気にならないというのが問題だと言われておるわけでございます。地質学者のお話ですと千年プラスマイナス百年というような誤差だ、こう言いますので、なかなか実務に乗らないわけではございます。
 ただ、はっきり言えることは、しっかり調べれば相当な情報が得られるということで、今、通産省の地質調査所あたりでは二十人ほどのスタッフがとにかく頑張れば年間十カ所くらいのトレンチ調査ができる、こういった情報もあるわけでございますが、これについて今後しっかり取り組んでいただくことが活断層にかかわる地震の解明には大変有効ではないかと思いますが、通産大臣、ひとつ御所見をお伺いします。
#91
○国務大臣(橋本龍太郎君) 委員御指摘のとおり、工業技術院の地質調査所は、地質及び地下資源の調査並びにこれに関する研究、技術指導、その他これらに附帯する業務を実施いたしております。
 その業務の一端として活断層等の地質学的な研究調査を行っておりまして、これまでの調査によって判明いたしました活断層が五十万分の一の活構造図という名前のものになりまして、全国を網羅する形で作成されております。
 ただ、首都圏などの活断層の場合に、丘陵部分でありますとか山地についての分布は把握をしておりますものの、大都市の平野部におきましては、都市化でありますとかあるいは厚い堆積層などの理由によりまして未解明の部分が多いという問題点がございます。また、場所が特定されている活断層につきましても、その各活断層ごとの活動歴等につきましてはなお未解則のものが大部分であります。
 工技院といたしましては、今後も引き続いて関係者とも御相談をしながら、活断層に関する調査研究を進めていく所存であります。
#92
○野沢太三君 大変いい研究をしていると、私も今回改めて敬意を表しておるわけでございますが、ただその取り組みが余りにも手薄であると。まさに寺田寅彦の悩みを今ここで我々が繰り返しているということを痛感をしておるわけでございます。今後予想されます補正予算その他震災対応の計画を組む折には、こういった調査の体制あるいは予算の充実については格別のひとつ御配慮を賜りたい、こう念願をする次第でございます。
 そういう中で、予知予測というものはやはりまだまだ限界があるとすれば、やはり重要な構造物については耐震強度をあらかじめ付与いたしまして、少なくとも命にかかわるような災害にならないということが一番これ備えとして大事になってくるのじゃないかと思います。
 その意味で耐震基準の見直しをこれからやらなければいかぬわけですが、既に各省取り組んでいただいておるわけでございますけれども、全部言うと大変ですから、建設大臣にちょっと有代表でひとつ基準の見直しについてお答えいただきたいと思います。
#93
○国務大臣(野坂浩賢君) お答えいたします。
 未曾有の大震災、大被害があったわけでありますから、これに対しましては私どもの方の例えば道路橋等におきましては、土木学会なり耐震学会なりあるいは橋梁学会の専門家の皆さんに過去三回いろいろと論議をしていただきまして、その原因の究明を急いでおります。原因の究明が終わった後、それに対する対応、対策をやっていきたい、こういうふうに思っております。
 これは余分なことを申し上げますが、それでも阪高の道路等については早急にやることが必要であろうということを考えておりまして、二月二十七日に専門家によりまして五つの条件をつけてこれを進めるということにいたしました。
 耐震基準の見直しはやらなければならないであろうというふうに考えておりますが、目下究明中でございます。
 現在の既存の公共施設等につきましては、午前中にも申し上げましたけれども、いわゆる橋梁の土台部分につきましては、ばねといいますか粘りをつけるために鋼板、鋼等を巻くということで総点検を今実施するようにいたしておるところでございます。
#94
○野沢太三君 ぜひひとつ、この基準の見直しをやっていただくのとあわせまして、今回の震災で得られましたさまざまな教訓、ノウハウがあるだろうと思います。私も現地を拝見する中で一番びっくりしたのは、新幹線や高速道路の倒れているそのわきに建っている民家が全く外見上は被害がなく健在であると。倒れたビルも多かったんですが、倒れなかったビルも非常に多い。その差は一体何か。地盤の条件もございましょうが、やはり私はその設計条件なり施工がよかったことも大きな原因だろうと思います。
 こういったひとつノウハウを収集し集約して、ぜひ地震に強い建物あるいは構造物、これをつくっていかれるようなマニュアルをお願いしたい。特に、既存の民家、家屋、これをどう補強すれば大丈夫だろうか、こういった知恵はこれから大変大事になるだろうと思います。そういった意味で、大きな構造物のみならず、毎日暮らしておる私どもの自宅をどう補強すればいいのかということも大変大事な仕事になるのではないかと思うわけでございます。
 そして、もう一つこれからの課題といたしましては、いつもそうなんですが、新しい基準が出るとその基準が出た以降の建物なり構造物は新基準でやります。しかし、古いものは遡及適用しないということが今まであったわけでございますけれども、今回のこの教訓を契機にひとつ古いものでも必要により、あるいは大事なものはもう義務化してでも遡及適用しても強化をすべきではないかと思いますが、この点いかがでございましょうか。
#95
○国務大臣(野坂浩賢君) 先ほども申し上げましたように、当面、復旧するものは復旧するという立場をとりまして、先生が御指摘になりましたように、新しい建設基準で建てたところは比較的民家等は大丈夫でありますが、それ以前の建物については相当倒壊をしておるというのが現状でございます。
 したがいまして、補強してやれるものはそのまま進めてまいりますけれども、今後は、新しい耐震基準というものができ上がった場合はそれに従っていただきますが、古いものでも補強して耐震の重さといいますか、基準に到達をできるものについてはできるだけ速やかに点検をして実施してまいりたいと、こういうふうに思っております。
#96
○野沢太三君 こういうふうに見てまいりますと、我々が今まで持っておりました防災計画、いわゆる防災基本計画あるいは地方におきまする地域防災計画、これはどうも十分ではない。相当各般にわたって見直しをしておかないとどうも備えがあると言えないわけでございますので、ぜひこれ早急に、中央防災会議の方と地域の防災会議、両方にわたりますが、この見直しを急いでやりまして、そして実効にたえられるものにしなければならない、かように思います。
 国土庁長官と自治六即にそれぞれお願いしたいと思います。
#97
○国務大臣(小澤潔君) 今回の阪神・淡路大震災の教訓にかんがみまして、先生御指摘のように、震度七の地震が発生することを前提といたしまして、現在、中央防災会議専門委員会において防災計画の改定についての検討が進められておるところであります。
 防災計画の見直しに当たって検討している主な事項を申し上げてみたいと思います。
 まず、迅速な情報収集伝達体制及び救急・消防等の初動期の迅速な対応体制、それから電気・ガス等のライフラインの確保、耐震性貯水槽等の防災施設の整備、道路・鉄道等の耐震性インフラの整備及び液状化対策であり、さらにボランティアの受け入れ体制、外国からの援助の受け入れ体制、マスコミの協力、復興対策等であります。
 また、その際、すべてのインフラやライフライン等が震度七に耐えられるようにすることはまことに理想的ではありますが、先生も御存じのように、膨大な費用がかかることもあり、いかなる施設等が震度七に耐えられるべきかについてただいま検討を行っておるところであります。
#98
○国務大臣(野中広務君) 御指摘いただきましたように、今回の阪神・淡路大震災は従来の被害想定をはるかに超える大きなものでございましただけに、自治省・消防庁といたしましても、去る二月六日に被害想定を含めます地域防災計画の点検、見直しの通達を全国都道府県にしたところでございます。
 今後もその実情に合わせ実践的な地域防災計画のあり方について地方公共団体を指導してまいりたいと存じております。
#99
○野沢太三君 これまで申し上げてまいりました予知の問題、あるいは活断層に対する取り組み問題、観測の強化の問題、さらには耐震基準の見直し問題、また防災計画の見直し等、これら一連の問題につきまして、ただいま自由民主党としましては地震対策特別委員会におきまして討議を重ねておりますが、今月中旬にもこの提言を取りまとめる予定でございます。
 政府におかれましても、これが出ました暁には積極的な対応をするようお願いいたしたいと思いますが、総理、所見をひとつお願いします。
#100
○国務大臣(村山富市君) 今、委員から御意見がございましたように、自民党の皆さんが阪神・淡路大震災に対しまして被災者の救援対策から復旧・復興対策に関して積極的に対応しながら御努力いただいていることにつきましては、心から感謝を申し上げたいと存じます。
 今お話もございましたように、そうした対策委員会で今月中旬にはすべての総括をした提言をまとめられると聞いておりますが、そうした貴重な御意見は今後の政府の施策の中に十分尊重し、反映させてまいりたいというふうに考えております。
#101
○野沢太三君 よろしくお願い申し上げたいと思います。
 いずれにいたしましても、これらを実行するためには何よりもやはり予算の裏づけ、財源が必要でございます。既に一次、二次の補正を六年度について行いましたが、本予算が通過したら直ちに私は平成七年度の補正予算を組まなきゃいかぬだろう、こう思うわけでございます。
 過日も公共事業の五%凍結というようなお話が出てまいりましたけれども、それだけで賄えるとはとても思えないわけでございまして、やはり何らかの形で、国債がいいのかあるいは増税がいいのか、どのような形でこの財源措置を講ずるのか、大蔵大臣に所見をお伺いしたいと思います。
#102
○国務大臣(武村正義君) 既存の予算の見直し等も当然本予算が成立しますと努力をしなければなりませんが、これだけで足りるとは思われません。そういう意味では、御指摘のように、本格的な財源論につきましては、この六年度の第二次補正のとりあえずは公債で対応いたしておりますが、この部分も含めて真剣に判断をして一定の考え方をまとめなければならないと思います。
 ぜひ自民党の方でも財源論も答印にお出しをいただけるといいなと、今のお話を伺っておりまして関心を持たせていただきます。
#103
○野沢太三君 これは避けて通れない重要な課題であると思います。こういうことを抜きにした議論を幾らやってもそれは空念仏ということになりますから、やっぱり私どもは責任与党として財源も含めた対応、対策を提言していかなきゃならぬ、心して取り組んでまいらねばならぬと思うわけでございます。
 もう一点、大蔵大臣にお伺いしたいんですが、地震保険につきまして、これまでの震災の経過の中で随分内容的な改善が行われてきております。現行のところでは家屋で一千万、それから家財で五百万、合わせて千五百万が限度、こうなっておりますけれども、実際にこれを被災した人の立場から見れば、どうもやはりこれではとても足りない、少なくとも三千万とか五千万とか、こういったレベルまで引き上げることが必要ではないだろうか、こういった御意見があります。既に御検討いただいていると思いますが、これについてのお考えいかがでしょうか。
#104
○政府委員(山口公生君) お答え申し上げます。
 地震保険の保険金額は、今、委員の御指摘のとおり、建物一千万、家財五百万になっておりますけれども、これは民間の損害保険会社の担保力及び再保険をやっております国の財政力に限りがあるということで、極めて高額な個人資産まで国の関与する保険によって救済することはどうか、少し限界があってもいいんじゃないかということで限度が設けられておるわけでございます。
 ただ、今回の地震を機にしましていろいろと商品の改善というのも御指摘賜っておりますので、今後その商品の見直しを図ってまいりたいというふうに考えておる次第でございます。
#105
○野沢太三君 もともと地震のような天災地変はとても保険というものの概念を超える、こういうことで背はなかった保険でございますけれども、新潟地震等を契機にしてその後のたび重なる地震の中で充実強化がなされてきた、こういうことかと思います。ぜひそういう意味で民間の力、やはり自力再建という意味も含めてそういった面での改善があってしかるべきかと思います。
 それから火災保険と連動する場合には、黙っていたら地震がもう連動するんだ、特別やはり負担を軽くする意味で、断らぬ限りはもうくっついてくるんだというくらいの商品にしてもらうことが肝要ではないかと思っておりますが、これは意見として御要望申し上げておきます。
 そこで、これからの課題でございますが、どうもやはり我々の地震に対する取り組みという点から見ますとまだ決して十分とは言えないわけでございます。外国の例を見ると、既に衆参両院で盛んに議論をされてきておりますが、連邦緊急事態管理局という組織をアメリカでは持ちまして、数千人に及びます職員を擁し、ロサンゼルス地震等では大変これがうまく機能したと言われておるわけでございます。略称をFEMAと言っておるようでございますが、この組織の概要と機能そして評価について、ちょっとこれ、北米局長さんおいでですか、お話を聞きたいと思います。
#106
○政府委員(時野谷敦君) ただいま先生仰せになりました連邦緊急事態管理庁と申しますのは、一九七九年に大統領令によってつくられました独立の行政機関ということでございまして、アメリカ連邦政府が緊急事態に対応する際の中心的な役割を果たす機関ということでございます。
 緊急事態の範囲は、地震、台風、洪水、火災等々、国家安全保障上の緊急事態、こういうものも含む幅広いものでございます。
 FEMAが行いますところの任務でございますが、緊急事態に備えるための計画の策定でございますとか、備蓄や訓練などの準備体制の整備、実際に緊急事態が発生しましたときの対応等、各段階において連邦政府の中心的機関として活動する、こういうことでございますが、実際に活動するに際しましては、州政府あるいは地方自治体と緊密に協力して活動を行う、こういう機構であるというふうに承知をしております。
 なお、機構的にはワシントンの本部と十の地方事務所ということでございまして、二千四百人の人員を有しているというふうに承知をいたしております。
#107
○野沢太三君 ロサンゼルスのときの活動ぶりを見ますると、やはり現地の対策本部というのはみずからも被災者になっているということを考えますと、機能が半ば麻痺をしてしまう。したがって、これは中央から指示が出るようにあるいは応援ができるように、そして昨日も議論がありましたように、近隣の消防組織を動員した体制を組んで周りから応援するということがいかに大事かということが今回反省の中であるわけでございます。このケースは大変事例としては有効な参考例と思いますので、既に長官も御当地においでいただいておりますが、今後一層ひとつこの組織等とのノウハウの交換を図って充実を図っていただきたいと、かように思うわけでございます。
 こういう中で一つ御提言を申し上げるわけでございますが、今回の被災地を検分し、いろいろな報告を聞きますと、地震による被害というものは地上、地下、いろいろございますが、総じて地下につくられた構造物は比較的安全であった。ライフラインに大きな被害を受けておりますが、これは浅いところということ、あるいは耐震性を考慮してなかったということでございますが、地下鉄に着目をしてみますると、大開駅というのがこれはつぶれておりますが、オープンカットでつくったところはつぶれた。しかし、深いところはほとんど被害がない。多少の被害はありましたが、比較的軽微である。大深度に相当する六甲トンネル等はそのままもう使用できるということでございます。
 また、NTTの回線等の故障率を見ると、地下は地上の八十分の一で済んでいるというような報告もあるわけでございますが、これからの安全な都市づくりのためには、共同溝をつくってライフラインの幹線はそれに収納する、あるいは鉄道等も大深度にこれを入れて安全なルートを確保するということが大変大事ではないかと思っております。
 私ども、議員立法によりまして今、大深度地下利用の調査会設置法というものを提案しようということで準備をしておるわけでございますが、これはできますると内閣でお守りをしていただくことになりますが、官房長官、これに対してひとつ御所見を伺いたいと思います。
#108
○国務大臣(五十嵐広三君) 現在、法案につきましては与党内で調整中とお聞きしておりまして、その検討結果を踏まえて適切に対応させていただきたい、このように考えているところでございます。
 政府におきましても、大都市圏における社会資本整備の円滑化の観点から大深度地下の利用につきましては検討を行っているところでありますが、土地所有権という私権の制限についての考え方の整理や、従来利用されていない地中深い場所での安全面、環境面等、種々の重要な課題がございまして、大深度地下の利用を進めるに当たりましてはこれらの点につきましても今後十分な検討が必要であると思います。
 今、委員から御提言ございました、また今度の災害を振り返ってみながらの今のお話等も十分踏まえて検討いたしたいと考えている次第であります。
#109
○野沢太三君 よろしくお願い申し上げます。
 それから平成八年になりますといよいよ第五次全総計画ということでお取りまとめをいただくことになるわけですが、これにつきましては、やはり今回の震災にかんがみましてしっかりした防災計画を柱の一つに立てて策定をいただきたい、かように考えるわけですが、この取り組み状況につきまして国土庁長官お願いします。
#110
○国務大臣(小澤潔君) 先生御指摘のように、国土庁といたしまして国づくり、町づくりをいたしておる中に全総計画がございます。まず初めに全総から始まり、新全総、三全総、四全総まで参りまして、現在四全総を実施いたしておることは先生御承知のとおりであります。
 十一月十日に、全総にかわるべき全総として、二十一世紀をにらみまして、例えば地球にやさしい地球環境の問題、また高齢化・少子化社会に対応できる全総等々を、国土審議会を開きまして総理並びに私からお願いをいたしたところであります。平成八年度をめどにいたしております。
 国民の生命と財産の安全確保は国づくりの根本であり、新しい全総計画においても安全で質の高い国土の形成が極めて重要な課題であると考えております。したがって、新しい全総計画の策定に当たりましては、今回の阪神・淡路大震災を初めとする最近の一連の災害についての経験等を踏まえまして、災害に強い国土づくりを行うべく鋭意努力をいたしておるところであります。
 また、国土審議会は計画部会を設けまして、まず最初に一月十二日に行い、次は二月十六日、次は三月十四日、三回の計画部会においてこの全総にかわるべき全総、防災を踏まえた計画を検討していただいたところであり、また月一回程度、四月以降、先生御指摘のように、防災についても真剣に全総にかわるべき全総、五全総となるか、今度は名前を、数字をつけるつけないも審議会の先生方にお願いをしておりますので、いわゆる先生御指摘の五全総におきましては十分震災対策等々も織り込まれることは必定であろうと思います。
#111
○野沢太三君 ひとつ安全な国土づくりの根幹ということでお取り組みいただきたいと思います。
 次に、鉄道関係についてお伺いしたいんですが、やはり鉄道が切れてみると道路が大変込む、都市の機能がとにかくもう麻痺するということが目の当たりに現出したわけでございます。鉄道被害の概況とその復旧の方針についてお伺いしたいと思いますが、鉄道局長、お願いします。
#112
○政府委員(戸矢博道君) 鉄道の被害の概況でございますが、山陽新幹線、東海道線あるいは阪神電鉄、阪急電鉄等で高架橋がおっこちるというような大規模なものでございまして、総額で約三千五百億ほどの被害が生じているわけでございます。
 現在、その原因等の究明のために鉄道施設耐震構造検討委員会をつくりまして、調査分析あるいは今後の耐震構造のあり方について検討しておりまして、復旧に当たりましてもこの検討委員会の意見を踏まえまして、今回のような地震がありましても壊れないように強度の強い構造で復旧するということで取り組んでいるところでございます。
#113
○野沢太三君 震度七は確かに想定をはるかに超える荷重であったと思いますが、これがやはり人命に及ばないということが一番大事であろうと思います。どうかひとつ御工夫をされまして、多少の被害はあっても構造物が壊滅をしない、こういったやはり材料、型式、設計思想の選定をぜひお願いしたい。その意味で、検討委員会を早期に設置したということはまことに卓見であろうかと思います。これによりまして、当該地域はもとよりでございますが、その他の地域にこれをできるだけ及ぼしていただきたい。
 この点について大臣、ひとつお答えをお願いしたいと思います。
#114
○国務大臣(亀井静香君) これは全線につきまして現在総点検をしておりますので、検討委員会の結論をさらに踏まえまして、これは強化をしたい、そのための設備投資は惜しまないということで考えております。
#115
○野沢太三君 問題は、阪神地域ももちろんでございますが、東海道が大規模地震対策でも問題が出ておるわけでございます。その意味でいきますと、第二国土軸として四国―九州を一本通すという話もありますし、同時に東海道のバイパスとすれば、北陸新幹線を早くつくって日本海側を回れる。それから中央新幹線というのが今浮かび上がってきておりますが、これは山岳地帯を通して東京−大阪を結んでおくとすれば、仮に東海道がつぶれても何とかなるんじゃないか、こういう構想がございます。
 これは先ほどの五全総にも盛り込んでいただきたいと思いますが、こういったバイパスの必要性、こういう点につきましてひとつ大臣、お願いします。
#116
○国務大臣(亀井静香君) お説のとおりでございます。整備新幹線のみならず基本計画、これは策定をいたしておるわけでございますから、新幹線につきましてはこれはきっちりと日本列島に対して敷設をいたしたい。
 今のバイパスのお話でございますが、北陸新幹線も、御承知のように、着実に建設をすることにいたしたわけでありますが、なお現在、福井県から大阪へのルートが地元の中でコンセンサスができておらぬわけでございます。早くこれもコンセンサスをつくり上げていただきますと、これにつきましても早期に着工に持っていきたい、このように考えております。
 なお、中央新幹線につきましては、リニアにするか従来型の新幹線にするかは決めておりませんけれども、リニアにつきましては、九年の春から十一年にかけまして実験を繰り返し、完全にこれが安全な乗り物であるということがきちっと証明されますと、それを中央新幹線にしたい、このように考えておる次第でございます。
#117
○野沢太三君 大変これは力強いお答えをいただきまして、大いにひとつ期待をするものでございます。
 ところで、そういった新幹線、二百七十キロで今走っておりますが、これが三百だ、三百五十キロだと、こういうことになってまいりますと地震に対して果たして安全か、こういう御心配が出てくるわけでございますが、今、JR東海等が鉄道技術研究所と共同して開発しましたユレダス、いわゆる地震動早期検知警報システムというのがございます。これは縦波を受けて即座にブレーキをかけ、おくれてくる横波までに幾らかでも減速し、できればとめておく、こういうことが装置として既に実用化しておるわけでございますが、これを各線に導入するということについてはいかがでしょうか。
#118
○国務大臣(亀井静香君) お尋ねのユレダスに関しましては、既にこれは東海が実施をいたしておりますが、西日本が現在導入を検討いたしております。東日本は、それとは同じではございませんけれども、同様の装置を現在既に導入いたしております。
 ただ、委員御承知のように、これが果たしてあらゆる地震に対してきちっと万全に作動するかどうかということにつきましてはまだ完全に自信は持てないという状況でありますけれども、しかしその装置をつけて、今後さらに研究開発をするに値する装置ではあろうか、このように考えております。
#119
○野沢太三君 あらゆる知恵を絞って安全を確保していくこと、これが肝要かと思います。大いに期待をするものでございます。
 時間がなくなりましたが、もう少し震災関連をさせていただきますが、外国からの御支援、これをちょうだいしております。過日も国会決議をいたしまして謝意を申し上げたわけでございますが、今回の国際支援の申し出数、受け入れ数、これについて簡潔に官房長にお願いします。
#120
○政府委員(池田維君) お答え申し上げます。
 今回の震災に際しましては、世界のほとんどすべての国から見舞いの言葉をいただきました。そのうち、今日までのところ支援の申し出のあった国・地域は七十四でございます。これは大別いたしますと、災害救助隊や医療チームの派遣等の人的な支援、それから毛布であるとかビニールシートであるとか食料品であるといったような物的な支援、それから義援金というように分けることができると思います。
 今日までのところ、具体的な支援を受けました国・地域は四十二でございます。具体的にはアメリカ、スイス、フランス、タイから災害救助隊、地震専門家あるいは医療チームの派遣といったような人的な支援を受けてまいりました。それからその他三十八の国・地域からは物的な支援、それから義援金を受け入れてきたというところでございます。
 全体といたしまして、外国からの支援の申し出につきましてはありがたくこれを受け入れて、現地の必要性を満たすために活用させていただきたいということで臨んでまいりました。
#121
○野沢太三君 やはり日本が久しぶりに助けていただく立場になったということを考えてみたときに、日本のこれまでの外国に対する援助の仕方、やり方、体制が十分であったかどうかと、極めてこれは反省があるわけでございます。
 そういう意味で、自己完結型の救援隊というものが大変大事だということが今回のスイス隊、フランス隊等の活躍の中で痛感をしたわけでございますが、日本のその意味での国際援助、緊急援助の体制というものはどんな体制になっているか、これについて経協局長にお願いします。
#122
○政府委員(平林博君) お答え申し上げます。
 国際緊急援助隊につきましては、先生よく御存じのように、国際協力事業団がふだんから被災国などで自活的に活動できるように携行器材なども備えた上で待機しておりまして、こういう点で被災地からの第一報があった場合に自己完結的な活動ができるように用意しております。また、過去におきましては、相手方に迷惑をできるだけかけないようにそういう体制をとってまいりました。また、平成四年の六月からは、国際緊急援助隊法の改正によりまして自衛隊の部隊の派遣も可能になりました。一層自己完結的な国際緊急援助体制ができるようになっております。
 その他、物資の供与あるいは義援金の拠出、こういうことにつきましても事故の第一報が入り次第できるだけ早急に対応してまいったわけでございますが、今回の諸外国からのこのような心温まるかつ迅速ないろいろなお申し出がございましたことも踏まえましてさらにいろいろと体制の改善に努めてまいりたい、こういうふうに考えております。
#123
○野沢太三君 このたび御活躍をしていただいております中部方面隊がたまたま今回も緊急援助の当番に当たっていたということで、その準備体制が大変有効であったと伺っておりますが、防衛庁長官、ちょっとこれについての御報告をお願いします。
#124
○国務大臣(玉沢徳一郎君) 国際緊急援助活動に待機しておる部隊につきましては、広島の陸上自衛隊第一三師団でございまして、十七日に出発をいたしまして給水活動に従事をいたしております。
 海上自衛隊におきましては、横須賀におる「さつま」と「おじか」という輸送艦が、これは「さつま」は十七日の午後二時、「おじか」は十八日の十二時にそれぞれ必要なる救援物資を運ぶべく出発をいたしておるわけでございます。
 さらに航空自衛隊におきましては、小牧にC130H六機が待機をいたしておりまして、十七日におきましては、そのうちの四機が警視庁のレスキュー隊と車両等を運びまして直ちに現地に急行し救援活動を行った、こういう形になっております。
#125
○野沢太三君 冒頭御紹介したように、防災こそまさに最大の国防だと、こういう気持ちを私も持っておりますが、ぜひ今後とも自衛隊のお力を日本の国土防衛、そして国民の皆様の生命、財産の防衛にひとつ活用していただきたいと心から念願をする次第でございます。
 そういう中で、国際的な注目を浴びております今回の災害でございますが、この間国会決議をしておりますけれども、今回、総理、社会開発サミットでデンマークまでお出ましと言われておりますが、ここでもしできましたならば今回の災害に関する謝意を表明していただければ大変気持ちが通ずるんじゃないかと思いますが、いかがでございましょうか。
#126
○国務大臣(村山富市君) 先ほど来御報告もございましたように、今回の地震に当たりまして世界のあらゆる国々からお見舞いをいただき、あるいはまた人的、物的、義援金等々の御支援もいただいてきたわけでございますが、これは私及び外務大臣からもあらゆる機会を通じて感謝の意を表明してまいりました。先ほどお話もございましたように、国会におきましても両院でそれぞれ感謝の決議が行われましたが、政府としても全く同感でありまして、その内容を諸外国に広く伝達をしてまいったところでございます。
 今お話もございましたように、三月の十一日にコペンハーゲンで開かれます国連の社会開発サミットで私も演説をすることになっておりますが、その場をおかりいたしまして、政府、国民を代表して心から世界の国々に対して感謝の意を表明したいと考えておるところでございます。
#127
○野沢太三君 またさらには、APECが十一月に日本で開催される、しかも大阪というふうに伺っておりますが、この場でできまするならば近隣のアジア地区の災害時における相互の援助体制というものをつくり上げることを御提案したらどうかと思うんですが、外務大臣、まず一言。
#128
○国務大臣(河野洋平君) 今回の災害に対しまして、まさに国際社会が助け合って生きているという実感を我々は持ったわけでございます。近隣の諸国との間にそうした関係がうまくできるということになれば、それは一つの前進であるようにも感じます。御提言を重く受けとめてそうしたことを考えてみたいと思います。
 ただ、その場がAPECという場がいいのか、あるいはASEANの外相会議のような場がいいのか、あるいは全く別のこうした問題について話し合う場を持つことがいいのか、どういう場で議論するのがいいかについては、これまた十分考えさせていただきたいと考えます。
#129
○野沢太三君 時間が厳しくなりましたので、残っておる質問はまた別な機会にお願いするとしまして、最後に一点だけお伺いしたいと思います。年金問題でございます。
 昭和五十九年に公的年金を一元化しようということで閣議決定がなされておりまして、昭和七十年、平成七年までには一元化を実現する、そういうことで進んでまいりましたけれども、これがなかなか難しいということで二年ほど延びるんじゃないかということで、今、懇談会が行われておるわけでございますが、この年金懇の討議の内容並びに一元化の実施時期につきまして厚生大臣から所見をお伺いしたいと思います。それから後ほど大蔵大臣。
#130
○国務大臣(井出正一君) お答えいたします。
 公的年金制度の一元化につきましては、ただいま先生御指摘のとおり、平成七年度を目途に一元化に関する懇談会で検討をしていただいてきたところでございますが、一元化の具体的な方式を初めなお検討すべき課題が多くあるということから、昨年末に同懇談会で中間的な取りまとめを行い、引き続き検討をするということに相なっております。
 その際、平成六年度末で現行の支援の仕組みが切れてしまいます日本鉄道共済組合に対しましては、一元化の仕組みについての検討や新制度の実施に向けた準備期間に配慮いたしまして二年間は現行の支援の仕組みを継続することとし、年金の支払いに支障が生じないようにしたところでございます。
 このような経過でありますので、二年後の実施に向けて一元化懇談会においてできるだけ速やかに結論をまとめていただき、政府としてはそれを踏まえて必要な措置を講じていきたいと考えております。結論は何とかことしじゅうにいただきたい、こんなつもりでおります。
#131
○国務大臣(武村正義君) 懇談会の結論を踏まえまして、しっかり対処してまいりたいと思います。
#132
○野沢太三君 終わります。ありがとうございました。
#133
○委員長(坂野重信君) 以上で野沢太三君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ―――――――――――――
#134
○委員長(坂野重信君) 次に、河本一郎君の質疑を行います。河本三郎君。
#135
○河本三郎君 自民党の河本三郎でございます。本日も、総理並びに関係大臣、どうぞよろしくお願いをいたします。
 きょうは、さきの予算委員会に引き続きまして、阪神大震災に関連した復興に向けた地元の血のにじむような努力を国がどう後押ししていくのか、このことに的を絞ってさらに具体的な質問をしたい、このように思っております。どうぞよろしくお願いいたします。
 まず冒頭に、亡くなられた五千四百余の皆様方とその御遺族に対し、いま一度改めて心から哀悼の意を表し、暦とは裏腹に寒さが続く中で避難生活を余儀なくされておられる皆様にも重ねてお見舞いを申し上げたい、このように思います。
 なお、総理初め関係閣僚におかれましては、あさって三月五日に神戸でとり行われます合同慰霊祭に参加される予定とお聞きをしておりますが、私からも厚くお礼を申し上げたい、このように思います。
 既に震災復興関連法案も平成六年度の第二次補正予算を含めまして十三本が成立をし、順調に進んでいるのでございますが、個人補償について再度総理にお尋ねをしたいと思います。
 去る二月八日の予算委員会において、住宅を失った約十万の世帯主に私は生活再建資金として一律百万円をお渡ししなければならない、こういう緊急提案を申し上げました。生活基盤を根こそぎ破壊された被災者の方々にとっては、義援金、弔慰金、そして見舞金ては不十分でございます。
 そこでお願いをしたのでございますが、これに対し村山総理は、お気の毒な個人個人に対して何らかの給付が可能になるのか、政府として対応できることについては十分こたえられる対応もしていきたいと前向きな御答弁をいただきましたが、改めて総理にお伺いをしたいと思います。
#136
○国務大臣(村山富市君) 河本議員が地元出身の議員として各般の御尽力をいただいておることにつきまして、心から敬意を表しておきたいと思います。
 今お尋ねがございました個人に対する何らかの給付という問題に関連をしてでありますけれども、今回の被害に対しまして可能な限りの措置は、現行制度の運用によってできるだけのことはやってまいったつもりでございます。同時に、今回、今お話もございましたように、第二次補正も通していただきましたし、現行制度を上回る給付と支援の対策も幾つかの法案を成立させていただきまして講じてきたことにつきましては御理解を賜りたいと思うんです。
 お話のございました個人補償の問題につきましては、これは全体の仕組みとして個人個人に対する補償というものはできにくい状況になっていることは委員も十分御理解をいただけると私は思うんです。
 ただ、先般も答弁で申し上げましたように、雲仙の場合に六百三十億という基金をこしらえて、そして弾力的に柔軟にニーズに対応できるような運営というものが工夫されてきた。これはある意味では、今の制度ではできないことを何らかの形でカバーする、そういう意味で考えられた皆様方のお知恵ではないか、こう思うんです。今度、兵庫県等におきましても今そういう基金について検討されておりますから、その地元の検討の結果というものも踏まえましてどのような支援と給付が可能になるのか、そういうことについてはこれからさらに検討を加えていきたいというふうに思っております。
 地元の要請に十分こたえて努力をしてまいりたいというふうに考えておるところでございます。
#137
○河本三郎君 総理、ありがとうございました。地元もそういうことで基金創設ということを望んでおります。その際、ひとつまたよろしくお願いいたします。
 これに関連して、次に大蔵大臣、よろしくお願いいたします。
 私は、こうした給付金それから復興資金については基本的には財源をつなぎ国債にするべきだ、このように考えておる者の一人でございます。その償還財源は、行政改革を幅広く実行して経費を節減させるということでございます。これは政府の責任を果たすべき道だ、このように私は思います。しかし、最近の報道によりますと、大蔵大臣は増税やむなしというようなお考えを表明されておられるようでございますが、村山内閣が最大の課題としております行政改革がようやく入り口に差しかかった段階で増税を云々とおっしゃるのは、私は疑問に思うのでございます。
 繰り返しますが、特殊法人の統廃合を初めとする行財政改革を断行してこそ増税という考えになると思うのですが、大蔵大臣、よろしくお願いいたします。
#138
○国務大臣(武村正義君) 誤解をお与えしておれば表現が足りないという意味でぜひ御理解いただきたいと思いますが、増税やむなしということを申し上げたことは一度もありません。あるいは増税を肯定的に申し上げたこともありません。ただ、増税を否定したこともありません。でありますから、否定しないとやはりニュアンスで肯定しているかのごとき見出しが時々出るのを振り返っているわけであります。
 たびたび申し上げてまいりましたように、まずは行財政改革とおっしゃいましたが、そのとおりだと思います。私は、目下、当面の予算の中ではやりくりというふうな表現をあえて使っております。特に提案を申し上げている予算がまだ通っていない段階で、ちょっと言葉を和らげてそう表現しているわけであります。既存の予算の中でやっぱり優先順位からやりくりをさせていただかざるを得ないのではないか。そのことが最優先だと思っております。これは言葉をかえれば当該年度の財政方針を変えるということになりますし、あるいは広い意味では行財政改革という言葉の中にも入る姿勢だというふうにも理解をいたします。
 しかし、それでこの復旧・復興の財源の大方をカバーできる場合はいいわけでありますが、それで足りない場合どうするかということにもなるわけでありまして、一般的にはとてもそういうやりくり算段では不足するだろうと、この大きな被害額を念頭に置きますと。そういう意味で、そのときには増税か国債かというふうな議論がありますし、一般的につなぎ国債というのは、行財政改革でつなぎ国債の財源を賄うというのはあってもいいと思いますが、過去にはそれはありませんでした。どっちかというと、つなぎのやはり増税対策、一挙に増税しないで何年かに分けて、湾岸戦争のように対応していくと。
 要するに、とりあえずは債券で賄っておくけれども、なるたけ短期日のうちに、赤字国債、建設国債のように六十年もかけないで一定の短期日のうちに財源を明らかにして、そしてその国債を償還していくというのがつなぎ国債と、一般にはそう理解されておるわけでありますが、即増税、つなぎ国債、あるいは六十年償還の国債、まあどうしても足りない分についてはそういう論議になってくるのではないかというふうに認識をいたしております。
#139
○河本三郎君 ありがとうございました。
 次に、瓦れきの処理の問題に移ります。
 政府も、町の復興はまず瓦れきの処理からということで認識をされまして、いち早くこの問題に取り組んでいただいたことに感謝をいたします。しかし、テレビなどでは復興のつち音ばかりが響いているような印象がございますが、そうではございません。実は、瓦れきの山を最終的にどう処分したらよいかということが決着をしてない自治体もございます。まず政府にこのことをよく御理解をいただきたいと思います。
 小里、井出両大臣におかれましては、先週、芦屋と宝塚の合同慰霊祭に御参列をされた際にその状況をごらんになったと思いますが、そういうことでまだまだこの瓦れきの問題というのは大変重要な問題でございます。
 私は、八日の予算委員会で、瓦れき処理の公費負担を大企業にも適用していただけるようお願いをしましたところ、井出厚生大臣は、大企業に対しては低利の融資で対処するとの御答弁をいただきました。これはその後どのように具体化していただいたでしょうか。低利の融資とは四・六五%と聞いておりますが、乱脈経営で破綻寸前の実に不愉快な二つの信用組合の支援が一%そして十五年ということを考えますときに、納得はいかないのであります。これは大蔵大臣ですか。
#140
○国務大臣(井出正一君) 瓦れきの実態、私もあちらへ都合四回伺いまして、大変だなという認識は持っておるつもりであります。
 御案内のように、瓦れきの処理につきましては、大変な量でありますし、社会全体に与える影響も多大なことから、早期の復旧・復興を図っていくためには、特例的なのですが、個人や中小事業者の損壊建物等の解体処理については自己負担なしに公費負担によることとして、市あるいは町の事業として行うこととしたところでございます。
 なお、神社とか仏閣等宗教に関係するものの建造物についても同じ基準で処理することになっておることをつけ加えさせていただきます。
 議員から、大企業に対する支援策についてよる八日のこの委員会で御要望いただいたわけでございますが、確かに大企業も大変な被害を受けていらっしゃるところのあることは承知しておりますが、やはり個人や中小企業と同様というわけにはなかなかいかぬものですから、目下、所管の省庁等において経済復興のための融資制度が検討されていると聞いておるところでございます。
#141
○河本三郎君 大臣、済みません、どこで検討されておられますか。
#142
○国務大臣(野中広務君) 今、厚生大臣からもお話がありましたように、瓦れきの処理は本来私有財産として処理をしてきたところでございますけれども、今回の震災の深刻さを考えまして、総理から指示をいただきましてそれぞれ関係省庁で協議をいたしまして、国が二分の一を負担することといたしたわけでございます。
 けれども、その負担額をなお大きくしてもらいたいという地元の御要望も委員の御質問等を通じてありましたし、半額が地方公共団体の負担になります場合に、地方公共団体の負担が増大することによって当該それぞれ被災者あるいは被災住民の救済や救護や復興がおくれることのないように、支障を来すことのないようにという村山総理の御意思によりまして、私ども今回お願いをしておりますいわゆる特別財政援助法案の中におきまして、地方債で瓦れきの後の処分、すなわち当該市町が行います瓦れき処分について、二分の一は国庫負担で行い、残余の二分の一につきましてそれぞれ地方債を発行いたしまして、従来の委員に対する答弁で私、元利補給を五七%と申し上げたと存じますが、今回の法律をお願いいたしまして九五%を元利補給することといたして、地方公共団体の財政運営に支障の生じないように配慮をしたところでございます、
#143
○河本三郎君 ありがとうございました。九五%元利補給ということで、本当にうれしく思っております。
 次に、市民が大変疑問を抱いております一つに、既に撤去をした分については国庫補肋はしないという報道が一月三十一日にあったように思うんですが、これは事実でございますか。
#144
○国務大臣(野中広務君) 瓦れきの処理は翌日から始められた方もあります。私どもさまざまな対応はできませんので、当該地方公共団体すなわち被災しました市町が行った瓦れき処理、すべて後は市町で十分配慮して、そしてやっていただきたいと考えておる次第でございます。
#145
○河本三郎君 わかりました。
 瓦れきの処理については今回自衛隊が積極的に取り組んでいただけることが最大のポイントであり、画期的なことだと理解をしております。
 今、自衛隊が底力を発揮していただいて市民から大変感謝をされているわけでございますが、三月いっぱいで撤収をするという報道などもございます。私は、自衛隊に既に大変な負担がかかっている、御苦労をいただいているということも承知しておりますが、神戸市だけでも瓦れきの処理に二年かかると言われております。被災者の立場に立ってできるだけ長期にわたり御支援いただけるようお願いをしたいと思います。
 そこで防衛庁長官に、今後の協力体制、規模、撤収時期などをお聞かせいただきたいと思います。
#146
○国務大臣(玉沢徳一郎君) まず、報道にありました三月いっぱいで撤収するということは全く事実に反しております。
 あくまでも救援活動におきましては兵庫県と調整をしながら進めておるわけでございまして、現在は瓦れき処理におきましては二千五百人程度の要員が活動に従事をいたしておるところでございます。今後の規模及び期間の見通しにおきましては、現段階におきましては具体的に示すことはできません。あくまでも兵庫県との調整をし相談をしながらその求めに応じてやっていく、こういう趣旨でございます。
 ただし、生活関連に係る救援活動におきましては、ガス、水道その他生活に必要なものが復旧をいたしてまいりますならばそのニーズは徐々に減じていくということでございますので、それに応じて部隊の縮小等は行っているところであります。
#147
○河本三郎君 今回の大震災の教訓の一つは、自衛隊の災害出動の重要性が国民にはっきりと認識をされたことだと私は考えております。したがって、自衛隊の災害対策用の装備と訓練を防衛費とは全く別枠で設ける、備えるということがあっても私はごく自然ではないか、このように思います。
 防衛費が既に緊縮予算となっていることからも、この災害対策予算というのは今後の震災が発生したときに大変重要な不可欠な問題である、このように考えておりますが、大臣、よろしくお願いいたします。
#148
○国務大臣(玉沢徳一郎君) 災害派遣は自衛隊の任務として行っているものでございますので、これにかかわる経費は防衛関係費に計上しているものでございまして、特に別枠で経費を要求するという考えはございません。
#149
○河本三郎君 わかりました。
 しかし、私は、自衛隊の方からもお聞きをしたところ、重機とかが大変不足をしていたというようなお話も聞いてはおるのですが、その重機とかそれから、瓦れきを積むダンプカーとか、その辺は十分お持ちなのでしょうか。
#150
○政府委員(村田直昭君) 自衛隊が持っておりますドーザー等の装備品は、あくまで自衛隊が部隊として出動した場合は土木工事等も行うということで備えているものでございますけれども、当然のことながら災害派遣に当たってこれを十分活用して行っておるわけでございます。
 これらの充足率につきましては、予算の範囲もありますのでぎりぎりのところということでございまして、年々の予算の中でできれば隊務の遂行に支障がない限度ということで、必ずしも一〇〇%の充足というようなところまでは生っていないというのが現状でございます。
#151
○河本三郎君 次に、自衛隊の災害出動に関連しまして共同通信の報道によりますと、阪神大震災でヘリコプターが十分に活用できず自治体との連携もなかったとの反省から、東海地震と南関東地震に備えた自衛隊の災害出動計画を見直すとのことでございますが、その具体的な進捗状況というものがございましたら教えていただきたいと思います。
#152
○政府委員(村田直昭君) 御指摘のとおり、防衛庁におきましては、東海地震についての対処計画、それから南関東地震が発生した場合の南関東地域震災派遣計画をそれぞれつくっておるところでございます。これらの二つの計画は、地域防災計画というものを各県がそれぞれつくっておるわけでございますが、それを超えるいわゆる広域の災害ということを想定してつくっておる計画でございます。
 これらの計画につきましては、今回の災害の教訓等も踏まえまして、地方公共団体との密接な連携をとることにより計画の充実を図るという観点、それから関係省庁におきましても、被害の想定とか各種の計画というものをもう一度見直すというお話もありますので、それとの整合性をとる必要があるということ、それから今回の現実における部隊運用の教訓というようなことを盛り込んで見直しを行っていきたいと考えておりますが、現時点でこれからスタートするというところでございまして、夏にはこういうものを生かした上で実際の訓練というようなものも今計画しているところでございます。
#153
○河本三郎君 もう一点、防衛庁にお聞きいたします。
 防衛庁は、災害出動の改革として、自治体と自衛隊の連携を強化し、一方では自治体からの要請抜きのいわゆる自主派遣の拡大についてはそれぞれの立場から抑制的に対処するとのことでございますが、今回の大震災、知事も市長も動くことができませんでした。これは交通が遮断されたことで県庁にも市役所にも行けなかったということでございます。それが現実でございました。
 私は、国防というものが主たる任務であるということは理解をしておりますが、国防体制の練り直しに向けた極めて重要な問題であると思います。ひとつお聞かせをいただきたいと思います。
#154
○国務大臣(玉沢徳一郎君) 自主派遣をできるだけすればそれで効果があるかどうかという観点から考えてみますと、自主派遣ができるからといってすべてを解決できるというふうな考えはどうかと私は思います。
 むしろ、なぜ地方自治体の要請があって派遣をされるかと申しますと、自衛隊だけでは情報その他において非常に欠けるところがあるわけでございますので、あくまでも地方自治体と警察、消防との連携をまって最大限の効果を発揮することができる、このように考えるわけであります。
 したがいまして、あくまでも自衛隊法第八十三条の二項の精神はそういう効果を最も大きくするという観点からもあるということを御認識を賜りたいと、私はそう思うわけでございますが、今回の場合におきましても、県庁とか市役所に行かなければ連絡ができないというものではないと思うわけでございます。そういう点におきましては、やはりそうした場合に連絡をとる場合は、陸上自衛隊の連絡場所は第三特科連隊、海上自衛隊に対する連絡場所は阪神基地隊、航空自衛隊に対する連絡要請は第三師団が代理で行う、こういうことをきっちりと頭にふだんから入れておいて、どこにどういうように派遣要請すればできるか、これは地方自治体における危機管理の問題だと思うわけでございますので、そういう点も十分検証して今後の教訓とすべきではないか、そのように考えておるところであります。
#155
○河本三郎君 防衛庁長官、ありがとうございました。兵庫県と神戸市はこれまで自衛隊との連携をしていなかったということで、今後反省していく点も多いと思います。その際にはどうぞよろしく御協力をいただきたいと思います。
 次に、国会でほとんど取り上げておられない被災農業者の問題についてお聞きをいたします。
 淡路の被災地域にはおよそ二万五千のため池がございます。このため池のほとんどにひびが入ってしまいまして、五月末の田植え時期を迎えております中で大変心配をしております。このことについては、地への大規模給水、このことも含めてクラックを早急に修理しなければいけない、このように思っておりますが、農水大臣、よろしくお願いいたします。
#156
○国務大臣(大河原太一郎君) お答え申し上げます。
 ため池かんがいに大変依存する淡路島におきましては多数のため池がございますが、今回の大地震によって多くの被害を受けたわけでございます。報告によれば九百七十カ所ということでございまして、これについては二次災害防止のための応急工事をやりましたが、何といっても早急に査定を終えまして復旧工事を発注するということでございます。
 そのためには、近畿管内及び中・四国の管内から各県の技術者、これが三十七人ばかり現地に張りつきまして技術の支援を行いまして査定の設計書をつくっておる、そして国の方の査定に入ると。その査定についても机上査定によって早急に査定を完了するということでございまして、ただいまのところ三月いっぱいで七割ぐらいの査定を終えたい、さように思っておるところでございます。
 お尋ねは、ことしの夏の田植えでございます。それに間に合わせることがまず第一でございますけれども、なおそれらに間に合わないものについては、今お話のございましたように、仮設水路とか給水ポンプによって水をためるとか、あるいは割れ目、クラックを埋めるとかいうような措置を講じまして営農に遺憾がないようにいたしたい、さように思っておるところでございます。
#157
○河本三郎君 ありがとうございました。
 次は、中小企業救済対策でございます。
 政府には既にあらゆる角度から特例措置を講じていただいております。それは貸付限度額の拡充、返済猶予、貸付期間の延長でございます。そして低利融資制度でございますが、特にこの低利融資制度、二・五%の金利を、先ほど総理からもお話がございましたように、基金創設によって実質無利子となるような対策も考えておられるということでございますが、私はこの規模とタイミングが大変重要なかぎを握っていると思います。それについてどうぞお聞かせをいただきたいと思います。
#158
○国務大臣(橋本龍太郎君) 既に御承知のように、私どもは二・五%という特別に低い金利を設定いたしました。そして、県、市の方で基金をおつくりいただきましたならば、これと合わせまして三年間、実質的に被災を受けられました方々のお手元に無利子のお金が届く仕組みを用意いたしております。万全を期して運営していくつもりであります。
 もし細かい点、必要でありましたなら、中小企業庁長官の方から補足をさせますが。
#159
○河本三郎君 お願いします。
#160
○政府委員(中田哲雄君) ただいまお尋ねの基金の件につきましては、現在、県、市の方で御準備中でございます。規模あるいは条件等々につきましては、その検討の結果を待っているという状況でございますので、御理解いただきたいと思います。
#161
○河本三郎君 わかりました。
 総理は、一月の十九日、被災地を視察された後、記者会見で、現行法で賄えないものは改正をする、そして新たに必要ならば新法も設立する、このような発表をされたと私は記憶いたしております。
 そこで、中小企業基本法第二条の件でございますが、この法律、できましてから三十二年ほどたっております。私は、これは現実には全くそぐわなくなってきているのではないか、このように思うわけでございます。
 そこで、中小企業に対しては大変温かい御配慮をいただいておりますことに重ねて感謝を申し上げるわけでございますが、大企業についても中小企業と同様の低利融資制度で対応していただけないかと、このように思うわけでございます。神戸製鋼などは市中銀行で既に二・四%ほどの低利融資制度を実施していると聞いておりますが、どうか大企業の方にもそういう対策をお願いできればと思います。
#162
○国務大臣(橋本龍太郎君) 今、委員から御指摘のありました趣旨、一つは私は、中小企業基本法の第二条で決められております中小企業の定義を見直すかどうかということであろうと思います。
 しかし、結論から申し上げますと、現行のルールにおきましても、被災地を見回しました場合、全事業所のうちで兵庫県の場合には九八・九%をカバーいたしておりますし、神戸市の場合には九九・二%、大阪府におきましても九九・四%を製造業の場合カバーいたしておりまして、私はこの定義そのものを見直す状況にはないように思います。
 ただ、御指摘のありましたように、この中小企業の定義を超えました大企業、中堅企業、これにおきましても今回非常に大きな被害を受け、しかも地域的に集中して立地をいたしております企業の場合には非常に大きな影響を受けておることは事実でございます。それだけに政府といたしまして、こうした企業の早期復旧の支援のために、日本開発銀行におきまして災害復融資制度を創設いたしました。
 例えば、このルールによりますと、製造業における生産ラインなど従来から開銀融資の対象となっております部分だけではありませんで、小売薬の店舗あるいは製造業における山師壁でありますとかクレーンなど、従来開銀融資の対象にしておりませんでしたものも今回新たに融資対象といたしております。被災住民への生活物資の円滑な供給に資するためにも、例えば小売業の店舗など被災地の経済機能の復興に資する製造業の生産ライン、岸壁、クレーンなどにつきましては、現在の最優遇金利を〇・一%下回る超低利の融資を組んでおりますし、また電力、ガスなどライフラインで緊急に復旧する必要のあるものにつきましては、現在の最優遇金利を一%下回る超低利、これを当初それぞれ五カ年間適用することにいたしておりますし、融資期間につきましても最大三十年以内、据え置き期間につきましても五年以内に延長する方向で弾力的に運用してまいるわけであります。
 既存の開銀融資に比しまして思い切った措置を講じておりますので、私は被災された中堅企業など早期に復旧できるよう、こうした仕組みを使って早く立ち直っていただくことを心から願っております。
#163
○河本三郎君 ありがとうございました。
 次に、企業活動の復興についてお聞きをいたします。
 まず手形の決済問題でございますが、兵庫県下の倒産件数は一月は四十件、前年同月比のおよそ四割減となっております。しかし、これは実際は神戸手形交換所で決済を猶予する緊急措置がとられているからでございます。これが解除されると倒産続出ということになります。この点について神戸商工会議所と中小企業団体が緊急要望をしていることだと思いますので、大蔵大臣でございますか、お願いいたします。
#164
○政府委員(西村吉正君) 御指摘のように、手形の債務者が被災されまして決済されなかった手形につきましては、支払い銀行が震災が原因であると認めた場合には、手形交換所は通常でございますと機械的に行っております不渡り報告だとか取引停止報告等の処分を猶予しているわけでございます。そして、関係銀行において話し合いの上善処するとの対応が現在行われているところでございます。
 結局、手形は取引当事者間の債権債務関係の決済のために振り出されるものでございますので、決済資金の供給すなわち資金繰りの問題になるわけでございますが、今回の震災に関しましては、先ほどいろいろと御質疑がございましたように、政府系の金融機関や民間金融機関により金融面での各種の対応が行われております。
 こうした対応によりまして手形決済面にも好影響を与えておりまして、例えば震災が原因で決済できなかった手形の割合は、地震直後は一・六%ぐらいあったものが最近では〇・三%というように低下をしてきておりまして、好影響を与えておるわけでございます。
 今後の問題でございますが、将来におきまして、本措置は大蔵省、日銀からの要請に基づいて手形交換所が行っております措置でございますが、今後におきましても、手形交換所においては当分の間、不渡り報告の猶予措置を継続する意向であると伺っておるところでございます。
#165
○河本三郎君 これに関連しまして、破産宣告の猶予問題についてお聞きをしたいと思います。
 法務省は、震災で債務超過になった法人の破産申し立てに対して破産室皆を猶予することを検討中である、このように聞いております。検討中ではなかなか事態を救えなくなってしまいますので、いつまでに御返事をいただけるのか、その辺をお聞かせいただきたいと思います。
#166
○国務大臣(前田勲男君) 先生御指摘の破産法の関係でございますが、震災で債務超過になっておられる法人がかなり出ておるというふうに私も聞き及んでおります。
 そこで、破産法の百二十六、百二十七条とございまして、支払い不能になった場合とそれから債務超過の場合に破産の申し立てができるわけでございますが、その中で、債務超過の中でみずから裁判所へ申し立てる場合は、これは別でございます。
 他の債権者が、すなわち債権者が破産の申し立てを裁判所にした場合にという措置でございますが、この震災の影響によりまして債務超過になって、かつ債権者から破産の申し立てがありました場合には、直ちに破産宣告をすることがないように、この措置は約一年間破産宣告をすることができないという旨の立法措置を現在準備しておりまして、いつまでにということでございますので、現在進めておりまして、国会の御審議の関係もございますが、国会には今月半ばまでには提出できる準備をいたしたいということで進めております。
#167
○河本三郎君 ありがとうございます。じゃ、三月の半ばということで期待をいたしております。
 次はアスベストの問題でございますが、現在、ビルの解体などに伴いましてすごいアスベスト公害が出ているように聞いております。環境庁も既にマスクを何十万枚か支給していただいているようでございますが、この辺のデータの観測なんかはしていただいているのでしょうか。その辺をお聞かせいただきたいと思います。
#168
○国務大臣(宮下創平君) 今回の大震災によりまして多くの建築物等が損壊いたしまして、今お話しのように、復旧のための解体撤去作業が進行中でございますし、今後これが長期にわたるということも予想されます。そして、それに伴いましてアスベストの飛散による健康被害等も報道を一部されております。
 環境庁としてこれまでの対応でございますけれども、私ども、一月の終わりに既にこの問題の指摘がございましたので、建設省、労働省及び兵庫県等とも連携協力をいたしましてアスベストの飛散防止対策を講ずるようその実施の協力を要請してまいったところでございます。
 また、環境庁としては、あわせて震災に伴います二次災害の未然防止の観点からも環境のモニタリング調査を実施いたしました。そして、その一環として、これは大気ばかりではございませんで水質もやりましたが、大気につきましても十三市町村五土地点でアスベストの環境濃度の測定を二月の初めから実施いたしております。
 その結果わかりましたことは、平均しておおむね我が国の都市地域の環境濃度の変動の範囲内に入っておるということが一般論としては言えますが、中心市街地等の一部の地点におきましてはやや濃度の高い地点が見られました。また、特に特段の飛散防止対策を講じていないようなビルの解体撤去作業の現場の近傍地点等におきましては、周辺部の約十倍程度の濃度が測定されておりまして、ビル解体等に伴う直接的な濃度の増加も見られます。
 このために、環境庁といたしましては、この飛散防止対策の強化が必要であると認識いたしておりまして、これは既に石綿対策関係省庁連絡会議というのがこの震災前からあります。つまりアスベスト、石綿は発がん性のおそれがありということで、禁止物質ではございませんが基準を設けて検討しておりましたが、これをたびたび開催いたしまして飛散防止のための方策等をとりまとめ、関係自治体や関係団体等に通知をいたしましてその徹底を期しているところでございまして、今後も引き続きこの問題は永続する問題でございますから、慎重にひとつこれを見守り、そして対応していきたいと、このように考えております。
#169
○河本三郎君 最後に、総理にお聞きをしたいと思います。総理のお気持ちを確認させていただきたいということでございます。
 実は不戦決議の問題でございます。これをめぐりまして、社会党、さきがけ、自民党の間にあたかも深い溝があるような報道がなされておりますが、阪神復興という国家プロジェクトに最優先で取り組んでいるさなかに政局が混乱してはならないと、このように私は思います。
 確かにことしは戦後五十年という節目の年でございますが、憲法に既に「戦争の放棄」と明確にうたわれているのでございます。そして、侵略戦争は決して行わない、いかなる理由があっても行わないという決意については三党に何らの食い違いもないと、このように思います。同時に、国民の生命と財産を守る自衛の自己防衛につきましては当然の権利として認識をしているところであり、いささかもずれが生じていないと、このように確信をしている者の一人でございます。
 そうであるならば、決議をめぐって、俗な言い方ですが、肩ひじを張るのではなくお互いに合意をして、今後の世界増勢と日本の将来を考えればおのずから一致点は見出せると私は思います。総理も恐らく同じお考えだと、このように思います。
 私が何よりも深く思いをいたしておりますのは、阪神の復興がおくれるようなことがあれば、日本経済にとどまらず世界にも大きな影響を及ぼすということで、万に一つの失敗もあってはならないと、このように思います。
 戦後五十年ということでございます。一方では、この阪神の復興につきましては復興元年と認識、位置づけていただきまして、暗黒の町から再び市民の笑顔を早く取り戻さなくてはならないと、このように思っております。人生の志半ばにして亡くなられたみたまを静めるためにも、私はあえて総理にこのことをお聞きしたいと思います。
#170
○国務大臣(村山富市君) 連立政権を樹立する際に三党で合意した事項もございますから、その三党合意事項を踏まえて、今、委員からもお話がございましたように、平和憲法を持っている日本の国ですから、それなりのやっぱり五十年の節目を振り返った決意もして、そして新しくさらにこれから平和に向かって日本の果たすべき貢献と役割というものをしっかりお互いに自覚し合って決意を固めていくということは、一方では大事なことだと。これは今、三党で話し合いもしてもらっておりますから、その結論も見守っていきたいというふうに思っております。
 同時に、そのことが大きな被害を受けましたこの阪神・淡路地区の復旧・復興にいささかも支障があってはならない。これはこれでこの内閣の大きな課題として内閣一体となって、地方自治体とも連携をとり合いながら、被害者の皆様方のお気持ちにおこたえして再建をしていく、復興をしていくということは当然のことでありますから、全力を挙げて取り組むことについてはいささかも変わりはございません。
#171
○河本三郎君 ありがとうございました。終わります。
#172
○委員長(坂野重信君) 以上で河本三郎君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ―――――――――――――
#173
○委員長(坂野重信君) 次に、渡辺四郎君の質疑を行います。渡辺四郎君。
#174
○渡辺四郎君 大変お疲れだと思います。
 多くの委員からお話がありましたように、今回の阪神・淡路の大震災、本当に我々自身、人間の想像を絶する自然の猛威の中で、昨日現在で五千四百四十一名の犠牲者を中心に大変な実は被害をもたらしました。私は今ここに立って、この亡くなられた方たちを含め、あるいは御遺族の皆さんに何と申し上げていいのか、本当に言葉のない思いでいっぱいでございます。しかし、その厳しい、そして苦しい中に被災者の皆さんが今、あすを目指して一生懸命復興に立ち上がっておるお姿に対して本当に頭の下がる思いでいっぱいでございます。
 災害発生以来、総理を初め政府を挙げて、そして関係の地元自治体あるいは自衛隊の皆さん、そして多くのボランティアの皆さん方の献身的な貢献によりまして、今、四十日が過ぎておりますが、先ほど申し上げましたように、被災折の皆さんも一定の希望を持ちながらあすに向かっておる、その大変なお力添えになったというふうに思っておるところです。きょうまでの御苦労に対して本当に感謝を申し上げ、そしてこれから後もやはり被災者の気持ちになっていただいて、復興・復旧に向けて最天眼の御努力をお願い申し上げたいというふうに思っております、
 以下、若干の質問を申し上げていきます。
 多くの委員から今度の阪神・淡路大震災についてのとうとい教訓を提示されました。あるいは政府の方も多くの教訓を得ながら、今の復旧・復興計画の中に生かそうと大変な努力をされておることについて、私自身、この災害発生以来今日まで、特に自治体に勤務しておった経験もあるものですから、そういう観点から見て、先般来、日教組の横山委員長が、今度の被災地の中心的な避難場所に各種学校がなっておる、被災者の皆さんたちのコミュニティーの場にもなって大変お互いが勇気づけられた、これから後の復興計画の中で、やはり学校関係を地域の防災計画の中での避難場所に組み込んでいくべきだという提言もありました。
 その翌々日、新聞に自治大臣と文部大臣のお話が出ておりまして、従来、学校関係であれば補助金適正化法に基づいて、どうしても目的外使用の構造物になれば補助金の除外対象になる等々の問題がありましたので、恐らくこれは今度の復興計画の中に入っておるんではないかというふうに察しますが、以下二つ三つお尋ねをしたい。
 大体、私らの子供のころは各学校には井戸がありました。ところが、上下水道が完備をされていきますと、大都市関係は特にそういう部分がつぶされて、今度みたいに集団避難所になった学校自身にも水がない。ですから、復興計画の中に私は自給是のできる井戸を必ずやっぱり設けるべきだというのが第一点。
 これは目的外使用になるかもしれませんけれども、それはやっぱり補助金の中に入れてぜひ設置をしていただきたい。特に阪神それから淡路地区はもう復興計画の中から実施をしてもらいたい。全国の都市の中心部に当たるそういう学校にも早急に国の指導としてそういう井戸を設けるようにひとつ指導していただき、そして補助金を出していただきたいというのが第一点です。
 それから二つ目に、やはり問題になりますのが食料を中心としたいわゆる貯蔵庫の問題です、これも学校に置くのはどうかというお話もありますが、やはり避難場所が学校になるわけですから、そうすればやっぱり地下に貯蔵庫を置く。ぜひひとつ防災計画の中で一緒に組み込んでいただきたい。この二つの部分。
 井戸を掘りますと、確かに水質の悪いところは飲料水にならないかもしれませんが、水質のいいところは全部飲料水になるわけです。私も福岡県の太宰府ですが、いまだに断水が続いております。そうしますと渇水時のダムの助けにもなるわけです。水質の悪いところはやはりプールを、これを冬の間は防火槽に切りかえる。そういう防火用水とかあるいはトイレの水洗用の水に持っていく
 こういう関係で、先ほど申し上げました二つの問題について、ぜひひとつ自治大臣、文部大臣の御意見をお伺いしたいと思います。
#175
○国務大臣(与謝野馨君) 大変いい御指摘でございまして、既に例えば東京二十三区の小中学校では若干の食料を備蓄している、あるいはプールの水を浄化装置を使って飲料水に使えるというような装置を持っているところもございますし、また場所によっては、あいた教室を倉庫としていろいろな備蓄できる食料、水寺を蓄えているところもございます。そういう意味では、学校施設を有効に利用するということは大変私は防災の観点から大事なことであると思っております。
 ただ、学校自体は本来、第一義的には教育のための施設でございますので、教育のために建設されあるいは使用されるわけでございます。したがいまして、ここをどう使うかということは、当該小学校、中学校等が所属する地方自治体において地域全体の防災計画の一環として私は考えていくべきものと考えております。
#176
○国務大臣(野中広務君) 今、文部大臣からもお答えありましたように、小中学校は教育施設として義務教育の実施の場という本来的な機能を芳しておるものでございますけれども、災害時におきましては地域住民の緊急避難地といたしまして、現在、地域防災計画で約三万カ所が指定を受けておるところでございまして、今回も大変多くの義務教育施設が避難場所として現に存在をしておるわけでございます。学校教育にもそれぞれ御迷惑をかけておるわけでございますけれども、非常に神戸のような空間の乏しいところにおきまして、学校施設の避難場所としての運用は重大なことであると思うのでございます。
 私ども、そういう意味におきまして、先般も文部大臣とも協議をいたしまして、今後多目的な利用や関連する国庫補助金その他交付税等の弾力的なあり方を協議してまいりたいと相談しておったところでございます。
 特に今、委員がおっしゃいました備蓄倉庫の問題、あるいは防火水槽、耐震性の貯水槽及びできれば防災行政無線等も今後整備をしていく必要があるのではないかということを考えておりまして、これらの施設に対しましては国庫補助を行っておるほか、地方単独事業として防災町づくり事業を実施いたしておるところでございますので、今後これらの財源措置を有効に活用いたしますとともに、文部省などと関係する国庫補助を含め、必要に応じてその改善や充実、さらに弾力的な運用を協議してまいりたいと思っておるところでございます。
 現在、関係地方公共団体におきましても、御指摘のような昨年の渇水等を踏まえながら、あるいは今回の防火水槽のあり方等を踏まえながら、井戸の確保や現在休止しておる井戸を点検しておられる自治体も私ども承知をしておるところでございます。
#177
○渡辺四郎君 総理、今、両大臣に二つの問題で私は提起をいたしました。
 そこで、特にこの復興計画、防災計画と同時にクリーンエネルギー都市構想。ですから、たくさんの家屋が倒壊をしておるという状況等もありますし、特に今申し上げました学校等もたくさんこれから新築をしなきゃいけないという問題等もあるわけですから、そういう公の施設等も含めて、いわゆる太陽光発電システムをぜひひとつ今度の復興計画の中に導入をしていただいて、そして従来の補助金でなくてやっぱり補助金の額を上げて奨励をしていく。そのことが一挙両得になりまして、クリーンなエネルギーと同時に電源の確保、エネルギーの確保もできますし、そして被災の段階でもそれぞれ別々の力を発揮するわけですから、ぜひひとつここらを今度の計画の中に一緒に入れていただきたいという気がするわけですが、総理の御見解をひとつお伺いしたいと思います。
#178
○国務大臣(村山富市君) 今、委員御指摘もございましたように、住宅等において太陽光発電システムの設置を進めることは、省エネルギーを推進する立場からすれば大変重要な課題であるというふうに認識をいたしております。
 しかしながら、太陽光発電の設置はコストが高くて資本の回収が長期的にかなうのかどうかといったような長期を要するというような問題もありますから、必ずしもその普及が十分に進んでいない原因になっているんではないかと私は思うんです。
 このため、太陽光発電を設置した住宅への住宅金融公庫等の融資などにおいて措置を講じているところでございますが、今後とも可能な限りその普及を進めていくということは必要であるというふうに思っております。
 このほか、省エネルギーを推進する施策として、道路あるいは公園施設等への太陽光エネルギーの活用促進、地域冷暖房施設整備に当たっての未利用エネルギーの活用等も図っておるところでございますが、今後とも、今、委員お話もございましたようなことにつきましても積極的に推進を図って竹エネルギーの推進を図ることは大事なことだというふうに考えています。
#179
○渡辺四郎君 これは自治大臣、御検討をぜひお願いしたいということで申し上げておきたいと思うんですけれども、今度の被災の中で、皆さん御記憶があると思うんですが、当初、死者が五西人、行方不明者が千六百名、例えばそういう報道があった。その後の報道を見ていますと、行方不明者の数は余り減らない、死者ばっかりがどんどんふえていったという経過がありました。あの段階で、当初の行方不明者の数から見て五千四百名の方が亡くなるとはだれも想定していなかったと思うんです。
 ということは、やはりその町に住んでおる住民の方たちの掌握が自治体でできていない部分があるんじゃないのかと。これは確かに単身赴任者の方たちがアパート生活をする、学生さんもおります、外国人もおります。住民登録をしていないわけです。自治体はわかりませんよ。そうしますと、やっぱり隣近所に聞きながらどこにだれが住んでおるかという問題だってあるわけですから、こういう問題はひとつ今後の検討事項としてぜひ申し上げておきたいというふうに思っております。それは答弁は結構でございます。
 私は、これから大蔵大臣を中心に財源問題でいろいろ御意見をお聞きしたいと思うんです。
 先ほど橋本通産大臣と廊下でお会いをいたしました。背のことを思い出しましたと言いましたが、実は一九八六年、昭和六十一年にこの委員会室でちょうど国鉄の分割・民営化の特別委員会の審議をやっているんです。通産大臣がちょうど運輸大臣。
 いわゆる十一月十五日の日に伊豆の大島が噴火をいたしまして、マグニチュード六・一の地震もありました。あの溶岩がどんどん流れて住宅街に迫ってくるという状況の中で、二十一日の晩から、特に東京都と政府が一体となって、約一万三行の島民と約二千名の観光客がおられたわけですが、一人残らず避難をさせて、運輸大臣が大変な実は力を発揮していただいたときがあったわけです。
 そういうことを実は思い出したわけですが、そのときも問題になりました。私もここで申し上げました。というのは、被災者の皆さんが着のみ着のままで来ておる、赤ちゃんのミルク代がない、おむつを買う金がない、あるいは歯ブラシを買う金がない、何とか現金を貸していただきたいという、テレビでそういう生の声がありました。中曽根総理と橋本運輸大臣に私は申し上げた。何とかお金を貸す方法はありませんかということを申し上げたことを実はあの議事録も読みまして思い出しました。
 そして、島原の雲仙・普賢岳問題で、ちょうど災害特別委員会に所属をしておったものですから、やりとりをしました。このときもやはり、先ほどからお話がありますように、今の規定の中では個人的な補償はできない。そのときも言ったんですが、危険を避けるために一家全員で親族の家に避難をした場合は、もちろん移転の費用もないし、あるいは食費も一切ない。集団避難所から仮設住宅に移ればいわゆる食費は打ち切られる、その当時は。だから、あるお年寄り二人が一回仮設住宅に移って、集団避難所に帰ってきたという例もあったわけです。何とかこういうことはできないかというお話を申し上げました。しかし、なかなかやっぱり今の規定ではできない。
 そういうことで、自治体の首長はそういう状態ではいけないわけです。何とかしてあげなきゃいけないということがあるものですから、わずかな財調基金しか持たないそういう中で、はたいてしまって、そういう部分について手当てをしていった。しかし、これでもどうしても不足をするということで災害基金問題が実は沸いてきたわけです。
 当時、長崎県で。九百億の基金をつくりたいと。いろいろありましたけれども、政府からやっぱりどうしても金は出せない。国民の皆さんからいただいた二百二十億を基本にしながら、いわゆる九一年の九月に長崎県は基金を設立いたしました。現在六百一二十億程度の基金になっておりまして、六十八項目の事業を実施しておるわけです。
 これは岡の規定にない内容なんです。今度の場合だってたくさんの先生方も言いました、何とか個人の補償をしてやってくれないかと。しかし、大蔵大臣が一番頭を痛めておるのはやっぱり財源の問題です。
 そこで、この段階では国民の皆さんに国会も政府も一緒になって訴えて、そして国の財政の実態、きのうも一日の日もお話がありましたが、国には合わせて三百十六兆程度の借金がある。自治体だって百十兆からの借金がある。私は、後世代に借金を残すべきじゃない、我々大人が今考えてやるべきじゃないかということを去年の十月の予算委員会でも申し上げました。
 そういう立場から、基金構想問題については昨年の二月に日弁連も、やはり日本は火山列島であるから、これは金額は十兆という金額まで出しておりますけれども、国として基金を準備すべきじゃないかとか、ことしの二月、今度の災害が起きた後、九州の弁護士会も、去年の雲仙問題を思い出して緊急提言として基金を国でつくってもらいたいという提言をしたわけです。
 財源問題は後ほど申し上げますが、この基金構想について、大蔵大臣、どういう御感想を持っておられますか。
#180
○国務大臣(武村正義君) 真剣にお話を承っているわけであります。衆議院も含めて何人かの方からこの災害のための基金の御提案、御主張がございました。
 ふっと今、私も地方の経験をしたときにどうだったかというのを思い出しておったんですが、そういえば幾つかの基金制度を県として設置いたしておりました。きのうもたまたま話題になりました二つの信組の三百億円を東京都がどうしたかといえば、あの予算は削除をして、そして片方で財政調整基金積立金、財調基金と言っていますが、そこに保管したというと変ですが、そこに一たん入れるという措置をとられました。こういう財政調整の基金を東京都は持っているということになりますが、全国の自治体がこれを自治省の指導で持っているはずだと思います。片方、公共用地の先付取得のための基金もありますしですね、
 私などは、滋賀県は琵琶湖がございますから、琵琶湖研究所というのをかなり県としては背伸びをして、余り県が研究所をつくるというのはないんですが、かなりすぐれた学者を集めて建物をつくりました。これは後世代に知事がかわるとまたすっと金がかかるから廃止しようというふうなことになると困ると思ったものですから、二十億でしたか、この研究所を将来とも維持するための基礎的な経費を捻出するための県基金をそのために用意するとか、そんなことをしてきたことを今思い出しているわけであります。
 さて、大蔵省に参りまして、我が国家財政はそういう地方の財政運営とは確かに違うのでありますけれども、たびたび御議論がございますように、はるかに厳しい状況であります。厳しいというのは、結局多大な借金を背負っている。もう少しわかりやすく言えば、毎年の国民の皆さんからいただく貴重な税金が丸々使えない、そのかなりの部分を積んである借金の利払いに優先的に固さなきゃならない、こういう状況になっているわけであります。利払い費率も一六%を超えておるようで、先進国では一番高いという状況にまで立ち至っております。ここはやはりすべての関係者が重視をしなければならないところであります。
 基金の発想も、きのうもお答えしましたが、どんどん大きな借金を抱えていて、まだ災害対策費も借金で賄っているときに、健全な基金を積み立てるすべが正直に言って今の国家財政には余裕がありません。将来の提案として私どもは真剣にこれは受けとめていいし、早くそういう基金を、何もこれ災害だけではないと思うんですが、用意できるぐらいの財政の健全さを回復しなければいけないという思いであります。
 まず入り口の答弁として、そんなふうに思っています。
#181
○渡辺四郎君 私は地方行政委員会にずっと長年おりました。地方行政委員会では、与野党の中で協議をいたしまして、平成三年から、大陸御承知のとおり、今の福祉基金を交付税の中から、ひもをつけるのはおかしいという意見もありましたが、これから先の高齢化社会に向けてやはり福祉対策というのは大変な自治体の負担になるということで、お互いが努力をして基金を設立をしようじゃないかということで、与野党合意して満場一致で実は決めました。大蔵省にもいろいろ御迷惑かけましたが、交付税の中から三年間で九千七百億円の基金を実は設立いたしました、全国の各自治体に。その果実で自治体独自の福祉政策をやっていただこうと。自治体は独自にプラスをしながら基金をふやしていくという努力をしながら、今、一兆二千億近い福祉基金を全国の自治体で実は準備をしながら、高齢化社会に向かって準備をしておるわけです。
 私が申し上げますのは、今、大蔵大臣がおっしゃったように、国としての財源はない、どうしようもない。ですから、消費税みたいに選択肢のないことで国民にお願いするのはやっぱり無理がある。そうすれば今、国会と行政が一体となって、国の現状、財政の状況ですね、そういう中で、私は後世代に借金を残すべきではないという腹があるものですから。
 そうすれば、例えばたばこは一年間に三千三百億本が売れておるわけです。葉たばこだけがですね。だから、たばこの愛好者に、私も吸いますが、この基金に一本一円寄附していただくということになれば一年間で三千三百億円、単純な計算ですけどね。国税として目的税、一年間だと。あるいはゴルフに行く方が一年間に一億二千万、これは回数です。例えば一年間だけゴルフ税を千円いただく、協力してくださいと、こういう呼びかけをすれば一千億なり千二百億入る。あるいは酒類関係があります。ビールだって私も計算をしました。
 そういう点から見れば、国民の皆さんに訴えて、そしてやっぱりこの時期に何とか時限立法の一年間、目的税ということで、たばこなんか地方と分けておりますが、そうじゃなくて国税として一年間、国民の皆さんにお願いして一兆なり一兆五千億とりあえずは基金を準備する。そして今、兵庫と神戸が議論されておりますが、三千億の準備が五千億ぐらいなきゃいかぬのじゃないかということになれば、そのうちの幾ばくかを国の方でも面倒を見てあげる。面倒と言っては悪いんですが、お貸し上げをする。国債を買ってやったって、国に借金払いしなきゃ、利を払わなきゃいけないわけですから、そうじゃなくて国民の皆様にお願いをして、そういう基金の中から被災地の自治体、被災地の皆さんたちにやっぱり援助をしていく、こういう発想に私は立たなきゃいけないんじゃないかと思う。
 このことは参議院の予算委員会で全体でやっぱり決議ぐらいしてもらって、あるいは理事会で議論していただいて、そして衆議院を含めて国会としても決議をする、国民の皆さんに訴えをする、政府一緒になって訴えをする、そういうことで国民の協力をいただいて基金を早急にお願いすべきじゃないか。
 ですから、冒頭申し上げましたように、消費税みたいに選択肢のないのはだめ。ゴルフに行く、私も少しはしますが、ゴルフに行くときに、行って千円を、これは基金になるんだということになれば災害基金におれは協力をしておるという気持ちになるわけです。たばこ一本吸いながら、この一本一円が災害基金になるんだとすると国民も政治に参加をする気持ちになるわけです。
 一番大きいのはパチンコです。十七兆五千億というふうに総売り上げが出ておりますね。十六兆円総売り上げがあると仮定をします。一発が四円ですから、単純計算で玉が四兆発です。そうしますと、今百円出しますと二十五発来るそうです、一発四円ですから。それを二十五分の一だけ基金に寄附していただくということになりますと、四円ですから四兆発の二十五分の一ということになります。千六百億発ぐらいになるんですね。四円ならば六千四百億。これをパチンコ愛好者の皆さんから、百円で二十五発もらっておるのを二十四発にしていただく。業者じゃないですよ、業者じゃない。
 ですから、ゴルフもする人、パチンコも愛好者、酒もたばこも嗜好で、そういう方たちに協力をお願いしてやれば、六千億とか八千億とか、私の計算では一兆二、三十億ぐらいになるんです。一年間の時限立法で目的税でということで国民の皆さんに訴えていく、こういうことを一緒になってやっぱり立ち上がって今やるべきじゃないか。後世代に借金を残さないという立場から、もう一回、大臣、そういう私の発想についてひとつ御見解をお伺いします。
#182
○国務大臣(武村正義君) 先ほどは一般的なお話でございましたから私も一般的にお答えをしたわけでありますが、今回は大変具体的にたくさんの事例を挙げて数字も挙げて御提案をいただきました。
 要するに特定の財源を前提にして基金を積んではどうかという御提案のように承りました。税であるかあるいは寄附であるかはともかく、印象としてはそういうことでございます。大変真剣な具体的な貴重な提案として私どもも受けとめさせていただきます。
#183
○渡辺四郎君 たくさんある。これはもう大蔵待の方が専門でございますから、いろいろ検討していただきたいと思います。
 例えば海外旅行だって年間一千万人を超えております。ですから、旅券を渡すときに、それじゃ申しわけないけれども二千円なら二千円、千円なら千円ということをお願いずれは、一千万人おれは二百億あるいは百億という、そういうお金も入りますし、そこらはいろいろあろうと思うんです。ですから、そういうことがお互い固まってくれば、各大臣からまた関係業界の方に協力の要請をしていただかなきゃいけないと思うんです。
 パチンコであれば警察が担当でありますが、税金は大蔵省ですから、しかし業界との関係というのは直機警察じゃありませんけれども、どうもやっぱり警察との関係が今まであったものですから、そういう関係がありましょうし、あるいは文部省の関係があります。外務省の関係があります。通産の関係もありますし、業界の皆さんに迷惑をかけるわけですから、そういうことでぜひひとつ政府と国会が一体になって訴えて実現をしていきたい。
 いま一つの問題は、先ほどお話がありましたつなぎ国債問題で、私も当初この災害が起きたときに思いました。例えば復興債を発行して、そして五年物、十年物ぐらいで最高一千万というくらいで、例えば今、二〇%利子課税をいただいて、五%が地方で一五%を国がいただいておりますね、利子課税。その国のいただく一五%の利子課税を例えば一〇%いわゆるこの復興債に協力していただいた人には還元をする。いわば利子課税の減額をする。
 国全体の支出から見れば、赤字国債を発行して金利を払うより、例えば二・五%とかあるいは十年物で三%、これは郵政省なんかにお願いをせにゃいかぬと思うんですけれども、そういう国債を発行してそれをつなぎ融資に回してもらう。国の赤字国債を発行してつなぎ融資で、短期間でありますけれども、そういうことでなくて、やっぱり国民の皆さんにいわゆる復興債を買っていただいて、そういう財源でつなぎ融資を見つけていく、こういう手法もひとつ検討する必要があるんじゃないか。
 ですから、今度の緊急措置で二次補正をやりました。いわゆる建設国債を含めて地方交付税の三百億の特別交付税の補てんもしていただきましたけれども、合わせて一兆を超した国債発行になったわけですね、二次補正でも。しかし、これはもう緊急やむを得ない、だから全会一致で二次補正部分をお互いに政府と一緒になって早期に上げていったわけです。
 だから、時間的に間に合わない場合は国債たつてしょうがないと思うんですけれども、やはり私は、瀬谷先生がおっしゃったように、関東大震災の反省が生かされたかと。毎回毎回大きな災害のたびに議論にはなりますけれども、どうしてもやっぱり財源問題でとまってしまうわけです。これは何回繰り返してもやっぱりだめだと。そうすれば、根本的にどうするかということを立法の我々と政府と一緒になって議論する時期が来ておるというように思うものですから、いま一度ひとつお聞きをして、最後に総理の方からも見解をお聞きしたいと思うんです。
#184
○国務大臣(武村正義君) 渡辺先生、今のこれは再建に対する御提案でございますね。おっしゃったことは、国税の利子に対する課税をいささかでも低くして、そしてそういう国債を発行したらどうかということですけれども、それをつなぎ国債に充当せよという御提案でしょうか。
 これは関東大震災のときには減免債というのを発行したようでございます。当時はもう国債というのは全部、何か売れ行きが悪かったのかどうか知りませんが、税は取らない、丸々取らない、そういう国債を発行してやっと資金を確保したようでございます。震災のときは震災のための復興債を減免で発行したことがあります。
 今回は、今、市場で発行しております国債、ことしも十兆円を超える国債をお願いするわけですが、それよりは有利な形で国債を出しますとそれは買っていただけます。しかし、問題はこっちの十二兆でしたか、この巨大な国債の消化が不安になってくるというそういう絡みがございまして、むしろこれまでの提案は、利子が二%ぐらいの国債を出したらどうだと、国民の皆さんにそこだけは協力をいただいて、そういううんと低いあるいは無利子でもいいよ、こういう御提案も片方であるわけでございまして、有利な国債を充ててしまうと確かに売れますが、そういう意味で影響が大きい。国債のあり方もそういう意味ではいろいろな角度から検討をしてみたいと思っております。
#185
○国務大臣(村山富市君) 大変熱意を込めた積極的な本当にありがたい発言、御意見でありまして、これはもう真剣に検討に値する問題だなというふうに私もお聞きをいたしました。
 ただ、今、大蔵大臣からもお話がございましたように、大変厳しい財政状況にございますし、同時にまたこれから復興に対してどの程度の金がかかるのか、まだ今積算をしている段階にありますけれども、第二次補正予算でも一兆円を超す緊急必要な財源として建設国債やつなぎ国債でもってやらなきゃならぬというような状況にあるときだけに、大変厳しい財政事情にある。それだけに、ある意味ではその実態を国民の皆さんによく理解していただいて、そして国会も政府も一体となってやるべきではないかという御提言に対しては、まことに貴重な御意見としてこれからも真剣に検討するに値する課題だなというふうに私は受けとめてお聞きをいたしました。
#186
○渡辺四郎君 これは特に委員長の方にもお願いをして、あるいは理事さん方にもお願いしたい。
 ぜひひとつ、参議院の予算委員会でそういうことを意思統一ができたというぐらいに理事会の方でも話をしていただいて、できたら一番最後の日ぐらいに委員長の方からでも御検討した後、御報告いただきたいと思うんです。
 以上申し上げて、終わります。
#187
○委員長(坂野重信君) ただいまの発言は非常に貴重な発言でございますから、理事会でよく検討いたします。
 以上で渡辺四郎君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ―――――――――――――
#188
○委員長(坂野重信君) 次に、石井道子君の質疑を行います。石井道子君。
#189
○石井道子君 きょうの質問の最後になりました。大変お疲れであると思いますが、少々御辛抱のほどをよろしくお願い申し上げます。
 まず最初に、阪神・淡路大震災におきまして亡くなられました皆様方には深くお悔やみを申し上げ、そして被災されました皆様方には心からのお見舞いとお励ましを差し上げたいと思います。そして、一日も早い復興対策の実行を期されますように心から御期待申し上げる次第でございます。
 きょうは実は三月三日でございまして、ひな祭りでございます。女の子が健やかに育っていくことをお祝いする日でございまして、それでこの予算委員会の中にも桃の花でもちょっと置かせていただきたいなと思っているところでございますが、いつもこのような男性社会の中に仕事をしておりますと女を忘れてしまうのでございますが、きょうはこの日にちなみまして女性の立場に立って、そしてこれからの子供たちが大人になって生き生きと健やかに生きがいのある生活ができるようにということを心から念じながら質問をさせていただきたいと存じます。
 男女平等と婦人の地位向上の問題につきましては、二十年前の国連婦人の十年が始まりまして以来、さまざまな分野での取り組みが行われてまいりまして、その成果も上がってきているところでもございます。そして、政府においても婦人問題対策本部が設置をされ取り組まれてまいりましたが、平成六年七月に閣議決定をされまして、男女共同参画推進本部が内閣に設置をされまして、本部長が内閣総理大臣ということになったわけでございます。
 現在、五十嵐官房長官が女性問題担当大臣としてその任に当たられているわけでございまして、そのお立場でその任務にどのような姿勢で取り組まれておりますか、その御所信をお聞かせいただきたいと思います。
#190
○委員長(坂野重信君) 官房長官は、今ちょっと記者会見中です。
#191
○石井道子君 そうですか。
 それでは、推進本部の本部長が内閣総理大臣ということでございますので、総理大臣から御答弁をお願いいたします。
#192
○国務大臣(村山富市君) これはもう世の中を支えている今の人口から考えてみましても、半数以上は女性でありますね。女性の果たしている役割というものは大変大きいものがあるわけでありますから、今お話もございましたように、男女が共同して社会はつくられておるし、これから発展する基盤も共同してつくらなきゃならぬという意味で、私は大変大きな課題を背負っておるというふうに思いますから、そういう決意で一層これからも努力をしていきたいというふうに思っています。
#193
○石井道子君 平成六年には男女共同参画室も新しくできましたし、女性問題担当大臣もできたということで大変進展を見ているところでございます。そういう中で、平成七年度の予算編成については大変厳しい財政状況の中ではありますけれども、担当大臣としてどのように、御努力されたかと思うんですけれども、ちょっといらっしゃいませんか。総理でもよろしゅうございましょうか。
#194
○委員長(坂野重信君) 石井道子君、できたら順序を変えてやってください。
#195
○石井道子君 ちょっと官房長官の御答弁が多いんですけれども……。
#196
○国務大臣(与謝野馨君) 教育の方をやっておりますので。
 女性に関する施策は雇用、育児、教育など多岐にわたっておりまして、これらが総合的に推進されることが必要でございます。男女共同参画社会の形成に向け、男は仕事、女は家庭というような固定的な役割分担意識や慣習の変革、女性が社会参加しやすい条件整備など、総合的な施策を鋭意推進してまいる所存でございます。
 また、このため昨年夏、内閣総理大臣を本部長として全閣僚をメンバーとする男女共同参画推進本部の設置など一連の推進体制の強化を行ったところでございます。また、国の政策決定に女性の視点を十分取り入れることが重要であり、女手公務員の採用、登用や審議会委員への女性の登用などにも努めてまいりたいと考えております。
 さらには、本年九月には北京においてアジアで初めて第四回世界女性会議が開催されますので、日本としてもその成功に向けて特段の貢献をしてまいりたいと考えております。
 男女共同参画推進関連予算及び関連施策の重点については、毎年、西暦二〇〇〇年に向けての新国内行動計画に盛り込まれている施策関連の予算を総理府において取りまとめており、平成七年度は総額約一兆七千九百十五億円であり、昨年と比べて九%の増となっております、
 男女共同参画社会づくりのため、関連施策の充実になお一層努力をすべきでございます。
#197
○石井道子君 ことしは世界の女性が極めて重要な意味を持つ年でございます。と申しますのは、一九七五年に初めて世界各国の女性が集まりまして第一回の世界女性会議が開かれましたのがメキシコでございました。その後、コペンハーゲンとか、またナイロビでも開催をされたわけでございまして、私も一九八五年のナイロビの会議には出席をさせていただきまして、女性のパワーと熱意と熱気と、そして大変積極的な取り組みについて大いに敬服をしたところでもございます。
 そして、ことしは特にアジアでその第四回の会合が北京で開かれるわけでございまして、そのための日本政府としての積極的な成功へ向かっての取り組みに期待をしたいというふうに思うわけでございます。
 特に今、アジアは世界で一番成長率の高い地域でございますが、まだまだ開発途上にありますし、さまざまな経済的な、また技術援助などの必要性もあるわけでございます。アフリカなどにおいては干ばつとかあるいは紛争が続いておりましたりして、生きる二とさえ、また食べるものさえままならないというような国々もありますし、健康とか教育とかそういう分野においては大変まだまだ多くの援助が必要であろうと思います。
 こうした国々においては、女性がかなり経済社会面で大きな役割を果たしているんですけれども、それがなかなか認識されてこなかったというそういう反省の上に立って、WID、すなわち開発と女性という考え方が生まれてまいりました。
 そして、このたびの世界女性会議がアジアで開催されまして、日本もアジアの一員としてぜひとも開発と女性の視点に立ったプロジェクトを充実させていただきまして、その観点からODAを推進していただきたいと考えるのでございますが、総理と外務大臣に御答弁をお願いしたいと思います。
#198
○国務大臣(河野洋平君) 議員御指摘のとおり、WID、すなわち開発と女性、あるいは途上国の女性支援、こういうことを重視して今回第四回の世界女性会議が開かれるわけでございます。我が国もこうした視点を極めて重要視いたしておりまして、先般の日米首脳会議でもこのことは両国首脳の間で話し合われたところでございます。
 途上国の女性支援のために我が国としてどういうことをやっていくかということにつきましても、二国間援助におきましては、例えば開発途上国の女性は水くみが大変重労働だと。つまり水供給の改善によって開発途上国の女性が置かれている厳しい労働から解放することができるんじゃないか。あるいは生活環境の改善とか出産にかかわるような保健衛生水準を向上させる、あるいは女性の教育とか職業訓練とかこういった機会をふやす、こういったことが途上国の女性支援として効果的だろうというふうに考えているわけでございます。
#199
○国務大臣(村山富市君) 今、外務大直から答弁があったことに尽きると思いますけれども、先ほどお話もございましたように、平成四年に策定した政府開発援助大綱の中にもそういう問題は特に明記をされているわけです。
 この開発と女性というのは大変大きな課題だと私も思っておりまするし、単にそれは女性がどういう役割を果たすのかというだけではなくて、開発の担い手としての女性の役割というようなものもやっぱり大きく評価する必要があるのではないかというようなことから、先般、お話もございましたように、日米の首脳会談の席上で、これから日米が協力していく一つの大きな仕事として開発と女性というテーマにぜひ取り組んでいきたいということも提言をしたような次第でありまして、これからODAの問題等の中でも積極的に推進をしていきたいというふうに考えています。
#200
○石井道子君 それからこのたびの会議におきまして日本政府代表にどのようなレベルの方がなるかということによって日本政府としての姿勢が示されると思うのでございます。
 それで、日本政府の首席代表として、社会開発サミットとかあるいは国際人口・開発会議と同様な責任のある地位の方に御出席をいただいた方がいいのではないかと考えておりますが、いかがでございましょうか。
#201
○国務大臣(五十嵐広三君) ただいまちょっと出ておりまして、まことに恐縮でございました。
 今、御質問の第四回世界女性会議は政府としても非常に重視をいたしているところでございまして、御指摘の日本政府首席代表に責任ある地位の者を充てると、こういう意見につきましては、委員初め、実は各団体からも強く要請されていることでございまして、それを受けて外務省とも十分に協議しながら決めたい、こういうぐあいに思っておる次第でございます。
#202
○石井道子君 それから第四回のこの世界会議におきましては、日本の女性の関心が大変高いと思います。それで、三千人以上の女性がNGOとしてフォーラムに参加することが予想されるわけでございまして、政府として民間の女性団体のNGOとの連携が必要になってくると思うのでございまして、この点についてどのように取り組まれますでしょうか。
#203
○国務大臣(五十嵐広三君) 本年、北京において第四回世界女性会議が、またそれと一緒に並行しまして女性NGOフォーラムが開かれるわけであります。
 そこで、お話のように、我が国におきましてもその準備のために平成五年十月以来、内脚総理大臣を委員長といたしまして、有識者三十三人を含める官民一体の第四回世界女性会議日本国内委員会を設けていろいろ検討しているところでございます。さらにこの委員会にはNGOなど国民各層の意見を広く求めるなど、いわば機運の醸成を図る目的でNGO部会を設けて、NGOとのチャンネルとしての役割を担っていただいているところであります。
 具体的には、第四回世界女性会議のための政府のナショナルレポートの作成や、あるいは同会議で採択される予定の行動綱領などの検討につきまして民間女性団体などNGOの意見を聞くための会を開いたり、あるいはニュースレターを発行してNGOに関心の深い情報の提供を行うなどに努めているような次第でございます。
#204
○石井道子君 それからILO百五十六号条約についてお伺いいたしますが、多くの女性たちが早期の批准を大変強く希望している条約であると思います。本来ならば国際家族年の昨年に何とか批准していただきたかったと思っておりますけれども、労働大臣も長い間この問題については大変御熱心に取り組んでいらっしゃったと思いますが、この条約が北京会議の前に批准できるということになれば、また北京会議へ向けての。本政府の積極的な姿勢が示されることになると思うのでございます。
 このILO直五十六号条約の批准についての労働大臣のお考えをぜひお伺いしたいと思います。
 そしてさらに、外務大臣からもこのILO百五十六号条約の批准に向けての決意をお伺いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
#205
○国務大臣(浜本万三君) ILO第百五十六号条約の批准に関しましては、私も議員同様、就任以来積極的な検討を事務方に指示をいたしまして努力をしてきたところでございます。
 ILO条約の批准に関しましては、国内法制との整合性が図られることが前提となっておりますが、昨年来の関係省庁間の積極的な検討作業によりまして、検討の状況というものは最終段階に来ておる、かように私は考えております。したがいまして、ぜひとも本条約の批准承認案件が本国会に早期に提出されますように、引き続き最大の努力を払ってまいりたいと思っております。
#206
○国務大臣(河野洋平君) 労働大臣の御答弁のとおりでございます。
 私どもといたしましても、今国会におきまして締結について御承認を求めるべく提出に向けて関係省庁とともに鋭意努力をいたしたいと思います。
#207
○石井道子君 女性問題担当大臣がお戻りになりましたので、ちょっと前に戻ります。
 男女共同参画社会の形成につきましては、女性の政策決定の場への参画ということが大変重要であると思います。それで、国の審議会の女性委員の割合につきましてはだんだんと多くなっているようでございます。昨年九月末にようやく一二・二%ということでございまして、平成七年度には一五%を達成するというふうな目標が前からございました。男女共同参画社会の形成についてはこのことが大変象徴的な意味を持っていると思うのでございまして、これが達成できますかどうか、そのことについての御決意のほどを伺いたいと思います。
#208
○国務大臣(五十嵐広三君) お話しのように、平成三年の五月に策定されました西暦二〇〇〇年に向けての新国内行動計画、これでは平成七年度中に女性委員の国の審議会等における率を一五%にする、こういう目標がございまして、平成六年の九月末では、今お話しのように、一二・二%に今達しているところであります。
 それで、平成七年度中に一体一五%の目標を達成できるかどうかというところでございまして、この間来、これをどうしても達成しようということで本部員である各省庁の各大臣に強く要請を求めたり、あるいはやっぱり問題なのは団体推薦のところが問題なものですから、これは私どもの方で各団体に御要請いたしまして、何としても平成七年度中に二五%の目標を達成したい、こういうぐあいに思っている次第であります。
#209
○石井道子君 それから雇用の関係でございますけれども、このたび労働省の関係で女性の社会参加を積極的に支援していくための事業として、その拠点施設となるべき女性の歴史と未来館、これ仮称のようでございますが、その建設を予定されまして、予算も獲得したと聞いております。
 具体的にどのような事業を行うものでしょうか。そして、この事業の具体化に当たりましては、今後の進め古いろいろあると思いますが、そのことについてお伺いをしたいと思います。
#210
○国務大臣(浜本万三君) 大変御心配をおかけしたんですが、女性の歴史と未来館、まだ仮称でございますが、これは少子化、高齢化が進みます中で、二十一世紀に向けて女性のエネルギーを社会づくりに生かすべく、女性が働くことなどを通じまして社会参加ができますように、またこれを効果的に支援する事業の拠点として設置しようと考えておるものでございます。
 この事業の具体的な内容についてお尋ねでございますので要約して申し上げますと、第一に女性が働くことへの支援事業として、就業の開始や就業を継続するために必要なノウハウや情報の提供、また異業種交流等を行うこと、第二は開発途上国の女性の経済的自立を支援するためのセミナーの開催、技術協力についての情報提供を行うこと、第三は女性労働の歴史、女性と家庭等テーマ別の展示によりまして女性の社会参加についての啓発を行うことなどを目的としては考えております。
 今後の進め方でございますが、多くの皆さんの御同意が必要でございますので、これらの事業の具体化につきましては、内容の検討に当たっては今後各方面の方々の御意見を伺いながら女性のニーズに合ったものとしていきたいと考えております。
#211
○石井道子君 女性の社会進出を支えていくためには、やはり男女の機会均等の問題があります。それを確保しなければならないわけでございまして、しかし昨年の景気が悪いということもありまして就職難の問題が大変ございました。女子学生にとって大変厳しいということもありまして、そういうふうなことを考えますと、男女雇用機会均等法も十年目を迎えておりますので、その見直しも必要な時期になっているのではないかとも考えられます。
 女子の新規学卒の就職機会の均等を確保するためにも現行法のもとで強力に対策を講じていく必要があると思いますが、この問題について労働省はこれまでどのような対策を講じてこられましたでしょうか、今後どのように取り組んでいかれるでしょうか、お伺いいたします。
#212
○国務大臣(浜本万三君) 労働省といたしましては、女子学生が就職において男子に比べ不利益に取り扱われないようにいたしますために、昨年の四月から均等法に基づく指針を改正いたしましてその周知徹底を図ってきたところでございます。
 また、就職活動期の六月から十月に、全国の都道府県婦人少年室に女子の新規学卒者のための就職問題に関する特別相談窓口というものを設置いたしまして女手学生等の相談に乗りますとともに、問題の把握をいたしました企業に対しましては必要な指導を行ってきたところでございます。また、募集、採用においても女子学生を不利益に取り扱わないように、私を初め政務次官、関係局長が事業主団体に要請行動を行ったところでございます。
 平成七年度におきましても、引き続きこれらの対策を進めますとともに、新たに大学及び大学生からの募集、採用に関する実態把握とこれに基づく指導を行いますとともに、女子学生の就職機会の機会均等対策に積極的に取り組んでまいりたいと思っております。
 見直しについてのお尋ねがあったわけでございますが、今、介護休業の問題に取り組んでおりますので、これが終わりました後に関係審議会にお諮りをいたしまして何らかの成案を得てまいりたいと考えております。
#213
○石井道子君 そのような就職の場面で女子学生の職業の選択の幅が大変狭いということが言えると思います。そして、事務職に集中してしまうという点で、企業がリストラをしたりする場合にそこにしわ寄せが来てしまいますので、これからはやはり女性の教育の場面で、もっと新しい分野への開拓として教育を行う必要があるんではないか。固定的な職業観にとらわれないような女子学生の教育という点について、文部大臣はどのようにお考えになるでしょうか。
 それからまた、そのほかにも男女雇用機会均等法を初め、男女平等の政策を実効あるものにするには教育の問題というものが大変重要でございますから、教育の場でどのような形で取り組んでこられましたでしょうか。これからも社会の高齢化、少子化に対応したり、あるいは女性が社会のあらゆる分野で活躍できるような、そういう資質や能力というものを十分に開発する必要がありますし、その学習成果を生かした実践活動の支援が必要であろうと思います。
 そしてさらに、女性が社会人として、また妻として母親として人格を磨き、そしてこれからの日本の将来を担っていけるような、そういう人材としてやはり教育をする必要があろうかと思いますので、そういう面での問題について文部大臣からお伺いしたいと思います。
#214
○国務大臣(与謝野馨君) 大変難しい御質問でございまして、大学の男子女子を比べてみますと、昨年の十二月一日現在での内定率というのを見ますと、四年制大学の男子は八九%が内定をしておりまして、四年制大学女子は七七%。それに比べますと、短大の卒業生女子は、私どもの常識とは違いまして六三%という低い内定率でございました。これは現在、社会一般で事務職を中心に企業等のリストラが行われていることだろうというふうに想像をしております。
 したがいまして、私どもとしては、大学での就職指導、進路指導というものに関しまして、従来の固定的な観念で進路指導をするということではなくて、ウイングを広げていろいろな分野で女性が活躍される、そういう方向にやはり進むべきで、従来のように事務職という固定観念にとらわれていては就業機会というものが少なくなるのではないか、そのように考えております。
#215
○石井道子君 次に、農薬に従事する女性の問題についてお伺いをいたします。
 今、二百五十五万人の方が農薬に従事しているということで、これは六〇%に当たります。農業生産の必要な担い手であるわけでございますが、その中にはその労働に対する報酬も受け取っていないという方が四〇%ぐらいいらっしゃるというような調査があります。
 農業経営とか政策決定の場にやはり女性の経験を生かした形で参画をする必要があるのではないかと思いますが、これからの農林漁業の女性対策の取り組みについて農水大臣にお願いをいたします。
#216
○国務大臣(大河原太一郎君) お話しのとおり、農村における女性が農業生産に大変大きな役割を果たしているということでございまして、その能力の向上なり地位の向上は農村農薬の活性化に通ずる、そういうふうに思っておるところでございます。
 例えばガット・ウルグアイ・ラウンド農業協定受け入れのための国内対策について農政審議会の意見におきましても、農薬生産における女性は非常に重要であるから、その重要性にかんがみて経営の一翼を担う役割分担を明確にして適正な報酬をいたせ、また就業環境の条件も改善いたせ、あるいは地域社会の意思決定にもやっぱり参画するような条件をつくれというような提案をちょうだいしているところでございます。
 我々としては、それを受けまして、例えば農協等の役員等についても女性の方に就任をしていただいて基本方針の決定等に参画していただくとか、あるいは技術や経営管理等についても女性のための研修とか、あるいは家族経営協定と申しますか、そういうものを進めまして、そこにおける役割分担なりあるいは労働休日というようなものをだんだんにつくっていくというようなことも大事ではあるまいかと思うし、また女性グループの皆さんが農畜産物の加工について大変熱心でございますからそれについての援助というようなことをいたしまして、やはり政策努力をしなければならないということでございます、
 なお、今度、農薬者年金という年金制度の改正を提案いたしますが、そこにおいては、農業に専ら従事するような女性の方の加入要件、これについて適切な条件の緩和をいたしたい、さように思っておるところでございます。
#217
○石井道子君 今、社会も大分変化をしておりまして、男女平等の政策が進んでまいりまして、婚姻の問題でいろいろと今、法制の見直しに取りかかっていると聞いております。それで、法制審議会で今検討されているようでございますが、特に夫婦別姓の問題が随分長い間議論をされてまいりました。
 そのようなことにつきまして、今の検討状況、今後の見通しについてお伺いしたいと思いますが、法務大臣、お願いいたします。
#218
○国務大臣(前田勲男君) お答え申し上げます。
 夫婦別姓でございますが、先生御指摘のとおり、人権意識というのは大変変わってまいりまして、男女平等的考え方、私などはそれ以上に尊敬をいたしておるわけでございますが、経済力、また女性が社会的構造の中で家庭内労働からまさに社会を支える働き手に変わってこられたという時代背景がございまして、特に結婚を機に名前が変わるということは不便であるあるいは不利であるというようなお声が昨今ふえてまいりました。
 そんな観点から、平成三年一月から法務大臣の諮問機関でございます法制審におきまして夫婦別姓の審議を始めたわけでございまして、昨年の七月に実はこの中間報告と申しますか、婚姻制度等に関する民法改正要綱試案というのをまとめまして、そこで特に夫婦別姓につきましてはA、B、C案と三案を御提示申し上げ、ことしの一月を一応目途として各層各界の御意見をいただいて、今それを整理、集計しておるところでございます。
 また、特にこの問題は国民一人一人すべてに影響する極めて大事な、また我が国の文化や社会制度、家族制度に起因する大事なことでございますので、国民の皆さんのできるだけ多くの御意見をいただこうということで、実は法務省に直接のホットライン、ファクスを設置いたしまして、今、多くの意見もいただいておるところでございます。
 また、昨年の九月に総理府でこの世論調査を行わせていただきまして、これらの結果を参考にいたしまして、大事なことでもございますので、当分の間、法制審で検討を続けていくという運びになろうと思っておりまして、ことしいっぱいで結論が出るというような状況にはない、かように理解をいたしております。
 いずれにいたしましても、大事なことでございますので、慎重が上にも大切に取り扱ってまいりたいと思っております。
#219
○石井道子君 次に、高齢化対策についてお伺いをいたします。
 我が国は大変な超高齢化・少子化時代を迎えているわけでございまして、今の高齢化率が一三・五%に達しております。そして、三十年後の平成三十七年には二五・八%ということになりまして、四人に一人が六十五歳以上のお年寄りということになります。その中で、平均寿命も今、女性が八十二・五一歳、男性が七十六・二五歳でございまして世界一でございます。さらに深刻なことは、痴呆とか寝たきりなどの要介護状態になる確率の高い七十五歳以上の人口がますます猛烈な速さでふえていくということがございまして、平成五年のそのような老人が約二百万人、そして平成三十七年には五百二十万人になるだろうと。これは深刻な問題ではないかと思います。
 今、国民の最大の不安要因というものは介護問題であろうと思いまして、このような問題についてお伺いをしたいと思うのでございますが、特に少子化の傾向については、合計特殊出生率が一・四六になったということで史上最低も記録しておりますし、東京都においては一・一であるということも聞いておりますから、これは大変なことになると思います。
 今後も国民生活に安定と安心を保障する社会保障制度の果たす役割というものは大変重要になる一方であると思いますし、このような基本的な認識として、二十一世紀の少子・高齢化社会に向けて今後の福祉社会というものをどのように総理はお考えになっていらっしゃるでしょうか、お伺いをいたします。
#220
○国務大臣(村山富市君) 今、委員からお話がございましたように、日本の社会というのは少子化が進む反面、高齢化がどんどん急速に進んでいく、こういう大きな課題を抱えておるわけです。それだけにまた、社会全体から考えてまいりますと不安やら何かが大きくなっていくという面もあると私は思います。
 そういう不安を解消する意味でも、社会全体を支えるためにはやっぱり経済的な活力というものがなければなりませんから、経済的な活力を維持するためにもそういう不安を解消するということは大事なことだというふうに思いますので、高齢者や障害者の方々などいろいろな立場や状態にある人々が社会全体の支え合いの中でいかにして人間として公正な充実した生活が送れるかということが社会保障、社会福祉を考える前提として一番大事なことではないか、これがまた当面我々に課せられた大きな一つの課題であるというふうに認識をいたしております。
 国際的に見ましても、日本の年金やら医療等はある程度高い水準まで来ているんではないかというふうに思われますけれども、しかし今お話もございましたような寝たきりのお年寄りがこれからふえるといったような介護問題については、まだまだ十分であるとは私は言えないと思います。
 仮に寝たきりのお年寄りが、施設に入っている方もおりますし家庭で家族が面倒を見ているという方もおりますし、あるいはまたホームヘルパーの皆さんのお世話になっている方もおりますし、同時にまた病院に入院されている方もおられるというような状況の中で、これから介護問題というのはどういうふうにやっていくことが、不安を解消して一番安心して過ごせるような社会的条件が整備されるのかという意味では、今、研究会もつくっていろいろやられている過程にございますけれども、大事な問題だというふうに受けとめて、これから一層そういう面における充足というものは政治の責任としてやらなきゃならぬものだというふうに考えておりまするし、人間が生涯を通じて公正で公平で幸せに送れるといったような手だてを講ずる社会福祉、社会保障というものが極めて大事な課題だというふうに認識をいたしておりますから、これからも全力を挙げて取り組んでいきたいというふうに思っております。
#221
○石井道子君 このような社会保障を充実させるためには費用が非常にかかるわけでございまして、年金、医療、福祉などの費用負担の問題、これも重要な課題であろうと思います。日本の租税負担率と社会保障の負担を合わせた国民負担率が平成四年で三七・七%です。スウェーデンが七八・四%、フランスが六一・八%、ドイツが五〇・八%でございますので、まだまだ低い水準にとどまっているようにも考えられますけれども、そのうちすぐにそれに追いついてしまうのではないかと心配されます。
 このような膨大な社会保障費用を負担するための将来の給付と負担のあり方についてどのようにお考えになるでしょうか、お伺いをしたいと思います。
#222
○国務大臣(井出正一君) 先生ただいまお述べになられましたように、今後の少子化、高齢化の進展に伴い年金あるいは医療、福祉といった社会保障に要する費用が増大し、国民の負担も相当程度増加していくことが見込まれております。しかし、こうした中にあっても、ただいま総理が御答弁なさいましたように、経済社会の活力を維持しつつ、国民が安心できる福祉社会の実現を図っていくことが重要な課題でございます。
 その場合、国民負担のあり方についてでございますが、例えばスウェーデンのような高福祉高負担がいいのか、あるいはアメリカのような自助中心の、まあ低福祉低負担と言っていいのかどうか、ちょっと語弊もあるかと思いますが、そういう型がいいのか、いろいろあるところでございますが、基本的には国民的な選択にゆだねられるべき事柄でございまして、経済社会の活力を維持していくためにはそれぞれの社会保障ニーズに適切に対応した給付、またできる限り過重な負担にならないよう配慮しなくちゃならぬ、そういった意味の負担を実現していく必要があると考えておるところでございます。いわゆる適正給付適正負担と申し上げているところのゆえんでございます。
#223
○石井道子君 介護対策については、新介護システムの充実ということが必要でありますし、この間の十二月の予算編成に際しましては新ゴールドプランが策定されました。これもやはり重要な中身を持っているわけでございまして、この新ゴールドプランとそれから新介護システム、この辺の関係というものについてはどのように考えたらよろしいんでしょうか。厚生大臣にお伺いいたします。
#224
○国務大臣(井出正一君) 五年前から進めてまいりましたゴールドプランが、昨年末、先生方のお力添えや、また厳しい財政下に財政当局の御理解もいただいて、新ゴールドプランとして新年度からスタートできる運びとなりました。
 この新ゴールドプランでございますが、ゴールドプラン策定以降、老人訪問看護ステーションの制度化など各種施設の整備充実がより図られなくちゃならなくなってきたこと、あるいは昨年三月末までに各自治体で策定された老人保健福祉計画により従来のゴールドプランを大幅に上回るサービスの整備の必要が明らかになったこと等を踏まえまして新ゴールドプランを策定して、高齢者介護施策のさらなる充実を図ることとしたところでございます。主なポイント等ございますが、先生もお詳しいからこれは省略させていただきます。
 さらに、この新介護システムにつきましては研究会が設置されておりまして、これまた暮れにその報告書が取りまとめられたところでございますが、新ゴールドプランはこれから新しい介護システムをあれする場合に、その前提といいましょうか条件となるどうしても必要なところに位置すると、こう考えるわけでございます。
 この新介護システムの研究会の報告でございますが、問題意識は、国民生活の大きな課題である高齢者介護問題について既存制度の枠組みの中では対応がもう限界にあり、新たな基本理念のもとに二十一世紀に向けた新介護システムの創設を目指す必要がある。その主な内容は、高齢者の自立支援を基本理念とした上で、既存の介護に関連する各制度を再編成し、高齢者自身がサービスを選択することを基本とする社会保険方式の導入等を提言しているところであります。
 この報告書を参考に、本年二月から老人保健福祉審議会におきまして、過日第一回の会合が開かれましたが、高齢者介護問題の審議が開始されたところでございます。今後、この審議会における検討状況やあるいは各界いろんな方の御意見を踏まえつつ、新しい高齢者介護システムの構築に向けて取り組んでまいる所存であります。
#225
○石井道子君 介護問題につきましては、厚生省の福祉対策だけではなくて、やはり働く立場の労働者の問題、企業側の立場、そのようなことを加味した中での制度も必要であろうと思います。今、仕事と介護を両立てきなくて離職をする方、退職する方が八万人を超えているというような状態でございまして、このたび介護休業制度を出されていらっしゃるわけでございまして、これは高く評価するところでもございます。
 この法律につきましての基本的なお考え方、そしてこれを速やかに審議し成立をさせるべきであろうと思いますが、法案の成立に向けての大臣の決意をお伺いしたいと思います。
#226
○国務大臣(浜本万三君) 委員仰せのとおり、介護休業制度は基本的には特に家族の介護が必要な時期における緊急対応の制度でございます。介護サービスの充実と相まちまして初めて高齢化社会に向けての介護対策が十分なものになると理解をいたしております、
 そこで、労働省といたしましては、介護休業制度を中小企業も含め一層広く普及させますとともに、労働者が仕事と介護とを両立することができるように、介護休業制度の法制化、育児や介護を行う労働者に対する支援措置の実施等を内容とする育児休業等に関する法律の一部を改正する法律案を今国会に提案させていただいておるところでございます。したがって、私といたしましては、この法律案の早期成立に向けて全力で取り組んでまいりたいと思っております。
#227
○石井道子君 介護サービスをするためにいろいろ施設をつくる場合に、特に都市部の中ではなかなか用地が見つからないという点があります。それで今、都市部では、小中学校がありますが、子供の数が減っておりますから空き教室とかあるいは廃校になった学校もあるわけでございまして、そのための対策として、このような学校を施設の場所として、福祉施設の用地として提供できないものか、そういうことを感じるわけでございます。その点についての文部大臣の御意見を伺いたいと思います。
#228
○国務大臣(与謝野馨君) 近年、小中学校において、出生児の減少等によりまして学級数が減少し、余裕教室を持つ学校が生じてきております。これらの余裕教室については積極的にその活用を図っていくことが重要であると考えております。
 文部省といたしましても、まず学校教育施設としての活用を十分に行い、これらの施設整備が十分図られている場合には積極的に他の用途に活用するよう市町村を指導しているところでございます。既に余裕教案を老人福祉施設に転用している例もございます。
 今後とも余裕教室の活用については、設置者において、地域の実情に応じ福祉施設への転用を含め適切に判断すべき問題であると考えております。
#229
○石井道子君 以上です。終わります。ありがとうございました。
#230
○委員長(坂野重信君) 以上で石井道子君の質疑は終了いたしました。(拍手)
 次回は来る六日午前十時から開会することとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後四時三十七分散会
ソース: 国立国会図書館
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