くにさくロゴ
1995/03/13 第132回国会 参議院 参議院会議録情報 第132回国会 予算委員会 第12号
姉妹サイト
 
1995/03/13 第132回国会 参議院

参議院会議録情報 第132回国会 予算委員会 第12号

#1
第132回国会 予算委員会 第12号
平成七年三月十三日(月曜日)
   午前十時開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 三月十日
    辞任         補欠選任
     和田 教美君     山下 栄一君
     西川  潔君     下村  泰君
 三月十三日
    辞任         補欠選任
     山口 哲夫君    日下部禧代子君
     吉川 春子君     林  紀子君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         坂野 重信君
    理 事
                伊江 朝雄君
                片山虎之助君
                成瀬 守重番
                山崎 正昭君
                穐山  篤君
                山本 正和君
                藁科 滿治君
                猪熊 重二君
                井上 哲夫君
    委 員
                遠藤  要君
                大塚清次郎君
                加藤 紀文君
                木宮 和彦君
                沓掛 哲男君
                河本 三郎君
                斎藤 文夫君
                下稲葉耕吉君
                野間  赳君
                野村 五男君
                宮崎 秀樹君
                大渕 絹子君
                大脇 雅子君
                北村 哲男君
               日下部禧代子君
                瀬谷 英行君
                竹村 泰子君
                堀  利和君
                峰崎 直樹君
                本岡 昭次君
                渡辺 四郎君
                荒木 清寛君
                北澤 俊美君
                都築  譲君
                寺澤 芳男君
                中村 鋭一君
                山下 栄一君
                磯村  修君
                武田邦太郎君
                有働 正治君
                林  紀子君
                翫  正敏君
                下村  泰君
   国務大臣
       外 務 大 臣  河野 洋平君
       法 務 大 臣  前田 勲男君
       大 蔵 大 臣  武村 正義君
       文 部 大 臣  与謝野 馨君
       厚 生 大 臣  井出 正一君
       農林水産大臣  大河原太一郎君
       労 働 大 臣  浜本 万三君
       建 設 大 臣  野坂 浩賢君
       自 治 大 臣
       国 務 大 臣
       (国家公安委員
       会委員長)    野中 広務君
       国 務 大 臣
       (内閣官房長官) 五十嵐広三君
       国 務 大 臣
       (環境庁長官)  宮下 創平君
       国 務 大 臣  小里 貞利君
   政府委員
       内閣官房内閣外
       政審議室長
       兼内閣総理大臣
       官房外政審議室
       長        谷野作太郎君
       内閣総理大臣官
       房審議官     平野 治生君
       経済企画庁国民
       生活局長     坂本 導聰君
       環境庁大気保全
       局長       大澤  進君
       国土庁防災局長  村瀬 興一君
       法務省民事局長  濱崎 恭生君
       法務省刑事局長  則定  衛君
       法務省人権擁護
       局長       筧  康生君
       外務省総合外交
       政策局国際社会
       協力部長     高野幸二郎君
       外務省総合外交
       政策局軍備管
       理・科学審議官  林   暘君
       外務省アジア局
       長        川島  裕君
       外務省北米局長  時野谷 敦君
       外務省条約局長  折田 正樹君
       大蔵大臣官房長  小村  武君
       大蔵省主計局長  篠沢 恭助君
       大蔵省銀行局長  西村 吉正君
       文部大臣官房長  佐藤 禎一君
       文部省生涯学習
       局長       泊  龍雄君
       文部省初等中等
       教育局長     井上 孝美君
       文部省教育助成
       局長       遠山 耕平君
       文部省高等教育
       局長       吉田  茂君
       文部省体育局長  小林 敬治君
       厚生大臣官房総
       務審議官     太田 義武君
       厚生大臣官房審
       議官       和田  勝君
       厚生省保健医療
       局長       松村 明仁君
       厚生省生活衛生
       局水道環境部長  藤原 正弘君
       厚生省社会・援
       護局長      佐野 利昭君
       厚生省老人保健
       福祉局長     阿部 正俊君
       厚生省児童家庭
       局長       佐々木典夫君
       厚生省保険局長  岡光 序治君
       農林水産大臣官
       房長       高橋 政行君
       農林水産省構造
       改善局長     野中 和雄君
       農林水産省農蚕
       園芸局長     日出 英輔君
       農林水産技術会
       議事務局長    山本  徹君
       通商産業生活
       産業局長     江崎  格君
       労働大臣官房長  伊藤 庄平君
       労働省労働基準
       局長       廣見 和夫君
       労働省職業安定
       局長       征矢 紀臣君
       建設大臣官房長  伴   襄君
       建設省河川局長  豊田 高司君
       建設省住宅局長  梅野捷一郎君
       自治省行政局長  吉田 弘正君
       自治省行政局選
       挙部長      谷合 靖夫君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        宮本 武夫君
   参考人
       日本銀行理事   川村 達也君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○参考人の出席要求に関する件
○平成七年度一般会計手算(内閣提出、衆議院送
 付)
○平成七年度特別会証手算(内閣提出、衆議院送
 付)
○平成七年度政府関係機関予算(内閣提出、衆議
 院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(坂野重信君) ただいまから予算委員会を開会いたします。
 この際、政府から発言を求められておりますので、これを許します。武村大蔵大臣。
#3
○国務大臣(武村正義君) 大蔵省の職員が私的な交際の問題とはいえ高橋前理事長から供応を受けたこと等により、現状のような社会的な批判を受けるに至っていることにつきましてはまことに遺憾であります。
 先般、私みずから本人から事情を聴取したところでありますが、この際、このような事態を踏まえ、今後再びかかる事態を招かないよう改めて関係者に注意を促す意味で、けさ厳正な処分を行ったところであります。
 こういう観点から、中島主計局次長及び川谷東京税関長の両名については訓告処分といたしました。この措置は、従来職務と無関係な私的な交際の問題に関してはとられた例のない措置でありますし、かつ、この秋の措置としてはこれまでの例で最も重いものであると考えます。また、田谷東京税関長につきましては、私的交際についてとりわけ厳しい社会的批判を受けていることにかんがみ、職務に支障が出ると考えられますので、訓育に加え大臣官房付に発令したものであります。
 さらに、斎藤事務次官、篠沢主計局長、小村官房長、鏡味関税局長については、指導監督等に当たる立場の者及び綱紀の保持の責任者であることから、今後再びこのような事態を招かないよう改めて注意を促す意味で厳正な措置を行う必要があることから、口頭厳重注意処分とすることにいたしました。
 かかる事態を招いたことについて、私自身としても大蔵省の最高責任者として何らかの形でそのけじめの火持ちを明らかにしたいと考え、みずから進んで一カ月俸給月額の二〇%を国庫に返納することにいたします。
 綱紀の保持については、従来から繰り返し注意を喚起してきたところであるが、改めて大蔵省職員の綱紀の厳正な保持を図るために、今回、省内に規律保持委員会を設けます。今般の事態の状況把握に努めるとともに、再びこのようなことがないように最大限努力をしてまいります。
 なお、綱紀の厳正な保持を図るための通達を近々出したいと思っております。
 以上です。
    ―――――――――――――
#4
○委員長(坂野重信君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。(発言する者多し)静かに願います。
 平成七年度総予算三案の審査のため、本日の委員会に日本銀行理事田村達也君を参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか、
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○委員長(坂野重信君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#6
○委員長(坂野重信君) 平成七年度総予算三案の一般質疑に関する理事会決定事項について御報告いたします。
 一般質疑は、本日一日間とすること、質疑割り当て時間の総計は百四十分とし、各会派への割り当て時間は、日本社会党・護憲民主連合二十八分、平成会五一十六分、新緑風会二十四分、日本共産党十六分、新党・護憲リベラル・市民連合八分、二院クラブ八分とすること、質疑順位についてはお手元に配付しておりますとおりとすること、以上でございます。
    ―――――――――――――
#7
○委員長(坂野重信君) 平成七年度一般会計予算、平成七年度特別会計予算、平成七年度政府関係機関予算、以上三案を一揃して議題といたします。
 これより一般質疑に入ります。本岡昭次君。
#8
○本岡昭次君 今、大変騒々しくなっておりますが、私の質問に入る前にどうしても今の問題に言及せざるを得ぬ状況にあると判断します。
 それで、今、大蔵大臣から出されたこの大蔵省職員の処分、主計局次長以下、ここにも文書にございます。しかし、これは社会党としてもこの処分のありようについては納得できないということでございます。訓告という法律効果がどういうものか、私も現場でいろいろとこの訓告処分というものを見てきましたけれども、これは親が子供に注意をするようなものだというふうに我々は言われてきたのであります。そういう意味で、こういう法律効果のないものを処分として形だけ整えるということについては、私個人としても納得できません。
 そのことを申し上げ、彼ほどまた理事会等で具体的に議論していただくことを希望いたしまして、私の質問を始めさせていただくことにいたします。
 私は、きょう、人権問題全般について質問をさせていただき、あと阪神・淡路大震災の問題を若干質問させていただきたいと思っています。そこで、官房長官の日程の御都合がおありのようですので、質問の順番を変えまして、まず従軍慰安婦の問題から質問を始めます。
 国連は、人権委員会、人権小委員会などにおいて日本の従軍慰安婦問題を重視してきています。本年九月には国連世界女性会議が北京で開催されます。女性に対する国家としての従軍慰安婦問題は、国際的注目を集めることはこれは必至であります。今、日本政府は、従軍慰安婦問題に対する正しい決着に向けての真摯な対応が求められていると思います。
 三月八日、国連人権委員会では、国連人権委員会対女性暴力特別報告者ラディカ・クマラスワミ女史の従軍慰安婦問題を含めた予備報告書が全会一致で採択されています。この予備報告書の従軍慰安婦問題に触れているパラグラフの二八七、二九〇、二九一の内容をまず明らかにしてください。
#9
○政府委員(高野幸二郎君) 予備報告書のまずパラ二八七の内容は以下のとおりでございます。
 日本軍は、一九三二年から一九四五年まで、軍人のための性的奴隷とする目的で、植民地、占領地の女性を強制、偽装、誘拐の方法で組織的に動員する政策を実施していたと伝えられているが、ほとんどの女性は、十一歳から二十歳までの間の若い女性であった。次に、お尋ねのパラ二九〇の内容でございます。
 一九九二年七月、日本の総理大臣は、日本軍が日本政府の運営する多くの施設で大量の女性を性的奴隷として強制的に働かせていたことを認め、謝罪した。しかし、補償の問題は未だ決定されなければならず、日本軍の行為は、国際人道法上の犯罪と認識されなければならない。次に、お尋ねのパラ二九一でございます。
 第二次世界大戦が終了してから五十年近くが経過した。しかしながら、この問題は過去の事例ではなく、現在の問題として認識されなければならない。この問題は、武力紛争下の組織的強姦や性的奴隷の犯罪行為者の訴追について国際的なレベルで法的先例を確立し得る重要な問題である。象徴的な補償をすることにより、武力紛争下の暴力による女性被害者に対する補償という救済を導入したことになる。以上でございます。
#10
○本岡昭次君 私はここに本文を持っております。そして、それを訳した文書も持っているんですが、ちょっと違うんですが、それは後ほど突き合わせをさせていただきます。
 そこで、この予備報告書は日本選出の人権委員も加わって全会一致で採択されたものでございますので、当然日本政府にとっても異論のないものと思いますが、いかがですか。
#11
○政府委員(高野幸二郎君) まず今、議員御指摘の八日に採択されました決議案でございますが、これは慰安婦問題に対する決議案では必ずしもございませんで、紛争下における女性に対する暴力の問題という議題がございまして、それに関する決議案でございます。ただ、この決議案の中に、先ほど来のクマラスワミ女史の予備報告書が言及されておりまして、予備報告書の内容については一般的に歓迎するという文言になっております。
 お尋ねの、その点について日本政府に異議はあるのかというお尋ねでございますが、私どもの方では、同女史の予備報告書の基本的内容であります女性に対する暴力全般についての見解、これについては日本政府として一般的に歓迎しております。
 ただし、その中のいわゆる従軍慰安婦問題に関する部分について言えば、先ほど読み上げましたとおり、例えば補償の問題がいまだ決定されなければならないとの記述、あるいは国際法上の補償を得る権利に関する記述が存在しておりまして、これらの点につきましては日本政府として必ずしも同じ見解を有しているわけではございません。
#12
○本岡昭次君 聞き取りにくいのですけれどもね。
#13
○政府委員(高野幸二郎君) もう一度申し上げます。
 この報告書の中で、補償の問題がいまだ決定されなければならない、あるいは国際法上の補償を得る権利に関する記述が存在しておりまして、これらの点につきましては政府として必ずしも同じ見解を有しているわけではございません。
#14
○本岡昭次君 そこで、このラディカ・クマラスワミさんは従軍慰安婦問題に関しての日本における調査を希望しておられると伺っていますが、日本政府の招待による調査団の来日予定はどのようになっていますか。
#15
○政府委員(高野幸二郎君) 来日日程につきましては、いずれ人権センターの方から日本政府に対して打診が来るものと承知しております。現在のところまだその打診がございませんので、来日日程につきましては承知しておりません。
#16
○本岡昭次君 来日日程は承知していないと。しかし、来日されるということは、希望されているということは間違いありませんか。
#17
○政府委員(高野幸二郎君) 同女史の方から日本政府に対しまして来日したいという意向表明が先月ございまして、私どもその際、喜んで受け入れたいということを同女史に申し上げております。
#18
○本岡昭次君 招待をするということになるわけで、具体的に日程の調整が行われると思うんですが、その調査団が訪日をされたとき、いろいろと今、慰安婦の問題について予備報告書の中身と見解の相違もあるということでもございましたので、そうしたことについて調査団と十分話し合ってもらわなければなりませんし、また関係NGOの話し合いとか、また調査団がいろいろと調査をするに当たって希望が提示されると思いますが、その意向を十分尊重をして実施してもらいたいと思います。いかがですか。
#19
○政府委員(高野幸二郎君) 今後の日程の調整に際しましては、国内のNGO等より要望がございました場合は、それらを踏まえまして日程調整をいたしたい、かように考えております。
#20
○本岡昭次君 この従軍慰安婦問題については、昨年十一月にICJ、国際法律家委員会、ことしの一月に日本弁護士連合会、日弁連と、それぞれ権威のある法律家の団体が勧告や提言をしています。
 この両団体に共通している意見や提言は、元従軍慰安婦被害者に対する加害行為は女性に対する暴力の極限であり、国家的、組織的犯罪で、当時の日本政府に責任があったとしています。さらに、国際法に違反し、個人の人権請求権は何人といえども消滅させることはできないとした上で、真相の徹底究明、被害者への被害回復措置、国際仲裁裁判所の利用等を日本政府に求めております。
 この国連人権委員会の女性の暴力に関する特別報告者であるラディカ・クマラスワミさんの予備報告書にもあるように、この従軍慰安婦問題は決して過去の問題でなく、今日の問題として解決していかなければならぬ問題だというふうに私も考えております。
 ICJや日弁連の勧告や提言を真正面から受けとめ、国際的に誤りのないよう正しい決着を図ることを求めるものでありますが、このICJ、日弁連の意見、提言について政府の考えを聞かせていただきたいと思います。
#21
○政府委員(川島裕君) お答え申し上げます。
 元従軍慰安婦に対しまするいわゆる補償の問題を含め、さきの大戦に係る請求権の問題につきましては、我が国としてはサンフランシスコ平和条約その他の関連条約等により誠実に対応してきたところであり、政府といたしましては従軍慰安婦に対して個人補償を行うことは考えていない次第でございます。
 いわゆる従軍慰安婦問題に関しましては、政府は昨年、本問題に関する調査結果をまとめてこれを発表いたしますとともに、その出身地のいかんを問わず、従軍慰安婦として数多くの苦痛を経験され、心身にわたりいやしがたい傷を負われたすべての方々に対し心からおわびと反省の気持ちを表明した次第でございます。
 また、この問題につきまして我が国として、歴史を直視し正しくこれを後世に伝えるとともに、関係諸国との相互理解の一層の推進に努めるということが我が国のおわびと反省の気持ちをあらわすことになると考えておりまして、このような気持ちを踏まえて、昨年八月三十一日、総理の談話をもって平和友好交流計画を発表した次第でございます。
 そして、同談話におきまして、この平和友好交流計画と相まって、従軍慰安婦の方々に対するおわびと反省の気持ちを国民の皆様にも分かち合っていただくため、幅広い国民参加の道をともに探求してまいりたい旨表明がなされた次第でございます。
 以上のような取り組みにより従軍慰安婦の問題に対応することとしている次第でございます。
 そこで、御指摘のICJ、日弁連等々いろいろな見解が出ておることは私どもも承知しておりますし、これはいろいろ勉強させていただきたいと思っております。ただ、個々のいろいろな団体の見解について法的に政府として一つ一つコメントをするということは考えておりませんで、要は今申しましたとおり、従軍慰安婦の問題を含めまして請求権の問題については、サンフランシスコ平和条約、二国間の平和条約等、関係条約によって誠実に対応してきているというのが政府の立場でございます。
#22
○本岡昭次君 私が先ほど言いましたように、ここに大きな見解の相違があります。
 要するに個人の請求権の問題はもう既に決着済みだというのと、決着がついていないとするこの考え方、これが国連人権委員会の中の議論もそこのところで大きく食い違っているのであります。しかし、これをここで議論する時間がありませんので、それはまた別の場で議論をさせていただきます。
 そこで、政府は、元従軍慰安婦に先ほどあったように見舞金を送るため、仮称「女性のためのアジア平和友好基金」を六月に創設しようとしております。そのために、運営費、宣伝経費として予算を四億八千万円計上されています。しかし最近、新聞報道によりますと、この基金の運営の事務局役を日赤に依頼したところ、難航しているようでございます。
 そこで、ラディカ・クマラスワミさんの訪日調査も最近あるということですし、日弁連あるいはICJそのほかさまざまな人権問題に関係している各団体の意見、あるいはまた韓国そのほか従軍慰安婦に関連している各国のそれぞれの団体が必ずしも政府が今やろうとしていることに賛成をしていないという厳しい国際状況が現にあります。
 そういう状況を見たときに、この従軍慰安婦問題は日本国内の問題じゃなくて国際的な、女性への暴力という問題をどのようになくしていくのかということの解決の一つとして、私はやはり国内外の共感が得られるような対応がなければいかぬのじゃないかと思います。
 今も世界各地で紛争があり、そこで多くの女性が性の暴力ということで多くの被害を受けているわけで、その問題の解決のためにも日本政府が世界に先立って人権という立場からその問題の解決を図っていくということは極めて重要な問題であると私は認識しておりますが、こうした形で急いでやることはいかがなものかと思いますが、いかがでしょうか。
#23
○政府委員(谷野作太郎君) お答え申し上げます。
 法的な考え方については先ほど政府委員から御説明したとおりでございますが、他方、日本としてこの問題に何も対応しないということではございませんで、今、先生からお話がございましたような国民参加のもとでの基金という形で何とかこれに対応できないかということで今、私どもも含めて鋭意検討を進めておるところでございます。
 その過程で、確かに仰せのように、いろいろ国内でこれに必ずしも十分賛成していただけない向きもございますけれども、私どもは、国内におきましては私どもが取り進めようとしておりますところを御説明して何とか御理解を得たいと思っておりますし、クマラスワミさんがおいでの節は私自身もお目にかかって、日本として全体としてどういうふうにこれに取り組もうとしておるのかということについて十分御説明して、これまた御理解を得たいと思っております。
 いずれにいたしましても、国の内外のできるだけコンセンサスを得ながら取り進めるべしという本岡先生のお話は、全く私もそのとおりだと思っております。
#24
○国務大臣(五十嵐広三君) ただいま委員、御質問でお話しのように、非常に難しい問題でありまして、それぞれ関係各国の政府あるいは団体、当事者あるいは国連関係機関あるいはその他関連する諸団体等々、非常にいろいろ多様なこの問題の見解があることは御承知のとおりでございます。
 我が国といたしましても、この問題の深刻な内容、殊に女性の名誉と尊厳を著しく傷つけているこの問題の解決についてこれまで真摯に取り組んでまいったところであります。与党でも、御案内のように、五十年問題プロジェクト従軍慰安婦問題等小委員会における報告等もございましたり、さまざまな各方面の意見というものも伺いながら、私どもとしては、この際、国民参加をいただきながら、戦後五十年である今年、この問題についてやはりしっかり取り組んで関係者の御理解をいただきたい、こういうふうに思って、先年来、殊に昨年の八月三十一日における総理談話というものを土台にしながら本当に苦労して作業を進めているところでございます。
 今の基金による見舞金等を骨子とする現在の私どもの考え方というのは、私は、先ほど来申し上げた非常に難しい多様な考え方のある中で、この道しかないと思われる考え方を詰めに詰めて決めたものだというふうに思っておりますので、関係機関の御理解をどうしてもいただきながらこの方向で作業を今後とも進めてまいりたい、このように考えているところであります。
#25
○本岡昭次君 私は、五年前からこの問題を予算委員会のたびに質問してきております。最初は、政府の知らないことだ、民間の業者が勝手に連れ歩いたことだというところから始まったわけです。それで、私たちが資料を本当に困難な中で発掘して、GHQの資料とか、そして女性が軍の中にまじっているじゃないかというような資料を政府に突きつける中で、外務省に突きつけることによって初めて追認をしていくわけです。やはり軍が関与していたんだということになるので、みずからやる気はなかったわけなんですよ。それがやっとここまで来た。
 それで、今、外務大臣になっておられる河野さんが官房長官のときに、これは軍が関与したことだというふうに初めてお認めになったんです。そこまで長い経緯があったわけなんです。政府みずからが真相を究明して、そして中身を確定していったんじゃないわけなんですよ。私はそこに徹底した不信感を持っているんです、過去の経緯から。
 そして、今も見舞金とおっしゃいました。しかし、民間募金による見舞金というものは、政府の責任でやる、当時の軍が関与し軍が進めた日本国政府の責任であるという問題と、責任があるがゆえに謝罪をし、そして一定の対応をするということと民間から募金をするということの関連はどうなるのかという問題がここに問われるという事態になっているわけなんですね。
 だから、そうした問題がはっきりしなければとても国際的な世論に耐えられないというふうに思うんですが、外務大臣、いかがですか。
#26
○国務大臣(河野洋平君) この問題は、議員も御指摘のように、多くの方々からさまざまな情報を寄せられたりあるいは御指摘をいただいたりして、政府としても資料の調査を続けてきたわけでございます。
 議員も十分御承知のとおり、この資料を集めるにつきましてはかなりの困難も伴っていたことは事実でございまして、各省にまたがって広い範囲で資料を集めるという努力が関係者によってなされたわけでございまして、時間が随分かかったことについて決して私どもはいいことではないというふうに思っておりますが、しかしながら資料を集められるだけ集めた結果、一昨年でございましたか、私、官房長官当時、申し上げたような政府の考え方を述べたところでございます。
 また、議員がお話しのように、どういう形でこの問題について我々が反省を示すか、あるいは女性としての筆舌に尽くしがたい苦しみを味わわれた方々に対して我々の気持ちをどういうふうに示すかということについても、いろいろな方々の御意見を伺い、議論をした結果、先ほど来官房長官初め政府委員が御答弁申し上げているような状況に今なっているというふうに承知をしておりまして、私どもは、でき得る限りの我々の気持ちのあらわし方、政府委員が申し上げましたように、国と国との関係においては誠実にサンフランシスコ平和条約あるいは二国間条約は履行をしているわけでございまして、それ以外のものについて、それ以外のやり方についてはどういう方法があるか、これは多くの議論が必要であって、その議論の集約されたものが今行われようとしていることになっているというふうに承知をしております。
#27
○本岡昭次君 再度ちょっとお尋ねしますが、国と国との関係は終わった、終わっていない国もありますが。そうすると、国と個人の関係は残っているというふうにお考えですか。
#28
○国務大臣(河野洋平君) 個人が日本にやってきて訴訟を行うというようなことが見られております。そうしたことはあるのだと思いますが、国には国の法制度、法体系というものがございまして、国としては問題は終わっているという立場をとっていると承知をしております。
#29
○本岡昭次君 しかし、国際人権という立場から国連の人権委員会で議論されているのは、国と国との関係は終わっても、個人の受けた被害、それを償っていくというその請求権というものは存在するという立場で今議論が行われているというところであり、そこのところについては私個人としては、個人の請求権というものはそこに残っているというふうに考えておりますので、もうこれ以上深入りすると時間がございませんから、そこは私の見解と違うということを申し上げ、そしてこの問題についてはより誠実に国際的な視野で解決をしていただきたいというふうに最後は強く要望をしておきたいと思います。そのことが日本とアジアの関係というものの今後を決めていくことになると私は考えます。
 次に、国連の人権活動について伺います。
 人権問題は国連の活動の中の非常に重要なものであると言われながら、一体その予算というものがどういうふうに配分されているのかということになりますと、非常に少ない額で十分人権の問題についてかかわれないということになっているようですが、現状どういう国連の予算があり、人権問題にどれだけの予算が割かれているのか、お知らせをいただきたいと思います。
#30
○政府委員(高野幸二郎君) まず国連の総予算額でございますが、御承知のとおり、国連は二年間予算になっております。直近の予算は九四年−九五年度予算、総額が二十六億ドルでございます。そのうち人権関連分野の予算が四千三百七十万ドル、約一・七%でございます。
#31
○本岡昭次君 人権問題は国連の主要な活動の三本柱の一つになっておるんですが、それが一・七%というこの金額。適切だと思いますか。
#32
○政府委員(高野幸二郎君) 近年、国連におきまして、人権関係の活動の強化とあわせまして予算面の強化ということが目指されておりまして、先ほど申し上げましたとおり、直近の九四年−九五年度は約全体の一・七%でございますが、その前の九二−九三年度予算、これにおきましては全体の約一%でございました。それが約七割程度増ということになっておりまして、今後とも日本政府といたしましては人権分野の活動強化、それに合わせての財政部門の強化ということを主張してまいる方針でございます。
#33
○本岡昭次君 日本政府のその努力は私も認めるところであります。
 この人権センターの活動を支えていくために任意拠出基金というのがありまして、そこに年々日本政府が積み上げて人権センターを支えているということは、人権センターの関係者が非常に喜んでおるわけでありますが、やはり問題は、国連全体の予算の中ではっきりとした人権のための予算を裏づけするということは極めて大事であろうと思いますので、今後ともその点をよろしくお願いいたします。
 それから冷戦後の国連活動の強化の一つとして国連人権高等弁務官が創設されて活動が始まっておりますが、私はこの弁務官のアジア事務所を設立してアジア地域の人権活動を強化する必要があると考えますが、どうでしょうか。
#34
○政府委員(高野幸二郎君) 現時点におきましてはその方向での議論というものはまだ起きておりませんが、今後検討すべき課題の一つでありまして、ただいまの御意見も私どもは十分に今後踏まえてまいりたいと考えております。
#35
○本岡昭次君 人権センターは国連の人権活動のかなめであります。しかし、その人権センターを訪れた方は少ないと思いますが、そこはまことに人権のセンターにふさわしくない状態なのであります。これはもう人権のかなめとしてとてもふさわしくない、そう考えられないという状況なんです。
 そこで、このセンターのコンピューター化を考え始めました。私も相談を受けました。それで、日本政府はこの問題について積極的に対応してくれました。センター側とたび重なる折衝の結果、平成七年度予算にそのための調査費を計上されまして、私、本当にうれしく思っているんです。国連人権関係者からは高い評価が受けられて、今後の大きな期待が寄せられております。
 それで、調査をしてコンピューター化をするという段階で、できれば、日本がやったとかどこがやったじゃなくて、そのときには少なくともG7にかかわる先進国が一緒になってこの人権センターのコンピューター化の問題をやっていくというふうに日本はリーダーシップをとることが必要だと思っているんですが、つけられた予算をどういうふうに活用して調査を行い、将来のコンピューター化を進めていこうとしているのかという点について、ここでお話しいただきたいと思います。
#36
○政府委員(高野幸二郎君) ただいま委員の方からもお話がございましたとおり、この人権センターのコンピューター化ということをより効率的に進めていくために十万ドルを平成七年度予算に計上しております。
 私どもの考え方及び人権センターの考え方は、その調査結果を待ちまして整合性のある全体計画をまず定めたい、その上で、そのための予算手当て等の問題についてもその調査結果を踏まえた上で検討していきたいというふうに現在考えているところでございます。
#37
○本岡昭次君 コンピューター化を進めていくために私は先進国と力を合わせてやっていくということがいいんではないかと申し上げましたが、その点についてはいかがですか。
#38
○政府委員(高野幸二郎君) 当然のことながら、人権センターの事務効率化、特にコンピューター化ということにつきましては、日本のみならず他の国連加盟国、なかんずくG7等との協力ということも今後の調査結果いかん等々によっては十分起きてくることでございまして、私どもとしてもその可能性を十分踏まえて今後前向きに取り組んでいきたいというふうに考えております。
#39
○本岡昭次君 外務大臣、ささやかなことでもこういうふうなことを一つ一つ地道に積み上げている部分もあるんです。そのほか任意基金のところも実に細かく対応してくれておりますが、特にこのコンピューター化の問題は、これから人権問題に日本がどう対応するかという非常に象徴的なものになろうかと思いますので、ひとつ御感想があればよろしくお願いいたします。
#40
○国務大臣(河野洋平君) この手の話は、金額の問題ではなくてやはり事柄、これからの国際社会の中において人権という問題が占める大きさを考えると、非常に貴重な実に重要な問題であろうというふうに考えております。御指摘をきちんと踏まえて対応したいと思います。
#41
○本岡昭次君 次に、同じようにアジア人権セミナーの開催というものを来年度の予算の中で計上されております。大変結構なことだと思うんですが、具体的な構想があればお示しください。
#42
○政府委員(高野幸二郎君) 本セミナーにおきましては、我が国がアジア諸国を中心とする国連人権専門家などを招聘いたしまして、アジアにおける人権の促進のためいかなるアプローチをとるべきかについて率直な意見交換を行い、今後のアジア地域の人権状況の改善の一助にしたいということでございます。
 ただ、具体的日程、招待者等、詳細につきましては現在調整中でございます。いずれにせよ、本年の後半には開催いたしたいというふうに考えているところでございます。
#43
○本岡昭次君 その人権セミナーについては、私どもの考えもその中に十分ひとつ取り入れていただきたいということを希望申し上げておきます。
 それでは、外務大臣への質問は後に回しまして、国連の人権諸条約への加入促進について先に伺っておきます。
 現在の加入の状況、日本の国連人権諸条約への加入の状況はどうなっていますか。
#44
○政府委員(高野幸二郎君) いわゆる人権諸条約というのは、数え方にもよりますが、通常二十三本と言われております。我が国はそのうち、昨年加入、批准いたしました児童の権利条約、これが八本目でございます。現在八本でございます。
#45
○本岡昭次君 二十三本中八本ですとおっしゃいましたが、どうなんですか、八つしか加盟できていないという状況は。それはどういうことなんですか。なぜ二十三のうち八つしか加盟できないんですか。
#46
○政府委員(高野幸二郎君) その二十三本中まだ日本が加盟しておりません諸条約の中には、人種差別撤廃条約でありますとか、あるいは人権B規約の選択議定書、例の個人通報制度にかかわるものでございますが、あるいは拷問禁止条約等々ございます。これらを含めましてあらかた日本政府としては、その保護の条約の目的あるいは趣旨、これについては日本政府としても賛同できるというものでございます。したがいまして、なるべく早く批准、加入するという方向でずっと努力してきているところでございますが、それぞれの条約につきましては、それぞれの克服すべき問題点、調整すべき点等ございまして、まだ現布引き続き努力中ということになっております。
#47
○本岡昭次君 先ほどから人権問題の重要性を外務大臣もおっしゃっております。しかし、現実に二十三あるこの国連の人権諸条約の中で八つしか加盟できていないということを見ましても、これは余り褒められた問題じゃないと思うんです。
 そこで、やはり今言ったように、克服しなければならない問題があると、こう言っているわけで、それでは加盟していない諸条約の中で克服すべき問題は何と何と何であって、それはどういうことによって解決できるのかという計画を持ってそれをこなしていく、条約に加入していく、十年ぐらいの計画を立ててやっていくというふうにされてはいかがですか。そして、その克服すべき問題というのは一体何なのか。各条約の中に研究して蓄積されているなら、その資料もいただきたいと思うんですが、どうですか。
#48
○政府委員(高野幸二郎君) 個々の条約の問題点、あるいはそれについての検討状況をこの場で逐一御披露するのは時間的制約もございますので、特にその代表的な問題点といいますか、条約及びその関連の問題点を申し上げさせていただきます。
 まず人種差別撤廃条約でございますが、これは議員御承知のとおり、第四条において人種差別的な言動に関する刑事罰という問題がございます。この刑事罰が第四条において要求されているということと、我が国の憲法の十九条あるいは二十一条において保障されております言諭、表現の自由等々との調整の問題ということが一番大きな問題でございまして、この点については政府部内間におきます協議、相談のみならず、海外における先進各胴における実態調査あるいは国内の専門の学者の方々を初めとする国内の関係者との意見交換等々を積み重ねてきているところでございます。
 私どもといたしましては、特にこの条約につきましては早期批准を実現いたしたいというところで、今まさにその努力をさらに強化しているところでございます。
 次に、人権B規約の選択議定書、個人通報制度でございますが、これの最大の問題点は、これは委員御承知のとおり、個人通報制度といいますのは、国内の司法手続によって人権侵害が救済されたとその当該個人が認めない場合、これをB規約人権委員会に対してその問題を提訴といいますか持ち込みまして、それを受けたB規約人権委員会の方で審査いたしまして、場合によっては当該国政府に対してB規約人権委員会としての意見を申し述べるということによって救済手続を予定しているものでございますが、この手続が憲法によって保障されております司法権の独立あるいは国内の司法組織との関係で果たして整合性が確保し得るのかという問題がございまして、この点についての研究を続けているというところでございます。
 また、もう一つ申し上げさせていただきますと、拷問禁止条約につきましては、これは今申し上げました二条約とは問題の深刻さ、広さは違いますが、この条約の第五条で予定されております海外における条約禁止行為を行った者が本州、日本内に入ってまいりました場合、これを条約上五条によれば刑事訴追する必要がございます。この刑事訴追に必要な証拠等をしかるべきタイミングにおいて日本国政府として入手し得るか。換言すれば、やってきた人の、通常これは政府の人ですから、当該国政府に対してその当該人に関する訴訟証拠の提出を求め、かつ得なければいけない。ここのところが担保できるのかという問題点がございまして、この点についての検討が続けられているというところでございます。
 以上のような概況でございまして、私ども誠心誠意これらの条約の早期批准に向かいまして努力を続けているところでございまして、必要に応じ議員の方にも今まで随時御説明させてきていただいておりますが、今後ともそういう説明もあわせ続けさせていただきたいというふうに考えます。
#49
○本岡昭次君 大臣、聞いていてくださいね。
 私、十年間ずっと人種差別撤廃条約からこの議定書の問題をやっておるんです。そして、中曽根総理時代からの答弁を何ぼか拾い上げますと、大臣のですよ、総理大臣あるいは外務大臣。積極的に検討します、締結に向けて努力します、積極的に努力します、積極的に判断します。可及的速やかに全力を挙げて努力しますと、次々と青葉をいただいているんですよ。この次、何をおっしゃるのかというところまで来ているんですよ。言葉でごまかしているという言い方はしませんけれども、やはり何か現状を逃げているというふうに感じて仕方がないんですね。もうここまで来れば、こういう言葉で私は逃げられない状況があるんではないかと。私もこんな質問を絶えず続けて、はい結構でございますというわけにはいかぬという現状にございます。
 特に人種差別撤廃条約批准については、この参議院の本会議で久保書記長の質問に対して村山総理が、早期締結が重要であると考えていますと、こうおっしゃった。また、本予算委員会で穐山理事の質問に対しても首相は、外務大臣にも法務大臣にもそれぞれ早期に解決すべきではないかということを指示もし要請もして検討してもらっておりますと、こうおっしゃっている。それでもなおかつ先が見えないというのは、これは一体国会の権威というのですか、そういうものに私はかかわると思うんですよ。
 この早期というのは今国会中とでも言ってもらえるのなら納得しましょう。どうですか。
#50
○国務大臣(河野洋平君) 村山総理から私どもに、先ほど御答弁について読み上げられましたが、私どもについて御指示がございました。人種差別撤廃条約についての早期の処理をするべきであるという御指示がございました。この御指示を受けまして、私どもぜひその御指示に沿いたいと、こう考えているところでございます。
 今、政府委員から御答弁申し上げましたように、幾つかの問題点がございます。この問題点をどういうふうに克服するかということについて私どもは事務当局にも知恵を出せというふうに育っておりまして、諸外国の状況、これは本岡議員がよくおっしゃいますように、諸外国はもうほとんど批准しているじゃないかと、言ってみれば先進国でももう残された国になってしまっているということも私どもも承知をしておりますから、アメリカを初め幾つかの諸外国がどういうこの問題に対して処理をしたかということなどについても十分研究をして、私、大臣としても最終的な判断をするべき時期が来ていると、こんなふうに思っております。
#51
○本岡昭次君 抵抗しておるのは法務省やと聞いておるんですが、法務大臣、どうですか。
#52
○国務大臣(前田勲男君) 先ほど外務大臣からお答えになりましたが、村山総理からも私どもにそういう御指示が来ておりまして、決して抵抗しておるわけではございませんで、何か何回も重なる言葉のようで恐縮でございますが、前向きに締結、批准すべきことだという前提で取り組んでおるところでございます。
 外務大臣とは常々連絡をとり合い、現在大体百四十三カ国が批准されておるわけでございますけれども、それぞれの国で皆いろいろやっぱり知恵を出しておられまして、国内的知恵とあるいは批准上の知恵と二通りございますけれども、調べてみますと、やはりあらかたはアメリカを初めオーストラリア等々ですね、その知恵の中には解釈宣言ですとかあるいは留保でございますとか、いろいろそういう知恵を出して批准に持ち込まれておるという事例もたくさんございますので、実は今そうした批准その他をよく外国の事例なども精査をしながら、総理の御指示に従うべく我々最大の努力をしておるところでございます。
#53
○本岡昭次君 外国の状況を今調べておられる、かなり研究も長期にわたっておりますから蓄積されておると思うんですね、研究の成果が。ぜひそれは私どももいただきたいということが一点。
 それから村山総理が早期にとおっしゃったんだから、総理が早期と言うことは自分の恐らく在任中にやらなければ、次のことを言うなんて失礼な話だと思うんですよ。だから、少なくとも今国会中に判断が出ると。いっその批准をするかという、そういうことについてのお考えをやっぱりはっきり今あなたの方で出していただかないと、また同じように、先ほど言ったように、積極的に検討とか、積極的にとか、可及的速やかにとか、早期とかというようなことでまた先送りされてしまう。だから、できれば今国会中に批准への判断をするということをやはり全体の責任上おっしゃっていただきたいと思うんですが、いかがですか。
#54
○国務大臣(河野洋平君) いつまでにということを申し上げる元気がございませんが、しかし総理からの御指示は早期に問題を解決しろという御指示でございますから、その総理の御指示に沿うべく努力をいたします。
#55
○本岡昭次君 しょうがないですね。私、野党だったらもっと別の詰め方をするんだけれども、まあその辺にしておきましょう。
 それで、外務大臣、私はアジアで人権を守り広げていくために日本がアジアの安全保障と人権擁護の問題を結びつけていくことは極めて大事だと、こう思っておるんですよ。そこで、アジアで開催される諸会議で人権という問題をしっかりとこれからセットしていただきたいと思いますし、そういう意味からもアジアに人権機構を創設するという問題を積極的にひとつ提言し行動していただきたい。
 アメリカにも米州人権機構がある。ヨーロッパにも人権機構がある。アフリカあるいはアラブ、そういったところでもやはりその問題の議論が行われている。何にもないのがアジアなんですよ。やはり人権と平和というものはこれはもう極めて重要な関係にある問題でございますので、アジア人権機構の確立という問題について外務大臣のお考えをお願いいたします。
#56
○国務大臣(河野洋平君) 人権の尊重というものが近代社会において極めて重要だということは、議員の御指摘のとおりだと思います。そしてまた、個々の人権を守るということがひいては国際社会の平和と安定につながるということも私は全く賛成をいたします。
 そうした考え方に立ちますと、個々の紛争あるいは対立の解消、解決、こういったもののために二国間関係でありますとかあるいは地域的なあるいは全域的な政治・安保対話、こういったようなものが重要だということが出てくると思います。こうした多角的なといいますか、あるいは多面的なと申しますか、こういった努力を積み重ねてアジアの平和、安定というものをつくり出していくというアプローチというものは私は極めて重要だというふうに考えております。
 そこで、今、議員がおっしゃいましたアジア地域の人権機構の問題でございますが、アジア地域におきます人権の尊重、擁護のために、我が国としても国連の人権委員会の場を利用してできる限り積極的役割を果たすべく努力をしてきたのは、先ほど来、議員もお認めいただいているところでございます。
 ただ、アジアにおきまして国際的な人権基準として最も重要である朗隣人権規約の締約国がまだ少ないということがございます。これは各国の政治、社会、法体制がアジアには大変多様であるということもあって、現状では各国の合意に基づく地域人権機構を構築するということは極めて難しいというのが現実、現状だというふうに思います。
 そこで、少なくとも現状におきましては、人権尊重について共通の認識を得ることがまず前提でございますから、そのために先ほど議員からも御指摘がございました例えば人権セミナーでありますとか、そういったものを開催するなどいたしまして人権分野における対話を深める、二国間であれあるいは地域であれ同じテーブルにおいて対話を深めるというところから積み重ねをスタートさせていかなければならないというふうに考えております。
 議員の御提言は御提言として承らせていただきますが、現状では、まだまだそこに行くまでに努力が必要ではないかというのが現状でございます。
#57
○本岡昭次君 従軍慰安婦問題の解決にしましても、国際的な人権諸条約の批准の問題につきましても、これはいわば世界の中のまたアジアの中の日本の地位を高めていく、そして国際的な信頼というんですか、そういうものを高めていく上に非常に大きな問題だというふうに考えて私は議論をさせていただいておるわけであります。
 その中で、日本の国内には在日外国人と言われる方もたくさん住んでいるわけで、国際的なものというのは何も外国との関係だけじゃない、日本の国内にも内なる国際化というものがあるわけなんです。
 そこで、在日外国人の民族教育というふうな問題にも触れながら、いろんなここに条約が、人権A規約あるいは同B規約あるいは児童の権利条約、こうしたものがあるわけなんですね。だから、これは文部大臣への御質問になろうと思うんですが、朝鮮人学校を学校教育法一条校に準じて扱うとかいうことの中で、大学への受験資格、教育扶助あるいは朝鮮人学校への寄附金を損金として認めてもらいたいというさまざまな要望があるわけであります。先ほど言いましたように、外国人の民族教育を保障しているという、こうした立場からの人権上の考え方からいっても、もうこうした問題に大きく踏み込んできてもいいんじゃないかと思うんですが、いかがでしょうか。
#58
○国務大臣(与謝野馨君) この件については、村山総理が先般の臨時国会で御答弁申し上げておりますが、我が国の大学入学資格につきましては、学校教育法の規定に基づき、高等学校卒業者またはこれと同等以上の学力があるとして文部大臣が定める者に与えられており、この旨、各大学に対して指導をしております。
 国内の朝鮮人学校はほとんどが各種学校であり、各種学校の教育内容については法令上特段の定めが設けられていないため、その卒業者に対して一般的に高等学校卒業者と同等以上の学力があると認定することは困難であることからしまして、大学入学資格を認めていないところでございます。この問題については、我が国の学校教育体系の根幹にかかわることにかんがみ、慎重に対処すべきであると考えております。
 なお、在日韓国・朝鮮人を含む外国人の子供たちも希望すれば我が国の義務教育を受けることができ、高等学校以上の段階についても我が国の学校教育を受けていれば順次入学資格が認められることになっております。
 なお、今回の震災に対する問題について若干触れられましたので、朝鮮人学校を設置する準学校法人を責め、公益法人等が設置する公益の用に供せられる建物等で震災により減失または損壊したものの復旧のため一定の要件のもとにその公益法人等が募集する寄附金については、税制上の優遇措置が受けられる指定寄附金の対象とされる予定であります。ということは、そういうことを与党で決められておりますけれども、まだ大蔵省の中で告示という形でこのことが最終的に決定されているわけではありませんが、指定寄附金の対象とされるということについてはほぼ確定的であると考えております。
 この場合、当該準学校法人等に対して法人が寄附する場合は全額損金算入が認められ、また個人が寄附する場合は特別の所得控除が認められることとなります。
 なお、朝鮮人学校は各種学校でございますが、今回の補正予算等でもその復旧に対して十分な措置がされたと私は確信をしております。
#59
○本岡昭次君 今回の阪神・淡路大震災に際して各種学校の中の一つの外国人学校に対して、私学というものを横にらみしながら大きな格差が生じないように配慮していただいたことは私も感謝しております。
 しかしその中で、今ちょっと聞き漏らしたんですが、この朝鮮人学校への寄附金を損金とする、今回の学校の復旧に際して。これはまだ確定されていないんですか、損金扱いは。
#60
○国務大臣(与謝野馨君) これは法律改正を要することではありませんで、指定寄附金の範井をどこまでにするかという、大蔵大臣が大蔵省の告示で決めることができるわけでございまして、方針は法人、個人とも一方は損金算入、一方は所得控除という形になりますが、最終的にそういう告示が出ておりませんので確定していないと、こういうことを申し上げたわけでございまして、方向としてはもちろんそういう方向になる、こういうことでございます。
#61
○本岡昭次君 そこで、阪神・淡路大震災で被害を受けた学校を復旧するに当たって朝鮮人学校が個人及び法人から寄附を受けたときに、寄附をした方に対して損金扱いできるというこの問題をそれでは一般的に適用するというわけにはまいらぬのですか。
#62
○国務大臣(与謝野馨君) これは法人税、所得税の考え方にかかわることでございまして、にわかにここでそういう問題に対して肯定的なお答えができないということはぜひ御理解をしていただきたいと存じます。
#63
○本岡昭次君 そうすると、阪神・淡路大震災の復旧に関しての特例措置としてそういうことが認められるということで、今後、通常の状態では損金として寄附金を認めるという段階にはならないと、こういうことですか。
#64
○国務大臣(与謝野馨君) 今回の物の考え方も各種学校に対してそういうことを行うということではなくて、まず公益法人に対してそういう措置をするということで、その公益法人の中に各種学校も入っている、そういうふうに御理解をいただければと思います。
#65
○本岡昭次君 これは政府にお願いしたいんですが、事は在日外国人の民族教育、在日外国人の子供の教育の問題にかかわって一体どういうふうに日本が対応するかということに私はなってくると思うんです。特に在日外国人の中でこの朝鮮人学校というものの存立している条件、これは日韓併合という問題からずっと長い歴史を経て今日存在しているわけでありまして、私は特別扱いせよと言う気はありませんけれども、そういう意味で民族教育の保障という問題は人権問題の重要な柱としてやはり考えていただきたい。
 一つ一つこれも石垣を取り崩していくように進んでいるんですね。JRのパスの問題も解決していただいた。そして今度は朝鮮人学校の問題を震災に当たっては各種学校と横並びにきちっとしていただいた。そこに寄附金の損金扱いの問題も出てきている。できればそういうふうに、先ほどの条約の批准じゃありませんけれども、一遍にやるということが難しければ一つ一つ可能なものから、やはり民族教育の保障ということのもう一つの石垣を積み上げていくという努力をぜひとも文部大臣にお願いしたい、このように思いますが、いかがでしょうか。
#66
○国務大臣(与謝野馨君) 大学入学資格の問題は民族教育の保障とは多分別次元の問題だろうと思っております。
 やはりすべての人が日本の大学に入ります場合にはある一定の教育水準に達している、ある学習をしているということを確認した上で大学入学資格を与えているわけでございまして、朝鮮人学校の場合はそういう範疇の外にございますので、現在は先ほどまで申し上げたような取り扱いになっておりまして、そういう意味ではぜひ現在のような状況を御理解いただきたいと考えております。
#67
○本岡昭次君 もう時間がなくなりましたので、あと残された問題をはしょって質問させていただきます。
 建設大臣、どうも長い間お待たせして済みませんでした。一言質問させていただきます。
 この阪神・淡路大震災に対してこれから復興計画を立てていかにゃいけませんが、その中の主要な柱は住宅再建である、こう思っております。兵庫県では十二万五千戸を三カ年で建設しようと、大変なことであります。十二万五千を三年間でやるというのはこれはとても兵庫県でできるわけはないわけで、政府、建設省の全面的な支援、協力をまず要請したいと思いますし、大臣の積極的な前向きなお力添えの答弁をいただきたいのであります。
 そこで、こうした公的な支援を受けて大量に建設される新しい住宅ですが、ぜひとも、今度被災された中に高齢者が多いからというわけじゃありませんが、住宅そのものがやはり若者がそこに暮らしていくという建前に私はなっているんじゃないかと思うんです。
 一つは、段差が家の中の至るところにある。また、車いすの生活に入っても、車いすで自由に行動できるスペースというものがない。こういうことから見て、今度新しく国の支援を受けて建設される住宅にそうした年をとっても住める、お年寄りも住める、車いすの生活をしておられる方も住める、段差にけつまずいてこけて、そしてそのことでお年寄りが障害者になっていくという、また寝たきりになっていくということのないような住宅にすることを義務づけていく、このぐらいのことを今回の住宅再建の中でやってはどうかと思うんですが、いかがでしょうか。
#68
○国務大臣(野坂浩賢君) お答えいたします。
 二月の二十八日に政府の復興委員会が十万戸構想を出しましてから、兵庫県では三月九日にひようご三カ年復興計画というものを策定されまして、御指摘がありましたように、十二万五千戸設置ということが打って出されました。内容につきましては、平成六年後半から建築にかかっております住宅戸数が約一万五千ございますので、十一万戸をつくるということを打ち合わせをしております。その中で、公社・公営・公団住宅を何月ということを分けておりますし、民間でお建てになる方々を大体集約をいたしますと四万六千ということになりますので、それで十一万戸を建設するという具体的な内答に入っております。
 したがって国としては、お話があったとおりに、積極的に支援をしていかなければならぬということで、今度、人事の構成を強められる模様でありますから、人的にも物的にも積極的に応援をして期待されるような方向にしていかなきゃならぬ、こういうことで全面協力ということが第一番であります。
 第二番目の問題については、だれもが年をとるのでありますから、これから老人にやさしい、子供にやさしい住宅の設置ということは当然だと考えております。お話がありましたとおりに、廊下には手すりを、そしてトイレや浴槽にはブザーを、そしてそこにも手すりと、浴槽はまたいでいくというところを低くしていくということを一つ一つやり、段差をなくする住宅というものは、いわゆる今、先生お話しになりましたように、義務づけたらどうかということでありますが、現段階では誘導政策で進めるということでありますが、公営・公社・公団住宅については全体的にそういう設計で進めるということにいたしております。
 したがいまして、そういう方向で三カ年計画で十二万五千ということはでき得るように最大努力をして御期待に沿いたい、こういうふうに考えております。
#69
○本岡昭次君 ありがとうございました。
 文部大臣、学校も今度の避難所になったときに、やはり学校というものが障害を持った方に対応できる状態になっていないということが明らかになったんですが、復旧の際、そうした視点でもって復旧されるということはいかがでしょうか。
#70
○国務大臣(与謝野馨君) 確かに先生が御指摘されたような面もあったと聞いております。学校は地域社会における学習活動の場としても利用される公共施設であることから、その施設整備においては高齢者、身障者の方々も円滑に利用できるように配慮することが望ましいと考えております。この点、文部省としても、昨年十二月、各都道府県に対しその旨の指導をしたところでございます。
 今回の大震災において被災した学校施設を建てかえる際、設置者において手すりやスロープ、身障者トイレを設けるなど高齢者や身障者等に配慮した施設の整備を行う場合、その経費については国庫補助の対象としているところでございます。
 今後とも、高齢者、身障者等が学校施設を円滑に利用できるよう種々の配慮をしてまいりたいと考えております。
#71
○本岡昭次君 ひとつよろしくお願いします。
 最後に大蔵大臣にお伺いします。
 復興のための財政措置ということがこれから極めて大事になってまいります。兵庫県も神戸市も復興計画を六月までに策定しようとしておりますが、その復興計画を推進する予算をいっどのような形で編成していくのかという問題がございます。私としては、九五年度予算、今審議しておりますが、それが決定しましたら直ちにこの九五年度予算の補正ということで、今国会中にこの問題の編成、提出、そして可決というふうに進めていただきたいというふうに思うんですが、その点はいかがでしょうか。
 それから補正の規模を今どのように想定されておりますか。よろしければお示しいただきたいと思います。
#72
○国務大臣(武村正義君) 大震災復旧・復興のための財源措置については、いささかも消極的であってはならないというふうに思っております。
 既に本年度の第二次補正はお認めをいただいて執行中でございますが、引き続き新年度の補正対応についても、今、今国会中という御指摘もございました。そうした御意見が大変多いということもしっかり踏まえて、少しでも早く積極的な対応をさせていただきたいと思っております。
#73
○本岡昭次君 規模はわかりませんか。
#74
○国務大臣(武村正義君) 積極的ということで御理解をいただきたいと思います。
#75
○本岡昭次君 以上で終わります。どうもありがとうございました。
#76
○委員長(坂野重信君) 以上で本岡昭次君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ―――――――――――――
#77
○委員長(坂野重信君) 次に、山下栄一君の質疑を行います。山下栄一君。
#78
○山下栄一君 平成会の山下でございます。
 主に震災関連、それからちょっと震災に隠れておりますけれども、いじめの問題、大変重要な社会全体が抱える問題であると思いまして、質問させていただきたいと思います。
 その前に、先ほど大蔵大臣の方から今回の大蔵官僚の処分につきまして御報告があったわけでございますが、これに関連しまして少し質問させていただきたいと思うわけでございます。
 先ほどの御報告によりますと、中島主計局次長及び田谷東京税関長がそれぞれ訓告処分、その他、大臣もみずから最高責任者として何らかの形でそのけじめの気持ちを明らかにしたい、こういうことで、みずから進んで一カ月俸給月額の二○%を国に返す、こういうようなことをしましたという御報告があったわけでございます。
 この中島次長、田谷税関長にそれぞれ訓告処分、こういうふうなことがあったわけでございますけれども、それも含めまして、さまざまな調査をされこの結論になったと思うわけでございます。きょうのこの報告では、どういう事実があったのでこのような処分をいたしましたというその辺のことが抜け落ちておるわけでございます。何かいろいろと批判を受け、マスコミにもたたかれ、そして先日の国会で取り上げられたので、やむを得ずこういう処分をしたのだというふうにもとられるわけでございまして、どういう事実があってこのような処分に至ったのかということを明確にお答え願いたいと思います。
#79
○国務大臣(武村正義君) 先ほどは、おっしゃるとおり、けさの処分に対する考え方ももちろん申し述べたつもりでございますが、どちらかといえば結果についてかいつまんで御報告を申し上げました。大変、不規則発言等で厳しい御批判を承ったわけでありますが、しかし事情をつぶさに私の聴取した結果の報告を抜いておりますためにそういう結果になった面もあろうかと思っております。
 今回の処分は、率直に言って、この二人に関しては私みずからがこの週末に本人に会って状況を聞きました。世間で報道されていることはもちろん、私自身がうわさで聞いているようなことも全部投げかけて本人に確認をしたわけであります。そして、本人が事実ですと認めたことを基本にして今回の処置をとっているわけであります。
 我々は司法当局ではありません。そういう意味で、私どもがヒアリングしたことがすべてであるかどうか、そのことは一〇〇%自信を持って申し上げることではありませんが、一応本人からの事情聴取ということで、私自身あるいはその他の職員も週刊誌等で名前が上がったような職員を中心にして、それなりに事務方も全庁的な調査をしてくれたわけであります。したがって、今現在、本人の事実の確認があったことを前提にして最大限反省をして処置をとったというふうに御理解をいただきたいと思います。
 同時に、庁内に直ちに規律委員会の設置を指示いたしました。調査がまだ不十分という意味ももちろん含まれております。さらに大蔵省みずからこの事態についてもより積極的に調査をすべきである、そしてあわせて今後こういう事態が二度と起こらない体制をつくり、この反省に立ったやはり規律保持のより積極的な考え方をまとめて庁内で実施をすべきであるという意味で、規律保持委員会の設置を指示いたしました。
 さて、二人の事実関係でありますが、一時間以上にわたってそれぞれヒアリングをしましたので全部ここで一言一句報告を申し上げるわけにはまいりませんが、かいつまんで申し上げると、両方とも数年前、中島次長は当時の大蔵委員長の誘いで、僕の勉強会をするからぜひ来てくれ、君は幹事役で若いスタッフを数人大蔵省から連れてきてくれと、こういう要請があってそれにこたえたようであります。行ってみるとそこに、委員長の横に高橋前理事長が座っていたと。当然そこで名刺交換をしたんだろうと思うのですが、そういうかかわりが、省内全体としてもこの中島次長とのかかわりが一番最初のような感じがいたします。
 田谷氏はちょっとそれよりおくれているような感じがしますが、そういう状況から始まっております。数回、六、七回という表現でございましたが、高橋氏の同席する会合に出ました、もちろん単独一対一ではありませんと。各省庁の役所であったり財界人であったり等々いろいろあったようですが、そういう場に出て、結果的には高橋氏と同席したということを認めております。これは共通して二人とも認めております。
 ゴルフはどうだということも聞きまして、中島氏は二回、田谷氏は一回、全部数年前でありますが、高橋氏と二人という意味じゃありません。政治家に誘われたとかいろいろ言っていましたけれども、複数で高橋氏も一緒にゴルフをしたことがありますということでありました。共通して言えることはそういう状況であります。
 片方、もう少し詳しく言いますと、窪田氏というのが存在しておりまして、これは高橋氏と結果的には大変親しい間柄の人物のようでありますが、どう親しいかよくわかりません。IBMの中堅幹部の人であります。この人がむしろふだんは勉強会にしましてもゴルフにしましてもつき合いの対象になっていたようであります。
 IBMの幹部だからという安心感もあったと反省をいたしておりますが、高橋氏は本当に何回かに一回しか顔を出さないと。出しても余り酒も飲まないし歌も歌わないし、むしろ何か外交とか経済の話ばかりしている人のような印象だったようでして、そういう関係で、実質この高橋氏と窪田氏の関係がどういうことであるのか、金はどうなっていたか、そこは定かじゃありません。しかし、今報道されておりますように、両者は大変親しいということであります。この点にもしかし、高橋氏との関係を自覚しなかったにしても不用意さがつき合いの面であると、やや度が過ぎているという感じがいたします。
 そして、金品をもらったり、少なくともどのポストにおりましても役人、役員としてものを依頼されたりこちらが頼んだりしたことは一度もありませんと、そういう意味では、今回の共同銀行スキームもそうでありますが、大蔵省の仕事に影響を与えるようなことは絶対にしておりません、全く私的なつき合いでありましたということであります。
 そこで、田谷氏については、香港行きの問題でありますが、本人の話を集約いたしますと、五年半ぐらい前になるんですかの夏、夏休みに一遍一緒に香港へ行かないかという誘いを窪田氏から受けたと。それで、これは日時もわかっていますが、八月の土、日、月。月は休暇届を出して二泊三日で香港へこの五人で参りましたと。そして、高橋氏が証人喚問で認めておりますように、往路、行きは高橋氏の自家用飛行機というんでしょうか、に同乗をして行きましたと。ほかのグループも乗っていたように思いますが、我々としてはこの五人でしたと。もちろん高橋氏本人も乗っていたと。しかし、香港でおりてからは基本的にはこの五人で行動をして、帰りは商用機で帰ってまいりました、主に買い物と観光、一般的な観光でありましたと。
 この五人の中には公務員は、あと全部民間人で、彼以外はいないようですが、割り勘ということで幾らだと言うと二十万円と言うので、二十万円はきちっと支払いを済ませておりますと、当時。まあ香港、片道が自家用機ということになったけれども、往復と向こうの宿泊、飲食の経費二十万というのは。言われたまま払ったわけですから、これが多いか少ないか、それは十分チェックをしておりませんでした、ましてや高橋氏は証人喚問でお金はもらってないと言っておりますから、そういう意味じゃ結果として便宜供与を受けたことになります、その点は二十万円の根拠といいますか内訳を当時きちっとチェックしなかったのは甘かったし、これは今思うと反省点でありますと、こういう本人の話でありました。
 本人の話を私はすべてそのままどうこう、本人の話だけを肯定して本人の立場で弁解しながら申し上げているつもりはありませんが、でも結局、司法当局でない立場で真剣にいろんな質問も投げかけながら聞いたわけでありますが、本人が認めた事実を今こうしてそのまま本人の表現どおり申し上げているわけであります。
 そういう意味で、もとへ戻りますが、そういうヒヤリングを私みずからもしたということも含めて、本人が認めた事実を基本にして最終判断をせざるを得ません。この時点で明らかになった事実を基本にしてけさの処置をしたものであります。
 国家公務員法上、いわゆる法律に触れる場合、職権乱用とか業務上横領とか、あるいは非行という言葉もありますが、人に暴力を使うとか、そういう明らかな行為がある場合には懲戒の対象になります。私どもこの国会でも節度を超えているかどうかという言い方をしましたのは、法に触れていれば、刑法であれば司法当局の処置が決まりますし、刑法でなくても国家公務員法上の法違反はきちっと懲戒処分の対象になるわけであります。また、そういうものを前提にして初めて懲戒処分は成り立つというふうに認識せざるを得ません。
 節度を超えるという言葉はややあいまいさを含んでおりますが、社会的通念あるいは国民の健全な常識を超えているかどうかという意味で、この香港行きは、いかに経費を払った払わないにしろ、世間に誤解を招くという意味では節度を超えている行為ではないのかと。あるいは一民間人と何かの関係で一度ぐらい食事をする機会があったとしても、数回にわたってつき合うことも、やはりもう少し厳しく警戒心といいますか、相手にその当時は疑問を持たないにしても、やはり警戒心を持つべきではなかったか。そういう等々の当然反省は必要であります。そういう意味で、総合的にはやはり節度を超えていると私は判断をして今回の処置をとらせていただいた次第であります。
 甘い甘くないの議論は当然あると思いますが、法的な措置については法的な明確な根拠というものが必要であります。なお、少なくとも申し上げたように、職務外の私的な行為で過去、訓告であれ処分を受けたケースはないというふうに伺っておりまして、その意味では、政府としては初めてこういう措置をとらせていただくことにもなるというふうにも思っているわけであります。
 なお、今回の処置はヒヤリングでわかり得た事実を基本にいたしておりますが、今後、規律委員会も設置をいたしますし、さらにより積極的なこの問題に対する調査も大蔵省みずからもやるように指示をいたしております。そういう意味では、今後新たな事実が明らかになれば、当然それは新たな対応が必要であるという認識に立っている次第でございます。
 もう少し全体が集約されて事が全貌明らかになった後に処分をする方がかえって客観的でいいのではないかという多少迷いもありましたが、しかしこれだけ厳しい批判を受けているときに、少なくともこの事実を前提にしてではあってもそれなりの処置はとるべきだという判断をして、きょうの御報告申し上げたようなことになった次第であります。
#80
○山下栄一君 今の御報告の中で、特に勉強会に六、七回参加したとか、またゴルフ二回とか一回とかそういうものにつき合ったとか、そういうお話もございました。この点については全く全面的に丸抱えの接待であったのかどうか。それから香港における行動につきましても、ちょっと聞き漏らしたかもわかりませんけれども、向こうで二泊三日の中での具体的な前理事長とのやりとりとかつき合いとか、それがどうであったのかということをもう一度明確にお願いしたいと思います。
#81
○国務大臣(武村正義君) 官房長と私の政務秘書官がそばに立ち会って記録もしてくれましたので、官房長からお答えをいたします。
#82
○政府委員(小村武君) 田谷税関長につきましては、香港に参りまして高橋前理事長と同じホテルに泊まったが高橋夫妻とは別行動であったと、夕食を一緒に一度やりましたと、あとは市内見物と買い物をして、帰りは普通の商業便で帰ってきたと、こういうふうに報告を受けた次第でございます。
#83
○山下栄一君 飲食接待の費用、ゴルフの接待の費用。
#84
○政府委員(小村武君) 勉強会に何回か複数の会合等で出席したことがあるということでございます。その中には会費制でやった場合もございますが、そうでない場合もございます。そうでない割合がどれぐらいかというところまでは把握し切れておりません。
#85
○山下栄一君 ゴルフはどうですか、ゴルフの接待内容。
#86
○政府委員(小村武君) 高橋理事長とは平成二年にゴルフを一回したことがあるということでございます。そのほか、先ほど大臣からお話がありましたIBM関係者とのゴルフ等が数回あったということでありますが、このIBM関係者のときには会費制であった場合があるということでございますが、基本的にはその費用については本人は支払っていないものと私どもとしては推測しておりますが、そこのところ一つ一つの確認をしておりません。
#87
○山下栄一君 大臣は直接この週末に御本人を呼ばれて厳しく固いただしたということであろうと思うわけです。国会の証人喚問で問題になりまして、大臣が既に週末に直接自分が聞いて、そして国会でも報告するということで、大臣の個々の、中島さんとか田谷さんとの対応については非常に世間が注目しているわけです。どういうふうな厳正な対応を大臣はされようとしているのかということを非常に世間が注目していると思うわけでございます。
 官房長に具体的なことを答えさせますということでございましたけれども、肝心な部分が全部ぼやかされておるわけでございまして、例えば勉強会の後の食事はどうなっておって、その費用はだれが出したのかとか、ゴルフのときはどうだったのかと。また、同じホテルにということがございましたけれども、そういう場で食事もしたというふうなことでございます。この点の費用はどうなっておるのかというようなことは一番肝心なことですから、大臣が直接、あいまいにできないことであろうと思うわけでございます。
 その点の大臣御本人の直接面接における調査、この辺、私は、今の御報告どおりであるとすれば非常にいいかげんである、このように思うわけでございますが、この辺の内容、確認を大臣はされたのかどうか、費用負担の関係、丸抱えの接待なのかどうかということをもう一度大臣からお答え願いたいと思います。
#88
○国務大臣(武村正義君) 私もこういう立場でありますから、検事さんの取り調べや、何といいますか、供述書のようなものをちゃんと文書でつくって、そういう姿勢でいわゆる事件として司法当局に準ずるような聴取をした、あるいは供述をとったというものではありません。
 今もお答えしましたように、香港のことはそういうことでありますが、両氏に共通するつき合いの度合いは、両名とも数回ないしは六、七回、高橋氏と会食をともにしたことがありましたと。ゴルフは中島氏は二回、高橋氏は一回でありますと。経費のことも当然聞いているわけで、両方とも払ったときもありますと。ということは払わなかったときもありますということであります。
 それで私は、大体結論は集約できると思っています。要するに高橋氏から供応を受けたということをもう認識せざるを得ないということです。回数が二回か三回かということはきちっと確認しておりませんが、私どもはそこまで必要ではない。もうはっきりたとえ一回でも二回でもそういう供応を食事やゴルフで受けたということは、やっぱり節度を超えているかどうかの大きな判断材料になると認識をしたわけであります。
 だから、私も一時間余り聞いたわけでありますから、あと週刊誌等に出ているいろんな記事、そういうのもうわさとかいろいろ何々によればというのが多いんですが、それも全部投げかけました。私自身に入ってきている新聞記者等のいろんな本人にとって不利な情報ももちろん全部本人に投げかけております。そういったものは全部否定をしております。
 以上であります。
#89
○山下栄一君 先月の衆議院予算委員会の集中審議におきまして、この件、この一連のスキャンダルとも言うべき問題につきまして質問があったわけでございます。そのときには、報告は聞いたけれども、少なくとも公務員の節度を超えるような行為をした職員は今のところはいないという報告でありましたという形で終わっているわけでございますが、ただ、もしそのような職員がいたとするならば、節度を超えるような職員がいたとするならば、これは厳しく厳正に対処したい、こういうようなことをおっしゃっておりますし、また参議院の予算委員会総括質疑でも同様のお答えをされておるわけでございます。
 要するにその時点では、先月の時点では、報告は聞いたけれどもそんな事実はなかったと。ということは大蔵省における調査が非常にいいかげんであった、このようにも言えると思うわけでございます。結果的には大臣はごまかされていたというか、そういう形になってしまったということを受けての今回の直接大臣による調査であったと思うわけでございます。
 今までの内部における調査体側についてのいいかげんさといいますか、責任といいますか、これはどのように考えておられますか。
#90
○国務大臣(武村正義君) これまで事務方も本人から事情聴取をしてくれたわけであります。それが私のところへ上がってきていたわけで、今御指摘のような時点では節度を超えるような行為はなかったと思うと私は答えておりました。そういう報告が確かに上がってきていたわけでありますが、考えてみますと、私もこうして二人に会いましたし、これからも規律委員会をつくってさらに調査はしてまいりますが、決して弁解する意味ではありませんが、この限界といいますか、不十分であったことは率直に、今振り返ると香港行きが明らかになっていなかったということだけでも不十分であったことを率直に認めますが、しかし私のヒアリングもそういう立場でのヒアリングでありますから、今後これですべてであったと私、言い切る自信はありません。そういう限界を認識しながらも、精いっぱい本人からただそうという気持ちでやらせてもらっているわけであります。
#91
○山下栄一君 大臣は、省内のお役人については節度ある交際をしておるということを確信しておると何度も繰り返し答弁されておったわけでございますけれども、また具体的なと申しますか、さまざまなうわさがあって、それについての調査が内部でされた、その調査についても報告が上がってこなかったということでございますので、やはり今までの、後から国会でわかってきたということに結果的になるわけです。
 繰り返し繰り返し節度ある交際であると確信するということを述べながらこのような事態になったということについて、明確にやはり大臣としての責任のお言葉と、それから国会への今までの報告が間違いであって申しわけないというその一言をぜひ申し述べるべきではないか、このように思うわけですが、いかがですか。
#92
○国務大臣(武村正義君) 今もお答えいたしましたように、そういう立場での事情聴取でございますから、本人の話、本人が語る言葉にすべて集約の基本を置かざるを得ないことはどうぞ御認識いただきたいと思います。結果として香港行きのような事実を早い時期に掌握できなかったというのは、調査の不十分さという意味で反省をしなければならないと思っております。
 しかし、司法当局のように強権力で調査をする、聴取をするわけではありませんから、今後においてもこれがすべてというふうに断言できるわけではないわけでありまして、その限界だけは十分御理解を賜りたいと思うのであります。
#93
○山下栄一君 今、二つの信用組合の救済問題においての大蔵省の対応について非常に厳しい批判が起こっておるわけでございます。そういう中で、大蔵省への不信感が非常に強くなっておるという状況の中で、今回の不祥事への大蔵省の対応が、厳正に対応するという大臣の御決意が御報告の中からなかなか感じられないわけでございまして、国民の信頼をこの機会に取り戻すぞという、また綱紀粛正への強い意気込みをやはり感じられないと私は思うわけでございます。
 これからも綱紀粛正委員会をつくっていろいろと引き続き調査するということでございますが、これ以上いろんな、今回初めての異例なとんでもないケースであったということを先ほど申されましたけれども、同じようなことがまた発覚しないとも限りませんし、そういうようなことになったときには大変な事態になると思いますし、そういう意味で大臣の強い決意でこの取り組みをやるべきであろうと、このように申し上げまして、次の質問に移りたいと思います。
 震災関連の問題でございますけれども、避難所の問題につきましては、本来、災害救助法が予定しておる避難所というのは、二カ月とか三カ月とか非常に長期にわたる避難生活というのを想定しておらない、このように考えるわけです。未曾有の大災害によりまして避難生活が大変長期にわたっておるわけでございまして、それに伴うさまざまな、特に弱い立場の方々への配慮とか体制、健康チェックが非常に懸念され心配されておるわけでございます。
 そういう意味におきまして、命と健康を守っていくという観点からボランティアにとても任せておけるような状況じゃない、こういうときこそ政治、行政が温かい配慮をしていくということが求められておる、このように思うわけでございます。
 そういう認識でお伺いしたいと思うわけでございますけれども、現在、兵庫県、大阪における避難所、最新の情報で避難所の数、また避難者の数、御報告をお願いします。
#94
○国務大臣(井出正一君) お答えをいたします。
 三月十日現在、兵庫県で避難所八百十二カ所、避難者の数八万六千三百六十人、大阪府の方は避難所が四十七カ所、避難者の数五百五十二人でございます。合わせますと八百五十九カ所、八万六千九百十二人の方がいまだ避難所生活をされていらっしゃいます。
 ただ、これは十日現在なんですが、十一日の午後三時現在、兵庫県の方からの数字が入ってきております。これによりますと八百八カ所。四カ所減っています。人口は八万六千四十三人でございます。ただ、大阪の方がこの数字がありませんものですから、合わせまして十日のことを申し上げた次第であります。
#95
○山下栄一君 きょうお聞きしたいのは、この報告の吸い上げの体制なんですけれども、現在、避難所の管理のシステムといいますのはどうなっておるのかということをお伺いしたいと思うわけでございます。
 たくさんの各避難所、兵庫県で八百数カ所、大阪で四十数カ所、これはそれぞれ管理責任はだれで、どういう立場の方がつくようになっておるのか、また一カ所一人なのか、それとも何人かで担当されておるのかという、この辺の責任の管理体制についてお伺いしたいと思います。
#96
○国務大臣(井出正一君) 避難所の設置並びに運営管理は都道府県から委任を受けて市町村が行うこととなっておりますが、今回の災害の場合、規模が大変甚大でありまして、避難者の数も多数に及んだことから、地域防災計画等で指定してあった避難所のみでは対応できなかったこともございまして、管理体制が必ずしも十分でない面があったことは承知しております。
 実際の管理につきましては、学校が避難所となっている場合は校長先生等が、またその他の避難所では市の職員等が当たっている場合が多いわけですが、自治会長さんとボランティアを含めてそういった皆さん方に管理をお願いしているケースもかなりあります。御提案の趣旨といいましょうか、行政がしっかりと責任を持ってやるべきだということは大変重要なことであると思います。
 ただ、今申し上げましたように極めて甚大な被害のため、限られた市町村の職員の中ではすべての避難所に係員、職員を張りつけて管理することは実際なかなか困難でございまして、避難されている方々の自治組織の活用等によって管理運営体制の整備をすることも今まではやむを得なかったのじゃないかな、こう考えております。
 しかし、いずれの避難所でもこれらの方々が行政とも十分連携をとって適切な管理に努めていただいているものと認識しておりますし、今後だんだん減ってまいります。そうなりますと職員の方で管理ができるような状況もいずれ生まれてくると思いますから、一日も早くそうなることを期待しておるところであります。
#97
○山下栄一君 各避難所からいろんな報告を吸い上げる体制があると思うんですけれども、どういう報告がされるようになっておるのか、統一した何か報告内容というのがあるのかどうか、お伺いしたいと思います。
#98
○政府委員(佐野利昭君) 例えば神戸市の場合でございますと、神戸市の職員が各避難所を巡回して回っておりまして、各避難所からの情報を集約いたしましてそれを集めておると、こういう状況でございます。
#99
○山下栄一君 だから、避難所の状況というのは具体的にどういうことですか。どういう内容のことを統一的に掌握されておるのかということ。
#100
○政府委員(佐野利昭君) まず各避難所に大体どのくらいの数の方がいらっしゃるか、そしてその中にどのような状況の特にお困りになっている方がいらっしゃるか、そういうような個別ケースにつきましても報告をいただいております。
 また、今、何が必要とされているか、その中で例えば食料の提供でありますとかあるいは畳ですとか毛布ですとか、そういう物品の配布が必要であるか、あるいはおふろの入浴サービスなどが必要であるかとか、そういう各情報をパトロールの際に集めまして、そして市役所に集中して後の対応を図っていると、こういう状況でございます。
#101
○山下栄一君 人数だけでなくて中身の掌握が非常に私は今一番大きな問題になっていると思うわけです。
 この報告の中で、具体的にお聞きしますけれども、高齢者の方、障害者の方、未就学児童の人数、こういうことが掌握できるような体制になっておりますか。
#102
○政府委員(佐野利昭君) 高齢者、障害者につきましては、現在そこの中で個票をつくって調査を実施している最中というふうに報告を受けております。
#103
○山下栄一君 個票を配ってという答えは前からお聞きしているんですけれども、全避難所において統一的に、高齢者の数はこれだけ、そして障害者の各級、一級の方はこれだけ等、また未就学児童の人数はこういう人数であるというふうなことが全避難所から吸い上がってきちっと掌握できるような体制になっておるんですか。
#104
○政府委員(佐野利昭君) 現在、その作業をやっている最中というふうに報告を受けております。
#105
○山下栄一君 配って吸い上げる状況になっておるということなんですけれども、これは避難生活が先ほど冒頭申しましたようにもう二カ月になろうとしておる。それで、要するに八万人を超える方々が避難生活をされておる。いわゆる避難所で共回生活という形の生活がずっと続いているわけです。異例の長期にわたる状況の中で、人間的な生活の保障がされておるのかというふうなことが非常に心配な状況で続いておるわけでございまして、ところが先ほど厚生大臣がおっしゃいましたように、各避難所においては基本的には善意のボランティアに任されておるような状況であるというふうな実態があるわけです。
 私は、今回の極めて想像を絶する災害において、こういったくさんの八万を超える方々がもう二カ月以上にわたって、これからも仮設住宅ですか、そこに入るまでに一カ月、二カ月かかるかもわからないという状況を考えますと、またさらに一カ月、二カ月、全部合わせて三カ月、四カ月のそういう極めて状況のよくない中で共回生活を強いられるということが続くわけでございまして、私はこういうことを考えますと、今までの災害救助法のルールではとても間に合わないのではないか。そこに暮らしておられるお年寄り、また障害者の方を初めといたしまして、しっかり命と健康を守っていくという、救済された方々がまた重い病気にかかって、そして場合によっては自殺者が出るというようなことが今後ないようにするために管理責任体制を、今回の災害に限ってでも結構ですけれども、ルールづくりが必要なのではないかと。
 きちっとした責任体制をし、そして人数がなければ応援体制でも組んで公の掌握体制をとるという、そういうようなことをすべきではないかと思うわけでございますが、この点につきまして、厚生大臣、また小里大臣のお考えをお聞きしたいと思います。
#106
○国務大臣(井出正一君) 御指摘のように、今回のこの大災害、我々もよもやと思った事態でもございました。しかし、災害救助法というのは、災害の発生した当初、緊急に対処するために用意された法律でございまして、その意味では極めて大まかといいましょうか、一般基準はありますが、その災害の程度によっては特別基準という形でそれなりに対応できるような体制を整えているわけでございます。
 しかしながら、今回の状況を十分反省しながら、先生御指摘のようなきちっとした対応ができるようなルールづくりをこれから目指して検討していかなくちゃならぬとは私も考えておるところであります。
#107
○国務大臣(小里貞利君) 厚生大臣と全く同じ見解でございます。
#108
○委員長(坂野重信君) 山下栄一君の残余の質疑は午後に譲ることといたします。
 午後一時に再開することとし、休憩いたします。
   午後零時一分休憩
     ―――――・―――――
   午後一時一分開会
#109
○委員長(坂野重信君) ただいまから予算委員会を再開いたします。
 平成七年度一般会計予算、平成七年度特別会計予算、平成七年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題とし、休憩前に引き続き、山下栄一君の質疑を行います。山下栄一君。
#110
○山下栄一君 午前中最後のところで、避難所の責任体制については、今回の大災害については今までの災害救助法の範囲では対応し切れないところがあるということで、新しいルールづくりが必要であるということを厚生大臣並びに小里担当大臣から確認させていただいたわけでございますが、事は緊急を要することでもございますし、午前中でも明らかになりましたように、現在、各避難所の管理責任者といいますか、これは市の職員がやっている場合もあれば教師がやっている場合もあれば自治会の役員とかそういう形で、統一されたものじゃない。そして、報告内容も全体の人数とかお弁当の数とかそういうことになっておりまして、どういうことが必要最小限責任範囲としてやるべきことかということもはっきりしておらないと。
 私は、先ほど特に高齢者とか障害者については何か個票を配って掌握中であるという話を聞きましたけれども、そういうレベルではもうないのではないのかなと。そういう弱い立場の方々の健康、そして命を守っていくということを踏まえまして、毎日そういうふうな個票を配らないとわからないということじゃまずいのではないのか。きちっと日常的に掌握できるような、そのような責任体制が今、本当に緊急に問われておるということを思います。
 この責任体制、人数が多いからできないとか少なくなればできるという問題ではない、このように思いますので、単に自治体任せではなくて、特に神戸、西宮におきましては、とても今、市の職員を派遣できる状況ではない、もう本当に現場にお任せする以外ないというふうなこともあるわけでございまして、たしかきのうはここにいらっしゃったはずなのにきょうはいらっしゃらないとか、あれ、この人きのうおったかなというふうな方がいらっしゃるというふうなことで、非常にあいまいな形の掌握になっておるということもございます。特に弱い立場の方々のことを考えまして、災害救助法では適応できない状況になっておりますので、各避難所におけるきちっとした責任体制のルールづくりを早急につくっていただいて、市、県とあわせて御検討をお願いしたい、このように思うわけでございます。
 それで、避難所にいらっしゃらない方々、特に高齢者、障害者の方でございますけれども、特に最近問題になっております半壊家屋、非常に危険な状況のおうちで、共回生活には耐えられない、例えば御夫婦のお年寄り世帯でどちらかが寝たきりであるとか、とてもじゃないけれどもみんなの前でおむつの交換なんかできない、こういうようなことから、また住みなれたところを離れたくないということから、半壊家屋に今も、危険な状態の中で周りの方々の御心配にもかかわらずそこで生活している方もいらっしゃるという非常に厳しい現実があるわけでございまして、これが谷間になっておりまして非常に掌握もできておらない。
 ごく一部のボランティア等の努力によってヘルパーさんが急遽派遣されるというようなこともあるようでございますけれども、これにつきましてもきちっとした派遣体制なりを、少なくともそういう方々の掌握をぜひともできるような体制をつくるべきではないか、このように思うわけでございます。やはり善意に任せておいてはまずいのではないかなと思いますけれども、この点いかがでしょうか。
#111
○政府委員(佐野利昭君) 先生の御指摘のようなケースにつきましても、先ほど申し上げました県のパトロール隊が中心となりまして、例えばホームヘルパーでありますとか保健婦あるいは保母さん、それから民生委員だとか児童委員の方々の御協力を得まして、今、在宅の方々も含めました実態把握に努めております。
 既にそういうふうな調査の過程におきまして、早急に対応を必要とするような方、例えば施設へ早急に入っていただいた方がよろしいようなケース、それにつきましては施設に入っていただくというような形もやっておりますし、またホームヘルパーの定期的な見回りの必要なケースにつきましては、ようやくホームヘルパーの派遣体制も戻ってまいりましたのでホームヘルパーを派遣する、こういうような体制もとっているところでございますが、まだまだ不十分でございますので、そういう点につきましては実態把握にも努めるように、そしてまたそういう体制をきちんととるようにということで、先般も私の名義で指導の通知を差し上げたところでもございます。
#112
○山下栄一君 今申しましたような、避難所ではない、御自宅で、また借家も含めまして半壊家展で住むことを余儀なくされておる、住みなれたところであるということもございまして、危険であるけれどもそこに住んでいらっしゃるお年寄り、障害者の方につきましては、私は、災害救助法の住宅応急修理の適用をやはりきちっとやっていくべきではないかなと、このように考えておりますが、この適用状況につきましてお聞きしたいと思います。
#113
○政府委員(佐野利昭君) 現在の災害救助法の適用市町村の中で、兵庫県、大阪府合わせますと十五市町で応急修理の申請を受け付けておりまして、申請件数は現在、兵庫県の中では二百二十九件、大阪府では五十七件という報告を受けております。
 この中で既に実施をいたしましたのが五十二件でございますが、その他のものにつきましても早急に審査の上実施していただくというふうに予定をいたしております。
 また、まだ申請受け付けなどを実施していない市町におきましても、その必要性を把握してこの適用を行うようにという指導をいたしているところでございます。
#114
○山下栄一君 先ほど指摘しましたような半壊家展におけるお年寄りの状況の中で、トイレを直せば、また屋根を直せばある程度きちんとした生活ができるという状況があるので、この住宅応急修理という条項は積極的に適用すべきではないか、このように考えておるわけでございます。トイレもできないような状況で住むということは悲惨なことでございますので、そのためにこの条項があるというふうに思いますわけでございます。
 ただ、今お話しございましたように、適用状況が極めて厳しゅうございまして、神戸市などは全然まだ検討中であるというようなことでもございまするし、大阪ではごく一部実施されておるというふうな現実があるわけでございます。
 大臣、この半壊家屋というのは兵庫県でも十万ぐらいあるわけでございますが、この中でお年寄りとか障害者の方々が住みなれたところなのでと、だけれどもそういう応急修理する費用がないという、そういう状況があるわけでございますので、この辺の適用基準を緩和いたしまして積極的な運用をお願いしたいと思うわけでございますが、この点いかがでしょうか。
#115
○国務大臣(井出正一君) お答えをいたします。
 災害救助法に基づく住宅の応急修理でございますが、これは半壊、半焼の被害を受けた住家のうちでみずからの資力では対応できない被災者に対し、居住のための必要な居室とかあるいは炊事場とかお便所等の最小限度の部分を応急的に補修するものでありまして、このための費用につきましては一般基準として二十九万五千円と定めているところであります。
 災害救助法に基づく各種救助は臨時応急的なものでありまして、また応急修理は個人の資産を修復するものでありますことから、その対象を必要最少限度の部分としているものでございます。一定の要件のもとに対応せざるを得ないと考えております。本格的な修復を行う場合には、低利の融資制度である災害援護資金等の活用を図っていただきたいと考えるわけでございます。
 なお、この二十九万五千円の基準額でございますが、これはあくまでも一般水準でございます。したがいまして、具体的には、兵庫県がもうちょっとあれすればこれでもいいよというような判断をなされた場合には当然私どもに協議があると思いますし、その場合にはまた検討をしていくつもりであります。
#116
○山下栄一君 大臣、半壊家屋という危険な家屋にお年寄りが住んでいらっしゃる。修理するそういう余裕がない。そういう状況の中で、共同生活である非難所生活ができない。共同生活の公開された中でおむつなんてかえることはできないわけですから。仮設住宅であれば、住みなれたところではないのでストレスがたまるという、今まで住みなれたおうちが危険家屋の状態にあるわけですから、この条項を私は積極的に適用すべきである、このように思うわけです。
 だから、現場サイドの適期を待っているのではなくて、国が積極的にこういう条項をできるようなそのような適用緩和を、二十九万五千円にしても少し柔軟に、資力がない方につきましても、今まで財産があった人でも今回なくなってしまっているわけですから、修繕できない状況にあるわけですから、その辺の資力の問題につきましても柔軟に私はやるべきであると。もうちょっと、これは大臣の判断でできるわけですので、大臣の積極的な取り組みをぜひともお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。
#117
○国務大臣(井出正一君) そういうお気の毒な状況にあられるお年寄りとかあるいは身障者の皆さんにつきましては、今建設中の仮設住宅の方へ優先的に入っていただくことをまず第一に考えるべきだと思います。
 それで、やはりある程度応急修理で住むことができるようになられるような状況のところにいらっしゃる場合は、また個別に市町村あるいは県が判断をしてくださると思いますが、なかなか半壊みたいなところで応急修理で果たしてこれから生活していただけるような状況に回復できるかどうか、ちょっと私は疑問でありますから、むしろ別の道でそういう皆さんに対しては考えていく方がよろしいんじゃないかなと、こう思うのであります。
#118
○山下栄一君 大臣、ちょっと認識を変えていただきたいんですけれども、ついの住みかとしてそこに住み続けておられるわけですから、何ぼ危険でもいらっしゃるわけですから、応援を差し伸べることが私は大事だと思いますし、そういう条項があるわけですから積極的に適用すべきであるということをお訴えするしかありません。
 ちょっと時間がございません。申しわけありません。
 瓦れきの処理の件なんでございますが、その中で特にアスベストの対策につきましては、既に各省庁連絡会議で打ち出されているわけでございますが、この内容を見ますと、吹きつけアスベストだけが想定されておるのではないかなと、このように思います。合板に使用されておりますものやコーティングされたアスベストは、飛散、飛び散る、そういう心配が全くないのかどうか、確認したいと思います。
#119
○政府委員(大澤進君) 御承知のように、吹きつけについては飛散する可能性が非常に高いということでいろいろ注意をしておるところでございますが、それ以外の建材についてもアスベストが以前は相当使われていたようですけれども、最近では建材に石綿を混入する割合といいますか比率が非常に低くなっておりまして、そういうことからしますと、全然入っていないわけではございませんけれども、仮に飛散してもそれほど大きな量ではないのではないか。ただ、吹きつけにつきましては、そのものが飛散しているというようなことから、使われた場所については十分注意をしていく必要がある、かように考えております。
#120
○山下栄一君 吹きつけアスベスト以外のものでも心胆があるということでしょうか。
#121
○政府委員(大澤進君) 今、現場の実態は、もちろん把握をきちんとされているわけではございませんが、当面は吹きつけアスベスト中心に今、点検調査をやっております。
 先ほど申しましたように、建材等に使われているものについては、使われている実態等からすると非常に量が少ないのではないか。ただ、私ども逐一個別に調査、把握しているわけではございませんが、そういう見込みをしているところでございます。
#122
○山下栄一君 不安はあるということであるわけでございます。
 今回の大災害におきまして、このアスベスト製品の取り扱いにつきましても新しい対応を考える必要があるのではないか。地震のような大災害があって、コーティングされたアスベストでも、今までは安全であるという前提のもとに建材等で使われておったわけでございますが、今回のような異常な状況の中で飛散している可能性もあるということでございますので、このアスベスト問題につきましては抜本的な法改正も含めます取り組み、今までの取り組みには想定されていない状況が出てくる可能性もあり心配もあるわけでございますので、このアスベスト問題につきましての環境庁の取り組み、また建設省の取り組みにつきましても抜本的な再検討が必要であるのではないかなと、このように思うわけでございますが、いかがでしょうか。各大臣、お願いします。
#123
○国務大臣(宮下創平君) 御指摘のように、今回、解体撤去作業が進行中でございまして、アスベスト粉じんの飛散による健康被害というのが非常に懸念をされるわけでございます。
 私どもとしては、今まで建設、労働あるいは県、市等と対応いたしまして解体業者等で扱いを徹底するように指導いたしまして、また環境庁独自では環境モニタリング調査等もやってまいりましたが、なお今御指摘のようないろいろの問題がございますから、これは今回の大震災の前に設置されておりますが、八省庁の石綿対策関係省庁連絡会議というのを設けまして当面の粉じん対策を協議いたしております。
 これはそもそも今回の大地震前に設置されているものでございまして、この製造は禁止されておりませんけれども、しかし今回のような経験にかんがみますと、粉じんの中にアスベストがかなり飛散しているというように思われる節もございますから、これは今後検討させていただかなくちゃならぬなというように思います。有害であることは間違いありませんが、しかし製造は禁止はされておりません。
 今後の建築に当たって、今お話しのように、吹きつけアスベストはコンクリート等に主としてあれしておりますが、非常に飛散の状況があるようでございますから、今後もひとつ注意深く関係省庁で連絡をとってやらせていただきたいと思っています。
#124
○国務大臣(野坂浩賢君) お答えをします。
 環境庁長官がお話しになったのが概略でございます。
 建設省が調査をした結果は、二十年ほどアスベストは使っておりません。その前のものがあるわけでありまして、この粉じんをどう除去するか。粉じんの場合は薬剤散布をして固定化させる、そして封じ込めをする。これは今お話があったように、関係省庁は二月二十八日にこの技術の問題について検討してその方向を出しております。また、除去する人の着物、衣類その他についても、水で洗い落としが早い、そしてまたつきにくいというようなものを使って作業を行っておるというのが現状でございまして、相当あると思うものは、先生もごらんになって御承知かと思いますけれども、シートを張りまして粉じんを防ぐ、全壊の場合はそういうふうな作業をしておるところでございまして、やり方は三つの方法があります。
 したがって、この内容について建設省としては、先生も御承知だと思いますが、時間の関係から簡単に申し上げますが、日本建設業団体連合会や全国建設業協会、日本建設業経営協会、全国中小建設業協会、日本土木工業協会、建築業協会、その他とび識とかクレーン車とか機械とか解体作業というような組合にそれぞれの技術の問題について話し合いをさせ、これについて対応して御心配のないように極力建設省としては努力をし、これからの法的問題については環境庁等とも十分話し合って検討しなきゃならぬ、そういうふうに思っております。
#125
○山下栄一君 アスベストの生産そのものに対する取り組みですけれども、今回非常に、先ほど申しましたように、新しい事態であると。今まで吹きつけアスベスト以外の安全であると言われていたそういうアスベストを使っている製品につきましても、建材を中心にして、飛散を含めまして、飛び散ることも含めまして非常に危険な状況が想定されているということにつきまして、通産省のお考えをお聞きしたいと思います。
#126
○政府委員(江崎格君) 御承知のように、我が国のアスベストは、適切に管理すれば使用できるという認識のもとに、労働安全衛生法ですとかあるいは大気汚染防止法などによりまして濃度規制による規制が行われているわけでございまして、この内答は国際的には遜色のない規制になっておるわけでございます。
 私ども通産省としましては、このアスベストの問題については、製造工程等における管理をより厳密にするということから、石綿粉じん排出抑制マニュアルというものを策定いたしまして生産工程等における粉じんの飛散の防止の徹底を図るということをやっておりますし、また中小企業等に対してそれらの普及の講習会等を実施しております。
 それから生産の問題でございますが、これはアスベストの代替製品ですとかあるいは低減化製品、こういったことについての各種の実態調査あるいはその開発の促進を図るために中小企業向けのガイドライン等を作成するというようなことをやっております。
#127
○山下栄一君 ちょっと厚生大臣にお聞きいたしますけれども、瓦れきに関する公費負担ということで第二次補正でも三百四十二億ということが決まったわけでございますが、この中にはアスベストの処理費、また分別に関する費用等、これは含まれておるんでしょうか。
#128
○政府委員(藤原正弘君) 瓦れきの処理の中には、一般的なコンクリート殻、廃木材、そういうふうなものの解体から収集、運搬、最終処分まで全体を含んでおります。したがいまして、今、先生の御質問は、アスベスト、石綿のものというふうに言われましたが、そういうふうに特別に分離して計上しておりませんが、コンクリート殻、それの解体、収集、運搬、最終処分ということで一括して入っておる、こういうふうに考えていただければいいと思います。
#129
○山下栄一君 ちょっと何かおかしいですね。アスベストは飛散しないようにさまざまな処理をするお金がかかると思うんですけれども、これは解体に伴う費用だと思いますが、本当に入っておるんでしょうか。
#130
○政府委員(藤原正弘君) 解体するときにアスベスト等が周辺に飛散しないようにという注意をして解体をするという前提で考えておりますので、解体、収集、運搬、最終処分全体を含めた瓦れきの処理ということでその費用は含まれているというふうに考えております。
#131
○山下栄一君 三百四十二億の積算根拠を問う時間がございませんが、非常に疑問でございます。
 解体に伴う問題といたしまして、倒壊した家屋の中にある家財道具を解体するときにどこに保管するかということが非常に大きな問題になっておりまして、仮設住宅に持っていくわけにはいかない、だけど家財道具を置く保管場所を一時確保しないと解体ができないという、そういう非常に極めて深刻な問題があるんですけれども、これに対する対策はあるんでしょうか。
#132
○国務大臣(小里貞利君) 御承知のとおり、罹災者すなわち所有者からのこれは廃棄物でございますという申し出によりまして、市町が廃棄物処理法に基づいて災害廃棄物処理事業を行っておるわけでございますから、したがってその原則でいけばただいま先生がおっしゃったそのような混乱はないものと、さように判断をいたします。
 しかしながら、実態といたしまして若干その辺の品物の区分作業というものが処理作業に多少障害になっておるという実情は認識をいたしております。
#133
○山下栄一君 大臣、全壊家屋だけでなく、半壊家屋につきましても問題があるわけですから、それについてはもう家財道具を移動しないと解体できないという状況が本当に深刻にあるんですよ。この認識を厳しくお願いしたいというふうに思います。対策をとっていただかないと解体作業が進まないという、これが現場の声でございますので。
 最後に、いじめ問題を少しお聞きいたしまして、終わりたいと思います。
 十二月の段階では、震災までは、いじめ問題が非常に大変な大きな問題でありましたけれども、今は陰に隠れておるわけでございます。政府におかれましても関係閣僚会議で対策も考えられて、首相みずから御意見も述べられるというふうなこともあったのでございますが、その後、いじめに関する深刻な自殺等を含めます問題は相変わらず続いておるというふうに認識しておるわけでございますけれども、この点につきまして、十二月に文部省に設置された緊急会議以降起きました自殺事件等の数がわかりましたらお願いしたいと思います。
#134
○国務大臣(与謝野馨君) 愛知県であのような痛ましい事件が起きましたときに、緊急に専門家の皆様方にお集まりいただきまして、今後の対策はいかにあるべきかということを議論をしていただきました。実は、その結果がきょうの午後二時に私のところに参ります。その中では、多分いろいろな重要な御提案もあり御忠告もあると思いますので、今後、文教行政の中でその御提言や御忠告をきちんと生かすということが必要であると思っております。
 それと同時に、あの事件が起きましてから、私どもは全国の教育委員会を通じましてすべての学校で、いじめがあるのかないのか、こういうことをきちんとチェックしていただいております。その結果の集計も間もなく参りますので、そういうものを発表しながら、世間に対し、社会に対し、このいじめ問題の深刻さということをお訴えし、解決に御協力をいただきたい、そのように思っております。
#135
○山下栄一君 この基本認識につきまして少し意見交換したかったんですけれども、時間がございませんので、具体的な提言を少し申し上げたいと思います。
 これは文部省その他でも具体的な形で言われているわけでございますが、地域における都道府県ないし市町村教育相談センターの相談員を、今まではどちらかと申しますと教育経験者が多かったわけでございますが、それ以外の方々も含めまして相談員を選抜して配慮して強化していこうということがあるわけでございますが、これにつきましては来年度予算ですか、十四億が計上されておりますが、この具体的な運用方針をお聞きしたいと思います。
#136
○国務大臣(与謝野馨君) いじめ問題の解決に当たっては、児童生徒の心の悩みに答える適切な相談活動を行うことが重要であると考えております、都道府県、市町村の所管する教育相談機関の相談員については、教員経験者、指導主事、医師、臨床心理士など幅広い分野から各相談機関の実情に応じて配置されているものと承知をしております。
 平成七年度においては、教育委員会における教育相談員の配置については地方財政措置も講じられることとなっており、文部省としては、今後とも教育界のみならず心理学や医学など幅広い分野から適切な人材が得られるよう指導してまいりたいと考えております。
#137
○山下栄一君 最後に一言、官房長官、申しわけありません。
 政府全体の取り組みとしまして、このいじめの問題はないがしろにできない、引き続き継続して取り組まなければならない国としての大きな課題であると思うわけでございますが、内閣の取り組みについてお聞きしたいと思います。
#138
○国務大臣(五十嵐広三君) やはり弱い者をいじめるということは最も恥ずべきことであり、許されることでないという基本的な認識をきちんと共有していくということは大事なことでありますので、そういう意味で、いじめの問題につきまして、子供たちがこの理念の上でお互いに思いやりを深く持ちながら、学校や家庭や社会でお互いに手を携えて取り組んでいかなくちゃいけないというふうに思っている次第であります。委員も今御指摘のように、そういうような考え方に立って文部省を初めとする関係省庁が一致協力して、内閣全体としても問題の解決に取り組んでいるところでございます。
 先ほど文部大臣からもお話がございましたように、昨年十二月に児童生徒のいじめ問題に関する関係閣僚会合を開催いたしまして、文部省を中心として関係省庁が問題の解決のために省庁の区別を取り払って力を合わせて協力しようということになっているわけであります。かつ、これを踏まえて関係省庁で構成される青少年対策推進会議を開きまして、相談体制の充実など文部省を初め関係省庁がそれぞれ取り組むべき事項について申し合わせをしながら内閣全体として努力しているところでありますが、極めて重要な課題でありますので、今後も力を尽くして内閣としても努力したいと、このように思う次第であります。
#139
○山下栄一君 終わります。
#140
○委員長(坂野重信君) 以上で山下栄一君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ―――――――――――――
#141
○委員長(坂野重信君) 次に、中村鋭一君の質疑を行います。中村鋭一君。
#142
○中村鋭一君 金曜日の日に質問通告はさせていただいておりましたが、たまたま午前の委員会で武村大蔵大臣から、今回の高橋前理事長と大蔵省職員との交際の問題につきまして処分の発表がございました。私、予定を変更させていただきまして、その点について関連の幾つかの質問をさせていただこうと思います。
 大蔵大臣、朝からの処分の発表によりますと、この措置は、従来職務と無関係な私的な交際の問題に関してはとられた例のない措置でありますし、かつ、この種の措置としてはこれまでの例で最も重いものであると考えますと、こうおっしゃいましたが、本当にこの訓告という処置が国会においてもあるいは国民においても最も妥当で重い処分であると、このようにお考えでございますか。
#143
○国務大臣(武村正義君) 法に違反する場合は懲戒処分が国家公務員法上明確に規定をされているわけでありまして、どちらかといえばこの懲戒処分に比べれば重くないという印象を与えるかと思います。
 私どもの調査の結果は、申し上げたように、法に触れないということもありますが、職務と直接関係のない個人的なつき合いに対して節度を超えているという認識をいたしまして、そういう認識の上では精いっぱいの厳正な処置を行ったというふうに思っているわけであります。
#144
○中村鋭一君 内閣の官房にお尋ねをさせていただきたいんですが、急な質問ですから、もしお答えになれなければ私が申し上げてもよろしいんですが、国家公務員法に言うところの懲戒、特に第八十二条の処分規定について教えていただけますか。−申しわけございません。私が出席の要請をしておりませんので、じゃ結構でございます。
 では、私の方からここにございますから読ませていただきますが、第八十二条、「職員が、左の各号の一に該当する場合においては、これに対し懲戒処分として、免職、停職、減給又は戒告の処分をすることができる。」、こうなっているわけでございますが、大臣、今の説明によりますと、この規定は、「懲戒処分として、免職、停職、減給又は戒告の処分」というのは今回の事例には当てはまらない、こういう見解でございますね。重ねてお伺いします。
#145
○国務大臣(武村正義君) はい、そういう見解であります。
#146
○中村鋭一君 これは私はそうではないと、こう思います。
 といいますのは、これは今回、田谷さん初め皆さんがおつき合いをしておられたのは高橋さんですね。高橋さんというのは信用組合の前の理事長でございまして、これはまさに今、国家的関心を呼んでおります二信用組合の共同銀行くの移行といいますか救済問題とも絡んで、現に高橋さんは国会に証人として喚問をされている方なんですね。いわば時の焦点にある方でございます。その人とのおつき合いがこのような形で明らかになり、しかもこれは、武村さん、先ほどもあなた自身が認められたと思うんですが、ゴルフのつき合いをしたと。ゴルフのつき合いは、それは会費を払った場合もあるが、そうでない場合もあるから、だからこれはゴルフの費用、ゴルフに要したお金は高橋さんの側で負担をした、そのような理解である、それが節度を超えていると、こういうふうにおっしゃったと思うんですが、それ間違いございませんか。
#147
○国務大臣(武村正義君) 自分が払った場合もあるし払わなかった場合もあるという報告であります。ゴルフ、会食、全部日時を特定させて記憶を回復させて詳細に確認をしたわけではありません。会食についても、会費制の場合もおったし、そうでなかった場合もありますと。
 そうでないというときはだれかが負担したということでありますが、恐らく、よく私も経験がありますが、政治家のだれかが主催される場合に他の政治家あるいは官僚、財界人が同席をする場合がありますが、だれかに誘われたときに誘った人が経費を持っていただいているのかなと、常識的にはそう思いますが、一々それを確認しない場合もあります。あるいはその政治家の背後にだれかスポンサーがいて実質その人が持っているのか、あるいはそれも政治家個人なのか政治団体なのか、ぎすぎすしますからそこまで確認しないで、誘われた政治家を信頼してその席に行くということもありますよね。
 官僚の場合もまた、多少次元は違うかもしれませんがそういうケースがあって、今思い起こして数回高橋氏も同席している会合に出ましたと、それが一つ一つだれがスポンサーであったか、会費の場合ははっきりしますけれども、定かでないということであります。
 なお、先ほどおっしゃったように、今こういう事態になって高橋氏が非常に社会的にも関心は向けられておりますし、今、既に告発をされている存在でもあるという意味でとらえることができますが、この田谷氏の香港の旅行も五年半前のことであります。当時は、高橋氏というのはまさにイ・アイ・イ・グループの代表者、経営者ということで世間には知られていて、マスコミ、新聞の世界でもまさに若い経営者の星としてむしろプラスイメージでだんだん宣伝をされていた時期であります。そういう時期でのつき合いだということも、別にそれはだからいいという意味じゃありませんが、不用意さを誘った一つの背景だというふうにも一言えるかもしれません。
#148
○中村鋭一君 それは武村さん、あなたが今おっしゃったように、だからといって、これが何年前のことで当時は経営者の星と言われた人だから、ゴルフに行こうが一緒に飯を食おうが、それはそのときで完結している問題だから、今になって高橋さんが時の人になって、それもマイナスイメージで時の人になっているから、それはそれで本人にとってはまるで不運なごどのように私は印象を受けるけれども、これは違う、こう思うんですね。これは違いますよ、それは。
#149
○国務大臣(武村正義君) いや、そういう意味でかばおうと思って言っているわけではありませんが、当時のそういう私的な、いわゆる財界人との個人的なつき合いであったということを申し上げているわけであります。
 公務員はそういう民間人とつき合ってはいけないとか、個人的なつき合いは一切慎むという立場であればそれは法に触れることになりますが、そうでないという社会通念、公務員のやはりそれなりの常識、それも時代時代によって多少は変化するかもしれませんが、そういう中での判断になるということを申し上げたわけであります。
#150
○中村鋭一君 私が先ほど読んだことについて、「免職、停職い減給又は戒告の処分」、これは国家公務員法の規定にそのようにあることで、今回はそれに当たらないという意味のことをおっしゃる。だから訓告だと。訓告はそういう意味では大変重い処分だと、こうおっしゃいましたが、大臣、ここにこういう規定があるんですね。
 第八十二条、今の、免職、停職、減給又は戒告の処分をすることができる。
 一 この法律又はこの法律に基づく命令に違反した場合
 二 職務上の義務に違反し、又は職務を怠った場合」、これはここまでは武村さんがおっしゃったことが当てはまるかもしれませんが、八十二条第三項として、「国民全体の奉仕者たるにふさわしくない非行のあった場合」、こういう規定がある。
 私は、今回のケースはまさにこの第三項の「国民全体の奉仕者としてふさわしくない非行」をこの皆さんはおやりになったと、国民の理解は私はそういうものだと思うんですよ、だとすれば、やはりその点について、法律上に照らしたらこれは問題ないんだから、だから訓告でいいんだということにもならないし、この場合に例えば武村さんがこの本人を免職とか停職とか減給とか戒告の処分をされたからといって、国民は、いや随分大蔵大臣、過酷な処分をしたな、けしからぬことだなとは私は思わないと思います。
 今回処分された皆さんについては、特に田谷さん、それから中島主計局次長、これは主計畑の方ですね。田谷さんは当時主計におられたはずですよ。主税とか主計の方というのは国民の貴重な税金を預かって、その税金をちょうだいするか、あるいはその税金の使い道を決めるか、大変な重い責任を持っている、そういう存在でしょう。
 私、聞いたことがありますが、やっぱり税務署の方は、例えば査察に入る場合に、相手方へ行ってコーヒー一杯まあどうぞといって出されても絶対お茶にも手をおつけにならない。それぐらい非常に厳正に、国民の負託を受けている者として、莫大な税金を預かって使う者として、それをちょうだいしたり使う側に回る立場の者として、それぐらいのノーブレスオブリージュとでもいいますか、そういう立場にある者はそれだけ非常に厳正な立場を貫いていらっしゃるわけでしょう。
 とすれば、今回の川谷さんのこの訓告という処分は、私は、国民の納得するものでもないし、法律の規定にこれ照らしても、国民全体の奉仕者たるにふさわしくない非行のあった場合」、まさにこれは、ゴルフの接待にあずかったり自家用飛行機で運賃も払わないで行ったことは、少なくとも主計畑や主税畑にある人としてはこれは非行と言うに値する行為であったとすれば、この国家公務員法を適用してもっと厳正な処置をされてもよかった、こう思います。それについて御意見ございますか。
#151
○国務大臣(武村正義君) 国家公務員法は、公務に対する国民の信頼を確保するために、業務上横領、職権乱用等職務に関連して非行を行うなど、個々の職員が占めている官職の信用を損なうこと及び勤務時間外の傷害、暴行行為等、公務員全体にとって不名誉となる行為を行うことを禁止いたしているものであります。
 今回の問題は、職務とは関係なく私的な交際の問題でありますが、かつ同法に基づく懲戒処分が法律上の制裁処分として被処分者に法的不利益を与えるものであることにかんがみますれば、これを適用することは私は難しいと判断をしたわけであります。今申し上げたように、第三項の行為は職務の内外を問わないものであることは御指摘のとおりでありますが、「国民全体の奉仕者たるにふさわしくない非行」、この「非行」とあるのは暴行、傷害行為等々、その行為自体が非行としての評価を受ける行為であるということを要するという解釈がなされているところでございます。今回の問題はそういう意味ではこれに該当はしないという判断をいたしております。公務員法の専門家の複数の判断も含めて、私どもはそのことを参考にしながらこういう判断をとらせていただきました。
#152
○中村鋭一君 武村さん、私、ここで何も法律論争をするとか、一字一句にこだわった、判例に基づいた解釈を伺っているんじゃないんです。
 私があくまでも申し上げたいのは、今回あなたが、この種の措置としてはこれまでの例で最も重いとおっしゃる訓告処分というのは、国民一般の理解からすれば、これはあなたがおっしゃるように最も重い処分とはどうしても私には思えないし、国民の皆さんもそう思っていらっしゃるだろう。そして、あなた自身がおっしゃったように、この問題は法律的云々よりも、やはり公務員としてのおつき合いが節度を超えたものである、だから処分をした、こうおっしゃいましたね。その節度を超えたことについての処分が訓告で妥当とするのか、それとも、私や恐らくは国民の皆さんはこの訓告という処分が受光なものではないとお考えであろうとすれば、もっと別の処分の仕方があったのではないか。
 しかもなおかつ、おっしゃいましたように、なるほどそれは法律解釈は個々に見ていけばそういうことかもわかりませんが、法というものを大きくとらえてみれば、この八十二条の「国民全体の奉仕者たるにふさわしくない非行のあった場合」というのは、これを今回の事例に当てはめてみれば非行と解釈しても私はそれは差し支えがない。むしろ国民に対して大蔵省全体が姿勢を正すという意味ではそれぐらいの解釈できっちりした処分をされてもよかったんじゃないか、こう思うんですね。
 まして、大臣、大蔵省のほとんどの皆さんは本当に国民の奉仕者として一生懸命仕事をしていらっしゃるんですね。その大蔵省の職員の皆さんが今回のことでどれぐらい失望をしていらっしゃるか、あなた、そのことをお考えになったことございますか。それでなくても今は二信用組合の問題で武村大蔵大臣御自身が連日、当委員会等も通じて追及を受けているようなこういう状況の中にあって、こんなことが明るみに出て、それは一生懸命仕事をしていらっしゃる大蔵省の職員の方からすれば、何というときに何ということをしてくれたんだと皆さん本当にがっかりしていらっしゃると思うんです。だから、そういうことにこたえるためにも私はもっとしかるべき厳正な処置というものがあってよかったんじゃないか、こう思います。
#153
○国務大臣(武村正義君) 国民の皆様がどうお感じなのか、例えば香港旅行という大変明確なこの事態をどうごらんになるか、当然そのことも私どもは処分に当たっては無視するわけにいかないと思っております。
 しかし、より心しなければなりませんのは、やはり公務員も法律に基づいて存在をいたしておりますし、法に基づいて職務を日々遂行いたしているわけであります。その公務員に対しては、またこれは法によって身分が保障されているわけであります。その例外として懲戒というふうな処置も明確に国家公務員法は規定をしているわけでありますから、すべての犯罪が、法と真実というふうに言われますように、やはり法に基づく処罰をするときには何も法律の解釈を狭く解釈する必要はありません。しかし、過去のさまざまな事例もございます。私どもは当然、懲戒になれば人事院と相談をして、人事院の承認でしょうか、そういうことも必要になってまいります、場合によっては訴訟になることも。きちっと法的な根拠を見詰めて、その上で決断をするわけであります。
 そういう意味で今回の行為は、国民がどうごらんになっているかということは十分それは意識はいたしますけれども、きょうも朝の記者会見で最後にございました、それじゃ世間が騒げばどんどん処分するんですかと、何かいかにもこの処分がきつ過ぎるというふうな感じの記者からの質問もありました。私的な行為だけでなぜ処分の対象になるんですかという意味であったと思うんですが、(「私的な行為じゃないよ」と呼ぶ者あり老いや、そういう質問もあったわけで、そういう質問にもきちっと答えなければならない、こうこうこういう根拠で、こういう判断でこの処罰をするんですということをやはり明確に答えなければならないわけでありまして、そういう意味で、きのう、おととい、本人から聞きながら、内部はもちろん関係者の専門家の意見も聞きながら、その中でやはり私どものとり得る撤大の措置をとろうということで今回の処分を決めさせていただいたわけであります。
#154
○中村鋭一君 私は私の感ずるところを率直に申し上げさせていただいた。あなたはあなたで今おっしゃいました。しかし、これは国民の皆さん見ていらっしゃいますよ。今のあなたの記者会見で、国民が騒いたら何でもできるんですかと、そんな言い方をしちゃこれはいけない。
#155
○国務大臣(武村正義君) そういう質問があったんです。
#156
○中村鋭一君 だから、そういう質問をここで紹介することすら全く必要でないことであります。私が聞いたことについて正碓にお答えをいただければいいし、あなたのお考えを教えてくださればいいことであります。
 武村さん御自身、今回はみずから進んで一カ月、俸給月額の二〇%を国庫に返納することにいたしましたけれども、これは自分で自分に処分を課されたわけでございますが、これは今回のことに関して、これまた大蔵大臣、妥当な御自分に対する処置であったとお考えですか。
#157
○国務大臣(武村正義君) この事件はもちろん私の就任以前の話でありますが、やはり今こういう事例をもとにして社会全体から厳しく大蔵省が不信を受けているということを率直に認識せざるを得ません。そういう意味で、私の処分の中には、直接綱紀の保特の責任者とも言うべき事務次官、官班長も対象になっているわけでありますし、また直接当時は関係ないにしましても、今この二人の職員を預かっているといいますか、監督する立場にある主計局長及び関税局長も巌重口頭注意の対象にしているわけであります。
 最後に残るのは大臣であります。大蔵省全体のまさに責任者として何もしないわけにいかない。大蔵大臣にはそういう、大蔵大臣といいますか閣僚には、あるいは公務員の特別職と言ってもいいんでしょうか、そういう懲戒等々の道は開かれておりません。そういう中で、私がみずから進んで何らかの大蔵省の今の最高責任者としてのけじめの気持ちを表現するという意味で一カ月の俸給の返上を決めた次第であります。
#158
○中村鋭一君 そうしますと、これは大蔵大臣御自身が、そういう規定はないにかかわらず、けじめをつけるために二〇%の給料の返納をお決めになったということは、これは非常に個人的な質問になりますけれども、大臣自身のこれまでの輝ける経歴にこのことはプラスではない、マイナス、それともプラスでもマイナスでも関係ないと、そうお考えでございますか。
#159
○国務大臣(武村正義君) それは明らかにマイナスであります。私も知事のときに、やめた元税務課長が収賄で逮捕されたときにも減給の措置をみずからとったことがあります。
#160
○中村鋭一君 これまた大臣おっしゃった、規律委員会を設ける、こういうことでございますが、現実、規律委員会というのは何人ぐらいの構成で、どういう人選で具体的にはどういうことをみんなで委員の方が集まっておやりになるわけですか。
#161
○国務大臣(武村正義君) けさ私から指示をしたばかりでございますから、恐らく省内はこの指示を受けて具体的な人数、メンバー等の検討を進めてくれていると思います。
 官房長が後から答弁できると思いますが、趣旨はあくまでも大蔵省職員の綱紀の厳正な保持を図ると。今回の事態についてももう一度大蔵省内部を掌握するということが必要でありますし、そこからどういう反省を引き出すか、日々どういう規律の保持のために省を挙げて努力をしていくか、そのことをこの委員会で検討し、私に報告をしてもらおうと思っております。
 メンバー等は政府委員からお答えします。
#162
○政府委員(小村武君) けさほど大臣から厳しい御指摘をいただきまして、規律委員会を設置するようにということでございます。
 今、具体的な作業を始めたところでございますが、基本的には、官房長を長といたしまして、私ども、服務規律の実践的な担当者である各局の総務課長に参加をしてもらいましてこの委員会を運営していきたい、こう考えております。
#163
○中村鋭一君 いや、私が知りたいのは、規律委員会ができますね、できて皆さんで議論をなさるのは、現実に大蔵省の省内の例えは今度の田谷さんの問題のように、特定のスポンサーと一緒にゴルフに行ったか行かぬかとかそういうことをお調べになるのか、それともそういうことじゃなくて、省内の士気を高めて厳正な規律を保つためにはどのような方策を今後とっていったらいいか、そういうことを研究し議論し献策するための委員会なのかと。その性格といいますか、具体的な内容といいますか、それについて聞かせていただきたい。
#164
○国務大臣(武村正義君) それは両面持たせたいと思っております。
 ただ、規律委員会にしましても、今後またどんな事実が、今までの調査ではわからなかった事実が出るかもしれません。あるいは新聞、雑誌等で報道される場合もあります。調べて、事実でない場合もありますけれども、そういうことに対しても機敏に対応しなければなりませんし、それでなくても一般的に今回の事態全体の姿をやはりもう一度省を挙げて総括をする、総点検をするということが一つです。
 同時に、ここから何を学ぶかといいますか、あすのために大蔵省全体が反省をして再出発をする、そのための委員会でもあってほしいというふうに思っております。
#165
○中村鋭一君 武村さん、今いみじくもおっしゃいましたね、今後どういう事実が出てくるかもわかりませんと。そういうことについても調べるといいますか事実関係を明らかにする、それが規律委員会の仕事の一つでもある、こういうわけでございます。
 今回、例えば斎藤事務次官、それから篠沢さんですかね主計局長さん、それから官房長さん、関税局長、こういう方々が口頭厳重注意処分を受けていらっしゃいますが、田谷さんも責めてこういった皆さんに、今後規律委員会でやっていった結果新たな今回のような事実が発見された場合は、それは当然ながら非常に厳正な処分をなさるんでしょうね。
#166
○国務大臣(武村正義君) 当然、今掌握できていない新たな事実が具体的に掌握ができたということになりますれば、その事実に対してもきちっと対応をしなければならないと思っております。
#167
○中村鋭一君 その場合は、今回は最も重い処分として訓告、こうおっしゃいましたが、公務に関係するものでなく私的な交際の範囲であれば、それがたとえ国民の非常な不快感を誘発し指弾を受けるものであっても、最高は、次もまたそのような場合は最も重い処分は訓告ということになりますか。それともそうじゃなくて、いろいろなケースがあるわけだから必ずしも訓告が最も重い処分ではない、もっと重い例えば懲戒、ここにあります解雇、それから戒告等々の処分があり得るというふうに理解しておけばよろしいですか。
#168
○国務大臣(武村正義君) 当然、新しい事実、これは仮定の話でありますが、新しい事実が何であるか、それが法との関係でどういう認識をしなければならないか、そのことを基本にしながら一つ一つきちっと対応をしなければならないというふうに思っております。
#169
○中村鋭一君 最後に、武村大蔵大臣にひとつ率直にお伺いをさせていただきます。
 これは変な例えで恐縮でございますが、柔道には例えば教育的指導とかあるいはわざありとか一本勝ちとか、こういろいろありますが、武村さん御自身、先ほどは今回の二〇%の減給はプラスではない、マイナスだ、こうおっしゃいました。これがあなた御自身がマイナスということであれば、大蔵大臣として既に減点一というふうな考え方もできないわけじゃないと思うんですね。
 そうすると、先般来から当委員会で問題になっておりますところの二信組の救済問題、三百億円の問題、この協調融資等々が、あなたはこれまで新しい知事さんが選ばれるまでは先送りであります、新しい知事さんがきっちりと善処をしてくださると思いますと、そういう意味のことをおっしゃっておいででありますが、我々はどうもそうは思えない。既に今出ていらっしゃる各候補の皆さんは、三百億を何の議論もなくそっくりそのまま救済のために出すということについては否定的な候補者の方が全員でございますね。そうすると、そういう知事さんが選ばれた場合はこの三百億は出せないことになる可能性が多いわけであります。
 ここまで大蔵省が世間から失望の目をもって見られ、武村さん御自身は二〇%の減給を自分に課され、そしていよいよ新しい都知事が決まってこの三百億円が出ないということになった場合は、武村さん御自身はそのときに御自分のことについて、今回二〇%の減給を課されたと同じように何らかの処分を自分に対して課されますか、あるいは責任をおとりになりますか。その辺のことをお伺いして、後は都築議員の関連質問に移らせていただきたいと思います。
#170
○国務大臣(武村正義君) そういう仮定の御質問にはお答えできません。
 今回の措置も、むしろ私自身はこの事態、過去の事件ではありますが、この事態に対して省内を締めるといいますか、省内の規律を一周徹底をしていく、激励をする意味でみずからにもこういうけじめの気持ちを表現して措置をとったわけであります。
 なお、東京都の三百億の話は、これは選挙が済んで新しい知事さんが最終的にどういう判断をいただくか、私どもも大きな関心を持って見守りたいと思っていますが、少なくとも先般の証人喚問も含めて、各候補者の中にも都の責任は大変重いという認識が、むしろ冷静な認識が広がってきていることも事実でありますだけに、私どもは、選挙が終わった後どういう方が知事になられようとも都は全く責任がないというふうな判断をされることはあり得ないとむしろ思っております。
#171
○中村鋭一君 ありがとうございました。
#172
○委員長(坂野重信君) 関連質疑を許します。都築譲君。
#173
○都築譲君 連日御苦労さまでございます。
 それでは冒頭、震災関連でございますが、連日、阪神・淡路大震災関係で、救済、復旧・復興対策の関係で各閣僚並びに行政職員の持さん、本当に御尽力をいただいているわけでございます。
 それで、いろんな手だてが論じられておりまして、労働省においてもたくさんの手だてを論じられて、今後いよいよ失業関連対策をどうするか、こういうところに重点が移ってくると思いますが、その中で、ぽっとニュースが出ただけでその後ぱたっと状況が途絶えてしまったものに、実は阪神・淡路大震災の関係で勤務時間中に労災事故に遭われた方がやはりいらっしゃる、こう思うわけでございます。
   〔委員長退席、理事伊江朝雄君着席〕
 先月の下旬に、早々と労災認定、異例の早さというふうなたしか新聞報道があったわけでございますけれども、その後、労災関係の申請の状況なり、あるいは認定決定の状況はどのようになっているか、まずお伺いをいたしたいと思います。
#174
○政府委員(廣見和夫君) お答えいたします。
 今回の阪神・淡路大震災に伴います労災保険給付の請求でございますが、三月十日現在で百七十六件となっております。このうち、私ども監督署の方で既に支給決定を行いましたものは二十六件ということでございます。現在、その他のものを含め調査中の事案も入れまして今後とも私ども迅速な処理に努めていきたい、このように考えておるところでございます。
#175
○都築譲君 ありがとうございました。
 労災認定の場合は、業務の関連性、起因性、そういった観点から非常に複雑な面もございます。ただ、そういった中で既に二十六件も限られた時間の中でやっていただくということで、震災で亡くなられた方の家族の皆さん方の生活の保障を図るという観点で御尽力をさらに続けていただきたい、このように御要望を申し上げたいと思います。
 それから観点を変えまして、今回の予算審議の中でも大きく議論として浮かび上がっておりますのが、膨大な財政赤字が広がりつつあるわけでございますけれども、そういった中で行財政改革を進めるということで、先般特殊法人の合理化の問題が指摘されております。さらにまた、規制緩和の観点も非常にこれから重要になってくる、こういうように思うわけでございます。
 そういった中で、実は一部に聞こえてまいりますのは、例えば最低労働条件といったものについても一つの例としては最低賃金制、こういったものについても規制緩和の観点からもっと民間の自主的な決定にゆだねるべきではないか、こんな考え方も出てくるわけでございます。規制緩和といいましても、規制の中にはやはり経済活動の規制という観点あるいは社会的な規制というふうな観点といろいろあるだろうと思います。そういった中で、この規制緩和と最低労働条件についての規制の考え方、これについて労働大臣としてどのようにお考えなのか、お聞かせいただきたいと思います。
#176
○国務大臣(浜本万三君) お尋ねの件でございますが、労働時間や賃金につきましては、最も基本的な労働条件であり、労働者とその家族の生活を初め社会全体にかかわる重要な問題でありますので、労働時間に関する社会的規制につきましては経済的な規制と同一に論ずることはできないと思っております。
 なお、今後の労働時間法制のあり方につきましては、現在、学識経験者による研究会を設けまして、我が国の社会経済情勢の変化、国民生活等の実態を踏まえながら検討を行っておるところでございます。
#177
○都築譲君 ありがとうございました。
 特に最低労働条件については労働基準法という法律で罰則をもって強制することになるわけでございまして、勤労者の労働条件あるいは労働者福祉あるいはその家族の生活の確保という観点から大変重要な役割を果たしている、このように考えておるわけでございます。ただ一方で、先ほど私が御紹介したような民間の自主決定にゆだねるべきであるという議論もこれまた一つ意味のあるところではないかなと、このように思うわけでございます。
 そして、一つの例として例えば労働時間の短縮については、生活大国五カ年計画等におきましても、従来から千八百年間総実労働時間の達成ということを目標として大きく掲げて今日まで民間の自助努力を促してきたわけでございますし、また法的整備におきましても、労働基準法改正をして昨年から原則過所定労働時間は四十時間、こういうことになったわけでございます。ただ、一部の規模のあるいは業種の事業場については猶予措置が設けられまして、まだ四十四時間とかあるいは四十六時間、こういう時間法制があるわけでございまして、それらが全部一挙に四十時間制に移行するのは平成八年度末、平成九年の四月一日から、こういう状況になっておるわけでございます。
 こういった本当に国民が豊かに暮らせるような、豊かさを実感できるような社会をつくる観点からは、やはり労働時間の観点あるいは住宅の観点、たくさんの要素がございますけれども、そういった意味でのお取り組みをいただいておるわけでございますが、一つ気になる問題として御指摘をいただいたのが、私もこの問題を担当してきたわけでございますけれども、フレックスタイム制というものを実は先回の法律改正の際に導入をしたわけでございます。このフレックスタイム制についてちょっと簡単に概要を御説明いただけますでしょうか。
#178
○政府委員(廣見和夫君) 今お尋ねのフレックスタイム制でございますが、これは労働基準法におきましては、今お話もございましたように、一日の法定労働時間あるいは一週間の労働時間というのは決まっておりますが、一定の条件のもとに、具体的には労使協定が中心でございますが、労使協定をいたしまして、一定の期間内にそれぞれの働く人が自分の出勤時間あるいは退社する時間を自由に選べるというものでございます。そういうような形でフレキシブルな柔軟な労働時間を可能にし、全体として労働時間の短縮に努めていけるというようなこと等も考えてとられているものでございます。
 ただ、一般的にはすべての労働者の方が出勤しなければならないコアタイムを定めたりいたすという例が多いようでございますし、また清算期間と申しまして、どれだけの期間でその全体の労働時間の清算を、時間外労働になるか否か等を含めまして清算するかということでございますが、これは通常一カ月以内となっておりまして、一カ月をとる現状が多いようでございます。
#179
○都築譲君 今、局長から御説明いただいたその清算期間の観点で、一般の民間企業労使の間ではやはり賃金の清算期間として月単位で月給というものが一般に普及しているわけでございまして、そういった形で清算期間を設定するということになるわけでございますが、実はこの観点からどうも非常に硬直的な問題が出ているんではないかなと、こういうふうに思うわけでございます。
 と申しますのは、今のフレックスタイム制、実際には所定労働時間が例えば週休二日で一日八時間ということであれば一週間四十時間でございますから、今、政府が掲げる目標、完全週休二日、一週四十時間といったものにかなうわけでございますけれども、例えば今度、来年の七月からは海の日というのが祝日になりますので、休日がふえることになりますから、その観点からの問題は緩和されるのかもしれません。
   〔理事伊江朝雄番退席、委員長着席〕
 例えば七月の三十一日という暦日数があるわけでございますけれども、例えば土日がお休みというところであれば休日が八日ある年と、あるいは一日、二日が土日でいけば実は十日間が土日になってその一カ月の中に入る、こういう年があるわけでございますが、そういった場合に、一日八時間で五日労働ということで四十時間という形でいくわけでございます。ところが、この七月の労働時間を今のフレックスタイム制で実は計算をいたしますと七分の三十一、週換算をしまして掛ける四十時間ということになるわけでございまして、法定労働時間が実は百七十七時間ぐらいになる、その時間を超えれば労働基準法に基づいて割り増し賃金を支払いなさい、こういうことに実はなるだろう、こう思うわけでございます。
 ところが、実際に企業の方で行われておるのは、週休二日を導入しておりますから、一日八時間、一週四十時間、五日労働、こういうことで行きます。そうすると年によっては、先ほど申し上げたように、八日間の土日があるところであれば二十三日が稼働日になる、ところが十日間の場合は二十一日が稼働日になるということで、労働時間が実はそういう協約の定めによって相当ずれてくることになるだろうと思うわけです。
 ところが、実際には月をならしてそれぞれ週休二日制、一週四十時間ですよという労働協約のもとでやっておるのに、実はたまたま土日が八日しかない年に当たったときにはそこの労働時間は協約では百八十四時間になる。それを超えればちゃんと割り増し貨金を支払います、こういう状況になっておるわけでございますけれども、そこのところを実は百七十七が法定労働時間なんだという形で割り増し賃金を払えというのは、いかにも一生懸命労働時間の短縮、完全週休二日という旗頭を守って、四十時間というのを守っていながら、しかもフレックスということで勤労者の出退勤の時間を勤労者にゆだねますよという形で企業、労使がそれぞれ努力をして取り組んでいるのに、そこのところを最低条件ということで罰則をもって強制していく、これをやらなければ罰則ですよというところはいかにもおかしいのではないかなという感じがいたしますが、その点についての御見解を伺いたいと思います。
#180
○政府委員(廣見和夫君) お尋ねのフレックスタイム制におきます清算期間の考え方でございますが、今御指摘いただきましたように、確かに一日八時間というものをベースに考えてまいりますと委員御指摘のようなケースも生じてまいります。こういうことになるわけでございますが、若干これは技術的に複雑な問題を含んでおりまして、どういうふうに解釈するかということにつきましては考え方があり得ようかと思います。
 私どもは、今、委員御指摘いただきましたように、一カ月の清算期間をとった場合にはその一カ月の暦日数を七で割る、すなわち一週間が七でございますから何週間あるか、四・何週間、こう出しまして、それに一週間の法定労働時間でございます四十時間を掛けるというふうにして計算しておるわけでございます。そういたしますと、三十円の月でございますと百七十一時間二十五分、それから三十一日の月でございますと百七十七時間八分、こういう形になってまいります。
 ただ、フレックスタイム制と申しますのは、先ほどちょっと御説明申し上げましたように、個々の労働者の方が働きやすくなるように自分で勤務時間を選べるという制度でございまして、そこにポイントがございます。そういたしますと、当然、働かれる方の立場に立ってまいりますと、一日に十時間働く日もございますし五時間しか働かない日もある、あるいは十一時間働く日もあるということでずっと出てまいりまして、それを一カ月足し合わせて時間外労働になるかどうかということを決めなければならないということでございます。
 したがいまして、やっぱり一応私ども法律的な基準というものを持たなければならない。そういたしますと、一カ月の暦日数と週との関係、四十時間との関係で今申し上げましたような方式しかなかなかとることができないのではなかろうか。また、そういうものとして企業の方々あるいは労使の方々に御理解いただき、そういう前提でこのフレックスタイム制の活用を大いにやっていただきたい、このように考えておるところでございます。
#181
○都築譲君 ありがとうございました。
 今の考え方ではそうでございましょうけれども、ただ、一生懸命本当に労働時間の短縮に取り組んできている企業の労使に対して大変厳しいものになっている。今のところは我慢をしていただくのが一部の優良な民間企業の労使だけかもしれませんが、平成九年からは全面的に四十時間制に移行するということになれば、本当に困る企業が、フレックスタイムを導入する企業がたくさん出てくると思うわけでございまして、今日のような状況では多分済まなくなる。そのときになって初めてどうするのかという議論を進めるのでは私は遅いと思いますので、ぜひ真剣な御検討をお願いしておきたい、このように思います。
 それでは次は、高齢化社会への対応という観点で幾つか関係の大臣にお話をお伺いしたいと思います。
 まず一つは国民負担率の関係でございます。
 二十一世紀福祉ビジョンというのを昨年の三月、細川内閣のもとで発表をしたわけでございます。今回、平成七年度予算を審議しているわけでございますけれども、新ゴールドプランあるいはエンゼルプランというふうな形で歳出面においても手当てをされてきておるわけでございますが、この二十一世紀福祉ビジョンについて村山内閣としてどういうふうなお取り組みをされておられるのか。
 それからまた、二十一世紀福祉ビジョンでは国民負担率は五〇%を超えることが実は示唆されておる一方で、平成五年十月の第三次行革審におきましては国民負担率は五〇%未満に抑制をする、こういうふうなお話もあったわけでございまして、そういった意味で村山内閣としての本当に福祉ビジョン、これはどういうふうにお考えになっておられるのか。それから国民負担率の今後の見通しあるいは限界といったものについてどういうお考えなのか、厚生大臣と大蔵大臣にお伺いしたいと思います。
#182
○国務大臣(井出正一君) 昨年三月、二十一世紀福祉ビジョンは各界の有識者の皆さんの御議論に基づいて、今後の少子・高齢社会に向けての社会保障の基本理念や目指すべき方向性について御提言いただいたものでございまして、その基本的方向は現在においても今後の厚生行政を進めていく上で大きな指針になるものだと考えております。
 その観点に立ちまして、御審議いただいております来年度の予算につきましても、新ゴールドプランあるいはエンゼルプランに基づく、厚生省関係でいいますれば緊急保育対策等五カ年事業等を盛り込んでおるところでございます。
 以上でございます。
#183
○国務大臣(武村正義君) 国民負担の今後のあり方でありますが、究極的には国民が必要とする公共支出の水準と表裏をなすものであります。受益と負担のバランスを考えながら国民的な選択が行われるべき事項であると考えております。
 今後、高齢化社会の進展等に伴い、国民負担率は長期的には上昇をしていくことが避けられないと考えられておりますが、極力その上昇を抑制していく必要があるというふうに考えております。
 御承知のように、第三次行革審の最終答申は、「高齢化のピーク時において、五〇%以下、二十一世紀初頭の時点においては四〇%台半ばをめどにその上昇を抑制する」という目標を答申をいただいておりますが、私どもとしましても極力この国民負担率の上昇を抑制すべく努力をしなければいけないというふうに認識をいたします。
#184
○都築譲君 ありがとうございました。
 今、大蔵大臣がお答えになられた中で、国民的な選択がなされる問題である、こういうふうな御指摘があったわけでございます。
 それで、私自身、今回いろんな選挙をやらせていただいて、本当に国民の皆さんの実は関心が政治に対して大変薄らいでいる。これは政治に対する信頼全般が薄らいできていることなのかなというところもございますけれども、一つの問題は非常に行政が複雑になってきている。
 例えば今回の予算七十一兆円、そして公債の残高が約二百十二兆円でございますか、そんな中で隠れ借金と言われるものも相当あるわけでございまして、国民の皆さんにとってはどれだけ国が借金を抱えているのかというのが非常に明確でないんじゃないかなと、こういう技術的な問題がございます。
 この点についてはまたいずれやりたいと思いますが、そういった観点も含めて、もっと政治をわかりやすくするあるいは政治に関心を持っていただくという観点からはどういうふうにするのか、そして現在の国民の政治への関心の状況はどうなのかという、実は国政選挙での投票率のそういった状況についてお伺いしたいな、このように思うわけでございまして、最近の三回の国政選挙における投票率、あるいは年齢階層別の投票率の状況なりあるいは地域別、東京とやはり地域では異なると思いますので、そこら辺の状況について自治省の方にお伺いをしたい、このように思います。
#185
○政府委員(谷合靖夫君) 投票率のお尋ねでございます。
 過去三回の国政選挙における投票率でございますが、衆議院につきましては平成五年の投票率が全国で六七・二六%です。それから東京都というふうに御指摘がありましたので、東京都では六○・二一%。それから平成二年の総選挙では全国七三・三一%、この場合の東京都は六五・五五%でございました。それから昭和六十一年、全国が七一・四〇%に対し東京都は六一・一一%、こういうふうになっております。
 次に参議院の通常選挙でございますが、比例制と選挙区制がありますが、ほぼ同じでございますので選挙区選挙で申し上げますと、平成四年執行の通常選挙の投票率が全国で五〇・七二%、東京都で四六・五八%、平成元年が全国で六五・〇二%、東京都が五七・九五%、それから昭和六十一年が全国で七一・三六%、東京都では六一・〇七%となっております。
 それから年齢別の投票率でございますが、これは約百五十程度の投票区を抽出調査した結果によるものでございます。これについて五歳刻みでとっておりまして、ちょっと全部申し上げますと長くなりますので最近の衆参の状況をかいつまんで申し上げますと、例えば平成五年の衆議院選挙、これは全国では六七・二六%のところでございましたが、例えば二十歳から二十四歳までは四二・六〇%、四十から四十四の階層の方が七三・四一%、それから六十から六十四の方が八二・六二%。あるいは平成四年参議院の通常選挙では、このとき全国では五〇・七二%でございましたが、二十から二十四歳までが二九・二〇%、四十から四十四までが五三・五四%、六十から六十四歳が六八・九三%のように、総じて言えば若年層になるに従って投票率が低下傾向にあるという状況になっております。
#186
○都築譲君 ありがとうございました。
 今、特に本当に気になりましたのは平成四年の参議院の選挙でございますが、二十−二十四歳層が二九%、二十五から二十九歳層が三八%ということでございますから、三割強の人しか投票をしていないと。ところが、いずれこの一計兆円とか二百六十兆円の借金をだれが返していくのかということになると、こういう若い人たちがまた十年、二十年にわたって返していくことになるわけでございまして、それからまたもっと若い層もこれからまたやがて成人をして仕事を持って働いて返していただくということになる。片やまた高齢化のもとで年金の保険料率もどんどん上がっていかざるを得ない状況にある。こんな状況のもとに置かれておるわけでございまして、大蔵大臣が言われた国民的選択がなされるというけれども、それが本当に適正になされるんだろうか。
 いわゆる政治に関心の高い高齢者の人たちだけが自分たちのその関心を示して、そして政治を動かしている。もっと若い人が関心を持つような形にしないと、本当にこれからの高齢化社会を支えていくそういった人たちの意見が反映されない社会福祉計画になってしまうんじゃないか、こんなおそれを思うわけでございますけれども、自治大臣に、若い人の投票についての関心と申しますか、貴重な有権者としての一票を行使する、こういったことについてどういうお取り組みをされるのか、お考えを伺いたいと思います。
#187
○国務大臣(野中広務君) 今、委員御指摘のように、若年層が非常に投票率が低いというのは、一つには私は政治に対する関心度が低いということ、いま一つは地域に対する愛着度と申しますか、これが低いということであろうと思うわけで、そのようなことが指摘をされておるわけでございます。
 今後、私どもは、地域に密着したいわゆる啓発活動を若い人に視点を当てて行いますとともに、成人式等を含めまして有権者としての自覚、あるいは先ほど申し上げましたように、地域に対する愛着度を若い人とどう結びつけていくかという町づくりと選挙の啓発というものをセットにして、投票率が上がり政治に関心が持たれていくような道をこれからも積極的に啓発活動をやっていきたいと存じております。
#188
○都築譲君 ありがとうございました。
 その関係で、今、自治大臣の方も啓発活動に努めるということでございますけれども、そもそも若い人たちが育ってくる過程の中で一番時間を費やすのは学校教育の中だろうと思うわけでございます。学校教育の中で私は政治問題に関心を持てと言うつもりはございません。これはもう本当に主観が入りまじった話になるわけでございますが、例えば憲法で規定された国民の権利とか義務といったものについて明確な自覚を促すような御努力が学校教育の中でどのように行われているのか、そういった点についてお伺いしたいと思います。
#189
○政府委員(井上孝美君) お答え申し上げます。
 国民の権利と義務の関係につきましては、小学校、中学校、高等学校の各学校段階を通じまして児童生徒の発達段階に応じて社会科や公民などの中で理解させることとしているわけでございます。このような国民の権利と義務についての指導に当たりましては、民主主義の理念や日本国憲法の精神、民主主義の本質や選挙制度の意義などを適切に身につけさせますとともに、民主政治のもとでは政治参加が国民の重要な権利であり同時に義務であることを理解させるなど、将来公民として正しく権利を行使し義務を遂行するために必要な能力や態度を養うようにしているわけでございます。
 今後とも学校教育全体を通じまして国民主権を担う公民として必要な某礎的素養を培うための指導を行ってまいりたいと考えております。
#190
○委員長(坂野重信君) 郁築君、最後の質問にしてください。
#191
○都築譲君 時間が参りました。質問をすることができなかった大臣には本当に大変恐縮でございました。これからもまた引き続き取り組んでまいりたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。ありがとうございました。
#192
○委員長(坂野重信君) 以上で中村鋭一君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ―――――――――――――
#193
○委員長(坂野重信君) 次に、武田邦太郎君の質疑を行います。武田邦太郎君。
#194
○武田邦太郎君 ペーパーがまだ渡っておりませんが、かって申し上げました食糧の自給率ですね、これが非常に低いと。今ペーパーが回りますけれども、お米は大体不足ということはまずありません。
   〔資料配付〕
#195
○武田邦太郎君 一昨年のような凶作でも、あちこち歩いてみますと十俵ぐらいとっている農家はあちこちありますから、一昨年程度の自然条件で不作があらわれるというのは稲作のレベルが低いと言ってよろしいかと思います。
 足りないのは、大事なものは小麦ですね。小麦は平成四年度に五百六十五万トン輸入しておりまして、自給率は一〇%ということになっています。それから次の次の大豆は自給率二%であります。こういう危険きわまりない状態。かつてアメリカのニクソン大統領が約束どおり大豆はやれないと言ったときに、豆腐、納豆、大恐慌を来しました。こういうような経験がありますのに、いまだに大豆、小麦の増産についてほとんど努力の跡が見られないということは、これは国民が自分の食べる食べ物についていかに関心が乏しいかということを示しております。声を大にして国民の世論を喚起して、特に麦類、大豆の自給卒を高めることに関心を高めなければならない。
 平成五年度の一番下に、人間の食べ物と家畜のえさとを合わせたものの自給率二二%とありますけれども、これは将来技術のレベルが高くなれば、さっき申しましたように、不作の影響は大したことないわけであります。ところが、平成四年度の自給率を見ますと二九%、こうなっております。これは平年作においてこれだけの自給率しかないということを意味しておりますし、同時にこの年には肉類を百八十二万四千トン輸入しております。これは千二百万トン以上の穀物に相当するわけでありますから、これを計算しますと、平年作にかかわらず平成四年度の自給率は実質二二%に達しなかったということを意味しております。大変な問題であります。
 たしか漢だったと思いますが、中国の礼記という書物に、九年の蓄えなきを不足という。国民の食べ物を九年は備蓄しろ、君主たる者は。そうでないと食べ物は不足だと。六年の蓄えなきを急という。六年備蓄しなければ差し辿った急であると。三年の蓄えなきはその国、国にあらずと、こう言っております。
 日本の現在の状態が二二%をも自給しないという状況を、これは昔と今とは違いますけれども、しかし私は、論理的に言えば、日本は国でない、国民の食糧の見地からいえば国と言うに値しない国であると言われても仕方がない。言われるとしゃくにさわりますけれども、言われてもそうかと言わざるを得ない、こういう状況であります。
 しからばこれをどうすればいいか。これは何回も申し上げましたけれども、規模を拡大して基盤整備をぴしっとやる。それは三十ヘクから四十ヘク、北海道は五十ヘクから七十ヘク、これぐらいになりませんと自由化と対抗できないわけです。今世紀中はミニマムアクセス程度でいけますけれども。これから先、二十一世紀になれば、地球上がいかに増産しても人類は八十億の食べ物しか自給できない、こう言われております。これも私は異論がありますけれども。ところが、人間の数は百何十億になるわけでしょう。そういうときに、今のように家畜のえさを二千万トンもお金があるから輸入する、そして途上国では飢えている、こういう状態が二十一世紀において許されるか。許されないと思います。
 それじゃ国内で自給できないか。できるのです。それは例えば平成四年度に五百六十五万トンの小麦を輸入した。これは三十年前に私は山形で開拓百姓をやりましたから、私は非常によくしゃべる人間でありますが腕前は非常によくない百姓でありますけれども、それでも十アール六百キロはとったものです。したがって、百万ヘクタールの小麦をつくれば日給できるのです。
 それじゃ百万ヘクタールの小麦はつくれないかと。そんなことはありません。昭和二十年代には百八十万町歩の麦をつくったものです。百八十万町歩の麦をつくったのが、もうからないものですから、高度成長期に入って麦をつくるよりは出稼ぎした方がずっといいというので、麦はっくれるんだけれども麦を放棄して、わずか十五万ヘクになりました。百八十万ヘクが十五万ヘクに落ちてしまった。農水省が必死になって援助して今、三十五万ヘクまで復活しておりますけれども、とても昔の西八十万は復活しそうもありません。
 しかし、規模拡大をすれば自由化されてももうかるのです。だからどんどん増産する。これは簡単な経済の論理であります。農業といえども経済の論理を無視しては成立しないのです。経済の論理によって農家が悠々ともうかるようになってこそ食糧の自給率は高まるのであります。
 そこで、大蔵大臣にお尋ねしますが、我々は先祖から受け継いだこの国土を、いかに生産性の高い、しかも安全性の高い食べ物を供給して、しかも田園風景は本当に芸術性が高い、しかも自然を守り国土を守る、こういうことはそういうレベルの高い技術を持った農業が実現して初めて可能なのです。金もうけ主義だから農業でも何でもまくだろう、そういうことは素人の言うことであって、本当のプロというものは、安全な、おいしい、栄養価値の高い、そして安いものを供給してお得意さんを満足させながらがばっともうける、これがプロであります。
 これからはプロをつくっていかなきゃならないのでありますけれども、今度の第四次土地改良長期計画では十年間で四十一兆円の事業費、その八割は少なくとも税金です。そこで、大蔵大臣の重大な御責任は、このお金を使えば、もう今のような設計でいけば自由化されてもびくともしない農業をつくることができるのです。これを今の計画のように一町歩でやれば、また遠からざる将来において三町歩の田んぼづくりをやらなければならぬ、これですよ。
 四十一兆円でこれでもいいときちっとやるのか、それとももう一遍何十兆円か使うのか、その判断は大蔵大臣と農水大臣の御相談によって決定できるわけでありまして、特に大蔵大臣が、もう一遍やらなきゃならぬような基盤整備には金を出さぬよと言いってくだされば、一遍でやっちまえ、そう言ってくだされば足りるはずです。どうぞひとつ。
#196
○国務大臣(大河原太一郎君) お話しのとおりでございまして、大蔵大臣が後刻御答弁なさると思いますけれども、委員にもいろいろ別の御意見なり御批判ありますが、今度のガット・ウルグアイ・ラウンドの六カ年国内対策、事業費三兆。五千、五百億の基盤整備事業、これの中におきましても、今お話しのような一反歩区画では相ならぬということで、現在の三反歩区画は耕地整備率でいえば三%程度にすぎないのを三三%までとにかく押し上げようというような計画を持っておりまして、委員の御指摘の方向に進めているというふうに私どもは理解しているところでございます。
#197
○国務大臣(武村正義君) 先日、武田委員のお話を承っておりまして、基本は一つの田んぼが三ヘクタールのスケール、農家の経営規模は約五十町歩ぐらいという、これは目標であろうかと思いますが、平たん部を中心にしてそういうスケールの圃場整備をしっかり我が国は進めていくべきであるというお話を承りました。
 土地改良十カ年計画が策定されておりますが、昨年の六兆百億円も新しい農業を基本としてあの金額ははじいたものであるというふうに認識をいたしておりますし、ぜひこの土地改良十カ年計画も徐々に新しい農業、おっしゃる圃場整備でいえば、より規模の大きい圃場整備という方向に進んでいくように財政当局としても最大限理解をさせていただかなければいけないというふうに思っております。
#198
○武田邦太郎君 現職農水大山としての御意見と本当のおなかの中にある憂いに満ちたお考えとの違いは、一応お察ししております。
 それで、毎回申しますけれども、百軒に一人しか後継者がいないんですね。一軒当たり一・四ヘクですから、一人の後継者で見れば国内に百四十ヘクの田畑、果樹園があるわけです。それを三十、四十にしてくださいと言っているんで、それでもまだ後継者は三倍以上要るんですね。このところをよく承知してくださらないと、今度新しくやってまた都会よりも少ないんなら、これはもう田んぼ、畑はどんどん荒れていく、現に荒れつつあるのを食いとめることはできない。そういうことは御先祖に対してまことに印しわけないと言わなければならないですね。
 そこで、きょう申し上げたいことは、稲をつくりますね、その稲を今までは水をためて、そして代かきをやって田植えをして、その前に苗をつくって、こういうことをやっているのは先進国では日本だけです。これでは労働一時間当たりの生産量が幾らかという競争で絶対負けますね。
 ところが、もう既に日本ではそんなことをしないで、畑の状況で種をまいてちゃんと今までどおり以上の収量の上がる技術はあるのです。それを乾田山まきと称しているわけですね。沖縄から北海道までできるという技術的な実証は上がっております。しかし、これは農水省が国としてやる、こういうことにならぬと一般化しないわけです。だから、農水省がまずことしの予算で乾田直まきの実験をやるということを、できる限りいろんな条件の違うところでやって、農家あるいは国民の前にやってみせる。今までは必ず苗代、代かき、田植えと、これをやったものでありますけれども、そんなことは必要ないということを、これはよくよく国民の前で実証しなければ一般化しませんから、何とかしてこれをやっていただきたい。
 しかも、それは稲と麦と連続は可能なわけです。麦ができてその次に水をためないですぐ種をまける。それで二毛作ができる。非常に労力を節約して二毛作ができる。さっき申し上げたように、麦はほとんど絶滅しているわけです、もうからないから。もうかるようなやり方がちゃんとある。これを国の政策として、稲麦連続乾田直まきと称していますが、これはもちろん今農水省がそれの実験をやるという御計画はあるようでありますから非常に喜んでおるのでありますけれども、これをなるべく条件の違うところで、ここでもできる、ここでもできると、そういう実証の上がる研究をやっていただきたい、こう思います。
 それから一番大事なのは、さっきから申し上げたように、麦と大豆が一番足りないわけですから、ところが麦や大豆は、もう単収ならば今は三百五十キロぐらいしか麦がとれていないのが一トンでもとれるんですよ。私が開拓時代に教わったある篤農は一トン半とるんですよ。そうすると官庁の技術は、あれは労力の使い過ぎだとか、面積が少ないだろうと。そんなことはないんですよ。労力をうんと減らして、その当時は三百キロもとらぬ当時ですから五倍とるんですね。私は逆立ちしても二倍しかとれない。私の先生は五倍とるんです。そして、一般の農家よりも二倍以上余計につくっているんです。悠々とやっているんです。
 それが、私の先生は世界一だと思っておったら、東京へ来でいろいろ調べてみると先生よりもっと上手がおりまして、一トン七百とった人がいるんです。これは福島県の木田好次という人ですが、それで話を聞くと全く理路整然として、それならおれもやれると思わせるようにもう技術体系が完成しているのであります。そういうことを篤農技術だ官庁技術だと区別をつけないで、国民のために本当に日本農業の発展のためにやるべきだと思うんです。
 大豆などは、これは官庁技術で今百五十キロから二百キロしかとれていないのに、試験場を歩くと五首キロ、六百キロとっている試験場が点々とあります。宮城県などは七百八十キロの記録があるんです。それから民間技術では、長野県に行けば九何キロの記録があります。そういうように、まだ品種改良しておりません。アメリカにはもう既に一つのさやに三粒ずつ全部なる品種をもうずっと前につくっております。十年も前です。ところが我々がつくる品種は、一粒のさや、二粒のさや、三粒のさや、まちまちでしょう。いかに大豆について不熱心がわかります。
 このバイオテクノロジーの十分進んだときに、必ず一さやに三粒ずつなる大豆を、日本に向く大豆をつくらなければならない。必ず五百キロ、六百キロとれますから。何もかも自給したらまた黒字がふえ過ぎるとかなんとか言う人もおるでしょうけれども、必要最小限度の自給率は必ず上げることはできる。
 そういうことを、今、文部大臣おいでになりませんけれども、農水大阪と文部大臣が協力しまして、特に大蔵大臣にお願いをしたいのは、文部省に農業研究の予算が少ないです。余りに少ない。だから文部省は農水省の予算をいただいたり。地方自治体の予算をいただいて細々と研究している大学の先生が非常に多いのであります。どうか文部省ともよく御相談くださって、こういうことをやるなら大蔵省はがばっとお金をやるよと言って、ひとつそういう研究の問題については、問題によっては十分な研究費を出してくださるように特にお願いいたします。
#199
○国務大臣(大河原太一郎君) お話しのとおり、具体的にお示しになりました稲麦の連続の乾田直まき栽培、この点については、所得の増大とか、あるいは今も御指摘ございましたように、自給率の向上、土地利用の高度化、そういう視点から一つの方向であるというふうに思っておるところでございます。
 ただ、ここで委員と認識が違いますのは、山まき栽培、水田の乾田直まき、これは我々の理解しているところでは、昭和川十九年でございますか、その辺がピークでございまして五万ヘクタールを超えていた。ところがその後、田植え機とか何かいろんな機械の開発がございまして、現在では四千ヘクタール台に落ちておるというような点があるわけでございます。
 したがって、これについてさらにこれを基盤に伸ばしていくには、例えば発芽問題とかその他の収穫の安定性の問題とかいろいろな問題をクリアしていかなければならないし、また特に連続栽培の点については麦の早生品種、これを徹底的な努力によって進めなければ相ならぬ、そういう問題があるわけでございまして、やはりそれらについてのそれぞれの問題点を克服して進まなければ相ならぬと。
 専門家である委員、御案内でございますが、品種改良、これはバイオ技術を駆使いたしましても通常の育種のタームに比べますとまだ三、四年しか短縮ができない、通常の育種期間というのは十年ぐらいだというような問題もございまして、相当力を入れて時間もいただかないとなかなか進まないというような点があるわけでございますし、また農地自体、これはやっぱり地下水の管理のコントロールができるような汎用的な効率的な基盤が必要だという、そこら辺の研究もまだいたさなければ相ならぬというような点がございましていろいろ課題がございますが、それをやはり所得なり、あるいは水田利用率、耕地利用率は今一〇〇%程度でございますからそれを過去のように一三〇ぐらいに上げるとか、いろいろな大きな食糧政策の課題にこたえるには一つの方向であるというふうに理解しておるところでございます。
#200
○武田邦太郎君 稲麦連続乾田直まきについての現状は、私も大臣と全く認識は同じなんですが、なぜ広がらないのかといえば、結局、稲麦連続乾田直まきということは田んぼそのものがそれができるような田んぼになっていないから、もうからないから減っていくわけなんですね。それを基盤整備をやるときにこれのできるような田んぼづくりをやらなければならぬ、それを今、私は陳情しているわけであります。
 でありますから、減っていることは事実でありますが、それは減るべき理由があって、つまりもうからないから減っているのであって、それをもうかるようにするのは基盤整備しなきゃならぬ。その基盤整備は稲麦連続乾田直まきに合うような基盤整備をやらなきゃならぬ。それを今、失礼ですが、農水省で研究を始めようとしているわけでありますから、時間がかかるから人間の側としてはいよいよ加速する努力をしなければならない。もう一年でも早くすれば一年国民の命が安泰になるわけでありますから、どうぞひとつ。
 終わります。
#201
○委員長(坂野重信君) 関連質疑を許します。井上哲夫君。
#202
○井上哲夫君 それでは、関連で私が大蔵大臣にお尋ねをさせていただきます。
 きょう午前中から処分についての御判断をめぐってまことにいろいろな質疑がなされましたが、私もその点についてお尋ねをしたいと思います。
 実は、大蔵大臣には私も一言で言うなら大変同情をしているわけでありますが、それは東京都の三百億円融資、これも期待をしていたのにあのような形に、全く期待外れではないにしても現状では不十分な結果になっているということもあって、さらにきょうの発表でも、節度の範囲内であるというふうな自信を持ってお答えになってみえたことが、きょう大蔵省の幹部の節度を超えたということで非常に苦しい中で処分を発表されたと、そういう意味では非常に同情をしているものであります。
 しかし、一、二点お尋ねをしたいと思って質問通告いたしましたが、その問題はすべて前の質問者、山下委員、中村委員がお尋ねであります。同じ問題なのですが、改めてお尋ねをしたいと思います。
 一つは、前々から、というのはこの二週間あるいは一カ月前から週刊誌等でいろいろ書かれておりました。協和信用組合の前理事長の高橋さんと非常に交友があるとうわさをされる例えば大蔵省の幹部五人ぐらい、あるいは日銀の幹部が一人とか。そうすると、恐らくこれまでに大臣の方も、週刊誌で書かれていることについては単なるうわさにすぎないから事実無根のことが多いとは思うが一応省内で調査をしろということで、恐らく調査はなされてきたと。ところが三月九日、衆議院の証人喚問で高橋証人が自家用機で香港に行ったというところから俄然問題は具体的になってしまってきょうの処分の発表に至ったと、その具体的内容も既に大臣がお答えをなされた。
 前のときに大臣としては、三月九日の証人喚問のとき以前には節度の範囲内の行為にしかすぎないというような御判断をされる資料を持っていたわけでしょうか。いわゆる庁内調査の結果、節度を超える者は一切いない、週刊誌はほとんど根拠のないことを書いていたと、こういう資料を大臣みずからもお持ちだったわけでしょうか。まずお尋ねをしたいと思います。
#203
○国務大臣(武村正義君) 私がこの委員会も含めて国会でお答えをしてまいりましたのは、節度を超えるような行為をしている者はいないと思いますと。一切いないとかないとか、そういう自信を持って答えているわけではありません。思いますと言っておりました。万一そういう事態が明らかになれば厳正な処置をとりますと、こうお答えをしてまいりました。それまでの事務方からの報告では節度を超えている者はないと思いますという報告が上がっていることを根拠にして、そう申し上げてきたわけであります。
 実は、この香港云々の話は証書が出る前ある週刊誌が、その日の朝発売でございましたか、大きくこれを書いておりましたし、たしか発売の一日ぐらい前に私はその原稿を新聞記者からもらっておりましたので、その時点からこの香港行きの話についてすぐに事務方にチェックを指示したわけであります。記事の書き方はかなり節度を大きく超えているような書き方でありますが、事実がどういうことなのかきちっと調べてくれと。そして、発売と同時にその日たまたま証人喚問も重なったという状況でございました。残念ながら、それまでの本人と事務方との話の中で明確な確認ができていなかったということであります。
 そういうことがこういう結果を招きましたが、ただ、私もかつても、ちょっとここでお話をしましたが、滋賀県庁の経験もありまして、こういう事態が起こったときに関係者幅広く、当時の副知事や総務部長に命じて可能性を探らせたことがありますが、やはり大変大きな限界があります。内部で同僚ないしは上下の関係がありましても、こういうみずからの非を人事当局あるいは幹部に対してなかなか全部さらけ出すというのは恥ずかしいということもありましょうから、容易に全貌がつかめなかった経験も持っておりまして、一抹の不安は持っておりますし、今でもなおそういう不安は持っております。
#204
○井上哲夫君 そういう意味ではまことに私も同情を禁じ得ない。
 ただ問題は、先ほど来質問と答弁を聞いておりまして、大臣みずから二〇%の国庫返納をなされた。これは国家公務員法八十二条の減給になるのかどうかというふうな議論があったわけでございますが、実際に今、東京共同銀行の問題というのは、これまで終始、大臣及び大蔵省の方が答弁されてきておりますように、乱脈な経営にまつわるところは司直の非常に厳正な捜査に任せる、しかし一方では、金融の信用システムの安定化といいますか信用秩序の維持のためには、これはもう何が何でも維持をしなきゃならぬので、それとこれとははっきり区別をしてやっていますと、これはもう何度も申されております。
 私もそういう意味では何も信用秩序の壊れることを願って質問しているわけでもないということを大臣にも申し上げたこともあります。しかし、それとこれとは違うという、このそれという部分。については先ほど来の答弁では、例えば法規に従って泣く子の首をちょん切る処分をする、こういうことはできないと。おっしゃるとおりであります。しかし、あれとこれとは違うという今の二つの大きな問題を、何とか国民の納得を得る、理解を得るためには、大蔵省の中にこういう意味の、国民から見ると何をやっているんだというような、法規には違反しないにしても何をやっているんだというようなことが出た場合には、泣いて馬謖を切るわけではないにしても、なだめてなだめて、しかるべく国民の理解を得るための処分をすべきではないだろうかと、その辺は大変お苦しい心中だとはお察し申しますが、私はそう思うんですね。
 問題は、今回の場合に職務と関係のない私的交際行為だから、これは世間の人でもみんなそうなんだから、それを大げさに取り上げる、とやかく言うということも限度があるという意見は私も十分理解は示しているつもりでありますが、しかし事が東京共同銀行設立て公的資金を導入して、そして金融の信用システムの安定というものをどうしても守るんだとおっしゃるならば、そこは国民の理解が得がたいところで、司直の厳正な処分を待ってしかるべく処分をするというだけではちょっと国民の納得がいかないんじゃないか。その点は御感想でもありましたら教えていただきたいと思います。
#205
○国務大臣(武村正義君) まさに今、井上委員がおっしゃるそういう意味というのは、国民のこの問題に対する疑念とか怒りとか、そういう意味を込めて今回は私としては取り得る最大限の処置をしたつもりでございます。
 また、今後に対する厳しさを表現するためにも、現在の関係職員、事務次官、官房長、両局長、私も含めて省内全体を引き締めるという意味でそれぞれ処置をとったつもりでございます。あくまでも公務員の処置も法と真実が基本でありますから、やはり法律の許される範囲内で行政処置はとらざるを得ません。その最大のものであったかどうかという評価はありますし、専門の立場から見てもそこはきちっと十分チェックをして対処しなければならないと思っておるところでございます。
 どういう理由にしろ香港旅行に行ったと、高橋氏の飛行機に乗って行ったということが特段厳しい批判を受けていることを考えますと、たとえ休暇をとっていようと、応分の経費を払って行ったとしても公務員としてのやはり節度は超えている。特に世間に対して自分はやましいことはないと言っても、世間はやましく思う可能性が強い、世間に誤解を与える可能性が強いという判断をして配置がえの、このまま職にとどめ置いたのでは職務執行の上でも問題を感じさせることにもなりますから、直ちにきょう配置がえの処置をとったというのもそういう意味でございます。
 なお、二つの信用組合に対する大蔵省そして東京都、日本銀行でとらせていただいた新しい処理システムそのものは、私どもこれは基本的には今なお間違っているとは思っておりませんし、東京都がああいう事態になったのは残念には思っておりますが、しかし今後の都政の動きの中で、最終的には都は都としてそれなりの責任を明らかに必ずしていただけると私どもは期待を強くしていきたいと思っているところでございます。信用システムの不安が起こることのないように、この三者で合意したスキームを基本にしながら、しっかり対応をしていかなければいけないというふうに思っております。
#206
○井上哲夫君 大臣としては本当に清水の舞台を飛びおりるように初めて重い処分を出した、しかも果敢に出したという趣旨でございますが、どうも私はいまひとつ納得はいかない。
 これは見解の相違というか、立場の問題があるといえばそうかもしれませんが、国民の理解を得るという点からいきますと、例えば訓戒、教え諭すんですか、これは履歴書で言う賞罰では賞罰なしなんですよね。つまり、先ほど中村委員も質問されましたが、国家公務員法の八十二条の懲戒処分は賞罰の問題でありますが、訓戒の場合は賞罰なしと。そうすると果たして国民が、それは当人にとっては気の毒かもしれないが、これだけ日本じゅうを騒がせ、かつ公的資金導入と信用秩序維持という問題で大きな二つの相矛盾する問題が出てきているときに、やはり訓戒というと何だろうかなというと、ああそういうことか、教え諭すだけなのか、じゃそれは国民から見るとちっとも見えないよと、こういうふうになってくると、大臣みずから清水の舞台をおりるような心境で果敢にしかも初めての処分をやったとおっしゃっても、そこにどうも理解のしがたいところがあるような気がするんです。まあこれは私が申し上げるわけでありますが。
 そこで、もう一つお尋ねをするわけですが、大臣自身は減給に等しい二〇%の国庫返納をやられた、ほかは何にもやってないというふうに見えるとすると、それは大臣気の毒だなと。しかし、現実に飛行機に香港までただで乗って行ったとか、あるいはゴルフ、酒食の席が数度もあったとか、こういうことがやはり少し今回の処分では物足りないというふうに思われる懸念はあるわけですね。
 そこで、大臣としては、これが週刊誌で言うように六人ぐらいおると、全部入れて。ごそごそごそごそ出てきたら、それこそ大臣自身は何にも悪いことしていないのに、大臣が所管している大蔵省の中の監督、掌握を本当にしているのかどうかと。そういう意味で、さっきも大臣がおっしゃった事務方の調査ですね、事務方の調査の内容というのはどんなものでしょうか。もう少しお聞かせ願いたいんですが。
#207
○国務大臣(武村正義君) 事務方の調査は事務方からお答えをさせていただきますが、大臣としては、きのう、何らかのみずからに対する処置と考えて、いろいろ初めてどういうことが可能か勉強もしたわけでありますが、残念ながら大臣が大阪に厳重注意もできない、訓告もできない、懲戒処分という道もないようであります。
 きょうはおられませんが、橋本大蔵大臣があの株の問題のときに、一割三カ月みずからにこれもやはりけじめとして報酬返納の措置をとられたというのがございました。この先例を参考にさせていただいたということでありますが、あくまでも八万人余りの大きな組織の責任を負っておりますだけに、全体にやはり隅々までぴしっと締まっていこうという気持ちで、私みずからも最低のそういうけじめの措置をとらせていただいたということであります。
 事務方がどういう状況であるのかは官房長からお答えします。
#208
○政府委員(小村武君) 私ども事務方といたしまして、総力を挙げてその時々精いっぱいの状況の把握に努めてまいりました。
 去る三月九日、週刊誌等が発行されたその日におきましても、本人出張中でございましたですが、各種連絡をとり、その後、大臣も煩わせまして綿密な調査を行った結果、今回こういう処分を行ったわけでございます。
 大臣には大変御迷惑をおかけいたしまして、大変私ども事務当局としても恐縮に存じております。今後もこういうことのないように、きょう規律委員会を設置して実情のさらなる把握とともに、我々今まで社会通念上許されているというようなことにおいても再点検して、私ども大蔵省としてはこれから新しい道を歩んでいきたいと存じます。
#209
○井上哲夫君 官房長にそれじゃお尋ねしますが、今お答えいただきましたが、問題は、今回の事件は異例の中でやむなくとった措置、一方、これほど乱脈な信組の経営状態はまことに異例と。異例異例がダブルで来ているんですね。そういう意味で、この異例異例のダブルの中で、規律委員会を設置してやるとおっしゃるが、例えば部外委員を、元検事総長とかあるいは部外の完全に公平な人を入れて本当にやるのかどうか。いかがでございますか。
#210
○政府委員(小村武君) 規律保持につきましては私ども、私を初め、官房を初めとして各局に責任者を置いております。こうした者を最大限活用して、これからどういうふうに我々の目的を達成できるか、その組織のあり方等について早急に検討して遺漏のなきよう努めてまいりたいと思っております。
#211
○井上哲夫君 やっぱり今のお答えを聞きますと何となくわかりますよ、どういう形でつくってどういう形で収束を図ろうとしているか。
 撤後に大臣にお尋ねしますが、実は私的な交遊関係で職務とは関係ないと。これは外形的にすぎないわけです。外形的にはそう言えると。しかし、非常にたくさんの強い権力を掘っているとか、あるいは周りから見て、民間の人から見ていろいろそういうふうに思われる人たちは、外形的な関係で職務に関係ない私的行為といえども誤解を招くおそれのある範囲の行為は、決してそういう言い逃れは本来できないと思うんです、我々議員でもそうですが。
 そういう観点からいうと、単なる外形的な職務に関係のない私的な交友関係だということで、法に触れない、あるいは今回は大きな厳重処分には少し酷である、こういうふうにお考えになったとすれば私はいささか残念であると思っておるわけであります。その点について大臣のお考えをお聞かせ願いまして、私の質問を終わりたいと思います。
 日銀の理事にもきょう御出席いただきましたが、きょうは質問をできなかったことをおわびいたします。
#212
○国務大臣(武村正義君) 私は午前中から、職務に関係のない私的な行為で訓告等の処分をした例はないようでありますと、確かにこれは申し上げております。そうだと思っておりますが、そのことを盛んに強調して、これはもう大変過重な処置でありますということまで申し上げておりません。むしろそうであっても、今回の国民の厳しい御批判を前提に考えればまだ足りないくらいの処置でもあるという見方も当然あろうかと思いますし、本人はこの処置を過熱と思わないでみずからきちっと甘受してもらいたいというふうに思っております。甘受して反省の上に立って精進をしてもらいたいと思っている次第であります。
 おっしゃる外形からいってというのも言葉をかえれば、行為そのものは法的にはそういう認識、位置づけであっても、世間にどう映っているかということを大事に考えなきゃいけないという御指摘であろうかと思います。そういう意味では、公務員たる者の一人一人の全体の奉仕者としてふさわしい行動が今後強く求められるというふうに思います。
 ただ、一言申し上げますがそのために公務員がいわゆる国民の皆さん、民間の皆さんと接触してはならないとか、会食してはならないとか、ゴルフしてはならないと、そういう話にまで発展してしまいますと、これはもう公務員の職務が全うできない事態にもなりかねません。そういう意味では、そこは今回の事態というものをきちっと見詰めて、これがどういう社会的影響を与えようとしているのか、その一点に絞りながらやはり私どもは決断をさせていただいたというふうに思っております。
#213
○井上哲夫君 時間が来ましたので、終わります。
#214
○委員長(坂野重信君) 以上で武田邦太郎君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ―――――――――――――
#215
○委員長(坂野重信君) 次に、林紀子君の質疑を行います。林紀子君。
#216
○林紀子君 私もまず大蔵大臣にお伺いしたいと思います。
 本日の処分発表によって、大臣が今まで繰り返してきた節度は超えていないという言い分が無責任かつ事実とは違ったことが鮮明になりました。
 そこで、二つほどお伺いしたいと思いますが、まず一つは、マスコミ報道が田谷氏や中島氏について指摘した中には正確なところが幾つかあったということですか、
 それから次に、少なくとも閉会に対してこれまでの答弁についてもっとはっきりと謝罪すべきだと思いますけれども、いかがでしょうか。
#217
○国務大臣(武村正義君) 特に田谷氏については、申し上げたように、五年余り前に高橋氏の所有する飛行機に乗って香港へ行ったという事実が明らかになったわけであります。この事実をとらえて田谷氏の処置を、今回特に配置がえという処置を加えているところでございます。
 共通して二人に言えることは、勉強会等々であるとはいえ高橘氏と数回会食をともにしている、ゴルフも一、二回ともにしているという事実を前提にして、中島氏にも田谷氏と同様、訓告という処置をとったということであります。
 これまでの答弁との関係につきましては、私が先ほどもお答えしましたように、答弁の時点、この香港行きという事実が表になるまではこういうことはないというふうに思っておりました。報告もそうでございましたから、公務員の節度を超えていないものと思いますと。なおこういうような事実が明らかになれば厳正な処置をとります、こういうふうにお答えをしてきたと思うのであります。
 今回の処置は、そういう発言に沿って厳しい処置をとらせていただいたというふうに思っております。
#218
○林紀子君 有働委員から関連質問をお願いいたします。
#219
○委員長(坂野重信君) 関連質疑を許します。有働正治君。
#220
○有働正治君 私は、幾つか事実関係についてお尋ねします。
 大臣が述べられました供応等はいつごろから始まっていつごろまで続いていたのか、大臣。大臣が調べたんでしょう、ちょっとお答えください。
#221
○政府委員(小村武君) 田谷税関長につきましては、私ども聴取した映りにおきます本人の報告によりますと、高橋前理事長とのかかわりは、バブルの盛んなころイ・アイ・イ・インターナショナルの経常折として紹介されたと。平成二年ごろまでに多人数の席で数回同席した程度、その後宴席で一緒になったことはない、こういうことでございます。
#222
○有働正治君 中島さんの場合どうですか。
#223
○政府委員(小村武君) 中島主計局次長につきましては、高橋前理事長とは勉強会等で何回か同席したことがある、ゴルフも一緒に行ったことがあるとのことでございました。つき合いは、平成元年ごろ、元大蔵政務次官の勉強会のときに会ったのが初めてであると。ただ、その勉強会には必ずしも毎回高橋氏が出席したわけではなかった、また勉強会も頻繁に行われたものではなかったということでございます。
#224
○有働正治君 最近まで続いていたのかどうか、その点。いつごろまでか。
#225
○政府委員(小村武君) 田谷税関長につきましては、平成二年までつき合いがあって、三年以降は会っていないということでございます。
 中島次長につきましては、高橘氏と接触があったのは先ほど申し上げました平成元年ごろからでございますが、その後、記憶する限り一対一で会ったこともない。いつまでという、その後撤後に会ったのはいつかということについては必ずしも本人は記憶はございませんでした。恐らく、私ども調査した限りにおきましても、中島氏の場合にはその最終的に会った日の日付はちょっと確認できておりません。
#226
○有働正治君 そういうのもきっちり調べる必要がある。
 官房長官が記者会見があるということなんで、先に官房長官の方にお尋ねいたします。
 つまり平成二年ごろあるいは元年ごろからということになりますと歴代の当時の大蔵大臣の責任も考えられるわけでありますが、官房長官、この点についてはどうお考えでありますか。
#227
○国務大臣(五十嵐広三君) 歴代大蔵大臣がそれはその都度、全体を責任を持って指導しているというものではございますけれども、今回の場合、既に武村大蔵大臣からその状況等については御報告を申し上げているところでありまして、また武村大臣はみずから二〇%給与を国庫に返上するというような大変責任感のある対処をお話しなさっておられまして、そういう点では、そういう行為そのものが全体の規律というものを引き締めて、今後そのようなことのないように綱紀粛止に向けての指導件のある考え方であろう、こういうぐあいに思っている次第でございます。
#228
○有働正治君 大蔵大臣は大蔵以外のほかの省庁の役人もいたというふうに報告されましたが、どういう省庁の方々がおられたか、はっきり述べていただきたい。大蔵大臣。
#229
○国務大臣(武村正義君) ほかの竹片の役人さんと一緒の店もあったという報告を受けたわけであります。個別の役所の名前は聞いておりません。
#230
○有働正治君 それも全体としてやっぱり調べる必要がある。
 官房長官、内閣として、ほかの省庁の方々も同席していたということが明らかになった以上きっちり調べる必要があると思いますが、いかがでありますか。きっちり答えていただきたい。
#231
○国務大臣(五十嵐広三君) 今度の問題に関しましては、先ほど来大蔵大臣がお話ししていますように、大蔵大臣ないし大蔵省幹部が事実の解明に先日来しっかり当たっておられまして、今日明らかになったところに基づいて本日発表いたしましたような処分というものを決めたわけでございまして、それら全体を通じての中でのもちろん処分すべき者に対する処分ということになっているものだろう、こういうぐあいに存じている次第でありまづ
 もちろんそれはどの省庁にございましても、公務員として問題のあるいわゆる度を過ぎた行為のある者に関してそれぞれ処分すべきは言うまでもないのでありますが、今回の大蔵省を中心にして調査した結果では、今日の段階でけさの発表のような内容であると、こういうことであります。
#232
○有働正治君 各省庁がどういうところだったかは聞いてもいないということなわけですよ。やはり節度を超えているかどうかはこういう点も内脚としては対応すべきだ、それでないと国民の疑惑の目をきっちり解消することにならないと思うわけですが、改めて官班長官、それが一点。
 それから岩下正首相秘書官の問題で会児なされたようでありますが、勉強会というのはだれの勉強会で、何回行われ参加したのか、その勉強会の目的、名目。大蔵省の役員だからこそ呼ばれたということに考えるわけでありますが、その点いかがでありましょうか。
#233
○国務大臣(五十嵐広三君) 前段のお話に関しましては、先ほど申しましたように、やはり公務員として度を過ぎているものと思われるものがございましたら、これはもうどの省庁とも言わず、私どもそういう事実が明確になれば処分する、こういうことであろうと思います。
 それから岩下総理秘書官の点につきましては、私どもで調べたところ、かつ大蔵省における調査とも照合したところにおきましては、総理秘書官になりましてからは一則のようであります。もちろん他の方々と同席した勉強会のようでございまして、そう何回もというものではないと思いますが、大体その勉強会に出席をしましたのは三年ほど前からで、数回出席しているようでありますが、総理秘書官となりましてからは一回、こういうことのようであります。
#234
○有働正治君 中島氏の場合、当時の大蔵委員長に呼ばれて、いわば幹事役として大蔵省の方々を数人連れていったと。数人というのは幅が広いわけでありますけれども、何人ぐらいなんですか。その桐書は当時どういう肩書の方々だったのか。
#235
○政府委員(小村武君) 今回、中島次長を訓告処分にいたしましたのは、こういうきっかけをつくったということも大きな要素でございます。社回通念上その当時は許されると本人たちが思っていたにしても、今日こういうふうに御指摘をいただくということは大変残念なことであり、私どもとしてもそういう意味で彼の処分に踏み切ったわけでございます。
 あとどういう人間を勉強会に紹介した等々につきましては、詳細を私どもは承知しておりません。彼がそのときにいろいろ自分の親しい人間を誘ったと思いますけれども、どういう人間をいつ誘ったというところまでは私どもは承知いたしておりません。
 いずれにしても、彼がこういうきっかけをつくってこのような御指摘をいただいたということに対して今回の処分をしたわけでございます。
#236
○有働正治君 ちゃんと調べる必要がある。中島氏らは高橋氏が当時東京協和信組の理事長であることを当然承知していたと思いますが、いかがですか。
#237
○政府委員(小村武君) 当時、高橋氏はイ・アイ・イの経営者として青年実業者として大変有名な存在でございました。本人の申し立てによりますと、信用組合の理事長をしているということは存じていなかった、こういうことでございまして、その点については私どもも大変軽率ではないかという指摘をいたしたわけでございます。
#238
○有働正治君 大蔵省の役人の方々は、高橋氏に対して、参加した場合に大蔵省のどういう紹介をされているか、その点どうですか。
#239
○政府委員(小村武君) 中島次長が最初に高橋前理事長と勉強会で同席したのは、元政務次官の勉強会というところに高橋氏もたまたま出席をしていたということがきっかけでございました。それを踏まえてのつき合いだということでございます。
#240
○有働正治君 大蔵省のだれだれと当然紹介されているはずですけれども、その点どうですか。
#241
○政府委員(小村武君) そういう席におきましては恐らく名刺交換をやり、お互いの存在が明らかになったと思いますが、高橘氏がどういう名刺を出したかというところまでは承知しておりません。
#242
○有働正治君 大蔵官僚としてやっぱり出席しているんですよ。
 それから供応の場所について、赤坂の佐藤だけか、ほかにどこがあったのか、この点について聞いておられるかどうか、金額はどうだったのか、支払い状況はどうだったのか、はっきりさせてください。
#243
○政府委員(小村武君) 勉強会の回数等々については、恐らく記憶する限り中島次長の場合には六ないし七回ぐらい出席をしたということを言っております。その勉強会におきまして彼が経費を負担していないというふうに私ども心証を得ております。
#244
○有働正治君 調査自体も非常にあいまいだということがはっきりしました。
 私は、私的な交際と言いますが、広く言えば職務上の義務に該当し、それに違反すると考えるのが当然だと思うんです。大蔵省は監督官庁で、監督下の業界関係者との供応等が大きく言えば職務上無関係とは言えないわけであります。
 私はここに国家公務員法の解説書を持ってきましたが、第八十二条の懲戒の場合について、「必ずしも違法な行為であることを必要としない。」とはっきり述べております。それは、職員は国民全体の奉仕者としてふさわしくない非行をすべからずとの規範が内在的に存しており、その内在的規範の違反は、懲戒事由となるとの法意をもつものである。
 公務秩序維持の観点に立ち、この観点から客観的に全体の奉仕者たるにふさわしくない非行があると認められる場合――すなわち国民全体の奉仕者としての地位をもつ職員が、国民がかくあるべきものとして認容ないし期待していると考えられる国民全体の奉仕者としてのあるべき期待像に反する行為をしたと認められる場合一には、これを懲戒事由とするとの意味を有する。したがって、その立場から懲戒事由の一つとして八十二条の三つの項目の規定がある。まさに国民はこのことを指摘しているんです。
 今回の処分は、私は、処分には値しない、法に基づいて厳正にやるべきだ、国民もそのことを厳しく要求しているということを主張して、関連質問を終わります。
#245
○林紀子君 私は、核兵器の問題を中心にお伺いしたいと思います。
 ことしは戦後五十年、被爆五十年を迎えます。この五十年間の歴代政府が核兵器問題にどのように対処をしてきたか振り返ってみますと、例えば中曽根総理大臣は、日本はアメリカの核の傘に入っていると公然と答弁しました。被爆地広島出身の宮澤総理大臣は、原爆投下はやむを得なかったと言いました。ブッシュ大統領の原爆投下の正当化発言には何一つ抗議をしませんでしたし、原爆投下の直接の責任者ルメー参謀長に叙勲を行いました。ことごとく被爆者や国民の願いに反するものでした。
 五十年間のこうした対応にどのような責任を感じていらっしゃるのか、また唯一の被爆国日本は核兵器廃絶のために世界の、とりわけ核保有国の世論を動かす責任があると思いますが、この節目の年に当たって今後どのように対応していくつもりか、官房長官、そして外務大臣にそれぞれお伺いしたいと思います。
#246
○国務大臣(五十嵐広三君) おおよそ三十四万人を超える犠牲者を出しまして、いまだに原爆後遺症に悩む方々の筆舌に尽くしがたい苦しみというようなものを考えますと、殊に唯一の被爆国である我が国として、もう二度とこういう悲惨な状況が地球上に出現しないようにあらゆる機会を通じてその完全な廃絶のために努力するのが私ども政府のまた国民の任務であろうと、こういうぐあいに思っている次第でございます。
 国連におきましても、後ほど外務大臣からもお話があろうと思いますが、先日の非核決議の提案等さまざまな努力をしているところでありますが、今後とも内外にわたってそういう努力を尽くしてまいりたい、このように存ずる次第であります。
#247
○国務大臣(河野洋平君) 戦後五十周年という年を迎えまして、すべての関係者に極めて大きな惨禍をもたらした戦争の歴史的教訓をかみしめて我が国として外交努力を積み重ねていくことが重要だと考えておりまして、その一環として国連におきましても決議を出した次第でございます。
 今後とも努力をしてまいりたいと考えます。
#248
○林紀子君 決議のお話はまた後ほど質問させていただきますが、我が国は核兵器がいかに非人道的な大量殺りく兵器であるかということを知っています。
 昨年の広島の平和宣言にも、「ヒロシマは、ナガサキとともに世界の核保有国の指導者に訴える。即刻、すべての核兵器の廃棄を宣言すべきだ、」、こううたっております。これが被爆者の声です。政府は当然この立場に立って被爆の実相をあらわす資料の収集、調査、国内外の広報を幅広く行っていくべきだと思います。
 そこで、厚生省に伺いますが、被爆の実相を把握するためにどのようなことを今まで行ってきたのでしょうか。また外務省には、それを全世界に伝えるためにどのような努力をしてきたのか。それぞれお伺いしたいと思います。
#249
○国務大臣(井出正一君) 世界唯一の被爆国であります我が国が、原爆被害の実態を的確に把握し広く伝えていくことは大変重要なことだと考えております。
 これまで十年ごとに被爆者実態調査を実施してまいりましたわけですが、被爆五十周年を迎える本年といいましょうか、年度でいえば来年度でありますが、にも被爆者実態調査を予定しているところでございます。
 また現在、原爆死没者追悼平和祈念館の建設に向けて検討も進めているところでございまして、この祈念館には原爆に関する各種資料の収集や情報提供等の機能を持たせることとしております。
#250
○国務大臣(河野洋平君) 外務省所管の海外広報協会が作成をいたしました広島の原爆被害を記録したビデオは、平成九年から六年にかけて全米で放送されたこともございます。
 また、外務省は毎年、国連軍縮フェローシップの枠組みで日本を訪れます各国若手外交官に広島及び長崎の視察をしてもらう、あるいは外国のテレビチームを招聘する際にも広島、長崎の取材に協力をする、こういったことをいたしております。
#251
○林紀子君 今、厚生大臣からお話のありました被爆者調査、十年ごとにしているわけですが、これにも未発表の資料が大変多数あります。すべての資料を公開すべきだと思います。
 また、外務省ですけれども、海外への広報は五十年間でビデオ一本というふうに伺いました。刊行物というのはないのか、これで十分だというふうにお考えになるのか、お聞きしたいと思います。
#252
○政府委員(松村明仁君) 原爆被爆者に関します資料につきましては、各種の統計につきましてはそれぞれ発表しておるところでございますが、一部プライバシーに関係するようなものにつきましては保留をしておることもございます。
#253
○政府委員(林暘君) 広島、長崎の状況についていろいろな機会に外国の報道関係者ないしは政府関係者その他に紹介する努力を我々としてもいたしておるわけでございますけれども、今、先生お尋ねのいわゆる一般広報資料のようなもので長崎、広島の被害の実相を世界に広報をしているかという点につきましては、そういう広報資料は外務省としてつくっておりません。
#254
○林紀子君 外務大臣からお話のありましたビデオというのを私も拝見したわけなんですけれども、このビデオにはキノコ雲は全く出てこないんですね。ケロイドも出てきません。放射能の後遺症も出てきません。被爆者の受けたトータルな被害というのは全く描かれていない。核廃絶への強い願いというのもこのビデオを見た限りでは伝わってこないわけなんですね。そして、広島が五十年でいかに復興したか、そのことが非常に強調されておりますので、これを見た外回の方々に、原爆被害はそれほど深刻ではないんだな、こういう誤った印象さえ与えかねないようなものだというふうに思うわけですね。せっかくつくるビデオですから、これはぜひつくりかえていただきたいというふうに思うわけです。
 また、広島の平和資料館を訪れる外国の方々、初めて被爆の実相に触れて世界観が変わるほどの衝撃を受けた、こういう感想を漏らしている方々がいらっしゃいます。そして、二度とこういうことがあってはならない、こういう声をたくさん寄せているのです。
 核兵器がどれほど恐ろしいものであるか、海外ではほとんど知られていません。この被爆の実相を伝えることは日本にしかできないことです。民間任せにしないで政府が取り組むべきだと思います。
 これまでも原爆被害に関する資料を集大成した原爆白書の作成を日本被団協はいつも要求しておりますけれども、せめて被爆五十年を機に刊行物、先ほど一つもありませんということはお認めになりましたので、ぜひ作成をしていただきたいと思います。早急に着手して、翻訳して国連加盟の各国に配付するべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。
#255
○政府委員(林暘君) 我々は、国内でどういう資料ができ上がっているかちょっとこの場で承知しておりませんけれども、いい資料があって、海外に広報をすべきものがあるということであれば検討させていただきたいと思います。
#256
○林紀子君 私が申し上げましたのは、これは政府がやるべきだ。広島、長崎、それから民間、いろいろ努力しているのは存じ上げておりますけれども、これは政府が責任を持ってやるべきだ。ぜひ被爆五十年のことし、責任を持ってやってほしいということをお願いしているわけですが、大臣、いかがですか。
#257
○国務大臣(河野洋平君) 政府としても、国連の軍縮関係の会議を広島で、あるいはことしは長崎でも行います。こうした会議に積極的に政府としても支援を行っておりまして、こうした会合には世界各地から多くの方々がお集まりになります。そうした方々にはぜひ広島、長崎の、まさに議員おっしゃるように、実相を見ていただく努力をいたしたいと思います。
#258
○林紀子君 刊行物というのは日本にやってこられない人にも見ていただけるということがあるわけですから、ぜひビデオのっくりかえと刊行物の発行を考えていただいて、世論の喚起ということを考えていただきたいと思います。
 そこで、次にお伺いしたいことは、昨年夏の広島・長崎平和式典では就任早々の村山総理大臣が出かけていらっしゃいまして「究極的廃絶」と述べまして、両市長の即刻すべての核兵器を廃絶してほしい、こういう訴えと大きな違いを見せました。そして、その直後上京した本島長崎市長は、この「究極的」という言葉をなくしてほしい、これは世界の終わり、世の終わりということを感じる、被爆地の市長としては耐えられない、こういうふうに訴えたと報道されています。多くの被爆者や国民も同じ気持ちだと思います。
 そこでお伺いしたいのですが、この究極的ということは一体いつのことを想定しているわけなのでしょうか。
#259
○国務大臣(河野洋平君) 被爆者の皆さんのお気持ちはよくわかります。恐らく被爆者の皆さん、私も広島へ行き長崎に行き、被爆者の方々と何回もお話をさせていただきましたからよくわかっているつもりでございますが、もう即刻なくしてほしいというお気持ちは私もよく理解できます。しかし、総理大臣の話ということになりますと、これはもし総理が即刻なくしますと言えば、それはいささか何といいますか、感情にかられた話ということになってしまって、一国の政治の責任者としてはやはり国際政治の現実を踏まえて、その上で核廃絶を目指してまじめに一歩すっ努力をしようという気持ちからすれば、究極的核廃絶に向かって一歩ずつ努力をしてまいりますとおっしゃることの方がはるかに誠実な発言ぶりではないかというふうに私は思うわけでございます。
 究極的という言葉は、それは国際社会の中には、まず核実験をやめよう、あるいはカットオフ条約をつくろう、非常に難しい国際情勢、国際政治の現炎の中で、しかしこうした核兵器というものが二度と使われてはならぬ、そういう決意から少しずつ少しずつそちらに向かって全体を進めようという努力が現実になされているわけでありまして、そうしたことの積み重ねが最終的に究極的核廃絶ということになるのであって、それが五カ年で、究極的というのは五年という意味ですというふうに申し上げられないことを極めて残念に思いますけれども、しかし誠実に核廃絶に向かって努力をするという気持ちで究極的核廃絶という表現を使っているということをぜひ御理解いただきたいと思います。
#260
○林紀子君 一歩一歩着実にと、そしてすぐになくしてほしいという被爆者の気持ちはよくわかるというふうに今お答えいただいたわけです。
 そうしますと、今、核兵器というのは全世界でおよそ四万五千発余りある、そして二〇〇三年までにはSTARTUが確実に実行されましたら米ロで核兵器は六千五百発に減らされるというふうになっていますね。確かにこの数というのは大分減らされるわけです。一歩一歩減らされているのかもしれません。しかし、その六千五百発の威力というのがどういうものかといいましたら、今は水爆になっておりますので広島型原爆の十万発分にも当たると。やはりこの威力というのは大変なもののわけです。
 ですから、できるだけ早くなくしたいというこの被爆者の気持ちがわかるというふうにおっしゃるのなら期限を切って、確かに一歩一歩かもしれませんが、それならばいつまでにこの核兵器をゼロにするのか、期限を切ってということが一番重要になってくるんじゃないですか。究極的、本当にいつかわからないということじゃなくて、期限をきちんと切った提案をするべきではありませんか。
 現実に国連の核兵器作業部会は、ことしから二〇〇五年までを核兵器廃絶の国際的な十年とするように勧告しています。非同盟諸国も期限を区切って核兵器を廃絶しよう、こういう主張をしているわけです。こういう動きはもう現にあるわけですから、日本がこうした動きを支持して被爆国としてのイニシアチブをとるのは当然ではないですか。どうでしょう。
#261
○国務大臣(河野洋平君) 非同盟諸国がかねてからそうした非常に積極的な作業をしておられることを私はよく承知しております。
 しかし問題は、核廃絶にとって問題は核保有国がどうするかということなのです。核保有国に核をすべてなくさせる、そのことのために何をするかということが最も現実的であります。
 昨年の国連総会におきまして、私どもが、究極的核廃絶についての決議案を日本が単独で提案をいたしました。これはいろいろ御批評はあろうかと思いますけれども、少なくとも究極的核廃絶というタイトルで決議を出したということはいまだかってないんです。しかも、日本が単独で提案をまずしたということもこれはいまだかつてないことでございまして、まさに議員が御指摘になるように、核廃絶に向かつて我が国がイニシアチブをとるべきではないかという御指摘であるとするならば、私どもは昨年そういうことをいたしました。そして、この決議案というものは大多数の国連加盟国の賛成によって成立をしたわけです。
 私は、極端なことを言うと、それが成立したからどうなるのと、こういうふうに聞かれれば、この決議案が成立したからどうなると言われても、その結果どうなるということでもないではないかというふうに言われてしまえばそれまでなんですが、しかし少なくとも国際社会が究極的核廃絶に向けて進まなければならないという、言ってみれば大多数の考え方が国連の場で明らかにされたということには相当大きな意味があるというふうに思っているわけで、私は本当に一歩一歩、まさに一歩一歩だと思いますが、そうやって合意をつくり上げていく努力というものが必要ではないかというふうに思っておりまして、この努力は今後もさらに進めてまいりたいと思っているわけでございます。
   〔委員長退席、理事伊江朝雄君着席〕
#262
○林紀子君 今、決議の問題をおっしゃいました。
 日本の国民は、日本政府が五十年目にして初めて国連に核兵器廃絶決議を提出した、こういう話を聞きますと、ようやく日本も被爆国としての責任を果たすことになったのか、こういうふうに思うと思うんですね。ところが、この内容というのはどういうものか。今、究極的廃絶の決議とおっしゃいましたが、究極的という言葉がついているわけですね。それと同時に、これは廃絶ということを核保有国に呼びかけているものではありませんね。この中身は核軍縮の努力をせよ、こういうふうになっているわけですね。廃絶を国民は願っているわけですから、ずばり核兵器廃絶の決議を出すべきではありませんか。
#263
○国務大臣(河野洋平君) 私は、少なくとも国連における大多数の賛成を得て一歩ずつ、つまり究極的核廃絶への賛成が国連の大多数の意思だということをまず示させて、その次にまた次の作業をやるというのでなければ、もし議員が御指摘のように直ちに核廃絶と言えば、これは少なくとも核保有国の賛成はないでしょう。
 そういう、ただ出せばそれでいいという自己満足だけをするというのであって何か意味があるでしょうか。私は、やはり国連における大多数の支持を得るという努力から始めていく必要があるというのが私の考えで、もしそれがいけないというのであれば、少し考え方、認識の違いがあると申し上げざるを得ないと思います。
#264
○林紀子君 私はこの決議も見せていただいております。第二項に、核兵器保有国に対しということで軍縮を呼びかけているわけですけれども、その前段に、全面的かつ完全な軍備縮小の枠組みのもとにおける核兵器の廃絶を究極的目標とする云々と、こういうふうにあるわけですね。そうしますと、この全面完全軍縮が達成されなければ核兵器廃絶はない、こういうことになるんじゃないですか。
 全面完全軍縮というのはどういうことなのか。これは第一回の国連軍縮特別総会の行動計画に書かれておりますけれども、国内の警察力、国連平和軍以外の軍備がすべてなくなったとき、こういうことを想定して全面完全軍縮というのだということになっているわけですね。そうしましたら、それこそこれはいつのことなのか、結局は現実の話じゃないんじゃないかということも重ねて申し上げたいと思うんです。
 一九四六年の国連の第一号決議は、原子力兵器の完全廃絶です。これは残虐な非人道的な大量破壊兵器をほかの兵器体系からは切り離して真っ先になくしていこう、これが核廃絶という戦後政治の原点じゃないですか。全面完全軍縮ができるまで核兵器やりませんというのはどう考えてもおかしいと思います。いかがでしょうか。
#265
○国務大臣(河野洋平君) 繰り返して申し上げますが、私は、まず国連における核軍縮の方向性というものに国連加盟国の大多数の支持を得ておきたいということを申し上げているわけでございまして、少なくともいまだかつて究極的核廃絶に向けた核軍縮に関する決議案などというものは出たことはないわけです。こういう決議案をまさに日本がイニシアチブをとって提案をして、そして支持を得た、もうほとんど大多数の賛成を得たということは、私は少なくともその方向に向かって一班ずつ前進をしているというふうに考えていただいていいのではないか。この動き、この作業、この努力というものに否定的な議論をなさるということは私には全く理解ができません。
#266
○林紀子君 そうおっしゃるなら、どうしてわざわざこんな全面的かつ完全な軍備縮小の枠組みのもとにおけるなんという、言葉をくっつけるんですか。
#267
○国務大臣(河野洋平君) そういう文責をつけずに提案をして決議案が否決をされる、あるいは国連の大多数の支持が得られない方がいいとでもおっしゃるんでしょうか。
#268
○林紀子君 申し上げますけれども、核兵器が通常兵器の抑止である、通常兵器がなくならない限り核兵器もなくさない、こういうことを言っているのはアメリカ、クリントン大統領なんですよね。アメリカのクリントン大統領は、核拡散をしないために核の使用をも辞さない、こういうとんでもない構想、核拡散対抗構想というのを打ち出しました。そして、それに沿って合同核作戦ドクトリンというのを作成しました。これはグリーンピースの情報公開のもとにこの一月明らかになったということですけれども、その中には通常兵器に対しての核兵器の抑止力というのをはっきりうたっているわけですね。私は、こういうアメリカのドクトリン、アメリカの言い分にこの被爆国の日本が同調するなんていうことは絶対許せないと思うんです。
 私はまだ申し上げたいことがございます。
 厚生委員会で被爆者援護法、これが昨年通りましたけれども、そのときに参考人として来てくださった広島の被爆者の岩佐幹三さんという方はこうおっしゃっているんです。
 お母さんがあの爆風で倒壊した家の下敷きになってしまった。火がどんどん迫ってくる。自分は十六歳の少年であったが、これにいたたまれずとうとう逃げ出してしまった。
 じりじりと辿ってくる火の平、そして死の瞬間を待つ気持ちといったらどんなだっただろう。なぜ一緒に死ぬ気になってもっと頑張ってやらなかったのか、私が母を殺したも同じだと、どれだけ内分を責めたかわかりません。
 地獄と言われるのはまさにこうした状態のことを言うんではないかと思います。
 被団協調査が示すように、当日の死者の六五%は子供、女性、年寄りという非戦闘員たつたのです。
 原爆はこのように無差別で、言ってみれば人間の絶滅に連なるような残虐性を示す兵器たつたのでございます。こういうふうに言っているわけですね。
 こういう被爆を体験した日本がアメリカのドクトリンに従って、通常兵器と切り離さない限り核兵器を切り離してなくさないなんていうこと、しがみついていることは絶対に許せない。被爆国の日本こそ本当に世界じゅうに向かって核兵器なくせの先頭に立つべきだ、このことを申し上げて、最後に御答弁を求めて終わります。
#269
○国務大臣(河野洋平君) どういうふうに申し上げたら御理解がいただけるのか私にはよくわからないんですが、この決議、我が国が提案をした決議は通常兵器の軍縮と核兵器の究極的廃絶ということを言っているわけです。片っ方をやめなければ片っ方をやめないと言っているんじゃなくて、一方を軍縮したらこっちはやめてもらうという決議を出していることがなぜいけないのか、私には全く理解できません。
 そして、最後にお話を聞かれたという被爆者の方々のお気持ちは、私も何回も何回も広島、長崎に伺っていろいろお話を伺っておりまして、そうした方の、同じ方ではありませんけれども、そうした方々のお話を私もよく伺ったつもりでおります。原爆の悲惨さ、これを繰り返してはならない、そういう強い願いを我々はきちっと持ってこの問題には対応したい、そういう決意でおります。
#270
○林紀子君 一言言わせてください。
 核兵器を本当になくす気持ちであれば、本当に期限を区切って、しかも通常兵器と切り離してやるべきだと申し上げて、終わります。
#271
○理事(伊江朝雄君) 以上で林紀子君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ―――――――――――――
#272
○理事(伊江朝雄君) 次に、翫正敏君の質疑を行います。翫正敏君。
#273
○翫正敏君 翫正敏です。
 厚生大臣に質問します。
 新潟県の村松町にある国立療養所の統廃合問題についての現状と今後の方向について説明してください。
#274
○政府委員(松村明仁君) 村松病院の統合のことにつきまして説明申し上げます。
 国立病院・療養所につきましては、国立にふさわしい機能の強化を図るため、統合・移譲による再編成を進めているところでございます。
 お尋ねのケースにつきましては、再編成計画に基づきまして国立療養所村松病院と寺泊病院を国立療養所西新潟病院に統合いたしまして、胸部慢性呼吸器疾患、脳血管障害や重症心身障害に対する専門医療に加えまして、てんかんに関する高度専門医療の実施、臨床研究、教育研修などの機能を備えた施設として整備することとしております。
 現在のところ、本年七月一日の統合実施に向けまして国立療養所西新潟病院の病棟の増改築等の整備を行うとともに、統合後の国立療養所村松病院と寺泊病院の後利用につきまして、地元事治体等と調整を行っているところでございます。
#275
○翫正敏君 一部事務組合をつくって国立病院を買い取ってもらうという計画と理解してよろしいですか。
#276
○政府委員(松村明仁君) 地元村松町は、地元市町村で構成いたします一部事務組合で村松病院の譲渡を受けまして、さらに地元の医療法人にその運営を委託することによりまして新しい病院を設置、運営する計画を持っております。
 本年七月一日の開設に向けまして、現在関係市町村と調整を行っているところでございます。
#277
○翫正敏君 そこにおける国の責任というのはどういうふうになるんですか。
#278
○政府委員(松村明仁君) 私どもといたしましては、本年七月にこの計画がスムーズに進行いたしますように現在関係の市町村並びに関係方面と協議、努力をしておるところでございます。
#279
○翫正敏君 この国立病院を統廃合するに当たっての特別措置法が昭和六十二年九月に審議されておりますけれども、そのときには時の斎藤十朗厚生大臣が、衆議院の社会労働委員会ですか、ここで答弁をして、「見切り発車をしてやっていくというような性格のものではないということをたびたび申し上げてまいりました。」というようなことをるるおっしゃって、要するに国の責任として医療空白はつくらないという、こういうことをおっしゃっているので、国のそういう統廃合における医療空白をつくらない責任ということについて質問をしているわけです。お願いします。
#280
○国務大臣(井出正一君) 地元の御理解が得られなくちゃ国の計画は進むはずがございません。したがいまして、先生今御指摘の村松病院につきましても、七月一日に開設ができますよう厚生省としてもその実現に向けて協力、御支援をしていきたいと思っております。
#281
○翫正敏君 一部事務組合をつくるということについては国の責任はないんですか。
#282
○政府委員(松村明仁君) 現在、関係地方自治体の方々が鋭意検討されておると、こういうふうに理解しております。
#283
○翫正敏君 二部事務組合ができなければ運営委託ができない、運営を任せられない。そうすれば医療空白ができる、こういう必然性になると思いますが、いかがですか。
#284
○政府委員(松村明仁君) 私どもはそういうことがないように現在努力をしておるところでございます。
#285
○翫正敏君 一部事務組合をつくるに当たってどういう市町村がこれに参加をする、また参加をしてもらおうと、こういう方向になっているんですか。
#286
○政府委員(松村明仁君) 現在、地元市町村、十二市町村で一部事務組合をつくるべく努力をしておる、このように承知しております。
#287
○翫正敏君 その十二市町村がみずから努力をするということはわかるんですけれども、政府としての、厚生省としてのと言った方がいいですか、指導責任とかいうようなことはありますか。
#288
○政府委員(松村明仁君) これはあくまでも地元の市町村が上体的になって一部事務組合をつくっていただくことでございますから、私どもはその主体性に期待をしておるところでございます。しかしながら、私どもも陰に陽にいろいろ御支援を申し上げておるというところでございます。
#289
○翫正敏君 現在のところ、この十二市町村のうち一部事務組合をつくるに明確に同意の意思を表明しておられる市町村名を挙げていただけますか。
#290
○政府委員(松村明仁君) 現在これは進行中でございまして、その細部についてはちょっと差し控えたいと思います。
#291
○翫正敏君 もう一度はっきり言ってください。
#292
○政府委員(松村明仁君) 現在、関係の市町村で鋭意御検討いただいておる、このように承知をしておりますから、その詳細については差し枠えたいと思います。
#293
○翫正敏君 差し控えの理由は何ですか。
#294
○政府委員(松村明仁君) 先ほど申しましたように、この関係市町村が主体性を持って御検討されているわけでありますから、その内容についてここで私が御説明することは差し控えたい、このように思っております。
#295
○翫正敏君 では、大臣、これは十二市町村ということで計画はしているけれども、まだ完全にすべての町の同意が得られているわけではない、このように理解してよろしいですね。
#296
○国務大臣(井出正一君) 私どもとしては、開設予定の七月一日までにこの十二市町村がきちっとした合意をしていただけるものという確信のもとに進めておるところであります。
#297
○翫正敏君 そういうことが明確にならない限り医療の空白ができるということになりますから、そういうことは絶対避けていただく、こういうことは明言していただけますね。
#298
○政府委員(松村明仁君) 現作、委員御指摘のような事態にならないように私ども一生懸命努力しておるところでございます。
#299
○翫正敏君 最終的に民間医療機関に運営を委託すると聞いておりますが、そういう理解でよろしいですか。
#300
○政府委員(松村明仁君) 民間の医療機関に経営の委託をする、こういうことで計画は進んでおるところでございます。
#301
○翫正敏君 民間の医療法人に委託をするという場合に、最終的な財政の問題はどういうふうになるんでしょうか。
#302
○政府委員(松村明仁君) 基本的には一部事務組合が責任を持つことになっておるわけであります。
#303
○翫正敏君 その一部事務組合の中の中心の村松町の広報というものを見ますと、この財政の問題について、赤字補てんなどしない、こういうことが書かれているんですけれども、知っていますか。
#304
○政府委員(松村明仁君) 突然の御指摘で、まことに申しわけありませんが、私、そのことを知りません。
#305
○翫正敏君 やはりこの財政問題が解決しないと結局、引受手が見つからない。そういうことになると、病院の統合をしても、残ったところの、買い取った後の医療空白が起きてしまうという可能性があるので、こういうことが起きないように最大限努力するということを大臣からもう一度約束してください。
#306
○国務大臣(井出正一君) まさにそうしませんと七月一日に開設できませんから努力しますし、またこの十二市町村で努力していただかなくちゃならぬことも事実だと思います。
#307
○翫正敏君 次に建設大臣に質問いたします。鹿児島県の甲突川の激甚災害対策事業について。
 高麗橋と西田橋は、百五十年の歴史を持つ五つの石橋のうち、洪水で流失もせず残っている貴重な文化財でありますが、この間、撤去されると聞いております。計画はどうなっているのか説用してください。
#308
○国務大臣(野坂浩賢君) お答えをいたします。
 先生御指摘のように、鹿児島市の人口は五十四万で、その真ん中を通っておりますね。この間の大洪水によりまして五つの石橋のうち二つの石橋が倒壊し、流されました。したがいまして、二万一千戸の家屋の床上浸水、あるいは被害が甚大であったということは御案内のとおりです。
 このために鹿児島県の知事は、鹿児島市長の同意を得て、石橋の移設復元を前提とした激甚災害の導入を申請して、これを建設省はお受けいたしました。ここまではわかっておるわけです。
 今後の問題でありますが、この問題については四十三年から四十五回にわたって県議会で論議されておるようです。この災害の後、県会では可決をされ、全員協議会でも承知をされ、そしてこれを移設するというような話がありましたので、我々それに対して対応しておるわけですけれども、御案内のように、やっぱり名所旧跡であるから残すべきだという意見があります。その上で、あそこで警官と衝突をするというような事態が起きました。
   〔理事伊江朝雄君退席、委員長着席〕
 したがって、我々はこういう事態を受けてどのようにすべきか。これは県道と市道なんです。五つの橋のうち三つ残っておりますから、一つの橋は、公園にせせらぎをつくってその橋をそのままつくってやっておる。あとの橋については、一応、一つはばらけておりますけれども、それは番号をつけていつでも組み立てができるようにしております。
 問題は、高麗橋だけが今残っておるわけです。この高麗橋についていろいろな論争があったわけですが、上にダムをつくったり遊水地ということを検討してみましたけれども、あのダムのところは岩盤がないんです、あそこは。好天気のときには非常にかたいんですが、雨が降りますと非常に流れてダムができないというような結論であります。
 質問が余りないように申し上げておきますけれども、こういうふうに分水をやったらどうかということで、うちの方でシミュレーションをやったんです。(写真掲示)橋は短いですし、ここへ来ると材木が上流から流れて水を越すんですよ。だから、どうしてもこれを残したいという気は、鹿児島の方も我々建設省としても十分に民意を尊重したいと、こういうふうに考えておるわけですから、二つの公園にせせらぎをつくって、この橋をそのまま持っていって永久に残そうと。百五十年前につくられた石橋でありますから、そういう意味もあろうと考えておりまして、十分に皆さん方に理解をしていただくように、県や市に対してもよく理解を得て立派な鹿児島市をつくってほしいということをお願い申し上げております。
#309
○翫正敏君 丁寧な説明をいただいてありがたく存じますが、その工事をするに当たってはどうしても橋のある場所の底を掘らなければならないということで撤去ということに至っているわけですけれども、底を二メートル掘るという工事計画は、どうしてもこれしかもう代替の措置がないと、こういうふうに建設大臣もお考えですか。
#310
○国務大臣(野坂浩賢君) 底を掘らなければ、川幅を広げなければならぬのですよ。前はあそこは原っばだったんです。家も少なかったんですが、今は五十四万人になってほとんど中心街になってきた。それを広げるということはできないので、あなた方がおっしゃるように、地下を通してやっていくという方法も考えてみましたけれども、鉄砲水で流れできますから、材木が横倒しになったら一度に飛び越えるんですよ、橋を。そういう意味では、橋を崩壊させるよりも移設をして永久に残した方がさらに鹿児島市としては有利ではなかろうか。いろいろなことは検討してまいりました。四十五回にわたる論議もいたしましたということを御報告申し上げておきます。
 以上です。
#311
○翫正敏君 自治大臣にちょっとお伺いしておきたいんですが、現在、鹿児島市民の有権者比六%、有権者の六%を超える二万三千百五十八名の市民投票条例を求める署名が本日の午前九時に提出をされたんですけれども、こういうものの扱いというものをやっぱり慎重に市議会で行うべきだと思いますが、どういうふうに御認識になっておられますか。
#312
○国務大臣(野中広務君) お答えいたします。
 条例制定の直接請求の手続が進められておることはお伺いをいたしております。その内容についてどのように審査され、議会への手続が行われるかは、本日やられたようでございますので今後の対応を待たなくてはならないわけでございますけれども、工事そのものは、今、建設大臣から詳細お述べになりましたように進められておるわけでございますので、地方自治法は請求と工事を中断さすということとは定めておらないわけでございますので、別個に手続は手続として進められると存じておる次第でございます。
#313
○翫正敏君 裁判で差しとめの命令が出たわけではないので工事を進めることは法的に可能であるかもしれませんけれども、きょう、さっき申し上げた数の有権者比六%の署名が提出されたということは重いと思うんです。これは自治大臣からもう一度答弁いただきたいんです。建設大臣もやはり指導する立場から、きょうこれだけの署名が提出されて市議会にかけられるということを重く受けとめていただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。続いてお答えください。
#314
○国務大臣(野中広務君) 今申し上げましたように、現在の地方自治法は、条例制定の直接請求の手続が進められる場合にその当該の事業を中止するという規定を設けておらないわけでございますので、やはりその事業の内容あるいは公共性、重要性等さまざまな点を検討されて当該地方公共団体がその事業の取り扱いを決められるべきであると考えております。
#315
○国務大臣(野坂浩賢君) 済みません、三つ残った中で一つの玉江橋は生きていますね。移設して公園の中にあります。今、写真をお見せしたのは高麗橋ではなしに西田橋ですから、申しわけありません、これは訂正しておきます。
 民主政治でありますから、我々は世論政治をやる、市民の声というものは重く受けとめなければならぬということは十分承知しておりますが、四十五回の論議で県会ではほとんど一致してやると。市会も、そのときには市長さんの意向でございましたが、今そういう事態でございますが、これしか方法がないというところまで探査をし調査をしております。したがいまして、先生から御指摘ありましたそういう署名というものは六%以上じゃないかということについては、民主主義のルールから頭の中によく入れておかなければならぬ、そういうふうに思っております。
#316
○翫正敏君 次に外務大臣にお尋ねいたします。
 二月二十三日に、私が同行しまして米国の大使館の方に在日米軍基地に関する基地周辺住民の意見というものを提出いたしました。十団体の各地の基地の代表、反対運動をしておられる代表の人が行ったんですけれども、そのうち低空飛行訓練の問題についてだけはお答えが米国の大使館の職員の人からありませんでした。それは日本の外務省に聞いてくださいと、こういうことだったのでこの問題についてだけお尋ねします。
 前にも決算委員会のときに同種のことを質問しまして、同じことを聞いて恐縮ではございますが、特に去年の十月十四日に米軍のA6イントルーダーが墜落事故を起こしまして以後のことについてお聞きしておきたいと思いますが、これ以後どんな団体からこの低空飛行の問題についての申し入れがあったか、それからそれに対して、米国に対して外務省としてどのような処置や抗議やまた申し入れ、さまざまなことをなされたか、それに対して米国からはどのような回答があったか、これを順次御説明ください。
#317
○政府委員(時野谷敦君) ただいま資料がございませんので、事故の後に日本のどういう自治体あるいは方々からお申し入れがあったかということは直ちに申し上げられませんが、地元の関係の方々からは懸念でありますとか御意見というのをちょうだいいたしました、
 私どもは、私から在京米大使館の公使に申し入れたということもございますし、日米合同委員会で問題提起したということもございますし、外務大臣からペリー国防長官来訪のときに問題提起をしたということもございます。その後、事態の改善のために何ができるかということで私ども米側と話し合いを続けてまいっております。
#318
○翫正敏君 どういう話し合いをこの低空飛行問題については今しておられますか。
#319
○政府委員(時野谷敦君) 安全性の確保及び地元の方々に与える影響を最小限にするためにどういう手だてがあるかということについて話し合いを行っております。
#320
○翫正敏君 大臣、自衛隊の場合は航空法の最低安全高度は守らなければならないということになっておりますが、在日米軍については法律が適用外になっているというこの事実について、去年も同じことを質問しましたが、あれから数カ月たっておりますから、現在どう思われますか。
#321
○政府委員(時野谷敦君) 原則として航空法は適用はございませんけれども、米軍は日本の国内法に定められておりますところの最低安全高度、これを守って訓練を行っているということでございます。
#322
○翫正敏君 安全高度を守って飛行訓練を米軍がやっていたら、どうしてこうしょっちゅうロープを切ったとか、低空飛行で山間部にあったロープを切った事故が何回も起こっていますね、ここ数年の間に。それから落ちだとか、各地で窓ガラスが割れたとか、そういう被害報告がいっぱい出ているんですね。担当は防衛施設庁の方かもしれませんけれども、出ているんですよ。そういうことは起こるはずがないんで、米軍が日本の安全航空高度である自衛隊機は守っているものを守っているというそういう事実認識だったら、これはやっぱりまずいと思いますよ、今後お話し合いを米国としていくについても。守られていないからそういう苦情が米軍基地の周辺からいっぱい起きていると、こういうことじゃないでしょうか。
#323
○国務大臣(河野洋平君) 先ほど来政府委員が御答弁申し上げておりますように、高知県で墜落事故が起きまして米軍パイロットが死んだわけでございます。死んだのは米軍パイロットでございますけれども、落ちたのは集落の非常に近くに落ちたということもございますから、我が方としては米軍パイロットに対する弔意を申し上げると同時に、あの事故が集落の近くで起きたということにかんがみまして、我が方としても強い遺憾の意を申し述べました。そして、米軍に対してさらに安全に十分注意をしてほしいということを伝えたわけでございます。
 いつも申し上げていることでございますが、米軍は米軍として、日米安保条約に基づいて日本の安全を守るために持てる最も優秀な技量を維持していこうという努力をなさることもこれまた当然のことだろうと思います。しかしながら、一方で我が国には国内法がございますから、この国内法に十分留意をして演習はやってもらわなければならないこともまた我々の気持ちでございます。
 こうしたことをしばしば伝えておりまして、翫議員はしょっちゅうあるじゃないかと、こういうふうにお話しになります、私のところにも各地からこういう問題があるという御指摘もございますが、その都度米軍に伝えながら、できるだけ地元住民の生活に不安を与えないように十分配慮してもらいたいということを申し上げているわけで、私は改善をされつつあるというふうにも思いますし、米軍は十分注意を払っていてくれると思っております。
 ただしかし、先ほど来北米局長が御答弁申し上げましたように、まだまだ原因の究明とか安全のための具体的な方法について米軍としてはさらに検討を続けておられるというふうに認識をしております。
#324
○翫正敏君 在日米軍の存在自体の是非については外務大臣と私は考え方が違うんですけれども、それはそれとして、この航空法の適用除外というのは旧安保条約が締結された昭和二十七年の時点でこういう法律になっているわけですから、物すごく古いわけですね。もう何十年とたっているわけです。
 そういうことから考えますと、この日本の航空法を在日米軍にも適用するというふうに法律改正するということが今やっぱり戦後五十年ということの節目で必要になっていると私は思うんですが、この昭和二十七年の旧安保条約締結のときの航空法の適用除外、つまり低空飛行することは禁じられていないというこの項目を日本の自衛隊とか民間航空と同じように直す、こういうことについての前向きなお考えは外務大臣にはございませんでしょうか。
#325
○政府委員(時野谷敦君) アメリカの航空機につきましては、地位協定に基づいて我が国に駐留します在日米軍の属性にかんがみまして一部適用をしない、こういうことになっておるわけでございまして、そういう次第でございますので、私どもは航空法の規定のすべてを適用するようにこれを改めるということは考えていない次第でございます。
#326
○翫正敏君 ありがとうございました。
#327
○委員長(坂野重信君) 以上で翫正敏君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ―――――――――――――
#328
○委員長(坂野重信君) 次に、下村泰君の質疑を行います。下村泰君。
#329
○下村泰君 質問の順序をちょっと変えさせていただきまして、一番最後にNPOをやろうと思ったんですけれども、せっかく官房長官がお越してございますし、お忙しいでしょうから、またいろいろと記者会地とかその他もろもろの御用件があると思いますから、順序を変えて一番最初にやらせていただきたいと思います。
 先般、私もベトナムヘ、口唇口蓋裂という現地のお子さん方の状態を見にいくために口腔外科の先生方と一緒に調査にまいりました。そのときもつくづく思ったことなんですけれども、今回の関西の大震災で、民間のいわゆる営利を目的としないグループが法律上の寄附を受ける場合の税制の扱いも本当に厳しい中で頑張っている姿を見るにつけても、こうしたグループがもっと活動しやすいような環境を整える必要があると思います。行政が介入するのではなくて、自発性を尊重して、それを側面からバックアップするというNPO法をさきがけという党内の中でも何かやっていらっしゃるそうで、そのほかの党の中でも検討を始めているというふうに伺っておりますが、どうなんでございましょうか。法制化も含め、どのようにお考えですか、ひとつお聞かせ願いたいと思います。
#330
○国務大臣(五十嵐広三君) お話のように、今回の阪神・淡路大震災におけるボランティアの活動というのはもう大変評価すべきものがございまして、いわば我が国のボランティア活動の一つの革命期が来たような感じがいたしまして、もちろん私どもとしては大変に歓迎をすべき状況でありますから、問題は、委員御指摘のように、これに対応してさまざまな制度について充足をしていかなければならないというふうに思っている次第でございます。
 既に御案内のように、NPOそれからNGOの活動は本来自主的に行われるもので、その自主性を尊重しながら政府としてはその活動を支援するためにボランティア問題等に関する関係省庁連絡会議を設置いたしまして、法的な整備などの必要性を含めてその環境整備のあり方について鋭意検討してきているところでございます。
 殊に何よりもまずボランティアの活動をしている各団体の皆さんのお話をよく承ると。何が問題で何が求められるところかということについて、先日来、相次いでそれぞれボランティアの活動家の皆さん方のお話を、これはもう二月の下旬から今日までで十人ほどの方に次々においでいただいて、関係省庁、これは十七省庁に及んでいますが、その担当者がそれぞれそのお話をしっかり聞きながら、その中で法制度、殊に法人化の問題あるいはそれをめぐるさまざまな問題であるとか、あるいはお話のような税の措置の問題であるとか、あるいは保険、補償の問題等に関して、そういうものを含めてこの際抜本的な検討をしていこうと考えております。
 一方、各党もこれにつきましては熱心な御議論をいただいておるわけでございますので、それらの御意見も十分にいただきながら、なるべく早く、しかし決める以上はしっかりしたものを決めなきゃいけないものですから、ちょっとした間に合わせなんというものじゃなくてしっかりしたものをつくろうというふうに今考えている次第であります。
#331
○下村泰君 今、官房長官のお答え、大変結構なんですけれども、識者に言わせると、諸官庁の権限を結果的に奪うため、ほかの規制緩和と同様に官僚の抵抗も小さくないだろう、それから免税措置による税収減あるいは脱税の温床になるおそれがあるといった議論も起きてくるだろうしといったようなことで、大変心配もしている。ですから、結局動きが鈍くなるのではないかというのが大方の心配なんですけれども、どうなんでございましょうか、そういうことも含めて前進可能性ありというふうに見てよろしいんでしょうか。
#332
○国務大臣(五十嵐広三君) そういう御懸念の向きのお話も聞かないものでもないのでございますが、政府としてはこの際はしっかりしたものをつくろうというふうに思っていますし、また各党も相当な意欲を持ってそれぞれ案を、法案をつくったりなんかもしておられるようでありますから、今回はそのような懸念のないようにしっかりやりたい、こういうぐあいに思っております。
#333
○下村泰君 いわゆる骨もなければ小骨もない、何にもとんがるものがなくなっちゃったというような結果にならないようにひとつお願いしたいんです。これだけの大震災で効果を上げているんですし、大勢の国民も見詰めているんですから、やっぱりある程度の形にならないとぐあいが悪いんじゃないかと思いますので、よろしくお願いをいたします。
 今度は、障害を持った人の自立支援についてお願いいたしますが、障害を持つ人々の自立支援について数点伺います。
 まず二十四時間の介護を含め介護を必要とする人の介護保障システムをどう構築するのかということなんですけれども、実は既に日本の内外の障害を持つ人自身が発想したシステムがあります。一つは、東京を中心にして徐々にではありますが広がりつつある登録ヘルパー制度です。これは利用者、障害を持つ人が介護者を決めるんです。その人を行政に登録の上、その利用折に派遣してもらうというシステムで、厚生省でも認めてくださっていると聞いています。
 これは利用者がマンパワーを確保するというだけでなく、現在のヘルパー制度が圧倒的に女性が多く同性介護がなかなか保障されないという欠点は補うことができるわけです。それから現行くルパーの方に高齢の方が非常に多いんです。そういうことで介護が困難な場合が多いという点もカバーしてくれるのがこのシステムです。そして、気の合うケアが受けられるというなかなかいい方法だと思います。
 それを認めた厚生省に敬意を表したいんですが、そこで改めてこのシステムをどのように見ているのか、お伺いしたいと思います。
#334
○国務大臣(井出正一君) お答えを申し上げます前に、先週先生から御指摘いただきました難病の皆さんにかかわる応急仮設住宅、現地の件でございますが、きちっと徹底しておらぬぞという御指摘をいただいたものですから、翌日、兵庫県の都市住宅部長さんあてに、「難病患者のうち、身体障害者手帳一・一級の交付を受けている者については、身体障害者として当然第一順位として取り扱われることとなるが、身体障害者に該当しない難病患者についても、本人の病状・病態、本人の状況等を勘案して、個別ケースごとに適切に対応すること。同様に、公的宿泊施設や民間アパート等の借り上げによる生活の場の確保対策についても十分な配慮をしてほしいということを再度通知いたしたところであります。
 さて、ただいま先生御指摘の、私どもの国にも芽生えてまいりました登録ヘルパー制度というんでしょうか、これは先生今いろんな利点をお挙げになったと全く同じような考えで私どももおります。今後、我が国の障害者施策を考える上でさまざまな示唆に富むものだと思いますし、今後十分検討してまいりたい、こう思っております。
#335
○下村泰君 前段の今の大臣のお答え、ありがとうございました。現地の方にも私の方からも報告させていただきました。ありがとうございました。
 次に、デンマークのオーフス方式という、オーフスというところでつくられたというよりもそこで行われているオーフス方式というものについて伺いたいと思いますけれども、これはもう前に厚生省の方々にもいろいろ御説明申し上げましたし、厚生省の方々からもお答えをいただいておりますので、これを読み上げますと長くなりますので省かせていただきますが、昨年、その生みの親であるヨーロッパ筋ジス協会会長のエーヘルド・クロー氏が来日されました。
 先ほどの登録ヘルパーに大変似ているんですが、派遣か費用の給付がという違いがありますが、以前厚生省に伺ったときはヘルパーの数をまず問題にされました。ゴールドプランの達成を見なければなんということをお答えになったようですけれども、これを確保するということを考えると日本ではなかなかできそうもないというふうに考えますけれども、しかしやろうと思えばできないことはないんですけれども、今どういうふうにお考えでしょうか、厚生省の方は。
#336
○国務大臣(井出正一君) デンマークのオーフス方式と言われるんでしょうか、これは地域における障害者の自立を促進していくという趣旨から発展してきたものと理解しておりますが、私どもの国の今後の障害者施策を考える上でもさまざまな示唆に富むものと思っております、
 ただ、いわゆるすべてを公的に給付するという北欧型の方式が基本的に私的責任の原則に立つ我が国でそのまま適用できるかどうかについては十分な検討が必要だと考えます。目下、障害者保健福祉施策推進本部が設けられておりますから、ここで幅広く検討を行ってもらおうと思っておるところであります。
#337
○下村泰君 この方式は、とにかく大勢のマンパワーの方がいらっしゃいまして、その中から自分と一番気の合った方を選ぶことができるという方式なんで、今の状態ですと、合う合わないでなくて、こちらの方から、役所の方からあそこへ行ってくれ、ここへ行ってくれと言われる。そうすると、来られた方にしてみれば来られて困る方がいるわけです、同じヘルパーさんでも。ところが、この場合には自分の方が選ぶんですから、大変気の合ったような、しかもうまいことコミュニケーションがとれていくというのでこれが大分重宝がられているわけなんで、できるだけひとつこの方向に行くようにお願いしたいと思います。
 それから、日立生活センターというのが全国に次々と今できています。これは障害を持った人たち自身が、介護サービスのシステムの中にかかわる介護を受ける側の立場でコーディネートによりまして、地域で生きるための事立生活プログラムというものを自分たちの経験やアメリカでの例をもとに組み立てて、新たに地域で生きようとする人々にアドバイスする。また、障害を持った人同士が精神的な支えとなるピュアカウンセリング、さらにさまざまな制度などの利用についてアドバイスする。さらに一緒に住宅を探すなどといったことをやっているわけですが、私も立川などに呼ばれて行ってきましたが、自分たちの発想で本当の意味の自立支援事業を展開しているわけです。
 立川、町川市、田無、福島県や福島市など、自治体レベルでそれなりに知恵を出して委託費や助成金が出ています。国としてこうした当導者の内発による真の自立支援現業をバックアップすべきだと思いますが、しかし介入したり行政が主導してはだめになります、あくまでもバックアップする必要があると思いますが、どうでしょうか。
 それが一点と、もう一点は基本計画に位置づけてみてはどうかと思いますが、厚生大臣、いかがでしょうか。
#338
○国務大臣(井出正一君) 御指摘のような自立生活運動は、障害者の主体性や人権尊重の観点を踏まえつつ地域における障害者の自立を促進していくという理念から、アメリカにおいて発展し、我が国においても民間団体によって同様の試みが行われているものと理解しております。特に東京都は、東京都地域福祉振興基金によりまして自立生活センターの事業に対して助成を行っておるということも伺っております。
 今後の障害者施策におきましては、障害を持った方が障害を持たない人と同様に地域の中で自立した生活を送っていけるといういわゆるノーマライゼーションの理念が基本となるものでございますから、御指摘のような活動に対して行政としてどのような対応を行っていくのが適切か。金は出せ口は出すなでもないんじゃないかなとも思うものですから、そこらを先ほど申し上げました障害者保健福祉施策推進本部の場でやっぱりこれまた勉強してまいりたいと思っております。
#339
○下村泰君 そこまで言われると何ともほかに言いようがございませんけれども、金は出すわ文句は言われるわでは踏んだりけったりみたいなときもありますので。
 今度は難病対策についてちょっとお伺いしておきます。
 私、全国の難病患者の団体の方々のお集まりのところへ行ってよくお話を聞いたりしたりすることがあるんですけれども、この難病患者の方々の一番今悩んでいらっしゃることは、難病センターというのがないわけですわ。難病センターというのは大きくできているのは北海道に一つあるというふうに承っておりますが、それ以外にはないんです。事務所もなければ何もないというのが普通なんです。せめて忠背中心の医療、福祉、保健などさまざまな情報が集約された拠点が必要であるというふうに御本人たちもおっしゃっているんですが、どうなんでしょうか。こうしたことを、何とか各都道府県に難病センターというのはできるような雰囲気にあるものかないものか、ちょっと伺っておきたいんですけれども。
#340
○国務大臣(井出正一君) いわゆる難病対策は、従来、原因や治療法の調査研究とかあるいは専門的な医療施設の整備とか医療費の自己負担の解消といった問題を中心に進めてまいりましたが、近年、こうした対策だけではなくて患者さんの生活により密着した対策への要望が高まってまいりました。このため、平成元年度から地域保健医療の推進を掲げまして、総合的に政策を展開してまいってきているところであります。
 具体的には、医療相談につきましては平成九年度から各県の各保健所を単位として医療相談事業を行うとともに、必要に応じて専門医師などによる患者宅の訪問事業も行っているところであります。
 また、情報交換についてでございますが、平成七年度からは患者さんやその家族の方々に集まっていただいて、短期間の宿泊等を通じて生活指導のための教室といったものを開催することも予定しておりまして、その中では患者や家族相互の交流、情報交換についても工夫していきたい、こう考えているところであります。
 したがいまして、御指摘のような組織とはなっておりませんが、各県内でこれらの事業を充実強化することによって実態としては患者さんやその御家族の御要望にきめ細かくおこたえをしていけるんじゃないか、いきたい、こう考えているところでございます。
#341
○下村泰君 難病の定義についてここでも随分議論させていただいたことがあるんですが、原因不明で治療不明が難病だというふうにおっしゃいましたが、私は原因がわかっていても治すことができなきゃ難病じゃないかという意見を申し上げたことがありまして、その私の意見を通していただいて、SSPEでございましたか、難病として認定していただいたこともございます。厚生省はそういう柔軟性が私は欲しいと思います。
 時間になりましたので、一つだけ尋ねさせていただきます。
 海部内閣当時にも提起しましたけれども、小児専門病院内または近所に、遠方から治療に来ているその親が宿泊できる施設が欲しいということ、もうぜひ必要だとお願いをしてきたんです。それで、アメリカではマクドナルド・ハウスというのがありましてそういう施設ができています。ところが、日本でも民間でちょこっと、それから中央区が一歩進めているわけですが、その後、母子医療検討会報告でも言われておるんですけれども、厚生省としては大変工夫をしていただいているようですが、現性の取り組み方の御説明を願って、終わりにしたいと思います。
#342
○国務大臣(井出正一君) この問題につきましては、先生、平成三年の八月あるいは平成五年の五月のこの予算委員会で御質問なさったり、また御提言をいただいておることを承知しております。
 長期にわたる入院、療養生活を続ける子供の生活の質の向上を図ることは重要な課題でございます。治療を受けるために遠方から来院する子供さんやその家族のためのいわゆるマクドナルド・ハウスでございますが、現在、ほんの小さな試みかもしれませんが、国立がんセンターの患者の家族のために自主的に設置、運営されております宿泊施設を対象として、平成六年度から遠隔地から入通院する小児がん、白血病等の難病患児と家族のための宿泊施設の運営に関する調査研究を行っているところでありまして、このような施設のあり方については関係団体と連絡をとりながら今後も引き続き研究、検討してまいりたいと考えております。
#343
○委員長(坂野重信君) 以上で下村泰君の質疑は終了いたしました。(拍手)
 これにて一般質疑は終了いたしました。
 明日は午前九時三十分から開会することとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後四時五十五分散会
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト