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1995/02/22 第132回国会 参議院 参議院会議録情報 第132回国会 建設委員会 第3号
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1995/02/22 第132回国会 参議院

参議院会議録情報 第132回国会 建設委員会 第3号

#1
第132回国会 建設委員会 第3号
平成七年二月二十二日(水曜日)
   午前九時三十分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 二月二十一日
    辞任         補欠選任
     太田 豊秋君     吉川 芳男君
 二月二十二日
    辞任         補欠選任
     吉川 芳男君     太田 豊秋君
     青木 薪次君     三重野栄子君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         合馬  敬君
    理 事
                上野 公成君
                吉川  博君
                三上 隆雄君
                山田  勇君
    委 員
                井上 章平君
                遠藤  要君
                太田 豊秋君
                永田 良雄君
                松谷蒼一郎君
                青木 薪次君
                小川 仁一君
                佐藤 三吾君
                三重野栄子君
                山本 正和君
                片上 公人君
                広中和歌子君
                磯村  修君
                上田耕一郎君
                西野 康雄君
   国務大臣
       建 設 大 臣  野坂 浩賢君
   政府委員
       国土庁土地局長  山田 榮司君
       国土庁大都市圏
       整備局長     荒田  建君
       国土庁防災局長  村瀬 興一君
       建設政務次官   簗瀬  進君
       建設大臣官房長  伴   襄君
       建設大臣官房総
       務審議官     原  隆之君
       建設大臣官房審
       議官       小川 忠男君
       建設省建設経済
       局長       小野 邦久君
       建設省都市局長  近藤 茂夫君
       建設省河川局長  豊田 高司君
       建設省道路局長  藤川 寛之君
       建設省道路局次
       長        木下 博夫君
       建設省住宅局長  梅野捷一郎君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        駒澤 一夫君
   説明員
       警察庁刑事局捜
       査第一課広域捜
       査指導官室長   稲葉 一次君
       厚生省社会・援
       護局保護課長   松尾 武昌君
       運輸省港湾局技
       術課長      金子 俊六君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○大都市地域における住宅及び住宅地の供給の促
 進に関する特別措置法の一部を改正する法律案
 (内閣提出、衆議院送付)
○都市再開発法等の一部を改正する法律案(内閣
 提出、衆議院送付)
○被災市街地復興特別措置法案(内閣提出、衆議
 院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(合馬敬君) ただいまから建設委員会を開会いたします。
 大都市地域における住宅及び住宅地の供給の促進に関する特別措置法の一部を改正する法律案、都市再開発法等の一部を改正する法律案及び被災市街地復興特別措置法案を便宜一括して議題といたします。
 まず、大都市地域における住宅及び住宅地の供給の促進に関する特別措置法の一部を改正する法律案について政府から趣旨説明を聴取いたします。野坂建設大臣。
#3
○国務大臣(野坂浩賢君) 委員長を初め皆さん、おはようございます。
 順次御説明を申し上げます。
 ただいま議題となりました大都市地域における住宅及び住宅地の供給の促進に関する特別措置法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。
 豊かさとゆとりを実感でき安心して暮らせる優しい社会を築いていく上で最も重要な課題の一つは、国民の住宅に対する多様なニーズに的確にこたえ、住生活の充実を図っていくことであります。
 今日まで、国民の居住水準は全体として着実に向上してきておりますが、大都市地域においては、通勤時間の増大による中堅所得者の住宅立地に対する不満や都心における便利な生活へのニーズの高まり等により、都心の地域を中心として良質な住宅に対する著しい需要が存在する状況にあります。また、今回の兵庫県南部地震の激甚な被災状況にかんがみれば、大都市地域における災害に強い町づくりを積極的に推進していくことが強く要請されているところであります。
 このような状況に対処するためには、大都市地域内の都心の地域を中心として良質な住宅及び住宅地の供給が円滑に行われることが不可欠であります。このため、都心の地域及びその周辺の地域において良質な共同住宅を供給する都心共同住宅供給事業の制度を創設するとともに、住宅及び住宅地の供給とあわせて道路、公園等の公共施設の整備を行い市街地の防災性の向上に資する特定土地区画整理事業、住宅街区整備事業の拡充を図ることとし、ここに大都市地域における住宅及び住宅地の供給の促進に関する特別措置法の一部を改正する法律案として提案することといたした次第であります。
 なお、今国会におきましては、本法案とあわせて、職住近接の住宅の供給の促進、土地の合理的かつ健全な高度利用と市街地の環境の改善を図るための措置を講じることを内容とする都市再開発法等の一部を改正する法律案を提出しておりますが、本法案はこれと一対のものと考えておりますのでよろしくお願いを申し上げます。
 次に、法律案の要旨を申し上げます。
 第一に、供給基本方針の策定に際し旨とすべき事項に、居住に関する機能の低下を来している大都市地域内の都心の地域及びその周辺の地域における居住に関する機能の向上を総合的に推進することを追加することとしております。
 第二に、国及び地方公共団体が住宅市街地の開発整備の方針に従い、良好な住宅市街地の開発整備を促進するために定めるよう努めるべき都市計画として、地区計画を加えることとしております。
 第三に、土地区画整理促進区域及び特定土地区画整理事業の面積に関する要件を〇・五ヘクタールに引き下げるとともに、土地区画整理促進区域の対象区域に住宅市街地を開発することが定められている地区計画の区域を加えることとしております。
 第四に、特定土地区画整理事業の換地計画において、居住者の共同の福祉または利便のため必要な施設の用に供するため一定の土地を保留地として定めることができるようにすることとしております。
 第五に、住宅街区整備促進区域及び住宅街区整備事業の面積に関する要件を〇・五ヘクタールに引き下げるとともに、住宅街区整備促進区域の対象区域に住宅街区を整備することが定められている地区計画の区域を加えることとしております。
 第六に、都心共同住宅供給事業を実施しようとする者は、都心共同住宅供給事業の実施に関する計画を作成し、都府県知事の認定を申請することができることとしております。都府県知事は、計画が住宅の規模、構造、貸借人または譲り受け人の資格、賃貸の条件または譲渡の条件等に係る基準に適合するものであると認めるときは、認定を行うことができることとしております。
 第七に、国及び地方公共団体は、認定事業者に対し、都心共同住宅供給事業の実施に要する費用の補助を行うことができることとしております。
 第八に、認定を受けた計画に従って都心共同住宅供給事業が適正に実施されるよう、都府県知事が報告の徴収、改善命令、認定の取り消し等の措置を講じることができることとしております。
 その他、これらに関連いたしまして関係規定の整備を行うこととしております。
 以上がこの法律案の提案理由及びその要旨であります。
 何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御可決を賜りますようにお願いを申し上げます。
#4
○委員長(合馬敬君) 次に、都市再開発法等の一部を改正する法律案について政府から趣旨説明を聴取いたします。野坂建設大臣。
#5
○国務大臣(野坂浩賢君) ただいま議題となりました都市再開発法等の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。
 近年、大都市地域を中心として居住環境の良好な住宅市街地を整備し、都市の健全な発展を図る必要性が高まっている現状等にかんがみれば、都市における土地の合理的かつ健全な高度利用と市街地の環境の改善を図ることが重要であります。また、今回の兵庫県南部地震の経験を踏まえれば、都市における防災性の向上も極めて重要な課題となっております。
 この法律案は、このような状況にかんがみ、市街地再開発事業の施行区域要件の緩和、再開発地区計画及び住宅地高度利用地区計画に関する都市計画を定める場合における要件の緩和、建築物の形態を適切に誘導するための地区計画制度の拡充、建築物の形態に関する規制の合理化、建築協定制度の拡充等を行おうとするものであります。
 特に、市街地再開発事業の施行区域要件の緩和により、空き地の多い地区での事業施行を可能とするとともに、地区計画制度の拡充により、建築物の形態に関する規制を弾力化し良好な町並みの実現を可能とするなど、本法律案は、今回の震災による被災地の計画的な復興を通じた良好な町づくりのために大いに役立つものと考えております。
 次に、その要旨を御説明申し上げます。
 まず、都市再開発法の改正についてであります。
 第一に、市街地再開発事業の施行区域要件について、一定の事項が定められている再開発地区計画の区域を追加するとともに、市街地再開発事業の施行区域内の耐火建築物の割合の算定に当たり、区域内の耐火建築物の敷地面積の全宅地に対する割合により判断する基準を追加することとしております。
 第二に、再開発地区計画を都市計画に定める際の公共施設に関する要件について、その弾力化を図る等の措置を講ずることとしております。
 次に、都市計画法の改正についてであります。
 第一に、区域の特性に応じた高さ、配列及び形態を備えた建築物を整備することが合理的な土地利用の促進を図るため特に必要であると認めるときは、地区整備計画において、壁面の位置の制限、建築物の高さの最高限度及び工作物の設置の制限を定めることとしております。
 第二に、住宅地高度利用地区計画の用途地域に関する要件について、大部分が現行の要件に該当する土地の区域内とするとともに、住宅地高度利用地区計画を都市計画に定める際の公共施設に関する要件についてその弾力化を図る等の措置を講ずることとしております。
 さらに、建築基準法の改正についてであります。
 第一に、前面道路の境界線から後退して壁面線等の指定がある場合について、前面道路の幅員による容積率制限を合理化するとともに、前面道路の幅員が十二メートル以上である建築物について道路斜線制限の適用の合理化を図ることとしております。
 第二に、地区整備計画において壁面の位置の制限、建築物の高さの最高限度等が定められている地区計画の区域内にある建築物で、当該地区計画の内容に適合し、特定行政庁が支障がないと認めるものについては、前面道路の幅員による容積率制限及び斜線制限を適用除外とすることとしております。
 第三に、建築協定制度について、土地の所有者等がその意思表示により建築協定に加入できることとする建築協定隣接地制度の創設等を行うこととしております。
 その他、これらに関連いたしまして関係規定の整備を行うこととしております。
 以上がこの法律案の提案理由及びその要旨であります。
 何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御可決を賜りますようにお願いを申し上げます。
#6
○委員長(合馬敬君) 次に、被災市街地復興特別措置法案について政府から趣旨説明を聴取いたします。野坂建設大臣。
#7
○国務大臣(野坂浩賢君) ただいま議題となりました被災市街地復興特別措置法案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。
 本年一月の阪神・淡路大震災は、直下型地震により多くのとうとい人命と生活・経済活動の基盤が失われるという、我が国の近代的大都市がこれまで経験したことのない激甚な被害をもたらしたところであります。この被災市街地の一刻も早い本格的復興のためには、考えられる限り既存制度を最大限活用することはもとより、広範かつ甚大な被害にかんがみ、防災性の高い安全で安心できる町づくりを緊急、強力に推進するための新たな制度がぜひとも必要であります。さらには、この新しい制度は、今回の未曾有の大災害を貴重な教訓とし、今後大規模な災害が発生した都市において迅速かつ的確なる復興を可能とする制度を構築することとなるものであります。
 この法律案は、以上のような考え方から、阪神・淡路地域のみならず、大規模な災害が発生した市街地の復興に関する基本的制度を確立するため、緊急に取りまとめ御提案をするに至ったものであり、第一に、本格的復興を迅速、円滑に進めるため、建築行為等の秩序を確保しつつ市街地の計画的整備を可能とするための都市計画制度の創設、第二に、被災市街地においてこれを面的に整備する土地区画整理事業等を推進するための事業手法の拡充等、第三に、復興に必要となる住宅の供給等を確保するための措置を柱とし、これらの特別の措置を一体的、総合的に講ずることとしております。
 次に、その要旨を御説明申し上げます。
 第一に、被災市街地における新しい都市計画上の制度として、被災市街地復興推進地域を創設することとし、その地域の整備についての市町村の責務と建築行為等の制限等を定めることとしております。
 第二に、被災市街地復興推進地域の面的な整備に土地区画整理事業及び市街地再開発事業の活用等を図ることとし、そのため土地区画整理事業の中で住宅建設を一体的に推進するための特例等を設けることとしております。
 第三に、復興に必要な住宅の供給等を推進するため、住宅を失った被災者等に公営住宅等の入居者資格を認める特例を設けるとともに、被災市町村の要請等に基づき、住宅・都市整備公団及び地方住宅供給公社の能力を住宅の供給等に活用することができることとしております。
 以上がこの法律案の提案理由及びその要旨であります。
 何とぞ、慎重御審議の上にも、事態の緊急性にかんがみ、速やかに御可決をいただきますようにお願いを申し上げます。
 以上であります。
#8
○委員長(合馬敬君) 以上で三案の趣旨説明の聴取は終わりました。
 速記をとめてください。
   〔速記中止〕
#9
○委員長(合馬敬君) 速記を起こしてください。
 暫時休憩いたします。
   午前九時四十六分休憩
     ―――――・―――――
   午前十時二十二分開会
#10
○委員長(合馬敬君) ただいまから建設委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、大都市地域における住宅及び住宅地の供給の促進に関する特別措置法の一部を改正する法律案、都市再開発法等の一部を改正する法律案及び被災市街地復興特別措置法案を便宜一括して議題といたします。
 それでは、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#11
○山田勇君 大臣が少しおくれております。大臣には後ほどお伺いをいたします。
 被災地にとっては、この三法という法案は緊急を要する重要な法案でもあります。また、緊急に復興することを考えなければなりませんが、その計画は知事と市長の密接な協議体を確立すること、また、その計画の主体は現にそこに暮らしている市民、住民でありますから、その住民の意見を集約して、復興に反映させなければなりません。
 しかし、そこで問題になりますのが、この被災市街地復興推進地域を設定するに際して、これはどうしても地権者の権利に一定の制限をするということになると思いますが、これが被災者の生活の安定と調和が図られる仕組みになっているのかどうか、その辺をまずお聞かせいただきたいと思います。
#12
○政府委員(近藤茂夫君) 被災地の計画的な復興を進めていくためには、ある程度将来の事業の施行の障害となるような建築行為等の制限、これはやむを得ないことだろうということで、その点については住民の御理解をいただかなければいけないというふうに考えているわけでございます。
 しかし、その場合においても、やはり地域の実情を十分勘案しながら最小限の制限にとどめるべきであろう、そういう考え方に立ちまして、今回の推進地域制度におきましても、木造二階建て、自己居住あるいは自己業務、こういったものについては原則として許可をする、そういった制度の仕組みを設けておりまして、これによりまして被災者の方々の生活、生業の確保、それから事業の円滑な実施という公共の利益、この調和を図っているところでございます。
#13
○山田勇君 被災者の住対策は緊急課題でありますので、その一環として公的住宅の供給を取り上げられておりますが、その公営住宅の入居者資格の特例によって入居した者は、特例期間の三年を経過したこの後はどうなるのかといった問題があると思いますが、その点はいかがでございますか。
#14
○政府委員(梅野捷一郎君) 先生ただいまお話ございましたように、今回は、被災者の皆様方については所得制限というものを外しまして御入居いただこうということで考えておるわけでございますが、三年経過した後には通常の公営住宅法がそのまま引き継がれるということでございます。したがいまして、その段階で所得が公営住宅法の通常の収入基準を上回っていらっしゃる方というのは、引き続き割り増し賃料ということが出てはまいりますけれども、そのまま居住を継続いただけるということでございます。
 特に極端に所得の高い方につきましては、現行の制度の中でも高額所得者としての明け渡しの義務が出る仕組みになっておるわけでございますが、こういうケースの場合におきましても、一番早い時期で入居後五年以降の問題になろうかというふうに思っておるところでございます。
#15
○山田勇君 今回の震災の大きな特徴の一つに、高齢者の死亡が死亡者全体の過半数に上るといった数字も出ております。それと木造住宅の倒壊、それも戦前、戦後にかけて建てられた老朽住宅の倒壊が多かったわけですが、今後の震災に備えて、民間老朽住宅の不燃化などを含めた建築物の建てかえを促進するための助成制度についてはどういうふうなお考えをお持ちか、ひとつお聞かせいただきたいと思います。
#16
○政府委員(梅野捷一郎君) ただいま先生御指摘の中の、最初の高齢者の方々の問題が一つございます。
 これにつきましては、今回の復興に当たりましてはできるだけ公的な住宅を積極的に建設して提供していこうというふうに考えているわけでございますが、その供給計画の中では、とりわけ今御指摘のような方々に対する配慮、そういうものを計画の中に組み込んで、できるだけ安定した生活の場を求められる機会をふやす方向で積極的に取り組みたいというふうに思っているところでございます。
 また、老朽した建物についての被害が大変多いわけでございますが、今回の被災地の場合の復興に絡んだ部分と全国的にどうするのかという両面あるわけでございますが、今回の被災地全体の問題につきましては、一つはできるだけ有利な条件で資金的な手当てができるような環境を整えようということで、公庫の融資を、従来設けられております災害復興住宅貸し付けの内容もさらに現在、より充実したものにして利用しやすいものにしたいということで検討が最終段階に来ているところでございます。
 例えば、お借りになった後の据置期間を、現在三年ということでございますが、これを五年にするとか、据置期間中の利率が三%ということになっておりますが、何とかもう一歩二歩引き下げられないかというようなことを詰めているところでございますし、やがて御相談を申し上げることになろうかと思っております。
 それからもう一点は、それぞれのところで建てかえ、復興をおやりになる問題とあわせまして、できれば新しく防災性の高い町づくりというものにっなげていきたいわけでもございますので、できれば広い意味の再開発あるいは共同化といいましょうか、そういうものにも御参加いただけるように、できるだけそういう方面への御相談にも応じるようにしたいということでございます。
 例えば、優良建築物等整備事業というような共同建てかえ、共同化のような助成制度がございますので、そういうものもできるだけ弾力的に使って、そういう方向にも可能な限り御協力をいただこうというふうに考えているところでございます。
#17
○山田勇君 今回の震災では、いろんなところに被害があったわけですが、私の住みます地元大阪の淀川や神崎川の堤防なども破壊されております。こういった公共土木施設の早期復旧に向けての所要の事業費などについてはどのような手が打たれておるのかどうかをお聞かせ願いたいと思います。
#18
○政府委員(豊田高司君) お答え申し上げます。
 淀川と神崎川についてでございますが、淀川につきましては十八カ所被災箇所がございました。うち必要な応急手当ての箇所につきましては既に完了してございます。特に、手当てよりもう一段高いレベルの応急工事が必要な三カ所がございまして、それもいずれも応急工事が終わってございます。
 三カ所のうち特に一カ所、一・八キロほどが淀川左岸の酉島地区で大きく堤防が沈下いたしました。ここは、すぐ前の高さまで土で復旧をいたし、堤防の高さを確保いたしました。引き続きまして、本格復旧にすべくその前面に鋼矢板の二重締め切りを現在設置を始めたところでございます。これは一日も早く完成させたいと思っております。引き続きまして本格の復旧に入りたいと思っております。
 それから、神崎川につきましては全部で十三カ所被害がありまして、うち応急手当ての必要な箇所が七カ所ございました。これもいずれも既に手当て済みでございます。
 あと残りますのは本格的な災害復旧工事ということになるわけでございますが、これは、現在災害査定の準備中でございまして、災害査定というものを一日も早く終えまして、すぐ復旧工事に入りたいというふうに考えているところでございます。
#19
○山田勇君 今雨季ではありませんが、雨季になるとこれは大変な問題になると思いますので、速やかに復旧をお願いしておきたいと思います。
 今回の災害地の中では、まず水が出ない、消防車が来ない、地震で家屋が倒壊の後付近からの出火で全焼したというケースが多くありました。こういったケースの被害を防ぐためには、緑地公園、また幅の広い道路などのオープンスペースの設置、または水槽の増設など、あらゆる面での対策が迫られております。
 私など戦時下に神戸におったものですが、町内といいましょうか、重立ったところには大きな用水が設置されておりました。美観上余りよくないのは確かなんですが、地中化していくのか屋上へ上げていくのかとかいろんな方法があるので、ぜひそういう水槽関係も増設をお願いしたいところであります。
 あらゆる面での対策が迫られておりますが、被災地の復興に当たっては土地区画整理の事業などを促進する必要があるわけですが、今回のこの三法案によって防災性の向上にどのように今後役に立っていくのかその点を特にお答え願いたいと思います。
#20
○政府委員(近藤茂夫君) まず、都心居住の関係の大都市法、都市再開発法等の一部改正、この二法案の基本的なねらいが都心居住の推進ということで、建てかえとか中高層化を通じて建物の不燃化、耐震化、こういった効果が非常に期待できるわけでございます。また、それぞれそのための推進策としても、いわゆる特定土地区画整理事業とかあるいは市街地再開発事業、いろいろその要件を緩和することによって機動的にそれが出動できるように、そういう改正もいたしておりまして、基盤整備を通じて必要なオープンスペースを確保しながら都心居住、中高層化を進めていく、そのことによって燃えない、壊れない町づくりを推進することができるであろう、そういうふうに考えているところでございます。
 それから、今回の阪神・淡路大地震における特別措置法でございますが、基本的には、防災性の高い町づくりを実施しようということでいろいろ特例を設けているわけでございますが、その中心となるところが区画整理事業でございます。
 阪神地域における既成市街地の状態が非常に密度が高いということでございますので、区画整理事業というのは、原則的にはその中に住んでいる人たちはその中で対応する。これですとなかなか適正な密度が保てないということで、区域外においても施行者が区画整理事業の一環として住宅建設をすることができる、そういう特例を設けることによって適正な密度の町づくり、そしてその中で必要な防災施設等も整備する、公共施設も整備する。そして、そういう制度的な枠組みを講ずると同時に、それが実際上可能となるように財政支援の措置を講ずることによってできるだけ地権者の負担の少ない形での防災性の高い町づくりをしていこう、これが今回の三法のねらいということになろうかと思います。
#21
○山田勇君 今回の地震は、阪神・淡路地域にとってはまさに未曾有の大地震でありました。あの激震の瞬間は本当にこの世の終わりかと思うほどのすごいものでございました。
 震災直後災害地に入りましたが、市街地及び中心部初め地域周辺の被害の大きいのには目をみはるものがございました。これが復旧、復興できるのかと疑ったほどでございましたが、幸いにして交通網の復旧など日を追って進んでまいっております。
 そこで、大臣に復興に向けての決意をお伺いいたしまして、私の質問を終わりたいと思います。
#22
○国務大臣(野坂浩賢君) 今委員から御指摘がありましたように、私も先生と同じような気持ちでありました。
 十七日の地震発生直後に現地を訪れたときには、これは地獄かと、茫然自失をしておられますし、どういうことになるだろう、こういうふうに感じ、二十八、二十九日も現地を訪れました。そして、先週の土曜日に参りましたときには、救援から復旧へ、復旧から復興へと新しい息吹と活性化を感じてまいりました。これならやれるという私も新たな決意に燃えたところであります。
 今も各局長から申し上げましたように、また皆さん方で命名をしていただきましたように、南部地震が阪神・淡路大震災というこの建設委員会の御命名が閣議でも決まったわけであります。そういう復興に対しては、日本の神戸ではなしに、新たに世界の神戸にするために我々は、今お話があったように、都市の利便性あるいは安全性、そして快適性というものが原則でございますが、特に安全性には気をつけながら、どうやれば防災都市ができるか幹線道路だ、避難もできる公園だ、そして余り被害がなかった電線共同溝だ、こういうものを配置しながら十分に防災都市というものをつくっていかなきゃならぬ。そのための三法案というものを提出し、あと二法案も出しますけれども、それらによって区画整理事業というものを、あるいは都市再開発事業というものを、都市整備事業というものを駆使して、庶民の皆さん、大衆の意見を十分に取り入れて、大衆のためのやっぱり都市というものをつくっていかなきゃならぬ、こういうふうに考えております。
 我々が決して主導ではなしに、神戸市や兵庫県に協力をして防災都市兵庫県というものをつくり上げよう、日本の中にモデルとしてつくろうと、これが私の復興の決意でございまして、全力を挙げて神戸市の復興のために力をいたしたいと考えておりますので、委員各位にも御協力と御指導を賜りますように心からお願いを申し上げる次第です。
#23
○山田勇君 ありがとうございました。
#24
○片上公人君 大臣、本当に毎日御健闘、御苦労でございます。私も地元の人間としてこの間も現地を回っておりましたら、十八日の土曜日でしたかずうっと回って宝塚まで来たときに、ちょうど大臣の車と会いまして、私が手を振ったけれども、わからなかったでしょうけれども。後で聞けば、宝塚の仮設住宅の方を視察に行かれたというのを聞きまして、そのときいろいろ要望もあったと思いますが、そのときの大臣の感想をまず一言。
#25
○国務大臣(野坂浩賢君) 被災地では、非常に苦しい中にもパニックが起きるような状態を自制して、みずからで自立しようという声がほうはいとしてみなぎっておることについて私は感激をし、感動してまいりました。仮設住宅にお入りになっておる姿を見て、そこの奥様ともいろいろとお話をしましたが、我々は豊かな暮らし、安定した生活、そういうものを願うわけでありますけれども、今の場合は少しでも楽な生活を、少しでもゆとりのある生活ができないかというようなことでいろいろとお話を聞きまして一安心をいたしましたが、これから我々も立ち上がって皆さんと一緒に頑張りますと。
 復興事業につきましても、普通一般の区画整理事業等は非常に問題がありまして話し合いはできませんが、私が接した感では、このような状態になったから積極的に道路網の確立やあるいは公園の問題等については協力したいと思う。したがって復興に当たって私は、私権制限ということも法案の中にはございますけれども、できるだけ私権制限というものは抑えてかわりのものをつくって、そして納得と理解を得、合意を得ながら、新しい町づくりに努力をしてまいりたいと思いますが、そういう点については積極的に努力するという方々が圧倒的に多いなというふうに感じてまいったところでございます。
#26
○片上公人君 私も大臣の行った後の仮設もお伺いしたり市長にもお聞きしたんですけれども、大臣が現地を回りながらどんどんやっていただいていることに対して大変心強く住民も思っていることはこれは間違いありません。
 そういう中で、例えば仮設住宅に入った人の意見で、これは大臣もお聞きになったと思いますが、荷物を置くところですね、小さいものだから、いわゆるトランクルームというんですか、そういうのは町にも足らぬし、それからそういう小さい住宅に何やかんやいっぱいあるわけで、それを入れるところもないというので物すごく困っているという話もありました。これは厚生省のあれでございますけれども。
 かつまた、夏になります。もちろんその後冬にもなるわけですが、お年寄りとかまた子供なんかがこの暑い中、仮設住宅で相当苦労するんじゃないかというような話も出まして、アスベストの粉じんも出ておる中で、やはり空調みたいな、クーラーみたいなことの要望も大分ありまして、つけておるところもあればそうでないところもあるというような流れも聞きまして、これはちょっと厚生省にお聞きしたい。厚生省の方は来ておりますか。――その辺について、仮設住宅のトランクルームの問題とかあるいは空調の問題についてはどのように考えられておるのかお伺いしたいと思います。
#27
○説明員(松尾武昌君) 災害救助法に基づきます応急仮設住宅の設備でございますが、国庫補助の対象としておりますのは、トイレ、バス、キッチン等の建物に附帯する設備については対象にしてございます。日常生活を営む上で必要なものに限っておりまして、冷蔵庫、テレビ等については現在のところ国庫補助の対象にしておらないところでございます。なお、兵庫県とは相談しておりますが、入居者が自己で調達できない設備については義援品等の活用あるいは市町村の単独事業として対応していると聞いております。芦屋市が設置しましたエアコンについては市単独で設置したように聞いております。なお、現在入居中の方々は高齢者や障害者の方々でございますので、兵庫県と密接な連携をとりながら十分その対応をしてまいりたいと考えているところでございます。
 それから、ちょっと私おくれてまいりまして済みませんが、トランクルームの方でございますが、現在のところ、先ほど申し上げましたように災害救助法では仮設住宅を対象としておりまして、トランクルームまではちょっと手が回っていないところでございます。補助対象になっていないということでございます。
#28
○片上公人君 相当被害を受けて大変な思いで入っておるわけですから、できるだけの応援をするようにこれは考えてもらいたいし、トランクルームといったって仮設住宅につけないでも、その住宅の中にひとつ小屋じゃないけれども何かっくってできるようにするとか、いろんな工夫をしながら、やっぱりゃさしい政治と言っておるんだから、その辺をちょっと考えてやってほしいなと思います。
 それで次に、仮設住宅はそれにしても随分足らぬわけですよ。何ぼか確保すると言っておるけれども、実際入っておるのは本当に少ない数でございますから。
 建築資材についてお伺いしたいんですが、既に海外からも緊急輸入枠を決めておると聞いておりますけれども、まだまだ資材が足らないとも聞いています。国内法の問題とかあるいはコストの面とかいろんな問題がありますが、その辺は十分柔軟に対応していただいて、なるべく早いということがいいのでございますから、海外から必要な戸数分をまず確保すべきだと考えるんですけれども、その辺がどうか。また、現在何カ国ぐらいにこの要請を始めたのか具体的に伺いたいと思います。
#29
○政府委員(梅野捷一郎君) 私ども建設省といたしましても、例えば今話題になりました仮設住宅の建設については、積極的に協力しようということで当初からこの問題にも取り組んでいるわけでございます。御案内のように、三月中に三万戸を供給しようというようなことも私どもの方で大臣に督励をされまして一生懸命取り組んできたところでございます。その中で、海外からの活用につきましては、現在のところイギリスから五百戸、アメリカから三百戸ということで組み込まれているところでございます。
 私どものところにいろいろな御提案がございますことについては、それぞれお話の内容を伺って、そのことをできるだけわかりやすい形に整理をした上で地元に県の方に御連絡をして御判断がスムーズにいくようにということで一生懸命やっているところでございます。
 現在、今後の問題といたしましては、十二カ国約百企業からいろいろなお問い合わせなり提案なりがございます。これらについては、今申し上げたような趣旨から私どもとしても、私どもに御提案になりましたことについては、できるだけ兵庫県が判断がしやすい形にデータその他を可能な限り整理いたしましてあちらにも御連絡をしておる、御紹介をしているということでございます。
 今後、兵庫県がその中でこれから先どう御活用になるかということは当然兵庫県でお決めになることでございますけれども、今回追加をされます一万戸の中にはかなりの数を取り上げようかというふうに検討を進めておられるというふうに伺っておるところでございます。
 それから、今後の応急復旧から本格的な復興に至る過程があるわけでございますけれども、その場合にも活用できるものがあれば当然、もともとこの災害とは関係なくいろんな意味でオープンなことをやっていこうという考え方のもとに進んできたわけでございますので、海外からの資材その他の調達についても可能な限りは視野に入れて考えていきたいなというふうに思っておるところでございます。
#30
○片上公人君 私の家の下の方はみんな燃えた後でございますから、避難所にまだまだたくさんの人がおるわけでございますが、地元に帰るたび、いろいろ私なりに皆さんと話し合いながら応援できるものをやろうとして頑張っておるわけでございます。
 そういう中で、これはいろいろ言うに言えないような、寂しさの余り自殺した老人もおれば、いろんなことが起こっております。みんな仮設住宅ができるということについては物すごく希望を持ったことは事実なんです。そして一応、最初、私たちが入れるのかという思いがあった。そういう中で、知事の方からも確保は絶対するというのを聞いた途端に物すごく一安心したというのがあるんですけれども、いざ仮設住宅ができ始めると、何十なり何百なりできますね、できたことに対して抽せんになる、例えば三百できたら三百人が入れるけれども、あとの人は皆落ちる。そうしますと、がくっときておるわけです。希望を持って、もう一回希望から、変な言い方だけれども、落とされたような感じ。今度は本当に入れるんだろうかと。例えば、障害者を持っておる家庭は優先みたいなことを聞いていたけれども、具体的には、健常者の家庭は入っておるけれども、障害者を持っておる家庭はそのまま残っておるというのもたくさんあります。
 そういう中で、私は思うんですが、できた分だけ抽せんというよりも、大体二月中、三月中にはこれぐらいできるとなると、それぐらいを入れますよというような形にしてあげた方が用意もできるし、安心して希望を待てるんじゃないかと思うんですけれども、その辺のお考えはどうでしょうか。
#31
○説明員(松尾武昌君) 応急仮設住宅の入居申し込みにつきましては、当初、御指摘のように、市町村別の直近の完成予定戸数ごとに募集したこともありまして、大変混乱を生じたところでございます。それ以降、完成する戸数につきまして、当初の申し込み分をすべて有効とするという措置をとりました。また、順次完成する戸数に対応しまして、高齢者、障害者等の優先順位を付した上で抽せんを行っております。
 二月十九日現在、二千百七十八戸の完成戸数に対し、間もなく完成済みを含めまして五千八百三十九戸について入居決定をしております。このように、第一回目で入居決定に至らなかった方に対しましては、申し込みは引き続き有効であるということを周知徹底を図りたいと思っております。
 また、一定程度の戸数がまとまった段階で抽せんを実施することにしておりますが、先生御指摘の点については、地元市町にも提案を参考にするよう指導してまいりたいと思っております。
#32
○片上公人君 ぜひとも、ふだんの公共住宅の申し込みのものと違うんですから、つくるとわかっておるのであれば、大体いつぐらいまでにできるのかわかれば、それについては先に、あなた通りましたよというような形で言ってあげた方がどれだけ親切かわからぬと私は思います。
 この件で、建設大臣、厚生省のあれだけれども、ちょっと感想どうですか、この仮設住宅の申し込み問題について。
#33
○国務大臣(野坂浩賢君) 厚生省からも御答弁がありましたが、仮設住宅が建設されて入る人は限定される。しかし、全体の皆さんに仮設住宅なり、あるいは公団住宅なり、あるいは公営住宅の空き家に入っていただくような段取りをしておるわけです。三月中には三万戸の仮設住宅が終わり、四月に入って一万戸、全体的には七万四千五百ですから、これで全部の皆さんが収容できる。
 ただ、片上先生もお歩きになってお気づきになったと思いますが、少し補強すれば家に帰れるという方々は補強されたら家に帰ろうという意欲が非常にあります、歩いてみて。そういう状況から見て十分間に合うと思いますが、三月中には皆さんがお入りになれますから、ひとつ弱者というものを優先的に御配慮いただけませんかというような話をしながら、我々としては、みんなが納得をして理解していただくようにして、順次、目標というものは三月末に置いてそれではそういうふうな措置をしますと。そして、県外に出られた方が今約八千世帯ございますけれども、そういう方々にもしばらくの間御辛抱いただけますかということ、これは復旧ですが。
 復興の場合は六甲山ですか、山の向こうに新しい住宅がありますから、恒久住宅をつくって、走りながら考え、考えながら走っていこうと。そして、そっちにすぐでも入られる方があれば、今の住宅金融公庫を利用してフル活動をできるように、しばらくの間御辛抱いただければ安定した生活ができるようにいたしますと、こういうものをメニューとしてやっぱり出して皆さん方に夢と希望を与える、そういう姿をとっていきたいものだ、いきたいと、したいと、こういうふうに考えております。
#34
○片上公人君 私が言ったのは、その夢とともに、例えば三月にできるのであれば、予定としてもう早目に当せんを発表してあげるという方がよっぽど喜ぶぞと、そういう意味なんですからよくわかっておってくださいね。
 それで、今回、大都市法の一部改正と都市再開発法の一部改正案、これにつきましてお伺いしたいんですが、この都心居住というのが今回の、来年度の建設省の目玉政策と、こういうことになっておるわけでございますが、いわゆる都市の未利用地、こういうものについて、やっぱり公園とか災害時に対処するためのオープンスペースというんですか、そういうものにすべきだと思うんですが、そのことと都心居住とのバランス、この辺については今回どう考えられていらっしゃるのかお伺いしたいと思います。
#35
○政府委員(近藤茂夫君) 確かに先生御指摘のとおり、今回の阪神・淡路大地震におきましても公園が延焼の防止、さらには救援、復旧の際の拠点、非常に大きな機能を果たしたわけでございまして、防災公園、オープンスペースの確保というのは非常に重要なテーマであるということが改めて認識されたわけでございます。
 ただ、今回の都心居住の関係の法案につきましても、すべてそういう未利用地について住宅で供給していこうということではなくて、必要な基盤整備をしながら、したがって、オープンスペースも確保しながらトータルとして災害に強い町づくりにも貢献するという形で進めていこうという趣旨でございます。
 同時にまた、それだけでは現在大都市地域においてはオープンスペースが足りないという現状はあるわけでございますので、私どもこの七年度の重点政策として、いわゆる緑、公的空間を三倍にしようという縁サンサン・グリーンプラン、これとの関係でも、実は今国会でこの後提出予定させていただいております都市緑地保全法の改正でも、民間企業が持っている、民間の持っている土地について協定制度によって公的緑地として活用する、その際、地価税とか固定資産税の軽減措置をあわせ講ずる、こういった制度内容の法律改正も提案させていただきまして、都心居住を進める一方、そして都心居住の中でも基盤整備を進める一方、絶対的に不足しているオープンスペースの確保についても万全の努力をしてまいりたい、このように考えているところでございます。
#36
○片上公人君 時間であれですが、厚生省の方、あといろいろ思ったんですが、また後の機会に質問ということにします。
 最後に建設省に、今回の被災市街地復興特別措置法案でございますが、いずれにしましても復興にこれは役立つ手法だと思いますけれども、今後起こり得るところの大規模災害に適用できる恒久的な制度として実施していくつもりかどうか、これを最後にお伺いして質問を終わります。
#37
○政府委員(近藤茂夫君) 今回の被災市街地復興特別措置法、基本的には私ども阪神・淡路大地震を想定しながらいろいろ特例措置を考えているわけでございますが、法律制度の形式としては、同じような被害が出たときに直ちに発動できるように一応一般法の形で提出させていただいておりますので、今後同じような状況が出たときには、基本的には公共団体の御判断でこういった制度の特例が活用できるような仕組みにしているところでございます。
#38
○広中和歌子君 大臣にお伺いいたします。
 建設省は、道路、橋、河川といった土木事業のみならず、都市の設計、計画についても責任を負っている省でございます。日本は地震国で火災も多いということは周知のことでございますが、当然その対策は今まで建設省で講じられてきたと思うわけでございます。しかしながら、今回の阪神・淡路大震災におきましてはあのようなありさまでございます。未曾有の災害であり、予想を超えるものであった、そういうことはだれもが申しますし、私もそう思います。しかしながら、現在出された都市再開発法案とか被災市街地復興法案ですか、こうした法案を見ましてもわかりますように、もっと前から建設省としてはやるべきことはあったはずだというふうな思いがいたします。
 建設省の責任と指導力について、まず大臣の御所見をお伺いいたします。
#39
○国務大臣(野坂浩賢君) 未曾有の大震災、残念ながらあのような多くの犠牲者を出したことについては責任を感じないわけにはまいらぬと思っております用地震国日本であるから、それに対応すべき状態というものを平素から考えておく必要があったんではないか、全く御指摘のとおりでありますが、そのために、例えば道路橋一つをとりましても、関東大震災も新潟地震も受けたんだから、これならば大丈夫だろうというそういう想定でつくり上げました。しかし、その神話が残念ながらついえ去ったわけでありますから、政治責任を追及されてもこれはやむを得ない、こういうふうに考えております。
 したがって、それについては土木学会や橋梁学会や建築学会や地震学会や皆さん方に相集まっていただいて、慎重に討議をして、その結論を待って地震国家日本における耐震、耐火のそういう都市づくりを進めていかなければならぬ、こういうふうに考えておるところでございます。我々としても、今あった震災を教訓として、これからの日本の行く道、そして道路網の整備、あるいは住宅の堅牢化、こういう安全性のある町づくりというものを考えていかなきゃならぬ。
 そういう意味で、地震がありましてから出しました被災市街地復興法案等は、まさに阪神・淡路の震災を受けて早急に復興しなければならぬという緊急法案でございますので、過去のことについてはおしかりは受けなければならぬと思っておりますが、今後は早急にこの対応をしてまいりたいと思いますので、何とぞよろしく御協力をいただきたいと思います。
#40
○広中和歌子君 申し上げにくいことにきっちり答えていただきまして感謝申し上げます。
 今後、この都市計画でございますが、こうした法案でございますけれども、阪神地域だけではなくて他都市においても再開発がやりやすくなるのか。これはやるべきだと思いますけれども、御決意をもう一度伺いたいと思います。
 それから、これは質問通告はしていなかったんですけれども、日本は活断層がいっぱいある。今新聞等におきまして、そのありかというんでしょうか場所がはっきりしてきたわけでございますけれども、そういう地域の上に建っている建物とか橋とか、そういうものに関しての配慮をこれからどうしていくのか。それから、そのためのかなりの予算というものが必要になると思うのでございますけれども、重ねて御決意をお伺いいたします。
#41
○政府委員(近藤茂夫君) 最初の先生の御質問の市街地再開発事業を今後どんどん推進すべきではないかという点でございますが、今回の法案の中の再開発法等の一部改正、これは基本的には大都市法関連ということで、大都市法で都心居住を進める地域について特に活用されるべきものとして法律改正されているわけでございますが、実は、制度改正そのものは全国都市計画区域一般で適用できるような仕組みにいたしております。
 そういった意味合いで、機動的に市街地再開発事業が発動できるようにそういう制度改正にしておりますので、今後はそういう地方の中心市街地におきましてもこういった制度の活用によって推進してまいりたい、このように考えております。
#42
○広中和歌子君 今までやらなくちゃならないことというのは随分思っていらしたと思うんです。例えば道路を広げるとか、それからもっと防災用に空き地を広げるとか、建設に携わっている方だったら当然思われることが今までできなかったわけですね。今までできなかったわけで、これからそれをしようとするとどうしても地権者などに痛みを伴ったり、それから、例えば活断層のありかをオープンにするなんというようなことになりますと、経済的なダメージを受けるとか不動産の値段が下がるとかいろいろございますね。そういう痛みを表に出してでも、あるいはそういう痛みを強制しても私権を制限し新たな都市づくりをしていらっしゃるおつもりなのかということをちょっと伺いたかったわけです。
#43
○政府委員(近藤茂夫君) 先生先ほど御質問されたいわゆる耐震性、公共施設における耐震性の強化という点につきましては、先ほど来大臣が御答弁されましたように専門家で検討していただいております。そういう検討結果を踏まえて必要な措置を講じていくことになるわけでございますが、そのために必要となる財政措置については、それぞれ予算等、当然万全を期していかなければいけないと思っております。
 それからまた、確かに先生御指摘のとおり、災害に強い町づくり、そのためにはそれなりの私権制限ということも時には必要になるわけでございまして、そういった今回の阪神・淡路大地震を契機にして、大都市地域における地域住民の方々にもその防災性の必要性ということについては十分認識する一つの機会になったという点がございますので、地域住民の理解、協力を得ながら、必要なときには私権制限を伴う事業等の発動も考えていかなければならぬ、またそれを積極的に推進していくことも必要であろう、このように考えております。
#44
○広中和歌子君 どうもありがとうございます。
 この法案は被災地を防災の町につくりかえる事業について多様な手法を認めた法案であり、復興計画の本格的な取り組みが感じられるということで私は歓迎したいわけでございますが、この法案成立後ほどのような町づくりになるのかという、「良好な市街地」という言葉が法案の中にも書いてございますけれども、この良好な市街地のイメージですね。先ほど都市局長がいろいろオープンスペース、緑なとおっしゃいましたけれども、当然オープンスペースをつくっていくためには建物を高層化していかなければならない。
 けさのテレビで、神戸市三宮の駅周辺は、一定の高さ、高層で、イメージとしてはパリみたいな感じなんでしょうかね、ある程度の高さで統一をして、そして最低敷地を広げていく、そういうふうなことを言っていらしたわけですけれども、こういうのは、それに補足するような御意見がございましたらお伺いいたします。
#45
○政府委員(近藤茂夫君) 前半の御質問の、今後どういう方向で進めていくかという点でございますが、例えば神戸市におきましては、三月末段階で基本方針、そして引き続いて全体的な総合的な復興計画、その中では、防災性の高い町づくりということで、例えば都市公園、骨格となる幹線道路等の基盤施設、これについても所要の見直しがされることになろうかと思いますし、それからいわゆるライフライン、共同溝についてもどう考えていくかということが復興計画の中では当然出てくることになろうかと思います。
 当面の問題としての面的市街地整備でございますが、これは現在、阪神地域で三百三十ヘクタールぐらいいわゆる八十四条の行為制限がかかっております。この地域につきまして、これまでの間の行為制限を無にしないという意味でも、都市計画の計画決定の手続、この特例法を活用しながら手続を進めることになるわけでございますが、今そういう準備を進めているところでございます。
 そして、それから後段の御質問の、三宮の地区でございますが、この三宮に関しましても、現在七十四ヘクタールぐらいが行為制限、八十四条の制限区域になっております。神戸市がその七十四ヘクタールの行為制限をかける段階で発表した方針では、この地域につきましては誘導都市計画、地区計画で、例えば一定のセットバックをする。そもそもあの三宮地区につきましては高層の地区になっております。ただ、必ずしもその建物の高さとか、あるいは壁面の位置がそろっておりません。これを機会に非常に水準の高い拠点にしたいということで、地区計画を活用していきたい、こういうことは聞いております。きょうのテレビを私は見ておりませんけれども、そういった考え方で恐らく二十二日以降にはそういう具体的な手続に入るということを聞いておりますので、そういった話が今展開されているのではないか、このように考えております。
#46
○広中和歌子君 前回の質問で、復興計画とか被災者の方々へのさまざまな対応についてお伺いしたわけですけれども、この法律はどちらかというとこれからどういう町をつくっていくかということで、大切な法案だろうと思います。
 空間、オープンスペースをつくるにいたしましても、また立派な耐震性の建物をつくるにいたしましても、やはりコストというものが非常にかかるわけでございますね。それが民間の場合も公共の場合もあるわけでございますけれども、財源についてお伺いしなきゃならないわけです。
 今度の被害は住宅や公共施設など構造物だけで十兆円と言われておりますけれども、もとのままに直すとして十兆円であるとしたらば、それだけでは意味がない。もっといいものを建てるというわけですから、当然費用がかかるわけですね。その財源についてお伺いするわけですが、国はどの程度災害に対して支出をするのか、そして、この十兆円なんですけれども、どの部分が民間でどの部分が公共のものなのであるか、まずそこの割合をお伺いいたします。
#47
○政府委員(村瀬興一君) 今先生が十兆円とおっしゃいましたけれども、私どもは、被害総額につきまして、現時点までに把握されました被害状況をもとに取り急ぎまとめました概数の推計を実施いたしております。これによりますと九兆六千億ということでございます。
 その内訳を申し上げますと、建築物等が六兆三千億円、それから交通基盤施設が二兆二千億円、ライフライン施設が六千億円、その他五千億円で、合計いたしますと九兆六千億でございます。ただ、これを作業いたします際に、公的被害と民間被害というふうに分けて作業はいたしておりませんので、その公的な被害と民間被害の内訳というのは残念ながら把握いたしておらないところでございます。
#48
○広中和歌子君 じゃ、これからどうこの地域を再開発させていくかそしてそのためにどのレベルのクオリティー、質の高い良好な市街地をつくっていくかということに対しての、予算みたいなもの、概算みたいなものはございますでしょうか、今の時点で。
#49
○政府委員(近藤茂夫君) 区画整理事業だけでも阪神地域においては約二百八十ヘクタール予想されているわけでございますが、ただ、これ実際との程度の事業費がかかるかということにつきましては事業計画の内容いかんということになるわけでございまして、基本的には、まず計画決定を三月十七日、そこでは基本的な方向と区域を明確にする、それが都市計画の内容でございます。その後、地域住民の理解と協力、それこそ十分な相談をしながら事業計画、換地計画を定めていく、そういうことでございますので、具体的にどれだけ区画整理事業全体でかかるかどうかこれは正確にはっかんでいないところでございます。
 ただ、今回の補正予算の中でも、単純にいわゆる災害復興、もとに戻すということだけではなしに、新しい助成制度、区画整理事業でいいますと今までは一般会計によるそういう面的市街地整備に対する補助はなかったわけでございますが、それについても補正予算に計上していただいておりまして、その辺の額としては区画整理関係でも国費で六十億予算計上をしていただいております。できるだけそれを活用しながら、恐らく、三月でございますので、当然使える部分というのは非常に限られることになろうかと思いますが、予算措置といたしましては、そういうことも今回の補正予算の中には入っているということでございます。
#50
○広中和歌子君 公共事業費の七〇%を消化するのが建設省だというふうに伺っております。その公共事業費の今までの配分、建設省の中ではいろいろ時代に応じ、需要に応じていろいろ変えていらしたということは存じ上げておりますけれども、今回の災害でどういうふうに公共事業費の使い道、その内訳が例えば建設省の中で変わってくるのか。
 六百三十兆、向こう十年間というふうに言われておりますけれども、その七〇%を持っていらっしゃる建設省としてはいろいろなことが可能なんじゃないかと思うんですね。ことしの予算にもそれが反映されれば余計いいわけですけれども、今後どのようなおつもりでいらっしゃるのか。そして防災ということ、そして非常に質の高い都市に関してどのような予算配分を考えていこうとなさるのか、一応建設省の御方針をお伺いしたいと思います。
#51
○政府委員(伴襄君) 今回の震災で、とりあえずその復旧ということが急がれますので、またもとに戻すということがまず大事でございますので、その辺の緊急的な対応を今度の平成六年度の第二次補正という形でできる限りゃりたいというふうに考えております。
 その後に、七年度の当初予算がありますが、今回、特に神戸につきましては、単なる復旧だけではなくて復興とかきょう審査していただいております都市づくりですね、都市づくりで区画整理事業、再開発事業等々、かなり改良、改善的な仕事があるわけでございまして、これからどの程度必要かということがいろいろ計算されると思いますが、そういったものにつきましては、特に神戸向けの話でございますので、私どもの希望としては、極力その補正という形で手当てしていくということになるんじゃないかなというふうに思っております。
 当初予算につきましては、これはそれぞれほかの地域も待ち焦がれている予算でございますので、それはそれなりの今まで決めた対応をしていく必要があろうかと思います。
 ただ、今後の問題としましては、公共投資基本計画のお話もありましたけれども、公共投資基本計画自体は、何も、毎年幾らずつ出すとか、どういう経費にやるかとか、事業別の配分とかは決まっていないわけで、極めて弾力的な計画でございます。しかも公共投資基本計画の中には安全という面も非常に強調しておりますので、今後いろいろ予算をこれから十年間計画の中でやっていく場合に、今回のこういう震災の経験にかんがみて、安全サイドの経費についてはかなりウエートが置かれるんじゃないかという予測は立ちますけれども、これはこれからの問題だと思っております。
#52
○磯村修君 防災性の高い、防災に強い町づくり、都市づくりということを進めていくためには大変な財政的な投入ということも必要になってくるだろうし、そのためには、やはりそこに住む被災者の皆様方の大きな御協力もお願いしていかなければ安全な都市づくりというものはなかなか進まないと思うんですね。
 そこで、大臣にひとつお伺いしておきたいんですが、こういう震災復興のためにはどうしても個人の権利、私権というものが制約されるということが考えられるわけなんですけれども、やはり防災の町づくりを進めていくという意味の理解と、それから住民の協力を得ていくための対策というものをやはり考えておかなければ、これからの事業を推進していく上においてなかなかやろうとしていることが前へ進まないという場面が多く出てくると思うんです。そうした意味合いにおいて、大臣、これからの住民の理解、御協力についてどのような対応策を持っているのか、お伺いしておきます。
#53
○国務大臣(野坂浩賢君) 磯村先生にお答えしますが、おっしゃったとおりに、今度の区画整理事業をやる場合には私権の制限があるんじゃないかと。私はないとは言えないと思いますね、あるだろうと。ただ、最小限にしていかなきゃならぬ。したがって、今被災地の皆さん方は土地を売る方もございますので、そういう場合は積極的に我々は買い上げを進めよう。神戸市とか兵庫県とかがお買い上げになるときには我々は新たに安い利子でお貸しじよう。公共用地というものの先行取得は進めよう。幸いに神戸市は、御案内のように、六カ月間ぐらい延長しなければこの復興計画が立たぬということでしたけれども、三月十七日はやり切るというようなお話でございまして、非常に進んできたなと。
 我々は、よくお話をしておりますけれども、今度の復興法案の第四条に、国民の、いわゆる被災者の皆さん方の理解と納得を得て、協力を得てやろうという条文がございますので、その条文を中心にして、被災者の皆さんの本当の意見を聞いて、そしてあくまでも我々が指導をするというよりも協力をして、神戸市なり兵庫県が都市計画をやるわけですから、それを積極的に援助しようということで、建設省としては、私は十七日に行きましたが、もう十八日からその作業にかからなきゃならぬだろうということで、技術審議官を二人兵庫県と各市に派遣をしまして、将来の復興計画に備えてきたという経緯もございます。
 住民の知恵もありますから、その知恵と合わせて十分にやっていこう。その中でぶつかってくる問題がありますが、こちらから原案を出すよりも、相手が原案を出してくる、こっちも出すということになると比較的話し合いがむしろスムーズにいって、この区画整理事業というものが予定以上にスピードを上げることができるんではなかろうか。こういうことで十分に住民の皆さん方の意向というものを尊重しながらやっていこう。
 そして、今度の法案で特徴的なのは、先ほども広中先生が言われましたけれども、きょうのテレビに出たのは、二階建てをやってくれと、それは自分の土地だからしようがありません。ただし、区画整理をしたときにはそれを引っ張りますよ、そうしてきちんとしたものになると、少しも傷むということはありませんから、そういう場合はそうします。しかし今ぜひ建てたいということであれば、その自分の土地に建てられてもやむを得ぬと思っております、ただ引っ張っていく場合もありますと、区画整理した場合は。こういうことを言っておるわけでございまして、そして我々は堅牢なものをつくる、耐震、耐火というものを考えて道路を広く、公園も広くという、公共用地の先行取得は積極的にやっていこうというふうに考えておりまして、私も私権制限ということになると問題がたくさん出てこようと思っておりますが、一般の区画整理事業以上に住民の皆さん方は比較的理解がある。
 この間テレビでも対談しましたけれども、国は口を出さぬで金を出せ、こう言われました。我々はあなた方の意見も必要ですけれども、我々もたたき台を出して両者でやった方がむしろ、官民一体という言葉は用語では余りよくないかもしれませんが、役所も住民も一体となってやろう、こういう区画整理というものをやっていこう。ここでいっぱいになってだめになったら、ここのところも推進地域にしてここにも出てもらう。今まではそういうことは普通の枠内であったんですが、はみ出てもいいんじゃないかということの法律にしておりますので、私権の制限がないかと言われるとないとは言い切れませんが、できるだけそういうことについては配慮して、私権制限というものを抑制して、皆さん方と協力し合いながら今度の復興事業を進めてまいりたい、こういうふうに考えております。
#54
○磯村修君 いずれにいたしましても、今度の震災の復興ということは、そんなことが二度もあってはならないことなんでしょうけれども、これからのモデルになるような防災都市の建設ということですから、どうぞこのイメージ、これは行政と住民が一体となった一つの都市づくりをぜひ促進してほしい、こういうふうに思うんです。
 そこで、これからのそういう防災都市をつくっていくためには、やはり今回の震災で経験したいろんなことを将来に教訓として生かしていかなければならないと思うんですね。そういう意味合いでちょっと建設省にお伺いしたいんですけれども、壊れた建物を整理していくという意味合いにおいてまず考えなけりゃいかぬことは、一つとして、やはり建物が今回の地震によってどの程度の問題があったのかということを突き詰めて徹底的に究明し、しかる後に建物を整理し、そしてそのよくなかった点を将来に生かしていくというふうな手法をとって整理していかないと、これ防災都市をつくっていくためにも、残された問題を将来に生かすことはなかなかできないという結果にもなると思うんです。
 そういう意味合いにおいて、建設省、これから壊れた建物なりなんなりを、あるいは道路なりを整理していくために、徹底したこの原因の究明ということをするように指導していくということも大変重要な役割だと思うんですけれども、その辺について建設省のお考えをひとつお伺いしておきます。
#55
○政府委員(梅野捷一郎君) ただいま御指摘いただきましたように、今回の災害によって示された、いろいろな建物にしろ公共施設にしろ弱点が露呈をしたわけでございまして、この点についてはいろんな面から徹底的に調査をして今後に生かさなければいかぬということは、私どもも全くそのとおり考えているわけでございます。
 例えば建築関係、建物関係で申し上げますと、被災しました十七日の翌日の十八日から、まず専門家から成ります第一陣を概況の調査ということで入れてございます。それから、各大学でありますとか学会でありますとかそれぞれのチームを編成してそれぞれの独自の行動をとっていただいております。そういうもの全体を集約する形で、一月三十一日に全体を統合する建築震災対策調査委員会というものを設けまして、そこに一元化をして全体の原因究明、いろいろな調査を実施しようということで、現在鋭意進めているところでございます。
 その間いろいろな調査も進めたわけでございますが、この二十日からは、さらにそこから出てまいりましたいろいろなケースを整理いたしまして、約千棟ぐらいの建物についてはさらに突っ込んだ徹底的な調査をしようということに取りかかっているところでございます。
 被災の建物につきましては、被災後いろいろ入ったわけでございますけれども、中にはプライバシーの問題やいろいろなこともございましてなかなか入れなかったというようなこともございますけれども、いろんな御協力をいただきながら、今申し上げたようなことで建物の外も中も徹底的に調査をしようということで現在進めているところでありまして、英知を集めまして今回の経験を整理して今後に生かしていきたいというふうに思っているところでございます。
#56
○磯村修君 報道によりますと、原因の究明とかそういうことは外に置いて、わきに置いて、取り壊しをとにかく早めているというところもあるやに伝えられているんです付れども、そういうことが仮にあるとすればやはり将来に生かされていかない結果にもなるわけですから、ぜひその辺十分に注意喚起をしてほしい、このように思います。
 それから、この震災ということを予防していくためにも、耐震基準というふうなことをよく言われるんですけれども、設計の安全基準だとかいろいろ基準ということがよく言われるんですけれども、これから将来に向けて、例えば設計上の安全基準だとかというだけではなくて、材料の問題とか、あるいは工事の施工の問題とか作業の進め方の問題とか、いろいろそういうことを厳しくチェックしていくことが必要ではないかという指摘もあるわけなんですけれども、建設省といたしましては、耐震性の向上ということの面から将来そうした安全性の指導と申しましょうか、それぞれ細かくチェックしていくというそういう指導も大変重要な役割を演ずるんではないかと思うんですが、その辺のお考えをひとつ伺っておきます。
#57
○政府委員(梅野捷一郎君) 先ほど御説明申し上げました調査委員会の方では、単に設計基準というそういう問題だけではなくて、いろんな観点からの調査も進めていただいているところでございます。したがいまして、今御指摘のような材料そのものの品質の問題、あるいは使い方の問題、施工上の問題、そういう点もできるだけはっきりと今回の現象の中から明らかにしてもらおうということで調査を進めていただいているところでございます。建物については建築基準法があるわけでございますが、これは建物全体の設計の基準を設けていると同時に、材料とか構造、方法でありますとか、そういう問題についても触れているわけでございます。
 さらにまた、一般的に建築の場合には民間建築が主流でございますけれども、そういう建物をつくっていく過程においては、工事管理をされる方、あるいは施工に携わられる方、材料を供給される方、いろんな方がいろんな組み合わせで参加をされるということでございまして、その中にはいろんなばらつきもあるとか、いろんなことも考えられるわけでございまして、今回の被災の原因の中のあるいは一部がそういう面から考えられる点もあろうかということも考えられるわけでございまして、今申し上げましたような調査の結果によりましては、今の仕組みについてもそれ相応のチェックをしなければいかぬなというふうに考えているところでございます。
#58
○磯村修君 これからいろいろな公営住宅等の建設も始まろうとするわけなんですけれども、私も実はテレビなどを見ておりまして、先日も、ひとり暮らしのお年寄りが震災当時下敷きになっているところを若い兄弟に助けられまして、そして病院で再会された場面を見ておりまして本当に胸が詰まる思いもしたんですが、こういうお年寄りたちがこれからどういうふうに生活していくんだろうか、どういう住まいに住んでそして生活していくんだろうかという、大変私も考えてしまったんです。公営住宅等の建設がなされたときには、こうした被災されたひとり暮らしのお年寄りへの配慮というものをぜひお願いしたいと思うんですが、これは厚生省の関係もまたがってくる問題かもわかりませんけれども、建設省としてのお考えをひとつ聞いておきます。
#59
○政府委員(梅野捷一郎君) それぞれの方々がみずから再建に立ち向かっていただくということは当然一方の柱ではございますけれども、今回のような災害の状況でございますので、通常よりも力を入れて、罹災者の住まい、あるいは先ほど来出ておりますいろんな町づくりをする過程で、一時的にあるいは長期的にも移転をしていただくというような方々の受け皿といいましょうかそういう点も含めまして、公的な住宅の供給というものは一段と力を入れようということで今取り組んでいるところでございます。
 そういう場合において、今御指摘のように、予想といたしましても、高齢者の方々が我々がこれから供給しようという公的な住宅と結びついてくるケースが非常に多いだろうというふうに考えているところでございます。当然、我々の供給計画の中ではそこを一つの大きな重点として取り組みたいと思っておりますし、また従来からやっておりますように、バリアフリーというのは現在でも公的住宅はすべて新規のものについてやっておりますので、そういう点はもちろん取り上げますし、できればいろいろなところで福祉サービスとセットになった、シルバーハウジングプロジェクトと称しておるわけでございますが、そういう事業のやり方をできるだけ広く取り上げて対応したいなというふうに考えているところでございます。
#60
○磯村修君 次に、都心の住宅の促進のことなんですが、提案の御説明の中にも「職住近接の住宅の供給の促進」とか「土地の合理的かつ健全な高度利用と市街地の環境の改善」というふうなことが述べられているわけでありますけれども、これは夜間の都心部に人口を集めて、本当に働くところと住居が近接するような状況をつくりたいというふうな趣旨もあると思うんですが、この都心居住推進ということは防災の面から考えた場合になかなかいろいろな難しい問題も出てくると思うんです。
 その前に、どういう規模の住宅がイメージされるのかというふうなことをまず伺っておきたいと思うんです。
#61
○政府委員(梅野捷一郎君) 私どもが今回の制度の中で一つの中心に置いておりますのは、都心共同住宅供給事業という、積極的にまた計画的に供給しようという事業を考えているところでございます。
 その中では、現在のいわゆる都心あるいは既成市街地に大変多い民間の賃貸住宅の規模というものが四十数平米というような実態にございまして、そういうことも一つの下限としては考えられることから、原則として五十平米以上のもので供給をしていこうと。それから、もう一つの考え方は、当然都心居住をこれから進めていく場合には、どういう方々がそういうところに住んでいくのかということも一方で十分考えながら規模あるいは中身を決めていかなければいかぬということでございますけれども、我々が今回取り上げたようなエリアの中では、恐らく一般に言われておりますよりは例えば二人世帯あるいは三人世帯という方々の需要が大変多いんではないかというようなことも考慮に入れながら、具体的な地区ごとにそういうことも考えていかなければいかぬというふうに思っているところでございます。
#62
○磯村修君 そういう住宅が都心部につくられていく場合、働くところに、勤め先に近いところに住宅を求めたいというサラリーマンも多いわけなんですね。そういう状況の中で、土地の価格という問題もいろいろあるでしょうけれども、本当にそうした都心部につくられる住宅そのものに一般のサラリーマンが住むことができる家賃なのかどうかということが一つの関心を呼ぶと思うんです。なかなか高い家賃になるんじゃないかというふうな心配もあるわけなんですけれども、普通、大体中堅サラリーマンが住めるような住宅になれるのかどうか、その辺いかがでしょうか。
#63
○政府委員(梅野捷一郎君) 私どもも、今回取り上げております都心の住宅において、多くの場合は賃貸住宅が中心になろうと思っておりますけれども、家賃というものをそれ相応の水準に持っていけるのかどうか、これが一つの大きな目標でございます。
 現在でもなお全体の地価は高いわけでございますけれども、その土地を、環境と合理的な高度利用というものを何とか両立させる方法を見出して、できるだけベースとなる価格、コストというものを引き下げていこうというようなことを一つは考えておるわけでございまして、その過程に、さまざまな環境との調和を図るという観点も含めまして新しい情勢も積極的に入れていこうということを考えておりますし、また、税制あるいは資金コストの面でもそういう面を引き下げようとかいろんな工夫をいたしまして、特にできれば定期借地権制度というようなものを積極的に活用しようということで考えております。
 また、既に別のお話として御案内かと思いますが、建設コストについても大幅な低減を図ろうという全体的な取り組みをしているところでございまして、そういうことすべてを動員いたしまして、何とか通常の方々が手に届く家賃の水準に近づけたいというふうに考えているところでございます。
 我々の方も、いろんな地域についていろんな今申し上げたような条件を駆使した場合にどれくらいまでいくのかという試算もそれぞれやりながら中身を詰めているところでございますが、あくまで私どもがやっております試算はこういう場ではっきり数字を申し上げるほどの詰めた数字でもないということもございますので、御勘弁いただきたいのでございますけれども、私どももそういう点を具体的に詰めながらこの問題を取り上げているということを御理解いただきたいと思います。
#64
○磯村修君 この事業は、やはり職住近接の住宅の供給促進という趣旨が十分に生かされないと事業は失敗だと思うんですよ。そういう意味合いにおいて、ぜひ本当に一般のサラリーマンがその住宅に住めるような状況を生み出せるように、ひとつ御努力をお願いしておきたいと思います。
 それから、こうした都市への住宅の建設ということを防災面から考えた場合、幾つか問題があると思うんですけれども、この委員会でもよく言われてまいりました、いわば震災に備えての公園の整備とかあるいは道路の整備、こういうことが取り上げられてきたわけであります。
 都心部にこういう住宅を、高層建築だろうと思うんですけれども、住宅をつくっていく場合でもやはり備えはなければならないという意味から考えた場合、日本の都市の、例えば東京の公園の一人当たりの平均面積もなかなか狭い。そういうことを考えた場合、防災の面から考えた場合にまずこういう住宅を、先ほど局長、基盤整備していくんだ、一緒にやっていくんだというふうなことを言われましたけれども、果たして両立てきるものかどうか。やはり防災都市ということを考えた場合に、まず環境を整備しながら住宅というものを次に考えていかなければ、本当の意味の防災に強い都市づくりというものはできないんじゃないかというふうに私は思うんですけれども、いかがでしょうか。
#65
○政府委員(近藤茂夫君) 確かに、都心居住政策と並行的に公園整備の政策も推進していかなければいけない、その点では先生御指摘のとおりだろうと思います。
 ただ、都心居住の推進政策、恐らく面的整備の特定土地区画整理事業等が中心になろうかと思いますが、比較的都心居住の場合には、実は公共用地の比率そのものがかなり高いわけでございます。ある程度周辺部の木造密集地区になりますと、必ず建物は道路に面していなければいけないわけですが、その道路が私道であったりすることが非常に多いわけでございます。そういった意味では、なかなか公共施設率というのは非常に低い。
 ところが、都心になりますと、そういう不十分な街路ではあっても、それはいわゆる公道だということでございまして、そういうのを集約することによって、公共施設率そのものが高い地域でございますので、きちっとした幹線街路を生み出すと同時に、また容積の割り増しが非常に無理なくできるということでオープンスペースも確保できる、そういった面がかなり活用できるのではないか、こういうふうに考えているところでございます。
#66
○磯村修君 それから、こういう都心部に住宅をつくっていく場合に、用地の問題もあるわけですね。これはどういうふうに用地を確保するお考えがあるんでしょうか。
#67
○政府委員(梅野捷一郎君) いろんなケースがあるわけでございますけれども、一つは、例えば東京におきましても物理的には必ずしも使われていないといいましょうか、工場跡地のような部分でございますとか、そういうところは積極的に全体の町づくりのプランを示した上で都心居住の住宅地としての活用に取り組んでいく、これは従来からもやっているところでございますが、そういうところが一つございます。
 それからもう一つは、やはり既成市街地でございますから、従来のいろんな意味で使われている場所について広い意味の再開発をする、敷地の共同化を図る、そういうことを通じてやっていきたいということでございます。
 先ほどの御質問にもございましたように、でき得れば事業のようなものをやる機会に地価がストレートに表に出てこないということも期待したいところでございますので、ある意味では地主といいましょうか、現在住んでおる方でも結構でございますが、そういう方々も事業に直接参加をしていただくという方式が再開発の一つの利点であろうと思いますけれども、そういう二つの面を大きく挙げて合理的な高度利用を図っていく。そのことに、先ほどもお話がございましたけれども、公共施設もいわゆる本当の道路でなくても、それももちろん力を入れるわけでございますが、敷地の使い方を全体が計画、調整することによって編み出されている空間をより効果の高いものに持っていくというような意味も含めまして、できるだけそういう広義の再開発を大いに広げていきながらやっていこうという考え方でございます。
#68
○磯村修君 意地悪なお伺いかもわかりませんけれども、やはり東京都内を見ましてもかなりまだ木賃率の高い地域があるわけですよ。四五%以上とか五〇%以上というふうなそういう地域もかなり都内にはあるわけなんです。そういういわば防災面から考えた場合、やはりそういうところの整備というものを進めていく、そこにまず財政投資していくべきではなかろうかという疑問もあるわけなんですけれども、考えもあるわけなんですけれども、やはりこういう都心部にお金を使うものがあるんだったならば、そういう木賃地域の整備事業というものをまず最初に、都心部につくるよりかも先行させてやるべきじゃなかろうか。防災上の立場から考えた場合、そういうことも思うわけなんですけれども、その辺はいかがでしょうか。
#69
○政府委員(梅野捷一郎君) 先生御指摘のように、いわゆる木賃地区と言われる木造のアパートが中心になって大変密度の高い市街地というのはあちこちにあるわけでございまして、その地区の再整備ということは大変重要なことでございます。
 また、仮に再整備がいい形で進めば新しいタイプの住宅地にもつながっていくわけでございますので、それは大いに取り上げるべきだというふうに考えているところでございまして、私どもはそれはそれとして従来からもやっておりますので、そちらにも力を入れ、いろんな方法を組み合わせなければ都心の居住問題というのは解決しないだろうというふうに考えております。
 その密集住宅市街地の整備という問題は、現在でも相当広範にわたって事業を展開いたしておりますけれども、ああいう地区の大変密度の高いところでございますので時間が非常にかかる、また時間をかけながら、皆様の理解を得ながら進めなければ進められない、当然そういうことでございますので、今回の災害のようなことがございますので、地域の皆様方の御理解も一層得ながら促進をしていきたいなというふうに思っているところでございます。
#70
○磯村修君 いずれにいたしましても、これからの新しい町、づくり、都市づくりというものは常に防災ということを大前提に置いて推進してほしい、こういうことを要望しておきまして、質問を終わります。
#71
○上田耕一郎君 上田でございます。まず、被災市街地復興特別措置法案について質問させていただきます。
 私、現地に二回参りまして、特にこの十九、二十日は東灘区へ行ってまいりました。避難所を五カ所回ったり、それから避難所に入っておられない高齢者のお宅にもお伺いして、翌日、芦尾県副知事にもお目にかかって帰ってきたんですが、東灘区は家屋の被害は長田区、灘区に次いで三番目で、全壊、半壊、全焼、半焼一万四千六百六十二戸、しかし亡くなられた方の数は一番多いところなんですね。
 それで、現地へ行ってみて改めていまだにすごいと思ったのは、幹線道路は確かに自動車が通れるんだけれども、幹線道路でも歩道はそのままで、歩道を歩いている人は倒れている家屋をよけて車道におりないと通れなくなる。一歩奥へ入りますと、これはまだ手つかずといった感じですね。だから、大臣が半年から一年瓦れき片づけにかかるけれども、それを半年でという記者会見をされたという記事を読みましたが、実際これはなかなかのことだということを改めて感じたんです。
 私ども、この十日にこの復興対策について日本共産党の提案というのを発表したんですが、重視しているのは被災者の生活と営業の再建の問題、これのまず土台を築くこと、それから防災の見地を貫いた新しい町づくり、この二つを非常に大事にしなきゃいかぬと思います。特に復興事業の進め方として、今回の大震災全体の恐るべき性格からいっても、国の責任を明確にする必要がある。計画は地元でつくり、執行は自治体と国で共同でやる。財政負担の大部分をやっぱり国で持つべきだ。特に、再建計画のつくり方、それから事業の進め方には住民の参加と合意、これが一番の基本だという私どもの提案なんですが、しかし今度、今審議しておりますこの特別措置法を見ますと、一番肝心な住民の参加と合意という点については、これまでの都市計画決定や再開発、区画整理のやり方を一歩も出ていないと言わざるを得ないんです。
 今までのやり方は、私も何度も何度も、いつも問題にしてきたんですが、確かに案については縦覧する、公聴会も開く、意見書も出せるとなってはいますけれども、しかしどんな意見書を出してもほとんど聞かれないし、説明にどんな矛盾があっても押し通すということにやっぱり今までなってきているんですね。結局、住民の意見を聞くのは形式になって手続になっちゃっている。手続さえ済めばお上の決めたものがまかり通るということになっている。
 今度の法案も、第四条で「地域住民、民間事業者等の理解と協力を得るよう努めなければならない。」。だから、決めた案について説明し説得し、理解してもらって協力してもらうという法律の建前で、住民の参加と住民の合意、欧米の都市計画ではこれ一番大事にしているんですが、その保障が法律そのものにないと思うんです。
 こういう法律でどうやって本当に住民の、あの被災者の方々の合意をつくり出していくか、これは一番の根本問題で私ども重視しているんですが、大臣のお考えをまずお伺いしたいと思います。
#72
○国務大臣(野坂浩賢君) 御意見を承ったわけでありますが、過去に例のない大震災、大災害を受けた、これについて救援をし、復旧し、復興しなきゃならぬ、まず生活再建、そのことも考えていかなきゃならぬし、我々としては防災ということを十分考えてこれから進めていかなきゃならぬ。
 おっしゃるように、特別措置法の第四条には、住民の協力と理解を得ながらと書いてあります。しかし、縦覧の期間、意見書の提出、そういうものをすべて我々は理解をしてやるということでありますが、従来、委員がおっしゃったように我々は案をつくって住民を説得する、こういうパターンだったんですね。最終的には寄り切りということがあるんじゃないか。
 今、ボランティアの皆さん方も現地に入っていただいておりまして、住民の皆さん方の意見を聞いて一つの計画書をつくっておられますね。神戸もつくっています。我々は積極的に助言、協力はしますが、根本は地方自治体にある。その中で、神戸市なら神戸市は住民全体の委員会をつくりまして、そこで討議していますね。そこには持っていくボランティアもある。その意見と意見とぶつかってやったらどうかと。
 先ほども言いましたように、私もテレビに出たときに、おれたちが復興するから金だけ出してくれという話もありました。でも、何かたたき台がないとなかなか進まぬ。だから、言葉の使い方は悪いかもしれませんが、官民一体となって協議をしよう、これを重点にということではなしに、このことは重点にということ。だから、たたき台は出しますが、一体となっていろいろやらなければできぬ。そういう意味で、神戸市はそういう住民参加でございましたからなかなか初めのスタートは難しいようですけれども、話し合いになってくるとお互いに案を持ち寄ってくるわけですから、比較的スピードがかかってくるというような状況にあるように私は承っております。
 神戸市は、この八十四条の規定で網をかぶせたわけですけれども、これが半年先でなければできぬじゃないかということでしたけれども、そういう話し合いをしながら三月十七日ごろまでにある程度の区画整理の事業計画ができるんじゃないかというふうにおっしゃっております。計画ができるということでありますから、委員がおっしゃっておりますように理解と協力を得、意見書の提出等は積極的に、住民の皆さん方の考え方というものも、防災はしなきゃならぬということが基本にあります。
 ただ、私的制限というものがひっかかるということがございますから、この点については世界の神戸をつくろうという意味で我々もたたき台を持って、ここの道路はこうしよう、ここの公園はこうしようということの絵はかいて持っていかなければならぬじゃなかろうか。そこで突き合わせをしながら、初めはのろのろ運転ですけれども、比較的話し合いがスムーズにいくんではなかろうかな、こういうふうに復興計画の段階では、衆議院でも随分お話を承りましたので、住民が参加できるような方法というものを我々としては考えていく必要があろうということを感じておるわけですし、現場の皆さん方も、そういう考え方で神戸や兵庫県の方は計画策定を急いでおるというふうに私は承知をしておるところでございます。
#73
○上田耕一郎君 この法案が急がれているのは、今言われたように三月十七日に建築基準法八十四条の建築制限も終わるということもあるんですけれども、神戸のために急がなきゃならぬけれども、しかしこれは恒久法だから、今後被災地の復興には全部当てはまるんですね、重視しなければならぬ。
 ところが、神戸で十五日に条例が成立しているんですよ、ここに持っていますけれども。神戸市震災復興緊急整備条例、十六日に制定された。これの第四条は、「市長はこ「復興に関する計画を速やかに策定しこ「公表する」と。議会にもかけないんです。市長は勝手に計画をつくって公表できるんですよ、これ全然住民参加、議会の参加もないんですから。第五条、「市民及び事業者はこ「復興に努めるとともに、震災復興事業に協力する責務を有する。」。協力の責務だけですよ、市民に決められているのは。だから、私どもの神戸の市議団は、住民参加が全くない、議会さえ無視されているということで反対しました。
 この市のつくったのは、結局今我々が審議しているこの法案を踏まえているんです、大体知っているから。この法案も市のこういうやり方に大体協力するように進んでいるんですよ。
 私、森公園の避難所に参りました。そこに自治会の会長代行の方がいらして、これをお持ちでした。(資料を示す) これは市が配っている。この条例に基づいてもう配っているんですよ、ニュースを。これで復興促進区域五千八百八十七ヘクタールをもう決めちゃって、これは議会にもかけないで決められるんですよ。決めてもうニュースでずっと配っていた。この緑色全部が復興促進区域です。この条例は、復興促進区域五千八百八十七ヘクタールを全く一方的に決める、それでさらに三月中に重点復興地域を決めるということになっている。神戸新聞には重点復興地域は九区域でどことどことどこともう一方的に出ているんですよ。
 それで、市の説明では、絵が出ていまして、市街地全体がこれだと、促進区域が市街地の中のある部分と、もう建築制限を八十四条でやっている、あそこに六つあるんですよ、御存じと思いますけれども。その六つを囲んで促進区域の中で重点地域を大体決めるという概念図がもう発表されているんです。
 それで、都市局長にお伺いしたいのは、恐らく市といろいろ協議しながらお進めと思うんだけれども、この法律に言う推進地域、これはこの神戸市の促進区域とか重点復興地域とどういう重なりぐあいになっているんですか。
#74
○政府委員(近藤茂夫君) 基本的には、結論から申し上げますとリンクいたしておりません。
 神戸市の条例で出ております全体の一番ひどい四千ヘクタールから六千ヘクタール、これはいわゆる今回の被害を受けた地域につきまして、新たに建てかえるときに特に一番ひどい地域につきまして中高層の建築物についてはいろいろ行政指導しようという趣旨で、いわば建築確認の前段階の行政指導をしていこうということで決めた地区でございます。
 それからもう一つ、いわゆる八十四条がかかっている地域、これはもう八十四条を発動する段階で基本的な方向として面的整備をしようという地域がまずございます。それからその外側にその丸い円で重点地域という、実はそれはそれぞれ市長さんがお決めになるあくまでも行政指導としての前提となる届け出規制であって、法律に基づく規制ではございません。それについては確かに市長さんがお決めになっているということでございますが、私どもの特別措置法による復興推進地域というのはあくまでも都市計画法の手続で、そして最低限の規定として、先生御指摘の二週間の縦覧とかあるいは都市計画地方審議会とか、そういう議を経て決める。場合によったら神戸市の場合には市町村の審議会にももちろんありますし、公共団体によっては市会議員さん、県会議員さんの参加によるそういう手続もあるわけでございまして、都市計画法の手続で指定されていく。
 したがいまして、まず八十四条につきましては、もう当初の方針から面的整備を予定しておりましたので、しかもその行為制限がかかっております。したがって、区画整理等の都市計画決定、これは同じような行為制限でございますので、スムーズにいくだろうと。
 次の段階、先生御指摘の事業計画、換地計画の段階では十分に地域住民の理解と協力を得てということでございまして、それぞれ区画整理法あるいは都市再開発法でそういう住民参加の規定があるわけでございますが、現実には神戸市はそれはもう最低の手続だということで、実はアンケート、この地域に住むのか外に出ていくのか、あるいは土地を処分したいのか、あるいはその共同住宅区に入りたいか入ったくないかそういうきめ細かいアンケートをとりながら、四条で言う地域住民の理解と協力を得て事業計画、換地計画を進めていく、そういう段取りになろうかと思います。なお、この特別措置法による推進地域でございますが、神戸市の条例で言っている重点地域、この中には区画整理事業が既に戦災復興で行われた地域もあるわけでございますが、中には現在の水準からいいますと、このままでいけば不良な街区が形成されるおそれがあるという地域もあるわけでございまして、そういう地域についてはこの特別措置法によって指定するということはあるわけでございます。
 ただ、その場合には、八十四条の建築行為制限がかかっている地域について推進地域を指定するということの意味合いがちょっと違うわけでございます。既に八十四条の行為制限がかかっている地域につきましては、推進地域というのは要するに特例、国の助成、そういったところが働く地域という意味合いでございまして、住民には行為制限との関係では特段の意味がないわけでございますが、新たにこれから地域を指定しようとする段階では、今度はこの特別措置法による行為制限がかかる地域になりますので、住民参加の手続はよりしっかりしていかなければいけない。これはもう神戸市も承知しておりますし、私どももそういった方向で指導していきたいというふうに考えているところでございます。
#75
○上田耕一郎君 一つは、神戸市が一方的に進めている、案もどんどんできていますし、ひょうごフェニックス計画という復興計画がもう始まっていますよ。そういうものが既成事実化されることが一つあります。
 それから、今の局長のお話で、この六つの地区計画や再開発地区やそれから区画整理が決まっているところ以外にも新しい地域が決まるとまた広がるわけですね。
 そこで、二番目に大きな問題は、住民の地権者の権利保護の問題なんです。私もこの建設委員会で何回もやってまいりましたけれども、現行の土地区画整理事業それから市街地再開発事業、これはそのまま想定されているんだけれども、それぞれに非常に問題を持っている。特に土地区画整理というのは恐らく世界にもまれで、日本独自のやり方で、換地計画を定めて減歩で公共用地を取ってつくっていくというものでしょう。
 だから非常に大きな問題を含んでいるんだけれども、これまでの区画整理というのは、区画整理をやることによって地価も上がるし町も非常によくなる。そのことで地権者もいろいろ減歩で取られても全体としては利益になるということが前提だったわけです。それが進めていく大きな根拠だったんだけれども、今度はそういう区画整理と違うんですよ。大規模な震災で余儀なく新しい復興事業を大規模にやらなきゃならぬというわけでしょう。
 だから、地権者が開発利益を得るというような前提とまるっきり違うわけですね。そういうまるっきり違う前提のところに、手法としては今までの土地区画整理事業や市街地再開発事業をそのまま想定してやっていく、これはやっぱり非常に問題があると思うんです。これまでも、零細な土地しか持っていない方は減歩その他で結局追い出されていくという事例が多いわけで、今度は、大震災のおかげで肉親は失う、住宅は失う、職業も失う、そういう被災者にやっぱり国として助成すべきだ、補償すべきだと我々は主張しているんだけれども、それは今のところノーと。それがされないで、さあ今度は自分の小さな土地もまた減歩で取られるということになると、大変なことになるんですね。
 区画整理そのものは我々も必要と思います。そうでなければ、あそこに防災の新しい町ができないわけだから。その際、道路とか公園とかそういう公共用地、防災用の用地については、やはり事業費は買い上げ、買い取り、国と自治体で賄うということをやっていかないと本当に住民は納得できないんじゃないかというふうに思うんですけれども、いかがでしょうか。
#76
○政府委員(近藤茂夫君) 先生御指摘のとおり、区画整理事業は、基本的には必要な基盤整備である街路、公園等の公共施設を公共減歩ということで地権者から負担していただく、さらには全体の事業費、舗装等あるいは公園整備、そのための事業費を今度は保留地減歩、保留地を処分することによってその事業費を生み出すと。公共減歩、保留地減歩、これが区画整理法の考え方でございます。
 ただ今まででも、例えば当該地区にとって必要な街路、公園等はそういう整備を個人負担ですることになるわけでございますが、例えば幹線道路、当該地区内だけではなしに都市全体で必要な街路、これを生み出すときには道路特会からの補助によって個人負担を最小限度にとどめる、これが区画整理法の基本的な考え方だったわけでございます。
 しかし、御案内のとおり、既成市街地ということで公共施設整備によっても地価がそう上がるわけではございません。したがって、通常の公共減歩、保留地減歩を非常にしにくい地域であると。そういうことから、実は今回二十四日の補正予算案の中でも、そういった道路特会の補助とは違って、通常の地区内の街路あるいはオープンスペースあるいは電線地中化、こういった公共施設整備についての補助制度が新たに導入されているわけでございます。したがって、公共減歩についてはできるだけそういった補助制度、しかもその裏負担につきましては起債制度も今回改めて設けていただく、そういう措置をすることによりましてできるだけ減歩を少なくすると。
 それは、今までの都市型の区画整理事業を例にとりましても、神戸市の場合では例えば一七%から二五%、しかしこれについてはもうそこまでの減歩は不可能だろうと。こういうことで予算措置を講じておりまして、基本的にはもうできるだけ減歩を少なくする、こういう考え方で私どもは必要な国費措置をとったわけでございますので、この特例措置を活用することを期待しておりますし、また、そういった指導をすることによってできるだけ負担の少ない形で防災性の高い町づくりを推進していきたい、こういうふうに考えているところでございます。
#77
○上田耕一郎君 神戸市議会での答弁では、減歩は大体一けたという答弁があったということを現地で聞きました。それで、なるべく減歩は少なくしなきゃならぬのだけれども、これは土地の買い取りについても法案の八条で決まっているんだけれども、この場合もどうやら政令で三百平米と決まるようですが、それ以上あるところは買い上げてもらえないということもありますわね。
 それから、今度の特例措置の目玉として第十五条、十六条で、換地だけでなくて、また清算金だけでなくて住宅も給付するということになっていますね。これはちょっと新しいけれども、換地、清算金のほかにもう一つ住宅でと手法が一つふえただけで、中身は変わらないと思うんですよ。
 これをよく読んでみるといろいろわかりにくいんだけれども、換地を決めないで清算金にかえて住宅を与えるという仕組み、方法が二つあって、ある程度の土地を持っている場合は、土地の一部を換地し、残りの土地にかかわる清算金の分で換地で得た土地に住宅を取得する。二つ目は、今までの土地が少ない場合、土地の全部について換地を定めないで、その清算金の分で施行区域の外で住宅あるいはマンションの区分保有権などをいただくと、この二つなんですね。大体こういう仕組みですか。
 そうなると、零細な土地しか持っていない被災者でも何か住宅が今度もらえそうだけれども、これ選択肢が一つふえただけで、清算金の範囲内でね。そうなると、小さな土地しか持っていなくて、たとえ一けたでも減歩をされるという点では、これはやっぱり零細な木造住宅が建っているところが非常に多いんですから、そういう被災者がこの手法で救われるのかどうか、これはちょっと大きな疑問がつくんだけれども、いかがでしょうか。
#78
○政府委員(近藤茂夫君) 制度の基本的な仕組みは先生御指摘のとおりでございます。
 ただ、要はどの程度の清算金になるかということでございますので、区画整理事業といいますのは、基本的には先ほど言いましたように、その個人の地権者が減歩することによって事業費を生み出す。そうすることによって、個人が持っている土地等を減歩された格好で、その減歩された分が住宅に切りかわっていくということになるわけでございまして、あるいは清算金の額になるわけでございまして、その清算金なり減歩された後の土地が今度住宅に切りかわる。
 その仕組みは基本的にやはり変えるわけにはいかないわけでございますが、要は国費、地方費を投入することによって減歩をいかに少なくするか、そうすることによって、総体的にその地権者相互間が事業の恩恵を受ける仕組みにすれば、それはそれで減歩されないまま、あるいは清算金の額も、必要な住宅を確保できる量の清算金の額が規定されるという仕組みになるわけでございます。
 要は、先生の先ほどの御質問にございましたように、できるだけ公的助成をすると。それを強化することによって結果的にきちっとした土地つき住宅をもらうことができるようになる。そういう仕組みになっているわけでございますので、私どもも公共団体に対しては、この特例措置、予算措置も補正で講ぜられておりますので、その公的助成の措置を活用することによって、そして裏負担を公共団体もすることによって、いい町づくり、個人の負担ができるだけ少ない格好の町づくりを進めていきたい、こういうふうに考えているわけでございます。
#79
○上田耕一郎君 私は、現地にも行ってやはり危惧を持ちました。ここにあるのは市の内部資料です。六つの建築制限するところについて整備方針がもう書いてあるんですよ。六つのうち三つについては、商業・業務機能の集積、玄関口としての魅力、商業・業務拠点の形成、こういうふうにもう決まっているんですよ。地区計画になっている三宮のところも大体そうなりますね。
 しかも今度の法律で、〇・五ヘクタール以上の土地については、市街地整備に支障がなければ土地造成は許可しなきゃならぬ。恒久的構造物の建築も同様で、大きな土地や大きなビルについては権利制限が大幅に緩いんですよ。こういう大きな土地、大きな構造物については権利制限が緩くて許可しなきゃならぬことになっていて、あそこの非常に多数の零細な土地しか持っていない被災地住民にとっては土地区画整理で大変なことになると。
 私は、これは今までも土地区画整理で反対運動がうんとあったけれども、これはどんどん勝手に市長の言うように市長の権限で進めて政府もまたそれを後押しするというようなことになると、反対運動は必ず起きますよ。そうなると、この復興計画そのものが非常に大きな問題に遭遇しかねない、そういうことを思うんですね。ですから、私ども一番の基本は、第四条で住民参加と合意を法的にも保証されていないというところに最も大きな欠陥があると思うので、私どもとしてはこのままではこの法案に賛成できないと思っております。
 もうあと時間が十分でございます。大都市法の改正案については、これはいろいろ問題があるし、根本的反省はないと思うけれども、私どもこれは賛成いたします。これについては、ぜひ一般勤労者の入居できるようなそういう良質な住宅にしてほしいというように思うんです。
 一つだけお伺いしたいのは、一昨年創設されましたこの特定優良賃貸住宅制度の仕組みをほぼ踏襲した都心共同住宅の供給制度となっていますね。ただ、違いは、大都市の都心部に限定、分譲住宅も対象、同時に一番大きい違いは入居対象の所得制限もないし家賃補助もないと、優良賃貸住宅と違ってね。そうなりますと、これはいろいろ近傍の同種住宅の家賃と均衡を失しないようにしろとか、補助を受けた場合は限界家賃を上限とするとなってはいるけれども、東京の大川端リバーシティの例など、家賃が二十万、三十万、四十万なんというところも出ているわけなので、これでは大企業に勤めていて企業から家賃補助をいただけるような、そういう方しかなかなか入れない住宅になるんじゃないか。
 一問お伺いしたいのは、この制度で一般勤労者、こういう人たちが入居できるような住宅がどのくらい供給されるだろうか。このことを一問お伺いしたいと思います。
#80
○政府委員(梅野捷一郎君) 先ほども類似の御質問があったように思うわけでございますけれども、今回の都心共同住宅供給事業を初めとして、全体としての都心居住を積極的に進めたいということでございます。その一つの大きな考え方は、一つ一つということではなくて全体としての都心居住という問題を取り上げることによって、今日まで来た空洞化でありますとかいろんな問題に対応しようという考え方が全体としてのバックになっているということをぜひ御理解いただきたいわけでございますが、その中で集約的にやっていくところについては、当然今お話しのような都心共同住宅の供給事業というふうなことを積極的に進めたいということでございます。
 こういう事業につきましては、さまざまな手法をそれぞれ助成制度、これは例えば環境との調和を図るためには地区内のいろんな施設についての助成が入りやすい仕組みというものをきちんとつくってバランスをとりながらやっていこう、高度利用を図ろうということでございますし、税制あるいは融資の問題についてもさまざまな有利な条件と結びつけていこうじゃないかということでございます。また、先ほども申し上げましたが、定期借地権というふうなものも積極的に活用しようとか、いろんなことを組み合わせてやっていこうということでございまして、それでもなお全体の水準というものはこれから今後とも大いに努力をしないといけない状況にあることは十分承知をしているところでございます。
 したがいまして、この事業の中には公営住宅でありますとか特優賃でありますとかそういうそれぞれの持っている特色もそれにかぶせて合わせてやっていこうということでございます。現在のところおよそ年間十万戸と言っているわけでございますが、その中で適正に、今の一般勤労者が中心でございますので、そういう方々の手の届く内容にぜひとも詰めながらやっていきたいということでございまして、いろんな試算もいたしておりますが、私どもとしては今申し上げましたような手段を駆使することによって決して悲観的ではない、可能性は十分あるというふうに考えているところでございます。
#81
○上田耕一郎君 我々が心配するのは、一般勤労者が都心に住めるようになるかどうかという点。我々も賛成はしたんだが、特定優良賃貸住宅制度、あれができて、これ家賃補助も入ったというので賛成した。その後のデータを見ますと、住宅局の数字では公営住宅などということになっている。公営住宅など、平成五年全体六万八千戸、平成七年八万戸、ふえていますね。ところが、中身を見ると特定優良賃貸が二万戸から三万五千戸、一万五千戸ふえているけれども、公営住宅の方は減っているんです。平成五年四万八千戸が平成七年四万五千戸と、三千戸減っているんです。それで、特定優良賃貸住宅、いい、いいといって賛成していると、結局公営住宅が減ってきて、等で、などというところで全体がふえているというんです。
 そこへまた今度都心共同住宅供給制度、これも我々賛成はするんだが、こういうことで結局一般勤労者、特に低所得の方が入りたい、どうしてもつくってほしいという公営住宅なんかが減らされていく、ますます減らされていくのじゃこれは大変です。減らさないでくれと言うとまたいろいろ答弁されるでしょうけれども、こういう傾向があるということを指摘して、公営住宅をふやしてほしいという庶民の要望を申し上げておきたいと思います。
 さて、もう時間がなくなりました。最後に、これと関連のある都市再開発法の改正案ですけれども、これは今までと同じように、また今マスコミから何から大合唱している規制緩和合唱に乗って、地域要件の緩和、容積率制限・斜線制限の緩和、ある歯どめは確かについてはいるけれども、結局緩和ですよ。そういう緩和がずらっと並んでいるわけです。細かな質問を用意しておきまして、準備もしていただいたんですが、もう余り時間がございませんので、一つだけお伺いしたい。
 いろんな緩和の中で、今まで道路幅員によって容積率や斜線制限が決められていたのが今度緩和されることになりますね、一定の条件で。前面道路幅員による制限緩和を見てみると、いずれも住宅系用途地域ということに限定されている。しかし、緩和の対象とされる建築物は住宅に限定されておらず、事務所系の建物でもいいんでしょう。この点はどうですか。
#82
○政府委員(近藤茂夫君) 建物の用途そのものは、用途地域がどういう用途地域が指定されているかということで決まってくるわけでございまして、例えば住居専用地域であればそれは住居系のものに限定されてくる。さらにその地区計画、詳細計画である地区計画でそれを戸建て等住宅の用途をさらに限定することももちろん可能でございまして、一般論で言えば用途地域、地区計画がどういう用途を規定するかで決まるということでございます。
#83
○上田耕一郎君 ですから、住宅系用途地域といっても第二種中高層住宅地域では千五百平米まで事務所が建てられる。第一種住居地域では三千平米まで建てられる。第二種住居地域、準住居地域で無制限に建てられる。結局、これ道路沿いの建物が多いので、恩恵を受けるのは住宅よりも事務所、店舗が圧倒的だろうというふうに思うんです。
 だから、住宅、住宅と言いながら結局、財界やディベロッパーがこれまで目のかたきにしていた容積率制限や各種斜線制限、これをある歯どめをかける形ではあるけれども、とにかく全体として緩和するということになっているんですよ。高度利用地区というのでも今度同じようなことを再開発地区計画で定めれば、高度利用地区外でもやれるというんです。どんどん外していきますと、これ用途地域制度は非常に大事ですよ、日本の都市計画制度の一番の根幹なんだから、用途地域が。それをいろいろ制限は外す、それから緩和はする、結局恩恵を受けるのは事務所ばかり、それで公営住宅は減ってくるというようなことでは、これは何も共産党がいつもそういうことを言うというんじゃなくて現実がそうなっているんです。そういう点では、こういうことは非常に困るので、この用途地域制度がこういう形でなし崩しになっていくのじゃないかという大きな疑問を持つんですけれども、いかがでしょうか。
#84
○政府委員(近藤茂夫君) 基本的には、地区計画も土地利用計画の一環として都市計画地方審議会の議を経て同じ都市計画決定権者で決められるわけでございますので、当然周辺地域との調整のもとで定められていく。大きな枠は用途地域で決まり、その中で地域の特性に応じてきめ細かい土地利用計画がつくられていくという点が地区計画ということでございますので、御心配の点は余りないんではないか。
 それからもう一点、先生の先ほどの御質問の中で、いわゆる前面道路幅員の容積率制限の緩和でございますが、実態はどういう実態になっているかというと、木造密集地域につきましては、前面道路、これは大体十二メートル以上の道路になっている、そこが中高層のいわゆる事務所系のビルになっている。ところが、裏側については十二メートル道路がございませんので木造の建築物がなかなか建てかわらない。私ども、今回の誘導型地区計画で活用していける限度はせいぜい三階建てぐらいで、木造の建てかえをしたいと。しかし、むしろ建てかえすることによって前面道路幅員容積率制限を受けてしまって容積が小さくなってしまう、そのためになかなか建てかえが進んでいかない、そういう地域について、お互い協力し合って壁面線セットバックをすることによって三階程度の、既存の建築物の容積より多少上回る程度の、したがって基本的には住宅系、この建てかえを促進していきたいというのが制度のねらいでございまして、恐らく活用されるのもそういう方向で活用されるものと確信いたしているところでございます。
#85
○委員長(合馬敬君) 上田耕一郎君、時間が過ぎておりますので急いでください。
#86
○上田耕一郎君 時間が参りました。
 いろいろ御説明もありましたけれども、この法案については、やっぱりこれまでの再開発、都市計画等々の一番大きな欠陥をそのままにして、あと歯どめはありますけれども、都市の一層の過密化を促進せざるを得ないだろうということを指摘して、質問を終わります。
#87
○西野康雄君 この法案を見ておりますと、住民の皆様方の理解というんですか、そういうものを得なければなかなか前に進まない、下手に持っていくというと反対運動が必ず起きてくるんじゃないだろうか、そういうふうな危惧をしております。
 市民の理解を得るためにどういうふうな手法をとるのか。広報だとかそういうふうなことを若干お聞きをいたします。
#88
○政府委員(近藤茂夫君) 住民の理解と協力を得るということが法四条の精神に書いてあるわけでございますが、そのためには先生御指摘のとおり十分な広報が必要になる、これはもう御指摘のとおりだろうと思います。
 神戸市を例にとりますと、まず、町づくりの将来像を示す震災復興まちづくりニュースというのを発行いたしておりますが、既に三号まで発行いたしております。六十万部発行しているというように聞いておりますが、今回の私どものこの特別措置法につきましても、成立された段階ではこの号外に入れていただきたいということで、住民の方々にわかりやすい格好で今案文を練っているところでございます。
 この配布方法につきましても、新聞に折り込むとかあるいは避難所へ配布する、さらにはこれは市外に避難していることが判明している被災地のところの連絡先、そういうところについても基本的に郵送するという方針をとっておられると聞いております。
 さらに、今八十四条の制限が働いているわけでございますが、その地域内には掲示板を百十カ所設置いたしておりまして、逐次新しいニュースをそこで掲載するということによってPRに努めているところでございます。
 また、今回の八十四条の地区に関しましては、都市計画決定に移行するわけでございますが、それに関連いたしまして、市内五カ所に現地相談所を設けていろいろ相談に応じていくということをお聞きしているところでございます。
#89
○西野康雄君 それと、イメージ図では、住、商、工分離等、整然とした町並みということなんですが、大体これ一ブロック、真ん中に公園を置いてどれぐらいの規模を想定なさっているんだろうかな、その辺お聞きいたします。
#90
○政府委員(近藤茂夫君) 具体的にはそれぞれの地域の状況に応じて当然違ってくるわけでございますが、都市計画決定の段階を経て事業計画、換地計画の段階でそういう具体的な案が出てくるわけでございます。
 それぞれ街区の構成単位がどうなるかということについては地域の状況で違ってくるわけでございますが、大体平均的な街区の規模というのを、多少問題があるわけでございますが、あえて数字を言わせていただけるとすれば、住宅地においては大体六メートルから八メートルの区画街路で仕切られた一つの街区が四十メートル・百二十メートル、商業地は五十メートル・百五十メートル、これはいろいろ幅があろうかと思いますが、あえて言わせていただければ、そんなものが一つのイメージになるんではないかと思います。
#91
○西野康雄君 このごろ鼻の調子が悪いんですね。西宮も物すごくほこりっぽい町になっておりまして、花粉症なのか単なる風邪引きなのか粉じんなのかちょっと原因がわからぬのですが、復興が急ピッチに進んでおるということはそれなりに結構でございます。瓦れきの処理で粉じん公害が少し問題になってきておりますが、粉じんの飛散防止等、建設業界をどう指導なさっているのか、ちょっとお聞きいたします。
#92
○政府委員(小野邦久君) 粉じんの問題でございますけれども、先生御指摘のとおり、今いろいろな災害復旧事業あるいは一部復興事業もやっておりますので、粉じんが大変神戸市内等でいろいろ問題になっているということ、私ども十分承知をいたしております。粉じん対策につきましては、建設工事に伴って発生のおそれがどうしても出てきてしまうわけでございますが、発生源を湿潤な状態に保つ、結局、例えば水をかけた上でとかあるいは発生源を覆って解体処理をするとかいったような粉じんの発散を防止するための措置を講ずるように従来から建設業界を指導してまいりました。
 今回の災害復旧事業におきましても、特に兵庫県では関係の市町に対して倒壊家屋等解体・処理事業実施マニュアルというのを策定いたしまして、そこでいろいろな指導をしているわけでございますけれども、特に留意事項として、倒壊家屋の解体あるいは除去工事に当たっては、倒壊によって人の安全が守られない場合、緊急の場合を除きまして、粉じんの発生防止のために、例えば工事現場に散水をする、あるいはシートでカバーをするといったような対策を講じるように指導しているところでございます。
 建設省といたしまして、業界対策と申しますか業界の指導でございますけれども、これにつきましては二月三日付で関係業界団体に対して、被災地における倒壊家屋の解体処理に当たって被災状況等を十分踏まえて、地方公共団体の指導に従って適正に実施するように通達をいたしております。こういうことから、関係公共団体、関係建設業団体を今後とも指導していきたいというふうに思っております。
#93
○西野康雄君 大臣も御存じでしょうが、私、代表質問等々いろんなところで手抜き工事、これの問題をずっと指摘してきました。二月二十日付のある新聞の社説でも、「阪神大震災手抜き工事の実態を公表せよ」、こういうふうなことで、建設省は、いや、ちゃんと抜かりなく検査してますねんと言いたいでしょうけれども、あちらこちらから手抜き工事の報告がなされたりもしております。この実態をうやむやにしてはいけないと私自身も考えております。
 建設省は高速道路や橋あるいはいろんな公共物に対しての調査というものをきちんとしておるのかその辺の対策をお伺いいたします。
#94
○政府委員(藤川寛之君) 手抜き工事があったのではないかというような報道がなされているということは私どもも承知しているところでございまして、御承知のとおり、阪神高速道路の神戸線が大変今回大きな被害を受けたわけでございますが、その神戸線のうち倒壊とか落橋に至った箇所につきましては、二次災害を防止したいというようなこと、それからあと二号とか四十三号の交通確保をぜひ早くやってくれというような要請がございまして、既に撤去したところでございます。
 その際、建設省とそれから公団とでいろいろ調整をいたしまして撤去作業をやるわけですが、その合間を縫って、一つは撤去に先立って破損状況に関して写真撮影をきちっとやっておけというような指示をいたしまして写真撮影をやっております。それから、コンクリートのコアとか鉄筋等のサンプリング、これもやっておりまして、いろんな形で施工状況がどうだったかというような把握に努めたところでございます。
 これらのサンプリングいたしました試料につきましては、強度試験等を実施するわけでございますが、そういう試験等をやりまして、その結果を取りまとめた上で道路橋震災対策委員会での原因究明のための検討に付すことといたしておりまして、建設省といたしましては、震災対策委員会で被災のメカニズムを究明していただいておりますけれども、その中でこれらのデータについても十分な検討をお願いしたいというふうに考えているところでございます。
#95
○西野康雄君 調査の結果、施工不良だとか設計ミスなど出てきたときは、これはもう今回はある種天災ではありますが人災の部分も多いわけで、悪質な業者というのは公表するぐらいのきつい態度というものがあってしかるべきだと私自身は思っておりますし、調査結果をきっちりと公開もし、そしてまた悪質な業者に対しては、今後に禍根を残さないという意味からいって、手抜きなんぞしたらこういうことになるんだと、見せしめと言ったら見せしめになるんでしょうけれども、きつい態度で臨むのが、これは被災者の立場からそうあってほしいと私は思うんですが、建設省の考えはどうでしょうか。
#96
○政府委員(藤川寛之君) 今も申し上げましたように、とにかく今回の被災の原因につきましては震災対策委員会の方で究明していただいているところでございます。また、公団に対しましても、やはり当時の設計施工の基準に照らして施工状況がどうだったのかというようなことについても調査を行うように指導しているところでございます。
 まだ詳細な検討が必要だというふうに考えているところでございますが、いずれにいたしましても、結果がまとまった時点で公表も含めて適切に私どもとしても対応してまいりたいというふうに考えております。
#97
○西野康雄君 何ぼ河川の問題で私うるさいといっても、そんな端の方に局長おらぬでもいいんじゃないか、こっちへ来てもいいんじゃないかと思っておるんですが、ちょっと山田先生もお聞きになりましたが、淀川の堤防ですね、随分と広範囲にわたって崩れておりますが、その辺の実態を調査したことをお教えいただきたいと思います。
#98
○政府委員(豊田高司君) 淀川のうち、木津川、桂川、宇治川が合流いたしました下流部について特に被害が大きかったわけでございますが、そこから下流、両側で八十一キロあるわけでございますが、そのうち特に手当てする箇所が十八カ所ございました。延長で六・六キロでございます。
 このうち特に大きかった箇所が大阪市の此花区酉島地区でございまして、一・八キロにわたりまして堤防が沈下したわけでございますが、詳細に調査したところ、最大約三メートル沈下いたしました。この期間の今日まで最高潮位との関係で調べてみましたち、被災後の最高潮位がOPで一・八メートルという記録がございました。この沈下した堤防との間にどれぐらいあったかということになりますと、一・七メートルございまして、海の水が住宅地の方に入ってくるということはなかったわけでございます。ただ今後、台風時等の高潮、あるいは洪水期に発生が心配されます高水等には心配なところがありますので、いち早く復旧をする必要があるということでございます。
 応急手当てするところは既に完了しております。ただいま申し上げました三メートル沈下したところにつきましては、直ちに前の堤防の高さまで盛り生いたしまして、引き続きまして前面に二重締め切りの矢板で囲いまして安全を期しておるところでございますが、堤防の本復旧は、今回の地震にかんがみまして、液状化対策に必要な地盤改良を行う予定をしております。
 いずれにしましても、地域の皆さんの生命と財産を守る堤防でありますので、十分安全にしてまいりたいと思っているところでございます。
#99
○西野康雄君 私も酉島の方へ行きました。本当に液状化現象というのは怖いな、畳の上まで砂がばっと盛り上がっているところもあれば、片一方で一メートルぐらいずんと電信柱が落ち込んでいる、傾いているところもある。自然の力というのは恐ろしいし、震源地から四十キロほど離れているところでこういうことが起きるということで、予想外な驚きというのは私自身にもありました。
 私自身は行っていないんですが、神崎川左岸のブランケット、これも新聞報道でひび割れが生じているというふうなことですが、その辺の詳細がわかりましたらお教えください。
#100
○政府委員(豊田高司君) 神崎川につきましても十二カ所被害が出ております。応急手当てが必要な箇所は既に終わっておるわけでございますが、そのうち被害の比較的大きかったところは下流の方の高潮対策に必要な区間でございまして、三面張りコンクリートあるいは鋼矢板を用いました特殊堤になっておるわけでございますが、このうちブランケットの施工をしておるところがひび割れが発生しております。
 そのほか堤防の沈下、護岸だとか堤防の上にコンクリートを張ってあるわけでありますが、それのクラックあるいは目地が開いだというような被害も出ております。これらのクラックにつきましては、すぐにモルタルの注入などをいたしまして、雨水がそこから入ってさらにクラックが広がらないような処置をしたところでございます。
 これらの十三カ所の処置につきましては、現在災害査定の準備にかかっておるところでございまして、査定が終わり次第復旧工事に着手したいと思っておるところでございます。
#101
○西野康雄君 コンクリートが強いのか土が強いのかというふうなことで、これも新聞でもう局長もごらんになっておられるでしょうけれども、多自然型河川というのは今回の地震で強かったというふうなことが新聞記事で出ておりました。しかし、これはどこまでその記事自身が正しいのかどうかということ、ずっと読んでいくと、若干記者さん自身が誤解をしている部分があるんじゃないかな、そういうふうなことも感じております。
 今回の淀川でそういう湾処だとかそういう多自然型河川のところが非常に地震に強かったというんですが、その辺のところは実態はどうなんですか。
#102
○政府委員(豊田高司君) 先ほど申し上げました三川合流点から下流の状況についてもう少し詳しく調べてみますと、多自然型川づくりという観点からいろんな施工をした箇所が、湾処を含めまして六カ所ございます。このほか、従来から湾処の状況になっておるところが全部で六十カ所ほどございました。この湾処の深さというのは淀川本川の川の底ほど深くなくて、むしろ高水敷の一部を形成しておるというような状況の湾処でございますが、これらのところを湾処を含めまして全州にわたりまして点検をいたしました。その結果は先ほど御説明したとおりでございますが、堤体の一部に軽微な損傷はあったわけでありますが、全体的には大きな被害は見られなかった、特に淀川大堰から上流部においては大きな被害は見られなかったという状況でございます。
 耐震性という点になるわけでありますが、堤防は洪水を防ぐというのが第一義的な目的でございますが、地震の後の洪水ということが次の問題になっておりますので、二次災害防止という観点から堤防の耐震性が重要な課題になってくるわけでございますが、淀川の堤防というのは長い長い歴史の中で改良を積み重ねてきております。この間には、歴史的にも地震等の経験も経て現在に至っておる堤防もあるわけでありますので、その辺をきちっと調べて今後に生かしていきたいと思っておるところでございます。
#103
○西野康雄君 承りますと、大臣はお昼御飯を食べる時間もきょうはないというふうなことも聞いておりますので、お昼御飯に協力をさせていただきます。これで質問を終えさせていただきます。
#104
○委員長(合馬敬君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後三時に再開することとし、休憩いたします。
   午後零時五十一分休憩
     ―――――・―――――
   午後三時開会
#105
○委員長(合馬敬君) ただいまから建設委員会を再開いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 本日、青木薪次君が委員を辞任され、その補欠として三重野栄子君が選任されました。
    ―――――――――――――
#106
○委員長(合馬敬君) 休憩前に引き続き、大都市地域における住宅及び住宅地の供給の促進に関する特別措置法の一部を改正する法律案、都市再開発法等の一部を改正する法律案及び被災市街地復興特別措置法案を便宜一括して議題といたします。質疑のある方は順次御発言願います。
#107
○上野公成君 自由民主党の上野でございます。本日、三法の審議ということでございますけれども、大都市法それから都市再開発法の方につきましては午前中からいろいろ審議がございました。たまたま大変いいタイミングでこの法案を出していただいたんで、神戸の震災にも早速に役に立ったということではないかと思うわけでございます。また、審議に対しても与野党の先生方に大変協力していただいたことを最初に御礼を申し上げたいと思います。
 やはり、何といっても災害に強い都市をつくっていくということが一番大切じゃないかということを前回も質問させていただいたところでありますけれども、東京都市白書とかそれからもう一冊こういう東京の土地利用、この資料を前回もお見せしまして、例えば公園につきましても、五百メーターメッシュで公園があるとかないとか、近隣の二百五十メーターに一つ一平米ぐらいあればいいとか、五百メーターで二平米、それから一キロの範囲で最低四平米ということですけれども、その最低四平米のがどのぐらいあるかということが大変細かくあるんですね。(資料を示す)これ、ちょっと拡大してきたんですけれども、この白いところはゼロなんです。イコールゼロですから何にもないというところなんです。東京の西の方は大変そういうところが多いわけです。黄土色みたいなところは一〇%、黄色が二〇%なんです。だから、その二つを合わせても一平米もないところが東京はほとんどなわけです。
 そういった意味で、東京都は事の重大性を大変認識して、またデータも持っておられるということなんですけれども、一体、神戸市の場合はこういったこのぐらい細かいデータを持っておられるのかどうか、それからほかの大都市についてもあるかどうかということをまずお聞きしたいと思います。
#108
○政府委員(近藤茂夫君) 確かに先生御指摘のとおり、東京都に関しましては、基礎的なデータをきちっと整理し、なおかつそれを一般の住民の理解が得やすいように極めでわかりやすい形で公表されているわけでございます。
 大体、都市計画法では五年に一回基本的な見直しをするということで、その際、基礎的な調査をやり直すということで、土地利用とか都市施設あるいは個々の建物の用途の構造等に関しましても基礎的なデータとしては持っているわけでございます。
 先生、例に挙げられた例えば公園の整備率という点について東京と神戸市を比較してみますと、東京都の場合には、これを単純に一人当たり何平米というとらえ方だけではなくて、いわゆる住区基幹公園、運動公園、大公園、機能別にどういう格好で整備されているかということについてもきめ細かく、しかもそれをデータベースで整理、処理しておりますので二十五平米のメッシュで取り出せると。こういったところについては、実は神戸市の場合には、データそのものは基礎調査の段階でとらえておるわけでございますが、そこまでの体系的な形では整理されていない。その点については御指摘のとおりで、多少の程度の差はあるんではないか、このように認識いたしております。
#109
○上野公成君 私も神戸市の資料を取り寄せようと思ったんですが、今も言ったようになかなかないわけですけれども、これは自分で二百五十メーターの範囲でどこへ行けばいいかとかという非常にいい資料だと思うんです。ですから、今回のこういうのを機会にこういうものを義務づけていただいて、そしてぜひ防災に強い都市づくりの基礎データを整備していただきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。
#110
○政府委員(近藤茂夫君) 都市計画法は五年ごとの見直しのときにはきちっとしたデータの整理をしなければいけないことになっており、大体大都市ではそういうことをしているわけでございますので、今先生御指摘のとおり、データベース化する、そして一般の住民の方々にも理解しやすい形でプレゼンテーションをする、こうった方向の指導を強めてまいりたいと思います。
#111
○上野公成君 調査をして、しかも公表をするということが大事だと思うので、先ほど市民の理解を得るとかいろんなお話が西野委員やそれから上田委員の方からも出たわけですけれども、そういったことも防災に対する非常に認識を深めるという意味でも大変大切なことじゃないかと思うので、ぜひよろしくお願いしたいと思います。
 それから、前回も話をさせていただいたわけでございますけれども、現行の都市計画法というのは四十四年にスプロールを防止するというためにつくったので、明らかにそういう目的しか書いていないわけです。そして、防災性の観点が本文の条文をずっと見ても余り書いてないんですね。通達その他ではいろいろそういうことを配慮するというようなことも言われているわけでございますけれども、やはりこういうことを機会にそういう見直しが必要なんじゃないか。
 特に、今、地方分権の議論が進められておりまして、何でもかんでも地方に権限をおろしたらいいじゃないかというような極論をする人までいるわけでございますが、確かに私も非常に個性に満ちた都市をそれぞれつくっていくということは必要だと思いますけれども、そういうことは必要にいたしましても、特に防災という点から見ますとなかなか地方の個性を発揮するというだけでは難しい点があるんじゃないか。特に、安全性ということになりますと、非常に最新の知識とか技術というものが必要になるわけでございまして、やはりこれは国で相当な最先端の知識そして技術を活用してやっていかなければいけないんじゃないか。
 そういう意味から、この機会に防災性をもう少し強めた都市計画というのが必要じゃないかと私は思いますけれども、そういった方向に向かっていく必要があるんじゃないかと思うわけでございますけれども。
#112
○政府委員(近藤茂夫君) 都市計画の内容、プランそのものについて防災性に配慮した町づくりを進める、これは極めて重要なことで、この阪神・淡路大地震をきっかけにそういった方向の指導を強めていかなければいけないと考えております。
 先生、最初のお尋ねの点の、そういった観点から制度の見直しをすべきではないかという点でございますが、実は都市計画法の制定そのものの一つの大きな目的が開発許可制度の導入、あるいは線引き制度の導入、スプロールの防止を意識して導入されたということは確かでございますが、あくまでも都市計画の基本法として整理されているということで、一つの理念として健康で文化的な町づくり、この中には安全、快適、利便性、すべて入った言葉として表現されているというふうに私ども考えております。そのほか、都市計画基準の十三条の中には土地利用計画に関して防災ということも部分部分では見えているわけでございまして、基本的に防災という観点から改めて制度の見直しをするかどうかについては、現段階においてそういう考え方は持っておりませんが、都市計画そのものについての防災性、快適性、そして利便性といったときに、とりわけ安全性という防災性を強調した町づくりをしていかなければいけない。これについては御指摘のとおりで、そういった方向で指導をしてまいりたいと思います。
 それからもう一点、国、県、市の役割分担でございますが、これはそれぞれ基本的な枠組み、広域、根幹的なものは県、そしてその中で特に国として利害関係を持つものについては国の認可、そして町づくりは市町村、この基本的な枠組みで考えていかなければいけないというふうに考えますが、特に防災性に関してはいろんな形で、技術基準等については何らかの格好で、通達等いろんな形で指導していかなければいけない、このように考えているところでございます。
#113
○上野公成君 ここで余りこれを続けるつもりはありませんけれども、開発許可その他は、もう宅地開発も民間では余りできないような状態ですし、人口の一極集中といいますか大都市の集中もおさまったわけですから、これはある程度地方に任せて、しかも法律ができる以前から非常にスプロールで、さっき言いましたように、公園もない、街路もないというような状態があるわけですから、そこをやっぱりきちっとやっていかないと防災というものがうまくいかないんじゃないかという観点から申し上げたわけでございます。この機会にいろいろ見直さなきゃいけないということがまだ幾つもありますので、途中で、大臣のおられるところでまたちょっと大臣にお伺いしたいと思いますけれども、次に移らせていただきたいと思います。
 そこで、今回の地震による死亡者でございますが、五千四百二十人ということで大変なとうとい命が失われたわけでございますけれども、この死亡原因、建物の倒壊で亡くなったとかそれから火災で亡くなったとか、警察庁の方来ておられたら。
#114
○説明員(稲葉一次君) お答えいたします。
 現在、兵庫県警察において今回の災害により死亡された方々に関する基礎データの整理作業を進めているところでございますが、現段階で検案に基づく死亡原因別の死者の割合といたしましては、家屋、家具類等の倒壊による圧迫死、窒息死と思われるものが約八八%、焼死あるいはその疑いのあるものが約一〇%、その他車両転落でございますとか落下物等によるものが約二%ということになっております。
#115
○上野公成君 八八%が建物の被害、建物の崩壊。
 私も実はこの間現地を見させていただいたわけでございます。私自身も見ましたし、それから専門家の方々、被災地を見られた方の見た結果もいろいろヒアリングをしてみたわけでございますけれども、この八八%の被害をどういうふうに防ぐかということは建築物の安全性そのものにかかっているわけでございます。
 いろんな意見を総合しますと、五十六年以降の耐震設計の被害というのは意外に少ないというようなことを言われているわけでございますけれども、その被災状況、そしてできれば五十六年以降のもので被害のあったものがあったかどうか。全部は調査できていないと思いますので、その二点についてお伺いします。
#116
○政府委員(梅野捷一郎君) ただいまお話がございましたけれども、先生もごらんになった実感と私どもがいろんな専門家から聞いている実感、恐らく同じような感想なりあるいは調査の今の見解ではないかというふうに思われるわけでございます。
 今の圧死あるいは窒息死というものにつながったと予想されます被害と一致するわけでございますが、比較的古い年代のたった木造住宅、あるいは構造計画上特に弱い部分と思われます一階部分がピロティーになっているとか、そういう建物が極めて多いわけでございます。また、やや中高層の場合の倒壊、壊れたものも、壊れた階が比較的途中階が、ピロティーと同じようなことでございますけれども、壁が余りないというようなところが、したがってそこが一気に壊れたという感じでどうもつぶれたんではないかというふうに見られるわけでございます。そのことが、先ほど御報告がございましたように、圧死という形で結果にも残念なことになっているんだろうというふうに思われるわけでございます。
 私どもはその後いろんな調査をいたしておりますけれども、そこの因果関係のところを、死亡事故と建物の関係を厳格なところまではちょっと私どもの調査としては詰め切れないでおります。
 また、後半でおっしゃいました五十六年というのは現在の基準法の耐震設計の改められた年でございますけれども、私どもが今まで調査結果で聞く限りの中でも、新しい耐震設計に基づいた建物でまず倒壊したものは基本的に報告は受けておりません。結果としてといいましょうか、死者が出た建物という報告も今のところは把握いたしておりません。
#117
○上野公成君 今お聞きになったとおり、建物が五十六年以降の基準で仮にできていたとすれば、この四千八百人ぐらいの人、不幸にして家具が頭に当たったとかそういう方も一%ぐらいおられるそうなんで、そういうことも考えられるわけでございますけれども、九割近くが大丈夫だと。また、基準につきましてはいろんな御意見があるんで、調査もしておりますから、きちっとしていただければ結構かと思います。
 そこで、既存の五十六年以前のもの、既存不適格ということになると思うんですけれども、これをきちっとしていかなきゃいけないということが大変問題になるわけです。きょうここで議論するつもりはありませんけれども、ひとつ今後の対策としてこれ考えていただかなきゃいけない。先ほどの都市計画法もそうですけれども、この建築基準法も考えていただかなきゃいけない。
 それから、判定はだれの責任でやっているかということがどうもよくわからないんですね。それで、税金の方、地方税の減免だとかなんとかということもリンクして、これはどうも市によって全然まちまちですから、もう少し判定士というものの位置づけというものを、これは建築士法だと思いますけれども、そういう中できちっと片づけていかないと、これはみんなボランティアで行っているわけです。仮に災害に遭った場合は自分たち持ちだと、建築士会持ちだと、こういうようなことなんで、やはりこの辺も建築士法の中できちっとしていかなきゃいけないことじゃないかと思うんで、中身は言いませんけれども、課題だけ少し言っておきますので、ひとつそういうことでよろしく。
 それからもう一つ、一〇%は火事であるとか火災のいろんなことであれしたわけでございますけれども、私の見た限りでは耐火の建物一棟や二棟では全然火災はとまらないんですね。しかし、耐火の建物が壁になっているところではちゃんととまっているわけです。それから、区画整理がされて大きな街路があるとか公園があるとかというところでとまっているんです。
 そこで、区画整理をやった役とそうじゃないところ、公共施設がちゃんと整備しているところとしていないところということでも結構でございますけれども、被害がどのくらい違うか、もしわかったら教えていただきたい。
#118
○政府委員(近藤茂夫君) 神戸市の場合、いわゆる海沿いの六区における既成市街地の中で集中的に焼けた地域は、約八ヘクタールぐらいあるわけでございますが、そういった焼けた地域あるいは集中的に倒壊した地域と戦災復興区画整理事業の施行区域、これを図面上で重ね合わせてみますと、一つの顕著な特徴といたしまして、区画整理事業が施行された地域においては、一、二の例外はございますが、ほとんど集中的な倒壊あるいは焼けた地域はない。
 その理由でございますが、一つは、上野先生今御指摘のとおり、基盤施設整備されたことによって市街地として適度な密度あるいはオープンスペースである街路の線的なオープンスペース、公園の面的なオープンスペース、ここで焼けどまっているということのほかに、公共事業が入ったことで、それをきっかけに木造の建築物の建てかえが行われている。したがって、老朽の木造建築物がそういう区画整理事業をきっかけに新しい木造に切りかわった、こういったことで、区画整理事業が行われた地域については顕著な特徴として集中的な倒壊あるいは焼失がなかったということが言えるんではないかと思っております。
#119
○上野公成君 建物をきちっとつくって、なおかつ公共施設がしっかりしている町をつくるということになると、先ほどのを両方足すと九八になるわけですよ。ですから、これは人災だというようなことを言われる原因もそこにあるんじゃないかと思うんですけれども、しかしこれは行政の責任ということではないと思うんですね。
 なぜかといいますと、先ほど東京の資料で見ましたけれども、こういったところは自分たちの住んでいるところに公共施設をつくっていく、そして人口をできれば都心居住みたいなことがあればそこへ移していく、そういうことに使っていかなきゃいけない。やはりこれだけもう既にでき上がった町の中で、相当公園も不足している、それから街路も不足している、それから防災のいろんな施設が不足しているということになりますと、新しいところにつくっていくわけじゃないわけですから、そのことにどれだけ協力が得られるかということが防災に強い町づくりをやっていくということにつながるんじゃないかと思うんで、これは人災だというのはもう国民すべてが原因で人災だと言ってもいいんじゃないかと思うわけでございます。
 そこで、これから公共施設も整っていないところを安全な町につくっていかなきゃいけない。先ほど私がお話ししましたように、東京都の場合は図を見るだけで大変危ないというようなところもあるわけでございます。ひとつきょう提案のありました都心居住、もちろん一つには都心居住ということになりますとこれ以上東京に人口を入れるのかというような議論もあるんですね。それなら地方へ分散しなきゃいけない。むしろ東京の中で都心は空洞化しているわけですから、そこに住宅を建てることによって通勤問題とかそういうものもなくなるわけでございますけれども、あいたところに公園がつくれる、道路をつくれる、防災に強い都市がつくれる。それをリンクしていくということが、こういうことは非常に不幸なことだったわけでございますけれども、これを機会にそういう方向に持っていくということが大事なんじゃないかと思うわけでございますが、いかがでございましょうか。
#120
○政府委員(梅野捷一郎君) ただいまの御指摘は、まことに私どももそのような感じで受けとめるわけでございます。従来、いわゆる木賃地区と言われるようなところを中心とした再開発なども手がけてはいるわけでございますが、どうしても従来どちらかというとその地区内だけで問題を解決しようということにやや偏っていたのかなという反省もあるわけでございます。
 今回、私どもが都心居住という問題を取り上げたときには、事業その他はそれぞれの地区を中心に考えるわけでございますが、全体としてそういう構造に切りかえられないかということをベースに置きながら考えているわけでございまして、そういうものと具体的な今の防災上問題の多いところとをどうっなげて、広い意味の再開発あるいは再配置というものへ持っていくのかということは大変重要なことだろうというふうに感じるわけでございます。
 一つは、従来から、若干細々でございますがリロケーション住宅というような考え方も直接的にはとっておるわけでございますので、できれば今回の都心居住用の新しい事業制度と従来からやっております木賃地区の仕事というものを、例えばそういうリロケーション住宅というようなことでかなり具体的に結びつけてやっていく方法も一つの方法がなというようなことを今考えているところでございます。いずれにしましても、そういうことで、どうしても低層の木造密集地区というのはそこだけでは解決ができないテーマでございますので、そういう方向でも考えてみたいと思っております。
#121
○上野公成君 大臣がお時間があるということで、今まで私が指摘してきたことだけでも少なくとも都市計画法、建築士法、基準法、そして都心居住の問題と木賃対策がどう結びつくのか。ここまで来ただけでも、これからこういう地震を教訓として防災づくりといいますか、町づくりに向けていろいろやっていかなきゃいけないことがこれからどんどん出てくるんじゃないかと思うわけでございます。やはり私はこういうことは、鉄は熱いうちに打てということを言いますけれども、時間がたつにつれてまた忘れてしまうということになるのではないかと思うので、できるだけ早いうちにこういう対策を前向きに進めていただきたい。
 変えるべき法律はどんどん変えていただきたいということを思うわけでございますけれども、大臣の御決意をお伺いいたしまして、大臣もお時間がおありでしょうからこれで退席されて結構でございますので、お答えいただきたいと思います。
#122
○国務大臣(野坂浩賢君) 上野先生から質問を通じて御提言がたくさんありました。
 例えば、五千四百人に上る死者が出た、圧死は八八%でもある、また東京を例にとられて公園はどうなのか、それぞれのデータを全国の都市に備えつけるべきではないのか、そういう意味で今の基準法なり区画整理事業法なり一つ一つの法案について御指摘がございました。
 そして、午前中にも諸先生からございましたけれども、役所だけの独走ではなしに、民衆と一体となってどれだけ市民、県民の皆さん方に協力が得られるか、そこがポイントだというような点についても非常に具体的にお話をちょうだいいたしました。
 また、公共用地については先行取得をして十分に防災活動ができるような都市づくりを、町づくりを心がけるべきだ、そのためには鉄は熱いうちに打て、忘れないうちに法改正等もして一つ一つの問題について日本のために、日本国民のために、市民のために努力をすべきなのが建設省の責務ではないかと。
 したがって、私たちは利便性やあるいはまた快適性を考えますけれども、何よりも安全性を考えながら十分に先生の御意見を傾聴いたしました。参考にいたしまして、直すべきは直し、正すべきは正し、そしてより前進をする町づくり、都市づくりに全力を挙げてまいりたいというふうに考えております。
#123
○上野公成君 ぜひ前向きに取り組んでいただきたいと思います。
 先ほどの公園の整備、これは特に東京の、区の名前はちょっと言うと語弊がありますけれども、本当にここで地震が起きたら大変だなというところがあります。これはしかも宅地の率が七十何%なんですね。残りは公園だとか道路なわけですから、宅地の中から公園を生み出していかないとできないということですから、やはり人口も都心の方へ移動するなり、地方へ移動するということであればもっといいわけでございますけれども、そういうリンクした何か制度を考えていただかないと進まないんじゃないかなと思っております。
 それから、今ちょっとお話が出ましたけれども、木賃の地域、こういった地域が実際やられたわけでございます。豊中の方、もうちょっと被害が東の方へ及んでいますと、庄内という有名な木賃地帯があるんですね、これもかなり倒壊したそうです。余りにも人が多いから火事になってもすぐだれかが気がついて大きくならないんです。これは見ていただければ、もう両局長よく御存じだと思うんですけれども、本当にそういうところがあります。
 この間、私ちょっと視察しましたしNHKで地震のすぐ後やっていましたけれども、NHKで言っていましたから名前を言ってもいいと思いますが、京島という地区なんかも大変な地区でございますから、これは一刻の猶予も許されないんじゃないかと。そういうところもぜひこの都心居住の事業とリンクした形でやっていただきたい。
 先ほどから住民の理解を得られるとか得られないとかというお話がありましたけれども、私は上田委員とはちょっと違う観点を持っております。
 防災で人の安全に関して客観的な資料があったら、これはもう一人一人が反対をしていたら切りがないわけですから、できるだけさっきの資料をみんなによく見せるとかそういう理解を得るための最大限の努力は必要ですけれども、しかし意見を聞いていたらいつまでたったって、また地震が起こるということにもなりかねないんですね。むしろ今まで以上に私権の制限さえしてもいいんじゃないか。これは大変大きな議論ですから今ここではこれ以上いたしませんけれども、ぜひそういったことも委員の皆さんはよく考えていただきたい点でございます。
 それからもう一つ、今の木賃の住宅にかんがみまして、我が国には住宅地区改良法というのがあります。これは不良住宅、スラムクリアランスなわけでございますけれども、これはかなり有効な事業でございます。事業の採択の要件が一戸一戸が不良住宅かどうか、これはもうおんぼろでどうしようもない、だれが見てもどうしようもない住宅が何割以上というような本当に厳しい条件なんですけれども、そこに防災性の要件、そういうものを導入していただければかなり有効な手段になるんじゃないか。けさ、どなたからかやはり木賃住宅の、これは磯村先生だったですか、その辺がちょっと足りないじゃないかというお話があったんですけれども、私も全くそのとおりだと思うんで、しかも根っこになるいい法律があるものですからぜひ検討していただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。
#124
○政府委員(梅野捷一郎君) この住宅地区改良事業につきましてはもう先生が最も詳しいわけでございますけれども、この事業制度をきょうも問題になっているような場所にもっと積極的に活用していい町づくりを進めるべきだということについては、日ごろから私どももいつもそのように伺っているわけでございますし、同感なわけでございます。
 たまたま今回の災害で見ますと、被災をした地域、非常に例外的な話にはなるわけでございますが、被災した建物についても不良住宅としての判定の中に加えていくというような、ある意味では従来なかったところにちょっと踏み込むというようなことにもなって、できるだけ今回の復興の関係でも使っていきたいなということで、現在のところ神戸、芦屋、尼崎という三市におきましても約二土地区ぐらいが適用の可能性があるんじゃないかということで前向きに考えているわけでございます。
 しかし、それは今回の被災との直接の関係があっての話でございますけれども、今御指摘のように、せっかく今日の課題にもこたえられるような事業制度であるということで、もっと使いやすい形にして、積極的にこういう手法も使って大変難しい地区の再開発に取り組むべきではないかということで、私どもも今後至急にこの法律の適用性を上げるというような、場合によっては改正ということも含めまして検討させていただきたいと思っております。
#125
○上野公成君 時間がないものですからちょっと要望させていただきますけれども、土地区画整理法は非常に再開発に近くなっているんですね。実際にそういう建物に置きかわる部分があるわけです。それから都市再開発法も、きょう改正されますと、きょうじゃなくてあさってになるかもしれませんけれども、区画整理に近くなるところがあるわけですね、焼け野原でもできるわけですから。それから、それと今の住宅地区改良法。それぞれ非常に防災都市づくりには有効な手段だと思うわけでございますが、いろいろあれしてみますと税制その他が少し違ったりなんかしているわけでして、これはぜひ一つの有効な制度に仕組みを総合化していただく、そういうことをぜひお考えいただきたいと思うわけです。御答弁は要りませんけれども、そういうことを要望しておきます。
 それからもう一つ、私が今回現地を見まして感じましたことは、宅地の問題なんです。運輸省の方は来ておられますか。埋立地が相当やられているんですね。港湾施設なんかは全滅なわけです、全滅に近いわけです。
 六甲アイランドというのがありますけれども、あそこは高層の住宅と低層の住宅があります。そこは地盤改良を徹底的にやったそうで、低層のところにも余り被害は出ていない。マンションそのものの水道だとかそういうものは大変被害を受けております。芦屋浜も私は見せていただいたんですが、高層部分の建物は五十六年以前のものですから少し被害は出ているわけですけれども、その建物の周り四メーターのところは液状化に備えて対策をしている。そこは全然やられていないです。四メーターから過ぎたところが液状化で、それから低層のところはテレビにも出ていましたけれどももう大変な被害が出ているわけでございます。
 そこで、特に埋立地とそれから宅地造成地でわかっている限りでの被害の状況と、それからまたそれらに安全性の基準というのが一体あるのかどうか埋立地それから宅造の場合、そのことについてお伺いいたします。
#126
○説明員(金子俊六君) まず、埋立地の被害状況についてですけれども、神戸港には大きな人工島が二つございまして、このうちポートアイランドにつきましては、特に中央部など地盤改良が施されていない地区につきましては最大約五十センチを含めて一様に沈下をしてございます。それから、ポートアイランドの大部分と六甲アイランドの一部の埋立地におきましても、液状化の典型的な状況であります噴砂が観察されてございます。
 今回、埋立地に用いました土の特性、これは非常に粒形のバランスのいい真砂土が使われておりますが、全体が液状化するに至らず、新潟地震等の地震被災で見られたような典型的な破壊といった被災例は少ないと思いますけれども、しかしながら道路の表面を泥土が覆うことによりまして交通機関に著しい影響を及ぼしたというのが実態でございます。
 それから、安全基準につきましては、埋立地の用途につきましては埠頭用地とか緑地あるいは道路等さまざまでございまして、埋立区域の水深、地盤、そういったものも個々に異なるということで、液状化防止等のための画一的な安全基準は特に今のところございません。
 ただ、運輸省におきましては、液状化に対する安全性の確保は極めて重要と認識をいたしておりまして、特に港湾構造物を建設する場合には、港湾の施設の技術上の基準に基づきまして液状化の予測判定や対策工法等所要の安全の確保を指導するよう要請をいたしております。
 それから、埋立地の液状化につきましても、大変社会的に影響を及ぼしかねないということで、特に重要な部分につきましては、港湾管理者等が液状化対策工法等を検討する際には運輸省としても所要の指導を実施いたしておりまして、このため液状化対策の業務の参考となります埋立地の液状化対策ハンドブックをつくってございます。これに従いまして所要の指導をやっておるところでございます。
#127
○政府委員(小野邦久君) 今、先生御指摘の宅地でございますけれども、宅地にかかる被害につきましては現在もなお調査をいたしております。二月二十一日現在でございますけれども、神戸市を中心としておよそ三千カ所の宅地の被害が確認をされております。
 被害状況でございますけれども、六甲山ろく部の宅地造成地における字盤へのクラック、亀裂でございますとかあるいは石積み擁壁の破壊といったようなものが大変多いと聞いております。なお引き続き関係地方公共団体におきまして現在鋭意調査中でございます。
 それから、宅地造成地等における安全性の問題でございますけれども、これにつきましては宅地造成地における安全性の確保は大変重要な課題でございますが、御案内のとおり、宅地造成等規制法の宅地造成に関する工事の許可の基準、あるいは都市計画法による開発許可の基準といったようなもので、許可に際しては、切り土でございますとか盛り土、あるいは擁壁、排水施設といったようなものについての技術基準を定めまして、これによって審査を行っているわけでございます。
 特に、宅地造成に伴い設置される擁壁等の構造物につきまして、私どもで宅地防災マニュアルというのをつくりました。これは平成元年七月でございますけれども、地震に対していろいろ検討を盛り込んでおります。例えば、地域特性あるいは構造物などの重要度とか、造成規模といったようなものによって耐震性の検討についても十分留意するようにというようなことを指導しているところでございます。
 具体的にどうやってその安全性を確保するのかということになるわけでございますが、これにつきましては、例えば、宅地造成等規制法で基準に適合しないというようなものにつきましては改善命令とか改善勧告といったようなものによって措置をしているところでございます。
#128
○上野公成君 今の運輸省のお答えだと、埋立地でも個々の建物の方でというようなニュアンスのあれがあったんですけれども、たしか基準法の宅地の規定は割合抽象的な感じがしたと思うんですが、ちょっと教えていただけますか。
#129
○政府委員(梅野捷一郎君) 基準法におきます地盤の関係については、基本的には土地の地盤の条件が敷地によって非常に違うということもございまして、ただいま御指摘のように、考え方としては地盤調査をやれということが原則になっておりますが、一般的な種類に応じまして地耐力その他のことを示してそのことによって設計をしていただくということになっておるわけでございます。
 全体の感じ、傾向としては、今回の液状化のような事態に対して、これも新潟地震以来いろいろなことで取り上げてきたわけでございますが、大型のくいを打つ、あるいは支持地盤がしっかりしたところとしっかりやっているところはある意味ではきちんとした対応ができておるわけでございますが、むしろ低層の建物でありますとか中ぐらいのものがかえって地表に近いところだけとの関係にとどまっているという傾向があるのかなという感じがしております。
 今回の調査の中でも、地盤関係のところについてもぜひよく御審議をいただきたいということをお願いしておるところでございます。
#130
○上野公成君 一軒の住宅を建てるのに、その地盤まで全部調査するということはなかなか難しいと思うんです。だから何かもう少し公のサイドで全体のところをやるとか、そういうことを少し検討いただいた方がいい。特に、活断層があるとかないとかということになりますと。被害の状況からいうと、宅地そのものであれしたところは割合被害が今回は幸いに少なかったんじゃないかと思うわけでございますけれども、ぜひよろしく検討していただきたいと思います。
 それから、これから事業がだんだん進んでいくわけでございますけれども、土地がある程度動いているということがあるわけです。それから、地籍調査は余りどうも神戸市の場合は進んでいないというようにも聞いているわけでございます。公図だけでこれからやっていくということになるとなかなか具体的な実際の事業が進まないんじゃないかということが懸念されるわけでございますけれども、まず最初に地籍調査の状況。
#131
○政府委員(山田榮司君) お尋ねは地籍調査の推進状況でございますが、全国的に見ましても三八%の進捗状況でございます。このうち都市部、DID地区でございますが、一三%ということでございます。
 現在、地籍、人間で言えば戸籍に該当するものでございますが、数値化できるというふうなことで国土地理院の……
#132
○上野公成君 神戸だけでいいです。
#133
○政府委員(山田榮司君) はい。神戸につきましては二十年ほど前に休止しておりまして、周辺部で五%程度地籍調査をやっているだけでございます。
#134
○上野公成君 周辺で五%ですから、被害のあったところはほとんどやっていないんじゃないかと思うんです。これは本当に難しい問題だと思うんですけれども、とにかく権利調整について、これは最後は調整せざるを得ないわけですから、何か一つのルールみたいなものをぜひつくっていただきたいと思うんです。
 何かボーナスと言うとおかしいけれども、例えばこれはちょっと話は違うんですが、マンションの場合は容積率の方からいきますと既存不適格のマンションが非常に多いんじゃないかと思うんです、一種住専の大きなマンションが。そういうものは建てかえが全然できないわけでございますけれども、容積率の移転なんという制度もあるわけです。
 だから、その移転するもとの容積がどこであるかということは、これは例えば公的ないろんなものがあるわけですからそういうところのものを使うとか、そういうものを持った上である程度考えていくとか何かそんなようなことを考えていかないと、なかなかこれはもうにっちもさっちもいかなくなるんじゃないかという危惧があるわけでございます。せっかく早く都市計画決定をしてどんどんやっていっても、どこかでぱたっととまっちゃうということになりますと何にもなりません。
 本当に、いい方法があるかどうかというのは私も具体的にはわかりませんけれども、ぜひそういうものをつくっていただかないとなかなか事業は進まないんじゃないかと思うわけですけれども、いかがでしょうか。
#135
○政府委員(近藤茂夫君) 区画整理事業を今後施行するに当たって、権利関係の調整が非常に難しい大きな問題になるというのは御指摘のとおりだろうと私ども考えております。
 ただ、区画整理事業の場合には、これは換地処分ということになりますので、現時点における境界がどうであるかこれは余り問題にならない、換地されることになりますので。ということになりますと、何が問題かというと、結局それぞれの地権者がどれだけの面積の土地を持っているかということが一番問題になるわけでございまして、これにつきまして具体的にどういう形でその面積を判定していくかということは、公共団体施行の場合には施行規程、条例で決めることになるわけでございますが、実測によるということももちろんそういう例もございますが、多くの場合はいわゆる公簿の面積で比例配分、総体的にバランスがとれればいいということで、そういう方式をとるということになるわけでございます。
 したがって、一般論としては縄延びの現象があるところについてはそういうのは比較的容易になるわけでございますが、ただその場合でも先生御案内のとおり、その換地された土地の上に借地権、借家人がどういう格好で乗っかるか、これについてはやはり基本的な問題としては残るわけでございまして、こういった権利関係の調整問題についてはきちっとした相談体制が必要であろうというふうに考えているわけでございます。
 それからもう一点、容積の移転、これは恐らく、そういう非常に密度の高い地域において原則的にはその地区内で収用するということになりますと、かなり思い切った容積の移転等も必要になろうかと思います、容積の割り増し。例えば、公共施設周辺地区、公益施設周辺部の容積を他の住宅街区の上に乗っける、こういったことにつきましては、現在、物理的な一体性のある地域につきましては地区計画を活用することによって容積移転の制度はできておりますので、そういったことを活用することも考えていかなければいけないだろう、このように考えているところでございます。
#136
○上野公成君 区画整理の場合はそういうルールもあるでしょうけれども、この間行ってみましたら、長田区なんかどこが境だかわからないんです。道路の境さえわからないんです。だから、実際にはかるなんということはなかなか難しいところがあるんじゃないか。
 それから、そういう事業だけじゃなくて、一つ一つの宅地で個人的に建てかえる場合にもそういう問題が起こるんじゃないかと思うんですが、ぜひそういうルールでやっていただきたいと思います。
 それから、マンションの場合は容積率がないと本当にどうしようもないわけですけれども、何かそういった方法をなるべく活用していただいて、そういうことのないようにぜひお願いしたいと思います。
 時間がそろそろなくなったので最後にいたしますが、冒頭にも申しましたように、衆議院の方は四日間かかったわけですけれども、きょうは一日で審議していただいたわけでございまして、きょうの委員会で採決していただいて、あさって通りますと、これは三月十七日の期限が切れないで十八日から継続になるわけでございます。これは、都市計画決定そのものは市がやるということになるわけでございますけれども、必要な都市計画決定についてできる限り市の方と協力をしていただいて、これは建設省に今申し上げることじゃないかもしれませんが、ぜひそういうことをお伝えもいただき、また協力もしていただきたいと思うわけでございます。
 そのことにつきまして、せっかく政務次官がおいででございますので、今後の御決意をともに伺って質問を終わりたいと思います。
#137
○政府委員(簗瀬進君) まさに復旧から復興へというその移り変わりの中で、やはり復興の最大のかぎを握っているのは自治体であり、またそこに住んでいらっしゃる住民の皆さんだろうと思います。その方々と協力をさせていただきながら、全力を挙げですばらしい防災モデル都市づくりのために建設省も頑張っていきたいと思っております。
#138
○松谷蒼一郎君 最初に、被災市街地復興特別措置法案につきまして御質問をいたしたいと思います。
 この法律は、第一条の「目的」で、「大規模な火災、震災その他の災害を受けた市街地についてその緊急かつ健全な復興を図るためこ云々とあります。この場合、その大規模な火災、震災その他の災害を受けた市街地というのはどの程度の災害なのか。例えば、これは政令で規定をするのかあるいは別途何らかの通達というんですかそういうような基準をつくるのか、あるいはこの「目的」にあるとおり、各その当時の政府が判断をしてやるのか。
 それから、それに関連しまして、この法律の第五条には被災市街地復興推進地域に関する都市計画の規定があるわけですね。この第一項で、次の要件に該当すると「都市計画に被災市街地復興推進地域を定めることができる。」、こういうように規定がありまして、第一号に同じような表現があるんですが、「大規模な火災、震災その他の災害により当該区域内において相当数の建築物が滅失したこと。」、この「大規模な火災、震災」というのは同じような表現ですから、これは私が冒頭に申し上げました質問と同じことですが、その後に「相当数の建築物が滅失した」、この相当数の建築物というのはまたどういう程度のものをお考えになっているのか、その点について御答弁をお願いします。
#139
○政府委員(近藤茂夫君) まず、被災市街地復興推進地域の指定要件、確かに大規模な火災、震災その他の災害ということと相当数の建築物、結局基本的な考え方といたしましては、この特別措置法につきましてはそれぞれ都市計画決定権者である市町村が御判断していただく。
 そのときの判断の基準としては、建築物の滅失の状況そしてその面的な整備事業の必要性、それからまた経済活動状況、例えば放置しておけばすぐ経済活動が出てきて計画的な市街地の障害となるようなビル等の建築行為が出てくるかどうかそういったことを総合勘案して都市計画決定権者である市町村が判断、そしてこの特例を使うかどうか、そのことについても基本的に市町村の御判断に任せる。
 そういうことで、大規模な火災、震災とは具体的にどういうことを考える、あるいは相当数とは具体的に何月である、そういったことについては特段その基準を示すという考え方は現在のところ持っておりません。
#140
○松谷蒼一郎君 それは市町村がやるんでしょうけれども、しかし、これを立法しているのは政府ですから、当然それについては何らかの考え方があるし、市町村の方でも、どうぞおやりになってくださいといったってなかなかそうはいかないでしょうし、これまでも大体そういうようなものについてはある程度の基準は設けていたと思うんですね。現在それがあるかどうかはちょっと別としても、いずれこれを検討する必要があるのかどうか、その点についてお伺いしたい。
 それから、災害を受けた地域の規模の問題ですけれども、ここにあります被災市街地復興推進地域というのは、今回の神戸の震災あるいは西宮、戸屋、それは例えば神戸市でいえば東灘区、灘区、須磨区、長田区といろいろありますね、その辺を全般的に地域指定をやるのか。それとも、例えば須磨区とかあるいは須磨区のうちのもっと細かく何々町とかあるいは三宮地区とか、そういうような地域指定をやっていくのか。大体のおおよそのスケールというんですか、それはどんなふうにお考えですか。
#141
○政府委員(近藤茂夫君) まず、第一点の基準の問題でございますが、少なくとも今まで建築基準法八十四条で建築行為の制限、禁止命令、こういうものを発動した地域、例えば酒田の大火、これは三十二ヘクタールぐらいの市街地が焼失したわけでございますが、そういった地域については当然こういうものは適用されていくだろうということで、ある程度一応の基準的、メルクマール的なものはあるわけでございますが、特に具体的な形でこの法律の施行に当たって示すという考え方は現在のところ持っておりません。
 それから、二番目の推進地域の指定の考え方でございますが、この地域指定の要件といたしまして「相当数の建築物が滅失したこと。」、これはかなり弾力的な基準になるわけでございます。もう一つ、その五条の二号で「公共の用に供する施設の整備の状況、土地利用の動向等からみて不良な街区の環境が形成されるおそれがあること。」、そしてもう一つが「当該区域の緊急かつ健全な復興を図るため、土地区画整理事業、市街地再開発事業その他」の面的施設の整備事業を実施する必要があること、こういう要件で推進地域の指定要件が規定されております。
 今、神戸市の指導条例、行政指導のための条例で、一番広い六千ヘクタール、あの建物がかなり倒壊しているような地域内はそれだけ規模としてはあるわけでございますが、そういった地域について全部かけるという考え方は毛頭ございません。ある程度面的なもの、それは必ずしも法的な事業に限定するものではございません。地区計画、誘導土地利用計画でもいいわけでございますが、何らかの格好で、個々の単体の規制ではなしに、面的な誘導ないし開発行為、こういったものが必要とされる地域についてこの推進地域が指定されることになるだろうと。
 具体的に神戸市の例で言いますと、今八十四条が発動されている地域の周辺部に少し広がりのある重点地域というのを考えているわけでございますが、その重点地域についても全部この推進地域が指定されることは恐らくないだろうと。その中で、戦災復興の区画整理した地域であるけれども現時点ではもう少し街区整備をしたい、それが区画整理事業であるかあるいは地区計画であるか、それはわからないけれども、何らかの面的な誘導規制した上でいい街区形成をしたいという地域について推進地域が指定される、そういうことはあり得るだろうと思っておりますし、神戸市もそういう考え方を持っているというふうに聞いているところでございます。
#142
○松谷蒼一郎君 こういった災害時に緊急にこれだけの法案を準備されたことには大変敬意を表するものでありますが、これは今度の阪神・淡路大震災だけでなくてこれからの災害についても適用する法律でありますから、恐らく市町村の方でも若干選択に迷う場合があると思いますから、やはり何らかの指導指針というんでしょうか、そういうものは必要なのかなというように思います。
 それと、今のお話によりますと、やっぱり区画整理事業等の事業をやろうというような地域を主としてこの推進地域に指定をしていくということになるんですか。
#143
○政府委員(近藤茂夫君) 必ずしもそういうことではございませんで、例えば三宮地区、これ七十四ヘクタールが八十四条が発動されているわけでございますが、神戸市がその八十四条を発動する段階で示した方針の中では、地区計画、実は地震が起きる前からそういう動きがあった地区でございますので、地区計画を中心に考えていきたいと、このような方針を示しているところでございます。ただ、恐らくそういった地区計画の中でも、部分部分についてはまだ再開発、法定再開発事業という動きが出てくる可能性はあるわけでございますが、当面は神戸市の方針として地区計画を考えている、このように記者発表もしていると聞いております。
#144
○松谷蒼一郎君 この法律については、緊急立法でありますからいろんな規定が整合性を持ってきちっとやられているとは言えないとは言えない。まあやっていると思いますけれども、ただ、法律全般を読んでみまして制限項目が多いんですよ。例えば建築制限であるとか国の責務とかね。ところが、助成措置というようなものは全くないように見受けるんですが、これについてはいかがお考えですか。
#145
○政府委員(簗瀬進君) 法律の基本的な思想というようなものが、まず復興に当たっては市町村あるいは住民が主体的に活動していただかなければならないというところから組み立てられておりますので、そのような御理解も可能かとも思いますけれども、しかし復興のための土地区画整理事業、大規模災害ということになりますと当然面的な整備が非常に重要になってくるということでございますので、このような土地区画整理事業等の面的整備をやろうする市町村に対しては、国としてもまず財政上の支援を含めて特段の支援を行う必要があると考えてこの法律をつくっております。
 例えば都市開発資金制度を拡充させていただきます。そして、被災者の方々が土地を売却したいという要望がある場合、地方公共団体が用地を先行取得しよう、あるいは用地をその売却要望に応じて取得をしていこう、そうした場合の低利融資を行う。あるいは、それとともに市街地復興のための土地区画整理事業等を対象とする補助制度を創設する、拡充をするということで、国としてもかなり積極的な、関与をさせていただきまして、例えば新しい面的整備を、先行取得をした土地を一種の種地として使って弾力的に換地をしていこうといった、そういう意味ではかなり国としても前向きな内容の入った法律であると私どもは理解をさせていただいております。
#146
○松谷蒼一郎君 できるだけ、そういったいろいろな助成措置の盛り込まれた法律と一体となって災害地の復興に当たっていただきたいと思うわけであります。
 次に、この法律の中で規定されております復興共同住宅区についてちょっと伺いますが、なかなかいい名前で、復興共同住宅区というのはいいんですが、この復興共同住宅区の具体的な事業実施のあり方というか方法といいますか、それについてはいかがですか。
#147
○政府委員(近藤茂夫君) 基本的にはこの復興共同住宅区、要するに中層、基本的には中層の共同建築物、いわゆるマンションを建てていく地区ということになるわけでございますが、非常に密度が高い地域でございます。また、関係者が非常に多いということで、公共団体ができるだけ用地を先行取得することによって公共団体の所有地をそこに集約換地していく。それを基本として物事を進めていきたい。考え方としては神戸市もそういう考え方で、できるだけ用地を先行取得することによって公共団体の持っている土地を共同住宅区、復興共同住宅区に集約換地していく、こういう方向で対応されることになろうと。
 ただ、制度論としては、当然のことながらかなりの地主の方がそちらの方に行きたいということであれば、そういうところにも当然集約されていくということになるわけでございます。
#148
○松谷蒼一郎君 そうしますと、ある程度離れた土地についても権利者が相集まってその復興共同住宅区に共同住宅を建設するという目的で換地はできると。その後、集まった権利者が共同住宅をそこで事業として実施をしていく、あるいはそれを推進していく何らかの機関がある、組織がある、これは市町村なのか都道府県なのかあるいはここにあります委託する住都公団なのか住宅公社なのか、いろいろあると思うんですが、その辺の関連、すなわち単に土地が復興共同住宅区に集まってきても、それはそれだけで終わったら共同住宅は建たないわけですから、その後の事業実施との関係はどんなふうになるんですか。
#149
○政府委員(近藤茂夫君) まさに先生御指摘のとおりでございまして、この区画整理事業の場合には、できるだけ一体的に基盤整備とともに住宅建設をするということが一つの基本的な考え方でございますので、今言った供給公社、公的主体ができるだけ共同住宅区に集約換地そしてあわせて建築物も建てる、こういう考え方が一つの考え方になっているわけでございます。
#150
○松谷蒼一郎君 したがって、復興共同住宅区そのものの規定というのは、そういう受け皿というか、共同住宅を建てる地区を指定いたしますよと、一種の用途地域か容積地域か特別用途地区が、そういうようなものの制度をここにつくった、こういうことになって、事業そのものではないということになるんでしょうか。
#151
○政府委員(近藤茂夫君) そこの住宅建設、組み合わせということで、区画整理事業の一環として公共団体の施行者がやる場合には区画整理事業の一環としてそれが整備できると、そういうことでございます。
#152
○松谷蒼一郎君 できるだけ、やはり区画整理事業にしても、再開発事業は関係するかどうかわかりませんが、そういうような事業との組み合わせの共同住宅としての活用をぜひ図っていただきたいというように思うわけでございます。
 それから、この法案の中でいろいろな地区が指定をされますが、大体住宅を主たる対象にしている。ところが町づくりというのは、特に災害復興のための町づくりというのは、学校も必要だし、病院も必要ですし、あるいはショッピングセンターというか店舗も必要、いろんなものが必要になってくるわけです。これについてこの法案の中では一切規定はないわけですが、実際には、神戸市の例えは推進区域に指定をされた地域について町づくりをやっていかなきゃならないわけで、その辺についてはどんなふうにお考えでしょうか。
#153
○政府委員(近藤茂夫君) 確かに集約換地は住宅ということになっているわけでございます。これは、公益性と権利制限という法制度論との関係で限界があって住宅に限られているわけでございまして、集約換地することはいいわけですが、集約換地されるということはそこにいる人たちが追い出されるということになる。そういったことから、一般的公共性、公益性の高い住宅についての集約換地という制度が認められたわけでございます。
 ただ、住宅がそういう格好で集約換地された後の土地利用の仕方につきましては、商店それから中小工場のための団地、これは今度は土地区画整理事業そのものではございませんが、地区計画制度を活用することによってやはりきちっとした、整地をされた形での商店街区、中小企業の工場街区、こういったものを土地利用計画としては決めていく、そういうことが当然必要になろうかと思いますし、そういう方向で指導をしてまいりたいというふうに考えております。
#154
○松谷蒼一郎君 このたびの阪神大震災の災害地域につきましても、ほとんど全壊をした密集木造住宅市街地というようなところもあれば、同じように全壊をしていますが商業施設がほとんど大部分であるというような地域、地区もあるわけですね。こういった非常に異なった性格の地域についても今回のこの被災市街地復興特別措置法は適用していくだろうと思うんですけれども、その場合に、復興の基本的な考え方というんですか、あるいは本法の適用方法について何らかの差があるのか、あるいは事業との関係において異なる手法というものがあるのか、その点について伺っておきたい。
#155
○政府委員(近藤茂夫君) この特別措置法の中では、推進地域に指定されますとその中でいろいろ特例が働くという制度構成をしているわけでございますが、その推進地域の中で行われる事業というのは必ずしも法定事業に限っておりません。
 区画整理事業をやる場合には区画整理の特例、それから市街地再開発事業が行われる場合には市街地再開発事業の特例ということで、例えば買収型の二種再開発についても、その都市再開発を本法で規定される要件が一切外されて推進地域では機動的に対応できるようになる、そういう事業法の特例ももちろんございますが、それ以外に、例えば予算措置で行うようないわゆる住宅市街地総合整備あるいは誘導型の地区計画、そういったいろいろな手法が予定され得る制度として構成されております。どんな制度の仕組みが出てくるかということは、推進地域を指定する段階で整備の方針をあわせて決めるということで、そこでどんな事業手法によってどんな町づくりをするかということの基本的な方向が同時に示される、そういう仕組みになっているわけでございまして、それぞれの地域に応じた特色ある町づくり、防災性の高い町づくりが行われることになるだろう、そういうふうに考えているところでございます。
#156
○松谷蒼一郎君 そうすると、復興推進地域がベースになって、それにその地域の特性に応じていろいろな手法を組み合わせながら事業をやっていく、そのいわば基本計画というものはこれは市町村が中心になってやっていく、こういうことですね。
 ちょっともとに戻りますが、復興共同住宅区ですが、これはすべて共同住宅を建設するという地区なんですか。
#157
○政府委員(近藤茂夫君) 共同住宅区ということで、マンションということでそういう特別の集約換地が認められているわけでございます。
#158
○松谷蒼一郎君 そうしますと、全く全壊で更地だというような地域であれば別ですが、通常はやはり住宅がかなり残存している場合があると思うんですね。戸建て住宅が残存していたというような場合には、戸建て住宅を強制撤去するのか、それはそのまま置いておいてその間に共同住宅を建てていくのか、その辺はなかなか難しい問題だと思うんですが、いかがでしょうか。
#159
○政府委員(近藤茂夫君) 具体的には事業計画の段階、換地計画の段階でそういう整序がされることになるわけでございますが、基本的には復興共同住宅というのは設けることができるということで、必ずしも設けなければいけないということではございません。ただ実態的には、当然住宅が必要な地域でございますので、そういう復興共同住宅を設けることが非常に多いかと思います。
 御指摘の一戸建ての住宅がある場合、これは当然そういうところはそういうところでまた必要があれば引き家をして、そういう戸建ての住宅街区をつくることももちろん土地利用計画上可能でございますし、区画整理事業の中身として、むしろ既存の良好な二戸建てがあれば引き家等が基本原則になろうかと思いますし、またあわせてそういった地域については土地そのものを、今度は一体換地をかなり拡充いたしておりますので、その土地にかえて一戸建ての土地つき住宅、それを提供することもできる、そういった特例も設けているところでございます。
#160
○松谷蒼一郎君 しかし、なかなか強制撤去、引っ張ると言っても、そこに住んでいる人がいる場合になかなか引っ張るのも難しいだろうと思いますが、しばらくは混在せざるを得ないか、あるいはもうそういうような地域は、要するに戸建て住宅が何%以上あるような地域は共同住宅区としてはもう指定しないのかその辺の選択があると思うんですが、いかがですか。
#161
○政府委員(近藤茂夫君) ちょっと説明が不十分で、恐らくそういう一戸建ての良好な住宅がかなり存在しているような地区については、それを前提として土地利用計画、事業計画を立てる、その方が一般的だろうと思います。
 ただ、ぽつんと離れているような場合について、引っ張るというのは要するに引き家移転で、傷つけないような格好で引き家移転してやる、そういったことがあり得るだろうということで引っ張るという言葉を使ったわけでございまして、申しわけございませんでした。
#162
○松谷蒼一郎君 この法律が成立をすると、するだろうと思いますが、成立をした暁に、具体的な地域指定あるいは区画整理事業の施行、こういうようなものは、今回の災害において神戸市を中心としてどういうような日程というんですか、これは急ぐ必要があるんだろうと思うんですが、その辺の概略の考え方、例えば今年度じゅうには必ずやるとか、あるいは法律が施行されれば関係市町村と協議に入って直ちにやるとか、その辺の日程としての概要はどんなふうにお考えですか。
#163
○政府委員(近藤茂夫君) まず、基本的には三月十七日に建築基準法八十四条の行為制限が切れるわけでございますので、今、阪神地域各市が一生懸命頑張っておりますのは、その段階までにこの特例が働く推進地域の指定とそれから区画整理、再開発あるいは地区計画、そういった計画決定に向けて最善の努力をしているところでございます。
 そして、その後で地域住民、地権者の方々と十分相談しながら事業計画、換地計画を決めていくことになっていくわけでございますが、一応、今私ども神戸市から御報告いただいているところを見ますと、早ければ六月ぐらいまでには入っていきたい、その前の段階として、全体的な復興の基本方針が三月末、さらに全体的な復興計画が六月ぐらい、こういう段取りの中でそれぞれの面的整備の事業計画も詰めていきたい、こういった報告をいただいているところでございます。
#164
○松谷蒼一郎君 これは都市計画決定となるわけですね。そうするといろいろな手続があるんだろうと思うんですが、今のお話のとおりであれば三月十七日までにはこういった推進区域を指定したい、となるとなかなか大変になるわけでございますが、いずれにしても法律ができるだけ早く成立をし、この区域指定に全力を挙げていただきたいと思うわけであります。これは復興のための非常に重要な法律であります。私どもの方からもそういったお願いをいたしたいと思います。
 もちろん、市町村との調整がなかなか大変だろうと思うんですけれども、現在もう既に市町村とある程度の協議に入っているんですか。
#165
○政府委員(近藤茂夫君) 都市計画決定そのものは市町村、市が決定するわけでございますが、もう既に予備段階のいろいろ広報活動は始めているわけでございまして、それぞれの地区に相談事務所をこの二十二日、きょうから設置されるというふうに報告をいただいております。
#166
○松谷蒼一郎君 これは大臣に聞きたいと思ったんですが、まだ大臣がいらっしゃいませんのでちょっと後に回しまして、大臣が間に合うのかどうかよくわかりませんが。
 それでは、ちょっとこの問題はおきまして、建築基準法の関係について伺います。
 先ほど、同僚の上野委員から質問がありましたけれども、現在被災地は全壊、半壊、本当にいろいろな建物が雑居しているわけですが、そういった建物が本当に使用不能なのか、あるいは若干補修をすれば使えるのかということを震災発生以来いわばボランティアの形で建築士が中心となって判断をしていっているわけですね。ただ、判断をしていっておりますが、その関係の費用はばかにならない費用であります。これを関係諸団体等々、例えば建築士であれば建築士会等で負担をしているわけですけれども、例の非常に危険な建物の中に入って判断をするわけですから、生命の危険もある。そういうためにいろいろな形の保険の制度も整備していただけないだろうか。
 これについては、政府はかなり前向きな対策をお考えになっているというふうに伺っておりますが、やはりボランティアの判断については限度がありますので、上野委員から今も指摘があったように、これは建築士法の中で規定をするのかどうかよくわかりませんが、いずれにしても法的な責任と権限というものを明確にしていただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。
#167
○政府委員(小川忠男君) お答えいたします。
 ただいまお話にございましたように、今回のような震災が起きた場合にまず何をおいても必要になりますのは、やはり建物が危険なのかそうでないのか、これを権威を持って判定するというふうなシステムが不可欠だろうと思います。
 今回について申し上げますと、今先生お話しになりましたように、ボランティアの方々にお願いしている側面と、それから私ども建設省それから住都公団あるいは各都県にお願いいたしまして技術者を動員いたしまして共同住宅を中心に被災度の判定を行っていると、二つの系統でやっております。ただ、後者につきましてはある程度組織立った形ではございますが、何分にも急なことでございましたのでいろいろ反省すべき点もございます。
 したがいまして、今回の経験を踏まえまして、今先生がおっしゃいましたように、ボランティアの方々を動員する場合にも安心して組織立った形で対応ができるというふうなことの構築を念頭に置いて、いろいろ今後検討させていただきたいというふうに考えております。
#168
○松谷蒼一郎君 局長もいないものですからあれですが、建築基準法の耐震基準、これは昭和五十六年に改正をしたわけですけれども、この考え方は、従来は建物は弾性域変形の中で回復できればいいという考え方であったが、五十六年の耐震基準の改正のときにはこれを塑性域まで一応拡大していいんじゃないかと。
 それはなぜかというと、やはり経済的な問題がありますから、非常に振動の大きい関東大震災あるいはそれ以上の地震に対応してすべての建物を強固にやっていきますと、これはもう経済的にも大変なことになると。であれば、まず人命の安全が重要である、だからまず人命の安全を確保して、場合によっては建物は財産的な価値を損失してもそれはやむを得ないというようなことを前提として耐震基準は改正したはずなんですね。そのために、従来やった弾性域変形ではなくて塑性域変形まで建物が変形に至ってもこれはやむを得ないであろうというような考え方に立っている。それから言いますと、私は、今回の阪神大震災ではそのねらいは、少なくとも目的は達成されていたと。確かにかなり半壊をしたりした建物は多いんですけれども、しかし人命については、少なくとも昭和五十六年以降に建築された建物については大きな被害というものは見ていないと思うんです。
 そういう意味からいけば、今回の大震災はありましたが、耐震基準については建築基準法の規定を改める必要はないんじゃないだろうかというふうにも思いますが、建設省としてはいかがお考えですか。
#169
○政府委員(小川忠男君) 今回の被災につきましては、去る一月三十一日でございましたが、建築震災調査委員会を設置いたしまして、被災の正確な状況を掌握し分析し、その結果を待っていろんな制度についての点検を行いたいというふうに考えております。
 ただ、今お話がございましたように、少なくとも現在までのところ、比較的新しい大規模な建築物につきましては建築物全体が倒壊したとかあるいは損傷したというふうな報告は受けておりません。
 したがいまして、詳細な分析等々は後ほどにさせていただきたいとは思いますが、現段階で判断する限り、やはり数百年というふうなオーダーで起きるような、極めてまれにしか生じないような震災というふうなものに対して建築物がほとんど損傷しないというふうなことを念頭に置くというのはなかなか基準法が通常の一般の民間建築物というふうなものを対象にしているというふうなことを考え合わせますと、経済的にもかなり無理があるんじゃなかろうかというふうな感じはしております。
 その意味合いでは、今先生おっしゃいましたように、やはり人命の安全性というふうなことを最小限の目標に据えまして、今お話ございましたように、塑性域変形を考慮した現行の基準の考え方、これはやはり妥当なものではなかろうかというふうに現在のところ考えております。
#170
○松谷蒼一郎君 新しい建築物に若干関連しますけれども、私どもも関係をしたんですが、建築生産というものを近代化していこうということでいろいろな工業化的な手法を導入していった、例えばプレハブであるとか高層建築物におけるカーテンウオール工法だとか。
 そういった新しい工法の被害状況はいかがだったでしょうか。
#171
○政府委員(小川忠男君) まず、例えばプレハブでございますが、プレハブに限った正確な被災状況の掌握というのは、申しわけございませんがまだ正確には行われてはおりません。ただ、社団法人プレハブ建築協会が傘下の企業について調査した結果によりますと、被災地域全体で十万八千棟くらいあるようでございますが、何らかの意味で補修を必要とするものは、これは例えば単に燃えたというふうなものも含めてでございますが、一万一千棟前後というふうに報告されておりまして、全壊あるいは半壊というふうな事態に至ったものは一棟もないというふうなことを協会は申しております。
 それからもう一つ、例えばカーテンウォールの件でございますが、これもやはり構造体の変形を考慮してあらかじめ設計しておるというふうなことから、カーテンウオールの被害が極めて少なかったというふうな報告も受けております。
#172
○松谷蒼一郎君 やはり建築生産を近代化していくということは非常に重要なことであるというように思いますので、今後とも推進をしていただきたいと思うわけであります。
 またもとに戻りますが、被災市街地復興特別措置法に基づく建築物、これは復興のスケジュールの中で速やかに事業を推進していかなきゃならない。今、都市局長から話がありましたように三月十七日までには地区の指定を終了する、こういうことになってきますと、ここで事業とタイアップして建築物がいよいよ設計、建設というような段階に入っていくわけです。そうしますと、やはりその際、建設基準は現行建設基準でやるのか、あるいは若干改正なり改良なりをするのかという選択ののっぴきならない時期に入ってくるわけです。
 したがいましで、耐震基準の調査を現在おやりになっているようですが、それはそれとして事業の執行と、基準の改正を必要とするかどうかは別として、決定というんですか、それは車の両輪のようにやっていかなきゃならないわけですが、その点についてはどんなふうにお考えですか。
#173
○政府委員(小川忠男君) 先ほどもお答えいたしましたように、正確な意味での基準法の点検というのはやはり調査会での報告を待ってというふうなことになろうかと思います。委員会に対しましては、できるだけ途中で経過的な報告をいただきたいとか、あるいは可能な限り早期に検討結果をお知らせいただきたいというふうにお願いはいたしております。
 ただ、そうはいってもそれなりの時間はかかると思います。したがいまして、考え方としては、形式的な基準に適合するというふうなことだけではなくて、やはり現行の基準の考え方、これを十分に生かした上で、できるだけ設計なりあるいは建築計画にゆとりを持って対応していただけないものかというふうなことを建築主でございますとかあるいは施工者に対して指導を徹底していきたい、こういうふうな形で対応できればというふうに考えております。
#174
○松谷蒼一郎君 大臣をお待ちしていたんですが、姿が見えないので、もう時間がないので最後に、これは非常に重要なことなんですが、政務次官にお伺いをいたします。
 この被災市街地復興特別措置法、あるいは外二法、こういった復興関係の法律案が出てきたわけであります。これについて、本日成立をいたしました阪神・淡路大震災復興の基本方針及び組織に関する法律、これとの関係であるんですが、復興対策委員会を設けまして下河辺さんを委員長としてスタートした。そこで、対策委員会としては、現地の地方公共団体と協力をしながら復興の基本的な方針を考えていくということになっておるわけですね。これにつきまして、こういった復興対策委員会と今回のいろいろな復興関係の法律、これはどういうような関係になるのか。
 例えばこの復興関係の法律は、私は、本来であれば復興対策委員会に諮問をして、こういうような法律でやろうと思うがどうかというのかなと思っていたんだけれども、こっちの方が先に出た。さあしかし、この法律ができ上がりますと今度は推進地域の指定等々の問題が起こってきて、事業執行の問題が出てまいります。そうしますと、その事業執行等々に関連しては復興対策委員会に諮問をするのか。そういうことを何にもしないというならば、復興対策委員会というのは一体何をやるのかというような疑問が生じるわけですが、政府としてはどういうふうにお考えでしょうか。
#175
○政府委員(簗瀬進君) 今、委員の御質問は大変難しい御質問だと思いますが、阪神・淡路復興委員会、いわゆる下河辺委員会は、内閣総理大臣の諮問に応じまして、関係行政機関による復興のための諸施策に関しまして総合調整を要する事項を調査、審議する機関であるということでございます。
 二月十六日に内閣総理大臣から委員会へ諮問があったわけでありますが、阪神・淡路地域の復興のために国が講ずべき施策の基本方針及び基本方針に基づき講ずべき諸施策はいかにあるべきかということが諮問の内容でございまして、今申し上げましたような総合調整を要する事項を調査、審議するというところに力点があると御理解をいただきたいと思います。そして、その上で、土地区画整理事業等の個別事業が諮問される委員会ではないと建設省としては考えております。これは、内閣としてはそのように考えておるわけであります。
 個々の地区で実施される具体的な事業というのは、法案の第四条に定められておりますとおりに、まず地域における創意工夫のもと、地元の市町村により主体的に実施されるものである、国はこれに対して事業、制度の特例、財政支援の特例などを用意いたしまして事業の円滑な推進に万全の支援を行っていくことがその責務である、このように考えております。
#176
○松谷蒼一郎君 今、大臣がお見えになりましたが、この被災市街地復興特別措置法、これは復興のための非常に重要な法律であります。あと二法もそうであります。そういうようなものが、先般スタートいたしました復興対策委員会とどういう関係にあるのか、こういう重要な法案が復興対策委員会に諮問もされないのか、全くこれは無関係に行うのかというようなことを御質問したわけでございますが、重要な閣僚の一員として政府の考え方をお伺いしたい。
#177
○国務大臣(野坂浩賢君) 松谷委員にお答えをいたします。
 阪神・淡路復興委員会は、内閣総理大臣の諮問に応じて関係行政機関による復興のための諸施策に関し総合調整を要する事項を調査、審議する機関でありまして、土地区画整理事業のような個別事業が諮問される委員会ではないと考えております。
 個々の地区で実施される具体的な事業は、本法の第四条に定めているとおり、地域の創意工夫のもと、地元市町村により主体的に実施されるものであり、国はこれに対して事業、制度の特例、財政支援の特例などを用意して事業の円滑な推進に万全の支援を行っていくことがその責務であると考えております。
 なお、二月十六日に行われました内閣総理大臣から委員会への諮問は、阪神・淡路地域の復興のために国が講ずべき施策の基本方針及び基本方針に基づいて講ずべき諸施策はいかにあるべきかということであります。そういうことで、この下河辺委員会というのは総合委員会でありまして、我々の都市局長等がやる問題は、個別の問題については個別に我々がやるということでございます。全体を調整してもらいますが、個別の問題は我々がやる、こういうことになっておる次第です。
#178
○松谷蒼一郎君 終わります。
#179
○山本正和君 行ったり来たりで大臣、大変御苦労さまでございます。午前からずっと質問がございまして、用意した内容がかなり重複いたしておりますので、私は一問だけ担当局長に質問をしておいて、あと大臣に対して要望だけ申し上げておきたいと思います。
 一つお聞きしたいのは、要するに震災地の復興ということで今懸命に努力を各界各層の方々が払っておられる。国もそのことで懸命になって取り組んでおるわけでありますが、きょうの朝からの議論にもございましたように、住民あるいは地方公共団体、やっぱりそこが中心にならなきゃいけない、こういうことを言っておられる。そのことと、あわせてそれに対して国の全面的なバックアップもしくは指導が必要である。その辺のことについて、今度のこの法案の中ではこういうふうに位置づけましたよということをわかりやすくひとつ御説明をいただきたい。この一問だけ質問いたします。
#180
○政府委員(近藤茂夫君) まず、今回の特別措置法による推進地域の指定につきましては、一番地域住民に近い市町村を都市計画決定権者として位置づけております。そして、都市計画の手続としていわゆる住民参加の規定、最小限二週間の縦覧、都市計画地方審議会への付議、こういった手続を経て決めるという仕組みにしている点、これが第一点でございます。
 なお、四条で明確に地域住民の理解と協力のもとにということを規定しているわけでございますので、実際の運用、特に事業計画の段階では地域住民の意向を十分踏まえた格好で物事が進められるであろう。現実には、神戸市からの報告によりますれば、アンケート調査を実施して、土地の買い取りを希望するかどうかあるいは地元にとどまるかどうか、外に移転する考え方があるかどうか、そういったことまできめ細かく調査した上で事業を進めるということを聞いておりますし、私どもも基本的にはそういう方向で指導してまいりたいと思っております。
 それから、国の責務として都市開発資金の貸し付けに関する制度、これを特別措置法の中で改正いたしまして、今まで以上に低い低利融資による用地の先行取得、非常に多目的な利用ができるようないわゆる種地、特定の用途が決まっていない段階から用地の先行取得ができるように措置しておりますし、それからいわゆる区画整理事業につきましては、道路特会で補助対象となるような幹線街路に限るのではなくて、支線的な道路、オープンスペース、あるいは電線の地中化、こういったことに対しても国としての助成措置を明確に予算措置で講じている。
 こういうことで、役割分担のもとで災害に強い町づくりを進めていこう、そういう考え方で整備しているところでございます。
#181
○山本正和君 ひとつ、今局長の言われたことを確実に実施していただきたいと思います。
 今度の災害、建設省が国づくりの基本、国土庁もまた責任があるという中で、さまざまなことがマスコミ等で批判を浴びたり、いろいろなことを言われております。しかし、私はこう思うんです。我が国は今度の阪神・淡路大震災のようなことを想定した体制がなかった。これは米ソ冷戦の中でもしもアメリカとソ連が戦争して核爆弾が落ちたら手の打ちようがない、こんなこともあったと思うんですけれども、要するに、こういう危機に対して管理し得る体制というものを戦後五十年間十分な検討をされていなかったということに根本的原因があると思うんです。
 そこをやっぱりみんなで議論しなければ、だれが悪いしゃ、これがいいじゃ、というような話になってくる。極端なこと言ったら、長い間政治の場に携わった自民党と社会党が悪いだろうと思いますけれども、要するに日本の国全体の戦後五十年間の政府の問題だろうと私は思っているんです。そういう意味で私は、新しい国づくりといいますか、それをみんなで考えなきゃいけない絶対のチャンスを神様が与えてくれたんじゃないかというふうなことすら思うんです。
 しかし、それにつけても、今度実際に被害が起こった方々のいろんな状況を聞きますと、例えばあの地区では自治体の職員、これは知事さんからまさに現場の職員に至るまで、あるいは警察、消防、まして現地の自衛隊の皆さん、さらには学校の職員、ありとあらゆる者がその場でみんな立ち上がって本当に懸命に取り組んでいるんですね。しかし、懸命に取り組んでいるということに対しての位置づけをそのままほっておいたんではどうにもならない。なぜそれが機能し得ないかということを考えないといけない。となると、そういうことを総合的に反省するのはどこなんだろうと思うと、やっぱりこれは建設省に重要なこれからの課題があるんだろうと思うんです。
 そういう意味で、私が申し上げたいのは、例えば今度の場合でも学校が随分避難所として役立った。それらの学校の中に防火水槽というものがあることはあるんですよ。しかし、それは本当に全面的にその地区に対して供給し得るまでのことを準備したんだろうか。公民館もあるんです、公共施設のもの。そういうことを含めて考えますと、単に省庁の縄張りを超えて、あらゆる省庁との関連の中で防災という観点から、学校をつくるにしても、文部省とも話をしなきゃいけないと思うんです。自治省とも話をしなきゃいけない。各省庁全部関連した横断的なそういうことを考えなきゃいけない問題が一つありはせぬかと、こんなことを思います。
 そういう意味で、これは戦争に負けてみんな食べ物もない、どうしたらいいかと考えて、これはやっぱり農業をちゃんと守らなきゃいかぬというので農林省が中心になって物すごい勢いでやって、そして今もう土地改良、農地改良はほとんど済んでおるんです。ところが、住宅改良、都市改良というのはできていないわけです。だから、そういう意味でいったらこれはまさに新しい立場に立った契機に現在なっているというふうに思えてならないわけです。
 ひとつぜひ、一番そういうことに対して責任を負うべき役割を持っている建設省が従来のあれにこだわらずにいろんなビジョンを出していただきたい、こういうことを要望して私の質問を終わりたいと思います。どうも御苦労さまでございます。
#182
○委員長(合馬敬君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#183
○委員長(合馬敬君) 御異議ないと認めます。
 それでは、これより討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
#184
○上田耕一郎君 私は、日本共産党を代表して、被災市街地復興特別措置法案と都市再開発法等の一部を改正する法律案に反対の討論を行います。
 被災市街地復興特別措置法案は、被災市街地復興推進地域を都市計画で決定し、建築行為等に二年以内の制限をかけるとともに、被災市街地復興土地区画整理事業の特例を設けることなどを内容とする恒久立法法案であります。阪神大震災の被災地復興が急務であることは言うまでもありませんが、被災地復興を進める上で最も大事なことは、住民が主人公の立場を貫き、事業の計画から実施に至るすべての段階で住民の参加と合意を保障することです。ところが本法案は、「地域住民」「の理解と協力を得るよう努めなければならない。」とうたっているだけで、従来の都市計画決定手続をそのまま踏襲し、住民の意向の反映を保障する規定は全くありません。これでは上からの再開発計画などの押しつけて、住民の排除を一層加速するおそれが大きいと指摘せざるを得ません。
 本法案は土地区画整理事業などの事業手法で市街地復興を行おうとしていますが、それは減歩で公共施設用地や事業費を生み出すことを基本とした制度です。新設された住宅給付も清算金のがわりに給付するものにすぎず、零細な土地所有者の犠牲を緩和するものではありません。政府に重大な責任がある大震災で家財を失い、生活のめどさえ立たない被災住民に対して、個人補償を拒否するばかりか、復興の事業費や公共施設用地まで負担させるやり方は、やさしい政治とは正反対の過酷きわまりないものであります。
 こうしたやり方ではなく、住民参加と合意を貫きながら、住民生活の再建を基本にした防災都市づくりを国と自治体の負担で行うよう、強く求めるものです。
 なお、公営住宅入居資格の特例措置は当然ですが、三年間の期限終了後の住まいに困ることがないよう万全の措置を講ずるよう要望しておきます。
 都市再開発法等の一部を改正する法律案は、大都市の都心部の住宅供給を促進することを大義名分にして、市街地再開発事業の施行区域等の要件緩和や前面道路幅員による容積率制限、道路斜線制限の緩和などを行うものであります。
 市街地再開発事業は、多くの場合大企業本位の都市改造を行い、従前の住民を追い出す結果となっており、こうした事業をさらに拡大しようとする要件緩和には反対です。また、スポット的な規制緩和の乱発は、都市計画制度の根幹である用途地域制度を掘り崩すおそれがあり、大変問題があります。都心部の遊休地などは自治体が適切な価格で買収し、公共賃貸住宅の用地などに活用すべきであり、また耐火建築物比率の緩和の理由にされている震災焼失地については、従来型の再開発ではなく、被災住民に負担を負わせない新たな手法を創設すべきです。
 道路幅員による容積率制限や斜線制限の緩和は、一定の要件を満たすものに限定されていますが、新たに位置づけられた町並み誘導型地区計画の区域においてはこれらの規制を全廃することとなっています。それ以外の地域における同制度の部分的な緩和は、住宅系用途地域に限定されていますが、これらの緩和措置の恩恵を主として受けるのは道路沿いの店舗や事務所ビルであり、大都市の過密をさらに激化させ、都市の環境を一層悪化させるものであり、認めることはできません。
 建築協定制度の拡充の部分については賛成でありますが、以上のような重大な問題がある法案なので、全体として反対することを表明して、私の討論を終わります。
#185
○委員長(合馬敬君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。
 これより採決に入ります。
 まず、大都市地域における住宅及び住宅地の供給の促進に関する特別措置法の一部を改正する法律案の採決を行います。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#186
○委員長(合馬敬君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 次に、都市再開発法等の一部を改正する法律案の採決を行います。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#187
○委員長(合馬敬君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 次に、被災市街地復興特別措置法案の採決を行います。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#188
○委員長(合馬敬君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 この際、山田君から発言を求められておりますので、これを許します。山田勇君。
#189
○山田勇君 私は、ただいま可決されました被災市街地復興特別措置法案に対し、自由民主党、日本社会党・護憲民主連合、平成会、新緑風会及び新党・護憲リベラル・市民連合の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
 被災市街地復興特別措置法案に対する附帯決議(案)
 政府は、本法の施行に当たり、次の諸点について適切な措置を講じ、その運用について遺憾なきを期すべきである。
 一、阪神地域及び淡路地域の市街地の復興に当たっては、長期的観点に立って、防災性の高い良好なまちづくりを行うことを最重点の課題とするとともに、本法の迅速かつ最大限の活用が図られるよう、国としても、地方公共団体の創意を基本としつつ、万全の支援に努めること。
 二、阪神地域及び淡路地域の被災者の生活再建にとって住宅の確保は最も重要であることにかんがみ、公営住宅の入居の特例等にとどまらず、被災者の住宅確保のための措置を積極的に講ずること。
 三、阪神地域及び淡路地域の被災者の早急な生活再建と市街地の一刻も早い本格的復興が図られるよう、万全の支援に努めること。
 四、今回の被災を教訓とし、各都市における防父性の高いまちづくりに向けて、関係の諸施策を総合的かつ積極的に推進すること。
 右決議する。
 以上であります。
#190
○委員長(合馬敬君) ただいま山田君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#191
○委員長(合馬敬君) 多数と認めます。よって、山田君提出の附帯決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 この際、建設大臣から発言を求められておりますので、これを許します。野坂建設大臣。
#192
○国務大臣(野坂浩賢君) 大都市地域における住宅及び住宅地の供給の促進に関する特別措置法の一部を改正する法律案、都市再開発法等の一部を改正する法律案及び被災市街地復興特別措置法案につきましては、本委員会におかれまして熱心な御討議をいただき、ただいま可決されましたことに深く敬意を払い、感謝を申し上げます。
 今後、審議中における委員各位の御高見や、ただいま議決になりました附帯決議の趣旨を十分に尊重してまいる所存でございます。
 ここに、委員長初め委員各位の御指導、御協力に対し深く感謝の意を表し、ごあいさつといたします。
 どうもありがとうございました。
#193
○委員長(合馬敬君) なお、三案の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#194
○委員長(合馬敬君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後五時一分散会
ソース: 国立国会図書館
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