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1995/03/17 第132回国会 参議院 参議院会議録情報 第132回国会 建設委員会 第7号
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1995/03/17 第132回国会 参議院

参議院会議録情報 第132回国会 建設委員会 第7号

#1
第132回国会 建設委員会 第7号
平成七年三月十七日(金曜日)
  午前十時一分開会
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         合馬  敬君
    理 事
                上野 公成君
                吉川  博君
                三上 隆雄君
                矢原 秀男君
    委 員
                遠藤  要君
                太田 豊秋君
                永田 良雄君
                松谷蒼一郎君
                青木 薪次君
                小川 仁一君
                佐藤 三吾君
                山本 正和君
                片上 公人君
                広中和歌子君
                磯村  修君
                上田耕一郎君
                西野 康雄君
   衆議院議員
       建設委員長    遠藤 和良君
   国務大臣
       建 設 大 臣  野坂 浩賢君
       国 務 大 臣
       (北海道開発庁
       長官)
       (国土庁長官)  小澤  潔君
   政府委員
       北海道開発庁総
       務監理官     加藤  昭君
       北海道開発庁計
       画監理官     木元 喬之君
       国土庁長官官房
       長        三井 康壽君
       国土庁長官官房
       審議官      西川 一誠君
       国土庁計画・調
       整局長      糠谷 真平君
       国土庁大都市圏
       整備局長     荒田  建君
       国土庁地方振興
       局長       松本 英昭君
       建設大臣官房長  伴   襄君
       建設大臣官房総
       務審議官     原  隆之君
       建設大臣官房技
       術審議官     尾田 栄章君
       建設省建設経済
       局長       小野 邦久君
       建設省都市局長  近藤 茂夫君
       建設省河川局長  豊田 高司君
       建設省道路局長  藤川 寛之君
       建設省住宅局長  梅野捷一郎君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        駒澤 一夫君
   説明員
       法務省大臣官房
       営繕課長     小峰  信君
       文部省大臣官房
       文教施設部指導
       課長       原山 明宗君
       厚生省社会・援
       護局保護課長   松尾 武昌君
       資源エネルギー
       庁公益事業部技
       術課長      杉原  誠君
       郵政省大臣官房
       建設部設計課長  田代 純司君
       建設省大臣官房
       官庁営繕部長   照井 進一君
   参考人
       住宅金融公庫総
       裁        高橋  進君
       北海道東北開発
       公庫総裁     宍倉 宗夫君
       北海道東北開発
       公庫総務部長   工藤 豊彦君
       住宅・都市整備
       公団理事     青柳 幸人君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○参考人の出席要求に関する件
○平成七年度一般会計予算(内閣提出、衆議院送
 付)、平成七年度特別会計予算(内閣提出、衆
 議院送付)、平成七年度政府関係機関予算)内
 閣提出、衆議院送付)について
 (総理府所管(北海道開発庁、国土庁)、建設
 省所管、住宅金融公庫及び北海道東北開発公庫
 )
○住宅金融公庫法及び北海道防寒住宅建設等促進
 法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院
 送付)
○電線共同溝の整備等に関する特別措置法案(内
 閣提出、衆議院送付)
○半島振興法の一部を改正する法律案(衆議院提
 出)
○河川法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆
 議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(合馬敬君) ただいまから建設委員会を開会いたします。
 去る三月十四日、予算委員会から、本日一日間、平成七年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、建設省所管、総理府所管のうち国土庁、北海道開発庁並びに住宅金融公庫、北海道東北開発公庫についての審査の委嘱がありました。
 この際、本件を議題といたします。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(合馬敬君) まず、参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 委嘱審査のため、本日、住宅金融公庫、北海道東北開発公庫及び住宅・都市整備公団の役職員をそれぞれ参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(合馬敬君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#5
○委員長(合馬敬君) 予算の概要について政府から説明を聴取いたします。建設大臣野坂浩賢君。
#6
○国務大臣(野坂浩賢君) 建設省関係の平成七年度予算について、その概要を御説明いたします。
 建設省関係の一般会計予算は、建設省に移しかえを予定されている総理府所管予算を合わせ、歳出六兆四千二百六十二億五千万円余を予定しております。
 うち一般公共事業費は、六兆二千八百二十一億八千七百万円であり、その内訳は、道路整備二兆五千八百六十五億四千七百万円、治山治水一兆二千七百三億二千五百万円、公園一千五百六十六億三千四百万円、下水道一兆一千百八億四千九百万円、住宅対策一兆一千六十五億一千五百万円、市街地整備五百十三億一千七百万円となっております。
 次に、特別会計予算について御説明いたします。
 まず、道路整備特別会計では、歳入歳出とも五兆一千八百四十七億三千六百万円余を予定いたしておりますが、歳入については、前年度に引き続き揮発油税収入の一部直接組み入れを行うことといたしております。
 また、治水特別会計では、歳入歳出とも一兆六千六百四億二千百万円余を、都市開発資金融通特別会計では、歳入歳出とも二千四百五十一億一千九百万円余をそれぞれ予定いたしております。
 次に、特定国有財産整備特別会計のうち、建設省所掌分は、歳出四百五十四億九千八百万円余を予定いたしております。
 なお、建設省関係のNTT株式売り払い収入の活用による収益回収型の無利子貸付金は、歳出九百四十九億七千四百万円を予定いたしております。
 建設省といたしましては、以上の予算によりまして、住宅宅地対策及び市街地整備、都市対策、治山治水、道路整備等国土の均衡ある発展と国民生活の質の充実のため不可欠な諸施策を的確に推進してまいる所存であります。
 特に、平成七年度におきましては、一、高規格幹線道路網の整備等による全国的な交流ネットワークの形成の推進、二、ウルグアイ・ラウンド農業合意関連対策大綱に基づく農業農村地域の整備を含む活力ある地域づくりの推進、三、都心居住の促進のための住宅市街地整備や地方定住促進のための住宅宅地供給等、住宅宅地対策の拡充、四、緑サンサングリーンプランによる緑と水辺づくりや高齢者、障害者に優しい住宅供給、町づくり等快適な生活環境整備の推進、五、情報ハイウエーの整備等情報基盤整備の推進に重点を置いて総合的な施策の推進を図ることといたしております。
 次に、事業別の重要施策の概要について御説明申し上げます。
 第一は、住宅宅地対策及び市街地整備であります。
 まず、住宅対策については、第六期住宅建設五カ年計画に基づき、生活者重視の視点から、良質な住宅供給の促進による居住水準の着実な向上を基本として、公庫住宅、公営住宅及び特定優良賃貸住宅、公団住宅等建設省所管住宅合計七十六万七千五十戸の供給を行うとともに、関連公共施設の整備等良好な住環境の形成のための施策を推進することといたしております。
 また、宅地対策については、住宅・都市整備公団等の公的機関による宅地開発事業の計画的な推進、住宅金融公庫融資による優良な民間宅地開発の推進等を図ることといたしております。
 さらに、市街地整備については、良好な環境を有する市街地の形成を図るため、優良な建築物と居住環境の整備を積極的に推進することといたしております。
 特に、平成七年度においては、都心居住の促進のための良質な住宅の供給、高齢者、障害者に優しい住宅の供給、地方定住を促進するための住宅宅地供給等を積極的に推進することといたしております。
 第二は、都市対策であります。
 全国的な都市化の進展に対処し、経済力に見合った真に豊かな国民生活が享受できる社会の実現を図るため、下水道、公園、街路、都市高速道路等の都市基盤施設を計画的に整備するとともに、民間活力を活用しつつ市街地再開発事業、土地区画整理事業等により都市開発を一層推進するほか、地区計画等を活用した美しい町並みづくりのための事業を推進することといたしております。
 特に、平成七年度においては、立ちおくれている町村部の下水道整備の推進や緑サンサングリーンプランによる都市の緑の総合的な保全、創出、都心居住に資する市街地整備等を積極的に推進することといたしております。
 第三は、治山治水であります。
 まず、治水対策及び水資源開発については、水害、土砂災害や渇水被害の頻発に対処して、真に豊かさを実感でき、安全で快適な質の高い生活環境を実現するため、河川、ダム、砂防等の事業と水資源の開発を推進することといたしております。
 特に、平成七年度においては、慢性的な床上浸水被害の解消や渇水頻発地域における水資源開発の促進、河川、湖沼の水質浄化事業等を強力に推進することといたしております。
 また、海岸保全対策について、高潮等に対する海岸域の保全と海岸環境の整備を図るための事業を推進するとともに、急傾斜地崩壊対策等については、頻発する急傾斜地の崩壊等による災害に対処するための急傾斜地崩壊対策事業及び雪崩対策事業を推進することといたしております。
 第四は、災害復旧であります。
 災害復旧については、被災した河川、道路等の早期復旧等を図ることといたしております。
 第五は、道路整備であります。
 道路整備については、第十一次道路整備五カ年計画の第三年度として、緊急かつ計画的な道路整備を推進することといたしております。
 特に、平成七年度においては、全国的な交流ネットワークの形成のための高規格幹線道路網の計画的な整備、情報ハイウェーの整備とそれに伴う電線類の地中化のほか、活力ある地域づくりのための地域高規格道路の整備を推進することといたしております。
 また、立体交差化等による交通渋滞の解消、高齢者、障害者等に配慮した幅の広い歩道の整備等身近な生活基盤整備のほか、住宅宅地関連道路の整備等の一層の推進を図ることといたしております。
 第六は、官庁営繕であります。
 官庁営繕については、合同庁舎等の建設を実施することといたしておりますが、特に、平成七年度においては、身障者用エレベーターやスロープの整備等高齢者、障害者に優しい官庁施設整備を推進することといたしております。
 引き続きまして、政府関係機関である住宅金融公庫の平成七年度予算の概要を御説明いたします。
 住宅金融公庫の収入支出予算は、収入三兆七千六十二億三千九百万円余、支出三兆八千五百七十九億一千百万円余を予定し、住宅六十三万戸等について総額十兆四千百九十七億一千万円の貸付契約を行うことといたしております。
 以上をもちまして、平成七年度の建設省関係の一般会計予算及び特別会計予算並びに住宅金融公庫予算の説明を終わります。
 よろしく御審議のほどをお願いいたします。
 以上であります。
#7
○委員長(合馬敬君) 次に、国土庁長官小澤潔君。
#8
○国務大臣(小澤潔君) 総理府所管のうち、国土庁の平成七年度予算について、その概要保を御説明いたします。
 国土庁の一般会計歳出予算は、三千四百五十九億六千五百万円余を予定いたしております。
 また、大蔵省所管の産業投資特別会計に計上の日本電信電話株式会社の株式の売払収入の活用による社会資本の整備の促進に関する特別措置法に該当する事業のうち、国土庁に係る無利子貸付金について、歳出一千七百万円を予定いたしております。
 次に、平成七年度予算の重点について御説明いたします。
 第一に、国土計画の推進についてであります。
 我が国を取り巻く環境の大きな変化に対応し、来るべき二十一世紀にふさわしい国土づくりの指針を示すため、新しい全国総合開発計画の策定作業の推進等を行うこととし、予算額十一億四千四百万円余を予定いたしております。
 また、国土総合開発事業調整費により、公共事業の一層効率的かつ整合的な執行を図るとともに、活力と特色のある地域づくりを推進することとし、予算額百四十七億六千四百万円余を予定いたしております。
 第二に、総合的土地対策の推進についてであります。
 利用価値に相応した適正な地価水準の実現と適正かつ合理的な土地利用の確保を図るため、土地の有効利用の促進、土地情報の総合的整備及び国土利用計画法の的確な運用を図ることとし、予算額六十一億九千九百万円余を予定いたしております。
 また、地価公示等を引き続き着実に実施することとし、予算額四十四億五千万円余を予定いたしております。さらに、第四次国土調査事業十カ年計画に基づき、地籍調査等の国土調査を推進することとし、予算額百十七億八千六百万円余を予定いたしております。
 第三に、総合的な水資源対策の推進についてであります。
 昨年からの渇水にもかんがみ、良質な水資源の安定的確保を図るため、全国総合水資源計画等に沿い、水資源開発の推進、水資源の有効利用の促進等総合的な水資源対策を積極的に推進することとし、予算額八百四十九億五千八百万円余を予定いたしております。
 なお、水資源開発公団については、前述の予算額のうちの八百四十五億一千三百万円余の補助金等と財政投融資資金等と合わせて三千七百四十五億二千四百万円余の資金により、ダム、用水路の建設事業等を計画的に促進することといたしております。
 第四に、大都市圏整備の推進についてであります。
 大都市圏の整備と秩序ある発展を図るため、大都市圏に係る整備計画の策定に向けた総合的検討を進めるとともに、首都機能及び国の行政機関等の移転に関する調査、検討を積極的に推進するほか、都心居住の推進、業務核都市の整備、大阪湾臨海地域の開発整備、筑波研究学園都市の育成整備、関西文化学術研究都市の建設、琵琶湖総合開発計画の推進等を図ることとし、予算額八億三千九百万円余を予定いたしております。
 第五に、地方振興の推進についてであります。
 まず、人口の地方定住と多極分散型国土の形成を図るため、地方拠点都市地域の整備や多様なリゾートの整備を初め、中山間地域の活性化、個性豊かな魅力ある地域づくりを進めるなど総合的な施策を推進するとともに、大都市住民の地方回帰をさらに促すこととし、予算額十六億四千七百万円余を予定いたしております。
 次に、立地条件に恵まれない半島、過疎、山村、豪雪地帯、離島等の生活環境整備、産業振興のための諸施策等を引き続き推進することとし、予算額二千百十億五百万円余を予定いたしております。
 第六に、災害対策の推進についてであります。
 雲仙岳噴火災害、北海道南西沖地震災害、三陸はるか沖地震災害等に加え、このたびは阪神・淡路大震災が関西地方に大きな被害をもたらしたところでありますが、震災対策の強化を初め、活動火山対策の推進、防災情報収集・伝達システムの充実強化、防災に関する国際協力の推進等災害対策の総合的な推進を図ることとし、予算額十三億三千三百万円余を予定いたしております。
 第七に、地域振興整備公団の事業についてであります。
 地域振興整備公団については、十四億七千九百万円の国の一般会計補給金と財政投融資資金等と合わせて千七百二十九億三千三百万円の資金により、人口及び産業の地方への分散と地域の開発発展に寄与するため、地方都市の開発整備、工業の再配置、地域産業の高度化、地方拠点都市地域の整備、産業業務施設の再配置及び産炭地域の振興のための事業を引き続き実施することといたしております。
 以上をもちまして、平成七年度の国土庁予算の概要説明を終わります。
 よろしく御審議のほどお願いいたします。
#9
○委員長(合馬敬君) 次に、北海道開発庁長官小澤潔君。
#10
○国務大臣(小澤潔君) 平成七年度の北海道開発予算について、その概要を御説明申し上げます。
 平成七年度総理府所管一般会計予算のうち、北海道開発庁に計上いたしました予算額は、歳出九千六百二十二億一千五百万円、国庫債務負担行為三百九十億四千四百万円であります。
 次に、これら歳出予算の主な経費につきまして、その大略を御説明申し上げます。
 第一に、国土保全及び水資源開発事業の経費に充てるため、予算額一千六百八十五億九千八百万円を予定いたしております。
 これは、石狩川等の重要水系や災害多発地域の中小河川及び都市河川に重点を置いた河川の整備を初め、洪水調節及び今後の水需要の増大に対処する多目的ダムの建設、火山砂防事業、都市対策砂防事業及び急傾斜地崩壊対策事業等の治水事業を推進するほか、森林の公益的機能の拡充強化を図るための治山事業、並びに高潮・侵食対策等の海岸事業を推進するための経費であります。
 第二に、道路整備事業の経費に充てるため、予算額三千三百二十九億五千八百万円を予定いたしております。
 これは、交通体系の基軸となる高規格幹線道路から国道、地方道に至る道路網の体系的、総合的な整備を推進するほか、交通安全施設等の整備事業、雪寒地域道路事業、さらには、都市周辺のバイパス、連続立体交差、街路及び土地区画整理等の事業を推進するための経費であります。
 第三に、港湾・空港の整備事業の経費に充てるため、予算額六百九十三億一千五百万円を予定いたしております。
 これは、室蘭港及び苫小牧港の特定重要港湾、石狩湾新港その他の重要港湾の整備を進めるとともに、地域開発の拠点となる地方港湾の整備を推進するための経費、並びに新千歳空港のB滑走路の整備、函館空港その他の空港の整備を推進するための経費であります。
 第四に、生活環境施設の整備事業の経費に充てるため、予算額一千百七十九億七千九百万円を予定いたしております。
 これは、公営住宅等の建設及び関連公共施設の整備を推進するための経費、並びに下水道、環境衛生施設及び都市公園の整備を推進するための経費であります。
 第五に、農林水産業の基盤整備事業の経費に充てるため、予算額二千五百五十六億五千百万円を予定いたしております。
 これは、ウルグアイ・ラウンド農業合意に伴う新たな国際環境に対応した多様で生産性の高い農業への速やかな展開を図るための農業生産基盤整備事業及び農村地域の生活環境の改善を図る農村整備事業等の農業農村整備事業、水産業の振興を図るための基盤となる漁港漁村整備及び沿岸漁場整備開発事業、並びに豊かな森林資源を維持培養するとともに森林の総合利用基盤を整備する造林及び林道事業を推進するための経費であります。
 引き続き、平成七年度の北海道東北開発公庫予算について、その概要を御説明申し上げます。
 北海道東北開発公庫は、北海道及び東北地方における産業の振興開発を促進するため、民間金融機関と協調して良質な産業資金を供給することを業務といたしております。
 北海道東北開発公庫の平成七年度予算は、出融資枠二千五百四十六億円であります。
 これらの原資といたしましては、政府出資金二十六億円、政府借入金七百九十四億円、債券発行による収入一千百十四億円を予定し、残りの六百十二億円は、外債二百億円の発行を含む自己資金等で調達することといたしております。
 また、特別金利貸し付けにつきましては、北海道及び東北地方における産業空洞化対策や新産業創出支援のための制度を拡充するほか、無利子貸し付けにつきましても対象事業の拡大を図るなど、公庫の出融資機能を拡充することといたしております。
 以上をもちまして、平成七年度の北海道開発庁予算並びに北海道東北開発公庫予算の説明を終わります。
 よろしく御審議のほどお願いいたします。
#11
○委員長(合馬敬君) 以上で政府からの説明の聴取は終わりました。
 これより質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#12
○上野公成君 私は、自由民主党を代表いたしまして、まず質問をさせていただきたいと思います。
 最初に、発注の問題について御質問させていただきたいと思います。
 最近、地元に帰りますと、地元の業者が仕事が大変とりにくくなった、そういうことを本当に耳にすることがどんどん多くなっているわけでございます、これはほかの先生方も同じじゃないかと思いますけれども。
 そこで、平成七年度の建設省の重点施策を読ませていただきますと、公共工事を発注する際の中小建設業者の受注機会の確保方策云々と、こう書いてありまして、中小建設業の育成も大変大きな柱になっておりますし、受注機会の確保についても施策の中に入っているわけでございますけれども、具体的にどんな施策を講じているか、まず最初にお尋ねしたいと思います。
#13
○政府委員(伴襄君) 中小建設業者の受注機会の確保というのは大変大事な事柄でございまして、たび重なる通達等でも何度か申し上げておるわけでありますが、特に最近では中央建設業審議会でもこの問題を取り上げまして、もちろん一般的に入札・契約制度あるいは建設業関係のいろんな事柄を提言、建議されたわけでありますけれども、その中でも中小建設業者の受注機会の確保ということで、ランク別の発注標準の遵守だとか、あるいは工事の態様に応じた分離発注を引き続き推進しろ、それから発注標準の一層の適正化を図れというようなことが求められてございます。
 建設省も特に、御案内のとおり、官公需について中小企業者の受注の確保に関する法律がございます。これで毎年度閣議決定いたしまして、中小建設業者の受注機会を確保しようということで目標を決めまして、それに対して到達するように努力しているわけでございまして、そのためにも発注標準の遵守だとか分割発注だとか、あるいはジョイントベンチャーでも特に経常建設共同企業体と言っております恒常的な企業体の適正な活用をして、極力地元建設業者等中小建設業者の受注機会の確保に努めてもらいたいというようなことを申し上げているわけでございます。
 それから、具体の例えは指名でございますが、指名に当たりましても、これは指名基準はございますが、その中にございますように、工事について地理的条件を十分に勘案して選定するようにというのがございますので、地理的に見てその工事を施工するのにふさわしい業者があればそれを活用するということに努めておりまして、先ほどの中小建設業者の受注目標を設定しておりますが、建設省直轄工事も、ほかに比べて高いところを目標値にいたしまして、ほぼ目標に達しているというような実績は今のところ挙げているところでございます。
#14
○上野公成君 この発注に関しましては、入札制度を今官房長がお話しになったとおり変更したわけですね。この変更したことも地方の建設業者に仕事が回らないということに結果的になった。それからまた、特に昨年は何度も補正を組みまして公共事業が大分ふえたわけでございますが、発注の作業が事務的に大変だということかと思いますけれども、一件当たりの発注量がふえて、結局大手の方にシフトしている。そういう結果が現実にはあるわけです。
 そこで、まず入札制度を変えた方から質問させていただきますけれども、建設省の発注する工事、発注金額別の発注方式と業者のランクと、それから都道府県の発注する工事のランクと、これはわかれば、後ろの方は建設省の方でわからなければ結構でございますから、建設省の分だけでも、わかれば両方ちょっと教えていただきたい。
#15
○政府委員(伴襄君) 発注金額別の業者ランクとか発注方式でございますが、工事種別ごとに建設省でも入札参加者を等級において区分いたしまして、等級別に発注標準を定めております。
 例えば、建設省の場合を申し上げると、平成五年、六年度の一般土木工事につきましては、これをそれぞれある額引き上げまして五段階に分けまして、例えば土木の例で申し上げますと、AからEまであるわけでございます。A等級は五億円以上の工事につきまして発注するグループだと。それから、Bが二億から五億の間ですね、五億円未満二億以上。それから、Cが二億未満五千万以上。Dが五千万未満千七百万以上。それから、Eが千七百万未満というようなことでございまして、これは工事の種別によって建築がまた少し違っておりますし、設備が違うというふうなことになっております。
 それから、これは発注者によってそれぞれ違いまして、規模にもよりますが、特に公団等につきましては、例えば大規模な道路公団等につきましてはかなり発注のロットが大きくなるということがございまして、この区切りがまた違います。それから、地方の方は、これは多分一般的に申し上げたあれでございますが、かなりAランクというのでしょうか、そこのランクを大きくいたしまして、最低基準を下げているということが一般的に言えると思います。
#16
○上野公成君 ちょっときのう群馬県に聞いてみたんですけれども、群馬県では七億から二十億は単独で県内のAの業者を指名している。Aの業者が五十六社あるそうです、群馬県内に。ところが、国の工事を例えば群馬県内でやるときにはとても入れない。もう中央の大手ばかりだと。これは少しおかしいんじゃないかと思うんですよ。
 そこで、なぜそういうことが起こっていいのか。国の方の工事はその施工能力は高くなきゃいけないのか。さもないとすれば、国も補助金を地方に出しているわけですから、補助金を出した地方の工事はもう少しランクの低い施工能力のない業者でいいのか。こういうことになるわけで、どう見ても説明がつかないんじゃないかと思うんですけれども、まずこの差があるということをお認めになるかどうかということを一つ伺って、差があるのがいいと思っておられるかどうかということを、一一つ聞いておきたいと思います。
#17
○政府委員(伴襄君) 今おっしゃった七億以上というのはちょっとあれなんですが、さっき申し上げましたように、Aランクは土木の場合は五億以上でございますし、それから建築なら五億五千万以上になっております。それで、恐らくおっしゃったのは一般競争とそれからそれ以外のところは七億三千万以上でございますから、七億三千万以上のものは一般競争をやる、こういうことになるんです。
 したがって、本当を言うと、先ほどちょっとお話があったように、契約方式が変わることの影響があるかという点でございますけれども、五億以上がAランク業者で、例えば建設省の例で言いますと、一番大きな地建である関東地建で三十業者ぐらいがAランクなんです。したがって、今までも五億以上の工事についてはこの三十の業者がやっていたと、こういうことになるわけです。それが今度一般競争で七億三千万というと、当然そのAランクの業者がやるわけでございますので、結果はそう変わらないというふうに思っております。
#18
○上野公成君 表はそうなんですけれども、ジョイントベンチャーの工事が、これは三十億以上しかジョイントベンチャーはとらない。今まではジョイントベンチャーがもう少し低かったわけですから、ですからそこに入れたわけですね。そこに大手と地元の業者の共存ということがあったわけですけれども、三十億以上しかジョイントベンチャーを入れないということによって地元の業者が全部排除される、こういう結果になったので言ったわけですよ。そういう質問をしているんです。
#19
○政府委員(伴襄君) ジョイントベンチャーの、これは直轄の例だけ申し上げると、三十億以上の大きな工事につきまして地元業者までやって組み合わせているというのは最近はやっていないと思っておりますが……
#20
○上野公成君 いや、組み合わせていればいいんですよ。組み合わせていないから。
#21
○政府委員(伴襄君) ですから、ジョイントベンチャーの考え方としましては、やっぱりそういうなるべく単独発注が望ましい、特に大規模な工事ですよ、大規模な工事は単独発注が望ましいというようなことと、それから業者数も少なくしろということでやっておりますが、その組み合わせはいずれにいたしましても地元の中小企業の建設業者の方が中に入るような、そういう大規模な話ではないわけですから、それ自体は変わっていないんじゃないかというふうに思っております。
 それからもう一点……
#22
○上野公成君 そうじゃないんです。
 それは全く官房長がそういう認識だと本当に困るんですよ。よく現地調査、まず大臣が恐らく、建設大臣をしておられるわけですから、地元の業者からそういう声も随分お聞きになっているんじゃないかと思うんです。ですから、まず大臣にもよくお聞きになっていただくし、ここに建設委員が大勢いますけれども、恐らく皆さん同様にそういう要望を出されているんじゃないかと思うので、そういうような認識だとすればこれは引き続いて私は何度でもやりますから、ぜひよく調査をして、それで調査をした段階でまたやらせていただきたいと思います。
 そこで、地建だとか事務所へ行きますと、これは本省でこういうふうに決めているからしょうがないんだ、こう言うんですよ。だから、悪いのは本省だと。だから、今のところは最大の容疑者ですからね、もし事実だとすれば。
 事実を余り認めておられないので、ちょっと私の観点も入れようと思うんですけれども、やはり中小建設業者の育成というのは重点施策にもちゃんと書いてあるわけですからね、毎年毎年書いてある。さっき言ったのは何かお経を聞いているようでわからないんですよ、どういう事実だというのがね。結局、発注標準とかといっても具体的に幾つから幾つしているということがないわけだから、何もわからない。そこで、やはり書いている以上はお題目じゃなくてきちっとしていただくということが大事じゃないか。
 例えば、単独で発注する中にも、先ほど言ったような例だと、地元群馬県で言うと五十何社も入れるわけですからね。ですから、やっぱり地元は配慮するということを官房長は最初に言われたけれども、全然実際は配慮していないんです。だから、そういうことをするなり、あるいは補助事業としてやっている県の発注、市の発注の工事のランクと、国が直轄しているランクとが同じでいいということはないんだから、どうもさっきあれしても余り明快な納得できるようなお答えではなかったと思うんです。
 そこで、余りこれ以上聞いてもしょうがないので、大臣、今までお聞きになっていますし、御地元でもいろんな声をお聞きになっていると思うんですけれども、やはり中小建設業者の育成という観点から改善すべきじゃないでしょうか。大臣の御見解をお願いします。
#23
○政府委員(伴襄君) それぞれの実態いろいろございますと思いますが、私ども少なくとも把握しているところでは、県の直轄のことをおっしゃっておられるならば、新しい制度になってからそんなに変わっていないというふうに思っております。特に、ロットが大きいとかなんとかというのは、それは例えば本局発注の工事なんかではあるかもしれませんが、事務所単位で、事務所段階でやるようなものはむしろ小さくなっているというのはもう統計数字に出ていますし、実際に地元にとっては率としては高いんです。
 ただ、私が気にしているのは、ちょっと先生もおっしゃったように、前年度は三次補正まであったわけですね。ところが今回は補正がない。しかも予算がおくれたために発注がおくれているわけです。今の時点で切っていえば、三月発注というものがまだ残っておりますので、要するに全体のパイというんでしょうか、全体の発注量が少ないというところがあるのかなというふうに思いますので、ちょっとその辺だけ補足させていただきます。
#24
○上野公成君 入札制度が変わったというところに逃げ込んでこう言っているんだけれども、従来からそうなんですよ、発注制度が。だから、国が発注するものと県や市が発注するものと違うんですよ。だからそれが少し悪くなっているんです、ジョイントベンチャーとか何かの活用ができなくなっているから。
 それは後であれしますけれども、大臣から。
#25
○国務大臣(野坂浩賢君) 上野先生にお答えをいたします。
 皆さん建設行政については非常にベテランでありますから、私は多くを申し上げる必要はないと思いますが、この建設業界は中小零細企業が約九九%、これが支えておると言ってもいいわけでありますが、発注業務についてやっぱり平準化が必要であるということが言われてまいりました。したがいまして、私どもも六月ごろから発注をするというようなことでは、肝心な四月、五月、六月というところで遊んでしまうということでは積雪地帯等は困る。したがって、ことしは思い切って九千七百億に及ぶところのゼロ国債を発行する、こういうことが一つでありました。
 特に、委員会等でゼネコン汚職が非常に問題になりましたので、このゼネコン汚職は発注といわゆる受注者と襟をどうやって正すかということが一番基本である。しかし、我々としては談合がしにくいようなシステムをつくっていかなきゃならぬ、ここに重点を置きました。したがいまして、一般競争入札方式あるいは透明性のある指名競争入札、こういうところに重点を置いてなくするように努めていかなければ、国民の信頼を得ることはできぬだろう。しかも、税金を使ってやるというようなことになれば、さらに我々としてはこの建設費の縮減についても努めていかなきゃならぬ、これが二点目です。
 三点目は、確かに大手がほとんど中央に仕事がないために地方におりてくる。だんだん侵食されると中小企業は立つ瀬がない。地元育成ということは、声はかかるけれども実態がないという指摘があるだろうと思っております。
 そこで、ジョイントベンチャーというのをお話があるようにやらなければならない。ジョイントベンチャーをやって中小企業が技術力の向上を図って、そして一人でできるような体制をつくっていくのが一つの育成の方法ではなかろうか。しかし、名前は貸すけれども、仕事はせず配当だけをもらっていくというようなジョイントベンチャーでは全く意味がない。こういうことは強く我々は指摘をして直すように承知をしておるところであります。
 したがって、今度の今お話がありました大手独占方式というのはやめなきゃならぬ。すべて競争入札、一般競争入札でやると、オープンだということになれば、強い者がすべてをとっていって中小企業は干上がるということは理の当然でありますから、どうやって育成するか、そして技術の向上を図っていくかということになれば、大きな仕事はジョイントベンチャーということになって、技術を磨いて、そして向上を図っていかなきゃならぬ、こういうふうに思っております。
 あるいは群馬県でもそうであろうと思いますが、AとかBとかCとかEとか、いろいろランクづけで、その中で手を挙げれば透明性のある姿で手を挙げていく、その人は全部入れていくという姿にしております。おりますが、その金額のランクの差のところでどのような関係なのかということでありますから、先生がお話しになりましたように、どうしたら育成が強化できるか、どのような声というものを、我々としてはその配分をしていくかということを徹底的にやっていかなければならぬだろうと思っております。
 よく、去年やったところはことしはおれのものだ、こういうようなことがよくありまして、随意契約というようなもの。新しい工事が出れば、これは工事が出たとおっしゃるけれども、そのまま延長すると、工事が出たというわけにはならぬというような、そういう動きもあるようでございますから、十分に予算の上で配慮をしながら、いわゆる分担をしてある程度区切りをする。そして、中小企業の育成というのは、そういう点についても十分な配慮をしていかなければならぬだろう、こういうふうに思いますので、先生の御意見というものを十分に参考にして対応してまいりたいと思っております。
#26
○上野公成君 今大臣がおっしゃられたように、大変談合問題その他で批判を浴びたのは大手の建設業者なんですね。二、三の県ではそういうことはありましたけれども、大体世の中で批判の的になったのは大手の建設業者で、それの談合を直すからといって変えた入札制度が、官房長いろいろおっしゃるけれども、結果的にはもうちょっと今まで以上に大手の方に行きやすい仕組みになっているわけです。これはどうしても国民感情からいっても本当に納得ができない。これは、中小の業者がそういうことを言っているからということだけじゃないと思うんです。
 今、大臣も前向きな御答弁いただいたと思いますから、これ官房長、宮城県に来いというふうに言っておられますから、宮城県でも群馬県でもぜひよく実態を調べていただいて、よく大臣にも報告をしていただいて、入札制度が中小建設業者に不利にならないような方法をぜひ考えていただきたいと思いますけれども、官房長いかがでしょうか。
#27
○政府委員(伴襄君) よく実態を調査させていただきたいと思っておりますが、くどいようですけれども、ランク分けというのは、本当は中小企業を守るためのランク分けでもあるんです。例えば、直轄の工事で今Aランクは五億以上と申し上げましたが、これを県並みに例えば一億に下げますね。そうしますと、今までBランク業者、Cランク業者がやっていたところにAランク業者もやれるという仕組みになってしまうので、その辺はむしろ中小企業を守るためにも厳格なランク分けをしているということをぜひとも御理解をいただきたいと思っております。
 よく実情をお聞きして、的確な対応をしていきたい。何よりも大事なことは中小企業の受注目標を一応確保することだと思いますので、これはもう数値目標で毎年やっておりますから、それを守るようにして最大の努力をしたい、こう思っております。
#28
○上野公成君 中小がどういう範囲内かということもいろいろありますけれども、よく地元の現地の声を聞いていただきたいと思っております。
 そこで、もう一つの問題は、さっき言いましたけれども、発注単位が大きくなっているんですね。これはちょっと私も発注の事務サイドの方にいたこともあるのでよくわかるんですけれども、結局、発注単位を事務量の方から大きくしてしまう。そうすると、結果的に今まで入った業者が入れなくなる。これはもう長さが長いだけで、施工能力も何も変わらない工事というのはいっぱいあるんですよ。道路だとか河川だって、ただ長いだけなんですよ。百メーターやるところを百五十メーターやるとか二百メーターやる、これは断面は同じなんだから。
 そういうものについてはやはり中小の建設業者が排除されることのないような、そういう配慮が必要なんじゃないかと思いますが、先ほどのちょっと入札の問題とは違う見方でございますけれども、それについても。
#29
○政府委員(伴襄君) 発注ロットの問題は、確かに細かく小さく分ければ小さな工事になりますから、その限りで言えば、例えばAランクの工事がBランクの工事、Cランクになるということはあり得ると思います。
 ただ一方では、発注ロットを大きくすると大変効率が悪くなる、職員もたくさん要る、経費もかかる。ついこの間、公共工事のコスト削減の行動計画を出しまして、あのときも若干触れておりますが、要は、外国の例なんか見ますと、発注ロットを大きくすることによって経費削減するという点もあるわけです。したがって、この点について無視するわけにいかないと思います。
 ただ、おっしゃるとおり、そのために中小建設業者が事業量の確保の枠が減るというようなことがあってはいけませんので、そこはよく配慮してやっていきたいと思っていますが、一応大きな工事についてはそういうことをしないと経費が削減できない、人手がこれ以上要るということもあると思いますので、そこは発注ロットのところにつきましては、中小企業対策は十分に配慮してやっていきたいというふうに思っております。
#30
○上野公成君 今までは実際にそういう小さいロットでやってきたわけですが、それを大きくしているわけですから、だから工事金額を一律にやるということはおかしいんですよ。一緒に発注できるぐらいなら、ちょっとそういう工事について、例えば道路なら道路の簡単なものについては、今までやってきたような業者が入れるような発注標準というんですか、それに直せばいいわけです。だから、やり方は幾らでもあると思うんです。これもまた入札の問題と同じようにぜひ御検討いただきたい。きょうは宿題を出しているわけでございますから、一緒にお願いします。
 それで、これは切りがないわけですから、次はちょっと住宅局長の方にお伺いします。
 建築の新耐震、五十六年度にできたわけですけれども、それについては今のところ余り全半壊とか死者が出たということは出ていないということは確認をされているわけですから、新たな事態があるかどうかということがあったらまたお答えいただきたいと思います。
 そこで、やはり問題は、神戸の場合でも大体三分の二ぐらいが基準に合っていないんですね。合っていないからといって、もう少し大丈夫なようにしているものもあるかもしれませんけれども、とりあえず合っていないものの大体四分の一ぐらいが倒れていたり全半壊しているわけです。
 ですから二つ考えて、一つは例えばデパートだとか不特定多数の人が出入りするものは、やっぱり何らかの政策を考えなきゃいけない。それから、既存不適格について全部何か手だてをしろということは、これは無理であれば、例えば住宅については、あなたの住宅は危ないですよというか、あの程度の地震が来たときにはそういう危険性がありますよと、直すなら復旧の仕方はどういうやり方がありますよという、その程度のことを二つに分けてする必要があるんじゃないかと思うんですけれども、いかがでしょうか。
#31
○政府委員(梅野捷一郎君) 御指摘の御趣旨は私どもも全く同感でございます。
 最初に申されました五十六年以降の新耐震、現在の基準でございますが、これについては、実はあすも我々が設けております検討委員会が全員で現地に、私もできれば一緒に行こうと思っておりますが、今のところは大きな意味での課題、問題点は指摘をされておりませんが、なお確認をいたしたいというふうに思っておるところでございます。
 それから、既存の建物で従前の基準でやりましたものについては、やはり今回の災害に見られますように大変問題を抱えているものが多数あることは明白でございますので、それにどう対処していくかということになるわけでございます。
 いずれにしても、最初は、技術的にもそれがどういう安全性を保持しているものであるかということは診断をしなくてはいけないということでございますので、その診断が実質上動けるような専門家の育成と養成というようなことは、現在直ちに、実は従来からやってはいたわけでございますけれども、大々的にもっと量的にもふやさなくてはいかぬということで取り組んでいるところでございます。
 せっかくの、今回のこれだけの大きな犠牲を払ったことを十分生かしていかなければいけないということでございますので、ただいま先生から御指摘ございましたようなことを我々も考えまして、もう一歩二歩全体を組織的にやっていけるような仕組みを何とか至急つくり上げたいというふうに思っております。
#32
○上野公成君 判定士という制度はあるわけですが、きちっとした制度じゃありませんし、建築士はそもそもそういう能力はあるはずなんだけれども、やはりその時代時代の技術についていけるかどうかということもある。建築士も実態がよくわからないところがあるんですよ。これ、松谷先生とその辺をきちっとするような法的なことを議員立法としてやろうという準備をしていたんですが、自民党の党内だけはまとまったんですけれども。
 これはとにかく登録といいますか、きちっと把握だけはしようということなんだけれども、その把握するのに加えて、何かそういう研修を受けたぐらいのことでもいいと思うんですが、判定士のあれがあるというような、そういうこともあわせて考えないと、これだけ多い、神戸だけでも残った三分の二の四分の三は非常に不安を持っておられると思うのです。全国では東京も含めたら相当な建築物についてそういう不安があるということなんで、ぜひその辺を含めて安心できるような体制に一刻も早く持っていけるように御検討いただきたい。答えは要りませんけれども、そういうことを要望いたしまして、質問を終わりたいと思います。
#33
○松谷蒼一郎君 最初に、行政改革に関連した質問をいたしたいと思います。
 御案内のとおり、村山内閣の最重点施策は行政改革にあります。これについては現在も進行中でありますが、建設省、北海道開発庁に関連をいたしまして、特に三点ほどお伺いいたしたいと思います。
 北海道開発庁の統廃合問題について種々報道がされておりますが、この点について大臣の見解をお伺いいたしたいと思います。
#34
○国務大臣(小澤潔君) 先生の御指摘のとおり、現在、中央省庁に求められている改革は、全国一律の集権型行政システムを是正いたしまして、地域の持つ可能性を最大限に引き出し得る分極型行政システムを確立することであります。省庁ごとの縦割り行政の弊害を克服いたしまして、総合的行政を展開することであると思います。
 北海道開発庁は、開発計画の策定、そしてまた関係予算の一括計上、本州等では数省庁が分担している事業を一元的に実施をいたしておる、縦割り行政と言われる各省庁の枠を超えた総合的行政を地域の実情に即して展開しているモデル官庁でもあります。
 北海道は、国土の約二二%という膨大な空間に恵まれ、多極分散型国土の形成や豊かで質の高い生活空間の実現を図る上で大きな可能性に富んでおり、我が国の長期的発展に貢献する地域として、その総合的な開発の推進は今後なお一層重要性を増すものと考えております。
 したがって、我が国の長期的発展に貢献をいたします北海道開発の重要性、北海道開発庁の果たしている役割から見まして、北海道開発庁は引き続きその使命を果たしていくべきと考えており、統廃合をするような考えは持っておりません。
#35
○松谷蒼一郎君 わかりました。
 それでは次に、北海道東北開発公庫につきまして、日本開発銀行と合併したらどうかというような意見が出ましたが、これについていかがですか。
#36
○参考人(宍倉宗夫君) 御承知のとおりでございますが、私どもの公庫は北海道、東北地域の開発を推進いたしていくために設立されまして、昭和三十一年以来これで丸三十九年を迎えようとしているわけでございます。平成五年度末までに、累計いたしまして三兆七千億円の出融資を行っているところでございます。また、単に出融資だけにとどまりませんで、地域の地方自治体でございますとか、経済界の方々と一体となりまして地域の活性化のためのプロジェクトをいろいろ考案し、これを企業にまで仕立てていくようなお手伝いもいたしているところでございます。
 私どもの公庫は、これも御承知のとおりと存じますが、収支相償、つまり収入と支出が相償うことを原則として運営しておりますから、国の一般会計からの補給金はちょうだいしていないのでございます。したがいまして、たとえ日本開発銀行と統合いたすというようなことをいたしましても、財政上のメリットは国にはないというようなことではなかろうかと思います。むしろ、地域開発のための有効な政策手段が失われることになりますし、北海道、東北地域約千八百万人の方々がいらっしゃるんですがへこの方々が国から支援をしてもらっているんだという心の支えといいますか、心のともしびといいますか、そういうものが消されてしまうというようなデメリットの方が大きいのではなかろうか、私はそのように思っております。
 いずれにいたしましても、北海道、東北地域は大きな開発可能性を持っているところでございます。にもかかわりませず、現在までのところ産業基盤等はいまだ脆弱でございますので、私どもといたしましては北海道、東北地域の地域開発を専担する政策金融機関といたしまして、これからも一層きめの細かい業務を運営してまいり、今後とも適切な役割を果たし得るよう努力してまいりたい、このように考えているところでございます。
#37
○松谷蒼一郎君 それでは、次に住宅金融公庫総裁に伺いますが、住宅金融公庫は住宅建設のために非常に大きな役割を果たしているわけであります。六十万戸に及ぶような住宅に対する貸し付けを行っている、こういうような状況でありますが、一面余りにも大きくなったために民業に対する圧迫というような意見も若干はあります。
 そこで、この際住宅金融公庫を民営化を行ったらどうかというような考え方が一部にありますが、これについて総裁の御所見はいかがでございましょうか。
#38
○参考人(高橋進君) 私どもの住宅金融公庫は昭和二十五年に設立されたわけでございますが、それ以来約千四百万戸強の住宅建設の資金等につきましてお手伝いさせていただきました。これは原則的にすべて財投資金を使わせていただいております。そのことが長期安定的な資金供給、しかも低利固定ということで国民の皆さんが計画的に住宅取得をしやすくなるということと、それが結果として良質な住宅ストックの建設に大きくお手伝いしてきたというふうに考えております。
 今お話しございました民営化の議論も出ております。一口に民営化と言いましてもその具体的な内容がはっきりしませんと議論しにくい面がございますけれども、常識的に考えれば、原則として財投は使わない、あるいはまた昨日来御審議いただいておりますような一般会計からの補給金の問題もございますが、そういった補給金補助も受けられないということかと思います。ということになりますと、長期安定的な、そして良質な資金供給ができにくくなるということでございまして、まだいろいろ課題を抱えております我が国の住宅の向上、充実という問題が現在相当大きいんではなかろうか。
 また、民営化ということになりますと、どうしてもやっぱり経営採算性が第一義的になろうかと思います。相対的に信用力が低い方の住宅の取得がやっぱり相対的には難しくなる面もありましょうし、またいろんな政策課題がございます。高齢化社会に対応した住宅、あるいは町づくりに貢献するような住宅というこれからも考えなければならぬ政策課題、そういった面がやっぱりなかなかしにくくなるのかなというふうに思います。
 ただ、私どもの公庫の業務運営が今までどおりでいいというふうには決して思っておりません。今申し上げました一般会計の補給金あるいは財投資金という非常に貴重な資金をいただいておりますから、それをできるだけ効果的、効率的にしなければならぬということ。また一方で、最近特に民間住宅ローンというものが相当いろんな新しい商品も開発されまして充実してきております。そういった民間の住宅金融との役割分担といいますか、協調も図りながら、常によりよい姿を求めていかなければならないと思っております。
#39
○松谷蒼一郎君 次に、阪神大震災関連に移りますが、昨日でちょうど大地震が発生いたしまして二カ月がたちました。いよいよ復興への道程を明確にすべきときが来ているわけでありまして、昨日も兵庫県の都市計画審議会で復興に関連する都市計画が決定をされております。
 となってまいりますと、新しい建築物あるいは構造物等を建設していかなければならない。その前段階として当然計画、設計というような形になってくるわけですが、果たして大震災発生前の構造基準で建設を計画していいものかどうか、公共建築物を抱えている各省庁、ある意味では困惑をしているのではないかというように思います。
 そういう意味で、まずもって各省庁、公共建築物を抱えているいわば大手の各省庁の担当者にその状況について伺いたいと思います。
 すなわち、これから公共建築物を発注するにつきましてどういうような設計方針、すなわち耐震基準を考慮しながら設計を進め発注を行うか、それについてはもう当然、こういった時期でありますから、もう二カ月もたったわけですから、おのおの考え方が確立をしているというように思うわけでございますが、以下順次お伺いをいたしたいと思いますが、まず非常に大きな発注を抱えております郵政省からお伺いいたしたいと思います。
#40
○説明員(田代純司君) 今回の地震におきましては、郵政省の施設におきまして現行の建築基準法の耐震規定、すなわち新耐震設計法と言われているものですが、それに基づいて設計しましたものはほとんど被害を受けませんでした。したがって、現在設計中のものにつきましても、とりあえずは現行の建築基準法に基づいて設計を行っているところでございます。しかし、今後の設計につきましては建築基準法の見直しの方向などを待って対応していきたいと考えております。
 それから、既存の建築物の補強につきましては、官庁施設の耐震点検改修要領に基づき順次点検、補強工事を実施しているところでございます。
#41
○松谷蒼一郎君 次は、学校建築物について助成も行い指導も行っております文部省に伺います。
#42
○説明員(原山明宗君) お答えいたします。
 学校施設を建設する場合は、学校施設の設置者は建築基準法及び同施行令の規定に従いまして適切に耐震構造設計を行ってきたところでございます。文部省といたしましては、学校施設を建設する際に、計画ですとか設計を行う際も、基本的留意事項を定めております学校施設整備指針によりまして、構造上十分な安全性能を有するものという指導を行っているところでございます。
#43
○松谷蒼一郎君 法務省はいかがですか。
#44
○説明員(小峰信君) 法務省では、かねてから昭和五十六年に改正された建築基準法による新耐震設計に基づいて設計をしているところでございますが、建設省の今後の対応を勘案しながら施設設計を進めてまいりたい、こういうふうに考えておるところでございます。
#45
○松谷蒼一郎君 建設省の官庁営繕はいかがですか。
#46
○説明員(照井進一君) 建設省におきますこの復興に対するスタンスでございますが、今までほかの省庁のお話にもございましたように、新耐震設計法による耐震規定によります施設につきましては大きな被害を受けないという状況でございます。したがいまして、現在のところ建築基準法の耐震規定に従って設計というような形になるかと思います。
 ただ、私どもといたしましては、従前から災害時の防災拠点といったようなものにつきましては独自の総合耐震計画標準というものを定めておりまして、構造体それから設備等の総合的な耐震性能を有するようなものということでその向上を図ってきたわけでございます。特に構造体につきましては、ある限定されたものではございますが、重要度係数等による設計、地震力の割り増しを行ってまいりました。こういう意味においては現在のところこれでいいんではないかというような感じを持っておりますが、実は今回の地震に際しまして設備等の問題も含めましていろんな被害が出てきておりますので、現在、外部の先生を入れた委員会をやっておって、その中で新たに耐震性能に関する問題点というものを調査しております。この問題点がまた明らかになりますれば、早急にその所要の見直しをしていきたいと考えている次第でございます。
 現在のところ、現行の基準でいきたいというスタンスをとっております。
#47
○松谷蒼一郎君 では最後に、住都公団はいかがですか。
#48
○参考人(青柳幸人君) 公団といたしましては、今回の大震災におきまして現行の耐震基準で設計いたしました建物が被害が非常に小さかったということもございまして、今後とも現行の耐震基準に基づいて設計を行うとともに、耐震的に可能な限り余裕を持った設計をあわせてやっていきたいというふうに思っております。
#49
○松谷蒼一郎君 現行の耐震基準というのは、建築基準法に基づく耐震基準ですか。
#50
○参考人(青柳幸人君) さようでございます。
#51
○松谷蒼一郎君 各省庁及び公団等々、代表的な発注官庁にお伺いをいたしたんですが、大体皆さん建築基準法による耐震基準に基づいて設計をしていこうと、そういう考え方、まあ多少土木の構造物と違うような被害状況ではなかったかなというような思いがいたします。
 というのは、建築基準法におきまして昭和五十六年に新しい耐震設計法が改正をされた。それに基づいて設計をされました建築物はほとんど被害がなかったというような現状が見受けられます。そういうことからいいますと、各省庁はそういうような状況を見ながら、建築基準法の耐震設計基準がどう改正されるのか、あるいはそのままいくのか、その辺を非常に見詰めていくというような状況であります。
 となれば、建築基準法を早急に被害状況を調査の上分析検討し、その指針を出すべきであるというように思いますが、住宅局長、いかがですか。
#52
○政府委員(梅野捷一郎君) ただいま、それぞれの関係のところで基本的には建築基準法の現在の新耐震基準と言われるものを土台にし、おおむね一〇〇%に近い形でおやりになっているというふうに伺ったわけでございますが、その耐震基準そのものが示しております、新耐震と言われておりますのは、設計のやり方自体を新しい一つの考え方を確立しているということと、いわゆる安全のレベルをどうするかということと両面あるわけでございます。今御報告ございましたように、少なくとも現在の耐震基準の規定なりそれに含まれております設計の考え方というものは、今御説明されましたそれぞれのところは十分に御理解をされた上でやってこられたところであろう、単に形式的に現在の基準法に合わせるというだけではなくて、その考え方も含めて設計に生かしてこられたところではないかと思うわけでございます。
 したがって、そこで示されている限りにおいては大きな被害は出ていないということでございますし、その他の建物につきましても、現在までの調査の状況では、今申し上げましたようなことでやっていただいているものについては、致命的といいましょうか、非常に大きな問題点というのは指摘をされていないというのが状況でございます。
 現在、私どもで専門家にお集まりいただいた被害に対する実態調査の検討会が進められております。あすも委員の先生方がほぼ全員現地で実物を前にしながらまた御議論をいただくというようなスケジュールで進んでいるところでございまして、私自身もできれば参加したいなと思っているわけでございますが、それを受けまして、今月中には実態調査、実物に当たっての調査のいわば総括的なことは取りまとめをしようということでお願いをいたしているところでございます。
 したがいまして、今最初に申し上げましたように、現在の基本的な枠組みについて仮に問題がなければ、それはそれで大変ありがたいことでございますし、枠組みは枠組みとしてさらに幾つかの注意すべき事項、補強すべき事項というような御指摘があれば、直ちにそのことについては整理をいたしまして、関係の行政庁はもちろん、設計者その他にも至急御連絡をするような取り組みを進めていきたい。最終的には、今年いっぱいかけましてもう少し細部にわたったこともやりたい。大枠については、あるいは方向については、できれば今月終わりには示していただきたいということで進めているところでございます。
#53
○松谷蒼一郎君 現地で被災状況を見ながら議論をしてというような悠長なときじゃないと思うんです。
 なぜかといえば、もう既に被災後二カ月をたっていて、恐らく確認申請の建築物が特定行政庁に対して上がってくると思うんです。そのときに、特定行政庁である兵庫県、神戸市、西宮市、そういうようなところはそれを検査しなくちゃならない。そのときの指針が全くないときに、例えば西宮市は現行建築基準法ではだめだと言い、神戸市はいいと言う、というようにばらばらになってきたら、大変にこれは行政が不統一になってくるわけです。
 そういう点を考慮した上で、早急にこの指針といいますか、基準についての見解を統一して出すべきであると思いますが、いかがですか。
#54
○政府委員(梅野捷一郎君) 私どもは、先ほど申し上げましたように、現行の建築基準法の基本的な枠組みについては問題を発見はしていないということでございますので、現実に確認申請が出てまいります建築計画につきましては、現行の基準法にのっとって、従来と同様に確認をしていただくということになるわけでございますけれども、ただいま御指摘ございましたように、一方では実態についての調査を進めているわけでございますので、これは世の中にも今月いっぱいにはその第一段階の結果を取りまとめをして明らかにするということも申し上げているわけでございますので、できるだけそのスケジュールに沿いましてきちんとした処理をしていきたいというふうに思っておるところでございます。
#55
○松谷蒼一郎君 まずは、私はいろいろな被害状況調査と、もう二カ月たったわけですから、現行建築基準法、すなわち新耐震設計後の基準法ですから、これに基づいて確認等を行ってもいいんだという基本的な方針というものを建設省としては出すべきではないかと思います。
 その後、種々時間もかけて検討して、改正すべきところがあれば改正をするということになるんじゃないかと思うんですが、建設大臣、いかがでございましょうか。
#56
○国務大臣(野坂浩賢君) 御指摘の問題について局長から御答弁いただきましたが、御案内のように、復旧から復興へという道筋を歩み、既に建築にかからなきゃならぬ。公共の関係については、営繕部長が申し上げましたように、基準法を豊かにクリアできるような、そういう設計基準を考えていかなきゃならぬということも付言をいたしました。
 我々としては、お話しのとおり、これからの防災都市神戸、兵庫県をつくっていかなきゃならぬわけでありますから、十分に検討をして原因を究明してやらなきゃならぬということは毎回申し上げましたが、御指摘のとおりの復興の途上に入りましたので、そういう点については、御指摘どおり早急に指針を明示して、各地方の公共団体と協力し合いながらスムーズに事が運んでいくように努力してまいりたい、こういうふうに考えます。
#57
○松谷蒼一郎君 阪神大震災の陰に隠れまして、雲仙・普賢岳の対策が若干力が弱くなっているように感じるわけでございますが、現実に何千人という人がまだ仮設住宅の中で生活をしているという悲惨な状況は変わっていないわけです。
 そのためにも早く砂防事業を推進していくべきであると思うわけでございますけれども、普賢岳対策としての砂防事業の進捗状況と今年度の計画について説明をいただきたいと思います。
#58
○政府委員(豊田高司君) 雲仙・普賢岳につきましてのことでございますが、この火山活動は平成二年十一月十七日に大噴火して以来、現在も続いておるわけでございまして、現在もなお火砕流に対する警戒区域等が設定されております。二月末現在でございますが、約四百三十世帯、約千八百人の方々が避難を余儀なくされていらっしゃいます。
 この噴火災害発生当初から、長崎県の施行によりまして平成三年度災害関連緊急砂防事業、それから平成四年度には激甚災害対策特別緊急事業によって、水無川の緊急遊砂地や湯江川等におきまして砂防ダムの実施を行ってまいりました。平成五年度からは、いよいよ本格的に国の直轄事業として実施しておりまして、これまでに水無川下流部の導流堤整備を初め、進めております。さらに、平成六年度末までには、河口部から国道五十七号線までの恒久導流堤の一部、それと水無川一号ダム計画位置までの仮設導流堤をおおねむ完了いたました。
 いよいよ平成七年度でございますが、水無川の導流堤整備をより一層推進するということでございます。その一方で、島原鉄道のつけかえ工事及び一号砂防ダムを新規に着手するということにしておるわけでございます。
 さらに、島原市内を流れております中尾川につきましても、新たに緊急導流工に着手するということでございまして、雲仙の一日も早い復興のために重点的に実施することを考えておるところでございます。
#59
○松谷蒼一郎君 今後とも復旧に全力を挙げて取り組んでいただきたいと思います。
 以上で終わります。
#60
○青木薪次君 私は、阪神・淡路大震災によるところの被災市街地の面的整備を行うために、神戸市などでは建築基準法の、今も松谷委員から話があったわけでありますが、八十四条に基づく建築制限が行われていると思うのでありますが、その制限の内容、期限は大体どうなっているのかお答えいただきたいと思います。
#61
○政府委員(近藤茂夫君) 八十四条の建築行為の制限の命令が出ているわけでございますが、これは二カ月間ということで期限が切られております。
 具体的な制限の内容は、いわゆる木造二階建て、地階を有しない、これは認めるけれどもそれ以外のものは認めない、そういった行為制限が出されているわけでございます。
#62
○青木薪次君 問題は、この間制定いたしました被災市街地の復興特別措置法によると、被災市街地の復興推進地域に指定すれば、土地区画整理事業の都市計画が定められるまでの間、最長二年間の建築制限ができるということになっているわけでありますが、建築制限は、一月十七日に地震がやってきたわけですから、ちょうど二カ月たった本日が期限切れなんです。あとは、建築基準法による建築制限が切れるこの三月十七日以降の問題。この間に、推進地域に指定が行われるということについてどんな現状になっていますか。
#63
○政府委員(近藤茂夫君) 先生今御指摘の、被災市街地復興推進地域の制度が今回の特別措置法でできたわけでございますが、この推進地域の制度の効果でございますが、二つあるわけでございます。
 一つは、推進地域に指定されますと、そこで行われる区画整理事業とか市街地再開発事業の事業特例が適用される、あるいは税制上、財政上の助成措置の特例が適用される。もう一つが、推進地域が指定されますと、最長二年間、一定の行為制限ができる。そして、推進地域の指定をされて二年以内に具体の都市計画、市街地再開発事業とかあるいは区画整理事業あるいは地区計画とか、具体の都市計画が決定されることが予定されていて、そして具体の都市計画の決定がされますと、その推進地域指定に伴う行為制限が解除されまして、それにかわって具体の都市計画決定による都市計画制限が働いてくることになる、こういう仕組みになっているわけでございます。
 それで、先生御指摘の八十四条の関係でございますが、阪神・淡路の地域におきまして約三百三十ヘクタール、八十四条が発動されたわけでございます。その地域のうち、三宮地区の七十四ヘクタールを除いて、ここでは地区計画でいくということで考えておりましたので、推進地域の指定はされておりません。それ以外の二百六十ヘクタールの地域について推進地域の指定と区画整理または市街地再開発の都市計画決定、これが同時に現在手続が進められておりまして、きのう兵庫県の都市計画地方審議会、その一日ないし二日前にそれぞれの市の審議会で通ったわけでございます。
 最終的にきょう知事が判断されることになるわけでございますが、したがいまして推進地域の指定と同時にいわゆる面的な都市計画の決定がされておりますので、推進地域の行為制限にかわって面的な都市計画の決定に伴う都市計画制限が今後働くことになる。その行為制限を適用されている、一定の行為制限が働くわけでございますが、実質的にはこれは推進地域の行為制限と同じでございます。そういう行為制限が行われている間に、いわゆる詳細な町づくり計画、事業計画、換地計画が決められていくことになる、こういう段取りで今進んでいるわけでございます。
#64
○青木薪次君 その面的整備の問題等を中心として、大変御苦労なさっているわけです。私どもも地震対策の関係等についてはいろいろと議論をいたしてまいりましたし、一月十七日以降二、三日の間についてはまさに阿鼻叫喚の毎日を続けてきたという中で、いわゆるこれを面的整備、災害に強い地域として町づくりをしていくためには、ある意味の私権の制限もやってよろしいという決定もしたわけであります。
 しかし、だんだん復旧が進み、復興計画まで足をかけて県なり市なりで議論をするという段階になりますと、いわゆる頭の中で考えていたこれでよろしいといったことだけでは済まない。
 なぜ済まないかということになりますと、例えば六メーターの道路がある。これを災害に強い地域にする、町づくりをするためには、これを十七メーターとか十八メーターに変えていく。その場合に、直ちに問題になってくるのは、どうかということになりますと、被災者の中でこの地域において土地を持っている人が平均して三十平米。三十平米というと、これを三・三で割りますと、九坪ちょっとしかないということになります。
 この中で、それではこの地域に区分所有の関係等を中心といたしまして、セットバックして家を建てる、上へ伸ばすということはあったにいたしましても、十坪足らず九坪幾らの人に対して、その人が自分の家を寝るところと仕事場と一緒にやっておったということになりますと、生活はどう支えていくのかということが一つ問題に残ってくる。それから、賃貸住宅として住んでおったという人については、これはもうこの推進計画の中で勘定の中に入れていないという問題さえ実は起きているんです。
 それと同時に、この地域全体としては、コミュニティーが壊されてしまうというような問題等もあるでしょう。そういったような中で、私ども二年前に都市計画法の改正をやりました。そして、いわゆる土地をまず目的に沿って八分割から十二に分けました。そういうようなものが今各都道府県ごとにどんどんマスタープランとして検討され、民間の知恵をかり、建設省も努力しているでしょう。そういう中で、その問題が一つは出てきた。
 もう一つは、地区計画がある。この地区計画こそ、例えばその地域に神社がある、道路はどれだけしょっているというふうなことで、いわゆるその地域を建築基準法上どういうように伸ばしていくかというような問題がこのプランと同時に検討されているというときに、この阪神・淡路大震災が起こったわけです。これと適合しつつ、しかも阪神大震災に適合した形でもって都市計画を進めなきゃいかぬ、いわゆる区画整理事業、再開発事業というものについては、私は容易ではないと考えているわけであります。
 建築基準法八十四条の関係等が切れる今日以降は、いわゆる震災の復興計画に基づいて推進地域に指定されていくでありましょうけれども、その関係等についてどんなふうな考え方でやっていくのかという点について、ひとつ御答弁をいただきたいと思います。
#65
○政府委員(近藤茂夫君) 今回の都市計画決定で、ある程度大枠的な、例えば幹線街路的なものは都市計画決定されるということになろうかと思います。区画整理、市街地再開発事業、そういう事業の区域とともに、幹線的な施設の決定も並行的にされることになるわけでございますが、一番問題なのは、先生今御指摘ございましたように、地域住民の生活とか生業との関係で、一番影響のある具体的な町づくりがどうなるか。いわゆるオープンスペース、どの程度の規模で、どういう位置に、そしてまた六メートル、四メートルのいわゆる街路計画をどう配置していくか、こういった具体的な町づくりは今後の事業計画というところで決まってくるわけでございます。
 そしてまた、先生御指摘の、例えば今持っている土地がどういう土地に切りかわってくるのか、これは換地計画ということで、換地処分で決まってくることになるわけでございますが、こういった具体的な地域住民の方々の生活とかあるいは生業と密接に関係があるということで、その段階では十分住民の方々の理解と協力、具体的には神戸市、兵庫県知事さんはいわゆるまちづくり協議会というのをつくっていただいて、それと十分相談しながらきめ細かく決めていこう。その段階で、先生御指摘の地区計画、面的整備事業の中で地区計画を活用して、具体的な土地利用を決めるということも出てくれば、それも対応したい。いずれにいたしましても、具体的な町づくりの段階では十分地域住民との理解と協力のもとで進められるというふうに聞いておりますし、私どももそういった方向で指導してまいりたい、このように思っているところでございます。
#66
○青木薪次君 後でもちょっと申し上げたいと思ったのでありますが、例えば法案として出ておりますところの、いわゆる電線の地中化計画。大臣のおっしゃるレンコンですよ。そのレンコンも一キロ二億円、それからキャブシステムが一キロ六億円、それから共同溝方式というもの、完全共同溝方式というものでいかなきゃいかぬと思いますが、これは一キロ三十億円から四十億円かかるんです。
 それが今、例えば神戸が国際都市としてどんどん伸びてきたという中にありまして、ここへ電線地中化の問題、いわゆる完全共同溝、キャブシステムとか管路方式、どれでもいいけれども、それを真ん中に配置するといったって、これはなかなかできるものじゃないというように考えますから、そこはやっぱりマスタープランをしっかりやり、地区計画をやって、そしてその中で今言った四メートルとか六メートルというのを十数メーター、十六、七メーターの道路にしていく。この問題でも私は大変な問題だ。
 今、換地計画というお話があったわけでありますが、この神戸の例えは市内の緑豊かな公園の地域をどう確保するのか。あるいはまた、いわゆる住宅・居住地域を、例えば瀬戸内海に面した広い地域を指定して、そこへ住宅地域として建てていくのか。じゃ一体、中小企業の町と言われる神戸について、中小企業の例えはケミカルサンダル関係の団地をどういうように配置していくのかというような問題等を考えてみると、私は大変な問題だと思う。
 きのうテレビを見ておりましたら、八時間延々と議論をした結果決まったと。話をすれば私はわかると思うけれども、しかし、やはり私権の制限というような問題は土地所有の問題と兼ね合わせまして容易なことではないと考えているわけでありますが、この基本的考え方について、大臣からちょっとお聞きしたいと思います。
#67
○国務大臣(野坂浩賢君) 先生から御指摘のありましたとおり、一々ごもっともだと思っております。
 まず前提として被災者の皆さんの立場になって考えてみれば、家も財産も失った、裸一貫である、それに区画整理をして私権を制限され、土地をとられていくと。理論的には防災都市神戸、こういうことでよくわかるけれども、個人の身の上になってみれば、これ以上の苦痛はないということの心情は察するに余りがあろうと思っております。
 ただ、今局長からお話をいたしましたように、一応八十四条を適用して面的な整備をした。これから、先生が御指摘いただきましたように、復興都市の措置法ができ上がりまして二年間かかるわけてあります。我々が言ってまいりましたように、防災都市をつくるためにはやはり基幹的道路、公園の整備、あるいは電線共同溝等の実施を進めていくことがより防災都市としての条件を備えることになるであろう、こういうふうに考えてまいりました。したがいまして、あの措置法には住民の皆さんに理解と納得を得ながらと言っておりますが、神戸市や兵庫県の審議会で論議されたのは、理解と納得と合意を得ながらこの問題は進めると。
 例えば、先生がおっしゃいました森南の十七メーターなりという問題については、あそこに駅をつくって全体の都市計画を中心にやろうというようなことでございますが、きのうも兵庫県知事が申し上げておりますように、住民と徹底的に討論しよう、そして新興神戸というものはどうあるべきかということについて十分検討して、できなけば変更もやむを得ないが、できるだけのことはたたき台として出してやっていこう、こういうことを言っております。
 拝察をしておるわけですけれども、これだけが面的な整備をしますということを申し上げるというわけにならぬので、一応の概況を書いておりますが、生業、生活の問題、国民生活、市民生活等安定に関する問題、こういう相談については、局長が申し上げましたように、きめ細かに相談をして、後に問題を残さないように一致協力をして新興神戸をつくるという方向で解決をしてまいりたい、このように考えております。
#68
○青木薪次君 容易なことではないと思いますけれども、今大臣のおっしゃった納得と理解といわゆる協力を得て住民が自分の問題として町づくりをやっていくということで、災害に強い神戸をつくるために努力されるということの気持ちを引き出して頑張っていただきたい。
 ただ、私がちょっと申し上げましたように、私権の制限というものは、これはもう大変な事態でありますので、その辺については、本人のこれからの住居それから生活という問題等とも絡み合わせてやっぱり納得と了解を得るような努力をしていただきたいというようにお願いいたしたいと思います。
 時間がありませんから、ライフラインの関係について、電気、ガス、水道といったライフラインの施設が壊滅的打撃を受けた中で、特にガスについてはいまだに復旧していない箇所がほとんどだというふうに考えておりますが、なかなかガスの問題等については危険が伴うし、さりとて日常生活に寸時もやっぱりこれは欠くことのできない問題です。
 この点、通産省、現状をちょっとお話ししてください。
#69
○説明員(杉原誠君) 御指摘のありましたガスについての復旧状況でございますが、ガスにつきましては、二次災害防止の観点から、神戸市、西宮市、芦屋市等の地域におきまして約八十五万七千戸のガス供給を停止したところでございますが、その後、大阪ガスは、他のガス会社からの応援約三千七百名を含めまして全体で約九千七百名を復旧作業に投入いたしまして早期復旧に全力を尽くしておるところでございます。
 この結果、倒壊家屋などを除きまして昨日、三月十六日までに約六十万八千戸が復旧いたしておるところでございます。当初八十五万七千戸の停止でございます。現在のところ、倒壊家屋等を除きますと供給停止の戸数は八万五千戸に減少しておるところでございます。
 いずれにいたしましても、一日も早い復旧に向けて努力を払ってまいる所存でございます。
#70
○青木薪次君 地震対策を推進する前提として、地震の問題等については、例えば今回の阪神・淡路大震災のように直下型の地震というものがある。これは活断層のねじれというものが中心である。それから私、静岡なんですけれども、いわゆる海溝型と言われるプレートがプレートの中にめり込んで、その反発によって起きる海溝型の地震がある。
 しかし、この二つの直下型とそれから海溝型というものが言われているのでありますが、そのほかにプレート内部における活断層の動きというものがある。これが、私も伊豆半島あたりで河津地震、南伊豆の地震、あるいはまた伊東の群発地震といったようなものになってあらわれていると思うのでありますが、この地震の形によって対策は変わるのかどうなのか、国土庁長官、どんなお考えでしょうか。
#71
○政府委員(西川一誠君) ただいま地震の種類といいますか、こういうことによりましていろんな対策が異なるのかというお尋ねでございますが、現在、大きく分けまして、今おっしゃいましたように、プレート型の地震のうち特に東海地域の地震につきましては大震法という法律がございまして、これは法体系全体としては予知が可能であるという前提で、いろんな手続面それから財政面の支援を講じております。
 一方、その他の海溝型の地震あるいは今回のいわゆる直下型と申しますか、これにつきましては、どこにどの程度の活断層、またその活断層の活動形態といいますか、こういうものもまだ不十分なところがございますので、こういうものについてはさらに調査あるいは観測を強化しながらいろんな対策を講じるということで、それぞれ今申されましたように、地震の形態によりましてあるいはその原因によりまして、法律の制度なり私どもの観測なり、あるいは具体的な制度あるいは財政支援も異なっておる、こういう状況にございます。
#72
○青木薪次君 南関東は直下型である。この阪神・淡路大震災も直下型であった。東海地域については、地震対策法に示されているように、いわゆるプレート型であるというようなことが言われて、予知ができるのがいわゆるプレート型の地震であると言われておりますけれども、この点はいろいろあるわけですよ。
 プレートがフィリピンから太平洋からユーラシアから来る。これがぶつかっているのが我が静岡で、これは余りありがたくない話でありますけれども、めり込んでいるわけですよ。それで私どもはその上へ住んでいる。しかし、これが一たん、例えば御前崎というのがありますが、ここが盛り上がってきたらそれはもう反発する寸前だ、こういうものが予知できるというように言われているし、地震計、傾斜計、ひずみ計、いろんなものが据えられているわけでありまするけれども、その点についてどういうような対策があるか。
 例えば、南関東だって私は大変なことだと思うし、今活断層と言われるものについては大体二千五百以上あるというように言われているし、今の阪神・淡路大震災の関係等についても、例えば大阪の淀川地域あるいはまた京都の京都盆地でしたかというようなところが非常に危険視されているし、そういうような問題等を兼ね合わせてこれからも総合的に地震の形態に対して検討すると同時に、対策を協議して決定するというように理解してよろしいんですか。
#73
○政府委員(西川一誠君) ただいまお尋ねの件でございますが、全体として地震関係のいろんな科学技術の研究といいますか、こうした問題については測地学審議会でございますとか、あるいは具体的な毎年の予算、それから研究の調整等はそれぞれの組織に基づきまして進めておるところでございます。
 また一方、こうした全体の研究なり、これを行政にどう生かすかという問題につきましては、私ども防災基本計画の見直し等の中でこうした予知の問題についても大きな項目として、どういう格好で進めていくか、現在の制度をどう見直していくかということを今検討中でございますので、そうした全般的な検討の中で少しでもいろんな地震の挙動がわかるように、また対策が講じられるように努力してまいりたいというふうに思っているところでございます。
#74
○青木薪次君 これはぜひひとつその案をなるべく早く検討していただきたい、こういうように考えます。いいですね。
 それから、先ほど申し上げました阪神・淡路大震災の都市計画、区画整理事業とか再開発事業とか、この関係等について私ども重大な関心を実は持っているわけでありまして、この問題と地震の形態による対応の問題、この二つを早急に大別して検討していくつもりでございますので、これからひとつ関係当局もこの問題については相当関心を持って対応していただくようにお願いいたしまして、私の質問を終わります。
#75
○三上隆雄君 私は日本社会党・護憲民主連合の三上であります。
 今回の委嘱審査の審議の経過を見ても、やはり大震災の問題が一番大きく取り上げでございます。両大臣を初め政府の関係機関、そしてまた被災地の多くの皆さん方が救済や復旧に向けて努力されていることに心から敬意を表したいと思います。
 なお、今回の復興に当たっては、この貴重なとうとい経験を生かしていただいて、個人の権利とそしてまた希望を満たしながら、将来に向けて悔いのないようなそういう復興計画を出していただきたい、こう思うわけであります。
 そこで、私は大局的な立場から若干の質問をいたしたいと思います。
 第一に、新しい全国総合開発計画についてお尋ねをしたいと思います。
 今、現在走っている第四次全国総合開発計画が昭和六十二年に閣議決定をされて、二〇〇〇年を目標年次としていわば東京一極集中を是正し、国土の均衡ある発展を図るために策定したものでありますけれども、国土全体の開発の基本として進めてきたその計画もおおよそ半分を経過したわけであります。しかし、その成果は余り出ていないというのが現状ではなかろうかな、こう思うわけでありますけれども、ただいまその計画の見直しに入っているということをお聞きいたしました。そのスケジュールあるいは内容等についてまず質問をいたします。よろしくお願いいたします。
#76
○政府委員(糠谷真平君) お答え申し上げます。
 先生御指摘のように四全総ができましてから八年近くたっているわけでございますので、その後の情勢がどうなっているかということで、総合的点検作業というものを国土審議会において行ってまいりました。
 昨年の六月に総合的点検作業の報告が出されまして、その中で、これまでの全総計画の単なる継続ではない新しい理念に基づいた国土計画の策定が必要であるという提言がなされたところでございます。それを受けまして、私どもも昨年の夏から秋にかけまして、各地域ブロックで地域の御意見を伺うとか、あるいは次の計画の基本的なあり方をどういうふうに考えたらいいんだろうかというような研究会をやりまして準備作業を進めてきたわけでございますが、そういうことを終えました後、昨年の十一月に国土審議会を開催いたしまして、新しい全国総合開発計画を平成八年度中を目途に策定するということを審議会に申し上げまして御了解をいただいたところでございます。
 そういうことで、今年に入りましてから、一月になりましてから国土審議会に計画部会というものをつくっていただきまして、本格的な策定作業を開始いたしたところでございます。これまでに計画部会を三回もう既に審議をしていただいたところでございます。
 今後のスケジュールでございますけれども、計画部会の審議を積み重ねてまいりまして、今年の秋には新計画の基本的考え方、それから来年の秋には新計画の中間案を取りまとめまして、最終的な計画の策定を八年度中を目途にやりたいと考えているところでございます。
 それから、新しい計画の内容というお尋ねでございますが、これから議論を重ねていくところでございますけれども、今までの議論で浮かび上がってきているものを幾つか御紹介申し上げますと、一つは、やはり本格的な人口減少社会が近い将来もう確実になってきているということで、人口減少に対応した国土づくり、地域づくりというのをどういうふうに考えていくかということが大きな問題でございますし、世界各国の相互依存関係というものが大変強まってきておりますので、アジア・太平洋地域とのかかわりを念頭に置いた国土づくり、地域づくりということが重要だということが出てきております。
 それから第三番目でございますが、今回の阪神・淡路大震災の経験も踏まえまして、安全な国土の形成、これは従来から重視をしてきたテーマでございますけれども、今回の経験を踏まえまして、その問題を真っ正面からとらえまして、人と自然とのかかわり合いというものをどういうふうに見直していくかということが大きな課題になるのではないかと思っているところでございます。
#77
○三上隆雄君 ただいまの説明で、新しい理念に基づいてという前段のお答えがございましたけれども、今までとは大きく違う新しい理念とは、特に強調していただければどの部分でございましょうか。
#78
○政府委員(糠谷真平君) ただいま人口減少の問題、あるいは世界的な相互依存関係の増大、安全の認識の重要性ということを申し上げましたけれども、そういったことが新しい理念にかかわってくると思いますが、それを一言でまとめて申し上げますと、これからは安全で質の高い国土の形成、あるいは多様性のある国土の形成ということが重要になってくるのではないかということが国土審議会計画部会等で議論をされているところでございます。
#79
○三上隆雄君 そこで、主務大臣であります国土庁長官に対してお尋ねというか、若干の要望を申し上げながら御決意をいただきたいわけであります。
 現在の都市構造というのは、特に三都市圏、これは自然発生的にできた都市ではなかろうかな、こう思うのであります。それはやはり自然条件がまずよかった、それにまた自然発生的に社会的条件が伴っていく、それにまた経済的条件も加味されていくという、そういう有利性から自然発生的な都市である、こう思っているわけであります。しかも、戦後の経済発展の国家的な産業振興のプログラムの中でも相当な支援があって都市の発展があり、それがひいては日本の経済発展をもたらしたものだ、こう思っているわけであります。
 今のこの三大都市圏の人口の状況を見ますと、首都圏が約四千万、中部圏が一千万、近畿圏が約二千万と言われておりますけれども、合わせてその三圏域で七千万、日本の人口の約六〇%を超える人口が集中的に生存し、そして経済の発展を当然促してきたわけでありますが、そこにはいろいろな弊害が出てきた。しかし、人間の人情といいますか、豊かさを、今までの概念の豊かさを求めるということで、いろいろな問題があるにしても、そこに集中的に人間が集まって経済も情報も集中化したというのが現状だと思います。その結果、通勤地獄を生じ、そしてまた住宅環境も悪化させて、人間が住むには必ずしも適切でない、極めて厳しい環境にあると言ってもいいと思います。
 一方、地方圏を考えてみたときに、ほとんどの地域は過疎化の状況になっております。確かに、地方圏の中でも都市集中型のそういう社会構造というのは全国一律な現象として見られております。
 そこで、都市は過密によって住みにくい、地方は過疎によってその地域社会を維持できないというそういう状況、前段言ったように、そういう状況にありながら都市に集中するというのが今までの趨勢であったわけであります。今回の大震災のこの貴重なとうとい経験を生かして、五全総になるのかどういうネーミングになるのか知りませんけれども、新しい全国総合開発計画に向けて、今回の大震災を貴重な体験として、またそういう過密な都市集中型のそれをこの機会に私は是正することが大事である、こう思います。
 もちろん、あの震災に遭った地域の早期の復旧、復興は当然でございますけれども、この機会に都市の住民の方々も今までの認識とは違うような意識変革が出ておるやに聞いておりますから、それについて国土庁長官として、どのような計画に対する心構えがあるか、お尋ねをしたいと思います。
#80
○国務大臣(小澤潔君) ただいま先生の御指摘のとおりであろうと思います。
 質問の要約は、地方分散の推進が最も重要である、そこであろうと思いますが、国民の生命と財産の安全確保は国づくりの基本であります。新しい全総計画におきましても、安全で質の高い国土の形成が極めて重要な課題であると考えております。先ほど局長からもこの点に強い発言がございました。
 したがって、新しい全総計画の策定に当たりましては、今回の阪神・淡路大震災を初めとする最近の一連の災害について、経験等を踏まえ、諸機能の分散配置の推進等、災害に強い国土づくりを行うべく鋭意努力してまいる所存であります。八年をめどに、先ほど局長からも御説明がありましたが、二十一世紀に向けて災害に強い、そしてまた安全で質の高い国土の形成に向かって、ただいま審議委員の先生方にお願いをいたしておるところでありますので、やがて立派な答申が出ることを期待いたしております。
#81
○三上隆雄君 ただいま長官から前向きな御発言がございましたけれども、今までのそういう延長路線では解決はできない、こう私は思いますから、今回の災害を含めて、今神戸地区の復興に当たって相当な財政投資も必要であります。これも私は是とするわけでありますけれども、そのことが全国の都市に反映されることは、財政的に今の財政事情では大変無理があるということもまた感じざるを得ないわけであります。
 小さな政府、大きな政府という議論もありますけれども、こういうときにこそ、場合によってはもっと地方に力をつけることもまた私は十分考えられることではないかなと思います。その意味では、先ほど来問題になっておりますけれども、政府が国民から信頼されるそういう政府になっていただいて、必要なものは国民の理解を得ながら、聴取しながら、そして理解あるそういう財政投資をしていく、そういう心構えもまた一面では必要ではなかろうかな、こう思うわけであります。
 そこで、今度は若干ローカル的な質問に移らせていただきますが、四全総では基幹的交通情報通信ネットワークの整備をいたしまして、一日交通圏の構築が強く打ち出されているわけでありますけれども、その中には新幹線の対策もございます。新幹線はきょうは担当委員会ではございませんので、道路の問題について質問をしたいと思います。
 実は、日本海沿岸東北自動車道構想もございますが、その構想計画の中に、秋田県の能代まで行っていない、秋田県の途中から青森県の内陸に入っていくという、そういう路線が当初の計画でなされたわけでありますけれども、秋田県の北部能代を初め、青森県の西海岸はその路線から脱落をしているというのが実態でございます。ただ、そこにそれを補完すべく西津軽・能代沿岸道路という、これはどういう位置づけになっておるか知りませんけれども、希望的な青森県の図面には出ているわけでありますから、その点について、その路線がどういう扱いにされて、将来どういうスケジュールで整備されていくのか。あわせて下北半島の縦貫道については、大変な御配慮によって一応計画路線ということの指定は受けました。この路線についても、そのスケジュール等についてお尋ねをしたいと思います。
#82
○政府委員(藤川寛之君) 最初にお話がございました西津軽・能代沿岸道路でございますが、今もお話がございましたように、この道路につきましては、日本海沿岸東北自動車道、これと一体となって長期的な視点から地域の高速交通ネットワークを形成する路線であるというふうに認識しているところでございまして、昨年十二月に地域高規格道路の候補路線ということで指定したところでございます。本路線につきましては、平成七年度から候補路線ということでございますので、路線の基本的な役割の問題、地域のそういう振興、あるいは地域の整備計画等との関連の問題等について調査を推進してまいりたいというふうに考えているところでございます。
 それから、下北半島縦貫道でございますが、これにつきましても、下北地域の骨格になる路線でございまして、東北縦貫自動車道と直結する計画でございますが、直結した形で高速のネットワークを形成する大変重要な路線だというふうに認識しているところでございまして、昨年、今お話がございましたが、地域高規格道路の計画路線というふうなことで指定させていただいたところでございます。今後、整備のプライオリティーの問題、あるいはこのルートの問題等について調査を進めていきたいというふうに考えているところでございます。その調査の状況を見ながら、調査区間それから整備区間というのを定めていきたいというふうに考えているところでございます。
 この路線につきましては、国道の二百七十九号と並行するような形で計画しているわけでございますが、この二百七十九号の有戸バイパス、あるいは野辺地バイパスというような形で規格の高い構造の道路整備をもう既にやっているところでございまして、この道路につきましても地域高規格道路として活用するというふうなことも検討していきたいというふうに考えております。
 この路線というのは、大変重要な路線でございますので、私どもとしても今後その事業の促進にできるだけ努めてまいりたいというふうに考えているところでございます。(発言する者あり)
#83
○三上隆雄君 今、同僚の先輩議員から一日も早い実現をいたすという、断言せいという、そういう応援がございましたけれども、まさにその気持ちで要望しているわけであります。
 特に、この下北半島というのは日本の重要な施設が密集していると言ってもいいほどの施設が設置されている地域でありますから、人口は少ないけれども、そういう観点からも早急な改善方をお願いしたい、こう思っております。しかも、地元の協力体制については相当な熱意がございますから、そういう地域を重点的にひとつ促進されるように特にお願いをしておきたいと思います。
 それでは、最後の質問になりますけれども、これは住宅局の関係になるかと思います。きょうは住宅建設の立場から質問するわけでありますが、これは実は通産省の関係、太陽光発電の装置の設置、この普及に当たって建設省の住宅局と提携しながら進めていただけないかという要望と質問でございます。
 実は、私ども社会党では自然エネルギーの開発促進を進めてまいりました。昨年度、現在走っている会計年度で、六年度の概算要求の段階では四十億円の一千戸、三分の二の補助ということの要求をしてきましたけれども、残念ながら初年度であるがゆえに、そしてまた個人の資産に対する補助という、それもネックになりまして、ちょうど半分の二十億、七百戸の決定をいただいて現在執行されているわけであります。少なくともことしは、七年度は二年目でありますから、当初我々が要求した四十億、一千戸を建設省の住宅と提携、集合住宅でもいいわけでありますから、その点を通産省と提携しながら普及促進に努力をしたい、こう思いますから、建設当局のお考えをお尋ねして質問を終わりたいと思います。
#84
○政府委員(梅野捷一郎君) いわゆる私どもも環境の問題、それからエネルギーの合理的な利用という観点からいろいろ取り組んでいるわけでございまして、省エネルギーというような問題については、省エネに関する法律については私ども通産省と一緒になった共管の法律をもって協力をして進めているところでございます。
 ただいま御指摘の太陽光発電のモニター事業のことかと存じますけれども、これは通産省の方で進めておられますいわゆるモニター事業、これが今後確立していくためには技術面あるいは実用上の問題、いろんなことをモニターしていこうということを中心に進められているというふうに私ども承知しているところでございます。
 そういう趣旨でできておるわけでございまして、いわゆる公的な住宅にこれを取り入れるということは、どうも今申し上げたような事業の性格上直ちにはなじまないという状況に現在あるようでございますけれども、私どもは最初に申し上げましたように、さまざまな形で環境問題という問題については積極的に取り組もうということで、いわゆる環境共生住宅というようなことをうたいながらいろんなことをやっているわけでございます。太陽光の発電システムを備えた住宅の普及については、私どもがやれる分野でも積極的にやろうということで、金融公庫の融資においても割り増し融資をしてそういうものの普及に努めるというようなことを進めているところでございます。
 いずれにしても、いろんな新しい取り組みはこれから解決すべき問題もたくさんあるわけではございますが、御指摘のように関係するところといろいろ力を合わせながら環境問題に取り組んでまいりたいというふうに思っているところでございます。
#85
○委員長(合馬敬君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時十五分に再開することとし、休憩いたします。
   午後零時二十分休憩
     ―――――・―――――
   午後一時十八分開会
#86
○委員長(合馬敬君) ただいまから建設委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、平成七年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、建設省所管、総理府所管のうち国土庁、北海道開発庁並びに住宅金融公庫、北海道東北開発公庫についての委嘱審査を議題といたします。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#87
○矢原秀男君 質問の前に、特に厚生省に来ていただきましたのですけれども、連日のテレビや関係の、きょうは建設大臣、長官も御一緒ですが、やはり大震災に御苦労をしていただいておりますけれども、私も緊急対策の措置状況については毎日県や市と連携をとらせていただいております。
 一つはライフラインの対策。二番目には住宅の対策、これには一と二がございまして、一つは応急仮設住宅の建設、二番目には恒久的なそういうものを含めた公営住宅等への一時入居状況、さらにはその奥には恒久住宅政策というものもあるわけでございます。
 そういう数字を見させていただいておりまして、応急仮設住宅の問題については今なお、もちろん焼失家屋が七千六百世帯、倒壊の家屋が十四日現在で二十五万八千九百三十七世帯でございますから、いろんな形があるにしても仮設の住宅に早く入りたい。そうして、申し込みをしても、仮設もすぐ明くる日にできるわけではございませんから、つくる方も大変でございますけれども、避難所にいらっしゃる方はこういう膨大な人数でございますから、やはり今なお八万四千の方々が避難所にいらっしゃる。仮設が足りない、もういらいらされている、きょうでもう二カ月になる。こういうふうな状況で、応援をする我々も、そうして仮設に入っていらっしゃる方はさらに大変な状況に追い込まれていらっしゃることは当然のことでございます。そういう観点から、仮設に関する質問をさせていただきたいと思います。
 神戸が一番人数が多いので具体的に神戸に絞ってまいりますと、今四百四十五カ所の避難所に六万七千九百十四名がまだいらっしゃるわけでございます。こういうふうな方々の中で、申し込みということになりますと、具体的な数になりますから神戸だけに一応絞りますけれども、第一回目の一月二十七日から二月二日までに被害の皆さんに応急仮設住宅に入りたい方はと言ったときに、神戸市だけで五万九千五百五十五戸、これを要求されたわけなんですね。ところが、現実には兵庫県側では三万五千、そして大阪府で兵庫の分だけをとっておりましても一千戸近く。こういう中で神戸市だけでこういう御希望があったわけなんです。
 ところが、今神戸で入居されていらっしゃる方というのは、三月十四日で千八百十五だけなんです。ですから、三月末には一万四千六百十九戸つくりたいと、神戸市だけですよ。そして、四月の末までにせめて神戸市では一万九千四百二十二戸建てたい。最初の希望数から見ると全然足りないけれども、こういうふうな数字で進んでいるわけです。
 それで、三月十四日の時点での完成戸数というものは三千九百五十六戸、入居の決定が二千四百三十一、実際に入っていらっしゃる方は千八百十五。こういうふうに数字だけを見てまいりましても、避難所に入っていらっしゃる方、そして親戚やいろんなところ、遠くへ避難をされていらっしゃるけれども、希望数というものは神戸市だけで五万九千五百五十五もあった。
 こういうふうな中で、早く住居というものはまず避難所の方々に仮設に入っていただく、本当に避難者の立場から見るとそういうことになるわけでございます。非常に努力はされていらっしゃるけれども、厚生省を中心にやっていらっしやると思うんですが、遅々として避難所の皆さんの要求、要望というものがかなえられない。こういうことについて、どこに、用地に問題があるのか、それとも仮設を建てる資材にいろんな問題点があるのか、そういうふうなところを明確に答えていただきたいと思います。
#88
○説明員(松尾武昌君) 応急仮設住宅につきましては、三月末までに兵庫県で三万戸、四月末までにさらに一万戸積み増して四万戸をベースにしたいということで、神戸市の場合、数字につきましては先生の御指摘のとおりでございます。
 それで、三月末までの三万戸につきましては、建設省の御支援をいただき、あるいは業者等の協力もいただきまして、ほぼ完成できるのではないかという見通しを持っているところでございます。
 また、残りの一万戸につきましても、七千戸までもう既に発注しておりまして、四月末までに完成できるよう努力をしているところでございます。残りの三千戸につきましても、土地等の確保がほぼめどがついておりまして、現在、より近くに建てたいということで土地の選定を急いでおりまして、土地が決定次第発注し、建設に入る予定でございます。
 当初、資材の搬入あるいは工事に当たられます工員の確保等で大変に手間取ったわけでございますが、現在はそういうことで軌道に乗っておりまして、今申し上げました建設戸数に向かって最大限の努力をしているというところでございます。
#89
○矢原秀男君 それで、いろいろの諸問題があろうかと思いますけれども、一層の努力をお願いしたいと思います。
 ここで問題が数点出てまいりますのは、仮設住宅の順番を待っているともう入れるかどうかわからないと。そういうふうなことで、自分の土地を持って被災をされている方は、自力でそこにせめて仮設でもつくって住みたい、こういうふうな願望と実施をしたいというふうな方々があるわけでございます。
 これは建設省の住宅問題にも関連しますので聞いておいていただきたいのでございますけれども、神戸市と兵庫県としては、こういうふうな問題はやはり都市計画の問題との絡みがあるので、なかなか被災者の方々に対しての意見調整とかいうものはできないと思うんです。例えば、自立で仮設住宅を建てたい、そのときに個人の資産形成への補助制度ができるのかできないのか。そして、もしできなければ、災害援助資金というものはどの程度まで進んでやろうとされているのか。
 だから、自立の仮設住宅というものは用地さえあれば建ててくださいと。いつまでも避難所におられずにやってください、一、二条件がそろえばと。こういうふうな形が、避難所の中から、自分は土地を持っているから仮設を建ててそこで住みたいと、そういう場合に問題点が必ず出てくるんではないかなと思うんですけれども、その意見調整が行政と個人とできないのかどうか。それが法律的な問題点の中で懸念性があるものであれば、ちょっと答えていただきたいと思います。まず、厚生省の方。
#90
○説明員(松尾武昌君) 災害救助の目的は被災者の応急一時的な保護にありまして、法による応急仮設住宅の供与も、災害のため住家をなくして自力では直ちに住宅を得ることが困難な方々に対しまして簡単な住宅を仮設し一時的な居住の安定を図ることを目的としております。
 この事業は兵庫県が実施しているところでございます。したがいまして、自力で仮設住宅を建設される方々に対しましての補助制度は、本法では想定していないところでございます。
 したがいまして、災害援護資金という制度を持っておりまして、この災害援護資金は、こういう被災された方々に対しまして、最高三百五十万円の限度額で十年の償還期限。今回の阪神・淡路大震災に限り一律五年の据置期間、無利予期間を改正いたしまして、この災害援護資金の活用により自力で自宅等を建設していただければというふうに考えているところでございます。
#91
○矢原秀男君 今の厚生省の法律的な立場からの見解をまとめますと、こういうことじゃないかなと思うんです。これを含めて建設省へも質問したいと思いますが、個人の資産形成への補助制度は、法律では認められていない。だから、自立の仮設住宅に対する補助は出ませんと。しかし、災害援護資金においては融資制度というものが、いわゆる三百五十万円までは保証人だけでいいけれどもそういう制度ができる、こういうことだと思います。
 ここで建設省に伺いたいんですが、市や県も建設省の方も、ここでやはり考えられるのは、防災に対する都市計画という行政上の計画と、そして個人が仮設住宅を建てられた場合に、一歩譲って援護資金で、大体二百万ぐらいでできると思いますが、できた場合に、都市計画実施のときの了解事項というものが、その個人の仮設住宅をもし援護資金で建てられた場合には取り壊してくださいとか協力してくださいとか、いろんな話し合いがあると思うんですけれども、その難点があるから、今現地でも市民の皆さんと罹災の皆さんと非常にいろんな問題点があるんではないかなというのが一点でございます。
 これは建設省としては、もし仮に、もういつまでも仮設には待っておれないから自分で建てたい、そして援護資金を借りて建てた、そのときに建設省として許可をするかしないかというのが、届け出ですからやっぱりその方と行政との問題点があろうかと思いますが、それはきょう現在、一歩進んでどういうふうな形の対応というものを考えておられるのか、伺いたいと思います。
#92
○政府委員(近藤茂夫君) 仮設住宅の建設につきましては、現在最終段階として、いわゆる市街地再開発とか区画整理に関する都市計画決定最終段階にあるわけでございますが、仮に都市計画決定がされた段階においての都市計画制限といたしましても、仮設住宅については許可されるべきものという取り扱いになっております。
 その後、例えば区画整理の事業計画の決定段階に入っていく、その段階で仮設住宅を建設した人に対してもそれなりのいわゆる損失補償、そういった点についても事業計画において配慮されている、そういう仕組みになっている。そういうことでございますので、都市計画決定されているからということで、あるいは現在の八十四条の段階でも仮設住宅の建設については禁止はされていない、そういう状況でございます。
#93
○矢原秀男君 いや、それは本当に、やはり自立をしようとされる方に対しては今のあなたのお言葉は非常に温かいと思うんですが、市や県のいわゆる都市計画の行政担当は、今のあなたの御発言というのは知っていますか。
#94
○政府委員(近藤茂夫君) 実際の運用段階におきましては、今、神戸市等公共団体においては、できるだけ計画が決まるまで仮設住宅で待っていただけないかというような指導があるやには聞いております。しかし、それはあくまでも指導でございます。どうしても早くつくりたいということであれば、それは許可せざるを得ない。
 ただ、今現在、神戸市等においても考えておりますのは、できるだけ早く計画決定すれば、事業計画の一環として仮設住宅、仮設店舗なんかもできる、そういうことになれば個人の御負担なしにできる、そういう意味合いで都市計画決定を急いだという面もあるわけでございますが、状況はそういう段階でございます。
#95
○矢原秀男君 技術的にはいろんなことがあろうかと思いますけれども、やはり被災者の方々の意向というものを、またそういう対応ができる範囲の中で前向きで、やはり今後いろんな問題が出てまいりますので、よろしくお願いしたいと思います。
 この仮設についてもう一点でございますけれども、厚生省を中心に、これは政府にお願いをしていることですから、厚生省さん、あなたに私は質問しているけれども、これ国土庁長官、あなた方大臣クラスも全部やはりきちっと聞いておいていただきたいんです。私有地について、四万戸ベースというのが地元行政では旗上げをしましたけれども、実際は用地が足りない、だから私有地を一定のいろんな条件で借り上げをしよう、こういうことで現在農地の買い上げは、お話を聞いていると淡路でも、野球場の問題は大手企業の宝塚、伊丹で仮設を建てるために提供していただいている。ゴルフ場も有馬ロイヤルの方では一カ所は提供していただいている。こういう数が大手企業の皆さんに、もっともっと私有地の借り上げのために国は努力しなければ私はいかぬと思うんです。
 そういうわけで、いわゆる問題点としては個人的な私有地であれば土地を借り上げしても、そこへ私有地を持った人が住んでくるということになると、ない人は不公平感とかいろいろの問題が出てくると思いますけれども、大手の私有地の借り上げというのはそういうふうな広い敷地が何千坪何万坪とある場合はこの近辺でお願いをする、それをまず厚生省と、国土庁長官、本来でありましたらあなたが全部の災害対策の本部長としてやっていただいているのに、もう軽い方へ行かれたので私もちょっと不満なんです、あなたが本当は最後まで災害復興については全力を尽くす、長官として頑張るんだとあなたが言ってもらわなければいかぬのに、期待しているあなたがいつの間にか横にかわっておられるので、私は残念なんですけれども、厚生省と長官、お願いします。
#96
○説明員(松尾武昌君) 先ほども御説明しましたように、四万戸のうちの三万七千につきましては土地を確保しまして、発注し建設に入っているわけでございます。
 その用地でございますが、約三百一ヘクタールほど全体としてありますが、大半が国有地あるいは市町村有地の公有地を充てているわけでございまして、先生御指摘の民有地もその中に入っているわけでございます。
 国有地につきましては、本震災が起こりまして仮設住宅を建設するという段階で、関係省庁に土地を提供していただきまして、この土地を利用させていただいているというところでございます。残りの三千戸につきましても、用地の確保は大体めどがついておりまして、この選定次第早急に発注し建設をするということになっておりまして、四万戸の仮設住宅の建設に当たりましては国公有地を最優先で充てたわけでございます。
 国公有地を最優先に充てましたのは、やはりその後の利用関係の調整等が比較的やりやすいということで国公有地を優先的に取り上げたということでございます。
#97
○国務大臣(小澤潔君) ただいま先生の申し上げたとおりであろうと思います。
 内容については、ただいま厚生省からお話がありましたが、私も意を踏まえてひとつ真剣に、またきょうの先生の御指摘を小里大臣にもお伝えをしてまいりたい。そして、小里大臣ももう真剣にこの件についても皆さんの御質問に答えておるところでありますが、きょうも先生からあった旨をよく伝えまして、万全を期してまいりたいと考えております。
#98
○矢原秀男君 どうかよろしくお願いいたします。
 それから、建設大臣、最後にこの住宅の問題で、仮設の件で所見を伺いたいと思うんですが、一月三十一日前後かの兵庫県の貝原知事の、応急住宅は希望者全員に提供させていただきますというこの発言は、やはり抽せんに漏れてそして入れるか入れないかという人たちに対する大きな私は希望になっていると思うんです。だから、この発言というものは、大臣、私は大事に大事にやはり県知事発言を政府当局としてはそうなんだと、そういうふうにして支援の体制をばっと固めていただかなくちゃいけないと思うんです。一部に、用地もないのに、また大変なことなのに何を言っているんだというふうな水入れのいろんなことがあるやに思うんですが、そうではなくして、本当に僕は、ここは県知事は意を決した重大発言を必死になって、これは政府を含めて被災者の方々に対する希望の代弁であったと思うんですけれども、これに対して建設大臣として一言所見を伺いたいと思います。
#99
○国務大臣(野坂浩賢君) 矢原先生の御指摘のとおりに、我々は兵庫県あるいは神戸市の皆様方の計画については全面的に全力を挙げて協力をしておるつもりであります。
 例えば、私は一月十七日に被災地に参りましたが、私どもの溜水審議官は、将来の問題を踏まえて直ちに兵庫県に協力せよということで参りまして、どうしても副知事に欲しいということでございましたので、溜水審議官は副知事に現在就任をする、こういう姿で一体となった計画を立てて進めております。
 仮設住宅の問題につきましては、今厚生省が申し上げられましたように、三月に三万戸できるかいとおっしゃいますが、できるように最大努力して、当面するプレハブメーカーやあるいは日建連の皆様方にも集まっていただいて、確認されるから三月中にやってほしいと。あとの一万戸は四月中ということだけれども、三千戸については、土地はありますが遠いんですね、被災地から。そういう状態でございますけれども、何とかして整備をして期待に沿わなきゃならぬ。
 それから、募集をしておりますけれども、何月の何日にかぎを、キーを渡しますといってもおいでにならぬところがあります。しかし、被災者の皆さん方から見れば、御親戚に行ったり、あるいは自分のうちを若干補修してお入りになると、しばらくどっちにしようかというふうにお考えになる。したがって一週間程度は待たなきゃならぬ。これも、機械的には実施をするということが人間的な関係でなかなかできにくいというところもあります。
 先生も疑問に思われるかもしれませんが、避難所におられた三十二万の皆さんが、現在は八万ということになって、家と仮設住宅とそれとは、何といいますかきちんと合わぬというところが、整合性がありません。ありませんが、貝原知事の御発言によりますと、三月中に神戸市を除いた被災地は、被災住民の皆さん方がいらっしゃる避難所はなくなるだろうという見通し、神戸は四月中にはこれも解決ができるだろうと思うというお話がございます。だから、三万戸あるいは三万七千、四万戸、そして全国の一般の民宿、その他ホテル等をお借りするのが八千戸ということになりますと、全体として集約できるんではなかろうか、こういう見通しと考え方を持っております。
 したがいまして、我々は地方自治体と共同し、一体になって全力を挙げ、建設省としては先頭に立って皆さん方の御期待に沿う、こういう決意で進めております。
#100
○矢原秀男君 本当によくやっていただいておりまして、感謝を申し上げます。どうか、今決意を披瀝されましたように、よろしくお願い申し上げたいと思います。
 この関係でございますが、住宅政策について一問伺いたいと思います。
 阪神・淡路大震災により倒壊家屋が多く生じているわけでございますが、恒久住宅の問題を質問したいと思います。三カ年計画、これが私は第一期だと思っておりますけれども、その後の第二期の恒久建設政策というのはどういう計画をされているのか。
 これは神戸中心のこの大震災もそうでございますが、全国的にもいろいろ住宅を欲しい人、公営に入りたい、特に公営に入りたい人が、僕も被災者の方に聞いていると、もう五十、六十歳のいわゆる生活中心の方が被災を受けて、亡くなられた方、生き延びた方、やはり生きた方にお会いをしても、もう何も要らないと。何十年も女の人であれば着物を趣味で買って、ずっと財産のように娘やいろんな者に渡そうとされた、そういうような方。宝石のお好きな方は、やっぱり女性の方は持っていらっしゃるでしょう。しかしもう何にも要りません、命だけやっと助かりました、先のことはもう何にも要らないんですというのがまず初期の精神的な状況でございまして、しかし、これが落ちついてくると、やはり住宅というものが衣食住で一番大事になってくる、これは文化的な生活で。
 そうなってくると、もう二重のローンやいろんな問題になると、私が知っている者でも、友達でも、去年ローンを組んだ、もう中年以上である、もう人生をやけくそになっている、再起できない。そういうようなことで、やはり市営や公営やそういうことを中心とする、公団もそうですけれども、いわゆる公営住宅にもう入った方がいいんじゃないかという希望があるわけでございます。そういう意味で、まず第一期、せめて第二期ぐらいまでの計画がございましたら、簡単でいいですからお教えをいただきたい。
#101
○政府委員(梅野捷一郎君) 恒久対策としての住宅でございますが、この三月九日に県としての第一次的な復興計画の御発表がございました。その内容は、三カ年に必要と考えられる住宅が十二万五千戸であるということでございまして、今後三年間に、そのうち一万五千戸というのは従来からやっているものとかいろんなことがございまして、三年間の新規建設については十一万戸をやっていきたいというのが全体としての枠組みでございます。
 かつその中で、ただいま先生からのお話もございましたが、私どもから見ましても、先ほど来御議論がございます仮設住宅にお入りの方々を初めといたしまして、これは最大二年でございますので、一年ないしは二年の間にきちんとした恒久住宅にお移りをいただくということも必要であるということもございまして、この県で御発表になった計画の中でも、公営住宅あるいは特定優良賃貸住宅、公団、公社というようないわゆる公的な住宅が過半でございます六万四千戸というものを内容とする十一万戸という計画をお出しになっているわけでございます。
 スケジュール的には、これを土台といたしまして各種の御意見等とも調整をした上で、三月中に中間的なもう少し固まった案にし、それで五月の中旬には最終的にきちんとした計画として確定しようということで作業を進めることになっているわけでございます。
 私ども建設省といたしましては、この計画を御審議いただくひょうご住宅復興会議というようなところにも参加させていただいておりますので、また、実質的にも兵庫県の計画の策定には従来からもいろんな形で御協力申し上げてきておりますが、その計画をつくることも、あるいはその計画で盛られた内容を実現していくことについても全面的に支援をしていきたいというふうに思っておるところでございまして、先ほど申し上げました三月の中旬におきますもう一歩固めた計画、あるいは五月に決めると言っております最終的な計画の策定をきちんとしたものにできるように御協力をしていきたいというふうに思っているところでございます。
#102
○矢原秀男君 その点、計画どおりによろしくお願いしたいと思います。
 次は、砂防関係について質問いたします。
 先般被害がありまして、技術のすばらしい土木研究所調査団が六甲山を全景として、まずヘリコプターとか航空機による写真撮影によって六甲山の亀裂やいろんな問題点というものを克明に調査をされて、そしてそれぞれの所轄のところへ連絡が行って対応されていると思うのでございます。
 私は、その中で砂防問題だけについて御質問したいと思います。
 今回の地震による詳細な崩壊分布、六甲山系の南側になろうかと思いますが、崩壊土砂量の把握と分析について、これが第一点。第二点は、降雨による崩壊発生、崩土流出、流出土砂量の推定。三番目には、降雨による立木流出量の推定。四番目には、砂防施設の被災度の詳細調査と分析。五番目には、地震後の砂防計画、応急対策を含めての検討。
 簡単で結構でございますので、この対応はもうしっかりされていらっしゃると思いますので、今の五点について伺いたいと思います。
#103
○政府委員(豊田高司君) 先生御指摘のとおり、土木研究所の調査団、特に砂防班というものを結成いたしまして、今おっしゃいました五項目について詳しく調査いたしました。
 そのうち可能なものから既に実施しているわけでございますが、そのうち特に一番目のまず基礎データといたしまして詳細な崩壊の分布、崩壊土量の把握と分析、これが一番大事でございますので、これは現在既に実施中でございます。できるだけ早く結論を出しまして、次にこれに基づきまして二番目のおっしゃいました降雨による崩壊発生、崩土の流出、流出土砂量の推定、それから三番目の降雨による立木流出量の推定、四番目の砂防施設の被災度の詳細調査と分析、それから五番目の地震後の砂防計画の検討という順番に進めてまいりたいと思っております。特に二番目、三番目については、既に具体的な調査の実施に向けて一番目の基礎データをベースに、全部でき上がるのではなくて途中段階でもわかり次第二番目、三番目の調査に向けて今準備中でございます。そういったものを受けまして五番目の新たな砂防計画の検討に入ってまいりたいと思っているところでございます。
 いずれにしましても、二次災害を防ぐために一生懸命頑張ってまいりたいと思っているところであります。
#104
○矢原秀男君 きょうは六甲山系は砂防だけを質問しましたけれども、各省庁の横の連携がございますので、この点もきちっと、やはり何回も六甲山系は土砂崩れがございまして、我々も現地に行ったり対応をお願いしたりした長い歴史的な経緯がありますので、よろしくお願いしたいと思います。
#105
○政府委員(豊田高司君) この地域には、農水省・林野庁ともよく連絡調整を密にしてやってまいりたいと思っております。
#106
○矢原秀男君 時間が経過しましたので、最後の一点だけに絞らせていただきますけれども、今度の交通渋滞、物資の輸送やいろんな問題にしても、四十三号線のあの二階、これだけすばらしい建築の技術、お金をかけた、絶対に倒れません、ロスヘ行っても日本はそんなことありませんと、これが土木工学、日本を代表する技術者の方々の声だったと思うんです。
 そして、もう一つは、去年開いた湾岸線、これだけすばらしいものも西宮と神戸間の間で橋げたが落ちている。二つの巨大な路線がさっぱり評価が変わって、どんなマグニチュード七・二以上のものがあったとしても対応できるような外観のすばらしさ、それが一挙に倒れて、四十三号線なんかも、これははっきり言って世界の技術者が見たら日本の技術水準というのはどうなっているのかなと、一般の方が見たら、ああ、これは恐ろしい地震やったんやから倒れるの当然だという二つがそれぞれの立場からあると思うんです。しかし、我々は、巨大な想定せざる地震であってもこの二つだけは絶対だと思った。
 だから、本当はどこの会社が建設を担当されたのか、図面は、地下基礎についてはどういうふうな設計技術で力学の問題から数的な基礎のものが出されて、鉄骨であるとか鉄筋であるとかいうものがどういうふうになったか、それを僕も本当は聞きたいんです。しかし、きょうは時間がございませんので聞きませんけれども、原因を簡単でいいです、そして対応はどうしますと、これだけを専門の方からお願いします。
#107
○政府委員(藤川寛之君) 今、先生の方から大変厳しいお話があったわけでございますが、私どもといたしましても、これまでも道路橋につきましては関東大地震クラスの巨大地震が来ても落橋しないようにということで建設を進めてきただけに、今回ああいう大きな被害を生じたというようなことを私どもとしても大変厳しく、また重く受けとめているところでございます。
 なぜこういうことになったのかというのはやはり徹底的に究明する必要があるだろうということで、もう既に専門家の方にお集まりをいただきまして道路橋震災対策委員会というのを発足させておりまして、具体的な原因の究明を進めていただいているところでございます。
 実際に、この倒れた高架橋にどのような地震力が働いたのか、どういうメカニズムで倒れたのか、その辺をやはりはっきりさせたい。それから、その辺の原因の究明を踏まえまして、これからの耐震設計というのはどういうふうにやっていったらいいか、そういうことを明らかにして、やはり必要な措置というのをできるだけ早く講じるようにしていかなければいけないというふうに考えているところでございます。
 また、一方で施工ミスではなかったかというようなそんなお話もあるわけでございますので、実際に被災した現地の状況につきましては撤去をする前に写真等できっちり被災の状況を確認しておりますし、また鉄筋とかそれからコンクリートにつきましてもサンプリングをして、試験等の調査を進めております。そういうものも先ほど申し上げました対策委員会の方にお示しをいたしまして、具体的に明らかにしてまいりたいというふうに考えております。
#108
○矢原秀男君 時間がありませんので一言だけ要望しておきますが、頭でっからの景観とかいうようなそういうバランスのとれない技術的なことは今後やらないでいただきたい。希望、要望だけです。
#109
○磯村修君 阪神・淡路大震災、いよいよ復興への作業もいろいろと動き始めているわけですけれども、一番ここで心配になるのがやはり復興財源というふうなことにもなるわけでございます。予算委員会等でも、いろいろな財源対策ということが議論されてきたわけでありますが、財政当局もいろんな方法を編み出して財源をつくってまいりたいと、こういうふうな御答弁もあったわけであります。そうした議論の中で、一部の報道では、公共事業の予算の凍結とかいろんなことが報道された経緯もございます。
 そこで、一言建設省にお伺いしておきたいことは、そういうふうな事業費の凍結、それを復興費に向けていく、そういうふうな問題につきまして、財政当局の方から具体的にそういうお話が実際あったのかどうか。もしそうであれば、これから仮に凍結、そういうことになった場合に、いろんな事業への影響とかあるいは地方自治体への影響とかいろいろな問題も出てくるわけでありますけれども、財政当局からのお話が実際にあったのか、伝わったのかどうか、あるいはもしそういうことであれば、どういうふうな心構えているのか、その辺のことをちょっとお伺いしておきたいと思います。
#110
○政府委員(伴襄君) お答え申し上げます。
 新聞報道等にそういう報道が出ておりました。ただ、財政当局の方から正式には来ておりません。この問題は、恐らく予算成立後に執行の問題としていろいろ考えなければいかぬ問題だと思っておりますが、とりあえず今急くものは平成六年度の第二次補正ということで緊急に措置していただいております。
 あと、復興の段階の話は、実は今兵庫県、神戸市を中心に復興計画を練られておりますので、その計画の内容を踏まえて所要の措置を講じていくという姿勢かと思っております。
 いずれにいたしましても、この当初予算の執行の問題につきましてはこれから十分考えさせていただきたいと思っておりますが、御指摘のように、やっぱり他地域への影響、そういうようなものは極力配慮しながら、限られた財源の中で必要な措置を講じていくという姿勢でしっかり臨みたいというふうに思っております。
#111
○磯村修君 わかりました。
 それから、今回の震災の教訓としていろいろな安全基準の問題等が大変この委員会でも議論がありましたけれども、伝えられるところによると、建設省も特に重要な公共物、公共性の強い建物等についての安全基準を強化していこうということを考えて、具体的な作業に入っていくという考えを持っているというふうなことも伝えられているんです。来月四月からその作業を始めて、九八年度には関連の法令の改正を進めていくというふうなことも言われているんですけれども、実際そうなのかどうか。そしてまた、そうであればどういうお考えを持ってこれから臨んでいくのか、お伺いしておきたいと思います。
#112
○政府委員(梅野捷一郎君) 建物全体につきましては、私どものところでも建築物の震災後の状況についてきちんと調査をして原因を解明し、まだこれからの対応策を明らかにしていこうということで進めているところでございます。
 この委員会の進め方につきましては、今月中には、実地を調べた上での基本的な評価、今回の被害がどういう事象であるとかということに対する評価についてはできればそこで集約をしておきたいということでございまして、その集約の段階で、特に今大きな直ちに法律その他に手を入れなければいかぬというような結果になれば直ちにやらなければいかぬと思っております。今のところはそういう大きな点はないんではないかという経緯でございますが、仮にあればそういうことをしなくてはいけない。
 仮に今そんな大きな点がないにしましても、いろいろな注意事項をするとか、丁寧な設計の仕組みをどうしていくのかというようなことを当然やっていかなくてはいけないと思っておりまして、そういう最終的な結論については、全体としては来年度いっぱいというようなことをおよその目標にしているわけでございます。
 四月と言われておりますのは、あるいはそこら辺のところが部分的に伝わっての報道かというふうな気もいたしますが、個々の先生方もいろんなことをどうもコメントされているようでございますので、私どもが四月の段階でそういう公共的な用途の場合には特に上乗せ基準をつくる、つくらないというようなことの考えを持っているわけではございません。
 なお、午前中の御審議にもございましたように、例えば役所の建物のような場合には各省でもそれぞれ調査をされております。それの反省を受けて、今後どうするかというような検討も進められるようでございます。私どもは、全体を扱う基準法の問題もございますし、それぞれがおやりになることもございますので、できるだけ情報は調整をしまして、いい形できちんとした建物がより一層進むようにはしてまいりたいと思っておりますけれども、四月の時点で上乗せをするという計画は今持っているわけではございません。
#113
○磯村修君 この安全基準の問題は、特にこれからの第二、第三への備えということで、きちっとした御検討をお願いしたいと思います。
 それから、先ほど大臣が、予算説明の中でもって、地方の高規格幹線道路網の整備というふうなことを言われているんですね。特に地域の高規格道路の整備ということは大変重要な位置を占めていると思うんです。特に、先ほど、午前中だったでしょうか一極集中の話が出ましたけれども、地方でもある都市に集中していると。そうすると、その周辺が過疎が進んでいくというふうな状態があるということ、それからもう一つは、交通が今もう非常にいっぱいになってしまって安全な交通がなかなかうまくいかないというふうな、そういう環境にもあるわけです。したがって、それぞれの地方都市なんかではその周辺を、言われているところの拠点都市ですか、そういうものの整備というのを早く促進していきたいというふうな声も強いわけなんです。
 そういう意味において、地方の地域高規格幹線道路ですか、そういうものの整備を進めてまいりたいと。これをぜひ具体的に実行し、それぞれの地域の過疎化、あるいは交通渋滞の緩和とか、あるいは地方におけるところの一極集中を排除していこうと、こういうふうなことから非常に期待が強いわけなんですけれども、これから第十一次ですか、道路整備五カ年計画の中でもってこの地域高規格幹線道路の道路ネットワークの整備、その辺の方針と申しましょうか建設省の取り組み、そのことについてお伺いしたいと思っております。
#114
○国務大臣(野坂浩賢君) 磯村委員のおっしゃるとおりに、私は建設大臣に就任した際に、国土の均衡ある発展ということが私の念願でありますと、こう言ってまいりました。一極集中を排除しなければならぬ、こういうふうな考え方で、今お話がありました地域高規格道路につきましては、地方中心都市と周辺地域の連携の強化、地域間の交流の促進、交通拠点や地域開発拠点との連結強化等を図ることによって、地域の振興、活性化の重要な役割を地域高規格道路は果たす、このように認識をしております。これが基本的な姿勢であります。
 したがって、地域高規格道路につきましては、昨年の十二月、計画路線と候補路線に分けて、財政の関係もあるので、いわゆる熟度の高いものは計画路線、熟度の低いものは候補路線ということにいたしまして、計画路線は百三十八、候補路線は百七路線、こういうふうに分けました。
 分けて作業は進めてまいりますが、今お話がありましたように、地域高規格道路につきましては、第十一次道路整備五カ年計画でおよそ二千キロメートルの整備に着手をいたしたいと考えております。そのため、昨年十二月に指定しました計画路線は重点的にかつ慎重に進めてまいりたいと考えておりますが、それらの調査、事業の内容について、整備区間と調査区間に分けて進めてまいりたい、このように考えております。
 したがって、熟度の高いところから来年度から着工するということになりますが、ちなみに山梨県は全部計画路線に入っておるということを申し上げておきたいと思います。
#115
○磯村修君 大変ありがとうございます。この点、質問に触れましてよかったと思っております。
 それから、質問時間が短いものですからちょっとピッチを上げますけれども、一極集中、多極分散ということが前々から言われてきて久しいわけなんです。これは、そう言葉では言いますけれども、なかなか前に進むのに時間がかかるわけです。
 私は、この阪神大震災というのは大変こういう意味においても大きなことを教えてくれたと思うんですよ。今こそ早く、ああいう地震の結果を見て、いわゆる中枢部分というものをできるだけ分散して危険を薄めていかなきゃいけないというふうな意味においても、確かにこれは首都機能の問題なんですけれども、そういうものを早目に考えて具体化していかなければいけないということを阪神大震災というものが教えてくれたんじゃないかと思うんです。
 今までは、理屈ではいろいろ言うんですよ、議論はするんですけれども、さあ、それじゃ実行という段階になっていくと、実行の段階までがなかなかこれはいろんなことがあって前へ進みにくいという、私どもやはりその辺のことを考えながら、我々のこの国土というものをできるだけ危険を薄めていくという意味において、国を守っていくという意味においても、早く真剣にこの問題に取り組んでいかなければいけないと思うんです。
 国土庁長官にお伺いしたいと思うんですが、そういう意味で、できるだけ時期的に早目に、早くできるような体制づくりをするということ、それから、やはりこれはもちろんこの場でもって議論するわけじゃないんですけれども、行政改革というものを早くして、スリム化してやれば移転しやすいということにもなってくるわけですから、そういう意味において首都機能の分散というものは、今ちょうど国会等移転調査会等でもいろいろ議論がなされておりますけれども、そういうことも真剣に考えていく必要がある。
 それから、国土庁長官には、いわゆる防災という面から首都機能の分散ということも考える必要があると思うんですね。中枢部分をとにかくスリム化していろんなところに移転していくことによって、それで危険度が薄まる。そして、何か第二、第三の震災があっても備えは十分にできると、こういう意味合いにおいても、首都機能の移転というものは重要な意味を持っていると思います。
 そこで、そういう防災という視点に立った国土庁長官の御見解をお伺いしておきたいと思います。
#116
○国務大臣(小澤潔君) 先生御指摘のとおりであろうと思います。私も同感です。
 首都機能は、大規模災害発生時における災害対策の中枢という重要な任務を有しております。首都機能自身が被災をすると応急対策の指揮、統括が十分に機能しなくなるおそれがあります。長期間、内外の社会経済に大きな混乱を来すおそれも出てくるわけであり、このため、首都機能の移転につきましては、地震等の大規模災害に対処する上での緊急性に配慮しながら検討を行うべきものであると私は認識をいたしております。
 現在、国会等移転調査会において移転の具体化に向けた調査、審議が精力的に進められております。今後、移転の時期そしてまた目標などについても議論されることとなっております。
 国土庁といたしましては、今回の阪神・淡路大震災の教訓を踏まえまして、この調査会の調査、審議の円滑な推進に努めるとともに、その具体化に向けて積極的に検討を進めてまいりたい、かように考えております。
#117
○磯村修君 もう一つ、局長、この作業がこれから大体どの時点でどの程度の結論が出てくるのかということ、おわかりになりますか。
#118
○政府委員(荒田建君) 調査会のこれからの審議の日程でございますから、基本的には調査会の方でお決めいただくということでございますが、日程的には、この夏にも移転の対象の範囲ですとか、あるいは新首都をつくるに当たっていろんな土地対策等々の制度をどうしていったらいいかという議論が出てまいりますから、そういった問題について、ことしの夏ぐらいにでも調査会から内閣あるいは国会に報告をいただくという段取りで今審議をお願いしております。
 その後になりまして、今大臣から申し上げました移転の時期、いつごろ一体移ったらいいのか、あるいは移転先地の条件、どういった移転先地、自然条件、社会的条件、いろんな条件がありますが、そういった条件はどういうことを考えたらいいのか。あるいは移転先の決定方法ですね、どういう形で決定していったらいいか。そういった点について、この夏に出た中間報告の後に精力的に御審議いただければなと事務局では思っておりまして、最終的な調査会としての報告は来年の春ごろを目途にお願いしてございます。
 ただ、今回の大地震もございましたし、できるだけ急いで御審議して、早く専門的な検討を終えて報告するようにという御希望も非常に強くなっておりますので、私ども事務局としては、そういった皆様方の声をできるだけ調査会の審議に反映させてやっていただきたいというふうに考えております。
#119
○磯村修君 最後に、この震災、災害への対応について一言伺っておきたいんですけれども、前のこの建設委員会でも、私、一番大事なことは初動体制にあるということを述べた記憶があるんですけれども、それにはやはり職員の非常招集体制というものをとにかく確立しておかなければ、新たな震災あるいは災害等に対応ができませんよということをお願いした記憶がございます。
 その後、何か国土庁の方で非常に対する職員の対応、全省庁に対する対応の仕方というものの何かマニュアルみたいものをつくられたというふうなお話も聞いたんですけれども、その辺の内容をちょっとお伺いしたいと思います。
#120
○政府委員(西川一誠君) ただいまのお尋ねでございますが、一月三十日に関係省庁が集まりまして連絡会議を行いました。そして、以下のような合意を得たところでございます。
 まず、全国で震度五以上の地震があった場合あるいは津波警報があった場合に、ポケベルと電話による一斉の通報を行い、関係省庁へも連絡する。それから、特に東京、神戸等で震度五以上、その他の地域で震度六以上の地震があった場合、それから津波警報があった場合には、さらに関係省庁職員に非常参集をその時点で直ちに考慮することなく行って、関係省庁の連絡会議を開催する。いわば対象の職員、参集職員をふやすということと、発災直後直ちに会議をする、こういう対応を講じておるところでございます。
#121
○委員長(合馬敬君) 磯村君、時間が来ておりますので簡潔におまとめください。
#122
○磯村修君 せっかくのお許しがありましたので、二一日だけ。
 これは、もちろん地震とか津波とかというふうなことだけではなくて、例えば台風警報とかそういうものもすべて含まれるわけですね。と同時に、また一斉指令と申しますけれども、それは十分に行き渡るような方法はとられているのでしょうか。
#123
○政府委員(西川一誠君) 今回の場合には、特に地震の場合に直ちに参集するというところが重要だというふうに思っております。
 そのほか連絡網につきましては、直接担当課長なりにポケベルを持っていただきまして直ちに連絡が行くような対応になっております。
#124
○上田耕一郎君 私は、建設省の定員削減、行政改革の問題を取り上げたいと思うんですが、総定員法が施行されて公務員の定員削減が始まったのが一九六八年で、ことしで二十七年目になります。さまざまな問題を生んでいるんですけれども、国の公共事業の七割を担って直轄事業をやっている建設省は最も矛盾が集中しているところだと思うんです。
 たしか数回、この建設委員会で建設省の定員増の請願を満場一致で採択したことがあるんですが、あれ前は野党の我々が一生懸命だったんだけれども、あのときは参議院の建設委員会には、元建設省次官とかあるいは局長とか自民党の議員の方がいらっしゃいまして、その方々がむしろ熱心に取りまとめをおやりになった。僕は非常に印象的だった、現場をよく御存じだと。ちょっとこれは定員は何とかしなけりゃならぬということが各党一致の要望になっていたんですけれども。
 そこでまず官房長に、六八年以来二十六年間の建設省の定員がどのくらい減ったのか、それから建設省の総予算、あるいは公共事業費、どのくらいこの間にふえているのか、お答えいただきたい。
#125
○政府委員(伴襄君) 大変、先生方には建設省の定員についていろいろ御支援、御指導をいただいておりまして、また御心配いただいておりまして、ありがたく思っております。
 今御質問の点でございますけれども、一つは定員の方でございますが、昭和四十四年度末に行政機関の職員の定員法は施行されておりますが、そのときが三万三千五百七十三人でございまして、平成六年度末の定員は二万四千百五十七人でございますから、九千四百十六人、二八%の減になっております。
 それから一方、その間の建設省の予算額、主として公共事業費でございますが、建設省の予算額は昭和四十四年度の予算では七千五百五十億九千八百万円でございましたが、平成六年度予算で言いますと五兆三千六百十億八千六百万円ということで、倍率で言いますと七・一倍ということになっております。ただ、これは四半世紀にわたりますので、その間公共工事のデフレーターもかなり変わっておりまして、物価は三・四倍ぐらいになっておりますから、それを割り戻すと二・一倍になっているということです。
#126
○上田耕一郎君 つまり、人員は三割近く減って仕事は二倍という状況ですから、全部機械化するわけにいかないので、特に私は現場が大変だと思うんです。
 それで次にお伺いしたいのは、八つの地方建設局、この十年間に定員がどのくらい減っているか、お伺いしたい。
#127
○政府委員(伴襄君) この十年間でございますが、八地建の定員は、昭和六十年度末で二万三千二百十六人、平成六年度末で二万九百七人でございますから、二千三百九人、約一〇%減になっております。
#128
○上田耕一郎君 十年で一割減っているんですね。定員が減っていて仕事はふえるわけでしょう。それはどうやるか、その矛盾を解決するのに建設省が採用したのが委託業務なんです。これは派遣法は使えないんですよ。これは業種が指定されていないから。だから派遣法は使えないので業務委託ということでこの矛盾を解決しているんです。
 八つの地建でこの委託業務に従事している人数は今どのぐらいで、正規の職員に対する割合は何%ですか。
#129
○政府委員(伴襄君) 八地建合計の業務委託の契約人員ですが、これは実績で約八千五百人でございます。そうしますと、八地建の定員に対しましては約四割、四〇・六%ということでございます。
#130
○上田耕一郎君 四六%でしょう。
#131
○政府委員(伴襄君) 四〇・六、四割です。
#132
○上田耕一郎君 つまり、正規の職員の四割の人が委託業務で仕事しているんですよ。これは現場へ行きますと、もう本当に建設省の職員だと我々は思いますよ。
 共産党の建設部会は、昨年現場に行って調べました。これは近畿地建京都国道工事事務所のデスクの配置図です。これは現場はすごいですよ。この南母国道出張所、総員八名いる。正規の職員は所長と係長だった二人です。あと六人は、現場監督四人を初め全部業務委託の人たちです。それから伏見国道出張所、ここは職員が四人、業務委託が六人。つまり本当に机を並べて、もう正規の職員と同じように仕事を現場ではしているんですよ。
 それで、非常に大きな問題が生まれるんですけれども、私は三つ問題を挙げたいんです。
 まず第一は、高くついちゃうということですよ。正規の職員を減らして人件費を減らしたつもりだったが、業務委託の方が高くついて、国民の税金はかえって損しているという大問題があります。
 それで、この現場監督の仕事をする現場技術業務、これを委託すると委託費は年間とのぐらいかかりますか。
#133
○政府委員(伴襄君) 人件費というようなことでよろしいでしょうか。現場技術業務の委託……
#134
○上田耕一郎君 委託費全体。
#135
○政府委員(伴襄君) 委託費全体、金額ですか。ちょっとお待ちください。
#136
○上田耕一郎君 官房長、もう時間ないから僕が言うから、それは確かかどうか。
 現場技術業務、これは出張所などで監督を頼むんですが、普通、技師のCというクラスを頼む。ABCのうちCです。人件費は、一日二万八千七百円、月二十日勤務、残業月三十時間で年額七百六十四万四千円です。
 ところが、そのほかに、派遣事業じゃないので派遣事業法にひっかからないために、月一回の業務打ち合わせをその人の上司とやらなきゃいけないんですよ。そのための人件費がありますので、それを合わせると人件費総額は八百十七万五千六百円。そのほかに、直接経費、事務用品費、業務用自動車、四十五万一千円。
 これに対してさらに間接費がかかるんです。この間接費の計算の仕方を聞いてみたら驚いた。この直接費に機械的に〇・九を掛けるんですよ、九割。ぴゃっと九割掛ける。それで七百三十五万八千円です。その中には、その委託先の会社の社長さん初め、その人たちの人件費とか、交際費だとかあるいは退職金だとか、広告宣伝費、全部その会社にかかる費用の人数分の一を掛けるわけですよ。
 それで、さらにもう一つおかしいのは、平素から技術能力を向上させて高度化しなきゃならぬのでというので、年間三百十万六千七百円、技術の高度化費、こういうのが入っている。
 間接費の合計何と千四十六万四千七百円。これはだから人件費の一・二七倍になるんですよ、〇・九にプラスしてそれの技術料がかかりますからね。それでこれに消費税を入れますと、私も計算してもうびっくり仰天です。技師Cを現場監督に業務委託すると、年間千九百六十六万四千円です、二千万円。どこか間違いありますか。
#137
○政府委員(伴襄君) 具体の数字でお示しでしたが、どうもそれはかなり高い、あるいは最も高い例じゃないかという気がいたしますが、私どもの手元で計算いたしましたところ、建設省で例えば平成五年度で現場技術業務委託の契約総額を単純に人員で割ったら、年間平均が一千四、五百万ということでございます。
#138
○上田耕一郎君 平均するとそうなるんです。これは中部地建の名古屋国道工事事務所の例だけれども、雑役とかなんとかそういうのを除いてやっぱり千三百三十五万と出ている。私の例は特別にふやしたわけじゃないんです。技師Cを年間使って、きちんと明らかにしましたから、〇・九を機械的に掛けて技術費その他を足すとこうなるんです。何と二千万円業務委託費がかかるんです。これはおかしいですよ。人件費は確かに減って、行政改革で定員減らして人数、人件費は減った減ったと言うけれども、これは事業費でふえていくわけですよ、事業費が。一人減らした人件費分、今度は事業費で、業務委託で二千万円かかるんだから。しかも、これは労働組合側は、人件費より多額の間接費、その会社の役員報酬とか退職金だとか交際費だとか技術向上料とか、委託でなければほとんど不要だというんです、こんなのは要らないというんだ、職員のままだったら。それはそうでしょう。建設省の大臣の退職金まで別に計算する必要ありませんから、これ要らないんですよ。だからこれはもう本当にひどい。
 それで、建設省に道路特会の職員一人当たりの人件費を機械的に試算してもらったら、当初予算ベースで八百九十六万四千円という数字をいただいた。すると、大体業務委託でやっぱり二倍です、二倍かかった。八百九十六万四千円でしょう。ですから、こういう行政改革それから定員削減というのは、総定員法で人間を減らすと確かに人件費は減る。しかし、仕事はふえるんだから、建設省としては国民のための公共事業やらなきゃいかぬでしょう、どうしても人をどこかから持ってこなきゃいかぬでしょう。派遣法は使えないんです。そうすると業務委託。業務委託をやるしかないのでやると、これは計算の根拠、それぞれあるでしょう。そうすると事業費で二倍かかるんですよ。だから、人件費は確かに減っているけれども、事業費では二倍かかっていると。一体何のための行政改革で何のための定員削減かと思います。これは、僕は建設省の責任だと思って糾弾しているんじゃないんです、国の仕組み全体が時々こういうとんでもない矛盾を生み出すんです。そこに手をつけなきゃいけないんじゃないかと、もう手をつけなきゃならぬところまで来ているんじゃないか。私は、第一の問題点として、これは高くつくということをまず申し上げたい。
 二番目は、これは少し糾弾になる。これは談合の温床になる。調べました、どういう人が委託されるか。委託先はコンサルタント会社または建設弘済会など建設省職員の天下り先になっている公益法人なんです。コンサルタント会社がぱっと転籍して公益法人に。そこから業務委託で入ってくるのも、そのケースも我々はかなり見つけた。そうすると、いわば公益法人から来ている、建設弘済会から来ている現場監督だというんだけれども、実はこの間までコンサルタント。その人が積算から設計からやっているんです。これはどうしても談合の温床になりますよ。工事事務所に行くとそういう人たちがやっているんだから大体わかっちゃうんですよ、予定価格は。だから、こういう業務委託がずっと広がって、正規職員の四割も現場にいるんでしょう。これもみんなコンサルタント会社関係、天下り先の公益法人の人たちがやっているんだから、これはどうしても抜けます。それで積算から何からやっている。
 私のところも組合の方や現場の方が多く陳情になんか見えるけれども、せっかく大学の設計を出て建設省に入ったら全然設計できない、計算しかやれないとか、現場に一度も行ったことがないとか、そういうつらい話を聞くんだけれども、結局そういうふうになってくるんですね。だから、積算、設計をそういう業務委託に任せているというところから、今度も下水道事業団の問題が問題になったけれども、ほとんどの公共事業で談合の問題が出てくる条件がやっぱりあると思うんです。
 第三番目が、今ちょっと触れましたけれども、やっぱり現場の労働強化です。これは労働強化はすごいです。実際の報告で残業二百時間という人がいますよ。それから、もう過労死もかなりふえている。若い方々が僕らのところに来て、もうとにかく宿舎と事務所の間を夜中に往復するだけの生活なんだ、人間らしい生活ができないということをつくづく訴えられているんです。
 だから、こういう問題点を、官房長どうですか、私は今三つの問題点を指摘したんだけれども。
#139
○政府委員(伴襄君) 第一点の高くつくというお話でございました。先ほど申し上げたように、先生の方が二千万とおっしゃって、私の方は千四、五百万という話で、その差はありますが、ただ単純に人件費だけ言いますとおっしゃるとおり九百万円に対して多いということになります。ただ、これ単純な人件費だけでございますが、一人の国家公務員の九百万円でも、やっぱりそれ以外のいろんな旅費だとか研修経費とか、もちろん庁舎、厚生経費という間接的な経費もある、事務用機器もあるというようなこともありますので、そういうのを全部比べて今のような比較をされると、業務委託の経費と比較して必ずしも高いというわけにいかないんじゃないか。だから、経費の面だけで言っても、それは必ずしも言えないんじゃないかと思います。
 ただ、それ以外にもいろいろ業務委託にすることのメリットというのはあるわけでございまして、単純な業務とか補足的な業務はなるべく民間ができるなら民間にやってもらって、そのかわりに本来職員がやらなければいかぬことに集中するということが必要なんじゃないかというふうに思っております。
 そういう意味で、二つ目におっしゃった秘密保持でございますけれども、おっしゃるとおり単純な計算業務とか、どこかへ行ってはかってくるとか、現場を見てくるとか、写真撮ってくるとか、そういったものについてはやらせますけれども、実際の積算をしましてこれを幾らにするといったようなことは本来の職員がやらなければいかぬ一番大事な仕事でございますので、そういったことはきちっと本来の職員がやる、正規の職員がやるということが大事だと思っておりますので、そういう秘密にわたるようなことを外注して業務委託にするというようなことは全くありません。
 それからもう一点は、労働強化の話がございました。まさに大変業務量がふえておりますし、それから特に管理なんか大変難しくなってきておりますので、確かにかなりの負担を強いていることは間違いありません。したがって、何とか定員をふやすということもいろいろ先生方に応援していただいておりますけれども、あわせてなるべく仕事の合理化、省力化をするということも大事だと思っております。そういった一環で、堂々めぐりになりますけれども、単純な業務とかそれから補足的な、補充的な業務は外注してでもできるものは出す、そして本来正規の職員でやるべきものはやっていくということかと思います。
 そういう意味で言いますと、そういう技術力が落ちるようなことがあってはいけませんので、本来の技術力を生かせるようなところには正規の職員を充てるという仕掛けを守って、そういう本来職員が技術的な本来の業務をやって研修をしながら、職務上の研修ですね、そういうことをしながらどんどん技術力を高めていくということが必要なので、そういうところには外注じゃなくて正規の職員を充てる、そういうことがむしろ必要なんじゃないかというふうに思っております。
#140
○上田耕一郎君 官房長はそういうふうに言われますけれども、試算してもらっても職員一人当たりの人件費、先ほど言いましたように八百九十六万、九百万ですよ。それで、一人減らして九百万助かったといっても、さっき私の試算した技師C、約二千万円、本当に二倍になるじゃないですか。これは、言われたように人件費以外にも若干いろいろ費用もかかるとおっしゃるけれども、二倍の二千万円も絶対かかりませんよ。
 官房長、私の計算がもし間違って誇大だというのなら、技師Cの場合の二千万円、〇・九掛けてそれに技術経費等々、これどこが間違っているか、ちゃんと出してください。
#141
○政府委員(伴襄君) 九百万円とおっしゃるのは、多分人件費を単純に割ったものだけですね。だから、一人当たりの職員の給与の額だけを出しているわけです。ところが、業務委託になりますと、例えば技師一人を雇うのに、その技師一人の人件費だけではなくて、それ以外の諸掛かり費を入れて今の額になっているわけです。だから、単純に例えば技師Cの人件費を出すと八百十七万、八百万ちょっとぐらいだと思います。
 だから、九百万対八百万が本来は対応すべきものであって、建設省の職員に九百万払っていますが、それ以外にいろんな経費が要るわけです。例えば、旅費だとか研修経費とか、それから庁舎とか宿舎に要する経費だとか、それから事務用機器に要する経費とか福利厚生費とか、そういった間接な経費も要るわけですので、そういったものを含めてやれば、比較すれば、必ずしも高いというわけにはいかないんじゃないかということを申し上げた次第であります。
#142
○上田耕一郎君 ですから、私が計算した二千万円の数字が間違っているならはっきり出してほしい。それで、あなたが言われた人件費以外にかかる費用を足して、本当に正規の職員一人を減らした場合どのくらい節約になるのか、その数字もきちっと出していただきたい。
 とにかく、会社の社長の退職金から交際費から何から全部会社の費用を、社員の人数で割った一人頭で請求しているんですからね。それに技術経費なるものは三百十万円なんですよ、一人分について。これはもう絶対に、本当に業務委託という形で実際には国民の税金を不当に多く使っているということにしかならないと思うんです。
 もう時間が参りましたけれども、大臣は恐らくこういう問題、一番トップとして大変関心をお持ちだし、悩んでおられる問題の一つだと思うんですが、この際、大臣に私は率直に二つお願いしたい。
 一つは、やはり地建の現場へ行って、職場の状況を見ていただきたいし、そこの組合の人たちとも懇談を大臣としてぜひしていただきたい。国会議員の我々のところへも本当に毎年陳情に来て、懇談も我々やっているんです。それが一つです。
 二番目は、私が指摘した労働強化の今の問題ですけれども、二つの問題。一つは高くつくんじゃないか。これ私として試算をお願いして、これは本当は一人減らした場合間接費も含めて幾らかかるのかというのを要望したのだけれども、この数字しか出てこないので、私は八百九十六万という数字を出したのですが、官房長の言われるように、そのほかに旅費その他かなりかかるとおっしゃるなら、実際に一人減らした場合と業務委託、技師Cで二千万円というのがどうなのか。
 名前は、人件費、事業費で違うかもしれぬけれども、実際にはこれは定員削減と行政改革の一番中心問題ですよ。ただ項目が変わるだけで、何か人件費が減ったようだけれども、実際には国民の負担がふえているのだったら、私はこういうのをやめなきゃならぬと思うんです。むしろ、やめてすっきりして、建設省が責任を持って国民のための公共事業を推進すべきだ。公共事業費が十年間で六百三十兆という問題まであるんでしょう。これからいよいよ公共事業を本当に国民のためにやるかどうかという大きな問題なので、二番目の問題で、本当に高くついているのだったら、ひとつ英断を持って建設省の人員削減をやめるということを大臣として進めていただきたいんですが、この二点について大臣のお考えをお聞きしたいと思います。
#143
○国務大臣(野坂浩賢君) 非常に職員のためになるお話、重要な意見だと受けとめておりますが、官房長も答えておりますように、工事監督等手を抜いてはならないところは正規の職員で非常にきちっとやっております。ただ委託業務については、単純な作業等についてはやっております。
 あなたからおっしゃるように、八百九十六万と二千万はどっちがいいかということになればはっきりしております。ただ、附帯的なものについてどのような比較検討ができるかということでありますが、本来、日本航空とアルバイトのときもいろいろ問題になりましたけれども、同じようなお仕事をなさるわけですから、これは正規の職員が当然であるということも考えられるわけであります。
 したがいまして、現場の意見も聞いてまいります。したがって、委員のお話しになった点についても十分参考にして官房長その他の皆さん方と十分検討してまいりたい、このように考えております。
 ただ、マスコミその他、世の流れというのは行政改革、経済効果、財政効果というものが先に立っておりますために、流れに沿ってやらざるを得なかったという点もあっただろうと思うのであります。したがいまして、効果のある、国民に申し開きのできるように、国民のためになる、税金のむだ遣いではない、そういう立場に立って十分検討してさわやかな結論を出していきたい、こういうふうに考えております。
#144
○上田耕一郎君 終わります。
#145
○西野康雄君 阪神・淡路大震災以来、活断層、活断層ということが随分と言われ始めました。原発もそうでございますけれども、随分とあちらこちらで活断層ということが言われ始めました。長良川河口堰に限らず、ダムとか河口堰と活断層の関係というので住民が大変に不安になっておるようでございます。
 まず、既存のダム上に活断層があるのかとか、それからダムをつくるときに活断層の調査をちゃんとしているのかという、そういうふうなことを我々の方にも随分と陳情があったりもしております。万全を期しているだろうとは思いますけれども、その辺の対策だとかそういうところをお伺いいたします。
#146
○政府委員(豊田高司君) 今、先生から活断層のお話がございましたが、活断層というのはどういうものかというのは世界的にもまだ定義が必ずしもはっきりしていないわけでございます。英語ではアクティブフォールトというのを直訳して活断層と、こうなっているわけでありますが、アメリカなどでは大体これは二百万年ぐらいの間に起こった断層を総称してアクティブフォールトと、こう言っておるわけでありますので、二百万年というともうどれぐらいになるか比較のしようのない長さでありますが。
 そういったものにつきまして日本では活断層研究会というのがございます。そこで十何年ほど前に「日本の活断層」という本を出されまして、これが現在日本であります最も網羅的な書籍、文献だということで、これに記載されておりまして三つに分類されておりまして、確実度一、確実度二、確実度三という三つに分類されておるわけでありまして、確実度一というのはいろいろな調査からそれは活断層であろうとされておるものでございます。
 したがいまして、活断層一として掲載されているものの上にあるかないかということを調べました。その結果、河川管理施設及び許可工作物としてのダム敷には存在していないというのがわかってございます。いずれにしましても、ダムは大規模で重要な構造物でございますので、従来から、個別のダム一つ一つに初期の段階から今言いました活断層があるかどうかというようなことを地形、地質から綿密な調査を行っております。
 したがいまして、その調査に基づきまして、堅硬な岩盤の基礎岩盤まで掘削を行って、その上にダムを築造するということにしておるわけでございまして、安全性に十分配慮した設計さらに入念な施工を行っておるということで万全を期しておるところでございます。
#147
○西野康雄君 私は河川局にやかましく言ってきた成果がなと思うし、また皆様方もそういうふうになさってきたんだろうと思うんですが、予算概要を見るというと、河川再生事業の創設だとか渓流再生事業の創設だとかいろいろと自然に配慮をしながらの河川事業というものを、随分と過去を振り返ってみると変わってきたな、大変に一歩も二歩も前進というんですかいい方向に来ているな、そういうふうな思いをこの予算概要を見ておっても思うわけでございます。
 そんな中で、ちょっと私は参議院の本会議で質問をしたときに、大臣が「河口堰のごく近傍には活断層は見当たりません。」、こういうふうな答弁をなさいました。
 私も柳ケ瀬・養老断層系ストリップマップというのを持っておるんです。そういうふうなものを調べてみたりとか、最近は建設省がお調べになった長良川河口堰に関する活断層ですね、伊勢湾域だとかそういうふうなところの活断層の地図なんかを見ておるわけです。それを見ておると、そのごく近傍というのはどういうふうな意味合いを持つのかというところが大変に難しいところではあるわけですが、ごく近傍というのならば近傍にあるわけでございますし、ごく近傍が三キロを指すのか一・五キロを指すのかというふうなことにもなる。大臣は、直下にないとおっしゃる意味ならばそのとおり直下には調べてみならないわけですから、そういうふうなところで若干正しいというんですか、そういうふうな回答をいただければなと思うんですがね。
#148
○国務大臣(野坂浩賢君) 参議院の本会議で西野先生から長良川河口堰の問題についてお話があった際に、私は力を込めてごく近傍にはございませんということを確かに言いました。ごく近傍という基準は何か、私も質問の前にこの点については一体どうなのかということを事務当局にもいろいろ聞いてまいったわけでありますが、日本ではごく近傍というのは三百メーターということが基準になっておる模様であります。したがいまして、桑名断層なりあるいは養老断層なり、伊勢湾の活断層というのは一番近いところは一・五キロでございますので、ごく近傍ではないということを申し上げたところでございます。
#149
○西野康雄君 そういうふうに正確なお答えをいただくと、あのときもひょっとしたら私は再質問しようかいなと思っていたぐらいでございまして、やっぱり近傍という表現がなかなかちょっとあいまいであったかなと私自身も思っております。
 長良川河口堰周辺の堤防が大変に弱いという話もございますし、直下型の地震が起きたら河口堰どころか周辺の住宅だとかあの辺がもう完全に危ないんだ、長島町だとか桑名だとかそのものが、もう桑名なんかは二メートルぐらい地盤沈下するんじゃないか、こういうふうなお話もございます。特に、河口堰という大きな建造物ですから、そこへ大量の水をためるわけでございます。住民の方々が大分不安がっておられるようです。
 また、私、淀川の河口部に行きまして、液状化で堤防が崩れたところも見てまいりました。随分とブランケットもひび割れているところもあったようでございますが、長良川の周辺の液状化対策等、堤防を含めてちょっとお話し願いたいと思います。
#150
○政府委員(豊田高司君) 今回の地震で淀川の堤防が最大三メートル、一・八キロにわたりまして沈下したのは御承知のことと思います。私たちも、全国的に一体ゼロメートル地帯の堤防はどれぐらいあるだろうか、それを早速調べてみました。そうしますと、ちょっと今数字ははっきり覚えておりませんが、千数百キロに及ぶのではないかと思っております。そのうち、これは昔からある堤防、明治になってからできた堤防、昭和になってからできた堤防、いろいろございまして、しかもその堤防の下の地質がどうかというのも詳しくはわからない状態でありますので、この点については早速全国的に調査をかけまして、どこを急ぐのかというようなこともまず調べて、必要なところから対策を急がなければならないと思っているところでございます。
 今お尋ねの長良川について申し上げますと、堰から上流と下流とに分けて考えますと、今回の淀川の堤防でもわかったことが一つ、高水敷、ここではブランケットと申しておりますが、そういうようなものができておるところは、あるいはグラウンドがあるようなところは比較的丈夫だったというようなこともわかっておりますので、その辺を参考にしてひとつどういう状況かと調べてみました。
 河口から三キロ上流には五十メートルから七十メートルの幅の広いブランケットができております。それから、堰から上流には地下水を安全に抜くための承水路というようなものも施工しておりますので、過去の最大の地震でありました一八九一年の濃尾地震に対しても安全ではないかというふうに考えておるところでございまして、このことにつきましては、平成四年四月に長良川河口堰に関する技術報告書というのを出しました。しかも、これ公表しておって、地元の皆さんにも一つ一つ丁寧に説明しているところでございますが、さらに土木学会でもその計算は妥当であるというふうに評価いただいておるというふうに思っております。
 ただ、今回の地震でもっと大きい地震が来るではないかという意見も出されております。この兵庫県南部の地震がどれくらいの時間間隔で来るかというのは学者の間でもはっきりしておりませんが、千年から五百年ぐらいに一回という方もいらっしゃいます。したがいまして、濃尾地震を超えるような地震動をもたらす地震がいつ発生するのか、どこにどのぐらいの大きさかというのは専門家の間でも実はほとんどわかっていないという状況でございます。
 しかし、そうはいっても仮にということで私たちは計算をしなければなりません。仮に、濃尾地震を超える地震が来たらどうなるかというようなことでいろいろ検討、試算をいたしました。その結果、堰から上流には、一番高い水位で一・三メートルの水位になっているわけでありますが、この水位から比べても、液状化だとか堤防が崩れ落ちるというようなことを計算しましても、一・三メートルよりまだ一メートル高いところでおさまるのではないかというふうに試算をいたした次第であります。
 いずれにしましても、完全無欠ということはなかなか期待できませんので、土砂や復旧資材の備蓄をしておきまして、いざというときにはすぐ復旧できるようにしなければならないと思っているところでございます。
 こういったことにつきましては、調査委員会の御指導を得ながら検討を行いまして、その結果につきましても三月十五日に地元の皆さんに説明をして、できるだけわかっていただきたいという努力をしているところでございますので、今後とも地震に対しては一生懸命対策をやってまいりたいと思っているところでございます。
#151
○西野康雄君 次に、道路関係予算概要を見ておりますと、十七ページに「パークアンドライド駐車場の整備」というふうなことが出ております。大震災を経験して、果たして大きい道路、広い道路をつくること自身が一番大切なのかどうなのかというふうなことも私自身も考えさせられております。神戸だとかの復興案を見るというと、広い道路というふうなことをまずどんと位置づけておるようでございますけれども、もうそろそろ発想を変えていかなければならない、そんな時期に来ているんじゃないかな、そう思ったりもいたしておりましたときにある記事が目につきました。
 それは「阪神大震災 再生への道」というふうなテーマの記事なんですが、
 都心部に車があふれ、慢性的な渋滞に悩む日本では、災害時の交通まひはどこでも起こり得る。「車をより多く走らせるために、都市部の道路を充実させるという発想がそもそも限界にきている。道を造っても、それ以上に車が流入するばかり。公害問題も大きくなる一方だ」と指摘するのは、大阪産業大教授・天野光三さんということですね、
 私、そういう意味において、たしかJRの小倉駅が四車線が二車線になって、そしてその二車線分が避難路になっているというふうなことも存じておるわけですが、もうそろそろそういうふうな道路に対しての認識みたいなものが大きくがらっと変わってもいいんじゃないかなと思うんですが、そのパーク・アンド・ライド方式というのをどのように検討なさっているのか、ちょっとお聞きしたいと思います。
#152
○政府委員(藤川寛之君) 今お話がございましたが、我が国においてもやはり都市部というのは大変交通混雑を来しているところでございます。
 私ども建設省といたしましても、交通混雑を緩和したいというようなことで、ハード面での道路の整備とかあるいは交差点を改良するとかいうようなそういう施策をやっているわけでございますが、それとあわせまして、交通混雑を緩和するためには都市内の交通を適切に誘導することによって交通量を減らすことをやはり同時に考えていかなければいけないだろう。私どもそれを交通需要マネジメントというふうに言っておりますけれども、そういうものもあわせてやはり考えていかなければいけないだろうというふうに私ども思っているところでございまして、具体的にこの交通需要マネジメントにも私ども取り組んでいるところでございまして、全国で十都市を指定いたしまして、平成六年度からモデル的にいろんな施策を講じようと今努力をしているところでございます。
 今お話がございましたパーク・アンド・ライドにつきましても、この交通需要マネジメントの有力なメニューの一つだというふうに私ども考えておりまして、このパーク・アンド・ライド方式をうまく活用することによって、やはり人の動きというのを鉄道とかバスとかそういうマストランジットに転換することが可能でございます。
 そういうことで、私どもといたしましても、郊外の鉄道駅などの交通結節点に公共駐車場を整備いたしまして、乗りかえやすくしてあげようということで駅前の公共駐車場の整備に取り組んでいるところでございまして、平成六年度につきましては全国で八カ所で事業をやっているということでございます。今申し上げましたように、特に都市の交通量を減らす対策として有効な施策の一つでございますので、今後とも積極的に取り組んでまいりたいというふうに考えております。
#153
○西野康雄君 ぜひともお願いをいたします。
 それから、今回、阪神大震災でコンクリートの品質というものが随分と問題になりました。耐震基準の見直しだけではなくて、コンクリートの品質をどう維持するのかというのが問題になってまいります。
 俗にしゃぶコンだとか言われている水増しですね。そういうふうなことだとか、海砂の塩分もろくに抜かない。私、昔ちょっと長良川河口堰の問題で調べたことがあるんですが、長良川の河口の塩分の多いところのをしゅんせつをしているんです。その砂を陸地へ上げて、今度とないするのかと思うと、トラックに乗せて、ざあっと今度生コンの工場へそのまま運んでおるんです。追跡調査したことがあるんですが、そういうふうなことが日本全国で恐らく行われているであろうと思うわけなんです。
 「水、塩分まじりスカスカ」というふうな記事が一つ出されております。やはり、生コンの品質管理、これはもう大手のゼネコンが下請に出す、下請が孫請に出す、孫請かひ孫請に出したりする、そういうふうなシステムだとかも考えなければならないし、生コンの検査体制というんですか、品質の検査体制ですね。「抜き打ち検査をするわけでもないし、検査をかいくぐるのは簡単」だというふうな建設業者のコメントもこの新聞記事に載っておりますけれども、どうですか、生コンの品質管理。幾らいい設計をつくろうとも何しようとも、肝心のここの品質管理の部分で抜け落ちておったら、絶対にこれはいい鉄筋を使おうと何しようとだめなことですから、そこら辺もきっちりとこれからはやっていかなければならないんじゃないか。生コンの品質管理等々、どうでしょうか。
#154
○政府委員(尾田栄章君) ただいま先生からお話がございました生コンクリートを使いましたコンクリートの品質の問題でございますが、お話のとおり、大きく分けまして二段階での品質管理が大事だと思っております。まず、何と申しましても、生コンクリートの製造段階での品質管理。さらには、その生コンクリートを使って実際に建設工事を行う、そういう施工段階での品質管理。これには施工者だけではなしに発注者も絡んでくる。そういう面での品質管理というふうに理解をいたしております。
 まず、生コンの製造段階におきます品質管理について申し上げますと、私ども建設省では、直轄工事を施行する場合には工事共通仕様書を定めておるわけでございます。ここにおきまして、JIS規格に適合する製品を用いるということにいたしております。また、コンクリート主任技師などの技術者が常駐し、かつJISの表示認可を受けた工場で製造されたそういう生コンクリートを使うということにいたしております。これはひいては、そういう良質の品質をつくる必要があるということを生コンの製造業者と申しますか、そういう製造段階でもそういう考え方を醸成するという効果を持っておるというふうに考えておるところでございます。
 また、二番目の施工段階について申しますと、建設工事でございますが、施工者がJISの工場の生コン配合に立ち会う、あるいは生コン工場の材料試験配合を確認する、あるいは施工時にはスランプ検査、圧縮強度試験等の試験を一日二回実施をするなど、生コンの品質の確保に努めておるところでございます。また、発注者におきましても、このような施工者が行う品質管理について監督行為を通じました適正な品質が確保されているかどうか確認をしているところでございます。また、御指摘のございました海砂の問題でございますが、これは昭和六十一年六月に建設省所管の工事につきましては塩化物の総量規制をしておりまして、またJIS規格についても同様、昭和六十一年十月に総量規制が盛り込まれたところでございます。
 そういうことで、今後ともコンクリートの品質確保のために全力を挙げてまいりたいと思っておるところでございます。
#155
○西野康雄君 ありがとうございました。
#156
○委員長(合馬敬君) 以上をもちまして、平成七年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、建設省所管、総理府所管のうち国土庁、北海道開発庁並びに住宅金融公庫、北海道東北開発公庫についての委嘱審査は終了いたしました。
 なお、委嘱審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#157
○委員長(合馬敬君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
#158
○委員長(合馬敬君) 住宅金融公庫法及び北海道防寒住宅建設等促進法の一部を改正する法律案並びに電線共同溝の整備等に関する特別措置法案を一括して議題といたします。
 両案に対する質疑は既に終局しておりますので、これより討論に入ります。――別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 まず、住宅金融公庫法及び北海道防寒住宅建設等促進法の一部を改正する法律案の採決を行います。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#159
○委員長(合馬敬君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 次に、電線共同溝の整備等に関する特別措置法案の採決を行います。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#160
○委員長(合馬敬君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 ただいま可決されました住宅金融公庫法及び北海道防寒住宅建設等促進法の一部を改正する法律案に対しまして、この際、矢原君から発言を求められておりますので、これを許します。矢原君。
#161
○矢原秀男君 私は、ただいま可決されました住宅金融公庫法及び北海道防寒住宅建設等促進法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、日本社会党・護憲民主連合、平成会、新緑風会、日本共産党及び新党・護憲リベラル・市民連合の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。案文を朗読いたします。住宅金融公庫法及び北海道防寒住宅建設等促進法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
 政府は、本法の施行に当たり、次の諸点について適切な措置を講じ、その運用について遺憾なきを期すべきである。
 一、住宅金融公庫に対する利子補給等の財政援助に特段の配慮を払うこと。
 二、阪神・淡路大震災後の市街地の復興や被災マンションの建替えなどを円滑に進めるため、住宅金融公庫融資による積極的対応など住宅対策の充実に努めること。
 三、被災した住宅の再建等を促進するため、被災者の需要に即した各種の情報提供・相談体制の整備について、地方公共団体に協力するなどの施策を講ずること。
 右決議する。
 以上であります。
 よろしくお願いいたします。
#162
○委員長(合馬敬君) ただいま矢原君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#163
○委員長(合馬敬君) 全会一致と認めます。よって、矢原君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 この際、建設大臣から発言を求められておりますので、これを許します。建設大臣野坂浩賢君。
#164
○国務大臣(野坂浩賢君) 住宅金融公庫法及び北海道防寒住宅建設等促進法の一部を改正する法律案、及び電線共同溝の整備等に関する特別措置法案につきましては、本委員会におかれまして熱心な御討議をいただき、両法案につきただいま全会一致をもって可決されましたことを深く感謝申し上げます。
 今後、審議中における委員各位の御高見や、ただいま議決になりました附帯決議の趣旨を十分に尊重してまいる所存でございます。
 ここに、委員長初め委員各位の御指導、御協力に対し深く感謝の意をあらわし、ごあいさつといたします。
 どうもありがとうございました。
#165
○委員長(合馬敬君) なお、両案の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#166
○委員長(合馬敬君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#167
○委員長(合馬敬君) 半島振興法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 まず、提出者衆議院建設委員長遠藤和良君から趣旨説明を聴取いたします。遠藤和良君。
#168
○衆議院議員(遠藤和良君) ただいま議題となりました半島振興法の一部を改正する法律案につきまして、提案の理由を御説明申し上げます。
 半島振興法は、三万を海に囲まれ、幹線交通体系から遠く離れ、平地に恵まれず、水資源が乏しいなど国土資源の利用の面における制約から、産業基盤、交通基盤等の整備の面で他の地域に比較して低位にある半島地域の振興を図るため、衆議院建設委員長提案により、昭和六十年六月、十年間の時限法として制定されたものであります。
 この十年間、本法に基づき二十三の地域が半島振興対策実施地域に指定され、半島振興計画に基づく各種の施策が講じられてきたことにより、各分野で着実に成果を上げてまいりました。
 しかしながら、半島地域においては、交通基盤や生活環境等整備の必要な分野がなお多く、依然として人口の減少、高齢化の進展、所得水準の格差などの課題を抱えております。
 その一方で、半島地域は、豊かな自然環境や農林水産資源に恵まれるとともに、すぐれた古典芸能や伝統文化を継承するなど、地域の特性を生かした発展に向けての大きな可能性を秘めております。
 人口、経済、情報、文化等の大都市への集中が進む中で、半島地域が地理的制約を克服しその豊かな資源を活用して地域の活力を増進させることは、国土の均衡ある発展を実現する上でも極めて重要な意味を持つと考えるものであります。
 地域住民の主体的な取り組みに基づき、半島地域の抱えている諸課題を解決しその振興を図っていくためには、半島振興法の法期限を延長し、半島振興計画に基づきさらに充実した施策の展開を図っていく必要があります。
 このような観点から、本案は、現行の半島振興法の有効期限をさらに十年間延長して平成十七年三月三十一日までとするとともに、半島地域の新たな課題に対応できるよう、半島振興計画の内容を拡充し、あわせて情報の流通と通信体系、高齢者福祉、地域文化等に関する規定の新設等を行おうとするものであります。
 以上、本法律案の提案理由を簡単に御説明申し上げましたが、何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
#169
○委員長(合馬敬君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 これより質疑に入ります。――別に御発言もないようですから、これより討論に入ります。――別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 半島振興法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   一賛成者挙手一
#170
○委員長(合馬敬君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#171
○委員長(合馬敬君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします、
    ―――――――――――――
#172
○委員長(合馬敬君) 河川法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案について政府から趣旨説明を聴取いたします。建設大臣野坂浩賢君。
#173
○国務大臣(野坂浩賢君) ただいま議題となりました河川法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。
 近年、市街化の進展に伴い都市における計画的な治水対策の推進が強く求められている中で、事業用地の取得の円滑化を図るとともに、適正かつ合理的な土地利用を図りながら河川の整備と河川管理の適正化を推進することが必要となってきております。
 また、河川区域内において近年増加傾向にある車両、船舶等の違法放置物件に的確に対処することが求められているところであります。
 この法律案は、このような現状にかんがみ、地下に設けられた放水路、調節池等の河川管理施設について河川区域の範囲を上下に限る河川立体区域制度を創設するとともに、河川区域内の違法放置物件の撤去等について、相手方を確知できない場合の監督処分の手続の整備を図ろうとするものであります。
 次に、その要旨を御説明申し上げます。
 第一に、河川管理者は、河川管理施設が地下に設けられたもの等である場合において、その河川区域を地下または空間について一定の範囲を定めた河川立体区域として指定することができることとしております。
 この河川立体区域に関しまして、河川管理者は、河川管理施設を保全するため、河川立体区域に接する一定の範囲の地下または空間を、一定の行為規制を行う河川保全立体区域として指定することができることとするとともに、河川工事を施行するため、新たに河川立体区域として指定すべき地下または空間を、一定の行為制限を行う河川予定立体区域として指定することができることとしております。
 第二に、河川管理者は、過失がなくて河川区域内の違法放置物件の撤去等について監督処分の相手方を確知できないときには、公告をした上でみずからが措置を行うこと等ができることとしております。
 その他、関係する規定の整備を行うこととしております。
 以上がこの法律案の提案理由及びその要旨であります。
 何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御可決いただきますようにお願い申し上げます。
#174
○委員長(合馬敬君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 本案に対する質疑は後日に譲ることといたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後三時十八分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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