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1995/03/28 第132回国会 参議院 参議院会議録情報 第132回国会 建設委員会 第8号
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1995/03/28 第132回国会 参議院

参議院会議録情報 第132回国会 建設委員会 第8号

#1
第132回国会 建設委員会 第8号
平成七年三月二十八日(火曜日)
   午前十時三分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 三月二十七日
    辞任         補欠選任
     青木 薪次君     上山 和人君
 三月二十八日
    辞任         補欠選任
     山本 正和君     渕上 貞雄君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         合馬  敬君
    理 事
                上野 公成君
                吉川  博君
                三上 隆雄君
                矢原 秀男君
    委 員
                井上 章平君
                遠藤  要君
                太田 豊秋君
                永田 良雄君
                松谷蒼一郎君
                小川 仁一君
                上山 和人君
                佐藤 三吾君
                渕上 貞雄君
                片上 公人君
                磯村  修君
                上田耕一郎君
                西野 康雄君
   国務大臣
       建 設 大 臣  野坂 浩賢君
   政府委員
       建設大臣官房長  伴   襄君
       建設省都市局長  近藤 茂夫君
       建設省河川局長  豊田 高司君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        駒澤 一夫君
   説明員
       環境庁大気安全
       局大気規制課長  柳下 正治君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○河川法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆
 議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(合馬敬君) ただいまから建設委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨二十七日、青木薪次君が委員を辞任され、その補欠として上山和人君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(合馬敬君) 河川法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 前回、本案の趣旨説明は聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#4
○松谷蒼一郎君 初めに建設大臣にお伺いをいたしますが、今回の河川法の改正につきましては、河川立体区域等の新しい概念を導入いたしまして、これまでとは違った形の法改正が考えられていると思います。その背景、趣旨等について、大臣から忌憚のない御意見をいただきたいと思います。
#5
○国務大臣(野坂浩賢君) 松谷先生からお話がありましたように、時代の流れとともに土地のあり方、川のあり方も変わってまいりまして、今まででございますと、川がある河川の上も全部そうだったわけでありますが、今度は地下に河川を流す。したがって、上とは縁を切って、上の有効土地利用をするというようなことが趣旨でございます。相手方がわからない場合については監督処分の手続の整備を図る、そういうことの一面を持っております。
 その背景と申し上げますのは、河川の立体区域制度、今申し上げましたように二つに割るわけでありますから、市街化の進展に伴って都市における計画的な治水対策が強く求められておりますけれども思うようにはかどっていかない。したがって、上は土地の権利があり、下は川をつくるということで二重にしていこう、こういうふうに考えたわけでございます。したがって、事業用地の取得の円滑化を図る、そういう意味と、適正かつ合理的な土地利用を図りながら河川の整備も管理も適正に推進をしていく、これが背景となってでき上がった法律であります。
 三番目としては、近年、河川敷の方に自動車の古くなったものやいろいろなものが勝手に投げ捨てられておる、こういう状況でございますので、速やかにこの監督処分の手続によって、河川区域内の船とか、汚れてめためたになったような船がいっぱいつないでありますけれども、相手が確知できないという場合は我々としては手続に従ってこれを撤去するというようなこともこの河川法の中に入れて、きれいで豊かな緑の河川というものをつくり上げ、またそういう河川を推進するに当たって土地所有の区分なりそういうことを明確にするためには現在の時点で必要であろう、こういうふうに考えて提案したものでございます。
#6
○松谷蒼一郎君 今大臣からお話がありましたように、今回の河川法の改正は大変画期的な法改正であるというように思います。そういう意味で、ぜひこれを趣旨に照らして実効あるものにしていただきたいと思うんです。
 河川立体区域という概念はなかなか難しい概念で、通常、区域といえば平面的な広がりの部分を区域というように考えるわけですが、読んでみますと、どうもそういうような感じでもないようですね。そういう意味で、この河川立体区域はどういうような地域に指定をし、そしてまたどのような形で指定をしていくのか、それらについて河川局長から。
#7
○政府委員(豊田高司君) 確かに区域という言葉が使われておりますが、従来から河川区域だとかという言葉で一応使っておったわけでございます。今回、河川立体区域という言葉を使ったわけでございますが、この区域は、地下に設けられました河川管理施設などにつきまして、その河川管理施設がある地域の状況を勘案いたしまして適正かつ合理的な土地利用の確保を図ると、ただいま大臣から御答弁ありましたが、そういう必要があると認める場合に指定するものである。
 まず、そういうことでございまして、しからばどういうところで指定するのかということでございますが、一つは、具体的に申しますと、地表での放水路、承水路の整備あるいは河道の拡幅などが周辺地域の土地利用の状況あるいは土地利用を分断するというようなことで大変支障が生ずるおそれのある地域、地域というか場所という言葉でも構わないと思います。それから、計画的な都市的土地利用がもう既になされておりまして現在の土地利用をそのまま存続させることが適正な場合、そういった場所だとか地域を考えているわけでございます。
 また、しからば河川立体区域の範囲、方法というものについてでございますが、これは河川管理者が公示をして行うということとしておるわけでございます。例えて申しますと、地下に設けられましたトンネル河川について考えてみますと、当然ながら水は上流から下流に流れるわけでございますから、原則としてその上流端から下流端までを対象にいたしまして、その幅と上と下の範囲を定めて指定するというものでございます。
#8
○松谷蒼一郎君 この区域指定につきましては公示の前に行うのか、それからまた、指定については関係住民というんでしょうか、関係者の同意を必要とするのか、その辺はいかがですか。
#9
○政府委員(豊田高司君) お答え申し上げます。
 ただいま申し上げましたような立体区域は、トンネルならトンネルをつくろうと、そういうものにかかわる区域を河川区域として立体的に区域として指定するものであるということは今御説明を申し上げたとおりでございますが、その河川管理施設、トンネルならトンネルが効用を発揮する時点、すなわち当該施設が完成して供用される時点で原則として指定されるというふうに考えておるわけであります。
 それから、関係者の同意との関係でございますが、指定の前提となります。その河川管理施設の整備に当たりましては、当然ながらその施設を設置するために地権者から土地に関する権利を取得する必要が事前にございますので、この施設の整備に当たりましては、原則として地権者の同意を得るということにしておるわけでございます。
#10
○松谷蒼一郎君 地権者の同意は、これは当然必要だと思いますが、やはりかなり大きな河川トンネルが地下に埋設されるわけですから、地権者以外にも、その周辺の住民に対する影響はかなりあるんじゃないか。そういう意味で、ある程度その地域の関係住民の同意を必要とするのじゃないかと思うんですが、その辺はいかがですか。
#11
○政府委員(豊田高司君) この河川立体区域あるいは立体河川というものは、もともとそこにある地表の川が洪水等であふれて大変困る、その地域を何とかしてほしいという強い要望を受けまして、具体的にどのようにしたらいいかということからスタートするわけでございます。当然、地元の方では、川幅を広げるのも困る、しかし洪水は防いてほしいという、その両方を生かすために地下にトンネルならトンネルを設けるわけでございますから、そのトンネルを設けることによってその周辺の地域は大きい利益を受けるわけでございます。
 したがいまして、その事業計画のスタートにおきまして、当然地元からの要望を受け、その要望を受けまして具体的に計画をするわけでございますから、当然その地域の皆さんに説明を十分して、理解とそれから御協力を得ながら事業を進めることになるというふうに考えておるわけでございます。
#12
○松谷蒼一郎君 この河川立体区域については、このほか河川保全立体区域、それから河川予定立体区域と三つあるわけですが、この辺の違いと、なぜこういうような区分をする必要があるのか。
#13
○政府委員(豊田高司君) ここには三つの区域が先生御指摘のとおりございまして、河川立体区域、河川保全立体区域、それから河川予定立体区域という三つの区域がございます。
 それで、まず河川予定立体区域といいますのは、移転などが困難な工作物がもし築造されますと、後から河川工事をする場合にその施工に支障が生ずるということになりますので、将来、河川立体区域として指定すべき一定の地下あるいはその空間を河川予定立体区域として指定するものでございます。
 次に、河川立体区域と申しますのは、先ほど申し上げましたように、その施設が供用された後、その施設を管理するために必要な範囲を指定して行うものでございます。これを河川立体区域と。先ほどのものが河川予定立体区域。
 それからもう一つ、河川保全立体区域というのがございます。これは河川立体区域の周辺でございますが、土地の掘削等が行われますと、その施設の保全に支障が生ずるということが心配されますので、その支障を防止するために河川の立体区域に接する一定の区域、地下または空間を指定するということにしておるわけでございまして、保全区域、それから立体区域と予定区域、こう三つがあるわけでございます。
#14
○松谷蒼一郎君 なかなか難しい区域があるんですが、それはそれとして、こういった地下に設けられます通称トンネル河川ですね、この耐震性はどうですか。
#15
○政府委員(豊田高司君) 今回の地震でも地下のトンネルの耐震性というのはいろんな点から議論されたととは承知しております。また、実際に現地での状況等も見てみましても、壊れたものもございますし、壊れなかったものもいろいろあるわけでございます。
 一般的に神戸地域にも地下河川がたくさんあるわけでございます。これを一つ一つ見て調査しておるわけでございますが、現在のところ、河川としての機能を失うような特段の被害は生じていないということがわかっております。あれだけの大地震でございますから、ひびが入っただとかあるいは入口の擁壁が崩れたとか、あるいは出口の擁壁が崩れだというような被害は生じておりますが、トンネルそのものが陥没して全く用を品さないというような状況のものはございませんでした。
 今後、都市内におきまして今考えております地下河川というものは、一般的に言えば深くなる傾向でございます。神戸の場合は比較的浅いところを通っておったわけでありますが、今後このような河川をつくっていく場合には深くなる傾向がございまして、だんだん深くなるに従いまして、ほぼ均一の地盤中に設置されることになると思います。そういった場合には、トンネルの振動というものは地盤の振動とほぼ同じに動くということが言われておりますので、地震の影響は大きくないのではないかと考えているところでございます。
 ただ、今回の地下河川の耐震、今回の地震等につきましても耐震設計というものが必要でございますが、これは他の地下構造物との関連もございますので、今後これらの調査結果や耐震設計の見直しの動向を踏まえながら十分検討してまいりたいと思っているところでございます。
#16
○松谷蒼一郎君 このたびの阪神・淡路大震災では、地震発生時の火災、これに対する消防用水が大変不足をして、そのため火災が非常に拡大をしていったというようなことがあります。また、あわせて上水道をやられまして生活用水に非常に困った、そういうようなことがあります。そういうようなことから考えますと、この地下河川をそういった用水に使用するということはどうなのかなと思うんですが、いかがでございますか。
#17
○政府委員(豊田高司君) 今先生御指摘の点でございますが、今回、阪神・淡路大震災の状況を見てみますと、たまたまトンネル、地下河川の出口のところで小さい崩落がありまして、そこから上流に少し水がたまりました。幸いその水が消火に役立った、こういうケースが一つありました。この川の中に臨時的に水をためる、あるいは臨時に川におりていける、あるいは消防ポンプのようなものを入れるものがあるということは大変役に立つのではないかということを地元の人もおっしゃっていました。
 したがいまして、今回の地震を参考といたしまして、今後つくることになります地下河川についても、何とか震災時の緊急用水の備蓄として使えないものかということで今検討し、それは大事なことであると思っているところでございます。
 それで、実はこの地下河川というのは、本来の目的は降った雨を周囲にはんらんさすことなく海まで持っていくというのが本来の目的でございますから、雨の降るときには原則としてそこは空にしておかなければならないわけでございます。ただ、雨の降るとき降らないときというのは、地震が全くわからないというほどわからないわけではありませんで、ある程度わかっておりますので、例えば十月から六月、五月ぐらいまでは大きな雨は降らないというようなこともわかっておりますし、あるいは台風が近づいてくるまでは大きな雨は降らないというようなこともわかっておりますから、そういう気象情報の精度の向上と相まちまして、有効利用というのは大変有効ではないかということを考えておるわけでございまして、震災時にも消防、特に消防用水としてこれは十分可能だと考えております。
 これを飲み水までに使えるかどうかというのは、そこの地域地域の状況によりましてどういう水質のものがたまるかということを一つ一つ個別に検討しなければなりません。また、飲めなくても、洗濯だとか何かに使えるのではないかというようなことも含めまして、州ごとの特性に応じましてそういうことを検討してまいりたいと思っておるところでございます。
#18
○松谷蒼一郎君 河川法関係の質疑はこれまでにしておきまして、次に雲仙・普賢岳災害についてお伺いしたいんですが、雲仙・普賢岳噴火災害区域においてかなりの期間、現在大きな火砕流が出ていない、比較的鎮静をしている。したがいまして、こういった時期をつかまえて建設省で計画しております導流堤の工事等を敏速に一挙にやるということは計画できないものかどうか。
#19
○政府委員(豊田高司君) 今先生御指摘のとおり、雲仙・普賢岳の火砕流はここしばらく大変減少しておるのは事実でございます。気象庁の雲仙岳測候所の観測によりますと、最近の火砕流の発生状況について見ますと、一月は五日と十日の二回でございました。それから、二月は十一日の一回、三月はきのう現在まででゼロ回ということで、年が明けましてから三回ということで、過去の発生状況から比べてみますと、例えて申しますと、去年の今ごろですと一月は七十五回、二月は八十回、三月は十回というようなことで、もう明らかにがくっと減っておるのは御指摘のとおりでございます。
 しかし、この雲仙・普賢岳の火山活動というものについて、九州大学の島原地震火山観測所の先生によりますと、まだ依然継続をしておると、しかも第十一溶岩ドームというのがまだ残っております。横から見るとオーバーハングしたような形で残っておるわけでございまして、これがいつ落ちるかわからない、大規模な崩落の危険があるということで、今後とも十分注意をしなさいという注意をいただいておるわけでございます。
 したがいまして、砂防工事を一生懸命早くやらなければならないわけでございますが、監視、避難体制の整備というものが大事だということで、これに対する十分な安全対策を講じながら実施しなければならないという状況でございます。
 平成七年度は、このような安全対策を十分施しながら、まず水無川の導流堤の整備を継続いたします。その一方で、島原鉄道もつけかえなければなりませんので、このつけかえ等を行いましてもろもろの復興対策に着手をするわけでございます。さらに、警戒区域で何とか安全に施工するためにはどうしたらいいかということで、二、三年前から無人化施工技術というものを研究しておりまして、これがどうにか使えるところまでまいりました。したがいまして、この無人化施工技術を活用しながら上流の一号砂防ダムに新規に着手し、一刻も早く完成させたいと思っておるわけでございます。
 今後とも早期復旧に向けて最大限の努力をしなければならない。また、そのつもりでございます。
#20
○松谷蒼一郎君 火砕流の災害を防止するための導流堤であるわけですから、一月にわずか一度ぐらいしか小さな火砕流が出ないときはぱっと工事をやって、それでちょっと危なそうだったら逃げるとか、そういう機を見て敏に工事をやってもらえないだろうかというのが地元の方の希望でもありますので、ひとつよろしく御理解を賜りたいと思います。
 ところで、もう時間がありませんので最後にいたしますが、地元のことばかり言って申しわけないんですが、長崎県では佐世保市、それから長崎市、これは福岡も同じですが、依然として渇水状態が続きまして厳しい給水制限が行われているわけです。
 これについて、建設省としてこれまでどういうような対策を行ってきたのか。それからまた、今後、直近の対策あるいは中長期的な対策をどう考えられているか。これについてお伺いして、私の質問を終わります。
#21
○政府委員(豊田高司君) 今先生の御質問のとおり、長崎県は現在も渇水が続いております。
 これは、一つには地形あるいは地理的な条件から流域面積が小さい河川が多いということ、それからまた離島も多いというようなことで、安定的な水資源に恵まれておりません。ということで、過去の例を見ましても、三十九年、四十二年、四十四年、さらに今回に続く大渇水を経験しておるわけでございまして、抜本的な渇水対策が必要であると認識しておるわけでございます。
 まず、何と申しましても節水というものが大事でございます。そのほか、海水の淡水化だとか、あるいは一度使った、下水道の再利用だとかという、そういうこともあわせてやっていかなければなりません。
 それらとあわせまして、長崎県では、長崎市を水道供給区域といたします雪浦ダムなどの六ダムを完成させておりますが、現在、長崎水害緊急ダムとしてそういう名前のダムを実施しておるわけでございます。それから、萱瀬ダム再開発事業、轟ダムなどの八ダム事業を実施中でございます。今回の渇水におきましては、緊急処置といたしまして雪浦ダムの底水の緊急取水を実施いたしました。
 また、佐世保市につきましては、佐世保市に隣接いたします川棚町におきまして石木ダムの建設に着手しているわけでございます。しかし、この石木ダムにつきましては、県と水没関係者との話し合いが円滑になかなかうまくいっておらないということで、現在におきましても三分の一の方々からのダム建設に対する理解が得られていない状況でございますが、これは、佐世保市などの渇水状況の深刻さに照らしまして、最大限の水源となるわけでございますから、現在、長崎県で本当に一生懸命地元関係者との話し合いが精力的に進められておりますので、建設省といたしましても、この円滑な推進に全面的に御支援を申し上げてまいりたいというふうに思っておるところでございます。
    ―――――――――――――
#22
○委員長(合馬敬君) 委員の異動について御報告いたします。
 本日、山本正和君が委員を辞任され、その補欠として渕上貞雄君が選任されました。
    ―――――――――――――
#23
○三上隆雄君 それでは、私からも今回の河川法の改正に伴って、時間の範囲内で質問をいたしたいと思います。
 ただいま松谷議員からもいろいろ質問がございました。今回の河川法の改正というのは、河川保全立体区域を指定することができると。そして、その指定の範囲を拡大することになったわけでありますけれども、現行の保全区域とは、建設大臣が、あらかじめ都道府県知事の意見を聞いて、河川管理施設、いわゆる堤防等を管理するため必要最小限として五十メートルの範囲内を指定すると。ただし、その場合、地形、地質等によってそれを超える場合もあり得るという、いわば大まかに言っての法律でありますけれども、今回の保全立体区域はいわば画期的な改正でありまして、その地下も範囲を広める、空間もまた範囲を広めるという、今までの概念とは大きな違いがあるわけであります。
 そこで、一応松谷委員の質問をおおよそ承りましたが、道路法では既にもう七年前に立体道路制度を実施しているわけでありますから、今回の法改正はむしろ私は遅きに失したのではないかという気さえするわけであります。その必要となった背景、今までおくれた背景と言ってもいいのか、その点についての御見解をまずいただきたいと思います。
#24
○政府委員(豊田高司君) 背景につきましては先ほど大臣からも御答弁がございましたが、改めまして御説明を申し上げたいと思います。
 この立体区域制度と申しますのは、特に市街化の進んだ場所あるいは既に良好な市街地になっておるようなところにおきまして、市街化が進めば進むほど洪水の流出というものは多くなってまいります。そういったときに降った雨をどう対策するかということとともに、良好な市街地を形成している土地を有効に使う、この二つの面を同時に解決するためにどういう方法がよいかということで考えられましたものが、それでは地下に川をつくったらどうかということでございます。
 おっしゃいましたように、こういう必要性はことし急に出てきたかと言われますと、こういう必要性は以前からあったわけでございまして、そういう意味ではもっと早くこういう制度でやるべきであったと言われますと、そのとおりでございます。
 そういうことで今回お願いしておるわけでございますが、あわせまして用地の取得がうまくいく、円滑化を図るということとともに、先ほど申し上げましたように、土地の合理的な利用ということとともに、都市の中の河川というのはなかなか管理が難しい。例えばごみを捨てられるだとか、いろんな状況があるわけでございます。そういった河川の管理の適正化を図る上からも、河川を地下に設けることは非常に有効なことと思っておるわけでございます。
 ただ、こういう自然公物を念頭に置いた従来の河川区域制度というものではなかなかうまくいかない場合があるわけでございまして、それの特例措置として地下に設けられました放水路、調整池などの施設につきまして、この区域を上下一定に区切るという河川立体区域を創設したものでございます。こういうことで促進を図りたいと思っておるところでございます。
#25
○三上隆雄君 そこで私は問題に思うのは、今回の改正法律の中で、その地下と空間の一定の行為の制限をするわけでありますけれども、その数値を上が何メーターで下がおおよそ何メーターというその規定が全くないということは、これから施行する段階で問題がないのでしょうか。先ほども同僚委員が質問されておりますように、相当な深い部分まで施行するとなれば、隣接地に対する影響も当然私は出てくると思うし、そしてまた地下水の動静についてもいろいろ影響が出てくる。そういう観点から科学的、具体的、数値的な根拠と、数値をあらわすべきだと思いますけれども、いかがでしょうか。
#26
○政府委員(豊田高司君) この一般の河川保全区域というものにつきましては、先生から今御指摘ありましたように、原則として五十メートルを超えてはならないということになっておるのはそのとおりでございますが、今回お願いしております河川立体区域あるいは河川保全立体区域につきまして、その地表の河川保全区域とは異なりまして、この指定範囲の限度を法律で定めておりません。
 これはどういうことかと申しますと、この立体区域制度の対象となります河川管理施設が、その種類や構造あるいはその施設の設置されます土地の地形、地質、先ほどおっしゃいましたように地下水の状況もこの中に入ると思いますが、さらには地表部からの深さ、浅いか深いかということによってもまちまちでございますので、その指定すべき範囲が一つ一つ異なるということで指定範囲を類型化し、そしてその上限を数値で示すということが大変困難であるわけでございます。
 したがいまして、いずれにしましても河川保全立体区域の指定に当たりましては、この河川管理施設を保全するために必要な最小限に限りたいと思っておるところでございます。そうすることによって過度な規制の対象にならぬように適正に運用してまいりたい、このように思っているところでございます。
#27
○三上隆雄君 今局長の答弁もいろいろややこしい答弁をされている分、これの実施の段階では大変な苦労が予想されるわけでありますけれども、地上部分のこういう指定なり買収なり、そういう場合にはその建造物ののり面というのも当然あるわけでありますが、この法改正の説明では、直下というか、垂直にその範囲に入るだけでありますから、隣接地の同意も当然得なきゃならぬし、そこに対する補償というのがあれば、補償というのも絡んでくるのではないかなと、こう思うわけであります。
 なおまた、先ほど松谷委員の質問に御答弁いただきましたけれども、地権者の同意を得て完成した後に指定するという説明がありましたが、それで実際地権者が納得するのか、その点についての御見解をいただきたいと思います。
#28
○政府委員(豊田高司君) 今先生の御質問では、河川区域とその保全区域、二つの御質問でございます。
 まず、河川区域、立体河川区域の地上の部分はどうなるかということでございますが、これは先ほど申し上げましたように、その地上の人々の理解、了解を得ないとできない。具体的には、その地上の人が話し合って、地下にあるのに区分地上権というのは言葉としてはちょっとややこしいんですが、法律的には区分地上権というものを設定して、地上の人の権利の一部を譲っていただくというようなことになるわけでございます。
 ただ、今先生がおっしゃいました隣の保全区域はどうなるかということでございますが、これは現行の河川区域もそうでありますが、地権者の同意を必要としていないということでございます。これは先ほどもちょっと申し上げましたが、河川をつくることによる地域全体の公益性というようなことも考えますと、この河川保全立体区域におきます権利の制限というものが、その土地の属性からくる内在的制約だというふうに言われておるところでございます。
 いずれにしましても、そうはいっても、実際の運用に当たりましては、土地の所有者に対しまして過度の規制にならないよう、その河川保全立体区域の指定範囲を最小限のものにしてまいりたい、その範囲内の許可制度の運用面でも過度の規制にならないように十分配慮してまいりたいというふうに思っておるところでございます。
#29
○三上隆雄君 十分配慮配慮の連発ですけれども、はっきり法的にあるいは政令的に規定しておかないと、それはなかなかスムーズに運用できない、こう思うわけであります。それについては若干の再検討も必要ではないかな、こう思うわけであります。
 そこで、この法案の改正を全部マスターしていない質問になるかもしれませんけれども、空間ということは地上の問題です。例えば、今までの既成の河川法からいくと、河川の上には物を建設できないという、そういう規制があるわけでありますけれども、今回の法改正で建物の下にトンネル、いわば施設を敷設できるというわけでありますから、現状の河川の水の流出に影響がないと、どなたか、知事でもいいしあるいは市町村長でもいいし、管理者が判断した場合に、現状の河川の上にそういう公共の施設を建設できるかどうか。それは今回の法改正によってどういう影響をもたらしますか。
#30
○政府委員(豊田高司君) 従来の河川改修のやり方でまいりますと、まず一般的には川幅を広げるなり新しい川をつくる場合には、そこの地権者の土地を買収するということが必要でございます。買収するには、当然ながらその買収金額について相手の方とよく話し合って了解を得て、契約をしてその土地は買収するということになるわけでございます。
 次に、土地はもう売りたくないといった場合に、従来だとどうしておるかというと、じゃその下の地下を通らせてくださいと。地下を通る場合にはただというわけにはもちろんまいらないわけで、先ほど申し上げましたように、そこの地上の権利者と話をして、その土地の何割がというものをお支払いして区分地上権を設定するということになるわけです。
 この場合に、従来の河川法の範囲ですと、一たん河川区域が設定されますとその上まで及ぶわけでございます。したがいまして、後から河川が入ったにもかかわらず、今まで住んでいらっしゃる人の例えは家を直すときには河川法の規定に従って届け出なり許可を受けなければならない、こういう規定になっておるわけでありますから、それは幾ら何でも申しわけないということで、土地の許可はもう要りません、自由にお使いくださいということにするのが今回の趣旨でございます。
 したがいまして、土地の権利関係は従来と何ら変わるわけではありませんが、河川法の規定が及ばないようにして、後から来た者が先行して住んでいらっしゃる方に影響が及ばないようにしようという趣旨でございます。
 今、先生のおっしゃいましたように、川の中でもそういうことができるかということになるわけでございますが、現在ある川はもともと河川としての土地も所有しておるわけでございますから、改めてこの制度によらなくても、現在の川の範囲内なら現行の制度で十分できるというふうに考えておりまして、現行の制度でできない部分をこれで補ってまいりたいという趣旨でございます。
#31
○三上隆雄君 ちょっとさっきの松谷委員の答弁に関して確認をしたいと思いますが、今回の法改正以前に、先ほどの答弁で神戸ではもはやトンネルの用水路というか、調整池というか、それはもうできていると、震災でも大丈夫だったという答弁があったけれども、法改正の前にそれができるということは、その点どうなのか。
#32
○政府委員(豊田高司君) 先ほど、神戸に地下河川がたくさんあると申し上げました。その上の土地はどういう土地かと調べてみますと、すべてが道路でございました。道路の下を通っておる、あるいは川をトンネルにしてその上を道路にして使っておる。どちらがこの場合後か先かはちょっとわかりませんが、道路の下にトンネルをつくった場合と、川をトンネルにしてその上を道路にして使っておるという二通りがありまして、そのいずれも大きな被害は受けなかったということでございます。
 申し上げましたように、現在でも道路の下を通っているのは幾つかあるわけでございますが、これにはもう限界がある。どうしても民地の下を通らなければならないときに、例えば道路ですとぎゅっと行ってぎゅっと回らないといけない場合もありますが、民地の下を通ることがうまくいくということになれば、もっと安い工法ですっといくわけでございますから、民地の下を理解を得ながら地下河川をつくるという趣旨でございまして、今おっしゃいました神戸の場合はそういう状況でございます。
#33
○三上隆雄君 そこで、もう一度質問を繰り返しますけれども、既存の河川の敷地に建造物の基礎の部分、足の部分、柱の部分と言ったらいいか、全く影響がない場合に、河川の上に建造物を、しかも公共の施設を建てることは現状では可能なんですか。
#34
○政府委員(豊田高司君) その公共物がどういうものかということによるわけでございます。例えて申しますと、そこに橋をかけなければなりませんというような場合に、これは川に橋をかけざるを得ないという必然性がある、しかも社会的要請もあるというときには、その川の中にピアを建てるということは許可されるわけでございます。
 もちろん無条件に許可されるわけではございませんで、川の水の流れが悪くならないかどうか、橋をつくることによって局部的に深掘れがして危険にならないかどうか、あるいはそのピアが堤防に近い場合には部分的に流れが乱れて堤防を傷めないかどうかというようなチェックをして、大丈夫であれば認められるというのが一般でございます。現に川にはたくさんの橋がかかっておるわけでございまして、そういう一つ一つを丁寧にチェックして許可されるべきものは許可されておるという状況でございます。
#35
○三上隆雄君 微妙に私の質問とお答えが食い違っているわけでありますが、橋というのは道路で当然なわけでありますけれども、公共の施設というのは、なくてはならない駐車場あるいは憩いの場、いろいろ今都市開発あるいは河川見直し事業ですか、そういう事業がありますから、それが今回の法改正でどういう影響をもたらすのか確認をしているわけでありますが、例えば駐車場をつくる場合には許可になりますか、全くその流れに影響がないという判断ができた場合に。
#36
○政府委員(豊田高司君) 二つの場合をおっしゃっているかと思うわけでございますが、現在川になっておるところにふたをかけて上を駐車場にできるかということでございますが、これは一般には川というものは地域のオープンスペースとして大事である、それから川に近づいて水に親しんだり川辺を散歩するということが今大変重要視されておりますので、可能な限り既存の川はオープンスペースとして使いたい、地域の皆さんもそのような御希望だろうと思います。
 それから、現在駐車場のあるところの地下を使わせてもらいたいという場合には、これは立体河川としてのこの法律が生きてくるわけでございまして、その場合には既に先行してあります駐車場の方の了解をとってその地下を利用させていただく。したがいまして、その地下の調節施設と上の駐車場が一体となったものになるということで、この立体河川区域の趣旨にも合ってまいるものだというふうに考えておりまして、その二つがどういうケースということによって、一つ一つの具体のケースによって判断が分かれてくるということになるわけでありますが、いずれにしましても、今後、河川の空間というのは非常に大事でございますから重視してまいらなければならないのではないかというふうに思っておるところでございます。
#37
○三上隆雄君 なかなか微妙に答えが違うんです。現状の駐車場の下に河川を通すというのは今回の法改正で認められるわけですね。ですから、既存の河川の上に地域住民が希望して、しかも影響がないとするならば駐車場を建設できるかという質問なんです。簡単にお答え願います。
#38
○政府委員(豊田高司君) これは一般論ではなかなかお答え申し上げにくいわけでございまして、どうしても一般論で申し上げますと、その河川の上部空間、あるいは堤防を含めましてその地域に貴重な空間であるというふうに思っておるわけでございます。ただ、特殊な場合に全くゼロかと言われますと、それは一つ一つのケースを具体的に見てみないと何とも言えないわけでございます。ただ、私はこの場ではやはり原則論を申し上げさせていただきたいと思っております。
#39
○三上隆雄君 それでは、次の質問に入らせていただきます。
 今回の阪神・淡路大震災で多自然型河川の被害が少なかったという報道があるわけでありますけれども、この多自然型河川というのは、いわば我々の常識ではコンクリートの頑丈なそういう堤防ではなく、自然に近い堤防であるというそういう工法でありますが、その被害状況が今回極めて少ないという、そういう実態があるのですか、その調査をしたんですか。
#40
○政府委員(豊田高司君) お答え申し上げますと、今回の地震におきまして特に淀川について調査いたしました。その結果を申し上げますと、淀川の三川合流点から下流まで、下流の淀川大堰というのがございますが、その区間について見ますと、それと一つ西に猪名川という川がございますが、この淀川と猪名川について見てみますと、多自然型川づくりという観点から場所を一つ一つ点検してまいりますと、淀川では、湾処と申しておりますが、湾処を造成したものが一カ所、それから低水部、低水部と申しますと、堤防がありまして高水敷がありまして、その先のところを低水部、こう申しておりますが、低水部に改良を加えたものが五カ所ございます。この改良の目的は多自然型な川づくりにするための改良でございますが、このほか、明治以来からずっと湾処の状況になっている箇所が六十カ所ほどございました。
 この箇所についてつぶさに点検いたしました結果、土でできておる堤防でございますから完全無欠ということはございません。一部軽微な損傷が起こったり護岸の亀裂が生じたりというようなことはございましたが、大きな被害は見られなかった。これに比べまして、湾処だとか高水敷だとか、そういったものがないところの下流では三メートルほど大きく沈下したというようなことからあわせ考えますと、この高水敷をつくって多自然型にしたところは比較的丈夫ではなかろうかというふうな類推ができるものと思っておるわけでございます。
 いずれにしましても、地震によって堤防が崩れて海の水あるいは川の水が一瞬に地域に流れ込むというのは、これはもう絶対避けなければならないということで、堤防の耐震性というものが大変大事だということを考えておるわけでございます。
 この淀川の堤防というのは非常に長い歴史の中でつくられてきたものでございますので、こういった長年の経験、地形、地質等の現状をつぶさに調査いたしまして、これを今後参考にしてまいりたいというふうに考えております。
#41
○三上隆雄君 質問の半分よりできなかったというのは、余りにも丁寧な答弁なんで、これからひとつお互い時間を大切にしましょう。終わります。
#42
○矢原秀男君 河川法の一部を改正する法律案に賛成の立場で一点だけお伺いをしたいと思います。
 この法律案については、市街化の進展、都市における計画的な治水対策、また必要な用地買収、いろいろの観点の中で進められていると思っておりますけれども、私一点だけ伺いたいのは、この河川立体区域制度の中における地下河川型、これは私考えるに土木工学の範疇であるかなと思っておりますが、二番目の建物内設置型については建築学上のいろいろの態様があろうかと思いますけれども、ともに耐震を含めて安全性についてはどうなのかということを一点だけ伺っておきたいと思います。
#43
○政府委員(豊田高司君) 今の御質問は、地下に設けるトンネルなどは土木工学上の問題であるが、建物と一体としてつくられる調節池はどうか、それの安全性はどうかという御質問かと思います。
 この地下の調節池と一体となって、建築物と一体となって設置されるものにつきましては、当然そこの地上の建築物の構造基準が適用されるものというふうに思っております。現在のところ、調節池と一体となった建物あるいは建物と一体となった調節池というものは余りその例がございませんが、当然ながら構造物に応じましてその基準が適用されるわけでございます。
 ただ、この場合に、そのほか水の力というものがプラスされるわけでございまして、従来の建築基準法なら建築基準法プラス水の力というもので設計され、安全な設計がされるものというふうに思っております。
#44
○矢原秀男君 万全を期していただきたいと思います。
 次に、関連といたしまして、兵庫県内における今回の大震災における河川の被災状況について伺いたいと思います。
 直轄河川、または県の管理河川を含めて、尼崎、西宮、芦屋、神戸と大きな被害を出しているわけでございます。時間の関係上簡単で結構ですから、まずそのあらましを、被害状況、それからそれに対する対応、お答えをいただきたいと思います。
#45
○政府委員(豊田高司君) 尼崎、西宮、芦屋、それから神戸と順番にお答えしてまいりたいと思いますが、まず尼崎市でございますが、これは全部で直轄では七カ所ございまして、被害額は十四億。円でございます。それらにつきましては、いずれもシートを張るだとか、土のうを積むだとか、亀裂の起きました天端を補修するだとか、応急処置は既に実施済みでございます。引き続きまして、本復旧工事につきましてもことしの出水期までに完了いたします。それから、県の管理のものにつきましては二十九カ所でございまして、被害報告額は九十八億円でございます。対応についてはいずれも直轄と同じ状況でございまして、特に被害が比較的大きかった中島川、左門殿川、神崎川では仮締め切り矢板ということで応急の工事を六月までに完了することとしております。
 それから西宮市内でございますが、ここは直轄ございませんで、県管理の武庫川などの六十五カ所でございまして、三十四億円でございます。これもいずれも同じように応急処置をし、本復旧につきましては災害査定が終わり次第早期復旧に努めることとしております。
 それから芦屋市内でございますが、これは芦屋川、宮川の二河川の十五カ所でございまして、二十三億円でございます。これらの被災箇所につきましても、同じように必要な応急対策、本復旧工事を早急に進めてまいることとしております。
 最後の神戸市内でございますが、これは新湊川などの三十二河川、百八箇所につきまして被害報告額が百九億円となってございます。これらの箇所につきましては、先ほど来御説明申し上げましたトンネル河川もあるわけでございますが、そういったものを含めまして応急に処置する必要のあるものは三月末までに完了することとしております。
 それから、特に被害の大きかったところにつきましては、災害査定が済み次第速やかに本復旧に入る予定でございます。比較的被害が大きかったのは塩屋谷川という川でございまして、ここの放水路、トンネル区間において巻き立てコンクリートに亀裂が発生いたしました。これは応急的に、本復旧工事ではございますが、すぐにやるという意味で応急本復興工事を既に着手いたしまして、これは六月までに完了する予定でございます。
 いずれの川も全力を挙げて二次災害の防止に取り組んでおるところでございます。
#46
○矢原秀男君 季節的にも非常に懸念されますので、二次災害の起きないようにお願いしたいと思います。
 今御報告いただきました河川の被害の中で、一点だけ再確認をしておきたいと思います。それは、一番被害がでっかいのは尼崎の中島川だと思っておりますが、国道二号線から堤防が四キロの被害を受けているように私の調査ではなっております。その中で、満潮時に漏水をする一キロは、堤防の亀裂が非常にでっかいわけでございます。(資料を示す)これは私の調査の図面でございますが、堤防についてもこれだけの本復旧をするためには四年かかると思うんですね。ですから、それまでに漏水がしないように、これはどの災害、堤防を見ましても必ず出ているわけでございますが、建設省の優秀な技術の指導で県に応援をしていただきまして、よろしくお願いをしたいと思います。
 私がそれを言っておりますのは、尼崎市も過去の風水害で、尼崎市の場合はゼロメーター地帯でございましたが、昭和九年の室戸台風では最高の水位がOPから見まして五メーター十の水が来ているわけです。昭和二十五年のジェーン台風も、最高水位がOPから見まして四メーター三十。これから国のいろいろな手当てによりまして現在のような町づくりができておるわけでございますが、やはり中年以上の方はこういう大被害を知っておりますので、ちょっとしたことでも非常に心配をしているわけでございますので、この点もよろしく御指導、御協力をお願いしたいと思います。
#47
○政府委員(豊田高司君) 今、先生御指摘の中島川などにつきましては、御指摘ありましたように堤防が大きく沈下しております。しかも、一部漏水があるということでございますので、本復旧にはある程度時間がかかりますので、これは淀川でも行いましたように、すぐ鋼矢板で締め切りを行いましてとりあえず水が入らないようにするということと、この洪水期、雨期に備えまして、上流から流れてくる洪水を海に安全に流すということで仮締め切り矢板というものを早急にする必要があるということで、これは現在施工中でございます。これは六月までにやってとりあえずこの洪水に対応し、その間、本復旧に向けて工事を鋭意進めるということでございます。一生懸命やっていきたいと思います。
#48
○矢原秀男君 よろしくお願いしたいと思います。
 次に移ります。
 これは都市局下水道部の担当だと思いますけれども、神戸市を中心に下水処理場を中心とする、管渠も含めて大被害が出ておりますけれども、該当する神戸市、西宮、尼崎、芦屋、そしてまた兵庫県、簡単で結構でございますので、復旧状況の御報告をお願いしたいと思います。
#49
○政府委員(近藤茂夫君) 先生御指摘のとおり、下水道関係についても、今回の阪神・淡路大地震におきまして相当の被害が出ております。兵庫、大阪、京都に稼働中の処理場が百二カ所ございますが、被災を受けたのは四十三処理場でございます。ただ、機能に低下をもたらした処理場の被害、これは兵庫県下の八処理場がかなりの被害で、処理機能が低下いたしました。このうち、特に東灘処理場につきましては現在も簡易処理でございます。あとの七つにつきましては、仮復旧で従来どおりの高級処理がされております。
 東灘処理場につきましては、最終的にポンプ場に集まった汚水を処理場に送り込むいわゆる管渠が壊れまして、そのために一時期はそのまま滅菌処理をした上で放流されていたわけでございますが、二月六日に運河を沈殿池で締め切りまして、そこで沈殿処理、いわゆる簡易処理、そして滅菌処理した上で放流しているということで、本格的に高級処理ができますのは五月の初句になろうというふうに考えております。
 それから、管渠に関しましても、初期の目視による調査、そして次の段階におけるテレビカメラを挿入しての調査結果、神戸市ではほぼ九割以上それも終わっておるわけでございますが、千六百カ所ぐらいの被害が出ておりまして、これについては閉塞した部分を排除、土砂を排除したり、あるいはバイパスをつくるということで、現在その汚水の流下機能に支障が出ているという状況ではございません。
 大体、被害の状況はそういうことでございます。
#50
○矢原秀男君 今被害の御報告をいただいたわけですが、一点だけ質問したいと思います。
 東灘の処理場については、風説ては、この震災で千六百カ所の管渠がそれぞれで被災を受けているわけですから理解できるわけでございますが、この運河というのがいわゆる容量が五万トンなのか六万トンなのか、仕切った場合ですよ、わかりませんが、排出するものが十万トン以上ということになれば、これは今寒いからいいけれども、衛生上やっぱり万全な対応を復旧までにしていかなくてはいけない。
 こういうふうなことで、今伝染病が出るとかそういうことはないと思いますけれども、重ねてその衛生上の対応、その点と、管渠が全体的に千六百も壊れておりますが、それは耐震設計としては今後、技術審議会とかいろんな検討をされておると思いますが、しょせん市と県が一生懸命やっておりますけれども、やはり建設省のすばらしい技術陣というものの応援がなければ大変だと思いますので、その点だけを伺っておきたいと思います。
#51
○政府委員(近藤茂夫君) まず、東灘処理場でございますが、確かに簡易処理の状況でございますので、いろいろ問題が出てくる可能性があるわけでございますが、現在排水基準等について定期的に調べておりますが、この地域は瀬戸内海の地域でございますので総量規制もございます。
 ただ、幸いなことに排水基準は当然満たしているわけでございますが、総量規制の点についても、まだこの地域三十五万トンの処理能力があるわけでございますが、ガスが完全復旧いたしておりません、そういう意味で十五万トンぐらいしか流入していないということもございまして、総量規制も守られているという状況にございます。
 ただ、御指摘のとおり、先生御指摘の心配があるわけでございますので、いわゆる高級処理、仮復旧によりまして完全に処理場の中をきちっと通った上で、汚泥による曝気された上で排水されるような、そういう高級処理の復旧に向けて万全の努力をしてまいりたい、このように考えております。
 それから、もう一点のパイプの点でございます。確かに、ここはある程度合流式がほとんどなくて、分流式の汚水管の被害でございますので、比較的パイプが太いものが少ないということ、それから設置されている場所がかなり深いということもございまして被害が少なかったわけでございますが、ただ、今後の問題として耐震設計をどうするかということにつきましては、現在検討委員会を設けております。
 処理場におきましても、あるいはパイプが被害が大きかったということでございますので、このパイプに関しましては早急に、できれば四月中旬までに新耐震基準、とりわけつなぎの部分について、ねじ曲がっても大丈夫なようにいわゆる蛇腹をつけるというようなことを考え方の基本として、新しい耐震設計をできれば四月中旬までに打ち出したい、このように考えているところでございます。
#52
○矢原秀男君 よろしくお願いしたいと思います。
 最後の一点の質問でございますが、環境庁に来ていただいておりますが、兵庫県は例のように震災のところ、瓦れき千三百万トンとも千八百万トンとも二千万トンともいろんな処理が言われておりますけれども、アスベスト中心の飛散の防止、こういうふうなことを各省庁が関係されているわけでございますが、中心でございます環境庁に対応を伺っておきたいと思います。
#53
○説明員(柳下正治君) 御説明申し上げます。
 アスベストにつきましては、既に昭和六十年代の当初の段階で、原則、建物を解体する場合にはあらかじめ除去いたしまして、そして処理をするという原則が、関係の通達ですとかあるいは建設省のマニュアル等で定められております。
 今般の震災に伴いまして、大変に厳しい状況下でこの原理、原則に基づいて処理するということが大変に困難な状況が散見されるようになりました。
 したがいまして、環境庁といたしましては、八省庁で構成する石綿対策関係省庁連絡会議というものを開催いたしまして、この会議は従前から設置をされておったのでございますが、この震災に際しまして開催いたしまして、吹きつけアスベストの飛散防止対策を、現場の厳しい状況に応じて実施できる対策の一種の要綱のようなものを策定いたしたところでございます。
 細かく申し上げますと、現場では、原則どおり解体できるもの、あるいは既に立ち入りが危険でありますためにできないような建物、あるいは既に全壊されてしまったような建物、いろんなケースがございます。それらのケースごとに、原理、原則を逸脱しない範囲で現場で応用できるような手法をまず改めて策定をしたというのが第一点であります。
 第二点は、それらの対策が現実に実行されますように、関係省庁が六つほどございますけれども、それぞれの省庁がそれぞれの持ち場持ち場で対策の実施に向けて行うべき当面の効果的、円滑な対策を定めたということであります。
 幾つか申し上げますと、まず、国の関係する建物についてはこの対策をみずから率先垂範しよう。それから、それぞれの省庁においては、関係する団体あるいは地方公共団体等に対して徹底を図っていこう。それから、吹きつけアスベストが使われている建物の実態の把握を行っていこう。それから、実際にそれらの建物の解体、撤去が行われることの確認をしていく努力をしよう。それから、環境モニタリングを実施しよう。それから、関係省庁、地方公共団体におきまして、これらの問題に関する相談窓口を開設する。こういったことでございますが、このような取り決めを行いまして、二月二十三日に、それぞれの省庁から地方公共団体あるいは関係団体等々に徹底をし、現在、これに基づきまして国、地方公共団体、関係自治体が一体となって対策の推進に努めているところでございます。
#54
○矢原秀男君 私は、アスベストの除去方法を一〇〇%わかっているわけなんです。わかった上で聞いているんだけれども、原理、原則に対して守られていない、反省をされてきた、こういうような急用のときですから、事実だろうと思います。
 ただ、街頭で歩く市民の皆さん、工事をされる労働者の皆さん、いろいろこれはやはり肺がんの可能性というものは医学的にもあるわけですから、これ最後に、建設大臣、時間ございませんので伺いますが、私も現場を見ておりまして、アスベストの除去を一〇〇%どういう手段ですべきか、私はもう全部わかっているんです。わかった上で質問しておりますので、今後該当の省庁、これはやはり建設省が一番多くなろうかと思いますけれども、どうかこの点については注意を、余り喚起し過ぎるとまた町が早く整理できない問題点もありますが、これはやっぱり生命の安全というのが背景にありますので、こういう点も含めて、そしてまた震災における建設省の役割というものが非常に大きいのでございますので、今後の復旧対策のために重ねて大臣の御決意も伺っておきたいと思います。
#55
○国務大臣(野坂浩賢君) 矢原委員の御指摘のとおりに、アスベストの処理方法につきましては、瓦れきの除去等の問題も含めて慎重に対応しておりますが、今後の建築その他については、十分にそれについては注意深く警告をして対処してまいりたいと考えております。
#56
○矢原秀男君 終わります。
#57
○磯村修君 最近、河川を利用したレジャーというのが非常に多様化してきているということから、置き去りにされるいろんな船、あるいは河川地域に放置しておく車両、こういうものが非常に近年目立ってきている。そういうことから、今回の法改正によって、ある一定の手続をしてそれを除去していくということになったのであろうと思うんですが、実際、私ども湖などを見ておりますと、大体されいに係留されてうまく利用されているんですけれども、本来の河川の実際の放置の状況というのは、実際はどうなんでしょうか、ちょっとその辺をお伺いしておきたいと思います。
#58
○政府委員(豊田高司君) 今御指摘のありました川、特に河川区域で放置されているものがどれぐらいあるのかということでございますが、これは実はなかなか把握しにくい面がございますが、現在把握しているところで申し上げますと、まず車両の台数につきましては本年度の一月末に調査しました。これは、全国の一級河川のうち建設大臣が管理している区間ということでしか今データがございませんが、この区間で申し上げますと千六百五十五台という結果が出ております。
 それから、船はどうだということでございますが、このデータはちょっと古うございますが、平成四年十一月のデータがございまして、こちらの方は全国の一級河川及び二級河川でございますが、ここでは七万八千六百隻というような数字で放置されているということがわかっております。
#59
○磯村修君 そうした船舶と申しましょうか、あるいはいわば置き去りにしているそういうものをなくしていくということでマリーナ施設等の整備も行われると思うんですけれども、これはどの程度合整備されてきているのか。それから、水面の利用計画、今荒川とかあるいは多摩川ですか、そうした四つの水系で何か進められているようなんですけれども、これからのそれについてのお考えがもしありましたら、お伺いしておきたいと思います。
#60
○政府委員(豊田高司君) 今御指摘のとおり、河川の水面というものはいろんな立場、方々から利用されておるわけでございますが、古くから申しますと舟運や漁業というものでございますが、現在ではこれに加えましてレクリェーション、スポーツということで利用されております。特に最近では、生活水準の向上によりまして、御指摘のように、余暇時間の増大等によりまして、ボート、カヌー、ボードセーリング、それからプレジャーボート、水上バイクあるいは水上バスというふうに大変盛んでございます。
 こうした水、水面利用の反面、水際での利用、例えば釣りあるいは水辺の散策、水遊びの場といったような他の水利用との関係で支障を来しておるというのもいろいろあるわけでございまして、特にこのプレジャーボートというのは非常に大型なものでございますから、プレジャーボートの係留が著しい河川では船自身の安全あるいは水辺の利用に大変大きい問題が生じでございます。さらに、放置されたプレジャーボートが洪水時に流出して、洪水の流れを悪くしておったりあるいは橋脚に当たるというような問題が生じでございます。
 このようなことで、水面利用あるいは水辺の利用が大変ふくそうしておるような川におきましては、憩い、安らぎといったものと、スポーツ、レクリエーションの場、そういう両方の機能を維持増進するということが大事だと思っておりまして、御指摘の水面利用というものを、水面利用者、それから関係地方公共団体、それからその地域の河川管理者という皆さんから、評議会を設置いたしまして意見を聞いて、全国で現在四つ、御指摘のとおり四河川についてやっております。
 今後とも、特に都市部を中心といたしました川につきましては、積極的に水面利用計画を策定してまいりたいと思っておるところでございます。
#61
○磯村修君 その点、もう一つちょっと伺っておきたいんですけれども、撤去しますね、撤去した車両とか船、これはどこにどういうふうに片づけていくんですか。
#62
○政府委員(豊田高司君) 朽ち果ててごみ同然、あるいはだれが見てもごみだというものは、別途河川を管理する者が所在の市町村にこれはごみでありますから処理してくださいと言って持ち込むわけでございますが、一般には市町村の費用でやってもらうのが普通なんですが、実際はなかなかそうはいきませんで、河川を管理する者の費用でそこまで持っていくということになっておるようでございます。
 ただ、今御質問の、そういうものではなしに一応値打ちのありそうなもの、しかし幾らたっても持ち主があらわれない、放置したままになっておる、その人を探してもわからない、どこに住んでいるかもわからないというような場合に、一生懸命探してもわからない場合にはどうするかということで、これは売り払うなり処分なりして、その代金を保管しておいてあらわれたときにお渡しするというようなことも考えられるわけでございます。
 そういう権限を法律的に付与をしていただきたいということでございます。
#63
○磯村修君 大変もったいない話なんですけれども、利用できるものは利用できるような、その辺の感覚がよくわからないんですが、大変もったいないような話です。
 水不足の話なんですけれども、大変昨年は記録的な暑さで水が足りないというふうな現象があちらこちらに起きたわけですね。ことしあたりもぼつぼつ心配をするような時期に入っていくわけなんですけれども、今現在の水の状況、それからことしの夏の見通し等についてお伺いしておきたいと思います。
#64
○政府委員(豊田高司君) 渇水の御質問でございますが、これは昨年の十月以降、雨の状況を見てみますと、平年の降雨量をかなり下回った地域が多うございます。特に、二月はごく一部の地域を除きまして雨の少ない状況でございました。
 現在、一級河川のうち取水制限をしておりますのは、筑後川、天竜川などの七水系が昨年から、それからことしに入りましてから中部の豊川、四国の吉野川などの四河川が新たに取水制限に入りました。
 利根川につきまして見てみますと、三月二十七日、きのう現在でございますが、上流のダム群の貯水率が四〇%ということでございまして、この時期といたしましては平成二年以来の低い貯水率になってございます。
 それから、筑後川水系で見てみますと、江川、寺内という二つのダムがございますが、この貯水率が五%ということで、過去最低の貯水率でございます。
 福岡市域でもその他の水源がやっぱり同じように大変状況が悪いということで、これは現在も夜間八時間の断水が続いているという状況でございます。
 今後の雨の状況はどうかということでございますが、長期予想というのはなかなかわからないわけでございますが、私たちは菜種梅雨、梅雨、あるいは本格的な大災害が出ない範囲でうまいぐあいに雨が降らないだろうかというふうに期待をしておるところでございます。
#65
○磯村修君 一番水がないとき問題になるのは、例えば農業用水を生活用水に使えないかとか、いろんな水利権の問題があってなかなか難しい問題もあると思うんですけれども、昨年は、異常渇水のときには農業用水寺余っている水の利用というのはどういうふうになされておりましたか、その辺をお伺いしたいと思うんです。
#66
○政府委員(豊田高司君) 渇水時におきます水利調整と申しますか、水の融通し合いというものはどのようにしておるかという御質問でございますが、去年の渇水は、今までも御説明申し上げましたように、一千五百万人に影響したわけでございまして、八地建で渇水調整会議というものをつくりまして、まず利水者間の取水調整を行いました。それから、発電者には、発電の緊急放流をお願いする。それから、いよいよとなりますとダムの底水の緊急放流など行っておるわけでございます。
 そのうちの利水者間の取水調整についてでございますが、渇水時には農業用水というものも決して余っておるわけではございません。ただ、節水の状況の程度、あるいは我慢を強いる程度というものが工業用水、農業用水あるいは上水道と比べてそれぞれの間に若干の我慢のしどころと申しますか、我慢のしぐあいというのが少しずつ遣おうかと思います。特に農業用水につきましては、稲の穂の出る時期がどうか、あるいは実る時期かということによって一定ではございませんので、その時期によりましてはうまく調整いたしますと有効に利用することが可能でございます。そういうことで、去年も農業用水の水利組合の方に理解と協力をお願いいたしまして渇水調整を行い、おかげさまでひどい状況が免れた地域もございます。
 去年の渇水の状況を教訓といたしまして、今後とも渇水調整会議がまだ設立していない河川がございます。これは渇水調整協議会というものを設立していただいたり、それから今お話のございました農業慣行水利権のまず実態調査をやっぱり始めないといけないということで、もともと、もし余剰農業用水が都市用水への転換が可能ということならば、一層合理化、適正化に努めてまいらなければならないと思っておるところでございます。
 それから、申し上げましたように、下水処理水の利用を含めまして、節水あるいは節水型社会の構築をお願いしなければならないわけでございます。それと並行いたしまして、ダム群の連携事業、渇水頻発地におきますダムの前倒し実施など、安定的な水資源の確保が必要だと考えておるところでございます。
#67
○磯村修君 もう一つ伺っておきたいんですが、水利権というんでしょうか、水利慣行権というんですか、どちらが正しいんですか。
#68
○政府委員(豊田高司君) 法律上は水利権一本でございまして、この河川法が明治二十九年にできたときに水利権というのが法律的に確立されたわけでございますが、それ以前に使っていた水を慣行の水利用ということで慣行水利権というふうに俗称しております。
 これは、慣行水利権という権利があるわけではございませんで、河川法ができた以前から水利用が行われていたもの、これは特にほとんどは農業用水でございます。例えば、見沼代用水はその後正式の水利権になっておりますが、古いものは弘法大師がつくられた井堰というものもまたあるわけでございまして、大変古いものから明治、それから例えば北海道というようなものは古い水利権がございますので、ほとんどが水利権という意味でございます。申し上げましたように、俗称、慣行水利権と呼んでおりますが、法律上は許可水利権と区別しておるということでございます。
#69
○磯村修君 終わります。
#70
○上田耕一郎君 河川法改正についての趣旨には賛成です。新しい土地取得が困難な都市部で洪水対策が進みますよう心から期待したいと思います。
 先ほどの局長答弁で、これまで地下河川の上は建物が少なくて道路がほとんど多いと言われましたが、そうすると、これまでの河川区域、河川保全区域、河川予定地だった区域で今度の新しい立体区域に切りかえるというようなところがあるんですか。あればどのぐらいあるでしょうか。
#71
○政府委員(豊田高司君) 現在あります地下河川について新しく立体区域に設定するものがあるかどうか、そういう御質問と考えてお答えしたいと思いますが、例えて申しますと、道路の下を通っておる場合には現在では立体河川区域としては定めておりません。ところが、道路管理者から道路の今後の利用を考えてそこを立体河川区域にしてください、上は権利を外してくださいという申し出があれば、私たちはこの制度に従って立体河川区域というものにしてまいりたいと思っております。
 次に、保全区域になるわけでございますが、河川区域があれば保全区域があるというのが理屈の上では当然でありますが、実態としては、保全区域というものは数からいうとほとんどございません。理屈の上では保全区域がなければならない、あっても不思議ではないんですが、実態から見ますと、現在道路の下にあるトンネルのところに保全区域がかかっておるというケースはごくまれでございます。
 したがいまして、そういうものをどうするかということになるわけですが、改めて保全区域をかけるかどうか、トンネルのところは立体河川区域にして、ないけれども今後新たにかけるかどうかにつきましては、これは個別の一つ一つ事情を見ながら考えなければならないと思っておりますので、今一律にかけるだとかかけないだとかというふうにはなかなか申し上げられない状況でござい保ます。
#72
○上田耕一郎君 先ほど区分地上権の話がありましたけれども、何割がと言われたですね。これまでは区分地上権を設定すると規制がうんとかかるのでかなり高かったろうと思うんですが、今後はかけるにしても安くなります。何割ぐらい代金払えばいいようなものなんですか、地上権の。
#73
○政府委員(豊田高司君) 従来ですと、丸っぽと申しますか一〇〇%で、土地代それからそこに家がある場合にはそれの補償、家屋の移転から含めて補償全部、土地代も補償も全部がかるわけでございますが、今回のものは家屋の移転は伴いませんから補償は要らないんではないかということが言えます。
 ですから、次には土地代が何らかの制約を受けるわけでございますから、その土地代の何割かをお支払いして契約するということになって、支払って区分地上権を取得するということになるわけでございますが、これが何割がというと、これも一律に申し上げられません。深いところ、浅いところ、大きいか小さいかによってまちまちでございますから、一〇〇%に近いものからかなり小さいものまでいろいろな範囲で分布するだろうと思っております。
#74
○上田耕一郎君 保全と予定の方は今のような区分地上権の設定は要らないですね。だから、所有者に了承を得る必要はない。そうしますと、これまでは住宅地にいきなり河川予定地が決まるなんということはあり得なかったんだが、ほとんどあり得なかったが、今後は相談なしに指定できるわけでしょう。そうすると、住んでいる地下に予定立体区域が指定されるということが起き得るわけです。
 それで、たとえ指定されても通常の土地利用には制限はない。しかし、今ちょっと土地代のことを言われたけれども、地価が下がってしまうとか、それから新しい建物が建てにくくなるとか、やっぱりそういう問題はあり得るわけです。だから、今の区域指定には影響が小さくても、民有地の地下で河川整備をどんどん進めるということになりますとさまざまな問題が発生するおそれがあるんじゃないかと思いますので、ひとつ十分住民の理解と合意を得て進めるように要望したいと思うんですが、そういう予想はいかがでしょうか。
#75
○政府委員(豊田高司君) まず、この立体河川をしなければならない理由というのは、地上の川があふれてどうしようもないという状況からまずスタートするわけでございますから、その地域の皆さんの何とかしてほしいという要望を担って計画するわけでございますから、その地域の皆様方の理解と御協力がなければ当然できないわけでございます。一方的に地元の方が要望していないものをここ通しますよと、こういうわけにはまいらないし、その必要もないわけでございまして、地上の部分が、既存の川があふれている、困る、何とかしてほしいということからスタートするわけでございますから、当然皆さんの理解は得られるものだというふうに思っております。
 ただ、おっしゃいましたように、そうかといってある日突然一方的にというわけにもまいらないわけでございますから、当然、事業計画などの追加については十分しながら理解と協力なりを得なければならぬというふうに考えております。
#76
○上田耕一郎君 次に、信濃川河川敷の問題を質問したいと思います。
 私はこれまで二十回近くこの問題を質問しておりまして、何となく係、専門の趣もある。田中金脈の最大の事件でしたし、特に田中科学技術庁長官は相続によって新聞なども支配が続いていると指摘されて、参議院でも問題になったことでもありますし、きょうは時間がありませんので、どは口ですけれども、幾つか質問したいと思うんです。
 あれは七十二ヘクタールの膨大な土地だったんですけれども、北半分は二人の勇気のある農民の裁判と市民の世論で八億円で長岡市のものになりました。私も何回か見に行きましたけれども、すばらしくなった。長岡造形大学、バイブ長岡、これは産業交流会館、県立近代美術館なんか建っていまして、残ったのは南半分三十六ヘクタール、約十万坪あるんです。それがファミリードームNAGAOKAという、一部にこういう大きなレジャーランド、こういうドーム風の、(資料を示す)こういう計画が出されまして、一体これは本当に公共事業という原則に沿ったものなのかどうかということが今問題になっている。着工はバブル経済の崩壊でちょっと延びているようですけれども。
 経過はもう一々よろしいんですけれども、南半分の土地については、七七年九月二十七日のこの長岡市と室町産業との覚書で「公益性の強いものを主体に」やると、事前に市長と協議することが決まった。同じ年の十月三十一日に、建設省河川局長の長岡市長あての文書で、市長が同意をするときには河川局長と事前協議するということが決まっている。これが一つです。
 このファミリードームNAGAOKAの計画についてはここに議事録があるんです、長岡市議会の議員協議会。これは日浦市長が、「今月四日両会社に対し同意を与えることにした。なお、このことについては、建設省とも事前に協議している。」ということを九三年十一月二日の議員協議会で報告しているんですよ。
 建設省は協議を一体受けたのか、同意したのか。こういうファミリーランドという営業的なものですね、これが公共利用に沿ったものと一体判断したのか、これを局長にお伺いします。
#77
○政府委員(豊田高司君) 経緯につきましてはもうわかっているからよいということでございますので省略させていただきますが、おっしゃいましたように五十二年九月二十七日に長岡市と室町産業が覚書をつくっております。
 その中の内容は今御指摘があったとおりでございますが、このことにつきまして、平成四年一月九日に、この土地の利用計画の変更について長岡市が室町産業に同意を与えています。このことにつきましては、この土地を運動・健康ゾーンとして利用するものであるということでございまして、建設省との関係で申し上げますと、建設省は平成三年十二月二十一日付で河川局長から長岡市長あてに支障のない旨を回答しているわけでございます。
#78
○上田耕一郎君 もう一度日付を言ってください、回答は。
#79
○政府委員(豊田高司君) 建設省河川局長から長岡市長あての回答の日付は、平成三年十二月二十一日付でございます。
#80
○上田耕一郎君 ちょっと局長、余り経過を知らない。
 これはそういうふうに一回して、その後またこれが出てきたんですよ。これ、だから平成五年十一月二日ね。平成五年、つまり九三年、このときにこれを協議したと言っているんだから、これについて、ファミリードームについて事前協議があったと言っているんだから、これについて同意をしたのかということ。それはその前の覚書に基づくものだから。どうですか。
#81
○政府委員(豊田高司君) この覚書について、協議すべき内容を覚書締結時に当職と、河川局長と協議してくださいと言ったものの内容は、土地利用について協議してくださいということでございまして、したがいまして、長岡市長はこの三年十二月二十一日以前に運動・健康ゾーンとして利用してよろしいかどうかという協議がありまして、今言いました日付でもって長岡市長に支障のない旨の回答をしたものでございまして、その協議するかしないかという対象の内容は土地利用計画であるというふうに私どもは認識しているところでございます。
#82
○上田耕一郎君 そこが大問題で、井上章平さんがいらっしゃるけれども、井上さんが河川局長時代、これよくやり合ったんです。
 それで、議事録を持ってきているんです。つまり建設省は、土地利用計画について事前協議だと、その後は事前協議は要らぬのだという立場なんですよ。しかし、土地利用計画が決まっても、このとき決まったのも、ビジネスゾーンだとかフィジカルゾーンだとか、そういう一般的なことは決まるわけですよ。さあ、そのフィジカルゾーンに何を建てるかというと、こういうものが建つわけだから、これが新しく出てきたわけだ。これについては、さあ、こういう新しく出てきたものはどうかどうかということで大分やり合った。当時の水野建設大臣は、「本件の土地に関しましては、今回の計画に沿った利用が図られていくものと考えておりますが、私どもといたしましても慎重にその推移を監視をしていきたいと、かように思っております。」、こうお答えなんです。
 だから、いわゆる建設省の通達に基づく事前協議、確かに土地利用計画かもしれぬけれども、それを事前協議で決めた以上、さてそれが本当に土地利用計画に基づく具体的な計画なのかどうか、土地利用計画に沿ったものかどうか、これは責任あるわけですよ。だから、水野建設大臣は「慎重にその推移を監視」すると、私に詰め寄られて大臣として答弁されておられるんだから。ただ、平成三年にあなた方が事前協議で承認したものに沿ったかどうかというのは、これが具体的に出てきたとき、当然やる必要があるんですよ。
 私は、この問題、去年の一月に建設省の課長補佐の方を呼んで聞いたんです。そうしたら、事前協議の対象ではないが市から連絡はあった、資料は見ている、土地利用計画に反するものではない、以上について河川局長に説明してあるというレクチャーを私はちゃんと受けているんだから。そうでしょう、どうですか。
#83
○政府委員(豊田高司君) 長岡市からの、これは協議の対象にはなっていないというのは先ほど申し上げましたが、しからば説明に参りたいというものを聞く必要がないということでは毛頭ございませんで、聞いております。おっしゃいましたように担当者は聞いております。
 その結果、長岡市の説明によりますと、このファミリードームNAGAOKAというものは、この土地利用計画に基づいて建設する施設である。それから、これは老若男女を問わず家族ぐるみで年間を通じて利用することができるスポーツ、レジャーの複合施設であるということ。したがって、健康維持、体力増進それから余暇の利用と交流の場として市民並びに周辺住民の利用が期待される。それから、そういうことであるから、長岡市発展の見地から市民全体の利益を優先するものと判断できるものであるということと聞いておるわけでございます。
 したがいまして、長岡市長は適正に判断されているものと思っておるわけでございます。
#84
○委員長(合馬敬君) 上田耕一郎君、時間が来ておりますのでまとめてください。
#85
○上田耕一郎君 はい。もう時間が来ましたので、最後に。
 大臣、経過は大体こういうことなんですよ。これについては、参議院の本会議で七五年六月六日に内閣警告決議というのがあるんです。もう一つは、社会党の宮之原議員の質問に対して三木首相が答えている。三原則といいまして、暴利は得させない、譲渡する場合は原価プラス費用と金利、土地利用は公共優先。これは福田首相も確認している。
 だから、参議院本会議、それから行政府の担当者がこういう原則を決めていて、それで建設省としてもこういう土地利用計画、事前協議とか、それも監視とか決めているんだから、建設省としては大臣、やっぱり土地利用計画に沿ったものであるかどうかということは、こういう内閣の態度、本会議の決議に基づいて、関心を持って今後とも慎重に監視していくという態度をお続けになると思いますけれども、最後に、大臣のお考えをお聞きしたいと思います。
#86
○国務大臣(野坂浩賢君) 上田先生やそれぞれ関係者の皆さんがきょうは御会合でございますので、私はなったばかりでございまして十分ではないと思っております。
 確かに、お話しになったように、参議院の本会議それから三木総理が御答弁になっておる。公益的な事業ということが指摘をされておるわけです、暴利をむさぼらないと。ただ、もう二十年たっております。この中で、今河川局長が申し上げましたように、この施設というものは、ファミリードームというものは一体どうなのかと、健康の維持だとかあるいは家族団らん、家族が一緒に遊べるというようないろいろなことで、土地利用計画については話をするけれども、その内容には長岡市長というものを信用すると。信用して、長岡市長が適正と思えばそれでやむを得ぬではないかということです。
 おっしゃるように、参議院の本会議では特に、非常に重要だというふうに、「妥当な行政措置を講ずべきである。」という本会議の決定あるいは三項目の三木総理の御答弁、そういうものを重く受けとめまして、三十六ヘクタールという南半分についての土地利用計画については十分に関心を持ってこれからの対応をしていかなきゃならぬ、そういうふうに思っております、
#87
○上田耕一郎君 終わります。
#88
○西野康雄君 私も、この河川法を一部改正する法律案には賛成でございます。都市型洪水というものが随分と起きております。そういう中で地下河川、これは河川という概念でとらえるよりは排水溝としてとらえた方が一番適当ではないかなと思うんですが、局長の答弁を聞いておりまして、地域の方の意向を十分に尊重して、ある日に一方的につくるんじゃないという、そういうふうなことも十二分に理解をいたしております。なぜその論理が長良川河口堰に生かされないんだろうかというふうな思いもいたしております。
 事治水に関したならば、引き堤をするだとかあるいは堤防をかさ上げするだとか、それができないからしゅんせつをする、しゅんせつをすると海水が上がってくるんだと。それならば、地下河川をつくったらええやないか、堤防の下に大きな土管を埋めたらええやないかというふうな論理が一つでき上がってまいりましたので、まことにもってこの河川法の改正は結構だなと、一つ反対の論拠が十二分に加わったなと思っておる次第でございますが、今後、そやから住民運動のときにノウハウとしてこれを与えたらええわけでございますから。こう言うとまた対策を講じるでしょうけれども、答弁のね。
 渇水のことに関しては、もう皆さんお聞きでございますからあえて聞きません。しかし、渇水と同時に大事なことは、ダムの貯水率が五%ぐらいのところもあるということですけれども、そうすると、やはりダムをもう一度蘇生させる、よみがえらせる、いろいろと実験も試みておられることは承知をいたしておりますが、堆砂ですね、ダムのところに随分と砂がたまっておるということです。ダムをもう一度蘇生させるということが重要なことかなと思うので、その対策についてお聞きいたします。
#89
○政府委員(豊田高司君) 全国的な渇水状況についてはもう先ほど御答弁申し上げたとおりでございますので省略をさせていただきますが、せっかくつくったダムを有効に使うためには、たまった土砂を取り除くだとかそういうことをしたらどうかということだと思います。
 まず、ダムの堆砂の状況について現状について御説明申し上げますと、利水ダムを含めまして毎年毎年堆砂の状況を把握しているところでございますが、その状況は、まず容量、総貯水容量百万立方メートル以上について集計をしておりますが、平成五年度時点でダムの数は利水ダム、発電ダムなどを含めまして七百二十九ダム、ダムの総貯水容量が百七十三億立方メートルでございます。これは有名なフーバーダムの半分にも至っておりませんが、百七十三億立方メートルでございまして、堆砂量の合計は十一・九億立方メートルということでございまして、堆砂の比率は六・九%という統計を持っております。
 これは平均でございますので個別に見てみますと、特に発電用の利水ダムでは堆砂が著しいものがございます。また、地域的に見ますと、地形・地質条件から中部地方のダムの堆砂が比較的顕著でございます。
 一般には、ダムというのは、多目的ダムの場合ですと、百年分の堆砂容量を見込んで百年たまって残ったところできちっと計画が成り立つようになっておるわけでございますが、それ以上に進んでおるところも現実には特に中部地方ではございます。
 そういう状況でございまして、たまった土砂を取り除く工夫をいろいろやっておるわけでございまして、昭和五十四年度には貯水池保全事業ということで、ダムの上流に新しい小さいダムをつくりまして、そのダムの奥の方まで運ばれないようにいたしまして、そういう小さいダムをつくっておけばすぐ取れる、そうすると堆砂が防げるということ。それから、骨材として利用するというような事業をやっております。また、六十二年度からはダムリフレッシュ事業というような事業も行っておるところでございまして、それからもう一つ、平成四年度からはダムの異常堆砂につきまして災害復旧の対象になるようになりました。そういうことで堆砂、たまった砂を除去することについてはいろいろと工夫をして今後とも促進してまいりたいと思っております。
#90
○西野康雄君 実効の上がるように鋭意努力していただきたい。あちらこちらから異常堆砂のことは、もちろん局長もお聞きでしょうが、私も聞いておりますので、災害の面からもよろしくお願いをいたします。
 ダム開発についてですけれども、最近も徳島県の人が岡山県の方まで行って、苫田ダムで、住民をどのように締め上げていったかというノウハウを聞いているなんといううわさも聞くわけでございます。
 やっぱり、住民の意向というものを十二分に尊重するということが一番大事なポイントではないかなと思うんですよ。その辺、大臣、ダム開発に関してのいろいろな地域住民とのあつれきというものをうまく解消していかなきゃならぬと思うのですが、その辺についてのお考えをお伺いいたします。
#91
○国務大臣(野坂浩賢君) 先生が御指摘になられたとおりなんですが、ダムは大きな金が要りますね。国民の血税を使うわけでありますから、慎重にやらなければならぬということは当然です。みんなが喜ぶダムをつくらなきゃならぬ、そう思っております。
 先ほど長崎県の状況等もお話しになった。そういう意味で、やれば必ず反対もあるというのが不思議な現象でございますが、みんなが喜ぶように結果はなりますけれども、その過程ではある。
 それで、国がやる場合は、県議会の決議、知事の意見、地域住民の意見、利水者の意見、こういうものを全部聞いて関係省庁と話し合って事業を実施すると、手続的にはこうなっております。
 ただ問題は、上流と受益者の下流の皆さん、そういう方々と、特に水没されるところの皆さんの犠牲というものは人にはわからない犠牲だと思うんですよ。だから、これらの皆さん方の意見を聞かなければなかなかスムーズにいかない、こういうふうな点があろうかと思っております。したがって、徹底して話し合いをしながら、理解と協力を得ていかなきゃならぬ。
 こういうふうに、ダムの建設や今あなたが冒頭にお話しになった河口堰の問題等を含めて、毎日毎日考え苦しんでおるところでございまして、十分な話し合いを行って御協力をいただきながら、これからのダム建設というものは、国民の厳しい税金というものとそして今の財政状態というものを考えれば十分な対応をそれぞれしていかなきゃならぬ、こういうふうに考えております。
#92
○西野康雄君 毎日苦しんでおられると、苦しめている私としてはまことにつらいところでございます。
 ただ、ダムの反対だとか、それは反対があるというのは不思議なことではないんです。やっぱりそれなりの理由なり根拠なりあるわけでございますし、ダム開発でその地域が発展するのかといったときに、決して発展はしていないという部分がたくさん事例としてあるわけで、逆の場合もあるでしょうけれども。だから、そういうものをきっちりと住民は学んできているわけですから、そういう中で反対運動というのはあるわけで、単にノスタルジーだとかそういうだけではもうこのごろは反対はしていないんじゃないかな、そんな思いを払いたしております。
 河川法の中で、図を見ておりますとピロティー式の建物が載っておりますが、今回の大震災で一番被害に遭ったのはどういう建物かというと、ピロティー式の建物なんです。結構被害に遭っております。駐車場にしているマンションなんかが倒れたりしております。どうもこの耐震性というもの、簡単に図でぼっとやっておりますけれども、ここは大変に重要なポイントではないかなと思うんですが、どうですか。
#93
○政府委員(豊田高司君) 神戸で大きな被害を受けられましたと私どもが聞いておりますのは、いわゆるげたばき住宅で一階部分の壁の部分が少ない、店舗にする関係上できるだけ壁を少なくしているというようないわゆるピロティー型の構造物が、その一階部分の壁が少ないために柱が曲がったり折れたりしたということは私ども聞いておるわけでございます。
 ただ、そっち方面の専門家ではございませんので詳しくはわかりませんが、今回私どもが考えておりますピロティーといいますのは、絵では確かに建物の下が空間になっておりますが、下半分はおおむねほとんどの場合は地面の中に入っておりまして、それが空中に浮いておるわけではないというのが一点。
 実際に、先ほど大変ピロティーは数が少ないと申し上げましたが、実際に現在そういう状況のもの、ピロティー型になっておるものを調べてみますと、実は二例ほどございまして、これは妙正寺川の第一調節池というところで、住都公団の建物の下が調節池になっておる。これを見ていただいたらわかりますように、これは先ほど問題にされましたげたばき住宅のようなピロティーとは相当違いまして、頑丈に何列にも何列にも柱がこう入っておりまして、そこは建築基準法に基づく荷重と、さらにプラス水の荷重と両方を足し合わせて設計されておるということで安全だと考えておりますが、今回の地震を契機といたしまして、さらに検討すべきものは検討し、必要な対策があればやっていかなければならないと思っております。
#94
○西野康雄君 大相撲が曙の優勝で終わりました。昔は川の名前のつく力士が随分といたんです。今は幕下あたりまで調べてみてもほとんどおりません。三段目ぐらいに一人おったかなという程度でございます。それだけ、川というものが人々から自然との兼ね合いの中で親しみがなくなってきているんだなというふうなことも感じるわけです。
 やはり局長もそうでしょうし大臣もそうでしょうけれども、そういう国民が一番愛しているスポーツの一つである相撲で川の名前のしこ名が消えていくというのは大変寂しいことで、だから、川に対してのいろんな、国民との間を遮断するのではなくて、もっとどんどん親しみを持つようなそういうふうな河川づくりをしていただきたいなと思うんです。
 最後に、スーパー堤防は今どういうふうな進捗状況になっておりますか。
#95
○政府委員(豊田高司君) お答え申し上げますと、これは利根川、荒川、江戸川等の王水系六河川におきまして全体八百キロを行うこととしておりますが、平成五年度末では十四地区、延長四・五キロが完了しております。平成六年度では三十五地区、延長十七・八キロを今実施中でございます。今年度中には二地区、延長わずかでございますが〇・四キロが完成いたしまして、合計二・九%、二十三・九キロを今予定しております。
 このスーパー堤防につきましては、今度の地震におきましても大変有効であったということがわかっておりますので、こっちの方面に力を入れてまいりたいと思っております。
#96
○西野康雄君 終わります。
#97
○委員長(合馬敬君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#98
○委員長(合馬敬君) 御異議ないと認めます。
 それでは、これより討論に入ります。別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 河川法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#99
○委員長(合馬敬君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 この際、建設大臣から発言を求められておりますので、これを許します。野坂建設大臣。
#100
○国務大臣(野坂浩賢君) 河川法の一部を改正する法律案につきましては、本委員会におかれまして熱心な御討議をいただき、ただいま全会一致をもって可決されましたことを深く感謝申し上げます。
 審議中における委員各位の御高見につきましては、今後その趣旨を生かすよう努めてまいる所存でございます。
 ここに、委員長を初め委員各位の御指導、御協力に対し深く感謝の意を表し、ごあいさつといたします。ありがとうございました。
#101
○委員長(合馬敬君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#102
○委員長(合馬敬君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後零時七分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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