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1995/02/14 第132回国会 参議院 参議院会議録情報 第132回国会 労働委員会 第2号
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1995/02/14 第132回国会 参議院

参議院会議録情報 第132回国会 労働委員会 第2号

#1
第132回国会 労働委員会 第2号
平成七年二月十四日(火曜日)
   午前十時開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 二月十三日
    辞任         補欠選任
     角田 義一君     大脇 雅子君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         笹野 貞子君
    理 事
                野村 五男君
                庄司  中君
                古川太三郎君
                吉川 春子君
    委 員
                小野 清子君
                坪井 一宇君
                柳川 覺治君
                大脇 雅子君
                千葉 景子君
                安永 英雄君
                足立 良平君
                武田 節子君
                星野 朋市君
                和田 教美君
                三石 久江君
                西岡瑠璃子君
   国務大臣
       労 働 大 臣  浜本 万三君
   政府委員
       労働大臣官房長  伊藤 庄平君
       労働省労政局長  七瀬 時雄君
       労働省労働基準
       局長       廣見 和夫君
       労働省婦人局長  松原 亘子君
       労働省職業安定
       局長       征矢 紀臣君
       労働省職業能力
       開発局長     中井 敏夫君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        佐野  厚君
   説明員
       科学技術庁研究
       開発局企画課防
       災科学技術推進
       調整官      山下 弘二君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
○労働問題に関する調査
 (労働行政の基本施策に関する件)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(笹野貞子君) ただいまから労働委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日、角田義一君が委員を辞任され、その補欠として大脇雅子君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(笹野貞子君) 労働問題に関する調査を議題とし、労働行政の基本施策に関する件について質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#4
○坪井一宇君 自由民主党の坪井でございます。
 兵庫県南部地震というよりも、阪神・淡路大震災によりまして、五千人以上の方々がお亡くなりになり、心よりお悔やみ申し上げますともども、今なお被災地で大変苦労なさっておるかとも思いまして、この委員会でその問題について質問をさせていただきたいというふうに思っております。
 過日、二回にわたりまして、私も大阪に住まいいたしておりますので、阪神とりわけ神戸市内あるいは西宮、芦屋方面に参りまして、震災の状況を見てまいりました。
 被災地の方々の今一番の苦しみは何かと言えば、いまだに続く余震なんですね。実際にあれだけ大きな地震があって、まだ毎日何度か感じるような余震が続いている。本当に変わらないような大きな地震が来るのだろうか、もし来たらどうなるんだろうか、そのことで的確な情報が欲しい、こういうお気持ちの皆さん方、これが何よりなんだと。そして、余震はない、あっても本震よりもっと小さいのしか来ないですよ、こういうことをもう少し速やかに、あるいは余震にはまだこれだけ時間がありますよと言うことができないのか。
 過日、科学技術庁の方にお願いして聞きましたら、東海地方では大体余震の予測はできる。東海地方の地震の予測はできそうだということで非常に予算もかけ、そういう施設もつくってきた。しかし、阪神間はしていない。しかし、一回起こった後の余震ぐらいのことは総力を結集して、科学技術庁の持てる力を結集してどういう状態にあるのかということを的確に報告できるかできぬか、その点をちょっと科学技術庁の方、きょう呼んでいますのでお聞きしたいというふうに思います。
#5
○説明員(山下弘二君) それでは御説明申し上げます。
 今、先生御指摘の東海地震の件でございますが、私ども御説明させていただきましたのは、そもそも東海地方で発生するマグニチュード八クラスのかなり大きなもの、これについては予知というか、前兆現象がとらえられるということで、観測体制を整備されているような御説明を申し上げました。ただ、マグニチュード八クラスの大きなものについては、その前兆がある程度明らかなので、これはあらかじめその観測網を整備しておけばとらえられるだろうということで、いわゆる予知が可能ということでございます。ただ、一般論で申し上げまして、今回のような直下型の地震につきましては断層が千年単位、千年に一度動くか動かないか、かつその時期を特定するのは非常に困難なので、予知が難しい状況にあります。
 それから、今先生の御指摘になりました余震でございますが、こちらの方は一般的に申し上げまして、当然本震より小さいので、いわゆる余震がいつ起きるか、これは非常になおさら難しい問題でございます。ただ、そうは申しましても、今地元の方の御関心、非常に強うございますので、気象庁それから大学、こういったところが通常の観測網以外にいろんな臨時の観測点を設けまして、観測をしてございます。それでそういった情報を集めて適宜気象庁等から発表がなされているというふうな状況でございますので、政府全体としては限界はございますけれども、余震の観測についても最大限の努力をしているというふうに御理解を願いたいと思います。
 以上でございます。
#6
○坪井一宇君 マグニチュード八以上になったら東海地方で大体観測できる。そして、最初の観測ができてある程度出せると。しかし、関西方面では科学技術庁も含めて、私どももそうなんですが、そういうことは来ないだろうと、地震はないだろうと。私の娘が東京におりまして、娘の方から東京の地震の電話がある。大阪はもうめったに地震がないのでというような状況が続いておりましたので、その辺で、本当の意味で科学技術庁としてもまさに関西地方でこれだけの地震が起きることを予測しておられなかったからできなかった。
 しかし、一たん起きた後の状態の中でも、どれほど本当に真剣に今度はそこへ入り込んでやっていただいているのか、これが甚だ疑問に思うんですよ。今までどおり、東海地震が起こる可能性があるということで拠点を設けてやっておられるけれども、依然関西にはそういうことをしない。この辺はいかがお考えですか。
#7
○説明員(山下弘二君) 先ほどちょっと舌足らずな言葉がございまして、科技庁として再度御説明いたしますと、関西地区ももう少し厳密に申し上げますと、いわゆる名古屋から阪神にかけてかなり過去歴史的に地震がございました。
 それで、国土地理院が事務局をやっております学識経験者の方々が集まっております地震予知連絡会という組織がございまして、こちらでその当該地域一帯を特定観測地域という地域に指定をしまして、それでそういった地域以外のものに比べて従来から大学が中心ではございますが、気象庁とか地理院の全国均一の、均一というか全国規模の、全国ベースの観測網以外に微小地震観測等の観測網を強化してきておったことは事実でございます。
 ただ、いかんせん総体論としていろいろ今回全国的な話として観測研究の重要性が指摘されております。これは予算委員会等々でもいろいろ御指摘ありましたので、我が国も全体の地震の予知の観測研究というのは、予知計画というものを測地学審議会という機関でつくっておりますので、これについても再点検というか、検討に着手するということなんで、そういったものとあわせて当庁も含めまして今後さらに主要な検討を進めていきたいというふうに考えております。
 以上でございます。
#8
○坪井一宇君 今お話ありましたように、科学技術庁の地震に対する認識が非常に薄かったんじゃないかというふうに私ども思っておるんですよね。ですから、やはりどのぐらいの予算をつぎ込んだらどれぐらいできるんだと。これはどうなんですか。
#9
○説明員(山下弘二君) 今、現時点でその観測体制に、例えば施設をどれぐらいつくればできるかという御質問だとすれば、非常に残念ながら断層起因のものについては、もちろん分類的に例えばこの断層は向こう五百年ぐらいは大丈夫そうだとか、そういった非常に概括的な評価はできますけれども、当該断層が特定の日時に動くであろうという予知をすることは極めて困難な状況にあると思っております。
#10
○坪井一宇君 テレビ等を見ていますと、断層が阪神間でここがある、ここがある、断層がある。しかも、知識が豊かかどうかわからないですけれども、タレントの人がここも危ない、あそこも危ないとやっておるわけだね。それは大変な気持ちの中で見ている人が、ここに住んでいたら危ないのか、ここが危ないのか、あっちこっち線だらけですよ、あなた方思っている以上に。ああいうニュースソースは科学技術庁から出ているんじゃないですか。
#11
○説明員(山下弘二君) お答え申し上げます。
 今、先生御指摘の日本全国の活断層に関する、そのある意味の調査資料としては東大出版会から出版されております「日本の活断層」というのが日本の学識者の中でいろいろ活断層を研究されている方の知見を集大成したものとしてございまして、これが恐らく最も権威あるものだと承知しておりますが、これにつきましては、今申し上げましたようなところで、大学の研究者の方々を中心に調査研究がなされた結果が東大出版会の方から出版されているという状況にございます。
#12
○坪井一宇君 そういう状況は科学技術庁よくわかるんですがね。やはり被災者の気持ちというのは、生き残った人の気持ちというのはね、もう何よりも、いろんなことよりも、もう一回余震の大きいのが来たらどうなるだろうか。あるいはいろんなところに行きたいという人も行けない、家が半分つぶれかかっているけれども、どうなるんだろうか。ですから、非常に不確かな流し方じゃなくて、この地域は危ないなら危ない、あるいはこの地域は大丈夫ですよ、あるいはこういうことですよということをもっと的確に出していただきたい。
 そうしなければ非常に被災住民の中に心理的なすごい圧迫がある。これがもう一回、とにかくあるのかないのか、どういうことなんですかと私も聞かれる。こういう状態の中で、あなた方の役割が非常に大きいんですから、しかしそれが実際に予算で何ぼ金かけてもできないんだ、あるいはどうしようもないんだというんならまた別ですが、その点どうお考えになりますか。
#13
○説明員(山下弘二君) 端的に申しますと、技術的な理由あるいは我が国の今の地震予知に関する研究の現状からいいましても極めて困難だと思います。
 ただ、先生御指摘の今地元の方々が余震の動向等を非常に心配なさっている。これはもう痛いほど私もよくわかりますし、直接的に地震情報を出す気象庁の関係者も身にしみてわかっております。したがいまして、先ほども申し上げましたように、通常の状態でないようなさらに観測網の強化をいたしまして情報を収集して、申し上げられることはできるだけ速やかにお話をさせていただいているという状況だというふうにお考えいただければと思います。
 そういった努力は、地元の方々の感情を考えますと、今後とも引き続き最大限の努力をすべきものだと考えておりまして、関係者よく相談をしていきたいと思います。
 以上でございます。
#14
○坪井一宇君 それで科学技術庁としても、いわゆるマスコミ等で、安易に活断層がこうだとか、あるいはこういう余震がありますよとかということに対して、もう少し厳しく指導しておいてもらわにゃいかぬ。非常に各マスコミ、メディアによって全然違う、話が。そういうことだから非常に不安な心理をつくっている。
 それで、とにかく物とかというものに対しては非常に日本人は熱心でしたけれども、科学技術とかというものについては比較的、そんなことはないだろう、そんなことに金かけておかしいやないかというふうな考えが非常に強かったんじゃないかな。それがこういう大変なときに後手後手に回ることがあるんじゃないかな。もう少しそういう面で、本当に阪神大震災の、この地震のことで反省して、今後科学技術庁としては地震に対する主導的な役割、そして日本の科学の粋を集めて、地震王国の日本をどう守るのか、あなた方が第一線に立ってやっていかないといけない、そういう自覚を持っておられるかどうか、お聞きしたいと思います。
#15
○説明員(山下弘二君) お答えを申し上げます。
 今、先生御指摘の点については、いろいろ気象庁等多岐にわたりますけれども、科学技術庁としてもこの重要性あるいは地元の方々の御関心を踏まえて最大限努力をしていく所存でございますので御理解をお願いしたいと思います。
#16
○坪井一宇君 予算案を見ましても、科学技術庁、物に見えるやつは金出すんです、物でわかるやつ、はっきり物が見えるやつ。ずっとあなたのところの予算を見るとそんなに伸びていない、科学技術庁として。それはずっととっていますが、そうでしょう。そういう点を我々がやっているんだと、そういうときにこそ金かけているんだということが、この際必要じゃないかというふうに思うんです。その点を特に、歴代の予算の推移をずっと見ていましても、実際科学技術庁の伸びというのは、どうもその辺になりますと、物の見えるところには金かけるけれども、そういったものに余り金かけない要請が強いという感じがするんです。その点も非常にこれからも反省してもらいたい。
 そして、これからの予算要請の中で、あなた方の役割が非常に大きいから、どうぞ我々も応援しますから、どんどんそういうものには本当の意味でかけていくように頑張っていただきたいというふうに思いますが、いかがお考えですか。そういうことで要望しておきます。
 それから、大臣にちょっとお聞きしたいんですが、南部地震の被災者のお気持ちというのは大変だろうと思うんですがね、特に家族五人、もしおられて、お子さん三人とも亡くなった、あるいは奥さんも亡くなって一人の方もおられます。そういった被災地へ行きますと、全く生きる望みがない、まだ家のローンも残っている、これから働いても何のために働くんやという方が数多くおられるんですね。あるいは心理的に非常に圧迫を受けておられる方も大変おられるわけです。それで私、職業安定所へ行きましたら、中へどなり込みに来てはる人もおられるんです、どないしてくれるんや、毎日生活ができへんやないかと。もういろんな面で心理的な面が非常に強くこの地震の結果出ているんじゃないか。
 そしてまた、雇い主の人に聞きましても、阪神間で聞きましても、人を雇い入れてせっかく生活していただいたのに、そのためにもしみずから命を絶たれる方がおられたら、そこの事業所の方は何かあったんやないか、被災者の人が亡くなるというようなことがあってということで、非常にそういう点でも不安だと。そういうことで、いわゆるメンタルの面のケアが非常に体質的に日本は弱いんじゃないか。
 お聞きしましたら、産業医等の常置があるということなんですが、これは聞きますと、産業医まで置いている企業というのはもう非常に少ないんですね、実際には。ですから、総事業所数のまさに何万分の一の事業所しか置いていない。
 ここで、私は大臣にお聞きしたいんですが、ぜひとも、職業安定所あるいは労働基準監督署どちらかでも結構ですから、そういう人の親身に、あるいは精神的な、所長に言っても所長わからないんですよね、所長の家もひっくり返っているような状況ですし、わからない。ですから、もう慌てふためいておられる感じですから、精神医の方を、そういうことについて御相談あったら、そういう部屋を設けてあげて御相談していく。お医者さんに相談するとやっぱり気分的に大分違うような感じもしますので、その点に関しては大臣はいかに考えておられるか、前向きの答弁をお願いしたいと思います。
#17
○国務大臣(浜本万三君) 坪井先生のお話のように、今回の大震災でたくさんの方が被災をされまして、そのショックでストレス等が相当たまっておられる方が非常に多いと思います。そこで、お説のようなメンタルヘルスケアというのが必要だということも私よく承知をしておるわけでございます。
 そういう意味で労働省といたしましても、災害発生の当初から現地の労災病院におきまして精神医科による診療を実施いたしておりまするし、また二月一日からは、兵庫の産業保健推進センターが被災をしておりますので、やむなく大阪の産業保健推進センターで相談窓口を設けまして、精神医科を中心としたチームによりましてメンタルヘルスケアを含めた健康相談を受けておる、相談に応じておるということでございます。
 現在のところどういう状況になっておるかと申しますと、まず、労働省がそういう相談窓口をつくっておるのが合わせて四カ所になります。神戸労災病院、それから関西労災病院、それから今申した大阪産業保健推進センター、それからもう一つは、二月二十日から、さらにこれを強化する必要がございましたので、中央労働災害防止協会による相談窓口も設置いたしまして、被災者の皆さんの要求に応じようということにしておるわけでございます。
 現在、どのくらいの御相談があるかと申しますと、神戸労災病院の場合には大体一日平均八人から九人、それから関西労災病院の場合には百二十九人、それからこの大阪産業保健推進センターの場合には百二十六件、その程度の御相談があるようでございますので、先生のお説のように非常に重大な仕事だと思っておりますから、労働省といたしましては積極的に対応してまいりたいと思っております。
#18
○坪井一宇君 大臣、職業安定所、労働基準監督署が兵庫県にどのぐらいあるか知りませんですけれども、いずれにいたしましても、そこに常駐の、何時から何時まで精神科の先生を置いていただいて、そしてほとんどの人がそういう悩みをいろいろお持ちだと思うんですよ、就職先にしても、人間関係とかいろんな面で。
 そういった点の、何か目に見えない点が、どうも日本という国はそういう点に非常に抜かっているというんですか、しない国民性があるんじゃないかな。そういった点をひとつ、今労災病院とかでいろいろやっておられるというんじゃなくて、職業安定所の中で特にその問題について、しかも中高年で再就職されたり再転職されるわけですから非常な悩みだろうと思いますし、そういう点においてはどうお考えですか。
#19
○国務大臣(浜本万三君) 対策本部の方でこういう医療相談窓口ないしは医療診断所というものを設置する役割が決まっておりまして、労働省の場合は労災病院の先生方や看護婦さん等を中心に二カ所の避難所に診療所及びそういう相談窓口を設置させていただくように役割が決まっております。私の方は二カ所避難所に設置をいたしまして、一般的な医療相談でありますとかということを実施させていただいておるわけです。
 労災病院が担当しておるある避難所に私参りまして、校長先生に話を伺いますと、精神医科ということにかかわらず、とにかくお医者さんがおられる診療所が設置されておるだけで精神的な安定を来しておるんだ、大変ありがたいというお話がございますので、とりあえず対策本部の方では避難所の方にそういう体制を整えまして、被災者の皆さんの医療行為とかあるいは御相談を受けておるという状況でございます。
#20
○坪井一宇君 余り時間がないんですが、二カ所とか縄張りだとか、違うんだというんじゃなくて、もう緊急の事態ですから、できたらこの何カ月間だけ本当に職業安定所の中に部屋でも設けられて、お越しになる方にもそういう相談をしていただける、こういう体制を一日も早くつくっていただくようとりわけ要望しておきたいと思います。
 それから、住宅の問題が一番大きな問題になりつつありますけれども、雇用促進住宅の利用等を調査してまいりました。これも行ってびっくりしたんですよ。本当に労働省が今までにきちっとした行政指導をしておればもっとあいているんじゃないか、実際に。雇用促進の働くまでのわずかの期間、そしてその期間だけおるということが建前なんですが、十年、十五年、二十年お住まいの方、そして行きましたらすばらしい自動車がずらっと並んで、入っておられる方の生活というのはもう非常に、家賃というと一万円前後、千四百円か何ぼの掛金で雇用保険を掛けたら入っていられる、そしてなかなかお出になっていただけない、入れかえができない。
 そういう状況をずっと行政指導の中でほうっておいたのが、こういう事態のときに、いざといったときに軒数があいてこない。この辺はどうお考えなのか、一回お聞きしたいと思います。
#21
○政府委員(征矢紀臣君) ただいま先生御指摘の長期入居者対策につきましては、これはやはり今後の重要課題として対処しなければならないというふうに考えておるところでございます。
 現状からまいりますと、この兵庫県につきましてはたまたまそういう対策とあわせて小さいところの住宅を衣がえをしようというようなこともございまして、あいている戸数は約千戸ございました。それから、大阪等で七百戸ございまして、兵庫県及び近隣県で約千七百戸の空き家がございました。これにつきまして積極的に半年間、緊急避難というようなことで家賃を無料で提供しようということで、災害発生時以降努力してきているわけでございますが、二月十三日現在で兵庫県及び近隣府県等で既に四百七十九世帯、千二百六十四名の被災者の方に入居していただいているところでございます。
 今後とも積極的に対処していこうということでございまして、修理のためにあけていたところにつきましては、これはお入りいただくように手直しをしなければいけないものですから、そういう手間も若干かかりまして、今月じゅうに兵庫県内でさらに約五百五十戸の第二次募集を行う予定でございます。
 その他の都道府県におきましても、それぞれ雇用促進センターにおきまして空き家を提供するというようなことで相談に応じているところでございます。
#22
○坪井一宇君 今やっていただいていることも大事なんですが、やはりそういう日ごろの行政指導の手抜かりが、雇用促進住宅でもいざ使おうと思えばもっと使えるんですよ、あるいは入れかえをきちっとしていただいておけば。実際に、十年、十五年、しかも給料の上限があるかどうか知りませんが、そういう人がずっとお住まいになっておられて、そしてこういう危急であるときにそれだけの軒数が出てこない。近隣の府県でやれといったところで、大阪あたりに来て救援物資がどない来るのか、職業安定所のいろんな連絡が、求職というのはどない来るのか、すべてのことが非常におくれるわけでしょう。実際、私六時間かかるんですよ、神戸へ行くのに。そんな状況の中で、その近隣のところが出してくれるといっても実際には価値があるのかどうか。
 ですから、日ごろの行政指導がこういうときに問われるということを念頭にいつも置いてやっていただく、これは私大事なことだと思うんですよ。そして、入っておられる方も自分の雇用がきちっとできたら出ていっていただく。そのためにつくってきた施設なんです、そこで延々と居住してもらうための施設じゃないはずなんですよ。だから、こういうときにそういうことを精査していただく。こういうときにこそ、そういうふうなにしきの御旗を、別にすぐに出ていけというわけじゃないんですよ、しかしそういう気持ちを忘れずにひとつやっていただきたいというふうに思うわけです。そのことも厳しく言いたかったのですが、時間がございません。
 それから、大阪のあいりん地区を初めとして、労働者の人が集結をいたしております。今までの時間給の倍以上いただけるということもありますし、いたしておりますが、これまた大変人数的にどんどん今流入しておられるというふうに聞き及んでいる。この寄宿舎ですね、今までのようにドヤ街だけでいかすのか、そして来たらまた散るときは散れと。これがまた夏になりますと大暴動やいろいろなことが起こって、治安の問題をあなたに聞こうとしているんやないんですが、やはりこういうときにでも、そういうところから労務者の方々に行っていただけるような仮設住宅とか簡易宿泊所とか、そういったことを大阪と協議しておられるのかどうか、お聞きしたいと思うんです。
#23
○政府委員(廣見和夫君) 今回の震災によりまして、被災地では確かに大変な復旧工事がこれから行われようといたしております。そういうところの作業に従事される方のための寄宿舎という問題も大変重要な問題かと存じます。
 先生御案内のような形で、労働基準法におきましては使用者の方が作業者のための寄宿舎を設置する場合には届け出ていただく、こういうことになっておりまして、私どもの方に届け出がございます。そういったような届け出を機会といたしまして、私ども十分な作業者の方の寄宿舎の設置、あるいはその条件、安全衛生の配慮というようなこと等々が必要になってまいりますので、そういう場を通じながら十分な寄宿舎の配慮が行われるように指導をしていきたい、また現地で指導しておるというところでございます。
#24
○坪井一宇君 指導していきたいでなくて、それにはどれだけのものを出しますよと、労働者の人にこういうことをしてもらいますよと、ですから流れてこられた方もそういうところでまた立ち直ってくださいよということもできるわけなんですよ。こういうときにそういうものも全部合わせてやっていく、労働の問題に関しても。それが非常に私は大事なことだと思いますので、ぜひそういう指導を大阪府と大阪市とやっていただきたい。そして、区域住民にそういう事件の起こらないように今後指導もきっちりと、生活が安定しておればそういうことは起こらないんですよ、わっと忙しい、わっと暇になるということになるからその格差のために起こってくるというふうに思いますので、お願いしておきたい。
 最後になりますが、過日参議院の予算委員会で韓国、朝鮮人の方々に対してお話がございまして、大変私も気の重い感じをいたしております。関西、特に阪神間というのは在日韓国人、在日朝鮮人の方々が非常に多く住んで、千数百年前から我々と同化しながら一緒に都市創造を目指して頑張ってきた仲間でございます。
 それに対するそういう話が出ましたので、実際上私もきょうは資料を持って、韓国の企業がこの震災で、関西興銀という会社はそこへ住んでいるというだけで五万円を明くる日から即出して対応したり、あるいは民団を中心に七十億近い金を集めようということで今やっておられますし、あるいはこれはきょう後で大臣にお渡ししますが、これだけの方々がありとあらゆるものを自分たちの同胞だけではなしに日本人の社会へ運んでいただいて努力をしていただいている。
 そういうことで阪神間における韓国の方々、朝鮮の方々が本当の意味で労働力の下支えにもなっていただいていますし、あるいは経済の大変大きなウエートを占めている方々ばかり。しかも、この大震災があって、自分たちの同胞だけに限らず、私ども日本人、みんな一緒になって前へ進んでやっていこうじゃないかと。仮に言葉が何にしろ、その一つの人たちだけを名指しでこういうデマがあるということを話しされること自体が私は阪神に住む者として心の痛む思いがするわけでございます。
 ぜひ大臣におかれましても閣議の中で、この阪神間に占める割合、しかも阪神間の中には一緒に過ごしてきて一緒に町づくりをして一緒に展開してきた、そういうことをさらに一層進めていただいて、またこういうことができるのはやはり条約等で批准しなきゃならないものがおくれてきているということから、そういう認識が新たにあるんじゃなかろうかという心配もいたしております。
 また、朝鮮人学校では、オモニの味を振る舞うということで温かいみそ汁やキムチのいためものやらそういうものを提供し、そういう壁を乗り越えて一緒にやっていこうと、こういうことでございますので、ぜひとも労働大臣におかれましてはその点もひとつ閣議の中で強調していただきたい、そしてそういうものを払拭していただきたい。これは、特に阪神間におけるあの方々の力というものは大変大きなものでございますし、経済力も大きいし、大変税金も入れていただいている。しかしその中で、税金を入れていただきながらいろいろと日本人じゃないために差別を受けている事例もあるわけです。それも払拭して頑張っていただいているわけですから、その点のことについて最後にちょっと大臣からお聞きしたいと思います。
#25
○国務大臣(浜本万三君) 基本的な認識は坪井先生と全く同感でございますが、特に現在労働省が実施しております地震対策のもろもろの施策につきましては、国籍を理由とする差別はしないと、こういう原則に立って仕事を進めておるわけでございます。
 在日韓国・朝鮮人につきましては、その有する歴史的経緯及び定住性をも考慮いたしまして、これらの方々が我が国で安定した生活を営むことができるよう配慮していく必要があると存じます。こうした観点から、被災対策につきましても、国籍の別なくきめ細やかな対策を講じていくことが必要であると存じますので、今後ともそのような認識のもとに対策の万全を期してまいりたいと思います。
#26
○坪井一宇君 これにて質問を終わらせていただきます。
#27
○庄司中君 私も地震対策を中心にしてお尋ねしたいと思います。
 最初は、大臣にお願いしたいと思いますけれども、今回の地震に際しまして労働省として、今お話が出ましたように、労災病院の問題とかあるいは雇用促進住宅の活用の問題とか、あるいは特別窓口を緊急につくるという問題、それからさらに本来の業務であります失業給付の特例であるとか、それから雇用調整助成金のやっぱり特例であるとか、あるいは内定取り消しなどに対する対応ということで、非常に機敏に、ある意味じゃ迅速に展開をされたということは非常によかっただろうというふうに思います。
 ただ、これからのことを考えてみますと、今までは例えば罹災者の方を施設に収容するとか、あるいは食料を給付するとか、あるいはライフラインの復旧を図るとか、こういうどちらかといいますと超短期の対策ですね。ところが、これから三カ月あるいは半年、一年を展望してみますと、むしろ対策の重点が変わってくる。一番大きなのは、先ほどのお話にもありましたように、住宅問題だろうというふうに思います。それからもう一つは、やっぱり所得。所得といいますと雇用の問題が出てまいります。雇用問題が恐らく超短期から短期へ移行するについて最大の課題になってくるだろう、こういうふうに思います。
 そういう意味では、労働省の対策がこれからかなり大きなウエートを占めてくる、こういうふうに考えるわけでありますけれども、こういうふうな状況の中で、労働省として心構えといいますか、その取り組みの姿勢といいますか、そういう点につきまして大臣の方からお話をいただきたいと思います。
#28
○国務大臣(浜本万三君) 今回の震災によります被害は極めて大規模なものであります。したがいまして、委員が御指摘のように、当面の生活などに対する支援対策のみならず、雇用対策を強力に推進することが必要になっておると思います。
 このため、現地の雇用をめぐる動きを的確に把握をいたしまして、雇用調整助成金制度や失業給付の特例措置の活用を通じまして、個々の事業主の皆様の雇用維持に向けた努力をお願いをいたしたいと思っております。さらにまた、やむなく離職をされる方々があると思いますので、その方々に対しましては、被災地の復旧関係業務を積極的に紹介をさせていただいたり、また安定所のネットワークを活用いたしまして広域的な職業紹介を実施いたしますとともに、職業訓練制度も積極的に活用しながら、できるだけ早い機会に再就職を円滑に行っていただくような努力をしてまいらねばならぬと思っております。
 被災いたしました地域の復興を考えます上で、地域の方々の働く場所を確保していくことは非常に重要でございますから、今後とも、現地の声を十分聞きながら労働行政として可能な限り強力な対策を講じてまいりたいと思っております。
#29
○庄司中君 その雇用失業状況でありますけれども、かなり急速にといいますか、瞬間的に雇用失業情勢が悪くなる、こういうふうに考えられますね。
 一つは、例えば神戸港。神戸というところは神戸港を中心にしまして重化学、例えば鉄鋼とか造船とか、それから食品のコンビナートなどもありますし、それからかなり大きい流通の施設もありますけれども、そういうところがかなり被害を受ける。大企業の場合にはまだ体力がありますから何とか自力回復の道を進むことができると思いますけれども、問題は、こういう大企業の系列ですね。中小企業がやっぱり大きな心配の事項になってくるということであります。
 それから、もう報道で何回も出されておりますように、あそこの地場産業ですね。新聞報道によりますと、例えばケミカルシューズ、これは小さいところをひっくるめますと大体従業員が五万人、関連なんかを考えてみますと二十万人の家族に影響を持つ、こういうふうに言われているわけでありますけれども、それで、それ以外にも、例の灘の清酒の特に中小企業の被害が大きいというふうに言われているわけであります。
 こういうふうに現地の報道なんかを見ていますと、例えばあれだけ大きな打撃を与えられますと再建が難しいだろう、例えばメーカーあたりでも転廃業が恐らく二割ぐらいあるんじゃないだろうか、それから零細のところでは再建できるのは二〇%ぐらいかもしれない、こういうふうなことが言われているわけですね。
 こういうふうに考えてみますと、瞬間的に雇用失業情勢が非常に悪くなるというふうになりますと、私たちがどういう対策をするかという場合に、この雇用失業情勢の悪さあるいは短期的な見通し、こういうことも一方においてはやっぱり考えていかなきゃならないわけであります。既に一カ月たっておりますから、この一カ月の間に例えば雇用失業情勢がどういうふうに変化してきたのか、これはある程度数字的には押さえられると思います。
 それから、これから三カ月あるいは半年あるいは一年どういうふうに雇用状態が推移していくのか、起こり得る事態というものはどういうふうに見通しすることができるのか、こういう条件の押さえ方がしっかりしていませんと打つ手がやっぱり決まってこない、あるいは打つ手が後手後手になってしまう、こういうことも起こると思いますので、まず想定できる状況ということを聞いてみたいというふうに思います。
#30
○政府委員(征矢紀臣君) 非常に難しい御質問でございますが、公共職業安定機関を通じました緊急調査の結果を見ましても、被災地域におきましては多くの事業所で生産設備の損壊あるいは電気、水道等の供給のストップに伴う事業活動の停止等が生じておりまして、地域雇用への悪影響が相当見られることは事実でございます。
 ただし、この点につきまして地震後の失業状況の推移いかんということでございますが、私どもが把握しております数字は、災害後関係府県におきまして公共職業安定所に特別相談窓口を設けて、求職者の方、失業者の方あるいは事業主等の方、これについての相談援助を積極的に実施してきておるわけでございますが、その相談件数、これが累積してきておりまして、二月十二日現在、二万五千件を超えるところまで来ているわけでございます。これが具体的にどういう形で雇用失業情勢に失業者として顕在してくるかどうか、そういう点につきましては、これはまだ現状におきましては相談しておるという状況でございまして、数量的にはなかなか把握が困難でございます。
 ただ、先生おっしゃいますように、短期的には瞬間的にはこれが相当雇用情勢に悪影響を及ぼし、深刻な雇用状況になることが懸念されるところでございます。これにつきましては、御承知のように雇用調整助成金をできるだけ積極的に活用していただいて雇用を維持していただく、あるいはそれが難しい場合には失業給付の特例措置で雇用を維持していただく、これは対象の労働者の方々によって期間が違うわけですが、何とか一年ぐらいは生活の安定をこれによって図っていただく、こういうようなことで対処していかなければならないというふうに考えているところでございます。
 一方、非常に大きな損害があるわけでございまして、十兆円というようなことが言われているわけでございますが、これは早急にやはり再建計画を立てまして官民それぞれが復興していく、こういうことになりますと、一方ではそういう意味での復興需要も相当出てくるわけでございます。これがどういう形で地元の雇用機会に結びつくかということにつきまして、今後私ども相当重大な関心を持ちながら対処していかなければならないというふうに考えているところでございます。
 いずれにいたしましても、今後被災地域におきます雇用失業情勢の正確な予測、見通し、そういうものに向けまして、関係省庁等と密接な連携をとりながら情報の収集に努めてまいりたいというふうに考えております。
#31
○庄司中君 もう瞬間的に雇用失業情勢が悪化をするという中で、まず神戸なら神戸を中心にして考えられますのは、やっぱり広域職業紹介機能をかなり充実する必要があるだろう。神戸の場合には後背地が関西経済圏ですから、経済活動の厚みがかなりあります。交通の利便性が非常に高い。その後交通もだんだん復旧をしていますから、割合と利用しやすいという状態があると思います。
 そういう状況の中では、やっぱりこの一年ぐらいをにらんだ上で周辺の雇用の開拓を思い切ってやってみる。つまり、広域職業紹介機能を充実させる、そういう必要がまず考えられますけれども、その辺でどんな対策をとっていらっしゃるか、まずその辺から。
#32
○政府委員(征矢紀臣君) 御指摘のとおりでございまして、被災求職者の方々の職業紹介に当たりましては、これは御本人の希望に応じまして現地での雇用を第一に考える必要があるわけでございますが、委員御指摘のとおり、交通網の発達いたしました阪神圏におきましては広域にわたります職業紹介も重要な課題であるというふうに考えております。このために、先週通達も出しまして、公共職業安定所のネットワークを活用して、阪神圏におきます広域的な職業紹介、あるいは全国的な規模で住宅の確保をセットにした、配慮した求人の確保、そういうようなことをいたしながらその情報を被災求職者に積極的に提供する、あるいは合同就職面接会を開催すること等によりまして広域的な職業紹介を実施してまいりたいというふうに考えております。
 さらに、特定求職者雇用開発助成金の活用、あるいは移転費、広域求職活動費等の積極的な活用を通じまして離職者の早期かつ円滑な再就職を支援してまいりたいというふうに考えております。
#33
○庄司中君 もう一つ、こういう動きが出てきているということにやっぱり注目する必要があるだろうというふうに思いますのは、あそこの地域で雇用失業情勢が一挙に悪くなる、そして求職者が非常にふえてくる、求人は激減をするという状況の中で、ある非常に好意を持った企業が、それなら少し手助けしよう、新聞では救済雇用というふうに言われておりますけれども、おれのところでひとつ少し雇用を、人を雇おうじゃないかという企業が何社か出てきております。私たちはやっぱりこういった善意の積極的な対策を持った企業に対して行政として何らかの手を打つ必要があるんじゃないだろうか、こんなふうに考えます。
 そういうことで見てみますと、例えば現行制度の中で雇用安定事業の地域雇用開発助成金、地域雇用特別奨励金、特に考え方としては該当するのはここだと思いますけれども、この奨励金といいますのは、非常に雇用失業情勢が悪い地域で雇い入れた場合に賃金の助成を行うという制度ですね。もちろん、これは通常の事態の制度でありますから、期間の定めのない雇用、ずっと永続的に雇用を続けるというところが対象になるわけでありますけれども、今必要なのはむしろ短期に雇用をするところ、救済と言っちゃおかしいわけでありますけれども、非常に困っている人を助けようとすることで雇用の枠を広げようとする企業に対して、これを弾力的に運用できないか、恒常的な状態の制度をもう少し弾力的な制度に当面変えて、例えば賃金の一部の助成を行うとか、あるいは定額の雇用奨励金を出すとか、何らかの対策がこの際要るんじゃないだろうか。
 つまり、そういう困ったときに人を助けようとする企業に行政としても手を差し伸べる、協力をする、そういう姿勢が要るんじゃないかと思いますけれども、この点についてはどういうふうにお考えでしょうか。
#34
○政府委員(征矢紀臣君) 対策として二つの側面があろうかと思いますが、一つは新規学卒者の関係につきましては、内定取り消し等の問題について、相談を受けながら内定取り消しをできるだけしないようにということでお願いをしているわけでございますが、そういう方について四月以降雇い入れていただく、しかし全体として休業しなければならない、こういうような点につきましては雇用維持という観点から雇用調整助成金について今回特例的に新規学卒者に適用する、拡大する、こういうような措置につきましては、これは立法措置を現在検討しているところでございます。
 それから、一般の失業者の方につきまして、ただいま地域雇用開発助成金のお話がございましたが、これは地域雇用開発等促進法に基づきます地域に対する対策でございまして、これを現状でストレートに対象とすることは困難でございます。ただ、一方で雇用を維持しながら事業を再開する、そういう点についてその施設設備に対する助成というようなことについて兵庫県等からの要望もあるわけでございます。
 この辺につきましては、いずれにしましても当面は雇用調整助成金の活用、あるいは失業給付制度の特例により雇用の維持をできるだけ図っていただくという対策をいたしておるところでございますが、今後の本格的な事業再開の中で雇用維持・拡大を図る、そういうことを支援するための制度につきまして今後の諸般の事情を見ながらこれは検討してまいりたいというふうに考えているところでございます。
#35
○庄司中君 今話がありました兵庫県からの要望事項がございますね。例えば雇用の維持拡大を図ろうとするときに建屋とか設備の投資が要る、そして雇用の増も考える、この二つをセットにしまして何か助成の措置が講じられないかという要請があったようであります。
 先ほどもちょっと言いましたけれども、例の地域雇用開発助成金のもう一つの大きい項目の中にあります特別奨励金ですけれども、これが雇用をふやす場合に必要とする投資の費用について助成をするという考え方がありますよね。ですから、さっきも申し上げましたけれども、私はやっぱり社会的に何とか助けようとする機運がある、それからもう一つは、とにかく新しく設備をつくって雇用を確保したい、ある場合にはふやしたいという要望があるわけでありますから、それに対してやっぱり積極的にこたえる。今の制度でもそういう考え方があるわけです。
 そういう考え方で通常の場合、制度ができ上がっているわけでありますから、この制度を今の場合にもう少し弾力化して、積極的な対応をそこで図っていく必要があるんじゃないだろうか。考え方は今まで持っている労働省の制度の考え方と同じですから、それを弾力化してもう一歩前へ出ていくということがどうしても必要なんじゃないかという感じがしますけれども、今検討中だということでございますけれども、検討の中身をもう少し具体的にはっきりしていましたらお知らせ願いたいというふうに思います。
#36
○政府委員(征矢紀臣君) ただいま先生の御指摘のような点も踏まえて今後の検討課題というふうに受けとめさせていただきたいと思います。
 今後、事業主の方々が本格的に事業を再開し、雇用維持・拡大を図ること、これを支援するための新たな助成金をどう創設するかどうか、この点につきまして、先ほども申し上げましたように兵庫県からの要望もございます、ただいま先生からの御質問の御趣旨もございます。この点についていずれにいたしましても、今後の雇用情勢の推移を見ながら新たな支援策の必要性について検討してまいりたいというふうに考えているところでございます。
#37
○庄司中君 今度は大臣にお聞きしたいんですけれども、つまり復旧のための公共事業を行う場合、それを施行する企業とか地方自治体にいわゆる雇用の吸収率という問題が出ていますね。かなり大胆な選択といいますか、思い切った対策を立てたという印象が非常に強いわけでありまして、私どもこれを歓迎しているわけであります。
 ただ、吸収率といいますのは一種の割り当て雇用率ですから、今回〇%という非常に高いものを考えられているようでありますけれども、非常にこれは難しいんです。例えば公共事業で必要とされる従業員というのは単純作業だというふうに思います。単純作業が求められている、需要がある。しかし供給側をとってみますと、果たしてその単純作業ができるような労働力の質といいますか、そういうものがどれだけあるだろうかという実は一つ問題があります。つまり、そこにはミスマッチが起こりやすいということがあります。
 しかし、そうかといいまして、ほうっておきますと外から労働者が入ってくるということになりますから、特に今一番問題になっている地元の雇用の問題を何とかするということは、そこで吸収率か何かをつくって何とかしなければいけないというのは非常によくわかりますけれども、そのミスマッチが起こりやすいという問題が一つ。
 それからもう一つは、その吸収率のところまでどれぐらい近づけていけるかという努力と、それから吸収率に満たない場合に果たしてどうするのかという問題、いろいろ問題があるというふうに思いますけれども、とりあえずはそういう点について大臣から、大体こういうふうに考えているというお話を伺いたいと思います。
#38
○国務大臣(浜本万三君) お話ございましたように、いよいよ復興という段階になってまいりますと、雇用の需要があることは想像できるわけでございます。その前に、雇用主の期待どおりの技術を持った方が就業できるかどうかという点については、大変不安のあるところだというふうに思います。
 しかし、問題は吸収率制度を導入するにいたしましても、たちまちは法律をつくらなければなりませんので、我々といたしましては二十四日、政府の雇用対策本部の方が新しい施策についての方針をお決めになるようでございますから、それに並行いたしまして、一定割合まで被災者を優先的に雇用するという法律を制定していかなければならないと思っておりますので、今その準備をいたしておるわけでございます。
 仮に、法律を改正いたしましてその制度が整った場合に、ミスマッチをどう解消していくかという点については、やっぱり職業訓練を活用する以外にないと思いますので、積極的に職業訓練制度を活用いたしまして、被災者の方々が就業できるような支援体制を確立してまいりたいと思っております。
#39
○庄司中君 最後にお伺いしたいと思いますけれども、例えば今度の地震の状況を見ていますと、例えば死亡者の内訳の中で高齢者が非常に多いとか、あるいは女性が多いとか、つまり身体的にハンディを持っている人たちが犠牲を受けていますね。そして、こういう激変の状態の中ではハンディを持った人たちの対策が置き去りになる、こういうことが起こりやすいというふうに思います。
 労働省の対策としては、やっぱり障害者の問題があるだろうというふうに思います。例えば、震災から一カ月ぐらいたちますけれども、障害者雇用を特にやっぱりフォローしているのかどうか、行政としてどうやっているんだろうと。これは、企業の中の一般雇用もありますけれども、施設の就業者もあるわけでありまして、特にハンディを持った人たちへの対策がおくれがち、そっちのけになるという状態からしますと、これについては特別のフォローが要るんじゃないかと思いますけれども、どんなふうにされたのか、あるいはこれからしようとしているのか、その辺をお聞きしたいと思います。
#40
○政府委員(征矢紀臣君) 障害者の方につきましては、御指摘のとおりさまざまなハンディキャップがあるわけでございますから、一般労働者への対策に加えまして一層の配慮をしなければならないということでございます。
 具体的には、これは障害者雇用促進法に基づくいろんな対策があるわけでございますが、納付金制度に基づきます助成金の弾力的な運用など、あるいは障害者の雇用継続に対する支援を図りつつ、ただいま御指摘のように、重点項目として障害者を雇用している被災事業所に対する雇用継続の協力要請を行っているところでございます。
 それから、離職を余儀なくされた障害者の方々があれば、これにつきましてはやはりきめ細かな情報の提供、相談の実施、あるいは広域的な職業紹介の推進等を通じた再就職の促進、これは離職期間中の失業給付はもちろんでございますが、そういう形で対策を進めていかなければならないというふうに考えているところでございます。
#41
○庄司中君 終わります。
#42
○千葉景子君 私もまず震災対策の件から若干お尋ねをさせていただきたいと思います。既に庄司委員からも基本的な観点などについての質問がございましたので、それを踏まえながら何点がお尋ねをさせていただきたいと思います。
 今回の震災対策につきましては労働省でも、先ほどからお話がございますように、雇調金の特例とか失業給付の特例などの措置を迅速にとっていただきまして、大変多くの皆さんが期待をしているところではないかというふうに思っています。しかし、こういうものをやはりだれもが円滑に利用できるようにするためには、通常の手続とかあるいは運用とは少し違った、簡易なといいましょうか、そういう手続などについても配慮をしていく必要があるのではないかというふうに思います。
 そこで、ひとつ雇調金の特例適用についてでございますけれども、これは従来、従来というか本来のこの適用の際の手続を拝見いたしますと、いろいろ手続とかあるいは添付すべき書類とか、大変膨大なものが必要になってこようかというふうに思っています。今回は、こういう災害の特例でございますので、火災に遭ったりあるいは建物の倒壊などによってさまざまそういう準備をすべきものが失われているというようなケースもあろうかというふうに思うんですけれども、この辺の雇調金の適用に当たっての手続などについては簡素化といいましょうか、こういう実情を踏まえて取り扱っていただいているのでしょうか、ちょっとその辺を確認させていただきたいと思います。
#43
○政府委員(征矢紀臣君) 今回の被災地域におきましては、申請手続の簡素化等につきまして、御指摘のように地震あるいは火災によりまして賃金台帳、出勤簿等関係書類が焼失した場合等もございますので、これにつきましては手続を簡略化して、代替書類等で確認できるようなものがあればいいというようなことで簡略化をいたしております。
 また、地域指定後一カ月間については、休業等の事前届け出を猶予いたしております。あるいは被災により事務処理がおくれた事業所のかわりに、被災地域外にあります本店あるいは支店におきましても、当該事業所にかかる申請事務等ができるというような形にして、手続の簡素化、弾力化に努めているところでございます。
#44
○千葉景子君 ぜひ、その辺の配慮をお願いしたいというふうに思います。
 それから、雇調金の特例とそれによってできるだけ事業を継続していこうというのが基本的な考え方であろうというふうに思います。しかし、やむを得ずですね、やはりどうしても事業を閉鎖する、あるいは解雇をせざるを得ないというような状況もあり、休業・失業手当の特例などについても行っていただいているところですけれども、これはこう考えてよろしいんでしょうか。
 やはり事業といっても、できれば継続をしたい。しかし、これまでの規模ではなかなか継続は難しいということで、半分の従業員の方にやめていただいて、そして半数でまずはできるだけの復興をして、また吸収できるようになったらと考える方なども、事業主などもおいでだというふうに思うんですけれども、そういう際にこの雇調金の適用とそれから失業給付の適用と、両方並列して行うというようなケースも、これは認められるわけでしょうか。
#45
○政府委員(征矢紀臣君) 私どもといたしましては、できるだけ雇用の維持、継続をお願いするという立場から、雇用調整助成金の積極的な活用をお願いしているところでございますが、御指摘のように、なかなかそうもいかないというケースもあるわけで、その場合に一部雇用調整助成金の活用をし、一部失業給付の特例で対処するということがあります場合に、この両者の併用は認めております。
#46
○千葉景子君 こういう事態ですから、いろいろな工夫をしながら復興に向けて頑張ろうという皆さんもおいでであろうというふうに思いますので、そういう点についてもぜひ特段の配慮をいただければというふうに思います。
 さて、こういう制度を使いますにも、基本的には労働保険が基礎になっているわけです。そうしますと、この労働保険についても、事業を継続し、そして雇用を継続していこうということになりますと、これを継続して納付をしていかなければいけないということになってまいります。これについては、労働保険料についての納付期限の延長などについて検討をいただいているということでございますけれども、これはいずれにいたしましても、労働保険があり、それから片方では社会保険ですね、厚生年金とかあるいは健康保険、こういうものもあり、それなりに額もまとまった額になってまいります。
 そうなりますと、一定の納付の期限の延長がありましても、やはりいずれかではそれを納付するということになりますが、この保険料などについて、例えば現在でも一定の高額については分納をするというような制度がございますけれども、今回一般的に分納とか、今後の支払い方法、納入方法などについて、そういう措置なども検討いただければ、途切れることなく労働保険を継続する条件ができるのではないかというふうに思いますが、その辺の検討などはいかがなものでしょうか。
#47
○政府委員(伊藤庄平君) 労働保険の保険料につきましては、原則として年一回五月十五日までに納付していただくわけでございますが、これにつきましては既に一月三十日の段階で、被災地域につきましてはこの事情がやむまでの間納付を猶予するという告示を出しております。
 もしその後、やはり支払いが困難ということであれば、被災事業主から個別の申請によりまして、さらに一年、また再度一年、最高三年まで支払いを猶予できる措置をとっております。この支払いを猶予する期間については、個別の申請があれば、分納等も認めていくという方針でございます。
#48
○千葉景子君 今回の震災に関連をして、採用の内定の取り消しなどの例も若干お聞きをしているわけでございます。昨年来、とりわけ女性の雇用情勢というのが大変厳しい状況にもございます。そういう中で、またこういう震災というものが重なっておりますけれども、この採用内定の取り消しなどについての今労働省で把握していらっしゃる実情はいかがでしょうか。全体の数、そしてそれの中で女性がどのくらいの数になっているか、おわかりでしたらちょっとお知らせいただきたいと思います。
#49
○政府委員(征矢紀臣君) 今回の震災に伴います新規学卒者の内定取り消しの問題でございますが、これにつきましては、二月十三日現在で合計九十社、五百三人の新規卒業者にかかわる採用内定の扱いについての相談が行われております。このうち八社、五十八人につきましては、具体的な入職時期の繰り下げについての相談が行われているところでございます。
 ただ、このうち女子の割合がどのぐらいかにつきましては、そういうふうな統計的なものをとっておりませんものですから、現時点におきましては不明でございます。
#50
○千葉景子君 こういうちょっと急な事態でもございますから、とりわけて女性だけ調査をされるという状況にはなかろうかというふうに思いますけれども、これまでの関西地域だけではない全国的な状況を考えますと、やはりこういう中にも女性が大分含まれているのではないだろうかということが推測もされるところでございます。
 そこで、これは女性に限る問題ではございませんけれども、この内定取り消しなどについては大臣からも経済界などについてできるだけそういうことを避けるようにというような要請もいただいているというようなことでもございますけれども、今後の対策などについて、要請をするというのみならず御検討課題がございましたら、お話をいただきたいと思います。
#51
○政府委員(征矢紀臣君) 今後の対応としまして、できるだけ採用の内定の取り消しをしていただかずに四月になりましたら新規に採用していただく。やはり状況が厳しい中で事業所が休業する、あるいは当分の間、先ほども申し上げましたように入職時期を繰り下げしなければならない、こういうようなことでございます場合に、これについて雇用維持を図るという観点から、特例的な措置といたしまして雇用調整助成金の適用を拡大する方策について、これは立法措置が必要でございまして、立法措置について現在鋭意検討しているところでございます。
 これにつきましては、先ほど大臣がお答え申し上げましたように、二十四日というところを頭に置きながら検討してきているところでございます。
#52
○千葉景子君 ぜひそれは実現の方向で頑張っていただきますように、また立法化の際などに細かくもお尋ねをさせていただければというふうに思っております。
 それから、先ほど庄司委員の方からも質問がございました。今後やはり雇用の確保というんでしょうか、それが大変重要な課題になってくるだろうというふうに思います。そういう中で公共事業などについて雇用率などを定めるというような方向も検討をいただいているということでもございますけれども、これも先ほどのお話にもありましたようにミスマッチがあるなどのこともありましょうし、これのみで十分に雇用を吸収することができるかどうかいろいろ問題があろうかというふうに思います。
 ただ、少なくとも公共事業などでそういう措置をとっていくということはまず第一歩であろうというふうに思いますので、ぜひその具体化に向けて頑張っていただきたいというふうに思うんですけれども、それ以外でも例えば、今後復興に当たっては民間の中でも国の資金などの援助などを受けて復興を図るというようなことなども当然たくさん出てこようかというふうに思います。
 そういう意味では、なかなか法律で強制をするということには難しい面があろうというふうに思うんですけれども、民間の復興事業などでもできる限りその地元の皆さんに働いていただくような、そういう要請などもぜひ積極的にお願いできればと。今回検討いただいている法律などにそれらが何かわかるようになれば一番いいのでしょうけれども、これはいろいろと課題もありましょうから、何かそういう積極的な姿勢をぜひ労働省の方でもとっていただきたいなというふうに思うんですが、その点などについてはいかがでしょうか。
#53
○政府委員(征矢紀臣君) 今後、復興に向けましていろんな計画がつくられ、かつ官民それぞれ一生懸命できるだけ早い復興を目指して努力が続けられるというふうに考えます。
 そういう中で、おっしゃるように一部国の資金が融資あるいは補助金等で入っている、そういうものも出てくるかと思いますが、これにつきましては、なかなか法律で義務づけるというにはいろんなヶースがあって難しい問題がございますものですから立法にはなかなかなじまないわけでございますけれども、ただそういう問題、そういう事業につきましても、できるだけ地元の公共職業安定所等を通じまして地元の失業者の方々が働けるように、そういう努力を最大限、いろんな対策を講じながらしていかなければならないというふうに考えているところでございます。
#54
○千葉景子君 ぜひその辺の御指導もお願いをしたいと思います。
 それでは、ちょっと震災対策から離れまして、先般大臣から所信をお伺いをいたしました。その中で何点がお尋ねをさせていただきたいというふうに思います。
 労働大臣は、職業生活と家庭生活の両立の支援、そして女性の能力発揮を可能にする環境の整備が労働行政の重要な柱だということを所信の中で述べられていらっしゃいます。私たち女性も、従来からその重要性を指摘させていただいてまいりましたし、そのためにいろいろな活動もしてまいりましたので、大臣の御発言は大変心強い限りでございます。私たちもぜひ最大限協力を惜しまないところでもございますので、大いに大臣にもリーダーシップを発揮していただきたいということをまずお願いをしたいというふうに思います。
 そういう中で、その一つの柱に介護休業制度の確立ということが挙げられようかというふうに思います。
 今国会においても、この介護休業制度を盛り込んだ育児休業法の改正案が提案をされるということでございますけれども、この介護休業制度は現在普及率がほぼ十六%程度でしょうか、私の認識ではその程度ではないかというふうに思うんですけれども、こういうような段階で法制化に踏み切るというのは従来であるとなかなか難しいことではなかったかというふうに思うんですけれども、今回法制化に大臣、労働省が踏み切られたということで、これは大変私も高く評価をさせていただきたいというふうに思っています。
 ただ、この介護問題というのは、介護休業制度ですべてというわけではございませんで、他のいろいろな社会的なサポート、そういうものが整備をされませんと、またこれは家族や女性に負担をかけてしまうという結果にもなりかねませんので、そういう点についての十分な注意が必要かというふうに思いますけれども、まずはこの介護休業制度が第一歩を踏み出すということで、本当に多くの皆さんが期待を持って今見詰めておいでではないかというふうに思います。
 そういう意味で、今回の法制化に向けてこの意味と、それから今後の決意のほどと申しましょうか、その辺を大臣からお述べいただければというふうに思いますが、よろしくお願いいたします。
#55
○国務大臣(浜本万三君) 基本的な考え方を申し述べますと、我が国の場合には世界に類例のないほど急速に高齢化が進展をしております。そういう中で、家族の介護の問題が非常に大きな問題になっておるわけでございます。
 こうした中で、家族の介護のために職を失わざるを得ない労働者が、何か資料によりますと年間八万人もいらっしゃるというふうに伺っております。したがって、介護を必要とする家族を抱える労働者の雇用の継続を図りますために、介護休業制度を中小企業も含め広く円滑に普及させることが極めて重要になってまいると思います。
 このため、介護休業制度の法制化、介護を行う労働者に対する支援措置の実施などを内容とする法律案を、御承知のように今国会に提出したところでございます。
 平成五年度女子雇用管理基本調査によりますと、介護休業制度の普及は、千葉先生御指摘のように、一六%余りということになっておりますが、介護休業制度の姿を法律で示すことによりまして、各企業の導入に向けての御努力を促すことができるんではないかというふうに思っております。
 また、中小企業も含め円滑に普及できるように三年程度の準備期間を設けることにしておりますので、この期間におきまして各事業所でなるべく早期に介護休業制度が導入されますように奨励金制度を設けるなどの支援をいたしまして、またそのほかさまざまな指導をいたしまして、この問題をぜひ実現させていただきたいと思っておる次第でございます。
#56
○千葉景子君 もう一つ、この職業生活と家庭生活の両立にかかわる問題として大きいのが、大分機が熟してきたと言われておりますILO百五十六号条約の批准の問題でございます。
 この条約は、今申しましたように、家族的責任を有する男女労働者が差別待遇を受けることなくできる限り仕事の責任と家庭責任を両立できるようにという趣旨の条約と私は認識をさせていただいているんですけれども、労働省でもILO関係の条約の批准というのは大変積極的に取り組んでいただきまして、この条約も、ちょうど昨年が国際家族年ということもございまして、そういうことも踏まえて批准を急ぐ条約として最優先に考えておられたというふうに聞いているところでございます。
 この条約はそもそも、大変さかのぼった話になりますけれども、ちょうど女子差別撤廃条約が批准をされた折に我が党の土井たか子衆議院議員がこの条約の批准について問題提起をさせていただき、当時の安倍外務大臣もこの早期批准について検討を始めると、そういうことから始まり、以来の懸案課題ということにもなっていようかというふうに思っています。
 私ども社会党としても、それ以来この批准については環境整備について必要な国内法整備の問題について御提起をさせていただいたり、あるいは各関係箇所といろいろな協議をさせていただいたり、そういうことをしてまいりましたので、ようやく条件が整備されつつあるということをお聞きし、そして私たちも取り組んできたということで大変うれしくも思っているところでもございます。
 育児休業制度ができました。それからパートタイム労働法も整備をされてまいりましたし、今お話にもございました介護休業制度の法制化など、環境整備が進んできたということもございます。そして、国内法との整合性などについてもほぼ解釈上整理がついてきたやにもお聞きをしておりまして、去年は家族年でございましたけれども、本年は今度は北京で世界女性会議も開催をされるという年でもございます。ILO百五十六号条約を批准することができればアジアの女性への励ましにもなろうかというふうに思いますし、当然もう国内ではこういう男性、女性ともに生きる社会の一番の条件づくり、基礎に置かれていくのではないかというふうに思っています。
 そういう意味で、これについても大臣も大変御努力をいただいているということでございますけれども、この辺の若干経過なども含めて御決意を聞かせていただければ幸いだと思います。
#57
○国務大臣(浜本万三君) ILO第百五十六号条約の批准に関しましては、前々から私も早く批准をしたいという気持ちを持っておりましたし、また就任以来積極的な検討を事務方の方に指示いたしまして、早急に検討の結果を出すように努力をしてきたところでございます。
 ILO条約の批准に関しましては、国内法との整合性が図られることが前提となっております。本条約につきましては、条約の解釈及び実施に当たりどれだけの措置が必要となるかが必ずしも明確でありませんでしたので、昨年末の関係省庁間の積極的な検討作業を行ってまいりまして、今ようやく最終的な詰めの作業に入っておると伺っております。
 私といたしましては、ぜひとも本条約の批准承認案件が本国会に提出されるように、引き続き努力をしてまいりたいと思っております。
#58
○千葉景子君 大変女性の課題にも御理解のある大臣でもございますので、ぜひこれが批准できますように、今国会でも最大限の御努力をお願いいたしたいと思います。
 さてもう一つ、今回所信でもお聞かせいただきましたけれども、二月一日付でいわゆる過労死問題について認定基準の改正が行われました。これも長年にわたって、やはり世界にある意味では恥ずべきといってもいいんでしょうか、過労死というような言葉が日本語のまま外国でも通ずるような、そういうことにもなりまして、この問題の解決に向けてのいろいろな取り組みが急がれ、そしてまた要望をされてきたところではないかというふうに思います。
 今回の認定基準の改正は、何点かにわたっているようでございますけれども、やはりこういうものに正面から目を向けようということで、大変私も大きな一歩が踏み出されたんではないかということで評価をさせていただいているところでもございますけれども、今回の改正のポイントについてちょっと解説をいただければと思います。
#59
○政府委員(廣見和夫君) 今、先生も御指摘ございましたように、いわゆる過労死の認定基準につきまして、いろいろの御意見等もございましたし、また私ども大臣からの御指示も受けまして、昨年問題点の整理、検討を行ってまいりました。それに基づきまして二月一日に改正を行ったところでございます。
 主な内容でございますが、第一点は業務の過重性を評価する、その評価の仕方でございますが、従来同僚等の一般的な労働者を想定いたしまして、そういう人と比較し、過重であるかどうか、こう考えていたところでございますが、今回新たに年齢であるとか、あるいは経験等を考慮いたしまして、そういったような人にとって業務が過重であるかどうかを判断するように、より客観的に判断できるように改めた点でございます。
 第二点は、発症前一週間より前の業務の評価をどうするかという点でございますが、従来は一週間より前の業務につきましては付加的に考慮するということで、消極的な考慮ということになっておったわけでございますが、今回は発症前一週間以内の業務がある程度日常業務を超えているという場合には、一週間より前の業務を含めて総合的に判断するということにし、積極的にこれを考えていくというふうに改めた点でございます。
 第三点は、通常の業務と質的に非常に違っております業務が行われたときにその過重性をどう評価するかということでございますが、これにつきましては、特に専門医によります評価を重視して判断するように改めたところでございます。
 第四点でございますが、継続的な心理的なストレス。この問題につきまして、従来必ずしも対応が明確になっておりませんでしたが、今回精神的なストレスによって発症したということで請求されました事案につきましては、本省において医学的な事項についての検討をするということにし、手続を明らかにして、積極的に対応していこうというふうに改めた点でございます。
 以上が主な改正点でございます。
#60
○千葉景子君 今御説明いただきましたように、これまでではなかなか判断基準に取り込まれなかった、そういう部分が今回の新認定基準で積極的に取り組まれる方向が出てきたということで、これは前進であろうというふうに思っているところでございます。
 ただ、例えば不整脈による突然死の問題なども検討の一つに残っておりますし、あるいはこのストレスの問題なども本省で積極的に御検討いただくということでございますけれども、まだ客観的になかなか判断が難しい点などもあり、こういうことを今後も解決していかなければいけない、そういう問題としてまだまだ残っているだろうというふうに思うんですね。
 そういう意味では、これを第一歩として、これからも継続的にこの問題について取り組んでいただきたいというふうに思います。本来は、何よりも過労死ができるだけなくなるというのが、これは一番よろしいことなのではございますけれども、ぜひそういう意味で、今後のこの問題についての取り組み姿勢と申しましょうか、そういうことについて大臣のお考えがございましたら、お聞かせいただきたいと思います。
#61
○国務大臣(浜本万三君) 新しい認定基準は、年齢や経験などの被災者の実態により一層きめ細かく考慮して認定することとするなど、現時点では労災認定をめぐる問題点の整理、検討の結果を十分踏まえたものと私は考えておるわけなんです。本当に難しかったんですけれども、ああいうふうに認定基準を改めてもらいました。
 今後の問題なんですが、今後はこの認定基準に基づきまして、一層迅速適正な認定に努めてまいるということになると思います。さらに、千葉先生の方から積極的な姿勢を示せというような御意見があるわけですが、これは今後とも医学研究の動向を見守り、適切に対処していきたいと考えております。二月一日に認定基準を改正したばかりでございますから、そのような態度で今後進んでまいりたいと思っております。
#62
○千葉景子君 本当に大臣の御努力が今の言葉からもにじみ出ているような感じがいたしまして、これをぜひこれからのいろいろな判断にも生かしていただきたいというふうに思います。今お話がございましたような今後の研究などにもぜひまちたいというふうに思っておるところでございまして、今後私たちもこれを多くの皆さんが少しでも活用できますように努力をさせていただきたいというふうに考えております。
 終わります。
#63
○星野朋市君 きょう、この参議院の労働委員会が開かれるちょうどこの日に、我々新進党の介護休業法案、これが法制局において整文化されることになっております。また、これは成案ができ次第そのときに議論させていただきます。介護休業に関しましては、きょうの午後、同僚の武田さんから御質疑があると思いますので、私は一般労働情勢について質問させていただきます。
 まず、震災関係でございますけれども、労働省の調査によりますと、兵庫県、大阪府で事業所が十三万六千カ所、それから被保険者数が三百三万五千人と、こういうふうな数字が出ておりますが、今労働省はこの中で失業保険の対象になるような人たちがどのくらい出ると想定されておりますか。
#64
○政府委員(征矢紀臣君) お尋ねでございますが、どのくらい出るかという想定はなかなか困難でございますが、現状で、この失業給付の特例支給及び雇用調整助成金にかかります相談件数、これは地元の公共職業安定所に特別相談窓口を設けまして相談を受けているわけでございますが、その相談件数につきましては、最新時点で失業給付につきましては約一万七千件、雇用調整助成金につきましては約六千件ということでございます。
 支給事務等の対策を今最優先でやっているものですから、申請件数がどのくらいかという把握はまだできておらないところでございます。相談件数でございます。
#65
○星野朋市君 大体役所の答弁はそういうことになると思うんです。ただ、先週一週間で恐らく相談件数は四千件ふえたはずです。そのくらい急速にふえている。
 それで、例えばきょうの新聞にありますように、ダイエーが突如としてこの店はもう閉鎖するからと、数百人単位でどんと事実上の解雇通知、そういうのがこれからはますます出てくると思うんです。今失業保険も雇調金も資金が大分ありますから、それを労働省は少しぐらい出しても問題はない、多分そういうことだろうと思うんですが、最低これくらいから最高これくらいまでという想定をしておかなかったら、次の対策というのは実はなかなかとれないんです。
 後で申し上げますけれども、この職業安定所を強化してどうするこうすると言っていますけれども、私はなかなかそんな程度ではこの雇用の状況というのは解決できないと思っています。特に地場産業、それから流通に関するところが大変な被害を受けていますからね。やはり労働省というのは、なかなか難しいけれども、大体最大ではこれくらい出るんじゃないか、こういうところをぜひ考えていただいてそれで対策を立てていかないと、要するに今まで出ているものは私に言わせれば当然のことをやっているにすぎない、ちょっと語弊がありますけれども、これは労働省としては当然のことだ、これからどうするか、それが政策だ、僕はこういうふうに思っています。
 それで、いろいろ問題はありますけれども、失業保険の問題について集中的にお答えいただきたいんですが、雇用保険を払っていない事業所がありますね。ここの従業員はどうするのか。これは労働大臣、既に新聞発表なさっておりますけれども、改めてお聞きしたいと思います。
#66
○国務大臣(浜本万三君) 私どもといたしましては、雇用保険の適用手続が行われていない労働者の方々につきましては遡及確認制度というのがございますから、これに基づきまして労働者からの請求があれば被保険者であった期間について一定期間遡及して確認を行ってまいりたいと思います。
 今回の震災によりまして、手続を行っていない労働者の方々が離職等を余儀なくされた場合も、この遡及確認制度により失業給付の支給を行い、罹災された労働者の方々の生活の安定及びできれば再就職の促進に努めてまいりたいと思っております。
 こうした対策も含め、雇用調整助成金制度や失業給付にかかわる特例措置については、公共職業安定所に設けた特別相談窓口におきましてリーフレット等を活用しながら積極的にPRもいたしておるところでございます。
 さらに現在、本省からは専任の担当官を現地に派遣しておりまして、今後の失業給付の特例措置等に適切に対処してまいりたいと思います。また、県外からの職員の派遣も行うことを考えております。
 そういうふうに陣容も整えまして、どういう御相談にも対応できるような態勢を整えてまいりたいと思っております。
#67
○星野朋市君 たしか先週の十日の毎日の社説に、それに関連してこういう話が出ております。
 あるおばさんクラスといいますか、途方に暮れてしまったと。失業保険の問題についても、自分の勤めていた事業主が死亡か行方不明、要するに申請もできない。それで、多分小規模事業所だったから、いわゆる雇用保険も払っていない。私らはどうしたらいいでしょう。毎日は、今回はそういうことであっても失業保険はもらえるんだと、同僚の証言なりなんなりを得れば雇用保険は支給されるんだと。もしそうならば、労働省は被災民のいる避難所その他を回ってもっとPRをしろと、こういうふうな社説がありました。
 私が今もう一つ突っ込んでお聞きしたいのは、もしその事業所のいわゆる雇用主が今まで社会保険を払っていないでそして死亡しちゃったような場合、今の御答弁だとさかのぼってということだけれども、できないわけですよ、実際は。その人たちはどうなりますか。
#68
○政府委員(征矢紀臣君) さまざまなケースがあろうかと思いますが、ただいま大臣がお答えいたしましたように、雇用保険は、これはもう全面強制加入制度でございますから本来的に入っていなければならないわけでございまして、それの手続を事業主の方がたまたま怠っていた、そういうケースの場合につきまして、ただいま御指摘のような点も含めまして雇用関係を確認しかつ雇用保険の給付の対象になるということが確認できれば、これにつきましては失業給付は支給する、こういうことでございます。
 一方、それに関します保険料につきましては、遡及適用ということで二年間、時効になりますまでの二年間については、これは後ほど払っていただくということになるわけですが、これも支払い能力が当面ないということであれば、先ほどお答え申し上げましたようにこれまた猶予をする、こういう仕組みで対処していくということでございます。
#69
○星野朋市君 皆保険ということなんだけれども、実際に統計的には失業保険の加入率というのは七〇%ぐらいしかないんですね。こういう機会にこれはやっぱりもっと徹底させていただきたい、こう思っておるわけです。できるだけ多くの人にこの失業保険が支払われるよう、これは当局にぜひお願いしておきます。
 またこれは発表されておりませんかね、失業保険の最低を九十日から百五十日にして最高三百日を三百六十日にする。この対策はいつから行われますか。
#70
○政府委員(征矢紀臣君) ただいまの御質問につきましては、激甚災害の指定地域に居住する雇用保険の受給資格者につきましての延長給付のお尋ねと思いますが、これにつきましては六十日間の延長給付の対象とすることにつきまして、一月二十五日付で措置をいたしております。
#71
○星野朋市君 ちょっと話題を変えまして、これは労働省のマターではないかもしれないんですが、兵庫県、この地方自治体の職員の過労働時間というものは今どのくらいになっているか、御調査なさっておりませんか。
#72
○政府委員(廣見和夫君) 私ども、地方自治体の職員の方々に対しましては、一般の職員の方について直接指導する立場にございませんので、具体的な調査はいたしておりませんが、ただ実情等を考えてみますと、大震災の復旧、復興等に関しまして自治体の職員の方々は大変な御尽力、御努力、御苦労をなさっておられる。その中で、やはり労働時間も一般的には長くなっているということがあるのではなかろうか、こんなような見方をいたしております。
#73
○星野朋市君 そこがおかしいんですよ。一般的に長くなっているなんということは当たり前のことなんです。
 それで、この人たちの中に自宅が被害を受けて避難所生活をしながら実は土、日の休みもなく執務していなくちゃならないという、していなかったら一般の人は役所は何やっていると必ず言うわけですからやらざるを得ない状態でやっている。さっきも過労死の問題が出ましたけれども、これから実はそういう心配もあるんじゃないか。普通の家に居住して、そして休みもなく働く、それが避難所生活をしていて、それで休みもなく働く、こういうような人がたくさんいるわけです。これは後に関連して申し上げますからあれなんですが、その人たち、いわゆる職員が本来の仕事でなくて、こういう際だから余計な仕事をしているというケースもたくさんあるわけです。労働省、所管外だと言わないで、その後のいわゆるケアの問題がありますから、実情は十分調査しておいていただきたい。
 それから、これはなかなか言いにくいことなんですが、仮設住宅の最優先入居というのはどうしても老人それから介護を要する人、確かにこれはだれしも認められることなんですが、実は大変な後の仕事をしなくちゃならない人、この人たちにもある程度の割り当てをもって優先入居をできるような、これはもう大臣からしかるべく要望していただきたいと思うんですが、いかがでございますか。
#74
○国務大臣(浜本万三君) 先般、私も現地に参りまして、現地の市役所に勤めておられる方、県庁に勤めておられる方、労働省の場合でも職業安定所や基準局、監督署に勤めておられる方が自分も被災者であるにもかかわらず全力で業務を遂行しておられる。そういう姿を見まして、そういう方々に対する健康それから安全、そういう問題につきまして十分やっぱり注意する必要があるというふうに思いまして、指示をさせていただいておるわけでございますが、残念ながら市役所や県庁等の公共機関に勤めていらっしゃる方の労働時間の実情であるとか、それから健康状態であるとかいうところまでまだ調査をするに至っておりません。
 特に住宅の問題につきましては、私先般視察をいたしましたときに、現地の責任者の方、帰りまして次官以下幹部の皆さんに、住宅がなくて困っておられる人がおるじゃないか、労働省の職員の中に。そういう人の住宅の確保についても積極的にやっぱり対応してあげないと、本当にしっかりやってくれと言うだけでは責任は済まないぞというふうに申しておりまして、そういう点については鋭意今努力をしてもらっておるというふうに思います。
 ただ、全体的に申しまして、被災者のお世話をしておる役所に勤めておられる方々の事情とか、その責任者の方々が、我々はこれだけ努力しておるんだということはなかなか言いにくいことでございますので、それはそれなりに我々がうまく、健康を害しないように、また危険な状況にならないように配慮していかなければならない。これは委員の御指摘のとおり今後十分注意してまいりたいと思っております。
#75
○星野朋市君 それからもう一つ、今までの議論の中で触れられておらない点は、いわゆる一般商店主であるとか自家営業、この人たちが突如として今度は失業者になっちゃうわけですよ。例えば自分のところで、ここで営業をしようと思っても都市再開発の期間、そのめどが立たないうちは営業できませんね。それからその都市計画がどうなるかによって今までのような商売をやっても難しい。この人たち零細な業者は余計深刻なんです。要するにどう自分の商売が再開できるかがめどが立たない、雇用保険もない、どう食っていったらいいのか、こういう人たちが大量に今度は出てきているわけです。
 職業紹介もいいし、雇調金の制度もいいんですけれども、この際はやっぱり何かの形、例えば私どもには一つの案があるわけですけれども、とりあえず一年なり二年、もしくは復興計画が三年以上になれば三年ぐらいの期間、公的就労と言うのはちょっと語弊があるのでまた別の言葉を使いますけれども、何とかしてとにかくここに職場を用意する。恐らくこれは瓦れきの片づけ、復興事業、そういうものになると思いますけれども、とにかく職がある、こういう形がとれないか。
 先ほどから吸収率の問題であるとかそういうことを言っていますけれども、そんなことは当たり前のことなんで、そうじゃなくて政府としてこういう職場をとにかくつくって、一つはそこで就労させたらどうか。いや実際は失業保険をもらった方が私にとっては後が楽だから失業保険をもらうと、これは個人の選択ですけれども、とにかく働く場所がここにあるんだ、こういうことができないか。
 くしくも失業対策法がことし廃止になりますけれども、そういう形でなくて、例えばの話、国鉄清算事業団方式みたいな二年なら二年、三年なら三年、国、地方自治体それから民間、特に職場を失ったような人の中でそういう能力を持ったような人を集めて、ここへ一つの事業体をつくって、そういう事業に人を派遣すると。
 労働省は、きのうも聞いたんですけれども、復興事業は大型機械でやればいいんだと。私は、冗談じゃない、大型機械が一斉に動き出すようなそれだけそろっているか、大型機械も入れないようなところは手作業で片づけていかなくちゃしょうがないんだと。そういうようなお考えはございませんか。
#76
○国務大臣(浜本万三君) 復興事業に雇用需要があるということはもうさっきも星野先生御指摘のとおりであります。したがいまして、私どもは当然その需要に応じる雇用対策を講じなきゃならないと思います。
 その場合に、したがって吸収率制度というようなものの特別措置を行いまして、できるだけ被災者の方に就業をしていただくという措置を講じなきゃならぬと思っております。二十四日ごろにはその特別措置ができますので、それによって発注者の自治体が指導していただき、受注される業者もこの制度によって被災者の方を一定率雇用していただく、こういうことをとっていきたいと思っておるわけでございます。
#77
○星野朋市君 失業保険制度なり雇調金制度が大体これほど完備しているから大丈夫だよという、これは重要なことなんですけれども、実際に失業保険をもらってぶらぶらしているのは人間として嫌だという人が大分いるんです。とにかく働きたい。この人たちのために政府は積極的な対策を立てていただきたいというのが私の要望でございます。
#78
○国務大臣(浜本万三君) 雇用ということになりますとどうしても受け身になってくるものですから、したがって零細企業の方に対する対策とか、商店街の店主の皆さんに対する対策等をその方々に伺いますと、仮設の工場でもいい、仮設の商店でもいいからつくって、我々も早く営業を開始したいので、政府はそれに対する資金援助をしてもらいたい、こういう御希望が非常に多いようでございますから、復興対策本部といたしましては、それに対する積極的な対応をしておると。
 我々の方は、今の公共事業といいましょうか、公共需要に対する被災者の吸収方法、就労方針を考えていくと。どうしてもそれに就労できない方は、結局広域的な職業紹介制度を通じまして支援をさせていただくということになると思います。
 ですから、現地を離れるという人が非常に少ないらしいのでございますので、どうしても前者の公共事業に対する一定率の就労対策を推進するという方法しかないんではないかと思っております。
#79
○星野朋市君 震災関係の質問はそれぐらいにいたしまして、大臣の所信に対する質問ということでちょっとお伺いをいたします。
 大臣の所信の中に、「さて、我が国経済は、緩やかながら回復基調をたどっているものの、雇用情勢は依然として厳しい状況にあります。」以下云々、こうありますけれども、今の日本経済の実情というものを大臣はどう認識されておるか、ちょっとお伺いします。これは、村山総理が日本経済はまだ午前十時半だ、こういうような、私に言わせれば相当のうてんきな返答をしているわけですけれども、大臣はいかがお考えですか。
#80
○国務大臣(浜本万三君) 村山総理の言われました日本の国は午前十時三十分ということは、我が国がその人的資源を活用し、高いレベルの技術をより進行させることによって、新しい時代を創造していく力を持っていることの例えであると私は理解をしておるわけでございます。
 私としても、我々一人一人が我が国が直面しております課題に前向きに取り組むことによりまして、今後自由で活力のある経済社会を創造することができると確信をしておるわけでございます。
 そのためには、内外格差の是正でありますとかあるいは縮小でありますとか、経済フロンティアの拡大でありますとか、雇用の安定といった構造的課題に積極的に取り組んでいく必要がございます。昨年末には産業構造転換・雇用対策本部というのを設置いたしまして、政府が一体となって経済構造対策の推進に取り組んでおるところでございます。
 労働省といたしましても、中期的な経済社会の構造変化に対応し得る人材の育成や失業なき円滑な労働移動への支援、少子・高齢化及び女性の職場進出に対応した職業、就業関係の整備、ゆとりある勤労者生活の実現のための労働時間の短縮の推進など、各般の施策を着実に実施してまいらなければならないと考えておるわけでございます。
#81
○星野朋市君 これは、私は午後三時とは言わないけれども、午後二時を相当回ったぐらいのところかな、ここら辺はこれから議論の余地があるわけでございますから、それ以上は申し上げません。
 労働関係だけについて見ても、まあ日本の企業は強い強いと言われておったけれども、実際はホワイトカラーを含めた日本の企業の労働生産性というのは欧米の八〇%ぐらいしかないということがもう調査の結果わかっているわけです。経営者はどうするかといったら、それも国際化ですから、当然これはリストラ要員を相当考えなくちゃならない。経営者だったら当然考えることです。これはバブル期に一説によるとホワイトカラーが百二十万人ふえたというわけですから、そのうちの要するに三分の二ぐらいはもう過剰になっている、こういうふうな認識を持たなくちゃならない。
 もう一つ、これは私は一昨年の予算委員会でも言ったんですが、日本の今の円高というものがどのぐらい影響を与えているかというと、今の輸出額それから輸入額の差、輸出のいわゆる円建て比率、輸入の円建て比率。これは去年、輸出の円建てが四〇%、輸入の円建てというのは一八%、今もほとんどこれは変わっていません。それで、今の輸出、輸入のそういう計算をすると、十円円高になると約二兆円の差損ができるわけですね。同時に、約二兆円同じ差益が出るんですよ。
 ところが、輸出の方の差損は直ちに出ますけれども、輸入の方はなかなか最終段階に及ぼさない。これはなぜかというと、規制緩和をすれば直るとかいろいろ言うんですけれども、実際は根本的にはこれ日本の流通の問題がある。非常に多段階にわたっていますから、これがすぐ還元されない。こういう側面からいうと、円高が進んだら恐らく約四〇万人のいわゆる限界産業の失業が起こってくる。現に産業の空洞化というのはそれですね。産業だけでなくても金融も同じような状態になる。
 それから、小売、卸、流通業に日本のどのくらいの人口が従事しているか。まあ七百万から八百万と言われますから、その五%、四十万人ぐらい当然失業者が出てくる。そうすると、恐らく企業内失業約八十万人、それから今言った両方から八十万人、百六十万人、これの大失業時代が起こる可能性があります。
 そうすると、今の失業率をアメリカとかヨーロッパ並みに六%とか一〇%とか、こういうような状態は、日本の社会は恐らく許さないと思います。一方、名目賃金というのは今や世界一になってしまっている。ここのところを労働行政はこれからどうしていくのか。政府は新経済政策をとって見直すと言っていますけれども、まだ生きているのは三・五%。これでもって大蔵の税収もエネルギーもみんなこれで張りついているわけですよ。ここは早く直していただいて、そして大臣がこの中で言っている「ゆとり」というのは何かということ、これを真剣に考えていく。
 それから、労働行政は今までそういう高い成長率のもとに雇用の問題よりもむしろ労働福祉の方に重点を置いておったわけですけれども、これからは労働雇用の方にスタンスを移していただかないと、日本というのは私は大変になると思う。労働行政の根本にかかわる問題ですけれども、大臣の御所信を伺いたい。
#82
○国務大臣(浜本万三君) 先生の御所見のとおり、実質経済成長率の低下とか、あるいは円高等による製造業の海外シフトなどが進みます中で、国内の雇用が十分に確保できるかどうかという点については、大変懸念を私も持っております。
 このため、労働省といたしましては、今後の経済・産業構造の変化や、少子化とか高齢化などの急速な進展のもとで、雇用の安定を図り、あわせて豊かな勤労者生活の実現に資するよう、第八次雇用対策基本計画の策定に着手しておるところでございます。この基本計画というのは単独のものではございませんで、政府の新しい経済計画とあわせて計画をしなきゃならぬというものでございます。
 今後、この計画の策定を通じまして、中期的な雇用政策の方向性について検討を進めなければならないと思っておるところでございます。
#83
○星野朋市君 まだ若干時間がございますけれども、昼どきにかかりましたから、審議促進のために質疑をここで終わらせていただきます。
#84
○委員長(笹野貞子君) この際、午後一時十分まで休憩いたします。
   午後零時十一分休憩
     ―――――・―――――
   午後一時十分開会
#85
○委員長(笹野貞子君) ただいまから労働委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、労働問題に関する調査を議題とし、労働行政の基本施策に関する件について質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#86
○武田節子君 武田でございます。
 本日は、介護休業制度についてお尋ねいたしますけれども、介護休業制度をこのたび国会に提出されました育児休業法の改正とした理由についてお尋ねいたしたいと思います。
 私は、平成四年七月に議員として活動する前までは未組織で働く中高年女性の労働問題に取り組んでまいりまして、その中で特に介護休業法の法制化に一生懸命取り組んでまいりまして、今回、今国会でやっとその法案が日の目を見るということになって、やれうれしやと思った途端に育児休業法の一部改正の法律案に、どうしてと思わざるを得ませんでした。
 大臣、育児と介護では取り組む内容も環境も全く違うのでありまして、質も違います。文字で休業というところはくくれますけれども、内容のところではとてもくくるのは難しいのではないか、こんなふうに思っているわけでございまして、今回育児休業の一部改正とした理由をお尋ねしたいと思います。よろしくお願いいたします。
#87
○国務大臣(浜本万三君) なぜ単独立法にしなかったのか、こういう御趣旨だろうと思うんですが、少子・高齢化が進展する中で、家族の介護と育児の問題は労働者が働き続ける上で最も大きな問題となっております。このため、昨年の十二月に出されました婦人少年問題審議会の建議においても、「高齢化・少子化への対応が今後ますます大きな社会的課題となっていくことを考えると、介護とあわせて育児の問題も重要であり、男女労働者がその能力を十分発揮できるような条件整備を図るという観点から、職業生活と家庭生活との両立を図るための環境整備の事業を体系的・総合的に構築することが不可欠である。」と提言されたところであります。
 これを受けまして、今回の改正法案は介護休業制度に関する単独立法とせずに、育児休業法を改正いたしまして、育児、介護の問題を有する労働者の職業生活と家庭生活との両立を支援することを目的とした総合的な法律とすることにいたしたものでございます。
#88
○武田節子君 休業期間が三カ月と定められておりますけれども、この三カ月とお決めになられた根拠についてもお尋ねいたしたいと思います。
 平成五年の三月十二日に前公明党の参議院では党独自の介護休業に関する法律案を提出しましたけれども、期間は一年といたしましたし、新進党の法案要綱でも一年と定めております。また、この制度を実施している企業の半数近くが一年の休業を与えておりますけれども、実際にそれだけの日数、時間というのは必要であると思います。
 例えば、休業を取得して病院に入院させるにも、病院探しやあるいは手続等でとても時間、日数はかかりますし、また老人病院に空き部屋を探しても、その施設で亡くなる方ができたらそこに一人入れるというような状況で、とても今世紀には入れないというような状況がたくさんございます。こういう状態を見ますと三カ月と定められた根拠についてはいかがなものかなというふうに思いますので、その点をお伺いしたいと思います。
#89
○国務大臣(浜本万三君) 労使関係の法案というのはいろいろ労使で利害が対立しますので、それを参酌して物事を決めていくという建前になっておるわけでございます。
 したがって、昨年の十二月に出されました婦人少年問題審議会の建議を見ますと、その建議の中に、専門家会合において、介護休業制度は家族による介護がやむを得ない場合の緊急的対応措置であり、介護に関する恒常的方針を定めることができるようになるまでの期間として三カ月程度の期間が必要とされましたこと、それから法的枠組みの内容につきましては、家族介護や労働者の雇用の継続の必要性と企業の負担との調和が図られるよう配慮される必要があること、そういうことから介護休業期間は多数意見として三カ月とされたところでございます。労働省といたしましては、このような議論、建議を踏まえて、介護休業期間について三カ月としたものでございます。
 なお、実際に介護休業を取得した者を調べてみますと、大部分、七七・七%は三カ月以内に復帰しておるという資料がございます。そういう意味で三カ月としたわけでございます。
#90
○武田節子君 多く取得された方が七七・七%と今お話しですけれども、生活保障の給付がないことも余り長くとれていないといった一つの理由ではないかというふうに私は思うのでございます。政府案には休業中の生活保障の措置が今回ございませんけれども、その理由についてもお尋ねいたしたいと思います。
 制度利用者のほとんどが子供の学費とか住宅ローンの支払いとかで一番経済的に負担のかかる年齢の人たちがとるように思うのでございますけれども、制度ができても所得保障がなければ実際に利用する労働者は少ないと思います。
 それは、既に育児休業法ができたときに所得なしでスタートしましたためにその利用が余り効率が上がらないで、そのために来年度から育児休業の取得者に税金とか社会保険の減免、雇用保険からの現金給付などを実施いたしますけれども、介護休業に所得保障を認めなければこの愚行の繰り返しになるのではないかというふうに思われます。その愚行を繰り返さないためにも介護休業中の生活保障の措置と所得の最低六〇%は支給されるべきものと思いますけれども、この点について大臣のお答えを求めます。
#91
○国務大臣(浜本万三君) たびたび建議を持ち出して申しわけないんですが、御指摘の休業中の所得保障につきましては、昨年の十二月に出されました婦人少年問題審議会の建議におきまして、「休業期間中の経済的援助のあり方については、今後、介護休業制度が適用される時期」、これは平成十一年でございますが、「を念頭におきつつ、更に十分に議論することが適当」であるとされたところでございます。この建議を踏まえまして、対応してまいりたいと考えております。
#92
○武田節子君 これは御参考までに、私の考えたことなんですけれども、中小企業においては所得の六〇%給付は大変厳しいものと思われますので、その場合は生活費の保障措置として所得の六〇%程度を事業主から休業者に無利子で貸し付けて、そして返済は職場復帰後、賃金から毎月一〇%か二〇%程度を分割して返済させる制度を設けることも一つの考えではないかなどと考えたわけです。そして、その制度を設けた事業主に対しては雇用安定事業から融資をするなど、こういったことも考えられるのではないか。その意味で、あらゆる知恵を絞りながら生活保障の措置は講ずべきものと考えているわけでございます。
 今、大臣からいろいろ伺いましたが、これは私の考えとして申し上げました。
 法律の施行日が平成十一年四月、九九年四月では余りにも遅過ぎると思います。平成七年十月実施という要望が非常に多く上がっておりますけれども、この点についても大臣の御所見をお伺いしたいと思います。
 統計上だけでも現在年間八万一千人、介護のために離職されたという統計が出ております。しかも、二〇二五年には二十一万九千人になるであろうという推計も出ておりますけれども、実際は零細企業の規模別で離職された数字というのは、労働省としてはおとりになっているのでしょうか。恐らく零細企業で働くところの離職者というのを入れれば、もっともっと大きな数になるのではないかというふうに私は思うのでございます。
 実は数字にも上がってこない二十九人未満のところにこそ、男女で取得するんですけれども、女性労働者の多くがこういうところに働いておりまして、そういうところに働いている人こそが最も介護問題を抱えている労働者でございます。ですから、こういうところに働いている小規模企業の人たちを後回しにするとなれば、介護する者もされる者も差別扱いされるというふうに思うのでございますけれども、この点、大臣はどのようなお考えでしょうか、御所見を伺いたいと思います。
#93
○政府委員(松原亘子君) 私から、今先生が御指摘ありました離職者につきまして規模別にどういう状況になっているかということを、データをまず御紹介させていただきたいと思いますけれども、年間八万人余りの介護を理由とした退職者があるというこの数字でございますが、これは総務庁の平成四年就業構造基本調査の結果でございます。
 その結果によりますと、この調査自体は世帯を対象とした調査でございますのですべての規模に働く労働者が対象になっているということでございますが、八万一千人の内訳を見てみますと、一人から九人という規模に働いていた方が一万六千人、それから十人から二十九人という規模に働いていた方が一万八千人、三十人から九十九人という規模に働いていた方が一万七千人、百人から四百九十九人という規模に働いていた方が一万一千人、そして残りの一万八千人が五百人以上または官公庁に働いていたという方でございまして、この八万一千人の数は必ずしも大企業をやめた方ばかりではないというのが実態でございます。
 ところで、今回私どもが提案させていただいております法律の適用時期でございますけれども、これは平成十一年ということにいたしておりますが、規模によって差をつけず、すべての事業所についての適用時期を平成十一年からということにいたしているわけでございます。
 こういうふうにいたしましたのは、現在の介護休業制度の普及率が一六%という状況である、しかもこれを規模別に見てみますと、五百人以上の規模においては既に五割を上回る企業においてこの制度が導入されておりますけれども、それ未満の規模においては一割ちょっとといったような実態でございます。
 そういった規模の格差が大きいということから、中小企業においても円滑にこれが導入できるような準備期間というのをとる必要があるだろうというふうに審議会の中でも議論がありまして、審議会の建議でも三年程度の準備期間をとる必要があるというのが多数意見であったわけでございます。私どもも、その審議会の経緯及び実態等も考えまして平成十一年から施行するということにいたしたわけでございます。
#94
○武田節子君 このたびの介護休業取得者の対象に適用外となっております未婚の姉妹あるいは男性の兄弟、この人たちも私は対象とすべきではないかというふうに思うんです。
 大臣、今とてもシングル志向の働く女性が大変多うございまして、シングル志向の女性が多いということは男性の独身も多くなるということになると思うのでございます。生涯居住環境研究会で首都圏に住む三十五歳以上の常勤雇用者の女性二千四百人を対象に調査した結果、ほぼ三人に一人が未婚でありまして、平均年齢が四十四歳の団塊世代という調査結果がございました。未婚の働く姉妹、兄弟はたくさんおりますし、どちらかが倒れたときにやっぱり介護するための休業取得は必要だと思います。
 特に、私の知人で中野に姉妹が二人で住んでおりますけれども、二人で働いておりましたが、たまたまお姉さんはやめておうちにいた。妹が昨年暮れ、肺炎から倒れまして、そして入院した結果、何か人工呼吸で、今危篤状態になっております。そのお姉さんがたまたま介護していますけれども、この逆はむしろ順序としてあると思うんですね。
 こういう状態が非常にこれからだって多くなると思うので、この人たちも介護休業取得対象に私はするべきではないか、こんなふうに考えておりますけれども、このことに関して大臣はどのようにお考えでございましょうか、御所見を伺わせてください。
#95
○政府委員(松原亘子君) 労働者の権利として、介護休業制度で対象とする家族の範囲につきましても、私ども、審議会のいろんな議論を踏まえまして、すなわち家族の介護や労働者の雇用の継続の必要性という一方の必要性と、もう一つは企業の負担、これとの調和を図ることが必要だということがたびたび審議会でも議論がございまして、建議にもその旨書かれておりまして、私どももまさにそういった配慮が必要だというふうに考えたわけでございます。
 こういうことから、今国会に提案をさせていただきました法律案では、制度利用者の実態等から見まして、配偶者、父母、子供及び配偶者の父母というものを基本といたしておりますけれども、審議会の議論も踏まえまして、父母及び子に準ずる一定の範囲の親族をも対象にするということにいたしております。具体的には、同居及び扶養の要件を付して、親子同然である兄弟、姉妹についても労働省令で定める方向で検討いたしたいというふうに考えているところでございます。
#96
○武田節子君 休業を申し出た従業員への不利益な取り扱いを禁止するように、法律の中に明記すべきだと考えます。
 特に、組合もない小規模企業で働く労働者は、自主交渉とかあるいは介護休業への労働協約を結ぶなどということはとても無理な状況でもあると思うんですね。そういう弱い立場の人を守るためにも、休業を申し出た従業員への不利益な取り扱いをしないように、禁止規定に例えば解雇、再就職、昇給、昇格、ボーナス、退職金の計算などについても不利益取り扱いを禁止するよう法律に明記すべきだと思いますけれども、いかがか。御答弁をお願いいたします。
#97
○政府委員(松原亘子君) 休業を申し出た労働者についての不利益取り扱い、いろんな場面があろうかと思いますけれども、今回私どもが提案させていただきました法律案におきましては、介護休業の申し出をし、または介護休業をしたことを理由とする解雇は禁止をいたしております。
 それから、附則で改正をいたしておりますけれども、労働基準法上の年次有給休暇の取得要件の中に出勤率八割というのがございますけれども、この介護休業で休んだ期間については働いたものとみなすといったような規定も置くといったようなことは今回の法律案に入れさせていただいているところでございます。
#98
○武田節子君 介護休業法の方はこれで終わります。
 私も十一、十二日と、神戸の方を回ってきまして、特に長田区の靴製造のところの地域が本当に全滅というような状況で、瓦れきの山になっているところを見てまいりました。ああいうところは地場産業で、雇用保険の被保険の資格のない労働者の救済について先ほどもいろいろお話伺いましたけれども、特に四カ月以内の季節労働者、酒造業で働いている人たちとか、あるいは家内労働者の内職、そのまた同居親族、靴の底などをつくっている内職が非常に多うございます。事業主も倒産して、雇用者の人たちもそういう雇用保険にも入っていない、こういう人たちの救済方法はあるのでしょうか、お伺いいたします。
#99
○政府委員(征矢紀臣君) 雇用保険の被保険者となることが可能な方々につきましては、これはただいま先生、酒造業関係で杜氏等の方の問題の御指摘がございましたが、こういう方につきましては、諸般の事情を考えました弾力的な運用というようなことで対処しているところでございます。
 それから、短時間のパートタイム労働者等につきましても、週労働時間が二十時間以上ある方につきましては、これは手続をとっていないケースについても、きちんと公共職業安定所に申告をしていただいて手続をとれば保険の対象にするというような考え方で対処しているところでございます。
 ただ、御指摘のように自営業者の方とかあるいは家内労働者の方とか、そういう方につきましては、これは雇用保険制度の適用がございませんものですから、こういう方につきましての対処をどうするかということでございますが、こういう方につきまして、仮に自営等をやめて働きたいというようなことでございますと、これは広域職業紹介を含めた職業相談、職業紹介を実施するということでございます。あるいは仕事をかわるわけですから、職業訓練が必要であるということであれば、これは無料で公共職業訓練を受講できるようにいたしますとともに、その受講期間中については、訓練手当等を支給するというようなことで対処をいたしたいというふうに考えております。
 いずれにいたしましても、そういうことでできるだけ早く仕事についていただく、こういう努力をしたいと思いますが、あわせまして、先ほど大臣からお答え申し上げましたように、これから公共事業、災害復旧の工事がたくさん出る中で、技能がなくても働けるような仕事については吸収率制度を設けまして、これは立法措置が必要でございますが、そういう中で働いていただく、あるいはそのための必要な職業訓練も機動的に実施していく、こういうような考え方で対処してまいりたいというふうに考えております。
#100
○武田節子君 阪神震災における過労死の状況を把握しておられると思います。その予防と補償について行政の対応は不十分ではないかというふうに考えられますけれども、その基準の見直しのお考えがあるのでしょうか、お尋ねいたしたいと思います。
#101
○政府委員(廣見和夫君) 今、先生から震災の関係での過労死の心配等もあるのではないか、こういうようなお話もございました。私ども、いわゆる過労死につきましてはこれまでも一般的にいろいろな御意見も伺っておりますし、またそういう中で我々自身、問題点の整理もいたしたいということで整理を行ってまいりまして、今般二月一日に認定基準の改正をいたしまして、それぞれの局に通達いたしたところでございます。
 これからはこの改正いたしました認定基準に基づきまして、いわゆる過労死の事案につきましてはより客観的に、あるいはより妥当な判断が行われるように十分指導もしてまいりたい、このように思っておるところでございます。
#102
○武田節子君 過労死の予防については労働時間の短縮が大変重要だと思っております。労基法の労働時間違反の総件数はこの十年間でどのように推移しているのでしょうか。また、今後労働時間の短縮についてはどのように考えておられますか。また、その目標値の達成はできるのでしょうか、お伺いいたしたいと思います。
#103
○政府委員(廣見和夫君) 御指摘いただきましたとおり、過労死の予防につきましてはやはり何といってもゆとりある働き方、あるいは非常に大変な長時間労働等々を避けながら、労働時間の短縮を進めていくというような環境整備が大変重要である、このように思っております。そういう意味で、私たち行政の大きな目標といたしまして、労働時間の短縮を促進するということで取り組んでまいっております。
 具体的には、総実労働時間千八百時間ということを目標にいたしまして従来も取り組んでまいりました。現在のところ、平成六年のデータでまいりますと、千九百時間ちょっとということになっておりまして、千八百時間台目前というところまで減少してきております。
 特に、労働基準法の改正を行いまして、法定労働時間の短縮をするというようなこと等をてこにいたしまして取り組んでまいりました結果、労働時間の短縮につきましては、関係者のその必要性についての御理解も十分進んでいるのではないか。そういう意味では、比較的順調に今まで進めてくることができた、こう思っております。
 今後の問題でございますが、二つばかり大きな問題点があると思っております。
 一つは規模の問題でございまして、中小零細企業で時間短縮を進めるのがやはりなかなか難しい状況にございます。特に、昨今のような厳しい経済情勢のもとでは、なかなか事業主の方も取り組みに御苦労されるという点もございますので、ここのあたりは我々はぜひ中小企業の事業主の方に前向きに取り組んでいただくような支援措置、例えば時間短縮した場合に奨励金を差し上げるといったようなことなどを中心にいたしまして、この支援措置をぜひ充実してやってまいりたいということでございます。
 もう一つは、業種別の差がございます。平均的には先ほど申し上げましたような千九百時間近くになっておりますが、やはり業種によってアンバランスもございます。したがいまして、長いような業種につきましては、これまた我々いろんな形での取り組みをきめ細かく進めてまいりたい、このように思っているところでございます。
 もう一点お尋ねの労働基準法の労働時間違反の件数、このあたりはどういうふうになっているのかというお尋ねでございました。これにつきましては、労働時間についての規定、具体的には労働基準塗二十二条がございますが、私ども労働基準監督機関として検察庁にこの違反で送致しました件数を見てみますと、この十年間、年によって変動がございますが、大体十件前後で推移しているという状況になっております。
#104
○武田節子君 労働省により過労死が労災認定されなかった件で、裁判で救済されているものが多いようですけれども、最近十年間の判決の状況と敗訴の理由についてお伺いしたいと思います。
#105
○国務大臣(浜本万三君) いわゆる過労死をめぐる行政事件訴訟におきまして、最近十年間に出された判決総数は百四件でございます。そのうち国側が敗訴したものは二十二件ということになっております。敗訴の理由を見ますと、個々の事件によりまして理由は異なるわけでございますが、おおむね共通することは、労働者本人の基礎疾患の程度をどう見るかということと、それからもう一つは業務の過重性をどう判断するかということが国と裁判所で異なったことであろうと思います。
 いわゆる過労死の労災認定の問題につきましては、各方面からさまざまな御意見があり、また特に昨年は国が敗訴する事案が相次いだこともありまして、私といたしましては、このような機会に世間一般の常識という観点から問題点を整理してみる必要があるのではないかと考えまして、事務当局に検討を指示したところでございます。その結果、認定基準を見直すことになったのは委員も御承知のとおりでございます。
 改正されました認定基準につきましては、たびたびお答えをしておりますように、本年二月一日付で通達したところであります。今後はこの適正な運用に十分留意をしてまいらねばならぬと思っております。
#106
○武田節子君 最後にお尋ねいたします。
 六甲山の地中の音楽ホールというのが、企画していたのは建設費が約三百五十億円の見込みで二〇〇三年ごろに完成の予定ということが、これはこれから防災設備機能なんかを持たせるということで一時ストップというふうになったのかどうか、そんなふうにちょっとこの記事を読んだんです。いずれにしても、今回の災害の復興にかかる費用が膨大なために一時ちょっと見合わせるというか時期をおくらせるというふうになったのかわかりませんけれども。
 これと関連するわけじゃありませんけれども、実はそこに松原局長いらっしゃるからちょっとあれなんですけれども、今度の婦人労働対策関係予算で女性の社会参加についての支援事業の中で、女性の歴史と未来館(仮称)、この設置について来年度、平成七年度の予定額が十六億九千四百万円というのが計上されております。今回の災害で膨大なお金が国としてもかかるので、もし緊急を要するものでなければこれを災害復興の方に経費を回すようなことも考えてはいかがなものかなということを一つ御質問申し上げまして、私の質問を終わります。
 以上でございます。
#107
○政府委員(松原亘子君) 災害復興のための事業が非常に重要だということは御指摘のとおりだと思います。
 一方、御承知のとおり、本年はアジアで初めて開かれます世界女性会議、北京で開かれるわけでございますけれども、そういうことで女性問題についての非常に重要な年でもあるわけでございます。世界的にも女性問題についての取り組みの強化がなされるということだというふうに認識しております。
 また一方、我が国では急速に少子化、高齢化が進んでおりまして、活力ある社会を建設し、維持していくというためには女性が積極的に社会参加できるような条件を整えていかなければいけない。社会参加したいと思っている女性に対して積極的に支援もしていく必要があるだろうというふうに考えるわけでございます。
 今御指摘の女性の歴史と未来館、仮称でございますけれども、これは二十一世紀に向けまして女性が働くことなどを通じまして社会参加し、それ以外の形での社会参加もあろうかと思いますけれども、さまざまな形での社会参加をし、その能力を十分発揮していくことができるような積極的な支援事業を行ういわば拠点施設として私どもは位置づけておりまして、世界的な女性問題への取り組みの強化という観点から見ましても、また少子・高齢化社会への対応という観点から見ましても、この時期にこの施設についての着工、着手することは必要だというふうに考えているところでございます。
#108
○武田節子君 ありがとうございました。終わります。
#109
○古川太三郎君 今度の阪神の大震災の折に大変ボランティア活動が活発に行われて、非常に被災者も恩恵を受け、また感謝もしておられるという状況でございます。そういうボランティア活動、これは今までは福祉面において特に考えられていたようですけれども、こういう震災のときについてもやはり非常に大事な活動だということは日本の国民一般が認識したわけです。
 そういう意味から、ボランティア休暇というものについての普及、これは労働省としてどのように考えていられるのか、介護休暇あるいは育児休暇というように、そういう意味での考え方を普及していく気持ちがあるのかどうか、またあるとすればどういうようなことを考えられているのか、このことをまずお聞きしたいと思います。
#110
○政府委員(七瀬時雄君) 今回の震災の復興に向けて、ボランティアの方々が大変涙ぐましい努力をされておられることに敬意を表する次第でございます。
 さて、ボランティア休暇制度の普及でございますけれども、確かに現在まで企業規模合計でいいますと普及率は〇・五%ということでございますけれども、五千人以上の企業でとってみると一五%、二年前の数字でございますが、超えているということは、私どもがこれから努力をすればさらにこの休暇制度が普及していくのではないかというふうに考えております。
 労働省といたしましては、これまでもボランティア休暇制度を普及するために好事例、非常にうまくいっている事例を集めこれを御紹介するとか、あるいはシンポジウムを開いて普及啓発をするとか、あるいは労使を含めた関係者の方に入っていただいていろいろと協議をしていただくなどの措置を講じてきておりますけれども、今回の大震災の例で国会等でも非常に重要な議論が行われている、いわばある意味で追い風であろうかというような状況でございますので、ここで心を新たにしてこのボランティア休暇制度を普及してまいりたいと思っております。
 ただ、普及の仕方はいろいろ難しい点も確かにあり、ボランティア、自発性、そういったところがうまく組み込めるような形での普及が必要だろうと思っておりますが、いずれにいたしましても心を新たにして取り組んでいくべき重要課題だ、このように思っております。
#111
○古川太三郎君 抽象的にはわかるんですけれども、介護休暇とか育児休暇、そのようなレベルまで上げていく気持ちはおありなのかどうか、そのことをお伺いしておきたいと思います。
#112
○政府委員(七瀬時雄君) やはりこれから普及していかなければならない問題でもございますし、それからボランティアというのは労働者、働く人からの盛り上がりといった形で自発的になされていく性格のものでございますので、今直ちに介護休業制度とか、それと同じようなやり方でいくかどうかについてはいろいろ問題があろうかと思っておりますが、ともかく自発性ということに重きを置きながら鋭意普及していくということが先決問題であろうと思っています。
#113
○古川太三郎君 決してそんなに難しいものではなくて、もう既にそういう要求が多く出てきたというように認識していいんじゃないかなと思うんです。今度の震災でも企業内でのそういうボランティアは随分行われたようですけれども、やはり会社というものはそういう地域との共生も必要です。ともに生活する、そういう意味での共生が必要だという時代に入ってきていると私は見ておるんですが、そういう意味からぜひこのボランティア休暇の法制度も御検討いただくようお願いを申し上げておきます。
 そこで、ボランティアの方々には大変御努力をいただいておるんですが、今度の震災に対して業務命令でボランティア活動を行ってけがをしたとか、そういうような場合には労災保険の適用があるだろう、こう思うんです。
 こういう場合に、確かにガスだとか電力なんというのは、その工事は地中に潜ってやる工事も随分多くありまして、余震があったときに二次災害が必ず起きるとか非常に危険な仕事なんですね。業務命令で行ったボランティアではなくて、一般の人たちが本当にそういった技術を持っているからやってあげましょうということでやった場合に、そういうときに労災保険の適用があるのかどうか。あるいは、今までは福祉関係だけが表に出ておりましたから、そういう意味で社会保険、厚生省の管轄のような感じての処理の仕方をされておりましたけれども、労働省としてはそれについてどうお考えになっているのか、そのことをちょっとお聞きしたいと思うんです。
#114
○政府委員(廣見和夫君) 今、先生がお話しのように、ボランティアとして働かれる方が事業主からの業務命令を得てやっているような場合、まあボランティアという言葉と業務命令とは若干そぐわない点があるのかもしれませんが、しかし、業務命令に基づいて何らかの形で災害の復旧等のお手伝いをしているというふうな場合につきましては、これは業務命令ということでございますので労災補償の対象になり得る、こういうことであろうかと思います。
 しかし、逆に今度はまさに言葉どおり自発的に取り組みをしておられる場合、これは事業主の命令ということにはなってまいりませんので、やはり労働基準法上の使用者の災害補償責任を基礎としているという労災保険の制度の趣旨から考えますと、この場合はなかなか労災補償の対象にはしにくい問題であるだろう、このように思っております。
 もちろん、そういったような方々の保険というのはまた別途の観点から考慮される、あるいは検討されるべきというのはまた別の問題であろうかと思いますが、労災保険につきましては今申し上げましたような考え方にならざるを得ないのではなかろうかと存じます。
#115
○古川太三郎君 今まさにそういった方たちの救済制度というのはしっかりしていないわけですね。これは事実なんです。しかし、やはりそういう善意の行動をこれは国家的に援助するというのが働く人たちの倫理性を高める意味でも非常に重要なことだと私は思うんで、その空白部分を早く労働省が考えて、これは厚生省と一緒に考えていただいても結構なんですけれども、そういった面での保険制度を確立していただきたい。
 こういう保険をだれが掛けるかとかというのはいろいろ問題になろうと思いますけれども、そういうボランティア活動が本当に有意義だったということになれば自治体もそういう意味での協力は惜しまないと思うんで、そういう意味での救済をぜひとも早く考えていただきたい、こう思っております。
 さらに、この地震というだけじゃなくて、今まで労災の認定を受ける場合に、業務遂行性とそれから業務起因性というんですか、この二つの要件が必要だというように言われておりますけれども、こういう震災のときなんかは特に業務起因性については余りその要件を問うてない、緩和していると。むしろ、業務遂行中という部分だけを非常に大きくとらえて救済を図っていられる。九三年の北海道の南西沖地震でもそういう適用をされておりますし、また七四年の伊豆半島沖の地震でもそういう適用をされている。今度またそのような適用をされるということでございます。これは非常にありがたいことなんで、私としてはその方向性はいいと思うんです。
 しかし、労働省が先ごろ一月三十日に事務連絡第四号ということで、都道府県労働基準局労災主務課長あてで労働基準局補償課長が文書を出されておりますけれども、これをちょっと読んでみて非常に奇異に感じるんですね。
 というのは、「被災労働者が、作業方法、作業環境、事業場施設の状況等からみて危険環境下にあることにより被災したものと認められる場合には、業務上の災害として取り扱っている」と。それはいいんですけれども、その二ページ目に「今回の地震による被災者及び遺族から労災保険給付に係る相談等があった場合にはこ「業務災害あるいは通勤災害となるケースを挙げながら適切に説明し、地震災害は業務災害あるいは通勤災害とは認められないとの誤解を与えることのないようにするとともに、個々の事案の業務上外等の判断については、請求書が提出された後に行うものであることを併せて説明」しろと。
 とにかく相談に来られれば大丈夫ですよという、あやふやととれるような文章なんですね。そういう相談をしておきながら、後でその請求書がきっちり出されてからもう一遍判断しましょうという趣旨にとれるんです。これはいかにも労働省自身が非常に自信のない態度と、こう見てもいいんじゃないかなと思うんです。本来ならば、きっちりこれに適用されるのならば、すかっとした基準というのがあっていいはずなんです。それがいまだにそういう基準がないだけに非常に自信がなくしかし最後には救済しますよというような感じを受けるということが一つ。
 いま一つは、大きな災害であるならば、これはこのような形で救済するけれども、小さい災害になった場合にはそういったものは排除していこうという態度が何か見え隠れしている、これはそう考えるのもちょっとうがった見方かもしれませんけれども、しかしそういうふうに考えられないことはないんですね。
 それは何かといえば、そういう業務起因性ということについての厳格な要件、これがあるんじゃないかなという気がするんですけれども、そこら辺の明確な基準というのは一体どういうことなんですか。一般の人にわかるような基準というもののつくり方ですね。
 午前中の議論にありました過労死、こういったものについてのそういう明確な基準があればだんだんわかりやすくはなるんですけれども、こういう震災の場合に大きい震災は適用するけれども小さい震災は知りませんよと言われるのか、その危険な場所というのが一体どういう概念に入ってくるのか。私、そこら辺が法律をやった者としても非常に難しい、これは一般の人ならなおわからないだろう、こう思っているんです。
 行政がそのときそのときの場面によって基準が動くということであっては平等の原則に反しますし、これは法律としての適用から非常にまずくなってくる、法律の適用である以上はきちっとした明確な基準がないといけない、こういう気持ちでおるんですが、そのあたりの関連性をいま一度明確にお答えいただけますか。
#116
○政府委員(廣見和夫君) 労災の申請がございましたときどのように判断していくか、これは今先生御指摘いただきましたとおり、法律に基づいてきちっと動かない判断基準をもって対応すべきである、これは御指摘のとおりだと思います。私どもそういう考え方で対応してきているつもりでございますが、今先生御指摘になられました点を含めて若干御説明させていただきます。
 まず、大きな地震等の場合に適用されて小さな災害についてはそこはまた判断が違うんじゃなかろうかという御疑問の点でございますが、これは私ども決してそういうふうに考えているわけではございませんでして、むしろ労災の趣旨にのっとって考えますと、私どもは、業務を遂行しているという遂行性が必要であるということと、もう一つはやはり業務が原因となってそういう災害が起こった、いわゆる業務起因性、これを必要とするだろう、この二つをベースにいたしまして考えております。
 そのとき問題になりますのは、逆に非常に大きな地震のような場合は業務に起因している、要するに業務が原因でその人が例えば死亡とかけがをしたということよりも、大変大きな地震ですから、これは不可抗力によって業務していようがしていない人であろうがどなたでも全部それに巻き込まれる、こういう可能性は考え方としてございますので、そういう場合は、考え方とすれば大きな震災の場合は不可抗力であるから事業主の責任を追及するのは無理だろう、したがって、むしろ労災保険の適用ができないのではなかろうか、給付の適用ができないのではなかろうか、こういう考え方が一般的にございます。
 ただ、そういうふうに考えますと、現実にはいろんな危険な目に遣われて実際に災害に遭ったような人たちの救済ができなくなるということもございますので、今先生のお話のありました伊豆沖地震の例等も考えまして、これはやはりそういったような具体的な危険性があった、こういうふうに見られる場合は当然給付の対象にするんだ、こういうふうに考えているわけでございます。
 むしろ、小さな災害等の場合は当然それはいつも考えていることでございますが、逆に大きな災害になった場合には今申し上げたような不可抗力という点から労災給付の適用対象にならないという誤解が生ずるおそれがある。また、一般的に私ども理論的にはそういう考え方もあり得るということを今までも申してきたりしておりますし、そう書いた解説のものもございますので、国民の皆様にそういうふうに今回の地震は大きかった、そうすると保険の給付の対象にならないのかなという心配を与える、そういうことのないように、むしろこれは地震であっても一律にだめだということではもちろんなく、個々の状況を判断させていただいて給付をしていくんだ、こういう考え方に基づいてやっておるわけでございます。
 先生の御指摘のもう一つは、しかし、窓口で今のような私どもの課長内簡等を出して指示をしているとわかりにくくないだろうかという御懸念もあろうかと思います。これにつきましては、私ども、やはり一つ一つ大切な事案でございますのできちっとした判断もする必要があるということから、申請書を出していただき、それを十分見た上で結論を出したい、こういうふうに考えております。
 ただ、今回のような場合は特に迅速に対応する必要があるというようなこととか、あるいは申請書につきましても、いろんな証明等について必ずしも事業主の方が十分証明できないような場合等々がいろいろあろうかと思います。そういうことにつきましては、十分現状に即した弾力的な申請書の対応、それと迅速な対応、これに心がける必要があるだろう、そういうことで窓口を指導してまいりたい、このように思っているところでございます。
#117
○古川太三郎君 大きな災害とか小さな災害とかいう意味ではないんですけれども、新聞報道では、被害が極めて大きな災害については従来から弾力的に考慮するという方針がとられているというようなことの書き方もされているわけなんです。
 ということになると、被災者の方ではこれは一体どういうことかという気持ちになろうかと思うので、その点、業務起因性があるいは業務遂行中かどちらかがあれば認定できるんだというような、そういう二つの要件が重なり合わなきゃだめだというのじゃなくて、どちらか一つでもいいんだというところまで範囲を広げることはできないものなんですか。そうすれば、割とスムーズに基準が明確になってくるんですけれども。
#118
○政府委員(廣見和夫君) 御指摘のように、業務遂行性あるいは業務起因性だけで判断するといたしますと、それだけわかりやすい形になるということは御指摘のとおりだろうと思います。
 しかし、先ほど来申し上げておりますように、労災保険は労働基準法の使用者の災害補償責任をベースにしているという点がございます。また、保険の運営がなされるベースとなる保険料もすべて事業主負担ということもございます。そういったようなことで、事業主の責任を本来個々に基準法は追及しておるわけでございますが、これを保険という仕組みでもって一括して対応するという形が労災保険制度でございます。
 そういう関係にございますので、業務を遂行しているときに起こった事故ということとあわせまして、その事故が業務が原因になって起こった、すなわちそれが事業主の責任の根拠になる、こういう考え方でございますので、やはりこれは業務遂行性と業務起因性を判断の基準に置かざるを得ない、このように私ども考えております。
 もっとも、そういう二つを置きながらできるだけわかりやすく、またできるだけ明確、斉一の基準でもって判断していくべきこと、これは当然だと思いますので、そういう形で私どもは今後とも努力を続けてまいりたい、このように思っております。
#119
○古川太三郎君 ということになれば、この震災の場合は、これは二つとも要件というのは難しいですね。業務遂行中という部分はよくわかりますけれども、それならばわかるんですけれども、業務の起因性ということについては、こういう天災はなかなかわかりづらい。
 労災保険法の解釈総覧というのにこういう事案があるんですが、「地震に際して発生した災害の業務上外について」という部分で、作業場でブロック塀が倒れたための災害、その場合にその作業場の周りにブロック塀が立っていた、これが地震で倒れた、そのブロック塀は鉄筋が入っていなかったから危険な状態があったんだというように解釈されて認定されているんですけれども、じゃ鉄筋が入っていた場合には、それでしかも壊れた場合は一体危険の認定というのはどう認定されるのか、これは非常に難しいあいまいさがあるんですね。被災者の方では、そんなことは余り関係ないんです。
 そういう意味から非常に不平等に適用される場合があり得ると思うんですが、そのあたりの調整をどのようにされていくのか、今のこういう震災とか、ああいう場合には今までの解釈よりどこまで踏み込んだ解釈の基準を持っておられるのか、そのことをお聞きしたいと思います。
#120
○政府委員(廣見和夫君) 今具体的な事例でお話がございました。
 確かに、ブロック塀が倒れたような場合、鉄筋がなかったケースではそういうふうに弱かったからと、こういう判断を示した事例があるということで、たまたまそういう事例を引いて解説しているものがあるわけでございます。ただ、今回の場合、確かに危険性の範囲というものについての判断が難しい点がございます。
 しかし、私ども、現実に業務を遂行しておられる途中に災害に遭った、例えば作業場が壊れた、あるいはトラックの運転手の方が走行中高速道路に地震によって崩壊があり、それによって災難に遭った、あるいは出張中に地震による電車の脱線というようなこと等でけがをされた等々、いろいろな事例がございます。
 そういうふうなものにつきましては、現実にやはり災害が起こっているということと、これだけの震災でございますので、何らかの作業を行っておられた、何らかの業務を行っておられた、そういうところに震災によるやはり現実の危険性があったんだと、そういう危険性が現実化しているわけでございますので、そういったような解釈をとっていくべきだろう、このように考えております。
 そういう形で地方にも指導し、具体的に業務遂行中の場合、危険性をそういう形で認定していきたい、このように考えておるわけでございます。
#121
○古川太三郎君 このことについて余りやっていると時間がなくなりますから、要求としては行政、その認定官によって不公平にならないように、基準というものはしっかりとつくっていくという方向で努力をお願いしたいという要望をいたしておきます。
 私、福井県なものですから原子力発電が相当多いんですが、日本から見ればお隣の韓国は地震が少ないところであるんですけれども、韓国でさえと言っては語弊がありますけれども、そういう地震の少ないところでさえ原子力発電の安全性についての調査をするということを韓国の新聞は出しているんですね。事実、やる方向で日米の専門員も呼んで研究しようという努力までしておられる。
 日本はまだそこまで動いていないような気がするので、私は、その安全性という科学的な問題じゃなくて、むしろ、そういう危険な作業をやらざるを得ない労働者の身になって、労働省の考え方として作業手順とかあるいは危機管理のマニュアルとか、そういったものがあるのかどうか。また、あるとすれば、今度のああいう地震は絶対起こらないということはあり得ないことがわかりましたから、その見直しの必要性もあるのではないかな、こういう気がするのですが、労働省の見解をお聞きしたいと思います。
#122
○政府委員(廣見和夫君) 原子力発電施設そのものにつきましては、今先生もお話しのとおり、施設そのものは設計あるいは計画段階から地震の場合等を想定いたしまして、科学技術庁あるいは通産省等所管の省庁で十分審査をされながら、指導されながら対応されているというふうに存じておりますが、今お尋ねのそういうところで働く労働者の人たちの安全の問題というところでございます。
 この点につきましては、確かに放射性物質の漏えいなんかが緊急時において起こる危険性がある、こういうこともございますので、緊急時の作業手順につきましては施設ごとにあらかじめ定めておくように、私ども、原子力発電の設置者等に対しまして従来から指導を行ってきておるところでございます。
 現実、今回のような事態に対応いたしまして、これはそれぞれの施設ごとにかなり内容も違った設計になっている、違った状況にもあるということでもございますので、施設そのものの安全性を所管しております省庁と十分連絡をとりながら、労働者の健康障害の防止という観点から必要な指導を行ってまいりたい、このように思っております。
#123
○古川太三郎君 次に行きます。
 午前中の質問の中に、今日本の経済は午前中か午後かという話もございました。この雇用調整助成金というものの見方を考えれば、これは今までのように右肩上がりの経済がまだ続くんだという前提でなければなかなか考えられないものだと思うんです。
 そういう意味から、午前中を前提でなければ雇用調整助成金というのはあり得ない。あるいはまた、経済構造を本当に変えることによってまた午前中に、その明くる日でも午前中になるんならばこれはまたいいんでしょうけれども、経済構造を今変えなきゃならぬという時期に来て雇用調整助成金でつないでいくということは、むしろ経済の転換をおくらすことになるんではないかなという議論もあろうと思うんです。
 そういう中で、雇用調整助成金をどう位置づけて考えていられるのか、お聞かせいただければありがたいと思います。
#124
○政府委員(征矢紀臣君) 先生の御質問はごもっともでございますが、雇用調整助成金というのは、いわば景気の好不況から必ず経済に波があるわけでございまして短期的に三年ぐらいの範囲で波がある、その不況期における雇用維持のためのつなぎの対策としてとっている制度でございます。したがいまして、構造問題を経済全体が抱えまして、それが非常に重要課題になってきておるとすれば、そういう時期にこの雇用調整助成金だけで対処することはこれは不可能でございますし、それで対処するのは難しいということになろうかと思います。
 したがいまして、最近非常に企業の海外移転等に伴いまして空洞化が進んでいくというような心配もございます。そういう、いわゆる中期的な、あるいはやや長期間にわたります構造問題に対処するための雇用対策といたしましては、また別の視点から対応を考えなければならない、こういうことでございまして、これにつきましては好むと好まざるとにかかわらず、労働者の方々が企業あるいは産業間で移動せざるを得なくなる、そういう事態がございます。
 そういう事態に対処するためにできるだけ失業は経ない形での移動を支援する、そういう意味での支援策、こういうものが必要であろうということで、これにつきましては特定不況業種労働者の雇用安定法という法律が昭和五十八年に議員立法で制定されております。これは時限措置で延長してまいったわけでございますが、本年六月いっぱいでこの期限が来るものでございますが、これについて今申し上げましたような考え方で内容を強化いたしまして、今国会に関係法案を提案いたしているところでございまして、そういうもので対処していく必要があるというように考えておるところでございます。
#125
○古川太三郎君 雇用調整助成金の制度そのものを私否定するつもりはございませんけれども、それに寄りかかっているということは経済の構造の転換を見失う可能性もあるし、それを少々延ばしても後で丸々やられてしまうという可能性もあると思いますので、ぜひともそのことについての考え方はやっぱりしっかりしておいてもらわないと困ると思うのです。
 経済というのは、確かに午前中大臣がおっしゃったように、日本の勤労者の質がいいとかそういう話もあるかもしれませんけれども、今までそういう勤労者の質というのは大量生産をするための質がよかったんで、大量生産ならば今もう安いところでコンピューターで全部できるようになっているんですね。だから、労働者の能力というのが問われないような工場、組織で運営されて安い製品ができてくるという時代ですから、不況産業というものはどうしても海外に譲っていかざるを得ない場合もあろうかと思いますので、その辺の選別もしっかりとしていただきたいなと思うんです。
 最後に大臣にお聞きしたいんですけれども、契約スチュワーデスの問題がございまして、これは運輸大臣があれが何で運輸省の問題かなと思うぐらいに随分いろいろと出て、私はあれは労働省の問題だぐらいに思っておったんですけれども、そういう意味から、ああいう形での解決がされていきますと、せっかく今まで血を流して労働者がその権利を獲得してきたものを一挙に失うという部分も、非常にもろいものが何か出てきたような感じがするんです。
 それで、いろいろの労働法上の問題もたくさんあると思うんです。そういった中でのあの契約スチュワーデスの問題解決は労働大臣としてはどのようにお考えになっているか、そのことをお聞きして、時間も来ましたので終わります。
#126
○国務大臣(浜本万三君) 最初に、日航のスチュワーデス問題が起きましたときには内容がよくわからなかったものですから、私が経験した立場からいえば、若年定年制の疑いがあるということで問題提起を労働省としてはさせてもらったわけでございます。しかし、その後はっきりいたしました。
 それで、今先と言われた御質問に対して一般的な答えをしますと、次のように思っております。
 最近、パートタイム労働者、それから派遣労働、契約社員といった多様な雇用形態で働く労働者が増加する傾向にございます、企業がその企業活動を維持するためにどのような労働者を採用するかは、基本的には当該企業が労使の話し合いのもと自主的に判断する問題であるというふうに考えております。また、賃金等労働条件の設定につきましても、労使の自主的な話し合いにより決定されるべき問題であると考えておるわけでございます。
 したがって、労働行政といたしましては、すべての労働者がそれぞれの意欲と能力を十分発揮できるような環境整備に努めてまいりたいというのが私の考え方でございます。
#127
○吉川春子君 今回の地震に伴う大災害の問題について、雇用問題を中心に伺いたいと思います。
 地震後、もう一月近く経過することによって問題が発展してきておりまして、特に今後は労働行政の果たす役割が非常に大きくなっていくと思いますし、全力を挙げてこの問題に取り組んでいっていただきたいと思うわけです。
 まず、雇用調整助成金の問題について伺いますが、報道によりますと、ダイエーは神戸市内十店の短期契約労働者六百三十人に退職届を出すように求めているようです。そして、これはもう事実上の解雇だというふうにも報じられております。
 労働大臣にお伺いしたいんですが、労働省は、企業が災害に便乗してリストラを推進することのないように注意を促し、防止対策をとっていただきたいと思いますが、雇用調整助成金を支給されている企業には特に解雇をしないように、そういう指導を強力に行う必要があるのではないでしょうか。一方で雇調金をもらいながら、もう一方で解雇をするなどということは到底許されないことです。今度の震災について発生したこの問題について、大臣、どのような見解をお持ちなのか、まずお伺いします。
#128
○国務大臣(浜本万三君) 今回の震災に際しまして、つい先日、六日の午前中、事業団体の責任者の方、それから六日の六時からは関西の財界の代表者の方にお会いをいたしまして、私どもの方としましては、内定取り消しをしないように、また雇用調整助成金の特例措置も考えます、それから失業保険の特例措置も考えますので、ぜひ雇用の維持に協力をしてください、こういうお願いをいたしております。
 したがって、そういう趣旨でこれまでも経営者の方にお願いをしましたし、これからもそういう立場で雇用の維持を確保するように努力をさせていただきたいと思っております。
#129
○政府委員(征矢紀臣君) ただいまお話ございましたように、一方で雇用調整助成金の支給を受けていながら他方で解雇をするということは、これは失業予防、雇用維持という観点からの雇用調整助成金の本来の趣旨に反しますので、やはり雇用調整助成金の支給を受けるような企業につきましては特段の失業予防、雇用維持についての指導をあわせてやってまいりたいというふうに考えております。
#130
○吉川春子君 それで、今回、雇用調整助成金のいろいろややこしい手続があって、私も何遍もこの委員会で質問したんですけれども、いろいろ特例的な対応もされているようですが、そのことはそれといたしまして、実際に雇調金、お金が企業にいつ届くのか、最短距離で何日間で届くのかということをお伺いします。
 一月二十三日に、震災時にこういう措置を、適用をとるという決定を行って、二月二十三日から申請できるようになっているんですけれども、具体的に言うと、この雇罰金が企業のもとに届くのは二月二十八日ですか、三月一日ですか、それとも三月十日になるんですか。可能性として一番早い時期はいっになるんですか。
#131
○政府委員(征矢紀臣君) 雇用調整助成金につきましては、御承知のとおり、これは事前に計画届を出しまして、その計画に基づいて休業を実施して、その実績に基づいて支給する制度でございます。
 したがいまして、手続の簡素化等によりまして休業実施期間を最短一カ月間ということで処理いたしますので、ただいま御指摘ございましたように、事前に計画届を出しまして、一月二十三日から二月二十三日までの一カ月間休業を実施いたしたとしますと、その後、その事業主の方から支給申請をしていただくということでございますので、これにつきましてはその支給申請から一カ月以内、いろんな審査をしまして一カ月以内に支給するとしますと、三月の中、下旬ぐらいということになろうかと思います。
#132
○吉川春子君 三月の中旬ぐらいと今おっしゃいましたか。
#133
○政府委員(征矢紀臣君) 中旬から下旬ということでございます。
#134
○吉川春子君 中、下旬ですね。
 そして、同時に今雇調金の申し込みが殺到しているわけです。しかも、人数が物すごく少ない職員の数でやっているという実際上のことからいうと、そうすると支給が四月にずれ込んじゃうということもあるんですね。簡単でいいですけれども。
#135
○政府委員(征矢紀臣君) 可能性としては後ろにずれ込む可能性もございます。
 そこで、当面の体制としましては、特に兵庫県内におきまして被災の大きな地域の安定所、これによその公共職業安定所から応援体制を組みまして特別相談窓口で対処するということでやっておりますが、御指摘のように相当の業務量がございます。これにつきましては、兵庫県からの要請に基づきまして、近隣からの応援体制も組みまして、特に申請の多い神戸あるいは灘の公共職業安定所管内につきまして神戸公共職業安定所の旧庁舎に特別窓口をつくりまして、それで応援体制でこの処理をするというようなことも検討しているところでございます。
#136
○吉川春子君 その問題は後で聞こうと思っていたんですが、わかりました。旧庁舎に窓口を設けてやる、それをぜひやってください。
 それで、私もう一つ聞きたいのは、二月二十三日以降申請してさらに一カ月置く、この一カ月の期間をぜひ短縮していただきたいということなんです。そうじゃないと、最低二カ月置いて、さらにその後になりますでしょう。そうするとその前に、雇調金が届かないうちに企業が倒産しちゃうか、払えないから失業給付にいくか、こういう流れになっちゃって、雇調金が生きないんですよ。
 大臣に伺いますけれども、この期間を短縮すると同時に、給料を払う原資が必要なんです。雇調金をもらうためには給料を払ってなきゃなりませんでしょう。しかし、これを払うお金がないわけなんです。だから、雇調金が来れば、五分の四なり四分の三なり来るんですけれども、その間の、中小企業でいうとつなぎ融資みたいな措置も必要だと思うんです。だから、期間の短縮とつなぎ融資、もう一歩踏み込んで、この雇調金の制度が有効に機能できるような制度に、大臣、ここは政治判断で決断していただけないでしょうか。
#137
○国務大臣(浜本万三君) 非常に積極的なお話なんですが、この間現地に行きまして、現地の担当者の方がお話しされるのは、できるだけ早く事務の簡素化をして手続を急ぎますが、現地だけではとてもその要員が不足をしますから、ベテランの人にぜひ応援してもらうようにしてください、こういう話でございましたので、本省からも付近の安定機関からも応援を出しまして、できるだけ手続を急いで、そして早く支給できるような条件をつくっていただくように今一生懸命努力しておる次第でございます。
 早くというお気持ちはよくわかりますので、そういうふうに事務の簡素化とそれから応援体制を強化いたしまして、できるだけ早く助成金が支給できるようにさせてもらいたいと思うわけです。
 それからなお、つなぎ融資という話がございますが、その点まではまだ考えておりませんので、お許しをいただきたいと思います。
#138
○政府委員(征矢紀臣君) 休業実施期間について、ただいまの例でいきますと一月二十三日から二月二十三日までの一カ月間、これをさらに短縮できないかという御指摘でございます。
 これは、考え方としてはあり得るわけでございますが、事務的に申しますと、御承知のように、一般的に常用労働者は月給制でございますから、それをさらに分割して計算するということになりますと、さらにこれまた膨大な事務量になりまして複雑になる、こういうようなこともございまして、最低限の単位として一カ月間の休業実施期間を見た上でそれに対する助成をする、こういう考え方で対処しているところでございます。
#139
○吉川春子君 二月二十三日からさらに一カ月置かなきゃならない、この期間を短縮する措置をとってほしいと思うんですけれども、考え方としてはあり得ると今局長言われました。ここで結論は出ないかもしれませんが、今後この地域の雇用問題というのは長引くと思うんです。だから、そういうことも含めて検討していただくように、そして賃金原資の融資制度の点についても強くきょうは要望をしておきます。
 それでもう一つ、雇用保険の特例措置による失業給付のみなし措置が今行われておりますね。激甚災害指定に伴ってそういう措置が行われているんですけれども、要するに、雇調金の対象にならないというふうに早く結論が出ますと、今度は労働者がこっちの方へ大量に回ってくるわけです。私も神戸の職安に行って聞いたら、一日に四百人、そういう数でこっちへ流れ込んできたということも聞いておのまして、そうしますと、今度は本当の失業者になっちゃうおそれも出てくるわけです。だから、私はこのみなし措置をされている人々が失業者になってしまわないようにすることが非常に重要だと思います。
 また、一部にはこの措置に便乗してそのまま解雇してしまう例もあるというふうにも聞いておりますので、そういうことを防ぐために、事業再建のために、例えば月に一遍は労働者を集めて事業所で話し合うとか、そういう場を持つような指導もしながら、本当の失業者にしてしまわないような行政指導というのが今求められているんじゃないかと思うんですけれども、その点についてはいかがお考えでしょうか。そういう指導をしていただけないでしょうか。
#140
○政府委員(征矢紀臣君) 失業給付の特例支給の制度につきましては、これは二つの道があるわけでございまして、休業を失業とみなして特例制度で失業給付を支給する制度と、それから一たん解雇はしますが、再雇用予約をいたしまして、その間特例的に失業給付をする制度、この二つの制度を実施しているわけでございます。
 失業予防という観点から、今先生御指摘のように、対象労働者の方を集めて、月に一遍あるいはそういう形での何らかの対応をすることによって失業予防の趣旨に沿うような運用をすべきである、こういう御指摘でございますが、当面のところは、これも御存じのように、なかなか大量な処理で相談に追われている現状なものですから……
#141
○吉川春子君 いえいえ、国がじゃないんですよ。会社にやらせるということですよ。
#142
○政府委員(征矢紀臣君) 私どもでは、この失業給付の特例支給をする際にその辺の相談はできるかと思いますが、会社に対する指導といたしましては、そういう趣旨も踏まえて、この制度の趣旨についてはよく周知徹底をしてまいりたいというふうに思います。
#143
○国務大臣(浜本万三君) 雇用維持を図っていくためには、今先生が言われたことは大変必要だと思いますので、今後機会がありますれば経営団体の代表者の方にもお目にかかりまして、そういう措置で積極的な雇用維持を図っていただくようにお願いをしたいと思います。
#144
○吉川春子君 それで、今言ったような措置から漏れる、対象にならない労働者というのがかなり多数いるんです。その問題について次に伺いたいと思います。
 雇用調整助成金の対象になるのは常用労働者だけで、パート、臨時の労働者、家内労働者、これは対象にならないですね。ちょっと確認だけ。
#145
○政府委員(征矢紀臣君) 一定の判断基準はございますが、常用の労働者が対象でございます。名称のいかんは問いません。
#146
○吉川春子君 それで、パートの労働者は、先ほどのダイエーの例でも明らかなように、ダイエーという意味じゃないんですけれども、簡単に解雇されたり、雇用保険にも入っていない人が圧倒的に多いし、今回も電話相談などもされているのを聞きますと大変な目に遭っているようです。こういう人々に対する雇用問題について何か手だてを考えておられるんでしょうか。何か講じなきゃならないんじゃないでしょうか。
#147
○政府委員(征矢紀臣君) ただいま御指摘のございましたダイエーのケースにつきましては、私どもその実態について把握いたしまして、どういう対処が可能かどうか検討いたしたい、と思います。
 パートタイム労働者につきましても、これは繰り返しになりますけれども、一週間の労働時間が二十時間以上で常時雇用されている形であれば雇用保険制度の対象になるわけでございます。それ以外の方につきましては対象にならないということになりますが、そういう方々につきましては一般的な公共職業安定所のネットワークを活用いたしました就職の促進あるいは広域的な職業紹介、そんな対応、あるいは職業転換のための訓練が必要であれば公共職業訓練施設等での職業訓練を実施する、そういうことによる就職促進を図ってまいりたい、このように思っております。
#148
○吉川春子君 大体どういう対応の仕方かというのは午前中からもう何遍も伺いましたけれども、しかし職業訓練と簡単におっしゃいますけれども、今度震災に遭われた方々が転職するに当たって、広域というのも難しいし、じゃ仮に職業訓練を一斉に御希望になったら受け入れる体制なんかないじゃないですか。何万人もの人を職業訓練して、新たな職場に適用できるように送り出せるなんという体制はないわけですよ、そうですよね。それを、ただこういうことをやりますというだけでおっしゃっているのはちょっと私はむなしいと思うんです。
 それで、私、先ほどどなたかも提案されましたけれども、やはり公的就労の場というか、そういうものの必要性というのはとみに高まっていると思うんです。
 それで、一月二十六日に寺前議員と私、浜本大臣に緊急に申し入れをいたしましたけれども、就労の場の確保ということを申し入れましたけれども、そのうち、被災者の一定の数の方については公共事業に吸収するという問題も午前中以来答弁をいただいておりますけれども、同時に自治体を中心にいろいろな公的就労の場をつくり出していくということがどうしても避けて通れないと思うんです。
 これまでも公共事業において失業者の吸収制度を幾つか国はやっているわけですね。例えば、地域雇用開発等促進法に基づく特定雇用開発促進地域離職者、高齢者、雇用安定法に基づく特定地域の中高齢失業者、沖縄振興開発特別措置法に基づく沖縄県の失業者など、今回、まさに政府自身が失業者を吸収する制度をつくる一つの大きな事件が起こったと思うんです。
 それで、過去には幾つかやってきたけれども今回は行えないという理由もないと思いますし、そういたしませんと、広域職業紹介ということで、もし仮にそういう形にすると、神戸からみんな出ていくわけなんですよ。神戸の復興、復興した後の神戸を支える労働者が空洞化によって少なくなるという危険性があります。何としても今の人たちは地元で働きたいと思っているし、地元に定着させる必要があるんで、こういう事業をやっぱり考えていくというのが今後必要なんじゃないでしょうか。いかがですか。
#149
○国務大臣(浜本万三君) かつての失対事業のようなことは考えておりませんので、したがって、これから復興に当たって労働需要が増大するであろうから、その場合にはというので、いわゆる被災者の優先雇用制度というものを特別立法でぜひ対応していきたいという考え方を持っておるわけでございます。
 言われるように、被災者の方も他の地域に転出されるということについては、たくさんの人がそう思っていらっしゃらないこともよく承知をしております。労働需要のあるであろう公共事業の事業主と、それを受注される企業で、この制度にのっとりまして被災者の方を優先雇用していただければ、そこで自分の地域の復興のために頑張ってひとつ働いていこう、こういうお気持ちも出るであろうし、両面相まった政策ではないかというふうに思いまして、これをぜひ実現し、地元の被災者の方々の雇用確保に努めてまいりたいと思っておるわけです。
#150
○吉川春子君 私は従来どおりの失対事業をやるべきだという考えでもないんですね。そういうことも必要だと思うんですけれども、特に今おっしゃったのは公共事業、土木事業ですよね、言ってみれば。女性とかホワイトカラーとか、そういう人たちにはちょっとほど遠いような仕事が中心にならざるを得ないと思うんです。ゼネコンかその下請かわかりませんけれども、そういうところでいろいろ公共事業をやって、そこに吸収していくというのは一つの方法だし、それはぜひやっていただきたいと思うんです。
 例えば、介護がすごく必要ですよね。そして、今はボランティアの方々が全国から集まって、率先してお年寄りの介護を手の足りないところをやっているし、ボランティアの方々があらゆる分野で働いておられますけれども、いろいろな復興に伴う必要な仕事というのは出てくると思うんです。
 だから、そういう土木事業だけに吸収するというのはもちろん無理なので、新たな方向としてホワイトカラーや福祉や女性や、そういう人たちも吸収できるような何らかの措置を考えていかないと、土木事業に携わる人は地元にいても、そういう人たちは今度よそへ出ていっちゃうということにもなりかねませんので、ここでやるとはっきりお答えになれないことはわかっていますけれども、ぜひ検討課題としていただけないでしょうか。
#151
○政府委員(征矢紀臣君) なかなか難しい御質問でございますが、ただいま例にございました一般的な女性の方々あるいはホワイトカラーの方々、これは雇用保険制度の適用があるわけでございますから、そういう方々については基本的には生活の安定を雇用保険の失業給付で図っていただきながら、さらに当該地域におきます復興、これは公共事業もありましょうし、あるいは民間でいろんな形での復旧もありましょう。そういう形で、復旧する中での雇用に組み込まれていくような形が最も望ましいわけでございます。
 あわせまして、そういう形にならないようなケースにつきましてどういうふうにするかという点につきましては、ただいま大臣から申し上げましたように、公共事業におきます一定割合での被災者についての吸収率制度を設けまして、これの枠組みの中で考えていくような雇用のあり方も、これは法的制度等が必要でございますが、考えるというようなことでございます。
 それから、介護の問題について、おっしゃるような方向も一つの方向かと思いますが、ただそれのあり方につきまして私どもの方で対処するというのはなかなか困難でございまして、やはり介護のあり方についてそれぞれの所管省庁あるいは地方自治体等が検討し、そういう中で雇用の場をつくっていただく、そういう課題であろうというふうに考えております。
#152
○吉川春子君 局長じゃなくて大臣に、政治的な立場で。今までの枠組みの中だとそういう答弁なんですよ。だから、大臣に答弁していただきたいんですけれども、やっぱり新しいところに踏み出すというのが政治家の仕事ですよね。だから、そういうことを含めて、今私の言ったようなことをぜひ大臣として検討していただきたいんです。
#153
○国務大臣(浜本万三君) 最近の労働需要はどういうところにあるかという話を伺ったんですが、弁当屋さんの仕出しにたくさんの人手が必要であるとか、あるいは今建物を壊していますが、そのためのオペレーターといいましょうか、機械を使う人が大変必要だとかいうように、復旧のあるいは復興のそれぞれの時点において必要な労働力というものがあるというふうに思うんです。
 今、先生が言われましたように、あれだけの被災者がたくさんまだおられるわけでございますから、介護の問題も必要ではないかというお話でございます。そうかといって私の方がよろしゅうございますと言うわけにいきませんので、これは対策本部の閣僚会議等もございますので、雇用確保の面から、そういう面についても雇用を確保するように何か考えてほしいということをお話しをしてみたいというふうに思います。
 これは主として自治省とそれから厚生省の方々が担当していただいておるものですから、予算の問題もあるでしょうし、いろんな面を考えまして御検討いただくように私の方からも提起をさせてもらいたいと思います。
#154
○吉川春子君 ぜひお願いいたします。
 それで、障害者の雇用維持の問題について先ほど御答弁いただきましたが、これは大臣にのみ一言、障害者の雇用維持のためにも労働省は全力を尽くす、こう言っていただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。
#155
○国務大臣(浜本万三君) 今度の震災の対策本部の方はお年寄りと障害者の方の対策を最重点にいたしまして、今取り組んでおることは御承知のとおりでございます。
 お説の趣旨はよくわかりますので、そのつもりでこれから対応してまいりたいと思います。
#156
○吉川春子君 広報の徹底の問題で最後に伺いたいと思うんですが、現地の職安に参りましたら、何か職安に行くとお金をくれるそうだといううわさが広がって、八百人の方が押しかけて、長蛇の列ができて対応に追われたということだそうです。要するに、どういう制度があり、どういう措置を今政府がとっていて、だれが対象になるのかということが十分に住民に知らされていないわけなんです。それで、私は広報を充実させていただきたいと思うんです。
 先ほどのパート労働者の一週間二十時間以上働く人については例えばさかのぼって適用して雇用保険が出ますよとか、これ知らない方がいっぱいいらっしゃると思うんです。それから、障害者の雇用の維持についてもきちっとやっていますよとか、私は障害者のセンターにも行ってきたんですけれども、場所はここですよとか、ちょっと遠いですけれども、あそこに行くには。そういう問題とか、さまざま今政府がやっていると。
 それから、雇調金の問題についてもなかなか複雑で、これは大きな企業とか、人手があり、ノウハウのあるところはできるんですけれども、中小零細企業はこの手続だけでうんざりしちゃって、大体今まであきらめてきたんですね。今回、さらにいろいろ改善はされたようですけれども、雇調金を受け取るにはどういうことが必要なのか、だれが受け取れるのかということも事業主自体が十分にわかっておられないと思うんです。そういう内容について、今広報の徹底ということがすごく求められていると思うんです。
 それで、その問題について、政府は広報予算を物すごくたくさん取っているんですね。労働省独自の広報予算というのもあるし、総理府の広報予算、前に汚職もありましたけれども、物すごいのを取っているんです。ちょっと額はわからないんですけれども、ことしはもう百億近いんじゃないでしょうか。
 その広報予算を活用して、NHKであるとか民放であるとか、新聞であるとか週刊誌であるとか、あらゆるメディアを活用して、そしてこういう制度をやっています、こういうことですということをきめ細かく震災地の皆さんにわかるような広報活動が求められていると思うんです。そして、この間の日曜日、大臣もNHKの討論会に出ておられまして、制度を説明されていましたよね。説明すると、NHKに電話がかかって、どうなんだと、知りたいという、放送中から電話がかかると司会者が言っておりました。
 パネルを利用したり、大臣の一問一答とか、いろんな形を使いながら、親切な広報活動を労働行政についてもやっていただきたいと思いますが、その点について大臣、いかがでしょうか。
#157
○国務大臣(浜本万三君) 労働省の広報の手段といたしましては、現在、リーフレットを十六万部、その程度つくりまして、そして配布をいたしておるわけです。それから、避難所に同じようなものを掲示させていただきまして、皆さんに周知徹底をさせていただくという措置もとっております。また、県庁の中に相談窓口を設置いたしまして、そこにもやはり掲示したり、説明させていただくということをやっておるわけでございます。
 それから、マスコミ対策といたしましては、私はよく官房長以下に申しておるんですが、毎日労働省はこういうことをやっている、こういう内容をやっておるんだということを説明させていただいて、できるだけ新聞、テレビ等に載せていただいて、我々のやっておる施策を周知徹底するように今指示をいたしておるところでございます。
 ですから、今までも相当はやっておるのでございますが、十分とは申せませんので、今先生から指摘されましたようなことも含めまして、今後の宣伝活動についてはさらに検討し、よく知っていただくような措置をとってまいりたいと思います。
#158
○吉川春子君 最後に要望しておきます。
 職員の方々が過労死になるんじゃないかと思うほど事務量がふえて、大体ことしから職安というのは事務量がふえて、人手もささやかながらふえたぐらいなんですけれども、ともかくここでパニック状態と思われるような事務量です。そこで懸命に所長以下頑張っておられました。ですから、他府県から応援とかいろいろあるんですけれども、そういうことも含めて職員の定数もふやすということも含めてやっていただきたい。
 これは職員の過労死を防いだり、労働条件を守るということにももちろんつながりますけれども、より被災者の方々に親切な労働行政のサービスができるということが基本ですから、その点、最後に要望いたしますが、いかがでしょうか。それで終わります。
#159
○国務大臣(浜本万三君) お話しの筋はよくわかりますので、そのように努めてまいりたいと思います。
#160
○吉川春子君 終わります。
#161
○三石久江君 三石です。
 震災から一カ月近くになりますが、まず、本日までに兵庫県南部地震でお亡くなりになられました五千三百人を超える多くの方々の御冥福を心からお祈りし、またおけがをされた多くの方々にお見舞いを申し上げます。
 そこで、質問に入らせていただきますが、自分の家も焼けた、我が身一つだけ助かった、その上、職場が倒壊したり、焼けてしまって働き場所の無くなった方が数多くございます。各委員の方から、最後の方ですのでもうほとんどの質問が終わったのではないかなと思いますけれども、重ねての質問になると思いますけれども、御容赦いただき御答弁をお願いしたいと思います。
 これら災害を受けられた人々の解雇問題、雇用不安、失業中の生活の問題など、生きるための問題解決が急務だと思います。その方々の相談ができる場所としては職業安定所、ハローワークなどがあるわけですけれども、それらの対応についてお尋ねしていきたいと思います。
 まず、新聞などによりますと、銀行など金融機関では即、業務の繁忙を予想して京阪地区その他全国からそれぞれの専門家数十名を阪神地区に集めて態勢固めをしていると聞きました。震災発生以来いろいろの問題が起こっておりますが、政府とか自治体の情報がスムーズに流れないことが挙げられています。また、罹災証明書の発行に当たっては、寒空に何時間も立たせられ待たされたと、対応のまずさに対する不満も報道されております。
 労働省として、罹災者に対する窓口としては職業安定所、ハローワークのほか労働基準監督署などが対応に当たられることになっていると思いますが、ふだんならともかく、いわば非常事態において、一度に多数の方々に対して、またさまざまな問題に対し、相談に応じたりいろいろな認定手続などの広範な事務処理を行ったりするには人手不足であったり場所が狭いなどの問題があります。そのような報道もされているのですが、他府県の職業安定所とか労働基準局の応援がぜひ必要かと思います。現在どのような体制で当たっておられるのか、また準備されているのか、伺いたいと思います。
 なお、事業主にかかわらず、労働問題に関する救済措置、紛争調停にはかなり長期の対応が必要であると思うのです。一時的な応援ではなく、配置がえなどさまざまな方法をお考えになって腰を据えてやっていただくことが必要ではないかと思いますが、どのような計画が立てられているのか、お尋ねしたいと思います。
#162
○政府委員(伊藤庄平君) 先生御指摘のとおり、被災地の公共職業安定所、労働基準監督署は休日を返上いたしまして求職者あるいは事業主の方々の相談その他の業務に当たっております。私ども労働省といたしましても、それらに対して十分なてこ入れ、体制整備を図っていかなくてはいけないというふうに考えております。
 まず、雇用や失業給付の問題を扱います公共職業安定所、職業安定機関につきましては、現在本省から専門の担当官を派遣いたしまして、その担当官が離職者の発生状況、また復興関係の職業に関する需要の発生の動向等を把握いたしまして、他県の協力も得まして、広域的な職業紹介への対応とか、あるいはまだ内定していない新卒者の方もおられますので、そういった方々を対象にいたしました合同面接会等を企画立案いたしまして、さらにその担当官が他府県の協力を得てそれらを実施する体制を整える、こういうことをやっております。これはある程度長期間そこに滞在してそういった業務をやってもらう体制でございます。
 また、失業給付あるいは雇用調整助成金の支給業務等もこれから累積してまいりますので、そういったことをこなしていくために、これも兵庫県下はもとより、近県の職員を動員いたしましてそういう業務に当たらせているところでございます。
 また、労働基準監督署の方におきましても、被災地におきます復旧工事等での二次災害、これらの防止等を図る観点が必要でございますので、近隣の局から応援を得まして、安全パトロールによる指導体制、これらを組んでおりますし、また最近賃金不払い等の事案も相談がふえ始めておりますので、立てかえ払い事業等を集中的にこなすための近県からの応援、本省からの応援を組んでおります。
 いずれにいたしましても、今後ともそういった状況を十分見きわめながら、引き続き必要な応援体制を組む、こういうつもりで体制整備をやってまいりたいと思っております。
#163
○三石久江君 大いにやっていただきたいと思いますが、この問題は一カ月、二カ月という問題じゃないんですね。一年、二年、三年になるかもわからない。腰を据えてやっていただきたいと思います。
 次に、情報伝達などについてですけれども、罹災者にとって当初の混乱時には大変戸惑いが多く、苦情をどこへ言っていけば解決できるのかというようなことがわからなくて困っていたと聞いております。労働省あるいは自治体が決定した、あるいはしようとしている被災労働者に対する救済事業の情報をスムーズに提供することが必要です。これらの情報伝達の積極的な手段についてですが、周到な注意が払われているのでしょうか。
 私も現地に行ってまいりましたけれども、大変困っていたんですね。ハローワークヘ行かれたらと申しましたら、ハローワークって何ですかと聞かれたこともありました。また、職業安定所、労働基準局の場所がどこにあるのか、その出先機関がどこにあるのか、この問題はどこへ持っていけばいいのか、思い悩んでおりました。
 細かい情報の伝達、周知徹底をどのようにしているのかをお聞きしたいのです。場合によっては区役所、市町村役場、県庁など公的機関、あるいは臨時の相談窓口をつくったり、移動組織をつくって避難所を巡回してPRや相談に乗るなど、情報伝達を積極的に行うことがまだまだ必要であると思いますが、いかがでしょうか。
#164
○政府委員(伊藤庄平君) 先生御指摘のとおり、この職業の問題、被災者の方々にとっても非常に心配な点であろうかと思いますし、また労働省が講じております緊急の施策、失業給付あるいは雇用調整助成金にいたしましても、非常に労働者の雇用や生活に密接した緊急の問題でございますので、御指摘のとおり、その周知、PR、これは大変重要な問題だと私ども考えております。
 先ほど大臣からも申し上げましたように、この失業給付や雇用調整助成金に関しましては、十六万部のリーフレットを作成いたしましてその配布に当たるとか、あるいは現地の対策本部等とも連携をとってそういったことの周知に努めておるところでございます。さらに、県庁、労働基準局、各職業安定所や監督署に相談窓口を設けまして、また監督署の方はフリーダイヤルの電話番号を引いたりいたしましてその周知に努めているところでございます。当然、マスコミの方の協力も得なくちゃいかぬということで、現地または労働省におきましてもマスコミの方に呼びかける、そういった努力を日々重ねているところでございます。
 先生御指摘のように、まだまだ知らない方が多数おられるということでございますが、そのPRの効果等については私ども定かには判断しがたいものがございますが、現段階でこの特別の相談窓口に約二万三千件、求職者、事業主の方の相談が来ている、こういう状況でございます。
 今後も、先生御指摘のようなことも念頭に置いて、まだまだ知られていない向きに対しましては、私どもさらに努力して周知に努めてまいりたいと思っております。
#165
○三石久江君 現地に行きますとまだまだ本当に徹底していないんですね。やはり事細かく考えてやっていただきたいと思います。
 次に、失業保険、労災保険、雇用調整助成金などの給付あるいは未払い賃金の立てかえ払いなどについては厳正、公正でなければならないと思います。そのため、規定の手続、書類の整備が必要なわけでございますけれども、平時であれば完璧を期して行われていますが、しかし今回の災害に当たっては、これらの給付のための書類とか手続が不備のために給付金の支給がおくれることを心配しております。
 まず、迅速に被災者に渡ることを最優先して、氏名と住所、被災の事実が特定できれば最低の条件で申請を認定し、迅速に給付に応ずることが多数の被災者の立ち上がりを救うことになると信じますので、いかがでしょうか。
#166
○政府委員(征矢紀臣君) 失業給付の特例措置あるいは雇用調整助成金等につきまして、支給手続をできるだけ簡素化し、かつ迅速な対応を行っていくことが重要であるというふうに考えております。
 先生の御指摘されるほど簡素化しますと、これはまた後で問題が起こりますものですからそこまではまいりませんが、例えば書類の紛失等、賃金台帳がなくなったとか、そういうケースにつきましては、これは手続の簡素化により別途確認して迅速な対応を図るというようなこと、あるいは被災地域の雇用保険受給資格者について、本来手続を行うべき公共職業安定所以外の安定所においても、どこへ行きましても失業給付の手続が行えるようにすること、あるいは雇用調整助成金の支給につきまして、被災により事務処理が停滞している事業所のかわりに、被災地域外にあります本店、支店等においてその事業所に係る申請事務ができるようにすること等の措置を講じまして、できるだけ迅速に簡素化した手続で対処できるようにいたしております。
 いずれにいたしましても、事業主の方あるいは労働者の方々の事情をよく聞きながら、可能な限り弾力的な取り扱いをしてまいりたいというふうに考えております。
#167
○三石久江君 次に、労働者の解雇について質問させていただきます。
 被災地におきましてまず考えなければならないのは労働者の雇用を安定させることと思います。それには、被災状況によっても異なると思いますが、できる限り震災前の雇用関係が維持できるように支援し、必要のない解雇を防ぐことが必要だと考えます。新聞などに被災地職安に相談殺到、出勤したら全員解雇なども載っておりました。
 そこで、震災後に解雇された労働者の人数はどれほどになりますか、お尋ねします。
 通常であれば、労働者を解雇する場合、解雇予告か解雇予告手当の支払いを要するはずです。ただし、天災事変などのため事業が不可能になった場合は、労働基準監督署の認定を要件として解雇予告をしなくてもよいと聞いておりますが、震災後の認定状況を伺いたいと思います。この場合、認定なく労働者を解雇した場合は労働基準法二十条違反になると思いますが、そう理解してよろしいでしょうか。
 また、地震に便乗して解雇を行うことがあると聞いておりますが、事業が不可能になった場合にはどのように確認するのでしょうか。事業の継続ができるにもかかわらず、もし地震を口実にして労働者を解雇したような場合は厳正に処分すべきだと考えますが、いかがでしょうか。
#168
○政府委員(廣見和夫君) 解雇をめぐる問題についてお尋ねでございます。
 私ども労働基準局の関係で申し上げますと、先ほど来お答え申し上げておりますように、総合相談窓口を設けましていろんな相談にあずかっております。こういう中に解雇に関する何らかの相談が持ち込まれてくるというものも結構ございます。
 二月十二日現在、兵庫労働基準局、それと大阪労働基準局の相談窓口の解雇に関しての相談という件数をまとめてみますと五百三十件ございます。もちろん、これは相談だけでございますから、この中で最終的に解雇に至ったというのはどの程度あるか、私どもその件数については承知いたしておりませんが、そんな状況になっております。
 それからもう一つ、その関連でお尋ねのございました解雇予告の除外認定の申請がどの程度あるかということでございますが、これはやはり二月十三日現在四十件ございました。それにつきましては、私ども適切な処理をするということで努力いたしております。もちろん、今回の震災は大変に大きな災害をもたらしておりますので、事業の継続ができるかどうか、このあたりにつきましては十分状況を聞いたり、あるいはまた関係者の話も聞くというようなことで状況を十分把握した上で適切な認定をするように努めておるところでございます。
 それから、その関連でお尋ねのございました解雇の予告除外認定につきまして、もしも認定を受ける前に解雇した場合にどうなるのかというお尋ねでございますが、これは法文にございますとおり、認定を受けずに解雇するということはその条文に反することになるわけでございまして、当然、私ども認定を受けることなく解雇が行われることのないよう指導に努めているところでございます。
#169
○三石久江君 確認の方法をお伺いしたんですけれども。今の事業が不可能になった場合にどのような確認をするのか。
#170
○政府委員(廣見和夫君) 失礼しました。
 事業の継続が不可能であるかどうかということでございますが、これは先ほどちょっと触れましたようなことで、結局総合的な事実の判断ということになるわけでございます。もちろん、その企業だけの問題ではないと思います。取引先への依存の程度であるとかあるいは他とのいろんな取引がございますので、輸送の問題もございますでしょうし、いろんな代替手段の可能性を考えるということもございますでしょうし、いろんな形の状況を踏まえ総合的に判断せざるを得ないということでございまして、そういったような形での総合的な判断のもとに適切な結論を出すように努力しておるところでございます。
#171
○三石久江君 もう一つ、処分はどうですか、労働者を解雇したような場合の厳正な処分。
#172
○政府委員(廣見和夫君) それともう一つ、お尋ねの労働者を解雇するに至ったような場合への対応ということでございますが、もちろん、先ほどちょっと申し上げましたように、例えば解雇予告の除外申請をなさずに解雇するというようなことはあってはならないことでございますし、それに対しては私どもきちっと指導してまいりたい、このように思っております。
#173
○三石久江君 次に、二次災害の防止について質問させていただきます。
 復旧工事が進められてくると、労働災害、長時間労働による過労死などの二次災害と言えるもので命を失う場合が懸念されます。このような災害の防止について通達を出されたと聞いておりますが、具体的にどのように進めていくのでしょうか。
 また、中小企業の労働者に対しては、午前中に坪井議員からも御要望がありましたが、被災地を巡回して健康診断、精神的なことも含めて健康相談を行うくらいの対策が私も必要だと思います。
 また、労働大臣から、災害復旧対策にかかわっている関係機関に対しても適正な人員配置、職場環境管理、健康管理を行うよう、より一層の注意喚起をお願いしたいというふうに思いますが、いかがお考えでしょうか。
#174
○政府委員(廣見和夫君) まず、二次災害の点でございます。
 今、先生お話のございましたとおり、復旧工事等に伴う二次災害、それに関連した労働災害があってはならないということは当然のことでございまして、私どもその防止に全力を尽くしていく必要がある、このように思っております。そのような観点から、今まで幾つかの措置を講じてまいりました。
 まず第一に、やはり災害復旧工事というのはいろいろな形で、また危険な環境下でも行われておりますので、そういったような方々に対する指導あるいは安全の呼びかけというのは大変大切であるというように考えておりまして、一斉の安全パトロールを実施するということを行っております。
 特にこの中に、本省からも土木、建築等の専門家を現地に派遣いたしまして、専門家の目から見た適切なアドバイスというようなことも含めるということでやっております。近々このようなものをまたやりたいと、このように思っております。現地は現地でまたこういうパトロールを実施するということでやっております。
 それからその関連で、建物の解体等に伴いまして粉じんが発生する、これに伴う健康障害も懸念されるところでございますので、私ども災害防止団体等の協力も得まして、防じんマスクの無償配付を行うということも実施いたしております。
 さらに先般、災害復旧工事を施工しております建設大手の十二社に対しまして、私も伺いまして安全担当の役員の方々に復旧工事におきます災害防止の徹底について直接お願いをしてまいりました。また、工事の発注機関あるいは幅広い関係団体につきましても、二次災害の起こらないよう最大限努力をしていただきたいという要請も文書で行っております。
 それからもう一点、先生お尋ねの健康診断等の問題でございますが、これにつきましては、確かに復旧工事等に伴いますいろいろな作業あるいは疲労等もございます。そういうところで働かれる方々の健康の確保というのは大変大切であるということでございまして、先ほど来申し上げておりますような相談窓口、そういうものを通じての指導、あるいは労働福祉事業団の協力を得てメンタルヘルスも含めた健康相談のための窓口の設置というようなことで対応いたしております。
 さらにまた、健康診断の実施というのは大変重要でございますので、当然こういったような状況下にあっても適切に健康診断が実施されますよう指導を行っていくということにいたしております。
#175
○三石久江君 よろしくお願いいたします。
 次に、賃金不払いについてお尋ねします。
 労働者の賃金や退職金などの不払いが生じていると聞いておりますが、何件くらい発生しているのか伺いたいと思います。
 また、中小企業の労働者に対しては、賃金の支払の確保等に関する法律による未払い賃金の立てかえ払い制度を適用すると聞いておりますが、通常であれば労働者の手元に未払い賃金が送られるまでにどのぐらい期間が必要なのか、また今回の被災地での立てかえ払い制度の申請件数は今まで何件か伺いたいのです。
 そこで、今回の被災地のケースはどのくらいの期間で処理するつもりでしょうか。この制度を活用するのであれば、迅速かつ最優先の対応をお願いしたいと思います。
 未払い賃金の金額の確定については、事業所などの崩壊や焼失によって賃金台帳や給料明細などを確認することが難しい場合どのように対応するのでしょうか。このような確認行為の難しさが処理をおくらせることにはならないのだろうか。
 また、この立てかえ払い制度を適用したとしても事業主の賃金の支払いに関する責任を免ずることにはならないと思いますが、被災地においてどのような場合に事業主の責任を求め、どのような場合に求めないとお考えでしょうか。
#176
○政府委員(廣見和夫君) 二月十三日までの段階で、今回の大震災に伴いまして賃金不払いになったということで労働基準局あるいは監督署の方に申告がございました件数は十三件でございます。
 こういう件数になっておりますが、状況が状況だけに、やはり事業がなかなか継続実施できない、そういう場合にやむを得ず賃金の支払いができなくなるというようなケースも確かに考えられるわけでございます。そういうことから、今先生も御指摘ございましたが、中小企業につきましては特段に迅速な形で賃金の立てかえ払いを実施していきたい、このように考えております。
 通常のケースで、震災ということではなくて一般的に今まで実施してまいりましたこの立てかえ払い制度でございますが、これにつきましては、事業の倒産等をきちっと確認しなきゃなりませんし、また今先生もお話しございましたように、本来これは事業主が支払うべき責任のある賃金でございます。事業主の責任追及という点もございます。いろいろとそういう点で事実認定に苦労を要する点もございまして、率直に申し上げましてかなり期間を要します。数カ月かかっておるのが実情でございます。
 ただ、今回の場合は地震により事業が継続できなくなったというようなケースでございますので、この認定は可能な限り早くいたしていきたいということでございまして、これもケースによっていろいろ出てくるかと思いますが、可能な限り早くするということで、一カ月以内に問題の処理ができるような形で最大限努力していくということにいたしたいと思っております。
 それからまた、お尋ねの件で、例えば事業主の方も災害に遣われるわけですから、関係書類が喪失するということが予想されるわけでございます。これにつきましては、少なくとも賃金につきましては、書類が一切ないということであっても、やはり今までの賃金の実績を本人にお聞きする、あるいは同僚の労働者の方にもお聞きする、いろいろな形で最大限努力いたしまして賃金額を確定し、立てかえ払いを実施していくということにいたしたい、こう思っております。
 立てかえ払いを実施いたしましても、当然事業主の支払うべき賃金の債務、責任は残るわけでございます。地震であってもやはりこれはそういう形で対処せざるを得ないということで、立てかえ払いいたしますのは労働福祉事業団が行います。したがいまして、賃金を払うべきその債務を労働福祉事業団がかわって払うわけですので、労働福祉事業団が後ほど事業主の方にそのものを請求していくということになります。
 ただ、実際工事業ができなくなって、それで倒れてしまう、後もう再起できないということになった場合には、どこかの段階で債務徴収が不可能ということでけりをつけるというような実際上の措置も出てこようかと思いますが、建前あるいは考え方はそういうふうになってございます。
#177
○三石久江君 最後に、雇用確保支援助成金制度の新設ということで質問させていただきます。
 兵庫県は被災企業の事業再開で雇用を維持拡大しようとする事業主を助成する雇用確保支援助成金制度の新設を求めているとのことですが、その内容についてお聞きしたいと思います。
 今回の震災のような大規模な天災に起因する雇用問題に対しては、現行の失業給付制度や雇用調整助成金制度だけでは力不足と思いますが、どうでしょうか。現行制度の拡大で対応する考えでしょうか。しかし、雇用調整助成金などは本来景気変動に企業が柔軟に対応するためのもので、制度のあり方として問題があるように思われますが、いかがでしょうか。
 そして最後に、我が国におきまして今後も大規模な震災があり得ることを考えますと、この際別に制度の新設を検討すべきだと考えますが、どうでしょうか。大臣の御所見を伺いたいと思います。
#178
○国務大臣(浜本万三君) 今回の震災に伴いまして、事業の継続が困難となった事業主の方々ができるだけ早く事業を再開することにより労働者の雇用の維持確保を図ることは、今後の被災地域の復興のための最も重要な課題であると認識をしております。
 このため、当面は雇用調整助成金の活用等によりまして、事業主の方々が被災から復旧し、事業を再開できるまでの間、できる限り雇用を維持できるよう支援をしてまいりますとともに、失業給付制度の特例によりまして被災労働者の生活の安定を図っていくことといたしております。
 さらに、これに加えまして、今後事業主の方々が本格的に事業を再開し、雇用維持・拡大を図ることを支援するための新たな助成金制度を創設することについて地元からも要望を受けているところでありますが、この点につきましては、御要望の趣旨を踏まえ、また今後の被災地における雇用情勢等も見ながら、新たな支援策が必要かどうか検討してまいりたいと思います。
#179
○三石久江君 終わります。
#180
○西岡瑠璃子君 浜本労働大臣の所信に対する質疑が午前中からずっと行われているわけでございますけれども、ほとんどの委員の皆さんが関西の大地震のことについて触れられました。関西のハイテク近代都市が一瞬のうちに想像を絶する惨状を引き起こし、そして五千人を超える方々が犠牲となり、また三十万人余の皆様方が今なお不自由な生活を強いられているという未曾有の惨事でございますから、これはもう本当に当然のことでございますが、私はこの現実の前に政治は無力であってはならないということを痛感するわけでございます。
 そこで、各委員の方々が専門性の高い御質問をずっとなさってまいりましたので、重複部分はできるだけ避けてまいりたいと思います。
 一つは、ちょっと浜本大臣の御答弁がございました部分にも関連してまいりますけれども、この震災によります労働省関係施設の現地の被害状況と復旧の状況をまずお聞かせいただきたい。そして、今後の対応もお聞かせいただきたいと思います。
#181
○政府委員(伊藤庄平君) 労働省関係施設の今回の地震に伴う被害状況でございますが、まず公共職業安定所の関係では、被災地域にありました神戸、灘、西宮の三安定所で庁舎が傾斜するとか壁の崩壊とかかなりの影響を受けまして、一時はコンピューターシステムに影響が出ましたけれども、現在はコンピューターシステムも全所で復旧いたしまして、日常業務を処理する体制に入っております。ただ、神戸港労働出張所につきましては、海岸ということもございまして全面的な使用不能状態に陥っております。
 また、労働基準監督署の関係では、労働基準局の一部が立入禁止状態になっておりまして、別庁舎でございますが既に日常業務を開始いたしております。また、監督署の方も一カ所、神戸西の監督署におきまして仮庁舎で業務を行っておりましたが、そこが半壊するという事態がございまして、旧庁舎を活用いたしまして日常業務に入っております。
 このように、労働省関係の職業安定所、労働基準監督署は日常業務を行うところまで復旧いたしておりますので、あとは、きょう委員会でも再三御指摘ございましたような応援体制も機動的に組みまして、雇用あるいは賃金、労働条件等の問題、安全の問題等に万全を期してこの被災地の住民の方々への対策に当たってまいりたいというふうに考えております。
#182
○西岡瑠璃子君 先ほど大臣からも、県外からの応援も得て万全の陣容でもって対応しているから安心するようにというお言葉でございました。ぜひそういった今後の万全の体制整備を要望してまいりたいと思います。
 それから、その場合に、例えばOB職員の御起用であるとか、それからまた非常勤職員、そういった体制をおとりになられるのかどうか、そのことをお伺いしたいと思います。
#183
○政府委員(伊藤庄平君) 御案内のように、現地の職業安定所、監督署とも相当な相談件数等が日々参っておる状況でございますし、今後の失業給付、雇用調整助成金の支給業務等を考えますと、応援体制のほかに、もし必要なら、御指摘のありましたような賃金職員の活用等も含めて、私ども十分な体制を組むように検討を常にしてまいりたいと思っております。
#184
○西岡瑠璃子君 職安、労働基準監督署などは、年度末を控えましてただでさえ通常業務も一段と忙しい時期を迎えていると思います。災害に伴う業務量の増加は本当に相当なものだと思っておりますので、ぜひ頑張っていただきたいというふうに思います。
 私、けさテレビをちらっとですけれども見ておりますと、神戸の被災地へ学校の先生が生徒さんを連れてボランティアとして救援にやってまいりました。ところが、公的機関の窓口におきましては、もう十分間に合っているからということで門前払いという形で、途方に暮れていらっしゃるという放映がございました。そして、民間のボランティアの受付窓口へ行ってみてはどうかとか、そういうふうなことで、本当にどうしていいかわからない。せっかく来たのに、本当にはるばるとやってきたのに、これは大変なことになったなと私もそれを見ながら思ったわけですけれども、本当にお気の毒な状態である、そういう報道がなされておりました。こういったことのシステムをもう少し確立てきないものかなというふうに思いました。
 またもう一つには、将来看護士を希望していらっしゃるという若い方がやはりボランティアとして救援にやってこられたと。せっかく看護士を志していらっしゃって修業中の身でありますから、そういった面について生かされるところへ行ってその方の技能なりが有効に活用されると非常にいいというふうなことで、私は危機管理体制のシステムを考えるときに、ぜひこういったものも考慮に入れておくべきではないかというふうに思ったわけでございます。
 そういったこと、細かいことでございますけれども、今回の未曾有の災害によってさまざまなことが教訓として投げかけられたというふうに思っております。
 地震の問題につきましては多くの委員が取り上げましたので、私は皆様方が御要望されました施策の実質的な積極的な実施を強力に要望いたしまして、私は女性問題を中心にこれから伺ってまいりたいと思います。
 まず、平成七年度の予算を見てみますと、一般会計予算は一%、そして特別会計のうちの雇用勘定は三・四%、それぞれ前年度に比べて伸びてはおりますものの、特別会計のうちの労災勘定の八・四%減が響いて、全体では一・五%城となっております。
 大臣は平成七年度の予算をどのように評価されていらっしやるか、御認識をお伺いしたいと思います。
#185
○国務大臣(浜本万三君) 平成七年度の労働関係予算につきましては、経済・社会構造の変化等に対応した雇用対策の推進、職業生活と家庭生活との両立と女性の能力開発を可能にする環境の整備、それから働きがいがあり安心して働ける勤労者生活の実現など、労働行政の重要課題に的確に対応していくために必要な予算を計上したものと考えております。
 効率的、効果的な予算の執行を図りますことにより、十分な政策効果を得られるよう全力で努めてまいりたいと思います。
#186
○西岡瑠璃子君 大臣の御答弁を伺ってまいりまして、雇用に重点を置いた予算でありますとか、あるいは労災勘定の大幅減はこれまでの災害発生率の減少によるものであって、それはそれで私はいたし方ないというふうに評価もできるわけですけれども、今日、厳しい雇用情勢、そして介護休業の普及促進を初めとした女性労働施策の重要性、障害者や高齢者の雇用促進、労災認定の基準緩和といった多くの行政課題を抱えた労働省の予算としては、ちょっと寂しいといいますか、残念な気がしております。
 今後、予想される補正、そしてさらには、先の話になりますけれども、次年度予算概算要求で一層の御努力を御期待申し上げたいと思いますけれども、このことにつきまして大臣の御所見をお伺いしたいと思います。
#187
○国務大臣(浜本万三君) 御主張のように、格段の努力をしてまいりたいと思います。
#188
○西岡瑠璃子君 それから、先般の委員会で配付をされました平成七年度予算の概要でございますけれども、この三ページを見ますと、具体的な各事項や主な内容の欄は、一般会計予算か、あるいは特別会計の労災勘定か雇用勘定かの区別が大変不明でございまして、私どもが予算の内容を分析しようといたします際に非常に不便でございます。不親切なものとなっているように思いますけれども、これは事務レベルのことで大変恐縮でございますけれども、今後改善の余地はないか、お伺いしたいと思います。
#189
○政府委員(伊藤庄平君) 先般御説明申し上げました労働省の七年度予算の説明資料、確かに御指摘のとおり、政策の内容を御紹介するというような観点でまとめておりまして、会計区分等を明らかに記載していないという点、確かにそういった観点からごらんになるとおわかりにくい点があったかと思います。
 御意見等も参考にさせていただきながら、できるだけわかりやすいものをつくりたいというふうにこれから工夫してまいりたいと思います。何か別途のものをつくるとか、その辺の工夫をさせていただきたいと思います。
#190
○西岡瑠璃子君 ぜひよろしくお願いします。
 午前中に千葉委員がお尋ねになられましたILO百五十六号条約の件に移ります。
 私、これはたしか去年の六月の通常国会でかなりな部分を割いて質問をさせていただいた記憶がございます。二月九日の大臣の所信におきましても、「早期批准に向け、関係省庁と連携して取り組んでまいります。」という御意向が示されまして、大臣の強い御決意を感じ取ったわけでございますし、また午前中の千葉委員のお尋ねに答えて大臣は、就任以来事務方に相談をして積極的な検討をしてこられたということで、国内法との整合性に照らして、昨年末の関係省庁間の協議を経て、現在詰めの作業に入っておられるというふうにおっしゃいました。承認案件として今国会に上程されるよう引き続き努力をしたいというふうにも先ほど御答弁をされたというふうに記憶をしております。ぜひ私はその御決意を具体化して早くお願いしたい。もう十数年来の懸案事項でございますので、ぜひお願いをしたい。
 そこで、具体的な批准までのスケジュールが今はっきりなさっていらっしやるかどうか。そして、そのスケジュールに関してまだ何か、松原婦人局長がいらっしゃいますけれども、例えば前に私が御質問を申し上げましたときに、育児休業法が男女労働者を対象として制定されたということで、一つ国内法の整合性についてはクリアできたというふうにおっしゃっていました。ほかにまだ批准の隘路となるものが残っているのかどうかそういうことも含めてお尋ねをしたいと思います。
#191
○政府委員(松原亘子君) この百五十六号条約の批准問題につきましては、長い間何が批准のネックになるかということで国会でもたびたび御質問がございましたし、私ども政府の中でもかなり長い時間をかけまして検討してまいりました。
 以前から私ども、これはどういう意味なのか、またどういうことで実効が担保されるかということについて問題ではないかというふうに思っておりましたのが、条約の第八条にございます家族的責任、何と訳したらいいかあれですが、「家族的責任のみをもって雇用の終了の妥当な理由としてはならない。」、仮釈でそういうふうになっております第八条がございますが、これを担保するためにはどの程度の措置が必要なのだろうかということについて、なかなか議論がまとまらないといいますか、そもそもどこまでを求めているかということについてわからない面があったということでございますが、この点に関しましては、我が国の法令中にその旨の明文規定はないわけでございます。
 しかしながら、育児休業法の中に、育児休業の申し出または取得を理由としての解雇が禁止をされているといったようなこともございますし、また今般私どもが提出させていただきました介護休業法案、名称はちょっと違いますが、介護休業の法制化を盛り込みました法律案の中でも、介護休業の申し出またはその取得を理由とした解雇を禁止するというような規定も入れさせていただいております。そのほか、権利の乱用を禁止する民法の一般条項等による担保も可能ではないかといったようなことを今具体的に最終的な詰めの段階で検討をいたしているところでございます。
 また、これまで女性だけに、まあ現在もそうですが、支給されております公務員の三職種についてのいわゆる育児休業給というのがございます。これもこの条約の批准上どう考えるのかということについてさまざまな議論がございました。
 これについて、最終的にきちんとなっているということではございませんけれども、国家公務員に関しましては、二月十日に国家公務員等共済組合法の一部を改正する法律案というのが提出をされまして、そこにおきまして本年四月一日から国家公務員の育児休業取得者につきましては民間と同様な形で育児休業手当が支給されるということになりまして、それと同時に、三職種の女性についてだけ支給されておりました育児休業給が廃止をされるという措置がとられたわけでございます。地方公務員に関しましても同様の措置をとるべく検討がなされているというふうにも聞いております。
 そういうことから、この条約につきましてこれまで問題ではないかというふうに思われていたことについてのさまざまな措置がとられてきているということから、条約批准に向けての条件が整ってきたということで、まさに最終コーナーに来ているといったような状況にあるわけでございます。
#192
○西岡瑠璃子君 そこで、今国会での批准を私たちは強く望んでいますけれども、できそうでございましょうか。
#193
○国務大臣(浜本万三君) 経過と現在の状況は松原局長から今答弁したとおりでございます。名実ともに最終的な詰めの作業に入っております。したがって、私といたしましてはぜひとも本条約の批准承認案件が今国会に提出されるように引き続き努力をいたしたいと思います。
#194
○西岡瑠璃子君 大変御期待を申し上げておりますので、よろしくお願いしたいと思います。
 では、就職内定の件についての質問に移ってまいりたいと思います。
 二月十日に労働省が発表されました今春の卒業予定者の昨年末現在における就職決定状況によりますと、内定率は大学八五・九%、短大六六・一%、専修学校七五・五%、短大が非常に低いですね、そして高校が八五・五%ということでございます。学校の種別ごとに昨年の同時期との比較、そして女子学生の内定率をお示しいただきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。
#195
○政府委員(征矢紀臣君) 先生御指摘のように、現状はそのとおりでございます。
 昨年同期と比べてどうかということでございますが、実は昨年初めて大学関係につきまして調査をいたしたわけでございますが、調査のサンプル数が、昨年少なくてことしはかなりふやしておる、六十五校、約二万人を対象にしておりますが、そういう違いがございますので正確な比較は困難でございますが、大卒で見ますと二・五ポイントの減、短大卒ですと一〇・三ポイント減、専修学校卒ですと一二・三ポイント減で、相当大幅な減少になっております。
 また、女子学生の内定率につきましては、十二月未現在で同じく大卒七八・八%、短大卒六六・四%、専修学校卒六六・六%の内定卒となっております。
 高校の新卒者につきましては、十二月末現在で御指摘のように八五・五%の内定率でございまして、これは昨年同期は調査をいたしておりませんので、これも正確な比較はできませんが、推計いたしますと大体三ポイント程度の減になっているんではないかというふうに考えられるところでございます。
#196
○西岡瑠璃子君 今回、関西の大地震が起こっておりますから、ある特定の部分ではあるにしても全体的なポイントに非常な影響も起こってくるかもしれないというふうに思っております。ですから、まだそういった意味で率を、それも含めて出すということは難しいかもわかりません。
 そうはいっても、三月末におきます就職内定率をどの程度に見ておられるか、学校種別ごとにお示しできますでしょうか。そして、それぞれの女子学生の就職内定率もちょっと知りたいのでございますけれども、いかがでございましょうか。
#197
○政府委員(征矢紀臣君) 昨年春の大学卒と新卒者の就職内定状況、これにつきましては私どもの調査で、就職希望者に対しましてそれぞれ大学卒が九六・九%、短大卒が九三%、専修学校が九九・四%という決定率でございました。また高卒につきましては、三月末現在で九七・五%というような決定率でございました。
 これがことしの三月時点についての推計でどうかという点につきましては、これはなかなか難しゆうございまして、現時点でその推計は困難でございます。
 対策といたしましては、これは繰り返しになりますけれども、最大限就職していただくということで、大学新卒者の関係につきましては全国で就職面接会を継続的に実施するとか、あるいは全国の職業安定機関におきまして求人対策を強力に実施しており、さらに今年度は求人一覧表を全国統一的に作成いたしまして、これは三月上旬ぐらいに大学あるいは全国の公共職業安定機関において閲覧できるように、そういうことで就職機会の拡大を図りたいというふうに考えておるところでございます。
 また、高卒等の新卒者につきましても、各学校との連携を一層密にしまして就職未決定者の状況把握を行うとともに、全国の公共職業安定機関におきまして求人の確保に努め、それを具体的に就職につなげる努力をさらにいたしたいというふうに考えているところでございます。
#198
○西岡瑠璃子君 平成七年度の予算におきましては、女子学生の均等な就職機会確保対策の推進、このために約三千万円を計上しておりますけれども、これはどういう趣旨の予算でございましょうか。三千万円、余りにも予算が小さ過ぎてちょっと見当がつきにくいですね。説明していただきたいんです。
#199
○政府委員(松原亘子君) 女子学生の就職問題につきましては、通常業務と言うとなんですが、婦人少年室の当然の業務といたしまして特別相談窓口を開くとか、それから均等法に基づいて調査をし、必要に応じ助言指導をやるといったようなことはやっているわけでございます。
 今回、特別に女子学生のための予算として考えましたのは、一つは学校関係者ですとか女子学生、生徒などから積極的に情報を提供してもらうといったような経費、そのために必要な経費ですとか、また女子学生の就職が難しいということの背景には、企業の労働力需要といいますか、どういった種類の人を雇いたいかというその気持ちと女子学生が求めている仕事というもののミスマッチといいますか、そういったこともあるんではないか。
 女子学生が、これまでの女性向きの仕事といったようなことにとらわれて職業選択を行っているということが女性の内定率を低くしているという面もあるんではないかということも考えまして、女子学生ですとか、または高校生を対象とした、もう少し職業選択に当たって広い視野を持ってもらうためのセミナーなど、意識啓発をやるといったような予算として今御指摘の額を来年度予算案に盛り込んでいるということでございます。
#200
○西岡瑠璃子君 今、局長の御答弁がありましたけれども、問題のある企業に対する適正化指導の実施もその事業の一つに挙げられていると思うんですけれども、どのような企業に対してどういうふうに指導をなさっていかれるおつもりでしょうか。
#201
○政府委員(松原亘子君) 問題のある企業というのは、何よりも女子学生から相談があるといったようなことが端緒となって把握をされるわけでございます。
 ただ、私ども昨年六月から十月に特別相談窓口を開きましたけれども、相談件数は六千件余りあったんでございますが、そのうち雇用機会均等法に直接関係するものはさらに少なくなっており、さらに具体的に企業名を挙げて女子学生が相談されるというのはかなりずっと少なくなっているわけでございます。
 しかしながら、そこでは個別の企業の名前をつけてこういったような取り扱いがあったという問題が把握されるわけでございますので、そういうことが把握されましたら婦人少年室におきまして企業を調査し、必要に応じまして助言指導をやるということで雇用機会均等法なり指針なりに沿った募集・採用活動が行われるようにという指導をいたしているわけでございます。
#202
○西岡瑠璃子君 雇用機会均等法も大分年月がたってまいりましたけれども、どうも企業の本音はできれば女子学生は採用したくないというのが本音ではないかというふうなことがあるわけです。
 表向きは適正な総合判断によって女性の採用割合が低くなったという企業が多いのではないかと思われるわけですけれども、こうした企業に対してはなかなか指導もしにくく、手をこまねくというか拱手傍観せざるを得ないということも多いと思いますけれども、そういうところに対してどのような対応をなさっていかれるおつもりでしょうか。
#203
○政府委員(松原亘子君) 女性の採用者数と男性の採用者数と比べて女性の方が減少率が大きいといったようなことで、それがすなわち雇用機会均等法上の問題があるというのはなかなか言えないわけでございます。
 女性ということで大くくりにくくってしまっても、中はさまざまあるわけでございまして、もちろん学歴別構成などによっても内定率は違うように、女性ということでくくってしまうのも問題と思われるようなこともございます。
 いずれにしても、雇用機会均等法上問題があるということにつきましては、私ども先ほど申し上げたように指導をいたすわけでございますが、ただ、量を男女単純にトータルで比較して、どっちが減り方が大きいかというようなことですなわち問題があるというふうにはなかなか言えないわけでございまして、これはやはり個別に企業の実態を調査して、問題があるかないかということを十分判断した上で指導するということになってくるわけでございます。
#204
○西岡瑠璃子君 先回の委員会のときに、庄司議員によります委員派遣報告にも婦人少年室の人員増の要求の必要性が指摘されておりました。
 私の県も、室長以下定員がわずかに四名、あと非常勤がおりますけれども、これはいつ出てくるかわからないというような状態で、こういった中で、例えば就職差別に対する指導であるとか、いろんな調査であるとか催し物、行事、そういうものがなかなかできにくいのではないか。こういった定員の現状と定員の現状に対する認識、評価、今後の対応などをお伺いしたいと思います。
#205
○政府委員(松原亘子君) 今御指摘のとおり、婦人少年室は非常に小さい組織でございますけれども、機会均等法の施行ですとか、育児休業法を初め職業生活と家庭生活を両立させるためのさまざまの施策、そういったものを積極的に展開をいたしているわけでございます。
 婦人少年室の定員でございますけれども、昭和六十年以降、機会均等指導官ですとか育児休業指導官の増員を図ってきておりまして、現在二百三十五名という状況でございます。
 もちろん、これで十分とは言えないというのは私どもも同じような認識を持っておりまして、厳しい行財政改革という状況のもとではございますけれども、婦人少年室に課せられる課題というのはこれからもますます大きくなるということだというふうに考えておりまして、今後とも職員の増員ですとか資質向上のための研修の充実など、行政体制の整備ということに積極的に取り組んでいきたいというふうに考えております。
#206
○西岡瑠璃子君 最後の質問になりましたけれども、これも先ほど武田委員の方から女性の歴史と未来館についての御質疑がございました。この莫大な約十七億近いお金を災害復興に回せないかという御質疑がございました。
 お聞きをしておりまして私もそれはもっともかなとも思っておりましたけれども、局長の御答弁を伺って、一人一人の女性が輝く社会の実現のために、そして高齢化、少子化への対応、また働く女性のみならず、すべての女性がさまざまな形で社会参加をしていく、そういった形での何かをやらなければならない、そして、アジアで初めての世界女性会議が北京で開かれることももう決まっておりますので、仮称ではありますけれども、何としてもこの入れ物はつくらなくてはならないのではないかというふうなことをおっしゃったわけです。女性が参政権を得て五十年、半世紀という節目を迎えるにふさわしい記念事業となるようなことであれば、多くの女性も賛同すると私は思います。
 いずれにしても、あらゆる女性たちの貴重な意見をくみ上げながら、よりよい施設の設置と、そして運営を希望してまいりたいと思いますけれども、完成時までの予算額、あるいは完成時期と活動の開始時期、そしてスタッフ、陣容はどの程度か。そして、完成後の年間運営費はどの程度かかるものなのか。そして、これは女性の歴史と未来館という仮称でございますから、イメージとしてまだ全体的にはPRが不十分だと思うわけですね。どこにどのような施設設備で設置をされようとしているのか。そういったことも含めて一括して、そして大臣の御決意も含めてお聞きをしたいと思います。
#207
○政府委員(松原亘子君) 趣旨は先ほど申し上げたとおりでございますので、省略させていただきます。まず、その事業内容でございますけれども、私どもは大きく三つぐらいの柱を今のところ考えております。
 一つは、女性が働くことへの支援事業というものでございます。
 具体的には、実践的な能力を習得するためのセミナーですとか研修、こういったものを実施することによって女性の能力の開発向上を支援するといったようなこと。また、新たに仕事につくまたは企業を起こすといった、こういったことについての相談や助言。それから、仕事を続けるために必要な健康管理に関する情報の提供ですとか、また女性の企業家ですとか管理職の女性、異業種で働く男女労働者間の情報交換とか交流、こういったようなことを具体的には行うということをまず第一に考えております。
 それから、第二番目といたしましては、女性の経済的自立などにかかわります国際協力とか交流の事業を行うということにいたしておりまして、具体的には、開発途上国の女性の経済的自立を支援するためのセミナーを開催するとか技術協力についての情報提供を行う、こういった国際協力に関心のある方々にそういったことに参加していただくために必要な情報を提供するという事業でございます。
 それから、三番目に考えておりますのは、各種資料等の収集、整備をし、展示をするといったようなことでございまして、具体的には視覚的、体験的な要素を取り入れた女性労働の歴史とか、女性と仕事、女性と家族、世界の女性などテーマ別の展示を行いまして、これら展示によって女性の社会参加についての啓発を行うといったことや、女性労働の歴史についての資料の収集と整備といったようなことを今のところ考えているわけでございます。
 ただ、この件につきましては多くの方々が関心を持ってくださっているものですから、そういう方々の御意見を伺いながら、これからさらに具体化を図りたいというふうに考えております。
 また、施設といたしましては、そういったような事業を行うということにいたしておりますことから、展示室ですとか研修室、相談室、情報センターといったようなものを考えております。
 今後のスケジュールでございますけれども、平成七年度から九年度の三年間で開設するための諸準備を行いまして、十年度に事業を開始したいと考えております。総額約六十億を予定いたしているところでございます。また、この費用総額には建設用地を新たに購入する費用は含まれておりませんで、労働省所有の土地を充てるというふうに考えております。
 具体的な場所は、交通至便で多くの女性が利用しやすい、そういうところが望ましいと考えておりますが、こういった要件なども考えながら現在検討を行っているところでございます。
 なお、この間の運営のためのスタッフ、陣容それから年間の運営費等につきましては、先ほど申し上げましたように三つの柱を考えておりますが、多くの方々の御意見を伺って詰めることにいたしておりますので、そういうことを踏まえた上で今後検討してまいりたいと思っております。
#208
○国務大臣(浜本万三君) 計画の概要等は、今局長からお話を申し上げたとおりでございます。
 私といたしましても、二十一世紀に向けて、女性が働くことなどを通じて社会参加し、その能力を十分発揮していけるようなために重要な施設だと思っておりますので、ぜひ実現をさせていただきたいと思っております。
 予算の方は今申しましたようなことなんで、ことしは一般公共事業費から六億程度いただくということになっておりますので、御了承いただきたいと思います。
#209
○西岡瑠璃子君 ありがとうございました。終わります。
#210
○委員長(笹野貞子君) 本件に対する質疑はこの程度といたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後四時五分散会
ソース: 国立国会図書館
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