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1995/02/28 第132回国会 参議院 参議院会議録情報 第132回国会 労働委員会 第3号
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1995/02/28 第132回国会 参議院

参議院会議録情報 第132回国会 労働委員会 第3号

#1
第132回国会 労働委員会 第3号
平成七年二月二十八日(火曜日)
   午後二時四十分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 二月十四日
    辞任         補欠選任
     大脇 雅子君     角田 義一君
 二月二十一日
    辞任         補欠選任
     千葉 景子君     村沢  牧君
 二月二十二日
    辞任         補欠選任
     村沢  牧君     千葉 景子君
 二月二十七日
    辞任         補欠選任
     千葉 景子君     細谷 昭雄君
     古川太三郎君     粟森  喬君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         笹野 貞子君
    理 事
                野村 五男君
                庄司  中君
                吉川 春子君
    委 員
                小野 清子君
                坪井 一宇君
                柳川 覺治君
                角田 義一君
                細谷 昭雄君
                安永 英雄君
                足立 良平君
                武田 節子君
                星野 朋市君
                和田 教美君
                粟森  喬君
                三石 久江君
   国務大臣
       労 働 大 臣  浜本 万三君
   政府委員
       労働大臣官房長  伊藤 庄平君
       労働省労働基準
       局長       廣見 和夫君
       労働省職業安定
       局長       征矢 紀臣君
       労働省職業安定
       局高齢・障害者
       対策部長     野寺 康幸君
       労働省職業能力
       開発局長     中井 敏夫君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        佐野  厚君
   説明員
       通商産業省産業
       政策局調査課長  青木 宏道君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○阪神・淡路大震災を受けた地域における被災失
 業者の公共事業への就労促進に関する特別措置
 法案(内閣提出、衆議院送付)
○特定不況業種等関係労働者の雇用の安定に関す
 る特別措置法及び雇用促進事業団法の一部を改
 正する法律案( 内閣提出、衆議院送付)
○労働者災害補償保険法等の一部を改正する法律
 案(内閣提出、衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(笹野貞子君) ただいまから労働委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 去る十四日、大脇雅子君が委員を辞任され、その補欠として角田義一君が選任されました。
 また、昨日、古川太三郎君及び千葉景子君が委員を辞任され、その補欠として粟森喬君及び細谷昭雄君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(笹野貞子君) 阪神・淡路大震災を受けた地域における被災失業者の公共事業への就労促進に関する特別措置法案を議題といたします。
 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。浜本労働大臣。
#4
○国務大臣(浜本万三君) ただいま議題となりました阪神・淡路大震災を受けた地域における被災失業者の公共事業への就労促進に関する特別措置法案につきまして、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
 去る一月十七日に発生した阪神・淡路大震災は、亡くなった方が五千名以上を数える未曾有の大災害となったところでございますが、雇用失業情勢に対しましても深刻な影響を与えており、被災地においては多数の失業者の発生が見込まれるところであります。
 しかしながら、これらの地域における民間企業の労働需要につきましては、産業が本格的に復興するまで、当分の間、多くは期待できないのが実情であります。
 他方、公共事業につきましては、道路、港湾、都市の復旧等の復興事業の需要が大きく見込まれておりまして、公共事業における労働需要は相当に大きいものと考えているところであります。
 このような状況にかんがみますと、被災して地元での仕事を求めておられる失業者の方々につきましては、その希望に応じて、でき得る限り公共事業において雇用の場を提供することが必要であると考えているところであります。
 政府といたしましては、このような考え方に立ち、本法律案を作成し、ここに提出した次第であります。
 次に、その内容の概要を御説明申し上げます。
 第一に、この法律は、阪神・淡路大震災を受けた地域における多数の失業者の発生に対処するため、当該地域において計画実施される公共事業にできるだけ多数の失業者が雇用されるようにし、その生活の安定を図ることを目的としております。
 第二に、労働大臣は被災地域のうち、多数の失業者が発生し、または発生するおそれがある地域を指定し、その地域において計画実施される公共事業に、当該事業に使用される労働者の数とそのうちの被災失業者の数との比率を設定することができることとしており、当該地域内で公共事業を行う者は、その比率に該当する数の被災失業者を雇い入れなければならないこととしております。
 なお、この法律は、施行の日から五年を経過した後に効力を失うものとしております。
 以上、この法律案の提案理由及び内容の概要につきまして御説明申し上げました。
 何とぞ、御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
#5
○委員長(笹野貞子君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#6
○星野朋市君 最初に、非常に事務的なことからお伺いしたいんですが、職業安定所に対しまして今まで相当な相談件数があったと思うんですね。この前の委員会でも、一週間に約五千件ぐらいの割合で増加しているというようなことを私は申し上げましたけれども、現在の状況はどうなっておりますでしょうか。まず、それをお伺いしたいと思います。
#7
○政府委員(征矢紀臣君) 先生御指摘のように、被災地域におきます公共職業安定所において特別相談窓口を設置いたしまして、雇用に関するさま。ざまな相談を行っているところでございますが、二月十六日現在の相談件数は約三万一千件に上っておるところでございますが、その後、一日当たりの相談は連日四百件以上に上っておりまして、最新時点での相談件数が約四万件近くになっております。
 その内容について申し上げますと、これは事業所、事業主の方、それから求職者の方の相談があるわけでございますが、事業主からの相談件数といたしましては約二万件弱でございますが、そのうちの一万件が雇用調整助成金の関係でございます。それから、雇用保険の給付関係が約七千五百件でございます。求職者の方につきましても約二万件近い件数でございますが、そのうち雇用保険の給付関係が一万五千件ぐらいというような相談件数になっているところでございます。
#8
○星野朋市君 これは労働省の職員の方も大変だと思うんですね。一日に四百件、場合によってはもっと多い日もあると思うんですけれども。
 それで、今の状況から推測しますと、これは役所としてはなかなか難しいと思うんですが、想像される失業者の数というものはどのぐらいになると考えておられるのか。これは、どうして私そういうことを聞くかというと、実は、例えば五千人と一万人と、二万人、三万人になったときの対応の仕方というのはそれぞれ異なると思うんです。例えば一万人ぐらいであったならばどの程度で済むか、もしくは三万人の規模になったらどう対応しなくちゃならないのかこれを考えておかないと、今度の措置、後でお聞きしますけれども、私は半歩前進したと思うんですけれども、それはどういうふうにお考えでしょうか。
#9
○政府委員(征矢紀臣君) 現状、ただいま申し上げましたように、今四万件近くまでの相談件数があるということでございますが、この相談の結果が具体的に雇用対策上のどういうところの数字につながっているかという点につきましては、現時点ではまだ窓口が最優先で相談業務を行っていることでもございまして、把握できておりません。
 それで、相談の中におきましては、これは基本的にはいろんな相談に乗りまして、できるだけこの制度に乗せていく方向で相談するわけでございますが、制度になかなか乗らない方も多数入っておるものですから、現在の窓口の相談件数で一概に数を見ることもできないわけでございます。
 いずれにいたしましても、具体的な特例措置等の状況につきましての集計作業もいたさなければならないわけでございまして、いま少し時間をいただきまして、この集計作業を進めてまいりたいというふうに考えておりますが、雇用調整助成金等、これは雇用維持という観点からできるだけ積極的に活用していただくということでございまして、相当数になるものというふうに予想しているところでございます。
#10
○星野朋市君 これは何とかして雇用調整助成金、その他弾力的な運用によって失業者を一人でも多く出さないというこの労働省の方針に対しては大いに評価するところでありますけれども、今もちょっとお触れになりましたけれども、今まで労働省のマターになかった実は自家営業者、この人たちが今度どっと失業者になっちゃったわけですね。まして、仮設市場の建設の問題なんかありますけれども、都市計画の新たな策定が決まらない限り、今までの場所で同じような形で商売をするということが事実上難しいわけです。
 それから、都市計画によって、あるいは今まで多少なりとも商売ができていたところが実はこれからできなくなる、こういう新たな事態が発生するわけであります。ですから、今までの中で、労働省がお考えになった以上にそういう人たちが出てくると予想されるんですが、労働省いかがお考えですか。
#11
○政府委員(征矢紀臣君) 御指摘のように、被災地域におきましては、商店街あるいは事業所の倒壊等によりまして、今後倒産あるいは廃業に追い込まれ離職、今までの仕事をやめなければならない、そういう自営業者等の方が出てくることが心配されるところでございます。
 ただ一方、事業の再開に向けまして積極的な取り組みを行っている事業主、自営業者の方も多数見られるところでございまして、その辺が今後どのようになっていくかというところにつきまして心配しているところでございます。
 いずれにいたしましても、失業者が数多く出ないための支援措置、こういう観点から何ができるかという点でございますが、労働省といたしましては、一つは、仕事を変わるわけでございますから、転職のための訓練、これにつきまして公共職業訓練施設その他で無料であるいは訓練手当等を支給しながら職業訓練が受けられる、こういうような支援、あるいは当面働きたいという方につきましてはできるだけ地元の仕事をあっせんする、あるいは住宅つきの求人等で広域的な職業紹介に応ずるという方については、そういう形での仕事のあっせんをするというようなことで対処していかなければならないと思います。
 あわせまして、当面臨時的に地元で仕事をしたいという方について、今回御提案申し上げているような法律の枠組みで、公共事業におきます作業、そういうものについてもあっせんすることを考えてまいりたいと思います。
#12
○星野朋市君 考えられる問題についてもう二点ほどお伺いしたいと思うんですが、もう一つ心配されるのは、この前もちょっと触れましたけれども、ダイエーの店舗の閉鎖に伴う事実上の解雇、これは要するに百人単位で出てくるわけですけれども、流通業が非常に大きな打撃を受けていると思うんです。そうすると、例えば百貨店なんかについても既に店舗の閉鎖を決めているところがあります。こういうようなところから、実は配転と称しながら実際には失業に結びつくような問題が起こってくる可能性があるというようなことですね。
 それからもう一つは、社名を挙げて申しわけないんですが、例えば住友ゴムがこの神戸の発祥の工場を閉めまして他の三つの工場に従業員を配転する。これは一応雇用の場は確保するということは前提になっておりますけれども、私の経験から申し上げても、実は生産性の高い最新鋭の工場に、実は発祥の地というのは幾ら整備してもなかなか近代化しないものなんですよ。そういう形で、より生産性の高い工場へ配転をする。しかし、残念ながら従業員というのは実際には生まれ故郷を離れてなかなかそっちへ移れない、そういう事情があると思うんです。これは意図はしていないんでしょうけれども、こういう場合に企業は従来から考えておったリストラをあわせてやってしまうんじゃないか、こういうおそれがあるわけです。
 そういうことを見ましても、大企業にもこの際、まことに不謹慎ではありますけれども、リストラの動きが出てくるということが想定されるんですが、労働省はそれについてどうお考えになりますか。
#13
○政府委員(征矢紀臣君) 私どもの公共職業安定機関を通じたヒアリングの結果で見ましても、被災地域におきまして多くの事業所で生産設備の損壊あるいはライフラインの断絶に伴います事業活動の停止が生じておりまして、これに伴って多数の労働者が休業を余儀なくされるなど、地域の雇用状況への悪影響が大変心配されているところでございます。
 私どもの特別相談窓口にも、先ほど申し上げましたような状況で相談が相当あるわけでございまして、今後離職者が増加する心配もございまして、被災地におきます雇用失業情勢は予断を許さない状況にあります。
 ただいま先生御指摘のような点でございますが、基本的にはまず雇用の維持が第一ということで、最重要課題ということで、特例措置におきまして雇用調整助成金の活用あるいは失業給付の特例、こういうことで雇用の維持を最大限図るということで対策をとっているところでございますが、企業のそれぞれの状況によりまして、そういうことで雇用調整助成金を全面的に活用しながら再開に向けて努力をしているところ、あるいはそういう一部先生の御指摘のような心配があるようなところ、あるいは直接影響のないところ、いろいろございます。
 いずれにしましても、そういう状況に応じまして、私どもとしてはできるだけきめ細かな相談、指導をしながら、雇用にできるだけ影響が少なくて済むような方策を考えていくということで対処してまいりたいと思います。
#14
○星野朋市君 もう一つございまして、いわゆる神戸港の復興の問題に絡みましてお聞きしたいんです。神戸港は日本の港湾の約三〇%を占めているというような重要な港湾でありましたけれども、神戸港埠頭公社の管轄している港湾まで含めますと実際に復旧するのには非常に長期間かかるということで、そもそも日本の港湾自体がかなりローカル化しているという事実があるわけです。
 特にコンテナ船については大型化が進んで、しかも日本の港湾の使用料が非常に高いわけです。それで、釜山とかシンガポール、それから恐らく近々開港するであろう中国、こういうところの港湾の状況からすると、既に大型コンテナ船のかなりの部分がそっちの方へ行っちゃっているんですね。日本は、そこで積みかえて小型の船に載せて日本へ運んでくるというローカル化の状態が進んでいるわけです。この数年間にこの傾向がますます強くなってしまうというと、港湾労働者だけでなくて、いわゆる乙仲という輸出入業者、港湾関係の企業、こういうところが規模を縮小せざるを得なくなるという心配があります。
 この全体について労働省としてはどう対策を打っていくのか、これについてもお伺いしたいと思います。
#15
○政府委員(征矢紀臣君) 神戸港におきます港湾労働者の数、約七千人と言われております。港湾運送事業所数は約二百社ということでございますが、神戸港の機能が今回の震災によりまして壊滅的な打撃を受けたため、相当数の企業が雇用調整助成金等を活用しつつ休業中であるというふうに推測いたしているところでございまして、これまでのところ解雇等によりまして具体的に失業者が発生したという情報は得ておりません。
 さらに、労働省といたしましては、今言ったような状況を踏まえて港湾労働者の雇用の安定を図るため、港湾関係の労使の要望も踏まえまして、震災後直ちに港湾労働法の弾力的な運用によりまして神戸港の労働者が他港で就労をすること、これは一応出向という形で労使間で話し合いをしまして他港で就労することを認めまして、その際の必要な手続の簡略化等も図ったところでございます。その結果、他港での受け入れの動きも具体化しているところでございます。
 一方、神戸港の復旧につきましても非常に厳しい、先生御指摘のような事情も背景にあるわけでございまして、懸命に進められておりまして、これは業界からの情報でございますけれども、使用可能となったバースから順にフル活用し、日曜日の荷役作業や、あるいは三交代制による作業を行うことについて労使間の話し合いが行われるなど、荷役の確保、雇用の安定についての必死の努力も関係者間で進められているところであるというふうに聞いております。
 労働省といたしましては、このような状況を踏まえて、今後とも雇用調整助成金あるいは失業給付の特例的な措置等を通じまして、当面港湾労働者の雇用の安定に努力してまいりたいというふうに考えております。
#16
○星野朋市君 雇用調整助成金についても失業保険についても、要するに一定の期限があるわけです。ところが、復興の方はその範囲内でおさまらないわけですよ。
 ですから、心配されるのは、失業の問題というのばこれからじわじわと大きくなっていくということですね。私はあえて地場産業のケミカルシューズの問題についてはきょうは触れませんけれども、要するに雇用調整助成金なり、それから失業保険の問題というのは、ある期間があるということを前提に考えると当然これからの問題が大きくなってくる。それで想定されるのは、大体どのぐらいなのかということを考えないと、私はどうも対策として十分じゃないんじゃないかと。
 前も申し上げましたけれども、失業保険が出るからいいんじゃないかということは、実は失業保険をもらう人にとってはつらいことなんですよ。働いて収入を得るということの方が大事なことなので、やはり職業の場を用意してもらわなくてはならない。それで、大臣の今の趣旨説明にございましたけれども、なかなか民間のあの地域での通常の雇用というのはやっぱりちょっと期待できないと思います。
 そういうことで、今回公共事業に積極的に雇用を図るというこの法案は、我々の主張からすれば半歩前進ぐらい、もう少し私は突っ込んでもらいたいと思うんですが、半歩前進だと評価しておりますけれども、まだこの法律についてはやや待ちの態勢がなと。それは、いわゆる吸収率という言葉が使われておる。吸収率は、だんだん公共事業が多くなって、そういう求人も多くなるだろうからという意味なんです。
 だから、我々とすればもう一歩前へ出られないかという考えがございますけれども、まずそこで、これを四割と、一定の割合ですね、四割と定めた理由をお聞きしたいと思います。
#17
○政府委員(野寺康幸君) 御指摘のとおり、今回労働大臣が定める被災失業者のいわゆる吸収率、お言葉の問題がございますけれども、四〇%設定ということで考えております。
 これは、公共事業、復興事業の効率的な運営と、一方で現地におきます被災失業者の吸収というものの両者をバランスする必要がございますので、そういう意味で現行上有効なほかの制度をにらみまして、それと同じように四〇%というものを定めることを考えているわけでございます。
 今後は、公共事業、これからそれこそ本格的に復旧事業が始まるわけでございましょうから、それに伴いまして労働需要も相当出てまいるというふうに考えておりまして、この程度の率が適当であるというふうに考えております。
#18
○星野朋市君 最後に大臣にお聞きしたいんですけれども、恐らく公共事業は北海道、東北の雪解けを待ってかなり地方の方が活発化してくると思います。それで、もともと北海道とか東北の建設業者、一例を挙げれば、例えばダンプカーなんというものは、この間は向こうに仕事がありませんから、ほとんどこっちへ来て仕事をしている、そういうのが一斉に始まりますと、これはもとへ戻る、労働者も同じこと。
 そういうことで、今回この措置を講じていただいて、私が今まで述べてきたような幾種類もの失業予備軍が出てきまして、公共事業ということに吸収されるとしてもかなり職種的にはミスマッチがあると思うんです。
 それで、一方避難者のための地方自治体の活動とか、それから今のボランティア活動とかこういうものが非常に長期間続けざるを得ない仕事になると思うんです。こういうことをもっと積極的に何かの機関を設けて、とにかく求人という形でまとめまして、それを適宜配分していくというような積極的な行動に次の段階で移れないか、大臣のお考えをお聞きして、質問を終わりたいと思います。
#19
○国務大臣(浜本万三君) 今の先生のお話では、俗に今まで議論がございました公共的な就労事業というものを起こしたらどうかというお説ではないかと思っております。
 この問題につきましては、これまでの経験から申しますと、事業の効率化の問題でありますとか、あるいは失業者が滞留するというような問題がございまして、いろいろ問題が提起されておったところでございます。
 災害復旧のための迅速な対応をするという立場から考えますと、この制度はちょっとなじまないんじゃないかというふうに思いまして、今お願いしておる法律案を制定させていただきまして、できるだけ被災者の方を優先的に雇用させていただいて、そしてみずからも復旧、復興の事業に参加をしていただく、こういう立場をとろうといたしておるわけでございます。
 まだ始まっておりませんので、もう少し事情を見まして検討しなきゃならぬ問題だというふうに思っておりますが、とにかくこういう制度で一応被災者の方に就職していただいて、生活の筋道をとっていただくように支援をしていきたいと思っているわけです。
#20
○星野朋市君 終わります。
#21
○粟森喬君 今回の特別措置法が制定されることによって、一月十七日の地震で多くの雇用の機会を失った人に対して、一定の支援策になることは見てもわかります。しかし、いろんな問題点をまだ未解決のまま、これは本当に一里塚のようなものでございまして、今後全体として、果たして政府として何をどうするのか、私はもう少しはっきりしていただきたいと思うんです。
 具体的に申し上げるならば、例えば製造業あるいはパート労働者、女性が非常に多うございます。三次産業と言われる事務系、この人たちが一月十七日の震災によって瞬間的に職を失うというか何となくまだビルが壊れているとかいろんな状況がもうこの段階ではかなり定着をしているわけです。
 しかし、まだその実数もつかまれていないという話でございます。私はそのことも問題だろうと思うんですが、今労働省として考えている雇用対策の中で、例えば製造業、例えば女性のパート労働者の人たち、あるいは事務系の人たち、この人たちの雇用対策として何か具体的に検討されているものがあるかどうかまずこの点をお尋ね申し上げたいと思います。
#22
○政府委員(征矢紀臣君) お尋ねの点でございますが、まず第一に、被災地域内での雇用の維持を図ることが最重要課題であるということでございまして、そういう観点から事業主への雇用調整助成金の支給、あるいは被災によります事業所の休業あるいは一時的離職により賃金を受けられない人への失業給付の支給等、特例的な措置を講じて対処しているところでございます。
 現地の公共職業安定所に設置いたしました特別相談窓口等におきまして、このような特例措置を活用しながら被災者の方々についてきめ細かな相談、援助に努めており、できる限り離職者を出さずに被災地域における雇用の安定を図っているところでございます。
 もう一点は、雇用保険の被保険者となるべき者であって雇用保険の手続が行われていない、こういう労働者の方々につきましては、これは二年間の遡及確認制度に基づきまして、その労働者からの請求があれば、被保険者であった期間について一定期間、これ二年間でございますが、遡及して確認を行った上失業給付を支給し、その生活の安定及び再就職の促進に努めているところでございます。
 パート労働者につきましても、過当なり労働時間が二十時間以上の方あるいは年間所得が九十万円以上、こういう一定の要件の方については、この措置によりまして対処しているところでございます。
 こうした措置にもかかわらず、やむなく離職した方々につきましては、失業給付を活用しつつ本人の希望を尊重しながら再就職の促進に向けて最大限の努力をしていくということでございますが、これにつきましては現地において機動的に就職のための選考会を開催しており、いろんな職種に属します求職者の方々についても参加していただいているところでございます。
 また、パート労働者につきましては、被災地のパートバンク等を含めた公共職業安定所におきましてきめ細かな相談、職業紹介を実施するということでございますが、今後復興に伴って生じてくるパート向けの求人需要に応じた求人開拓も積極的に実施してまいりたいというふうに考えております。
#23
○粟森喬君 どうも話が一般論過ぎて、私は問題の本質の解決になっていないと思うんです。
 一時的に集中的に雇用の機会を失ったときに、労働省のお考えになっているのは従来の延長線に多少色をつけたと言ったら申しわけございません、手当の期間を延長するとか便宜的な措置をいろいろ図っていただいていますが、それはあくまでも現行法の中でできる範囲をやっぱり超えていない。果たしてそれで本当に今のこの震災の後の復興対策として寄与したものになるのかどうか。
 例えば現実に、製造業がどこかなくなったときに、政府が同じような製造業をつくってやるなんてことはとてもじゃないができません。そのことは十分承知でございますが、やはり製造業や、女性のことでも九十万で週二十時間以上。じゃ、それ以外の労働者というのは政府の制度としてはもう一切考えないということになるようなことではございませんか。自営業者が、もう自営もできなくなった人が雇用を求めるという機会も当然想定ができます。
 私は少なくとも、実態はつかめないとしても、あれだけの災害が起きたときにどういう部分にどういう、ある意味でマキシマムになるのかわかりませんが、保険をもらっている人は私はむしろ最小の単位だと思うんです。それにどのくらいの倍率でというふうに言ったらいいのか別にいたしまして、まだ相当数のそういう雇用を求める労働者が出るときに、今の公共事業の分野だけでは絶対に、これは星野委員も言われましたが、すべての人が今の公共事業にいい仕事があるから全部行くということにならないんです。
 そしてまた現実に、皆さんは雇用保険をもらえばいいじゃないか、雇用調整助成金で何とかしてくれという話があるけれども、これは従来の生活保障の中で言うと、それは満額でもないわけです。今までにもらっている報酬の満額にはそれはもちろんならぬわけです、一番金のかかる時期に。
 そういう状況に対してやっぱり労働省として今回の特別措置以上のものを何か具体的に考えているということがなかったら、私は労働行政としては、これは体験したことのないことでございますが、ぜひともその部分までお考えいただきたいと思っておりますが、その辺はいかがでございますか。
#24
○政府委員(征矢紀臣君) 当面考えられる施策としまして、ただいま先生御指摘のようなことも含めまして、特例措置として雇用調整助成金の地域適用、失業給付の特例あるいはそれの延長、そういうようなことで対処していることとあわせまして、今回お願いしておりますこれは、地元で働きたいという方の臨時的、短期的な仕事の場の提供ということになりますけれども、公共事業におきます就労促進のための特別措置法をお願いしているところでございます。
 また、別の委員会におきまして財政援助等の一括法の中で、新規学卒者につきまして四月以降雇用を継続していただくための雇用調整助成金の適用等の措置もお願いしているところでございます。
 ただ、先行きにつきましては先生御指摘のとおりでございまして、雇用保険制度あるいは雇用調整助成金制度は制度としての限界もあるわけでございまして、したがってそういう限界等もにらみながら今後その地域におきます復興あるいは産業の復旧、復興、そういうものができるだけ急がれなければならない、その急がれる中で雇用が吸収されなければならないというのが基本であろうというふうに考えるところでございます。
 あわせまして当面の働く場としましては、広域的な移動をしてもいいという方につきましては、これは住宅つきの求人等もできるだけ確保して動いていただく、職業紹介を広域的にするということもあわせて検討しているところでございます。
#25
○粟森喬君 今回の災害によって、それぞれ復興するところで新しいいろいろなケースが考えられますが、かなりの部分で、特に地場産業とか中小の企業の実態というのは製造業の内容でもかなり変わるのではないか。今までたまたま長くやっていたから長田区におけるケミカルシューズをつくるところがあったけれども、同じことがあそこで復興されて事業として再開できるかどうかというのは、これはもう産業構造そのものの変化も含めてあるわけでございます。
 だとすれば、少なくとも今職を失った人たちで製造業に従事をしてきた方、あるいはパート労働に携わっていた方、あるいは三次産業とか事務系に携わっていた方にかなり大規模な系統的な職業訓練、新しい仕事につけるような体制が必要だと私は思うんです。
 お聞きをする限りでは、まだとてもそんなところじゃないよと言うのかもしれませんが、やっぱり集中的にこれだけの規模で起きたら当然先行きとして、実態がわからないからまだだというのじゃなく、先行的にそういうこともかなり考えていかないとこの問題は乗り切れないし、乗り切れないということはそれだけ社会に不安を大きく与えるわけでございます。そういうことについてこれからどうしていくのか、これは大臣の答弁を含めて見解をいただきたいと思います。
#26
○国務大臣(浜本万三君) 先ほど局長からも答弁しておりますように、公共事業に就労していただけないような分野についてどうするのかというお話のようにとれましたので、その問題についてお答えをいたします。
 今回の大震災によりまして離職されました方々の再就職を促進していきますためには、パートでありますとか、それから自分で御商売をやっておられた方、こういう方に対しましては職業訓練というものが必要ではないのかということをおっしゃっておられるんじゃないかと思います。
 それで、災害復興工事に伴い必要性の急増する建設関係の業務に携われない人、そういう人をやっぱり職業訓練をいたしまして再就職への支援をしていかなきゃならぬということ、私も非常によくこれはわかりました。そのために、被災地を中心に公共職業能力開発施設の定員を拡大いたしますとか、新たに訓練科の新設をいたしますとか、あるいは専修・各種学校への委託訓練の実施をお願いするとか機動的な訓練を積極的に展開するような対策を講じていかなきゃならぬというふうに思っております。
 それで、兵庫県の方の公共職業能力開発施設に、どんなものが今おっしゃったもので該当するのがあるかということをちょっと調べさせてみましたところ、例えば製図でありますとか電気設備の科目でありますとか、機械加工科でありますとか、生産機械加工科などが製造業ではございます。それから、事務系関連訓練では、OA事務科、ビジネスサービス科、情報サービス科、経営事務科等もございます。
 それから、パート訓練では、これもOA事務科、医療事務科、それから、接遇・ワープロ入門、こういう課程があるものですから、そのような職業訓練を実施させていただきまして、つまり多様な離職者のニーズにかなうような職業訓練を実施させていただきまして、再就職への支援活動を積極的にやっていかなければならぬ、かように思っている次第でございます。
#27
○粟森喬君 終わります。
#28
○吉川春子君 政府は、現在、公共職業安定所に多数の求職者が来所しており、多数の失業者が発生している状況にある、今後もさらに多数の失業者が発生することが見込まれるために、雇用の場を確保することが必要として、今回の立法措置に踏み切ったわけで、まさに大変な事態であると思います。
 それで、通産省お見えになっていますね、具体的な事例についてちょっとお伺いしたいと思います。
 まず、実態を伺いたいと思うんですけれども、今回、震災地で大企業が工場閉鎖とかあるいは労働者の解雇、パート労働者の解雇というところが出ておりますけれども、この実情について報告していただきたいと思います。神戸製鋼所とか神戸製鉄所、住友ゴム、新明和工業、ダイエー、日本製粉、その他実情がわかりましたら御報告ください。
#29
○説明員(青木宏道君) ちょっと残念ながら手元には雇用の解雇の状況はございませんが、事前にいただきました御質問の大企業の移転の問題でもしよろしければお答えしたいと思いますが、よろしゅうございますでしょうか。
#30
○吉川春子君 どうぞ。
#31
○説明員(青木宏道君) 今回の震災によりまして、工場ですとかあるいは本社ビル、こういったところに著しい損壊を受けた企業が幾つかございます。そうした企業の中で、生産の施設あるいは本社機能を他の地域にとりあえず移転をするという動きが、私どもが把握している限りでは一部ではございますけれども、ございます。
 ただし、これを恒久的に他の地域に移してしまうといったような旨の決定をした企業が私どもの所管ではあるとは承知をしておりません。
#32
○吉川春子君 実際どれくらいの数字が大企業で雇用されている労働者かというその数はわかりませんか、震災地での。
#33
○説明員(青木宏道君) 多くの企業の場合は本社ビルの当面の移転でありますので、私どもが把握している限り、生産施設について著しい被害があって、かつその生産施設を需要者のニーズにこたえるため早期に再開するために、当面他の地域に移すといったような例は少のうございます。
 例えて言いますと、住友ゴムでありますけれども、この場合には従業員は約八百五十人というふうに承知をしております。
#34
○吉川春子君 それから、主な企業の下請企業数と従業員数はわかりますか。
#35
○説明員(青木宏道君) 手元に持っておりません。
#36
○吉川春子君 通告してあるんですけれども、その実態の数字がわからないのでは大変遺憾だと思いますが、じゃ先へ進みたいと思います。
 労働省に伺いますけれども、今回の法律によって、この失業者をどの程度吸収できると予想しておられますか、それを聞きます。
#37
○政府委員(征矢紀臣君) 一応、吸収率四〇%ということを予定して今回の法律をお願いしているところでございますが、これによりましてどの程度無技能者を吸収できるかという点につきましては、災害復旧関連の公共事業が具体的にどういうテンポでどのくらい出てくるかということがなおはっきりいたしませんと、その積算をすることも困難でございます。
#38
○吉川春子君 吸収率を四〇%にするということですけれども、従来の例からいって、今二つの法律があるわけですけれども、どの程度吸収されているんでしょうか。
#39
○政府委員(野寺康幸君) 現在ございます一番新しい数字が、平成六年七月から九月までの集計でございます。それによりますと、この期間、すべての有効な吸収率の発動でございますけれども、まず使用されます延べ人員二十七万三千七百二十五人に対しまして、この制度によりまして吸収されたすべての方が一万一千四百十三人ということになります。これは延べ人員でございます。
 以上です。
#40
○吉川春子君 何%ですか。
#41
○政府委員(野寺康幸君) 単純に計算いたしますと、四・二%でございます。
#42
○吉川春子君 吸収率四〇%と決めても、その十分の一程度ですね、実際に吸収されているパーセントというのは。ですから、この法案の積極的な意味というのは認めるんですけれども、実際上の効果という点で、やはり今回のように震災地で大量の失業が予想されるわけですから、この吸収率を高めるというのが非常に必要だと思います。
 そして、これは義務法になっておりますけれども、しかし罰則はないということですので、実効あらしめるために公共事業の入札の条件にするとか、すべての公共事業の発注先に対してこういうことを周知徹底させるとか、実際にこの法律の効果を担保する必要があると思いますが、その点どのようにお考えでしょうか。
#43
○政府委員(野寺康幸君) 今四・二%と申し上げましたのは、すべての地域を含んで計算した数字でございまして、このうち手持ち労働者があっていわゆる認定が除外される、つまり雇用の実績のない部分を除いて計算いたしますと、同じような単純計算で一一・三%になるわけでございます。
 今、先生御質問の要点の部分でございますけれども、本制度は何よりも事業主、それから就労するであろう被災失業者、両方にこの制度をまず十分に周知していただきまして、罰則はもちろんございませんけれども、事業主の雇用する義務として制度の趣旨を十分御理解いただき、そしてそのためのPRを我々行政がいかに効率的にやるかということに成否がかかっているわけでございます。
 そういう意味で私ども、今後地元あるいは業界等々と力を合わせまして、適切、懇切な指導を行いまして、制度の実効が上がりますように努力してまいりたいというふうに考えております。
#44
○吉川春子君 大臣にお伺いしますけれども、失業者を公共事業に吸収するということは非常に重要なことだと思うんです。だから、そういう点で、やはり法律のいろいろな限界はあるにいたしましても、実効性を高めるということで、大臣としても特段の努力をお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。
#45
○国務大臣(浜本万三君) 吉川議員のおっしゃるとおりでございますので、関係業者の皆さんあるいは行政の皆さんにもそれぞれお願いをいたしまして、たくさん罹災者の方々を就労させていただくように私の方からもお願いをしたいと思っております。
#46
○吉川春子君 本法の施行により、どの程度の事務量がふえると計算しておりますか、これは国家公務員の事務量です。
#47
○政府委員(野寺康幸君) これはなかなか予測が困難でございます。といいますのは、まず、発注されるであろう公共事業の件数等々が事業の規模に引き直してまだ具体的に全くわかっておりません。これから予算が実施される段階でそれらが明らかになってくるわけでございますが、それらを具体的に安定所別に割り振りまして、そして事業主から御連絡をいただく、こういうことがまずあるわけでございます。
 ただ、先ほど申しましたような過去の実績にかんがみまして、場合によりましては数十件あるいは数百件あるいはそれ以上の人数が出てくる可能性もございますが、いかような状況になりましても対応できるようにいろいろな応援体制等を組みましてやってまいりたいというふうに考えております。
#48
○吉川春子君 今おっしゃったような広報活動、そういうものを含めますと、やっぱりかなりの事務量が出てくると思います。労働省の場合は、昨年来の法案の改正でまず事務量がすごくふえている。そして今度の震災で物すごくふえている。そしてまた新たな立法その他の対応によって非常にふえている。先ほど予算委員会でも質問いたしましたけれども、ふえるニーズ、事務量にふさわしい人員の確保をぜひ私は大臣にお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。
#49
○国務大臣(浜本万三君) 予算委員会の席でも御答弁させていただきましたように、過重にはなっておるのでございますが、できるだけ現地の皆さんの応援をさせていただくということで、近隣の府県から積極的な応援をいただきますと同時に、本省の方からも応援体制を整えまして今協力させていただいておるわけでございます。
 さらに、臨時に必要な方を採用する場合があるというふうに思いますので、そういう点につきましても検討しながら、できるだけ現地の皆さんの仕事が過重にならないように配慮してまいりたいと考えております。
#50
○吉川春子君 労働省に限らないんですけれども、公務員やらその他の民間の労働者もそうだと思いますけれども、地方公務員も含めて過労死寸前の状態でこの震災に対応して働いておられるという実態を見て、やはり人的確保というのは非常に重要だと思います。
 それから、公共事業への吸収ということで土木作業が中心になると思うんですけれども、これは男性の力仕事が中心というふうにも思えますが、例えば失業者のうちのホワイトカラーであるとか女性であるとか中高年齢の失業者、こういう方の公的事業への吸収ということは労働省はお考えになっていないんでしょうか。これも一つ非常に重要な検討課題だと思いますが、いかがでしょうか。
#51
○政府委員(野寺康幸君) 今回設けます吸収率の制度は、性別、年齢等々全く考慮していないというか、どなたでも御希望があって求職がございますればお世話することが可能でございます。
 また、具体的に公共事業とは申しましても、復旧事業の中にはいろいろな軽作業からかなりの体力を要するものまでさまざまございますので、過去の私どもの経験を踏まえましても、女性の方や年のいった方もある程度の仕事は可能であるというふうに考えておりいます。
#52
○吉川春子君 女性が不可能とかと言っているんじゃありませんが、やっぱり中心はそういう男性の力仕事ということなので、今申し上げましたような方々についての公的就労の場というのもひとつ今後の検討課題として大臣ぜひ御検討いただきたいと思います。
 もう一つ、時間の関係で続けて質問いたしますが、先ほどちょっと通産省、資料をお持ちでないんで残念ですけれども、便乗リストラも含めて大企業でのリストラというのが進もうとしているわけで、これは非常に重要なことだと思うんです。先ほどお話がありましたように、失業者として失業給付や雇調金でつなぐという方法ではなくて、やはり職場で働き続けるということが私たちにとって非常に重要なことなんです。だから、工場が再開したらまたもとへ戻れる。雇調金が一年で切られるとかそういうことではなくて、従来の枠を超えて、職場を確保するために、震災対策というんですか、ぜひ力を入れてやっていただきたいと思います。
 その二点について、最後に労働大臣にお伺いいたします。
#53
○国務大臣(浜本万三君) さっきもお答えしたんですが、結局公共事業を発注する諸団体及び受注される事業主の方々にお願いをいたしまして、吉川議員から今お話があったような方々を積極的に雇用していただくようにいたしたいと思っております。
 それからもう一つは、失業された万全体の雇用の場を拡大していく必要があると思いますので、その点につきましてもできるだけ広域的な職業紹介等を通じまして再就職への支援もしてまいりたいと思っております。
 それから、事務量のこともおっしゃいましたが、必要に応じまして臨時の要員も確保いたしまして、現在仕事をやっていただいておる現地の方々が過重にならないように配慮してまいりたいと思っております。
#54
○吉川春子君 終わります。
#55
○委員長(笹野貞子君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#56
○委員長(笹野貞子君) 御異議ないと認めます。
 それでは、これより討論に入ります。――別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 阪神・淡路大震災を受けた地域における被災失業者の公共事業への就労促進に関する特別措置法案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#57
○委員長(笹野貞子君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#58
○委員長(笹野貞子君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#59
○委員長(笹野貞子君) 次に、特定不況業種等関係労働者の雇用の安定に関する特別措置法及び雇用促進事業団法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 政府から趣旨説明を聴取いたします。浜本労働大臣。
#60
○国務大臣(浜本万三君) ただいま議題となりました特定不況業種等関係労働者の雇用の安定に関する特別措置法及び雇用促進事業団法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
 最近の雇用失業情勢は依然として厳しい状況にありますが、景気回復に伴い循環的な雇用問題は今後改善していくものと考えられます。しかしながら、製造業の海外シフト等に伴ういわゆる産業の空洞化等の構造的な問題が大きくなる懸念もあります。政府としては、これらの懸念を解消し、中長期的に国際的に開かれた活力ある経済社会を実現していくため、産業構造転換・雇用対策本部を設置し、産業構造の転換と雇用対策を一体的、総合的に進めているところであります。
 雇用面で見ると、今後中長期的には、円高、国際化の進展等による産業構造の変化により、産業別の労働力構成は大きく変化することが見込まれております。このような変化に伴い、趨勢的に雇用量の減少が余儀なくされる業種に属する企業においては、産業間、企業間の労働移動が避けられない場合が増加することが見込まれることから、これらの業種においては、できるだけ失業を経ることなく労働移動すること等による失業の予防及び労働移動前後の能力の開発及び向上を中心とした雇用の安定のための施策を積極的に進めていくことが重要な課題となっております。
 また、現在特定不況業種として指定されておる業種等においては、設備廃棄等を余儀なくされることに伴い、一時に多数の離職者が新たに発生することも予想されるところであります。このため、これらの構造的不況に陥った業種については、失業の予防のための対策のみならず、離職者に対する再就職の促進のための特別の対策を引き続き講じていくことが求められています。
 政府といたしましては、こうした課題に適切に対処するため、特定不況業種等関係労働者の雇用の安定に関する特別措置法について、その廃止期限の延長を図るとともに、雇用調整を余儀なくされている業種において、産業間、企業間の労働移動による雇用機会の確保、労働移動の前後の能力開発等の措置を講ずる事業主に対しての支援を拡充することとし、その案を関係審議会にお諮りした上、この法律案を作成し、ここに提出した次第であります。
 次に、この法律案の内容につきまして、概要を御説明申し上げます。
 第一に、本年六月三十日までとされている特定不況業種等関係労働者の雇用の安定に関する特別措置法の廃止期限を六年間延長して、平成十三年六月三十日までとすることとしております。
 第二に、従来からの特定不況業種に加え、内外の経済的事情の著しい変化により、その製品や役務の供給が相当程度減少しており、その状態から長期にわたり回復しないことが見込まれることに伴い雇用量が相当程度減少しており、または減少するおそれがある業種を特定雇用調整業種として労働大臣が指定することとしております。
 第三は、特定不況業種や特定雇用調整業種に係る事業主の雇用する労働者等の失業の予防、雇用機会の増大その他の雇用の安定並びに能力の開発及び向上を図るため、事業主その他の関係者に対して相談その他の援助を行うとともに、公共職業安定所長の認定を受けた計画に基づいて、事業の転換による雇用機会の確保等の措置を講ずる事業主等に対し、必要な助成及び援助を行うこととしております。
 また、これらの助成及び援助に係る事業の一部は雇用促進事業団において実施することとしております。
 以上のほか職業訓練施設の設置、整備に係る資金の貸し付けの対象範囲の拡大、公共職業安定所長の認定を受けた計画に基づき移動を余儀なくされる労働者への宿舎の貸与、労働大臣と関係行政機関の長との相互に緊密な連絡及び協力等を定めることとしております。
 なお、この法律は、一部の規定を除き、本年七月一日から施行することとしております。
 以上、この法律案の提案理由及び内容の概要につきまして御説明申し上げました。
 何とぞ、御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
#61
○委員長(笹野貞子君) 以上で本案の趣旨説明の聴取は終わりました。
 本案に対する質疑は後日に譲ることといたします。
    ―――――――――――――
#62
○委員長(笹野貞子君) 次に、労働者災害補償保険法等の一部を改正する法律案を議題といたします。
 政府から趣旨説明を聴取いたします。浜本労働大臣。
#63
○国務大臣(浜本万三君) ただいま議題となりました労働者災害補償保険法等の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
 労災保険制度を取り巻く状況を見ますと、人口の高齢化、核家族化、女性の就業率の上昇等の社会経済情勢の変化により、家庭で十分な介護を受けることができない重度被災労働者に対する支援を大幅に拡充するとともに、世帯人員の減少等の実情にある被災労働者の遺族について、より一層の生活の安定を図ることが重要な課題となっております。さらに、我が国企業の事業活動の国際化が進展する中で、現地法人の代表者として海外に派遣される者が増加していること、また、我が国の労働災害は、全体としては減少傾向にあるものの、依然として中小企業での災害が多数を占めている状況にあること等の実情を十分踏まえ、こうした状況にふさわしい内容の労災保険制度に改善していくことが必要となっております。
 このような中で、一昨年より、労働者災害補償保険審議会において、労災保険制度の改善についての検討が行われてきたところでありますが、昨年十二月にその検討結果が取りまとめられ、今日の社会経済情勢の変化にかんがみ、当面実施すべき制度の改善について、同審議会より公労使全員一致による建議をいただきました。
 政府といたしましては、この建議を踏まえ、法律改正を要する部分について改正案を作成し、労働者災害補償保険審議会その他関係審議会の審議を経て成案を得ましたので、ここに労働者災害補償保険法等の一部を改正する法律案として提案いたした次第であります。
 次に、この法律案の内容の概要を御説明申し上げます。
 まず、労働者災害補償保険法の一部改正についてであります。
 第一は、年金たる保険給付について、現行では二月、五月、八月及び十一月の年四回支払うこととしておりますが、これを二月、四月、六月、八月、十月及び十二月の年六回支払うこととしたことであります。
 第二は、障害補償年金または傷病補償年金を受ける権利を有する重度被災労働者が、これらの年金の支給事由となる障害により、常時または随時介護を要する状態にあり、かつ常時または随時介護を受けている場合に、当該被災労働者の申請に基づき、当該介護に要する費用を考慮して一定の金銭給付を行うことを内容とする介護補償給付を創設することとしたことであります。
 第三は、遺族補償年金を受けることができる子、孫または兄弟姉妹の範囲について、現行では満十八歳未満の者とされておりますが、これを満十八歳に達する日以後の最初の三月三十一日までの間にある者とするとともに、遺族補償年金の給付額について、現行では五人以上とされている最高給付日数の支給対象となる遺族数を四人以上とすること等により、その引き上げを行うこととしたことであります。
 第四は、労働福祉事業として、被災労働者の介護に対する援護を行うことができることを明示することとしたことであります。
 第五は、海外で行われる事業が中小事業に該当する場合には、当該事業について事業主その他労働者以外の者として派遣される者を、新たに特別加入者の範囲に加えることとしたことであります。
 次に、労働保険の保険料の徴収等に関する法律の一部改正について申し上げます。
 第一は、事業場ごとの災害率により保険料を増減させるいわゆるメリット制度について、中小事業主が労働者の安全または衛生を確保するために一定の措置を講じた場合には、当該事業主の申告により、現行では最大百分の四十とされている保険料の増減幅を最大百分の四十五とする特例を創設することとしたことであります。
 第二は、労働保険の概算保険料及び確定保険料の申告及び納期限について、現行では保険年度の初日から四十五日以内とされておりますが、これを五十日以内に延長することとしたことであります。
 次に、船員保険法等の一部改正につきまして申し上げます。
 船員保険制度においても、労災保険制度と同様の趣旨から、介護料の創設、遺族年金の給付額の引き上げを行う等の改正を行うこととしたことであります。
 以上のほかこの法律案においては、その附則において以上の改正に伴う経過措置を定めております。
 なお、施行期日は、遺族補償年金の給付額の引き上げ、労働福祉事業の改善寺及び船員保険の遺族年金給付額の引き上げにつきましては平成七年八月一日、年金の支払い期月の改善につきましては平成八年十月一日、特例メリット制度の創設につきましては平成九年三月三十一日、労働保険料の申告及び納期限の延長につきましては平成九年四月一日、その他の改正事項につきましては平成八年四月一日としております。
 以上が、この法律案の提案理由及びその内容の概要であります。
 何とぞ、御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
 以上でございます。
#64
○委員長(笹野貞子君) 以上で本案の趣旨説明の聴取は終わりました。
 本案に対する質疑は後日に譲ることといたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後三時五十一分散会
ソース: 国立国会図書館
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