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1995/03/28 第132回国会 参議院 参議院会議録情報 第132回国会 労働委員会 第8号
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1995/03/28 第132回国会 参議院

参議院会議録情報 第132回国会 労働委員会 第8号

#1
第132回国会 労働委員会 第8号
平成七年三月二十八日(火曜日)
   午前十時開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 三月十七日
    辞任         補欠選任
     吉川 芳男君    大河原太一郎君
 三月二十七日
    辞任         補欠選任
     小野 清子君     鹿熊 安正君
    大河原太一郎君     岡  利定君
     田辺 哲夫君     清水 達雄君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         笹野 貞子君
    理 事
                野村 五男君
                庄司  中君
                古川太三郎君
                吉川 春子君
    委 員
                岡  利定君
                清水 達雄君
                柳川 覺治君
                千葉 景子君
                安永 英雄君
                足立 良平君
                武田 節子君
                星野 朋市君
                和田 教美君
                國弘 正雄君
                西岡瑠璃子君
   国務大臣
       労 働 大 臣  浜本 万三君
   政府委員
       労働大臣官房長  伊藤 庄平君
       労働省労政局長  七瀬 時雄君
       労働省労働基準
       局長       廣見 和夫君
       労働省婦人局長  松原 亘子君
       労働省職業安定
       局長       征矢 紀臣君
       労働省職業能力
       開発局長     中井 敏夫君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        佐野  厚君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○中小企業退職金共済法の一部を改正する法律案
 (内閣提出、衆議院送付)
○地方自治法第百五十六条第六項の規定に基づき
 、公共職業安定所の出張所の設置に関し承認を
 求めるの件(内閣提出、衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(笹野貞子君) ただいまから労働委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 去る十七日、吉川芳男君が委員を辞任され、その補欠として大河原太一郎君が選任されました。
 また、昨日、田辺哲夫君、大河原太一郎君及び小野清子君が委員を辞任され、その補欠として清水達雄君、岡利定石及び鹿熊安正君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(笹野貞子君) 中小企業退職金共済法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#4
○星野朋市君 まず最初に、大臣にお伺いをいたします。
 先週発生しました地下鉄サリン事件につきまして、その犠牲となられた方について、大臣は記者会見で労災の申請があれば認定をするというようなお話をされましたけれども、改めて御見解をお伺いします。
#5
○国務大臣(浜本万三君) 今回の事件はまことに不幸な事件でございます。非常に遺憾に思っております。亡くなられた方々に対しましては心からお悔やみを申し上げますとともに、負傷されました方々に対しましても心からお見舞いを申し上げたいと思う次第でございます。
 今、議員が申されましたように、先般、記者会見を行いまして、亡くなられた方々に対する労災問題についての発言をいたしました。その内容を申し上げますと、今回の被災者の方々には通勤途上の方が多く含まれております。これらの方々に対する労災保険の適用については、災害の発生場所、発生時刻、発生状況等から見まして、通勤災害に該当するものと考えております。したがって、今後請求があれば迅速な救済に努めてまいりたいと思いますということを申し上げました。三月二十八日現在、一件の申請が出ておるそうでございますが、これから引き続いて出ることになると思いますので、今申し上げましたように迅速に処理をしてまいりたいと思っております。
 また、今回の被災された方々のうち営団地下鉄の職員については、駅構内や車両にある危険物を除去する作業や、異常事態に伴う乗客の誘導等がなされたわけでございますので、これは本来の業務であると考えますから、業務災害として救済されることは当然であろうというふうに思っております。
 以上のことを記者会見で申し上げたわけでございます。
#6
○星野朋市君 素早い対応で私どもも大変大臣の見識に感銘を覚えているわけです。よろしくお願いをいたします。
 さて、きょうは法案の審議に入る前に、円高の問題とそれからそれに伴う、私は余り産業空洞化という言葉を使いたくないんですが、失業の問題について少し議論を闘わせていきたいと思います。
 労働省自体としては、この円高の原因というのはどういうふうにとらえられておりますか。
#7
○政府委員(征矢紀臣君) 私ども率直に申し上げまして専門家でございませんものですから、的確に円高の原因がどうかということをお答え申し上げるのもなかなか難しいんですけれども、一般的に言われておりますように、円高というよりはむしろドル安ではないかというような問題、それから背景としましていわゆる構造的な貿易黒字の問題、そういうようなものがあって、そういう中で他面から見ればやはり日本経済が堅調であるということもあろうかと思いますが、そんなことで円高が進んでおるのではないかというふうに考えております。
#8
○星野朋市君 私は、労働省もそういう余りにも表面的な見解だけで済まされないと思っているんです。なぜこういうことを聞いたかというと、結局円高の問題というのは最後に雇用の問題に終結すると思っておりますし、それから円高の原因が何であるかということの適切な把握をしておかないと、その後の労働政策に誤りが生ずるんじゃないかと私は思っておるわけです。その点についていかがですか。
#9
○政府委員(征矢紀臣君) 御指摘の点ごもっともでございますが、円高につきましての見方、これにつきましてもいろいろの見方もございます。いずれにいたしましても、私どもといたしましてはこの円高等によります雇用への影響、これはやはり大変心配いたしておるところでございまして、それについて状況に応じ最大限適切な対策をとっていかなければならないというふうに考えているところでございます。
#10
○星野朋市君 いわゆる為替レートの問題というのは、よく言われるようにファンダメンタルズだと、こういうふうに言われておりますけれども、日本の今の経常収支の黒字、それからいわゆるドルに対する信認が薄いということで、対外投資、ドル投資に日本の資金が向かわない、こういうような原因がありまして、さらにその上にいわゆる為替の投機、特に最近はいろいろ問題になりましたデリバティブの問題で非常に巨額な資金が動いておって、円高をますます加速させている。
 特に、ドル安という表現を使われましたけれども、ドルは全世界の通貨に対しては決してドル安になっていないんです。我々が昭和三十年代から貿易をやっておりまして、そのころから見てどうなっているかということの一番顕著な例は、ドルは二百六十円、イギリスのポンドが千八円、ドイツマルクが九十円、こういう時代から円の為替というのをずっと見てみますと、ドルに対して高くなっているのは円とマルクが顕著なんです。そして、しかも円はマルクに対しても高くなっている。ところが、ドルは全世界の通貨に対して決して安くなっておらない。だから、アメリカはこの問題に関しては余り痛痒を感じていないというのが実情なんですね。
 そうすると、今の円が高くなっているということは、もちろん日本経済の実力、それにもよるでしょうけれども、しかし現在の日本の経済状況を見たときに、こんなに高くでいいのだろうか、明らかにこれは投機が動いているんですね。特にデリバティブの最大のファンドを形成しているジョージ・ソロスというこのファンドは、かつてイギリスのポンドを暴落させて欧州通貨の統合を妨げるほど利益を上げた。ところが、彼はその後円がもっと安くなる、百十円から百十五円ぐらいになるという想定で恐らく六億ドルの損失をこうむっている。このことが今になってかなり逆にドルを売って円を買っている。
 先日、労働省の方が見えられたときに、私の方でそういうデリバティブの、それぞれの銀行もしくは証券会社でやっているデリバティブのほかにヘッジファンドというのがあって、それの去年の成績表を参考のためにお渡ししておきましたけれども、この円高の過程の中で、ヘッジファンドの大部分が相当大もうけをしている、こういうような状態が現在あるわけです。
 一部のそういう巨大化した金融派生商品、このために特に日本の産業、製造業が相当影響を受けているというような事態を私は非常に憂いておりまして、この投機的な円高というのをとめるために、各国の介入、これも多少は効果があるでしょうけれども、デリバティブの総額が二十五兆から四十兆ドルといわれるような巨大な形に膨れ上がった中で、せいぜい十億ドルぐらいの介入をしても全くこれは影響がない。ということならば、私は少なくとも金融自由化とは相反するけれども、デリバティブの規制を、特に日本、イギリス、ドイツあたりから提唱をしてある規制をかけないと、そういう一部の者のために産業の基盤がゆがむというような事態が発生すると思っているわけです。
 最近になりまして徐々に、そういう規制の前に一たん監視をするとか、それから公開をするとか、そういう形での一種の規制が行われるようになりましたけれども、労働省も、さっき申し上げましたように、為替とそれから雇用の問題というのが密接に関係をしているならば、そういう視点にも立ってこれは働きかけをしてもらいたい、こう思いますが、いかがでございますか。
#11
○政府委員(征矢紀臣君) ただいま先生の御指摘の点でございますが、おっしゃるとおりだと思いますけれども、具体的な対応をどうするかについては、なかなか難しい問題もあろうかと思いますが、私どもといたしましても為替の問題とそれから雇用の問題につきまして、実情把握あるいは勉強もしながら対処させていただきたいと思います。
#12
○星野朋市君 それから、私は機会があるごとにしばしば申し上げておりますけれども、日本の今の貿易黒字、大体三千数百億の輸出、円建て比率がその四〇%、それから輸入が二千数百億ドル、これの円建て比率というのは一八から二〇%、この基本が日本はなかなか変わってないんです。そうすると、一方で円高による為替差損が生ずると同時に、今の構造からいえば全く同額の輸入の為替差益というのが出て、フローの面ではイコールなんですね。
 ところが、ここに恐るべき問題が私はあると思うのは、輸出側の為替差損、要するに企業利益の減少に伴う限界産業が倒産、または、これから私は主として問題にするんですけれども、生産拠点の海外移転、こういうのが加速される。片方では、輸入による為替差益というのがなかなか末端まで出ない。それは、多段階による日本の流通機構に問題がある。ドイツのように、為替による変動があるときは、輸入に対してもすぐ結果があらわれる、こういうような情勢になれば、自国の通貨が高くなるということは必ずしも忌避されるべきことではないんです。ドイツはむしろ歓迎するわけです。輸出はすぐ価格上昇という形で転嫁してくる。輸入はすぐ安くする。そうすると、ここに流通関係の、要するに整理というのが行われないと、それがなかなかできない。規制だけの問題では私はないと思うんです。
 それで、推計ですけれども日本の卸業に所属する産業労働人口は、大体四百五十万人ぐらいおりますか、小売に約七百万。そうすると少なくとも、この一割以上の人たちの雇用の問題というのはそこで生ずると思うんです。そうするとこれらの問題というのが、為替の問題がもうちょっと厳しくなると同時多発的にこれは出てくる可能性があるというのが私の持論なんです。
 労働省は、そこら辺をどういうふうにお考えになっておられるか。
#13
○政府委員(征矢紀臣君) ただいま先生御指摘のとおりの問題もあろうかと思います。
 円高に伴いまして、一方では非常に輸出産業を中心に今先生御指摘のような問題が起こる。他面、輸入に関連しましてはそのメリットが非常に大きい。そういう分野もある。それから製造業、輸出産業等におきましても、そういう円高によりまして原材料あるいは一次製品等が非常に安くなることによるメリットもある。その辺が総合的にどういう影響があるかという点につきましては、なかなか全体としては判断の難しい面もあろうかと思います。
 先生御指摘のように、過去一ドル二百六十円時代から、これは一貫して円は上昇してきた経緯はあるわけでございまして、その時々の過程でやはり非常に大きな問題になって今日に至っておりますが、今日までは産業界等あるいは政府の努力その他もありまして、何とか乗り切ってきている。それが今回一ドル八十円台というようなことになりまして、これが非常に大きな影響を今御指摘のようなことがあるんではないかという心配があるわけでございますが、その辺についてどうなっていくか。この辺につきましては、私どもも当面の影響につきましては、第一線の公共職業安定機関を通じまして早急にヒアリング等を行い雇用面にどんな影響を及ぼすか、そういうことも含めまして現在調査をいたしているところでございます。
 それから、先生御指摘のようなことでの影響問題、これは一方で物価が安くなることによりましてそれに対するメリットもあるわけでございますが、一方で雇用問題にサービス業、卸・小売業を通じての影響が出てきて雇用環境が悪化する、こういう心配もおっしゃるとおりあるわけでございまして、そういうところについての対策をどうしていくか、これは重要課題であろうというふうに考えております。
 この点につきましては、昨年の夏におきましても百円を切ったときにやはり同じような問題がございまして、程度の問題は別にしまして、そういうことを踏まえて対策をとっていかなければならないということがあり、前回御審議いただきました特定不況業種労働者雇用安定法につきましては、そういうことを今後の構造問題としてとらえ、対処をしていくという観点から審議をお願いし、今国会で成立をさせていただいたわけでございます。これにつきましては施行日が七月一日ということでございますが、それに向かって現在準備をしておるという状況でございます。
#14
○星野朋市君 日本の戦後の経済体制、会社の経営というふうな面からすると、日本は要するにアウタルキーだったんですね。何でもかんでも日本でつくってしまおう。それで、すべての企業といっていいんでしょうけれども、生産ラインそのものがやや過剰輸出体制になっているんです。国内需要を賄う以上に生産設備というのが、いわゆる大量生産方式でできてしまった。これのツケが私はここで来ていると思うんです。
 それですから、本質的に日本は要するに貿易の量というものを確保しなくちゃならない体制ができている。かつてバブルの前に、日本のダンピング性質というものに対して実は欧米は警告をしていたはずなんです。ということは、生産設備を稼働させて稼働率を上げることによっていわゆる限界利益が出ればいいと。正常な価格からすればややダンピング傾向があったとしても、日本の企業はいわゆる土地の含み益を持っているために、そこをちょびっと売れば大体その損失をカバーできてしまう。この論議が高まりそうになったことがあったんですけれども、日本のバブルという経済状況が生じたためにその論は引っ込みました。
 だけれども、生産設備の体制はほとんど変わってないんです。それによって、どうしても稼働率を上げるという形で輸出志向が高まってしまう。今そのツケが全部ここへ回ってきているという感じであります。そうすると、円高によってその部分が要するに逆に弱点になってきているという部分があると思うんです。
 私は、そういうことからして日本が今まで欧米先進国から日本の経済構造によって職を奪ってきた部分、この部分が逆に今発展途上国によって奪われている、これはむしろ容認しなくちゃならないんだと。要するに労働政策がいかに日本の産業を守るかという、これは通産省のマターだと思いますけれども、労働省側としてもいかに守るかということよりも、ある程度この部分は容認してかからないといけない、私はそう思うんですが、いかがですか。
#15
○政府委員(征矢紀臣君) 国際的な経済社会の中で、先生御指摘のような問題もあろうかと思います。そういう意味からいきますと、経済的にただいま御指摘のような点がある、これはもう避けて通れない課題であるというふうに私どもも認識いたしております。
#16
○星野朋市君 ただ問題は、そうなることによって日本のいわゆる末端の製造部門におけるスキル、技能の問題ですね、これが非常に急速に消えていく可能性が私はあると思っているんです。
 現代の名工という制度がありますね。あれは労働省ですか、通産省ですか、ちょっとお答えいただきたい。
#17
○政府委員(中井敏夫君) 現代の名工と言われております卓越技能者の表彰制度は私ども労働省がやっておりまして、毎年百人の方を表彰しております。
#18
○星野朋市君 私は、昭和三十年代からアジア、アフリカそれから東ヨーロッパ、ロシア、いわゆる技術の開発途上国についてかなり技術指導をしてきました経験から申し上げまして、特に中国にこれはまだ四人組がいた時代に、ビニールの壁紙製造プラントというのを工場の設計から全部いたしまして、技術指導したことがあるんです。このときに中国は、戦後海外からの技術指導が初めてのケースだったために、中国全土から電気の技術者、化学の技術者、優秀な人間を全部そこに集めて指導中に見学をさせておりました。
 もちろん向こうは専門家ですから、専門的にはかなり詳しい質問をしてきた。我々が派遣をしましたのは技術者と技能者であったから、そこでは十分な応答ができなかったんですけれども、私は言ったんです。それでは、その技術だけで品物が完全にできるか、スキルの問題がないとこういうふうに物はできませんよという形でもって、その当時中国から初めて私はノウハウフィー、エンジニアリングフィーを取った経験があります。
 今いわゆる限界企業がどんどん海外へ移転してしまわざるを得ない状況だと、実はそういうところにいるいわゆる技能者、特にこういうときに問題になりますのは、大田区にある機械工業の町工場の技能者、こういう人たちがその部品部品でもって実は最先端の企業の一部を担っている、こういうところが円高の影響によって作業量が減りまたは非常なコスト低減を迫られてだんだん廃業せざるを得ない状態、こういうことを私は非常に恐れているんですが、労働省はそういう問題についてどうお考えか。
#19
○政府委員(中井敏夫君) 先生御指摘のように、生産拠点の海外移転の進展ということがございますし、それからそれに加えて近年の若年者の技能離れというような風潮もございます、それから熟練技能者の高齢化というようなことで、そういった我が国の産業を支える熟練技能の継承というのが非常に心配をされております。
 私ども労働省といたしましては、公共の能力開発施設におきまして技能労働者の養成を行うとともに、企業の中で能力開発関係の各種の給付金によりましてそういった技能者の養成についても支援を行っております。
 それから、先生先ほども御指摘になりました卓越技能者の表彰あるいは技能五輪全国大会等々、技能の振興ということで一生懸命技能の社会的評価を高めるための努力をしておるところでございます。
 また、そういった技能の継承につきましては、何といっても業界が一体となった取り組みというのがどうしても必要でございます。今般、新たに業種別に技能振興のためのガイドラインというのをつくっていただきまして、最近できましたのは機械関連の業種あるいは大工の関係、そういったもので業界の取り組みの指針みたいなものをつくっていただいてこれから業界も取り組んでいただき、私どもはそれを積極的に支援していく、そんなように考えておりまして、こういった技能の振興のために私どもこれからも一生懸命やっていきたい、そういうふうに思っております。
#20
○星野朋市君 それは大変結構なことで、これは通産のマターですけれども、中小企業の協業化ということですね、これも通産マターでは真剣に考えておるようですから、ともども相まってそういう形での新しい展開を図っていただきたい。
 それからもう一つ、既に制度はあるんですが、企業に勤めるサラリーマンにかつては専門一本だけ、専門に徹しろ、こういうことが言われておりましたけれども、私は自分の経験から、大体やはり一本の太い専門ともう一つサブ的な専門的な知識なり技能を持たないとこれからは生き残れないぞということをずっと申し上げてきたんです。
 これは、かつてソニーの会長の盛田さんがこういうことを言っているんです。エブリシングについてサムシングを、サムシングについてはエブリシングをと。すべて関心を持ちなさいと、何かに。ところが、そのうちの幾つかについては全部を知りなさい。これがサラリーマンのこれからの生きる道だと。これは大分前におっしゃった言葉なんです。
 そういうことを考えますと、今リストラということが盛んに言われておりますけれども、きょうの新聞にも大体一社平均百三十人の雇用調整を行ったというようなデータが出ておりますけれども、労働省はそういうことのためにも何か支援をもっと幅広く行っていただきたい、こう思いますが、いかがでございますか。
#21
○政府委員(中井敏夫君) 今、先生の御指摘の点、サラリーマンというかホワイトカラー的な職種のことについておっしゃったんだと思いますけれども、私どもの能力開発といたしまして、もちろん技能の振興、技能者の養成は大切なことですけれども、それに加えて今後はホワイトカラーのいろいろな能力開発について努力をしていかなければならないと思っております。
 また、それと同時に労働者が自分で勉強するという自己啓発、こういったこともこれからそれをどういうふうに行政が支援していくかということも重要な課題であるというふうに思っておりまして、来年度の予算におきましても、自己啓発につきまして有識者会議というようなことの開催ということも予算化されておりまして、自己啓発をどういうふうにしていくか、それをどういうふうに支援していくかということを議論していただいて具体的な施策をさらに深めていきたい、そういうふうに思っております。
#22
○星野朋市君 労働時間も労働基準法の改正によって千八百時間、こういうことを目指しておりますし、余暇というものを遊びのためとかそういうことだけに使うんではなくて、これからはその時間をボランティアだとか、勉強であるとか、それから自己開発とか、そういうふうに向けるべきだと思うんです。これについて、労働省の一層のそういうPRなり支援策をお願いいたしまして、前段の議論は終わりたいと思います。
 さて、中退法の問題でございますけれども、今度の法律の中で、趣旨説明にもありましたように、現在の対象者が約四十万事業所、大体二百八十万人ということがうたわれておりまして、これを単純に平均すると一事業所当たりが七人ということになりますけれども、それは今までの統計ですね。現在この中退法に加盟している事業所のそういう規模はその平均を上回っておりますか、下回っておりますか。
#23
○政府委員(七瀬時雄君) 先生おっしゃいましたように、一事業所当たり七人という数字でございますけれども、だんだんと制度が普及していくに従って規模の小さい方にその制度が及んでまいりますので、新規加入の規模で見ますと下回っているという現状でございます。
#24
○星野朋市君 大体どのくらいになりますか。
#25
○政府委員(七瀬時雄君) おおむね五人程度というふうに理解いたしております。
#26
○星野朋市君 今約四十万事業所ということですけれども、いわゆるこれの対象になる事業者数、これは法人、それから個人経営ともに大体どのくらいあって、どのくらいの事業所、どのくらいの従業員が対象になるか。
 そうすると、今の四十万、二百八十万というのはそのうちの何%かというのはすぐわかりますから、それはどのくらいになっておりますか。
#27
○政府委員(七瀬時雄君) 中退制度の普及率につきましては、統計のとり方によりましていろいろと数字が異なってきたりしまして把握がなかなか難しい点がございます。
 例えば、総務庁の事業所統計調査によりますと、これは事業主ではなくて事業所の数の調査でございます。逆に、中退制度は事業主の数でございますので比較はできませんけれども、事業所数が三百十三万、それから加入している事業主が三十九万八千人というふうになっておりますし、労働者数で同じように見ますと、三千二百七十万ぐらいのうちで、おっしゃいましたように加入している者が二百八十万人ということでございます。
 要約いたしますと、企業の数で言うと一二・七%であり、従業員数で見ますと八・四%でございますけれども、ただ、これは事業所の数と加入している数を単純に比較した数字でございまして、この中小企業者の中には独自の退職金制度を持っているところもございますし、それから退職金制度を設けるかどうかは労使でお決めになることでございますので、大まかに申しまして長期継続雇用を前提に労使関係を形成しているところでは退職金に加入する方向があると。
 そういう面で申しますと、ただいま申し上げました単純な数字だけではなくて、普及率はもう少し実質的には高いんだろうと、こういうふうに理解いたしております。
#28
○星野朋市君 私に言わせれば、それはかなり無責任な回答だと思うんですね。こういう制度を設けたときに、大体どのくらいの事業所を、大体どのくらいの人数を対象にしてそれで加入促進を図っていくというのが、これが制度発足のときの基本理念であるはずなんですよ。
 それからすると当たり前の話なんです、そんなことは。だって、退職金制度を設けるか設けないかは労使のあれだというけれども、大体日本の中小企業は比較的そちらの面がおくれていたから、だからこういう制度を設けて、要するに労使の協調を図りなさい、それから勤労者のその後のことに備えなさい、こういう趣旨でやったわけですから、わかりませんと言うことの前に、どのくらいの目標を持ってこれをやっているのか、そういうことを私はお聞きしているんです。
#29
○政府委員(七瀬時雄君) 数字の御説明をいたしましたときに、まず基本のベースとしての事業主数と加入している人あるいは労働者数、そこをベースにいたしておりますので、まずベースの数字を申し上げたということでございます。
 さて、先ほど申し上げましたように、実質的に中退制度、退職金制度を施行するのがどれぐらいかということは推計になりますけれども、現在そういう中小企業、零細企業の中で、労働者の数でそういう制度を持っていないところが六百万人ぐらいという推計も持っておりますので、そこが次のマスとしての加入目標になってくると思いますが、ただ残念ながら正確な統計がない。
 したがって、六百万の中で退職金制度というものを軸に据えながら労使関係をやっていく事業所が、その中でどれぐらいあるかということまではわからないけれども、次のマスの数字として六百万というような推計の数字は持っているところでございます。
#30
○星野朋市君 これは七瀬さんがおっしゃったようになかなか難しいんだけれども、私の方で調べているところでは、大体法人数で約百四、五十万ですか、それから個人経営で約百五十万ぐらい、やっぱり三百万事業所、このくらいが対象になると思っているんですよ。
 日本の法人数というのは世界でもべらぼうに多い数字でして、これはみんな税制に絡んで法人格を取っちゃっていますからそれ自体に問題がありますけれども、ドイツなんかは法人数というのは四万か五万しかない、日本は約二百万ぐらいある、こういう問題がありますけれども、そういう事業所を対象としている現在で見ると約四十万事業所というんだったら、少なくともその三分の一、百万事業所ぐらいはこれを何とか加盟させる、そういうような努力をすべきだと思いますが、いかがですか。
#31
○政府委員(七瀬時雄君) いろいろと申し上げましたけれども、この制度を安定的に運営するための加入事業所の数として四十万という数字は十分でないということで、これはもう一層加入促進に努めるべきであろうかと思っております。
 そのためには、一気にとはまいりませんので、着実に伸ばしていくという努力が大事だろうと思いますし、そのために長期的な目標として、先生が今おっしゃられた数字も非常に参考になる数字であろうかというふうに思っております。
#32
○星野朋市君 この項目に関して大臣、いかに見解を持っておられるか、ちょっとお述べ願いたい。
#33
○国務大臣(浜本万三君) 中小企業、とりわけ先ほど資料で申し上げましたように小零細企業というふうになるんじゃないかと思いますが、これは依然として退職金制度の普及状況及び水準は十分とは言えないと思っております。これは、委員も御指摘のとおり、本制度の加入促進が非常に重要だというふうに思っております。したがって、この法案が改正されました後には、さらに一層努力いたしまして、たくさん加入していただくようにしなければならないと思っておる次第でございます。
 しかし、そのためには魅力のある制度にしなきゃなりません。その魅力ある制度というのは、福祉サービスというものをもう少し充実をさせるような運営をすべきだというふうに思っております。これは審議会からもそういう建議をいただいておりますから、私も事務当局の方にはもう少し福祉サービスができるような、そういう仕組みを運営上考えてもらいたいということを指示しておるような次第でございます。
#34
○星野朋市君 この法案の後半の部に入りたいんですが、実はこれ法律の問題以外にいわゆる事業団の運用利回りの問題、これが一番大きな問題なんですね。今回、この運用利回りを四・五%に引き下げた、今大臣は魅力あるとおっしゃったけれども、その点からするとちょっと相反しているように思われる。その四・五%に引き下げざるを得なかった、その理由についてちょっと御説明いただきたい。
#35
○政府委員(七瀬時雄君) 先生から御指摘がございましたように、中退制度というのは一定の運用利回りが確保されるということを前提にでき上がっている制度でございますが、先ほど来お話しのとおり、現在金利は非常に低水準にございまして、今後もその動向は非常に不透明であるということが一つ。
 それから一方で、中退事業団は平成五年度決算において単年度赤字が出たほか、累積におきましても赤字を計上しておる実情にございまして、制度の長期的な収支の安定の維持というものが課題になっている、こういう事情から今回の改正において予定運用利回りを四・五%へ引き下げることとしたわけでございます。
 なお、四・五%という予定運用利回りの水準につきましては、資産運用の効率化を図る、あるいは加入促進のために制度の魅力を維持する、こういうことを考え合わせ総合的に勘案して設定したものでございます。
#36
○星野朋市君 それは七瀬さん、答弁としてちょっと不十分なんですね。なぜかというと、現行はこういう形でもって何%の利回りを想定して運用しておったけれども、だけれども今の金融情勢その他からするととてもこれは維持できないから四・五%に下げざるを得ませんでした、この説明があってしかるべきなんですけれども、どうですか。
#37
○政府委員(七瀬時雄君) 予定運用利回りを含めまして五年ごとに見直しをしておりまして、前回は平成二年に見直しを国会の審議の場でもしていただいて、当時の金利水準あるいは国債等各種の金融の利回りを勘案して五・五%で回っていく、こういう想定でやってきたわけでございますけれども、その後金利がどんどんと低下傾向にございますし、今後ともこれが中長期的に回復する見通しがないということで四・五%の設定をいたしたわけでございます。
 ただ、金利を四・五%にするに至る、我々がそういう判断をするにつきましては予定運用利回りというか、資産運用の効率化とかいろんな努力をする、あるいは同種のいろんな制度との比較もする、そういう要素も勘案して、ともかく四・五%でやっていける見通し、それからそういう努力をきちんとしなければならないという心組みを含めて、そういう判断をさせていただいたわけでございます。
#38
○星野朋市君 私は、きょうの質問の前半で為替の問題というのを取り上げたんですけれども、大蔵大臣は、金利の引き下げというのはかなり心理的な効果なんですけれども、それでもいわゆる金利の引き下げについて促進的な発言をなさって、日銀も恐らく公定歩合の引き下げに関してここのところ真剣に検討をしていると思うんです。それで、今回それだけの効果を出すんだったならば、今一・七五という史上まれに見る低い金利であるにもかかわらず、極めて大胆に言えば〇・七五%の引き下げまで考えざるを得ない、こういうような状態にあるわけです。
 そうすると、今の運用実績でいろいろ物事を考えてみると、この四・五%にしてもこれはかなり難しいんではないかというのが私の率直な意見なんですが、これについての対策、どうお考えになっているか。
#39
○政府委員(七瀬時雄君) 金利の最近の動向を含めていろいろ見てまいりますと、四・五%という数字を維持するのも大変な努力が必要だろうと思っております。そういった意味で、現在の中退事業団の資産の運用について見直しを行うということが重要なことではないかというふうに思っております。そういった意味で、いろいろな新しいシステムを考えていかなければならないと。
 例えば、最近余り運用として使っていなかった社債、国債を導入するとか、あるいは非常に長期的な資産運用をしている部分を、一定部分は金利の動向に非常に敏感に対応できるような短期的な運用も組み合わせながらやっていくとか、いろんなやり方を考えていかなければならない、こういうふうに思っております。
#40
○星野朋市君 私の手元にある資料ですと、大体この資産の運用状況は、金融債、それから資金運用部の預託金、それから生命保険の資産、大まかに言えばこの三つの系譜があるわけですね。特に、そのうち五事業年度末で既に興銀債と長銀債がゼロになっている、これは当然のことだと思うんですが。国債がゼロですね。それから生命保険の資産、これはかなりふえておりますけれども、生命保険は今資産運用に非常に苦しんでおるわけですよ、特に株式の含み益もかなりなくなりましてね。
 私は、各金融機関が持っておる株式の含み益というのは、よくダウ一万四千円とか、それになると七日になるとか言われていますけれども、むしろ注目すべきは、全株式の平均である例のTOPIXの方を重視しなくちゃならない。現在一三〇〇割れですから、もうほとんど含み益がないとか、大蔵省の試算だとまだ十兆ぐらいあると言うんですが、特に生保はかなり厳しい状態であると、こういうふうに見ておりまして、今七瀬さんがこれからいろいろ運用の形を変えなくちゃならないということをおっしゃいましたけれども、今の状態で少なくとも四・五%を上回るようなものは恐らく民間の社債ぐらいしかないですね。
 それから、いわゆる国家財政の問題に関して、国債であるとか、それから地方債を含めて、設備投資がないからこれの売れ行きはいいんだけれども、こう多発するとやっぱりこれは多少上げざるを得ないのかなと。そんな中でもやはり四%の前半ぐらいだとすると、いろいろ考えなくちゃならないとおっしゃいますけれども、具体的にどんなものをお考えになっておられるか。現在の分の目減り分を含めて新しい運用というのは何を考えておられるのか。
#41
○政府委員(七瀬時雄君) なかなか具体的な資産運用についてちょっと申し上げることができないわけでございますが、例えば二十年物、かなり長期の社債あたりを活用いたしますと五%ぐらいで回ることもありますので、そういう最適のやり方を組み合わせていけば四・五%が実現できるんではないか、こういうふうに考えております。
#42
○星野朋市君 要するに、現在運用されているようなものだとかなり難しいんですね。
 それで、私は先ほども申したんだけれども、デリバティブの問題に絡んで、簡易保険が運用の中に先物為替を取り入れて、このときも私はリスクが非常に大きいからできるだけ長期の予約をしないとこれは難しいと。生保なんかは、一番長いものは三十年、二十年、十年、短期といろいろ組み合わせをして、そうすれば為替が例えば八十円になっても二十年債以上のものだったら大体損をしなくて済むとか、こういうような仕組みができているんですよね。
 それで、今までの運用をしているようなことではなかなか利回りが上がらないと、どうしても人間というのはその先へ物を考えがちなんですが、これの歯どめというのはありますか、デリバティブの心配というのは、私はだからさっきしたんですよ。
#43
○政府委員(七瀬時雄君) やはり、利率を確保するということから申しますと、効率的な運用を図らなければならないと思っておりますけれども、それよりさらに以前に、やっぱりお預かりしているお金ですので安定的に運用しなければならないということでございまして、要するにそういった安全性が確保できるというあたりの担保措置は制度上もございますし、それから実際の運用においてもそれをまず頭の中に置きながらやるということは当然のことだと思っております。
#44
○星野朋市君 前半でお願いしましたように、こういうものはできるだけ労働者の福祉のためにも規模を拡大して、それから一つは皆さんの頭のいいところでできるだけ運用利回りを高くするとか、なかなか難しいことではありますけれども、そういう注文をつけておきたいと思いますが、最後に大臣の御見解をお伺いしたいと思います。
#45
○国務大臣(浜本万三君) 結局、資金運用ということが即退職金制度の維持につながるわけでございますから、議員が指摘されましたように、まず安全で効率的な資金運用をいかにするかということを知恵を絞って考えまして、適切に運営させていただきたいと思います。
#46
○星野朋市君 終わります。
#47
○古川太三郎君 新緑風会の古川です。
 この制度ですけれども、よく考えていらっしゃって今までならばある意味での意味があったと思うんですけれども、これは労働省からいただいた「退職金カーブ」という新旧比較の表ですけれども、これをじっと見ていますと、一体これで本当に労働者のためになっているのかどうかということをまず考えるんです。
 こんな四・五%で回しても本当に魅力があるのかどうか。例えば五年間勤めたとします。掛金を丸々もらって、あと五千二百円しかもらえないんです。三年までは旧制度であってもゼロなんです。一年目はむろんゼロ。むしろ千円ずつ預金すれば一年で一万二千円になるんですけれども、一年目でやめた場合には八千四百円の損なんです、掛金よりも減ってしまう。御丁寧に四十五年先まで書いてある。四十五年先の経済予測なんか立つんですかと私は聞きたいんです。これは人間だからなかなか難しいですよ、経済は動いているんですから。
 だけれども、人間は過去のことを振り返ることはできるんです。ということになると、四十年あるいは四十五年前の給料は一体幾らだったか。四十五年前の給料というのは大体月収五千円ぐらいだと思います。そうすれば、そのときの千円ですよ。ということになると、五分の一のお金をためて、もう五分の一を本当に毎月、本来ならば賃金でもらえるべきものを事業主が国に納めるという形で、あなたは退職金あるんですよと。
 これは、退職金あるんですよというのは非常にありがたいことですけれども、本来ならば二割カットされている、もらうべき賃金を、そういう趣旨ですよ。事業主だって丸々あげて、なおかつ御丁寧にこの退職金を積もうという事業主はほとんどいないと思う。一〇〇の賃金あげるんならば、じゃ二〇は今退職金として積み立てなさいというような形で、実際そのときに労働者が賃金で八〇しかもらっていない。そういう中で、物すごくこれは厳しいんです。
 そうすると、例えば二十で就職したとしても、四十五年勤めて六十五歳になってやっと百七十万ほどもらえるだけなんです。百七十万もらうといっても、その中で約百万ほどは実際上自分が積み立てた金額、そんなに得してないんですね。これで一体労働者が本当に救われるのかどうか。それよりも、今本当に低年齢の労働者にこの分だけ余分にお金をあげた方が、賃金として出した方が労働者は救われるし、そしてまた、そういう人たちは三十歳から大体結婚して子供ができるという年齢ですから、非常にお金がかかるときなんですね。そういうときにお金をたくさん上げた方がいいんです。そして、大体五十、その辺になれば子供も大学を出るぐらいの年齢になりますよ。それから出発しても遅くはない。
 私は、四十五年も先を見てこういう表をつくみのは本当に人を惑わすものだと思っているんです。こういう制度は十五年でたくさんだと思うんです。そしてまた、十五年ぐらいしか経済の予測はしにくいと思うんです。そういう意味で、いかがですか、労働省。
#48
○政府委員(七瀬時雄君) ただいまの先生の御質問、非常に多角的な観点からのお話でございますし、そもそも退職金制度の持つ意味あるいはもっと言えば、長期継続雇用のシステム自体にもかかわり合ってくるんではないかと思っております。
 そこで、まずこの退職金共済制度というこのシステムは、一つには民間で退職金制度をつくりたいんだけれどもなかなか難しい、そういう中小零細企業の方々に国の制度として、補完すると申しますか、それにかわるというか、そういうシステムを設けているわけでございますので、この制度に加入するかどうかというのは事業主あるいは労使の方々が選択する制度であろうかと思っております。
 そういった意味で申しますと、やはり長期継続雇用のシステムあるいはそれに近い形を労使が選択され、勤続年数が上がってまいりますと、それに伴って支給額が上がってくる、こういうシステムを選択されているわけでございますし、民間で独自に持っている退職金制度におきましても、初期の段階では、掛け捨てというと言葉は悪いんですが、初期の段階では非常に低い、あるいは一定の年限が来ないと退職金が支給されない、こういう制度になっておるわけでございますので、こういった労使関係を長期継続雇用あるいはある程度長い信頼関係の中で労使関係を維持していこうという労使の選択というものが根底にあるんだと、こういうふうにひとつ考えているところでございます。
 したがって、そういった意味で退職金カーブ四十五年と、これは実際問題として統計的にも四十五年勤続とかという事例はそんなにないだろうと思っております。ただ、こういう制度をいわば世間に一定の目安を示すという形でやるときにはある程度先のことも給付のテーブルの中に入れておかないと、これを利用する方々の便宜にも差しさわりが出てくるということでこういう数字を挙げているわけでございます。
 いずれにいたしましても、こういうシステムに乗るかどうかというところに、根底において労使の選択というものが出発点にあり、こういうことに加入するかどうかということが出てくるんだろうと思います。このことと、そういうことを選択していこうという労使関係の方々に対して、この制度を我々がその条件なり、制度なり、仕組みなり、そういうものを御説明しながら理解と納得の上で加入促進をするということとは決して矛盾するものではない、こういうふうに考えております。
#49
○古川太三郎君 特に、中小企業というのは転職率というんですか、離職率というんですか、これは激しいと思うんですよ。そういうのに四十年間一つのところで働きなさい、これはむしろ強制しているような感じなんです。
 というのは、もし五年でやめたいと思っても、これは本当に何のメリットもないんですね。三年なら何のメリットもないんです。一年とか二年なら本当に損するんです。たとえ二十年勤めても払った分の倍にもならない、二十年勤めて二十四万恐らく払うでしょう。返ってくるのは三十八万九千三百円だとすれば、十四万九千三百円しかもうからない。二十年ですよ。二十年のスパンというのは大きいですよ。だから、余りメリットないんですね。ただ、そういう中小企業、零細企業でも退職金が必要だと、そういったものの制度が必要だと本当に労働者が今思っているかどうかですね。
 先ほど、あなたがおっしゃった年功序列の賃金あるいは長い終身雇用、それは労働者としてはそれを望みますけれども、これは希望ですよ。現実には、これからそれが本当にやっていけるかどうかというのは大きな問題だと思う。今の経済構造が変わって本当に終身雇用がそのまま維持できるかどうか、あるいはまた年功序列賃金が本当に維持できるかどうか。これは労働組合としても考えなきゃならぬところでしょうけれども、この維持したいという気持ちと、世界経済がもうグローバル、ボーダーレスになって、とにかく世界の経済構造と同じようにしていかなければやっていけない時代、日本だけの特殊事情を守れるかどうか。
 農産物は輸入しないということで頑張りましたけれども、それは希望だったんですよね。しかし世界経済、WTOなんかで貿易機構がもう一緒になってしまったということになれば農産物だって入れなきゃならぬ、そういう現実。その裏切られたときの農民の怒り、労働者も同じなんです。確かに終身雇用もありがたいですよ。しかし、その希望を希望としてまだまだ続きますよという、私はその労働政策が後で違ったときに、労働者から非常に怒りを買うんではないかな、こういう危惧をするんです。
 だから、そういう意味で経済が大きく変わる、雇用状況も変わる、そういうときにこの制度を維持する理由があるかどうかという点を、これは大臣、よろしくお願いします。
#50
○政府委員(七瀬時雄君) 長期継続雇用がどうなっていくか、あるいはどうすべきか、これはまず基本的に労使が選択するシステムであろうというふうに私どもは考えております。
 実際問題として、やはり雇用において長期的な、継続的な関係を維持していった方が労使にとってプラスであるという基本認識は依然として崩れていないという認識を持っております。それが第一点。
 それから、賃金のあり方につきましては、確かに長期継続雇用の利点を生かしながら形成していく中で賃金制度その他についてはいろいろと修正点が出てくるだろう、こういう気はいたしております。
 同時に、私どもは長期継続雇用の利点を生かしながらもいろんな事情で、産業構造の変化なりなんなりによって転職をせざるを得ない、あるいはみずからの意思で転職をする、こういうことに対する備えも怠ってはならないという二つの要請の中で労働政策を進めているわけでございますので、そういった中で退職金の制度をどうつくっていくか、つまり退職金が長くなればなるほどどんどんふえていくというシステムをつくれば、確かにかわりたいという人にとって総体的に不利益というか、かわりにくいという事情が出てくるかもしれません。
 そういった意味でいろんなバランスをとりながら、どこら辺でおさめていくか。また、退職金制度というものの持つ意味合いをどういうふうに今後の世界あるいは国内の経済情勢の変化の中で考えていくべきかという非常に長期的な視野に立った議論が常に行われるべきである、こういう先生の御指摘だろうと思いますので、そういった点について我々も常日ごろから勉強を怠ってはならないと。
 ただ、現状においては中小零細企業の方々も、大企業に比べて退職金水準がどうかという議論はあるにしても、やはりある程度の勤続の後で退職金を受けたいというそういう意識があり、経営者、事業主の側においてもそういう認識があり、そしてそれが民間で独自に形成できないとするならば、民間準拠と言うとおかしいですけれども、そういう民間の大きな流れに乗っかった退職金制度を中小零細の方々のためにきちんと安定的に維持していくということの重要性というのはいささかも薄れていないのではないか。
 それから、給付水準につきましては、やはり制度の中で運用していく、安定的にやる、そういう必要性から四・五%という利率でやっていく、あるいはやっていかざるを得ないと、こういう事情がございますので、給付水準の問題と制度の両面から御提案申し上げているようなやり方を引き続き続けていくことが必要であるという認識に立っているところでございます。
#51
○古川太三郎君 私は、その利率のことを言っているんじゃないんですよ。ただ、四十五年先までこういったことを想定できるかどうかと。できもしないのにできるような表を見せると、これは人を惑わすものですよと、こう申し上げているんです。
 現実の問題として、やはり五年とか十年、そのぐらいで労働者が新しい職場にかわりたいとかというような気持ちのときにもっとたくさん出るように、この制度そのものは十五年で区切った方がいいですよと言っているんです。そして四十五年勤めて初めて三倍ほどになるんでしょうけれども、自分が払った分の。自分といっても賃金カットですから同じですよね。要するに、払った分の三倍ぐらいになるんです。五年や十年じゃ本当に何にもならないぐらいに少ないんです。
 これは、計画として大体このぐらい払いますよというのは私は十五年がもう最高だと思います、経済の変動、金利の変動、そういったことから見て。そしてまた、そのぐらいを一番有利にするような表でなきゃおかしいと思う。ましてや一年や二年だったら全く払ったものしかもらえない。一年だったら八千四百円損するんですね、これは。払った分までもらえないんです。これじゃやっぱり労働者の権利として転職をしたいという人を不利にしている。首切りしちゃいけないというのはこれはよくわかるんですよ。しかし、労働者が転職をしたいというのを拘束するような制度であってはいけない、そういう趣旨で申し上げているんです。
 そして、日本の賃金ですけれども、三十歳ぐらいからぐっと伸びるんですね。そして、もう四十五歳から五十ぐらいが天になるでしょう。大きなカーブですとんと落ちる。外国の賃金というのはもう二十歳ぐらいからぐっと上がっていく。二十五歳というのがもう天になる。そして、四十五歳から五十ぐらいまでが真っすぐになっている。同じ賃金ですね。
 ライフスタイルとして、本当は年寄りになった方がもうお金も要らなくなる、そして年金もいろいろあるということから、それから自分で老後の蓄えをしても追いつくような制度が一番望ましいんです。ということであれば、お金もかからなくなった五十ぐらいから六十五歳までの十五年あるとすれば、その間を厚くするような制度が望ましいと思うんです。二十歳代の本当にお金が必要なときに、そのときに給料の一割も二割もカットして、そしてそれを積み立てなきゃならぬ。もう三十歳ぐらいというのは外国なら天の賃金でしょうけれども、日本ではまだまだ低いんですね。
 そういう中で、本当は賃金でもらうべきお金を退職金に回さなきゃならぬ、貯蓄しなきゃならぬ。日本人は貯蓄が多過ぎるんですよ。そして、若いときは本当は消費性向が高いはずなんで、その消費性向が高い賃金をわざわざカットして積み立てて貯金してしまう。こういう制度そのものが内需拡大を少なくしたり消費を少なくしたりして円高に通じているくらいなんです。円高になっているのは、私はそういった部分が小さいけれども積み重なってあるんではないかなと。
 そういう意味からすれば、グローバルの経済からすれば、これは逆行しているんじゃないかなという気がするんですけれども、大臣の御意見を伺いたい。
#52
○国務大臣(浜本万三君) むしろ逆行でなしに、今議員がおっしゃいましたのは、大企業の年功序列型の賃金制度についてお話があったと思うんです。だから、そういう一般的にいえば、大企業の年功序列型の賃金の場合には、退職金を含めた生涯賃金というふうな表現もされておるようなわけでございますが、中退金の場合には、そういう考え方を前提とした考え方ではなかったと私は思うんです。
 もともと賃金というものは確かに使用者から支給されておったと思うのでありますが、五人とか十人とかという小さい企業でございますので、そういうものには大企業のように退職金制度というものがなかった。しかし、それではやっぱり大企業との格差という問題も起きるし、同時にまた優秀な技能者は継続して企業に勤めてもらいたいという事業主の考え方からいえば、あらかじめ決めておった賃金以外に、退職金制度に加入をいたしまして、別途に福祉的な性格を持ってこの退職金制度の中で退職金を支給しようではないかという考え方にどうも立ったんではないかというふうに思うんです。
 ですから、議員が主張されておりますように、賃金の支払いが十だとすれば、その中から一割とか二割を退職金に引き割いてこの退職金制度を実施しておるんだという性格のものではないということを理解していただかないと、この議論がかみ合わないと私は思うんです。退職金制度というものが全然なかったところに対して事業主の皆さんに、先ほど私が申したような理由で、福祉的な性格を含めて退職金制度に加入をしていただいて、労働者がおやめになるときに退職金を差し上げるということにしておるわけなのでございまして、もともと賃金支払い原資の中から割いて支給する制度というふうには私は理解していないわけでございます。
 それから、さっきの話によりますと、この制度、四十年というのはおかしいんじゃないかという話でございますが、確かに資料を見ますと十年以下が三〇%ぐらい、十年程度の勤務者が三〇%程度、それから二十年以上というのは非常に少なくて二割程度だというふうに伺っております。だから、この退職金のカーブも四十五年までは書いておりますけれども、実態を見ますと、加入十年目が最も有利なようなカーブになっておるというふうに説明を受けておるわけです。
 ですから、今言われたように、長く勤める者が得だ、早くやめる人が損だというようなことではないと思うんです。十年ぐらいがやっぱり一番カーブとしては高くなっておるという説明を受けております。
#53
○古川太三郎君 いや大臣、この表を幾ら読んでも十年がピークなんということは考えられない。これは四十五年がピークなんです。だから、どんどん上がっていくんですよ、有利になるんですね。十年なんというのは本当に小さいところです。十五年ぐらいからやっとちょっと上がっていく、そういうカーブなんです。
 十年勤めた人が三〇%、そして二〇%が二十年だとすれば、約五〇%が十年以前にやめているということでしょう。大体そういうことでしょう。一割ぐらいの人は四十年勤める人もいらっしゃるかもわからないと思うけれども、五〇%の人が十年以前にやめているんです。ということになれば、十年ぐらいをピークに一番有利なようにしてあげるのがこの制度の趣旨に一番台うんじゃないか。四十五年になってからぐんと上がる、だれも四十五年は勤めてないんだ、ほとんど。
 そして、四十年、四十五年を勤めるとすれば、この方は四十年前に千円を払っているということは本当に大きなマイナスなんです、先ほども申しましたように。給料の五分の一を出しているのと一緒なんです。ということは、その分だけ下さいと言う権利は労働者にあっていいものだ。何も四十年後に何百万欲しいと言わずに、そのときの五分の一の給料を上乗せしてもらえばこんなありがたいことはない。
 退職金というのは、今大臣がおっしゃったように給料とは別に積み立てるんだと、そういう制度じゃ決してないと思うんです。事業者は、退職金制度もありますよと、本来ならば十万円あげるところを現実には退職金として積み立てますから九万円で我慢しなさいと、こういうお金の支払いだと思います。十万円のところを十万円あげて、また一万や二万上乗せしてこれを支払うという事業者というのはいらっしゃらないと思う。日本の労働分配率というのは非常に少ない、欧米諸国から比べれば。本来ならばもっともっと賃上げしてもいいはずなんだと思うんです。
 だから、そこら辺はちょっと認識のギャップがあるんじゃないかなと思いますが、一つは十年前後を一番上に上げてほしいということ。それから事業者は、自分が出して事業ができるという金額から引いたものを賃金として現実にあげているんじゃないか、その認識がやっぱり必要だと思うんです。そうでなければ労働者を惑わすことになるんじゃないか、そういう疑問を持つものですから、その辺どうですか。
#54
○政府委員(七瀬時雄君) 大変重要な論点だろうと思っておりますが、まずこの退職金カーブ、先生お持ちの表でございますが、これは掛金月額が千円の場合を想定しておりますので、今度改正法を通していただければ五千円ということになりますし、それから掛金月額を途中で上げていくとかいろんな応用編が出てくることを前提にいたしておりますので、そういった意味でこの表を新しく入っていただく方あるいは継続的に入っている方々にいろんな条件を考えながらきちんと説明する努力をこれからさらにやっていく必要があるだろうと思っているのが第一点でございます。
 それから、第二点の十年という話、先ほど大臣から申し上げましたけれども、民間の大企業の退職金の場合、かなり長期継続が有利になっていくようなカーブを持っているところがございますけれども、この中退金の制度の場合には実態がかなり十年とかおっしゃるようなそこら辺でやめていく方が現実に多いというそちらの方も考えまして、十年あたりのところに比較的手厚く配分できるようなそういう仕組みを設けているということでございます。
 当然のことながら、それより長くなればなるほど退職金はふえるわけですが、総体的に利回りで考えた場合に十年あたりを手厚くする、これは中小企業の平均的な勤続年数あるいは中退金に加入している方々の平均勤続年数を十分考慮したテーブルをつくっているところでございます。
#55
○古川太三郎君 いや十年なんというのは、月千円ずつ払って十二万円ですよ。返ってくるのが十五万二千二百円ですよ。だから、余分なお金をもらえるというのは二万二千二百円しかないんですよ、十年で。それがありがたいですかな、一番厚いですかね。厚くないですよ、これは。だからそういう意味で四十五年よりも十五年で区切った方がどうですかと、そういう判断が一つ。
 それと先ほど申しました、事業主は本来払うべきお金をここに入れ込んでいるんでしょう。そのあとを労働者に賃金として払っているんでしょう。そのことの差はどうなんですか。私は、この制度があるから上積みしたというのなら非常にありがたい、いい制度だと思う。だけど、それがわからない。わからないけれども、事業主としての採算ベースとしてはそういうことはあり得ないはずです。その点について。
#56
○国務大臣(浜本万三君) 私が申し上げましたのは、経過として賃金が先に決まっておって、そして福祉的な性格を持たせて事業主が中退金制度に加入されたと、こう思っているんです。それで、今お話がございましたが、その議論を、じゃこの制度はどっちだというふうに決めつけるのはなかなか難しいんじゃないかというふうに思っておるわけでございます。
 ですから、制度のいきさつから言えば、賃金というものはあらかじめ決まっておって、そして福祉的な目的でこの制度に事業主が組合と相談をしてあるいは従業員と相談をして加入されたというふうに私は思っておるわけです。もともと従業員の方々が労働組合をおつくりになって、その力で使用者と退職金制度というものを決定されればそれは新たな退職金制度というものが生まれると思うのでございますが、今これに加入されております事業主並びに従業員は、いずれにしても労働組合もございませんし、そしてそういう人はやっぱり大企業と比べてお気の毒ではないかということでこの制度をつくったわけでございます。
 したがいまして、そういう経過を考えますと、今議員が言われたような理論を立てますとこんなものやめちまえということになるので、それではまずいと私は思うんです。
#57
○古川太三郎君 時間が来ましたから、終わります。
#58
○吉川春子君 中小企業退職金共済法が改定されるわけですけれども、この制度を創設した目的と果たしている役割についてまず伺いたいと思うのです。
 労働省は、従来中小企業は大企業と比べて労働条件や福利厚生面で格差がある、格差是正を行うことが行政の一つというふうに言ってきましたし、また平成六年度版の「中小企業」という冊子によりますと、中小企業退職金共済制度は、単独では退職金を設けることが困難な中小企業に対して大企業と同じように退職金を支払えるようにすることを目的とするとあります。労働省は、中小企業に働く労働者の労働条件の改善を図る、そういう基本的な立場、施策、これは今後とも変わりなく続けていくということですか。
#59
○政府委員(七瀬時雄君) おっしゃいましたように、現実の問題として中小企業と大企業の間にいろんな格差があるということは現実でございますが、そういった格差解消に向けて、あるいは中小企業の方々の労働条件の向上、福祉の向上に努めていくというのはまさに労働省の本来の目的とするところである、このように考えております。
#60
○吉川春子君 それでは、この制度を利用している事業所と従業員の規模別の実績をお伺いしたいと思うのですが、事業所で言うと一人から四人、五人から九人、十人から十九人、二十人から三十人、こういう区割りで事業所の数とそれから労働者の数、お示しいただきたいと思います。
#61
○政府委員(七瀬時雄君) ただいまの御質問にお答えいたします。
 企業規模一人から四人のところで企業数にして一万四千百、従業員の数にして六万一千でございます。五人から九人で事業所が六千五百、従業員数八万二千、十人から十九人では三千事業所で八万五千人、二十人から三十人では八百カ所、四万人ということでございまして、三十人以下合計で二万四千五百カ所、従業員の数にして二十六万九千、こういう数字でございます。
#62
○吉川春子君 そうしますと、中小企業とはいっても中というよりは小、零細規模の事業所、あるいはそこに働く従業員の方の利用率が、事業所でいくと私の計算ですと八六%ぐらい、それから労働者の数でいうと七三%ぐらい、こういうことになりますか。
#63
○政府委員(七瀬時雄君) ちょっと舌足らずでございまして、先ほど申し上げました数字は平成五年度の新しく加入した事業所なり労働者の方々の数を申し上げたわけでございまして、平成六年三月までの合計という数字で申しますと、細かく分けませんけれども、三十人以下合計で事業所の数にして三十七万七千、それから労働者の数にして二百万という数字でございますので、三十人以下の占めるウエートというのは先生のおっしゃった数字のとおりだと思います。
#64
○吉川春子君 まさに小規模事業所とそこに働く従業員の方が主として利用している制度なんですね、これは。
 今回の改正は、先ほど来からお話がありますように、利回りを四・五%に削減して、既に六・六%であったものを五・五%に切り下げられた現行であるんですけれども、そういう契約をしている人たちについても一律に今度はもう四・五%で運用するというふうに切り下げてしまうという大変な改悪だというふうに思うわけです。
 それで、平均の掛金が八千円と聞いておりますが、今回の改正によって、さっき四十五年がどうだというお話もありましたけれども、三十年とか四十年とか掛けますと退職金として受け取る金額というのは大体改正後幾らぐらいになるんですか。
#65
○政府委員(七瀬時雄君) 先生の御質問は、これまでの運用利回りでやった場合と新しい利回りでやった場合で三十年、四十年でどういうふうに違ってくるかということだろうと思いますが、これは複利計算ということになりますのである程度差が出てくるわけでございますが、御質問でございますので数字で端的にお答えいたしたいと思います。
 掛金納付期間が三十年の場合につきまして、五・五%で回したときには七百二十六万二千円、四・五%の場合には六百三万二千円となります。それから四十年の場合につきましては、五・五%で一千三百六十二万九千円、それから四・五%では一千五十四万円となっております。なお、現実的な試算として平均掛金月額八千円で納付期間が八年の場合を考えますと、五・五%で九十六万八千円に対して四・五%では九十二万四千円、こういう数字になっております。
#66
○吉川春子君 現行五・五%の前にさらに六・六%ということが五年前まではあったわけですね。その率で計算しますともっとその差が大きく今回の改悪によって開いてくる、こういう結果になると思うんです。
 大臣、今まで伺った数字をもとにお伺いしたいんですけれども、まさに小、零細企業の労働者の皆さんの退職金制度が今回こういう金額に切り下げられてしまうということについて、これはもう大変な事態ではないかと思うんです。こういうことについては好ましくないと思うんですけれども、いかがですか。
#67
○政府委員(七瀬時雄君) ただいま数字で申し上げましたように、五・五%をこのまま維持した場合と差が出てまいりますけれども、将来に向けての話でございますが、四・五%で回していくというこの回し方自体が、現在置かれている金利の情勢その他を考えた場合に最大限の努力をした結果でございますし、それ自体他の諸制度と比較したときに魅力のある制度であろうというふうに思っております。
 そういった意味で、将来に向かって退職金が下がるということはそのとおりでございますけれども、その状況においても魅力があるものであるし、そういう形をきちんとしていかなきゃならぬし、何よりもまず退職金制度を長期的に安定的にと、こういうことをやっていくためにこういう措置が必要であるということについて御理解をいただきたいと思っております。
#68
○吉川春子君 先ほど五・五%という数字をお示しになったんですけれども、六・六%で運用した場合どうなりますか。ついでに伺っておきたいと思います。
#69
○政府委員(七瀬時雄君) 三十年の場合で六・六%ですと九百九万六千円ということでございますし、四十年の場合には六・六%で一千七百八十万六千円という予定運用になろうかと思います。
#70
○吉川春子君 大臣、先ほどお伺いいたしましたけれども、要するに、退職金のこの表を、こういうパンフレットによって何年預けると幾らですよという別表がここに書いてありまして、そしてこれに基づいて、ああそうか、これだけ受け取れるのかと思って掛けていたわけなんですね。
 そうしたら、五年前と今回と二度にわたりまして、金利を引き下げたのは大蔵省なんですかね労働省に責任はないんでしょうかね、そういうことであって、利息が下がったからという理由だけで、この表を一挙に全く役に立たないものにしてがくんと下がる金額しか受け取れない。こういう事態になったときに、労働者が持っていた期待権というのはもちろん侵害されるんですけれども、実際この退職金といいますのが老後の生活の保障であるというふうに労働省も言っておられますけれども、そういうものについて大変な打撃をこうむるわけなんですね。
 今回の運用利回りの切り下げというのはそういう意味を持っているんですけれども、こういう事態について大臣としてはいかがお考えですか。これで構わないんだと、こういうふうにお考えでしょうか。
#71
○国務大臣(浜本万三君) この制度は、議員も御承知のように、運用益でしかも複利計算で計算いたしておりますので、三十年の場合には、六・六は九百九万円、それから四・五の場合には六百二万円と相当大きい差が出ることはもう申すまでもないというふうに思います。
 しかし、制度自体から申しますと、これは退職金共済制度で、金利というものに非常に大きなウエートを置きまして運営するという制度なものですから、金利が下がってくれば支払う総額も減少せざるを得ぬ、こういう仕組みであるということは御理解をいただかないとなかなか難しいのではないかと思います。
 言われるように、金利が下がればこれだけの差が出るんですから、期待権というものに対しましては若干問題はあるとは思いますけれども、しかし、この制度を安定的に運営していくという立場から考えますと、金利の実態を無視した運営をするわけにまいらないと思いますので、御了解をいただかなきゃならぬのではないかと思っております。
#72
○吉川春子君 退職金規定を持っている企業の場合に、この中退金を利用している企業は、中退金制度だけで実施する場合と、それから自社の退職金制度と併用する場合と両方あるわけなんですね。自社の退職金制度に基づいて何年勤めて何年後に例えば九百万の退職金になりますよと、こういうふうにしている会社は、今度の運用利回りの切り下げによって、そうしますとその差額については一体だれが負担するということになるんですか。
#73
○政府委員(七瀬時雄君) 就業規則なり労働協約の関係の法律論になろうかと思いますが、要するにそれは、企業の就業規則で退職金を規定しているその決め方によるんだろうというのが第一のお答えになろうかと思います。
 つまり、就業規則で一定の額をまず支給するということを前提に立てて、そしてその内訳として共済制度を利用する場合には、その就業規則なりで決められた退職金を支給する義務があるわけですので、今回の支給水準との差が出てきたときには、事業主がそういう就業規則で決められた金額を確保して支給すると、こういうことでございますし、そうではなくてそれぞれ別建てになっている場合には、企業は企業で企業独自の退職金を支給し、それと共済制度から出るものを足し合わせた金額が出ると、こういうことでございますので、ちょっと回りくどい言い方をしましたけれども、就業規則の決め方によると、こういうことだろうと思っております。
#74
○吉川春子君 就業規則の決め方によって、企業がその差額を負担する場合と、それから労働者本人がもろに減少した金額を受けとらなければならないと、そういう二通りの例が出てくるのは明らかなんです。そうしますと、今回法律によって四・五%に下げられちゃって、併用する企業については自分が負担しなきゃならないということは、中小零細企業にかなり負担がかかるわけですよ。これ中小企業の支援策といいながら、こういう負担を企業にかけてしまうということについては、いかがお考えですか。
#75
○政府委員(七瀬時雄君) やはり根底に金利の情勢ということの中から出てきているやむを得ない事情としてこういう制度の改正を行うわけでございますので、そういった意味で、労使関係の中で一定額の退職金をいわば確保するような制度を設けた場合には、それは事業主の方々にやっていただくと。
 ただ、もちろん就業規則を変更すると、それが合理的な変更であるかどうかという例の議論は残るわけでございますが、そういった根底にこういう金利の事情から出てきて、制度を安定的に維持するためにこういう措置を講じているわけでございますので、その辺は事業主、そういうことをお決めになった事業主につきましては御理解をいただきながら、そういう支給をしていただくほかないということでございます。
#76
○吉川春子君 就業規則を変えろなんて、退職金を切り下げろみたいなことを局長がおっしゃるというのは、これはよくないんじゃありませんか。
#77
○政府委員(七瀬時雄君) そういう趣旨で申し上げたわけではございませんで、法律的な議論の御質問があったわけでございますので、全体を完結させる意味で申し上げたわけでございまして、全くそういう予断を持って申し上げているわけではございません。
#78
○吉川春子君 そして、中退金だけで退職金を払うというふうにしている企業については、じゃ今までどおりの例えは六・六%の運用利回りで退職金を何年後かに払おうとする場合には、今度はその掛金をふやしていかなきゃなりませんね。今平均八千円と言われますけれども、この八千円をどの程度引き上げれば、例えば三十年後なり四十年後なりに、退職金の額は変わらずに受け取れるという計算になりますか。その数字をお示しいただきたいと思います。
#79
○政府委員(七瀬時雄君) 今回の制度改正におきましては、予定運用利回りの改定に伴いまして、既加入者につきましても、将来に向かって新たな予定運用利回りを適用することといたしております。このため、掛金月額を変更しない場合には、支給される退職金の額は、当初予定していた額と比べてかなり減少するということは先ほど申し上げたとおりでございます。
 そこで、退職金額の減少をカバーするためにどのくらい掛金月額を上げなければならないかにつきましては、それまでの加入期間によっていろいろ違うわけでございます。そこで、勤続三十年、四十年のケース、これは非常にまれなことだとは思いますけれども、そういう数字が先ほどから御指摘いただいておりますので、それについて申し上げたいと思います。
 一つのケースでございますが、平成三年四月に現在の平均掛金月額の八千円で新規に加入した場合、掛金納付期間三十年の場合もあるいは四十年の場合も、平成八年四月に二千円引き上げることによって当初予定していた類とほぼ同額の退職金を支給することができると考えております。
 それから、二つ目のケースでございますが、昭和六十一年四月に当時の平均掛金月額の四千円で新規加入いたしまして、平成三年四月に現在の平均掛金月額の八千円に増額した場合、掛金納付期間三十年の場合も四十年の場合も、平成八年四月に四千円引き上げることによりまして当初予定していた類とほぼ同額の退職金を支給することができることとなっております。
 なお、現実的な試算といたしまして、先ほど申し上げました平成三年四月に現在の平均掛金月額の八千円で新規加入した場合に、平均掛金納付期間に近い十年で見ますと、平成八年四月に千円引き上げることによってほぼ同額が確保をできると、こういう状況にございます。
#80
○吉川春子君 いずれにしましても、企業にとっては掛金の引き上げということをしない限りは従業員に対してこれまでどおりの退職金が支払われなくなるという点で、非常にその負担が増すと思います。
 で、この負担を事業主にかけないためにどうすればいいかということなんですけれども、労働省からいただきました事業団の収支の将来推計によりますと、収支が非常に悪化して赤字が出るんですけれども、これを国の補助金で補うという方法をとるべきだと私たちは考えているんです。利率の引き下げではなくて、国がかつて補助金を出していたわけですよ、それを打ち切っているんですけれども、国の補助金を出して、こういう企業主やら労働者に対する負担をかけないと、こういう方法をぜひ選択していただきたい。そのために、補助金の復活ということを行うべきではないかと思いますが、いかがですか。
#81
○政府委員(七瀬時雄君) この退職金制度につきましては、いろいろと事業団でそういうシステムをつくる、あるいは加入促進を図る、あるいは事務を管理していく、そういった面につきましては国がそういう環境整備という意味で制度をつくらなければならないと思っておりますけれども、支給する額そのものにつきましては、やはり掛けていただいたお金を運用していくという形でやっていくことが退職金制度の趣旨からいって筋だろうというふうに考えております。
#82
○吉川春子君 国でもしその補助金を出すとして、幾らくらい必要なのかという数字についてお伺いいたしますけれども、平成六年度、七年度で大体赤字の額はどれぐらいになるんですか。
#83
○政府委員(七瀬時雄君) いわばきちんと経理をいたしました単年度の収支で、平成五年度で二百五十億の赤字が出ておりますし、平成六年で四百五十三億という赤字が出ると、六年の数字は見込みということになりますが、そういう状況でございます。
#84
○吉川春子君 そこで、大臣にお伺いしたいんですけれども、二百五十億とか四百億とかいう数字ですね。ちょっとほかの補助金に置きかえてみたいんですけれども、この中退金の制度は中小企業の支援策だと言われました。
 それで、大企業に大体どういう補助金を幾ら出しているか。いろいろあるんですけれども、ちなみに技術開発補助金というのを大企業に出しておりまして、これは三菱など大企業上位十社だけで年間三百六十億の補助金を出しているわけなんです。それから多種多様な補助事業を集計いたしますと、補助金額は千二百四十五億円に達するわけなんですね。大変巨額な金額でございまして、中小企業向けの二十三倍の額に当たるというわけなんです。
 これを単純に、そっちからこっちへというわけじゃないんですけれども、大企業の方には技術開発と称してそういうものを補助してあげていると。しかし、中小企業については今度退職金、何十年もかけてようやく受け取る退職金を大幅に減額してしまう、こういうことを考えたら、たかだかとは言えないかもしれないけれども、二百五十億とか四百億とかいう金額はやはり中小企業の支援策として国から出してしかるべき数字じゃないんでしょうか。
 その辺は政治判断でございますけれども、大臣、中小企業の支援策として、こういう金額をどうしても出せるような政治にしなきゃいけないんじゃありませんか、いかがですか。
#85
○国務大臣(浜本万三君) 議員の主張されることも一つの意見としてはもっともだろうと思いますが、この中退金制度というものは、先ほど御説明申し上げましたように要するに共済制度ということになっております。
 したがいまして、国の補助金は出さないということでございますので、そこのところはやっぱり制度の性格上御了解をいただかなければならないんではないかというふうに思っております。」
#86
○吉川春子君 制度の性格上ということではなくて、それまで出してきたものを打ち切っているわけなんです。だから私が言っているのは、今回それをまた復活させて補助金を出すようにしたらどうかということで、制度の性格として出せないということではないんではありませんか。
#87
○政府委員(七瀬時雄君) 基本的に大臣が申しましたように、共済制度の中でやっていくわけでございますが、加入あるいは掛金を引き上げる、そういうところの中で掛金助成をやりながらインセンティブをつけていくというようなことはやっておりますので、そういった意味で、ある種のインセンティブをつける政策をやっている点については基本的にそんなに変わっていないというふうに理解いたしております。
#88
○吉川春子君 例えば、これは東京商工会議所の退職金共済制度のパンフレットですけれども、今回四・五%に引き下げるということで、全く民間でやっている制度と同じになるんですね、率が。そういうことは結局公的な退職金制度としての魅力が大変薄いものになる。これはもう本当に、民間の退職金制度でもうちょっと運用利回りの高いところもあるわけですけれども、こういうことを考えますと、公の退職金制度としてのメリットというのは今回の改悪によってなくなってしまったんじゃないか。これでは、さっき新規加入を促進するというふうにおっしゃいましたけれども、そういうことを望めないんではないかと思いますが、いかがでしょうか。
#89
○政府委員(七瀬時雄君) 民間の商工会議所等もそういう独自の共済制度をつくりながら大変御努力されておりますし、できるだけ現実的に可能な限りいい利回りでという御努力をされていると思っております。
 ただ、私どもといたしましては、制度を維持するための事務費とか管理費とかあるいは掛金助成という形で制度全体をバックアップいたしておりますので、公的制度としてのメリットは十分出るように配意しているつもりでございます。
#90
○吉川春子君 中退金というのは、全国各都道府県に事務所があって、そこで相談に乗ったりいろいろ制度を普及したり、そういう手足というのは全くないわけですね。そして、民間の場合は都道府県にかなりそういう制度というのがあって、そういう点でいうと、むしろ中退金の方が手足がないというだけ加入促進ということもできないし、親切に制度の説明ということもできない。
 そういう点では、むしろ劣るというふうに思うんですけれども、やはり公的に中小零細企業に働く人たちの退職金を保障するというのは私は大変大切な制度だし、大きな役割を実際には果たしてきたんだろうと思うんです、不十分な点はもちろんありますけれども。それを二度にわたって前回と今回とがくんと下げて、そして率は、事務費は若干出しているというお話ですが、率は全く民間の水準あるいはそれ以下に落としてしまう。これでは本当に公的な退職金制度としての意味は何ぞやということになってしまうんですよ。
 こういう点について、本当に公的に退職金制度をつくって、そして中小零細企業の労働者や企業を援助していくんだ、こういう思想からいえば物すごい後退だと思うんです。だから、こういう点について大臣、これは本当に公的なメリットのある退職金制度を維持する、それをよくするために努力する、そういう姿勢で臨まなきゃいけないと思いますが、いかがでしょうか。
#91
○政府委員(七瀬時雄君) いろいろと御意見をお伺いいたしましたけれども、制度の安定的な維持を図るということがいかに重要であるかということが一つ。それから、公的な制度としての加入促進、これは事業団自体にサービスセンターを設けて相談に応ずるというようなこともやっておりますし、また都道府県の労政関係の部課においてこの制度の普及に努めておりますけれども、大臣からもよく言われるわけでございますが、同じ労働行政の中にある安定所とか監督署とかそういったところにお見えになる中小企業者の方々にもそういう組織も活用しながらやっていけと、こういうお話も受けておりますので、労働行政全体の中で加入促進に努め、また制度の魅力づくりに努力していきたいと思っております。
 ただ、予定運用利回りの引き下げにつきましては、先ほど来申し上げておりますように、ともかく長期的に安定したと、これがやっぱり基盤でございまして、それが危うくなるということは全体の制度に響いてくるというそういう強い認識を持っているところでございます。
#92
○吉川春子君 大臣に伺います。
#93
○国務大臣(浜本万三君) 議員からお話がございましたように、この制度は共済退職金制度という性格を一つ持っておるということでございます。それから、この運用を行っていきますためには、将来の安定ということが非常に重要な考え方になるというふうに思いますので、安定的に運営をしていくということが第二である。第三は、この制度を、対象者からいえば六百万もいらっしゃるわけでございますから、もう少し拡大をいたします。拡大をして福祉のサービスもつけ加えて、労働者のために実施する方がよろしいんではないかというふうに思っております。
 そのためには、御指摘のように手足はございませんのですが、安定所などを通じまして、また各地にございます商工会議所等の組織もこれから御協力をいただくようにするいろんな行事も考えまして、できるだけ加入者を拡大し、そして安定的な運営ができるように努力してまいりたいと思っております。
#94
○委員長(笹野貞子君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#95
○委員長(笹野貞子君) 御異議ないと認めます。
 それでは、これより討論に入ります。
 御意見のある方は、賛否を明らかにしてお述べ願います。
#96
○吉川春子君 私は、日本共産党を代表して、中小企業退職金共済法の一部を改正する法律案に反対する討論を行います。
 労働省は、中小企業は大企業と比べて労働条件や福利厚生面で格差があるため、格差是正を行うことが行政の柱の一つと公言し、新卒者の人材確保のためにも魅力ある中小企業づくりが不可欠としてきました。
 しかし、今回の改正は、この労働省の従来の施策からも大きく後退するものです。
 以下、具体的に反対理由を述べます。
 反対理由の第一は、今質問でも明らかにしましたように、それまで六・六%であった掛金の予定運用利回りを五年前に五・五%に切り下げ、今回さらに四・五%に引き下げることで、労働者の老後の生活を支える経済的基盤となる退職金が大幅に引き下げられてしまうからです。
 第二は、運用利回りが民間並みになるので、公的な中小企業退職金共済制度が魅力のないものとなり、新規加入者の減少が予想され、制度自体の存立の基盤をみずから掘り崩す結果となりかねないからです。将来の支払いの原資の悪化が危惧されるのであれば、それは国庫補助の復活を行うべきです。
 第三は、事業主にとっても、退職金が引き下がる分の補てんを行わなければならず、また最低掛金の引き上げなど負担がふえるからです。これは今日、厳しい経営状況のもとにある中小零細企業の事業主にとって深刻な影響を与えるものです。
 第四は、新規加入者のみならず、既存の契約者に対しても運用利回りの引き下げを行うなど、期待権を侵害するという点で問題があります。
 最後に、これほど中小零細企業や労働者にとって不利益をもたらす法案をわずか二時間程度で審議を終了させることに、私たちは反対です。
 そのことを申し述べて、討論を終わります。
#97
○委員長(笹野貞子君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。
 これより採決に入ります。
 中小企業退職金共済法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#98
○委員長(笹野貞子君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#99
○委員長(笹野貞子君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#100
○委員長(笹野貞子君) 次に、地方自治法第百五十六条第六項の規定に基づき、公共職業安定所の出張所の設置に関し承認を求めるの件を議題といたします。
 政府から趣旨説明を聴取いたします。浜本労働大臣。
#101
○国務大臣(浜本万三君) ただいま議題となりました地方自治法第百五十六条第六項の規定に基づき、公共職業安定所の出張所の設置に関し承認を求めるの件につきまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。
 近年、職業生活の中でその能力を有効に発揮したいという希望を持つ女性が増加している中で、それぞれの就業希望に応じたきめ細かな再就職援助措置を講じていくことが重要になっていることにかんがみ、労働省では平成三年度から女子の就業希望登録、離職期間中の職業情報の提供、職業講習、きめ細かな職業相談・職業紹介等を内容とする総合的女子就業援助事業を実施しております。
 この案件は、当該事業を専門的に推進する組織として、公共職業安定所の出張所を北九州市に設置することについて、地方自治法第百五十六条第六項の規定に基づき、国会の御承認を求めようとするものであります。
 何とぞ、御審議の上、速やかに御承認ください、ますようお願いを申し上げます。
#102
○委員長(笹野貞子君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#103
○吉川春子君 レディス・ハローワークについてお伺いいたします。
 小倉にレディス・ハローワークが設置されるかわりに、大阪の梅田安定所の野田労働出張所、福岡県の八幡安定所の八幡労働出張所、同じく福岡県の大牟田安定所の磯町労働出張所が廃止されることになっていますが、各労働出張所は旦届い求職者にとっては頼みの綱と言えるところですけれども、現在の登録者数とそれから一九八〇年と比較してどうなっておりますでしょうか、お伺いします。
#104
○政府委員(征矢紀臣君) ただいま御指摘の労働出張所でございますが、梅田公共職業安定所野田労働出張所につきましては、昭和五十五年度につきましては日雇い求職登録者の数が三百四十二名でございましたが、これが平成六年度につきましては八十八名に減少いたしております。大牟田公共職業安定所磯町労働出張所につきましては、三千四百十五名であったものが五百七十五名に減少いたしております。八幡公共職業安定所八幡労働出張所につきましては、二千三百七十九名であったものが二百十九名と、いずれも相当減少いたしております。
#105
○吉川春子君 出張所が廃止されることになりますと、少なくなったとはいえこれらの人たちが不便をこうむることになるわけです。そのようなことのないように、職員の配置を含めて万全の手だてをとっていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
#106
○政府委員(征矢紀臣君) 平成七年度におきまして、ただいま御指摘のように、労働出張所につきまして三カ所の廃止を予定いたしておりますが、これらの出張所につきましては、いずれも日雇い求職登録者数が減少していることを踏まえまして、出張所を設けて業務を処理する必要性が薄くなっているという判断のもとに廃止いたしたいと考えておるわけでございますが、先生御指摘のように、廃止後におきましてもその業務を本所で吸収して扱うなど、利用者に迷惑をかけないような工夫もあわせて実施してまいりたいというふうに考えております。
#107
○吉川春子君 そのことを強く要望しておきたいと思います。
 続いて局長にお伺いしたいわけですけれども、レディス・ハローワークの設置の目的は、女子の就職援助事業を中心的な任務にする出張所です。そこで、女子労働者の労働条件、なかんずく男女均等待遇の問題については細心の注意を払って業務を担当していただきたいということもあわせて要望しておきます。
 昨年の改正で定年が六十歳ということが法定化されました。ところが、個別の問題について伺いますが、日本を代表する企業であります野村証券では、一九八〇年に五十七歳定年制を六十歳に定年制を改善しました。ところが、一万三千三百人のうち二千三百人を占める証券の外交を行う、ミディさんと言っていますが、この職種の人たちについてはいまだに五十五歳定年制がしかれております。しかも、ミディという職種の人たちはほとんど女性であり、その意味では定年制に名をかりた男女差別の疑いもあると言わなくてはなりません。
 ちなみに、ミディ社員と呼ばれている人たちは、日本証券業協会の投信債券外務員資格試験に合格して大蔵省の証券外務員登録名簿に外務員として登録され、労働条件はミディ社員就業規則で定められて、勤務時間が一般社員と比べて若干短いだけで、あとは定年を除いて一般社員とほとんど変わりないわけです。
 証券業界には、この野村のミディに匹敵するような業種が共通してありますけれども、証券大手四社の他社ではこの人たちを含めて六十歳の定年になっていると聞いていますが、間違いありませんか。
#108
○政府委員(征矢紀臣君) 直接私、承知いたしておりませんが、野村証券以外で定年が五十五歳であるというようなところについては報告を受けておりません。
#109
○吉川春子君 この問題は、実は昨年の七月二十九日、私も同行いたしまして労働省に是正の要請を行いました。労働省にも機敏に対応していただきまして、野村証券に対して指導を行って、改善の意向であるという報告を私、労働省からいただきました。
 ところが、私が聞いているところによりますと、野村証券は改善の意向は示しておりますけれども、いつから実施するかということについてまだ明らかにしておりません。その間にも五十五歳で定年を迎えている人がずっといるわけなんです。やっぱり労働省もこれはおかしいなと思って指導されたわけなんですけれども、それにもかかわらず救われない人が出てくるというのは非常に不合理であると思うわけです。
 一社だけこうした差別定年制を残したというのは社会的にも許されませんし、ともかく世界一の企業と言っていいんじゃないですか、証券業界の。こういうところで行われていることですので、大臣の方からも早急に是正されますように指導していただきたいと思いますが、よろしくお願いいたします。
#110
○政府委員(征矢紀臣君) 野村証券のただいま御指摘のミディさんと呼ばれる職種の方々につきまして、御指摘のように就業規則で見ましても定年が五十五歳ということでございまして、これは高年齢者雇用安定法の六十歳定年に係る、現在努力義務でございますが、それの対象とされる労働者であるというふうに考えております。
 したがいまして、昨年先生から御指摘のようなことも踏まえまして、この法律に基づき六十歳を下回る定年を定めている事業主に対する定年年齢を六十歳以上に引き上げるための指導、これを実施してまいったところでございますが、本件につきましては、平成六年の八月より具体的に公共職業安定所を通じてこの指導を実施いたしておりまして、同社からは、就業規則の改正等所要の手続について着実に実施し、おおむね一年をめどに定年年齢を六十歳に引き上げるという回答を八月時点でいただいたところでございます。
 その後、この会社の取り組み状況につきまして数回にわたり指導、確認をしてまいったわけでございますが、その過程で着実に実施していただけるという感触は得ていたわけでございますが、この点につきましては、定年年齢を六十歳にする実施日を平成七年六月一日といたしたいという報告を受けたところでございます。その内容につきましては、関係の労働組合にもお話をしているというふうに聞いておるところでございます。
#111
○国務大臣(浜本万三君) 議員から御指摘のように、高齢化社会に対応いたしまして、今後六十五歳までの継続雇用を図っていくためには、六十歳定年の定着はもう絶対不可欠だというふうに思っております。
 したがって、先般お申し入れのございました野村証券の問題につきましては、今いろいろ指導いたしまして、局長からお答えをいたしたような結果が生まれております。
 なお、今後の問題につきましては、事業主の自主的な取り組みが図られますように、高年齢者雇用安定法の趣旨に沿いまして、定年延長の指導を着実に実施してまいりたいと思っております。
#112
○吉川春子君 六月一日から実施されるということで労働者の皆さんもきっと喜ばれるんじゃないかというふうに思います。
 さて、時間がありませんので、続きまして均等法の関係で、住友金属の調停問題についてお伺いしたいと思います。
 これも去年の秋に質問しましたが、住友金属の女性労働者による均等法に基づく調停申し立てについて、制度発足後初めて調停が開始され、調停案が二月二十日に出されました。しかし内容は、申請した女性たちにとって到底受諾できる勧告ではなかったんです。
 これについて日経は、「あいまいさに波紋」という見出しで、「調停案は、女性社員側が求めていた差別是正など個別救済措置については、その是非を含めてまったく触れず」と報じて、また、これは朝日ですけれども、「差別救えぬ均等法の調停制度」と、代理人となった弁護士の投稿が載りました。そのほかマスコミからも厳しい批判が上がっていますけれども、これは初めて調停が開始されたという点では画期的なものでして、女性労働者の実は期待も集めたわけなんです。
 それで、私も労働委員会で取り上げましたが、今度こういう結果になって、マスコミの反応もいろいろ御存じだと思いますが、大臣、今回のマスコミの反応等について大臣としてはどのように受けとめておられますでしょうか、お伺いします。
#113
○国務大臣(浜本万三君) 大阪の機会均等調停委員会の問題につきましては、会長の國井先生に大変お骨を折っていただきまして、議員お話しのように二月二十日に女子労働者と会社の双方に紛争解決のための調停案が示されたわけでございます。そしてこの調停案に従って受諾をしていただくように勧告をされたと思います。
 この調停案は、調停委員会の委員の方々が昨年九月以来、女子労働者と会社の双方からいろんな事情を聞かれまして、それに基づいて検討を加えた結果、本紛争の現実的な解決のための案としてお示しになったものだというふうに思っております。ぜひ労使双方ともこの案を尊重して円満な解決をしていただくように私どもは期待をしておるわけでございます。
#114
○吉川春子君 佐藤ギン手元婦人局長が現役のときにお書きになった「男女雇用機会均等法の五年」という本には、調停委員会の任務として、「行為が法律に抵触するか否か等を判定するものではなく、むしろ行為の結果生じた損害の回復について現実的な解決策を提示して当事者の歩み寄りにより当該紛争を解決しようとするものである。」と書いています。これは六十一年三月二十日の解釈通達でもあると思うんですけれども、この見解はそのとおりですか。
#115
○政府委員(松原亘子君) 今御指摘になった点で一点だけ違う点があろうかと思いますが、それは、「行為が法律に抵触するか否か等を判定するものではなくこというのはそのとおり通達で示しておりますが、その先「むしろ行為の結果生じた損害の回復について」というふうに先生はおっしゃったかと思いますが、「損害の回復等について現実的な解決」云々というのが通達でございます。
#116
○吉川春子君 漢字で言う「等」という字を私が読み落としたと、こういうことでございましたけれども、内容はそのとおりですね。
 それであるならば、今回の調停案は個別救済には一切触れずに、単に雇用、研修制度の一般的な改善を求める内容になっているのはなぜなんでしょうか。個々の申請について損害の有無、その程度についてどういう判断をされたんですか。
#117
○政府委員(松原亘子君) この調停委員会が出されました調停案につきましては、先生も御承知のとおりですので繰り返しませんが、あれが調停委員会の見解だということでございまして、私どもあれ以上のことを申し上げることはできないわけでございますが、先ほど御指摘になりました通達との関連で申し上げれば、この通達で言っております「行為の結果生じた損害の回復」、これは一つの例示でございまして、ケースによっては行為の結果生じた損害の回復を直接の内容とする調停案が作成されるということもあろうかと思いますけれども、ケースによってはそういうことが適当でないというふうに調停委員会が判断するということも当然あり得るわけでございます。
 調停案といいますのは、個々の事案に応じて現実的な解決を図るために調停委員会で十分慎重に検討されて、最も適切なものであるとして示されたものでございますので、こうでなければいけないというふうにあらかじめ決まっているものではないというふうに私どもは考えているわけでございます。
#118
○吉川春子君 松原局長も、前回私の質問に対する答弁の中で、この均等法に基づく調停というのは個々の事業主と女子労働者間の紛争を調停するものというふうにお答えになっているんですけれども、今回申請者の訴えの具体的な事実については、認定というか判断はされたのですか。調停に反映されないだけであって、個々の具体的な事例については認定したということですか。
#119
○政府委員(松原亘子君) 認定という御趣旨がどういうことを言っておられるのかちょっとよくわからない点もございますけれども、この調停委員会におきましては、調停案を作成するに当たりまして、どのような調停案が最も適切かということを検討するに当たり必要な事項について十分調査をいたしたわけでございます。
 ただ、認定というのが差別の有無の判断ということの御趣旨であるとすれば、この調停委員会の今回の判断は差別の有無についてはしておらないということでございます。
#120
○吉川春子君 差別があるからということで救済してほしいという申請であったと思うんですね、住友の女子の訴えは。しかし、それについて差別の有無についての認定を行わないということは、結局これはもうそういう判断をする前に門前払いをしたと、こういうことになるんでしょうか。
#121
○政府委員(松原亘子君) この調停は、先ほど先生も御指摘になりました通達でも示しておりますけれども、行為が法律に抵触するか否か、つまり差別があったかどうかということだと思いますが、そういうことを判断するものではないということは言っているわけでございます。
 ただ労使の間で、労使といいますか、企業と申請者の方々との間で、均等法に係る事項について紛争があるということは事実であるわけでございますので、その紛争を解決するために適当な方法を調停委員会で検討した、こういうことでございます。
#122
○吉川春子君 この調停委員会というのは、差別があったと訴えた女性の労働者に対しての救済機関と、私はそういう建前で設けられたというふうに理解しているんですけれども、これでは救済にはならないんじゃありませんか。
#123
○政府委員(松原亘子君) 私どもは十分適当な救済案が出されたというふうに認識しております。
#124
○吉川春子君 この調停委員会というのは救済機関であるということは間違いないんですね。
#125
○政府委員(松原亘子君) 救済機関という御趣旨がどういう意味でおっしゃっておられるかですけれども、均等法に係る事項についての私法上の紛争について円満に解決するための機関というものでございます。
#126
○吉川春子君 そうすると、差別があったというふうに女子労働者が訴えて、その差別があったということを認定して、じゃその差別をなくすというか、そういうことに基づいた調停案を示すということがなされない限りは、その救済という側面での役割というのは非常に少ないわけですね。
#127
○政府委員(松原亘子君) 先ほどから申し上げましたとおり、これは労使の間に存在する均等法上の紛争を解決するための機関でございます。ケースごとにどのような解決策を示すことが紛争の解決に最も適当かということは、調停委員会において十分検討されるわけでございます。
 したがいまして、ケースによりましては、先ほどの通達の中にも書いてございましたように、行為の結果生じた損害の回復について具体的に案の中に盛り込まれるということもあり得るわけでございます。あくまでもケースに応じてということでございます。
#128
○吉川春子君 時間がなくなりましたので、最後に浜本大臣に伺いますが、お聞きのとおり女性の側は差別があったと言って申請をして調停が開始された、開始されたことは画期的であったんだけれども、しかし実際には、差別があったのかどうかということの認定もなされないし、労働者側はこれの受け入れを拒否したわけなんですよ。つまり救済というふうにはならなかったわけなんですね。
 この均等法自身がそういう点でいうと、この制度自身が非常に不十分な制度だというふうに思うんです。均等法の問題についてはほかにいろいろありますけれども、このこと一つとっても、差別撤廃条約に基づいてつくられた均等法、しかし差別を救済するについては非常に不十分な制度ですので、この点も含めてやはり均等法の見直しというのが非常に重要だと思います。
 最後に、その点についての大臣の御認識を伺って、そのことを大臣に要望して、私の質問を終わりたいと思います。
#129
○国務大臣(浜本万三君) 男女機会均等法につきましては、法の趣旨をさらに徹底させるための有効的な方策につきまして、労働基準法の女子保護規定とあわせて婦人少年問題審議会におきまして平成五年四月から審議をお願いし、今審議が進められておるところでございます。労働省といたしましては、その審議の結果を踏まえまして対応してまいりたいと思います。
#130
○吉川春子君 終わります。
#131
○委員長(笹野貞子君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#132
○委員長(笹野貞子君) 御異議ないと認めます。
 それでは、これより討論に入ります。――別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 地方自治法第百五十六条第六項の規定に基づき、公共職業安定所の出張所の設置に関し承認を求めるの件を承認することに賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#133
○委員長(笹野貞子君) 全会一致と認めます。よって、本件は全会一致をもって承認すべきものと決定いたしました。
 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#134
○委員長(笹野貞子君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後零時二十六分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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