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1995/04/11 第132回国会 参議院 参議院会議録情報 第132回国会 逓信委員会 第8号
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1995/04/11 第132回国会 参議院

参議院会議録情報 第132回国会 逓信委員会 第8号

#1
第132回国会 逓信委員会 第8号
平成七年四月十一日(火曜日)
   午後一時開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 三月二十九日
    辞任         補欠選任
     古川太三郎君     粟森  喬君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         山田 健一君
    理 事
                加藤 紀文君
                守住 有信君
                大森  昭君
                鶴岡  洋君
    委 員
                岡  利定君
                沢田 一精君
                陣内 孝雄君
                川橋 幸子君
                三重野栄子君
                常松 克安君
                中村 鋭一君
                粟森  喬君
                中尾 則幸君
                河本 英典君
   国務大臣
       郵 政 大 臣  大出  俊君
   政府委員
       郵政大臣官房長  木村  強君
       郵政大臣官房審
       議官       品川 萬里君
       郵政省通信政策
       局長       山口 憲美君
       郵政省電気通信
       局長      五十嵐三津雄君
       郵政省放送行政
       局長       江川 晃正君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        星野 欣司君
   説明員
       郵政大臣官房国
       際部長      内海 善雄君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○受信設備制御型放送番組の制作の促進に関する
 臨時措置法案(内閣提出、衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(山田健一君) ただいまから逓信委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 去る三月二十九日、古川太三郎君が委員を辞任され、その補欠として粟森喬君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(山田健一君) 受信設備制御型放送番組の制作の促進に関する臨時措置法案を議題といたします。
 本案につきましては既に趣旨説明を聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#4
○岡利定君 自民党の岡利定でございます。
 まず、法案の質問に入らせていただく前に、去る四月六日、郵政大臣がNTTの経営形態のあり方について電気通信審議会に諮問されたということでございますけれども、諮問の内容、それから今後の審議日程あるいは審議の進め方等について、今の時点でお話しいただける限度で結構ですけれども、御説明いただきたいと思います。
#5
○政府委員(五十嵐三津雄君) ただいま先生から御指摘いただきましたように、先週、四月六日に電気通信審議会に「日本電信電話株式会社の在り方について」、サブタイトルといたしまして「情報通信産業のダイナミズムの創出に向けて」ということで郵政大臣から諮問をさせていただいたところでございます。
 今回の諮問をしたというこの内容は、平成二年に、NTTのあり方についてNTTの民営化後五年たちまして見直しをするという法律の規定に基づいて五年前見直しをしたということがございました。そのときに、見直し内容として、例えば公正有効競争でありますとかあるいはNTTの合理化でありますとか、そういうものをいわゆる政府措置ということで当時の方針を決めました。その中に、NTTのあり方について平成七年度に検討を行い結論を得る、こういうふうになっておりましたものですから、そういう意味合いにおきまして政府の宿題になっていたということであります。そのことについて諮問をさせていただいたということでございます。
 内容的なことを申し上げます前に少し経緯を申し上げさせていただきたいというふうに思うのでございますが、NTTのあり方というのは、そもそもこういう形で五年前に見直すことになりましたそのよって来るところは五十七年の七月の臨時行政調査会の答申に端を発しております。その臨時行政調査会の答申におきましては、電電公社を活力を持つあるいは状況変化に対応できるというような事業体とするということを基本的な考え方として、その経営形態のあり方につきましては、五年以内に基幹回線部分を運営する中央会社とそれから地方の電話サービス等を運営する複数の地方会社とに再編成するということが提言されておりました。
 昭和六十年度に電気通信制度を改革いたしまして、電電公社はNTTといういわゆる株式会社化してまいりますときに、当面全国一社として発足いたしまして、五年以内にNTTのあり方を見直すというNTT法の附則二条というのが定められて、五年前の平成二年にその見直しを行ったところであります。
 今回の諮問の内容、理由、背景にしているようなことを少し申し上げさせていただきますと、五年、さらに五年たちまして、今情報通信産業というのは二十一世紀の基幹産業というようなところに座る、そういう勢いになってまいっております。そういう意味では産業構造上も非常に大きな影響があるのではないか。あるいは六十年以降競争政策を導入いたしまして、情報通信基盤の整備だとか通信保放送の融合の問題だとかマルチメディア化、グローバル化、あるいは移動通信の発達というようなことが新しい状況として出てまいっております。
 そういったような意味で、NTTのあり方を検討する際には情報通信産業全体のかかわり、そのことについて御議論をいただく必要があるのではないかというふうに考えまして、先ほど申し上げましたように、大変長くなりましたが、「日本電信電話株式会社の在り方について」、その副題として、「情報通信産業のダイナミズムの創出に向けて」というような副題を添えて諮問させていただいたということでございます。
 今後の審議日程でございますが、先ほど申し上げました政府措置という中に、平成七年度において検討を加え結論を得るということから、期限的には平成八年、来年の三月末までに結論を得るということが求められているというふうに考えております。そういった意味合いにおきまして、審議会には平成八年二月ころを目途に答申をいただきたいということでお願いをしているところでございます。
 なお、審議の進め方という意味では、四月六日の電気通信審議会におきましてNTTのあり方についての特別部会というのを設置するということを決定されております。そういう意味合いでは今後この特別部会を中心に専門的、集中的に御議論をいただくことになるというふうに考えております。
 いずれにいたしましても、ボーダーレス化とかマルチメディア化だとかディジタル化という技術の動向あるいは国際的な政策の動向等を踏まえまして、日本国民の消費者の利益の向上という観点を中心にして幅広く御議論をいただけるものというふうに考えております。当初、大体月一回ぐらいの予定で特別部会が開かれるのではないかというふうに考えているところでございます。
#6
○岡利定君 この諮問は、単にNTTだけじゃなくて、二十一世紀のいわばマルチメディア時代の日本の情報通信産業、それから情報通信事業のあり方の方向づけをするという意味を持つものでありまして、非常に重要なものだと考えます。だからこそマスコミも大きく取り扱い、ほとんどの新聞が社説でこの問題を取り上げたのだと思うわけであります。
 いずれにしましても、これの取り扱いというのは郵政省のかなえの軽重が問われる場面であると思うわけでございますので、審議会においても十分な論議と検討を尽くしていただいて、我が国の将来を見据えて、来年二月には立派な結論を得るよう最大限の努力を強くお願いしておきたいと思います。
 そこで、きょう議題になっておりますこの受信設備制御型放送番組の制作の促進に関する臨時措置法案でございますけれども、これは情報通信の新世代とも言えるマルチメディア社会実現のためのいわゆる第一号法案と位置づけていいんじゃないかと思うわけであります。いよいよマルチメディア時代に行政の部門も実践段階に入ってきたのかなということで大きな意義を感ずるものでございます。
 去年はマルチメディア関連の本が数多く出されて、本屋へ行きますとマルチメディアコーナーというのが設けられ、新聞も特集を組むなどしてもうマルチメディアという言葉が出ない日がないくらいでありまして、まさにマルチメディアブームと言ってもいいんじゃないかと言えるくらいだったと思います。それはマルチメディアは何かという一種の啓蒙期だったというような位置づけもできるのかなと思います。本年に入ってこのようなムード的な部分も落ちついて、我が国もいよいよマルチメディア社会の構築に一歩を踏み出すということになったわけです。今、本屋へ行きますと、マルチメディアコーナーじゃなくて大地震コーナーというのが一番出ているようでございますけれども。
 いずれにしましても、実践の段階ということになりますと、この過程は、単に解説文を書くというのとは違って、多くの現実的な問題を克服しながら地道にかつ長期に進めていかなければならないものだと思います。それだけに、主管庁である郵政省がどっしりと腰を据えて、方向を誤らないように取り組まれることをお願いしたい次第でございます。
 そこで、そういう意味で第一号法案の内容についてお尋ねいたしたいと思います。
 まず、受信設備制御型放送番組という目新しい言葉ができまして、その定義も法文の中にあるわけでありますけれども、従来の常識的な放送番組と違うということはわかるんでありますけれども、具体的にどういうものかどうもびんとこないというような面が正直言ってございます。そういう意味で、具体的なイメージが持てるように御説明いただきたいと思います。
 そして、現実に今そのような放送番組というのがあるんだろうか、また将来、受信設備制御型放送番組というのがどのような方向へ進んでいくんだろうかということについてお話が承れればと思います。
#7
○政府委員(山口憲美君) 今回御審議をお願いしておりますこの法案は、受信設備制御型放送番組を制作する者に対しまして、そういった人々の制作を支援していこうというふうなことで法案をつくっているものでございますが、その対象になります受信設備制御型放送番組と申しますのは、この文字に書いてございますとおり、受信設備の方で番組を制御して見るというふうな意味合いでございます。
 そこで、少し内容を具体的に御説明申し上げますと、これから放送というものがディジタル化してくるというふうなことになりますと、当然そのディジタルという先にはコンピューターとの接続が可能になってくるということでございます。そこで、現在の放送は放送局で流したものをそのまま受像機で見る、こういう形になっておりますが、一たんそこにコンピューターというものを介在させまして、コンピューターの中に放送番組を蓄積する、そしてその蓄積されたものを後で見る方が適宜加工するなり編集するなりしてごらんになる、こういうふうな形のものでございます。
 現在では大がかりなものというのは、本格的なものというのはまだございませんが、初歩的な形態のものといたしましては、文字多重放送というものもごく初期的なものというふうな形では従来の放送と違う要素を持っているというふうに言えると思います。また、衛星放送によるデータ放送というふうなもの、あるいは有線テレビジョン放送の中でやはりこれに類するような、従来の放送と違うような放送番組の提供が現在始まりつつある、こういうふうな状況でございます。
 将来というお話でございますが、今後、ただいま申しましたようにディジタル化というふうなことが進展してまいりまして、なおかつまた情報というものに対する要望というものが非常に多様化してくるというふうなことになりますと、当然そこに提供されるその提供の形態というものもいろんなものになってくるだろうというふうに想定されるわけであります。一つの例として申し上げさせていただきますと、現在のテレビジョン放送番組と同じような内容の例えはスポーツ中継というふうなものをごらんになっておられた、そのときにそこに出てくる例えば野球なら野球の選手について知りたい、選手のこういうことを知りたいというふうなことがあったときに、視聴者が好みで情報を求めればそういうものが出てくる、それは求めた人にだけ出てくるという形のもの、そういうふうなものをイメージしていただければというふうに思う次第でございます。
#8
○岡利定君 従来の、我々が今見ているようなテレビの番組とは大分変わってくるのかなというような思いもするわけでございますけれども、いずれにしましても平成七年度からこういう支援策をとってやっていくということでございます。
 現在ではまだ光ファイバー網は家庭にはついておりませんし、受信設備制御型放送番組専用受信機というのもまだないんじゃないかと思うわけですけれども、放送番組が制作されたら現状ではどのように使われるのか、具体的にどのように放送されて、どういうふうな形で視聴されるのか、お話しいただけたらと思います。
#9
○政府委員(山口憲美君) 先ほど御説明いたしましたように、ディジタルで放送されるということになりますが、まずソフトそのものがディジタルデータという形で構成されましてつくられます。そこがソフトをつくるという作業になるわけです。そして、それがディジタルのままでディジタル信号になって各家庭に届けられる。各家庭に届けられますとそこで、先ほどコンピューターと申しましたけれども、具体的には恐らくパソコンあるいはゲーム機、家庭用のゲーム機が今はかなり普及しておりますから、そういったもので一たん受けるという形で、それをさらにテレビジョンで見る、こういう形になろうかと思います。
 本年四月から衛星データ放送による電子雑誌という番組が始まるというふうなことで準備されている会社がございますが、これでちょっと御説明させていただきますと、これは写真とコメント文で構成されて、大体二十ページぐらいの小冊子が送られる、こういうふうに考えていただきますと、そこでパーソナリティーの方がいろんなことを説明されますと、その説明に合わせてページをめぐって視聴者の方がごらんになるというふうなことが可能になるということであります。めくるという、場合によったらそれを飛ばして見る方もおられるでしょうし、あるいはまた前のところへ戻って見る方もおられる、そういうことがあろうかと思いますが、いずれにしても、そういった形でコンピューターを自在に駆使して視聴する、こういうふうなことが具体的なイメージとして持っていただけると思います。
#10
○岡利定君 そういう放送番組ですけれども、どういう会社がそういう番組をつくるというようにお考えなのか、規模なり、あるいはどういう業務をやっている会社がやられるんだろうか、そしてそれは何社ぐらいあるのかということですが、お尋ねいたします。
#11
○政府委員(山口憲美君) これは、こういう放送番組を制作するということのためにはコンピューターの利用技術を持っているということはもう不可欠でございます。コンピュー夕ーグラフィックスによる映像の撮影でありますとかプログラムの開発というふうな形でコンピューターを駆使してソフトをつくるということになりますから、当然にコンピューター利用技術に関するノウハウが不可欠だということでございます。
 そういう意味から見ますと、現在、最もこういう放送番組をつくる近いところにおられるのはいわゆるCD−ROM、今はパッケージの形で流通しておりますが、このCD−ROMソフトをつくっておられる制作者、この方々が一番こういうものに参入してこられる可能性が高いんではないかというふうに考えております。
 これらの制作者というものを見てみますと、大体資本金が一千万円から二千万円程度の会社でございまして、設立後非常に間がないというふうなことで自己資本の蓄積が少ない会社だということでございます。
 そして、この業者がどの程度あるのかということでございますが、大変この業界というのは変化が激しいというふうなことでございまして、何社程度あるのかということの正確な把握が困難でございます。実は、昨年十月にネットワークを通じてこういったソフトを提供していくことを目的とした団体ということで七十社がお集まりになりまして団体を設立されました。こういった方々が特に牽引車的な役割を果たしていかれるのではないかというふうに思っておりますし、私どもも期待をしているということでございます。
 そこで、現在のところは七十社でございますが、民間の調査によりますと、こういったことに参加してくるのではないかと思われるようなCD−ROMを専門につくっておられる会社というのは二百社程度というふうに聞いております。ですから、私たちが現時点で入ってこられるなと思われる会社の規模あるいは数というのは大体そんなところかなと。ここをスタートにしてこれから振興を図ってさらに拡充していこう、こういうことになろうかと思います。
#12
○岡利定君 そういう人たちが使いやすいようにということでこの法律による支援などをやるわけですけれども、放送番組の制作の用に供する共同利用施設というものを考えていると聞いておりますけれども、その施設というのはどういうものなのか、概要をお述べいただきたい。また、その共同利用施設の資金規模、あるいはどこにつくろうとしておるのかというようなことも、もし計画がありましたらお述べいただきたいと思います。
#13
○政府委員(山口憲美君) 共同利用施設ということでその概要を御説明申し上げたいと存じますが、実はその前にこの背景となっていることをちょっと御説明させていただきます。
 今お話し申しましたように、この制作をする会社というのは非常に資本の蓄積等がないというふうなことで、なかなか独立した会社として育っていく地盤、基盤が弱いということがございます。そういったこともございますので、先ほど申しました団体の方々等からもいろいろお話をお聞きしまして、そういう中でどういう形でそれでは私たちとしてお手伝いができるのかというふうなことをお聞きいたしまして、その結果、ひとつやってほしいと言われたのがこの共同利用施設ということでございます。
 これは、具体的には番組の制作手法を開発するための機能を備えた高度な端末等、コンピューターグラフィックスというふうな大変高価なコンピューター、それから多目的な撮影をする、これは非常に多彩な映像をつくらなきゃいけないというふうなことからスタジオというものもかなり手の込んだものをつくらなきゃいけないというふうなことがございますし、それからでき上がったものが本当にきちんと所期の目的どおり映るものなのかどうかというふうな、使えるものなのかどうかという検証をしなきゃならぬというふうな設備が必要でございます。
 そういった設備を頭に描いておるところでございますが、いずれもこれらのものにつきましては非常に大きな投資が必要でございます。そういった意味で非常に過大な投資負担が起こるということと、同時にこの世界は大変技術の進歩が速くて陳腐化が速いというふうなことでございます。そういうことがありまして、先ほどのような形の事業者にとってはなかなか負担が重いということでこういった施設を整えていこう、共同で利用していただこう、こういうことでございます。
 大体今申しましたような施設をつくるということで、事業の規模としては十億円強ということを考えておりまして、このうちの約三億円を産業投資特別会計からの出資で支援をしていきたいというふうに考えているということでございます。
 それから、設置の場所でございますが、これにつきましては現在検討しておりまして、いろいろ御意見等をお聞きしながら設置をしていきたいと考えておりますが、違う目的でございますけれどもつくっている既存の施設等もいろいろありますので、そういったものとの併設というふうなことも頭に置きながら具体的な場所等を決めていきたいというふうに思っております。
#14
○岡利定君 そういう施設ができたと、それを具体的にどのような形で利用されるのか、お話しいただきたいと思います。
#15
○政府委員(山口憲美君) ただいま申しましたような設備を、要は、先ほどの事業をやっておられる方々がおいでになりまして、そこで例えばコンピューターグラフィックスの機械を利用して番組用の画像をつくられる。これは要は動画像をつくるということでございまして、なかなか私もそう詳しく御説明できるような能力ございませんが、こういったコンピューターグラフィックスをつくって大変複雑なそういう動画像というものをたくさんつくっていくということが一つございます。
 それからまた、もう一つはつくったものを今度は編集いたしまして、ちゃんと見られるように順序立てて編集をする、そういうふうな作業、これが編集用のソフトウエアを開発するということでございます。そうして、先ほど申しましたように伝送実験というふうなことをするということでございます。こういったものを大勢の方で時間刻みで使うとかあるいは工程ごとに分けて使うとか、共同で工夫をしながら使っていただく、こういうことでございます。
#16
○岡利定君 それでは次に、通信・放送機構の債務保証ですけれども、その具体的な仕組みについて御説明いただきたいと思います。
#17
○政府委員(山口憲美君) 先ほどの施設にプラスいたしまして、もう一つの支援がこの債務保証ということでございます。これは、先ほど申しましたように、まだできて間もないというふうなことで、なかなか金融機関に対して担保を提供するものがないというふうなことなものですから、そこで債務保証を通信・放送機構がしてさしあげよう、こういうことでございます。
 この債務保証につきましては、通信・放送機構が基本方針などに定めた条件に従いまして、放送番組を制作する方が民間の金融機関等から資金を借り入れる際に、その方の技術面、販売面あるいは財務状況、そういったものを審査した上で債務の保証を行おうということでございます。
 具体的には、こういう作業をしていくということになりますと、電子計算機の問題とかあるいはその上に乗るソフトの問題とかにつきまして非常に高度の専門知識が必要になるというふうなこと、それからまた債務保証の対象となります番組制作者に先ほど申しましたように担保というふうなものは期待できないということでございますので、専門家の皆さん方にもいろいろ御協力をお願いいたしまして、そういった方々との連携、それから特に作業工程の中での期中管理というふうなものを大切にして、具体的にはリスクの回避を図るようなことで進めていきたい、こういうふうに考えているということでございます。
#18
○岡利定君 この法律ですけれども、結局十年の臨時措置法ということになっておりますけれども、その理由をお伺いしたいと思います。十年でいわゆる所期の目的が達成できると考えておられるということでしょうけれども、その辺についていかがでしょうか。
#19
○政府委員(山口憲美君) この法案は、先ほどるるお話し申し上げておりますように、今立ち上がり期にあるということでございますが、恐らくこのソフトというものが高度情報通信社会の構築という意味で大変大きな役割を果たすだろうということでこの立ち上がり期に支援をしていこうということでございます。やはり基本は、民間のこういう皆様方の独力、力で育っていくということが基本でございます。
 そういった意味では、この支援措置にはおのずと時間的な限度を設けなきゃならない、こういうふうに考えておりまして、私どもは今それを十年というふうに考えておりますが、気持ちといたしまして十年で何とかひとり立ちできるように持っていきたいというのが私たちの一つの目標というふうに理解していただいてもと、こういうふうに思っております。
#20
○岡利定君 法案の条文などについてはそういうことにしまして、マルチメディア社会の実現ということがいろんなところで言われておりますけれども、マルチメディア社会の全体像というものについて郵政省はどのようなイメージをお持ちなのか、まずお聞かせいただきたいと思います。
#21
○政府委員(山口憲美君) 今の御質問は大変、先ほど書店にもたくさんの本が並んでいるというふうなお話ございましたですけれども、いろんな方がいろんな形でおっしゃっておられますからなかなか御説明するのは難しゅうございますが、ごく単純な形でまず御説明させていただきますと、今の社会が仮に電話社会だというふうに仮定をいたしますと、マルチメディア社会というのは、今の電話の音声というだけでなくて、データだとか文字だとか画像、特に動画、静止画だけでなくて動画、さらには技術の進歩があれば立体画像というふうなもの、そういったものが今の電話と同じように自由に使える、電話感覚で使える、こういうような状態を指すものだというふうに考えています。ですから、したがいまして双方向で動画像が自由に流通するそういう状況というふうに考えられると思います。
 そこで、そういう状況といいますか、そういうメディアというものが提供されますと、それをどう使っていくかという、電話の場合でもよくお話が出ますのは、出前というふうなものが電話のアプリケーションの一つの例として出ておりますけれども、動画像が自由に送れるということになりますと、それは電話に比較にならないほどの利活用の方法があるということでございます。
 よく言われておりますのは、遠隔医療に使えるんじゃないかとか教育に使えるんじゃないかとか、あるいは行政の分野でもかなりいろんなことが使えるじゃないか、あるいは民間でいきますとテレショッピングというふうな形で使えるではないか、あるいは勤務についてテレワークというふうな形で遠隔勤務というふうなことができるじゃないかというふうないろんな使われ方というのが言われ、なおかつまたそれが実践もされようとしているというふうなことでございます。
 こういったことを通じまして、こういう来るべきマルチメディアというふうなものを中心にした高度情報通信社会というふうなものは、やはり現在の二十世紀が抱えております高齢化の問題でありますとか一極集中の問題ですとか環境問題、そういったいろんな課題の解決ができるということが一つ。
 もう一つは、さらに情報通信産業というものが大きないわばニューインダストリーとして登場してくることが可能になる、あるいはまたそれ以外の産業の分野でも従来と違った形での活動が可能になってくるというふうな意味合いを持っている、そういうものだというふうに考えております。
#22
○岡利定君 マルチメディア社会が実現するとかなり世の中変わってくるということでございます。現在はそこへ至る過程の段階での議論であるわけですが、そういうマルチメディア社会の構築のためには、基本的には光ファイバー網を初めとしての施設整備面、いわばハード面の整備と、それからソフト面の充実というものが両々相まって初めてマルチメディア社会の構築というのが可能になってくるということでございます。
 そのうちのソフトについてお伺いしますけれども、日本のソフト分野はハードに比べて諸外国に立ちおくれておるんじゃないかというような話を聞くわけでございますけれども、事実はどうなんだろうか。もしおくれているとすれば、具体的に何がどの程度おくれておるのか、その原因は何だろうかということについてお伺いしたいと思います。
#23
○政府委員(山口憲美君) 諸外国、特にアメリカにおくれているというふうなことの御指摘がありますが、何をとらえておくれているというふうに言うのかなかなか難しい問題でございます。例えば、委員はごらんになっておられるかどうか、ごらんになっておられるのかなと思いますけれども、具体的な名前を言ってはちょっとぐあい悪いのかと思いますが、先般、コンピューターグラフィックスで制作して恐竜が出てくる大ヒットした映画というのがございました。これは新しい制作技術を駆使してできた、昔からの映画と違う新しい制作技法でつくった映画ということでございます。こういうあたりを見ますと、我が国のそういったソフトの制作というのもちょっとおくれているんじゃないかなというふうなことを指摘される向きがございます。
 それからまた、端的に量の問題として考えてみますと、先ほど申しましたCD−ROM、この制作本数といいますか、そういったものがどうかというふうなものを見ますと、アメリカに比べて三分の一ぐらいだというふうなことがございます。
 おくれているという分野を今ちょっと質の面とそれから量の面で端的に二つでお話しさせていただきましたけれども、そういうふうに見ることもできるのではないかというふうに思います。私どもといたしましては、こういう部分にやはり注目をいたしまして手当てをしていくということが必要だろうということでございます。
 その原因というのはどこかということですが、それは一つは、ソフト制作というのは新しい産業であるということでございまして、我が国ではこういった技術や市場に関する、つくった後どういうふうにそれが売れるかどうかというふうな市場に関する情報というものが非常に不足している、制作者にとってその手ごたえがはっきりわからないというふうなことが一つございます。
 それから、先ほど申しましたように、物的な担保というふうなものを制作者が持っていないために非常に資金調達能力に欠ける。それからまた、先ほど申しましたような高額の機器等を買わなきゃならないというふうなことでの設備負担が非常に大きいというふうなこと。その結果、我が国ではどうなっているかといいますと、結局こういったソフトの制作者というのは大企業の下請的な傾向になっているということでありまして、こういう下請的傾向から抜け出すということがこの世界が伸びていくまず第一だということでございます。
 先ほど申しましたように、この分野につきまして、特に放送の分野でディジタル化が進むというふうなことになりますとビジネスとして十分成り立っていくという新しい芽が出てきておりますので、そういったものに合わせてソフトの進展に弾みをつけようということでございまして、具体的には今申しましたベンチャー的な制作者を支援していこう、こういうことでございます。
#24
○岡利定君 今、法案それからその背景の状況などについてお伺いしたわけですけれども、いずれにしましても、その執行に当たりましては十分に目的を達成するように御努力をお願いしたいと思います。
 最後に郵政大臣に、冒頭申し上げましたように、いわゆるマルチメディア推進第一号法案を提出された大臣のお立場での御感想なり御抱負をお聞かせいただきたいと思います。
#25
○国務大臣(大出俊君) 私は、最初はこのものを読んでみまして、調べてみて、連絡とってみて、非常に驚いた。
 今、局長がちょっと触れましたコンピューターグラフィックス、一昨年の六月にアメリカで封切って、一昨年の七月に日本で封切った「ジュラシック・パーク」という恐竜映画ですね。マイケル・クライトン原作で、スビルバーグが監督しているんですけれどもね。シリコンバレーにSGIという会社がありまして、結局、ハリウッドの幾つかの制作室と全部契約をして、最初、模型をつくったんだけれども、三十メートルもの恐竜の模型はできないというわけですよ。どうするかということで、つまりコンピューター恐竜なんですね。コンピューター、今の化石等のいろんな恐竜の図形に皮膚を張っていって、いろいろ動かして、それを組み合わせて映して大草原を走らせるという技法なんですね。
 しかし、あれだけのものを、私も実は見に行って、テープが日本に入ってきて、行って聞いてみたら、一週間もう予約が全部入って貸せないというわけですよ。べらぼうな人気ですね。それでも私あれを借りて見てみたんですけれども、大変なものです、これは。
 だから、そういう番組を日本でつくれないかということになると、ほっておいたらやっぱりできないと思うんです。何かやはりこの種の法律をつくらなければというふうに思うわけですよ。
 この技法というのはもう非常に進んでいまして、ある日本のメーカー、電機の関係のメーカーのトップと話してみたら、福井にあるんですけれども、岡さんなら岡さんの体型に合わせてコンピューターグラフィックスで全部コンピューターで打ち込んでおいて、洋服なんかつくると見事にできるんですわ。それ、もう実際に営業として相当幅広くなっているんです。
 そうすると、この分野でこんなに進んでいるのに、それじゃ行政官庁の我々の側で何かのお手伝いをして、どこがおくれているか進んでいるかという、中尾さんからも前にお話ありましたが、これはセラミックスなんというものは七割京セラですよ、世界じゅうの。液晶なんというのは四割シャープですよ。アメリカが進んでいるといったって、中身はそれじゃ日本じゃないかという話が出てくる。月尾さんとテレビの討論会に出たら、光ファイバーなんというものはアメリカより日本の方がよっぽど進んでいるというわけです。そうなってくると、やっぱり何かをやらなければいけない。
 ですから、ここで手をつけたというのは、私は皆さんに御賛同いただければ非常に大きく進む一つのきっかけがここでできるんじゃないかという意味で、これは非常に大きな画期的なことだとお受け取りを願えないかと思っております。
#26
○岡利定君 ありがとうございました。
#27
○守住有信君 自民党の守住でございます。
 今、同委員からいろんな側面について御質問、また御答弁ありまして、だんだん映像というかイメージが明確に皆さんもなりつつあると思います。
 そこへ入ります前に、実は雑誌「郵政」の四月号、年度がわりで、行政は三局長、もちろん郵政三事業もそれぞれの局長の新年度を迎えてのこれからの抱負で、山口局長は「経済フロンティアの拡大に向けた情報通信政策の展開」、横に座っておられる五十嵐さんからは「マルチメディア社会を展望した情報通信行政の展開」、それから江川局長の方からは「豊かな国民生活の実現と放送ニュービジネスの振興に向けた放送行政の展開」、これ赤線など引きながらじっくり読ませていただきました。もっとも逓信委員会でございますから、郵政三事業の方もそれぞれございました。三局長が新しい今の時代を踏まえてのいろんなテーマ、展開、これございました。
 ちょっと参考までに申し上げておきますと、雑誌「郵政」は人事部が編集しておって、これ三事業の話ですけれども、事業と同時に職員の啓蒙や訓練やもろもろのこと、昔は載せておりましたよ、正月号にも。これが最近、人事部長のあれがちっとも載っておらぬというのが一つでございます。もう一つは国際部長のあれが載っておらぬと。国際化を踏まえての三局長でございますけれども、それを私はちょっと感じましたので、来年度から編集をされる場合は、編集者がだれか知りませんけれども、こっちの世界は人事部長、こっちの世界は国際部長というふうな意味でもう少し、こういう立派な自分の所信、決意をその局の代表として語っておるわけですから、これが雑誌「郵政」を通じて全職員にも部外にも配られる、そういう意味が非常に深い、このように感じておりますので一言申し上げた次第でございます。
 それからまた、こういう世界で、今、同委員からもお話が出ましたように、マルチメディア元年と世間、ジャーナリズムでは言われている。それの第一歩の、しかもソフトに目を向けた、これは非常に私は感銘深く受け取るわけです。なぜかといいますと、放送法第一条では、不偏不党で、あれは個別番組に介入しちゃいかぬということでございまして、番組制作、今お話しのように下請が多いんですよ。零細が多いんですよ。こういう世界に向かって、著作権の問題もあるでしょうけれども、支援していくというのは非常に私は立派な姿勢じゃないかと思うわけです。
 それからもう一つ、本来ならこれはコンピューター処理、情報処理の世界ですから通産省の情報産業局、そこらあたりもこれはひょっとすると考え出したかもしれぬなと思いながら、しかしいち早く通信と放送の融合の中でコンピューターを駆使したこういうふうな端末、そういうものに、しかもソフトの番組づくりに支援をしていこう、こういう角度、これは非常に私は高く評価しておるものでございます。
 そこで、あと御質問に入らせていただきますけれども、たまたまCD−ROMの話も今出まして、私自身も一つのある会社へ行ってみたんですよ。広尾にあるドームという会社で、社長と専務はアメリカヘ行っておったんです。専務なんかはNASAにおったんです、何年間も。それで、向こうにおけるコンパクトディスクとかいろんなものに対する体験をしてきて、日本に帰ってきて独立した企業。しかし、おっしゃるように資本力もまだありませんが、ノウハウは大分持っております。例えば職員なんかも通信回線でCD−ROMの制作をやっておるんですよね、自宅から。それも知りましたけれども、いろいろ直接質問して、行ってみて、見てみて、聞くということが非常に、一つの片りんでございますけれども、皆さん方のお取り組みに高い敬意を表したいとまず申し上げておきます。
 それで、特にこの中でいわゆる通信と放送の融合、メディアミックスと言ってまいりましたけれども、それがディジタル化を通じて融合、結合が進展していくというふうなことが一番の技術的な基盤にあると思います。コンピューターと通信・放送の融合、こういう側面もございますね。したがいまして、非常にこういう世界での、技術の世界といいますか、ディジタル化、広帯域化や端末等の小型化、高機能化、そういう技術の進歩、基礎的な技術、これは私は長い間電波研究所、実を言うといつの間にか電波研究所が通信総合研究所になったわけですね。電波というのは単にもう通信・放送だけではないと私は認識しておるんです。地球物理学から始まる、例えばオゾン層の破壊とかそういう世界にまで、通信や放送じゃございませんよ。だから、いつの間にか名前が電波研究所というのから、総合とはついておるけれども通信だけの研究所、これも私はちょっと異論を持っております。
 実際、電波研の中で研究しておられます基礎研究、大学の研究所とも連携しながら、科学技術庁とも連携しながらやっておられますけれども、そういうのを大いにこれから中核として、他の大学の先生方、大学の研究所、NTTの研究所、あるいはNEC、富士通その他もろもろございますから、そういう研究所と連携しながら、結びつけながら行政がやっていくかということが一番大事じゃないかと。こういう関係についてのシステム的なお取り組み、この考え方をまず最初に御説明いただきたいと思います。
#28
○政府委員(山口憲美君) これからの情報通信分野あるいは高度情報通信社会を構築していくという際に技術というものが非常に重要な要素をなすというふうなことでございまして、こういった技術についての研究開発というのを官民それぞれに力を入れてやっていかなきゃいけないというふうに考えているところでございます。
 特に、いわゆる開発リスクが高い、あるいは研究開発にかなり長期の時間を要する、あるいはでき上がったものが標準化というふうな形で非常にリードするようなことになる技術、こういったものにつきましては国みずからが積極的にその研究開発に取り組んでいく必要がある、こういう立場で今取り組んでいるということでございます。
 具体的には、平成七年度でございますが、政府の中に公共投資重点化枠というふうなものが設けられておりますが、その中で情報通信基盤技術の研究開発ということで予算が認められておりまして、その中で私どもは三つの技術を中心として現在研究開発を進めているということでございます。
 まず一つは、超高速ネットワークに関する技術であります。要はネットワークのスピードをアップするということでございまして、現在の速度の千倍程度の高速化、テラビット級の速度を持つようなものを研究開発していこうというかなり意欲的な取り組みをしております。あるいはまた、そういった超高速化に伴いまして、異種のネットワークを瞬時に相互に接続する技術というものが非常に重要になってまいります。そういった超高速化の中での接続技術、そういったものの開発をしていきたいというふうに考えて取り組んでおります。
 それから、二番目の柱は端末に関する技術でございます。この端末が利用者に接する部分でございまして大変重要なものでございます。使い勝手のいいもの、そしてどなたにでも簡単に使っていただけるもの、そういったものをつくっていかなければならないというふうに考えて端末に関する技術開発に力を入れているというのが一つでございます。
 それから三つ目は、こういったことを可能にするためには高度の情報資源の伝送蓄積技術というのが大切でございます。これは流しっ放しということではございませんで、当然その間で蓄積という作業が行われます。そういう際にこの蓄積技術を高度化していくというふうなことが大変大事でございまして、現在のハイビジョンの数倍の高精細な映像が確保できるような技術というものを前提にした蓄積技術というふうなものを検討しているということでございます。
 この分野は大変世界的にも注目されていることでございまして、アメリカでもHPCC計画というふうな形で国が資金を投入して研究開発に取り組んでおります。そして、今インターネットという、このインターネットももともとは国が開発したものでございますが、恐らくそれを次第に高度化していく、スピードアップしていくというふうなことにつながっていくのではないかというふうに考えておりますし、またヨーロッパでもRACE計画とかテレマティーク計画というふうなものにかなりの資金を投入いたしまして研究開発に力を入れているということでございます。
 私どももこういった海外での研究テーマというふうなものにも注目をしながら、国としての役割をきちんと果たしていかなきゃいけないというふうに考えている次第でございまして、ぜひまた御支援も賜ればというふうに思う次第でございます。
#29
○守住有信君 今も高速化とか蓄積技術とか幾つかの点を御指摘いただきましたけれども、もう一つ、私の知識では、有線と無線と比較して、有線の方は光ファイバー、大容量、高速。無線の方のディジタル化というのは非常にバンド幅を余計とって、一時は今の民間放送の周波数帯を高い方へ移さにゃいかぬ、移動体通信のためには。そういう議論も首あったことを私は覚えております。有線は光ファイバーですから、コンピューター接続だ。ところが、無線のディジタル化というのは非常に限界があって難しいじゃないか、ナロー化とか何かいろいろ研究努力をしておられましたけれども、電波研で。最近、むしろ無線の方が近ごろはディジタル化で、移動体は無線ですから、しかもコストがかからぬ。光ファイバーを全国に整備するとえらいコストがかかってどうのこうのと。これはもう大いにやらにゃいけませんけれども、もう一つその前に無線のディジタル化技術、これに力を入れるのが、昔は非常に難しい、ナロー化だとかいろいろ言われて周波数対応で民放まで移さにゃいかぬという議論もあったぐらいなんですよ。そこらの技術の進歩を、私素人でございますけれども、そこのところをわかりやすくひとつよろしくお願いします。
#30
○政府委員(五十嵐三津雄君) ただいま先生から御指摘ありましたとおり、電波のありようということは、いわゆるマルチメディア社会、情報通信基盤整備にあっては大変重要なことだというふうに思っております。大容量で基幹的なネットワークという意味の光ファイバーというのはございますが、無線と有線一体として調和ある発展を遂げて情報通信基盤を整備していくものというふうに考えております。
 ところで、無線のディジタル化ということについてでございますが、御指摘のように、従来はアナログに比べてかえって電波の有効利用につながらないというような、そういう状況あるいは過程というのはございました。その後、通信総合研究所を中心として、電波の特に帯域圧縮技術ということで、通信の品質を劣化させないで効率的に情報を伝送するという技術、この技術の開発に努めてまいりまして、現在ではディジタルの方式の方が従来のアナログに比べますと電波の有効利用が非常に可能になってきているという現状でございます。
 利用者の方々への具体的なサービスの提供という観点でも、最近は自動車電話あるいは携帯電話ということに始まりまして、積極的にこのディジタル技術、圧縮技術というのを採用して、電波の有効利用という観点で急増する移動体通信等々に対応するということにいたしております。平成五年ごろからNTTの移動体通信のディジタル化、あるいは平成六年で新規事業者のディジタル化と、こういうのが進んでいる実態でございます。
 電波の需要がますます多くなってくる、あるいはマルチメディア化というようなことでますます大容量化、ニーズの高まりというのが出てくるというようなことで、私どもこういうものに対応するためハーフレート化して倍速化して使っていくというようなこと、そういうようなことで一層この圧縮技術というようなことについての検討を進めてまいりたいというふうに考えておりまして、電波の有効利用技術の研究とあわせまして、まだ利用が進んでいない周波数帯域、そういったものの開発につきましても積極的に取り組んでまいりたいというふうに考えているところでございます。
#31
○守住有信君 もう一つ、アナログ、ディジタルで思い出しましたけれども、昔KDDの新宿の交換局へ行った。あのころはまだアナログでございまして、入れたら音声が聞こえるんです。盗聴の問題。これがディジタル化すれば機械音しか聞こえない。もちろん、特定のところへ通信をやっておるのを、それだけを一遍テープに入れてディジタルをアナログ変換すれば音声が復活するんだな。その盗聴という問題、通信の秘密です。もう電話、携帯電話、自動車電話みんな盗聴してやっておる、何もスパイでなくてもですよ。専門家に聞きましたら、これがディジタル化になるとみんな機械音だけになるというふうなことで、そういうのにも非常に私はこのディジタル化というのが目に見えないところで意味とか効果を持っておるんだなということを実は感じておるわけです。
 それにつけても、およそ通信の秘密あるいは放送番組の不偏不党、ところがソフトは番組なんですよ、実は。だけれども、そういう問題に長い間通信の秘密とか放送番組の不偏不党ということで来られた中で、こういう中小企業の零細な制作者、これに支援してやる。中身にはノータッチなんだからね、あくまでも。それぞれ著作権の問題等がありますけれども、それで自主的にこういう世界が挑戦してアメリカに負けぬようにやっていこう、それを支援しようということですが、本来から言うと、今までの郵政の体質から言うと、通信の秘密を守れ、通信の内容、内容が番組ですからね、あるいはまた放送番組というイメージでおりましたところ、最近こういうふうにソフトの問題、番組の問題に積極的に取り組まれておられますので、そういう意味からいくと前の時代と隔世の感と、こういう気持ちを持っておると、評価をしておるということをお受けとめいただきたいと思います。
 さて一方では、今も言いましたように、岡さんも質問が出た、どこで共同利用設備をつくるだろうかとか。やっぱり大都会だろうと、スタートは、こう思うんです。これに限りませんけれども、やっぱり地域の、地方の問題、長期的、十年間ですから、そこを十分考えながらも、一方では地方でのこういう共同利用設備というものも、特に地方自治団体あるいは地元の産業界、情報通信のいろんな世界と連携されて、地方の問題。地方でやるときに、この機構は東京にあります、わずか百名ちょっとぐらい。これ近ごろいろんな法律ができて、いろんな仕事がふえておるんだが、この機構の問題。
 もう一つあるのが、機構は東京しかありませんので、地方にはブランチがない。地方のこういうソフトに対しての挑戦、これの普及。地方とどうやってこれを、第一段階は大東京だろうと思いますよ。その後の発展、これもどういうふうな、今は漠たる構想でまずこれをやり出すわけですから、第一号をやり出すわけだけれども、あとどういうふうにこの地方との関係を、そして地方には電波監理局がある、地方の産業界もある、自治行政もある、そういう気持ちを持っておりますので、そういう中で電盤を中心とした地方の役割、それをどういうふうに皆さん方トップとして地方を指導していこうと考えておられるのか、そこをちょっとお尋ねしたいんです。
#32
○政府委員(山口憲美君) 今お話の、現在予定しておりますものは、具体的な場所というのはまだ決めておりませんで、これはいろいろまたお話をお聞きしたり、最も効率的なことを考えて設置をしていかなきゃいけないというふうに考えております。
 今、広く一般的なお話で、地方と機構、あるいは地方の機関として私ども電気通信監理局を持っておりますので、その辺のところをどう使うかというふうなことにつながってくるお話かなと思いますが、機構は、御案内のように、作業自体としては例えば人材研修であるとかCATVの番組充実事業でありますとか拠点都市地域の関係の作業をしておりますが、これは地方と必ずしも接触してと、こういうことではないという部分もございます。
 そこで私どもは、やはり機構自身が地方と共同でそういう作業をすることも必要でないかというふうに考えまして、一つの例としてお話をさせていただきますと、岡崎市で今実験をしておりますけれども、この実験と申しますのは、岡崎市と一緒になりまして、岡崎市にある小中学校三十校にこのCATV網を使っていろいろ実験をしているということでございまして、その実験の中身は高品位動画像の圧縮技術、それからCATVの利用高度化技術あるいはマルチメディアの利用技術というふうなものの技術開発をその地域と一緒になってやっているということでございまして、機構もやはりみずからそういう地域との密着というふうなことを志してやっているということでございます。
 それからもう一つ、地方の電気通信監理局につきましてもこれを十分に使っていくことが必要であるということで、本年から地方自治体へのアプローチというふうなものを地方電気通信監理局でやっていただきまして、そしてそこでいわゆる研究会等を催して、いろんな自治体ネットワーク等のプロジェクトファインディングをやって、そして計画をみずから策定し、支援措置あるいは補助金や融資等の事務、そういったものも一部地方でやっていただくということで進めていきたい。
 と申しますのは、これから全国の地方自治体というものをマルチメディア化していくということになりますと、本省で、東京だけでこの作業ができるということではございませんので、地方の皆さんを総動員してそういった成果を上げるような方法をとっていきたい、こういうことでことしから始めていくということでございます。
#33
○守住有信君 また私の田舎の熊本のことでございますけれども、この間、福島知事と話して、振替は別でございますけれども、県庁の職員と地方の電盤の職員と相互交流、四月一日付、やっとこさ。中央からは自治省、大蔵省、建設省、三十人ばかり行っておりますよ。そうじゃいかぬと、地方同士の、それはやっぱりまず県でございますから、国の出先と県の職員が相互交流人事、これを九州電盤の田中君と一緒にやりましたので、こういうことも大いに力を入れてやりたい。県自体も情報化時代と口では県知事以下言うんですよ。ところが実際の中身は余り知らぬのですよ。
 そこで、県の優秀な職員がおります用地方の電盤の職員と相互に、上からではなくて、中央政府が、これは自治体反発しますよ、今まで三十人ぐらい押し込んでおるからね。労働組合としてもこれはあります。私はよく知っておる。だから横でやろうと、水平の交流。これもひとつ成功しましたので、これも大いに御参考にしていただくと。やっぱり非常に技術性に富んだ世界ですから、そして今までは郵政という縦で来ておりましたので、これから非常に大事なのが自治体、これは地方同士で交流をやる、そこにいろんな芽が私は出てくる、ノウハウ、情報知識、これが積み重なってくる、こういうふうに思っておりますので一言申し上げました。
 次に、地方と同時に、今度は国際性というのが一番また大きなテーマ、側面でございます。この間、郵政大臣がブラッセルに行かれまして、GII、一方ではAIIということも念頭に置いとかなきゃいかぬと絶えず思っておりますので、そこらあたりをひとつどういうふうに世界のグローバルなGIIの中でAIIというか、アジア諸国とのいろんなルール化、共同認識、助け合い、こういうことになると思いますので、そこらあたりをどのように今後もさらに取り組んでいこうと思っておられますか、お願い申し上げます。
#34
○説明員(内海善雄君) 先生御承知のとおり、情報通信インフラが経済発展のために必要不可欠のインフラであるという認識が非常に世界じゅうで強まっております。同時に、経済活動が非常にグローバル化しておりますものですから、ますますその情報通信インフラに対する需要というのが起きています。
 一方、世界じゅうでこの電気通信、あるいは放送も含めてですけれども、この世界に競争原理の導入、民営化という動きが大きく動いておりますし、また戦略産業であるというふうな認識も非常に高まっている。そういう中で、この分野の国際間の協調、協力というのが非常に重要なテーマになってきております。
 御承知のとおり、昨年、京都でITUの全権委員会議が開催されまして、非常に日本に対する評価、認識も極めて高くなっておりますし、またアジア地域でこの分野での発展というのが非常に大きく動いております。そういう中で、標準化の活動だとか人材開発の話だとか、あるいは技術移転の話だとか、はたまた我々のビジネスチャンスというような面を含めまして協調・協力体制というのをますます深めていかなきゃいかぬ、そういうふうに思っておるところでございます。
#35
○守住有信君 もう一つ九州に関連して、思い出しますと、かつては環日本海という、あれは金沢でだったね、北陸地方で。韓国のテレビやロシアのテレビ、もちろん日本のテレビ、NHK、民放も入ってですが、そういう運動が、人事の交流、番組の交流から始まっていずれは衛星、環日本海で衛星でお互いの文化を、放送をおろそうというふうなプランといいますか、それを目指して人事の交流、番組の交流とか始まっておるようです。
 今度は九州で、アジアの中の九州における情報通信のあり方に関する調査研究会、座長はかつて電波監理局におられて、東海大学の教授もしておられた九州テレコム振興センターの委員長を中心に九経連、九州経済団体ですな。山口も入りますよ。それで、そういう場づくりをして、今後東シナ海、南シナ海、アジアの主要国との交流の場づくり、情報通信のそういう場づくりを、これは動き出しておりますので、そのこともあわせて、それぞれの管内と本省と連携しながら知恵を出すと。そして、はっきり言うと、いわば仕掛けをしていくと、能動的にね。これが国際化の中でも非常に具体的なあれとしてレベルの高い、政府間のこれはこうですけれども、もっとそれぞれの周辺地域が国を異にしてもそういう情報通信の連携の場づくりをやっていこう、こういう動きが始まっておりますので、御報告を申し上げておきます。
 ほかにも重要なこのマルチメディアの中で福祉という問題、今までは文字放送その他、身障者の方々、これがございましたね、放送波の中で。さらに、このマルチメディアの中でだれでも簡単に、身障者の方々でも簡単に利用できるというふうなことも当然認識しておられると思います、使いやすさというときに。それからまた、福祉というだけでなくて今度は医療、既に厚生省と通産省はタイアップしまして、国立病院等々の遠隔地診断とか診療とか、これに実はもう取り組み出しておるわけです。御承知ですか。
 実は私、去年の暮れ、予算編成のあのころ、自民党の情報産業議連で岡さんが座長をしてやったときです。各省庁みんな並べたんだな。もう厚生省であれ文部省であれ運輸省であれ通産であれ、各省庁が新しい高度通信時代に向けてということで本年度予算に向かっていろんな政策を並べておるわけです。座長でおられましたね。私は、あのときざっと資料をとって、どこのセクションか知りませんけれども各省のやつをみんな送ったですよ。どこの省がどのようにトライしておるか、そういう広い視野で、ある場合には連携しながらやっていかなきゃいかぬ。
 病院の遠隔診断、私が現役のころ、NTT病院、当時は電電公社の五反田と青森の逓信病院と連携して遠隔診断の実験をやるとか、こういうのが始まっておったんですよ。逓信病院、通信の専門家ですよね、コンピューター通信の。こういうのも始まっておりましたので、そこらあたりも一つの大きな実験のスタートとして、厚生省の方も通産省と何か連携をしておるような感じを受けるんですけれども、それはそれでいいけれども、我が方も我が方として、そして福祉と同時に医療、こういうことについて今後もいろいろ技術的な使いやすさというそういう問題もありますし、省庁間あるいは団体間の連絡、連携というものも非常に大事だと思っておりますので、そこらあたり、いかがでございますか。
#36
○政府委員(山口憲美君) 高度情報通信社会というものをつくっていく、こういう中で大変大切なものは情報を持つ者と持たない人、持てない人、そういったものに分かれる状態を生まないようにということで、具体的には例えば収入でありますとか身体障害あるいは場所、そういったものに関係なく同じようなサービスが受けられる、そういうふうなことが情報通信基盤をつくる際の一つの基本理念になっているということでございます。
 これは、政府の高度情報通信社会推進本部の基本方針の中でも社会的弱者への配慮という形で具体的な行動原則の中に掲げられておりますし、それから先般のブラッセルで開かれました情報社会に関するG7の閣僚会合での議論の中でも取り上げられている一つの大切な原則でございます。
 私ども、そういった観点から、身体的なハンディキャップを持った方々に対して十分な配慮をしていく必要があるということで、先ほど研究開発の柱の一つに端末の開発ということを申し上げましたけれども、この端末が身体障害者の方あるいは高齢の方等々が簡単に利用いただけるようないわゆるユニバーサル端末を開発したいというふうに考えております。
 少し具体的に申し上げますと、例えば電子新聞というふうなものがございます。これは画面に新聞が出てきて、これを皆さんがごらんになるというものでございますが、これが音で出てくるというふうな形のものができないか。あるいは手話認識、手話でコンピューターの前で話をされますと相手の方には音声でそれが聞こえると。例えば、今医療のお話出ましたですけれども、病院でお医者さんと面談をされたときに自分で、これは通訳の方を介してというのは好ましくないケースも多々あるわけですが、そういった場合に手話でお話をされるとお医者様には言葉て時き取りかてきるというふうな医療のアプリケーションがあるわけですが、そういった形のものができないかというふうな形で今作業をしている。ちょっと具体的なお話で恐縮でしたが、そういうふうなことをやっているということでございます。
 なお、それから、先ほど医療の関係での厚生省との連携のお話等出ておりましたけれども、細かいお話は省略させていただきますが、総体的に私どもは決しておくれをとっていない、人後に落ちるようなことは絶対ないと思っておりまして、厚生省とも文部省とも大変連携を密にしてやっておりまして、医療、教育の分野につきましても地方自治体の皆さんもさらにそこに交えて利用開発を今進めていると、こういうことでございますので、御理解をいただきたいと存じます。
#37
○守住有信君 あと時間もありませんので、ちょっと一番大事な人材。
 これはマルチメディアを利活用する、あるいはコンピューターを利活用する、こっちの世界もありますけれども、このソフトをつくる方々、これが今大体、調査室がつくってくれた資料を見ましても非常に資本は弱いという世界ですから、ここの新しい人材のレベルアップというか養成、これが非常に大事だなと思いましたので、こういう点もあると思います。
 もう一つは、例えば今文部省というお話が出ましたね。大分前、細川知事の時代にマイ・タッチ計画といって熊本県が中学、高校にパソコンを入れたんですよ。このこと自体は立派だったけれども、学校の先生がそれに対するあれがほんの一部の先生だけで、パソコンが遊んでおるんですよ。あるいは子供たちはゲームはできますけれども、肝心な教育のソフトとかいろいろ、NECとか東芝とかその他いろいろ入れてやっておる、ハード面は入れた、番組のテープも入れたけれども、長い間活用されておらぬ。そうすると、その子供たちがまた社会人として成長してくるわけです。文部省も何か二〇〇〇年を目指して全教師のこういう情報処理あるいは通信メディア等を駆使できるような訓練に取り組む、そういう長期計画を立てたということも聞きます。
 時間もございませんが、今度内閣に総理を中心とする推進本部をつくった、これは私は非常に大きな意味を持つと思うわけなんです。内閣が全体として、郵政省は通信屋ですから基盤とかその地やっていきますけれども、もっとこの利活用の世界で各省庁を糾合して、総理大臣を長とし、官房長官あるいは総務庁長官、内政審議室をメーンとして、そこを中心としてやっていかれるということに、これはちょっと今までになかった仕掛けだなということで余計感じておる次第でございます。
 そういうもろもろの意味も含めまして、時間もございませんので、ひとつ大出郵政大臣、郵政事業はこの間やりましたけれども、今度はこれからの高度情報化社会に向かっての進展の一歩一歩、しかも内閣全体としてそれぞれ役割を持ちながら連携して取り組んでいく、おくれてならじ、産業の空洞化とかいろいろ言われております。そういう意味も含めまして大臣のいろんな今後のお考え、取り組みをお聞かせいただきたいと思います。
#38
○国務大臣(大出俊君) 今御指摘のブラッセルで九二日にわたります、三つのセッションがありまして、分担を決めて十守ぐらいのここから先の行動計画を決めまして、議論をいろいろしたんです。聞いていますと、欧州の側とアメリカの側、欧州の中でもフランス、イタリーなどと英国、いろんな違いがありまして、議論がぶつかり合うわけですね。大変激しい議論でございます。
 アメリカのブラウン商務長官などは非常に気をつけて言葉を選んで答えていく。なぜかというと、いろんな利害があるんだけれども、やっぱりこれをまとめなきゃいけない、GIIというのは。そういう気持ちがみんなにあるんですね。だから、目に見えてそういう激しい議論をするんだけれども、やはり工業生産的な経済発展がそれぞれ壁にぶつかるということを感じている。ゴア副大統領じゃないけれども、アメリカの国民が十ドル支出するとその中の一ドル以上は通信関係に出している金だ、これはもっとふえていくんだという言い方をしますけれども、そういうところに来ている、こう思っております。
 それだけに、ナポリ・サミットでアメリカ側が出してきたGIIだけれども、雇用と成長というところで文書を確認をして決めた。その結果、ブラッセルの閣僚会議でございまして、ここでいろんなことがあったけれどもこれでいこうということを決めた、行動原則まで含めて。これを今度はハリファクスのサミットでもう一遍提案をする。
 こういう順序でございますから、今お話のように、総理を本部長とする、私ども副本部長でございますけれども、政府全体として進めていこうと。非常に大きな意義があると思っておりまして、受番法というのはそういう意味ではまずファースト着手でございますけれども、これをひとつ何とか成功させる方向に進めながら、アメリカは幾つかもう既に法律を決めてやっていますし、我々もひとつ国際的な状況を踏まえて頑張りたいなと、こう思っておるところでございます。
#39
○守住有信君 ありがとうございました。
#40
○三重野栄子君 三重野でございます。
 五点ほど質問をいたします。
 もう既に具体的な問題が展開されておる中でもとに戻るような感じでございますけれども、国内的な問題とブリュッセルにおける会議の問題、まずその点から入らせていただきたいと思います。
 先ほどもお話がございましたけれども、高度情報通信社会推進本部におきまして、二月二十一日に高度情報通信社会推進に向けた基本方針が決定されました。守住委員とともに私もマルチメディア時代の長期展望を見通した我が国の政府の政策として大変評価したいと思っているところでございます。
 ところで、この法案の提出に当たりまして、この基本方針との関係についてまず第一点お伺いしたいと思います。それから第二点といたしましては、政府全体としてこの問題は推進していかなくちゃならないと思いますけれども、情報通信の主管庁としての所見を特にお伺いしたいと思います。
 以上、二点をどうぞ。
#41
○政府委員(山口憲美君) 今お話ございましたように、推進本部が二月二十一日に我が国の高度情報通信社会推進に向けた基本方針を決定いたしまして、政府が一体として取り組む上での行動原則と政策課題等を明らかにしたところでございます。
 この基本方針では、行動原則の一つの大きな柱といたしまして情報通信インフラの総体的な整備というものを掲げておりまして、ネットワークインフラを初めとするハードとその上に展開するソフトを全体として情報通信インフラというふうにとらえまして、これを総体的に整備していくということが不可欠であるというふうにしているものでございます。総体的な整備ということで、その中にハードとソフト両方が含まれる形で整備していこう、こういうことでございます。
 我が国の情報通信の高度化を図るためにはこうした行動原則に基づく政策を着実に実施していくことが必要でございまして、この法案というのはまさにそういった基本方針を受けた施策の一環というふうに御理解をいただきたいと存じます。
 具体的には、最も国民に身近なメディアになっております放送というものを通じまして、そこで利用されるソフトである放送番組に着目をして、これの高度化を支援していこうということでございます。副本部長の郵政相ということでございますので、ぜひこの法案の成功に向けて努力をしてまいりたいと思っております。
 それからまたもう一つ、情報通信主管庁として全体としての立場と、こういうお話でございますが、この基本方針を実際に着実に実行していくために年内に関係の各省が実施指針を策定することになっておりまして、本部としてもこの実施指針に基づく施策の実施状況を取りまとめたり、あるいは有識者の方々をお願いしておりますが、そういった皆様方の御意見等も踏まえまして、必要な場合には所要の措置を講ずるというふうなことにしておりまして、関係省庁との一層の連携を図ってこの推進本部の、再度申し上げて恐縮でございますが、副本部長という大変重い役割を担っておりますので責めを果たしてまいりたい、こういうふうに考えておる次第でございます。
#42
○三重野栄子君 積極的に推進されるように要望いたします。
 国内的にはそのような体制ができましたが、世界的な問題といたしましては、同じく二月にブラッセルで先進七カ国の閣僚の御出席によりまして情報社会に関する会合が開かれたわけでございます。我が国といたしましても、主要国でございますので積極的にこれらの問題を進展させることに貢献しなくちゃならない責任もあろうかとも思いますけれども、情報社会に関するG7関係閣僚会合の概要と、並びに郵政省の情報通信の、今と同じでございますけれども、主管庁としての今後の取り組みについてお尋ねをいたします。
#43
○政府委員(山口憲美君) まず、情報社会に関する関係閣僚会合の模様でございますが、これは先ほど大臣からもちょっとお話ございましたが、昨年の七月のナポリ・サミットにおいて開催が合意をされたというものでございまして、G7の各国、それから欧州共同体、こういった閣僚の皆様、それから米国のゴア副大統領、それから南アフリカのムベキ副大統領が参加をされて持たれた、こういうふうな形になっております。
 そして、私どもの郵政大臣は、会合のすべてのセッションに参加されまして、あるセッションでは基調発言をされるという重要な役割を果たされましたし、すべてのセッションで積極的に発言をされ貢献をしていただいたということでございます。そのほかにまた、カナダのマンリー産業大臣あるいはドイツのベーチェ郵電大臣との会談というふうなことも持たれまして、今後の協力についていろいろと意思疎通が図られたということで、大変私どもにとっても有効な会議であった、こういうことでございます。
 会合の成果でございますが、議長集約という形で取りまとめられております。その主要な成果といたしまして、いわゆるグローバルな高度情報通信社会を実現するための原則というものが合意をされました。それからまた、こういった社会の可能性ということを世界の人々に示すという意味で十一の国際共同プロジェクトを実施していこうということが合意されたということ、これが具体的な成果でございます。
 そこで、今回合意された原則でございますが、この原則は実は基本になっているのは競争の促進ということが一つございます。これは、我が国では一九八五年に電気通信制度の改革を行って以来そういった線に沿って政策を進めておりますので、大変我が国の政策とも合致をするというものでございますので、引き続き進めてまいりたいというふうに思っておりますし、また国際協調というものも十分に図れるものというふうに考えている次第でございます。
 国際共同プロジェクトの方でございますが、これにつきましては、先ほどの政府の推進本部の基本方針の中におきましても「国際的に協力可能なプロジェクトを立ち上げ、その成果を示してグローバルな高度情報通信社会の構築に向けた国際的なインセンティブの醸成に可能な限り貢献していく」というふうに書かれておりまして、我が国として積極的に協力していくということになっております。また、郵政省といたしましてもこれは大変意義深いプロジェクトだというふうに考えておりますので、政府全体の中で率先してリーダー役を果たして取り組んでいきたいというふうに考えている次第でございます。
#44
○三重野栄子君 そうしますと、世界的にも国内的にもこの事業を非常に推進していかなくちゃならないわけでございますけれども、本法が、ハードとソフトの面のことでございますけれども、ソフトの面でこれから環境整備を進めるに当たってどういう問題点といいましょうか、困難な面と申しましょうか、それらの面がございましたらお願いします。
#45
○政府委員(山口憲美君) このお願いしております法律案というのはマルチメディアソフトの支援の第一歩というものでございますが、こういった法案をお願いしております背景には、先ほどもちょっと御説明をさせていただきましたけれども、多くのこういったソフトの制作者の会社が設立後間もなくて自己資本の蓄積が非常に少ないというふうなこと、それから不動産等のいわゆる担保価値を有する資産が少ないというふうなこと、それからまた今度は金融機関、こういったものを支援していただく金融機関の方につきましてもこういうソフ十分野に関する審査ノウハウが不足しているというふうなことがございまして、総じてこういう制作者は資金調達に御苦労をされているというのが一つございます。
 それからもう一つは、そこで利用される設備でございますが、これが大変高価でございますのと、それから技術の進歩で非常に陳腐化といいますか、すぐ時代おくれになってしまうというふうなことでございまして、個々の制作者が保有していくということが大変難しいというふうなことが一つございます。
 それからもう一つは、関係されます方々が、一つは放送事業者でございます、それからもう一つは今支援をしようとする番組制作者、それからもう一つは資金を融資してくださる金融機関、こういった方々が放送番組のソフトにはかかわるわけでございます。こういった皆さん方の間の情報の交流というのが非常に、今まで余り関係のない分野でございますから、できていないということでございます。そこで、放送分野の技術の問題、サービス情報あるいは制作者や制作物に関する情報というお互いの情報の交流ができるような形の場をつくる必要がある、そういうふうな状況に現在あるということでございます。
 今申しましたような資金調達面、施設面あるいは情報面、そういったような面での船路があるというふうに考えておりまして、こういった隆路の解消につきましては、制作者の皆様方も団体をおつくりになって自分でいろいろ打開をしていこうというふうな努力をされておられるわけですが、私どももまたそういった皆様方からお話をお聞きして、お手伝いできるものがあればお手伝いしようということで今回この法案としてお願いしている、こういうことでございます。
#46
○三重野栄子君 そうしますと、それらの問題を具体的に指導していくというのは、期間というのはどういうふうになっているでしょうか。
#47
○政府委員(山口憲美君) 大体一つのソフトをつくるのに一年あればできるんではないか、こういうふうに言われております。したがいまして、例えば債務保証等々の問題につきましても大体最長二年ぐらい、一つの問題について二年程度面倒を見てさしあげれば十分目的は達成できるのではないかというふうに思っております。
#48
○三重野栄子君 それでは、先ほど守住先生がおっしゃいましたことを、もう少し法律の方からお伺いしたいんでございます。
 平成五年に身体障害者の利便の増進に資する通信・放送身体障害者利用円滑化事業の推進に関する法律が制定されましたですね。そうすると、具体的に福祉の問題あるいは障害者の問題は進んでいるというふうにおっしゃいましたけれども、この法律ができましてからはどういう実績があるか、それから今後この法律との関係はどうなるのかということについてお尋ねいたします。
#49
○政府委員(山口憲美君) 御指摘の法律は、身体障害者の利便の増進に資する通信・放送身体障害者利用円滑化事業の推進に関する法律という長い法律でございますが、これは平成五年の九月に施行されました。具体的な内容といたしましては、通信・放送機構におきまして、一般に行われておりますテレビの字幕番組等の制作の助成、それから身体障害者向けの情報提供サービスを行っているというものでございます。
 そこで、聴覚障害者のための字幕番組の制作の助成の実績でございますが、平成五年度は四番組二十九本、四百二万円の助成をいたしました。それから平成六年度につきましては、七番組二百四本、二千九百二十四万円の助成、それから平成七年度につきましては、さらに拡充をいたしまして三千六十七万円強の予算を計上している、こういうことでございます。
 それから、パソコン通信やファクシミリ通信を利用いたしまして身体障害者関連の各種の情報提供サービスを行っておりますが、これにつきましては、平成六年の七月から開始をされまして、平成七年四月一日現在、会員になっておられる方が三十、そして総アクセス数が二千百六十一ということでございます。
 この法律の中では、いわゆる解説番組、ドラマ等で、ドアをあけたとかというふうに言葉で解説する、こういう解説番組も助成の対象にしておりますが、これにつきましては現在のところ実績がないということでございます。現実に行われているのは放送事業者の皆様方が自主的にやっておられるんだということでございます。
 いずれにいたしましても、先ほど御説明申し上げましたマルチメディア時代の端末の開発あるいはこの法律に基づく各種の施策、こういうハンディを負った皆様方が通信の世界で同じようにサービスが受けられるようにという考え方でやっているものでございまして、その内容の充実にはさらにまたいろいろとお話をお聞きしながら努めていきたいと考えております。
#50
○三重野栄子君 やはり今おっしゃいましたように、先ほども出ましたのですけれども、このマルチメディアの社会が実現していけばすべての人々が利用できる、すべての市民が参加する機会があるというふうに向かっていくべきだと思います。
 使いやすい端末の開発とか技術という問題につきましては先ほど基礎的な研究開発を御答弁いただいたようでございますけれども、そのほかにやはり雇用の創出とか労働の質の向上というか、そういう面についてはどのようにお考えでしょうか、その辺が私は大変気になるんですけれども。
#51
○政府委員(山口憲美君) 具体的に今すぐにこうというふうに申し上げられるあれがなくて申しわけないんですが、ただ、今私どもが地方自治体の皆様方といろいろ研究をしている中にテレワークセンターというのがございます。これは勤務先まで、勤務先というのはおかしいんですが、決められた場所へ行くのではなくて、住居に近いところで仕事ができるというものでございます。こういったものは通勤等にハンディを負っておられる皆様方にとっては大変な魅力のある施策だというふうにお聞きしておりまして、私も先般あるそういった施策をやっておられるところを見学させていただきまして、大変これは有効な方法だというふうなことも勉強させていただきました。
 そういったことで、こういうふうな施設、システムの整備というふうなことがその利用の仕方によって雇用という面でも非常に有効なことになるというふうなことを実感しておりますので、いろいろまたさらに勉強させていただきたいというふうに考えておる次第でございます。
#52
○三重野栄子君 先ほど、コンピューターをたくさん学校に入れたけれどもそれを教える先生がやはり少ないといいましょうか、そういうのも含めますと学校教育の中における問題も大変多いようでございますが、文部省との関係で、学校でやるということはいわゆる利用者を全体的にレベルアップするというのに速いというか、そういうことになろうかと思うんですけれども、それらについてはどのような工夫がされているでしょうか。
#53
○政府委員(山口憲美君) まず、政府の推進本部の基本方針の中で今お話しの点というのは非常に大事なものとして取り上げられておりまして、先ほど守住委員からも二〇〇〇年までに全部の先生がパソコンとコンピューターが使えるようにというふうなお話がございましたが、そういったこともその中でやるべしということで取り上げられております。それから、各学校へのパソコンの配備、それからまた高等教育の場でのLANの整備というふうなことを非常に細かくいろいろ取り上げられているということでございます。
 先ほど申し上げましたように、こういったものにつきまして、関係省庁がそれぞれ実施指針というものをつくって具体的に進めていくというフォローの体制も整備されておりますので、実が上がるというふうに考えております。
   〔委員長退席、理事大森昭君着席〕
 なお、私どもも文部省の皆様方とも協力をして、地方自治体の皆様方と資金も出し合いまして、遠隔教育とかあるいは学校でのマルチメディア化というふうなことを進めていくべく今準備もしている、あるいはまた実際にもうやっているところがある、こういうふうなことでございます。
#54
○三重野栄子君 最後の質問になりますけれども、環境問題はそれぞれの部門でやっていかなくちゃならない問題でございますけれども、マルチメディア、情報通信の発展というのは環境問題にはどのように、いい方に向くのか、そこらあたりの環境問題に関する何かの示唆というか政策というか、そういうものがございましたらお伺いしたいんです。
 先ほどもございましたけれども、例えば今までのように多額の旅費を払って福岡から東京までたくさんの人が出張をしなくてもテレビ通信でうまくいくとか、いろいろなこともあろうかと思います。そうすると企業としての旅費は少なくなる。今度は車で行く人がだんだん少なくなって通信で済むとか、あるいは紙が少なくなるとか、そういう点でいろいろお考えがございましたら、ぜひお伺いします。
#55
○政府委員(山口憲美君) この情報通信と環境問題との関係というのは最近非常に注目をされているということでございます。この情報通信の活用によりまして、いわゆる環境への負荷の少ない持続的な発展が実現する、社会の発展が実現するというふうな観点から期待がかけられているということでございます。
   〔理事大森昭君退席、委員長着席〕
 具体的には、平成六年の十二月に閣議決定のなされました環境基本計画の中におきましても、情報通信の利用は交通流の円滑化に資するほか、交通の一部の代替や紙資源の節約等を通じて環境への負荷の低減に資する可能性を有するというふうに指摘をいたしまして、幅広い観点から情報通信システムの活用等情報化の進展と環境との関係について調査研究を進めて環境への負荷低減に資するよう、その適切な活用を図るというふうにこの中で規定されている、こういうことでございます。
 情報通信の活用による具体的な環境負荷の低減効果というのは、今二重野委員もおっしゃいましたけれども、一つは人や物の移動を代替するという形でCO2の排出を削減することができるというふうなこと、あるいはぺーパーレス化を促進するということによって資源の消費量の抑制が図れる、それからもう一つは監視の精緻化というふうなことが行われる、そういうふうなことによりましてエネルギーの消費状態の正確な把握がなされる、あるいは生産活動や交通流の円滑化によるエネルギー消費の改善、それから時間的、空間的集中の緩和による地域環境負荷の低減というふうな観点が具体的には言われておりまして、こういった情報通信を積極的に活用することによって環境負荷を低減することを図っていかなきゃならないと思っております。
 そこで、具体的な効果を確かめるという意味で、私ども郵政省では平成六年の二月から平成七年の三月まで情報通信と環境問題に関する調査研究会というのを設けまして、実際に具体的な事例、一つはテレビ会議システム、それから浜松市で行っております住民サービスの窓口分散化施策、それから私どもの東海郵政局で行っておりますパソコン通信というふうなものを具体的な事例として取り上げまして、この情報通信による環境負荷低減効果というふうなところを現在確認しているということでございます。
 引き続き、内容を精緻化する、あるいはもっと幅広くいろんな事例を取り上げるというふうなことで進めていきたいと考えております。また効果があると思われるものについては具体的に実施もしていきたい、こういうふうに考えている次第でございます。
#56
○三重野栄子君 三つのことをおっしゃいました。もう少し、例えば紙の節約とかというふうなのは郵政省としてはどういうことをお考えでございますか、平成七年度については。言葉はたくさんいただいたんですけれども、郵政省としてもう少し具体的なことはございませんでしょうか。
#57
○政府委員(山口憲美君) 郵政省で行っている、私も今急なお話なものですからうまく全貌がお話しできるかちょっと心配でございますが、紙ということに関して言いますと、私どもはまずテレビ会議というのを非常によく使っておりまして、これはもう大変大きな紙の節約になっているというふうに思っております。
 それから、もう一つはパソコン通信でございますが、先ほど申しましたように、パソコン通信で郵政局と郵便局との間の連絡を紙ではなくて電子的に行うという形でやっておりまして、これはもう目に見えて紙の消費量が減っているというふうなことがございます。
 それから、そのほか訓練等もP−SATという衛星を使って今行っておりますが、こういったものも紙という面で見るとやはり効果があるというふうに思っております。
 いずれにいたしましても、ちょっと準備してこなかったものですから全貌がうまくお話しできませんが、かなりそういった意味では資源の節約になっているんじゃないかというふうに思っております。
#58
○三重野栄子君 関西・淡路大震災とか、あるいは私のところではまだ断水が続いているんですけれども、今は一極集中よりも少しその分を地域へという意向がございますけれども、マルチメディアの情報通信が発達すればもう少し拠点を広げられるというか、地域にいても重要な仕事とか中央と関連がある仕事ができるというようになるのではないかと大変期待を持っておりますから、ぜひ発展するように御努力をいただきたいと思います。
 以上です。
#59
○大森昭君 法案に入る前に、ちょっと岡さんの方から質問があった審議会のことです。郵政省というのは何か副題をつけるのが好きだから、「情報通信産業のダイナミズムの創出に向けて」と副題がついているものだから、したがって情報通信全体を含めて審議会でいろいろ議論していただくんだと、こういう御答弁だったです。「日本電信電話株式会社の在り方について」ということだけならそれだけでよく理解できるんです。特殊法人の際にKDDの問題が出ましたですね。KDDの問題というのはこの審議会の中で審議されるということになるんですか。
#60
○政府委員(五十嵐三津雄君) ただいま先生から御指摘ありましたとおりに、先般の二月二十四日の閣議決定、「特殊法人の整理合理化について」という決定の中で、国際電信電話株式会社、KDDについては、平成七年度にNTTのあり方について検討を行う中で、そのあり方について検討を行うことというふうにされたところでございます。
 そういった意味合いにおきましては、今回、私どもNTTのあり方、先生お話がありましたように副題をつけて諮問をさせていただきましたが、電気通信審議会におきましてNTTのあり方を検討いただくという中でKDDのあり方についても検討をお願いしてまいりたいと思っているし、検討をしていただけるものというふうに期待をいたしているところでございます。
#61
○大森昭君 そういう考え方は別に否定しませんが、ただ、KDDの問題も同時にやるということになりますと、これはちょっと従来の経過からすると大分違うんですね。
 ということは、もう私が言うまでもなく、国内と国際と今分かれているわけですから、したがってそれを同時に経営形態のあり方を議論していくということになれば、どういう形になるかわかりませんが、従未来た形とはこれは全然違うというふうに私理解するんです。
 しかし、ここでやりとりしていてもしょうがないんですが、五十嵐さんが言うように、いずれにしてもNTTの問題とKDDの問題を同時に議論していただくということがこの審議会の目的に入るわけですね。
#62
○政府委員(五十嵐三津雄君) この審議会で御議論をいただいて答申をいただきたいというふうに思っておりますのは、日本電信電話株式会社のあり方について、そして情報通信産業のダイナミズムの創出についてということで、広く情報通信産業全般についての御議論を賜りたいものだというふうに思っております。そういった中におきまして、KDDのことも先般の閣議決定も踏まえますと当然御議論をいただきたいというふうに考えております。
 それから、あわせまして、今先生から御指摘がありましたが、たしか五年前はNTTのあり方についてということだけで諮問をいたしております。今回は、今のマルチメディア化あるいは国際的な動向、当面見える技術革新等々を踏まえまして、言ってみますと情報通信という基盤、ネットワークインフラのみならず、情報通信全般についての最近の変化を踏まえての御議論を賜りたいというふうに思っておりますので、五年前から見るとはるかに大きな視点での御議論をいただきたいというふうに考えているところでございます。
#63
○大森昭君 いや、私の言っているのは、情報通信全体をそれは議論しなけりゃNTTの経営形態がどうあるべきかというのは出ないことはわかるんですよ。しかし今、現状は国内と国際になっていますわね、そうでしょう。今の日本の通信の現状はKDDが国際をやっておるわけですから、それをあわせてということになりますと、例えば国内、国際の分野の問題も今と違ったような答申が出るかもわからない、出ないかもわからないんですが、いずれにしても、しかしそういう問題も議論をして結論を出すということになりますと、これは別にここでやりとりするつもりはないんですが、実はいろいろ新聞だとか何かを読みますと、相当考え方が違うものを持っていますわね、経営者自身が。それを審議会に任せるわけですから、経営者がどう考えようと、だれがどう考えようと、審議会で出たものは、これは行政組織法の八条でいくのかな、審議会の答申は政府は尊重するということになるのかな。すると、具体的にその答申の内容について法案化していくということの作業をするわけでしょう、行政府としては。
 そうなってきますと、岡さんからも相当これは重大な問題だという御意見があって、慎重に審議会の運営を図ってもらいたいという意見があった。いずれにしても幅広くということだからいろんな意見を聞くという意味なんだけれども、私は別にどうすべきだという意味じゃないんですが、この議論はこの審議会の委員だけでは相当難しい問題が出てくるんじゃないか。
 しかも加えて、何か前は特別委員があったけれども、特別部会みたいなものをつくるわけでしょう。今回はまだ決めてないというさっき御答弁だったですが、この審議委員の特定の人が特別部会でそれは専門的にやるけれども、もちろん中間的には総会にかかるだろうし、最終的な答申が出るときは総会で意見をまとめられるんだと思うんです。
 そこで私は、今どういう審議がされることがいいとか悪いとかという問題じゃなくて、大変大きな問題で重要な問題を平成八年の三月までに、それは結論が出ればいいんですよ。ただ、役所の場合は平成八年の三月までに結論を出したいということになると出すように努力するから、これは当たり前の話だけれども。余り拙速と言ってはちょっと失礼ですが、少なくとも将来に向けての情報通信のあり方について大変大きなことになるんで、何か一つのものができて、あるいはそれをどうするかというふうな、ちょっと間違えちゃったなんというわけにいかないんでね、これ。
 だから、私としてはできれば八年の三月までに結論が、いい結論が出ることがあればそれでいいんですが、今局長が言った幅広くとかあるいは八年の三月とかいうのに余り実はこだわらずに、この幅広くというのは特に違ったものが入ってきているんですから、KDDの問題が。ならば、相当これは有識者の御意見も、あるいは今経営している皆さん方の意見も十二分に反映できるような審議会じゃないと、普通の審議会のような運営では非常にまずいんじゃないかと思いますので、これは要望ですけれども、何か回答があれば回答をいただきますが、岡さんが言われますように慎重にしかも誤りのないように、どうかひとつ審議会の運営のあり方について郵政省は対処していただきたい、かように思うんです。
#64
○政府委員(五十嵐三津雄君) 先生から今御指摘のありましたとおり、日本の情報通信産業あるいは日本の産業をどうしていくか、あるいは国民利用者の利便と非常にかかわりの深い重要な政策展開の御検討を願うということですから、先生から御指摘のあったとおりに多くの方々の意見を聞く、もちろん有識者あるいは当事者を含めてというふうに審議会の中で整理されていくものというふうに考えております。
 具体的なことを若干申し上げさせていただきますと、四月六日の総会で特別部会を設置するということは決定されました。したがいまして、特別部会の中で御議論をいただくということになるというふうに考えております。特別部会、さらに有識者も加わった、いわゆる専門委員等が加わった形というのが一般的にとられるのではなかろうかというふうに考えているところでございますが、最終的には特別部会が開かれた際にそういった手続がとられるものというふうに考えているところでございます。
 それから、先生からお話のありました中で、国内、国際の問題がございました。KDDとNTTという意味では、NTT法、KDD法というのがございまして、NTTの持つ支配的な力、あるいは国家的な役割、KDDも同じような意味合いにおきまして、KDDは国際、NTTは国内という通信を担当しておりますが、一般の通信事業者につきましては電気通信事業法上はそういう意味の垣根、制限はございません。現実に衛星通信会社で今まで国内通信をやっておりました会社が近いうちに国際通信にも出るということでサービスの展開を図るということになっておりますので、KDDとNTTということ、それぞれの会社を除きますとそういう意味の制限はないところでございます。
 なお、私どもこういったことについて審議会中心に御議論をいただくということでありますが、なるたけファクトファインディングといいますか、事実関係を明確にして幅広に御議論をいただくというような体制をとってまいりたいというふうに事務局としての役割として思っておりますし、外国の状況等々も含めて、今先生が御指摘のありましたように、一定の期間の日本のあり方ということを考えて、誤りなきよう一生懸命やってまいりたいというふうに思っております。
#65
○大森昭君 別に揚げ足取るわけじゃないんだけれども、大体好きなんだよね、外国の例だとかなんとかというのがね。外国の例も参考にしてもらうのはいいんだけれども、余りこだわらないでひとつやってもらいたいと思うんです。
 次に、法案ですが、これ賛成しておる法案だからあれなんだけれども、ただちょっとさっきからずっと話を聞いていて、何か七十社ぐらいあるんじゃないかと。資本金が一千万か二千万ぐらいじゃないかと。これは全国を言っているのか東京の近辺のことを言っているのかよくわかりませんが、何か十億円ぐらいの会社をつくるのには全部出しちゃうまくないから、まあ三億ぐらい出そうかと。それであと民間に三億ぐらい出してもらって、借入金を四億ぐらいやって、十億ぐらいの会社なら何とか新しいソフトができるんじゃないかというような、これは失礼な言い方だけれども、実はそういうような感じにとれるんだよね。
 本当からいうと、十億なら十億というものが用意されて会社ができるということになれば、どういう敷地で、どういう建物で、どういう機械が必要で、どういう人員が入って、大体こういうことで新しい技術の開発をやるんだと、したがって国が三億出すことをここで承認してもらいたいというなら非常にわかりやすいんだけれども、何か三億出してください、出たらこういうのができますよという話だから、さて本当にできるのかなとか、本当に十億かかって何人ぐらい雇ってそれがうまくいくのかなと。
 というのは、御案内のように、これ全く未知なものをやるわけじゃないわけだ。今もうやっているわけよ。ただ、小さいから、なかなか資金もかかるから、それから成功するか成功しないかわからぬから国が三億出す、こういうことですから、本当に郵政省が自信を持って構想を出してもらわないと、これ税金ですから、だから我々賛成していいか悪いかというのが率直に言うとあるんですが、まあそう言ったんじゃこれは国会の審議にならないから、それぞれ専門家の方が議論して、これでいこうじゃないかということだから賛成はしますが、その自信のほどはどうなんですか、自信のほど。
#66
○政府委員(山口憲美君) 具体的にどういう規模でこれをつくっていくかということにつきましては非常に難しい要素がございますが、差し向き現在のところの放送の実態ということを頭に置きまして、どの程度の番組ソフトをつくっていくかというふうなことを想定いたしますと、十億程度の規模の事業でよいのではないかということでございます。
 具体的にその十億と申しますのは、ここで買おうとしておりますコンピューターグラフィックスの機器というふうなものを中心といたしまして、スタジオをつくりますとか、先ほど御説明申しましたような実証の機械とか、そういったものを個々に積み上げまして大体十億程度、この程度あればまず差し向き不自由なしにやれるのではないかということで決めている数字でございます。
 私どもといたしましては、こういったものはやはり官民が力を合わせてやっていく必要があるということでございまして、大体三分の一程度を我々が負担させていただいて、あとはこの会社の努力あるいは民間からの出資、そういったふうな形でやっていくことがやはりこういう事業そのものも活性化していくのではないかということで、この三億円というものでお願いをしているということでございます。
#67
○大森昭君 さっきの副題じゃないけれども、「ダイナミズムの創出に向けて」という副題がついているんだけれども、もうどうせ本当にやるんならそんな一つぐらいじゃなくて、三億の制限があるなら三つつくったって九億でしょう。これから何だかんだいろんなことで、マルチメディアの時代だとか高度情報化社会だとか言っているのに、何かみみっちいんだよね。まあそう言ったからといって修正案出しているわけじゃないから、いいけれどもね。
 それから、十年の話もあったけれども、岡さんから。十年で果たしてどうなのかということだって、一応十年一昔と言うから、まさか二十年という提案もできないから十年にしたんだろうと思うけれども、やっぱり時の流れに従って本当にやるんならやるという形にしないと。
 次の質問をしようと思うんですけれども、実は今までだって必ずしもやってないわけじゃないんですよ。何か好きだからね、福祉元年だとか何とか元年だとかといって今にもその年が最高の年みたいなことを言う。これは従来から人材研修センターだとかCATVの関係でも支援していたり、それから去年は番組の素材、あんなのも、あんなのと言ったら悪いか、やってみたり。やっているわけですよ、今までも。
 やっぱり今までやってきたソフトに対する支援がどのようになっているかということを我々が聞いて、ああ、あれはああいうふうにうまくいっているから、じゃ今度のやつも恐らくうまくいくだろうというふうに判断するしかないんだよ、我々が判断するのは。それはそうですよね、未知の世界なんだから。だから、江川さんが今来ているけれども、今までやってきたやつはどうなっているんですか、これは。
#68
○政府委員(江川晃正君) 予算をつけていただきましてやっている仕事は幾つかございますが、先生御指摘のような意味で成果がどう出ているか、目に見えているようなところからちょっと拾って御報告させていただきたいと存じます。
 順不同で申し上げますと、字幕放送番組の制作費に対する助成というのがございまして、それは平成五年度から始めております。これは既に平成五年度で三十本弱、二十九本の字幕ができております。それから平成六年度、昨年度では二百本以上の字幕番組の助成をいたしておりまして、その放送の効用を十分に享受しているなというふうに承知しているところでございます。それがその字幕放送の話です。
 それから、ただいまお話に出ました番組素材の話、これは昨年法律を通していただきましてやったところですが、今会社づくりをしておりまして、五月の半ばに、会社の名前は日本アーガイブズというか東京アーガイブズというかちょっと正確ではありませんが、そういう番組素材となるようなものを集めて皆さんに貸していくという会社が来月の半ばぐらいにでき上がってオープンするというふうにしております。
 それからもう一つ、御指摘のありました人材研修とかCATVの番組素材づくりに貢献するような支援事業はどうなのか、ちょっとあるというふうにお話ございましたが、まさにそこは平成六年度、平成六年の十二月、昨年の十二月に一つが開業いたしました。それから、ことし七年の五月あるいは秒あたりに二つ目、三つ目が開業して人材研修とかあるいはCATVの番組制作に支援するというふうにやっていくということで、いろいろ始まっているところでございます。それなりに我々としては効果が見えてきているなというふうに思っているところでございます。
#69
○政府委員(山口憲美君) 先ほど共同利用施設の箇所数のお話が出て、一つというのは何だ、もっとふやしたらと、こういう話でございました。
 差し向き私ども平成七年度では一件というふうに考えております。後どうするかということでございますが、実はこの設備というのはさらに研究を重ねますと恐らくオンラインでここにアクセスをしてくるという形で、必ずしもここへすべての方がおいでになって使うということでなくて、ここに回線でアクセスをして利用するということも可能になってくるのではないかというふうな、状況の進展というふうなものを考えましてその設置箇所数というものを考えていかなきゃいけないというふうに考えております。差し向きはことし一つ。私どもとしてはさらに一カ所程度ということが今のニーズというふうなことから見て適正な規模かなというふうに考えているということでございます。
 それから、十年ということでございますが、これは私どもとしては何とか十年間でひとり立ちできるようなところまで、少なくともこういった形での施策を通じての支援というのは十年で何とか成果が上がるようにと、こういう一つの努力目標というふうな形で努めていきたい、こういうふうに考えている次第でございます。
#70
○大森昭君 いや、まあそういうことだろうと思うんです。
 私がこういう質問をするのは、せんだってもキャプテンサービスが何か百万回線ぐらい五年ぐらいでできるんじゃないか、ところがこれは十六万ぐらいしか伸びないで、何か中止するとかしないとか新聞に出ていましたね。仕方ないというか、新しいことですから成功することも成功しないこともあるんだけれども。
 今、山口局長が言った十年間にやっていきたいという気持ちはよくわかります。だけれども、五年先だとか六年先に何をなすべきか。しからば、よりうまくいくであろうというようなときはやっぱりそれなりに対処してもらわないと、十年というあのときの議論だから十年といったって間に合わないときだってあるからね。だから、どうかひとつ、新しいものをつくるわけですからなかなかそう予想どおりにいかない場合もあるけれども、一たんやった限りはやっぱりそれを成功させると。
 郵政省のやっていることはみみっちいじゃないかということをちょっと私に言う人がいたものだから、いや、役所の性格でそういうことになるんでしょうと言っておきましたけれども、やっぱり法案を国会の中で審議してもらってやったことがこういうふうに成功したなんというのは逓信委員を長くやっているけれども余り聞いたことないんだよね。だから、ひとつそういう意味でやらないとまた来年も再来年も予算がとれないからね。もう郵政省に幾ら予算をやったってろくなことないと、こうなっちゃうから、ひとつ元気出して頑張ってやってもらいたい。
 そこで、いろんなことが言われておりますが、総理府の統計でも何でも、これはいい面ばかりじゃないんだよね、この社会というのは。何か非常に幻想といいますか希望に満ちた社会が来るようなことが言われているのだけれども、反面、暗い面もあるというんでこの統計が出ています。
 これを見ますと、プライバシーの侵害が起きるんじゃないかとか、それからたくさんの情報がはんらんしちゃって物事の判断が難しくなるとか、それから便利になるのはいいんだけれども、これはそう簡単に情報がだれでもできるというわけじゃないんだよね、新しいソフトができても。世の中というのはそういう弱者もいれば、それから高度情報通信社会が成り立っていくといろんな面でまずい人も出るわけですよ。えてしてこの事業を推進していく立場というのは、非常に豊かでいい社会が来るというもとにいろんなものを開発していくんだけれども、そういう面の対処というのを今から十分郵政省も考えておかないとちょっと問題がある。
 実は、大分前に私インドネシアに行きましたら、テレビが二チャンネルしかないんだ。それで、日本はもっといっぱいあるけれどもどうかといって話をしたら、そんなにテレビのチャンネルがあったって何するんですかと言うんだよね。いやいや、そういう国もあるのよ。日本の場合は道なんだ。何かもういっぱいあればいいんじゃないかという人が多いんだけれども、あながちそういうわけにいかないんだ、世の中というのは。今サリンつくっている人もいるらしいけれども。
 だから、行政的な立場ではマイナス面を、どういう問題が起きるかというところを、起きないようなものも同時にやっていかないと、新しいものを開発するというんでいろいろなことばかりやっていったら世の中大変なことになっちゃうということを私は考えるんだけれども、私はちょっと素人的だから、そんなことはないよということなのかもわからぬけれども、私が今言ったことで何かありますか。
#71
○政府委員(山口憲美君) 情報化を進めていく際に配慮しなければならない点は多々あると思います。
 先ほど御質問ございましたけれども、一つは、要はこういう情報化について持てる者と持たざる者という、公平さを欠くような形にならないように、皆さんが等しくこういう利益を、メリットを享受できるようなそういうことを目指すという、いわゆるユニバーサルなサービスができるようにということが一つございます。
 それからもう一つは、こういう情報化の進展に伴ってさらに弊害が発生する、むしろそのことによってマイナスが生ずるという問題がございますが、そういった問題についても配慮をしていくということは大変大切なことでございます。その際に私どもとして考えなきゃならないのは、一つは制度面でどういうふうな手当てを講じていったらいいかということでございますが、この面につきましては、現在、通信と放送の融合に関する懇談会というのを設けておりまして、ここでいろんな意見を拝聴しているということでございまして、その結論を得て、必要であれば制度面の手当てもさせていただくということだろうと思っております。
 それからもう一つは、セキュリティー技術の開発ということが非常に大切でございまして、ネットワークヘの不正なアクセスを防止するような技術、あるいはデータの漏えいだとか書きかえというふうなことが勝手になされないような防御技術ということが非常に大事だというふうに考えておりまして、実はこの平成七年度から五カ年計画でこういった技術開発も進めていきたいというふうに考えているところでございます。
#72
○大森昭君 問題は、番組を流す方と受ける方とあるわけでしょう。聞くと、何かつけるわけでしょう。そうすると、これまた金がかかる。今のテレビでは見れないんでしょう、この今つくろうとしているのは。そうすると、実際新しい番組をつくるのはいいんだけれども、見る方の立場も考えてもらわないと。
 だから、相互に関連してくる問題だから、私も技術的には全然わからないんだけれども、どうかひとつ、新しい企画で新しいものをつくっていくという努力は認めますが、できたものがどう流されるのか、あるいはそういう形の社会になったときどういう問題が起きるのかという総合的な、単に法案だけが成立すればいいとかという問題じゃなくて、郵政省が全体的な問題について考えて新しいものを目指していくというふうにしていただきたいと思います。何か大臣ありますか。
#73
○国務大臣(大出俊君) 大森さん、今具体的に何をやっているかといえば、十一年前に三鷹の、大森さんよく御存じの北原安定さん時代にINSという実験をやったと。具体的なアプリケーションというのは十一年前の、これは守住先生も言っておられたけれども、あそこでやってみせたテレビ電話から始まりまして電子図鑑まで含めてずっとあったですね、ビデオ・オン・ディマンドから。
 私、就任をさせていただいて、オープニングセレモニーというので京阪奈に行ってごあいさつをして回ってみると、余り変わってないんですよ、INSの時代と。基本的には同じようなことなんです。ただ、今、頭のさえておられる局長さんたちにひとつ考えていただけると思っているんですけれども、あの実験をやった結果、最近テレビ番組その他で、あの京阪奈の実験はどうなっているかというのをちょいちょいやっているんです。私はずっと見ていて一時間番組を全部メモして書いてみたんです。意味があるんです。
 パソコンなんぞは手がけたことのない奥さんがパソコンをたたいているわけです。精華町というんですか、あそこにマーケットがある。そこに品物があるんだけれども、衝動買いするというんです、普通は行って見てこれを買うと。ところが、パソコンをたたくと七千五百のつまり情報が入っているんです。そうすると、何時の仕入れで何と何と何があると全部出てくる。それを奥さんがたたいてメモしていくんです。それでこれとこれを買うわになったんです。
 それで、奥さん、あなたはパソコンをやったことがあるのかと言ったら、ないと言うんです。光ファイバーが入ってきてビデオ・オン・ディマンドだから、ただでやれるからただでやってきたというわけです、子供も一緒になって。自然になっちゃったと。朝出かける、バスは何時、どこで乗りかえる、乗りかえは何時、どこへ行くのに何時に着く、全部パソコンをたたくと出てくるというんです、情報が入っていて。ビデオ・オン・ディマンドもみんなつながっているわけですよ。
 テレビ電話だけはごく親しい人にしかかけませんと言うから何だといったら、テレビ電話をかけるとすぐ相手の奥さんが出てきちゃう、この辺から。そうすると、頭がくしゃくしゃで、とかしてもいないのがぽかり出てきちゃうということになると、あら困ったわになっちゃって切っちゃうというんです。だから、ごく親しい人にしかこのテレビ電話はかけませんと、具体的にやっておるわけですよ。
 機器は借りているんだけれども、じゃ、おしまいになったらどうしますかと言ったら、寂しくてとてもとても、何か考えなくちゃいけないでしょうと。つまり、そこまでなれてしまう必要があるんですね、社会が家庭が受け入れるアプリケーションともなると。だから、そこに向けてせっかくやってきたんだから、INSみたいにしないで、こういう結果になってきているんだというのをやっぱり具体的に出していかないといけない。
 だから、ブラッセルの会議でも、国際的にこの種の実験をたくさん、アメリカもやっていればフランスもやっていればドイツもやっていればみんなやっているんだから、規模の大小はあるけれども。それを、国際共同プロジェクトのリストというのをつくって、グローバルインベントリーというのを一番最初にばんと据えた。こういう実験を国際的につないで、日本はこうやっていますよ、アメリカばこうやっていますよ、フランスはドイツはということに交換をしながらGIIを進めていこうと。だから、そういう意味で、一は日本が実験をやっているから日本の担当と、こういうことです。
 だから、そこらを浮き彫りにしながら進めていかないと、今の受番法もそうなんだけれども、何やるかわからぬじゃないかと。わからないんですよ、今の提案の仕方じゃ。だから、そこらのところをやっぱり皆さんで前面に出していく必要がある。
 長くなってごめん。そういうことです。
#74
○大森昭君 いずれにしても、とにかく情報通信の基礎整備元年だから、守住先生が言うように、どっちかというと郵政省の人というのは郵政省の中のことが多いですよ。やっぱり民間の人とか地方の人ともっと交流をして、そうしない限りこれだけの新しい時代を乗り切れないですよ、率直に言って。役所にいて、役所の中で幾ら本読もうが勉強しようが、ちょっと困ったときは人を呼んで何か聞こうかとかというんじゃだめですよ。だから、どうかひとつこれだけのことを決意してやる限りは郵政省に専門の技術屋も採用しなきゃいかぬですよ。法学部だか文学部だか教養学部だか何か知らないけれども、技術系の人というのは建築屋にはいるけれども、余りいないんじゃないの、僕もよく知らないけれども、(「いっぱいおるよ」と呼ぶ者あり)いるんですか、いっぱい。
 ですから、採用のことは言わないけれども、やっぱり交流をしないと、経験をしないとやっぱりこれだけのものをやっていくことはできないと思いますから、これを要望して私はこれで終わります。どうも失礼しました。
#75
○中村鋭一君 質問通告はいたしておりませんが、大出大臣に今から私感想をちょっと申し上げますので、大臣なりのまた御感想をお伺いできればと、こう思うんです。
 きのう知事選が終わりまして、東京、大阪で新しい知事が決まりました。早速いろいろな評論、評価等がもう既に新聞、テレビ等ではんらんをしておりますが、この知事選の結果について私は、政治家とテレビ、あるいは選挙とテレビという観点からちょっと考えたことがございますので、それをお聞きいただきたいと、こう思うんです。
 例えば、当選した青島さんはこう言っているわけです。部かに公営掲示板は一万三千カ所ある、それにポスターを張る手間というのは大変なものだ、その公営掲示板立てるのに一カ所当たり十万円かかる。だから、東京都かで十三億円、それにポスターを張ろうと思うと、張る手間賃からそういうものを考えますと、それだけで莫大な費用がかかると。だから、新知事になった青島さんに言わせれば、もうそういうことはおやめになったらいかがですかと。もっともっと政治家は、少なくともテレビメディアというものを活用して、自分の全身を有権者の前にさらして自分の信ずるところや政策や識見というものを理解してもらうようにした方がいいんじゃないかと、こういう御意見が一つあります。
 それから、これはきょうの朝日新聞に出ているんですが、ちょっとこれ興味ある調査をしているんです。「候補者の選挙運動も従来型の効果が低下」とありまして、九日投票の静岡県議選で、投票した人の三八%が告示前に投票する候補を決めていた、告示後に選挙運動を見た上で投票する相手を決めた人は全体のわずか二二%であった、こういうことなんですね。告示直後には、今度は七割以上の人がどこから情報を得たかといいますと、新聞とテレビであったと、こういうことなんですね。
 また、別の評論家によりますと、選挙に入りましてたすきをかけた候補者、それから候補者や運動員が白い手袋をはめて、女性のいわゆるウグイス嬢が金切り声を上げてただひたすら連呼連呼で町中を走り回る、この効果はいかほどであろうか、ほとんどないんじゃないか、こういう意見も一方にあるわけです。
 少なくとも今回、横山ノックさんあるいは青島幸男さんが大阪、東京で当選されたその一つの理由としては、抜群の知名率というものと、それからやはりテレビメディアというものを十二分に活用し得たということも非常に大きな要素であった、こう思うんです。
 今のように政党間の組み合わせが非常に複雑化して、垣根がほとんどなくなりまして、政策にこれまた余り違いがないといいますか、少なくとも今回の都知事選でいえば相乗りがいいか悪いかだけが争点になったようです。そうなりますと、結局個人、候補者自身がどれだけ人に知られているか、その印象がどういうものであるかが非常に決定的な要因になってくるんじゃないか、こう思うわけであります。
 したがって、そういう点から少なくともこれからの選挙はテレビメディアというものを無視して語ることはできない、このように私は考えます。これ必然的に、だから公選法の改正も含めまして、その問題に我々が直面せざるを得ない時期が必ず来るだろう、こう思います。
 それから、これも当選した横山ノック新大阪府知事はこういうことを言っているんですね。知事室を開放して、新聞記者懇談等も必ず私は絵を入れるようにしたい。要するに、大阪府知事横山ノック氏あるところいつでもテレビカメラがあるようにしたい、それがガラス張りにする道なんだと。だから、記者懇談のときも必ず絵を入れるように私はしたいと思っていますと。ということは、いつでもテレビ中継をしたい、こういうことですね。
 それから、アナウンサーの質問が、ノックさん、あなたは当選してからタレント活動はどうするんですかと、こういう質問に対しまして、府民のお許しがあるならば、土、日の二日間は従来どおりのタレント活動を続けたい、こう言っているわけです。じゃ仮に府民のお許しがあれば、ノック新知事はそういう意思があるわけですから、月−金は知事の仕事をして、土、日は従来どおりいろいろなテレビ番組に出て、いわゆるタレント活動を続けると。
 こういうことを考えますと、一つには今言った選挙の問題がありますね。それから、一つには当選した首長さんとか、そういう人が仮にいつでもテレビメディアと接触してタレント活動を続ければ、じゃ四年たって改選のときにはやっぱりその人が非常に有利な立場に立つ、知名率が余りない候補が出たって現実の問題としてはとてもじゃないけれど全くそれはもう太刀打ちが不可能だと、こう思います。
 そこで私は、これは必然的に、テレビと選挙、テレビと政治家というものについて、法改正も含んだ取り組みというものが立法府にも行政府にも迫られる問題だと、こう思います。
 だから、その点について私は、これは一つの提言ではありますけれども、朝日の石川真澄さんがきょうの朝刊でこれも提案しているんですが、たしか石川真澄さんだったと思いますが、民放のゴールデンタイムを国の方で買い取りまして、それで候補者に公平に政見を発表する機会を与えるというようなことも考えられるんじゃないかということであります。
 それからもう一つは、横山新知事が言っているように、これから知事室を開放するんだと、テレビカメラを入れるんだと、それから記者懇談も全部テレビ中継してもらうようにしたいというようなことから考えますと、我々の国会審議自体も、これは本会議それからあらゆる委員会審議も、もしそのことが可能であり、それについて法改正が必要ならば法を新設あるいは改正してでも国会を国民の前にテレビを通じて開放するというようなことも考えてもいいんじゃないかと、こう思うんです。それにつきまして郵政大臣、もし御感想があればお聞かせを願いたい、こう思います。
#76
○国務大臣(大出俊君) 今の中村先生おっしゃる選挙との絡みでというんであれば、私はやっぱりこの場所じゃないと思っております。いずれにしても、放送法の建前もございますが、公平じゃなきゃならぬというのが原則だと私は思っております。いかなる形でテレビメディアを使うにしてもそれは公平でなきゃならぬと、選挙という名がつくつかぬにかかわらず、そう思っているんですよ。
 ノックさん、青島さんの話、いろいろ出てまいりますが、テレビメディアの中から出てきたような人ですから、だから庶民が知っているのは当たり前のことで、私も衆議院選挙を十一回もやりましたから、町を歩けば知らない人はほとんどないぐらいで、自分の選挙区に行きますと。人の選挙に行ったって私に手を振るのはいっぱいいるんだから。それは、それぞれの人のそれぞれのやっぱり選挙のやり方というのが私はあると思っているんです。
 ただ私は、飛鳥田市長が当選したときに、今お話しのノックさんと同じことを言ったんですよ。市長室に扉はない、記者会見していつもテレビで知らしていただくと。ところが、社会党というのは市議さんが当時十七人ぐらいいましたか、横浜市議会の中に。総評系の組合がたくさんありましたが、飛鳥田さん当選したんだけれども、市の議会が受け入れないわけですよ。政治的空白ですよ、助役をと言ったって認めないんだから。しょうがないからというので一万人集会を文化体育館で開いて、そっちはそっちでやってくれ、こっちはこっちでやるんだといって、そのうちにどうもそれじゃ空白があり過ぎてぐあいが悪いというのでまとまることになったけれども、そこらも含めて、あっさりいろいろノックさんも青島さんもおっしゃるけれども、まずしばらく様子見なきゃ何がどうなるかわからぬなという気がしながら見ていたんです。
 ですから、今の話でいえば私は、あくまでもやり方はいろいろあるんで、できるだけ公平にテレビというものを使って選挙民の皆さんにそれぞれの候補者の主張その他も含めて知っていただくということは、これはもうこの委員会がどうであれ、お互いに必要なことだろう。感想とおっしゃられれば、そう思っております。
#77
○中村鋭一君 大臣も、これからは少なくとも選挙の際にテレビメディアというものが有用であると、その活用の度合いが強まるであろうことは、これはお認めになるだろう、こう思うんです。
 それから今の、例の本当に世間を騒がせておりますオウム真理教の事件でありますが、連日のようにオウム真理教の上祐某を初め、テレビのワイドショー等に登場しているわけです。これに対しては随分批判がありますし、NHKは見識と言えるかどうか、ところがNHKはこういう皆さんに生放送には登場していただきません。二、三の人にインタビューをしてその編集したものを出している事実はありますけれども、これはVTRの再生でありますが、生放送の形でワイドショーに出てもらわないということ、NHKはそうしておられるわけです。
 私もそうたくさん見ているわけではありませんが、見ておりまして、この間、ちょっと名前忘れましたが、やっぱりオウム真理教の人が、一月十七日の阪神大震災は新型の地震武器で、どこか国は知りませんが、アメリカとかどこかがあれは武器として地震を使ったんだと、こういう実にべらぼうなことを平気で言っているわけです。それで、例えば創価学会がどうしたとか、あるいは米軍がサリン攻撃をしかけているんだ、こんなことを毎日のようにテレビに出して言わせているというのは、これはどう考えても市民として公序良俗に反するものであると私は思わざるを得ないわけです。
 ところがこれ、例えば郵政省の方からすれば、それは放送法があって、憲法があって、我々の言及すべきことではないと、もう一口にそう言ってしまわれるかと、こう思うんですが、しかし国民の本当に圧倒的大多数がこれはおかしいと思うことがあれば、それは例えばその省が所管する法律の範囲内で、そのおかしいと思うことについて何か方法を考えて対処するのもまたこれは役所の大事な仕事である、こう思うわけです。
 それが即座に、だから憲法改正しろとか放送法の規定を改めるとか、そういうことにはならないかとも思いますが、例えば郵政大臣の談話でこのようなことは好ましくないことであるから民放としては公序良俗に基づいてしかるべき判断をされたいと。それは表現のぐあいはいろいろあるでしょう、手段もいろいろあると思います。というような考えもあってしかるべきかと、私は最近のあのオウム真理教を見てそういう印象を持っているんですが、これについてお考えがあれば。
#78
○政府委員(江川晃正君) 大臣の御答弁の前にちょっと事務的なことをお答えさせていただきたいと存じます。
 先生おっしゃいますように、オウムといいますか、そのことに関しましては先生がおっしゃるような意味での意見というのが相当に私たちの方にも参っております、役所としての我々に参っております。
 それで、どうしたかといいますと、役所がこの番組はおかしいと決めたような言い方をするのは私は気をつけなければいけない、そう考えますからそれは気をつけております。しかし、そういう右から左から、あっちからこっちからいっぱい入ってきます。それを民放連に対して、こういう意見がありますよ、おかしいと言っていますよ、たくさんありますと。だからここは、そういう世の中の意見というのは、これ全部ではないかもしれないけれども現に来ているんだから伝えますと、これを頭に置いて放送して、つくってくださいということを私の方は事務的にやっております。という行為を事務方としてやっているところでございます。
#79
○国務大臣(大出俊君) 今月の七日ですが、郵政省の記者クラブである程度集中的にオウム真理教問題、つまり放送法というものを所管する大臣の立場でという意味だったんですけれども、いろんな社の方からたくさん意見がございました。私がそれを、これはいきなり、とっさの質問なんですけれども、放送法というものはこうなんだといってお答えをしたんですが、これ新聞がいろいろ書いておりました。しかし、私がしゃべったことに対するけしからぬという反論はついに一つもないんです。
 それはどういうことかといいますと、いろんな意見が、つまり両方あるわけですよ。何であんな者を出してしゃべらせているんだ、けしからぬじゃないか、国民の感情を無視するのかという意見。しかし片っ方で、やっぱり真実は何なのかというのをきちっと掘り下げた、意見が違うんなら違うで掘り下げた報道が必要だという、大きく分ければそういう二つあるんですよ。
 ですから私は、そういう意味で、つまりオウム真理教の宣伝に利用されているんじゃないのかということはたくさんあるけれども、それはある、それは事実であると。しかし、放送番組そのものについては放送事業者に対して編集の自由が保障されているんだけれども、一方で、意見が対立した場合には、そういう問題については、対立しているような問題についてはできるだけ多くの角度から論点を明らかにすることとともに、つまり掘り下げた対立を国民に知らせるという責任が放送法という法律は放送事業者にそのことを規定しているということになっている。だから、この法の趣旨に基づいてまず放送事業者が、こういう意見があるんだから、そして対立するような問題、疑問を持つような問題を掘り下げて報道しろとなっているんだから、その原則を踏まえて報道してもらうと。
 目下は郵政省がとやかくじゃなくて、放送法がありますよ、しかもこういう今おっしゃるような意見がたくさん来ていますよ、片っ方にはもっと掘り下げた、突っ込んだ報道をしろという意見もありますよ、だからそこを放送事業者が踏まえてやってくださいということを申し上げてあるんです。各社の皆さん、おいでになりましたから、そう言ってあるんです、とりあえず。
#80
○中村鋭一君 ありがとうございました。
 では、本法について幾つかお尋ねをさせていただきます。
 去年の二月に放送行政局長はハイビジョン放送のディジタル化の発言をなさいました。これは、随分あの節は家電メーカー等の反発を生んで、形としては一応撤回ということになったんですかね。ここにこれだけあの節の資料があるんですが、これは失礼ですが、一局長の発言がこれほどの反響を生んだということからすれば実に郵政省始まって以来ぐらいの反応であったと思いますが、その結果は一応これ撤回ということだったんですかね、発言を撤回された。郵政省と、それから主としてNHKですが、意見の一致は見るに至っているんですか。その後の話し合いはどうなっているんでしょうか。
#81
○政府委員(江川晃正君) 新聞の記事がどういうふうに書いたかにつきましては私の手の届かないところでございますが、そのときのことを私は注意深く記憶したり記録したりしたものを見ておりますが、撤回したということは私はないと思っております。別にそこは議論にならないですから、置いておきますけれども。
 ただ、郵政省とNHKが今はどうなっているのかということの御質問がと思いますから、その点についてお答え申し上げますと、私大きなところでは一致しているというふうに考えております。
 具体的に申し上げますと、NHKとも郵政省はいろんな場面でいろんな議論をする場面があるわけでございますが、ことしの一月二十五日に発表いたしましたNHKの中長期経営方針とへうのがございます。御案内のとおりです。ここはこういうふうに書いてございます。「二十一世紀の大きな課題として、”統合デジタル放送”の実現を目指すとともに、最終的に、すべての放送についてデジタル方式を導入することを目指します。」とNHKの経営方針に書いてございます。そのことは、将来的にはハイビジョンも含めまして放送のディジタル化を目指すと明言しているところでございます。そういう意味では私は大きな点では一致しておると考えております。
 じゃ、小さいところはどうなのかというふうにすぐ御疑問になろうと思いますが、ハイビジョンに限らず、ディジタルの個々のメディアをいつごろディジタル化していくのだろうかということを今いろんな議論をしているところでございますが、大体一致しているんですが、ハイビジョンにつきましてはディジタルHDTVの具体的技術がまだ目に見えていないところがございます。その意味で、NHKも郵政省もディジタルHDTVはいつだというところがまだ答えが出ていないというところがございます。
 そういう状態ではございますが、大きな流れの中ではディジタル化をするんだということは一致していると考えているところでございます。
#82
○中村鋭一君 じゃ局長、郵政省としては今おっしゃったような、幸いにNHKとも基本的には意見が一致しているということですから、現在の政策をさらに今後とも積極的に維持推進していく、こういうことですか。
#83
○政府委員(江川晃正君) 現在の政策といいますのは現在のディジタル放送についての政策という意味でございますか。
#84
○中村鋭一君 そうです。
#85
○政府委員(江川晃正君) それでございましたらば、私どもとしましてはハイビジョン放送を含む我が国の放送全体のディジタル化ということは着実に推進していくという方針でいるところでございます。そのためにも、環境整備としまして、技術開発とか標準化の推進とか、周波数の確保とか割り当てとか、通信・放送の融合や著作権に関する法制度の整備などなど、いろんなことを着実に一歩一歩進めてまいりたい、そう考えておるところでございます。
#86
○中村鋭一君 日本はそういうことなんですが、海外の現在のディジタル化の状況、そう詳しくなくて結構ですから、傾向的にひとつ国別等でわかっている範囲でお答え願います。
#87
○政府委員(江川晃正君) 今九五年でございますけれども、九六、七、八というか、この二、三年の間に大変ディジタル化の動きが固まってきております。
 それで、今、日本は除くとおっしゃいましたから日本を除いて外国だけを申し上げますと、ちょっと長くなりますが、アメリカで申し上げますと、衛星のディジタル放送というのはまず昨年、一九九四年六月からダイレクTVというので具体的に商売が始まりました。一つございます。それから地上のディジタル放送というのは、これはATVと言っておりますが、次世代テレビジョンのことで、これにつきましては九六年に規格を決定します。九八年に免許申請を受けます。二〇〇一年にはATVのサイマル放送を開始します。二〇一〇年ごろにはATVだけにしますという方針を打ち出しているところでございます。
 それからヨーロッパの方で申し上げますと、イギリス及びフランスが、イギリスではBスカイB、フランスはカナル・プラスというところですが、九五年、ことしから衛星ディジタル放送を開始する予定にしております用地上で申し上げますと、イギリスのBBCがことしからディジタル音声放送、九七年ですから再来年から地上波によるディジタルテレビ放送を開始する予定です。
 それからもう一つ、すぐ隣のアジアで申し上げますと、ことしから香港のスターテレビがディジタル放送を開始します。それから来年から、九六年から韓国がディジタル放送を開始する予定だというふうに、各国がメジロ押しになっております。
 最後に一点つけ加えさせていただきますと、このディジタル放送をするに当たりましては、画像の圧縮技術というのがある、それはMPEG2と言っておりますが、これがコンピューターの世界で規格化されましたが、それをITU、つまり通信の世界でことしの二月に国際標準として決定いたしました。というふうに、世界的にディジタル化の動きは九五、九六にものすごく集中してきているところだというところでございます。
#88
○中村鋭一君 この間のNHKの予算案の審議の際にも私申し上げたんですが、私も実はハイビジョン受像機を見ているんですが、もうひとつ番組的にはそうおもしろくありませんし、どういう番組かわからぬのでわかるようにしてくれとNHKにお願いをしたんです。
 ここでおっしゃっている受信機、これは大体どういうもので、幾らくらい購入費用がかかると見ておられますか。もし、わかっていれば。
#89
○政府委員(山口憲美君) ディジタル放送を今回の法案と関係なく今の放送のまま見るということであれば、アダプターをつけるということですからそれほどのあれではないと思いますが、今回私どもがお願いしていることでちょっと御説明させていただきますと、受信側で必要な装置といたしましては、受信装置いわゆるチューナーとか受像機、テレビでございますが、そのほかに電子計算機、それからアンテナ、専用アダプター、こういうものを受信側でつけなきゃいけない。
 そこで、受信装置であるテレビ自体は、調査によりますと、今大体各家庭二台平均ということでかなり普及をしているということでございます。それからもう一つ電子計算機、これは具体的にはパソコンが一つございます。パソコンについては大体十万から三十万円ぐらいだろうと思われます。それからもう少し簡単なもので家庭用のビデオゲーム機というものがございますが、これでも十分機能を果たしますが、これが二万から四万程度の値段だということでございます。それからアダプターにつきましては、この家庭用のビデオゲーム機で既に実用化されているというふうなものがありますが、これですと二万から三万ということでございます。
 今御説明をいたしました中で、したがいまして衛星放送を既に受信されておられる方というのは、いわゆるアダプターとビデオゲーム機というふうな簡単なコンピューター機能を持ったものをそろえられる必要があるということで、大体五万円以下ぐらいのさらに経費の追加でこういう多様なソフトに基づく番組が見られるようになる、こういうことでございます。
#90
○中村鋭一君 それは案外思いのほか、五万円ぐらいであれば、これだけのサービスが提供されるセットで五万円であればいいなと思いますが、どうですか、郵政省としては今需要はどれくらい見込んでおられるんですか、もし計画値があったら教えてください。
#91
○政府委員(山口憲美君) 大変つらい御質問でございまして、実は今これは立ち上がり期というふうなことになっているものですから、将来の需要の予測を数値で御説明するというのはなかなか難しいというふうに考えております。
 ただ、一つはこういう放送を伝送するそういう伝送路の問題について、既に有線放送あるいは衛星放送でそういうものは技術的に可能になってきているということで、なおかつディジタル放送について、今お話ございましたように、現実のものになってきているというふうなことでございます。
 それからもう一つは、それを受ける側のパソコンでございますが、これにつきまして私どもの調査で把握しているところでは大体九百九十万台、これは八九年から九三年の五年間の出荷の累計台数でございますが、かなりの程度普及している。それから、家庭用ゲーム機については、同じように九〇年から九四年の五年間でとってみますと二千七百万台が出荷されているということですので、かなり家庭にパソコンあるいはゲーム機というものが浸透しているのではないかというふうに思われます。
 それからもう一つ、今度はそういうものの利用の方でございますが、最近はCD−ROM時代と言われるくらいROMが非常に売れているということ、それからまたパソコン通信というのも大変普及をしてきておりまして、いわゆる受け手の側での対話型、メディアに対して対話型で対応するというふうな環境になりつつあるということでございまして、私どもといたしましては数値でお示しするのは大変難しゅうございますが、非常に強い潜在的な需要があるというふうに考えております。そういった意味では、逆に言いますと、そこに最もフィットしたそういうソフトを提供できるかどうかというところがむしろ大きく影響するものがあるのじゃないかというふうに考えております。
 なお、この春から家庭用ゲーム機を利用して受信設備制御型放送番組を放送する放送事業者がございますが、ここでは家庭用ゲーム機のアダプターの販売予定数を二百万台というふうに予定しているというふうに聞いております。
#92
○中村鋭一君 私は昭和一けたでして、今でも家のVTRの操作ができませんから、娘が嫁に行って、ビデオ予約の仕方がわからなくていつも往生じているわけですが、やっぱりこういうのは我々年配の者にも扱いやすいように、その辺のことをひとつお願いをしておきたい。このごろテレビなんかを買いますと、こんな分厚い取り扱い説明書がありまして、あれを見るのが嫌で、つい先日私も自宅の方にファクスを置いたんですが、ファクスもこのごろ多機能でして、実に複雑怪奇でわけがわからぬというのが私の印象でありますから、こういうふうな新しい機器は業者の方にわかりやすい取り扱い説明書や扱いやすいセットをつくるようにひとつ指導をお願いしたい。
 それから、この間、省の方から説明に来ていただいたときに、今おっしゃったソフトですけれども、例えば野球中継がありますね。私はイチローの大ファンなんですが、オリックスのゲームが中継された、その中でイチローが例えば一試合に五回打席に入ればイチローの五回分の打席だけを取り出して、それを繰り返し楽しむということはこれで可能なんでしょうか。
#93
○政府委員(山口憲美君) 大変端的な御質問でございますが、そういうソフトをつくれば可能だということでございまして、そういうソフトというのはまず最初にサービスされるんじゃないかというふうに思います。
 このソフトといいますか受信設備制御型放送番組ということで想定しておりますのは、そういった放送局から放送されてきたものをコンピューターの中に一たんためまして、そのためたものの中から受信者が自分の好みのものを取り出して見る、そういうふうなことが基本のパターンでございます。
 私がそういうふうに申しますと、もうこの法律は本当は要らなくなってしまうわけでありまして、これから私たちが想像のできないようなすばらしいソフトをつくっていただくということがこの法律の目的でございますので、私がここでこういうソフトの中身を御説明するというのはちょっと矛盾をしておるわけでございますが、イメージを持っていただくという意味ではそういうふうな今先生のおっしゃるような形のものは可能だということでございます。
 それから、先ほど使いやすい端末というふうなお話がちょっとございましたですが、私も大変そこは大事なことだと考えております。究極的には音声で入力ができて、コンピューターが音声を認識してくれるということが一番基本だということで、これはそれぞれの研究者の皆さん方もそこのところには気がついておられるようでして、そう遠くない時期に音声でイチローの何番目の打席の様子を出してくれと言ったらぱっと出てくるというふうな、そういうふうなこともできるような時代になるのではないかというふうに思っております。そのときには今おっしゃるように飛躍的に普及するのじゃないかというふうに思っております。
#94
○中村鋭一君 それは今聞いただけで目の前がぱっと明るくなるような、音声で取り出しができると聞いただけでこれはもうぜひものだと思うわけでございます。
 それだけに援助をするいわゆるベンチャービジネス等々が本当に大切なわけでありますが、この法案で支援される番組制作全社、これは小規模のベンチャービジネス、こう聞いておりますが、これはマーケティングリサーチ等はなさっているんでしょうか。あるいはもう具体的に名乗りを上げているところはあるんでしょうか。
#95
○政府委員(山口憲美君) この放送番組の制作会社というのは大変小さな会社で、正確な把握というのは大変困難でございますけれども、私どもが把握しているところでは、会社の規模というのが大体一千万円から二千万円程度というふうな会社でございまして、そういった会社が大体二百社程度あるんじゃないかというふうに思っております。こういう二百社程度の中の皆さん方のうちでまた七十社の方々が団体をつくって、独立してやっていくという際の障害というふうなものについていろいろ検討されているというふうなことでございまして、そういったものについても私どもいろいろお話をお聞きしてこういう施策を講じているということでございます。
 いずれにいたしましても、今二百と申しましたけれども、こういう施策を通じてあるいは全体としてこういう方向に動いていくということによってさらに多くの方々が参入してきていただけるのではないかというふうに考えておりまして、二百というあたりをベースにしてこれから飛躍的に発展させよう、こういうふうなことでございます。
#96
○中村鋭一君 最後に、これはお願いでございますが、今おっしゃいましたけれども、大阪で私の知人が比較的大きな番組制作会社をしておりまして、社長は随分新しがりで、ニューメディアなんか新しい媒体ができると必ず、うちの会社が炭焼き小屋になったらかなわぬ、こう言って、何でも手を挙げてとりあえず参加をさせてくれという人なんです。なのに、今回のこの臨時措置法案については、この間会ってこうなんですと言いましたら、へえ、そんな法律ができますのか、こう言って実にびっくりしておって、それはぜひ参加をさせてもらわにゃいかぬなと言っておったんです。
 だから、もっともっと郵政省としてもPRを、せっかくこれは全会一致の賛成で成立するわけでございますから、(「予定なんです」と呼ぶ者あり)そうですか、これは失礼いたしました。今後ともひとつそのPR方もよろしくお願いを申し上げておきたい、こう思います。
#97
○政府委員(山口憲美君) 御指摘いただきまして大変ありがとうございました。PRに積極的に取り組むようにしてまいりたいと思います。
 特に、先ほど申しましたソフトの制作者団体、それから通信・放送事業者団体等を通じまして周知を図るとか、あるいは今シンポジウム等も開いていきたいなと思っておりまして、こういう法律をつくっていただいたということでございますので、これを契機にぜひそういった周知にも力を入れていきたい、こういうふうに考えている次第でございます。
#98
○中村鋭一君 終わります。
#99
○粟森喬君 私の方からこの法律の目的、制定をした経過をちょっとお尋ねしたいと思います。
 といいますのは、臨時措置法といえどもかなり重要な中身でございますが、従来、政府が新法をつくるときには、ほとんど審議会か何かの議論を煩わしながら立法の根拠にされていると私思います。今回は突如としてとは言わないが、そういう手続を省略してこのようなことをしたのは何ゆえなのか。といいますのは、何となく必要性に至る経過みたいのは私もわかっておるつもりでございますが、例えばこれはいわゆる民の方から声が出たのか、官の側からそういういろんな高度情報通信社会というか放送社会の中でこういうものの必然性を考えて出されたのか、ちょっとその辺の根拠があいまいでございますので、お尋ねをしておきたいと思います。
#100
○政府委員(山口憲美君) 今回の法案の提出に至った経緯というふうなことでございますが、一般的にネットワーク化の進展に伴いましていわゆるマルチメディアソフトというふうなものが大変注目を呼びまして、新しいビジネスの分野がそこにあるというふうなことで、会社がここ二、三年急速に設立されてきているということでございます。
 そこで、そういう団体の皆様方が、一つ一つ急速に設立はされているけれども経営基盤というものがなかなか十分でないというふうなことで、そういったいろんな問題を解決していく必要があるということで団体をつくられたというふうなことがございます。そこで、そういう団体の皆様方がどういうふうにしてこの船路を打開していったらいいだろうかということでいろいろ検討をされ、そしてみずからもその努力をされようとしておられますが、国にも、我々にも応援もお願いしたいというふうなことを言ってこられまして、そういったことが一つ背景としてございます。
 それからもう一つは、私どもの電気通信審議会で五月に答申をちょうだいしておりますが、そういった中でもこれからのマルチメディアを育てていく際にソフトの開発ということが非常に重要であるというふうなことの指摘がございます。私どもとしても、これからマルチメディアというふうな高度情報通信社会というものをつくっていこうという立場からしますと、こういった皆様方の声に積極的に耳を傾けていく必要があるというふうに考えて対応策を検討したということでございます。
 そこで、具体的な内容としては、これまでるる御説明しておりますけれども、そういう声の中から大事な部分を三つほど選びまして、債務保証の問題、それから施設の共同利用の問題、それから情報の提供の問題、この三つについて国として必要な措置を講じていく、こういうことでこの施策をとったということでございます。
 なお、この施策は政府全体としても推進本部の基本方針の中に盛られておりまして、そういった趣旨に沿う施策になっているということでございます。
#101
○粟森喬君 私、これ以上ここで余り突っかかっていてもしょうがないから申しますが、電気通信審議会の答申はソフトの開発が必要だと書いてある。政府が金を出してやれということは書いてない。何となくそういうあいまいな根拠で官と民が一体で果たしてやっていいのかどうか。私、団体のことも申し上げたいと思うのは、中小ベンチャービジネスでしょう、すべての人が政府のそういう金出してもらってそんな会社をつくってもらってと、私はそんなこと意見しているとは思わない。ベンチャー、いろんな小さい会社というけれども、バックは大きな資本のところもありますよ、いろいろありますよ、団体の中のそれぞれの企業を見たら。
 私は、そのことについて、この種の立法の根拠についてはやっぱりもう少し社会的背景みたいのをきちんとしないと、何か問題がある問題があると言うけれども、助成の仕方としては果たしてこれでいいのかどうかという意味で私は指摘をいたしました。
 そこで、次の質問に移ります。
 何で株式会社にしたのか。何でそんなことを言うかといいますと、今特殊法人を減らすのに大騒ぎしているわけです。法律を一つっくれば必ず一つの団体ができる、会社ができる。そういうやり方が果たして今の行政改革をやらなければならないという流れから見て適切なのかどうか。
 といいますのは、私も図面、郵政省の説明の書類を見たんですが、通信・放送機構というのがあるんですよ。これの中にこういう組織をつくることは可能です。なおかつそれでも株式会社です。これは政府が産投会計から三億出すと、三億で足らないから民間から受けるから株式会社がいいんだろうと言うけれども、本来株式会社という性格からいくと、そういう公的な資金の出資金としての出し方の問題、多少私はけじめがないんだろうかというふうには思いますが、今回、あえて私流に言わせれば、例えば制度融資にかかわる保証も通信・放送機構の中でやるはずでございます。そうすると、この株式会社の目的というのは、いわゆる今回の趣旨から見て、それから行政改革の中でいろいろと組織が肥大化するとか官と民のあり方が問われているときに、郵政省としてどういう理解と認識でこの立法に当たりましたか。
#102
○政府委員(山口憲美君) 今のお話の新会社というのは、いわゆる共同利用施設を保有をいたしまして、そこでサービスをして料金をとってやっていく、こういう会社でございますが、これにつきましてはいろいろ助成の仕方というものを検討しておりまして、一つは全くそういうものなしで例えば税制面で支援をするとか金融面で支援をするとかという方法が一つございます。これはみずからそういう高価な施設というものを購入ができるというふうなところまで育っている、あるいはそういう場合に助成措置が講ぜられるということになります。
 ところが、このケースの場合には共同で物を持って提供するということが、まだそこまでの段階だということでありまして、そういうものをこの十年間面倒を見るという形にしようと。その際に、やはり国が直接やるということではなくて、官民が一体になってこういうものを育てていくということが必要だろうということでこういうふうな形の措置をとったということでございます。
#103
○粟森喬君 余りこんなところで大演説して申しわけないけれども、官と民が一体になってすべてやるべきかどうかというのは、この間の規制緩和であるとか行政改革の中で一番問われているものだ。郵政省さんはとにかく官と民と一体で会社だと。通信・放送機構から制度融資でそこに金が行くわけだ。今仮に出資三億はしないと。そのときに民間で出資する前提でしょう、これ三億同額がいいというふうに私はお聞きしておるつもりなんだけれども。そういう出す条件があれば、それは通信・放送機構から別の意味で低利の制度融資をやることは可能でしょう。
 これは私の理屈だから、なぜ二つの方法、あるいは三つの方法がある中で株式会社構想でこの種の一私はこの間もちょっとNHKの問題で言ったんだけれども、何となく行政改革だとか省力化というとNHKならNHKが子会社をつくる。それで、いろんなところがそういうふうにして機能を分散をしていく。一つの法律ができれば一つの団体ができるというこの種の立法のやり方というのは、ある種の立法する側の基本的な姿勢の問題だけれども、現行あるものを活用すれば私はこれは可能な範囲ではないか、こういうふうに思っておるんです。それにもかかわらず郵政省がこうした理由をもう一度お尋ねしたい。
#104
○政府委員(山口憲美君) 再三同じような御説明になって恐縮ですが、こういったいわゆるサービスを提供する機関というものは必要であるというふうに考えます。
 ただ、これにはいろいろ私どもも御指摘の点も十分に考えなきゃいけないというふうに考えておりまして、一つは十年ということで期限を切って、これを未来永劫続くようなものではないというふうにしようということで期限を切っているということが一つ。それからもう一つは、先ほどもちょっと御説明させていただきましたけれども、具体的につくる際には既存の何かこういう施設というふうなものがあれば、そういったものと併設をするということを考えながらなるべく経費のかからない形でやっていきたい。こういうふうなことで、私たちもこれはやらなきゃいけない、しかしいろいろな御指摘もある、そういうもののぎりぎりの中で一番効果の上がる方法というふうな配慮をしているということでございます。
#105
○粟森喬君 今回はこの流れを私は認める立場ですが、やっぱり官のこの種の会社の出資、あり方、産業の育成の仕方については私は官と民の役割は違うと思うんです。官民一体でそこに集まった人たちはそれで対応できるけれども、例えば今度の制度融資も全部の会社が申し込んだら必ずできるということだったらとんでもないほどみんな会社をつくりますよ、それもできないんだから。私は、原則いわゆる市場を開放した前提でやらなかったら活性化できないとかなんとか、さっきほかの話でお聞きをしましたが、過渡的な段階といえどもこれからこの種のことはいろいろ出てくるはずでございますが、今後はそういうことも十分配意をしてつくっていただきたい、こういうふうに私は思っているところでございます。
 そこで、そのことと関連をして今度の法律を見ると、三条は制作を促進するというか誘導するために計画をつくれと。その次は何かというと、四条、五条で認定、許可なんです。私は、ちょっとおかしいんではないかと。計画をつくるのはいい。計画をつくったら金も出すから認定しますよ、許可しますよと、許認可行政じゃないですか。
 私は、本来この分野はかなり自由な競争をしていかないと技術水準の向上だとか商品の開発が余りうまくいかないんじゃないかなというふうに思っている一人です。ですから、三条で促進する、ここまでは私はいいと思う。法律をつくるんだから計画を策定するというのはいいと思う。しかし、認定と許可のあり方、これはどういうふうにお考えになるか。これはこの後省令なり通達をつくられるはずでございますが、私が言った意味のことにはならない、こういうふうに私が認識して結構でございますか。
#106
○政府委員(山口憲美君) これは認定というふうな言葉で書いてございますが、こういう同じような仕事をこの法律でなくて、こういう同じような仕事と申しますのは有償で制作者に対してこういういろんな機器を利用させるというビジネスというのは、これは勝手に自由にやれるということでございます。
 ただ、この会社につきましては、国からこういうふうな形で一定のメリットを得るという性格を持っている。そのために、例えばどこかのこういう関係ない会社だったら自分の系列の会社の者だけにしか使わせないとか、そういうことございますが、この会社についてはそういうことでなくて、広く一般どなたにでも公平に使ってもらうという必要があるということでございまして、そういった意味合いになるようにこの会社をつくっていただくという意味合いでこういう措置をとっているということでございます。
#107
○粟森喬君 何となく聞いておったらそうかなと思いますが……
#108
○政府委員(山口憲美君) 全くそのとおりでございます。
#109
○粟森喬君 ちょっと待ってください、これは私は行政の側に対して意見を申し上げているんだから。
 金を出して計画をつくったんだから認定したり許可するのは当たり前だという、そこに私は、官と民が一体となるという、そういうことを含めて官と民の役割というのは、もうちょっと競争を活性化するためのことはあっても、こういうやり方は本当に実証して、また検証する機会があったらお互いがしなきゃならぬ問題だと思いますが、今後の問題としてそこはちょっと議論としては保留しておきましょう。
 それからもう一つ、さっきアダプターをつければ五万円ぐらいで済むというけれども、インテレビができたら、もう内蔵型が出るんでしょう。コストはやっぱりアダプターやっても結構高いんですよ。そうすると、映像を買う側もこれ以上進歩しないだろうと思っていたらまた新しいのが出てくるというそういうこともあるんで、この種のアダプターなどの、これは私は通産のマターかなというふうに思うんですが、できるだけ低価格で入手できるように、ここはむしろ行政の側が積極的に発言をしてそういう価格形成になるように努力をすべきではないか。五万円と言いますが、今五万円で普通のテレビなんか売ってるんですよ。今度のインテレビは当初は高いけれども恐らくまた低価格になりますから、その辺はやっぱり価格の段階で十分配慮をするような施策とか対応は考えておられますか。
#110
○政府委員(山口憲美君) 新しいこれからいろいろなマルチメディアの時代ということで、多様なサービスが登場してくるということで、それに対してどういうふうに利用される方が選択をされるかということは非常に大きな問題でございます。行政の立場としましても可能な限り周知とか御案内というようなことはしていかなきゃいけないと思っておりますが、ただ基本的には消費をされる方が選ばれる問題だというふうに考えております。
 そして、そこで利用される機器類につきましてそのコストダウンをというのはおっしゃるとおりでございますが、基本的にはやはり私はソフトというふうに思っておりまして、そのソフトが非常に普及をして多くの方が利用されればおのずとそこにコストのダウンが起こってくる、こういうことであります。私どもとしましては、この法律を出させていただいている立場からいたしますと、今回のこのソフトというものが飛躍的に伸びてくれることが全体として利用しやすい環境にもつながっていく、そういうふうにも考えている次第でございます。
#111
○中尾則幸君 中尾でございます。
 先ほどから本法律案について詳しくいろいろ質疑がありましたので、私も重複を避けまして何点かに絞ってお尋ねを申し上げたいと思います。
 感想から言えば、マルチメディアソフト制作支援の本法律案でございますけれども、資金調達の面、それから何よりも施設面の共同利用、これは大変重要なことだと思っております。あるいは情報の交流の場をつくる、これについて私も賛成の立場でございます。きょうは、この法律案に関連しましてディジタル放送の重要性について、あるいは放送方式の転換について、そしてもう一つはディジタル放送導入の展望について、この三点に絞ってお伺いしたいと思います。
 先月二十九日でございますけれども、郵政省の放送行政局長の研究会でありますマルチメディア時代における放送の在り方に関する懇談会の報告書が出されました。この懇談会の一年間にわたる論議、そして結論は大変大きな注目を集めてございました。といいますのも、近い将来の本格的なマルチメディア時代に向けましてアメリカやヨーロッパがディジタル放送の早期導入に努めているという国際的な競争の中で、先ほども江川局長から御説明あったばかりでございますが、日本としてもここでしっかりとしたディジタル放送導入のスケジュールが固まるんではないかと私自身も大変期待しておったところでございます。
 しかし、内容をちょっと見てみますと、国際的な情報通信分野の最も重要な構成要素でございます放送の分野でのマルチメディア化、ディジタル化の展望が御存じのように両論併記、特にハイビジョンの問題については両論併記になっておったりしまして、大変いま一つはっきりしてないなというのが私の感想でございます。
 まず、ディジタル放送の重要性について、郵政大臣に御質問申し上げます。
 このマルチメディア時代における放送の在り方に関する懇談会の報告書では、その冒頭でなぜ提言するかという目的が述べられております。ちょっと時間がございませんので、はしよっていきます。その中の一部を御紹介しますけれども、「放送に関連する技術の発展の中で、デジタル技術は、我が国の放送を含む情報メディア、情報産業全体の発展に大きく寄与する基盤技術であり、放送の将来展望を得るに当たり、放送のデジタル化の在り方を明らかにすることは最も重要な課題の一つである。」、こううたってございます。
 大出郵政大臣の基本的な政策姿勢、たびたび私も伺っておりますけれども、マルチメディアの推進に大変尽力されているというふうに私は理解しております。その観点から、マルチメディアに不可欠と見られているディジタル放送導入について、大臣の姿勢をまず伺いたいと思います。
#112
○国務大臣(大出俊君) 中尾さんが今おっしゃっている目的はここにあるんで、しかも両論併記、七名の方、六名の方に分かれているんでありますけれども、地上波のディジタル化というのはどこも成功していません。しかし、ディジタル化それ自体がなかなか難しいんですね。ですから、どうしても飛躍になりますけれども、来るべき二十一世紀には技術革新を背景として、これはもう当然のことですが、映像、音声、データなどの情報を自由に創造、加工、発信できるマルチメディア時代が到来する、これは間違いないことでございます。それを実現するための基本的、共通的な技術がディジタル技術である、こういう認識になる。
 そこで二番目に、このようなディジタル技術を生かして、マルチメディア時代に向けて有線、無線を問わず通信・放送が全体としての整合性のとれた情報通信基盤の整備を推進していくということが必要なんだと。
 そして三番目に、だから郵政省としては、我が国のマルチメディアの発展の中で、放送がその中核的メディアとして一層大きな役割を果たしていけるように放送全体のディジタル化を早期に進めるべきことを踏まえて対応していこう。さっき局長も言っているNHKとのこともありますけれども、言うといろいろありますけれども、こういうとらえ方でいくというふうにお答えするのが一番いいんじゃないかと思っています。
#113
○中尾則幸君 大出大臣の姿勢は、来るべき放送・通信の融合、これは通信だけでは単独で成り立たない、マルチメディア時代というのは言うまでもなくまずディジタルである、それからネットワークである、インタラクティブいわゆる双方向性であると。また、先ほど言った端末の使いやすさだとかアプリケーションの問題もございますけれども、そういった意味で私今回の法案というのは一つの先駆けになるだろうと思っております。
 時間もございませんので放送方式の転換について、これは先ほどからいろいろ各先生方からも御質問ございました。前回も私は質問したんですが、テレビは簡単に五万円だとか言いますけれども、放送方式がえらく今、私自身もよくわからないんです、テレビ局出身でございますがわかりません。
 そこで、放送行政局長にお伺いします。今回の報告書ではディジタル方式、ミューズ方式などのいわゆるテレビの放送方式の導入問題が最大のテーマとなっております。しかし、この問題が一般の国民にとって大変わかりにくい。今回、この新しい受番法のあれがどう受けていくか。さっきアダプターの問題を言っていますけれども、これは国民がどんなテレビを買ったらいいか、大変面倒くさい。現在問題となっておりますディジタル方式にしてもミューズ方式にしても、今までとは全く異なる放送方式なわけでございます。
 私も今持っているのはNTSC式、いわゆる一般の方式なんです、三台ありましてね。これでディジタル方式は見られないんです。それからミューズ方式も見られないんです。それからもちろん、今BS4に先駆けて試験放送をやっているハイビジョン、これも見られない。これについてテレビの買いかえは莫大に費用がかかる。
 この方式の転換について、放送行政局長、どう理解されているか。あるいはここで国民にわかりやすい、基本的に何年にはディジタルだと。いろいろ先ほどもお話ありました。両論併記でいろいろな問題もございましょう。例えばNHKとの開発、それから郵政省もハイビジョンを後押しした、いろいろわかっています。しかし、国民にとってやっぱり利用者が一番やりやすい、わかりやすい、負担のかからないというのは大変大事な問題だと思うんですが、それについて一言御答弁願います。
#114
○政府委員(江川晃正君) 先生おっしゃいますとおり、負担を国民にどんどんかけさせて何かをやっていくというのはいい話ではないというのは全くおっしゃるとおりでございます。それで、ひとつ今私が視聴者の立場に立ちまして、今日の前にテレビがあります、このテレビを見ている人がいろんなことが出てきたらどうなるんだろうかという目でちょっと申し上げさせていただきたいんです。
 まず第一に、ディジタル放送が導入されるということは、今の先生おっしゃいましたNTSC方式、アナログ方式を直ちにやめてしまうということではありません。必ずディジタルとアナログで両方でやっていく。これはサイマルと言っていますが、サイマルでやりますということです。サイマルでやるということは、今持っている自分の受像機に対してアダプターをつければディジタルが見られるようになりますという構造にしてやっていくというふうになります。
 あとBSでもCSでも、アンテナは当然必要になるわけですが、チューナーをつけたりあるいは音声多重とかというとまたアダプターをつけるということで、自分が今持っているものをベースにしてちょっと足していくという構造でやっていこうというのが基本でございます。そういうことで、テレビの放送方式をいろいろと導入していきたいというのが現実でございます。
#115
○中尾則幸君 今、中村先生からチューナーだらけになる、アンテナだらけになるという、それも一つのお話なんですが、テレビを買いかえれば電機メーカーというのは当然商売になるわけですけれども、国民にとってやっぱり家計へ及ぼす影響というのは重大だろうと思うんです。
 日本のテレビ放送の歴史四十二年、私も二十数年ソフトを制作してきまして、初めフィルムで始まって、それからVTRのアナログ、それからディジタルも一応経験しております。しかし、こんなに技術革新が進むと私自身も思っておりませんでした。こういった放送方式、これは技術革新の中ですから、私は局長をいじめたり大臣をいじめるのは本意じゃございません。今回のディジタルに対する取り組みは僕は大変評価をしているんです。しかし、やっぱりここで整理をしてほしい。余りにも技術革新が速いけれども整理をしていただきたい。
 御存じのように、カラー化したときでもこれは普通のテレビで見られたんです。私もその転換期にいました。ただいまカラーで放送しています、カラーを見たい人はカラーテレビを買えばいいんです。お金のない人はじっと白黒で見るというそういう時代があったわけです。今回これは二度の大転換になるわけですけれども、それについて言ってみれば利用者に対する負担をどうしていくか。それから基本的にはもうちょっとわかりやすく僕はした方がいいんじゃないかなと思っているんですが、大臣それから放送行政局長の御意見を改めて伺いたいんです。
#116
○政府委員(江川晃正君) 事務的なことをお答えさせていただきたいと思います。
 いろんな方式が出てきていることについていま少し整理をしろというお話は全くおっしゃるとおりかと思います。そういう意味では、これを国民の目から見て導入ということが将来の見通しが立てやすいようにわかりやすい情報を提示するということが我々の仕事じゃないかなと考えます。
 そして、このためにCSディジタル放送とかEDTVUとかいろいろな放送のことを言っておりまして、そういうものについてどういうアダプターをつけたら見られるようになるのかとか、そういうような新しい放送サービスのメリットを十分に得るためにはテレビ受像機を買いかえる必要があるのかアダプターでいいのか、あるいはそういうサービスがいつ導入されるのかというスケジュール、そういうようなものを国民の皆さんに提示することによって自分のテレビの買いかえどきとどう合わせるかということを判断していただく、そういうような情報をいろんな機会をつかまえて提供するということが私たちは大事ではないか、そう考えているところでございます。
#117
○国務大臣(大出俊君) テレビが世の中に出てきたときなんというのは、テレビを買った人の家の塀の下からのぞいて、ちょうど皇太子の、今の天皇の御成婚のときなんか大変な騒ぎですよ、あの家が買ったなんといったら押しかけて。だから、これは大変革ですよ、テレビが世の中に出てきたときは。カラーになったときは大変革じゃないんですよ。金ないから白黒でもう少し我慢しようといって見ていられるんだから。
 ハイデフィニション、今のハイビジョンもそうだけれども、きれいな画質というのは一体何だと。きれい過ぎて、世の中にあるぶっ壊れた家を映したってきれいに映っちゃうんですからね、テレビというのは。そうすると果たして大変革なのか、これも。大変革だったら借金、質に置いても買おうということになりますよ、これは国民の選択なんだと。
 だから、そういう意味でいうと、やっぱり行政の側というのは、今お話があったように、情報をできる限りおわかりいただけるように提供して、選択するのは国民の皆さんで、淘汰されていって消えてなくなるのがあるのは当たり前ですよ。そこまでだろうという気がするんですね、私は。そこから先は言わぬことにします。
#118
○中尾則幸君 もう時間が何分もございません。あっという間に時間がたっていまして、通告したディジタル放送導入の展望について、最後に一言。
 来年からCS、通信衛星とCATVではディジタル放送がスタートする。それから現在のNTSC方式のテレビ、このほかにCSテレビ用のディジタルテレビというんですか、いろいろなものを買わなきゃいけない。このことについてはもうくどく申し上げません。ちょっと整理をしていただきたいなと思っております。
 最後になりますけれども、その整理とともに、先ほどから問題になっておりますハイビジョンの問題については、NHKのあれもわかります、それから電子工業会の意見もわかります。それも両論併記でいろいろ今の中でいかなきゃいけないというのもわかりますけれども、先ほど申し上げたように、内部の今まで三千億円を投資したからとかそういう問題じゃなくて、それは大局観に立って私は進めていただきたいんです。時代は物すごく速くなっているんです。私が二年前にこの委員会でディジタルの問題を、ミューズは世界の孤児になるという話をしたら、実際にもう二年後にこうなっているわけです。ですから、ぜひともその点を今回のこの受番法の精神を生かしながらやっていただきたいなと思っています。
 もしありましたら一言ずつ御意見をいただきまして、私の質問を終わります。
#119
○政府委員(江川晃正君) 先生のおっしゃいますことは、全く私はそのとおりだと思います用意を体してやっていきたいと思います。
#120
○国務大臣(大出俊君) BS4のaを上げたら次にbを上げなきゃいかぬというようなことになるんですけれども、十年もっとすると十年間それじゃそのままでいくのかということになるでしょう。BS4のaを九年に上げると、決まってはいないんでしょうけれども、次に十一年に上げるとすると二十二年までそのままでしょう、これ。それでいいのかなという気が私は今でもするんです、それは。だから、そこは前からもう言い過ぎぬように最近は気をつけているけれども、そこはやっぱり真剣に取り組まなきゃいかぬ時期だというふうに思っています。
#121
○中尾則幸君 ありがとうございました。
#122
○河本英典君 最後の質問になりますが、実は基本的な質問を準備いたしまして、答えを岡先生のときの質問なんかで随分聞かせていただいたわけで、申しわけないんでございますけれども時間もいただきましたことですので、総括の意味とまとめの意味を込めまして、簡単に省略していただいても結構でございますので、ちょっと重なるかもしれませんけれども改めてお答えを願いたいと思います。
 二十一世紀に向かって活力ある社会を構築していくためには、高度な情報通信基盤をベースとするマルチメディア社会の構築が不可欠であるということはきょうの皆さん方のお話で出尽くしたわけでございます。マルチメディア社会構築のために光ファイバー網や衛星通信といったネットワークインフラのみならず、そのネットワークインフラ上でのアプリケーション、情報ソフトといったソフトも大変重要であるということは先ほどからのお話のとおりでございます。これについての郵政省の見解と取り組みについてお伺いしたいと思います。
#123
○政府委員(山口憲美君) 昨年の五月でございますけれども、電気通信審議会から「二十一世紀の知的社会への改革に向けて−情報通信基盤整備プログラム−」ということで今お話しの答申をいただいたわけでございます。その中で、ネットワークインフラだけではなくて、いわゆるソフト、アプリケーションを含めた総合的なものとしてこれらを一体として整備する必要がある、こういうふうに提言されているわけでございます。
 また、政府の高度情報通信社会推進本部の基本方針におきましてもこういう考え方が明記をされておりまして、情報通信インフラの総体的整備という原則のもとで、二〇一〇年の全国整備に向けまして、二〇〇〇年までを先行整備期間としてネットワークインフラやソフトの総体的な整備を図ることにしているということでございます。
 そこで、平成七年度の予算におきまして、公共投資重点化枠というものを使いまして、これで二十三億円、さらにその他のものも合わせて三十億円を確保いたしまして、医療、教育、行政といったいわゆる公的分野のアプリケーションの開発、導入を図るというふうな観点から、自治体ネットワークの整備事業などを推進しようというふうにしているところでございます。
 また、今回の法律によりまして、いわゆるビジネスとしての芽が出始めていると思われます放送分野のマルチメディアソフトの振興を図ることによって、さらにそういったアプリケーション分野の充実に寄与していきたいというふうに考えているところでございます。
 いずれにいたしましても、広帯域ネットワークインフラとそれに対応いたしましたアプリケーションあるいは情報ソフトを一体的に整備を図ることによりまして高度情報通信社会の構築に貢献してまいりたい、こういうことでございます。
#124
○河本英典君 本当にアプリケーション、ソフト、ソフトばかりでございますけれども、その重要性は大変なことであるということは認めるところでございます。
 先ほどからお話がございますのは、その制作、普及について先進国といいますかアメリカなんかから比べておくれているという話はよく出るんでございます。その辺の我が国におけるソフト制作環境の問題点につきまして郵政省はどのような認識に立たれておるのかということを伺っておきたいと思います。
#125
○政府委員(山口憲美君) ソフトを制作する産業でございますが、これまでもちょっと御説明させていただきましたけれども、これは非常に新しい産業でございます。そのために、技術だとか市場に関する情報が不足しているという問題が一つございます。それからもう一つは、非常に人的資源に依存をするそういう業態だということのために、いわゆる物的な担保力が乏しいということが一つございます。それからもう一つは、金融機関自体の方もこういった分野についての審査ノウハウが不足しているというふうなことがございまして、いわゆる制作資金の調達に困難を伴っている。それからもう一つは、最先端の制作機器を用いなければならないために設備投資負担が非常に大きいという背景もございます。
 そのために、我が国の今の実態がどうなっているかということでございますが、大企業のいわゆる下請的な傾向が強くなっているということでございます。もっと端的に申しますと、懸命につくってもその著作権等いわゆる知的所有権、そういったものが自分のところの手元に残らないというふうな形になるケースが非常に多うございまして、そういった意味では制作者の意欲だとか能力の発揮というふうなことの阻害要因になっているということでございます。そういった意味で、やはり独立してやっていけるような形にまで高めていく必要があるというふうに考えております。
 そこで、こういった問題点を解消するというふうなことで、こういった会社をつくっておられます制作者の皆様方が団体をつくられまして、そしていろんな問題点を検討されて、そして民間の皆様方独自でもこういった問題の打開に取り組もうとされているところでございますが、私どももお手伝いすることがあればお手伝いをということで、今回この法案の形で三点から具体的な施策としてお手伝いをしよう、こういうことにしている次第でございます。
 まだ、これだけでなくて、ソフトの制作設備の充実でありますとか、映像ソフト等の素材のストックの充実でありますとか人材の育成とか、いろいろソフトをめぐる問題については解決をしなきゃならない課題が指摘をされておりますので、そういったことも研究をしていきたいというふうに考えている次第でございます。
#126
○河本英典君 先ほどから聞かせていただいておると長い話なんですけれども、聞かせていただいた中で新産業、こういうとらえ方をされておるので、その辺が非常に大事ではないかと思うわけです。聞いておりますと、中小であるとか下請であるとか、それから非常に金融的に弱いとか、そういうネガティブな話が多いんですけれども、私はそれは新産業として見た場合に非常に大きなすそ野の広がりが出てくるのではないかというふうに逆に期待する面があるので、そういった意味の促進というのをねらっていただきたいなというふうに思っておるわけであります。
 その辺で、郵政省としてどのような効果というのを、今おっしゃったようにその面での効果はあるんでしょうけれども、今申しました新産業というかそういった広い意味での効果というのは期待されておるんでしょうか。
#127
○政府委員(山口憲美君) いずれにいたしましても、これからマルチメディアというふうな社会あるいは高度情報通信社会というふうなことを想定してみますと、いかなるアプリケーションという分野を考えましても、どうしてもここで提案を申し上げているようなソフトの制作者というものに依存せざるを得ないということでございます。したがいまして、これを産業としてとらえますならば、この産業が繁栄するといいますか栄えるということがやはりマルチメディアに非常に大きくかかわりを持つということだろうと思います。
 そういった意味で、私どもは十年という形にしておりますが、何とかそういった中でこういった産業が自立をして、弾みをつけて大きく育ってくれるようにというふうに期待をしているところでございます。
#128
○河本英典君 本当におっしゃるとおり、産業という部分と、それからアートといいますか芸術的な部分があるように伺っておりまして、そういった意味で大いに期待したい分野であるというふうに思うわけでございます。
 最後に、大臣にお伺いしたいと思うんですけれども、本法案はマルチメディア法案第一号というものであると思うわけでございますけれども、今後ほどのようにマルチメディアソフトの振興というのを行っていくのかについてお伺いしたいと思います。
 公共的なアプリケーションについては、情報通信基盤のソフト面の展開を主導していくものとして期待されるところでありますけれども、今後どのように取り組んでいかれるかということもあわせてお伺いしたいと思います。
#129
○国務大臣(大出俊君) これは河本さん、どうしてもやっぱりいいソフトをつくっていくという部門を育てなければ前に進まないと私は思っているんです。日本に余りそういう例が、ぴんとくるのがありませんけれども、早い話が家庭でスーパーファミコンなんかでゲームをやりますが、あれもソフトなんですね。問題は、ソフトがよければやたら売れちゃうんですね。任天堂の皆さんのハード、つまりカートリッジを入れるやつが全国に千二百万台ぐらいあるんですよ、任天堂だけで。ソフトの部門をきちっと押さえているわけですよ、ソフトをつくるところを。
 ですから、そういう意味では過去の歴史というか、アメリカで十年前にゲーム大戦争があって、アタリ社がアメリカの世界征服と言われたが、ソフトを押さえ損なってほとんどだめになっちゃった。任天堂が年間今五千五百億売り上げを上げている、ソフトなんです。だから、これはマルチメディアじゃないけれども、どうしてもソフトなんですね。
 そういう意味で、ちょっと長くなりますが、我が国のマルチメディア化の推進に向けた政府の取り組みのあり方については、この二月、高度情報通信社会推進本部においてさっきからお話ございます基本方針を決めました、総理が本部長ですけれども。それで、本方針にはマルチメディア化に向けた具体的な政策課題としてソフトの供給というのがメーンに挙げられているわけでございます。
 本法案は、まさにその推進本部が決めた方針のメーンになっているソフトの供給、ここに焦点を当てて、その趣旨を踏まえて提案をしているという法案でございますので、そういう意味でこの法案はマルチメディア法案第一号、こういうことになると思っているわけでございます。
 そして、今後は本法案の施策を着実に実施していくとともに、基本方針に示された施策の実現を図ることによって我が国のマルチメディアソフトの振興に全力を挙げて貢献していきたい。
 そして四番目に、また公共的アプリケーションにおいて、基本方針はネットワークインフラの整備と一体となった公共分野のアプリケーションの開発そして普及、この重要性を指摘していかなければならない。
 五番目に、諸外国においても公共的アプリケーションは情報通信基盤整備のかぎという認識でございまして、各国とも多額の予算を投じてその開発、普及を図っておりまして、本年二月の情報社会に関する閣僚会合においても国際的なアプリケーションの開発に向けて十一の共同プロジェクトの実施が合意されております。
 このような状況を踏まえて、郵政省としても、情報通信の利用分野にかかわる他の省庁との関係を協力関係という形にいたしまして、我が国のアプリケーション全体の開発、導入が適切に進められるように情報通信分野における取りまとめの官庁として責務を果たしてまいりたい、こういうふうに考えております。
#130
○河本英典君 本当にマルチメディアであるとか、いろいろ言葉ばかりが先行しまして、もう一つイメージとしてはわかないわけでございます。それをまた施策としてやっていくということは大変かもしれませんけれども、大いにマルチメディア社会ということについて夢が膨らんで期待は大きいわけでございますので、どうかよろしくその辺は行政としてのリードというのをお願いしまして、終わりたいと思います。
#131
○委員長(山田健一君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#132
○委員長(山田健一君) 御異議ないと認めます。
 それでは、これより討論に入ります。――別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 受信設備制御型放送番組の制作の促進に関する臨時措置法案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#133
○委員長(山田健一君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 鶴岡洋君から発言を求められておりますので、これを許します。鶴岡君。
#134
○鶴岡洋君 私は、ただいま可決されました受信設備制御型放送番組の制作の促進に関する臨時措置法案に対し、自由民主党、日本社会党・護憲民主連合、平成会、新緑風会、新党・護憲リベラル・市民連合の各派及び各派に属しない議員河本英典君の共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    受信設備制御型放送番組の制作の促進に
    関する臨時措置法案に対する附帯決議
    (案)
  政府は、本法施行に当たり、高度情報通信社会推進本部の基本方針を踏まえ、関係行政機関等の連携の下に、マルチメディアを活かし、ゆとりと豊かさの実感できる国民生活の実現に向け、次の各項の実施に努めるべきである。
 一、マルチメディア・ソフトの展開に当たっては、これまでのソフト制作支援の実績を見極めつつ、本法による支援措置の創設を契機として、今後とも人材面、技術面、著作権等の制度面を含めた総合的な振興を図ること。特に、中小ソフト制作事業者の創意工夫が十分発揮できるような環境整備に努めること。
 一、生活・文化の向上と社会福祉の増進に資するため、医療、教育等の公共分野における先導的な利活用方法の開発・普及を積極的に推進すること。その際、特に高齢者、身体障害者等にも十分配慮した施策を講ずること。
 一、情報通信分野の基礎的・汎用的技術について、国自らが長期的視野に立った研究開  発を推進するとともに、その成果が広く実利用に活かされるよう配慮すること。
 一、情報通信基盤の整備に当たっては、情報の地域間格差等にも十分配慮し、均衡ある  地域情報化を推進するとともに、国際的な共同プロジェクトの実施や発展途上国に対  する技術協力などグローバルな展開にも積極的に参加・貢献すること。
  右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。
#135
○委員長(山田健一君) ただいま鶴岡君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#136
○委員長(山田健一君) 全会一致と認めます。よって、鶴岡君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、大出郵政大臣から発言を求められておりますので、これを許します。大出郵政大臣。
#137
○国務大臣(大出俊君) ただいま受信設備制御型放送番組の制作の促進に関する臨時措置法案を御可決いただき、厚く御礼を申し上げます。
 本委員会の御審議を通じて承りました貴重な御意見並びにただいまの附帯決議につきましては、今後の郵政行政を進めるに当たり御趣旨を十分に尊重してまいりたいと存じます。
 まことにありがとうございました。
#138
○委員長(山田健一君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#139
○委員長(山田健一君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後四時五十分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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