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1995/02/09 第132回国会 参議院 参議院会議録情報 第132回国会 運輸委員会 第2号
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1995/02/09 第132回国会 参議院

参議院会議録情報 第132回国会 運輸委員会 第2号

#1
第132回国会 運輸委員会 第2号
平成七年二月九日(木曜日)
   午後零時二十分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 一月二十七日
    辞任         補欠選任
     星野 朋市君     矢原 秀男君
 一月三十日
    辞任         補欠選任
     大河原太一郎君    平井 卓志君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         大久保直彦君
    理 事
                二木 秀夫君
                櫻井 規順君
                泉  信也君
                中川 嘉美君
    委 員
                伊江 朝雄君
                河本 三郎君
                溝手 顕正君
                山崎 正昭君
                穐山  篤君
                喜岡  淳君
                渕上 貞雄君
                直嶋 正行君
                高崎 裕子君
                下村  泰君
                堂本 暁子君
   国務大臣
       運 輸 大 臣  亀井 静香君
   政府委員
       運輸政務次官   細谷 治通君
       運輸大臣官房長  黒野 匡彦君
       運輸省運輸政策
       局長       豊田  実君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        中島 啓雄君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○運輸事情等に関する調査
 (運輸行政の基本施策に関する件)
 (平成七年度運輸省関係予算に関する件)
 (平成七年兵庫県南部地震災害に関する件)
 (派遣委員の報告)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(大久保直彦君) ただいまから運輸委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 去る一月二十七日、星野朋市君が委員を辞任され、その補欠として矢原秀男君が選任されました。
 また、同月三十日、大河原太一郎君が委員を辞任され、その補欠として平井卓君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(大久保直彦君) 運輸事情等に関する調査を議題といたします。
 まず、運輸行政の基本施策に関し、運輸大臣から所信を聴取いたします。亀井運輸大臣。
#4
○国務大臣(亀井静香君) 第百三十二回国会に臨み、当面の運輸行政の諸問題に関し所信を述べ、各位の御理解と御支援を賜りたいと思います。
 先般、関西地方を襲った兵庫県南部地震により五千名を超える方々のとうとい生命が失われました。ここに亡くなられた方々とその御遺族に対し、深く哀悼の意を表しますとともに、負傷された方々や避難生活を続けておられる方々に心からお見舞いを申し上げます。
 私は地震発生後、直ちに地震災害対策本部の設置を指示し、海上保安庁による捜索活動及び防災活動、余震に対する監視体制強化のための気象庁地震機動観測班の現地派遣、緊急輸送の実施等種々の対策を速やかに講じるとともに、私自身も二度にわたり被災地に入り、その状況を調査いたしました。大都市を直撃した大地震の書状、被災者の方々の苦しみ、悲しみを目の当たりにし、被災者の方々が一日も早く立ち直れますよう、また、再びこのような惨禍が起こることのないよう万全の対策を講じていくとの決意を新たにしたところであります。この地震では、鉄道、港湾等運輸関連施設も甚大な被害をこうむっており、旅客輸送及び貨物輸送を代替輸送により暫定的に確保しつつ、現在、施設の応急復旧に懸命に取り組んでいるところであります。
 応急復旧後は、現在進めている鉄道、港湾等運輸関連施設の耐震構造のあり方の検討状況も踏まえつつ、また運輸関連事業者に対する金融・財政上の支援措置等も検討した上で、一刻も早い全面復興に向けて努力してまいる覚悟であります。さらに、全国的に地震の観測・監視体制の強化を図るとともに、災害に強い交通施設の整備を図るなど災害対策全般について一層の充実強化を図っていく必要があると考えております。
 今回の地震において改めて強く認識されたところですが、日常生活や経済活動の基盤となる運輸の果たす役割にはまことに大なるものがあります。私は、国民一人一人が豊さとゆとりを実感できる社会を実現するために、交通安全の確保を基本としつつ、二十一世紀に向け陸海空にわたり整合性のとれた交通体系の形成と安定的で質の高い運輸サービスの提供とを目指し、以下のとおり所要の施策を積極的に展開してまいる所存でございます。
 まず第一は、運輸関係社会資本の整備を通じた豊かな国土づくりであります。
 鉄道につきましては、鉄道整備基金による補助の拡充等により、都市鉄道及び幹線鉄道の整備等を推進してまいります。特に整備新幹線に関しましては、昨年十二月の関係大臣申し合わせにより、東北新幹線盛岡−八戸間のフル規格での着工、整備新幹線駅整備調整事業の実施や三線五区間以外の区間についての新しい基本スキームに関し、平成八年中に成案を得ること等につき合意がなされたところであり、今後ともその整備を積極的に推進してまいります。また、都市鉄道につきましては、混雑緩和による快適な通勤環境の確保、優良な宅地の供給等を図るため、新線の建設、既設線の複々線化等を推進してまいります。
 次に、空港につきましては、第六次空港整備五カ年計画に基づき、新東京国際空港の整備及び東京国際空港の沖合展開の完成に向けた整備を引き続き推進するとともに、地方空港についても新設、滑走路の延長等所要の整備を図ってまいります。特に、成田空港については、昨年十月に終結した成田空港問題円卓会議の結論を最大限尊重し、地域と共生できる成田空港の整備に積極的に取り組んでまいる所存であります。また、関西国際空港につきましては、その国際競争力の強化を図るとともに、引き続き全体構想の実現に向けての調査、検討を行ってまいります。
 港湾につきましては、第八次港湾整備五カ年計画に基づき、急増する外貿コンテナ貨物に対応し、我が国港湾の国際競争力を強化するため外貿ターミナルの整備を推進するとともに、深刻化する廃棄物問題に関しては、廃棄物海面処分場の整備を推進してまいります。また、耐震強化岸壁の整備等の大規模地震対策や市民に開かれた豊かなウォーターフロントの形成に取り組んでまいります。
 海岸につきましては、第五次海岸事業五カ年計画に基づき着実にその整備を推進してまいります。
 地域住民の日常生活を支える地域交通の維持整備につきましては、都市バスの活性化対策に取り組むとともに、地方鉄道、地方バス、離島航路に対する助成等を行ってまいります。
 第二に、豊かさとゆとりを実感できる国民生活の実現であります。
 まず、大都市圏における鉄道の通勤混雑の緩和対策につきましては、都市鉄道の整備に加え、快適通勤推進協議会を中心に、時差通勤、フレックスタイム制の拡大に積極的に取り組んでまいります。
 また、高齢者・障害者の方々が安全かつ円滑に移動できるよう、鉄道駅におけるエレベーター、エスカレーターの整備やリフト付バスの導入を初めとする各種の高齢者・障害者対策等を強力に推進してまいります。
 さらに、ゆとりある生活にとって観光の果たす役割も重要であることから、旅の総合見本市や観光立県推進会議の開催、観光基盤施設の整備に取り組むほか、連続休暇の普及拡大や充実した休暇を過ごすための環境の整備に努めるとともに、旅行者の保護の充実等を図るため旅行業に対する規制の見直しも進めてまいります。
 第三に、運輸産業の活性化を通じた運輸サービスの向上であります。
 許認可等の規制や特殊法人につきましては、経済社会情勢の変化に応じるとともに、利用者の声を十分に反映した運輸行政を展開するため、そのあり方を常に見直す必要があります。規制に関しては、物流コストの削減、旅客輸送サービスの向上、国際輸送の競争力の確保、国際基準との調和の四つの視点に立って、積極的かつ計画的に規制の見直しを進め、その見直し結果の着実な実施に努めるほか、特殊法人に関してもその業務の内容等を改めて検討し、効率的かつ効果的に運輸行政を展開できるよう見直しを行ってまいります。
 また、経済社会情勢の変化に適切に対応した運輸産業の健全な発展のため、次のような施策を講じてまいります。
 まず、海運につきましては、内航海運業の構造改善対策や内航船の近代化を推進するほか、近代的な外航船舶の整備の促進、日本籍外航船への混乗の推進等による我が国商船隊の国際競争力の向上を図ってまいります。
 船員問題につきましては、雇用の安定と確保及び船員養成を図るとともに、労働時間の短縮等労働条件の改善を推進してまいります。
 造船業につきましても、国際競争力の維持強化、産業の魅力化、国際的な協調体制の確立を通じて基盤整備を図るとともに、特に、経営基盤が脆弱な中小造船業について構造改善を推進してまいります。
 また、航空につきましては、運航の安全確保に十分配慮しつつ、適時適切な規制の見直しを進める等、我が国航空企業の競争力向上に取り組んでまいります。
 さらに、物流分野におきましては、環境問題、道路交通混雑等の制約の中で円滑な物流を確保していく必要があり、このため幹線輸送において、効率的な輸送機関である鉄道、海運を活用するモーダルシフト施策を推進するとともに、トラックの積み合わせ輸送や幹線運行の共同化の推進、物流拠点の整備、共同集配のためのシステムの構築により、物流の一層の効率化を進めてまいります。
 国鉄清算事業団の長期債務等の処理につきましては、昨今の不動産及び金融を取り巻く厳しい状況の中で、その保有する土地の処分につき最大限努力するとともに、JR株式につきましても引き続き売却・上場を実現すべく準備を進めてまいります。
 第四に、国際化の一層の促進と国際社会への貢献であります。
 国際間の人と物の移動・交流ニーズの増大に的確に対応していくため、既に述べました空港や港湾の着実な整備の推進に加え、国際航空については、諸外国との間で航空交渉を引き続き推進することとしており、特に今後実施することが予想される日米航空交渉においては、基本的に拡大均衡を図りながら不均衡を是正したいと考えております。また、輸入促進地域等における施設の整備の推進に取り組み、旅客交通及び貨物流通にわたる国際輸送ネットワークの整備を図ってまいります。さらに、国際観光振興会の活用による総合的な国際コンベンション振興を初めとする国際観光交流の拡大策や外航客船旅行の健全な発展を図るための施策を推進してまいります。
 国際社会への貢献につきましては、開発途上国の実情を十分把握しつつ、鉄道、空港、港湾等の輸送インフラ整備、人材養成や環境保全に関する協力を引き続き推進してまいります。
 また、世界貿易機関における海運継続交渉に適切に対応するとともに、二国間運輸ハイレベル協議、日米運輸技術協力等を通じて円滑な国際運輸行政の推進を図っていく所存であります。特に、日米間の経済問題につきましては、米国車に対する型式指定取得の働きかけや自動車・同部品協議への適切な対応に取り組んでまいります。
 第五に、環境対策の推進であります。
 環境問題につきましては、トラック、バス等に対する使用車種規制等の的確な実施、低公害車の導入、普及等の施策の総合的推進や省エネルギー、省資源型の交通体系の形成を進めてまいります。また、地球環境問題に対処するために、観測・監視体制の強化や船舶からの油流出防止、排気ガス浄化のための研究開発の推進に取り組むとともに、大規模海洋油汚染事故への対応のため、緊急時の即応体制の整備、国際的な協力体制の充実、二重構造タンカーへの代替の推進等に取り組んでまいります。
 第六に、安全な生活の確保と次世代に向けた技術開発の推進であります。
 安全の確保は運輸行政の基本であります。
 まず、災害対策につきましては、災害に強い港湾、鉄道等の運輸関係社会資本の整備を進めるとともに、気象観測・予報、地震・火山観測等の気象業務体制や海上防災基地の整備等の海上防災体制の充実に努めてまいります。先般の兵庫県南部地震に関しては、現地に地震機動観測班を派遣し、詳細な調査観測等を行っているところでありますが、今後ともより一層迅速な地震・津波情報の発表や観測・監視体制の強化に努めてまいります。
 次に、交通安全対策につきましては、第五次交通安全基本計画に基づき、陸海空にわたり交通安全施設の整備、輸送機器の安全性の確保、適切な運行管理の確保等に努めるとともに、航行安全対策の推進、航空衛星システム整備の推進により交通安全の確保に全力を投入してまいる所存であります。
 海上保安業務につきましては、けん銃、麻薬等の密輸入、不法入国等の社会問題化している事案や広大な海域における捜索救助等に的確に対応するほか、漁船が表示すべき灯火の整備等航行安全対策の推進、海洋調査の充実、航路標識の整備等に努めてまいります。また、これらの業務の的確な遂行のため、船艇、航空機の計画的な代替整備、海上保安通信体制等の整備を推進してまいります。
 また、国土の均衡ある発展や国民経済的要請、さらには利用者のニーズに適切に対応した新たな運輸サービスを提供するため、超電導磁気浮上方式鉄道、テクノスーパーライナーの研究開発のほか、運輸関連施設等の基盤施設となる超大型浮体式海洋構造物等の研究開発を進めてまいります。
 以上、運輸行政の当面する諸問題につき述べましたが、これらは申すまでもなく委員各位の深い御理解を必要とする問題ばかりでございます。終わりに当たりまして、重ねて皆様の御支援をお願い申し上げる次第であります。
 なお、つけ加えてちょっと御報告を申し上げておきますが、京阪神、淡路島で現在、第一段階の行方不明者の捜索、また被災者への救援活動、これを強力にやっておりますが、あわせて復興への取り組みを今全力を挙げて始めておるところでございます。
 鉄道につきましては、JR西日本も現在、東日本あるいは全国の技術者を総動員して、崩壊をした原因究明、今後の耐震性等についての検討を松本委員会と協力しながらやっておるところでございますけれども、松本委員会の結論は日にちを切って求めるわけにはいきません。現在、委員の方々、大変な御努力をしていただいておりますが、その結論が出てから工事に着手するというわけにもまいりませんので、震度七以上のところを、非常に目線を高いところに置いての応急的な工事の再開をやっていかざるを得ない、このように考えます。これは松本委員会での結論が出ても十分それにたえる非常にハイレベルな耐震工事を前提にしての復興工事をJR西日本にはやるように指示をいたしておりますし、西日本もそのように了解をして現在取り組んでおります。
 そういう意味ではいつの時点でこれが復興するかは現在きちっと申し上げるわけにいきませんけれども、当初の予定では六月以降になるんじゃないかと言っておりましたところを、西日本の方で連休前にもというような見通しを部長クラスで発表しております。しかし、これは今申し上げました耐震性ということを十分考えた工事をやらなければいけませんので、結果としていつになるか、現在はっきり申し上げる状況にはないと。しかし、昼夜兼行で一日でも早い開通を目指して頑張っておるということを申し上げたいと思います。
 その他の私鉄等につきましても現在全力を挙げてやっておるわけでございますけれども、これはうまくすれば四、五月ぐらいに阪急、阪神等も開通する見通しもございますが、公営地下鉄につきましては現在まだはっきりしためどが立てられないという状況でございます。地下鉄は安全だという神話があったわけでございますが、私も現地を見ましたけれども、やはり大変な状況でございますので、これも耐震性等を確保するという観点から取り組んでまいりますので、いつごろということを現在はっきり申し上げるような段階ではない、このように思います。
 あと、港湾でございますが、先ほども港湾局長とちょっと中間協議もいたしたわけでございますけれども、これにつきまして今財政当局と強力な折衝をやっておるところでございます。これについては、御承知のように神戸港は世界的な貿易港でございます。これが一日も早く機能回復するということが日本の経済にとっても世界の経済にとっても非常に大事でございますので、大蔵省との間でもこの復興に対しては金に糸目をつけない、しかも、耐震性が従来、横浜、東京に比べて一ランク下のBランクでやっておったという経緯がございますので、これをAランクに引き上げてさらにそれを強化して復興したいということであります。
 一応、現在のめどを申し上げますと、七年、八年以内にほとんど全面復興をすると、これも旧に戻すというのじゃなくて、耐震性の強い、また港湾機能をこの機会にさらに強化する、国際貿易港としてふさわしい貿易港にし直すというような視点から取り組んで、七年、八年のうちにほぼこれを完成したい。しかし、それまでの間に全部、大阪、横浜等に振るわけにはいきませんので、応急復旧をやりながらとりあえず接岸ができてある程度の荷揚げができるような、そういうことも処置をやりながら本格復興をやっていきたいというように、そのあたりの組み合わせを現在検討し、できることならことしの七月ぐらいの時点ではコンテナバース等も八バース程度ぐらいまではこれが使えるようなことでいきたいということで今検討をいたしております。
 そういうことで、このたびの第二次補正におきまして思い切って予算を確保するということで、被害額の三分の一以上は第二次補正に入れてしまうということで今やっておりますので、そういう意味ではそうした復興工事を当面再開していくことについて予算上の制約といいますか、そういうものはないという状況で出発できる、このように思いますので、委員の先生方の大変今バックアップをいただいておりますけれども、今後ともぜひひとつよろしくお願いを申し上げたいと思います。
 以上でございます。
#5
○委員長(大久保直彦君) 以上で大臣の発言は終了いたしました。大臣は御退席いただいて結構でございます。
 次に、平成七年度運輸省関係予算に関し、説明を聴取いたします。細谷運輸政務次官。
#6
○政府委員(細谷治通君) 運輸省所管の平成七年度予算につきまして、その概要を御説明申し上げます。
 まず、一般会計予算でございますが、歳出予算額として九千三百六十一億四千二百万円を計上しております。
 次に、特別会計予算でございますが、自動車損害賠償責任再保険特別会計につきましては、歳出予算額七千七十五億七百万円を計上しており、このほかに一般会計への繰り入れとして三千百億円を計上しております。
 港湾整備特別会計につきましては五千七百三十三億六百万円、自動車検査登録特別会計につきましては四百七十三億八千九百万円、空港整備特別会計につきましては五千四百七十八億六千三百万円をそれぞれ歳出予算額として計上しております。
 また、平成七年度財政投融資計画中には、当省関係の公団等分として一兆七千百四十一億円が予定されております。
 以下、平成七年度予算における主要な事項につきまして御説明申し上げます。
 まず、鉄道の整備につきまして申し上げます。
 整備新幹線の建設につきましては、北陸新幹線高崎−長野間等の建設を引き続き推進するとともに、新たに富山駅、熊本駅について整備新幹線駅整備調整事業に着手するなど所要の事業を推進することとしております。
 地下高速鉄道、ニュータウン鉄道等の都市鉄道の整備及び幹線鉄道の活性化等につきましては、事業の推進を図るため必要な助成を行うこととしております。
 日本国有鉄道清算事業団につきましては、用地の処分等を適切に行い、長期債務等の処理を円滑に進めるため必要な助成及び財政投融資を行うこととしております。
 次に、空港の整備につきまして申し上げます。
 空港整備事業につきましては、第六次空港整備五カ年計画の最終年度として、引き続き三大空港プロジェクトを最優先課題として推進するほか、昨年開港した関西国際空港につきましては、その国際競争力の強化を図るとともに、全体構想の推進を図るための調査、検討を進めることとしております。
 また、航空ネットワークの充実を図るため一般空港等の計画的整備を図り、あわせて、周辺環境対策及び航空路施設の整備等を促進することとしております。
 次に、港湾及び海岸の整備につきまして申し上げます。
 港湾整備事業につきましては、第八次港湾整備五カ年計画の最終年度として、急増する外貿コンテナ貨物に対応するため外貿ターミナルの整備等を推進するとともに、深刻化する廃棄物問題に関して廃棄物海面処分場の整備を推進することとしております。
 また、耐震強化岸壁の整備等の大規模地震対策を促進することとしております。
 海岸事業につきましては、第五次海岸事業五カ年計画の最終年度として、高潮、津波及び海岸侵食の脅威等から国土を保全するため海岸保全施設の整備等を計画的に推進することとしております。
 次に、地域における公共交通の維持整備につきまして申し上げます。
 地域住民の生活に不可欠な路線バスの運行を維持するとともに、バス事業の活性化を推進するため、これらに要する経費の一部を補助することとしております。
 また、離島住民の生活に不可欠な離島航路の整備、近代化を図るため、離島航路事業の欠損の一部及び船舶の建造費用の一部につきまして補助することとしております。
 次に、交通施設利用円滑化促進対策等につきまして申し上げます。
 交通施設の利用円滑化に資するため、特に整備が急がれている鉄道駅における障害者対応型のエレベーター等の整備を促進するため、必要な経費の一部を補助することとしております。
 また、観光交流の拡大及び観光の振興を図るため、世界観光機関アジア太平洋事務所設置に伴う同機関との連携の強化、国際観光振興会による国際観光交流支援事業等の実施及び観光基盤施設の整備を推進することとしております。
 次に、海運、造船及び船員雇用対策につきまして申し上げます。
 海運対策につきましては、タンカー事故による海洋環境への被害防止等のため、二重構造タンカーへの早期代替に資する外航船舶等の解撤促進に必要な補助を行うとともに、外航船舶の整備に対して日本開発銀行からの融資等を行うこととしております。さらに、船舶整備公団により、離島航路を含む国内旅客船及び内航貨物船の共有建造等を行うこととしております。
 造船対策につきましては、船舶技術の高度化等を図るため、超大型浮体式海洋構造物、テクノスーパーライナー等の研究開発事業に対する支援を推進するとともに、船舶輸出を行うために必要な日本輸出入銀行からの融資を行うこととしております。
 船員雇用対策につきましては、減船に伴う漁業離職者等に対する職業転換給付金の支給を初めとする船員雇用対策を推進するとともに、新時代の船員養成に対応した練習船の代替建造を行うこととしております。
 次に、国際社会への貢献につきましては、運輸分野における国際社会への貢献を一層促進するため、開発途上国における交通基盤の整備、人材養成、環境保全、輸送安全への協力等を行うこととしております。
 また、貨物流通対策につきましては、日本開発銀行等からの所要の融資のほか、物流効率化の一層の推進を図ることとしております。
 次に、運輸関係の技術開発の推進につきまして申し上げます。
 二十一世紀に向けてより高度な運輸サービスを提供するため、超電導磁気浮上方式鉄道、超大型浮体式海洋構造物、テクノスーパーライナー等の技術開発の促進に必要な経費の一部を補助することとしております。
 次に、海上保安体制の充実強化につきまして申し上げます。
 けん銃、麻薬等の密輸入、不法入国等の事案や、広大な海域における捜索救助等に的確に対応するほか、航行安全対策の推進等の業務を的確に遂行するため、船艇、航空機の計画的な代替整備、海上保安通信体制の整備、海洋調査の充実、航路標識の計画的な整備等を推進することとしております。
 次に、気象業務体制の充実強化につきまして申し上げます。
 台風・集中豪雨雪対策等の観測予報体制の強化を図るため、静止気象衛星業務の推進等を行うとともに、地球環境問題等気候変動対策を強化することとしております。
 さらに、地震・火山対策の強化を図るため、観測施設の整備等を推進することとしております。
 以上申し述べましたほかにも、運輸行政の要請である交通安全対策を初め、各般にわたる施策を推進するために必要な予算を計上しております。
 以上をもちまして、運輸省所管の平成七年度予算につきましての説明を終わります。
#7
○委員長(大久保直彦君) 以上で運輸行政の基本施策に関する運輸大臣の所信並びに平成七年度運輸省関係予算に関する説明の聴取は終わりました。
 本件に対する質疑は後日に譲ることといたします。
    ―――――――――――――
#8
○委員長(大久保直彦君) 次に、平成七年兵庫県南部地震災害に関する件を議題といたします。
 地震による被害及び復旧の状況のうち、運輸省所管に係る事項についての概要説明を聴取いたします。豊田運輸政策局長。
#9
○政府委員(豊田実君) お手元の資料に基づきまして、兵庫県南部地震に関して御報告申し上げます。
 地震は一月十七日に発生したわけですが、その後も余震が続いておりまして、当分の間、厳重な警戒が必要な状況が続いております。
 二ページに地震発生後の初動措置について触れておりますが、運輸本省、海上保安庁、気象庁だけではなくて、地元の各組織に災害対策本部を設置し、取り組みを始めました。当日、鉄道、港湾等の専門家の調査団を現地に派遣するとか、あるいは気象庁の地震機動観測班を現地に派遣しております。また、海上保安庁はその保有する巡視船艇、航空機によりまして海上での捜索活動、急患等の緊急輸送、消火活動など幅広い活動を行っております。
 具体的な細かい状況については別紙一に取りまとめてございます。
 交通関連施設の被害状況でございますが、まず鉄道につきましては新幹線初め私鉄各社あるいは地下鉄、合計十三社で大きな被害を生じております。二ページに港湾が書いてございますが、神戸港、大阪港など、合計二十四港において被災が発生しております。特に、神戸港においてはほとんどのバースが使用不可能という状況になりました。航空につきましては、大阪国際空港、関西国際空港とも被害は大きくなく、通常の使用が可能な状況でございました。また、港湾、道路等が破壊されておりますので、海上交通、自動車関係、いずれもかなりのところが運行中止という状況に追い込まれておりました。その他、港湾の付近の倉庫であるとか神戸市内のホテルというものについて大きな損傷が発生しておりました。
 四に、緊急援助物資の輸送関係でございます。
 当初、道路が非常に大きく壊れたというようなこともありまして、ヘリコプターによる輸送、緊急物資の輸送とか急患の輸送というものに取り組んでおります。また、関西国際空港を通じまして空路、緊急物資を集積し、そこから海上保安庁の船艇等で神戸港まで輸送するというルートも設定いたしました。そのほか、全国のトラック事業者、海運事業者、航空事業者の支援を受けまして、緊急輸送物資の輸送を今も実施しております。
 宿泊施設の関係でございますが、旅客船の要請がありまして、現在五隻が宿泊施設として提供されております。また、仮設住宅用の用地ということで、私どもの関係では航空局とか空港周辺整備機構あるいは国鉄清算事業団用地を地元自治体に提供しております。また、海上保安庁の巡視船につきましても、医師とか看護婦さんの活動支援のため宿泊施設として活用するということになっております。また、航海訓練所の関係で、食事の供給とか人的な支援を実施しております。
 五ページに運輸関係の行政面での特例措置でございますが、車検であるとかヘリコプターの場外離着陸場の許可手続といったような面について弾力的な対応を実施しております。
 鉄道の復旧状況でございます。
 鉄道については、十七日にはかなり大きな被害が出まして、不通になった区間が合計六百三十八キロに達しました。その後、部分開業を続けておりまして、現時点でまだ不通という区間は全部で百六十九キロということでございます。具体的な不通区間については別紙二に書いてございます。
 これに対しまして鉄道自身の迂回ルート、直通列車を運行するというようなこともやっておりますが、バスによる代替あるいは海上交通、航空等による代替輸送を行っております。また、JR貨物につきましても、鉄道の迂回だけではなくてトラックとか船舶というようなことを利用しまして代行輸送を実施しております。
 鉄道施設の耐震構造のあり方というものにつきまして、専門家に委員会に参加していただきまして現在検討を続けております。
 また、鉄道の被害については資料の最後のところにつけてございますが、各社の見込みで非常に大きな被害額が見込まれております。これらにつきましては現在、補助金、政策金融等についての支援策について取り組んでおる最中でございます。
 次に港湾関係でございますが、一番大きな被害を受けております神戸港につきまして当面、緊急物資とか人員の受け入れというようなことが必要でございますので、緊急復旧ということで現時点では六十八バースまで暫定供用という状況になっております。
 ただ、あくまで緊急復旧ということで、本格的な国際海上コンテナ貨物等は対応できませんので、これらについては全国の約三割、年間四千万トンという扱い量があったわけですが、これを東京、横浜、大阪等にシフトするということで受け入れ港において連絡調整組織をつくって対応をしております。
 また、港湾につきましても構造基準の見直しということで、これについても専門家に委員会に入っていただき検討しております。
 また、支援関係でございますが、神戸には埠頭公社というもののバースが非常に大きなウエートを占めておりますので、このバースを含めまして復旧支援の方策について現在取り組んでおります。
 また、空港・航空保安施設については直接、今度の地震では災害は大きくなかったわけですが、やはり耐震構造のあり方について検討委員会を設けて現在検討しております。
 以上でございます。
#10
○委員長(大久保直彦君) 以上で概要説明の聴取は終わりました。
    ―――――――――――――
#11
○委員長(大久保直彦君) 次に、先般本委員会が行いました委員派遣につきまして、派遣委員の報告を聴取いたします。
#12
○中川嘉美君 委員派遣の御報告を申し上げます。
 去る一月十七、十八日の両日にわたり、沖縄県における島嶼間交通等の交通事情及び海上保安に関する実情を調査してまいりました。派遣委員は大久保委員長、二木理事、泉理事、高崎委員、下村委員、そして私、中川の六名であります。
 本調査団は沖縄開発庁沖縄総合事務局、運輸省の各地方機関、沖縄旅客船協会、日本トランスオーシャン航空株式会社及び沖縄全日空リゾート株式会社から説明を聴取するとともに、沖縄県副知事から運輸事情に係る要望事項を聴取いたしました。また那覇空港、那覇航空交通管制部、首里城、那覇港、海上保安庁巡視船、万座ビーチホテル施設等を視察いたしました。
 まず沖縄総合事務局からは、乗り合いバスの利用者減に伴うバス会社の経営難に対しては競合バス路線の共国運行を推進したいこと、離島航路の欠損補助については平成六年度以降制度の変更により全額が補てんされる見込みであること、港湾整備については水深十三メートルのコンテナターミナルを建設中であること、泊埠頭地区においては民活法による特定施設整備事業が推進されていること等の説明があり、運輸省地方機関からはそれぞれ広大な管轄地域を持ち、国境地帯の警備、密輸取り締まり、気象観測体制の整備等に努力しているとの説明がありました。
 次に、沖縄県からは、離島航空路に対する財政援助の創設及び公租公課の軽減等による航空運賃の低減について国に格段の配慮を求める要望が出されました。これらの要望につきましては、今後国政の場において十分検討していく必要があろうかと思います。
 交通事業者、観光事業者代表からは、離島航路はほとんど赤字であり、欠損補助制度は改善されつつあるが、週四十時間労働体制に対処する必要があること、船舶整備等のための融資の仕組みとして離島海運振興株式会社が設立されていること、航空旅客の伸びが鈍化し離島航空路の構造的赤字が問題であること、離島間の航空運賃が比較的低額に抑えられていること、旅行商品にも低価格競争の波が押し寄せ観光客数の増加に陰りが生じており、沖縄観光の特色づくりが必要であること等の説明がありました。国政の場においても、地元における各種の改善努力を支援するような配慮が望まれるところであります。
 那覇空港は、一日当たり発着回数二百五十回を数え、我が国第六位の空港でありますが、旅客ターミナルが分散して利用客に不便なため新ターミナルの建設に着手しております。また、空港は自衛隊と共用しているため利用上、用地上の制約があり、米軍基地との空域の交差による管制上の制約等の問題も抱えておりました。
 海上保安庁の巡視船「くだか」からは、ウインドサーファーが遭難し救助を求めているとの想定のもとに、巡視船とヘリコプターを使った海難救助訓練を視察いたしましたが、その見事な訓練状況は評価に値すると思われます。巡視船には多くの電子機器が取り入れられ、国境警備には外国語能力が要請され、海難救助には潜水資格が求められるなど幅広い能力を持った人材が必要とのことでありました。
 なお、派遣期間中、一月十七日に発生した兵庫県南部地震による運輸関係の被災状況について、随時運輸省当局から報告がありました
 最後に、今回の派遣に当たりまして、特段の御配慮をいただきました多くの関係者の方々に心から感謝申し上げまして、報告を終わります。
#13
○委員長(大久保直彦君) 以上で派遣委員の報告は終了いたしました。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後一時散会
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ソース: 国立国会図書館
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