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1995/03/17 第132回国会 参議院 参議院会議録情報 第132回国会 運輸委員会 第6号
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1995/03/17 第132回国会 参議院

参議院会議録情報 第132回国会 運輸委員会 第6号

#1
第132回国会 運輸委員会 第6号
平成七年三月十七日(金曜日)
   午前十時開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 三月十五日
    辞任         補欠選任
     高崎 裕子君     有働 正治君
 三月十六日
    辞任         補欠選任
     喜岡  淳君     村田 誠醇君
     渕上 貞雄君     本岡 昭次君
     有働 正治君     橋本  敦君
 三月十七日
    辞任         補欠選任
     本岡 昭次君     渕上 貞雄君
     橋本  敦君     高崎 裕子君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         大久保直彦君
    理 事
                二木 秀夫君
                櫻井 規順君
                泉  信也君
                中川 嘉美君
    委 員
                伊江 朝雄君
                鹿熊 安正君
                河本 三郎君
                溝手 顕正君
                山崎 正昭君
                穐山  篤君
                渕上 貞雄君
                村田 誠醇君
                直嶋 正行君
                高崎 裕子君
                下村  泰君
                堂本 暁子君
   国務大臣
       運 輸 大 臣  亀井 静香君
   政府委員
       運輸大臣官房長  黒野 匡彦君
       運輸大臣官房総
       務審議官
       兼貨物流通本部
       長        永井 隆男君
       運輸大臣官房技
       術参事官     澤田  諄君
       運輸省運輸政策
       局長       豊田  実君
       運輸省運輸政策
       局観光部長    荒井 正吾君
       運輸省鉄道局長  戸矢 博道君
       運輸省自動車交
       通局長      高橋 伸和君
       運輸省海上交通
       局長       平野 直樹君
       運輸省海上技術
       安全局船員部長  加藤  甫君
       運輸省港湾局長  栢原 英郎君
       運輸省航空局長  土坂 泰敏君
       気象庁長官    二宮 洸三君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        中島 啓雄君
   説明員
       警察庁交通局都
       市交通対策課長  中澤 見山君
       文部省学術国際
       局学術課長    崎谷 康文君
       社会保険庁運営
       部保険管理課長  松永 正史君
       運輸省自動車交
       通局技術安全部
       長        樋口 忠夫君
       消防庁震災対策
       指導室長     森村 和男君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○旅行業法の一部を改正する法律案(内閣提出)
○平成七年度一般会計予算(内閣提出、衆議院送
 付)、平成七年度特別会計予算(内閣提出、衆
 議院送付)、平成七年度政府関係機関予算(内
 閣提出、衆議院送付)について
 (運輸省所管)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(大久保直彦君) ただいまから運輸委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日、喜岡淳君が委員を辞任され、その補欠として村田誠醇君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(大久保直彦君) 旅行業法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案に対する質疑は既に終局しておりますので、これより討論に入ります。――別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 旅行業法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#4
○委員長(大久保直彦君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○委員長(大久保直彦君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#6
○委員長(大久保直彦君) 次に、去る三月十四日、予算委員会から、三月十七日の一日間、平成七年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、運輸省所管についての審査の委嘱がありました。
 この際、本件を議題といたします。
 運輸省関係予算の説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#7
○溝手顕正君 それでは、私の方から若干の御質問をお願いいたしたいと思います。
 まず第一点は、神戸港の復興の問題でございます。
 大臣は、先般、海運関係の業界誌のインタビューに応じられて、神戸復興に触れまして、不死鳥のごとくよみがえる象徴的なプロジェクトといたしたいと、このように語っておられました。また、応急の復旧と本格的な復旧を相備えてうまくかみ合わせていくというのは大変なことだろうと思います。そういった中で、水深十五メートルの大型バースを十バース建設する予定だと、具体的な数字を挙げておっしゃっております。また、大阪にも三バースほど計画していると発言がございました。また、復興費に触れられまして、現在までの復興費は民間を含めて約一兆円程度だという金額が最終的には倍額の二兆円程度になるであろうと、こういう発言でございました。
 神戸港の復興あるいは大型バースの建設につきましては異論を唱えるものではございませんが、問題は財源とスケジュールの問題であろうと思います。
 急ぐべき復旧と将来計画を同時進行しなくてはいけない御苦労はよくわかるわけでございますが、その点に関しまして、平成七年度の決まろうといたしております本予算の中で神戸港関連をどの程度盛り込んでおられるのか。あるいは、今後想定される補正予算においてどの程度お考えになっているのだろうか。また、次は八年度以降になるのか、あるいは第二次補正があるのかわかりませんが、どの程度になるのか、概略の数字でも教えていただきたい。
 特に、最近の情報によりますと、三月の上旬現在で定期航路の復旧率はわずか二八%、二百一の定期船が三十三しかまだ戻っていないという極めて深刻な事態でございます。そういった意味で、ぜひとも早急に復旧対策をよろしくお願いをいたしたいと思います。
 あるいは、大変大きな金額が神戸に参りますと地方が泣いてしまうと。それでなくてもCランクというような怪しげな決定をした内閣がございまして困っております用地方にしわ寄せがあるのかないのか、この辺もお願いをいたしたいと思います。
 また、相当大きな金額になりますと、業者の工事能力の問題にも影響が出ると思います。ぜひとも工事能力も全日本的な体制をとって考えるべきではないか、このように考えております。その辺の体制は抜かりないかということにもお触れをいただきたい。
 また、最後でございますが、そうしますと地方が手すきになってしまうだろうと。地方のことは地方で、大手が全部仕切らなくてもいいじゃないか、こういうような考え方も当然出てまいるんですが、そういった入札に関連いたしました御見解についても聞かせていただきたいと思います。
#8
○国務大臣(亀井静香君) 溝手委員からは、震災後、神戸の陸海空それぞれの問題についての具体的な御提言を当委員会を初めいただいてまいっておりまして、十分委員のそうした御提言を私ども対策の中に取り入れて現在進めさせていただいておりまして、非常にありがたく思っておるわけであります。
 神戸は、大阪を含めまして、ただ単なる復旧ではなくて復興ということで私ども考えておることは今までも申し上げておったとおりでございます。そういうことで、まず神戸港につきましては、二年間でおおむね従来の神戸港の機能がいわゆる復元できる、ひとつメルクマールとしてそれを設定しておるわけであります。さらに五年程度かかると思いますけれども、いわゆる国際港神戸にふさわしい世界に冠たる港の機能を備えたものに復興したいということで、市とも県とも協議をいたして基本的に合意をしておるわけでございまして、それには水深十五メートルの大型バースを十バース建設する、これは恐らく世界でも最大の港になってくると思います。
 さらに、それだけじゃなくて、バースでの近代的な機能強化、海上での物流と陸上物流を機能的にこれを結びつけていく近代的な設備等もこの際やりたい、このようにも考えておるわけであります。
 当面考えております、また現在進めております工事は、御指摘のように、今百五十バースのうち九十三のバースが一応応急的に使える状況にはなっておるわけでありますが、残念ながらコンテナハースの二十一のうちの八バースは船側からのクレーンでないと使えないという状況であります。これを一応六月末までに岸壁側から、バース側からのクレーンが使用できる状況に応急の復旧工事をやりたいと考えております。さらに、七年度内に大体三分の一程度を本格復旧をしたい、このようにコンテナバースについては考えております。
 さらに、フェリーにつきましては、七つのうち今三バースは使用可能でございますが、これを四バース、九月までにこれは一応本格的な復興工事を完了したい、そして残りを七年度内に一応完成したい、このようにフェリーについては考えております。
 他の岸壁につきましては、七年度内に半分程度を本格に近い形での復興をなし遂げたい、このように短期的には考えております。さらに、先ほど申し上げましたように、五年程度かけて世界に冠たる神戸港を復元したい。
 それとの関係で、神戸をそういう形でやりますと、大阪港が古いといいますか機能性の非常に劣る港になってしまう危険性がございますので、大阪港の役割も極めて大なるものがございますので、大阪港につきましても、先日市長、知事からも要請がございましたが、港湾局長に命じまして直ちにそれを取り入れてやるようにと指示をいたしております。三バース、水深十五メートルのを大阪についてもこれを建設もし、さらに先ほど申し上げましたような諸機能につきましての近代化をあわせて大阪港についても実施をして、荷が神戸港に全部シフトすることのないような配慮もしたい、このように考えておるわけであります。
 全体に要する経費がどの程度かということでございますが、こんなものは概算の域を出ないわけでございますが、市、兵庫県では一応一兆四百億程度の被害だという概算的なことは来ておるわけでございますが、まだ確定しておるわけではございません。私どもは、今申し上げましたような大型復興をやりますと、それは大体一兆円ぐらいは上積みをしていかないとやれないのではないかな、このように考えておるわけでございます。
 あと問題はこれを逐次どういう形でやっていくかでありますが、当委員会を含めて大変御尽力を賜りました、全党に御賛同いただきました第二次補正におきましては、千四百のうちの大体千二百を港関係で当面使うという形で計上させていただきました。さらに、七年度の予算が上がりました後速やかに、今申し上げました全体の復興計画をにらみながら、当面の施工能力等をにらんで第一次補正の中で財源に不足のないような処置をとっていきたい、このように財政当局と事務当局の間で施工能力、今後の計画等の勘案をしながら今検討も始めておるところでございます。
 委員御指摘のように、問題は、全国の港湾整備を御承知のように七年度予算の中でも実施するという形で提出をいたしておるわけでございますから、これも遅滞なくやっていかなければなりません。といって、神戸の場合やはり時間との競争でございますから、やはりここに重点的に集中をしなければならない、委員の御指摘のとおりでございます。
 そういうことで、これは既に震災発生後から業界ともそういう協議に港湾局では入っておるわけでございますが、思い切って地方の港等の建設、補修その他について施工能力のあるところについては、従来大手が受けて下請で協力を求めておるような中小業者に対して直接発注できないか、そうして、大型の能力を持っておる業者をできるだけ神戸、大阪等に集中をしていくということを今業界との間で検討をしておるところでございます。委員御指摘のように、財源を幾ら準備いたしましても施工能力がございます、時間との競争でもございますので、私ども今そういう処置をとっておるということでございます。
 以上でございます。
#9
○溝手顕正君 大変力強い決意で喜んでおります。
 神戸港というのは言うまでもなく兵庫県あるいは神戸市民の希望の的でございますので、こういった計画ができるだけ大きくPRされることによりまして復興にも力がつくことだろうと思います。
 この点に関して、これは質問というより要望でございますが、神戸港のハードは、ハードというのは金さえ持ってくればだれでもできるということになるわけですが、問題は、港の二十四時間稼働の問題であるとか、港運業者のコストというのが極めて諸外国に比べて高いとかいう問題が指摘されております。ソフトの面も含めまして神戸が世界に冠たる港になるように、これは幅広い方面の協力が必要だろうと思いますが、ぜひともよろしくお願いをいたしたい。
 また、民間施設につきましても復旧が進んでいると伺っておりますが、官の力でこれを助けるというのはなかなか難しい。財政投融資、開銀の資金を持ち込む程度だということと伺っておりますが、何とかこれを上乗せする、もっと色をつけるような方法は講じられないのか。この辺簡単にでもお答えいただきたいと存じます。
#10
○国務大臣(亀井静香君) 委員御指摘のように問題は民間所有のバースでございまして、地元の経済会からもそういう要望が非常に強く出ておるわけであります。これにつきましては御承知のように、これが民間所有のままでございますと補助金で処置をするわけには、これは陸上の他の被害を受けている企業との関係もございますから、港だけそういう処置をとることは法律的にこれは無理であります。
 ただ、食品の例のコンビナートの岸壁等もかつて市に移管するというような協議がなされてきたという経緯もございますので、所有形態が今後変わってくればそれに対応した補助処置等は可能になってこようかと、そのあたりを現在市、県とそれぞれの事業者との間で協議をしていただきたいということを私どもはお願いをしておる次第でございます。それでもなお民間所有という形が変わらない場合は、低利融資というような形でこれは処理せざるを得ないかと、このように考えております。
#11
○溝手顕正君 民間の問題は難しいこととかよくわかっておりますが、現実に地方港湾においても公有化をするためにさまざま理屈づけがあるわけですが、そういうことをして現実にやっております。ですから、そういうことを機械的にやらずに大きな観点からひとつ対応していただきたい、このように要望いたしておきます。
   〔委員長退席、理事二木秀夫君着席〕
 次に、JRの問題についてお伺いをいたしたいと思います。
 昨日の新聞報道、夕刊で既に出ておりましたが、JR西日本の社長が記者会見をいたしまして、工事は三月中にはもう終わってしまう、四月には復旧をと、こういうような見出しで出ております。当初、連休明けということで、私といたしましてはそのスケジュールを一生懸命努力された結果であろうと好意的に受けとめたいと思っておりますが、御承知のように、兵庫県以西の各都市は大変な打撃を受けておりまして、JRのキヨスクあたりはもう売り上げが半減したところ、タクシーの客がいない、大変な状態でございます。
 そういった中で、特にゴールデンウイークを控えている、多くの人出が予想される、この辺が一つの大きなポイントであろうと思います。できるだけ早くやっていただきたいという要望と同時に、安全はしっかり確保していただきたい、難しい判断があろうかと思いますが。私は、切符の予約もあると思いますし、ぜひともこれ連休前によほどのことがない限りやるんだ、こういう決意を出されてもいい段階に参ったんじゃないか、こういう予想をいたしておりますが、ぜひその辺の大臣の意気込みというのを聞かせていただきたい、このように思います。
#12
○国務大臣(亀井静香君) 委員御指摘のように、大動脈が完全に切断をされておるわけでございますので、これを一日も早くきちっと修復するということが国民経済的にも極めて大事なことである、このように認識をいたしておるわけでございますが、しかし、一方では安全をどうきちっと確保するかという大きな課題がございます。あと十五、六分地震の発生がおくれておれば大変な惨禍になっておった、まさにこれは偶然でございまして、こうした地震が一度起きたらその後はすぐは起きないという保証は何もないわけでございます。
 私どもといたしましては、関東大震災程度の地震に耐え得るという自信を持っての設計施工をやった結果がああしたことになったということで非常にショックを受けておるわけでございます。そういう意味では、まずそうした地震の規模、上限があるわけじゃございませんけれども、このたびのことを含めて、過去の日本列島を襲った地震、それの相当程度余裕を持った、上回る耐震能力を持った復興作業をやらなければならないし、また全国の新幹線もそういう観点から再点検をし、見直さなければならないという基本的立場をとっておるわけであります。
 そういうことで、検討委員会が現在まだ検討中でございますが、一応今月末に中間報告を出していただくようにお願いをいたしております。この中間報告はすべて資料その他もオープンにしたいというように考えておるわけでございます。
 そういう状況の中で、検討委員会が今まで検討する経緯の中で、JR西日本に対して、東海に対して具体的な御指導をいただいております。その指導のもとに一応鋼板を巻くというような、強度の面からいいますとアバウトでありますけれども大体三倍程度の強度が増すのではないかという工法に基づいて今復旧作業をやっておるわけでございます。突貫工事でやっておりますので、これが予想以上に大変な熱意のもとで進められておりますから、非常に速いスピードで今いっております。
 それができますと、今度はJR西日本自体での点検、走行実験という手順を経るわけでございます。私どもとしては、新幹線の車体自体を走らせての走行実験は、中間報告を検討委員会が出しました後、それに基づいてJR自体としての点検をお願いしたい。そしてそれが終わった後、JRが大丈夫だという自信を持った場合、運輸省に対して検査の申請が出てまいりまして、我々といたしましては検討委員会とともに検査に入りたい。
 先ほども申し上げましたように、そうした工法に基づく作業が非常に進んでおりますので、早ければ四月の初句に運輸省の検査に入れるのではないかなというように期待をいたしておるわけでございます。徹底した検査を行いまして大丈夫だということになりますと営業再開というスケジュールになってこようかと思います。
 そういうことでございますので、何月何日までに運転開始というような期日を切ったことはやらせていないわけでございます。あくまで安全性をがっちりと各段階で確認した上で営業再開日は設定をするという方針でおることを御理解賜りたいと思います。
#13
○溝手顕正君 できるだけ早く、ぜひお願いしたいと思うんです。
 この問題で、検討委員会の中間報告が三月末に出るといたしますと、在来線、いわゆる山陽道以外の東海道その他大動脈の点検というのは当然考えられるわけでございますが、この場合、東海大地震が来るとかいろんな説もございまして、関東、東海の人は大変心配もしている。そうすると、当然そういったところの路線についても点検を開始していかなくてはいけないだろうという問題が提起されると思います。その場合、省の方針としてどのようにやっていこうとされているのか。また、これも膨大な予算が当然想定されるわけで大変なことであろうと思います。その点について聞かせていただきたい。
   〔理事二木秀夫君退席、委員長着席〕
 それからもう一点、実はこの問題に関して、もし山陰新幹線があれば随分事態は変わっただろうなという感じを持っております。それと同じように、東海道新幹線のかわりに、あるいは中央道とか北陸道があれば随分助かるのになという話も出てまいるかと思います。これはまさに国の運輸政策の基本にかかわる問題でございますが、こういった観点から大震災、あるいはいつ戦争が起こるかもわかりませんし、大災害に対して大動脈の補完機能をいかに確保していくかということも問題提起されたのではないかと思っております。この点について鉄道局あるいは大臣の御見解を伺いたいと思います。
#14
○国務大臣(亀井静香君) 御指摘のように、一本の軸ではなくて多角的な軸の形成というのが交通体系においても必要だということであると思います。現在、運輸省におきまして、運政局を中心に陸海空の均斉のとれた交通体系の構築という検討を全省的にやっておるわけでございますが、ぜひ委員の皆様方にもいろいろと御指導をいただきたいと思っております。
 新幹線について申し上げますと、御承知のように、基本計画では山陰の新幹線もあるわけでございますし、第二の中央新幹線ということもございます。私どもとしては新幹線の基本計画は堅持をいたしておるわけでございまして、とりあえず整備新幹線の整備を着手いたしておるわけでありますが、その後は当然基本計画にのっとった新幹線の建設というのは重要である、このように考えておるわけでございます。
 御承知のように、十年間の六百三十兆という公共投資基本計画が国全体で策定をされておる中で高速度鉄道というのがきちっと位置づけられておるわけでございますので、第一次におきましても、さらにその後に続く第二次におきましても、公共事業の中でそうした基本計画の実現というのが私は基本的に行われていくべきものと考えておるわけでございます。
 また、ちょっと前後いたしますが、既存の在来線等、新幹線を含めての、検討委員会の検討に基づく再点検、補強工事その他については当然これを実施しなければなりません。ただ、現在のところまだ中間段階での報告しか受けられない状況でございますので、最終的な報告が出た段階で本格的な最終的な点検に再度入らせようと思います。
 地震発生後において、JR各社、技術陣を持っておりますので、それぞれ総点検は現在もずっと実施をいたしておるところでございます。ただ、現在、JR各社、どの部門についてどういう補修をしなければならないか、補強をしなければならないかという結論までは各社ともまだ出しておらぬところでございますので、検討委員会の御指導をいただいてそういうことを今後詰めていくという形になろうかと思います。
 残余は鉄道局長から詳細に説明をさせます。
#15
○政府委員(戸矢博道君) 今、大臣が申し上げたことに尽きるわけでございますけれども、現在検討委員会ではいろいろ、被災した施設あるいは壊れなかった施設ございますので、構造物にどういう力が働いたのか、あるいはその力を受けて構造物はどういうふうに動いたのか、あるいはどういう耐力があったのかといったようなものを分析しているわけでございまして、今月末をめどに、先ほど大臣が申し上げましたように、今の復旧計画につきまして十分安全を確認していただくために、今の段階の検討状況をお取りまとめいただこうというふうに考えております。
 大臣が申し上げましたように、最終的には基準の見直しにはまだ時間がかかると思われるわけでございますが、いずれにいたしましても、この検討委員会の御議論を踏まえて、既存の新幹線あるいは地下鉄等につきましても点検し、必要な措置を考えていくということだろうと思います。
 いろいろな支援策については、どういうところをどういうふうにしなきゃいけないかということを踏まえながら今後検討させていただくというふうに考えているところでございます。
#16
○溝手顕正君 ありがとうございました。
 今回の大震災によって我々は大変多くの教訓を得たわけでございます。特に、今避難生活をされている人々にとっては電気、ガス、水道、まさにライフラインということで極めて重要だ、これがまさに生活関連である、こういう議論がされておるわけでございます。一年前二年前も随分そういう議論がされておりました。
 そして、今度何を考えなくてはいけないかという教訓が出たのは、産業生活、社会生活、経済生活のライフラインである新幹線であるとか鉄道であるとか港湾であるとか航空路であるとか、こういうものはある特定業者のためにある施設だからCランクにするというようなばかな考えがいかにくだらない考えであったかということをまさに露呈したんだろうと私は思うわけです。まさにこれも我々のライフラインだと私は考えておるわけでございまして、運輸省はこういった基盤整備の問題についてより一層の力を注いていただきたい、こういう気持ちを持っております。そして、このことが実は我々の生活を支えていた本当の意味でのライフラインであったという教訓を与えてくれたことに感謝しなくてはいけないんだろうと思います。
 そういう意味で、もう時間が来ましたのでやめさせていただきますが、今後ともそういった産業インフラについてもぜひとも真剣に力強く闘い取っていただきたいことを心から要望いたしまして、私の質問を終わります。
#17
○村田誠醇君 社会党の村田でございます。
 まず冒頭、先ほども大臣がお触れになりましたけれども、今回の新幹線の動脈が断絶したということに対して大変社会にいろいろな影響が出ているわけでございます。問題なのは、復旧は最優先にしなければいけない、これはもう当然のことでございますけれども、何ゆえにこの大動脈が断絶をしたのかというこの答えを出さなければいけないわけですね。一般に言われているように、予想を超えた地震が来たから壊れちゃったんだよというだけであれば私は問題はないと思うんですけれども、どうもそれだけではなさそうな原因でこの大動脈が切れているということがいろんな意味で指摘されているわけでございます。
 そういう意味でいくと、まず原因を究明するためには、一番端的に言えば、壊れた箇所をそのままある程度保存しておけばなぜ壊れたかというのはわかるんですけれども、しかし復旧を優先するためにはそこのところを補修しなければいけない。補修しますと、今度は後から見にきたときに現場がわかりませんから一体どうなっているのかさっぱりわからない。
 そうすると、一番最初に事故の現場に行った人が当然写真なりいろんな構造物の破片なり、あるいは鉄筋が露出していたとか、どういう状況だったかというのは駆けつけた人が一番わかっていると思うんですね。そういういろんな収集したデータがそれぞれの手元にあるはずでございますし、調査委員会の人たちも調べていますし、それ以外の専門家の人たちもいろいろ調べている。こういう人たちの持っているデータと、あるいは国なりJRが持っているデータを全部公表していただいて、どこの原因でもってこの橋脚が壊れたのか、これは地震のためなのか、それとも違う理由で壊れているのかということを立証しなければいけないし、持っているデータを全部出してもらわないとこれは今後の対策に資することができない。
 そういう意味で、それを出すことによってそのときの責任者の問題がどうのこうのとか、そういうことは別問題といたしまして、今後ともこういうことが起こらないようにするためには、すべてのデータを公表する、あるいは場合によったらそれに反するデータを持っている人との間でお互いにデータの交換をして精度を高め合う、こういうことが必要だろう、特にディスクローズが必要だろうと思いますけれども、それについての大臣の改めての見解をお聞きしたいと思います。
#18
○国務大臣(亀井静香君) 御案内のように、震災発生と同時に、東京理科大学の松本教授を委員長とする検討委員会を設置いたしまして、直ちに現地に三日間、委員の方々にお入りをいただき、徹底した調査活動をしていただいてまいっております。
 委員御指摘のように、あの崩壊の原因が何であったのか。私どもは自然の力を事前に制御できるわけじゃございませんので、マグニチュード何度以上の地震を防ぐなんていうことはできないわけでございますので、そういう意味ではそうした自然の脅威と闘っていく面においては非常に難しい面があるわけでございます。
 しかし、一応、四十二年から四十七年度の建設において、我が日本を襲った最大級の地震、福井震災等も含めて関東大震災等にも十分耐え得るという耐震設計のもとで建設されたわけであります。それに対してこのたびの地震の規模というのがそれをはるかに超えておったものなのか、あるいは耐震設計に基づいた建設がなされなかったのか、そのあたり何らかの施工上の問題があったのか、そういうことを含めて委員会において徹底的な調査検討がなされておるわけでございまして、私どもとしてはこの資料等はすべて公表をするという線で当初から臨んでおるわけであります。
 そういう意味では、調査委員会の先生、権威の方々ばかりを集めておるわけでありますが、全部網羅できておるわけじゃないと私は思います。その他の学者の方々、技術者の方々の目にもきちっとそうした資料がさらされて、そして、今後の本格的な復興あるいは新しい新線の建設、従来の在来線の見直し、その他にきちっとした方向が出ていくということが望ましいと考えておりますので、私どもとしては資料は徹底的に完全にオープンをする、またいろんな方々の御意見には謙虚に耳を傾けていくという姿勢でおることを御理解賜りたいと思います。
#19
○村田誠醇君 どうもありがとうございました。
 それで、今も大臣が触れられましたように、すべての自然災害に完璧に耐える条件ということはあり得ないわけですから、当然一定の規模を予測して、これ以上のものはだめだけれどもここまでならある程度大丈夫という線でつくられているということは当然だと思うわけですね。
 問題は、今回の地震がその想定された規模よりも強かったか弱かったかということもあるわけですね。これは地域、場所によっても当然違うわけですけれども、しかしある程度の水準よりも上であったんだという可能性がもしあったとすれば、想定された水準よりも上だということであれば、今度は想定を変えなければいけない、もしくは高めなければいけないというのはこれは当然のことであるわけです。
 対策委員会の松本委員長はいろんな所見を、これは全文じゃありません、概要をお聞きしたときに、通常の一般の地震というのはまず縦波の小さいのが来てそれから横方向の波が来てそれから表面波が来るんですよ、これが大体日本の地震のパターンです、ところが今回はこれが一遍に来ちゃった、なおかつ縦の揺れが非常に大きかったんだということを言っているわけですね。今までの鉄道の構造物の建設は今言った、専門で言うとP波、S波、L波というこの三つの波が時間を置いて来るという前提条件でつくってあるんです。これはもうしょうがないことなんです。ところが、それに対して、今回来たのはどうも違うんじゃないかということをこの松本委員長は言っておる。
 そうしますと、新幹線がつくられたときの基準というものを見てみますと、国有鉄道の東京第一工事局の工事設計資料というものを見てみますといろんな条件が書いてある。その中の地震の部分については、縦方向の地震の波というのは一般的にこれは余り起こり得ないので無視して条件をつくってよろしいということになっているんですね。水平方向の揺れだけを考えればいいという前提条件で実はつくられていた。これが事実だと思うんですね。これは新幹線だけじゃなくてほとんどの鉄道の構造物はみんなこういうふうになっているんだろうと思うんです。
 その水平の加重が〇・二でいいかどうかというのはまた論議は別として、水平方向の力だけしか今まで考慮していなかった建築物、構造物に対して、今回は特徴的に出ているのが垂直方向の力が働いたんだということが言われているわけです。そうすると、考え方を根本的に変えざるを得ないのではないかと思われるんですけれども、その点についての検討はどこまで進んでいるんでしょうか。
#20
○政府委員(澤田諄君) ただいま先生御指摘のように、従来の新幹線の耐震設計の基準でございますが、設計水平震度〇・二、設計垂直震度〇・一という基準でつくっているわけでありますが、構造物の設計といいますのは、外力を与えて初めて設計の荷重が計算できるわけでございまして、水平外力として〇・二という力を与えたときに耐え得るかどうかということで計算しておるわけでございます。その関係で非常にややこしいことになろうかと思いますが、いわゆる設計外力として〇・二を与えたときに、必ずしも垂直震度というものを考えていないということではなくて、垂直も含めた形で外力として水平に〇・二を与えるということでございまして、その垂直の力の大きさの見方の問題が今後の検討ということになろうかと思っております。
 現在、地震学者の中で、今回の波が、水平震度の大きさと垂直震度の大きさの揺れの度合いということに対していろいろな議論がされております。松本先生も一定の見解をお持ちでございます。それらのいろいろな学識経験者等の見解を踏まえまして、今回の被災した構造物がなぜ壊れたのか。また、今回非常に重要な点が、被災した隣の部分に健全な構造物もございます。したがいまして、壊れたものと壊れていないものの差がどのような地盤状況なのか、どのような要因で差があったのかというものを十分解析したいと思っておるところでございます。
#21
○村田誠醇君 この基準を論議するときに、これ表になっているものですから、協議事項、審議事項それから決定みたいな形にこうなっておる。審議の経過の中にはこう書いてある。〇・二が標準なので新幹線においてはこれでいいと思った、経済性も考慮して水平震度〇・二を標準としたんだということが書いてあるんですね。ところが、そこの下に、これは別に責任を追及するわけじゃないんですが、耐震構造に関する研究報告書によれば、設計震度を計算すれば大阪は〇・三だという、兵庫、岡山が〇・二となるけれども、東海道新幹線における考え方とも関連して岡山までは〇・二でよろしい、こういう審議の経過があって〇・二に決まったと書いてある。
 それは古い話ですから別として、ただ、今回いろいろなところで地震の規模を調査しているわけですね。関西電力もそれぞれ自分の地震計を持っていまして、ここのデータを見せていただきましたら、ガルというんですが、横揺れよりも縦揺れの強さの方が強いところが何カ所かあるわけです。これは今までの地震波の測定からすると非常に異例な出来事なわけです。そうしますと、まさに水平方向だけの力で構造物に耐震性を持たせるといいましょうか、考えておったやり方というのは当然前提条件として変えなければいけないということが言われるわけだと思うんです。
 それでは、現実的に新幹線が地震の被害を受けた例を幾つか出してみたいと思うんですね。大臣も触れられておりますように、新幹線は大体関東大震災並みに耐えられるという大まかな基準でいけば説明としてはなるわけですけれども、関東大震災よりも実は規模の小さかった、大体規模でいくと半分ぐらいですか、マグニチュードでいくと〇・四ぐらいしか違わないんですけれども、宮城沖地震においてもやはり新幹線の高架橋がやられているという事実があるわけです。
 その報告書をいただきまして、なかなか難しいんですけれどもきのうぱらぱらと見せていただきました。いろいろ壊れた箇所あるいは壊れている部分あるいは壊れ方、それをそれぞれ国鉄の時代に調査した結果がずっと出ているわけでございますけれども、これを見てみると、今回と同じような箇所がやっぱりやられている。座屈しているとか鉄筋が露出しているとか、ひび割れ、クラックが入っている箇所もほぼ似たようなところに入っている。しかも、高架橋がやられているという点においては非常に共通している出来事だと思うんですね。
 そうしますと、この宮城沖地震のときに受けた新幹線の被害についてその原因究明がきちんとなされて、応急対策は別といたしまして、恒久的な対策として、一体この部分がどういう理由で壊れたのか、そして、それは既存の新幹線、山陽・東海道にどういう影響を与えるかということも当然調べて対策を打ったと思うんです。この宮城沖地震の教訓というものを一体どのように判断なさって、そして、既存の設備に対してはどのような補修、点検をするべき指示あるいは検討をなさったのか、その辺についてまずお答えをお願いいたします。
#22
○政府委員(澤田諄君) 宮城県沖地震による被害を契機に、旧国鉄におきましてコンクリート構造物に対する設計法につきまして見直しを行いました。昭和五十四年に耐震設計指針が作成されまして、昭和五十八年二月の鉄筋コンクリート構造物及び無筋コンクリート構造物設計標準ということで反映させております。したがいまして、その後に建設された新幹線につきましては耐震性を強化した構造物として設計を実施しております。
#23
○村田誠醇君 大臣、お聞きになっておわかりだと思うんですよね。これからつくるものについて反映して、それは未然に事故が起こらないようにといいましょうか問題が起こらないようにさせる、これはいいわけです。今回の震災によって、民間のビルも全部同じですけれども、古い耐震基準でつくられたものほど壊れていたんじゃないかという指摘もあるわけです。
 そうしますと、既存の設備が耐えられるかどうかという点検をしたのかどうか、あるいは補修が必要な箇所があるんじゃないか、そういうことをやったかどうかというのが私の方の質問で、耐震設計法を変更して新しいものをつくるときにこれでやれと言ったというのはそれは将来の問題でありまして、その辺についてはどうもちょっとよくわからない。つまり、既存のものに対してどういうものの手当てをしたのかということについてお聞きしたいわけです。
#24
○政府委員(澤田諄君) その点についてお答えしますが、このような経験を踏まえまして、他の新幹線につきましては、東海道新幹線につきましては五十三年度から各地の対策に、特に東海沖地震対策ということがございまして盛り土対策、落橋対策、高架対策等を実施済みでございます。また、東北新幹線の教訓ということで山陽新幹線につきましては、落橋防止ということについての対策を講じ始めたところでございます。平成三年度より実施しているところでございます。
#25
○村田誠醇君 それで、私も調べていくときに、宮城沖地震で新幹線の高架橋がやられているというのを初めて知ったものですから、あれはと思いながらよく勉強させてもらったんですけれども、この宮城沖地震というのはあくまでも沖合といいましょうか、かなり震源が離れたところで起こった地震でありまして直下型ではないわけですね。そうしますと、かなり離れたところの地震でこれだけの、これだけといいましょうか宮城沖の被害が出たということになりますと、果たして今想定されているような東海沖地震とかあるいは関東直下型の地震に今の既設の新幹線が耐えられるのかどうかということが非常に疑問になってきちゃうわけですね。
 特に、宮城沖の地震の場合でいけばマグニチュード七・五、関東大震災はマグニチュード七・九と言われています。ただ、関東大震災の場合にはこのくらいだろうということで言っていますから必ずしも正確な数字ではないということですけれども、エネルギーの規模からいけば宮城沖地震は関東大震災に比べれば四分の一ということですね、この数値を基準にしますと。そうすると、四分の一の力でもってぱっと揺られたときに実は高架橋にひびが入ったり橋脚が傷んだりということになりますと、これは大変重要な問題を私ははらんでいるんだろうと思うわけですね。だから、そういう意味で一体本当に関東大震災並みに耐えられる構造物になっているんだろうかなというのが非常に疑問に思うわけです。
 そこで、すべての質問の中に出てきます東海沖の近々起こるであろうと想定されている地震に対して、大規模地震対策特別措置法に基づいて新幹線も補強、点検をしているわけでございますね。その地域が、調べてみましたら新横浜−小田原間から浜松−豊橋までの間、約二百十四キロがその地域、指定された区域であります。これに対して、例えば想定されている東海沖大地震の規模の地震が起こったときに鉄道沿線に与える影響について調べた、その結果として補強をしなければいけないというそのシミュレーションをしているはずなんですね、国鉄の方で。
 それについてお聞きしたいんですけれども、まず、先ほどのことからいっても一定の基準でやらなきゃいけませんから、この東海沖の地震の条件といいましょうか、これは条件と言っていいんでしょうね分析をするための幾つかの条件について確認したいんです。
 地震波として来るものが八戸波及び新菊川波という、私もどういう揺れなのかよくわからないんですが、これを基準にして基盤の加速度が百五十ガルから三百ガルという想定をしてやりました、橋脚、駅舎等の分析をしましたということになっているんですが、これが橋脚の部分の分析なのか構造物の分析なのか、書いてある本が専門的過ぎるもので私の頭にはちょっとよくわからないのでございまして、説明をしていただきたいんです。
 まず東海沖大地震の想定、この規模の想定自体は国土庁がやっているわけですけれども、国鉄が当時それを受けて、どういう条件のときにどういうふうな被害が出るかということを想定したこの基準は、水平の加速度が四百ガルだと言う人もいるんですし百五十から三百という数字も出てくるんですけれども、一体どのくらいの規模を想定して対策といいましょうかシミュレーションを組んだのか、ひとつお聞きをしたいと思います。
#26
○政府委員(澤田諄君) まことに申しわけございませんが、先生御指摘の内容についてちょっと今手持ちの資料がございません。まことに申しわけございませんが、その点について後ほどお答えさせていただきたいと思います。
#27
○村田誠醇君 三百ガルでも四百ガルでもいいんですけれども、水平方向だけの基準でとりあえずやってみましたと。そうしたら、この地域内の橋脚八百八十本中かなりの本数が補強が必要であるという結論にもなりましたし、それ以外にも補強をしなきゃいけないということで、五十七年度から変電所だとか信号機だとか、それから在来線についても変電所、駅舎の補強工事をしているんですよね。
 だから、そのこと自体は私は別に責めるわけじゃなくて、その前提となった水準よりも今回の地震の方が大きかったということは当然想定できるわけです。そうしますと、国鉄の当時やった補強対策は現在から見たときにやはりまだ不十分ではないかと思われるわけですね。そういう意味で一定の基準を聞いたわけです。だから、これはマグニチュード八程度の東海沖の地震を想定していますけれども、果たしてこれが直下型に、もっと陸地に近づいてきたときにはどうかということも当然考えられるわけでございますから、その辺についてもきちんとしていただきたい。
 それと同時に、今言いましたように、約二百十四キロしか対象にしていないわけですね、この大規模地震対策特別措置法に基づく措置というのは。それ以外の地域については一体このとき国鉄側がどのような対応策をしたのかも、もしわかれば一緒に教えていただきたい。この地域内の施策についてはいろんなものが出ていますからわかっているんですけれども、これ以外のところには一体前提条件としてどういうような施策を打ったのかということです。
#28
○政府委員(澤田諄君) お答えいたします。
 先生御指摘の東海沖地震対策以外の地域での地震対策ということで、現在JR東の地域でございますが、南関東地震に対応した地震に対しましての橋げた落下防止工の設置ということの工事を行っているところでございます。
 東海道新幹線につきまして、東海沖地震対策以外の地域の対策については現在承知しておりません。
#29
○村田誠醇君 静岡の地域、これは大臣も何回も新幹線を御利用になっているからおわかりのとおり、東海道新幹線は大半が盛り土なんですよね。だから、盛り土の地震対策というのと、今回の事例に出てきて非常にはっきりしている高架橋を中心とした構造物というのとでは全然違うんです、はっきり言って。だから、いろんな資料を見てみましても、東海道新幹線に一生懸命やっているのは盛り土をした部分に対するというのが非常に多いんです。だから、今回のとは明らかに違う。
 そうしますと、今回のものについてももう一回、高架を中心とした対策というものをきちんと打ってもらわなきゃいけない。特に宮城沖でそういう高架橋が落ちている、被害を受けているということを含めますと、この対策は今までとは全然考え方も対応策も違うということを前提条件にしてぜひ対策を打っていただきたいということをお願いしておきます。
 次に質問を移らさせていただきます。
 これはいろんなところにも、今答弁の中に出てきているわけでございますけれども、地震が起こったその周り全域の鉄道の構造物が被害を一斉に受けていればこれは地震のせいかなということがわかるんですけれども、一本置いて被害が出ていたり、あるいはずっと被害もないところに真ん中だけぼこんと一カ所やられていたり、いろいろな形態が出てきているわけですね。そうすると、単純に地盤が悪かったとか、あるいはきちっとつくってあったんだけれども地震でやられたとかいうふうに一概に断定できない部分というのは、私も三回ほど新幹線の現場を見に行きまして感じるわけですね。ぽつんと変なところだけが壊れていたり、あるいは一面にずっとやられていたりといういろんなケースがある。
 松本委員長の見解では、実際に高架橋がいろんな形で崩壊しているものですから、原因はそれぞれ複合したものもあるでしょうし別々の原因もあるだろう、こう言っているわけですけれども、しかしそれは逆の表現をしますと、原因別に対策を考えなきゃいけないという点では非常に複雑な様相を呈していると思うわけですね。
 単純に地震の強い波が来たから壊れたというだけじゃなくて幾つか考えられる点は、本来コンクリート構造物というのは大体一般的には七十年の耐女性がある、こう言われているわけです。しかし、それは使用する条件だとか社会的な条件だとか、あるいは自然的ないろんな条件でもってこれが七十年になったり短くなったりすることがあり得るわけですね。
 まず、使用の条件からしてみますと、私も調べてみてびっくりしたんですけれども、新幹線が開業した三十九年当時は、列車本数でいくとわずか一日六十本走っていたわけですね。列車キロでいくと二万九千五十五キロ。それが平成元年の三月時点、ちょっと古い数字で申しわけないんですが、ダイヤ改正したときには列車本数が三百四十八本、約六倍に膨れ上がっている。列車キロ数でいきますと十九万二千九百十九キロ、これも大体六倍強。つまり、一番最初につくったときの条件に比べれば六倍以上走っている。要するに使用頻度がその分高まっている。
 それと同時に、いろいろな条件を考慮しまして新幹線に手を入れているわけですね。その一つは、レールを重軌条化するために五十キロのレールを六十キロの重さにしている。それから路盤や道床を直している、重くしている。それから架線も重くしている、重架線化している。それから、その後出てきた防音壁をつくらなきゃいけないとかいうことで、要するに頭を重くする構造になっちゃっているんですね。一番最初の設計に比べて頭が重くなっている。そうすると、高速道路と同じように、頭を重くしたときには必ずひっくり返っているということがあるわけでございます。
 そういういろいろな使用条件から考えてみたときに、山陽の方はちょっと別としまして、東海道新幹線は経年劣化を起こしているんではないだろうか。使用頻度に耐えられないようになっている、しかし社会的には走らせなきゃいけないから、表現は悪いですが、それをだましすかし走っているというのが現実ではないかという主張をなさる人もいるわけですね。これはJRの中にもその危惧を持っている人もいるわけです。
 使用頻度が果たして適切であるかどうかということがあると思うんですが、この経年劣化という考え方あるいは指摘については省側はどういうような御判断をお持ちなんでしょうか。
#30
○政府委員(澤田諄君) 特に東海道新幹線、御指摘のように建設当初から現在まで年限がたっておりますが、JR東海の会社の中に、土木構造物の長期的な健全度の調査研究ということで、今後も老朽化は必ず進むという観点での勉強をし、それらの対策というものを講じていると聞いております。
#31
○村田誠醇君 それはいろんなところへ出てきていますからわかるんです。ところが、その考え方の中には、今言ったように車両とか設備とか駅舎とかというのはあるんですけれども、高架橋とかそういうのはないんですよ。鉄橋までは考慮しているんですけれども、橋脚が傷んでいるという考え方は余り入ってないんですよ。それは盛り土が多いという東海道の部分も含めましてね。だから盛り土については一生懸命考えているんですけれども、橋脚については余り考えてないんです。そういう意味では、それはもっと勉強してもらわなきゃいけません。いろんな研究をなさっている、調査研究しているのは、私もいろいろ勉強させていただき、非常に工学的な数式が出てくるものですから読んでもさっぱりわかんないんですけれども、かなり勉強しているんだなというのはわかるわけです。
 そこで、もう一つお聞きをしたい。
 いろんな国鉄時代の技術担当の方々が、世界に冠たる新幹線を補修維持するために、そして安全に運行するためにいろんな調査をなさっているわけですね。そのときに、果たしてこの新幹線が設計図どおりできているんだろうかということも疑問に思いながらいろいろ調べているわけでございます。本当に設計図どおりにでき上がっているのであれば何の問題もない。しかし、いろいろ調べてみたときに、どうも新大阪から岡山までの区間の工事については非常に問題があるんではないかということを指摘しているのが多いわけです。
 というのは、この間、工期が非常に狭まっていたために突貫工事を行っていた。これはすべてのいろんな資料にも出てきているわけです。それからオイルショック、こういうものがあったために価格が非常に不安定だった、そのために品質上、手抜き工事やいろんな施工管理上の問題点があったんではないかと。これは木材が入っていたとかれんがが入っていたとか、いろんなことを言われているわけでございます。
 しかし、それだけでは実はないわけでございまして、セメントの打ち方にも問題があったんではないか。そのセメントと一緒にまぜた砂が海砂を使っておると。特に瀬戸内から持ってきて塩分を洗わずにそのまま使用した。そのためにコンクリートの中性化問題、劣化が起こっているんではないか。あるいはセメントの打ち方が悪かったために鉄筋がさびて、膨張して爆裂という現象が出てきている、それは随所に見られる。あるいは今言ったように、塩分を特に多く含んでいるために、本来それが含んでなければ鉄筋をそのまま使ってもいいんですけれども、防さび対策をしないで鉄筋をそのまま使っている。あるいはその鉄筋の溶接についても圧接が不十分だという、実はいろいろな分析をした資料が国鉄の技術者の人たちによって発表されているんですね。その全部がおかしいと言っているんじゃなくてこういう現象も橋脚や高架には見られるという、全部じゃないですけれども、こういうことが各種言われているわけです。
 そうすると、設計図は確かにそのとおりでき上がっていたかもしれないけれども、現実にでき上がっているものについては必ずしも設計図どおりの荷重に耐えられるだけの力になっていたんだろうかということを疑問に思うところもあるわけです。それが今回、周りが全然傷んでないのに一本だけやられているとかいうことにもどうもつながっているんではないか。施工管理が非常に悪い。
 ある技術者は、そのセメントの品質が悪いから打設するときに注意しろ、本当はもっと単価を高くしてやればこんな海砂なんか使わなくて済むのにという、そこまで書いてあるのもあるわけです。鉄筋のさび方とか本当にコンクリートの中性劣化が起こっているかどうか中まではつってみて鉄筋を露出させて調べたとか、そういうデータまで発表されているわけですね。
 そうすると、幾つか言ったように、果たして施工管理というものが十分に行われていたんだろうかということを疑問に思うことが多々あるわけです。その点についてはいかがでしょうか。
#32
○政府委員(澤田諄君) 設計段階あるいは施工段階、特に施工段階の施工管理の問題ということにつきまして先生御指摘の点で幾つかございますが、海砂を使っておるということにつきましてコンクリートの中性化が進行しているんではないかというような指摘があり、これはちょっと具体的な年数はあれでございますが、もう既に中性化防止というための諸施策というものは山陽新幹線において実施されておるところでございます。いずれにしても、現在検討委員会の中でそれぞれの御指摘の点も含めまして施工上の問題があったかどうかという点につきまして現在鋭意検討を進めておるところでございます。
#33
○村田誠醇君 どうしても土木建築物というのは設計図どおりになかなかそれはできないものですよ。完璧にやろうとしたってそれはかなり難しい。だから、安全係数を考えてこのくらいならいいよという誤差も許容量も含めての話なんだけれども、しかしそれでもやはりおかしい部分というのは結構出てきている。抜き取り調査をやってみたらこうだったとかというのはいっぱい出ておるわけですね。特にコンクリートのかぶり、最低二十ミリ以上確保されていれば鉄筋に影響ないよといっているんですけれども、実はいろんなところをはつって調べてみたら二十ミリよりももっと薄いかぶりしかないものもあれば、もうべらぼうに厚くかぶっているものもあるとか、そういうふうにはつってまでもはっきり調べているところもあるわけです。
 それから鉄筋の溶接についても、これもよくわからないんですけれども、かなりの箇所で圧接箇所の切断あるいは接合不十分、不合格というものが出ている。これはちょっと私もまだ資料をよく熟読できないんでわからないんですけれども、SD三十とかSD三十五というものが非常に多く不合格率が高い。曲げの強度をやってみたら全部だめだというこういう報告も出ているわけなんです。
 そういうのをこうやって見て、今回の事件を見てみると、そうすると何で木片が入っていたんだとかれんがが入っていたとか、何で鉄筋が溶接部分から切断しているんだとかいうのがよくわかってくるわけですね。そうすると、あくまでもこれは施工管理が悪かったのと地震が来たのと両方ではんといったんじゃないかと思われるわけでございます。
 これをわかっているのは、先ほど冒頭で言いましたように一番最初に行った人、その現場がどうだったか写真を撮ったり資料を持っていればこれはすぐわかるわけでございますから、そういう意味でぜひデータというものを、集めた資料というものを全部公表していただきたいということであります。こうなるとすべての部分についてもう一回再検討しなきゃいけない、こういうことがあると思うんで大変だと思いますけれども、ひとつよろしく調べていただきたい。
 それから、もう一つある程度の自然的条件の要素というのもこれはあると思うんですね。たまたま私が見に行きました高槻のところ、東海道新幹線ですね、本を見ておりましたら、実は自然的条件であそこは軟弱地盤でございますので、昭和三十八年に大阪府が広域の下水道工事をしようと思って東海道新幹線の下に四十六・五メーターの範囲で雨水と汚水の幹線を通そうということの計画をして新幹線当局と話し合った結果、現場をつぶさに調べてみましたら、地盤沈下による高架橋の傾斜とか、あるいは片一方の橋脚は沈下していて片一方の方は浮き上がっている、そういう意味ででこぼこが出ていた、傾いていた、こういうことが実は工事をする前にわかりましたという報告もあるんですね。新幹線ですから何ミリ単位で狂っても非常に困るということで、そういうデータも出ている。
 しかもこの場所が、今回クラックやいろんな問題の起こったところとわずか一キロぐらいしか差がない。私が見に行ったところは三島の高架橋を中心とするところであります。今私が言ったのは摂津市のもうちょっと大阪よりの方の部分なんですけれども、距離でいけばわずか一キロ三百三十タートル、そのくらいの距離。
 そうすると、既存の部分であっても地震がなくても、やっぱり軟弱地盤の上に建っているものについてはかなり注意をしておかないと自然的条件だけでもこういう問題というのは起こっているんです。その報告書の中には、さらにこういう新幹線の下に道路が入るとか暗渠が入る工事が十カ所ぐらい予定されている、その時点でです。今はもっと違うんだろうと思うんですけれども、そういうことで調べ直したら当然いろんな問題が出るだろうと思うんです。この辺についてもぜひ対策、調査をきちんとしていただきたいということをまずお願いします。
#34
○政府委員(澤田諄君) 御指摘の点につきましては、開業当初に大阪地区で変状が発生したということがございました。そういうことから、大阪地区全線におきまして高架橋の検査、点検を行いまして、地盤、施工条件等、同様な変状の発生のおそれがあるものにつきましてはすべて変状対策として地中梁あるいはアンダーピニングなどの対策を既に講じておるところでございます。
 そのような軟弱地盤の地域にございます新幹線と交差する工事という場合に、常々その工事の相手方、下水道とかそういうことにつきましては、高架橋に損傷がないようにアンダーピニングの工法等による基礎補強と地中梁の設置あるいは連続地中壁の築造などを設置した後、下水道等の交差構造物をつくるというようなことでお願いしているところと聞いております。
#35
○村田誠醇君 時間が参りましたので、大臣の見解も含めて最後の質問をして終わりたいと思うんですけれども、いろんな論議の中でもう大臣もお気づきのとおり、ある程度想定されていた耐震設計よりも今回は上回ったということはある程度おわかりになると思うんですね。しかし、それだけの原因で新幹線橋脚破損あるいは落下が起こったかというと、必ずしもそれだけの原因ではなさそうだということもはっきりわかってきたわけです。
 そうすると、復旧をするための応急的措置ということはわからぬわけじゃありませんし、当然やらなきゃいけない。鉄板を巻くということも当然やっているわけです。それも国鉄の技術陣のそういうところにも載っています。強度も保てるよということも書いてあります。しかし、それはそれとして置いておいて、抜本的に考え直さなきゃいけないとすることがあるとすれば、これはきちんとしなければいけないと思うんですね。震度には耐えられるように設計されているけれども、実際に揺すってみたら実はそれ以下でもって落ちちゃったというケースもあると思うんです。
 そうしますと、既存の設備を根本的にまず見直していただいて、あるいは新しい基準をつくっていただいて、その必要があるかどうかも論議になると思うんですよ、つくっていただいて、その基準に照らし合わせたときに果たして既存の設備がそれに耐えられるかどうかということもきちんと判断していただいて、そして補強すべきところ改修すべきところはきちっとしていただかないと、これは乗っかっている人も非常に不安定になると同時に、大動脈が長期間途絶するということになりますとこれはJR各社に与える収入、経営的な影響というのも非常に大きな問題が出てくるわけですね。ひいていえば、それは清算事業団あるいは国民という形に全部ツケが回ってくるわけでございます。
 そういう意味で、もし今回の地震の分析等をしていただいて抜本的な施策をとらなければいけない、あるいはそういう必要性があると調査研究委員会等の報告が出てきた場合には、これは応急的に復旧する部分は別としまして、抜本的に既存の新幹線の全設備というものをもう一度点検をしていただくということを、これは出たらという前提ですけれども、ぜひ大臣の判断でしていただきたいということをお願いいたしまして、私の最後の質問とさせていただきます。
#36
○国務大臣(亀井静香君) 現在、松本委員会が精力的な調査をいただいておるわけでありますが、委員御指摘のように、もともと耐震性そのものに問題があったのかというような、簡単にいいますすと甘いいわゆるメルクマールで耐震ということを考えておったのかということが一つあろうかと思います。そうであったのかどうなのか。また、それについては地盤との関係含めていろんな今御指摘のような自然的な条件とのそれぞれ絡みがあろうかと思いますが、そこらについての御検討をいただいていると同時に、いわゆる施工についてきちっとやっておったのかどうかという、これも一つの大きな私は調査の眼目である、このように考えております。
 それにつきましては、ありとあらゆる資料を入手検討して現在やっていただいておるわけでありますが、何度も申し上げますように、ただ検討委員会がそれを自分たちだけでもって結論を出すということじゃなくて、もちろん月末に中間報告を出していただき、またそれについての内外からの御批判をいただく中で抜本的な、今後を見据えての一つの結論を出していただくことになるわけでありますが、それには資料はあくまですべて公開をする、オープンにしてあらゆる批判に耐えながら一つの結論を出していくということでいっております。
 それに基づきまして一つの、今後の新幹線の建設あるいは従来の新幹線大丈夫かというそういう結論が出ましたら、私どもとしては、費用とかそんなことは関係なし、安全がやはり大事でございますから、各事業主がそれに対して耐え得るかどうかというような問題はございますけれども、これは新幹線だけじゃなくて地下鉄問題を含めましてそれぞれの事業体に対して国として支援すべき点はきっちりと支援もしてまいりたい。そういう意味では、過大な財政的負担をかけるからこの程度のいわゆる改善にしようなんということは私ども考えておらぬわけでございます。
 ただ、一つ難しい問題は、地球というのは生き物でございます。生きた惑星の上で我々人類というのは無限の利便な生活を求めて生活をしておるわけでございます。その場合いわゆる天災、これは地震だけじゃございません、それがどの程度なものであるかというのは過去のいわゆる経験則をもって我々が推しはかる以外ないんです。しかし、それも私は万全じゃないと。地震にいたしましても震度九あるいは震度十が襲わないという保証は全然ないわけでございまして、そういうことの中で我々が生活の利便性、文明生活をどこまで追求していくかという問題との非常に難しい絡み。
 それともう一つは、そういうことに対応する投下資本との関係も出てくるわけでございます。そうした例えば震度十あるいは震度十五に耐え得るような資本を投下して交通機関をすべて整備をすべきだというのも一つの方法であろうと思いますし、そうじゃなくて過去地球を襲った、日本だけじゃなくていろんな地震その他を検討しながら、ある程度予想される範囲を一応考えてそれに対して万全な対応をとるという考え方もあろうかと思います。
 そういう意味では残念ながら無限のあれに対応できるわけじゃございませんから、そうした過去の経験例、このたびのを踏まえまして、そのあたりで若干それの余裕を持った上限を、耐震性なりそういうものを考えていかなければならないという形に私はなろうかと思うんです。いずれにいたしましても、検討委員会から、世間の学者その他の方々の御意見ももちろんいただきながら、最終的なあれが出てまいりましたらきっちりと既存の新幹線、地下鉄、在来線等についても見直しをやらせたい、このように考えております。
#37
○泉信也君 平成七年度予算につきましては、陸海空、多岐にわたる中でお尋ねをしたいことがたくさんあるわけでございますが、きょうはバスの問題につきましてお尋ねをいたしたいと思います。
 バスに関する予算は決して大きいものではありませんが、国民生活に密着しておるという意味では大変意味がある予算だ、このように考えております。過去百億人を超えるような輸送量の時代もあったわけでありますが、平成六年ではもう六十四億人というふうに大変激減をいたしております。中でも、都市部は横ばいということでございますが、地方の方はかつて五十九億人も分担をしていただいておったものが今では二十八億人、こういう激減をしておるわけであります。こうした中で、運輸省もこれまでいろいろな施策を展開していただきましたし、地方のバスを運行しておられる会社もそれなりに努力をしてこられたわけであります。
 七年度予算では、新たな補助制度というふうに申しましょうか、特に廃止路線代替バスについていわゆる国庫補助金を一般財源化するというようなことをお考えいただいているようでございますが、この具体的な内容についてまずお聞かせください。
#38
○政府委員(高橋伸和君) 地方のバスにつきましては、地域住民の重要な足といたしましてその確保が大変重要になっておるところでございます。平成七年度予算におきましても、対前年度二億七千九百万円増の九十八億二千三百万円を計上しているところでございます。先生、今御指摘になりました廃止代替バスにつきましては、平成七年度から一般財源化を図ることといたしたところでございます。
 この廃止代替バスでございますけれども、乗車人員が激減をしたというふうなことからバス事業としての成立が非常に難しい、こういったことから地元の市町村が地域住民の足を確保するために運行主体となってバス路線を維持する、こういうものでございます。この制度を既に二十年間継続いたしておりまして地方の事務として既に定着を見ておる、こういうふうなこともございまして、平成七年度からより地方住民の立場に立った足の確保を自治体にお願いするということで一般財源化を図ったところでございます。
 これまで私ども国の補助でありますとやはりいろいろ補助要件に厳しい要件があったわけでございます。例えば、バス路線廃止してから一年以内に運行しなければいけない、あるいはタクシーを使って運行したいというものについては補助対象としてはならない、こういうふうな制約があったわけでございますが、一般財源化することによりまして地方自治体の御判断によって地元のニーズに合ったそういう足が確保できるということになったわけでございます。
 財源的にも、これまで国の補助額十五億円でございましたが、これまで地方が単独で行ってまいりました事業費を含めまして百二十億円を自治省において地方交付税で対応する、こういうことにいたしておるところでございます。
#39
○泉信也君 御説明のように、自治体の判断あるいは地元のニーズに合った供給ができるようにするということは大変地方の方々にとってはありがたいことだというふうに思うわけですが、今お話しのように一般財源化するということがこういう地方の過疎地域を走るバスに対する運輸省の行政が後退をする、こういうことにつながっておるんじゃないかということを私も心配しますし、地方の方々も気にしておられるわけですが、その点はいかがでしょうか。
#40
○国務大臣(亀井静香君) そういう不安といいますか心配が地域の住民の方々に出てくる危険性は確かにあろうかと思います。御承知のように今地方分権の時代だと言われておりますが、バスにいたしましてもそれぞれの自治体によって状況が全然違うわけでございますので、霞が関からその実態を見て細かい手当てをするよりも、あるいは地方運輸局がそういうことをするよりも、むしろ自治体のそれぞれの立場の者が実態を見ながら手当てをしていくということの方がやはり地元住民の利益に私はなる面が多いのではないかな、そういうように考えております。
 しかし、運輸省といたしましては、委員御指摘のように自治体任せということじゃなくて、自治省とも十分これは連絡をとりながら、自治体がそういうことをやっていく場合に国の運輸行政全体の中でそれをきちっとバックアップしていくということをやってまいりたいと思っております。
#41
○泉信也君 ありがとうございました。
 もう一言、代替バスのことについてお尋ねいたします。交付税等で自治体に助成をするということですが、もし自治体が代替バスの運行についてのまじめな取り組みをやらないというような事態が起きたときにどういうことになるのか、あるいは運輸省としてはそういうことに対してどういう対応ができることになるのか、お聞かせください。
#42
○政府委員(高橋伸和君) 実はこの一般財源化につきましては、私ども数年前から懇談会等を設けまして、地元の市町村、バス事業者あるいは関係省庁の皆様方、組合の皆様方、そういう方の御意見を聞きながら進めてきたところでございます。
 それで、先ほどちょっと申し上げましたように、廃止代替バスというのは乗車密度が言うならば四人以下、一キロ乗ってお客さんが四人も乗ってない、事業として採算に乗らない、こういうものでございます。その足をバスにかわって確保するということについて、実は地元の自治体は大変熱心でございます。
 そういうことから、先生御指摘のような御懸念はまずないと考えておりますが、私ども自治省とも相談いたしまして、各都道府県単位にこの一般財源化を含めまして地方の特にこういう過疎地域におきます足を確保するための連絡協議会、これは地元の市町村、バス事業者、利用者の方々、こういったものを含めた連絡協議会みたいなものをつくりまして、そこでこの一般財源化の対応の仕方というものをまた御検討していただきたい、このように思っておるところでございます。
 それから、先ほど大臣からもお答え申し上げましたが、私ども運輸省といたしまして二種あるいは三種、こういう過疎地域を走る路線につきましてはむしろこれまで以上に手厚く補助をしていく必要があるということで、先ほど申し上げましたように九十八億を超える予算を計上しているところでございます。
#43
○泉信也君 バスの問題、もう一点。
 バス活性化システム整備費補助金というものを考えていただいておるわけですが、いわゆる環境問題あるいは高齢者あるいは障害者等のための取り組みについて、今日までやってきていただいたそれぞれの施策をさらに進めていただきたい。アメニティ財団ですか、そういうものも運輸省考えていただいておりますが、こんなことについては今年度どんな取り組みをしていただくことになっておりますでしょうか。
#44
○国務大臣(亀井静香君) 委員も御承知のように、本年度から障害者のためのリフトバスに対する支援をいたすことにいたしまして、初年度でございますから八千八百万ということでございますが、これは御承知のように補助率五分の一、それとアメニティ振興財団が十分の一という補助処置でございます。初年度でございますので具体的にこれに基づいた取り組みがどう出てくるか、これは鋭意指導をしてまいりまして、また来年度からは予算的にも委員等の御支援も賜りましてふやしてまいりたい、このように考えております。
 なお、地下鉄その他鉄道についてのエレベーターあるいはエスカレーターにつきましては昨年から、これは既に御承知のようにことしも一億一千二百万ですか計上いたしております。これも現在全部をというわけにはまいりません、一遍にはまいりません。段差五メートル、それから一日の乗降が五千名という一つの基準を設けましてやっておりますが、エレベーターについては今該当の一七%、それからエスカレーターにつきましては四五%程度これは実現をいたしております。さらにこれ等も強化して、障害者に対しての交通機関を使いやすいものに整備してまいりたい、このように考えております。
#45
○泉信也君 ありがとうございました。
 次に、少し今度は海の方のことをお尋ねいたしたいと思いますが、今週の月曜日、神戸で関係者の方々からいろいろなお話を伺いました。この委員会でも、あるいは関係の委員会でも既に御議論をいただいております問題でありますが、港の被災によりましていわゆる関係企業が非常に困難な場面に直面をしておる、税制の恩典もなかなか受けがたいような状態であるようであります。
 いわゆる震災損失金という定義からしますと、例えばタグボートの方々にとってはこれが適用できないという大変重大な場面に直面をしておられますし、一方こういう企業に雇用されておられる船員と申しましょうか、この方々に対する対応ももう一つ踏み込んだものが欲しいという御要望が大変強かったわけであります。
 運輸省の方としては今どういうふうに対応しようとしておられるのか、まずお聞かせください。
#46
○国務大臣(亀井静香君) 委員御指摘のように、このたびの震災では直接に被害に遭った企業あるいは被災者の方々と、そうじゃなくて直接的な被害は受けてないけれども事実上仕事がなくなったというタグボートを含めての企業あるいはそれに働いておる方々、そういうことがあるわけであります。
 雇用等の問題については、御承知のように雇用調整助成金の問題、雇用保険給付等の問題等について、他の運輸以外の産業の方々と横並びで、しかし特例処置をとるという形を御承知のように実施をしておるわけであります。また、それぞれ企業につきましても、直接被害は受けていないけれどもそれによっての休業に追い込まれておるというようなことについては、御承知のように融資等につきまして特別な処置をとるという形で、うちの局の方も相当細かい個別の御相談に応じながら処置をしておるところでございますが、詳細は船員部長から。
#47
○政府委員(加藤甫君) 具体的に神戸港のタグ事業につきましては、先生既に御案内かと存じますが、三十二隻プラス港湾管理者一隻、三十二隻は民間の事業者八社によって保有されておりまして、現在二百名ほどの船員が雇用されております。定年等によって震災後に退職をした方がおられますが、基本的に雇用を維持しようということで、労使ともに港の再開に備えまして、大臣からお話ございましたように船は一つも壊れておりませんので、港湾工事の復興の進度に応じましていつでも事業に投入できる、事業が再開できるというような状況にございます。
 とりあえずそれまでの間におきまして厚生省、社会保険庁さんの方で、この雇用問題につきましては、雇用調整助成金がなかなか難しい点はございますが、そのほかみなし失業に関する措置でございますとか、失業保険料の減免措置といったような特別措置を講じていただきまして、これの措置によってひとつ頑張っていただくというようなことを現在進めているところでございます。
#48
○泉信也君 大臣からもお答えいただきましたように大変努力をいただいておるわけでありますが、きょう社会保険庁お見えですか。
 皆さんの努力でいわゆるみなし失業給付ということが船員に適用されることになったというのは大変ありがたいことだと思っておりますが、もしこのみなし失業給付金を受けますと、これは所定の給付日数を先取りするというようなことになってくるんでしょうか。船員保険法の三十三条ノ十二という日数のカウントの中で、今回受ければそれは先取りしたことになるということでしょうか。
#49
○説明員(松永正史君) 船員保険の失業部門におきましては、保険料を納付した期間とそれから失業保険の給付日数、この過度の不均衡を是正するという観点から所定給付日数に被保険者期間の長さが反映される、要するに被保険者期間の長さによって給付日数が長くなる、そういう仕組みになっております。
 失業みなしの特例の適用に当たっても、当然その失業保険金の支給でございますので、同じ仕組みのもとでその給付が行われる。すなわち、一たんみなし失業給付を受け取った場合には、その後さらにその仕事を始めたときからまた被保険者期間が新たに始まるというような取り扱いでございます。これはそういうふうにならざるを得ないのですが、陸上の労働者に適用される雇用保険法も同じ仕組みと承知しております。
#50
○泉信也君 従来の法律の適用では、今御説明いただいたとおりになるということでございましょう。しかし、今回、特異な状況で給付を受けた場合にもう一回原点に戻ってゼロからスタートするということは、これまで営々と十年、十五年働いてこられた方々にとっては大変厳しい運用ではないかというふうに思うんですね。この点は何とかならないものでしょうか。
#51
○説明員(松永正史君) 実は、激甚災害特別法で前から雇用保険の特例は法定されておったのですが、船員の失業保険金についてはそれに見合うものがなかったということで、今回の阪神・淡路大震災に着目した特例立法の中に同じような制度を盛り込んだわけでございますが、従前からありました雇用保険の激甚災害対応の特別措置、これでもその取り扱いは同じというふうに聞いておりますので、そこのところは残念ながらいかんともしがたいのではないかと思っております。
#52
○泉信也君 雇用保険法の方ではいわゆる雇用調整助成金の適用がなされるわけですけれども、船員保険法の場合にはこれが難しいという見解を今までお聞きをしております。これは、例えば船員保険法の一条の目的を変えればこの助成金が動かし得るというようなものなんでしょうか。それとももうとてもだめなんだと、こういうことでしょうか。
#53
○説明員(松永正史君) そこのあたりの議論は当委員会においても既に質疑が行われたと承知しておりますけれども、わかりやすく言いますと雇用保険は陸上の非常にたくさんの業種によって一部ちょっと傾いた業種を救う、あるいは今風でいうとあの地域の企業種を救うということで、非常に大きな世界で一部の方を救うというようなことで保険が成り立っております。船員保険の場合には機船と漁船の二業種しかございませんで、ちょっと同じような取り扱いは難しいのかなというか、仮にやるとすれば雇用調整助成金は全額船主負担ということになると思うんですが、ちょっと関係者の合意が得にくいのではないかということで、単に目的をいじれば済むものではないのではないかと思っております。
#54
○泉信也君 確かに、不況に近いと申しましょうか、いわゆる船主あるいは漁船の方々だけでこのシステムを支えるということは大変難しいことだろうと思います。今後の課題であろうと思います。
 最後に、運輸省として、こうした問題がこれから起きてはならないとは言いながら生じることも想定をしておかなきゃならないわけですが、どういうふうにこれからこうした例に対応していくか、検討いただきたいという程度しか今私としても申し上げられないんですが、どうでしょう。
#55
○政府委員(加藤甫君) 雇用の維持、あるいは雇用が維持できなくなった場合のいわゆる失業、そうした場合に船員の生活の安定あるいは失業の防止というものをどのように図っていくか。諸制度がございまして、今社会保険庁の方から御説明申し上げましたように、現在は船員保険という非常に限られた保険集団の中での対応でもって行われてきているというようなことから、陸上の雇用保険のように幅広くいろいろなことができないというような宿命的な問題もございます。
 いずれにいたしましても、そうした問題をも踏まえまして、社会保険庁さんの方ともいろいろ御相談を申し上げながらこのような場合、再び起こった場合に備えるような勉強を続けていきたいと思っております。
#56
○泉信也君 ぜひお願いをいたしたいと思います。
 次に、港湾の問題でお尋ねをいたします。
 この委員会でも何度も議論をしていただきましたし、また、けさは溝手委員からもお尋ねがございました。一日も早くその復旧をしていただきたい、こういうことでは同じでございます。
 まず、六年度の二次補正で全体で一千二百億認めていただいておるわけですが、具体的にこの発注がなされたのかどうか、どういう段階になっておるのか、まずお聞かせください。
#57
○政府委員(栢原英郎君) 二次補正では、現在までに把握されております被害について緊急度が高くかつ六年度中に可能な限り施行が可能なものというものを計上させていただいておりますが、現在、これらの事業につきましては発注の手続を進めているというところで、まだ現実に入札等の段階には至っておりません。
#58
○泉信也君 当面の応急対策等をやっていただいておるということは承知をいたしておりますが、鉄道が復旧するとか、あるいは新幹線も進んでおると、道路も進んでおるという中で、なかなか港湾の姿がどういう段取りになってくるのかなというのがよくわからないという声を実は聞くわけであります。
 そこで、今のように準備をしていただく時間は当然必要であると思いますが、ちょっと観点を変えまして、今回の二次補正で被害額から見ますとまだ本当に少ない額しか組んでいないわけですが、七年度補正に対する取り組み、これはけさも御質問がございましたけれども、どの程度の規模が復旧に向けて必要だというふうにお考えでしょうか。あるいは、八年度にどれくらい残るというふうに考えておいた方がいいのか。二年間の期間で従来の機能までとりあえず返したいと、こういうことを伺っておりますが、どんな状況になりますでしょうか。
#59
○政府委員(栢原英郎君) 七年度の補正につきましては、まだ私ども具体的な準備等に入っているわけではございませんが、もしそのような事態になりましたならば、私どもといたしましては二年間で復旧という考え方ではございますけれども、七年度中に施行し得る限りの予算をお願いしたいというふうに考えております。
#60
○泉信也君 公社分の二次補正は百六十八億というふうに先日教えていただいたわけですが、事業費に直しますと二百億程度になろうかというふうに思います。そういたしますと、被災額が一千億と言われておりますので、これは被災額と復旧費がイコールとは思いませんがかなりの額を公社分だけでもつぎ込まなければおぼつかない、こういうふうに心配をいたしております。ぜひ七年度補正で大型補正を組んでいただきたいというのが第一点。
 けさ、これも御質問ございました、巷間言われております、あるいは大蔵大臣が示唆しておられます五%カットというような話が地方に影響を与えることがないように、例えば七年度の一次補正の中でそうした地方にまた戻してあげるというようなことも考えて補正を組み立てていただけるのかどうか、いかがでしょうか。
#61
○国務大臣(亀井静香君) まず私どもは、七年度予算につきましては、それぞれ必要な予算を盛り込んでおるわけでございますから五%カットされる余裕は全然ございません。そういうつもりはございません。
 それと、今港湾局長も答弁いたしましたけれども、先ほども言いましたように全体は五年ぐらいかかると思いますが、一応二カ年でとりあえず従来程度の復興を遂げるということでございますから、これは施工能力、先ほど言いましたように応急のと本格的なところとうまく組み合わせていく、また時間との競争という面もございます。そのあたりをにらみながら最大限我々としては第一次の補正の中で組んでいきたいと考えておりますので、またよろしくひとつ委員の御支援もお願いいたしたいと思います。
#62
○泉信也君 ありがとうございました。
 そこで、施工側の能力の問題も大変実は気になるところでありますが、一方では発注側の能力が大丈夫か、こういう心配を実はいたしております。入札の方法でも、一般競争入札から指名競争入札というような問題もありますし、外国企業をどう取り扱うのか。あるいは一括発注というか岸壁なら岸壁を全体一本で出してしまうのか、あるいは海中工事、海上工事、陸上工事というふうに一つの岸壁でも縦割りというのか横割りというのかそうした発注をするのか。こんなことによって携わられる職員も労力が軽減されますし、発注も円滑にいくんじゃないか、こういうふうに私は思っておるんです。
 発注の姿、絵姿みたいなものはもう既に何か大枠をお決めでしょうか。
#63
○政府委員(栢原英郎君) 発注の問題につきましては、現在、現地の第三港湾建設局が中心になりまして神戸市並びに神戸港埠頭公社と協議をしております。その原則につきましては、まず全体を大きな工区に区切って、お互いに国会い工場等にならないように、円滑に二年間で施工ができるようにしていきたいというふうに考えております。
 また、発注の契約の方式でありますが、行動計画によっては一般競争入札が原則となっておりますが、緊急を要するものについては例外扱いになっておりますので、従来の指名競争入札あるいは会計法に定められております随意契約等を活用しながら適正な方法をとっていきたいというふうに考えているところでございます。
#64
○国務大臣(亀井静香君) 先ほど外国の企業の参入、これは私どもとしてはできるだけ参入機会を与えていきたい、このように考えております。ただ、それは技術的な、制度的な問題、いろいろありますけれども、我々としては対米関係を含めてそうした摩擦を解消する一つの機会だ、このようにとらえておりますことを申し上げておきたいと思います。
#65
○泉信也君 ぜひ円満なというか円滑な発注そして仕事ができるようにさらに御工夫をいただきたいと思います。
 実は、発注主体の問題も国、県、市、公社、民間と、所有別に分けますとそういうことになるわけですね。ここがばらばらに出していくということになると受ける方も大変ですし、現にコンクリートを練るミキサー船を雇う値段が随分暴騰しておるんではないかというような話も聞くわけですが、出しゃばり過ぎてはまずいと思いますが、ここはぜひ国がしっかりとコントロールをしていただきたい。これは要望だけ申し上げて、次に移らせていただきます。
 今回の災害でコンテナ輸送の問題が課題になったわけでありますが、公団から公社に引き継いだ、このことについてはさきの委員会でもお尋ねし大臣からもお答えをいただいたわけですが、実は本当にこういうやり方を続けていいのか、公社方式でコンテナ埠頭をずっとつくり管理運営していくのがいいのかどうかということを私は若干疑問を持つに至っておるわけです。
 東京、横浜、大阪、神戸の全体で取り扱うコンテナの中で公社が扱っている分はたしか七五%ぐらいになっておる、大部分をいわゆる公社埠頭で扱っている。そこが今回こういう被害を受けたときに、非常に思い切った処置をとっていただきましたけれども、公社の経営とかあるいは災害に対する引当金というようなものを見ますときに、もしもこの種の大きな災害が起きたときに公社というスタイルでやっていくことがいいのかどうか。この問題提起を実はしたいわけです。
 今ここですぐにお答えをちょうだいするということにはならないかと思いますが、何かお考えをいただけるのか。先日の委員会では、もっと包括的な問題で大臣から研究会でもつくって少し議論をしたいというお話をちょうだいいたしておりますが、公社の存立あるいは日本のハブ港湾としてやっていく上においてこの公社方式がいいかどうかということも俎上に上げていただけるかどうか、お尋ねいたします。
#66
○国務大臣(亀井静香君) これは御承知のように行政改革の一環としてあのときにそういう形態になったわけでありますけれども、私どもとしては、このたびのことでおっしゃるように果たして、しかも大型の国際港として整備をしていく場合にいいのかどうかというのは強い問題意識を持ちましたので、また当委員会等の御指導もいただきながらこれはちょっと検討してまいりたい、このように考えています。
#67
○泉信也君 ありがとうございます。
 必ずしも私が確かめた限りでは数値とか制度は確かなものということではありませんが、例えば近隣諸国の釜山は従来十割の無利子融資でやっておったとか、あるいは高雄港は十割の国費補助だ、香港はターミナル事業者に対していわゆる用地は長期貸与をすると、こういう仕組みが違うわけでありまして、運輸白書でこの港湾関係費用の国際比較を見ましても、先ほど申し上げました高雄とか釜山とかは日本の半分ぐらいの費用でコンテナを取り扱える、こういう状態になっておるわけです。
 ですから、空港でハブ空港の議論がなされておりますように、やはり周辺諸国との競争に負けないためには、ぜひ大臣、今お答えをいただきましたような新たな視点からもう一度議論をしていただきたい。これが人によっては地方分権の時代に逆行するんではないかというような御意見もきっと出てくるだろうとは思いますけれども、私はそのことを十分踏まえた上でも国際競争力に勝つ港をつくっていくということはまた別な命題だ、こんなふうに思っておりますのでぜひお願いをいたします。
 もう少しお尋ねしたかったんですが、時間が参りましたのでこれで終わらせていただきます。ありがとうございました。
#68
○委員長(大久保直彦君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時まで休憩いたします。
   午前十一時五十八分休憩
     ―――――・―――――
   午後一時開会
#69
○委員長(大久保直彦君) ただいまから運輸委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、平成七年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、運輸省所管についての委嘱審査を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#70
○中川嘉美君 このたびの阪神大震災では、交通の混乱ということが特に指摘されております。この混乱とは、主として車両の集中による渋滞であります。
 私は、先ほども同僚委員からもお話がありましたとおり、去る十三日、党の災害立法調査団の一員として現地に赴きまして、自治体の職員の方々から種々聞き取り調査を行ったわけでありますが、この職員の方が消火とかあるいは救助活動の困難さというものを涙ながらに訴えておられたわけであります。
 芦屋市の消防司令の方でしたか、家屋の下敷きになった方に、もちろんまだ生きておられるわけですがどんどん火が迫ってくると。それで、もちろん助けを求められているんだが、物すごい勢いで火が迫って自分自身がもう焼き尽くされそうなところまで、まさに火との戦いであると。それで、最後の一瞬まで頑張り抜くがホースをほうり出して撤退しなきゃならない、そのときの悔しさでしょうかね、説明をしながら、我々の聞き取り調査だったんですが、言葉が詰まってしまって涙がとまらない。よほどつらかったか悔しかったか、もう表現できないお気持ちだったと思うんですね。
 こういった現実がたくさんあったと思います。交通の混乱というものが救助作業とかあるいは緊急物資の輸送に対する非常に大きな障害となったことは事実でありまして、災害などの緊急時の交通問題はまさに生死を分けると言っても過言ではないと私は思います。
 そこで、今回の震災における交通そのものの混乱の原因は主としてどのような点にあったのか。信号がいわゆる倒壊したり作動しなかったり、あるいは車両が一気にそのために集中したと、これはだれでも想像できることですけれども、できればこの際、警察庁からでしょうか、どのようにそういったことを分析されておられるのか、まずお聞かせいただければと思います。
#71
○説明員(中澤見山君) 今回の災害におきましては、緊急輸送車両の通行路を確保するため、災害の発生の直後から所要の交通規制やパトカーによる緊急輸送車両の先導等を行ったところでございますけれども、被災地域におきましては道路損壊等により通行可能な道路が極めて限定されていたこと、これに加えまして鉄道、港湾等の施設が壊滅的な被害を受け物資等の輸送を道路交通に依存せざるを得なかったこと、また肉親等の安否を気遣う車両の通行それから大量の避難車両等の移動があったこと、また当初は交通規制の実効性の確保に当たるべき警察官も含めてほとんどの警察官が被災者の救済を第一義として活動せざるを得なかったことなどによりまして交通混雑を招き、交通渋滞が発生する等の問題が見られたところでございます。
 そこで、今後は可能な限り、被災地等に速やかに投入できる災害警備部隊及び交通規制部隊の体制の整備はもとより、適切な広域交通規制の実施及び広域的な交通管理のためのシステムの整備について検討する必要があると考えております。また、災害発生時におきまして車両の運転者がとるべき措置、現場警察官の強制力を伴う交通規制権限の付与及びその実効性を担保するための法制上の問題についても、関係省庁とも連携をとりつつ検討してまいりたいと考えております。
#72
○中川嘉美君 先ほど来申し上げておりますように、いずれにしたってこれ人命にかかわることであるわけです。特に、以前から阪神地区における交通渋滞ということは指摘されてきたところですけれども、先ほど来申し上げておるように、今回のような緊急時には一刻を争う人命救助に対して必要な人員とか物資を運ぶという観点から、総理大臣の強権発動的な措置によってでも厳しい交通規制を行うことも極めて重要ではないだろうか、このように思うわけです。事実こういったことは、多くの識者とかあるいは国民から、既にそういう方々がこういうことも考えておられるというふうに報道も見ております。
 これも本当は警察庁かと思うんですが、あえて運輸大臣、ひとつどのような御所感を持っておられるか、伺っておきたいと思います。
#73
○国務大臣(亀井静香君) 委員御指摘のように、特に震災発生直後でございますね、被災者の救助活動について交通事情が大変に大きく左右をしたというように私も認識をいたしております。もちろん、その後の避難民に対する食料等の輸送等についても交通路の確保は重要でありますけれども、まず第一に発生時において、委員御指摘のように消防活動、人命救助活動がスムーズに展開をされるための交通規制というのは不可欠なものだ、このように思います。
 この点について今回の状況を見ますと、警察もできるだけあとう限りの努力、処置はとったと思うわけでございますけれども、やはり警察署あるいは本部自体がそういう意味では被災に遭っておると。また、私の経験からいいましても、そうした震災が発生することを予定しておらぬわけでございますから、当直体制その他あるにいたしましても、あれだけ大規模な管内同時にやられるような状態に対して、警察官が初動においてきちっと適切に処置できるだけの要員は現実に確保されておらぬわけでありまして、非常呼集等によって集めましても、ああいう状況の中で参集をしてくるにはこれは時間もかかるわけであったと思うわけであります。
 そういう意味で、今課長が言っておりますように、そうした緊急事態にどう初動の段階で交通規制を初めとるかということをもう一回私は見直す必要があるのではないか、このように思います。ああいう大規模なところまで想定をした、先ほど言いました当直体制とか配置はやっていないのが私はやはり現実であろうと思いますので、このたびのことをいい経験にして、警察庁もそれ今検討をしておるようでございますが、委員御指摘のまさに初動段階、それをどう交通規制をやっていくかということがもう一番重要な課題だ、このように考えております。
#74
○中川嘉美君 御答弁にもありましたとおり今回のことをぜひ教訓として、しかも先ほど課長の方から御答弁あった、道路が損壊しているというようなことで、なおかつ人命を救わなきゃいけないということですから、これはもうよほどの手段というかある意味では常識を超えた手段をとってでもそれを率先させなければならないんじゃないか、こう思います。
 全国の地方自治体では今回の教訓から防災計画の見直し強化、さらには危機管理対策等に今全力を挙げておりますが、交通問題に関しては、陸の道路とかあるいは鉄道などが寸断されてしまったとき、ただいまちょうど御答弁があったとおりですが、海とかあるいは空の交通確保は重要ではないかと、改めてこういったことが見直されなきゃならないんじゃないか、こう思います。
 そこで、一点確認をさせていただきたいと思いますが、首都圏のケースを想定しますとこれまた関東にどんな形のあれがあらわれるかわかりません。そういう場合に、災害時に羽田とかあるいは成田等のこういった空港が重要な役割を担うことになるんじゃないかと思いますけれども、時を選ばず起こり得る災害ですから、こういったものに対してその対応というものは二十四時間可能であるかどうか、そのように考えていいものかどうか、この際お答えをいただいておきたいと思います。
#75
○国務大臣(亀井静香君) 委員御指摘のように、空、海路からの初動での救援、その後の継続的な救援、極めて今度有効であったということがもう証明されておるわけであります。
 空の点について申し上げますと、救援基地が二十四時間稼働することも大事であると思いますが、今度一番苦労いたしましたのは被災地の中にヘリコプターがおりられないということでございまして、当初三カ所しか自衛隊のヘリもおりるところをセットできなかった。その後、民間のヘリも総動員、航空局長以下苦労してくれまして私ども四十五機確保いたしまして、ピストンのシャトル輸送というようなこともやったわけでございますが、問題はヘリポートが被災地の中になかなか確保できない。最終的には十七カ所確保いたしましたけれども、相当時間がかかった。
 そういう意味では、東京都あたりにいたしましても成田とかあるいは羽田とか、周辺のそういう救援基地ももちろん重要でありますけれども、東京都の中に日ごろからそういう非常事態にヘリがおりられるヘリポートを防災上の観点からきちっとつくっておく必要が私はあるのではないかということを痛感いたしております。
 それともう一つは、委員の御指摘のこととちょっとまた外れるかもしれませんが、こうした防災については自治体が日ごろからきちっと責任を持って備えるということがなければ、国レベルで初動段階に対応いたしましても、問題は、自治体が国の指示なりを受けてあるいは国と一体となって活動をする現実的基盤をどの程度自治体が整備しておるかということが私はかぎであろうと思います。
 そういう意味では自衛隊もさりながら、何かというとすぐ自衛隊と言うのですが、こうした天災等に対しては消防力でございます。やはり日ごろからいかにこれを整備しておるか。まさに自治体固有の義務でありますから、そういう意味では東京都を初め、同時多発のそういうことに対して今の消防力で大丈夫なのかということを、量的にも質的にも私は再点検をする必要があるのではないか。
 また、例えば消火の場合は水の問題ですが、今度御承知のような状況だと、消防車があっても消火できない。じゃ東京都の場合、それは大丈夫かという問題もある。その場合に貯水槽というのは今度は全部やられまして、機能しなかった。じゃ貯水槽がだめなんであれば、それにかわる水源をどうするのかということ。今度の一つの痛い教訓としては、神戸の場合は前もって井戸を掘っておけばよかったのではないかという反省があるわけです。東京都あたりも例えば百メートル区画に、そうした非常事態においての水源をどうするかというようなことを含めて自治体自身が私は日ごろから点検をしておくことが必要なんじゃないかなという感じがいたします。
 ちょっと長々答弁いたしました。
#76
○中川嘉美君 大変御答弁が丁寧過ぎまして、空港のことをちょっと伺ったわけなんですがいろいろ発展して、それは大いに参考になります。
 関西と関東の話が出ました。ヘリコプター、ヘリポートの話も出ました。現実には、東京では文京区の区役所が、でっかいすごいのが建ったわけです。建ったことに対していろいろな批判も実はありました。しかし、きちっとヘリポートはできています。その設計者は関西のある市役所の建物の設計者と同じです。そっちの方はない、そういうことですね。ですから、あくまでも防災に対する心構えといいますか、関西の方は恐らくないだろう、東京はきっと来るだろう、大変だろう、そういうのがあったからだと思いますけれども、御参考までに一つお話をしておきたいと思います。
 いずれにしても、運輸省は災害時などの緊急事態に対応し得る交通政策、こういったものが重要な課題であるにもかかわらず余り取り組んでこられなかったのではないだろうかと思えてなりません。今回の震災の教訓から、やはり交通問題というものが運輸、建設、あるいは警察、総務、自治、これらの各省庁においてばらばらに取り扱うような縦割り行政では対応に限界があることを痛感せざるを得ないわけです。
 私は、交通問題は国の発展のためにも例えば運輸省が一元的に広く深く取り扱うべき問題ではないか、このように思うわけです。行政改革の観点からも、いわゆる国民生活に即した行政機構に改めるべきであって、そのための努力をぜひここで促したいと思うわけです。
 しかし、特殊法人の整理統廃合でもスムーズにいかないわけですから検討すらできないんじゃないかと懸念をするわけです。一つの例として船舶整備公団と鉄道整備基金、こういった二つが統合されるようにも聞いておりますけれども、この船舶整備公団のあり方に無関係とは言えない船腹調整制度、このことについてできれば御説明をいただきたいと思います。
#77
○国務大臣(亀井静香君) 御承知のように船腹調整制度、国際的にもこれについて強い批判が出てきておるわけでありますけれども、しかし私どもといたしましては、船腹が極端な無制限な自由競争によって、経済の動きというのは御承知のように景気がいいときもあれば不景気なときもあるわけでございますから、そういったときにそうした不況というのが正面から直撃をしないような、やはり一つの工夫というのが必要なんじゃないか。それが自由な競争を制限するという批判はありますけれども、やはり過当競争を防ぎながら、しかし、新規の参入等を含めての自由な競争も相当程度存在をするようなあり方はどうかということで、今まで運輸省はこの問題を扱ってきたわけでございます。しかし、新しい時代のもとにおいて極端に競争が制限されておるんじゃないかというような批判の起きないような今検討を進めておるところでございます。
 なお、船舶整備公団が中小の共有制度というもとで大変重要な機能を果たしておる。御承知のように七〇%以上の共有制度でやっておるわけでございますから、そういう面については私は鉄道整備基金と一緒にいたしましてもますますその使命というのは大きくなってくる、このように考えております。
 ただ、長くなりますのであれですが、じゃ鉄道と船となぜ一緒にしたかということでございますけれども、これは直接行政じゃなくてそうした間接行政におきましても陸海空、空は今入っておりませんけれども、整合性のとれたそうした政策を間接行政においても実施していくのが適当であろうということで一緒にしたわけでございます。
#78
○中川嘉美君 いろいろ御説明をいただいたわけですが、これはよく言われる一種の公認されたカルテルですね。このために新規参入及び追加参入をするためには、解体船の営業権が売買されるということになるわけです。
 現在、国内鉄鋼メーカー等はコスト削減を強力に進めているわけですけれども、国内海運会社の生産性とかあるいは経済体質が変革を求められていると言っても過言ではないと思います。国際的に見れば極めて高い運送料にもかかわらず、船舶整備公団がさらに保護していくことについて運輸省はどのように考えておられるか。今ちょっと御答弁の中にも関連するところがありましたけれども、ひとつもう一回御説明いただきたい。
#79
○国務大臣(亀井静香君) 私は、規制緩和というのは自由主義経済の活力を増進するという面からも大事だというように認識をいたしておりますけれども、しかし一方、安全とか環境保護、あわせて弱者と強者が実質的な意味で公正な競争をしていける、そうした条件はやはり私は国としてきちっとこれを補助しなければならない。
 いわゆる規制緩和ということですべてのそうした観点からの規制を一挙に外すことによって弱肉強食ということが生まれて、結果として強い方が制覇した方が効率的じゃないかという議論もありますが、しかし今までの経験からいいますと、そういうことの中で勝ち残った強者が逆に今度は寡占状態になって価格をつり上げていくという例もあるわけでございます。だから、ある面ではやはり弱小企業をある程度大きな企業との関係で保護すると言えば語弊がございますけれども、そういうことを私はやっていく必要がある、このように考えております。
#80
○中川嘉美君 確かにそのような現実があることは承知しているわけですけれども、国際競争力がないにもかかわらず輸送力の包括的規制をすると同時に新船建造の支援も行っている現状、こういったことは後になって禍根を残すんじゃないかと私は思うわけです。なぜならば、これらの構図というものは我が国の米農政と重なって映ってならないのです。今後、内航海運をめぐって海外から市場開放を要求されるときが必ず来るんじゃないだろうか。我々がやらなければならないことは、問題の先送りじゃなくて将来に対応できる海運ビジョンの提示ではないかと思います。
 大臣は、この前の衆議院予算委員会で、運輸省の特殊法人について役割を終えた法人はないとか、あるいは統合で事業費が減るとは全然思っていない、このように御答弁されておりますけれども、内航海運について今後とも現状を追認していくおつもりなのかどうかという問題。規制緩和の流れの中で、経済的規制であるところの船腹調整制度の廃止案、もちろんこれは段階的廃止という意味ですけれども、この廃止案についてはどのような見解をお持ちなのか伺っておきたいと思います。
#81
○国務大臣(亀井静香君) 先ほども申し上げておりますように、過度に新規参入を阻害をしていくとか、過度の保護によっていわゆる流通コストを上げていくとか、そういうことのないような政策は展開をしていくべきだと思いますし、そういう面からいいますとやはり緩和していくべき規制は緩和しなければならないと思います。
 何度も申し上げますように、やはり経済の動きというのは自由主義経済においては常に予想されたような動きをするとは限らぬわけでございますから、そうした場合に極端な、かつて造船不況だとかいろいろな海運不況がございましたけれども、そういう事態の中で過剰な船腹によって業界全体が沈没をしてしまうということがないような配慮をやはり私はしていくということは当然だと思います。特に、中小のそうした造船業者につきましては、別に保護という観点じゃなくて育成という観点から、これについてはやはり外国からの批判はございますけれども、そうした中小業者がきっちりと将来成長していける、生き延びていけるための援助は私は国としてすべきだ、このように考えております。
#82
○中川嘉美君 現状については今の御答弁を理解しておきたいと思いますけれども、今後の推移といいますか、これについては模様等をぜひまた知らせていただきたい、このように思います。
 次に交通の問題として、渋滞解消とかあるいは通勤時の混雑の緩和についても当委員会あるいは建設委員会などでもたびたび議論させていただいたわけですけれども、いわゆる大幅な改善というものはなされているとは言えない現状なんですね。それどころか、交通問題に果たす役割の大きな公共交通機関がことしに入って相次いで値上げを決めている。三月に入って都営地下鉄、都営バスが値上げされる、あしたからはタクシーが値上げされる、五月には大手私鉄、営団地下鉄等と続いているわけですね。
 新聞、テレビ等でも利用者の不満の声を紹介しておりますけれども、値上げについて突然だったので知らなかったとか、あるいは家計を圧迫するから大変だ、こんな声がどんどん出ているわけです。受益者負担が原則ですから値上げそのものを頭から否定するわけではありませんけれども、事業の合理化対策を何ら示さないまま、赤字だからという理由で右から左へと認めてしまうというのは国民の納得は得られないし、交通問題の解決にはつながらないと私は思います。
 国内旅客輸送量のシェアを見てみますと、鉄道の輸送量のシェアは減ってきておる、逆にマイカーなどの乗用車のシェアは増大しているわけですね。公共交通機関が値上げをすればこれはマイカー利用を促進するだけで、鉄道やバス等の値上げそのものは道路渋滞などの問題解決に役立たないんじゃないか、こういうことを示しているんじゃないかと私は考えますけれども、どのようにお考えかお答えをいただきます。
#83
○国務大臣(亀井静香君) 私どもも値上げをしたくてしておるわけじゃございませんで、このたびのことは、私どもの前の内閣の羽田内閣におきまして突如として年内の凍結という方針を打ち出されたわけでございますが、私どもといたしましても羽田内閣のその方針を年内ということについてはそのまま踏襲をさせていただきました。
 さはさりながら、羽田内閣時代におきましても、各事業体におきまして懸命な合理化その他等をしても、今後の新たな設備投資を含めて経営の維持が今のままの料金ではできないという切実な御承知の声が上がっておったわけでございます。私どもとしては、できることなら公共料金は上げたくないわけでございますけれども、これは個々の事業体が将来きちっと運用されていくことでなければ長い目で見ましたら交通体系は崩壊をしてしまうわけでございます。
 そういう中で徹底的な合理化をお願いをするということで厳しい審査に審査を重ねました上で、このたび委員御指摘のように、羽田内閣でああいうことをやってくれたもんですから後始末ではあっとこっちが悪者になったみたいなところがあるわけでございますが、一挙に値上げのラッシュになったということでございます。我々も、そういう点では行政というのはスタンドプレーをやらないで、なるにやはりやっていく必要があるのかな、別に前の内閣批判をしておるわけじゃございませんが、そのような考えもなきにしもあらずございます。
 ただ、委員御指摘のように、そうした交通機関の料金体系が大変おかしな形になってまいりますとこれはマイカーの方にシフトをしていくということにもなりますから、そのあたりは私ども委員の御指摘は心しながら今後こういう問題に対応していきたいと考えております。
#84
○中川嘉美君 そういったバランスを十分考慮した対応をこれからお願いしなきゃならないと思います。羽田内閣の件は、本当に国民の立場から見るならば、あのときみんなほっとしたわけですね、実はほっとした。ところが、いつの間にか凍結したのは解けちゃう。いつの間にか音もなく解けていたという感じで、先ほどのような発言になってくるわけですね。
 私は、プライスキャップ制度について今後も当然議論する必要があると思いますけれども、現在の総括原価方式による運賃の決定、これは報酬額をふやすために過剰な設備投資を行う可能性というものが指摘されております。運輸省は鉄道会社の原価とか利潤などの経営状況を子細にチェックするわけですけれども、鉄道会社は赤字を理由にそのチェックをパスすればいいわけですから、利用客でなくどっちかというと官庁の方を向いた努力しかしなくなるんじゃないだろうか、こんなふうに思うわけです。
 要するに、利用者が納得することが最も大事であって、私は、政府は鉄道会社に対して値上げの根拠をはっきりさせるために経営内容などの情報を公開させるべきではないかと思います。政府も、基本方針として値上げの根拠を情報公開することは決めているとは聞いておりますけれども、ここでは関係部局の方から御答弁をいただければと、このように思います。
#85
○政府委員(豊田実君) 鉄道料金を初めとして公共料金の改定に当たりましては、その中身といいますか改定の理由であるとか根拠、それから具体的な経営の合理化の中身というようなものについて、申請の段階からむしろ利用者の皆さんにいろんな場面を通じて説明をしてきております。また、私ども、最終的にそれらの要素をチェックした結果につきましても中身を全部公開して、利用者の皆さんに御理解をいただくということで努力を続けております。
 政府全体としては、昨年十一月に閣議了解という形で、今後の公共料金の取り扱いということで、今申しました情報公開ということを一つの大きな柱として決めております。私ども運輸省としてもこの方針に沿って今後とも努力したいと思っております。
#86
○中川嘉美君 私はこの値上げに至るプロセス、これがもう一つ国民はわかりにくいんじゃないだろうかと思うわけで、御答弁にもありましたが、この点に関して今後とも一層の情報公開に踏み切られることを希望しておきたいと思います。
 次に、日本の公共料金は国際水準から見ても高いというふうに言われておりまして、これはいわゆる内外価格差の問題ですけれども、日本型のプライスキャップ制度の導入、こういったことを検討する時期に来ているんじゃないかと思います。利用者にわかりやすい運賃決定に向けて一層の努力を要望しておきたいと思います。
 ところで、今回の大手私鉄の申請ですが、平日の混雑緩和、土曜、休日の利用増加のために割引率を高くした回数券、こういったものの新設が盛り込まれているわけです。私は当委員会で時差定期をかって提案したことがあるんですけれども、その方向に発展する試みであるんじゃないかな、そういった点では評価したいと思っております。価値観の多様化した今日では、利用者のニーズを的確につかんで多様なサービスを提供する努力が公共交通機関に求められると思いますけれども、この点はいかがでしょうか。
#87
○政府委員(戸矢博道君) 先生、今御指摘になりました時差定期の制度の導入でございますが、おっしゃいましたように、通勤混雑の緩和策といたしましてピーク時の輸送需要を分散するというのは大変大事なことだろうというように我々も考えておりまして、そういう意味で時差運賃制度の導入というのを検討しているところでございます。
 平成四年度に関連の企業のいろいろ調査を行いまして、ただ、今の段階では時差定期券を入れた場合にもピーク時間からのシフト効果というのが余り大きくないというような結果が出ておりまして、やはりまず企業の方々に時差通勤に対する御理解をいただく、そういう環境づくりが要るんじゃないかというようなことが一つの結論でございました。
 また、時差定期券の関係では、連絡運輸あるいは自動改札システムというのを使っているわけでございまして、そういう中で今鉄道事業者間で統一のとれた制度、これは一斉に入れませんと余り御利用できませんのでそういう事業者間でどういうふうに統一のとれた制度にするのか、あるいは適用時間帯をどうするか、あるいは上り下りの識別方法をどうするかといったような技術的な問題というのも克服する必要があるというようなことでいろいろ検討を行っているわけでございます。
 先生御指摘のとおり、今回、大手の民鉄あるいは営団の運賃改定、今申請が出たところでございますが、その中でただいま申し上げましたようないろいろな技術的な問題も含めまして検討する必要もございますので、とりあえず試行的に時差の回数券の導入というのを図ることにしたというふうに我々は承知しております。
 今後もこれらの回数券の導入効果というのを見きわめまして、鉄道事業者とも協力しながら、時差定期券につきまして具体策をどうしたらいいかということに積極的に取り組んでまいりたいというふうに考えております。
#88
○中川嘉美君 御答弁のお言葉じりを云々するつもりは毛頭ありませんけれども、いろいろ企業体と話し合う、環境整備をしていく、これはずっと前に私がこれを提案したときの御答弁と全く変わっていないわけですね。何年前だったか、二、三年前であったかと思いますが、だからその一つの部分をとらえてみても全然一歩も前進していない、その答弁の内容がここに出てきている。少なくとも、そういうことでずっと今日まで進めてきて、こういう経路をたどりましてこんなふうに今なっておりますというところぐらいの努力の跡が、私は今の御答弁の中にあってよかったんじゃないかなというふうにも思います。これ以上がたがた言いませんけれども、何か余りにもこの前の答弁と同じだったものですから、議事録を調べてみれば私わかると思いますが。
 運輸大臣、何か御答弁ですか。
#89
○国務大臣(亀井静香君) 別に委員の御提言を粗末にしておるわけではございませんで、しっかりと鉄道局におきましても検討させていただいておるわけでございます。具体的に申し上げますと、プライスキャップ制につきましても、研究会を昨年の秋に設置をいたしまして、委員御提言のこと等含めて現在鋭意やっておる最中でございます。夏ごろまでには一つの結論を出すべくやっておりますので、そのように御理解いただきたいと思います。
#90
○中川嘉美君 もう時間が来ました。最後の一問で終わります。
 将来的に、情報通信サービスの整備というものが進んで日本版の情報ハイウエーというものが構築されたとしても、人や物の移動の必要性というものは全くなくなっちゃうわけではないわけですね。より高度な交通体系が求められると思いますし、交通問題は重要な政策課題であると考えます。災害などの緊急時にはなおさらロジスティックスとしての交通政策の優劣というものが生死を分けるような結果につながると私は思います。
 一方では、二百万人を超えるひとり暮らしの高齢者の方々に優しい交通政策が要求されている。そういったことも正面から取り組むために、私がかねてから提唱しているように、これは平成五年の三月かな、現在の政府機構を見直して一元的に交通問題を取り扱える交通省というような役所に統合発展させるという、こういったことが真剣に考えられてもいいんじゃないかというふうに私は思うわけで、最後にこの点に対する大臣の御所見を伺って、質問を終わりたいと思います。
#91
○国務大臣(亀井静香君) 私も交通行政の一元化の必要は痛感をしております。そういう意味では、何も建設省にやらせておく必要はない、警察庁にやらせておく必要はない、運輸省がやればいいという分野がたくさんあると思いますので、そういう方面では今後整理統合すべきだというふうに考えております。
#92
○中川嘉美君 終わります。
#93
○高崎裕子君 まず私は、アルバイトスチュワーデス問題について大臣にお尋ねいたします。
 昨年の決算委員会で、私この問題を取り上げました。緊急時の保安要員としての仕事の重要性、そして同一労働同一賃金の点からの問題点を指摘し、大臣も同じ立場で指導していただきまして、子会社ではなくJALが直接採用するということになって、これは私は本当に一定の前進だということは間違いないと思うんです。
 今、アルバイトスチュワーデスは一年ごとの更新で三年間というふうになっているんですね。この三年間というのは試用期間であり、よほどの問題とかトラブルがない限りは無条件で本採用になるということでいいわけですね。
#94
○国務大臣(亀井静香君) これは委員の御指摘のとおりでございます。三年間はいわば試用期間、このように考えていただいて結構でございまして、新たに採用試験等を行わずに身分を切りかえるということにいたしておるわけでございます。
 また、いわゆる労働条件にいたしましても、大体月収にいたしますと当初の案に比べまして十万円程度以上は増収になるという待遇改善がなされておりますし、また、万一事故に遭った場合も正規のスチュワーデスと同じ条件で保障されるということになっております。
#95
○高崎裕子君 それと、これも大臣が指摘された安全性にかかわる問題として、私ぜひ改善していただきたいと思うんですけれども、今現実にアルバイトスチュワーデスの方が乗務をされていますJALのボーイング747ジャンボ機、これは十三名の乗務員のうちアルバイトスチュワーデスは何と九名という比率になっているんです。内規では、例のアンカレジの事故以来、あのとき五人が新人ということで対応が非常に問題になって、その後三名新人というふうに内規が決められておるんですね。
 それで、特にアルバイトスチュワーデスの方は新人ですから、訓練という点でもベテランに多くまじってやるということも大事ですし、安全性という点でも十三名中九名というのはいかにも多いという点で、この割合というのはやっぱり私はもっと比率を減らすべきだというふうに思うんですけれども、この点いかがでしょうか。
#96
○国務大臣(亀井静香君) 私は何名中何名までというような行政指導をするという立場にはないと思います。
 ただ、このことについては、あくまで緊急事態の重要な保安要員であるスチュワーデスがきちっとその責が果たせるような、そうした体制にしておくべきだという観点から御承知のように行政指導をしたわけでございますので、各航空会社、そうした行政指導の趣旨にのっとって、いわゆる未熟な要員と堪能な要員、どういう割合でいいのか大丈夫なのか、そのあたりは安全を確保するという観点から各社が御判断をいただき、行政指導の趣旨の線に従った努力をお願いしたい、このように考えております。
#97
○高崎裕子君 何といっても安全性にかかわる問題ですので、ぜひ大臣も引き続き見守って御指導をお願いしたいというふうに思います。
 次に、今度の震災で特に自動車も大量の被害を受けているんですけれども、神戸ナンバーの廃車台数ですけれども、去年の二月、三月段階と、それからことしの二月、三月段階でどのようになっていますでしょうか。
#98
○説明員(樋口忠夫君) お答え申し上げます。
 兵庫県陸運支局管内ということで兵庫県全体でございますが、御指摘の滅失、解体等によります道路運送車両法の第十五条の登録自動車の抹消台数につきましては、昨年の二月時点では六十台でございました。これが今年の二月には三百四十四台となってございます。なお、三月につきましては、月半ばということでちょっと統計はまだ出ておりません。
#99
○高崎裕子君 今は十五条での廃車という数字ですけれども、十六条、十五条合わせての件数はどうなっていますでしょうか。
#100
○説明員(樋口忠夫君) 実は各陸運支局単位では統計はとっておるわけでございますが、たまたま先生からの御指摘で十五条抹消ということでございましたので、十六条抹消につきましてはちょっと調査しておりませんので、また後ほど御回答させていただきたいと思います。
#101
○高崎裕子君 私の方でもこれ調べましたら、去年の二月で十五、十六条合わせまして七千八百七十九台、ことしの二月で九千四百三十台と、千六百台もふえているわけです。
 そして、今三月はまだということでしたけれども、私三月十日までということで調べましたら、三月一日から三月十日で、去年は三十四件のところをことしは二百十二件。ですから、二月から合わせますと去年では九十四件がことしは五百五十六件と、やっぱり六倍もスクラップも含めて廃車になっているということで、これはもう震災による被害が大変なものになっているということを客観的に示しているというふうに思うんです。
 そこで、大臣にお尋ねいたします。これは直接には大蔵省であるということを承知してお尋ねするんですが、この自動車重量税は、大臣もよく御存じのとおり、これは車検と一緒に支払って廃車になっても還付されないということになっているんです。今回はいろいろな形で減免対策ということが行われているんですけれども、この自動車重量税でいいますと一番最悪の事態は車検をとったばかりの車、これは二年なり三年は使えたところを廃車にすると重量税は二年から三年分はもう返ってこない。かつ他方で、例えば車検切れの車を買ったとすれば二年分重量税を払わなきゃならないということで、結局返ってこない、また新たに払うという、いわば二重払いというような状態になっているケースがやっぱりたくさん見られるわけです。
 これは大蔵省の問題ではありますが、車検と一体となっているという制度である以上は運輸省も全く関係ないということではなくて、いろいろ難しい問題はあろうかと思うんですけれども、今回の震災ということでの被害だという立場からぜひ大蔵省とも十分協議をしていただきまして、何とかこれの改善の検討をしていただきたいと思うんですけれども、いかがでしょうか。
#102
○国務大臣(亀井静香君) これはちょっと難しいですね。と申しますのは、確かに震災に遭われた方々にかゆいところに手が届くように、大変な状況にあられるわけですからすべきだとは思うわけでありますが、ほかにもそうした形で廃車せざるを得ないという場合もあるわけでございますから、他の理由によりまして。そういう場合もすればいいじゃないかという議論もありますけれども。今後の検討課題ではあろうかと思いますけれども、せっかくの御提言ではございますけれども、私、自信がございません。
#103
○高崎裕子君 今後の検討課題ということではこれ大臣受けとめて、ぜひそこはよろしくお願いをいたします。
 それでは次に、文部省、気象庁にそれぞれお尋ねいたしますけれども、地震予知については測地学審議会が計画を立てているわけですけれども、今度の地震の教訓というのはやっぱり大変重要なものがあると思います。まず地震観測体制を強化するということと、同時に災害軽減に役立てるという立場で、私は三つのことをぜひ御検討いただきたいなと思うんです。
 まず一つは、第七次の建議の見直しをぜひそういう立場で行っていただきたい。
 それから二つ目は、特定観測地域の観測強化の拡大充実の問題なんですが、特定観測地域については、今回の活断層の活動について重要なひずみの観測というのが、これはひずみ計というのが新潟に一カ所でそれ以外には全く設置されていなかったわけですね。それで、今度の阪神大震災でも地震の専門家の方からは、地殻ひずみ計があれば事前の災害軽減がとれたかもしれないという指摘もされている中で、実は十七年前の第四次の予知計画の中でひずみ計の設置の検討が提起もされているということで、私はぜひこれは特定観測地域のひずみ計の設置ということを御検討いただきたいと思います。
 もう一つは、この第四次の中で海底地震計の設置についても触れられているんですけれども、北大の島村教授が北海道は地震のデパートだという言い方をされて、北大の先生方は近いうちに北海道では十勝沖から根室沖にかけて必ず地震が起こるということも指摘しているわけで、やはりここにぜひ海底地震計というのをつけてほしいという強い希望があるわけですが、こういうことも含めてぜひ検討していただきたいと思うんですけれども、いかがでしょうか。
#104
○説明員(崎谷康文君) 我が国におきます地震予知研究につきましては、文部省に置かれております測地学審議会が各省庁大臣に建議をいたします地震予知計画に基づきまして、大学、気象庁、国土地理院等、関係機関が連携協力して行っているところでございます。
 現在、平成六年度から平成十年度までの第七次地震予知計画が進んでいるところでございますが、北海道東方沖地震、三陸はるか沖地震、さらには兵庫県南部地震が相次いで発生をいたしまして、とりわけ兵庫県南部地震で多くの人命が失われるなどの大きな被害がもたらされたところでございます。測地学審議会におきましては、このような事態を重く受けとめまして、現在第七次地震予知計画の点検の作業を行っているところでございます。
 第七次地震予知計画におきましても既に指摘されておりますように、実用的な地震予知の一般的な手法、これは完成をしておりません。地震の予知は極めて困難な課題ではございますが、今御指摘のありましたことなども含めまして、今後とも地震予知に関する観測研究を一層推進していく必要があると考えております。
#105
○政府委員(二宮洸三君) 今御質問のございました最後の項目につきまして御説明申し上げます。
 北海道の根室・十勝沖について再び地震が起きると言われているということについてでございますが、ことしの二月二十日の地震予知連絡会、これは国土地理院が事務局をしているものでございますが、ここで北海道大学の笠原助教授が御報告をなさいまして、またその地震予知運の後でも記者会見をしておられます。
 その見解を簡単に申し上げますと、最近十年間につきまして四十キロメートルよりも浅いところで発生した地震の分布を見ますと地震活動度の低い地域がある、つまり浅い地震の余り起きない部分がある。そして、その地域というのは一八九四年の根室沖地震の津波の発生源域の西側にある。また、一九五二年の十勝沖地震の津波発生源の海溝寄りの、従来言われております空白域と一致するというふうな見解でございます。つまり、根室・十勝沖に現在地震活動の余り活発でないいわゆる空白域があるということの指摘でございまして、これについても気象庁はこの見解を認識いたしてございます。
 ただし、これにつきましては、時間のスケールを入れまして直ちに起きるとかあるいはいつというふうな時期までは述べられている見解ではないというふうに伺っております。
#106
○高崎裕子君 次に、文部省にお尋ねいたします。
 活断層とその活動を正確に把握するというのは大変重要になってくるんですけれども、活断層の歴史を調べれば断層の危険度、安全度が推定できるというふうに言われており、活動を繰り返す期間がわかったのは丹那断層のほんの一部というのが現状で、これはいわゆる活断層の活動を調査するトレンチ調査というのが進んでいないということにあるわけです。大学の先生方は大学の研究ではやっぱり荷が重過ぎるというふうに述べておられ、今度の重要な教訓からもこれは活断層の活動の調査という点で国の事業としてぜひ行っていただきたいと思うんですけれども、いかがでしょうか。
#107
○説明員(崎谷康文君) お答え申し上げます。
 先ほど申し上げました第七次地震予知計画におきましても、重要な活断層地域においてトレンチ調査や地震考古学的調査等を実施いたしまして、内陸地震発生のポテンシャル、すなわち可能性を評価する手法の開発を目指すこととしております。
 今回の兵庫県南部地震も踏まえまして、現在測地学審議会において地震予知計画の点検を進めているところでございますけれども、活断層の活動状況に関する調査研究のあり方につきましても、大学、工業技術院地質調査所等の役割、連携のあり方等につきまして今検討を進めております。御指摘のようなことも含めて検討を鋭意進めたいと考えております。
#108
○高崎裕子君 ぜひその点はスピードも速めてよろしくお願いしたいと思います。
 次に大臣にお尋ねいたしますけれども、今回は大都市が地震に襲われたという点では大変重大な被害となるということが国民の中でも明らかになったと思うんです。これは気象庁、運輸省だけの問題ではなく、科学技術庁それから大学、文部省ともそれぞれかかわってくる問題なんですけれども、今回の教訓から都市の震災対策というのを抜本的に見直す必要があるということがはっきりしたと思うんです。
 私、北海道の活断層の調査を見ますと、ほとんど都市部が調査されていないということがわかったんですね。ここにちょっと地図を持ってきているんですけれども、(図表掲示)これは調査が終わったところはそれぞれ断層の色とか活断層を色分けしてあるんですが、白いところが調査できていないところで、この白いここが札幌で、札幌の周辺が真っ白で空白地帯。それから、これは旭川が右端に白くなっておりますけれども、やっぱり都市部が真っ白で空白地帯。それから、これは函館なんですけれども、函館のここがちょうど活断層がすぐそばを走っているんですけれども、真っ白。
 特に札幌の場合は、札幌のすぐ北の石狩というところに、ここに太い活断層があって、ここから活断層はさらにあるということが推測されるというふうに言われているところなんですが、実はやっぱり建物が立っていたりいろんな事情でトレンチ調査が進まないということがあるんですね。
 大学の先生からお話を伺いますと、分布図とそれから微小地震活動と重ね合わせると地下での破壊活動がわかるから、どこで地震を起こしているのかがわかってくる。ですから、札幌などの大都市では、東京なんかで科技庁がやっている深井戸三千メートルとか二千メートルまでいかなくても、五百メートルぐらいでそれを三カ所掘れば、そしてそこに地震計、ひずみ計、傾斜計などを置いて観測することによって地震が見えてくるということで、現在、この手法で奥尻と積丹には五百メートルの深井戸があるわけですね。
 ですから、一カ所で約八千万円ぐらいというふうにも言われておりますので、大都市対策という点でこの空白地域、大都市の部分に対する対策を強化するという点でもぜひ検討していただきたいというふうに思うんですが、いかがでしょうか。
#109
○国務大臣(亀井静香君) まず、地震の予知というのは、私は余り理科が強くございませんので私が申し上げても説得力がないと思いますが、現在のところ東海地震については相当の精度で予知はできるということで、それだけにこちらとしては相当な体制でこれをやっておるわけでありますが、他の地域につきましては、今高崎先生御指摘のところで起きるという保証もないわけでございますし、またそうじゃないところで起きないという保証もないわけでございまして、ここが非常に私は難しいことだと思います。
 そういう意味で、例えば今おっしゃいましたような八千万程度の井戸を全国あちこち掘ればいいということもあろうかと思いますが、金は天から降るわけでもございませんし地下からわくわけでもございません。やはり国民の税金をどう有効に使っていくかという観点を抜きにしてはこういう対策もできないわけでございます。
 もちろん、このたび洲本の測候所、神戸の測候所が機能しなかったということがございます。そういうことで、地震が発生をした場合のその規模がどの程度の規模のものかということをキャッチをする体制すら残念ながら現在大変手薄だということがあろうかと思います。やはりそのことが直後の対策に影響してくるわけでございますから、そういう意味では予知という観点からじゃなくても、地震が発生した場合、それを正確に把握するという観点からの測候面での整備というのが私は一つは喫緊の課題だ、このように考えておりまして、このたびの第二次補正でもそれを要求しておりますし、第一次の補正でもそれを要求したいというふうに思っております。そういう意味で予知に対してどの程度金をかけるかというのは、私はちょっと議論の余地のあるところであろうか、このように思います。
 そのこともさりながら、このたびの程度の規模の地震はどこに起きるかわからないんだという観点から、私は全国の自治体がすべて準備をすべきだ、このように思います。そういう意味では自治体の日ごろからの防災体制をここで総点検をして、あすは我が身だというそういう観点から点検をした場合は、まことに私は背筋の寒いのが今の自治体の状況ではないかと思います。一件、二件の火事に対応する消火力を持っておっても、同時多発のああいうものにはほとんど無力になってしまう、給水面を含めて消防力をやはり強化するということをこの際やっていく。
 だから、全国どこで起きるかなと探す前に、私は自分のところでも起きる可能性があるんだという観点で取り組んでいくべきだと思うし、国もそういう観点から指導をし支援をしていくべきではないかな、このように基本的には考えております。
#110
○高崎裕子君 深井戸等を含めてぜひ大都市対策という観点で、大臣もそういう大きなところで自治体との連携を含めての検討というお話ですので、ぜひこの点は強力に進めていっていただきたいというふうに思います。
 次に、自治省にお尋ねいたします。地域防災計画とは別に震災対策編をつくれということで指導しておりますが、震災対策編というのがない地域というのは全国で二千七首九十自治体と、それから北海道ではあるのが札幌、千歳、釧路というふうになっている。それから、地域防災無線については、全国では同報系で千七百四十五、移動系で二千五百四十七、北海道では同報系で七十、移動系で百六十九ということで、これは間違いありませんか。
#111
○説明員(森村和男君) 間違いありません、
#112
○高崎裕子君 地震のデパートと言われている北海道二百十二市町村で、わずか震災対策編を持っているのが三つだけ。しかも、今札幌ということ。でそのとおりとおっしゃいましたが、実はこの札幌というのは一般防災計画とは区別した震災編をつくれと言われているにもかかわらず、これは一般の防災計画の第二十三節という位置づけにすぎないんですね。これは総務庁の勧告でも、そういう節で設けるのはこれは未作成だということで明確に指摘されているわけです。これでは真の震災編とは言えないということでぜひ自治省としても強力な指導をして、震災編というのをきちっとつくるようにということで指導していただきたいし、あわせて防災無線の補助もともに拡大強化をしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
#113
○説明員(森村和男君) 先生御指摘のように、確かに札幌市の地域防災計画については筋立てになっていると聞いておりますが、その内容を道庁の方に聞いたところ、編立てと比較して遜色ない、内容についてはいろいろとまた独立した対策編としてもろもろの要素が入っているということから、筋立てでありますけれども独立した震災対策編ということにしてあると、こういうふうに報告を受けております。今後よく札幌市の方からもお聞きいたしまして、できるだけ別編として独立した形ですっきりした形の方がいいんではないかというような考え方でちょっとお話ししたいと存じます。
 それから、防災無線の充実も、もちろん今後どんどん進めていかなきゃなりませんので、我々としても鋭意努力してまいりたいと考えております。
#114
○高崎裕子君 それでは、最後にまた大臣にお尋ねいたします。
 先ほど洲本のお話が出ました。防災対策上、震度というのは重要な位置づけを持っており、それは地域防災計画上、震度が四か五か六かで災害対策本部とかそれから職員の配置というのが全く規模が違ってくるということで、特に洲本の場合は、夜間無人化のために自動震度計が故障して職員が駆けつけて、しかし発表まで一時間四十三分おくれたと。
 実は私、二年前の釧路沖地震の後の災害特別委員会で質問いたしまして、夜間無人化で広尾の測候所でも震度計のデータが送信されないで、職員が駆けつけて四十分後に震度発表になったということで、初動が誤れば大変だということで、私、国土庁長官に改善を求めましたときに、御意見、しかと拝聴しました、運輸省、気象庁と十分相談してまいりたいと、こういうふうに御答弁いただきましたが、その後南西沖地震でも小樽、それから東方沖地震でも根室ということで、それぞれ同じことが北海道で三度繰り返して今度ということで、私はどういう対策をとられたのか残念でたまらないんですね。
 ですから、私は、機械はどんなに二重三重と多重化してもそれは結構ですけれども、機械だけではなく、無人化をやめるということでぜひ検討していただきたいし、今計画されている無人化はやめるべきだというふうに思いますが、いかがでしょうか。
#115
○国務大臣(亀井静香君) 高崎委員のせっかくのそうした貴重な御提言に対して十分な改善策は結果としてなされておらなかったようなことが洲本において発生したということはまことに遺憾でございますが、私ども、そうした機械の機能面等を含めてこの際全国的に点検をし、さらに強化をしてまいりたい。
 ただ、私は、無人化につきましては、やはり行政経費の節減といいますかそういう問題もございますし、機械で代替可能なものについてはやはりかえていくということもやらなければならないし、その場合は機械が機能しないということがあっては困るわけでございますから、そのあたりを十分検討しながら無人化を進めてまいりたいと思います。
#116
○高崎裕子君 終わります。
#117
○下村泰君 国際シンポのことについてちょっと伺います。
 運輸関連高齢者・障害者対策に関する国際シンポジウムというのが一月十九日に開かれたようです。運輸省も後援されて担当の方も御出席なされたようですが、ひとつその中身を御紹介いただいて、日本にとってどういうことが参考になったのか、ちょっとお教え願いたいと思います。
#118
○政府委員(豊田実君) 御指摘の運輸関連高齢者・障害者対策に関する国際シンポジウム、これは本年の一月十九日に開催いたしました。主催は運輸経済研究センターでございますが、運輸省も後援という形で参加いたしております。
 中身としましては、この部門で非常に先駆者的な役割を果たしているスウェーデンの関係の方、運輸通信省の人とか大ストックホルム圏国運輸会社の方を招聴いたしましてシンポジウムを開催いたしております。会議の中ではお二方から、スウェーデンにおきまして高齢者、障害者に対するいろいろのサービスが行われておりますが、例えばドア・ツー・ドアのサービスを実施している状況であるとか、あるいは、公共交通機関について低床二ーリングバスの導入の状況というようなことについて詳しく御紹介がございました。また、日本側からも大学の研究者とか交通事業者の方に参加していただきまして、日本における取り組みの状況も御説明し議論をしたわけです。
 その中身として、私ども非常に今後取り組まなければならない課題としましては、大量公共交通機関というものが一方にあって、それから個別の交通機関というのが片方にあるわけですが、その中間のサービスというものについて非常に我が国として空白といいますか、まだまだこれから力を入れていかなければならない点ではないかなと思っております。そのほか、いろいろな個別のケースについて非常に参考になったと思います。
#119
○下村泰君 今おっしゃった中間的などうのこうのというところは、例えば具体的に言えばどういうことですか。
#120
○政府委員(豊田実君) 大量公共交通という意味で、例えば大型のバスが一定のルートを定まった停留所をとまりながら動くというのが一つの大量公共交通機関としまして、もう一つは、タクシー等個別に発注して一人が利用するというのが個別のサービスと、その中間に一定のグループの方の要請に応じて必要な箇所にとまりながら需要にこたえていくという意味で、中間というのは、そういう停留所が自由になるとか、それから乗り合いといっても大量に乗るというよりは数名が利用するとかというような形が間にあるということです。
#121
○下村泰君 そうしますと、そういうシステムに近づこうとする努力というのはこれからなされるわけですか。ただ、話は話としてそれでおしまいなんですか。どちらでしょうか。
#122
○政府委員(豊田実君) これは、高齢者、障害者に対する対応と同時に、一般的な利用者の方についても同じようなサービスが必要な場面がこれからいろんな地域で出てくると思いますので、私どもとしては、固定した事業形態というより多様なサービスができるような環境を整備していきたいと思っております。
#123
○下村泰君 とにかく予測できない速さの高齢化の社会が目の前に来ているだけに、そういつまでもただ考えているとかなんとかというような状態ではないような気がするんですね。即その状態に持っていけるような体制を整えなければならないと思いますけれども、それだけの基礎をお考えで今おっしゃっているわけですか。
#124
○政府委員(豊田実君) 私ども、従来のいろいろ事業規制の中で新しいサービスを生み出してきたわけですが、さらにその辺の規制のあり方というものについて今全般的に見直しておりますので、そういう新しい需要に新しいサービスが対応できるような環境を整備していくという努力は続けていきたいと思っています。
 それでまた、個別の具体的なケースについては、私どもよく状況を把握しながら先例にとらわれずに対応していきたいと思っております。
#125
○下村泰君 いろんなお考えのあり方はあるでしょうけれども、とにかくのべつ幕なし高齢化社会高齢化社会と言われている昨今でございますので、どうぞ一つのおくれもないように前進をしていただきたいと思います。ありがとうございました。
 それから、旅行業者についてのお話をちょっと伺いますけれども、先日の旅行業法の審議の折に、日本でも旅行会社の間で障害を持った人や高齢の人に対する理解が進んできているという事例を幾つか御紹介はいたしました。ところが、もう一方ではなお理解が得られていない事例が現実にあります。
 先般、御紹介した中に、ハワイ旅行を企画した旅行会社のことを申し上げました。その会社が障害を持つ人々の旅行を企画するに当たって、他の旅行会社に同様の企画を立てるつもりがあるかどうか百社にアンケート調査をしたところ、四割が取り組みたくないという回答だったそうです。その理由については詳しくまだわかりませんが、結局、面倒くさいから、いろんなことが起きるからというのだろうとは思います。
 この企画した会社は事前に大変な調査をして始めたわけなんですな。というのは、すばらしいというか、ある意味では当然と言えるのですが、その調査というのが行けるかどうかということを調べるのではなく、行くためにはどうするのかという姿勢をもとに調査を行ったということなんですね。
 それで、電動車いすで行けることが基本になっているんですけれども、そして点字版の旅行案内、それから声のパンフレット、車いすのまま乗れる自動車の手配、実際に現地に行って点字標記は大丈夫か、車いすが動きやすいか、聴覚障害の方々への表示は大丈夫かなどについて細かくチェックしてきたんだそうです。さすがADAのあるアメリカでは完全ではないが十分対応できるというところまでいっているそうです。これと逆に日本を調べたらもう即だめなのね、これはどうにもしょうがない。
 ハワイのホテルでは聴覚障害の方のための振動式の目覚ましも備えつけられてあったそうです。これはもう既に経験のある方はおわかりだろうと思いますけれども、耳の不自由な方は腕に巻いて振動することによって起こされるというわけです。
 こういう努力をしてくれる旅行会社も少しではありますがふえてきたと思います。ところが、こういう事例があるんです。
 京都府聴覚障害者協会の女子バレーボール部が、第二十八回全国聾唖者体育大会、これは昨年の九月十三日から十八日まで山形で開かれたんですけれども、参加するために七月下旬、新京阪観光西営業所に選手ら十四人分の乗車券の申し込みをしました。ところが、その後、同バレーボール部の監督に、聾唖者の方は介護者をつけていただかないと御乗車いただけませんというファクスが届いたんだそうです。バス会社の意向であるとして、東京−山形間の夜行定期バスについて介護者をつけなければ乗車できません、どうしますかという通告が来たわけですね。その後、結局、乗車券は確保できたんですけれども、要介護者問題はすっきりしないまま。
 そこで、同バレーボール部はこの問題を京都府聴協、難聴の方の協会に持ち込みまして、九月七日の夜に京都市聴言センターで旅行会社と同女子バレーボール部の話し合いを持ったわけです。そこで、京阪の方の責任者が女子バレーボール部の代表に対して、差別的な扱いだったことを心からおわび申し上げます、今回のような差別的な対応を二度と起こさないよう社内でも障害者の顧客に対する正しい認識と対応を十分に徹底させたいと、こういう話し合いがあったわけですね。
 ところが一方、こういうのもある。
 横浜市の知的障害者グループがスキー旅行を計画しました。出発直前に予約したペンションから宿泊を断られ、旅行を中止していたことがことしの三月八日にわかったというんです。障害者とは直前まで聞いておらず、受け入れ準備が整えられなかったと説明をしているというんです。しかし、このグループは障害者だからといって特別な配慮を求めていない、年に一度のスキーを楽しみにしており普通に受け入れてほしい、こう訴え、運輸省と厚生省に対し、旅行社や宿泊施設に適切な指導をするように要望書を出した、こういう記事があるんです。
 これに関しては、その後何かそちらの方に御報告来ていますでしょうか。
#126
○政府委員(豊田実君) 今お話しの要望書を私どもいただいております。
 事実関係につきまして関係の旅行業者に対して調査を実施し、調査の結果、記事で報道されたとおりの事実関係があったということであります。旅行業者が間に入って、当然旅行の手配をする際にいろいろ連絡等をきちんとした上で旅行の目的が達成できるようにすべきところを、非常に連絡が不徹底というようなことが今回の原因の一つだというふうに私ども認識いたしまして、当該旅行業者についてきちんとこういう問題について対応して、障害者の方が旅行を楽しめるような対策をさらに充実するように話し合いをしております。
#127
○下村泰君 こういうことがすべてなくなるまでにはもう何年かかるかわかりませんね。これ、気の遠くなるような年数がかかるんじゃないかと思いますよ、余りにも理解がなさ過ぎて。
 殊に、知的障害というのは御存じのごとく知恵おくれの方たちですよ。こういう方たちというのは、確かにそれは知能的におくれているかもしれないけれども、純粋さにおいては我々以上に純粋ですよね。
 私の仲間にもいるんです、そういうお子さんが。そして、今高校一年ですからもう十六になるんですね。女の子なんですが体格が物すごくいいんですよ。これが三歳か四歳の童子のように懐いてくるんです、人に。困ったことに体は立派な女性なんですよ。その子が幼児のように懐いてくれるのは結構なんですが、おっぱいは大きいわ、女性を感じるんですよ、そばにじかに来られると。けれども、相手はとにかく知的障害ですからね、三歳か四歳の非常にかわいい女の子なんです。時々こっちも迷うときがあるんです、処置に困るときがあります、正直申し上げて。けれども、非常に純粋なんです。
 そういうお子さん方のことを旅行業者あたりがやっぱり知ってもらわなきゃ困りますわな、受け入れ方としては。そういうふうな徹底の仕方、そういう教育のなされ方、それから知らないためにそうなっておるということがまだまだ数多くあると思います。この子供たちは純粋に喜んでいるんですからね。その喜んでいる喜びをどたまから冷や水で冷やすなんというのは本当によろしくないことだと思いますよ。
 ですから、この旅行業者の姿勢も問題なんですが、もっと積極的に取り組む必要があると思うんです。通知や通達、さらに研修というような言葉でお茶を濁すのではなくして、当事者の方々と触れ合うチャンスがもっと欲しいと思います。そういう積極的な取り組み方をしていただいて、運輸省の方からそれこそそういう意味合いの私は行政指導があってほしいと思うんですが、大臣、この問題についていかがでしょうか。
#128
○国務大臣(亀井静香君) 極めてあってはならない、また残念なケースが今御紹介をされました。そうした方々がやはり本当に生きていていいなということの実感をできる、それなりにそうした社会をつくることが政治の一つの目的であると私は思いますので、運輸省といたしましても、所管をしておりますこうした旅行関係、観光関係につきまして、旅行業者の方々あるいはホテル、旅館、業者の方々が、運輸省から言われたからというんじゃなくて心からそういうことに賛同してそれぞれの仕事をやってもらえるかということについて、運輸省としてももっともっと研究をしてまいりたいと思います。
 また、ここで御答弁をするだけじゃなくて、今後そういうことについてどうやったらいいかということを運輸省の中で検討した結果も委員のところに御連絡申し上げて、また委員のお知恵もおかりをいたしたい、このように思っています。
#129
○下村泰君 ありがとうございます。
 それから、ホームの安全のことについてお伺いしたいんですが、この間の十一月十七日に、たしか岡山駅で車いすの女性がホームがアールになっていたために落ちてえらい事故に遭ったというお話をいたしましたけれども、その後あそこの駅はどうかなりましたですか。
#130
○政府委員(戸矢博道君) 今、先生おっしゃいました車いす使用者の転落事故がございまして、より安全に施設を利用していただこうということで十一月に運輸省としても鉄道事業者に指導を行ったところでございますが、その指導を踏まえましてJR西日本は、事故のございました岡山駅の十六番、十七番ホームについて現在工事中でございます。三月の末には工事が完成する予定というふうに聞いております。
#131
○下村泰君 ありがとうございました。何か雨水がたまったりなんかするというので多少斜めになっているんだそうですが、それがうっかりブレーキをかけ忘れると車いすがそのまま走っていってしまうというんですね、恐ろしいことだと思いますけれども。よろしくひとつ御指導願いたいと思います。
 それで、今度はこういうのがあるんです。
 近鉄湯の山線中川原駅下りホームで、近鉄四日市駅発湯の山温泉行き普通電車(三両編 成)から降りて点字ブロックに沿って歩いていた同県鈴鹿市白子本町、マッサージ師、 辻昌子さん(五一)が、左側を走り出した同電車に接触、二両目と三両目の連結部分に 巻き込まれ約千メートル引きずられた。辻さんは頭を強く打ち間もなく死亡した。
  四日市南署によると、辻さんは目が不自由。毎週日曜日、中川原駅近くの教会に通っていた。いつもは知人の健常者と三人で通っていたが、この日は一人で同駅で下車。降 りた電車の運転士に点字ブロックまで案内を受け、一人でつえを使って歩いていたが、 線路方向に突然歩き出したという。これは目の御不自由な方というのは点字ブロックしか頼りがなくて、あと点字ブロックが切れた瞬間に方角がどっちだかわからなくなっちゃうんです、右か左か。これがどうもその原因のように思われているんです。
 この御報告は受けていらっしゃいますか。
#132
○政府委員(戸矢博道君) 今先生おっしゃいましたように、列車からおりられた女性を運転士が点字ブロックまで案内しまして、安全を確認して発車したところ、その女性が加速した列車に接触されて亡くなられたというふうに伺っております。車掌さんも非常ブレーキを操作し、非常停車合図を送ったようでございますが、残念ながら間に合わなかったというふうに聞いております。
#133
○下村泰君 そういうところが問題なんです。大臣、この間もたしか私ここで御説明したと思いますけれども、あの点字ブロックが時によってよしあしなんです。
 あの点字ブロックで歩いているために、その点字ブロックヘトランクを置かれたりなんかしてそこにけつまずいて線路へ落ちるとか、それから、点字ブロックがあってそのままずっと行ってくれればいいのに、それが途中で切れるとどっちへ行っていいか方角がわからなくなるというような中途半端なでき方もあるというようなことで、大体四人に三人ですか、目の不自由な方は落ちるのが、ホームから。どなたも経験をしているんだそうです。ほとんどの方がホームから落ちる経験をしている。そのホームから落ちる経験をしているのはどういうことが原因がというと、結構点字ブロックのために落っこちたという説も多いわけなんですね。
 ですから、大臣、これを今後どういうふうにしたらよろしいようにお考えでしょうか。
#134
○国務大臣(亀井静香君) 下村委員からここの場で御指摘された部分だけを直していくようなことをやっておっては、これはどうしようもないわけでございます。私どもといたしましては、今もやっておるわけでございますけれども、さらに全国の鉄道業者にその点等について、その点だけじゃなくて、障害者の方の交通機関の利用について安全であるかどうかということの総点検をやらせたい、その結果に基づいて直すべきところはきちっと直させたい、このように考えております。
#135
○下村泰君 まだ質問があるんですが、ちょうど時間でございますので、きょうはここでやめさせていただきます。
#136
○委員長(大久保直彦君) 以上をもちまして、平成七年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、運輸省所管についての委嘱審査は終了いたしました。
 なお、委嘱審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#137
○委員長(大久保直彦君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後二時二十四分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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