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1995/04/25 第132回国会 参議院 参議院会議録情報 第132回国会 運輸委員会 第8号
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1995/04/25 第132回国会 参議院

参議院会議録情報 第132回国会 運輸委員会 第8号

#1
第132回国会 運輸委員会 第8号
平成七年四月二十五日(火曜日)
   午前十時開会
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         大久保直彦君
    理 事
                二木 秀夫君
                櫻井 規順君
                泉  信也君
                中川 嘉美君
    委 員
                伊江 朝雄君
                鹿熊 安正君
                河本 三郎君
                溝手 顕正君
                穐山  篤君
                喜岡  淳君
                渕上 貞雄君
                直嶋 正行君
                高崎 裕子君
                下村  泰君
                堂本 暁子君
   国務大臣
       運 輸 大 臣  亀井 静香君
   政府委員
       運輸大臣官房長  黒野 匡彦君
       運輸大臣官房総
       務審議官
       兼貨物流通本部
       長        永井 隆男君
       運輸省運輸政策
       局長       豊田  実君
       運輸省鉄道局長  戸矢 博道君
       運輸省自動車交
       通局長      高橋 伸和君
       運輸省海上交通
       局長       平野 直樹君
       運輸省海上技術
       安全局長     小川 健兒君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        中島 啓雄君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○許可、認可等の整理及び合理化のための運輸省
 関係法律の一部を改正する法律案(内閣提出、
 衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(大久保直彦君) ただいまから運輸委員会を開会いたします。
 許可、認可等の整理及び合理化のための運輸省関係法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案の趣旨説明は既に聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#3
○櫻井規順君 大臣、法案に入る前に、サリンなど強い毒性を持つ毒物による犯罪の対策、とりわけ大変交通機関との関係が強いものですから冒頭ひとつ質問をさせていただきます。
 サリンなどの強い毒性を持つ毒物による犯罪が地下鉄、駅あるいは関連施設等で発生をしているわけであります。この防止策は運輸委員会ではございませんが、総合的に、全体的に内閣としても対処されているというふうに思うわけでありますが、発生する場所が我が運輸に関連した施設になっているものですから、この防止策についてどんなふうに御検討されているのか、していこうとしているのか。
 一つは、交通機関の場所でもって死者が出、けが人が出るという現実があります。これに対してこのままでいいのかどうか、何らかのやはり防止策というものをこの際検討を要するのではないかというふうに思うわけであります。一つは監視という体制があるんじゃないか、もう一つは救助の面でどうかという点について、どんな対処をされどんな今後の対策をお立てになっているのか見解を伺うものであります。
 もう一つは、これはたまたま大臣がこちらの方の畑の御出身だということでもって御要望するわけでありますが、警察官が大変御苦労を合されております。これは東京だけではなくて山梨、静岡を初め全国に今非常対策がとられている。この皆さんが、私の耳にも東京を初め入ってくるわけでありますが、ほとんど手当がない形でもって日常の業務とあわせて大動員で緊張の連続であると。
 そういう状況の中で、一つは、今度はいち早く自衛隊の特別部隊が出動したという機敏な対応があったわけでありますが、逆に警察もまたこういう有毒物質の発生に対する対応というものの装備面での強化と、それからこれだけいわば無報酬に近い形で大動員しているわけでありますが、しかるべき手当のようなものも考えないと大変なんじゃないかというふうに思うわけでありますが、その辺はいかがでしょうか。
#4
○国務大臣(亀井静香君) 委員から二点にわたりまして貴重な御提言を含めての御質問をいただいたわけでございますが、サリン事件の地下鉄での発生という極めて遺憾な事態が私ども運輸省のいわば管轄をしている部門の中が起きたということを非常に残念に思っておるわけであります。これにつきまして、我々といたしましては、今政府が野中国家公安委員長指揮のもとで関係各省庁の局長クラスを集めましての対策会議を設置いたしておりまして、運輸省からは運政局長がこれに常時メンバーとして加わって、密接な連絡のもとで運輸省として捜査に対する協力、また未然防止、起きた場合の処置、この三つについて遺漏なきように懸命な努力をしておるところでございます。
 各交通機関、ホテル等につきまして、私ども運輸省の役人が出張ってこれをやるわけにはいかぬわけでございますので、それぞれ自主的な警備の強化、改札、ホームあるいは車両の中の巡回点検等を、各事業者にとっては大変な負担になることではございますけれども、当面ぜひひとつやってくれということで強いお願いをし、おかげさまでこれにつきましては各事業者は大変真剣に取り組んでいただいておる状況ではないかなと、安心をしておるわけではございませんけれども、事業者としては最大限の今努力をしてくれておる、このように確信をいたしております。
 さらに、委員からの御提言もございましたようなそうした監視装置ということで、防犯テレビは従来も設置をしておる訳もあるわけでございますけれども、これは転落防止をするとかその他の事故、犯罪に対応するために設置をされておるわけでございますが、このたびさらに防犯テレビ等を緊急に設置していただきたいというお願いもいたしまして、これも相当数、今設置をされてきておるような状況でもございます。
 私どもといたしましては、そうしたことと、やはり一般乗客に対する協力をお願いしなければなりませんのでチラシとか駅での構内放送等を通じて協力を呼びかけ、また異常な事態が生じました場合は、先日これサリンではございませんでしたけれども横浜で事犯が起きましたが、そういう場合において若干急いでおられる方には迷惑をかけるわけでありますけれども、被害者の救助、それと続犯の防止という観点からやはり交通機関は場合によっては思い切ってとめて、そうした観点からの処置を再優先させるということを事業者にお願いいたしておるところでございます。
 それから、警察官について非常に温かいあれをいただきまして、私は脱走兵でございますが、もとのふるさとに対しましてそういう言葉いただいて本当に感謝をいたしておるわけでございます。実態からいいましても、今全国の警察官は応援出動をずうっとやっておりますので、何も当該都道府県だけじゃない、地域の警察官ももう相当疲労状態の極に達しておると言ってもいい状況ではないか、このように思います。
 私もかつて爆弾が飛び交った時代そういう指揮をやっておったわけでございますが、警察官のそういうことに対する報酬といいますか、というのは実際なかなか処置をされないのが現状でございまして、私なんかもほとんど夜は寝た覚えはございませんけれども超過勤務手当をもらったということもございませんし、特別な手当をもらったという記憶もございません。私は、やはり警察官は使命感に燃えてやっておるわけでありますから、そういうものをちゃんとしなければ一生懸命仕事をしないということではないと思います。しかしながら、やはり国民の皆さん方からそうした手当等を含めまして温かい配慮をいただくということがまた一生懸命やるぞという気持ちを奮い立たせることにもつながってもいこうかと思いますので、ぜひ委員の皆さん方の御協力もいただきたいと思います。
 ただ、中身が国費と県費と両方に活動費その他手当等に分かれておる面もございますので、自治省の方にお願いをし、これあたりについては交付税の手当て等もやり、県費段階で処置をする面がほとんどでございますので、そのあたりのお願いも私の個人的な立場ではしておるわけでございますが、全委員の皆様方のお力添えを賜ればありがたい、このように思います。
#5
○櫻井規順君 どうぞ警察官の大変激務のプライドを堅持できるような手当等をひとつ関係閣僚なり閣議等で御検討いただければというふうに御要望申し上げます。
 次に、この許認可の整理及び合理化のための法案に関連をして質問をいたします。
 一つは、規制緩和イコール許認可の廃止あるいは緩和と、こういうふうになっているわけでありますが、私は運輸行政上特に物流関係で言うならば、平成元年の物流二法の制定でかなり自由化を含めた規制緩和の扱いは物流に関しては整理をされてきた。運輸省は、そういう過去の経験があってああいう考え方を発展させていく必要があろうかというふうに思うわけであります。
 どういうことかというと規制緩和のとらえ方でありますが、衆議院の本年四月十一日の質疑の中で議員の質問に答えて亀井大臣が、「規制緩和というのは、安全面、環境の保護、弱者と強者の実質的な競争力の確保、こういう視点をやはりきっちりと見据えながらやっていかなければならない問題である」、こういうふうに御答弁されているわけですが、そのとおりだというふうに思うわけであります。今回の場合は、これは文字どおり規制緩和の方向でありますが、もう一面として規制の強化、社会的規制の強化といってよろしいでしょうか、があるというふうに思います。
 言葉の概念の議論ではなくて具体的な問題として物流二法の場合は、経済的規制の緩和として、事業の免許制から許可制への移行、あるいは運賃料金の許可制から事前届け出制への移行、あるいは営業区域の拡大や手続の簡素化等を進めてきたわけであります。片面、社会的規制強化をやりまして、輸送安全規則の強化、運行管理者の責任、配置の責任義務というようなことを設けて対応してきたわけであります。
 そこで、今後の規制緩和を基本的に考えていく場合に、運輸大臣がここで答弁されているこういう考え方をいつも基本的に押さえていかないと混乱が起きるわけであります。その点でいま一度これをもう少し発展させて、今後の規制緩和に対応していわば社会的規制強化の必要があるわけでありますが、もう少しお考えを展開いただけたらというふうに思うわけであります。
#6
○国務大臣(亀井静香君) 何度も私も申し上げておりますように、運輸行政の中で、時代の変化とともにもう現在では頻繁な手続あるいは規制については現実的ではないというのが相当生まれてきておるということを、我々自身がきっちりとここで洗い直しをしなければならないというのが基本的な立場ではあろうと思います。
 しかし、残念ながら近年、規制緩和という総論の大合唱が行われておる中で、先ほど先生御指摘の三つの視点というのが押し流されていくという危険を私自身肌で感じておるわけでございまして、もちろんそうした規制緩和はやらなければなりませんけれども、弱者が強者に自由競争原理、丸裸の論理の中でのみ込まれていくということは、私は絶対にこれはしてはならない、このように思うわけでございます。
 そういうことで、具体的な各施策の中身について、一方ではやはり時代の進展とともに自由化をした方がいい、そうした判断をすべきことと、そうじゃなくてやはりこの際さらにもっと規制を強化しなければいかぬというようなことについては思い切って私は規制の強化もすべきだ、このように考えておるわけでございます。運輸省の各局長に対して私がその点をきっちりとするようにという指示を再三し、局長もそういう観点から部下に対して指示をし作業をさせておる、このように私は確信をしておるわけでございます。
 社会主義体制が崩壊をいたしまして自由主義経済基調の今後の世界の経済になっていくわけでありますけれども、もちろんその方が国民にとってまた世界の人たちにとって幸せであろうとは思いますけれども、一方では、御承知のように資本主義が発生して以来の異常な経験をしておるわけでございまして、これを無制限にしておけば弱肉強食という、そうした論理が資本主義のメカニズムの中自体に私はやはり存在しておることは否定できないと思うわけであります。そのあたりをいわゆる知恵で我々がどう克服をしていくか、そうした社会主義体制が崩壊しただけにそちらのサイドからのプレッシャーがなくなる分だけ、我々自由主義経済体制を堅持していくというものがそうしたことについての配慮を今まで以上に進めていかなければならない面もある、このように考えておるわけであります。
#7
○櫻井規順君 どうもありがとうございました。
 次に、道路運送法の一部改正に関連してですが、これは手続の簡素化を図ることで結構でございます、賛成でございます。その中で関係都市八都市の首長の意見の徴取を廃止するわけでありますが、古い関係についてはどうぞどんどん廃止をしていただいて、問題は逆に、自治体とこのバス路線のあり方あるいはバス活性化等で新たな協力関係というものの確立が必要であります。その点について簡潔に、新たな協力関係とこの古い関係の整理をどうお考えになっているか、ひとつ御答弁いただきたい。
 それからもう一つは、路線を定める旅客自動車運送事業の免許の処分に際しての道路管理者の意見の徴取を不要とする場合を追加すると。したがって、全国的に共通して不要とする場合と継続をして意見を徴収する場合とあるわけでありますが、この目安はどこにポイントを置いてあるのか。不採算路線であるが自治体の意見は聞かないということでは困るわけでありまして、道路の持つ安全性の観点で全く歴然としたことで改めて聞く必要がないということならわかるわけでありますが、その辺をちょっと簡潔に御答弁いただきたい。お願いします。
#8
○政府委員(高橋伸和君) ただいま先生御指摘いただきましたように、バス事業は都市部におきまして、あるいは地方において大変厳しい状況に直面いたしております。このために地方公共団体との密接な連携のもとにバス行政を進めていくという必要性は、従来にも増して必要性が高まっているというふうに認識いたしております。
 このために、私ども地方の運輸局単位に地方交通審議会、これは各県に部会を置いておりますが、ここにおきまして地方におきます総合的な交通計画を県と一緒に策定することといたしております。また、都市部においてはバス活性化委員会、これも各県単位に設けておりまして、主としましてバスの走行環境の改善を中心に地方自治体と相協議しながら進めておるというところでございます。また、過疎地域におきましては地域バス協議会というものもございまして、路線維持のための方策を地方自治体とも協議をいたしておる、こういう状況で今後とも地方公共団体との連携を一層進めていく必要があるというふうに考えております。
 また、もう一点、お尋ねの道路管理者への意見の徴取の件でございます。どういった場合に意見を徴収しないこととするかということでございますが、これはバス路線の採算性、不採算性ということは一切関係ございません。具体的に意見を徴収しないことといたしたいとしております事柄としましては、既に他の事業者が同じ路線でより大きな自動車を運行している場合、これが一つでございます。もう一つは、高速自動車国道といった規格の高い道路を運行しようとする場合には意見の徴取を必要としない、こういうことといたしたいと考えております。
#9
○櫻井規順君 最後ですが、小型船造船業法の一部改正に関することであります。
 この中で、小型船造船業者である法人が合併以外の事由により解散した場合の届け出を廃止すること。これは解散した場合にその法人が存在するかのような管理の仕方は不都合だというふうに思いますが、そうではないという御答弁を簡潔にいただきたいというふうに思います。
#10
○政府委員(小川健兒君) 現在の小型船造船業法では、解散したときは解散届を出し登録を抹消することにしております。しかし、会社が解散するということはすぐ清算手続に入ることでございまして、その清算手続の過程で事業を継続するということが間々あります。そういうときは現在の規定では登録を抹消されていますので、新たに新規の登録をしなきゃいけないということになるわけでございます。今回は解散届を廃止いたしまして、それで廃止屈だけでそれをやるということにしますと新たな新規登録は必要なくなるということで、事務の手続の合理化が図られるということにしたわけでございます。
#11
○櫻井規順君 以上で終わります。
#12
○直嶋正行君 平成会の直嶋でございます。
 きょうは、許認可一括法案を中心に規制緩和について御質問をさせていただきたいと思います。
 まず最初にお伺いしたいんですが、今回の一括法案の改善効果といいますか、例えば今回この許認可等の緩和の対象になっております六つの法律について最近の実績等を簡単にどなたか総括して教えていただきたいと思います。
#13
○政府委員(黒野匡彦君) 許認可件数は毎年総務庁が発表しておりますが、運輸省が千七百件ございます。実はこの数え方は、○○について許可が要りますよというのが一件という、こういう形式的な数え方でございます。さらには、許可を届け出に変える場合も、実質的には国民の方々の負担は減るわけでございますが、許可がマイナス一のかわりに届け出がプラス一ということでプラス・マイナス・ゼロ、こういう計算をしております。これは画一的に並べるためにはやむを得ないと思いますが、そういうふうに数えますと今回の一括法は実はマイナス八、プラス三で五件しか減らないという形になります。
 ただ、私ども、そういう形式ではございませんで、今先生の御質問の趣旨がと思いますが、実質的にどれだけの事務量が減るかという点について申し上げますと、最初の鉄道抵当法では年間約百件ほどの許認可が減ります。海上運送法の関係ですと、全国にございます旅客不定期航路数、この五二%が今回の対象になりまして四百四十五航路、これにつきます運賃・料金の設定がかなり機動的に可能になるということでございます。また水路業務法につきましては、年間五百件程度の承認手続が不要となります。さらには道路運送法関係でございますが、これは非常に件数が多うございまして、都知事もしくは市長の意見聴取等が年間六百件ほど不要となります。さらには道路管理者の意見、これが千七百件不要となります。また航空法の関係で申しますと、年間十数件程度の事業開始届け出が不要となります。また小型船造船業につきましては、変更、登録手続等が百五十件不要となりますし、さらには主任技術者の件につきまして年間十件程度の認定が不要となります。
 以上でございます。
#14
○直嶋正行君 今実績を教えていただきましたが、かなり事務の軽減につながる、こういうことのようであります。ただ、私この六法律を見まして、それぞれ事務手続の部分でありますから一括してこうやってまとめて提案されたということであろうかというふうに思うんですが、ちょっと二つのことを感じましたので大臣にお伺いしたいと思うのであります。
 例えば、今お答えになりましたが、この中の水路業務法の関係で見ますと、いわゆる経緯度原点によらない天体観測による測量実績というのは実はこの十年間、私運輸省に聞きましたらなかったということでございます。もう一つは、今お答えにありませんでしたが、例えば航空法の今回緩和されます立入検査の実績を見ましても、実はこれは昭和二十七年から機能していなかった、なかったと、こういうふうにお聞きしているわけです。ですから、こうやって今回出されたことは、必要がないということで緩和されたわけですからこの部分は私は評価したいと思うんですが、こういうことを見ますとほかにもこういう法律があるんじゃないか、こう思うわけであります。
 大臣にお伺いしたいのは、例えば今回の規制緩和推進五カ年計画を見ますと、これから新たにつくる規制については一定期間に見直すこと、こういう文言が入っていまして、それが政府の方針になっているわけです。ただ、気になるのは今申し上げたように、既にある法律については、今回の規制緩和五カ年計画でもその見直しというふうな形で具体的に何も触れられていないわけなんですね。したがいまして、私はやっぱり既存の法律についてもこういう視点があるいは発想が要るんじゃないか、こう思うわけでありますが、この点ちょっと大臣にお伺いしておきたいと思います。
#15
○国務大臣(亀井静香君) このたび百三十項目にわたりますそれを五年間を三年間でというあれでございますが、運輸省といたしましては、もともと五年間というのは最大限ということで考えておったわけでありますので、早いものは一年でも、このたびのようにできるものはどんどんやっていこうという形でやっておるわけでありますから、見通しといたしましては三カ年かからずに百三十項目についてはこれが実施ができる。もちろん、これは委員の皆様方の御賛同を、御意見を踏まえた上でございますけれども、我々としては事務的には国会に提出を法律についてはできる、そうでないものについては省令の改正その他で処置できる、このように考えております。
 委員御指摘のようにそういう中には、今さら廃止をしたって大げさに言わなくたって適用するものがないじゃないかとおっしゃるものがたくさん実はあると思うんです。これはまさに我々行政当局の怠慢でもございますし、国会の怠慢でもございますし、我々自身が大いに反省をしなければならないことだ、このように思います。
 そういう意味で、このたびの百三十項目で終わりということじゃございませんで日常的に見直して、さらに今の時代にふさわしくないもの、特に私が事務当局に指示をいたしておりますのは、規制項目の緩和とか廃止もさりながら、必要な規制であっても手続に不要なものが多過ぎるんじゃないか、もうちょっと手続を簡素化して、疎明する資料等についてももっと核心部分についてだけにするとか、そのあたりをさらに進めるということを私は指示をしておるわけでございますので、それが表に出ること以上に具体的な手続面で思い切った簡素化をやれという指示をいたしておりますことを御理解賜りたいと思います。
#16
○直嶋正行君 今の大臣のお言葉でこれはあえて申し上げることはないのかもしれませんが、もう一点ちょっと申し上げさせていただきたいのであります。
 例えば、先ほどお話ございました海上運送法での参入許可基準の緩和とかあるいは観光船の部分の緩和なんですが、確かに今おっしゃったように手続が簡素になって助かる部分というのはあるわけなんですけれども、実はこの基準が緩和されたことによって例えば競争が促進されて料金に影響が出るとか、とてもここまではなかなか考えづらい部分があるんですね。
 さっきの御答弁の中でも単純な市場原理の導入だけではというお話もございましたんですが、逆に言うと今回の、特に参入規制の部分で申し上げますと、確かにいろんなことに配慮はしなければいけませんが、一般に期待されておるのはこの参入規制の緩和によって競争原理を入れて要は市場を構造的に変えていきたい、こういう期待が一方では非常に強いわけであります。
 そうしますと、今おっしゃったように手続だとかこのことも非常に大事ではありますが、やっぱり手続面だけではなくてもう少し思い切ったといいますか、あるいはあえて困難に挑戦してみるといいますか、そういう姿勢もぜひ持っていただきたいなと、このように思うわけであります。
 私は、ずっとこれまで運輸委員会で三年間仕事をさせていただきまして、実はこの間かなり規制緩和の問題については歴代の大臣にお伺いをしてきました。運輸省が非常に規制緩和の項目が多いということで、例えばその中で二割削減計画をおつくりになってそれを実行されてきておるということは評価するわけなんですが、私は、ややもすれば項目の二割削減というこの削減のところにウエートが置かれてこれまでやられてきたんじゃないか。
 したがいまして、今回の改正もこれは一件になるわけなんですけれども、もちろんその数を減らすということも大事なんですが、例えば効果測定とか評価というものをやっぱり明確にして、いろんな規制がある中でこれはもし緩和できればあるいは廃止できればAランクだとか、あるいはこれはBランクだろうとか、例えばこういうランク分けをするとか、そういう評価基準をつくって中身の評価をもっと織り込みながらお進めいただけないものかなと、この点を感じているんですがいかがでございましょう。
#17
○国務大臣(亀井静香君) 私は御指摘の点は大変賛成でございまして、規制緩和については先ほど来御議論がございますように、自由競争原理の導入と、安全、環境それから弱者の強者に対する保護、この三つとの調和をどこに求めていくかという具体的な検討を真剣にしなければならない、このように思います。
 そういう意味で、これは業種によっても違いますし、また地域によっても違いますし、それぞれ事情がございます。そのあたりをやはり運輸省といたしましてもきちっと現場をよく精査しながら、どこに接点を求めていったらいいかという具体的な検討をしなければならない。総論的な霞が関の運輸省の中だけの頭でああだこうだ規制緩和だなんといっても、これは現実的じゃない。
 そういう意味では、委員の皆様方からも具体的な、ぜひひとつ私はうちの役人に対して御指導も賜り御提言も賜りたいと思います。事務方も各業界の方々と相当細かい協議はやらさせていただいておるわけでありますが、どうしても業者の方は役人に対して弱いという面もございますから本音が言えない、実態の一部がさわれないという面もあろうかと思いますので、そのあたりは政治家の方々にその間を埋めるひとつお力添えを私はぜひ賜りたいと思います。
 それから、緩和したあるいは廃止したことによる効果の測定、これは非常に大事なことだと思います。何件やったから成果があったなんというものではないわけでありますから、そのあたりの先ほど申し上げましたこととまさに関連するわけでございますが、それによって実際がどう改善をされたのかというそのトレースをきちっと事務的にもしていかなければならないと、このように思いますのでそのようにさせたいと思っております。
#18
○直嶋正行君 今までの御答弁いただきましたことも含めて、ちょっと今回の規制緩和推進計画について運輸省の御見解を伺いたいと思うんです。
 今回の規制緩和五カ年計画でございますが、運輸省の方針を拝見いたしますと四点を基本に規制の見直しを進める、このように言われております。一つは物流コストの削減ということであります。それから輸送サービスの向上、さらに国際輸送の競争力確保、四点目が国際基準との調和、この四点うたわれているわけであります。
 この中で一番の物流コストの削減に資する諸規制の見直し、こういう視点があるんですけれども、例えば我が国の物流コストを見ますと高い、このように言われているわけです。その高い要因の中にはいろんなことがあろうかと思います。例えば国土条件の違いで単純に外国とは比較できないとか、あるいは日本の場合交通インフラの費用が高くつく、いろんな要因があると思うんです。その中で一つの要因として規制ということを視点に置いてとらえられているということでありますが、そういう面で見ると運輸省の方としても規制がやはり物流コストのアップにつながっているんではないか、こういう御判断、あるいはこの点を重視しよう、こういう御判断があるんだというふうに思うわけであります。
 そこで、物流コストの削減についてどういうことをやれば効果的なのか、この点について今御検討されているようなことがありましたらちょっとお聞きしたいと思うのであります。
#19
○政府委員(黒野匡彦君) 大変難しい御指摘でございまして、先生も御指摘のように日本の場合国土面積が狭くて土地が高い、あるいは人件費も世界的には非常に高いという中で、どちらかというと労働集約産業であります物流のコストが自然体であっても高くならざるを得ないという不利な環境にあるわけでございます。その中において、規制によってさらにそれを加速している面があるのではないか。その場合も二つあると思いまして、一つは規制に対応するためのコスト、事業者の方が例えば書類を出すとかあるいは役所へ足を運ぶとか、そういうコストがあるかもしれない。また、規制によって競争が阻害されている結果、合理化努力がおくれてコストが上がっているのではないか、こういう推測を私どもしているわけでございます。
 そのような観点から、むだな負担をなるべく事業者の方々にかけないようにしようではないかというのが一点であります。さらには、先ほども話題になりましたように、物流二法のように社会的規制といいましょうか、その点には配慮しつつも参入の壁を薄くすること、ハードルを低くすることによって競争を促進することによってコストを下げる努力を事業者の方々にしていただく。その二つが大きなものではないかと思っております。さらには、道路の構造の改善等によりましてかなり大きなロットの輸送ができるという社会環境になりますれば、それに応じましてまた私どもの道路運送車両法関係の規制も緩和していきたい、かように考えておるところでございます。
#20
○直嶋正行君 今、具体的に幾つかお挙げになりました。特に参入障壁の部分ということをおっしゃったわけであります。もう一点、これはちょっと事前に申し上げてなかったんですが、特にさっき言いました交通インフラの関係で言いますと、この前も私は取り上げさせていただきまして、例えば空港使用料とかいろんな問題があるわけなんですけれども、例えばいわゆる公共事業の分野についてはどうですか。
#21
○政府委員(黒野匡彦君) 私ども、交通インフラにつきましては、特に空港、港湾を直接持っているわけでございますが、空港なり港湾をなるべく安くっくるということは当然でございますが、安くつくったとしてもコストはかかる、そのコストを利用者が負担するのか、公費いわば納税者が負担するのかという選択の問題かと思います。
 私ども運輸省の立場から申し上げますれば、ややもすれば今まで利用者に負担を求め過ぎたのではないか、それが結果において国際的に非常に割高な、事業者の方々ひいては利用者の方々の負担になっている、この辺をこれから大胆に改めなければいけないのではないか。この辺は政治のお力もかりながら交通関係のインフラの整備に公的な資金をなるべく入れるように努力をしてまいりたい、かように思っております。
#22
○国務大臣(亀井静香君) 前の委員会でも御答弁申し上げたというように記憶しておりますが、私どもといたしましては、従来のように空港整備それから新幹線の整備、これは特別な財源の手当てをしなければならぬという従来の基本的な考え方を変更すべきだということで、まさに公共事業として六百三十兆の公共投資十カ年計画の中でこれをきちっと我々としては位置づけていくという方向に御承知のようにある意味では転換をいたしたわけでございます。そういう意味では、委員御指摘のようなそうしたコストをユーザーに転嫁していくというようなそういう方向は転換をし、来年度の予算編成にもそれで対応してまいりたい、このように考えております。
#23
○直嶋正行君 ありがとうございました。今のお話の中で、官房長の御答弁の中にもございました公共事業のコストの抑制といいますか、この点もぜひひとつお願いを申し上げたいと思います。
 それで、今回の規制緩和推進五カ年計画は、私もこれ先般予算委員会でも確認させていただいたんですが、規制緩和はいわゆる年度ごとのローリング計画だ、こういうふうに言われております。ちょっと確認の意味でお聞きしておきたいんですが、これは一年ごとに見直しをするということでありますが、先般発表されましたこの五カ年計画の項目あるいは事項にのってこなかった新しいものもローリングの際にはつけ加えていく、こういうことになるのかどうか、ちょっとお伺いしたいと思うのであります。
#24
○政府委員(黒野匡彦君) 御指摘のとおり、新しいものも追加してまいりたいと思っております。
#25
○直嶋正行君 それで、このたびその五カ年計画を三年に前倒しをしていく、こういう方向も円高との関係で出たわけでありますが、それはちょっと後で聞きます。
 このローリングの問題についてこれから新しいものもつけ加えていくということなんですが、そうしますと、どういうやり方でおやりになっていくのかということについて方法論も含めて検討しておかないといけないんじゃないかなと思うのであります。今見る限りそこら辺がまだはっきり見えてこないといいますか、例えば今回の規制緩和五カ年計画で上がってきた項目の中で取り上げなかったけれども検討の余地を残している、それを例えばこれからローリング対象にするのはこういうものですよということを前もって明らかにしていただいて年末から年度がわりのところで検討していただくとか、そういう方向があるんじゃないかと思います。それからもう一つは、さっきのやりとりともちょっと関係するんですけれども、今回の五カ年計画は、例えば国内のいろんな事業者の方とか、あるいは海外からもいろいろと御希望といいますか要請をおとりになった。この努力は多としたいんですけれども、その中でどちらかといいますと、声が出てきた部分についてやれるのかやれないのか、こういう議論が中心だったように思うんです。これは一種の要請主義といいますか、要請のあったものについて役所としてどうこたえられるのかこたえられないのか、こういう議論だったように思うんです。
 もう一つ、私ぜひ持っていただきたいのは、今度は、やはり運輸省というのは所管業務については専門家の集団でございますからみずからここをやれば非常に効果がある、さっき効果測定の話もしましたけれどもそういう視点に立って主体的に項目を取り上げていく、例えばこういうものもローリング計画に入れましょうというようなことをやっていただくとか、こういったことはいかがでございましょう。
#26
○政府委員(黒野匡彦君) まず、ローリングのやり方の問題でございますが、あえて申し上げますと、運輸省は政府全体の今回の計画をつくる前から規制緩和に相当積極的に取り組んでまいっております。したがいまして、今の推進計画を三年でやることになっておりますが、それにとらわれることなく、いわばこの規制緩和というのはその時々の社会情勢なり科学技術の進歩に合わせて常時やらなければいけない問題だ、かように思っておりまして、私どもの本来業務の一つだとさえ我々みんなで思っているところでございます。したがいまして、先生の御指摘のとおり、この問題については全力を挙げて対応してまいりたいと思っております。
 それから、検討中の案件はどうなるのだという御質問、あるいはこれを見直しの対象にしたらどうかというお話でございますが、これは当然でございます。現在検討中になっておりますものの大半が国際的な交渉事項になっているものでございまして、交渉の動向によりましてどうなるか、もう少し帰趨を見させていただきたいというものでございますが、いず札にいたしましてもこれも前向きで対応してまいりたいと思っております。
 さらに、三番目の要請主義ではないかというところでございますが、私ども、ややもすれば自分だけの穴に閉じこもって我々だけの論理で物を考える傾向があったわけでございますが、今回の規制緩和を機に広くいろんな方々の意見を聞いて、実際に国民の方々あるいは事業者の方々にどういう御不便をおかけしているのか、我々が実は気がつかない問題が多々あるわけでございます。そういう意味において関係方面の意見を聞くということは大変大事だと思いますが、今御指摘のとおり、それにとどまるのではなくて私ども自身の発想でさらにその上に加えていくということはやらなければいけないと思っております。
#27
○国務大臣(亀井静香君) つけ加えて、ちょっと私の方から逆にお願いでございます。
 我々も不断にそうした努力をしてまいりたいと思っております、現在もしておるわけでございます。私の方から各局長にちゃんと君たち不断にそういう努力をしなさいよと言って、一般的な指示を受けてどれをやろうかということももちろんやるわけでございますが、実際的に効果がございますのは、この委員会の委員の皆様方は国民の代表でございますから、皆様方の方でこの規制はちょっとおかしいんじゃないか、廃止したらどうか、あるいはこれを緩和したらどうだというような具体的な御意見をいただければ、それについて国会の場で我々は責任のあるお答えをしていかにゃいかぬわけでございます。それが二つのプレッシャーになって、規制緩和を具体的に運輸省が推進していく中身の話を、下世話な話もしておるわけでございますが、なろうかと思いますので、ぜひひとつこの委員会におきましても各委員の皆様方からそういう具体的な御提言もいただければ非常にありがたいと、このように考えております。
#28
○直嶋正行君 今の御提言の趣旨はしっかり受けとめたいというふうに思います。
 あとは、先般円高対策が出されたわけでありますが、この関係についてお伺いしたいと思うのであります。
 まず最初に、きょうは八十四円ちょっとですか少し戻しているようでありますが、いずれにしてもしかし異常な円高だと思うのでありまして、この円高についての御認識といいますか受けとめ方をちょっと大臣にお伺いしたいと思うんですね。
 今回の円高というのは、特に製造業、輸出関連の企業を中心にもう企業の努力ではとてもとても対応できない異常な上がり方でありますし、現実の水準もそうだと思うのであります。とりわけ、中小企業に非常に影響が大きいというふうに思うわけであります。実際、運輸省所管の業種でいつでも、例えば国際航空運賃等を見ますとやはりこの影響というのは非常に強いんじゃないかと思うわけであります。とはいいながら、私はこの円高の影響が、ややもすればいわゆる輸出関連産業中心に被害が大きい、あるいは大変だ、こういうことが論議され過ぎているように思うんです。
 といいますのは、例えば今産業の空洞化ということが言われておるわけでありますから、円高に対応して製造業が海外へ出ていくということになれば当然国内の物流量に影響があるわけでありまして、国内の運輸産業もその面でいいますとかなり強い影響を受けるはずなんです。それから、最近のように国際化してまいりますと、例えば最近ジャパン・バッシングということがよく言われているわけですね。国際物流の世界でいいますと、どうも最近日本をパスして、特に経済発展をしているアジア中心に日本を通らずに物を運ぶ、円高が進んでいくと日本を経由するとコスト高になるということで当然そういう現象が起こってくるわけですね。
 したがいまして、私は、やはりこの円高の問題というのは運輸業含めて日本の構造的なところに非常に大きな痛手を与えている、このように思うんですけれども、例えば現実の物流関係の産業等の現状も含めてどのように今受けとめておられるのか、御所見をお伺いしたいと思います。
#29
○国務大臣(亀井静香君) 私は、この円高問題について、いわゆる短期的に見た場合は輸出産業中心に大変な影響を与える、しかも、こうした急激な形で起こるということはこれは極めて深刻な事態だと、このように受けとめております。しかし、円が高くなるということは、一方では日本の経済力が強いということの客観的な証明という一面もあるわけであります。
 アメリカが基軸通貨国としてドルをどんどん印刷しまくって、基軸国としての特権を享受してとまでは言いませんけれども、わあわあと喜んでおればこれはアメリカとしても将来大変なことになるわけであります。現在はどちらかといいますと、そういうことでアメリカ経済自体を含めて、国際基軸通貨を自分たちがいわば一手に持っておるというその特権のむしろ短期的にはプラス面がアメリカ経済にも出ておるという面が確かにあろうかと思うわけでありますが、しかし、長期的に見ればアメリカにとってこれは決して好ましいことじゃないわけであります。
 これは当面の対策からいいますと二律背反の面がございますからなかなかやりにくい面はありますが、円の価値が高くなって基軸通貨に近い性格を円が持ってくる可能性も将来的にはないわけではない。それだけにアメリカの責任、これをアメリカが早く自覚をしてもらうということがアメリカにとっても私は大事なことだと思います。
 そういう意味で、ただ現在円高で大変だ大変だということを我々が声高に叫んでうろたえるということだけじゃなくて、当面国際協調を含めて円安の方に早急に戻す努力をしなければなりませんけれども、しかし一方では、この円が非常に強くなっていることによるメリットも生まれてくるわけでありますから、そのあたりのメリットをさらに我が国経済を強化するという方向でどう活用していくかということもあわせてやっていかなければならないと思うわけであります。
 したがって、円高メリットが一部の企業、産業の中で滞留をしておることがないのかどうか、これが我が国経済の体質を強化するという方向に、メリットの方向にそれをどう早く及ぼしていくかという努力も政府としてやらなければならない喫緊のことであると、このようにも考えてその対策を今政府としても打っておるわけでございますけれども、当面は、そうは申しましても輸出関連産業について、特に中小企業についてきちっとした金融面を含めて国としての出動をしなければならないという観点で、第一次補正につきましても現在策定をしておるわけでございます。
 運輸省といたしましても、今私鉄の料金値上げ等につきましても、これは電力その他が値下げしてくれなきゃどうにもならぬわけでございますが、円高メリットがいろんな形で運輸関連産業にもこれが還元をされていくという中で、そうした料金問題についても、我々としては国民に利益を還元していくという形で取り組んでまいりたいと、このように思います。
 また、長期的にというよりも、当面のこととして取り組まなければならないというように我々考えておりますが、やはり我が国産業がもっともっと国際競争に勝ち抜く、そうした技術革新を含めて早急に進めていかなければならないと思います。我が国の技術について、代替不可能なような、これはシュンペーターの言っております創業者利益といいますか、そうした先端的な開発、技術革新、これをやっていくということがやはり一番大事なことであります。
 それにつきましては、例えば港湾等につきましても、今度阪神の復旧じゃなくて復興ということで十五メートル水深のを十バース、大阪についても三バース、建設の計画をいたしております。それとあわせて、さらに今度は陸上物流と海上物流をどう機能的に結びつけていくか、ヤードの近代化の問題、こういうことをやはり思い切ってやることによって輸出に向けてのコストも低減でき、また輸入についてのコストも低減できる、そうした物流コストを大幅に低減もできます。またテクノスーパーライナー、いよいよ六月には実験港を決定いたします。
 そうした輸送手段の近代化、こういうこともやはり思い切って進めていくことによって実質的な国際競争力を強化をしていくということを、円高だ、大変だ大変だと言ってわめくだけじゃなくて着実にこれを近々に推進をしていく必要がある、このように考えております。
#30
○直嶋正行君 今大臣から詳しく御答弁いただきました。その中で、例えば今後の技術開発を含めて港湾等の近代化というお話がございました。私はぜひそれをお願いしたいというふうに思うんでありますが、一点ちょっと申し上げたいんです。
 例えば国際競争力という視点で見ましたときに重要なことは、この技術水準の高さ、もちろんこれは重要なんですが、それとその技術を使用した場合のコストといいますか、価格ですね、これが非常に重要な要因になってくるわけです。最近、日本のこれからの産業のあり方の問題として、ちょっとこれは通告した内容と外れますが御了解いただきたいと思うんでありますが、よく議論されているのはまさにその部分であります。
 要するに、これからの日本の産業のあり方としてやはり技術力を生かしていくと、このことは非常に大事なんですが、同時に問題は、それを事業につなげていくときに残念ながら我が国の技術力というのはいいものを持っていますが値段が高い、それからその新しいものを使って自由になかなかできない、この辺がやっぱりネックになっているんじゃないかというふうに言われているわけです。例えば、今国際的に非常に議論されています情報通信なんかもそうなんですね。そういう意味で見ると、国際的に見て日本のそういう分野でのいわゆる先端技術というのは倍ぐらいするとか、いろんな指摘があるわけであります。
 ですから、今大臣のおっしゃった視点は非常に大事な視点なんですが、今私の申し上げた点もぜひ念頭に置いて指揮していただければ大変ありがたいと思うわけであります。
 それからもう一点。ちょっとこれは大臣の御見解、あわせてお伺いしたいんです。といいますのは、最近この円高の中で石油の値段も少し上がっているんですけれども、軽油価格の問題なんです。これは御承知のとおり、昨年の一月から軽油引取税が上がりました。私たちも当時、運送業界からなかなか価格転嫁ができないので大変だというお話をお聞きしたんですけれども、例えばこの円高の状況を生かして、この軽油価格をいわゆる円高差益ということで引き下げに御努力をいただく。さっき電力のお話ございましたけれども、そういうこともあわせてぜひお願いしたいと思うんでありますが、この点も含めてちょっと御答弁お願いします。
#31
○政府委員(豊田実君) 大臣の答弁の前に、ちょっと事務的な状況を御説明申し上げます。
 今御指摘のありました軽油の状況でございますが、実態面ではことしに入ってからずっと横ばいの状況というのが実勢でございます。ただ、今回、政府全体の円高対策という中で、私どもの分野といいますか軽油の問題については、所管の省庁から差益還元ということで要請の文書を既に資源エネルギー庁の方から出していただいております。
 今後この要請に応じてどういう対応が出てくるかというのは原油価格全体の動向とも絡むわけですが、軽油価格が引き下げられるという状況が出てまいりましたら、私どもの分野では動力費の割合が大体五%というかなり限られた土俵の上でありますが、利用者にわかりやすいサービス向上に軽油価格が引き下げられるという状況を反映していくという努力をしたいと思っております。
#32
○国務大臣(亀井静香君) まず最初の御質問の件でございますが、コストを下げるという面ではちょっと先ほどの委員からの御質問にもお答えしたことと関連するわけでありますけれども、そうした港湾の建設あるいは空港の建設、新幹線の建設、そうした運輸関係の社会資本の整備につきましてやはり国が思い切って前に出てその建設の負担をしていくということをぜひやっていきたい、このように考えておるわけでございますので、六百三十兆のうちそれをどういう区分で割り当てていくかというようなことも運政局を中心に陸海空のトータルプランを今策定しておる最中でございますが、そうしたことがなければ委員御指摘のように非常に技術力の高いものができても使用が非常に高くつくということが生まれてこようかと思います。
 それともう一つは、若干これは間接的になりますが、そうした技術革新につきまして国がやはり研究開発段階から資金を思い切って投下していくということが私はコストを下げるという面でも大事だ、このように考えておりますので、御承知のテクノスーパーライナーあるいは海上浮体構造物等の今研究をしておりますけれども、運輸省としてできるだけこれは融資面等を含めまして低コストでの開発が可能になるような努力をしてまいりたい、このように考えております。
#33
○直嶋正行君 ありがとうございました。
 あと円高に関係しまして一、二お伺いをしておきたいと思うんですが、一つはこの規制緩和推進五カ年計画なんですが、これは三年に前倒しをするということで、さっきちょっと御答弁の中でもございましたが、これはどういうふうにやっていくのかなと。
 例えば、今の運輸省のお出しになった項目を見ますと、ちょっとこれは数え方の関係で少し誤差があるかもしれませんが、トータルで二百十九事項のうち、私ちょっと数えましたら、平成七年度、この四月一日実施も含めて百五十ぐらいですか、それからあと八年度が十三、九年度が八つぐらいですか。問題は、七年度以降逐次やります、五年間でやりますというふうにお決めになったものが四十五、六あるんですかね。ですから、この七年度以降逐次というものと、それから年度ごとに大体決まっているものを含めて全体的にどういうやり方をされるのか、ちょっと技術的なことなんですがお伺いをしておきたいと思います。
#34
○政府委員(黒野匡彦君) 今、先生御指摘のとおり、七年度以降という五年間をくくって表示してありますのが約四十項目ございます。それから、逆に四年度以降、要するに十年、十一年度、その二年度間にやりますよというのがたしか五項目程度ございます。これを合わせましていずれも三年以内でやりたいと思っています。率直に申し上げまして事務的には大変タイトな作業になりますし、あるいは国会での御審議にもまた特にお願いを申し上げなければいけないと思っていますが、いずれにしても決まった方針でございますから三年以内に必ず実施をさせていただきたいと思っています。
 ただ、唯一例外といたしまして国際条約等で国際的な基準を決めましょうというのがあるものですから、これにつきましてもちろん国際の場で我々も努力いたしますが、世界全体の動きと調和をとらなければいけないという点が一、二あることだけは御了解賜りたいと思います。
#35
○直嶋正行君 それからあと、特に内外価格差との関係で今ちょっと電力料金だとか軽油のお話をさせていただきました。最初に運輸省の四つの基準というのを規制緩和に関して申し上げましたが、その中にも物流コストの削減ということがあるわけなんですけれども、やはりそういう点を見ましてもこの内外価格差の是正、縮小というのは大変重要だ、こう思うわけであります。
 今回、例えば政府の方針の中で従来なかった点として、中間財とかサービスについても毎年価格調査をしてその要因を分析しよう、それをさらに規制緩和計画に反映させよう、こういう方針になっておりますが、この点に関して運輸省としての取り組みをちょっと確認させていただきたいんです。
#36
○政府委員(豊田実君) 内外価格差問題として我が省としての取り組みでございますが、御指摘の物流サービスだけではなくて、旅客輸送サービスあるいはパック旅行というようなものを調査対象として今実施しておりまして、できればこの五月末までに結果を取りまとめたいと思っております。
 ただ、これは単純な価格の一覧表ということではなくて、先ほど来議論ございますように、我が国のコスト高の要因となっている人件費とか土地代あるいはインフラコストそのものの高さとか、あるいはかなり諸外国では財政からの補助制度というのがございますが、この制度の有無とか商慣行の違いといったその背景になるいろいろな要因も同時に把握した上で分析をしたいと思っております。この分析結果、先ほど来お話があります規制緩和推進計画そのものに反映できるものは可能な限り対応していきたいと思っております。
#37
○直嶋正行君 最後に、この内外価格差の分について御要望申し上げておきたいと思うんですが、今御答弁あったそういった分析結果等をやはりできるだけ公表していただきたいということであります。オープンにしていただきたい。
 それからもう一点は、今御答弁の中でもありましたが、ただ分析ということではなくて、それをぜひ具体的な、特に規制緩和につなげていただきたい。確かに、この日本の物価高というのは先ほど来ありますように規制の問題だけではなくて流通上の問題とかいろんな要因があると思うんです。ただ、私が思いますに、国としての姿勢を示すあるいは意思を示すというのは、具体的に国ができる事柄ということで言えば規制緩和とかこういう面でやはり強い意思を示していただく、そうすると例えば流通分野だってあるいは消費者の意識だって当然変わってくると思うわけでありますね。ですから、それがやはり日本の物価高を是正していくことにつながってくるんじゃないかと思いますので、ぜひお願いをしたいと思いますし、さっき申し上げた軽油もぜひフォローしていただければというふうに思います。
 以上で終わります。
#38
○高崎裕子君 許認可事項が大変多いのが運輸省関係であると言われているんですけれども、むだで不効率な手続は整理されていくべきであるということはこれは言うまでもありませんが、しかし運輸関係というのは安全の確保というのが第一の使命であり、そのことを少しでも緩めるということはこれは絶対あってはならないと思うわけですね。同時に、運賃の自由化とか参入の自由化も、大手企業の参入等により過当競争、運賃ダンピングなどで地元の中小業者に影響を与えたり、時には撤退を強いるということにもなる。それは利用者にとっても無関係ではなくてサービスや安全にかかわってくる問題でもあるわけで、それだけに慎重に検討されなければならないというふうに思うんですね。
 それで、まず海上運送法に関する事項についてお伺いいたしますが、今までの需給要件を許可基準としていたものを、これはなぜ除外するのか。そして、今度の改正では旅客不定期航路事業のうちいわゆる遊覧旅客不定期航路事業だけを除外するわけですけれども、この理由はなんでしょうか。
#39
○政府委員(平野直樹君) お答えいたします。
 一般に企業活動はできるだけ自由にすることが消費者の利益につながるという考え方で検討しておりまして、ただし、過当競争が公益的な性格の強いサービスの提供に支障を及ぼすというおそれがある場合には、もちろんこの点は事業規制という形でチェックをしておるわけでございます。
 今回、冒頭申し上げましたような観点から、できるだけ企業活動の自由を確保するという見地から見直しを行ったわけでございまして、その中で今御指摘もありました観光を目的とする航路運航事業につきましては、競争の弊害が少ないというふうに判断をいたしまして需給要件を外したということでございます。
 また、旅客不定期航路事業のうち遊覧航路事業だけを対象とする理由でございますが、この遊覧航路事業というのは起終点が同一であり寄港地を持たない航路というふうに定義をしておりまして、場所の移動そのものを目的としていない需要に対応したものでございます。観光客が利用しておるという航路でございまして、その点におきまして生活航路としての性格を持つほかの航路事業と区分することが可能であるというふうに判断したところでございます。
#40
○高崎裕子君 そこが私はちょっとよくわからないところがあるんです。要するに、この需給調整をやめるということは、観光客の選択を拡大するということと一般旅客の定期航路事業と競合しないということからというふうに私は受け取っているんですけれども、こういう理由で需給調整をやめるということがよく理解できない。というのは、需給要件の基準というのは、過当競争を防ぎ、とりわけ中小業者の多い運輸部門において中小業者とか中小零細業者を追いやることになってはならないというふうに考えるわけで、ここはぜひ慎重に検討していただきたいというふうに思うんですね。
 それから、理解できない一つとして、旅客定期航路事業と競合しないという理由なんですけれども、定期航路事業と競合しなければあとは競合してもいいのかということになるんで、不定期航路事業とは競合してもいいんだということになってしまうわけで、ここが私は全く理解できないところなんです。
 需給調整をやめることによって競合し合ったり、地元の中小零細業者が犠牲になっては絶対ならないと思うわけで、同時に、観光客の選択を広げるという名のもとに需給調整をやめて、そのことによって参入をめぐっての過当競争になる、これで地元の中小業者が切り捨てられていくということになると、これは結果としては観光客のためにもならないということになるわけで、この点はいかがでしょうか。
#41
○国務大臣(亀井静香君) ちょっと私の方から概括的なことでお答えしますが、遊覧船等の部門というのは、大ざっぱに言いますと小さい業者ということになりますと限りなく小さくなっていく可能性のある分野で、例えば何人がしか乗れないようなクルーザー等を利用しての遊覧観光という分野まですそ野が広がっていくわけですから、どちらかといいますと大手の資本が逆になかなか、むしろ投資効果なんかからいいましても入ってきにくい分野でもあろうかと思います。したがいまして、こうした自由化を行うということは、零細の中小業者あるいは新しくそういう観光業をやろうというような、そういうまさに零細の方々が創意工夫を凝らして自由に入ってこれる条件をむしろ拡大をするという効果があるのではないかな、このように思います。
 そういう意味で、いわゆる生活に対する欠くことのできない利便としての定期航路その他とはやはり若干違った性格を持っておる分野だという判断が前提にあるということを御承知いただきたいと思います。
#42
○高崎裕子君 今、大臣は遊覧船の分野は大手の資本がなかなが入ってきにくいという点では創意工夫で拡大できる条件があるというお話なんですけれども、そこで大臣に具体的にお尋ねしたいんです。
 特に、遊覧旅客不定期航路事業の大半というのは大臣も御承知のとおり中小零細業者なんですが、これは経営状況も大変厳しいものがあるんですね。それで私も調べました。平成三年度で経常損益というのは全体で二億二千八百六十一万円の赤字、平成四年度も二億一千三百四十万円、五年度も一億二千二百万円と赤字なわけですね。この赤字経営が続く中で需給調整をやめて参入の自由化をし、運賃も認可から届け出ということに大幅に緩和するということになると、ますます地元の中小零細業者に影響が大きいものがあると思われるわけです。
 とりわけ、具体的には例えば宮城県の松島の観光船の企業組合というのがあるんですけれども、過当競争になってお客の奪い合いになってしまうと、それで現に松島には大手が松島航路にも入りたいという動きがあるわけです。こういうふうになると、ここの松島は一杯船主ということで、そういう我々にとってはもう大きなダメージを受けるということで強い反対の声が地元からも現に上がっているということがあります。
 こういう状況を踏まえて、この点についてもぜひ運輸省としてもきちっと対応していただきたいというふうに思うんですが、この点いかがでしょうか。
#43
○政府委員(平野直樹君) ただいま先生の御指摘になった収支状況というのは、北海道の旅客不定期の航路事業者の経営状況でございます。不定期に限らず定期も含めまして確かに旅客船の事業はかなり厳しいものがございますが、先ほど来申し上げているように、旅客船の航路事業の中でも観光の需要を対象にしたものとそのほかのものとは需要圏といいますかそういうもので区分が可能だろうということで、これについてはより活動の自由を拡大した方が全体の消費者の利益になるのではないかということで、今回こういう御提案をしているところでございます。
#44
○国務大臣(亀井静香君) 宮城県の事情は私まだ詳細に承知しておりませんが、よく調べたいと思いますけれども、そうした大手の企業から見れば採算が可能なところ、やはりそこらに進出を大体していくという方向をとるんじゃないかと思います。松島湾がそういう意味で大変魅力のある地域だということであるということは、ある面ではまたいいことだと思います。
 ただ、その場合に地元の中小の業者もやはり創意工夫を凝らしてそれに対抗していくという私はバイタリティーもなければならぬと思いますので、国が許認可権でちゃんと防いでくれるんでおれたちはということだけではやはりいかぬと思います。しかし、そうした形で御努力されることにつきましては、運輸省としていろんな面でお手伝いすることがあれば具体的な御相談に乗らさせていただきたいと思います。
 ただ、全体として私申し上げますのは、そうした分野というのはむしろ小さい業者が創意工夫を凝らしながら事業展開をしていくのに非常になじむ分野であるという、そういう全体的な判断をしておることを御理解賜りたいと思います。
#45
○高崎裕子君 これ松島だけではなくて中小零細の問題というのは大変大切な問題だと思いますので、ぜひこの点はよろしくお願いしたいと思います。
 次に道路運送法についてお聞きいたします。
 今度の改正は、大都市におけるバス事業の免許や運行経路、運行回数の休廃止、これについて首長の意見を聞かなければならないという規定の削除ということになるんですけれども、その理由が法制定当時の意義がなくなったというふうに言われますが、むしろ制定当時というのは、逆に運輸省は繰り返し大都市の都市交通として総合的に考える必要からこの規定が必要だったというふうに答弁もされていたわけです。特に、路線や運行回数の休廃止というのは住民にとっても大変大切な問題だという点で意見が出てくるケースも現にあるわけですから、そのときに首長の意見を聞くということは私はこれは意義があることではないかと思うんですけれども、この点いかがでしょうか。
#46
○政府委員(高橋伸和君) 道路運送法九十条でございますが、今先生お話ございましたように、これは道路運送法ができました昭和二十六年当時、戦後大変バスの免許申請が相次いだ、こういう事情がございます。そういった中で私どもの地方の審査体制というものが十分じゃなかった、そういうことから東京を初めとします八都市につきまして免許あるいは休廃止の処分をするときには地方自治体の意見をお伺いする、こういうことにいたしていたわけでございます。しかしながらその後、現在に至りまして体制も整いまして、むしろこの意見徴取ということが事業の効率化あるいは手続の迅速化ということに反するという弊害も出てまいりまして、今回この規定を廃止させていただきたいというものでございます。
 ただ、先生今御指摘になりましたように、地方のバスの足の確保、特に休止、廃止ということにつきましてはこれはより慎重に扱う必要があるということで、道路運送法三十八条におきまして、バス路線の休廃止に当たりましては公衆の利便が著しく阻害されるおそれがあるかどうかを判断しなさい、こういう規定がございます。これに基づきまして、私どもかねてから、休廃止につきましては関係市町村の意向を尊重するという通達も出しております。したがいまして、今回九十条を廃止いたしましても三十八条は残るわけでございますから、その趣旨にのっとってバス路線の休廃止については従来どおり地方の意向を尊重してまいりたい、かように考えております。
#47
○高崎裕子君 それで、この地方バスについては、住民にとっての最後の足という点でも運行にかかわる問題、とりわけ休廃止ということでは住民とかそれから自治体関係者の意見を聞くということで、これはもう当然のことだというふうに思うんです。
 これは大都市にあってもバスは地下鉄、鉄道など他の交通機関との密接な連携を必要とするという点で、特に大都市における交通問題というのは現在一層重要な意味を持ってきている。経路だとか回数、休廃止という点では自治体と無関係で行われるということはこれはあってはならないという点では、都市政策上の問題にかかわってくる私は問題だと思います。大都市におけるバスの運行形態という点では生活に直結する面もあり、それから都市交通として他の交通機関と総合的に考えてやっていくという点ではとりわけ自治体との連携が一層必要となってきますので、この点、具体的にこの規定を削除ということになったとして、どのようにその辺を担保されるということになるんでしょうか。
#48
○政府委員(高橋伸和君) 先生御指摘のように、特に大都市におきますバスのあり方というものは大変重要でございまして、従来から私どもバス活性化委員会というものを各県のバス脇を中心に組織させていただいております。ここで道路管理者あるいは警察当局、地方自治体、そういったところの御意見を伺いながらバスの活性化に資しているところでございます。また、昨年の九月からは、特に交通渋滞対策ということで警察庁、建設省、私ども三者で渋滞対策協議会というものを、これも各都道府県単位で設置いたしましてバス路線の円滑な運行ということを確保していきたいと思っているところでございます。
#49
○高崎裕子君 それじゃ、次にタクシーの関係でお尋ねいたしますが、タクシーの規制緩和もいろいろ取りざたされております。
 タクシーをめぐる状況というのは大変厳しいものがあるわけで、特にタクシー労働者というのは長時間労働、低賃金というこの構造が改善の兆しすら見せていないということで、この三月からはまた東京や神奈川でタクシー運賃の値上げが行われました。その改定の理由がタクシー労働者の労働条件の改善ということでしたが、利用者も、タクシー労働者が余りにも過酷な労働条件である、低賃金である、その改善のためであればある程度の値上げはやむを得ないというふうにやっぱり思っているわけです。しかし、本当にこの運賃の値上げが労働条件の改善に結びついているのだろうかというところがやっぱり問題で、実態はそうはなっていない。
 特に北海道も、一昨年ですから九三年の六月に運賃の値上げをいたしました。そのとき運輸省は、運賃改定による労働条件改善原資、改定率に含まれる運転者の人件費寄与度分、これを確実に還元するとして、営業収入に含まれる改定率一〇%相当額のうち運転者の人件費寄与度というのは北海道の場合は六五・四%ということで、これを運転者に還元するということになっていたわけです。しかし、実態はそうではなく賃金はむしろ下がっている。これでは労働条件改善ということで運賃を値上げしたということで利用者をだましたと言っても言い過ぎではないと思うわけで、ここはやっぱり厳しく指導していただきたいというふうに思うんですけれども、いかがでしょうか。
#50
○政府委員(高橋伸和君) 先生御指摘のように、タクシーの労働条件の改善というものは急務になっております。この観点から運賃改定を行ってきておるところでございますが、改定後の労働条件のあり方につきまして私どもといたしましてもフォローアップをいたしております。そういった状況の中で賃金の改善につきまして事業者を指導しておるところでございます。
 ただ、北海道の前回の運賃改定につきましては、平成五年の六月と八月、これは地区によってちょっと時期が違うわけでございますが、景気の低迷等によりまして運送収入が減少するというふうな状況の中で乗務員の方の平均賃金も上がっていない、こういう実態がございます。この調査結果を踏まえまして私ども、運輸局から北海道の乗用自動車協会に対しまして、一層の労働条件の改善あるいは運賃改定の趣旨を徹底させるようにという指導をいたしておるところでございます。また、個別の事業者について、著しい労働条件の悪化というふうなものがございました場合には個別の事業者に対しても私ども指導させていただいている、こういう状況でございます。
#51
○高崎裕子君 今局長のお話の中でも、改善されていない理由として運賃改定後の増収率が大幅に下がったということですけれども、売り上げが落ちるということを理由にしたらいつまでたっても労働者の労働条件の改善というのはできるはずがないんです。この運賃値上げの理由があくまでも労働条件の改善、特に一〇%値上げ分の人件費寄与度分六五・四%というふうに、これを還元するんだというふうになっているわけです。これは業界も運輸省もこういうことを認めていたわけですから、やっぱりこの点はこういう立場で指導していただきたいと思うんですが、いかがですか。
#52
○政府委員(高橋伸和君) 運賃改定の大宗を占めます労働条件の改善、これを進めていくことは私ども当然だと考えております。ただ、増収を見込んでいたにもかかわらずむしろ減収であるという状況の中で、その一定の割合を労働者に還元するということもまた非常に難しい状況にあるかと思いますけれども、やはり四十時間への時間短縮等に備えまして着々とそのような労働条件の改善を進めていくということは事業者にとっても必要なことでございますので、その旨今後とも指導してまいりたいと思っております。
#53
○高崎裕子君 この売り上げが伸びないというのは労働者に原因があるわけではないわけですよね。運輸省もタクシー労働者の過酷な労働条件を認めてやっぱり改善しなければならないということで運賃の値上げを認めたわけですし、売り上げが伸びないから労働条件改善に手をつけないということはこれはあってはならないし、約束に反するということになると思うんです。
 バブルが崩壊しているのにそのときの車両数がこの不況のもとで何ら変わらないというのがそもそもの問題ではないか、売り上げが伸びないといいながら車が大量に出回っている、ここに手がつけられていないということがやっぱり根本問題ではないかと思うわけですね。北海道は実車率が平成五年度で何と平均四二・五%ということになっており、六年度そして現在とその輸送状況というのは軒並み落ちて、そして最悪になっているわけです。
 ですから、ここは思い切った減車というようなことも含めてこういう抜本的な改善ということをやっていかない限りは、労働条件の改善ということは空文句に終わってしまうわけですから、この点での指導というんでしょうか、そういうことをぜひお願いしたいと思うんですが、いかがでしょうか。
#54
○国務大臣(亀井静香君) 労働者に対してそれを還元していくということは極めて大事なことで、それに視点を置いて値上げを認めたわけでありますが、ただ実際の営業収入が落ちている中で、じゃその分を経営者の方にいわゆる転嫁という形で労働者の条件を改善しろといっても現実的にはなかなか難しい面がある。やはり景気の回復の中で営業収入がふえていくことが期待されるわけで、それについて直ちに事業者に転嫁をしてということは現実問題としてはやはり難しい面が私はあると思います。
 しかし、我々としては、運賃改定の際に労働者の条件を改善するということをきちっと中心に置いてやっておるわけでありますから、それは具体的にトレースをやっておりますので、それに不誠実なところについては具体的な行政指導を強くかけていくということは今後ともやっていきたい。
 それと、今減車をしろとのお話でございますが、私は基本的には、そうした特に中小のタクシー業者等についての増減車を、景気がよくなった悪くなったということで運輸省が一々、三台減らせあるいは今度は一台ふやしてもいいというようなことまでやるということが果たして、中小の業者にとって大変なこれは負担にもなるわけでありますから、そこらはやはり業者の自主的な経営判断等に任せるべきだというのが私の基本的な考え方で、そのように局長にも言っておるわけでありまして、そのあたりを増減車をきちっとしないのがそうした営業収入の上がらない原因だと言ってしかられても、私はそこまではやるべきではないという考えを持っています。
#55
○高崎裕子君 終わります。
#56
○下村泰君 私はこの法案に対して別に反対をする気持ちは一つもございません。そこで、私はこの議会用語というんでしょうか議員用語というのは本当にどうもまだ身につかないで、難しい言葉を言うのは面倒くさくてしょうがないんで、私のつまり気持ちをお話しして、ひとつ私の気持ちはこうなんだけれども大臣はどういうふうにお考えなんですかということをちょっと伺ってみたいと思うんです。
 この規制とか許認可というのは一体だれのためにあるのかしらということなんですけれども、当然どういう規制か許認可なのかによって、だれが影響を受けるのかによって違ってくると思うんです。ここで私が伺いたいのは、そのもっと根本的なところで許可するとか認めるというのは何かいかにも偉そうな立場で物を言っているように聞こえてしょうがないんですね。許可したり認可したりするという表現から改めるべきじゃないかなと思うくらい、その姿勢に問題があるように思うんです。
 事業者であっても利用者であっても、すべてこれ国民なんです。その国民のために役所があり、必要なルールというものがつくられると思います。そして、そのルールは国民が選んだ議会で決めるのが民主主義の根本だと思います。ところが、今は役所といいますか行政で決めることの方がずっと多い。また、法律で決めたことを実行する段になると、行政といいますか中央及び地方官僚が国民に実質的に影響する細部について決めていくわけです。そして問題は、そうやって決まる政令、省令、規制、ガイドライン、指導などについてきちんとチェックできる体制が機能していないということだと思うんです。行政手続法ができましたが、これとても限界があります。本当は選挙で選ばれた者がその資格、権限を持っているわけですが、それが果たされていない。
 いろいろ申し上げましたが、選挙民から委託されている身として、許認可の決め方やそのチェックについて何かしら対応を考える必要はないのでしょうか。規制の数の多い少ないよりも、その質やあり方が重要ではないのかなというような気もいたします。
 私は、これまで一貫して難病、障害を持つ人々の問題を取り上げてきましたが、ある意味で規制なり指導を強化することによってそうした人々の社会参加や自立が実現できたところも多いと思います。その規制強化の大義といいますか理由は、私に言わせれば公平な環境、社会づくりのためということです。ここ数年、運輸省も大変よくやっていただきました。いろんなことを申し上げましたけれども、随分細かいところまでやっていただきました。障害を持つ人々の交通アクセスは確かに変わりつつあります。
 しかし、本来最も強制的に整備すべき部分が最もおくれていて、一方で不要と思える規制があると思います。どうもこういうところに国民の不満とか不信があるんじゃないのかなというような気がします。すなわち、この規制の理念、哲学が欠けているんじゃないかなと思うんです。今まで何かいろいろと偉そうなことを申し上げましたが、大臣どういうふうにお考えでしょうか、御意見を聞かせていただければ幸いです。
#57
○国務大臣(亀井静香君) 先生かねてからお話しのような政治なり行政が社会的弱者に視点をきっちり置いてやるべきだというお考えは私全く同感でございまして、強者はいわば自由競争のもとで放置をしておってもどうにか生き延びていけるわけですが、障害者の方とか高齢者の方だけじゃなくて、人間生まれたとき必ずしも平等な形で生まれてまいりませんから、そうした中でやはりそれぞれ人生をできるだけなるな、平等な条件の中で生き抜いていくためのそういう仕組み等をつくっていくのが私は政治の責任であり行政の責任だ、このように考えております。
 そういう意味では、最近の規制緩和の大合唱のまともな部分もありますけれども、一方では自己責任を強く言うことによってもう規制はどんどん外していいんだという議論が相当強く近年出てまいりました。残念ながら世界も日本もそうでありますけれども、それぞれが自己責任をきちっと法律で規制されなくても命令されなくても果たしていけるような状況にあるかどうかという、現状をきちっと見た上でやっていかなければ、結果として社会的弱者がますます窮地に追い込まれていくという私は可能性が出てくると思うわけであります。そういう意味で、私何度も申し上げておりますように、安全面とか環境保全、弱者と強者の実質的な競争力を担保するという観点からはむしろ規制を強化する場合だって私はあり得ると、このように思うわけであります。
 ただ、行政というのはずっと長い継続であります、積み上げでありますから、その中で時代がどんどんと変わっていっている。その中で法律なり省令なり規則が機能していない、もう空文化している、あるいはそれ自体がもう時代に合わなくなっておるということを、本当であれば個々に毎日の業務の中で、運輸省にも各課、係がおるわけでありますから、自分の担当している法令、行政について毎日それを点検しながら直していくという作業をやらなきゃいかぬわけであります。
 私もかつて役人をしておりましたけれども、しかしそうは言ってもそういう機能というのはなかなか生まれにくいのが行政組織の私は常であろうと思いますので、ある意味ではこのたびのように、いわば旗を立ててお祭りとは言いませんけれども大合唱で総動員で総点検をしてそういうものを整理していくという、別にパフォーマンスじゃございませんけれども、それがやはりそうしたことに効果的に機能をするということもあるんじゃないかと思うわけでございます。
 この際、我々としては徹底的に検証をしていくという姿勢で進んでおるわけでありますし、このたび百三十項目で終わるというんじゃなくて、今後とも日常不断にその努力をしていきたいと思います。ただ、委員御指摘のような点をきちっと見据えてやらなければならない、私はこのように考えております。
#58
○下村泰君 ありがとうございました。
 確かに、障害を持っている方あるいは高齢の方々は、ある程度の規制とかあるいは強化すべきところはそれがきちんとできていませんと守られない方々が多いわけなんですね。我々健常者はほっておいても構いませんけれども、そういう方々にとってはそういう強化というのはまことに必要なんで、そういう意味でその強化をするラインを間違えないでいただきさえすれば、こんなありがたいことはないと常々思っています。
 そこで、前にもたしか申し上げたと思うんですけれども、障害のある方が御自分で車を使いたいんだけれども御自分の障害によっていろいろ車を改造しなきゃならないんです。大分手続も簡便になったように伺っておりまするけれども、時間は随分短縮されたんでしょうか。手順を一応確認させていただきたいと思います。
#59
○政府委員(高橋伸和君) 障害者の方の改造自動車に限りませんで、自動車を運行するに当たって、安全上、公害上の観点から保安基準に今適合するということが必要でございます。したがいまして、身体障害者の方が御利用になるように改造する場合には審査を行っておる、こういう状況でございます。この審査の手続は通常二週間ぐらいを要しているということでございます。
#60
○下村泰君 例えば、ブレーキとかその他ハンドルとかがちょっと変わった場合にはそんなに短くならないんでしょう、もっと長くなるんでしょう、どうなんですか。
#61
○政府委員(高橋伸和君) 例えば、下肢が不自由な方の場合にブレーキとかアクセル、これは手動でやらなければいけない、こういうことで手動式のハンドルレバーを取りつけるというふうなことになるわけでございますが、そうした場合にハンドルレバーの強度がどのぐらいであるかとか、あるいは操作の容易性というふうなことの審査を行っておりまして、この審査に二週間ぐらい。さらに、この審査に通りますとそこで改造自動車審査結果通知書というものを交付いたしまして、それであとその検査、登録ということになるわけでございます。今二週間と申し上げたのはその審査に要する手続が二週間ぐらい通常がかっている、その後は検査に持っていかれればそれで登録ができるということでございます。
#62
○下村泰君 車種が変わった場合はどうなりますか。例えばカローラからサニーになるとか、あるいはシーマになるとか、車種を忘れるといけないので書いてありますけれども、サニー、ブルーバード、それからクラウンとかセドリックとかいろいろ変わりますね、変わった場合はどうなりますか。
#63
○政府委員(高橋伸和君) やはり身体障害者の方の障害の程度もさまざまでございますし、車もさまざまであるということから原則としてそれぞれの個別の審査が必要なんでございますが、現在やっておりますのは、同じ車種につきましてはかの車にキットをつけたいというふうな場合には、これは先ほど申し上げた改造自動車審査結果通知書を添付されればもう事前の審査は要らない、こういうことになっております。今お尋ねの車種が変わった場合には、現在のところはやはりそれに応じた事前審査というものをさせていただいております。
 しかしながら、最近画一的なキットというものも出回ってまいりましたので、このキットはどの車種につきますということをあらかじめわかっておれば改造の審査というものを要しない、こういうことができないかということで今勉強をしておるところでございます。
#64
○下村泰君 私なんか長いことハンドルは握っておるんですけれども、例えば私なら私がもし障害があって、私の障害はこういうところとこういうところを直せばいいんだとすれば、車種がどんどん変わってもそこだけがきちんと整備されればいいというふうに私は簡単に考えるんですけれども、どうなんですか。
#65
○政府委員(高橋伸和君) 車種によりましてブレーキの構造でありますとかアクセルの構造、その辺がやはり違っておる点もございます。したがって、先ほど例えば下肢の不自由な方の例を申し上げたそういうアクセルあるいはブレーキを作動させるというふうな装置をつける場合には、やはり車種ごとのそれぞれの性能に応じてうまくコントロールができるかということを原則としてやはり見させていただく必要があるということでございます。
 今先生がおっしゃった、こういう不自由な方はこういう装置をお使いになりますよということがわかっておりました場合は、このキットならばこういう車種に使いますということをあらかじめお知らせできるようなそういう方法がとれないかということで、ちょっと今勉強しているところでございます。
#66
○下村泰君 障害者の方もカローラに乗りたい人もいるでしょうし、ブルーバードに乗りたい人もいるでしょうし、その都度ややこしいことがあるようでは私何にもならないと思うんですよ。今申し上げて、大変いいお答えが出てきたので私もその気になっておりますけれども。とにかくその人その人、その車その車にその人の状態によってこことこことをきちんとすればいいんだということがわかっておりますれば、それに合うように装置を変えていただければいいわけで、それ以上の難しいことはないと思うんです。
 今のお答えでわかりましたので、できるだけそういう方たちの面倒を見てあげられるような方法をいろいろとひとつ考えてみてください。楽しく運転できるようにしてあげてください。よろしくお願いをいたします。いかがでしょうか。
#67
○政府委員(高橋伸和君) 身体障害者の方が気楽に車にお乗りになれるようにぜひ私どももお手助けしたいということでございますが、車と申しますのは安全ということが一番大きな問題でございまして、万一の場合に御本人のみならず第三者の方も危険な状態になるということはやはり基本的に避けなければいけないということで基準がございます。そういった中で先生の御趣旨を体しまして、私どもとしても最善の方法を今後とも勉強していきたいと思っております。
#68
○下村泰君 ありがとうございます。
 この間、航空運賃の件でストレッチャーについていろいろお伺いをしました。同僚委員もお伺いしました。幾らか割引になるようなことになったらしいのでございますけれども、いまだにどうも私が納得のいかないところがあるんですが、社会参加を促すのはまことに結構なんですけれども百キロ制限というのがまだ残っている。この制限の撤廃は運輸省の方では考えられないものなんでしょうか、どうなんでしょう。
#69
○政府委員(戸矢博道君) 先生の御指摘、身体障害者の方々が単独で乗車する場合に、百キロまでについては五割引きが適用にならないという問題だと思いますが、実はこの制度自体がもともと介護者が必要な方々に対しまして、いつも二人で動かれるときにお一人分の運賃で割り引くというのがもともと基本でございまして、お一人で行った場合にはどうかと、こういうことになるわけでございます。
 これは、一つの社会政策的と申しますか公共割引の一環でございまして、基本的にはJR、これも今民営事業者になっておりますからどうしても経営判断の問題が入ってくるというようなことでございまして、私ども従来からJRに対しましては真摯な検討というのを要請しているところでございますが、割引に伴います減収を結果的に他の利用者の方々が負担するということにもなるわけでございまして、そういう割引についてどこまでどう負担するかというようなことで今検討しているという実態でございます。私ども、JRとともに、さらにどういう条件が整えばこの距離制限が緩和できるかということについて検討していきたいというふうに考えております。
#70
○下村泰君 これは二十年来のお願いなのでひとつ大いに検討していただきたいと思います。
 それから、現在衆議院の厚生委員会で審議されている精神保健法改正案の中に、精神障害者を対象にした障害者手帳制度が盛り込まれています。大体、こういう手帳制度というのは余り私は感心しないんですけれども、どうしても必要だと言われる。そこで、今回、精神障害者の方にも手帳ができますのできることによって、今度はJRなどの割引が可能になるわけなんです。
 ところが、そこへ今度写真をつけろということなんです。当事者は、写真を何で張らなきゃいけないんだと。そうしたら、本人でないとわからないからとこう言うんです。精神障害の方々にとっては、そこへ写真を張るということについて大変プライバシーを侵されるというような観念を持っているんですが、これは写真がないからだめということになるんですか、それともならないんですか。
#71
○政府委員(戸矢博道君) 精神障害者の方々への割引制度の問題でございますけれども、おっしゃったように今厚生省において精神障害者手帳制度というものの詳細について検討中というふうに伺っております。その手帳自体は、どういう方々が障害をお持ちかという意味での確認方法になるわけでございまして、実務上重要なことというふうに考えております。
 実は、こういう身体障害者の方々に対する割引につきましても、移動の制約のある方々に対して、先ほど申し上げました。ように介護が必要な方々、介護者が付き添いになられるという場合に二人分の運賃でなくて一人分の運賃にするといったようなことからもともと始まった制度でございまして、そういう意味で今回厚生省で御検討中の、手帳を給付される方々に対しましてどういうふうに割引制度というものを適用するかどうかといったことについて、今後さらに検討させていただきたいというふうに考えている状況でございます。
 今の写真のお話についてはちょっと私ども詳細を承知しておりませんので、この場でコメントは差し控えさせていただきます。
#72
○下村泰君 もう時間が来ましたのでこれでおしまいにしたいと思いますけれども、例えば精神障害者の手帳を渡されたその人がサインするだけだっていいと思うんですよ、別に写真を張って麗々しくそんなことせぬでも。
 大体、日本人の感覚ですね、これ。大臣、聞いていただきたいのはここなんですよ。発想の仕方が違うんです。こういう方々に対する根本の発想が、日本人の場合には。例えば、江戸時代からずっと考えてくださればよくわかるんです。多摩の方に大きな施設がございますけれども、そこにいわゆる秋田の殿様のお子さんがいらっしゃるんです。もう植物人間的な状態になっているんです。そうしますと、身内がその方の生存は認めているんです。ところが、それ以外の方々には全部死亡になっているんです。そういう扱いをするまだ感覚が残っているんです、今この現在。
 ですから、発想の仕方が違うんです、こういう方々に対する。何でも精神障害者は全部危険な人間だなんて、そんな考え方というのはおかしいんですね。ですから、その人が隣にいるということだけでも何かぞっとして身のもがよだつみたいな感覚があるわけです。そこから発想していますから、どうぞひとつそういうことを変えていただきたい、これから。よろしくお願いをいたします。
 一言だけお答え願います。
#73
○国務大臣(亀井静香君) 委員おっしゃいますように、健常者といわゆる医学的なと言いますかそういう面での精神障害者、身体障害者等含めてどこに差があるかというと、これはいわゆる我々健常者と言われている者の精神状況が必ずしも健全じゃない場合だってあるわけでありますから、今度のサリン事件なんかまさにそうでありますけれども。私は、いわゆる精神障害者と言われる方々も御自分に責任があるわけじゃないと思うんです。精神障害者に御自分が希望してなられたわけじゃございませんで、そういうことでそうした障害を持っておられるというわけでありますから、我々健常者とも生きとし生けるものという面で全く同じことだと私は思う。それをお互いにかばい合いながら、助け合いながら生きていける、そういう仕組みを社会的にも政治的にもつくっていくことが私は大事だと思います。
 今の手帳の問題も、精神障害者の方々にとっても社会的にも写真を張らぬといかぬのかどうかというそういうことを抜きにして、割引は例えば本人確認ができぬから、人の名前、人の手帳を使ってやる人がおるかもしらぬからみたいな発想を絶対とるべきでは私はないと思う。そういう不心得な方がおるかもしれませんけれども、人を見れば泥棒と思えというような考え方で精神障害者を含めてそういう方々に対応することは私どもやらせるつもりはございません。
 ただ、手帳についてどういう形態の方がいいのかということは厚生省でいろいろ検討していると思いますから、それはそれといたしまして、我々としては、割引をする場合に写真が絶対必要なんで厚生省にそれを義務づけてくれみたいなことを運輸省の立場で言うつもりはございません。
#74
○委員長(大久保直彦君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
#75
○高崎裕子君 私は、日本共産党を代表して、許可、認可等の整理及び合理化のための運輸省関係法律の一部を改正する法律案に反対の討論を行います。
 許認可事項が大変多いのが運輸省関係と言われており、むだで不効率な手続は整理されていくべきと考えます。しかし、運輸関係は安全の確保が第一の使命であり、そのための規制を少しでも緩めてはならず、また運賃の自由化や参入の自由化により運賃ダンピングや過当競争などで中小業者の営業や利用者の利便を損なうこともあってはならないと思います。
 その点で今回の改正の中で、遊覧旅客不定期航路事業の免許許可基準から需給要件を外し、運賃・料金を認可から届け出にすることにより、大手資本の参入が容易になり、過当競争になるおそれがあり、多くの中小業者に影響を与えることが指摘されています。また、バス路線や運行回数の変更等の際、首長の意見徴取をすることは都市交通対策上重要です。法制定時の、交通を総合的に考える必要があり、生活に直結する面がある、また地方自治の観点からも必要との立場は今もってその意義は失われていません。これらに私どもは賛成できません。
 その他の改正点については反対するものではありませんが、以上の理由により本法案には反対をいたします。
 以上です。
#76
○委員長(大久保直彦君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。
 これより採決に入ります。
 許可、認可等の整理及び合理化のための運輸省関係法律の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#77
○委員長(大久保直彦君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#78
○委員長(大久保直彦君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午前十一時五十九分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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