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1995/02/02 第132回国会 参議院 参議院会議録情報 第132回国会 商工委員会 第1号
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1995/02/02 第132回国会 参議院

参議院会議録情報 第132回国会 商工委員会 第1号

#1
第132回国会 商工委員会 第1号
平成七年二月二日(木曜日)
   午後零時十二分開会
    ―――――――――――――
  委員氏名
    委員長         久世 公堯君
    理 事         沓掛 哲男君
    理 事         吉村剛太郎君
    理 事         梶原 敬義君
    理 事         小島 慶三君
                倉田 寛之君
                斎藤 文夫君
                下条進一郎君
                中曽根弘文君
                前田 勲男君
                前畑 幸子君
                村田 誠醇君
                吉田 達男君
                藁科 滿治君
                井上  計君
                木庭健太郎君
                松尾 官平君
                和田 教美君
                市川 正一君
    ―――――――――――――
   委員の異動
 一月二十三日
    辞任         補欠選任
     小島 慶三君     粟森  喬君
 一月二十四日
    辞任         補欠選任
     粟森  喬君     小島 慶三君
 一月二十七日
    辞任         補欠選任
     木庭健太郎君     牛嶋  正君
     和田 教美君     長谷川 清君
二月一日
    辞任         補欠選任
     村田 誠醇君     北村 哲男君
     藁科 滿治君     上山 和人君
二月二日
    辞任         補欠選任
     倉田 寛之君     太田 豊秋君
     井上  計君     勝木 健司君
     市川 正一君     吉岡 吉典君
    ―――――――――――――
 出席者は左のとおり。
    委員長         久世 公堯君
    理 事
                沓掛 哲男君
                吉村剛太郎君
                梶原 敬義君
    委 員
                太田 豊秋君
                斎藤 文夫君
                中曽根弘文君
                上山 和人君
                北村 哲男君
                前畑 幸子君
                吉田 達男君
                勝木 健司君
                小島 慶三君
                吉岡 吉典君
  国務大臣
       通商産業大臣   橋本龍太郎君
       国 務 大 臣
       (経済企画庁長
       官)       高村 正彦君
  政府委員
       公正取引委員会
       委員長      小粥 正巳君
       公正取引委員会
       事務局経済部長  塩田 薫範君
       公正取引委員会
       事務局取引部長  大熊まさよ君
       公正取引委員会
       事務局審査部長  矢部丈太郎君
       経済企画庁長官
       官房長      涌井 洋治君
       経済企画庁調整
       局長       吉川  淳君
       経済企画庁物価
       局長       谷  弘一君
       通商産業大臣官
       房長       中川 勝弘君
       通商産業大臣官
       房総務審査官   林  康夫君
       通商産業大臣官
       房商務流通審議
       官        大宮  正君
       通商産業省通商
       政策局長     細川  恒君
       通商産業省通商
       政策局次長    伊佐山建志君
       通商産業省貿易
       局長       広瀬 勝貞君
       通商産業省産業
       政策局長     牧野  力君
       通商産業省環境
       立地局長     齊藤 眞人君
       通商産業省基礎
       産業局長     清川 佑二君
       通商産業省機械
       情報産業局長   渡辺  修君
       通商産業省生活
       産業局長     江崎  格君
       工業技術院長   平石 次郎君
       資源エネルギー
       庁長官      川田 洋輝君
       資源エネルギー
       庁石油部長    一柳 良雄君
       資源エネルギー
       庁公益事業部長  村田 成二君
       特許庁長官    高島  章君
       中小企業庁長官  中田 哲雄君
       中小企業庁計画
       部長       安本 皓信君
       中小企業庁小規
       模企業部長    小川 忠夫君
  事務局側
       常任委員会専門
       員        里田 武臣君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○理事補欠選任の件
○国政調査に関する件
○産業貿易及び経済計画等に関する調査
 (通商産業行政の基本施策に関する件)
 (経済計画等の基本施策に関する件)
 (平成七年兵庫県南部地震に関する件)
 (平成六年における公正取引委員会の業務の概
 略に関する件)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(久世公堯君) ただいまから商工委員会を開会いたします。
 議事に先立ちまして、去る一月十七日に発生いたしました平成七年兵庫県南部地震災害により亡くなられました方々に対して御冥福をお祈りし、謹んで黙祷をささげたいと存じます。
 どうぞ御起立をお願いいたします。黙祷をお願いいたします。
   〔総員起立、黙祷〕
#3
○委員長(久世公堯君) 黙祷を終わります。御着席願います。
    ―――――――――――――
#4
○委員長(久世公堯君) 委員の異動について御報告いたします。
 去る一月二十七日、和田教美君及び木庭健太郎君が委員を辞任され、その補欠として長谷川清君及び牛嶋正君がそれぞれ選任されました。
 また、昨日、藁科滿治君及び村田誠醇君が委員を辞任され、その補欠として上山和人君及び北村哲男君がそれぞれ選任されました。
 また、本日、倉田寛之君、井上計君及び市川正一君が委員を辞任され、その補欠として太田豊秋君、勝木健司君及び吉岡吉典君がそれぞれ選任されました。
    ―――――――――――――
#5
○委員長(久世公堯君) 次に、理事の補欠選任についてお諮りいたします。
 委員の異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。
 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○委員長(久世公堯君) 御異議ないと認めます。
 それでは、理事に長谷川清君を指名いたします。
    ―――――――――――――
#7
○委員長(久世公堯君) 次に、国政調査に関する件についてお諮りいたします。
 本委員会は、今期国会におきましても、産業貿易及び経済計画等に関する調査を行いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#8
○委員長(久世公堯君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#9
○委員長(久世公堯君) 産業貿易及び経済計画等に関する調査を議題といたします。
 まず、通商産業行政の基本施策及び平成七年兵庫県南部地震に関し、通商産業大臣から所信及び報告を聴取いたします。橋本通商産業大臣。
#10
○国務大臣(橋本龍太郎君) 第百二十二回国会における商工委員会の御審議に先立ち、まず、兵庫県南部地震により亡くなられた方とその御遺族に対し、深く哀悼の意を表するとともに、負傷された方々や避難生活を続けておられる方々に心からお見舞いを申し上げます。
 今回の地震に対しては、速やかに近畿通商産業局及び本省に災害対策本部を設置するとともに、担当職員を現地に派遣し実情を把握し、現地対策本部及び兵庫県庁等関係機関と連携しつつ、総力を挙げて救援・復旧活動を行ってまいりました。
 電気については、去る一月二十三日に応急送電の体制が整うとともに、ガスについては、二次災害防止の観点から約八十五万戸の供給遮断措置を講じた上で、可能な限り早期の復旧を目指して最大限の努力を図っているところであります。生活関連物資の支援についても、関係団体・企業に協力要請を行い、円滑な供給ルートの確保を図ったところであります。
 中小企業につきましては、去る一月二十日の閣議決定により、災害融資等について従来よりもさらに踏み込んだ特別措置を講じたところであります。さらに、同二十四日には、異例の早さで激甚災害の指定を行い、中小企業対策に万全を期することといたしました。
 去る一月二十八日に私も現地を訪れ、今回の地震による被害が想像を絶するものであることを改めて認識するとともに、現地の声を踏まえ、生活安定・雇用確保、中小企業を初めとする産業の復興、再建を早急に図ることが必要と痛感したところであります。
 今後とも被災地域における復旧・復興のためのあらゆる方策を検討しつつ、行政の総力を挙げて万全の対応を行ってまいる所存であります。この点につきましては、後ほど改めて御報告申し上げたいと思います。
 こうした災害による苦しみや不安感を乗り越えるとともに、我が国の明るい将来展望を確固たるものにするため、私は以下の諸点を中心に通商産業政策の推進に向けて全力を尽くす所存であります。
 第一の課題は、できるだけ早期に我が国経済の内需中心の安定成長を実現することです。このため、引き続き内外の経済動向を注視しつつ、適切かつ機動的な経済運営に努めることが必要であり、私としても平成七年度予算の可能な限り早期の成立を図ってまいります。
 我が国経済の将来を確固たるものにするためには、中長期的な視野に立った経済構造改革が必要不可欠であります。通商産業省においても産業構造転換対策本部を設置したところであり、私が本部長として陣頭に立ってその推進を図ってまいります。
 具体的には、第一に、内外価格差を是正し、新たな事業機会を創出するため、抜本的な規制緩和に取り組んでまいります。そのため、本年度中に政府が策定する五カ年の規制緩和推進計画を充実したものとすべく努めてまいります。第二に、産業構造転換の円滑化であります。我が国製造業の生産、調達等の海外展開が加速する中、国内においては、設備投資及び研究開発の低迷等が見られ、我が国産業の活力が低下しているおそれがあります。このため、研究開発等の積極的な推進や店頭市場を初めとした資本市場の具体的な改革を含めた総合的な新規事業支援策に取り組んでまいります。また同時に、経済環境の変化の影響を強く受けている既存産業が有する経営資源を有効活用して行う事業革新を支援し、新規分野の開拓、産業二層用構造の円滑な転換を図っていく観点から、特定事業者の事業革新の円滑化に関する臨時措置法案を今国会に提出する予定であります。第三には、適切な中長期マクロ経済運営であります。将来の発展基盤を確保するため、世界情報インフラの積極的な推進を含めた情報化や、研究開発のために必要な社会資本を計画的に整備することにより、内需主導型の経済構造を実現し、経常収支黒字の十分意味ある縮小を図ってまいります。
 第二の課題は、新たな国際秩序形成への主体的な取り組みであります。
 本年一月一日に、多角的貿易体制を維持・強化していくという各国の共通認識の結集である世界貿易機関が発足いたしました。我が国としても、このWTO体制のもとで、合意されたルールの着実な実施に努めるとともに、ウルグアイ・ラウンド後の貿易課題に取り組むことによって開放的な多角的貿易体制の強化に積極的に取り組んでまいる所存であります。
 日米包括協議については、昨年九月末の政府調達分野等の決着、同年十二月の板ガラス分野の妥結後、中断していた自動車・同部品分野が一月末に再開されたところであります。日本政府としてできることとできないことを明確にしながら、日米双方の努力により着実な前進を図ってまいります。
 なお、市場アクセス、競争性及び透明性を高めるため、極めて有益なものと考えられる規制緩和、競争政策、投資等の分野の協議にも鋭意取り組んでまいります。
 また、本年十一月には、大阪でAPEC閣僚会議及び同非公式首脳会議が開催される予定となっております。我が国として、大阪会合を実りあるものとし、アジア・太平洋地域の持続的発展をより強固なものとすべく、議長国として積極的にリーダーシップをとっていきたいと考えております。アジア・太平洋地域の持続的発展を図るためには、この地域において貿易・投資の自由化・円滑化と成長と発展のための基盤整備を車の両輪としてともに推進することが特に重要であり、このような観点から、昨年のボゴール宣言を具体化するための行動指針の策定に全力で取り組む決意であります。
 加えて、世界的な軍縮の潮流の中で、大量破壊兵器である化学兵器の全廃を目的とする化学兵器禁止条約を早期に批准し、その国内実施体制を整備する必要があります。このため、同条約の実施のための化学兵器の禁止及び特定物質の製造の規制等に関する法律案を今国会に提出することとしております。
 第三の課題は、エネルギー環境問題の克服であります。
 国民の日常生活や事業活動一般に広く起因する地球温暖化、オゾン層保護問題、廃棄物問題等が深刻化してきており、社会構造そのものを環境に調和したものにつくり変えていくことが重要であります。中でも、瓶、缶などの包装材のリサイクルについて、事業者に一層の責任分担を求めるべく、積極的に取り組んでまいります。
 エネルギー政策の推進に当たっても、昨年六月に改定した長期エネルギー需給見通しを踏まえ、省エネルギー対策を一層推進するとともに、安全に万全を期しつつ原子力開発利用を進めてまいります。また、環境負荷の低い新エネルギーの導入についても、昨年十二月に閣議決定した新エネルギー導入大綱に基づき積極的に取り組んでまいります。
 さらに、安定供給を確保しつつ、エネルギー供給構造の一層の柔軟化、効率化を図るため、石油につきましては石油製品の安定的かつ効率的な供給の確保のための関係法律の整備等に関する法律案を、電力につきましては電気事業法の一部を改正する法律案をともに今国会に提出する予定であります。
 第四の課題は、我が国経済社会の進歩と発展の基礎をなす中小企業の活性化であります。
 我が国経済の活力の源泉たる中小企業が、現在の構造的変化の流れを積極的に乗り切り、創造性に富んだ活躍を続けていけるように、中小企業の創業や研究開発及びその成果の事業化を支援するための中小企業の創造的事業活動の促進に関する臨時措置法案を今国会に提出することとしております。
 また、小規模企業対策を推進し、中でも小規模企業の経営を支える基盤的制度である小規模企業共済制度が、社会経済環境の変化に対応し、今後とも重要な役割を果たすことができるよう、小規模企業共済法及び中小企業事業団法の一部を改正する法律案を提出することとしております。
 以上、今後の通商産業政策の基本的方向について私の考えの一端を申し述べました。
 私は、国民各位の御理解のもと、通商産業行政の遂行に全力を挙げてまいる所存であります。委員各位の一層の御理解と御協力を賜りますようお願い申し上げます。
 次に、改めて今回の兵庫県南部地震について申し上げます。
 今回の地震に対しては、当省といたしましては、政府の中でも早く、災害当日の一月十七日午前八時に近畿通商産業局に災害対策本部を設置したのを初め、同日午後四時には本省にも災害対策本部を設置するとともに、速やかに担当職員を現地に派遣して実情を把握し、現地対策本部及び兵庫県庁等関係機関と連携しつつ、総力を挙げて救援・復旧活動を行ってまいりました。
 ここで、現在行われている救援・復旧活動の状況について申し上げます。
 第一に、電気については、地震発生直後には約百万戸が停電しておりましたが、去る二十三日に応急送電の体制が整い、倒壊家屋などを除いて電気の供給ができるようになっております。ガスについては、大阪ガスは、二次災害防止の観点から約八十五万戸の供給遮断措置を講じたところでありますが、その後、他の事業者からの資材、要員の支援のもと、約八千三百名を復旧作業に投入し、可能な限り早期の復旧を目指して最大限の努力を図っており、一日までに約八万五千戸の供給が再開されたところであります。また、これら電気・ガスについては、災害救助法の適用地域及びその周辺地域の被災需要家を対象に料金支払い期限延長等の特別措置を認可しております。
 第二に、ガスコンロ、石油ストーブ等の生活関連物資の支援についても、緊急性の高い物資からリストアップし、関係団体・企業に協力要請を行い、対応可能なものから随時供給をするとともに、円滑な供給ルートの確保などの対策を講じているところであります。また、生活関連物資及び基礎資材の価格安定等のために、卸売業者、小売業者等の各段階における価格・需給動向等のモニタリングについて品目及び頻度を拡充して実施しております。
 第三に、中小企業につきましては、去る一月二十日の閣議決定により、従来の支援措置よりもさらに踏み込んだ災害融資等に関する特別措置を講じたところであります。
 具体的には、対象を従来の市町村単位の指定から大阪府及び兵庫県全域の被災中小企業者に拡大するとともに、被災地域内の事業者との取引があるために損失をこうむった全国の中小企業者も対象として財投金利を下回る四・四五%の金利、被害の著しい事業者に対しては三%という極めて低利の融資制度を創設いたしました。また、同二十四日には、異例の早さで激甚災害の指定を行ったところであります。今後とも被災状況の把握に努め、中小企業対策により万全を期してまいります。
 去る一月二十八日には、私自身も現地を訪れ、国、県、市、電気・ガスの現地対策本部等との意見交換、中小企業を初めとする産業の被害状況の把握を行ってまいりました。私としても、今回の地震による被害は自分が想像しておりましたものよりもはるかに大規模なものであることを改めて認識いたしました。この中で、現地からは、都市計画の見直しや産業復興などを含めた特別立法の制定、中小企業を初めとする被災企業などに対する強力な金融支援措置の早期実施、貸し工場などの早期設置等について当省に係る要望を承りました。
 今後、これらの対策の検討、実施に当たりましては、まず現行法のもとでもできる対策をピックアップし、早急に実施することがまず何よりも重要であります。現行法の改正が必要となるものを含め、特別立法が必要となるものについでは、去る二十七日に設置されたプロジェクトチームにおいて精力的な検討をしてまいります。
 また、産業復興関係で特に早急に実施すべきものとしては、低利融資、償還猶予等による中小企業を初めとする被災企業対策、貸し工場等の設置、産業関連基盤施設の復旧、雇用調整助成金制度の弾力的運用等が考えられます。これらにつきましては、各措置を機動的に講じ、補正予算を含め裏づけとなる財政上の措置に万全を期してまいります。
 以上、兵庫県南部地震の被害への対策について私の考え方を申し上げました。
 今後とも、さきに申し上げました救援・復旧活動の円滑な実施を図るとともに、現地の声を踏まえ、被災現地の生活安定、中小企業を初めとする産業、経済の復興、再建等について早急に対策を講じてまいる所存であります。委員各位の一層の御理解と御協力を賜りますようお願い申し上げます。
#11
○委員長(久世公堯君) 次に、経済計画等の基本施策及び平成七年兵庫県南部地震に関し、経済企画庁長官から所信及び報告を聴取いたします。高村経済企画庁長官。
#12
○国務大臣(高村正彦君) 当委員会が開催されるに当たり、まず、兵庫県南部地震により亡くなられた方々とその御遺族に対し、深く哀悼の意を表し、また、負傷された方々や避難生活を続けておられる方々に心からお見舞いを申し上げます。
 我が国経済の当面する課題と経済運営の基本的考え方につきましては、さきの経済演説で明らかにしたところでありますが、重ねて所信の一端を簡単に申し述べたいと存じます。
 私は、今後の経済運営に当たりまして、特に次の諸点を基本としてまいりたいと思います。
 第一は、回復局面にある我が国経済を内需を中心とした安定成長へと導くことであります。
 今回の震災の日本経済に与える影響につきましては、被災地域の住民及び企業は、人的、物的、精神的に甚大な被害を受けたところであり、企業の生産、物流に当面マイナスの影響があるのは必至であると考えております。しかしながら、生産活動に関しましては、個人・企業のレベルで生産設備の速やかな復興努力が行われつつあり、一部企業では既に生産を再開しているところであります。また、物流、インフラ等を見ましても、その被害の大きさにもかかわらず、復旧に向けた努力が成果を生みつつあり、一部では暫定的な迂回路が設定されるなどの措置が講じられております。
 今後につきましては、さらに本格的な復興への努力が期待されますが、我が国全体の生産能力を考慮すれば、十分被災地域の復興のための需要にこたえていく余力があると考えております。今後とも、我が国経済の景気回復基調をより確実なものとするため、引き続き内外の経済動向を注視しつつ、適切な経済運営に努めてまいります。このことが地震被害の復興努力を支える結果にもつながると考えております。
 第二は、創造的で活力ある経済社会を構築するため、規制緩和などの構造的な改革を着実に進めるなど我が国経済の将来の発展に向けてその環境を整備することであります。
 このため、五年を期間とする規制緩和推進計画の着実な実施、競争政策の積極的展開、事業革新や新規事業の育成等への支援など各般の施策を講じてまいります。
 第三は、生活者・消費者重視の経済運営により、豊かで安心できる国民生活を実現していくことであります。
 このため、生活関連分野等への公共投資の重点的・効率的配分、消費者保護のための施策など各般の施策を講じてまいります。特に、皆様方の御尽力を得て成立した製造物責任法が本年七月から施行されることから、法の内容の周知徹底を図るとともに、関連する諸施策を含め、総合的な消費者被害防止・救済策の確立に努めでまいります。
 また、兵庫県南部地震災害においてボランティアの活動が注目される等、社会参加活動の重要性が高まっていることから、ボランティア問題に関する関係省庁連絡会議を設置し、その支援策を検討することとしております。
 さらに、内外価格差の是正・縮小につきましては、円高の進展に伴う産業界のリストラの対応、消費者の価格志向の強まりなどを背景に、経済全体にわたる構造的変化とともに急速な価格体系の変化が生じている現状を踏まえ、消費者・生活者重視及び高コスト構造是正の観点から、内外価格差の実態調査を進めつつ、競争環境の整備や輸入拡大などの具体的対応を進めでまいります。
 第四は、世界経済の持続的発展に積極的に貢献するとともに、調和ある対外経済関係の形成に努めることであります。
 このため、WTOを中心とする制度的枠組みの中で、多角的自由貿易体制の一層の強化に貢献するとともに、諸外国から我が国への市場アクセスの一層の改善を図り、輸入や対日直接投資の促進を図ってまいります。
 政府開発援助につきましては、我が国の経済的地位にふさわしい国際貢献を進めてまいります。
 また、世界経済の新たな展開、我が国の産業・雇用の空洞化の懸念などの構造的な課題、少子・高齢社会の現実化などに対応し、二十一世紀に向け、新たな経済計画を策定してまいります。
 私たちは、先人の努力により、これまで蓄積しできた資本力、高い教育水準、高度な技術基盤やそれを支える文化的基盤などを有しております。これらの財産を、今回の震災の教訓を生かしつつ、二十一世紀に向けた新たな経済社会の創造に活用していけるよう、精いっぱい努力してまいります。
 以上、経済運営に関する所信の一端を申し述べましたが、ここで、今般の兵庫県南部地震につきまして、経済企画庁の対応について申し述べます。
 先日、私も現地に赴き、大都市直下型の震災の脅威と被害の甚大さを目の当たりにし、被災者の方々の痛みを肌で感じ、改めて被災者の生活の安定と震災後の復興に政府を挙げて取り組まなければならないと痛感いたしました。
 物価の安定を所掌する経済企画庁といたしましては、被災地域等において、生活必需物資、建設資材等の基礎的な財・サービスの供給の確保を図るとともに、物価の安定を確保していくことが肝要であると認識しております。
 このため、物価担当官会議を開催するなど、関係省庁及び関係府県市との間で密接な連携を図りつつ、物価安定対策事業、物価モニター制度、物価ダイヤル等を活用して、これらの財・サービスの需給・価格動向について調査、監視を強化するとともに、消費者、事業者等に対し、積極的な情報提供に努め、事業者の協力を要請するなど、機動的かつ的確な対応を図ってまいります。
 本委員会の皆様の御支援と御協力を切にお願い申し上げる次第であります。
#13
○委員長(久世公堯君) 以上で両大臣の所信及び報告の聴取は終了いたしました。
 なお、平成七年度通商産業省関係予算及び平成七年度経済企画庁関係予算につきましては、お手元に配付してあります関係資料をもって説明にかえさせていただきますので、御了承願います。
 次に、平成六年における公正取引委員会の業務の概略について、公正取引委員会委員長から説明を聴取いたします。小粥公正取引委員会委員長。
#14
○政府委員(小粥正巳君) 平成六年における公正取引委員会の業務につきまして、その概略を御説明申し上げます。
 独占禁止法違反行為については、我が国市場を国際的により開かれたものとし、消費者の利益を確保して豊かな国民生活を実現していくとの観点から厳正に対処し、価格カルテル、入札談合事件等三十件について審決により違反行為の排除を命じたほか、二十一件の警告を行いました。また、二十三件の価格カルテル、入札談合事件について総額七十八億一千三百十九万円の課徴金の納付を命じました。
 独占禁止法違反行為の未然防止については、入札談合行為の未然防止を図るため「公共的な入札に係る事業者及び事業者団体の活動に関する独占禁止法上の指針」を公表したほか、独占禁止法との関係において問題を生じさせるおそれがある行政指導の具体例等を示した「行政指導に関する独占禁止法上の考え方」を公表しました。
 また、金融会社の株式保有の認可に当たっての考え方に関し明確化を図ることにより一層の運用の透明性の確保に資するため、「金融会社の株式保有の認可に関する事務処理基準」を作成するとともに、合併等・株式保有に関するこれまでの事務処理基準をより明確化することにより、透明性の一層の確保を図るため、「会社の合併等の審査に関する事務処理基準」及び「会社の株式所有の審査に関する事務処理基準」を改定、公表しました。さらに、ベンチャーキャピタルの許容される活動範囲等について明確化するとの観点から、「ベンチャー・キャピタルに対する独占禁止法第九条の規定の運用についての考え方」を公表しました。
 政府規制制度については、従来から競争政策の観点からの検討を進めてきているところですが、平成六年においては、研究会を開催し、物流分野における政府規制の現状及び問題点について検討を行い、その結果を公表しました。また、独占禁止法適用除外制度の見直しについては、独占禁止法適用除外制度見直しに係る関係省庁等連絡会議の場などを通じて、関係各省に対し積極的に見直しの働きかけを行いました。
 価格の同調的引き上げに関する報告徴収については、乾電池、一般日刊全国新聞紙及びビールの三品目について価格引き上げ理由の報告を求め、その概要を年次報告において国会に報告申し上げました。
 事業活動及び経済実態の調査については、競争政策の観点から、農薬及び合成ゴムについての企業間取引の実態調査や六大企業集団に関する実態調査を行い、その結果を公表しました。さらに、円高の影響が大きいと考えられる鋼材及び石油化学工業の市場構造、価格動向、取引慣行等の実態調査を行い、また、食料品、化粧品及びスポーツ用品といった消費財についても同様の調査を行い、それぞれの結果を公表しました。
 下請法に関する業務については、下請取引の公正化及び下請事業者の利益確保を図るため、下請代金の支払い遅延等の違反行為を行っていた親事業者一千九百四十二社に対して違反行為の是正等を指導しました。
 景品表示法に関する業務については、消費者の適正な商品選択が妨げられることのないよう、過大な景品類の提供及び不当表示の排除に努め、平成六年中に十三件の排除命令を行ったほか、八百二十一件の是正指導を行いました。
 以上、簡単ではございますが、業務の概略について御説明申し上げました。
 今後ともよろしく御指導のほどお願い申し上げます。
#15
○委員長(久世公堯君) 以上で説明は終了いたしました。
 両大臣の所信等に対する質疑は後日行うことといたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後零時四十一分散会
ソース: 国立国会図書館
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