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1995/04/13 第132回国会 参議院 参議院会議録情報 第132回国会 商工委員会 第8号
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1995/04/13 第132回国会 参議院

参議院会議録情報 第132回国会 商工委員会 第8号

#1
第132回国会 商工委員会 第8号
平成七年四月十三日(木曜日)
   午前十時一分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 四月十三日
    辞任         補欠選任
     前田 勲男君     岡  利定君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         久世 公堯君
    理 事
                沓掛 哲男君
                吉村剛太郎君
                梶原 敬義君
                長谷川 清君
    委 員
                岡  利定君
                倉田 寛之君
                斎藤 文夫君
                中曽根弘文君
                前畑 幸子君
                村田 誠醇君
                吉田 達男君
                藁科 滿治君
                井上  計君
                牛嶋  正君
                松尾 官平君
                小島 慶三君
                市川 正一君
   国務大臣
       通商産業大臣   橋本龍太郎君
   政府委員
       通商産業大臣官
       房長       中川 勝弘君
       通商産業大臣官
       房総務審議官   林  康夫君
       通商産業大臣官
       房審議官     河野 博文君
       資源エネルギー
       庁長官      川田 洋輝君
       資源エネルギー
       庁長官官房審議
       官        並木  徹君
       資源エネルギー
       庁石油部長    一柳 良雄君
       資源エネルギー
       庁公益事業部長  村田 成二君
       中小企業庁長官  中田 哲雄君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        里田 武臣君
   説明員
       大蔵省主計局主
       計企画官     松元  崇君
       文部省初等中等
       教育局職業教育
       課長       木曽  功君
       文部省高等教育
       局専門教育課長  笠井 高芳君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○石油製品の安定的かつ効率的な供給の確保のた
 めの関係法律の整備等に関する法律案(内閣提
 出、衆議院送付)
○電気事業法の一部を改正する法律案(内閣提出
 、衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(久世公堯君) ただいまから商工委員会を開会いたします。
 石油製品の安定的かつ効率的な供給の確保のための関係法律の整備等に関する法律案及び電気事業法の一部を改正する法律案を便宜一括して議題といたします。
 両案の趣旨説明は既に聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#3
○吉村剛太郎君 大臣は決算委員会を今終えられたということで、大変お疲れのところ御苦労さまでございます。
 本日は、もう既に御説明をいただいております石油製品の安定的かつ効率的な供給の確保のための関係法律について、また電気事業法の改正についての審議でございますが、我々自民党は百二十分いただいておりまして、私は電気事業法を主に質問させていただきたい、このように思っております。石油製品の方は同僚の中曽根議員の方からしていただく予定でございます。
 質問に入ります前に、特に今日の急激な円高について御質問をさせていただきたいと思います。毎回私は商工委員会で質問をさせていただいておりますが、実は毎回この円高については質問をしておるところでございます。それも、ここに資料をいただいておりますが、一九九一年、その当時終わり値の平均が百二十四円であったのが、本年の一月には九十九円七十九銭、また三月三十一日に八十八円四十銭、四月三日に八十六円、四月十日に八十二円六十五銭、このように急激に円が高くなっておる次第でございます。
 さきの商工委員会で私が門高について御質問させていただいたときに、大臣は、いや円高というよりむしろドル安だ、このようにおっしゃいました。まさにその時点におきましてはそういう傾向が非常に強かった、このように認識をしておるところでございますが、今回の四月に入りましての急激な円高を見ておりますと、ドルとマルクはそう変化がございません。また、円がマルクに対してもかなり高くなっておるということでございまして、まさに円の独歩高と言っても過言ではないのではないか、このように思う次第でございます。
 そういう中で、先回の商工委員会でも私申したんですが、まさに基軸通貨としてのドルがもう既にその力を失っておるという感が非常に強いわけでございます。特に、今回のこの急激な円高を見ておりますと、投資家筋がいわゆるドルでの資産保有から円の方に切りかえておる。投機筋は当然売り買いで利益を得るわけでございますから、円を買ってもまた売るというような形のものが発生するわけでございますが、投資家筋が資産をドルから円にかえておるというようなことになりますと非常に構造的な円高ではないか、こんな感じがするわけでございます。
 そういう中で、アメリカの経済状況、まだ詳しくは私も情報を集めておりませんが、ドル安の影響がほとんど出ていない、物価も安定しておるというようなことの中で、アメリカ自体がそうドル安についての危機感を持っていないというような感じもするわけでございます。また、NAFTAの中におきましてドルがやはり何といっても基軸でございまして、メキシコのペソ、またカナダのドルに対しても非常に強含みというような中でございます。そういうことでアメリカ自体がドル安についての認識が非常に甘い、またそれに対する対応が、我々から見ますと、どうも口では言っておるけれども実際に打つ手を打っていないのではないか、こんな感じがするわけでございます。
 そういうところで、まさに今回はドル安じゃなくて円高、この円高についての対策といいますものをこれから本当に考えていかなければならない、このように思う次第でございます。
 きょうは商工委員会でございますから金融当局の方はお見えになっておりません。金利その他の問題についてはこれは別の問題として議論もしなければならない、このように思う次第でございますが、通産当局として、今日のまさに円高に対する対応といいますもの、特に中小企業などは耐える力が非常に弱うございまして大変苦しんでおる、またこれから大変な事態になってくるのではないか、このように思う次第でございますが、長期的な対策は対策として講じなければならないが、まさに短期的な対策といいますものも講じていかなければならないのではないか、このように思う次第でございまして、通産大臣の、また通産当局のお考えをお聞きしたい、このように思います。
#4
○国務大臣(橋本龍太郎君) 確かに、私は先般御答弁を申し上げました際には円高というよりドル安という表現を用いさせていただきました。なぜなら、委員よく御承知のとおり、当時はメキシコの経済不安からきたまさにドル安であったわけでありまして、その認識は私は冒頭としては間違っておらなかったと思います。しかし、その後の推移の中で、今委員からも御指摘がありましたように、投機筋の資金が円にシフトした、その中で現状はまさに円高であり、独歩高というそのお言葉は私もそのとおりであると思います。
 そして先般、報道を見ておりますと、例えばタイのスパチャイ副首相が、タイ政府の外貨保有につきまして、ドルの量をある程度減らしてマルクと円にシフトするという方向を打ち出されたといったことでも証明されますように、確かにドルが基軸通貨としての力を弱めておるという御指摘はそのとおりだと思います。しかし、それならドルにかわり得る基軸通貨たる地位を門が占めるだけの力があるかというなら、私は残念ながらそれだけの力はまだ持っていない。基軸通貨の補完的な役割を担えるだけの力はあると思いますけれども、それにいたしましても、今我々自体が対応をよほど考えていかなければその役割に任じ切れないものがある、そのような気持ちもいたしております。
 そして、これも政府は今まで繰り返してまいったわけでありますけれども、確かに今全体としては日本の経済は緩やかな回復基調に向かっていると言われております。また、指標等を見ましてもそうした傾向は出ております。しかし、通産大臣としての私の気分からいきますと、この急激な円高とともに株価の低迷というものをあわせて考えるとき、我が国の経済というものをそれほど楽観した物の言い方ができる心境ではございません。殊に、三月に入りましてからの為替の状況というものは、輸出産業を中心として極めて対応困難という状況を生み出しておりまして、輸出採算の悪化とこれに伴う収益の悪化、こうした状況に至る危険性が多分にあるという感じをいたしております。
 それだけに、先般総理から経済企画庁長官に対し、また私どもに対し御指示がありまして、この円高を克服するための対策を早急に取りまとめろという御指示をいただきました。明日に向けて作業をいたしているさなかであります。そして、それの中には当然のことながら中長期の課題も含んでいくべきであると思っておりますし、また含まれていくでありましょう。
 しかし、先般来も御説明を申し上げてまいりましたように、この三月八日の時点で、殊に輸出関連の中小企業を調査させていただきますと、昨年七月の調査の時点から採算分岐点において三円改善されている。百十三円でありましたものが百十円まで改善をされているという努力をしていただきながら、それが全く効果のない状態を生んでいるわけでありますし、この状況に対して対応すべき有効な手だてがないというお答えが二五%を占めている。さらに、このままであれば転廃業やむなしというお答えも八・九%に上っている。この事態を放置することはできません。
 本来、三月三十一日で終わる予定でおりましたつなぎ資金等に対する支援措置は年度を超えましてそのまま継続をいたしました。また、雇用の心配がございますので、労働大臣に御協力をいただきまして、雇用調整助成金も三月三十一日で停止する予定でありました措置をそのまま継続をしていただいております。
 明日まとめなければならない対策として、私はまずやはり何といいましても補正予算の問題があろうと思います。従来は、阪神・淡路大震災の復旧・復興ということに主眼が置かれておりましたために、その時期が必ずしも確定をいたしておりませんでした。しかし、本格的な阪神・淡路大震災の復旧・復興の予算ということになりますと、兵庫県、神戸市等のお考えがある程度固まらなければ確定できないという問題点がございますだけに、私の方から今大蔵大臣にお願いをしておりますのは、ゴールデンウイーク明け、五月のできるだけ早い時期に、とりあえず阪神・淡路の震災復興の現時点において対応できる部分とあわせてこの円高を克服するための対応策を含んだ補正予算を早期に提出をしていただきたい。
 そして、本来これは言うべきことではないと思いますけれども、あわせてその財源について、例えば増税による、あるいは既往の予算の組みかえによるといった手法ではなく、あえて国債の発行によってこの資金調達を求めるということを私としてはお願いを申し上げております。これによって、内需を拡大する努力とあわせて、日本政府として、その後に続きます阪神・淡路復興の本格的な補正予算を含めて、経常収支の黒字の縮小に本格的に政府が取り組むという意思を明らかにすることが一つ私は大切なことだと思っております。
 同時に、何と申しましても、これは商工委員会に大変御苦労いただきまして早期に成立をさせていただき、おかげさまで十四日の施行を目前にいたしております中小企業創造法でありますとか、あるいは事業革新円滑化法でありますとか、こうした法律、我々はこれほど急速な円高を想定したわけではありませんけれども、円高の中における新たな展開というものを想定してつくりました施策でありますから、これらをできるだけ早期に実施をしたい。事務方の諸君にも大変な苦労をかけて体制を整えてまいりました。こうした施策は思い切って実行させていただきたい。
 しかし、そのためにはやはり資金調達の問題がどうしても出てまいります。そしてそのためには、公的資金だけではなく、民間における資金調達の面をできるだけ拡大しなければなりません。その意味では、証券市場の低迷というものが非常に我々にとって深刻でありますだけに、この証券市場の活性化に資するための対応策をもあわせて検討を願っておるところであります。さらに欲を申しますならば、ほかにも考えられる施策があれば、皆あわせてこの際使わせていただきたい。そのような思いを持ちながら、今政府部内の調整を行っているさなかでございます。
 いずれにいたしましても、我々は中長期的な視点に立った場合でも経済構造改革というものは推進していかなければなりませんし、経常収支の黒字というものを他からの批判を浴びない程度に縮小していくために国内における投資を拡大し内需の振興を図っていく。本来、内需中心の経済政策というものにシフトしていく努力が必要であろう、そのように考えているところであります。
#5
○吉村剛太郎君 御丁寧な御説明でありがとうございます。
 いずれにしましてもきのうからきょうにかけて与党案といいますものを非常に努力して作成しておるところでございまして、聞くところによりますと、あすには政府案といいますものが出てくるんではないか、このように思っております。ただ、いずれにしましても、やはりパンチが効いた策を出さないことには、何となく円高対応策を出しても、何だこんなものかというようなことになりますと、非常にまた円高の方に逆作用が出てくるんではないかという懸念もするわけでございまして、ぜひ我々としてはパンチが効いた策を出していただきたいなと、このように思っております。先ほど大臣の御答弁の中で、ドルの威信が薄れておる、ただ、だからといって円がそれにかわり得るかどうかというとそのような力はない、まさに補完的な力しかないと、このようにおっしゃいました。じゃ一方、ドルが基軸通貨としてそれだけの責務を果たしておるかというと、これまたドルも果たしていないというのが現状であろうかと、このように思う次第でございます。
 私、さきの商工委員会でもちょっと申し上げたんですが、これは私見でございますが、やはり今後は通貨のブロック化、いわゆるNAFTAでドル、アジアで円、ヨーロッパでマルク、EUの場合は統一通貨というものも視野の中に置いているようでございますが、そういう通貨のブロック化ということも考えられるんではないか、このように考えております。ただ、通貨のブロック化といいますと、これまたそれに付随するいろいろな問題が派生するわけでございまして、そうそう簡単にはいかないのではないか、このように思っております。
 これについて、大臣の私見といいますかがございましたら、可能な範囲で結構でございますので、ちょっとお聞きしたい、このように思います。
#6
○国務大臣(橋本龍太郎君) 昨年の正月、たまたま野党という時間的な余裕のあったこともありまして、久しぶりにちょっとタイを調べました。そして、タイを調べましたときに私が非常にびっくりしましたのは、バーツの圏域が非常に広がっているということでありました。ベトナム、カンボジアは当然でありますけれども、中国の雲南省あたりまでがバーツのエリアに入っている、そしてそれが非常に安定してきている。これは少々偶然といたしました。それに比して円の欠ける部分について思いをはせたところであります。
 今、委員から御指摘のありました問題は実は大変難しい問題でありまして、たまたま私が大蔵大臣在任中に一度、日米欧の通貨について一定のバンドを設けて、その間に為替の変動幅をおさめるようなことを考えてみてはどうかという提案をしたことがございます。これに対して、当時アメリカは割合に積極的に関心を示しました。ただ、彼らの考える幅が我々と少々食い違っておったというところであります。ところが、特にドイツはこれに対しては現状のままで問題はないということを主張され、この構想は実りませんでした。
 一方、欧州復興開発銀行を創設いたしましたとき払込通貨として認められましたものが、ヨーロッパの共通通貨単位でありますECUとともにドルと円という三本柱で払い込みが認められた。円は実はそれだけの評価を国際的に既に受けているわけであります。
 私は、もともとSDRが考えられましたのは、ある意味ではドルにかわる国際共通通貨としての単位を設けたいという発想からであったと思いますが、その後必ずしもSDRが十分に活用されておりません。今、委員が述べられましたようなブロックごとに基軸通貨を決めるということは言うべくして困難であろう。むしろ実行上の問題として、それだけの信認を得る努力を円について我々が実行していくということであろうと私は思います。むしろ私は、その意味ではSDRをもっと積極的に活用することで調整が図れないだろうかという感じは持っております。
 たまたま当時、長くなって恐縮でありますけれども、世界的に大きな変革の中で新たな資金需要というものが想定をされる、しかしニューマネーの供給力に限界がある時期、これに対する対応策をどうするかという議論が非常に大きなウエートを占める時期でありました。そして、私はその場合に、IMFの九次増資を終了した時点でSDRの特別発行を各国合意しよう、ただそれは、いきなり現金をIMFに拠出するのではなく、SDRの枠を設定し各国との間にクレジットラインを引いておく、そしてそのクレジットラインを活用し、IMFが構造調整プログラムを締結した地域あるいは国に対してIMFのサインによりその時点で自国通貨による資金を供給する、そういう仕組みを提案いたしまして、ヨーロッパ勢は非常に今度は逆に関心を示しました。
 そして むしろドイツ フランスというところは非常に積極的にこの構想を支持し、ただ私はその当時二百億SDRぐらいを考えたのでありますが、それでは足りない、フランスあたりは少なくとも三百億SDRを必要とするという非常に強いそういった修正意見は出されましたが、ヨーロッパ勢はこの構想に非常に積極的に乗ってまいりました。
 ところが、その場合はアメリカは議会の承認が得づらい。SDRの発行によるマネーサプライの増というものを懸念する声が大変強いためになかなか議会の承認が得られないだろうということになりました。それでも、IMFとして一年ないし二年をかけてこれに対しての検討をしようということにはなったのでありますが、その後実はフォローされておりません。
 私は、やはり国際通貨のさまざまな局面を考えました場合に、今既に現存する制度としてのSDRをもう少し活用することによってある程度バランスすることはできないだろうかという気持ちを今も持っております。
#7
○吉村剛太郎君 大変次元が高いお話を伺いまして、大変参考になりました。
 いずれにしましても、今日我々が受けておりますこの円高攻勢といいますもの、これを何とかしのいでいかなければならないということで、先ほどから大臣いろいろと対策をおっしゃったわけでございます。市場開放もしかりでございますし、またこの委員会でこれから論議いたします電事法また石油製品に関する法案はまさに規制緩和にかかわるものでございまして、早急な規制緩和といいますものがまた一方では円高対策の大きな一つの柱であろう、このように思っております。
 そういう中で、通産当局も規制緩和についてはこれまでいろいろと具体的な検討もされてこられたと思いますが、その現状についてちょっとお聞かせいただきたい、このように思います。
#8
○国務大臣(橋本龍太郎君) 通産省といたしましては、規制緩和というものが我が国の経済を引っ張っていく上で非常に大切な役割という認識のもとに、先年来非常に積極的に努力をいたしてまいりました。
 前内閣時代、すなわち昨年の五月には大店法の大幅な規制緩和を既に実施いたしたわけであります。また、今国会におきましては、電気事業また石油製品供給の規制緩和に関し、ただいまも御審議をいただくような法律案の提出に踏み切っております。さらに、本年七月PL法が施行になるわけでありますが、これを踏まえまして、電気用品を初めとした製品安全規制の緩和を行う予定でありまして、家電製品等を中心に百五十品目を超えるものが自己認証に移しかえられることになってまいります。
 また、JIS規格につきましても、現在約八千ございますJIS規格のうちで別に国際規格のあるものは約二千であります。そして、そのうちの千は既に国際規格と整合しておりますので、残る千につきましてもこの五カ年計画の年度内に国際規格に合わせようということで努力をいたしておるわけでございます。
 また、これは通産省の主管とは離れますけれども、通産省として従来から主張してまいりました純粋持ち株会社の制限撤廃あるいは緩和の方向に向けまして、公正取引委員会も検討を開始し、三年以内にその方向を打ち出すというところまでまいりました。
 私どもなりに規制緩和について努力をいたしてまいりましたけれども、なお今後におきましてもやはり積極的な努力を続けていきたい。ただ、国民生活の安全にかかわるようなもの、これはやはり今後ともきちんとしたルールを残していきたい、そのように考えております。
#9
○吉村剛太郎君 いずれにしましても、大変大きな円高という課題を持っておりまして、それにこれから対応していかなければならない我々国会も大きな責任があろうか、このように思っております。この問題については当然どこかの場で集中的に論議をしなければならない、このように思っておりますが、きょうは、提案されております法律を論議するときでございますので、円高問題はこのあたりにいたしまして、電事法の方に入らせていただきたい、このように思う次第でございます。
 今日、あらゆる生活の局面で電化の方向にあるわけでございますが、いろいろと我々の生活様式その他社会構造もこれから十年、二十年と相当変わっていくんではないかな、このように思っております。
 産業においても、今論議しました円高の影響で、空洞化というようなことで生産拠点が海外に出ていく、かわって組み立てとか第三次産業というような方に移っていくんではないかということも考えられるわけでございまして、それはそれとして電力消費は割と少ない分野であろうか、このように思っております。また、人口の伸びが非常に鈍化しておるというようなこと、これもエネルギーの需要増はかなり鈍化するのではないかなと。一方では年齢の高齢化といいますものがどう作用するのか。
 いろいろと錯綜した要因の中で、電力需要といいますものに限って将来どのような需要の見通しを持っておられるかどうか、エネ庁で結構ですからお願いしたいと思います。
#10
○政府委員(川田洋輝君) お答え申し上げます。
 長期的な電力需要の伸びにつきましては、昨年六月に電気事業審議会需給部会の中間報告で取りまとめられておるところでございますが、この中では、新たな需要対策を追加いたしました新規施策追加ケースの中で、総需要電力量につきましては、一九九二年度から二〇〇〇年度までの間に年平均二・一%、二〇〇〇年度から二〇一〇年度までの間は年平均一・六%と着実に増加するということが見込まれております。
 この中で、今お触れになりましたそれぞれの需要分野ごとについて若干説明を申し上げますと、このうち民生用の需要につきましては家庭用、業務用に区分されるわけでございますが、家庭用需要につきましては、お触れになりました高齢化などによります世帯数の増加、住宅の質的な向上、家庭用電気機器の大型化、多様化、それから冷暖房、空調機器の普及拡大といったような方向が見込まれまして、家庭電器の省電力化などの進展によります減少要因はあるものの、着実な増大を見込まなければならないという状況にあるわけであります。
 業務用需要につきましては、サービス経済化の進展によります需要家数の拡大、OA化の進展、冷暖房需要の増加などの増加要因が見込まれます。一方、労働時間の短縮といったような減少要因はございますものの、今後ともこれも着実な増加が見込まれるということでございます。
 以上から、民生用需要につきましては、一九九二年度から二〇〇〇年度までの間に年平均三・二%、二〇〇〇年度から二〇一〇年度までの間に年平均二・三%増大する見込みと相なっております。
 一方、産業用需要につきましては、鉄鋼、化学あるいは窯業、建材、紙パといったような電力多消費型産業でございます素材型産業につきましては生産の伸び悩みが見込まれるわけでございますが、その一方、電力寡消費型産業、電力を少なくしか使わない産業でございます機械などの加工組み立て産業の製品の高付加価値化などによりまして需要の拡大傾向が続くものと見込まれますところから、産業用需要につきましては、伸び率は鈍化するものの安定的に増加していくという見込みでございます。
 具体的に申しますと、一九九二年度から二〇〇〇年度までの間に年平均一・二%、二〇〇〇年度から二〇一〇年度までの間に年平均〇・九%増大するという見込みになっております。
 以上のように、産業用需要につきましては比較的低い伸びとなっていくと見込まれますものの、民生用需要はこれからますます増大をしていくということから、先ほど申しましたように全体として電力需要は引き続き着実に増加をしていくという見込みに相なっているわけでございまして、これに対応する上で、今後私どもとしては毎年五百六十万キロワットの供給力の追加が必要となっていくというところでございます。
#11
○吉村剛太郎君 将来的にも大変電力需要が伸びていくということでございますが、当然ながらそれに対応する設備といいますものを増設していかなければならない、このように思う次第でございます。そういう中で、主眼は恐らく原発であろうかと、このように思うんですが、原発の立地といいますものは大変今日の社会情勢の中で難しい、このように思いますし、都市圏に近いところではとても無理であろう。そうなりますと、非常に効率の悪いところに原発を置くというような形になるといよいよコスト的にも高くなっていくのではないか、このように思っております。
 これだけの五百六十万キロワットに対応する設備を増設していかなければならない、しかしそれがコスト的には今日より非常に大きくなっていくというものがございますが、一方では、先ほどから論議しました円高によってのメリットといいますものもあるのではないかな、このように推測をするわけなんです。そういうコストアップと一方の円高との、円高によってどの程度のメリットがあるか、一方ではそういうコストアップでどの程度のデメリットがあるか、その辺の見方を当局としてはどのようにされておるか、ちょっとお伺いしたいと思います。
#12
○政府委員(川田洋輝君) まず、今後五百六十万キロワットの新たな供給力を追加していかなければならないわけでありますが、一つは、ぜひ電力需要の伸びを先ほど申しましたような範囲内で、できるだけ合理化、効率化していって需要の伸びを一定限度に抑えていくというか、済むようにしていく努力が必要であろうと思います。したがって、それに見合う五百六十万キロワットが拡大していかないような努力、こういうことに相なるわけでございます。その上で、五百六十万キロワットの供給力拡大をできるだけコストがかからないように効率化を進めながらやっていくという努力が必要であろうかというように思っておるところでございます。こういったことが今回の法律改正を提出いたしました背景として大変大切な点でございます。
 一方で、お触れになりましたように電気で今使っております燃料はほとんど外国から輸入をするものでございます。したがって、これによって為替レートが円高になってまいりますと収支好転要因になるということは御指摘のとおりでございますが、その前に、まず電気料金の中に占めます燃料費のウエート、これがこのところかなり小さくなってきておるという状況がございます。数字で申しますと、昭和五十四年には全体の電気料金収入の中で四割程度、三九%を燃料費で占めておりました。これが現在では、平成四年でこの比率が一五・八%、平成五年では十二・六%という水準に下がってまいっております。
 これは、先ほど来お触れになっております為替レートが大きく円高に変わってきたこと、それから原油価格が第二次オイルショック後大変高い水準になりましたのが、逆石油危機みたいな論議もございまして随分低い水準に、そしてかなりそれがそのままで推移をしている、こういう状況があって、そういう意味では従来よりいわば燃料費の振れが全体の収支に及ぼす影響というのは小さくなってきているという状況はございます。
 現時点で試算をいたしてみますと、為替レートが一年間一ドルにつき一円変わりますと日本の電力会社で百億円の収支好転要因になります。しかしながら、燃料価格というものは為替レートと原油価格のいわば掛け算でございまして、この原油価格については一バレルにつき一ドル上がりますと年間では五百二十億円の収支悪化要因に相なります。
 そういうことで、その両方を掛け合わせた状況ということで差益の発生の論議が出てくるということでございまして、現在までの状況ですと、昨年十月からことしの三月までですと、私どもが見込んでいたのよりは少しいわば差損が生じている、収支に悪化要因の方が強くなっているという状況がございまして、現在の状況を我々は注意深く見守っているというのがこのところの状況でございます。
#13
○吉村剛太郎君 いずれにしましても、これから我が国の経済成長は継続的に上昇していかなければならない、それに対応して民生も含めまして安定した電力を供給していかなければならない、しかし状況としてはコストアップは避けられない状況にあるんではないかというふうに今承ったわけでございます。まさにそういうものを背景にいたしまして、今回の電気事業法の改正は、発電部門などへの新規参入を拡大すること、また料金規制を改善すること、また保安規制の合理化を通じて電力供給システムの効率化を図るものということでございますが、法改正と並んで、電気料金制度においては経営効率化を促す仕組みとして、耳なれないんですけれども、ヤードスティック方式による査定を導入する、このように伺っておる次第でございます。
 総括原価方式とかプライスキャップ方式とか、いろいろと我々にとっては耳なれない言葉も聞くわけでございますが、時間がございませんので総括原価方式、プライスキャップ方式、そしてなぜヤードスティック方式を採用したのか、その辺を簡単で結構ですから御説明いただきたいと思います。
#14
○政府委員(村田成二君) 御説明申し上げます。
 総括原価主義というのは、御案内のように欧米の電気料金制度、あるいは我が国のいろんな公共料金制度で幅広く採用されている基礎方式なわけですが、一言で申し上げますと、減価償却費あるいは営業費といいました供給コスト、これを総括原価として算定しまして料金収入と等価とする、等しく置く、こういうシステムでございます。
 プライスキャップ制といいますのは、御案内と思いますけれども上限価格制といいますか、日本語に訳しますとそういうことになると思いますけれども、イギリスの電気通信事業あるいは電力事業、さらにはアメリカの電気通信事業等におきまして一九八〇年代半ば以降導入されている制度でございます。一言で申し上げますと、物価上昇率から生産性上昇率を差し引きまして、そういった率をもとに料金の上限を設定する、その料金の上限の範囲内におきまして個々の種別の料金の設定についてはそれぞれの事業者の裁量にゆだねる、自由にゆだねる、こういう制度でございます。
 こういった点につきまして、実は電気事業審議会でるる検討していただいたわけでございますが、プライスキャップ制につきましては、産業界あるいは消費者あるいは学識経験者、いずれもやはり日本の電気料金に導入することには問題が多いのではないかというようなコンセンサスを得た次第でございます。
 幾つか理由がございますけれども、簡単に申し上げますと、第一点は、電気にはやはり代替エネルギーがない、そういった状況下で自由競争にゆだねて本当に価格競争の成果による価格引き下げ効果というのが出るのか疑問である。それから二点目は、特に消費者、中小企業の方々からでございますが、原価的裏づけがない形でプライスキャップを導入いたしますとやはり需要家間の公平、公正というものが失われるのではないか、こういうふうな御心配が非常に強うございました。それからまた、生産性向上率というのがプライスキャップ制の一つの根幹になるわけでございますが、この決め方についても非常に疑念が大きい、社会的コンセンサスが得られるかどうか疑問である、こういう御批判が多々あったわけでございます。
 ただ、一方の現行の総括原価方式につきましても、原価的裏づけに基づく方式としまして非常に受容性が高い、信頼性が高いという評価はしつつも、片方におきましてやはり電気事業者の自主的な効率化努力というものを促すには限界があるのではないか、こういう結論に至ったわけでございます。
 したがって、以上のような御議論を経まして、それじゃどうしたらいいかということで、総括原価方式の基本的な枠組みは維持しながらも、事業者間の自主的な経営の効率化を促す仕組み、これはインセンティブ規制、刺激的な規制と言っておりますが、そういったものを導入したらどうかという方向で議論が進められたわけでございます。
 ヤードスティック方式というのは耳なれない言葉でございますけれども、日本語に適当な訳はございませんが、物差し方式とでも申しましょうか、ある一つの尺度を持って事業者間の経営の効率化の度合いをはかる、それによりまして経営効率化の度合いが低いところには厳しい査定が行われる、こういう方式でございますが、総括原価方式をベースとしながらもこういったヤードスティック方式を加味した方式にしたらどうだろうかというのが審議会でいただいた御結論でございます。
 これのメリットといいますのは二点ばかり指摘できるかと思います。一つは、やはり効率化度合いの小さい企業に対して一層の経営効率化を迫るというのが第一点でございます。それから第二点は、次回あるいはその次の回というふうに同様の料金査定が行われるわけでございますので、各事業者に他の事業者以上の効率化を達成するというマインドを醸成する、こういうことになるわけでございまして、そういった今申し上げましたような事業者間の競争意識を引き出すという意味で非常に有効なシステムではないかという結論をいただいた次第でございます。
#15
○吉村剛太郎君 よくわかりました。
 それで、その物差しはどこで決めるんですか。
#16
○政府委員(村田成二君) まさしく、この御審議いただいております法案を可決いただきましたならば、また再度審議会を開いていろいろ御議論いただきたいと思いますが、基本的にはこれは査定の方式でございますので、通産省といたしまして、各事業者が公平感を持って受け入れられるような、それからまたいろいろな地域特性ですとか経常努力によらざる不測の要因を除去できるような、そういったシステムを目指して私どもが策定いたしたいと考えております。
#17
○吉村剛太郎君 最終的には通産省で、エネ庁でということですかね。
#18
○政府委員(村田成二君) 審議会のいろいろな御意見を伺いながら通産省において決めたいと思っております。
#19
○吉村剛太郎君 よくわかりました。
 それで、各事業者の持っておりますそれぞれの地域特性とかなんとかも勘案してその物差しをつくるわけですが、いずれにしましてもそういうものを勘案して、逆に言いますと、物差しにコストを合わせるんじゃなくて、現状に、そういうもろもろの要因に物差しを合わせるというようなことにはなりませんですかね。
#20
○政府委員(村田成二君) お答え申し上げます。
 物差しのつくり方、非常に難しいと思うのでございます。例えば、私ども今検討しておりますほんの一つの材料でございますが、御紹介させていただきますと、考え方の一つとしまして、新設の発電所の発生電力量当たりの建設費というものを指標として直接それを比較するという方法もございますし、あるいはそれぞれの電気事業者の発電電力量全体当たりの電源関係の設備費総計を指標とする、しかもそれも絶対水準で比べる方法と伸び率で比べる方法とあるわけでございますが、そういった物差しをいろいろ工夫しながら、結果において、やはり一番効率がいいところとそれから一番効率が悪いところとその間にどういう順序でどういう要因で各電気事業者が並ぶかというところは、客観的にある程度出せることになるかと思います。
 したがいまして、実態に合わせるというよりも、全体として客観的な指標をつくることによりまして、その指標を物差しとして、実態も加味しつつしかし客観的に結果を得るということが可能かと考えております。
#21
○吉村剛太郎君 いずれにしましても、沖縄を入れますと十電力あるわけですね。非常にやっぱり地域格差というのがあるんではないか、私どもは素人ですからわからないんですが、と思いますが、やはりその地域格差の中で非常に平均的なところに物差しを持ってくるというふうに私は今理解をしたわけなんですが、これは業界も、そんなことを言っては悪いんですが、いろいろ知恵を絞って、まあまあなるべく物差しの高いところに合わせようじゃないかというようなことが知恵として出てくるんではないか。
 そうなると、先ほども申しましたように、むしろ現実に物差しを合わせるような形になってきて、今度の電事法の改正というのは私は非常に期待をしておるんですが、これはだれも反対するものではないと思いますが、これを実際に運用するときにまさにその辺に一つの大きな問題が出てくるんではないかなと、このように思う次第でございます。
 そして、これによって果たして電力料金といいますものが、新規参入の自由化ということも一緒にしまして、こういう価格設定によって電力料金といいますものが果たして下がっていくかどうか。もちろん下げるための対策でありますから、下がりますという御答弁であろうかと思いますが、これから長期的に見てこれは試行錯誤の上にそういう形になっていくんであろうかと、このように思っておりますが、当局として、どの程度の期間でどの程度まで下がるというような、もし数値目標的なものがあれば教えていただきたい、このように思います。
#22
○政府委員(川田洋輝君) 大変難しい質問で、端的にお答えいたしますと、数値的な何か今申し上げられるようなものがあるというものではございません。
 先ほど御質問もあり、お答えも申し上げましたように、電気事業の現状を見ますと、非常に大きな設備投資を要するということからコスト上昇圧力というのが懸念されるところでございます。そういうことを背景に今回の法改正あるいは制度改正をお願いいたしておるところでございますが、発電部門などへの新規参入の拡大、料金規制の改善、保安規制の合理化を通じた電力供給システムの効率化ということを目指すのが今回の改正でございまして、また法改正と並んで、ただいま御議論いただきました電気料金制度につきまして、経営の効率化を促す仕組みとしてヤードスティック方式による申請、査定といったやり方を考えておるということでございます。
 こういった大きな枠組みの中で料金を低廉化していくというのは、事業者一人一人の経営の効率化努力あるいは負荷平準化への具体的な努力であろうというように思うわけでございまして、いわばそれができる環境を整備するのが今回の制度改正であろうというふうに私ども位置づけておるところでございます。
 発電に係る事業は御承知のようにリードタイムが非常に長いものでございます。それだけに我々が目指している効果というのが短時間のうちにすぐにあらわれるというものではなかろうと思います。そういう意味では、先ほど大臣との間で御議論なさっておられました電気事業におけるまさに構造改革的な仕組みのものとして私ども考えておるわけでございます。
 ただ、我々としては、今回の制度改正がまさに我々がもくろんだ実効あるものとして動くように最大限努力をしてまいりたいと考えておりますし、その中で事業者側の経営効率化、負荷平準化に向けての積極的な取り組みを期待して、効果が現実に出てくるということを目指してまいりたいと考えております。
#23
○吉村剛太郎君 いずれにしましても、非常に画期的な法改正だと、このように思っておりますし、まさに今おっしゃいましたように、いつまでにどれだけ電気料金を下げるなんということは、これはなかなか言えるものではないということはもう十分わかっております。ただ、申されましたように、この法改正を基礎にしてぜひ官民一体となって電気料金の低下に努めていただきたい、このように思います。
 もう私の持ち時間も迫っておりますので、最後に一つ。
 今回の法改正によりまして新規参入ということが自由化されたわけでございまして、特に特定地域に対する電力供給ということが可能になったわけですね、特定事業が可能になったわけです。長期的に供給の責任を持たなければならない、これは当然のことでございますが、今度は需要家の方が、しばらく特定事業者から、新規参入者から電力を買っておったが、途中で嫌になったからやめようというようなことも普通の商売ではあり得るわけなんですが、その辺の保障についてはどうなっておりますでしょうか。
#24
○政府委員(村田成二君) お答え申し上げます。
 今御指摘の、特定電気事業者の需要家が例えば恣意的に一般電気事業者からの供給に切りかえたいというようなことを言い出すとしますと、これは結果的に一般電気事業者がその特定電気事業者の需要家に対して供給責任を持つということが前提となるわけでございます。仮にそれに一般電気事業者が応じなければならないとなれば、そういうことになるわけでございます。
 ただ、そういたしますと、特定電気事業者というのはどんな事態になっても最終的に一般電気事業者が事実上バックアップしてくれる、バックアップといいますか、全部引き受けてくれる、その能力に依存して事業を展開する、こういう形になるわけでございまして、これは結果的にやはり一般電気事業者の方のいろいろなネットワークのコストを負担しております一般の需要家に非常に迷惑をかけることになると私ども考えておる次第でございます。
 したがいまして、この改正法案におきましては、特定電気事業者の供給地点の需要家に対しましては、特定電気事業者が存在する限りその特定電気事業者が供給義務を負う。すなわち、裏を返しますと、特定電気事業者の需要家はいつでも勝手に一般電気事業者による供給を選択できるということは適切ではない、こういう制度構成をとった次第でございます。
#25
○吉村剛太郎君 ある意味ではそういうことは発生しないという前提なんでしょうかね。発生した場合はどう対応するかというようなことは考えておられるんでしょうか。
#26
○政府委員(村田成二君) お答え申し上げます。
 非常に簡単にお答え申し上げますと、勝手に需要者が特定電気事業者から一般電気事業者に供給先を振りかえることはできないということでございます。それはなぜかと申し上げれば、特定電気事業者とその需要家の契約、これが唯一の根拠でございます。
 それからまた逆に、先ほど申し上げましたように、切りかえたいといいましても、一般電気事業者はその特定の地点に対しては供給義務を負っていないということでございますから、応ずる必要もない、こういうことでございます。
#27
○吉村剛太郎君 円高のところでちょっと時間をとり過ぎましたから、いろいろとまだ質問したいことがあったんですが、私の持ち時間は終わりましたので、あと石油に関連しましては中曽根委員の方からになろうかと思います。
 ありがとうございました。
#28
○中曽根弘文君 きょうは質問をたくさん準備いたしましていろいろお伺いしたいと思いますので、最初に、大変恐縮でございますが、大臣初め答弁される皆さんには簡潔にお答えいただければと、そういうふうに思います。
 今、吉村理事からも質問がございましたけれども、石油製品の供給の確保に関する法律案の質問に入ります前に、このところの急激な円高について二、三質問をさせていただきたいと思います。
 まず初めに、三月初めに円が急騰いたしました際に、その影響について通産省、中小企業庁が全国の輸出関連中小企業に対してアンケートを行っておりますけれども、当時から約一カ月たったわけでございます。この間さらに円高が進みまして、現在八十円台前半の水準となっておるわけですが、この水準がしばらく続くと想定した場合、日本の輸出産業、とりわけ輸出関連中小企業が受ける影響はどういうことになろうか。この点についてまずお答えいただきたいと思います。
#29
○国務大臣(橋本龍太郎君) 答弁が長くなりまして申しわけありませんでした。できるだけ簡潔にいたします。
 八日時点で行いました調査におきましても、先ほど申し上げてまいりましたように、輸出型産業の中小製造業七五%が既に最近の円高によって影響が出ている、二五%は円高の影響が今後出るというお答えでありました。今日の時点になりますと、恐らくその多くの企業には円高の影響は既に発生しておると思っております。そして、既に円高の影響が出ているというお答えをいただいたところでは事態は一層深刻でありましょう。
 また、先ほど申し上げましたように、有効な対策がないというお答えを既に二五%の方が出しておられ、八・九%の方々が今後の対応として転廃業というお答えをいただいておるわけでありますから、このような状態が継続をいたしました場合には、輸出額が減少するということだけではなく、国内における輸入品との競合はさらに深刻化する。そして、中小企業の経営には大きな影響があるのではないか。私は事態を非常に深刻に受けとめております。
#30
○中曽根弘文君 そこで、産業の空洞化の問題があるわけでございますけれども、これが加速度的にさらに進行することが心配されるわけですが、この問題についてはいかがでしょうか。
#31
○国務大臣(橋本龍太郎君) 例えば、自動車メーカーのマツダが、当面の緊急避難措置として、四月、五月につきましては対米輸出を従来の計画から半減いたしまして為替予約の範囲内でとどめるということをいたし、これに合わせて工場のラインの一部を停止いたしております。
 こうした事例は既に出てまいっておりまして、このような影響が放置されました場合には、間違いなしに雇用の面あるいは中小企業、地域経済への悪影響といったものははかり知れないことでありますし、中長期で考えました場合には我が国の技術基盤へも影響が出てまいります。そして、当然のことながら産業の空洞化は非常にピッチが上がってしまうということを私は恐れております。
 我々としては、先般御審議をいただきました中小企業創造法等、こうした対応をしていくことによって、海外への移転というものがこれから技術全体の世界である程度進むものとは思いますけれども、これがなだらかな形で進んでいくプロセスの中で、新たな産業分野を創造していくことによって日本の経済を安定させていきたいと考えておりました。
 今後もこうしたことを中心に考えながら、一つは内外価格差の是正、あるいは新たな事業機会の創出を図るという視点から規制緩和を一層推進していくこと、さらに新規事業の育成支援、既存産業の事業革新の支援、そして内需主導型の経済構造を実現するためにも良質な社会資本を整備していく、こうしたことを進めることによって対応してまいりたいと基本的に考えております。
#32
○中曽根弘文君 今、大臣の御答弁の中で、海外への移転がだんだん進んでくるだろうというお話がありました。
 御答弁ありましたように、今国会で中小企業創造法が成立したわけでありますけれども、この水準で円高が進みますと、海外への移転の動きというのはなかなかとまらないのじゃないか、促進されるのではないかと思います。そういう意味で、国内の産業をさらに、企業を起こすという支援策も重要ですけれども、海外へ企業がスムーズに移転できるようなそういう支援策もさらに検討すべきではないか、そういうふうに個人的には思っております。
 先ほどもお話ありましたように、円高の総合対策があした決定されるようでありますけれども、よほどインパクトのあるものでなければ効果が出てこないんではないか、そういうふうに私は思っております。あした発表されるものが、中小企業対策についてどういうものが中心になるのか、お考えをお聞かせいただければと思います、まだきょうの時点では発表できないかもしれませんが。
#33
○国務大臣(橋本龍太郎君) 実は、中小企業庁長官は昨夜もほとんど徹夜の状況で経済企画庁、大蔵省との間での議論を煮詰めておりますが、まだ答えを申し上げられるところまでまいっておりません。
 ただ我々としては、先ほどもお答えをいたしましたように、三月三十一日をもって停止するつもりでおりましたつなぎ資金の支援措置等をそのまま継続いたしましたし、今後ともにその資金需要等に対する対応には万全を期してまいりたいと考えております。
 さらに、これは本当に委員会にお礼を申し上げることでありますが、中小企業創造法、非常に早く成立をさせていただきましたので、明日から施行することができるようになりました。こうしたものを全面的に活用しながら、なお政府部内の議論を煮詰めてまいりたい、そのような状況であります。
#34
○中曽根弘文君 先日、ある大学の先生がイースターホリデーのことを言っておりました。大臣も御承知のことと思います。あした発表するということは、金曜日でございますけれども、今度の日曜日がイースターサンデーといいますかお休み、日曜日ですから休みなんですけれども。英連邦におきましては月曜日が法定の休日だと、そういうふうに伺っておりますし、またあしたの金曜日がグッドフライデーとして休みになる、そういう企業もあるようでございます。証券市場が休むことはないと思いますけれども、来週はイースターウイーク、そういうことで休みのところも多いようでございます。
 そういうことで、金曜日の発表というのが本当に効果が出てくるのか、世界的に影響があるのか、速やかな反応が出てくるのか、私はそういう心配をしております。こういうものは週の初めに発表すべきではないかと思いますが、大臣の御感想を伺いたいと思います。
#35
○国務大臣(橋本龍太郎君) 確かに、私自身が今週火曜日の閣議を目標に対策をまとめたいと思っておりましたことは事実でございますが、今委員が御指摘になりましたそのイースターとの関係でまいりますと、実は確かにロンドン市場は閉まります。しかし、今一番問題となっております日米関係を考えました場合、ニューヨークは今週の金曜日はあいております。それだけに、明日の朝、閣議の前後においてこれを決定することができますなら、東京市場においては当然のことながらこれが生きてまいるはずでありますし、これを受けたニューヨーク市場はその流れを持続していけるものと、そのように考えております。
 やはりイースター前に決定をし、委員が御指摘になりましたようにイースターホリデーというのは非常に我々は気になったわけでありますけれども、ニューヨークの市場に東京の流れを持ち込んで、そこで打ちどめてイースター休暇に入ればそれなりの影響はあると今判断しておりまして、これ以上ずれることよりは望ましい、そのように思っております。
#36
○中曽根弘文君 そこで今度は、円高の影響については円高デメリットの話ばかりが出ておりますけれども、円高差益の点についても私は注意を払うべきだと、そういうふうに思います。
 先ほど電気代の円高差益還元の話がありましたけれども、現在行っております暫定引き下げ、これは標準の家庭が月額で電気代で百円、ガス代百三十八円。この料金設定の前提条件は、為替レートが一ドル九十九円、それから原油価格がバレル十七ドルとのことでございます。
 それで、お話にもありましたように、バレル当たり一ドルの原油高になると五百二十億円でございましたか差損が出ると言われておりますけれども、現在為替の方の水準が八十円台前半であります。当時、九十九円で昨年から実施されているわけです。このままの水準で推移するかどうかはわかりませんけれども、仮に為替の方を一ドル九十円として計算しましても約一〇%のダウンということになっております。原油価格をどういうふうに見るかということですが、三月の平均が十八ドル六十セントと伺っております、バレル当たり。
 仮にこの水準で推移をするということになりますと、原油の差損の方が、五百二十億円に十七ドルと十八・六ドルの差一六ドルを掛けますと八百三十二億円、そして為替の方は約一千億円の差益ということで、多少差益が出ているということになろうかと思います。現在は八十三円とか八十四円の為替レートでございますが、もしこの水準でいく場合に、私は、電気代につきます為替差益の還元というものを速やかに検討していただいてやはりさらなる引き下げをすべきではないか、そういうふうに思っております。
 期の途中ではありますけれども、実施の途中ではありますけれども、過去にも途中で引き下げをした例があると伺っておりますが、その辺いかがでございますか。
#37
○国務大臣(橋本龍太郎君) 私は、委員のお考えを否定するつもりはありません。そして、今委員が想定されたような為替の水準が続かないことをまず第一に願っております。しかし同時に、そうした事態になりました場合、私は今までとちょっとことしの場合考え方を変える必要があるのではないかと考えております。
 それはなぜかと申しますと、本年一月十七日の阪神・淡路大震災の結果、ライフラインというものにおける被害は非常に大きなものがありました。こうしたことを考えました場合、都市防災というものを今後考えていく一つのプロセスとして、ライフラインの強化は当然のことながら必要になると思われます。電力につきましては、早急に復旧はいたしましたものの、実は地下埋設の部分は切り捨てて上に架線を張ることによって対応をいたしました。また、ガスにつきましてもようやく復旧が終わったわけであります。
 この教訓を生かすとした場合、これは長官のもとに両方とも検討のための機関を設けていただいているわけでありますけれども、ここでもしある程度の差益が生じるような事態になりました場合、むしろ個々の御家庭にお返しをする金額を云々する以前に、電気あるいはガスといったライフラインのより強固なものをキープする、こうした投資に使っていくべきではないか、私は実は個人的にはそう考えております。
 しかしそれ以前に、私は、為替の方がこれで安定するなどという事態を想定したくない、むしろ差益を余り生ずるような事態になってほしくないというのが実は本音でありまして、その辺は、今後またそうした事態になりました時点で私は十分国会の御論議も承りながら方向を決めてまいりたい、そのように思っております。
#38
○中曽根弘文君 そのほかにも輸入商品はいろいろあろうかと思います。小売のスーパーや百貨店で売っているもの、例えば輸入の洋酒類あるいは海外ブランド品等ありますけれども、こういうものについての輸入価格の引き下げについてはどういうふうにお考えでございますか。
#39
○政府委員(河野博文君) 百貨店あるいはスーパーの円高差益の還元の状況についてお答えをさせていただきたいと存じます。
 もとより、円高メリットの末端小売価格への波及には、タイミングの問題あるいは実際にそのものが輸入されたタイミング等々ございますのでなかなか統計的に今申し上げることはできないと思いますけれども、私どもが把握しているところを申し述べさせていただきますと、例えば主要な百貨店、スーパーの多くは既に円高差益還元フェアなどを開催しておりまして、食料品あるいは衣料品を中心に、円高メリットの発生しております輸入消費財の値下げを積極的に行っているというふうに認識をいたしております。今後、円高の状況が変わらなければ引き続きそうした品目の拡大を行うというのが一般的な反応でございます。
 ちなみに、チェーンストアなどでは約五百品目を対象にしていると言われておりますし、また百貨店などでも四百品目余りのものがこうした対象になっているということでございます。
#40
○中曽根弘文君 話が変わりますけれども、新エネルギーについて伺いたいと思います。
 エネルギーの安定供給を確保しながら地球環境問題にも対応する観点から、資源供給の制約が少なくかつ環境負荷の小さい新エネルギーの導入が長期的な観点から非常に重要でございます。政府は、昨年の十二月に新エネルギー導入大綱を策定いたしましたけれども、新エネルギーの開発、輸入促進に関する今後の取り組みについてお伺いをしたいと思います。
#41
○国務大臣(橋本龍太郎君) 新エネルギーの導入というものにつきましては、従来から石油依存度を低減するという方向とともに、地球温暖化防止と申しますか地球環境の保全という観点から、非常に積極的に論議が高まってまいりました。そして、その政策的な意義というものは我々は一層これから高まるものと思います。しかし同時に、原油価格が比較的低位で安定をしております中で、コスト高というものが導入制約の主な原因になっております。そして、エネルギー総供給に占める割合は一%強というところでございます。
 こうした状況の中で、昨年十二月、政府として総合エネルギー対策推進閣僚会議におきまして新エネルギー導入大綱を策定したわけであります。ここの中では、低コスト化を中心とした技術開発、また初期需要の創出などの導入施策、さらに規制緩和といったものを強力に推進することによって新エネルギーの導入拡大を図ることが必要だということを打ち出してまいりました。今後ともにこうした方針に基づきまして政府を挙げて新エネルギーの導入促進を図ってまいりたい、そのような考え方に立っております。
#42
○中曽根弘文君 その新エネルギーの導入が進まない要因としましては、経済性がもちろんございますけれども、技術的な問題、それから制度的な問題も指摘をされております。
 そこで、新エネルギーの抱える技術的問題、それから経済性あるいは制度的問題についてお伺いをしたいと思います。
#43
○政府委員(川田洋輝君) 考え方については先ほど来ございますので、具体的に申し述べたいと思います。
 なかなか進まない要因は、例えば新エネルギーには、太陽光発電システムなどの自然エネルギー、廃棄物発電などのリサイクル型エネルギー、コージェネレーション型の従来型エネルギーの新しい利用形態、こういったくくりができようかと思いますが、導入が進捗しない要因は、それぞれ三つの分野ごとに技術的な問題、経済性、制度的問題とございます。
 これを御説明いたしますと、太陽光発電システムにつきましては、過去二十年余りにわたる技術開発の成果によりまして現在技術的には実用可能なレベルにあるというように思っておりますが、既存電源と比較した場合の大幅なコスト高、住宅用の場合には既存電源の七倍から八倍のコストでございます。これが最大の制約要因と認識をいたしております。制度面につきましては、電気が結びついて逆潮流というものがある状態で電力の系統と連系するためのガイドラインの策定、電力会社による余剰電力購入条件の整備などが行われてきておるところでございますが、さらに今後の導入拡大が期待される住宅用などの小規模のシステムについて個人が容易に設置可能となるような保安規制の合理化を図る必要があろう、いわば電気用品並みの扱いで済むような保安規制にすることが必要であるということで、これは今回の法改正の中で位置づけさせていただいているところでございます。
 廃棄物発電につきましては、技術的には導入可能な状況にございますが、これは発電効率が著しく低いといったような問題があります。経済性につきましては、電力会社による廃棄物発電の余剰電力購入の際の電気の買い取り価格の見直しを図りたいというように思っておるところであります。制度面につきましては、廃棄物発電により発生した電気の、地方公共団体が設置される場合が多うございますが、そういう場合に他者への供給規制について少し緩められないかとか、あるいはここでも保安規制の合理化といったようなものが課題となっております。
 コージェネレーションにつきましては、これも技術的には導入可能な状況にございますが、既存エネルギーシステムに比べますと設備費あるいはメンテナンスコストが割高になる傾向がございます。制度面につきましては、今般の制度改正を通じてコージェネレーションを含む分散型電源の導入拡大に資する保安規制の合理化、新たな事業類型を創設することなどによる需要家への直接供給に関する参入条件の整備を図るといったことといたしておるところでございます。
 今後、述べてまいりました各所エネルギーの導入促進を効果的に図ってまいりますために、大臣から御答弁申し上げました新エネルギー導入大綱を踏まえまして、各所エネルギーが有する固有の導入制約要因を踏まえた適切な対策を進めていくことが必要であると考えております。
#44
○中曽根弘文君 今お話がありました太陽光発電を例にとりましても、もう完全に実用化の段階に入っているわけです。問題は量産効果を通じてコストダウンを図るということであろう、そういうふうに思います。住宅がこれを設置する場合に国の方も支援をしておりますけれども、これをさらに拡大し、そしてもっともっとPRをするということで量産につながると思います。これが一つの大きな突破口になろうかと思いますので、ぜひそういう方向でお願いをしたい、そういうふうに思っております。
 それから、やはりエネルギーの安定確保、それから環境という面におきましても新エネルギーは大きな期待があるわけです。これから東南アジア地域全体のエネルギー需要が高まる中で、私は、既存のエネルギーに加えてこういう新エネルギーというものをどんどんどんどん導入していければ環境問題にもまた需給の問題にも非常によろしいかと思いますので、ぜひ今申し上げましたようなPR等をさらに強化をしていただければと、そういうふうに思います。御答弁は結構でございます。
 それで、また話が変わって恐縮なんですが、今度はサマータイム制度についてちょっとお伺いをしたいと思います。
 サマータイム制度は、昼間の時間の長い四月から十月までの間、活動時間を一時間朝型に移行させるものでございます。これは国民の余暇活動の増進と多様化につながり、また仕事中心のライフスタイルを見直して家族との触れ合いやボランティア活動への参加を促す契機となり得るものでございます。この制度は欧米ではデーライト・セービング・タイムとも呼ばれ、照明等のエネルギーを節約しようという発想から生まれたものですが、現在世界で七十二カ国が導入をしております。そしてこの省エネ効果は、財団法人省エネルギーセンターの試算によれば原油換算で約五十五万キロリットルとなっておりまして、これは香川県や高知県の全世帯が一年間に消費するエネルギー量に相当するとのことでございます。
 この制度については、現在衆議院、参議院でそれぞれ議員連盟等あるいは研究会等でこの制度の導入推進に向けての研究会活動をしておりますけれども、この制度の導入につきまして、省エネルギーという観点からまず大臣の御見解を伺いたい、そういうふうに思います。
#45
○国務大臣(橋本龍太郎君) 私は、サマータイム制度というものが導入されました場合の省エネルギー効果は、今委員が御指摘になりましたように非常に大きいと思います。同時に、国民の余暇活動の多様化ができる、あるいは仕事中心のライフスタイルを見直す、いろいろなことが言われておりますので、私はこうした方向は一つの方向として考えていくべきだと思います。
 ただ同時に 果たして積極的に国民がこれを受け入れていただけるだけの土壌ができているかといいますと、必ずしも私はそう思えない場面に時々遭遇をいたします。今、本制度の導入につきましては民間団体も随分積極的な動きをしていただくようになりました。そして、こうした動きを受けての議員立法のお考えがあることも存じておりまして、こうした方向で今国会における御論議が進み、制度が立法化される方向に動いていきますことを願っております。
#46
○中曽根弘文君 今、省エネ効果の点からのお考えを伺いましたけれども、さらに内需拡大効果が期待をされております。
 余暇開発センターの試算では年間約一兆二千九十億円の内需拡大効果があるとしております。内訳はスポーツ、行楽、映画、演劇、コンサート、外食産業、あるいは園芸や趣味やおけいこごと、そしてショッピング等、それぞれ二、三千億円ずつの内需拡大効果があるわけでございます。現在、円高で日本経済も大変な打撃を受けておるわけですが、そういう意味からも、一時的ないろいろな円高対策だけでなくて、こういうデーライト・セービング・タイム制度等の導入によりまして継続した内需拡大、こういうものの努力が必要不可欠ではないかと思います。
 そこで、内需拡大効果という面からのこの制度の導入についてのお考えを伺えればと思います。
#47
○政府委員(川田洋輝君) 資源エネルギー庁長官としての私が答えるのが適当かどうかということはございますが、サマータイム制度はいわば日照時間の長い期間に活動時間を一時間朝型に移行させるということでございますので、仕事の終わった後の明るい時間が一時間延びるということで、余暇活動の幅が広がると期待されておるところでございます。
 平成四年六月に閣議決定をされております生活大国五カ年計画におきましても、省エネルギーの促進や国民の余暇活動の増進を図るためサマータイム制度の導入について検討を行うこととされているところでございます。サマータイム制度の導入によりまして余暇活動が活性化した場合に、ある一つの試算によりますと、スポーツ、レジャー関係を中心に一兆二千億円程度の内需拡大効果が生じ、雇用の拡大につながるという期待もあるようでございます。
 また、サマータイム制度は、仕事中心のライフスタイルを見直し、家族や地域社会の人々との触れ合いやボランティア活動への参加を促す契機ともなり得るものでございますし、また高齢者や身体障害者の方々にとっても明るい安全な時間がふえるものとして期待が高まっているともお聞きをいたしております。この制度に向けてのいろんな動きが活発に出てきておりますことを資源エネルギー庁としても大変期待を持って見守らせていただいているところでございます。
#48
○中曽根弘文君 この制度を導入いたしますと労働強化につながるのではないか、そういう心配をされる方もいらっしゃいます。我が国におきましては、サマータイム制度は、夏時刻法として昭和二十三年四月から昭和二十六年九月までの間に導入をされましたが、戦後の復興期に当たり、労働強化が懸念され、過労の原因となり、かえって能率を低下させるおそれがある等の理由から廃止された経緯がございます。
 しかしながら、現在では当時と比較しまして国民生活も豊かになり、ライフスタイルも大きく変わりました。また、政府も年間総労働時間千八百時間の実現に向け努力しているところであり、当時とは労働に対する国民の考え方もまた環境も大きく変わっております。
 サマータイム制度を導入した場合の産業界、特に中小企業に対する影響について大臣の御見解を承りたい、そういうふうに思います。
#49
○国務大臣(橋本龍太郎君) 先ほど多少もごもご御答弁を申し上げました理由が実はその点でありまして、一つありますのは、全国一律に一時間時計の針を動かすのだから直接影響はないじゃないかというご意見がある一方で、やっぱり切りかえ当日、例えば工場の設備などにおきまして作動時刻の調整が必要になるといったようなことも言われておりまして、導入の初年度につきましてはこうした調整にかかる経費というものがあり得るということが一つ言われております。
 同時に、今資源エネルギー庁長官からお答えがありましたような効果を十分承知しつつも、余暇関連産業などの一部におきましては、営業時間を動かしたりあるいは延長したりという必要が国民一般の余暇がふえる結果生ずるといった論点もありまして、こうしたことに対応するために勤務形態のあり方を工夫するといった努力をしなければならない面が出てまいります。それだけに、導入をいたしました場合、その決定から施行までの間に私は一定の準備期間というものが必要ではないだろうか、そして特に下請企業でありますとか、余暇関連産業等を初めといたしますそこに雇用されている労働者に一方的な負担が強いられることがないような仕組みというものを十分考えていくべき必要はある、そのように考えております。
#50
○中曽根弘文君 今問題点も挙げられました。切りかえの手間とか経費とかあるいは余暇産業の労働時間の延長とかございましたけれども、冒頭申し上げましたように世界の七十二カ国で導入しているわけでございますので、こういう点は国民の理解をいただきながらやれば日本としてできないことはないだろう、そういうふうに思っております。
 先ほど申し上げました労働強化の問題につきましては、もし実施する場合にはですが、私はやはり下請の中小企業とかそういうところに影響が及ばないようにするということが一番大事だと思います。
 今政府の進めております労働時間の短縮は、余暇時間を活用して豊かさとゆとりのある生活を実現しようとするものであります。また、サマータイムの制度の方も、明るい時間を活用することによって余暇やレジャーやボランティア、趣味、家族との触れ合いの機会を増大して豊かな生活を実現しようとするものでございますので、目指すところは同じではないか、そういうふうに思っております。そういう意味で、議員を中心とした勉強会に私も所属をしておりまして推進をしようという立場でありますけれども、今後またぜひ大臣の御指導と御支援をお願いしたい、そういうふうにお願い申し上げる次第でございます。
 時間も大分たちましたので、石油製品関連の整備法案についてお伺いをしたいと思います。
 この法案は、特定石油製品輸入暫定措置法の廃止を含む抜本的な規制緩和を内容とするものでありますけれども、消費者利益の増大からも、また効率的、安定的供給の確保という観点からも非常に評価できるものでございます。
 そこで、この石油製品の安定供給のためには、規制緩和を行いながら国内の石油産業を強化していくということが必要でございますけれども、同時に、国際経済社会、中でも先ほどお話ししました高い経済成長が見込まれるアジア・太平洋地域とのリンケージをも視野に入れた政策を進めていく必要がございます。
 一昨日、四月十一日からシンガポールにおいてAPECの高級事務レベル特別会合が開かれていると伺っております。これのエネルギー問題特別会議でアジア地域のエネルギー需給見通しの共同作業を日本が提案する、そういうふうに聞いておりますけれども、いかがですか。
#51
○国務大臣(橋本龍太郎君) 昨年の十一月にジャカルタで開かれました第六回のAPECの閣僚会議におきまして、私の方から、域内のエネルギー・環境問題などの共通認識を醸成するためにエネルギー需給見通しのさらなる調査研究が必要だと考えているので、日本としては官民の会議を九五年四月に開催したいということを申しました。これについて各国の了解が得られましたので、十五、十六の両日、大磯でAPEC地域のほとんどの国と地域の政府及び民間企業並びに国際機関の関係者に参加していただきましてAPECエネルギー需給見通しに対する官民会合というものを開催する予定にしております。
 この会合におきましては、APEC域内のエネルギー需給見通し作成に向けまして、需給見通しの意義でありますとか、またその役割と政策へのかかわりなどの議論を行う予定にいたしております。これは当然のことながら大阪APECというものを念頭に置きまして、この議論を通じて見通し作成作業の共同作業を開始するための意見調整並びに環境整備というものを行いたいと考えておりまして、所期の目標が達せられることを今願っております。
#52
○中曽根弘文君 そこで、アジア・太平洋地域は世界の成長センターとして高い経済成長が予測をされており、石油エネルギーの需給は、ガソリン、軽油等の需要の増加を背景に今後非常にタイト化すると指摘をされております。この点、どのように通産省としては見ておられるのか、お考えを伺いたいと思います。
#53
○政府委員(川田洋輝君) 御指摘のとおり、アジア・太平洋地域では今後とも世界的に見まして高い経済成長率が見込まれております。これを背景にエネルギー需要、その中でも石油需要は高い伸びを示すものと見込まれているところでございます。また、この地域におきますモータリゼーションの進展を背景に、石油製品の中でもガソリンや軽油の需要が伸びていくということが考えられるわけでございます。
 他方、アジア・太平洋地域における製油所新増設の現実のペースは今のところ必ずしも需要の伸びに追いついておりませんで、アジア地域の既存の製油所の稼働率は年々高まっているという現実の状況がございます。
 今後の見通しといたしましても、現在計画されている製油所の新増設がこの地域の旺盛な需要を満たし得るかどうかについてかなり不透明な状況にございます。こうしたことから、アジア地域では全般的に申しますと今後需給がタイト化していくのではないかという見込みがあるところでございます。
#54
○中曽根弘文君 石油審議会の石油政策基本問題小委員会が報告をしておりますけれども、将来的にEUやNAFTA並みの石油エネルギー地域安定供給関係、こういうものの構築は可能でしょうか。長官お願いします。
#55
○政府委員(川田洋輝君) 世界の石油製品貿易を見てみますと、アメリカ、ヨーロッパなど主としてそれぞれの地域経済圏の中で行われているという傾向がございますが、我が国は周辺諸国と地理的に一体となっているわけでもなく、またアジア・太平洋地域はEUあるいはNAFTAに見られますような地域的経済圏としてもいまだ成熟途上ということかと存じます。いろんな国がバラエティーに富んだ利用をしているエリアであるということが言えようかと思います。そういうことで、米州や欧州の一部と全く同じような形で我が国のセキュリティー確保の方策を求めるということは現時点では必ずしも容易ではないのではないかというように思っております。
 しかしながら、アジア・太平洋地域の今後の高い経済成長、ひいてはエネルギー需要の高い伸びが見込まれるわけでございますので、先ほど大臣からもお答え申し上げましたように、現在APECという枠の中におきまして、域内諸国のエネルギー問題に関する共通認識を醸成し、ステップを一歩一歩踏みながら共通の目標達成に向けて努力をしていくという過程にあるということかと存じます。
#56
○中曽根弘文君 日本の石油産業が国内市場への安定供給を第一とすることは当然でありますけれども、余力ができてきた場合には、将来的には日本の精製能力を生かしてビジネスチャンスとしてアジア地域に石油製品を輸出する可能性も出てくるのではないか、そういうふうに思っておりますが、この点についてはいかがでしょうか。
#57
○政府委員(一柳良雄君) 先生御指摘のように、アジアの需給はタイト化していくという見通しを我々も持っておりまして、日本はとりわけその中で精製設備で見ましても約三分の一、アジアの中の三分の一を持っておりまして、輸出を通じて地域の需給安定化に貢献していくというのも今後の重要な課題であろうと考えております。
 アジア全体を見てみますと、今後精製所の建設される地域あるいはタイミング、規模というのはさまざまでございまして、部分的には韓国のようにかなり精製余力が発生するような場合も当然あると思います。また、経済の発展段階でいろいろ需要が出てくる製品の油種というものが異なってくるというふうなこともございますので、それらが当該地域の製品貿易を拡大させていくというふうなことが考えられるわけでございます。
 したがいまして、先生御指摘のとおり、一般論の見通してはありますが、アジアの需給動向を勘案しますと我が国からの石油製品も今後増加していくのではないかと考えられると思います。
#58
○中曽根弘文君 それでは、法律案の内容について御質問をしたいと思います。
 従来、石油製品については元売業者を中心とした原油の輸入から生産、販売までの流通系列関係が形成されていましたけれども、今回の自由化、規制緩和措置により石油製品市場での競争が促進され、流通の再編、価格の低下、内外価格差の是正が一般的に予想されております。
 そこで、製品輸入、小売業での新規参入が可能となってきたことにより、石油製品の輸入はどれくらい増加するとお考えなのか。また、卸売価格、小売価格がどのように変化すると予想をしているのか。そして、新規参入が考えられる企業にはどういったものが考えられるか。こういう点についてお聞きをしたいと思います。
#59
○政府委員(一柳良雄君) お答えいたします。
 まず、一番最後に御質問がありました新規参入が考えられる企業はどういうものが考えられるかということでございます。
 現状は、製品輸入を限定しておりますために二十三社の精製会社に限定されておりますが、今後はこの特石法が廃止されますと商社あるいは大手ディーラーなどが参入してくることが想定されます。さらに、地域によりましては中小の販売業者が共同購入などの形態で近隣のアジア地域、韓国などから輸入をすることも考えられると思います。しかしながら、どのような方がどのような形で輸入するかは、市場原理をさらに導入するわけでございまして、基本的には民間会社の経営判断の問題ということであり、現時点で我々のところで具体的に予想するのは非常に難しいと思っております。
 そして、どれぐらい輸入がふえ、価格がどういうふうになるのかという御質問でございますが、先生御指摘のとおり、今般の制度改正というのは、我が国石油製品市場の国際化、それから国内流通の効率化を進めるものでございます。現状を見ますと、我が国の石油製品の中で、特にガソリンの価格差が非常にたくさん存在しておるという現状でございまして、とりわけアメリカなどと比べますとかなりの価格差が存在をしております。
 そういう状況のもとでこの特石法が廃止されますと、ガソリンについての新規輸入が最も予想されると思います。そして、国内市場におきまして、国産品と輸入品との競争によって、基本的な方向としてはガソリン価格は卸売価格も末端の小売価格も低下に向かう可能性が高いと予想しております。
 しかしながら、具体的な輸入量あるいは価格については、やはり国内の需給の動向とか海外の動向、輸出余力、さらには新規輸入業者の経営戦略、あるいは日本国内の石油産業の経営合理化努力というふうなことがいろいろ要素として存在しておりまして、最終的には市場の需給関係によって決定されていくと思っておりますが、それが幾らになるかというのは非常に難しい予測でございまして、ちょっと我々にもまだ予測できないというのが現状でございます。
#60
○中曽根弘文君 今もガソリンの新規輸入が促進されるであろうという話でございました。
 ガソリンの販売業者は、給油所等ですけれども、既に特石法廃止をにらんでシェアの増大確保のために大変な過当競争を行っておるわけです。特石法の廃止によりまして、この新規の販売業者が、今大手ディーラーとか商社というお話がございましたけれども、強力な資本と販売ネットワークを使ってガソリンを目玉商品として安売りする。そうすれば、市場は混乱して、石油製品の販売を専業としている近くの零細の販売業者、小規模のガソリンスタンド等が価格競争力を失って転廃業に追い込まれたり、系列化させられたりすることが予測をされております。
 この点についての御見解を伺いたいと思いますし、またそのための何か支援対策、そういうものはどうされるのか、伺いたいと思います。
#61
○政府委員(一柳良雄君) 先生御指摘のように、この特石法廃止後の過程におきましては、販売業界においても競争が厳しくなって、効率化、合理化の圧力が増大すると予想されます。他方、販売業界にとりましては、環境変化というのは製品輸入の自由化、供給ソースの多様化といったことが起こるわけでございまして、それは経営努力の幅を拡大するものでもございます。したがいまして、それぞれの販売業者がその環境変化を前向きにとらえて、今後の消費者ニーズを的確にとらえながら、みずからの創意と工夫で経営基盤の強化に努めることが重要であろうと考えております。
 通産省としましては、従来よりこの石油販売業を中小企業近促法に基づきます特定業種に指定しまして、設備の近代化、共同事業の構造改善事業というものを支援してきたわけでございます。
 具体的には、いろいろございますが、象徴的なものを申し上げますと、まず近代的な設備、特に情報化、メカトロ、労働環境改善のための設備導入、あるいは給油所の敷地を立体利用するための多角化事業の支援、石油組合が実施する共同事業に対する支援、そして異業種進出のためのいろいろな支援、それからスタンドの統合あるいは販売業の廃業などの集約化に対する支援、さらには将来を目指して非常にクリーンな電気、天然ガス、メタノール自動車の給油所の整備、エコ・ステーションと我々呼んでおりますが、これの設置の支援をやってきております。七年度からは、環境変化が起こってきますので、経営者に対する研修事業ということで、やはり今後の経営のあり方についてのお手伝いをしていきたい。
 さらにこれに加えまして、今後販売業者が環境変化に対応していかなる発展を遂げていくかということを我々としてもお手伝いするために、既に石油流通効率化ビジョン研究会というものを開催しております。ここでは、例えばサービスステーションがその立地条件やお客さんの特性を生かしつつ環境変化にどうやって柔軟に対応していけばいいかというふうな対策、あるいは我々の立場からしてそれを支援するための対応策というものを検討していただいておるわけでございまして、通産省としましては、この結果を踏まえ、事業者の方々の御意見も十分に伺いながら、今後、販売業者の方の経営基盤の強化に対する支援や、必要に応じ事業転換に対する支援等を充実していきたいと考えております。
#62
○中曽根弘文君 今回の改定でさらに指定地区制度を廃止することになります。これによって過当競争が発生して中小販売業者の経営がさらに悪化する、そういう心配もあるわけでございます。
 規制緩和によって自由化が行われて消費者利益が増進することは大変に喜ばしいことでございますけれども、他方で既存の中小企業や零細企業の経営に著しい悪影響が生じることは絶対に避けなければならないと思います。ぜひそういう観点からの御配慮をお願いしたいと思います。
 次に、備蓄の支援関係について伺いたいと思います。
 石油備蓄の意義は、原油の生産地域等で非常事態が発生した場合に、石油の備蓄取り崩しを行うことによって消費地における供給不足を回避すること、それから原油価格を安定させることなどの効果がありますが、本法律が施行されますと、すべての輸入業者にひとしく備蓄義務が課せられることになりますが、備蓄円滑化のための助成措置について具体的な説明をお願いいたします。
 例えば、備蓄石油の購入資金、備蓄タンクの建設資金、または備蓄タンクの賃借料等に対する支援があるのかどうか、お答えいただきたいと思います。
#63
○政府委員(一柳良雄君) お答えいたします。
 先生御指摘のように、新しい輸入業者の方にも今後その供給量に応じて七十日分の備蓄義務を平等に負担していただくことになりますけれども、他方、この新規の輸入業者がその備蓄義務を円滑に履行できるよう最大限の配慮をすることも重要であると考えております。そのために、以下三つの措置を考えております。
 一つは、グループ備蓄制度を弾力的にする。グループ備蓄と申しますのは、複数の備蓄義務者がグループを構成しまして全体で備蓄の確保を行うというものでございまして、個々の備蓄義務者が自分個人個人でやるよりも全体でまとまってやった方がずっと管理コストの低減が可能になるわけでございます。
 特に、この運用に当たりましては、これまではどちらかといえば資本関係が非常に密接であるというふうな場合にのみ対象にしておりましたが、今後は、特にこういう緊密な関係がない場合であっても、緊急時に一体として安定供給が図れるという保証があればグループ備蓄の対象とする方向で検討していきたいと思っております。
 そして、お尋ねの備蓄タンクの問題でございますけれども、これは実は平成五年に民間備蓄を九十日から七十日に下げるということで、現在七十日の義務に軽減した経緯がございまして、そのことによって備蓄タンクは十分に余裕がございます。また、新規の輸入業者の方は備蓄タンクを自分で持つという必要はありません、借り上げても結構でございます。そのために、新規の輸入業者が備蓄タンクの確保がやりやすくなるように我々サイドで石油タンクの情報提供をやっていきたいということで検討を進めておるところでございます。
 また、備蓄原油の購入資金あるいはタンクの建設資金等についてお尋ねがございましたが、現在もう既に低利融資制度が整備されているところでございますが、今後、新規輸入業者が事業開始早期からこの低利融資を受けられるようにするなど、活用しやすくなる方向での見直しを検討していきたいと思っております。
#64
○中曽根弘文君 備蓄の義務が過大な負担となって新規参入者に対する障壁にならないようにぜひ御配慮をいただきたい、そういうふうに思います。
 それから、新規参入者の話ばかりでございましたけれども、現在の元売会社を初めとする既存の企業も競争に巻き込まれるのではないか、そういうふうに思います。こういう既存の企業の競争力の強化あるいは効率化、合理化、そういうものに対して、対応策はいろいろあろうかと思いますけれども、例えばガソリンの在庫管理の合理化、配送中継用タンクの設置、あるいはタンクローリーの大型化等、そういうことによる流通経費の削減等石油製品流通の合理化を進めなくてはならないのではないかと思いますが、これらの元売会社等が業務提携あるいは共同事業によって合理化とかコスト削減を行う場合、開銀の低利融資等がありますけれども、新たな支援策を講じるお考えはあるかどうか、伺いたいと思います。
#65
○政府委員(一柳良雄君) 先生御指摘のとおり、石油製品の販売価格におきまして物流コストというものは非常に大きな比重を占めております。ちなみに、販売管理費の約三割という比率でございまして、効率化のためには物流コストの削減が大きな課題でございます。そのために、石油会社は従来より業務提携を通じた石油製品の融通あるいは油槽所の共同化、あるいはPOSシステムなど情報システム活用によって在庫管理を合理化する、さらには大型のタンクローリーを導入していくというふうな努力をしているものと我々承知しております。
 御指摘のとおり、今後、製品輸入の自由化でさらなる効率化、合理化の要請の圧力がかなり高まってくるとも思いますが、我々通産省の方も財政投融資の活用などでできるだけこういう石油流通の合理化、効率化に対する企業努力の支援をしてまいりたいし、不足ならば今後もいろいろなことを考え、検討していきたいと思っております。
#66
○中曽根弘文君 次に、品質管理について伺いたいと思いますけれども、従来、品質確保のための制度上の規制というものはなくて、JIS規格とか行政指導で行ってきたと思います。
 今回の改正案では、環境保全や安全等の観点から品質の強制規格を設定、これらを遵守させるための石油製品の品質管理義務をガソリンのほか灯油、軽油にまで拡大し、また管理義務主体を末端販売業者のほか第一次供給者である精製業者、輸入業者にも拡大することとしており、粗悪なガソリンなどが国内に流通することのないよう品質の管理体制を整備していることは評価できると思います。他方、品質管理の制度が厳し過ぎることによって海外からの輸入を不当に制限することのないようにすることも重要でありまして、そのバランスが大事であると考えます。
 この法案は、石油製品の品質について自己管理の原則を柱としているとのことでございますが、自己管理で十分な実効性が担保できるのかどうか、お伺いしたいと思います。
#67
○政府委員(一柳良雄君) 今回の特石法の廃止によりましていろいろな品質の石油製品が輸入されることが予想されるわけでございまして、これらの石油製品の品質につきましては、環境、安全にかかわる必要最小限の項目につきまして自己管理を柱とする品質管理制度を確立して、現在の水準はこれ以上悪化させないようにするということが非常に重要であると認識しております。
 事業者が本法案に定めます自己管理責任を果たしているか否かを把握しますために、例えば末端の販売店では試買検査などの充実を図りたいと思っておりますし、また行政の立場からは適宜立入検査をやるということも充実させていきたいと思っております。さらに罰則も強化されます。そういう担保措置が用意されておりますので、十分な実効性が確保されていると考えております。
 ただ、この自己管理原則の考え方に立つ本制度が適正な機能を発揮するためには、すべての関係者の方がこの考え方を十分理解していただいて、かつ自覚していただくことが重要であることは事実でございまして、通産省としても関係者の自覚を今後促していく努力をしていきたいと考えております。
#68
○中曽根弘文君 石油製品の価格を自由化するには自由な市場を創設することは当然でありまして、国際的に割高な日本のガソリン価格を本当に下げるには、保安上の制約もありますけれども、事実上、行政指導とかあるいは規制をさらに緩和していかなければならないと思います。
 先ほどいろいろ本法律案の適用によります問題点を申し上げましたけれども、スムーズにこれが施行されて運用されますように通産省側の御努力をお願いして、質問を終わりにしたいと思います。
 ありがとうございました。
#69
○委員長(久世公堯君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時まで休憩いたします。
   午前十一時五十七分休憩
     ――――◇―――――
   午後一時一分開会
#70
○委員長(久世公堯君) ただいまから商工委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、石油製品の安定的かつ効率的な供給の確保のための関係法律の整備等に関する法律案及び電気事業法の一部を改正する法律案を一括して議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#71
○藁科滿治君 私も、法案の審議に入る前に、円高問題について若干質問をさせていただきます。
 午前中の質疑でも指摘されておりますように、現状の八十三円前後、こういった円の水準は異常な水準である、しかもその流れに歯どめがかからない、こういう面で私どもも大変深刻に受けとめております。
 確かに、円は長期的に見た場合に上昇傾向にあったということは否定できないと思うのであります。平成二年のレベルは約百四十円強だったと思いますが、ことし年初九十円台ということで考えますと、五年で約五十円、年平均で単純に見れば十円、率で言えば七%程度、こういうことが言えるわけで、我が国の円高は一面では構造的な問題を含んでいるということは事実だろうと思うんです。
 それにしましても、昨今の円高は数カ月で十七、八円、これは昨年末約百円でございますから、率でも全く同じようなことが言えるわけでございまして、これでは経済も産業も雇用もどうにも対応し切れない、こういうふうに私どもは判断しているわけでございます。
 十日でございましたか、日経新聞が主要企業二百社の円高の影響を実態調査されておりますが、主要企業でさえ八十円台になると三%近くの経常利益の低減が予想される、ましてや中小零細企業にとってみれば、これはもうまさにギブアップという状態になろうかというふうにも考えております。
 そこできょうは、閣内でも大変影響力のある橋本通産大臣に、こういった状況についての受けとめ方、これはもう既に御答弁等で伺っておりますけれども明日政府として緊急対策の提言をするというようなことも伺っておりますから、こういう深刻な状態の中での中小対策について格別どういう手だてを講じられようとしているか。年初からの通常国会の質疑の中でも大臣から中小企業の実態調査を進めておられるというようなことを伺っておりますけれども、最近の状況は調査をしているテンポより円高の進行の方が速いというようなこともあるものですから、この機会に緊急の相談窓口などを設定しながら、中小対策について積極的な対応策を示していただきたいという念願も含めて、お考えを承りたいというふうに思っております。
#72
○国務大臣(橋本龍太郎君) 今朝来御答弁を申し上げてまいりましたこととできるだけ重複を避けたいと存じますけれども、委員が御指摘になりました大手企業のアンケートの結果を私も拝見をいたしました。
 そして昨年まで、すなわち九四年度までのところにおきましては、私は日本の各産業、各企業というものは円高の進展に対応しながら輸出価格におきましてもほぼ為替レートに対応した引き上げを行ってきたと思っております。これは調査の結果からいってもそうでありますし、また仮にそれを崩しておりましたらダンピング規制にかかるわけでありまして、緩やかな円の上昇の時点におきましてはほぼ為替レートに見合った引き上げが行われておりました。その結果として、輸出の数量というものあるいは金額というものを円ベースで考えました場合にはそれなりに減少してきたということが事実として申し上げられると思います。
 しかし、このところのとめどない円高の進展というものは、到底各企業の努力による対応のスピードの限界を超えております。そして、この状態は本当にどうにかストップをかけなければなりません。また、それと並行しての対応策を必要とすると考えております。
 今、委員から御指摘がありました、特に中小企業ということに限定をいたしました場合、現在つなぎ資金などの低利融資措置の適用期間を延長すること、あわせまして中小企業創造活動促進法の活用などから成る円高対策を緊急に取りまとめたいと努力をしておるところでありますが、委員が御指摘になられましたような相談という問題につきましても、県あるいは関係機関などと一体になった緊急相談の態勢というものは整備していきたい、そのように考えているところであります。こうして対応いたしてまいりますけれども、いずれにいたしましてもやはりこれは安定した水準というものを一日も早く取り戻してもらわなければなりません。
 一方では、通貨当局に最善の努力を要望しつつ、現在論議が行われております、ゴールデンウイーク明けの可及的速やかな提出を我々も財政当局に求めております補正予算、恐らく第一次という形になるでありましょうが、におきましても対応策をその中に織り込んでまいりたいと考えております。
#73
○藁科滿治君 ぜひそういった角度からの御努力をお願いしたいと思っております。
 明日政府としての緊急総合対策を示す、こういう状況にもなっておりますので、私はこの機会に大蔵省の観点から明日の対応策に向けての考え方、できる範囲で結構でございますから、承りたいと思っております。
 先ほど質問でも申し上げましたように、円高が構造的な問題を含んでいるということからしまして、短期的な緊急対策だけではなくて、いわゆる構造改革という面からの中期的な取り組みも並行的に進める必要がある、こういうふうに私は考えておりますが、それにしましても、まずもって、当面のこの異常な状態から脱却できるかどうかは別として、するための最善の努力をするということが必要ではないかというふうに考えております。
 そのために私は、まず第一に大幅な協調介入というような観点から為替対策をさらに一歩前進させる方向で決断をすべきではないかということが一つ。それから第二は、円高、株安、景気低迷という悪循環が続いておりますから、この際ぜひ景気対策に向けての大型の補正予算、財政事情が大変厳しいわけでありますが、しかし今の状態のままでは身もふたもなくなってしまうわけでございまして、とにかく景気を浮上させていく、内需に構造を変えていくという面も含めて大型の補正予算の設定。それから三番目に、かねがね言われております公定歩合の大胆な引き下げ、これを中心とする金融政策の推進。少なくともこの三つを緊急にかつ一斉に進めることが不可欠であるというふうに私は思うわけでございますが、ぜひ大蔵の立場で前向きな考え方を聞かせていただきたいと思っております。
#74
○説明員(松元崇君) お答えいたします。
 大蔵省といたしましては、去る三月二十七日に「当面の財政金融運営について」ということを発表させていただいておりまして、その中で、「阪神・淡路大震災からの一日も早い復旧・復興に向け、円高の影響も考慮した平成七年度補正予算を今国会中に提出することとし、復興に係る計画の検討状況等も踏まえつつ、早急に作業に着手する。」といたしております。
 また去る十日には、総理より経済企画庁長官に対しまして、最近の急激な為替相場の変動などに対応いたしまして、現在の我が国経済の回復基調をより確実なものとし、我が国経済の持続的発展を確保するため、各般の施策について今週中に取りまとめるよう指示があったところでございます。十一日の閣議におきましても総理より内閣を挙げて協力するようにという御要請があったところでございます。大蔵省といたしましても、対策の取りまとめに全力を挙げてまいる所存でございます。
 いずれにせよ、七年度補正予算につきまして鋭意編成作業に取り組んでおります段階でございます。今国会中のどのタイミングで、またどのような内容のものを提出するかについては具体的には申し上げがたいことを御理解いただきたいと存じます。
#75
○藁科滿治君 午前中からも質疑が展開されておりますので、この段階で本題に戻って法案の質問に入らせていただきます。
 今回の石油製品輸入に伴う規制緩和の問題につきましては、エネルギー政策というまさに国の基本政策にかかわる規制緩和であるだけに、私どもも大変評価しながらなおかつ期待を寄せているわけでございます。しかし、言うまでもなく規制緩和、一方で企業の活性化、あるいは関係業界の近代化、さらには消費者のニーズへの対応、こういった各要素が伴わなければ総合的な成果には結びつかないわけでございまして、この規制緩和が即大きな成果につながるという判断はなかなかできないと私は思っているわけでございます。
 ここらの成果への展望について通産省としてはどのようなお考えを持っておられるか、まず伺っておきたいと思います。
#76
○政府委員(川田洋輝君) 今回の制度改正は、安定供給と効率的供給のバランスのとれた石油製品供給を実現いたしますために、安定供給に引き続き万全を期しますとともに、その品質を適正に管理しながら我が国石油製品市場の国際化と国内流通の効率化を進めるものでございます。
 具体的には、特定石油製品輸入暫定措置法を廃止しますとともに、石油備蓄法及び揮発油販売業法を改正することによりまして、ガソリンなどの輸入主体の限定をやめて、安定供給のための備蓄の責務及び品質管理の責務を果たせばだれでも輸入できるようにするものでございます。また、国内流通の効率化を進める観点から、ガソリンスタンドの新増設を抑制します指定地区制度を廃止するなどの措置を講ずることといたしておるところでございます。
 これらの措置によりまして、ガソリンなどの輸入主体の限定がなくなりますことから、国内石油製品市場に輸入品との競争による市場原理が一層導入されるということに相なるわけでございます。また、指定地区制度の廃止によりまして、末端を含めた流通の構造改善、効率化なども進め、またそこにおける競争による市場原理の導入ということにも相なるわけでございます。
 全体として、今後我が国の石油産業が、広く国際市場も見据えながら競争原理の中でさらに活性化、効率化を流通の側面も含めて進めていくということで、その結果として、例えば価格についても国際的に遜色のない価格水準に移行していくというようなことを期待いたしておるところでございます。
#77
○藁科滿治君 次に、備蓄の問題について御質問いたしますが、今回の法改正によって新たに参入する企業については備蓄義務が課せられることになりました。一般的に受けとめれば、備蓄にかかわるコストが当然上乗せされてそれが価格の上昇に帰するという点が懸念されるわけであります。しかし他方で、民間備蓄から国家備蓄への比重が高まれば、これは消費者、利用者の立場からはコスト低減という流れになって歓迎すべきことになるわけであります。
 ここらの対応は、また判断は非常に微妙であり難しいわけでございますが、通産省としてはこれはどのように考えておられますか。
#78
○政府委員(川田洋輝君) まず私は、我が国のエネルギー需給の中におきます石油の位置づけからお話をさせていただきたいと思います。
 石油依存度をかなり減らす努力を一生懸命進めてまいっておりますが、現在でもなお我が国の一次エネルギーの中で六割近くは石油に依存をしているわけでございまして、石油はエネルギーの大宗をなしておるところでございます。
 また、この石油につきましては中東依存度が大変高い状況にございます。これについても努力はしておりますものの、資源の賦存から見るとなかなか思うに任せず中東にかなり多くを依存しなければならない状況にあるわけでございます。この中東地域における偶発的な供給途絶の可能性なども考えてみますと、石油の安定供給確保のための方策というのは我が国エネルギー政策上最も大きな課題として今後とも位置づけなければならないと考えるわけでございます。
 その中で非常に大切なことは、備蓄に万全を期すること、自主原油開発を進めること、産油国との良好な関係を形成することという方策があるわけでありますが、なかんずく石油備蓄というのは基本的な重要な柱であるということで従来より推進してまいっているところでございます。
 この備蓄につきましては、ただいま御指摘のございましたように、現在、危機の初期段階において機動的弾力的対応に適した民間備蓄と、危機が長期化した場合の最後の手段と言うべき国家備蓄の二本立てで実施をさせていただいているところでございます。
 民間備蓄と国家備蓄は、それぞれの特色を生かして役割分担、機能分担をしておるところでございまして、その両方の連携によりまして危機の規模、期間に応じた対応が可能となっておるところでございます。
 また、備蓄の水準について申し上げますと、昭和六十二年の石油審議会報告を踏まえまして、国家備蓄の目標を従来の三千万キロリットルから五千万キロリットルに段階的に引き上げる、一方、民間備蓄義務については九十日から七十日に段階的に引き下げておるところでございます。この民間備蓄の七十日は平成五年度達成ということで、制度的にはそういうことにいたしております。
 なお、ドイツとかフランスなどにおきましても、それぞれ八十日分あるいは九十八日分の備蓄義務が民間石油会社に負荷されておりまして、我が国の中東石油依存度の高さ、地理的条件を勘案いたしますれば、国家備蓄五千万キロリットル、民間備蓄七十日の水準は現在のところ適切なものと私ども位置づけております。なお、この五千万キロリットルというのは、現在の水準で申しますと八十五日分程度に該当する量でございます。
 今後の課題でございますが、まずは目標でございます国家備蓄五千万キロリットル体制を達成することに努めたいと思っております。現在、四千五百万キロリットルの水準にございまして、平成七年度、八年度までかけて五千万キロリットルを達成したいということで、着実に今仕事を進めさせていただいておるところでございます。
 まずは当面それを達成したいというふうに思っておりますが、その後の備蓄制度のあり方については、国際石油情勢の変化なども見据えながら、御指摘のございました国家備蓄、民間備蓄、特に民間備蓄の負担の問題などもよくよく考えながら、そういうバランスのとれた、そして国として安定供給を全うできる備蓄を確保していくということで検討を進めていきたいと思います。
#79
○藁科滿治君 今、量的な問題の答弁も含めてやっていただいておりますので大筋理解はいたしましたけれども、一方で、IEAでは九十日分ということを進めておられるし、それから湾岸戦争みたいなことが再発しては困るわけでありますけれども、絶対にないという保証はないわけで、そういう意味では七十日というものを選択した決定的な判断基準、こういったものがさらに明確にあればちょっと聞かせていただきたいと思います。
#80
○政府委員(川田洋輝君) 今御指摘ございました、国際的に九十日以上の備蓄をそれぞれの国が確保していこうというのがIEA出発の基本でもあり、その後も続いているいわば約束事であるわけであります。私は先ほど、我が国では国家備蓄五千万キロリットルと民間備蓄七十日ということで、国際責務を果たしながら我が国の安定供給確保ということで十分を期するということを申し上げたところでございまして、IEAにおけるいろんな議論にも十分我々参画をしながら、そこで国際的に約束していることは十分我が国として満たしていく、むしろそれ以上の備えをしていく、こういうことで考えていきたいと思っております。
#81
○藁科滿治君 次に、輸入の今後の見通しについて若干質問いたしますが、先月、石油供給計画が発表されまして、この中で、来年度からガソリンは本年度の約五割アップ、五十三万キロリットルを八十万キロリットルにすると。これは総需要の約一・五%に相当する量でございますが、今後これを毎年三十万キロリットルずつ増加していく、こういうような計画が発表されております。
 しかし、ガソリンの価格という面では我が国の市場は割高でございますから、この程度の輸入量というようなものが果たして価格面でどれだけのインパクトを与えるんだろうか、そういう懸念を持っているわけでございます。通産省としてはここらの展望についてどんなふうにお考えになっておりましょうか。
#82
○政府委員(一柳良雄君) お答え申し上げます。
 どの程度ガソリンが輸入され、そして価格にどういう影響があるかとの御質問でございますけれども、先生御指摘のとおり、ガソリンの特に未端価格の国際比較をやりますとかなりの価格差が存在するわけでございます。こういう状況の中で特石法が廃止されますと、日本ではガソリンを高く売れるということで、周辺国、特に韓国あるいはシンガポール等から当然輸入が予想されるわけでございまして、これによって国内市場で国産品と輸入品との競争が行われて、基本的な方向としてはガソリン価格は低下に向かう可能性が高いと我々は予測しております。
 しかしながら、具体的に幾らの量が幾らの価格でどういうふうに日本に入ってくるんだろうか、それがどういう影響を末端に及ぼすのかということにつきましては、やはりいろいろな要素が複雑に絡んでおります。具体的には、国内での需給動向あるいは海外での価格の動向とか輸出余力の問題、さらには新しく入られる輸入業者の経営戦略、そしてそれと競争する既存の石油業界の経営合理化努力といったものが結局市場の需給状況に反映されて価格が決定されてくるんだろうと思っておりますし、とりわけ現在におきましては国内の市況は原油の価格動向と比べてかなり軟化しております。
 そういうことで、現状と比較して幾ら下がるかを予測するのはなかなか難しい問題でございまして、幾らというのは現在我々としてもなかなか見通せないと。ただ、下がる方向にあるということは予測できるということを申し述べたいと思います。
#83
○藁科滿治君 今回の法改正で一番影響を受けるのはガソリンスタンドで、しかも格別中小零細企業である、こういうふうに言われております。ただ、この問題はかねがねその改革、近代化に向けて指摘をされてきたところでございまして、私もこういう時期にこそ本気で本格的な改革に取り組むべきであるという考え方を持っております。
 しかし、今回の規制緩和の進行によっては、業界の体質改善という本来の目的を逸して元売のシェア争い、こういった状況が激化するということが懸念されているわけでありまして、一方で安売り合戦の混乱が生じる、こういうことも危惧する声があるわけでございます。この規制緩和は中小企業者の経営改善とそれから消費者への利益につながるように、この両面がいい形でつながるようなソフトランディングの道筋を丁寧に誘導していくべきではないかというふうに考えますが、ここらの点についての通産省の考え方を伺いたいと思います。
#84
○政府委員(一柳良雄君) 御指摘のとおり、今回の制度改正に当たりましては、一層の市場原理の導入ということで、販売業界を含めました石油業界がさらに効率化、体質強化を進める、その結果価格も少し下がって、そしてそれが消費者利益の増進につながっていくということが非常に重要であると我々も認識しております。
 とりわけ販売業界にとりましては、今回の環境変化というのは、供給ソースが輸入の石油製品も使えるということで、ある意味で経営努力の幅を広げるものでございます。したがいまして、この変化を前向きにとらえて、できるだけ消費者ニーズを的確につかまえて、みずからの創意と工夫で経営基盤の強化に努力されることを我々は期待しております。
 通産省としましても、従来からこの販売業の構造改善についていろいろ支援してきておりますが、今後ともこの支援については力を入れていきたいと思っております。
 これに加えまして、現在、石油流通効率化ビジョン研究会というものを開催して、今後のこの環境変化にちゃんと対応する販売業界とその発展の方途は何かということを検討させていただいておりますが、そこで出てくるいろんな方途、それに対する国の支援というふうなものをぜひ今後とも真摯になって検討していきたいというふうに思っておるわけでございます。
 なお、先生御指摘のように、今この特石法廃止というムードに乗って非常に一部石油業界がシェア争いをしておりまして、関東周辺など一部地域においては非常に激しい乱売合戦が行われていることは事実でございます。通産省としましては、このような販売競争の結果として地域的な価格格差が拡大していることについて懸念を有しております。そして、過度な廉売や地域的な格差あるいは販売業者に対する格差などによって公正な競争条件がゆがめられたり、独禁法上の不当廉売あるいは差別対価の疑義を生じることのないように我々は関係企業に対して注意喚起を行っているところでございます。引き続き、こういう観点から鋭意努力していきたいと思っております。
#85
○藁科滿治君 小売業の経営近代化を進めるに当たって、かねてから言われていることですが、系列化の問題がネックになると指摘をされております。しかし、この問題を乗り越えなければ企業の合理化、近代化ということは進められないわけでございまして、この系列化の問題についてどういうふうに展望されておられるか。
#86
○政府委員(一柳良雄君) 特石法廃止等をめぐる環境変化の中で、販売業界の方々がいろいろな創意と工夫で経営基盤の強化に努められるであろうと期待しておりますが、ただこの販売業者の経営基盤の強化の可能性といたしましてはいろいろあろうかと思います。
 例えば、ある販売業者の方は、現在の元売との結びつきのメリットを生かして元売との協力関係をさらに強化することによってサービスステーションとしての魅力を拡大する方法を探りたいという人もいらっしゃいますし、あるいは、供給ソースが多様化するわけでございまして、そのメリットを生かして複数の供給元との取引によるコスト削減をさらに進めてやっていきたいというふうな方もいらっしゃいますし、さまざまな方向性が考えられるのではないかと思っております。現在、石油流通効率化ビジョン研究会というものを開催しておりますことは先ほど述べましたが、このような多様な可能性を前提にしてサービスステーションの今後の発展の方策について検討を行っているところでございます。
 通産省といたしましては、この研究会の取りまとめを踏まえて、それぞれの販売業者が立地条件と消費者ニーズの動向、そのスタンドの規模、それぞれの特性を生かしてさらなる発展を遂げることにより、全体として石油流通がより近代化、効率化するよう所要の支援策を検討し、応援していきたいと思っております。
#87
○藁科滿治君 次に、ガソリンスタンドのセルフ化の問題について質問いたしますが、この問題はこの業界における規制緩和のある面で目玉というふうに言われてまいりました。それだけに、需要家からはコストの引き下げも含めた大変強い期待感があるわけです。しかし、他方で安全性の問題であるとか整備の問題であるとかあるいは雇用への影響の問題だとかということで、決して安易な判断で対応できない、こういう問題点があると思います。
 けさの日経のトップにも載っておりますように、円高絡みでこういった規制緩和の対応を前倒しでやっていこうと、こういう姿勢が政府の方針として提起されました。私も消防庁の動向等もちょっと聞いておりますけれども、安全第一という面から慎重な対応はよくわかりますけれども、諸外国の例を見るまでもなくセルフは結構普遍化されているんですよ。どうも我々が見る限りにおいて特別の措置もやっていないように思うんですが、安全性に留意しながら、もう少し早期に、前向きにこういった問題が改善されないだろうかというような気持ちを持つわけでございますが、こういう点の見通しについてお考えを伺いたいと思います。
#88
○政府委員(一柳良雄君) セルフサービスの取り扱いの問題につきましては、一義的にはこれは消防法に基づく安全規制の問題でございまして、現在消防庁において安全性の観点から検討が行われておりますが、通産省としてはこの検討を見守っていきたいと思っております。
 他方、このセルフサービスの議論が出てきました背景は、やはりガソリンを中心とする石油製品の内外価格差の問題があるということだと承知しております。そして、この問題についても通産省も強く認識しているところでございまして、このたびお諮りしております石油関連整備法案は、この石油流通市場にさらに市場原理を導入してより一層の効率化を図る観点に立ったものでございます。
 また、先ほども触れました石油流通効率化ビジョン研究会という中では、サービスステーションの過剰人員の見直しを初めとする販売業者の経営効率化の問題について、今後の環境変化にいかに適切に対応し、体質強化を図っていくかということを念頭に置きながら議論をしていただいておるわけですが、やはり過剰サービスの見直し、つまり別の言い方をすればいかに省サービスを推進していくか、恐らくこの省サービスの究極がセルフスタンド、セルフサービスということになってくるんだと思いますけれども、この過剰サービスの見直しをも含めた経営効率化のあるべき姿について、雇用の影響についても配慮しつつ現在検討を進めているところでございます。
 通産省としましては、これらを着実に進めることによって消費者ニーズに的確に対応した石油製品流通が実現するよう努めてまいりたいと考えております。
#89
○藁科滿治君 そろそろ時間がなくなりましたので、最後に円高還元の問題について御質問いたします。
 今までも為替レートが円高に大きく揺れる都度この問題は論議の対象になってきたわけでございますが、冒頭の質問でも指摘いたしましたように、今回の円高というのは非常に短期に大幅にということでございますから、今まで円が一円上がれば一キロリットル当たり約百円下がると、こういうことも言われているわけで、需要家から見れば相当な還元をしていただけないか、なおかつ景気の状況等にも関係してぜひ還元してもらいたいものだという強い要望があるわけでございますが、ここらの情勢についてどういうふうに認識されて、またどういうふうに対応しようとされているか、ぜひお考えを伺いたいと思います。
#90
○国務大臣(橋本龍太郎君) 本来なら石油部長からお答えを申し上げる方が正確かと思いますけれども、午前中のかかわりから私からあえて申し上げたいと存じます。
 私は、従来のような流れでありましたなら委員の御指摘のような考え方に異論を述べるものではございません。ただ、現実にまだ差益はほとんど生じていないところか、原油価格の上昇と相殺されましてむしろ二月ぐらいまでの間は差損が生じておりましたという状況は、先ほど事務方から御答弁を申し上げたとおりであります。
 このような状況が、今のような為替の状況が継続いたしますなら、原油価格の今後の推移にもよりますけれども、差益が生ずるということは理論的に私はそれを否定いたしません。ただ、本当にことしの場合従来と同じ発想でいいのだろうか。阪神・淡路大震災というものの教訓から、仮にその差益が生じました場合、我々はより強固なライフライン整備というものにその差益を、企業に指示し、充当する方が本旨ではなかろうかという気持ちを私は個人的に持っております。
 電力、ガス、いずれにつきましても復旧には非常な苦労と多大な人員と経費を要したわけでありまして、もし差益が今後このような為替の状況で発生いたしますならば、むしろより強固なライフラインを構築する、そのために企業にその費用に充ててもらいたい、私は個人的にはそのような気持ちを持っております。
 しかし、いずれにいたしましても、そうした差益がある程度考えられる状態になりますれば、当然ながら、当委員会を初め院の御意見も伺いながら、我々として方針を改めて考えてまいりたい、そのように申し上げております。
#91
○政府委員(一柳良雄君) 大臣から包括的なお話がございましたが、私の方からは石油の分野での差益の取り扱いについて補足をさせていただきたいと思います。
 まず現状を申し上げますと、石油製品の卸売価格、つまり我々は仕切り価格と呼んでおりますが、これは各会社がみずからの判断により設定をしているわけでございます。そして、多くの会社は直近一カ月の原油価格と為替レートの変動に合わせまして毎月の仕切り価格を改定しておりまして、この結果、為替レートの変化、原油価格の変化は基本的にそのまま仕切り価格に反映されて、その改定幅も毎月各社から公表されている状況でございます。
 ちなみに、今年の一月から三月までの三カ月間、この為替レート及び原油価格の動向を見ますと、為替レートは四・五円上昇しております。原油価格はバレル一・二ドル上昇しておりまして、円建ての原油輸入価格は若干上昇しておりまして、仕切りは〇・三円上昇したわけでございますが、きょう、これからの仕切り価格を発表した会社が新聞に一部出ております。今回の一番直近の月の仕切り価格は、原油価格で申し上げますと約二十セント下がった、そして為替レートは九円五十銭上がったということで、この一カ月の反映を円建ての原油価格の仕切りということで約一円下げるということがきょう一部の会社で発表されております。
 こういうことで、仕切り価格に毎月反映されるということで円高差益は還元されていっているものだと承知しておりますし、この改定システムというものは今後引き続き的確に維持されて反映されていくものだと思っております。
 若干長くなりますが、御参考までに最近の仕切り価格と末端価格の関係について申し上げますと、昨年十月以降、円建ての原油輸入価格は安定してきておりましたけれども、国内のガソリンの末端価格については急速な低下が見られておりまして、全般的にこの為替レート、原油価格の動向以上に末端価格は下がっていると。これは、業界でよく言われますのは、特石法の廃止の前倒し効果が今出てきているということで、非常に競争が激しくなってきている反映だろうと思っております。
 補足させていただきました。
#92
○藁科滿治君 以上で私の質問を終わらせていただきます。
 どうもありがとうございました。
#93
○村田誠醇君 午前中にも論議がございましたけれども、急激な円高による電気料金の還元の問題についてお聞きしたいのですが、午前中の説明の中でも出ておりましたけれども、現在の料金を設定するその前提条件となっているのが一ドル九十九円という計算であり、一バレル当たり十七ドルという前提で現在の料金というのは計算されているんだと。そして、平成六年度の電力会社の各中間決算のいろんな数値等から判断してみますと、一円円高になるにつれて十電力で年間合計百億円の差益が出る、それから原油価格が一ドル上昇すると十電力で五百四十億損すると、こういう説明でございました。
 ところが、それではこの暫定の料金を決めるその前のコストの計算がどういうふうな前提条件でなされていたのかということを考えてみますと、一ドル百四円のレートで計算をしておる、それから石油価格は一バレル当たり十六・五ドルで計算されておったということなんですね。この計算数値を今のやり方で考えてみると、円レートが五円の差でございますから五百億円の差益が出て、〇・五ドルだけバレルが上がったので二百七十億の損、つまりプラスマイナス二百三十億ぐらい出たということで少し下げたわけですよね。
 この計算で今の状況、為替レートというのはちょっと動いてますからどのぐらいに落ちつくかということはわからないんですけれども、今の八十四円台前後でやっているということになりますと、先ほどの午前中の答弁では、大臣の見解ではこんなところに固定されては困るんだと言いますけれども、その論議は別に置いておくとして、八十四円台で固定されていきそうな、あるいは計算されるとすれば、十五円ということになると千五百億のプラスと。今のところ石油のバレル当たりの単価が十八ドル程度ということになると相当の差額が出てくるのではないか。
 ただ、これは円レートがまだ確定していませんので、どのくらいにするかということになると思うんですが、そうするとかなりの円高還元をしなければいけないというふうに理解するんですけれども、これはこういうふうに理解してよろしいのかどうか、お聞きをしたいと思います。
#94
○政府委員(川田洋輝君) まず、前段にお述べになりました差益還元の諸元についてのものですが、現在、暫定料金引き下げ措置、いわば差益還元措置を実施をいたしておるところでございます。これは昨年の十月から本年九月までの一年間をその期間といたしておりますが、ここにおきましてどういう諸元をとったらいいのかというのを、昨年十月以降の措置を踏み切るに当たりましていろんな検討を行いました結果、為替レートについては一ドル九十九円、原油価格についてはバレル当たり十七ドルということにいたしたわけであります。
 実は、今回の差益還元措置につきましては、一昨年の十一月から昨年の九月まで既に実施をいたしておりまして、昨年十月からはそれを引き継いだ形になっておるわけでございます。その際、昨年十一月からとりました諸元につきましては、またその時点で最も適切だといういろんな検討を加えた諸元を前提といたしまして差益還元措置を講じているということで、いわば一年の期間における、どう見込むかという前提がそれぞれの時期によって変わってくるというものでございまして、現在の措置は一ドル九十九円、バレル当たり十七ドルということで算定をいたしておる、こういうことで御理解を賜ればと思います。
 それから、それで現在までの進み方を見ますと、昨年十月から本年三月まで差益の還元状況をチェックしてみますと、累計で電力については百六十億円、ガスについては十五億円程度の、我々の見込みよりは差損、収支の悪化の方向に行っておるところでございます。
 昨今の大変急激な円高の進展によって為替レートが八十円台前半ということに相なっておるわけでございますが、これについては先ほど来大臣からも御答弁申し上げておりますとおり、この水準についてできるだけ早く是正の方向に向かうことを我々は期待しておるので、これを少し見きわめをする必要があると私どもの立場から思うわけであります。一方、原油輸入価格につきましては三月に入って十八ドル台に上昇いたしておりまして、ドバイ原油の価格の動向から我が国の原油輸入価格、CIF価格を推計してみますと、五月下旬には十九ドル台にも達する可能性があるという水準になっておる。
 こういうことから、現行以上の差益還元の判断を行うということには、今後の為替レートについてもあるいは原油価格についても慎重な見きわめが必要ではないかということで思っておるところでございます。先ほど委員御指摘の前提、仮に八十四円、十八ドルちょうどというような水準を置きますとあるいは差益が出てくる計算も可能かと思いますけれども、今は事態をよく見きわめをしなければならない時期ではないかというように私ども思っておるところでございます。
#95
○村田誠醇君 為替レートが動いておりますのでまだ確定的なことは言えないと思いますけれども、差益が出るような状況になればぜひ還元をするように指導していただきたい。お願いをしておきます。
 それから、今回の法律の改正によりまして新規参入が電力に認められる。これは競争原理を導入して市場の競争に任せてコストを削減していくという政策をとるということを意味しているわけでございます。
 そこで、二、三わからない点がございますので最初に質問をさせていただきたいんですが、エネルギーの需給高度化のための法律が先般通りましたね。わからないんですが、そのときに、火力発電所の設備の更新及び新設の自粛をするという通産省の通達が出ていると、こういうふうに報道されておるんですが、これは一体どういうことを意味しているのか、まず一つお聞きをしたい。
 それから、今度出てまいります特定電気事業者に対して電源三法に基づく電源開発促進税が課されるのかどうか。この二つについてまずお聞きをしたいと思います。
#96
○政府委員(川田洋輝君) まず、前段の方を私から御説明させていただきますが、火力発電の設備の新設、増設を我々がとどめるような指導というのは行ってはいないと、私ずっと電力行政を担当しております立場からそう思っております。
 もし委員がお触れなりましたものがあるとすれば、石油火力につきましてIEAでベースロード用の石油火力の新増設についてはやめていこうではないかというのがオイルショック後の全体の申し合わせの中で決められておりまして、我が国はそれをきちっと守っているということで、ベースロード用の石油火力の新増設は今後ともやらないと。
 ただ、これについても、我々としては更新用のものなどについて少し弾力的に考えていくことが必要ではないだろうか、我が国の電力の状況から、国際的な約束は十分考えながら、そして石油依存度の低減ということも十分方向性としては守りながら、少し弾力化ができないだろうかという論議をいたしておりますので、そういう話題が今お触れになったようなところで出てきているのではないかと思います。
 火力発電設備の中でLNGあるいは石炭火力などについては各地で今一生懸命増設をさせていただいているということもございますので、今後我が国が午前中も申し上げました五百六十万キロワットの設備増強をしていく中で、原子力などとともに火力発電についても十分考えていかなければならないというように私は思っております。
#97
○政府委員(村田成二君) 委員御質問の後段についてお答えを申し上げます。
 電源三法制度あるいは交付金制度が特定電気事業者に適用されるかという御質問と理解いたしますが、御案内のように電源三法制度は電気の安定供給の確保を大目的といたしておるわけでございまして、そういった観点からいたしますと、特定電気事業者自体は、非常に限られた地点におきまして限られた特定の需要者に対して電気を供給する、こういうことでございますので、日本全体を見た場合に、不特定多数の変動する需要に対して供給責任を持つというポジションではないと考えておりまして、かかる観点から、やはり電源三法制度、交付金制度を適用するというのは不適切であるというふうに私どもとして考えております。
#98
○村田誠醇君 ごめんなさい。先ほどのは石油代替エネルギー法に基づくものですね。訂正しておきます。
 それで、ここでも通産省の告示でというふうに業界は理解しているというんですけれども、こういう告示というのは出ているんですか。
 というのは、例えば今度の新規参入を考えられるときに、大都市に隣接したところで立地するということが当然考えられますし、これは必ずしもニューエネルギーとは限りませんから石油を使った火力も発生してくることも当然想定されるわけでございますけれども、既存の電気事業者の火力発電の新増設というのは制限しておいて、こっちはいいんだよということでは、これは競争条件から見てもどうもおかしいんじゃないかと思うんですけれども、その辺についてはいかがでございますか。
#99
○政府委員(川田洋輝君) だんだんはっきりいたしてまいりましたが、御指摘は、石油代替エネルギーの開発及び導入の促進に関する法律、第二次オイルショックのすぐ後にそういう法律を制定させていただきまして、石油依存度が七七・四%と、そのときは石油にいわばつかり切っていた状態であったわけでございますが、それからできるだけ早く低減をしていこうではないか、石油にかわるエネルギーを開発して使っていこうではないかという政策を強く推し進めさせていただいたものでございます。
 その際に、一つは供給目標というもの、石油代替エネルギーの供給目標というものを閣議の議を経て通産大臣が決定をさせていただいて、それを強力に推し進めるという施策が一つと、それから産業界に広く石油にかわるエネルギーの導入を進めてもらおうということで、石油代替エネルギーの導入指針というものを定めまして、これを告示いたしております。今、委員御指摘の点は、その告示の内容に関するものであろうと思います。
 この中で、御指摘のように電力会社に対して新増設について控えるようにという方向を出しておるところでございますが、これにつきましては、先ほども触れましたようにリプレースあたりの扱いをどうするかということで、これから少し弾力的な方向を考えるべきではないか、ただ基本原則はきっちり守りながら考えていくべきではないだろうかと。
 それから、これから出てくる小規模分散型電源、これからたくさん新しい電気事業者以外の方からの供給もふやしていただきたいと私ども思っておるわけでございますが、その中で石油火力というのも、大きな方向は満たしながらも、ある程度出てくるというのは弾力的に認めていくと、こういう立場に立たなければならないのではないかというように考えておるところで、私どもとして大きな方向ということでは従来からの方針を変えるわけではないという扱いにしてまいりたいと思っております。
#100
○村田誠醇君 石油の依存度を下げるということは当然ですけれども、既存の、寿命の来たといいましょうかあるいは老朽化が進んでいる火力発電の建てかえもしくは新増設ということについては、この告示にとらわれることなく、あるいは告示を撤廃しても、もっときちんとした省エネもしくは低コストのものができるようにするのが全体としては私はベターではないかと思うわけです。だから、ぜひこの告示は見直す方向でやっていただきたい。
 それともう一つは、電源三法による今言った促進税の負担が特定事業者にはないんだと、こういうことでございますけれども、それは今の状況なら確かに特定電気事業者というのは工場、自家発・自家消費みたいな意味、あるいは関連企業に出しているだけですけれども、考えられるやり方とすれば、ごみ焼却場をつくってそこで廃棄物発電をする、その周辺に公営住宅を建て、そこに供給するということだって起こってくるわけです。当然それが一番手短に考えられる。そういうときにこの促進税を適用しないということは、逆に言うとその分だけ電気料金を下げていいということに当然なると思うんです。つまり料金に格差がついてくるということが起こってくるのではないかと思うんですが、こういうことは考えられないんですか。同一料金に全部なるんですか。
#101
○政府委員(村田成二君) 特定電気事業者の料金につきましては、今御審議いただいておりますこの法律の中で届け出制ということになっております。具体的にどういう料金水準にするか。ここのところは、一般電気事業者の料金の、いわゆる電気事業者の経営の効率化を目指してのいろいろな制度改革の中でのあり方と、それから非常に特定の需要家に対しまして特定の限られた地点で供給する、しかも契約に基づいて供給するという場合とはおのずから決め方、考え方が違ってくるのだと思っております。
 ただ、委員御指摘のように、現在のところ一般電気事業者の料金につきましては、当然のことながら公租公課、税金についてはこれを電力料金の中に含めて考えるという考え方になっておりますけれども、仮にも先ほど申し上げましたように特定電気事業者につきましてその公租公課部分が、電源開発促進税は課税しないということになりますれば、そこの部分につきましては当然のことながら料金の中にカウントされないわけでございまして、そういった意味合いでは格差がつきますけれども、全体としてのやはり料金水準は、先ほども申し上げましたようにありようが違うものでございますから直ちには比較できないのだろうというふうに考えております。
#102
○村田誠醇君 そうすると、公租公課分だけ違った料金体系ができ上がることも地域によってはあり得るということですね。
#103
○政府委員(村田成二君) 基本的に特定電気事業者の場合には、一般電気事業者が膨大なネットワークを形成いたしましてそのコストを多数の需要家に負担してもらうという形の料金制度をとっておるのに対しまして、特定電気事業者の場合には非常に限られた地点におきまして非常に効率的な供給を行い得る、しかもその設備能力で完全に自分の需要家に対応できる、こういう特殊なケースでございますので、その特殊なケースにおきましては、具体的には料金水準は先ほど申し上げましたように特定電気事業者とそれから需要者との間の契約によって定められるということになりますから、考え方が基本的に異なっているということを申し上げているわけでございます。
#104
○村田誠醇君 そうすると、こういうことは考えられるんでしょうか。特定電気事業者から契約で高電圧、大量のものを一本引っ張りまして、そこで例えば大きな団地なんかが普通の電圧に落として使うということだって考えられると思うんですけれども、そういう場合でも契約を結んで料金を独自にやっていいということも起こってくるということでしょうか。
#105
○政府委員(村田成二君) そもそも特定電気事業者の制度を創設いたしましたのは非常に特殊なケースを念頭に置いておりまして、具体的に申し上げますと、ある特定の地点における特定の需要に自分の設備能力で効率的な供給ができる、そういうケースでございます。
 これはもちろん許可制になりますけれども、その許可の要件といたしまして、一般電気事業者の消費者、需要者の利益を阻害しないこと、あるいは料金水準等々を含めまして周りの一般電気事業者の消費者が非常にその料金水準が高騰するような迷惑を受けないようなこと、そういったことを自主的に判断いたしまして許可をいたすわけでございます。
 したがいまして、今委員お尋ねのようなケースは実際問題として私ども具体的に想定しにくいわけでございまして、ある意味で、まあ仮想の設問としてはあり得ると思いますけれども、具体的には今申し上げました要件の中で認められる事業者そしてその需要者という特定の関係の中において契約関係が形成されるというふうに考えております。
#106
○村田誠醇君 それでは、促進税がかからないということで今度は逆の表現をしますと、この特別会計法の適用となっている地域には電気料金の五〇%まで実質割り引くシステム、補助金というんですか交付金というんですか、このシステムが現在行われているわけですよね。そうすると、特定電力の発電者及びその利用者に対してはこういう補助金、交付金も含めてやらないということなんでしょうか。
#107
○政府委員(村田成二君) 今、委員御指摘の、多分おっしゃっておられるのは電源地域の周辺地域交付金のことだと思いますけれども、これは具体的には、どんどん都市部の需要が伸びている、しかし都市部にはなかなか電源ができない、そういった状況下で遠隔地に大規模電源を立地せざるを得ない、その地元に対しましての交付金でございます。
 したがいまして、特定電気事業の場合は大体におきまして典型的なケースは都市部の再開発地域だと思いますけれども、そういった再開発地域で行われるケースにおきまして、具体的にその特定電気事業者が立地できれば事業として成り立つわけでございますし、できなければやっぱり一般電気事業者の供給というものは可能であるわけでございます。そういった観点から、特定電気事業者につきまして、あるいはその周辺につきまして、原子力を念頭に置いた先ほど申し上げました周辺地域交付金というものは交付する必要はないものというふうに私どもとしては考えております。
#108
○村田誠醇君 電力の輸出県と表現していいのかわかりませんけれども、発電をしているところから常に出てきているのは、なぜ自分たちの県だけが大都会に供給するのかということが常に問題になっているわけです。都市部で発電をしてくれということになるわけですよ。
 そうすると、今度出てきたこの新規参入の発電場所というんですか、立地は都市部にしてほしい、こういうことになりますと、じゃ都市部に同じような発電設備をつくるのに、片一方では交付金が出てくるのにこっちは出さないよと。確かに法律にそういう制限があるんだからだめなんですよというのはわかるけれども、それならば法律の改正の問題とか当然いろいろな論議が出てくるものと思うんですが、この政策を導入する限り、つまり一般事業者は遠隔地につくる、それにはいろんな形の交付金が出てくるけれども、今回この法律で新規参入を新たにしてくる業者に対しては何らの公的助成がない。税金払っていないんだから取り分はないよと言われればそれっきりかもしれませんが、この辺もバランスをとるために改善する必要があるんではないかと思うんですけれども、その点はいかがでしょう。
#109
○政府委員(村田成二君) 大変失礼かと思いますが、論点を分けて考える必要があると思っております。
 一つは、ただいま委員がおっしゃいましたように、都市部の電源開発あるいは電源立地についてどう考えるのかという問題。それから二つ目は、特に特定電気事業者についてどう考えるのか。言葉をかえますと、一般の不特定の需要に供給責任を持つそういった供給事業者、発電事業者あるいはそういった発電設備というものと、特定の限られた人に対してのみ供給するという限られた特定電気事業者の扱いをどうするか。この二つの問題があろうかと思います。
 私どもとしましては、電源三法の扱いは、あくまでも日本全国あるいは非常に広域的な局面におきまして不特定多数の多くの需要、しかもこれは大きく変動する需要に対しまして電力の安定供給を図る、こういう観点から設けられている制度だというふうに考えております。特定の少数のグループに対する供給に対して適用すべきものではないのではないかというのがこの第二点目の考え方でございます。
 ただ、委員が先ほどおっしゃいました都市部の問題、これはまた別問題であろうかと思います。といいますのは、例えば都市部におきましても、今回の法改正案の中でお願い申し上げております卸供給事業、こういったものを具体的に位置づけておるわけでございまして、これは一般電気事業者に電気をつくって売るという卸供給につきまして競争関係を導入しよう、ここについてはどんどん新規参入をお願いしたい、こう考えておるわけでございます。
 こういった具体的な御供給におきます新規参入者といいますのは、私ども想定いたしますところ、やはり都市部近郊におきまして工業地帯で遊休地を持っている、それからまた需要地に隣接しているということで流通コストが非常に少なくて済む、こういった利点を持った参入者が多く出てくるだろうというふうに考えております。そういった点について、こういった卸供給、不特定多数の需要に安定供給責任を持っております一般電気事業者に電気を供給する、こういった事業者につきましてはやはり異なった考え方をする必要があるんではないかと考えておる次第でございます。
 ただ、委員もこの点は御指摘になられましたけれども、現在直ちに都市部の発電用施設に対しまして電源三法制度を全面的に適用するということはなかなか難しい事情がございます。ただ、問題意識として私ども持っております。持っておりまして、こういった需要密集地の周辺に立地する発電所の立地促進策につきましては、やはり我が国の今後の電力供給を安定的に確保するという上でどういう施策を講ずることが適当か、幅広い視点からさらなる検討を続けてまいりたい、こういうふうに思っております。
#110
○村田誠醇君 これはお聞きしたんですけれども、平成五年度の通産省の予算要求の中に、この電源三法に基づいて都市環境調和型発電施設の立地促進交付金というのを創設したい、つまり大都市部に対する交付金という形を要求したということを聞いているわけですね。
 法律上はできないけれども運用上はできるんだという意味なのか、解釈すればいいということなのかは別問題といたしましても、こういう考え方はあるわけでございますから、ただ法律上明確に東京二十三区とか幾つかの都市を除外するということになっていますから、そういう意味では、法律上疑義のないようにするためには三法を改正しなければしょうがないだろうと思っておるわけでございます。
 しかも、この特別会計は参議院の決算委員会でもいつも問題になっているくらい剰余金が非常に多いお金持ちの特別会計でございまして、それはそれで結構だと思うんですが、支出について二、三お聞きしたいんです。旧ソビエトに対する技術援助及び原子力の安全対策の費用がここの促進特別会計の中から現在も出されているということでございますけれども、それについてちょっと御説明をお願いしたい。
#111
○政府委員(村田成二君) 御説明申し上げます。
 委員御指摘の予算費目は、多分二つだろうと思います。
 一つは、いわゆる千人研修と言われております旧ソ連・東欧諸国からの研修生の招聘事業、それからもう一つが、ミュンヘン・サミットにおきましてチェルノブイリの原発事故を契機に国際協力という観点でなされました旧ソ連・東欧地域への原子力発電運転技術センターの整備事業、この二つだと思いますが、まず前者の方の千人研修につきましては、平成四年度から十カ年間の計画で事業を進めております。したがいまして、四年度、五年度、六年度、七年度というふうに予算計上されてきておりますし、今後ともさらにこの充実を図ってまいりたい、こういうふうに思っておる次第でございます。
 それから、運転技術センターの方でございますが、平成五年度、六年度、七年度の三カ年度、まあ七年度は予定額でございますけれども、この三カ年度で日本国内でのシミュレーターの作製はほぼ完了いたすわけでございます。これが完了すればロシアへ搬送すると、こういうことになっておりまして、結論から申し上げますと両方とも予算計上されております。
#112
○村田誠醇君 こういう政策を続けること自体を私どもは反対しているわけじゃなくて、この特別会計から出すことについては、目的税である限りはおかしいんではないかというのがかなり論議になっているわけですね。衆議院の議事録等を見ましても、本来の目的から外れているんではないかということが強く指摘されているわけなんです。
 しかも、百二十六国会のエネルギー需給構造高度化のための関係法律の整備に関する法律案の附帯決議に、衆参いずれの院においても、「海外協力事業に要する資金の支出については、それぞれの特別会計」、今言ったエネルギー構造と電源特会のこの二つの特会を指していますけれども、「特別会計の目的に照らし、適切に対応すること。」、こういう附帯決議がついているんですよね。
 特別会計の目的に照らしてということは、要するに国内に使うべきものを海外に使うというのは、ODAの予算とか一般会計の予算で使うならわかるんだよというのが衆議院の論議をした経過で入っていることからすると、何で多年度にわたってこの会計から出されるのか。
 しかも、衆参の商工委員会でこういう議決、附帯決議までしているにもかかわらず出されるということは、これ読んでお墨つきを得たから出すんだということじゃなくて、この文面からする限りは、ここで出すのは不適切ではないんでしょうかということだと思うんですよね。一般のとり方は、明らかにこのお金は別会計、別会計といいましょうか別の財源で手当てすべきものじゃないかというふうに理解しているんですけれども、通産省の方の考え方は、逆に言うとお墨つきを得たというふうに理解してどんどん予算化しているんですか。その辺についてはいかがなんですか。
#113
○政府委員(村田成二君) ロシア支援の問題につきましては、過去、国会におきまして、議会の場におきまして累次御議論がなされていることは承知いたしておるわけでございます。
 ただ、その議論の過程を通じまして私どもとしての考え方を御説明申し上げてきているわけでございまして、その基本的な考え方におきまして、私どもとしては今の段階で特に大きな変更を要することはないというふうに考えておるわけでございます。
 具体的に少し申し上げさせていただきますと、御案内のように、やはり原子力の立地推進のためには原子力の安全性に対する国民の理解というのが最大の大前提になるわけでございますしかるに、一九八六年に御案内のようにチェルノブイリの事故が発生いたしまして、原子力発電の安全性に対する不安感、これをロシア国内のみならず日本を含めて世界的に増大させたわけでございます。これはやはり日本の国内におきまして陰に陽に原子力発電施設の立地を阻害する要因として働いてきたわけでございまして、我が国における原子力立地を推進する観点からもこうした不安感を払拭する施策を実施してきたわけでございます。
 電源開発促進対策特別会計に計上されております先ほど来御議論いただいております予算につきましては、いずれも原子力発電の運転管理面における研修をロシア等の実務者に対して実施するものでございますけれども、こういった研修の実施ないしはいろんなシミュレーションの実施が、やはりチェルノブイリの事故を契機として日本の国内に発生しております国民の原子力に対します不安感というものを払拭する上で非常に効果が大きい、そういった意味で原子力の国内立地の推進にこれが寄与するものであるというふうに考えておるわけでございます。
 電源開発促進対策特別会計法第一条二項に規定しております「発電用施設の設置の円滑化に資するための財政上の措置」、私どもはこれに該当すると考えておりまして、政令上も特別会計法施行令第一条の一項六号におきましてこれを明記して電源三法のもとでの施策としての位置づけを行っているところでございます。
#114
○村田誠醇君 大臣、私はこういう政策をとるなと言っているんじゃなくて、とることは大いに結構だと、ただ財源の出し方がおかしいのではないですかというのが、我が党がずっと衆議院でも論議をしてきたことなんですよ。
 本来、この会計は我が国内における発電用施設の設置を迅速にできるようにするためなんですよ。海外で起こった原発事故が我が国に影響をもたらすから、確かにそれはもたらすかもしれませんけれども、だからこの財源を勝手に使っていいんだということには決してならないということを我が党は主張してきているわけでございます。そういう言い方をすれば、すべて世界じゅうで起こる現象に対して特別会計のお金をみんな使えるんだということなんです。発電用の施設の建設に重大な影響が出るんだということであれば何でもできてしまうということなんですね。
 しかし、この特別会計の目的は明らかに違うんじゃないでしょうか。その議論を前提にしているから、衆議院でも参議院でも附帯決議にこのことがぴしっと書かれている、この議論を受けているからね。是認するよという意味で附帯決議が入っているわけでは決してないと思うんですよ。
 だから、質問も答えるのも村田、村田でちょっと都合が悪いんですけれども、衆議院でも同じような説明をなさっているわけですけれども、余りにもそれは論拠が薄いのではないですかということなんですよ。悪く言えば、風が吹けばおけ屋がもうかるみたいな説明では、目的税として取っている特別会計の支出としては明らかにまずいのではないかということを指摘しているわけでございまして、これをやめろということではなくて、別の財源で手当てをすべきではないかと思うんですけれども、その点についてはもう一度ちょっと聞かせていただけませんか。
#115
○国務大臣(橋本龍太郎君) 私は、率直に申し上げまして両方ともその考え方は成り立ち得るものだと思います。
 私は、委員の先ほど来の御論議が全く牽強付会だと申し上げるつもりもありません。ただ同時に、チェルノブイリ事故が発生をした当時の国民に与えた心理的な影響等の中で、私は、この特別会計をもって対応した、それによってある意味では原子力発電所というものに対する危惧の念を具体的にはね返していこうとした、そういうこともあったのではなかろうかと思います。
 当時私は自分が担当者ではありませんから、その当時のことを十分知っているわけではありませんけれども、むしろ電源特会によって対応したということは積極的な対応という見方もできるのではなかろうかと、先ほど来の御論議を伺いながら私はそのような感じを持っておりました。これは私率直な感じを申し上げます。
 要は、特別会計というものの性格からして、その使途について十分留意をすべきであるという御注意であると私は思いますし、そうした御注意は真剣にちょうだいをいたしたい、そのように思います。
#116
○村田誠醇君 どうもありがとうございました。
 もう一つ、ここの補助金、交付金のことについてお聞きしたいんですけれども、原子力発電安全対策等委託費、補助金の活用という項目の中で、一九八八年にもつの通産局内に財団法人地域産業活性化センターというのを設立した。ここに委託費、補助金をどんどん出している。それから同じく、一九九〇年に財団法人電源地域振興センターというのをつくって、ここにも委託費、補助金を出している。
 これは考え方によっては、それぞれの目的に従ってやるんだろうと思うんですけれども、明らかに余剰金のいっぱい出ている財源、特別会計の費用を使って特殊法人をどんどんとつくって、公益法人と言っていいのかどうか知りませんけれども、それを使って、どうもこれは通産省の天下りもしくは権益確保のための団体ではないかということが強く指摘されております。九つプラス一つですから、十団体というのは一体どういう性格、目的を持った団体なのか、あるいはこれに通産のOBが役員に入っているのかどうかも含めて、概略御説明いただけますでしょうか。
#117
○政府委員(村田成二君) 委員御指摘の団体は二つあるわけでございますが、最初に御指摘になられました地域産業活性化センターでございますけれども、これは各地域経済、地域産業活性化のために六十二年の九月から翌六十三年の七月にかけまして全国土地域において設立されたものでございます。これは必ずしも電源地域の振興だけを目的としたものではございませんで、幅広く地域経済、地域産業の活性化ということを目的といたしております。
 それから、電源地域振興センターでございますけれども、委員御指摘のとおり、これはむしろ電源地域の振興それ自体を目的といたしまして設立されたものでございます。
 ただ、第一番目の地域活性化センターの支出予算でございますけれども、これはむしろ電源地域振興センターの孫請という形で電源地域に関します予算は出されておりまして、直接地域活性化センターには出されておりません。
 それから、電源地域振興センターでございますけれども、やはり電源地域の振興に当たりましては、いろいろ当事者がおりますけれどもそれぞれの役割分担に得手不得手がございます。そういった中におきましてやはりきめ細かな地域振興支援策というものを講じていく必要がございまして、そういったいわばつなぎ役としての役割を私どもこの振興センターに期待いたしておるわけでございます。
 具体的に申し上げますと、主な業務は現在四つばかりございます。一つは、電源地域におきます企業立地の促進という観点から、当該地域に立地します企業の行う設備投資等に対しまして支援を行う、こういう事業がございます。それから、電源地域産業育成のために市町村が実施しますいろいろな事業、研修事業、専門家派遣事業、こういったものを支援するという事業が一つございます。それから、これは独自事業ではございませんけれども、先ほどちょっと御指摘になられました原子力発電施設等周辺地域交付金、これは実際問題として県が引き受けて地元に配るわけでございますが、県自体はそういうことはできませんものですからこの地域振興センターがその役割を引き受けまして電力会社につなぐ、これはある意味でトンネル的に役割を下請作業としてやっている、こういう事業でございます。それからあとは、立地推進等広報事業、振興ビジョン策定に関します地域振興にかかわりますソフト面でのいろいろな事業、独自事業をやっております。
 先ほど天下り云々というお話がございましたけれども、ちなみに申し上げますが、常勤役員八名でございまして、通産省から四人参っております。
 以上でございます。
#118
○村田誠醇君 時間がありませんので、これは大臣答弁は要りませんけれども、今、国も民間も含めてリストラをやろう、人員整理しよう、統廃合もしようじゃないか、こういう論議をしているときに、これはもうできてしまっているからということもあると思うんですけれども、特殊法人ができなければ公益法人をつくってやろうというのはどうも解せないということもありますし、果たして全国にこれだけのものが要るのかどうかということももう一度よく論議をしていただきたいということもあります。
 それと同時に、先ほど言いました特別会計の目的に照らして、やはり正すべきものは正すということをしていただきませんと、このままずるずるやっていくのでは、一体衆参の附帯決議というのは何だったんだろうか、これはむしろお墨つきを与えたものなんでしょうかねと、こういうふうにも受け取られかねませんので、ぜひそのことも同時に直していただきたいということを要望しまして、時間が来ましたので終わらせていただきます。
#119
○長谷川清君 私は、最初に大臣にお伺いをいたしますが、今回の電気事業法の一部改正という、この改正のねらいについてお伺いしたいんです。
 その前に、先ほど同僚の藁科議員に円高差益還元の方法について大臣の答弁がありました。私はそれを支持いたしますし、そういう考え方は正しいと思います。いずれにしましても、きょうは円高という問題を考えるにはいささか時間がございません。本来のこの一部改正というところに絞りまして、特に私は電気事業法の改正という点に絞って質問をいたしまして、その後同僚議員であります牛嶋さんに石油法関係をという、こういう流れにしたいと思います。
 この電気事業法の改正のねらいというのをなぜ今ごろ私がここで聞くのかと。私は思いますのに、衆議院の方の質疑、やりとりを聞いておりましても、私は果たして今回の電気事業法の改正の真のねらいは一体どこにあるんだろうとちょっと疑問が生じるのであります。電気事業法を今回改正すれば直ちに何か、料金がいつ下がるんだ、どのくらい下がるんだみたいな次元のやりとりがかなり目につくのでございます。
 私は、今あります最近の急激な円高という問題一つとりましても、このことは単に差益があったからすぐ還元しろという対症療法的なそういうことで解決する問題ではないと根本的に思っています。こういう問題は、もっと大げさに言えば、これからの国はどうあるのか、どういう国にするのか、そういう基本的な青写真というものを持って、そういうものと同時に、今ここで改正しようとしておりますねらいの一つでもあります。一つ一つの今日までの、ちょうどことしは戦後五十年を迎えましたが、これまでの五十年の間いろいろやってきましたけれども、日本の経済もあの焼け野原からの出発で、よちよち歩きで幼児から小学校、中学校、そういう日本の経済が今や先進諸国の一流の国になっている、確かに今日までの電気事業法がいろいろ機能して、その場合にはありとあらゆる部分においてあれこれと規制もして、日本の産業全体を、ここは危ないよということで政治、行政もこれに関与して今日になり、大人の体力になってきて、そういう規制はそろそろ緩和していかなきゃいけない。この規制の緩和であるとか、そこから出てくるいわゆる競争原理とか、これはねらいではなくて手段にすぎない。
 私は、今回の改正の真のねらいは、一つには、国内にありましてエネルギーを使う消費者の利益というものをどう高めるか、これがあると思います。この利益という場合、今も言うように、単に料金が低くなるというだけではございませんで、安定供給です。これまで培ってまいりました。例えばこうやって電気がついている。四六時中、二十四時間、永遠に続いているわけである。続いているということは、供給があるからボタン一つでつくんですね。今も、病院で学校で夜中でもいつでもつきます。要するに空気と電気はいつでもどこでも使える、このくらいの感覚です。いい点というのは利用者にとってはすぐ忘れがちでありますが、これが不安定な電気になりますとすぐにいろいろと大きな不満が出るはずであります。そういう電力の安定供給というものの今日まで果たしてきた役割をこれからに向かってもキープしなければいけない。
 第二には、環境という問題があると思います。世界の環境にこれほど寄与しております。CO2、NO%、SO%、あらゆるものを比較しましても世界の優等生、そういう状況をこれからもキープしなければならないわけです。
 これらの問題にはそれぞれコストをかけている。これらの問題と料金という問題、全部バランスの中でトータル的な利益を利用者は望んでいるのだと思います。そういう国内におきますトータル的な利用者の利益というもの、これを料金も含めていかに向上させるか、ここに一つのねらいかなければ答えが出てまいりません。改正する意味がなくなる。
 同時に、急激な円高の問題や、あるいは国内に今でも一年間に一千三百億ドルもの金が黒字でたまる。いろいろ理屈はあるでしょうけれども、マージャンじゃないけれども、四人でやっていていつでも一人だけが勝っている、こういう状況になりますとやはり国際社会の中で仲間外れになるのは当然です。今日のこの黒字ががっと横たわりアメリカが赤字になっているという現実、ここが改善されなければ円高はやはりまた進む傾向にあると思います。これらの大きな問題を小手先や対症療法で何とかしようと思っても、それはできないはずであります。
 そこで、ここで今、国内におけるあらゆる、戦後五十年やってまいりましてもう十分にその機能を果たしてきた今までのシステムというものを大幅に変更し、早過ぎては痛みが大き過ぎるから、本当にいいテンポで、そしてマンマンデーにならないように、できるだけ時を味方につけながら少しでも早く変えていこう、ここに私は真のねらいかなければならぬと思いますが、そういう視点に立っての議論というのがどうも衆議院のやりとりでは聞こえてこないような気がしてなりません。
 そこら辺で、それを頭に置いてみて、大臣が考えているねらいは、おまえの言うとおりよというのであれば一言で結構だと思いますが、ひとつお聞かせいただきたいんです。
#120
○国務大臣(橋本龍太郎君) 私は、委員が御指摘のとおり、ポイントは、一つは電力供給の安定性を確保することであり、環境との調和というバランスを確保することであり、さらにその上で料金コスト、供給コストの低廉化というものに視点を当てる、そのとおりであろうと思います。そして、私は本当に日本の電力というものはその安定供給という点で極めてすぐれた実績を上げてきたと思っております。
 さらに、たしか委員は東電の御出身と記憶をいたしておりますが、昭和四十五年でありましたか六年でありましたか、東電の大井火力の際に、まさにその環境というものが非常に大きな論議になりました。そして当時、東電としては非常に思い切ったローサルファの原油の手当てから始め、大気汚染に対する対策を準備されたことを記憶いたしております。そして、むしろ当時は脱硫技術等がまだ必ずしも十分でありませんでしたために、我が国の輸入するミナス原油の過半の量を投入するといった思い切った方法をとられたわけでありますが、そうした努力というものは、今日では発電電力当たりの排出量というものでは主要国の中でも極めてすぐれた実績を上げるところに到達をいたしました。
 ただ、逆に低廉な供給という点になりますと、電力料金の内外価格差をめぐる指摘を現に受けておりますし、また分散型電源の導入可能性が拡大しております中で、既存の電気事業者以外の事業者の参入を進めながら従来以上に効率性を確保することに努力を傾注する余地があると考えられます。
 今回の電気事業法の改正におきましては、その一層の効率的な電気の供給を実現する、これを主眼といたしながら、事業規制、料金規制、保安規制の各分野で見直しを行っていき、こうした努力の中で、将来に向けて電気の、安定的だけではなく環境と調和のとれた供給についても引き続き十分配慮をされること、こうした目標に向けての進歩が期待されるものと考えております。
#121
○長谷川清君 もうこのやりとりで既に十分も使っております、私がいけないのでありますが。
 したがいまして、それをもとにいたしまして具体的なところで二、三確認をしておきたいのであります。
 今回この改正をいたしまして、あらゆる分散型電源も加わってまいります。卸電力や特定電力、いろんなものが入ってまいります。そういうものを方法として加えていった最終的な安定供給の責任というものは、従来どおり一般電気事業の側にあるということ、そういう解釈をとってよろしいか。私はそのように思いますが、その点の解釈について。
 それから、これまでも既存の電力会社相互間において広域運営を運営上やってきております。これらのおかげをもちまして多くの成果を上げております、夏のピーク時における調整であるとか料金の地域差の問題とか。これらのことについても、これもいわゆる法改正後、今後においてもこの広域運営ということについて私は必要と思いますが、この二点について確認をしておきます。
#122
○政府委員(村田成二君) お答え申し上げます。
 まず第一点でございますけれども、先生御指摘のように、卸供給事業者あるいは特定電気事業者、いろいろなそれぞれの役割を担う範疇の事業者が登場することになるわけでございますけれども、いずれにいたしましても先生御指摘のように基幹、根幹はやはり一般電気事業者でございます。一般電気事業者が供給責任を持って膨大なネットワークを維持する、その効率的な運用を図るということが、日本全体の電力の料金コストもさることながら、ひいては安定供給、質の問題、環境問題、いろんな問題を解決していく最大のゆえんだというふうに考えております。
 それから、第二点の広域運営についてでございますが、御指摘のように、大都市圏におきます需要増加あるいは環境面からの立地制約といったようなことから、今後とも電力需給の地域間アンバランスというのは引き続き継続するであろうと私どもは考えております。したがいまして、我が国全体としての安定的あるいは効率的な電気の供給を図るという観点から、今後とも電気事業者間の協調によります広域的運営の適切な実施というものは不可欠であろうというふうに考えております。
 具体的には省かせていただきますが、いずれにしましても、そういった観点から、私どもといたしましては、一般電気事業者それから卸電気事業省から供給計画が毎年度届け出られますが、その供給計画の中で、一般電気事業者あるいは卸電気事業者の適切な供給力の組み合わせといったもの、さらには先ほど申し上げました入札制度を通じて参入いたします卸供給事業者の能力の適切な活用といったあたりを総合的に把握し、適切な運用を図ってまいりたいというふうに考えておる次第でございます。
#123
○長谷川清君 明快な確認ができたと思います。ありがとうございます。
 それでは次に電源のベストミックス。国内におきますこれまでの多種多様なエネルギー、原子力もある、水力もある、火力もある、LNGもある、風力も波力もある、地熱もある。こういった多種多様な、一つ一つは長短を持っております。原子力の場合には、まず大前提は安全ということ、それ以外はすべてが非常にすぐれている。水力において石油において、その短所を閉じ込めて長所だけを生かして、そしてトータル的に最善を尽くしたベストミックス。ここに新たにまた参入する電源というものが入ってまいります。こうなってまいりますと、さらにこのベストミックスという考え方というものは今後ますます重要になってくると思います。
 その点についての必要性、判断、これをお伺いすると同時に、国内にあってそうでありますように、世界のベストミックスという点について、限られたエネルギー、化石燃料、石油ならば恐らくもう枯渇するまでにはあと二十五年ではないかと言われています、あるいはLNGも四十年ぐらいとか、それぞれ寿命がありますのと、環境にはいたずらをいたします。いろんなそういう世界のエネルギー、日本のように科学技術が進み、資金もあり、原子方を十分に平和利用できる、そういう国において、日本にとっては限られたそういう性質の石油その他を他の後発国に回してやらなければいけないといったようなトータル的世界のベスト、ミックス、こういう視点というものがあります。
 こういう国内、国外のそれぞれベストミックスというものを相互に考えあわせたときに、これから原子力というもののウエートは非常に高まってくる、ますます高いものになる、このように私は結論的に判断をするのでございますが、そこら辺のところを含めまして、これは前段の方は大臣でなくても結構でございますが、原子力のいわゆる日本におけるベース電源としての必要性、重要性というものについて大臣からここで答弁をいただきたいと思います。
#124
○国務大臣(橋本龍太郎君) 便宜私からあわせてお答えをいたし、もし不足でありましたなら事務方から補足をしてもらいたいと思います。
 私は、今委員がベストミックスというものの実現が非常に必要だと言われましたことに対して、全く同じ感じを持っております。今回の改正によりましても、従来の一般電気事業者、卸電気事業者の電源開発に加えまして、入札制度を通じ参入してくれるであろうと期待をいたしております卸供給事業者、また特定電気事業者による電源開発が行われることになるわけでありますが、電源構成のベストミックスにつきましては、これらを含めて全体としてその確保を図ることが必要である、そのように考えております。
 具体的な細かい点について私から申し上げることは避けますけれども、いずれにいたしても、卸供給事業者から購入をいたします電源につきましては、毎年度一般電気事業者から通産大臣に届け出をされます供給計画の中でその一部に位置づけられるわけでありまして、私は委員の御指摘は非常に的確な方向を御示唆いただいたとお礼を申し上げたい思いであります。
 同時に、世界的な視野に立ちました場合におきましても、やはり我々はそのベストミックスという考え方を排除することはできないと思います。これは、我が国ばかりではなく、アジア地域を考えましても今後エネルギー需要の体系は大幅に変化をいたします。そうして、今回APECの議長国としての日本が、その議論のテーマの中でエネルギー需給の見通しをきちんとお互いに分析しようではないかということを申しておりますのもそうした視点を踏まえてのものであります。
 そうした中で、今原子力発電というものについてお触れをいただいたわけでありますけれども、非常に敏感な過去を持っております我が国でありましても、この燃料調達あるいは経済性という面での安定性、さらにCO2、環境負荷の少ないという環境特性につきましてはだれも否定することはできないわけでありまして、原子力開発の利用長期計画、長期エネルギー需給見通しなどにおきましても、電力の安定供給、エネルギーセキュリティーの確保、さらに地球環境問題への対応といった観点から、我が国の電力供給のベースの供給を、中核を担う電源として位置づけているわけでありまして、二〇一〇年度におきまして七千五十万キロワットの設備出力を目標といたしておるわけであります。
 もちろん一我々は原子力にかわる新エネルギーが生まれてくることを期待はいたします。例えば、午前中も論議のありました太陽光発電等におきまして新たな非常に大きな技術進歩があり、これにかわるようなものが育ってくれば当然この方向にはまた変化は生じるでありましょう。しかし、現在の技術の水準から考えました場合、我々はやはりこうした長期見通しを踏まえました上で、徹底した安全の確保と同時に、平和利用を堅持するこの大前提のもとに、国民の理解と御協力をいただきながら原子力発電を推進してまいりたい、そのように考えております。
#125
○長谷川清君 これまた私にとっては十分満足のできる大臣の答弁をいただいて、本当にありがとうございます。
 そのように、いわゆるベース電源としての原子力というものの重要性と必要性は客観的にこれから高まっていくと。しかしながら現実はといいますと、これがまたいろいろ悪者扱いを受けているわけであります。
 そこで、文部省来ておりますか。――私はいろんな意味で、村山総理もエネルギーの政策については百八十度転換したんですから、もうそろそろ小学校、中学校の義務教育を受けている学校ぐらいに、エネルギー全体の中で原子力というものについてカリキュラムの中にきちんと入れて、原子力というものの歴史、生い立ち、今日の、いいことずくめではなくて、一歩間違うと大変なことになるということもきちんと入れて、そういう教育というものをカリキュラムの中に入れていただく、そういうことについてどうかという点。
 それからもう一つは、今設備ができてもこれはエネルギーの継承にはなりません。設備プラスそこに人材というもの、しかも優秀な、今世紀最大と言われる科学技術を駆使した技術でもありますが、現実はといいますと、大学の理工系であるとかあるいは工業高校系のそれらを担う担い手は年々歳々質、量が減っているんです。まず数の上でも遠くない間に約四十万ぐらい輩出が減ると言われている。しかも今、質的には大学のいろんな設備は老朽化しておるし、取り巻く環境というものが非常に魅力を失っている。
 それに加えて、原子力は悪いんだ、原子力は怖いからやめろと言って石を投げる。だから、一生懸命社会に貢献をしている、そこで勤務し運転している人々、これはやりがいかないし、それを見ているからなかなか有能な人材がそこに集まる傾向にない。原子力は二〇一〇年までの計画で三十基の計画のうち十三基ぐらいしかめどが立っていない。
 こういったいろいろな状況は、必要性があるにもかかわらず、現実はというとそれとは逆行する非常に大きな問題を持っていると思います。きょうあしたにすぐにできないだけに、今からでも早くそういう下地をつくっていく環境、こういうものをぜひひとつ、今言った小学校、中学校の義務教育、これをひとつお答えをいただきたいんです。
#126
○説明員(木曽功君) お答えいたします。
 先生御指摘の原子力に関する正しい理解を持つような教育を小学校、中学校の早い段階からきちっと行うべきじゃないかという御指摘でございますが、これにつきましては、文部省といたしましても非常に重要なことだろうというふうに思っております。この点につきましては、従来から児童生徒の発達段階に応じて小中学校の社会科あるいは理科の教科を中心に指導しているところでございます。各学校が教育課程を編成する際の基準となる学習指導要領と言われるものがございますが、この中にもこれらの問題について具体的に触れられておるわけでございます。
 個々の細かい文章については省略させていただきますが、今後とも原子力を含め、エネルギー問題に関する教育が適切に実施されるよう指導に努めてまいりたい、そういうふうに思っております。
#127
○説明員(笠井高芳君) 先生御指摘になられました理工系離れの件でございますが、近年、若者の科学技術に対する興味、関心の低下でありますとか、大学の理工系学部への進学志願者の割合の低下といった現象がいわゆる理工系離れとして指摘され、社会的に問題になっているわけでございます。こういうふうな状況を踏まえまして、文部省では昨年、理工系分野の若手教官などを中心といたしまして、大学の理工系分野の魅力向上に関する懇談会を設けまして、大学の理工系分野の魅力の向上とそれからこういうふうな理工系の魅力を社会にも発信していかなければならないということにつきまして御提言をいただいたところでございます。
 文部省では、その提言も踏まえまして、平成七年度予算におきまして、大学、高等専門学校における体験入学事業というものの実施、それから大学、高等専門学校における教育設備のハイテク化あるいは高度化、また島根大学、和歌山大学におきまして新しく工科系学部の創設、それから大学、高等専門学校の教員の中から希望者をサイエンスボランティアといたしまして登録していただき、その作成及び提供を行うというふうなことを考えておりまして、所要の経費を計上しているところでございます。
#128
○長谷川清君 ただいまのは、本来ならば文部大臣を呼んで、両大臣でひとつぜひこの辺の確認をいただきたいと思ったぐらいであります。この問題もこれだけをとって少し議論をしていただきたいぐらいのテーマでございます。
 先ほどの大臣答弁の中での原子力に対する問題、お答えの中には、今後におきましてもいわゆる原子力に対するインセンティブ、これは今日の一般電気事業者がほぼ確保されている、こういうふうに理解をしたのでございます。この原子力という問題の内容的な直接の所管は通産省でありますが、今のような下地をつくっていく教育ということになりますと文部省ということになりますので、どうか担当大臣として、文部大臣の方にもいろいろとひとつ連携、連絡をとっていただいて、これが実りますように御尽力を賜りたい。
 私は、橋本大臣は文部大臣にだけは声がかからなかったという、それ以外の大臣には大概なっているし、声がかかっておるということも聞いて知っておりますが、この場合はひとつそれはこっちに置いて、ぜひ文部大臣の方にもこのことを強く求めていただきたい、こうお願いをしておきます。
 それでは、時間の関係もございまして次に移りたいと思います。
 逐一こうやって新しい制度というものが個々にできてくるわけでございますが、この新しい制度ができましたその場合の運用という面についてお伺いをしたいと思います。この種の大きな質、量備えた改革でありますから、現実の動きでは相当大きな個々の机上の計画、範疇からはみ出すような試行錯誤であるとかいろんなものが出てくるはずであると思います。
 したがいまして、今後の運用につきましては、細々とした点について政省令あたりでも決めていくのでありましょうけれども、一番最初のこの改正をするねらいというところにもさかのぼっていただいて、これらの運用をやる場合には、まず一つには中長期的な一定の時間というものを見て評価していく、そういう視点というものが非常に大事である。二点目として、総合的に見るということ。木を見て森を見ないような議論にしないように、そういう運用にならないように心がけていただきたい点。第三の問題は、いずれもこれはやはり規制を緩和するということは信頼があるからなんです、責任があるからなんです。任せた以上は任せる、このことに徹するよう行政として心していただきたい、このことなくしては当初のねらいでありました目標にはなかなか到達しない、私はそのように考えますが、この点について、運用についての私の見解というものについてお答えをいただきたい。
#129
○政府委員(川田洋輝君) お答え申し上げます。
 ただいま先生から御指摘いただきましたが、私どももまさに御指摘のとおりの姿勢で臨んでいくべきであろうというように思います。今回の電気事業法改正で導入されますいろんな制度改正につきましては、基本は、我々は枠組みをつくってできるだけそれを活用していただきやすい形で運用していくということだろうと思います。事業者の創意工夫を基本に置きたいというように思っております。
 しかしながら、新規事業者と既存事業者との利害が対立するというような場合などがあれば、我々としては責任を持って法令に基づいて一定の関与をしていき、新規事業者の円滑な参入を図るという当初の目的が達成され、実効ある競争が行われるということに努めていく必要があると思っております。
 また、御指摘のように制度の定着ということについては中長期的視点を十分考えることが必要であろうというようにも思っております。市場の成熟ということも期待されるわけでございますから、今後の実績というものも踏まえながら長期的に目的を達成していくように、制度運用の見直しということにも弾力的な姿勢を持って臨むことが必要であろうと思います。
 総じて申しますと、御指摘のとおりの方向で運用に心がけてまいりたいと思います。
#130
○長谷川清君 このお答えも私は十分満足のできるものと。きょうは非常に満足できるお答えが多いので、ありがとうございます。
 次に、これまでの議論の中で、きょうも出ておりましたが、いわゆる新エネルギー、これはまことに皆さん好ましいという状況で、大いにこれから積極的にやらなきゃならぬと思います。
 そういう気持ちと姿勢はそうでありますけれども、現実はといいますと、その中でも一つ太陽光を例にとりますと、先ほどの答弁の中でもコストということが最大の壁であるという答弁。全部はそこに帰結すると思いますが、これはやはりまず大きなスペースが要るということがあります。と同時に日射率ということ。ロンドンと東京を比較して、大体の人はロンドンの方が紳士が傘をいつも持っているから雨量が多いんだろうと。ところが東京の方が多いんですね。日本はとにかく日射率は弱いんです。広いスペースもございません。
 ですから、現実にやろうとする場合には、ビルならビルの屋上などを利用する、民家なら民家の屋根を利用するということになります。今答弁で言われておりますいわゆるコストがかかるというのは、生産コストなんでしょうね、太陽光の生産コスト。ただ、コストが安く上がったとしましても、屋根だとかビルに建てますから風雪に耐えるのに、十年も二十年も使えません、何年かで劣化してしまう。そういう途中における維持費の問題もあります。
 いろいろなことを考えますと、これは今政府が、通産も計画をしております現在の日本の太陽光発電一・三%、これを三%にという目標は、私は目標として正しいと思うんです。ただ、衆議院の方でも言われたように、期待としてはこれは何か二けたにはならぬのか、そういう期待が一般にあることはわかります。わかりますが、三%のこの目標を達成するのでも容易ではないぐらいで、みんなが懸命に頑張らなければいけない、こう思いますから、その点には十分通産側は自信を持って、その線でひとつ進んでもらいたいなと、こういうふうに考えるのでございます。
 今サウジアラビアあたりが一番大きくこの太陽光を活用しております。全体の一三%程度であります。それは今言う日射率や広いスペースやその他のことの総合的な輪の中で、いわゆるベース電源とは言いませんが、非常に重要な電源でございます。日本という国はあらゆる意味において全部輸入に頼ってしまっている、スペースはない。いろんなことを考えますと、そこに考えられてくることは、やはりある意味において、先ほど申し上げたようないろんなことを全部知恵を絞って組み合わせて、最善の能力のバランスでこれを満たしていくということ以外にないということを今もう一度かみしめる必要があると思います。
 ともいたしますと、いわゆるソフトだといわれる新エネルギーの太陽光であるとか風力、波力、地熱だとかというものをどんどん進めていけば、あの嫌な原子力に取ってかわれるという、こういう議論の結びつきがあってこれを一生懸命やろうと。これは私はプラン・ドゥー・シーというプランニングの段階で間違うと思います。行動に移し、そしてチェックをしながら、これを繰り返しながら、四六時中絶えることのない生産卵消費であるこのエネルギーというものを、やはりこれからもずっと安定的にやっていく場合には、もう少しくそこら辺が短絡しないようにどうか通産の方においても御尽力を賜りたい、こう思います。時間の関係でこれについては特段の答弁は要らないのであります。お願いでございます。
 そのように考えてまいりますと、最後に、今日の私の一番の心配は総需要と総供給という問題であります。今回多様な電源というものが参画しやすいようになって入ってくるでしょう。ほとんどが石油関係の燃料だと思います。そういうものも含めて、これからの、今現在計画で持っております通産の需要と供給というものに対する見方、数字、これを簡単にひとつ現状について説明してください。
#131
○政府委員(川田洋輝君) エネルギーの需給についての将来展望でございますが、まずエネルギー需要の側面について申しますと、できるだけ省エネルギーあるいはエネルギー使用の効率化ということでこの伸びを合理的な範囲内にとどめていくという努力を懸命にこれからも進めていく必要があるというように思っております。産業用のものを含め、特にこれからエネルギー需要の増大が見込まれております民生用のエネルギーあるいは運輸用のエネルギーにつきまして、できる限りの省エネルギーの努力、エネルギー使用の効率化ということを進めて、エネルギー全体としてはこれから二〇一〇年度まで一%程度以内に抑えるぐらいの努力をしていきたいと考えております。
 それから、それに対応する供給、これについては、先ほど来御議論をいただいておりますように、安定供給の確保というものを根幹に置きながら、我が国はエネルギー資源に残念ながら恵まれておりませんので、安定供給の確保ということが基本的な政策課題でございます。これに効率的な供給を組み合わせてバランスのとれた形で進めていくということでございますが、石油あるいは天然ガスそれから石炭、そういう化石エネルギーにつきましても、これからエネルギーとしては環境問題に十分配慮しながらも使いこなしていかなければ我が国のエネルギーの安定供給は達成できないと思います。
 したがいまして、クリーンな石炭の使い方なども重要な課題でございます。天然ガスは、世界の中でプロジェクトが巨大資金を要するということからなかなか難しくなってきておりますけれども、環境に優しいエネルギーであることを含めてこれから積極的に取り組んでいく。石油につきましては、先ほど来御議論申し上げておりますように、やはり当分は我が国エネルギーの大宗を占めますことから、その安定供給確保のための施策を中心に、効率供給のバランスをかみ合わせながら考えていくということであろうと思います。
 そして、大変重要なエネルギーとしてお触れになりました原子力、これが特に電力の分野ではこれから最も重要なエネルギー源ということで位置づけなければならないということを先ほど大臣からも御説明をさせていただいたところでございます。
 それから、新エネルギーにつきましても、我々今そう簡単にはいかないと思っておりますけれども、新エネルギー導入大綱というような目標を立てまして懸命の努力をこれから重ねていきたいというように思っておりますが、その位置づけなどについては、御指摘のようにすぐにエネルギー供給の大宗を占めるようなウエートにはならないわけでございますので、懸命の努力をしながらも、そういう位置づけはしっかり我々は見据えていきたいというように思っておるところでございます。
 そして、ただいま申し上げましたような位置づけを、国内問題としてだけではなくて、先ほど大臣からもお答え申し上げましたように、アジア・太平洋地域、あるいは資源の供給ということで考えますならば広く世界全体に目を配りながら位置づけを考えていくということが大切ではないかと考えております。
#132
○長谷川清君 長官のおっしゃるとおり、二〇一〇年までの需要と供給の関係でいきますと大体七%ぐらいの供給不足が起こる、私はこう聞いております。これが正しいかどうかわかりませんが、一応どのデータを見ましても七%程度。といいますとこれは青森県全域ぐらいのものが不足するということを意味するわけであります。
 それに対して、一つの対策としては、ずっと永遠にこれからも省エネルギー、エネルギーを節約して使う省エネルギーということをずっと運動として継続をしなければなりません。と同時に、それではなかなか、今までもやってきていますが、それでも今こうだ。人間の欲望が急転換して原始に返らない限りはこれからもずっと需要は伸び続けるということ、それがいわゆるさっきお答えになりました年間平均で五百六十万キロワットぐらいずつ伸びるということを意味しております。
 供給がそれだけ不足をするという裏側に、さっき言った原子力の計画は半分以下の状況にある、こういう現実があります。原子力一基分百三十万キロワット。これに対抗してそれを石油でやろうとすればもう東京湾が真っ黒になるぐらいのタンカーを持ってこなきゃならぬぐらい、それに匹敵するものを太陽光でやるとしたら恐らく日本じゅうを全部覆わなければといったぐらいの、つまりキャパシティー、容量というものがあります。
 そういったようなことで、まず省エネを徹底してやらなきゃなりませんが、同時にベース電源の確保と安定ということが非常に、絶やすことができないだけに重要であるということを、しかも今、今日重要なんです。今計画したって十五年かかってしまうんです、一基つくるのに。そういう次なる世代のエネルギーということまで我々は考えるべきであるということを強調させていただいて、時間が参りましたので質問を終わります。
 ありがとうございました。
#133
○牛嶋正君 私は、平成会に与えられました八十分の残りの時間を利用させていただきまして、石油製品の安定的かつ効率的な供給の確保のための関係法律の整備等に関する法律案について御質問をさせていただきたいと思います。
 朝から中曽根委員、それから午後は藁科委員がもう既に適切な問題の指摘をなさっておられますので、私は少し角度を変えて御質問させていただきたいと思います。
 初め、私はこの法律の名称を読ませていただいたときにほとんど気づかなかったんですが、「安定的かつ効率的な供給の確保」と、この二つの目的を「かつ」という接続詞でつないでいるわけですね。だんだん法律を読ませていただきますと、この接続詞が持っている意味というのは非常に重要ではないかなというふうに感ずるようになりました。
 それで改めて、「かつ」という場合どういう意味合いで二つのものを接続するのかということですが、一つは同時にという意味がございます。ですからこれはアンドだと思うんですね。二つのものを同列に置いていると思うんです。もう一つはその上ということ、そういう意味がございます。ですから、恐らくその場合は、この並びで申しますと、安定的な供給の確保をまず目的として、さらにその上に効率的な供給の確保を求めていくということになろうかと思います。
 しかし、先ほどの同時にという意味合いでとりますと、この二つの目的が両立する、そして両立させるというふうな法律の内容になってまいりますので、この「かつ」という接続詞をどう解釈するかというのは非常にこの法律を読む場合に重要な意味を持っているのではないかというふうに思います。
 石油に限らず、一般の財、サービスの市場におきまして、安定的な供給の確保とそれから効率的な供給の確保は本来相入れないものではないかというふうに私思っております。ですから、安定的な供給の確保を求めていく場合には多少効率的な供給の確保というのは犠牲にしなければならない。逆に、効率的な市場を求めていく場合には安定的な供給の確保の中にはどうしても不安定な要因が入ってくるだろうというふうに考えられるわけであります。
 ですから、この問題は今我々が議論しております規制緩和の基本的な問題を含んでいるんではないか、こういうふうに思うんですね。すなわち、安定的な供給を確保するためには規制を設け、そしてある程度コントロールしていかなければなりません。逆に、効率的な市場を実現しようとするならば競争原理を置いてできるだけそういった規制を排除し、そしてコントロールを取り除いていかなければならないわけですね。市場というものがあって、その場合にこの二つの目的が両立しないとするならば、結局この「かつ」という意味合いはその上という理解をしていかなければなりません。
 そこで、先ほどからバランスをとりながらとおっしゃっている、そのとおりなんですけれども、問題はどうバランスをとるかということですね。
 ちょっと比喩的に申しますと、こちらに安定的な供給を確保するという目的がある、こちらに効率的な供給の確保がある。これは重なっていないわけですよ。ですから、我々は市場のいろんな構造をここに持っていけないわけです、離れているから。そうすると、この中間のどこに置くかということですね。今までは我が国における石油の重要性から石油政策の目的をこちらに全部置いてきたわけです。しかし、今石油製品の国際市場における競争性がだんだん入ってきてこちらの目的も考えなければならないということですね。
 そうしますと、先ほどからバランスバランスとおっしゃっている、そのとおりなんですが、それじゃこの中間のどこにこの法律の目標を置いていくかということなんです。先ほど申しましたように、「安定的かつ」という「かつ」がその上ということになりますと、この二つ目的を並べた場合に、その中間点じゃなくてどちらかというとやっぱり安定的な供給の確保の方に重点があって、そしてさらに石油を取り巻くいろいろな環境の変化によってこの安定的な供給の確保の重要性が、重点の置き方が少しでも見直すことができるならば、その範囲でこちらに、効率的な供給の確保の方に政策の目標を少しずつ移していく、これがやっぱりバランスのとれた一つの、この二つの目標を実現していく場合のバランス論ではないかというふうに私は思うわけです。
 ですから、きょうはその中間がどこに、まだ安定的な供給の確保の方に重点が置かれているのか、それともやはり今の流れとして規制緩和の流れの中で効率的な供給の確保の方に重点を置こうとされているのか、そのあたりをちょっとまず大臣にお聞きをしたいと思います。
#134
○国務大臣(橋本龍太郎君) 自分で提案しておきながら大変不見識でありますけれども、この「かつ」という部分についてそれほど厳密な考察を実は私自身はいたしませんでした。なぜなら、私自身の気持ちからまいりますと、何と申しましても我が国のエネルギーの大宗を占めるものは石油であります。そして、その石油というものは国内供給のほぼ全量を輸入に頼っておりまして、この安定供給の確保というのは我が国のエネルギー政策の根幹をなすものでありますから、この点についての認識は全く私は変わっておりません。
   〔委員長退席、理事沓掛哲男君着席〕
 殊に私自身、イラン・イラク戦争の激化によりましてペルシャ湾内の日本船の航行が非常に危険になりました時期、運輸大臣をいたしておりました。また、湾岸危機から湾岸戦争の時期、大蔵大臣を務めておりまして、いずれの時期におきましても実は石油の供給というものに対しては非常に神経をとがらせてきた記憶がございます。それだけに、委員が今お述べになりましたような意味で申しますなら、私は安定供給というものがまず土台にある、何よりもこれが大切である、そうした認識は従来と変わっておりません。
 ただ今日、国内においてより効率的なエネルギーの供給への期待あるいは要請の高まりといった、石油製品供給をめぐります経済的あるいは社会的環境に新たな変化が生まれつつあります。今回の法改正というものは、こうした環境変化に対応いたしまして、緊急時における供給というものを確保しながら、同時に、石油製品の品質を適正に管理しつつ、特石法を廃止することなどによりまして国内の石油製品市場に輸入品との競争による市場原理を一層導入する、そしてこれによって我が国の石油製品市場の国際化及び国内の流通の効率化を進めるもの、そのように位置づけてきているわけでありまして、こうしたことによって安定供給と効率的供給のバランスのとれた石油製品供給を実現する、こうしたことを目指してまいりました。
 ですから私は、委員の今述べられましたような視点からまいりますならば、確かにその安定的というものが土台にあり、その上に効率的という御判断をいただくことも至当かと思います。
#135
○牛嶋正君 大体私は今お聞きいたしました大臣の見解と同じなんですが、ただ、どちらかというと安定的な供給の確保に重点が置かれるといたしましても、そこはまた非常に微妙な問題が幾つかあると思います。
 まず考えておきたいことは、そもそも石油というのは我が国の経済の中で極めて重要な財ですね。私は、我が国の経済にとりましては基本財というふうに呼ばせていただいているわけです。それはなぜかということですが、一つは、一次エネルギー供給量の六〇%が石油に依存しているということ、そしてまた、私たちの生活の中でもそれから産業の中でも非常に石油というのがいろいろな製品となって私たちの身の回りにあるわけでありまして、これをなくするということは私たちの生活が成り立たないというふうなことですから、そういう意味からもやっぱり基本財だというふうに思います。
 それからもう一つは、今大臣がおっしゃいましたようにほとんどが輸入に依存しているということだろうと思います。ですから、日本における石油の特別な位置づけから考えますと、大臣がおっしゃったように安定的な供給の確保というのがやっぱり第一の課題というふうに思いたいわけです。
 ただその場合に、国際情勢が非常に安定しているということになりますと、そうはいつでもその安定の確保の重要性というのはやっぱり変わってくると思います。その範囲で効率的な供給の確保を進めていくということが、これがバランスのとれたというふうな意味に私はとりたいわけであります。
 それじゃ、安定的な供給の確保の必要性をある程度和らげるような出来事があったのかということですが、私は二つあったんじゃないかと思うんです。
 一つは、中東に今石油の依存が非常に傾斜しておりますけれども、それを考えますとイスラエルとパレスチナの和平成立というのはもう非常にいい材料であります。しかし、これによって中東の緊張が完全に私は緩和されたというふうには思いたくないわけで、もっともっと確実な和平が成立するためにはまだまだ紆余曲折があると思いますし、やっぱり不安定な要因が含まれていると思います。
 そうすると、このあたりの情勢の判断というのが我が国の石油政策を進めていく場合に非常に重要な意味を持っていると思うんですけれども、この点についてまた大臣の御見解をお聞かせ願いたいと思います。
#136
○国務大臣(橋本龍太郎君) 今、委員の御意見を拝聴しながら、私は二つの局面を思い起こしておりました。
 ちょうどペルシャ湾で日本のタンカーが国籍不明のガンボートの襲撃をしばしば受け始め、ついに船員から死者を出すといった事態になりましたとき、日本の船会社または海員組合からホルムズ海峡を越えて中に入ることに対して非常に強い抵抗の起こった時期がございました。殊に、各国が海軍力をもって自国船の保護に当たり始めた時期、日本はその手段を持たなかったわけであります。
 当時、私は本当に思い詰めて、海上保安庁の巡視船をもってこれに対応することができないかということを真剣に考えました。そして、海上保安庁の中でむしろ行こうという意見がその中枢を占め、そうした意見具申を内閣にいたした時期がございます。幸いにそこまで行かないうちに終息を見ましたことは大変幸せでありました。
 それだけに、湾岸危機が発生いたしましたとき一番最初に私が心配になりましたのは、一つは日本にありますクウェートの資産についてイラクがどんな形で手をつけてこようとするか。これは翌日現実のものとなりまして、クウェートの資産凍結に私は独断で踏み切りました。同時に、国内備蓄は大丈夫か。戦闘が起こった場合というものを想定いたしまして、当時これは直ちに資源エネルギー庁の方を通じ備蓄の状況を確認いたしました。
 そして、そのときある意味では本当に私に救いでありましたのは、当時メキシコ政府から、メキシコが国際金融世界に復帰いたしますときに行いました日本の支援が非常にありがたかったという言葉とともに、そのときの恩返しとして、もし中東からの油の輸送に困難を生じるような事態が起きたときはメキシコ政府としてはそれにかわる原油を日本に供給する用意があるということを、メキシコ側の私のカウンターパートでありましたアスペ大蔵大臣を通じて伝達を受けたときであります。これは本当にその後、私自身の立場を国際的にもまた国内的にも強固なものにしてくれました。
 それぐらい油の状況というものは、私にとりましては幾つかの苦い思い出あるいは非常に幸いであった思い出と絡み合っております。
 それだけに、今委員が御指摘になりましたように、中東の和平プロセスが進み始めたことは私にとりまして非常に幸せであります。そして、これが完全に実ることを期待いたしております。しかし、そこまで行くまでにも紆余曲折があるであろうこと、私は委員の見解とほぼ同じであろうと思います。それだけに私は、今が一番実は日本にとって重要な時期、中東に対する外交を展開する上で油ごいにならず中東各国と外交の進められる大切な時期と思っております。
 ことし、私は新年早々インド及びパキスタンに参りました。パキスタンを選びました一つの理由は、イスラムの国であるということとともに、アジアの東と西の両端、同時にアラブ世界へのドアという思いがありました。そして行きました結果、やはりそうした気持ちは非常に私にとっては強く残っております。
 むしろ、国会のお許しがいただけますならば、またもし任期がある程度の余裕がありますならば、私自身今の時期に本当は中東に出向いていくべき時期であろうと。また、例えば他の閣僚の方々でも、全く油と関係のない立場でサウジアラビアを初めとする産油国との間でさまざまな話し合いをする最良のタイミングではなかろうか、今私自身はそのような気持ちを持っております。
#137
○牛嶋正君 ありがとうございました。
 もう一つの石油を取り巻く環境の変化というのは、我が国経済の成長率の鈍化であります。先ほど藁科委員との御議論の中で九十日が七十日という備蓄の数字が出ましたけれども、あの議論をするときには、一つは国際情勢が問題になりますけれども、もう一つは、我が国がこれまでと同じように高度成長で、そして石油の需要の伸びもずっと続くんだとするならば、やっぱり安定供給の確保というのは非常にいつまでも重要だと思うんですけれども、これがだんだん鈍化して、景気回復しても私は三%まで成長率は行かないんじゃないかと思うんですが、そうしますと、石油の需要の伸びもそんなにこれまでのように高くはないだろう。だとしますと、そのことはやっぱり安定的な供給の確保の重要性というのをある程度緩和させるような要因ではないかと思います。
 この点について、需要の見通しですね、伸び率でちょっとお聞きしたいんですけれども、どういうふうに立てておられるのか、ちょっと伺いたい。
#138
○政府委員(一柳良雄君) 一応我々の方で作業をいたしまして、大体国内の石油製品の全体の需要といたしましては、ほぼ一%か一・一%、今後五年間、年率で一から一・一%を予測しております。
#139
○牛嶋正君 一・一%から五%ぐらいというお話ですが、これは過去のあれに比べますと低いんでしょうね、かなり。
#140
○政府委員(一柳良雄君) 再度申し上げますが、一%もしくは一・一%ぐらいということでございまして、過去の伸び率からいけばかなり低くなっております。
#141
○牛嶋正君 失礼しました。
 これまでいろいろな石油に関する法律がつくられてまいりましたけれども、一九七〇年代までの法案というのは、やはり平常時に加えて緊急時における安定的な供給の確保というものが基本に置かれてきたと思うんですね。そのときに、原油を輸入してそして備蓄をする、原油の輸入の方が相対的に調整しやすいということで、原油で輸入して国内で精製するという方式、これは消費地精製方式と呼んでおられるようでございますけれども、それが確立されてきたと思うんです。
 恐らく、それはまた国内の石油産業の育成というふうなこともあったかと思いますけれども、この方式がなぜ採用されてきたのか。やっぱりメリットがあるんだと思うんですね。どういうメリットがあるのか、ちょっと教えていただきたいと思うんでございます。
#142
○政府委員(川田洋輝君) 今、委員お触れになりましたように、原油というのはマーケットから調達をすることが最も容易である、そしてそれを石油製品に変えて国内で供給をすると。
 ちょっとさかのぼって申しますと、従来、日本のエネルギーを石炭あるいは水力で賄っていた時代から、高度経済成長期に中東からの豊富な原油が我が国の経済成長、高度成長を支えてきたわけでございます。その中では、中東からの安い原油の供給が国際マーケットで豊富にあったということから、それを我が国としては輸入をして石油製品をつくって国内に供給していくという方式が定着をしてまいりました。
 その後、第一次、第二次のオイルショックを経て、湾岸という供給途絶の不安のある事態が生じてまいりまして安定供給論議が強くなって、そしてまた時代の変化とともに効率供給とのバランス論が出てきていることは先ほど来の議論のとおりでございますが、一貫して原油を調達してきて、そして石油製品をつくって供給をしていくというのが基本、これが経済効率性の上からいっても一番よろしい、安定供給の点からいっても一番いい方式であるということで定着をしてきていると。また、それに合わせた設備形成も行われてきておりまして、需要に合った設備を、一次設備と申しますか、そういう設備血も含めて日本の石油産業が備えをしてきて消費地精製方式というのが定着するに至っているというように私も思っております。
#143
○牛嶋正君 私はこの方式は一九七〇年代までは、ベストとは言いませんけれども、次善の策であったかなというふうに思いますけれども、この方式をこれからも我が国が石油政策の基本に置くためにはちょっと厄介な問題が二つ起きてきましたね。
 その一つは、中東産油国の石油製品輸出能力が強化されてきた、そして貿易摩擦の激化に影響されまして製品輸入の圧力が強まってきたということが一つあると思います。それからもう一つは、スポット市場や先物市場が発展いたしまして国際市場での価格決定に競争原理が導入されるようになってきた。こういう二つの石油の国際市場における変化というのは、我が国にかなり大きな影響を与えているんじゃないかと思うんです。
 その一つが、今度廃止になります特石法が六十一年につくられたということですね。そのときに私は先ほど申しました消費地精製方式を何としても守ろうとされたんじゃないかと思うんです。その前にオイルショックがあって、我が国の石油製品の価格体系がちょっといびつ、恐らく政策的な配慮でそうなったと思うんですけれども、そのこともあって、やはり消費地の精製方式というのは守らなければならないということで私は特心法というのができたんだというふうに解釈しておりますけれども、これは間違いでしょうか。
#144
○政府委員(一柳良雄君) 先生御指摘のように、中東の国でちょうど六十年ごろにいろいろエクスポートリファイナリーというものがどんどん建ち上がりまして、そして製品輸出を中東からたくさんやっていきたい。そのときに日本の方は、石油業法で先ほど御指摘されましたような原油を輸入して消費地精製上義でやっていくということで、製品輸入については非常に限定的な運用をしていたわけでございますが、ヨーロッパ等あるいはIEAの機関でも、国際機関でもいろいろ議論がありまして、日本も中東の製品輸出については応分のやはりアクセスをつけるべきであるというふうな議論もございまして、日本もそれなりの状況変化に対応しようということで特石法が設けられて、そして製品輸入も一応スムーズに、輸入主体は限定されておるわけですが自由に製品輸入ができ、実際製品輸入もふえてきたというふうなことが過去の経緯でございます。
#145
○牛嶋正君 今度特石法が廃止されますと、どういう結果になるかは別としまして、消費地精製方式はもう保障できないということになりますね、製品が入ってくるわけでございますから。そうなりますと、問題は、恐らく今の我が国の石油製品の価格体系というのはやっぱりある方向にシフトせざるを得ないということになろうかと思います。これは先ほども議論がございました。
   〔理事沓掛哲男君退席、委員長着席〕
 私は定性的に言うならば、恐らく石油製品の価格体系というのは国際市場における価格体系に限りなく近づいていくというふうに思いますね。それからもう一つは、石油製品の内外価格差がだんだん縮まっていくだろうというふうに定性的には言えるわけです。私はその場合に、先ほどの議論でちょっとなかった点を気にしているんですが、そういうシフトの方向は明らかなんですけれども、そのシフトする速度が問題だと思うんです。というのは、速度が非常に急激であれば、そんな心配はなさっていないと思うんですが、一時的なプロセスだけかもしれませんけれども、急激であればいろんな摩擦が出てくるわけですから、私は安定供給の確保というのが一時的にやっぱり問題になってくるのではないかというふうに思います。
 そういうふうに考えますと、先ほどから議論しておりますように、まだ我が国の石油政策の基本は安定的な供給の確保にあるとするならば、私はむしろその急激なシフトが起こらないような法律をきちっとつくっていかなければならないと思いますけれども、この点についてどういうふうにお考えでしょうか。そんな急激なシフトはないというふうに思いますか。
#146
○政府委員(川田洋輝君) お答え申し上げます。
 価格については基本的には市場原理に基づいて徐々に変わっていくべきものでございまして、我々も特石法の廃止によって我が国の石油製品の価格体系が国際的な石油製品の価格体系に移行をしていく、絶対水準はともかくとしてそういうバランスで移行していくのではないかというように思っておるところでございます。
 ただ、委員御指摘のようにその価格が余りにも急激に高騰をするというようなこと、そういう場合を想定いたしますと、それは安定供給という面でも支障を生ずる事態というのは容易にあるわけでございまして、そういう場合には私ども何らかの緊急的な措置を考えることなども含めて安定供給の確保ということには努力しなければならないだろうと。本来、価格はマーケットメカニズムによるべきもの、しかしながら今御指摘のような特定の場合にはいろんなことを考えなければならない、こういうことではないかと思います。
#147
○国務大臣(橋本龍太郎君) 長官の答弁を私が補足するのはちょっと本当は妙なんですけれども、石油業法の第十五条に「販売価格の標準額」という条項がございます。これは、「通商産業大臣は、石油製品の価格が不当に高騰し又は下落するおそれがある場合において、石油の安定的かつ低廉な供給を確保するため特に必要があると認めるときは、石油製品の生産費又は輸入価格を基準とし、石油製品の国際価格その他の経済事情を参酌して、石油精製業者又は石油輸入業者の石油製品の販売価格の標準額を定めることができる。」となっております。また、第二項で、「通商産業大臣は、前項の規定による標準額を定めたときは、遅滞なく、これを告示しなければならない。」となっておりまして、今委員が御質問になりましたような場合、私はこの石油業法第十五条を動かすことによって対応すべきではないか、そのように思います。
#148
○牛嶋正君 消費者の立場からこの法律を見てまいりますと、やっぱり一番気になりますのは今ちょっと国際的に高いと言われているガソリンの格差が果たして縮まるんだろうかというようなことなんですが、そのためには乱やっぱりもうちょっと価格を形成している費用項目を見る必要があると思うんですね。例えば、税金だけが高くて日本の石油の価格が高いという場合はこれはどうにもしょうがないわけです。よそから入れてきても税金がかるわけですから、それは価格の格差は縮まりません。
 それで、ちょっと教えていただきたいんですが、価格を構成している項目を私はできたら五項目に分けて教えていただきたいんですが、一つは原油価格、それから輸送費、そして精製コスト、そして利潤・マージン、そして税額、この五項目でちょっと各国の格差がどうなっているか。例えば、輸送費が非常に高いというのは日本のこういう位置づけからこれも何ともならないという、何ともならない項目がだんだん出てくるんじゃないかと思うんですね。そうするともう何ともならないという結果に終わってしまうんじゃないかと思うんですけれども、ちょっと教えてください。
#149
○政府委員(一柳良雄君) ちょっと手元に詳細な資料がなくて恐縮なんですが、若干アバウトでございますけれども申し上げたいと思います。
 まず、アメリカと具体的に比較した例を、小売価格、これは去年の調査でございますが、日本は税込みで百十七円十銭、一リッター当たりでございます。それに対しまして、アメリカは三十一円四十銭でございます。
 それでまず第一に、日本の場合には約六十円が税金関係でございまして、税抜きでは五十七円五十銭、アメリカでは十八円十銭、約三倍でございます。
 それでは、この内外価格差が生じておる要因として一体何があるかという問題でございますが、詳細なところは難しいんですが、アメリカとの比較で少なくとも五つの要素が考えられるんではないかと考えております。
 一つは、日本のガソリン独歩高の独特な価格体系、これはいろいろな理由がございます。石油ショックのとき原油が暴騰したときにほとんどガソリンに転嫁して灯油は一切上げなかったというふうなことをやりましたが、そういうこともありますし、あるいはユーザーとの価格の決め方でユーザーが強いところは上げにくいとか、いろいろございます。それが一点。二点目は、日本では土地代、人件費が高い。三番目は配送コストが高い。四番目は保安・環境コストが高い。五番目は日本の場合にはアメリカのスタンドと比べまして大体四分の一の売り上げでございまして、大部分が中小零細業者でございます。
 そういう事情がありまして、次は非常にアバウトなイメージでございますが、原油代はまず今のレートでいきますとリッター約十円から十一円でございます。それに精製コストが約四円ぐらいでございます。それで輸送費が運賃として約一円六十銭から二円ぐらい。ただ、そのほかにいろんな販売促進費のためのコスト、これが輸送費も入れまして約六円ぐらいでございます。したがいまして、総コストといたしまして二十一円ぐらいリファイナリーのところで出るわけでございますが、それにリファイナリー側のいろいろなマージン、本社経費として、これもアバウトでございますが約二十円弱、それに今度末端の販売業者の方が取るマージンとして十五円から二十円ぐらい、それでこの五十七円の形成になるというふうなことでございます。
#150
○委員長(久世公堯君) 既に時間を相当超過しておりますが、ごく簡潔にお願いいたします。
#151
○牛嶋正君 結局そうなると、やっぱり利潤・マージンが非常にぐっと抑えられてくるんじゃないかと思うんですが、そのことだけちょっと申し上げまして、まだ質問があったんですけれども終わらせていただきます。
 どうもありがとうございました。
#152
○小島慶三君 きょうは大臣、政府委員の皆さん、長時間御苦労さまでございます。
 初めにちょっとおわび申し上げなきゃいけないんですけれども、午後、議院運営委員会それから国会改革委員会とありまして席を外させていただきまして同僚の先生方の皆さんの話を承っておりませんので、もし重複している質問がございましたら、それは重複しているとおっしゃっていただけば結構でございます。後で速記録を拝見をいたします。
 それから、これはちょっと私事を申し上げて大変恐縮なんですけれども、私これまでかなりエネルギー関係に携わることが多うございまして、戦後の石炭の傾斜生産それから電力の再編成、それから御家人崩れになりましてからは石油の自主開発といったようなことで、かなりエネルギーには関係を持ってまいりました。その点で、きょう出されましたこの電気事業の法律やなんかを見ておりますと、やはりほうぼうたる月日がたったなと、そういう非常に感慨深いものがございます。
 それともう一つ、これは橋本大臣のお父さんとの関係で、私、最初独禁法の原案をつくらされて司令部に大分しかられて、それから通産省から所管が安本に移って、橋本大臣のお父さんがこれを仕上げられた、大変いろんな因縁がありまして、その大臣にいろいろ御質問申し上げるのも、これもいろんな宿世の緑かなというふうに思っております。
 それで、本題に入りまして、今回の電気事業法の改正というのは、これは恐らく半世紀にわたる今までの行政、電気事業の運営に係る行政といったようなものを相当程度手直しをされるということであろうと思うのであります、
 私どものやりました公益事業令、これはポツダム勅令ですけれども、公益事業令に基づく電気事業法、ガス事業法、これは私どもがつくり出したわけでありますが、恐らくこれは戦後の司令部の改革の中でもどちらかといえばヒットではなかったのかなというふうに私どもは理解しております。
 それで、私どもが受け継ぎましたときの電気事業というのは、これは戦争中の国家管理の影響を受けまして料金の引き上げが認められなかったものですから、設備の改善も補修もできない、したがって量的な安定も質的な保証もない。しょっちゅう停電はしますしサイクルはめちゃくちゃになりますしということで、これがどういうところからきたかというと、結局戦時中に料金をずっと抑えられてきた、これは国鉄なんかでも同じだと思うんですけれども、そこからきているわけであります。
 それで、戦後の公益事業委員会ができましたときに、私は松永安左ヱ門の下にいたわけでありますが、これが命がけで電気料金を三倍にしたわけです。そのおかげで、当時気違いざただと言われた七千七百億の電源開発計画を立派に達成したわけであります。そういう点で見ますと、やはり電気事業、ほかの業界でもそうでありますけれども、料金をどう設定するかということが死活問題になっているわけであります。
 戦後の公益事業令におきましては、そういう点で、先ほど安定か効率がという御質問が牛嶋先生からありましたけれども、その点は両方考えて、一つは供給区域の独占といったようなことを電気事業には認めたわけです。つまり、これはある意味の競争の制限であります。そしてそのかわりに供給義務というのを課しております。供給を断ることはできないということで、未点灯部落なんかも随分解消されました。供給の義務というものがございます。
 それで、あと供給の義務を果たすための一定の資本設備、装置とか設備とか、こういったものをきちっとやはり持っていなければいけない、それを保全しなければいけないということで、競争によって会社がつぶれるなんということは恐らく想定をしていなかったわけでありまして、その意味におきましては、電気事業の国民経済に対する安定という角度から見た場合に、やはりこれは市場原理そのままを採用するわけにはいかないということが根本的にはあったと思うのであります。
 しからば、その料金というものを電気事業者が勝手に恣意的につくっていいかということになれば、それはできない。したがって、経理規程もきちっとつくって、極端に言えば鉛筆、紙に至るまできちっと経理を整理をして、その上にそれを集約して総括原価というものをつくり出す。そして、その総括原価にフェアリターンという資本維持のための、牛嶋先生もおっしゃいましたけれども、いわば利潤留保というものがあって、そしてそれを料金に開くと、こういうことで料金制度というものがつくられてきた。それがやはり戦後の電気事業の安定と発展というものにかなり役に立ったと思いますし、また需要家との関係でも、民生用あるいは産業用それぞれのシェアに応じてこれがある程度適正に行われてきたのではないか、私はそういうふうに思っております。
 やっぱり電力の復興というのは、戦後の復興の場合の一つの柱であったというふうに思っております。ソ連なんかの国づくりも最初は電力からということであったように聞いております。そういった点で、市場経済に完全に任せておけない電気事業の性格というものは、これは今の場合でも私は残っているというふうに思っているわけでございます。
 しかし、世が世でございますから、もちろん市場経済のメリットを取り入れる、効率を取り入れるということも必要でございましょうし、それからまた需要家の声を聞いて、そして適正なしかも公平な料金制度のあり方というものを確かめていく、これももう大変重要なことでありましょう。ですから、規制緩和というのを私は否定するわけではございませんし、それが目下の政策の最重点であるということもよく承知をしております、私自身、規制緩和の委員会に属してもおりますし。
 そういった点で、これはどんな業界でも考えなければいけないんですけれども、やはり電気とかガスとか国民生活に密着したこういうものにつきましては、それじゃ完全に市場の動きに任せていいかというと、これはそうはいかないんだと思うんです。今度の法律でもその点は随分御苦労なさったと思っております。
 ですから、一方では新規の参入者というものは出てくる。恐らくこれは、先ほど御説明がありましたけれども、インセンティブになるでありましょう、こういった意味の効率は出てくるでありましょう。ただ、一方ではやはり適切な料金制度によって資本の維持がなされなければならない、これはもう大変重要なことだと思うのでございます。
 そういう点で、これからの料金の設定、殊にヤードスティック方式ですか、それと何か標準的指標というものを取り入れるということで客観性を持たせるということは確かに私ども理解できますけれども、えてして電気料金というのは政治問題になりやすい。これはもう大変私どもも苦労をいたしましたけれども、料金の改定というのは非常に難しいということで、したがって料金の改定が難しいからある程度サバを読んで原価を出してくるというようなことがあったのかもしれません。その点で、どうやって一般のニーズにこたえた料金の水準というものを確保するか、これが私は今度の電気事業法の改正の最大の問題点ではないかと思っておるわけです。
 それで、一つ伺いたいのは、特定供給といいますか、そういったものがどんどん出てきて、これが新規参入をするということになって、その電気事業との取引といいますか、そういうことでかなりそちらの方が有利に設定されて、そのツケがほかの一般の業務用、民生用に乗るというふうなことを私は心配するわけでありますが、その辺は大丈夫なのか。競争が激しくなればなるほどそういう点が出てくるのではないかということが一つございます。
 それからもう一つ、今度の電気事業法案を拝見していますと託送という制度が認められております。これはいわば俗な言葉で言えば産直だと思うんですね。そういった形で全体のコストパスケットの中でそういったものが優先的に取り扱われるということになると、これもやっぱり民生用に影響を生ずるのか生じないのか、生ずるほどは託送は行われないのか、その辺を伺いたいというふうに思っております。
#153
○国務大臣(橋本龍太郎君) 敗戦後の混乱期の中で、今日の電力体制を築かれた基礎の中で御努力をいただきましたその御経験を踏まえてのお話として今真剣に拝聴いたしました。ただ、父親の部分につきましては、私からいたしますと親の因果が子に報いと申し上げたい感じがいたします。
 そして私は、本当にそうした大変な御苦労の中で、おかげさまで今我々は電力の安定供給という面について不安を持たずに毎日を過ごすことができておると思います。そして、安定供給の確保ということ、環境面への配慮の必要性というものは先ほど長谷川委員もお触れになったことでありますし、この部分については私は日本の電力産業というものは非常によく努力をしてきていただいたと思っております。
 しかし、そうした中で今日、電力のコストという問題についてはさまざまな議論が出てきております。今、委員から御指摘がありましたように、今回、特定電気事業というものを認めることでの問題点というものを御指摘になりました。
 しかし、特定電気事業制度と申しますものは、一般電気事業者による広域的な発送電、そのネットワークから独立をして、限られた供給地点における需要に対して効率的な併給を行い得る事業者が存在する、そうした場合その能力を活用する、そうした目的から創設をいたすわけでございます。したがいまして、特定電気事業者につきましては、その供給地点に対しましては、一般電気事業者の供給能力に依存することなしにみずから保有する供給能力により効率的な供給を行い得るということが極めて大事な許可要件となります。
 同時に、その特定電気密業者と申します者が、事業の開始後、その供給地点に対して継続的に供給を行う、その義務を負うわけでありますし、その供給地点を供給区域に含む一般電気事業者の供給義務が法律上免除されるわけであります。
 さらに、特定電気事業者の供給地点の選択が不適切であるといったことによりまして一般電気事業者の供給コストの上昇を招く、さらに需要家の利益を阻害するおそれがある、そうした場合につきましては特定電気事業の事業許可をしないということになっているわけでありまして、こうした制度設計と申しますものは、今委員が御懸念になりました特定電気事業者の事業実施によりまして一般電気事業者の需要家に悪影響が生ずるおそれを排除するためと、私はそう理解をいたしております。
 託送部分につきましては、事務当局から補足をさせます。
#154
○政府委員(川田洋輝君) 託送の部分につきまして補足説明をさせていただきます。
 今、大臣からも御答弁申しましたように、また委員もお触れになりましたように、一般需要家の利益の増進というのがやっぱり基本に置くべき考え方であろうかと思います。
 一方、今回入札制度を通じて売電をする事業者に電力会社の送電線の利用を認めるいわゆる卸託送ということを制度として設定するわけでございます。これは入札制度を通じた非発電事業者の参入を十分なものとするためには必要な制度ではないかということで導入をさせていただくものでございますが、これができるだけオープンな形でかつ制度全体として考えて一般需要家の利益の増進に支障がないようにしていくというようなことで運用していくというものになるのではないかと思います。
#155
○小島慶三君 それから、もう一つ伺いたいと思いますのは、先ほど電力の需要の伸びについてのお答えがございました。これはキロワットアワーの話だと思うんですけれども、キロワットの問題としてはやはりピークの増大という問題があると思うのです。
 先ほど中曽根先生からサマータイムによる省エネルギーというお話がありました。これはピークカットには役に立つ。例えばお盆を祭日にすればこれは確実にピークは下がるだろうと思います。しかし、それと同時に、エネルギーのこれからの需給のあり方としてだんだん電力シフトが進むと思いますので大電力が要求される。それに対して、大容量の発電設備をつくり、それから例えば超高圧、超超高圧の送電網をつくるということで、すべて大きなものをねらっていきますとなかなか難しいんじゃないかと思うのでございます。
 といいますのは、電力の電源構成から見ますと四番バッターがいないんです、四番バッターがいない。油というものを節約するということになっていきますと、どうしても原子力というものを考えざるを得ない。しかし、原子力はこれから立地を何十というふうに探していくのはとても難しいだろうと思うんです。だからそういう点で、例えば中規模の電源といいますか、そういったものを原子力にしても何にしてもつくっていく必要もあるのではないか。
 それから同時に、分散化というもの、分散エネルギーというものをどうしても考えざるを得ない。それで今の可能性としては、例えば小水力とかそれからバイオガスとかごみ発電とかいろいろありますが、いずれも四番バッターのベースロードにはならない。しかし、ベースロードにはならないけれども、幾つかそういった分散のエネルギーというものを組み合わせて、これは地方の分権時代にも対応すると思いますので、そういった形で供給の充足を考える。
 それから同時に、ピークカットのための料金制度のあり方とか、こういった点もお考えをいただいて、何とかその辺を賄っていくということでないと、なかなか一口に五百五十万キロワットふやすといってもこれは私は大変困難な問題だろうと思いますので、その辺のところの組み合わせ方をひとつ御研究をいただきたいというふうに思います。
#156
○政府委員(川田洋輝君) 先生、電力の大先輩でいらっしゃいますわけで、キロワットアワー、キロワットを区別して考えていくことが必要であると。アワーもふえてまいりますが、どうしても最近の電力需要はピークが立つ方へ立つ方へ動いておりまして、これに合わせて設備をつくる、電気は生産と消費が瞬時に行われる特性を持っております関係から、どうしてもそういうことに相なるわけで、負荷平準化というのはこれから我々も事業者も消費者にも呼びかけて努力をしていくべきである。
 現時点の見通しによれば、それでもなお五百六十万キロワットをつくり続けていかなければならないということを先ほども御説明したところでございますが、これを低くすればいろんな面でプラスが出てくるということも御指摘のとおりでございますので、負荷平準化への努力ということはこれから一生懸命やってまいりたいと思います。もちろんアワーの面でも省電力に努めていくということも必要でございますが、負荷平準化はまさにもっともっと力を入れていくべき分野ではないか。そのための料金制度面からの対応というようなものについても、今後もっと力を入れていくことが必要であろうということで、氷蓄熱制度その他について努力を今進めつつあるところでございます。
 しかしながら、どうしても必要な電源というものは確保していかなければなりません。これは先ほど御質問もありましたが、大規模電源開発というものもこれからも相当力を入れていかなければならないと思っております。これには現在の十電力事業者あるいは卸電気事業者、今後とも卸電気事業者として位置づけられる大規模な事業者の方々に計画的にかつ広域的なことも考えながら電源開発に進んでもらい、その中で原子力発電というのが大きなウエートを占めてくるということ、先ほど御論議があったとおりでございます。
 原子方発電について申しますと、現在四十九基、四千五十万キロワットという規模がございますが、今建設中のものが五百万キロワットございます。したがって、四千五百万キロワット程度あるわけでございますが、これを私どもは二〇一〇年度には七千五十万キロワットに持っていきたいというふうに思っておりますので、相当な努力が必要であろうというように位置づけております。
 それから、お触れになりましたように、こういう大規模な電源開発だけではなくて、需要地に近接したところなどで小規模な分散型の電源、これも小さいのは数千キロワットのオーダーのものから数十万、三十万キロワットとかいうオーダーのものまで、あるいは四十万、五十万もあるかもしれませんが、二、三十万キロワットというようなところまでの中規模のものも含めてこれから開発を進めたい。これについては一般電気事業者などもあるわけでございますけれども、むしろ今回のこの入札制度を活用いたしまして、電気事業者以外の方々にできるだけ多く参画してもらってこの分散型電源開発、これを大いに活発にやっていくように努めていく、こういうことで組み合わせを考えているところでございます。
#157
○小島慶三君 私の時間もう余りございませんので、もう一問だけ大臣にお尋ねをしたいと思うんですけれども、今のお答えのように、やはり原子力にある程度依存せざるを得ない、私もわからぬでもありませんが、私はこういう商売に入る前まで原子力の立地とかそういうことをやっておりましたので、とてもこれは、今の計画というのは絵にかいたもちになる危険性があるというふうに感じておるわけなんです、もちろんそういう努力をしなきゃなりませんが。
 そうしてみると、やはりどうしてもこれはLNGというものを活用する、これに対する依存度をふやすということしかもう残された道はないのじゃないか。新エネルギーというのはもう大してロードになりませんよね、余り大きなロードになりません。それで可能性として、本当は石油に依存できればいいんでしょうけれども、石油はセーブするという方向ですから、そうすると残された選択肢としてはLNGしかないんじゃないかと私は前から思っておるわけなんです。
 それで今のところ、ロシアがああなりましてからも、これはヨーロッパの諸国はロシアとガスのパイプラインで結ばれておりますから、これはどんどん積極的に中央アジアの石油資源とか方々にヨーロッパの企業は出てきております。私どもがかつて提携していましたフランス石油なんかでも、もうロシアがああいう状態ですから果たしてちゃんとした契約ができるのかと心配するくらいどんどん出てきてやっております。
 日本はその点が、ヨーロッパのように地続きではございませんから大変難しい点はあるんですけれども、やはり中央アジアの大ガス源とか、あるいは中国奥地の新疆のエネルギー資源とか、こういったものは本当に無限に近いものがあるわけでありますから、非常に距離が遠くて難しいんですけれども、やはりそういったものの活用を考える。それから、サハリンあたりも改めて新しい契約ができたようでありますからこれもLNGとして使える、東南アジアのLNGもまだ可能性があると思いますので、今LNGの供給についてはほとんどもう成約済みで三十年、五十年の手当てができておるかと思いますけれども、それに加えてアジアのエネルギーリンケージといいますか、そういうことをやっぱり考える必要があるのではないか。
 そこから入れてきて、国内でもできれば北から南までの二重のパイプラインを引っ張って、災害のときに困るという問題はあるかもしれませんが、そういうことでぐるぐると回していけば、これはある意味の在庫にもなりますから、電力の一番の欠点である在庫不足というものを補うことができると。この辺通産省としてもお考えになる必要があるんじゃないかと思うんですが、いかがでございましょう。
#158
○国務大臣(橋本龍太郎君) 確かに、今委員が御指摘になられましたように、天然ガスというものが、化石燃料、化石エネルギー資源の中におきましては相対的に環境負荷が小さいということもありまして非常に重要なエネルギー源の一つということは御指摘のとおりであろうと思います。
 ただ問題は、天然ガス開発のプロジェクトをめぐります開発環境あるいはその資金調達の環境というものが非常に厳しさを加えつつあるという問題がございます。
 本年一月にパキスタンに参りましたときにも、パキスタン側が、これは夢であるという前置きを置かれて、中央アジアに誕生いたしましたイスラム六カ国の中の天然ガス資源を、カラチまで天然ガスのパイプラインとして敷設をし、これを日本に売ることはできないだろうかと。これは夢だという言い方をしておられました。これは資金調達あるいは環境という面以外に、アフガニスタンを経由するため安全という視点もその中には入っておったように私は思います。
 そうした状況の中で、平成六年の通常国会におきまして石油公団法の改正を行っていただきまして、海外における天然ガスの開発あるいは液化段階の事業に対しての石油公団の出資業務あるいは債務保証機能を拡充していただきました。
 今後とも、私どもは必要に応じて石油公団の助成制度を活用し、天然ガス開発プロジェクトの持つリスクを軽減していくこと、また資金調達を円滑化しながら、もって日本向けのプロジェクト成立の円滑化のために努力をしてまいりたいと思います。
 しかし、それにいたしましても、先ほど牛嶋委員からのお話にもありましたが、世界情勢の安定というものはやはりこうした事業を進めていきます上でも非常に重要な要素でありまして、こうした点に問題を残すところばかりがだんだん残りつつある、そんな印象も深く持っております。
#159
○小島慶三君 ありがとうございました。終わります。
#160
○市川正一君 今回の電気事業法改正案及び石油関係法案の両法案は、政府の規制緩和政策の一環として提出されたものと理解しています。私は、規制緩和を進めるに当たって国民の立場から見て重要なことは、国民生活の発展と生活向上に役立てるために何が必要な規制で、何が不必要な規制であるかを判断することだと思います。問題によっては規制をより厳しくしなければならない場合もあります。
 その点で、今進められている規制緩和の実態を見ると、大企業の新しいビジネスチャンスの拡大とかアメリカの市場開放に無条件に沿うなどのものが少なくないことを率直に指摘しなければならぬと思います。こうした立場を前提に、以下両法案について御質問いたします。
 まず、電気事業法の改正を国民、消費者の立場から考えますと、今回の改正によって良質の電気が安価に安定的にかつ安全に供給されるかどうかが問題であります。
 発電部門への新規参入の問題でありますが、電力の卸供給事業を自由化して電力会社が競争入札で電気を購入できるようにすることは、そうすることが電力会社自身で発電するよりも低いコストで電力を入手できることが前提になります。そうした場合のコスト低下分は当然一般消費者の電気料金の引き下げに充てられるべきであると考えますが、あえて端的に伺います。
 為替レートの問題は別として、今回の法改正によって消費者の電気料金は安くなるんでしょうか。
#161
○政府委員(村田成二君) お答え申し上げます。
 委員御指摘のように、今回の入札制度を通じます効率的な電源の導入というのは、そもそもにおきまして電力会社の電源調達あるいは発電コストひいては経営効率化に資するようにということが制度の趣旨でございます。
 そういった趣旨でもちろん制度設計をしているわけでございますけれども、これが料金に具体的にどういうふうに効果を持つかという点は、今まさしく御指摘になりましたような為替の問題もございますし、いろいろ他の問題もあるわけでございます。それからまた、電気事業者自身の自主的な経営努力という問題もございます。さらには、料金制度を通じてのいろいろな競争導入政策というもの、あるいは環境情勢ということによってまたどういうような料金面での工夫がなされていくのかという問題もございます。
 いずれにしましても、こういった多々これから講じようとしている政策あるいは電気事業省自身の努力というものが相まちまして、総合的な結果としまして料金の面にいい効果があらわれてくることを期待しておるわけでございます。ただ、御案内のように非常に発電の事業あるいは電気の事業といいますのは長期にわたる事業でございます。そういった一朝一夕にはいかない長期にわたるプロセスを経ましていい結果が出てくるよう、私どもとしましても制度の運用に万全を期してまいりたい、こう思っております。
#162
○市川正一君 私はあえて端的に伺うかと、こう聞いているわけで、ならば大臣に伺いますが、もともと電気の卸供給事業を自由化して電力会社が競争入札で電気を購入できるようにしたことは、電力会社自身で発電するよりも低いコストで電力を入手できることが前提になるはずです。当然、そのコスト低下分は消費者の電気料金の引き下げに回される必要があるし、そうでないと結局、鉄鋼や化学、紙パなどの不況業種の救済あるいは石油やガス業界のビジネスチャンス拡大のためだけに電気事業を利用し、そのツケを国民に転嫁するようなことになってはならないと思うんですね。
 ですから、少なくとも安くなる方向でこういう全体の動きが作用することは間違いないと思いますが、この点はどうなんですか。
#163
○政府委員(川田洋輝君) 先ほど来御説明いたしておりますが、電力について安定供給を確保していくためにはこれからかなり多くの設備投資を要する事業である。五百六十万キロワットをつくり続けるというのはそれなりの大きなコスト増要因を含むものでございます。一方、私ども今回の制度改正によりまして、内外価格差の指摘などを踏まえた改正を行うわけでございますので、それはできるだけその効果が、今部長からも御説明申し上げましたように、私どもも最大限の努力をしていきますし、電気事業者にもこの制度の枠組みの中で最大限の努力を求めたいと思います。
 そういうことが相まって、長期的な意味では電気料金の安定化あるいはできれば低くなるということを私ども願うものでございますが、それを今端的な形でその時期、幅などを申し上げられるようなものではなくて、なかなか難しい要素がある。
 それから、今入札制度による卸電気事業にかかわる部分を御指摘でございましたけれども、電気事業は全体として電気をつくって供給をしていくというものでございますから、この制度の枠組みのもとでできる限りの努力をしてその制度改革の目標が達成するように努めてまいりたいと、こういうことを申し上げるにとどめさせていただきたいと存じます。
#164
○市川正一君 そうすると、努力方向としては安くなる方向に向かって引き続き取り組むと、そういう認識でよろしいんですね。
#165
○政府委員(川田洋輝君) 繰り返しになりますが、上がる要素もあるだけに、できる限り所期の目的を達成する……
#166
○市川正一君 為替のことは別や言っているんです。
#167
○政府委員(川田洋輝君) 為替を除きまして、設備投資をしていかなければならない要素があるわけでございますから、そういうことを全体として考えて、できるだけ安くなるような電気供給を達成するように努力をしたいと、こういうことでございます。
#168
○市川正一君 日本語として大体一番最後のところが大事だからね。
 そこで、特定供給事業者と一般電気事業者との関係なんですが、特定供給事業は都市の再開発地域などの電力需要の集積が高い地域で事業化されますね。したがって、この事業が過度に発展すると、一般電気事業者の供給地域の中で効果的な供給地域だけが特定供給事業者に占領されるいわゆる虫食い現象、そういうものを引き起こすことになりかねないと。そのために、一般電気事業者は需要の少ない、また効率の悪い地域だけを供給せざるを得なくなって電力の供給コストが高くなりはしないか、そういう事態が一般消費者の電気料金を引き上げることに作用しないか、こういう懸念を感ずるんですが、どうでしょうか。
#169
○政府委員(村田成二君) 御指摘のように、特定電気事業それ自体は、一般電気事業者によります広域的な津々浦々までの発送電、配電のネットワークのややサブネットワークとして形成されることになろうかと思いますが、おっしゃられるように、具体的には都市の再開発地域等々割合と需要の密集地域の近くに立地されるということは可能性として考えられるわけでございます。
 ただ、趣旨としましては、限られた供給地点におきます需要に即応してぴしっとそこの地点についてだけ供給できるという形のものを認めようと思っておりまして、そういう意味では、一般電気事業者に依存することなく自分の能力だけでその需要に対応できるという要件をまず課そうと思っております。
 それから、おっしゃるとおりいわゆるクリームスキミング論でございますけれども、あくまでもサブシステムとして認めるというのは、一般電気事業の需要者の利益を阻害するということを旨とするものではございませんし、むしろそれを助ける程度の役割という形で位置づけておりまして、したがいまして、一般電気事業者の電気の需要者の利益を阻害するというようなケースにつきましては、まず事業許可の段階におきましてこれを審査した上で、そういう事態になるおそれがある場合には許可しないという制度設計にいたしたいと思っておるわけでございます。
 したがいまして、こういった制度設計によりまして、特定電気事業者の事業実施によりまして一般電気事業者の需要家が悪影響を受ける、電気の料金が高くなるといったような弊害を生ずることがないように運用してまいりたいと思っております。
#170
○市川正一君 もう一点なんですが、この一般電気事業者は特定供給事業者との間で補完供給契約を結ばなきゃならないことになっていますね。このことは、一般電気事業者は一義的には必ずしも供給義務がない地域であるにもかかわらず、特定供給事業者の設備の事故あるいは定期検査、こういうことに対応するために必要以上の予備的な供給力を常に保持していなければならないことになります。これも一般電気事業者にとってかなり大きな負担になると思うんですが、そういうコスト増によって一般消費者の電気料金が値上げされるというふうな問題は懸念されないんでしょうか、あり得ないんでしょうか。
#171
○政府委員(村田成二君) まず、先ほど申し上げましたように、特定電気事業者が原則一般電気事業者の力に依存して事業を行うということは認めないというのが基本鉄則でございます。
 ただし、御指摘のように、事故時あるいは定検時、この場合にはやはり電気の消費者の利益、さらには電気の供給システム全体の効率性ということを考えますと、一般電気事業者のバックアップをそういうケースに限って認めていくという方が一番バランスがよいだろうというのが私どもの判断でございます。ただし、その場合におきましても、おっしゃるように、一般電気事業の消費者、需要者の利益を阻害しないように適切な対価をちゃんと取る、適切な契約によってそういったバックアップを行っていくということが基本鉄則だと思っております。
#172
○市川正一君 私がこういう問題を出す根源には、今の料金制度のあり方、つまり必要な経費をすべて原価として積み上げていくいわゆる総括原価主義という料金制度のあり方と関連してくると思うんです。私は、これまでもこの点を本委員会でも指摘したところでありますが、今料金制度部会で検討を継続しておられるので、この問題に今直接入ることは控えたいと思います。改めて議論する機会を得たいと思っております。
 ただここでは、法案の中で負荷平準化の促進を目的として導入される選択約款制度について伺いたいんですが、片や従来の総括原価主義に基づいた供給約款がある、片や負荷平準化を目的とした選択約款制度がつくられる。この両者がいわば並立というか共存することに相なります。ということは、選択約款を利用できない一般消費者の料金が結果として高くなるおそれはないのか。
 この点で、私の質問の意味、大臣は御理解いただけましょうね、もう繰り返しませんが、ですから一般消費者には影響は与えないということをわかりやすく解明していただきたいんです。大臣でなくとも結構でございます。
#173
○政府委員(村田成二君) 今、先生御指摘の選択約款でございますけれども、現在類似のいろいろな契約、例えば需給調整契約、こういったものは、現在の供給規程という基本的な枠組みとともに、法律の二十一条ただし書きというのがございますが、特別に個々に契約を認可するという形で認められているわけでございます。少し表現を変えさせていただきますと、現在の総括原価主義のもとで特別に個別契約を認可するという形をとっておりますが、この個別契約の認可というのは、あくまでもこれによって、その契約によって軽減される負荷あるいはコスト、これに見合った、これもまた原価計算をした上での総括原価の広い意味の枠内での契約として認められているわけでございます。
 今回、それを届け出制に変えていく、そして名称が御指摘の選択約款と、こういうことになるわけでございますが、この選択約款も届け出制に変わりますけれども、法律上この選択約款の性格といたしまして、やはり具体的な原価に基づく負荷の軽減効果があること、それからまた結果として他の需要家の利益を損なうことがないことというのを届け出を認めていく基本的な要件といたしております。今申し上げましたような原価的な裏づけのない場合、あるいは他の需要家の利益を阻害する場合には、通産大臣がこの届け出について変更命令を行うという形で担保していくことになっております。
 長くなりましたけれども、結論的に申し上げれば、原価的な裏づけのあるものとして位置づけていく、したがって他の需要家には悪影響が及ばないようにまた制度運用をすると、こういうことでございます。
#174
○市川正一君 一般消費者には影響を与えないと。そこを言っていただけばわかった。
 というのは何でかというと、今検討中の料金制度部会の中間まとめを読みますと、「国民の理解を得られるよう料金の透明性に十分配慮する必要がある。」、こう述べられております。ですから、今述べられた観点をぜひ貫いていただきたいということを強く要請いたします。
 次に、今回の改正に関連して、昨年十二月の電力基本問題検討小委員会の中間報告を見ますと、「自ら経営効率化へ向けた努力を最大限払っていくことが必要不可欠」と、こう結んでいるんです。ところが、この経営の効率化という場合に、えてして経営陣が短絡的に問題にするのが人員削減の問題なんですね。現に東京電力も、規制緩和の流れに対応してコスト競争力を向上させるとして、三年間で本社の人員の三割に当たる一千人を削減する、こう発表しております。
 これが労働者にとっては長時間過密労働を強いることにならないのか、その結果一般消費者に対するサービスの低下、あるいは安全対策の手抜きにつながらないか、こういう問題に対する対策にはやっぱりきちっと臨む必要があると思うんですが、いかがでしょうか。
#175
○政府委員(川田洋輝君) 今回の電気事業法改正は、発電部門への新規参入の拡大、料金規制の改善、保安規制の合理化といったことなどを通じまして、電力供給システムの効率化を図って一般電気事業者の経営効率化を促すことがねらいでございます。
 こういう追求の一方で、御指摘のような需要家サービスの低下というようなことがあってはならない、好ましいことではないということは当然でございまして、そのような事態のないように私ども注視してまいりたいと思います。また、保安面につきましても、設置者の自己責任を重視する一方、大規模な発電・送電・変電設備などにつきましては引き続き国が検査などを行うこと、立入検査の弾力的かつ機動的な運用を図ることなどによりまして、国の直接的な関与は設置者の保安状況などに応じて重点的、機動的対応を図るということにいたしておりまして、保安レベルが低下するということにはしないようにしたいと考えております。
#176
○市川正一君 川田さん、その保安問題ですが、中間報告は確かに事故件数は減少し保安実績は向上していると言っておりますけれども、一九九二年の電気事故統計を見るとなお八千件の事故が発生しております。これは僕は軽視してはならぬと思うんです。数量的にとらえると同時に、事故の質も問題にしていく必要があると思うんです。この統計を見ていると、設備の製作や施工の不完全、保守の不完全などの事故が相変わらず起こっているようですが、こういう点について厳正な対応、指導を監督官庁としてやっておられるのかどうか。そこはどうですか。
#177
○政府委員(並木徹君) お答え申し上げます。
 委員の御指摘のとおり、事故等につきましては最近急激に減少はしておりますけれども、配電設備を中心といたしまして今御指摘のような依然として事故があることは事実でございます。
 今回の保安規制の合理化につきましては、一年有余でございますけれども電事審の保安問題小委員会の検討をいただきまして、材料、工法あるいは保護装置等の技術進歩によります設備の信頼の向上、保安実績の向上などの環境変化を踏まえたものでございます。
 したがいまして、保安レベルの維持というものを大前提といたしまして、電気工作物の設置者の自己責任を重視しつつ、大規模な発電・送電・変電設備につきましては引き続き国が検査などを行うこととしており、今後はまた立入検査の弾力的かつ機動的な運用、それから技術進歩に対応いたしました技術基準の速やかな対応、それからまた、今回新たに導入いたします電気工作物の設置者がみずから検査を行います定期自主検査制度におきましても、一定程度以上の事故が発生した電気工作物などにつきましては国が定期検査を行う制度とすることなどによりまして、検査などの国の規制は設置者の保安状況などに応じ重点的、機動的対応を図ることとしておりまして、保安レベルが低下することがないよう万全の運用を図る所存でございます。
#178
○市川正一君 読むだけじゃあきまへんので、阪神のあの大震災の被害から見ても、やっぱり抜本的な対応の検討、強化、きちっとこれに取り組んでいただきたいというふうに思います。
 それで、もう一点でありますが、発電部門への新規参入を意図する企業の中に、最近業界紙に掲載されているアンケート調査を見ますと、環境問題について総量規制枠の拡大など弾力的な対応を望む、こういうことで環境規制の緩和を要求する声がここに報道されております。しかし、新規参入のための発電施設は、人口の密集した市街地あるいはそこに近接して建設される可能性が非常に強い。また、燃料も石炭を主流に、重油や生産工程から出る副産物が使用されることになることから見ても、定められた環境規制は厳格に守るように通産省としても指導を強められるべきだと思いますが、所見を承りたい。
#179
○政府委員(川田洋輝君) 通産省におきましては、従来から電気事業法に基づきます発電所の工事計画の審査におきまして、技術基準に示されておる審査基準に照らして大気、騒音、振動の審査を行っているところであります。これらの環境関係の基準につきましては、大気汚染防止法などの環境関連法令との整合性をとっておるところでございまして、今回の制度改正において緩和するものではございません。新規参入者に対しましても一般電気事業者と同様適切に審査を行ってまいりたいというように考えております。
#180
○市川正一君 ここらで大臣、一言、今のそのとおりとぐらい言うといてもらわぬと、出番おまへんで、ちょっと大臣。
#181
○国務大臣(橋本龍太郎君) 最後まで出番のないことを期待しておりましたが、先ほど来事務当局の答弁しておるとおりであります。
#182
○市川正一君 時間が迫ってまいりましたので、石油関係法について若干伺います。
 特石法の廃止について提案理由の説明では、「国内石油製品市場に輸入品との競争による市場原理を一層導入」すると、こう述べております。これを国民生活の立場から見れば、海外から輸入された低価格の石油製品が国内市場に供給され、国内の石油精製・元売会社もこれに対応して石油製品の価格を引き下げることだと思うのでありますが、特石法の廃止はこうした国民の期待どおりに国内の石油製品価格を引き下げることになると思うんですが、間違いございませんね。
#183
○国務大臣(橋本龍太郎君) 特石法が廃止をされますとガソリンなどの輸入主体の限定がなくなります。そして、安定供給のための備蓄の責務と品質管理の責務を果たせばだれでもガソリン等の輸入ができるようになるわけでありますから、国内石油製品市場に国産品と輸入品との競争による市場原理は一層導入されることになりまして、基本的な方向としてはガソリン価格は低下に向かう可能性が強い、高いと予想されます。
#184
○市川正一君 高いと強いと両方でおっしゃったので、非常に意を強くいたしました。
#185
○国務大臣(橋本龍太郎君) ただし、予想とも申し上げております。
#186
○市川正一君 この特石法の廃止及び改正揮販法による指定地区制度の廃止は石油流通業界の競争を激しくすることになると思うんですが、しかし同時に、ここ数年間の給油所の統計を見ると給油所の数は一貫してふえている。と同時に、揮発油事業者の数は一貫してまた減少している。これは石油元売会社による系列化の促進が進んでいること示しているものでもありますが、こうした状況は今度の法改正を契機に促進されるのか、それとも法改正があってもなくても現状は変わらないのか。この現象を今後どういうふうに考えていらっしゃいますか。
#187
○政府委員(川田洋輝君) 今回の制度改正は、石油流通における市場原理を一層導入いたしまして、流通効率化を進めることによって石油製品の価格水準及び価格体系の国際化を図るということを目的とするものでございます。
 この過程におきましては、石油製品販売業界における競争というものは促進されるということに相なろうかと思います。販売業者の合理化、集約化への圧力というのは高まることも予想されるわけでございます。他方、この環境変化は、販売業界にとりましては製品輸入の自由化による供給ソースの多様化など経営努力の幅を拡大するものでもあると考えております。したがって、それぞれの各販売業者がこの環境変化を前向きにとらえていただいて、消費者ニーズを的確に把握し、みずからの創意と工夫によって経営基盤の強化に努めていただくということが重要であると考えております。
 通産省といたしましても、従来から石油製品販売業界を中小企業近代化促進法の特定業種として指定をさせていただきまして、設備近代化あるいは共同事業などの構造改善事業に対する助成を行うなど販売業者の体質強化に努めてまいっているところであります。
 これに加えまして、今後それぞれの石油製品販売業界が、先ほど申しました環境変化に対応してさらなる発展を期すために、石油流通効率化ビジョン研究会を開催し、例えばサービスステーションがその立地条件、顧客の特性などを活用して環境変化に柔軟に対応するための方策、またそれを支援するための行政としての対応策などを検討しているところでございまして、私どもとしては、こういった検討の結果を踏まえ、事業者の方々の御意見も伺いながら、サービスステーション設備の近代化、多角化など経営基盤の強化に対する支援及び必要に応じて事業転換に対する支援などを充実してまいりたいと考えております。
#188
○市川正一君 最後に、もう時間が参りましたのでちょうど結びの質問に入ります。
 川田さんがおっしゃったように、確かに揮発油販売業界というのは一社一店舗が七五%あるんです。非常に零細性が強く、また過当競争が激しくて四〇%以上の業者が赤字になっています。今後とも業者の整理統合、転業あるいは廃業、これが進むことが予想されます。
 今幾つかおっしゃったんだけれども、こういう撤退していく業者に対して、例えば元売企業に対してしかるべき方策を提起するとかいう対策を積極的に手を打つ必要があるというふうに思うのでありますが、その点、もう一度重ねて決意のほどを承って、私の質問を終わります。
#189
○政府委員(一柳良雄君) 元売の企業におきましても直面する環境はやはり厳しくなってくるものだと同時に予想しておりますが、我々通産省サイドといたしましては、先ほど先生が御指摘されました販売業者の方が今後どういうふうにこの環境変化の中で対応されるか。その中には、恐らく元売とさらに緊密な関係を持って一緒にやっていこうという方、あるいはまた別途新しい供給源である輸入石油製品を自分らの供給ソースとしてまた新たなビジネスを展開したいと思う方もいらっしゃいますし、あるいは場合によっては統合なり集約化するということで合併される人もいらっしゃるでしょうし、場合によっては異業種に進出していこうという方もいらっしゃると思いますし、また場合によっては廃業を考えられる人もいるかもしれません。
 そういうふうな直面する状況で、どういうふうに我々今後とも対応を充実していくべきか、まさに今議論しておるところでございますが、できるだけそういういろいろな元売の努力あるいは販売業者の方々の努力、それに対して我々支援していくような方向で検討していきたいと思っております。
#190
○市川正一君 終わります。
    ―――――――――――――
#191
○委員長(久世公堯君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 前田勲男君が委員を辞任され、その補欠として岡利定君が選任されました。
    ―――――――――――――
#192
○委員長(久世公堯君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 これより両案の討論に入ります。――別に御意見もないようですから、これより直ちに両案の採決に入ります。
 まず、石油製品の安定的かつ効率的な供給の確保のための関係法律の整備等に関する法律案について採決を行います。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#193
○委員長(久世公堯君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 梶原敬義君から発言を求められておりますので、これを許します。梶原君。
#194
○梶原敬義君 私は、ただいま可決されました石油製品の安定的かつ効率的な供給の確保のための関係法律の整備等に関する法律案に対し、自由民主党、日本社会党・護憲民主連合、平成会及び新緑風会の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    石油製品の安定的かつ効率的な供給の確
    保のための関係法律の整備等に関する法
    律案に対する附帯決議(案)
  政府は、本法施行に当たり、次の諸点につい
 て適切な措置を講ずべきである。
 一 我が国石油製品市場の国際化と国内流通の
  効率化の促進により、市場原理を通じて石油
  製品価格の適正化、内外価格差の是正が図ら
  れるよう留意すること。また、石油産業にか
  かる物流、保安等の一層の規制緩和について
  も幅広く検討すること。
 二 小規模給油所の経営効率化・体質強化を図
  るための構造改善事業等を強力に推進すると
  ともに、転廃業に伴う相談事業等の対策の充
  実強化を図ること。
   また、石油産業における規制緩和に伴う企
  業再編や合理化等の実施が、石油産業労働者
  の雇用及び労働条件の悪化を招くことのない
  よう十分配慮すること。
 三 不良揮発油等の流通を誘発することのない
  よう、品質の管理制度の実効性を確保するこ
  と。
 四 国家石油備蓄目標の達成を図る等、石油備
  蓄の一層の充実に努めること。
  右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
#195
○委員長(久世公堯君) ただいま梶原君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#196
○委員長(久世公堯君) 多数と認めます。よって、梶原君提出の附帯決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、橋本通商産業大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。橋本通商産業大臣。
#197
○国務大臣(橋本龍太郎君) ただいま御決議のありました附帯決議につきましては、その趣旨を尊重し、法案の適切な実施に努めてまいる所存であります。
#198
○委員長(久世公堯君) 次に、電気事業法の一部を改正する法律案について採決を行います。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#199
○委員長(久世公堯君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 長谷川清君から発言を求められておりますので、これを許します。長谷川君。
#200
○長谷川清君 私は、ただいま可決されました電気事業法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、日本社会党・護憲民主連合、平成会及び新緑風会の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    電気事業法の一部を改正する法律案に対
    する附帯決議(案)
  政府は、本法施行に当たり、制度改革が真に
 実効性のあるものとなるよう積極的に取り組む
 とともに、特に次の諸点について適切な措置を
 講ずべきである。
 一 電気が国民生活及び産業活動を支える重要
  なエネルギーであることにかんがみ、今後と
  も良質で低廉な電力の安定供給の確保に努め
  ること。こうした点を踏まえ、新電気料金制
  度の策定に当たっては、電気事業者の生産性
  向上意欲を極力引き出せるよう指標の設定等
  を行うこと。また、電気事業を支える人材の
  確保・雇用の安定に配慮しつつ、各種の合理
  化・効率化や技術開発への積極的な取組みを
  促進すること。
 二 各種電源の持つ環境特性や経済性、立地バ
  ランス、需要動向などを考慮して、分散型電
  源の活用促進等の具体的施策を行いつつ、最
  道かつ柔軟な電源構成の確立を目指すこと。
  なお、分散型電源の導入に当たっては、環境
  への影響について十分配慮すること。
 三 負荷平準化を更に進めるため、需給調整契
  約等料金面からのピーク需要移行対策を有効
  に活用しつつ、負荷移行機器の更なる開発・
  導入に積極的に取り組むこと。また、夏季
  ピーク時の需要抑制について国民の理解と協
  力が得られるよう情報提供等に努めること。
 四 保安実績を踏まえつつ今後とも保安規制の
  機動的な見直しを図るとともに、保安規制に
  おける許認可の削減等行政改革の実効が十分
  確保されるよう新制度の運用に取り組むこ
  と。
   なお、今回の阪神・淡路大震災の経験を踏
  まえ、ライフラインである電力供給の確保を
  図るための耐震対策の在り方について検討を
  進めること。
 五 需要家に対する公平・公正が損なわれるこ
  とのないよう新制度を適切に運用すること。
  特に島嶼部を主たる供給区域とする電力会社
  に対しては、その特殊性を十分配慮するこ
  と。
  右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ委員各位の御賛同をよろしくお願いいたします。
#201
○委員長(久世公堯君) ただいま長谷川君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#202
○委員長(久世公堯君) 全会一致と認めます。よって、長谷川君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、橋本通商産業大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。橋本通商産業大臣。
#203
○国務大臣(橋本龍太郎君) ただいま御決議のありました附帯決議につきましては、その趣旨を尊重し、法案の適切な実施に努めてまいる所存であります。
 ありがとうございました。
#204
○委員長(久世公堯君) なお、両案の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#205
○委員長(久世公堯君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後五時三分散会
ソース: 国立国会図書館
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