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1995/06/08 第132回国会 参議院 参議院会議録情報 第132回国会 商工委員会 第12号
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1995/06/08 第132回国会 参議院

参議院会議録情報 第132回国会 商工委員会 第12号

#1
第132回国会 商工委員会 第12号
平成七年六月八日(木曜日)
   午前十時開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 六月七日
    辞任         補欠選任
     村田 誠醇君     上野 雄文君
     山本 正和君     川橋 幸子君
     木暮 山人君     井上  計君
 六月八日
    辞任         補欠選任
     下条進一郎君     河本 三郎君
     野間  赳君     南野知惠子君
     山下 栄一君     風間  昶君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         久世 公堯君
    理 事
                沓掛 哲男君
                吉村剛太郎君
                藁科 滿治君
                長谷川 清君
    委 員
                笠原 潤一君
                倉田 寛之君
                河本 三郎君
                中曽根弘文君
                南野知惠子君
                穐山  篤君
                上野 雄文君
                及川 一夫君
                川橋 幸子君
                井上  計君
                牛嶋  正君
                風間  昶君
                小島 慶三君
                市川 正一君
   国務大臣
       通商産業大臣   橋本龍太郎君
   政府委員
       厚生省生活衛生
       局長       小林 秀資君
       厚生省生活衛生
       局水道環境部長  藤原 正弘君
       農林水産省経済
       局長       東  久雄君
       農林水産省食品
       流通局長     鈴木 久司君
       通商産業大臣官
       房長       中川 勝弘君
       通商産業大臣官
       房総務審議官   林  康夫君
       通商産業大臣官
       房審議官     太田信一郎君
       通商産業大臣官
       房審議官     中島 邦雄君
       通商産業省環境
       立地局長     齊藤 眞人君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        里田 武臣君
   説明員
       科学技術庁原子
       力局核燃料課原
       子力バックエン
       ド推進室長    加藤 重治君
       環境庁企画調整
       局企画調整課長  金井 照久君
       文部省初等中等
       教育局中学校課
       長        石川  明君
       自治省財政局調
       整室長      岡本  保君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
○容器包装に係る分別収集及び再商品化の促進等
 に関する法律案(内閣提出、衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(久世公堯君) ただいまから商工委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 昨七日、木暮山人君、村田誠醇君及び山本正和君が委員を辞任され、その補欠として井上計君、上野雄文君及び川橋幸子君がそれぞれ選任されました。
 また、本日、山下栄一君及び野間赳君が委員を辞任され、その補欠として風間昶君及び南野知惠子君がそれぞれ選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(久世公堯君) 容器包装に係る分別収集及び再商品化の促進等に関する法律案を議題といたします。
 これより質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#4
○吉村剛太郎君 おはようございます。
 通産大臣におかれましては、昨日は体調を崩されたということでございます。きょうはお元気に御出席でございますが、どうか政務多忙の折、十分にお体に気をつけられまして、これから国家と我々日本国民のために大いに活躍をお願いしたい、このように思う次第でございます。心からお見舞いを申し上げる次第でございます。
 さて、論議を重ねてまいりました容器包装に係る法案も最終局面に至ったなと、このように感じておる次第でございます。
 振り返ってみますと、私自身が子供のころなどは、母親やまたその当時の主婦の方々は必ず買い物かご、買い物袋を持って買い物に行かれ、そして野菜とかいろいろな物を買ってかごに詰めて帰ってこられておったわけでございますが、今日ではそのような光景もほとんど見られない。もうスーパーに行けばすべてが包装されておるし、それを買ってまとめてまたビニール袋に入れて持って帰ってくるというようなことでございます。当然中身を使えば捨てていくというようなことでございますから、まさに大量生産・大量消費・大量使い捨ての時代だな、このように思っておる次第でございます。
 毎日、私も六紙から七紙の新聞をとっておりますが、新聞のページ数もその当時に比べると相当ふえたなと。また、中に入ってまいりますチラシの量といいますものはこれはもう膨大なもので、各紙同じものが大量に入っておりますから、あっという間にたまってしまう。これもほとんど見ることなく捨てていくというような今日でございます。
 これをどうするかというようなことから、今回のこの容器包装に係る法案によりまして、何とか再生産、リサイクルの方向に持っていき、これが地球環境に、また資源の有効利用につながってくるということでございます。まさにある意味では画期的な発想のもとの法案だ、このように思っておりますし、ずっと今日までの論議の経緯を見ましても、各党の皆様方に小さな意見の食い違いはございますが、方向としては皆さん前向きの御意見をお持ちのようだと、このように思う次第でございます。
 そういう中で、今回は容器包装廃棄物に限った法案でございますが、この法案についてはまだ御質問もさせていただきたいと思っておりますが、今回の容器包装廃棄物以外の廃棄物、いろいろございますが、それの処理の現状についてお聞きしたい、それも具体的にお聞きしたい、このように思う次第でございます。
 その中で、例えば冷蔵庫、これはフロンも含んでおりますが、冷蔵庫、車両、それからタイヤ、テレビ、マット、こういうものは非常に再生産がしがたい、また処理がしにくいものでございます。そういうものについての処理の現状、また医療廃棄物、それからし尿、そして若干そういうものと性質を異にいたしますが、放射性廃棄物についての処理の現状について、個々に今挙げました項目ごとに御答弁をお願いしたい、このように思います。
#5
○政府委員(藤原正弘君) 委員の御質問のそれぞれの廃棄物につきまして順次御説明を申し上げたいと思います。
 まず、し尿につきましてでございますが、我が国のし尿処理は、水洗便所によるもの、くみ取り及び自家処理に分けられるわけでございます。くみ取り収集を行っております人口は約三千九百万人、全人口の約三二%であり、約二千三百万キロリットルがくみ取り収集され、施設で処理されております。今後、便所の水洗化と生活雑排水の適正な処理を促進するため、合併処理浄化槽の普及促進を積極的に図ってまいりたいと考えております。
 次に、廃自動車についてでございますが、平成四年度で約五百二十万台発生しておりまして、解体業者が金属回収などのリサイクルを行っております。近年問題となっております路上放棄車につきましては、平成三年より自動車業界四団体による路上放棄車処理協力会が市町村が負担した費用に見合う寄附を行っております。
 廃タイヤについてでございますが、平成五年で約八十三万トンが発生しておりまして、四割強が再生タイヤの原料等として、また約五割がセメント製造業者等において燃料として利用されております。
 廃テレビは毎年約五百万台発生しておりまして、そのほとんどが販売店によって回収され、シュレッダー業者等が金属類などを選別、売却しております。
 それから、廃スプリング入りマットレスの排出量でございますが、これは把握が難しいわけでございます。ベッドは生産量でいいますと年間約二百万台が生産されております。この廃棄量につきましては、統計や推計がないので不明でございます。
 また、廃タイヤ、廃大型テレビ、それから大型の廃冷蔵庫、廃スプリング入りマットレスなどにつきましては、平成六年の三月に廃棄物処理法第六条の三の規定に基づく指定一般廃棄物の指定を行ったところであります。関係業界に販売店での引き取りなどの協力を行っていただくこととしております。
 廃乾電池につきましては、平成四年六月現在で全市町村の六割、約千九百市町村で分別回収が行われ、水銀回収工場で処理、処分されております。また近年、水銀を使用していない乾電池が開発され普及してきておりまして、こういうものについては水銀を回収する必要がなくなっております。
 医療機関等から排出されるいわゆる医療廃棄物の排出量は、平成三年で約七十万トンであります。このうち約八万トンが感染性廃棄物と推定されております。これらの医療廃棄物につきましては、排出事業者である医療機関等がみずから処理を行うか、または廃棄物処理業者へ委託処理が行われております。特に、感染性廃棄物につきましては、特別管理廃棄物として厳重な処理が義務づけられておる、こういう状況でございます。
#6
○説明員(加藤重治君) 放射性廃棄物について御説明申し上げます。
 放射性廃棄物は、大きく分けまして低レベル放射性廃棄物、高レベル放射性廃棄物というふうに分けられます。前者の放射能濃度が低い低レベル放射性廃棄物でございますが、これは原子力発電所、それから原子力発電所の核燃料を処理いたします核燃料サイクル施設、こういったところで廃液でございますとか作業衣、手袋などといった形で発生してございます。それから一方、放射能濃度が高い高レベル放射性廃棄物でございますが、これは使用済み燃料を再処理いたしまして、ウラン、プルトニウムを回収した後に残る核分裂生成物を主成分とする廃棄物でございまして、これは再処理工場から発生するものでございます。
 このような原子力の利用に伴って生じます放射性廃棄物の処理、処分の責任ということにつきましては、発生した事業者がみずからの責任において処理、処分するということが基本でございます。一方、国といたしましては処分方策を総合的に策定する、あるいは処分の安全性を確保するといった役割を果たしてまいるということになってございます。
 これらの放射性廃棄物の処理、処分の安全規制でございますが、これは一般の廃棄物とは区別されておりまして、いわゆる原子炉等規制法によって厳格な安全規制が適用されておるところでございます。
 処理、処分の状況を若干具体的に申し上げますと、低レベル放射性廃棄物につきましては、これを濃縮したり、あるいは焼却したりしてドラム缶にセメントなどで固化するという安定な形態にした後、陸地に埋設処分するということにしてございます。原子力発電所で発生しております低レベル放射性廃棄物につきましては、日本原燃株式会社が平成四年十二月から青森県六ケ所村におきまして、この陸地埋設処分を進めておるところでございます。このような活動が原子炉等規制法に基づいて規制されておるわけでございまして、平成七年五月末現在で、約二百リットルのドラム缶にいたしまして約五万二千本が既にその施設に受け入れられておるという状況でございます。
 一方、再処理で出てまいります高レベル放射性廃棄物でございますが、これはガラスの中にその成分を溶かし込みまして、ステンレスの容器に詰めて固化いたしまして安定な形態にいたしまして、これを冷却のために三十年から五十年程度貯蔵いたしまして、その後、地下の深い地層中に処分いたして長期間にわたって人間の生活圏から隔離するという方針で臨んでございます。現在、この方針に従いまして処分を実施するために、動燃事業団を中核といたしまして研究開発を実施する一方、二〇〇〇年を目安に高レベル放射性廃棄物の処分事業の実施主体をつくるということで、現在、鋭意その準備を進めておる状況でございます。処分場の操業開始は二〇三〇年から四〇年代半ばということが原子力委員会の長期計画で目途とされておるところでございます。
#7
○政府委員(中島邦雄君) 特定フロンについてお答え申し上げます。
 特定フロン、オゾン層を破壊すると言われておりますが、この特定フロンにつきましては九五年、ことしの年末にその生産を中止するということで、基本的に来年以降は新しい特定フロンはできないということでございます。
 次に、現在使われておりますこういった特定フロンの回収とか再利用の状況でございますが、これはいろいろ多方面に使われております。したがいまして、製品別あるいは用途別と申しましょうか、そういったところでいろいろ対応が図られておりますが、例えばカーエアコンについて申し上げますと、全国に約二万台の回収装置、こういったものを設けまして、整備工場を中心といたしまして、そういったところでカーエアコンに使われておりました特定フロンの回収あるいは再利用ということで対応を図っております。
 それから、業務用の冷媒でございますが、これは日本冷凍空調工業会、こういった業界団体が中心となりまして冷媒フロン再生センターというのを設置いたしまして、ここで回収あるいはその再利用といったことを図っております。
 それから、一般の家庭で使っております電気冷蔵庫の冷媒でございますが、これは東京都あるいは神奈川県のような一部の自治体で回収をしております。同時に、各メーカーのサービスステーション、こういったところで回収装置を設置いたしまして廃冷蔵庫あるいは修理のときの冷媒、特定フロンを回収する、そういった方向で取り組んでおりますが、さらにこういったものの啓蒙普及、処理技術の開発、こういったものに努めていきたい、そういうふうに考えております。
#8
○吉村剛太郎君 今回は容器包装に限った法案でございますから、今お尋ねしましたようなことについてはこれ以上の質問はいたしませんが、ちょっとその中で、冷蔵庫、テレビ、これは業者が回収して、冷蔵庫であればフロンを業者が回収して、その残りはどういう処理になっておりますか、いわゆる本体の方の処理は。車とか、業者が回収するんでしょう。そして、冷蔵庫であればフロンを抜いてフロンの業者がまた回収すると今お聞きしましたが、その本体の方は最終的にどうなるんですか。
#9
○政府委員(藤原正弘君) 廃家電と言われる冷蔵庫だとかテレビだとか、こういうふうなものは事業者が回収をしまして、そして一般にはその事業者がまた専門のシュレッダー業者という業者に委託をしまして、細かく砕くといいますかシュレッダーにかけるわけであります。そして、それは金属類だとかプラスチックだとかというふうに分かれますので、リサイクルできるものはリサイクルし、最後どうしても使えないもの、これは最終処分する、こういうふうなやり方がなされております。
#10
○吉村剛太郎君 はい、わかりました。
 いずれにしましても、容器包装以外のそういうものについてのリサイクル、処理についてはまだ別途大いに検討しなければならないな、このように思う次第でございます。
 さて、人類の共通の財産でございますこの我々が住みます地球、その地球の環境が我々の生活の中から廃棄されるそのような廃棄物によって大変汚染をされておる。我々は当然次の世代にきれいな地球を残していかなければならないわけでございます。そういう中で、やはり基本的にはそういう環境に対するモラルというものの育成が大変重要ではないか、特に子供のころから地球というのはこういうものだというようなモラル教育というものが大変必要ではないか、こう感じる次第でございまして、当然学校現場におきましても小学校のころからいろいろと教育もされておるだろう、このように思う次第でございます。
 そういう面から、いわゆる環境に対する学校教育、また環境に対する社会教育、その点についてどのような現状になっておるか、また将来的にさらに突き進んだ環境教育といいますものを考えておられるかどうか、その点についてお聞きしたいと思います。
#11
○説明員(石川明君) 御説明を申し上げます。
 環境問題は大変重要な課題でございまして、二十一世紀に生きる児童生徒に正しい理解を深めさせ、責任ある行動がとれるようにすることが大変大切であると考えております。
 このような観点から、学校教育におきましても、従来から小学校、中学校、高等学校を通じまして児童生徒の発達段階に応じて社会科とか理科とか、そういった教科等を中心に指導をしているところでございます。また、各学校が教育課程を編成する際の基準となります現行の学習指導要領、この中におきましても、これらの問題の重要性にかんがみまして環境にかかわる内客の一層の充実を図っているところでございます。例えば、小学校におきましては社会科の第五学年で、森林資源が大切であるということに気づくようにさせるとともに、国民一人一人の協力が大事だというような内容を盛り込んでおります。
 また、文部省の方におきましては、学校における環境教育の推進を図るために教師用の指導資料といたしまして、中学校・高等学校編あるいは小学校編といったようなものを作成して各学校に配付しております。さらに学校、家庭、地域が一体となって環境教育の推進に取り組むといったモデル市町村を指定するというような事業も行っておりますし、また環境教育の理解を深めるという観点から、平成六年度から環境教育フェアというような全国的な催しもやっておるところでございます。さらに教員の資質向上を図るという観点からの研修事業も充実をしておるという現状でございます。
 今後とも、このような諸施策を通じまして、学校あるいは社会における環境教育の一層の充実を図ってまいりたい、このように考えておるところでございます。
#12
○説明員(金井照久君) ごみ問題を初めといたします今日の環境問題、これを解決するためには、先生の御指摘のとおり、まず環境教育、環境学習を推進することによりまして子供のときから地球に生きる人間としてのモラルを養うことが肝要かと考えております。
 環境庁といたしましては、図で見る環境白書等を刊行いたしますとともに、学校における副教材として環境シリーズパンフレット、これらを作成するなど、さまざまな媒体を通じまして環境意識の高揚、取り組みの促進を図っているところでございます。
 また、環境基本法におきまして、六月五日を環境の日として定めておりまして、環境庁では関係省庁それから地方自治体等の協力をいただきまして、この六月を環境月間といたしまして環境教育、環境学習のためのさまぎまな行事を進めているところでございます。
 さらに、環境への取り組みを進めますためには、将来を担います子供たちの役割が極めて重要であると。このため環境庁では、この六月から全国の小中学生、地域の中でこどもエコクラブを設立するように呼びかけておりまして、去る六月五日の環境の日にはこのこどもエコクラブの発足式を開催いたしたところでございます。
 今後、こどもエコクラブを大きく育てるなどによりまして、子供のころからのモラルの高揚、取り組みの促進を図るとともに、これらを通じましてリサイクルの促進を図ってまいりたい、このように考えております。
#13
○吉村剛太郎君 わかりました。
 そういうものの上に立って、今回のリサイクル法のフレームでございますが、これは分別収集が一つの命だな、このように思っております。その分別収集の前に、分別排出、これなくしてこのスキームは成り立たない、こう思うわけでございますが、いずれにしましてもこのスキームの最終的な負担は消費者が負うわけでございます。ただし、その消費者のメリットとしては、地球環境が保たれるという形になるんであろう、このように思う次第でございます。
 したがいまして、今もろもろの学校教育、社会教育によりましてアップされたモラルによって住民がこの分別排出といいますものに協力もし、ある意味ではいずれは自分のメリットとして返ってくるんだという図式になっておるんだろう、このように思う次第でございます。これはモラル面での問題が大変大切なことであろう、このように思いますが、ここにはインセンティブは何もないわけですね。要するに、住民のいわゆるモラルに頼るということだけになっておるような感じがいたしますが、その辺はどうお考えでしょうか。
#14
○政府委員(藤原正弘君) 本法案による新たなリサイクルシステムは、消費者、市町村、事業者の三者による役割分担を基本としておるわけであります。消費者の側におきましても、分別排出の徹底やリターナブル容器の積極的使用、買い物袋の持参など、容器包装の過剰使用の抑制による廃棄物の排出抑制、再生品の積極的な使用などの役割を果たしていただくことが重要だと考えております。
 厚生省といたしましても、本法案の施行に際しまして、消費者、市町村、事業者の三者の役割分担という法律のこの趣旨、また消費者の果たすべき役割につきまして、政府広報を初め、消費者、事業者、行政が一体となって展開するごみ減量化推進国民会議というものがありますが、こういうものを開催したり、廃棄物減量等推進員などの地域ボランティアを通じた啓発普及活動、そのほか物を大切にする意識を高めるための市民参加型のリサイクルプラザなどの施設整備を行う、こういうふうなことによりまして国民のごみ減量化に向けた意識啓発に努めてまいりたいというふうなことを考えております。
 なお、委員御指摘のインセンティブが働かないんじゃないかというふうな御質問に関しましては、本法案におきまして、住民が分別排出を適正に行うことを促進するための方策の一つとしまして、手数料を徴収する場合に廃棄物の排出量に応じた徴収の仕方を定めることを例示しておるところであります。市町村において地域の実情に応じた適切な判断が行われるということでそれが少し促進されるんじゃないか、こういうふうに考えております。
#15
○吉村剛太郎君 いずれにしましても、これは住民の高いモラルがバックボーンとなる、このように思うところでございますが、このスキームが円滑に運営されるためにもこれは段階段階でいろいろと重要なポイントがあろうかと思います。再商品化事業者、ここが最終的にリサイクル商品、製品をつくり出すわけでございますが、当然需要がなければならないし、またそのためにはコスト的に見合うものでなければならない、このようにも思う次第でございます。
 今日までの質疑の中で、コストを下げるにはやはり最終的にはスケールメリットが一つの大きなポイントになるというような大臣の御答弁も先般からあったわけでございます。それはもう当然だろう、このように思う次第でございますが、このスキームは、一方ではごみの減量化、ごみを少なくしていくという目的があるんですね。産業としてはスケールメリットを追っていく。しかし、そのスケールメリットを追っていくその最終目的は、ごみの減量化ということでスケールをダウンさせていく、ごみの量をダウンさせていくという皮肉な宿命を持っておるんじゃないかなと実は私は思うんです。
 これは要するに、最終目的は過剰なごみを少なくしていくということにあるわけでございますが、ある時期は廃棄物が多い方が事業としてスケールメリットを追えるという大変皮肉な宿命を負ったスキームだな、こんな感じがするわけでございますが、この件についてのお考えをお聞かせいただきたい、このように思います。
#16
○国務大臣(橋本龍太郎君) 答弁申し上げます前に、鬼の霍乱で昨日一日審議を休みまして大変申しわけありませんでした。おかげさまでどうやら回復をいたしました。
 今、吉村委員から御指摘のありました点は、一つの問題点として私どもも意識しなかったわけではありません。しかし、これは事務方の諸君が大変精緻な議論を書いてくれましたけれども、率直に申しましてそういう事態は残念ながら余り起こらないのではないだろうか。なぜなら、その容器包装というものの必要性は将来ともに商品の流通が行われる限りあるわけです。そうしますと、確かにスケールメリット、そうした問題点が存在することは事実でありますが、容器包装そのものの量というものは本質的にはそれほど大きく減少するものではない。ただその中で、より再商品化しやすいもの、よりコスト的に安価なもの、そうした方向に全体は移行していくであろう。これは最終的に最終処分地を必要とするような廃棄物の量を減少させていく、この部分はゼロになっていくことを我々は本当に期待をいたします。
 言いかえるならば、容器包装のリサイクルというものがそのシステムの中で完全に機能し、むしろ再商品化可能な容器包装というものが定着をしていけば、私は非常に大きな効果を上げてまいると思いますし、その意味においてこの業というものは存続し得るもの。むしろ過渡期において、我々は実は、できるだけ安価な再商品化の可能な製品がどの程度いつの時期に世の中に提供されていくであろうか、こうしたことの方にむしろ不安を持っているというのが率直な状況であります。
 私は、むしろ今委員が御指摘になりましたような事態が起これば、これは一つの大きな成果でありますし、その場合においてその業に対する支えというもの、これは我々として工夫をしなければなりません。しかし、大きな目で見ましたときに、容器包装というものは将来ともに製品が流通するプロセスにおいて必要なものであるとするならば、それが完全にリサイクルの形態に乗り得るような素材が開発をされ、システムとしてこれが完全に動いていくことがベストの状態と、私はそのように考えています。
#17
○吉村剛太郎君 いずれにしましても、当スキームの特徴は、このサイクルの中に経済性があるというのが一つの特徴だな、このように思っております。そのためには、先ほどから申しましたように、スケールメリットというようなものも一つの大きな要素であるが、皮肉なことに目的はスケールダウンの方に持っていかなければならないという、スタート時点である意味ではいろいろな宿命を抱えたスキームだと、このように思っております。
 私は、これは画期的な法案でございますし、これを早く施行していって少しでも地球環境に協力でき、またリサイクルといいますものが有効に活用される、そのような社会の実現を切に望む次第でございます。今後これが運用されていく中でやはりもろもろの問題といいますものが出てくるであろう、このように思っておりますが、その都度これは英知を絞って人類共通の課題、国民共通の課題として解決していかなければならない問題であろう、このように思う次第でございます。
 その中で、もう時間が余りありませんのでちょっといろいろの段階は飛ばしていきまして、一つだけ。
 今日、再商品化事業をするに当たりまして、一方では特定事業者が再商品化事業者に委託するという形と、もう一つは指定法人が手配をするという形があるわけでございますが、おおむねこれは指定法人の役割というのが大変大きなものになってくるんではないか、このように推測もしておるところでございます。そういう中で、この指定法人の、ちょっと私自身がイメージとしてまだはっきりこないんですね、指定法人といいますものの姿というのがイメージとしてちょっとはっきりこないんですが、概略、例示も含めて御説明いただければ、そしてその役割と重要性、そういうものを御説明いただければと、このように思います。
#18
○政府委員(太田信一郎君) お答え申し上げます。
 本法案におきましては、容器の中身事業者及び容器メーカー、特定事業者の数は中小企業の義務猶予が解除された時点で恐らく十九万事業者になるかと思います。当然のことながら、そういう特定事業者がみずから再商品化事業を実施することも予想されるわけでございますが、多くの中小企業者が、多分十九万事業者のうち九八%ぐらいが中小企業者ということで、そういう中小企業者にとっては再商品化事業者に対するアクセスというものも非常に難しいかと思います。
 そういう中小企業者を中心とした特定事業者にとって、義務履行をかわって行う法人がぜひとも必要ではないかということで指定法人の制度を設けさせていただいたわけでございます。義務対象事業者にとってみれば、わざわざ専門的な企業を見つけ出したりせずに、指定法人に委託すれば直ちに義務履行を果たしたということになれば極めて便利なものとなるというふうに考えております。
 具体的業務としては、指定法人としては地域の実情にきめ細かく応じつつ、再商品化事業者が必要とする広域性、効率性を確保するよう義務対象事業者から委託を受けるわけでございますが、その委託を受けた者は、競争入札によって再商品化事業者に委託をするということによって再商品化を実施することになるかと思います。競争入札に当たっては、全国の再商品化事業者に情報を提供して希望する者に入札に応じていただくということになるかと思います。
 ただ、この指定法人自身は国がつくるものではございません。民法三十四条の公益法人ということで、民間の発意により設立された法人の申請により国がこれを指定することになっております。したがいまして、義務履行代行機関ではございますが、その業務のほかに、例えば再商品化事業の動向等に関する調査、情報収集等の業務もあわせ付随的に行うことも予想されますが、いずれにしても、そういう業務の内容あるいは組織のあり方等については、民間の発意により設立される法人でございますから、その内部で決定されるものと考えております。
#19
○吉村剛太郎君 大体そこまでは私もわかっておったんですけれども、もう時間がございませんので質問を終わらせていただきますが、いずれにしましても、このスキームを円滑に運用するためには、やはり消費者、特定事業者、リサイクル業者、また自治体、それぞれがそれぞれの役割を本当に果たしていかなければこのスキームというものは成り立たない、このように思うわけでございます。我々せっかくここまで論議を重ねてきたわけでございますから、これからこのスキームがうまく運用されるように温かく見守っていきたい、このように思います。
 以上で質問を終わらせていただきます。どうもありがとうございました。
#20
○上野雄文君 どうも御苦労さまです。
 私は、質問をするに当たりまして、この法律の最初というよりも途中からですが、いろいろと相談に乗りました。というのは、私は地方行政委員会が主でありまして、党の地行の部会長をやっておりまして、自治体の立場からこの問題をいろいろと議論をしてまいりました。最終的な段階に至りまして、これはもう日本としてどうしても取り組まなければならない問題だ、だから自治体の例やあるいは再商品化をする側、いろいろ問題はあったにしても、とにかくスタートをさせて、いろいろ起こってくる問題は絶えず見直しをしてよりよいものにするということを全体の努力の中でやっていかなきゃいけないんではないかということでありますから、私もきょう地行の方から出張ってこちらに参りまして、それなりの質問をしてくれという話でありますし、私も市町村の立場からいろいろ物を申し上げておくことが必要ではないかというふうに考えたわけです。
 どっちにしても、こういう法律ができることはまさに歓迎すべきことでありますし、私もこれがここまで来たな、会期末を控えて何とか今度の国会で成立をさせる、そういうことをやらなきゃいけないという気持ちでありますことを最初に申し上げて、以下、質問に入らせていただきたいと思うんです。
 最初にお尋ねをいたしたいと思いますが、厚生省の方からお考えをお聞かせいただきたいと思います。
 特定事業者に容器包装に係る一般廃棄物の再商品化を義務づけるものでありますけれども、一般廃棄物を再商品化が可能な形に分別収集するというのは市町村の義務になるわけでありまして、この再商品化が可能な形で分別収集するということは極めて大変な労力と経費を要する作業だと思います。一般廃棄物をどの程度まで分別して収集するか、それは主務大臣が定めることになると思うのでありますが、想定されている分別収集の基準はどのようなものになってくるのか。
 私なりに現状を見てみますと、分別収集も大分進んでまいりました。ところが、大体金になりやすいものは市町村でも分別収集は取り組まれていますが、おおむね二種類というのが非常に多いということも資料によって知らされています。ここのところが、実はこれからやろうとする場合に、市町村の負担というものが非常に多くなってくるということが考えられますから、その辺の考え方をお聞かせいただきたい。
#21
○政府委員(藤原正弘君) 本法案におきましては、特定事業者に再商品化の義務を生じさせるようにするためには、一定の基準に従いまして市町村において分別されることが必要であり、この基準につきましては厚生省令によることとされておりますが、現在のところアルミ、鉄、ガラス、プラスチック、紙などの材質に応じて種類ごとに分けることに加えまして、缶のプレスやガラスの色選別もあわせて行うことなどを考えております。
 ただし、この基準は家庭での排出段階における基準ではございません。家庭での排出についての分別の基準は市町村が地域の実情を考慮して定めるものでございます。したがって、例えば例で申しますと、缶につきましてはアルミ缶とスチール缶がありますが、家庭からはこれを合わせて缶ということで一括して出していただく、そしてそれを集めた市町村は市町村の責任においてそれをアルミとスチール缶に分ける、こういうふうなことにするということを考えておるわけでございます。
#22
○上野雄文君 大体数にしてどのぐらいになりますか。
#23
○政府委員(藤原正弘君) アルミ、鉄、ガラス、プラスチック、紙というふうなものの中で、またガラスは白ガラス、茶ガラス、その他、それからプラスチックはPETボトルとその他プラスチック、紙につきましては紙パック、段ボール、その他というふうなことでありますので、合計十分類というふうなことで今のところ考えておるわけでございます。
#24
○上野雄文君 例えば、アルミ缶、鉄、これは磁気装置を導入した分別の機械を入れればそれでいいということになるかもしれません。それから瓶類は色のもの、透明なもの、私も環境委員長のときに東大阪へ行って現場も見せてもらいましたが、手作業で分類しているんです。大変な手間暇のかかるやり方もやらなきゃならぬということになってくるんだろうというふうに思っていますが、これらのことについては、また後ほど支援策というようなことについてはお尋ねをすることにしたいと思いますが、大体十分類というふうに認識していいわけですね。
 再商品化を容易にするには分別収集のコストが高くなってくる、このコストを抑えれば再商品化のコストがはね上がる、こういう矛盾した関係になるのではないかと思うんです。特定事業者と市町村がリサイクル、再商品化を協力し合って推進すること、そういう関係を前提としているわけでありますが、両者が相対立する関係になるわけです。そこで、この調整をどういうふうにしてやっていったらいいのか、その考えもお聞かせをいただきたいと思います。
#25
○政府委員(藤原正弘君) 分別基準は分別収集の状況あるいは分別排出を行う消費者にとっての容易さなどを踏まえまして定めることとしております。例えば、ガラスの色選別につきましては既に分別収集を実施している市町村の約六割が、また缶のプレスにつきましては約九割が現に実施していることなどを踏まえまして、そういうことを前提に考えまして定めることとしております。
 この分別基準は厚生省令で定めることといたしておりますが、当該省令につきましては他の主務大臣と協議の上定めることとなっておりまして、このような過程を通じて事業者、市町村等関係者の理解の得られるものとしてまいりたいと考えております。
#26
○上野雄文君 もう既に分別収集をやっている市町村について、再商品化されないおそれが生じる場合に、市町村長はその旨を主務大臣に申し出ることができるということになっているわけでありますが、市町村長の申し出があった場合の主務大臣の対応の仕方、それらをどういうふうに考えているのか、それをひとつお聞かせ願いたい。
#27
○政府委員(太田信一郎君) 今御質問のありました法案の三十五条で、既に分別収集を行っている市町村が、分別収集したものが再商品化されないおそれが生じる場合、市町村はその旨を主務大臣に申し出ることができると定められております。市町村からその旨申し出があれば、主務大臣は、厚生大臣、通産大臣でございますが、各種調査等を行い、義務を履行しない事業者に対して、本案に基づき指導、助言、場合によっては勧告、さらには命令を行うこと等によりその義務の履行を確保していきたいと考えておるところでございます。
#28
○上野雄文君 こういう点についても、前に質問した問題と絡むわけでありますけれども、やはり原料を集めるという感覚で分別収集を進めていくわけですから、現場での対応をよく把握して、集める側の立場に立って物事を考えてもらいたいというふうに、この点については私は要請をしておきたいというふうに思っているわけです。
 次に、再商品化計画はよくも悪くも特定事業者と市町村の利害が対立するものと考えるわけですが、再商品化計画は市町村と特定事業者の協議によって策定されることがいわゆる分権の時代にはふさわしい手法ではないかというふうに思うんですが、この法案では再商品化計画は主務大臣が策定することとされている。基本方針の策定、再商品化計画の策定、こういう過程をオープンなものとして、市町村がこれらの計画に積極的に参加することができるような仕組みというものを考えるべきではないかというふうに思うんですけれども、これらについてはどうお考えですか。そのことをお尋ねしたいと思います。
#29
○政府委員(太田信一郎君) 本法案におきましては、市町村による分別収集、それと事業者による再商品化が相まって拡大することが基本的に重要であることは申すまでもありません。このため基本方針は、分別収集と再商品化等を国として総合的かつ計画的に推進するという観点から、分別収集量と再商品化量は調和しつつともに拡大すること、また再商品化しやすい容器包装を利用、製造すべきこと等の基本的な方向を規定することになるかと思います。
 一方、御質問にございました再商品化計画でございますが、再商品化見込み量や再商品化の施設の設置の状況といった客観的かつ具体的な事項を規定しているものでございます。例えば、再商品化可能量の場合、これまでのリサイクル量の推移を踏まえ、再商品化事業者が必要に応じて再商品化されたものの利用事業者に対して実際の再商品化施設の設置状況を含め直接ヒアリングを行って、これに例えば経済成長率といったようなものを加味することにより主務大臣が策定することになると考えております。
 今申しましたように、再商品化計画はあくまでも全国ベースでの再商品化見込み量等の客観的な事実について規定するものでございまして、その策定に当たっては、市町村や都道府県の分別収集計画からうかがわれる各地域の分別収集状況や今後の方向が織り込まれることになると思いますが、個々の市町村自身の御関与は必要とならないというふうに考えております。
 なお、再商品化計画自身は策定された場合これを公表することになっておりますが、その決定の手続、また計画に盛り込まれた再商品化見込み量算出の考え方については、その概略をあわせて公表することを検討したいと思っております。
#30
○上野雄文君 今の質問にも関係するんですが、まだ分別収集をやっていない市町村、これはこのことをやろうとするには大変な手間暇がかかると思いますし、またそれだけおくれているということも言えるだろうと思うんです。だとすると、新たに始める市町村について訓練期間のようなものが必要ではないのかなというふうに思うんですけれども、こういった市町村に対する対応策はどんなふうにお考えになっているか、お聞かせをいただきたい。
#31
○政府委員(小林秀資君) 本法案に基づく分別収集を実施するかどうかは各市町村の任意の判断によるわけでございます。市町村が分別収集を実施するに当たりましては、当該地域の実情を考えまして必要な準備期間を置くことになるものと考えられるわけでございまして、その際、市町村におかれては住民に対し十分な広報、啓発を行い、その理解と協力を得るようにしていただきたい、このように考えております。
 それで、厚生省としましては、この広報活動を通じまして本法案の趣旨及び内容の周知を図るとともに、市町村に対しまして先進的な市町村の事例の紹介や計画策定に関するマニュアルの作成など技術的な支援を行ってまいりたい、このように思っております。
 また、今後分別基準を定めるに当たっては、全国の市町村における分別収集の実情あるいは分別排出を行う消費者にとっての容易さ等を踏まえまして、市町村にとって過大な負担となることのないようにしてまいりたい、このように思っております。
#32
○上野雄文君 今度は、市町村によってはこの取り組みというのは大変な差があるということが資料で明らかなんですが、新制度によるコストがかかってまいりますから、当面最終処理場に困っていない市町村にあっては新制度への参画が全く新たな負担を強いられる、そういうことも考えられるわけであります。
 リサイクル、再商品化、廃棄物処理の問題だけではなくて、省資源、環境保護の問題でもありますから、市町村が分別収集のコスト負担に悩んで新制度への参画に二の足を踏むことのないように国の政策的な誘導が必要ではないか、こういうふうに思っております。今お話にありましたこととも絡むわけでありますけれども、この点についてどのような施策を予定しているのか、お聞かせをいただきたい。
#33
○政府委員(小林秀資君) これまでも何回も答弁させていただいておりますけれども、市町村が分別収集をやられますと、市町村自体で今まで処理をされておられましたごみの量が減る、それから出てきたごみを処分した後、それを持っていくごみ捨て場といいますか、埋め立てたり、そういうところの土地も不要になるというようなことで、トータルとして今回の事業をいたしますと多くの市町村ではごみの処理にかかる経費が減額をする、こういうことを今まで申し上げてまいったわけでございます。
 ただ、今先生お話がありましたように、そういう処分の土地に困っていない市町村では経費がふえるのではないかということでございますが、それにしても今まで焼却処分していたごみの量が減るということ自体は市町村にとっても大きなメリットである、このように思っておりまして、私は一方的に市町村が負担増になるというふうには考えていないところでございます。
 また、今度は助成をする方でございますけれども、容器包装廃棄物を種類ごとに選別するリサイクルセンターとかリサイクルプラザとか、それから分別収集された容器包装廃棄物を再商品化に回すまでの一時期保管をしておくためのストックヤードというものに対しては、厚生省としてはこれらの施設について重点的な補助を行っていくということを考えておるわけでございます。
 この法案の施行に伴い市町村財政に大きな影響を及ぼすことはないと考えておりますけれども、今後とも市町村の意見を聞きつつ、分別収集への支援について自治省などとよく相談をして進めてまいりたいと思っております。
#34
○上野雄文君 それでは、自治省の方にお尋ねをしたいと思うんですけれども、法案の折衝の段階で、交付税措置をしますという、一言で言ってそういう話が出てくるわけです。
 今度の補正予算の審議の際にも、国の税収が減れば交付税も減る、減る分はひとつ何とか借金で補って今年度は乗り切ろうというようなことを議論しているわけで、総額がふえるわけでも何でもない、その中での配分基準が変わるだけの話でありまして、このことのための財政上の措置、そういう点について、ありていに言えば国税の一部を地方に回しますよというような思い切った措置が出てこないものなのかなと思ったりするんですけれども、その辺についてどういうふうにお考えか、お聞かせをいただければと思います。
#35
○説明員(岡本保君) 委員御指摘のように、現在リサイクルを行っておられない市町村が本制度に参加されようとします場合は、分別収集の費用のほか保管施設の整備費用が増すわけでございますが、既にリサイクルを実施されている市町村では、再商品化に係ります事業者負担の導入によりまして市町村負担が軽減されるわけでございます。
 これにあわせまして、先ほど来御説明がございますように、基本的には、分別収集の促進によりまして今後収集量や最終処分量が減るわけでございまして、また最終処分場の建設費用も減ることとなりますので、本法の実施に伴いまして市町村の一般廃棄物処理経費に大きな影響をもたらすものではないというふうに考えておりますが、経過的な問題もございますので、市町村の分別収集の計画等、その動向を十分見きわめまして、円滑な事業運営に支障が生じないよう、毎年度の地方財政計画の策定等を通じまして必要な地方税財源の充実を図ってまいりたい、確保を図ってまいりたいというふうに考えております。
#36
○上野雄文君 そこの収支の関係について、じゃ、おまえさんはどういう試算をしたんだと言われてみると、これからやることなものだから、私も明確にこうだということまで言い切れないのが現状だと思うんです。
 そういう効果が出ることを期待して、この法律が円満に施行されることを期待したいという気持ちでいっぱいなんですけれども、先ほどの吉村先生のお話ではありませんけれども、きれいな地球を後世代に伝えていくんだという立場から考えると、ある程度の措置は、これは冒頭申し上げた、起こったときに敏速に対応するというようなとらえ方でやっていただきたいなというふうに思うところです。
 それで、あと五分になってしまいまして、いろいろお尋ねしたいことを準備しておりましたが、時間の都合もありますから、せっかく大臣おいででございますから、最後に大臣に。
 実は、これは去年の九月ですが、ある新聞の「にゅうすらうんじ」が四回連載で、ドイツの実情を見て、そのルポがここに出ております。その最後に、ドイツのごみ事情を知ろうとボンにあるヨーロッパ環境政策研究所を訪ね、そこの所長のヤン・ボンゲルツ博士に、国際協力をしながらひとつこの問題をやっていこうじゃありませんかと。それで、あなたの方でパートナーとなれる国を探しておられるということですが、どうでしょう、日本をパートナーにお選びいただけませんかと聞いたら、博士は即座にはっきり聞き取れる大きな声で、まず最初に除外されるでしょうねというふうに言ったんだそうです。なぜだろうかとその理由を博士に尋ねると、こんな趣旨の返事をしてくれた。日本の通産省は産業の利益のために環境政策を考えているが、それはドイツ環境政策立案の伝統と違っているからだ、こういう答えをよこしたというんです。
 これは一〇〇%私がこう受けとめるか受けとめないかは別にいたしましても、これがもし事実であるとすれば、そういう目で見られている日本の環境政策というものは、これはせっかく立法も始まったわけでありますから、国際的にもそういう眼で見られないような取り組みというものをやってもらいたいなというふうに思うんです。
 先ほど、大臣の吉村委員の質問に対するお答えもお伺いいたしました。大臣の所感をお聞かせいただければありがたいと思います。
#37
○国務大臣(橋本龍太郎君) 私は、そういう点では今通産省は大変不幸な立場に置かれているように思います。
 率直に申しまして、昭和四十六年七月、環境庁を発足させます時点、私は厚生省の政務次官として通産省とは真っ向から対立する関係にありました。そして、環境庁を設立いたします時点で通産省の協力がなかなか得られなかったのは事実でありました。それから二十年たちました時点、たしか一九九〇年あるいは九一年、正確にどちらか忘れましたが、の環境白書を環境庁につくってもらいます時点で、私は、その二十年前の環境に対する投資というもの、これがどのような結果を経済成長にもたらしただろうか、あるいはその中で行政の役割はどうであっただろうかということを冷静に分析をしてもらいました。そして、その時点で私は、当時通産省に抱いた考え方の中に、私は当時の通産省も悪かったと思います、しかし我々も非常に偏見があったという感じがいたしました。
 この環境白書の中に盛り込まれましたものは、非生産的な投資と考えられました環境に対する投資、四十年代の半ばというのは公害列島日本と言われた時代でありますが、これを解消するために投入された経費は非常に大きな効果を果たしておったし、経済成長をマイナスするものではなかったということが第一点。そして、その中において新たな産業が創造されたということが第二点でありました。
 そして、その翌年の環境白書の中で、そのプロセスにおける企業行動を分析した中からは、企業が実験室段階で成功させ得た技術を現実の製品として動かしていく上で国の施策というものがどのような形で役割を果たしたかという精緻な分析をいたしております。この分析の結果は、産業政策というものがそれらの技術を現実のものとして活用していく上でどれほど大きな役割を果たしてきたかを如実に示しております。
 また別途、あれはロンドン・サミットで配りましたんですから、九〇年の秋か九一年の春かちょっと忘れましたが、環境庁の若い諸君が、日本の典型的な四大公害、水俣、阿賀野川、四日市、もう一カ所どこでありましたか、川崎でしたか、この四つを正確に分析いたしまして、日本の公害体験という一つの論文集を作成いたしました。
 この中で、要するに自然の浄化力を見誤った場合の人類の悲劇と、それを回復するために必要な投資というものがどれぐらい大きなものになるか、そしてその中においての国の役割というものがどのようなものになるかを分析いたしましたものをまとめまして、それらの事態が発生いたしました当時、政府に相反する見解を述べられた方々を含めましてその感想を承ったものを日本の公害体験という一つの論文集として出版したものがございます。
 これは私は非常によくできた文献と思いまして、実はロンドン・サミットの際に、環境問題の一つの我々の体験としてサミットの全体会議で配付をいたしました。その場ではそれほど大きな評価を受けませんでしたが、その後に、ECからぜひこれを部数を欲しい、あるいはオーストラリアはちょうど環境庁をつくろうとしているときであり、むしろオーストラリアの環境庁をつくる上で参考資料としてぜひデータを欲しい、こうした引き合いが各地から参りましたぐらい精緻な文献としての評価を受けております。こうした中に、私は通産省が果たしてきた役割というものは相当大きなものがあったと思っております。
 そして、通産大臣になりました時点で、私は改めて通産省の諸君に少々苦情を申しておりますのは、今でも実は各局の中に環境技術のいわば種子に当たるものが分散している、それを点から線に、線から面にという発想が足りないのではないのか、そうした努力をもっと諸君がしてほしいということを申しております。私は現在の通産省が万全だと申し上げるつもりはありません。しかし、少なくとも他国からそのような評価を受ける役所では現在ないということだけは私は責任を持って申し上げたいと思います。
#38
○上野雄文君 終わります。
    ―――――――――――――
#39
○委員長(久世公堯君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、下条進一郎君が委員を辞任され、その補欠として河本三郎君が選任されました。
    ―――――――――――――
#40
○風間昶君 平成会の風間でございます。
 通産大臣が御回復の途上で委員会に出られてきたことに感謝いたしますと同時に、できるならばこの本法案がきちっと成立した上で悠々とサミットに行かれて、勇気を出して日本の立場をきちっと主張していただきたいことを心から願うものであります。
 このリサイクル法案、マスコミでは業者の間でのあるいは省庁のさまざまなことが言われておりました。そういう意味では審議会を通して御準備されてきたと思うんですけれども、問題は要するに、最終的な消費者の側の立場に立ちますと、リサイクルシステムが成功するかどうかは消費者がきちんと分別してごみを出すかどうかというところが一番キーだと思うんです。
 厚生省が今まで廃棄物の問題について根幹行政としてされてきたわけですけれども、啓発についてどのような、余り時間のない感じでありますので、言われているところによりますと急いで出てきた法案だとも言われているわけですけれども、そういう意味では本法案の成立もまた今の現状からいうと早くしなきゃならないわけで、そういう意味で啓発をどのようにしていくのか、その対応をちょっとお伺いしたいと思います。
#41
○政府委員(小林秀資君) 本法案による新たなリサイクルシステムは消費者、市町村、事業者の三者による役割分担でございまして、その中でも消費者のやっていただくことは大変重要でございます。
 国におきましては、政府広報により、三者の役割分担という法律の趣旨や分別排出の重要性について広報活動を行うとともに、消費者団体、事業者団体、地方自治体などとも協力いたしまして、平成四年度より開催をいたしておりますごみ減量化推進国民会議の場を活用し、今年開催されます大会から、分別排出、分別収集に関する啓蒙普及、先進事例の紹介、それから事例集の作成提供、地域ボランティアに対する表彰を行ってまいりたいと考えております。
 また、市町村においても、通常の広報活動に加えまして、地域ボランティアであります廃棄物減量等推進員、これは平成三年の廃棄物処理法の改正で創設したものでございまして、平成五年現在、全国で約二万二千人の方が推進員をやっていただいておりますが、この方々の活動やリサイクル意識を高めるための市民参加型のリサイクルプラザの設置、運営などを通じた啓蒙・普及活動を推進していく考えでございます。
 このため、市町村の取り組みに対しまして、クリーン・リサイクルタウンの選定、表彰ですとか、それから先進的、モデル的事例に対する助成、これは平成七年度予算で約十五億の予算を確保いたしておりますし、それからリサイクルプラザ等の施設整備に対する国庫補助による積極的な支援、これは平成七年度で約九十七億の予算を用意いたしておりますけれども、こういう予算を用意いたしまして積極的な支援を行ってまいりたい、このように思います。
#42
○風間昶君 全体のあれはわかりました。
 特に環境衛生週間、九月の末に設定されておりますけれども、これについてどういう対応をしていくのか、お聞きしたいと思います。
#43
○政府委員(藤原正弘君) 環境衛生週間というのは九月に毎年やっております。これは厚生省と県が協力いたしまして、広く環境衛生全般でございますが、その中でもごみ問題を中心にいたしましていろいろなイベント、それから環境衛生大会というものをやりまして、全国から関係者を集めましてシンポジウムその他をやっておるわけでございます。
#44
○風間昶君 わかりました。
 通産省、今九月の話を伺いましたが、十月がリサイクル月間だというふうに聞いていますけれども、消費者はほとんどわかっていないんじゃないかという不安もまたあるわけです。わかっていないというか、本法の精神を国民の皆さん方に周知徹底を図るというふうに考えるべきだと思いますが、どうですか。
#45
○国務大臣(橋本龍太郎君) 確かに今までも、毎年十月をリサイクル月間として私どもは講演会あるいは表彰事業といったことを記念事業として行いながら広報活動を一生懸命にやってきたつもりです。しかし、やはりその必然性というものにもう一つ迫力がなかったということは事実だろうと思います。
 それだけに、この法律案が成立をさせていただきました後には、このリサイクル月間というものは我々にはフルに活用できる広報の機会だと考えておりまして、この法律案の趣旨、内容について国民に対しての広報活動を徹底的にさせていただきながら、この法案の施行について国民の協力が得られるように積極的な啓発に努めてまいりたい、内閣広報にも協力を求めながら全力を尽くしたいと考えております。
#46
○風間昶君 法案が成立したら、年末までには施行されるはずですね。そうしますと、来年度の予算の話ですけれども、これは相手がありましょうから、ぜひ啓発事業にも十分な配慮を予算上の獲得を含めてやっていただきたいということを要望します。
 次に、細かな問題になりますけれども、隣接あるいは近隣市町村で分別収集の方法が異なる場合、著しく異なる場合よりはむしろわずかに異なる場合の方が多いかもしれませんが、指定法人や特定事業者が回収するのに都合が悪くなってきて、かえってばらばらになって非効率になるんではないかというふうに恐れるわけですけれども、この辺はどうでしょうか。
#47
○政府委員(小林秀資君) 本法案におきましては、事業者に再商品化義務が生じるためには、市町村が分別収集計画に従って収集した容器包装廃棄物が全国で統一の一定の基準に従って分別されたもの、いわゆる分別基準適合物というものでないとだめなわけでございます。したがいまして、指定法人や特定事業者にとって不都合を生ずるような収集された廃棄物というのは出てまいらない、このように考えておるところでございます。
#48
○風間昶君 本当にそうなのかな。いやわかりました、御答弁はお聞きしました。しかし、これをきっちりと監視していくことがまた大事じゃないかというふうに思うんですけれども、返す言葉がなくなっちゃいました。
 それでは、市町村の固有事務としてこの収集ごみを引き渡すまで保管されるわけですけれども、その際の安全基準だとか衛生基準について、今までもきちっとやっているところがあるわけですけれども、本法案が成立した後も今までどおりなのかどうか、まずお伺いしたいと思います。
#49
○政府委員(藤原正弘君) 市町村による容器包装廃棄物の保管に当たりましては、廃棄物処理法に規定する保管の基準に従わなければならないわけであります。具体的には同法施行令におきまして、周囲に囲いが設けられている場所で行うこと、一般廃棄物が飛散、流出したり悪臭が発散しないように必要な措置を講ずることなどの規定が設けられております。安全と衛生の両面につきまして支障が生じないよう保管すべきこととされております。
#50
○風間昶君 収集ごみが再商品化事業者のキャパシティーを上回った場合、保管期間が長くなる、あるいは越年するということが考えられるわけですけれども、その場合の費用負担が重くなることはないのかどうか、簡単に。
#51
○政府委員(藤原正弘君) 市町村のストックヤードとそれから再商品化計画で整備されていきます施設の間の関係の問題でございますが、再商品化計画における再商品化可能量をどんどん拡大していくということによりまして市町村における保管が長期にわならないように、こういうふうな努力をしていく必要があると考えております。
 そしてまた、厚生省といたしましては、この保管の方、つまりストックヤードの施設の整備につきましては重点的な国庫補助をするなど整備を促進していきたい、このように考えております。
#52
○風間昶君 今、ストックヤードの話が出ました。ちょっとお聞きしたいんですけれども、リサイクルセンターとリサイクルプラザ、これはどういう使い分けなんでしょうか。何が違うのか、簡単に。
#53
○政府委員(藤原正弘君) ごく簡単に申しますと、リサイクルセンターといいますのは、集めたものをそこで分別してリサイクルできるようなものに仕分けをしていく、そういう施設である、こういうふうに考えていただければいいと思います。リサイクルプラザと厚生省が呼んでおりますものは、そういう施設に加えまして、市民がそこに集まりましていろんな不用品を細工してまた使えるものに直す、例えば古い自転車を直しましてまた乗れるようにするとか、牛乳パックからパルプのようなものを再生するとか、そういういろいろなことをそこで、市民参加型の、または教育実践というふうな意味を兼ねた啓発施設である、こういうふうなものでございます。
#54
○風間昶君 わかりました。
 市民が参加する青空リサイクル市場みたいなものが入っているということですか。そういうふうに受けとめていいんですね。
#55
○政府委員(藤原正弘君) もちろん、リサイクルプラザもリサイクルセンター的なそういう施設も持っておりまして、そしてまた、先ほど言いましたように市民が集まってそこでいろいろな作業をしたりする、そういうことでございます。
#56
○風間昶君 次に、その再商品化義務を免除される小規模事業者についても、本来は指定法人を利用するルートに乗っけていかなければ、小規模事業者が最も多いわけですから、そういうふうに指定法人のルートに乗っていけるような策はあるんでしょうか。また、あるとすればどう考えていらっしゃるんでしょうか。
 もう一点。今度は三年間の義務猶予となった中小企業者についても、その三年後の義務化に向けてすぐ取り組まなきゃならないわけですけれども、支援策をどのように準備しているのか。二点。
#57
○政府委員(太田信一郎君) 第一点の義務を免除される小規模企業者でございますが、本法案におきましては、義務免除となる小規模企業者がみずからの判断で任意に進んで再商品化を行うことを決して妨げているものではございません。したがって、仮に設立が予定されている指定法人がみずからの独自の事業として特定事業者以外の者から再商品化の委託を受けることを行う場合には、指定法人を小規模企業者が利用して再商品化を行うことも可能でございます。国としては、関係事業者や地方公共団体に対し周知し、小規模企業者が任意で再商品化に取り組むことを促進するよう努めていきたいと考えております。
 第二点目の義務猶予をされる中小企業者でございますが、平成十二年の三月三十一日まで義務猶予、それ以降義務がかかるわけでございます。義務がかかった暁には一たん費用を負担していただくわけですが、そういう費用は最終的には国民全体が負担すべきものということで、円滑な転嫁のための環境整備に国として努めるほか、本法案では、現行の再生資源利用促進法を活用し、容器包装等を製造する容器メーカー等に対して再商品化容易な容器包装の開発、あるいはその販売業者に対して再商品化容易な容器包装を利用した製品の販売等の義務を課すことを検討しております。
 それからまた、平成五年に施行されましたいわゆる省エネ・リサイクル支援法に基づきまして、税制上の措置あるいは金融上の措置を講じております。
 中小企業者がみずからいろんな形でリサイクルをしていくということについて支援措置を講じているところでございますが、今後もそういう支援措置の拡充等に努めてまいりたいと考えております。
#58
○風間昶君 わかりました。
 この法律によれば、要するに基本的に容器に詰めた人にこの再商品化義務が課されるわけですね。大臣、そうですね。例えば農産物の場合の話でありますけれども、農家で箱詰めして農協に出荷した場合は農家に再商品化義務が生じますが、農家が物だけ出荷して農協で箱詰めしたら農協に再商品化義務が課せられるというふうに思います。しかし、農家は規模が小さいからほとんど農家の人たちにはこの義務が免除されるんで、そうなりますと、従来農協で箱詰めしていたところも再商品化義務を免れるために農家に押しつけるようなことがないのかというのがおそれなんですけれども、これは農水省の人来ていますので。
#59
○政府委員(東久雄君) 御質問の件でございますが、農協の場合は、御承知のとおり農産物を集荷いたしましてそれを加工して出すという場合と、それから生鮮品を箱詰め等を行って出す場合がございます。その生鮮品を箱詰め等をする場合におきましても、先生御承知のとおり、多数の農家から物を集めて規格に合わせた形で選果選別を行うのが通例でございます。そういう意味で、集・出荷ラインの一環として包装が行われるものでございますので、恐らく再商品化義務を免れるためだけに先ほどお話しのように農家で包装させるということは困難だと思いますし、メリットもないと思います。
 いずれにいたしましても、農協は農家、組合員のために奉仕するものでございます。したがいまして、農家に負担を押しつけるということは私たちは適切でないと思っておりますので、その点は十分心して指導してまいりたいというふうに考えております。
#60
○風間昶君 そうしますと、押しつけにはならないということだと、農家だけが優遇されているんじゃないかと批判する向きもあるようなんだけれども、例えばリンゴの箱とかレタスの段ボール箱などの農産物の容器は一体どうなるんでしょうか、小売段階に行ったときに。
#61
○政府委員(東久雄君) 段ボール等の包装容器につきまして、いつの段階からどういうふうな形でこの義務が生ずるかという問題があろうかと思います。農家が直接出すものについてはまたこれからの御検討もあるところだと思いますけれども、確かに小さいですから、ほとんど農家は再商品化義務ということからは外されるんではないかと私は考えております。
 いずれにいたしましても、農協という形になりましたときには、農協は割合大きな規模でございますので恐らく再商品化義務ということはあると思いますけれども、これはやはり包装容器を使う事業者としては当然課されなければならぬ義務だと思っております。
#62
○風間昶君 大臣、そういう農水の部分も結構面倒くさいんですね。お聞きになっていただければ、質問のやりとりが私が要領を得ないのでお聞き取りづらいかと思いますけれども、もしあれでしたら、後でまた私説明に上がります。
 次に、指定法人に関してでございますけれども、行政改革に命運をかけるというふうに明言されたこの政権内閣のもとで、新たに全国組織の、しかも一つに限らず公益法人をつくるというのは時代に逆行しているのではないかというふうに思うんですが、今回は別だというふうにとらえていいんでしょうか。
#63
○国務大臣(橋本龍太郎君) 私は、行政改革というのはいかにして簡素で効率的な政府運営を行うかということがその要点であろうと存じます。その目的にかなう限りにおきまして、むしろ法人の設立が全体の行政コストにプラスにかかるという判断がなされた場合は、法人をつくることが行政改革に反するものだとは考えておりません。
 今回の指定法人は地方の、言いかえれば市町村の固有事務として今日まで参りました廃棄物行政、その中における容器包装のリサイクルという業務に着目をし、これを円滑に行うための仕組みとして考えられた指定法人であり、私はその効果というものは、むしろ国の行政あるいは地方自治体の行政と位置づけて行政コストの増大を招くよりは有益である、そのように思っております。
#64
○風間昶君 わかりました。
 じゃ問題は、技術的に今度はその指定法人の中で消費者の意見やあるいは市町村の意見の反映が担保されるのかどうかということが一つ。それからもう一つは、リサイクル業者への入札方法など、運営上の透明性の問題をどう確保するのかということだと思うんですが、これについてはいかがでございましょうか。
#65
○政府委員(太田信一郎君) 本法案で設立が予定されております指定法人は民間の発意により設立されるものでございまして、当然のことながら可能な限り効率的でスリムなものになると考えております。
 また、委員御指摘の消費者等の意見が反映されるか、あるいはその透明性が確保されるかという点でございますが、まず指定法人の再商品化事業者に対する委託については、競争入札をするということで公平公正な競争によって委託が行われるものと考えております。その入札方法あるいは委託料金、これは特定事業者が指定法人に払う委託料金でございますが、そういう算出方法については指定法人の業務規程できちんと定めることになっております。具体的な委託料金単価については、これも事業計画書で毎年度定めることになっておりまして、これを主務大臣が認可をする。認可に当たっては、必要に応じ消費者、事業者あるいは市町村等関係者の意見を聴取することになっております。
 恐らく、指定法人の中には評議員会が設けられて、消費者や事業者あるいは市町村の代表等第三者が参加して運営に万遺漏なきを期されるというふうに考えておるところでございます。
#66
○風間昶君 その評議員会を設けられるものと考えられるというのは、そういうふうに誘導をきちっとするということですか。
#67
○政府委員(太田信一郎君) 指定法人の体制の問題でございますので、指定法人自身が最終的には決められることでございますが、政府としてはそういうことが望ましいということで意見を求められれば申し上げることになると思います。
#68
○風間昶君 本法案は、とにかくごみの減量のためにまずできるところからやっていく、そしてステップ・バイ・ステップで順次やっていくというふうにざっと理解しているんですけれども、リサイクルシステムが完成しますとかえって今度はごみが、特に包装の部分でこれが多くなりやしないのかなと。特に包装については、今までむだと考えていた人も、リサイクルされることになりましたよとだっと広がっちゃうと、むだではないと考えて、そのまま今までの包装をずっと続けていくのが我が社にとって経済的にもいいわけですから、そういう場合過剰包装をやめないのではないかと思うんですけれども、そういうおそれはどうですか。
#69
○国務大臣(橋本龍太郎君) 私はそうは思いません。むしろ、過剰包装を続けるということはそれだけ再商品化の義務を多く負うわけであります。むしろ、少しでもリサイクルしやすい、価格的にも安い、しかも量的に少なくて済む容器包装材を開発しそれを使用すればそれだけ負担は少なくて済むわけでありますから、私は減量効果はあると思います。
#70
○風間昶君 僕はそうじゃないと思うんです。思う思わないでは議論になりませんから、じゃ、もし過剰包装をやめない場合あるいはふえていった場合はその対策どうされますか、思う思わないの話じゃなくて実際にふえていった場合。
#71
○国務大臣(橋本龍太郎君) ふえていけばそれは実は再商品化対象の物質がふえる、その再商品化に当たる業者の方々がみすみす多額にもうけていかれるという結果を生ずるのではないでしょうか。ですから、私は企業として他に利益を発生させてまで過剰包装を続ける意味があるとは思わないということであります。
#72
○風間昶君 それじゃ、環境への負荷の問題でありますけれども、本法案が成立した場合に、今まで最終処分されていたにもかかわらず、今後再商品化するというために熱を加えたりあるいは薬品を加えたりして、またここで環境に一定の負荷がかかる、そんなに多くはないと思いますけれどもかかると思います。リサイクルしない場合と比べまして、例えば二酸化炭素放出量からの試算とかあるいは石油エネルギー消費量からの試算とかで環境の負荷はどのぐらいふえるのか、また減るのか、教えていただきたいと思います。
#73
○政府委員(齊藤眞人君) それぞれの場合で違うわけです。正確に計算しているわけじゃございませんが、例えばアルミ缶というのを例にとってお話しいたしますと、アルミの地金といいますのは電力の塊みたいなものでございます。ですから、アルミ缶を回収しましてアルミの地金に戻しますと、エネルギーは新しい地金に比べますと三%で済みます。これが一番効率のいい例でございます。プラスチックの例で申しますと、私ども今油化することを中心に考えているわけでございますが、三〇%程度は回収できるわけでございます。ですから、そのためにエネルギーは使うわけですけれども、ネットとしまして三〇%余計にエネルギーがとれるというように考えていただいたらいいと思います。
 ですから、トータルいろいろ計算するというところまではまだ私どもやっていないわけです。そういうような研究といいますのも国際的にやろうというような機運でございます。私ども積極的にそれに参加しているわけでございますが、ライフサイクル・アセスメントというような名前で呼ばれております。そういう研究も今から続けていきたいと思っております。
#74
○風間昶君 リサイクルが善であることは今のお話でも、端的な一番いい例を出されたから憎いんですけれども、わかりましたが、輸送エネルギーなど計算され尽くしていない悪の部分というか、それが要するにまたあるわけです。利益と不利益を比較する場合のファクターについてもうちょっと明快な、これの視点から計算すると環境に負荷がどのくらいがかる、これを視点にするとこのぐらい負荷がかかりますというふうに出すべきではないかと思うんです。それを言っておきたいと思います。
 それからもう一点、もう時間がありませんので、もう一方では、私は多少経済的にコストがかかろうともこのリサイクルシステムのために技術を開発するのもこれは国の大事な責務ではないかと思いますので、通産大臣の御決意を伺って、質問を終わりたいと思います。
#75
○国務大臣(橋本龍太郎君) 私は、そのコストの論議になりますならば、まず改めて申し上げたいことは、我が国の最終処分地が既に全国ベースで考えましても八年弱しかない、首都圏におきましては五年弱しかない。一方では、私が厚生大臣をいたしておりましたころに計画をされました最終処分場の計画が現在でも環境問題等から実行に移せないでいる。言いかえれば、ほとんど新たな最終処分地の確保は困難な状況の中で、いかにして最終処分場に運び込まれる廃棄物の量を減少させるかということが非常に大きなファクターであると思います。
 そしてその中で、容積ベースでいきますと約六割だったと思いますけれども占めております容器包装、ここに着目をし、これをリサイクルの形態に乗せていけばそれだけ最終処分場の寿命が長くなるという要素も一つ問題点としては指摘をいたさなければなりません。同時に、これはリサイクルされて再生資源としての役割を果たしていくことになります。
 既に我が国におきましては、例えば古紙の部分については非常にすぐれたシステムが現存しております。また、先ほど局長が一つの最も効果的な例としてアルミのケースを申し上げましたが、こうしたそれぞれの分野におけるメリットというものは積み重ねていけば膨大なものになろうかと存じます。
 一方で、委員が御指摘になりましたような例えば輸送のコストというようなもの、言いかえれば効果的に効率的に再生産に移すための、再商品化するための移送というコストをどう考えるか、これは私は確かに問題がこれからあろうかと存じます。
 そうしたものを含めまして、技術開発の必要性は私は非常に大きなものがあると存じますし、現在、工業技術院等において行っております研究の中にもこうした分野に道を開くべき先端的なものが多数存在をいたしております。一度、私は委員にもぜひこうした工技院の現場も御視察をいただき激励をいただきたいと思うのでありますが、同時に、こうした技術を育てるための努力は幾らしてもし足りるということはありません。全力を尽くしてこうした研究開発が促進されるように努力をしてまいりたい。委員の御支援も心からお願いを申し上げます。
#76
○風間昶君 ありがとうございます。
#77
○小島慶三君 きょうは通産大臣御不例のところをおいでいただきまして本当に感謝申し上げます。余り御無理なさいませんで早く体調を整えられるようにお願いをいたします。
 さて、私もこの委員会で何遍か質問させていただきましたので、きょうは最終の詰めのところでもございますし、若干角度を変えて二問ほど御質問を申し上げたいというふうに思っております。
 これ、私の正確な記憶でないので申しわけないんですけれども、かつてある資料を読みましたときに、日本の場合ですと大体一〇〇の原材料を使って製品が四八、あるいは五二と逆になっていたかもしれませんが、製品が四八で廃棄物が五二だというデータを見たことがあるわけであります。つまり、日本のすぐれた高度経済社会というものは品物と同時にごみを半分つくっているわけであります。これではとても続くわけはありませんので、今回出されました法律のようにリサイクル社会に向けて一歩二歩踏み出すということは政府全体の施策としても大変重要であるという理解を私は持っております。
 ただ、そのためには、確かに包装容器も大きな問題であるに違いありませんけれども、廃棄物の排出関係というものを見ていきますと、非常に多様な、しかも骨の折れる、単に量でなくて質的な面まで踏み込んだシステムの改善と申しますか、そういうことが必要になってくるんじゃないかと思うわけでございます。
 それで、しかもその負担と申しますか、こういった点は、地方の市町村、それから物をつくっておりますメーカー、物を使う消費者、それぞれ応分に負担しなければならないということでありますから、落語じゃありませんけれども言うならば三方一両損というふうなことがあろうと思うのであります。しかし、その効果が全体のクリーンな社会をつくるということでございますから、効果はちゃんと期待できるということであろうと思います。しかし、その効果の大きさから考えれば、やはり負担は負担として適正に担ってもらう必要があるだろうと思っております。
 まず、市町村の関係から申しますと、先ほどから市町村の財政に影響があるんではないか、あるいはそういうものはありません、こういうふうないろいろ議論があったんですけれども、やはり市町村でも環境に対する負荷の増大という点から見れば、例えばこれは人口に比例するのかどうかわかりませんが、やはりある市町村は分別収集、リサイクルの計画を出さなくてもいい、また逆にある市町村はそういうものを出さなきゃいけない、これが選択にゆだねられているというのはちょっと私はおかしいのではないかというふうに思うわけであります。
 やっぱり環境負荷に大きな影響のある市町村は、これは当然そういった計画に積極的に参加すべき義務を負わせるという必要があるのではないか。もちろん、そのかわりに市町村に対する財政的な配慮、補助金の支出ということはさっきお話がありましたけれども、そういうことも考えなきゃなりませんし、それも表彰されるべき評価の状況に応じてなされる必要があると思うのでございますが、そういう意味でやっぱり一方では努力と、一方ではそれに対する評価といったものはこのシステムの中にインプットされないものかというふうに思っておるわけであります。
 それから、企業者の面でまいりますと、最近ではこの環境意識というものがだんだん浸透してまいりまして、例えばトヨタさんとかリコーさんとかの例を見ますと、ちゃんと社内で環境憲章というものを決めておられる。
 それで、例えば設計の場面でありますと、従来の設計でありますと単に安くてそして長もちをすればいい、こういう設計であったんですけれども、これが最終の段階で車が廃棄物になったときに分解しやすい、解体しやすいという、そういう設計も織り込めという指令が出ているそうであります。これは設計屋としては大変つらいことであると思うんですけれども、そういった設計の面、生産の面、あるいは流通から廃棄物に至るまでの全体の過程を通じてできるだけ製品化率を高め、しかも最終の段階で分解しやすいという、環境に対する奉仕といいますか、そういったものまで織り込んだ環境憲章というものがつくられておるというふうに聞いております。
 ですから、これはやはり通産省におかれましても、そういった面の産業界に対する憲章づくりといいますか、そういうものに対する要請といいますか指導といいますか、そういうことが大変重要なのではないか。そういった産業の廃棄物というのは恐らく一番大きなウエートを占めると思いますので、そういった努力が必要ではないか。
 また、企業としてもそういった面に倣っていくという姿勢がつくられなければいけないのではないか。企業にとっても、さつきのような設計をしますと、確かに今までのシステムの見直しとか大変な努力が必要だろうと思うんですけれども、それはやっぱり負担していただかなければいけないのではなかろうか。
 それから、消費者の面でございますが、これは先ほどから問題が出ておりますように、消費者教育というか、モラルの面から見てのこういった全体の循環型社会の形成のための意識改革といいますか、そういったものが必要になってくると思われるわけでありますが、これはある程度きれいな環境を維持するために、消費者の側からの努力の一つのあらわれとしてやはりどうしてもごみの有料化という問題を考えていかなければいけないのではないか。
 先ほど手数料の面で加減すればというお話がありましたけれども、ちょっとそれは負担関係としては違うと思いますので、こういった問題をお考えになる余地はないかということが消費者に対する姿勢としてはあると思うんです。
 やっぱり市町村と企業と消費者と、三つそれぞれある程度痛みを分かち合うというか、そういう形がないと、全体としての量の急速な廃棄物の処理で実効を上げるというのはなかなか難しいかと思うのでございますが、こういう点につきまして、まずお伺いを申し上げたい。
#78
○国務大臣(橋本龍太郎君) 非常に広範囲な御質問でありますので、全部をカバーし切れるかどうか自信がありませんが、委員が第一点でお述べになりました問題点、現在の地方分権を非常に強く求められている社会的な流れの中で、市町村固有の事務として従来から位置づけてまいりました廃棄物行政というものを無視して考えていくならば、例えばこの法律案にしても私は全く違った考え方は存在し得たと思います。それは私は委員のお考えを否定するものではありません。
 問題は、廃棄物行政というもの、市町村固有事務としての廃棄物行政とは別に、リサイクルというものをつくり出すだけのメリットがデメリットを阻却する以上に存在し得たかどうかという価値判断の問題であると思います。
 政府といたしましては、市町村固有事務としての廃棄物行政というものが地方分権の時代にふさわしい行政の体系であることを前提とし、その上にこの容器包装の分別収集等に係るリサイクル法という考え方を御提示を申し上げたわけであります。この基本的なスキームというものから考えてまいりますと、私は、本法案の考え方というのはベストの考え方であったと、こう存じます。
 それとは別に、企業がそれぞれの企業の精神の中において、あるいは経営方針の中において、環境問題に対処するためのみずからの行動計画を持つ、これは既に約三百六十社以上がそうした行動計画を持っておるという報告を私は聞きました。また、昨年六月、産構審から産業環境ビジョンというものを取りまとめられまして、こうした環境配慮の組み込みというものの方向を提示されてもおります。
 そして、それぞれの企業が自主的な取り組みの枠組みとなります環境の管理・監査制度の構築に向けての検討をしておられますと同時に、委員からも御指摘がありましたように、原料調達の部面から製造、使用、廃棄に至る全段階における環境負荷を総合的に評価する、その手法でありますライフサイクル・アセスメントについても国際的な議論に積極的な参加をいたしておる状況、私どもは、こうした企業の自主的な取り組みを支援するために、省エネ・リサイクル支援法に基づく金融・税制上の支援措置等をも講じてまいりました。こうした方向に企業が移行していきますものを行政の立場として支援していくことは、私は当然であろうと存じます。
 また、今後の廃棄物行政の中におきまして、既に例えば大型テレビでありますとかあるいは大型電気冷蔵庫でありますとか、市町村の段階において処理困難なものが本年の三月以降新たな体系に移行しておりますし、既に古紙のように全く異質なすぐれたサイクルを完了しておるものもあるわけでありますが、やはり今後の廃棄物の状況に応じてごみ収集の有料化といった議論というものは、私は当然のことながら検討されていくべき一つの方向であろうと存じます。
 ただこの場合には、避けて通れませんのは、一方では環境税というものがよく議論をされるわけでありまして、私個人は実はごみの有料化というのも一つの環境タックスではないかということを自分の意見として公表したこともございますけれども、私は、こうした論議というものはいずれにしても相当前広に行われる国民的な合意を得て実施していくべき性格のものであろうと、そのように考えております。
#79
○委員長(久世公堯君) 小島君、時間が参っております。
#80
○小島慶三君 時間が参りましたので私の質問は終わらせていただきますが、きょうはもう一つ、実は再資源化のプランということについていろいろお伺いしたかったんですけれども、私の意見も申し上げたいと思ったんですが、これで終わらせていただきます。どうもありがとうございました。
#81
○市川正一君 今日、一般廃棄物は、自治体が扱った五千百万トンのほかに、いわゆる回収業者などによって別途千五百万ないし千六百万トンが回収され、再資源化されていると聞いております。ということは、一般廃棄物の総量の約四分の一を回収業者などが再資源化していることになっております。その役割はまことに大きいと思います。
 そこで、本法案によるシステムが構築された場合に、回収や再商品化を行う事業が一定の規模と広がりを持ってニュービジネスとして確立していきますと、大企業が従来の回収業者の分野にまで進出することも予想されます。その結果、これまで町内会やPTAあるいは子供会等々、草の根の住民運動と相まって資源回収を行ってきたこれら回収業者の経営が脅かされるおそれも出てくると思われます。こうした草の根の運動は、住民がごみや環境問題あるいは資源問題、これを考える重要な場となってまいりました。これに水を差す結果にもなりかねない。
 そこで、大臣にお伺いしたいのは、こうしたことへの適切な対策あるいは考慮というものが求められてくると思うのでありますが、御所見を承りたいと思います。いかがでしょうか。
#82
○国務大臣(橋本龍太郎君) 私どもとしては、この法律案によりまして、市町村による分別収集量の拡大、そして事業者によるリサイクルの拡大が一番大きく期待されるところであります。そして、このリサイクルとその市場の拡大というものがこの法律案の目指すところでもあります。
 しかし、このためにはリサイクル市場の拡大を担うリサイクル事業者が健全に発展することが不可欠でありまして、地域のリサイクル事業と関連事業者への期待というものは非常に大きなものがございます。この法律案におきましては、再商品化を行う事業者に対し義務対象者から費用補てんが行われることになるわけでありますので、再商品化事業者の発展や参入、これは期待されるものであります。
 私どもといたしましても、再商品化事業者につきまして、これまでもリサイクル設備投資に対する特別償却でありますとか、あるいは低利融資、試験研究費の税額控除といった財政、金融、税制等にわたる支援措置を講じてまいりました。特に、中小企業につきましては、中小企業金融公庫や国民金融公庫といった政府系金融機関を通じました廃棄物の有効利用等を行うための設備についての低利融資、省エネ・リサイクル支援法に基づく技術開発補助金などの手厚い措置を講じながら、中小のリサイクル業者の支援に努力をしてきたつもりであります。こうした努力は今後ともに続けてまいるつもりでありますし、中小企業を初めとするリサイクル事業者の発展に向けた支援に努力をしていく姿勢に変わりはございません。
#83
○市川正一君 わかりました。
 次に、地方自治体との関係についてでありますが、市町村が本法案による分別収集計画を立てるときは、第八条第三項によって、主務大臣が定める基本方針に即し、かつ再商品化計画を勘案して定めるということになっております。そのことが市町村の積極的な分別収集計画の阻害要因になってはならぬと思うんです。
 例えば、市町村が積極的な分別収集計画を立てても、再商品化計画と矛盾すると市町村の計画をレベルダウンさせるほかなくなってしまう。市町村の側からは、私の聞くところによりますと、分別収集計画に一定の裁量権を求めたいというような意見もあるというふうに聞いておるのでありますが、そういう問題に政府としてどう対応されるのか、お伺いいたしたいと思います。
#84
○政府委員(小林秀資君) 分別収集計画は三年ごとに定められるものでございまして、市町村はそれまでの一般廃棄物の収集実績等をもとにいたしまして計画量を算定するものでありますから、実際の分別収集量と計画量の間にそれほどのずれが生ずることはまず少ないと思っております。
 仮に、実際の分別収集量が特定事業者の再商品化義務量の総量を上回ることになった場合、今先生がおっしゃられましたが、当該超過分は特定事業者が次年度に再商品化すべき量として加算されることになっております。したがいまして、市町村が第一義的に御判断をして構わないということでございます。
#85
○市川正一君 積極的なそういう分別収集計画にブレーキをかけるということのないように、その点はひとつ行政指導の上できちっとしていただきたいと思います。
 そこで、続けて伺いたいんですが、政府は、この収集経費あるいは施設整備のために自治体に対する財政援助を具体的にどういうふうに考えておりますか。
#86
○政府委員(藤原正弘君) 市町村による分別収集や保管を円滑にするための施設につきましては、例えばリサイクルセンターだとかリサイクルプラザまたはストックヤード、こういうふうなものにつきましては、厚生省としましてはその整備について重点的な国庫補助をして支援してまいりたい、このように考えております。
 それから、この分別収集にかかるその他の費用につきましては、今後とも市町村の意見を聞きつつ、分別収集への支援等につきましては自治省等とも相談いたしまして積極的な対応を進めてまいりたいと考えております。
#87
○市川正一君 先ほど来の議論にもここはかかわるのでありますが、再商品化のために事業者が引き取る容器包装廃棄物は、市町村が分別収集したものの全量を無条件に引き取るんじゃなしに、本法案で定める分別基準適合物に限ってということになるわけですね。だから、その分別基準適合物に合致するために市町村がいろんな手だてを尽くさなきゃならぬわけでしょう。政府の方は自治体の負担は軽減されるというふうなことを先ほどから繰り返しておられるんですが、必ずしもそうもならない。
 ということは、そういう分別基準適合物にするために、素材別に分けるだけじゃなしに、口金も外さにゃならぬ、あるいは洗浄をするとか、あるいはまた破砕するとかプレスするとか一定量にまとめるとか、かなり市町村がやるべき処理があるんですね。当然それに伴う負担の増大も明白であります。こういう新しい経費について国や事業者が負担する保証はないんです。さっき補助金をとおっしゃったけれども、それは全体のいわば施設整備とか収集経費、それをごちゃごちゃにあなたは言われましたけれども、出る分と出ぬ分もあるんでしょう。
 そうなってくると、第十条第四項のごみ収集の有料化の規定がいわば問題になってまいります。こういう市町村の負担増を有料化で貯えということにならざるを得ないと思うんですが、政府としてはそういう有料化の意図は絶対に考えていないということをこの際きっぱりと明確にしていただきたい。
#88
○政府委員(小林秀資君) 法律第十条第四項は、住民が分別排出を適正に行うことを促進するための措置を市町村が講じるよう努めることを定めたものでございまして、その方策の一つとして、手数料を徴収する場合に廃棄物の排出量に応じた徴収の仕方を定めることが分別排出の促進にとって望ましいものであるとして示したものでございます。
#89
○市川正一君 ということは、方策の一つ、言いかえれば有料化も選択肢の一つということと理解すべきなんですか、どうなんですか。
#90
○政府委員(小林秀資君) そもそも一般廃棄物の処理に関する仕事は市町村の固有事務であるということは先生もよく御存じだと思いますが、収集に際しまして手数料を徴収するか否か、また手数料を徴収するとしてもその額を幾らにするかということは、地方自治法や廃棄物処理法の規定に基づき各市町村の条例によって定められるものでございます。したがいまして、市町村長さんの御判断ということによりますが、今回我々が設けた規定というのは分別収集の促進のためにやるということでございまして、その余のためにやっているわけではございません。
#91
○市川正一君 時間が参りましたので、私はそういう有料化を選択肢の一つとしてここに織り込んでいるということについてはこれは極めて問題があると思いますが、分別収集のために要する新たな経費は本来事業者がみずから負担すべきものであり、市町村や消費者に転嫁すべきでないということを重ねて指摘して、質問を終わります。
#92
○委員長(久世公堯君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 本案の修正について市川正一君から発言を求められておりますので、この際、これを許します。市川正一君。
#93
○市川正一君 私は、容器包装に係る分別収集及び再商品化の促進等に関する法律案に対し、日本共産党を代表して修正の動議を提出いたします。その内容は、お手元に配付されております案文のとおりであります。
 これより、修正案提出の理由及びその内容について御説明申し上げます。
 まず、修正案を提出した理由でありますが、政府案は、容器包装廃棄物について不十分ながらもリサイクルさせる仕組みをつくったという点で一歩前進と言い得ると思いますが、今日の容器包装廃棄物のはんらん状況をつくり出した大企業の責任をあいまいにし、大量に排出された後の容器包装廃棄物の再利用対策をとるのみというものであり、また、その経費の負担についても最終的には地方自治体と消費者に負担させるなど、少なくない問題点を内包しております。
 そこで、廃棄物問題の解決と資源の有効利用を図る観点から、最小限の修正を行おうとするものであります。
 次に、修正案の内容について御説明申し上げます。
 第一は、容器包装廃棄物を発生源から抑えることを明確にするため、法律の目的にその趣旨を明示することであります。
 政府案は、大量に排出される容器包装廃棄物の分別収集と再商品化だけが目的とされ、容器包装が開発・製造段階から廃棄物にならないようにしていく発生抑制の観点が欠如しているため、これを目的に明示して大量生産、大量消費の経済システムにメスを入れていこうとするものであります。
 第二は、ごみ収集の有料化に地方自治体を誘導しようとする規定を削除することであります。
 政府案の第十条第四項の規定は、現行の廃棄物処理法第六条の二第六項で地方自治体の自主的判断で手数料を徴収できるようになっているのにもかかわらず、あえてこの法案にまで織り込んだことは、有料化の誘導ないし促進に悪用される危険があります。本来、容器包装廃棄物の分別収集に要する新たな経費は事業者みずからが負担すべきものであって、安易な消費者負担を誘導する有料化の規定を削除するものであります。
 第三は、廃棄物処理に関する事業者の責任をあいまいにして消費者にその負担を転嫁することを容認する規定を削除することであります。
 政府案の第三十四条は、容器包装廃棄物の再商品化を理由とした製品価格の値上げを事業者に成りかわって国がその正当性をPRしなければならないことを規定しております。このような値上げ容認は、かえって事業者の容器包装廃棄物の排出抑制の努力を免罪にするものであります。本来、再商品化に要する経費は事業活動に伴うコストとして事業者みずからが負担すべきものであり、安易な消費者負担を容認する不当な規定を全文削除するものであります。
 以上が、修正案を提出する理由とその趣旨であります。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。
#94
○委員長(久世公堯君) これより原案並びに修正案について討論に入ります。――別に御意見もないようですから、これより直ちに容器包装に係る分別収集及び再商品化の促進等に関する法律案について採決に入ります。
 まず、市川君提出の修正案の採決を行います。
 本修正案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#95
○委員長(久世公堯君) 少数と認めます。よって、市川君提出の修正案は否決されました。
 それでは次に、原案全部の採決を行います。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#96
○委員長(久世公堯君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 長谷川清君から発言を求められておりますので、これを許します。長谷川清君。
#97
○長谷川清君 私は、ただいま可決されました容器包装に係る分別収集及び再商品化の促進等に関する法律案に対し、自由民主党、日本社会党・護憲民主連合、平成会、新緑風会及び日本共産党の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
   容器包装に係る分別収集及び再商品化の促進等に関する法律案に対する附帯決議(案)
 政府は、本法施行に当たり、特に次の諸点について適切な措置を講ずべきである。
 一 本法が我が国のリサイクル社会の基礎づくり及び地球環境保全の一環となる法律として、その機能を十分発揮し、かつ排出自体の減量化にも資するものとなるよう、適切な制度運用を図るとともに、国民・事業者の意識の向上や意見の反映に努めること。
 二 市町村の分別収集のための施設に対する支援等、分別収集を行う市町村に対し財政上の配慮を行うよう努めること。また、各市町村が自ら分別収集に要した費用を極力公表するよう指導すること。
 なお、既存の民間リサイクルシステムが円滑に運用されるよう配慮するとともに、分別収集計画の作成に際しては、民間リサイクル関係者の意見を斟酌すること。
 三 再商品化計画を策定する際は市町村の動向を十分考慮するとともに、各地域の再商品化技術及び再商品化事業者の動向について調査を行うよう努めること。
 分別基準適合物の用途開発等に対する支援措置を講ずる等、再商品化可能量の拡大に努めること。
 四 指定法人の事業の運営については、透明性・公平性が確保され、かつ、民間事業者等の創意工夫が十分発揮されるよう組織や人事等において特段の配慮を行うこと。
  特に、入札制度の在り方については、評議員会の設置等を通じて適切に行うよう指導すること。
 五 本法の適用が除外、若しくは猶予される中小企業者等においても、リサイクル推進の重要性を踏まえ、適切な対応に努めるよう指導すること。
 六 地球環境問題の解決に資する観点から、資源の有効利用を図る関連産業の育成等のリサイクル政策を一層推進していくとともに、情報交換や技術交流についての国際的展開に努めること。
  なお、製品等の原料採取から廃棄に至る全段階での環境への負荷を評価するための手法について、諸外国との連携も踏まえつつ調査研究を進め、その確立を図るよう努めること。
 右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
#98
○委員長(久世公堯君) ただいま長谷川君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#99
○委員長(久世公堯君) 全会一致と認めます。よって、長谷川君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、橋本通商産業大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。橋本通商産業大臣。
#100
○国務大臣(橋本龍太郎君) ただいま御決議のありました附帯決議につきましては、その趣旨を尊重し、本法案の適切な実施に努めてまいる所存であります。
 ありがとうございました。
#101
○委員長(久世公堯君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#102
○委員長(久世公堯君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後零時二十二分散会
ソース: 国立国会図書館
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