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1995/02/09 第132回国会 参議院 参議院会議録情報 第132回国会 農林水産委員会 第2号
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1995/02/09 第132回国会 参議院

参議院会議録情報 第132回国会 農林水産委員会 第2号

#1
第132回国会 農林水産委員会 第2号
平成七年二月九日(木曜日)
   午後一時開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 二月八日
    辞任         補欠選任
     村沢  牧君     大渕 絹子君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         青木 幹雄君
    理 事
                大塚清次郎君
                佐藤 静雄君
                稲村 稔夫君
                菅野 久光君
                星川 保松君
    委 員
                井上 吉夫君
                浦田  勝君
                北  修二君
                高木 正明君
                吉川 芳男君
                大渕 絹子君
                谷本  巍君
                野別 隆俊君
                細谷 昭雄君
                風間  昶君
                刈田 貞子君
                都築  譲君
                井上 哲夫君
                林  紀子君
   国務大臣
       農林水産大臣  大河原太一郎君
   政府委員
       農林水産大臣官
       房長       高橋 政行君
       農林水産大臣官
       房審議官     紀内 祥伯君
       農林水産省経済
       局長       東  久雄君
       農林水産省構造
       改善局長     野中 和雄君
       農林水産省農蚕
       園芸局長     日出 英輔君
       農林水産技術会
       議事務局長    山本  徹君
       食糧庁長官    上野 博史君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        秋本 達徳君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○青年の就農促進のための資金の貸付け等に関す
 る特別措置法案(内閣提出、衆議院送付)
○農業改良資金助成法の一部を改正する法律案
 (内閣提出、衆議院送付)
○農業に関する技術の研究開発の促進に関する特
 別措置法案(内閣提出、衆議院送付)
○農業経営基盤強化促進法の一部を改正する法律
 案(内閣提出、衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(青木幹雄君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日、村沢牧君が委員を辞任され、その補欠として大渕絹子君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(青木幹雄君) 青年の就農促進のための資金の貸付け等に関する特別措置法案、農業改良資金助成法の一部を改正する法律案、農業に関する技術の研究開発の促進に関する特別措置法案、農業経営基盤強化促進法の一部を改正する法律案、以上四案を一括して議題といたします。
 四案につきましては、既に趣旨説明を聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#4
○大塚清次郎君 ただいま本委員会にかけられております四法律案につきまして質疑をいたします。
 まず初めに、ウルグアイ・ラウンド農業合意の関連対策、この重要な一つの政策をおろしていく法案であるわけであります。当然補正予算、また本予算で財政的な裏づけもしていただいておりますので、法案の中身につきましては大変よく整っておると思っております。そこで、それぞれの法案につきましてポイントだけ簡潔に質問をいたしたいと思いますので、それぞれ局長なり、あるいは大臣からひとつお答えをいただきたいと思います。
 まず、青年の就農促進法についてでございます。このことにつきましてひとつお聞きしておきたいのは、どうせ政省令等で明らかになってくると思いますが、この青年就農の客体の年齢幅をどうお考えになっておるか、年齢制限を。そこをまずお聞きしておきたいと思います。
#5
○政府委員(日出英輔君) 先生お尋ねの青年の範囲でございます。
 これは、農業改良助長法の中でもそうでございますし、いろいろな各般の制度で青年という言葉を使っているのがございますが、そういうのを通じて見ますと、通常でございますと二十歳代を想定した概念だと思います。しかし、私どもは改良資金助成法で既に三十代まで青年という概念で今制度がございます。そういうものとのバランスを考えまして、一応私どもとすれば三十代まで入れまして青年という概念を示したいというふうに思っておる次第でございます。
 原則とすれば二十代、都道府県の実情に応じて三十代まで範囲を広げる、こういう考え方でございます。
#6
○大塚清次郎君 原則として二十代、できれば三十代でひとつということでございますが、農水省の調査によりますと、特にUターンの就農青年がありますのと新学卒がございます。これで平成五年五千という新規就農があっておりますが、やはり二十代にしますとこれはもう非常に減ってしまうということでございますので、そういう点では、なるべくこれは幅を広げないことには高齢化、それから後継者不足、この解消に役立つことが非常に薄くなるということですから、その辺で四十歳未満について取り上げていただきたい、こういうように思います。
 それで、そういうことでいたしまして、これから中期的に毎年毎年との程度これによってふやそう、また就農者がふえていくのか、その辺の見通しについてもちょっと伺いたいと思います。
#7
○政府委員(日出英輔君) なかなか先生の御質問に対して的確に答えるのは難しゅうございますが、いずれにしましても、平成三年度ごろから私ども新規就農者対策を逐年充実してきたわけでございます。その中で、今回本法案という形でお示しをいたしております新規就農者に対する資金の貸し付けの部分だけが大きく抜けておったということでございます。私どもといたしますれば、これまでの施策と今回の資金の貸し付けと両々相まちまして、新規就農対策はほぼメニューといたしますと大きなところは全部そろえたのではないだろうかと思っております。
 一方、これによりまして、私どもといたしますれば、新政策で実は経営体の目標というのを示しているわけでございますが、この経営体の目標を安定的に確保していくためには、現在の五千人規模を約二倍ないし三倍ということで、まあ実数で言うのが適当かどうかわかりませんけれども、一万三千ないし一万五千人程度を確保していく必要があろうかと思っております。
 なかなかこの数字、数字そのものを確保できるかどうかわかりませんが、極力これを目指しまして、国だけではございませんで、県なり市町村なり、あるいは農業団体のいろんな力をおかりしながら、着実に新規就農者の数をふやしていきたいというふうに思っている次第でございます。
#8
○大塚清次郎君 やっぱり一定の目標は必要だと思いますね、法律で促進していくわけですから。ひとつぜひ御努力いただきたいと思います。
 もう一つ、最後に関連でございますが、このことに関してやっぱり後継者不足、それから高齢化、これは急速に進行しております。そういう点からいいますと、今もう既に都道府県なり市町村が就農促進対策として基金をつくってみたり、あるいは市町村の単独でそういう助成についていろいろな仕組みをつくっておると思うんです。これとの関連、整合性、これをどういうようにすみ分けするのか、加えていくのかどうするのか、この辺が非常に交通整理といいますか、これが大事だと思いますが、その点につきまして農林水産大臣のお考えをお願いいたします。
#9
○国務大臣(大河原太一郎君) お答え申し上げます。
 新規就農者の確保につきましては、国も近年大変力を入れてまいりまして、今回の制度、新制度を裏づける法案の御審議を願っておるわけでございますが、県なり市町村においても新規就農者の確保について各般の施策を講じている面があるわけでございます。
 したがいまして、従来の制度、各県が自主的に行っている従来の制度との交通整理と申しますか、それぞれが重複したり矛盾したりというようなことがないように、この制度の発足については十分各県とも連絡を取り合いまして、その体系的な就農促進が行われるように努力したいと思うわけでございます。
 ちょっと余計なことでございますが、今度の国内対策、国の国内対策措置と並行いたしまして、地方財政措置でも農山漁村ふるさと事業というような特別枠を設定いたしてソフトの事業をねらっておるようでございますが、これらの事業とも関連を持たせながら御指摘の点について対応していきたい、さように思っておるところでございます。
#10
○大塚清次郎君 それでは、次に移ります。
 農業改良資金助成法の一部改正法、これはねらいとしては特に条件不利地、中山間地、これをとらまえて特定地域の新部門の導入資金の創設は時宜にかなったもの、大変いい発想だと思っておりますが、問題は、中山間地の問題が特に一番難しい問題だと思っております。あらゆるいろいろな施策を講じていこうとされておりますけれども、問題は新部門という、いわゆる新作物の導入ということは、これはなかなか難しい面があるんじゃないかと。難しいというのは品目のとらえ方に一つありますし、もう一つはそのものが持っている不利な条件、こういう事柄がございます。
 そうしてまた、過疎化も一番進んでおりますので、そういう点をふるさと事業あたりの全体の国政の中でとらまえて、これを一つの大きな柱にしようというその意味はよくわかるわけでございますが、よほどこれは気をつけないと、これがなかなか利用が本当にわいてこないということになりかねないと思いますが、その点については総合的にどういうお考えなのか、農蚕園芸局長に。
#11
○政府委員(日出英輔君) 先生今お話しのように、条件不利地域で新規作物を導入いたしますとか、あるいは新規の栽培管理方法を導入するとかいう形で地域の農業なり地域そのものに対する活性化をねらおうとしているわけでございますが、そもそも条件不利地域は平場に比べて非常に難しい地域でございます。
 ですから、先生お話しのとおり、こういったものにつきましては、かなり細心な指導というものが必要だろうと思っておりますが、私どもはこの新規作物の導入なり新規の栽培管理方法の導入に当たりましては、改良普及センター等々を先頭にいたしまして、きちっとした指導をいたしますとともに、この制度の貸し付け対象につきましても、なるべく弾力的な使いやすい工夫をいたしたいというふうに考えている次第でございます。
#12
○大塚清次郎君 今御答弁のように、これは非常に地帯地帯に特性がありますので、政令、省令、要綱あたりで余り縛って、実はこれなかなかはまらぬということにならないように、その点配慮をいただきたいと思います。
 それから、この中でひとつ新しい試みとして、従来都道府県段階で貸し付けをやっておりましたのを、申請による市町村の選択によって市町村に任せる。これはまことに時宜にかなった現実的なやり方だと思います。これは、やっぱりこれのみじゃなくて、今のように総合的に基盤整備から生産、流通、しかもなるべく何人かで一緒になってやるということにならないと、これは芽を出すことはできないと思います。そういう点をひとつ配慮して、この政省令なり要綱で御配慮いただきたいという、これは要望を出しておきます。
 それから、その次に移ります。農業に関する技術の研究開発の促進に関する特別措置法案についてでございます。
 これは、ウルグアイ・ラウンド合意という環境の変化、これに即応して今までの研究開発をひとつ幅を広く、奥行きを深くして、しかも急いで進めようという発想から出たものと思っておりまして、大変これはいい試みだと、こう私ども受け取っておるわけでございます。
 そういう点については、国、都道府県のいわゆる公的な研究開発機関がありますね。従来長い歴史を持って相当の成果も上げてまいりました。それで、国と都道府県の間に機能分担があった。これを最近は少しその壁を非常に緩やかにしてやっていこうということもいいと思いますけれども、問題は、何年か前スタートさせられました生研機構。
 今の状態は、これは動いておりますが、そういう意味では生研機構は、特に機械化促進法に着目したこの生研機構の運営、これが大体主になっておるようでございますのと、それから公的機関からの民間の研究開発部門とのドッキング、これの活用、こういうことになっております。これを急ごうということになる。そして、ひとつ民間との関係をさらに強めようということで、日本農業が今後やっぱり国際競争に勝っていくためには品質あるいはコスト、そういう点だと思うんです。ですから、急ぐ研究開発の一つの課題をどう設定するか、課題項目をどうつかまえるか。これは具体的にならないといかぬと思う。
 そして、公的機関とそれから生研機構と民間委託という形での三位一体の研究開発の項目設定から、それをずっとこの経過段階を追跡していく。これは、生産現場が追跡できるようにしなきゃならない、どこまでどうなっているんだろうと。それから開発されたものについては、これを実証していかなきゃならない。そして、これは全くよろしいとなったとき、普及ということになる。これを急がなきゃならぬということになろうと思いますが、その手だてをどうしていくか。これは非常に今、特に担い手はこれを渇望しております。
 したがって、何か専門家の間でのそういったような手だてだけではいけないんであって、やっぱり産地に見えるように経過、研究成果、そしてその実証、そして普及、これをしなきゃならぬ。何か手だてはございませんかね。今あるにはあると思いますが、どこかでとまっていると私は思っておりますが、そういう点についてひとつ局長さん、お願いします。
#13
○政府委員(山本徹君) ただいま先生御指摘のとおり、この研究課題の設定と、これを現場に普及し、農業生産に成果を上げていく、このプロセスは大変重要でございます。
 このために、生研機構におきまして生産者団体、それから学識経験者、都道府県、国等から成ります企画委員会というものを設けまして、ここでどのようなテーマを取り上げるか検討することにいたしておりますが、その際にも、直接農業の現場におられる生産者の皆様方あるいは専門家の御意見を十分に承りまして、今日本の農業が最も必要としているテーマを選んでまいりたいと考えておるわけでございます。
 このテーマを選びまして、具体的な研究開発の作業でございますけれども、これは複数の圃場におろしましてこれを実施することにいたしておりますが、この圃場での研究段階におきましても現地の協議会というようなものを、生産者、それから普及組織また学識経験者、行政等々から成る協議会を設けましてこれをフォローするとともに、特に現場の農業者の皆様方の御意見あるいは御要望、御注文、あるいは評価等々は十分承って、これを研究開発に反映させるように努力いたしたいと考えております。
 これによって研究の成果が得られました場合、これはこの現場の研究で実証的な作業は、手続は済んでいると思っておりますけれども、なお地方ではこれをモデル的に、これは失敗のないように実施してみて初めて各農業者に幅広く普及するというようなお考えもあるかと思いますので、そういった現地での普及の手続、方法等についてもまたこれから十分御相談しながら進めてまいりたいと思っておりますが、しかしせっかくの研究成果でもございますので、研究状況等につきましては、少なくとも生研機構あるいは国のいろんな出版物あるいは各種会議等によって常時御報告するとともに、少なくとも毎年一回は全国レベルでの発表会等も考えておりますけれども、さらにこれを迅速かつ円滑に普及するということが大事でございますので、これらの点については生産者の団体あるいは普及組織、行政、専門家等々で十分御相談しながら進めてまいりたいと思っております。
#14
○大塚清次郎君 私の質問はこれで終わりますけれども、大臣がせっかくお見えですから御要望しておきたいと思います。
 やっぱりこの四法案、ウルグアイ・ラウンド関連の重要な法案でございます。そこで、いろいろ具体的には今後政省令、要綱等にゆだねられていくと思いますが、担い手にいろいろそういうもので制限が余り強過ぎてこれの実効をそぐようなことにならないように政省令の中でも、そしてその運用でもひとつ弾力的な扱いをされて、これが本当に生産農家のためになるという方向で対処していただきたいということを最後に要望いたしまして、後、本会議も迫っておりますから、少し早目ですが引き揚げます。
#15
○稲村稔夫君 きのう、私たちもこの会議に先立って阪神大震災に対する黙祷をささげました。そしてまた、大臣もかなり積極的に震災問題に取り組んできておられまして心から敬意を表するとともに、今後にいろいろと生かしていくものもいっぱいあるんだろうというふうに思いますので、ぜひ頑張っていただきたいというふうに思っております。
 そこで、最初に伺いたいのは大臣の所信について、これから後、所信についての質疑をする日程がとれればそれは大変ありがたいのでありますけれども、予算の審議との関連、法案との関係でできないことがありますとあれですから、非常に簡単でありますけれども大臣の所信について少し伺いたいと思います。
 今申し上げましたように、震災についてはこれはもう本当に大変でした。農林水産省は二つの側面がやっぱりあったと思うんです。一つは、淡路島等に見られる生産現場の被害をどうするか。それからもう一つは、食料という観点から、生命を維持するために必要な対策を供給者としてはとらなきゃならないという二つの使命がある。
 そういう中で、いろいろと御努力をされた中で今後考えなければならないな、こういうふうに変えなきゃならないな、あるいはこういうふうに前進させなきゃならないなと思われることは幾つもあるんだろうと思いますが、その重要なものについて、大臣は実際に震災に対応していかれて今どのように思っておられますか、そのことをまずお伺いしたいと思います。
#16
○国務大臣(大河原太一郎君) 稲村委員御指摘のように、農林省の責任といたしましては、食料の供給確保の問題並びに農林漁業者等に対する災害における対策、この二点に分かれるわけでございますが、今回の食料確保につきましては、十七日に災害が発生した直後に直ちに約三千トンの精米を現地に配送いたしました。また、十万個の乾パンを用意するというようなことで緊急の対策を講じますとともに、また米だけではございませんので、やはり各種の加工食品、パンその他等、あるいは生鮮食料の果物等についても関係団体に供給確保についての要請をいたしまして、とりあえずの緊急の数日をしのぐということにしたわけでございます。さらに、兵庫県当局から食料確保計画の提出を求めまして、この的確な実施によって万全を期したいということで、実は農林省も独自に神戸に早々に食料等供給現地対策本部をつくりまして県市と提携しまして表裏一体になってやって、おかげさまで食料確保については当面その御心配をかけることはないというところになっております。
 しかしながら、実は今回の災害からいろいろな教訓を得ております。
 やはり国、特に被災地に密接した県なり市の備蓄の問題です。備蓄体制の問題等々について、あるいは備蓄の量の確保等はもちろんでございますが、配置の場所とか、また備蓄の輸送のルートだとか、また炊き出し等に対する避難所への搬送のルートとか、あるいは炊飯施設とか水の確保とかさまざまな教訓を得ましたし、また肝心な情報の迅速かつ的確な連絡、また先ほど申し上げました食品業者なんかに対する協力を求めるための連絡体制、そういうものにつきまして、いわば危機管理でございますが、その体制について多くの反省をしておるところでございまして、今後は地域防災計画の根本的な充実の中で備蓄というものがさらに強く位置づけられると思いますので今回の教訓を生かしてまいりたい、さように思っておるところでございます。
 それから、農林漁業者に対する施設災害につきましては、漁港と農地のため池等を中心とした被害を大変受けました。
 これについては、漁港については一月二十五日に激甚災の指定が公共土木として行われましたし、それから二月八日には、もうその前に決定して現地には通告しておりましたが、農地、農業用施設等あるいは共同利用施設、これについての激甚災の適用も確保することができたわけでございますが、淡路島はため地かんがい地帯でございまして規模の小さいため池が大変多い。したがって、今後はこの災害復旧等については相当な技術的な検討等も行って進めていかなければならない、さように思っております。
#17
○稲村稔夫君 大変前向きな御答弁をいただきましてありがとうございました。
 いずれにいたしましても、第一は震災を受けた地域の皆さんにまずその復興のために立ち上がっていただく、そのための援助を全力を挙げてやらなきゃならない。これは当然、食料の問題やらその他農林水産関係にかかわるものもいっぱいあるわけでありますから、それはそれでもうお取り組みをいただいているわけでありますし、精いっぱい御努力いただきたいと思うわけであります。
 そして、今後の問題といたしましても、今大臣から御答弁がありました。今後も地震のような自然災害というのは待ってくれと言ったって待ってくれるわけではありませんし、それを完全に克服するなどという力は人間にはないわけでありますから、そうすると、それだけに備えるということが非常に大事なポイントになってまいります。
 例えば食料の備蓄にいたしましても、近県の備蓄と付近の市町村の備蓄というようなものを考えましても、やはり防災計画の中でいろいろとやっても予算の関係だとかなんとかといって、備えてあったり備えてなかったりというようなことがございます。それだけ財政的な関係なども含めていろいろとまた工夫をしていただかなければいけないんではないだろうか。その辺、前向きにお取り組みをいただくという御答弁でございましたので、ぜひ頑張っていただきたいというふうに思います。
 震災はそのくらいにいたしまして、次に、大臣の所信を伺いまして、いろいろと対応されていることの方針、見識等に敬意を表するわけでありますが、ただ、私が今重要な問題ではないかと考えております点で多少足りないところがあるような気がいたしまして、伺うわけであります。
 ウルグアイ・ラウンド対策として、いろいろと国内対策を与党の私たちも一緒になりながら農水省も積極的な展開をしていただいて一応今度の補正予算の審議というような形になったわけであります。
 そういう国内対策についてのある程度のことは対応をいろいろとやって、しかしウルグアイ・ラウンドというのはやはり国際的な問題でありますから、国際的な観点からいろいろな事情から切り離して考えるわけにはいかない。それももちろん国内対策として考えなきゃならない側面というのがあるわけですけれども、しかし、今地球上の飢餓の問題、これは非常に大きな問題だと思うんです。
 例えば木を植えるという援助も大変大事です、国際貢献も大事です。それから、生産技術を高めたりいろいろする、そういう援助も非常に大事なことですから、それはそれなりに評価はするんですけれども、しかし、やはり全体に人類の意識の改革といいましょうか、飢餓を克服していくためにどうしなきゃならないか、これは非常に大変な問題だと思うんですね。
 特にそういう中では、我が国は食料の大量輸入国だけに、みずからの食料の維持というもの、自給率を高めていく、そういう努力をしながら援助をする国にも自給力を高めていただく。援助をする国にも我が国がもし余分なものが生産されれば援助ができるような、そういう体制というものを組みながら、それの国際的な協力ができるように、まさに国際的なイニシアチブを発揮しなければいけないんじゃないだろうか、そういう時期ではないだろうか。大臣もお考えになっているんだと思いますけれども、その辺、所信の中にはどうも十分酌み取り切れなかったものですから、お聞かせをいただきたいと思います。
#18
○国務大臣(大河原太一郎君) お答え申し上げます。
 今日の人口とか環境問題その他で非常に食料の自給問題がまた大変大きな課題になってきておることは申すまでもないところでございますが、特に慢性的な食料不足をしている開発途上国、こういう国々においては国内で自給する体制を整えることがまず第一だという点で、農林省の資金協力なり技術協力等もその点については従来配慮してきたところでございますが、今後もこの点については特に強く力を入れてやっていきたいわけでございます。
 もちろん、委員も言及されましたが、それはこちらでも援助全力があれば、食料等の物自体もこれに対してその措置を進めていくということについても当然のことであるというふうに思っておるわけでございまして、単なる自国の自給卒問題だけでなくて、国際的な視野、世界的な今日の問題を視野に置いた農政の展開を進めなければならない、さように思っております。
#19
○稲村稔夫君 ありがとうございました。
 私は、特に我が国はこれからも自給卒を拡大するという見本を見せながらそういう国にも援助をしていくという形にしないとなかなか難しいんではないだろうか。特に工業化をみんな考えている。為政者はどうしても工業化ということを考えがちでありますから、そうすると農業という、所得がいろいろ自然に支配をされるというものについてどうしても後退しがちだということがあります。我が国が見本を見せなければいけないということがあると思いますので、ぜひその辺は腹に置きながら今後の展開をしていただきたいと思います。
 本会議の関係もありますし、私もできるだけはしょらなきゃならぬというふうになるわけですので、次に、今回提起をされておりますウルグアイ・ラウンド関連四法案について、これは本当は一つ一つ伺いたいと思っていたのですけれども、時間もちょっとあれですから、大体共通点は一括して、ひとつどうしても聞いておきたい、伺っておきたいと思う特徴点はそれぞれ伺うというふうにしたいと思います。
 最初に、青年就農促進のための資金貸し付けにいたしましても、農業改良資金助成法案の改正にいたしましても、それから技術研究開発の促進に対する特別措置法にいたしましても、主たる財政的援助の方法というのはこれは融資によるという形になっておるわけです。私はこの点にちょっと疑問がまだ残っているんです。
 確かに、融資という面でいきますと無利子、融資という観点からいけば随分思い切った措置をとっていただいたり、もう本当に低い利息水準にしたりという努力をしておられる、この点は大いに評価をするんです。しておりますが、しかし、果たしてそういう融資で切り抜けられるんだろうかどうだろうかという問題が出てくるわけであります。
 というのは、我が国農業の状況は、皆さんの方の例えは農家経済の調査報告などを拝見いたしましても、農業所得、農業から得られる所得というのはこれはどんどん年々落ちていっているわけです。家計充足率でいけばかなりの低下をしているわけです。そして他産業の方を見てまいりますと、まさに他産業はペイをしないもの、それはもうみんなどんどんと製造業あたりだったらやめていくわけであります。そして、新しい分野にまた行くとか、いろいろな工夫をして生き抜いているわけでありますが、農業の場合は農業からなかなか離れ切らないというそういう側面を持ちながら、一方では収入減になってくる、こういう形になっておるわけでありますから、仮に無利子にいたしましても、そして据置期間を長く置いていただいたとしても、しょせんは返さなきゃならないという問題が常について回るわけであります。それだけに、融資ということだけでなかなか今の厳しいウルグアイ・ラウンドで影響を受けるものを切り抜けるのは容易ではないんじゃないだろうかというふうに私は思うんです。
 例で申し上げますと、例えば青年の就農促進のための資金貸し付けなどについては、例えばフランスのDJAなんかが代表的でありますけれども、EUにも言ってみれば一つの共通基準みたいなものが設けられておりまして、そしてやっている国もあるしやっていない国もありますが、それぞれの国が何らかの対策を立てるというような形をとっている。その柱はやっぱり条件不利なところ、あるいは新しく就農する者がリスクを負う、つまり新しいから技術的にもちょっとおくれているとかなんとかいろいろとありますからそういうリスクを負う、そういうことをみんな見込んで助成金として出しているわけですね。
 そういうふうに考えてまいりますと、例えば改良資金の助成法案にいたしましても、新たな部門を開発していくというものに対してそういう有利な融資で誘導をというのは、これはわかるんですけれども、しかし、じゃ新しいものを誘導して、そして利益を得られて返済が将来できるようなそういう経営に行ける者はどの程度あるんだろうということになると私は極めて心細い状況だと思うんです。ということになってまいりますので、研究開発については生研機構を通じてのことになりますけれども、そういう民間の協力を得るためには、やっぱりこれも貸付金による誘導という形になるわけであります。
 そういうふうに見てまいりますと、どうも融資ということ、これを評価しないんじゃないですよ、今度の融資のやり方についてはこれは大きく評価をします。しかしというのが一緒にもう一つついて回りますね。この辺、どうしてフランスだとかEUのような助成金制度がとれなかったのか、そこのところをちょっと、どなたからでも結構ですから。
#20
○政府委員(日出英輔君) 農業政策の推進の手段として今の融資の問題あるいは助成のような手法、税制その他いろいろあるわけでございますけれども、先生今お尋ねの、例えば就農につきましての助成という形ではなくて、融資という形をとった理由でございますけれども、これは今の農業改良資金も、昭和三十一年にできまして以来、実は無利子の融資でやってきたわけでございますが、その時点でもう既に総量的な生産の増大ではなくて、すぐれた技術が個々の経営の中に導入されて立派な経営をつくっていくといったようなことが行われますときに、助成というよりはやっぱり融資で、最終的には返してもらうという気持ちでやった方が効果が上がるんだろうということがその背景にあったようでございます。
 私どもは、新規就農に当たりましてはいろいろ問題はあろうかと思っております。フランスのDJAの例もよく私ども勉強したつもりでございますが、私どもといたしますれば、こういった個人助成というのがヨーロッパの場合には直接所得補償でございますとか結構あるわけでございますけれども、日本の場合でございますとなかなか個人助成という手法がございませんので、今私どもが一番政策効果の強いものとして、先生も既にお話になったわけでございますが、一番長いのでは最長二十年という通常のソフトの資金では考えられない超長期の無利子の資金を今回つくったわけでございます。
 中山間なり条件不利地域におきます新部門の導入につきましても、いろいろ先生のお話のように大変厳しい中で返してもらうという仕組みで果たしてうまくできるかという議論は当然あろうかと思いますが、一方でやはり無利子でございますけれども返していただくという前提で何とか、そういう条件不利地域ではございますけれども、新しい農業なり新しい管理形態の農業が生まれることを私どもとすれば強く期待をしているわけでございまして、そういう意味で私どもは、融資でありますときに今まで以上に改良普及といったものあるいは生産団体との連携、こういったものは大変大事になるだろうというふうに考えている次第でございます。
 先生の御質問に対してちょっとお答えにならぬかと思いますけれども、私どもの気持ちを申し上げさせていただきました。
#21
○稲村稔夫君 気持ちの御答弁が局長からございました。
 私は、理論的に言えばまた論争の種があるんだろうと思います。しかし、それは時間もありませんし、別にいたしまして、常識的に考えても、今農業経営の所得が大変落ちてきているというそういう状況の中での融資ということなんですから、当面は融資でやむを得ないならやむを得ないとして、将来、一定の成果を見ながら、その融資に対してまたどう対応するかというようなことがある程度見えできますと、そうするとそれはそれなりにまた活用する人たちも勇気を持って活用に取り組むというようなことにもなるんではないだろうかというふうに私は思うんです。
 私は、例えば青年の場合でいけば、これは局長は前から私も主張するからもう耳にたこになっておるんでしょうけれども、例えば育英資金であるとかそういう形で一たんは貸し付けになるけれども、一定の義務を果たすということを条件にして返済免除になるというようなものなども中にはありますと。例えば資格がなきゃいけないんだったら資格を与えてやるということですね。農業大学へ通っていくというようなことを条件にするんですから、そのときに資格ができるようなカリキュラムを組みながら資格を持ってもらうというようなこともあわせて考えていくとか、制度はいろんな工夫の仕方があると思うんです。フランスのあれだって成果が上がらないものには援助しないということになるわけですから、私は当然そういうことはあっていいと思うんですよ。だから、例えば五年間なり何年間なり就農して一定の成果を上げてきているというものについての評価はきちっとして、そして返済猶予なり免除なり何かいろんな工夫をしてやることが必要なのではないかと。これは今度私の方も気持ちのことを申し上げました。
 もう一つ気持ちのことを申し上げますと、けさの読売新聞に東京の安全信用組合、これは安全じゃなかったですね。バンクいたしました。それと東京協和信用組合と合併をして新しい東京共同銀行というような形のものをということがありますけれども、これにぽんと預金保険機構などというところから四百億円贈与をすると。大きいですよね、四百億円なんて。学者の中からも随分批判が出ています。大体バランスシートも貸出先も何も皆わからないで、ただ銀行の金融不安を招きそうだからというだけで、経営の実態がはっきりさせられないで、それでこれに大変な援助をすると。
 これは大蔵省の管轄のところですね。農林水産省は僕は遠慮することはないと思うんだよ、大蔵省でさえこんなことをやるんだもの。だから、やっぱりそういう積極的な面、これは出ているのは言ってみれば極めて後ろ向きな側面なんですから、そうすると、我が方がやろうと言っているのはこれから積極的に農業に取り組もうというのを育てていこうという形のものなんですから、そういうふうに考えていくと、積極的なところかそのくらいの勇気を持った対応をすることは当たり前なんです。このくらいのことは大蔵省とも大いにやり合っていただきたい、そんなふうに思うんですけれども、いかがでしょう。
#22
○政府委員(日出英輔君) 青年就農の促進のための就農支援のお金につきまして、実は今、稲村先生のお話にございましたように償還猶予あるいは償還免除、特に償還免除という手法がとれないかどうかという検討を昨年来やってきたわけでございます。
 実は数件でございますけれども、例でございますが、幾つかの都道府県で独自にこういった新規就農者に対する育英資金のようなものを貸し付けて、一定の要件に該当いたしますと償還を免除されるというやり方をやっているわけでございます。
 私どももこれにつきましてそういう必要があるかどうかという検討あるいは現行の国の債権管理の中でできるかどうかという検討をいたしましたが、看護婦さんとかお医者さんとか公的な公共サービスの担い手でございますと例が若干ございますけれども、産業活動の担い手という形だけではなかなかその例にならぬというのが実は関係の省庁の話でございましたし、私どもも内閣法制局でもそういう議論もいたした次第でございます。
 そういうことで、今、先生のお話につきましては、世の中の熟度というのもこの問題についてはあろうかと思っております。いろいろ将来の問題もございますので、研究をしてまいりたいというふうに思っている次第でございます。
#23
○稲村稔夫君 便利な言葉は私も随分かつて使いましたから、検討とか研究とか、それにさらに前向きにとかくっつけるとかいろいろと使いましたから、それは今まで使われてきた慣例語ではなくて、本当に腹からちゃんと対応を考えていただきたい。これは要望にしておきます、お答えいただくとまた時間がなくなってしまいますから。
 それで、都道府県ではいろいろとやっているわけでありますから、市町村もあるかもしれませんが、そうすると国の方だけがそこのところを厳格に考えているというのが財政当局あたりからも強く言われるんでしょうが、しかし国が考えているというのも財政当局の言い分の中には、こういう今の信金の問題のように、それこそこんなものは基準もはっきりしないですよ。というようなことなどもありますので、決してひるむことなくそういう制度を、公的な制度だったら公的な制度をつくればいいじゃないですか、資格を持たせてやればいいじゃないですかというところも含めてひとつ御検討をいただきたいというふうに思います。
 そこで、農地保有合理化事業についてちょっと伺っておきたいと思います。
 経営基盤の強化のために今度の強化促進法の改正案が提出されているんですが、農地保有合理化事業に重点が置かれたという理由がどうも全体を通じてわかりません。といいますのは、例えば農地を売りたいという人が大勢いる地域は逆に農地を買いたいという人がいないんですよ、大体そういうところは一般的に言ってですよ、歴史的、いろいろ地域別に違いはありますが。それから、高地価のところは大体合理化法人なんていうのはなくたってそれぞれ団体がみんなうまくやっているんですということにもなります。
 そうしますと、合理化法人が土地を集積したら、その集積した土地は売れなかったらどうなるんでしょうか。引き取り手がなかったときはどうするんですか。その辺のところ、また支援法人をつくってなんということになるんですが、時々私は変な例えをして申しわけありませんけれども、自転車の後ろに利息という俵を乗っけて走っていましたが、その俵一俵の上にもう一つ別の俵をくっつけるみたいなものだと、極端に言ってしまえば。支援法人というのをつくっても、こういう根本的な仕組みの問題を何とかしなかったら、ここのところはなかなかうまくいかぬのじゃないかというふうに思うんですが、その点はいかがでしょうか。
#24
○政府委員(野中和雄君) 農地保有合理化事業でございますけれども、農地を売りたいという方から買って担い手にできるだけ売り渡していくということでございますけれども、お話のように買い手の少ない地域のお話でございますが、そういう地域におきましては、従来ややもいたしますと売買のリスクがあるということで売り渡し先の決まっていない農地の取得に消極的になるような傾向もあったわけでございます。
 そういう意味で、今回の農地保有合理化促進特別事業でございますが、いわば農地を売るとき時価で売り渡すことができる仕組み、タイプというのを設けまして、財政基盤の強化を図るための助成措置を講ずることなどによりましてこの事業が積極的に推進が可能となるように、まずしたところでございます。
 また、この措置だけではなくて、この措置とあわせましていわゆる買い手の掘り起こしてございますけれども、市町村、農業委員会などが行います利用調整事業、いわゆる掘り起こし等の事業でございますが、これらと連携を持ちまして売り渡し先の掘り起こしをできるだけ行っていきたいというふうに今努めているところでございます。
 また同時に、担い手を確保するという意味で農業会議所系統で新規参入の促進に積極的に取り組んでいるわけでございまして、新規就農ガイド事業というのを行っておりますけれども、ここで農地保有合理化法人が買い入れました農地についての情報なども積極的にこういう方に提供するというようなことも推進をしているところでございます。
 こういうことで、農地保有合理化事業の推進に当たりましては、単に各県にあります合理化法人というだけでなくて、地方公共団体あるいはその他の関係団体の連携のもとにいろんな事業を推進いたしまして、掘り起こしあるいは新規就農者の育成というようなことによりましてこの流動化が進むように力を尽くしてまいりたいというふうに考えております。
#25
○稲村稔夫君 もう時間がなくなりましたから多くを聞くことができませんが、今の御答弁は伺いたいと思うこととかなりすれ違っておりまして、なかなか私が心配をしていることについてのお答えになっていないのであります。
 そこで、私の考え方をもう一度あれしますと、要するに買い手の掘り起こしにいろいろと努めるとおっしゃるけれども、現実には例えば北海道の例が一番いい例が幾つもあるんだと思います。まことに北海道の人には申しわけないけれども、そういう形です。私などの町でも隣なんかの町でも山の地域に入っていきますと現実に買い手を探したってないんです。工場団地でもつくって、アクセス道路でもちゃんとつくって何とかして別の仕事の方へ需要を向けようなんというようなことをやれば、それは多少は出るかもしれませんけれども、農業で農地を買ってというふうになかなかいかない、そういう現実があるんです。そういう現実をやっぱり踏まえて対策というものを考えていただかなきゃいかぬのじゃないか。
 私は、全然ここでやられていることが意味がないと言っているんではないんですけれども、問題は、一番そういう現実の問題と真正面から取り組んだ形になっていないんではないだろうかということを私は心配をしている、それで申し上げているということであります。
 そこで、時間がもう来てしまいましたので、最後に大臣に。
 本当に短いあれでしたからもう少し、本来ですとかなり細かくいろいろとそれぞれ聞きたかったところがありますから、そうすると問題点がもう少し浮き彫りになって御理解が早かったのかもしれませんが、いずれにいたしましても、今の法案の審査に当たってのやりとりを聞いていただきまして、総括的にお答えをいただければというふうに思うんです。特にそういう融資ということとのかかわりをひとつ重点に置いてお答えをいただければありがたいと思います。それで私の質問を終わります。
#26
○国務大臣(大河原太一郎君) ただいま就農支援資金等の新たな制度について、融資制度ということについてのDJA等の例を引きましての御指摘でございました、これについては、我が国の助成体系が個人補助に対しては非常に厳しいという助成体系、その一つの壁が現実問題としてはネックになっている。
 その考え方としては、積極的な営農をする人に対しては助成よりもむしろ返還を前提とするような資金援助の方が、受けて立ち上がる人たちも積極的になるのではないかという議論がかつて農業改良資金の発足のときに、無利子資金を貸し付けるときに議論があったわけでございます。これについては各般の議論があることは承知しています。ただいまも御指摘ちょうだいしましたけれども、しかし、この制度をとにかくこの形で発足していただきまして、本当に島内外からの若い人たちが新規参入をすることについては決め手にならない、やはり政策を一歩進めなくちゃ相ならぬというような判断をある期間後にいたしまして、さらに積極的な制度の展開をすべきであるというふうに私は思うわけでございます。
 その点については、諸制度はスタートをいたしますけれども、今後やはり大胆に制度のねらいが成果を得ているかどうかという点についてのレビュー、これをいたしまして対応していきたい、さように思っております。
#27
○風間昶君 平成会の風間でございます。
 まず、古くなりますが、二年前のちょうど一月十五日、釧路沖地震がありました。そして、昨年は北海道にまた二度目、東方沖地震がございました。そして、暮れには三陸はるか沖地震がございました。今回のいわば阪神大震災とも言うべきあの本当に大変な悲惨な被害、また亡くなられた方々に心から哀悼の意を表し、北海道を含めて被災者にお見舞いを申し上げます。
 そこで、今回の震災についての農林水産関係のことでちょっとお伺いしておきたいわけですが、北海道の場合は農地、農業用施設では施設と農地が比較的大きな被害、規模的にはかなり少ないですけれども、今回いただいた資料によりますと、ため池、水路等を中心に百七十億円ということで、二月の時点での報告をいただいております。釧路沖地震の場合は、雪が降っているにもかかわらず調査、査定を早くやっていただいて、営農に支障を来さない形で復旧をやってくださいました。ちょうど二年後のつまり現時点では、農地の復旧、農業用施設の復旧はほぼ完了しております。また、東方沖地震でも二カ月以内に査定が行われて、現在工事中でございます。
 釧路沖地震は大体二十七億円、それから東方沖地震では約三億ぐらいですけれども、今回はけたが違う百八十億を超えようとしている農地、農業用施設での被害の復旧ということを考えますと、私は、お金だけの問題だけじゃなくて、復旧にかかる労力ということを考えますと、やっぱり中期的な見通しをきちっと立てておかなきゃならないんじゃないかと思いますが、その辺はどうなのか、ちょっと教えていただきたいと思います。
#28
○政府委員(野中和雄君) 今回の兵庫県南部地震におきまして、お話しのように農地、農業用施設につきまして、ため池、水路、農地等に亀裂が発生をするなど、大変な被害が発生をしているわけでございます。これに対しまして、先ほども大臣から御答弁申し上げましたように私ども積極的に対応をいたしておりまして、一月十七日以来担当官を派遣いたしまして現地調査を行いますとともに、関係機関に対しまして点検の強化あるいは応急工事の実施というような二次災害の防止に努めるように指導をし、全力を尽くしているところでございます。
 被災農地等の復旧につきましては、具体的には地元だけではなかなか体制が整わないということもございますので、近隣府県から技術者の支援体制を整えまして、査定、設計書の早期作成に努めているところでございます。そして、地元体制が整いましたところから間もなく順次査定に入るということにいたしているところでございます。それからまた、査定につきましては現地で行うという原則もございますが、机上査定の活用の範囲を広げまして査定業務の大幅な簡素化を図っているところでございます。
 先ほども申し上げましたように、農地等の災害復旧事業につきましては二月八日をもちまして激甚災害法の適用も図られたことでございまして、以上のような措置ももちまして私ども万全に早急にこの応急的な工事あるいは査定の推進等が進むように努力をいたしたいと考えております。
#29
○風間昶君 ぜひ早急に御努力していただきたいと思います。
 ちょっと気になることがあります。一月二十六日時点の対策と二月六日時点の対策を比較しまして、例えば先ほど大臣がお米三千トンあるいは乾パン十万食ということのお話がありましたけれども、いろいろ比較してみますと、一月二十六日には即席めん百三十五万食供給というふうに書いてあるんですけれども、二月六日には即席めん七十三万食と半分に減っているんですが、これは途中で食べられたのか、新しく供給したのか、減っているということはおかしいかなと。例えば牛乳も百二十一トンと報告されているのに二月六日には百十五トンになっていますし、即席みそ汁、一月二十六日には五万食というふうに書いてあるものが二月六日には二万食と。これなくなったのかどうなのか、こんなことに目くじら立てる部分では全然ないんですけれども。
 きょうは水産庁の方がいらっしゃっていないようなんですけれども、漁港関係被害では調査が進んだからこうなったのか、一月二十四日時点では二十七漁港被害で百八十億円となっているのが、二月一日には二十二漁港百五十七億円と。これは印刷ミスなのか何なのか。やっぱり正しい情報をきちっと収集するということが大事じゃないかと思うんです、細かなことのようですけれども。必死になって現地の方々は応急修理をされ、また現地に行っていらっしゃる担当者の方々の努力には頭が下がるわけですけれども、一体役所でどういうふうにきちっと情報収集されているのかということに甚だ疑問が残るんですね。だから、ぜひそういう意味も含めてきちっとやっていただきたいと思います。
 それで、農林水産関係の復旧の財源についてですが、これはアエラですけれども、ウルグアイ・ラウンド六兆百億円のばらまきをやめて阪神大震災に回せなんという乱暴なけしからぬ記事が出ているわけですけれども、もちろんこの六兆百億のつまみ食いがあってはならないと思いますし、六兆百億とは別に農林水産における災害復旧費を農水省としてきちっと要求すべきだと思いますけれども、それについて大臣、お考えを一言お願いします。
#30
○国務大臣(大河原太一郎君) 今度の災害復旧費につきましては、近く、二十四日までに予定しております第二次補正等で災害復旧を別途手当てをいたすということに相なるかと思いますわけでございまして、このウルグアイ・ラウンドの国内対策の実施に関しては全く別な措置がとられるということでございます。
#31
○風間昶君 ぜひその獲得に力を入れていただきたいと思います。
 次に、防災白書によりますと、農林水産省においては農業用施設の耐震性判定指針及び影響度予測指針を作成することによって大規模地震防災対策調査を行ったというふうにありますが、この指針を後でぜひいただきたいと思います。たかだか三百万ぐらいの国費でございますけれども、教えていただきたいと思います。後で結構です。
 それで、今回の教訓からやっぱり都市に防火帯として農地を確保すべきであると私は思います。例えば農業用水の中に三メートルぐらいの堀を各所につくって防火に役に立たせられるような、つまり農業用水と防火用水の互換ができるようなシステムを考えるべきだと思うんですけれども、農水省でお考えがあるのかないのか伺いたいと思います。二言結構です。
#32
○政府委員(野中和雄君) 農業用水は基本的には水田、畑地のかんがい用水として生産性の向上等に資することを基本としているわけでございますけれども、従来からも防火用水とか消雪用水とか、そういうような形でそれぞれの地域におきます日常生活と密接に密着しましたいろんな多面的な機能を果たしているわけでございます。現にそういう災害時等の緊急時におきましては、農業用水が防火用水等々に利用されるということにつきましてはそれぞれの地域で関係者間の話し合いの中で実態に応じて弾力的に対応している、そういうふうにお役に立っているし、そういうふうに実際に行われているのではないかというふうに考えているところでございます。
#33
○風間昶君 実際にそういうふうになっているということでいいんですね。
#34
○政府委員(野中和雄君) 実際にそういう農業用水が災害用等に御利用いただいているところが非常に多いというふうに考えております。
#35
○風間昶君 わかりました。
 次に、経営基盤強化促進法について、先ほども大塚委員、また稲村委員の方からありましたが、農地の流動化は、僕らのような若い者じゃなくて先輩の方々がもう随分前からその必要性を叫ばれていらっしゃって、歴史的なものがあると思うんですけれども、いろんな法律を変えてやってきている。私はこれまでの施策で大した成果は上がっていなかったのではないか、だからこそ今回新政策を打ち出してやろうということなんでしょうから、その主な原因は一体何なのかなということを考えているんですが、今回、政府が過去十年間の流動化の二ないし三倍を目指すなら、そのためだった、進まなかった、成果が上がらなかった原因を取り除いた上での改正でなかったら意味がないと私は思うわけです。
 一般的に日本の、土地が最高の資産だというふうに考えている土壌、そしてまた農業従事者の方々ではなおさらこのような考え方が強いとも言われておりますから、ここで発想をやっぱり変えなければならないんじゃないかなと。そうしないと流動化は進まないんじゃないかというふうに思うんですが、その点について大臣どうお考えでございましょうか。
#36
○政府委員(野中和雄君) 農地の流動化につきましては、先生お話しのように農地を資産として保有して老後の生活に備えるというような意味でのいわゆる資産保有的な傾向、あるいは一たん貸したら返ってこないのではないかというような不安があるというようなこと、また地域によりましては高齢化が非常に進展をしておりまして、安心して農地を任せられる人がいないんではないかというようなこと、あるいはさらに地域によりましては生産性向上に必要な基盤整備がおくれているといったような事情があるわけでございます。
 ただ、最近の状況を見てみますと、一つには全耕地面積に占めます三ヘクタール以上の農家のシェアでございますが、都府県全体で見ますと、三ヘクタール以上の農家のシェアが六十年には一三・四%でありましたものが平成五年には二〇・六%に増加をしているわけでございまして、規模拡大のテンポも少し早まっているというように、いろんな政策の一定の成果が見られるというふうに思っているわけでございます。
 それと、先ほどいろんな原因を申し上げましたけれども、必要なときに返還をされないというような貸し付けの不安に対しましては、御提案を申し上げております農業経営基盤強化促進法によりましてそういう点は解消をしてきているというふうに考えておりますし、さらには後継ぎのいない高齢者の方の保有農地が四十二万ヘクタールあるいは安定兼業についていらっしゃる方の保有農地が百三万ヘクタールというようなことで、流動化をめぐる条件というのは徐々に整ってきているのではないかというふうに考えるわけでございます。
 そういうわけで、私どもといたしましては今回の法律の改正等を軸といたしまして一層流動化のためのいろんな施策に力を入れてまいりたいというふうに考えているところでございます。
#37
○風間昶君 だから、そういう原因を取り除いた上での改正でなければ意味がないと言っているわけです。資産保有、土地に対する資産というものを保有するという考え方の発想の転換をしなければならないのではないかと思うんですが、大臣、そのことについてのお考えはどうなんですかとお伺いしているんです。
#38
○国務大臣(大河原太一郎君) 資産保有の点が非常に農地の流動化に対してはネックになったことは明らかでございます。これについては、五十年代に入りまして賃借権の設定等、借地型の農地移動に重点を置きまして、制度としても農地流動化についての法律制度等もつくりまして、貸し手が安定的に貸せる、それからまた借り手も安定的に借りられるというようなことで手当てをしたわけでございまして、その後、全体の移動面積のうちで賃借権による流動化が約七割と承知しておりますけれども進んでまいりまして、その点においては一つの方向が出ているというふうに思っておるところでございます。
#39
○風間昶君 では農地保有合理化法人の法律に関連してですが、市町村基本構想が策定されないと認定農家が出てこないということでございますので、三千五十三市町村予定されている中でまだ半分しか済んでいないと、策定が、お話を伺いましたら、本年度じゆう、つまりことしの三月末までに何とかいけそうだというふうにめどをお伺いしたんですが、先ほどの改良資金が市町村に貸し付けられるという趣旨を考えますと、市町村公社にも県の公社と同様の改良を認めるべきではないかと思いますが、また今後、市町村を対象とする考えがあるのかどうか、お伺いしたいと思います。説明でなくて、あるのかどうかということで。
#40
○政府委員(野中和雄君) 現在はお話のように市町村公社に認めていないわけでございますけれども、これは理由がございまして、農地保有合理化事業によりまして売買を行います場合にはやはり不動産に関する専門知識を深く有する人がいる必要がございます。それから売買でございますので、資金手当てそれから中間保有時の管理といったような面でやはりリスクもございます。そういう面からいいますと、組織面あるいは財政面で体制が整備されていることが必要でございまして、現在、市町村公社は全国で二十一分社でございますけれども、どちらかといえば県下一円で広い範囲で事業実施をしている県の公社を考えていくというようなことで役割分担をしているわけでございます。
 ただ、今後のお尋ねでございますので、今後につきましては、今申し上げたとおり市町村公社はまだ二十一でございますが、今後市町村公社が設立をされてくる状況あるいは実施体制がどのくらい整備をされるかといったような状況も見ながら、市町村公社が売買事業を実施する可能性についても検討いたしたいというふうに考えております。
#41
○風間昶君 先ほど稲村委員の方から売りたい人と買いたい人の話がありましたので、これは私も省きます。ただ、農地保有合理化法人が買い入れた農地を抱え込む危険もこれまたあるのではないかなというふうに私は思うんで、この辺のところは明確にしていかなければならないんじゃないかというふうに思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
 生研機構のことでございますけれども、先ほど農林水産大臣が定める基本方針の中で現場のニーズ、それから専門家の意見を取り入れてというお話が局長の方からもございましたので、検討されている研究開発課題の例が十二、三あるというふうに聞いたんですが、質問の一つは、中山間地域農業の技術について特有の課題例を考えているのかどうか教えてください。
 それと、その研究開発した技術の実際上の普及の問題ですが、要するに、現場に本当に普及していかなければ何も意味がないわけで、学者の研究ではないわけですから実践に即した研究開発でなきゃならないわけです。
 そうしますと、今、民間のバイオテクノロジカルな分野は部分的にはリストラをかけてきていまして、そういうことだとすると中期的、長期的なテーマに対してはその成果かリストラがかかっているところのは出てこないわけですが、成果のあらわれる場所、つまりそれは国できちっとやらなきゃならないのではないのか。どこを成果のあらわれる場所にターゲットを置くかということが大事になろうかと思いますけれども、それを責めて、この二つ目の質問、長くて申しわけないですけれども、技術の実際上の普及はいつごろを目途にして研究させるのかということを、二点お伺いしたいと思います。
#42
○政府委員(山本徹君) 御質問の第一点でございますが、中山間地域における研究開発のテーマについてでございます。
 私ども中山間地域につきましても、これは農地の面積あるいは農家数の四割を占める大変重要な地域でございますので、特に中山間地域に着目した今回の生研機構の研究開発課題というものを考えてみたいと思っておるわけでございます。
 具体的な例で申し上げますと、中山間地域に適した作物でございます山菜のタラの弁とかシオデ等、あるいはこれは特産果樹というような分類に属しますけれどもアケビとか木イチゴというような果樹、これらをバイオテクノロジーの一つの手法でございます組織培養という方法で大量にコストが安く良質なものを増殖する技術を実用化してみたい。あるいは中山間は傾斜地が多うございますので、農地あるいは農道の整備を行います場合にこの傾斜面を保護する必要がございますが、このためにコストが安く、また斜面の保全管理が比較的容易なプラスチック製等の保護資材の実用化の開発等々をテーマとして考えてみたいと思っているところでございます。
 また、これの現場への普及、これも大変大事なことでございまして、この研究の成果はウルグアイ・ラウンドの実施期間でございます平成十二年度までには現地に確実に採用、実用化されるように、平成十一年度までに実際の研究開発の成果を上げるということを目的にして実施することにいたしておりまして、この研究成果が得られた場合には、直ちに生研機構、それから私ども国を挙げて広く生産者団体、それから普及組織、都道府県あるいは民間の事業者等に対して積極的な情報提供をさまざまな情報媒体を通しまして行い、関係者が連携し一体となって現場でできるだけ迅速に、かつ円滑にせっかくの成果が実用化されるように積極的に努力してまいりたいと考えておるところでございます。
#43
○風間昶君 そうしますと、短期的なことというふうに受けとめていいんですね。それはそれで成果があらわれるのは、私は反対するものではないんですけれども、むしろこれからのバイオの研究分野のことを考えますと、ウルグアイ・ラウンドの関連対策としてだけじゃなくて通常のこれからの対策としても重要だと思うわけで、そういう意味では中期的、長期的なテーマも当然これからやっていかなきゃならないと思うんですけれども、その件に関してはどうですか。
#44
○政府委員(山本徹君) 先生御指摘のとおり、このバイオテクノロシー等々、農業も大変重要な長期的な課題がございますし、特に農林水産の試験研究というのは、これは自然の作物等を相手にしておりますので、本来的にそういった分野につきましては研究開発の期間が大変長くかかり、また一般の民間には任せておけない分野がございます。
 そういった基礎的、基盤的な試験研究についてはやはりこれまでどおり国あるいは公立の試験研究機関が中心となってその役割を担っていかなければならないと考えておりまして、このために現に国立の試験研究機関の技術者約一万人の中でその三分の一の三千人は農林水産関係の試験研究機関の職員でございますし、したがって大変大きな勢力を持っておるわけでございます。
 また、平成七年度の当初予算におきましても、国の試験研究機関の予算の伸び率については四・三%、約五百七十九億円という一般の予算より高い伸び率の予算をお願いしているところでございまして、私どもはこういった公的な試験研究機関を中心にこれからも農林水産の基盤的、基礎的な技術開発には取り組んでまいりたいと思っております。
 今回の研究開発につきましては、平成十一年度末までに開発を完了するような、もう民間が既に相当な研究の実績、蓄積があるものについてこれをウルグアイ・ラウンド期間内に現場に実用化していこうというようなテーマを特別に選択して、これに取り組んでまいりたいと考えているところでございます。
#45
○風間昶君 ありがとうございます。
 農業改良資金助成法についての特定地域という概念、ようわからないんですけれども、素直に括弧に書いてある条件不利地域というふうに言えばいいのになと思うんですけれども、何か格好つけて特定地域と言っているのかなと。中身は不利地域だったらそのまま言った方が、その中で、条件が不利なところで頑張るんだということで国がきちっとやりますよということなんでしょうから。また甘いフレーズでそう簡単にだまされないぞという思いを持っている人もいるんではないかと思います。
 それはそれとして、新たな農業部門。きのうの読売新聞ですけれども、色のついた、香りのついたいろんな大粒、小粒の新形質米ですか、を農水省がやると。特に中山間地域で奨励するというふうに新聞記事に出ていましたけれども、新たな農業部門にこれは入らないと。じゃ、今回これやろうといったときに農業改良資金助成法を受けられないのかなという心配が一つ、その点を一つ。
 もう一点、時間が余りありませんので簡単に答えてください。市町村に貸し付け、今度こっちはすると。先ほどは組織的にもいろいろ問題があるし、財政的にも問題があると言ったけれども、これはやると。一定の市町村とありますけれども、どのような市町村が該当するのか。二点お答えいただいて質問を終わりたいと思います。
#46
○政府委員(日出英輔君) 初めの特定地域新部門導入資金でございますが、新規作物を導入するかあるいは新しい栽培管理方法を導入するかという幾つかの定義的なことがございます。今、先生の例示を挙げられましたものをちょっと私まだ検討しておりませんが、そういう意味で新規作物の導入に当たるかどうかというところが一つのポイントではないだろうかというふうに思っております。
 それから、市町村貸し付けの場合でございますが、昭和三十一年にこの改良資金が始まりまして以来ずっと都道府県貸し付けでございました。市町村貸し付けはそういう意味で初めての試みでございます。ただ、こういった中山間で市町村が主体的になりまして地域ぐるみの取り組みということを大いに期待するということでこういった仕組みをつくろうと思ったわけでございますが、そういう意味で新規作物の導入に関します計画を策定しているようなそういう市町村をこの貸し付けができる市町村にしていくという考え方でございます。
#47
○都築譲君 私は、青年の就農促進のための資金の貸付け等に関する特別措置法案に限って政府の見解を幾つかお伺いしたい、このように思っております。
 活力ある農業を展開、発展させていくためにはたくましい効率的な経営体が必要であるわけでございまして、そういった観点からはやはりたくましい二十代、三十代の青年といったものが就農していくということが重要だろうと思うわけでございます。
 ただ、私も今農業問題を一生懸命勉強している段階でございますけれども、現代の農業といったものを考えてみますと、農業というのはもともと人類の歴史とともに発展をしてきた大変古い、一番古い産業であろうというふうに思うわけでございますけれども、最近の農業の体制と申しますか、こういったものはやはり戦後のGHQの農地解放以来、営々として農林省の皆さん方の努力あるいは農業関係者の努力によって築かれてきたものであろう、こういうふうに思うわけでございます。
 ただ、それはもう戦後五十年ということでございますから、何年か前に本が出ておりましたけれども、会社の寿命は五十年というふうな話もあるわけでございまして、エクセレントカンパニーと言われるものでも大体五十年が寿命だというふうなことで、新しい構造変化の波にやはりさらされて衰亡に瀕している、こういうふうな話もあるわけでございます。そういった意味で、現代の農業の問題について現在の体制がどうも制度疲労のような、あるいは金属疲労のようなものを起こしているのではないのかなというふうなことも思うわけでございます。
 そういった観点から、ウルグアイ・ラウンドが今回実施ということで、今回の補正予算もこういった関連法案もそれをきっかけとしてやるわけでございますが、どうか被害者意識ということではなくて、将来を見据えてポジティブな積極的な対応をしていくという観点から幾つかお話を伺いたい、こういうふうに思っているわけです。
 第一点は、今回の就農促進のための資金、新しく創設するわけでございますけれども、これで何人ぐらい就農する見込みかという点でございますが、先ほどの別の委員の方の御質問にお答えが出ておりまして、五千人というのを二倍ないし三倍、一万人から一万五千人というふうなことでございますけれども、こういったものについて目標をやはりしっかりと本当にしっかり持っていただいて、見込みという形もあろうと思いますけれども、目標という形でしっかり立てておく。ただ、目標というと今度は逆にノルマを達成しなきゃいかぬということで、何か無理やり指導をやって強制的に借金づけにしていくようなことではまた逆にこれは困るわけでございまして、そういうことのないようにぜひ柔軟な弾力的な、しかししっかりとした資金利用が行われるようにお願いをしたいということで要望申し上げたいと思います。
 そして、質問として、まずこの資金を創設することでどういう青年に農業分野に来ていただきたいというふうにお考えになっておられるのか。例えば農業従事者の経歴、前の職業あるいは農家出身なのか非農家出身なのかとか、あるいは農業を希望するその動機とか、そういったものについてどういう青年層をお考えになっておられるのか、その点についてまず御見解を聞きたいと思います。
#48
○政府委員(日出英輔君) 私どもがこの新規就農の法案で担っておりますのは、特にねらいをつけた新規就農者ではございません。農業内外におられます青年の方で就農したいという方に幅広く就農していただくための支援措置ということで行ったわけでございます。
 若干申し上げますれば、非農家出身で新たに農業経営を開始したいという方も最近かなりふえてまいりました。こういう方のほかに、農家子弟で就農したい、それからお父さんの農業部門とは違った農業部門をしたい、いろいろな動機で就農したいという方がおられます。その前提が、就農いたしますときの技術の研修あるいは就農時の資金的な準備、こういったところに実は際路があるというのが関係者からの長らくの要望でございました。ここら辺を今回強力に充実したいというのがこの法案のねらいでございます。
#49
○都築譲君 そういうことで、幅広く農業内外の青年が就農できやすくするためにこういう資金をつくって導入したいということでございますが、特に私が気になっておりますのは、どうも農業については今までの仕組みの中で、世襲と申しますか、後継者ということで農家の子弟でないといけないんではないかなというふうな状況がございます。
 と申しますのも、幾つかいただいた資料の中でも、例えば新規就農青年は平成五年で五千人、こういうことでございますけれども、片や農外からの新規参入者の数としては五年で百九十一人というふうに圧倒的に少ないわけでございます。私としては、農外の青年が本当に農業に新規に参入することが困難な理由というのが幾つかあるだろうと思うわけです。そこら辺について、例えば労働条件の問題とかあるいは技術の問題、土地、経費の問題あるいは生活の問題、いろいろあろうかと思いますけれども、そういった点についてどういうところが本当に大きな障害になっているのか、御見解を聞きたいと思います。
#50
○政府委員(日出英輔君) 農業は別に世襲でなければいかぬということではございませんが、農業経営ということを考えますと、かなりの程度の資本装備ということが第一に必要でございます。さらに、当人が相当程度の技術を持っていませんと経営として成り立たないということでございますから、農業労働者ではなくて農業経営者という観点で考えますと、決して世襲ではございませんけれども、やっぱりそれなりに、全くサラリーマンの子弟の方が農業経営をやろうということについては幾つかの問題があろうかと思っております。
 ただ、基本的には先生も今お触れになりましたように、現場の中ではやはりサラリーマン子弟の方で農業に入る方について何か忌避するような気風があるところも間々ございます。そういったことは、実はこれから私どもが関係者と一緒になりまして直していかなきゃいかぬ点でございますが、何はともあれ就農いたしますときの基本が、技術あるいは農地の取得といったような資本装備の問題、この辺がスムーズにいきませんと、新規就農というのはなかなか実現しないわけでございます。
 そこで、私どもは、平成二年が新規就農者でいいますとボトムでございましたが、平成三年ごろからかなりの程度、就農前の対策、それから就農時の対策、就農後の対策、それぞれ施策の充実をしてまいりました。私ども以外の県、市町村、農業団体も同様でございます。その効果で少しずつ最近上回ってきておりますので、本法案の実施をさらに踏まえまして、この新規就農関係に力を入れてまいりたいというふうに考える次第でございます。
#51
○都築譲君 ありがとうございました。
 それで、大臣にお伺いしたいんですが、私自身いろんな雇用労働分野の問題に携わってまいりまして思うわけでございますけれども、例えば商業の関係でいぎますと一般的にのれん分けというふうな言葉がございまして、昔はでっち奉公のような形で、その中で技能を身につける、あるいは顧客を見出す、あるいは経営感覚を磨くというふうな形のものがあった。さらにまた、町工場の方でも、やはりいろんな分野からいろんな工場に若い子供が徒弟のような形で行って、そしてやがて経営感覚も技能も身につけて自分で自立して工場を起こしていくというふうなものがあっただろうと思うわけです。
 私自身、何も農業の後継者が悪いということは絶対言うつもりはございませんが、ただ、余りにも閉鎖的なそういう市場をつくってしまいますと新しい血が入ってこない、そして活力がやはり出てこないという面もあるのではないのかなと、こう思うわけでございます。
 先ほど局長からの御答弁がございましたように幅広く農外の青年も受け入れますよということでございますので、私はこの質問をするためにいろいろお聞きしたんですが、例えばヘルパー組合とかあるいは農協の中のヘルパー専門部門に雇用されている労働者、こういう人たちは農業高校を卒業して、ただ、なぜ自分がそういう部門に関係があるか。実は非農家の子弟でも動物が好きだとか緑が好きだとか、あるいは自然環境を大事にしたい、こういう観点から飛び込んでくる若い人たちもいるわけでございます。そういった人たちを大いに育成していく、さらにそして育てて自立していく、そういうもっと骨太な仕組みをこれからの農業の将来のためにもぜひ打ち出していただきたい、このように思うわけでございますが、大臣の御所見を伺いまして、私の質問を終わりたいと思います。
#52
○国務大臣(大河原太一郎君) ただいま局長からもいろいろ申し上げましたし、御質問の過程で話が出たわけでございますが、農外からの就農者、一たん社会に出てさらに農業経営をやってみようという方々を見ますと、大変その点については明確な目標とか意思を持った方々が多いようでございます。そういう方々がまた他の部門で身につけた経営感覚とか、そういうものも非常に参考になる点が多いというふうに思っておりますので、こういう方々の農業への参入、これは農業・農村の活性化にも通じるだろうというふうに私は思っております。
 そういう意味では開かれた農業・農村ということで各般の道を求めるべきであるというふうに思っております。
#53
○都築譲君 ありがとうございました。終わります。
#54
○星川保松君 まず、青年の就農促進のための資金の措置法についてお伺いいたします。
 平成六年の農家戸数は三百六十四万戸ということでありますが、平成五年の新規就農青年は五千名ということでございます。この三百六十四万戸の農家が後継者を必要としているわけで、全部後継者を持つということになれば一世代三十年とすれば、これを三十で割って十二万人ぐらいの後継者が必要になるわけでありますけれども、それは現在の農家戸数を固定させて考えた場合ですが、農水省はどのような農家戸数の推移を想定し、これからどのぐらいの後継者が必要とお考えなのか、お尋ねをいたします。
#55
○政府委員(日出英輔君) 先般、平成四年に私どもは農業構造の展望という形でこれからの農業経営体を見通したわけでございます。農家戸数はそのときは、平成二年が三百八十三万戸でございました。これを平成十二年、十年後には農家戸数が二百五十万から三百万戸になるであろう、減るであろうということでございます。
 ただ、こういった一般的な農家という姿ではなくて、それぞれの地域で農業を営みます場合の中心になる方たちを大いに伸ばしていこうということで、この新政策におきます農業構造の展望の中では、その中で中心となりますいわゆる個別経営体という言い方をいたしましたが、三十五万から四十万、それから組織経営体が四万ないし五万、こういう方たちが日本の地域農業の中核部隊になる、こういうような展望を先般の新政策のときに明らかにしたところでございます。
#56
○星川保松君 それで、今までも何とか農業後継者を育成しなければならないということでいろんな対策をやってきたと思います。資金の面ではいわゆる長期低利ということで利息もだんだん下げてきて三%ぐらいのを設けて、今度はいよいよ無利子ということでありますから、利息の面ではもうこれ以上手当てをするということはできなくなってきているわけですね。だから、そういう面から見てかなり最終的な後継者対策というような感じもするのであります。ただ資金を与えれば後継者が続々と出てくるというような状況には今ないわけです。
 特に、農山村も大変高齢化してしまいまして、高齢化ということはその地域全体が活気がなくなってきているんですね。私のところの山手の方などは小中学校の全生徒よりも敬老会で呼ばれるお年寄りの数が多いというような状況なんです。ですから、学校は通常の場合は生徒がばらぱらですけれども、敬老会になると体育館は満杯になるというようなそんな状況さえ見られる、そういうことで非常に活気を失っている。
 そういう活気を失っているところに、たとえ学卒のやる気のある青年が出てきたとしましても、やはりそこで農業についてばりばりやっていこうというような気がどうも起きないわけです。それで、農業高校を出た人がみんな会社やなんかに行ってしまうというような状況なんです。ですから、とにかく無利子の資金を貸し付けるからということで青年たちが、後継者がわっとできてくるというようには到底考えられないような、地域が停滞をしていると言わざるを得ないわけです。ですから、お金を貸しますよということ以外のやる気のある人づくりからやっていかないとなかなかうまくいかない、こう思うんです。
 したがって、お金を貸しますよ、その金を使ってばりばりやっていきましょうという人づくりを同時にやはり強化していきませんとうまくいかないと思うんですが、その点についてはどう考えておられるでしょうか。
#57
○政府委員(日出英輔君) 先生お話しのとおり、私どもはこの新規就農対策につきまして今回のような就農支援の資金の貸し付けだけで新規就農の確保対策をやるつもりではございません。
 先般も申し上げましたように、平成二年に実は五千人と申し上げておりました三十四歳以下の青年の就農者の数が三千七百人まで落ちたわけでございます。その後、平成三年以降、私どもの国の立場、県の立場、市町村、農協その他のいろんな施策が実は出てまいりました。この中で三千七百人が平成三年以降じりじり上がってまいりました。私どもは景気の影響かと思っておったんですが、やはり県の農業大学校への入学希望者の数等を見ますと、これがかなりのスピードで増加をしております。そういうことで、実はこの青年農業者の確保というのはいろいろな対策をメニュー的にそろえませんとなかなか実効が上がらないだろうというのが第一点でございます。
 第二点は、先生の御指摘のように基本的には農業経営者をつくるという議論でございます。このためには、先生お話しのとおり人づくりというのがベースになるわけでございます。お金を貸せばすぐにそういったものが出てくるわけではございませんので、私どもは昨年、農業改良助長法を改正いたしまして、普及の事業を一新し、例えば農業改良センターの充実でありますとか、県の農業大学校で生涯教育をするとか、こういった人づくりの面につきましても御趣旨のようにこれからも充実強化を図ってまいりたいというふうに考えている次第でございます。
#58
○星川保松君 実は私も、人づくりの中核となります農業者大学校、それが私の地元の方がどうなっているんだろうと思って問い合わせをしてみたんです。そうしましたら、定数は五十名なんですが、最近ふえてきておりまして、平成二年が三十六、その次が三十三、四十五となって、平成五年、六年と定数オーバーしているんです、五十一名になっているんです。
 こういうことになりますと、さてこの受け入れをして、意欲を出してもらうような教育をするにはちょっとキャパシティーが足りなくなったというような感じですが、こっちの方の手当ではどう考えていますか。
#59
○政府委員(日出英輔君) 今、先生お話しのとおり、県の農業大学校で入学希望者がふえてきております。それから、先ほど申し上げましたように県の農業大学校ではいろいろ短期研修等なんかもいたしまして、いわば生涯教育の充実ということでどんどんやってきております。そういう意味で、農業大学校の施設を拡充していくというようなことが緊急の課題になっております。
 さらに、バイオなんかの関係のような新しい先端技術を研修できるような施設の整備等も今急がれているわけでございまして、この点につきましても大変重要な課題でございますので、都道府県のこういった施設に対する助成を強めていきたいというふうに私ども考えている次第でございます。
#60
○星川保松君 それから、この青年たちが夢を持ってとにかく農業経営をやっていこうということのためには資金額をふやすわけですけれども、このふやした資金額で例えば水田の場合はこういう経営ができる、ハウス園芸ならこうだ、畜産ならこうだ、そうすれば悠々このくらいの所得を得て立派な暮らしができますよということをやっぱり示しませんと意欲がわいてこないと思うんですが、それについてはどうなんですか。
#61
○政府委員(日出英輔君) この青年就農促進法の中で、実は農業改良資金助成法の改正の中に触れている部分がございます。この中で、就農計画の認定を受けた方が現実に就農しましたときの改良資金の関係で経営開始資金の特例を講ずることになっております。この中で、二千三百万円までに上限を引き上げておりますが、こういう二千三百万円の資金でどの程度の経営ができるかというようなことにつきましては、私どもいろいろ試算としまして、例えば稲作六ヘクタール、裏作小麦六ヘクタールでありますとか、ハウスの加温栽培のピーマンが二十アールから三十アールでありますとか、幾つかの計算上の姿形はつくれるわけでございます。
 先生の御指摘のとおり、具体的な目標といいましょうか、そういうものを明確にしながら、普及その他でこういった関係につきましての指導をきちんとしていきたいというふうに考えている次第でございます。
#62
○星川保松君 次に、農業改良資金助成法の方の質問に入ります。
 ここで、農業生産の不利地域というんですか、このことについては私ちょっとこれは誤解を招くんじゃないかなと。いわゆる条件不利地域というのは、農業生産にとって条件が不利なところに手伝いをしてあげますよということになっても、今はとにかくコストを下げなけりゃもう競争に太刀打ちできないという状況で、それで農業生産に不利なところで農業をやってみろ、それで手伝いをするといってもこれはもう大変だという感じを受けると思うんです。だから、これはいわゆる平たん地の農業ということからすれば条件の不利ということだろうと思うんですね。そういうふうにやっぱりきちんととらえられるようにしませんと、例えば山手の方といっても高冷地野菜については条件有利な地域になるわけですよ。それから、今度は沢が深いところがある、そこで水田をやるとしたらこれは条件不利ですけれども、そこでワサビをやるとなればワサビにとっては条件の有利なところなんですね。だから、そういう、ところによって農業の生産有利なところと不利なところというのは作目によってみんな違っているわけですから、一概に不利なところについてというふうな印象を持ってきますと、これはちょっと誤解を招くんじゃないかという感じがしますが、それについてはどう考えていますか。
#63
○国務大臣(大河原太一郎君) お答えいたします。
 おっしゃるとおりでございまして、いわゆる条件不利地というか中山間、これは平場に比べて傾斜がきついとかあるいは耕地が分散しているとか、そういうことで条件不利といいますけれども、ただいま委員の御指摘のように、やはり冷涼な気候とかまた冷涼な水、そういうものについて平たん地帯にはない地域資源を持っておる。したがって、これを活用して複合経営なりあるいは高付加価値農業、これを展開するということが大事なことだと思っておるわけでございまして、委員既にお話しのように高冷地といった視点からの野菜の問題、現にレタス等で日本で有数の産地になっているところもございますし、また気温の日較差というのが非常に大きいと、それがかえって良質な果物なりあるいは花卉等については有利な条件を提供しているという例も見られるわけでございます。
 したがって、特有の農業資源を活用した農業の発展を図るべきであるというふうに思うわけでございまして、このたびの導入資金に対する資金制度もそのような手段の一つであるというふうに私どもは思っておるわけでございます。
#64
○星川保松君 そういうふうになりますと、非常にその立地条件といいますか個々によってみんな違ってくるんですね。その違ってきたところにちゃんとした経営、有利な経営を、農業生産を進めていくというふうにするにはこれは指導者も大変なわけです。今までみたいに十把一からげにはならないんですね。非常にきめ細かくこれを指導していかないとそれができないわけなんです。
 そうなった場合に、例えば改良普及員の皆さんがそういう細かいことまできちんと対応していくことができるかということを考えますと、やはりここで普及員の皆さんにもかなり勉強していただいて、そしてそういう個々の指導をしっかり進めていくような体制に持っていかなくちゃいかぬと思うんですが、その点についてはどうお考えでしょうか。
#65
○政府委員(日出英輔君) 先生お話しのように、この中山間の地域で持っております特色ある地域資源を具体的に生かすということについては大変苦労の多い話だろうと思います。普及だけがこれに対処するというんじゃなかなか荷が重いところではございますけれども、現に普及に対してそういった要請が強く出ておりますので、私どもはこの中山間地域の特色ある農業をつくり出すということについて普及の大きな一つの課題という形で位置づけておるわけでございます。
 そのためにも、普及活動をしやすくするというためにも、実は農業改良資金の中でこういう特定地域新部門導入資金がございますとそういった指導ができやすいという面もまたあるということを御理解賜りたいというふうに思います。
#66
○星川保松君 次に、農業に関する技術の研究開発の方に入りますが、生研機構が今度は民間にも研究委託してその成果を上げていこうということは大変結構なことだと私は思っております。
 ただ、どうも研究者の皆さんのわらいといいますか活動を見ておりますと、極めて高度な特殊な方向にどうも向かっていきやすいような気がしてならないわけなんですよ。そういう特殊な部門にしか利用できないようなというんじゃなくて、三百六十四万戸の農家があるわけですから、その全部とは申しませんが、できるだけ広範にこれが行き渡って、できるだけ多くの農家がそれを活用して生産性を上げるというような方向に私は向かっていただきたいということが一つ。
 もう一つは、どんなにすぐれた技術であっても、いわゆる過剰な設備投資になると大変金がかかるというようなことになりますと、今のようなコストダウン、コストダウンということを言われているときに幾らすぐれた技術であってもなかなかこれは普及していかないんじゃないか、こういうふうに思うわけです。
 この二つについてひとつお聞きをいたします。
#67
○政府委員(山本徹君) 先生御指摘のとおり、取り組むべき研究開発の課題といいますのは、広く農家に実用化されるような普遍性のあるテーマであることが今回の生研機構の事業としては重要なことであると思っておりまして、このためには課題の選定というのは特に重要でございますので、生研機構に委員会を設けまして、生産者の代表や普及組織また地方の行政、試験研究機関等に参加していただき、この委員会で特に生産者の御意見等も十分承って課題を決定してまいりたいと思っております。
 また、これは実用化の段階で現場で二つ以上の圃場で実験することを予定しておりますけれども、この現場でも現地の協議会を設けまして現場の農業関係者等の技術的な意見、要望等を把握したり、また研究成果の評価等を行って生産現場の声ができるだけ反映されるように努めてまいりたいと思っているところでございます。
 また、これが実際に幅広く実用化されるように生研機構と国が一体となって、いろんな情報媒体等を通じまして現場の農業者にも十分御活用いただけるように情報を提供させていただきたいと思っているところでございます。
 それから、これは特に農業については重要なことでございますけれども、大変すぐれた研究開発でございましても、これによってかえって農業生産のコストが上がるということではこれは全く実用に適さないわけでございまして、開発される技術につきましては、この技術の導入によって、少なくともこれに伴い新たな投資に要する費用以上の増収効果というのが農業者に得られるものであるということが大変重要なところでございまして、そこは研究開発の段階でコストを計算して農業者にとってメリットがあるかどうかということを十分に検証してまいりたいと思っております。
 具体的にコストを抑制する方策としては、これは生研機構からの委託費の支給ということで事業者の開発コストの低減を図るということをもともと目的としておるわけでございますけれども、さらに普及組織や行政組織を活用して、新しい技術を普遍的にできるだけ幅広く普及させることによって新しい装置等の導入が必要な場合には製造コストの引き下げを図ることを考えていかなければならないと思っておりますし、また特許権等が成立する場合にはその実施料について適正な水準となるように指導してまいりたいと思っておりまして、これらいろんな工夫をいたしまして研究の成果ができるだけ安いコストで農業者の皆様方に実用化していただくように万全の努力をしてまいりたいと考えております。
#68
○星川保松君 最後に農業経営基盤強化法の改正についてでありますが、これも改正の中身は大変私は結構だ、こう思うんでありますが、これを読んでおって非常に不思議な感じがした点がございます。
 それはこの農地保有合理化法人に買い入れ協議制というものを創設すると。つまり、売りますよというふうに申し込んでいって、協議中は結局ほかから買い手が来てもそっちと相談しちゃいけませんよということだろうと思うんですね。普通はこういうことは起こり得ない。といいますのは、いわゆる譲渡所得税の特別控除というのが大きくあるわけですよ。ですから、そういう控除を私もやりますからという人でなければこれは太刀打ちできないわけなんです。太刀打ちしようというなら、その減税分を私はかさ上げするから、だから私に売ってくださいというのしか出てこないんですね。
 だから、本来はこういうのは出てこないはずなのに何でこういうことを設けたか。むしろ逆に言いますと、日本の場合はだれとどういう売買契約でも何でも契約は自由だ、公序良俗に反しない限りは契約自由の原則で日本の法律は、民法はやっているわけです。それについて考えますと、これはその大原則にちょっと背くんじゃないかなという感じさえするんですが、これはどういうことでしょうか。
#69
○政府委員(野中和雄君) 今回創設いたします買い入れ協議制でございますが、この対象となります農地は、農家が売り渡しをしたいというふうに思われます農地のうち非常に優良な農地で近くに認定農業者等もいらっしゃるし、そういう意味で、いろんな意味からその担い手の人にできるだけっなげていきたいというような農地であるわけでございます。
 そこで、相対でも話をつけていただければいいわけでございますけれども、それが必ずしも普通のあっせんでうまくいかない場合に、認定農業者の人に売り渡していきたい農地でございますので、ほかの方が来ました場合にはそこと競合するというようなことになるわけでございまして、担い手につないでいきたい合理化法人の方にいわば一定期間だけは優先して買い入れの交渉をさせていただきたい、こういう仕組みでございまして、地域によりまして確かにいろんな事情があろうかと思いますけれども、そういうような典型的な場合にこの合理化法人がそういう政策目的を持って協議に入るわけでございますので、一応優先をさせていただきたい。いわば買い入れ協議制をスムーズに行うための念のための措置というようなことで設けているものでございます。
#70
○林紀子君 今回の阪神大震災でお米の小売業者も大変大きな被害を受けたということです。亡くなった方も二十一名もいらっしゃる。全壊は二百二戸、半壊六百四十一、一部半壊五百八十三、計千四百二十五店、兵庫県の小売業者の三四・七%、神戸市内だけ考えると五〇%にも上るのではないかと思います。そして、ある病院では二月から県の給食給与がストップされた。病院に入院している人は被災者ではないから災害救助法の適用外だと言われ、しかも従来取引していた小売からお米を買おうと思っても店が壊れて営業していないため困っている、こういうことです。
 現在はガス、水道が復旧していないために食料援助に頼っているところが多いわけですが、今後ライフラインが復旧して自前で給食を始めるとお米の供給問題は一層深刻になると思います。
 農水省は災害救助法の適用外となっている施設や病院、また自宅で生活を始めた方々へのお米の供給実態を把握していらっしゃいますでしょうか。
 また、お米の供給不足が生じないように要望に応じた供給ができるようにするなどの体制を確立していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
#71
○政府委員(上野博史君) この被災地に対しますお米の供給につきましては、私どもも大変当初から努力をいたしてまいっておりますし、それから関連の業界の皆様方にも大変御努力をいただいて、パンだとかあるいはお弁当だとか手配をして、当初の不測の事態に大変お役に立っていただいているというふうに考えております。
 また、そのほか各地からの救援活動も大変活発でございまして、当初一日ぐらいの間大変乾パン等で苦しい状況もございましたのでございますけれども、逐次状況は改善して、今では余り食料の問題についての御不満というのはなくなってきているのではないかというふうに考えております。
 食糧庁といたしましては、精米三千トンをこの地域内に運び込みまして、それを炊飯に充てるというような対応をいたしてまいっておりまして、当面地方公共団体からの御要請もそれで十分だというような状況でございます。
 それから、徐々にお米屋さんの立ち上がりも見られておりまして、小売の活動も被災者の方が大変多うございますので十分ではないのでございますけれども、末端へのお米の供給ということについて問題はないというふうに聞いております。
 私どもといたしましては現地の食糧事務所あたり、それから周辺の各食糧事務所にも相談所を設けましていろいろな苦情等の聴取もいたしております。これからも十分心がけてまいりたいというふうに考えております。
#72
○林紀子君 今、困ったところはなくなっているんじゃないかというお話ですけれども、ボランティアが大活躍しているわけですが、兵庫県の農民連は神戸市内の三十その病院、二診療所に支援を行っている。そして病院からは、行政からの音さたは全くないのにこうしてお米を持ってきてくれて感激ですとか、前回届いたリンゴや米は久しぶりに口に入ったと患者さんたちは大喜びしている、それからさらに支援の申し込みも殺到しているということなんですね。援助、大変ありがとうございました、これからも援助をいただけるのであれば、特に野菜類、果物、米などが援助をいただければ助かります、よろしくお願いいたします、こういう手紙なども続々と寄せられているわけなんですね。
 食糧事務所のお話がありましたけれども、特に高齢者の施設とか弱者の施設、病院など困っているんじゃないかと思われるところに、言ってくるのを待たないで、やはりどうですかということを確かめていただいて、そしてどこに行ったらそのお米が手に入りますよということも含めて、ぜひこういうことが、困ることが本当にないようにしていただきたい。そして、特に国が責任を持ってこういう供給をする場合には国産米を充ててほしいということも同時にお願いしたいと思いますが、もう一言お願いいたします。
#73
○政府委員(上野博史君) まさに委員御指摘のとおり、ボランティア等関係団体を含めての大変な御協力、御活動によりまして現地の皆様方も大変喜んでおられると、まさにそのとおりだというふうに思っております。
 私どもの出先におきましてもいろいろな情報を直接被災者の方から聴取をするというような努力もいたしておりまして、今、先生おっしゃったような問題が生じないように目配りをしてまいりたいというふうに思っておるところでございます。
#74
○林紀子君 次に私は、農業に関する技術の研究開発の促進に関する特別措置法案、これに関してお伺いしたいと思います。
 まず、研究成果の知的所有権、つまり特許権の問題についてお聞きしたいのですが、現在、生研機構が行っている農業機械等緊急開発事業での民間への研究委託、共同研究における特許権の所有はどうなっているのか、また本法案の民間研究委託の研究成果の所有はどういうふうになるのか、簡潔にお聞かせいただきたいと思います。
#75
○政府委員(日出英輔君) 前段の機械化促進業務の研究委託の関係を申し上げますと、原則といたしましては、生研機構で機械化促進業務を民間等へ委託をいたします場合に、受託者が発明を行った場合には原則として生研機構が特許権を取得することになっておりますが、ただ、研究の中身あるいはその結果必要があると認めるときには生研機構と受託者が共同で特許出願することとしている。これも事例が結構あるようでございます。
#76
○政府委員(山本徹君) 民間の研究開発で出融資による助成に係るものにつきましては、これは民間に特許権が帰属することになります。
#77
○林紀子君 今、教えていただきましたけれども、生研機構が行っている農業機械等緊急開発事業では、共同研究では研究費は支給しませんから共同研究の中で企業が開発した特許については企業の所有となる、そして委託研究では企業に研究費を支給しているわけですから、研究成果の所有は生研機構が一〇〇%所有する、こういうことになっていると思うわけです。
 そして、この研究費を支給するに当たって人件費は今までは含まれていませんね。ところが、本法案の民間への委託研究で今までと一番大きく違っているのは、人件費を含む研究費を企業に支給する、農水省としては初めてのシステムだと伺っております。そして、その上成果まで生研機構と企業の共同所有にする。こういうことでは、これまでの研究委託のあり方と比べて整合性がとれない、企業の方に余りに優遇であるというふうに言われても仕方がないのじゃないかと思うのですが、どうでしょうか。
#78
○政府委員(山本徹君) 今回の委託費の中には技術料、ソフトの部分も含んでおりますけれども、これは今回の研究開発が、民間の事業者が研究開発の蓄積あるいは知見、能力を持っておられまして、むしろこれを活用した方が農業生産にとって大変有益な研究開発をより効率的、迅速に実施できると考えられるテーマを対象としているためでございます、
#79
○林紀子君 民間の開発意欲を刺激する目的だというお話ですけれども、現行の農業機械の緊急開発事業では、一つの研究テーマについて一年間に二千九百万円の積算になっている、そして、おおむね五年を限度として一億五千万円くらいで一つのテーマを研究している、こういうことになると思うんですけれども、これと比較しましても今回の予算措置というのは、平成十二年度までの五年間で一括して五十億円と大変規模も大きい額になっていると思います。
 そこで、大臣にお伺いしたいんですが、このように民間委託というのは大々的に進めているわけですけれども、国公立の試験研究機関は定員割れの状況というのが長年放置されているんじゃないでしょうか。本当に実用化が急がれる、必要とされる技術や機械であれば、国公立の試験研究機関を充実させて国が責任を持って開発に取り組むべきだと思いますけれども、いかがでしょうか。
#80
○国務大臣(大河原太一郎君) 委員御指摘でございますけれども、今度の生研機構を通じて民間の蓄積された研究開発のものを動員いたしまして、それによって現場に直結した技術開発を急速に推進する、そういうことでございまして、国の試験研究機関には残念ながら、農業関係ではエレクトロニクスとか素材技術とかそういうものについては民間に蓄積されている技術の方が多いわけでございます。したがいまして、そういうものを今度の生研機構による委託研究で動員をいたしたい、そして速やかなる成果を得たい、そういうような点があるわけでございます。
 それからもう一つは、国の試験研究は基礎的、基盤的な研究を現在やっておるわけでございます。実用化にはそれだけではなくて、民間の試験研究の成果もこのたびは動員いたしたい、さようなことでございまして、その点は、国の試験研究はただいまも申し上げました基礎的、基盤的研究、これはやはり今度の実用化にも生きておるというわけでございます。
 なお、定員の問題につきましては、御案内のとおり昭和六十一年から平成二年ごろまで定年が未てリタイアする方が非常に多かったわけでございまして、平成二年あたりがピークだったというふうに思います、試験研究機関で。そういうことでございまして、新規採用での充足に努めてきたところでございますけれども、やはり年齢構成その他を考えますと全部一遍に充足するというわけにはまいらないわけでございます。ある一時期に集中的に、一年に集中的に定員を拡充することはできないし、また研究者でございますから専門的なものを持った方でないといかぬというようなことで、新規採用人員はふやしておりますけれども、その点で一遍には埋まらないということでございます。
#81
○林紀子君 今、大臣からハイテクとかエレクトロニクスとかいうお話ありましたけれども、本法案の目的とするところは、このようなバイオテクノロシーや植物工場プラントを手がけている企業のビジネスチャンスのための農業技術の開発、掘り起こしにあるのではないか、そして民間委託を進め研究費をばらまくのは一種の企業補助金じゃないかというふうに思うわけです。
 ウルグアイ・ラウンド関連対策というふうに言っておりますけれども、本当にそういうことであれば企業に対してではなくて農民に対して、農業合意の影響を最も強く受ける中小農民に対して本当に役に立つ技術開発を進めるべきだと思うわけです。
 そして、今、定員割れのお話ありましたけれども、そういう事情もあるかもしれませんが、これは早急に国公立の試験研究機関を充実させる、このことこそ大切なのではないかということを申し上げて、きょうは文部省にも来ていただいたのですが、時間がなくなってしまいましたので、またの機会に御質問させていただきたいと思います。
#82
○委員長(青木幹雄君) 他に発言もないようですから、四案に対する質疑は終局したものと認めます。
 ただいま議題となっております四案のうち、まず、青年の就農促進のための資金の貸付け等に関する特別措置法案について討論に入ります。――別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 青年の就農促進のための資金の貸付け等に関する特別措置法案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#83
○委員長(青木幹雄君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 この際、星川保松君から発言を求められておりますので、これを許します。星川君。
#84
○星川保松君 私は、ただいま可決されました青年の就農促進のための資金の貸付け等に関する特別措置法案に対し、自由民主党、日本社会党・護憲民主連合、平成会、新緑風会及び日本共産党の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 以下、案文を朗読いたします。
    青年の就農促進のための資金の貸付け等
    に関する特別措置法案に対する附帯決議
    (案)
 近年における農業就業者の急速な減少と高齢化の進展、ウルグアイ・ラウンド農業合意に伴う農業経営環境の厳しさの増大等に対処して、経営感覚に優れた効率的かつ安定的な農業の担い手となることが期待される青年農業者を確保・育成することが急務となっている。
 よって、政府は、本法の施行に当たり、次の事項の実現に万遺憾なきを期すべきである。
 一 就農促進方針の策定に当たっては、青年の就農に関する業務を行う団体・機関等と十分な調整を行い、地域の農業の実情を的確に反映したものとするよう指導すること。
 二 就農計画の認定に際しては、新たに就農する青年の創意を活かしつつ、就農の実態に応じた弾力的な運用が行われるよう指導すること。
 三 青年農業者育成センターの就農促進業務が円滑に行われるよう、新規就農に関する必要な情報が十分集積される体制の整備に努めること。
 四 就農しようとする者及び就農後の者に対し、都道府県、市町村、センター、その他関係する団体・機関等が連携を密にし、総合的かつ個々のニーズに合致した弾力的な支援活動を行うよう指導すること。
 五 研修終了後の就農が円滑に行われるよう、他の金融・補助制度との連携に十分な配慮を行うこと。
 右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ、委員各位の御賛同をお願いいたします。
#85
○委員長(青木幹雄君) ただいま星川君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#86
○委員長(青木幹雄君) 全会一致と認めます。よって、星川君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、大河原農林水産大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。大河原農林水産大臣。
#87
○国務大臣(大河原太一郎君) ただいま御決議いただきました附帯決議の趣旨を尊重し、今後最善の努力をいたしてまいります。
#88
○委員長(青木幹雄君) 次に、農業改良資金助成法の一部を改正する法律案について討論に入ります。
 別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 農業改良資金助成法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#89
○委員長(青木幹雄君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 この際、星川保松君から発言を求められておりますので、これを許します。星川君。
#90
○星川保松君 私は、ただいま可決されました農業改良資金助成法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、日本社会党・護憲民主連合、平成会、新緑風会及び日本共産党の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 以下、案文を朗読いたします。
    農業改良資金助成法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  ガット・ウルグアイ・ラウンド農業合意に伴い、我が国農業・農村をめぐる情勢は一段と厳しさを増し、特に、地勢等の地理的条件が悪く、農業生産条件が不利な地域においては、その影響を一層強く受けることが懸念されている。
 よって政府は、これら地域の農業振興対策の拡充を図るとともに、本法の施行に当たり、次の事項の実現に万遺憾なきを期すべきである。
 一 特定地域新部門導入資金制度の運用に当たっては、特定地域の基幹的産業である農業の振興に資するよう、条件不利地域における他の農業振興対策等との連携を図りつつ、対象地域の速やかな指定、地域の実態に即した円滑な貸付け等に万全を期すること。
 二 新規作物等の導入に当たっては、農業改良普及貝等により地域の特性に着目した関係情報の提供等きめ細かな対応を行うとともに、当該作物が定着するよう、関係機関が一体となって、適切な栽培方法、産品の流通ルートの確立、高付加価値化を図るための加工等について必要な助言、指導を行うこと。
 右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ、委員各位の御賛同をお願いいたします。
#91
○委員長(青木幹雄君) ただいま星川君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#92
○委員長(青木幹雄君) 全会一致と認めます。よって、星川君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました、
 ただいまの決議に対し、大河原農林水産大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。大河原農林水産大臣。
#93
○国務大臣(大河原太一郎君) ただいま御決議いただきました附帯決議の趣旨を尊重し、今後最善の努力をいたしてまいります。
#94
○委員長(青木幹雄君) 次に、農業に関する技術の研究開発の促進に関する特別措置法案について討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
#95
○林紀子君 私は、日本共産党を代表して、農業に関する技術の研究開発の促進に関する特別措置法案の反対討論を行います。
 我が党は、バイオテクノロジー技術を初めとする基礎的研究や科学技術は、国が責任を持ち、自主、民主、公開の原則で進めるべきとする立場から、大企業の利益に奉仕し、国の研究体制を一層後退させる生研機構の設立には反対の立場を表明してきました。
 本法案は、生研機構がこれまで行ってきた民間研究に対する出融資業務等に加え、新たに民間への研究委託体制をつくるものです。その内容は、人件費を含む研究費を丸ごと企業に与え、その上、研究成果の特許権も企業の優遇を図るという、企業参入の新たな枠組みづくりとなっています。これは、特定のバイオテクノロジー・エレクトロニクス企業への実質的な補助金拡大につながるもので、賛成できません。
 また、補正予算で一括五十億円を計上する民間委託研究費に比べ、政府が直接責任を負っている国の試験研究機関は定員削減の一途をたどり、研究体制の充実が必要とされながら対策はなおざりにされたままです。さらに、提案されている研究テーマは、ウルグアイ・ラウンド農業合意の打撃を最も強く受ける中小農家にとって緊急な施策とは到底言えないものであります。実用化が急がれる必要な技術、機械は民間任せにするのではなく、国が責任を持って開発に取り組むべきです。
 本法案は、ウルグアイ・ラウンド農業合意関連対策の一環として平成六年度補正予算案とともに提出されました。しかし、生研機構の事業を抜本的に変える内容の本法案は、通常国会において十分な審議を行うのが妥当であり、四法案一括の短時間審議では余りにも不十分であることも指摘するものです。
#96
○委員長(青木幹雄君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。
 これより採決に入ります。
 農業に関する技術の研究開発の促進に関する特別措置法案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#97
○委員長(青木幹雄君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決するべきものと決定いたしました。
 この際、星川保松君から発言を求められておりますので、これを許します。星川君。
#98
○星川保松君 私は、ただいま可決されました農業に関する技術の研究開発の促進に関する特別措置法案に対し、自由民主党、日本社会党・護憲民主連合、平成会及び新緑風会の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 以下、案文を朗読いたします。
    農業に関する技術の研究開発の促進に関
    する特別措置法案に対する附帯決議(案)
  ウルグアイ・ラウンド農業合意に伴う我が国農業・農村への影響の緩和とその将来の発展のために、農業の生産現場に直結した革新的な研究開発を強力に推進することが急務となっている。
 よって政府は、本法の施行に当たり、次の事項の実現に万遺憾なきを期すべきである。
 一 基本方針の策定及び研究開発課題の設定に当たっては、農業者、農業団体等現場のニーズ及び意見を的確に反映し、関連業界、学識経験者等幅広い分野の専門知識を十分に活用
  するとともに、構造政策や生産対策等地の政衆との有機的な結合を図ること。
 二 開発された研究成果については、生産現場への迅速な普及が必要であることにかんがみ、協同農業普及事業、農業構造改善事業等の各種施策において積極的に対応すること。
 三 本法は、平成十二年三月三十一日までに廃止するものとなっているが、そのことによって研究開発及びその成果の普及に支障を来すことのないよう十分に配慮すること。
 右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ、委員各位の御賛同をお願いいたします。
#99
○委員長(青木幹雄君) ただいま星川君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#100
○委員長(青木幹雄君) 多数と認めます。よって、星川君提出の附帯決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、大河原農林水産大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。大河原農林水産大臣。
#101
○国務大臣(大河原太一郎君) ただいま御決議いただきました附帯決議の趣旨を尊重し、今後最善の努力をいたしてまいります。
#102
○委員長(青木幹雄君) 次に、農業経営基盤強化促進法の一部を改正する法律案について討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
#103
○林紀子君 私は、日本共産党を代表して、農業経営基盤強化促進法の一部改正案の反対討論を行います。
 今回の一部改正は、認定農家に対して、農地そのものの利用集積を促進するために新たに公有地の拡大の推進に関する法律の方法を取り入れたものです。これは、これまでの認定農家に対する農地集積手段を強化するものであり、賛成することはできません。
 我が党は、十から二十ヘクタールもの経営規模を前提とした一部認定農家に農地を集積し、その認定農家のために、他の多くの農業者に対し事実上の強制によって農地を放出させ、廃業に追い込むような差別、選別の新政策の枠組みにはこれまでも反対してきました。
 農地保有合理化法人による買い入れ協議制は、農用地の所有者からの申し出が前提となっています。しかし、実際は市町村の基本構想の中での話になり、市町村や農地保有合理化法人の側から、認定農業者の周辺の農地保有農民に対して農地を手放す働きかけが強行に行われる懸念があり、農地所有者の自主性がどれだけ保証されるか疑問が残ります。特に買い入れ協議制は、三週間の譲渡制限に違反したときは十万円の過料がかかるというように、私権に対する制約を課しているものです。農地保有者の自主性が損なわれたときは、認定農業者への農地集積が強権的なものになる懸念もあります。
 このような買い取り協議制の問題点とともに、農村現場では、これ以上一部の農家に農地を集積していけばますます過疎化が進行し、農村集落が成り立っていくのかという不安さえ出されています。こうした農村の声にこたえるためにも、集落単位の話し合いが必要になっていますが、そうした話し合いも十分に行わず、買い取り協議制で農地の集中を進めることは問題を残すということも指摘しなければなりません。
 以上、述べた理由によって、本法案に反対いたします。
#104
○委員長(青木幹雄君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。
 これより採決に入ります。
 農業経営基盤強化促進法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#105
○委員長(青木幹雄君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 この際、星川保松君から発言を求められておりますので、これを許します。星川君。
#106
○星川保松君 私は、ただいま可決されました農業経営基盤強化促進法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、日本社会党・護憲民主連合、平成会及び新緑風会の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 以下、案文を朗読いたします。
    農業経営基盤強化促進法の一部を改正す
    る法律案に対する附帯決議(案)
  ウルグアイ・ラウンド農業合意による新たな国際環境の変化尊厳しさを増す農業情勢に対応するため、農用地の利用の集積等により農業経菅の体質強化を図ることが農政の重要課題となっている。
 よって政府は、本法の施行に当たり、次の事項の実現に努め、農地流動化の促進に万遺憾なきを期すべきである。
 一 効率的かつ安定的な農業経営を速やかに育成するため、本法に基づき、市町村が定める農業経営基盤の強化の促進に関する基本構想の策定が平成六年度内に完了するよう努めるとともに、農業経営改善計画の認定が円滑かつ着実に行われるよう、市町村等に対する適
  切な助言、指導を行うこと。
 二 農地保有合理化支援法人による債務保証業務については、農地保有合理化法人による農業構造の改善に資する事業等の積極的な展開が図られるよう、その円滑な運用に努めること。
 三 農地保有合理化法人の財務基盤を強化するための助成に当たっては、当該法人による農地の中間保有・再配分機能が十分発揮されるよう指導すること。
 四 農地保有合理化法人による買入協議制度については、関係機関等との連携の下、望ましい担い手に対する効果的な農地利用の集積に資するよう、地域の実情を踏まえ、必要な助言、指導を行うこと。
 右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ、委員各位の御賛同をお願いいたします。
#107
○委員長(青木幹雄君) ただいま星川君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#108
○委員長(青木幹雄君) 多数と認めます。よって、星川君提出の附帯決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、大河原農林水産大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。大河原農林水産大臣。
#109
○国務大臣(大河原太一郎君) ただいま御決議いただきました附帯決議の趣旨を尊重し、今後最善の努力をいたしてまいります。
#110
○委員長(青木幹雄君) なお、四案の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#111
○委員長(青木幹雄君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後三時三十七分散会
ソース: 国立国会図書館
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