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1995/02/17 第132回国会 参議院 参議院会議録情報 第132回国会 農林水産委員会 第3号
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1995/02/17 第132回国会 参議院

参議院会議録情報 第132回国会 農林水産委員会 第3号

#1
第132回国会 農林水産委員会 第3号
平成七年二月十七日(金曜日)
   午前十時三分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 二月九日
    辞任         補欠選任
     大渕 絹子君     村沢  牧君
 二月十七日
    辞任         補欠選任
     都築  譲君     寺崎 昭久君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         青木 幹雄君
    理 事
                大塚清次郎君
                佐藤 静雄君
                稲村 稔夫君
                菅野 久光君
                星川 保松君
    委 員
                井上 吉夫君
                浦田  勝君
                高木 正明君
                吉川 芳男君
                谷本  巍君
                野別 隆俊君
                村沢  牧君
                風間  昶君
                刈田 貞子君
                都築  譲君
                井上 哲夫君
                林  紀子君
   国務大臣
       農林水産大臣  大河原太一郎君
   政府委員
       農林水産大臣官
       房長       高橋 政行君
       農林水産大臣官
       房審議官     紀内 祥伯君
       農林水産経済
       房長       東  久雄君
       農林水産省構造
       改善局長     野中 和雄君
       農林水産省農蚕
       園芸局長     日出 英輔君
       農林水産省畜産
       局長       高木 勇樹君
       農林水産省食品
       流通局長     鈴木 久司君
       食糧庁長官    上野 博史君
       林野庁長官    入澤  肇君
       水産庁長官    鎭西 迪雄君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        秋本 達徳君
   説明員
       国税庁課税部酒
       税課長      二宮 茂明君
       厚生省生活衛生
       局食品保険課長  高原 亮治君
       自治省財政局調
       整室長      北里 敏明君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○農林水産政策に関する調査
 (平成七年度の農林水産行政の基本施策に関す
 る件)
○農業協岡組合合併助成法の一部を改正する法律
 案(内閣提出)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(青木幹雄君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 去る九日、大渕絹子君が委員を辞任され、その補欠として村沢牧君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(青木幹雄君) 農林水産行政に関する調査のうち、平成七年度の農林水産行政の基本施策に関する件を議題といたします。
 本件につきましては既に説明を聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#4
○佐藤静雄君 自由民主党の佐藤でございます。
 まず、先月十七日、ちょうど一カ月前でございますが、発生しました阪神・淡路大震災によりまして犠牲者五千三百人を超える大惨事になりました。ここに謹んで犠牲者の御冥福をお祈りするとともに、被災されました皆様方に心からなるお見舞いを申し上げたいと思います。
 いまだになお二十万人を超える方々が避難所で大変苦しい生活を強いられておられるわけでございますが、こうした方々を初めとする被災者全般に対する安定的な食料供給、これが何よりも人心安定のために重要な課題であるというふうに考えております。今回の地震発生後、政府といたしましても、いち早くお米を三千トン県に提供して、県知事の言によればこれが最もうれしかったというお褒めの言葉をいただいておりますけれども、普通、役人仕事役人仕事ということで、のろまなのが役人の通例だということを破りまして大変迅速にやっていただいた農林水産省の素早い対応に心から敬意を表する次第でございます。
 当面、皆様方の御努力によりまして必要量は確保されているものと承知しておるわけでございますが、今後とも安定的な食料供給を図っていかなきゃならないというふうに考えておりまするし、もし不幸にしてこのような大災害がまた襲ってきたような場合には、それに安定的に対応できるという確信を政府には持っていただかなきゃいかぬというふうに思っておるわけでございますが、この点につきましてひとつ大臣の御所見をいただきたいと思うわけでございます。
#5
○国務大臣(大河原太一郎君) ただいま佐藤委員からお話ございましたように、一月十七日の大災害に伴う緊急の食料の供給確保対策につきましては、全力を尽くして我々としても対応させていただいたわけでございます。特に、県、市等の食料の確保計画、これを出していただきまして、それに対する手当てということについて詰めてまいったわけでございまして、現時点におきましてもおおむねその点については確保されていると思うわけでございます。
 お話がございましたように、今回の経験を通じまして、食料の供給確保の責任を負う我々として、大変多くの危機管理について教訓を得たと思うわけでございます。
 まず、申すまでもございませんけれども、被災地における情報なりあるいは要望、こういうものに対する迅速、的確な把握という点について大変難儀をしたということが第一点でございます。
 それから第二点は、食料の災害に対する備蓄、この問題につきましても、国、県あるいは市町村、これらがどういう形でその役割を分担するか等々につきまして非常に考えさせられたところがあるわけでございます。それから、それと関連して、備蓄する場所の問題等についてもあらかじめの検討が非常に必要であるというふうに思ったところでございます。
 さらには、備蓄対象品目とかあるいはその数量というようなものについて、やはり相当考えておかなくてはならない。例えば米も玄米だけでは緊急の場合生きませんので、精米、それからまた缶詰米飯とか、その他いろいろな対象物資についても今後検討を詰めるべきものであるというふうに考えております。
 さらには、米等については、やっぱり炊飯施設がリンクしていなくてはならない等々、あるいは小なり燃料の配置をどうするかとか、さらには食料についての輸送ルートとかあるいは搬送ルート、またその方法とか、そういう諸点につきまして、やはり大災害に対する、災害に対する危機管理という点で改めて我々としては反省をさせられたところでございまして、今後これらの体制について早急な検討をいたして、十分な備えをいたしたい、さように思っております。
#6
○佐藤静雄君 一カ月を経過しまして、電力あるいは水道、ガス、ライフラインも徐々にではございますけれども復旧が進んでいるやに聞いております。このライフライン以上に大切なものが私は生鮮食料品の供給だろうというふうに思っておるわけでございます。
 そこで、神戸市の中央卸売市場が大きく災害をこうむったわけでございます。市民生活にとっては最も大切なものでございます。したがって、農水省としては、この卸売市場の緊急なる復旧を図っていただかなきゃいかぬ、こういうふうに私は思っております。
 制度上の問題がございまして、今までの制度では復旧の対象になっておりませんので、これを対象にしていただく。これは既に政府の御答弁がございまして、やっていただけることになっておりますが、この復旧については、ひとつ激甚災害並みの、そして最高率の補助金を適用していただきたい。今、最高率というのは十分の九でございますが、その辺の適用をひとつぜひお願いしたいと思いますが、いかがでございましょうか。
#7
○政府委員(鈴木久司君) 今回の大震災によりまして、卸売市場では中央の四市場、地方の六市場が大きな被害を受けております。特に中央卸売市場につきましては、神戸市の本場では荷物の搬入路、水産活魚売場の陥没といったような被害を受けておりますし、また東都市場におきましては、施設全体の地盤沈下、水産卸売場の支柱の破損といったような被害を受けております。また、同じく地方卸売市場におきましても相当の被害を受けております。
 農林水産省としましては、それぞれの卸売市場の被害状況等を踏まえまして、市場施設の早期復旧に向けまして、これを極力支援すべく立法措置も含めまして現在鋭意検討しているところでございます。
#8
○佐藤静雄君 時間が限られておりますので、ひとつ御答弁を簡略に御協力願います。
 大震災関連でもう一つお聞きしておきたいのでございますが、仮設住宅の整備、これが緊急な、最重要な課題となっておりますが、これに要する木材、これらの木材を迅速にしかも低廉で供給していただかなきゃいかぬと思いますが、これらについては今どういうふうになっているか、ひとつお聞きをいたしたい。
#9
○政府委員(入澤肇君) 応急仮設住宅として四万戸の建設が必要とされておりますので、これに必要な木材をちょっと計算してみますと、製材品として約七千四百立方と見込まれます。これは近畿供給圏内の通常の月間供給見込みの約一%に相当しております。それから、合板につきましては約一万五千立方と見込まれて、同じく約七%に相当しております。それから、くい丸太が至急必要なんですが、これが約一万六千立方と見込まれておりまして、これも近畿供給圏内の間伐材の生産量の約一五%に相当しております。
 いずれも森林組合系統組織が供給できる体制を確保しておりまして、当面資材の供給には支障がないものと考えております。
 私ども林野庁といたしましても、木材の円滑な供給を確保するために、全国木材組合連合会、日本合板工業組合連合会を初めといたしまして関係団体との間に連絡会を設徴しておりますし、それから関係自治体等からの応急仮設住宅に要する具体的な要請に対しまして、円滑な供給を図れるように指導をしております。窓口も設置しております。
 さらに、仮設住宅用の土地といたしまして、兵庫県と近隣の諸県で営林署の所有する苗畑も提供するように、兵庫県、神戸市等に申し入れておるところでございます。
#10
○佐藤静雄君 被災者が最も待ち望んでいるのがお金でございます。全国の善意の寄附も随分集まっておるわけでございますが、農協の貯金、これがやはり淡路島等の農村地帯にあっては一番の頼りの綱でございます。
 その農協の貯金の払い出しの状況がどうか、それから大変地震のたびに非常に声価が高まる農協共済、建物共済がございますが、これの状況についてひとつ御報告願います。
#11
○政府委員(紀内祥伯君) お答えいたします。
 農水省といたしましては、地震発生の一月十七日の日に関係団体に対しまして、今お申し込みの農協貯金の払い戻し、あるいは農協共済の早期支払い等について要請、指導をいたしたところでございます。
 この結果、被災者に対する農協貯金の払い出しにつきましては、休日の臨時営業あるいは通帳を紛失した場合でございましても払い戻しに応じる、あるいは定期貯金につきまして期限前の払い戻しということを既に実施していただいております。
 また、お尋ねの農協共済、これは地震の際にも補償できるという特典を持っておりますけれども、これにつきましても早期支払いということで支払い手続の簡素化なり、要員がどうしても不足しておりますので、全共連から要員を派遣するということをやっております。既に一部で共済金の支払いが生じておるということを聞いておりまして、早期支払いに今後とも努めたいというふうに思っております。
#12
○佐藤静雄君 次に、ウルグアイ・ラウンド関係についておただしをしたいと思うのでございますが、昨年度ウルグアイ・ラウンドの農業合意が実施されまして、総額六兆百億円、これに地方財政措置を含めますと、これは一兆二千億でございますから、七兆二千億に上る大綱が決定されたわけでございます。
 非常に厳しい農村にとっては、これを円滑に実施することがやはり最重要課題であるというふうに思うわけでございます。したがって、この施策の早急な具体化が肝要でございますが、第一次補正予算で相当額を計上し、その残りの部分は七年度の当初予算で計上するということになっておるわけでございますが、その具体的な施策の内容についてまずお伺いしておきたいと思います。
#13
○政府委員(高橋政行君) 今回の予算におきましては、ウルグアイ・ラウンド農業合意関連対策の初年度でございまして、我々といたしましては、農業の体質強化と農村活性化などの施策の着実な推進を図るということで予算を組んだわけでございます。
 まず、六年度の補正予算でございますが、これは緊急に措置する必要があるものにつきまして、事業執行体制であるとかあるいは地元のニーズなども勘案いたしまして、公共、非公共含めまして四千四百七十四億円、それから七年度の当初予算につきましては、非公共事業が八百二十一億、公共事業が二百五十億、合計いたしまして国費総額では五千五百四十五億円でございます。
 事業費で見ますと、約一兆千四百億円でございますので、六年間の六兆百億円の六分の一を上回る水準を確保いたしておりまして、対策初年目としては必要十分な予算を計上しておるのではないかというふうに思っております。
 それからさらに、ただいまお話がございました地方単独施策の方でございますが、これは七年度当初予算におきまして、農山漁村ふるさと事業の創設などを行っておりまして、対前年度比で二千億円程度の財源措置がなされたところでございます。
#14
○佐藤静雄君 今、御説明をいただいた施策が本当に農業の再生のために役立つかどうかということが農民が注視している問題であると同時に、何か軽薄な評論家なり学者が、六兆百億円はもったいないからほかに回せなんというばかなことを言っておりますが、こういうばかなことに対する回答としても、あるいはこれを真摯に実施することが私は農林水産省の存立をかけた問題だというふうに考えておりますが、大臣の御決意をひとつお聞きしたい。
#15
○国務大臣(大河原太一郎君) お答え申し上げます。
 先般、明らかにいたしました平成七年度の所信でも明らかなとおりでございまして、ウルグアイ・ラウンド農業協定の受け入れに伴う農業に対する影響を防止して、さらに二十一世紀に向けて農業・農村の自立を心がける、そのための国内対策でございまして、六兆百億の事業費、これでただいまも官房長から御説明申し上げましたように初年度の財政的な裏づけは確保されたわけでございますので、これら施策について着実な実施を行いまして実効を上げて、委員のおっしゃるようないわれなきこれらの批判にこたえたい、さように思っておりますのでよろしく御指導をお願いしたいと思います。
#16
○佐藤静雄君 この施策の成否をかける、占う大きな問題として後継者の確保の問題がございます。
 先般、この委員会におきましても青年就農の促進法やあるいは農業経営基盤促進法、これを審議したわけでございますが、こういうような制度がだんだんできておりまするし、今お話がありましたようにいろんな予算措置が講ぜられました。したがって、これを今度は地域社会に受け入れられる、あるいは定着していくということを具体的にやっていかなきゃいかぬ、こう思うのでございます。
 地方におけるこの制度あるいは予算の受け皿は、都道府県あるいは市町村、さらには農地保有合理化法人、農協あるいは農業会議というような生産団体が考えられますが、これをうまく結束させて十分な機能が発揮できるようにしていかなきゃいかぬというふうに思っておりますが、この体制の取り組みは今どういうふうになっておるか、ひとつお答えいただきます。
#17
○政府委員(野中和雄君) 担い手の育成につきまして、お話しのように各機関が連携をして一体となって取り組む必要があるというふうに考えておるわけでございます。
 現在、全国段階及び県段階におきまして、行政と合理化法人あるいは農業団体から成る構造政策推進会議というのを設けておりまして、望ましい経営体の育成に関する基本的な事項を検討する。また、市町村段階でございますが、市町村と農業委員会、農協、土地改良区などの機関によりまして市町村構造政策推進会議を設置いたしておりまして、認定農業者制度の基本となります市町村の構想の策定に参画をする、あるいは担い手を支援するための基本的な方向づけを行うというような体制をとっております。
 また、同じく市町村等の段階でございますが、ほかの段階、県段階もございます、全国段階もございますが、別途、経営改善支援センターというのも設けておりまして、農業経営の改善を目指す意欲ある農業者の方に対する支援体制ということをとっておりまして、認定制度を初めとするいろんな支援策に対する助言、研修、情報提供というようなことを行っているところでございます。
 今後ともこういうような体制を一層強化いたしまして、後継者の支援、育成に努力をしていくつもりでございます。
#18
○佐藤静雄君 もう一つこの施策の成否を占う課題として中山間地域の対策あるいは施策の実行、これがございます。
 これまたいろいろ予算化あるいは制度化していただいたわけでございますけれども、中山間地域、私から申し上げるまでもなく、我が国の農業だけではなくて国土や自然環境あるいは環境保全、そういう面で大いに役割を果たしている地帯でございますから、基盤整備事業等の補助率のさらなるかさ上げや、あるいは今度が期限切れになりますが山村振興法の継続など、中山間地域の抜本的な充実を考えていただかなきゃいかぬ、むしろ私どもはある種のデカップリングを考えなきゃいかぬとまで思い詰めておるわけでございますが、この点について御見解をいただきたいと思います。
#19
○国務大臣(大河原太一郎君) 御案内のとおり、このたびの農業合意に基づく国内対策におきましても中山間地域の活性化、地域対策、これが大きな重点になっておるわけでございまして、例えば農業基盤整備事業等については平たん地六割、中山間地四割というような総事業量を確保したいというふうに考えておるわけでございますが、地形条件その他非常に制約があり、整備コストも高いというような点から、七年度事業におきましては中山間地域総合整備事業というものを一層強化いたしまして、例えば補助率を五〇から五五%に上げるとか、末端における農家負担は五%程度にいたすというような施策を講じますとともに、山村振興等農林漁業特別対策事業におきましても同様、補助率のかさ上げその他に努めておるところでございます。
 いずれにいたしましても、中山間地帯の制約された諸条件に対応する事業の実施について今後も配慮していきたい、さように考えておるところでございます。
 なお、山村振興法につきましては、議員立法でございますけれども、本年三月に期限切れになるわけでございますが、既に国土審議会の山村振興対策特別委員会等におきましても延長すべきであるとの意見が出されておるわけでございまして、我々としては、その延長はもちろん、その中身となる各種事業についても充実強化に努めていきたい、さように存じておるところでございます。
#20
○佐藤静雄君 次に、新食糧法についてちょっとお伺いしたいんでございますが、新食糧法ができまして集荷から卸、小売の段階まで自由化が進んでまいります。
 そこで問題は、大企業が、特に大手の商社が米市場に参入したいということでいろんな動きを見せております。既に今までわかったところでも、丸紅、東食、伊藤忠、トーメンあるいは住友商事、これらが米市場に参入したいということで、いろんな方法で入ってきておるわけでございますが、制度としては全農あるいは全集連を通じて集荷が行われるということになっておりますが、これとて資本参加、そういうような手がございますから、大商社の参入が不可能ではないわけでございます。さらに、卸、小売、これに至っては、もちろんこれはもう完全に自由に入れるわけでございます。
 そこで、私は一概に大手の商社が入ることをけしからぬと言っているわけじゃないのでありまして、今まで大手の商社が行った米市場におけるビヘービアが、これはちょっと私は信頼できないものがあった。例えば数年前にはモチ米を力に任せて買いあさって市場の値段を高くしてみたり、そういうこともあったわけでございます。私は、この大手商社等が参入することについては別に一概にノーとは言っておりませんが、これによって国民の主食たる米が投機的な扱いを受けたり、あるいは今言いましたように需要が多いものを資本力に任せて独占したり、そういうことが私は問題であろうと思うのでございますが、まずこれらの米市場に大手商社が参入することの考え方、それについてお聞きをしたい。
 それから、流通ルートについても多様化、弾力化が図られますが、具体的にどんなことが考えられるか、影響、そういうことについてもお尋ねをしておきたい。
#21
○政府委員(上野博史君) 大手の商社等の動きとして、このところ卸売業界、小売業界、そういう分野にいろいろ参入が始められているというような情報がございます。新食糧法のもとにおきましては、競争原理を一層導入するという従来からの方針に沿う形で、出荷取扱業者あるいは流通業者いずれにおきましても一定の要件を満たす場合には参入が認められるという方向での改正を図ったところでございまして、大手商社等につきましてもそういう要件を満たす限りそれぞれの仕事ができるというのが今後のあり方だというふうに思っております。
 ただ、それによりまして今委員御指摘のようにいろいろ問題があるということでは困るわけでございまして、登録制度を維持しているということも一つはお米の流通をしっかり安定的に担保していくという考え方で講じられている措置でもございますし、そういう登録業者が計画流通米を扱っていくにつきまして、私どもといたしまして十分業務運営の実態についてチェックをしていくという手がかりを得るというための措置でもございます。これを十分に我々としては機能させてまいりまして、必要に応じて業務運営の改善を命ずるというようなこともできるわけでございますので、そういうことによって問題がないように対処してまいりたい。
 最後に、どのような分野にどういうふうに入っていくのかということにつきましてはなかなか私どもとして的確に申し上げるのは難しい面がございますけれども、集荷の面にはやはりなかなか入りにくいんではないかなという印象を持っております。
#22
○佐藤静雄君 ここで七年度の転作についてお尋ねをしておきたいと思うのでございますが、六年、七年は減反の面積をふやさないという約束をしておったわけでございますが、結果的には大豊作となりまして、農水省と団体が相談して、団体が形式的に手を上げたという格好で八万ヘクタールふやしたわけでございます。このふえた部分について末端の農家段階では非常な不満を持ったわけでございますけれども、もう既に二月でございますから配分が終わっておると思います。果たしてこの六十八万ヘクタールの減反面積について農家の御理解をいただいたのかどうか、あるいはどういうふうに配分が行われて、今問題はないのか、その辺をお聞かせいただきたいと思います。
#23
○政府委員(日出英輔君) 昨年十二月に、六十万ヘクタールの転作に加えまして八万ヘクタールの追加転作を行うということで都道府県の配分を行ったわけでございますが、その後私ども見ておりますと、先月末までにほぼすべての都道府県で市町村配分を終えております。現在は市町村から農業者への配分をやっておる状況でございますが、今私どもが聞いた限りにおきましては、この追加的な生産調整をやるということを決めた結果、自主流通米の価格の低落傾向に歯どめがかかってきているということがございました。
 先般の二月十四日の自主流通米価格形成機構での入札状況でもそれが裏づけられたような形になっておりまして、生産者団体はこの自主流通米の販売環境の悪化を防ぐための今回の追加的な転作につきましてはおおむねその趣旨を達成しつつあるということで、市町村段階におきましてもそういったことで周知徹底をしておるようでございます。
 私どもといたしますれば、なかなかそうは言いましても、個別の農業者に配分いたしますところでは、なお丁寧に御説明をしなきゃいかぬ問題が幾つかあるということで、県ともども、今回の自主流通米の販売環境の悪化を防ぐという趣旨をよくよくこれからも説明しながら、農業者への配分につきまして円滑に進むように気をつけてまいりたいというふうに考えている次第でございます。
#24
○佐藤静雄君 これは何回聞いてもどうも御答弁が明確にいただけないんですが、平成七年からウルグアイ・ラウンドの合意によってミニマムアクセス、初年度が四十万トンと我々言っているんですが正確には三十七万九千トン、それから六年度目には八%に当たる七十五万八千トン、これが輸入を義務づけられておるわけでございますから、平年作で物を考えれば、入ってくる分、増加してくる分はどうしてもこれは減反せざるを得ないわけでございますけれども、その減反をこれからどういうふうにしてやっていくのか。ミニマムアクセス導入に伴って、しかもそのミニマムアクセスの量が必ずふえていくわけでございますから、ふえた分は増加する、これは当然でございますが、その辺について、私の頭が悪いせいか、もやもやといつも答弁されてしまうのでございますが、明確な御答弁をひとついただきたいと思います。
#25
○政府委員(日出英輔君) この問題につきましては、もう佐藤先生から前にも御質問がございましたが、一昨年の十二月十七日のガット・ウルグアイ・ラウンド農業合意の実施に伴います農業施策に関します基本方針、閣議了解で御案内のとおり、米のミニマムアクセス導入に伴います転作の強化は行わないとされておりますので、私どもは、この八年度からの生産調整におきましてもこの閣議了解を重く受けとめておるわけでございます。
 ただ、こういった八年度からの新しい米管理システムの中で備蓄の運用を具体的にどうしていくのか、あるいは新規の加工用途の拡大等の措置をどのくらいできるのか、あるいはミニマムアクセスの導入に伴いまして主食用にあるいは加工用にどういうふうに振り向けていくのか等々の具体的な需給の計画の中で生産調整の強化を行わないということを御説明していくということを前に申し上げたわけでございます。
 まだ数字をもって御説明ができる段階ではございませんので、私どもといたしますれば、食糧庁とよく相談をしながら、先ほど申し上げましたような閣議了解事項に沿った生産調整が行われるように努めてまいりたいというふうに考えている次第でございます。
#26
○佐藤静雄君 ますますわからぬのでありますけれども、きょうは時間がございませんので次に移りたいと思います。
 次に備蓄の問題でございますけれども、一昨年の米の不作で政府が持っている米がもうゼロだと、国民の主食の米がお蔵に一粒もないというまことに非常に厳しい、ゆゆしい問題があったわけでございますが、今度は新食糧法で備蓄はきちっと義務づけられたわけでございますから、百五十万トンから二百万トンの中で弾力的に備蓄をしていくというふうに聞いておるわけでございます。この方針について、備蓄の水準について、巷間伝えられる百五十万トンがいいのか二百万トンの方がいいのか、それは豊凶の状況もあるでしょう、世界の食料の状況もあるでしょうが、やはりここできちっと農林水産大臣から国民に、このくらいは間違いなく備蓄しておくぞということを宣明していただきたい。
#27
○国務大臣(大河原太一郎君) この備蓄水準の問題につきましては、先般のWTO特別委員会等その他あらゆる機会で明らかにしておるところでございまして、百五十万トン、これは戦後の不作年の平均作況指数、これをとらえまして、現在の生産規模一千万トン、これを前提といたしますとおおむね百五十万トンというわけでございまして、これを確保する、これを基準にするということでございます。
 五十万トンの幅の問題につきましては、生産調整実施以来の、これはデータの関係で平成四年まででございますか、そこにおける作況の変化についての標準偏差をとりまして五十万トンということでございます。この五十万トンは一定の幅でございまして弾力的なものであるというふうに考えますが、少なくともその水準については国としては責任を持つということを明らかにしておきたいと思うわけでございます。
#28
○佐藤静雄君 次に、一昨年の不作で、政府は出界の米の値段を上げてまで二百五十九万トンの緊急輸入を行ったわけでございますが、聞くところによりますと、二百五十九万トン入れたけれども、まだ百万トン売れないで残っておる。これは事実だろうと思うのでございますが、昨年は豊作でございまして、国民の国産米志向あるいは新米志向というものを考えると、残った百万トンを無理に国民に押しつけるわけにもいかぬでしょうから、これをやはり早急に処理しておかなきゃいかぬ、こういうふうに思うわけでございますが、持ち越し在庫量が幾らになって、この後どういうふうに処理をしていくのか。
 そこで、一つ希望を申し上げますと、せっかくの大切なお米でございます。世界の食料、米の値段を上げてまで集めた米でございますから、やはり私はODAの予算を活用して、今五億人と言われる飢餓人口を世界が抱えている、地球が抱えておるということから考えまして、もったいない話でございますから、ODAでこれを相当量処理していただきたいというふうに思いますが、この点についても所見を聞かせていただきたいと思います。
#29
○政府委員(上野博史君) 緊急輸入米の在庫が昨年末の段階で九十六万トンぐらいまだ残っております。これをどういうふうに処理をしていくかということにつきましては、極力有効利用を図る、しかも国内産米への影響を与えない形でこれを有効利用してまいりたいということで考えているところでございます。
 今、お話のございました援助用に用いるというのもその一つの大事な仕向け方でございまして、我々としても外務省ともいろいろ御相談をしながら努力をしているところでございます。まだ具体的にどうこう、何万トンというようなお話は申し上げる状況ではございませんですけれども、できるだけ今申し上げましたように有効利用を図って、食料の足らないところに供給できることが大変望ましいというふうに考えているところでございます。
 ただ、お米はやはり時間とともに劣化するものでございますので、食用に供しにくいというものも出てまいっているわけでございまして、そういうものにつきましては飼料用等に向けて処理をしていくということも考えてまいらなきゃならない。息長く努力をしてまいりたいというふうに考えているところでございます。
#30
○佐藤静雄君 ODAでの処理も十分考えていただきたい。重ねて御要望申し上げます。
 それから、新食糧法で米の流通は民間流通が主体である、政府の役割は備蓄とミニマムアクセスの量の運用ということに限るとなっておるわけでございますから、現在の食糧庁の組織は食管法、旧食管法の維持運営、それに対する組織でございますので、当然、合理化、組織の見直し、そういうものをしていく必要があると思いますが、これについては時間がございません。したがって、食糧庁の組織あるいは機能、そういうものの見直しをひとつしていただきたいというふうにお願いを申し上げておきます。
 それから、お米の検査でございますが、農産物の検査でございますが、これも食管法時代からさま変わりしておるわけでございますから、今のような国営検査を果たして残しておいていいかどうか、これについても十分私は疑問を持っております。
 したがいまして、国と都道府県あるいは農業関係団体、集荷団体、そういうものが一緒になりまして、やっぱり穀物検査協会あるいは農産物検査協会みたいなものをつくって、この業務、これは季節に左右されるわけでございますから、それに張りつけておくというのは非常に国民経済上もったいない。したがって、そういう方向で今、検査・表示制度に関する研究会ということで御検討なされているやに聞いておりますので、この成果をひとつ期待したい、こう思っております。これも御要望にしておきます。
 次に、せっかく新しい林野庁長官が出られまして意欲に燃えて仕事をしているというふうにお聞きをしておりますので、ひとつ時間もございませんので簡単にお聞きをしたいと思うのでございますが、基本的には国有林野特別会計のような独立採算性を主眼とする林野行政はもう破綻しておる、これは時間がございませんので前置きその他は省略いたします。
 そういうふうに厳しい状況になっております。しかも、毎年の赤字あるいは繰り越しの借入金の累増、そういうことを考えますと、そろそろ現在の林野行政、国有林野特別会計をもう質的に転換させる時代が来ておるんじゃないか。むしろ国土を守る、環境を守る、保健、休養の場にするというふうな、もう行政の目的が変質しておるというふうに私は考えております。
 したがって、独立採算性で一生懸命八万九千人もいたものを二万人にして頑張っても赤字が出るような行政はやはりおかしいんじゃないかと私は思います。しかしながら、二兆二千億でございますか、そういう借り入れが累増しておりまして、毎年の借金の利息払いできゅうきゅうとしておる。これを見ますと、今申し上げました前提に立ちますが、経営改善をこれは抜本的に考え直すということと、それから、これ以上ということは非常に私ども心苦しいんですが、やはり人を減らす、あるいは組織を簡素化する、そういうリストラに取り組んでいく、そういうことで、国民の御納得をいただくというようなことも厳しいでしょうけれども、やっていかなきゃいかぬなというふうに思っております。
 そういうことについて、国有林野行政の現状と、それから今後の課題について新林野庁長官からお聞きをしたい、こう思っております。
#31
○政府委員(入澤肇君) 国有林野事業の現状につきましては、先生今御指摘のとおりでございまして、非常に重大な岐路に立っていると私は認識しております。
 従来実施してまいりました国有林野事業の改善に関する計画、これは当初予定したときと比べまして、非常に社会経済情勢の変化が激しかったものですからそのとおり進捗しておりません。私ども、今この中身につきまして総点検を行っております。従来の要員規模の適正化とか、あるいは組織の簡素化、合理化に加えまして、今先生がおっしゃいましたような一般会計にどのぐらいまで負担していただけるのかということにつきましても具体的な実行可能性のある案を打ち出すべく今真剣に取り組んでいるところでございます。
 いずれ、またこの委員会におきましても十分に御議論いただきたいと思っております。
#32
○佐藤静雄君 最後に、時間がございませんので水産庁長官に一つだけお聞きをいたしたいと思います。
 韓国漁船の違反操業、これは、あちらの大統領が来ると少なくなったりするわけでございますが、基本的にはまだ多発しておる。日韓両国周辺水域の資源状況が非常に悪化している、問題が深刻化しているということから、新しいフレーム、これについて早急にひとつ韓国と合意をせにゃいかぬ、こう思っておるわけでございます。
 秩序の枠組みづくりに長官も何回か訪韓してお話をしておるということを聞いておりますが、そろそろ自主規制の期限切れでございますので、これを急がなきゃいかぬ、こう思っておりますが、現在の折衝状況と見通しについてお尋ねをいたします。
#33
○政府委員(鎭西迪雄君) 委員御指摘のとおり、日韓間では現在日韓の漁業協定、それからその後これを補完する形でのいわゆる自主規制措置という枠組みのもとで双方の操業を行っているところでございますけれども、近年、両国周辺水域の資源状況が悪化している、あるいは韓国漁船の違反操業が多発しているという形で問題が非常に深刻化しております。
 漁業サイドにおきましては、したがいまして現行の枠組みに相当問題があるのではないかということで、二百海里の適用ないしは資源管理水域の設定といったような要請を行っているところでございます。
 これを受けまして、現行の自主規制措置が昨年末に期限切れを迎えるということでございましたので、昨年初めから日韓間で、今後の日韓の漁業秩序のあり方につきまして精力的に協議をやっております。現在も非公式でございますがソウルでいわゆる実務者協議というものをやっているところでございますし、来週早々にも正規の実務者協議を東京で行いたいという段取りで現在努力中でございますが、その間一年余にわたりまして何回か日韓の首脳会談の機会がございまして、そういう機会をとらまえまして、毎回総理から大統領に違反操業の撲滅と、新しい日韓の漁業秩序の枠組みに向けた協議、努力というものを申し入れしているところでございます。
 私どもといたしましては、このような協議を通じまして、また国連海洋法条約の発効という国際情勢というものも踏まえまして、両国の共同監視水域におきます資源管理と操業秩序の確立が実効的に確保され、安定的な漁業関係が形成される方向で二国間の共通の認識が確立できるよう万全の努力をしてまいりたい、かように考えているところでございます。
#34
○佐藤静雄君 終わります。
#35
○村沢牧君 私の持ち時間も極めて短いので答弁は簡潔にしていただきますように、最初からお願いします。
 我が国の食料・農業・農村は大きな転換期を迎えております。私は十八年間の国会活動の中で農林漁業問題について政策を提言してまいりました。また現在、将来展望も描いているわけでありますが、今ほど重要な、かつまた困難な問題を抱えている時期はないというふうに思うんです。特に、ガット後の農業について、農民も農業団体も農業・農村の現状と将来に大きな不安を持っていることは否定できません。このことは農村を歩いて、農業者と肌で接している私にはよくわかりますが、農水省の官僚諸君には果たしてそのことがわかっているかどうか疑問に思うんです。
 大臣の所信表明を聞きましたが、これまた官僚の作文であって、これなら日本農業の将来は大丈夫だという実感がわいてきません。日本農業に半世紀近く取り組んで、与野党を通じての大ベテランの大河原農林大陸、あなたに期待するところは非常に大きなものがあるわけでありますから、日本農業の再生と将来展望、また国政の中での農政の位置づけについて率直な見解を述べてください。
#36
○国務大臣(大河原太一郎君) 厳しい御指摘等もちょうだいしたわけでございますけれども、かねがね申し上げておりますように、我が国の農業、八〇年代まで経済成長からの立ちおくれ、あるいは貿易自由化等の市場開放、その中で大変厳しい情勢になってきたところでございます。これに加えて、ガット・ウルグアイ・ラウンドに伴う新しい国際的な環境、それによる農業への影響等々、大変一つの大きな転機になっていると思うわけでございます。
 これに対しては、昨年来、御案内のとおり、二十一世紀に向けて力強い農業構造を確立するとか、あるいは農山村地域等の活性化に努めるというようなことで、ここで一つの政策展開を何としても行いたいということでございまして、その国内対策としての六兆百億円等の財政措置を確保したわけでございまして、不退転の決意を持ちまして農業再建のために取り組みたいというのが私の心境でございますし、またそれに向かって全力を挙げたいと思っておるところでございます。
#37
○村沢牧君 そこで、ガット・ウルグアイ・ラウンドの受け入れに伴うところの関連対策あるいはまた法改正に与党は一年間取り組んで、これは官僚主導ではなくて、私も責任者の一人といたしまして、与党であるから、村山内閣であるからあれまでまとめられたというように思うんです。しかし一部の人は、佐藤議員も言われたように、ばらまきだとか他に使えなんとわけのわからぬことを言っている人もある。これは日本の農業の置かれている状況や食料問題を知らない人の言うことだ。
 そこで、何をやるかということで、ガット・ウルグアイ・ラウンドの合意対策と関連の概要、いろいろ書いたものを刷ってありますね。これは率直に言って、農業団体や農家にいってもわからないんですよ。もうちょっとわかりやすく、こんなものでなくて、こういうことをやりますから安心してくださいといういわばQアンドAみたいなものをつくって、わかりやすくもっと宣伝することが必要だ、自信を持たせることが必要だと思うが、どうですか。私ならわかりますよ。一般の人はわからないですよ、こんなものを見たって。どうですか。
#38
○国務大臣(大河原太一郎君) 御指摘の点も多々あるかと思います。
 受けとめていただく方々のそれなりのいろいろな専門的な知識を持たれる方あるいは末端の農家の方々、それに応じた国内対策の御理解を求めるための工夫というものについては一層努力しなければならないわけでございまして、とりあえずUR対策のあらましについての資料を整備いたしましたが、さらに、本当は対策が実効性を上げるかどうかは末端の農家の方自身あるいは農業団体の皆さん方の理解、これが基盤となるわけでございますので、その点については一層の努力をいたし、また適切な具体的な方法も考えていきたい、さように思っております。
#39
○村沢牧君 そこで、理解を得ることは必要だけれども、官房長、こういうものをもっとわかりやすく、私だって農家へ行って聞かれたってなかなか説明に困るものもあるんです。もうちょっとわかりやすく、各局もやっているものはあるけれども、もう少し整理したらどうでしょうか。できませんか、皆さんの知恵では。
#40
○政府委員(高橋政行君) 我々も、農家段階あるいは市町村の皆さんあるいは県の皆さんとかいろいろな人用にということで考えておりますが、ただいま先生お話しがございましたように、どんなような姿を我々は考えているか、それからどんなような施策を今回やろうとしているのか、それがどういう効果をもたらすかというような観点から、今わかりやすいものをつくろうということで、来週には何とかできるような段階で用意しておりますが、そういうようなものも工夫しながら、これが本当に農家段階でしっかりと実効あるものとしてこの予算が使っていただけるように、そして明るい展望を開いていただけるように努力をしていきたいと思っております。
#41
○村沢牧君 ぜひやってください。
 そこで、先ほど佐藤議員の質問に対して、ミニマムアクセスに伴うところの減反強化はしないということの閣議了解はしておったと局長から話があった。しかし、その後の言い方がいけないんです。新食管法を論議するときにかなり論議をしたんです。しかし、あなたが答弁しているようなことは新食管法論議の中において与党でも食糧庁でも、将来備蓄がどうだこうだなんてそんなこと議論していない。これは、新食管法案を決めるときにあくまで閣議了解を厳守する、そういうことになっておるんです。あなたの答弁、後のことは余分なことだ。もう一回はっきり答弁してください、日出局長。
#42
○政府委員(日出英輔君) 私は、この一昨年十二月十七日の閣議了解事項として、米のミニマムアクセス導入に伴う転作の強化は行わないということでございますが、これにつきまして具体的に、平成八年からの生産調整でこういう数字の中でこういうふうな形になりましたので、生産調整を行わないということの説明としては、備蓄の運用をどういうふうにしていくのか、あるいは新規の加工用途の拡大をどういうふうにするのか、あるいはミニマムアクセスの米がどういう形で使われるのか、こういうものが数字で、あるいは需給計画の中で明らかになる、そういうような背景の中で生産調整が行われる必要があります、こういうことを申し上げたわけでございます。
#43
○村沢牧君 ですけれども、この閣議了解は厳守する、いいですね、そういうことで、農蚕園芸局長。
#44
○政府委員(日出英輔君) ですから、冒頭で私は、閣議了解の線で平成八年度以降も守るということを申し上げたわけでございますが、具体的な数字にわたる話は、これからの自給計画で明らかにするということを申し上げたつもりでございます。
#45
○村沢牧君 これも与党の中でさんざん論議した問題ですから、それを飛び越えて勝手に解釈しちゃ困ると思うんですよね。
 それから、食料自給率でありますが、昨年のような状況もあったと。これは単なる不作だからやむを得ないという問題ではない。今までの国会決議もやっている、あるいはその国会決議に沿ったような政策もやっていなかった、いろいろなことが起因していることもこれは事実だと思う。
 そこで、我が国の主要農産物の長期見通しは一体どうするのか。いつ立てるのか、そのことを明らかにしてください。
#46
○政府委員(高橋政行君) 新しい主要食料の長期見通してございますが、これは、昨年八月の農政審の報告におきましても、これを見直すように、早急につくるようにという御提言をいただいております。したがいまして、現在農政審議会に需給見通し小委員会を設けまして、平成十七年度を目標年次といたします長期見通しを策定しようということの作業を進めておるわけでございまして、本年の秋までにはつくりたいというふうに思っておるところでございます。
#47
○村沢牧君 やはりつくるのはいいけれども、長期見通しというのは単なる数字を示すんではなくて、示した数値を実行できるような政策転換も必要なんですね。ですから、食料自給率はミニマムアクセスもあるけれども、やっぱり高めていくんだ、それに努力するんだというものがなくてはいけないというふうに思いますけれども、大臣どうですか。
#48
○国務大臣(大河原太一郎君) 御指摘のとおりでございまして、自給率低下の問題は、前提としては、食料については国民生活の基礎物資だということで安定供給を前提とする。しかるところ、我が国においては先進国に比較して低い自給率で、しかも低下をしておるというようなこと。その理由として、長々申し上げません、村沢委員には釈迦に説法でございますが、需要サイドにおける畜産物あるいは油脂の大幅な増加等から来るそれらの飼料穀物その他油糧原料等の大量の輸入、大事なお米についての消費の減退、これらが相重なりまして自給率が低下したわけでございます。
 したがいまして、我々も大きな危機感を持ち、農政審議会等においてもその低下傾向に歯どめをかけるというような指摘を受けておるわけでございますので、これらにつきまして一つの指標としての食料自給率等についての長期見通しの過程で明らかにしていきたい、平成十七年度を目標とする長期需給見通しを早急に作成いたしまして明らかにしていきたい、さように考えておるところでございます。
#49
○村沢牧君 次は、米の検査体制についてですが、佐藤議員からも話がありました。
 昨年、新食糧法案を政府・与党で決定した際、米の検査制度については、今後さらに煮詰めることということになっており、また国会審議の附帯決議にも同様の趣旨を確認しているんです。食糧庁は、これを受けて研究会を設けて近日中に結論を出そうとしている。我が党も数回に及ぶ検討の結果、米の信頼性を確保し円滑な流通を図る、また安全性の確保のためにも公平、中立な国営検査が必要である、こういう結論に達しまして、その理由については昨日の与党調整会議に文書をもって出しておるんです。調整会議をやって論議をいたします。また、食糧庁の研究会の主要な意見の中にも同様趣旨の発言がされておるんです。食糧庁は米の検査表示の決定に当たっては、こうした見解を十分参酌すべきであります。食糧庁長官、見解ありますか。
#50
○政府委員(上野博史君) 今、委員お話のとおり、去年の臨時国会での附帯決議等を踏まえまして、研究会を開き、検討いたしておるところでございます。私どもとしましては、この研究会の報告、それから関係の方々の御意見等も十分にお聞きをした上で、我々としての考え方を固めてまいりたいと思っておりますけれども、委員会、研究会の中におきましては、やはり信頼のできる検査機関による検査というのが流通の安定のために非常に必要であるという御意見が多いというふうに理解をしているところでございます。
#51
○村沢牧君 私の今申し上げたことは十分頭の中に置いていただきたいというふうに思います。このことは与党の他の党の皆さん方にも私は精力的に御理解をいただくように、また一部御理解をいただいていますから、よく頭に入れておいてください。
 それから、林野庁長官にもお伺いしたいんですが、大臣の所信表明では、国有林については改善計画に即して経営改善を着実に推進するというふうに述べていますが、私は、実は昭和五十三年に改善措置法ができてからその後の数回にわたる法改正にも全部取り組んできていろいろ提言もしました。しかし、政府の取り組みは全く小出しで、これでは改善計画がうまくいかないのは当然だ。佐藤議員は入減らしもやれ、組織も減らせと言ったが、もう十分やっているんですよ。やった結果がこういう結果になっている。
 それで、林野庁長官はかつて次長のときに法改正をした、一定の方向を示した、このことは私は評価したんですが、あなたが考えていたとおりには進まなくて、現状はますます悪化の一途をたどっておるんですね。このままでは平成八年度の予算編成はできないと私は思う。だから、与党の方のプロジェクトチームでも私は提案いたしまして、与党としても検討しようということになっている。
 そこで、長官、あなたは着任したばかりだけれども、内容は十分知っているわけだ。あなたは頭の中に描いておるわけなんだ。だから、もっとはっきりした方針を前向きに出す。本年度中に林政審議会にかけて明年から実行していく。そのくらいの決意を持たなければいけないと思う。持っていると思うが、どうですか。
#52
○政府委員(入澤肇君) 前回の経営改善計画をつくったときと比べまして非常に情勢が変わって、二つちょっと申し上げますと、木材の価格が平成二年度を一〇〇にしますと、平成五年度は八五というふうに一五%も下がりました。それから、土地の取引ですね、これは目黒の東京営林局の跡地が四百五十億円ぐらいで売れると思ったら、これが二百億ぐらいで、それでも売れないというふうな状況でございまして、そういうふうなことが収支の悪化に大きな影響を及ぼしたということでございます。
 今、先生御指摘のとおり、そういう状況でございますので、これ以上はっておけないということで、私、就任してから直ちに全課動員いたしまして、平成八年度予算に向けまして、今、経営改善対策を検討しています。具体的な実行可能性のある対策案を打ち出すべく真剣に取り組んでいるところでございます。いつ出すということはなかなか言えませんけれども、平成八年度予算に向けて全力を尽くす覚悟ておりますので、御理解いただきたいと思います。
#53
○村沢牧君 あと一問だけ質問します。
 アメリカリンゴですが、いろいろ問題があったんだけれども、結局、昨年農水省が輸入を解禁したことによっていよいよアメリカリンゴが店頭に並ぶようになった。その際、与党農林水産調整会議及びプロジェクトチームは、輸入解禁に当たって七項目の要求、これを政府に提出してある。このことは果樹振興法五条の問題まで含めてやっておるわけですね。これは農水省は尊重しなければいけない。それの答弁をいただきたいというふうに思います。
 もう一つ、最近、米国産リンゴの防カビ剤、チアベンダゾールが検出されたことが明らかになっている。厚生省は、食品衛生法には違反しないというような方針を出したようでありますが、このチアベンダゾールは厚生省の主要対象作物及び残留基準によれば、リンゴには認められておらないんですよ。たとえ少量であっても、またその使用方法がどうであったとしても、厚生省の規定によって認められておらないものを問題はないと言うことは納得ができない。これは農蚕園芸局長、また厚生省の担当から聞きたい。
#54
○政府委員(日出英輔君) 前半の、先ほど先生お話しの、昨年八月に植物防疫法に基づきますアメリカ産のリンゴの輸入解禁に当たりまして、与党の農林水産調整会議及び農林漁業プロジェクトチームから七項目の申し入れがあるわけでございますが、一々これについてどのような検討をしたかということはきょうは省略いたしますが、大変多岐にわたる申し入れの中で、私どもはその後、この申し入れを踏まえまして、そもそも植物検疫につきまして病害虫の侵入防止に万全を期しているほか、七年度予算あるいは六年度の補正予算でこの関係につきまして、一部はガットのウルグアイ・ラウンド農業合意関連対策の中でも、リンゴの矮化栽培の促進でありますとか、今直ちに特定果実にはなりませんけれども、特定果実に準ずる指定果実としての出荷体制の強化でございますとか、そういった幅広い対策を実施しているところでございます。
 今後ともこの申し入れを踏まえまして、的確な生産性の高いリンゴ産地づくりを進めてまいりたいと思って一おる次第でございます。
#55
○説明員(高原亮治君) 側説明申し上げます。
 TBZでございますが、委員御承知のとおり、これは米国ではプレ農業としては禁止、ポスト使用のみ認められておるものでございまして、米国における残留基準は一〇ppm、我が国におきましてはプレ農業としてのみ認められておりまして、登録保留基準は三ppm、そういうことになっております。
 食品添加物といたしましては、TBZそのものは第六条のいわゆるポジティブリストには、含まれてはならないというふうなものとはなっておらないところでございますが、委員御指摘のように、七条の使用基準というところによりまして、かんきつ類に対して一〇ppm、バナナについて三ppmのみ認めておりまして、リンゴについて認めていないというのは御指摘のとおりでございまして、このものが先般検出されたというふうな連絡がございました。報告されました濃度は○・一ppm程度でございまして、ただいま御説明申し上げました米国の残留基準や我が国の登録保留基準等と比較しましても極めて低い濃度であり、いわゆる食品添加物に該当するようなポストハーベスト使用というふうにはちょっと思えない、そういうふうな程度でございましたが、原因の調査を在日米国大使館にいたしました。
 米国側の調査によりますと、当該リンゴを出荷した業者は昨年の十二月ごろまで、これは国内向けにはTBZ使用を認められておりますので、このTBZを用いまして国内向けのナシを処理いたしました。それで、その後ラインを洗浄いたしまして、部品等をきれいに洗いまして、十二月中旬ごろから日本向けリンゴの処理を始めたそうでございますが、その際、どうも処理ラインの一部にTBZが残存していたために、最初に処理をしたリンゴにTBZが若干移行したというふうな報告を受けておるところでございます。
 それで、このリンゴにつきましては、いわゆる六条ではTBZが入っておるわけでございますが、七条における使用基準の違反に該当するかどうかということでございますが、添加物として意図的に使用されたものではないという判断のもとで、食品衛生法に直ちに違反するというふうには判断をしなかったわけでございますが、しかしながら厚生省といたしましては、これはTBZが検出されるというふうなことは、ある種の非常に管理が悪いということでございまして、米国側に対して極めて強く管理を申し入れたところでございます。今後とも、検査体制の充実等、国民の健康を第一に対処してまいりたいと考えております。
 以上です。
#56
○村沢牧君 時間がないからあとは申し上げませんが、いずれにしても、食品添加物をどういう形で添加するか知りませんよ。知らないけれども、厚生省の基準にはリンゴについては使用は認められていないと書いてあるんだよね。どんな使い方をやったから、後から付着したとかなんとか言うが、認められると響いてないんだから、これは問題ないなんというそんな見解はいけないと思う。そんな見解は私は認めることはできない。それこそ認めることはできないですよ。
 今後それじゃ、そうすると、あなたの方はこれを強く言っていくと、今度はうがった見方をすれば、リンゴについてもこれは何々ppm以下はいいなんということを、あなたはきっと変えるに違いない。そんなことは絶対に許しませんから、それだけ申し上げておきましょう。
#57
○谷本巍君 ことしの予算を見てみますというと幾つかの特徴がありますが、私が最も積極的に注目をしていきたいと思いますのは、環境保全型農業の方を全体として向くようになってきたということであります。それは何も一千市町村を対象にした環境保全型農業の推進計画ということだけじゃなしに、例えば土地改良では水の循環的利用であるとか、あるいはまた水路の問題についても、三面コンクリートでやるというやり方はもうやめていって自然と調和したものをやっていこうとか、あるいはまた畑作でいつでも緑肥構想を取り入れてくるとか、いろいろな変化が出ております。
 こういう環境保全にかなう農業を推進していくのには、地域的な条件をどう生かしていくか、つまり担い手の皆さんがそういう意味で地域に見合った農業をどう展開していくかということが重要な課題になってくると思います。近代化、合理化時代の農政というのは画一的、天下りでもやるにはやれた。これからはそういうぐあいにいかないと思います。
 そういう意味で今、分権型農政ということも強調されておるのでありますが、私一番大事だろうと思うのは、地域地域がそういう積極的にやれる主体をどう形成していくかということだろうと思うんですね。その意味で今やらなきゃならぬのは、現地協議方式といいましょうか、その種の手法を積極的に取り入れていくべきだろうと思うのです。大臣、その辺どういうふうにお考えになっておるか、御所見を承りたい。
#58
○国務大臣(大河原太一郎君) 御説のとおりだと思います。御案内のとおり、ガット・ウルグアイ・ラウンド国内対策におきましても環境保全型農業を大きな柱として推進いたしたい、さように考えておるところでございます。また、現に全国各地においても、例えば中山間地帯は冷涼な気候を利用いたしました減農業、無農業栽培が進んでおるとか、あるいは畜産と耕種農業を結びつけた土づくりとか、あるいは消費者と提携した無農業の農産物というようなことで各種の多様な形で展開をしておるところでございます。
 したがいまして、環境保全農業は、一応推進のために県で基本方針を立てたりあるいは市町村で方針を立てることにしておりますけれども、やっぱり現場の営農条件の諸条件がいろいろ変わっておりますので、それにマッチした進め方が肝要であるというふうに思いまして、私どもとしてはそのような基本方針で今後も進めたい、さように思っております。
#59
○谷本巍君 例えば、今市町村ごとに進めている環境保全型農業推進計画ですね、これは推進協議会のようなものをつくっておりますね。伺ってみますというと、自治体や農協、それ以外に住民代表というのかな、消費者代表といいますか、そういうものを新たに入れるようになったというのは、これは私は積極的に評価したいんです。
 なぜかといいますと、これまでは天下り農政が強かったわけでありますから、したがって関係団体を集めますと、役所は何を考えているかという話、そこにばっかり目が行ってしまう。これは習性ですよ、長いことの。地域の中でどうしていくというその発想がなかなか出てきにくい。それだけに、協議会などを構成する場合には、関係団体ということだけじゃなしに、直接農業生産者なども入れてやっていくという、そういう工夫が必要になってきていると思うのです。その辺はどうでしょうか。
#60
○政府委員(日出英輔君) 先生今お話しのように、この環境保全型農業はまさしく地域によりまして取り組みが違ってくるわけでございます。私どもは、平成六年度から先生お触れになりました市町村における推進方針をつくることにいたしまして、六年、七年、八年と三年間で千百市町村ほどで推進方針をつくっていただく。この中で、先生お話しのように、地域の実情に応じた取り組みがなされるべきだということで、市町村あるいは試験研究機関のほかに、生産者団体、消費者団体、あるいは学識経験者、こういった方々が入っておりますような、地域におきますこの方針の策定委員会を設置するというようなことを既に私どもとしまして各市町村を指導しているわけでございますが、この中で、先生の御指摘のように、より地域の実態に応じた取り組みが行われるように細心の気をつけてまいりたいというふうに思っておる次第でございます。
#61
○谷本巍君 その点一つお願いしておくということと、もう一つは、環境保全型農業を伸ばしていくのには、これまでのようながんじがらめの補助政策ではなくて、自由に使える金といいましょうか、そういう施策が大事になってきているということですね。生協などと産直運動をやっているところなどで間々見られますのが、土づくり基金というのがよくありまして、結局これは条件抜きで出していくという制度のようなものになって非常に歓迎されているということであります。今国会で農業改良資金助成法の一部改正が成立をいたしました。これなども、そういう生協などがっくってきた土づくり基金とかなり似たような性格があるように思われます。
 さて、こういうものをこれから資金制度としてさらに拡充していくという考え方に立ってほしいと思うのだが、大臣、その辺いかがでしょうか。
#62
○国務大臣(大河原太一郎君) いろいろな御提案でございます。
 国の財政支出でございますから、一つの何と申しますか、けじめと申しますか、ルールがあることは御理解願わなければならないわけでございますが、もともとがそれぞれの地域の営農条件にかなったような環境保全型を展開いたすということでございますので、総合助成的なメニュー方式とか、その他今お話がございました改良資金等の問題についても一層の工夫を凝らしまして、まさに現場にマッチいたしました助成法を進めるべきだというふうに考えております。
#63
○谷本巍君 それで日出局長、今参考に出しました農業改良資金助成法の一部改正、この間成立したわけですけれども、これは認定農家でなくても貸し付けの対象にしますね。そこを確認しておきたいのだが。
#64
○政府委員(日出英輔君) そのとおりでございます。
 中山間等の条件不利なところで新しい農業という部門をつくっていただく、具体的に言いますれば、新規の作物をつくるとか新しい栽培管理方法を取り入れるとか、この中に先生お話しのような有機農業とかそういったものが入ってくるわけでございます。
 なお、ちょっとついでに申し上げますれば、法律改正ではございませんが、予算制度で平成七年度から、改良資金の中に現在有機農業導入資金というのがございますが、これを拡充いたしまして、環境保全型農業導入資金という形でより幅広い方が使えるような資金制度に拡充いたしたいというふうに考えている次第でございます。
#65
○谷本巍君 それから、大臣、もう一つ御答弁いただきたいことがあります。それは、縦割り行政を打破していくべきではないかということであります。まずやらなきゃならぬことは、農林水産省内の縦割り行政の打破をしていただきたい。
 一つの例を申し上げます。数年前に森林法等の改正が行われて流域管理システム、これができ上がってまいりました。この構想自体は非常にすばらしいのであります。残念なことは、林業だけを限定的に対象にしている。ところが、ほとんどの農家は林業と農業をやっています。さらに、最近の例でいえば、漁業組合の皆さんが植林運動に取り組んでいくといったような例がかなり各地に出てくるようになってきました。そしてまた、昨年の水不足の状況の中で、川下の大都市から川上の植林問題、林業問題、これを議論するような例というのが、地方自治体の議会の中でもこの種の議論が行われるようになってきました。
 そういうふうにして見ますと、どうもこの流域管理システム構想というのは、林業だけじゃなくて農業も加えて、水産の方も加えて、それから問題によっては川下の大都市と川上とをどうドッキングさせるか、その種の手法も入れたものを考えていく必要があるのではないか。つまり、林野庁は林野庁、水産庁は水産庁、食糧庁は食糧庁とそういうふうな別々じゃなしに、もう少し統一的な再編成というのが考えられてしかるべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。
#66
○国務大臣(大河原太一郎君) 確かに、農林水産省、この行政は一次産業ということでございます。それぞれの特色に応じて農業、林業あるいは水産業を所管し、それぞれの課題に対して行政を進めておるところでございますが、例えば中山間地帯を一つとりましても、農家はまた林家である、また漁村地域においても農家はまた漁家であるというようなことを考えますと、やはり総合的な視点から政策の展開を図らなければならない場面がいよいよ出てきているんじゃないか、私はそう思っております。
 そういう意味では、今流域管理システム等についての御提言がございましたが、私はそれに対しては直ちにそうすべきだというお答えはできません。もう少し検討させていただかねば相ならぬと思いますけれども、やはり縦割り行政がきわまってきて、総合的な視点、農林漁業全般あるいは農林漁家の全般を通ずるような総合的な施策というものについては一段と我々としては努力をしなければ相ならぬというふうに思っております。
#67
○谷本巍君 環境保全型農業というのは、農、林、水で言えばちょうどオリンピックの輪と同じように重なる部分というのがあるはずなんであって、そこのところをどう大事にしながらやっていくかということが大事だろうと思うのです。今大臣からお答えをいただきましたが、そういうふうなことでひとつ精力的にやっていただくことをお願いいたします。
 それから、この環境保全型問題と関連をいたしましてもう一つ伺っておきたいのは、認定農家の問題であります。
 役所の担当の皆さんに聞きますというと、認定農家が十二月末で約五千七百、三月末までに一万名を超えるようにしていきたいというお話を伺いました。それが達成できるかどうか、大変だろうと思います。現場を歩いてみますというと、ほとんどの市町村長が頭を抱えております。北海道あたりはまだ幾らかいいようですけれども、内地、特に複合などでやってきている地帯では非常に難しいという話をよく伺いますのでは、なぜ認定農家の問題というのが見込みどおりにいかなかったのか、役所はどう見ているか、そこをまず初めに伺っておきたい。
#68
○政府委員(野中和雄君) 認定農業者制度につきましては、これまでお話しのとおり、制度発足後間もないこともございまして、その趣旨でございますとかメリットでございますとか、そういう点、必ずしも十分理解はされていなかった点があろうかと思います。また同時に、認定の基準となります市町村で基本構想というのをつくることになっているわけでございますが、これが、順次つくっているところでございまして、まだ出そろっていないということもございます。
 そういうことで進捗をしていなかったわけでございますけれども、昨年来、私ども行政、団体、一体となってPRをしております。また、市町村でございますけれども、今年度末にはすべての市町村で基本構想は策定をされるということになっておりますので、今後は逐次増加をしていくものというふうに考えております。
#69
○谷本巍君 これが思うように進まないという問題の一つは、一番大きいのはやっぱり先行き不安なんです。これが一つあります。
 それからもう一つの問題は、もう時間がありませんから端的に申し上げていきますけれども、どうもこれは選別政策ではないのかと。ですから、私が会った農家の皆さんで言いますというと、非常に立派な中核農家の方なのだが受けたくないと言うんですね。理由は何なのかと。規模拡大をやるのに近所隣にどれだけ気を使ってやってきたかと。ところが、認定農家ということでなにされていくと、エリートのレッテルが張られると言うんですね。それがおれのこれからの規模拡大にとって邪魔なんだと、こういうことですよ。これは、日本型農村社会のそれからいえば、なるほどなと思わせられるものがありますね。認定農家というのを設けてそこへ政策を集中していくのでありますということでは、集落全体の農業を沸き立たせるということにはなりませんね。
 そして、例えば地域的な特産物づくりで見てみましても、その特徴は何なのかというと、品質と、それから数量ですよ。品質の高さというのはどうやって実現しているかというと、その多くは専業的な農家が母ちゃん農家などに技術の伝授をやっている。相互協力関係ですよ。そして一定量の生産の達成を可能とする、そういう手法が多いんですね。
 ですから、選別的ととらえるんじゃなくて、大型農家と小さな農家とがお互いに協力し合うことができるような環境というのをどう整備するか、そこが私は先だろうと思うんです。いかがでしょうか。
#70
○政府委員(野中和雄君) お話しのとおりでございまして、私どもも規模の大きい農家だけをつくるということを考えているわけではございません。
 意欲のある人には認定農業者にぜひなっていただきたいと思いますけれども、地域によりまして、例えば兼業農家の方でございますと、土地を預けたりすることによりまして兼業の方がやりやすくなるとかということもございます。あるいは、土地は預けるけれども水回りその他はそういう方にやっていただくというようなこともございます。
 そういうことで、地域でやはり専業的にやっていただく方と、それからもう少し兼業的にやっていただく方と、いろいろ話し合いをしてうまく役割分担をしながらやっていただくということが大事だと思っておりまして、私どももこの認定農業者制度の運用に当たりまして、そういうことに十分気をつけてまいりたいというふうに考えております。
#71
○谷本巍君 そうしますと、地域の自主性の尊重と意欲あるということは、これは意欲の問題というのは客観的にどう認定するという問題もありますから、事実上手上げ方式というのかな、そういう自主性というのを尊重していくというぐあいに理解しておいていいですね。
#72
○政府委員(野中和雄君) この認定農業者制度は、上から指定をするということではなくて、市町村がまず独自に自分の市町村はこういう構想でやっていくという構想を立てていただくわけでございます。それに応じまして、農業者の方が、自分はその目標に向かってやりたいという方に自主的に申し出ていただいて認定をしていくというようなことでございます。
#73
○谷本巍君 そういうことでお願いいたします。
 時間がなくなってきたので、最後に米の検査制度の問題について若干伺います。
 先ほど村沢先輩から、国会決議案、それから三党協議ですね、与党三党協議等々を受けてやってほしいという要望がございました。その前にはまた、佐藤委員から統一国営検査制度についての言うなれば疑問を呈する御発言がありました。私は、佐藤委員の発言の中身問題と関連して、私自身の考えをここで簡単に提起をしておきたいと思うのです。
 農協など農業団体、関係団体を集めて受け皿といいましょうか、民営化のそれをつくったらどうだという意見は古くからあります。これが果たして合理的なのかなということを私はずっと疑問に思ってまいりました。
 例えば、検査料でいいますと一俵五十円なんですね、わずか。なぜそれでできるのかと。できるはずですよ。それは、食糧事務所の職員が買い入れ業務もやる、保管もやる、売却業務もやる、そして巡回指導までやっているんでしょう。そして、シーズンが来れば検査に出かけていくんでしょう。こんなに安上がりなことはないですよ。民間に独自に組織をつくらせてこれだけの安上がり、効率的なものでやれるかというと、やれっこないです、これは。
 そういう問題が一つ私はあるのではないかと思うのだが、もう一つ重要な問題は、生産者団体が検査したやつだと客観性がない。今の小売や卸の皆さんが現物を見ないで取引ができますと言う。なぜなのか。出荷団体、生産者団体の検査などじゃなくて、国が検査をしているからそれでやれるんですと、こう言っていますね。消費者団体の皆さんだって、国営検査ということについて民間のそれとは違った認識を示していますよ。そうであってみるならば、私はこれまで言われてきた米の検査の民営論というのは、いわゆる俗論だというぐあいに断じてもよろしいというふうに思うのです。
 でありますから、三党協議も大体そういうベースに立った議論をこれまでやってきておるわけでありますから、そうした点を踏まえてひとつ当たっていただきたいということを大臣にお願いしておきたいのだが、いかがでしょうか。
#74
○国務大臣(大河原太一郎君) お答え申し上げます。
 先ほど食糧庁長官からも申し上げましたところでございまして、検査に対するいわば単なる関係者だけではなくて、国民的な関心が、今日品質なり安全とか各般の面における関心が高まっておるわけでございます。
 新しい検査制度についての問題については、長官が申し上げましたように、ただいま検査、表示のあらゆる各界と申しますか、関係者を動員いたしました研究会を今日行っておるところでございますが、いずれにしても、信頼性のある中立的な公正な機関、それによる検査が行われるべきであることはもう当然だと思いまして、そういう結論が出ることを私ども期待しております。研究会においても期待しておるところでございます。
 一方では、あえてお言葉を返すようでございますが、私どもが責任を持っておる従来の検査業務等についても、やはり効率化等々の面で一段と努力をしなければ相ならぬという面もあるわけでございまして、そういう各種の側面を十分配慮して結論を出したいというふうに思っております。
 なお、WTO特別委員会における附帯決議が衆参両方でちょうだいしておりますので、その趣旨も十分体して結論を出さなければ相ならぬというふうに思っております。
#75
○谷本巍君 最後に、今言われたWTOの絡みの問題について聞くのでありますけれども、やっぱり消費者が一番望んでいるのは、高い安いもさることながら、安全性なんですね。そういう安全性という点で、消費者に今の検査制度が十分こたえ切っているかというと、問題が残ります。
 その一つは残留農薬、これは厚生省管轄になってきますけれども、この問題が一つあるんですね。ところが、この問題については、最近すっかり消費者団体で言えば冷めたという感じが強くなりましたね。ウルグアイ・ラウンドで国際統一基準の問題を出して、そしてゆるふんに変えていくという方向が出されてからやっぱり関心が出てきているのは、つくる段階での安全性の確保ですね。つまり、つくり方、それの表示問題についての関心というのが高まり始めているという点があります。これは厚生省じゃなくて農林水産省でこの種の問題は考えていかなきゃならぬ問題になってくるのではないかと思います。
 特に、私この問題にこだわりますのは、やっぱりこれからの国際化時代でもって日本農業が生き延びていく一つの重要な問題というのは何なのかというと、安全性で勝負をする、ここのところが非常に大事になってくると思います。それだけに、大臣、今申し上げたつくる段階での安全性に関する国としての言うなれば認証制度的なもの、この点に力を入れていただきたいと思うのだが、いかがでしょうか。
#76
○国務大臣(大河原太一郎君) 委員御案内と思いますけれども、これについては特別なJAS制度ということで、生産方法に着目したJAS制度というものを取り上げておるわけでございまして、とりあえずは二品目を想定しておるところでございます。有機農業栽培、その他の進展というようなことを考えますと、このような方法によりまして、その制度の普及によって委員御指摘の要請にこたえられるのではあるまいかというふうに現在考えておるところでございます。
#77
○谷本巍君 終わります。
#78
○野別隆俊君 野別でございますが、質問が重複した部分もございますので、特に林業問題を中心にこれから質問をしたいと思います。
 国産材時代ということで提唱してもう長くたつわけでありますが、林野当局も随分御努力をしていただいていることに対しては敬意をまず表しておきたいと思います。
 我が国の林業は、先人の努力によりまして今約一千万ヘクタールの八丁林を有しております。この人工林を中心に今育成過程でございますが、いろいろな問題が横たわっているわけであります。特に地球環境の問題、そして林業は、特に木材の輸入が増大しておりまして、七五%は既に輸入材によって賄われているというようなこと等から、大変な価格の低迷、それからそういうことによって林家はもう全く採算が合わない状態に来ておるわけでありますから、その不況で労働力が不足をする、価格低迷と労働力の不足というこの複合的なしわ寄せによってますます厳しい状況に今立たされています。
 そのためにそれ相応の対応はしていただいているわけでありますが、しかし依然として山は後継者もどんどん減っているわけでありまして、今ここ三年間ぐらいの後継者の実態を見てみますと、一年間に、平成四年では百五十四名でございますか、平成五年が百七十三名、それから平成六年になりまして二百十一名、こういうふうにちょっと上向き状況にございますが、これはUターン等も含めまして一定度そういう状況が出てきているのかな、こういうふうに感ずるわけでありますが、しかし少なくともこの十倍ぐらいの後継者ができなければ、私は山を守ることはできないと思うんです。
 昭和四十一年には四十七万林業労働者がおりました。それが現実には、平成五年には十一万人に減っているのであります。しかも、四十一年の四十七万の労働力は平均年齢は三十八歳であります。ところが、昨年の労働年齢は、平成五年の調査では五十八歳。このまま行きますと、あと五年後の西暦二〇〇〇年には六万人になるだろう。しかも、その平均年齢は六十四、五歳になるのではないか。一体こういう状態で日本の山を守ることができるのか、こういうことになるのであります。
 いろいろな対策が打たれておりますが、私はこれから林業を本当に再生するためには、大きく二つ方法があるのではないか。その一つは、せっかく始めた流域システムを軌道に乗せなきゃならぬのでありますが、流域システムが進められてもう三年たっております。しかし、末端ではまだどういう状況なのかわからないという実態であります。
 この点について、まず流域システムを進めていく上において、一体これはどういう形で進めるのか、予算はどういう状態にあるのか、この辺をちょっとまず第一点お聞きしたいと思います。
#79
○政府委員(入澤肇君) 前回の森林法の改正のときに、国有林と民有林を一体的に考えて、荒れている山を何とかして改善しようじゃないかということで考えたのがこの流域管理システムでございました。
 これにつきましては、全国を百五十八の流域に分けまして、地方公共団体あるいは森林組合等の林業関係団体、それから森林所有者、こういう関係者が一体となって流域ごとに流域外業活性化協議会みたいなものをつくりまして、そこで国・民通ずる林業労働の調整、それから施業のあり方の調整、それから川上と川下を通ずる林産物の加工・流通問題、そういうものにつきまして一定の基本方針を出しまして、その基本方針に従って、今度は各林業事業体がその趣旨に従って具体的な行動をしようじゃないかということで考え出したものでございます。
 現在、この流域協議会のつくった基本方針を具体的に実行するために、森林組合連合会とか、あるいは各地でつくられております第三セクターがございますが、こういう実施主体によりまして流域林業サービスセンターというものを設置いたしまして、林業機械のレンタルとか、あるいは労働力等の需給調整のための情報提供体制の整備とかをやっています。平成七年度におきましても、こういうものを助長するために流域林業中核事業体育成強化事業などという予算をとりましていろんなことをやっていますし、さらにこれらを支援するために自治省にもお願いいたしまして、地方財政措置も講ぜられるようにしております。
 しかし、何といってもこの流域管理システムを本当に実効あらしめるためには、具体的に林業事業体の経営の安定対策を抜本的に強化するということ、それから三Kからの脱却ということで高性能の林業機械等の導入を促進するということ、それから就労が不安定でございますから、その雇用の長期化、安定化を図るということ、それからさらに林業災害の防止対策を強化する、こういうことが必要でございます。流域管理システムの中で具体的に実効あらしめるための政策をこれからも強化していきたいと考えております。
#80
○野別隆俊君 今、説明は聞きましたが、現実に現場では一応組織はできたようでございます。どこにも組織はできた。しかし一体何をやるのかというのはまだ全く未知のような状態であります。
 これはもう少し、発案者が林野庁であるならば、一定度構想を描いたものを指導していくべきではないか。軌道に乗ればそれはやっぱり自主的にうんとやっていただかなきゃならぬのでありますが、こういう考え方で山を管理するんですよと。官民一体、国有林も民有林も一体にやるなら、一体にやるシステムをもう少し末端に、やる内容を、こうしますよというものを打ち出すべきではないかという気がしてならないんです。これはもうどこに行きましても、できているんだけれども、一体何をやるのかわからないんだよと、こういう実態です。これは大臣、そういう面について大臣がどういう考え方でこれから進められるのか、お聞きをいたしたい。
#81
○国務大臣(大河原太一郎君) ただいま林野庁長官からも流域管理システムについての、またその実施等についての一通りの説明がございましたけれども、なかなかにそれを現地におろしてその所期のねらいを達成するということについては今後も二段、三段の努力が必要ではないか。私自身も流域管理システムについて一体どうなっているのかというようなことを、省内においてもしばしば林野庁の責任者等に対して問いを発しておる、問題を提起しておるということでございまして、これが何と申しますか、不見識な言い方ですが、霞が関林政になっては絵にかいたもちでございますので、その実効については我々としては二段、三段の実効性を確保するために努力をいたしたい、さように思っております。
#82
○野別隆俊君 今、大臣の決意を聞きましたから安心をいたしまして、これから私どもも応援をしていきたいと思っております。
 次に、労働力の問題、私は、林業で今何といっても労働力確保をどうするかということが一番大事でありますが、林野庁の労働力確保、いわゆる担い手をどう育成するか、このことについてお聞きをしたい。
#83
○政府委員(入澤肇君) 農業でもそうだったんですけれども、三つの条件、所得の安定的な確保、それから労働時間の縮減、短縮化、それから労働時間以外の労働条件の改善、これが林業についても極めて重要な戦略目標にならなくちゃいかぬと思っております。こういう戦略目標に従いまして、私どもは林業事業体の経営安定対策、これはまた先ほど申しましたけれども、来年度予算に向けて今いろんなことを検討しておりますが、経営安定対策の強化。それから機械化、機械化も単に高性能の機械を入れるだけじゃなくて、ハンディーで操作のしやすい、日本人の体躯に、あるいは地形に適応した機械の導入を進めるべく、その開発から導入を促進しなくちゃいけないということ。
 それから、地財措置等の援助を受けまして、森林組合の作業員等に社会保険制度を十分に適用できるような掛金負担助成措置も十分にやっていただかなくちゃいかぬと思いますし、それから他産業で行われているような福利厚生。施設の面の拡充、こういうふうなものを総合的に実施することによりまして、少しでも林業の現場が魅力あるものになって、職業として林業を選択するというふうに持っていくべきだというふうに考えております。
#84
○野別隆俊君 この問題は、今林野庁長官の答弁のような状態で後継者が居つくはずはないのであります。現実はそんなものじゃありません、嫁さんも来ない状態なんですから。
 自治省が今出しております、平成五年に千八百億、去年千九百億、それからことしは二千百六十億の林業対策費、地域対策費を出しておりますが、この予算で最初は後継者対策費に五百億基金を積むことになったわけです。ところが、去年は二百五十億になった。ことしは百億になっているんです。年々しぼんでいる。それは基金ですから、私も考え方によってはこんな低い金利になってこれがうんと効果があるかどうかということには非常に疑問を持つものでありますが、ここを、ひとつ大臣に私は申し上げたいのは、これは私は私見も交えまして申し上げますが、もう林業の後継者をつくるというのは抜本的な対応を図るしかないんです。それは少なくとも公務員に準ずるぐらいの待遇をしなければ山に人は入りません。
 日本の山は全部画一的ですから、変わりません。農業の場合は千差万別ですが、農業には今度随分対応をしたわけですね。資金対策から勉強するための資金を無利子で貸すとか、機械を導入すれば機械も無利子でやると。施設をやれば十二年間は保証する、こういう制度ができたわけでありますが、山にはそういうものは全くないのです。
 ですから、私は森林組合の作業単位を、少なくとも年金とか退職金の部分にはね返る、こういうことを期待してあの金は出ておったと思うんです。ところが、現実にはすべてそうなっていない部分がある。ですから、それは自治省もいろいろ調査をされた結果こういうことになったと思うのであります。
 せっかく大臣、流域システムができた。そして現実に既に全国で何十カ町村かは第三セクターで今やっておるんです。例えば高知県の大豊町、ここなんか五カ町村でやっております。それから愛媛県の久万町、これは何カ町村かになります、今久万町が中心でございますが、そついうことが行われている。
 これは百五十八の流域に、まずこれをやることじゃないですか、若い後継者をつくる。そのためには流域市町村は全部出資者になる。現実にそれはやれるわけです。森林組合も出資者になる。大きな山持ちも出資者になる。そうして、みずからがそういう第三セクターをつくって、新しい若い労働者、しかも機械を使う労働者が必要になります。いかに低コストでやるかという競争をするわけです。そうなればそういった労働者を集めなきゃならぬ。
 既に今やっている町村、私が知っているので約二十八カ町村あります。これは自治省から特別交付税が出ているわけです。こういったものを九州に何カ所かます先進的なところにつくっていく、それは現実にあるところを中心にまずやってみたらどうか。例えば私のところで言うなら、もう諸塚はそれをやっているわけです。これは一町村だけでなくて、この流域でやれば機械だって導入したら有効に使える、効率的に使える。そして労働者も自由に管内が動かせる、そういったことをやらない限り山に後継者のつく道は私はとてもなかろうと。
 このシステムをやれば、土曜日曜はやっぱり休めるんだ、家庭にも嫁さんも来るようになるんです。こういう人たちには嫁さんいっぱい来ているんです。ぜひこれは大臣、この流域単位にやって日本の山を一定度守れるこういう体制をつくるべではないか。この点についての大臣の考え方をお聞きしたい。
#85
○国務大臣(大河原太一郎君) 農業以上に林業労働者の確保対策あるいは後継者の確保対策が緊急であることは委員の繰り返しの御指摘のとおりだと思うわけでございます。
 特に流域管理システム、これが一つの林政の展開の基軸になる政策の柱とすれば、その単位における後継者確保対策あるいは林業労働者確保対策の政策の強化が必要であり、その最も有効な手段としての森林整備担い手基金、林業労働者の確保を中心とした基金の設置、現にそれも先進的な地域では行われているという点についての御指摘でございます。
 これにつきましては、五百億が二百五十億、あるいは百億になったではないかという、地方財政措置についてのお話がございましたが、これは森林・山村対策に対する自治省等の格段の配慮によって推し進められてきたところでございまして、私どもとしてはある意味では林政としては非常に評価しておるところでございますが、今後そういう基金の整備等については、新たに我々としても構想を再検討いたしたい、さように思っておるところでございます。今すぐに、具体的にここはこうだということについては中しかねますけれども、一つの有力な御提案として受けとめさせていただきます。
#86
○野別隆俊君 自治省来ていただいておりますから、自治省にお伺いをしたいのでありますが、この制度は私は高く評価をいたしておりまして、自治省が塩川自治大臣のときにあれだけの決意をして、山村対策に平成五年度千八百億、この中には後継者対策費が五百億、それから公有林化が五百億、林道整備が五百億、それから管理費が三百億と。それが平成六年度は林道整備費、これは林道も非常にありがたいんでございまして、これが一挙に八百億になった。六〇%伸ばした。ことしは八百億から千二百億に林道整備費を自治省は出した。もう林野庁の林道予算よりも多くなったわけであります。
 これだけ頑張っていただいたわけでありますが、さっきの後継者問題で、合せっかく自治省も特別交付税をやって、育成をしておられるところがあるわけであります。今はまだ成木でございませんから、間伐材が中心なんですよ、日本の山は、国有林も民有林も。採算合うようなものじゃないんです。切っても赤字のようなことが多いんです、切らなきゃほかが太らぬから切っているだけであって。
 そうなれば、一定期間はやっぱり自治省が、市町村がこういう努力をして、地方財政が、自主財源が一〇%前後の市町村が出資をしこうしてやる、そういう努力をするならば、今の私は百億の基金よりもそっちの方に、例えば直ちにもう、今何百人がおると思いますが、これを千人にしたって、自治省が仮に二割ぐらい層がわりしたって千人で二億ぐらいの金なんです、二億ぐらい。これはやるべきです。自治省もそういう努力をして、市町村が必死になって出資して、そしてこういう若い青年を居つかせる、労働力を定着させる、そのためには自治省の方の努力が検討されて前向きに、これしかもう山の方法は私はないと思っているんです、後継者対策。どうですか、自治省としてそういうことを前向きに検討していただく考えはないですか。
#87
○説明員(北里敏明君) 森林・山村対策につきましては、自治省としてもその重要性にかんがみまして、森林整備の担い手対策等の充実を図るべく、平成五年度には五百億、平成六年度二百五十億、計七百五十億の基金造成につきまして地方交付税措置を講じたところでございます。
 今回のウルグアイ・ラウンド対策に関連いたしましても、この基金の充実という御要望がございまして、地方財政が非常に財源不足が大きい中での厳しい状況ではあったわけでございますが、これまでの七百五十億に百億増額をするという形をとらせていただいたわけでございまして、六年度の金額と、二百五十億と比べますと少なくはなっておるわけでございますが、その重要性にかんがみ、増額という方向で対処させていただいたところでございます。
 また、七年度対策といたしまして、農山漁村ふるさと事業というものを創設いたしまして、林業の担い手対策も含めた農山漁村地域の活性化を行えるような事業を実施するために五百五十億円の地方交付税措置を講じておりまして、基金の積み増しの活用と合わせまして、森林・山村地域の後継者の育成、確保などに御活用をいただきたいと期待しているところでございます。
#88
○野別隆俊君 この問題につきましては、私も林野庁とも十分連携を密にして勉強会を開きたいと思いますし、大臣の方も、これは恐らく自治省、林野庁で、農水省でやれるとはなかなか私は思いません。これはもう自治省対応しかないのかな、こういう面については。ですから、自治省の方では今基金の方も一定度積み増しをして、現実におられる労働者の待遇改善問題、それから今後新たにそういった若い青年を新採用していくという部分については、この定着が、今もう林業にはこれしかないものですから、ぜひ大臣の方も前向きに検討していただいて、これの実現が図れますようにお願いをしたいと思っています。
 あと、まだこれからやることにしておりましたが、大蔵省にも来ていただいておりまして、国有林の問題をこれからやるつもりでしたが、もう時間がないようでございますので、きょうはこの程度にしまして次に回したいと思います。どうもありがとうございました。
#89
○委員長(青木幹雄君) 午前の質疑はこの程度とし、午後一時まで休憩いたします。
   午後零時七分休憩
    ―――――――――――――
   午後一時二分開会
#90
○委員長(青木幹雄君) ただいまから農林水産委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、農林水産政策に関する調査のうち、平成七年度の農林水産行政の基本施策に関する件を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#91
○刈田貞子君 阪神・淡路大震災が起きてちょうど一カ月目に当たるわけですが、大臣も被災地を御視察なさって、特にきょうこれから私御質問申し上げようと思っております淡路島にもわざわざ行っていただいたようでございまして、本当に御苦労さまでございました。私は、現地は行かせていただいて、いろいろ皆様方のお見舞いをしながら御要望を伺ってきたんですけれども、淡路鳥には入っておりません。それで伺うところでございます。
 災害前の淡路島はよく知っておりまして、大変に農業の進んだいい環境下にあったところと思っております。物すごいいいタマネギがとれて、そしてタマネギを干す小屋の上に東京で見るような頑丈なかわらが乗っかっているという、そういう小屋をたくさん見てまいりまして、あの島がというふうに思いますと大変に胸が痛みます。
 そこでお伺いをいたしますが、あの淡路島の特色として、農業用水としてのため池が実に無数にあるわけでございますね。伺ったところによると、登録分だけでも一万を超えるというようなことも聞いておりまして、特にこのため池に関して多くの被害を受けているというふうに聞いておりますが、大臣、見ていらしたことも含めて今後の対策、これをまずお伺いしたいと思います。
#92
○国務大臣(大河原太一郎君) お答え申し上げます。
 今、委員お話しのとおりでございまして、中・四国は大変ため地かんがいが多いわけでございますが、数で全国では、私が承知している限りでは二十一万カ所ぐらいある、そのうちの四分の一は兵庫県にあるんです。しかも、淡路については大変ため池が多いということでございまして、今回の大地震によりまして多くの被害を受けておるというところでございます。私自身も、時間の制約もあって箇所数は限られておりましたが、やはり被害が相当なものだということは十二分に認識したつもりでございます。
 ため池につきましては、まず亀裂を生じたりいろいろな問題がございますが、幸いにこの時期にはまだ水をためている時期じゃない、これからだという時期でございましたので、比較的それに伴う周辺の被害、ため池の周辺に人家とかあるいは施設があった場合には被害を受けるわけでございますが、その被害については幸いにしてなかった。
 災害がございましたので、これに対しては応急工事とかあるいは点検の強化というようなことをやりまして二次災害の防止に現地では努めておるところでございますけれども、本格復旧に向けて現在その態勢を急いでおるところでございます。
 申し上げますと、まず復旧工事については、被害の程度あるいはそれの復旧の査定というようなことが大変必要でございますので、国の近畿農政局等を中心にして、京都大学等の関係者も動員いたしまして四、五名で数回現地に参って調査を行ったところでございます。と申しますのは、ため池の復旧は、亀裂の深さの問題とかあるいは災害によります地下水脈の変化とか、いろいろ復旧について通常の農地、農業用施設と異なった、復旧の工法が難しいというふうな面もございますので、それらについて十分勘案した上で復旧工事を進めたい。
 また、査定等につきましては、何せ箇所数も大変多いわけでございますので、近畿の近隣県の耕地関係といいますか、農業土木関係等につきましての応援を求めて査定の支援態勢を整えておるところでございます。さらには、財政当局等とも十分な理解を得たわけでございますが、机上査定というようなことで査定作業の促進を図っておるところでございます。
 なお、予算等につきましては、二十四日に提案されます六年度の補正予算につきまして復旧費を計上するとともに、特に二月八日には激甚災の適用の指定を受けて高率補助を確保いたしまして復旧を急いでまいりたい、さように思っておるところでございます。
#93
○刈田貞子君 基本的には、やはり道路とか家とかいうふうないわゆる一般的なインフラの方の救済の方が先になるので、ため池は後回しみたいな話もあるやなしやに聞いておりますけれども、やはりこれはこれから島の復興の生産手段として大切な事柄に当たりますので、重々の配慮をぜひお願いしたいというふうに思います。
 それからもう一つは、これも現地からの電話で伺ったんですけれども、幾つかのいわゆる輸送ルートが断たれているというようなことから、入ってくるものもそうだし、また現に島でできておる野菜や、あるいはまた酪農が盛んでございますから生乳等を運び出すという、こういうルートが断たれておることによる生産者の損害ということも非常にお訴えがございました、電話で。
 こうしたものに対して今後復旧を急がなければならないんですが、現実にそういうもので受けている負債というんですか、そういうものに対する補償のようなものは考えられるんでしょうか。
#94
○政府委員(鈴木久司君) 地震の発生当初、フェリーの休航等の交通の混乱のために、淡路島におきまして一部農産物が廃棄されたという報告を受けておりますけれども、その被害額は比較的軽微であるというように聞いております。
 なお、今回の震災による輸送事情の悪化、この影響はあらゆる物資に及んでいるわけでございまして、このような状況のもとで、農産物だけにつきまして御指摘のような措置をとることはどうもなかなか難しいんではないかというように考えております。
#95
○刈田貞子君 何が難しいとおっしゃいましたか。
#96
○政府委員(鈴木久司君) あらゆる物資が影響を受けておるわけでございまして、それとのバランス等々を考えますと、農産物だけにつきましてそういった措置をとることにつきましてはなかなか難しい面があるということでございます。
#97
○刈田貞子君 つまり、既に腐敗してしまっている牛乳なんかを、生乳なんかを捨てちゃったというような損害に対して補償していくというような事柄については難しいと。これは農産物だけの損害額ではなくて、他にもそういうものがたくさんある。つまり、直接間接に受ける影響について補償できるものとできないものがあると、こういう考え方でよろしいんですか。
#98
○政府委員(鈴木久司君) そのとおりでございます。
#99
○刈田貞子君 しかし、やはりそれは踏んだりけったりという感じもありますし、何とかそうした中でできてきたマイナス面を補てんしてもらえないだろうかという声は実際にあることは確かですから、やはりいろいろな面で工夫をしていただきたい、こんなふうに思います。
 それからもう一つは、これは淡路の問題ではなくて、灘の方の酒米の関係の話でございますけれども、大蔵省、見えていらっしゃいますね。
 今回の震災で阪神地域のいわゆる酒造メーカーが大変大きな打撃を受けております。この状況は、私は灘五郷で大中小五十五社というふうに聞いておりますけれども、その被害状況をまず国税庁にお伺いすることと、それから農水省には、これに関して、いわゆる酒米と称する特定のお米を生産している東播磨地区がございますね、ここへの手だてはどのようになさるのかということをお伺いしたいと思います。
#100
○説明員(二宮茂明君) お答え申し上げます。
 今回の震災によりまして、灘地区を中心といたしまして清酒メーカーが大きな被害を受けております。御承知のとおりでございます。
 灘五郷の酒造組合傘下、五十一場がございますが、その清酒製造場の被害状況について申し上げますと、木造の蔵につきましては、そのほとんどが余半壊といった極めて大きな被害を受けております。一方、鉄筋の比較的新しい蔵につきましては、建物自体への被害は比較的軽微な状況にございますけれども、こういう蔵の場合でございましても、醸造設備でありますとか瓶詰ライン、貯蔵タンク等にかなり大きな被害が出ているところが多いということでございます。また、タンクの中に貯蔵中の酒類あるいは瓶詰等の製品につきましても、流出あるいは破損といったような被害が出ております。
 また、復旧の状況について申し上げますと、被害の軽微な蔵を利用して製造、出荷しております企業、あるいはほかの地域の会社に製造あるいは瓶詰を委託している企業など、各社とも非常に復旧に懸命の努力をされている、そういう状況にございます。
#101
○政府委員(上野博史君) 後段の御質問の御趣旨は、多分酒造好適米の関係のお話だろうというふうに承ったわけでございますけれども、この需要が、灘の醸造地帯で使われなくなるということ、これは多分そういうことだろうと思っておるわけでございますが、今のところどれぐらい需要が落ちてくるのかというところまではっきりわかり切れないという状況でございます。
 それから、この酒造好適米というのは自主流通米の一環として流通をされているお米でございまして、かなりいい値段で醸造用に供されているわけでございます。したがいまして、灘で使っていただけない酒造好適米につきましては、これをほかの地域で使っていただくということが一番適当ではないかというふうに我々としては考えているわけでございます。
 酒造好適米というのは、先ほど申し上げましたようにお酒、いわば特定用途向けのお米でございますので、つくる段階から毎年のお酒の需要量なり、あるいはそれに見合った製造量というものを頭に置いてその空虚量が決まっているという感じのものでございますので、灘で使用できなくなるということでございますと、恐らく製造能力の余裕のあるところでその分の供給が図られるということも十分に考えられるというふうに思っておりまして、余り酒造用以外にこのお米を使うということではなくて、努力をしていったらいいんじゃないかと。
 政府米として主食用にどうしても使わざるを得ないという場合には、これは政府米としての受け入れをするということはもちろんできるわけでございます。
#102
○刈田貞子君 私が伺ったところでは、県外に山田錦が五五%出て、県内に四五%というふうに聞いております。そういたしますと、県内の四五%の分がことしの作付でどうなっていくのかという問題になるんだというふうに思うんですけれども、もう一つは、年間の契約で六年産米もいわゆる倉庫預かりでまだ積み増しになって置いてある分があるんですね。そういうのも、もう使用ができなくなって積み増しの分になっていくのではなかろうかという問題もあるというふうに聞きました。
 ですから、ここは特殊な地域で、特殊な好適米をつくっているところですけれども、やはり今言われたように、県外でこの四五%を消化してくれるところがあれば、そのようになっていけば生産者としては大変ありがたいということになりますし、四月も来れば作付の計画もしなければいけないということになりますので、大蔵省にそういうところの配慮もぜひお願いしたいというふうに思います。
 お酒が品薄になるなどと書かれたりしておりまして、私は余り関係がありませんけれども、これで困る方もいるのかなと思います。
 その次に、先ほど同僚の村沢議員からもお話が出ておりました米国産リンゴの問題についてお伺いいたします。
 これは産経新聞でも、またニュースでも大変大きく取り上げられまして、なぜ米国産のリンゴからTBZ、チアベンダゾールが検出されたのかという問題は、大変私どもとしてもショックでありましたけれども、まず厚生省に伺いますが、これがなければリンゴみたいな生の食品が日本に入ってくることはできないのか。つまり、あれは青カビ防止剤ですから、できないのかどうなのか、まず伺います。
#103
○説明員(高原亮治君) 御説明申し上げます。
 TBZは、プレ農業ないしはポストハーベスト農業ないしは我が国で申します食品添加物として利用されておりますが、米国産のリンゴ、これのうちでTBZが検出されたというものは一ブランドのみでございまして、そのほかのものからは検出されておりません。と申しますのは、そのほかのものには使われてなくて、商品価値のある形で入ってきたということでございます。
#104
○刈田貞子君 そうおっしゃいますけれども、これは平成三年から。平成五年までに江東区の城東健所と深川保健所がリンゴ果汁の検査をした結果、アメリカから輸入の果汁からはTBZが検出されているというデータを持っておるんです。だから、つまり生食のリンゴでは今まで一件しかなかったというふうにおっしゃいますけれども、アメリカ産の果汁からそういうものが既に検出されているということのこの事実を考えますと、こういうものはアメリカでは通常的に使われているものであることは確かですよね。それをどう考えるかという問題なんです。
 実は、もう一つ私が疑問に思うのは、リンゴを輸入するためにはTBZは使われちゃいけないということになっておりますけれども、かんきつにはこれは許可していますでしょう。そこのところの違いを消費者は不思議に思うわけですよ。かんきつは許可しているんだと。OPPも許可していますね。イマサリルも許可していますね。それでこのTBZも許可している。それなのにリンゴには使用しなかった。この理由をまずお伺いいたします。
#105
○説明員(高原亮治君) 前半の、TBZは米国で一般的に使われておってジュースから出ておるというふうなお話でございます。
 これはTBZにつきましては、米国ではいわゆる収穫前の使用は禁止されておりますが、収穫後の使用については残留濃度が一〇ppmまで認められております。したがいまして、これを利用してつくりましたジュースというふうなものにはあるいは出るかという可能性は否定できないと考えております。また、我が国におきましては規制が逆でございまして、プレ農業としては認められておりまして、これは果物になった時点で、登録保留基準によりますと三ppmまで認められるということでございます。
 ちょっと米国の規制と日本の規制とは逆になっておりますが、これはそれぞれの国のやはり食料生産の実情を反映したものじゃないかというふうになっておりますが、お話しのとおりリンゴにつきまして、日本のものに対しましては使用規制と申しますか、六条というふうなところでは食品添加物には指定しておりますが、七条のところで空振りにしてあるという形で押さえておるところでございます。
 それで、第二点の、どうしてかんきつ類やバナナはいいけれどもリンゴはいけないんだということでございますが、これは農業ないしは食品添加物等を、私どもいわゆる国民の健康を管理すると申しますか健康第一にやっております厚生省といたしましては、ある種の総量規制というふうな考え方を持っております。
 つまり、例えばTBZですと、いろいろ動物実験等のデータで、これだけの量であれば健康に障害がないというレベルを求めます。さらにそれに通常百分の一程度の安全率を掛けまして、一日にこのくらいだったら生涯摂取し続けてもまあ大丈夫なんじゃないかというレベルを求めます。この総量をプライオリティーの高い順番に割り振ってまいります。
 そういたしますと、必ずしも必然性がないではないかというふうなものにつきましては、何といいますかある種のアロケーションを行っておらないということで、例えばかんきつ類は一〇ppmだけれどもバナナは三ppmだ、リンゴは今のところ割り当てを受けておらぬ。そういうふうなことで、総量規制をやって、あるところに割り当てますとあるところが引っ込む、そういうふうなことになっておるわけでございます。
#106
○刈田貞子君 ちょっとおかしいんですけれどもね。
 消費者はこういうふうに考えていたんですよ。リンゴは皮ごとかじることもあり得る、ミカンは皮ごとかじる人はまずないだろう、こんなふうな考え方で消費者はいたんです。今のお話だと総量で考える、こういうことですね。何か人間の体が人体実験されているような感じもいたさなくはないんですが。非常にこの考え方は納得いたしません。
 それでもう一つ、これは園芸局の方に伺うんでしょうか、商品名でトモテクト、TBZを混合剤として使っているトモテクトという商品名の防腐剤がある。それは今木材の防腐剤として日本で相当使われているんです、TBZは。今言ったトモテクトはリンゴの栽培にも使っていいということになっています。今の厚生省の説明どおりなんです。だけれども、現実は今使われていないということなんですが、使われていなかったら要らないわけでしょう。だから、これは使用禁止にしてもいいんじゃないのというところがあるわけ。
 それは、日本で今規制が逆になっているという話がありましたけれども、日本で逆になっていようとどうなっていようと、TBZを使っているから、だから強くアメリカに抗議できないという部分があるんだということが言われているわけですよ。だから、使われていないTBZであるのならば農業としての使用も禁止してもいいのではないかというふうに思うんですけれども、これどんなものでしょうか。
#107
○政府委員(日出英輔君) がなり技術的な問題でございますし、事柄が私どもの方と厚生省の方と両方にまたがる話でもございますので、詳細は検討してお答えしたいと思いますが、今のところ、リンゴにつきましては斑点落葉病のためにこのTBZにつきましては三ppmに限って使えるということでございます。ただ、実態は余り使われていないということは先生お話しのとおりでございます。ただ、それから先でございますが、だから農業として使用することを禁止するかということになりますと、これはちょっと考え方として、そういうことになるのかなという気もいたします。
 ちょっと事柄としてかなり技術的な問題でございますので、後ほど検討いたしまして適当なときにお話し申し上げたいと思います。
#108
○刈田貞子君 いただいた資料によりますと、平成五年でTBZを含んだ農業は国内で三十六トン使用している。国内で使用しているんですね、このぐらい。だから、余りアメリカには厳しく言えないということになるのかもしれませんけれども、これは約束事ですから、やはりきちっと約束を守っていただかなければならないというふうに思います。
 御存じのとおり各種の実験で催奇形性というテーマでTBZはずっと問題になってきたわけですから、大変灰色ゾーンにおる物質であることには間違いないというふうに私思っておりますので、今後厚生省としてももっとこうした問題を積極的に調査して、今リンゴの果汁の中から出るのはやむを得ないかもしれないとおっしゃいますけれども、やはりこういうものに大変過敏である消費者としては非常に危惧をしているところなんですけれども、今後の対応としてどんなことを考えられますか。
 それからもう一つは、アメリカに抗議をなさったというふうに聞いておりますが、その結果が先ほど御説明があったいわゆる選果ラインの洗浄の仕方が足りなかったからという回答なのでしょうか。
#109
○説明員(高原亮治君) 側説明申し上げます。
 ジュースであるとか、それからいわゆる農産物からかなり直接的につくりますものに対しましてどのような基準を考えていくのか、これは非常に重要な問題であって、厚生省としても今後検討してまいりたい課題であるというふうに考えております。
 それから、米国に対しましては、さっき委員の方からもお話がありましたが、これは使った使わないじゃなくて約束事じゃないかというふうな話でございます。私どももそのように考えておりまして、厳重に調査を在日米国大使館に依頼いたしまして、その過程において輸入業者ないしは輸出業者は任意に可能な限り商品を回収したわけでございます。
 どうしてこういうふうなものが付着したかということにつきましては、先ほど御説明申し上げましたとおりラインの洗浄が不十分ではなかったのかということが言われておりまして、今後はこのラインの、単に洗浄するんじゃなくて、使用した付着しやすいような器具については完全に取りかえる、またTBZが検出されないことを現地の検査機関で確認した上で輸出をする、そういうふうなお返事をいただいております。
 また、私どもの方といたしましても、検疫所におきまして厳重な検査をやるように指示しておるところでございます。
 以上でございます。
#110
○刈田貞子君 大臣にお願いいたしておきますけれども、大臣の所信の中には、消費者対策の一環として食品の安全性についてこれを十分確保していくということを大きくうたっていらっしゃいます。先ほどもお話が出ましたけれども、このことは今後輸入食品等がますますふえていく中で非常に大事な事柄につながるというふうに思うんです。少々出たっていいじゃないかという考え方と、それでは困るんだという消費者と、どうやってそこのところを政治や行政がしっかり取り組んでいくか、こういう問題になろうかというふうに思います。
 平成四年で、私はそれしかデータ持っていないんですけれども、輸入食品七十八万件です。その後円高が進んでおりますから、さらにこの件数、重量が二千五百万トン、食品だけで、という話ですから、さらにこれが進んでいることは間違いないわけです。ただ、その中で実際に検査されているものというのは一六%程度にしかすぎないというふうに言われております。これは厚生省さんが言われているとおりなんです。そんなにできないんですね、検査というのは。そうだとすると、本当に食品の安全というのは確認されているんだろうかという、こういう問題はやっぱり後を絶たないわけですね。
 したがって、これを今後どのようにしていくか。我が国の国内では規制緩和路線が大変進んでまいりまして、安全検査の簡略化までうたいとげているという実情がございます。それからまた、ウルグアイ・ラウンドの妥結によって、いわゆる国際基準の整合性、ハーモナイゼーションですね、こんなふうなことも進んできました。そして、円高が一つの追い風になって農産物を初めとする食品の輸入というのは非常に異常な形で私はふえていくんじゃないかと思うんです。こういうものをしっかりと国民の食生活、健康の中で安全を確保していただくことになるんですが、大臣の所見を伺いたいと思います。
#111
○国務大臣(大河原太一郎君) もう委員十分御案内のとおり、残留農薬基準とか添加物の問題につきましては、その安全性に関しては食品衛生法に基づいて厚生省の方でやっていただいているわけでございますけれども、やはり我々としては食品の安全、良質等々の責任があるわけでございますので、その安全性についても十分農林水産省なりの努力を強化していかなければ相ならぬ、さように思っておるところでございます。
 ちょっと旧聞に属しますが、先般の緊急輸入米につきましても、輸出国の輸出港においてもこちらの方から厚生省の指定された機関によって検査をし、さらに国内に到着した場合においても厚生省の指定機関で検査をし、さらに厚生省にダブルチェックをしていただく、いわばトリプルチェックを緊急輸入米については行ったところでございます。
 これは一例でございますけれども、やはり食品の安全性については本来厚生省の所管でございますけれども、例えば私どもの機関でございます農林水産消費技術センター等においてもこれについての調査、検査を行って対応しておると、その努力を一層強めたいというふうに思っております。
 また、輸入食品についての品質と表示の関係等についてもさらに一段の努力を講じていく体制を整えていきたい、さように思っておるところでございます。
#112
○刈田貞子君 リンゴの輸入については、ニュージーランドから始まって、あのぐらいいろんな反対があったんだけれども、農水省では植防法上こういうものをこれだけ完備したんだよということで解禁したわけですよね。だから、今TBZの話からいえば、これは食品衛生法上の問題になるわけですけれども、農水省の方の植防法上の問題は大丈夫なのかねという、そちらの方にまでやはりこの疑いは及んでくるわけです。したがいまして、きちっとその辺のところを対応していただきたい、このように思います。
 それから、世界の食料需給の問題についてお伺いをするわけですが、昨年の十二月二十一日に中国がお米とトウモロコシの輸出を禁止して落花生の輸出も減らすことを発表したという報道があるわけですけれども、このことは日本の国に大きな影響を及ぼすんだろうと思います。
 日本は中国から緊急輸入で百七万トンですか、それからトウモロコシは大体通常年間二百万トン前後輸入しているわけですね。ですから、中国のこの対応は大変大きな問題になろうかというふうに思いますが、いかなる事情によってこんなことが出てきたのか、それからまたこれによって我が国はどんな影響を受けるのか、その二点について。
#113
○政府委員(東久雄君) 中国は、一つは工業化が非常に急速に進んでいて農地の壊廃が少し見られるという状況のもとにおいて、昨年夏以来、中国の北から北京周辺、さらには秋には揚子江周辺まで十ばつに見舞われ、さらにもう少し南の方で洪水という今度は逆の現象が起こりまして、大変食料の逼迫が予想されたわけです。
 そこで、昨年夏、八月と聞いておりますが、中国の方は貿易各社に対して米及びトウモロコシの新規契約を控えるように指示をいたしまして、ずっと私の方も注視しておりましたところ、日本へ入ってくる量も十一月までは四万トンぐらい入っておりました。そこの段階で、輸出禁止をしたんだというふうなアナンウンスはございましたけれども、中国は法的にそれを禁止することができる条項は持っておりますけれども、それではなくて商社に、向こうはああいう体制でございますから非常によくきくわけですが、商社に新規契約を控えるという形で輸出をとめているようでございます。
 我が国の中国からの輸入でございますが、トウモロコシが先生おっしゃるとおり二百万トンぐらいございます。しかし、過去において非常に変動しております。中国市場というのは割合に生産変動が大きいところでございます。ただ、中国の場合には小ロットで持ってきやすいということもございまして、割合に日本の方からの買い付けは多いのでございますが、向こうの不作等でショートしたときには大体他の輸出国、アメリカが主でございますけれども、そちらヘスイッチするというのが常でございまして、今回も順調にそれが行われておりまして、トウモロコシの価格等に影響はないところでございます。
 なお、米につきまして言及ございましたけれども、これは今の日本の米の状況は先生御承知のとおりでございまして、今そういう影響が出てくるという状態ではございません。
 なお、大豆は、五百万トンぐらいの輸入のうち、中国からは十万トン前後でございますので、これはもうほとんど影響がないというのが現状でございます。
#114
○刈田貞子君 いろいろなものを読んでみますと、中国の国内事情も、かくなるいろいろな事情があるように私も思います。しかしながら、そうした国からの穀物の輸入ということを前提に私どものいわゆる長期需給のようなものが計算の中に入っているとすれば、やはり日本の国の問題としても大変大きな問題になるだろうというふうに思います。したがって、先ほどお話出ました自給率の向上とかあるいは長期自給率の見通しというものもきちっとやはり立てていかなきゃいけないという問題は、隣国でこういう話が出てくると、やはりどうしても思わざるを得ませんので、このことをあえて申し上げたわけでございます。
 もっと言いたいことがあるんですけれども、時間がございませんので、もう一つ、先ほど来七年度産の生産調整の問題について各委員が問題になさいましたけれども、私もその質問を通告してございますのは、やはり一番の関心事だろうというふうに思うんです。
 それは、八年産から新食糧法に切りかえになっていくその助走に当たる年であると、ことしは。この新食糧法、新システムにスムーズに移行できるかできないかという問題は、やはりかかってことしにあると私は思って見ていたんです。したがいまして、今回のこの生産調整の問題が、農林大臣談話等も発表なさいましたけれども、さっきお話に出ていましたが、現地の生産者、農家が本当に納得した上で八万ヘクタールが積み増しされたのかどうなのかという疑問はやはり残ります。
 私、こういうことに決して専門家でも何でもない素人の立場で申し上げますと、基本的には切り口はただ一つ、つくり過ぎると自主流通米価格が下がりますよというんですね。それで、もし何ならば減反強化して価格維持か、この二者択一の方法しかないんですよと、これが一つ前面に出た切り口であったとするならば、私はこのシステムは長く続きませんと思います。
 新食糧法にうたわれるような生産者自身の自主的な判断を生かす一つの新しい仕組みというものが、そんな二者択一の考え方だけの選択肢でこの生産調整という問題が取り扱われるとするならば、これは非常に私は先行きがどうも暗いなというふうに思うんです。新食糧法ができたって何も変わらないんじゃないかということになりかねない。したがって、ことし本当にうまくいっているのでしょうかという、こういう問題に話が落ちてくるわけですが、いかがでしょうか。
#115
○政府委員(日出英輔君) 先生のお話でございますが、新食糧法で予想しておりましたような計画流通米の中で、民間流通の自主流通米が計画流通米の主体をなすということは、制度的にはそういうふうなことを新食糧法は書いてあるわけでございますが、新食糧法がまだ施行されていない現在でも、御案内のとおり自主流通米が主食ウルチ米の流通の主体をなしているということは現実でございます。
 その中で、先生お話しのように、昨年追加的な転作をやるかどうかにつきましては、確かに自主流通米の販売環境が急速に悪化する中で、これをどういうふうに防ぐのかというところから始まったことは事実でございますが、このために実は生産者団体は、十月十五日現在の作況一〇九というのがわかりましてから一カ月半かけまして大変な実は議論をしております。これは、私ども知り得る限りでは、今までの二十五年の転作の歴史の中でこれほど生産者団体が自分たちの問題として議論したことはなかったんではないかというふうに思っております。
 ただ、さはさりながら、末端の生産者がこういった自主流通米の販売環境の悪化をどう防ぐかということについて十分理解をした上でこれに取り組んでもらえるかどうかということは、先生お話しのように大変大きな問題があろうかと思っております。
 私ども、この追加的な八万ヘクタールの生産調整につきましては、極力強制的な色彩がないように、義務的な色彩がないようにして、六十万ヘクタールにつきましては前年どおりでやっていただく、八万ヘクタールにつきましてはそれぞれの地域のいろんな工夫も踏まえてやっていただくということを、今私どもとしてはそれを一番の目標としてやっているところでございます。私どもとしては、これから市町村から生産者への配分が行われる時期でございますので、極力そういう点につきまして気をつけながらやっていきたいというふうに思っている次第でございます。
#116
○風間昶君 平成会の風間でございますが、今、刈田議員からも指摘がありましたように、まず阪神大震災における漁業生産、農業生産のそれ自体に打撃がなくても、出荷から小売までの流通ルートが大きな打撃を受けているわけですが、生産ができない、あるいは生産したけれども運べないという、もったいないことに廃棄せざるを得なかったものもあるというふうに報道に出ておりましたし、まだなお状態としては十分に戻っていない。
 二月十三日現在でも、二十四の漁港で二百三億円の被害を出して、荷さばき所を含めた共同利用施設でも五十四カ所、九億円。こんな中で、淡路島においてはせっかくとったタコだとかブリだとかの魚を市場に送れない。また、市場へ行っても今度は逆に震災によって買い手がいない。こういう状況を早く解消していかなければならないというふうに思うわけですけれども、淡路島の漁港から神戸に行く水産物の出荷ルート、先ほどちらっと聞いていたら二ルート確保されたというふうになっていますけれども、それはどこに着いているんでしょうか。
 すなわち、神戸の中央卸売市場は二十日から水産が再開されるというふうに聞いていますし、東都市場はまだ入荷取引がないというふうに聞いておりますし、西都市場は仮復旧は行われたけれども断水のためまだ業務停止しているということになりますと、どこへ行っているのかなと。あわせて市場の復旧見通しについてまずお伺いしたいと思います。
#117
○政府委員(鈴木久司君) 淡路島からの神戸等への出荷ルートにつきましては、岩屋から明石に行くルート、大磯から須磨に行くルート、それから須磨から西宮に行くルート等々ございます。いろいろなルートがございますけれども、震災直後におきましては、フェリーの欠航等の交通の混乱のために輸送のルートが大変乱れたという実態がございます。
 その後、私どもの方でも運輸省の方等に要請しまして、既存ルートの最大限の増便が図られるようにお願いしております。しかしながら、一部でフェリーの乗船のための待ち時間が長くて輸送に支障を来すといったこともございますので、今後輸送時間の一層の短縮を図るために引き続き関係方面に働きかけてまいりたいというように思っております。
 なお、水産の市場の関係ですけれども、神戸の中央卸売市場の本場の方は水産の取引を既に実施しております。しかしながら、東部の市場におきましては大変被害が大きくて、現在まだやっていないという状況でございますので、私どもとしましては、この市場につきましては早急に機能を回復するために万全の対策をとってまいりたいというふうに思っております。
#118
○風間昶君 西部も行っていないんですね。
#119
○政府委員(鈴木久司君) 西部の市場は食肉でございまして、もう既に取引を開始しております。
#120
○風間昶君 わかりました。
 続いて、淡路島におけるノリの被害についても若干お伺いしておきたいと思いますけれども、全国でも有数のノリの生産地というふうに聞いておりますし、ここのノリ加工施設に十億円ぐらいの被害が出ておりますけれども、ノリに発生した被害の救済、それからノリ加工施設の復興に恐らくさまざまな手を加えられていらっしゃると思いますが、施設の復旧については農林公庫の融資の特例が認められたようでございますけれども、これは他の農地、農林施設を含めたさまざまな農林業の融資の特例と横並びと考えでいいのかどうか、教えてください。
#121
○政府委員(鎭西迪雄君) 今回の地震によりますノリ養殖に対します被害は、ただいま委員も御指摘のとおり、網自体が損壊を受けたということではございませんで、主として陸上にございますノリの加工施設、これが損壊を受けた、こういうことで、現在の時点で約十億円ぐらいの被害額になるだろうというように兵庫県から我々は聞いております。
 したがいまして、これにつきましては農林漁業金融公庫資金、これはほとんどが個人施設でございまして、公庫資金で対応する道がございますが、これの貸付限度額の特例的な引き上げあるいは金利の引き下げ措置ということを先般やったところでございまして、今後とも中小企業関連融資等々との均衡を見ながらバランスがとれるように引き続き努力をしていきたい、かように考えているところでございます。
 それから、ノリの生産そのものでございますけれども、ただいま盛漁期でございまして、大体十一月ぐらいから四月ぐらいまでが漁期でございまして、施設の修理、回復が終わったところあるいは水道の復旧が終わったところから逐次生産が再開されておりまして、現時点で私ども承知しておりますのは神戸市の一部地域、そこでまだ生産再開しておりませんが、他の地域、北淡町も含めまして生産のラインには入ったというように承知しているところでございます。
#122
○風間昶君 わかりました。
 次に、これは北海道の日本海を中心に、例は少ないんですけれども、トドによる漁具の被害がありまして、刺し網とか建て網等が主な被害になっていますけれども、トドは、動物園にもいないし水族館にもいないんですけれども、保護獣としてはまだ認定されていないようですが、保護獣ではないにしても殺すことができないということで、自衛隊の皆さんにも応援してもらって、音によって逃げてもらうということで威嚇発砲していますけれども、効き目があったのは一回か二回ぐらいで、においでわかるのか武装している姿を見てわかるのか、トドの方も学習されているようで、すぐ海に潜って、駆除というか威嚇をする方がいなくなるとまたあらわれるという繰り返しなんですね。
 それで、水産庁としても、例数は少ないにしてもかなり網の被害が大きいわけで、網を改良することなども検討されていると思いますけれども、この対策に全力を挙げてむらいたいし、網の復旧、それから改良網のために予算措置をとっているのかどうか、ちょっと教えていただきたいと思います。
#123
○政府委員(鎭西迪雄君) 委員御指摘のとおり、我が国の周辺海域、特に北海道の周辺の中でも日本海域でございますけれども、トドによる漁業被害が相当ございます。道庁の報告によりますと、平成五年度あたりで十億円程度ということでございます。
 このために、私ども水産庁といたしましては、トドの資源なり生態調査というものを行いまして、一定の予算も計上しておりますし、特に日本海側等被害の多い地区につきましては、被害の状況を見つつ、その防止策につきましての一定の助成を行っている、こういうことでございます。
 それから、漁網の被害でございまして、この十億程度の中の約五割ぐらいが漁網被害だというように道庁から私ども聞いておりますけれども、これにつきましては公庫資金なり近代化資金で融通する道がございますが、道庁におきましては、強化網、いわゆるトドに食いちぎられないようなそういう強い網の破網試験というものを行っておりまして、本年度も引き続きいわゆる強化網によります経営状況調査というものを行っておられるところだと承知しているところでございます。
#124
○風間昶君 強化網というか実験、トドの歯というのはジョーズみたいなんですよね、これはもう大変なもので、釣り針みたいに中にフックみたいなのがついた歯なんです。だから、簡単に考えないでいただきたいと思います。ぜひよろしくお願いしたいと思います。
 次に、食品の表示の問題についてお伺いしたいんですが、私もこちらで単身生活で、単身生活者がふえているのに伴いまして、料理の手間を省くために、売る方もそうでございますが、買う方も望んでいると思います、ニーズもそういうことだと思いますが、魚の切り身をパックで売っておりますけれども、要するに切り身にされていると何の魚だかわからないんですね。全く関係のない魚が代用魚として使われていると聞いております。
 例えば、メロがムツと言われていたり、ブラックバスはスズキと呼ばせておったり、カベリンをシシャモと呼ばせていたり、タイでもキングクリップをアマダイ、また岡山あたりではナイル原産のテラピアという淡水魚がイズミダイとかクロヒメダイとかということで売られている例もあるというふうに聞いています。
 そういう意味からいたしますと、もとの魚はタイと無関係であるというふうに知って買う人ならともかく、タイの一種と思って買う方もたくさんいるんではないかと思うんです。そこで、誤解を与えないようにきちっと、売る人が中に介していると思いますけれども、とる人と食べる人、買う人、このメッセージになっているわけですから、商品表示というのは。商品の内容をきちっと示していくためにはやっぱり的確な名前が必要じゃないかというふうに思うわけです。
 専門的に言うと類とか層とかということになるんでしょうけれども、そんなことじゃなくて、きちっと誤った表示がなされないようにというシステムといいましょうか、ガイドラインが昨年つくられたというふうに聞いておりますけれども、つくったのならつくったで、表示の適正化に努めていく、そしてその普及状況についてはきちっと押さえておかなきゃならないわけで、その辺のところを水産庁及び食品表示対策室の方がいらっしゃればお考えを承りたいと思うんですけれども。
#125
○政府委員(鎭西迪雄君) 昨今、消費者が購入いたします生鮮魚介類は、切り身主体、あるいは輸入物なり養殖物が増加してまいりまして、消費者サイドから魚種の判別が困難である等の表示にかかわる問題が提起されてきたところは委員御指摘のとおりでございます。
 こういうことを受けまして、私ども平成三年度からいろいろ検討をし、さらに四年、五年と一定の試行を実施いたしまして、ただいま委員おっしゃったように昨年の八月四日から水産物の表示ガイドラインというものを策定し、実施しているところでございます。
 これは、民間の財団法人食品流通構造改善促進機構というものが実施主体でございまして、これを各卸段階、小売段階、あるいは大手のメーカー等々に守っていただこう、こういうものでございまして、まだ実施後日が浅いわけでございますけれども、私どもとしてもこれの普及というものが非常に重要であろうという認識で、その表示ガイドラインの実施状況調査、あるいは説明会の開催だとか、普及の資機材の作成、配付、表示の資材でございますが、そういうものを末端の小発サイドに配付するというようなことを内容といたします水産物表示普及定着事業というものを実施しているところでございます。
 何分、まだ日が浅いわけでございますけれども、関係用体とも十分協議しながら適正な表示の改善に向けましてさらなる努力を続けていきたい、かように考えております。
#126
○風間昶君 調査中ということでございますけれども、いつごろわかるんですか、お示しいただきたいと思います。
#127
○政府委員(鎭西迪雄君) いつごろというのは、早急にこれの実施状況を見ながら、どういう点に普及上の問題点があるかということを解析しながら、関係機関と一緒になって我々も普及、それから周知の努力というものをやっていきたい、こういうことでございます。
#128
○風間昶君 ちょっとかみ合わないんですけれども、早急にやるということはいいんです。だから、じゃいつごろを目途として早急にやるんですか。
#129
○政府委員(鎭西迪雄君) この調査自身は本年度の調査でございますので、新年度のなるべく早い時期にその調査結果を踏まえまして、いろいろ問題点を分析、検討したい、こういうことでございます。
#130
○風間昶君 初めからそう言っていただければ時間があれだったんです。
 時間がもうありませんので、これは要望なんですが、全国に海難救助に携わっている方が二万人ぐらいいらっしゃる。もちろん、この水難救済会というのは法人で、消防庁が所管というふうに聞いています。そういう意味では農林省とは関係ないんですけれども、ただ、救助員のほとんどは漁家なんです。ボランティアで自分の船も出していっているわけでございまして、北海道も百九カ所、七千百九十二人おりまして、ボランティアだから報酬が全くないんです。
 海での事故の救出は、海上保安庁あるいは自衛隊の方々がやられる部分はありますけれども、大概はこの海難救助員がやっていまして、おかに上がると消防団員の方がやる。その報酬が全くゼロなんです。ゼロなんですよ。ただ、団員の方々はそれなりに、消防組織法で決められた団長になると年間八万ちょっととかあるようなんです。そういう意味で、あとは賞じゅつ金とか弔慰見舞金だとか災害補償共済、出動手当はほとんど変わらないんですけれども、報酬はほとんどない、ゼロ。
 こういうことに頼っているのが現状なようで、農水省としても、その方々が災害に遭うと結局農水省の所管にもまた触れてくるんじゃないかというふうに思うものですから、ぜひ水難救助員の方の身分の保障、安全面の保障についても積極的に取り組んでいただきたいことを強く要望して、言いただければこれでやめますし、いただけなければまた続けますが、お願いします。
#131
○政府委員(鎭西迪雄君) ただいま委員御指摘の事項については、私も地元の漁業団体等から実情、要望等も受けておりますので、引き続き主管庁でございます運輸省当局に十分実情を説明いたしまして、現場の漁業者が困らないような対応をこれからも努力してやっていきたい、かように考えておるところでございます。
#132
○井上哲夫君 私もこの委員会で久しぶりに質問をさせていただきますが、冒頭、阪神大震災で亡くなられあるいは被災を受けられた方に、心からお悔やみとお見舞いを申し上げたいと思います。
 けさから質問をいろいろ聞いておりまして、備えあれば憂いなしということのそういう意味では関連性があるかと思って、きょうはちょっと農産物といいますか、農業における共済制度についてお尋ねをしたいと思います。
 前々から少し勉強して専門家の大臣にお話を伺いたいと思っておったんですが、ちょっと急にこの日程が入り、あるいは風邪を引きまして、きょうは十分な事前準備をせずに質問をさせていただきますので、大変失礼でございますが、よろしくお願いを申し上げたいと思います。
 先ほどから輸入リンゴが出ておりますが、三年前ですか、青森で台風によるリンゴが大量に落下しました。非常にリンゴの農家は大きなダメージを受けて、あけてみたら、果樹共済に加入していたのは一四%ぐらいだ、さあ大変だと。いろいろ農業共済システム、とりわけ果樹共済の共同準備金が少なく、自治省あたりまで問題は波及したと記憶をしております。このリンゴの果樹共済、新聞では翌年は加入率が倍ぐらいになったというような報道も耳にしたんですが、一回そういう痛い目に遭って、次々にせっかくある果樹共済にどんどん契約者がふえていって、保険システムで一番大事な母集団といいますか、分母が拡大をしていくならこれはもう非常に結構なことなんですが、どうもその後はまた伸び悩みになるような気配ではないかと私は憂慮しているわけです。
 一方、一昨年の米の不作、これがまた思ってもみない大凶作で、米に関しては当然加入といいますか強制加入の体制でありながら、膨大な準備不足による赤字といいますか借入金が出てきた。
 この二つの米とリンゴの問題は現在の日本における農業共済制度の象徴的な出来事だと私は思っておるんですが、まず現時点でどういう分析なり反省なりそういう御見解がおありか、お尋ねをしたいと思います。
#133
○政府委員(東久雄君) 先生、御関心を持っていただきましてまことにありがとうございます。
 青森のリンゴの件は、先生おっしゃるとおり加入率が非常に低かったということが問題でございまして、それで我々もその点加入率を、これは母集団をふやしていくためにも、またそういう被害が起こったときに対応できるためにもやはり加入率を高めていかなければならない、それの努力の点で多少怠った点があるんじゃないかなという反省をいたしております。
 先生御指摘のとおり、平成三年度は一四%ぐらいでございましたけれども、その事故の後は三三・四と一挙に伸びまして、さらに平成五年度の統計で、六年度はまだちょっと終わっておりませんので、五年度にもさらに二%近く伸びまして三五・穴と。できるだけ加入を広げていくような努力ということが、我々だけではなしにそれぞれの単位組合の方でもやっていただくということで今進めております。その辺が一つの反省点だったと思います。
 それから、もう一つは米の方でございますが、これはもう百年来といいますか、大変異例な災害でございました。これは先生御承知のとおり、全部掛金という形で賄っていきますと大変大きな掛金の増額が後で参ります。したがいまして、昨年のような超異例の部分につきましては国の方からその部分を補てんするという形で、その財源が十分ではございませんでしたので、とりあえず借入金をしながら米の売上代金を入れていただいたり、いろんな形でそこを埋めていくという形をとっております。
 それに備えてもっと掛金を高くということになると、これはまたちょっと農家の方にも問題が生じます。したがって、我々としても、やはりそういう異常な段階というところは予想しないで制度を組んでおかざるを得ないという限界がございますけれども、政府が管掌しておる共済制度だということでああいう膨大な費用をつぎ込んで対応したということでございます。それはそういう意味ではよかったのかなというふうな感じでおります。
#134
○井上哲夫君 今の共済制度について、私も勉強不足ですが、こうしたらどうかああしたらどうか、あるいは今の現況はこういうふうな形でよくないと、そういう意見があるわけですね。例えば、あらゆる種類の農作物にすべて共済を付保できるようになっているかというとそうではない、入れたくても入れられない露地野菜があるとか、あるいはお茶だって入れないじゃないかとか、こういう問題があるし、あるいは天然の災害で損害を受けた場合に、収穫量がこれだけ減ったから損害と。しかし現実、生身の農家の人たちは収穫量が減ることが損害ではなくて、手取りというか所得が減ることが損害であると。なのに、量でしか損害をはかれないシステムがいまだに残っているとか、あるいはさらには個人の農家が、農業外収入はこれは別ですけれども、農業収入で米もあるしあるいは温室もあるしいろんなところへ手を出してそして生計の安定を図るという場合に、農業共済に入れるものと入れないものとある。これでは本来の保険システムになってないじゃないかというような批判というか、改良点がたくさん残っていると言われております。行政監察の報告なんかを読みますと、こういう点でなお、例えば国の予算の適正な使用がいま一つ不十分だからというふうな批判はあっても、制度そのものを根本的に考えたらどうかというのはなかなかないと。
 そこで、私はきょう、非常に幼稚な質問をしてあれなんですが、大臣に所見を伺いたいと思うのは、ウルグアイ・ラウンドの合意に基づいて、今日本の農業は大変緊張していると。それは、特に大臣の所信表明にもありますように、中山間地の農業は一体どうなるんだ、後継者は本当にあらわれるだろうかとか、そういう場合に、きょう午前に佐藤委員も御質問になられましたけれども、デカップリングといいますか、中山間地の所得補償制度はどうなんだというふうなことをちらっと音われました。私は、所得補償制度というのは、日本での導入というのが大変難しいという説明を何度も何度も聞いて、その都度そうかなとすぐに納得してしまうのでいかぬのですけれども、そう思っているわけです。
 仮にこういう中山間地の農業外収入が五割を超えないというか、一定のパーセントを超えないところの農家については一種の総合保険のような農業共済、現在の農業共済のいろいろな制度上の不備あるいはシステム上の限界を思い切って超えてみて、所得補償制度ではないけれども、健全経営を担保する、それがひいては後継者を育てることにもなる、こういうふうな試みというのは考えられるのか、とても考えるに値しないのか。
 私は余分なことを申し上げますが、阪神の大震災があってからボランティアの人たちに対する保険ですらいろいろ検討されている、あるいは今、我々日本人はほとんどあらゆる保険に実は入っている、保険王国と言われているわけであります。そういうふうに考えると、昔は天災地変じゃないけれども、天候によって大きく変わる農作物に保険というようなものは本来なじまないというのが常識だったと思うんですが、この時代になってきたらいろんな工夫とシステムの改良、あるいはしばらくは非常に大きな限定をかけて経営安定のためのそういう総合保険的な、農家保険的な農業共済というのは、雲をつかむような話ではなくてそろそろプロジェクトチームでもつくって検討に入っても、このウルグアイ・ラウンド対策、六年間でいろいろ血のにじむ努力をするということを考えれば決して捨てたものではないような、そういう私見を持っているわけでございます。
 いろいろぐちゃぐちゃ申し上げましたが、大臣の所見を一度お伺いしたいと思います。
#135
○国務大臣(大河原太一郎君) 前段と申しますか、委員が現時点においてもまだ保険の対象になっておらないような作物等が多いじゃないかという点については、私はやや歴史的に申し上げますと、戦後二十二年に発足いたしましたときは稲作と麦、それから養蚕の蚕繭、それと家畜と、この四本だったわけでございますが、その後、農業生産のいろいろな多様化とかいうことにかんがみまして果樹共済が取り入れられた。あるいは畑作物共済等におきましても、御案内のとおりサトウキビだとかビートとかさらには施設園芸、これは露地野菜と言われて施設自体、その附属的に中の野菜等を保険するものでございますが、そういうように農業生産の変化に応じて、また保険需要の強さ、さらには保険でございますから、損害評価なり保険設計が可能なものについては逐次前進をしてきたというふうに考えていただきたいと実は思うわけでございます。
 しかし、さらにその後の前進といろいろな事態に応じて、新しい農業の事態に応じて考えられるかもしれぬというわけでございますけれども、保険としてということが前提でございます。そうなりますと、現在の制度は、要するに農業は非常に自然災害が多いと、異常な被害を受けると、したがって同じ危険を受ける可能性のある同一作物について保険をすると。
 委員の御所見は、農家が経営する作物を総合的に共済の対象にしたらいいのかなというわけでございます。これにつきましては、今とりあえずお答えできることは、やはり農家の経営に取り入れている作物が多様でございます。農家によって組み合わせも違います。そういう点の問題を抱えておって、したがってその損害評価、それから農家の受ける被害の程度も違ってくる、したがってその農家総合的な保険の場合における損害評価がなかなか難しい。
 それから、保険でございますから、やっぱり料率の算定をいかにするかという点がございます。そのデータをとるのがなかなか難しい。通常の保険に新種の共済を取り入れるときには、相当長期間かかりまして、そのデータあるいは保険設計になじむかというようなこと、これは技術的なことでございますけれども、そういう過程が今までもあったわけでございます。したがって私は、現段階ではお話がございますけれども、保険として設計するのはなかなか難しいのではあるまいかと、さように思っております。
 全体の、価格政策とか所得政策とかお触れになりましたデカップリングとか、所得政策としてどうするか、それは価格を通じての所得政策を含めましての問題ではあるまいかというふうに思っておるわけでございます。
#136
○井上哲夫君 非常に雲をつかむようなことをお尋ねしております。そういうことは本人もわかっておるわけでありますが、余りにも現在の農業共済制度が、今大臣おっしゃるようにいろいろ苦労してここまで来たんだということは確かに私も認めるところでありますが、保険の形態を外形はとっておりながらなお中身を見るとなかなか一般の損害保険その他の保険のレベルと比べますと大変異質である、それをどのように近づけることができるかというような思いがあってお尋ねをしたわけであります。
 これはもう一点、角度を変えてお尋ねをしてみたいと思うんです。
 このところ、先ほどどなたかの御質問にもありましたが、非常に輸入がふえておると。例えば野菜にしても、ほとんど今冷蔵コンテナが発達しましたから、昔ならばとても輸入できないような生野菜がどんどん入ってくる。そうしますと、農家の方は、これまでの経営の姿勢としては不作ならばうまく自分のところがつくればもうける、もうけるという言葉は語弊がありますが、うまく収入を上げることができるし、非常に豊作貧乏でだめなときもあると。しかし、その辺を長年の経験と、そして自分の独特の情報網でやりくりをしながら経営をしてこられた農家はたくさんあると思うんですね。しかし、このところ急激な輸入攻勢によって今までのようなそういう経営姿勢ではちょっとまずくなってきたといいますか、もうそれを超える大きな波が押し寄せてきている。
 私も昨年コンテナ船に乗って太平洋を渡ってみたんですが、冷蔵コンテナが本当に長足の進歩をしていて、あらゆるものが指定温度でどんどん赤道も渡る、あるいは大海原を渡ってくるわけです。
 そういうふうなことを考えますと、一層これから農家の多角経営というのは、多角経営をして足腰を強くして云々ということは言えるんですが、一方では非常に環境は厳しくなっている。そういう際に、どのようにどういう角度から農家の経営基盤を強化するすべを考えなきゃならぬのか、その点、もし教えていただければ。
#137
○政府委員(鈴木久司君) ただいまお話がございましたように、野菜につきましては従来加工品を中心に輸入されていたわけですけれども、最近は生鮮野菜の輸入がふえておるという実態にございます。なお、現在の野菜の自給率は平成五年で八九%という水準となっております。
 こういった中で、基本的には国内の産地の足腰を強くしていくということがまず大事なことなのでございますけれども、そのためには、やはり新しい技術の導入なり産地の実情に即した生産、流通条件の整備、そういったことに力を注いでいく必要がありますし、特にまた輸入品と競合しております野菜産地につきましては、小回りのきく基盤整備などを含めましてできるだけその産地の強化を図らなくちゃならないということでございまして、特に輸入野菜との競合の著しい野菜につきましては、来年から新規に新しい産地づくりをするということを進めることにしているところでございます。また、原料野菜につきましては、来年度から契約取引の定着をするという観点から、一定の助成をするといったような措置も講ずることにしておるわけでございます。
 なかなかこういった措置を講じましても、野菜農家の高齢化あるいは後継者不足というような形での産地の供給力の低下ということが一挙に解決するとは思いませんけれども、私どもとしましては、いろいろな手だてを加える中で極力国内の野菜産地の体制の強化を図る、これによってできるだけ今後とも国内自給を基本とする供給が行えますように努めてまいりたいというように思っております。
#138
○井上哲夫君 もう一点だけ最後にお尋ねをいたします。
 今のお答えで、その場その限りでは非常にわかりやすい答弁をいただいたわけですが、問題は、小回りあるいは刻々変わる状況に対応していくんだという場合に、そういう監視機関といいますか、あるいは監視というのは悪い言葉で、むしろ後からよいしょする、そういう常にバックアップするような機関といいますか組織といいますか機構といいますか、そういうものは考えられないんでしょうか。
 つまり、どうしても後追いになる、そして具体的に挑戦の意欲満々の農家ほど手負いのシシになる可能性があるわけですね。だから、そういう意味では、常に細かく行政が面倒を見るという場合にはデータも細かく追い続け、しかもそれに基づく指導も本当に細かくやれるかどうか。そうすると、そういう機構なり組織というものがないと、何か現実には結果的に後から後からしか策を弄することができないということになりはしないかと思うんですが、その点いかがでしょうか。
 これを最後に質問を終わります。
#139
○政府委員(鈴木久司君) 輸入野菜につきましては、従来どういった契機で輸入をしているのかといったことは実は余りしっかり把握できておらなかった実態がございます。私どもの方では、昨年から野菜の輸入業者を組織化しまして、今どういった理由によって野菜を輸入するのか、また今後どのような輸入をしていくのかといったようなことにつきましていろいろ意見を聞きまして、それを将来の行政に反映させたいと思っております。
 まだ明確に今後の輸入がどうなっていくかということにつきましては把握ができておりませんけれども、関係の商社から十分意見を聞いた上で、どういった野菜について皆さん方が輸入をしようとしているのかといったことを踏まえつつ、国内の生産につきましてもそれに対応できるようにしていかなくちゃならないというように思っております。
#140
○井上哲夫君 ありがとうございました。
#141
○林紀子君 私は、きょうは規制緩和とWTO農業協定について御質問したいと思います。
 政府は、行政改革推進本部を設けて三月末までに規制緩和推進五カ年計画というのをつくろうとしているということですが、農水省としてはどのような項目について規制緩和を行おうとしているのか、まずお聞きしたいと思います。
#142
○政府委員(高橋政行君) ただいま先生からお話がございましたように、本年度内に五年を期間といたします規制緩和推進計画を取りまとめることにしております。
 それで、農林水産省といたしましては、御承知のように、ウルグアイ・ラウンド農業合意の受け入れに伴いまして、雑豆であるとかあるいは乳製品、そういったものにつきましては今まで輸入割り当てをしておりましたけれども、今年の四月一日からは関税化されて輸入規制の大幅緩和を行うということが一つございます。
 それからまた、現行の食管法の廃止をいたしましていわゆる新食糧法を制定したわけでございますが、これによりまして、米穀の生産、流通面における諸規制の緩和、これは十一月一日からでございますが、そういった項目を盛り込むべき事項として検討をしているところでございます。
 いずれにいたしましても、我が省といたしましては、農業者の創意工夫の発揮とかあるいは生産コストの縮減、消費者利益の向上といった視点、それからまた、もう一方では安全な食料の供給とか国土環境の保全といったような機能が有効に発揮されるという観点に立って対応をいたしたい、こういうふうに思っております。
#143
○林紀子君 この行政改革推進本部には、民間の声を反映させるということで規制緩和検討委員会というのが設けられ、十五日に意見報告を提出したということですが、これを見ますと、これは新聞情報なんですが、食糧管理という項目がありまして、さらなる規制緩和というのをここで要求している。それとともに、農産物価格の見直しというのが挙げられているんですね。農産物の価格維持制度では、将来的に廃止を含む見直しの必要性を示し、加工原料乳、砂糖、でん粉、小麦、こういうものを例示しているということなんですけれども、こういう項目というのは挙げられているわけですね。
#144
○政府委員(高橋政行君) ただいまお話がございました規制緩和検討委員会でございますが、これは国の行政改革推進本部に間がれておりまして、委員は内閣官房副長官などでございます。ただ、そのほかに民間各界の有識者から専門委員の御意見も聞こうということで、そういう方も参加していらっしゃるということです。
 それで、その中にテーマごとにいろんなテーマが設けられておりますが、その一つに流通関係分野の検討分野がございまして、そこて農産物の価格安定制度についても、今お話がございましたように、価格制度の見直しをすべきではないかという意見が出ておることも確かでございます。しかしながら、農林省といたしましては、この農産物価格制度というのは農政の基本的な問題でございまして、まさに農政の観点から御議論すべきことでありまして、ただ単に規制緩和というような面から議論をすることではないというふうに思っております。
#145
○林紀子君 今、農政の立場からというふうなお答えがありましたけれども、今出されているこの要望、民間の要望を聞くということですけれども、声を反映させるということですけれども、少なくとも農業団体からはこういう声というのは上がらないんじゃないかと思うわけですね。こういう声というのは、結局財界の要望じゃないかというふうに思うわけです。
 それは、昨年の十一月十七日に経済団体連合会が出した「各分野における規制緩和に関する具体的要望」、こういう文書を私も見せていただいたわけですけれども、この中の農業分野には食品工業の原料調達問題の改善に向けた関連規制の緩和、いろいろな農業問題に対する規制緩和があるわけですが、そのうちの(2)としてこういう項目が挙げられておりまして、小麦や加工原料乳、でん粉などの政府支持価格の引き下げ、こういうふうに具体的に言って要望しているわけですね。この農産物価格の見直し、幾ら財界が要望をしてもこういうことは農水省は認められない立場だということをもう一度はっきり表明していただきたいんですが、大臣いかがですか。
#146
○国務大臣(大河原太一郎君) 今、事務当局から答えましたように、価格安定制度は農政の基幹的制度でございまして、これについて軽々な規制緩和というような意見に対しては我々としては承服いたしかねると。今回の特殊法人の統合問題は先般片づきましたが、両事業団というのは廃止というような意見もあったわけですが、これは単なる事業団の主体云々ではなくて、価格安定機能、これはどうしても必要だと、これを維持するためにはということで統合、価格安定業務を共通する部分がありますので、両事業同の統合ということで決着をしたわけでございます。そのように、価格安定制度について規制緩和というような、これも事実大きな今国政上の課題になっておりますけれども、農政上としては価格安定制度についてにわかにその廃止とか、そういう方向に対する考え方はとっておりません。とるつもりはございません。
 なお、第二点については、これは日本の国内の食品産業、国内食品産業としては、やはり原料農産物の関係で外国農産物の加工食品との競合問題があるわけです。そういう意味では、割高な国内原料農産物ではなかなかやっていけない、そういう実は、その問題もかなりあるわけでございまして、そういう意味ではできるだけ原料農産物についても、価格の生産性の向上によって価格を合理化して、そして国内の食品産業の競争力、これをつけるべきではないかというのが私どもの考えでございます。
#147
○林紀子君 規制緩和にはうっかり乗らない、屈しないというお話だったんですけれども、しかし、食品産業の競合問題ということを持ち出して、そういうお話がありますと、やはり支持価格の引き下げというような、そういうことに具体的に踏み込んでいくんじゃないかという心配、今大臣の御答弁でかえって心配になってしまったんですが、WTO農業協定との関連でも、特にAMSで計算して国内支持の削減を行う、こういうことが義務。づけられているわけですね。
 来月には加工原料乳の生産者価格が決められるわけですけれども、加工原料乳の不足払い制度、これについてお聞きしたいのですが、この制度はWTO農業協定に照らしますと、黄色の政策、こういうことになるんじゃないかと思います。そうすると、削減を求められる、これは当然ではないかと思いますけれども、この辺はいかがでしょうか。
#148
○政府委員(高木勇樹君) 今、先生おっしゃられましたとおり、加工原料乳の不足払い制度は、いわゆる削減対象の政策というふうになっております。ただ、今回のAMSにつきましては、そういう個別産品でございませんで、農業セクター全体のAMSということで、その中に乳製品の内外価格差等が入っているということであります。ただ、このトータルAMSではじきますと、今回の約束というのは一九九五年から二〇〇〇年までの六年間で二割削減するということでございますが、我が国はそれをクリアしているということでございます。
 それから、御案内のとおり、そういう中でございますので、私どもとしては不足払い制度につきましては、今後ともその制度の趣旨に即しまして適切な運用をしていくという考え方でございます。
#149
○林紀子君 クリアしているというお話があったんですが、これは加工原料乳の生産者価格について、畜産局の牛乳乳製品課の課長さん、前にガット室長をしていた方ということですから、ガット、WTO問題については一番精通している方だと思うわけですが、この方はAMSというのがガット交渉での経験や国内対策全体を見て考えた場合最も心配な問題だと、こういうふうに、これはまだ国会で承認をする以前ですが、昨年の十月十三日の乳業経営者研修会の講演でお話をなさっているわけですね。やはり一番心配な問題なんじゃないでしょうか。クリアなどと簡単に言っていいんでしょうか。
#150
○政府委員(東久雄君) とういうふうなコンテクストの中で話されたかちょっとつまびらかでございませんけれども、AMSというのは国内の支持政策に費やしているいわゆる政府の支出ということが基準になります。したがいまして、先ほど高木局長から言いましたように、平成六年度までの間、日本側はそれをはるかにクリアしておるわけでございます。
 したがいまして、この六年間どうということはないわけでございまして、そこから先どうするか。これは、黄色の政策のほかに赤の政策というのが本来あるんです。これは工業品の方に禁止補助金というのがあるんですが、それは入ってないわけでございますから、そこから先をどうするかという議論。それは、担当している人間にとっては、そこのところは一つのまた交渉事項だなという問題はあるかと思いますが、そこがどうなるかということについては、まだ先の話だというふうに考えておりますし、またどのような価格制度の運用になっていくのかということとの関係で出てくる、このAMSがどうなっていくか、全体のAMSの計算がどうなっていくかということにも関連する分野でございます。
#151
○林紀子君 確かに、およそ五兆円がもう四兆円になっているということでクリアしているという話なんですけれども、先ほど経団連の方が言っているように、例えば牛乳製品の加工原料乳の価格の問題ですね、基準取引価格、昨年は六十四円二十六銭だったわけですが、これをもっと引き下げるということを言っているわけです。経団連の方は、具体的にキロ当たり三円程度一年間で引き下げていけというようなことまで提言をしているわけですね。保証価格というのが昨年七十五円七十五銭で、この差というのは十一円四十九銭だったわけです。ですから、国が補助するお金というのはキロ当たり十一円四十九銭ということになるわけだと思うんです。
 例えばこの基準取引価格というのを、先ほど大臣のお話にありましたように食品工業の方の配慮もしながら下げていくというようなことになりましたら、農家の手取りがそのまま下がっては困るから、じゃ保証価格は据え置きしゃ困ってもっと本当は上げてもらわなくちゃ困るというのは毎年酪農家の方たちは言っているわけですけれどもね。そうしますと、この十一円四十九銭という差はもっと聞かざるを得なくなるんじゃないですか。
 そうしましたら、これは国が補助をするお金というのはもっとふえる。だから、AMSはもう今クリアはしているけれども、じゃクリアしている今の時点でこの差をもっと補助しますという形でふやすことができるのかどうか。その辺は私も大変心配なところですけれども、どういうふうに考えたらよろしいんでしょうか。
#152
○政府委員(高木勇樹君) ただいまの加工原料乳の不足払い制度で基準取引価格と保証価格、その差が不足払いということでございます。ただ、このそれぞれの価格につきましては、加工原料乳生産者補給金等暫定措置法にそれぞれの価格の算定の考え方が書いてございまして、私どもはそれに則して適正に決定していく、こういうことでございます。
#153
○林紀子君 そこで、もう一つお聞きしたいのは、来月には畜産審議会が開かれるわけですけれども、今まで畜産局長のもとに酪農乳業基本問題懇談会というのが開かれていたと思います。この中身を教えていただきたいと申し上げましたら、まだ印刷が間に合わないということだったんです。
 ですから、今私ここで初めてお聞きするわけですけれども、ここではどういう検討が行われたのか。そして、加工原料乳の不足払いについては、引き下げなんということはもちろん考えていないと思いますけれども、どういうふうに検討がされたのか。制度そのものについては廃止なんということはないでしょうねということもお尋ねしたいと思いますが、いかがですか。
#154
○政府委員(高木勇樹君) ただいまの懇談会のお話でございますが、ちょっと経緯を申し上げたいと思います。
 先ほど不足払い制度それからウルグアイ・ラウンド合意の内容などについては既に御説明したとおりでありますけれども、酪農の場合には投資規模が御存じのとおり大変大きいわけでございます。また、その回収にも長期を要するわけでございまして、酪農家を中心といたしました生産者の方々から、確かに六年間については枠組みがきちんとしてわかったけれども、中長期的な酪農乳業の政策展開の方向というものも示してもらいたいというような強い要請がございます。
 そういったことなどをも踏まえまして、酪農及び肉用年生産の振興に関する法律に基づく、これは略称で申し上げますと酪近、酪肉近代化基本方針と言っているんですが、これにつきまして平成十七年次を目標年次にして見直すということで、昨年の十月十二日に畜産振興審議会に諮問をいたしまして検討作業に着手したわけでございます。
 この酪肉近代化基本方針の見直しに着手するに当たりまして、新たな国境措置のもとで我が国酪農乳業が抱える問題点とか課題といったものを的確に把握するということで、名称も懇談会ということでおわかりのとおり、いわゆる学識経験者から幅広くかつ自由な立場で御議論をいただいたということでございます。
 いずれにいたしましても、今申し上げた畜産振興審議会において行われております酪肉近代化基本方針の見直し作業、これは実は農政審議会のいわゆる農産物の需給の長期見通しと関連をするわけでございますので、そちらの作業テンポ、作業状況をもにらみながら検討を進めていく、そういう中で酪農乳業の中長期的な政策展開の方向づけについても検討してまいりたい、こういうことでございます。
#155
○林紀子君 今、お話がありましたけれども、WTO協定を結んでも乳製品については高い関税を設定したと。それから、国内助成の削減についてももう六年間はクリアしているのだから大丈夫だと。安心しろ、大丈夫だという声は大分聞こえてくるわけですけれども、ただいま申し上げました加工原料乳の保証価格というのも本当にこの先上がるのかという問題もありますし、不足払い制度そのものについても財界の方からも廃止というようなそういう合唱も聞こえてくるということになりますと、牛肉・オレンジの輸入自由化で酪農家というのは大変な打撃を受けているわけですから、さらに大きな傷を負わなくちゃいけない。本当にこれで酪農を続けていけるのか、本当に日本の農家は大丈夫なのか、そういう声が、不安が高まるのは当然だと思うわけです。
 ですから私は、WTOの特別委員会のときにも大臣に申し上げましたけれども、やはりこのWTO協定を、特に農業協定を結んだというのはそもそも間違いだったということで、どうしてもこの十条の改定規定というところでぜひ改定をする、改正をする、その方向に向かって直ちに検討を始めていただきたい、農業の部門では特にそうだということを、最後に御決意をお聞きしたいと思います。
#156
○国務大臣(大河原太一郎君) お答え申し上げますが、そういうことは全く考えておりません。
#157
○委員長(青木幹雄君) 本件に対する質疑はこの程度にとどめます。
    ―――――――――――――
#158
○委員長(青木幹雄君) 次に、農業協同組合合併助成法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。大河原農林水産大臣。
#159
○国務大臣(大河原太一郎君) 農業協同組合合併助成法の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由及び主要な内容を御説明申し上げます。
 農業協同組合合併助成法は、昭和三十六年の制定以来、八回の延長を経て今日に至っているところでありますが、この間、昭和三十五年度末に約一万二千あった農協が約二千七百となるなど、農協合併の促進に大きな役割を果たしてきたところであります。
 一方、近年の我が国農業及び農村をめぐる状況の変化の中で、農協が組合員ニーズの多様化等に対応した健全な事業運営を図るとともに、農業及び農村の活性化に積極的に取り組んでいくためには、その経営基盤の安定強化が喫緊の課題となっておりますが、全国的にはいまだ脆弱な小規模組合が多数存在しているといった状況にあります。
 政府といたしましては、このような状況を踏まえ、農協系統がみずから進めている農協合併を引き続き支援して農民の協同組織の健傘な発展に資するため、所要の改正を行うこととし、この法律案を提案した次第であります。
 次に、この法律の主要な内容につきまして御説明申し上げます。
 まず第一に、合併経営計画の都道府県知事への提出期限を三年間延長して、平成十年三月三十一日までとすることとしております。
 第二に、都道府県農業協同組合合併推進法人の業務の範囲に、合併に係る農協の固定した債権の取得、管理及び回収を行うことを追加するとともに、農業協同組合合併推進支援法人の業務の範囲に、推進法人が行う固定した債権の取得等の業務の実施に必要な資金の援助を行うことを加えることとしております。
 第三に、推進法人及び支援法人が行う固定した債権の取得等の業務に充てるための負担金を支出した場合には、損金算入の特例の適用があるものとすることとしております。
 第四に、合併経営計画の提出期限の延長に伴い、都道府県知事の認定を受けた農協の合併について、税法上の特例措置を設けることとしております。
 以上がこの法律案の提案の理由及び主要な内容であります。
 何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御可決いきだきますようお願い申し上げます。
#160
○委員長(青木幹雄君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 本案に対する質疑は後日に譲ります。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後二時五十分散会
ソース: 国立国会図書館
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