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1995/03/17 第132回国会 参議院 参議院会議録情報 第132回国会 農林水産委員会 第7号
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1995/03/17 第132回国会 参議院

参議院会議録情報 第132回国会 農林水産委員会 第7号

#1
第132回国会 農林水産委員会 第7号
平成七年三月十七日(金曜日)
   午前十時開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 三月十六日
    辞任         補欠選任
     及川 一夫君     村沢  牧君
 三月十七日
    辞任         補欠選任
     会田 長栄君     谷本  巍君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         青木 幹雄君
    理 事
                大塚清次郎君
                佐藤 静雄君
                稲村 稔夫君
                菅野 久光君
                星川 保松君
    委 員
                井上 吉夫君
                浦田  勝君
                北  修二君
                高木 正明君
                吉川 芳男君
                谷本  巍君
                野別 隆俊君
                細谷 昭雄君
                風間  昶君
                刈田 貞子君
                都築  譲君
                井上 哲夫君
                林  紀子君
   衆議院議員
       農林水産委員長  中西 績介君
   国務大臣
       農林水産大臣  大河原太一郎君
       国 務 大 臣
       (国土庁長官)  小澤  潔君
   政府委員
       国土庁地方振興
       局長       松本 英昭君
       農林水産大臣官
       房長       高橋 政行君
       農林水産省構造
       改善局長     野中 和雄君
       農林水産省農蚕
       園芸局長     日出 英輔君
       農林水産省畜産
       局長       高木 勇樹君
       農林水産省食品
       流通局長     鈴木 久司君
       食糧庁長官    上野 博史君
       林野庁長官    入澤  肇君
       水産庁長官    鎭西 迪雄君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        秋本 達徳君
   説明員
       海上保安庁警備
       救難部警備第一
       課長       津野田元直君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○平成七年度一般会計予算(内閣提出、衆議院送
 付)、平成七年度特別会計予算(内閣提出、衆
 議院送付)、平成七年度政府関係機関予算(内
 閣提出、衆議院送付)について
 (農林水産省所管及び農林漁業金融公庫)
○中小漁業融資保証法等の一部を改正する法律案
 (内閣提出、衆議院送付)
○漁業災害補償法の一部を改正する法律案(内閣
 提出、衆議院送付)
○山村振興法の一部を改正する法律案(衆議院提
 出)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(青木幹雄君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日、及川一夫君が委員を辞任され、その補欠として村沢牧君が選任されました。
 また、本日、会田長栄君が委員を辞任され、その補欠として谷本巍君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(青木幹雄君) 去る三月十四日、予算委員会から、三月十七日の一日間、平成七年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、農林水産省所管及び農林漁業金融公庫について審査の委嘱がありました。
 この際、本件を議題といたします。
 まず、大河原農林水産大臣から説明を求めます。大河原農林水産大臣。
#4
○国務大臣(大河原太一郎君) 平成七年度農林水産予算の概要を御説明申し上げます。
 平成七年度一般会計予算における農林水産予算の総額は、関係省庁分を含めて、三兆五千四百億円となっております。その内訳は、公共事業費が一兆九千五十億円、非公共事業のうち一般事業費が一兆三千六百二十七億円、食糧管理費が二千七百二十三億円であります。
 以下、予算の重点事項について御説明申し上げます。
 第一は、ウルグアイ・ラウンド農業合意関連対策の着実な推進であります。
 効率的かつ安定的な農業経営が生産の大宗を担う農業構造を実現するため、育成すべき農業経営への農地利用の集積、経営体の安定的な営農展開のための負債対策、土地改良負担金対策の推進を図るとともに、就農支援のための無利子資金の貸し付けによる新規就農者の確保、国境措置の変更に伴う各作物の特色に応じた対策を推進します。
 また、効率的かつ安定的な農業経営による生産展開のための基礎的条件の整備を図るため、高生産性農業基盤の整備の重点的かつ加速的な推進を図るとともに、地域の農業生産の高度化等のための諸施設の整備を進めます。
 さらに、中山間地域等の農山村地域の活性化のため、新規作物の導入推進のための無利子資金の貸し付け、生産基盤と生活環境の一体的整備、地域産品・地域資源等に関する情報の発信拠点の大都市における整備を図るとともに、農地保全活動を推進します。
 第二は、担い手に焦点を置いた効率的かつ安定的な農業経営の育成であります。
 力強い農業の担い手を育成するための長期資金及び運転資金から成る総合的な融資制度の本格的展開を図ります。
 また、意欲と経営能力にすぐれた青年農業者等の育成確保対策を充実強化するとともに、農山漁村における女性・高齢者対策の充実を図ります。
 また、担い手への農地の利用集積に資する農業生産基盤の整備、地域農業の生産体制の確立のための農業構造改善事業等の推進など、担い生育成に必要な条件整備のための対策を強化します。
 さらに、畜産、果樹、畑作、野菜生産等の振興のための各種施策を展開するとともに、水田営農活性化対策を着実に推進します。
 第三は、中山間地域等の農山漁村地域の活性化であります。
 山村等の多面的な機能の発揮を通じつつ、総合的な視点に立った地域の活性化と定住の促進のための対策を推進します。
 また、地域の特性に応じた生産基盤の整備を図るとともに、都市と比較して著しく立ちおくれている生活環境の整備を図るため、農道、農業集落排水等の整備を積極的に進めます。
 さらに、中山間ふるさと・水と土基金について、対象を土地改良施設と一体的に保全すべき農地に拡大し、その充実を図ります。
 このほか、グリーンツーリズム等都市との連携による地域おこし活動を支援します。
 第四は、新技術の開発普及の推進等であります。
 革新的な農業機械の開発・実用化とその利用促進を図るとともに、次世代を担う画期的水稲品種の育成、繁殖技術の高度化に基づく新乳肉複合子牛生産技術の開発を行います。
 また、バイオテクノロジー等の基礎的、先導的研究を推進します。
 さらに、農業に関する総合的な普及指導体制を確立するとともに、統計の整備と行政の情報化を推進します。
 第五は、環境問題への積極的な対応と国際協力の推進であります。
 地域合意に基づく環境保全型農業の導入・推進に対する支援を行うとともに、農業改良資金に環境保全型農業導入資金を創設します。
 また、家畜ふん尿処理施設の整備、堆厩肥の利用促進、家畜排せつ物還元用草地等の整備による畜産環境対策の強化を図るとともに、再資源化技術の開発等食品産業における環境対策を推進します。
 さらに、森林保全対策、砂漠化防止対策等の地球環境保全対策を推進します。
 第六は、食品加工・流通及び消費対策等の推進であります。
 食品産業の競争力の強化と国産農産物の利用拡大との両立を目指し、農業生産から加工、流通、消費までの食品の流れであるフードシステムの全体としての高度化を図ります。
 また、日付表示の適正化のための点検指導の実施等消費者対策の充実を図ります。
 第七は、林業・木材産業の活性化と緑豊かな森林・山村の整備であります。
 国産材の低コスト化を図るため、関係事業者の協定等の推進、住宅資材の標準化等の木材供給低コスト化のための総合的な対策を推進します。
 また、良質な水の安定的な供給や豊かで美しい環境の整備、安全で快適な国土空間の創出を図るため、造林、林道、治山の各事業を計画的に推進します。
 さらに、国有林野事業については、国有林野事業の改善に関する計画に即して経営改善を着実に推進します。
 第八は、水産業の振興と活力ある漁村の形成であります。
 経営の改善を図る中小漁業者の取り組みを支援するため、漁協系統資金等を原資として低利の短期運転資金を貸し付ける漁業経営改善促進資金を創設します。
 また、漁業生産構造の再編整備を弾力的、効率的に進めるとともに、国内水産物の競争力の強化等を図るための広域的な協力体制、流通加工施設の整備を図ります。
 さらに、漁業生産基盤、漁村生活環境の整備を図るとともに、我が国周辺水域の漁業振興を図るため、資源管理型漁業の推進、定着化を進めます。
 次に、特別会計について御説明いたします。
 食糧管理特別会計においては、管理経費の節減等に努めつつ、一般会計から調整勘定へ所要額の繰り入れを行うとともに、その他の各特別会計についてもそれぞれ所要の予算を計上しております。
 最後に、財政投融資計画については、農林漁業金融公庫による資金運用部資金等の借り入れ等総額八千百六十八億円を予定しております。
 これをもちまして、平成七年度農林水産予算の概要の説明を終わります。
#5
○委員長(青木幹雄君) 以上で説明の聴取は終わりました。
 これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#6
○稲村稔夫君 おはようございます。ただいま農林水産大臣から御説明のありました平成七年度の農林水産予算の関係について、若干の確認を含めての質問をさせていただきたいというふうに思います。
 そこで最初に、ウルグアイ・ラウンド関連対策予算の今後の見通しということでございます。
 ウルグアイ・ラウンド関連対策予算については、大河原農林水産大臣を先頭にいたしまして農林水産省に大変御奮聞いただきまして、全体で六兆百億円という非常に大きな枠を確保されて、そしてきょう御説明のありましたようなさまざまな施策が展開をされるところとたったわけでありまして、この点深く敬意を表しだから、なおかつそれでもやはり気になることもございますので、これからお伺いしたいと思うわけであります。
 その第一は、確かに六兆百億円という非常に前向きな予算の大枠を確保されまして、ことしは平成六年度の補正予算、これに重点がかかりました。補正予算で措置をするものが主体になりまして、そして七年度一般会計の方はかなムスリム化しているといいましょうか、そういう形になっていると思うんですね、ウルグアイ・ラウンド対策に関する限りは。このスタイルというのは今後も継続するんだろうか、六年間で六兆百億円。そうすると、こういう補正を主にしてそして本予算の方が従になるような今のスタイル、これは今後もそういう形で続くんだろうかどうだろうか、この点をひとつお聞かせいただきたい。
#7
○国務大臣(大河原太一郎君) 御指摘のように、六年間で事業費ベースで六兆百億円でございまして、国費にすれば約半分ということに相なるわけでございますけれども、これにつきましては、今お話ございましたが四千四百七十四億円という金額が平成六年度一次補正に組まれ、千七十一億円という金額がただいま審議をいただいております七年度当初予算に組まれたわけでございますが、これにつきましては、一般的に言えば重要な政策についてはやはり当初予算に組まれるのが基本であると思うわけでございます。また地元のニーズだとか政策推進の必要性から、補正予算が組まれる場合には補正予算によって対応するというケースもあるかと思うわけでございます、これは一般論でございますが。
 今回の措置といたしましては、委員も十分御案内のとおり、国内対策を第一年度から早急に着実に実施いたしたい、そういうことでございまして、例えば先般成立させていただきました青年農業者の就農支援対策、これらについてもその研修開始を、農業者大学校の開校等が四月というようなこともございまして早急にやりたい、あるいは中山間地域対策として今回法案も成立させていただきました新規作物の導入、これらの点について作付の時期もあるというようなこと等を考えまして、地元の執行体制なりあるいは地元のニーズを勘案いたしまして補正予算に計上させていただいている、そういうわけでございますので、御理解を願いたいと思うわけでございます。
#8
○稲村稔夫君 大臣のお話はよくわかるわけであります。特にことしが第一年度でありますから急ぐものが非常に多いということはよくわかるわけです。それだけに補正予算で対応という意味合いはそれなりに理解をするつもりです。しかし、ウルグアイ・ラウンド対策として全体で事業費ベースで六兆円余りを確保したわけでありますから、そうするとそれが、ことしは急ぐものからやりました、しかしそれがそれぞれみんな恒常的な施策というものに転化をしたり恒常的施策のスタートであったりということになってまいりますと、そうすると、今大臣が御答弁になりましたが、次の段階からは本予算を基本として、来年たら来年、再来年なら再来年のその年の緊急性に基づいた部分を補正という形で対応する、そういう仕組みになっていくんでしょうか、その辺のところをもう少し。
#9
○国務大臣(大河原太一郎君) ただいま申し上げました御答弁の繰り返しになりますが、基本は当初予算、本予算で組むべきというのが基本だと思います。また、今申し上げましたような、また委員自身も御発言ございましたような事情によって補正予算が組まれる場合に措置できるということであれば、それについても対応していきたいということでございます。
#10
○稲村稔夫君 ちょっとくどいようで恐縮でございますが、政治といいますのはその時々の国民のニーズその他のいろいろな事情の中で変わってもいくものであります。したがいまして、ウルグアイ・ラウンドを受け入れたそのときの対応ということで正しい対応をしたはずだと。しかし時代の進展とともに、あるいは政権がかわって担当者がかわっていくとかいうような流れの中で、出発をした当時の事情から大きく変更されるということもあり得る。それがあっては困るというのが我々農村を守ろう、農業を守ろうという立場からいうとあるわけでありまして、そういたしますとまさに本予算にきちんと組み込まれていくことが実績となって次の段階にも積み上がっていく。補正ということになりますと、そのときの緊急性でもって対応ということになりますから、どうしても軽視をされることもあり得る。
 特に私が懸念をいたしますのは、阪神・淡路大震災などがありまして大変な経費が必要だということになってまいりまして、重点的にそこへ予算を配分しろというときに、心なき人たちの中からは、農業予算よりもそっちへ回せというような発言などもされるようになってきております。時代の流れというのは、そういうことというのはよく起こることだと思うんです。それだけに、大臣が今からきっちりとしたそういう土台で、少しくらいの変化があったってもう変えさせることはない、変わることはないというものをぜひ大臣のときにつくり上げておいていただきたい、そう思うわけでありまして、その辺のひとつ御決意をいただきたい。
#11
○国務大臣(大河原太一郎君) お話しのとおりでございまして、六兆百億円、この六年間の事業、これは必ず確保して、それによって我が国農業が新しい展望を切り開けるようなものとしなければ相ならぬわけでございまして、いろいろだ意見もあるようでございますけれども、我々としてはまっしぐらにこの事業の達成に努めたい、さように思っておるところでございます。
#12
○稲村稔夫君 ありがとうございました。どうぞまっしぐらにお願いをいたします。
 そこで、少し具体的なことを伺います。
 今度のウルグアイ・ラウンド対策の予算を実行するに当たりましては、そればかりではありませんが、新農政のもとでの対策ということで認定農家の問題がございます。この認定農家の認定作業がきちんと進まなければせっかく予算措置をしてもその予算が生きてこない、生かされない、こういうことが起こり得るわけであります。認定農家の認定作業の進捗状況はどのようになっておりましょうか。
#13
○政府委員(野中和雄君) 経営基盤強化促進法に基づきます農業経営改善計画でございますが、だんだんに今順調に進んでおりまして、二月末現在で一万二百四十七経営につきまして経営を認定しております。非常に順調に進んでおるというふうに考えております。また、認定の基準となります市町村基本構想につきましては、今年度中に対象市町村のすべてにおいて策定をされることになっておりますので、認定農業者の数もさらに増加をしてくるというふうに考えておるところでございます。
#14
○稲村稔夫君 そうすると、市町村の基本構想は全部もう計画は終了をしているということですか。
#15
○政府委員(野中和雄君) 市町村構想につきましては、現在二千二百七十二の市町村で策定が済んでおりますけれども、さらにまた若干残っているところがございます。これらにつきましても構想の策定を進めまして、今年度中に対象市町村のすべてにおいて策定をされるという予定で、スケジュールで進んでいるところでございます。
#16
○稲村稔夫君 予定は結構でございますけれどもそれはやっぱり達成をいたしませんと、せっかくこういう制度が発足をしても一部の市町村は積み残しをしてしまうということになりますと、予算措置をされてもその予算措置が使い切れないということも起こり得るわけであります。私は全然足りないと思うんですけれども、しかし財布を握っている方から見ますと、若干でも進捗状況がよくないというものが出たりしますと、ついつい財布のひもは締めがちでありますから、締められないようにやっぱりきちっとしていただかなきゃならぬと思いますので、そこはしっかりと踏まえていただきたい。認定農家の賛否についてはまだ別の機会にいろいろと議論をしたいと思います。そこの作業はひとつよろしくお願いをいたしたい。しっかりと進めていただきたいと思います。
 きょうは時間の関係もございますから、次の方に進ませていただきます。
 次は、国有林野事業と予算のあり方について伺いたいわけであります。
 国有林野事業経営は、非常に厳しい状況の中にずっとしばらく置かれておりました。そういう中で、いろいろと経営改善の努力がされてきたということになるわけでありますが、この経営改善の現況、そしてこれからの見通しといいましょうか、これを簡潔にわかりやすくお願いします。
#17
○政府委員(入澤肇君) 平成三年の七月に策定いたしました国有林野事業の改善に関する計画に即しまして、今経営改善を進めているところでございます。
 一つは、民間実行の徹底による事業運営の改善合理化ということで、請負比率を高めていこうということでございまして、造林については平成五年度末で六五%、素材生産が五四%、治山林道が一〇〇%と、請負比率が漸次高まっているということでございます。
 要員規模の適正化というところ、これは平成三年度当初には三万一千人の要員がいたんですけれども、平成五年度末は二万二千人。当面の暫定的な要員規模の目標として、平成七年度末には一万七千人程度の規模になるのではないかなというふうに見込んでおります。
 組織機構の簡素化、合理化につきましては、営林署、森林事務所の三分の一程度を統合いたしまして、森林管理センターとか、あるいは技術センターとかというふうな組織に衣がえをしているということでございます。
 それから、自己収入の確保につきまして、非常に材価が低迷している中にあってかなりの努力をやっております。しかし財務状況という面から見ますと、今先生御指摘のとおり、経常事業部門につきましては、木材価格が低迷している、当初もくろんだ材価の八五%程度に落ち込んでいますので、林産物収入が落ち込んでおります。
 それから、累積債務部門につきましても、景気低迷の中で、林野、土地売却収入が伸び悩んでいる。そういうことから、依然として厳しい状況にはございます。
 しかし、現在、もう一回収入を可能な限り上げるためにどんなことをやったらいいかということを庁を挙げて検討しておりますし、合理的な経営改善、経営コストの削減はどうあるべきかということについても検討しておりますし、さらに一般会計にどの程度まで負担をお願いするかということにつきましても検討しておりまして、これらにつきましては、平成八年度予算に向けて具体的な案を練るべく努めているところでございます。
#18
○稲村稔夫君 今、大体概要を伺いましたが、問題は、私は組織をもう少し効率的なものに改編をしていくとか、あるいは要員を縮小するとか、そして販売するものについていろいろな工夫をしていくとかというような、支出と収入面のいろいろな工夫を加えていくというその努力は非常に大事だと思います。
 しかし、さりとて、それでは要員を合理化し、組織等についても広範囲のところに大体わたるようた程度にしていくというやり方は必ずしも私は今後の問題として適切だとは思われない、そういう側面も持っています。
 私は、かねてから国有林野事業における会計のあり方について疑問を持っているわけであります。といいますのは、今長官の御答弁の中にもありましたように、今木材の価格は低迷している。将来上がるか低迷しているか、これは将来はわからないところがあります。
 しかし、これは一般の民間の企業ですと、商品の生産をすると、その商品の生産は一つの会計年度の中でも高いときと低いときといろいろ価格の変動があって、そして大体平均をされてというふうにして全体の経営のバランスを見るという形になっています。
 ところが、林野というのは資本の回転率が全然違うんです。四十年とか五十年とかたたないと一回転したいんですよ。民間の企業ですと、一年間のうちに何回も資本回転をする。その中で経営のバランスというものを見ることができるんです。収入を見るときの価格の評価にしてみても、そういう資本の一回転の中での動き、あるいは二回転、二回転半の中での動きでのバランスを見て対応を考えることができるんです。ところが、林野というのは四十年、五十年でやるんだということにたったら、バランスを見るということ自身が単年度ではできないわけです。だから、資本の回転スピードというものと会計年度のとり方とが全然食い違っている。その辺のところに私は問題点が一つあると思うんです。
 これは、今の法体系のもとでは、国の会計年度というのが大体一年単位という仕組みの中にあるからやむを得ないということたのかもしれないけれども、しかし独立採算を要求される限りは、企業として成り立つような会計の仕組みにさせるということを財政当局等とも十分に話し合っていただいて、そして法的に変えなきゃならないところは変えると。そして、資本主義的な経済の中で、ちゃんと合理性を持った収支のバランスというものを出したから、国有林野対策の会計というものを見ていく必要があるんではないかというふうに思うんですけれども、その辺はいかがでしょうか。
#19
○政府委員(入澤肇君) 御指摘の点はよくわかります。
 しかし、現在、国有林野事業が特別会計をとっているということ。これは、戦前は一般会計で行われていましたけれども、重要た歳入源として位置づけられまして、ややもすると無理な伐採を強いられたという経験、それから歳出面では一般会計の財政事情により支出に大きな影響を受けたという経験、そういうことから、二十二年から特別会計制度をとっているわけです。
 そして、単年度収支の問題につきましては、国有林の一本一本の木だけ見れば、おっしゃるとおり四十年なり五十年に一回の伐採でございますが、国有林全体で見ますと、さまざまだ伐期の異なる株分がございますから、全体として効率的な運営を行っていくことが必要だという観点から、特別会計全体として単年度収支ということでやっているわけでございます。
 しかし、おっしゃるように、非常に長期間寝かせたくちゃいけないというふうな問題もございまして、さらに森林には国土の保全とか水資源の涵養の機能がある。そういうことから、特別会計制度を堅持しながらも、公益的な機能を発揮する上で重要な造林とか林道等の事業施設費とか保安林の保全に要する経費とか、その他の、一般会計から入れるのが相当な経費につきましては逐次入れてきておりまして、特別会計制度という原則のもとに一般会計制度の補完をしたから、両々相まって経営をやっていくのが適当ではないかというふうな考え方でございます。
#20
○稲村稔夫君 せっかくの御答弁をいただきましたけれども、伐期が違うというのは、これは商品の生産だってそうたんです。きょう生産した商品と違う別のロットの商品生産というのは資本の一回転の中でも無数にあるといっていいわけですからね。だから、伐期が違うというようなことは、私は必ずしも当たらないというふうに思うんです。
 ただ、私は財政当局との関係、それで政府内の意見というのをもっときちっと整理をしてもらわなきゃならぬ。というのは、大体それだったら、国有林を切ってどんどんと利益を上げた時代に一体どうしたんですか。利益を上げた時代に一般会計にみんなそれを繰り入れたんでしょう。途中でもって吸い上げてしまったんです。これは、単年度会計だから問題点が出てこないんです、会計の方は単年度だから。一資本の回転の中でバランスを見ながらやったら、その途中でもって大量の利益が一般会計に渡されれば、そこが一つ問題になってくるというふうに思うんです。
 ただ、全体のバランスというのは資本の回転を中心にして物を考えたかったらわからぬのですよ。だから、そういうことをやっぱり話題にしながら、国有林野会計のあり方の合理性というものをもっとちゃんと政府の方に全体としてできるようたそういうあれを林野庁長官、勇気を持って頑張ってもらいたいというふうに思うんですが、いかがでしょうか。
#21
○政府委員(入澤肇君) 確かに、非常に材価がよかったときには特別会計から一般会計に繰り入れて一般財政の支援をやったということがございますけれども、今は逆でございまして、いろんな名目をつけながら私どもは一般会計からいかに予算を繰り入れて、そして健全な特別会計の運営ができるかということについて苦心しておるわけでございます。御指摘の点も踏まえまして、財政当局とはぜひ折衝してまいりたいと思います。
#22
○稲村稔夫君 ぜひ頑張っていただきたいというふうに思います。これは私は今すぐに来年からどうしろということではないんで、むしろ今までの問題点というのはこういうところにも一つあるということを踏まえたがら、今後にぜひ対処してもらいたいというふうに思うわけです。
 もう時間もなくなりましたが、最後に輸入生鮮野菜の増加傾向対策について伺いたいと思います。最近、生鮮野菜の急速な輸入増というのが数字の上にあらわれてきているわけであります。資料をいただきますと、タマネギなどというのは、これは去年不作だったからということもあってかなりの量が入っているということもあるようでありますが、特別な理由で大量にたったという部分を別にいたしましても、ごくわずかしか入ってなかったものがかなりの量入るようになってきているとか、そういう輸入増というのが大変今後の我が国農業にとっては気になるところでございます。
 かつて、アメリカからは、極端な言い方ですけれども日本農業は穀物なんかやめちまえと、蔬菜園芸とか、果樹園芸とか、花卉園芸みたいたものになれという無謀な言い方などもアメリカ側で声があった時代がありました。果樹がそれでもう既に大変厳しいところに追い込まれてしまいました。
 そうすると今度は、次は野菜の番かなという懸念もしてくることになります。そこで、今の市場における輸入野菜の急増という現象をどのようにとらえておられるのか。もう時間がありませんから、今後の対策も含めてちょっと御答弁いただきたいと思います。
#23
○政府委員(鈴木久司君) 野菜につきましては、ただいまお話がございましたように、消費の周年化あるいは多様化等に伴いまして、加工品を中心にして従来は増加傾向にあったわけでございますけれども、この一、二年は異常気象あるいは急激な円高の進行、こういったものを背景としまして生鮮物も大量に入ってまいっております。
 特に昨年はタマネギが不作であったことがありまして、生鮮野菜の輸入は対前年の六八%増というような状況になっております。しかしながら、野菜につきましては国民生活上極めて重要な品目でございますので、輸入品への依存が定着しております一部の加工原料用野菜は別としまして、今後とも国内自給を基本としていかたきゃならないというように考えております。
 このため、需要の動向あるいは輸入の実態等の把握に努めるとともに、特に来年度からは、新たに高付加価値型農業等育成事業の一環としまして、輸入品との競合が懸念される地域特産野菜を代表としまして、新技術の導入、産地の実情に即した生産流通条件の整備、こういったことを図りまして国際競争力の強化を図ってまいりたい、また高鮮度保持流通体系等の先進的な流通技術の導入と加工用等用途に即した産地の整備を行ってまいりたいというように考えております。
 またさらに、国内野菜の生産力の強化を図る観点から、育成すべき経営体等を中心としまして、先進技術の導入、労働力調整、作柄安定、こういったことを合理的な生産システムの中で確立してまいりたいというように思っております。
 また、加工用、業務用野菜の需要の確保を図る観点から、契約取引の定着、こういったものも進めてまいりたい。
 こういった各種の施策を通じまして、国産野菜の振興を図ってまいりたいというように考えております。
#24
○稲村稔夫君 もう時間がたくたりましたから、要望だけ申し上げておきます。
 今、局長の御答弁ございましたけれども、それぞれ細かく検討してみると、それで本当にうまくいくのかなと気になる点もないわけではありません。総じて申し上げれば、輸入品によって我が国農業は競争でコストが下がるという側面ばかりじゃありません。コストというのは下げられる限界がやっぱりあるわけでありますから、それだけに対策というのはきめ細かくしていただかなきゃならないと思うんです。
 私も、すしもよく食いますけれども、このごろはすし屋へ行ったら、食べるガリはほとんどもう輸入品ですね。タイからみんな入ってくる。野菜じゃないけれども、安い焼き鳥を食おうかなと思ったら、全部くしまで刺してタイから入ってくる。
 こういう状態でありますから、だからやはり我が国農業の観点から、国民のニーズに合った製品が生産されますようにというための特別な措置を、今後も一生懸命考えて講じていただきたい。お願いをいたしまして終わります。
#25
○都築譲君 平成七年度農林水産予算の委嘱審査に当たりまして、政府の御見解を幾つかお伺いしたい、このように思っております。
 まず第一は、農業基本法の関係でございます。
 この平成七年度農林水産予算の説明の中にもございますように、七年度予算の重点事項の第一に、ウルグアイ・ラウンド農業合意関連対策の着実な推進というのが挙がっておるわけでございますけれども、今後この対策を着実に実施をしていくということで六年後のウルグアイ・ラウンドの見直しと申しますか、その観点をどうするのかというところを本当はお聞き申し上げたいのですが、とはいっても、これを着実に実施をしていくんですと、こういうお答えだろうというふうに思います。
 ただ、私が気になりますのは、今回こういう形で大きく農業が転換を迫られてきている、そしてまた自律的にも大きく変化をしつつある、こういう状況があるわけでございまして、従来の御議論ですと、農業基本法の見直しについてはどうも実体法の整備が先であるという慎重な姿勢をとっておられたというふうに承っておるわけでございます。
 昨年来、例えば新食糧需給安定法の制定とか、あるいは経営の安定化のための法律、青年の就農促進のための法律、あるいは農協の合併促進、あるいは生研機構の強化、こんな法律をメジロ押しで整備をされてこられたわけでございまして、大きく変化する国際環境の中で、また農業自身が農村も含めて、農家も含めて、どういうふうにこれから展望を描いて進めていく必要があるのか。そういった意味では農業基本法が昭和三十六年制定ということでございますから、現在の置かれている農業の実態にもそぐわなくなっているんじゃないか、こういうふうに考えるわけでございまして、農業基本法の考え方についてぜひ大臣のお考えをお伺いしたい、このように思っております。
#26
○国務大臣(大河原太一郎君) 農業基本法は昭和三十六年に制定されましたが、端的に申し上げれば、高度成長期の農政というものを基軸とした基本法であったと思うわけでございます。
 今日、農業諸情勢は大きく変わりまして、新しい農政を目指しまして進むわけでございます。したがって、例えばウルグアイ・ラウンド関連国内対策についての農政審議会の昨年の答申においても、農業基本法にかわる基本法の制定の要否について検討いたせというような御意見をちょうだいしたわけでございますが、その後我々といたしましては、政府の国内対策の樹立の際には、やはりその必要があろうということで、農業基本法にかわる新しい基本法の制定に着手いたしたいというような政策意思を明らかにしたところでございまして、現在その準備を進めておるところでございます。
#27
○都築譲君 ぜひまたその具体的な方向などにつきましてもお教えをいただければと、このように思っております。
 それから次は、やはりウルグアイ・ラウンドの関連の対策でございます。
 先ほど稲村委員からも既に質問がございました。そして、今回の予算委員会総括質疑の中でも武田委員から食料自給率の問題について御指摘があったわけでございまして、平成五年度の食料自給率表が一月に発表されたわけでございます。
 これによりますと、穀物自給率は二二%、供給熱量ベースでいきますと自給率が三七%ということで、これまでの最低の水準を記録したわけでございます。昭和四十年の穀物自給率は六二%と、こういうことでございますから、この二十八年間で三分の一に低下をした、こういうふうなことになるわけでございます。
 諸外国の状況をちょっと聞いてみますと、例えばカナダとかオーストラリア、アメリカ、デンマーク、こういったところでは二五〇%から一四〇%という状況でございます。比較的低い国でも、例えばスイスは六五%、イタリアは七三%、イギリス七四%、こういうふうになっておりまして、先進諸国の食料自給率は、いずれも我が国と比べて相当高い水準にあるというふうに聞いております。
 逆に、裏返して言えば、日本の食卓自体が従来と比べて本当に豊かになってきたのではないかということで、稲村委員の先ほどの御質問もあったのかもしれませんけれども、一昨年の米の大凶作のショックというのは、これは国民に相当な影響を与えたわけでございまして、食料供給に不安があるという答えが、実は昨年の三月の世論調査によりますと回答が七一%ということで出されておるわけでございます。望まれる食料政策としてできる限り国内で生産するというのが七七・四%と四分の三以上を占めておるわけでございまして、食料の国内自給を非常に強く望んでいる声がうかがえるわけでございます。
 食料は基本的には生存のための物資でございまして、これはまた逆に国際的な戦略物資ともなり得るものだろう、こういうふうに思うわけでございます。今回の阪神・淡路大震災の際にも、農水省の関係機関、大変な御尽力で、食料の安定供給を危機管理のもとで確保されたということでございますけれども、今後本当に長期的に日本人が安定した食料確保ができるようにするという観点からは非常に大ぐくりの食料自給率が示されておるわけでございますけれども、品目別あるいは作物ごとの食料自給率をどういうふうにこれから見通して、また、これからの農政の展開方向としてもどういう形で農業を指導していかれるおつもりなのか、その点についてお考えを伺いたい。
 この観点は、実は、例えば国際的な観点からいきますと、すべて国内で自給自足をするということはやはり難しい面もあろうかと思います。ただ逆に外国に依存するとすれば、どういう形でどの国にお願いをして、一たん事あったときにおいても必ず国民が飢えることのないようた体制をつくっていく必要もあるんではないかな、こういう観点も必要ではないかな、こう思うわけでございまして、この点につきまして大臣のお考えをお聞きします。
#28
○国務大臣(大河原太一郎君) お話しのとおり、国民生活の基礎物資でございます食料について自給率を確保するということは一つの基本でございますが、委員十分御案内のとおり、食料自給率が今お示しの昭和四十年代に比べて低下してまいりました大きな原因は、生産サイドと申しますか供給サイドの点もございましたけれども、大きく需要構造が、畜産物消費が増大するとかあるいは油脂分が大変ふえると。したがって、えさ等の飼料農産物あるいは菜種、大豆等の原料農産物、これらが膨大に輸入量が増加したということが自給率の低下の原因がと思います。もう一つは米の消費が減退してきたというようなこともあるわけでございます。
 最近の低下を見ますと、一つは、日本人の動物性たんぱくの供給源である水産物、この漁獲量がイワシ等大衆性多獲魚を中心として大変落ちたというようなことも響いておるようでございます。
 いずれにいたしましても、このような情勢に対して歯どめをかけていかたければ相ならぬというふうに思うわけでございます。それは原理的に言えば、やっぱり効率的、安定的な生産性の高い経営体が、農業構造の中心をなして力強い供給体制ができるということと、すぐれた生産装置でございます水田等の活用によって国内資源を最大限に活用するということでございます。この点については、しばしば言われておりますように、世界の人口なりあるいは食料の供給、それを中長期的に見ると非常に厳しい状態になるというようなことも言われておるところでございます。
 そのような問題もございますので、我々としては、今の委員のお話にも関係するわけでございますけれども、一つには農産物の需要と供給の長期見通し、これは当然各作物別を含むわけでございますけれども、そういうものを速やかに作成して、それに沿った長期展開を図りたいということでございまして、実は既に作業を始めておりまして、平成十七年を目標にした需要と供給の長期見通し、この作業を進めておるところでございます。
 それから、さらに踏み込んだお話ございましたけれども、やはり飼料穀物たり油脂穀物、これらはとても国内では自給は困難だと思いますしからばそれらに対してどうするかという問題でございますが、全体的に見れば国内の供給力を強化するというのが第一でございますが、輸入ソースの多元化とかあるいは備蓄、こういうものを総合的に組み合わせまして、国民食料の安定的な供給という努力をいたさなければ相ならぬ、さように思っておるところでございます。
#29
○都築譲君 それで、今大臣がお触れになりました主要穀物の関係で、主要食糧の需給及び価格の安定に関する法律、新食糧法というふうに略称してよろしいですか、食糧需給安定法と言った方がよろしいでしょうか、これが昨年の秋成立いたしまして、ミニマムアクセス関係の規定についてはこの四月に施行をされると。他の大部分の規定は平成八米穀年度からということで、十一月を目途に施行される予定というふうに伺っておるわけでございます。関係の政省令、一部については三月下旬にそろそろ準備を整えられておられるというふうに聞いておるわけでございますが、その関係で幾つかちょっと細かい点をお伺い申し上げたいと思うわけでございます。
 一つは、政府の買い入れ数量でございます。従来の食糧管理法の三条一項では、「米穀ノ生産者ハ」「政府二売渡スベシ」と、こういうことになっておりまして、原則として生産者は全量を売り渡すことができたわけでございますけれども、今度の新食糧法の五条二項では、「政府米としての売渡しは、米穀の生産者が生産調整実施者である場合において、」「農林水産大臣が当該生産調整実施者ごとに定める数量に係る米穀について、行うことができる。」、こういうふうにされておるわけでございます。生産者は実際にどのくらいの数量を売り渡すことができることになるのか、そこら辺についてお考えをお伺いしたいと思います。
#30
○政府委員(上野博史君) 生産者が政府に売れることになる数量というのは、トータルとしての政府の総買い入れ予定数量から順々に都道府県、市町村段階というふうに分けて決まってまいるということになるわけでございますが、やはりこれまで政府にお売りになってこられた生産者あるいは地域のそういう実情というものを考慮しながら、生産調整の実行の段階の諸般の作業と一体的に買い入れ数量を決めることにいたしておるわけでございます。
 一人一人の生産者がどういうものになるのかというのはなかなか的確に申し上げるわけにはまいらないわけでございまして、それぞれの地域の状況、自主流通米で非常に高い値段で売れていくような地域であれば政府への売り渡しというのは少ないというふうに思いますし、一般的に政府に従来からお売りになっておられたところの地域が、それぞれの経営面積なりなんなりに応じてお売りにたってこられるということになるんじゃないかというふうに考えております。
#31
○都築譲君 今の御説明でございますけれども、トータルとしては基本計画に定められた、政府が買い入れる米穀の数量を基礎としてということでございますから、これについては備蓄の範囲にとどめる方向であるというふうに承っておりますけれども、そういったことでよろしいわけでございますか。
#32
○政府委員(上野博史君) 備蓄の運営のために政府としての買い入れが行われる、その点が現在の食管法と非常に変わる点だというふうにお考えいただきたいと思います。
#33
○都築譲君 それから二点目は、政府の買い入れ価格でございます。
 これまた新食糧法の五十九条二項で「自主流通米の価格の動向その他の米穀の需要及び供給の動向を反映させるほかこというふうな文言が従来の食糧管理法の三条二項と異たる形で追加をされておるわけでございまして、「生産条件及び物価その他の経済事情を参酌し、米穀の再生産を確保することを旨として定めるもの」、こういうふうになっておるわけでございますけれども、具体的に政府買い入れ価格は今後どういう算定方式で、あるいはどんな方法で決定をする方針なのか。その点についてもお考えがあればお聞かせをいただければと思います。
#34
○政府委員(上野博史君) 今、委員の御説明にもございましたように、新食糧法の五十九条二項には大別して二つの要素が書いてございます。
 一つは自主流通米の価格動向、その他の米穀の需要及び供給の動向を反映させるというのが第一点でございまして、この点は現在の食管法の規定にはない、いわばその他の経済事情というようなことで読み込まれている部分でございます。それに、もう一つの事項といたしまして、生産コストを含む生産条件、物価、その他の経済事情という二つの要素が並べられているわけでございます。
 これをどういうふうに具体的な米価の算定に用いていくのかということにつきましては、現在、我々いろいろと検討をしているところでございまして、もう少し時間をかしていただきたい。基本的な考え方はこういうふうに示されておりますので、それに基づいた具体的な算定方式というものを、関係方面との調整もしながら、施行の時期までに検討を進めてまいりたいというふうに考えておるところでございます。
#35
○都築譲君 ただ、一部の報道によりますと、今回のこういう枠組みの中で生産調整に対する生産者団体の責任が強まって、こういう形で政府による価格の下支え機能が実質機能しないおそれも出てくるというふうな指摘も報道されているわけでございまして、そういう形で農家がますます営農に安心していそしむことができなくなるような状況にならないように、その点だけは十分御留意をいただきたいな、こういうふうに思うわけでございます。
 それから、あと、これは今後の動向の話になりまして、全くの予想の話なのかなというところもあるわけでございますけれども、食糧管理法八条の二では集荷業者については指定制ということになっておりまして、行政による裁量の余地があったわけでございますが、新食糧法の六条では出荷取扱業者については登録制というふうな形になったわけでございます。
 それで、現在まで九五%前後という圧倒的なシェアを占める農協のシェアが今後どういうふうになるとごらんになっているのか、そこら辺についてのお考えをお聞きしたい。集荷部門の寡占状態が今後も大きく変わらないというふうに新聞報道で指摘されているところもあるわけでございますが、果たしてそういうことで今回の法律の意図したところが機能するのかどうか、その点も含めてお答えをいただければと思います。
#36
○政府委員(上野博史君) 今お話ございましたように、出荷取扱業者の制度が登録制に変わるということになるものでございますから、要件を満たせば参入ができるという形に変わってまいりますので、現在の段階でどういうような出荷取扱業者の状況になってくるのかというのがなかなか見通せたいというのが実態でございます。
 したがいまして、農協のシェアがどうなるのかということについては、わからないのでございますけれども、いずれにいたしましても、かなり農家に密着をした形で集荷活動が今までより熱心に行われることになるのではないか。流通の弾力化、規制の緩和ということも行われるわけでございますので、そういう意味ではビジネスチャンスという点から見ても、関係の出荷取扱業者が一生懸命やるという面も出てまいるんじゃないかというふうに考えるわけでございます。全体としてシェアのもとになる母数の計画流通米の数量自身がふえてくるんじゃないかというようなことも考えられないわけでもない。この辺も今後の動きを見たければ何とも言えないところでございまして、農協系統のシェアがどうなるかということについて今の段階でなかなか予見がしづらいというのが実態だろうというふうに考えております。
#37
○都築譲君 それから、先ほどの政府買い入れ数量との関係でございますが、備蓄の量について従来、法的位置づけはなく、百万トンを事実上の上限に政府が行うというような形であっただろうと思うわけでございますが、今度は新食糧法に基づいて基本計画に備蓄量を明記することになるわけでございまして、百五十万トンの確保を基本に一定の幅で運用される、あるいは一部は民間も活用する、こんなお話も聞いておるわけでございますけれども、実際に今後数年の目標数量についてはどうする御方針なのか。
 それからもう一つ、これはもう本当に天候次第、作況次第という面もあろうかと思うわけでございますけれども、当初の計画で備蓄量をこういうふうに設定しておきながら、例えば豊作が続くような状況になれば、今度は逆に備蓄とそれから自主流通米と申しますか、そういったものとの関係で、備蓄の方でこれがまた消費していかないような形になってしまうんじゃないか。そうすると、そういったものをどういうふうに処分をされていくことになるのか、その辺のところをお伺いしたいと思います。
#38
○政府委員(上野博史君) 備蓄の数量につきましては、従来から我々百五十万トンを基準として需給の変動、あるいはそのときの作況によりましてある程度のアローアンスを持たせて運用してまいりたいというふうに申してまいったところでございまして、現在もそういう考え方を持っております。この百五十万トンの中には、今お話ございましたように、民間に持ってもらう部分というものが一部含まれてくるだろうというふうに考えております。
 豊作が連続したような場合にどうなるのかということにつきましては、全体としての備蓄の数量も含めまして、各米穀年度末におきます在庫の状況に応じて翌年のお米の生産調整を的確に行っていくということで対応するというのが制度の基本的な考え方でございますので、生産調整を需給事情に合わせて的確に行えるように努力をしてまいりたいというふうに考えております。
 それから、備蓄いたしましたお米は一年間保管をした後に食用、加工用、援助用という形で処分をしてまいりまして、新たなその年できたお米をまた買い入れてまいるという、そういう繰り返しになってまいるというふうに考えておるところでございます。
#39
○都築譲君 また、もう少しその点について私も勉強をしてみたいな、こういうふうに思っております。
 それでは、次は水産関係の方に移らせていただきたいと思います。
 国連海洋法条約、これは昨年の十一月十六日に発効したわけでございます。我が国におきましても、来年の通常国会に条約を提出して国会の承認を求めるという動きになるのかた、こういうふうにお聞きをしているわけでございますけれども、この国連海洋法条約の発効の関係で、例えば排他的経済水域の設定とか、あるいは生物資源の保存、生物資源の利用というふうな条文があるわけでございまして、例えば生物資源の利用の中では、自国の漁獲能力の決定、あるいは余剰原則ということで、漁獲可能量の余剰分の漁獲を他の国にも認めるというふうな条文にたっておるわけでございます。ここら辺につきましては、現実には余剰分がたくても入漁を認めた慣行があったり、逆に余剰があっても資源の温存という大義名分を掲げて入漁を認めないという国もあったり、この原則を忠実に実行している国はほとんどないというふうな話も聞くわけでございます。
 日本では、国内漁業については漁業法、それから外国漁業については漁業水域暫定措置法ということで二百海里を設定して管理をしてきたわけでございますけれども、今後こういった漁業法なり漁業水域暫定措置法について、国内法整備という観点からどんな検討項目があるのか、そして、それについて条約批准に向けてどういう作業が現在行われているのか、その点についてお伺いをしたいと思います。
#40
○政府委員(鎭西迪雄君) 国連海洋法条約は、ただいまお話しのとおり昨年の十一月十六日に発効したわけでございます。同条約は、海洋に関します非常に幅広い事項について規定しております、いわば海の憲法とを言うべき非常に多面的な基本条約でございまして、国際社会におきます安定した海洋の公的秩序の確立にこれから大きく貢献していくだろう、そのことは海洋に多くを依存しております我が国の国益にも沿うものであるというのが日本国政府の基本的立場でございます。
 こういう考え方に沿いまして、政府といたしましては、平成八年の通常国会にも条約承認案件ということでおかけをいたしまして、早期批准に向けて政府部内での所要の準備を進めていく必要があるという状況になっております。また、若干消極的でございました先進諸国におきましても、昨年七月のいわゆる実施協定の採択以降、先進国におきます同条約の批准に向けた動きというものも加速されている状況にございます。
 この国連海洋法条約を批准いたします場合、漁業の分野だけでございませんで、海洋汚染の問題、航行の問題、国防の問題、それから海底鉱物資源等々の問題、非常に多面的な面で我が国の国内制度、政策に大きく影響してくるわけでございます。漁業の分野におきましても、ただいま委員お話がございましたように、沿岸国としての自国の排他的経済水域におきます生物資源についての主権的権利を有する、そういう立場が明確にたるということ。それから、科学的な資源状況の把握を通じました周辺水域の生物資源の保存管理措置を講ずる義務を沿岸国が有することになる。こういうような幾つかの点から、我が国の漁業の将来にも当然大きな影響を及ぼすことになるものであるという認識をいたしております。
 したがいまして、水産庁といたしましても昨年後半以来、国内の漁業制度なりその運用面について、国連海洋法条約との関係でどういう点で整合性をとる必要があるか、あるいはもっと進みまして、国連海洋法条約の考え方を受けまして、基本的な漁業制度をどう展開していくべきかということについて諸般の検討、準備を既に行っているところでございますし、政府全体といたしましても、新年度なるべく早い機会に、ただいま外務省が中心になっているんだ連絡、協議はやっておりますが、政府全体としての取り組み体制というものができるのではないかというように考えているところでございます。
#41
○都築譲君 時間が参りましたので、ちょっと積み残しの質問がございますが、これはまた別の機会に譲ることとして、以上で質問を終わります。
 ありがとうございました。
#42
○星川保松君 きょうは与えられた時間が二十分しかございませんが、私のきょうの質問の趣旨を結論から先に申し上げますと、農林漁業の皆さん、元気を出してほしいというのが趣旨でございます。
 それには、まず元締めであります農林水産省が元気を出してもらわなければならないわけでありまして、実際、私どもが農家の皆さんと一杯飲んだりいたします。そうしますと、みんな日ごろ農業はもうだめだだめだ、こう言っておるものでありますから、我々がだめだだめだということを言っておったら、子供たちもこれはもうだめだということになるのはもう違いないと、そういうことは言わないことにしよう、それで頑張ろうということになるのでありますが、酔いがさめてしまうと、次の日になると、またやっぱりだめかなと、こういうことにたっておるような状況でございます。
 私たちが子供のころは農は国のもと、こういうふうに教えられまして、プライドを持って農業に携わったものでございます。ところが、今日ではマスコミ等から、いろいろ雰囲気としてはどうも農は国の厄介者みたいだ扱いをされておりますので、これは困ったなと、こう思うわけでございます。それで、なぜこういう雰囲気に農業が置かれておるのかということを考えてみますと、我が国の場合はいわゆる経済大国になった、その経済大国を引っ張ってきた、築いてきたのは貿易立国でありますから工業である、それを諸外国に売って稼くいわゆる貿易の商業であるというようなことで、そっちの方から評価しますと、農業は何にも外国に売るものはないんじゃないか。むしろ、外国の製品よりも高いものしかつくれない、コストを下げろ下げろといっても下げられないというようなことで、日本の経済、貿易立国の中では足手まといになっているというような印象で受けとめられているのが最大の原因だ、こう思うわけでございます。そういうことから抜け出していく方法、方策を講じていかなければならない、こう思うんです。
 いわゆる農業の生産条件としては、諸外国と比べては余り恵まれた状況ではないかもしれません。しかし、バイオテクノロジー、ハイテクを使う、そこの人間の知能の方は限界がないわけでありますから、生産条件には限界があっても限界のないところでやはり打開をしていかなくちゃいけないんじゃないか、こう思うわけです。
 ですから、そういうことからしますと、いわゆる工業の面での開発研究と比べますと、私はやっぱり農業に関する開発研究というのは非常に貧弱に思われてならないわけなんです。ですから、今工業の面でも、ただ大量に生産すればいいというのはもう海外シフトでどんどん出ていってしまいまして、本当に残っているのはハイテクの部門だけなわけでありますから、そういうことで、思い切って農業の部門でもハイテクのバイオテクノロジーの研究開発の体制を整えてやっていかなくちゃならない、こう思うんです。
 特に農業の場合は、経営者は非常に家族経営みたいなものが多いわけですから、会社のように個々の企業で、ある程度大きな企業というのはみずからの開発研究の部門を持って進んでいくわけですけれども、農業はそうはいかないわけですね。ですから、農林水産省が高度なしっかりしたバイオテクノロジーのハイテク、その開発研究をやるところを整備していかなければ農業の場合は進んでいかない、こう思うんです。そういう意味で、思い切ったとにかくハイテクのバイオテクノロジーの開発研究の部門を整備していくべきだ、こう思うのであります。
 まず代表的なところで、それを思う存分利用できるのは、特に私は施設園芸やら果樹やら、それから畜産等だろうと思うんですが、簡単で結構ですから、その三つの部門でどのようにして立ち向かうということにたっているのか、お話をお聞きしたいと思います。
#43
○政府委員(鈴木久司君) 施設園芸で申し上げますけれども、施設園芸につきましては、周年安定供給という観点から比較的順調に進展してまいっておりますけれども、ただ、年間の総労働時間が長くて、また作業環境、作業姿勢等、質的な面でも厳しい就労環境にありまして、このことが規模の拡大等によるコストの低減を進めていく上で大きな障害とたっております。
 このため、平成六年度から省力化技術の開発普及、作業環境の改善等を図るための調査を実施しております。また、平成七年度からは、昆虫利用とか施設管理の遠隔操作だと、施設園芸にかかわる新技術の導入を促進するための事業を実施することとしております。また、国の試験研究機関におきましても、耐病性や省力適性等にすぐれた系統の育成など、省力化のための技術開発を積極的に進めているところでございます。
 こういった措置を講じることによりまして、今後とも施設園芸のコストの低減のために努力をしてまいりたいというように考えております。
#44
○政府委員(日出英輔君) 果樹でございますが、果樹農業は一兆円の手前のところで、実は先生御案内のとおり国際競争の激化等で足踏みをしているわけでございますが、いずれにいたしましても、消費者ニーズが多様化してまいりますので、高品質あるいは低コスト、あるいはこれを両面備える、こういったことが強く要求されておるわけでございます。
 私どもは、このため、こういった国際競争にも耐え得る足腰の強い果樹産地の育成たり果樹経営の近代化を図るという前提で、先生今お話しのようなバイオを使いました新しい品種の育成とかウイルスフリー苗の育成でありますとか、あるいはメカトロといいましょうか、新しい無人防除機といったようだ高能率作業機械の導入、そういったこともやっておりますし、あるいは流通施設でいいますれば、光センサーつきの選果施設等を活用しました一つの生産流通システムの確立といったような、こういったことを大いに積極的に今進めておるところでございます。
 今後とも、こういったバイオあるいはメカトロを使いまして、地域振興上も大きな役割を果たしております果樹農業の振興に努めてまいりたいと思っております。
#45
○政府委員(高木勇樹君) 畜産の分野でございますけれども、今実用化のめどがついて普及の段階に入っているものといたしまして、特に畜産の場合には優良な形質といいますか、例えば酪農であれば乳量、また子供も本来なら一産のものを二度にする、そういうことが生産性の向上、効率化というものに役立つわけでございまして、そういった優良な系統の生産を可能とする受精卵移植関連技術、こういったものがもう既に実用化の段階を過ぎまして普及の段階に入っているわけであります。また、生産性の高い性のみを生産する受精卵の雌雄判別技術というのもほぼ実用化の段階に入ってまいっております。
 そういったような技術をこれからも開発を進めまして、畜産の生産技術体系の効率化、低コスト化、畜産物の高付加価値化というようなことに役立てるように努めてまいりたいというふうに考えております。
#46
○星川保松君 それぞれやっておるということでありますけれども、やはりもっともっと力を入れて、もうバイオテクノロジーにかけては日本にはかなわないというところまでやれるだけの能力があると私は思うんです。それを発揮して、ぜひそういうレベルまで高めていくというのが日本の農業の活路だ、こう思うんですけれども、大臣にひとつそのことについて。
#47
○国務大臣(大河原太一郎君) ただいま委員の御指摘のとおりでございまして、農業分野におきましては、技術革新たりあるいはイノベーションというものとは比較的距離があるというようなことで長く来たところでございますが、まさにバイオテクノロジーあるいはエレクトロニクスその他の最新の先端技術を農林水産業部門に対してどういうふうに適用していくかという点については、試験研究機関あるいはその実用化等々については一段の努力、あるいは一段では済まない二段三段の努力が必要ではあるまいかというふうに思っておるところでございます。
#48
○星川保松君 ぜひひとつ頑張って、もう農業に関しては世界一のハイテクの国だというふうに一日も早くつくり上げていっていただきたい。それにはやっぱり農林水産省の皆さんが頑張ってもらわなくちゃいかぬ、こう思っております。
 次に、今度は林業でありますが、林業の方も、今でも木材価格が、輸入価格が下がっておる。それに今度は特に円高ドル安で困った困ったという状況でございます。
 今、一千万ヘクタールの山林が育っておるわけでありますけれども、これはみんないずれは、諸外国でもいつまでもそう安い木材を日本に持ってくるということは長くは続くまい、いずれは国産材の時代が来るんだということを信じながら頑張っているわけです。しかし、こういう事態が続いてまいりますと、もう途中で息切れしてしまうわけです。それで、本当に国産材の時代が来るまで持ちこたえられるかどうか、非常に私は心配なわけです。
 それで、これも、森林行政というものは木材の生産だけじゃないんだということで、最近いろいろと皆さんの理解も深まっておるわけでありますけれども、私はむしろ日本の場合は、森林行政というのは今までの木材生産が主力ということから自然環境保全だ、これがもう主力なんだ、その中から、自然環境を保護しながらいわゆる副産物のようだ形で木材というものが生産されるんだというふうに発想を転換していかなくちゃいけないんじゃないか、こう思うわけなんです。
 そういうわけで、例えば、言うたれば緑の森林から供給している酸素量、それから森林涵養で水を供給している役割、これをいつだかどこかで計算したのを私見たことがあったんですが、ただ、その計算では、酸素の計算ではいわゆる酸素ボンベに詰めた医療用とか溶接とかに使うあの価格で計算しているんですね。これはちょっと高過ぎると思うんです、その前の原材料の段階ですからね。水も、水道の計算ではこれは無理だと思うんです。水道だってやっぱり原水があって、その原水の原水が結局涵養の水になるわけですから。ですから、そういうことで国に対して、国民に対してこれだけのとにかく酸素を供給しているんだと、その供給している酸素の代金を払ってもらおうじゃないかというような発想のもとに大蔵と折衝して、山を維持していく予算を出させると。水もしかりですね、この森林でつくっている水代をあなた払いなさいというような気持ちで大蔵と折衝して、施策の費用、予算を落とさせるというようなことをしながら山を守っていかないと、私は国産材の時代までこの一千万ヘクタールの山はもう維持できたくなるのではないか、こう思うわけですよ。
 ですから、私はよく営林署に行きますと、営林署の看板、これはもう占いんじゃないかと言うんです。林を営業として考えるというような意味の名前は、こんなのはもう取りかえた方がいいんじゃたいですかと私言うんです。ですから、もう林野庁長官が頭から発想の転換を図って、林野行政というのは既に環境保全なんだと、こういうふうにすれば日本の国策の最前線に出られるわけなんですね。そういうふうにしてやっていったらいかがかと思うんですが、これについて長官のお考えをひとつお聞きしたいと思います。
#49
○政府委員(入澤肇君) 先生のおっしゃることもわからないわけじゃないんですが、やはり森林行政の重点は、一つは木材の生産でございまして、やっぱり産業としての林業を確立しないと、育林投資とか自然の保護に対する投資とかなんかいうのはおろそかにたってしまう。しかし、農業生産と違いまして非常に長期に生産がかかりますから、その意味では今先生がおっしゃったように、自然環境の保全に留意しだから、いろんな形で国の政策の拡充強化を図るべきじゃないかということで今施策を展開しているわけでございます。
 保安林制度だとか、あるいは林地開発許可制度の強化、それから平成元年には公益的な機能を確保しだから森林の総合利用の推進を図る、保全と利用の両立を図るという視点から、森林の保健機能の増進に関する特別措置法というものを制定していただきましたし、それからこの制度の創設と並行いたしまして、保安林の解除基準とか林地開発許可基準も強化いたしまして、私の計算ではそのときにゴルフ場の建設計画の三分の一が申請取りやめというふうなことになったと思っています。そのようにして、可能な限り環境保全に留意しております。
 それから、森林施業という観点からも平成三年には森林法を改正いたしまして、複層林の施業を導入するとか、それから国有林につきましても国土保全林、自然維持林、森林空間利用材、木材生産林というふうに機能分類いたしまして、その機能に応じて森林施業を行うというふうなことをやっております。さらに森林生態系の保護地域の指定を強化しました。平成六年の四月現在で三十八万ヘクタールに及んでおります。
 このように、木材生産一辺倒から森林が環境保全に果たしている役割、こういうものに留意した行政に重点を移しつつあることは事実でございます。これからも木材の生産にも全力を挙げますし、それからまた自然環境の保全にも留意しながら森林行政を展開していきたいと考えております。
#50
○星川保松君 私が言っておりますのは、農林水産省が非常に消極的な態度でおりますと、いわゆる国策の足手まといにたっているような扱いをされる。そんなことじゃたくて、積極的にいわゆる重点国策のところに前に出て、そして農林行政を進めてもらいたい、こういう意味でございます。
 時間がなくたってきたんですが、最後に、これはどこでやることになるか知りませんが、今我が国でのまた最大の問題は国土発展の不均衡だと思うんですね。片や大変な超過密の都市ができた。今回のいわゆる震災の問題も、寺田寅彦さんが言うには、人間が掘っ立て小屋みたいたところに住んでいるときはどんな大きな地震がやってきたって被害はないんだと。ところが、住み方を変えたためにライフラインとかなんか、そういうつながった高度な超過密都市をつくったから同じ大きさの地震が来ても被害が甚大になるんだと、こういうことを言っているわけです。
 ですから、そういうことからしますと、片や超過密の都市をつくり、また三千三百の自治体のうちの今三分の一が過疎地域ですから、それが農山漁村なわけです。ですから、そういうことを考えますと、均衡のとれた国土をつくらなければならないというのは国の政策の私は最大の今課題だと思うんですね。そこのところにやっぱり農林行政も出ていって参加すべきだ、こう思うんです。
 どういう方法か、これは一つの私案でありますけれども、いわゆる大都会の中にもう生産に携わらなくなった人口があるわけです。いわゆる高齢者ですね。この高齢者が住むにはまことに不適当な環境なわけです。ところが、農山漁村というのは生活についてはすばらしく適した環境を持っているわけです。だから、そっちの方に行って生活をしてもらうということにすれば、かなり過疎過密の是正にもなるわけなんです。それで、農山漁村にいわゆる年寄りの楽園のようなものをつくる。そして、どんどん来ていただいて、そこで生活をしてもらう。そしてまた、それを若い人々にとってはいわゆるセカンドハウスのようにして、自分たちの親を子供たちを連れて訪ねていって、そこでまた憩いをとるということになれば、かなり農山漁村が活気づきますし、都市の過密状態も緩和されると思うんですね。そういう仕事を国の重要施策の中にも私は農水省は積極的に出ていってやるべきだ、こう思うんですが、これについてひとつどなたでも結構です。
#51
○国務大臣(大河原太一郎君) 国土の均衡ある発展ということを、今度の大災害でも我々は痛感したところでございます。特に、そういう意味では農山村における定住が大事な問題である。これについては、当然でございますが、地域の主要産業である農林業の振興とか、あるいは所得の確保等、あるいはえらい立ちおくれている生活環境の整備という点がございますけれども、昨日も委員が御指摘のように、高齢の皆さん方のUターン、これは非常に数も多い、ふえてきているというようなこと一つをとらえましても、やはり農政のサイドでも老人農業と申しますか、老人農政というようなことも考えていかなければならない段階に来ておるという点でございます。
 特に、さらに委員の御所論は進んで、今、老人楽園構想というようなお話もございましたが、今度の四全総の改正問題が現に出ておるわけでございますが、それらに関しまして我々としても所要の意見たり、それを反映させるというような努力もいたしたい、さように思っておるところでございます。
#52
○星川保松君 終わります。
#53
○林紀子君 私は三月上旬、長崎県の対馬に参りまして、県の支庁、海上保安部、上対馬町、そして各漁協をお訪ねいたしまして、組合長さんや漁民の方々と懇談してまいりました。
 韓国漁船による不法操業、そして密漁、本当に深刻な状態です。水産庁長官も昨年の秋おいでになったということですから、御認識は同じことだと思いますけれども、灯をともした十九トンのイカ釣り船の下にはたくさんの魚やイカが集まってくる。そこにねらいをつけて五十トンから百トンという大きな韓国漁船がまき網で根こそぎ持っていってしまう。その上漁具にも被害を受ける。取り締まり船が近づくと、竹や鉄パイプ、乾電池を投げて襲いかかる。船名はグリスで隠ぺいする。実際、美津島の三浦湾漁協の組合長さんは、韓国の釜山に行ったところ、こうしたグリスで汚れた船をたくさん見てきたとおっしゃっておりました。
 アワビやサザエ、せっかく栽培センターで稚魚を放流して禁漁にするなど資源管理を進めましても、韓国から五十キロしか離れていない、夜高速の小型船で近づいて密漁する、漁協の監視船が追いかけたが、船長が今もって行方不明になったままだという痛ましいお話も平成三年に起きているということを伺ってきたわけです。こうした調査と地元の要望に基づいて質問をさせていただきます。
 二月の二十七日に日韓漁業実務者協議で結論が得られた中で、不法操業の取り締まり、特に韓国国内法違反の小型トロール漁船及び船名隠べい漁船対策の強化、こういう項目があるわけですが、具体的にどのような取り締まり強化対策をとろうとしているのか、水産庁長官から御説明いただきたいと思います。
#54
○政府委員(鎭西迪雄君) 日本と韓国との間には、委員御承知のとおり昭和四十年に締結されました日韓漁業協定、その後それを補完する意味で昭和五十五年からいわゆる自主規制措置、この二つを柱にいたしまして両国が責任を持ってそれぞれの漁民を指導、取り締まると、こういう体制でまいっているところでございます。
 ところが、ただいまお話しのように、最近と申しますか、韓国側の違法操業の形態が非常に悪質かつ件数も多くなってまいりまして、おっしゃるようなそういう船名隠ぺいあるいは操業障害といったようなことがたびたび起こってまいったわけでございます。
 そのために、昨年の暮れに期限切れになりますいわゆる日韓の自主規制の見直しのための協議におきまして、私どもは日韓首脳会談の場を初め、ありとあらゆる機会をつかまえまして、まず現実に起こっているそういう違反操業について徹底した取り締まり強化ということをやっていただきたいということを強く日本の総理から韓国の大統領へ申し入れをしていただくというようなことをやってまいりました。その結果、一昨年まで一千件強でずっと来ておりました違反件数というものが、昨年は二百件強ということに全体では減っているわけでございます。
 しかしながら、それは韓国側の大変な取り締まり努力の結果でございますし、そういう努力がまたもとに戻りますと、かつてのように違反件数あるいは悪質な違反というのが頻発する、そういうことでは繰り返しになるということで、現在の日韓の漁業の枠組み自体についてそういう違反操業が起きないような制度的なインプットが必要なんじゃないか、こういうことで私どもとしては前回の実務者協議に臨んだところでございます。
 その合意につきましてはあるいは御承知かと思いますので、直接ただいまの答弁からは省略いたしますけれども、その一環といたしまして、自主規制措置につきましても幾つかの補強強化措置というものについて合意ができました。それがただいまお話のございました、韓国の漁業制度でも存在してはいけない無許可漁船でございます小型トロール漁船につきまして今回取り締まり対策の対象にするということで合意ができましたし、それから船名隠ぺい船につきましては、現場で把握いたしますと、そこで注意を喚起して漁場から離脱していただくとかいろんな指導、あるいは韓国の指導船の派遣を要請するというようなことができるわけでございますが、船名隠ぺいということでなかなか事後的には船が固定できない、特定できないという問題がございますので、そういうものについては写真等がございますれば、それを取り締まり担当官会議の場等で提示いたしまして、韓国側で船名の特定、それに基づくしかるべく厳正な処分の要請ということをやってまいっているわけでございます。今回もこの船名隠ぺい船対策につきましても、いろいろ話し合われた中で取り締まり担当者会議の議題として取り上げて、積極的に韓国側が指導対策を行うということになっているところでございます。
#55
○林紀子君 確かに件数は減ったんですけれども、今までも、例えば韓国の大統領が来日したときとか、ソウル・オリンピックがあったときとか、何か外交的な問題があるときには件数が減って、その後またふえるという状況を繰り返してきたということなので、そういうことには絶対にならないようにというのが大変強い御希望です。
 そして今回の合意では、九六年末まではいわば自動延長ということになるんだと思うんですが、それでは九七年以降新たな日韓漁業関係をどういうふうに確立していくのか、大変申しわけありませんが、私の時間短いので簡潔にわかりやすく御説明ください。
#56
○政府委員(鎭西迪雄君) 前回の日韓協議で私どもが一番重点を置きましたのは、現行の枠組みというものは国際的な情勢、これは先ほど来も御議論が出ていましたが、国連海洋法条約の発効、批准という情勢でございますが、そういった流れ、あるいは両国の共通の水産資源の保続というようなこと、あるいは操業秩序の確立ということからいって限界があるんじゃないか。したがいまして、新しい漁業関係の構築を目指して現行枠組みを見直すべきじゃないかということに最大の力点を置いたわけでございまして、私どもの理解といたしましては、韓国側も中長期的にそういうことが韓国のメリットになるということを理解されまして、将来早期に日韓の新漁業秩序の形成のための努力のための協議を行うということについて合意ができたわけでございます。
 したがいまして、私どもとしては突破口が開けたというように理解をしておりますが、その前提として一年間程度かけまして双方で共同で資源調査を行う、それを踏まえまして、どういう日韓の漁業の枠組みが適当なのかという本格的な協議を来年なるべく早い時期に開始いたしたい、かように考えているところでございます。
#57
○林紀子君 今まで二十年間もこういうことが繰り返されてきたわけで、今確かに突破口とおっしゃいましたけれども、しかしまだこれから協議をやっていこうという話なんだなというのがわかったんですね。
 大臣にお伺いしたいんですけれども、やはりこうした問題を根本的に解決するためには、お話のありましたように、国連海洋法条約の発効を受けて二百海里体制を全面適用する、これが一番根本的な解決になるんじゃないかと思うわけです。そして、当農水委員会でも昨年の百二十九国会では漁民団体から提出されております二百海里体制の早期確立を求める請願というのを全会一致で採択をいたしました。また、地方議会でも関係の深い二十三の道府県、三百十一の市町村で決議や意見書を上げているわけです。ですから、政府は一日も早い二百海里体制の実現に努力をすべきだと思いますが、その御決意をぜひ伺いたいと思います。
#58
○国務大臣(大河原太一郎君) 政府といたしましては、国連海洋法の批准に向けて現在検討しておるところでございますが、御案内のとおり二百海里水域は中国及び韓国でございますが、これについては、漁業関係におきましては日韓漁業協定、それから日中漁業協定という基本的な枠組みがありまして、その枠組みを前提として現在両国との間の関係を持っておるわけでございます。両国とも二百海里については発動しておりません。そういうことを考えますと、一方的な二百海里の発動については、その水域における我が国の漁業の操業自体にも影響を及ぼすという問題もあるわけでございます。
 それからもう一つは、やっぱりこれは日中なり日韓の外交関係の全体にも響く問題であるというようなことでございまして、直ちに結論を出すことについては慎重でなければならないというふうに思っておるわけでございまして、ただいま長官が申し上げましたような新しい漁業秩序、国連海洋法の方向に沿った新たな漁業秩序をつくり上げていく、そういうような努力をまず行うべきではあるまいかというふうに思っておるところでございます。
#59
○林紀子君 やはり海洋法条約というのはもう世界の流れになっているわけですから、主権国家としてはっきり二百海里の全面実施というのをまず日本が打ち出す。そして、それを踏まえた上で日韓・日中交渉を行っていくということが大事だということを申し上げて、質問を終わります。
#60
○委員長(青木幹雄君) 以上をもちまして、平成七年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、農林水産省所管及び農林漁業金融公庫についての委嘱審査は終了いたしました。
 なお、委嘱審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと思いますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#61
○委員長(青木幹雄君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#62
○委員長(青木幹雄君) 次に、中小漁業融資保証法等の一部を改正する法律案及び漁業災害補償法の一部を改正する法律案、以上両案を一括して議題といたします。
 両案につきましては、既に趣旨説明を聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#63
○菅野久光君 ただいま議題となりました二法律案につきましては、漁業団体と水産庁とが十分協議をして、漁業者の要求、団体の要求、そういったようなものがこの法案の中にかなり盛り込まれておるというふうに承知をしておりまして、その努力に対してまず初めに御苦労さまでしたと感謝を申し上げたいというふうに思います。
 しかし、幾つかの問題もまだあるわけですが、とりわけ漁業をめぐる環境の問題でございます。我が国漁業の生産状況を見ますと、公海漁場での規則強化等に伴って遠洋漁業による生産量が減少しているほかに、我が国周辺水域においてもマイワシ資源の減少等によって沖合漁業による生産量も急激に減少しています。この結果、沿岸漁業の重要性が相対的に高まってきておりまして、生産量で約三六%、生産金額で約五三%が沿岸漁業ということになっているわけであります。
 しかし、沿岸漁業も各種の開発行為や生活排水の増大等によって漁場環境が悪化をしてきている。すなわち、沿岸漁業の漁場であります。辺水域の資源状況は総じて低水準ということでございまして、しかも悪化する傾向にあるわけでございます。
 そこで、周辺水域の資源増殖対策、資源管理型漁業の推進等がどうしても必要ではないかというふうに思いますが、それらの対応策について初めにお伺いをいたします。
#64
○政府委員(鎭西迪雄君) ただいま委員御指摘のとおり、二百海里体制の定着あるいは公海漁業に対します規制の強化の昨今の急速な動き等から見ますと、ますます我が国の周辺水域の重要性というのが高まってまいっているというように基本的に認識しているところでございます。
 しかしながら、御承知のとおり、我が国周辺水域におきましては、長年にわたりまして税密な利用が行われてきましたことから、総じて資源状態が悪化をいたしております。我が国の周辺水域を将来にわたりまして安定的に利用していくために、水産資源の維持増大を図るということが非常に急務になっている、こういうように認識いたしております。
 このために、私どもといたしましては、つくり育てる漁業及び資源管理型漁業というものを推進いたしまして、周辺水域の持続的かつ高度な利用を図るという施策を進めようということで、いろいろやってまいっているわけでございます。
 この中で、いわゆるつくり育てる漁業といいますものにつきましては、沿岸漁場の整備開発事業というものを具体的にやっておりまして、魚礁の設置あるいは培養殖場の造成等の海の畑づくりというようなもの、もう一つは栽培漁業と言っておりますけれども、種苗生産なり放流を行う海の種づくりというものをあわせましてやっているところでございます。
 それから、資源管理型漁業につきましては、これはかなり広い概念ではございますけれども、海洋水産資源開発促進法に基づきまして資源管理協定制度というものがございまして、漁業者団体によります自主的な資源管理というものを促進いたしますために、国なり自治体あるいは漁業者団体等が一体となりまして、資源管理型漁業の全国的な推進、定着化を図るための資源管理型漁業総合対策というものを平成三年度から積極的に実施をしてまいっているところでございます。
#65
○菅野久光君 資源管理型漁業については、私の大先輩であります川村清一先生がこのことを提唱され、大変力点を置かれておりますので、後輩の私といたしましても資源管理型の漁業を一層推進するためにこれからも頑張っていきたいというふうに思っております。とりわけ二百海里体制になりますとやっぱり前浜の漁業をどうするかということが一番大事な問題にたってきますので、その点での御努力を一層お願い申し上げたいと思います。
 こうした中で、漁民が一生懸命にたって漁をしてきても、とった魚の値段が円高の問題や、それから輸入水産物ですね、これいつも漁業団体が秩序ある輸入をということを国に対しても要求しているんですけれども、商社の方からすれば、やはり利潤を得るということが目的でございますから、秩序ある輸入ということがなかなかなされない。そうした中で、門高基調が定着をする。そしてまた、消費者のニーズの高級化。こういったようなことによって非常に輸入水産物が多くたってきているわけです。
 こうした中で魚介類の自給率を見ますと、昭和四十年には一〇九であったのが、それからずっと低下する傾向にありまして、平成元年度から四年度までは八〇台になっておりましたが、五年度の概算では一挙に七六まで急落をしたわけでございます。産地での魚価水準、これが輸入水産物の増加等によってどんどん低下をしていくということになるわけですから、漁業収入が減少するということは当然でございます。こういった中で、漁民の方々の生活も、それから漁協の経営も大変な状況になってきております。特に、中小漁業経営は厳しい状況に立たされているわけでございます。
 したがって、このように輸入水産物によって価格が下げられるということは、これは農業の場合でいえばやっぱり肉と同じような状況なんですね。そういう点からいえば、肉やあるいは牛乳などについては不足払い制度というのがあるんですが、水産にはこの不足払い制度というのがないんです。そこに私は大変な問題があるというふうに思うんです。何とかもう少し魚価の水準を維持するための工夫といいますか、そういったようなものがないのか。そのことは後から漁災法の関係なんかにも出てくるわけでございますが、いつも水産団体の要求の中に輸入水産物の問題が出てくるわけでございまして、これに対して何らかの手を打たなければならないのではないかと思うんですが、その辺は大臣どうでしょうか。
#66
○国務大臣(大河原太一郎君) 最近の、特に著しい水産物価格の低迷は、やっぱり平成四年以来の景気の低迷というようなものが大きく影響しておりますし、それが水産物消費の減退とかあるいは卸売価格の低下とかということとともに、お話がございましたように、円高に伴う輸入水産物の価格の低下ということだと思うわけでございます。
 今、特別な次の水産物価格の維持のための方策いかんということがございましたけれども、我々としては、どうも水産物についてはその特性からいって市場メカニズムによって適正に形成される。中長期にわたってやっぱり需給のバランスをとる。そういうことによって価格水準を維持していくというのが基本的な考えでございます。
 そのためには、当然でございますけれども、水産物の需要の拡大という点についての一段の努力も必要でございます。また、その実効性について疑問であるというような御指摘も今、菅野委員から賜ったんですけれども、輸入にかかわると申しますか需給関係にかかわるような業界関係者、そういうものについての協議の場を設けて、秩序ある輸入というようなことについて一段の努力をしなければならない。一方、やっぱり我が国の国内水産物のコストを下げたり、あるいは高い付加価値を持った製品と消費者ニーズの多様化等に応じた水産物の供給というような努力をいたして、これに対応せざるを得ないのではないかというふうに思っておるところでございます。
 水産物について、その特性から、なかなか価格維持的た政策の展開が困難であるというのが認識でございますが、せっかくの御提言でございますので、我々としても今後この点についての研究をしていきたい、さように思っておるところでございます。
#67
○菅野久光君 大臣からこれからも研究をしていきたいというお話がございました。私どもも何とかここのところをしなければ、中小の漁業経営者の方々は大変だなという認識だけはお互いに持ちながら、これからひとつ努力をしていかなければならないなという思いをしております。
 ガット・ウルグアイ・ラウンド交渉の決着に伴って、水産物の関税がまた引き下げられることになっておりまして、またその影響が心配されるわけでございます。
 一方、国連海洋法条約については、先ほどもお話がありましたが、批准に消極的でありました欧米諸国に批准に向けた動きがありまして、国連海洋法条約を批准した場合に大規模な減船が必要となるとの見方もあります。我が国漁業にこのことがどのような影響を及ぼすのか大変関心が持たれております。
 そこで、ラウンド交渉と国連海洋法条約が漁業にどう影響すると考えられておるのか。また、その対策をどのように考えられているか。今の段階でのお考えをお聞かせいただきたいと思います。
#68
○政府委員(鎭西迪雄君) まず、ウルグアイ・ラウンド交渉でございますけれども、御承知のとおり、水産物交渉におきましては、関係国からの厳しい要請、すなわちIQを撤廃せよ、関税についてはゼロにせよという大変厳しい要請がございました中、私ども国内の漁業サイドの要請という実態等も踏まえまして折衝をいたしました結果、割り当て制度については、これを維持することができました。それから、関税につきましても、貿易加重平均で三分の一の削減ということで、平たく申しますと、我が国の国内供給ではなかなか賄えず、必然的に輸入に依存するようなものはたなるべく関税率を下げ、国内の生産と競合するものについてはなるべく関税率の引き下げを薄くすると、こういうことで、加重平均での三分の一の削減ということを守ったところでございます。
 この合意によりまして、水産物の平均関税率は、六・一%でございますものが、平成七年から五年後までに○・四%ずつ下がっていくということになるわけでございます。
 この○・四%ずつ毎年下がるというものの評価でございますけれども、いろんな見方がございまして、直接これが国内水産物の需給や価格に具体的にどういう影響を与えるかというのは非常に難しい問題ではございますが、先ほど来いろいろ御議論なされておりますように、昨今の円高等を背景とした輸入の増大あるいは動物性たんぱく食品である畜産物との競合の問題、景気の動向等もございまして、食料品全体の価格が低調であるというようなことを考えますと、今後少なくとも輸入水産物との厳しい競争場裏に立たされていく方向に動くというようには認識をしておく必要があるのではないかというように考えているところでございます。
 それから、国連海洋法条約でございますが、先ほども若干の御議論がございましたので簡潔に申し上げたいと思いますけれども、海洋に関する多面的な法的秩序というものが国際社会において確立されるということでございますので、海洋に多くを依存いたします我が国全体の国益に沿うものだという基本的立場で、ただいま水産庁のみならず政府全体として、来年の国会承認後の早期批准に向けた検討準備に取りかかるべくいろいろ作業を進めているというところでございます。
 漁業分野におきましても、これも御承知のとおりでございますが、沿岸国として周辺水域におきます排他的な管理管轄権というものを持てるということになりまして、その一つがいわゆる排他的経済水域の設定をすることができる立場に立てるというようなことでございます。それの裏腹でございますが、科学的な資源状況の把握を通じた生物資源の保存管理措置を講じる義務を逆に沿岸国としては持つようになる。こういうことでございますので、我が国の漁業の将来に当然大きな影響を及ぼしていくことになることは間違いないところでございます。
 したがいまして、水産庁といたしましても独自に、昨年の後半以来、海洋法条約の批准というものが国内の漁業制度なりその運用にどういう形で影響するかということにつきまして幅広く検討する必要があろうということで、学識経験者、現地調査等々を含めまして、現在、所要の検討準備作業というものをやっているところでございます。
#69
○菅野久光君 海洋法条約の問題についてはこれからの問題でございますので、我々も重大な関心を持ちながらこの問題に今後対応していかなきゃならぬなと、このように思っております。
 次に法案に入りますが、漁業災害補償法の一部を改正する法律案でございます。
 昭和三十九年にこの法律ができて、その後幾多の改正を経ながら来たわけでございます。漁業共済の関係につきまして、この加入率なんですが、特定養殖共済のみが突出して八四%、漁獲共済は三五・七%、養殖共済が二七・九%、漁具共済は三・八%という加入率ですね。漁業共済制度の中で最も重要な地位を占めている漁獲共済、これが三五・七%というのは大変共済としては低いわけですが、関係者の努力で上昇傾向にあるというふうには聞いております。
 しかし、今日まだこういったような状況で、関係者の御努力にもかかわらず低い加入率になっているその原因、あるいは今後加入率を上げるためにどのようなた対策を立てられるのか。行政監察局の一月に出された報告なんかもございますが、その点についてちょっとお伺いいたしたいと思います。
#70
○政府委員(鎭西迪雄君) 漁業共済制度でございますが、ただいまのお話のとおり、昭和三十九年から制度が発足いたしまして以来、逐次加入率は拡大をしてまいっておりますけれども、現状は、ただいま委員のお話のとおり、必ずしも加入率が理想の形になっているとは言えない状況でございます。
 この原因でございますけれども、制度発足以来何回か制度改正等々で対応はしてまいっているのでございますが、やはり漁業の実態の変化というものに制度が対応し切れていないんではないかというのが一点ございます。
 それから、漁業者の意識自身も相互救済制度によります互助制度だということの認識がやはりやや薄いと申しますか、そういうことで、みんなが入って広く薄く掛金をすることによって特定の事故があったときに救済をされる、こういう制度の理解というものがいまいち不十分ではないかなというのが二点でございます。
 それから、私どももいろいろと普及PRを進めておるのでございますけれども、やはり漁業共済団体、系統団体、あるいは県、市町村を含めましたところの推進体制、特に系統漁協について私は大いに期待をしているのでございますが、そういうところの加入促進の努力というものについてももう少し工夫があるんではないか、かように考えているところでございます。
 したがいまして、今回私どもは制度改正をいたしまして、漁獲、養殖、特定養殖、漁具共済と四つあるわけでございますけれども、漁業者のニーズの変化、多様化というものに対応いたしまして、なるべく多様な加入方式というものを導入いたしまして加入率の拡大に資したいということとあわせまして、共済団体なり系統あるいは自治体が一体となった加入促進運動を展開すべく、所要の予算措置等々も講じていることでございますので、この制度改正とそういった推進体制の強化というものと相まって、今後相当加入率は伸びていくだろうし、またそうしなげればならないものである、このような認識をいたしております。
#71
○菅野久光君 この共済の加入についての運動、今のお話のように、国ももちろん積極的にPRしなきゃなりませんが、都道府県や市町村の自治体、そして系統団体、もちろん主導的な役割は共済組合でございますが、選挙運動と同じように目標を立てて、まずことしは三%やろう、そして三%ずつ五年やれば相当伸びてくるわけです、一五%伸びるわけですから。そういう具体的な目標を立てて、それにそれぞれの関係者が全力を挙げてやるというようなことでなければ、ただ上げよ上げよということではないと思うんですけれども、ジャンプアップきょさい運動というようなことで一生懸命頑張っておられますが、ぜひここのところは制度の趣旨、そういったようなものを周知徹底して、加入率が上がって本当に安心して漁業経営ができるような体制をぜひつくっていかなげればいけないな、そんた思いをしておりますので、また水産庁でもひとつ特段の努力をしていただきたいということを要望しておきます。
 この漁済の関係ですけれども、実は調べてみますと、漁業共済事業で共済組合や全国漁業共済組合連合会、ともに大きな累積赤字を抱えておられるんですね。また、最近の大きな事故の多発によって赤字の拡大もあって、平成五年度末でその総計は三百三十九億五千二百万円ということになっております。
 このようなことから、赤字対策として共済掛金の引き上げが行われるのではないかというふうに思われますが、現在のようだ低い加入率のままで掛金だけの引き上げを行えば、優良経営が漁業共済から離れていくという結果をも招くことになるのではないかというふうになって、事業の安定性がさらに失われて、また掛金を再び引き上げざるを得ないということになれば悪循環ということになるわけでございます。国としてもそれなりの補助の問題、こういったようなことをやっておりますが、実は漁業共済組合の東北・北海道漁業共済組合長会議で要望書が出ております。これも先ほど実は輸入水産物とのかかわりで、関税収入を何とか共済の方にも回してもらえないかというような要望が出ているわけでございますが、こういったようなことなどを含めてどのようにお考えか、お伺いいたしたいと思います。
#72
○政府委員(鎭西迪雄君) 漁業共済事業の収支状況につきましては、ただいま委員おっしゃいましたようにそれぞれの段階で累積赤字というものがございますが、昨今は政府の特別会計の方にかなり累積赤字がシフトしてまいっておる、こういう状況でございます。
 いずれにいたしましても、共済事業というものの収支を改善いたしますためには、長期的に加入の拡大というのを図りまして、長期にこの事業というものが安定することが非常に重要なわけでございますので、今回の改正におきましても加入拡大のためにいろんな加入方式を導入する、あるいは漁具共済等々には掛金の分割納入制度等々も導入する、あるいは優良漁業者に加入していただくために長期特約に基づきます契約割合の引き上げたとか、あるいは無事戻し返戻制度の導入等々いろんな工夫をしているところでございまして、そういうものに基づきまして長期に収支が安定するような対応というのを基本的にはやってまいりたい、かように考えております。
 なお、制度発足以来政府の特別会計にかなり累積赤字が発生いたしまして、過去何回か一般会計からの繰り入れ措置という、これは臨時異例な措置でございますけれども、そういうものもやっておる。ごく最近でも、平成六年度補正予算で九十二億円強というものを一般会計から特別会計に繰り入れたということをやったばかりでございます。
 それから、ひとつウルグアイ・ラウンドの関税収入を水産政策に充てるべきではないかなというようなことが漁業者サイドの要請としてあるという具体的なお話があったわけでございますが、時々そういうような御意見というのはあるのでございますけれども、考えていただきたいのは、ただいま最近時点の水産物の輸入金額というのは一兆六千億強でございます。先ほど御説明いたしましたように平均関税率は六%程度でございますので、それから推定いたしますと、関税収入は一千億円弱という程度ではないかと。これと、例えば平成六年度の水産庁の一般会計予算三千七百億円というものを比べてみますと、規模において相当の格差がございますし、それから関税はウルグアイ・ラウンドの妥結によりまして五カ年間で三分の一引き下げていくと四・一%になるわけでございますので、見通しとしては関税収入がこれからどんどんふえていくというような状況にもないということを考えますと、必ずしも輸入水産物の関税収入を特定財源として水産政策に充てるということが全体的な水産政策の展開にとっていいかどうかということについては慎重に検討する必要があるんではないか、私どもといたしましては現行のような一般会計の中で必要なものについて各方面の御支援を得たがら充実強化をしてまいるということで進めてまいりたい、かように考えているところでございます。
#73
○菅野久光君 長官が言われることもわかるんですが、今の予算の仕組みがシーリングで、しかも国の財政が厳しいということで、どこからか財源を見つけてこいというような話なども出ているということなどから、そういうような要望が非常に強いんだろうというふうに思いますが、この共済事業が赤字で大変な苦労をされているというようなことなどをいつまでも放置しておいていいのかということなどもあるものですから、これは今々の問題でたいにしても、常に我々頭の中に置きだから共済事業がスムーズに運営できるような、そういう体制をつくっていかなければならないのではないかというふうに私は思っているわけです。
 時間がございませんから最後に、今回中小漁業融資保証法等の一部を改正する法律案が出て、できるだけ借りやすく、そして要望に応じてという融資制度ができたわけですが、いつも借りやすくということを言うんですが、実際に借りる段階になるといろいろな制約があって借りれないというような状況を私どもはよく聞くわけでございます。せっかく国の方では借りやすくということでつくっても、実際にやっていく段階に行くとだんだん厳しくなっていくんですね。
 そういうようなことなどもありますので、本当に末端にきちっとその意思が伝わって、本当に漁業者のためになるような資金になっているかどうかということを検証しながらひとつ運営をしてもらいたいということを要望して、質問を終わります。
#74
○委員長(青木幹雄君) 午前の質疑はこの程度とし、午後一時二十分まで休憩いたします。
   午後零時十二分休憩
     ――――◇―――――
   午後一時二十分開会
#75
○委員長(青木幹雄君) ただいまから農林水産委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、中小漁業融資保証法等の一部を改正する法律案及び漁業災害補償法の一部を改正する法律案、以上両案を一括して議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#76
○風間昶君 平成会の風間でございます。
 この一年間、水産業全体におけるさまざまな問題が議論になることが少なかったものですから、せっかくの機会をいただいたものですから、水産二法の審議でありますけれども、お伺いしたい点、何点かございますので、よろしくお願い申し上げます。
 我が国漁業の現状は大変厳しいというふうに先ほど長官もお話しございました。また、大臣も中長期的に見た水産物需給の問題等もお触れになりました。特に、生産動向とそれから漁業経営についての認識でありますけれども、まずそれぞれについて今後の見通しを簡単にお聞きしたいと思います。
#77
○政府委員(鎭西迪雄君) 我が国の漁業の生産動向でございますけれども、かつては、御承知のとおり、沿岸から沖合、沖合から遠洋へということで、外国二百海里水域まで遠洋漁業という形で進出をしておりまして、トータルとしての漁業生産量も非常に大きかったわけでございますし、かつ沖合資源でございますイワシ資源が非常に豊漁になるということで、六十二、三年ごろでございますけれども一千二百万トン前後の総漁獲量を上げておりました。それが外国の二百海里漁場からいわゆる締め出されるという形になりまして遠洋漁業の漁獲量がかなり減少したことと、それから、たまたまイワシの資源が衰退期と申しますか、六十三年ごろ四百五十万トンぐらいございましたが、それをピークにいたしまして現在二百万トン弱ぐらいに減っておりまして、九百万トンを切るというような形になっております。
 それから、需要でございますけれども、これももう御承知のとおり、日本民族は古来から魚食民族でございまして大変国民の嗜好性は高いわけでございますが、その中でも周辺で漁獲されます底魚類とかエビ、カニのたぐい、これが非常に少のうございまして、これを輸入で補うという形でかなり輸入が増加してまいっている。こういうことでございますけれども、引き続き、昨今非常に健康食品という面で脚光も浴びてまいりまして、これからの高齢化社会に向けても水産物需要という面ではかなり底がたいというように考えていいんではないかと思います。
 ところが、漁業経営でございますけれども、これにつきましては、ただいま申しましたように、かつて外国の二百海里水域までどんどん進出しておりましたいわゆる沖合遠洋漁業の中核的担い手でございます中小漁業経営、これが最近の人手不足あるいは過剰投資と申しますか、設備投資の相当な負担ということで相当経営状況は厳しくなってまいっております。沿岸漁業につきましても、高齢化あるいは就業者の減少あるいは底魚資源を中心といたしました資源状況の悪化、それから先ほど来もいろいろ御議論が出ておりますけれども、我が国の食料品価格全般についても言えるわけでございますが、価格がいま一つ伸び悩みと申しますか低調と申しますか、そういう中で経営全体としては相当厳しい状況になってまいっている、このように認識をいたしております。
#78
○風間昶君 認識は私も同じ認識なので、だから今後の見通しはどうかと。上がり方向なのか、横ばいなのかどうなのかということでございます。
#79
○政府委員(鎭西迪雄君) 漁業生産量につきましては、トータルの生産量の大宗を占めます沖合漁業のイワシ、サバ、アジ資源がどうたるかということにかかってくるわけでございますけれども、研究サイド等々の見方は当面短期間でイワシ資源が回復する見通しというものはなさそうでございますので、具体的に何万トンということは必ずしも言えませんけれども、今のような水準というのが大体いいところではないかと。
 それから、国際的に見ましても全体で一億トンの供給というのがここ数年ずっとまいっておりまして、FAO等の見方でも供給量としては一億トン前後で横ばい。ただ需要量は世界的に、先進国、開発途上国含めまして一人当たりの消費量も伸びておりまして、長期的に見ますと需給はタイトになっていくんじゃないか、これはFAOあたりの見方でございます。
#80
○風間昶君 日本の漁業の現状というのを最初に言ったんですよね、世界の需要を聞いているんじゃなくて。まあそれはそれとして、もう時間がなくなってしまいますので。
 農水大臣、これは十五日の新聞でございますけれども、成層圏のオゾン層破壊が続くと、紫外線がふえることによって海の生態系の基礎にたるプランクトンが減少して、結局世界の漁獲量、一億二千万トン近くの漁獲量の約七%が減少するだろうと。七百万トン、日本の水産量にやや匹敵するぐらいの量がなくなるという試算がUNEPから出たんですけれども、まずそれに対する印象をお伺いしたいと思います。これは通告外でございますけれども。
#81
○国務大臣(大河原太一郎君) 私もその記事を読ませていただきましたですが、オゾン層の破壊その他の農業なりあるいは水産業等に対する各般の影響、これは今後も考えていかなければ相ならぬというわけでございまして、なればこそ、やはり漁業生産についての資源の維持培養というようなことについて現在我々が進めている施策を一層強力に進めなければ相ならぬ、さように思っておるところでございます。
#82
○風間昶君 我が国漁業をどうしていくかということの大臣の決意というふうに受けとめてよろしいんですか、今の後半のくだりは。
#83
○国務大臣(大河原太一郎君) そのとおりでございます。
#84
○風間昶君 それでは、沿岸漁業振興について資源管理型漁業の推進とつくり育てる漁業の振興ということで先ほど長官からもありましたが、二つの課題を同時に克服するというか進めていくということはなかなか容易なことではないのではないかという漠然とした印象を持っているわけです。その中で、つくり育てる漁業の柱にもなるんでしょうけれども、養殖業の振興という観点から、エビの問題についてお伺いしたいんです。
 日本人は私も含めてエビが大好きで、輸入水産物の中でも金額量が最大で、魚粉に次いで二番目に多い。国内の漁獲量五万トンに対して三十万トン近くが輸入されている。しかも養殖エビの多くを輸入しているというふうに聞いております。
 そこで、東南アジアにおけるエビ養殖に対する我が国の技術協力の現状をまずお伺いしたいと思います。
#85
○政府委員(鎭西迪雄君) 我が国は開発途上国の養殖業を含めました漁業の振興を図るために、国際協力事業団を通じまして各種の協力を行っております。
 ただいまお話しのエビ類の養殖振興支援といたしましては、専門家の派遣だとか研修員の受け入れ、あるいは資機材の供与をセットにした協力方式、プロジェクト方式技術協力、こう言っておりますけれども、これによりましてこれまでにタイ、インドネシアにおいて実績があるというように承知をいたしております。
#86
○風間昶君 種苗生産のための例えは親エビ養殖とか養殖用施設の開発とか、そういうこともやっていらっしゃるんでしょうか。
#87
○政府委員(鎭西迪雄君) ただいまお話がございました水産資源の適正管理というものについての協力といたしまして、同じくタイ政府の要請を受けまして資源調査なり解析評価、それから資源の管理に至ります一貫した研究手法の確立のための技術協力といったものを昭和六十三年以降、これも専門家の派遣だとか研修生受け入れ、資機材供与が中心でございますが実施をしているというように承知しております。
#88
○風間昶君 一方で、養殖池の造成のために開発しているマングローブ林の破壊問題も大きな社会問題になっているかと思いますけれども、養殖業と林業との協力事業についてはいかがでございますか。これは通告外ですけれども。
#89
○政府委員(鎭西迪雄君) 養殖業と林業につきましてのそういう形での協力事業につきましては、ただいま私は承知しておりません。
#90
○風間昶君 申しわけありませんでした、通告しておりませんでしたので。
 一方で、養殖エビと海面漁業による問題、要するにトロール船でエビだけじゃなくてさまざまな魚種を含めてとっているということでありますと、いずれ資源の枯渇が懸念されるわけでありますけれども、その場合の我が国の協力、取り組みについてはいかがでございましょうか。
#91
○政府委員(鎭西迪雄君) 我が国で現在技術開発ということをやっておりますのは、委員御承知かとも思いますけれども、いわゆる選択性漁具ということで対象漁獲物に限定して漁獲ができるような、例えばトロール漁法といったようなものについて技術開発を進めて実用化に向けて取り組んでおるという現状でございます。
#92
○風間昶君 わかりました。
 次に、ことしの日ロサケ・マス漁業交渉での漁獲量、魚種別組成、水域別組成、協力費について若干お伺いしたいと思いますが、わかっておる範囲内で。
#93
○政府委員(鎭西迪雄君) 本年度の日ロの漁業交渉でございますが、去る三月六日にモスクワで開会をされておりまして、現在なお精力的に交渉継続中でございますが、交渉開始以来既に十日を経過しておりますし、現地からの報告によりますとほぼ最終局面を迎えているというふうに承知しておりますので、間もなく妥結できるんではないかなというのが現時点の状況でございます。
#94
○風間昶君 あらかじめ我が国として予想あるいは獲得目標として持っていったところに行っているような感じでございますか。
#95
○政府委員(鎭西迪雄君) 私どもといたしましては、昨年までのいろんな経緯も踏まえまして、昨年の漁獲量及び漁業協力費といったものを念頭に置きつつ、何とか昨年並み以上の実績ということで妥結をしたいということでただいまモスクワで海洋漁業部長が奮闘しているところでございます。
#96
○風間昶君 大きな成果が得られるように望んでおります。
 そこで、サケ・マス漁業交渉とは別でございますが、私は北海道なんですけれども、北海道の稚内市、最北端の市でございますけれども、稚内海外漁業という会社がサハリンのネベリスク市の漁業コルホーズと、たしか出資金四百万ドルぐらいだと思いましたけれども、四年前に日ロ合弁会社稚内というのをつくったんです。これは現在スケトウダラの捕獲を、ロシアは外貨の獲得を含めてまあまあうまくいっているやの話を聞いておるんですけれども、現在までに政府当局が掌握しているロシアとの合弁会社はどのぐらいあるのか、その経営状態がおおむねどうなっているのか、把握していれば教えていただきたいと思うんです。
#97
○政府委員(鎭西迪雄君) 委員ただいまおっしゃいましたような事情を背景に、ロシアは近年諸外国との合弁企業の誘致を推進しております。
 そのうち漁業及び水産加工業の分野でございますけれども、平成五年度末現在でございますが、我が国の企業が、ただいまおっしゃいましたような例もこれに含まれておりますけれども、参加しているもので十九件の合弁企業が設立されているというように私どもは承知をしております。
 これらの合弁企業でございますけれども、北洋におきます我が国漁船の操業機会の確保に貢献するという面とともに、サケ・マス類の人工ふ化場の設立あるいはタラだとかカニ、エビ等の漁獲、水産加工等の事業を行っておるわけでございますけれども、押したべて申しますと、これらの合弁企業は、昨今のロシア経済の混乱等を背景にいたしましていずれもかなり苦しい経営状況にあるというように私は承知しております。
#98
○風間昶君 後ほど資料を要求いたしますので見せていただきたいと思います。
 次に、日韓漁業交渉でございますけれども、このたび円満に合意、妥結したというふうに聞いておりますけれども、その内容を簡単に教えていただきたいと思います。
#99
○政府委員(鎭西迪雄君) 日韓漁業につきましては、先般来いろいろ当委員会でも御議論をなされたところでございますけれども、昨年末に現行の自主規制措置というものが期限切れを迎えるということで、これを契機に私ども日本側としては、かねて漁業サイドあるいは関係自治体から強い要請がございました国連海洋法条約の発効という新しい国際秩序を背景にいたしまして、歴史的経緯あるいは特殊性というものがある日韓漁業関係でございますけれども、そういう中で両国漁業者が共同で利用しております水域における資源の保続管理、それから操業秩序の維持というものがきちっとできる、そういう枠組みを構築する必要があるんじゃないかなということで精力的に協議を進めてまいったわけでございまして、先月末に日韓でおおむね、おおむねと申しますか実質合意ができました。
 その一つは、今私が申しました日本側の主張につきまして韓国側もある程度御理解をしていただき、あるいは中長期的に韓国の漁業サイドにとってもメリットになる、こういう御理解が進んだのではないかなと見ているのでございますけれども、将来の日韓の漁業関係の望ましいあり方、新漁業秩序、こういうことだろうと思いますけれども、形成に向けて共同で努力する。その一環として、一カ年間かけまして共同の資源調査を行いまして、それを踏まえまして早急に本格協議に入る、これが一つでございます。
 それから二つ目が、現在も行っております自主規制措置でございまして、首脳会談等々の場で総理からも申し入れをしていただきまして、総件数は大分減っておりますけれども、やはりこれを仕組みの中にインプットすべきじゃないかということを強く私ども要請したわけでございますが、幾つかの点で、現行の自主規制措置についても取り締まりの強化措置というものについて合意ができまして、二年間さらにこの自主規制措置、補強強化されたものを延長する、こういうことで先月の末に日韓で実質合意を終えた、こういう状況でございます。
#100
○風間昶君 端的に言うと、そうすると、将来の日韓の新漁業秩序の形成に向けて共同資源調査ということと自主規制措置の改定、二年間強化したものを延長する、この二つでいいんですか。
#101
○政府委員(鎭西迪雄君) その二つでございますが、一点目について非常に重要なのは、その共同資源調査を踏まえまして、来年なるべく早い時期に本格的な日韓の新漁業秩序の枠組み構築に向けた協議を開始するということについての合意ができた、これが大きな私どもとしては前進である、こういう認識でございます。
#102
○風間昶君 次に、現在南氷洋、ニュージーランド沖で行われておりますミンククジラの調査捕鯨について、まず過去三年間の捕獲頭数を含めてその内容を教えていただきたいと思います。
#103
○政府委員(鎭西迪雄君) 過去三カ年間ということでございますので申しますと、九三、九四年、これは年末から春までちょうど調査期間がまたがるわけでございますが、九三年の十一月から昨年の四月八日まででございまして、これは三百三十頭の頭数を採集しております。その前年はやはり三百三十頭でございますし、それからその前、三年前でございますが、二百八十八頭ということでございます。今期もただいま南氷洋で捕獲調査の実施中でございます。
#104
○風間昶君 日本古来から視認というんですか、目で見る探鯨、そして捕獲、解体という一連の、ある意味では系列システム化された産業として位置づけられておったわけです。私自身もこの二年間ぐらい鯨に触れてないんですけれども、国民の中にも鯨に対するなじみというのは薄くなってきている感じがあるわけでありますが、もっと日本の国内の世論を金をかけて盛り上げるべきではないかというふうに思います。
 これは文化の違いがあるから世界各国同じようにはいかないんでしょうけれども、盛り上げるために、例えば小学校、中学校でのテキストとか、あるいは鯨の白書の漫画版だとか、あるいは科学朝日なんかに掲載するとかといったような国内の世論の盛り上げ。もう一方では、アメリカの雑誌ですか、ネーチャーに先日も出ておりましたけれども、ほとんど論文体裁が整っていないような調査結果のような感を私は受けましたけれども、この外国の科学論文などで我が国のただ単に水産庁としての反論論文というか、反論見解なんかではなくて、我が国の学術専門家を含めた科学的根拠の裏づけをきちっと投稿して、海外に対してももっと積極的に主張、PRをしていくべきだと思うのでありますけれども、国内の世論の盛り上げと海外へのPR、これをやろうとしているのかあるいはやるつもりなのか、お伺いしたいと思います。
#105
○政府委員(鎭西迪雄君) 確かに、我が国は古来から鯨を非常に効率よく利用してまいった国民でございますし、各地域地域に鯨を食べる伝統に基づくいろんな地方文化というのが発達をしてまいってきておることは御指摘のとおりでございます。
 しかしながら、委員御承知のとおり、昨今、ややもすると非常に過激な野生生物の保護だとか、地球環境の保全という立場からの環境保護論というのが国際的にも相当強くたってまいっておりまして、大変遺憾なことだと思っておりまして、これに対しましては、私どもは在外公館を通じたり、あるいは水産庁の予算でも、海外の啓蒙普及活動のためのいろんなPR誌の作成等々助成をやったり、みずから先頭に立ってPR活動をやっているところでございます。
 それから、国内におきましてはいろんなNGOと申しますか、あるいは有志の方々のそういう団体がございまして、各地域においていろんな催しをされて鯨の食文化の重要性、あるいは鯨といえども海洋生物資源の一環として適切に利用すれば人類のかけがえのない動物性たんぱく食料の一環である、こういう周知活動というのをやっておられまして、そういうものと一体となって私どもも努力をしているところでございます。
 それから、そういうことも含めまして、FAOがやはり水産業というものを食料供給産業として地道に位置づける国際的な権威のある機関でございますので、FAOが主宰して日本がホスト国になります、略称でございますが食料安保国際漁業会議といったものをことしの十二月に京都で開催しようということで正規に予算も計上をしておりまして、この機会に関係国をなるべく幅広く、しかも有力な方の参集を得まして、地球環境保全と調和のとれた、あるいはもっと申しますと、一番地球環境に優しい産業活動というのが漁業ではないかなというように私自身も思っておりますが、そういうものについての地道な理解をする努力というのを精力的にやっていきたい、このように考えておるところでございます。
#106
○風間昶君 FAOに対しても我が国がホストになってことしの十二月京都でやられると。その前に、夏にアイルランドで開かれる予定のIWC総会にも当然行かれるというふうに認識しているんですが、今の食料安保国際漁業会議、ことしの七年度予算で昨年の五千五百七十七万から六千四百九十二万、約九百万円はね上がってますけれども、捕鯨等海外対策事業という予算の中の九百万円分の中からこれは出るんですか。
#107
○政府委員(鎭西迪雄君) それとは別で、ちょっと今手元には具体的な数字はあれでございますが、数千万円の食料安保国際漁業会議の開催経費というものを七年度新規に計上させていただいているところでございます。ただいま委員がおっしゃいましたその予算ではございません。新規のものでございます。
#108
○風間昶君 後で教えてください、どこの項目なのか。
#109
○政府委員(鎭西迪雄君) はい。
#110
○風間昶君 次に、漁業系廃棄物の処理についてお伺いします。
 日本で登録されている漁船四十万二千隻のうち八割が強化プラスチック漁船、いわゆるFRP漁船というふうに聞いておりますし、北海道でも平成三年の登録で約三万六千隻ぐらいあって、そのうち十年以上の船齢が、船の年齢がたっているのが二万隻ありまして、初期につくられたFRP船の寿命も迎え始めているという状況であるようでありまして、不法投棄されているという声も聞いておるわけですけれども、このFRP漁船の廃棄の実態はどのようになっているのか。
 私は、できればかなりコストがかかったとしてもこれはもとの石油に戻すようなリサイクルに向けた研究も行うべきだというふうに思います。なかなかこれは莫大なお金がかかるようでありますけれども、まずその廃棄の実態を教えてください。
#111
○政府委員(鎭西迪雄君) FRP漁船でございますが、隻数の実態は委員ただいまおっしゃったとおりでございまして、しかも実用段階に入りましてから三十年程度が経過しておりまして、初期に建造されたものがちょうど廃船される時期を迎えておりまして、今後は逐次この廃船隻数というものが増加してくるんではないかという状況でございます。
 ただいままでのところは、FRP船の廃棄につきましては、破砕後焼却する、あるいは破砕後埋め立てするという方法で処理が行われておりますけれども、一方ではこの処理作業の困難性あるいは処理施設などの受け入れ体制の不備などの問題を抱えておりまして、漁港だとかあるいは海岸での放置が見られるというような状況も一部にはあるのは御承知のとおりでございます。
 それから、委員御指摘の不要となったFRP船のリサイクルの研究でございますが、私どもといたしましてもこれまで実船を使用した再利用に関する実験というものを行っておりまして、ただいまおっしゃった油分を抽出するだとかあるいは沈船として魚礁に使う、こういうようなことを行っておるところでございますけれども、平成七年度からはこの再資源、再利用を促進するための処理システムを構築するための必要な調査研究というものを行うことにしておりまして、こういう事業の中で今後計画的かつ適切な処理が行われるように努めてまいるつもりでございます。
 それから、先ほどのFAOの食料安全保障国際漁業会議開催経費というのは、新規で六千九百万円ということで水産庁予算に計上させていただいているものでございます。
#112
○風間昶君 これは去年の九月十二日、東京新聞ですけれども、「ワイヤとモルタル製エコロジー船誕生へ」という記事が出ているんですが、強度の高いワイヤをかご状に組み立てまして、溶接しだいで、合成ゴムとセメントを練り合わせてそれでつないでいく。東京のヨット愛好家が開発して、長崎県佐世保市の造船所で実用艇第一号が近く完成するというふうに去年の九月のニュースで出ておりまして、衝突してもすぐもとに戻せるというか復元できる。それから、コストもFRP船の約三割と安く、寿命も三十年以上という。これは新聞記事でありますからあれですけれども、新しいFRP船産廃処理の救世主として注目を今度浴びてくるんではないかと思うんです。
 所管がどこになるかわかりませんけれども、政府として環境に優しい漁船に関しての技術開発を進めるべきではないかと思うんですけれども、いかがですか。
#113
○政府委員(鎭西迪雄君) ただいま委員がおっしゃいましたワイヤとモルタル製のいわゆるエコロジー船というものの詳細につきましては、私もただいま御紹介された域を出ない知見でございます。私ども水産庁といたしましても、ただいまもお話しいたしましたように、FRP漁船のように廃船となった場合の処理問題、あるいは漁船に使用されております冷凍機の冷媒が環境に与える影響が大変今後懸念される問題であるということは十分承知をいたしております。
 したがいまして、このように環境への影響を最小限にとどめますために、先ほどお話し申しました焼却、埋め立て寺といったような従来の廃船処理対策のほかに、平成六年度から、たまたま名前も委員がおっしゃったのに近いのでございますが、環境にやさしい漁船技術開発事業というものも実施しまして、私どもの方はFRP漁船にかわる軽合金の漁船の開発というものを進めるというような方向で現在物事を進めております。
 それからまた、フロンにかわる冷媒によります漁船用の冷凍機の開発、これにつきましても七年度からこの事業の一環として実施をしていくということをやっておりますので、こういうものも含めまして、昨今地球規模で環境保護を考える機運というものが高まっている中で、漁業資源自身に非常に大きな影響を与えるこういうサイドのことについて、漁業界みずからやはり襟を正し、率先して技術開発、さらなるこれの実用化ということ。に向けた努力を傾注していく必要を痛感しているところでございます。
#114
○風間昶君 わかりました。
 冷媒処理については、私もフロンで学位を取りましたから、これは機会を別にしてまたちょっとお聞きしたいと思います。
 次に、漁業と海洋レクリエーションの調和に関して、七月二十日が海の日制定になることを考えますならば、ますます海洋スポーツ、海洋レクリエーションが普及してくるというふうに予測されます。現実には、水上バイクによる漁網の切断だとか、あるいはモーターボートが漁船の係留場所に停留しているという事実を聞いていまして、結構トラブルを起こしているというふうに聞いておりますが、要するに漁民の方々が不利益をこうむらないようにきちっと指導、対応していくのが水産庁の役割というふうに私は思うわけでありますけれども、どういうふうに調整を図っていくのか、具体的な取り決め等も含めて、あれば教えてください。
#115
○政府委員(鎭西迪雄君) 近年、余暇時間の増大等を背景といたしまして海洋レクリエーションが進展をしてまいりまして、漁業とそういった海面利用との間で、漁場利用の競合あるいはプレジャーボート等の航行波等によります漁労活動への支障だとか、漁具なり養殖施設の破損等のトラブルがかなり生じてまいっております。
 こういうことに対応いたしまして、私どもは漁業とレクリエーション的海洋利用との海面利用の調整を図りまして、一面、やはり海というのは国民に開かれた貴重な財産でもございますので、両者が共存できる、そういう海面利用の秩序を形成することがひいては沿岸漁業の安定的な操業を確保する上で非常に重要な問題であろう、こういう認識のもとに、水産庁といたしまして、漁業と海洋レクリエーションとの調和のとれた利用秩序を形成するために、関係都道府県に漁業と海洋レクリエーションの関係者あるいは学識経験者等を委員といたします海面利用協議会というものを設けまして、その場で円滑な海面利用のための話し合いの場をつくる。そして、それが進みますれば一定のルールをつくっていくという形で調和のとれた利用が進むように施策を進めているところでございます。
#116
○風間昶君 具体的にどこかでモデル的にでき上がっているところがあるんですか。
#117
○政府委員(鎭西迪雄君) 相当多数の県で県レベルで海面利用協議会というのを持っておりますし、中央レベルでそのあたりの指針、今後のあり方あるいはコンセンサスづくりのいろんな処方せんというものをつくるために、中央レベルでも海面利用中央協議会というものを持っております。
 それから、具体的にはプレジャーボート等が漁港におきまして不法に漁港区域を占拠するとか、あるいは放置されているという問題がございますので、そういうものを一定のルールの中で漁港区域の中で正常に係留をしていただくという観点から、これは六十二年度から始めた事業でございますけれども、フィッシャリーナ整備事業、漁港利用調整事業どこう言っておりますが、そういうものも実施をいたしまして、きちっとしたルールの中でプレジャーボートの係留等々も行われるような、そういう場の提供ということにも水産サイドとして心がけているところでございます。
#118
○風間昶君 わかりました。
 それでは、中小漁業融資保証法について若干お伺いします。
 まず、漁業経営改善促進資金の需要見込みでありますけれども、農業経営改善促進資金の中のいわゆるスーパーS資金でさえまだ愛媛県で一件しか貸し出しがない実態を考えますと、今回の一千億円という融資枠は多過ぎるのではないのかなという感じもするんですけれども、いかがですか。
#119
○政府委員(鎭西迪雄君) 新しく今回創設しようとしております漁業経営改善促進資金の融資枠の問題でございますけれども、私ども、これの対象分野でございます中小漁業におきます運転資金の融資残高、それからそれに占めます現在の特定業種六業種、これのウエートというものから勘案いたしまして一千億円の融資枠というものを推計したわけでございます。今回のこの新資金の創設によりまして漁時法に基づきます構造改善事業というものが促進されますと順次貸付者もふえていく、あるいは極度額も最高は一億九千万円ぐらいということで、かなり農業サイドに比べましても極度額自身も大きいということを考えますと、融資枠一千億円というものは必要であるし、このことによって非常に経営環境の厳しい六業種を中心とした中小漁業の経営改善というものに積極的に対応してまいりたい、こういう意欲も含めた融資枠というように御理解をいただきたいと思います。
#120
○風間昶君 要するに新しい制度の創設なんですよね。だからもっとPRに精出さなきゃならないわけです。そうしていく中で、この六業種以外に今後、大型イカ釣りとかあるいはサケ・マス流し網等にも門戸を拡大していくお考えはございますか。
#121
○政府委員(鎭西迪雄君) 新しい業務経営改善促進資金といいますのは、構造改善計画をこれから業界ぐるみで進めていく必要があるということで、農水大臣が基本方針を定め、業界挙げてこの構造改善計画を策定して、それに参加して業界ぐるみで構造改善計画を進めていく、そういう必要のある業種というのを現在漁業再建整備特別措置法、これに基づきまして政令で指定しているわけでございますので、そういう必要性のある中小漁業、ただいま委員がおっしゃったような漁業分野というのも当然検討対象になるわけでございますが、それが特定業種として追加されますれば、当然そういう業種につきましても本新資金の融資対象になる、こういうことでございます。
#122
○風間昶君 追加するのはどこで追加するんですか。
#123
○政府委員(鎭西迪雄君) いわゆる漁時法という法律の体系で、業界を挙げて構造改善に取り組む必要があるというように農林水産大臣が判断をいたしまして政令で追加指定をする。そういうことになりますと特定業種という形で浮上いたしまして、それが今度の新資金の対象漁業分野になる、こういう仕組みにしているわけでございます。
#124
○風間昶君 そうしますと、大臣が認定するということなんですか。
#125
○政府委員(鎭西迪雄君) 漁時法のところでどういう漁業について指定できるかという要件が書かれておりますので、その要件に合致するということで政令を改正いたしますれば、現行の六業種以外に追加業種ということが今後の問題として十分起こっていく、このように理解をいただければ結構でございます。
#126
○風間昶君 そうすると、中期的に見て、今日本の漁業が沿岸漁業にシフトしていっている状況からいくと、沿岸漁業の方々にも門戸拡大を考えてもいいということでしょうか。
#127
○政府委員(鎭西迪雄君) 漁時法の世界ではいわゆる十トン未満の漁船を使った沿岸漁業、こういうものについては対象として考えていないわけでございますので、沿岸漁業については別途の措置といたしまして、例えば実態として日帰り操業が多いということで、多額の運転資金の需要については沖合、遠洋を中心とする中小漁業と相当格差があるというような問題、それから漁業経営維持安定資金等々既存の運転資金なり既往債務の借りかえ資金の制度というのがございますので、これで対応していくことによって沿岸漁業サイドについては対応できるんじゃないかなと、かように考えているところでございます。
#128
○風間昶君 本来、この漁業経営改善促進資金の貸し付けに当たって、私は、指定業種を拡大するということもさることたがら、むしろ円滑な貸し付け業務の遂行が強く望まれるわけでありますから、貸し付けのときに担保や保証人の差し出しなどについて事後のものも認めるぐらいの弾力的な運用が必要だと私は思うんですけれども、これについてはどうですか。
#129
○政府委員(鎭西迪雄君) 資金の貸し付けに当たりましての担保等の徴求でございますので、原理原則を申しますと金融機関等が金融機関としての判断と責任によりいろいろ行われるということでございますが、これだけの政策的目的の高い政策金融でございますので、私どもといたしましては、漁業信用基金協会による保証制度の弾力的活用というものを通じまして、担保等によって本当に借りなければならない中小漁業者がこの新資金を借りられないという状況がないように十分配慮していきたい、このように考えているところでございます。
#130
○風間昶君 ぜひ弾力的に運用を図っていただきたいというふうに思います。
 次に、漁業災害補償法について、先ほど菅野委員の方からもありましたのですが、まずお聞きしたいんですが、現在、四つの共済、漁獲、養殖、特定養殖、漁具共済に加入している経営体数を教えていただきたいと思います。
#131
○政府委員(鎭西迪雄君) 現在、ただいまおっしゃいました四種の漁業経営体が約十七万経営体ぐらいあるわけでございますが、そのうち七万経営体ぐらいが漁業共済制度に加入している状況でございます。
#132
○風間昶君 それぞれはわからないんですね。
#133
○政府委員(鎭西迪雄君) それぞれごとの数字というのは整理をしておりません、恐縮でございますが。
#134
○風間昶君 先ほども菅野委員の方から、加入率拡大のための、低いことの原因それから対策等について質疑があって、お答えされておりましたが、それを踏まえて、漁業共済加入拡大のために掛金を継続割引するとか、あるいは新規に入ってくる人たちに対して新規加入を奨励するために掛金の引き下げを行うべきではないかというふうに思うんですけれども、どうですか。
#135
○政府委員(鎭西迪雄君) 今回の制度改正の大きなねらいの一つがなるべく漁業者が加入しやすいように、あるいは漁業者にとってのいろんな多様なニーズにこたえて、漁業者がメリットを感ずるようなそういう加入方式というものを拡大したいという観点が非常に重要な一つでございまして、そのうち、ただいま委員がおっしゃいましたように、例えば養殖共済に長期特約というものを導入いたしまして、掛金はそうなりますと当然割引になりますし、長期特約でございますので、無事故になりますと無事故返戻制度というものも適用になる。
 それから、いろんな漁業者のニーズで、例えば浅い事故はてん補してもらわなくてもいい、そのかわり掛金が低い方がいいんだと、こういうような方とか、あるいは逆に言うと、深い事故、浅い事故はいいけれども、中規模ぐらいの事故について一定の掛金率で加入して経営のヘッジをしたい、こういういろんな態様もございますので、そういう契約方式については既存の通常の契約パターンよりも低い掛金率を設定するということによりまして、なるべく加入の促進が図られるような工夫というものをやっているところでございます。
#136
○風間昶君 本当に加入率を向上させるためには掛金を僕は引き下げるべきだと思うんですね。それで、例えば引き下げた分についての差額を国が補助して危険分散を図るという方がいいんじゃないかと思うんですけれども、どうですか、そこは。
#137
○政府委員(鎭西迪雄君) ただいまでも漁業共済につきましては平均的にも四十数%、五割弱ぐらいの国庫補助を掛金につきましてやっておるところでございまして、限られた財政の中でいかにこれを効率よく使うかということがまず一つ重要なことだろうと思います。
 それから、これはもう委員に申すまでもございませんけれども、加入促進が図られまして加入者がふえてまいりますと、掛金率というものを趨勢的には引き下げていける状況というのが整ってくるわけでございますので、私ども今回のこういう制度改正、あるいは系統、自治体、共済団体挙げて一体となった加入促進運動というものを現在展開中でもございますので、そのことによりまして加入拡大、長期収支が安定、それが掛金率の低減というように結びつくような、そういう健全な制度づくりを目指してまいりたい、このように考えております。
#138
○風間昶君 加入を向上させるためのいろんな契約メニューをたくさん今回やってくださるということ、これはこれでいいと思っているんですけれども、僕は補償の方に魅力をもっと持たせた方が入ってくると思っているんですよ。そもそも補償に魅力を持たせることが私は大事じゃないかと。そこの補償部分が魅力ないと幾ら笛を吹いても加入はふえないんじゃないかと思うんですよね。ですから、補償内容のメニューの多様化ということを図るべきだと思うんですけれども、どうですか、そこは。
#139
○政府委員(鎭西迪雄君) ただいま申しました低事故不てん補だとかあるいは中規模損害てん補方式等々は加入方式の拡大でもございますし、それに合った、いわば漁業者がどういう部分を経営のリスクヘッジとして共済に期待しているかということにこたえるものでもございますので、その意味ではニーズに応じた補償内容の多様化というものに結びつくんだろうというように私どもは認識をしております。
 それから、補償内容そのものの水準でございますが、これはもう御承知のように、一定期間の漁獲金額というものがベースになりまして、それに趨勢的た魚価というものがかかりまして、漁獲共済で申しますといわゆるPQ方式ということでてん補されるということになるのでございますが、趨勢的な魚価というものが上がらない状況の中で、例えば一定時期の一定水準をこの共済で補償しようということになりますと、これは共済制度の限界を超えることになるわけでございまして、共済制度の収支状況が悪化するばかりでなく、実質的には不足払いと申しますか、自然体に対してそういう補てんをし続けなければならないという状況になりますので、その点は限界があるということについては御理解をいただきたいと思っているところでございます。
#140
○風間昶君 難しいところだと思うんですけれども、わかりました。
 養殖共済について、細かな問題なんですけれども、政省令でできるてん補方式の選択肢を拡大することに対しての漁業者の方々への説明とその周知方法、これはきちっと、先ほどのPRの話じゃないんですけれども、ただ単に所要の予算措置をとったからいいんだというものでもないわけですから、この辺について漁業者の方々への説明とその周知徹底の方策をお伺いしたいと思います。
#141
○政府委員(鎭西迪雄君) 私どもがいろんな機会にこの法案の早期成立を期していろいろお願いをしているところもそこにあるわけでございまして、早期成立をしていただきますれば、直ちにこれの運用基準というものを指導、通達等々で出しますし、各ブロック会議等々を開きまして制度改正の内容の周知徹底、それを受けまして各県にございます漁業共済組合、これの総会等々でいわゆる共済規程の改正ということになります。それを踏まえて各現場で浜回りをしていただきまして、漁業者に加入の促進方と制度の普及、周知というものを図っていく、こういうことで、法律が成立いたしますれば早々にそういう作業に入りたい、このように考えております。
#142
○風間昶君 共済の全体の収支の問題は先ほど菅野委員の方からも御質問あったので、今回の国と漁済連の責任分担の見直しの結果、漁済連の方に赤字が集中していった場合はまた制度改正をやるんでしょうね、どうなんですか、そこは。何か何年ごとかにころころ変わっていくような感じがしてしようがないんですけれども。
#143
○政府委員(鎭西迪雄君) 今回の改正の中でのいわゆる責任分担方式の改正でございますが、先ほど来あるいは御説明したかとも思いますけれども、漁業実態の変化によりまして当初の保険設計と事故の発生態様にずれが生じたというようなことが昨今の特別会計に累積赤字がシフトしている大きな原因だろう、こういうように認識しております。それに対比いたしまして、連合会サイドの単年度の収支というのは昨今かなり改善をしてまいっております。
 したがいまして、そういうことを考えまして、あくまでも深い事故が起こった場合の責任というのは国が保険するという基本は変えないわけでございますが、一定部分について連合会の責任というものも持っていただくということによりまして、長期的にこの漁済制度というものが収支均衡、制度として発展できる、そういうものにつくり上げたい、こういうことでございます。
 したがいまして、私どもといたしましては、今回の改正によりまして、ほぼバランスのとれた形で長期的に各段階におきます収支というものが推移するだろうというように見通しておるところでございまして、そういう形に向けた、制度改正を踏まえた加入促進、収支改善の努力をやっていくというように現在は考えているところでございます。
#144
○風間昶君 終わります。ありがとうございました。
#145
○井上哲夫君 新緑風会の井上でございます。たびたび質問しておりますので、きょうは持ち時間の半分ぐらいで責めを果たしたいと思います。
 今、共済制度の御質問がありました。私は前に大河原農水大臣に農業共済の制度をお尋ねしたんですが、実は私は前、仕事で自動車、火災、生命の保険共済をやってまいりました。それで飯を食ってきたわけであります。今の風間委員の質問に続いて申し上げたいのですが、漁済の問題も実は今大きな問題の転換点のところに来ていると思います。
 御承知のように、阪神・淡路大震災で地震保険の問題がいろいろ予算委員会その他で審議されました。全国平均で七・二%の損保で言う地震保険の加入率。兵庫県で三%。ところが、実際に一千万を限度にしかしていたい。一方では、農協共済の建更、建物更生共済、これの普及率は損保協会の普及率と違いましてかなり高いわけでありますが、それでもなかなか被災者の皆さんに非常に満足を、納得がいかれるようなものになっていない。ただ、最近新聞で発表されましたが、地震保険で一千億、そのうち四百億ぐらいは火災の保険に伴う見舞金のようでありますが、それから農協建更で一千百億少しですか、こういう巨大な保険金が支払われているんです、共済から。今非常に、まさかのための何とか火災と言って、保険会社の名前は言いませんが、そういう意味の万が一に備えるという意識はやはり高まっている。
 一方、漁済の問題について申し上げますと、御承知のようにことしの十月からですか、製造物責任法、PL法が施行になります。これは、農産物、水産物そのものは製造物責任法のカバーするところでは今はありません。しかし少し加工、少し手が入ると、それは製造物責任法の範囲に入って、これはもう製造物責任法の施行に伴う損害保険というのがばっと出てくるわけです。そういうふうなPL法の施行による保険の拡大といいますか、新しい分野に入ってくる、それはもう漁済なり農業共済の本当にすぐ近くまで来るわけです。
 そういう二つの背景を考えますと、今、風間委員が質問されましたが、非常に加入拡大について、やはり私は今の水産庁長官の御答弁ではちょっと満足はできないわけであります。いろいろ御努力されている。今回もいろいろ苦心はされている。しかし保険の原理というのは、私に言わせれば額の査定を非常に公平、明確にすること。それから損害と因果関係をやはりはっきりさせる。いわゆるぼやけて、アバウトな形ではなくてきちっとさせる。さらに三つ目は、モラルリスクをなくする。これが逆に加入率の拡大の早道である。特に農業や漁業の現状は、非常に後継者がいない後継者がいないと。いっとき、嫁さんがいない嫁さんがいないと。この後継者を確保するためには、若い人は非常に新しい感覚ですから、万が一のときには共済で次の年元気を出してやれるものだけはある、そうすれば、次の年うまくいけばベンツまではいかぬにしても国産車は乗れると、こういうふうになるとこの共済制度というのは非常に今一番タイミングもいいし、またこれは飛躍的拡大を図らなきゃいかぬ。きょうは漁業災害補償法の改正の法律案の審議でございますので、ここぞとばかりにちょっとお尋ねをしたいわけでありますが、今、水産庁長官のお話を聞いておりまして、私はもう一つある。それは総合保険方式。一つの農家の経営者あるいは一家の漁業に携わっている方、養殖も含めて、そういう人はもろもろのことをやって安定化を図ろうとする。ところが、これだけしか保険はありませんよ、これだけしか共済の範囲はありませんよということになると、なかなか一家の命綱にならないわけです。そうすると、やめておこうと。そうたると、地震特約保険じゃないですけれども、三%あるいは七%という加入率だとこれはもう保険とか共済の基礎数字にならぬわけです。
 だから、そういう点でこの間も大臣にお尋ねしました。農業共済について、果樹共済はとうの、あるいは家畜共済はとうの、それから施設野菜はとうのという区分けしたやり方で本当にニーズに合うのかと。じゃ今回、漁業の経営者の場合に、これはだめですとか、これは入ってませんというようなことも、それは損害と事故率その他でこれまで積み上げできたことを考えれば貴重な経験に基づく知恵なんですが、一方では大胆にそういう総合保険方式というものを検討できるかどうか。これは今検討するに値する時期に来ている、こういうふうに思うわけでありますが、長官、ひとつお答えをお願いしたいと思います。
#146
○政府委員(鎭西迪雄君) 大変貴重な御意見でございます。現行でも、委員御承知のとおり、共同漁業権等いろんな多種の魚介類を周年通じて採捕している、こういう漁業につきましてはいわゆる二号漁業と言っているんですが、これは周年を通じていろいろた漁業について包括的に加入する、こういう仕組みがございます。それから、漁船漁業でも包括契約という方式が一つございまして、これの加入の道というのもつくっておりますので、こういうものをどれだけ活用できるかというのが一点でございます。
 それからもう一つは、確かにかなり中小漁業について、シーズンごとに二つないしは三つの漁業を組み合わせて当該漁業経営が成り立っているというような漁業経営の実態があるわけでございますが、そういうものについて、周年を通じて漁業種類を問わず包括的に加入するというのは非常にある意味では理想の姿でございますけれども、これはもう委員御承知のとおりでございますが、操業実態、リスクの起こり方、それから地域による偏り等々がございまして、なかなかその保険設計自身が非常に難しいという問題が一つございます。
 それからもう一つは、設計の仕方によってはトータルとしての漁家の所得補償ということになりかねないということでございまして、こうたりますと共済制度の限界を超えるようなことにもなりかねないということでございますので、いろいろ問題はございますが、ただいま委員御指摘のようだ貴重な御意見というのも一方であることは十分私どもも承知しておりますので、今後の漁済制度、いろんな形で長期に健全な発展を図るというのがとにかく我々を含め関係者の願いでございますので、一つの検討の方向として十分この点についても配慮していきたい、かように考えているところでございます。
#147
○井上哲夫君 私はもう一歩飛んでいるんですよ。農業共済、漁業共済といいますが、私どもの三重県でもあるんですが、農業もやっているが漁業もやっているという人がいる。そういう意味では、ある面で確かにあらゆるものを包み込んでしまうと所得補償になるというふうに言えるわけでありますが、これはひとつ知恵を絞ってやればやれぬことはない。例えば懸賞金つき定期預金、あれで爆発的な預金が出てきましたね。だから、加入を拡大するためには何か思い切ったことをやらなければなかなかできない。
 それで、分母が大きくなると逆に知恵が出てくるんです。分母を大きくすれば知恵が出てくるというのは、実は自動車の損害保険でも、当初強制保険でやりまして赤字になって大変だというので保険料率を上げる。今度は黒字になって、政府に今相当貸し込んでおります。赤字になると、我々も体験しておるんですが、どこがいかぬかというわけで必死になって、例えば過剰治療だというわけでやる。それで黒字になるとお国に貸しちゃっているんだなと。長いスパンで見ると、こういう共済というものは結構いろんな知恵は出てくるし、おもしろみはあるんです。
 そういう意味では、今この時期は財政需要が非常に拡大しておって国の財政は苦しい、これは大臣もいつもおっしゃっている。そういう中でみんたが負担をして、しかしまさかのときにはちゃんと次の立ち直り資金が手当てをされておるというふうなこういう保険とか共済という制度は、これから国に全部頼って生きていくというわけじゃないんですから、僕はいい時期だと思う。
 だから、大臣ひとつ叱咤激励して、非常識も五年たつと常識になる、そういう意味でひとつ御答弁をいただいて、私の質問を終わりたいと思います。
#148
○国務大臣(大河原太一郎君) 前回は農家のつくる作物を総合した農家作物保険という御提案がございましたが、それについては今水産庁長官がお答えしたのと同じような、同工異曲の御答弁を申し上げました。保険設計の問題、それから所得補償というような問題というわけでございますが、諸般の共済問題、保険問題について、それぞれの経験にかんがみて、さらにその実を上げられるような検討というのは常に必要であるというふうに結論を得まして、一つの御提案として承らせていただきました。
#149
○井上哲夫君 ありがとうございました。
#150
○林紀子君 私は、午前中の続きのような質問になりまして申しわけありませんが、まず長崎県の対馬の問題をお聞きしたいと思います。きょうは海上保安庁にも来ていただいておりますので、早速で申しわけありませんが、お願いいたします。
 長崎県の対馬の上対馬漁協管内を中心に、韓国漁船によるアワビやサザエの密漁が後を絶たないわけですね。場所としても、博多よりも韓国の方が近いというような場所ですから、夜高速の小型船で近づいて密漁をする。領海を侵犯して、密漁を繰り返しているわけです。私は、厳原にあります保安部に参りまして、いろいろお話を聞きました。取り締まりのビデオも見せていただきまして、領海を侵犯して密漁を繰り返しているその韓国漁船の取り締まりに、まさに保安庁の方々が命がけでお仕事をなさっているというのがよくわかりまして、大変頭の下がる思いがしたわけですが、同時に漁民の方たちもみずからを守らなければいけないということで監視を行っているわけですね。
 上対馬漁協では、独自のレーダーシステム、独自の監視船、専従の職員も配置して二十四時間の監視に当たっています。この監視のために年間一千五百万円の経費がかかっているわけです。国境侵犯を取り締まるのはまず国の責任だ、これが基本だと思うわけで、漁民任せ、漁協任せにしていていいという話ではないと思うわけです。
 この上対馬近くに比田勝保安署があるわけですけれども、残念ながらここは夜間閉鎖されているわけです。ところが、密漁というのは必ず夜やってくるわけですね。常に夜行動する密漁船、これを漁民の方が発見しても取り押さえることはできないわけです。その権限はないわけですから、すぐさま厳原に通報をする。ところが、現場まで、厳原が一番南にあるわけですので、通報を受けてすぐ飛び出しても一時間半もかかる。
 そこで、ぜひこの近くにある比田勝の保安署を二十四時間体制にしてもらえないか、そしてスピードの出る韓国の密漁船に負けないような小型高速艇、これをぜひ保安庁の船として配備をしてほしい、これが大変大きな漁民の御要望なんですね。これは何とかしていただけないものでしょうか。
#151
○説明員(津野田元直君) お答え申し上げます。
 まず比田勝保安署の件でございますが、署員は四人ということでございまして、かなり小人数の保安署でございます。保安署に連絡が入りました場合には、夜間には先生御指摘のように宿直がおりませんので、厳原の海上保安部の方に電話が転送されるということにたっております。海上保安部の方から、配備されております巡視船及び巡視艇が対馬の周辺海域におりますので、その近くにいる巡視船あるいは巡視艇に連絡をしまして、直ちに現場に向かえという指示をいたします。ですから、厳原保安部から船艇が向かうということではありませんで、周辺海域に配置されている船艇のうち、最も近くにいるものがまず行く。それから、去れを応援するためにもう少し遠くにいるものも応援に行くという体制になっております。
 それから、小型高速巡視船艇の配備につきましてでございますが、現在のところも三十ノット出る、海上保安庁におきましては最も高速の部類に入る巡視艇を配備しております。また、今後の代替整備に当たりましては、財政事情が非常に厳しいという事情もございますが、できるだけ高性能あるいは高速の巡視艇を配備していきたいというふうに考えております。
#152
○林紀子君 確かに、現場近くにいましたら一時間半はかからないのかもしれないんですが、漁民の皆さんは通報しても一時間半かかるんですよねとおっしゃっておりましたので、そういうことも往々にしてあるんだと思うわけですね。ですから、そういうことでぜひ小型高速艇と比田勝保安署の常時体制というのをこれからも御努力いただきたいというふうに思うわけです。
 それから、今度は水産庁にお伺いしたいんですが、漁協の独自のレーダー、私、もうこれは過去のものだからというのでいただいてきたんですけれども、こういうふうにレーダーには映るわけですね。(資料を示す)これなどは大変航跡がはっきりしていて、密漁の船がやってくると、こういう航跡がはっきりあらわれるので、これは怪しいというのがわかるんだそうです。これは大変海が荒れているときなので、海の乱反射で真っ青になってしまうということなんですが、いずれの図を見ましても、左側のここのところというのが真っ白なんです。というのは、ここはレーダーの死角になっているというんですね。このレーダーの死角をねらって、密漁船がここからうまく入ってくるというわけなんです。
 この死角をなくすためには、今二つレーダーのアンテナを立てているわけですが、あと一つ立てたらこの死角がカバーできるということを言っていらっしゃいました。ぜひこの死角をなくすためのアンテナの設置、これも国として支援をしていただきたいというふうに言っていらっしゃいましたが、この支援というのはいかがでしょうか。
#153
○政府委員(鎭西迪雄君) ただいま委員おっしゃいましたように、私どもの沿岸漁業構造改善事業によりまして監視船の建造あるいはレーダーの設置、暗視カメラ、赤外線カメラでございますが、そういうものを設置することについて助成を従来からしてまいっております。
 ただいまお話しの上対馬におきまして稼働しております二基のレーダー、これも当該沿岸漁業構造改善事業で国の補助事業として設置されたものでございまして、地元からはただいまのお話のように密漁防止に大いに役立っているというように報告を受けております。
 ただ、ただいませっかくの委員のお話ではございますが、今までのところ、ただいまのお話のようなもう一基のレーダーの設置を地元から要望してきているということは直接私はまだ承知をいたしておりませんが、いずれにいたしましても沿岸漁業構造改善事業でやってまいっているものでございまして、それがパーフェクトな形で機能したいということでございますれば問題があるわけでございますから、県当局と十分これは具体的な問題として我々御相談に応じて適切な対応方に努めてまいりたい、このように考えております。
#154
○林紀子君 それでは県の方から具体的な要望がありましたら、ぜひ御検討いただきたいと思います。
 それから中国漁船の問題なんですが、特に冬場、しけのためやむを得ず三浦湾とか舟志湾などに緊急に入域する、避泊する場合がある。しかし、大変お行儀が悪くて、生活排水や油は流す、要らなくなった網を捨てる、湾から出ていくときに底びきをする、そして養殖施設や漁具に被害を及ぼしている、こういう事例が大変多いという話を聞きました。
 二月に日中間で実務者協議を行ったと聞いておりますが、中国政府に対して、本当にこれはもう基本的なマナーだと思うんですけれども、ルールをきちんと守るように指導を徹底していただきたいと思いますが、その辺はいかがですか。
#155
○政府委員(鎭西迪雄君) 我が国の周辺水域で操業いたします中国漁船に対しましては、日中漁業協定上、荒天等の緊急時に限りまして我が国が指定をいたしました一定の港に緊急避難できることになっておりまして、この仕組みを利用いたしまして相当多数の中国漁船が、季節によりますと一時に特定港に集中入域するということで、地元とのトラブルという事態が時々生ずるというのは委員御承知のとおりでございます。
 したがいまして、私どもといたしましては、日中漁業協定に基づきます正規の組織でございます日中漁業共同委員会の場、あるいは長官、局長会談、あるいは先般開きました実務者会議というようなあらゆる機会をつかまえまして、本邦への緊急入域におきましては特に定置性漁具などが密集しております距岸一千五百メートル以内には避泊したいこと、あるいは入域の必要性がたくなってもだらだらと長く避泊をしているというような状態が必ずしもたくたっていたいわけでございますので、そういう場合には速やかに退去するということを要請してまいっておりまして、中国側も日本側の意向に沿いまして漁船に対する指導を行うということを約束はしていただいているところでございます。
 最近では、我が国の周辺での操業自身が減少したということもございまして中国漁船の避難隻数自体も減少しておるわけでございますけれども、ただいまのような状況というものはまだ完全に改善はされていないわけでございますので、引き続き中国側への申し入れあるいはどういう形で実効性が確保できるかということについても向こう側と十分協議をしてまいりたい、このように考えております。
#156
○林紀子君 どうも海上保安庁ありがとうございました。
 ここで漁業共済について御質問したいと思います。
 今回、一般会計から九十二億円余りを漁業共済の特別会計に繰り入れて不足分を補ったわけですけれども、その主な原因は北海道のサケ・マス定置漁業の共済の赤字だと言われています。北海道のアキサケ・マス定置の漁獲共済の加入実績、支払い実績、九三年度と九四年度を比べてみまずと、加入の方は件数では六百三十八件が六百十五件に減っている。共済金額の方が二百三十五億円から百九十五億円にこれも減っている。そして支払いの方はといいますと、百十三件から二百十六件にふえ、支払い金額の方も四億八千四百万円から十一億二千五百万円にふえている。この加入実績の金額が四十億円も減ったのは共済限度額が引き下げられたからではないのかと思うのです。
 私は雑誌「水産北海道」九四年の十月号を見せていただきましたが、共済実績による共済限度額の勘案のほかに価格動向を加味した共済限度額の引き下げ勘案を実施した。このため九五%から六五%の中で共済限度額が決められたというふうに書いてあります。価格動向を加味した。この言葉は輸入水産物が増大したためではないか。魚価が下落したのに対応してこの価格動向を加味して共済限度額が引き下げられたのではないか。輸入水産物の増大がこういうところにも大きな影響を与えているのではないかと思いますが、いかがでしょうか。
#157
○政府委員(鎭西迪雄君) 価格動向を加味した補償水準の適正化というのは、委員御承知かとも思いますけれども、いわゆる漁業災害補償法に基づきます正規の措置として各組合がそれぞれ決める事柄でございます。
 そのときの魚価というものでございますが、これはいわゆる実勢価格と申しますか、魚価の趨勢値でございます。この趨勢値が最近、日本経済全体が本格的な回復基調にたいというようなこと、あるいは他の食品との競合というようなものもございまして食料品価格全般が伸び悩みあるいは低調であるというようなこと、さらには先ほど来いろいろ御議論になっております輸入水産物の増大ということもその原因の一つではあろうかと思いますが、全体として実勢価格の趨勢というものを勘案して補償水準は定められるわけでございますので、仮にこの実勢価格の趨勢と関係のない、一定期間の一定価格というものを保証するということでございますれば、これは共済制度の限界を超えたある種の価格支持制度的なものに制度が移行する。そうなりますと収支状況というのは当然のことでございますが非常に悪くなる、こういう悪循環をたどるものでございますので、私どもとしてはこの共済制度の中で魚価の趨勢値というものが当然適正に勘案されなければならないものである、このように考えているところでございます。
#158
○林紀子君 同じ雑誌の中で、東北、北海道の漁業共済組合長会議が開かれ、その主要議題はこの魚価安と漁済の対応、そして当面魚価安が懸念されているアキサケについてもその原因は輸入の増大によるものだ、こういうふうに論議がされていたということが書かれているわけです。
 水産物の輸入増大による魚価安で共済限度額が引き下げられ、漁済への影響がこんなに大きい、そして漁民の中にも強い不満と失望、疑問の声も出ている。適正な輸入規制を業界に対して行う必要がどうしてもあると思いますけれども、いかがですか。
#159
○政府委員(鎭西迪雄君) その前に一つ委員に御理解をいただきたいのは、平成六年におきますアキサケの価格の低下でございますが、これはかなり六年の特殊事情というのがございまして、台風襲来で定置網の網揚げが数日間できなかった、したがいまして陸上処理能力をオーバーする、日によっては倍ぐらいの処理能力を超える水揚げがあったとか、あるいは夏の高温等によりまして品質的に低い評価しか得られないブナ化が非常に多かった、あるいは小型なものが多かった、こういうようなことでございまして、六年度はやや特異な年であったということをまず御理解賜りたいと思います。
 それから、価格が低下しております関係上、輸入規制という形で物事を考えられないのか、こういうお話でございますが、サケ・マスにつきましては、これは申すまでもございませんで自由化品目ということでございますので、政府サイドで輸入を禁止するとか規制するというような方向で物事を考えるわけにはまいらぬわけでございます。
 そうは申しましても、我が国の需給を無視した非常に急激な輸入の増加というのは生産サイドにとってはもちろん、中長期の我が国の需給安定を図る上からも問題でございますので、こういうものにつきましては、私ども、輸入業者も入っておるわけでございますが、生産サイド、輸入業者、大手量販店、流通業者等々から成ります需給の協議懇談の場というのを設定いたしまして、我が国の主要な水産物におきます需給動向というのを的確に把握いたしまして、この需給と無関係な、ある意味では無秩序な輸入の抑止というものに努めているという点について御理解を賜りたい、かように思っているところでございます。
#160
○林紀子君 輸入による魚価安につきましては、先ほど来お話があるわけですけれども、昨年は特異な年だったという話がありましたけれども、同じこの雑誌によりますと、魚価の下落が一過性であるというときにはこの共済限度額の引き下げ勘案はしなかったけれども、これは一過性ではないのでこういうことをやったということも書いてあるわけですので、その点も指摘しておきたいと思います。
 最後にお聞きしたいのは、漁具被害の問題ですけれども、先ほどの長崎県対馬で漁具被害が出ておりますが、加害船が明確な場合には救済できる。ところが、不明な場合は救済ができない。韓国船の不法操業で漁具被害が出ているわけで、この加害者名の特定が極めて困難であって漁民が泣き寝入りをするしかない、こういう状況になっているわけですね。これを救済するようだ新たな制度というのもぜひ考えていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
#161
○政府委員(鎭西迪雄君) 西日本海域あるいは北海道海域等々で韓国漁船あるいは中国漁船によります我が国の漁具被害というのが相当発生するわけでございます。
 これにつきましては、日韓、日中で民間レベルで取り決めをしておりまして、民間団体間での損害賠償の協議というのも行われております。中心は、ただいま委員おっしゃったとおり、加害船の特定ができるものがここでの処理の中心でございます。
 水産庁といたしましても、こういう漁具被害の防止あるいは民間協議の円滑な推進というのは非常に重要なことでございますので、予算措置等々も講じておりますし、さらには日韓、日中の漁業協定に基づきます共同委員会という正規の場もございますので、こういう場におきまして、韓国、中国政府に対しまして被害事案の早期解決について、韓国、中国それぞれの民間団体を指導していただきたい、このような要請をしているところでございます。
#162
○林紀子君 長くなりましたが、最後に一言。
#163
○委員長(青木幹雄君) 時間がオーバーしておりますので簡単に願います。
#164
○林紀子君 漁民の皆さんがおっしゃるのは、輸入を抑えて魚価が安定し、そして外国船の被害、密漁がなければ、この厳しい漁業清勢であるけれども荒波に立ち向かっていく若者は必ずいる、後継者は必ずいる、こういう声を聞いてまいりました。それだけに政府の対応が大変重要だと思うわけですので、漁民の皆さんのこうした声にぜひこたえてくださいますようにお願いして、質問を終わります。
#165
○委員長(青木幹雄君) 他に御発言もないようですから、両案に対する質疑は終局したものと認めます。
 これより両案に対する討論に入ります。
 別に御意見もないようですから、これより直ちに両案の採決に入ります。
 まず、中小漁業融資保証法等の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#166
○委員長(青木幹雄君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 この際、星川保松君から発言を求められておりますので、これを許します。星川君。
#167
○星川保松君 私は、ただいま可決されました中小漁業融資保証法等の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、日本社会党・護憲民主連合、平成会、新緑風会及び日本共産党の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 以下、案文を朗読いたします。
    中小漁業融資保証法等の一部を改正する
    法律案に対する附帯決議(案)
 我が国漁業を取り巻く状況は、国際的漁業規制の強化、周辺水域の資源水準の低下、水産物輸入の急増、魚価の伸び悩み等により、厳しさを増しており、漁業経営の安定・改善対策の強化が緊急かつ重要な課題とたっている。
 よって政府は、本法の施行に当たり、次の事項の実現に万全を期すべきである。
 一 漁業を取り巻く厳しい状況に対処し、漁業・漁村地域の活性化を図るため、漁業清勢、経営実態等の変化に即応し、水産金融制度の一層の充実に努めるとともに、我が国漁業の将来展望を踏まえ、経営基盤強化のための構造対策を推進すること。
 二 漁業経営改善促進資金制度の貸付対象となる特定業種の範囲については、必要に応じて適宜見直すとともに、本資金制度が経営の改差合理化のために円滑かつ有効に利用されるよう、貸付手続の簡素化、適切な経営指導等に努めること。
 三 漁業経営改善促進資金等の円滑な貸付けのため、物的担保や保証人の徴求について弾力的な運用が図られるよう努めること。
 四 漁業近代化資金制度については、漁業・漁村地域の活性化に資する観点から、漁業者の資金需要等を踏まえて幅広い活用を図ること。
 五 中小漁業融資保証保険制度並びに水産金融制度全般を円滑に運営し、漁業の一層の振興を図るため、漁業信用基金協会の財務基盤の強化が図られるよう努めること。
 右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ、委員各位の御賛同をお願いいたします。
#168
○委員長(青木幹雄君) ただいま星川君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#169
○委員長(青木幹雄君) 全会一致と認めます。よって、星川君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、大河原農林水産大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。大河原農林水産大臣。
#170
○国務大臣(大河原太一郎君) ただいま御決議いただきました附帯決議の趣旨を尊重し、今後最善の努力をいたしてまいります。
#171
○委員長(青木幹雄君) 次に、漁業災害補償法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#172
○委員長(青木幹雄君) 全会一致と認めます。よって、本法律案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 この際、星川保松君から発言を求められておりますので、これを許します。星川君。
#173
○星川保松君 私は、ただいま可決されました漁業災害補償法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、日本社会党・護憲民主連合、平成会、新緑風会及び日本共産党の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 以下、案文を朗読いたします。
    漁業災害補償法の一部を改正する法律案
    に対する附帯決議(案)
  近年の漁業をめぐる情勢は、産地魚価の低迷、漁獲量の減少、国際規制の強化等極めて厳しいものがある。このような中で、漁業災害補償制度は、中小漁業者の経営の安定に大きな役割を果たしてきた。しかし、その運営は、低い加入率等のため必ずしも安定したものとなっていない。
 よって、政府は、本法の施行に当たり、次の事項の実現に努め、本制度の円滑な運営の確保に万遺憾なきを期すべきである。
 一 漁業経営における本制度の重要性にかんがみ、今後の漁業動向、漁業者ニーズの変化・多様化等に即応して、一層の整備に努めること。
 二 共済換金率及び補償水準の設定に当たっては、漁業経営の実情を十分に見極めて適切に対処すること。
 三 国と共済団体の責任分担方式の見直しに当たっては、事業の長期的な収支状況に配意し、関係者の十分な理解を得て決定すること。
 四 加入促進運動を強力に展開するため、漁協や漁業共済組合等の普及推進体制の強化、地方自治体の積極的協力の確保、これら諸団体間の連係の緊密化等につき適切に指導すること。
 右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ、委員各位の御賛同をお願いいたします。
#174
○委員長(青木幹雄君) ただいま星川君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#175
○委員長(青木幹雄君) 全会一致と認めます。よって、星川君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、大河原農林水産大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。大河原農林水産大臣。
#176
○国務大臣(大河原太一郎君) ただいま御決議いただきました附帯決議の趣旨を尊重し、今後最善の努力をいたしてまいります。
#177
○委員長(青木幹雄君) なお、両案の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#178
○委員長(青木幹雄君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
#179
○委員長(青木幹雄君) 次に、山村振興法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 提出者衆議院農林水産委員長中西績介君から趣旨説明を聴取いたします。中西君。
#180
○衆議院議員(中西績介君) ただいま議題となりました山村振興法の一部を改正する法律案につきまして、提案の趣旨及び主な内容を御説明申し上げます。
 山村振興法は、山村地域における経済力並びに住民の福祉の向上を図り、あわせて他地域との格差の是正及び国民経済の発展を図ることを目的として、昭和四十年に制定されました。その後、数次にわたる改正を経て今日に至っておりますが、その間、本法による山村振興計画に基づいて産業基盤や生活環境の整備が推進され、山村地域の活性化に多大な成果を上げてきたところであります。
 しかしながら、昨今の山村をめぐる状況は、主要産業である農業・林業の低迷、人口の過疎化、高齢化の一層の進行、生活環境施設の整備のおくれ等極めて厳しいものがあります。一方、山村地域が果たしている国土の保全、水資源の涵養、保健休養の場の提供等の重要な役割に対して国民が寄せる期待は、ますます大きくたってきております。
 このような実情にかんがみ、本案は、本年三月三十一日をもって期限切れとなる本法の有効期限を延長するとともに、山村の当面する新たな情勢に対処して、山村振興対策の充実を図ることとしており、その主な内容は以下のとおりであります。
 第一に、地方公共団体が、山村振興計画に基づいて行う事業に要する経費に充てるために起こす地方債について特別の配慮をすることとしております。
 第二に、認定法人である山村の第三セクターが行う事業内容に、森林施業に関する研修及び都市等との地域間交流に関する事業を追加することとしております。
 第三に、国及び地方公共団体は、情報の流通の円滑化及び通信体系の充実について適切な配慮をすることとしております。
 第四に、国及び地方公共団体は、高齢者の福祉の増進、就業の機会の確保等について適切な配慮をすることとしております。
 第五に、国及び地方公共団体は、山村における文化の振興について適切な配慮をすることとしております。
 第六に、本法の有効期限を十年延長して平成十七年三月三十一日までとすることとしております。
 以上が本案の提案の趣旨及び主な内容であります。
 何とぞ、御審議の上、速やかに御可決くださいますようお願い申し上げます。
#181
○委員長(青木幹雄君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 これより質疑に入ります。――別に御発言もないようですから、これより討論に入ります。――別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 山村振興法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#182
○委員長(青木幹雄君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、本案の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#183
○委員長(青木幹雄君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後三時五分散会
ソース: 国立国会図書館
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