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1995/02/09 第132回国会 参議院 参議院会議録情報 第132回国会 厚生委員会 第1号
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1995/02/09 第132回国会 参議院

参議院会議録情報 第132回国会 厚生委員会 第1号

#1
第132回国会 厚生委員会 第1号
平成七年二月九日(木曜日)
   午後一時開会
    ―――――――――――――
   委員氏名
    委員長         種田  誠君
    理 事         清水嘉与子君
    理 事         宮崎 秀樹君
    理 事         菅野  壽君
    理 事         横尾 和伸君
                石井 道子君
                尾辻 秀久君
                大島 慶久君
                大浜 方栄君
                佐々木 満君
                前島英三郎君
                今井  澄君
               日下部禧代子君
                竹村 泰子君
                堀  利和君
                勝木 健司君
                高桑 栄松君
                萩野 浩基君
                西山登紀子君
    ―――――――――――――
   委員の異動
 一月二十七日
    辞任         補欠選任
     高桑 栄松君     木暮 山人君
 二月二日
    辞任         補欠選任
     勝木 健司君     井上  計君
     横尾 和伸君     風間  昶君
 二月三日
    辞任         補欠選任
     井上  計君     勝木 健司君
     風間  昶君     横尾 和伸君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         種田  誠君
    理 事
                清水嘉与子君
                宮崎 秀樹君
                菅野  壽君
                木暮 山人君
    委 員
                石井 道子君
                尾辻 秀久君
                大島 慶久君
                大浜 方栄君
                佐々木 満君
                前島英三郎君
                今井  澄君
               日下部禧代子君
                竹村 泰子君
                堀  利和君
                勝木 健司君
                横尾 和伸君
                萩野 浩基君
                西山登紀子君
    国務大臣
       厚 生 大 臣  井出 正一君
    政府委員
       厚生政務次官   狩野  勝君
       厚生大臣官房長  山口 剛彦君
       厚生大臣官房総
       務審議官     太田 義武君
       厚生大臣官房審
       議官       和田  勝君
       厚生大臣官房審
       議官       丸山 晴男君
       厚生省健康政策
       局長       谷  修一君
       厚生省保健医療
       局長       松村 明仁君
       厚生省生活衛生
       局長       小林 秀資君
       厚生省生活衛生
       局水道環境部長  藤原 正弘君
       厚生省薬務局長  田中 健次君
       厚生省社会・援
       護局長      佐野 利昭君
       厚生省老人保健
       福祉局長     阿部 正俊君
       厚生省児童家庭
       局長       佐々木典夫君
       厚生省保険局長  岡光 序治君
       厚生省年金局長  近藤純五郎君
       社会保険庁運営
       部長
       兼内閣審議官   横田 吉男君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        水野 国利君
   説明員
       大蔵省主計局主
       計官       丹呉 泰健君
       文部省初等中等
       教育局中学校課
       長        石川  明君
       消防庁防災課長  高田  恒君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○理事補欠選任の件
○国政調査に関する件
○社会保障制度等に関する調査
 (厚生行政の基本施策に関する件)
 (平成七年度厚生省関係予算に関する件)
 (平成七年兵庫県南部地震に係る厚生省の取組
 状況に関する件)
 (平成七年兵庫県南部地震に関する件)
 (派遣委員の報告)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(種田誠君) ただいまから厚生委員会を開会いたします。
 議事に先立ち、去る一月十七日に発生いたしました平成七年兵庫県南部地震により亡くなられた方々に対して御冥福をお祈りし、謹んで黙祷をささげたいと存じます。
 どうぞ御起立をお願いいたします。黙祷。
   〔総員起立、黙祷〕
#3
○委員長(種田誠君) 黙祷を終わります。着席してください。
    ―――――――――――――
#4
○委員長(種田誠君) 委員の異動について御報告いたします。
 去る一月二十七日、高桑栄松君が委員を辞任され、その補欠として木暮山人君が選任されました。
    ―――――――――――――
#5
○委員長(種田誠君) 理事の補欠選任についてお諮りいたします。
 委員の異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。
 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○委員長(種田誠君) 御異議ないと認めます。
 それでは、理事に木暮山人君を指名いたします。
    ―――――――――――――
#7
○委員長(種田誠君) 国政調査に関する件についてお諮りいたします。
 本委員会は、今期国会におきましても、社会保障制度等に関する調査を行いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#8
○委員長(種田誠君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
#9
○委員長(種田誠君) 社会保障制度等に関する調査を議題といたします。
 まず、厚生行政の基本施策について、厚生大臣から所信を聴取いたします。井出厚生大臣。
#10
○国務大臣(井出正一君) 厚生大臣の井出正一でございます。
 まず最初にお断りを申し上げますが、お手元に配付いたしました私の所信表明要旨でございますが、できるだけ最新の数字を申し上げようと思いまして、いつもならばもうちょっときちっとした冊子になっておるのでございますが、こんなコピーでホチキスでとじたものでございます。御了承いただきとう存じます。
 第百三十二回国会の厚生委員会における所信表明に先立ち、今般の兵庫県南部地震につきまして申し述べたいと存じます。
 一月十七日午前五時四十六分に発生いたしました兵庫県南部地震は、五千人を超す死者、行方不明者など多数の死傷者を出したのを初め、多くの家屋やビルの倒壊、火災の発生、水道等のライフラインの寸断など、被災地に深刻な被害を与えております。災害救助法の適用となる地方公共団体は、十七日以降逐次増加し、二月八日現在で、十五市十町の計二十五市町となっております。
 私も一月二十一日に現地に赴き、被害の実情を見てまいりましたが、避難場所の隣に設けられた安置所におさめられた数多くの御遺体や瓦れきにあふれた町の様子を目の当たりにし、その悲惨さに痛惜限りない思いがいたしました。地震によりお亡くなりになられた方々や御遺族に対し謹んでお悔やみを申し上げますとともに、負傷された方々や被災者の方々に心からお見舞いを申し上げます。
 また、去る四日、五日には重ねて神戸に参りましたが、今なお二十二万人の方々が避難所生活を余儀なくされており、こうした方々を初めとする被災者の方々の生活、健康をどのようにして守るかが現時点での厚生省として取り組むべき最優先の課題であります。また、被害を受けた都市機能をどのように復旧・復興させていくかということにつきましても、早急に、政府を挙げて、県や市町と連携を密にしながら取り組む必要があります。
 厚生省におきましては、地震が発生したその日に、事務次官を本部長とする災害対策本部を設けるとともに、一月二十三日には、情報収集や県・市町の連絡調整の円滑な実施を目的として、神戸市内に厚生省現地対策本部を設けるなど、全省的な対応を行っております。
 現在の厚生省の取り組み状況の概要は次のとおりです。
 まず、飲料水につきましては、災害発生時より継続して必要量を確保しております。水道の復旧率は、二月八日午後三時現在、約七六・○%となっており、引き続き、復旧作業を進めてまいります。
 医療につきましては、医師と看護婦が常駐する救護センターの避難所への設置を進めるとともに、医師と看護婦による巡回診療を行っております。引き続き、医療の供給の確保を図ってまいります。
 避難所生活につきましては、今後とも、量やつい立ての配置や入浴など生活環境の改善に留意してまいります。
 応急仮設住宅につきましては、被災者の方々が一刻も早く住居を確保できるよう、早期の完工を目指して整備を進めております。また、民間アパート等の借り上げ方式による住宅確保の工夫も行ってまいります。
 倒壊家屋等の瓦れきの処理につきましては、全半壊の家屋等の解体を含めて、公費で処理する体制を整えたところであります。
 そのほか、被災地域の方々の生活の安定に最大限努めてまいります。また、子供や高齢者、障害者の方々に対しきめ細かな配慮を行いつつ、取り組みを進めてまいります。
 さて、二十一世紀の本格的な少子・高齢社会の到来を目前に控え、転換点を迎えている厚生行政における平成七年度の主要な施策について申し上げます。
 「人にやさしい政治」、「安心できる政治」という内閣の基本的理念を具体化していくことは、まさに厚生行政の使命であり、国民生活を支える保健、医療、福祉等の社会保障制度について、今こそその基盤強化に全力で取り組んでまいります。
 中でも、高齢者介護施策につきましては、国民が安心して老後を迎えられる介護サービスの基盤を整備するため、老人保健福祉計画により把握された地域のニーズを踏まえ、サービスの目標水準の引き上げなどを内容とした新ゴールドプランを策定したところであり、計画に基づく地方公共団体の取り組みを全面的に支援してまいります。
 また、国民だれもが必要なサービスをスムーズに手に入れられるような新たな公的介護システムの検討を進めてまいります。
 また、少子化の進行に対応し、子育てを社会全体で支援するため、昨年十二月、いわゆるエンゼルプランを策定し、総合的、計画的な子育て支援施策を展開することとしたところであります。また、その具体化の一環として、平成七年度から緊急保育対策等五カ年事業をスタートさせることとしたところであり、特にニーズの高い低年齢児保育等の計画的な充実に努めてまいります。
 障害者施策につきましては、自立と社会参加を促進する各種施策を積極的に進めるとともに、昨年九月に設置した障害者保健福祉施策推進本部における総合的な施策の検討を行ってまいります。
 精神保健対策につきましては、障害者基本法の成立等を踏まえた精神障害者の保健福祉対策の充実を図るとともに、公費負担医療制度の見直しを内容とする精神保健法の改正案を今国会に提出することとしております。結核対策につきましても、地域の実情に応じたきめ細かな結核対策の推進や公費負担医療制度の見直しを進めてまいります。さらに、エイズ、がんを初めとする成人病や難病に対する総合的な対策、適正な移植医療の推進や健康づくりなど各種保健医療施策の充実に取り組んでまいります。次に、国民健康保険制度及び老人保健制度につきましては、国民健康保険制度における高齢化の進展、低所得者層の増加、小規模保険者の増加等に対応し、保険料軽減制度や高額医療費共同事業の拡充等を行うとともに、老人医療費拠出金の算定に用いられる老人加入率の上限を上回る保険者数の著しい増加等に対応し、この上限を引き上げる等の老人医療費拠出金制度の見直しを行うため、所要の法律案を今国会に提出したところであります。
 また、平成七年度に十年目を迎える国立病院・療養所の再編成につきましては、有識者による懇談会の御議論を踏まえ、国立病院等の役割の明確化及び再編成の一層の推進のため、基本指針や再編成計画の見直しを進めたいと存じます。
 輸入食品の増大や食品の安全性への関心の高まりなど、国民の食生活をめぐる環境は大きく変化しております。これに対応するため、昨年十二月の食と健康を考える懇談会の報告も踏まえ、食品衛生法及び栄養改善法の改正法案を提出するなど、新たな食品保健行政を展開してまいる所存であります。
 廃棄物対策につきましては、ごみゼロ社会を目指し、包装廃棄物についての市町村と事業者の協力による新しいリサイクルシステムを整備するため、所要の法案を今国会に提出できるよう努力してまいります。また、水道につきましては、昨年来の渇水にかんがみ、渇水に強い水道づくりを進めるとともに、安全で良質な水道水の供給に努めます。
 また、本年は、戦後五十周年という節目の年に当たります。戦没者等の遺族に対する特別弔慰金の支給を初めとする援護施策の一層の充実とともに、原子爆弾被爆者に対する援護に関する法律の円滑な施行に努めてまいります。
 そして、近年の急速な科学技術の進歩や国民のニーズの高度化、多様化等に対応していくため、厚生省の試験研究機関の再構築に着手するとともに、長寿科学や遺伝子治療の研究等の厚生科学研究の一層の推進を図ってまいります。また、次代を展望し、厚生行政各分野の情報化の推進と国民の皆様へのサービスの向上に取り組んでまいります。
 また、行政改革は、内閣の大きな課題の一つとなっており、私としてもこれに積極的に取り組む所存であります。厚生行政の課題は、少子化・高齢化の進展に伴い増加の一途をたどっておりますが、そのような社会の要請に対応しながら、効果的で効率的な行政運営に努めることが必要であります。そのような観点から、行政の民間活動への関与のあり方や中央と地方との関係、特殊法人のあり方等の見直しなどに積極的に取り組んでまいります。
 このほか、第三者機関による病院機能評価への支援、地域保健対策の推進、医薬品の安全性の確保のための総合的対策、公的年金制度の安定化のための施策など、厚生行政の諸施策の推進に努めてまいります。
 大きな時代の転換期に当たり、厚生行政が果たすべき役割は極めて大きなものがあります。また、今回の地震対策に見られるように、厚生行政はいかなるときにも国民生活の根幹を確実に支えていかなければなりません。いつの時代にも、国民が心豊かに安心して暮らせる社会の実現のため、課題の一つ一つに全力で取り組んでまいる決意であります。委員の皆様におかれましては、厚生行政の推進のために一層の御理解と御協力をお願い申し上げ、私の所信表明とさせていただきます。
 どうもありがとうございました。(拍手)
#11
○委員長(種田誠君) 次に、平成七年度厚生省関係予算について説明を聴取いたします。太田総務審議官。
#12
○政府委員(太田義武君) お手元に平成七年度厚生省予算案の概要及びその概要説明を用意してございます。この厚い方の資料に基づきまして平成七年度の厚生省予算案の概要を御説明させていただきます。
 まず、厚生省所管一般会計予算の規模でございますが、総額十四兆百十五億円、対前年度二・九%の伸びとなっております。なお、NTT株式売却益を活用して行ったいわゆる旧NTT−B事業分等を除いた総額は十二兆九千七百四十六億円、対前年度三・四%の伸びとなっております。
 以下、厚生省予算案の主要な内容につきまして、その概略を御説明申し上げます。
 第一は、一ページ目からでございますが、高齢者保健福祉対策であります。高齢者介護対策等の一層の充実を図るため、現行の高齢者保健福祉推進十カ年戦略、いわゆるゴールドプランを全面的に見直し、平成十一年度までの整備目標を大幅に引き上げるとともに、今後取り組むべき施策の基本的枠組みを定めた新ゴールドプランが策定されたところであります。この新ゴールドプランに沿ってホームヘルパーの大幅な増員を図るとともに、新たに巡回型の二十四時間対応ヘルパーの創設、特別養護老人ホームの大幅な増設等を図ることとしております。
 第二は、三ページからでございますが、児童家庭対策であります。少子化の進行に対応し、子育てを社会全体で支援するため、昨年末いわゆるエンゼルプランを策定し、その施策の具体化の一環として、緊急保育対策等五カ年事業が策定されたところであります。
 保育対策として、低年齢児保育の促進、延長保育・一時保育事業の拡充等を図ることとしております。そのほか健全育成対策、母子保健対策の推進を図ることとしております。
 第三は、六ページ目からでございますが、医療保険制度等の改正についてであります。まず、国民健康保険制度につきましては、低所得者に対する保険料軽減制度の段階的な拡充を図るほか所要の見直し等を行うこととしております。
 また、七ページの老人保健制度につきましては、老人医療費拠出金の算定に用いられる老人加入率の上下限の見直し等を行うこととしております。
 第四は、八ページ目からでございますが、障害者等の福祉対策であります。市町村障害者社会参加促進事業を創設するなど施策の充実を図ることとしております。このほか社会福祉施設の整備及び運営の拡充、生活保護基準の引き上げを図ることとしております。
 第五は、十ページからでございますが、水道、廃棄物処理対策であります。生活の質的向上を実現できる水道を整備するとともに、ごみゼロ社会を目指した廃棄物対策等の推進を図ることとしております。
 第六は、十一ページからの疾病対策であります。まず、がん対策、エイズ対策につきましては、引き続き総合的な対策を推進していくこととしております。精神保健対策、結核対策につきましては、それぞれ地域の実情に即した施策の充実を図ることとしております。なお、精神医療及び結核医療の公費負担制度につきましては、医療保険優先とし、医療保険の自己負担分について公費助成を行う仕組みに変更することとしております。
 第七は、十四ページの保健・医療対策であります。在宅医療推進事業を創設するとともに、医療の質の一層の向上を図るため病院機能評価の実施に対する支援事業を創設することとしております。
 第八は、十五ページの食品等の安全対策及び環境衛生関係営業対策であります。食品等の安全確保対策の充実強化を図るほか、環境衛生関係営業の近代化、合理化を促進し、その振興を図ることとしております。
 第九は、十六ページの医薬品等対策であります。医薬品等の安全性の確保と適正使用の推進を図るほか、血液事業の推進、麻薬・覚せい剤等対策の拡充を行うこととしております。
 第十は、十七ページからの援護対策であります。本年は戦後五十周年という節目の年に当たりますことから、戦没者に係る慰霊事業について遺骨収集応急派遣事業を創設するなど、一層の充実を図るとともに、援護年金の改善、戦没者等の遺族に対する特別弔慰金を支給するほか、中国残留邦人等対策としては、毎年の一時帰国が実現できるようにするなど、援護対策の充実を図ることとしております。
 第十一は、十八ページの原爆被爆者対策であります。原子爆弾被爆者に対する援護に関する法律に基づき、所得制限の撤廃及び原爆被爆者特別葬祭給付金の創設を行うほか、各種施策の充実強化を図ることとしております。
 第十二は、十九ページの年金、手当の改善等であります。年金額につきましては、本年四月から前年の消費者物価上昇率を基準として〇・七%引き上げるとともに、各種手当についても年金に準じて改善することとしております。
 なお、厳しい財政事情の中で、やむを得ざる措置として、厚生年金国庫負担の繰り延べ及び国民年金国庫負担平準化措置に基づく加算額の繰り延べ措置を講じさせていただいております。
 最後に、二十ページの第十二の厚生科学技術の振興、第十四の国際協力につきましては、研究費の充実を図るほか、世界保健機関に対する支援等を推進することとしております。
 以上、主な内容について御説明申し上げましたが、お手元の資料のうち、三十五ページにわたります厚生省予算案の計数編、厚生省関係の特別会計の予算案、公庫、事業団の事業計画等につきましては説明を省略させていただきます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
#13
○委員長(種田誠君) 以上をもちまして所信及び説明の聴取は終わりました。
 本件に対する質疑は後日に譲ることといたします。
 次に、平成七年兵庫県南部地震に関する厚生省の取り組み状況について説明を聴取いたします。佐野社会・援護局長。
#14
○政府委員(佐野利昭君) お手元に兵庫県南部地震に関する厚生省の取り組み状況の横長の資料をお配りいたしております。この資料に基づきまして、兵庫県南部地震に関する厚生省の取り組み状況の概要を御説明させていただきます。
 まず、資料の一ページ目の飲料水供給につきましては、給水のための連絡拠点を設け、全国からの給水車や人員の派遣協力のもとに飲料水の応急給水を行っており、災害発生当初より継続して必要量を確保しております。
 二ページ目の水道につきましては、当初約百万世帯が断水となっておりましたが、二月八日午後三時現在では復旧率約七六%となっており、引き続き全国の地方公共団体水道部局等からの応援を得て復旧作業を進めてまいります。水道の復旧に伴い、生活用水につきましてもかなりの被災者の方々への供給が可能となってきております。
 次に、三ページ目、し尿の衛生処理と廃棄物の処理の状況であります。
 当初、避難所等において仮設トイレの設置が不足しておりましたが、水道の復旧とともに仮設トイレの必要数が減少し、現在はほぼ必要な数が確保できております。また、仮設トイレの維持に必要なバキューム車も必要な数が確保できております。
 倒壊家屋等の瓦れきにつきましては、今回の地震の被害が甚大であり、社会的、経済的影響が極めて大きいという事情にかんがみ、被災者の方々の負担の軽減を図るため、全半壊の家屋等の解体を含めて公費で処理する措置を講じております。
 五ページ目に移ります。避難所生活につきましては、後に御説明を申し上げますように、医療の確保を図るほか畳や断熱マット等による寒さ対策、つい立ての配置、入浴など生活環境の改善にも留意してまいります。
 また、高齢者や障害者の方々のうち健康に不安があると認められる方につきましては、住宅の確保が図られるまでの間、自治体が契約した旅館、民宿等を避難所として扱い、こうした場所で一時的に生活していただけるようにしてまいります。
 同じページの応急仮設住宅につきましては、被災者の方々が一刻も早く住居を確保できるよう、早期の完工を目指して整備を進めております。現在三万戸を建設する予定としており、既にすべて発注をいたしましたが、さらに必要があれば追加して整備してまいります。このたび整備する応急仮設住宅はおふろつきのものとしており、また民間アパート等の借り上げ方式による住宅確保の工夫も行ってまいります。
 次に、十ページ目でございますが、医療につきましては、被災六市内の診療所のうち三八%が診療ができない状態になっており、医療の供給の確保が重要な課題であります。
 避難所における被災者の方々の医療を確保するため、避難所ごとに医師と看護婦が常駐する避難所救護センターの設置を進めており、二月八日現在百五十八カ所が設置されております。また、救護センターのない避難所については、医師と看護婦による巡回診療を行っております。
 また、十一ページになりますが、避難所等でのインフルエンザの蔓延を予防するため、うがい薬やマスクを配布するとともに、高齢者で希望される方々を中心に一部の避難所救護センターでワクチン接種を開始しております。引き続き、医療の供給の確保を図ってまいります。
 次に、十四ページ目をお開きいただきたいと思いますが、罹災した社会福祉施設の入所者の方々の処遇を確保するため、近隣の施設や近県等から介護職員等の派遣や、食料、おむつなどの必要な物資の提供を行っております。
 また、今回の災害発生以降、緊急に施設への入所を必要とする要介護高齢者や障害者の方々の社会福祉施設への受け入れ状況は、二月七日現在で千七百六十五人となっております。
 また、二十ページ目に移りまして、災害弔慰金等の支給及び災害援護資金の貸し付けを早期に実施してまいります。
 また、二十一ページになりますが、今回、生活福祉資金貸付制度の特例として、所得状況に関係なく原則十万円、特に必要がある場合には二十万円を限度とする小口資金の貸し付けを行うこととしたところであり、二月七日現在約四万件、総額約五十九億円の貸し付けを行っております。
 以上、主な内容について御説明申し上げましたが、お手元の資料の数値や内容は刻一刻と変化しているものであることもお断り申し上げます。
 なお、今回の災害に関する特別立法につきましては政府部内で検討を行っているところであり、厚生省としても早急に検討を進めてまいります。どうぞよろしくお願いを申し上げます。
#15
○委員長(種田誠君) 以上で説明の聴取は終わりました。
 これより平成七年兵庫県南部地震に関する件について質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#16
○宮崎秀樹君 このたびの震災で不幸にして亡くなられた方に御冥福を申し上げますと同時に、また被災された皆様方に心よりお見舞いを申し上げる次第でございます。また、被災された方の中でも、行政の方とかボランティアの方等、被災者御自身が現在一生懸命復旧のために努められているということで、心から敬意を表し、頭が下がる思いでございます。
 そんな中でいろいろな問題が今度噴出いたしました。私は、こういう突発的な予想もしないことでございますから、対応やいろいろな面で、外からはいろんなことが批判できると思いますが、私自身も一民間人として現地へ行ってまいりました。バッジをつけないで行った方が実際に一般の方々の体験をみずからできるということで、電車で行って、あとは歩き、そしてまた自動車が通るところは自動車に乗ってみていかに渋滞が激しいかということ、すべて体験してまいりました。緊急用の自動車だけで十七万台あるというような話でございますから、これはとてもじゃないけれども現状は動かないということでございます。
 時間もございませんので、私はきょうは医療問題についてのみお話をしたいと思います。
 まず、現地へ行きまして、医療機関が避難所にございます。しかし、これはあくまでも仮設でありますから、医師も看護婦さんも二十四時間交代ということでございますし、長くても一週間で交代するということの中で、被災者の方も当初はあるだけでよかったけれども、長くなりますと、慢性疾患は薬が変わった、先生がかわったと、いろいろな問題が出てまいります。引き継ぎがうまくいっていない。これはもういたし方ないことであります。
 そこで、現状の医療機関の被害を見ますと、これは大変な被害が出ております。しかし、半壊をした医療機関というのも結構あるわけでありまして、これは即刻復旧すれば避難所の医療施設とすぐかわることができるわけですね。こういうことは緊急にやってあげなきゃいけない、やらなきゃいけない。
 確かに中小企業の方々もこれから大変でありますけれども、しかし緊急性からいうと、やはり緊急的な問題と中長期的にきちっと考えなきゃならない問題と私はあると思うんですね。生活の場をとられた方もこれは大事でありますけれども、まずできることからやるという優先順位で、とにかく早急に、公的補助をもってやるなり無利子融資をきちっとやるなり対応を早くやってもらいたい。
 このことについてどんなお考えか、まずお聞きしたいと思います。
#17
○国務大臣(井出正一君) 医療機関が大変な打撃を受けておることは今先生御指摘のとおりでございまして、一日も早い復旧をしなくちゃならぬと考えております。
 ただ、現在医療機関への補助につきましては、公的医療機関に対しては予算補助によりまして災害復旧に必要な費用の二分の一の国庫補助が行われております。また、このたびの兵庫県南部地震により被害を受けた医療機関の再建、復旧のための社会福祉医療事業団の融資につきましては、去る一月二十四日の閣議で激甚災害の指定が決定されまして、通常の貸付利率年四・七五から四・九なんですが、これよりも利率を引き下げ年四・四五%とし、さらに被害の大きな医療機関には年三%に、ただこれは今のところ一千万円という上限があるわけでございますが、軽減する特別措置が講じられてはおりますが、これだけでは到底復旧は大変難しいと私も考えております。
 公的機関もさることながら、民間の医療機関に対しては今のところ全く制度なりあるいは措置の用意がないわけでございまして、財政当局あるいは政府関係省庁と何とか今申し上げましたような既にある制度なり措置をもう少しかさ上げしたり、あるいは民間医療機関の方へもある程度は適用されるような方途がないか目下鋭意折衝をしておる最中でございます。できるだけの努力をするつもりであります。
#18
○宮崎秀樹君 被害状況はもう把握されているから私申しませんけれども、それは歯科の医療機関も含めまして民間の医療機関は大変な数になっております。被害機関数、診療所だけで千二百八十三、プラス五百五十五が歯科の診療所でございます。そういう民間医療機関がございますし、民間病院も百五十六被害を受けております。そんなことでございますから、激甚災害の中にこの医療機関は入っておりませんので、ぜひこれを含めて、大臣、ひとつなるべく早く結果を出していただきたいと思います。
 そこで、私は無利子融資と申し上げましたのは、原資をつくらないとこれはやはりできません、財源ですから。そこで、今神戸市は復興宝くじというのを何か考えられたらしいですけれども、その復興宝くじを買って当たった方は、これはやっぱり全額寄附しなきゃいかぬのかなというような考えになってくるのは私は人情だと思うんです。復興債というようなもの、それから第二次世界大戦中に弾丸切手というのを買わされたんですよ。この弾丸切手というのは、これは買ったら一切返ってこない、弾丸ですから。
 そのようなことなんですが、とにかく財源の大蔵省は考えがあるのかないのか今どういうことを考えているかひとつ手短に、時間がございませんので、お聞かせ願いたいと思います。
#19
○説明員(丹呉泰健君) 今回の兵庫県南部地震におきます被害等に対する対策については、現在政府部内で検討しておりますけれども、財源につきましてもいろいろ御議論があるわけですけれども、国の財源につきましては現在政府部内で幅広く検討しているところでございまして、まだ具体的に成案を得ておりません。
#20
○宮崎秀樹君 これも早急に、徹夜ででも会議を開いて出すぐらいのことをひとつお願いいたします。財源がなけりゃ無利子、無利息の融資といったってなかなかこれはできません。三百万あれば一億の金が動くわけでありますから、そういうようなことも考えてひとつよろしくお願い申し上げたいと思います。
 それから、この一月十七日以降の診療報酬につきまして、これは昨年の十月、十一月の診療分をいわゆる勘案しまして支給するということになっております。これは、入院患者は七・七%に診療分についてはアップする、外来診療分は八・五%と、こういう数字を出していらっしゃいますが、私は現地へ行ってきて、戦争以上に、患者さんがもう次から次に担ぎ込まれてきた、二十四時間、二日も三日も不眠不休で働いたという医療機関にとっては、これはとてもこんなものじゃやれないんじゃないか。一般的に平均すればそうなりますけれども、そういうところはわかるわけですからね、消防署が運んだデータもちゃんとつかんであるし、恐らくそういう状況の場所というのはごく限られておりますから、そういうところについては何らかやはり措置をしてあげないと、これは私は気の毒だと思うんですね。その辺、大臣いかがですか。
#21
○国務大臣(井出正一君) 震災直後に地元の先生方が大変な御苦労をなさっておられたことにつきましては私も地元の関係者から伺っておりますし、二回にわたる現地視察でもその御活動ぶりを目の当たりにしてきたところであります。
 診療報酬につきましては、震災直後の混乱などによって通常の資格確認ができなかったこと等の事情もあることから、過去の実績を基礎として概算で支払う方法も選択できることとしたところであります。特に、地震直後の外来の診療の増加あるいは入院患者の増加等を考慮して、ただいま先生数字はもうおっしゃられましたが、入院につきましては七・七%、外来では八・五%の加算も行うこととしたところでございまして、日本医師会を初めとする関係団体の御了解も得られておると、こう報告を受けておるところでございます。
 なお、今回の震災では、多くの団体、個人の方々がボランティアとして医療活動をされており、純粋なボランティアについては医療保険で報酬を支払うことは困難でございますが、保険医療機関に支援に来て保険診療に従事した場合には、当該保険医療機関に報酬を支払うこととしておるわけでございます。
#22
○宮崎秀樹君 私の申し上げているのは、一般論ではそれでいいんですけれども、実際に偏ってやっぱりあるんですよ、大変忙しいところ、本当に不眠不休でやったところがね。そういうところは目を開いてきちっとやってあげないと気の毒じゃないかと、私はこう申し上げているんで、そういうところはやはり検討していただきたいというふうに思いますが、どうでしょう。
#23
○政府委員(岡光序治君) 診療の内容が把握をされております場合には、通常の手続でもちろん請求をいただいてよろしいわけでございますので、その辺は実態が、先ほど先生がおっしゃいましたように把握されておるならばうまく対応できると思うんです。大臣がお答え申し上げましたように、どちらかの道を選べるという格好にしておりますので、それはできるだけ実情に即してお支払いができるように配慮してまいりたいと思っております。
#24
○宮崎秀樹君 ありがとうございました。
 しかし、緊急ですから、一々カルテをつくってやってないところもありますから多少大ざっぱなことになろうかと思いますが、そこら辺をひとつ勘案して、そこはちゃんときちっと思いやりの精神でやってもらわないと、しゃくし定規でこれをお役人の発想でやられると大変困るということを私は老婆心で申し上げているわけであります。
 それから、次に移ります。
 NHKの世論調査で、何が一番困っていらっしゃいますかということを三百人の被災者の方にお伺いしたら、一番目がおふろとトイレだと、こういう返事でございます。私も被災地に参りまして、おトイレを使わせていただきました。見させていただいたんです。大変やはり不潔であります。
 そうしましたら、長いトイレがありまして、向こうの端で一生懸命掃除されている方がいるんですね。そこへ行って私、あなた方は市の職員ですかと聞いたら、いやロンドンから来ましたと言うんですね。ロンドンからボランティアで来たと、こう言うんです。それは何をしているかというと、バイオの複合酵素、これはエクセル酵素というんですが、それをトイレヘまいて、これで浄化をしている。それから、フランスから持ってきたポリの容器の中に、松とかユーカリとかその他の植物から抽出した液を入れて、それでふいて、これは抗菌作用があるんですね、また脱臭作用がある、そこは非常にきれいであります。
 そこで、こういうことについてあなた方はどういうアプローチをしたんだと言ったら、これは日本の政府は、国は全然取り上げてくれないと言うんですね。芦屋の市役所に言ったら、芦屋の市役所だけはぜひやってくれと。私が行ったのは神戸市の避難所ですから、これは全くボランティアだと言うんですね。それで、私は厚生省の対策本部のあるところへ行ったんですね。ここでどんなデータがあるのか何かありますかと言ったら、ここじゃ何もわからぬと言うんですよ。しかも、新神戸のトンネルを越えて向こうまで行って、何か資料があるのかなと言ったら、何にもわからぬと言うんです。どこへ行けばわかるんですかと言ったら、本省の企画課へ行けばわかると言うんです。
 確かに皆さん働いているんです、何か働いているんですよ。しかしあれでは、私はどこにあるかというのを前に聞いたからいいんで、これは一般庶民の方が、厚生省の出先機関で対策本部が神戸市にあるよ、それで国立神戸病院の中だよと。あそこまで行くには大変ですね、トンネル越えて。帰りは大渋滞にひっかかっちゃって、トンネルの中で一時間かかっちゃったんです。排気ガスで参りそうになったですよ、あれは。だから、そういうところで果たして仕事ができるのかなと。
 だから、そういうことを含めてもう一回対策本部の立て直しをおやりになったらどうでしょうか。それで、だれでもがわかるように、対策本部は一体何をやるんだと、我々さえわからないのにね。だから、そこは一度再編成するなり基本的にお考えいただくなり、それがどんなふうになっているか、御返事いただけますか。
 現地の方々は一生懸命やっていらっしゃるんですよ。私は、だからこれはそれでいいと思うんです。しかし、どういうふうになっているのかそこら辺を、それは検疫の問題だとかいろんな問題があると思うんですよね。外国から医師が来て、その人が日本の医師法ではひっかかるけれども、それはどうするんだとか、そういう対応をどこでどうやっておやりになっているのか、現地の対策本部というのは何だということをひとつお教えいただきたいと思います。
#25
○国務大臣(井出正一君) 私も実は二回目に現地へ行ったときに、厚生省の現地対策本部を視察あるいは激励をしてまいりました。職員の諸君は、朝早くから夜遅くまで精いっぱい任務の遂行に努めておりまして、東京におってはわからない現地ならではの住民の声や地域の情報を伝えてくれている。私は、その設置の目的は、十分というのにも程度があるかもしれませんが、十分果たしているなど評価をしてきたところであります。
 ただ、場所が確かにトンネルの向こうで、あちらへ行きますと別天地みたいな、地震の被害もほとんどないといった場所にありますが、これは被害の激しかった神戸の、例えば県庁とか市役所周辺には全く宿泊の場所もございませんし、いろんなファクスとかその他の施設も全く整っておりませんものですから、国立神戸病院の一画をお借りしてあそこへ本部を置いたわけであります。
 そして、先生そういう御評価をされていらっしゃるわけでございますが、現地の被災状況とかあるいは応急対策、復旧対策について、住民のニーズなど現場の生の情報の収集や、あるいは県、市町の活動に対する他の都道府県等からの必要な支援体制の調整なども行っておりますし、それから東京の厚生省の本部と政府からのいろんな連絡をそれぞれの県や市町に伝えたり、あるいは新たな取り組みを促したり、また全国の自治体や各種団体からの人員や機材などの投入を求めたり、あるいは厚生省ほか関係団体の職員の追加派遣などを行うようなもろもろの情報の収集あるいは分析、提供を行っておりまして、現在三十数名だったと思いますが、懸命な活動をしておるところでございます。
#26
○宮崎秀樹君 今聞いてよくわかったんですけれども、私には何もここではわかりませんと、こういう返事だったから、それは確認してください。
 終わります。
#27
○清水嘉与子君 初めに、今回の阪神地震におきまして亡くなられた多くの方々の御冥福をお祈り申し上げ、またいまだ不自由な生活を余儀なくされている方々にお見舞いを申し上げたいと存じます。
 今回の地震を契機に、日本列島には至るところに活断層が走っているんだ、そして今回のような地震がいっどこに起きてもおかしくないんだというような、そういう事実を国民みんなが実感として受けとめたわけでございます。
 そこで、もちろん今、被災者の救済と被災地の復興に全力を挙げなきゃいけないところではございますけれども、あわせて今度の地震からどのような教訓を得、また今後どのような備えが必要になるのか真剣に検討し、速やかに準備をしなければならないと思いますので、そういう観点から、限られた時間でございますが、私は災害時の救急医療、看護対策に絞って少しお話を伺いたいというふうに思います。
 大臣は、地震発生後すぐに現地に出向かれまして、医療機関等を御視察の上、被災された方々を激励されたというふうに伺っております。人々の生活に密着した厚生行政の責任者として早急にしなければならない課題は、範囲が広うございますのでたくさんおありだったと思いますけれども、まず、被災を受けた方々の医療救援対策といいましょうか厚生省としてどのような対応をされたのかまた三週間を過ぎた今どのような状態になっているのか簡単で結構でございます、教えていただきたいと思います。
#28
○政府委員(谷修一君) 被害発生当日の一月十七日に、厚生省におきましては、災害救助法が適用されました昼には厚生省の災害対策本部を設置いたしまして、全省的な取り組みを開始いたしました。
 先生のお尋ねは主として医療のことでございますので、それに即して簡単にお話をさせていただきたいと思いますが、ただその当日におきましては、医療機関の被災の状況、受け入れ状況等についての情報の把握に努めたわけでございますけれども、兵庫県あるいは神戸市が壊滅的な被害を受けていた、また通信の混乱も加わりまして、初期対応に必要な現地の情報収集が極めて困難であったということは事実でございます。
 なお、医療につきましては、十八日には救急医療担当者を現地に派遣いたしました。また、現地におきましては、十七日から日本赤十字社あるいはまた国立病院からの医療従事者の派遣というものが開始をされております。
 現在の状況についてもお尋ねでございますが、現在は、先ほど来お話がございましたように多くの医療施設に被害が生じているということで、引き続き被災者の方に対する医療の確保が最重要の課題だという認識のもとに、医師、看護婦等の医療マンパワーの確保、医薬品の確保、また避難所救護センターの設置並びに巡回診療の実施等を行っております。
 避難所救護センターにつきましては、現在、千人以上の被災者の方のおられる避難所を含めて百五十八カ所が設置をされております。また、こういったような救護センターの設置されていない避難所の被災者の方につきましては巡回診療を行っております。
 また、あわせまして兵庫県内保健所二十カ所を拠点といたしまして、県内約二百四十名の保健婦さん、それから他の自治体からの百二十名近くの保健婦さんの協力を得まして、母子、老人等を対象にいたしました巡回健康相談を実施いたしております。
 なお、これらの先ほど申しました避難所救護センター等の医療スタッフにつきましては、国立病院のほか各都道府県からの派遣体制というものを整備いたしておりますが、現在、大体一日約千九百名から二千名の方がそういったようなことに従事をしていただいております。
 以上でございます。
#29
○清水嘉与子君 各県からの保健婦が派遣されるなんということは恐らく初めてのことではないかというふうに思います。被災者のために大変頑張っていただきたいというふうに思っております。
 さらに、いつも定員事情が非常に厳しいと叫んでおります国立病院からも素早く医療チームが出たということで安心いたしました。災害救助というと、まず日赤ということになるわけでありますけれども、今回もやはり日赤の対応というのはすばらしく早かったというふうに思います。それは、やはり日常、緊急出動できるチームづくりができていて、訓練も絶えずやっているわけですけれども、国立病院の方は早かったわけですけれども、やはりあちこちとリクルートして、一つの病院から一チームというわけにはいかないように伺っております。
 私は、国立病院の本来の役割としてやはりもっと積極的に災害救助体制をつくっておく必要があると思うんですけれども、いかがでしょうか。特にまたことしの夏には、立川に何か非常時の広域医療を担う国立の災害医療センターでしょうかそういうものも動き出すと聞いておりますけれども、これによってどのような対応ができるのかというあたりも少しお聞かせいただきたいというふうに思います。
#30
○政府委員(松村明仁君) 国立病院・療養所も、今回の地震におきましては被災者の医療の確保を最重点の課題ということで取り組んできたところでございます。被災患者の受け入れ、それから救護班の派遣、さらには救護センターへの医療チームの派遣等々、診療の応援を一生懸命に行っておるところでございます。
 これまでの実績について少々触れさせていただきますが、兵庫県、大阪府、京都府などに所在いたします二十八の国立病院・療養所におきまして、被災直後からこれまでの間に三千二百九十七名に救急対応をいたしました。それから、重傷患者延べ五百八十八名を収容しておるところであります。
 さらに、都道府県が被災地に派遣をいたしました救護班についても、例えば岡山県、京都府、兵庫県、石川県、こういったところの要請に基づきまして、医師延べ九十二名、看護婦延べ百四十七名、薬剤師等四十名、計二百七十九名を派遣しておる、こういうことでございます。
 さらに、避難所の救護センターへの医療スタッフの派遣につきましては、これまで六班派遣いたしました。それで延べ五千八十六名の患者さんの診療を行っておるところでございます。こういうことで国立病院も全力を挙げて現在医療の確保に協力をしておるところでございます。
 また、災害医療のセンターについても述べるようにというお話でございますが、これは国立病院東京災害医療センター、仮称でございますが、東日本におきます広域災害医療の基幹施設ということで、国立立川病院と国立王子病院を統合いたしまして、本年の七月一日に立川広域防災基地内に開設を予定しておるところでございます。広域災害医療の実施、災害医療に関する臨床研究、それから災害医療に従事する医療関係者の研修等の機能を整備しておるところでございます。
 以上でございます。
#31
○清水嘉与子君 余りこういう災害医療センターが活躍する場がない方がありがたいわけでありますけれども、やはり先頭に立って十分機能していただけるように備えていただきたいというふうに思っております。
 次に、ボランティアの関係なんですけれども、今度の地震に対しましてボランティアの活躍というものはまことに目覚ましいものがありました。ところが、ボランティアといいましてももちろんいろいろ千差万別でございまして、出かけてみたもののなかなか窓口がなくて何をしていいかわからないというような方もいたように伺っております。これから大きな問題になるのではないかというふうに思っております。
 ところで、医療の分野で医師とか歯科医師、薬剤師、看護婦、たくさんの専門職が救援に駆けつけたわけでございますが、看護協会でも早速全国の会員に呼びかけてボランティアを募る一方、義援金を集め、そして現地に対策本部、ボランティア調整本部を置いて受け入れを開始いたしまして、既に医療機関、老健施設、避難所、保健所などへ延べ約千人の派遣をしているわけでございます。
 交通費と生活費は自己負担だ、宿泊費だけは看護協会が見ましょうということでやっているわけですけれども、ボランティアを希望する看護婦が本当に全国に驚くほどおります。県によってはボランティア保険の掛金を負担した、そういう看護協会もございますし、宿泊費を負担したものもございます。職場で出張扱いにしてくれたところもあります。だけれども、自分で休暇をとって自費で来た人ももちろんおります。そういった気持ちの人たちがたくさん集まってきたわけでございまして、看護協会は今後とも必要なボランティアは確保するということで計画をしております。
 そして、義援金の中で宿泊費等を捻出しようとしているわけでありますけれども、これからいつまで続くのか。仮にそういった義援金などで不足が出るようであれば、何らがこの資金についても配慮してほしいというようなことを言っております。ボランティアなのですから、自己完結的に活躍するのは当然ということかもしれませんけれども、好きなときに行って好きなときに撤退してくるというようなボランティアじゃないわけでございます。どうしても期待されて仕事してこなきゃいけないというボランティアでございますので、ぜひその辺についても御検討いただきたいというふうに思っているわけです。
 ほかにも善意のボランティアというのはたくさんあるわけでございまして、きのうも会館にでしたか、炊き出しグループでしたけれども、財政的に困って少し募金をしてくれないかというようなのが回ってきておりました。
 そういうわけで、このボランティアの活動の助成というのもやはりこれから考えなきゃいけないことだと思うんですが、その辺についてはいかがでございましょうか。
#32
○政府委員(佐野利昭君) 今まさしく先生がおっしゃったように、ボランティアといってもいろいろな種類のボランティアがございますので、実はボランティアの関係で、ある意味で言いますと公的な形で一番体制が整っておりますのは福祉関係のボランティアではないかと、こう思っております。
 このような福祉関係のボランティアにつきましては、私ども厚生省の方でボランティア活動の振興のために、市区町村のボランティアセンターの活動費の助成でありますとか、あるいはボランティアリーダーの育成等を行う都道府県ボランティアセンターの事業に対する助成というものをかねてから実施してきたところでございます。
 ただ、今回のような災害時のためのボランティア活動、それからまたいろんなネットワークをつくるためのそういう各種の費用などについての助成の実績はございませんし、またそういう仕組みには目下のところなっておりません。こういうことにつきましては、やはり今回の事例を教訓といたしまして、できるだけ早急に何らかの措置を講じていかなくてはならないだろうということで、厚生省としても今検討を進めております。また、政府全体といたしましても経済企画庁が中心となりまして、ボランティアのためのいわゆる支援活動なり、あるいは今の保険制度の加入の問題などについて検討に着手したところでございます。
#33
○清水嘉与子君 それでは次に、医療協力に関しまして外国から随分援助の申し出が来たというふうに伺っております。医療チームの派遣だとか医薬品の供与ということでございますけれども、具体的にどんなふうに受け入れをしたのかということでございます。
 マスコミの風潮では、せっかくの申し出を拒否するのはおかしいということでございますが、やはりこれは日本の国内法もございます。医療法制もございますし、日本でそれができる力があるところにまた外国の援助ということにはならないと思うんですが、その辺についてぜひお聞かせいただきたいと思います。
#34
○政府委員(谷修一君) 今回の地震に際しまして、医療関係に限って申しましてもかなり多くの国あるいは地域から日本への医師等の派遣の申し出がございました。医師等の問題につきましては、医師法の趣旨に照らしても、こういったような緊急事態において外国の医療スタッフが必要な医療行為を行うということは差し支えないということで判断をいたしたわけでございます。
 これまで来日されました医療スタッフ、政府間レベルで地元兵庫県が受け入れをいたしましたのがタイでございますが、そのほかに私どもNGOとして把握をしておりますだけでも、アメリカ、フランスそれから韓国等の医療グループあるいは医療スタッフが現地に来て、数日間あるいは一週間程度の医療活動をして帰国されている。一部の方はまだ残っておられますが、そういうような状況でございます。
 こういったような医療スタッフの派遣の申し出ということに対して、仮に今後不幸にして同じようなことが起きた場合、やはり適切に対応していくことが重要だというふうに認識をいたしました。
#35
○清水嘉与子君 これは初めての経験だと思いますので、ぜひこれから問題を検討しておいていただきたいというふうに思います。
#36
○国務大臣(井出正一君) 私からも一言よろしいですか。
#37
○清水嘉与子君 はい。
#38
○国務大臣(井出正一君) ちょっと新聞なんかでかなり誤って報道されていることで、私が身近にタッチしたことだけこの席をおかりして申し上げておきたいと思います。
 実はこの二月一日、アメリカのアメリケアズから私あてにファクスが届きました。現地の一日ですから日本は二日でございましたが、厚生省では十万単位のインフルエンザワクチンの輸入を検討しているとのことだが、輸入を決定した場合は、アメリケアズは必要量を喜んで提供しますよ。ワクチンはパスツール・メリュー社の子会社であるこれこれの研究所で生産されたものである。要請を受ければ四十八ないし七十時間以内に日本に空輸できます。そちらの事情もおありだろうから、どうか一刻も早い御返事をお待ちします。こういう内容のファクスをいただきました。
 私ども関係部局で相談をいたしまして、その日のうちにすぐ御返事を出さなくちゃいかぬと思いまして、私の名前で、
  この度の被災民に対するインフルエンザワクチン供与のお申し出に対して厚く御礼申し上げます。
 インフルエンザワクチンにつきましては、現在、国内の生産体制を強化しており、緊急輸入を行わなくても、被災地の需要に応ずることができるものと考えております。もし、将来ワクチンの不足を来すような事態が生じた場合には、ご協力をお願いしたいと存じます。
 日本国民に対する親切なご配慮に対しまして、重ねて御礼を申し上げます。
 こういった内容のファクスをすぐ折り返しお送りしたわけでございますが、何か厚生省はけったというような報道がなされて大変心外なんですが、実情はこういうことでございました。
#39
○清水嘉与子君 大臣に最後にお答えいただこうと思っていましたが、時間がなくなりました。
 しかし、今の問題は大変大きな問題だと思います。やはり十分真意が伝わっていない点がございますので、この辺で本当のところをお話しいただいてよかったと思うんです。東京で大震災に遭い、そして大空襲で逃げ惑い、そしてまた今度の兵庫県の地震に遭ったという方がいらっしゃるそうでございますけれども、生涯こんな恐ろしい目に遭った方々に、せめて人生の最後の方で心の通った温かい処遇をしていただきたいというふうに思っているわけでございます。
 お年寄りとか障害者に優先的に仮設住宅等を配慮してくださいましたことを感謝しておりますが、大臣の一層のリーダーシップを期待して、質問を終わりたいと思います。
 ありがとうございました。
#40
○前島英三郎君 まず、震災で犠牲になられた多くの方々の御冥福を心からお祈りするとともに、被災されて毎日苦しい生活をされている皆様方に厚くお見舞い申し上げたいと思います。また、ボランティアとしてあるいは職務で救援や復興に向けての仕事に寝食を忘れて取り組んでおられる皆様に対しても、心から御苦労さまと申し上げたいと思います。この中には、厚生省の皆さんも含めて申し上げておりますことを念のため申し添えます。
 さて、地震災害全般につきましては、衆参のそれぞれの予算委員会でも集中審議等が行われておりますので、私は被災された障害者あるいは高齢者、つまり災害弱者ということに問題を絞って二、三質問してみたいと思うんです。
 障害者や高齢者など日常生活に困難を抱える人々は、災害のときなどにはその困難が一層拡大をするわけでございます。ここに「阪神大震災に想う」という西宮出身の人が震災後に書いた文章がございます。困難が一層増大する様子をわかりやすく書いておりますので、一部分を紹介したいと思います。
 まず、今回の震災では、あふれるほどの情報に囲まれていたはずの私たちが生命の危険にさらされたとき、SOSすら受発信できないというハイテク社会の落とし穴をまざまざと見せつけられたと書いた後、障害を持つ人々についてこんなふうに書いております。
 目が見えない人、見えにくい人は、どのように危険から身を守れば良いのでしょう。
 テレビのニュースも、聴こえない人、聴こえにくい人には単に不安を増幅させるだけだったと言います。
 言葉が出ない人、喋りにくい人は、どうやって助けを求めれば良いのでしょう。
 自力で動けない人、動きにくい人は、どうやって避難すれば良いのでしょう。
 避難経路を塞ぐ物すらまたげなければ、どうやって逃げれば良いのでしょう。
 避難後の給水車に、バケツを持って並ぶ事が出来ない人や給水車の到来すら知ることが出来ない人も有ったでしょう。
 施設福祉から地域福祉への転換期、と言葉は綺麗でも、障害者・高齢者の介護は、まだまだ家族だけが担っている状況の中、今回のような事態に対処できる介護家庭がどれだけ有ったでしょう。
 福祉的ネットワーク、及び、情報ネットワークから取り残された介護家庭や一人暮らしの障害者・高齢者は、なすすべもないというのが現実の姿ではないでしょうか。
 この文章にあるような実際のケースが幾つか新聞にも出ておりました。
 ですから、震災の後には障害者や高齢者の個々の状況を迅速に把握して、必要な手だてを講ずる必要があったわけだと思います。しかし、情報、通信、交通網のいずれもが遮断されまして、安否の確認さえ相当に困難がありました。逆に、必要な情報が必要な人のもとに届かないという問題もあったようであります。
 個々の障害者等の状況把握のために、厚生省としてはどういう工夫とまた努力をしたか、まずそこを伺いたいと思います。
#41
○政府委員(佐野利昭君) 確かに、先生が御指摘になったような状況が、特に被災直後にはそのような状況があったようでございます。まさしく今回の場合は、特に地元の司令塔にもなるべき神戸市あるいは兵庫県庁が被災をされた、いろいろなお世話をする任にあった県庁の職員あるいは市役所の職員も被災者であったというような特殊な事情もございまして、そういう面では私どもが後手後手の体制になってしまったということを大変反省いたしております。
 障害者の方々に対するお世話も、そういうことから随分おくれてしまったわけでございますけれども、おくれた状況のもとでということでございますが、現状におきましては障害者の方々の状況の把握及び情報の提供について、まず避難所におられる方々に対しましては、兵庫県及び神戸市において各避難所にパトロール隊を派遣して御要望等をお受けする、あるいはいろいろ御相談に応じるという体制をとっております。
 また、掲示板でありますとか、それから大規模な避難所には文字放送テレビあるいは無料のファクスなども設置をいたしておりまして、情報のきめ細かな伝達に努めているところでございます。
 また、在宅におられる障害者に対しましても、今の時点でようやくそういう形になってきたわけでございますが、ホームヘルパーや民生委員・児童委員の御協力を得まして安否確認を行っておりますし、生活を営んでいく上で必要な各種の支援もようやくできるような状況になってまいりました。
 また、兵庫県庁におきましては、被災者福祉何でも相談という電話を受ける場所を設けまして、援護を必要とする被災者の悩みや生活上の問題解決に目下当たっているところでございます。とりわけ障害者につきましては、専用の電話とファクスを設置して御相談を受けるという体制を今講じております。
 また、これは行政のサイドではございませんで、民間団体の御協力をいただいたわけでございますけれども、視覚障害者団体あるいは聴覚障害者団体等の民間の福祉団体におかれましては、それぞれ現地に対策本部を設置されておりまして、身体障害者の安否確認や生活相談、あるいはラジオ、テープレコーダー、点字器等の提供、それから手話通訳だとかボランティアの派遣、こういうような事業を障害者支援センターというような形でセンターを設けて実施しておるところでございます。
#42
○前島英三郎君 地震発生後しばらくして厚生省が行った一連の対応はおおむね適切なものだったと思います。みんなベストを尽くしていると思うわけであります。
 私のところにも連日のようにファクスが参りましたが、それを冨岡課長のところへぱっと送ってすぐその対応をやりながら、支援センターもそれぞれ機能をしながらやっておりまして、いろんな仲間たちも独自の援助隊をつくって頑張っている。結果論をいろいろ今責め合っても仕方がない状況でありますし、現地も自治体がそれぞれ被害を受けておりますだけに、いつもより処理能力がいろんな面でがたっと落ちたという困難な状況になってしまったというのはわかるわけでありますけれども、しかしこれからの問題ということを考えていきますと、やっぱりそれは備えがなかった、これからは備えが必要であるということだろうと思うんですね。
 こうした中で、障害者団体の多くはいろんな救援団体をつくったりしているわけでありますが、いろいろまたボランティアが活動するための条件整備の必要性があるということも今議論の中で教訓として残っているものがあります。
 いずれにしても、不幸な震災の中でこうした動きが顕著に見られたことは、我が国の将来にもつながる大切なものだと私たちは思います。この経験、この精神をぜひともこれから生かしていただきたいと思うんです。
 そこで、私はきょう、これから大臣に提言したいことがあるんです。つまり福祉における危機管理です。国家としての危機管理という大問題も今議論されていますが、当然必要でありますけれども、それはそれできちんと確立してもらわなければなりませんが、しかし福祉の危機管理というのは私はもう少し日常の延長線にあるように思うんですね。日常の福祉がちゃんとしていなくて災害のときに急にうまくやれと言われても、これはうまくやれるわけがありません。
 施設なんかもこれから必要性がどんどん、高齢化時代とかいろんなことでゴールドプランとか言われますが、例えば山の中腹とか海岸べり、液状化現象も起きるかもしれない、そのあたりにしか施設はつくれないなんというときに、一体これからこういう福祉管理、建設省やいろんなところは将来の二十一世紀に対応する新しい神戸の町づくりなんということを言っていますが、命が守れずして私は国の危機管理はないと思うんです。
 そういう意味でも、国家としてのいわば危機管理も当然でありますが、福祉における危機管理というのが非常に重要だというふうに思うんです。私は、この災害を一つの機として、特に災害弱者と言われる人はお年寄りであり障害者であり、また障害者は自立、社会参加ということがこれから一つのテーマになっていくのに、自立をしたが助けはだれも来ない、そうするとまた、障害者はやっぱり一カ所にまとめておいた方が国家の危機管理はいいんだなんという発想になったらこれは大変でありますから、そのためにも厚生省が災害のときにしっかりと対応できる福祉の危機管理というものを、大臣、やってもらいたいと思うんです。
 そのためには、やっぱり日ごろの厚みが必要だと思うんです。厚生省の厚という字は厚みを生む省である、こういう思いに立ってやってもらわなければなりませんから、二重三重の備えがどうしても必要だというふうに思うんです。
 何よりも優先するのは、電話がだめになった場合の通信連絡手段の確保です。例えば、電波を活用した各自で使いやすい通信連絡手段などが用意されている必要があると思うんです。複雑な装置は要らないんです、ボタンがあればいい。ただボタンを押しさえすれば、福祉の危機管理体制の中でぱっとそれがネットワーク化されて伝わっていくというような仕組みを考えるとか、あるいは介護、介助の人的な支援、あるいは手話通訳を初めとするコミュニケーション面での支援、下着やおむつといった物的支援、さらに金銭的な支援の必要もあるかもしれませんけれども、要はやっぱり備蓄ということが必要だと思うんです。人的なものの登録が必要なんです。そして、物の備蓄に相当する備えをしっかりやっていくことが必要であり、それを相当PRして多くの方々の理解を得るということが大切じゃないかというふうな気がするんです。
 私は東京の防災センターも見学に行きました。例えば千二百万人分の非常食が用意してある。そして、ボタンを持っているその担当の職員は約四百人、五分以内に駆けつけるように、歩いて駆けつけられるところにポケットベルを持って生活をさせているというような自慢話を聞きましたけれども、これは宝の持ちぐされになってほしいんですよ。これは使われなくていい、使ったらそれこそ大変だと思います。
 しかし、それにしてもあの阪神大震災におきましては余りにも備えがなかった。しかも、兵庫県、政令指定都市の神戸、この二つの連絡が行き交っていないという部分があって、厚生省があって、ぐるぐるその問題が回り回って、結果的には村山総理、あなたの責任はというようなことになるわけです。
 そういう意味でも、これからは危機管理は当然議論されていきますが、特に人の命を守る危機管理、厚生省が主導になった福祉の危機管理ということを、この災害を契機として大臣が陣頭指揮でやってもらいたいということを私は最後にお願い申し上げますが、その決意があるならばしっかりと述べていただいて、私の質問を終わります。
#43
○国務大臣(井出正一君) 今回の経験から、先生が今御提案くださいましたようなことがいかに必要かということを私も痛感しておるところでございます。
 残念ながら、現時点では御指摘のような具体的な構想がまだまとまってはおりませんが、今後、今回の教訓を踏まえて、自治体あるいは数多くの関係団体の皆さんと御相談しつつ、数多くの高齢者や障害者などの方々がおられる社会がまさに今到来しておるわけでございますから、そういった社会を前提とした防災体制、応急対応の体制づくりや、万が一のときの体制が十分機能を発揮できるような、先生おっしゃった備蓄もそうでございますし、あるいは登録の用意も当然そうだと思います。そういうことを平時から用意しておかなくちゃならぬ、そういうための訓練とかあるいは周知徹底等に取り組んでいかなくちゃならぬ、こう考えておるところでございます。
 またその際、障害者の方々が置かれている状況を踏まえて、緊急時においても視覚や聴覚に障害を持っていらっしゃる皆さん方などが必要な情報伝達を得られるような仕組みについても十分研究していかなくちゃならぬと思います。
 この間、兵庫県の知事さんとお話しする機会があったんですが、これから兵庫はもう一度、神戸を中心にお年寄りや身障者の皆さんが住みいいような都市づくりをしていくんだ、こういうことをおっしゃっていました。そういうことができれば、それは健常者にとってもより住みよいところになるわけでございますから、まさにそういう方向に向かって地方もあるいはまた国も一緒になって全力を挙げていかなくちゃならぬと思います。
 そういった意味では、復興本部とかあるいは復興委員会なんかが近くできるようでありますが、そういったところに福祉とかあるいは医療といった視野をきちっと入れていただくように私も働きかけるつもりでありますし、厚生省といたしましても、先ほど申し上げましたように、今御指摘いただいたような方向を目指して全力を尽くして取り組んでいくつもりでございます。またいろいろ御指導のほどをお願いいたします。
#44
○前島英三郎君 どうぞ頑張ってください。
#45
○竹村泰子君 大変な被害が起きてしまったわけで、大臣も連日の御奮闘、本当に御苦労さまだと思います。私もふるさとが神戸でございますので、まだ行方の知れない友人も何人かいたりしまして、本当に悲しい思いでおります。
 肉親に電話をしまして何が一番必要かと聞きましたら、やっぱりおふろが欲しいと言うんですね。ガスも電気も大切だけれども、やっぱりお水は命の水ですから、この復旧対策が本当に大事がなと思うんです。
 ちょっと確認をさせていただきたいんですけれども、報道によりますと、大蔵省と厚生省は六日、阪神大震災で損傷した公道下の配水管の復旧の補助率二分の一を、震災復旧では十分の八の水準にまで引き上げるほか特例的に配水管から家庭までの給水管整備に対しても補助を行うことを決めたというふうに出ているんですが、これはいかがでございましょうか。そのとおりでしょうか。
#46
○政府委員(藤原正弘君) 水道が壊れたものに対する復旧工事につきましては、災害復旧ということで従来から補助がなされておるわけであります。今回の大地震に対しまして、そういう状況でありますので、その補助の上乗せについてどういうようにしようかということにつきましては、厚生省と大蔵省その他関係省庁と相談をしておる段階でありまして、現在まだ結論が出ておるわけではございません。
 それから、配水管から各家庭に引っ張る部分、給水管と言われるような部分もありますが、そういう部分について地元からは公費で面倒を見てほしいという要望があることも事実でございます。こういうふうなものについても、先ほどと同じでございますが、どういうふうな対応ができるかということについて検討中でございます。かなりこれは難しい問題であることは事実でございますが、検討中であるということでございます。結論は出ておりません。
#47
○竹村泰子君 検討中でどうなるかわからないということですけれども、今の源の水を最大限補助率を上げてきちんと復旧していただくということは、これはぜひ大臣頑張っていただきたいというふうに思うわけですが、後ほど御決意もお聞きしたいと思います。
 報道によりますと、耐震水道管、これにも損傷があったという報道がされているんですけれども、きのう厚生省の方とお話をいたしましたら、ちょっと報道が事実ではない部分もあるようでございます。簡潔にちょっと事実関係を説明していただけますか。
#48
○政府委員(藤原正弘君) 委員御指摘のように耐震水道管も破損したと、こういう報道がございました。これにつきましては、私どもも現地と打ち合わせをいたしましたが、耐震水道管というふうな定義のものはないんですが、耐震性が強い、そういう水道管が壊れたかどうかということ、そういう報告は神戸市ほか関係のところからまだ来ておりません。
 それで、耐震でない継ぎ手のK型というものがあるんですが、これが破損したという報告は来ておりまして、これが耐震継ぎ手というふうに誤ってとられたんではないかというふうに今思っております。
 いずれにいたしましても、この問題につきましては、本日大学の教授その他専門家から成る調査チームを派遣したところでございまして、詳しく調べてみたいというふうに思っておるところであります。
#49
○竹村泰子君 私は北海道なんですけれども、釧路の地震の後、北海道では耐震水道管を積極的に導入しており、釧路ではその地震の前から導入しており、一部の消火栓で水圧低下はあったけれども断水は余りなくて、したがって火災が発生したにもかかわらずそんなに火災の被害は大きくなかったというふうな記事を私は前にも読んだことがあるんです。
 耐震の水道管という規定は特にないとおっしゃいましたが、そのジョイントのところ、つなぎ目のところ、そこが耐震性があるかどうかと、それが外れたということのように思いますけれども、その辺をちょっと簡単に説明してください。
#50
○政府委員(藤原正弘君) 先ほど御答弁いたしましたように、そういう耐震の継ぎ手の部分が被害を受けたというふうな報告はまだ来ていないわけでございます。ただし、これからどんどん復旧をしてまいりますし、また調査もどんどんやられていきますから、そういう中でそういうものもあらわれるかどうか、これから精密に調べていきたいと思っております。
 耐震の水道管という場合に、水道管そのもの、これが壊れにくい材質の水道管、つまりダクタイル鋳鉄管とか鋼管とかこういうふうな材質の水道管は、曲がったりこういうことに強いわけであります。それと、そのパイプをつなぐ継ぎ手のところ、これがすぐにすぽっと抜けてしまったりということのないように、少し動いてもちゃんと水密性があるようなそういうジョイントがあるわけでありまして、そういうものにつけかえる。つまり水道管そのものの材質が耐震性のもの、そして継ぎ手もそういうふうなものという両面でいわゆる耐震水道管にしていかなきゃいけないと、こういうことでやっておるわけでございます。
#51
○竹村泰子君 大分聞いているところと違うんですね。
 私、この次の質問は、一般に耐震性のある水道管の整備状況、今後の計画、それからいつごろまでに耐震性のある水道管をきちんと整備できるか、全面的にどんな耐震水道管にいつごろ切りかえることができるかと、そういう質問をしようと思ったんですけれども、今のお答えを聞いていると、耐震性のある水道管というのは別になくて、ジョイントのところが問題で、外れやすいか外れにくいかだけのことであると、そういうことなんですか。ちょっと違うんじゃないかなと思うんですが。
#52
○政府委員(藤原正弘君) この継ぎ手のところにもいろいろなタイプの継ぎ手がございまして、いわゆる耐震性の継ぎ手と言われておる地震に強い継ぎ手というものがございます。これは非常に数多くあるわけでありますが、その中でも例えばS型というふうなものもございますが、これは一般に耐震継ぎ手というふうに言われております。そういうものを普及していくということで考えておるわけであります。
#53
○竹村泰子君 わかりました。
 耐震性の強い継ぎ目にしてくださるその御計画はどのくらい先でございましょうか。達成目標はどのぐらいでしょうか。そういうふうにする気はもちろんおありになりますよね。
#54
○政府委員(藤原正弘君) もちろん、従来から厚生省といたしましてはそういう耐震性のもの、つまり地震に強い水道を構築していくようにということで全国の各水道事業体を指導してまいったわけでありますが、今回のこういう地震で思いもしなかったような結果が出ましたものですから、これをまた経験にしまして、新たに耐震、地震対策マニュアル、こういう新たなものをつくりまして、そしてそれに基づきまして全国の各水道事業体を指導してまいりたい、このように思っております。
 現在、どのような状況になっておるかということでございますが、水道管そのものが先ほど言いましたダクタイル鋳鉄管とか鋼管になっておる割合は全体の四六%でありますし、それから耐震継ぎ手になっておるというのは、これは各都市で違いますが、よくやっておる都市で大体一〇%というような状況でございます。
#55
○竹村泰子君 大臣、ちょっとよくわけのわからない説明なんですけれども、つまり水道事業が自治体の、厚生省が直接手を下せない、そういうことがおありになってお答えがちょっとしにくいんだろうと思いますけれども、やはりこれは厚生の問題でございますので、大臣、どうぞ耐震性のある配管を整備するために頑張っていただきたいというふうに思いますが、いかがでございますか。
#56
○国務大臣(井出正一君) 私もどうも専門的なことはよくわからないんですが、上水道は全国かなりの地域に既にもう普及しておるわけでして、これは大変長い間莫大なお金を使って今日やっと来れたわけでございます。
 ただ、つい最近までの分は古い型とかあるいは非常に耐震性に欠けるのが大半であります。最近、そういうのに着目してだんだん改良されたのが出てはきておるようでございますが、これ一挙に全部がえちゃうというわけにはなかなか技術的にもまたお金の面でも難しいものですから、更新期が来たところから順に、こういうのがありますからそっちへ取りかえていってくれというような指導を合しておるところだと思います。
 ですから、これに全部がえられれば確かにそれにこしたことはないんですが、少しやっぱり時間をいただかなくちゃならぬなと、こんなふうに考えておるところでございます。
#57
○竹村泰子君 お水の問題はさておきまして、先ほどからお話が出ておりますが、災害の場合の医療の問題ですね、災害医療の不備が随分新聞で報道されております。
 私も先ほどから申し上げておりますように北海道でございますので、奥尻のときの教訓がなかなか生かされていなかったと。奥尻の災害などの教訓をもとに検証した大規模災害での問題点がそのまま今度出てきてしまったと。一年前でありますから十分な時間があったとは言えませんけれども、その前に釧路沖があり八戸にもあり、地震があちこちで頻発して起こっているにもかかわらず災害医療がやっぱりとても不備であったと、一言で言ってしまえばそう言えると思うんですね。
 災害医療の問題点が数々報道されておりますけれども、やっぱり通信の確保、それから輸送手段の確保、それから医療機関の被害をどう立て直すかということなどかと思います。それは昨年の秋にも日本救急医学会でも指摘をしていたことだというふうに思います。
 今回も、じゃ通信の確保などはどうだったのかといいますと、大阪市内の総合医療センター、救命救急センターの鵜飼さんという方がお話ししていらっしゃるんですけれども、そこにはもう十七日の夕方から次々内臓破裂などの重傷患者が転送されてきたけれども、電話が通じない、神戸方面との電話がなかなかつながらない。どんな患者が運ばれてくるかが全くわからない、大阪と神戸の間で。医療機器や医薬品の準備などの受け入れが全くとれなかった。けさほど予算委員会でも出ておりましたけれども、全国共通の無線の整備、それがあったんだけれども働かなかったという今回の事情があったりして、電波枠にも限りがありますから、総合的に各省庁間で話し合っていただいて、これはぜひ整備をしていただかなければならないのではないかというふうに思います。
 それから、輸送手段なんですけれども、これも幹線道路が麻癖すると、消防庁のヘリコプターの要請には複雑な手続が必要で、出動までに十六時間もかかったということです。それから、先ほどの救急医学会から派遣された災害医療のプロとされる日本医科大などの混成チームが芦屋市に到着したのは九二日たった後であった。そんなこともありまして、もっとヘリコプターなどを有効に使うことができたらいいなというふうに思います。
 これは大臣にお尋ねいたしますが、災害救済用の専門組織を検討されていらっしゃると思いますけれども、災害救急医療公団なんというのは、今行革のときでありますから、特殊法人が問題になっているのにこういうのをつくれというのは非常にあれなんですけれども、やっぱり命と引きかえのこういったものはきちんとつくっていただいた方がいいのではないかと思います。
 その辺の今回の災害医療の問題についてたくさんございます。輸送受け入れシステム、マンパワーの確保、受け入れ体制の確立、救急ヘリの搬送手段の問題などいろんなことがありますけれども、大臣、ちょっと御所見と御決意を伺わせていただけたらと思います。
#58
○国務大臣(井出正一君) 災害時におきまして、特に初期の医療の確保が重要な課題であるということは、私も今回は身をもってといいますか、痛感したところでございます。
 今回の地震の発生直後におきましては、多数の負傷者が生じる中で、先生今御指摘のような輸送・通信手段やライフライン等が大きな打撃を受けて、その結果、迅速的確な医療の提供を行うことが残念ながら困難な状況にあったことは事実であります。今回の災害により現実に甚大な被害が生じた事実を厳粛に受けとめて、これを教訓に生かさなくちゃならぬ。関係省庁と協力あるいは協議をしながら、ヘリコプターの活用を含めた迅速な患者の搬送あるいは受け入れ、さらには体系的な医療マンパワーの派遣を初めとして、災害の際に十分に機能できるような医療体制をいかに確立てきるかということをこれから検討していかなくちゃならぬと思います。
 実は昨年の一月に、奥尻の地震などを契機に集団災害時における救急医療・救急搬送体制のあり方に関する研究班を設置いたしまして、自来ずっと研究を重ねてきたのでありますが、まだまとまる前にこういう事態になっちゃったわけであります。今回の災害を振り返って、こういった研究班にもさらに一層検討を急いでいただかなくちゃならないと思っております。
 また、七月一日に開設を予定しております国立病院の東京災害医療センターについても、今回の教訓を生かしながら、同センターの役割、機能等についてもこういうときに役に立つような医療センターにしていかなくちゃならぬと。
 先生、今、公団みたいなものはどうだというお考えでございますが、それも一つの考え方かもしれませんが、それよりはむしろ、今全国いろんなところにいろんな組織があるわけですから、これをもうちょっと有機的といいましょうかこういうときに有効に連絡がとれたりあるいは機能が発揮できるようなシステムをつくることがまず大事じゃないかな、こんなふうに今考えておるところであります。
#59
○竹村泰子君 もし先ほどから言っておりますような輸送とか患者の搬送とかがうまくいっていれば、死ななくてもいい人が随分あったのではないかと。まるで野戦病院のようだったと、薬がない、水がない。ある女医さんは、もう病院の中はめちゃくちゃになっていて、薬を出すこともできない、水もないので点滴液で傷を洗って、麻酔なしで傷を縫った、もう本当に戦場のような状態だったということを体験談として語っておられますし、手術ができないで命が次々と消えていった、電気もガスも水道もない真っ暗なところで死んでいくのをどうすることもできなかった、医師はつらい見送りをしなければならなかったと。この中にもお医者さんがたくさんいらっしゃいますけれども、本当に私たち素人が見守るよりももっとお医者さんは、これがあればできるのにというところでつらい思いをされたようであります。
 こんな先進国と言われ経済大国と言われる日本の国の中で、一たん災害が起きるとこういう状態で人々が死んでいくというのはまことに残念でならない、もうどうしようもなかったんだけれども残念でならないと、きっと厚生大臣もそういうお気持ちであろうと思います。
 医薬品ももっともっと備蓄をしておかなければいけなかったのではないか。備蓄をした棚が全部ひっくり返ったり、どこにあるかわからなくなったりしたかもしれないけれども、ちょっと時間がないので省きますが、ある調査によりますと、三日分ぐらいの備蓄しかなかったと、広く調査をしましたら。ですから、やっぱりそういうことは日ごろの心がけとして、何事が起きてもいいように、これはもう大臣の御指導できちんと備蓄をしておいていただきたい。
 その事実を御存じだったでしょうか、ちょっと御感想を聞かせてください。
#60
○国務大臣(井出正一君) 最近、通信あるいは交通手段が発達してきたこともあったり、あるいはいろんな合理的な経営方針なんかがそういう医療界にも浸透してきまして、そんなに医療機関でたくさんの薬品を備蓄しておかなくても間に合ってきたものですから、それがわずかなものしか持ってなかったときにこういう事態になったというわけでございますから、やはり公的なところでかなりのものをきちっと用意しておかなくちゃならぬなということは痛切に感じております。
#61
○竹村泰子君 先ほど前島委員の方からもいわゆる災害弱者と言われる問題が出ておりましたけれども、自治省おいでいただいていると思いますが、今後自治体の災害防止計画にいわゆる災害弱者の救助、救援に関する事項をきちんと、法律にというのは公平ということではちょっと難しいかもしれないんですが、きちんと災害弱者に対する項目を入れていただきたい。
 これは、さすが関東大震災を受けた東京都ですが、東京都の災害対策部が出していらっしゃる「東京都災害弱者防災行動マニュアル」というのがありまして、イラストも入っていてなかなかよくわかるんですけれども、いいなと、さすがだなと思って拝見したんですが、目の不自由な方にというページが六ページあるんですけれども、点字は一つも入ってないんですね。これどうやって見ればいいんでしょうか。
 そういうところはあるんですが、やはりこういうものがきちんと備えられていて配布されているということは心強い、大変よくできていると思いますが、自治省、その辺を少し御説明いただけますでしょうか、今後のことで。
#62
○説明員(高田恒君) 御指摘のように、災害時におきましてはとかく高齢者の方、障害者の方、また傷病者の方々や幼児等が犠牲になるケースが多く見受けられるところでございます。
 従来、私どもといたしましても、市町村または都道府県の地域防災計画の中にありまして、そういう災害弱者の方々に対して十分きめ細やかな配慮をするようにということを指導してきたところでございます。今般、地震災害を踏まえまして地域防災計画の緊急点検を行うよう指導したところでございますが、その重点項目の一つといたしまして災害弱者対策というものを位置づけているところでございます。
 また、災害時におきまして、地域住民の一人一人の方々が連帯をいたしまして災害弱者の方々を助けていくということもまた必要なことであると考えておりまして、そういう面での全体としての防災体制というものも今後充実していかなければならないと考えております。
 そういう面をあわせて、今後さらに私ども地方自治体と一緒になって取り組んでまいりたいと思っております。
#63
○竹村泰子君 ぜひ厚生省も協力をして、そういった防災計画の中にきちんと弱者を視点に置いた施策を立てていただきたいと強く要望しておきます。
 それから、避難をしておられる方が二十数万人まだいらっしゃるわけですけれども、この避難所の中で、寝たきりではなかった方が寝たきりになってしまわれたり、それから症状が悪化してしまわれたり、そしてずっと薬を投与していかなければならない慢性の疾患を持っていらっしゃる方たち、あるいは車いすで避難所のトイレはとても使えない、段差も多くて避難所暮らしはできない、危険な住宅とわかっているんだけれども自分のおうちを離れられないという御夫婦のことも報道されております。
 高齢者の防災対策、あるいは障害を持った方も高齢者も障害を持っておられるということで同じだと思いますけれども、そういう方たちの防災対策、阪神大震災では特に犠牲者の半数以上が六十歳以上のお年寄りだったということで、本当に痛ましい思いでいっぱいでございますけれども、高齢者向けの防災マニュアルなどを自治体できちんと義務づけるというふうなこと、避難所も知らないという方が随分あったようであります。特に、ひとり暮らしのお年寄りに対しては緊急通報システムなどが開発されていますけれども、まだまだごく一部ですし、そういったことをぜひ緊急に考えていただきたいと思います。
 おもしろい記事がありまして、荒川区では高齢者や障害者のために町内会で担当者を決めて、いざというときに担架や車いすで避難させることになっている、おんぶ作戦と言うんだそうです。そのおんぶする人がちゃんと決まっているわけですね。在宅ケアが進んでいくにつれまして、私たちはやっぱりこういう地域の暮らし方というのが問われてくるというふうに思うんです。
 私もアメリカヘ行きましたときに、どこのオフィスだったかちょっと忘れてしまったんですけれども、オフィスの部屋の入り口のちょうど表札のようなところに、このお部屋の中にはジョンとビルとウィリアムという障害を持った人がいると。いざというときには、緊急のときにはだれとだれが彼らを連れ出す役目なのだということが、いいかげんな張り紙じゃなくてちゃんと表札のように彫り物で張ってあるんですね。すごいなと思って、そこまで日本の社会がなるのはなかなかだと思いますけれども、そういういいところは本当にまねしていきたいと。障害者の雇用も叫ばれておりますし、高齢者の雇用も進めなければいけないということでありますから、やはりそのくらいの心構えでみんなが共同の生活をすることができればいいなというふうに思うんですね。
 大臣、寝たきりをこれ以上避難所でふやさないためにも、福祉用具や介護マンパワーの投入が必要だと思いますけれども、今の手当てはどうなっているのかということと、それからもう一つは、県内や近隣府県から施設の職員が随分応援に駆けつけてきております。その駆けつけてきてくださった場合の費用負担、これは今のところは職員の派遣は職務の一環となっているからその施設が持っているわけですね。でも、これはやっぱり国の仕事を手伝っていただいているんですから一定の補助を行うべきではないでしょうか。施設の持ち出しになるというのはちょっとこれはどうかと思いますが、その二点、ちょっと大臣にお答えいただきたいと思います。
#64
○政府委員(佐野利昭君) 今の先生の後段の、施設のいわゆる定員をオーバーした入所なりあるいは施設の職員の応援の体制、こういう両方の形でやっていただいておりますけれども、いずれも財政的な面は後できちんと助成をさせていただきます。
#65
○国務大臣(井出正一君) 先生おっしゃるとおりだと思います。今、マンパワーの方は局長が答えてくれましたが、福祉用具の支援も大変大事だと思います。新しい法律もできたことですし、また今度スタートさせていただく新ゴールドプランの中にも重点支援施策の一つに、福祉用具の研究開発や普及の促進というのは掲げられているわけでございますから、その方向に向かって援助策もあわせて強化していかなくちゃならぬ、こう考えるところであります。
#66
○竹村泰子君 最後の質問なんですが、グループホームに入居していた人がいらっしゃるわけですけれども、仮設住宅ではそのグループホームのグループで入ることが許されないのではないかと、世帯単位になっているから。そういう方たちは、またグループで仮設住宅に入って再建のために一緒に頑張りたいんだという声があるんですけれども、これはいかがでしょうか。ぜひ認めていただきたいと思うんですが、よい答弁をお聞きすることを期待いたしまして、私は質問を終わりたいと思います。
#67
○政府委員(佐野利昭君) 御提案の応急仮設住宅でグループホームをというのは、なかなか実行上は難しいんじゃないかなという感じが私は実はいたしております。
 一つには、どのくらい仮設住宅にお入りいただくかということで違うわけでございますけれども、なるべくならば余り長くない方が望ましいわけで、新しく自分のおうちをつくっていただいてそちらの方に移っていただくのが本当は一番望ましいわけでございます。応急仮設住宅といいますのは、やはりある意味では当座のしのぎでございますので、そういう面でもそこを拠点としてグループホームをやるという形を考えるのはちょっと無理があるのではないかというのが一つあります。
 それからもう一つは、今、量的にまだ仮設住宅が大変不足いたしております。大いに今急いでつくっておりまして、なおかつそこの中で、障害者用の重点枠というふうな形で優先的に配分はいたしておりますけれども、しかしその仮設住宅自体は一DKの小さなものでございますので、そこに五人も六人もの方が一つのところに入っていただくというわけにもいきませんし、一つのグループ全部にある程度の戸数で一定の割合でお渡しするというのも恐らく現実に地元の市町村としてはやりにくいのではないかこういうことがありますので、なかなか難しいお話であろうかと思うんです。
 それからもう一点、実際にそこに仮設住宅をやりましても、今のグループホームの運営形態は世話人を必要とするというふうな問題もあります。そういうふうなことがあってなかなか実際上は難しい面があろうかと思いますけれども、実際にそういう形で例えば家がたまたま三棟ぐらい確保できてそこでグループホームの形態が続けられるんであれば、それはそのまま認めていってもいいんじゃないかと思うんです。
#68
○竹村泰子君 いいんですね。ありがとうございました。
#69
○木暮山人君 新進党の木暮山人が平成会を代表いたしまして、厚生委員会の平成七年兵庫県南部地震災害対策に関する質疑をさせていただきます。
 まず、水災害で犠牲をこうむられた方々に心より哀悼の意を表しますと同時に、復興に献身なさっている方々には深く敬意を表する次第であります。
 私の認識では、災害というものはその発生に対して予防措置がとってあるべきであり、一分でも一秒でもいい、前兆予知が大切なことで、国はこの予知のためには莫大な予算を投入して国民の信頼を取りつけ、人にやさしい政治を強調してきたはずであります。
 地震とは御存じのように、地震前に岩石に圧力や摩擦が加わってくると岩の中の小さな割れ目から電波が出る。岩石には圧力などによって電流が起こる特性を持った成分が含まれているからであります。こうして活断層に発生する電波は非常に小さいものですが、地下に埋設したアンテナで受信できることはもう既に御承知のことと思います。
 また、宇宙から来る電波と地震の前兆電波はその特性が違うため、はっきりと区分ができるそうです。郵政省通信総合研究所の高橋耕三さんの話では、ULFとVLFの電波観測で、昨年秋の北海道東方沖地震、また今回の兵庫県南部地震でも前兆と思われる電波が観測できたそうであります。岩石が破砕する前にはVLF電波が発生する現象は実験でも既に実証されているので、地震前の一定時間にVLF電波の数がどのくらいふえるか調査した結果、それぞれ最近の我が国の地震の発生ごとに、一分間に約百五十回ないしは二十から三十回というVLF電波が観測され、研究成果から、少なくとも半径百キロメートルごとにセンサーを設置すれば電波の発生源も確定可能な現況にまで達しているそうであります。
 私は、一月十七日午前七時三十分羽田発JASで徳島空港に参りまして、徳島県の文化の森博物館で、館長さんの活断層に対する見識を拝聴し、当日の朝の地震について質疑が交わされたとき、まだ全体的な被害が公表されていないとき、大体活断層の読みで徳島市には活断層が走っていないから被害はないと思う、ちょうどこんなぐあいに被害が出るのではないかということを活断層の分布図を示して説明してもらったわけであります。その後の被害の状況はまさにそのとき説明いただいたとおりの大きな姿であらわれてきたわけであります。
 また、今回の淡路島北淡沖に発した地震は、その活断層に沿って西は九州、東は関東の埼玉県にまで断続的に連続しているので、今後活動期に入っているので連続して災害が起こる可能性が十分にあるという話を伺って、確かにこのたびの兵庫県南部地震に関しましては、自衛隊の出動命令を下す判断、そして災害対策基本法に基づく緊急災害対策本部の設置と災害緊急事態の布告を発する決断ができぬまま、一秒を争う生存者の救出、救命の活動をボランティアにまったための無能はいずれ批判の的となることと思います。
 スイスから来た災害救助犬よりもスピードが遅い態勢づくりに致命的なおくれを来した上、被災した人々を飢えと寒さに陥れた人災、五千有余名の犠牲者を出し、それが最善の措置だった、最善の体制だったでは済まないと私は思っております。総理の持っているすべての権限を行使してまず救出、救援に取り組もうともせず、決断するには自信がなく、判断しようにも駆使する行政知識と経験もなく、復興債を企業の社債と間違えて発言するなど、国難とも考えなければならない大災害に対処する覚悟のほどが危ぶまれる現政権であることは、何となくわかってきたような感じがする次第であります。
 昨日の参議院予算委員会の阪神大震災に関する集中審議で、地震予知連絡会の高木参考人の陳述にもあるように、潮岬、室戸岬での沈降現象、活断層の地震活動の活発化、あす日本の千五百カ所の活断層に突然兵庫県南部地震同等以上の災害が起きないという保証はない今、私は、既に起きた災害への対応の問題は他の方にお任せして、これから起こる大中小の災害に対処するマニュアルをお聞かせいただきたい、こんなふうに考えておる次第であります。
 私は、再び今、兵庫県南部地震同等以上の災害が発生したと仮定して、そのとき、今までの経験で今から起こると仮定される災害に厚生行政をつかさどる責任者として、一年後、三年後の理想はさておき、国民全体が恐れおののいている今、兵庫県南部地震の現場のように、はりの下敷きになって夫と生き別れ、火災によって翌是の骨折した白骨にまみえるような悲劇を繰り返させない対応。そして、今日本には、罹災された方々の仮設住宅の製造能力が月間一万戸しかできないというような現状であります。
 あと二、三カ月は充足できない状況の中で、あと五万戸仮設住宅が必要になった場合どうすればよいのか。臨時の炊飯能力は現在どれくらいあるのか。憲法二十五条に関する厚生に関連した現時点で考えられる対応マニュアルを、それぞれのお立場で決意を込めて具体的に、もう今これと同等のものが来ても心配がないよ、こうやってやるんだというような所信の表明を願い、かつ井出厚生大臣にも同じく、あすの災害にどうやって対応するかの決意の表明をまとめてひとつお願いしたい次第でございます。
#70
○政府委員(佐野利昭君) 今回の災害の現状についてはいいというお話でございましたが、一応今のような厳しいお話でございましたので、先ほども申し上げましたけれども、とった措置を少し述べさせていただきたいんですが。
 一月十七日の兵庫県南部地震発生以来、厚生省といたしましては、兵庫県及び大阪府からの報告に基づきまして二十五市町に対して災害救助法の適用を決定いたしまして、避難所の設置、飲料水の供給、食品の供与、医療等、被災者の生命、身体の安全に直結する第一次的応急救助に積極的に取り組んできたつもりでございます。
 そして、被災者の方々が一日も早く安定した日常生活を送ることができるよう、建設省等の協力を得ながら目下応急仮設住宅の建設等の住宅対策に全力を挙げて取り組んでいるところでございます。
 現在のところ、このような災害救助の事業に対しまして日夜通われておりまして、今回の反省をするような状況には実はまだ至っておりません。したがいまして、十分検討をした上での御報告ではないわけでございますけれども、今回の経験を踏まえまして、今後同様な災害がもし発生した場合にはどのようなことを配慮すべきかということを、私なりに感じておるところを二、三述べさせていただきます。
 まず、災害救助の分野におきましては、迅速に被害状況を把握するとともに、速やかに関係方面に情報の提供、援助の要請、調整を行うことが必要である。また、避難所はどうしても必要でありますので、その避難所におきましては医療、飲食、生活環境の確保等、きめ細やかな配慮をすることが必要であろう。応急仮設住宅につきましても、迅速かつ大量に建設するために、関係機関、団体との連携を一層強化して、早期に資材、建設用地の確保を図る必要があるだろう。また、再三御指摘をいただいておりますが、高齢者、障害者等、健康面で不安を抱える人々などに対しましても、避難所の生活から住宅への入居に至るまできめの細かな配慮を行う必要がある、こういうふうに考えております。
 今後は、今回の被災者の方々の生活の回復、安定に全力で取り組んでまいりますが、さらに平時における防災体制や災害発生時における緊急の対応策につきましても早急に見直しを行い万全を期してまいりたい、こう考えております。
 また、私の立場といたしましては、そのほかに社会福祉施設の分野におきましての責任も持っておるわけでございますが、そういう社会福祉施設の分野におきましても、災した社会福祉施設につきましての的確な情報の把握、あるいは避難所の巡回パトロールを現在やっておりますが、そういうパトロールの中で保護を必要とする人を早急に発見して適切な対応を図るというようなことが必要なのではないかこういうふうに考えております。
 また、災害復旧ということにつきましては、一刻も早くもとの状態に戻れるように、この面につきましても全力を払ってまいりたい、こう考えております。
#71
○政府委員(藤原正弘君) 水道、廃棄物の分野につきましてお答えを申し上げたいと思います。
 まず、水道の分野について申し上げたいと思いますが、今回の震災は極めて甚大で都市機能を壊滅させるようなものでありましたので、神戸市、西宮市、芦屋市などでは市内全域で水道が断水するという事態が発生いたしました。このような状況になったのは過去なかったわけでございますが、水がなくなってしまったということで、各市町では応急給水をまずやらなきゃいけないというその対応に忙殺されました。
 さらに、交通通信施設が寸断されましたので、厚生省と各市町また県というのもなかなか連絡がとりにくいという状況でございました。それで、発生の当日に厚生省から担当職員を現地に派遣いたしまして、地方自治体と一体となりまして水道施設の被害状況の把握や応急復旧工事の実施に取り組んだわけでございますが、組織的な体制が整備されるまでに時間を要しまして、円滑に進まない面が見られました。
 こうした今回の経験、教訓を踏まえまして、今後同様の震災が生じた場合、水道の確保につきましては、まず迅速かつ的確に施設の被害状況を把握するということ、それから全国各地から人員、資機材、救急車等、組織的に動員するというようなことをやっていく必要があるんじゃないかこういうふうに考えております。
 なお、今後の問題といたしまして、学識経験者から構成する調査団を派遣して、その成果をもとにして今後の復旧の方針というものをまとめていきたい、そのもとに対策を進めていきたい、こう考えておるわけでございます。
 廃棄物につきましても同様なわけでございますが、今後の課題といたしましては、やはり全国的な人員応援体制、受け入れ体制の整備ということが重要でございます。また、御案内のように、生ごみの問題だとか広域的な瓦れきの処理の問題だとかこういうふうなことを経験したわけでございまして、今後はそういうことについても適切なやり方をしていきたいということであります。
 なお、特に注意しておかなきゃいけないのは、上下水道が被害を受けますのでトイレが使えなくなる。したがいまして、仮設トイレをたくさん準備しなきゃいけない。またそれだけではなくて、それの維持管理、つまりバキュームカーでくみ取りをするというようなことも必要になりまして、そういうのも全国から大量に集めなきゃいけない。こういうふうなことでありますし、またバキュームカー、ごみ収集車が円滑に市内を走れるようにするためには道路管理者とか警察などと連携を密にしていかなきゃいけない、こういうふうなことを感じた次第でありまして、そういうような緊急時に必要な対応マニュアルというのをあらかじめ策定しておく必要があるというふうにも感じた次第でございます。
#72
○政府委員(谷修一君) 医療の関係について申し上げます。
 特に初期の医療の確保ということが非常に重要だということを痛感いたしました。初期の情報を迅速に収集していくこと。それから、救援のための医療スタッフの確保と派遣を迅速に行うこと。それから、現地におきます医療機関への医薬品、水寺の供給の問題。それから、重症患者の現地の医療機関から後方医療機関への転送、あるいはまた継続的な医療が必要となります。今回の場合に特に経験をいたしましたのは、透析医療を受けておられる患者さんの転送の問題、あるいはそれらの方々に対する医療の確保の問題。それから、医療機関相互の組織化といいますか、大学病院は大学病院同士だけでやるんじゃなくて、国立病院ともやるし県立病院ともお互いに情報を交換し合うということをやらなければならないというふうに思っております。
 もう一つは、基本的にはそういったようなことについて情報ないしは指令を統合できるような現地における本部というものもできるだけ早く設置をするということが必要だということを痛感いたしております。
#73
○国務大臣(井出正一君) 私が総理大臣の立場だったらお答えしなくちゃというふうな御質問も随分あって、大変お答えしにくい面もあるわけでございますが、今後の災害に対しましては、やはり発生当初からの対応が大変大事だということを痛感しております。
 厚生省といたしましてもできる限りの対応を図ってきたと考えておりますが、大都市しかも自治体の中枢を直撃された災害でありまして、通信機能が寸断されたり、あるいは地元自治体も十分な状況把握ができない中で、非常に対応が困難あるいはまた混乱をきわめたことは事実でございました。
 今回の災害で極めて大勢の死傷者を生じ、膨大な家屋等が損壊し、住民の生活基盤が失われたという事実を厳しく受けとめ、一つ一つの項目を確認し、厚生省としていかなる災害時においても住民の生命、身体を守り、生活を確保していくための確固たる体制を再構築しなくてはならないということを痛感しておるところであります。
 当面は、住民の生活の確保と都市基盤の復旧、復興に全力を挙げていかなくちゃならないわけでございますが、早急に防災体制あるいは応急対応体制の総点検に取り組んでまいりたいと思います。
 万一、近日中に起こったらどうだということでございますが、正直なところ、近日中に起こったらまた大変なことに相なることは確かだと言わざるを得ません。そんな意味では、経済大国とか先進国とかあるいは地震には大変強い技術を持っておるといったような、日本人は私自身を含めておごりが大変あったんじゃないかなと、ここらは反省しなくちゃならないと思います。
 ただ、この災害の発生当初から、全国至るところで何とか救援の手を差し伸べたいという、人といいましょうか心といいましょうか、そしてまた物も日本には幸いたくさんあるということだけははっきりいたしましたから、そういうのをきちっと必要なところへ集中的に届けられるシステムといいましょうか、いわゆる機能を構築していくことが何よりも肝心じゃないかな、こんなふうに考えておるところであります。
#74
○木暮山人君 どうもありがとうございました。
 私は、復興のためにはみんな献身的に大いに努力して、そしてまた一日も早い復興を願っておりますが、きょうは人の身あすは我が身で、これだけ活断層を抱えた日本でございますから、今起きてもこの教訓を十分生かしまして、後顧の憂いのないように、そして国民が心配しないような体制をよく構築されまして、国民の期待にひとつ報いてあげていただきたいと、かように思います。
 どうもありがとうございました。
#75
○萩野浩基君 新緑風会の萩野でございます。
 医療面とかまたライフライン、住宅面につきましては同僚委員の方から質問がありましたので、重複をなるべく避けたいと思います。
 宮城県沖地震、これは今回とは比較になりませんけれども、やはり二十名以上の方が亡くなっており、私の家もそのときに一部破壊いたしましたが、そういう体験もしております。
 それからまた、私は福祉教育にかかわる大学の教員として、また一市民としてじっとしておれない状況でありました。だけれども、払うれしかったのは、私がそう思っているよりも先に学生たちが駆けつけたということであります。そこで私は、実際に学生には申しわけないと思ったんですが、後から追いかけたというのが実情でございます。
 宮崎委員も現に行かれたというのをきょう冒頭に聞きました。シーイング・イズ・ビリービングということわざがありますが、もちろん大臣も二度もいらしておられるのでわかると思いますが、私はとにかく国会議員のバッジは外して一市民として行く、そしてやはりそうせざるを得ないというので駆けつけた若者たちを激励し、またこれから未来に向かって何ができるかと、そういうことを考えて、電車のちょっと使えるところは使う、タクシーにちょっと乗せてもらえるところは、もうここからは無理ですというところは長靴でずっと歩きました。
 そして、うれしかったのは、私のところの大学だけではなくてよその大学の、私はいろんなところの大学に関係しておりましたので、声をかけられて、若い者も本当にやっているなというので涙が出る思いでありました。
 私はきょうは、このボランティアに絞って質問をさせていただきたいと思います。
 ボランティアというのが重要なことはもう叫ばれておりますけれども、公的機関に登録したボランティアというのは、御案内のとおりに大半は指定の避難場所で活躍しております。御案内のとおりに神戸には外国の方もおられます。そういう中から、そういう指定の場所ももちろん行きましたけれども、私は特に、そうではない個人で組織されたまさに草の根ボランティアというかそういう未指定の避難場所に行ってまいりました。
 青いテントが四つ、五つというようなところで炊き出しをしたりしている、そういうのを見、またあるところには、日本語をかなり話される外国の方なんですが、やっぱりオーバーステイだとかいろんなことがあるんでしょう、こっちがかなり質問をしても、ある以上は貝のごとく口を閉ざされている人もあります。
 だけれども、人道的な立場に立ち、ヒューマニズムに立つ日本としましては、そういう点では差がなくやっておられますけれども、そういうのを根っこで支えておるのが若者たちのボランティアだということを私はこの目で見てきましたので、それをまず最初に申し上げておきたいと思います。
 民間ボランティアというのは非常に迅速性があるんですね。だから、やっぱり民間ボランティアというのをこれからもう一度今回を経験にしながら見直していかなきゃいけない、そのようにも私は実感として感じました。
 それはなぜかといいますと、画一的な視点から見るのではなくて、社会福祉の面からいいますとケースワークというのがございますが、個々のニーズにこたえるそういう援助体制というようなものが必要ではないかと思います。そういう必要性を感じた若者たちは、もう自分たちでテントの中で寝袋で過ごしながらやっております。
 私は福祉の施設にも行きましたが、そこにおる方は本当に狭いところに、何十畳ぐらいですかね、四十畳、もうちょっとあったと思いますが、その中に百何名いらっしゃるんです。普通あそこは老人ホームと言わないで、憩いの家とかそういう呼び方をしておるところが多いんです。
 そこに行きましたら、私なんかは本当にありがたいんだと、隣のお見ちゃんが引っ張り出してくれた、あのままおったらもう焼け死んでおったんだと。そういうので涙ながらに、私は国会議員のバッジを当てていないからある意味ではそういう本音が出たので、もし当てておればいろんな要求がぽんぼん出てきたかもしれませんが、私は言いました。私も国会議員ですから、行って頑張りますと、私はもうこれ以上身分を隠す必要はないと思いましたので、そのように言った。これは私の実感でございます。
 いずれにしましても、私は百聞は一見にしかずと言いましたけれども、一見は体験にしかずと、そんな感じがいたしました。だから、状況を知らずして語ることはできない、そういうので、これから後のケアということが非常に大事じゃないか。特に人災かどうかというのは、もう起こったこと幸言っても仕方がないので、これからどのようにしていくかということが私は特に大事じゃないかと思います。幸いにも今日、自然災害ということになっておることの裏にはボランティアの存在と支えがあったということを教訓として学ぶべきだろうと思います。
 これは、特に参議院の厚生委員会でございますから、私はもう少しロングスパンで考えてみたいと思います。
 まず、これはとりとめもないアトランダムに話しますけれども、このごろの若い者はどうしようもないということをよく言います。だけれども、私が行ったところの数多くのお年寄りの方が、このごろの若い者はもう本当に感心したと言うのを聞きました。私はこれで教鞭もとっておる一人として、大変心強く思いました。逆に私なんか怒られました。私は大分年寄りに見られたかもわかりませんけれども、そういう人よりも若い人の方がよっぽど役に立つんだというようなことを言われたような気持ちがいたしました。それが一点。
 それから、これも先ほど来出ておりましたが、年老いた方また障害を持った方、こういう方々に対して手厚いものがやっぱり必要だということを本当に感じました。そういう方が本当のボランティアといいますか、もう自分の命は考えずに飛び込んで引っ張り出して、助けられた方の生の声も聞きました。
 これから先を見ますと、慢性疾患の病気を持った方とかいろんなのはあると思いますが、とりあえずけがをされた方のいろんな処置はかなり進んでおります。だけれども、施設に私が行ったときも感じたんですが、何か話したいんです。だから、今度はメンタルな心の悩みというものが大変出てきております。そういう点もこれから特に注意していかなきゃならないだろうと思います。
 私は、文化的に進んだ国かどうかをはかるバロメーターは、福祉、医療、教育、環境、こういう問題が大体どこまで進んでいるかまた災害のときでもどういうように対応できるか、これが一つのバロメーターだと考えております。そういう点から今後この問題を十分取り上げていくべきだ、そのように考えております。
 それから、ここで私、最初に申し上げましたが、何かボランティアに頼る、ボランティアは確かに無償だということでありますし、ボランティアという話源はもともと義勇兵というところからきているのはもう大臣も御案内のとおりと思いますが、だからみずからわき出るものであることは確かなんですが、それが日本は外国に比べて完全におくれております。私もしょっちゅう外国に出かけて、また向こうで教鞭をとったりしたときにもうそれを本当に感じます。私は、それを補うのには何としても小学校、中学校、高校、この辺から教育の中に完全に織り込まなければだめだ、このように思います。
 ですから、そういう意味で、大学入試等に関しましても、私のところなんかはボランティアをやっていた者は推薦入学ではちゃんと特別扱いにしておりますし、このボランティアに関してもっともっと厚生省と文部省がリンクして、どっちが先でもいいですから、特にできればリーダーシップは厚生省の方から文部省に働きかけてボランティア教育をカリキュラムの中に確実に入れる、その方向で努力するという言葉を大臣からいただきたいと思います。
#76
○委員長(種田誠君) 時間がオーバーしておりますので、答弁の方は簡潔にお願いいたします。
#77
○国務大臣(井出正一君) 私も現地で若いボランティアの皆さんと随分お話しする機会がありまして、大変感銘を覚えた次第であります。ただ、いつまでもいられない、試験が近くあるものでというような声も聞きました。
 そういった意味では、ただいま先生おっしゃったような大学でボランティア活動をした人たちをもう少しそういう面で評価していただけたらいいなと思いましたし、おっしゃるように文部省にもそういった面で私どもの方から働きかける必要は大いに感じております。
#78
○委員長(種田誠君) 速記をとめてください。
   〔速記中止〕
#79
○委員長(種田誠君) 速記を起こしてください。
#80
○説明員(石川明君) 御説明を申し上げます。
 文部省の方におきましても、これからの教育においては、豊かな心あるいはたくましく生きる人間の育成を図るということが大変重要だと考えておりまして、他人を思いやる心や感謝の心あるいは公共のために尽くす心を育てるということに配慮する必要があるというふうに考えております。また、生活体験の希薄化している児童生徒が、体験を通して勤労のとうとさですとかあるいは社会に奉仕する精神を培うということは大変大事だと、このように考えております。
 そんな観点から、現行の学習指導要領におきましても、小学校あるいは中学校の道徳の内容といたしまして、思いやりの心を持つことですとかあるいは集団における自己の役割を理解して協力し合うことですとか、また社会奉仕の喜びを知って進んで公共の福祉に役立つように努めること、こういった事柄を明示しておりまして、児童生徒の発達段階に応じまして指導を行っているところでございます。
 また、社会奉仕の精神の涵養ですとか、あるいは公共の福祉と社会の発展に尽くそうという態度を育成するといったようなことを重視いたしまして、特別活動というこまでも奉仕的な活動を明示したりしておりまして、実際には内容の一層の充実が図られているところでございます。
 そしてまた、具体に各学校でさまざまな実際上の取り組みが行われているというようなことでございまして、また今回の震災に関しましても、現地で児童生徒、学生、たくさんのボランティア活動が行われているというふうに承知をしているところでございます。
#81
○萩野浩基君 答弁になってないんで、カリキュラムに入れる予定があるかどうかだけを言ってください。
#82
○説明員(石川明君) 先ほどの御説明が不十分であったかもしれませんのでおわびを申し上げますが、学習指導要領というのは、各学校で教育のカリキュラムを編成し実際の教育を展開していくための指針でございまして、その中に先ほど申し上げましたように、明確にボランティア活動それからボランティア教育を推進するということがうたわれているわけでございまして、そのような方針に沿って各学校でカリキュラム編成と実際の教育活動が行われている、こういうことでございます。
#83
○西山登紀子君 私は、当日の朝ですが、京都の自宅で地震に遭遇をいたしました。震度は五でございました。しかし、現地に行ってみますと、震度が七ということは私の想像を絶する状況でございまして、またマスコミに報道される状況から想像する以上の被害の大きさとその深刻さを痛感いたしました。したがって、その救助と救援の速度を速め、大規模な援助が必要だということを痛感しております。
 そこで、避難所生活の具体的な環境の改善、この点についてまず質問をいたします。
 避難所生活といいましてももう二十日以上に及んでまいりますし、またこれからも仮設住宅が建設されてまいりますけれども、それは非常に限られた、三月の末まで三万戸というふうに言われておりますけれども、そこまでにも二カ月、一カ月半以上かかるわけでございますので、具体的な生活上の大変な問題、出されている要望につきましてお伺いをいたします。
 まず暖房の問題、寒いということです。火の気が使えないということもあるんでしょうけれども、もう少し何とかならないかという思いがいたします。安全な暖房器具の配布だとかそれから断熱マットの配布、これは大変喜ばれておりますけれども、早急にしかもこれは全員に渡るようにしていただきたいんですが、どうでしょう。
#84
○政府委員(佐野利昭君) 避難所が設置された当初におきましては大変混乱をきわめておりまして、御指摘のような点が確かにあったかと思います。だんだん落ちついてまいりまして、現在では兵庫県の災害対策本部において避難所緊急パトロール隊を編成しまして、毎日各避難所を巡回して各避難所において要望のあった品物について早急に手配する体制が一応とられております。
 そういうようなことで、御指摘のありました畳でありますとかカーペット、断熱用のマット等の配置につきましてもできるだけ御要望に沿って早急に配置するような方向でやっていきたい、こう思っておりますし、また防火対策上特に問題がない場合にはストーブも配置する、あるいはストーブが配置できない場合も、毛布でありますとか防寒着、使い捨てかいろなどの配布というようなことにも努力をしてまいりたいと思っております。
#85
○西山登紀子君 受け入れる側の方の御意見だと、中途半端な数をもらうと分配に困るというわけですね。この人だけにマットをというふうにはなかなかできないということなので、早急に全員に行き渡るようにその速度を速めていただきたいと思います。
#86
○国務大臣(井出正一君) ちょっといいですか私にも答弁させていただいて。
#87
○委員長(種田誠君) 質問が終わってからにしてくれませんか。
#88
○国務大臣(井出正一君) 今の件に。よろしいですか先生。
#89
○西山登紀子君 いい御答弁ならいいですよ。
#90
○国務大臣(井出正一君) 実は先週、土日で現地へ行ったときに御一緒してくださった神戸の助役さんといろいろ避難所を見ながら、畳やマットが一部まだ入っておる程度でして、これはもう全部入れてあげてくださいと、それで入れていただければ、国は全部一応この救助法の対象にはしておりますからという説明をしました。そうしたら助役さんのお話ですと、実はまだほかのことで手いっぱいで、これからやりますということを日曜日の午前中の時点で二人で話したということをつけ加えさせていただきます。市の方もやるつもりでいてくれるはずです。
#91
○西山登紀子君 よろしくお願いいたします。
 次に、これは特に女性の方から伺った要望ですけれども、洗濯を始めているというか、やる必要があるわけですけれども、洗濯機それから乾燥機がなくて困っていると、干すところがないわけですよ。ですから、遠くのコインランドリーまでリュックに背負っていってというふうな苦労をしていらっしゃる方もあるんですけれども、この洗濯機の配置それから特に乾燥機。なぜ乾燥機が要るか。女性の洗濯したものはなかなか干すないわけですよ。そういう具体的な要望が出ているので、これをぜひ実現していただきたい。いかがですか。
#92
○政府委員(佐野利昭君) 洗濯等のための生活用水につきましては、水道の復旧とともに確保が進んできております。避難所の中でもこれまでに百三十二カ所で洗濯機が利用されるようになっております。また、水道が復旧していない地域の避難所でもプールの水の活用で生活用水が賄われているというようなことで、徐々に再開されつつある普通のクリーニング店ですとかコインランドリーを利用されているというような実情もあるようでございます。
 また、乾燥機につきましては、設置場所の確保でありますとかその管理などいろいろと検討しなければならない問題点もあるわけでございますけれども、いずれにしましても乾燥機の設置、あるいは干し場所の確保、クリーニング店やコインランドリーの利用などがうまく組み合わされて被災者の必要性に応じた体制がとれるように地元の自治体と相談をしていきたいと思います。
#93
○西山登紀子君 きょういただいた資料の十九ページを見てみますと、神戸市内ではクリーニング業などの多くが全壊、半壊というふうな被害を受けておりまして、クリーニング屋さんへ持っていくといっても持っていけない、お仕事をしていないというような状況なので、これはどうしても長期になると使い捨てで捨てていくわけにいきませんよね、全部を。そうすると、やはり洗濯をして次に使おう、こういうふうになりますよ、どうしても長期になれば。もう二十日以上たっている、これからも長期になるということになると、やはり洗濯機、そして干すところがないとなればこれはもう乾燥機ということになるんじゃないでしょうか。ぜひこの点もう一度、乾燥機をという要望が強いわけですよ。
#94
○政府委員(佐野利昭君) ただいまも申し上げたように、避難所すべてについてという形は、やはり実情に合わせた形で考えなければならないと思いますので、地元の兵庫県あるいは神戸市とよく相談をしてまいりたいと思います。
#95
○西山登紀子君 なかなか被災者の皆さんは要望を出すのが難しいと思うんですね。いろいろああいう困難な状況もあります。特に女性の方がそういう要望を出してもなかなか届かないということもあると思うんです。ですから、私が要望を伺って今申し上げているわけですから、そういうことをぜひ実現していただくように努力をしていただきたいと思います。
 それから三つ目は、先ほどもお話のありましたNHKの三百人のヒアリングの中で、合してほしいことの一番はおふろとトイレだということでございましたが、簡易仮設のおふろ、この数をふやすということ、資料もいただきましたけれども、これは非常に遅いですよね、設置の速度が遅い。どうですか着がえる場所もないというような苦労の声も聞いているんですけれども、この簡易仮設おふろというんですか、そういう施設をぜひ避難所に設置していただきたい、この速度を速めていただきたい、この点どうですか。
#96
○政府委員(佐野利昭君) 先生よく御存じのように、兵庫県内には今大小さまざまな避難所が千カ所以上もあるわけでございます。そのすべてについて仮設ぶろを設置するというのは、なかなか現実問題として困難な部分がある。設置の場所の問題もございます。
 二月八日現在でございますが、避難所で大小の仮設ぶろが六十九基、それからシャワーハウスが九十二基。また、おふろがいいかあるいはシャワーの方がいいか、こういう問題も実際現場の問題としてもございます。そういうようなこともありますので、今後設置の条件が許される場所については順次設置を進めてまいりたい、こう考えております。
#97
○西山登紀子君 次に、大臣にお伺いしたいと思うんですけれども、この避難所の生活、大変な実態です。それはもう大臣も御存じのとおりだと思います。私も行ってみましたが、長田区の区役所の一階、二階、三階、こういう廊下に毛布団が敷かれ、その間をごめんなさいと言いながら私も通らせてもらったわけですけれども、だれが通るか自由に行き来しているこういうところで、吹きさらしの中でもう二十日以上たっている。その中でお年寄りの方が二十四人亡くなられたと、これはもう二次災害じゃないかと思うんですけれども、悲しい報道もありました。
 そして、きょう、私どもの新聞赤旗が報道しておりますが、神戸市長田区の神戸協同病院が調査をいたしました結果が出ておりました。一月三十日から二月五日までの一週間をとりましたら、肺炎患者は全入院患者の三六%、そのうちの八一%が避難所から来た人であったということで、調査に当たられた院長さんは、避難所で肺炎が多発した原因には、寒さとそれから栄養、衛生状態の悪化、ストレスの増などが考えられるので、これが長期化すれば結核の発生にもつながりかねない、できるだけホテルとか旅館を借り上げるなどして高齢者や病弱の方のための二次的な避難所を確保する必要がある、こういうふうに意見を述べていらっしゃる。私もそのことを痛切に思うわけです。
 そこで、大臣に二つお伺いをいたします。
 一つは、特に病弱な方々に二次的に避難をしていただく。そういう施設として、もちろんホテルとか旅館とかの借り上げは結構なことだと思うんですけれども、年金福祉事業団がやっておられる保養施設があります。全国に十三カ所あるんですけれども、やはり被災された方は近くにいたいという御要望が非常に強くてなかなか遠くには行きづらいという面があるわけですね。ですから、最も近いのではグリーンピア三木というのが兵庫県の三木というところにあります。定員が四百名、保養施設でとってもいい施設です。これに、そういう病弱で慢性疾患などがおありになってとてもああいう集団生活や避難所生活には耐えられないと思われるような方に優先的に入所していただく、そういうふうな点で大臣のリーダーシップを発揮していただきたい。
 もう一つの点は、食事の改善です。昨日の予算委員会でも総理自身が、八百五十円は安過ぎる、こういう御答弁があったわけですが、これは幾らぐらいをめどにいつごろから改善されるかという大臣の御決意をお聞きしたいのと、仮設住宅に入ったら、その日からそういう給食の支給が打ち切られないようにお願いをしたい。この二点を伺いたいと思います。
#98
○国務大臣(井出正一君) 仮設住宅を早急に提供しなくちゃならないということはまさにそのとおりでありまして、目下政府全力を挙げて県や市と相談をしながら進めておるところであります。
 具体的にはグリーンピア三木の件でございますが、これは定員四百名なんですが、実は既に警察官あるいはガス復旧班の関係の皆さんで六百九十人収容しておりまして、その皆さんと高齢者や病気になられた方を入れかえるというのが果たしてできるかどうか。ちょっと私、もう一度当たってはみますが、グリーンピアは今満杯の状況であるということを申し上げておきます。
 ただ、できるだけ民間アパートを借り上げたり、あるいは旅館、ホテル等も借り上げておりまして、そういうところへはこういった皆さんに入っていただくように努めることは現地にも指示しておりますし、現地もそのつもりで当たっておるはずでございます。
 それから、食費でございますが、現在八百五十円であることはそのとおりでありますが、これは必要に応じ特別基準ということも設定されておるわけでございますから、現地と相談してもし必要があれば上げるのに私どもはやぶさかではございません。ただ、今のところ現地からその御要望がないものですから、あった場合には適切に対処してまいるつもりであります。
 それから、仮設住宅に入られると食費というか食事の給与というのは、やはり応急仮設住宅の供与を決めてあるこの法律上、それはやはりあくまでも第一次的な応急救助でございましたから、自立して生活を立て直していく段階の二次的な援助として応急仮設住宅は提供されるものでございます。したがいまして、食事等の日常生活については御自分の手で賄っていただくことが原則であります。高齢とか障害あるいは疾病などで働けないような状況にある方は、もちろん生活保護とかそのような手当てはできるわけでございますが、一般的に生活費を支給することは、ほかの所得保障制度との関係からいっても困難であると申し上げざるを得ないわけであります。
 そして、そういった皆さんが一日も早く自立していただくためには、三年ないし五年の無利子で据え置き期間づきの災害援護資金等もございますから、そういったものを利用して頑張っていただきたい、こう申し上げるところであります。
#99
○政府委員(佐野利昭君) ちょっと補足を認めてください。
#100
○委員長(種田誠君) もう時間がオーバーしているから、補足だけでしたら。
#101
○政府委員(佐野利昭君) 念のために申し上げさせていただきますけれども、八百五十円というのは全体の平均的な食費の値段でございます。また、実際に避難所で、当初の段階でありますと、大変混雑した段階でとても八百五十円までいかないような状態で今まで使ってきたというのが現実でございます。
 それから、ボランタリーにいろいろ寄附だとかありますけれども、いろいろな飲食物のように、それなどはカウント外でございますから、そういう面からいきましても、現実に今まで使ってこられたのはそれをかなり下回っておると。ですから、その八百五十円の基準内であったとしても、これからの食費をもう少し上へ上げることは現場の事情で幾らでも可能でございますし、なおかつそれで足りない場合には私ども御相談に幾らでも応じます。
#102
○委員長(種田誠君) 本件に対する本日の質疑は以上で終了いたします。
    ―――――――――――――
#103
○委員長(種田誠君) 次に、先般本委員会が行いました委員派遣につきまして、派遣委員から報告を聴取いたします。宮崎秀樹君。
#104
○宮崎秀樹君 先般の委員派遣について御報告申し上げます。
 去る一月十七日と十八日の両日、種田委員長、清水理事、横尾前理事、堀委員及び私、宮崎の五名で、茨城県及び栃木県における高齢者、障害者の保健医療・福祉及び保健医療関係従事者の養成等に関する実情を調査してまいりました。
 内容に入ります前に、派遣初日の一月十七日早朝に発生した兵庫県南部地震により参加できなくなった同僚委員もおられましたこと、そして参加委員も被災者の安否を気遣い、被害の大きさに心を痛めつつ調査を続けてまいりましたことを申し添えたいと思います。亡くなられた方々の御冥福をお祈り申し上げるとともに、被災された皆様に心よりお見舞い申し上げ、速やかな救援、復旧、復興を強く念願する次第であります。
 さて、本調査団は、茨城県及び栃木県よりそれぞれ保健医療・福祉行政の実情についての概況説明を聴取するとともに、茨城県におきましては県立医療大学、水戸市総合福祉作業施設並びにケアハウス及び老人保健施設の併合施設を視察し、栃木県におきましては子ども総合科学館及びシルバー大学校を視察いたしました。
 まず、両県の概況説明から主なものを御報告いたします。
 茨城県は、高齢者等の在宅生活を支える保健・福祉・医療サービスを地域で総合的に展開する地域ケアシステム推進事業を福祉の中心施策として進めており、要介護者一人一人に福祉・保健・医療の関係者が在宅ケアチームを組み、地域全体で総合的かつ確実に各種在宅サービスを提供できるシステムを計画的に構築することとしております。
 また、平成二年度には「茨城県総合がん対策推進計画」を策定し、県民総ぐるみでがん制圧先進県を目指しており、七年度には二カ所の地域がんセンターがオープンの予定と伺っております。
 栃木県は、「障害者福祉に関する新長期行動計画」や全国に先駆けて策定された「栃木県高齢対策推進計画」問いきいきライフプラン)、同第二期計画等に基づいて総合的な福祉施策を展開しております。
 また、多胎分娩が多いこと等を原因として周産期死亡率、乳児死亡率が全国と比べて高いことから、医療機関の受け入れ情報ネットワークシステムの構築や「周産期保健医療検討会」の設置などの対策を講じているとのことでありました。
 なお、茨城県の概況説明に際しまして、当厚生委員会に対し厚生行政全般にわたる要望がありましたので、これを本日の会議録の末尾に掲載していただきますようお願い申し上げます。
 また、栃木県におきましては、少子化の影響等に関する情報の提供、外国人医療費対策の実施について、口頭での要請がありましたことを申し添えます。
 次に、視察した施設について御報告いたします。
 茨城県における最初の視察先、県立医療大学は、高度な専門知識、技術と豊かな人間性を備えた医療技術者の養成を目指して設立され、本年四月の開学を予定しております。保健医療学部に看護学科、理学療法学科、作業療法学科、放射線技術科学科の四学科をそろえ、四学科そろった四年制大学としては国公立て初めてとのことであります。
 現地は、四月開学に向けて実験・実習設備や情報システム、図書館等の整備が進められているさなかでありました。平成八年秋には、同一敷地内にリハビリテーションを中心とする附属病院を併設する予定と伺っており、県当局の医療大学に対する並々ならぬ熱意が感じられました。
 次に視察した水戸市総合福祉作業施設は、水戸市が設置し、社会福祉法人水戸市社会福祉事業団が運営する施設で、身体障害者通所授産施設の「のぞみ」、精神薄弱者通所授産施設の「はげみ」、法外施設である福祉作業所の「むつみ」及び身体障害者福祉センターの「つどい」等が併設されております。
 当施設は市営団地に隣接し、敷地は水戸市の文化公園「愛パーク」として住民が自由に利用でき、地域との交流ができるよう配慮されております用地域に開かれた施設として強く印象づけられた次第であります。
 次に視察したケアハウス「あんず館」及び老人保健施設「くるみ館」は、社会福祉法人北養会が設置、運営している施設であり、「くるみ館」には水戸市在宅介護支援センターが併設されております。両施設は、一階及び二階が渡り廊下で結ばれており、ケアハウス入所者の身体機能が低下した場合には、デイケアセンターやショートステイ等のサービスを容易に利用することができます。また、ケアハウスから老人保健施設への移行は、措置施設の特別養護老人ホームヘの移行に比べ、高齢者の心理的抵抗が少ないとのことでありました。
 次いで、栃木県では子ども総合科学館を訪れました。
 この施設は、科学館の機能と子供の健全な育成を図る児童厚生施設の機能をあわせ持っております。展示は、子供たちにさわってもらい体験してもらうという参加体験型中心で、私どもも興味深く拝見いたしました。再来館者の割合も年々ふえ、今では七割を超えているということであります。
 最後に、シルバー大学校南校を視察いたしました。
 シルバー大学校は昭和五十四年に開議され、明るい長寿社会づくり推進機構に指定された財団法人栃木県高齢者総合センターがこの運営に当たっております。訪れました南校校舎は、平成六年十月に初の専用校舎として完成、オープンしたばかりで、「蔵のまち」栃木市にちなんで蔵をかたどったデザインとなっております。生き生きとかつ熱心に陶芸、七宝、レザークラフトに取り組んでいる高齢者の姿が印象的でありました。
 以上が調査の概要でありますが、今回の調査に当たりまして特段の御配慮をいただきました茨城及び栃木の両県、並びに訪問先の関係者の方々に心から御礼を申し上げ、派遣報告を終わります。
#105
○委員長(種田誠君) 以上で派遣委員の報告は終了いたしました。
 なお、ただいまの報告の中で要請のございました現地の要望につきましては、本日の会議録の末尾に掲載することにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#106
○委員長(種田誠君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後三時五十一分散会
     ――――◇―――――
ソース: 国立国会図書館
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