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1995/02/28 第132回国会 参議院 参議院会議録情報 第132回国会 厚生委員会 第2号
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1995/02/28 第132回国会 参議院

参議院会議録情報 第132回国会 厚生委員会 第2号

#1
第132回国会 厚生委員会 第2号
平成七年二月二十八日(火曜日)
   午後二時三十分開会
     ―――――――――――――
   委員の異動
 二月十三日
    辞任         補欠選任
     堀  利和君     川橋 幸子君
 二月十四日
    辞任         補欠選任
     川橋 幸子君     堀  利和君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         種田  誠君
    理 事
                清水嘉与子君
                宮崎 秀樹君
                菅野  壽君
                木暮 山人君
    委 員
                石井 道子君
                尾辻 秀久君
                大島 慶久君
                大浜 方栄君
                佐々木 満君
                前島英三郎君
                今井  澄君
               日下部禧代子君
                竹村 泰子君
                堀  利和君
                勝木 健司君
                横尾 和伸君
                萩野 浩基君
                西山登紀子君
   国務大臣
       厚 生 大 臣  井出 正一君
   政府委員
       厚生大臣官房長  山口 剛彦君
       厚生省健康政策
       局長       谷  修一君
       厚生省保健医療
       局長       松村 明仁君
       厚生省薬務局長  田中 健次君
       厚生省社会・援
       護局長      佐野 利昭君
       厚生省老人保健
       福祉局長     阿部 正俊君
       厚生省児童家庭
       局長       佐々木典夫君
       厚生省保険局長  岡光 序治君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        水野 国利君
   説明員
       文部省高等教育
       局医学教育課長  遠藤純一郎君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○社会保障制度等に関する調査
 (厚生行政の基本施策に関する件)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(種田誠君) ただいまから厚生委員会を開会いたします。
 社会保障制度等に関する調査を議題とし、厚生行政の基本施策に関する件について質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#3
○石井道子君 自由民主党の石井道子でございます。
 阪神大震災に関しましては、その災害発生以来、厚生省としては医療また医薬品の提供、飲料水の提供、福祉関係者の救済、そして廃棄物の問題など大変多くの幅広い分野にわたって、住民生活に直結をいたします課題について日夜にわたって緊急援助対策に取り組まれました。厚生大臣を初め多くの皆様方に対しまして、心から感謝と敬意を表したいと思う次第でございます。きょうも補正予算の審議が参議院の方で行われているわけでございまして、一日も早い復興対策について期待をしているところでもございます。
 さて、内外ともに大変激動する今日でございまして、重要課題が山積をしております。そして、とりわけ高齢化社会におきます日本の社会保障制度の問題、これは大変重要な緊急的な課題であるわけでございます。その中で、特に最近見られます出生卒の低下、この問題が大変深刻な日本の社会問題になっているというふうに思うわけでございます。今、一・四六ということでございまして、東京都は一・一という数字だということでございまして驚くばかりでございますが、この原因についてはいろいろと考えられますが、きょうは時間の都合がありますので、まず子育て支援に対しましての質問をさせていただきたいと思います。
 最近、男女雇用機会均等法が成立をし、女性の高学歴化ということになりまして、女性の社会進生活動、そして職場の進出については大変著しいものがございます。この間は育児休業制度もできましたということでいろいろと対策が講じられておりますけれども、まだまだ十分それに見合うような雇用環境とかあるいは保育環境の整備は立ちおくれているという感じがしております。
 このような状況を踏まえまして、政府においては昨年末にエンゼルブランを策定されました。そしてさらに、緊急保育対策五カ年事業についての予算も配慮されたところでございます。これに対しまして、改めてこれらの子育て支援施策のねらいにつきましてお伺いをしたいと思います。
#4
○政府委員(佐々木典夫君) お答え申し上げます。
 少子化への対応ということで、今ございましたように、昨年末、今後の子育て支援のための施策の基本的方向ということで、文部省、労働省、建設省と一緒になりましていわゆるエンゼルプランということで、今後の子育て支援策推進の方策を定めたところでございます。また、それにのっとりまして予算編成に臨みまして、緊急保育対策等五カ年事業を七年度を初年度として実施する、こういうふうなことにいたしているところでございます。
 今もお話がございましたとおり、そのねらい等につきましては、少子化の進行あるいは女性の社会進出、こういったことに対応いたしまして、行政はもとより企業、職場あるいは地域など社会全体の協力によりまして、安心して子供を産み育てることができるいわば子育て支援社会づくりを目指すといったようなことが極めて重要というような認識を持っているところでございます。
 このために、まずは社会全体によります子育て支援の機運を醸成するとともに、行政面におきましては、雇用、保育サービス、母子保健、住宅、教育等、多岐にわたります子育て支援のための施策を総合的に展開する必要がありますことから、これらの施策を所管する四省が、今後十年間におきます施策の基本的方向と重点施策を盛り込んだ形で、先ほど申しました今後の子育て支援のための施策の基本的方向、いわゆるエンゼルプランを策定したところでございます。これによりまして、今後子育て支援策に積極的に取り組んでいくこととしたものでございます。
 それから、緊急保育対策等五カ年事業につきましては、特に女性の社会進出の増加等によります保育需要の多様化に対応いたしますために、当面緊急に整備をすべき保育対策等につきまして、財政当局であります大蔵省それから自治省、厚生省、三大臣の合意によりまして、平成十一年までの目標を定めることによりまして、特に緊急度の高い低年齢児保育あるいは延長保育といったような保育対策につきまして計画的に取り組んでいこうというのがねらいでございます。
#5
○石井道子君 保育対策の重要性を踏まえまして、政府が将来の目標値を決めてそして積極的に取り組んでいただけるということは今までになかったことでございまして、今回の緊急保育対策の策定はまさに画期的なことであるというふうに思います。率直に評価をさせていただきたいと思います。
 五カ年事業の目標値を見てみますと、例えば低年齢児保育が四十五万人から六十万人に、そして延長保育が二千二百三十カ所から七千カ所と飛躍的な拡大を目指しているわけでございまして、保育対策の充実にかける意気込みを感じるわけでございます。しかし、これを実際に実行に移していかなければなりませんし、それでこそ目標値を設定した意味があるというふうに思います。
 私も前々から特別保育対策については特に関心を持って取り組んできたところでございますけれども、低年齢児保育とか延長保育に対します実施状況を見ますと、この五カ年事業が本当に実現可能なものかどうか、この点について一抹の不安を感じるわけでございます。この五カ年事業の目標値を達成するためには、特に保育問題というのは都道府県とか市町村の多様な取り組みが必要でございまして、この点についての問題がかなり関与するのではないかと思います。
 そして、多様な保育サービスが今までなかなか進まなかった原因といたしましてはいろいろあるとは思いますけれども、一つには公立保育所の取り組みが不十分であった、そしてまたそのサービスを実施するための人的な整備が不十分であったのではないかと、そんなことを現場の状況を見まして感じているところでございます。
 今後、五カ年事業を実施する上で厚生省として、地方公共団体の保育対策の取り組み支援とか、また保育所の人的充実についてどのように対策を講じられるおつもりでございましょうか、お伺いをしたいと思います。
#6
○政府委員(佐々木典夫君) 保育対策の実施に当たっての地方自治体の取り組みの支援とか、あるいは人的な対応をどう考えているかということでございます。
 五カ年の保育対策等の特別事業を組みましたことは、保育サービスにつきまして目標値を示す、これによって計画的に推進を図ろうということでございますが、同時に必要な条件整備をきちっとやっていく必要があるというふうに考えておりまして、そのために緊急的な施設整備を行う、あるいは保母の配置の充実を行うというのが考えでございます。特に、こういうような形で目標値をきちっと示すことによりまして、かつ財政当局等の合意のもとに国も財源措置を行い、言ってみますれば、保育対策にきちっと取り組むというふうなことを明確にいたしまして、地方自治体あるいは保育関係者の方々のより一層利用しやすい保育所に向けての取り組みを期待しているという面が基本的にあるわけでございます。
 そういったようなのが基本にございまして、具体的に地方公共団体の取り組みに向けましては、できる限り保育のニーズの調査等を行っていただきまして、乳児保育あるいは延長保育等の保育サービスにつきましてそれぞれの地域ごとにできる限り数値目標を設定していただき、長期的な視野からひとつぜひ計画的に取り組んでいただくような指導をしてまいりたいと思っております。
 そのための一助といたしまして、例えば地方公共団体が保育等の計画を策定いたします場合には、その経費につきましてモデル的に来年度予算で補助をするといったような措置を講じまして、そのような計画的な取り組みをいたします自治体につきましては、例えば私どもの方の保育所の施設整備費なんかにつきましても優先的に採択するといったような措置を講ずることによって、より積極的な取り組みを促してまいりたいというふうに思っておるところでございます。
 それから、人的な対応につきましては、保育所の職員配置につきましても、先ほど申しましたが緊急保育対策等五カ年事業の中におきまして、低年齢児保育の受け入れや、あるいは時間延長、開所時間の延長に積極的に取り組みます保育所につきましては保母を一人加配するといったような新規事業を予算措置で入れさせていただいたところでございます。
 こういったようないわば条件整備を促進しながら、実際やっていただきます地方自治体によりよい保育所づくりに向けての御努力をお願いしていきたいというふうに思っている次第でございます。
#7
○石井道子君 次に、保育料の問題についてお伺いをいたします。
 保育料は応能負担の原則によって、所得によって段階的に決められております。このために、共働き世帯におきます全額徴収階層で、乳児については月額十四万五千円となってしまう方があります。極めて高額なものとなるわけでございまして、このような高い保育料ではなかなか子供を持ちたくても持てないということになるのは当然ではないかというふうに思うわけでございますし、また二人三人の子供を産むことになかなか消極的にならざるを得ないのではないかと思います。それで、保育料の軽減について積極的に取り組むお考えはあるでしょうか、お伺いをする次第でございます。
 特に子育て時代、二十代三十代の若い御夫婦の場合には所得もそう高くはない、十分でないという点がありますし、その半面、子育て費用とか教育費が非常にかかり過ぎるという点がありますので、十分その点についても配慮すべきではないか、そんな感じがするわけでございまして、その点についてお尋ねしたいと思います。
#8
○政府委員(佐々木典夫君) 保育料の軽減に、より積極的に取り組むべきではないかというふうなお尋ねでございます。
 保育料の公平な負担、それからより若い層で乳児を抱えているようなところの負担がきつい、共働きのところがきっいというふうな実情がございますので、その軽減に向けては今後さらに努力をする必要があると思っでございます。
 特に、今お尋ねにもございました乳児保育につきましては、今の通常の仕組みで、三歳未満児の保育料に対しまして、現実に乳児につきましては例えば保母を三対一に配置するといったようなことから、乳児の保育単価というのが十四万四千円とございましたが、そのとおり高くなってございます。通常の三歳未満児でございますと、全国平均の保育単価で八万五千円ぐらいのところでございますが、共稼ぎで非常に所得の多いところにつきましては保育単価そのものを十四万円台まで徴収させていただくケースもあるわけでございます。
 六年度まで今のそういう形でやってきてございますが、今回の保育対策を進めていくという中で、特に乳児の関係につきましては三歳児保育の保育料にそれぞれ乳児加算ということで、階層に応じて順次五%、一〇%、そしてぎりぎり十四万四千円までちょうだいしている仕組みがあるわけでございますが、この乳児加算制度は廃止するというような方向を来年度予算でお願いしたところでございます。
 このほか、子供さんが多い場合につきまして、例えば第二子、第三子が保育所に入っていただく場合につきましては、特に第三子以降の保育料を現在七五%軽減しているわけでございますが、四分の一負担ということでございますけれども、これを九割に引き上げる、逆に十分の一負担にするといったような内容を来年度予算の中に織り込ませていただいているところでございます。
 まずはこのような形で保育料の軽減措置に取り組んでいるわけでございますけれども、今後とも保護者の負担能力等を考慮しながら、公平かつ妥当な保育料基準の設定につきまして引き続き努力をしてまいりたいというふうに思っております。
#9
○石井道子君 いろいろと御配慮いただいておりましてありがとうございます。
 次に、医療の問題も高齢化対策においては大変重要な課題でありますが、きょうは一応医薬品の立場からの医療の問題を考えてみたいと思います。
 昨年来、薬の副作用の問題が大変話題を提供いたしました。いわゆるソリブジン問題です。これは抗ウイルス剤でございますけれども、その薬とそれから抗がん剤の五フルオロウラシルという薬を併用することによって副作用が起こったということでございまして、薬単独、そのものでは安全であっても飲み合わせが悪ければ剛作用が起こると、そういう問題がときどき起こっております。そういう点で、いかにして医薬品の適正使用を推進することが重要であるかということを感じるわけでございます。
 最近、高齢化が進むにつれまして、複数の医療機関に患者さんがかかります。そして、多くの何割もの薬をいただいて種類も大変多いという状況がありまして、ダブって薬をいただいてしまうというケースもあるようでございます。そういう中で、やはり薬をどこか一カ所で一元的に管理をすることが必要であるということを感じるわけでございまして、そのための正しい面分薬の推進ということが今叫ばれているところではないかと思います。
 今、全国に三万を超える薬局がありますが、このような薬局を利用することによって医薬分業を定着させていくということが大切であろうと思います。それによって薬の安全な適正使用が行われるというメリットを考えていかなければならない、そういうときではないかと思います。
 現在、医薬分薬は大変推進されておりまして着実に進展していると聞いておりますけれども、その進展状況はどんな状況でしょうか。それから、来年度の予算案に対しましては、医薬分業推進関係予算についてはどのようなことになっているでしょうか、お伺いをいたします。
#10
○政府委員(田中健次君) ただいま先生からお話がございましたように、医薬分業は医薬品の適正使用を進めるための有効な仕組みであると私どもも認識をいたしております。
 お尋ねの医薬分業卒でございますが、日本薬剤師会の調べによりますと、平成五年度でこれが五・八%でございまして、前年度比一・八ポイント増加をいたしております。それから本年度、平成六年度におきましては、昨年七月までの調査ではおよそ一七%となっておりまして、医薬分業は着実に進展しているというふうに考えております。
 それから、目下御審議をいただいております明年度の医薬分薬関係の予算案といたしましてはおよそ八千八百万円を計上いたしておりまして、対前年度比一八%の増加となっております。主な内容は、医薬分業の定着促進事業の補助対象の都道府県数の拡大、あるいは地域保健医療における薬局のあり方に関する検討事業を新たに設けると、こういう内容が含まれております。
 私どもといたしましては、引き続き良質な医薬分業の進展のために努力をしていきたいというふうに考えております。
#11
○石井道子君 医薬分薬というものも大変長い竹年以上の歴史がありまして、その習慣を脱却する、それを定着させるということが大変難しい一面も反面ありますけれども、余着実に進んでいらっしゃるということを伺いまして、大変結構なことだと思います。
 この医薬分業によって患者本位の薬物療法を行えるという大変大きなメリットがあるわけでございまして、この問題については医療機関側から見た場合にそれぞれの考え方もあります。今までは長い間の習慣に基づいて、出来高払いなどによる、また薬価差益の問題の中で医療機関の経営の問題にも関係せざるを得なかったという点もありますし、患者さんにとっても不便だとかあるいは不安だとかというふうな面もなきにしもあらずということも聞いておりますけれども、やはりこれからその面分業の体制を整えるための対策が大変重要であると思いますし、また国民に対して、患者さんに対して、この医薬分業の目的とかメリットとかそういうものを十分に理解していただくことが必要ではないかと思います。
 それで、医薬分業に対します国民への啓蒙活動としていろいろやっていらっしゃると思いますが、その点についてお伺いをいたしたいと思います。
#12
○政府委員(田中健次君) 先生おっしゃるように、医薬分薬を進めていくためには広く国民に医薬分業の目的あるいは意義を理解していただくということが重要と考えております。
   〔委員長退席、理事菅野壽君着席〕
 私ども厚生省といたしましては、薬と健康の週間というのが毎年十月十七日から一週間ございますけれども、この薬と健康の週間等の機会をとらえまして、医薬品の安全かつ正しい使用を図るという観点から、特に医薬分業につきまして、国、都道府県、薬剤師会が連携をいたしまして、テレビや新聞あるいはポスター等によりましてその趣旨等を広く啓蒙するということとともに、講習会やあるいは薬の相談所の設置等をいたしまして地域に根差した啓蒙活動を展開してきておるところでございます。
 また、本年度からは高校生を対象にいたしまして、医薬品の適正使用や、医薬分薬を理解してもらうということのために学校の保健体育の副読本それから指導者用のテキストを作成いたしておりますほか、国民向けのわかりやすいリーフレットを作成いたしまして、都道府県におきます医薬分業啓発普及事業に活用してもらうということにいたしておるところでございます。
 このほかに、医薬分業の趣旨を一層理解してもらうために広く関係団体等に協力を呼びかける等、今後とも幅広い啓発活動に努めていきたいというふうに考えております。
#13
○石井道子君 この医薬分業の問題に対して、いわゆる門前薬局の問題があります。これは各地区でトラブルが起こっておりますけれども、長野県の佐久市の方では、地元の薬剤師会が面分業の体制づくりをしようと準備をしておりましたところへ門前薬局の大型の方が進入してきたと、そういう点で大変困っているという話も聞いたところでもございます。
 このような門前薬局の取り扱いについてはケース・バイ・ケースで非常に難しい点もありますが、ぜひこの点も十分に検討していただきたいと思います。そして、さらにこれから面分業の体制づくりをし、本当に薬局とか薬剤師が医療従事者、医療機関として十二分に責任を果たすためには休日夜間の救急の受け入れ体制の問題もまた重要であろうと思いますし、また薬局が存在しない地域での対策も必要ではないかと思いますので、十二分に今後も検討していただきたいと思います。
 それから、このように薬剤師が調剤に関係する、医療に携わる立場が非常に進んできておりますので、そういう点では大変責任が重くなるわけでございまして、薬剤師の資質の向上が大変叫ばれているところでもございます。
 そういう点で、昨年六月に薬剤師養成問題検討委員会の報告書がまとめられました。その中で、受験資格を実質六年の薬学教育を受けた者と改めるというふうに報告書がまとめられましたし、これを今世紀中の大学の新入生から適用するというふうにも書かれているところでもございます。そのような形になりまして、薬剤師の受験資格が薬学卒業生だけに与えられているにもかかわらず、現在の薬学教育の中身というものは医療の現場に十分に適応できない教育ではないかと。そして、特に実習の時間が大変少ないのでございまして、こういう面での対策も必要ではないかというふうに思っております。
 今後ますます高度化し複雑化をいたします医療の進歩に伴って薬学教育の問題を考えていくときに、厚生省は今後どのような検討をされていらっしゃるでしょうか、お伺いをいたします。
#14
○政府委員(田中健次君) 社会の急速な高齢化やあるいは効き目の鋭い医薬品の増加など、薬剤師を取り巻く環境は大きく変化をしてきております。このような中で、医療人として薬剤師が貢献していくためには薬剤師の資質向上が不可欠でございます。そのために、厚生省では薬剤師養成問題検討委員会を設置いたしまして、昨年六月に提言がまとめられました。
 主な内容は、医療薬学の充実やあるいは医療現場での実務研修の実施を含めた薬学教育体制に移行していくべきであり、そのような教育を受けた者に薬剤師の受験資格を与える必要があること。それから、そのための教育課程は二年程度の年限延長が必要であり、受験資格は六年間の一貫教育を修了した者に与えることが望ましいけれども、薬学教育の現状から当面の措置として大学院の修士課程を活用することを提案しておりまして、大学新入生に対する新しい受験資格が遅くとも今世紀中に適用されることといたします提言がまとめられたところでございます。
 この提言を受けまして私ども厚生省といたしましては、昨年十二月に薬剤師養成に係る実務研修受入体制の整備等に関する調査検討委員会、非常に長い名前ですけれども、こうした検討委員会を設置いたしまして、厚生省として検討すべき課題につきまして目下検討を行っておるところでございます。
 厚生省といたしましては、今後とも文部省あるいは大学関係者等との合意形成を図りながら、薬学教育六年制の実現に向けて引き続き鋭意検討を進めてまいりたい、このように考えております。
#15
○石井道子君 教育の問題というのはやはり文部省であろうと思いますが、文部省の方でも薬学教育の改善に関する調査研究協力者会議というものが昨年持たれまして中間報告もされたところでございますが、今後の薬剤師教育の改善に関する文部省の検討状況はどんなものでしょうか。
 そして、さらに今医療薬学が重視されている時代でございまして、その教育を充実させるために指導者の養成がぜひとも不可欠でございます。そのことについても、その取り組み方についてお伺いしたいと思います。
#16
○説明員(遠藤純一郎君) 最初の、薬剤師教育の改善に関する文部省の取り組み状況という点でございますけれども、御案内のように文部省といたしましては、薬剤師の資質向上の観点も含めまして、大学における薬学教育の改善に係る方策につきまして薬学関係の有識者から成ります薬学教育の改善に関する調査研究協力者会議を設けまして鋭意検討を進めてきたところでございまして、昨年の七月に中間まとめを公表したところでございます。
 この中間まとめにおきましては、医療薬学を重視したカリキュラム改革や大学院の整備を進めるなど薬学教育の改善充実を図ることを提言するとともに、薬学教育の年限問題につきましては今後鋭意研究を進めるということを表明しているわけでございます。
 文部省といたしましては、この中間まとめの趣旨を踏まえまして、各薬科大学に対しまして薬学教育の改善充実を要請しますとともに、薬学教育の年限問題など中間まとめを踏まえた今後の検討課題につきましては、引き続きこの協力者会議において御検討をいただいているところでございます。
 さらに、今後の検討課題についての審議の参考といたしますため、薬学教育の専門家のグループに、学部段階あるいは大学院の修士課程の段階のモデルカリキュラムの検討を含めまして薬学教育の将来的なあり方に関する実証的な研究を委嘱しているところでございます。
 それから、指導者の養成でございますけれども、先ほどの中間まとめにおきましても、専門的あるいは指導的に活躍する薬剤師を養成するために、大学院において医療薬学専攻や医療薬学コースの整備を図ることが提言されているわけでございます。指導者の養成のためには大学院の整備が重要であるというふうに認識しておるわけでございますが、この医療薬学関係の大学院につきましては、平成六年度現在で七大学に大学院があるわけでございます。指導者養成ということでいきますと博士課程ということになるわけでございますが、これは五大学となっております。
 さらに、平成七年度の予算案におきましては、国立の岡山大学に医療薬学専攻の修士課程の設置を盛り込みますとともに、現在私立大学一校から平成七年度に医療薬学専攻の博士課程の設置の申請がございまして、現在、大学設置・学校法人審議会におきまして審査中ということでございます。
 文部省としましては、今後とも医療薬学の指導者養成という観点を含めまして大学院の整備が進められるよう適切に対処してまいりたい、こう考えておる次第でございます。
#17
○石井道子君 大臣に一言、お時間をいただきますが、よろしいでしょうか。よろしくお願いいたします。
#18
○国務大臣(井出正一君) 今、先生お触れになりました長野県の佐久の門前薬局、実は私のすぐ地元の近いところでございますし、また医薬分業の割合にモデル先進地域と言われる上田地域、ここも私の選挙区でございますし、そういった意味では医薬分業について私も関心を持っておるところでございます。
 近年、この分業がかなり進展してきておることは先ほど局長が答弁したところでございますが、一六%といってもこれ自体がそう高いとは思いませんし、この中にはいわゆる門前薬局の数も含まれた数字だということを忘れちゃならぬと思います。
 しかし、高齢社会の到来とともにいよいよこの医薬分業というのが必要になってくるということはそのとおりなわけでございますから、先ほど来局長がお答えしておりますように、関係者の協力を得ながら良質な医薬分業が全国的に展開できるよう、そしてまた地域医療に貢献できるよう、薬局の受け入れ体制の整備やあるいは薬剤師さんの資質の向上、そしてまた国民の皆さんの理解を得るための努力をしていかなくちゃならぬなと、こんなふうに考えておるところであります。
#19
○石井道子君 ありがとうございました。
#20
○今井澄君 日本社会党・護憲民主連合を代表して質問をさせていただきたいと思います。
 さて、阪神・淡路大震災発生から四十日が経過いたしました。この間、被災された皆さん方に対しては、その御努力に対して敬意を表しまたお見舞い申し上げるとともに、行政の皆さんも大変このことで頑張っておられることについて敬意を表したいと思います。厚生省におかれましても、毎日夜遅くまで頑張っておられることにも敬意を表したいと思うんです。
 この問題については、既に九日に当委員会で集中審議が行われましたが、そこで幾つか質疑が出たことの補足を含めて、若干その後のことをお尋ねしてみたいと思います。
 あれから四十日たちまして、医療、福祉の面における対人サービスの分野で、当初は人命救助ということとか緊急応急対策ということが中心であったと思いますが、その後通常の医療の復活、復旧とともに、あるいは福祉の方も徐々に立ち上げができるということで大分状況が変わってきたと思います。
 そこで、避難所の救護センターの活動状況についてまず最初にお尋ねいたしたいと思います。
 例えば、神戸市の東灘区救護所連絡会議というのをやって、私の手元にもそこでのいろんな資料とか検討材料があるわけですが、随時あるいは定期的にやっているようですが、そこで東灘区では、避難所の救護センターはきょういっぱいで一応二十四時間体制を打ち切るということになったというふうに聞いております。それで、明日から七日までは午後一時半から夜八時までの診療体制を、従来入っている担当者、大学からボランティアで来たり、あるいは医師会でやったり、そういうのをやり、さらに八日からは今度は地元の医師会のローテーションの体制をとるというふうに聞いております。それはそれぞれの区でまた違うと思うんですが。
 それで、続けて四点お尋ねしたいと思いますが、まず第一点は、新聞等にも発表されておりますが、避難所の数がピーク時は幾つで今はどうなっているのか。それから、避難所にいる人の数は大分減ったと聞いておりますが、どう変化しているか、これが第一点。
 第二点目は、救護センターの数、それがどうなっているのか。ピーク時はどうで現在はどうか。それから、ここへ入っているチーム、例えば大学から来ているとか、医師会から来ているとか、ボランティアだとか、その辺大ざっぱで結構ですが、現在の状況あるいはピーク時のでも結構ですが、どちらか言っていただきたいと思います。
 それから三番目に、今、東灘区の例をちょっと御紹介したわけですが、被害が比較的軽かった宝塚市あたりではもう既に二月十七日あたりから常駐体制は解除しているわけです。区や市によって大分違うと思うんですけれども、その辺どんなふうに把握しておられるか、お聞きしたいと思います。
 さらに四点目、通常の診療活動、地元の医師会や医療機関の皆さんの御努力で大分再開されているようですが、その中で外来患者が激減しているというふうに言われているんですね。神戸市内のある病院では、大体一日平均七百人来ていたところが二百人になっちゃったと。これは診療所においてもそういうことが言われているようです。このことが地元の医療機関、特に高齢の開業医の先生なんかにとっては大変なショックでありまして、これからまたお金をかけて復旧しても患者さんが戻ってきてくれるのか、こういう心配も一部にあるというふうに聞いております。今、こういうふうに外来患者数が激減しているといいますけれども、その実態についてどう把握されているか。またこの原因について、もし厚生省で考えていることがあったらお尋ねをいたしたい。
 以上四点、まずお願いします。
#21
○政府委員(佐野利昭君) まず、避難所の数とそれから避難所にいらっしゃる方々の人数の点でございますけれども、一応ピーク時というふうに私どもがつかまえておりますのは一月二十三日現在でございまして、避難所の数が千百五十三カ所、避難人員が三十一万六千六百七十八人というふうに報告を受けております。
 これが、二月二十七日現在で兵庫県からの報告を受けましたのが、避難所の数としましては九百十七カ所でございますが、従来ベースの計算でいきますと、避難所にいらっしゃる数は十八万七千九百七十二人というふうになっておりますが、実は従来、神戸市の方が食事の提供数で避難所にいらっしゃる人数を把握いたしておりまして、実際に避難所にお泊まりになっている方を再度二十日から二十二日にかけまして精査をされておりまして、この精査された数でいきますと十一万七千二百八十二人、神戸市分だけで約八万ぐらい減っておる、こういうことでございます。
#22
○政府委員(谷修一君) 避難所の救護センターの活動の状況でございますが、一月二十四日時点では四十九カ所でございましたけれども、その後全国からの医療スタッフの応援ということが徐々に進みまして、一月二十八日には百五十カ所が設置をされておりまして、一番多かったのは二月三日の百六十五カ所でございますが、現在では百四十三カ所というふうになっております。
 このチームでございますが、現在私どもの手元にございますのは、派遣された医師の派遣先というところで簡単に申し上げますと、都道府県から派遣をされている医師の数が五十四名、市が二十八名、それから国立病院が十一名、公立病院が十一名、民間病院十五名、その他日赤、済生会、厚生連が合わせまして十五名、それから医師会が二名、大学医学部二十七名、あと自衛隊九名、民間のボランティアが十九名、合わせまして百九十八名ということでございます。
 なお、これは医師だけの数でございますが、ピーク時には、医師並びに看護婦その他の職員を合わせまして一日大体二千人ぐらいの医療チームの方が救護センターで診療活動並びに巡回診療をやっていたというふうに承知をいたしております。
   〔理事菅野壽君退席、委員長着席〕
 それから、先ほど神戸市の東灘区の例をお引きになりましたけれども、東灘区につきましては三月以降、避難所救護センターによります夜間対応というものを既存の私立の診療所に切りかえるということとあわせまして、三月八日以降医師会が中心になって活動していくという形で、地域の医療活動の中に吸収をしていくというような形で調整中であるというふうに聞いております。
 なお、このほか神戸市内で申しますと、長田区、中央区、灘区などにおきましても保健所等におきます夜間の常駐班への切りかえ、あるいは保健所、医師会等による巡回診療体制に切りかえるというようなことを現在検討中でございます。
 いずれにいたしましても、避難所救護センターの活動を地元の医師会あるいは地元の診療所の先生方への移管ということにつきましては、それぞれの市あるいは区によりまして避難所の数ですとか、そこに生活しておられる住民の方の状況、また周辺の医療機関の状況等がなり変わっておりますので、それぞれ地域の実情というものを十分勘案してやっていっていただきたいということで、私どもは兵庫県並びに神戸市を初めとした地方自治体にお願いをいたしております。具体的な移管のスケジュール等につきましては、現在、地元の県、市が、県の医師会それから保健所また救護センター等の関係者と協議あるいは調整中であるというふうに承知をしております。
 それから、外来患者の数のことでございますが、これは私どもすべての医療機関について調べているわけではございませんが、一、二の例を申しますと、兵庫の県立病院企体でございますけれども、一月一日から一月十六日までの外来の患者の数と、一月十七日から一月三十一日までの患者の数を比べてみますと、県立病院では約七六%に減少している。具体的に数を申しますと、一日当たり七千七百五十六人から五千九百人に減少している。それから、神戸市民病院につきましては、一般診療、救急診療を合わせまして約二割に減少しているといったようなことがございます。ただ、国立神戸病院につきましては、同じ期間について比較をいたしますと一二〇%の増というような結果が出ております。
 なお、兵庫県の医師会の調査したものによりますと、今申し上げましたものとちょっと違いますが、東灘区におきましては二月六日の時点と二月二十日の時点を比べておりますが、診療所が百四十五カ所、病院が四カ所の合計でございますけれども、患者総数が七一%、二月六日に比べて二月二十日が増加をしております。同様に灘区におきましては、ちょっと時点が違いますが、一月二十日と二月二十日を比べますと六五%の増加をいたしております。それから中央区につきましても、同様の民間診療所百カ所、それから病院五カ所でございますが、一月二十日と二月二十日を比較して申しますと、千五百六十七人が約四千人ということでかなりの増加をしているというような状況でございます。
#23
○今井澄君 今の最後の方の数字は、やっぱり大混乱のときに比べて落ちついてきてふえてきたということだろうと思うんですけれども、以前から比べると減っているというのが事実のようでありまして、一時的な人口の移動であるのか、それとももう少し長期的な移動であるのか、この辺が神戸の再建、復興という問題でも重要であると思いますので、これは医療だけの問題ではない、もっと大きな産業政策や住宅政策のこともかかわってくるだろうと思います。
 さて、そういった中で民間医療機関が今頑張って復興をしておられるわけですが、民間医療機関に対する復興支援策、これをお聞きしようと思ったんですけれども、もう出て法律にもなっておりますし、これについては細かいことはお聞きしませんが、まだまだ不十分ではないかということで要望があるんですね。
 例えば、三千万まで社会福祉・医療事業団の融資は実質二・五に減らされたと、本当はもっと低くしてほしいわけですが、ほかの業種との関係等あってなかなか難しいということもあるのかもしれませんが、三千万というとこれはかなり少ない額でして、ちょっと小さい規模でも病院なんかを再建しようとすると十億という単位がかかるわけですね。そうすると三千万以上のところが大事になってくるわけで、これは四・七五を四・四%にということのようですけれども、さらにそれ以上何とか御尽力を願わないと、第一線医療を狙ってきている医療機関の立ち上げというのはなかなか難しいんじゃないかと思うんです。その辺については、さらにお考えがあればお聞かせ願いたいと思います。
#24
○政府委員(谷修一君) 医療機関に対する復興支援策につきましては、もう既に先生も御承知のとおりでございますので細かくは触れませんけれども、基本は融資、そしてそれに補助金ということを組み合わせてやっていきたいというふうに考えております。
 なお、この融資ということではございませんけれども、兵庫県に対しましては県の復興基金ということを活用していろんな事業をやられるということを聞いておりますので、その復興基金でやられる事業の中で医療施設に対する対策というものも検討していただきたいということは私ども大臣の方からも知事さんに申し上げておりまして、県において具体的にどういうことをするかということについては現在検討されているというふうに承知をいたしております。
#25
○今井澄君 それで、実際に復興を考える場合、この間十年余りにわたって医療費の適正化策と申しますか、抑制策がずっと続きまして、今人件費も上がったり諸物価も上がっている中でかつかつの運営になっているということ、これは厚生省の調査でも出ていると思います。これは公、民を問わず大変なわけですが、特にこの中で、最近では診療報酬では設備投資の資金が出てこないんだということがほぼ常識になっていると思うんですね。そういう意味ではこの復興の問題も大変問題だと思いますが、厚生省関係の方の医療費分析によりましても、最近、病院等での減価償却費の引当金の比率が伸び悩んでいるということで、たまっていないということなんですね。それで、建てかえの留保が少なくなっているというので非常に問題だと思います。
 それとまたちょっと別なんですが、前回の当委員会で竹村委員が薬の備蓄の問題を質問されまして、三日というのは少ないじゃないかと、大臣の御指導できちんと備蓄しておいていただきたいという要望が出されたわけですが、それを受けていただいたんでしょうか、早速厚生省では、全国の都道府県に対して薬品の備蓄体制について御調査をいただいたようで、新聞でちらっと拝見しました。
 その記事を見る限り、これは都道府県の備蓄体制を調査したんであって、その中で都道府県として積極的にやっているところはむしろ少ないと。もちろん、これは地震の多発地域では、東海、関東は結構やっておられるようですが、それも主にメーカーとか薬の卸屋さんにお願いしているということで、医療機関のことはほとんど触れられてないんですね。そういうふうに医療機関には備蓄はお願いしてないんだろうと思うんですが、その辺、調査結果はいかがでしょうか。
 また、医療機関の備蓄の問題を考えますと、私も病院の院長をやっていたんですけれども、病院の経営の根本は、こういう備蓄をいかに少なくするかということが実は大事なんですね。薬の備蓄をたくさん持っているようじゃ病院の経営がうまくいかないだけではなく、日本の医療資源のむだ遣いになるということで、トヨタのかんばん方式ではありませんけれども、その日暮らしに近い形で、しかしそれが地域的にはシステムが整備されているということで患者の安全が保障されているということになってきているんですね。そういう点では、やはり病院の設備投資も含め、運営を含め、この経常の問題というのは再建の問題を含めて非常に大事だと思うんです。
 それで厚生省としては、今後この診療報酬制度について、今回のこととは直接関係ないかもしれませんけれども、どういうふうなお考えか。また、特に来年は診療報酬改定の年に当たるわけですが、先立ってことしの六月に医療経済実態調査を行われると思うんですが、ことしもきちっと行うのかどうか。また、被災地についてはどういう調査を行われるつもりか。これは来年の診療報酬改定に、反映するのかしないのか、その辺のことについてちょっとお尋ねをいたします。
#26
○政府委員(岡光序治君) まず診療報酬の改定の点でございますが、先生もよく御存じのとおり、現在の改定に当たりましては医療機関の収入とそれから減価償却費を含む費用を把握いたしまして、その後物価とか賃金の動向あるいは医療を取り巻く諸般の状況を総合的に勘案して、審議会の御議論を経た上で改定を行っているわけでございまして、そういう意味では減価償却費についてもカウントの対象にしておるというシステムになっているわけでございます。この点につきましては、御指摘がありましたように医療経済実態調査を行って把握するわけでございまして、二年置きの改定ということを想定いたしまして、ことしも医療経済実態調査を行うべく今関係審議会で御審議をいただいているところでございます。
 現在のところの状況を御報告申し上げますと、特にこの震災の関係につきまして特別の把握をするというのではなくて、いわば普通の状態における医薬経営がどうなっておるか、そういう観点からの実態把握ということで現在考えているところでございます。
 もう一点御指摘がございました医薬品の備蓄の関係でございますが、御指摘のありました調査というのは地方自治体による医薬品などの備蓄体制を調査したものでございまして、その調査によりますと、備蓄センターを設けたり卸売業者の倉庫を活用するなどによりまして医薬品の備蓄を行っているという自治体は十七都府県でございまして、その他の二十九道県におきましては特に備蓄を行っていないという状況でございます。これは御指摘がありましたように地方団体における体制の調査でございまして、医療機関については調査対象にしておりません。
 いずれにしましても、自治体におけるこういう状態でございますので、この点につきましてはそれぞれもう一度再検討を要する課題もあるのではないだろうかというふうに認識をしております。
 それから、医療機関における医薬品の備蓄の問題について診療報酬にどういうふうに考えるかということでございますが、この点につきましては災害時の医療のあり方、それと非常にかかわってまいりますので、災害時の医療のあり方を総合的に検討する中でどのような対応が可能なのか、その体制についてどう考えるかということをまず決めた上で、その中で診療報酬ではどうカバーしなきゃいかぬのか、こういう話になると思いますので、そういう総合的な検討をした中で診療報酬で対応する必要があるかどうか、そういうことを見きわめていきたいと思っております。
#27
○今井澄君 ちょっと時間がなくなってきたので質問をはしょりますが、大臣にお尋ねしたいんですが、今度の大震災の中ではボランティア活動が非常に活発であるということで我々も救われた思いがいたしますし、そのことが現場での被害を最小隈に食いとめる、初動の段階でもあるいは現在の段階でも大きな役割を果たしておりますが、このボランティア活動の評価について厚生省及び政府の取り組み状況をお尋ねしたいと思います。
 実はこのボランティアというのは、何も駆けつけて無料奉仕で自分で持ち出してやるというだけの問題ではなくて、常日ごろから行われている無認可の共同作業所とかそういうものも、広い意味でボランティアと申しますかNPO、そういう活動が社会の底辺を支えているわけですね。
 このことに関しましては去る七日でしたか、衆議院の厚生委員会で岩佐委員が、こういう無認可の共同作業所等の復興に対して何とかしてくれないかというのに対して、大臣も社会・援護局長もみずからの言葉で言っているように、大変つれないあるいは冷たい御返事しかできなかったわけですね。法的にはそうなのかもしれませんけれども、しかしこういうものがなければ、役所だけではやっぱりできなかった、あるいは通常に認可されているあるいは法的に認められている施設だけではできなかったということがはっきりしていると思うんですね。
 そういう点で、今政府のレベルでは経済企画庁が事務局となってこのNPO問題に取り組んでおられるものと思います。また与党でも取り組んでおりますし、お聞きしますと野党にもそういうプロジェクトができたということなんですが、これに経済企画庁が中心になってあるいは事務局でやっておられるのはいいんですが、やはりこういう活動で一番大きな分野を占めているのは、あるいは最も重要な分野を占めているのは厚生省と言っても過言ではないと思うんですね。
 もちろん、環境ですとか教育とかいろいろあると思いますけれども、特に今度の経験から、そういう意味では政府の取り組みの中で厚生省がもっともっと積極的に役割を果たして、一日も早く何らかの法的な対処を含めてこういうNPOあるいはボランティア活動、こういうものをきちっと社会の中に位置づけるということをやっていただきたいんですが、その辺のお考え、決意を大臣から伺いたいと思います。
#28
○国務大臣(井出正一君) このたびの震災におきまして、いわゆるボランティアの皆さんの活動が大変なものがあったということは私も何度か現地へ行って目の当たりにしましたし、また現地のかなり年配の方が、私は今まで今どきの若い者はと思っていたけれども考えを改めた、若い者でなきゃだめですということすら思うようになったと、こんなお話も実はお聞きして大変うれしく思いましたし、また大変な御活躍をされたそういう皆さんに心から敬意と感謝を申し上げたいと思っておるところであります。
 日本は何かボランティアが余り根づかないとかいうことを今までは言われてきましたけれども、ある程度豊かといいましょうか、またゆとりみたいなものが出てこないと、かつての共同体的な互助組織はあれは必ずしもボランティアと言っていいのかどうか私は疑問なんです。ですから、日本も戦後五十年たってようやくそういう時期に来たのかなと、これを大事に育てていかなくちゃならぬなと、こんな思いがしておるところでございます。
 政府の関係省庁連絡会議で、今先生が御指摘のように、厚生省が受け持たなくちゃならぬ分野が大変広いわけでございますから積極的に取り組んでいかなくちゃならぬと、こういうふうにも考えております。厚生省といたしましても、避難所等におけるボランティアの方々が、お年寄りの皆さんや障害者の皆さんに対する福祉あるいは医療等のサービスを支える上で今回は大変重要な役割を担っていただいたわけでございますから、今後は従来の施策に加えたこういう災害時におけるボランティア活動の支援体制といいましょうか、整備といいましょうか、そういった面についても本腰を入れた検討をしていかなくちゃならぬと考えておるところであります。
#29
○今井澄君 ぜひここは厚生大臣に頑張っていただいて、政府の検討が余りしゃくし定規な冷たいものに決してならないようにお願いをしたいと思います。
 さて、前回のこの厚生委員会の質問で、清水委員の方から災害医療センターのことをちょっとお聞きになられましたが、私はそのことに関連してちょっと国立病院の問題をお聞きしたいと思います。
 国立病院の統廃合計画が始まったのは約十年前ですが、ことしの七月にやっと災害医療センターが立ち上がると。いかにも遅いような気がするんですが、どうしてこんなにおくれてきたのかということですね。
 それから、もう一つお聞きしますと、大阪の千石荘という療養所を総合病院にかえてこれを災害医療センターにしようという計画があったようですが、これが一向に進まないと。これはある新聞によりますと、財源がないのでその千石荘病院を災害医療センターにする財源として、同じ大阪にある泉北病院というのを売り払ってその金で何とかしようとしたところが、それはどうも地元が反対していてうまくいかないというようなことが書いてあるわけですが、災害医療センターがあればもっと被害が少なくなったかどうかこれはまた別の問題があると思いますけれども、その辺について、取り組みがおくれている理由についてちょっと簡単にお答えいただきたい。
 もう一つ、大阪の場合は地元の協力が得られない、泉北病院を移譲しようとしても引き受け手がないということです。つい最近、私どもも厚生省さんのお世話になりまして、東北地方の幾つかの病院、国立病院・療養所を見せていただいたんですが、そこでも地元に移譲しようとするけれどもなかなかうまくいかないと。実際、病院でやっていることは地域医療ですから、私もこれは国立てやる必要は全然ないと思うんですね。ところが、うまくいかないのはまず県が何かそっぽを向いている。ところが、いわゆる第二次医療法改正で地域医療計画をつくった時点で、地域の医療に責任を持つのは県だということが法的にもはっきりしていると思うんですね。国立病院の整理統廃合ではもっともっと県を引き込む必要があるということが一つ。
 それからもう一つ、国立病院・療養所を大体厚生省は黒字のところは余り整理されようとしておられないようで、赤字のところを、厄介なものを厄介払いしようとする姿勢が問題だと思うので、もっと黒字のところをどんどん売れば買うところもあると思うんですが、問題はその赤字のところなんですね。赤字をしょったままだととても地元は引き受けないんです。その赤字の改善策等について厚生省がもっといろいろ、こうやればうまくいきますというアドバイスができないのか。ただ、ノウハウがなきゃできないわけですから、例えば自治体病院協議会などは経営診断などをやって、私どもの病院も大赤字のところから黒字になったのも大分そこの御指導もあるんです。例えばそういうところを省のあれを越えて御紹介するとかそういうことをやる必要があるんじゃないかと思うんですが、そういう点がちょっと足りないなというふうに思っております。
 それから、時間がないので時間が切れたらもうお答えいただかなくて結構なんですが、一つは病院船です。済生会の病院船があったけれども使えなかった。これは健診とか離島医療を主にしたものであって、ああいう救急災害医療には余り役に立たないんですね。アメリカの空母インディペンデンスを派遣してくれるという話があったとき何か日本は断ったという話があるんですが、あそこだったらどんな重症でもある程度はできたのかもしれないという話もありまして、今度のように臨海地区の災害の場合には病院船というのは案外役に立つんじゃないだろうか。
 ただし、病院船をつくるとなれば、これは大きな船でなきゃ意味がないんですね。小さな船だと、波で揺れたらとてもじゃないけれども手術も何もできないということがあるので、かなりお金もかかるだろうと思うんですが、そうなると災害対策だけでなく国際協力、災害のある外国にも飛んでいくという冬つなこともあり得るのかもしれない。こういうふうなことは国立病院の災害医療センター構想の中にはあるのかないのか。最後のことは時間が来たらもうお答えは結構ですが、以上御質問いたします。
#30
○政府委員(松村明仁君) 国立病院の問題について幾つか御質問でございますが、国立病院一療養所の再編成計画というのを今進めているわけでありますけれども、これは国立にふさわしい役割を国立病院が狙う、こういった目標を立てて、その実施に当たりましては地元自治体の理解を得ながら進めている、これが実情でございます。
 この再編成計画の中で、国立王子病院と国立立川病院を統合いたしまして、東日本地域におきます防災の基幹施設ということで国立病院東京災害医療センター、仮称でございますが、これを本年の七月から開設する予定になっております。
 今御質問の、なぜこれまで時間がかかったか、こういうことでございますが、今申しましたように、再編計画を立てていく場合に、国立病院がその地域からなくなるという形になる場合もあります。そういたしますと、地域医療の面にいろいろ変化が出てくるというようなことから地元の理解がなかなか得られないという状況がございまして、このケースにつきましても当初は地元の理解がなかなか得られなかったわけであります。それで、厚生省といたしましても理解を得るように努力をした結果、やっとその基本計画というものを発表することができたのが平成三年の十二月、こういうことでございます。以後、それに基づきまして、やはり病院建設には多少の時間もかかります、そういうことで本年の七月にやっと開設する運びとなったところでございます。
 同じ再編計画の中に、西日本地区では千石荘病院というものにこの機能を担っていただくことに計画上はなっておるんですが、これも今委員御指摘のように残念ながら進んでいないというのは、やはり関係の自治体の御理解がなかなか得られない、こういうことでございます。
 それで、新聞報道もお引きになりましたけれども、干石荘病院を防災の基幹施設として整備してまいりますには、御指摘のように定員増が大幅に必要だというようなこともございまして、再編計画の中で進めていくという方針でございますのでこのように時間がかかる、こういうことになっております。
 それからさらに、その統廃合計画を進めていく場合に地元の理解を得るために県を引き込む必要があるんではないか、こういうお話でございます。私どもは、もちろん地方自治体とともに県の御指導もいただいておるところでございます。それからまた、私ども単に経営を移譲すればそれで終わりということではなくて、運営費の補助ですとか経営情報の提供というようなこともやっておるところでございます。なお今後とも努力を重ねてまいりたいと思います。
#31
○萩野浩基君 ボランティアについては私、前回の委員会で質問いたしました。先ほど大臣の方からもちょっと話がありましたが、今回の災害を日本にとってはボランティア元年としてぜひともみんながとらえていく必要があるんじゃないか。私もあの後、大学の方としまして長田区の中にプレハブを建てまして、やはり長期にわたってカウンセリングをしていかなきゃならない、そういう状況にあります。
 きょうはその問題ではなくて、前に質問いたしました病院給食、特に日本医療食協会とそれから日清医療食品株式会社との関係につきまして私が質問いたしましたところ、どうも社会的に大変波紋を投げかけたようで、マスコミでも取り上げられ、新聞でもいろいろ注目を浴びていることは御承知のところでございます。
 前回のときに井出大臣は大変積極的な意見を言ってくださいました。誠意を持って私の質問に答えてくださいまして、早速調査の今も出されたようでございまして、かなり調査が進んでいるということを私はヒアリングしており、この点についてはありがたく思っております。
 といいましても、まだ残念ながら国民の間に十分納得するところには至っていないというのが現状ではないかと思います。私も福祉の分野にかかわっておりますのでよく教えられるところでありますが、健康な状態で生まれることは遺伝子学の面から見ましても、ここにはたくさんお医者さん方もいらっしゃいますが、かえって健常に生まれる方が奇跡であって障害を持って生まれる人もこれは当然だと、そういうような見地に立っております。私などもみんな同じですが、いつ何どき病院のお世話にならなければならないかわかりませんし、また障害を持つ可能性もある存在であるということは、これはもう申すまでもありません。
 そこで、病院における医療の大切な一環としての病院給食に関心を抱く一人といたしまして、前回はかなり波紋を投げかけましたし、あれは途中で質問が終わっておりますので、その点に関してきょうは私は時間の許す限り質問いたしたいと思いますので、御協力のほどお願いいたします。大臣には一番最後に聞きます。
 それで、具体的に申し上げますと、厚生省の外郭団体の日本医療食協会の存在と、それから現行の保険制度を利用しておりよそと比較しまして余りにも巨額なゲインを上げている日清医療食品株式会社というのが目につくわけです。私は、正常な病院給食の実現という観点から順次質問をさせていただきたいと思っております。
 これは委員の皆さんはもうおわかりと思いますけれども、医療用食品とは主として入院患者給食用に用いられる食品でございますが、これがそれであるかどうかというのは、厚生大臣が指定する検査に基づく調理加工後の実測値による栄養分析値及びその当該検査機関名を明示したシールといいますか、こういうのが張ってあるものが医療用食品として通用することは御存じのとおりと思います。
 どういうところで問題を起こしているかといいますと、市販されておりますレトルト食品とか冷凍食品、これもかなり質がよくなってきているんですね。ですから、前回私は値段の格差を示しまして申し上げましたけれども、あの後も私いろんなところへ聞いてみますと、やっぱりこの辺のところにも大きい問題があるんではないかと思っております。
 それで、厚生省の指定しています日本医療食協会が検査を行って許可し、合格済みのマーク、これが医療用食品となるわけで、そのときに私思いますのに、このごろは食品検査というのはかなりいろんなところで行っております。それで、まず第一の質問といたしまして、厚生省は医療用食品の検査機関としてどうしてこの日本医療食協会だけしか指定していないのか、この点まずお尋ねいたしたいと思います。
#32
○政府委員(岡光序治君) 先生ただいま御指摘がありましたように、医療用食品というのは、まず製造段階で栄養成分値があるかどうか検査をいたしますし、また流通段階でも抜き取り検査をして、製造から流通、販売までの適正管理ということをやっているわけでございまして、そういった全体にわたる検査を行って品質の管理を万全に行うと、そういうことから指定検査機関というものの指定をしているわけでございます。
 そういう意味で、制度全体の効果的な運用を図るという観点で、こうした品質管理を行う能力のあるところはどこだろうかということで、私どもとしましては、現在のところ御指摘がありました財団法人の日本医療食協会がそういう検査機能があるというふうにして指定をしているところでございます。
#33
○萩野浩基君 先ほども言いましたけれども、こういう検査ができるのは、今大変進んでおりますから、もういろんなところでできるということもひとつ頭に入れておいていただきたいと思います。
 第二点としまして、今度は医療用食品の規格なんですけれども、私余り専門的なことはわかりませんけれども、例えば脂肪分だとか糖分とかというのはプラスマイナス二五%以内に入っておればいいとか、それからたんばく質やカルシウムは二〇%以内、ナトリウムはプラス一〇からマイナス二〇、このようになっておるのは御承知と思います。
 これはまあ幅が広いといえば広い。いやこれで十分だとか、これは狭いとかいろいろな見方があると思いますけれども、このような幅のある許容範囲というのは、あるところではあいまいな規格で果たしてこれで規格品と言えるのかどうかというような指摘も出ておりますので、ちょっとその点についてお答えをお願いします。簡単でいいです。
#34
○政府委員(岡光序治君) 確かに幅があるのでございますが、これは食品の栄養成分についての許容幅でございまして、端的に申し上げますと、産地であるとかあるいはそのものを採取した時期などによっていわば大幅に変わるわけでございます。それを、例えば今御指摘がありましたように、エネルギーでいいますとプラスマイナス一五%以内にとどめるとか、たんぱく質ですと二〇%以内にとどめろということで、いわばぶれをその範囲にとどめろと、こう言っているわけでございます。
 そういう意味では、先生おっしゃいましたように広いという御意見もありますけれども、管理をするというサイドから言わせますと、それはかなり厳しいものなんだよ、こういうことを言っている。両サイドからの御意見がありまして、私ども、そういう意味では一応流通に支障を来さない範囲で一層その精度の向上が図れないものかどうか、そういう観点から許容幅の点についていろいろ御指摘がありますので、なお一層検討していくべきではないかと思っております。
#35
○萩野浩基君 そういう両意見があることを私も知っておりますから、ぜひ検討をお願いいたしたいと思います。
 これはくどくなりますけれども、前回私が価格差を申し上げたとき井出大臣もびっくりされました。その後私なりに調査してみますと、例えば魚とか肉とか、これも多分答えに出てくると思いますが、どこでとれた魚がとかそういうので違いがあると言われればそれまでなんですが、だけれども、前回言いましたマスも医療食の方が百九十七円、それで市販では五十九円というのがありますし、それからサケは医療用食品が百二十六円、一般ではサケ一切れは、これは主婦の方だったらわかると思いますが大体五十円ぐらいで、これでそれだけ差があるというのはやっぱりどうも納得いきません。
 それで、肉を取り上げてみましても、前は言いませんでしたが今回言いますと、豚肉のロースに関しまして、一般市場で八十六円ぐらいのものが百七十五円ということであります。この価格も野菜を取り上げますとそう違いはしないんです。これは変化が余り大きくないと、差はありますけれどもね。
 私はまずここで申し上げたいのは、この価格を一体だれがどこでどう決めるかというプロセス、ここが非常に重要な点なのではないかと考えるわけなんですね。これは市場経済でございますから、価格というのは需要と供給の関係で決まっていくというのが自由主義社会であります。その点については最後に大臣にもお聞きします、どういう感想を持っていらっしゃるか。いずれにしても、やっぱりこれだけ数値がちゃんと出ている以上は考えていただきたいと、こう思います。
 それで、これも厚生省ではもう十分御案内と思いますけれども、「栄養日本」という日本栄養士会の会報が出ておりまして、これが去年の十二月、私が質問したのがたしか十月だったと思いますから、あれから後になるわけですが、なぜ医療用食品を使用しないかという調査結果が出ております。ただし、データの見方というのは、これは社会科学の方からいいますと、どのように分析するかは分析の方法によって判断も変わってくるわけで、そこには主に出てきたのが羅列されているんだと言われればそういう面もあるかと思いますが。
 そのなぜ使わないかの中で、栄養量、嗜好、品質、こういうのに関して成分表示があるだけで内容はほかの冷凍食品と変わらないと。それから、食材料に変化がないとか、冷凍食品であるからとか、おいしくないとか、患者がどうもたくさん残すとか、一々挙げませんけれどもそういうのが出ております。特に明確なのは、先ほど申し上げました市場の食品に比べて高価であり、中には調理意欲を減少してしまうと、こういう意見が出ております。
 そういう一つの原因というのは、市場競争原理というようなものがどうしてもこれからは取り入れられていかなきゃならないんじゃないかと、私はそのように思っております。
 そこでお尋ねいたしますが、いかなる食品も今ではもう市場に出回っております。それで、新鮮な食品も安く簡単に手に入る時代で、レトルト食品にしても冷凍食品にしても医療用食品と称する食品と変わらない。もしかしたら、かえってそっちの方がいいんじゃないかというような声さえ耳にするわけなんですが、厚生省とすればなおかつ医療用食品というのに固執する理由を簡単でいいですから、簡単には言えないかもしれませんですが、そういう声があるということは事実ですから、お尋ねします。
#36
○政府委員(岡光序治君) もう先生十分御承知のとおりでございますが、私どもとしましては、一応患者に差し上げる段階で栄養成分がちゃんと管理されていると、そういう意味では医療用食品の存在価値はあるんではないだろうかと思っておりますが、御指摘をいただきましたようにいろいろ問題があるわけでございます。それから、日本栄養士会の調査でもそういういろんな問題が指摘をされております。
 医療用食品の登録に当たりましては日本栄養士会に意見も聞いておるわけでございまして、そういう意味では、こういったいろんな寄せられた意見につきましては医療用食品制度の改善の参考にさせていただきたいというふうに考えております。
#37
○萩野浩基君 厚生省の皆さんもかなり意欲的にいろんな、これを見直してみようという姿勢はきょうの私の質問に対して答えていただいておりますので、よろしくお願いいたします。
 あと一つ、前回指摘しました点から、なぜまたマスコミにおいてもいろいろ言われておるかといいますと、私ちょっとこういう図を持ってきたわけなんですけれども。(資料を示す)この日本医療食協会とそれから先ほど言いました日清医療食品株式会社とのつながり、ここに認定料として五%払っておるということとその金額については、これはいろいろ前にももうあれしましたからそういうことは申し上げません。
 ただ、先ほどちょっと触れましたけれども、日清医療食品株式会社の病院給食部門が、これがマーケティングシェアの八〇%以上占めておるということはどうしてもそこで価格の決定ということに大きく影響してくるんではないか、そのように思います。
 前回、私、三百八十億円もの保険金が、保険金というか、使われておるというように数字を挙げましたが、これはいろんな計算の仕方があると思うので三百八十億というのが果たして正確かどうかはさておきまして、いずれにしましても、一人につき医療用食品を使いますと百八十円、それに年間三百六十五、それで二百床持っていれば、それ掛ける二百で千三百十四万円が病院の収入となる、単純な計算をしますとそういうことになるわけです。それからずっと遺跡していきますと三百億、もしかしたらそれ以上のものが保険金として使われておるという計算になる。
 こういうのは、医療用食品制度自体がもう今の時代に果たしてマッチングしているのかどうか、この辺も考えてみる必要がある。前にも今井先生が質問されたのに関連して申し上げましたけれども、国立病院ではこれは使っていないんですね。その辺のところから見ましても、それは一生懸命工夫されて黒字を出すためにはいろいろやっておられるわけです。だから、私はどう見ても、ちょっと時代的にもこれは考えてみなきゃならないんじゃないかと。
 それから、先ほど言いました日本医療食協会というのは前回質問しましたからくどくど申しあげませんが、厚生省の統括する団体でありますし、厚生省の方がそこに何人かいらっしゃるということを私は何も決していけないとは言いません。これはやはり経験を持っている人を有効に生かすということは、私なんかも大学で国立大学の病院からの方とかそういうのを福祉の面でもどんどん利用しておりますから、私は決してうがった言い方で言うんではないですが、これが一団体であるということ、それからその販売を仕切っておるのが日清医療食品株式会社、いやそれ一社じゃない、たくさんあると多分答弁が出ると思いますけれども、私の調べたところによりますとほとんど系列なんですね。
 私、けさやっと資料が入ったんですが、ナックスナカムラ、これが系列ということになっていますよね。それと日清の二社あるということになっておる。これは御存じと思いますが。――じゃ、急だからいいです、これは通告していないですから。
#38
○政府委員(谷修一君) 私どもの得ているあれでは別の会社ではないかと思いますが、ちょっと手元に十分な資料がございませんので、後日調べてみたいと思います。
#39
○萩野浩基君 別の会社と思っているが、これは皆さん見られたらわかると思いますけれども、全くこれは同じなんですよ。(資料を示す)ここがナカムラと日清なんですね。ページをはぐってみたらごらんのとおりなんです。だから、これで競争志向が働くはずがないわけなんですね。そしてまた、この中の系列を見ましても、私の調査によりますとほとんど子会社関係というようになっておる。
 私は、やっぱりこういうところにいろんな疑問点が出てくるんで、これ以上のことはもう時間が参りましたから、最後に大臣に一つだけお尋ねして終わりたいと思います。まだありますか。それじゃ、もうちょっと補足して、幾らでも材料はあるんですがね。
 それで、さっき図を見せましたけれども、医療食検査の検査費が五%ということは、今は検査方法はいろいろあるんです、私の大学の中にもそういう分野を持っていますがね。だから、これは五%が正しいのかどうかということもやっぱり考えてみていただきたい。
 さっき私が指摘しました、何のかんの言いましてもお魚とかお肉に関してはこれだけの格差がある、そして市場競争原理が働いていないというのは、これは私はぜひ、まあ経済の分野まで厚生省が介入するのはどうかと思いますが、協会が厚生省の所管でございますから、その辺十分御配慮いただきたいと思います。
 じゃ最後に、現村山内閣というのは年度内に特殊法人の見直しを公約されておりますよね、大臣。これはなかなか難しいと思います。だけれども、私はさきがけさんと同様に、ぜひ特殊法人とか公益法人とかというようなものを十分見直していくべきだろう、そのように思っております。ただし、そのときの行革というのは単に数を合わせるというんではなくて、官益のストラクチャー、構造を一つ一つ今検討し、英断を持って改めていくべきじゃないかと思います。
 私はそういう観点から、きょうの質問は昭和四十七年に設立された厚生省の外郭団体であります日本医療食協会の現代的な役割が果たしてこれでいいのかどうか、やはり検討を切に要求いたします。それからまた、医療用食品の認定方法というのも、時代が変わっておりますから十分考えていただきたい。それから、先ほど申し上げました五%の検査料というのもこれは正当性があるものかどうかも検討願いたい。それから、医療用食品の加算制度ももう一度検討してみるべきじゃないかと思います。この制度の恩典が先ほど言いました一部の会社に流れておるというのは、やっぱりこれは社会的公平とまた公正という面からも考えてみるべきじゃないかと思います。
 とにかく、医療の質の向上の見地から、大臣に一言お言葉をいただければと思います。
#40
○国務大臣(井出正一君) 昨年、先生に御指摘をいただいて、全国百四十一病院に対して医療用食品の使用頻度の高い二十品目について調査をいたしました。平均では、医療用食品が一般用食品に比較してやはり一・五倍という高い結果であると。これは検査費用やあるいは流通経費が多くかかることによる面もあるかと思いますが、さらにこれは精査する必要があるんじゃないかなと、こんな感想を持っておるところであります。
 それはそれといたしまして、医療用食品についてでございますが、入院患者の食事に栄養成分値が明確な食品を提供するためには、やはりこういった制度はまだ私は必要じゃないかなと思います。
 しかし、いろんな意味で今御指摘くださったことを、私もある意味じゃ全く知らなかったことも幾つかあります。例えば、何とかナカムラというのも、あれを見ますと全く同じ。今こちらの手元の資料を見ますと、こちらのシェアも四、五%ですから、合わせるとそれこそ八五%ぐらいになっちゃうというような意味で、これが市場価格決定のメカニズムにどういう影響があるのか。ちょっとこれはかなり大きな独占になるんじゃないかという感じすらするんですが、いずれにせよ、制度そのものはまだ私は必要じゃないかなと思います。
 食品加工技術の進歩ももちろんありますから、そういった時代の変化を踏まえてどのような改善策があるかもう少し事務当局に検討をしてもらいたいと、こう考えておるところであります。
#41
○萩野浩基君 終わります。
#42
○委員長(種田誠君) 本件に対する本日の質疑はこの程度にとどめ、本日はこれにて散会いたします。
   午後四時六分散会
     ――――◇―――――
ソース: 国立国会図書館
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