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1995/03/17 第132回国会 参議院 参議院会議録情報 第132回国会 厚生委員会 第5号
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1995/03/17 第132回国会 参議院

参議院会議録情報 第132回国会 厚生委員会 第5号

#1
第132回国会 厚生委員会 第5号
平成七年三月十七日(金曜日)
   午前十時開会
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         種田  誠君
    理 事
                清水嘉与子君
                宮崎 秀樹君
                菅野  壽君
                木暮 山人君
    委 員
                石井 道子君
                尾辻 秀久君
                大島 慶久君
                大浜 方栄君
                佐々木 満君
                前島英三郎君
                今井  澄君
               日下部禧代子君
                竹村 泰子君
                堀  利和君
                勝木 健司君
                横尾 和伸君
                西山登紀子君
   国務大臣
       厚 生 大 臣  井出 正一君
   政府委員
       厚生大臣官房長  山口 剛彦君
       厚生大臣官房総
       務審議官     太田 義武君
       厚生大臣官房審
       議官       和田  勝君
       厚生省健康政策
       局長       谷  修一君
       厚生省保健医療
       局長       松村 明仁君
       厚生省生活衛生
       局水道環境部長  藤原 正弘君
       厚生省社会・援
       護局長      佐野 利昭君
       厚生省老人保健
       福祉局長     阿部 正俊君
       厚生省児童家庭
       局長       佐々木典夫君
       厚生省保険局長  岡光 序治君
       厚生省年金局長  近藤純五郎君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        水野 国利君
   説明員
       経済企画庁総合
       計画局計画官   筧  隆夫君
       建設省河川局水
       政課水利調整室
       長        小林 好實君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○平成七年度一般会計予算(内閣提出、衆議院送
 付)、平成七年度特別会計予算(内閣提出、衆
 議院送付)、平成七年度政府関係機関予算(内
 閣提出、衆議院送付)について
 (厚生省所管及び環境衛生金融公庫)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(種田誠君) ただいまから厚生委員会を開会いたします。
 去る三月十四日、予算委員会から、本日三月十七日の一日間、平成七年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、厚生省所管及び環境衛生金融公庫について審査の委嘱がありました。
 この際、本件を議題といたします。
 予算の説明につきましては既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#3
○宮崎秀樹君 おはようございます。大臣初め皆様方、連日御苦労さまでございます。また、質問する方も連日でございますので、多少思いっきなどがきょうは入るかと思いますけれども、ひとつよろしくお願い申し上げます。
 きょうは四つの問題について御質問したいと思います。
 まず一番目は、医療施設近代化施設整備事業についてでございますが、先般の阪神・淡路大震災のいわゆる平成六年度の補正のときに私予算委員会でお尋ねした件でございますが、公的病院それから民間病院等につきましてはきちっと法律の中で補助が決まったわけでございますが、一般の診療所につきましては、この医療施設近代化施設整備事業の資金をもって三分の一の補助を政策医療をやっているところに充てる、こういうお話でございました。
 そこで、ことしまた百二億という予算がたしかついていると思うんですけれども、これを充てますと、新しい民間病院に対します財源が足りなくなってくるんじゃないかというふうに思います。そこで、これに関しましてはどういうような対応をとられていらっしゃるか、まずお伺いしたいと思います。
#4
○政府委員(谷修一君) 医療施設近代化施設整備事業でございますけれども、これは今先生もお触れになりましたように、今回の震災において被災しました医療施設の復旧を図るため、従来の病院だけではなくて政策医療を担う診療所に対しましてもこの補助事業を適用することとしたわけでございます。
 なお、この事業そのものは、患者の療養環境また医療従事者の職場環境あるいは衛生環境等の改善を図るために、平成六年度から新たな事業として発足をしたわけでございます。
 予算といたしましては平成七年度百二億ということでございますけれども、これにつきましては、今後の震災に伴う兵庫県あるいは神戸市等からの申請状況あるいは全国からの申請状況というものも見きわめつつ、七年度補正予算における対応も含めて必要な財源の確保に努めてまいりたいというふうに考えております。
#5
○宮崎秀樹君 これはぜひ遺漏なきようにお願いしたいと思います。
 大臣、医療機関は公的、民間、両方を問わず現場では同じ医療サービスといいますか質的にも違わない同じ医療をやっておるわけでありますから、こういう人命にかかわる問題でありますから、これはひとつ官民問わず公平にきちっと助成策をとっていただきたいと思うんですが、この点について大臣の御見解を承りたいと思います。
#6
○国務大臣(井出正一君) 実は数日前も、今度の震災に遭われた兵庫県の歯科医師会の代表の先生方がお見えになられて、政策医療を担っている診療所に今回こういう措置をとられたが、歯医者さんの関係はそういう意味のあれは該当しないものですから何とかしてくれと、大島先生が御案内くださったのであります。いろんな民間の医療機関の皆さんが日本の医療を担っていただいておることは事実でございますから、政府としてもできるだけのことはしなくちゃならぬと考えておるところでございます。
 今年度百二億円の医療施設近代化施設整備事業でございますが、今局長からお答えいたしたように今回の震災の関係も適用されるわけでございますから、恐らく百二億じゃ不足を来すことは十分予想されます。必要な財源は確保しなくちゃなりませんから、場合によっては補正予算ということももちろん考えながらその財源の確保に努めてまいる所存でございます。
#7
○宮崎秀樹君 そういう歯科も含めた本当に零細医療機関の助成もぜひお忘れなくお願いしたいと思います。
 次は、官公立病院の赤字補てんの問題であります。
 まず、国立病院それから自治体病院につきまして、直近の赤字補てん額がわかったらお知らせ願いたいと思います。
#8
○政府委員(松村明仁君) 国立病院につきまして御説明申し上げます。
 国立病院特別会計に対します一般会計からの繰入額は、現在御審議をいただいております平成七年度予算案では歳出総額が一兆五再二億円でございますが、その中で二千四百八十六億円、二三・七%というものを繰り入れいただくことになっております。
#9
○政府委員(谷修一君) 自治体病院についてのお尋ねがございましたので、私ども、自治省の方からの資料に基づいてお答えをさせていただきますが、平成五年度におきます経常損失額が千二百四十二億円、累積欠損金が七千八百八十一億円でございまして、平成五年度におきます他会計からの繰り入れにつきましては六千六百九十四億円という報告を受けております。
#10
○宮崎秀樹君 そこで、きょうは文部省の方は私通告してなかったので、私が調べたのがございます。
 文部省の医科大学の附属病院でございますが、これは平成六年度、歳入が四千三百八十八億七千二百万円、歳出が五千三百十八億八千七百万円、その差が九百三十億一千五百万円でございます。こういう官公立のトータルを合わせますと、概算でも約一兆円のお金が国民の税金から注がれているわけであります。
 一方、民間の医療機関は税金を取られてそして同じ作業をやれということでありまして、中身を調べますと、やっぱり一番大きいのは人件費なんですね。人件費の単価も非常に高い、民間に比べると。それから、なぜ赤字になるかという問題も、政策医療だと、例えば僻地医療だとか専門医療をやっているんだ、救急医療をやっているんだというお話がよくありますけれども、これはごく一部であります。ほかのところは全く民間と同じ総合病院の形態でやっております。
 こういうことを野放しにしておきますと、これは今地方分権の話もございますし、民活の話もございます。私は、そういう特殊なところを除いてはもう医療法人に切りかえたらいいんじゃないかと。そういう思い切ったことをしないと、これはなかなか赤字は減らない。それで浮いた分を今度は逆に民間に助成してもらう。その辺の考え方をやはり切りかえていかなければ、これは雪だるま式にどんどん赤字が膨らんでいくということになりかねないと思うんですが、その点についてどういう御所見をお持ちかお伺いしたいと思います。
#11
○政府委員(松村明仁君) ただいま私、国立病院に平成七年度二千四百八十六億円の繰り入れをいただく予算案になっている、こういうふうに申し上げましたが、この繰り入れの大部分の費用は、国立病院あるいは療養所が、がんでありますとか循環器病等の高度の先駆的医療を行うとか、あるいは難病等の専門医療などを行ういわゆる政策医療、それからまたこういう政策医療を進めるための臨床研究、あるいはまた看護婦の養成等、通常の診療収入だけではなかなかすべての歳入が確保できない、できがたいといいましょうかこういう事業を行っているところで必要なものとして繰り入れをいただいておるわけであります。
 しかしながら、国立病院といえども医療を効率的に供給していかなければなりません。したがいまして、経営努力ということを一生懸命にやっております。その具体例を申し上げますと、平成四年の六月に国立病院・療養所経営改善懇談会報告というものをいただきまして、これに基づいて経営改善を図っておるところでございます。
 さらに具体的に申し上げますと、今一般会計から繰り入れをいただくわけでございますが、その基準を明確化いたしまして、一般医療は診療収入により賄いまして、政策医療はこれも全部をいただくというわけではありませんで、政策医療につきましては一定の経営努力を前提にいたしましてその足りない分を一般会計から繰り入れをいただいておる、こういうような形になっておるわけでございます。
 こういうさまざまな取り組みをいたしました結果、平成五年度には、昭和六十三年度以降悪化傾向にございました経常収支率が改善されるなど経営の改善の傾向が見られているところでございます。
 私どもといたしましても、今後とも各般の経営努力を行いまして国立病院の効率的な事業運営に努めてまいりたいと考えております。
#12
○宮崎秀樹君 看護婦さんの養成とかはこれはもう民間でもやっていますし、国立だけがやっているわけじゃございませんので、そういう民間とまさに競合しているところもいっぱいありますから、そこは健全経営ということでいろいろ御努力はされていると思いますけれども。
 後で私、一番最後に触れようと思ったんですが、医療監視というのがございますね。これは健政局長さんの管轄でございますけれども、その中に、経営に関して経営財務管理の強化というところがございます。そこで、国立病院に対してどのような医療監視を行っているか。自分のところでつくって、自分のところの病院へ医療監視をする、私は八百長じゃないかと思うんですけれども。
 それから、私は一番最後に触れますけれども、大体監視という言葉が全くおかしいのでありまして、これは最後に私言いますけれども、自分で自分を監視なさっていらっしゃるので、具体的にどんなことをやっていらっしゃいますか。
#13
○政府委員(谷修一君) 今、先生がおっしゃいました医療監視というのは、確かに医療法の中の二十五条に記されているものでございますが、具体的にお尋ねがございました国立病院につきましては、国立病院の内部の組織として経営指導あるいは指導、監査ということをやっておりますので、特に求めのある場合を除きまして、国立病院内部の組織としてやっております。
#14
○宮崎秀樹君 自分のところの病院だけは監視の対象から外すというのは極めておかしな話で、やっぱりこれはきちっと公平におやりにならないと私はいけないんじゃないかと思うんですけれども、自分たちでやれと言うんならどこの病院でも、民間でも公的病院でも何でも自分たちでやればいいんで、これはまあ自己評価でございますね。それとは全然趣旨が違うんで、これは医療法で決められているわけですから、国立病院だけ医療法の外だよ、こういう話になるということになりますが、いかがでしょう。
#15
○政府委員(谷修一君) ちょっと言葉が足りませんでしたけれども、本省から直接国立病院に行って指導なり監査といいますか、そういうことをやっているということでございます。国立病院同士がやっているという意味ではございません。
#16
○宮崎秀樹君 それはやはり医療法の中で、きちっと位置づけられた中でやっているわけですね。そういうことですね。
#17
○政府委員(谷修一君) そのとおりでございます。
#18
○宮崎秀樹君 それでは、この医療監視の問題は最後にまたやります。
 次は予防接種でございます。
 予防接種法が改正されまして、今回からガイドラインが出ました。今までは一人の医師が平均一時間に約七十名ぐらいの接種をしておりましたけれども、今度の改正によりまして、接種を受ける対象者のプライバシーが守られるよう、カーテン、ついたて等で仕切りをするか個室を使用する。接種会場での執務者は医師二名(A,B)、看護婦又は保健婦等の補助者二名、事務従事者若干名で構成される。
 医師Aを中心とするチームは予診票の確認、診察を実施し接種の可否を判定する。医師Bを中心とするチームは保護者の意思を確認の上、接種する。
 この際、一時間に対象とする人員は四十名程度に設定する。
 なお、事情により医師一名で実施する場合には、一時間の対象人員は二十名程度とする。これは理想なんですけれども、実際は行えないんですね、現場が。
 それで、私ども各地区の医師会からいろいろな情報を合いただいておりますけれども、現場は大混乱であります。これはまあやれと言えば無理して、一時間に医師一名で二十名ということでやれば、大体人数的に言うと約四倍近い人員確保がまず要る。それに伴いまして予算が伴っているかといいますと、これは全く市町村マターになりまして市町村にぶつけておる、こういう実態でございます。
 そこで、予算というものにつきまして私はお伺いしたいんですが、この前の改正のときにはこれは予算関連法案じゃなかったわけですね。どうもこれは地方交付税で処理すればいいんだという話でございますけれども、その辺のところがどんぶり勘定で、どの程度入っていっているかということがどこも明確になっていない。
 そこでお尋ねしたいのは、どのくらいのお金がどういうふうに市町村へ行き渡っているか、どういう仕組みになっているかということをお聞かせ願いたいと思います。
#19
○政府委員(松村明仁君) 予防接種の実施に関する費用につきましては、実施主体は今御指摘のように市町村ということになっております。したがいまして、予防接種に関する経費につきましては地方交付税で措置をすることにされております。平成七年度におきましては、今お話しのように個別接種を原則として進めていくというようなことに伴いまして、必要となります接種協力医師に対する委託費用等について必要な地方交付税措置を地方財政当局にお願い申し上げておるところでございます。
 そこで、今もっと詳しい数字をというお話でございましたので申し上げますが、標準団体、すなわち人口十万大規模の市におきまして予防接種に要する費用、これは平成七年度におきましては約三千六百万円を要すると見込んでおります。この所要見込み額に対しまして地方交付税措置が行われておるわけでありまして、これは現在関係法案を御審議いただいておるところでございますが、一般財源として平成七年度におきましては九百万円というものが算入されている、このように地方財政当局より聞いておるところでございます。
#20
○宮崎秀樹君 九百万円というのは、さっきおっしゃった人口十万の市に対して九百万円と、こういうことですか。
#21
○政府委員(松村明仁君) 十万の市に予防接種に要する費用は三千六百万円かかるでありましょう、しかしそこのところで交付税措置という形で行くのが九百万円と、こういう形になっております。
 じゃ、この差はどうするのかということになるわけですが、私どもの見解といたしましては、これは予防接種法の建前から接種を受ける方々にその差額は実費を負担していただく場合もあるだろう、そういうことでこの差ができている、こういうことでございます。
#22
○宮崎秀樹君 どうも今の局長のお話じゃわからないんですけれども、国から地方交付税として九百万というお金が行くんですね、市町村に。そういうことですね。
 そうしたら、平成六年度以前とはどのくらい差があるんですか。
#23
○政府委員(松村明仁君) 平成六年度の見込み額は三千万円、先ほど申しましたように平成七年度は三千六百万円と、こういうことで六百万円ふえておるわけでありますが、先生も御承知のとおり平成六年まではインフルエンザが行われておりました。したがって、平成七年はこのインフルエンザの部分が抜けてさらに六百万円ふえておる、こういうことでございまして、その総額はおおむね二倍ぐらいになっている、このように考えております。
#24
○宮崎秀樹君 ところが、それは現場でいきますとそうはなかなか単純にいかないんで、まだ集団接種を望むところが結構あるんですね。個別接種で全部いけばいいですけれども、また個別接種の問題はいろいろあるんです。というのは、急にワクチンの値段が倍になった、こういう問題もございます。これはこの次にやりますけれども、予防接種にはいろいろな問題がつきまとっておりまして根が深い問題ですから、一回そこをきちっと整理してもらわないとスムーズに現場は回っていかない。
 だから、よほど現場と話をした中で、この三千六百万という基礎資料に基づく積算、これが果たして本当に具体性があるものかどうかということを、これは今急に言われても私どもこれを計算するあれがございませんけれども、検討をして次の機会にまた質問させていただきます。
 それから、時間がございませんが、医療監視の問題であります。
 医療監視というのが行われているんですが、役所で監視という言葉を使っているのは警察と厚生省だけなんですね。厚生省は昔内務省だったからこういう言葉を使われたのかもわかりませんが、あるとき突然こういう言葉を使った人が出てきまして、恐らくそれが今までなあなあで来たんだと思いますけれども。
 辞書を引きますと、これは岩波の国語辞典ですが、「(悪いことが起こらないように)番をして見張ること。」と、もうこれは犯罪者扱い。もっと、広辞苑を引きますと、「注意して見はること。」、これが一番目ですね。二番目は「旧刑法の再犯防止のための付加刑。受刑者の釈放後、一定の期間執行する行政処分で、その期間内は住居移転の自由を禁じ、更に警察官にその行状を監視させる。」と。要するに、これはもう刑法の中です。
 私は、監視という言葉はなじまない、これはもう性悪説ですから、医療をやっているやつはみんな悪いやつだ、だから見張っている、それで監視員をもっと教育しろと。こんなのがまかり通っているということは、日本の医療は患者さんも気の毒ですよ、何かもう犯罪者にでもおれたち診てもらうのか、こういうことになりますからね。私は、これはやめまして、評価だとか、せいぜい点検だとか検査ぐらいにすると。内容を読むとそういうことじゃないんですね、この内容は。だから、もう前時代的なことが通っているんですね。この辺につきまして、お改めになる気持ちがおありかどうか。
 今、病院の自己の機能評価とか、いろいろ今そういう機運がございます。病院自身もみずから姿勢を正す。また、インフォームドコンセントとかいろんな意味で今そういうことが言われておりますから、これはいい機会ですから、この医療監視という言葉、それから監視員というのがおるんですね。これは常に見張りをしているということで、まさにこういうことが通っているということが私はどうも腑に落ちないんですが、その経緯等について、一体監視にしたら実効が上がったのかどうなのかその点についてちょっと御意見なり御見解を承りたいと思いますが、いかがでしょう。
#25
○政府委員(谷修一君) いわゆる医療監視は医療法の二十五条に基づいて行われているわけでございますが、今お触れになりましたように、この二十五条には監視という言葉は何ら出てこないわけでございます。
 法令に沿って申しますと、厚生大臣なり都道府県知事が病院の開設者あるいは管理者に対して必要な報告を求める、あるいはその施設に立ち入る、あるいは関係の書類を検査するというようなことができるという規定を設けているわけでございます。もちろんこれは、ここにもございますように犯罪捜査のために行われるものではないということは明確に法文上も規定をされているわけでございます。
 ただ、二十六条に「医療監視員」という言葉が出てまいりまして、この二十五条の業務を行わせるために「医療監視員を置く。」といったような言葉が出てきて、そういうことで従来から医療監視という言葉で私どもも使っているということでございます。
 ただ、内容的には先ほど先生もお触れになりましたように、医療法その他の法令によって規定をされました人員あるいは構造設備についての検査をする、あるいは病院が適正な医療を行う場にふさわしいものにする、それが目的でございますので、先ほど広辞苑でございましたか、何かを引かれて言われたような意味では決してございませんので、そこは御理解をいただきたいと思います。
#26
○宮崎秀樹君 いや、それはわかっているんですけれども、しかしこの医療監視というのがひとり歩きすると、これはやっぱり国民がまずいんですね。しかも、「医療監視要綱」というこんな厚いのができているわけですからね。ここに「医療監視」と書いてあるわけですね。こういうものを突きつけられてやられたら、内容を知らない人はぶるっちゃうんですよ。お医者さんは割と気の小さい人が多いですから、医療監視だよなんて言ったら、何だおれは犯罪者がなんて、私なんか気が小さいからもう震えていますけれどもね。
 大臣、これはひとつ常識的なものに表題を変えるぐらいのことは、新しく時代に沿ったようにやっていただきたいと思いますが、どうでしょうか。
#27
○国務大臣(井出正一君) 今、先生の御指摘を、はあと思って聞いておったんですが、実は厚生省関係では、医療監視員だけではなくて環境衛生監視員とか食品衛生監視員とか薬事監視員、毒物劇物監視員、幾つもあるのであります。いずれも立ち入り検査を行うものでありますが、これがみんな検査員と読みかえてもそんなにおかしくないなと、こんなふうには思います。
 いずれにいたしましても、今後検討してまいります。
#28
○宮崎秀樹君 ぜひお願いしたいと思います。
 終わります。
#29
○清水嘉与子君 私は、この時間を公的介護保険の問題とマンパワーの問題について御質問をしたいと思います。
 初めに、先日国民生活基礎調査の結果が発表されまして、老人のひとり暮らしあるいは老人世帯が非常にふえてきた、過去最高になったというようなことが明らかにされました。これについて厚生大臣、どんなふうにお考えでございましょうか、まず御感想を伺いたいと思います。
#30
○政府委員(阿部正俊君) 私から数字を簡単に御説明申し上げますが、先日発表いたしました国民生活基礎調査によりますと、平成六年現在で、ひとり暮らしのお年寄りの数は二百十一万人ということになっております。六十五歳以上の人口は全体で千七百五十数万でございますが、大体一二%ぐらいがひとり暮らしてあるという数字になっております。
 それから、高齢者の世帯、高齢者世帯といいますのは六十五歳以上の男性、女性は六十歳以上のお二人だけで生活されるような単独世帯のことを言うわけでございますけれども、これが約五百五十二万五千ということでかなりの数に上っておりまして、全世帯の中での割合が一三・二%ということで、傾向としては両者とも徐々にふえつつあるというふうな状況でございます。
#31
○国務大臣(井出正一君) この数字を見まして、高齢化の進行の速さあるいは高齢者の数の大きさを今さらながら痛感したわけでございます。
 さらにまた、今回の大震災における犠牲者の数からも大変高齢者の皆さんがふえているなということを感じておるわけでございますが、そうなれば一層のこと、高齢者に対する保健福祉サービス等の充実の必要性を感じておるところであります。
#32
○清水嘉与子君 私の周りにも六十五歳以上のひとり暮らしの人たちが大変たくさんいるんですけれども、ひとり暮らしを嘆いて何とか同居したいという人たちがそんなにいるかというと、そうでもないんですね。むしろ、ひとり暮らしを楽しむといいましょうか生き生きとして暮らしている方々が結構おります。同居による老人の虐待の問題ですとかいろんなことを考えますと、むしろこれからもどんどんこういうひとり暮らしがふえてくるという調査が出てくると思います。
 これを同居にしようとかひとり暮らしをなくそうという政策はできないと思うんですね。そうではなくて、ひとり暮らしであっても非常に生き生きとしている方々になるたけそういう生活を続けてもらえるように、そして本当に困ったときに何か助けていただけるような政策が用意していただければこれでいいんじゃないかというふうに思います。何となくひとり暮らしというとかわいそうというイメージがどうしてもあるんですが、これはむしろお世話をされ続けている男性の発想でございまして、女性の方からいけばそれはちょっと変えていただかなきゃいけないかなという感じがしております。
 そういう前提に立って、これからいろんな介護の問題が出てくるんだろうと思いますが、この介護保険の問題が急に出てまいりまして、まだ現実のものとして具体的に出ておりませんにもかかわらず、新聞の世論調査なんかでも相当みんなが関心を持って賛成しているということに驚くばかりでございます。
 そこで、厚生省もかなり前向きに取り組んでいらっしゃるというふうに伺っていますけれども、高齢者介護・自立支援システム研究会の報告を受けて厚生省がどんな取り組みをしていらっしゃるのか、そしてこの新介護システムをいつごろ導入する目安でいらっしゃるのか、その辺をお伺いしたいと思います。
#33
○国務大臣(井出正一君) 高齢者の介護問題は、まさに国民の老後生活の最大の不安要因であります。国民だれもが、身近で必要な介護サービスがスムーズに利用できるような新しい高齢者介護システムの構築が大きな課題となっておるわけでございます。このような新介護システムにつきましては、昨年の十二月、御指摘の研究会の報告書が取りまとめられましたし、いわゆる新ゴールドプランにおきましてもその検討を進めることになっておるわけでございます。
 そんな経緯を踏まえて去る二月から、こうした報告書の指摘等を踏まえながら、老人保健福祉審議会におきまして高齢者介護問題に関する審議を開始していただいたところであります。今後、各方面のさまざまな御意見をお聞きしながらその具体化に向けて鋭意取り組んでまいりたいと思います。
 なお、新介護システムについては、できる限り早く成案化し具体化してまいらなくちゃならぬと考えておりますが、医療、福祉等広範な分野にまたがる問題でございますため、検討課題も大変多うございます。また、基盤整備など実施体制の準備にも相当な期間が必要だと考えられますことから、現在の段階で具体的なスケジュールをお示しすることはまだ正直のところできる段階ではございません。
#34
○清水嘉与子君 それでは、公的な介護保険、いろいろまだ検討が進んでいないというお話でございますけれども、一体どんな仕掛けの保険なのでしょうか。あわせて、介護保険をつくりますと、一体だれがどのようなメリットを受けるのでしょうか、その全体のイメージといったものを教えていただきたいと思います。
#35
○政府委員(和田勝君) 昨年十二月にいただいております高齢者介護・自立支援システム研究会の報告におきましては、新しいシステムについての考え方とか論点というものが整理をされておるところであります。
 その中で、社会保険方式を導入することによりまして、まず第一に、介護サービスの利用に当たってサービスの提供側とこれを受ける側との間の契約ということが基本になる、そのことによりまして高齢者自身がみずからの意思に基づいて必要とするサービスを選択できるようになるということ。第二に、各種の介護サービスの利用手続あるいは利用者負担の格差の解消を図ることによりまして、保健、医療、福祉を通じた総合的な介護サービスの提供が図られること。第三に、保険料負担とサービスの受益の対応関係が明確であることから、サービス利用に当たっての心理的な抵抗感が少なく、また国民にとってもわかりやすい仕組みにすることができるといったようなメリットが挙げられております。
 いずれにいたしましても、どのような具体的な仕組みにするか等につきましては現在老人保健福祉審議会において審議が始められたところでもございまして、この研究会の報告なども参考にさせていただきながら幅広く検討を進めてまいりたいと考えております。
#36
○清水嘉与子君 今お話しいただきました中で、特に施設の問題、例えば老人病院、老人保健施設あるいは特別養護老人ホーム、こういったところで契約が自由にできなかった措置の問題、あるいは手続が面倒であった問題、あるいは利用料に相当格差があった問題、あるいはサービスを受けやすくなる、こういった問題が特にこの施設の中で出されていたと思いますけれども、これが今の御説明では相当改善されるんじゃないかというふうに受け取らせていただきましたが、それでよろしゅうございますか。
#37
○政府委員(和田勝君) 先ほど申し上げました研究会の報告におきましては、特別養護老人ホームあるいは老人保健施設、老人病院など、本来それぞれ異なる機能、目的の施設に同じような介護を必要とする方が現在入っていらっしゃるといったような指摘が行われておりまして、またそれを利用するに至ります手続であるとか、あるいは利用の際の利用料負担といったものもそれぞれ違う考え方あるいは水準になっているということでございます。新しいシステムの制度設計に当たりましては、こういったような格差とか差異といったものを可能な限り解消していくことが必要になるものと考えております。
#38
○清水嘉与子君 この施設のことですけれども、介護保険によってカバーされますサービスの範囲というのはどの程度になりますでしょうか。
 昨年の十月から、医療施設には新看護体系というのが入ったわけでございまして、看護婦の料金とそれから助手の料金と別建てになったわけですね。これは、いわゆる介護の補助者の料金の設定をしたということは、つまりこの介護保険を導入するためにしたんじゃないかというような意見さえあるのですけれども、この看護と介護、この辺の問題についてちょっとお伺いしたいと思います。
#39
○政府委員(阿部正俊君) 新しいシステムでどういったふうな中身をどういうふうに対象にするかというのはまさにこれからの御議論ではないかなというふうに思いますが、私どものイメージといいましょうか、一般的な今までの流れからしますと、お年寄りの慢性疾患を持った患者さんの場合には急性期の医療というのとは違ったサービス体制というのがやっぱり必要なのではないだろうかなというふうに思っております。
 そうしますと、やはり広い意味での介護といいましょうか、あるいは生活支援というふうな側面からのさまざまなサービスも、医療と一緒になった形で組み合わされたサービスというのが提供されるような形というのが望ましいわけでございますので、そういうふうな面をより一体化した形で提供できるようなシステムというのが一般的には想定されるわけでございまして、そんなふうなものを念頭に置いて考えるべきなのではなかろうかと思っております。
 もちろん、今回、私どもが十月からあるいは四月からの診療報酬改定の中で看護体系の手直しといいましょうか、新しいスタートということをしたわけでございますけれども、これは必ずしも将来のシステム、それもかなり具体的な検討をした上でその前提にしているわけではございませんで、総体的にやはり両方のサービスがきちっと提供されるようなことはいずれにしても必要なのではないか、こんなふうに思っておるところでございます。
#40
○清水嘉与子君 今、いみじくも局長がおっしゃいましたように、広い意味での介護だとおっしゃったわけですね。実際に老人病院で看護婦がやっている仕事、介護者がやっている仕事、あるいは老人保健施設でやっている両者の仕事、あるいは特別養護老人ホームでやっている仕事、そこの中で看護と介護を分けることはなかなか難しいのではないかと思いますし、また分ける必要はないんじゃないかと私も思っているわけなんですね。
 ですので、恐らくこの介護保険ができるとすればそこをあわせてカバーされるような仕組みになるんじゃないかというふうに思いますが、ただそのときに、さはさりながら、看護と介護という関係をやはりある程度明らかにしていかないと問題じゃないかというふうに思うわけでございます。
 今までの説明では、医療に携わっているのは看護婦だ、そして福祉施設で障害者や日常生活の不自由な方のお世話は介護職だというふうに行政の上では分けております。しかし、現場に行きますと、老人病院、老人保健施設、特別養護老人ホームに同じような老人がおられてそこで一緒に仕事をしている、そういう場面が非常にふえてきているわけですね。それは現場では結構うまく仕事を仕切っておりますので、そこを症状ごとに分けるなんということはとてもできる話じゃないと思うんです。
 しかし、実際問題としては、保助看法では療養上の世話というのはこれは看護婦の独占業務になっている。もし介護の方と一緒に仕事をしていただこうとすれば、独占業務というけれども看護婦が独占している専門の業務というのは一体何なのかどこまでなのかそして介護の方々に本当にお任せできる仕事はどこまでなのかということをやはりある程度きちんとしていただきませんと、この保険制度ができたときに、一体看護婦の専門性はどれだけ評価していただけるのかというような問題に恐らくつながってくるんじゃないかというふうに思うんですね。
 その辺について、現場でもいろいろ動いちゃっているのでむしろやりいいのかもしれませんけれども、この導入までにぜひ御検討をしっかりしていただきたいと思うんですが、いかがでございましょうか。
#41
○政府委員(阿部正俊君) 看護と介護ということは古くて新しい問題でもあるような気のする、よく議論がされるわけでございますけれども、もちろん新しい介護システムというものが構成されるときにはそのサービスの内容というものも吟味されなきゃいかぬし、それにあわせてどういう行為がどういう職種の方から提供されるのが望ましいのかということもやっぱりもう一度整理されなければいけない問題であろうというふうには思っております。
 ただ、従来の考え方の中で、どうしても個別の行為といいましょうか、例えばおしめを取りかえる行為はどうなんだと、行為で物を決めてきたようなところが余りにもあり過ぎたのかなという気がしますので、療養上の世話というふうな場面では、特に高齢者の慢性疾患なんかの場合にはむしろそこでの生活という部分もあるわけでございますので、例えばおしめの交換ならおしめの交換が療養上の世話でもあるだろうし、あるいは生活上の支援というふうにもとれる場面もあるでしょうし、個別の一つ一つの行為は必ずどっちかでなきゃいけないということで割り切るのもいかがなものかなという感じもしていますので、その辺も十分頭に置いて、新しいサービスを組み立てるときの吟味をした上で整理をしていかなきゃいかぬ問題ではないかというふうに考えております。
#42
○清水嘉与子君 これまでも法律がありながら、看護婦の場合には助手を使ってそういう仕事をしてもらっていた部分もありますものですから、ぜひその辺について、本当に専門的な教育を受けた者でなきゃできないものなのかそうでないのかというあたりは少しやはり整理をして、現場で困らないようにぜひしていただきたいと思うわけでございます。
 さらに、これまで医療機関の看護婦の要員配置をリードしてきたのは専ら診療報酬の決め方だったわけでございまして、患者のケアに必要な看護だとか、あるいは看護婦の労働条件を配慮してその数を決めてきたわけではなかったわけなんですね。
 今、いろんな老人病院でありますとかあるいは福祉施設なんかを見て回りますと、非常に千差万別なんですね、やられている中身が。もう昼日中ほとんど寝かせきりになってしまっている施設もありますし、病院に入るとにおいが全体にこもってきているような病院もありますし、あとはもう本当に真剣にみんな努力をしてなるたけ寝たきりにしないように努力をしているところ、あるいは各病室にトイレを設置しておむつを全部外そうとしているようなところ、いろんなところがあります。これからの問題として、今の二百万人の要介護老人が三十年後には五百二十万になっちゃう、五百二十万にしないという努力をまずしなければいけないというふうに思っているわけでございます。
 兵庫県の被災地で長い被災生活をしている方々が非常に介護が必要になってきたというふうな情報も出ておりますけれども、やっぱり何もすることもなく寝ていれば本当に寝たきり老人になってしまうんですね。ですので、何とか寝たきり老人をつくらないような施策をまずこれから考えていただきたい。介護保険に対する背さんの期待というのはまさにそういうところにあるんじゃないかというふうに思うんですね。
 恐らく、これから介護保険導入の際には、また何らかの人員配置基準みたいなのができてくるんだろうと思いますけれども、ぜひその辺、お世話の手がなくて病院や施設に入って寝たきりになっちゃうんじゃなくて、やっぱり必要な質と最のマンパワーが確保できるような基準をつくっていただきたいというふうにこれからの御検討の中でお願いをしておきたいというふうに思います。
 次に、介護職員との関係で問題が出てきているのが、看護婦の方では准看護婦制度というのがあるわけでございます。
 先般、少子・高齢社会看護問題検討会というのが報告書を出しまして、この中でちょっと長いページを使って准看の問題を検討したというふうに伺っておりますけれども、この中で准看護婦の問題、どんな問題が出てきてどんなふうにこれから検討しようとしておられるのか、お伺いしたいと思います。
#43
○政府委員(谷修一君) 准看護婦の問題でございますが、今お触れになりました少子・高齢社会看護問題検討会の中でも、准看の問題につきましてはその養成のあり方あるいは養成所におきます経営の問題あるいは運営の問題等、幾つかのことについて意見がまとめられております。現在、准看護婦としての免許を持っておられる方の将来あるいは今後の看護職員全体の需給状況ということを勘案しながら、准看護婦学校養成所等の実態の全体的な把握をまず行えという御指摘が出ているわけでございます。
 私どもとしてはこの指摘を踏まえまして、平成七年度において准看護婦に関する実態調査と申しますかそれを行いまして、その結果を得てさらに専門家の御意見を伺った上で今後の対応をまとめてまいりたいというふうに考えております。
#44
○清水嘉与子君 この少子・高齢社会看護問題検討報告会を拝見いたしますと、今やもう看護婦の問題は量の問題ではないというふうな前提に立って検討が進められているというふうに拝見するんですけれども、確かに今、私も全国を歩いてみますと、看護婦さんをもうそれほど昔のように全国歩いて採用しているような状況じゃなくなっているのが事実でございますね。なかなか採用が、試験をするともういっぱい集まってくるというような状況になっておりますけれども、しかしそれはかなりな規模の病院でありますとか公的な病院でありますとかやっぱり限られた病院でして、小さいところでは、つまり准看護婦さんがたくさん働いているようなところでは、なかなかそうはいっても人が集まってこないというのが実態ではないかというふうに思うんです。
 そこで、しかしそうはいっても、この准看護婦さんたちの問題を見ますと、確かにもう准看護婦になりたくてなったというのではなくて、本当は看護婦になりたかったけれども、なかなか看護婦学校の門戸が狭くて入れなくて准看校から行かざるを得なかったという人たち、あるいは准看護婦の教育が完成された教育じゃなくて、どうしてもそこからそれを足がかりにしてすぐまた進学コースヘ行ってしまう、つまりそれは准看護婦でとどまっていたくないというような意識を持っている人たち、そしてまた現実問題として、さっき言ったようにだんだん看護婦の需要がよくなってまいりましたから准看護婦では採用されないというような実態が如実に出てきているわけなんですね。
 それで、さっき介護の問題をずっと出して言いましたけれども、仮に看護婦と介護者が非常に協力的に仕事ができるような場がこれからどんどん広がってきたならば、ますますこの准看の問題というのはある程度考えてあげなきゃいけない問題ではないかつまり数の問題がある程度何とかなったという段階では、もうこの問題にやっぱり手をつけなきゃいけないんじゃないかという気がしているわけでございます。
 そこで、もう一つの問題なんですけれども、ことし准看護婦から看護婦になるための通信教育を厚生省がお認めになるということが出されたわけですけれども、実際問題としてそういうふうになったけれども手を挙げる学校がないということでございます。この問題については随分大浜先生も前の厚生委員会でも御指摘になったわけですけれども、今の厚生省の言っている基準ではなかなか手を挙げてやりましょうというふうにはならないような難しい基準でございます。
 ところが、この少子・高齢社会看護問題検討会報告を見ますと、やっぱり准看の問題がいろいろ問題になってきている。この人たちを看護婦にしなきゃいけないというようなことから通信教育の、通信教育といいましょうか、問題が出されてきていると思うのですけれども、ある程度こういった問題についても積極的に取り上げて、准看護婦から看護婦になる道を、これからの看護婦と介護者のあり方を考える中で准看護婦を救っていく道をやっぱり考えていく必要があるのではないかというふうに思うのですけれども、この点については検討会の報告の中でも触れているわけですから、積極的にお進めになるおつもりなんであろうと期待はしておりますけれども、ちょっとお答えをいただきたいと思います。
#45
○政府委員(谷修一君) 先生、今お話がございましたように、もう既にこの報告書におきましても、准看護婦から看護婦になる機会をできるだけふやしていく必要性ということが指摘をされております。
 そういう意味で、その道の一つとして通信制の活用といったようなことを具体的に進めてまいりたいというふうに思っておりますが、既に通信制の専任教員の講習会というのを平成六年、昨年の八月に実施をいたしております。さらにまた、実習指導者の講習というものも六年度中に四県において実施の予定でございます。さらに、今後の各種基準の明確化あるいは指導要領等につきまして現在作成中でございますので、こういったようなことについて引き続き進めてまいりたいと思っております。
#46
○清水嘉与子君 局長、今の御答弁でございますけれども、要するに今の厚生省が考えてやった基準では開けないんですよね。実際問題として手を挙げるところは一つもなかったというのはそこのことでございまして、各養成所の責任でこんなにやらせるんじゃなくて、もっとすごい数の対象者がいるわけでございますから、それこそ通信衛星でも使ったようなもう少し大がかりなものを本気になって考えていただかなければこれは救われないんじゃないかなと思いますので、時間もなくなりますので、これはぜひまた御検討をいただきたいというふうに思うわけでございます。たしか少子・高齢社会看護問題検討会の中にもそのことがはっきり出されていたというふうに思いますので、よろしくお願いをしたいと思います。
 それから、最後でございますけれども、幾ら看護とか介護の人たちをふやしましても、ひとり暮らしのお年寄り、障害者あるいは施設に入っている方々ができるだけ自立して生活をするためには、広く国民の支えが必要だというふうに思います。今回の震災で本当に驚くほどのボランティアの方々が現地にはせ参じたということで、日本人全体が何だか豊かな気持ちになっているわけでございますけれども、しかし気持ちだけはせいても、実際に現場に駆けつけてみて何も動けなかったというような実態も出ているわけでございまして、やっぱり常日ごろのそういったボランティアマインドをつくっていかなきゃいけないんじゃないかというふうに思っているわけでございます。
 きのうもこの委員会でボランティアのことが随分出されたわけでございますけれども、ぜひ私はこの機会に、国家公務員はもう週休二日でも介護休暇でも民間よりとにかく先んじていろいろやっているわけでございますから、これからはやっぱりボランティア休暇のようなものもぜひ検討してほしいし、また職員の研修などでボランティアみたいなものをぜひ勉強するチャンスを与えていったらどうかというふうに思うんです。
 そういう意味では、まず厚生省が一番先そういうことに取り組んでおやりになったらいかがかなというふうに思うんですね。キャリアの方々は、たしか入ってからすぐにいろいろなことをやっていらっしゃるというふうに思いますけれども、ぜひ厚生省の職員から入られたら、いろんな形で研修を受けるなんということを率先しておやりになったらいかがかと思いますが、大臣、これはいかがでございましょうか。
#47
○国務大臣(井出正一君) 先生、今お述べになられましたように、国民一人一人が心豊かに安心して暮らしていくためには、公的施策の充実ももちろん第一に大事なことなんですが、やはりボランティア活動もまた重要であるわけでございます。だれもがボランティア活動に参加しやすい環境を整えていく必要があると考えます。
 その一つの手段としてボランティア休暇制度はどうかということですが、民間企業の中でも徐々にそういう企業が出てきているところでございます。国家公務員についても休暇制度の導入が真剣に検討されるよう、実は厚生省といたしましても人事院の方に昨年来働きかけを行ってきているところであります。
 また、厚生省独自のことでございますが、厚生行政に直接携わっておる職員に対しましては、ボランティア活動を実践したりあるいは理解を深めることが望ましいわけでございますから、職員がそれぞれのできる範囲でボランティア活動に自発的に参加できる環境を整える必要があると考えております。
 したがいまして、今後、職員研修の中でボランティア活動の重要性等の啓発を行うとともに、まずは年次休暇の取得によってその中でボランティア活動に積極的に参加できるような配慮を行うなどの工夫をしてまいりたい、こう思っております。
#48
○清水嘉与子君 どうぞ積極的によろしくお願いいたします。ありがとうございました。
#49
○今井澄君 日本社会党・護憲民主連合の今井澄でございますが、ちょっと風邪を引いておりますので、お聞き苦しいところはお許しいただきたいと思います。
 さて、私は、新ゴールドプランとそれから新介護システム、特に介護保険制度について幾つか質問をさせていただきたいと思います。
 最初に、今回審査をしております平成七年度予算案策定の中で、昨年十二月十八日、厚生大臣、大蔵大臣、自治大臣、三大臣合意による新ゴールドプランが合意したということ、私はこのことを大変高く評価いたします。また、その三大臣合意のために、厚生大臣を筆頭に厚生省の皆様方が大変な御努力をされたことに対しまして深く敬意を申し上げたいと思います。私どもも連立与党といたしまして、何としてでも新ゴールドプランを新年度にはスタートさせるんだという意気込みで頑張ってきたわけでありますが、改めて厚生大臣の御尽力に感謝を申し上げたいと思います。
 そこで、まず最初に大臣にお尋ねしたいわけですが、これまで十年計画の五年間、ゴールドプランをやってまいったわけでありますが、ここで新たに新ゴールドプラン、新と銘打ってやるということですね。これは単にこれまでのゴールドプランを、あれが足りなかった、これが足りなかったということで何かメニューを追加したり量をふやす、それだけだったら修正ゴールドプランとでも言えばいいわけだと思うんです。あるいはゴールドプランのままでもよかったと思うんですが、それをあえて新と銘打ったということについての意義を大臣からお尋ねしたいと思います。
   〔委員長退席、理事菅野壽君着席〕
#50
○国務大臣(井出正一君) 先生方のお力添えによりまして、おかげさまでこの四月から新ゴールドプランがスタートできることになりまして、改めて御礼を申し上げるわけでございます。
 なぜ新なのかという御質問でございますが、ちょうどゴールドプランの折り返し点になるものですから、各自治体に老人保健福祉計画を策定していただいて、その集計値を踏まえましてサービスの整備目標を引き上げるとともに、今後取り組むべき高齢者介護サービスの基盤整備に関する施策の基本的な枠組みを定め、そして利用者本位・自立支援、普遍主義あるいは総合的サービスの提供、地域主義といった四項目の基本理念をまず掲げたこと。
 それから、質的な対応といたしまして、巡回型ではありますが二十四時間対応ヘルパーの普及等、従来のサービスとは少し変わった面でのサービスの充実のほかに、痴呆性老人対策の総合的な実施とかあるいはマンパワーの養成、確保の推進、さらには福祉用具の開発、普及の推進等も加えたところでありまして、こういった総合的なプランを策定いたしました結果、新たなゴールドプランと言ってもしかられることはないんじゃないかということで、あえて新をつけさせていただいた次第であります。
#51
○今井澄君 私も今大臣がおっしゃったとおりだと思います。
 ゴールドプランは、思い起こしてみますと、急速に進む高齢化を目の前にいたしまして、在宅福祉の三本柱の緊急整備あるいは施設の緊急整備という形で取り組まれたわけであります。そういった意味では理念とか総合的な政策というのはなかった。それに対して理念がつけ加わったとかそれから二十四時間のホームヘルプサービスというのは非常に質的に新しいものだと思いますし、もう一つ、特養の個室化に向けても一歩を踏み出したということはやっぱり高齢者対策の新しい質を示しているものだと思いますので、私はまさに新の名に値するというふうに思います。
 実はゴールドプランがスタートしたとき、これは政治的にはいろいろな背景があって、急遽国民向けにつくられたということも一つはあったと思いますが、その当時、私どもも実はゴールドプランを、私は医療、福祉の現場におりまして批判をしましたが、批判する言い方として例えばこんなことがあったんですね。ゴールドプランというけれども、ゴールドメッキプランじゃないかと。要するに、ホームヘルパーを三倍にするということで一見輝いているようだけれども、しかし北欧並みにするとすれば、例えば朝日新聞の大熊さんは五十万人ホームヘルパーが必要だと、日経新聞の渡辺俊介さんは八十万人ぐらい要るんじゃないかということも言われたわけで、たかが十万人にふやしたところで何がゴールドだ、これは中身はほとんどないメッキだという批判がありました。
 また、ゴーストプランだという批判もありまして、こんな目標を掲げたけれども、今の厚生省の取り組み方ではホームヘルパーをそんな三倍になんかふやせない、特養はふえるかもしれないけれども、その他いろいろ挙げてみたけれどもふえっこないじゃないか、これはただ観念的に目標を掲げただけだというふうな批判もあったことを私は思い出します。社会党も、七年間で前倒しをしてやれ、十年計画としては中身がちょっと低過ぎるんだということも申し上げました。
 まあ数々の批判はあったわけですが、私は今にして思えば、このゴールドプランというのはあの当時間に合わせにつくったものとしては実によくできていたということですね。
 その後つけ加えられたメニューは訪問看護ステーションとか幾つかありますが、一応一通りそろっていたということと、それからもう一つは、ゴーストプランと言われたけれども実はゴーストではなかった、むしろ市町村がだんだんやる気を出してきて、ついに今年度、平成六年度は予算が足りなくなるし、市町村の保健福祉計画を集計したら何とゴールドプランをはるかに上回る集計値になったということは、このゴールドプランあったればこそ全国の市町村がやる気になってきたという意味で、私は歴史的に非常に意味があったと思います。
 その意味があったゴールドプランを、ここで新という形で理念を持ってレベルを高めるということ、これは私は、こういうことにかかわってきている者の一員として非常に誇りに思っておりますし、厚生省の努力に敬意を表するわけであります。
 ところで、そうしますと、この平成七年度予算については新ゴールドプランと銘打ったその初年度になるわけですが、予算上どういう特徴を出しておられるのか十分な予算なのか、その点についてお尋ねをしたいと思います。
#52
○政府委員(阿部正俊君) 新ゴールドプランのスタートを七年度からということでできるのかどうなのかというところで、将来の目標値の問題もございますけれども、私どもの認識といたしましても、初年度のスタートがきちっとした形で踏み出せなければ将来の夢を語る資格はないのではないかというふうな思いで七年度予算案に取り組んだつもりでございまして、現在の時点では、平成七年度予算案としましては約六千億円となっております。これは六年度と比べましても約一千億円の増ということになっております。
 かてて加えまして、六年度予算は率直に申しまして少しショートしたものですから、六年度の補正もいわば七年度予算案と一体のものとして編成させていただきまして、これが約五百億弱ということでございますので、もちろんこのためのお金というのは切りがないといえば切りがない話ではございますけれども、他の費目等々から比較いたしましてもそれなりの充実した中身の金額になっているのではないかこんなふうに承知しております。
   〔理事菅野壽君退席、委員長着席〕
#53
○今井澄君 私もちょっとここで厚生省の方からいただいた資料をいろいろ見てみますと、平成二年からゴールドプランがスタートしたわけですが、初年度は平成元年のゴールドプランがスタートする前に比べて二三・四%の伸びということで五百七十五億円伸びているわけですね。その後大体二けたの伸びを示してきているわけで、年々大体五百億円ぐらい、少ない年で四百億円ぐらい絶対額でずっと伸びてきているわけです。
 そういう点をちょっと振り返ってみますと、実はいささか奇異に思いますのは、その伸び率が初年度二二・四%が次から一六・九、一五・四、一〇・一、平成六年度は一一・六ですが、何となく伸び率としては年々落ちてきているような感じなんですね。額としては大体五百億円前後ということで伸びてきているのでまあまあだと思いますけれども、ちょっとその辺が、最終的に平成六年度は予算が足りなくなる。特養に至っては当初は八割を来年回しにせざるを得なかったと、こういうところにあると思いますので、予算の組み方については、財政が厳しい折ではありますが、十分注意をしませんと、新ゴールドプラン、これも目標値自身これで十分と言えるものではないと思いますが、なかなかいかないんじゃないかと思うんです。
 そこで一つ心配なのは、今の御説明のように、確かに平成六年度予算五千二十九億に対しては五千九百九十四億ということで一千億もふえているというふうなことは言えるんですが、しかし今局長のお話にもありましたように、平成六年度予算に不足分が出たので補正で四百八十一億補正をしたというふうなことも含めますと、全部のあれを入れますと伸びとしては必ずしも十分ではないんじゃないか。初年度は補正も含めての伸びで考えると一〇%に満たないということになりますね、四百八十一億。この点で早速また足りなくなってこないだろうかという心配をしているんですが、その辺はいかがでしょうか。
#54
○政府委員(阿部正俊君) もちろん、実施主体が市町村が中心でございますので、市町村の計画といいましょうか、実施がいわば前倒し的に前に持ってまいられますと結果的に不足というものが全くないということはなかなか断言できないわけでございます。
 ただ、二つ分けて考えてみたいと思うのでございますが、特に特養、老健施設等々の施設整備という面と、それからホームヘルパーさんあるいはショートステイ、デイサービス等々の在宅というふうなものと分けて考えますと、ハードウエアの整備を伴うものにつきましてはかなり市町村も計画的にやっておりますので、現在の時点で私どもが県を通じまして市町村の計画状況なり七年度の申請の予定事項等を考えますと六年度のようなことはまずないのではないか何とかカバーできる額ではないかと思っております。
 ただ、むしろ問題というものは在宅サービスの方でございますけれども、これにつきましては現在も予算額大体ぎりぎりのところに来ておりまして、今度ヘルパーにつきましても目標値を十七万に上げまして、これから先少し私どもも方向としてはより充実していきたいというふうに旗を振っておりますので、この辺について市町村が相当やる気を出せばあるいは今の予算でどうかなというふうな感じもないわけではございませんけれども、私は、無責任と言われるかもしれませんけれども、そのくらいの勢いで在宅についてはむしろ伸びてほしいというふうに念願しております。後で不足が出たらそれはそのときまた考えざるを得ないかもしれませんけれども、その範囲内で何とか我慢しろよというふうな姿勢はとるべきではないのではないかこんなふうに思っております。
#55
○今井澄君 私もこの新ゴールドプランの策定や平成六年度予算案の策定に与党としてかかわってきた立場からいいますと、この財源問題でいろいろ大分苦しめられたということはよくわかっております、特に今後の福祉社会や少子・高齢社会における福祉を見据えての財源問題、税制問題ですね。
 それで、昨年の九月二十二日に決まりました税制改革の方向が十分な財源をまだ福祉の方に回せるだけのものでないという点が一つあると思いますし、そういった中でホームヘルパーの整備目標も昨年秋段階では二十万人ぐらいにしたいと思っていたのが、十七万人程度ということでとりあえずスタートせざるを得ないということがあったと思います。ということは、今後、市町村の取り組み方いかんによって、またいろいろなシステムの整備の中での国民のニーズの増大によって整備目標またそれを支える財源をさらに上乗せしていかなきゃならない、こういう事態も来ると思いますが、その点について厚生省としてはスケジュール的なことも含めて今後の対応をどう考えておられるのか、お答えいただきたいと思います。
#56
○政府委員(阿部正俊君) 先ほど七年度予算についてもそんなようなことを申し上げたわけでございますけれども、一応全体を通じましての整備目標につきましても、ヘルパー十七万とか特養二十九万とかいうことで設定しており、それ自体は現在の時点での市町村の計画を十分吸収できる額ではなかろうかというふうな判断に立ってそういうふうな設定をしたわけでございます。
 もちろん、これは国が計画をつくってそれを忠実に市町村が実行するという性格ではなくて、むしろ市町村が主体になってサービスを組み立てていくということが中心でございますので、それを国あるいは県が応援していくというのが基本的なスタンスでございますので、市町村の実行計画、一応今の段階での計画値はこういうことでございますけれども、やってみてさらに上をいかなきゃいかぬのだということになればそれに応じた体制というのを国としてはやっぱりとるべきものではなかろうかな、こんなふうに考えております。
 むしろ国が決めたものを実行するというよりも、市町村の計画なり実行なりというものを前提にしてそれを十分カバーできる応援体制というのを組み立てていくということになりますれば、その計画が現在の計画を上回ればやっぱり財源的な手当てというのも新たにもう一度御論議いただかなきゃならぬ事態も想定されます。
 私どもとしては、今回のゴールドプランの中にも書いてございますけれども、数値目標の引き上げとかあるいはサービスの新たな追加とか将来のサービスの組み立てにつきましても、現在の時点ではまだ方向だけ決めまして中身に取りかかっていない部分がございますので、そういったふうな点についての所要の財源措置等についてはいずれまた御論議いただきたいというふうなことも含めての計画にさせていただいておりますので、いずれまたそういうものを御検討いただく機会があるのではないか。
 いわゆる消費税の税率の見直しといいましょうか、少なくとももう一回吟味するということになっていますので、その辺の機会でもう一度、社会保障全体の経費の論議ともかかわってまいりましょうけれども、もう一度吟味していただくような機会がいずれ来るのではないか、こんなふうに認識しております。
#57
○今井澄君 その消費税の税率の見直しも来年の九月三十日までですから、これはもう一年以内ぐらいに大体のめどをつけておかないといけない、急ぐことだろうと思っております。
 さて、先ほどの新ゴールドプランがなぜ新かということの御説明、あるいは七年度予算の御説明に関連して、マンパワーの拡充や育成についでこれが新ゴールドプランの一つのかぎでもあるというお話がありましたが、特にそのマンパワーについてどういうところに重点を置いているのか、簡単にお答えいただきたいと思います。
#58
○政府委員(佐野利昭君) 高齢者介護サービスの提供に当たりましてそのサービスを担うマンパワーの確保というのは不可欠であるということで、新ゴールドプランではマンパワー確保をまさしく一つの目玉といたしまして対策を講じたところでございます。
 これは先生方からの強い御支援をいただきまして、いわゆる福祉人材確保法及び看護婦の人材確保法という人材確保二法を平成四年につくっていただきまして、この法律に基づきまして総合的なマンパワー対策を推進しているというところでございますけれども、一応の目標の数字といたしましては既によく知られておりますように、ホームヘルパーにつきましては十七万人という数字が出ておりますが、寮母、介護職員につきましては二十万人、看護職員等につきましては十万人、それからOT、PTにつきましては大体一万五千人というようなことを一応の整備目標といたしまして、この数字をぜひとも確保したいということで対策を講じることにいたしております。
 具体的には、介護マンパワーの中核となります介護福士の養成施設の整備、これは先ほどの人材確保法で新しく養成施設の整備費の補助制度などもっくっていただいたわけでございますけれども、こういう形で養成施設の整備を図っております。また、OT、PTの需給見通しに基づくOT、PTの計画的な養成、それからホームヘルパー養成研修でありますとか、新任施設職員の研修等の養成研修体制の充実強化、それから業務の省力化、勤務時間の短縮等による職場環境の整備等による職員の確保、こういうような形で総合的に施策を講じまして何とかこのゴールドプラン達成のための必要な人材の確保に努めてまいりたい、こう考えております。
#59
○今井澄君 このホームヘルパーについても、今ちょうどこういう景気が余りよくない時期でもありますので、人の確保というのは比較的簡単なようですね。募集すると何倍にも上る人が来るということなんですが、問題はやっぱり質だろうと思います。これは医療職と違いまして、医療職というのはきちっと学校に行ってちゃんと国家資格を取ってでないとやらせないというふうなことが看護婦にしろ何にしろあるわけですが、介護というのは、もちろん技術や専門性も大事ですし、それはもうお年寄りですから害を与えるようなことがあってはならないわけですが、私は一億二千万人による介護というくらいの気持ちで国民だれでもできる介護ということでやっていくことが大事だと思っておりますが、しかしながらやっぱり質の確保というのは非常に大事なわけですね。
 そこで一つは、これはホームヘルパーだけではなく寮母等の問題もありますが、今お話のありました介護福祉士、この介護福祉士の学校がどんな割合でふえているのか、それから有資格者がどんな割合でふえているのか、またそれは全国的に格差がないのか、ある地域にはできているけれども、ある地域には学校がなくてなかなか入れないということがないのかどうか、そのことをひとつお聞きしたい。
 もう一つは、ホームヘルパーについて一級、二級、三級という三つの課程で、三級は主に家事援助ですね。それから二級が寝たきり老人等の身体介護とか、一級が処遇困難ケースとかいろいろあるようですが、こういうものの研修はどの程度行われているのか、その辺についてわかったら教えていただきたいと思います。
#60
○政府委員(佐野利昭君) 介護福祉士の養成施設の指定でございますけれども、昭和六十三年度にはわずか二十五課程、定員が千二百二十八名でございましたのですが、平成四年度はそれが百三十七課程で定員が六千六百八十八名、そして六年度末の段階では百六十九課程で九千百七十二名の定員規模という形になっておりまして、大体新卒一万人コースという状態に今なっております。
 実際の資格取得者はそのほかにも試験の合格者もいらっしゃいますし、そういう形で例えば六年度におきます介護福祉士の登録は、これはトータルでございますけれども、国家試験合格で登録をされた方が二万八千九百七十一名、養成施設卒業が一万八千七百三十三名という形でございまして、両方合わせますと約四万八千弱の登録者を得ている状況でございます。
 地域的なバランスにつきましては、これはどうしても都会地に養成課程が集中をいたしておることは否めないわけでございますけれども、出身地が必ずしも偏っているというわけではないわけでございますので、これは卒業後にそれぞれの地元に帰っていただくということもできますから、特に地域的な問題で大きな問題が生じているというふうにはまだ聞いておりません。
#61
○政府委員(阿部正俊君) ヘルパーにつきまして申し上げますが、先生御指摘のように、ヘルパーにつきましては質を向上しなきゃいかぬという面と、特に新しいゴールドプランということでヘルパーの増員というのは当面かなりの数をふやしていかなきゃいかぬという、質と量の両方やらなきゃいかぬということで楽じゃないんですけれども、ヘルパーにつきましては現在大体二万人弱ぐらいの受講をいただいております。これから先それをもっとふやしまして、四万人程度の受講まで持っていかないと十七万人の体制はつくれませんので、相当思い切って上げていくというふうに考えております。
 一面、質の向上ということもありますので、現在の一級、二級、三級のカリキュラムを少し見直しましてもっと機動的に資格が取れるようにしていこうということで、一部ダブっているところもございますのでその辺を簡潔にしながら、二面、質も高めていくべきところは高めていくというようなことを今見直しをしておりまして、近くその結論が出るはずでございますので、七年度から新しい体制でいけるように努力してみたいと思っています。
 あわせまして、少し質の高いということで全都道府県で今実施中でございますし、もう一つは労働省サイドの養成として着手していただいておりますので、いわば厚生省は厚生省の人の系列でというようなことにこだわらずにできるだけ同じものであるならば同様に扱っていくということで、労働省関係の講習についても指定をして今やりつつございます。
 あわせまして、基礎となる基本的な受講についてはもう少し技術的に、例えば衛星放送を使って中央できちっとしたものを全国に流していけるような体制をつくるとかというふうな支援体制というのも中央団体等を通じて今検討中で、できるだけ早く実現していきたいと思っております。
#62
○今井澄君 介護福祉士につきましては、私自身もかつて勤めておりました病院に老健施設をつくったときに、五十床の老健に全国から十八人介護福祉士の卒業生、たしか一期生ぐらいだったと思いますが、集めましたところ、非常に創意工夫を持ってすばらしい活動をする、病院全体の雰囲気自身が変わるぐらい物すごいパワーを持ってやっておりました。そういう点から、こういう人たちの養成が進んでいるということは大変事はしいことだろうと思います。
 ついでに、ホームヘルパーの研修についてちょっと厚生省から要綱をいただいて拝見したんですが、その費用なんですけれども、研修会参加費用は教材等にかかる実費相当分については参加者が負担するとなっておりますが、それ以外の費用は国が出すんでしょうかそれとも実施主体の都道府県または指定都市が出すんでしょうか、どうなっているんでしょうか。
#63
○政府委員(阿部正俊君) 基本的な枠組みとしては、都道府県に私どもの方から補助金を流しまして、都道府県がその補助金を使って受講についての基本的な組み立てをするということでございます。必ずしも全国統一しているわけじゃございませんけれども、基本的には今先生が御指摘になったような、御自分がお使いになる教材等の実費は御自分で若干負担をしていただきますけれども、受講そのものは基本的には個人個人が負担をするというふうな仕掛けには必ずしもなっておりません。原則的には、体制はいわば公的にというようなことで設定をして受講してもらう、こんなふうなスタイルになっております。
#64
○今井澄君 もう一つは、そういうふうにして質を高めることと同時に、待遇もある程度改善していかないとやはり働きがいというものがないわけです。これは残念なことに、世界的に見てもホームヘルパーさんたちの待遇というのは必ずしも十分ではない。しかも、これが世界的に見ても主に女性の職場だということで、男女の格差の固定化につながっている面もあるということを心配いたしますので、日本が福祉としての模範的な国になるためには、この待遇改善についてもぜひ今後意を用いていただきたいということを希望しておきます。
 それから二つ目は、これは私がねがねの持論で、寝かせたきりゼロを真剣にやらなきゃだめだということで厚生省に対しても大分御意見を申し上げているんですが、先ほどありましたPT、OT一万五千人ですか、これはまだまだ少ない。何とかしてここに力を入れて、PT、OTという人たちは医療職種ではありますが、その仕事の性格からして必ずしも大病院志向ではない、あるいは専門志向ではなくて随分地域に出ていくという傾向があるんですね。小さな市町村にも率先して就職するという人もいますので、ぜひこの辺の拡充について、養成校の拡大等について御尽力をいただきたいと思います。
 新ゴールドプラン絡みと平成七年度予算絡みであと二点だけお尋ねしたいんですが、一つは二十四時間巡回型ホームヘルプサービスですが、これは昨年、福岡市がコムスンという民間会社に委託するという形でやったと思います。これは恐らく厚生省のパイロットスタディーみたいなものだったんだろうと思いますが、その中で私が聞きましたところでは、非常に効果が上がっているということ、利用者にも喜ばれているということと同時に、二十四時間巡回型なんというとえらい大変なことをやるように思われがちですが、お金もかかる、人手もかかるというふうに思われがちですが、これが特別養護老人ホームに収容しているよりは経済的にも安い値段というか、効率的にできたということを聞いているわけですが、その辺簡単にそうなのかどうかお答えいただきたい。
 同時に、今年度からはモデル事業と申しますか、全国十以上の市町村でやるという方向で予算が組まれたと思います。お聞きしますと、もう既にヒアリングが始まっているそうですが、現実にこの二十四時間巡回型ホームヘルプサービスをやりたいと言ってきている市町村は厚生省の見込みに対して多いのか少ないのか、その辺をちょっとお尋ねしたいと思います。
#65
○政府委員(阿部正俊君) 二十四時間巡回型ホームヘルプサービスというものに取り組もうということで、本格的には七年度からということで予定しております。
 ただ、率直に言いまして、全国実施ということまでに至るにはまだ少し時間もかかると思いますし、もう一つ、在宅でどういう形で支えていくのかということを考えますと、ホームヘルプサービスだけですべてを支え切るというのも私は無理なことではなかろうかなと。訪問看護なりあるいはショートステイなりデイサービスなりあるいは時によっては施設入所というのが弾力的にできるシステムというものがある程度担保されませんと、やはり無理な点が出てくるのじゃないかというふうに思います。
 その辺の組み立てがどこまでが限界といいましょうか、どこまでが有効なのかというような割り切りを十分つけた上でということを思っておりますので、七年度につきましては、先生御指摘あったように予算的には十数カ所あたりを当面念頭に置いて少し普及させていこう、こんなふうに思っております。
 現在、県等を通じまして事情を聞いておりますけれども、私どもの手元に来ておりますのは三十数地区でやりたいというふうな意向を持っておりまして今事情を聞かせていただいているところでございますし、私どもとしては予算を十分消化できるような数をちゃんと確保いたしまして実施に結びっけることができるのではないかこんなふうに思っております。
#66
○今井澄君 二十四時間体制というと、よく二十四時間救急ということでいつ呼ばれても飛んでいけると、こういうことがまず第一にイメージされるわけですが、このホームヘルプサービスの場合にはあらかじめ計画的に、特に共稼ぎの夫婦が夜間寝ている間に行って、起こさないで寝たきりの人の世話をするとか、あるいは共稼ぎで出かけている昼間、食事を届けたりあるいはその他やる、そういうことが主体だろうというふうに思います。もちろん、何か緊急のことがあれば飛んでいくということも必要だろうと思いますが、こういうサービスが始まったということ、しかもそれに対して三十を超える市町村が今応募してきているということは非常に喜ばしいことだろうと思います。
 次に、新ゴールドプラン関係では最後ですが、特養の個室化ということで基準面積を拡大するということが平成七年度予算の中に盛られていると思います。それで、この個室化の問題については、これまで厚生省は個室化を推奨しつつも、定員の三〇%までについて加算補助をつけるということをやってきたと思うんですね。そのことは、全個室化を進めたいという非常に進んだ計画を持っているところについてはむしろ逆に障害になっておりまして、要するに三〇を超えた場合にはもう加算をつけないよということがこれまで行われていたと思うんですね。
 それで、そういうところはどうしたかというと、厚生省から補助金がもらえないものですから船舶振興会から補助金をもらってやっている。これは大臣のおひざ元の長野県の北御牧村なんかもそのとおりなんですが、今回こういうふうに基準面積を拡大したということは全個室でも構わないのかどうかまたつくる施設が三〇%に限らず何%を個室化してもその加算はちゃんとつけるかどうかということと、本当に全個室がこれでできるだろうかということ、その点についてお尋ねをしたいと思います。
#67
○政府委員(阿部正俊君) 特別養護老人ホームの居室のつくり方の問題につきましては、いわゆる個室化ということが一つのテーマになっているわけでございますけれども、従来も予算上の基準としての加算は三割まではおつけしたということでございまして、それを超えたら一切だめということにしているわけではございません。三割まではやって、実際上それぞれの経営主体あるいは設置主体の意向によりまして三割を超えた個室ということで整備するというのは、それはそれで結構だということでやってきたつもりでございます。
 ただ、七年度以降でございますけれども、今回の予算の中身といたしましては、個室化の加算ということの理屈よりもそもそもの居住面積といいましょうか居室面積というものをもっと広げていくということが基本ではないかということで、一人当たりの補助基準面積を三十・八三平米から三十四平米、いわば一人当たり三・二平米を増加したということでございますので、これは平均的に見まして五十人、六十人というふうな施設全体の定員でございますのでかなりな改善になると思っております。
 したがいまして、もちろんお金がないからというだけではなくて、日本における特別養護老人ホームの処遇のあり方というふうな実態に即してさまざまな工夫がされなきゃいかぬ、今の時点ではそういう状況ではないかなと思いますので、どっちかにしなさいと強制はいたしませんが、やろうと思えば全体の居室を個室ということで構成することも可能な面積になるというふうに認識しております。
#68
○今井澄君 特養の個室化の問題は二つの意義があると思うんですね。一つはプライバシーの確保ということ、もう一つはやはり高齢者の生活の継続性また自立支援という意味も含めて、自分が家で生活していたときに使っていた家具等を持ち込めるようなスペースということだろうと思います。後者の問題についていえば、今なお特養は入るときに段ボール一個にすべての所持品を限られるという、まさにここに非人間的な特養の現実があるわけで、そういう意味では非常な前進だろうと思います。
 あと、特養の問題についても、今日本では特養というのはついの住みかである、死ぬまで入っているところであると、これがもう一般化し常識化しちゃった。これ自身実は打ち破られなければならないんではないか。広島県の県立の特養で公立御調病院が運営を委託されているところでは、これは老健ほどではありませんけれども、ついの住みかではないわけですね、ほとんどの方が帰れるようにということでやっている。
 確かに、ぼけの場合はもう重くなる一方ですから帰れない、家族としても引き取れないということがあると思いますが、例えば家族によっては、三年間ぐらい見てもらったんだけれども、定年で退職した、そうするといよいよ家で見てみようかということで引き取れることだってあると思いますし、あるいは合うちに受験生を抱えているからとてもお年寄りを見れないという人が、子供が大きくなることによってうちで見れるようになることもあるかもしれない。
 私は、やはり預かる側も預ける側も入っている人も特養というのは一生いるところだ、こういう常識を打ち破っていくようなことをやらないと、単なる個室化だけではなく特養を本当に人間らしい施設にすることはできないと思いますので、その点厚生省自身も指導をするというか、頭を切りかえていく必要があるだろうと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
 次に、新ゴールドプランと裏腹の関係にある先ほど清水委員の方から御質問がありました介護保険制度、この問題についてちょっとお尋ねをしたいと思います。
 私は、十二月に発表されました高齢者介護・自立支援システム研究会報告、これを拝見いたしまして、また厚生省のこの間のいろいろな委員会等での答弁や何かをお聞きしまして、介護という問題についての認識がこの二、三年で格段に進んできたということを非常にうれしく思っております。
 それは、介護というものが質も量も変わった。昔は、倒れてから死ぬまではほんの数日か一週間の介護で、その間家族が一生懸命になればよかった。会社も仕事も休んで一生懸命見て、お亡くなりになるという介護だった。それが非常に長期化をしてきた。しかも、いろいろ技術とかあるいは精神的なストレスを要するという、ここに介護の質的な転換があるというふうにとらえておられることは非常に意義があると思います。そういった点では、私はこれは、ゴールドプランから新ゴールドプランヘ新という名をつけた、質を高めたということもこういう認識が関係あるんじゃないかと思うんですが、大臣、その辺の認識はいかがかということをお尋ねしたい。
 あわせて、ちょっと抽象的なお話になるんですが、大分考え方がここでお互いに変わってきた、進んできたと思うんですが、去年の三月二十八日に厚生省が発表された二十一世紀福祉ビジョンの中ではまだまだその点で不十分な表現が見られるのではないかと私は実は思っているんです。その例を二つ挙げますと、一つは、高福祉・高負担でもなく低福祉・低負担でもなく適正給付・適正負担と書いてあるんですね。これは、かつて厚生省が日本型福祉、中福祉・中負担と言ってきた、要するに家族介護に依存する日本型の福祉あるいは介護というもの、それを引きずった表現が適正給付・適正負担というところにあらわれているんじゃないか。
 それからもう一つは、自助、共助、公助という表現があるんですね。これは、もちろん自助というのは非常に必要で、高齢者介護は自立を支援することだと新ゴールドプランにもうたわれている、私はそのとおりだと思うんですね。お年寄りは単にお世話をされるものとして寝ていられては困るわけです。自助の大事さはわかるんですけれども、しかし自助だけではできないんだ、家族介護だけではできないんだということを、ですからむしろここは逆に、公助、共助、自助という順序に変えるべきだと私たちは申し上げたんですが、この点を含めて三月の二十一世紀福祉ビジョンにはまだ不十分な表現があったのではないか。
 いずれにしても、先ほど申し上げた視点でもって新ゴールドプランもつくったし介護システムをつくるということなのかどうか、その辺大臣の御所見をお願いします。
#69
○国務大臣(井出正一君) 昨年の三月ごろこの二十一世紀福祉ビジョンが厚生省から出されたときに、先生と御一緒にこれを中心にいろんな議論をしたことを今思い出しておるところでございます。介護という問題が大変大きく取り上げられてきたわけでございます。介護は今までどちらかというと家庭だけに任せてきたのが、もうそういうことは不可能になってきたという意味で社会的に支えていくことが重要だという考え方だったと思います。
 従来のゴールドプランもこうした考え方に基づいて、すべての方が健康で生きがいを持って安心して生涯を過ごせるような社会とするために、高齢者保健福祉サービスの基盤を緊急に整備しなくちゃならぬという形で進められてきたわけでございますが、そういった意味では新ゴールドプランも同様の考え方に立って、支援を必要とする高齢者に対して必要なサービスを提供するという、いわゆる普遍主義といいましょうか、家族の有無とかあるいは所得の高低には関係なくそういうサービスを受けられるという基本理念を明らかにしつつ、必要なサービス基盤の整備を推進しようとしているものだと認識をいたします。
 先ほど先生は、特養はついの住みかになっちゃいけないと、やはり家族の方で環境が許すならばまた家庭へ引き取ってというようなこともこれにつながるんじゃないかなと、こんなふうに思っております。
#70
○今井澄君 今、大臣のお考えをお聞かせいただいて大変安心をいたしました。
 ところで、公的介護保険につきましては、先ほどの清水委員の御質問に対してまだスケジュールは決まっていないとお答えになられましたが、スケジュールが決まってはいないということは確かにそのとおりかもしれないと思います。しかし、常々厚生省の高官がいろいろな研修会等で発言される中では、来年、平成八年度に法制化して九年からスタートさせるということはもう半ば公然の事実のように語られ報道されているということがありますが、私はそれはもっともだと思うんですね。
 それは、先ほども新ゴールドプランをさらに充実させるためにどうするかというと、来年の九月三十日、消費税率の見直しの時期、その時期までに必要なものはやっぱり出していくという必要があるし、そのために法律や何かを整備するとすれば、ことしいっぱいぐらいにまとめて来年の通常国会に法律を出さなきゃならない。また事実そのとおりだと思うんですね、介護保険制度も公費をどうするかという公費財源の問題も当然あると思いますので。ですから、それは厚生省の方が言った言わないは別として大変急ぐ問題である、ことしいっぱいぐらいにある程度の方向を出さなければならない問題だと思うんです。それで今老人保健福祉審議会にかけておられるんだろうと思います。
 実は、ここで一つお願いをしたいことは、これは全国民にかかわる問題なんですね、何もこの問題だけではありませんが。とかくこれまでのやり方は、何か審議会に語る、それで審議会から答申をいただいて法案をつくる、これは国民だけではなく我々国会議員にとっても、どうも間際になって出されてくるという傾向が強いんですよ。審議会の審議というのは、これはいろいろなことがあってなかなか公開にされていない。公開すると本音をしゃべりにくいだろうとかいろいろなことがあって非公開になっていることなんかがありまして、議論がわからないんですね。厚生省の御返事は、今答申中であります、御審議をいただいているところでありますと。やっぱりこれではちょっと今度の問題はまずいというふうに思います。
 そこで、ぜひ情報公開をしていただきたいということで、まず十二月に出された研究会報告が公開されました。それにまつわる資料集も公開されております。今度の審議会の一々の議論が公開されないにしても、そこでの資料だとか討議の方向はやはり出していただきたいと思うわけです。実はそういう点から考えまして、この介護保険の問題の最終的な落としどころは、まことに残念ながら日本においては北欧のような税方式をとることについては相当時間がかかって難しいだろう、急いでやっていかなきゃならないとすると私は社会保険方式しかないのかなという感じはいたします。
 しかし、それにしても例えばこの十二月に出された研究会報告は、前段は大変すばらしい分析が続いてきてケアマネジメントのことまで書いてあるわけですが、介護保険にきたときにいきなりぽんときて粗雑なような気がするんですよ、かねがね申し上げているんですが。いろんな議論がされて、どういう方式があるかを比較検討した上で社会保険方式がいいというふうな議論の組み立てになっていないということがあります。
 そこで、きょうは時間の許す限り若干その点を議論させていただきたいと思うんですが、まず第一に、先ほどの清水委員の御質問に対して介護保険のメリットとして三点挙げられました。この十二月の研究報告では、「公費一措置)方式との比較」として四点挙げられております、大体中身は同じなわけですが。
 ここでの問題は、まず措置制度の問題です。私も措置制度がいいとは思いませんですね。もうそろそろこういう社会において措置制度は乗り越えていかなければならないと思います。しかし、この研究会報告でも非常にこれが粗雑だというのは、公費による給付の方式は措置制度だけじゃないんですね。措置制度というのは、公費による、税方式による給付方式の一つにすぎないんです。にもかかわらず「公費(措置)」というふうに書いてあったり、措置制度が悪いから社会保険方式だという議論というのは非常にこれは粗雑である。公費による方式もいろいろあるわけですね。
 この研究会報告を見ましても、ケアマネジメントはイギリスから学び、ケアプランについてはアメリカから学び、介護保険はドイツから学び、世界あちこちから学んでいるんですから、じゃ公費による方式は、取り入れるかどうかは別として例えば北欧から学んでみると、そういうことをやっていかないとこれは国民に対して議論を呼びかける情報公開にもならないわけですね。
 そこで、措置制度のデメリット、つまり社会保険方式のメリットとして幾つか挙げられましたけれども、例えば一つは、措置では選択ができないが社会保険方式では選択ができる。果たしてそうなのかどうなのか。これはどこまで議論されたかということですね。
 日本で措置制度だから選択ができないというのは、例えば老人ホームにしても何にしても、これは数が少なくて待ちが多いから選択どころの話じゃないということがまず一つあると思うんです。一方、同じ措置でも保育園の方は結構選択ができることはできるんですね。これは幼稚園にするか保育所にするかという選択ができる。保育所にしても、私のいる市なんかは人口五万ないのに十七余りあって、その中で低年齢児保育をやっているところもあるし延長保育をやっているところもあるのでそういうところを選択できないことはないんですね。措置だから選択ができないという、これは全く論理的に間違っているというふうに私は思います。
 社会保険方式なら選択できるというけれども、果たしてそうだろうか。社会保険方式にしても、例えば身体障害を持ったあるいはぼけてきたお年寄りにとってみれば一番近くを選ぶしかないという意味では、これが選択と言えるのかどうかという面だってあるわけですよ。医者を選ぶ場合だって、大体どうして医者を選ぶかというと、近いからというのが一番多いんですよ。六、七割は近いところを選んでいるんですね。
 そういうことを考えますと、こういうふうに選択ができるかできないかでいきなり措置か社会保険方式がと出してきているのは、私は論理的に間違っているというふうに思うんです。
 それからもう一つ、例えば措置は心理的な抵抗があるというのも、これも違うんですね。これは特養に対して心理的な抵抗があるんで、病院だったら何となく大きな顔をして預けられるというだけの問題で、これは事老人問題に限ってのことなんですよ。老人問題は、年をとるということが恥ずかしいあるいは老人になることが恥ずかしいという気持ちがあることなんですね。だって、同じ措置だって保育園に入れるのは恥ずかしいなんて全然思いませんよ。私は医者でやってきましたけれども、幼稚園もありますけれども子供三人全部保育所に入れました。これも選択ができるわけですね。収入があっても保育所は預かってくれるわけですよ。
 そういう意味で、やっぱり措置制度の欠点では必ずしもないんですね。これはサービスの量やサービスの仕方によるわけであって、措置制度イコール公費で社会保険方式とは違うんだという論理は成り立たないということ、このことを私は主張したいんですけれども、どう思われますでしょうか。
#71
○政府委員(和田勝君) 御指摘の措置制度でありますが、これはサービスの利用でありますとかあるいは施設の利用といったことにつきまして行政庁が決定をする、その家庭の状況あるいは心身の状況、所得の状況等を調査した上で最終的に行政庁がその利用の可否を決定するという仕組みで、その運営に必要な費用は一般財源、公費をもって賄うということ、これが措置制度の本質でありまして、措置そのものは行政処分という性格を持つものというふうに理解をいたしております。
 サービスの利用の優先順位を判断するあるいは緊急的な保護を行うといったような点で、特にサービスの供給量が不足をしているような状態などにおいて積極的な役割もあったように思っております。老人福祉の発展の上で大きな役割を果たしてきたものというふうに評価をいたしております。
 ただ、だれもが要介護状態になり得る、そしてまたそれが非常に長期化をする、そしてまた今後急速にその分野の需要といいましょうかニーズが増大をしてくるというときに、これまでのようなそういう措置制度の形態で続けることが妥当かどうかということなんだろうと思っております。
 もちろん措置制度そのものにつきましても、関係者の間であるいは自治体の中でいろんな工夫が行われてきた経緯もございます。例えば、利用券方式であるとかあるいは事後承認制をとっていくましたようなこの制度の本質といいましょうかそういった点から見ていろんな問題点が指摘をされたところであります。
 研究会の中でも、この辺の問題は制度の基本にかかわる話そのものでありますだけに大変活発な意見が行われたものでございまして、その中で指摘をされておりました問題、あるいは早期に改善を行うべき事柄としてさっき挙げましたような事柄が指摘されております。
 一つはサービスの要否、内容について行政庁が判断をするということから、最終的にはそのサービスを利用する人自身の意思というものが働きにくいような性格が本来的にあるといったようなこと。
 そしてまた、一般財源、公費をもって充てているといったところから、どうしても財源的な限界というところから必要性の判断によって利用者を決定していくという仕組みがとられる、あるいはまたサービスがどうしても画一的なことになりがちであったといったような限界。この辺についてはもちろんサービス供給量を増大していくといったようなことで解決できる面も多々あろうかと思いますけれども、そういった場合にそれに必要な費用をどう安定的に調達するかというときに、例えば保険システムの場合ですと、負担、拠出と利用といったことの対応関係が比較的明確であるとか、あるいはそういったことから利用に当たっての権利性というのが比較的措置の場合に比べると高いといったようなことなどから保険システムの方がいいんではないかというような議論が行われていた。
 三つ目は、所得審査であるとかあるいは家族関係の調査というものが現行の措置制度の場合には前提として行われておるわけでありますけれども、そういった点が利用する際にどうしても心理的な抵抗感といったものに結びついてきがちであったとかいったようなところから、そういったものを総体として解決を図っていく仕組みとして社会保険システムが妥当なのではないかといったような指摘が行われたように受けとめております。
 こういった点について研究会の報告はそういった報告になっておったかと思いますが、私ども、今後老人保健福祉審議会でまたいろいろ幅広い角度から御検討、御審議をいただければと思っておるところであります。
#72
○今井澄君 今お答えいただいたんですが、必ずしも先ほど私の申し上げたことにお答えいただけなかった面もあると思うんですが、私が先ほど申し上げましたのは、公費による方式というのは措置制度だけではないんだ、公費イコール措置だというふうなことじゃなくて、もっといろんな選択肢はどうなのかということを情報公開して議論の材料を出していただきたいということなんですね。
 それから、社会保険方式がいいと言われるんですけれども、例えばこういう点ほどういうふうにお考えになるのか。社会保険、まあこれをどう仕組むかによりますけれども、例えば年金なんかでもはっきり出ているように、未加入者、未納者の問題が出てきたらどうするのかということですね。今の医療保険の場合だと、いざ病気になって医者にかかったときに、入っていないとさかのぼって国保に入ることで何とかなるという制度があるんですけれども、果たしてそういうふうな制度まで持ち込んでいって未加入者が介護を受けられないということにできるのかどうかこの辺は非常に問題だと思います。
 それから、措置は行政が決定すると言いますけれども、今度結局ケアプランをつくるわけですね。ケアプランはもちろん行政じゃないでしょうけれども、ケアチームをつくってつくるわけですが、やっぱりその人に何が必要かをやるわけでしょう。これをずるずるにしてしまったらモラルハザードが起こっておかしなことになるということから、かなり厳しくこの人にはどういうサービスが必要かやるわけですよ。これは行政がやろうと何しようとやっぱりどこかできちっとやるわけですから、そこは措置制度とそんな本質的に違いはないということが私は言えるんではないかと思うんですね。
 それからもう一つ、負担と受益の関係が明確であるとか権利性が生ずるということをおっしゃいますけれども、それが社会保険方式のメリットだと言いますけれども、果たしてそうなんだろうかということが言えると思うんですね。
 それは一つは、今医療保険なんかどんどん適正化策が行われていますけれども、だんだん給付の内容は画一的で、最低、ミニマムになってきているんですね。より選択性のあるプラスアルファ分が欲しければ自己負担をしなさいということになってくるんですね。そうしますと、社会保険方式にしてもこの介護保険が潤沢な財源を持ってできればいいですけれども、そうでなければ結局のところは画一的なミニマムなサービスしか介護保険では受けられない。選択でプラスアルファを受けようとすると、結局は自己負担を出すか民間介護保険にさらにプラスして入っておかなければいけないということですから、別に社会保険方式にしたらメリットがあるということではないと思うんです。
 それから、先ほど大臣がお答えになった中で私は非常に大事なことだと思ったのは、その人の収入とか財産とかにかかわりなく必要な介護が受けられるようにすることが大事なんだと。そうだと思うんですね。会社の社長だろうとあるいは一生甲社員でやってきた人でも、やっぱり寝たきりになったときに同じ介護を受けられる、必要なものを受けられることが大事だと思うんです。
 そうすると、医療保険はそういうことはありませんけれども、例えば年金の保険方式なんて非常にはっきりしているんですね。要するに幾ら保険料を払ったか何年払ったかでもらう年金の額が違うわけですよ。ということは、その人の収入によって老後の経済生活の保障が違うということなんですね。これだって社会保障という広い意味から考えた社会保険方式だとするとおかしなことで、かつて社長であろうと一生平社員で終わろうと、年をとってひとり暮らしをするときにあるいは夫婦二人で暮らすときに、必要最小限の年金というのがあってしかるべきなんですね。そうじゃない仕組みになっているわけです。
 だから、社会保険方式、社会保険方式と言われますが、そしてそれはメリットがあると言われますが、実は今申し上げたように幾つかやっぱり問題があるんじゃないですかね、どうでしょうか。
#73
○政府委員(和田勝君) 社会保険方式の持つ意味あるいは役割といったものは私自身も相当大きなものがあろうかと思います。同時に、その制度の組み方によってはその目的も達せられないケースも多々あるんだろうと思っております。
 一つには、今お話しのように介護を必要とされる高齢者に最も適切なサービスの組み合わせ、具体的な計画をつくり提供していくためには、単にこういう保険システムにしたからそれが達せられるというよりも、御指摘のありましたようなケアマネジメントの方法が適切に行われるということが同時になければならないと思いますし、そういった運営の仕方で相当要るものもあるし、あるいはまた今お話しの未加入あるいは保険料を払わないようなケースによってどうなんだろうかというようなケースもあるわけであります。
 この辺のところについては、一つには、この介護保険制度といったものが国民から理解され信頼される制度であるかどうかというのがまさしくそこに大きくかかわるわけだろうと思いますし、保険料の収納といった点についても、ある意味では保険料のレベルの話であったり保険料の収納方法の話であったりといろいろかかわってくるんだろうと思っております。
 したがいまして、いずれにしても幅広い観点からこの全体のシステム、大きな意味で制度設計というものを慎重に考えてまいりたいと思っております。
#74
○今井澄君 繰り返し言いますが、こういう議論を本当に国民的に広げる方がいいんですね。だから、選択肢をできるだけたくさん出していただく、データをできるだけたくさん出していただくということで、情報公開をお願いしたいと思います。
 以上で終わります。
#75
○委員長(種田誠君) 本件に対する午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時三十分まで休憩いたします。
   午前十一時五十九分休憩
     ――――◇―――――
   午後一時三十分開会
#76
○委員長(種田誠君) ただいまから厚生委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、平成七年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、厚生省所管及び環境衛生金融公庫を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#77
○勝木健司君 阪神・淡路の大震災が発生してからちょうどきょうで丸々二カ月目を経過したわけであります。二カ月を経過してもテレビの報道等では七万八千四百七十五人と、八万人近くの方々が今なお不自由な避難所生活を送っておられるわけであります。
 地震の発生を抑えることはできませんけれども、やはり災害に備えて施設整備や緊急援助体制を整えていく、また万が一にも災害が発生したときには万全の救援とか復興を行うのは当然行政の責任であるわけであります。しかしながら、今回の政府の対応は、初動態勢のおくれとかあるいは救援、医療、避難所対策等すべてが後手後手に回ったという国内外からの批判を受けておるわけであります。
 もう既に本会議あるいは予算委員会、本厚生委員会におきましても、政府の対応についてはさまざまな指摘をされておりますが、今回の教訓を次の防災体制づくりにどう反映をさせていくのか。テレビ等では災害救助船構想等々も出されておるわけでありますが、まず厚生大臣の決意のほどを伺いたいと思います。
#78
○国務大臣(井出正一君) 勝木委員の御発言のとおり、きょうで二月になるわけでございます。けさも早くに第十回目の復興対策本部が開かれまして、担当の小里大臣から、これまでの経過あるいは今取り組んでいる問題それから今後また取り組まなくちゃならぬ問題について報告があり、関係の各大臣もそれぞれの担当の分野について発言をし、最後に村山総理から、これまで現場の皆さんを中心にあるいはボランティアの皆さんを含めて御苦労いただいたことに感謝の意が表され、そして頑張ってきたわけだけれどもまだ解決しなくちゃならぬ問題は山積している、政府と地元あるいは民間の皆さん一体となって頑張っていこうと、こんな決意が表明されたところであります。
 いずれにいたしましても大変な被害でございました。行政が十分に機能しない面も確かにあったわけでございます。厚生省におきましても、食料、飲料水やあるいは医療の確保、避難所の生活環境の改善、水道の復旧、瓦れきの処理、応急仮設住宅の整備などに関し、県や市と一体となってできる限りの対応を講じてきたわけでございますが、ただいま申し上げましたように大変大きな被害だったものですから万全とは言えない分野もたくさんあったわけでございます。
 今回のこの教訓を踏まえ厚生省の防災対策について一つ一つ点検を行い、将来に向けてより迅速かつ円滑に対応できるようなシステムを構築していきたいと考えております。
#79
○勝木健司君 そこで、応急仮設住宅についてお伺いをいたしたいと思います。
 けさのテレビでもやっておりましたけれども、応急仮設住宅の建設は計画では四万戸を予定しており、その内訳は三月中に三万戸、四月に入ってから一万戸を建設するとのことであるけれども、進捗状況が余りはかばかしくないというようなことであります。進捗状況、あわせてこの四万戸すべてが完成するのは一体いつごろになるのか、お伺いをしたい。
 そしてまた、完成した仮設住宅に対する現在の入居状況についても正式なところをお願いしたいというふうに思います。なかなか完成戸数に対して入居戸数が少ないようでありますので、これは一体どういう理由なのかということを厚生省としてはどう把握されておるのかもあわせてお伺いをいたしたいと思います。
#80
○政府委員(佐野利昭君) まず、建築の状況でございますけれども、今御質問にありましたように、四万戸の建築目標を立てまして、そのうちの三万戸につきましては何とか三月いっぱいに完成をさせるということで、各業界の方に小里大臣を先頭としましていろいろと働きかけもいたしまして、これはおおむね達成できる見込みでございます。
 それから、追加の一万戸分につきまして、そのうち七千戸につきましては既に発注済みでございますけれども、実は残り三千戸強につきましては現在まだ用地を物色中という状況でございます。何とか近々発注をさせたいということで、この追加の一万戸につきましても四月中には何とか完成をさせるということで今鋭意努力をしているところでございます。
 次に、入居の状況でございますが、私の手元に来ている資料がちょっと一日ぐらい古いわけでございますけれども、三月十五日現在で完成戸数が一万一千七百二十四戸という報告を受けております。そのうち入居いたしておりますのが五千八百七十八戸ということでございまして、約半分ぐらいしか入居していない、こういう状況でございます。
 完成したのになぜ入居できないかということにつきましては、これはやはり地元にもいろいろと問題になるケースがあるようでございまして、一つは高齢者、障害者を優先的に入居させていただくという形でお願いをしたものですから、そうするとそのための引っ越し手続等に多少手間取っているというのが一点でございます。
 それから、入居決定したけれどもさらによいものがないかということでちょっと入居を見合わせているケースも確かに見られるようでございます。これにつきましては、一概に入居決定取り消しをしてすぐ別の人に振り向けるというわけにもいかないものですから、少し調査期間を置いて、余り長い間放置されるようであれば再度高順位の人に振り向けるという手続をとりたい、こう思っておりますけれども、仮設住宅の当たった場所と自分の希望する場所とがかなり離れたりなんかしていますと、もっといいところに入れないかこういう感じでちょっと見合わせる形の方がいらっしゃるという報告も受けております。
 それからもう一点ありますのは、抽せん後、入居要件の確認をいたしておりますけれども、その確認の過程で、先ほど申し上げましたように障害者あるいは老人の方は優先入居しておりますが、例えばそういう関係の優先入居の資格等にちょっと問題があったとかあるいは家屋の損壊等に問題があってちょっとこれはおかしかったんじゃないかというようなケースで一時保留をして再調査しているというケースもあるようでございます。
 いずれにしましても、余り長い間あけておくわけにもいきませんし、入居決定後できるだけ早く入居がスムーズに進むように県を通じて指導の徹底を図ってまいりたい、こう思っております。
#81
○勝木健司君 四月中には目標どおり四万戸をすべて完成させるということでありますので、ぜひやっていただきたいということと、一万一千八百戸もつくっておりながら入居者がまだ半分しかいないということも問題だろうというふうに思いますので、早急に入っていただけるようなそういうことを進めていただきたいというふうに思います。
 仮設住宅以外にも公営あるいは公団住宅、公務員宿舎、保養所といったさまざまな施設を確保して被災者の受け入れをされておられるわけでありますが、こうした方々の中には、自分が住んでいた町から遠く離れて暮らしておるということで、近くに仮設住宅ができたらそちらに移りたいといった希望があるだろうと、そのためにこの半分の空き家も少しは考えられるというふうに思いますが、こうした方々が今後仮設住宅に入居を希望される場合には、この四万戸の仮設住宅では足りなくなるというケースも考えられるわけでありますが、そのときにはさらに仮設住宅を確保していく考えが当然あってしかるべきだというふうに思います。
 被災者のニーズに合わせた住宅の確保ということを図っていかなければならないと思うわけでありますが、厚生大臣のお考えを伺っておきたいと思います。
#82
○国務大臣(井出正一君) おっしゃるとおりまだ八万人近い皆さんが一日も早く仮設住宅に入れることを待っていらっしゃるわけでございますから、本当に一日も早くそういうような状況にしなくちゃならぬと思います。今、局長からお答えいたしましたように、三月中に三万戸の完成、そして残る一万戸は四月中にという計画のもとに今全力を尽くしているところでございます。
 厚生省といたしましても、建設省と関係省庁と連携のもとに、プレハブ協会等民間の全面的な協力も得て、避難されている方々が一日も早く避難所を出て平常の生活を取り戻せるよう建設促進のため全力を挙げて取り組んでいるところでございます。
 それからまた、いわゆる公営住宅とか公団、アパートの方へ一万を超す皆さんが確かに今移っていらっしゃいます。かなり遠くへ行っていらっしゃる方もいるわけで、また今まで住んでいた近くへ仮設住宅ができるならば戻りたいという皆さんもいらっしゃることは当然だと考えておりまして、そういった意味でも四万戸はできるだけ早くやらなくちゃならぬわけでございます。
 ただ、いかんせん、ああいう大都市の中では仮設住宅を建設するための用地が必ずしも十分じゃないわけでございます。神戸市なんかは特にそうなのでありますが、比較的被害の少なかった西区とかあるいは北区内の多少交通の便の悪い場所にも設置せざるを得ないことも事実のようであります。そういったようなところに建設された場合には、関係機関との密接な連携のもとに、バス路線の開設とかあるいは増便といった交通の便の確保を図るなど、被災者の生活にできるだけ支障の出ないよう兵庫県あるいは神戸市と相談しながら指導もしていきたい、こう思っております。
#83
○勝木健司君 次に、水道の問題についてお伺いしますが、従来より厚生省では、水道施設耐震工法を地震に耐えられるように設備の導入を進めるということで進められておるわけであります。今回の被災地では断水によって大きな支障を来したわけでありますが、被災地における耐震水道設備の普及状況、また耐震水道設備はどの程度今回の地震に耐えられたのか、耐震性を発揮したのかお伺いをしたいというふうに思います。
#84
○政府委員(藤原正弘君) 今回の震災によって最も甚大な水道施設の被害を受けた神戸市の水道管路について見ますと、例えば伸縮性がありかっ離脱防止機能を有する耐震継ぎ手の、これはS形継ぎ手などと言っておりますが、水道管の普及状況は全管路のうち約六%でございました。
 二月中旬に厚生省が派遣しました調査団報告などによりますと、通常の継ぎ手、例えば印籠形とかK形とかというふうな継ぎ手がございますが、この被害は非常に多かったわけでございますが、先ほどのような耐震継ぎ手では被害が確認されておりません。そういうことから相当の効果を発揮したというふうに考えられるわけでございます。
 厚生省といたしましては、より地震に強い水道システムをつくるためには水道管路のレベルアップが必要であるというふうに考えております。そのため、老朽化した管路の更新の際にも積極的に耐震性に配慮するよう水道事業者を指導してまいる所存でございます。
#85
○勝木健司君 耐震水道設備の普及は六%で、どの程度発揮したかというのは相当程度ということであります。相当程度がどの程度かがよくわかりませんが、耐震基準等の見直しを全国的にこの際行っていただきたいということ、あるいは耐震性の高い設備への切りかえを今回のこれを教訓に早急に進めるべきではないかと思いますが、大臣の見解をお伺いしたいと思います。
#86
○国務大臣(井出正一君) ただいま御答弁申し上げましたように、今回の震災を教訓といたしまして、水道施設の耐震性を向上させるための対策全般に取り組むことは喫緊の課題だと認識をしております。
 このため、現行の「水道施設耐震工法の手引き」とかあるいは「水道の地震対策マニュアル」というものがあるのでございますが、これらについて、実際の復旧等に当たった水道事業者のデータとかあるいは各種研究機関の調査結果等を踏まえまして、学識経験者の御意見もいただきながら見直しを行う予定でおります。また、これまでも地震に強い水道づくりの推進に向けて水道事業者等を指導してきたわけでございますが、そのために必要な施設整備についての国庫補助制度の充実にも努めてまいりたいと思います。
 今後とも、老朽化した水道管を耐震性のあるものに更新する等の取り組みを一層強力に推進してまいりたいと思います。
#87
○勝木健司君 次に、ボランティアを初め医療関係者、特に看護婦といった方々が全国各地から救護所に派遣されておられるわけでありますが、いつまでこの派遣が継続される見通しかということ。地域医療が壊滅的な打撃を受けている現状を考えますと、やはり当分の間確実な援助の継続が必要じゃないかというふうに思うわけでありますが、今後の対応についてお伺いをしたいということであります。
 それともう一点は、広域的な体制を組まないと役には立たないとの今回の反省からも、緊急時の医療では広域的医療体制の整備というものは必要じゃないかということがいろんなところから言われておるわけでありますが、これについてもあわせて見解をお願いしたいと思います。
#88
○政府委員(谷修一君) 全国から医師あるいは今お触れになりました看護婦を初めとした医療スタッフの応援を得て被災者の方々に対する医療の確保ということから、避難所の救護センターの設置それから巡回診療等の体制の整備に取り組んできたわけでございます。
 一方、最近になりまして避難所の住民の方が減少してきた、あるいは地域の医療機関の診療機能が回復をしてきた、またそういったような救護センターにかかられる方の医療の内容がいわゆる救急医療的なものから慢性疾患へ変わってきたというようなことから、状況に変化が生じてきたというふうに認識をいたしております。
 そういったような状況に対応するために、地元兵庫県並びに神戸市を初めとする地方自治体におきましては、避難所、地区医師会、それから救護センター等と数回にわたる協議を重ねました結果、全国から派遣をされている医療スタッフについてはおおむね今月末をめどとして、段階的に避難所の救護センターから既存の医療機関、病院、診療所等を中心にいたしました医療体制へ移行を図っていきたいというのが現時点での地元の考え方でございます。なお、保健婦によります巡回診療と健康相談ということについては、もう少し他府県からの応援を求めて続けていくというのが今のところの状況でございます。
 いずれにいたしましても、今後は地元の医療機関が主体となった医療を担う体制ということが基本になるわけでございますけれども、既存の医療機関によって対応が困難な地域におきましては、引き続き巡回診療を実施するあるいはまた仮設診療所を設置するといったようなことで対応することといたしておりまして、私どもといたしましても、このような体制の支援ということは引き続きやってまいりたいというふうに考えております。
 それから、広域的な体制ということでお話がございました。おっしゃるように今回の災害時の応急医療ということにつきましても、ただいま申し上げましたように全国からの幅広い応援を得てやったわけでございますけれども、基本的には現在の防災業務計画におきましては、知事が必要があるときは関係機関に要請して日赤あるいは他の国公立病院等による救護班を派遣する、また必要に応じて厚生大臣が他の都道府県知事に対して応援を命ずるというようなことになっているわけでございます。
 ただ、今回の震災を振り返ってみまして、災害時にも十分に機能できるような医療体制を改めて考えていく必要があるということで、厚生省におきましては集団災害時におきます医療体制のあり方についての研究班というものを設けておりますが、ここで専門的あるいは多角的な観点から今回の経験を踏まえて今後のあり方について現在検討をしていただいておりまして、今先生の御指摘のようなことも含めて検討をしていきたいというふうに思っております。
#89
○勝木健司君 次に、行政改革に向けた取り組みについてお伺いをいたしたいと思います。
 井出厚生大臣も所信において、内閣の大きな課題の一つであるので積極的に取り組むと、そう述べられておるわけでありますが、そこで、まず行政改革に臨む厚生大臣の基本認識についてお伺いをいたしたいというふうに思います。
#90
○国務大臣(井出正一君) 行政改革につきましては、政府の重要課題の一つだと認識しておりまして、政府一体となって取り組んでいるところであります。
 私といたしましても、効果的で効率的な行政運営の推進の観点から、規制緩和あるいは特殊法人の見直し、地方分権等について積極的に取り組んでおるところでございます。
#91
○勝木健司君 具体的に規制緩和等の措置についてお伺いをしたいと思います。
 一昨年の緊急経済対策以降、多くの規制緩和が計画され実行されてまいったわけでありますが、当然のことながら厚生行政というものは直接国民の生活に与える影響が大きいということを考慮して、常に国民とともにあるということで行政改革、規制緩和を考えていかなければいけないということであります。
 これまで厚生省が取り組まれた許認可事項は通産、運輸、農水に次いで多いと、平成五年三月末現在で千二百項目ほどあって前年より五十一項目ほどもふえておるというような現状であります。平成六年三月未現在でも大体二十五項目ほどまだふえておるということでありますが、これまで厚生省はどういった考えてこの規制緩和に臨まれておられるのか大臣の御所見をお伺いしたいと思います。
#92
○政府委員(太田義武君) 一昨年九月の緊急経済対策以降、累次にわたりまして厚生省も規制緩和に取り組んでまいっております。
 一昨年九月の緊急経済対策では、厚生年金基金の資産運用等の拡大で十四項目、それから次いで昨年二月の行革大綱で寄生虫病予防法の廃止など百六十九項目、そして昨年七月に閣議決定されました今後における規制緩和の推進等におきましては四十五項目、合わせて二百二十八項目の見直しをしたところでございます。さらに本年度といいますか、今月中に規制緩和推進計画を策定することとしておりまして、内外の要望を踏まえまして去る十日に中間的な検討状況を公表したところでございます。
 ただいま委員御指摘のように、厚生省の規制というのはいわゆる国民の生命とかあるいは健康の保持ということから行っている社会的規制というもの、いわゆる衛生規制でございますので、やはりそこは守っていかなければいけないところはございますけれども、しかしその政策目的に沿った最小限のものとする必要はあると思いますので、一つは国際的整合性の確保、二つは申請者の負担の軽減、三つは国と地方の役割分担の見直しというような観点から引き続き規制緩和に取り組んでまいりたいと思います。
 ただいま委員御指摘の厚生省の件数は多くなっているんじゃないかと。平成四年度には五十一件、平成五年度には二十五件確かに増加してございます。
 これらを四年度について見ますと、いわゆる人材確保二法が制定されまして、先ほども御審議ございました人材確保の関係でございますが、さらに加えて産業廃棄物の適正な処理のための新たな法律が制定されまして、それに伴う許認可。伴う許認可と申しましても、例えば人材確保法では、中央のナースセンターの指定とかあるいは都道府県のナースセンターの指定とかそういう項目でございます。
 さらに、平成五年度も二十五項目というお話がございましたが、これは福祉用具の研究開発及び普及の促進に関する法律、及び精神保健法に基づく指定法人の創設に伴う許認可。これももう少し見てみますと、例えば精神保健法では精神障害者社会復帰促進センターの指定、こういうようなものでございます。
 これらの許認可等は一般国民や企業を対象とした規制ではございませんで特定の民法法人等を支援する枠組み、これによりまして現在の喫緊の課題であります人材確保とか廃棄物処理とかそういうものを図るためのものでございまして、最小限必要なものであるということで本委員会で御議論いただいて法律としてお決めいただいたものでございますが、今後とも、私ども所管の規制につきましては、政策目的に沿った最小限のものとするように努力してまいりたい、このように思っております。
#93
○勝木健司君 私もやはり福祉のこういう地域行政のサービスのカットということは考えておりませんので、それは当然必要だろうというふうに思います。しかし、効率性とか安全性ということも踏まえて考えていただきたいということであります。
 次に、特殊法人の見直しについてお伺いをいたしたいというふうに思います。
 厚生省における特殊法人の統廃合で決まったものは、社会保障研究所と国立七試験研究機関を六機関に再編するというものでありますが、廃止するとされておりました社会保障研究所につきましても、実質的には再編で新設される国立社会保障・人口問題研究所への統合にすぎないといった内容であろうというふうに思います。また、環境衛生金融公庫と他の公庫との統合については実質的に先送りをされたというふうに思っております。
 今回の特殊法人の見直しについて、一体どれほどの行財政改革効果があるとお考えであるのか。また、対象となっている研究機関全体の職員数は一体どの程度に削減をされるのかお伺いをしたい。あわせて、大臣はこの特殊法人のあり方等の見直しに積極的に取り組むともおっしゃっておるわけでありますが、これで十分どお考えなのかどうか。今後の取り組みについても御決意のほどをお願いしたいというふうに思います。
#94
○政府委員(太田義武君) 今回の社会保障研究所を廃止するということでございますが、去る二月二十四日に閣議決定しました見直しにおきましては、社会保障研究所を廃止してその研究機能は厚生省の試験研究機関を抜本的に再編してこれを引き継ぐということとしております。
 試験研究機関は社会保障研究所を含めまして現在八つございますが、これを六つにする、しかも定員は既存の枠内で処理する、こういう基本原則でやっております。この試験研究機関の再構築に当たりましては、今申し上げたように既存の定員の枠内で措置するということでございますから、研究所の配置のときにおきましてはどのぐらいの財政効果があるいは職員数の削減が図れるかということでございますけれども、現在の社会保障研究所の人員あるいは人件費相当が削減されるということになるものと考えております。
#95
○国務大臣(井出正一君) 社会保障研究所の廃止については、あわせて今局長からも御説明申し上げましたように厚生省直轄の附属試験研究機関の再編成を行うこととしておりまして、行政組織本体の見直しにまで踏み込んだ内容のものであります。
 社会保障研究所自体は世帯は確かにそう大きなものではございませんが、定員につきましては既存の研究所の枠内で措置するというんですから、極端なことを言えばこれに関しては全くそっくり減るということでありまして、行政改革の趣旨に十分沿った内容だと私は自負しておりますし、これを再編成するに当たりましては、研究機関の方は幾つもありますが、定員約九百五十数名だったと思いますが、こういう関係もみんな影響してくるわけでございまして、それなりに皆さんに理解をしてもらったりあるいはこれからその気になっていただいたりする努力を要したことを御理解いただきたいと思います。
 そういった意味では、この社会保障研究所を廃止することを私どもは精いっぱいやったと考えておりますし、このほかの特殊法人の五法人につきましても、一部業務の縮小やあるいは民間委託の推進とか人員の抑制等、業務の効率化あるいは合理化等に取り組むこととしておりまして、繰り返しますが、厚生省として精いっぱいの案を取りまとめたところでございます。
 なお、環衛公庫についてでございますが、これは政策金融といいましょうか政府系金融機関のあり方を論議する中で一つの方向が見えれば、また当然研究の対象になるという考え方は持っております。
#96
○勝木健司君 ありがとうございました。
#97
○横尾和伸君 平成会の横尾和伸でございます。
 私は、まず新ゴールドプランについてお伺いしたいと思いますが、午前中にも新ゴールドプランの内容の充実等について大変鋭い御指摘があったかと思います。ごもっともと思って私もお伺いしておりました。私は少し角度が違うんですけれども、ゴールドプランの位置づけを考えていくべきときが来たんではないかこういう観点からお聞きしたいんです。
 ゴールドプラン、今は断となっていますけれども、もとのゴールドプランは大変長い日本語名がついておりました、高齢者保健福祉推進十カ年戦略。戦略という形での位置づけというのは大変珍しい、珍しさをねらったのかどうかわかりませんけれども、いずれにしてもこの激動の時代に、時代の寵児というような感じですい星のごとくあらわれて、現在では国の今後を、これからの日本の動向を左右するような大きな問題に、またそういう位置づけになってきております。
 そこで、当初は何でこういう戦略というような名前をつけたのか、特別な意図があったのか、ねらいがあったのか、そういったことも含めて何かそういう点からのお話をいただきたいと思います。
#98
○政府委員(阿部正俊君) 戦略というと大変恐ろしいような名前でございますけれども、私どもの思いというふうなものを少し申し述べさせていただきますと、ある一定の期間内にある一定の量を金をつぎ込みながら整備しましょうというだけのものではなくて、もちろん数量的なものもございますけれども、むしろさまざまな意味で、中身それからその手だてというものも改めて組み立てながら進めていくんだというふうな物の考え方があるわけでございます。福祉あるいは保健、高齢者の問題につきまして、今までのものを延長線上でずっと充実していくというだけではなくて、中身についても新しい方向づけを持ちながらそこにリードしていくというふうな物の考え方があったというのが一つでございます。
 それからもう一つは、直接国が事業を実施するわけではなくて、端的に言いますと市町村なりあるいは県なりというものの考え方と、その計画というものを前提にして実行していくんだよというふうな意味で、実施主体のさまざまな場面場面でかかわる方々が多いということで戦略と言うのかなというふうなこと。
 それからもう一つは、十カ年戦略、今委員が目新しさということをねらったのではないかというようなこともございますが、ある意味では従来の、国民もあるいは行政に当たる者も我々も含めまして、一定の意識改革というふうなものもやはり大事なのではないかというふうなことで、戦略といいましょうか、少し目新しさというものも意識したことも事実ではないか、こんなふうに思っております。
#99
○横尾和伸君 私は悪い意味で聞いたんではなくて、大変当たったという意味で申し上げたんです。
 そのゴールドプランが断となって、性格はさらに明確にまた位置づけも明確になってきていると思うんですが、その著しいものにいわゆる緊急性、超高齢化社会に対応しなきゃいけない、それから予算規模は十兆円レベル、また一貫性が求められると。途中でへなへなと変わってもらっては、後からついていくあるいは整合性を持たせるという意味でむちゃくちゃになってしまう。こういう意味で、私は実は、これはもうそろそろ法制化をしなければいけないんではないかというふうに考えているんです。
 その観点から、いろいろ国の計画の法定についての考え方なり要件なりというのはあるのかなと、立法府である我々が考えるべきことでもあるんですけれども、実態からして国はどうしているんだろうということでいろいろ各省に聞いてみたんですけれども、何か統一的に答えられるところがないようだったんです。もしあるんでしたら、また別の機会にお聞きしたいんですが。
 そんなことでとりあえず公共事業に例をとるならば、経企庁が統括というか一塊にして扱っているということでしたので、経企庁にちょっとお伺いしたいんですけれども、公共事業に関する長期計画には十六事業あるそうですが、そのうちの大半が根拠法を持っております。例えば廃棄物処理施設整備計画、都市公園等整備五カ年計画、住宅建設五カ年計画、こういうものがずらっとあって、ほとんどが法律を根拠にしているということであります。
 これらの統括というか、まとめていらっしゃる経企庁として、この根拠法の有無、ほとんどあるわけですが、この有無についてどのようなお考えを持っているか、お伺いしたいと思います。
#100
○説明員(筧隆夫君) お答え申し上げます。
 委員御指摘のように、いわゆる公共事業関係の長期計画につきましては、十六本のうち十三本がいわゆる根拠法に基づいて定められる運びとなってございます。これらの根拠になっております法律の制定につきましては、当然のことながら最終的には立法府の御判断によるものでございますけれども、政府において御提案申し上げる場合におきましては、まず事業所管のそれぞれの省庁から案が策定され、各省庁が協議を受けた上で政府案となるのが通例というふうに認識しているところでございます。私ども締済企画庁といたしましても、こうした協議を受けました際には、総合調整官庁としての立場から適切に判断をしてきたところでございます。
 また、委員お尋ねの法制化の基準要件についてでございますけれども、法律を制定するかどうかは最終的には立法府の御判断によるといたしましても、政府提案の場合におきましても各公共事業をめぐる状況はさまざまでございますので、一概に基準を申し上げるのは困難ではないかというふうに考えているところでございます。
#101
○横尾和伸君 そのとおりだと推測しておりました。いわゆる一貫した考え方はないということですし、むしろ立法府である国会が考えるべきことだと思います。
 そこで、新ゴールドプランを法制化すべきと思うわけですけれども、私なりにちょっと理由を少し述べたいと思うんですが、今のゴールドプランからまた新ゴールドプラン、同じ位置づけなんですね、厚生大は、大蔵大臣、自治大臣の三大臣の合意に基づく計画であると。三大臣のうちの一人が気が変わるとどういうことになるのかあるいは性格のちょっと変わった方が大臣になられた場合にはどうなるのかというのが大変心配になります。今回だけとかあと一年とかというお話ではないわけでして、そういう意味で基盤をやはりきちっとしておくことが必要ではないか。
 なぜかならば、何点か申し上げられますが、一つは広範性。国民生活とのかかわりにおいて全国民が必ず何らかの関係性をそれなりに持っていて、その関係性はほとんどが強まります。間違いなく強まります。また、地域的広がり、全国民、全自治体、広がりがあります。そういう意味での広範性があります。
 また、一体性として、同じ広がりであっても福祉の分野だけではなくて教育もあります。それから、建設省関係の優しい町づくりとか歩道だとかあるいは運輸省、通産省と、こういった意味で非常に横の広がりもあるわけで、そういう意味では一体的な対応が求められる、そういう意味での一体性。
 また、予算規模からいっても大規模性という意味で当面が十兆円であって、十兆円ですべてではないわけでこれからも続く。また、大きな問題としては超高速の高齢化に対応するという意味で緊急性、また先ほども申し上げましたけれども、途中でやめたとかあるいは方向転換したというようなことでは困るわけで、困るだけではなく大変な混乱が起きます。そういう意味では一貫性が求められるわけです。
 それに加えて、今回の新ゴールドプランについても平成十一年度末までの当面の整備目標、こう位置づけているわけでして、当面の整備目標ですので、これが終わればすべてではない、そういう意味でもいわゆる長期的継続性が求められているわけです。
 そういったことを踏まえますと、これはもう三大臣の合意でやっていくような問題ではなくなってきた。確かに厚生省が大変な苦労をして国民の前に、こういう問題があるからこの問題にこたえるんだ、そのこたえ方はこうなんだということでかなり具体的な形で示されて、それが急速に国民の理解を得つつあるわけですけれども、そのことを踏まえれば、いつまでも三大臣の合意でいいんだということは、そろそろそういう考え方自体が間違っているということになるんではないか、つまり現状を踏まえて、実情も踏まえて法制化を考えなきゃいけないんじゃないか。
 今申し上げたことに加えて、さらに消費税のアップの見直し条項におきましても、高齢化社会の社会保障費用の財源ということで、年金と並んで福祉にどれだけお金がかかるか財源がどうかということによって、一年半後の見直しの時期に消費税を上げるかどうかということもかなり直接リンクした形で議論をすることが予想されます。私は、そういう意味で大事な問題であると思うわけです。
 また、もう一点さらに追加して申し上げますと、地方老人福祉計画、これは老人福祉法それから老人保健法、これを根拠にした地方の計画であります。この地方の計画を積み上げたものが今回の新ゴールドプランのベースになっているということなんですけれども、個々個別には別な法律があって法律に基づく市町村レベルの計画がある。それを取りまとめて国がそれに対してどうかかわっていくかということが一番大切な状況になってきているんです。
 そういう中で、国の計画に関する位置づけの法律がない、こういう状況になっておりますけれども、こういうことを踏まえて新ゴールドプランは法制化をすべきである、そういう時期に立ち至っている、私はこう申し上げたいんですけれども、大臣、どういうお考えでしょうか。
#102
○国務大臣(井出正一君) 横尾委員から積極的な御支持の立場からの御意見、大変ありがたくお聞きをいたしました。
 新ゴールドプランは、平成元年に三大臣合意で策定された従来のゴールドプランを折り返し点に達するこの新しい年度から全面的に見直し、高齢者対策の緊急性にかんがみ、当面緊急に行うべき各種高齢者介護サービス基盤の整備目標を引き上げたり、あるいは今後取り組むべき高齢者介護サービス基盤の整備に関する施策の基本的枠組みを新たに策定するものでありますことから、従来のゴールドプランと同様三大臣で合意を行ったものでございます。
 今回の新ゴールドプランは、五年間で総事業費九兆円を上回る規模のものとすることにつきましては財政当局も合意しておりますことに加え、住宅対策に関する部分につきましては三大臣合意に先立ちまして建設大臣とも合意を取り交わしておりますこと、またこの三大臣の合意の会合には官房長官にも立ち会っていただいておりますことから、従来にも増して実効性は十分確保されており、実質的には政府全体のプランと申し上げてよいものと考えております。
 委員御心配のように、途中でおかしな役所が出てきたりおかしな大臣が出ないように、立法府の方の十分なる、これは宮崎先生、監視とお願いしてよろしいでしょうか監視をぜひお願いいたします。
#103
○横尾和伸君 建設大臣が入ってきたり官房長官が入ってきたりと、だんだんやはり私の言う方向に近づいているんじゃないんでしょうか。お立場上、今明確なお答えがしづらいのかもしれませんけれども、私なりに少し予言めいたことですけれども、必ず必要になってきますし、これをしなければいけない状況は近い将来顕在化するだろうと私は申し上げておきます。
 次に、少しローカルな面、ローカルといいましても、昨年の大渇水に関連する問題で、全国的な大渇水があったわけですが、そういう意味で代表例として今も渇水が続いております福団地域の問題についてお尋ねしたいと思います。
 福団地域、地域としては二百万大規模なんですが、昨年の夏から現在でも十二時間断水、少し緩められて八時間断水になっておりますけれども、断水というのは水が出ないんです。これは生活の中で継続的に経験されると大変厳しく響くものです。それを私、今説明する時間はありませんけれども。
 そこで、この福団地域は二百万都市、大都市であるんですけれども、八カ月もこんな状態が続いている。この状態を水道行政を担当する厚生省、どのように受けとめられているのか、お尋ねしたいと思います。
#104
○政府委員(藤原正弘君) 平成六年の夏以来の全国的な渇水は極めて大規模なものでございまして、ピーク時には二十二府県の千百七十六万人が断水または減水の影響を受けました。現在でも、西日本を中心に三百四十九万人が断水または減水の影響を受けておるところでございます。
 中でも、福岡県では五市二町の約百五十万人が夜間断水という状況にございます。福岡県におきましてこのような大きな渇水被害を生じさせたのは、平成六年の梅雨期及びそれ以降の例えは台風の時期に雨が降らなかったとかこういうふうなことが直接的な原因でございますが、今後の状況を考えてみますと、例えば通常菜種梅雨と言われます時期にはかなり雨が期待されるわけでございますが、ことしはどうかということと、四月以降におきましては農業用水の需要もまたふえてくるというふうなこともございまして、今後の降雨のいかんではさらに厳しい事態も予想されるわけでございます。そういうふうな状況から厚生省といたしましても、この福団地区の渇水の状況は大変厳しい状況にあるというふうに認識しております。
 厚生省としましては、このようなことに対処するため恒久的な対策その他計画づくりなどにつきまして県水道事業体に対しまして種々指導してまいっておりますが、当面の緊急的な水道水源の確保につきましても、この水道水の需給の逼迫を解消するための対策ということで積極的な指導、支援を行っておるところでございます。
#105
○横尾和伸君 地元では大変な状況でございましていろんな説が出ておりまして、その対応策ですけれども、例えば下水の処理水をもうほぼ一〇〇%水道水源にしようと。淀川筋などでは京都の下水が淀川に流れ込んで大阪の人が飲んでいるというようなことがありますけれども、これはすべてではないんですね。ベースになる水量があって、それにいろんな下水処理水などが入っているということなんでしょうけれども、福岡ではそういうベースになる水もなくて、これは受け入れられるかどうかは別として、一つの説として下水の処理水をそのまま水道水源にしようじゃないかというようなことを言い出す人も出てきております。私はちょっと問題はあるかと思うんですが、時間の都合で、それもお聞きしたいと思ったんですがちょっと荷略させていただきます。
 そこで、そんな状態にある福団地域の水の問題、これは実は長期的に対応すべき問題なんです。当面の問題として対応する面もあるんですけれども、その底流には基礎体力がないという問題があるんです。これは、進行中のダム開発がすべて計画どおりに進んだとしても、従来からのものも全部含めて二百万人分の水しかどう計算してもないんです。そこに現在の人口が二百万人、かすかすのところなんです。
 ですから、こんな状態で渇水が起きたということなんですけれども、さらに実は人口がどんどんふえている、発展途上にある地域なんです。そこで、あと二、三十万人分の水が必要なんですが、その計画がさっぱりないんです。ダム計画には二、三十年時間がかかるというのが最近の実績から言えるわけなんですけれども、ちょうど二十一世紀になったころから先の計画が現時点で全くないんです。人口はどんどん伸びているんです。
 こういう状況の中で新たな有力な計画が全くない、どうするのか。こういう点でやはり特別なことを考えなきゃいけないんじゃないか。これは国がとは言いません、本来、地元が中心になるべきなんですが、いずれにしても現在進行しておりません。何とかしなければいけないという状況なんですが、厚生大臣、どのようにお考えになるでしょうか。
#106
○国務大臣(井出正一君) 横尾委員が当省に御在職時代以来、この水道事業問題に一貫して取り組んでこられておられることに対して敬意を表する次第であります。
 福団地域が全国的に見ても極めて水需給が逼迫している地域であることから、地元の県や水道事業者においてこれまでも住民の方々に節水の努力をお願いするとともに、ダム開発やあるいは水道広域化施設の整備などにさまざまな努力を払われてこられておることは十分認識しております。ただしかし、それでも大変な状況だからゆえに、今御披露くださった下水処理水を上水化するというんですかこんな構想も出ているということも私は事務当局から聞いておるところであります。そんな意味で、今後の水需給の見通しにかんがみますればこの取り組みの一層の独化が求められるわけでございまして、厚生省においてもこれらの関係地方公共団体への支援あるいは指導を積極的に行っていかなくちゃならぬと考えております。
 これまでも厚生省では、例えば筑後川の水を福団地区の水道水として利用するための福岡導水事業を水資源開発公団事業として実施するなど、福団地区の水道水源の確保に取り組んできたところでございますが、さらに今年度、今御審議いただいておる七年度予算案におきましては、新たに渇水対策として設けられる海水淡水化施設の整備についての補助制度も充実することなど、安定的な水道水供給のための対策の強化を図ろうとしておるわけでございます。
 今後とも、福岡県やあるいは関係の水道事業者との連絡を密にしながら、当該地域における恒久的な水道水源の確保に最大限の努力を払ってまいる所存であります。
#107
○横尾和伸君 ありがとうございました。しっかり頑張っていただきたいと思います。
 次に、慣行水利権の調査状況について伺いたいんですが、これはローカルな問題ではなくて全国的な共通した問題なんですが、昨年、全国的な大渇水があって抜本対策が求められた。そんな中で、河川管理者たる建設省が十分な実態の把握ができていない相当の部分があった。その多くが慣行水利権の問題だった。つまり、これは少し乱暴な言い方ですが、利水量全体の恐らく七、八割方はわかってないんじゃないかその中で何で河川管理ができるのかという観点からの話だったんですが、その慣行水利権、特徴というのが水量の表示がない、過去の記録がない、更新手続が不要であると、こういう慣行水利権の性格があるわけなんです。
 私は、これを農業者の方から取り上げるとかそういうことを言いたいわけではなくて、各種対策や検討を行うのに大半がわからないということでは、これから水の問題、生活面だけではなくて産業の面もいろんな面にかかわるわけですから実態の把握が不可欠である、こう考えているわけであります。そういう意味で実態の把握を急いでいただきたいという観点から、昨年の九月十六日、決算委員会で村山総理大臣から答弁をいただきました。この実態調査を急ぐ、全力を挙げるという趣旨だったと思うんですけれども、その後の建設省の調査状況についてお伺いしたいと思います。
#108
○説明員(小林好實君) 昨年のそのような経過を踏まえまして、取水量の大きいと考えるものにつきまして取水実態調査を行うこととしております。このために、予備調査といたしまして昨年の秋以降、全国の地方建設局や各都道府県を通じまして調査を行ってまいりました。
 なお精査の必要はありますが、現在まとめたところでは、一級水系あるいは二級水系を合わせました慣行水利権の全体の約三%、約三千九百件がかんがい面積百ヘクタール以上あるいは毎秒○・三立方メートル以上取水している比較的取水量の大きいものではないかというふうに考えられます。
 取水量の大きい慣行水利権の対象は約三%というふうに少ないわけですけれども、水量についてはかなりの部分が把握できるというふうに考えられますので、これらの水利を対象に今後取水実態調査を行うことを考えておりますが、いずれにいたしましても農業関係者の協力を得なければスムーズな調査ができませんので、現在、農林水産省にも相談しているところでございます。









#109
○政府委員(谷修一君) まず、病院の耐震性の問題でございますが、今回の地震におきましても十数カ所の病院が全壊ないしは半壊という非常に大きな被害を受けたということでございまして、今後、災害時の医療ということを考える際に、病院の耐震性の確保というのは非常に重要な課題だと認識をしております。
 従来から地震発生の可能性が高いとされる地域についての医療施設の耐震点検の実施ですとか、あるいはその結果に基づきます改修といったようなことを実施してきたわけでございまして、またそれについての特別な国庫補助等の制度もあったわけでございますが、今回の地震の医療施設に対する影響ということにつきまして、既に病院建築あるいは病院の設計といったようなことについての専門家が現地に入りまして専門的な調査を行っているところでございます。今後、こうした調査結果を踏まえて、耐震性ということを考えた病院のあり方について検討を進めたいというふうに考えております。
 なお、今後のあるべき救急医療の体制ということでございますが、これは先ほどちょっと触れさせていただきましたが、現在、集団災害時における救急医療・救急搬送体制のあり方に関する研究班というものが実は昨年の一月にスタートしているわけでございますが、今回の兵庫県内におきます具体的な被害の実態を調べ、かつその結果に基づいて、今回の教訓を生かして新たにどういう対応をするべきかということについて意見をまとめていただくことにいたしております。
 今、先生が具体的に、東神戸病院の専門家の先生がおっしゃった三つに分けて考えるといったような御意見ももちろん参考にさせていただきながら、今後の救急医療体制ということについて具体的なマニュアルという形でまとめていきたいというふうに思っております。
#110
○西山登紀子君 どうもありがとうございます。
 それでは次に、小児科それから産婦人科の縮小の問題をお聞きしたいと思うんですけれども、最近、都心部の病院を中心に小児科、産婦人科が廃止されたり縮小したりする動きが広がっているという報道があるわけですけれども、このような傾向があるかどうか。
#111
○政府委員(谷修一君) 都心部の病院におきます小児科あるいは産婦人科を標榜する病院数の推移でございますが、東京都の区部について申し上げますと、昭和六十年から平成五年の八年間で、小児科につきましては昭和六十年の二百四十六病院から、平成五年二百二十三に減少しております。それから、産婦人科につきましても同様に二百十六から百九十六に減少をいたしております。
 なお、診療所につきましても、平成五年で小児科を標榜しております診療所の数が二千五百八十六、同じく産婦人科を標榜しております診療所の数が九百五十六でございますが、昭和六十年に比べましてやはり減少をいたしております。
#112
○西山登紀子君 なぜ減少するか、しているのかということですけれども、もちろん対象となっている子供が少なくなってきているということも一つの原因であろうかとは思いますけれども、しかし、だから小児科が少なくていいということにはなりません。私は、やはり小児科の診療報酬、この問題がまだまだ十分じゃないということも大きな原因の一つだというふうに考えます。
 子供は痛い注射を余り使わないとか、検査は余りやらないでおこうとか薬は余り出さないでおこうとかというふうになってまいりますと、手間はかかるんだけれども医療費というのはお医者さんの方になかなか入らないというようなことになってまいりまして、そして対象が少なくなると経営難に陥ってくるという悪循環が起こっているのだと思います。
 心配なのは国公私立大学の小児科入局者の数がだんだん減ってきているという問題もありまして、このままでは安心してかかれる小児科の病院がなくなるんじゃないかこういうふうなお母さんの心配の声もあるんですけれども、診療報酬の割り増し制度を抜本的に改善すると、こういう日本小児科学会などの要望を踏まえて、御検討いただけないでしょうか。
#113
○政府委員(岡光序治君) 確かにお子さんの場合、特に小さいお子さんの場合には、正確な病状を訴えるということも言葉が発せられないケースもあるわけでございますから把握しにくい、そういうケースもありますし、また未熟児に対しての集中治療なんかの現場を見てみましても、必ずお医者さんがついているとか三人に一人は看護婦さんをつけなきゃいけないとか、二十四時間体制を組まなきゃいけないとか非常に濃厚な治療を行う必要がございますので、そういうケースは本当に手間がかかり大変な御苦労をなさっていると思っております。
 一般的には、子供さんとお年寄りと比べればどちらが把握が正確にできるかとか治療が正確にできるかというような話になりますと簡単には比較できないわけでございますが、私ども、現在の診療報酬におきましては、小児医療の特性を踏まえまして、特に乳幼児に着目をして、初診料、再診料、看護料、それから入院時の医学管理科、採血料、注射料、こういったものを中心に加算制度をとっているわけでございます。この加算の部分につきましては、昨年の診療報酬改定でも相当の引き上げを図ったところでございまして、先生おっしゃるように小児科はやはりきちっと確保する必要がございますので、そういった配慮が必要だと思っております。
 また、先生方の中には、こういった個別の点数の積み重ねではなくて包括化したような発想もとれないだろうか、そんなふうな御提起もなさっているわけでございますし、そういったことを私ども踏まえながら、こういった子供に対する診療がきちっと確保できると、そういう方向で診療報酬のありようにつきましては議論をしていきたいと思っております。この点は、今後とも中医協での議論を十分していただいて適切に対応したいと考えております。





#114
○西山登紀子君 家族介護とおっしゃいますけれども、四六時中べったりベッドのそばについているわけにはいきません。エアコンの操作、カーテンのあけ閉め、ベッドを少し上げてほしい下げてほしい、チャンネルをかえてほしいというような事細かなことを一々一々家族を呼ぶわけにもいかないということもありますし、そしてまた何よりも自分で何かしたい、自分でというこの自立ができるという喜びを障害を持っている人たちに何とか味わう機会をふやせないものかと私は思います。
 よく厚生省は、予算があるので優先順序云々というふうにおっしゃるんですけれども、大臣に最後にお答えいただきたいんですけれども、実は六年度の日常生活用具はたった一品だけです、ふやしたのは。七年度は拡大はゼロです。ということで、日常生活用具の給付、貸与の改正というのが本当に一年にゼロか一かなんというカタツムリみたいな状態で指定が拡大されていっているということは、障害者基本法もできたりあるいは福祉用具の開発促進法ができたりそしてノーマライゼーションをもっと進めようという今日の状況に、これもまた私は合っていないんじゃないかなというふうに思います。
 もっとテンポを早めて日常生活用具の品目を拡大していくということによって障害者の自立やそれから自由がうんと広がるし、また介護者の苦労も軽減ができるし、そして企業の方も意欲が増していくという一石三鳥のようなことを、厚生省、厚生大臣を中心にぜひ私は改善を図っていただきたいと思います。
#115
○国務大臣(井出正一君) 日常生活用具の給付対象品目の追加に当たりましては、これまでも障害者関係団体等の御要望をお聞きするとともに、どれだけ多くの方々が要望されているか実際に多くの方々に活用していただけるかどうかそしてその必要性や緊急性はどうかというようなことについて総合的に勘案し、優先度の高いものを選定し取り入れてきていると承知しております。
 身体障害者に対する日常生活用具給付事業は、重度の身体障害者の家庭や地域での自立を支援するとともに、重度身体障害者を介護していらっしゃる家族の介護労力を軽減するための重要な制度でございますから、今後とも必要な品目の取り入れ等、制度の適切な運用に努めていかなくてはならぬ、こう思っております。
#116
○委員長(種田誠君) 以上をもちまして、平成七年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、厚生省所管及び環境衛生金融公庫についての委嘱審査は終了いたしました。
 なお、委嘱審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#117
○委員長(種田誠君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後三時三分散会
ソース: 国立国会図書館
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