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1995/04/25 第132回国会 参議院 参議院会議録情報 第132回国会 厚生委員会 第9号
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1995/04/25 第132回国会 参議院

参議院会議録情報 第132回国会 厚生委員会 第9号

#1
第132回国会 厚生委員会 第9号
平成七年四月二十五日(火曜日)
   午前十時一分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 四月二十四日
    辞任         補欠選任
     今井  澄君     清水 澄子君
 四月二十五日
    辞任         補欠選任
     清水 澄子君     今井  澄君
     勝木 健司君     山下 栄一君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         種田  誠君
    理 事
                清水嘉与子君
                宮崎 秀樹君
                菅野  壽君
                木暮 山人君
    委 員
                石井 道子君
                尾辻 秀久君
                大島 慶久君
                大浜 方栄君
                佐々木 満君
                前島英三郎君
                今井  澄君
               日下部禧代子君
                清水 澄子君
                竹村 泰子君
                堀  利和君
                山下 栄一君
                横尾 和伸君
                萩野 浩基君
                西山登紀子君
   国務大臣
       厚 生 大 臣  井出 正一君
   政府委員
       厚生大臣官房長  山口 剛彦君
       厚生省生活衛生
       局長       小林 秀資君
       厚生省薬務局長  田中 健次君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        水野 国利君
   説明員
       農林水産省農蚕
       園芸局植物防疫
       課長       吉村 正機君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○食品衛生法及び栄養改善法の一部を改正する法
 律案(内閣提出)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(種田誠君) ただいまから厚生委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日、今井澄君が委員を辞任され、その補欠として清水澄子君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(種田誠君) 食品衛生法及び栄養改善法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#4
○清水嘉与子君 おはようございます。
 まず、今回の改正法案の内容に入ります前に、先日来報道されております我が国の水産品に対しますEUの全面輸入禁止措置の問題について二、三お伺いしたいというふうに思うんです。
 けさの朝日新聞に、ちょうど台湾からのティラピアの問題が出ておりました。日本の食品衛生法に違反して一酸化炭素で発色処理をした輸入魚の話でございます。日本の場合にはこうした輸入品を水際でチェックするということで、ここの説明によりますといずれも水際でチェックできたというようなお話でございますが、しかしなかなかこれは難しい問題があろうと思います。
 このEUの問題につきましては、ことしの三月にEUの専門家チームが、日本の水産食品は非常に不衛生で製品管理も悪いということでEUへの輸入を全面的に禁止したという大きなニュースがございまして、大変心配しているわけでございます。
 先年、日本から輸出しましたホタテに貝毒が見つかって、一九九二年から二年間にわたって禁止していた輸入を再開するに当たりましての安全チェックということも今度の査察の目的の一つに入っていたというふうに伺っております。そして、調査に来るということがわかっていながらそのチェックが通らなかったということ、これは日本の国民にも大変大きな不安を与えることでございますけれども、どうしてこのような結果になったのか、経緯をまず教えていただきたいというふうに思うんです。
#5
○政府委員(小林秀資君) EUが日本の水産食品を全面的に輸入を禁止した経緯についてお答えをする前に、まずEUの制度について御説明をさせていただきたいと存じます。
 まず最初に、EU域内に流通いたしますホタテガイを含むすべての水産食品については、輸入品ですからEU側から見ると日本から入ってくることですね、そういうものも含め、その加工場がEUで定めた衛生要件に適合していなければならないこととされております。
 したがって、我が国の水産加工業者がEUに水産加工品の輸出を希望する場合にあっては、その加工場がEUの求める衛生要件を満たしていなければならず、現在、我が国でホタテガイ加工場等九十三加工場が対EU輸出向けの水産加工場となっております。このため、EUでは輸出国の加工場がEUの定めた衛生要件に適合しているかどうかを確認するため、必要に応じ輸出国の査察を行うことになっておるわけであります。
 今回のEUの措置は、本年三月、青森県、宮城県、香川県にある七工場について査察が実施された結果、まず、加工場内にある冷凍庫について査察を拒否されたこと、それから二番目に、一九九〇年四月製造、賞味期限一九九二年四月と印刷された容器包装に入れられた冷凍卵つきホタテ製品があったこと、三つ目に、貝毒の検査対象がEUの要求するホタテガイの卵になっていないこと、四番目に、塩素の過剰使用等衛生管理手法の相違などが指摘をされまして、我が国の水産食品の加工場についてEUの定める衛生要件に適合していないとして、四月八日付EUの官報により、EU加盟国に対し日本からのすべての水産物の輸入を禁止する旨周知されたところでございます。
#6
○清水嘉与子君 EUが輸入する条件として、各国が認定された、今日本ですと九十三の加工場がその認定要件に合っているということを日本の政府は認定したわけです。しかも、そこに来たにもかかわらず、今伺うと、EUの規定に合っていないような条件で実際に見られたということは非常に問題ではないかというふうに思うんです。日本の水産物はEUにはそれほど多く輸入されていないと伺っていますけれども、しかしこの問題で大変大きな打撃を受ける業者もいると思うんですね。
 この問題について、これから厚生省はどういうふうに対応しようとしていらっしゃるのか、まずそこをお伺いしたいと思います。
#7
○政府委員(小林秀資君) 日本政府の代表といたしまして、四月十一日、在ブラッセルEC代表部の小林大使がEUに対し、EU査察官からの指摘事項に対しては善処をするとともに、要求のあった資料についても迅速に提供する旨答えているにもかかわらず、何ら専門家による十分な検討を待たずにこのような一方的な禁止措置がとられたことに対し倣い遺憾の意を表明したと承知をいたしております。
 また、厚生省としては、EUから指摘された事項のうち改善の必要とされるものについては、査察現場における指摘の都度関係県に対し営業者の指導を行うよう指示したところであり、さらに全国の都道府県に対し、対EU輸出向けの水産加工場についてEUの求める衛生要件に適合しているかどうか再度厳正に確認するよう四月十七日付の文書で指示したところでございます。
 さらに、今月十八日には青森県から改善状況等についての聴取を行うとともに、担当官を十九日に青森県に派遣しその確認等を行わせたところでございます。
 なお、EUから指摘された事項は衛生管理手法の相違によるものである等、本件が極めて技術的な問題であることから、専門家による協議を行うことが適当であると我々考えておりまして、問題の解決を図るべく厚生省の担当課長及び水産庁の担当官を早急にEUに派遣することとしているところでございます。
#8
○清水嘉与子君 輸入食品の安全チェックは各政府が担当しているわけでございまして、これから国際的にもその安全基準のハーモナイゼーションを目指そうという時期でございます。外国からの輸入食品のチェックだけでなくて、やはりEUのような考え方の国に対しては、こちらから輸出する食品の安全管理、これは基本的には業者の問題だと思いますけれども、そこのチェックといいましょうか、指導を今やっていらっしゃるというふうなことでございますが、ぜひ徹底を図っていただきたい。そして、こういう問題が今後続かないようにぜひお願いをしたいというふうに思います。
 それでは次に、二十三年ぶりに改正されることとなりました食品衛生法の問題に移りたいと存じます。
 まず、天然添加物の安全性の確認の問題でございます。
 今回の改正によりまして、これまでは自由に使用することが認められておりました天然添加物が化学的合成品と同様に指定制の対象となる、そして規制を受けることになったわけでございますけれども、しかし既存の天然添加物については指定の対象でなくて引き続き流通が認められるという措置がとられることになりました。
 これまでは確かに何の問題もなくまた現に流通しているわけですから、これを改めて安全確認の上で指定するということは確かに国民生活の上でも支障を来すわけですし、余り現実的ではないということでございますけれども、しかし外国に比べて日本の天然添加物の品目数も非常に多うございます。そしてまた、中には余り使われていないような添加物も今は数の中に含まれているわけでございます。
 天然添加物といえばもうすべて安全かというと、必ずしもそうではないというふうに思います。消費者の方々も非常にこの辺について不安を感じていらっしゃるわけでございまして、これらの既存の添加物につきましてもぜひ早急に安全であることを確認することが必要だと思うわけでございますが、この辺についてどんなふうに考えていらっしゃいますか、お伺いしたいと思います。
#9
○政府委員(小林秀資君) 先生御指摘のとおり、食品添加物の安全性については指定に当たり十分な審査を行うだけでなく、その後の科学技術の進歩に対応して見直しを行っていくことが重要である、このように考えております。
 このため、化学的合成品については、昭和三十九年度より慢性毒性試験等の安全性試験を国立の研究機関や大学等において実施しその安全性を見直してきたところでございます。今回の法改正において天然添加物も指定制への移行を提案しているところでありますが、指定後の見直しについては化学的合成品と同様、科学技術の進歩に即応して適切に対処をしてまいりたい、このように考えております。
#10
○清水嘉与子君 さらに、これから新たに申請される天然添加物もあると思います。これは恐らくこれから化学的合成品と同様に指定に当たっては十分なチェックも行われるというふうに考えますけれども、確かに指定のときには安全性が確認されたといたしましても、その後、科学技術の進歩などによりまして事情が変わるということも十分想定されるわけでございます。
 したがって、安全確保の観点から指定後も安全性のチェックに万全を図る必要があるというふうに思うんですが、この辺、前のこととも絡みますけれども、指定後の安全性のチェックについて再度御答弁をお願いしたいと思います。
#11
○政府委員(小林秀資君) 天然添加物の指定制導入に伴い、現在食品に使用されている天然添加物については長い使用経験がございまして、実績もございまして、人の健康確保にとって問題があるという具体的な知見の報告はなされていない等から引き続き使用を認めているところであります。引き続き使用を認める対象品目は、天然添加物として使用実態があると報告された千五十一品目中、天然香料及び食品として用いられているものを除く四百品目と考えております。
 厚生省としては、これらの品目について専門家の協力を得つつ、できるだけ早く安全性の確認ができるよう努めてまいりたいと考えております。
#12
○清水嘉与子君 ちょっと御答弁が入れかわったんじゃないかと思いますけれども、ぜひよろしくお願いをいたします。
 それから次に、WTO協定のハーモナイゼーションの考え方に関連してお伺いしたいと思います。
 ことしの一月から発効しておりますWTO協定の考え方では、例えば食品につきましては、できる限り各国の食品安全基準をいわゆるコーデックス委員会の作成します国際的な基準に調和させるようにということだというふうに考えます。しかし、コーデックス委員会の食品規格あるいは食品添加物の使用基準というのは、日本の基準に比べますと安全性に関しても非常に甘いものが多いんじゃないかというふうに、言われております。
 このような状況の中でハーモナイゼーションを行おうといたしますと、結局は日本の基準を国際的な基準に甘く合わせなければならないというようなことが出てきて、食品の安全性確保という面から考えますと我が国の食生活の実態に合わないような、そういう国際基準を押しつけられると言ったらちょっと青い過ぎかもしれませんが、そういうこともあるんじゃないかと心配されるわけでございますが、この辺についていかがでしょうか。
#13
○政府委員(小林秀資君) 食品の国際基準は、第一に消費者の健康の保護を目的として作成されているものでありまして、我が国においても基本的にはこのような国際基準により国民の健康が確保できるものと考えております。
 また、衛生植物検疫措置の適用に関する協定、いわゆるSPS協定では、科学的に正当な理由がある場合等においては国際基準よりも厳しい基準を採用し得ること等が規定に盛り込まれておりまして、米など日本人の食生活上摂取重の多い食品に厳しい基準を採用することは、この科学的に正当な理由がある場合に当たると考えております。
 こうしたことから、この協定の締結によって国民の健康確保に支障を及ぼすような食品の安全基準の緩和を行う必要はない、このように考えておりまして、今後とも必要な基準の整備に努めてまいりたいと思っております。
#14
○清水嘉与子君 日本からも年間一千万人を超える人が外国へ出かけるような時代になっております。人がそれぞれもういろんなところでいろんな物を食べることができるようになってきたわけでございまして、世界じゅうどこで生活し何を食べようと、安全という面からいけば食品の安全基準が統一されるということは非常に理想的なことであるというふうに考えます。しかし、そうはいいましても、各国の安全基準に対する考え方がやっぱりこんなに異なっている現状におきまして、一律に国際基準に到達するというのは随分時間のかかることではないかなというふうに考えます。
 今、局長も言われましたように、たとえ国際基準に合わないにしても、いわゆる科学的正当性の認められる場合については国際基準よりも高い基準でいいんだというふうなことがこの協定の中でも認められているというお話でございますけれども、いわゆる科学的正当性が証明されるようなものであればその基準がそもそも国際的基準に置きかわるべきものではないかというふうに私は考えるわけでございます。これだけ大量に輸入食品に依存している日本でございます。むしろ、世界の安全な基準づくりにリーダーシップをとるということが必要なんじゃないかというふうに私は思うんです。それがこれからの非常に大きな課題ではないかというふうに思うわけです。
 そのために、我が国といたしましても食品の安全性に関する研究あるいは試験検査法に関する研究を積極的に行う、そしてまた日本国民だけでなくて世界じゅうの人々の健康を守る上で必要な試験研究の充実を図っていくべきではないかというふうに積極的に考えるわけでございますが、この辺について厚生省の御見解をお伺いしたいというふうに思います。
#15
○政府委員(小林秀資君) 食品衛生に関する調査研究につきましては、現在、食品の規格基準の策定や安全性評価等を行う食品衛生調査研究、残留農薬の安全性確保のための残留農薬安全対策総合調査研究等を国立試験研究機関において実施いたしております。
 また、先般、厚生大臣の懇談会であります食と健康を考える懇談会では、食品の規格基準や国際基準の策定等において科学的研究成果に基づく安全性評価が最大の根拠となることから、食品と健康に関する調査研究を一層推進すべきであると提言をされたところでございます。厚生省としてはこの提言を踏まえまして、有害物質による健康影響の実態をより正確に評価する研究とか、食品に残留している農薬を効率よく検査するための簡易検査方法の開発など、食品と健康に関する調査研究を一層推進することといたしております。
 先生おっしゃられましたように我が国のみならず世界の人々の健康を守るという観点から、この研究成果を国際基準に反映できるようコーデックス委員会への積極的な働きかけも進めることといたしておりまして、そのためにも食品の安全性に関する調査研究の推進は大変重要である、このように考えております。
#16
○清水嘉与子君 次に、HACCPの問題についてお伺いをしたいというふうに思います。
 今回の改正におきまして総合衛生管理製造過程、HACCPに関します承認制度が新たに設けられることになっております。既に、アメリカですとかEUでもこのシステムが採用されているというふうに聞いておりますし、また一定の評価が得られるシステムなんだろうとは存じます。
 ただ、これは企業の申請に基づきまして厚生大臣が個別に承認すれば現在の食品衛生法に基づきます製造基準の適用が除外されるということでございまして、これがいわゆる規制緩和の一環としてなされるとしますと、このシステムを導入し推進するということによって食品の安全性の確保の問題が逆に後退するのではないかというような心配も実は出てくるわけでございますが、この辺についてそういうことがないのかどうかということを確かめておきたいというふうに思います。
#17
○政府委員(小林秀資君) 今回の改正で導入する衛生管理の手法、いわゆるHACCPというものでございますが、これはアメリカのアポロ計画で宇宙食の高度な安全性を保証するシステムとして開発されたものでございまして、近年欧米諸国においては衛生規制として取り入れられつつありますし、コーデックス委員会もその推進を図っておるところでございます。
 今回のEUの水産物輸入の問題につきましても、ヨーロッパの方はHACCPという考え方を持っておりましてその考え方に基づく衛生基準であり、日本のは従来の型でございますのでその食い違いもあったわけでございますけれども、このHACCPというのは、製品の製造過程で生じる衛生上の危害を事業者みずからが調査分析をしまして、その分析結果に基づいてポイントとなる製造工程に重点的に安全対策を講ずるものでございます。
 この総合衛生管理製造過程の承認制度では、食品の製造過程においてHACCPの手法により安全対策が総合的に講じられることを厚生大臣が確認した場合は、従来の法第七条第二項の規定による食品ごとの一律の製造基準の適用を除外することとしているものでございます。承認を受けた製造過程により製造された食品は、その製造過程が現行の製造基準に従った方法と同等の安全性が確保されるということでございまして、また最終製品については他の食品と同様、法第七条第一項に基づく食品の成分規格、例えば細菌数等の規格を満たすこととされており、現行の基準により製造された食品と同等の衛生が確保されるものでございます。
 このようなことから、この制度の導入により食品の安全性が後退するようなことはないものと考えておりまして、厚生省としては制度の適切な運用を図ってまいりたいと思っております。
#18
○清水嘉与子君 このHACCPのシステムを取り入れるには経済的に非常に費用がかかるというふうに伺っております。大きな企業だけしかできないというようなことではなくて、安全性の確保のために効果のある制度でございますればぜひ充実できますようによろしくお願いをしたいと思います。
 次に、今回の改正で導入されます食品輸入手続の電算化の問題を一つお伺いしたいんですが、今後、食品の輸入手続の電算化を進めることについての効果だとかあるいはメリットといったものを簡単に教えていただきたいと思います。
#19
○政府委員(小林秀資君) 輸入手続の電算化につきましてでございますが、今回、食品の輸入手続を書面によらずにコンピューター端末により行うことができるものとすることといたしておりまして、さらに将来的には、厚生省のシステムを税関の通関情報処理システム、NACCSと言っていますが、これと回線で接続することにより輸入監視の効率化及び手続の迅速化を図るものでございます。
 具体的な効果としては、まず輸入食品の監視の面においては、検疫所の審査事務の一部を電算化し、食品衛生法違反事例や輸出国からの情報等のデータを蓄積し、これを活用して違反の蓋然性を評価することにより、より適切かつ効率的な検査の実施が確保されると考えております。
 また、輸入手続の迅速化の面においては、輸入者が輸入の都度、輸入届のために検疫所に来所する必要がなくなりまして、輸入手続に要する時間が大幅に短縮されるとともに貨物の保管経費等が軽減されるものと考えております。
#20
○清水嘉与子君 それでは、時間もなくなりましたので、最後に大臣にお伺いをしたいと思います。
 今日、私たち日本人は量的にも質的にも豊かな食生活を享受することができるようになりました。しかし、自分たちが食べているものが一体どこでとれたものなのか、あるいはどのように加工されてどんな添加物が使われているのか、このまま食べ続けていて本当に障害がないんだろうか、特にこの法律案につきまして質問するに当たりましてよくよく考えてみましたら、本当にわからないことだらけでございます。結局は自分ではどうしようもなくて、業者を信じそしてまた行政にお任せするということにしかならないわけでございます。
 今回の改正をずっと勉強してまいりまして、食の安全性確保のためには一歩前進とも言えますけれども、まだまだ改善すべき点がたくさんあると思います。こういう問題に関して非常に関心を持っている方々もふえております。やっぱり情報の公開でありますとか、あるいは消費者の声をこういった行政に反映させるシステムでありますとか、いろいろな点で改善しなきゃならないと思いますけれども、特にこの食品の安全性確保の問題というのは食品保健行政の中でのもう最大の課題であるというふうに思うんです。
 この問題に取り組む厚生大臣の御決意を最後に伺って、私は質問を終わりたいと思います。
#21
○国務大臣(井出正一君) 輸入食品の増大あるいは食品の安全性の問題の複雑多様化さらには国際化など、食品保健行政を取り巻く状況は大変大きく変化しておりまして、これに対応して総合的な対策を実施することがより重要となってきておるところでございます。
 今回の法改正はそのための基盤を整備しようとするものでございますが、これを実効あらしめるものにするためには、法改正を踏まえて食品の規格基準の整備とかあるいは添加物の安全の確保、さらには輸入食品の監視体制の整備等を図っていくことが重要であろうかと考えております。さらにまた、このほかにも食と健康に関する調査研究を進めることや、あるいは食品保健行政にかかわる情報提供等を推進することも大変必要だと思います。
 これらの点も含めまして、食品の安全確保に対する国民のさまざまな期待にこたえられるよう、そしてまた消費者の皆さんに信頼を抱いていただけるよう、今後とも最大限の努力をしてまいる所存でございます。
#22
○清水嘉与子君 どうぞよろしくお願いいたします。ありがとうございました。
#23
○石井道子君 自民党の石井道子でございます。
 今回の食品衛生法及び栄養改善法の一部を改正する法律案は、大変久しぶりの改正でございます。最近のWTO協定の締結とか、また規制緩和の問題、そしてPL法の施行などに関係をいたしましたそういう背景の中で行われるというふうに思いますが、食をめぐる消費者の関心というものはますます高まっているわけでございまして、このたびの改正は非常に意味があるというふうにも思うわけでございます。
 安全でバランスのよい食生活ということはやはり生命の源でありますし、特に長寿社会におきましては健康志向が非常に高まっておりますから、食品の果たす役割というものは大変重要であると思います。最近は食生活が大変多様化しておりますし、バイオテクノロジーを初めとして新しい技術を利用した食品の開発とか、あるいは輸入農産物に残留いたしますポストハーベスト農業などの問題も指摘をされているわけでございます。
 特に、日本は食糧の自給率が四五、六%と聞いております。そして、その中で食品の輸入件数が八十五万件もあるというふうに聞いていますし、カロリーベースの換算では五四%を依存しなければならないというような状況でございまして、輸入食品の問題というものは大変重要な問題であると思います。輸入先の国々も大変多いわけでございますので、まず輸入食品の検査体制の問題についてお伺いをしたいと思います。
 農薬についても食品添加物につきましても、それぞれ基準の整備を進めていくことは大変重要でございます。ぜひ推進していくべきと思いますが、輸入食品が大変急増している中でございますので、その安全性を確保するということ、そのことがやはり消費者の不安を解消する意味で非常に重要だろうというふうに思っております。そのためにも輸入食品の検査体制の整備を図ることをぜひとも急ぐべきであると思いますが、この点について厚生省として現状をどのように認識していらっしゃいますでしょうか、そして今後どのように整備を図っていくおつもりでございましょうか、お伺いをしたいと思います。
#24
○政府委員(小林秀資君) 現在の輸入食品の検査体制につきましては、従来より食品衛生監視員の増員を図るとともに、高度な検査を実施する輸入食品・検疫検査センターの機能を重点的に整備をしてまいりました。
 今度とも増加が予想される輸入食品の検査体制につきましては、食品の輸入届け出手続及び審査事務の一部を電算化し、食品衛生法違反事例や輸出国からの情報等のデータを蓄積し、これを活用して違反の蓋然性を評価することにより、より厳正な審査を可能とすることといたしておりまして、厚生大臣の命令検査それからモニタリング検査による適切かつ効率的な検査を実施しているところでございます。
 また、食品衛生監視員については、審査事務の電算化による合理化を進めつつ、食品の輸入の増加、モニタリング検査の強化等に対応し、対応可能な人員の確保を図ることといたしております。
 以上のように、今後とも検疫所等の監視、指導体制の整備充実を行い、輸入食品の安全性確保に万全を期すよう努めてまいりたいと思っております。
#25
○石井道子君 次に、残留農薬の基準についてお伺いをいたします。
 残留農薬の基準につきましては、今まで百三の農薬そして百三十の農産物について設定をされているわけでございまして、しかし国内で使用されている農薬は三百種類、そして国際的には七百にも及ぶ農薬が使用されているということでございます。農薬については農薬取締法によりまして規制をされそして農水省で登録をされているわけでございますが、食品への残留基準の策定は厚生省で行っておりますので、お互いに連携をする必要があると思います。
 今回の改正では、農薬の安全性に関する資料について厚生大臣は農林水産大臣に資料提供を求めることができる旨の規定が創設をされております。残留農薬の安全性の問題は消費者が大変関心を持っているわけでございまして、一刻も早くこの基準の整備を進めていってほしいと思っております。
 この点で今回の改正は評価できると思いますが、今後の基準策定をどのようなスケジュールで、どのような農薬を優先的に行っていきますのか、お伺いをしたいと思います。
#26
○政府委員(小林秀資君) 農薬が残留する食品につきましては、残留農薬基準が策定されない限り適切な流通規制を行うことが困難でございますので、残留農薬基準の整備推進が強く求められているところでございます。
 このため今回の法改正により、先生が今御紹介いただきましたように、農林水産大臣に対し農薬農業取締法に基づく登録のため農薬製造業者等から農林水産省に提出された資料のうち、安全性に関する資料等基準策定のために必要な資料の提供等を要請できる旨の規定を設けることといたしまして、今後の残留農薬基準策定の推進を図ることといたしております。
 厚生省といたしましては、本規定の新設によりまして農林水産省との間で資料提供にかかわる具体的なルールを策定するとともに、この規定の趣旨を踏まえた対応を行うことにより、二〇〇〇年を目途に使用量の多いもの等、少なくとも二百農薬程度まで基準を計画的に策定することを当面の目標といたしまして基準策定を推進していく所存でございます。
 具体的な今後の基準策定対象品目につきましては、食と健康を考える懇談会で指摘された使用量の多い農薬や新規に開発された農薬のほか、環境への影響等により国内で販売が禁止されている農薬で諸外国で流通している可能性があるもの、それから外国のみで使用されている農薬などについて優先的に基準を策定したいと考えております。
#27
○石井道子君 きょうは農林水産省にも来ていただいております。農林水産省にお尋ねいたしますが、今回創設されました条文には農林水産大臣に厚生大臣が提出を求めることができると書いてありますが、特に農林水産大臣はこれに応じなければならないということにはなっていないのでございまして、その点についてちょっと確認をさせていただきたいんですが、やはりこのような情報というもの、対策は消費者のためそして国民の健康を守るために大変重要なことでありますから、それを生かすべきであると思います。
 同じ政府の中でございますから実際に問題が生じるということはないとは思いますけれども、今までのいろんな経過を見ております中で心配をする点もあります。そして、農林水産省としては厚生省から依頼があったときは農業の安全性に関する資料がきちっと提出できるということでしょうか、その点について確認をいたしたいと思います。
#28
○説明員(吉村正機君) 側説明申し上げます。
 食品衛生法に基づく残留農薬基準の設定に当たりましては、私ども農産物の安全性を確保する観点から極めて重要なものとの認識に立っておりまして、農林水産省として従来から厚生省と協力、連携を図ってまいったところでございます。
 今回新設される規定は、このような残留農薬基準の設定の際の両省の協力関係を法文上明確にしようとするものであるというふうに認識しております。したがいまして、農林水産省といたしましては、今後とも資料の提供等を通じ残留農薬基準の設定に積極的に協力してまいる所存でございます。
#29
○石井道子君 ありがとうございました。
 次に、検査機関のGLPの導入に関してお伺いをいたします。
 残留農薬の検査など食品の検査は大変高度化されておりますし、検査の適正な実施にはGLPの実施が非常に重要となっております。今回の法改正では、厚生大臣の指定検査機関の指定要件の中にGLPの実施が追加されることは大きな前進であると思いますが、検疫所や保健所などの公的な検査機関へのGLPの導入についてはどのように対処されますか、お伺いをしたいと思います。
#30
○政府委員(小林秀資君) 今回の改正におきましては、検査内容の高度化及び件数の増加、それから国際的動向への整合化に伴って、分析結果の正確性を高め検査の信頼性を確保する必要性が増大いたしております。そのため、指定検査機関の指定要件として検査業務の管理に関する事項、いわゆるGLPでございますが、この事項を追加することといたしております。国や地方公共団体における検査機関においてもこのような検査の精度管理が重要であることは同様でございまして、GLP制度の導入を図っていくことが必要であると考えております。
 公的検査機関、特に地方公共団体の検査機関のGLPの導入については、平成九年四月の地域保健法の施行により保健所の役割や機能の強化等が図られることとされていることから、その施行時期をも勘案しながら円滑に導入できるよう努力してまいりたい、このように思っております。
#31
○石井道子君 国民の健康を守る上で食品の安全性を高めるための基準の設定につきましては、やはり最新の科学的、医学的な知見に基づいて行われるべきであろうと思います。
 先ほど清水議員の方からも御質問がありましたが、調査、試験研究対策につきまして重複をしない部分でお尋ねしたいと思いますけれども、医食同源という言葉があります。食は我々の健康の源でありますと同時に、一方では疾患との関連も出てまいります。
 例えば、アトピー性皮膚炎というものが最近非常に話題をにぎわしておりますけれども、文明病とも言われているアレルギー疾患の一つとして、ある調査によりますと乳幼児の七人に一人が何らかの治療を受けたことがあるという報告が見られるほどになっております。このアレルギー疾患につきましてはさまざまな理由があるとは思いますけれども、患者の年齢層の幅も広がる、そして重症化する傾向にもあるわけでございまして、大変これは当事者としては深刻な問題になっております。
 そこで厚生省としても、食品とアレルギー疾患に関する研究を積極的に推進していくべきと思いますが、現在の取り組みの状況と今後の進め方についてお伺いをしたいと思います。
#32
○政府委員(小林秀資君) 食品とアレルギー疾患に関する研究につきましては、アレルギー性疾患には食品のみならずハウスダストの住環境でございますとか体質的な問題等、さまざまな要因が関係すること。それから、モデルとなる適切な動物が得られない。皮膚疾患でございますから、マウスとかラットを使いますと、この動物自体にもが生えているわけですね、したがってアレルギー反応をそういう動物で見るということ自体大変難しくて、どうやって実験をしたらいいのかというような問題等がございましてなかなか実験が難しい、研究が難しいという面があることは御理解をまずいただきたいと思います。
 しかし近年、アトピー性疾患が今先生御指摘のように社会問題化するなど、重要性が大変増しているということは事実でございます。私どももそう認識をいたしております。
 厚生省といたしましては、平成四年度からアレルギー総合研究事業を行い、食品とアレルギー疾患との関係については、アレルギーの原因となる食品の成分の構造を固定するとともに、これを低減した食品の研究開発を行っているところでございまして、これまでの成果としては、米アレルギー原因物質を除去した米が開発をされたところでございます。
 今後とも、食品によるアレルギー発生機序の解明のための研究を進展させるとともに、低アレルゲン食品の開発のための研究を行うなど、食品とアレルギー疾患に関する調査研究を推進してまいりたいと考えております。
#33
○石井道子君 次に、食品衛生推進員の問題についてお伺いをいたします。
 食品の安全性を確保する上で行政における体制の整備を図っていくことが大変重要であることは言うまでもありませんが、一方では地域における事業者の自主的な努力が大変重要でございまして、それを評価していくことも必要だというふうに思います。この点から、今回の改正におきましては食品衛生推進員の制度化が図られることになりまして、これは大変すばらしいことだと思います。
 そこで、この食品衛生推進員の規定につきましては「飲食店営業者等の食品衛生の向上に関する自主的な活動を促進する」というふうに書いてあるわけでございますけれども、今飲食店営業者といいますと約百四十万施設ぐらいあるということでございまして、それ以外の食品営業に関する方々というのは百万ぐらいの業者がいらっしゃるということを聞いておりますが、そのような点で食品関係は飲食店営業者だけではなくて、食品衛生上重要なさまざまな業種の方々がほかにも大勢地域で活躍をしております。このような方々も当然食品衛生推進員の委嘱や活動の対象となるというふうに解釈してよろしいのでしょうか、お伺いをいたします。
#34
○政府委員(小林秀資君) 食品衛生推進員に関する改正法案第二十八条の二において飲食店営業が規定されていますのは、現行法第二十条の規定と同様、飲食店営業が食品衛生に与える影響が大きいことからこれを例示したものでございまして、食品衛生推進員の委嘱や活動の範囲を飲食店営業に限定する趣旨ではございません。
 すなわち、食品衛生推進員については「社会的信望があり、かつ、食品衛生の向上に熱意と識見を有する者」とされておりまして、委嘱の具体的要件は都道府県知事等が定めることになりますが、当然飲食店営業者に限らず、他の営業許可職種、業種を含め幅広く委嘱の対象とすべきであるとありまして、また相談、助言等の活動の対象についても、飲食店営業のみならず他の食品営業者も含め地域における食品衛生の向上のために活動を広く行っていただきたい、このように思っています。
#35
○石井道子君 次に、栄養改善法の改正についてお伺いをいたします。
 今回の改正で食品に対する栄養表示基準制度が創設されることになりましたが、食品の栄養表示に関しては、昭和二十七年に栄養改善法が制定されましてから初めての法改正と聞いております。
 栄養表示基準制度の導入は、現在のように加工食品が大変ふえてきている中で、消費者がみずからの健康を考えて食品を選択する上で価値ある情報を提供する仕組みをつくるものである、そしてそういう意味では大変意義があるというふうに思います。
 この制度を実効あらしめるために幅広く基準づくりをするべきと思いますけれども、この制度の運用に当たっては今後どのように進めていくお考えか、お伺いをしたいと思います。
#36
○政府委員(小林秀資君) 栄養表示基準制度におきましては、カルシウムやビタミンなど栄養成分等について何らかの表示をしようとする場合には、その栄養成分だけでなく、たんぱく質、脂肪、塩分など国民栄養上重要な栄養成分及びカロリーについても表示を義務づけることといたしております。
 また、ビタミンA強化あるいは低脂肪、低カロリーなど国民栄養上重要な栄養成分に関する強調表示を行おうとする場合には、その強調表示をする上で必要な栄養成分の含有量等に関する基準を定め、基準に合致している場合にのみ表示できることとすることにしております。
 具体的な基準の策定については、法成立後関係者から幅広く意見を聞いた上で公衆衛生審議会に諮って定めることとなりますが、いずれにせよ栄養表示の基準については、消費者が食品を選択する際に適切な栄養情報を得ることができるような基準となるようその設定を推進したいと考えております。
 また、本制度の創設に伴い、規制緩和の一環として栄養強化食品の表示の許可制度を廃止することといたしております。食品関係営業者は、今後、個別の許可を要することなくみずから栄養表示基準に従い適切な表示を行っていただき、これに従わない場合のみ厚生大臣による指示、公表がなされることとされているので、運用面においても営業者に過重な負担を与えることなく栄養表示の適正が図られるよう努めてまいりたいと思っております。
#37
○石井道子君 最後に、大臣にお伺いをします。
 食品の安全性の確保の問題は、いろいろと質問をさせていただきましたけれども、これで完璧ということはないと思います。今回の改正は二十三年ぶりということでございまして、厚生省の食品保健の推進にかける意欲は大変高く評価をするところでございますが、また残留農薬を初めとする各種の規格基準の整備とか、あるいは輸入食品の検査体制の整備などにつきましては完全ではないというふうに思いますし、いろいろと残された課題もかなり多いわけでございます。
 今後とも、この改正にとどまることなく、引き続き、国民の食の安全性を守る立場から、制度の運用も含めましてしっかりとやっていただきたいと思います。その点についての大臣の御決意のほどをお伺いしたいと思います。
 以上で質問を終わります。
#38
○国務大臣(井出正一君) 先生御指摘のとおりだと考えます。国民が生涯を通じて安心し活力を持って暮らすことができる社会づくりを進めてまいります上で、食品の安全を確保することは大変重要であります。
 今回の食品衛生法及び栄養改善法の改正法案は、輸入食品の増大や食品の安全性の問題の複雑多様化あるいは国際化といった諸状況の変化に対応して、食品保健行政を二十一世紀に向けて展開する基盤を整備するものであると考えております。
 厚生省といたしましては、この法改正を踏まえまして、引き続き、残留農薬基準などの食品の規格基準の整備、さらに輸入食品等の監視体制の充実、また食品の安全性に関する調査研究の推進など、国民の健康の確保を第一に考える見地から総合的な食品保健対策に取り組んでいきたいと考えております。
#39
○日下部禧代子君 最初に、先ほど清水委員からも御質問がございましたけれども、EUが日本製のすべての水産食品を輸入禁止いたしました件につきましてお伺いしたいと思います。
 その理由といきさつということは先ほど清水委員の御質問でわかりました。私が引き続き御質問したいのは、日本とEUとの衛生管理基準の違いあるいはチェック方法の違いというものがあるのかどうかということでございます。それと、EUが定めた衛生管理基準を満たしている工場で日本は水産加工品が生産されているはずでございますが、一体日本側の調査というのはどのようになされているのか、EUの方が指摘したとおりの理由を日本側としても認めざるを得なかったのかという二点について質問いたします。
#40
○政府委員(小林秀資君) まず、EUが求めている加工場の要件ということのお話を申し上げたらよろしいかと存じますが、向こうはもうHACCPというものを制度として導入いたしておりまして、したがいましてEUとしてはこういうところをチェックしていただきたいというのを、言っているわけであります。
 例えば、魚の消毒については塩素を使いますが、その塩素については濃度は何ppm以下にしてほしいとか、それから魚を納入してくるトラックが工場の人口のところにぴたっと入ってよそからごみや何かが入らないような、そういうゲートを設けてほしいとか、いろいろ原材料が汚染をされないような方法だとか、それからあとは作業衣ですね。こういう着ている作業衣でございますが、普通日本ですと、ロッカーへ行って中でそこの工場の作業衣に着がえるだけと。そういたしますと、自分が着ていった衣類と工場で使う作業衣がそこのロッカーでひっつくわけですね。ところが、向こうの指摘はそういうことではなくて、作業衣は別のところで会社が用意したものをきちっと着てください、こういうような厳しい基準で製造過程全般について食品が汚染されることのないようにという細かいチェック事項が入っているわけでございます。
 ところが、日本では従来から、製品を最後のところでこれが無菌的であるようにとかそれが清潔に保たれているということをチェックしてまいりましたから、食品の製造に対する基準というんですか考え方が、従来の日本でやっているものとHACCPとは違うわけであります。
 ただ、今回の場合は、そのEUの承認用件に対して手を挙げたところがあって、そこに対してEUの査察が入りまして、そこがEUの指摘されるようなことを、最初本人たちが手を挙げているから当然その要件を守っていなくちゃならないにもかかわらず守れていなかったのがあるというのが今回の措置につながったわけでございます。
 ただ、新聞等に言われているように、じゃ向こうが指摘したことが全部こちらの方で反論できないかというと、そういうことではない。例えば冷凍庫をあげなかったという話もございますけれども、それについては、どうもこちらから職員がついていってはいるんだけれども、そこについてはほんの一言聞かれたような感じに見えた、だからそれに対して言ったらそれは拒否ととられて、そして何か向こうの担当の方が言ったらそれだけでもってもう拒否をされたと言われてしまったというようなこともあるように聞いております。
 いずれにいたしましても、向こうの言っていることが全部当たっているわけではないし、こちらとしても一生懸命やっているところもあるのでそういう技術約な問題の詰めからきちっと入るべきだ、このように考えておるところでございます。
#41
○日下部禧代子君 今の御説明、わかった部分わからない部分ともう少し御説明を聞きたいところでございますが、きょうは時間がございませんので。
 いずれにいたしましても、一たんEU側が不衛生だというふうなことを指摘したということは、これは国内向けの食品に対してもやはり非常に疑いの目を私たちが持ってしまうということもございます。そしてまた、国際的にも日本の水産製品が非常に不衛生であるというふうな評判ということにもつながってしまうおそれがございます。いずれにいたしましても速やかな解決をしなければならないものだというふうに思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
   〔委員長退席、理事菅野壽君着席〕
 ところで、今回の食品衛生法の改正についての質問に入りたいと思うのでございますが、現在、私たちの周囲というのは非常に多種多様な食品に満ちあふれているところでございます。それは生活の豊かさの象徴と言うことができると思います。しかしながら、この食べ物は一体農業は大丈夫なのかしら、あるいは放射線に汚染されているんじゃないだろうか、添加物はどうだろうか、そういういろいろな不安というものも一方では次第に強くなっていくと思うわけでございます。それと同時に、それはまた食品行政に対するある意味での信じられない部分というものもその根底にはやはり根強く存在しているということも言えると思うんですね。
 そのような状況に対しまして、国民が安心して毎日の食生活が送れるような責任を厚生省は持っていらっしゃるわけでございますが、行政の責任者として厚生大臣は、このような国民の不安あるいは食品行政に対する不信感というものを払拭するためにこれからどのような御努力をなさろうとしているのか、そしてまた今の現状というものをどのように認識なさっているのか、その点大臣の御見解をまず承りたいと存じます。
#42
○国務大臣(井出正一君) 厚生省といたしましては、これまでも食品の安全性確保のために最大限の努力をしてきたところではございますが、残念ながら先生が今御指摘のように、国民の皆様方が食生活に対し十分な安心を抱いていらっしゃるというところにまで至ってはいないのではないかという懸念を私は持っております。
 その原因としてでございますが、過般、食と健康を考える懇談会からも御指摘をいただきました。それによりますと、科学的に安全性を示す資料等の情報が消費者の要望にこたえられるほど十分にかつ利用しやすい形で提供されていないんじゃないか、あるいはこれまで食品に関しては事件性に着目して報道され、背景にある科学的安全性についての体系的な情報提供に欠ける傾向があったんじゃないか、こんな点を指摘されておるところでございます。
 したがいまして、国民が安心して食生活を送れるようにするためには、引き続き食品の安全確保対策の整備充実を測ることはもちろんでございますが、食品の安全性に対する疑問や不安に対しまして、一般の消費者の立場に立ってわかりやすく科学的な情報提供を積極的に行わなくちゃならぬと思いますし、あわせて消費者の御意見も十分に伺っていく必要があろうかと思っております。
#43
○日下部禧代子君 今、大臣は、情報公開あるいはまたさまざまな場面において消費者の参加ということも必要であるということをおっしゃっていただきましたけれども、やはり私もそれが非常に重要なことだというふうに思うわけでございます。
 それは、食品の規格基準等の制定過程、やはりその辺から消費者側の発言の機会というものを十分に確保することが必要だろうというふうに思いますし、あるいはまたさまざまな問題が起きたときに総合的な相談窓口ということもまだまだ不十分だというふうに思います。また、いろいろな事件などが起きた場合に消費者の不満といったものをどのように行政が吸い上げて、そしてそれにきらんと対応していくかというふうな手段、場所、そういったものもまだまだ私は十分とは言えないのではないかというふうに思うわけでございます。
 ですから、消費者の側としては、何か問題がございますと、署名運動だとかあるいは裁判だとか、そういうことで消費者の気持ちを訴えるということしかできないような現状もこれは認めなければならないというふうに思うわけでございます。そしてまた、審議会などにおきましてもいわゆる専門家という方々がその中には入っていらっしゃいますけれども、消費者サイドからの代表というものが今までさまざまな食品衛生関係の審議会において入っていなかった、参加が不十分であったということもこれは事実だというふうに思うわけでございますね。
 例えば食品衛生調査会などにおきましても、今後消費者の代表をお入れになるのかどうか、そういうことも含めまして、今大臣のおっしゃいましたことをより具体的に、厚生省の御意向としてお示しいただきたいと存じます。
#44
○政府委員(小林秀資君) 食品保健行政に消費者や生産者など広範な国民の意見を反映させることが重要であると私も考えております。今回の法案策定に当たっても、消費者団体からの意見を広くお伺いするなど努力をしてまいりました。今後も、法改正を契機といたしまして、食品衛生調査会について消費者の意見をより取り入れられるよう、広い範囲の学識経験者の中から委員等の委嘱を行うなど、さらに努力してまいる所存でございます。
 また、食品衛生調査会の審議に用いた資料等の情報公開についても、知的所有権等に配慮しつつ可能な限り対応することとし、さらに諮問、答申等の状況について説明の場を設けるなど、十分な情報提供に努めてまいりたいと思います。
 また、消費者等に対して食品の安全性に関しわかりやすく体系的に適切な情報提供を行い、またその相談にこたえる食品安全情報等事業を実施することといたしておりまして、その円滑な実施をしてまいりたいと思っております。
#45
○日下部禧代子君 そのようにお努めくださるという御意思はもう大臣のお言葉でわかります。しかしながら、先ほど申し上げたのは、それをどのような形でというより具体的なことを私はお聞きしたわけでございます。
#46
○政府委員(小林秀資君) 従来からも食品衛生調査会の審議に用いられました資料等については、審議がすべて終了した後で原則として閲覧可能な状況として取り扱ってまいりましたのですが、審議の途中でも公開をしてほしい、例えば調査会の最終結論の前に資料提供をしてほしいという御意見もございましたので、我々の方としては、今後は調査会の審議が終了した後でなく、部会報告など中間的な取りまとめを行った段階で可能な限り関係資料を公開することについて積極的に検討してまいりたい、このように思っておるところでございます。
#47
○日下部禧代子君 やはりお答えとしては私が質問した具体性というものに非常に欠けていらっしゃるというふうに思うわけですね。
 例えば、相談窓口というのは一体どういうふうなところにどういうふうにつくるのかとか、それから今私が申し上げました食品衛生調査会を初めとする審議会などにも必ず消費者は何名程度入れますとか、そういうふうなこともきちんとお答えしていただかないと私の質問に対する答えにはならないというふうに思うわけでございます。そういう点でのお答えはまだ御用意なされませんか。
#48
○政府委員(小林秀資君) まず、食品衛生調査会に消費者の代表を入れるということについては我々の方も十分検討をいたしておりますが、まだ人数をどうするのかというところの検討まで進んでいないという段階でございます。
 それから、食品安全情報につきましては、社団法人であります食品衛生協会の方に予算をつけて相談事業だとか情報提供事業をお願いしていただくように考えております。
#49
○日下部禧代子君 私の質問に対してお答え、私としてはまだ十分だというふうに申し上げることはできないのでございますが、この問題だけをやっておりますと私のいただいた時間が全部なくなってしまいそうでございます。したがいまして、このような私が今申し上げましたこと、厚生大臣がお約束くださいましたことをより具体的に実行していただくために、これからも機会あるごとに申し上げさせていただきたいし、チェックさせていただきたいというふうに思います。ぜひとも実行していただきたい、そのことを強く要望しておきます。
 それで次に、今度の食品衛生法の改正というのは二十三年ぶりでございますね。今回の法改正の動機というのは、SPS協定の批准による国際基準、いわゆるコーデックス食品規格へのハーモナイゼーションというふうに言われております。もちろんそれだけではないというふうに思いますけれども、国民の食品に対する安全性への危惧、それから食品行政に対する不信感の払拭ということも今回の法改正のねらいであるというふうに思っております。
 だとすれば、なぜ今まで食品衛生法の改正が二十三年もなされなかったのかということもいささか疑問になるわけでございます。今回の改正がただ単にハーモナイゼーションだけではないということであれば、国際条約とか国際協定というふうないわば外圧を受けるような形で改善が進められるというだけではない、そういう改正ということも私はもっと前に考えるべきではなかったかなという気も強くするわけでございますが、この辺の事情につきまして政府の御説明をいただきたいと存じます。
#50
○政府委員(小林秀資君) 今回の食品衛生法等の改正の背景といたしましては、先生が御指摘のWTO協定の問題もあるわけでございますけれども、それだけではなく、輸入食品の増大ですとか残留農薬、天然添加物など食品の安全性の問題の複雑多様化、それから政府がお約束いたしています規制緩和の推進、それから製造物責任法の施行等、食品保健行政を取り巻く環境が変化してきたことを背景とするものであります。
 今回の改正は、こうした諸状況の変化に対応して、天然添加物について指定制度の導入を図る、それから残留農薬基準の策定のための資料収集体制の強化を図る、それから食品輸入手続のコンピューター化等輸入食品監視体制の効率化を図る、それから先ほどありましたHACCPですが、総合衛生管理製造過程に係る承認制度の導入、それから営業許可の最低有効期間の延長、栄養成分等の表示基準制度の導入等を行うものでございまして、これにより二十一世紀に向けて食品保健行政を総合的に推進するための基盤を整備できるものと考えております。
 このように、今回の改正はWTO協定に対応するため国内基準を緩和することを目的とするものだけでなく、今後とも国民の健康確保を第一として食品保健行政を推進してまいりたいと思っております。
#51
○日下部禧代子君 そこで、食品衛生法の目的規定というものを見ますと、「飲食に起因する衛生上の危害の発生を防止し、公衆衛生の向上及び増進に寄与すること」というふうになっております。食品衛生法というのが食品保健行政の中で一体どのような位置を占めるのかという問題でございます。法の対象を衛生上の危害ということに限定いたしますと、食中毒とか伝染病による危害の発生を防止することのみが食品衛生法の目的と見られてしまうおそれがないのかなという問題がございます。そのことが食品保健行政の守備範囲を狭めるように誤解され、消極的に運用されるということもあるのではないかというふうな気がするわけでございます。
 近年の化学物質による生活環境の汚染とか、特に添加物とか農業による食品公害というものに対して食品保健行政が有効な措置を講することができるのかどうか、このような観点からこそ食品衛生法の目的規定が書かれねばならないというふうに思うわけでございますが、この点に関しまして厚生省いかがでございましょうか。
#52
○政府委員(小林秀資君) 添加物や残留農薬については、従来より国民の健康確保を第一にその安全性について科学的に厳格に対応してきたところでございます。
 食品衛生法の目的規定の中に「飲食に起因する衛生上の危害の発生を防止」とありますのは、食中毒のみならず、例えば添加物や食品中に残留する農薬を長期間摂取した場合の安全性の確保等を含む幅広い概念であると考えております。
 今回の改正においても、添加物や農薬について、天然添加物への指定制度の導入、残留農薬基準策定推進のため資料収集規定の整備を盛り込んでおり、今後とも食品添加物、残留農薬問題を含め、食品の安全性確保を最優先として適切に対応してまいりたいと思います。
 それから、先ほど答弁した中で最後のところ、少し答弁を間違えたようでございまして、訂正をさせていただきたいと存じます。
 今回の改正はWTO協定に対応するために国内基準を緩和することを目的とするものではなく、今後とも国民の健康確保を第一として食品保健行政を推進してまいりたいと思います。
#53
○日下部禧代子君 今回の法改正で食品添加物の指定制度というものが一体どうなるのか、特に食品添加物の指定手続のためのガイドラインというものはどうなるのかということもお聞きしたいのでございますが、その場合に食品添加物の規格基準ということがどうなるのか。
 それと加えまして、特に天然添加物の規制ということでございますが、天然香料については指定制度から除外されておりますね。しかしながら、天然香料を抽出する際に用いられる有機溶剤というものが危険だというふうに言われているわけでございますが、その問題。例えばメタノールなどですと経口中毒を引き起こすというふうなことも言われているわけでございますが、この点も含めまして添加物の指定制度の問題についてお答えをいただきたいと思います。
#54
○政府委員(小林秀資君) 食品添加物の新規指定等に関するガイドラインにつきましては、指定手続等の迅速化及び透明化を図るため、平成五年三月、食品衛生調査会にその策定を諮問したところでございます。
 その具体的な内容については本年度中に成案を得ることができるよう、現在、食品衛生調査会において審議されているところでございますが、新規指定添加物の要請の手続、要請に添付すべき資料の範囲、それから安全性試験の標準的な実施方法等から成るものと承知をいたしております。
 また、天然添加物の指定制導入に伴う天然香料の取り扱いにつきましては、長い食経験があること、欧米諸国でも指定制度から除外されていることなどから指定制を導入する必要はないと考えております。また、香料として使用する量は極めて微量であることから、天然香料により人の健康確保に問題が生じることはないと思っております。
 ただ、先生御指摘の天然香料の抽出等に用いました溶剤の残留についてでございますが、学会報告等の情報収集を現在行っているところであります。厚生省としてはこれらの情報を取りまとめ、必要があれば法第七条一項に基づき基準を策定する等、適切な方策を講じてまいりたいと存じます。
#55
○日下部禧代子君 次に、輸入食品の検査体制でございますが、今回、大体が食品衛生上の危害を防止するために必要があると認めた場合に限って輸入業者に検査を受けるように命ずることができるということでございますと、輸入食品の検査の迅速化ということが検査体制の弱体化ということにつながるようなおそれがないかということを私たちは思うわけでございます。
 例えば、輸入食品についてサンプリング検査ということだけになるそうでございますが、もしそのサンプリング検査で食品衛生法違反ということが明らかになった場合に、市場からの回収というものは適切に行われるのでございましょうか。その点も含めまして簡潔にお答えいただきたい。
#56
○政府委員(小林秀資君) まず、輸入食品の輸入検査につきましては、過去の違反事例や輸出国からの情報等を勘案して、違反の蓋然性の高い食品については全数検査を実施いたしております。その他の食品についても科学的かつ計画的にモニタリング検査を実施いたしているところでございます。
 また、検疫所におけるモニタリング検査または都道府県等の検査により、国内で流通する輸入食品について食品衛生法に違反する事例が発見された場合には、都道府県において違反食品を適切に措置するとともに、厚生省では必要に応じ、まず関係する都道府県に対し食品衛生法違反のおそれのある食品の検査の実施を指示し、違反するものについては廃棄等の必要な措置をとることとしております。また、全国の検疫所に指示を行い、その後輸入される同種の食品に関し検査を強化するなど、適切な措置をとることといたしております。
#57
○日下部禧代子君 この食品衛生法の施行に対しまして、一番最初に申し上げましたように消費者の発言の機会、その場を十分に確保するということ、そしてまた情報公開を十分にするということ、これは何度申し上げても大変量要なことだというふうに思います。
 そのことを含めまして大臣の御決意を承りたいのでございますが、それと同時に、今問題になっております水俣病の公式発見からこの五月で実に四十年目でございます。未認定の患者の方々の多くはもう高齢でいらっしゃいます。やはりここの時点で政治的な決着ということが待たれているというふうに、もうその時期が来ているというふうに思います。
 そのことも含めまして大臣の御決意をいただきまして、質問を終わりたいと存じます。
#58
○国務大臣(井出正一君) 食品保健行政への消費者の参加の問題についてでございますが、先生御指摘のとおり、消費者やあるいは生産者など広範な国民の意見を反映させることは大変重要だと考えております。
 したがいまして、今回の法案策定に当たりましても、消費者団体等から広く御意見を伺うなどの努力をしてきたつもりでありますが、今後も食品衛生調査会につきましては、消費者の御意見をより取り入れられるよう、広い範囲の学識経験者の中から消費者代表といった立場の方にもなっていただくよう考えてまいりたいと思いますし、食品保健行政に係る情報の提供をさらに一層進めまして、消費者の皆さんの不安や疑問を払拭できるよう努めてまいりたいと思います。
 さらに、水俣問題の解決でございますが、本当に大変長い時間を費やしておりますし、その関係の皆様方の苦しみも私もよく理解できます。政府として解決しなくちゃならぬ最重要課題の一つだと私も心得ております。
 過般、閣議の後の懇談会でもいろんな大臣の皆様方から、この問題をもうこの際ひとつやろうやというような御意見もかなり活発に出ました。ただ、今国が被告となっておるといった難しい点もあることも事実でございます。環境庁長官も、そういったいろんな意見を踏まえて、しばらく任せてくれと、こんな御発言で閣議後の懇談会はこの間は終わっておりますが、今たまたま連立与党のプロジェクトチームでも何とかこの時期に一つの方向を見出そうと議論をしてくださっておられますから、これを踏まえながらまた関係各省とも御相談して、できるだけこの問題、もういつまでもだらだらということのないようにやっていかなくちゃならぬ、こう考えております。
#59
○日下部禧代子君 よろしくお願いいたします。
#60
○清水澄子君 まず最初に、今回の食品衛生法改正の趣旨についてお尋ねいたします。
 食品衛生法は一九四七年、昭和二十二年に制定された法律でございます。言うまでもありませんが、戦後間もないこの時代の衛生状態は非常に悪くて、赤痢とか疫痢などの伝染病がはやっておりまして、食品の腐敗防止そして衛生的な取り扱いが大きな問題であったと思います。したがいまして、食品衛生法の第一条の目的は、まさにその時代を、反映した飲食に起因する危害の発生防止と公衆衛生の向上と増進にあるわけですけれども、それはそのときの時代に沿ったものだったと思います。
 その後の食品衛生法の改正は、食品添加物の規制の強化とか残留農薬の基準の設定などの食品の安全性を問題とするものへと変化を見ています。これは加工食品それから輸入食品の増大による食生活の変化に対応した改正であると思います。そして今回の改正は、WTO協定の締結を背景とする国際化の中での食品の安全性の確保を目的とするものだと私は認識しております。
 そこで、食品衛生法の法目的についてでございますけれども、今申し上げたように食品衛生法の目的は、半世紀、五十年を経過する中で、公衆衛生から食品の安全性へとシフトしていると思うわけです。にもかかわらず、この食品衛生法第一条は、「飲食に起因する衛生上の危害の発生を防止し、公衆衛生の向上及び増進に寄与することを目的とする。」と、昭和二十二年以来の法目的のままになっております。
 今回の法改正に当たって、なぜ食品の安全という今日的な目的を明記しなかったのでしょうかというところを私はお伺いしたいわけです。そしてまた、公衆衛生と食品の安全は異なる概念だと思うわけですけれども、仮に公衆衛生の中に食品の安全が含まれているのだとすれば、それはどのような形で食品の安全が含まれるのか、お尋ねいたします。
   〔理事菅野壽君退席、委員長着席〕
#61
○政府委員(小林秀資君) 食品の安全を確保し、国民の健康の保持、増進を図ることは重要でございまして、今回の改正もこうした観点から行おうと考えているものでございます。
 しかしながら、法律の目的規定につきましては、現行の目的規定の中に「飲食に起因する衛生上の危害の発生を防止」とありますのは、食品のみならず器具や容器包装などによる衛生上の危害の発生防止を含む趣旨でございまして、食品の安全より広い概念であること。また、「公衆衛生の向上及び増進に寄与する」とは、憲法第二十五条の規定を受けたものであり、国民の健康の向上、増進を当然に含んだ概念である上、憲法との関係を明確にするという観点からも現在の規定が適当であること等から御指摘の改正は行わないものとしたものでございます。
#62
○清水澄子君 それほど憲法二十五条を前提にされるのであれば、今日的な食品の安全によって国民のさらなる健康増進を図るというのを入れられるとより明確になると私は思いますが、とにかくそれは、現在は厚生省はそういう見解でしょうが、現実のものに即していないということは事実だと思います。
 公衆衛生はあくまで全体的な保健衛生を対象としたものですし、食品の安全というのは個々の食品等の安全性の確保でありますし、それは国民の健康はもとより、次の世代の健康にもかかわる非常に重要な食品安全行政の性格が今日変わってきていると私は思うわけです。
 そして、それはまた消費者の権利がそこに本来ならば規定されなければならない問題だと思いますが、ここでは私は、むしろこれから厚生省はそういう法目的について今後検討していただくことを要望いたしておいて、当面はこの食品衛生法の運用の面で、国民の健康を守るという食品の安全性の確保の立場から積極的な行政を展開していただきたいと思うわけですけれども、その点を大臣、お約束いただけるでしょうか。
#63
○国務大臣(井出正一君) 先生御指摘のように、この法の運用におきましては、食品の安全の確保あるいは国民の健康の保持増進を図るということは大変重要なことであると思います。
 したがいまして、今回の改正法案でも、食と健康をめぐる諸状況の変化に対応して食品保健行政を二十一世紀に向けて展開する基盤を整備しようとするものでございまして、天然添加物への指定制度の導入とか、あるいは残留農薬基準策定の推進のための資料収集規定の整備とか、さらには輸入食品の監視体制の充実を進めていこうとしておるものでございます。
 今後とも、厚生省として食品の安全性の確保、国民の健康の保持増進を最優先として運用に努めてまいりたいと思います。
#64
○清水澄子君 ひとつ私どもの要望にこたえてくださることをお願いしておきます。
 次に、残留農薬基準についてでございますが、今回改正の第七条の二についてですけれども、残留農薬の基準を定めるに際して農林水産大臣に資料等の協力を求めるということになっているわけですけれども、厚生大臣の権限として、食品の安全を求める立場からなぜ農林水産大臣に対して資料の提供を求めるとならなかったのか。協力を求めるというので、それでいいんだということかもしれませんが、法律を読んでみますと、求めるのならばなぜ資料の提供を求めるとできなかったかなと、こう思うんですが、その点はいかがでしょうか。
#65
○国務大臣(井出正一君) 一般に、ほかの省庁の大臣に対して義務を要請するというのは法制上もなじみませんし、やはり内閣一致の原則がございますから十分私はこの規定で目的が達せられると思いますし、またあるいは、ちょっと先生そんなことまでお聞きになっていらっしゃらないかもしれませんが、業者に直接厚生省の方へ資料提供ということを義務づけてはどうだというような意見もないことはないようでありますが、これは二重の負担を業者に強いるという意味で、農水大臣から十分な御協力が得られるという意味ではこれで十分じゃないかなと思っております。
#66
○清水澄子君 それでいいのであれば、ぜひそれを効果的に実効的に活用していただきたいと思います。
 そこで、食品衛生法による残留農薬基準は一九六八年、つまり昭和四十三年に初めて五つの農薬について策定されたと思います。現在はこれが百三農薬とふえているわけですし、それからコーデックス委員会の基準は百二十農業があって、そして国際的に使用されている農薬というのは約七百種だと言われているわけです。
 そこで、輸入農産物の増大によってコーデックス委員会の基準も拡大されるでしょうし、結果として食品中の残留農薬が今後ふえていく。それで、私たちの体に摂取される農薬の種類と量が非常に今後ふえていくのではないかという心配を持っております。今日、消費者団体を初めとして残留農薬の規制を求める声というのは非常に高くなっておるわけですが、これは食品の安全性を求める観点から私は極めて当然のことだと思っています。
 そこで厚生省は、国内及び海外で使用されている農薬について、残留農薬基準がまだ末設定のものについては早急に基準を策定して、そして残留農薬にも現在食品添加物の規制で導入されているポジティブリスト制を取り入れるべきだと、私はこのように考えます。
 この点について厚生省はどのような見解をお持ちなのか、それをそういう方向に持っていくためにはどのような条件の整備が必要と考えていらっしゃるのか、お尋ねしたいと思います。
#67
○政府委員(小林秀資君) 我が国はカロリーベースで六三%の食品を海外に依存いたしておりますし、また農産物に使用を認められている農薬は、先生今御指摘のとおり世界で約七百と言われております。一方、食品衛生法上の残留農薬基準は現在、百三農薬しか設定をされておりません。このような現状において、基準が未決定の農薬が残留する食品の流通を一律に禁止しますと、国民への食料の供給が極めて困難になること、国際的にも完全なポジティブリスト制を採用している国は主要国ではアメリカのみ承知をしていることから、現時点ではポジティブリスト化への移行は困難と考えております。
 また、将来的にポジティブリストに移行すべきではないかということにつきましては、二〇〇〇年を目途にまず二百農薬まで基準設定を行うことを当面の目標としているところであり、世界には約七百の農薬があると言われていることや、ポジティブ制を採用している米国は食糧自給国でありますということ、また基準も三百農薬程度を策定しているなど、将来的なポジティブリスト制への移行を現段階で判断するのは種々難しい問題があると思っております。
 いずれにいたしましても、将来相当程度の基準を策定した段階で、国内外で使用される農薬数の推移、それから残留農薬規制の国際的な動向、それから我が国の食糧自給の程度などを勘案いたしまして検討すべき課題の一つと考えております。
#68
○清水澄子君 それでも、ようやく検討をする課題というふうに明言していただいたことを私は評価したいと思いますが、その実現のためにぜひ努力をしていただきたいと思います。
 次に、この食品衛生法による残留農薬基準設定についての考え方ですけれども、ここでは、農薬を摂取し続けても安全上に問題を及ぼさないという動物実験による毒性評価に基づいた残留基準の一日の摂取最、つまりADIを根拠としておりますね。しかも、厚生省はこのADIを超えないことを指標とするとしておられると思います。
 しかし、ADIによる残留農薬の一日摂取許容量の対象というのは農産物だけになっていまして、私たちの食べる食物は畜産物も魚介類も加工食品もいっぱいあるわけですね。さらに、飲料水やそれから殺虫剤や農業の空中散布、今いろんな意味で大気中に含まれる残留農薬というものも無視できないわけですけれども、そういうものは含まれておりません。このような実態のもとでADIを絶対の基準評価に、本当にこれをそういうふうに考えられるのかどうか。
 また厚生省は、この飲料水や大気中に含まれている残留農薬についてどのような実態にあるか調査をなさっておられるのかどうか。これは環境庁の仕事だとおっしゃるのかもしれませんけれども、そういう縦割り行政だけでは絶対に食品は安全と、このADIの基準を根拠にしたもので安全だとは私は言い切れないと思います。
 ですから、そういう意味で農産物の残留農薬基準の策定に当たっては、ADIの対象になっていない飲料水、大気中のもの、そしてそのほかの対象物などを勘案する必要があると思いますが、これらについて厚生省はどうお考えでしょうか。
#69
○政府委員(小林秀資君) 残留農薬基準の設定に当たりましては、農薬摂取量が科学的な安全レベルである一日摂取許容量、いわゆるADIを上回ることがないように国際基準等を参考に設定をいたしております。
 このADIは、ラットや犬を用い、各投与最ごとに雄雌のグループに一年あるいは二年間投与し、投与した農薬がいずれの動物にも何らの作用を及ぼさない量、最大無作用量といいますが、を求め、さらにその最に安全係数として通例百分の一を乗じて求められております。
 それで、残留農薬基準の設定に当たりまして、農薬の摂取量を試算する際には水や大気からの摂取量を勘案しているのかということでございますけれども、現在のところは勘案をいたしておりません。
 しかしながら、試算した農薬の摂取量、理論最大一日摂取量とADIの間には通常余裕を持たせておりますこと、二番目に、理論最大一日摂取量は、当該農薬の基準が設定されている農作物すべてについて基準値の上限まで農業が残留したものをすべて摂食したと仮定した場合の試算値であること、三番目に、ADI自体が長期の動物試験において何ら作用を及ぼさない量、最大無作用量に通例百分の一の安全係数を掛けていることから、水や大気からの農業摂取量を勘案しても人の健康確保に問題があるとは考えておらないところでございます。
 なお、調査をしているのかというおただしもございましたが、水道水の水質基準等では農業関係のところについて調査をしたものがございます。
#70
○清水澄子君 そのところ、大変私は論議したいところですが、次に進みます。
 私は、毒性評価という一般的な統計の数字を平均したものではなかなか個々の製品などにそれは当てはまらないものも出てくると思います。農業のスミチオンなどは水道水にもまた食品中にも残留しておるわけですけれども、スミチオンの場合などは、食品と水道水の残留農薬基準を合計しただけでもADIの九六%に達しているのが現状です。
 水、空気それに食品中の残留農薬を積算して安全性の根拠とするADIを超えた場合に、それは厚生省としてはどのように対応されるおつもりでしょうか。
#71
○政府委員(小林秀資君) 今先生がおっしゃられましたようにフェニトロチオン、いわゆる商品名スミチオンにつきまして、いろいろ摂取をいたしますとADIを超すようになるんではないのかというおただしと、超したらどうするのかというおただしてございましたが、我々の力でも試算をいたしましたが、このフェニトロチオンを飲食以外に水等からもとることを計算いたしましてもADIを超えるような数値にはなりませんでしたことをまずもって報告したいと思います。
 ただ、ADIを超える場合があったらどうするかということでございますが、このADIの数値は、その数値を一生涯とり続けてもADIの値では安全である、こういうことでございますので、一過性にADIを超えたから即それでは健康被害が生ずるということにはつながらないわけでございます。
 ただ、ADIを超えるような数個になったということは行政当局としては何らかの措置をとる必要があるということについては論をまたないことだと思いますけれども、ただそのこと自体が即健康被害につながるというふうには我々は考えておらないし、また行政当局もADIを超してそのまま放置するということを考えるわけでもございません。
 まだ実際には一〇〇を超していないということを御報告したいと存じます。
#72
○清水澄子君 それでは、食品衛生法による残留農薬基準の考え方というのは、農業の単品についての積算としてADIを設定していると思うんです。厚生省は、二種類以上の農業についての相加毒性とかまた相乗毒性についてはどのような考え方を持っておられるのでしょうか。
 結局、食品に含まれる物質の健康影響評価というのは、これからはやはり相乗作用とかそういうものについてもっともっと私は調査研究体制を独化していかなければならないと思いますし、そのためにはこれからはむしろ新しいいろんな研究体制が必要になると思いますから、予算の増額や地方の試験研究機関の拡充とか非常にそういうものが必要になってくると思うんですけれども、その点についてはどうお考えでしょうか。
#73
○政府委員(小林秀資君) 先生おただしの多種類の農業を摂取した場合でございますけれども、まずADIそのものが、今申しましたように通常長期の動物実験の結果から投与した農業が何ら作用を及ぼさない量を求めて、その上に百分の一の安全係数を掛けているということ、それから論外国においてもそれぞれがADI以下で多種類の農業を摂取した場合に安全性に問題が生じたとの報告例を私ども承知していないことから、現在までのところ安全性に特段の問題が生じるとは考えておりません。
 厚生省としては、御指摘の点も踏まえ今後の重要な研究課題の一つとして取り組んでまいりたい、このように思っております。
#74
○清水澄子君 今回の法改正では、食品の輸入、手続も非常に輸入最が多くなっている関係上コンピューターで描ければいいとか、それから輸入食品についてこれまで原則一律の検査から、厚生大臣が必要とする場合のみの検査に改められております。
 そういう状況の中で、例えばことし二月に東京都や横浜市の衛生局は、市販に出回っていたアメリカの輸入リンゴから日本では禁止されている防カビ剤チアベンダゾールを検出しております。これに対して相変わらず厚生省は、これは選果ラインに付着したものであって使用したものではない、使用したときのみ禁止するけれども付着はいいんだ、こういう姿勢をとられましたけれども、そういうふうに食べ物というのは分けられないです。ですから、今後輸入食品が私はますます増大する傾向にあると思いますし、このようなケースというのはふえてくるものだと思います。
 したがいまして、結局食品の安全といっても、これだけ輸入食品がふえるときには水際での検疫の独化が私は絶対に必要なものになってくると思いますが、その点で厚生省は、そうした体制の独化をどのように進めようとしていらっしゃるんでしょうか。
#75
○国務大臣(井出正一君) 先生御指摘のとおり、輸入食品はこれからどんどんふえるわけでございますが、その安全を確保するためには水際の検疫所の検査体制の整備を図ることは大変重要だと考えます。
 検疫所の検査の実施体制の整備につきましては、従来より横浜及び神戸に輸入食品・検疫検査センターを設置して残留農薬あるいは抗菌性物質等の高度な検査の実施体制を整備してまいりましたが、さらに食品衛生監視員を過去五年間、平成二年では九十九人しかおりませんでしたが、今年度は二百九人に倍増するなど検査体制の充実独化を図ってまいったところであります。
 予算につきましても、今年度モニタリング検査等行政検査の充実強化を図るために、検疫所の輸入食品の検査実施経費といたしまして前年比六五%を上回る二億七千万円独が措置されたところでございます。
 今後とも、増大する輸入食品に対しましては、国民の健康を確保するため検査の実施体制の整備に尽力してまいるつもりでございます。
#76
○清水澄子君 輸入食品の増大というのは、こちらは人員の定員の問題もあってなかなかそれに追いつかない状況にあると思いますが、先ほど局長は間違われておっしゃったと言いますけれども、幾ら規制緩和が叫ばれていても、こういう問題については規制強化をやはりしていくという、私はもっと積極的な姿勢が必要だと思います。この輸入食品の検疫、監視のための要員の確保等、そういう体制のために予算の増額を図っていくということについて私は厚生大臣にお願いしておきますので、そのことをぜひよろしくお願いします。
 そして、大臣、さきのアメリカの輸入リンゴの例のように、都道府県が市場検査によって違反を摘発した場合、都道府県の検査結果をもとに厚生大臣はそういう食べ物、輸入食品について輸入禁止の措置をとる用意があるでしょうか。
#77
○国務大臣(井出正一君) 違反食品が発見された場合、厚生省といたしましては、関係する都道府県等に対しまして、食品衛生法違反のおそれのある食品の検査の実施を指上示しますし、違反するものについては廃棄等の必要な措置をとることとしております。また、全国の検疫所にも指示を行いまして、その後輸入される同種の食品に関しまして検査を強化するなど、必要な措置をとるつもりでございます。
 こうした事例への適切な対処のためには、検疫所や都道府県等の食品衛生監視員の資質向上もまた必要でございますから、そのための研修等も実施しながら、国や都道府県の間の緊密な連携のもとに措置を進めてまいりたいと思っているところでございます。
#78
○清水澄子君 食品衛生調査会の構成について私はお尋ねしたいと思います。
 本法律によりますと、政省令の作成は食品衛生調査会の意見を聞くということになっております。その食品衛生調査会委員というのは学識経験者というんですか、専門家という位置づけがされておりまして、そういう方で主に構成されておりまして、消費者団体といいますか、それにかわるような人は一名のみであると思います。
 私は、食品の安全基準の策定とか食品の保健行政について、特に食品の安全性についての意義や意見というものをもっと消費者が発言できる場というのはとても最近重要になっていると思います。一九七二年の食品衛生法改正のときにも、参議院の社会労働委員会の附帯決議では「食品衛生調査会に一般消費者の意見も反映するよう配慮すること。」ということを決議しておりますけれども、七二年から今日まで考慮されていないということを見ましても、きょうはもうはっきりしたお返事を聞きたいわけです。
 大臣、今の時代は市民グループの活動というのが非常に多様な広がりと専門性を持ってきて、私は非常に高い評価ができるグループ活動がとても多いと思うわけです。特に農業や食品添加物問題に取り組んでいる団体とかグループとか消費者団体が非常にふえております。そしてまた、これからの行政はこうしたボランティアグループやNGOあるいはNPO、非営利団体や非政府組織、そういういわゆる市民団体とか市民の付会とパートナー関係をつくらない限り、これからのいろんな多様な市民社会に即応した政策とかそういうものを形成していくときには、絶対にそういう関係が必要な時代に私はもう入ってきていると思います。
 そういう意味でも私は、この食品衛生調査会の構成には、そういう生巌者の立場の人とか農業問題に取り組む人々とか添加物問題に取り組んでいるグループ、消費者固体からやっぱり一定の比率の参加をここにはっきりさせていくべきだ、そして消費者の意見を十分反映できるシステムの整備の検討が必要だと思いますけれども、そういう参加の道を開くということをぜひここでしっかりお約束をいただきたいのです。
#79
○国務大臣(井出正一君) 先般、食と健康を考える懇談会からも、消費者等の意見をさらに一層取り入れられるよう、より広い範囲の学識経験者の中から委員等を任命すべきであるという御提言をちょうだいしております。
 厚生省といたしましてもこの提言を踏まえまして、この改正を契機に、食品衛生調査会の委員の先生方に消費者の意見をより取り入れられるような立場の方、広い範囲の学識経験者という中に今先生お話しになられましたようなお立場の皆さんも私は含まれると思います。したがいまして、そういった皆さんの中からも委員の委嘱を行って、今確かにお一人しかいらっしゃいませんが、増員といいましょうか、ふやしてまいるつもりであります。
#80
○清水澄子君 終わります。
#81
○委員長(種田誠君) 本案に対する午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時まで休憩いたします。
   午前十一時五十五分休憩
     ――――◇―――――
   午後一時開会
#82
○委員長(種田誠君) ただいまから厚生委員会を再開いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 本日、清水澄子君が委員を辞任され、その補欠として今井澄君が選任されました。
    ―――――――――――――
#83
○委員長(種田誠君) 休憩前に引き続き、食品衛生法及び栄養改善法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#84
○木暮山人君 平成会の木暮山人です。二十三年ぶりの食品衛生法及び栄養改善法の一部を改正する法律案につきまして、質問をさせていただきたいと思います。
 食の安全性の確保は国民の命と健康の源であり、これを守っていくのは我々国会議員の責務でもあります。本日、これまでの与党議員の御質問を伺いながら、この思いは恐らく党派を超えた共通の認識であろうと私は大変心強く思った次第であります。
 しかし、先日の本会議での横尾議員の質問に答えまして、村山総理大臣は、国民の食の安全確保を求める権利は法律上の権利ではなく、反射的利益にすぎないと言明されました。その答弁の内容としましては、
 食品の安全性についての国民の権利や国の資務についてのお尋ねでありますが、食品の安全性については、憲法第二十五条に規定されているところの公衆衛生の向上、増進に関する国民の権利や国の責務が存するものと考えております。
 このような憲法の規定に基づき、食品衛生法は、食品の安全確保のために営業者に対する必要な規制を定めたものでございまして、これはあくまで公益的目的の責務であって、この規制により結果的に消費者が利益を受けることになりますが、これは法律上の権利ではなく反射的なものであると考えられます。したがって、御指摘の反射的利益論につきましては、現在においても妥当なものと考えているところでございます。と答えておいでになります。これでは、国民が食に対して不安を覚えるのは当然あり、行政の責任は極めて重大であります。
 国民の命と健康を守る立場にある厚生大臣は、本当に国は国民に対し食の安全を守る義務はないし、国民もそれを求める権利はないとお考えでしょうか、御所見等をお伺いしたいと思います。
#85
○国務大臣(井出正一君) 食品衛生法の目的規定には、「公衆衛生の向上及び増進に寄与することを目的とする。」とされております。これは、今先生一御引用なされました憲法二十五条において、すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有しし、「国は、すべての生活部面について、(中略)公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない。」という規定を受けたものでございますが、憲法二十五条に規定されているところの公衆衛生の向上、増進に関する国民の権利や国の責務は当然存するものと考えております。
 厚生省といたしましては、このような食品衛生法の趣旨、目的に基づきまして食品の規格基準の整備や食品衛生監視の適切な実施に努めることを通じて、今後とも食品の安全確保に万全を期してまいりたいと考えております。
#86
○木暮山人君 厚生省が反射的利益論を繰り返される限り国民の食に対する不安はなくならないし、食品保健行政は信頼を回復できません。営業者に対しての規制法である食品衛生法のあり方は、いずれ抜本的に考え直さなければならなくなると私はここで指摘しておきたいと思います。
 とりわけ、SPS協定の発効に伴い、我が国の食品の安全基準がより緩やかな国際基準に統一されるのではないか、またポストハーベストや放射線照射あるいは抗生物質が使用された食品が、また雑種強勢またはルイセンコ農法等による食品などが国民の食卓に多く乗せられてくるのではないかと不安を抱く次第であります。特に規制緩和の推進との関連で申し上げますと、国民の命と健康を守る食品規制は強化されこそすれ経済的な規制のように一律に緩和されることがあってはならないと考えられます。
 この点、去る三月十七日、当委員会における我が党の勝木委員の質問に答えまして、厚生省の政府委員はこのような答弁をしております。
 一昨年九月の緊急経済対策以降、累次にわたりまして。厚生省も規制緩和に取り組んでまいっております。
 一昨年九月の緊急経済対策では、厚生年金基金の資産運用等の拡大で十四項目、それから次いで昨年二月の行革大綱で寄生虫病予防法の廃止など百六十九項目、そして昨年七月に閣議決定されました今後における規制緩和の推進等におきましては四十五項目、合わせて二百二十八項目の見直しをしたところでございます。さらに本年度といいますか、今月中に規制緩和推進計画を策定することとしておりまして、内外の要望を踏まえまして去る十日に中間的な検討状況を公表したところでございます。
  ただいま委員御指摘のように、厚生省の規制というのはいわゆる国民の生命とかあるいは健康の保持ということから行っている社会的規制というもの、いわゆる衛生規制でございますので、やはりそこは守っていかなければいけないところはございますけれども、しかしその政策目的に沿った最小限のものとする必要はあると思いますので、一つは国際的整合性の確保、二つは申請者の負担の軽減、三つは国と地方の役割分担の見直しというような観点から引き続き規制緩和に取り組んでまいりたいと思います。とお答えになっておるわけであります。
 厚生省は、厚生省の規制というのはいわゆる国民の生命とかあるいは健康の保持ということから行っている付会的規制、いわゆる衛生規制なので、やはりそこは守っていかなければいけないところであると言っております。また、国際的整合性の確保という観点から引き続き規制緩和に取り組んでまいりたいと答弁なさっております。
 これらを素直に伺うと、国民の生命や健康の保持のための規制は大事だけれども国際的整合性はもっと大事だ、国際的整合性が図られる範囲内でしか国民の命や健康が守られないんだと読めるわけであります。
 厚生省は今後の食品保健行政を進めるに当たり、国民の生命や健康の保持と国際的整合性の確保の一体いずれを重視されるのか、これをぜひ大臣にお伺いしたいと思います。
#87
○国務大臣(井出正一君) 食品衛生行政におきましては国民の健康確保を最優先とすべきであると考えておりまして、規制の国際的整合性は食品の規格基準の策定などの規制を行う上で国民の健康確保に支障のない範囲内において配慮すべき事項の一つであると、こう考えるものでございます。
 先般締結されましたWTO協定では、食品の規格基準の国際的調和について規定されておりますが、一つには、国際基準は消費者の健康の保護を第一に考えて策定されておりますし、二番目には、同協定には科学的に正当な理由がある場合等におきましては国際基準よりも厳しい基準をとり得る旨規定されているところであります。ですから、この協定についても国民の健康確保に支障を及ぼすものではないと考えております。
 厚生省といたしましては、今後とも国民の健康確保を第一に対応してまいるつもりであります。
#88
○木暮山人君 国民の生命や健康は何物にもかえがたいものであり、国際的整合性の名のもとにそれが脅かされることがあってはならないのであります。
 しかし、現実にはどうかと申しますと、例えば残留農薬基準では、バレイショのクロルプロファムの基準は従来の登録保留基準の〇・〇五pPmの実に千倍の五〇ppmに設定されました。一般に環境中の農業濃度は口に入る農業残留基準の十倍を掛けるのが常識であり、食品の残留農薬基準が土壌汚染を防止するための登録保留基準よりも厳しいことはあっても、千倍も緩められることは常識では考えられないと思います。
 また、今申し上げたクロルプロファムの例を見ると、里芋等、他の芋類の残留基準はすべて〇・〇五ppmなのに対しまして、バレイショは五〇ppmとずば抜けて高くなっております。里芋やサツマイモに比ベバレイジョの残留農薬基準が千倍も高いというのはどうしても納得がいきません。
 厚生省は国際的整合性を重視する余り、国内の基準の整合性にはとんちゃくされないのかと思われます。この残留基準はどこの基準をもとに一体どういう根拠で設定されましたか、お伺いしたいと思います。
#89
○政府委員(小林秀資君) まず、食品衛生法に基づく残留農薬基準は、公衆衛生の観点から食品に残留しても安全な量を設定し、違反するものは国産品、輸入品にかかわらず食品の流通を禁止するものであります。
 この残留農薬基準の設定に当たっては、日本人の食生活の実態に基づき、一生涯食べ続けても健康に支障のないレベルである一日摂取許容量、いわゆるADIを下回る範囲で、国際基準を参考にしながら国内及び海外の農業使用の実態を考慮して基準値を設定しているところであります。
 御指摘のクロルプロファムについても平成三年に残留農薬基準を定めましたが、それ以前は食品衛生法上クロルプロファムが残留する食品の適切な流通規制ができなかったものであります。具体的な基準設定に当たっては、海外における収穫後の発芽防止剤としての使用も考慮して、クロルプロファムはジャガイモで五〇ppmとしたものでございます。
 ジャガイモの国民栄養調査に基づく一日摂取重は二十九・五六グラムであり、ジャガイモの基準値五〇ppmを乗ずることにより、掛け算することにより、ジャガイモについての残留基準値上限まで残留した際のジャガイモからの当該農業の摂取量を求めることができます。同様に、大豆、ミカン等、残留農薬基準が設定された農産物についてすべて農業摂取量を求めることにより、基準値上限まで残留した一日当たりの農業摂取量の合計一・五〇五ミリグラムが求められるわけであります。
 一方、クロルプロファムの一日摂取許容量、いわゆるADIでございますが、それは一日当たり体重一キログラム当たり○・一ミリグラムでありますので、体重五十キログラムの人では一日当たり五ミリグラムが一日摂取許容量に当たります。したがって、クロルプロファムの摂取最はADIの約三割ということでございまして、ADIを大きく下回っており人の健康に支障を来さないものでございます。
 それで、先生は今、クロルプロファムのジャガイモに対して登録保留基準に比べて一千倍以上にした理由はというおただしでございますが、まず登録保留基準について御説明したいと思います。
 農業取締法の登録保留基準は、国内で使用する農業について、農業業者から申請のあった国内における適用作物、使用方法を前提として環境庁長官が策定する農業登録の判断となる基準でございます。具体的には、申請された農産物群ごとに基準彼上限まで農業が残留したと仮定し、これに国民栄養調査に基づく農産物粋ごとの摂収量を乗じて求められた農業の摂取量が、体重五十キログラムの人で見た一日摂取許容量、ADIを上回らないように設定されると聞いております。
 もう少し申し上げますと、登録保留基準と申すのは、農業メーカーが日本の農作物、例えばお氷ならお米、ジャガイモならジャガイモに対しての使い方、例えば何月にどの程度まけ、何ミリグラムまけ、何グラムまけということを基準としてつくったとき、農作物に残留農薬が出ます。その値がADI以下になるならばそのメーカーの言ってきた値を保留基準として認めます、こういうことになるわけです。若干ぴったりではないんですけれども、要は、ADIという数字と登録保留基準との間の乖離は物によっては少ないものもあれば相当大きなものもあるというふうに御理解をいただきたいと思います。
 じゃ、どういうのが相当乖離があるかというのは、その農業がすごく安全でまたは農作物に対する貯蓄性というんですか、たまることがすごく少ないようなものであれば、日本での使い方であれば低い基準で済むということでございまして、登録保留基準であることは安全でありますけれども、それごといわゆる残留農薬基準とは違うものである、何もそれを何倍したかというような比較の問題ではないと私どもは考えておるところでございます。
 今申しましたように、食品衛生法に基づく残留農薬基準というのは、国産品、輸入品にかかわらず残留する食品の流通を規制するものでございます。したがって、残留農薬基準設定に当たっては、海外における収穫後の発芽防止剤としての使用も考慮してクロルプロファムはジャガイモで五〇ppmといたしましたが、本基準に基づく食品を通じての摂取最の合計はADIを大きく下回っているので、人の健康に支障を来さないものと考えておるところでございます。
#90
○木暮山人君 いろいろと御説明をちょうだいしました。
 厚生省は、残留農薬基準についてすぐADI、要するに一日の摂取許容扱の範囲内だから安全性は確保されているといろいろと説明なされております。このADIは、乳幼児や高齢者あるいは妊婦や慢性疾忠を持つ人々には必ずしも適用できません。この問題は、FAO・WHO合同残留農薬事川家会議でも専門家の間で取り上げられた問題であり、極めて重要な意味を持つと考えます。
 さらに、最近花粉症が国民病というようにアレルギー疾患が非常にふえております。動物実験でも、アレルギー反応を示すラットは〇・〇〇〇〇一ppmのフェニトロチオンで症状が悪化したという報告もあり、百分の一という安全係数ではもはや十分ではないと考えられますが、見解をお伺いしたいと思います。
 あわせて、今申し上げました乳幼児や高齢者、慢性疾患を持つ人々を考慮した新たな安全性試験や食品とアレルギー疾患との関係などについて積極的な研究を進める必要があると考えますが、いかがなものでございましょうか。
#91
○政府委員(小林秀資君) 先ほどから話に出てまいりますADIでございますけれども、これは、通常動物に対する長期の慢性毒性試験や複数の世代にわたる影響を見る生殖毒性試験等から投与した農業が何らの作用を及ぼさない量を求め、さらにその量に安全係数、通常は百分の一を掛けておりますが、百分の一を乗じて設定されるものであります。
 この安全係数を掛けること、すなわち百倍厳しい値とすることは、動物と人間の種差として十倍、それから人間間の個体差として十倍を見ようとするもので、現在国際的にも科学的に確立しているものであります。したがって、御指摘のような子供や高齢者をカバーしてすべての人に安全な基準とすることができると現在国際的にも考えられており、我が国でもこうした考え方によっておるところでございます。
 ただ、先生が御指摘のように、一部の学者の中に百分の一ということでは適用できない場合があるのではないかという御意見が出ていることも当方としては承知をいたしておるところでございます。
 また、国民の農業の実際の摂取重というものは、平成三年度から実施をいたしています国民のモデル献立に基づく農業の摂取最調査、マーケットバスケット調査というのを実施いたしておりますが、それによりますと、汎用されている農業であってもおおむねADIの一%以下であり、実態的にも子供や高齢者に対しても今日安全性に問題がない、このように考えておるところでございます。
 なお、アレルギーと残留農薬の関係についてはいまだ基礎的な研究段階にあり、現在の基準設定には反映をしておりません。厚生省としては、今後ともアレルギーの発生機序等の解明に努める所存でございます。
#92
○木暮山人君 ADIについてはもう一つの問題点があるように思われます。すなわち、ADIはさまざまな食品の基準値に摂取量を掛けたものを積算して、トータル摂取量がADIの範囲内になるようにおさめるという仕組みであります。残協農業がポジティブリスト制をとっていないため、基準が設定されていない農業は事実上フリーパスになっており、未設定の農産物については農業は残留していないと仮定せざるを得ません。
 厚生省は、世界では七百農薬が現存するうち、当面二百農薬程度を目標に残留農薬基準の設定を行うとされていますが、国際的動向も勘案しつつ、こうした一定の条件が整った際には残留農薬を食品添加物と同様ポジティブリスト化することについても検討すべきだと考えますが、御所見はいかがなものですか。
#93
○政府委員(小林秀資君) 残留農薬に関連しましては、まだ我が国では百三農薬を定めたところでございまして、今後、当面二〇〇〇年を目途に二百農薬を目標に残留農薬基準の計画的な整備に努めることといたしております。
 将来的にポジティブ制への移行をすべきではないかということに関しましては、アメリカが実はポジティブリスト制を採用しておる国でありますが、アメリカはそもそも食糧自給国であって、食糧はアメリカから外へ出す国で輸入をする国ではない、そこは日本と違うわけでございますし、その上基準も三百農薬程度策定をしておるということから、ポジティブ制の履行については日本とアメリカと同じ認識に立って考えるわけにはいかない、このように考えておりますし、現在では非常に難しいと思っております。
 将来の問題でございますけれども、将来につきましては、相当程度の基準を策定した段階で、まず最初に一として国内外で使用される農薬数の推移、それから二番目に残留農薬規制の国際的な動向、三番目に我が国の食糧自給の程度、そういうものなどを勘案して検討すべき課題の一つとして考えておるところでございます。
#94
○木暮山人君 なるべく早く確立していただきたいと思っております。
 次に、残留農薬の中でも特に問題が大きいのはポストハーベストの問題です。厚生省は、過去の通知あるいは国会答弁において、ポストハーベストは食品添加物として原則流通禁止とするとの見解を示してきました。しかし、昨今の残留農薬基準の設定状況等を見ておりますと、ポストハーベストを前提としているとしか考えられない状況が出てきております。
 さらに九二年には、厚生省はイマザリル残留農薬基準を設定するとともに食品添加物としても指定しております。こうした対応は、私にはどうも理解をしかねるわけであります。
 厚生省は、ポストハーベストについて従来どのような見解を持っていたのか、そしてどのような継緯を経て、今日どのような取り扱いをされているのか、ポストハーベストは原則禁止なのか、それとも残留基準が設定されていなければフリーパスなのか、また残留農薬基準と食品添加物指定についてどのように使い分けをされているのか、お伺いしたいと思います。
#95
○政府委員(小林秀資君) まず農業でございますが、農業は農業取締法により定義され、その使用、販売等が規制をされております。食品衛生法上、農業は法第七条第一項の成分規格を定めることにより食品への残留を規制することができるわけでございます。一方、添加物は法第二条第二項の定義があるとおり、食品の保存の目的で食品に添加等の方法で使用されるものを言うことになっております。
 ポストハーベスト使用農業は、農業として食品への残留が規制されているほか、添加物に該当する場合は添加物として規定されており、添加物に該当するか否かは基本的に食品の保存の目的に使用されるものか否かにより判断することとなります。例えば、かんきつ類にポストハーベストとして使用されるイマサリルやオルトフェニルフェノール、OPPですが、のようにカビ等による食品の腐敗、変敗の防止を目的とする場合には、添加物の定義の食品の保存の目的に該当するため添加物に当たることになります。
 それから、ポストハーベストの使用農業のうち、カビ等による腐敗、変敗の防止のための使用は食品の保存の風的に該当するが、殺虫や発芽防止等その他の目的で使用される場合には、腐敗、変敗の防止を直接の目的とした使用でなく食品添加物の定義に当たらないと考えておるところでございます。
#96
○木暮山人君 このポストハーベストをめぐる行政側の対応は極めて重大な問題を示唆していると考えます。すなわち、食品保健行政の重大な方向転換が、何ら国民の声を聞かず国会の議論も経ずに行われたということは大変大きな問題であります。そして、こうした行政の対応が食に対する国民の不安を増幅していると考えます。
 今後は、食品保健の政策決定に当たっては、国民の声を聴取し必要に応じ措置請求を認めるとともに情報公開を進めていく必要があると考えますが、いかがでしょうか。
#97
○政府委員(小林秀資君) 食品保健行政に消費者や生産者など広範な国民の意見を、反映させることが大切ではないかというおただしてございますが、私どももそのとおり大変重要であると考えておりまして、今回の法案策定に当たっても消費者団体等から広く意見を伺うなど努力をしてまいったところでございます。
 今後も法改正を契機として、食品衛生調査会について消費者の意見をより取り入れられるよう、広い範囲の学識経験者の中から委員等の委嘱を行うこととするなど、さらに努力してまいる所存でございます。
 また、食品衛生調査会の審議に用いた資料等の情報公開についても、知的所有権等に配慮しつつ可能な限り対応することとし、さらに諮問、答申等の状況について説明の場を設ける等、十分な情報提供に努めてまいりたいと思っております。
#98
○木暮山人君 食をめぐる安く十世という点では、発がん性の問題についても指摘しておきたいと思います。
 発がん性については、ここまでは大丈夫という値が存在しない、どんな微量な発がん性物質であってもがんを引き起こす危険があるというのが専門家の間では指摘されております。このためアメリカの連邦食品薬品化粧品法では、発がん性のある添加物を全く認めないというデラニー条項が存在しております。しかし、厚生省は、ペルメドリンやシベルメドリンなど、アメリカEPAが発がん性を指摘している農業についても残留を認めてしまいました。
 厚生省の発がん性に対する見解はどのようなものか、ひとつお聞かせいただきたいと思います。
#99
○政府委員(小林秀資君) 今先生の御指摘の、米国科学アカデミーより一九八五年、発がんリスクありと報告された農業に関連してでございますが、この報告は、使用量の多い二十八農業を対象に、腫瘍の良性、悪性の区別なく、また腫瘍の種類、発生部位等を考慮することなく、各農業の催腫瘍性について数学的に計算されたものと承知をいたしております。
 また、本報告を受けた米国環境保護庁においても、人間に対しては基本的には問題ないと判断をしてきたと承知をいたしておるところでございます。さらに、米国においては現在においてもこれら農業の使用が認められており、また残留農薬基準も設定されているところであります。このようなことから、我が国においても本報告をもって直ちに食品中の当該農業の残留を禁止する必要はないと考えております。
 しかし、食品衛生法上添加物の使用や残留農薬の基準策定を行う場合には、発がん性試験や変異原性試験の結果等に基づき食品衛生調査会において厳正な審議を行っているところでございます。これらの試験結果において動物に発がん性が見られ、人に対する発がんの危険があると判断される場合には、科学的な安全レベルであるADIを定めることができないため、食品添加物では指定を行わず、また残留農薬基準では検出されてはならない旨定めておるところでございます。
#100
○木暮山人君 次に、発がん性の問題と関連しまして、食品に係る器具、包装容器の安全性についてお伺いしたいと思います。
 現在、器具、包装容器についても合成樹脂、金属を初めとしまして規格基準が設定されており、この基準は材質試験、溶出試験及び強度試験から成っております。このうち溶出物、中でも合成樹脂のモノマーにかかわる基準設定の理的、考え方についてちょっと御説明を前もってお願いしたいと思います。
#101
○政府委員(小林秀資君) 合成樹脂の容器包装につきましては、重金属やモノマー、モノマーというのはプラスチックを合成する際の出発原料、わかりやすく言えばそういうことになりますが、このモノマーの含有量や溶出量等につき食品衛生法第十条第二項の規格基準を定め安全性の確保を図っているところでございます。
 具体的には、平成六年に告示されたポリカーボネート樹脂の場合、モノマーについては五種の溶剤を用い、五段階に設定した温度ごとに最長百八十日間に及ぶ溶出試験並びに十六機種の容器におけるモノマー含有量調査を国立衛生試験所で行い、その結果に基づき食品衛生調査会で審議の上基準を設定されたものでございます。
 厚生省としては、容器包装による危害を防止するため適切な規格基準の整備に今後も努めてまいりたいと思います。
#102
○木暮山人君 一九六六年にはユリア樹脂製のベビー食器からホルムアルデヒドが溶出され、大きな社会問題となりました。いずれにしろ、食品を入れている容器包装材から何らかの化学物質が食品の中に溶け出し、それを我々が摂取するということは望ましいことではない、特に発がん性がある物質については厳しく規制されなければならない。こうした観点から包装容器について基準が設定され、その規格基準は私たちの健康を守るための最低条性であると理解しております。
 しかしながら、歯科の材料についてはこうした基準は適用されません。例えば金属材料については、口の中でイオン化して吸収され、頭痛や金鳩アレルギー、イギリスなどでは肝機能に影響を及ぼしているという指摘もなされております。また、歯科の入れ歯に使われているメチルメタクリレートというプラスチックについては、包装容器の基準では残留モノマー一五ppm以内とされているにもかかわらず、どうやっても二〇ppm、大きい場合は二〇〇ppmの残留モノマーが口の中に溶出しております。
 この点については、私も以前さわりを取り上げさせていただきましたが、当時の担当局長さんから、残留モノマーの実態を的確に把握することは必要なので、厚生科学研究費による研究を進めている旨の答弁がありました。その後この研究の成果についてどのようになったか、お伺いしたいと思います。
 また、この食品衛生法の容器というものはいわゆるメチルメタクリレートというプラスチックでありますが、義歯、入れ歯はこれと同じ樹脂を使っているわけでありまして、このいわゆる包装容器は三グラムぐらいの重さで、駅でよく売っているサンドイッチやらの入れ物でありますが、入れ歯になりますと上下で大体三十グラムから四十グラム、そんな重さのものを口の中にほおばっているわけでありまして、そこから溶出する発がん性物質の残留モノマー、いわゆる過酸化ベンゾイルというものはやはり非常に問題になるんではないかと思います。
 そこら辺につきまして、厚生科学研究の研究成果というものはいずれ知らせてあげようということで、相当時もたっておりますので、この機会でございますのでできればひとつその成果をお伺いしたいと思います。
#103
○政府委員(田中健次君) お尋ねの、まず歯科材料の残留モノマー等に関する研究の進捗状況でございますが、これは私ども、厚生科学研究費を使いまして平成二年度以来アクリル樹脂のモノマーの溶出世及び安全性について研究を継続して続けておりまして、私どもの予定では平成八年度を目途に結論を得るということで研究を続けておるところでございます。
 平成二年から研究テーマを決めました。平成二年と三年は、歯科材料の生物学的な評価法試験項目案の作成あるいは各種試験のガイドライン案の作成をいたしました。それから平成四年度には、お話に出ましたメタアクリル酸メチルの溶出試験と文献検索を行いました。また、平成五年度には、その溶出試験法の検討を行いました。それから昨年度でございますが、その他の高分手有機材料から溶出する川能性のある化学物質について文献検索を行いますとともに、残留モノマー重を低減する重合条件についての検討を行いました。それで今年度は、予定でございますけれども、国際的に整合性をとった溶出物の試験法の検討を行うということにいたしまして、明年度にこれまでの研究内容をまとめたい、こんなことでやっております。
 このように多方面から研究を行っているためある程度の時間がかかっておりますけれども、もう少し結論が出るまでお待ちをいただきたいというふうに思う次第でございます。
 それから、お話のございました食品衛生法上の容器の基準と歯科材料の関係でございますけれども、食品衛生法上の容器の基準は、これはコップとかあるいはしょうゆ差し等の製品を対象としているものでございますけれども、義歯床の場合、修理とかあるいは裏装等の操作性の確保も重要でございますし、また容器の場合には、入れる物質によりまして酸性の強いものとかアルカリ性の強いものとか、あるいはまた入れる物質の温度等も高温のものを入れたりいたしますし、また入れている時間等も長時間に及ぶものもございます。このようにいろいろ条件等もございまして、容器とそれから歯科材料とは直ちに単純な比較をすることはなかなかできないというふうに考えておるところでございます。
 いずれにいたしましても、義歯床用のアクリル樹脂につきましては開発以来五十数年にわたって欧米でも広く使用されておりまして、適正に使用をされますとその安全性につきましては特段の問題はないというふうに認識をしておりますけれども、先生お話しのように歯科材料は常時使用されるものでございますから、なお慎重を期しまして厚生科学研究によりまして継続的に検討を行っているところでございます。
#104
○木暮山人君 結構なことでありまして、これはお話でありますからちょっと聞いていていただきたいと思います。
 歯科で義歯を入れます。百人中大体三十人ぐらいの人が、入れ歯を入れて三カ月ぐらいで入れ歯を外して見ますと、口腔の粘膜の中に真っ赤に発赤して入れ歯の跡がついているわけであります。これは何がそうさせたかというと、靴ずれみたいな説明をされておりますけれども、これは入れ歯の中の樹脂から流れ出る過酸化ベンゾイル発がん物質がいわゆる軟組織を刺激しまして、その結果発赤、赤くはれ上がっていくわけです。こういう影響のある人が大体二八%から三〇%あるわけであります。
 ところで、ちなみに今日本の国では、一年に幾つぐらいの入れ歯を入れておいでになるか御存じでございますか。大体八百万ケースから八百五十万人に毎年入れ歯を入れているわけです。そのうちの三〇%の方が、こういういわゆる為害作用を感受するアレルギーを持った体質の方がおいでになるわけですね。そうなりますと、約二百五十万人ぐらいの方がそれにさらされているわけです。結核や悪性の伝染病が日本の国ではどんどん駆逐されてなくなっております。しかし、がんだけはなくなっていないということも考えられます。
 これはちょっと考えて、そんな平成六年から八年まで、その先ずっとといっても、局長さんは入れ歯を入れていないからいいようなものだけれども、入れている人がこの話を聞いたらびっくり仰天すると思うんですね。ゆっくりやっている、六年でやれば二百万人ずつでも日本の国の千二百万の人間がこういう危機にさらされているわけです。そうすると、一割の人間が、二割の人間がこういう危機にさらされているのを黙ってこちらでテストして、もうちょっと待って、五十年やったから大したことないよとおっしゃる答弁自体が、私はもう少し誠意を持って、もう五十年やっている、アメリカでも代替がないからこうやっているじゃなくて、こういう発がん性のものが口の中にほうり込まれてそのままになっている現状を、同じ厚生省で何でこうもたもたしておいでになるのか。
 今、食品衛生法のいわゆる容器のプラスチックと同じものが使われている。片一方の容器の方は、たった三グラムのいわゆるサンドイッチを入れる器でも一五ppm以内と規制してあるわけですね。一五ppm以内の残留モノマーのものでないものはその中にサンドイッチを入れちゃいけないと言っているわけですよ。それを、それの十倍も重い入れ歯を口の中にほうばらせておいて、それで残留モノマーが二〇ppmから五〇ppm、ひどいのになると二〇〇ppm流出しているんですよ。それをそのままほっておくということは大変なことではないかと思います。そこで、ちょっと今質問をそれてみました。
#105
○国務大臣(井出正一君) 今の先生のお話をお聞きしながら、初めてその実情を知ったところであります。できるだけ早くいい方法を見出すべく厚生科学研究の皆さんに頑張っていただかなくちゃならぬなと、こう思ったところであります。
#106
○木暮山人君 いや結構であります。
 しかし、このまま放置しておきますと、PL法がこの七月から施行された場合、こういうクレームを、日本は医療保険制度の付会で国が保険を経営なさっているわけですから、その苦情というのはどこへ持っていったらいいのか、その入れ歯をつくった人か、材料をつくった人か、それを入れた歯医者か、これは難しいと思うんですね。そこら辺も早急に明確にしていただいた方がよろしいんではないかなと思うのでありますが、そこら辺の御研究のほどをお願い申し上げます。
#107
○政府委員(田中健次君) ただいまの入れ歯による口腔の発赤とPL法の関係でございますが、御案内のとおりPL法では消費者が製品の欠陥を立証いたしますと製造者が製造物責任を負う、こういうことになっております。一般論から申しますと、義歯床材料によって口腔内に発赤が生じた場合、その製造の原料に問題がありますと製造者が製造物責任を負うということもあり得るものと考えられますけれども、発赤の原因は多様でございまして、残留モノマーの存在をもって一義的にこれが製造物の欠陥に当たるかどうかということを決めることはなかなか難しいというふうに考えております。
 それから、だれに責任があるかと、こういうお尋ねでございますけれども、これは私どもの考えでございますけれども、PL法を立案するときにいろいろ議論されましたが、医師や歯科医師の処方に従って薬剤師が調剤した医薬品、あるいは歯科医師の指示に従って歯科技工十が加工した歯科材料につきましては、これは医療行為でございましてサービスの提供であるということで医師や歯科医師や薬剤師等が製造物責任を問われることはない、こういうふうに理解をしておるところでございます。
#108
○木暮山人君 もう一つだけ。
 そういたしますと、その材料は国がいわゆる認可して製造させたわけでありますが、薬剤師、医師、技工士がその責任はないということになりますと、どこがその責任をとるわけでありますか。それで、だれがそのいわゆる被害をこうむったままでいればいいのか、そこら辺を最後に御答弁をちょうだいして、質問を終わります。
#109
○政府委員(田中健次君) それは材料をつくりましたメーカーが、その中に不純なものがあったりなんかいたしますと製造者としての責任をとるということでございます。
#110
○木暮山人君 どうもありがとうございます。
#111
○萩野浩基君 新緑風会の萩野でございます。
 私は、去る十四日、本会議で本法案に関しまして代表質問をいたしました。そのときの趣旨は、食品の安全基準とそれから国民の健康を守るという立場から質問をさせていただき、総理及び井出厚生大臣には前向きな答弁をちょうだいいたしましたので、その延長線上に立って質問をいたしたいと思いますが、先ほどの木暮委員の冒頭の質問のところ私もちょっと納得がいかないんで、これは通告していないけれども、やはりこれは委員会ですからきちんとしておいた方がいいと思いますので、申し上げます。
 それは横尾議員の質問に対しての総理の答弁なのでございますが、
 食品衛生法は食品の安全確保のために営業者に対する必要な規制を定めたものでございまして、これはあくまで公益的目的の責務であって、この規制により結果的に消費者が利益を受けることになりますが、これは法律上の権利ではなく反射的なものであると考えられます。したがって、御指摘の反射的利益論につきましては、現在においても妥当なものと考えているところでございます。と、これがどうも私は納得いかないんですね。というのは、どうも国は守ってあげているという上からの発想みたいに聞こえて仕方がないんです。特に憲法二十五条を取り上げて総理が言われたんで、これは総理に本来問うべきところなんですけれども、厚生大臣、やっぱりこういう姿勢ではちょっとまずいんじゃないかと思うんですが、いかがでしょうか。
#112
○国務大臣(井出正一君) 総理が過日の本会議で御答弁なさったときに、そういう旨の御発言をなさったのを私も聞いておりますが、カネミ油症事件における反射的利益論、大変私も法律の難しい面はわからないんですが、この利益論というのは訴訟の原告適格に関する理論であって、ある公益目的達成のための規制により結果的に特定の者が利益を受けても訴訟を提起する権利はないというものであります。したがって、「食品衛生法は」という今先生お述べになられた総理の答弁につながるんじゃないかなと思っておるんですが。
#113
○萩野浩基君 それではちょっとわからないんですが、これはきょう通告してございませんから、十分この辺ひとつ、私は問題提起をしておきますし、またここに横尾委員もいらっしゃいますから、これは横尾委員の質問に対しての総理の答弁だったんで、またこれは大事な点であるので、私もちょっと納得がいかなかったんで質問したまででございます。
 とにかく私が言いたいのは、守ってあげるというような姿勢というのは、これは上から下への福祉といいますか、そういうサウンドに聞こえますから、やっぱりこの点は十分御注意いただきたい、そのように私は思います。
 そこで、先ほど申し上げたとおり、私の質問しましたのにかなり積極的に答弁をいただきましたので、私はきょうはその延長線上に立って具体的な質問をしていきたいと思います。同僚委員の方々から、私が質問したいことは何らかの点でほとんど触れられておりますので重複するかと思いますが、その点はお許しいただきたいと思います。
 いずれにしましても、自由貿易の枠組みとなるWTOへの加盟と規制緩和の流れの中で、消費者は外国産の食べ物にどうしても日に日に依存度を高めております。それで、我が国では農産物の栽培中に病害虫から守るために農業を使用していますが、どうも見ていますと、特にアメリカなどでは、輸送や保管中に品質の低下を防ぐために殺虫剤や殺菌剤というようなものが収穫後に散布されておる、これは非常に我々注意しなきゃならない。今話題のポストハーベスト農業の残留の問題でございます。
 そこで、厚生省が九一年から食品衛生調査会に諮問しまして設定作業を進めている残留農薬基準では、このポストハーベスト農業が争点となっておることはこれは言うまでむございません。厚生省は動物実験を基準にした一日の摂取許容最でこの他を決められておりまして、収穫の前か後ろかはどうも問題にされていない。
 こうした状況の中で、新たな基準づくりだけでなく、今こそ国際問題化している収穫後に散布された残留量の多いポストハーベスト農業を使った農産物、こういうものに対しては輸入禁止というような規制が国民の健康を守る立場から小可欠になってくるんじゃないか、私はそのように思っております。どうぞ大臣、総理の答弁は私に対しては非常に積極的でしたから、その延長線上に立って、厚生大臣の明快なる答弁を求めます。
#114
○国務大臣(井出正一君) 私も個人的には先生と同じようなことができないかなという思いはあります。しかしながら、農作物等に対する収穫後の農業の使用、いわゆるポストハーベストは既に国際的に広く認められた使用法でもありますし、現に我が国におきましても、国内で臭化メチルの薫蒸等が認められているという現実もあるわけでございます。
 そこで、収穫前とか後という使用のされ方によって実は食品衛生法上は区別されておりませんが、できるだけ早く残留農薬基準の整備をきちっとして、この基準に違反するような食品が流通することによって国民の健康を害さないように検査体制をきちっとしたものにしていくことの方が今は現実的かなと、こんなふうに考えておるんですが。
#115
○萩野浩基君 今は御案内のとおりに約六〇%を輸入しているというような、ある意味では国際市場の中においては日本が一番のお得意さんなんですね。だから、日本がその点についてこれからはどんどん発言できると思うんです。ひとつぜひとも、消費者の立場に立ったということは、国際市場の中においても日本は最大の消費者であるわけですからこれは言えると思うんですね。だから、大臣ひとつよろしくお願いいたしたいと思います。
 続きまして、輸入食品の検査体制というようなものについてちょっとお伺いしてみたいと思います。
 現在、残留農薬の後の検査というのは、外国の公的検査機関と日本の検疫所それから厚生省指定の民間、この三本立てで行われております。ところで、日本に入ってくる輸入食品というのは二千百万トン、数にすれば十六万件に達しております。その中の検査対象というのは、厚生省の検疫と業者が厚生省の指定で行う二種類で約二五%にとどまっております。また、この検疫所というのは全国で三十カ所と聞いております。
 これは関連いないと思いますが、そこでは一体何人ぐらいの監視員が今いらっしゃるんでしょうか。
#116
○政府委員(小林秀資君) 検疫所におります食品衛生監視員の数でございますけれども、食品の受付窓口が三十カ所、そこで平成七年四月現在二百九名を確保しておりまして、これは過去五年間で倍増したということでございます。
#117
○萩野浩基君 確かに五カ年で倍増されたというんですが、二百九人というんでは、実際これはふやしたいと思っておられるんでしょうけれども、大蔵省の方との関係でいろいろ問題があるのかと思いますが、事は我々の命にかかわることなんですね、それが大丈夫かどうかという。だから、これは命あっての物種ですから、物理的に言ってこの二百九名では我々は安心できない、そのように私は考えております。何か聞くところによりますと、輸入最の増加にもうこれは追いつかないんで、大半は書類審査で済まされておると。こうなると、実にこれは危険なことであります。
 この点、大臣いかがですか。その人数じゃやれないと思うんですね。だから、この辺はやっぱりもっと積極約に大蔵省に予算をとるように、これは私は通告していないですけれども、いかがですか。
#118
○国務大臣(井出正一君) 現場でこういう業務にタッチしていらっしゃる皆さんの座談会がある雑誌に載っておりまして、大変ふえてきて今の体制じゃなかなか大変だというふうな発言を私も目にはしております。したがいまして、よりふやさなくちゃならぬことは私も確かだと思います。定員の問題もありましてなかなか簡単にオーケーがとれるかどうかわかりませんが、一生懸命努力するつもりであります。
#119
○萩野浩基君 我々の食べ物というのは非常に重要ですから、ひとつそういう見地からしっかり予算獲得をよろしくお願いいたしたいと思います。
 さらに、厚生省が検査対象にしていない農業や検査し切れない輸入分の中には、業者が独自に検査しているというケースもあります。これは、聞くところによりますと、業者が変なものを入れるとそこの業者の信用にかかわるからというのでしっかりやっている業者もあるかと思いますが、全部がそうだといってこれを信用するのも問題があるかと思います。今回の制度改革で民間の検査機関の比重がますます高まってくると思います。また、検査の主流になることも必然かと思います。
 この際、国民の食生活というものを守るという点から、検査の透明化また公平化を図るために管理運営基準ということに関して具体的な説明をいただければありがたいと思います。
#120
○政府委員(小林秀資君) 現在、食品衛生法に基づく民間の検査機関の要作といたしましては、役員それから社員の人員配置や機械機具その他設備について規定をしておりまして、厚生省ではこれに基づき指定を行っているところでございます。
 しかしながら、検査内容の高度化及びその件数の増、それから国際的動向への整合化に伴って分析結果の正確性を高める必要があり、より一層の検査の信頼性を確保することが大切であるということでございます。このため、今回の改正においては指定検査機関の指定要件として新たに検査業務の管理に関する事項、いわゆるGLPを法制化することといたしました。
 現在、このGLPの具体的内容といたしましては、まず一つとして、検査業務を指導監督する責任者を設けること、二番目に、試験検査の方法の標準作業書を作成するとともに作業日誌等の記録をとること、三つに、検査員の熟練度を確認する精度管理を行わせることなどを予定しておりまして、厚生省としては、適正なGLP基準の策定及びその逆川等により透明性、公平性の確保に努めてまいりたい、このように思っております。
#121
○萩野浩基君 国民の食生活を守るという点からこれは非常に大事な点でございますから、今責任者を明白にする、それから作業日誌とか、また熟練度を上げていくというようなことはわかりましたけれども、いずれにしましても透明化と公平化ということを十分念頭に置いてやっていただきたいと思います。
 それから、SPS協定と自治体の条例、規則についてお尋ねいたします。
   〔委員長退席、理事菅野壽君着席〕
 輸入果物の安全性が学校給食で問題となりました。私もこの委員会でちょっと取り上げたことがありますが、これは一九九〇年で、つまり輸入したレモンからベトナム戦争で枯れ葉剤として使われたあの例の有名な2・4Dというものが検出され、同じころフィリピン産バナナから発がん性が確認されているベノミルでしたかがやはり見つかったというのを記憶しております。
 ところで、農産物の輸入に関する衛生検疫措置に関するSPSですけれども、この協定に従えば、多くの食品で国際基準よりも厳しい我が国の基準も、先ほど来言われておりますが、緩和を求められる可能性を厚生省はこのように言っております。WTOの発足で我が国の基準が根本から変わることはない、科学的根拠があれば独自基準の必要性も主張できると、こう言っておられますからある程度安心しているんですが、ところが協定では、国の基準ではなく地方自治体の条例や非政府機関の規則も対象となるとなっておりますね。
 そこで私、一つ具体的な例を挙げますが、例えば放射線照射ジャガイモが都内に出荷されないための東京都の行政指導や食品の品質表示に関する基準というのもそうした例でございます。安全条例や基準というものは住民の声というものを反映しながら下から積み上げて今日に来ておりますし、またそれが望ましいことであります。自由貿易の旗のもとに、消費者のために、先ほど来、言っておりますように、せっかく積み上げてきた全国の条例がここでもし否定されるようなことがあればという懸念を持つのは私一人じゃないと思うんです。
 そこで、この点につきまして当局並びに大臣の答弁をいただきたいと思います。
#122
○政府委員(小林秀資君) 食品の安全基準につきましては、国民の健康が確保されるよう、国において科学的な検討に基づきまして全国統一の基準を定めているところであります。
 このため、国が定めた食品の規格基準のような分野においては、地方自治体が独自の基準を定める必要はないと考えております。また、国において基準を定めていない分野について地方自治体が地域的な必要竹から規制を設ける場合にも、SPS協定を遵守している限り国際的にも尊重されるものであると考えております。
 また、民間団体が自主的にとっている措置は、本協定の規制の対象とする衛生植物検疫措置には当たらないものと解釈をいたしております。
 なお、東京都の行っている放射線照射バレイショである旨の表示の指導でございますが、国の食品衛生規制で認められている放射線照射されたバレイショについて、消費者の商品選択に資するためばら売り商品にも表示させるものであることから、食品の安全性に直接関係するものでなくSPSの対象とはならない、こう解釈をいたしております。
 いずれにしましても、国としては、地方自治体独自の規制が正当な目的を有する場合には無に帰してしまうというおそれはないものと考えておるところでございます。
#123
○萩野浩基君 心配がないという、それではちょっと安心できないんですね。
 私は先ほど来言っておりますけれども、民間も出てきますし、特にこれからは地方分権の時代と言われておりますし、それぞれ自治体の中でもそれなりに、これは特に食べ物に関しては健康第一ということで自治体なりの努力もしている点はあるわけですから、今局長の答弁ですと心配ないと、言われるんですが、私はこの点に関しては幾ら心配してもし過ぎることはないですし、消費者のために積み上げてきた全国の条例というものを大切にするというような姿勢は、民主主義の世の中ですし、やはりこれは大事にしていってほしいと思います。
 その点につきまして、大臣、一言御答弁いただきたい。
#124
○国務大臣(井出正一君) SPS協定が自治体の条例による規制にも適用されるのは問題じゃないかという先生の御質問だと思いますが、SPS協定につきましては、一般論として地方政府が食品衛生の観点から条例等により規制を行っている場合にも適用されると考えております。ただ、この協定においては貿易に対する悪影響となる規制が問題となり得るわけでございまして、現在このような規制が現実に生じているとは承知しておりません。生じていないと考えております。
 一方、我が国におきましては、食品衛生法上食品の規格基準については厚生大臣が全国統一の基準を定めるものとされておるところでございまして、この基準は国民全体の健康が確保されるよう、食品衛生調査会における科学的な検討を経て定められているものであります。
 したがいまして、地方自治体が独自に厳しい基準を上乗せというんでしょうか、定める必要はない、またそんなことが生ずるような基準じゃいけないというふうに考えているところであります。
 ただ、消費者保護条例といったような問題との関係をどういうふうに考えるべきかこれは何かTBT協定というんでしょうか、むしろ貿易の技術的障害に関する協定の分野で、SPSあるいは食品衛生法上とはちょっと次元を異にしているのかなと、こんなふうに今思っているところであります。
#125
○萩野浩基君 いずれにしましても、この法律の逆用に当たっては、危険が発生するその予防というものにとどまらず、先ほど来私が言っております我々の命あっての物種ですから、食品の安全を確保し積極的に国民の健康の保持、これに努めるという点を特にお願いしておきたいと思います。
 終わります。
#126
○理事(菅野壽君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、勝木健司君が委員を辞任され、その補欠として山下栄一君が選任されました。
#127
○西山登紀子君 食品衛生法の改正が二十三年ぶりに行われるわけですけれども、なぜ今改正されるのか、私は大臣の提案理由説明をもう一度よく読んでみました。大臣はこう述べておられます。「食品の安全性に関する問題の複雑多様化、輸入食品の著しい増加、国民の栄養摂取状況の変化など、我が国の食品保健を取り巻く状況は大きく変化しております。また、規制緩和の社会的要請、規制の国際的整合化の要請に対応していくことも重要となっております。」、こう言われているわけです。
   〔理事菅野壽君退席、委員長着席〕
 この改正理由の前段の、輸入食品の著しい増加だとか栄養摂取状況の変化というのは最近始まったことではありませんね。およそ二十年ほど前からそうなっているわけです。ですから、もう一つの理由であります規制緩和の社会的要請、規制の国際的整合化の要請に対応していくこと、実はこのことが今回の改正の本当のねらいではないか後段に述べられている部分が今回の改正のねらいだというふうに思うわけです。
 機制緩和の付会的要請や規制の国際的整合化の要請というのは、実は食品の安全性を求めている消費者、国民の要求ではありません。この間の本会議質疑の後で、消費者団体の方から要望書もいただきました。その中には、天然添加物や残留農薬などの規制を強化してほしいだとか、七二年の国会の附帯決議を尊重して食品添加物などの使用を極力制限し総量規制を図ってほしい、輸入食品や農産物の検査体制を後退させないでほしい、こういう要望が現に寄せられているわけです。
 そこで、大臣にお伺いしたいわけですけれども、国際的整合化への対応に対する危惧というのは先日の参議院本会議での代表質問でも各党からそろって指摘をされた点です。この点を国民の多くが心配しているということだと思いますけれども、今回の法改正は国際的整合化のための改正、これが本当の改正理由ではないでしょうか。大臣の御意見を。
#128
○国務大臣(井出正一君) この間の本会議で趣旨説明のときにも申し上げましたように、今日、食品保健行政を取り巻く環境は、輸入食品の増大あるいは食に関する安全・健康志向の高まり等、国民の食生活の変化が著しいこと。さらにまた、WTO協定の締結により今後輸入食品のさらなる増大が予想されるとともに、食品の企画基準等の国際的整合化を進めることとされたこと。三番目には、営業者の負担等の軽減等のため規制緩和が政府の、重要課題となっていること。さらに、この七月から施行されます製造物責任法により、営業者の自主的衛生管理の重要性がさらに高まっていることなど、取り巻く環境は大きく変化をしておるわけでございまして、これらの変化に対応して、食品の安全と国民の健康を守るための食品保健対策を総合的に推進するために行うものだと考えております。
#129
○西山登紀子君 いろいろおっしゃるわけですけれども、輸入食品の増加というのは、カロリーベースで見ますと一九七五年に既に自給率が五。四%しか我が国はありません。昭和四十年のときには七三%あったものが急速に減っている。七五年のときに既にそういう状況に入っていたわけです。
 ですから、私は今回の改正というのは、農家の方々や消費者の件さんの反対を押し切って批准をされましたガット・WTO協定によりまして、その一部でありますSPS協定、衛生植物検疫措置の適用に関する協定、こういうSPS協定の加盟国になった、そのために国際的な整合が求められた、その結果の改正だというふうに考えます。
 具体的な問題に移りたいと思います。食品添加物、これは人体にとってもともと異物であります。長い間の蓄積や複合作用など、まだ未解明の部分もあります。当然少ない方がよいのではないでしょうか。
#130
○政府委員(小林秀資君) 食品添加物は、食品の製造の過程におきまして食品の加工、保存の目的で用いられるものでありまして、魚肉練り製品やチーズの腐敗、変敗の防止に用いられるソルビン酸、それから油脂の酸化防止のために入れられる没食手酷プロビル等、安全で円滑な食品の供給に貢献しているものでございます。
 また、添加物の指定に当たっては、食品衛生調査会において安全性につき厳正に審議するとともに、必要に応じ使用量の上限を使用基準として定めているところでございます。したがいまして、添加物の使用基準を遵守し適正に使用される限り、人の健康確保に支障となるものではないと考えておるところでございます。
#131
○西山登紀子君 二十三年前の法改正のときには、食品添加物に対しては非常に厳しい方向が国会でも打ち出されております。直前にカネミ油症事件などもありまして、国民の中にはPCBだとか農業による汚染や健康への関心が非常に高まっていた。それによって、国会での七二年の附帯決議、特に、衆議院の附帯決議よりも私は参議院の社会労働委員会での附帯決議は非常に内容が厳しいものだというふうに思います。例えば「食品添加物の安全性については、その時点における最高の科学的水準により常時点検を独化するとともに、食品添加物の使用は極力制限する方向で措置することとし、」、こういうふうになっているわけです。「食品添加物の使用は極力制限する方向で措置することとし、」、国会の附帯決議がそういうふうになっています。
 薬も同じなわけですけれども、医薬品の認可は国が安全審査をします。国が安全と認めた薬でさえもスモンのような薬害が出ております。さらに、薬効再評価では言われていた効果がないなどの理由で取り消される例もあるわけです。医薬品の認可という厳密な安全審査でさえもこういう状況があります。
 食品添加物についても同じような例がありまして、厚生省が安全だとして一たん指定をしてさんざん使われてきた合成食品の添加物の中からも、一九五二年から九一年までに六十二品目もが人体に有害あるいは不必要だという理由で指定が解除をされているわけです。
 ところでお伺いいたしますけれども、厚生省は、一九八一年当時に食品添加物行政五カ年計画というものを持っていて、天然添加物についても安全審査をして食品添加物として指定していくという計画を持っておられたんではないでしょうか。
#132
○政府委員(小林秀資君) 先生御指摘の内容は、昭和五十六年の時点において当時の食品化学課長が、食品添加物の今後の動向等、将来的な構想の一つとして公表したものと思われます。その後の添加物行政については、平成元年に天然添加物を含めすべての添加物について表示を義務づけるなど施策を講じてまいりました。
 今回の法改正においては、食経験のない天然添加物の増加に対応して、国際的な調和の観点も踏まえ、天然添加物について化学的合成品と同様の指、定制を導入することといたしました。
 天然添加物の指定制導入に当たり、現在食品に使用されている天然添加物は引き続き使用を認めることといたしておりますが、これは長い使用実績があり、人の健康確保にとって問題があるという個別具体的な知見も報告されていないことから、適切な措置と考えて実施をすることにいたしております。
#133
○西山登紀子君 私も、八一年当時に厚生省が検討しておられた食品添加物行政五カ年計画、こういうものを調べてみました。指定外の添加物、つまり天然添加物につきましても、安全性のデータを集め、専門学者による委員会による評価をやり、使用禁止しなければいけない添加物やリスト外の添加物など非常にきめ細かく安全審査を行って、それも二年か三年かけてやる、そして承認する食品添加物をきちっと指定をしていく、しかも五年ごとに改定をしていく、こういうふうな非常に厳格なものが八一年当時検討をされていたわけです。
 ところが今回は、安全審査は後回しにして先に指定をしておく、初めに指定ありきという態度であります。これでは私は、日本の食品添加物指定制度、安全を確認されたものを指定していくという制度から再八十度方向を転換した措置ではないかというふうに思います。コーデックス基準とかアメリカやEUでは、天然添加物と化学的合成品の区別はありません。食品添加物というふうになっているわけです。ですから、今回の改正も、第六条で同じように食品添加物と一括して承認をしていく。こういう点でもコーデックス基準に合わせる改正となっていると思うわけです。国際的整合化を急いただけの措置と。言われても仕方がありません。
 安全審査もなく指定添加物として認めるということには消費者、国民から心配の声が上がっているわけです。まず安全審査を先行させるべきではありませんか。
#134
○政府委員(小林秀資君) 天然添加物の指定制導入に伴いまして、現在食品に使用されている天然添加物は引き続き使用を認めることとしておりますが、これはさっきも述べましたように、長い使用実績があり、人の健康確保にとって問題があるという個別的、具体的な知見の報告がないということ、それから既に広く流通し特に問題がないものを、安全性が評価されて指定されるまで一たん禁止することは過剰な規制であるとともに混乱が生じるなど、妥当ではないことによるものでございます。
 むしろ、これら既存の天然添加物の安全性については、従来から行っている天然添加物の毒性試験の実施等を充実強化し、安全性上の問題が明らかになった場合には随時流通を禁止する等、必要な措置を講ずることが妥当な方法であると考えておるところでございます。
#135
○西山登紀子君 いろいろおっしゃいますけれども、結局は、安全審査なしで今まで何の規制もなく使われてきた天然添加物に、一気に安全であるというお墨つきを与えるものにほかなりません。
 次に、コーデックス基準についてお伺いをいたします。
 日本で食品添加物として認められていない化学的合成品がコーデックス基準には七十九品目もあります。これから食品添加物の新規の認可が急増することは容易に予想できるわけですけれども、今後はこのコーデックス基準を受け入れる方向ではないんでしょうか。
#136
○政府委員(小林秀資君) 新たな食品添加物の指定に当たりましては、個別品目ごとに必要な資料を添えて要請があったものにつき食品衛生調査会で意見をお伺いしまして、科学的に安全性、有効性が確認できたものに限りその指定を行うという方針で対処してきたところであります。
 現在、国際機関、これはJECFAでございますが、JECFAにより安全と評価された添加物にあっては、我が国ではいまだ指定されていないものが百二十一品目あります。また国際基準、これはコーデックスの方ですが、コーデックスの国際基準が定められているものにあっては、我が国で未指定なものが今先生おっしゃったように七十九品目ございます。
 これらについては、外国等から新規の指定要請があった場合には、今後とも、必要な資料が添付されたものにつき個別品日ごとに食品衛生調査会の意見に基づき科学的に厳正に対処していく考えでございます。厚生省としては、今後とも科学的に厳正な安全性確認に基づき、国民の健康確保を第一に考えて対処する所存でございます。
#137
○西山登紀子君 七十九品目の安全性を審査できるだけの十分なデータが日本は今持ち合わせていらっしゃいません。そこで非常に心配なわけですが、そもそもコーデックス基準というものはどんな基準かということです。
 コーデックス委員会というのは何を目的につくられた委員会かといいますと、WHOの中嶋宏事務総長がこのように言っておられます。「相反する衛生及植物衛生上の基準による非関税貿易障壁の除去を通じて国際貿易を促進するという面でのコーデックス委員会の基準の重要な役割」があるというふうに述べていらっしゃるわけです。
 そこで、私は厚生省の方から資料をいただきまして、FAOとWHO、そこの合同食品規格委員会というのがあるわけですけれども、そのメンバーがどういう国から参加をしていらっしゃるか少し調べてみました。
 九二年、WHOの委員は七人、FAOは七人です。ちなみに少し国名を挙げてみますと、WHOの方はスウェーデン、チェコ、オーストラリア、アメリカ、フランス、中国。それからFAOの方はハンガリー、カナダ、オーストラリア、アメリカ、ドイツ、デンマーク、中国。合計十四名です。WHOにもFAOにもいずれの委員会にも委員を出している国というのはオーストラリア、アメリカ、中国です。そして、両方の合同委員会に複数の委員を派遣している国はオーストラリア、USAと中国、こういうことになります。
 九三年には、少々の国の入れかわりはありますけれども、合計十五名。そして、WHOとFAOの両方に委員を出している国はオーストラリアとアメリカでありまして、複数の委員を出しているのはオーストラリア、アメリカ、ドイツ、こういう国名になるわけです。こういう専門家会議のメンバーであるわけですけれども、その専門家会議に参加している専門家の国別はそういう状況でございます。
 その国というのは、結局農廃物の輸出国ということでありまして、日本などは、これは政治の結果ですが、自給率がうんと下がってしまっているわけですけれども、このようなコーデックス委員会の食品規格基準をつくるメンバーというのは農産物の輸出国が大半でございます。
 こういうふうな構成になっているというふうに私は思うのですけれども、いかがですか。
#138
○政府委員(小林秀資君) FAO・WHO合同残留農薬専門家会議、JMPRと申しますが、これはFAO・WHOの指名により残留農薬の安全性等に関する専門家が学識経験者として参加されるものでありまして、各専門家は国の代表として参加しているわけではまずございません。
 それから、御指摘のように委員構成から輸出国主導か否か諭ずることは私どもは適切ではないと考えておりますが、仮に一九九二年及び一九九三年の会議に出席した専門家の出身国を見ても、食糧輸出国だけでなくて輸入国からもかなりの参加が見られているわけでございます。
 いずれにしましても、MPRは専門家がそれぞれの専門分野の立場から討議する場でございまして、その評価結果も公表されているということから、食糧輸出国が主導しているというような懸念はないものと承知をいたしておるところでございます。
#139
○西山登紀子君 国の代表ではない、専門家なんだという御意見ですけれども、やはり構成を見ましても農産物を輸出している国の主導によるものであります。輸入している国というのはほんのわずかです。そして、コーデックス委員会の基準というものは非関税障壁の除去を通じて国際貿易を促進するという目的の基準とならざるを得ないというのは、コーデックス委員会の総会には企業もオブザーバーとして参加を認められるというようなことになっています。
 私が懸念いたしますのは、そういうふうにしてつくられた基準が、この間の本会議でも申し上げましたけれども、例えばハムの発色剤などについて、硝酸ナトリウム、日本の基準の七倍、発がん物質の臭素酸カリウムは一・六六倍、日本では認められていない抗生物質の添加をチーズの保存料として認めている、日本では冷凍魚介類には着色料の使用は認められていないんですけれどもこれが認められている、さらには残留抗生物質だとか放射線照射食品も認められている。日本では認められていませんでした。そういうことで非常に基準が緩いものでありますし、また非常に危険なものであるというふうに思うわけです。
 我が国独自の十分な安全審査を行うべきであって、安易にこのコーデックス基準をうのみにすべきではないと思うんですけれども、いかがですか。
#140
○政府委員(小林秀資君) 先ほども述べましたように、新たな食品添加物の指定に当たっては、個別品目ごとに必要な資料を添えて要請があったものにつき食品衛生調査会の意見を聞いて、科学的に安全性、有効性が確認できたものに限りその指定を行うという方針で対処いたしております。
 したがいまして、国際基準や国際機関による安全性評価を参考にはいたしますけれども、食品衛生調査会において提出されました資料に基づき添加物の安全性、有効性につきまして厳正に審議を行うものであり、国際基準をうのみにするものでなく、今後とも国民の健康確保を第一に、科学的に厳正に対処する所存でございます。
#141
○西山登紀子君 そういうふうに言われますけれども、私は安心することはできないし納得ができない。また後ほど展開いたします。
 次に、残留農薬基準の問題についてお伺いをいたします。
 現在、ポストハーベストの農業使用というのは基本的に認められておりません。ところが、コーデックス食品規格の基準に基づいてポストハーベストを含めた新たな残留農薬基準の準備が進められていると。先ほどもありました、厚生省は二〇〇〇年をめどに二百種類程度の基準を策定したいというふうに言っているわけですけれども、国民や消費者が一番心配している点は、この基準というのが従来の残留農薬基準をはるかに緩和した内容になるのではないかということを懸念しているんですね。それには根拠があるわけです。
 新たに設定を進めている残留農薬基準というのは、先ほども申し上げましたようにポストハーベストを含めた国際基準、コーデックス基準、これを遵守していくという方向を目指していると思うわけです。国民は決して農業漬けを望んでいるわけではありませんし、我が党の藤田スミ衆議院議員が国会の予算委員会で追及をいたしました内容を少し御紹介したいと思うんですけれども、いかにこのコーデックス残留農薬基準というのが危険な内容であるかということです。
 例えば、日本では危険な農業として使用禁止の上、食品衛生法上も検出せずとの扱いになっているディルドリン、エンドリンについても使用を前提とした残留農薬基準が設定をされています。また、日本の残留農薬基準と比べると最高十五倍も基準が緩いものになっているわけです。また、危険な農業として日本では使用禁止や農業の登録が失効、未登録となっているクロルデン、2・4・5T、フォルペット、アルディカーブなどの農業使用を前提とした残留農薬基準が設定されているわけです。そのほか幾つも挙げられるわけですけれども、こんなに違いがある、非常に緩い、危険だというふうなことで私は非常に心配です。
 とりわけ、将来にわたって子供たちの健康を脅かす重大な影響が出るのではないかというふうに心配されるわけですけれども、こういう国際基準に合わせるという方向をおとりになるのかどうか、お伺いをいたします。
#142
○政府委員(小林秀資君) 残留農薬基準につきましては、我々先ほどからも申し上げているとおり、国際基準を参考にすることはありますけれども、国際基準をうのみにするようなことは決して考えておりません。あくまでも国民の健康を第一に食品衛生調査会にお諮りをいたしまして、そして我が国の基準をつくってまいるわけであります。
 したがいまして、日本人がよく食するもの、例えばお米だとかミカンだとかそういうものに使われる農業に国際基準をそのまま導入したと仮定をすると、場合によっては、日本人がその食品をたくさん食べているがためにADIを超してしまうような事例が計算上は出てくるかもしれません。しかし我々としては、このSPS協定にもありますように、科学的理由がある場合にはコーデックス基準によらなくていいということが記載されているわけでございますし、実際に食品衛生調査会では国民の健康を第一に考えていくということで、先生御心配されるようなことは私は決してあり得ないと、このように思っております。
#143
○西山登紀子君 従来はそういうような形でおやりになってきたということでしょうけれども、やはり事態は違っているわけですね。WTO協定に加盟をし、SPS協定も加盟をし、こういう状況のもとでは、そういうことがそれでは守られるのかという点で私は大変な懸念を持っております。政府は、よく科学的な正当性、云々ということを主張されるわけですけれども、残念ながらなかなかそれは困難であるということを指摘せざるを得ません。それはSPS協定の内容にあるわけです。
 まず、SPS協定の最初には、「加盟国は、人、動物又は植物の生命又は健康を保護するために必要な衛生植物検疫措置をとる権利を有する。ただし、衛生植物検疫措置が、この協定に反しないことを条件とする。」という規定があります。この点が非常に重大なわけです。国が自国民の命や健康を守るために必要な措置を講ずる権利がガット協定に反しない限り、こういう規定になっているわけで、この点は私は国の主権を非常に制限するものであるというふうに考えます。厚生省が言ったり大臣が誘われたりする、我が国独自の基準がつくれるんだ、科学的正当性があればそういう基準がつくれるから安心しなさいと国民におっしゃるけれども、しかし私は、もともとそれは許されない協定なのであるというふうに指摘せざるを得ません。
 さらに、SPS協定には国際基準への調和を推進させるためのさまざまな仕組みが用意されているわけです。例えばWTOに設置されている衛生防疫措置委員会というのは、国際基準受け入れ状況の監視、受け入れをしていない国にはその理由を公示させ、さらに国際機関に審査を要請するという権限を持っている。このように国際基準を守らせるためにもうがんじがらめに手足が縛られているわけなんです。
 時間がなくなりましたから、最後の質問と、あわせて大臣にお伺いをいたします。
 私は、このSPS協定というのは、我が国独自の基準などと言っても国際的には通用しないそういう仕組みにされている。そして、このコーデックス基準、国際基準を守らせるためにがんじがらめにしているんだという点を指摘しておきたいと思いますし、科学的正当性があるから厳しい基準を設けることができる、御安心くださいというようなことは、私はやはり国民に対しては欺瞞だと思うんですね。
 本会議の大臣の御答弁の中にこういうふうにはっきりと述べられています。大臣は覚えていらっしゃいますか。国際基準と国内基準の関係を問われたときの御答弁ですけれども、「国際基準は第一に消費者の健康の保護を目的として作成されているものでありまして、我が国においても基本的にはこのような国際基準により国民の健康が確保できるものと考えております。」、こういうふうに言っていらっしゃる。国際基準で大丈夫だ、こういうふうに断言をしているわけですね。
 コーデックス基準についてはいろいろ問題点を指摘もしてまいりましたけれども、大臣を初め政府の方は、初めに国際基準あり、そしてこの国際基準は国民の健康が確保できる、大丈夫だ、こんなふうに断言をしているわけでございます。
 そして、いろいろ指摘をされますと、科学的正当性のある場合には厳しい基準を設けることができる、こういう手続上の問題をおっしゃる。私はその手続についても、協定の中身としてはそれができないような中身になっているということをさらに申し上げておきたいと思うんです。
 そして、既に国際基準でよしとする、大丈夫だと断言するこういう態度というのは、本当に食の安全に責任を持つ、子供たちの将来の体に責任を持つ、そういう立場ではないと思うんですね。
 まとめて大臣の御答弁をお願いいたします。
#144
○国務大臣(井出正一君) 先生御反対のようでありますが、WTO協定は、昨年の臨時国会で長い時間をかけて日本の国際社会における立場を述べ、これが大変日本にとって有益であり意義があるという形で成立した協定であるということを申し上げておきたいと思います。
 それから、「国際基準により国民の健康が確保できるものと考えております。」という答弁を本会議場で申し上げましたが、これは総論としてそのとおりだと思います。もし正当な理由がある場合においてはこれよりも厳しい基準を採用し得ることができるということは、再三御答弁を申し上げたところであります。
 今後とも、国際基準を尊重しながら、国民の健康の確保を最優先に、必要な基準の整備に努めてまいりたいと思っております。
#145
○委員長(種田誠君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
#146
○西山登紀子君 私は、日本共産党を代表して、食品衛生法等の改正に反対の討論を行います。
 周知のように、WTO協定によって、主食である米を含め農産産物の輸入自由化が促進されます。しかもWTO協定によって、コーデックス食品規格にすべての加盟国が従うよう求められているわけです。
 コーデックス食品規格とは、いわゆる非関税障壁の除去を通じて国際貿易を促進するためにつくられた基準であり、その内容は日本で使用できない食品添加物を含む上、残留農薬基準も緩く、極めて安全性に対する厳密性に欠けるものです。
 本改正案の本質は、WTO協定の受け皿、づくりにほかならず、我が国の食品安全基準をコーデックス食品規格にまで緩和、迎合せるための改正です。まずこの点を厳しく批判するものです。
 反対の第一の理由は、「食品添加物については、常時その安全性を点検し、極力その使用を制限する方向で措置すること。」とした一九七二年改正の附帯決議に反し、天然添加物の安全審査を行わないまますべて安全とみなし、食品添加物の指定を拡大することです。
 反対の第二の理由は、残留農薬基準が大幅に緩和されるからです。厚生省は今後、コーデックス食品規格の基準に基づいて、ポストハーベストを含めた新たな残留農薬基準を策定するとしています。その内容は、従来の残留農薬基準をはるかに緩和した内容になることは明らかです。
 厚生省の全国調査でも、子供の三人に一人がアトピー性皮膚炎にかかっており、食べ物との関係も太いに心配されているではありませんか。輸出国主導の国際基準に合わせることによって、国民の健康に影響をもたらす可能性は否定できません。コーデックス食品規格に迎合することなく、ほ本の実情に合わせた厳しい農業の残留基準を設定すべきです。
 第三の理由は、輸入食品の安全チェックか、主に輸入業者の自主検分に任されることになるからです。これで本当に輸入食品の安全は守られるのかと、危惧の声があるのは当然です。輸入食品の増大に対応して、検疫所における食品衛生監視員の増員、食品検査機能の強化、検査率の向上などにより輸入食品の安全確保を図るべきです。
 また、国民的コンセンサスもなく、検証もない総合衛生管理製造過程、HACCPについては、もっと研究する必要があり、その導入は時期尚早です。
 私は、消費者本位、食の安全を第一とする改正こそが今求められていることを強調して、反対の討論を終わります。
#147
○委員長(種田誠君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。
 これより採決に入ります。
 食品衛生法及び栄養改善法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#148
○委員長(種田誠君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 この際、小暮君から発言を求められておりますので、これを許します。木暮君。
#149
○木暮山人君 私は、ただいま可決されました食品衛生法及び栄養改善法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、日本社会党・護憲民主連合、平成会及び新緑風会の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 以下、案文を朗読いたします。
 食品衛生法及び栄養改善法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
 政府は、次の事項について、適切な措置を講ずべきである。
 一 食品衛生法の運用に当たっては、単に衛生上の危害の発生防止にとどまらず、食品の安全を確保し、積極的に国民の健康の保持増進を図るよう努めること。
 二 残留農薬基準の早期整備を行うとともに、国内で新たに使用される農業については、農業取締法に基づく登録に併せて速やかに残留農薬基準を策定すること。また、将来的に環境が整えば、現在、食品添加物の機制で導入されているポジティブリスト制の導入を検討すること。
 三 食品添加物の指定及び規格基準並びに残留農薬基準については、国際的基準との整合性を考慮しつつ、科学的根拠による安全性評価に基づき指定及び策定を行うとともに、最新の科学的知見に基づき適宜見直しを行うこと。特に、既存の天然添加物については、速やかに安全性の見直しを行い、有害であることが実証された場合には、使用禁止等必要な措置を講じること。
 四 食品の安全に関する国際基準の策定に積極的に関与し、我が国の食品の安全性に関する管理科学の研究成果を国際基準に反映できるよう努めること。また、その策定過程において、関係の消費者、生産者等の意見が反映されるよう努めること。
 五 食品に含まれる物質の健康影響に関する研究、食品の安全性評価手法等の高度化に関する研究など食品の安全性確保のための調査研究を推進するとともに、国、地方の試験研究機関の調査研究体制の整備を図ること。
 六 輸入食品の増大に対応して、検疫所における食品衛生監視員の確保、食品検査機能の強化、検査率の向上等、輸入食品の安全確保体制の整備を図ること。また、食品検査施設における検査の管理運営基準(GLP)の導入については、地方自治体においても円滑な導入が図られるよう配慮すること。
 七 食品衛生調査会の委員等については、消費者、生産者等も含めたより広い範囲の学識経験者の中から任命するとともに、食品の規格基準等の制定に際しては、消費者の意見・異議を聴取するよう努め、適切に対処すること。
 八 食品保健関係の情報については、消費者の要望を踏まえつつ、十分にかつ利用しやすい形で体系的に提供するとともに、食品保健行政の決定の根拠となった資料については、知的所有権に配慮しつつ、可能な限り公開すること。
 右決議する。
 以上であります。
#150
○委員長(種田誠君) ただいま木暮君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#151
○委員長(種田誠君) 多数と認めます。よって、木暮君提出の附帯決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、井出厚生大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。井出厚生大臣。
#152
○国務大臣(井出正一君) ただいま御決議になられました附帯決議につきましては、その御趣旨を十分尊重いたしまして努力いたす所存でございます。
#153
○委員長(種田誠君) なお、審査報告苦の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#154
○委員長(種田誠君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後二時五十七分散会
ソース: 国立国会図書館
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