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1995/02/09 第132回国会 参議院 参議院会議録情報 第132回国会 文教委員会 第1号
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1995/02/09 第132回国会 参議院

参議院会議録情報 第132回国会 文教委員会 第1号

#1
第132回国会 文教委員会 第1号
平成七年二月九日(木曜日)
   午後一時開会
    ―――――――――――――
  委員氏名
    委員長         松浦 孝治君
    理 事         南野知惠子君
    理 事         森山 眞弓君
    理 事         会田 長栄君
    理 事         浜四津敏子君
                井上  裕君
                木宮 和彦君
                世耕 政隆君
                田沢 智治君
                上山 和人君
                肥田美代子君
                本岡 昭次君
                森  暢子君
                及川 順郎君
                北澤 俊美君
                木暮 山人君
                乾  晴美君
                江本 孟紀君
                橋本  敦君
    ―――――――――――――
   委員の異動
 一月二十七日
    辞任         補欠選任
     木暮 山人君     林  寛子君
     浜四津敏子君     木庭健太郎君
 二月一日
    辞任         補欠選任
     上山 和人君     藁科 滿治君
 二月二日
    辞任         補欠選任
     藁科 滿治君     上山 和人君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         松浦 孝治君
    理 事
                南野知惠子君
                森山 眞弓君
                会田 長栄君
                及川 順郎君
    委 員
                井上  裕君
                木宮 和彦君
                世耕 政隆君
                田沢 智治君
                肥田美代子君
                本岡 昭次君
                森  暢子君
                北澤 俊美君
                林  寛子君
                乾  晴美君
                橋本  敦君
   国務大臣
       文 部 大 臣  与謝野 馨君
   政府委員
       文部政務次官   岡崎トミ子君
       文部大臣官房長  佐藤 禎一君
       文部大臣官房総
       務審議官     雨宮  忠君
       文部大臣官房文
       教施設部長    木村  直君
       文部省生涯学習
       局長       泊  龍雄君
       文部省初等中等
       教育局長     井上 孝美君
       文部省教育助成
       局長       遠山 耕平君
       文部省高等教育
       局長       吉田  茂君
       文部省学術国際
       局長       岡村  豊君
       文部省体育局長  小林 敬治君
       文化庁次長    林田 英樹君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        青柳  徹君
   説明員
       労働省職業安定
       局業務調整課長  井原 勝介君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○理事補欠選任の件
○国政調査に関する件
○教育、文化及び学術に関する調査
 (文教行政の基本施策に関する件)
 (平成七年度文部省関係予算に関する件)
 (平成七年兵庫県南部地震災害に関する件)
 (派遣委員の報告)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(松浦孝治君) ただいまから文教委員会を開会いたします。
 議事に先立ち、去る一月十七日に発生いたしました兵庫県南部地震により亡くなられた方々とその御遺族に対し、本委員会として謹んで哀悼の意を表します。
 ここに、犠牲者の御冥福をお祈りし、黙祷をささげたいと存じます。
 御起立をお願いいたします。黙祷を願います。
   〔総員起立、黙祷〕
#3
○委員長(松浦孝治君) 黙祷を終わります。御着席願います。
    ―――――――――――――
#4
○委員長(松浦孝治君) 委員の異動について御報告いたします。
 去る一月二十七日、木暮山人君及び浜四津敏子君が委員を辞任され、その補欠として林寛子君及び木庭健太郎君が選任されました。
    ―――――――――――――
#5
○委員長(松浦孝治君) 次に、理事の補欠選任についてお諮りいたします。
 委員の異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。
 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○委員長(松浦孝治君) 御異議ないと認めます。
 それでは、理事に及川順郎君を指名いたします。
    ―――――――――――――
#7
○委員長(松浦孝治君) 次に、国政調査に関する件についてお諮りいたします。
 本委員会は、今期国会におきましても、教育、文化及び学術に関する調査を行いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#8
○委員長(松浦孝治君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#9
○委員長(松浦孝治君) 次に、教育、文化及び学術に関する調査を議題とし、文教行政の基本施策について与謝野文部大臣から所信を聴取いたします。与謝野文部大臣。
#10
○国務大臣(与謝野馨君) 所信を申し述べるに先立ち、まず、去る一月十七日に発生した兵庫県南部地震により亡くなられた方々とその御遺族に対し深く哀悼の意を表するとともに、被害を受けられた被災地の皆様方に心からお見舞いを申し上げます。
 この際、今回の兵庫県南部地震に関し、被害状況と文部省の対策について御報告いたします。
 今回の兵庫県南部地震による文部省関係の被害状況は、八日現在、施設については、小中高等学校、大学、文化財等合わせて四千四百七十一施設が被害を受けております。また、児童生徒、学生四百五十二名、教職員三十四名の死亡が報告されております。
 被災地におきましては、現在、学校等の教育関係施設に約十六万人の被災した住民の方が避難しており、教職員が中心となって救援活動に従事しております。また、文部省においては、これまで、大学病院等による救急医療への取り組みを初め、全国の大学や青少年教育施設等からの食糧、毛布などの物資の供給、学校給食用の物資の提供や学校給食用施設を活用した炊き出しの実施など、当面の緊急対策について関係機関に積極的な取り組みを要請し、可能な限りの対策を講じてきたところであります。
 私としては、今後さらに、これから本格化する大学入試や高校入試の円滑な実施と学校における正常な教育活動のできる限り速やかな再開のために、必要な対策に万全を期してまいる所存であります。
 大学入試については、八日現在、約五百七十の大学等が願書締め切り期日の延期等を決定したほか、被災地域の二十二の大学では入試期日の変更や試験場の追加を決定しており、さらに国立大学協会、公立大学協会及び日本私立大学団体連合会等が再試験の実施などの配慮を各大学に要請しております。また、被災地の受験生が大学受験に際して不安のないよう、全国の大学の入試日程の変更等についての情報を大学入試センターにおいて提供するとともに、報道機関等の協力も得て迅速な周知徹底に努めております。なお、被災地の受験生に対し無料で提供できる宿泊施設を確保するとともに、学習場所の確保を図るよう関係機関に要請しております。高校入試については、兵庫県教育委員会や県内の各私立高校において、入試日程の延期等の措置が講じられております。また、被災地を離れて他の地域の高等学校を受験する生徒も予想されますので、全国の都道府県教育委員会等に対し、出願期間や提出書類の取り扱い等についての弾力的な対応を求めるとともに、特別の受験機会の確保、収容定員を超えた受け入れなど、可能な限りの対応を要請しております。
 被災地域の多くの学校においては、地震発生直後から休校措置がとられていたところですが、徐々に授業が再開され、八日現在、小中高等学校で八十九校が休校となっております。授業を再開している学校においても、短縮授業を実施したり二部授業や他の学校施設の利用などの工夫を行っているほか、休校中の学校においても、定期的に児童生徒を登校させ学習活動を行わせるなどの状況にあり、今後とも正常な学校教育活動の早期再開のため、兵庫県教育委員会等と十分連携し、万全の対策を講じてまいります。
 また、八日現在、二万三千人を超える児童生徒が他府県に転入学しておりますが、この受け入れについても万全を期するよう都道府県教育委員会に指導しております。
 さらに、被災地の児童生徒への教科書の無償給与を開始するとともに、学用品等の確保についても、関係団体に協力を要請するとともに、全国の児童生徒による自発的な支援活動の促進を各都道府県教育委員会を通じて要請しているところであります。
 学生、生徒の卒業及び単位認定等の弾力的取り扱いについても、適切な措置がとられるよう各大学、教育委員会等に対し指導しているところであります。また、学生、生徒の就職について、内定取り消しの防止などの対策をさらに講じてまいりたいと考えております。
 さらに、被災した児童生徒、学生及び留学生が就学の機会を奪われることのないよう、就学援助、授業料等の減免、奨学金の貸与、留学生に対する緊急援助金の支給等、各種の支援を行うこととしております。また、被災した児童生徒に対する心の健康相談活動の充実に努めることとしております。
 先般、私も、神戸市内の国公私立の学校及び大学附属病院等の状況を現地調査いたしました。その際、兵庫県、神戸市の両教育委員会及び各大学等からは、学校施設等の深刻な被害状況に照らし、国公私立大学及び専修学校、各種学校を含む学校の施設設備等の早急な復旧とそのための財政措置を含む国の支援に対する強い要請を受けたところであります。文教施設や文化財の復旧につきましては、施設の安全点検を含め、被害状況の調査等を直ちに実施しているところでありますが、今後、必要な財政措置を含めて、万全の措置をとってまいりたいと考えております。
 さて、第百三十二回国会におきまして文教各般の問題を御審議いただくに当たり、所信の一端を申し述べさせていただきます。
 来るべき二十一世紀に向けて、国民一人一人がゆとりと潤いのある生活を実感し、多様な個性を発揮しながら自己実現を図ることができるような社会をつくっていくために、文教行政の果たすべき役割はますます重要になると考えます。
 私は、文教行政を担当する者として、このような使命に思いをいたし、文教行政各般の推進に全力を挙げて取り組んでまいる所存であります。また、このために、教育や学術を未来への先行投資と位置づけつつ、文教予算の充実確保に一層努めてまいります。なお、児童生徒のいじめの問題については、学校、家庭、社会が一体となって緊急かつ総合的に取り組みを進めるべき課題でありますが、私としても十分な取り組みがなされるよう最大限の努力をしてまいります。以下、主要な課題について私の基本的な考えを申し述べます。
 第一の課題は、個性の尊重を目指す教育改革と生涯学習社会の構築であります。
 生涯学習の振興のため、多様な学習活動の展開を図るとともに、社会人を対象としたリカレント教育やボランティア活動の支援などの施策を積極的に推進します。また、放送大学については、放送衛星を利用した全国化の実施に向けて準備を進めてまいります。
 初等中等教育においては、みずから学ぶ意欲や思考力、判断力、表現力などの育成を重視する教育の実現に取り組みます。特に、いじめについては、社会で許されない行為は子供でも許されないという強い認識に立って対処することが必要であります。その上で、各家庭や学校においては、子どもと親や教師との信頼関係を深めつつ、子供の生活態度や学校内の実態を十分把握し、適切な対応をとることが必要であります。私としても、関係機関等とも連携協力しながら、今後さらに、いじめの問題の解決に向けての施策の充実に努めてまいります。
 また、総合学科、単位制高校の設置や職業教育の充実など魅力ある高校づくり、高等学校入学者選抜の改善と中学校における進路指導の改善充実などに積極的に取り組むとともに、環境教育、理科教育、情報教育、健康教育の一層の充実を図ってまいります。さらに、道徳教育や生徒指導の充実、国旗・国歌の適切な指導等についても引き続き推進するとともに、本年四月からの月二回の学校週五日制の円滑な実施に努めてまいります。
 また、初任者研修を初め研修の充実等により教職員の資質の一層の向上に努めるとともに、公立学校の教職員配置の改善、公立学校施設の整備を着実に進めてまいります。なお、義務教育教科書無償給与制度は、今後とも堅持してまいります。
 高等教育においては、現在、戦後最大とも言われる大学改革を進めているところであります。大学におけるカリキュラムの改革、大学院を中心とした教育研究の水準の向上、大学入試の改善、教育研究環境の改善充実などに積極的に取り組むとともに、理工系教育の魅力向上のための施策の充実を図ってまいります。また、育英奨学の充実を図るとともに、昨今の学生の厳しい就職状況等にかんがみ、就職指導の充実などに一層努めてまいります。
 私立学校については、その役割の重要性にかんがみ、私立学校振興助成法の趣旨に沿って、その教育研究条件の維持向上と修学上の経済的負担の軽減等を図るため、私学助成の確保に努めてまいります。
 第二の課題は、人類の知的創造活動としての学術研究の推進であります。
 大学については、研究施設設備の老朽・狭隘化、陳腐化、研究費の不足など研究環境の劣化が指摘されており、その改善充実を図ることが緊急かつ重要な課題となっております。
 我が国が、今後、科学立国として発展していくために、科学研究費補助金の大幅な拡充、大学の教育研究施設設備の改善、若手研究者の養成確保、学術情報基盤の整備など、学術の振興のための総合的な施策を推進してまいります。
 第三の課題は、スポーツの振興であります。
 本年八月に開催されるユニバーシアード福岡大会、平成十年の長野オリンピックなど、我が国で行われる国際競技大会の開催支援と日本選手の競技力向上を図るとともに、国民のスポーツニーズの多様化を受けて、いつでもどこでもスポーツを楽しめる生涯スポーツの振興が重要な課題となっています。さらに、プロスポーツに対する国民の関心も一層高まっております。
 このため、スポーツ振興基金による助成を含め、スポーツ施設の整備充実、すぐれた指導者の養成確保、各種スポーツ事業の推進など、諸施策の一層の充実に努めてまいりたいと考えております。
 第四の課題は、「文化発信社会」の構築を目指す文化行政の新たな展開であります。
 これからの我が国は、伝統文化を継承しつつ、個性豊かな文化の創造と発信を通じて国際社会に貢献を行い、人々が心にゆとりと潤いを持って入間らしく生きることができるような真の意味での文化立国を目指すべきであると考えます。
 このため、すぐれた芸術創作活動の推進や若手芸術家の養成の充実に努めるとともに、地域における文化の振興に係る各種の施策や、文化財の保存と活用のための諸施策を推進してまいります。また、国立文化施設の整備充実や第二国立劇場の開場に向けての諸準備などを着実に進めてまいります。
 最後に、国際化の一層の進展と情報化社会に対応するための文教施策の積極的な推進であります。
 教育、学術、文化、スポーツを通じて国際交流を推進し、国際社会に貧献していくことは極めて重要な課題であります。このため、今年五十周年を迎えるユネスコを初め、国連大学、OECD等の国債機関を通じた教育協力や途上国への援助、協力を推進するとともに、研究者交流や国際共同研究の充実等に努めてまいります。また、留学生交流については、短期留学推進制度を創設するほか、留学生受け入れ十万人計画の達成に向け、各種施策を推進してまいります。さらに、アジア諸国を初めとする海外の文化遺産保護に関する協力等を推進してまいります。
 また、情報化の目覚ましい進展に適切に対応するため、情報教育の推進を図り、教育用のソフトウエアや教育方法の研究開発、生涯学習、文化、学術等に関する情報ネットワークの整備等を積極的に図ってまいります。
 以上、文教行政の当面する諸課題について所信の一端を申し述べました。
 文教委員各位の一層の御理解と御協力をお願いいたします。
#11
○委員長(松浦孝治君) 次に、平成七年度文部省関係予算について、岡崎文郡政務次官から説明を聴取いたします。岡崎文部政務次官。
#12
○政府委員(岡崎トミ子君) 予算案の説明に先立ちまして、一言申し上げます。
 先般の兵庫県南部地震での罹災につきましては、まことに心痛のきわみであります。兵庫県を初めとする各方面からたくさんの要望が寄せられておりますが、文部大臣が所信で表明されましたように、文部省といたしましても、文教施設の復旧と教育活動等の一刻も早い回復に向けて最大限の努力をしてまいります。
 さて、平成七年度文部省所管予算につきまして、その概要を御説明申し上げます。
 来るべき二十一世紀に向けて、我が国が創造的で活力に満ち文化の薫り高い国家として発展し、国際的にも大きな役割を果たしていくとともに、国民一人一人がゆとりと潤いのある生活を実感し、多様な個性と創造性を発揮できる社会を築いていくことが求められております。このため、平成七年度予算の編成に当たりましては、教育や学術を未来への先行投資として位置づけ、教育、学術、文化、スポーツの各般にわたり、その着実な推進を図ることとし、所要の文教予算の確保に努めたところであります。
 文部省所管の一般会計予算額は五兆六千三百九十三億七百万円、国立学校特別会計予算額は二兆五千三百六十四億五千七百万円となっております。
 以下、平成七年度予算における主要な事項について御説明申し上げます。
 第一は、生涯学習の振興に関する経費でありますが、生涯学習社会の実現に向けて、人々の生涯にわたる多様な学習活動の振興に資するための施策を総合的に推進することとしております。
 まず、生涯学習の基盤整備につきましては、生涯学習情報提供機能の整備、生涯学習ボランティアの支援・推進、指導者の確保等に努めていくこととしております。
 学校の生涯学習機能の拡充につきましては、放送大学について、広く社会人に大学教育の機会を提供するため、放送衛星を利用した全国化を推進するとともに、公開講座や学校開放の促進、専修学校教育の振興を図ることとしております。
 また、社会教育の面では、現代的課題等の学習機会の充実を図るとともに、少子化等に対応した家庭教育の振興や青少年の学校外活動の振興を図ることとしております。
 さらに、国立オリンピック記念青少年総合センター等国立社会教育施設の充実を図るとともに、大型公民館や図書館等を中心に公立社会教育施設の整備を促進することとしております。
 第二は、個性豊かな自立した人間性を育てる初等中等教育の充実に関する経費であります。
 まず、公立義務教育諸学校の教職員配置につきましては、第六次教職員配置改善計画の第三年次分の改善を着実に実施することとしております。
 次に、教員の資質の向上を図るため、初任者研修を初めとする現職研修の充実、教員の海外派遣、教育研究団体への助成等を行うとともに、中学校の免許外教科担任の解消等を図るため、非常勤講師配置調査研究補助を拡充することとしております。
 教育内容につきましては、学習指導要領の一層の定着を図るため、引き続き運営改善講座等を行うとともに、国際化に対応した外国語教育の充実や、豊かな人間形成に資する読書指導の充実及び学校図書館の活性化を図ることとしております。
 理科教育につきましては、一層の推進を図るため、教員に対する観察実験指導力向上講座を開催するとともに、教育センターを含めた理科教育設備の整備を行うほか、市町村単位程度の一定地域に科学学習センターを設置し、児童生徒の体験的学習活動を促進することとしております。
 また、産業教育の振興のための産業教育施設設備の整備も引き続き充実を図ることとしております。
 情報教育につきましては、情報化への対応を円滑に進めるため、教育用ソフトウェアライブラリセンターの設置、学習用ソフトウエアの開発を行うとともに、近年の情報通信基盤の急速な進展に対応し、情報ネットワーク活用推進地域の指定、僻地学校高度情報通信設備活用研究開発事業等を行うこととしております。
 高校教育改革の推進につきましては、中央教育審議会の答申の趣旨を踏まえ、総合学科や単位制高校の設置の奨励、学校間連携の促進等、高等学校の個性化、多様化の推進を引き続き図ることとしております。
 学校週五日制につきましては、平成七年四月から月二回実施することとしており、その円滑な定着を図るため、研究協議会等を行うこととしております。
 なお、義務教育教科書の無償給与につきましても所要の経費を計上しております。
 生徒指導の充実強化につきましては、いじめ、校内暴力、登校拒否、高等学校中途退学などの生徒指導上の諸問題に適切に対応するため、学校におけるカウンセリング等の機能の充実を図ることが必要かつ有効と考えられることから、高度な専門的知識、経験を有するスクールカウンセラーの活用等に関する実践的な調査研究を行うほか、適応指導教室についての実践的研究を拡充することとしております。
 また、国立教育会館内にいじめ問題対策センターを設置し、パソコン通信等により全国の学校関係者等に必要な情報を提供するとともに、教育相談員による相談体制の整備を図ることとしております。
 環境教育につきましては、一層の推進を図るため、環境のための地球学習観測プログラムに参加するとともに、児童生徒の環境への関心を高めるための指導方法等の研究、普及を進めるため、モデル校の指定を行うこととしております。
 道徳教育につきましては、引き続きその振興を図るとともに、新たにふるさとの文化と伝統のよさを学び、郷土や国を愛する心を養う伝統文化教育の推進を図ることとしております。
 幼稚園教育につきましては、幼稚園就園奨励費補助を充実するとともに、幼稚園教育振興計画を推進することとしております。
 特殊教育につきましては、新たに学習障害児等に関する理解啓発リーフレットを作成、配布するとともに、特殊教育就学奨励費補助を充実することとしております。
 健康教育につきましては、エイズ教育等の充実に努めるとともに、豊かで魅力ある学校給食を目指して食事環境の整備充実を図ることとしております。
 また、海外子女教育、帰国子女教育につきましては、日本人学校の新設等に対応し、派遣教員を増員するとともに、教育用コンピューターの整備など在外教育施設における教育の充実を図ることとしております。
 さらに、公立学校施設の整備につきましては、市町村等の計画的整備が円滑に進められるよう必要な事業量の確保を図りつつ、屋外運動場のモデル的整備に対し新たに補助を行うとともに、大規模改造事業の拡充等を行うこととし、二千四百七十八億円を計上しております。
 なお、定時制及び通信制教育の振興、地域改善対策としての教育の振興など、各般の施策につきましても所要の経費を計上しております。
 第三は、私学助成に関する経費であります。
 まず、私立の大学等に対する経常費補助につきましては、引き続き社会的要請の強い特色ある教育プロジェクトに対する助成を重視するとの観点に立って、平成六年度に対して七十億円増の二千八百三億五千万円を計上しております。このほか、教育研究装置施設整備費補助につきましては、新たに学内LANの整備を推進するとともに、研究設備整備費等補助につきましても増額を図るなど、教育研究の推進に配慮しております。
 次に、私立の高等学校等の経常費助成を行う都道府県に対する補助につきましては、新たに四十人学級編制の推進を図るとともに、特色ある教育プロジェクトに対する特別補助の充実を図ることとし、このため平成六年度に対して三十一億円増の六百六十六億円を計上しております。このほか、私立高等学校等に対する教育装置等の整備事業につきましては、新たに教育近代化施設の整備を推進するなど充実を図ることとしております。
 また、日本私学振興財団の貸付事業につきましては、九百億円の貸付額を予定しております。
 第四は、高等教育の高度化等の要請にこたえ、その整備充実に要する経費であります。
 まず、大学院につきましては、研究科等の新設整備、高度化推進特別経費や最先端設備の充実などを行うこととしております。
 国立大学につきましては、大学改革を推進するため、教養部の改組や所要の経費を充実するとともに、工科系学部の創設を初め、魅力ある理工系教育の推進を図ることとしております。また、教育研究環境の改善充実を図るため、老朽・狭隘校舎の解消、基準面積の改定など施設の高度化、多様化を推進するほか、教育研究設備の整備、教育研究経費の充実等を図ることとしております。
 なお、国立学校の入学料等につきましては、諸般の情勢を総合的に勘案し、これを改定することとしております。
 次に、育英奨学事業につきましては、貸与月額の増額及び大学院学生等の貸与人員の増員を図ることとし、政府貸付金八百十二億円、財政投融資資金四百二十五億円と返還金とを合わせて二千二百四十八億円の学資貸与事業を行うこととしております。
 また、公立大学につきましては、医科大学、看護大学等の経常費補助及び教育設備整備費等補助について、所要の助成を図ることとしております。
 さらに、女子学生を初めとする学生の就職が厳しい状況となっていることにかんがみ、学生や大学担当者に企業の最新情報等を提供する就職ガイダンス事業を実施するなど、就職指導の充実を図ることとしております。
 第五は、学術の振興に関する経費であります。
 まず、科学研究費補助金につきましては、独創性に富むすぐれた学術研究を推進し、我が国の学術研究を格段に発展させるための基幹的研究費として大幅に拡充を図ることとし、平成六年度に対して百億円増の九百十四億円を計上しております。
 また、我が国の学術研究の将来を担うすぐれた若手研究者を養成確保するため、特別研究員の採用人数の大幅な拡充等を図ることとしております。
 次に、学術研究体制の整備につきましては、研究組織の整備、研究施設設備の充実、学術情報基盤の整備充実、大学と産業界等との研究協力の推進、創造性豊かな世界の最先端の学術研究を推進する卓越した研究拠点の形成など、各般の施策を進めることとしております。
 さらに、天文学研究、加速器科学、宇宙科学、核融合研究、地震予知・火山噴火予知研究等のそれぞれの分野における研究の一層の推進を図ることとしております。
 第六は、ゆとりある質の高いスポーツの振興に関する経費であります。
 広くスポーツ施設の整備を進めるため、社会体育施設、学校体育施設の充実を図るとともに、学校体育指導の充実を図ることとしております。
 また、生涯スポーツ推進の観点から、地域におけるスポーツ活動の充実など諸施策の一層の推進に努めることとしております。
 競技スポーツの振興につきましては、平成十年に長野で開催される第十八回オリンピック冬季競技大会の準備を推進するとともに、日本オリンピック委員会が行う選手強化事業の一層の充実を図るほか、スポーツ科学の推進、国民体育大会への助成などを行うこととしております。
 第七は、豊かな個性ある文化の振興に関する経費であります。
 新たな文化創造を目指す「文化発信社会」の構築に向けて、芸術創作活動への支援、現代舞台芸術のための第二国立劇場の開場準備の推進、若手芸術家の育成、地域の特色ある文化活動の振興等の諸施策を進めることとしております。
 また、時代の変化に対応した文化財の保存と活用を図るため、史跡等の公有化・整備、国宝・重要文化財等の買い上げや保存修理、天然記念物の有効活用、伝統芸能等無形文化財の伝承助成の推進などの施策を講ずることとしております。
 さらに、国立博物館、美術館、文化財研究所等の施設の整備と機能の充実を図ることとしております。
 第八は、教育、学術、文化の国際交流・協力の推進に関する経費であります。
 留学生交流につきましては、二十一世紀初頭における十万人の留学生受け入れを目途に、国費留学生の計画的受け入れ、戦後五十周年を契機に策定された平和友好交流計画の一事業としての短期留学推進制度の創設、私費留学生に対する援助施策の充実、宿舎の安定的確保、大学等における教育指導体制の充実など、各般の事業を積極的に推進するとともに、円滑な海外留学を促進することとし、そのために要する経費として四百九十七億円を計上しております。
 さらに、外国人に対する日本語教育、我が国の義務教育諸学校に在籍している外国人子女への日本語指導等の充実を進めることとしております。また、今年がユネスコ五十周年に当たることから、五十周年記念式典を開催するとともに、識字教育やエイズ教育への協力など、ユネスコ等国際機関を通じた教育協力等の推進を図ることとしております。
 学術の国際交流・協力につきましては、諸外国との研究者交流、各種の国際共同研究、開発途上国との学術交流、国連大学への協力等を推進することとしております。
 また、文化の国際交流につきましても、青少年及びアマチュア団体の公演等による交流事業、アジア地域等を初めとする文化遺産に対する保存修復の国際協力など、各般の施策の充実を図ることとしております。
 第九は、文教分野全般における情報化の推進に関する経費であります。
 情報化の推進につきましては、学校教育及び社会教育を通じた情報教育の一層の推進、コンピューターや学内LANなどの情報通信基盤の整備、生涯学習、学術等に関する情報通信ネットワークやデータベースの整備、文化情報総合システムの整備、著作権施策の展開等、最近の急速な情報化への対応に要する経費を計上し、その推進に努めることとしております。
 以上、平成七年度文部省所管予算につきまして、その概要を御説明申し上げました。
 何とぞよろしく御審議くださいますようお願い申し上げます。
#13
○委員長(松浦孝治君) 以上で所信及び予算説明の聴取は終わりました。
 それでは、これより平成七年兵庫県南部地震に関する件について質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#14
○南野知惠子君 自由民主党の南野でございます。
 このたびの兵庫県南部地震の大災害は、日本じゅうの人々、いや世界じゅうの人々に驚きとして伝えられております。一月十七日発生以来、今日で二十四日を迎えております。
 一月二十五、二十六日に、私は自民党の兵庫県南部地震非常災害対策本部調査団の一人として、徳島県を経由して淡路島・洲本に渡り、津名郡北淡町など六町の被災地や伊丹、西宮、芦屋、宝塚など四市の被災現地を調査させていただきましたが、災害状況の悲惨さはいまだに脳裏に焼きついて離れません。
 まず、災害で帰らぬ人となられた児童生徒、学生四百五十二名、教職員三十四名を含む五千二百九十一人のみたまに御冥福をお祈りしたいと思っております。また、甚大な災害をこうむられた被害者の方々が一日でも早く屋根の下の通常生活に戻られますことを、また町や市が復旧により復興を目指していっときも早くよみがえることを祈ります。
 それぞれの立場で支援活動をしておられる皆様方や関係省庁の方々の御苦労に深く敬意を表します。また、看護婦の立場に返ってみますと、おなかの赤ちゃんから高齢者の方々まで、皆様の健康が気になります。疲労による風邪や食事、睡眠不足など環境からくる心身のストレス、病気の悪化や慢性化することなどへの対応も急務であろうと思われますが、本日は文教委員会でございますので、文教に関する質問をさせていただきます。
 大臣の所信にも述べられておりましたし、またいろいろな委員会でさまざまなことが質問されておりますので、なるべく重複は避けたいと思っております。
 災害発生から今日まで、文部省におかれましては、施設の安全点検、転入学、入試対策、奨学金のことや授業料の減免、教科書、学用品の給与等々に関するさまざまな問題に対して、手早く対策を講じられたことを高く評価させていただきたいと思っております。学校機能の早期回復に向けて御努力されておられる大臣の御心痛が理解できるようでございます。
 そこで、質問に移らせていただきます。
 多くの公立学校施設が避難所として今活用されております。震災によって多くのビルが倒壊する中、学校が残り、避難場所として活用されているのは、設計基準などが有効であったからだと思われます。文部省はこれから学校施設整備指針の見直しをされるようでありますが、今回の地震を経て学校施設に対する評価と今後の見直しのポイントについてお伺いいたします。
#15
○政府委員(木村直君) 学校施設は、地震発生時において児童生徒の生命と安全を守ることはもとより、地域住民の避難場所となっていることから、その安全性を確保することは大変重要なことだと思っております。このようなことから、文部省では従来から学校の設置者に対して学校施設整備指針等により安全性及び耐震問題について種々の検討を行い、その指導をしてきたところであります。
 先生のおっしゃられる学校施設整備指針の見直しについてでありますけれども、耐震問題等についてはいろいろな意見がありまして、そのことを踏まえて専門家等のこれからのいろいろな調査が必要でありますし、また避難所等に関しましては国の防災計画等についての問題もありますから、その辺を踏まえながら学校施設がどういう位置づけに避難所としてなっていくのかということも踏まえて、必要があれば学校施設整備指針も見直しを考えていきたい、そう考えております。
#16
○南野知惠子君 災害に際しまして、御存じのように、学校が避難所の中心的役割を担わなければならないということは今回の地震で一層明らかになったことでございますけれども、防災とともに、いざというときに避難所として使われることを念頭に置かれて、ぜひ十分に御検討いただき、遺漏なきようお願いいたします。
 そこで、被災者にとりまして避難所でまず必要なものは、食糧、水、それから医薬品であろうと思います。これは提案でございますけれども、救援を待つまでの最低一日間、その一日間の食糧と水、そしてある程度の医薬品を各学校に備蓄してはいかがかと考えますが、現内閣の大臣のお立場としてどのように思われますか、お伺いいたします。
#17
○国務大臣(与謝野馨君) これは文部省や教育委員会が決める話ではございません。地方公共団体等が防災計画の一環として学校施設に附帯的にどういう機能を持たせるか、そういうことでございます。しかしながら、先生が御提案になった事柄は、例えば東京二十三区の小学校、中学校等においては食糧の備蓄、水の確保等を実際やっておりますので、そういうことは大変現実的な御提案だと考えております。
#18
○南野知惠子君 災害に備えて、いざというときの準備が必要かと思っております。ありがとうございます。
 次に、専修学校、各種学校に対します支援につきましてお伺いいたします。
 被災地におきましては、ボランティアとして全国から多くの人が集まり、活動しております。その中には看護学校の生徒もたくさん参加しているようです。看護学校の中には、今回被害を受けた専修学校、各種学校がありますが、激甚災害法には一条校でないこれらの学校に対する補助は規定されていないようでございます。特定法の制定に際しまして、専修学校、各種学校に対する補助や低利融資について研究、検討されているようでございますが、ぜひそれを盛り込んでいただきたいと思っております。いかがでございましょうか。また、特別交付税の対象となるのでしょうか、お伺いいたします。
#19
○国務大臣(与謝野馨君) 激甚災害指定になりますと、私立学校はそれなりの補助あるいは低利融資を受けられるわけですが、今の御質問の趣旨は、専修学校、各種学校に対しても同じような取り扱いをすべきだ、また同じでなくてもそれに近い取り扱いをすべきだ、こういう御意見でございます。
 私どもも、専修学校あるいは各種学校が持っております大事な教育的な機能、またこれが早期に復旧することの必要性、こういうことにかんがみまして、専修学校、各種学校とも何らかの支援をしなければならないと思っておりまして、現在財政当局と鋭意交渉中でございますが、御期待に沿えるだけのことができるかどうかは別問題といたしまして、専修学校、各種学校に対しましても私立学校と同様な措置がとれないかということを現在模索中でございますしばらく御猶予をいただければ、また御報告できる機会があると存じます。
#20
○南野知惠子君 ぜひよろしい方向でお取り計らい願いたいと思っております。
 関係自治団体におかれましても、職員の方々が不眠不休で対応に当たっておられます。被災地の学校では、教職員が学校に寝泊まりしながら被災者のために先頭に立って活動されているとともに、児童生徒の消息やそれらの確認、進路指導、学校再開に向けての準備などに奮闘しておられる、その行動につきまして大変敬意を表したいと思っております。
 震災直後の混乱がおさまりかけるにつれて、張り詰めていた心、または極限状態に陥った生活体験などから、被災された方々のメンタルヘルスが大きな問題として顕在化されてきております。特に感受性の強い子供たち、地震による恐怖や肉親を失った悲しみ、長引く避難生活からくるストレスなどにより、一見元気そうに見えても皆心に深い傷を持っていると思います。こうした問題に対し、文部省は臨床心理士によるカウンセリングを開始されたと聞いております。できるだけ多くの子供たちにきめ細かい相談ができるよう、人員の増加、充実等をお図りいただきたいとお願いします。
 また、学校におきましては、心と体に傷を負った被災児童、笑わない、食べない、眠れない、恐怖体験に伴う心的外傷後ストレス障害、これをPTSDとも呼んでいるようでございますが、それらの症状が子供たちの間に見られることが日本小児精神医学研究会で最近報告されております。
 学校におきましては、児童生徒の心身の健康面について養護教諭の果たす役割と責任がこれまで以上に必要になります。しかし、多くの場合、養護教諭は各学校に一名しか配置されておらず、また同時に、避難所での医療支援活動にも携わっておる場合がございます。被災地域の学校では、養護教諭の負担が過重にならずに、ゆとりを持って児童生徒のメンタルケアに取り組めるよう、複数配置を含めた支援が必要であります。
 前回質問させていただきましたときに、増員、複数配置を文部省としてお認めいただいておりますが、さらに急務であると思います。また、複数配置される一人は看護教育の背景があることが望まれますが、文部省の御見解をお伺いいたします。
#21
○国務大臣(与謝野馨君) まず、先生が御指摘になられました、各学校において学校現場の先生方、校長先生を中心とする教師の方々は、文字どおりすべてをなげうって避難住民の生活のために働いておられます。私も、現場に参りましてそういう姿を見まして、本当にありがたいことだと思っております。
 また、授業再開に向けまして、これから施設等の点検、整備もやってまいらなければなりませんし、復旧ということを急がなければならないわけでございますが、それと同時に、先生が御指摘されたように、心の傷をいやす、そういうことにも心を配っていかなければならないわけでございます。その場合には、やはり養護教諭の先生方あるいは臨床心理士の先生方あるいは精神科医等々の御協力もいただかなければならないわけでございます。そういう場合にどういう養護教諭の配置をするかということは、硬直的な考え方ではなく、弾力的に実情に合ったことをやはりこういう場合は考えていく必要があるのだろうと思っております。
#22
○南野知惠子君 ぜひフレキシブルに、タイムリーにお願いしたい問題だと思っております。
 受験生の勉強する場所のことでございますけれども、文部省では受験生のためのいわゆる学習場所については早速当面十五カ所を開放されて勉強するようにというふうにお計らいいただいているわけでございますが、でもそれは昼間だけの開放ではないでしょうか。
 学校の教室が被災者の方々が仮設住宅にお移りになられるとかして一つでも二つでもあきましたならば、また、その他の避難場所、例えば市役所などございますが、どこか一室を、一つのお部屋だけでよろしいんですが、夜十時ぐらいまで電気が欲しい、そういう意味で開放し、受験勉強をさせてあげられたらと、親心のようなことを思うわけでございますが、現状はいかがでございますでしょうか、また、そのようなお考えはあるのでしょうか、お伺いしたいと思っております。
#23
○政府委員(遠山耕平君) お答え申し上げます。
 被災児童生徒の学習場所につきましては、兵庫県の教育委員会におきまして、県立の図書館でございますとかあるいは県立学校の図書室を開放する一方、学校の図書室あるいは図書館、公民館等を学習のためのスペースとして開放するように関係の教育委員会に指導を行っているところでございます。したがいまして、実際それらの施設を児童生徒の学習場所として開放する際には、それぞれの教育委員会におきまして児童生徒のためにさまざまな工夫やあるいは配慮がされているものと考えております。
#24
○南野知惠子君 それは昼間だけだと思いますので、先ほど申しました夜の時間、学生がもう追い込みにかけておりますので、そのことについてもぜひ御配慮いただけたらというふうに思っておりますが、そのような御配慮がおありでしょうか、ちょっとお伺いしたいと思っております。
#25
○政府委員(遠山耕平君) 現在それらの市町村が開放している場所が時間的に何時まで開放しておりますか確たる情報はとっておりませんので、またそこは県教委と連絡をとりまして指導してまいりたいと思います。
#26
○南野知惠子君 ぜひ親心で、受験の追い込みにかけている学生のストレスを少しでも取り除いていただきたいと思っております。
 次は、最後の質問になりますが、きょうは二月九日でございます。当然でございますが、国家試験または進学などの受験、補習、それから学期末の授業や卒業式、入学式など次々とこれから行事が押し寄せできます。一日も早く開校し学校機能を回復するためにも、特に仮設住宅の建設が急がれると思います。文部省より関係省庁にぜひ強力に働きかけていただきたいと思っております。
 私も留学してイギリスに三年間お世話になったことがございます。このたびの震災で留学生がどうしているのか、これもまた心配されることでございますので、文部省の細かな配慮をお願いしたいと思っております。
 この大災害に学び、それを乗り越えて、二十一世紀の日本を背負う子供たち、若者たちに災害の恐怖からの脱却を、そして笑顔を取り戻した子供たちの明るい声が、元気な足音が教室、校庭いっぱいに、校内狭しと広がることを切に祈念いたしております。その日がいっときでも早く来ますように、特に予算、補正予算などの関連も含めまして御努力される大臣の強い御決意をお聞かせいただき、質問を終わりたいと思っております。よろしくお願いします。
#27
○国務大臣(与謝野馨君) 教育という観点からだけ見ますと、やはり何といっても本格的な授業再開を一日も早くということを考えなければならない段階に参ったと思います。先生御指摘のように、現在は多くの住民の方々の避難生活の場所として学校は使われております。したがいまして、本格的な授業再開に向けては、やはり仮設住宅等現在避難されている住民の方々が安心して移れる場所の確保ということが非常に大事でございます。
 あわせまして、やはり被害を受けました多くの教育施設というものの復旧を、公立学校、私立学校あるいは専修学校、各種学校等を含めまして早急に着手し、早急に復旧を行わなければならないという大事な作業がございます。
 こういうもの万般、先生の御指摘のとおりでございまして、今後とも災害復旧に関しまして先生の御意見も外しながら進めてまいりたいと考えております。
#28
○南野知惠子君 大臣及び関係の方々の御疲労が蓄積されませんように健康に御留意されて、ぜひ文教の問題に取り組んでいただきたいと思っております。
 ありがとうございました。
#29
○木宮和彦君 自由民主党の木宮和彦でございます。
 きょうは地震災害に関する集中質疑でございますので、地震のことだけをひとつ文部省の方にお尋ねしたいと思います。
 これは私の感想でございますけれども、寺田寅彦が「天災は忘れたころにやってくる」と、まさに彼の予言のとおりでございまして、我々日本人が天災というものについて非常に無防備といいますか、予期しないときに起きた。こんなことを言うと非常に不見識でございますが、あの地震がもう二時間もおくれてラッシュアワーのときだったらどうなっているだろうと、私本当に身のもが、死者の数もけたが違うんじゃないかなと、そんな気がしてなりません。
 やはりこれからは、何といっても地震に対する防災ということをもう少し日本人に啓蒙していく、これは文部省だけじゃございませんけれども。現に九月一日という日がございまして、関東大震災を思い出してやっていますが、形骸化してもうほとんど一種のショーのような感じになっております。そうじゃなくて、実際的にいろんなことを喚起するようなことをやった方がいいと思うんです。
 私はたまたま静岡県でございますので、東海地震が今から十五、六年前に非常にやかましく言われました。時の知事が、山本敬三郎という人ですが、この人がこの東海地震をとらえて、これは東大の若い地震の先生が東海地震が近く起こると、あした起こってもおかしくないということで、その言葉をとらえて早速地震のことについて一生懸命予算を国から持ってきたので、この人はなかなか頭がいいなと思って感心しております。しかし、それでももう十年たつと、やっぱりそのときの緊張感というものがなくなって、今じゃ、何であんなにやかましく言ったのかな、まだ来ないじゃないかと。でも今度初めて、関西に来まして、これは静岡にも来るかもしれぬというので、今皆さんが非常に緊張をし始めました。
 静岡県はそれぞれ避難場所がちゃんと決められて、看板があちこちにありますし、そういう避難場所にはいろんなものが入っている大きな倉庫がそれぞれ設置してあります。私の学校にも、各学校ともそれぞれそれがあります。いわゆる非常的な食糧だとか水だとか、あるいはいろんな道具、発電機とかいうのがちゃんと入っておりますが、いずれにしても、やはり人間というものは常にいつ災害があるかわからないということを考えていかなくちゃならない、大事だと思います。
 一月十七日、その日正常な授業が行われなかった学校、いわゆる休校になった学校ですね、これを見ますと、公立学校は二百七十五校あるんです。私立学校が五十七校あります。公立学校は兵庫県の中には千四百二十八ありますから大体二〇%ぐらいの学校が、兵庫県だけですよ、しかもこれは大学は入りません、高中小でございますが、大体二〇%ぐらいの学校が授業を行えなかった。私立学校の方は九十二校のうちの五十七校ですから、何とこれ六二%が実は地震の日には授業ができなかったんです。
 その後だんだん回復していると思いますけれども、しかし考えてみますと、もう少したつともう一月になるんですね。それで、なおかつその一月が授業をやっていない学校もあるわけですから、しかも避難民がいるんですからできません。これから学校へ避難するのも私は限度は一カ月ぐらいで、それ以上いられたんじゃ――そんなこと言うと被災者に怒られますけれども、学校の機能がやっぱり、一月十七日というと一週間授業をやっただけです、三学期は。
 そうして、これで三月になっちゃったら卒業期になりますから、そういうような大変今大事なときだと思うので、今報告を聞きますと、この間文部大臣現地に行かれてつぶさに御視察のようでございますので、数字なんかどうでもいいです、大臣が現地に行かれたときの生々しい感想をひとつ教えていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
#30
○国務大臣(与謝野馨君) 今回の地震は直下型の地震でございまして、非常に被害の大きい場所と、そこから近いところですけれども被害が大変小さいという、くっきりした差があるという直下型地震の特徴と申しますか、恐ろしさというものをつくづく感じました。
 一つは、私立大学等の施設も見てまいりましたが、有名な甲南大学等では図書館と事務棟を除いて教室棟はもうほとんど使えないというような状況になっておりまして、こういうものも復旧しなければならないと思いました。
 また、高等学校に参りまして被災された住民の方々の状況を見てまいりましたけれども、学校施設がなければどうなったかと思うほどたくさんの方が避難をされておりました。高等学校でございましたが、二千名になんなんとする方々の住民台帳をつくるために、その高等学校の生徒がボランティアをやっておられました。また、避難住民と外部との連絡についてもそういう高校生が当たっておられましたし、中にはお医者様がボランティアとして来られて救急室をも運営されておられました。大変な数のいろんな方々がそこに避難されておられ、またそういう方々に対する大変きめ細かい生活上の御支援をする必要があったわけでございます。
 また、その状況はまだ今も続いておりますが、いずれは本格的な授業再開ということも視野に入れなければならないわけでございます。そういうときには、先ほど御質問もありましたように、仮設住宅の建設がぜひ促進をされるということが基本的な要素でございまして、私どもとしては文部省関係の用地等も兵庫県あるいは神戸市等に提供をお約束いたしまして、九万平米でございますが、そういうものもお使いいただいて仮設住宅の供給を促進していただきたい、そのように考えております。
#31
○木宮和彦君 御苦労さまでございました。
 今お話がちょっと出ましたが、私もそう思います。私立学校もかなりやられておりますが、そもそもこれは設置者が違いますから当たり前といえば当たり前ですけれども、片方は三分の二の国庫、片方は二分の一ということで、あとの借金はそれぞれあると思いますけれども、いずれにいたしましても差があることは確実でございます。私立学校はそれだけの値打ちしかないのかもしれませんけれども、私に言わせると同じ災害ですから、その辺はやはり今後法改正を我々としてもぜひお願いしたい、こう思っております。
 それと防災のことでございますが、例えば学校にはプールもございますけれども、プールに一年じゅう水を張っておくことも一つ。今回の一つ大きなあれは火災でございまして、これは水が出なかったんで、消防車が行けないということもあったと思いますが、学校にポンプを置いてプールの水でもって近所の人がみんなして消せるような体制をつくるということが私は一番金がかからなくていいと思うんです。
 ただ、一番困ることは、管理者から言わせると、プールに水を張っておってもし事故でもあると、校長さんなり教育委員会が必ずやり玉に上がるんですね。ですから、その辺はやっぱり国民が自覚して、さくを越えて死んじゃったやつはそいつが悪いので、プールの監視員が悪いんじゃないと私は思うんです。そういう意味合いからしても、ぜひひとつプールに一年じゅう水を張るとか、あるいは防災のことについての教育について文部省としてはこれからどういうふうにお考えなのか、どなたでも結構ですけれども、もし御感想がありましたらお答えいただきたいと思います。
#32
○国務大臣(与謝野馨君) まず、御質問の第一の私立学校に対する援助をどうするのかという点でございますが、私立学校が持っております大事な教育機能あるいは国民に教育の場を提供しているという重要な役割にかんがみまして、現在の激甚災害指定になった場合は、二分の一国庫補助、二分の一が二十五年の四・一五%、長期低利融資、こういうことでございますが、この範囲内で一体どういう工夫ができるかということを今財政当局と折衝中でございます。
 あわせまして、私立学校は建物をやられたということばかりでなく、その私立学校が持っておりますいろんな設備、物品、実験装置等も大量に破壊をされておりまして、そういうものに対する考え方をどうするのか、これも整理をしなければならないと思っております。
 それから、学校に防災機能を持たせるということに関しましては、それぞれの地方公共団体の御判断でございますけれども、今回は災害の恐ろしさということについては国民の自覚というものはいや応なしに高まったと思います。こういうときにこそ、やはり国民の理解を得て地方公共団体等も学校施設等をどう防災に役立たせていくかということを考え始めなければならない時期に来たと、そういうふうに認識をしております。
#33
○木宮和彦君 今二月九日ですから、もう三月三十一日になりますと学校は一応年度が変わりますので、卒業生も弾力的に卒業させてもらいたいと同時に、また遊んでいて卒業じゃなくて、やはりそれなりの集中的な授業を特別に計らうとかそういうことをしてもらいたいし、また在学生は来年の夏休みを二十日間なり狭めてそこに授業を持っていくとか、そうしてやらないと学力の問題もありますが、けじめもつきませんので、そういうところをひとつ文部省としてはどのようにお考えでございますか。
#34
○政府委員(吉田茂君) 大学につきましては、御指摘のように、弾力的な取り扱いということを要請しておりますが、また逆に、やはりしっかりしたけじめも必要であるということは御指摘のとおりでございます。
 具体的には、それでおしまいということじゃなくて、補講をやっていただくとか、あるいは追試験をやっていただく、あるいは卒業論文や学位論文は提出していただくがそれは延期する、あるいは後々にそういった形での授業を御指摘のような形でやる、あるいはレポート等を活用していく、いろいろ工夫をしながらの弾力的な取り扱いということで配慮をお願いしておりまして、御指摘のようなけじめというものはやはり非常に重要であろうというふうに考えております。
#35
○木宮和彦君 ぜひひとつ、早急にといってもなかなかそうできませんけれども、できる範囲内においてカリキュラムをこなすように特別の御配慮を賜りたいと、こう思います。
 今度は学校がつぶれちゃった、復興ができないと。大学などですとかなり、これは企業に例えちゃいけませんけれども、大企業みたいなものでして、割と融通がきくといってはなんですが、今度の災害をこうむって、取り壊しでも個人とか中小企業は全部国なり地方団体が見るといいますが、大企業はそうじゃないよというのはちょっとおかしいなとは思うんですけれども、しかし考えてみれば、やはり大企業だと十も二十も同じような工場があればそっちの方でもってやりくりしてもらって何とか生き延びてもらおうと、こういうお考えではないかと思いますが、幼稚園とか専修学校なんというのは非常に弱いんですね、はっきり言って。
 特に、専修学校もそうですが、幼稚園もそうだと思いますが、だんだん生徒が減っできますから、つぶれちゃったからこれを機会にこの際店じまいしましょうというようなことが起こりかねないし、また起こると思います。そのときに、そこに通っていた子供たちは、幼稚園はそうでもないかもしれませんが、専修学校などでは前受金をともかく先に取っちゃいますから、言ってみれば一月、二月、三月分は補てんしてもらえないわけでございます。その子供たちに対して、よその同種の専修学校なりほかの幼稚園へ行くなり。やっぱり何かそこら辺をきっちりやって、それだけの要件をかなえてあげないと、これは裁判にかけられたらあるいは学校が負けちゃうかもしれません。
 そうかといって、そこに金があればいいんですけれども、金がなければ返すわけにもいきませんし、その辺がやはりこれからの問題として、今は全然出てきておりませんが、特に廃校の場合には、幼稚園の場合には三年以上いるということになると、三歳児、四歳児の問題もこれもやっぱり処理していかなければいけない問題で、これは文部省が直接やるわけじゃないんですけれども、県がやるんでしょうが、こういう問題がおいおい、自分の意思でもって出ていくのはそれは構いませんけれども、自分の意思じゃなくて学校そのものあるいは幼稚園そのものがなくなっちゃった場合の措置をもしお考えでしたら、ひとつそれをお教えいただきたいと思います。
#36
○政府委員(吉田茂君) 私立学校の、今幼稚園の例の御指摘があったわけでございますが、例えば前納した授業料等をどのように取り扱うか、これは各設置者が状況に応じて適切に判断するということに相なろうかと思います。
 ただ、御指摘のような状況、例えば幼稚園が閉園してしまったというようなぎりぎりの状況になった場合に、そういった授業料等をどう取り扱っていくか、今のところ具体的な話は入ってきておりませんが、私どもよく注意をしつつ、必要な働きかけ等を団体等にやっていくということも含めまして、よく注意をし、関心を持って見守っていきたいと思っております。
#37
○木宮和彦君 ぜひひとつ対応をよくしてください。つまらないことでトラブルを起こすと、せっかく政府が一生懸命やっているにもかかわらず、それが逆目に出ても困りますので、よろしくお願いいたします。
 労働省いらっしゃいますね。
 今問題になっているのは、大学卒、高校卒で卒業生の内定者の取り消しの問題があります。これは無理からぬことで、企業がなくなってしまえば採れるはずがないんでして、それを採れ採れといったってそれは無理な話なんで、だから少なくとも、この人たちだけじゃありませんけれども、卒業してそして就職が決まって、やれやれこれから大いに張り切ってやろうという、やっぱりこれは若い人たちの希望ですから、これはある意味において、優先度をつけていいか悪いか知りませんが、若干優先的に職安でよく面倒を見た方が私はいいと思うんですが、そういうお考えはございますか。
#38
○説明員(井原勝介君) 御指摘の内定取り消しの状況でございますが、まず、兵庫県におきましては、職業安定所に内定取り消しを行おうとする場合には事前に通知していただくということになっておりまして、二月七日現在で合計三十六社二百六十六人の新卒者に係る採用内定の取り扱いについて相談が来ております。現在、そういった状況につきまして職業安定所で、いろいろ地震に伴うものということで難しい問題がございますけれども、できるだけ採用内定取り消しの回避をしていただくよう指導しているところでございます。
 労働省といたしましては、こういった新卒者支援につきましては既に通達も発送しておりまして、採用内定取り消しの回避に向けた事業の指導に努めているところでございます。また、二月六日には、日経連、日本商工会議所、全国中小企業団体中央会の三経済団体のトップに対しまして、労働大臣から直接、内定取り消しの回避あるいは新卒者の一層の採用につきまして要請をいたしたところでございます。各団体からは深い御理解を賜ったところでございまして、既に幾つかの企業からは追加採用をしたいという申し出もいただいているところでございます。
#39
○木宮和彦君 文部省にもう一つお伺いしますが、今回非常にボランティアが活躍いたしまして、恐らく地方自治団体だけの手ではどうにも後の処理ができなかったと思うんです。やはり、これからボランティアというものをもう少し位置づけをしていく。特に教育の場でもって、ボランティアをやった者についての評価、あるいは学校においてのボランティアのやり方、クラブ活動でも結構でございますが、ボランティアをひとつ育てると同時に、また自治団体でもボランティアをいかに活用できるようなシステムをつくるかということが私はこれからの災害のときに非常に大事だと思うので、これについて学校教育の中で、ボランティアについて特にこれから一つの方向をつけようというお考えがございますか、ひとつそれをお伺いしたいと思います。
#40
○政府委員(井上孝美君) 現在、被災地で多くの児童生徒、学生がボランティア活動を行っていることにつきましては先生も御案内のことと存じます。ボランティア活動は、勤労のとうとさや社会奉仕の精神などを養う体験的な活動といたしまして、小学校、中学校、高等学校を通じまして、主として特別活動のクラブ活動や学校行事の中で指導されているところであります。
 具体的に申しますと、地域の実情に応じ、各学校におきまして、地域の清掃活動や老人ホームでの奉仕活動など、さまざまな活動が行われているところであります。また、道徳の時間におきましては、社会への奉仕の気持ちを深め、公共の福祉と社会の発展のために尽くす精神等を育成することとしており、児童生徒の興味や関心に即した教材を活用するなどしてボランティア活動に関する指導が行われているところでございます。
 今回の兵庫県南部地震などを一つの契機といたしまして、一層学校におきましてもボランティア活動に関する指導を推進するように私どもとして指導してまいりたいと思っております。
#41
○木宮和彦君 時間が参りましたので終わりますが、ひとつ頑張ってやってください。よろしくお願いします。
#42
○肥田美代子君 日本社会党の肥田美代子でございます。よろしくお願いします。
 けさの新聞に黒い太陽をかいた被災地の子供のことが報道されておりました。心理学者は、「子供が強いショックを受けた時に見せる自然反応の一つ」と説明しておられました。
 世界じゅうのどこに起きる大きな不幸も、結局は体の小さい、そして心が成熟していない子供たちに最も大きな傷跡を残していく、私はそういうふうにいつも感じるわけでございますし子供たちの今後長い人生の中で、今回の不幸な経験がいつまでも黒い影を引きずっていくことがないようなるべく早く対応していただきたいと思います。文部省がこの課題に何よりも最優先で取り組んでほしいと切に願うわけです。授業のおくれはあるいは数カ月後に取り返せるかもしれない。しかし、心のケアのおくれはひょっとすると手おくれということになりかねない、こういうふうに心配する者の一人でございます。
 そこで、文部省に伺いますが、被災地の子供たちの心のケアについてどういう施策をとっておられますか。
#43
○政府委員(小林敬治君) お答えいたします。
 ただいま先生が御指摘なされましたように、大震災などの直後に、特に成長途上にあります児童生徒は精神的に不安定な状態に陥る例が多く見られると。場合によりますと、これが長引く、あるいは深刻化するというふうなことも伺っております。
 そこで、文部省といたしましては、先般、兵庫県と大阪府の教育委員会等に対しまして、被災児童生徒に対する臨時の健康診断や心の健康相談活動を行うように求めたところでございます。それから、被災児童生徒を他県等で受け入れております各都道府県教育委員会に対しましても、同趣旨の指導を行いました。
 その際には、まず学級担任や養護教諭の先生が中心に全教職員が児童生徒の状況をよく把握して、子供の不安や悩みをよく聞き取ってあげることが基本的に大切であろうかと思いますけれども、日本医師会の学校健康保健委員会からアドバイスをいただきましたので、そういったものも送付をして指導の参考に供したところでございます。
 それから、場合によりますと学校医とか臨床心理士などのカウンセリングの専門家の協力もどうしても必要だというケースが少なくなかろうかと思っております。そういうことでございましたので、各教育委員会や学校から派遣の申し出があった場合には、これに対応することができるように医師会とか臨床心理士会にも協力を求めたところでございます。
 実際にどんな活動をしたかということを若干申し上げますと、私どもとしてはこのほかに厚生省とも連絡をとってやってきたわけでございますが、兵庫県で十カ所の保健所に精神科の救護所を設けるというふうなことでありますとか、そのほか保健所でも心の健康相談活動、いわばカウンセリング活動をやっておられます。特に児童館、保育所等の施設を拠点にして児童こころの相談というふうなことも計画をいたしておりますので、それらともタイアップしながらやってまいったわけであります。
 臨床心理士の方は、大阪、京都、奈良の三支部で電話相談をやっておりまして、そして、そのほかに巡回のカウンセリング活動を三人一組で七チームほどつくってやってきたわけでございます。
 大体以上が主な現状でございます。
#44
○肥田美代子君 臨床心理士の電話相談なんですけれども、その中で子供の相談は何件ぐらいございましたか。
#45
○政府委員(小林敬治君) これは、臨床心理士による電話相談が一月二十四日から二月三日までありまして、全部で千二十四件ありました。しかし、その中で子供に関するものだけが何件あったかというのはまだ聞いておりません。
#46
○肥田美代子君 臨床心理士三十人ですよね、それからもう一つ、二十人が七チームに分かれたというお話でございましたけれども、被災者の数に対して私はこれは余りにも数が少な過ぎるというふうに思います。全国にいらっしゃる四、五千人の臨床心理士の集結をこの際お願いしていただきたいと思います。
 今回子供の利用の割合が出ていないとおっしゃいましたけれども、ということは子供たちに行き渡っていないということと同じことでございますので、この辺についてもう少し大きな取り組みをしていただきたいと思うのですが、いかがでしょうか。
#47
○政府委員(小林敬治君) 臨床心理士は全国で大体今約四千名おります。この資格を持っておられる中には若干医師の資格も持っているという方もいらっしゃるわけです。兵庫県に何人ぐらいいるかちょっと調べてみましたら、二百三十三人いらっしゃる。したがいまして、平均的には比較的多い方でございますが、多分この臨床心理士の方たちも被災者の中に入っているかもしれないということで、同じような事情は学校医の先生方も、全国で十万人いて兵庫県は四千四百人いらっしゃるんですが、やはりその中で直ちにこういう活動に全員が従事してくれることはちょっと期待できないであろうということで、医師会の方と臨床心理士会の方にぜひ協力をお願いしますということでお願いをしたわけでございます。
 若干足らないではないかという御指摘でございますので、まだこの問題、当分注意深く見守りたいと思いますので、今後先生の御指摘の点も踏まえまして注意していきたいと思っております。
#48
○肥田美代子君 これはやはり時間との勝負でございます。数カ月後になって、じゃ何百人投入したと言いましても、深くなってしまった子供の心の傷なんというのはなかなかいえるものじゃないし、やはり子供の心の問題というのは文部省の専権事項にしていただきたいぐらいに思っておりますので、ぜひこれは重い課題と受けとめていただきたいと思います。
 それで、被災した子供の中には全国各地に疎開している子供が二万三千人ですか、その中で大阪は五千人余りをお預かりしているわけですけれども、その子供たちがやはり被災によるショックと新しい環境への同化という二重の心労を持っているわけですね。ですから、この疎開している子供たちにはどういうケアをなさろうとしていらっしゃるか、その辺もちょっとお聞かせください。
#49
○政府委員(小林敬治君) 基本的には被災地の児童生徒と同じでございまして、やはり受け入れてくれた学校の先生方がまず、ただいまお話にもありましたように、新しい環境にうまく溶け込んでいけるか、それから地震のショックで精神的な不安定があるのかないのかよく把握をしていただく、必要な場合に学校医の先生あるいはカウンセラーとタイアップをして対応していっていただくと、こういうことを期待いたしておるわけでございます。
#50
○肥田美代子君 その場合のカウンセラーというのは、文部省が平成七年度に予定されておりますスクールカウンセラーのことをおっしゃっているんですか。
#51
○政府委員(小林敬治君) 私どもは、今カウンセラーの専門家というふうに申し上げた場合に、一つはお医者さん、それも主として精神科のお医者さん、それとあと臨床心理上でございますが、そのほかにも例えば社会福祉士とか心理判定員とか、いろんな日常的に一般市民のカウンセリングを手がけている方々をも若干は考えております。
#52
○肥田美代子君 それでは、スクールカウンセラーについて簡単に説明してくださいませんか。
#53
○政府委員(井上孝美君) お答えいたします。
 スクールカウンセラーに関しましては、先ほど先生もお話がございましたように、来年度におきまして学校におきますカウンセリング等の機能の充実を図るために、高度な知識、経験を有する専門家を学校に派遣いたしまして、その効果等に関する実践的な調査研究を行うスクールカウンセラー活用調査研究委託事業を行うこととしているところでございます。
 このようにスクールカウンセラーにつきましては基本的には生徒指導上の諸問題の解決を念頭に置いたものでありますが、先ほどからお話がございますように、臨床心理士など心の問題に専門的な知識、経験を有する者の活用を考えているところでございまして、これらの人が被災地や被災児童生徒の転校先の学校に配置された場合、当該児童生徒のメンタルケア等についても適切かつ有効な対応がしていただけるものと考えているところでございます。
#54
○肥田美代子君 その配置の数は何人ですか。
#55
○政府委員(井上孝美君) 来年度予算におきましては各県小中高等学校各一校ということでございますが、今回の震災の状況を考えまして、ある程度兵庫県等については弾力的に考えていきたいとも思っているところでございます。
#56
○肥田美代子君 今そうおっしゃっていただいたので少しは気分をよくしましたけれども、実は各県三名というのはないに等しい数だと私は思うんです、ちょっと言い過ぎかもしれませんけれども。それで、これが第一歩ということで、これから大きな構想を多分お持ちだと思いますけれども、ただ今回の被災地の場合は、今おっしゃいましたように、かなり重点的にそこに配置していただくようにぜひお願いしたいと思います。
 それから、子供の心のケアということでぜひ御提案を申し上げたいことがあるんです。
 実は、全国学校図書館協議会とそれから児童図書出版協会と取次業界、要するに子供の本にかかわる人たちが力を合わせて被災地の子供に本を届けようと今準備していらっしゃるというふうに漏れ聞いておりますが、これは私は実に大切なことだと思うんですね。
 今るる伺いまして、カウンセラーの数の少なさもわかりました。一方、今どうしても子供たちの心をいやさなきゃいけないという緊急事態もございます。そういう中で、じゃ緊急に、そして一番手っ取り早く子供たちの心を救えるのは何かなと考えたときに、やっぱり古今東西、音から言われておりますように、本が手元にあることじゃないかと思うんです。ひょっとしたら一冊の本が子供たちの心を救うかもしれないし、あるいは未来への大きな輝きを与えるかもしれない、私はそういうふうに思うんですが、大臣、いかがですか、子供と本のつながりについて環境整備をしていただきたいんですが。
#57
○国務大臣(与謝野馨君) 全国の被災地以外の児童生徒も今回の災害というのを他人事でなく我が事のように考える、これも大変大事なことだと思っております。
 そういう意味では、私ども文部省としては、被災地以外の全国の児童生徒、学生に不必要な教科書、参考書、そういうものの自発的な提供も求めましたし、そういう意味では自発的にいろいろなものを被災地に送るというそういう運動というのは私は大変大事な教育的な効果を持った運動であるというふうに認識しております。
 また、先生がおっしゃいましたように、学校の直接教科書や参考書以外でも、子供たちの心をいやす本というものは児童文学の中にもあるいはその他の本の中にもたくさんあるはずでございまして、そういうものに児童生徒が触れる機会をつくる、またそういうものが多くの全国のボランティア精神に基づいて提供されるということは学校外の教育としては大変すばらしいものだと、そのように考えております。
#58
○肥田美代子君 ボランティアの方々が子供たちに絵本の読み聞かせをしていらっしゃる様子を見ましてさすがと思ったわけです。今大臣は学校外のとおっしゃいましたが、実はこれは学校内の問題じゃないかと思うわけです。ですから、子供の本というのは学校外の素材であるというふうにお考えになるとこれは会話がかみ合わないわけでございまして、私は学用品を求められたり参考書を求められることも必要だとは思いますが、例えば全国の子供たちに、あなたが感動した一冊の本を被災地の友達に送ったらどうかという、そういう運動もまた子供たちの心に通じるんじゃないかなと思うんですが、いかがでしょうか。
#59
○国務大臣(与謝野馨君) 学校外と申しましたのは学校の授業科目外という意味でございまして、そういう意味では学校活動の、あるいは教育活動の一環というふうにもちろん考えておりますし、当面は教科書とか参考書、学用品ということを中心にやってまいりましたが、これが一段落をいたしましたら、先生の御提案のようなことも考えなければならない時期が来ると思っております。
#60
○肥田美代子君 私が今とっても残念に思っていることがあります。それは、子供たちの心がこういうふうに大人が心配しても心配しても限りないくらい大変なこういうときにこそ活躍すべき学校図書館が今までかぎのかかった本の倉庫になり切ってしまっていたということなんです。
 これは後知恵になるかもしれませんけれども、私は学校図書館がなすべきだった役割というのはとっても大きいと思うんです。いじめ問題のときにもそれは実感いたしました。子供が心を病んだとき、学校図書館に行って、あるいは一冊の本に出会ったかもしれない。そして、そこで一つの心の転機を得たかもしれないのに、そういうチャンスを失わせたわけですね。
 保健室登校ということで保健室がクローズアップされましたけれども、実は学校の中の本来の心のスペースというのは学校図書館じゃなかったかというふうに思っているわけです。それが閉ざされたままであって学校教育の中で忘れ去られていた。私は、そういうことが子供たちの心をいやすことのできない学校をつくった大きな原因になっていると思うのです。大臣はどのように思われますか。
#61
○国務大臣(与謝野馨君) どちらかと申しますと、やはり今の子供たちは映像から手っ取り早くいろんなものを吸収しようという傾向が強く、じっくり先生がおっしゃるように一冊の本に取り組むという傾向がどうも少ないというのが私は実態ではないかと思うわけでございます。
 しかしながら、先生御指摘のように、やはり長く残っております本というのは人間の経験や知恵や、また美しい心やいろいろな出来事というものが書いてございまして、まさに先生が言われるように知識、経験、知恵、またその他の私は多分本というのは宝庫ではないかと思うわけでございまして、こういうものに対して子供が多く触れる機会を持つということはそれ自体大変大事なことだというふうに思っております。
#62
○肥田美代子君 そこで、一つの提案なんですが、学校図書館を学校の中の心のスペースとして位置づけ、そこに子供たちの話を聞いてくれる専門の人が必ずいるというような、そういう心を大切にする教育革命をしてほしいんですね。
 ことしの文部省の予算の概要説明にもありますが、確かにこの数年、学校図書館という言葉が文部省の文書の中に多く出てきております。さらにもう少し具体的な取り組みをしていただいて、今の保健室で補ないきれないそういう心の支えを学校図書館が担っていってほしいと思います。学校図書館は今までは確かに本だけがあって映像がない単一なイメージでしたが、今や映像も書物とつなぐ手法であろうし、そこにコンピューターが一台あればいろんな情報が得られるわけです。
 今回こうやって文部省がカウンセラーについてもいろいろ心配をなさるのを機に、学校の中に心のスペースをつくるという、そういうことを今後大きな課題としていただきたいと切にお願いいたしまして、私の質問を終わらせていただきます。大臣、最後にお願いします。
#63
○国務大臣(与謝野馨君) 平成七年度からは、魅力ある学校図書館を創造するため、学校図書館情報化・活性化推進モデル地域の指定と、読書指導のあり方等について実践研究を行う読書指導研究指定校の指定を新たに実施することといたしております。そういう意味で、これが先生の御提案に一〇〇%沿うものかどうかは別にいたしまして、一つの方向に動き始めたというふうにも考えられるのではないかと思っております。
#64
○林寛子君 きょうは二十五分という限られた時間でございますので、せっかく大臣の所信をお伺いしたので所信に対して質問したいところではございますけれども、去る一月十七日の本当に情けないといいますか、あってならないあの惨状を、大臣も現場にお入りいただいて、神戸の大震災の視察でごらんになった御感想が先ほどもございましたし、同僚議員の質問も多岐に及んでおりましたので、わずかな時間でございますのでダブらない程度で、通告をしました分もダブっております点がございますので、大臣の御報告の中で災害状況及び文部省としてでき得ることは何をしたかというのを拝聴いたしましたので、通告しておりました前半のダブりは全部カットいたします。
 そして、私は一点おっしゃいました中でどうしてもお願いしておきたいことは、ちょっと予算の関係でどなたかお答えいただきたいんですけれども、国立学校施設の整備充実という項目ございますけれども、これは予算幾らになっていますか、七年度予算案。
#65
○政府委員(木村直君) ちょっと手持ちがないものですからはっきりしませんが、ただ、記憶では千三百七十億ぐらいだったと思います。
#66
○林寛子君 はい、ありがとうざいました。
 それから、もう一つだけ聞いておきたいと思います。文化庁、林田さんいらしてますね。ちょっとわかりますかしら、国宝・重要文化財等の保存修理等の促進というのは幾らとれましたか。
#67
○政府委員(林田英樹君) ただいま手元にございませんので、ちょっと確認をいたしまして御報告いたしたいと思います。
#68
○林寛子君 それじゃいいです。八十八億四千九百万円ということだろうと思います。約百億弱でございます。わかりました。ありがとうございました。
 私は、大臣がいらして先ほども御感想をお述べになりましたけれども、午前五時四十六分、木宮先生もおっしゃいましたけれども、本当にこれが一時間おくれの六時四十六分だったらどうだったんだろう、あるいは一時間半後の七時十六分だったら災害はどう変わっていただろうかと思うと、本当に身のものよだつ思いがいたします。
 学童の登校時間、あるいは通勤時間、それから新幹線が走っていた時間、それを考えますと、幸いという言葉は使えませんけれども、不幸中の幸いといいますか、子供はうちの中にいた、通勤時間ではなかった。しかも親と一緒にいられた子供もたくさんいる。それだけに私は、まだ子供が、今おっしゃった諸般の災害に遭った恐怖感、あるいは多くの忘れがたい残虐な死んでいく人を目の前で見たというような記憶も、やはり家族と一緒にいたという点では少しは救われている、私は子供たちにとってはそういう時間帯であったということがせめてもの救いではなかったかと、今私も現状を見ましてつくづくと思うところでございます。
 そして、私は一つお願いしておきたいことは、状況等は飛ばしますけれども、今後文部省として今回の災害を反省にしてどれとどれとどれとしなきゃいけないかということだけは、私はぜひこの教訓を無にしないで、大臣が先頭に立って行っていただきたいということを要望だけしておきたいと思います。
 いろいろなさったことは全部ここに書いてございますので、大変いいこともなさいましたし、私は新聞で拝見しましたけれども、学校に対してのボランティア学生の単位や、追試配慮という文部省が措置をとられたことも新聞で拝見いたしましたし、御通知もいただきましたけれども、大変いいこともしてくださいました。
 けれども、少なくとも私は、先ほども出ていましたけれども、プールの水をいつも満水にしてと、神戸の中では残念ながら用水池も三分の一しか水がなかったというところも多々ございました。けさも言っておりましたけれども、きょうも衆議院の予算委員会で公述人がいらして、浄化装置が三千万円なんだから、プールをつくったときに三千万円の浄化装置を置いてくださったら汚いプールの水も浄化して飲み水になるんですと、三千万円がどうしてできないんですかという、きょう衆議院の公述人の話も聞きました。そういう装置がある以上は、やっぱりそれも努力しなきゃいけないだろうと思います。
 また、ヘリコプターがおりられなかったという点もございますので、ヘリコプターの方から言わせますと、砂地のところには着陸できないというんですけれども、学校の校庭でコンクリートの校庭もたくさんあるわけですから、それもヘリポートの一つとして今後運用できないかということもぜひお考えいただきたいと思います。そういうことは要望でございますので、今後文部省の方でできるかできないかは別として努力してみるということだけはぜひお願いしたいと思います。
#69
○国務大臣(与謝野馨君) 災害の発生しました十七日の翌日、十八日から文部省の中で一人係をつくりまして、今回の災害に対して文部省並びに文部省の関連の機関がどういうふうに動いたかという詳細な記録をとらせております。これは医療活動あるいは卒業、入試、その他万般にわたって、どういう要望があり、どういう対応をしたかという記録をとっております。これが一段落をいたしましたら、そういう記録に基づきまして、こういう緊急時に一体何ができるのか、何をしなければならないのかということは一度私どもきちんと一冊のまとめにして今後のやはり災害に備えておかなければならないと思っております。
 また、先生の後段の部分の御提案でございますが、学校の施設というのは学校の施設でございますが、やはり学校の施設に副次的な目的を持たせるかどうかという判断の問題でございます。これは、例えばプールを消火水、プールの水を浄化装置を通じて飲料水、こういう多目的なものにするのかどうか、あるいは学校の運動場をヘリコプターが発着できるようなものとして確保する、これは学校の本来持っております機能とは別の、災害に対する機能でございます。これはそれぞれの地方公共団体等あるいは防災関係機関が判断する問題でございますが、やはりそういうものを、実際には例えば東京二十三区などでは既に学校施設を一つの防災拠点として、食糧の備蓄とか飲料水の確保とかということを既にやっております区がたくさんございます。
 そういう意味では、多分こういう考え方というのは全国的に今後広がっていくのだろうと、また私個人としては広げるべきだなと思っております。
#70
○林寛子君 今、私、予算を伺いましたけれども、本来は予算審議のときにもっとしなきゃいけないことですけれども、緊急の場合ですので、この予算を通すことにはという話がございますけれども、大臣が所信の中で、すべての国公私立の大学及び専修学校、各種学校の施設の復旧等々を必要な財源措置を含めて万全の措置をとってまいりますと、今おっしゃいました。
 私は、この予算は災害前に組まれた予算であって、今申しましたように公立学校施設の整備充実あるいは文化財等の修理という、この予算の中には一切これが含まれていないわけでございますから、私は何としても今おっしゃった必要な財源措置を含めて万全の措置をとるという大臣のお言葉を尊重したいと思いますので、今後もこの委員会で見守っていきたいと思いますので、大臣の頑張りと、そしてぜひ文部省として諸般の施設に対しての万全の措置をとっていただきたいことを要望しておきたいと思います。
 一言だけにしてください。
#71
○国務大臣(与謝野馨君) きのうも予算委員会で先生のお隣に座っておられる本岡先生からも、私立学校、専修学校、各種学校にどう対応するのかというお話がございました。先ほどの南野先生の中にもございましたが、これはこういうふうにお考えをいただきたいと思うわけでございます。
 激甚災害で私立学校を復旧する場合には二分の一の国庫補助、四・一五%二十五年の貸付金、こういうことでございますが、この範囲内でどういう工夫ができるのかということを財政当局とやっております。
 それから、今回は激甚災害の対象となっていない、それでは救済できない専修学校、各種学校も何らかの形で救済をしませんと教育機能の回復が迅速に行われないと、そういうふうに思っておりますので、これもきちんとやりたいと思っておりますので、先生の御支援も心からお願いをいたしたいと思います。
#72
○林寛子君 ぜひお願いしたいと思いますし、きょうここにお座りの委員の皆さん方はぜひやってほしいと、協力するというお顔ばかりだろうと思いますので、お願いいたしたいと思います。
 それから、四月から週五日制が実施されることになりました。考えてみますと、一九八六年、昭和六十一年四月に臨時教育審議会の第二次答申で五日制を検討するという提言がございましたね。あれから約十年たって実施することになったわけでございます。
 私は、今実施することがどうのこうのと言うのではなくて、現場に行きまして各県庁、市役所の窓口で聞きましたら、ボランティアの人たちがみんな来てくれる。しかも、土曜、日曜の二日間だけでもいいから働かせてくださいといって学生が来る。けれども、ボランティアの窓口自体が県庁あるいは市役所になかったこともこれも問題。けれども、ボランティアという気持ちはあるけれども、生まれて初めてのボランティアだから何をしていいかわからないというのも現実。しかも、それじゃここのお手洗いの掃除をしてくださいと、いやそれはちょっととおっしゃる。あるいは、じゃこれをと言ったら、いやそんなことはしたことがないとおっしゃる。私は、そういう気持ちと現場との食い違いが、とっさの場合ですから本当に残念でならないんです。
 ですから私は、今度参議院では議員立法でボランティア基本法というのを今国会に提出しようという動きがございます。けれども、それはひっくるめたボランティアの話でございまして、私はこの週五日制に関しましてぜひ文部大臣にお願いしたいことは、週五日制が月二回でございますから、そのうちの一日をボランティアというものに学校教育の中で学習指導要領なりなんなりで私は文部省としてどうしても定義づけていただきたい。ボランティアとして働きたいという気持ちはあるけれども何をしていいかわからないという、その子供たちの善意を学校の中で指導していくことが私は大変大事なことだと思います。
 私は、ぜひお願いしたいんですけれども、例えば、時間がございませんから急いでお聞き苦しいけれども、聞いていただきたいと思います。既に御承知のこともあろうと思います。
 ボランティア先進国のアメリカは、千を超える組織がございます。統括機関としてインターアクションもワシントンにございます。お金を寄附したらそれは所得控除、ボランティア活動は学校の成績評価の対象、そして一年間子供に勉強を教えると奨学金五千ドルがニューヨーク市では出ます。あるいは、これは普通の会社のことですからどっちでもいいんですけれども、従業員が勤務中に近隣の学校に教えに行くことを奨励している。ミネソタ州であります。あるいは、社員が組織ボランティアを年間百時間すると、その組織に会社から五百ドル出す、そういうものもございます。
 あるいは、子供博物館、インディアナポリスのミュージアムでございますけれども、千三百人のボランティアの中に子供が七百人から八百人。子供は学校と親の許可をもらって十歳からそれに参加いたします。エプロンをつけて、新人かあるいは中くらいかベテランかの三色のエプロンをつけてミュージアムの中でお客様を案内します。あるいは年間百時間以上、土日、長期休暇を活用する。風邪で休むときも子供自身が電話をする。三回無断欠勤をしたらボランティアはもうできなくなるという制度もございます。
 それから、たくさんございますけれども、あるいはロサンゼルスで、高校生が二週間に一度、近くの幼稚園に来て園児と遊ぶ。それは大学入学の単位にカウントされる。私は、これは少子化される日本の社会にも大事なことだと思います。兄弟がない子供が多いんですから、大学生や高校生が幼稚園に遊びに行って一緒に遊んでくれるということも私は日本の少子化時代に向けては、これはぜひボランティアとして教育制度の中に取り入れていただきたいということが、これも既にアメリカのロサンゼルスでは実行されております。
 あるいは、サンフランシスコでございます、ユニバーシティーハイスクール。授業中にボランティア活動を組み入れております。毎週木曜日の午前中二時間程度をコミュニティーサービスに充てています。一年生は人との触れ合いということで、子供、お年寄り、発育のおくれた子供の世話や幼稚園に行っております。二年生は環境ということで、自然環境保護のために二日間、野外活動をしております。三年生は貧困問題ということで、これはサンフランシスコ特有ですけれども、ホームレスや低所得者、アルコール、ドラッグの中毒の人たちに食事を無料で提供している。四年生は自分自身でプロジェクトを選んでおります。
 そしてまた、世界じゅうではいろんなことがございます。ごみ拾いをしているのがございます。これはアメリカのセントラルパーク。授業時間を割いてセントラルパークの掃除をする。これは小学生でございます。それから、十二歳からはサマースクールで子供の世話をする。これはベビーシッター作業でございます。これもアメリカでございます。それから、変わったところでは、グローブ座の再建費用のための寄附金集めにディナーや詩の早読み大会などを企画、参加者から二十ペンスを集める。これはイギリスでございます。
 そのように、これ読んでいると切りがございませんからやめますけれども、あらゆるところで、世界じゅうでボランティアが行われていて、しかもそれは幼児から幼児教育の中で養われていますから、いざというときにボランティアで行っても自分の役割、できる範囲をはっきり担当者に言えるんです。
 けれども日本の場合は、気持ちは大事でボランティアで行くんですけれども、何をしていいかわからない、経験がないと。今度の災害をもってボランティアの気持ちが、若い人たちは無関心だとかあるいは若者はというようなことを私どもはしょっちゅう耳にしたり口にしたりしておりましたけれども、今度の災害で私は若者の建国の心、人をいたわる心が日本の子供にはあるという実証ができたわけでございます。けれども、その実証が自分たちでは果たし得ないということでありますので、これは言っていると切りがありませんけれども、全部ボランティアが学校教育の中に取り入れられて、低学年は低学年、そして高学年は高学年でできる範囲のボランティアをプログラムに入れていますから、そこで、私はこういう経験がある、私はお年寄りを助けた経験があるというと、災害のときにその窓口へ行って私はお年寄りの面倒を見られますよとちゃんと言えるんですね。
 ですから、私は、せっかく文部大臣として与謝野先生がお座りになっている以上は、大臣として、災害が起きたときに子供たちのボランティアの気持ちが生かされるように、学校教育の中に小学校から私はボランティアというものを、今度週五日制の中の一日を何としてもカリキュラムの中に入れていただいて、ボランティアというものを定着させるということをぜひお願いしたいと思いますけれども、いかがでしょうか。
#73
○国務大臣(与謝野馨君) 確かに、学校五日制が二回導入されましてその余暇をどういうふうに過ごすかということは、学校にとっても児童生徒本人にとっても、あるいは地域社会にとっても非常に重要なところでございます。しかし、ボランティアというのは、この言葉の定義どおり、やはり自発性ということが非常に大事ですし、また無償性ということも大事でございますので、余り参加を義務づけたりということはボランティアという言葉からは外れるのではないかと思っております。しかしながら、子供たちが何か社会奉仕をしたい、社会活動をしたいというときに、そういう参加のできる機会をあるいはそういう事柄を地域社会でたくさん用意しておく、これは私は大変大事なことだと思っております。
 今回の災害というのは、恐らくボランティア活動としては非常に特別なケースだろうと私は思います。通常のボランティア活動は、今博物館の例を先生は引かれましたけれども、例えば文部省のもとにございます上野の科学博物館というところには毎日百五十人から二百五十人のボランティアの方が来ておられます。主婦の方もおられますし、大学を定年で退官された方もおられます。そういう方々がまさに無償で子供たちに科学や技術のことを教えておられる。そういうボランティア活動もあります。
 また、先生が言われましたように、やはり子供たちには何らか、例えば環境問題に貢献するとか、お年寄りや体の御不自由な方に対して親切な気持ちを持てるようないろいろな活動をするとか、そういう活動に参加のできる機会を子供に提供する、そういうものをやはり地域社会が用意しておいて、どれに参加していただいても子供がそれなりに活動の場ができる、そういうことは確かに私は大事なことだろうと思っております。
 これからはボランティア活動に対してある種の認知と申しますか、例えば先ほど事務当局から御説明申し上げましたように、これを単位としてどういうふうに勘定するのとか、あるいはそういうこともやはりボランティアを奨励する意味では大変大事なことだと私は思っております。
#74
○林寛子君 私はぜひ、大臣がせっかく大臣でいらっしゃるときに、与謝野大臣はこういうことをなさって、日本の学生たちがボランティアというものに小さいときから、さっきおっしゃいましたけれども、それは大きくなって親に教わったりなんかということでなくて、学校教育の中にボランティア教育を定着させるということをぜひ実行していただきたいということを重ねて要望しておきます。
 それから、あしたは、二月十日でございます。政府の特殊法人の見直し最終案の提出日でございます。私、今手元に、これは二月五日の毎日新聞、二月八日の読売新聞、文部省関係だけ申します。毎日新聞、「日本私学振興財団と私立学校教職員共済組合の統合を検討中」、これが毎日新聞でございます。きのうの読売新聞、「日本私学振興財団、私立学校教職員共済組合(統合)国立教育会館(業務縮小)日本体育・学校健康センター(業務縮小)」と、二つの新聞で今出ております。
 あした最終案とおっしゃいますけれども、文部大臣としては、二月十日に文部省としてお出しになる特殊法人の案というものは最終案ですか、いかがですか。
#75
○国務大臣(与謝野馨君) 報道が正確なものかどうかは別にいたしまして、今言われたようなことは実は長い間検討してまいりましたので、恐らく文部省関係では、今先生が、言及されました特殊法人が統合の対象になり、また国立教育会館あるいは学校健康センターの方の業務の縮小というところまで行くかどうかはわかりませんが、少なくとも特殊法人の統合を行って特殊法人を一つ減らすという方向で検討されていることは間違いないことでございます。
#76
○林寛子君 ありがとうございました。あしたのことですから、今私がそれに対して云々ということではございませんで、最終の御決意がどうかということだけを確認したかったわけでございます。
 それから、先ほど大臣がおっしゃいました、今度の災害を糧として文部省としてマニュアルをつくって、そして整理をして、できるものあるいはしなければいけないものを一冊にまとめるとおっしゃったことは大変いいことで、ぜひ実行していただきたいと私は思いますけれども、ちょっとちなみにお聞きください。
 「国際防災の十年」、日にちがございますが、一九九〇年代を国連の援助のもとに自然災害軽減の分野における国際協力の強化に強い関心を向ける「十年」とすることを決議し、国家間の協力を通じて、特に開発途上国における自然災害による人命の損失、資産の損害及び社会的、経済的な崩壊を軽減することを目指し広範な活動を開始した。間を抜きます。
 我国においても、建築物やライフライン施設の耐震対策が進められているとは云え、首都機能の主要部を含む南関東地域において大正関東大地震クラスの巨大地震を再び発生すればこれによる被害の波及は必至である。
 国土庁においてはこれを予見し、被害の軽減をはかるための諸施策の検討を行って来ている。とりわけ人的被害の軽減対策は最重要課題であり、そのあり方は大きな課題とされてきた。
 本計画は、このような南関東地域において想定される将来の巨大地震時に発生する大量の傷病者に対する最も効果的な応急医療対策のあり方を示すものであり、国際的に共通する大課題に応えるものとして高く評価される。
  一九九一年三月三十一日
       国土庁事務次官北村広太郎
 私はこのことを申し上げたくて、国土庁も、これは管轄違いですけれども、一九九一年三月三十一日に大変立派なマニュアルができているんです。私、これを拝見いたしましてびっくりいたしました。そしてまた、同じく九一年三月三十一日に元国土庁事務次官、前金融公庫総裁河野正三という方からも膨大な資料が出ております。
 その中に、私はもうこれを見てびっくりしたんですけれども、地方医科大学六十校で編成できる先発応急医療隊というのがございまして、地方医科大学六十校で編成できる先発応急医療隊の編成数と総員というものがございまして、全部これは網羅されているんです。そして、医療隊は、医師が十二名、それで十六班。看護婦が二十五名、薬剤班が五名、事務班が五名。一班で編成されるのが計四十七名という、医科大学六十校の編成班数と総数というふうに全部マニュアルがあるんです。にもかかわらず今回はできなかった。
 ですから、私、国土庁が出しているものですから文部省は知らないとおっしゃることは、それはいいんですよ。今回はできなかったんですから、事実これだけの立派なマニュアルがあって。私が大臣に申し上げたいことは、今マニュアルを出すとおっしゃいましたので、それには大賛成ですし、ぜひ出していただきたいけれども、実行不可能なマニュアルもあるということだけを申し上げておきたい。時間ですのでやめます。
#77
○国務大臣(与謝野馨君) その点は先生と私の認識はちょっと違っておりまして、マニュアルを読んだか読まないかは別にいたしまして、そのマニュアルどおりのことを実は文部省はやってまいりました。
 これは、神戸大学が国立大学で被災地の中にありますので、神戸大学を中心に救急医療も行いましたし、神戸大学に対しては隣接府県から、それぞれの例えは大阪大学、京都大学、岡山大学、名古屋大学、和歌山大学等が直接神戸大学に医薬品、食糧を送付いたしまして、神戸大学の医療水準が落ちないように全力を挙げました。
 神戸大学は、神戸大学の先生あるいは神戸大学出身のお医者様で近隣に住んでおられるお医者様を全部動員いたしまして、文字どおり不眠不休で重症患者等の手当てに当たりました。また、周辺の大学では、国立大学、公立大学、私立大学を問わず医療チームを編成いたしまして、これを現地に派遣しております。例えば看護婦の派遣等は、名古屋大学が三十名の看護婦のチームをつくって現に神戸大学に送って、そのチームとして救急医療のために本当に文字どおり仮眠をしながら医療に当たったというケースもございます。
 私もそのマニュアルは知りませんでしたけれども、文部省としては先生が今読まれた範囲内のマニュアルのことは実はほとんど実行している、こういうことだろうと思っております。
#78
○林寛子君 最後に一言、お答えいただきましたので。
 文部省が今までしていなかったというわけではございません。政府全体としてこういうこともあるということを御認識いただきたいと申し上げただけでございまして、文部省はよくやってくださったと思っております。また、よくしていただきたい。
 それから、きょうは質問しませんでしたけれども、阪神の地震と言いましたけれども、京都でも国宝級のものが随分破損しております。ですから、それも文化庁に、国宝級のものをどういうふうに補修するか、特別に予算の方もぜひ御配慮いただきたいということを申し上げて終わります。ありがとうございました。
#79
○乾晴美君 新緑風会に所属しております民主改革連合の乾でございます。よろしくお願いしたいと思います。
 ただいま林議員の方から、ボランティアの中で若者たちが非常にすばらしい活動をしたという話を伺いましたけれども、私も同じような体験をさせていただきました。一月二十日に国会が始まりましたので、それまではちょっと上京いたしておりまして徳島で義援金のカンパ活動ができませんでしたけれども、二十日、会議が終わりましてすぐ帰りまして、徳島駅前で二十一日から二十七日まで一週間の間カンパ活動をいたしました。その間、上京しなきゃならないときがございましたので、全部私が出たわけではございませんけれども、三回、四回と街頭に立って義援活動をさせていただきました。
 そのときに、今の高校生は白けているとか、また無感動だとか無関心だとか言われているにもかかわらず、ほとんどの生徒、それから小学生に至るまで、学校でも何らかのカンパ活動をしているであろうにもかかわらず、私たちが構えているカンパ箱に千円、二千円と入れてくださいまして、非常に感動いたしました。どちらかといえば、きれいな様子をした、きれいないい格好をしている中年の男性が一番協力してくださらなかったというような経験がございまして、非常に若者というのもそういう危機に対してはいろんな反応をしてくださるということで、教育に携わってきた私といたしましても非常にうれしく感じた次第でございます。
 先ほど大臣のお話の中にありましたように、亡くなられた方々も日増しにふえてまいりますし、もちろん負傷者もそして被災された方々も大変御苦労しているということに対しまして、私も衷心から亡くなられた方々には御冥福をお祈りいたしたいというように思うわけなんですが、一日も早くこうした方々の復興といいましょうか、学校にも歓喜が返ってくるようにということで、これから質問させていただくわけなんです。
 先ほど肥田議員もおっしゃっていましたけれども、まず一番大事なのは、私は何といいましてもやっぱり被災者の心のケアだろうというように思います。
 きょう読売新聞を読ませていただきましたら、二十五ページでしょうか、そこに「被災者に心のケア」ということで、神戸に保健センターがこの三月ごろにできるんだということで、AMDA国際災害精神保健センターというんでしょうか、仮称だということですが、そういうものができる。
 もちろん、友達を亡くし、両親を亡くし、そしてかわいがっていたペットを亡くしたり、非常な状態に遭っているそういう子供たちの精神的なケアを、養護の先生、先ほど南野先生もおっしゃいましたけれども、養護の先生だけだとか、また臨床心理士というのがたくさんいらっしゃると言いましたけれども、それとても多くの子供たちに間に合わないのではないかと思うんです。
 これは今間に合わなくても、せっかくこういった神戸に保健センターができるということなんで、この中にやはり学校の教師というか先生方にも、一般の生徒指導のカウンセリングというだけでなくて、こういった災害、防災の臨床にいろいろカウンセリングができる先生方の養成もこれから考えていくべきでなかろうかと思いますけれども、いかがでしょうか。
#80
○政府委員(遠山耕平君) お答え申し上げます。
 このたびの震災により被災した児童生徒の心の不安を取り除くためには、全教職員が児童生徒の状況をよく把握して、その不安や悩みをよく聞き取ってあげるというのが大事だろうと思います。そのために教員の研修は大変重要でございます。
 そのような指導を行うための研修について、文部省としましては、大体二週間くらいの日程で生徒指導とカウンセリングに関する講座を実施しております。それから各都道府県や指定都市におきましては、初任者研修ですとかあるいは五年目、十年目、十五年目の教職経験者の研修等におきまして、教育相談とかカウンセリングの内容を盛り込んでいるところでございます。
 それから、各都道府県におきましては全部教育研修センターというものを持っておりますので、そこでは、名前はいろいろでございますが、教育相談に関する組織を設けまして児童生徒に対する教育相談を行うとともに、先生に対する教育相談とかカウンセリングに関する専門的な研修を行っております。今後とも生徒指導あるいは教育相談に関する教員研修の充実を図ってまいりたいと思っております。
#81
○乾晴美君 ありがとうございます。そういうことも考えた上で、また健康面でも非常に、精神以外の健康面でもまた留意していただかなければならない面も出てくるだろうと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
 同じ新聞のページなんですけれども、ここに、非常に調査公害だと現地の人が言っているという記事が同じところに出ているわけなんです。前にも、いろんなそういった被災の状況を取材するために、各新聞社なり、また放送社がそれぞれのところへ出かけていって、ヘリコプターもそれぞれに飛ばして、その騒音のために助けてくれという声が聞こえなかったじゃないかというような、取材のあり方に対して非難がたくさん出ておったと思います。
 今回は、そういったことに対しての実態調査をするために被災者の方々に物すごいページの用紙を渡したり、いろいろこのことについて答えてくださいというようなことを無差別にやるものですから、被災者の方々がもううんざりだ、もう調査はお断りというように、もう疲れ切っているところにまだこれ以上調査されるのほかなわぬということをおっしゃっているということがこの新聞にも書かれております。それではだめだということで、神戸大学の人たちが中心になりまして関西地区の七校の方々が、一元化しようじゃないか、そしてその基礎データをみんなで共有してやっていこうじゃないかというようなことで立ち上がったということで、非常にこれはうれしいことだと思うんです。
 この新聞の中にもありましたけれども、文部省が一九九二年にリストアップした自然災害研究者というのが約千七百人もいらっしゃるというわけなんです。そういう意味で、文部省が知っているそういった自然災害研究者の方々も千七百人の四割ぐらいは入ったんではないかというように新聞にも載っていますが、そういうのじゃなくて、やっぱり分類して、ここの地区はだれそれだれそれというようにいち早く研究者の人たちを一本にしていくというようなことをしていただいた方がよかったんではないかと思いますが、そのことについてどのようにお考えがお聞かせ願いたいと思います。
#82
○政府委員(岡村豊君) 今回の地震災害に関しまして、多くの研究者が現地に入っているということはそのとおりだろうと思います。
 文部省自身も、科学研究費補助金等によりまして三つのグループを支援しているところでございますが、文部省の支援しているグループは主として地震の観測等自然科学的なものでございまして、余り住民の方に御迷惑をかけるという可能性は薄いかと思います。ただ、その中に一部アンケート調査等もありまして、これについては今の状況にかんがみて、やるとしても落ちついてからやるということにいたしておるわけでございます。研究者といえども、厳しい状況の中にある住民の方に重ねて御負担をかけるというのは決してすべきでないと思います。
 しかし、学問研究の自由ということがございまして、なかなか調査の内容、方法等について直接国が口を出すのは難しいところでございますが、今申し上げましたような趣旨にもかんがみまして、関係の研究者に注意喚起等をしてまいりたいと思っております。その意味で、研究者が自発的に調整をとっていただくというのが一番いい方法でございまして、そのような動きになっていると聞いておりますので、何かこれに御協力できることがあれば御協力をいたしたいと考えておる次第でございます。
#83
○乾晴美君 そういった災害の取材も同じことが言えるだろうと思うんです。やっぱりTBSはTBSでいち早くと思うだろうし、毎日は毎日でいち早くと思うというところがあって、それぞれ共同通信のような形で一本化するというのは難しいところ、大変だから何とかやろうということなんで、そういった研究者の中でもたれかリーダーをつくってやっぱり一本化していかぬといかぬのじゃないかなというように思います。
 それでは、防災研究についてちょっとお伺いしたいと思うんです。
 私は徳島県なんですけれども、これ何年前か忘れたんですが、徳島県の管理課長さん、高橋さんとおっしゃったか、課長さんだったと思うんですが、自分が文部省職員としてハーバード大学に留学したときのお話をその課長さんから伺ったことがあるんです。
 そのときに、ニューヨークの地下鉄がもし停電事故になったとき、停電したといったときと、そういったデータをテーマにして危機管理のシミュレーションを研究するという、そういうテーマを与えられたそうなんです。そのときに、私、その課長さんからお話を聞きまして、外国ではもうそういった危機管理の研究というのは早くも進んでいるんだなというように驚いたわけなんですけれども、現在、日本で危機管理の研究というのはどこまで進んでいるのでしょうか、お願いいたします。
#84
○政府委員(岡村豊君) 大学の個々の研究者の研究内容については、大変申しわけないと思いますが、十分把握をいたしておりません。しかしながら、人文科学、自然科学を問わず、すぐれた研究を援助する科学研究費補助金というシステムがございますが、この科学研究費補助金で採択された課題等を見ますと、危機管理に関する研究というのもこれを使って行われているという実態はございます。ただ、それが組織的な形で、それを専ら研究する組織という形での国立の大学における研究組織というものはないというふうに考えております。
#85
○乾晴美君 大変難しいことだと思いますけれども、やはり今回のようにマグニチュードその直下型地震ではどういうようになるかというようなシミュレーションもできていなくて、想像以上の大地震だったというようなことが言われておりますので、これからそういった方面でもいろいろ研究していくということで、よろしくお願いしたいと思います。
 その次に、いろいろこういった事故が起こってきましたときに、あのときはだれが悪かったとか遅かったじゃないかとかいろいろ、後になって出てくるのはいいんですけれども、やはり私たちはこういった大震災のことを教訓として、次に何をしなきゃならないかということで考えていかなきゃならないだろうと思うんです。
 そういう意味では、災害の教訓を学校教育の中にやっぱり生かしていかなきゃいけないだろう。先ほど林議員は、ボランティアでどうかということなんですが、私はもっと具体的に、例えば災害教育の一環として、小学生であれば、高い場所に物を置かないようにしましょうとか、玄関などにガラス製品を置かぬようにしようとか、揺れを感じたらすぐにクッションなどで体を守るんだとか、ドアは素早くあけておくんですよとかいうようなことを教える。
 それから高学年になってくれば、ふろ場のお湯というのは湯だめというか、お湯を残しておきましょうとか、それから家具類を専用の一つの部屋にまとめてそれを固定しておくようにしておきましょう。避難袋というのはそれぞれつくっていると思いますが、それを家の中に置いておって全然だめだったわけなんで、避難袋はどこか外へ、物置の中に入れるとか天井の下につるすとか、いろいろ方法はあると思いますが、屋内に置いておった避難袋は何の役にも立たなかった、そういうことで外に出した方がいいんじゃなかろうかとかですね。
 私は、小学校五年生のときに終戦になったわけなんですが、そのころはいつも防空ずきんというものをっくっておりまして、それに生年月日と血液型とか名前とか書いたものをつけておりました。そういったものを家に備えておくようにしようとかといったようなことを、カリキュラムの中にそういった防災のときにこういうことになるんですよというような、日本はもうとにかく地震国だと、いろんなプレートが入り組んでいるということで、活断層もたくさんあると言われているんですから、そういう教育のカリキュラムの中に入れていくというようなことはいかがでしょうか。
#86
○政府委員(小林敬治君) お答えいたします。
 児童生徒が災害の危険について理解をし、災害が発生した場合に安全な行動を身につけさせるという、いわば防災あるいは災害教育というものは、今回の教訓から極めて重要であると考えております。
 学校におきましては、これまで避難訓練などの学校行事だとか、それから学級活動、また各教科の学習におきまして、学校教育活動全体を通じて防災教育を実施するように努めてきたわけでございます。また、そのためにいろんな研修会あるいは研究協議会等におきまして、先生方にも研修をしていただき、指導の充実を図っているところでございますので、今回の大震災をさらに教訓にいたしまして、そういった事柄の充実を図ってまいりたいと思っております。
#87
○乾晴美君 時間が来ましたので終わります。
#88
○橋本敦君 今回の大震災に対して教育の問題でも切実な課題が随分たくさんあるわけですが、時間がありませんので、当面、焦眉の問題に絞って端的にお伺いをしたいと思います。
 まず第一は、子供たちや父母、教育関係者が切実に要望しております一日も早い授業再開ですが、そのために被災した学校で校舎が使えないところでは早急に仮設の教室を建設していかなくちゃなりません。現に建設も始まっております。
 そこで、教育現場の要望を伺いますと、この建設について国がどれだけの財政的手当てをしてくれるのかという問題が深刻な切実な問題としてあるわけです。災害復旧の場合には、仮設教室の設置は、これは施設の復旧、激甚災の場合は九割程度まで国が面倒を見るということですが、通常は三分の二の国庫補助と、こうなっております。この仮設校舎については通常の災害も激甚の災害も差がなくて、同じように三分の二という基準が一応あるわけです。
 今回のような激甚の災害に当たって、仮設の校舎の建設についても思い切った国の助成が必要ではないかと、この基準を思い切ってかさ上げをして激甚災の校舎の建設と同じように九割程度の補助にまで国の補助を引き上げてもらえないかという要望が切実です。これはお耳にも入っていると思いますが、思い切った対応が必要だと思いますが、いかがでしょうか。
#89
○政府委員(遠山耕平君) お答え申し上げます。
 仮設校舎の設置にかかる経費につきましては、従来から国庫補助の対象にしているわけでございまして、先生おっしゃいましたように補助率三分の二という高率な補助なわけでございます。今回の被災した市町等におきまして仮設校舎の建設が円滑に行われるよう、現行制度の中で適切に対処してまいりたいと思います。
#90
○橋本敦君 現行制度の中でというのは三分の二という基準での話でしょう。これの引き上げを思い切って検討すべきではないかという、こういう私の意見だし、要望が強いということです。この点思い切った対策を前向きに検討するということを、特別立法その他もいろいろ政府も検討しておるんですが、一つの重要な課題として加えてほしいということなんですが、どうなんですか。
#91
○政府委員(遠山耕平君) この仮設校舎の設置に係る経費につきましては、通常の校舎本体とは性格が違いまして、校舎本体の方は負担金という国が負担する義務を負う、そういう性質のものでございますが、この仮設校舎に対するお金は国庫補助ということで、国が補助をするということで、負担する義務を負っていないけれども国としては財政援助をしていくと、こういうものでございます。特に校舎本体と違いますのは、仮設校舎というのが暫定的、一時的に教育活動を行うために設置するものでございまして、そういう施設の性質等から考えまして、やはり校舎本体と同様に補助率をさらにかさ上げするというのは困難ではないかと思います。
#92
○橋本敦君 それじゃ話にならぬと思うんです。
 大臣、そこを思い切って、一時的にしろ、一日も早い授業再開のために、それぞれの自治体は大変な苦労をしておるんですから、この場合はまさに今までの、従前の枠を超えるぐらいの思い切った手当てを、手厚い手当てをやるべきじゃないかということなんですが、今の答弁ではそういうことを検討しないと言うんですから、これは困りますよ。現場の切実な要求に対応して、文部省としては思い切った補助のかさ上げの問題を国の責任でやるという方向の検討できないんですか。
#93
○国務大臣(与謝野馨君) これは仮設校舎だけ取り上げてということではなくて、やはりこういう激甚災害があった場合、国の予算をどのぐらい地方に投入していくかと、こういう全体の問題としてとらえていただきますと、現在申し上げました三分の二の補助率というのは決して妥当性を欠くものではないと、そのように考えております。
#94
○橋本敦君 この問題では私の意見とどうしても平行線のままで決着がつきませんが、私はそういった姿勢を思い切って改めていただきたいということを重ねて要望して、時間がありませんから次の問題に参ります。
 次の問題は、新聞にも出ておりましたが、今回の震災で「しぼむ「十五の春」」ということで、「中三生、受験断念や進路変更続々」ということが新聞でも報ぜられました。これは高校進学の場合ですが、大学進学も同じことですね。今回の災害で、行きたい学校を目指して勉強しておったんだけれども、断念しなきゃならぬという無念の思いが子供たちに広がるというのは本当に痛ましいことです。だから、どうやって進路を変えずに、あるいは希望どおり進学をするという保障をしてやるかということは、私は国の責任で非常に大事だと思う。
 その一つとして、大学で言えば、国立や公立学校の場合には授業料の減免措置を文部省はとるということ、これは大変結構なことです。同時に、私学でも学校によっては同じような減免措置をとるというところもありますよね。しかし、私学によってはそういうことをやっていないところもあるわけです。
 だからこの場合、私学の問題について言えば、この被災した子供たちの問題については私学は思い切ってこういうことを保障してやるということをきっちりと国が指導をして明らかにしてやるということは、子供に希望を持たせる上で非常に大事な一つの問題と思うんです。その点で、国としてすべての私学に対してこういう措置をとるようにということ、そしてそれをとった場合に国の方が私学助成の中で適切な措置をとるということは言明されていますが、一歩進んで、その具体的な保障を国としてもやりますという方向で展望を切り開いてやる必要があるんじゃないかと思うんですが、この点が第一点。
 それから、高校以下の場合、例えば兵庫県では公立学校については授業料や受験料の免除措置、これを決めております。これも大変いいことです。この点で、今度は私学の場合についても、高校以下についてもこのような措置を私学がとれるように国としての指導と、そして国としてそれを私学がとった場合に財政的にきちっと面倒を見てやるという、国の責任で保障の方向に一歩踏み出してもらいたいということでありますが、この点について見解を伺いたい。
#95
○国務大臣(与謝野馨君) 大学と高校以下と二つ分けて考えなければならないわけですが、大学については経常費助成は私学振興財団を通じて行われているわけでございまして、そういう授業料等の減免を行った大学にはそういう経常費助成の中で適切な対応をとるということが必要だと思っております。
 また、高校以下の場合、授業料等の減免を行った場合どういう対応をするかと、これは都道府県が高校以下の私立学校に直接援助をしているわけでございますので、私どもの御支援というのは都道府県に対するものでございます。この場合も、そういう減免をされた学校が過大な負担とならないということを考慮するというのはやはり国としての責任の一端であると、そのように考えております。
#96
○橋本敦君 今、大臣がおっしゃった国の責任の一端を具体的に果たすために、私は少なくとも、私学が授業料等の減免をした場合に、その私学の減収分については全額国がこれは補助するというくらいの展望をきちっと与えてやっていただきたいということなんです。そのことを重ねて要望しておきますが、その点について大臣の御見解いかがですか。
#97
○国務大臣(与謝野馨君) 高校以下につきましては、やはり都道府県と国とがワンセットになってやっておりますので、やはりそれぞれの都道府県と御相談をしながらということになるわけでございます。
#98
○橋本敦君 最後に一問だけ。
 最後に一問聞きますが、今度は下宿が全壊、半壊で学生たちが公園に、避難所にということで悲惨な状況ですね。それで、新しく学生が下宿を探すのは大変困難ですから、学生のための寄宿舎をどうつくってやるかということが一つ。
 それから、学生が新たに敷金その他を必要として下宿をみずから探した場合は、その問題について少なくとも日本育英会が敷金、礼金等の費用は貸与してやるという制度を新しくつくってやれないかということを私は切実に思うんですが、最後にこの点について文部省の御見解を伺って終わります。
#99
○政府委員(吉田茂君) 被災学生の寄宿舎の問題は、学生寄宿舎の新営等の対策につきましては、実情を見きわめながら今後検討してまいりたいと思っております。
 それから、敷金、礼金等のための育英資金、これは非常に難しい問題であろうかと思います。ただ、貸与月額の、いわゆる現在の額では足りない、増額したいという場合には、例えば無利子貸与と有利子貸与を併用する併用貸与制度というのがございますが、これを活用していくということになりますれば、例えば私立大学の自宅外の学生の場合ですと、月額五万四千円が十万八千円となるというような制度もございますので、こういった制度の活用で対応してまいりたいと思います。
#100
○橋本敦君 終わります。
#101
○委員長(松浦孝治君) 以上をもちまして質疑は終了いたしました。
    ―――――――――――――
#102
○委員長(松浦孝治君) 次に、派遣委員の報告を聴取いたします。
 森山理事より御報告をお願いいたします。森山君。
#103
○森山眞弓君 去る一月十七日、徳島県に委員派遣が行われましたので、その調査結果を御報告申し上げます。
 当初は十七日の徳島県における教育文化施設の視察に続いて、翌日の十八日に京阪奈地区の関西文化学術研究都市を訪問する予定でありましたが、十七日早朝の兵庫県南部地震の影響により同地区の視察は中止のやむなきに至りました。
 派遣委員は松浦孝治委員長、南野知惠子理事、会田長栄理事、浜四津敏子理事、木暮山人委員、橋本敦委員、そして私、森山眞弓でございます。
 徳島県におきましては、まず、県立の文化の森総合公園を訪問し、河野教育委員長、坂本教育長などから同県の文教行政の概要と国への要望事項について伺いました。
 「人づくりこそが、県づくり」との基本認識のもとに、学校教育、生涯教育の充実、推進のため諸施策を進めているが、とりわけ僻地校が多く、また私立の高等学校が少ない同県の特殊な事情を踏まえ、僻地教育の振興と特色ある高等学校の整備充実に力を入れているほか、当面の課題であるいじめ問題への対応や月二回の学校週五日制の実施準備に取り組んでいるとの説明がありました。
 また、国に対しては、公立学校の教職員定数等の改善、僻地教育の振興等五件の要望がなされました。
 続いて、文化の森総合公園の坂東二十一世紀館館長から同公園の概況説明がありました。
 この公園は、昭和五十五年の置県百年を記念して、二十一世紀に向け同県の文化創造、発展の拠点として設置されたもので、図書館、博物館、近代美術館、文書館、二十一世紀館の五つの施設とそれを取り巻く公園、森林とから成る総合的な教育文化施設であります。
 説明を受けた後、これらの施設のうち、博物館と二十一世紀館とを拝見いたしましたが、博物館は徳島の歴史と自然の姿が一見して理解できるよう年代別、系統別に諸資料が展示され、また二十一世紀館は、同県の文化情報センターとしてデータベースシステム、オーディオビジュアルシステムなどのニューメディアを活用し、各種の文化、学習情報を、館内はもとより、各家庭でも電話回線によって自由に利用することができるシステムを備えた施設で、同県が二十一世紀に向けて文化振興と生涯学習の推進に意欲的に取り組んでいることをうかがい知ることができました。
 次に、徳島文理大学を訪ね、村崎理事長、添田学長などから同学園の概要等の説明を受け、附属図書館を見学いたしました。
 この学園は、明治二十八年に村崎サイ氏が女性の自立を目指して女子学園を創立して以来、百年の歴史と伝統を持ち、現在は、幼、小、中、高、短大、大学、大学院を擁する西日本有数の私立の総合学園であります。
 理事長の説明によりますと、小学校では英語の早期教育を取り入れ、中学校、高等学校では、中高六年の一貫教育体制のもとで習熟度別、進路別編制による進学指導を進めており、大学にあっては、例えば工学部の機械電子工学科、情報システム工学科のような先端工学分野の教育を目指した新しい学科編成をとり、また家政学部では男子学生も受け入れるなど、時代の変化を先取りし、社会のニーズに即応した人材の育成に努めているとのことであります。同時に、堅実な財政運営のもとで、学習環境の整備にも意を用いており、説明聴取後、見学した附属図書館は、学園創立百年記念として昨年五月開館したものでありますが、最新鋭のコンピューター検索システムを導入し、書架、閲覧スペースはもとより、AVスタジオや談話室、茶室などゆとりのある諸施設を備え、学生、教職員の学びと憩いの場として大変工夫、配慮された施設でありました。
 徳島文理大学を後にして、次に、県立城北高等学校に参りました。
 同校では、昭和四十年に校内に設けられた人形会館で、民芸部の阿波人形浄瑠璃の練習風景を拝見しました。徳島県ゆかりの「傾城阿波の鳴門」の一部「巡礼歌の段」が演じられておりましたが、女子生徒による熱演に、一同、時を忘れる思いで鑑賞させていただきました。
 この民芸部は、昭和三十一年クラブ活動の一環として創設され、昭和四十年代にはアメリカ、ヨーロッパでの公演も行われ、現在も、部員九名にすぎませんが、同部のOBなどの指導、支援も受けて県内外で公演活動を実施しているとのことであります。
 仲尾校長などの説明によれば、同校は卒業生の九五%が大学に進学する県内屈指の進学校でありますが、特別活動は人間形成の上で教科授業とともに車の両輪であるとの指導方針に沿って、四十八のクラブと三十六の部活動が活発に行われており、全教師がその指導に当たっている。そして、この四月から予定されている月二回の学校週五日制の実施に当たっても、教科の授業時間は週一時間程度削減するが特別活動は引き続き重視していく方針であるとのことであります。
 以上で報告を終わりますが、詳細に触れることができなかった徳島県の要望につきましては、本日の会議録の末尾に掲載していただくようお願い申し上げます。
 最後に、この場をおかりしまして、徳島県並びに残念ながら今回訪問することができませんでしたが、私どもの受け入れのため準備を進めていただいた関西文化学術研究都市の関係の皆様方に改めて厚く御礼申し上げるとともに、期を同じくして発生した兵庫県南部地震により甚大な被害を受けられた被災者の皆様方に対し、心から哀悼の意を表し、お見舞い申し上げ、報告を終わらせていただきます。
#104
○委員長(松浦孝治君) これをもちまして派遣委員の報告は終了いたしました。
 なお、ただいまの派遣報告につきましては、派遣地での要望書が提出されておりますので、これを本日の会議録の末尾に掲載することにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#105
○委員長(松浦孝治君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後三時四十分散会
ソース: 国立国会図書館
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