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1995/02/28 第132回国会 参議院 参議院会議録情報 第132回国会 大蔵委員会 第3号
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1995/02/28 第132回国会 参議院

参議院会議録情報 第132回国会 大蔵委員会 第3号

#1
第132回国会 大蔵委員会 第3号
平成七年二月二十八日(火曜日)
   午後二時三十分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 二月二十日
    辞任         補欠選任
     都築  譲君     寺崎 昭久君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         西田 吉宏君
    理 事
                竹山  裕君
                楢崎 泰昌君
                志苫  裕君
                峰崎 直樹君
                白浜 一良君
    委 員
                上杉 光弘君
                片山虎之助君
                佐藤 泰三君
                清水 達雄君
                須藤良太郎君
                増岡 康治君
                一井 淳治君
                久保  亘君
                鈴木 和美君
                谷畑  孝君
                猪熊 重二君
                寺崎 昭久君
                野末 陳平君
                池田  治君
                吉岡 吉典君
                島袋 宗康君
   国務大臣
       大 蔵 大 臣  武村 正義君
   政府委員
       大蔵政務次官   石井  智君
       大蔵省主計局次
       長        伏屋 和彦君
       大蔵省主税局長  小川  是君
       大蔵省理財局長  田波 耕治君
       大蔵省銀行局長  西村 吉正君
       国税庁次長    松川 隆志君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        小林 正二君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○阪神・淡路大震災に対処するための平成六年度
 における公債の発行の特例等に関する法律案
 (内閣提出、衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(西田吉宏君) ただいまから大蔵委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 去る二十日、都築譲君が委員を辞任され、その補欠として寺崎昭久君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(西田吉宏君) 阪神・淡路大震災に対処するための平成六年度における公債の発行の特例等に関する法律案を議題といたします。
 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。武村大蔵大臣。
#4
○国務大臣(武村正義君) ただいま議題となりました阪神・淡路大震災に対処するための平成六年度における公債の発行の特例等に関する法律案につきまして、提案の理由及びその内容を御説明申し上げます。
 今般、阪神・淡路大震災等に対応し必要な財政措置を講ずるため、平成六年度補正予算(第2号)を提出し御審議をお願いいたしておりますが、この措置に必要な財源を確保するため、平成六年度における公債の発行の特例に関する措置を定めるとともに、財政法第四条第一項ただし書きの規定により同年度において追加的に発行される公債の発行時期及び会計年度所属区分の特例に関する措置を定める必要があり、本法律案を提出した次第であります。
 以下、その内容について御説明申し上げます。
 平成六年度一般会計補正予算(第2号)において見込まれる租税収入の減少を補い、及び当該補正予算により追加される歳出の財源に充てるため、財政法第四条第一項ただし書きの規定等による公債のほか、当該補正予算をもって国会の議決を経た金額の範囲内で、公債を発行することができることとしております。
 また、当該補正予算において追加的に発行される財政法第四条第一項ただし書きの規定による公債について、平成七年六月三十日まで発行することができること等としております。
 以上が法律案の提案の理由及び内容であります。
 何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同くださいますようお願い申し上げます。
#5
○委員長(西田吉宏君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#6
○寺崎昭久君 短い質疑の時間でもありますので、早速質問に入らせていただきます。
 なお、第二次補正予算の関連で提出されました法案につきましては、財源の手当てをどうするかといったような問題もあるわけでありますけれども、当面の措置としてやむを得ないと思慮いたしますので、これはひとまずおきまして、以下、金融自由化時代の金融行政のあり方を中心に御質問させていただきます。
 去る二月十七日の日経新聞に、東京協和、安全の両信用組合の経営破綻に係る西村銀行局長のインタビュー記事が掲載されております。それによりますと、ペイオフが可能な環境づくりとして、預金者に十分な情報を知らせること、それからもう一つは金融機関の不良債権処理を早急に進めることが前提だという御趣旨の発言でございます。
 私もそのとおりだと思いますけれども、この場合、銀行局長の言われる情報開示、ディスクロージャーというのは、すべての金融機関に有価証券報告書の開示であるとか決算の公表であるとかそういったことを義務づけ、預金者が経営情報などを直接入手する方向で考えておられるのか、それとも国や地方自治体の監督指導機能を強化するという意味で情報の開示を考えておられるのか、この点からまずお尋ねします。
#7
○国務大臣(武村正義君) やや専門的なお尋ねでございますから、十分整理ができておりませんが、多分、多分じゃいけませんね、両面あると私は思います。
 今回もまずはペイオフが可能かどうかということを真剣に議論いたしました。ペイオフは、御承知のように、倒産という事態を前提に預金保険機構が対応するものでございます。最終的には、もちろん金融秩序の安定あるいは維持ということとのかかわりでございますが、ペイオフをした場合どういう影響が出るかというこの点を真剣に議論してまいりますと、少なくとも日本の国民のほとんどの預金者は、預金とか金融機関に対してはやはりかなり強い信頼をお持ちいただいている。自分が近くの銀行なり信用組合なりにお預けして、その預金がある日金融機関が倒れて返ってこなくなるなんということはほとんどの方は想定しておられない。
 それは一つは、やはり戦後一度も金融機関が倒産したことがないということがそういう意識、信頼感を強めていることにもなりますし、もう一つは、そういうことをもしやる場合には、やはり一つ一つの金融機関の経営状況をもっとディスクロージャーして、透明度を高めて、預金者が金融機関をある程度そういう意識で選別ができるというか、そしてみずから信じてお預けするという状況ができてこないと、今のような絶大な信頼感のある中で突然ある日倒産をするということが起こりますと、これは大変な不安につながる可能性がある。二つの東京の信用組合に預けた方の不安はもちろんでありますが、その他の金融機関に預けておられる預金者も、私の預金している銀行は大丈夫だろうか、あるいはうわさに惑わされるとか、そういうことが起こりかねない。必ず起こるとか何割ぐらい起こるということは議論できませんが、少なくともそういう状況があるときにはペイオフはとれないなと。
 今後は、しかしそれがとれるようにするにはどうしたらいいか、そのために経営の実態をみずからも明らかにしていただく努力が必要である。金庫以上は大体かなりのディスクロージャーができてきているようでございますが、信用組合は、やはり地域性もありますが、協同組合性という特殊な性格を持っておりますだけに、そのディスクロージャーの法律、行政上の対応がまだおくれているということを認識しながら、その努力をしていこうという気持ちを局長は表現したものだと思います。
#8
○寺崎昭久君 信用組合等のディスクロージャーを進める努力をされるというのは私は当然の方向であろうと思うんですが、前段の大臣のお話を伺っておりますと、どうも預金者には、寄らしむべし、知らしむべからずみたいなニュアンスがまだ残っているんじゃないでしょうか。今までも倒産した実績がないから大丈夫なんだという、そういう信頼感を大事にするということは、開示をしなくても、政府なり地方自治体がここの経営は安全だよ、大丈夫だよということを言えばそれでいいんだというニュアンスが残っているように思いますが、私は徹底した開示が必要だと思うんです。
#9
○国務大臣(武村正義君) 私はそういう状況をいいと申し上げているわけではありません。たまたま倒産ということが戦後一度もないということも含めて、そういう気持ちでごらんになっている国民が多いのではないかと。そういうときに倒産、預金が戻らないという事態は、かなりの混乱を覚悟しなければならないというふうに判断をした次第でございます。
#10
○寺崎昭久君 私は、東京協和、安全の両信用組合に対してなぜペイオフを適用しなかったのかということについては今でも疑問を持っております。そして、この問題というのは、単に両信用組合の処理をどうするかというだけにとどまらず、今後の金融行政や金融自由化時代に伴う危機管理のあり方、それを問う問題でもあり、この処理をきちんとできなければ、一つの前例になってしまうわけでありますから、国民の信頼もそれから自己責任の原則も確立しがたい。それがやや遠のいてしまうということも心配しているわけであります。
 ペイオフを適用しなかった理由として大蔵省は金融秩序の維持というようなことを挙げておられますけれども、結果から見ると今回の処理というのは、両信用組合のずさんな、また不正な経営を棚上げにしたまま、また預金者の自己責任をあいまいにしたまま預金者を救済するということになっているんだと思うんです。
 だから、ペイオフを適用するかしないかについては、単に金融システムの維持という漠然とした、私は漠然としただと思うんですが、判断によるんではなくて、国民に納得できるような、こういうときはペイオフを適用します、こういうときは公的資金を入れますというような基準が示されなければならないと思うんです。こういう基準が明確になっていないから国民は大口預金者であるとか債権者保護のために何かあったんじゃないかという疑問を払拭できないんだと思うんですが、こういう基準はあるんですか。
#11
○国務大臣(武村正義君) お話の御趣旨も一面御理解をさせていただきますが、私ども経営責任を追及しないままとおっしゃいましたが、これはそうではありません。これはむしろ厳しく最大限の責任追及をしなきゃならない。
 よく二つの金融機関を救済すると表現をされがちでありますが、これも、この金融機関は救済はいたしません。事実もうこれは消えてなくなる形であります。もう三月二十日でなくなりますが、共同銀行が正式にスタートしますとなくなります。債権債務関係を協同組合が受け皿として預かつてそこで処理をしていく。協同組合はそういう意味で私はホスピスというか、この債権債務を処理するための金融機関だと。この共同銀行もその役目を終えればなくなる存在であります。
 もう当初、去年の秋にこの方針を決めたときから、やはり経営者の責任、これだけの異常な社会の常識をはるかに超える実態を我々も大体認識をしておりましたから、これは許せないという気持ちはございました。かなりの法律違反も犯しているわけであります。そんな意味で、あらゆる法的な責任をやはり厳しく求める必要があるという考え方を持っておりました。
 なおしかし、この現在の法律では対処できない限界もあります。それはまさに国会にもお諮りをしながら、今後のためにはもう少しきちっと法整備をしていく必要がある。例えば、大口融資なんかでいわゆる過剰、資本金との関係で大体融資額が決められているんですが、それをはるかに超えた融資をしている。これはもう法令違反です。あるいは、組合員を基本にしていますから、員外貨し出しは二割以下、あるいは員外預金も二割以下という法律の決めがございますが、これも両方とも大幅に違反をいたしております。あるいは役員が自分の関連会社に融資をすることは、禁止はいたしておりませんが、その場合は事前に理事会できちっと決定をして了解をとって融資する、これも法律で決められておりますが、これは行われておりません。
 というふうに幾つか明確に法律に反する経営の状況があるわけですが、残念ながら罰則が皆ありません。今申し上げたことにはありません。導入預金とか刑法上の罰則がついているものもありますが、今申し上げたのはない。これでいいのかどうかという議論もあるでしょうし、あるいは預金保険機構も、ペイオフするためには今のこの預金保険機構の仕組みでいいのかどうかという議論もやはりしなければなりません。あるいはペイオフするためにはもう少し事前の検査のやり方、体制も国と都道府県のかかわりもございますが、そのことも含めてもう少ししっかりより十分な検査をする必要があるんではないか、こんなところも一つの反省点だと思っております。
 しかし、そういう経営をめぐるもろもろの問題はきちっと解明もし、責任も問わなければならないという考えでございますが、そのことと、私はペイオフしてもいいと思ったとおっしゃいましたが、もしペイオフした場合にどうなるかというその一点は、言葉は金融秩序の維持とか金融の安定性とか、こういうことでしかお答えをいたしておりません。余りそれをオーバーに大蔵大臣が強調すること自身、これはまた世間を騒がすことになりますから、そういう抽象的な表現でしか申し上げておりませんが、これは昭和金融恐慌あるいは世界の例をごらんいただいて、そういうことがどうなるかということだけは、お互い真剣に見詰めながら冷静な判断が必要ではないか。
 私は、少なくともこの時期大蔵大臣という職員をお預かりをしていて、その一点だけ見詰めたらこれはとても、不安がある以上は、ペイオフの方がはるかにすきっとしますけれども、今の時期はこの国ではまだ選べない。しかし、将来はやはりその方向も目指さなきゃいけない、そのためには何が必要かと、こういう判断をさせていただきました。
#12
○寺崎昭久君 経営責任を追及するとか金融システムを維持するというのは当然のことだと思うんですが、私が質問申し上げたのは、どういう基準でペイオフをするしない、公的資金を入れる入れないということを決められたか、そういう基準はあるんですかということをお尋ねしておるんです。
#13
○政府委員(西村吉正君) 確かに御指摘のようなことは大切なことだと存じます。
 ただ、先ほどから大臣が御説明を申し上げておりますように、今現在の時点では、そのペイオフが可能なような状況とは私どももなかなか踏み切れないそういう段階において、こういうときにはペイオフをしますということを今直ちに明確にするということ自体やはり大きな影響を与えるんではないか。そういうことを明確にできるような環境を少しずつ先ほど大臣が申し上げましたような意味において明らかにしていく、そういう努力を重ねていくということで対応させていただければありがたいと思っておる次第でございます。
#14
○寺崎昭久君 そうしますと、いわゆる基準についてはこれから明確にする方向で取り組まれると考えてよろしいですね。
 それでは次に、先ほど西村局長の御発言を引用させてもらいましたもう一つの問題、不良債権の早期処理ということについてお尋ねいたします。
 なお、これにつきましては、昨今経営状況が大変懸念されております住宅金融専門会社を例にして質問をさせていただきます。
 実は昨日、大蔵省に住専の経営概況に関する資料を要求したんですけれども、十分な情報は得られませんでした。いろんな事情があるんだと思いますが、口頭でも結構ですから、この住専、とりわけ七住専について借入金残高を母体行と農林系について別に分けてそれぞれお示しいただけませんでしょうか。
#15
○政府委員(西村吉正君) 住専と言われておるものは八社ございますが、そのうち今先生御指摘の七社というのは、協同住宅ローンを除く七社でよく議論がされます。そのベースで数字を申し上げますと、住専の七社合計の借入残高は約十三兆二千億円でございます。これは六年三月末の数字でございますが。うち、母体金融機関からの借入残高は七社合計で約三兆六千億円。また農協系統金融機関、これは信連と農中を合わせたものを私ども言っておりますが、そこからの借入残高は七社合計で約四兆円強でございます。
#16
○寺崎昭久君 本来でしたら各社別に借入残高を教えていただきたいんですが、きょうのところはこれだけにしておきます。
 それでは、不良債権は住専各社どれぐらい持っているのか。これもできれば各社ごとにお教えいただきたい。
#17
○政府委員(西村吉正君) まことに申しわけございませんが、住専、先ほど申し上げましたように全部合わせても七社ないしは八社ということでございまして、その不良債権の額というものは、個別会社の経営内容に関することでございますので、このような公的な場で私どもの立場からみずからの会社が公表していないものを公表するということは差し控えさせていただきたいと存じます。
#18
○寺崎昭久君 大蔵省はそうおっしゃいますけれども、各種の報道によりますと、例えば二月十九日の朝日新聞によれば、九四年九月現在の数字が載っておりまして、不良債権は六兆二百二十六億円で、貸付金に占める割合は五五・二%だというようなことも発表されているんです。余り違わないと考えていいんでしょうか。
#19
○政府委員(西村吉正君) 私が先ほどその答弁を差し控えましたのは、実は不良債権の定義というものがいろいろあって、人によってそれぞれ違った定義でおっしゃるからということも理由の一つでございますが、六カ月以上延滞債権という意味で申し上げますならば、今御指摘のような数字と近い数字と私どもも考えております。
#20
○寺崎昭久君 この住専の中で債務超過しているところはあるんでしょうか。あれば教えてください。
#21
○政府委員(西村吉正君) 個別会社の経営問題に関する御質問でございますので、ちょっと直接にはお答えすることがなかなか難しいのでございますけれども、そこのところはお許しいただきたいと存じます。
#22
○寺崎昭久君 ことし二月十八日の東洋経済によりますと、日住金、第一住金は九六年三月期には債務超過に転落するであろうというような記事も載っておりますけれども、そういう懸念はあるん。でしょうか。
#23
○政府委員(西村吉正君) 御指摘の二社につきましては、平成六年三月末での自己資本額が第一住金は百二十六億円で、前年に比べまして十億円。減っております。それから日住金は百四十五億円で、前年に比べまして六十二億円減っております。
 そのような状況になっておりますが、今後の見通しにつきましては、金利情勢とかあるいは不動産市況の動向によって収益状況も大きく左右されるものでございますので、現時点でその先行きについての確定的なことを申し上げることは難しいということを御理解いただきたいと存じます。
#24
○寺崎昭久君 日住金への支援に関して、大蔵省は九三年の春に設立母体行に再建案を提示し、それの合意を見ております。つまり二〇〇三年までに再建するという計画であります。その他の六住専につきましても同様の合意ができているようでありますけれども、最近の報道によりますと、例えば総合住金はこの三月に返済期限が来る農林系金融機関からの借入金元本約六百億のうち四百億の返済繰り延べを要請しているというような記事が載っており、また住総は九四年九月中間期の決算では三十九億円ぐらいの赤字になるというような記事がこのところ頻繁に載っているわけであります。
 ということを考えてみますと、既にこの再建計画というのは破綻しているんじゃないかというように見るのが妥当だと思いますが、実態はどう把握されておりますか。
#25
○政府委員(西村吉正君) 御指摘のように、住専各社におきましては、現在、再建計画に基づきまして、借入金の金利減免等を含め、関係金融機関の協力を得まして経営の再建に向けた努力を行っているところでございます。不動産市況の状況や金利の低下等から現在のところ住専会社の経営環境は再建計画に比べて下振れしているのは事実でございますが、再建計画はこれまた御指摘のように十年の期間を予定しているものでございますので、これをもって直ちに再建計画を見直さなければならない状況であるというふうには言えないと考えております。しかしながら、いろいろ御指摘のように、各住専会社それぞれ苦労をしながらこの状況を乗り切っていこうという努力をしておるところでございまして、私どもとしてはその努力をしておる状況を見守っておるということでございます。
#26
○寺崎昭久君 地価はまだ下落が続いております。となりますと、そう簡単に不動産の売却はできない、資金繰りも困難になるというようなことから、経営が行き詰まってくると見るのは普通の常識だと思います。したがって、母体行の関係者の中にすらもう既に住専を見放したというような人もおりますし、回収不能とわかっている住専に今さら何で追加の融資をしなくちゃいけないんだというような役員も知っております。
 大蔵省がまだ再建計画の見直し時期ではないと言うのは、多分見直しても次の手が打てないからではないかと私は推測するわけでありますけれども、もし大丈夫だということを言えるのだったらもっと具体的にその内容を説明してほしいと思います。例えば、母体行は確実に追加支援をしますよとか、あるいは大蔵省が、これはよしあしは別にして、東京共同銀行の設立にやったようなそういう支援を考えますよとか、もっと悪く言えばバブルのときのように銀行に利ざやを稼がせますよとか、何か具体的な話をしていただかないと、大丈夫大丈夫と言っても、報道される記事というのはあすにでも倒産するような内容ばっかりなんです。もう一度御説明お願いします。
#27
○政府委員(西村吉正君) 不良債権の処理というものはこのバブル崩壊後の日本経済にとって大変大きな問題だと私どもも感じております。幸い二十一行ベースの公表されている不良債権の額というものは一昨年の秋をピークに少しずつではございますが改善の傾向にございます。しかしながら、御指摘のように、まだ住専の問題等いろいろとこれから取り組んでいかなければいけない課題というものはたくさんあると考えております。
 その取り組み方というのはそれぞれの問題の性格に応じてさまざまだと存じます。今回の共同銀行の設立による信用組合の処理というものもその一環だと私どもは考えておりますし、それから今後の課題として住専問題というものも大きな課題であろうかと思います。
 そういう問題に取り組むときに、今、公的資金というような御指摘もございましたが、住専というのはいわゆるノンバンクと申しますか、信用組合とは違いまして、預金を受け入れている金融機関とは違った、預金を受け入れてない金融機関でございますので、またその対応の仕方も違ってくるのではないかと考えております。そういうことにも考慮いたしまして、その問題の性格に最も適切な対応策を考えてまいりたいと思っております。
#28
○寺崎昭久君 大蔵大臣にお尋ねしますが、住専の事態というのはそんなに容易な状態ではないと私は思います。ただ大方の方は、そうは言っても農林系が融資しているからとか、大蔵省が何とかするだろうとか、そういうことでまだ大きな騒ぎになってないんだと思いますけれども、しかしこれとて時間がたって改善の兆しが見えないということになれば、まかり間違って取りつけ騒ぎなんということも起きかねないと思います。
 また、ペイオフというようなことを、今、適用とは違うというお話がありましたけれども、農林系のお金というのは雷うまでもなく農民の預金がほとんどを占めていると思います。やはり大蔵省はいつまでにこういう具体的な手を打つんだと、再建計画は破綻していないと言うだけでは十分だとは思いませんけれども、この住専問題に取り組む大臣の決意なりをお伺いしたいと思います。
#29
○国務大臣(武村正義君) 御指摘のような経営問題を抱えるに至っております住専につきましては、一昨年の二月から六月にかけて今お話しのようにそれぞれ再建計画を策定し、現在に至っております。借入金の金利減免等を含め、関係金融機関の協力も得ながら経営の再建に向けて努力を行っているところであります。営業努力等の結果、再建計画の初年度に相当する六年三月期決算における損益状況はおおむね再建計画に沿った形になっているというふうに伺っております。
 住専の経営環境につきましては、今もお話がありましたように、不動産の土地の価格状況あるいは金利全体の状況等が影響をいたしておりますが、それだけまた一層努力が要請されているというふうに認識をいたしております。
 しかしながら、再建計画はもともと十年の期間を前提にしたものでございます。個々の会社の経営内容、体力等にも差がありますが、一概に地価が回復しない限り住専の再建は困難であるというふうに言い切ることもいかがかと思っておる次第でございます。
 大蔵省としましては、住専も大きい意味では金融システムの中に存在をしていることを認識しながら、しかし、今回のようないわゆる一般大衆の預金も前提にした信用組合の問題とは別でございますから、金融システム全体の中でこの問題をさらに真剣に見守ってまいりたいというふうに思っております。
#30
○寺崎昭久君 住専の問題はこの程度にいたします。
 最後に、国税の執行に係る問題について幾つか質問と要望をいたします。
 まず、国税職員の事務量というのは、御存じのように、既存事務以外にこのところの消費税の導入であるとか地価税の導入、あるいは特別減税の実施などによって大変ふえているのが実態でございます。これに比べますと、国税庁の定員というのは少しずつはふやしていただいておりますけれども必ずしも十分でないというのが実態であり、とりわけ徴収担当職員の定員増加が必要だというように私は認識しております。
 それから、最近の報道でもありますように、これは相続税等の問題ですが、物納申請が急増している、あるいは暴力団などによる不正還付請求が増加しているというような事情も考えますと、執行側にもそれなりの体制が必要であって、納税あるいは評価、還付申請を審査する専門官などもこれからつくっていく必要があるんではないかというようにも考えております。
 それからもう一つ、先日実際に聞いた話ですけれども、庁舎環境の改善整備ということについて、大変老朽化した庁舎が目立つということ。それから宿舎にしましても、昭和二十五年にできた木造の宿舎があって、それを見た受験者がこういうところに入れられるんじゃかなわぬということで辞退したなんという話も聞いたことがあります。やはりこういう庁舎環境の改善整備というのは優秀な職員を確保するためにも必要な措置であると思いますので、ぜひ考えていただきたいと思います。
#31
○政府委員(松川隆志君) ただいま御指摘がございましたように、最近の税務行政を取り巻く環境というのは、納税者数が非常にふえている、あるいは経済取引が複雑化、広域化しているというような問題がございまして非常に厳しい環境にあるわけでございます。そういうような状況にかんがみまして、国税庁では従来から事務運営の合理化、効率化に努めるとともに、必要となる要員につきましてはその確保に努めているところでございます。また、ただいま御指摘のありましたように、老朽宿舎の建てかえなど国税職員の処遇の改善あるいは職場環境の充実にも努めているところでございます。
 今後とも、そういう意味で、厳しい行財政事情のもとではございますけれども、国税職員の増員あるいは処遇の改善、さらには職務環境の充実につきまして、関係各方面の御理解を得られるよう一層努力してまいりたいと思います。
#32
○寺崎昭久君 どうもありがとうございました。
#33
○野末陳平君 日曜日に大蔵大臣がわざわざ都庁を訪ねまして知事と例の問題を協議したと聞きましたが、こうなってしまった責任は東京都と大蔵省とどっちが重いと思われるんですか。
#34
○国務大臣(武村正義君) もう御承知いただいていると思いますが、金融機関全体については大蔵省が責任を負っております。ほとんどは直接大蔵省が指導監督も預かっているわけでございますが、信用組合だけは、やはり地域性の非常に強い金融機関である、同時に協同組合性というふうな性格も含めて、地方自治の議論が恐らくあったのでしょうか、戦後、大蔵大臣の権限を都道府県知事さんに機関委任をするという仕組みになっているわけであります。
 したがって、個々の信用組合に対する経営指導、信用組合を認可することから、通常行政上の指導監督、検査、場合によっては役員の罷免とか業務停止命令とか、そういうさまざまな信用組合に対する行政権限は都道府県知事にお預けをしているという状況でございます。そして検査については、都道府県知事さんから大蔵省に協力要請があった場合には、大蔵省も共同検査といいますか一緒に検査させていただく適が開かれております。
 こういう状況でございますから、私どもは決して責任逃れとかなすり合いじゃなしに、この事務の機関委任されている実態を見詰めながら、第一義的な監督権限、これは都道府県知事さんである、しかし、金融システム全体の責任という立場や、地方自治法上の指揮監督の立場もございますから大蔵省も責任はございますと。
 今回の二つの信組については、二回目の共同検査によって、もはや東京都の手に負えないということで真剣に大蔵省や日本銀行に相談がありまして、三者が去年の秋、真剣な検討、相談をした結果、三者が責任を負う形で今回のいわば処理案というものを考えた次第でございます。その段階では大蔵省は当然前面に乗り出していっているわけでありますし、そして日本銀行法第二十五条を発動して日銀に銀行の設立と出資を認可いたしているところであります。
 前半の、通常の指導監督、経営指導という点では東京都が主として役割を担っていただいていると。こういう非常な事態になって、大蔵省、日銀も入って一緒に三者でこのスキームを考え、決断をさせていただいたという次第であります。
#35
○野末陳平君 三者に責任があるということで、手短に答えましょうね。
 ここまで放置して、結果的にそういう形の責任をとったと言うけれども、国民のお金でしりぬぐいをさせるということに結果なりますからね。そうすると、当局の監督責任というのはどういう形でとられるのか、ここわからないんですけれども。
#36
○政府委員(西村吉正君) ただいま大臣がお答え申し上げたような格好でそれぞれが役割分担をしながら責任を果たしておるわけでございますので、それぞれの……
#37
○野末陳平君 ちょっと待って。それぞれ責任を果たしたと言うけれども、あなた方がお金を出した、結局は公的資金を引っ張ったということで、それで責任は果たしたということ。大臣、そうなの、それではおたくの責任はないわけ。
#38
○政府委員(西村吉正君) 失礼をいたしました。監督という意味におきましては東京都知事が直接の監督に当たっておるわけでございまして、その監督に当たっている東京都知事に機関委任をした大蔵大臣は指揮命令をすることができるという関係にあるわけでございます。
#39
○野末陳平君 そういうのはもう何十回も聞いているんだよ。監督責任をどういう形でとるかと、国民のお金だけにしりぬぐいさせるそういう責任のとらせ方、国民にとらせる、そういう形でいいのかと聞いているんです。
 大臣、聞きますけれども、本来、信用組合は地域密着型の小口金融が仕事でしょう。組合員の相互扶助で成り立っているというのが原則なんだけれども、今回は、この二つは高い金利でつって大口の預金をかき集めましたね。そのかき集めるに際して政治家が理事長と同行、同道して勧誘しているわけですよ。こういうのは信用組合のあり方を逸脱しているわけだ、当然。しかも、さっきから大臣の答弁にも問題があることはわかっているんだけれども、こういう常識外れの行為、こういう大口の財テク投資家みたいな連中、これは救済に値しないんじゃない。そうすると、なぜ公的資金であなたは自分たち三者の責任のもとにこういう連中まで救済する必要があるの、その基準はどこにあるの、言ってごらんなさい。
#40
○国務大臣(武村正義君) これは先ほど寺崎先生の御質問にお答えをしたとおりでありますが、繰り返しますが、この経営の異常さといいますか乱脈さは御指摘のとおりですし、御認識のとおりであります。私どもも当初からそういう認識を持っておりました。許しがたいと言っていいぐらい反社会的であり、法律違反もたくさん重ねているわけであります。
 だから、救済する必要がないという今お話でございますが、だから倒産に近い破綻状況になった、異常な状況になったと。だから、金融機関が倒れるという事態になって、私どもはそこを深刻に心配をして、三者で今回のような金融システム全体の安定、安定と言うと非常に平凡に聞こえますが、安定ということは不安になる、金融不安が起こるかもしれないということです。金融秩序を維持するということは秩序が維持できなくなる可能性があると。その事態を考えて、その立場から大蔵省も日本銀行も今回のようなスキームを考え、責任を負うことにいたしておるわけであります。
#41
○野末陳平君 どうもむなしく響くね、そういう答えはね。経営者の責任を追及するのは当たり前ですよ、告訴もされているし。だが、僕は監督責任のとり方を聞いているんだから、そこの辺があいまいだから嫌なんだけれどもね。
 例えば、政治家がみずからの人脈を使って大口預金の相手に対して紹介して話をまとめるとか、こんな話があるんだけれども、こんなものまでひっくるめて金融秩序を維持するという大義名分にすりかえるというのはちょっとおかしいと思うんだけれどもね。それが言いたいわけ、まず第一に。
#42
○政府委員(西村吉正君) 野末先生御指摘のように、そういうことがまことにけしからぬ行為である、金融機関としてあり得ない行為であるということは、私どももそのように考えておりますし、監督に当たっておりました東京都もたびたびそういうことを指摘し、経営状況を是正するようにいろいろな方法で指導しておったということも聞いております。
 それは私どもも同様の考え方を持っておりますけれども、他方におきまして、この金融機関がペイオフというものの対象になるということの、この金融機関の預金者もさることながら、むしろ日本全国の預金者にどういう心理的影響を与えるか、そこのところが大変に気になっておったということでございます。
#43
○野末陳平君 だから、それについてはどういう措置をとったのがいいかというと、なかなか難しいんだ、両論あるから。そこは理解しているんだけれども、しかし監督責任があいまいで、しかもいかがわしい大口の連中との裏のいろんな事情、それまでも全部覆いかぶしてそういう預金者を救済するということはおかしいんじゃないのと、こういうことだ。
#44
○国務大臣(武村正義君) おっしゃるとおりでございます。
 そこで、先ほども御説明申し上げたように、やはり法的な責任をきちっと求めなければいけないと。当初からそういう姿勢でございますし、昨日でございましたか、二つの信組の経営者が告訴をするということになりました。恐らくそういう意味では私どもの期待している、今先生がおっしゃったような、法にもとるような経営責任というものはこれから厳しく追及されることになるというふうに信じております。もちろん、既に理事長は辞職をし、出資金も没収をされ、これは理事長だけでありませんが、これも異例の措置です。出資金はもう返さないというのも異例の措置でございますし、現在の新しい経営者から私財の提供も強く要請されているところでございます。それに加えて今度は法律的な責任を厳しく求められるという状況でありまして、可能なあらゆる責任はきちっと求めていきたいというふうに思っております。
#45
○野末陳平君 きょうは時間がないのと、それからこの問題はあしたからいろいろな委員会の質疑あるいはマスコミ報道でどんどん事実が明るみに出てくると思いますからもう言いませんけれども、人の責任よりも当局の監督責任というのをはっきりさせなければ、国民は自分たちの金を使われる、これに対してしっくりしていないわけですよ。それをはっきりさせてもらいたいから聞いているんだけれども、いつもそれをはぐらかす、一番大事な点をはぐらかす。だから、大臣に言っておくけれども、当局の監督責任、大蔵省も東京都も、それはしっかりととるということだけは明言しなきゃだめですよ。
#46
○国務大臣(武村正義君) 監督責任についても申し上げたとおりでございますが、信用組合に対する権限は東京都知事を含めた全国の都道府県知事さんに委任をいたしているところでございます。したがって、個々の信用組合に対する監督責任は、今回の場合でいえば東京都知事であると。現実に東京都はそのために信用組合課というものを置いていただいて、三十五名のスタッフを置き、二十五名の検査員を置いて、専ら五十ぐらいの東京都知事監督の信用組合の指導に当たっていただいている。そういう中でこの事件、問題が起こっているということで御認識をいただきたいと存じます。
#47
○池田治君 先日の本会議におきまして私は、第二次補正予算で対応できない災害弔慰金、仮設住宅、災害廃棄物処理事業等の経費はこの補正予算で解決したのかどうか、もし完了したというのであれば、赤字国債は今回限りであって、平成七年度には出す必要はないのかという質問を行いました。これに対して大臣からは、仮設住宅の問題は別といたしまして、必ずしもはっきりした答弁がいただけなかったように思うんですが、いま一度恐縮ですが御答弁をお願いいたします。
#48
○国務大臣(武村正義君) 今回の補正予算に計上をいたしております災害弔慰金あるいは仮設住宅あるいは廃棄物処理事業などの経費につきましては、原則として平成六年度中の財政需要に対応するものでございます。当然のことながら、平成七年度以降の仮設住宅等の財政需要については今回の補正で対応し切れているわけではありません。今後の課題でございます。
 今後については、さらにどの程度の経費がかかるか、個々について精査をしながら真剣に財政上の対応もしていきたいというふうに考えております。
#49
○池田治君 平成七年度の補正予算では巨額な復旧経費が必要となることは明らかなようでございますが、新聞等では十兆円とかそれに近い数字が上がっておりますけれども、これらの事業をすべて建設公債で賄うとしても、二百十二兆円の国債残高もあり、また利払いだけで十一兆円という現状から見まして、今後国の財政の大きな圧迫要因になるのではないかと思われます。
 また、今後の復旧対策では、建設公債だけでは足りず、今回の規模以上の特例公債を出さなければならないようになるんではなかろうかと懸念をしております。そういうことになりますと、平成二年度で特例公債依存体質を脱却して皆さん喜んでいたわけですが、これらもつかの間のことで、無意味になってしまうように思われますが、この点について大臣はどういうお考えでしょうか。
#50
○国務大臣(武村正義君) 御指摘のような状況でございますが、私どもは特例公債は極力回避するという方針で、今提案をいたしております当初予算も努力をしてきたところでございます。
 そういうときにこの大震災が起こりました。何といっても、年度末ぎりぎりという状況でこの補正第二号の対応をしなければなりませんでした。そのことが、もはやほかに財源を見つけるすべがないといいますか、そういう追い詰められた状況でございますので、今回は建設国債と合わせでやむなく八千億余の特例公債の発行に踏み切らざるを得なかったところでございます。これはまさに異例の状況で異例の措置をとらせていただいたというふうに考えております。
 問題は、この財源をどう償還していくかという問題がございます。これにつきましては今後の震災対策全体の財源論の中で、議会の御論議もいただきながら、間違いのない判断をさせていただきたいというふうに思っております。
#51
○池田治君 今回の特例公債法案におきましては政府が減債に努めるべきだというような努力規定を置かれておりますけれども、この規定は、努めるべきだというのは当然のことでございますが、努力規定としてのもので拘束力はないのか、それとも、そうするよという宣言規定なのか、こういうこともお聞きしたいと思います。
 あわせて、今回発行の特例公債は二年物か四年物の中期国債を検討しているという報道もございますが、どのような形で発行されるのか、あわせてお尋ねをいたします。
#52
○政府委員(伏屋和彦君) お答え申し上げます。
 特例公債につきましては、利払い費等の負担だけを結局次の世代に残すという問題がございます。したがいまして特例公債の発行の回避に全力を尽くす必要があるわけでございます。それとともに、今回のように仮に発行せざるを得なくなった場合も、やはりできるだけ速やかに減債に努める、努力するということが必要であると考えまして、今回御提案申し上げております震災特例公債法第二条第四項の規定は、これは従来から特例公債について同様でございますが、特例公債の減債に係る基本的な考え方、努めるという考え方を規定したものでございます。
 委員御質問の発行につきましては理財局の方から。
#53
○政府委員(田波耕治君) 今回、補正予算において発行することとなりました特例公債は八千百六億円でございますけれども、その発行につきましては二年債で二千億円、四年債で六千百六億円ということで対応をいたしたいというふうに考えております。
#54
○池田治君 普通の公債ですと六十年償還ということですから、財源問題はまだ遠い遠い先があるわけですけれども、二年とか四年とかという短期になりますと、二年後の予測というのは今からでも大体のことはできる見通しはつくわけですが、大蔵省は二年物の公債を発行して、二年後には償還を完全にやるという御自信はございますか。
#55
○政府委員(田波耕治君) 二年物、四年物の期限は二年後、四年後にそれぞれ来るわけでございますから、当然のことながら償還は確実に行うわけでございます。
 委員の御指摘の点は、恐らく償還財源をどういうふうに考えるかということだろうかと思いますけれども、これについては先般財政審の会長談話もございます。今後、その償還財源について真摯な御議論が各方面で行われるということを我々としては強く期待しておるところでございます。
#56
○池田治君 真摯な議論に期待しているということですが、しかし議論だけでは財源は出てこないわけでございまして、何かの財源を選ばなくては償還財源というのはあらわれてこないと思うんです。大蔵省の認識としてはまだ単なる議論だけだという段階でございますか。
#57
○政府委員(伏屋和彦君) 今、理財局長の方から答弁がありましたように、この財政審の会長談話では、今回の第二次補正予算において公債発行によったものも含めまして、ある意味ではこれからの必要な財源も含めまして、「震災に対処するための費用に係る国民全体としての負担の在り方について、今後の財政運営を行うに当たり様々な観点から真摯な検討がなされなければならない。」という指摘があるわけでございます。
 それでは、今後のことも含めまして一体どのような経費がどのくらい必要であるかということは、現段階ではとりあえずの復旧ということでございます。これから本格的な復旧、復興ということに取り組んでいこうとするやさきでございます。したがって、どのくらいのものが必要かと現段階では具体的なことは言いがたい段階ではございますが、まさにその規模なり内容がこれからだんだん明らかになっていくのとあわせまして、その費用負担のあり方につきまして、先ほど大臣からも答弁されました、国民各層の御意見や国会でのまさにこういう御議論等を十分踏まえながら検討していかなければならないと考えておるわけでございます。
#58
○池田治君 大蔵大臣も今までたびたび大震災の復興財源についてはあらゆる可能性を考えているという御発言でございます。しかし、具体的な財源については何一言言及されていないように記憶しております。
 昨年秋に成立しました所得税法及び消費税法の一部を改正する法律では、消費税率を平成九年四月一日から引き上げることとしており、この法律の附則第二十五条にはいわゆる見直し規定が置かれております。今回発行される公債を初め、復旧費の大半が公債で賄われなければならない現状から見ますと、政府が具体的な財源対策を講じられないならばこの見直し規定の要件に該当することになって、消費税率は五%以上に引き上げなければならなくなるんではないかと懸念されます。
 もともとこの見直し規定というのは、将来社会的変動があった場合には消費税率を下げてもいいし上げてもいいしというような含みのある規定だったように思うんです。まだ復旧費がどれだけかかるかわからぬ、今後の推移を見なくちゃわからぬと言われますけれども、巨額な復旧費がかかるということだけは疑いのない事実だと思うんです。そうしますとこの見直し規定の適用をせざるを得ないんではないか、こういうことも推理されるわけでございますけれども、大臣はいかがお考えでしょうか。
#59
○国務大臣(武村正義君) あらゆる可能性と申し上げるとすべての税目も例外ではないように聞こえますが、既にこの点につきましては村山総理も衆議院で消費税のアップは考えていませんとお答えいただいておりました。私もそういう答弁をいたしているところでございます。
 消費税の見直し規定は、まさかこういう臨時の財政需要を前提に見直しをするという項目は予定いたしておりませんでした。また、一年とか二、三年だけ上げでまた下げるという税目ではないように私は思っておるわけでもございまして、これを除いてということになりますね。ぜひ議員各位も、私ども今思案中でございますから、どういう財源でやるのが一番いいのかいろいろ積極的に御提案をいただけると大変ありがたく存じます。
#60
○池田治君 なかなか財政も厳しくて大臣も大変だろうと思います。
 そこで、消費税の引き上げを避けるためには、大震災支援特例法というような、物品税でも三年間か四年間の時限措置として導入していけば財源がいいんではないかと、こういうことを立教大学の斎藤先生が述べられておりますが、この点について大蔵省のお考え方はどうでしょうか。
#61
○政府委員(小川是君) 震災関連の諸支出をどう賄うかという財源問題は大陸からお答えしたとおりでございますが、今御指摘の、斎藤精一郎氏の物品税を臨時的に課税してはどうかという技術的な側面だけ申し上げますと、長らく課税されておりました物品税につきましては、これが課税されるもの課税されないものとの間のアンバランス、とりわけ消費の高度化、多様化する中で非常にゆがみが生じている、しかも納税者になられる特定の方々にとっては大変な手間をかける税でございまして、なかなかこの税は理解しがたい状況になっていたわけでございますし、またサービスが非常に高度化しているのに課税されていないという問題もございました。こうした物品税の持つゆがみというものがその後における売上税あるいは消費税の議論に展開をして今日の消費税になったわけでございますから、そうした問題のある物品税というものを今後考えるということはやや無理があるのではないかというふうに思うわけでございます。
#62
○池田治君 なかなか難しいですけれども、何かの財源を求めなくては、対策が国債ばかりで、償還もできないような公債を発行しても後世代に負担を残すだけでございますので、大蔵省も知恵を絞ってもらいたいと思います。
 もう一つお尋ねするのは、宝くじも新聞にいよいよ出ておりますが、震災復興宝くじを発行するというような、今の規模では数百億程度のものではなかろうかと言われておりますが、あれを数百億から数千億程度のものに拡大して発行したらいかがでございましょうか。大臣にお伺いします。
#63
○国務大臣(武村正義君) 売り上げはどのぐらいになるのか知りませんが、利益としてはたしか私は八十億ぐらいというふうに聞いていまして、八十億でも貴重な財源になります。
 片方、農水省と特別競馬は無理だろうかという議論もしていただいております。切手は切手で郵政省が義援切手のようなものをもうお決めいただいております。それぞれありとあらゆる努力の中にはそういうものも当然入ってくるわけでございますが、それでもこの大きな財政需要全体を賄うのには足りません。
 そういう意味では、やはり既存予算の切り詰めといいますか、私どもはこの努力をまず必死でしなきゃいけないと思います。それで足りないときに初めて税か国債かという議論になって、税と国債の真ん中につなぎ国債というふうな議論があるのかなと、そんな思いでございます。
#64
○池田治君 終わります。
#65
○吉岡吉典君 予算は単年度主義であるということ、そして、年度末が迫っているという状況のもとでの大幅な災害救援復旧費の財源として赤字公債の発行ということもやむを得ないと思います。
 そこで問題は、この赤字国債の償還財源をどうするかという問題であります。今も触れられましたが、速やかな減債に努めるということは、二年債、四年債ということの意味なのかどうなのかということも含めてお伺いしたいんです。
 私どもは、例えば湾岸戦争のときには六カ月の短期の国債を発行した、こういう例もあるわけで、今回もできるだけ短期債としてこれを処理する、来年度予算の補正のときに組みかえでこれを解決するんだというぐらいな、組みかえで償還するんだというぐらいな構えで臨むべきだというふうに考えているんですが、いかがでしょうか。
#66
○政府委員(田波耕治君) 委員は湾岸戦争の例を挙げられましたけれども、その後、例えば六年度の減税特例公債、これにつきましてもTBで発行いたしました。そのときの事情は、六年度当初において減税特例公債法がございまして、それに伴います閣議決定あるいは与党合意におきまして年内に税制改革を実現するということとなっておりまして、その税制改革の中で減税特例公債の償還財源も確保されるという事情を勘案いたしまして、あえてTBで発行したわけでございます。
 今回でございますけれども、先ほど申しましたように追加発行一兆五千九百億ございますけれども、これは二年債、四年債で対応することとしております。
 これは、そういった財源措置の議論があるということは私どもも承知しておりますけれども、あくまでその年限につきましては、市場との関係等におきまして確実かつ円滑な発行、消化というような観点から、市場ニーズ等を勘案してそういう方針を決めたところでございます。
#67
○吉岡吉典君 私どもはあくまで今言ったような方法での償還の努力を求めるものであります。
 もう一つ、今も論議になりましたけれども、この償還財源として、一つは消費税の税率アップの議論と、もう一つは既に決められている減税の停止という議論もあるんですね。今、消費税の税率アップはないという答弁がありましたが、再度、消費税の税率アップはやらないということの確認とあわせて、減税の中止はどうなるかということについても大臣にきちっとした答弁を求めます。
#68
○国務大臣(武村正義君) 消費税率のアップは、この阪神・淡路大震災の財源対策としては考えておりません。その他一々これも考えていないというふうにどんどん否定していきますと消去法になっていきますので、少なくとも今の時点では、総理の意向としては消費税についてはそういう明快な方針を明らかにさせていただいております。
#69
○吉岡吉典君 減税の方はどうですか。
#70
○国務大臣(武村正義君) 減税についてはコメントいたしておりません。
#71
○吉岡吉典君 そうしますと、やはり減税の停止の可能性というのはあるという答弁であり、私どもは赤字公債の発行も今の時点でやむを得ないと言いますが、それの償還をめぐっては大変重大な問題があるということをやはり言わざるを得ないわけですね。
 今回の建設公債、赤字公債発行を含めて我が国の財政というのは大変重大な事態にあるというわけですが、第二次補正後の国債依存度、残高の対GNP比など、財政危機の指標を国際比較で見るとどうなるか、日本は高い方から何番目になるかということをちょっと教えてください。
#72
○政府委員(伏屋和彦君) 今、委員が言われました第二次補正予算後、六年度第二次補正予算も含めてということでお答えさせていただきますが、我が国の財政は、平成七年度末の公債残高が約二百十三兆円になる見込みでございます。
 今、公債依存度、利払い費等で主要先進国の中で比べてみますと、まず平成六年度第二次補正予算後ベースでございますが、公債依存度は二二・五%となりまして、イギリスが二四・九%でございますので、イギリスに次いで二番目に高い水準にございます。それから長期政府債務残高の対GDP比も、これは五六・七%と、アメリカ六〇・二%に次いで高い水準にございます。利払い費が歳出予算に占める割合、いわゆる利払い費率は一四・八%で、これもアメリカに次いで高い水準にあるという意味で、御指摘のように我が国財政は他の主要先進国と比較いたしまして極めて構造的に厳しい状況にあるものと考えております。
#73
○吉岡吉典君 こういう状況のもとで赤字公債から脱却していくということは大変な事業だと思います。九〇年度に十五年ぶりに赤字国債から脱却したときには、国債残高を減らすこと、そのために毎年の国債発行を減らして、国債依存度を五%を下回ることを目指すということが打ち出されたわけですが、現在はこれと逆行しているという状況ですね。
 大蔵省がさきに提出した今後の財政運営の中期展望では五%の目標を一年繰り延べされたわけですが、毎年その要調整額というのは九兆円から十兆円、こういう数字が挙げられているわけですね。今度さらに今回の公債発行ということでこの数字は変更せざるを得なくなると思いますが、中期展望というふうなものを改めて出し直すかどうか、そしてこういう要調整額というのをどういうふうにして生み出そうというのか、新しい時点での考え方を答えてください。
#74
○政府委員(伏屋和彦君) 今、中期的な財政運営のあり方ということでございます。
 これは平成六年に財政審の方から、公債残高が累増しないような財政体質を目指すに当たっての公債依存度の具体的水準として、現在の公債残高の水準等を勘案しますと、五%を下回る水準がなお中期的な一つのめどとして適当であるという指摘をいただいたところでございます。
 そこで今回、平成七年度版の財政の中期展望というのをお出ししているわけでございますが、この中期展望といいますのはあくまで中期的な推計を機械的に行うものでございます。そうしまして、中期展望の作成の必要上仮置きを、五%を下回る水準というものを一体いつにするかということを仮置きをしまして、その上でいろいろ試算をしておるわけでございまして、したがって、この公債依存度の引き下げにつきましては、景気情勢やその時々の財政事情等によって左右されることは避けられませんので、固定的に考えるべきものではないということで御理解いただきたいわけでございます。
 七年度版は、そういう意味で足元の財政事情が一段と厳しくなっているということで、昨年同様五年間という形でめどを仮置きいたしまして今後の財政事情をお示しすることが適当であると考えて、十二年度に五%仮置きした結果をいわばいろいろ試算をしておるわけでございます。
 今御指摘の意味では、そういう意味での仮置きでございますので、これを変えて試算をし直すということは考えていない点を御理解いただきたいと思います。
#75
○吉岡吉典君 そうしますと、この中期展望というのは余り意味のないものだというふうに響くわけで、そうすると何のためにこういうものを出されるのか、これは国民に増税がやむを得ないという財政状況にあることをアピールするための文書だというふうにしかとれないわけですけれども、やはり我々は、五%ということを目指したら、それが実現するように努力をしていただきたいというふうに思います。
 時間がありませんから、あと補正予算について一、二お伺いしておきたいんですが、一つは、仮設住宅については何戸建設予定が組まれていますか。
#76
○国務大臣(武村正義君) 三月いっぱいに三万と、四月いっぱいでプラス一万とで、四万戸を今地元地方公共団体と政府で合意をいたしております。
#77
○吉岡吉典君 いや、この予算で何月分が組まれているかということです。
#78
○政府委員(伏屋和彦君) ただいまの第二次補正予算におきます仮設住宅の戸数は三万戸でございます。
#79
○吉岡吉典君 そうすると、四万戸ということを言っておられましたが、あとの一万戸というのはどこから生み出すんですか。いつ予算化するんですか。
#80
○政府委員(伏屋和彦君) 今後必要となります建設経費につきましては、予備費等で対応してまいりたいと考えております。
#81
○吉岡吉典君 もう一つ。これは通告してなかったんですけれども、予算は専門家だと思いますのであれですけれども、この前、第一次補正予算のときに消防予算が一〇%削減されている。大震災後に提出して成立させる予算で消防予算が減らされているというのは余りにも無神経、無責任じゃないかということを私ども指摘しました。
 そのときの答弁では次の予算で対応するということでしたから、私は今度の第二次補正ではこれは手当てされるだろうと思って見たんですけれども、私、目は悪くないつもりですけれども見つからない。これは阪神・淡路震災対策だけだということですけれども、そうだとすると、こういうのは来年度の本予算も手当てはないわけですし、削減されるわけですけれども、やはり大震災で消防が大問題になっている。いつごろの時期にこういうものは予算的に手当てされることになるんですか。
 これは本年度予算の補正ということになると思うんですけれども、その本年度予算の補正というのは大体どの時期にどういうふうにやろうとなさっているか、お伺いします。
#82
○政府委員(伏屋和彦君) 六年度において必要な経費につきましては、今回の六年度第二次補正予算において手当てをさせていただいておるわけでございます。
 今、委員が御質問の今後の話でございますが、これは今後どの程度の経費が内容といたしましてどのぐらい必要であるかということを詰めていかなければならないわけでございまして、それが明らかになる段階で、どういう手当て、どういう予算の措置の仕方、七年度予算の執行も含めましてそれは適切に対応してまいりたいと考えております。
#83
○吉岡吉典君 私は新たに消防予算を組めって言っているんじゃない。せめて削減することはやめろということを言い続けてきたわけです。それは新たに計算するとかなんとかじゃなくて、一〇%削減したんだからせめてそれをもとへ戻すぐらいはやりなさいということを言ってきたわけです。
 次の、本年度の補正というのはいつごろの時期になるんですかということが私の聞きたかったことです。
#84
○国務大臣(武村正義君) まだ今の段階で明確にいつということは申し上げられませんが、考え方としては、さまざまな補正の前提になる必要な数字、データがそろってきた段階で極力早くという気持ちでございます。
#85
○島袋宗康君 多少重複するかもしれませんが、よろしくお願いしたいと思います。
 この第二次補正予算の案を見てみますと、公債金一兆五千九百億円のうち八千百六億円の特例公債はいわゆる赤字公債である。そして、この大震災に対処するための財源として公債を発行することはやむを得ないというふうに思っております。
 そこで一つお伺いしたいことがございますが、政府は平成二年以降は財政健全化に努力してこられました。今後、復興財源をめぐる対処いかんによってはこれがなし崩し的にもとの特例公債依存体質に戻らないとも限らないというふうに心配しているわけであります。
 周知のとおり、我が国の平成七年度時点における公債残高は約二百十二兆円程度となると言われております。この際、財政法第四条の健全財政の原則に立ち返り、赤字公債の発行に何らかの歯どめが必要だというふうに思いますけれども、このような突発的な事態以外には赤字公債は発行しないという基本的な方向性を宣明し、国民の合意をもって復興事業に着手することが必要ではないかというふうに思いますけれども、大蔵大臣の所見をお願いしたいと思います。
#86
○国務大臣(武村正義君) おっしゃるように、特例公債は原則として発行しないという姿勢であります。今後ともその基本を貫かなければいけないと思っております。特に、過去一たび特例公債の発行に踏み切ったことが、当時いろいろ議論があったと思うんですが、これは何にでも使えるという魔力を持っておりますので、一たんこの道を歩み始めるとどんどん増発をしていく。やっとこれを切り抜けることができて、ああいう苦い経験をしただけに、その思いを強く持たなければいけないというふうに思っております。
#87
○島袋宗康君 法第二条四項にある特例公債の速やかな減債に努める旨の規定、これは具体的にどういうような方法で努力していくお考えなのか、それを一言ひとつよろしくお願いします。
#88
○政府委員(伏屋和彦君) 今、委員が言われましたように、特例公債は極力その発行を回避するという意味で全力を尽くす必要があるわけでございます。
 そこで、仮に発行せざるを得なくなった場合でも、できるだけ速やかに減債に努めることが必要であるという考えのもとに、震災特例公債法、今回の法律の第二条第四項の規定が、従来も特例公債の発行の際はこのような規定があったわけでございますが、特例公債の減債に係る基本的な考え方を規定したものでございます。
 そこで、先ほども理財局の方から答弁がありましたが、今回この特例公債の発行に当たりましては、市場のニーズに基づきまして、勘案いたしまして二年物、四年物で出すわけでございます。その場合、その期限が到来した段階でできるだけ速やかに償還をしたいという意味での規定でございます。
#89
○島袋宗康君 補正予算のフレームを見てみますと、瓦れき処理事業費や仮設住宅の建設費が計上されております。それは財政法第四条ただし書きに言ういわゆる建設公債には該当しないのではないかというふうに考えられます。フレームに出てくる八千百六億円の特例公債は歳出においてどのように振り分けされているのか。また、どの部分が七千七百九十四億円の建設公債に該当するのか。その二つについて御説明をお願いしたいと思います。
#90
○政府委員(伏屋和彦君) お答え申し上げます。
 今、委員が言われましたように、補正予算のフレームで歳出の方は一兆二百二十三億円を計上しておるわけでございます。そのフレームの中で、まさに財政法第四条のただし書きにあります、公共事業費、出資金及び貸付金の財源については、これを国会の議決を経た金額の範囲内で公債を発行することができる、まさに建設公債を発行することができるということでございます。したがいまして、この歳出の一兆二百二十三億円を建設公債の発行対象経費とそれ以外に分けているわけでございます。
 その建設公債の発行対象経費が今委員言われましたように七千七百九十四億円になるわけでございますが、その内訳は、このフレームに基づいて御説明いたしますと、災害救助等関係経費千四百十億円のうち災害援護貸付金、これはまさに財政法に言う貸付金でございますので建設公債対象でございます。三百七十一億でございます。それから災害廃棄物処理事業費、これは瓦れきの処理でございますが、これは委員が言われましたように建設公債の対象ではございません。それから、災害対応公共事業関係費六千五百九十四億円のうち、住宅対策費等の一部を除きまして、災害復旧等事業費四千七百五十三億円と一般公共事業関係費千二百四十七億円の合計六千一億円が建設公債の対象でございます。施設等災害復旧費のうち、鉄道施設災害復旧費百九十八億円等入れまして四百九十三億円が建設公債の対象となっております。
 それから、災害関連融資関係総費でございます。これは中小企業事業団出資金二百七十一億円を初めといたしまして、先ほど言いました出資金の部分は八百九十二億円でございます。これが建設公債の対象。その他、阪神・淡路大震災関係経費というものの中の三十七億円が例えば育英資金の貸付金等でございますので、この貸付金も財政法の対象の建設公債ということで、これらを合計いたしますと、七千七百九十四億円が建設公債の発行対象経費ということでございます。それ以外は建設公債の発行の対象にならないということであります。
#91
○島袋宗康君 二月二十三日の新聞報道によりますと、政府は大震災で被災した法人や個人に対する税制面での第二弾支援策の本格的な検討に入ったというふうな報道がなされています。その第二弾のいわゆる支援策の進捗状況といいますか、それについてちょっと御報告をお願いしたい。
#92
○政府委員(小川是君) 二月十七日に成立をさせていただきました震災関係の特例法及び災免法の一部改正法はいずれも個人の所得税についての特例措置でございます。この間、法人税につきまして、例えば欠損金が今回相当程度予想されるわけでございますが、元来法人税の本則では、欠損金が出ますと、前の年に所得がありまして税金を納めておられますと一年繰り戻す、あるいはそれでも欠損がある場合には五年間繰り越すという制度を持っているわけでございますが、近年、財政事情等からこの繰り戻しという制度を停止いたしております。しかし、今回のような大きな災害損失につきましては、この繰り戻しの停止を解除することとしてはどうかといったような問題。
 あるいは地価税につきまして、これは一月一日保有の方にその時点の時価で課税するわけでございますが、そのまま課税することには無理があるのではないかという御意見がございます。何らかの特例措置が考えられないかといったような問題。
 あるいは、新聞等でも報じられておりますように、住宅が倒壊したときにその住宅を建て直すという場合に、登記をいたしますと登録免許税がかかるようになっております。単に地震でいわば置きかわる新築したものについてこの登録免許税の軽減ができないかといったような問題。
 そのほか、土地の取引に対する譲渡所得の課税あるいは事業用資産の買いかえといったようなものにつきまして、被災地の状況、現行税制がどこまで及び得るかといったようなことを現在検討を進めているところでございます。
 三月の法人税決算も近づいております。申告そのものは延長されておりますけれども、やはり指針がはっきりすることが必要だということからその早急な取りまとめが求められるところであり、それに鋭意努力をしているという状況でございます。
#93
○島袋宗康君 今、支援策をるるお述べになったわけでありますけれども、いわゆる倒壊住宅の新築に伴う登録免許税の減税を検討されているようでありますけれども、それをもっと拡大して、死亡による相続登記、さらに会社役員変更登記、そして抵当権設定登記などを含めるお考えはございませんか。
 日本司法書士会連合会の試算によりますと、震災復興のため民間金融機関から十兆円の融資が行われる、その十兆円相当の建物が新築されると仮定すれば、およそ一千億円の登録免許税が必要になってくるという試算をしております。
 同連合会では、登記制度の本来の目的は国民の権利を保護することにあって、収税のためではないという原則に立ち返り、被災開運のすべての登録免許税の減免をすべきであるというふうな要望がなされておりますけれども、これについてのお考えをお聞きしたいと思います。
#94
○政府委員(小川是君) 登記制度の本来の目的が収税のためにあるのではないという点はそのとおりだと思います。
 しかし、登録免許税という税の性格は、やはり登記といった行為の背後にある経済的な力というものに着目して課税を行っているわけでございますから、必ずしも一概にあるいはすべてこれを軽減、免除するということには無理があるところがございます。先ほど申し上げましたような住宅等の建物が倒壊してそれが建ちかわるといったような場合には、少なくとも減免を検討する余地があるのではないかというふうに考える次第でございます。
 なお、御指摘のありました司法書士会連合会の御要望、その他各界からのこの震災関連で出ております税制改正要望は、私どもっぶさに拾って現在検討をしているという状況でございます。
#95
○島袋宗康君 死亡による相続の登記、役員変更の登記、そういったものについてはどうでしょうか。
#96
○政府委員(小川是君) 死亡の際の登記であるとか役員関係の登記というのは、一般的な状況においても生ずる登記でございまして、これを特定の場合に限って減免するということにはちょっと無理があるのではないかというふうに思っているわけでございます。
#97
○島袋宗康君 終わります。
#98
○委員長(西田吉宏君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。――別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 阪神・淡路大震災に対処するための平成六年度における公債の発行の特例等に関する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#99
○委員長(西田吉宏君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#100
○委員長(西田吉宏君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後四時六分散会
     ――――◇―――――
ソース: 国立国会図書館
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