くにさくロゴ
1995/03/24 第132回国会 参議院 参議院会議録情報 第132回国会 大蔵委員会 第7号
姉妹サイト
 
1995/03/24 第132回国会 参議院

参議院会議録情報 第132回国会 大蔵委員会 第7号

#1
第132回国会 大蔵委員会 第7号
平成七年三月二十四日(金曜日)
   午後一時三十分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 三月二十日
    辞任         補欠選任
     肥田美代子君     久保  亘君
 三月二十四日
    辞任         補欠選任
     野末 陳平君     中村 鋭一君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         西田 吉宏君
    理 事
                竹山  裕君
                楢崎 泰昌君
                志苫  裕君
                峰崎 直樹君
                白浜 一良君
    委 員
                上杉 光弘君
                片山虎之助君
                佐藤 泰三君
                清水 達雄君
                須藤良太郎君
                増岡 康治君
                一井 淳治君
                久保  亘君
                鈴木 和美君
                谷畑  孝君
                猪熊 重二君
                寺崎 昭久君
                中村 鋭一君
                吉岡 吉典君
                島袋 宗康君
   国務大臣
       大 蔵 大 臣  武村 正義君
   政府委員
       大蔵政務次官   石井  智君
       大蔵省主計局次
       長
       兼内閣審議官   武藤 敏郎君
       大蔵省主税局長  小川  是君
       大蔵省証券局長  日高 壮平君
       大蔵省銀行局長  西村 吉正君
       大蔵省銀行局保
       険部長      山口 公生君
       国税庁課税部長  堀田 隆夫君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        小林 正二君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○阪神・淡路大震災の被災者等に係る国税関係法
 律の臨時特例に関する法律の一部を改正する法
 律案(内閣提出、衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(西田吉宏君) ただいまから大蔵委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 去る二十日、肥田美代子君が委員を辞任され、その補欠として久保亘君が、また、本日、野末陳平君が委員を辞任され、その補欠として中村鋭一君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(西田吉宏君) 阪神・淡路大震災の被災者等に係る国税関係法律の臨時特例に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。武村大蔵大臣。
#4
○国務大臣(武村正義君) ただいま議題となりました阪神・淡路大震災の被災者等に係る国税関係法律の臨時特例に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、提案の理由及びその内容を御説明申し上げます。
 政府は、阪神・淡路大震災による被害が広範な地域にわたり、同時・大量・集中的に発生したこと等を踏まえ、先般、緊急に対応すべき措置として講じた所得税における雑損控除の特例等の措置に加え、被災者、被災企業の被害に対する早急な対応及び被災地における生活・事業活動の復旧等への対応を図る等のため、所得税、法人税その他国税関係法律の特例を講ずることとし、本法律案を提出した次第であります。
 その内容について御説明申し上げます。
 まず、被災者、被災企業の被害への早急な対応として、大震災により住宅が居住の用に供することができなくなった場合の住宅取得促進税制の適用の特例、財移住宅貯蓄等の要件に該当しない払い出しの場合の所得税の課税の特例、震災損失の繰り戻しによる法人税額の還付、法人の利子・配当等に係る源泉所得税額の還付、相続税・贈与税の課税価格の計算の特例、被災土地等に対する地価税の免除等の措置を講ずることとしております。
 次に、被災地における生活・事業活動の復旧等への対応として、被災給与所得者等が住宅資金の無利息貸し付け等を受けた場合の所得税の課税の特例、被災者向け優良賃貸住宅の割り増し償却、被災土地等事業用資産の買いかえの場合の課税の特例、被災代替資産等の特別償却、被災市街地復興特別措置法に基づく土地区画整理事業等に関連する土地譲渡益課税の特例、被災代替建物に係る登録免許税の特例等の措置を講ずることとしております。
 その他、居住用財産及び特定の事業用資産の買いかえの特例等に係る買いかえ資産の取得期間等の延長の特例、消費税の課税事業者選択届け出書等の提出に係る適用関係の特例等、所要の措置を講ずることとしております。
 以上が法律案の提案の理由及びその内容であります。
 何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同くださいますようお願い申し上げます。
#5
○委員長(西田吉宏君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#6
○志苫裕君 ただいま趣旨説明がありましたが、この立法措置をもって阪神・淡路大震災にかかわる応急対策はさきの九四年度補正予算とあわせて一区切りつくことになると思いますが、しかし息をつく暇もなく本格的な復興策に向けた九五年度補正予算の編成に取り組まなければなりません。大蔵当局の労を多とします。
 ところで、政治日程を見ますと、今国会の会期が六月十八日、サミットを考慮に入れますと事実上は六月十五日かなとも想定されるわけで、七月には参議院通常選挙が控えておりますから会期の延長は考えられない。一方、補正予算の土台となる震災復興の全体プランがまとまるのは六月以降とも言われています。
 このような日程の中で、いつごろ、どんな姿の補正予算が組めるのか、まずはそのあらましの所見を伺っておきたい。
#7
○国務大臣(武村正義君) 震災が起こったこともございまして、今国会は第二次補正予算も新年度の当初予算も本当に大変早い成立を見ることができまして、心から感謝を申し上げます。確かに、この法案をもって今国会で御審議を煩わすのは最後になるのかと思いますが、もう既に並行して新年度の震災対応を真剣に検討を始めているところでございます。
 時期についてのお尋ねでございますが、御指摘がありましたように、地元兵庫県あるいは神戸市等の震災復興の計画づくりの作業が、三月いっぱいにビジョンとかガイドラインをつくる、それを受けて六月に最終の復興十カ年計画をつくりたい、こういう御意向でございます。今そのことを御指摘いただいたわけでありますが、これを全部仕上がるのを待って最終補正の整理をするということになりますと、確かに今国会に間に合わないという事態もあり得るわけでございますが、私どもはやはり、震災対策でございますからできるだけ急ぐべきであるという姿勢でいきたいと思っております。
 きょうのこの時点では時期を明確にまだ申し上げるのはお許しをいただきたいと思いますが、ぜひ精いっぱい努力をさせていただいて、一日でも早く国会にお運びをさせていただきたいということで御了解が賜ればと思います。
#8
○志苫裕君 それ以上の答弁は今は出にくいんでしょう。もう少し私なりに補足をしますが、早い段階での編成を望む意見ももちろんあります。が、全体計画を踏まえたものでなければそれは中途半端なものになっちゃって失望を買うおそれもある。さりとてプランのまとまるのを待っていると今国会は終わっちゃう。こういう関係になっているんですが、選択肢としては、参議院選挙後、すなわち秋の臨時国会に本格的な復興策を盛り込んだ補正予算か、あるいは今、鋭意急くようにという話がありましたが、それでも今国会中に第一次、秋の臨時国会で第二次という段階論も一部にはあるやに伺っております。
 話を複雑にしておるのが、急速な円高というんですかドルの急落というんですか、これもゆゆしい問題でして、例によって公共投資の追加だとかあるいは公共投資基本計画の前倒しとか取りざたされていますが、その半面でその効果を疑う意見がないわけでもない。そこへ復興財源の話になりますと、これは百家争鳴でして、現下の景気の状況、あるいはまた選挙を前にしておるという政治の状況からいえば、財源に増税を絡ませる雰囲気ではないというふうに私は思うわけです。
 私は、どちらかというと、既に成立した九五年度予算のうちの一般公共事業費及び公共投資基本計画総体のリストラあるいは配分の見直し、そういう中に主要な財源を見出していくべきものというふうに考えるんですが、それはともかくとしまして、このようなふくそうした事情の中で、財政当局としてはどんな手法でどんな段取りを考えておるのか、もう少し支障がなければスタンスをお聞かせ願えますか。
#9
○政府委員(武藤敏郎君) 今後の七年度補正予算を含めました段取りについてのお尋ねでございますが、ただいま大臣の方からもお答え申し上げましたとおり、何分にもこの七年度予算も成立したばかりでございます。
 御指摘のとおり、兵庫県、神戸市におきましては三月にガイドラインといいますかビジョンをつくり、六月ごろに復興計画のようなものを取りまとめるということでございますので、そういう状況の推移を見る必要もございますし、また一方で、あくまでもこの事業の消化能力等というものも考えますと、それなりに復興対策を詰めるためには時間がかかるといったようなことがございます。
 同時に、円高というような状況を踏まえて、全体を考えながら、今大臣が申し上げましたとおり、私どもとしては機動的な対応をしてまいりたい、このように考えておるわけでございまして、具体的な日程といったようなことについては、現段階では申し上げがたいということをひとつ御理解賜りたいと思います。
#10
○志苫裕君 あなたが言っているのはさっき大臣が言ったのと何も変わっておらないですね。大臣の答弁を補足するなら、もうちょっと補足するようなことを言ってもらわぬと。今、うっかり財源論議などにも入れないでしょうね。
 それはそれとして、私、さっきもちょっと言いましたが、公共投資のシェア配分がいつでも問題になって、あんな〇・〇〇一ぐらいしか動かないんですが、思い切ってこれは見直すチャンスにすべきだということを申し上げておこうと思うんです。
 法案に関連をして一、二尋ねますが、震災で相当な被害を受けた土地の被害部分に係る地価税の免除というのが規定されておるんですが、三十三条でしたかね。ふっと疑問に思ったので聞きますが、その土地は全く利用されていなかった土地だと、あるいは兵庫の人ではない、被災地でない、私なら私が何かの意図でそこにあらかじめ買って持っていた、こういう土地はどうなりますか。
#11
○政府委員(小川是君) 地価税は、一定の課税時期、一月一日現在の所有者に対しましてその時価に応じて課税をお願いしているものでございまして、一月一日現在の利用がなされているかなされていないかということを問うておりませんし、また、翌年までの一年間に利用の予定があるかどうかということにもかかわらず時価に対して負担を求めるものでございます。
 そこで、ただいまの特例法三十三条におきましては、上に建物や何かがありますときには実は三十二条で免除の規定を置いておりますが、建物なんかがない、例えば駐車場にしている、空き地にしているといったような土地につきましていわば物理的に相当の被害、地割れであるとか陥没であるとかいうようなものが生じている場合にはことしの地価税を免除するということを規定しているわけでございます。こちらの土地だけに障害を生じた場合には、上物を除去する、あるいは建て直しをするという要素がございませんから、こうした形で一年分だけの地価税につきまして、いわば全体としての土地が利用されているか利用されていないかにかかわらず、その可能性が不可抗力によって一時的に中断されたという点に着目をいたしましてこの税を減免する特例を設けているものでございます。
#12
○志苫裕君 もっと端的に答えてくれればいいんだが、利用が中断されたんじゃない、利用されてない、最初から。しかも所有者は東京の者だと。それでもまあ被害を受けたんだから、土地の効用がなくなったんだから相当の地価税を免除するということになってきますと、地価税の理念というのは土地の効用に着目したんじゃないはずです。土地神話とでもいいますか、そういうものを打破をするための恒久立法として立法の理念にしたはずでして、土地の効用が失われたからまけてやろうかというのと少し理念上の矛盾が出ないかどうか、それだけ簡単に答えてください。
#13
○政府委員(小川是君) 地価を課税標準にしておりますから、その地価を課税標準にしているということは、土地が使われる可能性、利用可能性がその背後にあるわけでございます。
 それで、使われようが使われまいが課税が行われているわけですけれども、今回の場合には、その利用可能性が、利用されていると否とを問わず、一時的に不可抗力で切断をされたという点に着目をしてこれを免税にするという考え方でございますから、地価税の基本的な理念に反するものではない、地価税の負担を軽減するぎりぎりのところであろうかというふうに考えている次第でございます。
#14
○志苫裕君 一方で、何かそういう土地は被災地の土地再評価をし直したらどうかと。評価のあれが変わってきますと、それに基づいて値段も下がるわけですから、そういう解決の仕方もあるのかなとふっと考えたものですからちょっと聞いてみたんですが、被災地の土地再評価という動きはあるんですか。
#15
○政府委員(小川是君) 今、委員御指摘のとおり、平成八年分につきましては、八年一月一日現在の地価が恐らく直すにしろ直さないにしろ下がるであろうと。それに対して課税を求めていくわけでございます。
 七年分につきましては、どこまでも一月一日現。在の地価に対して全国負担を求める税でございますから、この地価税につきましては、その土地の価額を再評価するという考え方はございません。そのかわりに、物理的なこういう損壊が出た分を一年分だけ免税をしたい、こういう考え方でございます。
#16
○志苫裕君 最後にしますが、法案とこれは直接関連がないのかな、広い意味での見舞金について、社会通念上相当と認めるものは非課税、これは通達事項になっていますね。
 社会通念上相当と認める客観的な基準というのはあるんですかね。そのときの係官の虫の居どころで上がったり下がったりすることはないにしても、これは何か客観的な基準はございますか。
#17
○政府委員(堀田隆夫君) ただいまお話ございましたように、社会通念上相当なものにつきまして、その従業員と取引先に対する見舞金を経費として取り扱えるんだという通達を発遣したわけでございます。
 今、具体的な基準はどうかというお尋ねでございますけれども、これは何と申しますか、従業員なり取引先が受けられた被害の程度というのが一つございますし、取引先でございますれば、取引先と当該見舞金を出した側の企業との取引関係の大きさといいますか強さがございますし、あるいは従業員でございましたら、通常どのくらいの給与を得ていた人かというようないろんな要素がございまして、なかなか一律的な基準としてお示しすることは難しい。かえって個々の実情を反映しないものになってしまうのではないかということを考えまして、今回お示しをしていないということでございます。
 措置の趣旨につきましては、この通達の中にも書き込んでございますし、その考え方については私ども十分広報をしてPRしてまいりたいと思っております。
#18
○志苫裕君 見舞金と名がついていたらみんな非課税というふうに解釈すればいいの。一千万、それはでかいわなという話になっていくのかどうかという意味で、何か物差しがあるかと聞いているんです。
#19
○政府委員(堀田隆夫君) そこは個々のケースに応じてやはりおのずから限界があるだろうというふうに考えます。取引先に対する見舞金でございましたら、その取引先をいわば救済することを通じて自分の企業の今後の損失が発生するのを回避しようという趣旨でお金を出すということでございますので、そういった趣旨であれば、それは交際費ではなくて、全額経費といいますか、損金扱いができるということでございます。そういう趣旨に照らしてみて、通常どのくらいの取引関係があったかなどを総合的に勘案してそこは判断すべきだろうと思っております。
#20
○志苫裕君 もっとわかるようにこの次まで研究してきなさい。結構です。
#21
○白浜一良君 私ども新進党で地元の業界、団体からいろんなヒアリングをいたしまして、新進党として政府に震災対策の税制改正要望を出しまして、一応ベースといたしましてその中から随分取り入れていただいたという若干の評価はしております。その上でちょっと何点か確認をさせていただきたいと思います。
 まず、今回の税制改正がございますが、今、大臣のお話でしたら地元の復興案が六月にまとまるからそれを見て、こういうお話もございましたけれども、それはそれといたしまして、今後の震災対策という意味で何か恒久税制の改正を考えていらっしゃるような、課題というかテーマというか、そういうものは何かございますか。
#22
○政府委員(小川是君) 今回の震災がその規模におきましても、広がり、あるいは個々の方にとっての深さ、地域経済、日本経済全体にとっても極めて大きなものであるというところからこうした特例法を制定していただきたいと思うわけでございます。
 その意味におきましては、今回の震災対策としてこれをもって一応の対応ができるのではないか。これを将来に向かって各種の震災に一般化するものがあるかどうかという点につきましては、おおむね現在の所得税法、法人税法等の規定、あるいは災害減免法の規定、これによって対応していくことではなかろうかというふうに思っているわけでございます。
 ただ、例えば災害を防止するための税制といったものがこれから考えられないかという点につきましては、恐らく税制だけではなくて全般的な問題として検討の課題となり得るのであろうと思います。そのときにもし税制として対応すべきことがあるということであれば、そのときに検討させていただきたいというふうに思っている次第でございます。
#23
○白浜一良君 今の一番後段のお話ですね。それは税制だけじゃないんだけれども、国民の関心も防災という意識が非常に強くございますから、いわゆる災害に強い町づくりと一般的にもよく言われますが、そのために、それは税制だけじゃございません、全体的な施策が要るわけでございますが、例えば構造的に耐震性が強い建築をした場合コストは上がりますね。コストは上がるけれども、やっぱり耐震性が強いという場合は、これは全体的な施策の中でしょうけれども、そういうことは税制としても優遇していくような施策は十分考えられる、考えていかれる、こういうふうに理解していいわけですな。
#24
○政府委員(小川是君) それは、具体的にこれからどのような災害に強い町づくり、あるいはその他の防災対策が技術的な問題として、あるいは町づくりの問題として検討されるかということが一つの検討課題だと存じますし、もう一つは、他の税制上の措置との均衡においてそうした措置をとることが適切かどうかといった税制としても検討をしなければならないだろうというふうに思うわけでございます。
 いずれにいたしましても、その意味においてはこれですべてでございますと言うつもりはございませんで、将来とも防災対策でいろいろな施策が議論されるときには、私どももとより税制上の対応が必要かどうか、どんなものが適切かということが検討課題になる、このように考えております。
#25
○白浜一良君 考えていかれると、そういうふうに理解しておきます。
 それから、具体的な内容でちょっと二点ばかり伺いますが、法人税のいわゆる繰り戻しですね。
 これは私、二月の委員会でも申し上げたわけでございますが、あのとき私、地元の要望を踏まえて申し上げて、三年ぐらいやってくれ、そういう強い要望がございまして、そのまま私ダイレクトに申し上げたわけでございます。そのときはうにゃうにゃおっしゃっていましたが、具体的に今回の案では二年繰り戻し、要するにこう考えていいですね。二年目はちょっと違いますけれども。本則は一年で、それでもう一年繰り戻しを延長されたと。これは何か限定された意味合いというのはございますか。
#26
○政府委員(小川是君) 現在は停止をしておりますけれども、法人税の基本は一年繰り戻し、五年繰り越しとなっているわけでございます。
 そこで、震災の特例としてこの一年停止を解除することにしてはどうかという点を検討いたしました。それはそこを踏み切ろうということになったわけでございますが、震災の損失につきまして何とか早く立ち直っていただく必要がある。そのときに損失の埋め方として将来で埋めるのと過去で埋めるのとございますけれども、一年分ではいかにも前年の所得が小さいときに対応が小さ過ぎるという場合があり得るだろう。そこでもう一年を特例としてさかのぼるというのは、震災損失の半分も前年分一年繰り戻してはいかないという企業につきましては、その半分まではもう一年さかのぼりましょう。残りの半分は、これから五年の繰り越し期間がございますから、その中でぜひ立ち直っていただきたい。こういう考え方をとって一年繰り戻しの停止の解除、及び、震災損失の二分の一に達しないときにはもう一年さかのぼることができる、こういう御提案をしている次第でございます。
 考え方としては、二年を原則ではなくて、一年の現行制度の復活というのを原則に考えているわけでございます。
#27
○白浜一良君 そこが非常にわかりにくいんですね。おっしゃるとおりで、二年目さかのぼるときには損失額の二分の一だから、そこが非常に私わかりにくいと思うんですよ。本当言うとそこまで全額で入れられたらいいんだけれども、今いろいろ御説明されましたけれども、本則が一年だから、それを基準に考えてもう一年、ひどい場合は半分までと、こういう今説明です。そういう説明そのものが今回の措置としては中途半端だと思うんですよ。
 それで、今もおっしゃったけれども、逆に言いましたら、二分の一にした、二分の一は今後繰り越し分でやっていくんだ、こうおっしゃいました。ところが、五年間といいましても、ダメージ受けたらそんなに利益出ません。だから、五年間あるといっても、その二分の一の損失を繰り越して補てんしていくそういう体力が実際問題企業としてあるかどうかというのが非常に問題なんですよ。
 だから、これも二月の委員会で申し上げましたけれども、非常に体力回復して利益が上がるようにならなければ、そういうふうに二分の一分は繰り越し分でと言ったって全然効果がないわけですよ。そこは本則で五年間でとなっているわけですね。それはそれ以上お考えにならなかったんですか。実際問題としてそんな利益すぐ出ません。これどうですか。
#28
○政府委員(小川是君) 震災以外でも、経済の変動によって、あるいは各種の消費行動の変化、生産活動の変化によって個別の企業によっては赤字に陥り、なかなか復帰できないということがあるわけでございますが、それに対して、長年にわたりまして五年の繰り越し制度というので法人税は来ているわけでございます。
 今回の震災の特例では、今言われたように、なかなか復帰する体力が他の場合より追加的に弱っているだろうというところから、繰り戻しをむしろ復活してはどうか、プラス震災損失の二分の一に達しないときにはもう一年さかのぼる特例を設けることにしてはどうか、それによって前向きの対応が、少しでも税制上としては軽くなるという特例を設けることにしてこうした税法をお願いしている次第でございます。
 この五年の繰り越し期間という大原則を動かすという考え方よりは、今申し上げた繰り戻しての対応の方がより大きな支援になるのではないかというふうに考える次第でございます。
#29
○白浜一良君 もうこれ水かけ論争になるからやめますけれども、もう一歩やっぱり具体的な措置をすべきだということを言っておきます。何となく多少幅を持った対応措置というのを考えられたようだけれども、要するに企業経営の実態という観点からいうと、それは多少救済されるでしょうけれども、なかなか現実はしんどい面がある、やっぱりもう一歩踏み込んでほしかったなということだけ申し上げておきたいと思います。
 それからもう一点、地価税について。これもいろいろ免除等の措置を考えられていらっしゃいますが、一つちょっと具体的なことを聞きますけれども、一年間免除される規定の中に、建物の営業日数か売上高が前年同期の二分の一以下になった土地については一年間免除と、こういう規定がございますね。ということは、いろいろ建物の方がダメージを受けて、それで営業されていても、必死で営業して前年と比べて二割減った、三割減った、四割減った、いろいろありますね。そういう場合は全然措置されないということでしょうね、この規定によりましたら。どうなんですか。
#30
○政府委員(小川是君) 後の方のお尋ねから言いますと、それだけでは適用になりません。この条文で規定をしておりますのは、第三十四条一項、二項とございまして、一項の方でまず一定期間、つまり震災を受けてから一カ月以内のところだけで結構なんです、そこだけでの判断ですけれども、その上物の建物の床面積の二分の一以上の部分が使用できなかったという場合には一年間地価税を免除しますというのがまず原則としてありまして、第二項の方ではいわばそれを補完するものとして、事業活動の稼働状況を示す指標がこの一カ月間二分の一以下である事実があれば免除をしますというものでございます。
 これは、面積だけではなかなかうまく実態をあらわせないだろうというところから、例えば売上金額、一月十七日から一カ月間の売上金額が前年同月に比べて大きく二分の一以下であるとか、あるいは生産設備の稼働期間であるとか、それから建物でも事務所のような場合ですと賃貸料収入であるとか、さらにそれでも判断できないときには事務所の主たる業務、例えば自由業の方なんかが使っておられるようなオフィスの場合には、そこでの稼働が半分以下だったと、そういった場合にはいわば建物の半分以上が使えなかったと同じような考え方で一年分に限り減免をしようと、こういうものでございます。
 したがいまして、一年間その他もろもろの事情で売上金額が減少したというものについて、そこに着目して減免をするという制度ではないというのは御指摘のとおりでございます。
#31
○白浜一良君 いや、そういう説明をしてもらってもしょうがないんです。一生懸命営業努力して、意欲があって、だけれども実際問題、営業上の売上高が三〇%ダウンしたとか四〇%ダウンしたとか、一生懸命営業努力して必死でそこまで支えたという場合は、全然これは恩典はないわけですね。もうほっといて何も営業できなかったと言った方が免除されるわけね、そういうことでしょう。違いますか、理屈はそうなりますよ。
#32
○政府委員(小川是君) これからの売上努力の問題ではございませんで、既に起きてしまった、一月一七日から二月十六日までの間でございますから、現実にその当時何の影響もなく営業をしておられた方に対して地価税を免除するというものではございません。
 実際問題としては、現地の状況からいたしまして、この期間中二分の一を超える通常の営業というところは、被害を受けられた企業の中ではまずほとんど考えられないのではないかというふうに思うわけでございます。
#33
○白浜一良君 いや、そうじゃないんだって。一生懸命意欲を持って商売した人がいるんですよ。だから、そういう人は要するに恩典がないということを言っているだけの話です。
 それで、ちょっと角度を変えて言います。要するにこの地価税の減免措置だけれども、いろいろ規定されているけれども、これはあくまでも一月一日の基準日の価格がベースになっていますね。これはさわられてない。ところが、実際に企業はいろんなダメージを受けておるわけだから、本当はそういう正常な土地構造を持っていたときの地価と今とは違うわけだから、それを払うというのは非常にしんどいのと違うのかと。この内容を見たら、相続税は震災直後の価額でもいいと書いてありますね、相続税に関しては。ところが地価税は基準を変えられていない。この辺は何かそういう整合性はございますか。
#34
○政府委員(小川是君) 相続税につきましては、相続が生じた日の時価ですべての財産を評価するわけでございますから、便宜路線価というのをつくっておりますけれども、相続が三月、四月、五月に起きても、その路線価によっていれば差し支えありませんよというものでございます。
 それに対して地価税の方は、一月一日に持っていた人に対して、その後売っても一月一日時点の時価に応じて負担を求めるものでございますから、その後何らかの事情の変更がありましても、その部分についてのしんしゃくは行われない。課税については一月一日で確定しているわけでございます。
 したがって、地価税に関する限り、この震災の後で土地の評価をし直すというところはございませんで、来年の一月一日の課税分について、その課税対象となる価格に反映してくるというものでございます。そのかわりに、土地の状況、その上にある建物等の状況に応じて減免を今回の特例法で手当てをするということでございます。
#35
○白浜一良君 いや、だからそこがあかぬ。一月一日の評価で地価税が決められて、今はそれだけの価値がないと、価値がない部分はそれぞれ地価税の減免措置をとったんだと言っているけれども、この地価税の減免措置で充当しない部分があるということ、対象にならないところで被害を受けているのがいっぱいある、漏れるところがあるという問題を僕は言っているわけです、さっきから。わかるでしょう。その問題を言っているだけです。
 だから、一月一日の地価の評価でいくと、地震が起こってしまったらもうそれだけの地価の値打ちはない、土地としてのインフラは全部つぶれてしまっているわけだから。それで、そのために地価税の減免措置をとったと言われるけれども、この規定内容では漏れるところがたくさんあって、その漏れるところに対する手当てがないではないですかということを私は言っているわけでございます。
#36
○政府委員(小川是君) 今回の地価税法で、法律上は四つのケースについて免除あるいは二分の一減免をいたしておりますけれども、災害による被害を受けられた土地及びその建物について被害を受けられた土地を持っておられる方、さらには、物理的被害を受けられなくても、水道とか電気とか一定の経済活動の基盤になる施設の途絶があった土地につきまして免除あるいは軽減をいたしておりますので、今のお話からいたしますと、震災による被災を受けられた土地、建物に係る地価税というのは、平成七年分については何らかの形で配慮が行われているというふうに私どもは考えている次第でございます。
#37
○白浜一良君 私は、現実的なそういう対応という面から見ると、なかなかその対象にならないような当該地域があるということだけ主張しておきたいと思います。
 時間もございませんので、あと何点かちょっと確認しておきたいと思います。
 大臣、地震保険でございますが、これ損保の方といろいろお話ししたら、今の地震保険というのは単独保険ですね。これは農協のいわゆる建更とよく比べられるんです。建更の場合は火災、地震がセットで、これは商品としても積立式の保険になっていますね。ところが、なぜ保険料が高いんだと言ったら、単独の地震保険で、これを強制加入させて火災とセットにしたら要するに保険料はもっと下がるという業界のお話を私は聞いたんですけれども、方向としては、地震保険の内容を含めたそういう多彩な保険商品の開発といいますか、そういう意味で強制加入を含めたセットの保険というのは、こういうお考えはないんですか。
#38
○国務大臣(武村正義君) 今回の地震の経験を踏まえまして、積極的に新商品の開発を検討するよう指示をいたしております。
 政府委員からお答えをさせていただきます。
#39
○政府委員(山口公生君) お答えいたします。
 地震保険は、御承知のように、火災保険に附帯する形になっておりますが、保険料が単独の場合に比べてかなり高くなるということから、附帯しないという意思表示、つまり押印があれば地震保険は附帯されないという形に今なっております。それで今、先生の方からの御指摘の点につながってくるだろうと思うのでございます。
 実は、これにつきましては経緯がございまして、四十一年六月に発足したこの地震保険が、当初はそういった当然に附帯されるような商品が多うございましたが、昭和五十五年の改正におきまして国会の当委員会の附帯決議でも御指摘をいただきました。加入するか否かについては本人の意思をもっと尊重しなさいということで、附帯されるのが原則として自動と、つまり、判こを押すか押さないかというのを聞いてやりなさいというふうになったわけでございます。
 今、委員の御指摘のように、地震保険の普及を図るという点からいいますと、商品の中に自動的にそれを組み込んでいくというのは大変有効な方法であるということで、貴重な御提案だと思っておりますけれども、そういった当然附帯的なものがいいのか、そこはオプション的なものがいいのかというのは、やはり常にいろいろ議論があるところでございますので、そういう点も踏まえて検討させていただきたいと思います。
 それから、先ほどお触れになりました、合わせると保険料が安くなると。私どもの地震保険の保険料の算出の仕方は、実は過去約五百年、正確に言いますと四百九十五年間に発生した三百七十の地震を全部調べ上げまして、そのときの被害を現在の価値に直しまして、そうするとどれくらいの平均的に被害が生じるだろうかと、それに必要な保険料は幾ら取らなきゃいけないだろうかということを客観的にはじいているわけでございます。もっとも、耐震構造が普及しているとか、耐火構造が普及しているとかという意味では下げる要素でございますけれども、物価上昇とか逆に上がる要素もございます。そういったことを踏まえて今出しておりますので、火災保険とくっつけたらすぐ下がる、こういうものでもございません。
 それで、建更との比較を今御指摘賜りましたが、同じ損保がやっております積立型で比べますとほぼ同じようなやはり料率といいましょうか、保険料になっておるのが実情でございます。
 ただ、御指摘の当然附帯の方がいいのではないかという御提案については、いろいろ今後検討してまいりたいというふうに思っておる次第でございます。
#40
○白浜一良君 いや、これは損保の方に聞いたらそう言ったから、何で建更と違うんだと言ったらそういうことを言ったから僕聞いただけです。
 あと、最近の金融問題でちょっと一、二点お伺いしておきますが、ベアリング社のベアリング証券の破産がございました。今このデリバティブ取引が物すごく問題にされておりますけれども、僕も詳しいことわからないんだけれども、オフバランス取引になっていて途中の収支が非常に不明確で、そういうことがばっとわかったら、要するに物すごく損していたとかこういうふうになるから、いわゆる取引の経過の開示というか、そういうことが必要じゃないかということがよく言われるんです。そのためには、今世界をめぐっておるから、この世界的なルールづくりをせないけませんわね。そういうお考えはどうなんですか。
#41
○政府委員(日高壮平君) ただいま御指摘がございましたとおり、いわゆるデリバティブ取引につきましては、その財務情報に関するいわば経理基準といいますか、それが非常にはっきりしていない、取引自体がオフバランスのものが非常に多いということもございまして、その実態を的確に把握することが難しいという点は御指摘があったとおりでございます。
 それで、この問題につきましては、例えばデリバティブについてのディスクロージャー、いわゆる開示の問題について国際的には、一つは、金融機関の問題を中心に取り扱っておりますBIS、国際決済銀行で議論が行われておりますし、もう一つ、証券会社の方では証券監督者国際機構、IOSCOというのがございますが、その場においていろいろな形で議論が行われているわけでございます。
 ただ、何分複雑多岐な新しい取引ということもございますので、各国における開示の内容、決め方についても区々な状態であることは御指摘のとおりであります。国際的な統一基準づくりという観点からこの問題を取り上げる場合には、もう少し今申し上げたBISなりIOSCOにおける議論の行方を見きわめていく必要があるのではないかというふうに考えているところでございます。
#42
○白浜一良君 まあ、しっかりやってくださいよ。これは大きな問題ですよ。時間がないのでもうそれ以上はやめます。
 最後に、銀行局長来ていただきましたので、一つだけ。嫌らしい質問はしません。
 先日、新聞報道を見ていましたら、大蔵省が要するに信金、信組に不良債権の公開せえと勧めても、結果的に現段階ではディスクロージャーできないというふうに記事が出ていたんですよ。あわせて、何か来年の三月も無理だと、そういう記事が先日報道されていました。これは今の二倍組じゃなしに、信組、信金のいわゆるバブルの後遺症というか全国的な問題としてあるわけでしょう。全信協とかがそういうふうにおっしゃっているのはよくわかるけれども、今後大蔵省としてはどういうふうに指導されていくんですか。最後にお伺いして私は質問を終わりたいと思います。
#43
○政府委員(西村吉正君) 一般論としてこのディスクロージャーの問題を申し上げますと、私どもは積極的に取り組んでいかなければいけないと考えております。
 ところで、今御指摘の協同組織金融機関、信用金庫だとか信用組合のディスクロージャーはどうだという問題につきましては、二つの観点があろうかと思います。一つは、こういう比較的小さな金融機関というものの経営の状況は非常にバラエティーに富んでおるということから、それを今の状況で一遍に開示すると、ケースによってはいろいろと利用者に心配をかけ過ぎないかという問題があるということが一つでございます。もう一つは、もう少し基本論でございますけれども、協同組織の金融機関というものは組合員の相互扶助を基本理念とする非営利の法人でございますので、株式会社組織の金融機関とはちょっと違うだろうと、したがって、いわゆる一般の人々にディスクロージャーするということは、協同組織金融機関についてはなじまないんではないかというのが従来の議論でございました。
 ただ、今回の経験を踏まえまして、そうはいっても、やはり協同組織金融機関ももっとこういうディスクロージャーという問題に積極的に取り組むべきではないかという声が強くなっているように感じてきております。そういう問題を踏まえまして今後検討をしていきたいと考えております。
#44
○吉岡吉典君 第一次、第二次の臨時特例が行われたりこれから行われようとしているわけですが、それにもかかわらずなお関係者からいろいろな要望やらまた問い合わせが寄せられておりますので、それを紹介しながら質問します。
 まず、法人税の繰り戻し還付です。
 取引相手が被災した場合、その企業は直接の被災者ではなくてもその被害は大きいことが考えられます。そうした企業に対しても、災害開運損失に対して繰り戻し還付を認めるなど救済措置を考える余地はありませんか。
#45
○政府委員(小川是君) ただいまお話がありましたように、今回の震災で直接自分が被災をしたわけではなくて、取引先が減った、あるいは取引先に対する売りが落ちた、損が立ったというような企業も全国に当然あるわけでございますけれども、こうした間接的な被害につきましては、現行税制の、例えば欠損金が出た場合には繰越控除制度という、制度一般のその他の損失と同じレベルで対応をお願いしたいと。やはり震災の被災者に直接どこまでぎりぎり支援ができるかという考え方で今回の法案は御提案しているところでございます。
#46
○吉岡吉典君 相続税課税価格計算の特例についてですが、既に申告済みの人が被災した場合についても、地震により相続財産が被災した場合にはこの特例を認められないかという要望も来ていますが、いかがでしょうか。
#47
○政府委員(小川是君) 相続税につきましては、相続の生じた日の時価で相続税の課税が行われるのが原則でございます。この原則によって相続税の金額、税額が計算をされまして、そして申告をし納付をしていただいているわけでございます。
 したがいまして、基本的には、税が対応できますのは、申告をしていただいている方については、なお納付が終わっていないという部分につきましてその対応する財産の損失が生じたときに、その納付をすべき税額について免除をする、損失分を免除するというのがやはり税としては限界であるというふうに思うわけでございます。
#48
○吉岡吉典君 消費税ですが、被災事業者に対する消費税の納付の減免措置を講ずることはできないかという問題です。
 とりわけ、棚卸資産が被災した場合、仕入れに係る消費税の還付は認められるべきではないかということ。同時に、既に被災前に売り上げが生じている場合でも、火災や店の倒壊などによって被災した事業者に対して何らかの形での消費税納付の減免措置がとられないのか。いかがでしょうか。
#49
○政府委員(小川是君) 仕入れをした棚卸し商品がまだ残っていて震災に遭ったという場合には、物はなくなっているわけでございますけれども、消費税の課税の場合には、仕入れたという事実に基づいて、それについて前段階に消費税を納めておられますと控除ができるということでございますから、商品が災害に遭いましても、それについてその事業者が払った前の段階の消費税は引かれる形で戻ってくるということでございます。
 第二点目につきましては、これはまた別に、売り上げたお店において売り上げが生じた、お客様からは代金と同時に消費税込みでいただいている、それについてまだ納付の時期が来ていなかったというものを免除できないかというところでございますが、それはやはりこの間接税、消費者に負担を求めていただいている税の性格から見まして、事業者の方に既に売り上げたものについて消費税を免除するということは性格的にできないというところでございます。
#50
○吉岡吉典君 次は贈与税ですが、家を建て直したりする場合の親類等からの贈与についても、災害復旧のためにかかった費用については贈与税減免措置をとれないのかという問題です。
 すなわち、現行租税特別措置法七十条の三では父母または祖父母から住宅資金の贈与を受けた場合の軽減措置があります。しかし、震災によって倒壊した住宅の再建には子から親へとか兄弟同士の贈与のケースもあるので、それらにも適用できる措置が必要ではないかという要望なんです。
#51
○政府委員(小川是君) ただいまの贈与税の特例は、過去においていろいろの御議論がございまして、親とそれから一定の祖父母から贈与を受けて住宅を取得する場合には、あるスキームによって贈与税額を軽減するという制度でございます。
 この制度をつくるについては、やはりそれだけのゆとりのある人だけ税金が軽減されるということから見ていかがなものかという議論もございました。そこで、現在の制度というのは、一度こういうのを使いますとその後は続けて贈与を受けられない、つまり、六十万円まで贈与税がかからないようになっておりますけれども、そういったものが使えないといったようなかなり厳しい条件が付されているわけでございます。
 そういった制度でございますから、こういった震災の場合であれ、親あるいは祖父母以外に横の関係で、ある程度豊かなといいますか経済的余力のある方からの贈与が受けられるようにしてはどうかと、そこまで手を伸ばすということはやはり税のバランスから見ていかがかというふうに思うわけでございます。
#52
○吉岡吉典君 登録免許税ですが、マンションなどに住んでいた人が被災して、もうそこに住めなくなったために土地も売って他に移るという場合に、土地についても同様に登録免許税を認めてほしいという要望はいかがでしょうか。
#53
○政府委員(小川是君) その点についても問題として相当議論をし検討いたしました。今度の震災によって建物を建てかえる、住宅その他の建物を建てかえる方については今までどおりの状況をいわば新しいもので継続するので登録免許税の減免ということが考えられるのではないかと。土地の場合には、やはり損害を受けているというわけではございません、恒久的な資産でございますから。これを譲渡した場合に、登録免許税を減免するというのにはやや無理があるのではないかというのが基本的な考え方でございます。
 いま一点は、この登録免許税はすべて登記の場合に終わりますので、登記機関が、登記を担当される事務をやられる方が一見明白にこれが軽減対象だということがわかるようなものでなければなりません。土地の売買ということになりますと、その点で大変無理があるというふうに考える次第でございます。
#54
○吉岡吉典君 最後に大臣にお伺いします。
 今、私は紹介しながら質問して、大蔵省の答弁もいただいたんですが、これについて私の意見は述べませんが、臨時特例としての税制措置は大体今度で終わりという考えの模様ですけれども、しかし今後、今まだ想定されていなかったけれども新たにそれはもっともだなという問題が出た場合にも、もう一切そういう臨時特例措置のような追加的な改正はやらないということなのか、それは問題によってはその道も閉ざさないということなのか、その点、最後に大臣にお伺いします。
#55
○国務大臣(武村正義君) 今回は、こういう大震災に対応する緊急の改正として二回にわたり措置をさせていただいた次第でございます。
 今後は、先ほど局長も御答弁しておりましたように、一般的な地震対策、防災対策としてはさまざまな論議も起こってこようかと思っております。したがって、総合的な災害対策の中で税制としてどう適切に判断をし対応していくか、そういう認識でとらまえてまいりたいと存じます。
#56
○島袋宗康君 今回の法律改正で大震災の税制対策は一段落したように思いますけれども、この改正によってどの程度の規模の減収になるのか、また、これまで一連の税制対策によって合計でどの程度の規模の減収になるか、お伺いしたいと思います。
#57
○政府委員(小川是君) 今回の法案によりまして生ずる減収額といたしましては、約一千二百億円程度であるかというふうに見ております。前回の対応におきましては、所得税関係でございましたが、六年分で約三百十億円の減収になるのではないかというふうに見込んだところでございます。
 なお、平成六年度の税収にその他損失が生じたことなどによって税収が落ちましたり、あるいは六年度中に納めていただくのを納税の猶予ということで七年度以降へずれ込むといった関係で、六年度の税収がどれだけ落ちるかという点は、二次補正で六千二十億円の減額をさせていただいたところでございます。
#58
○島袋宗康君 相続税あるいは贈与税関係、地価税等たくさんあるわけでありますけれども、今、六年度、七年度並行していろいろ出てくるわけですから定かではないと思いますけれども、いずれにいたしましても、この千二百億円という財源確保については今度の補正予算で処理することになるのかどうか、その辺についてお伺いします。
#59
○政府委員(小川是君) ただいまのこの法案による千二百億円と見込まれる減収が考えられます一方、六年度に六千二十億円減額をさせていただいた中には、先ほど申し上げたように、六年度に入ってくるはずの税収が七年度以降にずれ込むというのが三千億円強というふうに見込んでおりました。したがいまして、そこだけとらえれば七年度への影響のところは改正関係を含めましてプラスというところもないわけではございません。
 しかし、七年度の税収が全体として震災によってどういう影響を受けるかというのは、今の問題のほかに、損失のうち七年度の決算にいろいろはね返ってくる損失による減収もございましょうし、また、震災が起きなければ生じなかった経済活動のプラスの方もございましょう。したがいまして、これが七年度の税収に全体としてどういう影響を及ぼすかという点については、なお十分見きわめなければならないというふうに考えております。
#60
○島袋宗康君 地震列島としての我が国の防災対策のための税制はどうあるべきかということと、これらについて何らかの方向性がありましたら、基本的な考え方として大臣の所見を述べていただけませんか。
#61
○国務大臣(武村正義君) 今まだありません。今後、防災対策を真剣に議論をし、まとめていく中で税制の対応も真剣に最終的な判断をさせていただきたいと存じます。
#62
○島袋宗康君 事務的な問題なんですけれども、被災者向けの優良住宅の割り増し償却についてお伺いします。
 今回の税制上、割り増し償却の適用を受けるための要件としてはどういうものがありますか。実際の運用レベルまで含めて整理して御説明願いたいと思います。
#63
○政府委員(小川是君) 優良賃貸住宅の割り増し償却制度は法律に規定されておりますが、具体的な住宅の規模等は政令で準備をいたしております。
 準備をしている状況をかなり細かくなりますが申し上げさせていただきますと、耐火建築物または準耐火建築物に該当する共同家屋であるということ。それから、家屋の取得価格の単価が一定金額以下であること。それから、その被災者向けの優良賃貸住宅の数が十戸以上であること。この被災者向け優良賃貸住宅と申しますのは、面積要件であるとか、それから優良な住宅としてきちっとした台所、浴室等を備えているということ。それから、これを被災者に割り当てる場合に賃貸が公募の方法によって行われるものであること。さらに、建てました賃貸住宅は地方公共団体などに貸し付けられて、そしてこの地方公共団体等が改めて賃貸するような方法をとるか、または建設大臣の定める一定の家賃限度額要件を満たすもので、かつ住宅金融公庫等の融資を受けて新築したものであると、こういった要件を政令で定めるべく準備をいたしているところでございます。
 いずれにいたしましても、被災者の方に優先的に優良な住宅が供給されるということが要件でございます。
#64
○島袋宗康君 その場合、優良住宅の入居者が極端に言うと皆無だというふうな場合の割り増し償却というふうなものが受けられるかどうか、それを確かめておきたいと思います。
#65
○政府委員(小川是君) この制度は、今申し上げたような一定の要件で建てられ、地方公共団体等に渡される、そして貸し家として使われるということが要件でございまして、結果において例えば公募をしても十分な数が満たなかったということがありましても、この制度の適用は受けられるわけでございます。
#66
○島袋宗康君 住宅促進税制の適用の特例についてちょっとお伺いしておきたいと思います。
 いわゆるダブルローン、それを利用して建てられた住宅の救済策として、税額控除額上限を合算額まで引き上げるという考え方は税制上困難であるというふうな話を聞いておりますけれども、今回の大震災の被害の甚大にかんがみれば、ローン返済途中の方が被災されたにもかかわらず新たにローンを組んで住宅を建築なされようとする場合には、税制上ももう少し何らかの援助があってもよいではないかというふうに思いますけれども、例えば、後で組んだローンに対する税額控除のスタートを先のローンの控除期間の残存期間が終了する時点まで停止するなどというような措置はとれないかどうか、大変難しい問題でありますが。
#67
○政府委員(小川是君) 住宅促進税制は、借入金があるということとその住宅に住んでいるということが要件でございますが、今回の制度の特例によりまして、住宅がなくなっても、最初の期間内、六年以内であれば控除が受けられるということになるわけでございます。
 さらに、これが切れてから新しくまたローンを組まれれば、それはそれで新しくスタートをするわけでございますが、この残存六年期間中に新しいローンをスタートされて住宅を取得されるという場合には、そのダブっている期間につきましては二つのローンを合算した上この適用が受けられる、こういう特例をあわせて持っているわけでございます。
#68
○島袋宗康君 終わります。
#69
○委員長(西田吉宏君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。――別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 阪神・淡路大震災の被災者等に係る国税関係法律の臨時特例に関する法律の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#70
○委員長(西田吉宏君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#71
○委員長(西田吉宏君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後二時四十三分散会
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト