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1995/05/23 第132回国会 参議院 参議院会議録情報 第132回国会 大蔵委員会 第9号
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1995/05/23 第132回国会 参議院

参議院会議録情報 第132回国会 大蔵委員会 第9号

#1
第132回国会 大蔵委員会 第9号
平成七年五月二十三日(火曜日)
   午前十時一分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 五月二十二日
    辞任         補欠選任
     鈴木 和美君     及川 一夫君
     谷畑  孝君     堀  利和君
 五月二十三日
    辞任         補欠選任
     久保  亘君     藁科 滿治君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         西田 吉宏君
    理 事
                竹山  裕君
                楢崎 泰昌君
                志苫  裕君
                峰崎 直樹君
                白浜 一良君
    委 員
                上杉 光弘君
                片山虎之助君
                佐藤 泰三君
                須藤良太郎君
                増岡 康治君
                一井 淳治君
                及川 一夫君
                久保  亘君
                堀  利和君
                藁科 滿治君
                猪熊 重二君
                寺崎 昭久君
                野末 陳平君
                池田  治君
                吉岡 吉典君
                島袋 宗康君
   国務大臣
       大 蔵 大 臣  武村 正義君
   政府委員
       大蔵政務次官   石井  智君
       大蔵省主税局長  小川  是君
       大蔵省銀行局長  西村 吉正君
       大蔵省銀行局保
       険部長      山口 公生君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        小林 正二君
   説明員
       公正取引委員会
       事務局経済部調
       整課経済法令調
       査室長      寺川 祐一君
       厚生省社会・援
       護局地域福祉課
       長        高山 康信君
       厚生省保険局保
       険課長      渡辺 芳樹君
       厚生省年金局運
       用指導課長    福山 圭一君
       農林水産省経済
       局農業協同組合
       課長       米田  実君
       郵政省簡易保険
       局経営計画課長  小林 利夫君
       郵政省簡易保険
       局業務課長    鈴木  康君
       郵政省簡易保険
       局資金運用企画
       課長       藤岡 道博君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○保険業法案(内閣提出、衆議院送付)
○保険業法の施行に伴う関係法律の整備等に関す
 る法律案(内閣提出、衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(西田吉宏君) ただいまから大蔵委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします、
 昨二十二日、谷畑孝君及び鈴木和美君が委員を辞任され、その補欠として堀利和君及び及川一夫君がそれぞれ選任されました。
#3
○委員長(西田吉宏君) 保険業法案及び保険業法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案の両案を一括して議題といたします。
 両案の趣旨説明は前回聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#4
○楢崎泰昌君 楢崎でございます。
 今回は、昭和十四年に制定をされた現行の保険業法を全面改正するということで御提案をいただいているわけですけれども、金融の自由化、国際化あるいは保険業法のさらなる健全性の確保等々の観点からこの法律案が提出されたというぐあいに思いますが、大蔵大臣は、この保険業法の大改正、抜本改正についてどのような意義を持っているとお考えになっているか、お聞かせを願いたいと思います。
#5
○国務大臣(武村正義君) 今回の改革の柱は三つございまして、一つは規制緩和、自由化の推進でありますし、一つは健全性の維持ということでありますし、もう一つは公正な事業運営の確保、こういうふうに整理をいたしているところでございます。
 具体的な内容については、まず規制緩和、自由化につきましては、生損保の相互参入を認めるということや、商品、料率について認可制から届け出制を導入するということや、あるいはブローカー制度を導入するとか、こういうことがございます。
 また健全性の維持では、自己資本比率基準を導入するとか、あるいは基金を設けるとか、保険計理人制度を拡充するというふうなことが主な柱でございます。
 公正な事業運営という点では、少数社員権の行使要件の緩和などの相互会社における経営チェック機能の強化、あるいはディスクロージャーについての規定を設ける、こんなことが主な内容でございます。
 いずれにしましても、生損保ともに、この新しい保険業法が成立しますれば、こういうさまざまな新しい仕組みを消化いただきながら積極的に再出発をいただく、より一層国民の幅広い御期待にこたえていただこうということが趣旨でございます。
#6
○楢崎泰昌君 ただいまの大蔵大臣の御説明で自由化ということ、恐らく保険業法改正の最大の柱は、そのうちの生損保の子会社による相互参入であるというぐあいに思っております。
 諸外国では既に子会社方式による相互参入方式が何十年前から確立されていたというぐあいに承っておりますが、保険審議会ではさらに保険と銀行、証券との相互参入を目指していたとも伺っております。今回の法律案ではそこのところは見送られているわけですけれども、その理由あるいは背景というものはいかがなものでございましょうか。
#7
○政府委員(山口公生君) お答え申し上げます。
 保険と銀行、証券の相互参入につきましては、平成四年の保険審議会答申におきましては、御指摘のように、相互に「参入できるようにすることが適当である。」とされておりましたが、昨年六月の保険審議会報告におきましては、「改革の実施に当たっては、これを着実に実施するという観点から、新しい保険制度への移行によって混乱が生じ契約者等の保護に重大な影響を与えることのないよう漸進的かつ段階的に進める必要がある。こと、さらに、「まず、子会社方式による生・損保の相互乗入れを含む保険制度の自由化を進める「ことが肝要であり、その定着を見極めた後に子会社方式による他業態への進出も含めた制度改革が完了するよう、段階的に行う」べきであるとされておりまして、これを踏まえたものでございます。
 したがいまして、保険と銀行、証券との相互参入につきましては、生損保の相互乗り入れ等の保険制度改革の定着、及び現在実施されております金融制度改革の実施状況を見きわめた上で検討させていただきたいというふうに考えている次第でございます。
#8
○楢崎泰昌君 慎重に制度の定着を待ってというお話でありますが、これの時期は、今おっしゃったように、十分これからの業界の状況等を見きわめた上でさらに前進をさせていくことを望むわけでございます。
 そこで、子会社方式による相互参入を認めるということになりますと、これまたいろいろ問題が生じてくるわけですね。一番最初に問題になるのはいわゆるファイアウォール、要するに相互参入した上での弊害をどのように防止していくのかということが一番問題であると思いますけれども、それについて、アメリカ等の諸例も含めて、どういうようなことを配慮したかということを御説明願いたいと思います。
#9
○政府委員(山口公生君) まずアメリカの例で申し上げますと、例えば米国のニューヨーク州では、ニューヨーク州保険法におきまして、競争政策上問題がある場合には保険会社の取締役について兼業制限が課されておりますほか、いわゆるアームズ・レングス・ルールとして、保険会社とその兄弟会社、子会社との間では取引の条件、費用等が公正でなければならない旨規定されておるわけでございます。
 今回の生損保の我が国における相互参入に伴いますファイアウォールにつきましては、同じように、法律上はいわゆるアームズ・レングス・ルールと省令委任規定を設けております。省令以下のファイアウォールの詳細につきましては、生損保の場合は同じく保険であるということから、銀行、証券の間におけるファイアウォールのような利益相反等といった問題が起こりにくいということ、及び親子間の経営資源の有効活用という観点からのクロスマーケティングの趣旨を尊重する必要があるということを踏まえつつ、他方、子会社である以上は親会社からある程度独立していることが必要であると考えられること、及び生損保兼営禁止の趣旨を配慮しながら、現在の両業界の実態も十分勘案して定めてまいりたいというふうに考えておる次第でございます。
#10
○楢崎泰昌君 今言われましたけれども、銀行、証券との相互乗り入れのように、利害が相互に相矛盾するというような側面は生損保の棚互乗り入れについて余りないということでございますから、できる限り企業の自由を尊重するというような意味においてファイアウォールはアメリカにおいても制限が非常に緩やかになっているように伺っておりますので、その点について実行上やっていただきたいということが一つでございます。
 それからもう一つは、今、部長が言及されましたけれども、クロスマーケティングの問題であります。アメリカ等においては、子会社で相互参入をした場合に、親会社の販売網を子会社がダブルでクロスマーケティングとして使えるというような方法が、プルデンシャルだとかアメリカの保険会社等々を見ましてもそのようになっておるように思います。クロスマーケティングについてはどのように今この業法ではお考えになっていますか。
#11
○政府委員(山口公生君) 生損保のクロスマーケティンク、つまり募集の段階での親会社の経営資源を子会社が利用するという話は、別の側面からいいますと、生命保険で今とっております一社専属制の緩和をどう進めるかということと深く関係が出てくるわけでございます。
 生命保険募集人の一社専属制は、過去、非常に生命保険の募集が困難をきわめたという反省から、募集人の教育徹底、募集人の行為につき責任を負うべき会社を明確にするということから、契約者保護の観点から現在定められているわけでございます。
 今回御審議をお願いしております法案におきましても、原則はこれを維持するわけでございますけれども、今先生のおっしゃいましたクロスマーケティングの観点というものも一方で大切になるわけでございます。それは、生損保の相互乗り入れが今回実現するわけでございますゆえにそういった問題が生じるわけでございます。
 一方、現在におきましても、利用者の立場からいいますと、募集人が複数の会社の商品を扱えないことから利用者の商品選択の幅が制限されているのではないかとか、あるいは既存の販売チャネルの多様化、効率化が図られにくいのではないか、それから、今おっしゃいましたクロスマーケティングを進めるに当たっての障害となるのではないか等の問題点がありまして、商品特性に応じた販売チャネルの多様化、効率化は、別の意味、すなわち利用者の立場からいいましても必要なものとなっているわけでございます。
 したがって、この一社専属制の範囲につきましては、保険契約者等の保護に欠けるおそれがない場合として政令で定める場台は緩和するというふうにさせていただきたいと思っておりまして、この具体的なイメージとしましては、保険募集に係る業務等に関して十分な専門的知識及び経験を有していること、保険募集に係る業務を的確かつ公正に遂行するに必要な人的構成を有していること、さらにクロスマーケティングの視点から、親保険会社がバックアップしている当該代理店が生保代理店としての適正な業務遂行能力を有していることなどを考慮しつつ、現在その検討を進めているところでございます。
 今、先生御指摘のありましたクロスマーケティングの観点については、そういった観点から有効に活用できるように配慮したいと思っておるわけでございます。
#12
○楢崎泰昌君 御答弁はそれでそういうことなのかなというぐあいに思いますが、実は実行の話なんですね。
 クロスマーケティングについて申し上げますと、今、損保が代理店を使って御商売をなさっておられる。それを今度は損保の子会社が生命保険をおやりになって、それを一緒にお売りになる。そこまではクロスマーケティングでいいんですけれども、それをさらに、従来は代理店と親会社との間の関係は兼職を許さないとかそういうようなことがございました。もしこの問題を徹底させていくならば、親会社と子会社の兼職を許すとか、そういうぐあいにして自由に販売活動ができるように持っていくべきではないかと思いますが、いかがですか。
#13
○政府委員(山口公生君) 保険募集に直接関係する者につきまして、クロスマーケティングの観点から、親子間で職員の地位を兼任するということも一定範囲内ではやむを得ない事情があろうかと思います。
 ただ、いろいろ子会社の独立性という観点もありますので、むやみにすべて兼任でいいというものでもないということがございますので、その辺を総合的に勘案して定めてまいりたいというふうに考えております。
#14
○楢崎泰昌君 問題は、その総合的に勘案してという一青葉をいつも聞かされて、実際はそうでなかったりする例が多いわけですけれども、私は、やっぱり保険業界が相当闊達にその業務を遂行できるように、一定の範囲内というのはある意味ではいろんな弊害もありますから、やむを得ないとは思いますけれども、それを十分拡張して物事を考えていただきたいということが一つでございます。
 さらにもう一つは、一社専属制の話が政令で例外規定が設けられるということになっているようですけれども、一社専属制というのは、先ほど言われましたように、ある時期に複数社をやっておられたんで大変な弊害が起こったというような事態がございますけれども、現時点においてはそのような弊害は余りないように考えているんですね。首あったからティミッドになるということではなくて、十分要件を明らかにし、先ほど大蔵省の言われた要件というのは通常の要件ですから大抵の人はパスするはずだというぐあいに思っておりますから、一社専属の例外規定については十分これも拡大して物を考えていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
#15
○政府委員(山口公生君) 一社専属の緩和につきましては先ほど申し上げさせていただきましたが、ただ、生命保険の商品は御承知のように大変複雑になっておりまして、募集人の教育というのは相変わらずしっかりしてもらわなければならないということでございますので、極力そういった規制緩和の方向をとりつつも、一社専属制の持つよさというのは生かしながら検討してまいりたいというふうに思っておる次第でございます。
#16
○楢崎泰昌君 十分な専門的知識ということがもちろんあれになるんですけれども、問題は、その十分な専門的知識というものを厳しくするか緩くするかでまるっきり違ってきちゃうんですね。そればかりじゃなくて、クロスマーケティングを考える上からいうと、やはり余り厳格に物事を取り扱っていくとおかしなことになっちゃうんで、教育とクロスマーケティング、それから二社、一社の問題ですね、それとは別の話であろうというぐあいに私は考えているところでございます、運用について十分配慮して行うということを御言明願いたいと思います。
#17
○政府委員(山口公生君) 教育の問題は、二社、三社となった場合も確かにシステムがきっちりとられればそれは遺漏なきを期することができると思うんですけれども、一社専属制で、ある特定の会社が全責任を持ってやっているというのが現状でございまして、それが二社、三社あるいは四社となったときに、だれが責任を持ってきちっと教育するかという問題がございますので、その教育の観点も十分に加味しながら検討していかなければならないというふうに考えているわけでございます。
 ただ、先ほど申し上げましたように、親保険会社がバックアップしている当該代理店が生保代理店としての適正な業務遂行能力を有していることなどという観点もございますので、そういった観点からクロスマーケティングの観点も十分に考慮に入れながら検討するということでございます。
#18
○楢崎泰昌君 そのようにひとつどうぞお願いをいたしたいと思います。
 次は、第三分野の保険業務について若干の質問をしたいと思います。
 第三分野と呼ばれるのは、傷害・疾病・介護分野について第三分野といって相互乗り入れが既に行われているわけであります。しかしながら、この相互乗り入れというのも実は大変不徹底で、中小企業あるいは外国企業に対する配慮のもとに分野を制限しているということでございますけれども、今回の答申等においても激変緩和というとが言われ、かつ日米包括協議でもこの問題が取り上げられ、実に不思議なことにアメリカが規制緩和をおくらせてくれと、唯一の分野かなというぐあいに思っております。
 これについては、高齢化社会の進展ということもございますし、新たな商品がそこで生まれるという期待もございますし、また利用者の利便ということを考えても、まあ激変緩和措置であるという御説明でございますけれども、しかしこれはどうも中途半端過ぎて納得がいかない分野の一つでございますが、大蔵省はどのようにお考えでしょうか。
#19
○政府委員(山口公生君) 傷害・疾病・介護分野、いわゆる第三分野におきます牛損保の相互乗り入れ、これは本体で乗り入れるというのを本則に置かせていただいておりますが、この点につきましては四年六月の保険審議会答申におきましても、国内の中小保険会社、外国保険会社の中に第三分野への依存度の高い会社が存在するということを踏まえて、所要の激変緩和措置をとることが適当であるというふうに指摘されておりました。
 実は、日米包括協議はその後に起きたわけでございますが、そのときもこれが話題になりまして、私どもとしては、保険審議会答申においてもそういうふうな配慮をして激変緩和をやるということの答申をいただいているということを説明して、それを日米の合意決着事項にのせたわけでございます。したがいまして、もともと第三分野の本体での相互乗り入れというのは、確かに外国の保険会社への配慮でもございますが、国内の中小の保険会社に対する配慮でもございまして、そのあたりで今回そういった措置をとらせていただいております。
 したがいまして、アメリカから言われてこうなったということではなくて、もともと私どもとしてもそういう方向で、この制度改革が混乱を来さないでスムーズに実現できるようにという配慮でございます。
#20
○楢崎泰昌君 理由はわかりますけれども、保険業法を設定して企業の自由化、欄達なる企業活動を進めようというときでございますから、激変緩和はある意味ではやむを得ないところがあるかもしれませんけれども、余り長い期間そのようなことを続けるのでは業界全体としての活性化が保たれないということで、なるべく短期にこの激変緩和を終了していくということが必要だと思うんです。
 いずれにしても、アメリカなんていうのはごり押しで日本に規制緩和規制緩和というのを言っておいて、ここのところだけ勘弁してくれというのはおかしな話であるというぐあいに私は思っておりますが、いかがでしょうか。
#21
○政府委員(山口公生君) 確かに第三分野といいますと疾病、介護等でございますので、高齢化社会に向けましていろいろ商品ニーズも高まってくる分野かなというふうに思います。
 したがいまして、この分野におきましてのそういった暫定的な措置でございますので、今、先生のおっしゃったことを十分重く受けとめて対処してまいりたいというふうに思っております。
#22
○楢崎泰昌君 次に、ちょっと項目を移しますけれども、今回の改正で一番そうかなと思ったのは、商品、料率の自由化というのでしょうか、今までは全部許可制であったけれども、若干のものは届け出制にするという趣旨の改正になっているようでございます。
 具体的には自由化するものとしないものと出てくるように思いますけれども、その具体的内容を御説明ください。
#23
○政府委員(山口公生君) 近年、我が国における社会の構造的な変化、経済活動の多様化等に伴いまして、国民の生活保障ニーズの高度化あるいは新たなリスクの発生など、生命保険、損害保険に対する契約者ニーズも非常に複雑多岐になってきております。保険会社はこれら契約者ニーズに対応するため多様な保険サービスを提供していく必要が出てきているわけでございます。
 この届け出制の導入を通じまして、保険会社にとっては商品開発の弾力化及びその迅速化が図られ、あるいはより経済社会の変動に即応した料率の設定か可能となり、その結果、消費者にとってみずからのニーズに一国会致した新たな保険サービスを得ることが可能になるというふうに期待しておるわけでございます。
 今、先生御指摘の商品や保険料率についてすべてをやるわけではないということはそのとおりでございまして、まずは契約者保護に欠けるおそれの少ないものとして、届け出制の対象にふさわしいものを届け出の方へ移していくというふうに考えておりまして、基本的には手として大企業を対象とする大口の企業物件あるいは国際的な取引に係る保険、さらに専門的知識を有する事業者等が契約者となる保険であろうというふうに考えております。
 具体的に商品名で御紹介させていただきますと、私どもが今考えさせていただいておりますのは、生命保険商品につきまして申し上げますと、年金福祉事業団保険、厚生年金基金保険、国民年金基金保険等の団体保険等でございます。損害保険商品につきましては、船舶保険、貨物保険、航空保険、各種信用取引保険、会社役員賠償責任保険、地震拡張担保特約等につきまして届け出制へ移行することを考えておる次第でございます。
#24
○楢崎泰昌君 生命保険については生命表というものがきちっと国の研究機関で策定され、認識されているわけですね。それから、損害保険については損害保険料率算定会があって、そこできちっとした危険度というのでしょうかそれが算定をされている。それに付加保険料がくっついているというのが保険料金の構成であろうというぐあいに思うんですけれども、どうも自由化自由化と言って、許可制から届け出制と言っているけれども、今お伺いしたところではもうほんの一部なんですね。そんなに信用できぬものなんですか。要するに、例えば料金を全部届け出制にして自由化してしまうとそんなに弊害が起こるものなんですか。
#25
○政府委員(山口公生君) 実は保険につきましてはやや特殊な要素を含んでおりまして、アメリカの例でよく引き合いに出されますけれども、料率の自由化が非常に進みましたアメリカでは大変なダンピング競争が起きまして、また、その反動としての料率の不当な引き上げ、それから契約の拒否といった深刻な社会問題が生じたわけでございます。ある州におきましては自由化からまた事前認可制に戻ったという例がございます。
 これは保険の商品の持つ特性でございますが、事故が起きなければ保険会社としては払う必要がないということでございますので、非常にその辺で安易にダンピングが行われやすい。経費等についてもその辺を楽観的に見るということがしばしば起こり得るわけでございます。自由化を進めていく際にはそうした点を十分配慮していかなきゃいけないということでございますので、契約者保護を十分に念頭に置いて段階的に規制緩和、自由化を進めていく必要があるだろうというふうに考えておるわけでございます。
 例えば、個人が契約者となる分野につきましての届け出制等は、やはり保険知識の普及とかディスクロージャーの推進、自己責任原則の高まりなど、制度の定着状況を十分見ながら慎重に検討していきませんと、保険会社の方が逆にお客さんを選んでいくというような逆選別の問題も生じてくるという問題があるからでございます。そういった意味で、一歩一歩段階的にスナップを踏みながらやっていくという考え方でございます。
#26
○楢崎泰昌君 今、最後のところで逆選別の話が出ましたけれども、保険業法では、保険の契約の申し出があった場合にはそれを受諾する義務があるんじゃないですか。
#27
○政府委員(山口公生君) 確かに自賠責保険等は義務がございますけれども、それ以外は、会社の方で相手を選んで、例えばダイレクトメール等で事故の少なそうな人だけをやるということもやろうと思えばできるわけでございます。
#28
○楢崎泰昌君 逆選別の可能性があるということをおっしゃっておられるわけですね。
 そこで、全体としてはお伺いしたところ非常に慎重に、ある意味では大変慎重にというのはティミッドリーと言った方がいいのかもしれないけれども、そういう形で届け出制の方をつくっていこうということでありますけれども、実は、去年ですか、公共料金のブロック化がされたときに、損害保険の火災保険は公共料金だということで一緒にやられちゃったと。民間会社のやっておる保険事業について公共料金のストップをかけるなんて、そんな乱暴なことをやっていいのかねという感じがあのころもしましたけれども、そういうような疑義をかけられる。
 要するに、保険者保護の意を強くする余りにどうも規制が強過ぎるのではないかというような感じもいたします。これはやってみてその上でなおかつということかもしれませんけれども、やはりここのところは自由化ということ、規制緩和ということを尊重されて、届け出制の範囲について十分これからも伸ばしていけるところは伸ばしていくというような態度をとっていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
#29
○政府委員(山口公生君) さきの公共料金の引き上げ問題で火災保険が対象になりまして、その際、認可制であったということから大変御心配をおかけしまして、いろいろな手続をとっていただいたわけでございますが、そのときのいろいろな国会での御議論等がございまして、この法律におきましては、法律がこの業法ではなくていわゆる料団法という料率算定団体に関する法律でございますが、その法律におきまして、今回その御示唆をいただきましたので、算定会が算出した保険料につきましては認可制から届け出制へ移行するという措置をとらせていただきましたので、それを御報告させていただきます。
#30
○楢崎泰昌君 そこで、実は算定会についての質問が衆議院の方では十分出ていなかったようにうかがえますけれども、算定会についての制度の見直しはどのようになっているか、御説明ください。
#31
○政府委員(山口公生君) 現行の算定会制度は、営業保険料ベースで料率を算定しまして、これをもとに会員である損害保険会社は上下一〇%の範囲内で自由に料率を設定できる制度となってございます。今回の法改正におきまして、届け出制へ移行するというお話は先ほど申し上げましたが、そのほかに、算定会が算出する保険の対象のうち一定のものにつきましては、新たに付加率アドバイザリー制度という制度を導入させていただきまして、自由度を増すことを考えております。
 この制度では、営業保険料のうち経費部分等に相当するいわゆる付加保険料率、実は営業保険料率は純保険料と付加保険料という二つになっておりまして、付加保険料というのは経費部分に相当するものでございますが、それにつきまして各保険会社がみずから算出して使用することができることとしております。さらに、各保険会社の使用する付加保険料率が算定会の届け出たものを中心として一定の範囲内にあるときは、各保険会社からの届け出も不要ということにさせていただこうというふうに考えております。
 これによりまして、付加保険料率につきまして弾力的な設定が可能となりまして、契約者は保険会社と相対で契約者の実態に沿った保険料率での契約が行われるようになるわけでございます。現在、この付加率アドバイザリー制度の対象としましては、一定規模以上の企業物件に付保される保険とする方向で検討しているところでございます。
#32
○楢崎泰昌君 いずれにしても、料率算定会の計算をもとにして付加保険料についての弾力性を十分認めていくという趣旨の改正であるというぐあいに理解をいたしまして、算定会の権威を保ちつつ、さらに保険料について十分な弾力性を持たせることを希望いたしておきます。
 次に、ソルベンシーマージンと称する、英語で言われるとどうもなじめないのでなるべく日本語を使ってもらいたいんですけれども、ソルベンシーマージンの基準については政令で定めるということになっていますけれども、どうも中身がはっきりしないんですね。特に、基準は政令で定めるなんというのはどういうものなんでしょうかね、具体的にはどういうことをイメージされていますか。
#33
○政府委員(山口公生君) 保険会社のいわゆる自己資本比率、ソルベンシーマージン基準の具体的な姿を今保険会社に試行していただいているわけでございますが、それをもって検討し、最終的な姿を決めたいと思っております。
 実は、分子と分母とございまして、分子の部分につきまして申し上げますと、保険会社の資本、基金、準備金その他大蔵省令で定めるものの額の合計額、こうなっておりますが、具体的に申し上げますと、保険会社の自己資本に相当する額として、例えば資本の都の合計額、価格変動準備金、貸倒引当金、上場株式含み益の一定割合等を規定します。すなわち、将来の支払いの余力というものを分子に持ってくるわけでございます。分母には、引き受けている保険に係る保険事故の発生その他の理由により発生し得る危険、リスクであって、通常の予測を超えるものに相当するものを分母に持ってくるということでございます。
 具体的には、保険リスクというものと資産運用リスクというふうに分けまして、保険リスクにつきまして申し上げますと、生命保険会社の場合は、保険料設定時に予測できなかった死亡保険金支払いリスクとして、危険保険金の〇・六パーミルなど、保険数理上の確率論をベースに各リスクを定量化するわけでございます。通常の死亡率でありますとその心配が要りませんが、場合によってはそれを超える死亡率が出てくるかもしれないということで、そういった予測を超えたリスクが発生するではないかということで余裕を見てリスクとして認識するわけでございます。
 そのほかに、損害保険の場合には、過去の損害率の統計に基づいて一定確率で得られる予測、これならば問題ないんですが、それを超える保険金の支払いを定量化するほか、地震または風水災等の自然災害による巨大災害リスクを定量化するわけでございます。そういった保険そのものに対する思わざるリスクというものを、安全を見越してリスクとして認識して分母に置きます。
 加えて、分母にもう一つ資産運用リスクというものを置かせていただきます。これは銀行の自己資本比率にも比較的似ている考え方かもしれません。運用資産の収益率が予定を下回るリスクとして、価額変動、金利リスク、信用供与先の倒産等による元本が回収されないリスクとしての信用リスク、その他オフバランス取引に係るリスク及び関連会社への投資に係るリスクとして、それぞれの過去の保険会社の実績及び調査機関の統計をベースにそのリスクを定量化した上で、そのリスク相当額を分母として足し合わせるわけでございます。
 そうした分子と分母を割り算します。そうすると、思いがけないリスクと資産運用のリスクを合わせたものにどれぐらい自分の会社が余裕を持っているか、支払いの余力があるかというのが出てくるわけでございます。それをソルベンシーマージンという呼び方をさせていただいておるわけでございます。ちょっと詳しくなって恐縮でございます。
#34
○楢崎泰昌君 ソルベンシーマージン、支払い余力とでも訳すのでしょうか、それを政令に全部委託されたと。
 今、部長がるる御説明いただいたように、一つは、保険のリスクが保険数理で計算をしておるけれどもそのとおりいかないかもしれない、もっと保険リスクが大きくなってくるかもしれないということが一つ。それから、支払い責任準備というべきものがあるけれども、実はその資産の内容が、例えば外貨債を持っているとか株式を持っているとか土地を持っているとかいうことで、がたがた動いてくるかもしれない。したがって、その変動に対してどれだけ別途支払い余力を持っているかということがソルベンシーマージンであるというぐあいに、部長は正確に言われたかもしれないけれども、私は非常に大ざっぱに言うとそういうことであろうというぐあいに思うのです。
 それを実は政令に全部任せちゃって、現在においても大蔵省としては計算式をお持ちになっていない。さっき〇・六パーミルとか数字を言われましたけれども、まだ確定をしていないんだと思いますが、現時点においてソルベンシーマージンの計算方式というのは確立しているのでございますか。
#35
○政府委員(山口公生君) 実は、確率論あるいは調査機関の統計等をベースにリスクを定最化しているわけでございますが、何せ今回新しく導入する制度でございまして、今、保険会社に試行していただきまして、その結果を検証する必要がございます。
 それで、この法律を通していただきますと、施行のときにはもちろん間に合わせる必要があるわけでございます。そのときには確定いたしまして省令を公表するということを考えておるわけでございます。
#36
○楢崎泰昌君 つくるときには確定しなきゃいかぬことは間違いないと思います。初めてのことなので御当局としても慎重を期さなきゃならぬということであろうかというぐあいに思いますけれども、法律に書いてない、ただ政令に委任されているということでございますから、そこのところは金融機関におけるBISに相当する数値になってくると思います。すなわち保険会社の信用度の高さ低さを示しているということに相なると思いますので、十分な検証をされておつくりになるように切望をしておきたいと思います。
 次に、ブローカー制度が今回、これは日米交渉で押し込まれたというぐあいに聞いておりますが、ブローカー制度についてちょっと時間の都合があって簡単に御質問しますけれども、今日本にないわけですが、これを導入することのメリットそれからデメリット、これは必ずデメリットがくっついてくると思いますが、それについてどのようにお考えになっておるか、お示しください。
#37
○政府委員(山口公生君) 保険ブローカーの諸外国での活動を見ますと、特に大企業物件を中心に中立的な立場から利用者のニーズに最も適したオーダーメードの商品を媒介しております。したがいまして、現行の損害保険の代理店あるいは生命保険募集人とは翼なる存在意義が認められると思います。一方、デメリットとしましては、万一保険ブローカーが契約者に損害を与えた場合には、保険会社は責任を負いません。したがいまして、契約者保護の観点からその保険ブローカーの適格性等を十分に確保しておかないと、いろいろな事故が起きたときに処理が難しいということがございます。
#38
○楢崎泰昌君 このブローカー制度は日米交渉の中で入ってきたわけですけれども、実はアメリカにおいてもこれは各州立法になっているんですね。それで半分ぐらいの州はブローカー制度がないという実態でございまして、日本においてももちろんやったことはありませんし、おっしゃるように保険会社が最終的に責任を負わないということになると、ブローカーになる方が全責任を負って賠償責任もそこで履行するということになると思います。
 そうなってくると、この制度というのは、導入したのはいいけれども、果たして動くのかいな、また動かす必要があるのかいなと。どうも余計なことを、大変申しわけありませんが、余計な制度を入れたんじゃないかなというような印象も持っているんですけれども、今、ブローカー制度で手を挙げてやりたいなとおっしゃっているような方はいるんでしょうか。
#39
○政府委員(山口公生君) 先進国でございますが、諸外国でもこのブローカー制度が導入されて活躍しておりますので、我が国がこの制度自体に閉鎖的であるというのは国際性からいうと問題があろうかと思います。
 ということで導入を認めていただきたいと思っているわけでございますが、ただ、このブローカーというものが我が国で長い間存在しておりませんので、具体的にだれがやるかというと、まだなかなかイメージがわかないという観点もございますが、例えば外国で活躍しているブローカーは必ず出たいということを言うと思います。それから、非常に大きな企業物件を扱っているような代理店ではそういうことをやってみたいという方はいらっしゃるかもしれない、あるいは商社等でそういうコンサルタント的なセクション等がもしかしたらそういったブローカーになるというようなこともあるかなと。ただ、これはあくまで推測でございますので、具体的にはこれからの、お認めいただいた後にどういった希望が出てくるかというのを聴取したいと思っております。
#40
○楢崎泰昌君 次に、契約者保護基金についてお尋ねを申し上げたいと思います。
 従来の法律が、一つの別の保険会社に強制的に引き継ぎを求めるということ、破綻した場合に引き継ぎを求めるというような法体系であったものを、金融機関の預金保険機構のようなことを想定されて救済のための基金をつくろうということであろうかと思いますけれども、実は預金保険機構は破綻した後にペイオフをやるというようなのが主たる任務で、主たる任務というけれども、現実にはペイオフをやってないんですからそういう任務を果たしていない、それに類似するようなものを事前に保険機構で救済していくという機能を果たしておられるわけですが、この保護基金というのは保険機構と比べてどういうところが違っており、どういうところが一緒なんでしょうか。
#41
○政府委員(山口公生君) 保護基金は民法三十四条に基づいて設立される公益法人でございまして、ペイオフ等を予定しておるわけじゃございませんで、破綻保険会社の保険契約を包括移転したり、あるいは合併、子会社等で救済するような場合に、その救済する方の保険会社に資金援助をやるということで契約自体を守っていこうというものでございます。預金保険機構の場合は認可法人の形式でございまして、強制的な加入で原則的にそのペイオフを規定しておるというものが違うということでございます。
#42
○楢崎泰昌君 これは保険審議会の報告でも、支払い保証等の機能を持つ安全ネットという表現で、将来的にはペイオフ的なものを考慮すべきであるというぐあいに答申をされているように聞いております。
 私は、どうせおつくりになるならそのような形のものもここでイメージされてよかったんじゃないかというぐあいに思いますが、いかがですか。
#43
○政府委員(山口公生君) 支払い保証基金、預金保険機構的な組織で考えてみた場合、例えば保障型の保険と年金のような保険とを同列で扱っていいのかどうかというような問題があります。それから、どの程度で線を引けばいいのか。それから、払い戻しを希望する人と保険の継続を希望する人と両方あるわけでございますが、そういったものをどういうふうに扱うのかというような問題がございます。
 預金の場合は、期限の喪失ということで、一定額まででペイオフという比較的すっきりした形がとりやすいのでございますが、保険の場合は非常に複雑でございまして、死亡保険もあれば年金もあるし、個人保険もあるし団体保険もあるし、それから希望者も、払い戻しがいいという人もいるし契約継続がいいという人もいるし、非常に千差万別で、その辺をよく詰めなきゃいけないという問題があります。
 それから、倒産法制上の枠組みとの整合性、契約者、一般債権者等との利害の調整等、やはり保険審議会でも指摘されておりますが、かなり慎重に検討すべき困難な問題が数多くありますので、今ここに間に合わせるということができない状況でございます。
 ただ、この法律を施行させていただきますと、そういったもう一つのセーフティーネットというものを早急に検討したいというふうに思っておりまして、そういった形での検討を進めていく中でセーフティーネットのあり方というものをより明確なものにしていきたいというふうに思っております。
#44
○楢崎泰昌君 いずれにしても、こういう基金をつくって保険者に対する安心を、金融機関でいえば金融秩序の維持ですね、そういうようなことが図られるのはもちろん必要であるというぐあいに思っています。
   〔委員長退席、理事竹山裕君着席〕
 当初、公的法人という話もありましたけれども、どうも行政整理というようなことで、行革というようなことがあって、むしろ公的法人じゃなくていわゆる民法法人になっちゃったということで、是非は当然あると思います。しかし、現時点でこういう提案がなされていますので、ぜひこれを有効に活動させていただきたいと思いますが、これはどれぐらいの規模のことを考え、資金はいつごろ払い込むということを考えていらっしゃるんでしょうか。
#45
○政府委員(山口公生君) 現在保険業界において検討を進めていただいておりますが、内容的に申し上げますと、生保業界、損保業界それぞれにつずつ基金を設立する。全社加入を目標として、恣意的な加入、脱退を防止する方策を検討する。お尋ねの規模につきましては、各社の負担能力、制度の実効性などを勘案しつつ、生命保険業界では二千億円、損害保険業界では三百億円を一つのたたき台として御検討いただいておると聞いております。運営につきましては、生保協会、損保協会で業務を行うことを基本的な姿として検討していただいております。
 いずれにせよ、さらに具体的な詰めが進められている最中でございます。
#46
○楢崎泰昌君 資金の払い込みは事前ですか、事後ですか。
#47
○政府委員(山口公生君) 一応、事前、事後、事前事後の併用といろいろなケースがございますが、外国の例等は事後のケースが多いということで、そういったことを勘案しながら検討されているようでございます。
#48
○楢崎泰昌君 事後ということになると、事故が発生してから集めるということになりますね。それで、これは実のことを言うと全保険会社強制加入じゃないわけですね、公的法人じゃないから。その点はどういうふうにお考えですか。
#49
○政府委員(山口公生君) もちろん、加入するしないというのは設立時からはっきりさせていただくわけでございますが、仮に事後になりましても、その間、各社から有価証券を基金に預託させておくというようなことでその実効性を損保するということを考えておられるようでございます。
#50
○楢崎泰昌君 厚生省の方、来ておられますか。保険業法の周辺の問題をこれから幾つか議論していきたいというように思います。
 最初に、新聞報道によれば、「「介護」サービスを一元化 社会保障制度再、編、新たな柱に」ということで介護保険について報道をされております。二十一世紀の高齢化社会に向けて、現在、公的介護というのをどうするか。それについて公的な保険を導入しなきゃいけないんだということを議論していただいていると思います。
 いずれにしても、高齢化社会で介護ということが非常に重要な問題になっていることは間違いないんですけれども、厚生省であるいは審議会でこの議論が行われていると思いますが、その状況をお話し願えませんでしょうか。
#51
○説明員(渡辺芳樹君) お答えさせていただきます。
 ただいま御指摘の高齢者の介護問題でございますが、国民の老後生活の最大の安要因として各種調査でも掲げられておるわけでございます。その観点から、国民だれもが身近に必要なサービスをスムーズに利用できる、そのような新しい高齢者介護システムの構築ということが大変大きな課題になっていると認識しております。
 昨年上一月には、大蔵大臣、厚生大臣、自治大臣、三大臣の改めての合意を得まして、新しいゴールドプランということで、高齢者保健福祉サービスの基盤整備を進めていくプランを平成七年度予算から盛り込ませていただきましたが、その際、「新しい公的介護システムの創設を含めた総合的な高齢者介護対策の検討を進める。」ということも合意事項に掲げられております。また昨年の十二月、ほぼ時を同じくいたしまして、学識経験者による厚生省の研究会の報告でも、高齢者の自立支援ということを基本理念といたしました介護に関する諸制度、既存制度を再編成した新しいシステムの創設が提言されております。
 以上のような背景をもとに、先生今お尋ねのように、さまざまな角度から新しい公的な介護システムの検討を進めさせていただいているわけでございます。その主な流れは、本年二月から、さまざまなそれまでの背景や御意見等を踏まえつつ、私ども厚生省の中における老人保健福祉審議会という審議会におきまして、こうした高齢者介護問題に関する審議を開始していただいたところでございます。既に現在まで七回ほど御審議を賜っておるわけでございますが、関係する分野あるいは制度等が大変多岐にわたると思うのでございまして、現段階では、この七回の審議の中で、新しい公的介護システムの基本的な考え方、あるいはその利用の仕組み、あるいは介護サービスの範囲などを議論していただいている状況でございます。
 それらを踏まえて、今後そうしたものを財政的にどのように支えていくかというような御議論にも進むことが予想されるわけでございますが、全体として、こうした新しい高齢者介護サービスの仕組みについて、この国民的課題にどのような具体案でこたえていくかという点につきましては、できますれば本年中には具体的な制度案の基本的な考え方について、この老人保健福祉審議会における御意見はお取りまとめいただきたいというのが私ども事務局の希望でございます。
 昨今、さまざまな新聞報道等もございますが、まだまだ厚生省内でも、またこうした審議会の審議においても議論を一つ一つ進めている段階でございまして、これから一つ一つの検討課題をこなしながら具体的な制度案に近づいてまいりたいと、そういうようなまだ途中の状況であるということを御報告させていただきたいと思います。
#52
○楢崎泰昌君 今、概略御説明いただきましたが、まだ十分な結論を得ていないというお話でございますけれども、いずれにしても、公的保険というものを年内につくりたいということであれば大変結構なことではないかというぐあいに賜っております。
 基本的には、国民生活の基本的な介護について、そういうニーズについて、強制加入ということで国民にそのニーズに伴う給付を行うという点に特徴があるように思われますが、一方で、今度は生保、損保の方ですけれども、豊かな生活の保障は必ずしも公的で十分ではないと。民間にお任せをして、民間で補完をするというような部門があっていいのではないかというぐあいに考えているわけでございます。
 そこで、現在の保険行政の中では第三分野と言っているけれども、実は特約付加の世界であるわけですね。介護保険というものが本格的になっていけば、それなりに第三分野の保険のあり方を変えていかなければならぬというぐあいに思うんですけれども、その点については大蔵省の御感想はいかがでしょうか。
#53
○政府委員(山口公生君) 高齢化社会が進んでまいりますと、介護という問題が大変大きい問題となってきておるわけでございます。今、公的介護についての御検討も進んでいらっしゃるようでございます。ただ、公的なものだけで十分かと言われますと、民間での保険が車の両輪のようにその役割を担うということが想定されるのではないかというふうに思うわけでございます。
 第三分野であります介護につきましても、いろいろ生損ともに知恵を出し、これからのニーズに即応するように、特約の形であれ、あるいは単品の形であれ、いろいろ開発が進んでいくものと考えておりまして、また、そういったものが国民サイドから見ても期待できるものでございます。
#54
○楢崎泰昌君 先ほど第三分野の激変緩和の話がございました。私はそれはそれでやむを得ないというぐあいに申し上げましたけれども、公的な介護保険というものが出発するならば、やはり第三分野については抜本的な見直しを保険業界、そして監督官庁である大蔵省はなさるべきだというぐあいに思っております、激変緩和というようなことで、中小保険会社をかわいがっておればそれでいいんだというようなことでもないし、がん保険で威張っているアメリカの保険会社をそのままぬくぬくさせておいてそれでいいのかということでもあるというぐあいに考えておりまして、第三分野については、これからも問題が随分出てくると思いますので、徹底的な御検討を願いたいと思っております。
 ちょっと局面が変わりますが、同じく厚生省の話ですけれども、厚生年金基金の方おいでになっていると思いますが、これは年率五・五%で計算してあるわけですね。しかしながら、そうはいっても、今のバブルがはじけた後でそれほど大きな利回りが期待できるわけではないと。利差の分をどういうぐあいにするのかねというんで、三年棚上げというような施策が出てきているようで、掛金率は今のところいじらないということのようですけれども、現実には利差がどんどん出ていると。
 それが実は保険業界にも出ていて、新聞を読みますと、生保は新規に企業年金を売っていないようではないかと。期限が来たものの更新についても一部では遠慮したいという動きが出てきているというようなことが報ぜられています。いずれにしても、現在五・五%の利回りですが、昨年の七月ですか、四・五に改定になりました。しかし、実際の九四年度の利回りは三%に低迷をしているというのは、これは新聞記事ですけれども、一%以上の逆ざやを生保としては生じているようだというような観測記事が書かれています。
 お伺いしますと、この四・五%という利払いは政令で決められているというぐあいに承っていますが、調べてみると信託会社であるとか投資顧問というようなところは実績主義なんですね。生保のところだけが政令で四・五%と決められている。政令で決めて固定化していく。固定化していけば、もうけるときはもうけるけれども、損するときは損するということなんだよというお話かもしれませんけれども、このような経済自由化、金利の自由化の時代に、政令で四五と定める、しかもそれが実際の利回りと相当違うということは、私は甚だおかしなことだなというぐあいに思っておりますが、御見解はどうでしょうか。
#55
○説明員(福山圭一君) お答えをさせていただきます。
 厚生年金保険法では、公法人であります厚生年金基金の資産運用につきましては、政令で契約の主要な内容についての規定をすると、こういう仕組みをとっております。
 生命保険の一般勘定での運用につきましても、昭和四十一年のこの基金制度の発足当時、生命保険契約という契約の特性に照らしまして、関係者問の合意に基づきまして政令で保証利率の規定を置くということになりまして、以来、現在に至っているものでございまして、私どもといたしましては、この仕組み自体は現在も合意をいただいているのではないかというふうに承知をいたしておるところでございます。
 この保証利率の水準でございますが、これは御指摘にもございましたように、従来、昭和四十一年の発足以来平成五年度まで五・五%とされてきたわけでございますが、最近の経済・金融情勢の変化等を勘案いたしまして、平成六年度からこれを四・五%に引き下げられたというものでございます。
 この保証利率でございますが、保険契約という特性を踏まえて定められているものでございまして、基金といたしましてもこれを前提といたしまして長期契約をしているというものでございまして、基金の財政の長期的な安定性の確保という観点からは、短期的な経済情勢に応じてこれを頻繁に改正するということはもともと想定されていないわけでございます。
 厚生省といたしましては、現時点でさらに引き下げを行うということになりますと、これは六年度に引き下げたばかりでございますので基金への影響も大きいわけでございまして、なかなかこれは困難ではないかというふうに考えておるところでございますが、当面、四・五%に引き下げました平成六年度の決算あるいは引き下げの影響等をよく見きわめていく必要があるというふうに考えておる次第でございます。
#56
○楢崎泰昌君 厚生省あるいは厚生年金基金の立場からいえばそういう話かもしれないけれども、いずれにしても、公定歩合一%のこの世の中で四・五%の利回りを保証しろ、しかもそれを政令で決めると。法律じゃないですよ、政令で決めるんですよ。そういうのはちょっと悪代官的な感じすら私はするんですよ。
 いずれにしても、私が先ほど申し上げたように、確かに年金というのは長期的な運用が必要ですし長期的な見通しが必要でしょう。しかし、それを政令で決めるというのはいささかおかしいなと。相対契約でお決めになれば、それは生保なら生保が損を覚悟してお引き受けになる、それはそれで結構ですよ。しかし、行政改革で自由化が進められているときに政令で決めるというのはちょっとおかしいというぐあいに思っております。
 厚生年金の立場は立場として、そのようなことがあるというぐあいに理解しますが、いかがですか。
#57
○説明員(福山圭一君) お答え申します。
 厚生年金基金は法律で信託銀行か生命保険に必ず運用を委託しなければいけない、こういうことになっておるわけでございまして、この場合の生命保険契約の一般勘定でございますが、信託などの厚生年金基金の他の運用手段との比較で申し上げますと、例えば基金側から運用方針の提示ができないとか、それから他の利回り保証のある資産、そういったものとも合国運用をされるということとともに、保証利率が政令で規定をされているという特性を持っているということでございまして、これを見直すということになりますと、やはり他の運用手段との関係とか基金の運用の仕組みも含めた議論が必要となってくるのではないか、私どもとしてはこういうふうに考えておるところでございます。
#58
○楢崎泰昌君 先ほど申し上げたように、厚生省あるいは厚生年金側としてはそういう御要望があるということはよく理解をいたしております。またそのようにやらなきゃいけないでしょう。しかし政令で規定するのはおかしいなということを御指摘申し上げているんで、その点についての御検討をさらにお願いをいたしたいと思っています。昭和四十一年にできたというのは、もう三十年たっておるんですから、いいかげんにやめたらどうですかと、こういう話でございます。
 さて次に、やはり周辺の問題ですけれども、簡易生命保険について若干のお尋ねを申し上げます。
 この保険二法は簡易生命保険については全く適用除外でございます。そこで、簡易生命保険は簡易生命保険としての分野で独立して物事を考えておられるけれども、大体において損害保険あるいは生命保険の分野と同一のことを管えてやっておられると思うんですけれども、実は、最近簡易生命保険のシェアがだんだん大きくなってきている。これは郵便貯金についても同じようなことが言われているわけですが、私は官業が民業と競争して大きくなっていくというのは大変結構なことだとは思っているんですね。要するにまじめにやっておる、あるいは一生懸命営業努力をしておるというようなことかなということも感じるんです。
 現在、保険料収入だけで見ますと民保が一〇〇に対して簡保が六四になっているんですね。この間そのことを郵政省に申し上げたら、誤解を招くからそういうことを言わないでくれ、全体の収入の中で何%簡保があるかということを言ってくれと。これは三六あるんです。そのような状態の中で、平成元年から今年に至るまで非常に毎年累進をしておられると思うんです。
 私は、簡保が一生懸命事業活動をやること自体は、もちろん否定はしないんですけれども、やはり官業は民業を補完する存在であるということを忘れて運用してはならぬというぐあいに思っているんです。特に経理面では、法人税それから固定資産税等々、事業税もしかりですが、そのようなものが全部免除になっている。しかも国がその責任保証をしているということです。非常に有利な立場に立っておられる。それから郵便と貯金と簡保をまず本体で兼営しているんです。保険業法じゃ考えられない話です。それを兼営しているというような、メリットなのかデメリットなのがよく知りませんけれども、そういうようなことをやっている。
 そしてさらに言えば、経営の基盤については先ほど御質問したソルベンシーマージンとかそういうことは考えていない。準備金についても、保険会社についてはございますけれども簡保についてはありません。それから責任準備金の積み方も違う等々の問題点があるわけですけれども、特に財産の評価の化方ですね、一般企業は時価主義になっていますけれども、これは簡保だけじゃなくて政府の多くの機関がそうなんですけれども、原価主義をとっておられるわけですしそのために資産の状況が十分ディスクローズされていないという問題があるわけでございます。
 それで、いやそれは政府の関係機関だからいいんだよというようなお話があるかもしれませんけれども、実は簡保の場合には外貨債の保有が三兆七千億円。そして株式、手として信託会社の指定単を通じて持っておられる株式ですけれども、それが十兆三千億円。ところが、それについての評価は原価主義になっているので十分な健全性についての表示がなされていないという感じがするわけです。
 これは原価主義ですから、あべこべを言うと膨れ上がるときももちろんあるわけですね。今、日本経済が非常に落ち込んでおり資産が原価を割っている、そういう時代になっているから特に問題になるわけですけれども、そういうような状態を見ると、簡易生命保険が現在収入金額が民保一〇〇に対して六四になっている、全体からいっても三六になっているというような事態で簡保があぐらをかいているのは問題があると思いますけれども、郵政省来ておられますね、御答弁を願いたいと思います、
#59
○説明員(小林利夫君) シェアの問題についてお答えいたします。
 簡易保険と民間保険のシェアにつきましては、いろいろな比較の方法が考えられるわけでございますけれども、例えば個人保険の保有契約件数で見ますと簡易保険のシェアは約三割でありますが、個人保険の保有契約金額で見ますと約一割という状況であります。また、これらのシェアは安定的に推移しております。したがって、簡易保険のシェアが民間保険に対して非常に大き過ぎるということはないのではないかというふうに考えております。
#60
○説明員(藤岡道博君) お答え申し上げます。
 先ほど先生の御質問の中で、会計基準と申しますか、その点についての御質問がございました。私ども現在八十三兆円の資金を運用しておるわけでございますけれども、先ほど先生のお話の中にありました外貨債につきましては、現在、私どもの簡易生命保険特別会計の貸借対照表がございますが、その欄外に、為替評価損益という形で低価法の考え方を反映させたようなものを現在やっておるわけでございます。
 二点目に、いわゆる指定単運用を通じました株式の運用について、時価主義と申しますか、そういったものを採用するべきではないかというふうなお話というふうに承りましたけれども、先生御承知のとおり、仮に私どもそれを採用することになりますと、指定単運用自身、私ども以外にも国の機関で運用しているところもございますので、いわゆる国の会計制度全体との整合性を検討する必要があるということでございます、
 したがいまして、今後その問題について仮に検討する場合にも関係の省庁間で調整をする必要があるというふうに考えておりますので、その点につきましては今後慎重に検討してまいりたいというふうに考えております。
#61
○楢崎泰昌君 今、二人の説明員から御答弁がありましたので、実はもう少しやりたいんですけれども、ほかの質問もありますのでそこのところはそこでとめておきたいと思います。
 最後に、簡易保険加入者の会というのがございます。実は加入者の会が火災共済に類した行為を、火災共済とは言いませんが、火災共済に類した行為をやっておられるやに聞いているんですが、いかがでしょうか。
#62
○説明員(鈴木康君) ただいま先生お尋ねの災害見舞い制度でございますけれども、財団法人簡易保険加入者協会というのがございまして、昭和三十八年以来、当財団の寄附行為に基づきまして災害見舞い制度を実施しているところでございます。
 この災害見舞い制度でございますけれども、簡易保険加入者の有志をもって構成されます簡易保険加入者の会の会員という特定多数の者を対象といたしまして、この会員がそれぞれ基金を出し合いまして、そしてその会員が不慮の災害に遭ったとき、あるいは同会の発展に非常に功績のあった方が亡くなられたときに見舞いの金品を贈呈いたしまして相互救済を行うとともに、あわせて簡易保険事業の普及発展に寄与していこうということを目的として行われているわけでございまして、保険制度とは異なるものではないかというふうに認識しております。
 なお、当事業の運営に当たりましては、あくまでも会員相互の救済を図る見舞い制度の趣旨というのを十分踏まえまして、この趣旨を逸脱しないよう自戒いたしまして、慎重に対応するよう当財団を指導してまいりたいというふうに考えております。
#63
○楢崎泰昌君 先ほど郵政省の説明員の方が、私は肥大化しているとは思わないよというぐあいにお話がございましたけれども、簡易保険加入者の会を見ていると損害保険のところまではみ出しているような感じすらございます。ただこの問題は、きょう議論するのじゃなくて、後日また改めてやりたいと思っております。
 そこで、もう一つ保険業法の周辺の問題についてお伺いしたいと思うんですけれども、農協共済ですね、これは損害保険、火災共済、生命共済等々おやりになっておられますけれども、これも実は保険業法から除外をされている。すなわち、これは共済である、保険業ではないということでやっておられるわけです。ではあるんですけれども、ちょっと調べさせていただくと、自賠責との関係ですね、自動車損害賠償責任保険と自動車の任意保険との間でちょっと不思議なことを発見いたしました。
 と申すのは、自賠責というのは税金みたいなもので、強制的に加入をお願いしているものでございますね。ところが自動車保険というのは任意である。だから、自賠責の方は余り商売にお使いになるのは適当ではない性質のものなんですね、保険料そのものは税金みたいなものですから。ところが、自賠責共済と自動車任意保険に農協でセットで御加入になりますと、自動車共済の掛金を割り引きます、自動車共済に入ってくれればこちらの方の共済掛金を割り引いてもいいよと。自賠責を何か商売に使っているというような感じがするんですがね。農水省の方、来ておられますか、どういうぐあいにお考えでしょうか。
#64
○説明員(米田実君) 御説明申し上げます。
 自賠責共済と同時、あるいは自賠責共済に加入後に任意の自動車共済に加入した場合でございますが、こういう場合におきましては、任意の自動車共済の事故処理などが自賠責の共済と一括して円滑に行われる、こういうことによりましてその事務処理経費が低減できる、こういうことから任意の自動車共済について割引が行われているところでございます。したがいまして、先に任意の自動車共済に加入した後に自賠責共済に加入した場合には、当然でございますが割引はされない、こういう仕組みでやっております。
#65
○楢崎泰昌君 仕組み自体としてはわかりましたけれども、自賠責共済の趣旨には著しく反しているのではないかというぐあいに思います。さらに別の機会に質問いたしますから、御検討をいただきたいと思います。
 それからもう一つ、共済をやっておられる折として、全労済が生命保険、火災保険、それから自動車保険等々をおやりになっているわけですね。全労済というのは職域支部とそれから地域支部と二つあって、職域支部の方は労働組合等々、地域支部というのは県単位でその県に住んでいる人はだれでも加入できるよと、こういう仕組みになっているように見えます。
 しかし、共済は、すなわち相互に組合員が補助し合って互助の精神を持ってやるものである、それは企業ではないから税金は二七%だよということで、いろんな特典が与えられているわけですね。要するに不特定多数の者を対象にしない。仲間的団結のもとに全労済というものができているというぐあいに理解をするんですけれども、最近見ているとテレビにめちゃめちゃに宣伝を出しているんですね。
 私のうちにこういうチラシが入ってきました。折り込みです。要するに一般大衆を、不特定多数を相手にしているんですよ。小さくやって、百人程度あるいは千人程度でお互いに助け合おうやというならそれはそれでいいかもしれないけれども、不特定多数を相手にしてじゃんじゃん広告宣伝をして、私のところに入りな、しかし税金は二七%だよというのはいかにも不条理ではないか。
 お伺いすると、組合員になる資格というものは百円だそうですよ。組合員になるには百円を銀行の窓口でぽんと払い込めばすぐ組合員になれる。何やっているんだ、そんなもの共済と言えるのか、共済なら共済らしくやれと。さっきの話じゃないんですけれども、御商売に熱心なのは私はいいと思いますよ。しかし、共済という枠の中で事業をなさるならば、それなりに襟を正し、たたずまいをしっかりしてやるべきであって、このような不特定多数を相手にするような業態をやってもらっちゃ困る。監督官庁は厚生省ですけれども、業務方法害その他で規制をすべきじゃないんですか、いかがでしょう。
#66
○説明員(高山康信君) お答えを申し上げます。
 まず、広告のことでございますけれども、生協は、御承知のように、地域と職域における人と人とのつながりを基礎とする相互扶助組織でございまして、一定の地域や職域に属し、組合の運営を担おうという意識を持つ者はだれでも出資金を払って組合員になることができるとされております。
 そのため、生協の広告は組合員を対象に行うのが原則でございますけれども、組合員になれる資格を有する者に対して生協の活動を広告宣伝し、加入呼びかけを行うことにつきましては特に問題がないと考えております。ただ、厚生省といたしまして、生協が組合員だけでなく非組合員に対しても広告宣伝行うような場合は、従来から組合の理念や運営原則に重点を置いて行っていただくように指導しているところでございます。
 また、百円の問題でございますけれども、出資金は、組合員がその管理運営に参加するのが原則でありまして、応分の責任を負うために生協法上出資金を組合に対して払い込むことが義務づけられておるわけでございます。
 出資金額については、組合が組合員の総意に基づいて決定いたしまして定款に規定することになっておりますけれども、生協法では、加入は、資格のある方については加入の自由の原則のもとに、現在の組合員が加入の際に付されたよりも困難な条件を付してはならないことや、出資一口の金額は、組合員たる資格を有する者が通常負担できる程度とすることを規定しているところでございまして、このため百円ということが直ちに生協法に違反するということではございません。
#67
○理事(竹山裕君) 楢崎君、時間が来ておりますから簡潔にお願いします。
#68
○楢崎泰昌君 御注意がございましたので。
 いずれにしても、地域支部というのは全県を単位にしていて各県ごとにつくってある。要するに、全国をカバーしてだれでもなれるよと。だれでもなれるのはいいのかもしれないけれども、テレビでやるとかチラシで各戸に配布するなんというのはおかしいじゃないかということを指摘しておきます。
 それから、最後に地震保険についてきょうはしっかりおやりいただくようにお伺いしたかったんですけれども、時間が参り、委員長から御注意を受けておりますので、これで質問を終わります。
#69
○峰崎直樹君 それでは質問に入らせていただきますが、最初に大蔵大臣にお聞きしたいと思います。
 一九八一年の銀行法の改正といいますか、あるいは円・ドル委員会といいますか、そういう意味で、金融の自由化と言われているものがいよいよ進んでここまで来たわけでございます。金利については昨年の十月でほぼ自由化は完了した。
 この保険業法の改正というのは本当に五十六年ぶりの大改正でありますけれども、その意味で金融の自由化はいよいよ最終場面まで来たわけでございますが、この間の金融の自由化を進めてきた日本の金融行政、これについて、時間も余りないわけでありますが、感想的で結構でございますので、どのように総括をされているのかということについてまずお聞き申し上げたいと思います。
#70
○国務大臣(武村正義君) おっしゃるとおり、昭和五十六年から、銀行法等の改正が行われたことによりまして我が国の金融制度全般の改革の時期に入りまして、今日に至っているわけであります。
 銀行法等の改正では、御承知のように、安定成長への移行、国民ニーズの多様化、国際化の進展、こういった経済・金融環境にどう対応していくべきかということが大事なテーマでありました。さまざまな改正が行われたわけでありますが、現在までも続いております、いわゆる相互乗り入れとも言われておりますように、銀行、証券、信託、この三分野における相互乗り入れに踏み出したわけであります。
 そして今回、ようやく生損保の大改革を法律でまとめさせていただいて、こうして国会に御提案をさせていただいているところでございまして、過去のさまざまな答申等からいたしますと、ユニバーサルバンクという言葉があるようでございますが、銀行、証券、信託、そして生命保険、損害保険、こういう全体をとらえた総合的な金融機関をつくっていこうという考え方があるわけでございますが、まずは第一段階、先ほど部長も答弁いたしましたように、一挙にやることについてはやはりさまざまな心配がございますから、着実に段階を踏んでやっていこうという方針を踏まえて今日に至っているということであります。
   〔理事竹山裕君退席、委員長着席〕
 そういう意味では、今回の保険業法の成立て完成したというふうには言えないわけでありますけれども、生損保につきましても、まずこの二つの業界の相互乗り入れをこの法律で考えているわけでございまして、こういった第一段階の定着を見ながら、さらに第二段階を将来は踏み出していこうという気持ちを持っているところでございます。
#71
○峰崎直樹君 一九八一年から始まった金融制度を含む資本市場の改革という中で、実は重大な問題が発生しているわけです。いわゆるバブルの発生です。
 先日も予算委員会でお話し申し上げたんですが、このバブルの責任ということについて、ある意味では自由化と言われているものがきっかけになりながら、非常に大きな問題を私はもたらしてきているように思うんです。きょうは保険業法の改正の議論でございますから、そのことについては触れるつもりはありませんが、金融制度、あるいは資本市場、金融の自由化と言われているものについてのきちんとした総括をどこかでやはり進められるべきじゃないかなということだけ提言をしておきたいというふうに思います。
 私自身は、金利の問題は別にいたしまして、まあ金利もそうなのかもしれませんが、従来の金融制度には大きくやはり二つ欠陥があったのではないか。一つは、競争が非常に不足をしていた。それから二つ目は、各制度間の仕切りが非常に厳しくあって、そのために新しい創意工夫の芽が十分に出てこない、こういう点があったんだろうと思うんです。
 その点で、今回の保険業法の改正において、この競争あるいは制度の仕切りの問題、こういったものがどのように変えられていったのかということについて以下でいろいろと質問をしていきたいわけでございますが、たしか午前中しか主税局長おられないということで、きょう昼から税制調査会があるということなので、先に税制の方からお話ししていきたいと思うわけでございます。
 と申しますのは、これから生損保相互乗り入れをするということになってまいりました。そういたしますと、これは税の世界で、租税特別措置の中でも大変大きな問題になってまいります課題の中に生損保控除の問題があるわけであります。しかも、その生損保、同じような商品を開発してまいりましたが、片や生保の方では年末の控除の際に五万円、片や損保の方では一万五千円。こういうことで、同じような商品を開発していながら片方では五万円の控除しかない、片方は最大一万五千円までである。こういう意味ではイコールフッティングじゃないじゃないかという御指摘を受けるわけでございますが、この点について主税局長の御見解をお聞き申し上げてみたいと思います。
#72
○政府委員(小川是君) 生命保険料控除につきましては、御案内のとおり昭和二十六年にかつてありました制度をいわば復活いたしたものでございます。片や損害保険料控除は昭和三十九年に創設されたものでございます。生保控除は大正時代から大変歴史のあるものでございまして、もともと保険思想の普及と申しますか、保険の奨励ということが非常に大きな眼目になっておりました。損害保険料控除を設けますときの議論も、そうした生命保険と違いまして、主として財産に対する補てんであるというところからおのずから違うのではないかということ、さまざまな議論の末設けられ、そして昭和四十九年以来現在の五万円と一万五千円の控除額になっているという沿革があるわけでございます。
 近年における税制調査会における議論といたしましては、むしろ租税特別措置を全般的に縮減すべきであるという議論がございますが、なかんずくこの保険料控除につきましては、保険思想の普及あるいは保険契約の普及、奨励という観点から見れば、世界一の保険国であり、そして非常に多くの保険の普及、保険料控除の適用から見て、既にこれは十分満たしているのではないか。
 もう一点は、今御指摘のありましたような、保険と申しましてもやはり貯蓄性、他の資産との選択の観点が非常に強まっているわけでございますから、そうした観点から見ますと、マル優も廃止されまして、金融商品間の中立性といったような問題が強く指摘されているところでございまして、こうした観点から、負担の公平あるいは税制の簡素化、また現下の財政事情等を勘案しながら総合的に検討を進めていくべき課題であるというふうに思っているわけでございます。
 この点につきましては、このところの税制調査会の御指摘と私どもの問題意識ともに一致しているところでございまして、今後検討をしていかなければならないと思っている次第でございます。
#73
○峰崎直樹君 確かに普及率が非常に高まった、そういう意味で、その点についてはもう必要性がないのではないかという意見があるのは私もよく存じているわけです。ただ一方で、今最後に出ました貯蓄性の問題について、本来ならこれは厚生省に聞くべきかもしれませんが、いわゆる現行保険制度の中に非常に救われない層がいるんではないか。
 と申しますのは、基礎年金があり、厚生年金基金あるいは国民年金基金というものがある。しかし、国民年金には入れるけれども、国民年金基金には救えない層も実はいるわけであります。そうすると、現在それらの保険料というものはすべて所得控除になっているわけです。公的な分野というよりは、どちらかといえば私的な分野に属するところまで実はこれが所得控除されている。片方でそれに入れない属がいる。やむなくそれが私的保険である貯蓄性保険に入ったときに、実はそれは五万円までしか控除されませんよということでは、これ自身が実は大変制度の欠陥としてあるんではないか。
 むしろ税の世界でいえば、いわゆる支出税、エクスペンディチャータックスと言われている支出税の世界でそういうものをずっと控除をしている。しかし、実は年金が支給される段階になったときには、御存じのように四人世帯で、四人世帯というのはちょっと表現がよくないんですが、二人世帯でもほとんど税がかからないような大変な控除になっている。そうすると、これはいわゆる支出税でもないというような非常に欠陥を持っているんじゃないか。そういうものを含めて、むしろこの私的保険である保険の控除をもっと高めるべきではないか。特にいわゆる貯蓄性の年金についてはそれを高めるべきだという意見があるんですが、この点についてはどのようにお考えになっていましょうか。
#74
○政府委員(小川是君) ただいま御指摘の点は大変幅広い問題を包含していると存じます。現在の税制では、確かに公的年金につきましての掛金について所得控除、全額控除をする。掛金段階で申しますとそのことと、もう一つは、個人年金保険料につきまして生命保険料控除と別枠で控除をしているという制度があるわけでございます。こういう形で個別の形で入ってきているわけでございますが、確かに、例えば国民年金基金のように、相当多額の国民年金制度でありながら任意で入れて、しかも全額所得控除できるというものをどう考えたらいいのかという問題もあるわけでございます。
 したがいまして、一つは老後生活を支えるための公助と自助、公的な助成とみずから助けるものとの役割分担のあり方が一つ問題であると思います。それから世代間の負担の問題、及び同じ高齢者の間でも所得の大きい人、小さい人、資産の大きい人、少ない人あるわけでございます。そうした人々の間の公平確保の観点などを勘案しながら、しかも今御指摘の公的年金、私的年金の間をどういう役割分担をし、拠出、運用、受け取りの各段階において税制がどう対応したらいいかという幅広い観点から総合的に検討していかなければならない課題であり、この点もまた税制調査会で実は指摘を受けているところでございます。
 おっしゃられる点は、したがって問題として十分受けとめなければならないと思っているわけでございますが、どこかの部分を、今一番最も優遇されていると考えられるところに全部を合わせていくという考え方はとるわけにはいかない。むしろ、時代的な背景でそういう制度になっているものを今日的あるいは将来を見据えでどのように整合的に見直していったらいいかという問題の御指摘として受けとめさせていただきたいと思うわけでございます。
#75
○峰崎直樹君 ぜひとも、この問題について税制の世界でも議論をし、結論を出していただきたい。とりわけ、公平性という観点からよろしくお願いしたいというふうに思います。税の質問はこれでございますので、午後からもう結構でございます。
 実は、先ほど来、私の質問しようと思っていることについてかなりダブって質問をされましたので、これからの質問はその答弁されたことを受けて再度質問するということになりますので、あらかじめ通告していたこととは異なる場合があるということをあらかじめ了解していただきたいというふうに思うわけでございます。
 そこで、先ほど来お話を聞いていますと、今回の保険業法の改正の意義というのは一体どこにあるんだということをつくづく思うわけであります。保険業界の方々あるいはブローカーとか、保険業法と名がついている関係上、当然その業界に関係する方々のあり方についての整理をされているんだろうと。
 しかし、考えてみると、利用者あるいは消費者、この利便がどう向上するかということが私はやはり最大の目的でなきゃいけないはずだというふうに思うわけです。どうもその点がよく見えてこないんです。ついては大蔵省、保険業法を改正される際に、利用者のニーズとか、通常いわばマーケットリサーチという、そういうことは一回でもおやりになったことはあるんでしょうか。
#76
○政府委員(山口公生君) 今回の保険制度改革に当たりまして、約六年間にわたりまして審議会等でいろいろ御議論をいただいたわけでございます。その審議会の場でも消費者の立場からの御発言もたくさんいただきまして、業界の立場だけではなくていろんな角度からの御意見を賜り、それで国民の、あるいは利用者のサイドからの改革でもあるという姿にさせていただいたつもりでございます。
#77
○峰崎直樹君 その点は、具体的に個々の内容に即してお話をしなきゃいけない点だろうと思いますので、内容的な問題を先にお聞きしたいと思います。
 さて、総論的なところからまずお聞きしたいわけでありますが、現在保険業界を見てみますと、とりわけ生保が少しバブルの影響がひどいように思われますが、この業法改正によって競争は確実に私は激化すると思います。そうした場合、企業が倒産をするということは当然予想されているだろうというふうに思うのであります。先ほど来セーフティーネットの問題が出ているわけでございますが、この間いわゆる銀行関係の問題については、倒産は事実上させているということはあるわけでありますが、ペイオフはしていないということで、例の預金保険機構は発動されているわけでありますがペイオフはしていない。
 ずっと考えてみると、とにかくこれからの自由化という時代は競争が激しくなり、その競争に敗れたところは当然倒産するんですよ。倒産するということを、大蔵省や日銀などが本当にそれはあり得るんだということをあの二信用組合の場合には当然進めてしかるべきではなかったかという意見があるわけであります。
 今後、この業法改正によって大変競争が激化をする。そのときに倒産ということが起きた場合は、後で法人格をつくってそれぞれ業界でやらせる団体を設定しているとおっしゃっていますが、そのことが起きた場合には当然倒陸という事態は予想し、それに対処するための仕組みも十分考えているということについて、この点はそういう理解をしてよろしいのかどうなのか、そこはドライに考えていいかどうか、この点をまずお聞きしたいと思うわけであります。
#78
○政府委員(山口公生君) 今回御審議をお願いしております保険制度改革によりまして競争がかなり激しくなるということは御指摘のとおりだというふうに思います。その競争がひいては適正な競争でもって国民の利益になるということをねらいとしておるわけでございますが、一方で、保険会社にとりましては非常に厳しい状況に陥るケースも出てくるだろうということは当然予想しなければならないと思うわけでございます。
 ただ、会社としては倒産の危険性があるということでございますが、保険契約そのものまでだめにしてしまうとなりますと契約者保護上大変問題だということで、先ほど来お願いしてございます契約者保護基金のようなものをつくりまして、セーフティーネットという形で保険契約は救おうと。ただ、会社そのもの、あるいは会社の経営陣そのものというものは、倒産という形でしょうか、なくなってしまうということも当然考えておかなければならないと。会社自身を全部生かしていくという考え方はもうとれないだろうということは先生のおっしゃるとおりだと思います。
#79
○峰崎直樹君 そうすると、保険契約でも、私たちが入っている個人の生命保険も重要だと思うんですが、法人の保険だとかさまざまな巨大な保険契約もあるわけでございます。それらも含めて全部それは契約を保護してそのまま移行すると。ちょうど二億組の問題で問題になったように、一千万円を超えて大口の部分も全部移管をしたということで随分問題になったわけですが、大口であれ小口であれ、とにかくそういうものについては保険契約は移行させるように、現行法もあるんですか、憲法違反だと言われているような、いわゆる倒産した企業の契約を全部引き継ぐということを大蔵大臣が命令できるようなことがあるようでありますが、今回はその命令規定はないにしても、そういうことは全部考えられているということなんでしょうか。
 その答えを聞いて、十二時でございますので、午前中は終わりたいと思います。
#80
○政府委員(山口公生君) 保険契約の継続というのが最も大切だということでございまして、保険契約者保護基金ということでできるだけその契約は生かすということを考えております。ただ、相互扶助のその仕組みをつくりましても足りないというケースだってそれはあるわけでございます。その場合には、その会社の契約している方々が合議でもってその契約を削減するという規定もオプションとしては残してございます。
 したがって、丸々全部必ず救うということをお約束できるわけじゃございませんが、できるだけそういった被害を少なくするという手だてはとっていかなければならないだろうなと思うわけでございます。といいますのは、保険契約といいますのは、確かに自己責任という面を追求することはできるのでございますが、例えば三十年の契約で三十年前にその会社が悪くなるということが予測できたのかどうかというような問題だってあるわけでございます。
 それから、大口小口の話をおっしゃっていただきましたが、大口保険は保護しなくていいのかという議論になりますと、いろいろ私ども調べてみましたら、大口だからといって必ずもお金持ちが余裕を持って入っているものだけではないと。例えば、中小企業の事業主が借金しているのでかわりに保険に入っておいてくれといったときには、二億円、三億円という保険は入らざるを得ないということもあるわけでございます。そういったものを大口だからといってだめだというふうに切るわけにいかない。
 それから、保険そのものは、大口であれ小口であれ、そういう人たちが集まった相互扶助の仕組みでございますので、一部だけ取り外してしまうというのはなかなか難しいという面がございまして、一応大口小口の別なくできるだけのセーフティーネットの救済はしようという考え方で今御審議をお願いしているということでございます。
#81
○峰崎直樹君 午前中はこれで終わります。
#82
○委員長(西田吉宏君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時まで休憩いたします。
   午前十一時五十八分休憩
     ――――◇―――――
   午後一時六分開会
   〔理事竹山裕君委員長席に着く〕
#83
○理事(竹山裕君) ただいまから大蔵委員会を再開いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 本日、久保亘君が委員を辞任され、その補欠として藁科滿治君が選任されました。
    ―――――――――――――
#84
○理事(竹山裕君) 休憩前に引き続き、保険業法案及び保険業法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案の両案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#85
○峰崎直樹君 午前中に引き続いて質問したいと思いますが、独禁法の関連を先に質問させていただきたいと思うわけであります。
 三月十日付の日経新聞によりますと、保険業法の改正に伴い独禁法の適用は厳しくしたい、これまでの独禁法の適用除外は自賠責などに限定をしていきたいというふうに報じているわけでありますが、この点については私もかつて予算委員会で、どうも大蔵省の管轄をする分野が大変ある意味では独禁法の適用が弱いんではないか、それはひとえに大蔵省出身の公取の委員長がずっと続いているからではないか、そういうふうに言われないように逆に厳しくしなきゃいけないのが公取の立場じゃないか、こういうことを申し上げたことがございますが、そのあたりを含めて、この点についてどのように考えておられるのか明らかにしていただきたいと思います。
 なお、この点については後で大蔵大臣の方からも、あるいは大臣でなくても構いませんので、大蔵省からこの点についての御見解があればお聞きしたいと思います。
#86
○説明員(寺川祐一君) 保険業界におきましては、事業法などによりまして価格規制等のさまざまな政府規制が行われている産業でございまして、一般的にこういうような産業におきましては横並び的な企業行動が行われやすい側面が出てくるという弊害もあるかと思います。そういう観点からも、こういう業界におきましても独禁法の適用範囲が広がること、それから競争政策が推進されるということが重要だと考えております。
 このような観点から、特に保険業法におきます損害保険につきましての独占禁止法の適用除外制度、これは損害保険における独特の事業の事情等がございまして今後とも適用除外というのは認める方向にございますが、新聞の報道にもございましたように、その運用に関しましては、従来なかった公正取引委員会のかなり厳しい関与規定を設ける等、今後は厳正に運用されるよう改正がなされることとなっております。
 公正取引委員会としましては、このような保険制度改革に伴いまして保険分野におきましても独占禁止法の適用される範囲が拡大すると考えられますことから、各保険会社間で一層活発な競争が行われるよう関心を持って注視していくとともに、保険分野におきましてもし独占禁止法違反行為が認められる場合には、厳正に対処する所存でございます。
#87
○政府委員(山口公生君) お答え申し上げます。
 今回、保険業法の改正をお願いするに当たりまして、独占禁止法の適用除外問題につきましてもかなり抜本的に見直しをさせていただきました。公取とも十分なすり合わせをやらせていただいたわけでございます。
 若干詳しくなって恐縮でございますが、現在の保険業法は第十二条の三というものがございまして、ここに独禁法の適用除外制度というものが認められておりまして、「協定、契約其ノ池ノ共同行為」ということで、例えば海上保険、航空保険、自賠責保険及び家計地震保険についてあらゆる形態の共同行為は独禁法の適用除外だ、こういうふうになっておったものを、今度の改正法案百一条では、航空保険、原子力保険、自賠責保険及び家計地震保険については、その事業の固有の業務につきあらゆる行為の共同行為ということで、表現は非常に似ておりますが、その範囲をぐっと狭めまして、どうしても必要な共同で受けなければならないような大きな保険、あるいは強制的な保険というものに限っておるわけであります。
 そのほか、その他の保険事業につきましても、現行の十二条三では共同保険、再保険について独禁法除外になる共同行為を列挙しておりましたが、これをまた新しい百一条ではかなり制限的にいたしまして、共同行為として認められるものも、再保険プールに係るものであって、しかもその共同行為が具体的にかなり制限された形で書き込まれております。
 このように、独禁法との関係で保険業法もかなり見直しをいたしまして、それで独禁法の観点から問題ないものに限定した形でやっております。
 さらに、算定会制度につきましても、先ほど御説明申し上げましたように、自由度を増すという改革をやらせていただいたところでございます。
#88
○峰崎直樹君 それで、具体的に算定会の問題についてお聞きしてみたいと思いますが、公取の方は、算定会で出されたものについて、今度は認可ではなくて届け出になるんですか、商品によっては。算定会で例えば、これは大数の法則でしょうけれども、地震の発生件率だとか火災の発生件率だとか、そういうものがそこで決まったと。それを採用することについては独禁法の除外になるわけですか。
 そのときに、先ほどの答弁をお聞きしますと、いわゆる純保険料と経費部分とある。純保険料のところはこれまでのように各保険会社が採用しなさいよ、経費部分については付加保険料であるから自由にやってよろしいと。そうすると、これからのものについては、純保険料について各社が同じように、談合と言ったら変ですが、話し合って算定率の数字を使ってよろしい、それ以外のものの経費部分は一緒に話し合って決めてもらっちゃ困りますよと、こういうことになるんですか。ちょっとそれは公取の方へ先にお聞きしてみたいと思います。
#89
○説明員(寺川祐一君) 今回の損害保険料率算出団体に関する法律の改正におきまして、私どもの方で理解しておりますのは、これは現行制度から弾力化される特定種目、今聞いておりますのは、主に今後企業向けの火災保険等において適用されるという特定種目につきましては、今先生御指摘のとおり純保険料率、これはそれぞれの損害保険の対象となる事故率等を勘案して考えられるものでございますが、これらについては、各保険会社の情報を集めたデータに基づく算定会が算出した純保険料率を一律に適用する。各保険会社の営業費用等に係ります付加保険料率に関しましては、かなりの程度白歯度を持って運用できるようにされるというふうに伺っております。
 特にこの特定種目におきましては、従来も、営業保険料率全体を算定会が算出しましてもある根皮の幅が設けられております。したがいまして、その幅の範囲内で各保険会社が一定の保険料率について協定を行っていいということは決してございませんで、もしそういうことがあれば独禁法上問題になるわけですが、さらにその範囲が拡大されるということでございますので、そうなればより各事業者によって自由に料率を決める範囲は広がると思います。
 そのような料率の自由化が進められる中で、各保険会社で最終的な営業保険料率が協定されるということがあれば、これは当然独禁法に基づいて厳正に対処していくべきものだというふうに考えております。
#90
○峰崎直樹君 今度は保険当局にお聞きしたいんですが、認可と届け出があるわけでありますけれども、多くの部分まだ認可が残っておると。その場合に、この純保険料の料率を守るということは、これは認可をする場合の大前提になるわけですか。
 つまり、もっと言いますと、この純保険料に私の会村は応じない、そういう商品をつくりたいということで届け出たときに、認可する商品であれば、これは認可をしないということになるんですか、それはどのようになるんでしょうか。
#91
○政府委員(山口公生君) 算定会が算出しました純保険料率につきまして使用義務を課しておるわけでございます。それは、各柱のデータを集めて大数の法則に基づいて客観的に確率計算したものがいずれの保険会社にとっても合理的であるということからくるわけでございます。アドバイザリー制度の場合を申し上げますと、付加料率は自由に決めて、合わせて営業保険料率というお客様に提示する料率になるわけですが、それは届け出でいいということになるわけでございます。
 ところが、ある会社におかれまして純保険料率についても自分のところは特別な事情があるので特別に認めてほしいというものがありましたら、その場合は大蔵大臣の認可を得た上で算定会が算出した料率と違う特別純率というものを使用することができるというふうになっておるわけでございます。
 すなわち、算定会という中立的な客観的なデータを算出する組織が出してきた数値をそのまま利用した場合には、その手続としては届け出でいいけれども、それではやれない特別な事情があるというときは、個別にやっぱり審査しなきゃいけませんので認可、こういう形になっておるわけでございます。
#92
○峰崎直樹君 そうすると、ほかの金融商品とこの保険という商品に当たっての自由化というのはちょっと違うのかなという感じがしますね。
 というのは、生命表があったり、人数の法則の数字があったりして、経験的に人体こういうものが統計的に出てきますよというものは、これはとにかく守れ、あるいはこれを大前提にしなきゃいかぬと。そうすると、そこのレベルにおいての協議というのは、これは自由化する以前の問題だと、こういうふうに理解をしてよろしいんでしょうか。
#93
○政府委員(山口公生君) 私が御説明申し上げておりますのはあくまで算定会の対象となるものでございます。自動車、火災、傷害でございまして、一般的に全部の保険・商品がそうだというわけではございません。したがって、算定会というもので扱っておるものについてはおっしゃるとおりでございます。
 それはなぜかといいますと、損害保険は偶然な事故による損害をてん補することを約する契約でありますので、一般の商品とは違いまして、表現が適切でないかもしれませんが、販売の時点で原価が未確定である、つまり幾らコストがかかる商品がわからない、こういう特色があるわけでございます。したがって、将来確定するであろう原価を合理的な手法によって事前に予測してその料率を決めるわけでございます。そこに人数の法則が必要となり、そのために大量のデータを必要とするわけでございます。一社でそれを出そうと思えば出せるかもしれませんが、全国のデータを全部集計しまして、それで人数の法則上これが客観的な数字だということで出しているわけでございます。
 したがって、その限りにおいて恣意的な料率で、はございませんで客観的な料率でございますので、それは一応守っていただくということでございます。それを前提とした後、その経費部分について自由になるというような自由化でございます。
#94
○峰崎直樹君 私もまだよく理解をしていない面があるのかもしれないのですが、私がなぜこういう質問をしているかといいますと、先ほどアメリカの失敗の例を随分指摘されたんですよね。私は日本とアメリカを比べたとき、先日もアメリカに行っていろんな話を聞くうちに非常に日本と違うなと思っているのは、一つは訴訟社会である。何かあれば訴訟が起きてくる。そして弁護士の数も何か日本十倍以上いるというような話。それから非常に契約をしっかりしておかなきゃいけないとか、それから人種問題というのが非常に深刻になっている。それから移民というものが絶えず入ってくる。そういう中で保険制度というものが入っているわけですね。日本は比較的ある意味では公平な社会、公平というよりも余り差のない、しかも単一民族に近い社会だと。
 そうすると、そこにおける保険のあり方というものとアメリカのあり方というのはおのずと違ってくるのではないか。その意味では、アメリカで失敗したからとか、アメリカでどうだからといっても、日本の国情といわゆる社会の階級、階層構造からして、余り画一的にアメリカとの対比だけで私は考えるべきではないんではないかなと、
 その意味で、ともすればこれまで業法によってその業界を保護してきたという性格が非常に強いわけですから、できる限りそこを自由化するというときは、いろいろ困難な問題、どうしても守らなきゃいけないものがあるにせよ、私はできる限り自由化をしていくべきなんではないかというふうに考えているんですが、この点いかがお考えでしょうか。
 その点と関連して、算定会というような制度は日本以外にもあるのでしょうか。その点だけあわせてお聞きしておきたいと思います、
#95
○政府委員(山口公生君) 確かに先生の御指摘のとおり、アメリカの訴訟社会という国情と我が国の独特の慣行とかなり違うものがあることはおっしゃるとおりだと思います。
 ただ、北ほど申し上げました、保険の場合に原価がまだ販売する段階で確定していないというようなことがありまして、保険商品としての性格は非常に似通ったものでございまして、あくまでそういった人数の法則を働かせるための一つの知恵といいましょうか、そういった仕組みというのは非常に有効に機能するものだというふうに考えておりまして、我が国においてはこの制度がありましたおかげで、例えば火災保険や自動車の保険をごらんいただきましてもかなり安定的に、またずっと料率が下がってきております。算定会制度が入る前は非常に大きく揺れておりまして、えらく安くなったときもあるかと思うと、急に値段が高くなるというようなぶれがありましたが、非常に安定的になってお客に、つまり契約者にとっても非常に望ましい安定供給が図られる姿になってきておるわけでございます。
 ただ、それだからといってあくまで自由化をしない方がいいというわけではございません。一歩一歩、消費者の保護に欠けることがないように留意しながら、競争促進という観点から規制緩和、自由化を進めていくというのは先生の御指摘のとおりだと思います。ただ、その手順として、余り一挙に進んだおかげで大混乱が起きたという諸外国の例もございますので、そういった点を踏まえながら進めさせていただいているというところでございます。
 諸外国でもそういう算定会の仕組みというのはありますが、かなりの国では、データを出して、それを自由に使っても使わなくてもいいような形になっているのが多いように承知しております。
#96
○峰崎直樹君 アメリカに行くと、昔通のホワイトといいますか、最近はもうワシントンだとかニューヨークだとかシカゴだとか本当に町中に住まないんですね、ほとんど黒人が七〇%とか六〇%とかです。そして、ダウンタウンに住んでいる人、郊外に住んでいる人と完全に差ができて、いっどこで何が起こるかわからないという、大変治安の問題も含めて厳しい状態だというふうに聞いております。
 そういうところで起きる事故と事故に対する危険性と、やはり日本のようなところとは少し違うのかなと。最近ではちょっとサリン問題とか似たようなことがふえてきているじゃないかということがあるかもしれませんが、そういった点で、ぜひとも私は日本とアメリカとの違いというのはよくわきまえた方がいいかなと。
 その関連で、ちょっとまた中から離れまして、日米包括経済協議の関連でお聞きしたいわけでございます。
 昨年十月に日米保険交渉で妥結をしたということなのでありますが、妥結をしたときに一応協定書を結びますね。アメリカ側はどなたが協定書にサインをされたんでしょうか。
#97
○政府委員(山口公生君) アメリカ側はカンター通商代表でございます。
#98
○峰崎直樹君 アメリカの場合は、聞くところによると、この保険という業法は五十州によって全部何か違うんだそうですね。全く自由化されているところと非常に規制があるところとかいろいろ分かれていて、その意味でミッキー・カンターさんは、私は先日もちょっとお会いをしてまいりましたけれども、果たして当事者能力があったかどうかなと。むしろ、五十州ごとに州法の規定しているそこの責任者と交渉しなきゃだめなんじゃないかなというふうにも思ったりしたわけでありますが、そのことは別にいたしまして、先ほども楠崎さんの方からの質問にございましたけれども、この第三分野の相互乗り入れについて非常にわかりにくいです。
 これちょっと案文を読んでまいりましたけれども、これが即時自由化をされなかったのは主として日本側の要因だということは先ほど山口部長お答えになったわけでありますけれども、アメリカ側はたしかAIGのグリーンバーグさんあたりもそこに入っておられたと聞いたんです。先日、日米の円高問題で私行ったときに、要するに日本の規制緩和がいかに足りないかということをとうとうと私たちの前でまくし立てられたんですけれども、アメリカ側がこの規制緩和についてはそんなに直ちにやる必要はないよと言う根拠は、どういうアメリカ側の言い分だったんでしょうか。もし、そこをわかればちょっと教えていただきたい。
#99
○政府委員(山口公生君) アメリカ側の主張の背景というのは、現実問題として第三分野に依存している会社があるということは、日本の中小の保険会社と同じような事情にあったのだろうと思うのでございます。背景はそういうことにして、ロジックとしましては、規制緩和は全般的には確かに進めるべきだという論調なんですけれども、そのためには、言ってみますと自分たちが得意でないといいましょうか、まだ十分にできていない分野にも十分な競争条件が整うまで待っていてくれと、こんな言い方だろうと思うんです。
 そこに出てくるのが、系列の問題が日本にはあるんではないかとか、日本には独特の慣行があるんではないかとか、行政指導があるんじゃないかとか、そんな点についていろいろと指摘をしてくると。つまり、競争条件が同じであれば用意ドンで一緒に行ける、しかしそうじゃないんじゃないかという前提に立ては、そこにはいろんなニュアンスを持った主張がアメリカサイドからは出てくる可能性があるんだろうなと、アメリカの気持ちを私がそんたくできるものではございませんが、どうもそういった考え方というのがあるんではなかろうかと。
 したがって、そこにおけるプリンシプルと、それから我が国の国情といいましょうか、実情というものに対する認識というものが若干ずれがあって、どうもかみ合わない議論が大分長く続く傾向にあるという感じがいたしたわけでございます。
#100
○峰崎直樹君 それは、それ以上きょうは主題でありませんから入りませんが、日米包括経済協議の中の競争というところの項目の中で、今おっしゃられました系列内取引の問題について、日米で国内と外国の保険会社が協議の上、系列内取引の程度と影響の調査を行う一つの独立研究機関を選定し、その調査が九五年四月一日までに終了するよう期待されている、こうなっておりますね。その結果はどうなったんですか。どこの会社が独立研究機関を選定して、その調査結果はどうだったのかということは出ているんでしょうか。簡単で結構でございます。
#101
○政府委員(山口公生君) 実は、決着した文書はおっしゃったとおりになっておりますが、選定のための国内保険会社と外国保険会社間の協議に非常に手間取りまして、本年三月末に両者の間でおのおの一つずつの調査機関を選定したという報告を私どもは受けたところでございます。
 今後、この二つの調査機関が共同調査を行いまして、そういう意味では一つになるわけですが、共同の報告書を作成していくこととなっておりまして、現在、調査会社と保険会社との間でその具体的な調査の範囲等について最終的な調整を行っているという段階で、大分おくれた形になってございます。
#102
○峰崎直樹君 わかりました。おくれているということですけれども、これは何も早くやらなきゃいかぬ、だめだということでもないでしょうから、その点はそういうことなんでありましょう。わかったらまた教えていただきたいというふうに思います。
 そこで、この自由化を考えるに当たって大変重要な問題は、私はディスクロージャーだろうというふうに思っているわけであります。要するに、惰報がきちんと開示をされて、それが国民に周知徹底され、関係者がよくわかった上で、その上で責任はそのかわり負うんですよと、自由化をするということは当然そういうことだという意味において、ディスクロージャーというのは大変重要なポイントだろうというふうに思います。
 その中で、この法案の中にも入ってくるわけでありますが、区分総理という、保険種類ごとに区分経理を導入するということが入ってくるわけでありますが、これはどういう種類ごとにどれぐらいの区分をして、そのこと自身がディスクローズされるのかどうなのか。
 例えば、我々が終身の養老保険に入っている、死んだとき三千万円ですよと。そのときに入った種類の金は今どういうところに投資をしていて、これについては株式の含み益はどれだけあります、あなたに予想していた満期のときの保険金はこれぐらいになりますと。いや、さらに含み益があってそれをオーバーしております、ですからもっと保険金下げてもいいですとか、そういう個々の商品ごとにといいますか、いわゆる区分経理というものは現実には契約者そのものによくわかるように反映されるんでしょうか。オープンにされるんでしょうか。その点ちょっとお聞きしてみたいわけです。
#103
○政府委員(山口公生君) 区分経理の問題は、小命保険会社の経理がこれまで大きなものの中に一つにして、悪く言うとどんぶり勘定という悪口を言われるんですが、そういう形でやっておったということでございます。
 ただ、それでいきますと、やっぱり利益の還元の公平性とか透明性を確保する上で問題ないか、それから保険種類間で内部補助が遮断できないではないかというような問題がございます。それから事業運営も、一つ一つよく見なきゃいけないのが、経理上一緒になっていますとよくわからないと。どの部分がどういう採算になっているかわからないということがありまして、今、生命保険会社ではこの区分経理について鋭意取り組んでいるところでございます。
 これは保険会社にとってみると大変な負担でございます、これまでそうやっていなかったものを一つ一つ分けていくわけですから。ただ、余り細かく分けますと、保険というのは余り細かく分けないところが保険の本質でございますので、分けますのは、無配当保険と有配当保険をまず大きく分けますが、それごとに個人保険、団体保険、団体年金保険、その他保険、会社勘定という五つに分けるわけでございます。それぞれ区分して区分経理を、これも試行段階ではございますが鋭意やっていただいて、今損益計算書段階でやっておるわけでございます。いずれこの資産を先生おっしゃったように張りつけて、それで区分経理を本格的に導入するというように考えていきたいと思います。
 そういう意味で、区分経理というのは生命保険会社にとってみると画期的なことでございます。大変な負担だと思うんでございますが、あくまでそういう方向に行くことによって経営を万全にしていく、それから内部補助の遮断をするというようなことが図られると思います。
 その結果どういうふうになるか、あるいは株式のそれぞれ含み益がどうなのかというようなことも契約者の方にディスクローズしていくということは、やはり契約者保護の観点からも必要なことと考えております。
 ただ、そのあり方につきましては、現在、区分経理自体が保険会社の実務として大変な今過渡期にございまして、そういったものが定着して、また契約者に無用の混乱が起きないようにしながら前向きに検討していきたいというふうに考えているわけでございます。
#104
○峰崎直樹君 無配当、有配当、そして五つに分けてとりあえず区分経理を行う、それは今ディスクローズされますと。それぐらいの範囲では、どのくらいの含み益があるとかいろんなことについては、それはオープンにされるということですね。それはわかりました。
 さらに特別勘定と言われているものがあるように聞いているんですが、これも今の区分経理と同じようにオープンにされるんでしょうか。
#105
○政府委員(山口公生君) その点については既にオープンになってございます。
#106
○峰崎直樹君 いわゆるディスクロージャーに関連してソルベンシーマージンの問題があるわけですが、午前中楢崎委員の方から質問されまして大体わかってまいったわけでありますが、その点でよくわからない点があるわけてす。
 一つは、いわゆるデリバティブ取引と言われているものはこのソルベンシーマージンの中には入ってくるのかこないのか。私もここら辺は、デリバティブ取引をこの中に入れているかどうかよくわからないです。なぜその質問をするかというと、BIS規制は最近では、例の八%基準は、BIS規制の中にもデリバティブの取引を規制しようということで入ってくるようであります。その関連で、同じように先ほどBIS規制に相当するというような話もありましたので、それが入ってくるのかどうなのか。
 それから二点目は、ソルベンシーマージンに関連して三点あるわけでありますが、分子の中に先ほど株式の含み益というのが入ったわけであります。これは土地についてはどうなのかということが第、一点目でございます。
 それから第三点目は、このソルベンシーマージンの中に、含み益はいいけれども含み損はどうなのか。損があるときは損は入れないのか入れるのかということについて、ソルベンシーマージンについては三点お聞きしてみたい。
 そして、この内容については九六年四月に恐らく政令で公布されるんでありましょう。数値はこれもディスクローズされるのかされないのか、この点についても明らかにしていただきたい。以上四点。
#107
○政府委員(山口公生君) まず一点目のお尋ねの件でございますが、デリバティブ取引についてソルベンシーマージン基準に反映するかどうかという点でございますが、実際に保険会社が行っている先物とかオプション等のオフバランス取引に伴うリスクをソルベンシーマージン基準に反映する方向で考えさせていただきたいと思っております。
 それから二点目の、分子の方での土地についての含みをカウントするかという点につきましては、これは支払い余力でございますので、土地もその余力には違いありませんので、土地の含み益も一定割合は計上すべきものというふうに考えております。
   〔理事竹山裕君退席、委員長着席〕
 それから、含み損につきましてのお尋ねでございますが、実は株式の含み損につきましては、今上場している有価証券につきましては、株式については低価法をとっておりますので、既にその段階で含み損が表に出てしまうといいましょうか、含み損が含み損でなくなってくるということでございますので、上場株についてはそういうことで御理解いただきたい。非上場については原価法を採用しておりますが、これはそもそも含み損が算定できない性格のものでございますので、そういったふうにお考えいただきたいと思います。
 それから、ディスクロージャーでございますが、ソルベンシーマージン基準を今回初めて導入させていただく。今試行を開始している段階でございますので、まだどういう形のものに最終的になるかというのがはっきりしないのでございますが、公表につきましては、こういった計算式で計算するということは省令の形で公表するということになろうと思いますが、ただ、各社の比率を公表するかどうかということになりますと、この比率の大小が会社経営の優劣そのものではないかという契約者の認識がありますと、これは若干誤解を招くおそれがある。
 例えば、相互会社は本来内部留保を置かないという前提に立っておりますので、それから言いますと、ソルベンシーはゼロであっても相互会社はおかしくはないという理屈すら成り立つわけで、じゃ多ければ多いほどいいかという問題でもない。
 ソルベンシーが高いということは、確かに含みがあったり支払い余力はありますが、逆に配当が少ないんではないか、社外流出が少ないんではないかということにもなりかねませんので、高ければいいというものでもございません。ただ、もちろんソルベンシーマージンがどんどん下がっていくというようなことは問題でございますし、そういったときは健全性の観点から非常に問題視せざるを得ないんですが、ただそういったものがひとり歩きしますと、比率の小さい会社から大きな会社へわっと契約がシフトしてしまうというような現象が起きてしまうということが心配されるわけでございます。
 したがいまして、現時点において各社の比率を開示しなさいというふうに指導していくことはちょっと慎重にならざるを得ないかなというふうに考えておりますが、しかしいずれはこの比率を、将来の定着度を見ながら、契約者がそういったことで無用な誤解を生じないようないろんな手だてを踏まえながら、開示については判断していきたいというふうに考えておるわけでございます。
#108
○峰崎直樹君 いろいろお聞きしていますと、ソルベンシーマージンが恐らく見習ったであろうと思われるのは、アメリカのRBCというんですか、たしかそういう仕組みだと思うんですが、アメリカの場合には、RBCというような基準を設けて、それをある意味では見ていて、後は余り行政がそれほどタッチしていないやにも聞いているわけなんです。
 その意味で、今のお話を聞いていますとこのソルベンシーマージンは、大蔵省の銀行局保険部がソルベンシーマージンというものを各社ごとに見ておって、そしてこの会社は危ないな、この会社はどうだなというその指導をするための資料づくりになっちゃっているのかなという感じがするんです。
 そういうふうに変にひねくれて受けとめちゃいけないのかもしれませんが、しかしいわゆるディスクロージャー、すなわち情報を丁寧にきちんと開示して、後はそれを見て買ったり売ったり商売するのは自由ですよこういう仕組みへの大変重要な指標だというふうに考えておったんですが、どうも聞いておりますと、一社ごとに明らかにしたらちょっと受けとめ方がうまくないかもしらぬというようなことであると、このソルベンシーマージンの受けとめ方が私どもの受けとめ方とちょっと違うのかなと思うので、この点もう、度お聞きしておきたいと思います。
#109
○政府委員(山口公生君) 今先生おっしゃいましたように、このソルベンシーマージン基準は、法律にも書かせていただいておりますが、行政監督上の指標でございます。行政監督としてこれを見ながら適切な措置をとるというふうになっております。今、例に挙げられましたアメリカにおけるソルベンシーマージン基準、RBCにおきましても保険監督官のためのものだというふうにされておりまして、広く公衆に情報を開示したり会社の格付に使用してはならない旨法律で明示されております。
 したがいまして、ソルベンシーマージン基準そのものは、監督者がこれを見ながら、なおかつこれだけではなくて、解約状況はどうか、最近の不良資産の状況はどうかとか流動性はどうかとか、そういったことを総合勘案しながら行政監督の指針の一つとして見るわけでございます。
 ただし、ソルベンシーマージン基準の各社のものをどうディスクローズしていくかということは、先生おっしゃいましたようにまた別の次元で、契約者の自己責任、それの裏打ちとなる情報開示というものの一つのマターとして検討していくべきものではあろうと思うのでございますけれども、このもの自体の導入は監督者のためのものという位置づけは私どももしておりますし、外国でもそういうふうになってございます。
#110
○峰崎直樹君 そうすると、我々普通の庶民が保険に入るとか企業が保険に入っていくとかというときに、この会社は大丈夫かいなというときに非常にわかりやすい指標みたいなものは、さっきの区分経理だとか特別勘定とか、そういうものは一つ物差しになってくるのかなというふうに思ったりするわけでありますが、こういった点でもう少し、要するに保険に入ってくださいと来たときにいつも悩むのは、こんな膨大な約款みたいなものを読まされるんです。もう本当に老眼鏡を持ってこないと見えないくらい小さな字でわっと書かれていて、よく読まないで大抵そのまま入っちゃうんです。
 しかし、これからはそうは許されないわけですね。自由競争に入ってくるわけですから、そうすると先ほど言ったように競争が起きて倒産するかもしれない。そのときに、この会社の指標はこうですというのがやはり何か欲しいなという気がするわけでありまして、今それをソルベンシーマージンだけに求めてもまずいのかなというふうにわかりましたので、この点は少しまた会社ごとにオープンにしていただければなということなのかもしれません。
 ディスクロージャーの問題に関して以上申し上げて、別の方に入っていきたいというふうに思います。
 続いて、一社専属制の問題に入っていきたいと思います。
 先ほど楢崎委員の一社専属制の問題での部長の答弁をお聞きしておって、先ほど冒頭申し上げましたように、消費者にとって今度のいわゆる改革というのはどういうメリットがあるんだろうなということをずっと考えながら聞いておったときに、どうも業界にとって目が向いていないんじゃないかなという印象を受けたわけであります。
 それは、先ほどの第三分野に対する相互乗り入れに関しても、中小企業がまだ不十分だとか、アメリカも何かそういうことを育っておるとかいろいう言うけれども、確かに激変緩和という問題はどの世界についても言えるんだろうと思うんですが、しかしそういう分野においても、価格が下がったり商品のいろんな種類ができたりすることによって、保険業法を改正してよかったねというようになるのが今度の改正の私は主眼であるべきだというふうに思うんです。
 そうしたときに、この一社専属制のよさは継続をしていきたいということで、私自身もそのよさというのはわからないわけではないのでありますが、しかし消費者の立場に立って見たときに、一社専属制というものが継続をしなければどんなマイナスがあるのかな、むしろいろんな商品に多様に対応できて、ひょっとしたらそっちの方がメリットがあるんじゃないかというふうに思うような人も出かねないんじゃないかと思うんですが、改めてそういう消費者にとって、契約新にとってどういうメリットがあるのかといった点について、もしわかれば強調しておいていただきたいと思います。
#111
○政府委員(山口公生君) この一社専属制は戦後の大変な混乱の中から生まれた制度でございます。実は、生命保険が戦後急拡大するときに大変な募集競争がありまして、そこで無秩序な募集活動というのがございました。具体的にいろんな乗りかえ推奨等がありまして、それで結局は契約者の皆様方が損をさせられたという歴史があるわけでございます。それで一社専属制を入れまして、きっちり会村が募集人を指導する、監督する、責任を持つという制度をつくったわけでございます。したがって、一社専属制が全く今の時点で否定されてしまいますと、逆にそういった契約者に迷惑をかける行為が生まれてくるおそれがあるということでございます。
 かといって、一社専属制をそのまま今後も維持するということは、確かにお客さんにとってみると、あっちの商品もいいし、こっちの商品も買いたいというような、そういうオプションの幅を狭めてはなりませんので、そういった観点から緩和していく必要はありますが、極端にいきますとそういった事態に立ち至らないとも限らないということで、一社専属制の緩和という形で今回お願いを申し上げている次第でございます。
#112
○峰崎直樹君 これは恐らく損保業界からすると、実際に自分たちが生保の子会社をつくったときに果たしてどうだというような、いろんな意味でそれぞれの業界ごとの言い分があるのかもしれません。これは恐らく政令、また大蔵省令でどのような基準でこの内容が変わるのかということについては明らかになるんだろうと思います。
 そこで、今回もう一つの大きな改革としてあります生損保の相互参入の問題でありますが、これはいつから、現実にはこの法案が通って政省令が改正されて、それからいつの時点から子会社方式であれ生損保の参入が始まるんでしょうか。これは九六年の秋ごろというような報道をちょっと見たことがあるんですが、その点はいつからということなんでしょうか。これは業務提携の場合もどういうふうになるのか教えていただきたい。
#113
○政府委員(山口公生君) 今法案の御審議をお願いしているわけでございまして、それでその後政省令を準備しまして施行にこぎつけたいと思っておりますが、施行した後は各社が個別の経営判断でお決めいただいて結構でございますので、極端に言えば、四月とまだ決めたわけじゃありませんけれども、施行時期に即ということも理論的にはあり得るわけでございます。したがって、秋からとかいうことを決めているわけじゃございません。
#114
○峰崎直樹君 その関連で少し聞いておきたいんですが、生保業界は九二年度から新規契約高の前年割れがもう三年継続していると。大変厳しい状況でございますが、そういう中で信用金庫業界が生保進出に向けて具体的な試算に乗り出しているというようなお話を聞いておりますが、この他の業界の進出の動きというのはあるのかないのか、この点お聞きをしておきたいと思います。
#115
○政府委員(山口公生君) 借金の生保への進出希望といいますか、期待というのがあるということは承知しております。ただ、今回の保険制度改革は生損保の相互乗り入れをやらせていただくということで、他業態、すなわち銀行、これは信金も含みますが、あるいは証券、信託等と保険との間の相互参入はその定着のぐあいを見てということにされておりますので、希望があるということは私も承っておりますけれども、信金との乗り入れ問題というのはこの法律には含まれておりません。したがって、今後定着を見て検討された段階でのまた御議論だろうと思います。
#116
○峰崎直樹君 今度は午前中の質問にありました全労済の問題をちょっとお聞きしたいんですが、全労済が自賠責保険の参入問題で私の聞いている限りでは与党でも今議論をされている、こういうふうに聞いておるわけでありますが、この点については政府側としてはどのような見解をお持ちなのか。これはあるいは大蔵大臣に答えていただいた方がいいと思うんですが、どのような見解をお持ちなのかお聞きしておきたいと思います。
#117
○国務大臣(武村正義君) 自賠責保険は、損害保険会社を保険者として昭和三十年に制度がスタートしました。四十一年には、原付自転車に限り農協について自賠責共済の取り扱いが認められて今日に至っております。
 今般、全労済から自賠責共済を開始したいという要望が出されておりまして、与党プロジェクトチーム等関係方面において検討されているところだと伺っております。
 大蔵省としては、以下三点について十分留意をしながら慎重に検討が行われるべきであると考えております。
 一つ、可能な限り低廉な料率を提供するためのノーロス・ノープロフィットの原則の適用ということであります。
 一つは、国民が公平な取り扱いを受けられるよう、同一料金・同一サービスが可能となる体制の整備ということであります。
 もう一つは、規制緩和のもとでの競争ルールとしての取り扱い事業者間のいわゆるイコールフッティングの確保ということであります。
#118
○峰崎直樹君 これは恐らく与党で今議論をされていますので、今大蔵大臣がお答えになったような点も含めてこれから議論をしていく課題だと思っております。
 もう時間もないので、少し始まりも遅かったせいでありますが、最後の質問にしていきたいと思いますが、午前中ブローカー制度についてのさまざまな議論があったわけであります。ブローカーというものが設けられる。どの程度これが入ってくるかわかりませんが、ブローカーの方々は契約者保護基金と言われているものには入れないんだと。あるいはもっと言えば、これが入り始めたらブローカー協会というものを将来つくって、そしてブローカー協会でも契約者保護をする必要があるということについての担保みたいなものはどのように考えておられるのか、この点お聞きをしておきたいというふうに思います。
#119
○政府委員(山口公生君) 契約者保護基金は引き受けをやります保険会社が加入するものでございまして、ブローカーはそれに加入できるものではございません。といいますのは、ブローカーは保険を引き受けるのではなくて保険の仲介をするという役割であるからでございます。
 ブローカーにつきましては、ブローカー団体として例えばブローカー協会が設立されますれば、そこでいろいろなルールを、契約者保護上必要なルールをお決めいただくということになろうと思いますし、私どもそういう機運が盛り上がれば大変いいことだと思っておりますし、ぜひ支援させていただきたいと思っておりますが、まだブローカーが一つもない状況で先走ったことを余り申し上げるのもなんだと思いますが、そういうふうに考えております。
 ブローカー協会自身が保険契約者の保護のための何かの措置をするということは、それは考えられますけれども、当座、今私どもが準備していますのは、ブローカー自身に供託義務をかける、あるいは供託に一部保険で賠償保険を掛けてもらうというようなことで、契約者に万一迷惑をかけたときはそれで補てんしてもらうという、各おのおののブローカーにそういう義務を課しているという制度でもって契約者の保護を図りたいというふうに思っておるわけでございます。
 もちろん、おっしゃったようにブローカー協会自身がそういったセーフティーネット的なものをつくるということは、あり得る話だろうとは思うわけでございます。
#120
○峰崎直樹君 五十六年ぶりの大改正、本当に長い間御苦労さまでしたというふうに申し上げたいわけでありますが、読んでみますと本当にあちらこちらに省令でどうのこうのと、もう何カ所あったか自分でもわからないぐらいあるわけであります。その意味でまだまだ冒頭武村大蔵大臣がおっしゃったように緒についたということだろうというふうに思います。
 その意味で私が非常に気になりますのは、マーケットを非常にオーフンにするという努力と、必ず競争によって敗者が生まれると、つまり市場で敗れ去っていく者は必ず出てくるわけであります。その市場で敗れ去っていく者に対するセーフティーネットというのが、やっぱり読んでいて最後のところが、保険団体にお任せをしているようでありますが、やはり預金保険機構的な形で、国民が安心して一応入って、そして安心はしたけれどもしかし敗者は出た、そのときにはこの程度は保護してもらえるよと、こういうある意味ではきちっとした制度化がやっぱり不十分ではないかなということを印象として持っておりますので、これは午前中にも楢崎委員の方からございました。私の方からもそういうことを要望いたしまして、私の質問を終わらせていただきたいと思います。
 ありがとうございました。
#121
○白浜一良君 まず、冒頭に大蔵大臣にお伺いしたいと思います。
 たびたび主張されておりますが、五十六年ぶりの改正だということでございますし、具体的に言えば、今回の改正は平成元年から六年間をかけておまとめになったということで大変な御苦労があったと思うわけでございますが、今回一応まとめられたということで、今回の改正案は大臣のお立場から考えてどの点に一番配慮をされたのかということを伺いたいのと、それからこの点がちょっと心残りがあった、今後もう少し時間をかけて詰めていかなきゃいかぬ、こういうことがあるのか、この二点をまず今回の改正案全体の総括としてお伺いしたいと思います。
#122
○国務大臣(武村正義君) 今回の保険業法の改正を初めとする保険制度の改革は、金融の自由化、国際化等の境境の変化に対応することが第一でございました。あわせて、保険業の健全性を確保するという立場から昭和十四年に制定された現行の法律の全面改正を行ったものであります。
 柱は、先ほど楢崎委員の御質問にお答えしましたが、一つは規制緩和、自由化の推進であり、一つは保険業の健全性の維持であり、もう一つは公正な事業運営の確保、この三点かと思っております。保険業務に対する国民の期待が大きい中で、経済や国民生活がどんどん変化をする状況の中で、一層しっかりそうした国民の期待にこの業界がこたえていただくための改正でもあるというふうに思っております。
 参入の問題につきましては、先ほどもお答えしましたが、平成四年の答申におきましては相互に参入できるようにすることが適当であるとされていたわけであります。そして、昨年六月の報告におきましては段階的という方針が出されまして、まず子会社方式による生損保の相互乗り入れを含む保険制度の自由化を進めることが肝要だと、その定着を見きわめた上で段階的に次のレベルに進んでいくべきではないかということでありました。この報告を受け入れて今回の立法をさせていただいているところでございます。そういう意味では、今後の目標という点からいうと、先ほど申し上げたように第一段階だと、相互参入に限って申し上げてもそういうことだと認識をいたします。
 なお、審議会答申においてもさらに検討が必要とされている支払い保証等の機能を有する安全ネットというふうな問題につきましては、今後とも引き続き審議会等の場も含めて検討をしていく必要があるというふうに考えております。
#123
○白浜一良君 先ほどの質疑でもございましたけれども、今回の改正が第一段階の改正である、ですから第一段階の定着を見てというふうに先ほど答弁されておりましたけれども、第一段階ということは、これは後でもう少し具体的に聞きたいと思うんですけれども、例えば業態別の子会社方式で相互参入する、こういう観点に即して言えば、これが定着したその次というのは、この金融の自由化という流れの中で、先ほどからもいろいろ議論ございましたが、例えばユニバーサルバンクみたいなイメージとか、よく言われますが持ち株会社方式とか、そういうことを次の姿として予測されているということなんですか。第一段階第一段階と先ほどからよくおっしゃっているんですけれども、次というのはどういうイメージをされているんですか。
#124
○政府委員(西村吉正君) 金融制度改革全般に関する問題でございますので私からお答え申し上げますが、平成三年の金融制度調査会の答申では、「金融制度の見直しを行うに当たっては、保険業を含めた幅広い相互参入が行われるべきである」との基本的な方向性が示されているわけでございます。
 それで、その相互に参入する仕方につきましてはいろいろな議論がございました。委員今御指摘のように、当時、持ち株会社方式というようなやり方だとか、あるいは本体でユニバーサルバンキングというような形でやるとか、いろんな形態が検討されましたが、結局は、いろいろな要素を総合的に勘案いたしますと、子会社を通じてお互いに参入するという方式が適当であるという結論になったわけでございます。
 したがいまして、今第一段階というふうにこの保険業法の改正で申し上げております意味におきまして、今の段階における最終段階というのは子会社方式という方法による最終段階ということでございまして、さらにその他の方式の問題につきましては議論が重ねられるべきものと考えておる次第でございます。
#125
○白浜一良君 この問題、今はこれ以上やるつもりはございませんけれども、第一段階第一段階と何回もおっしゃっているから、第一段階ということは次の段階があるということですものね。そういう観点で、相互参入というテーマに即しては、じゃ次の段階というのはどういうことなのかということを私は一応確認したかっただけで、それ以上おっしゃれないでしょうからこの程度にしておきたいと思います。
 次にお伺いしたいのは、保険業団体の自主規制機関化の見送りについてということでお伺いしたいんですけれども、たしか昨年六月の保険審議会報告によりましたら、生命保険協会等の業界団体を法律上の指導調査権限を持つ自主規制機関化すること、こういう内容が盛り込まれているわけですよね。ところが、今回の改正案ではこれは見送られたということでございます。いろんな理由があると思うんですが、なぜか、これをまず明確にしていただきたいと思います。
#126
○政府委員(山口公生君) 自主規制機関を法定化する件につきましては、今いろいろと生命保険協会、損害保険協会等のやっておられることをつぶさに検討いたしまして、それで法定化しなくても特に支障がないという判断をいたしたわけでございます。法定化してしまいますと、ともすれば業界団体自身が行政をやるんではないかというようないろんな懸念も生まれてくるわけでございまして、そういった無用な誤解は、誤解にすぎないものではございますけれども、今やっている必要な規制そのものは特段法定化しなくても十分効果があるというふうに考えたわけでございます。
 それからブローカーについても、たしか保険審議会では書かれておったと思うんですが、ブローカー自身がまだ一社も存在していないという事態のもとでブローカー協会をイメージするということが、十分な論議を深めるには不十分だという事態がございましたので、それをあわせて法定化しなかったということでございます。
#127
○白浜一良君 そういうことなんでしょうけれども、ブローカーのことはさておき、輿外的に昨年六月の審議会報告でわざわざ指導調査権限を持つ自主規制機関ということが内容の中に盛られているわけで、今の実態で効果があるんだとおっしゃっても、それは効果があるならわざわざこういう報告も出ませんものね。それなりに専門家が集まっていろんなお立場の方がまとめられたわけで、今の説明ではちょっと説明不足ですな。それ以上何か御説明できることがありますか。実態面で今で効果があるんだと、そういう答弁でございましたけれども、それならわざわざ報告書の中にこういう規定として盛り込まれるわけはないわけであってね。
 じゃ逆に聞きますけれども、なぜそれぞれの専門的なお立場の方がまとまって審議されてこういう報告書に取りまとめられたんですか。
#128
○政府委員(山口公生君) 自主規制団体というものを法定化して、ある意味では行政的な要素を加えやっていくということについて、今の時点でとりたてて法定化する必要もないという判断で、むしろそれによって、例えば諸外国の方から何か業界団体同士で行政が本来やるべきことをやるんではないかという危惧の念を強く持たれるというおそれもあるわけでございます。そうしたことを総合勘案して今回見送らせていただいたということでございます。
#129
○白浜一良君 これもこれ以上はやめますけれども、わざわざ審議会の報告に盛られているから私は聞いているわけです。なぜかといいましたら、いろいろおっしゃっていますけれども、法制化しないと自主規制が甘くなるというそういうお考えの方もいらっしゃるわけで、当然そういう視点に立ってこの審議会報告がまとめられていると思うんですね。そういう立場からいうと、今いろいろ御説明されておりますが余り私にとっては説得力はない、このように申し上げておきたいと思います。
 それから次にお伺いしたいのは、これは私、本会議でも大臣に質問申し上げましたが、契約者といいますか利用者といいますか、一般国民と申しますか、そういう立場に立って今回の法改正がやっぱり有用でなければならない、メリットがあるというふうにならなきゃならないわけです。金融制度改革の信託、銀行、証券の相互参入のときもそうでございました。いわゆる相互参入という面では業態別の子会社方式であれをやったわけですね。あのときもいわゆる利用者にとって有用であると、そういう位置づけも一つはしてやったわけでございます。確かに日が浅いということもございます。しかし、なかなか利用者の立場に立ってよくなったと、そういう声をまだ余り聞きませんね。
 今回の保険業法の改正も、子会社方式の相互参入という観点から申し上げましたら、一般の利用者、契約者にとってどういうメリットがあるのか、ここはやっぱりはっきりしていただきたいなと、このように思っておるわけでございますのでなければ、先ほどからもいろいろお話がございましたが、業界主導の改正じゃないかと、こういう批判も一部には、私がそう言っているんじゃないですよ、一部にはあるわけで、そういう意味からいっても、契約者にとってこういうメリットがあるんですよということをひとつ明確に述べていただけますか。
#130
○政府委員(山口公生君) 今回お願いしてございます保険業法改正を国民の側からのメリットとして見た場合どういうものがあるかということで申し述べさせていただきますと、一つは、自由化、規制緩和による競争促進で商品の多様化、新商品の開発の促進というものがあろうかと思います。現在でもPL保険だとか役員賠償保険あるいは新しいリスクをカバーする保険のニーズがかなり多種多様にあらわれてきております。こういった新しいニーズに十分対応できるように各社がなっていくことが望ましいわけでございます。それは、国民の側にとって新たな保険サービスを速やかに受けることができるということになるわけでございます。
 それから保険料率につきましても、生損保の相互参入、料率設定の弾力化等の規制緩和によりまして、消費者利便の方へつながっていけば大変有効ではないかというふうに思っております。
 それから、商品の販売ルートの多様化、簡素化もございます。先ほど来御議論ございましたブローカー制度あるいは一社専属制の緩和等、いろいろこちらの国民の側のアクセスの問題ということも、保険商品の選択肢が広がるということでプラスに働くのではないか。
 それから経営チェックという面でも、ディスクロージャーあるいは相互会社の少数社員権等、契約者側から保険会社の経営をよく見る、あるいはチェックをするということがメリットとしては考えられるのではないか。
 国民の側からといいますか消費者の側から見れば、そういったふうなメリットというものを期待できるんではないかというふうに思っておるわけでございます。
#131
○白浜一良君 今、私の理解では四点ばかりいろいろおっしゃいましたけれども、そういう意義づけはされるんですよね。これは銀行、証券のときもそうでございましたが、それなりに意義づけはされるんです。実際、実態面で申しましたら、確かに新商品が多様化されて出てくる。まあいいことですね。いいことですが、それが国民の側にとって、保険はこれがいいとか悪いとか判断するためには物すごい情報開示も必要ですし、そういうものが一般化するということがなければ、いっぱい新しい商品が出ましたよと言っても、専門家ならいざ知らず、一般の国民にとってはなかなかそれは判断しにくいことでございます。
 ですから私、心配で言っているわけで、今四点にわたっておっしゃったことが実態面で新しい契約者にとって利便性のあるように私は期待を申し上げておきたい、このように思います。
 それから、何点かちょっと細かいことを伺いたいと思いますが、今回のこの改正案、本則で三百三十八条ある。その中で見ましたら、私もこれ伺った話なんですが、百八十その政省令があると。いわゆる政令委任が四十三、省令委任が百四十四。ほかに百二十六条から成る附則もある。非常に政省令が複雑に絡み合っているということで、先ほどからも御議論ございましたが、実際はここで決められることが非常に多い。
 これは、自由化とか規制緩和という現在の時代の流れから見たら、それをどのようにお考えになっているんですか、こういう実態自身を。
#132
○政府委員(山口公生君) 今、先生御指摘にございました政省令委任規定が百八十七ということでございますけれども、これはこの御審議をお願いしております保険業法案が、言ってみれば保険業に関する基本法でございますので、基本的な条項を政省令で具体的に具体化していくということでその数になっておるわけでございます。ほかの類似の基本的な法律に比べましても決して保険業法案の政省令が多いというふうには思っておりませんが、要は、先生が御指摘いただきましたように、実態がどうなのか、あるいは実際どう運用していくかということが非常に大切だ、問題だということは御指摘のとおりでございます。
 法律の精神をどういうふうに実際やっていくのか、それは政省令でもある程度具体化しますが、もっと大切なのは、現実にどういうふうに保険金柱が商品開発とかあるいはお客様に対するアプローチをするかということになっていくわけでございます。その点については、今までの保険業界の行っていることが完全に間違っておったと、今までのそういった活動が全面的に否定されてこの法律で新しくなるというものではございませんで、今までも我が国の保険業界は保険契約者たる国民の支持はかなり集めておったんだと私は思うのでございます。
 ただ、これで満足してはならないのであって、この保険業法の改正に合わせて、もっとお客様に理解をしてもらう、よく状況を知ってもらうということで、そういった努力をすることによってこの法律の精神が生かされる、また、わざわざ規制緩和した考え方が現実のものとなっていくというふうに考えるわけでございます。その点は、先生から御指摘いただいたような実際の実態面の方が大勢だということは私どももそう思っております。
#133
○白浜一良君 おっしゃるとおりなんですけれども、ただ、この改正案で何となくこういう数字だけを見ると、自由化とか規制緩和とか言いながら何かまたたくさん政省令の範囲ができるなどいう感じもするわけです。
 逆に言うたら、いわゆる自由化という観点から申しましたら、今回の改正案でどういうことが自前にできることになるのか、そういうことをちょっと明確に言ってくれますか。
#134
○政府委員(山口公生君) 今思いつくところでちょっと拾い読みしてみますと、子会社方式による相生参入、それから商品、料率に関する届け出制の導入、生命保険募集人の一社専属制の、部緩和、保険ブローカー制度の導入などがまず規制緩和としては挙げられるものと思います。
#135
○白浜一良君 まあそれは大綱的な内容ですわね。
 それで、これは先ほどもちょっとお話がございましたが、いつからそういう子会社なんかができるのかというようなお話もございましたけれども、この法律の改正案の施行は附則で一年以内に政令で決める、こう書いていますね。これは言いにくいかもわかりませんが、いつごろから施行されるんでしょうか。大体めどを考えておりますでしょう。今国会で改正案が成立するのは当然でございますし、それぞれの業界もいろいろつもりもございましょうし、年度ということもございましょうし、いろいろそういうつもりもあるから、一年以内とは書いてございますが、大体いつぐらいをめどに考えていらっしゃるんですか。
#136
○政府委員(山口公生君) 本法案を成立させていただきました際には、できるだけ早期の実施を目指して政省令の策定作業を進めてまいりたいと思います。
 それで、具体的な施行日につきましては、まだ確定的なことは申し上げられませんが、もちろん法律案が成立しておりませんので言うべきでもございませんが、例えば金融制度改革法では平成四年六月二十六日に公布されまして、翌平成五年四月一日施行であったことなどを参考にしつつ、検討させていただきたいというふうに思います。
#137
○白浜一良君 そのとおりで、まだ法律が成立していませんからそういうことは言えないでしょうけれども、今、金融制度改革法の例をおっしゃったように、やっぱり年度が一つのめどでしょうね。それ以上は言わんときますわ。
 次にお伺いしたいのは、先ほどもお伺いしましたが、自由化という一つの今回の理念がございまして、これは選ぶ側、契約者の側の選ぶ自由というか、この拡大を意味しているわけでございます。ところが、競争原理が導入されて非協に激しくなると、どんどんそういう面では契約者にとったはいい選択ができるようになるんでしょうけれども、逆に言うと、競争が激しくなって保険会付も経営が大変になるという側面もあるわけです。
 そして、先ほど峰崎さんの質問でもございましたが、倒産の可能性も念頭に置いているのかという御質問もございまして、そのときに経営の厳しさは当然であるとおっしゃいましたですね。契約者のそういう補償ということに関しては保護基金が設けられるとおっしゃって、ただし契約の削減もあり得るんだとおっしゃいましたですね。たしか保険部長ですね。
 ということは、この保護基金が設けられて、私は思うんですけれども、会社が倒産して、その倒産する会社の保険契約だけ新しい会社に全部引き継がれるというパターンになっていますけれども、実際はそれを丸ごと抱えてやっていくんでしょう、会社は丸ごと。経営陣が残るというんじゃないですけれども。そういう形態のイメージも私はするんですが、先ほどおっしゃった契約の削減もあり得るということは、いずれの形態にしろ、いわゆる倒産するような会社の契約を継承する場合、先ほど一つの考え方としては契約の削減もあり得ると、こうおっしゃいました。何かそういう考えていらっしゃることはあるんですか。
#138
○政府委員(山口公生君) 先ほど契約の削減というものはあり得ると申し上げましたのは、例えば生保で申し上げますと二千億程度の基金を今検討していただいておりますが、その範囲内であれば、それは全部救うことはいろんな手だてをやれば可能だと思うのでございますが、ただ、万が一それを超えた場合はどうするのかという問題があります。そういった場合はやはりその二千億の範囲にとどめてもらわないといけないわけで、要するに赤字が多過ぎる場合は会社としてはもうそういった契約を生かすことを放棄するか、放棄して倒産して倒産法制の方に入ってしまうのか、それとも自主的に例えば一割だけ保険金をみんな我慢しましょうということならそっくり保険が引き継がれるということであれば、それは自分たちの意思決定としてあり得るわけでございます。
 それはいろんな手続を今度の法律にも書かせていただいております。そういう自主的な任意の保険金削減規定というのを置かせていただいておりまして、それでもって会社を倒産しないで、あるいは会社は倒産するけれども契約は完全にほかの会社に引き継げるように保険契約の契約高を削減して行うということもあり得るわけでございます。そうしますと契約が生かされるということがあるわけでございます。
 だから、契約者の保護基金が無限大に積み上がっていますればそういうことは何も心配は要らないわけでございます。しかし、負損する側の会社の事情もございます。そこにはおのずと限度もありますし、そういうことのバランスをとっているわけでございます。そういうことを先ほど申し上げたわけでございます。いずれにせよ契約をできるだけ救済する、会社を救済するというよりはそういうこと。
 そして、契約を移転する場合だけではなくて、子会社化する場合も、子会社化を図ろうとする救済会社に資金を上げるということもありますし、合併という場合もあると思います。いろんなバリエーションは用意してございますが、いずれにせよ、できるだけその資金の範囲内でやるようにしなければならぬ。そのためには、何はともあれ保険会社ができるだけ健全性を保って運営してもらわなきゃいけないというのが第一でございまして、悪くなることを前提にするよりは、悪くならないことを一生懸命図るということが大切だろうというふうに思っているわけでございます。
#139
○白浜一良君 それはそうですわ。だれがそんな悪くなることを目的に頑張れますか。皆よくなろう思って頑張りますのや、それでもあかん場合があるからこういう制度をつくるんでしょう、そんなことは当たり前ですよ。
 ただ、ちょっと私は今の話で確認したいんですけれども、生保の例で業界では二千億ぐらい考えていらっしゃると今おっしゃいましたですね、これは要するに基金の積み上げでしょう。保険というのは、生保なんかでいうと長期ですわね。保険契約額というのはでかいですわね。そのどの実態の部分をおっしゃるんですか。その、二千億以内というのはどの部分をおっしゃっているんですか。
#140
○政府委員(山口公生君) 保険契約を引き受けますと、それで経費の部分を除きますと、それは将来の保険金の支払いに充てられるべき部分として責任準備金という形で積み上げていくわけでございます、したがって、契約高がありますと、それに見合った資産というものが積み上がっていくわけでございます。その積み上がったものがきちっと契約高に見合っていれば何も問題はないわけでございます。
 それが目減りしたとかいうことになった場合に問題が生じるわけです。その目減りの度合いが、非常に粗っぽく言えぱ、それが二千億なら二千億の範囲内であればその契約は全部移転できる、あるいは吸収できるということになるわけでございます。子会社化できるということになるわけでございます。それが二千億を超えますと、二千億じゃ足りない部分がある、そうすると見合った資産がないと、見合った資産がなければ引き受ける方が損をしますので、そんな損をしてまで引き受ける会社というのはまずはないだろうということで、そこに限界があるという意味で申し上げているわけでございます。
#141
○白浜一良君 それはそうですね、そのとおりです。ただ、資産と契約高の比率がどこが基準かというのは何かあるんですか。やっぱり何か定めないとその不足部分というのはわかりませんものね。何かそういうのは定められるんですか。会社によって違うかもわかりません。だけれども、こういう運用をする場合はやっぱり一定のそういう一般的な考え方というのは要るんじゃないでしょうか。
#142
○政府委員(山口公生君) 保険経理におきましては責任準備金という概念がございまして、入ってきた保険料の中で経費分を除いたものはずっと積み立てていくというものでございます。保険料がずっと積み上がっていくわけでございます、だから、保険金額は何兆円とこうなりますが、それが積み上がっているわけじゃありません。だから、もし解約が来たときはそのままお返しすればツーペイ、チャラになってしまうと、こういう考え方でございます。
#143
○白浜一良君 いやいや、そう言っているのと違うよ。保険の契約額どこの保険料のいわゆる蓄積しているのがあるでしょう。要するにこの比率が悪化するとだめということでしょう。経営が悪くなるということでしょう。だから、その不足分、一定の基準から不足分がこの二千億の範囲内であったらいいと言われるから、その契約額全体に対する一定の基準というのはちゃんとあるんですかということを私は聞いているんですよ。
#144
○政府委員(山口公生君) 今お尋ねの保険金額と要するに責任準備金として保険料を積み上げているものは、保険数理でこれくらいの確率で起きるからこれくらいの資金が要るんだということで保険料をもらっているわけです。その比率というのは、例えば三十倍型と十倍型ではもちろん違ってくるわけですが、それはあくまで保険数理で計算して保険料をいただいております。それがずっと積み上がっているということでございまして、一定比率があるわけじゃございません。あくまで保険数理で、この契約でこうした支払いを条件とした保険契約であればこれくらいの保険料というのが人数の法則で、あるいは生命表から計算ができるわけです。あるいは予定利率から出てくるわけです。だから、そういったことから計算されてくるもので、積むべき責任準備金というものか契約に応じて全部あるわけでございます。その額を言っているわけです。
#145
○白浜一良君 いや、そういう個々の保険の問題を言うているのと違います。保険会社の経営の健全性の問題を言っています。十年物とか三十年物とか一つの商品のことを言っているのと違います。私は保険会社の経営全体を言っています。要するに全体の契約高があって、その中で責任準備金が一定ある。それが要するに健全か健全でないか、その赤字部分というか不健全な部分が二千億の範囲内であったらいけるけれども、それを超えると削減せにゃいかぬと言うから、それなら、そういう経営の健全性という観点から、保険契約額全体の中での責任準備金というのは一定の基準があるんですかと私は言っているわけです。言っていることがわかりませんか、
#146
○政府委員(山口公生君) 保険契約というのはそれぞれの契約の全部の集合体でございます。それぞれの保険契約に見合ってその責任準備金というのを積み立てているわけでございます。それは保険料を積み立てているわけでございます。それがあればほかの会社もそういう前提で全部引き受けておりますので引き継げるわけでございますけれども、それが目減りしてしまったというようなケースがあった場合にその支払いができなくなってしまうということになるわけでございます、
#147
○白浜一良君 今のお話でようわかりました。
 だから、そういう資産の目減り分しか考えていらっしゃらないわけですね。そこを会社経営全体の中で、何というか、競争が激しくなるからできるだけ料率を下げて、契約額が大きい方が得ですものね、そういう商品も開発されるかわかりません。だからそういう基準を僕は言っているわけで、目減り分だけですか。例えば保険会社の経営が破綻するというのは、商品そのものが破綻している場合もあるでしょう、思うようにいかなかったという場合が。そういうことも含めて絶対の基準は何かあるんですかと私は言っているんですよ。目減り分はよくわかりますよ、資産の目減り分はようわかりますけれども、
#148
○政府委員(山口公生君) 保険数理に基づいておりますので、保険契約に見合った保険料というのは必ずいただいております。したがって、保険の数理を無視した保険商品というのはできませんので、それは必ずあるということでございます。だから、積んであるはずのものがいつの間にか腐ってしまったとか、あるいは価値が下がってしまったとか、そういういざというときに保険契約者にお支払いができないと、こういう状態になるわけでございます。
 だから、見合った資産があれば契約というのは移転できるということでございます。健全な運営ということに見合った資産を確保していると。例えば、ほかのところで含み益があって、あるいは資本金があって、それで埋めることができればいいわけです。つまり資産があればそれはいいわけでございます。つまり、保険契約というのは将来の支払いですから負債でございます。それに見合った資産というものがきちんとあればいい、こういうことでございます、
#149
○白浜一良君 それは原則なんだからようわかります。ただ、競争が激しくなってそういう成り立たぬような商品が開発されないか、売り出されないかということを私言っているだけの話です。だから、原則ではそういう商品はないんだということでしょう。わかりました。当然、そんな商品が売り出されるとは、言えませんものね、お立場上。
 逆に言うと、当然こういう競争が激しくなってくるわけで、いわゆる経営の自己責任問題というか原則というか、そういうこともあると思うんですよ。例えば、生保なんかはたくさん勧誘するために特に無理して高配当でやっているという声も聞くんですが、こういう経営の自己責任原則というのは当然基本になっていくと思うんですが、この辺はどのようにお考えになっておりますか。
#150
○政府委員(山口公生君) 保険金柱の例えは契約者配当等を見ましても、それぞれの会社の決算に基づいて決めているわけでございますが、そういったものにつきまして、これからは各社のリスク管理体制の整備とか内部留保の充実等が進みますことによりまして一層自己責任に基づく配当政策が展開されていくだろうなというふうに思っておりまして、例えば配当を例にとりますと、将来はかなり多様で自由な配当、そういった競争が出てくるのではないかというふうに思うわけでございます。したがって、この自由化で経営の自己責任というものほかなり強く要求されていくものというふうに考えております。
#151
○白浜一良君 何かわかったようなわからぬような話でございますが、これからいろいろ具体的に起こってくる問題でございます。
 それで、ちょっとこれは細かな話かもわかりませんが、生保に関して言いましたら、戦後飛躍的に拡大されて、国民の立場に立ちますと、将来に対する安心度というか、そういうものが担保されるような制度として今普及してきているわけでございます。それは間違いございません。
 ところが、ずっと戦後拡大してきた新規契約の伸び率という観点から申し上げましたら、普及してきたということもあるんでしょうけれども、昭和六十年代からがたっと落ちてきていますよね。それはいろんなこともあると思うんですが、従来の方式から言いましたら、たくさん来られる保険の外交員さんというんですか、外交員さんと言うたらだめなんですか、募集人というんですか、たくさん雇って、それで物すごいその人の新しい人脈でわっと広げていって、でも続かないからやめていくというか、いい悪いは別にして現象面ではそ、ついうこともたくさんあったわけでございます。
 だけれども、非常に新規の契約率が普及率が上がるとともに落ちてきているという現象の中で、いわゆるターンオーバーというんですか、こういうふうな体質を変えていくというんですか、そういう何か具体的な対策案というかお考えがございましたら、ちょっとお聞かせ願いたいと思います、
#152
○政府委員(山口公生君) 生命保険の募集人の夕ーンオーバー、すなわち大量採用・大量脱落問題というのは今日も大きな問題の一つであろうと思うわけでございます。
 実は、生保各社の専業営業職員中心の販売体制の強化というのは大変長い間努力してまいっている課題でございます。ただ、最近は景気の低迷、保険料の引き上げ、減配等の影響がございまして、ここ数年はかなり脱落者といいましょうか営業職員の業務停止数がふえております。したがいまして、保険各社におきまして営業職員の厳選採用、営業基盤付与の徹底、採用後の指導教育体制の強化などによりまして営業職員の定着率の改善を図って、募集体制の整備改善に努めているところでございます。今、各社に募集体制に関する整備改善自主計画というのを作成、提出させまして、その改善に努めているところでございます。
 こういった今御指摘のような問題を解決しながら、営業募集人の質を高めていくということが非常に生命保険のイメージのためにも大切なことじゃないかというふうに思うわけでございます。
#153
○白浜一良君 そうするために何か具体的なお考えがございますかということを言っているわけで、そうすることが大事なのはわかっているわけでございます。何か具体的なそういう対策というか案があるかということを私伺いたいわけでございますが、何かありますか。
#154
○政府委員(山口公生君) 今は整備改善自主計画というのを作成、提出してもらいまして、それを私ども見ながらチェックをして指導しているという状況でございます。そういうことによって、私どもがモニターすることによって改善を図っていきたいというふうに考えております。
#155
○白浜一良君 ちょっとそのことに関連して伺いたいんですが、今回、第三百条ですか、いわゆる禁止行為を特定されておりますが、保険に関する苦情、トラブルが毎年ふえているんですよね。そういう意味で、契約者というんですか国民の方というんですか、当然保護されていかなきゃならないわけでございますが、何か具体的にこのことに関連して考えていらっしゃることがございますか。
#156
○政府委員(山口公生君) 実は保険の募集に関していろいろトラブル等が少なからずあることは承知しておりまして、これはやはり第一線での募集という行為が非常に相手に娯解を招いたりすることが原因がと思うわけでございます。
 現在の募取法十六条で募集人の禁止行為ということを規定してございますが、今回御審議をお願いしてございます法律におきましても、新法の第三百条におきまして引き続き同様の趣旨を規定させていただいておりまして、今後とも保険募集に係るトラブルが発生することのないように、募集活動の適正化を図るべく保険会社を指導してまいりたいというふうに思っております。
#157
○白浜一良君 今度はまたちょっと違う角度からお伺いしたいんです。私もこれ聞いた話でございますが、競争が激しくなると、変な契約者を顧客に持つとトラブルし会社の利益にならないから、そういう利益を担保していくためにアメリカなんかでは、あなたは保険に入れないと、契約者の選別をされるという保険契約拒否というんですか、そういうケースもあるというふうに伺っております。
 そういう意味で、一方で値引き合戦なんかもあり得る、一方ではいわゆる契約拒否なんかも逆にあり得ると。そういうトラブルというか事件を引き起こさないためにどのような対策がございますか。
#158
○政府委員(山口公生君) 今、先生の御指摘になった点は大変大事な点でございまして、今回自由化、規制緩和をお願いしてございますが、これは消費者あるいは国民にとってのメリットであればいいわけでございますが、単に保険会社の方で何でもやっていいという自由化、規制緩和では、逆の引き受け拒否等の問題が生じるわけでございます。
 したがいまして、そこにはある程度の限界というものがあるわけでございます。先ほど値引きの一方で引き受け拒否としかいう話がございましたように、一方でそういう自由な活動の裏腹として逆にお客さんを選別してしまうという自由度まで発揮してしまうということになるわけでございます。そこにはやはり社会的な存在である保険会社の、義務ではございませんけれども、モラルとして保険の安定供給というものを村会的役割として果たしていっていただく必要があるわけでございます。
 そうしますと、やはり問題は商品や料率の自由化の進め方をどうするかということがポイントになってくるのかなというふうに思うわけでございます。仮にダンピング等が起きますと、そういった自由競争の裏腹としていろんな社会的な問題を引き起こすということでございますので、契約待保護の観点から自由化、例えば届け出制の導入も慎重にやっていくということで、御説明申し上げておりますように、大企業を中心とした企業物件、国際的な取引に関する保険などからステップ・バイ・ステップで進めていきまして、それで個人の生活に直接関係のある商品につきましてはやはり慎重に対応していくということで、そういったトラブルを防ぎつつ自由化を着実に進めていきたいというふうに思っているわけでございます。
#159
○白浜一良君 まあそういうことでしょうね。
 関連してですけれども、今回、三百九条でクーリングオフが法制化されまして、こういうことは実態的にはなされているんでしょうけれども、こういうことに関するトラブルもまたあるわけですね。そういう面では、今回法制化されたということは消費者保護という観点では意義も大きいと思うんですが、特段この点に関して強調されたいことはございますか。
#160
○政府委員(山口公生君) クーリングオフにつきましては余りこれまで御説明する機会がございませんでしたので、ちょっと概要もあわせて御紹介させていただきますが、保険契約につきまして、募集主体が訪問して販売を行うという形態も少なくないことから、契約荷の意思が不明確なまま契約が行われるおそれがございます。このため、消費者保護の観点から、今回の改正におきまして、保険会社に対し保険契約の申し込みをした者または保険契約者がいわゆるクーリングオフ、その保険契約の申し込みの撤回または解除を行うことができる規定を設けることとさせていただいております。
 その概要としましては、クーリングオフの可能な期間を八日間としまして、例えば契約者を害する可能性が小さい短期の契約など一定の要件に該当する場合には適用除外となること。保険会社は、クーリングオフがあった場合には、申込者に対し、解除までの期間に相当する保険料を除き、損害賠償または違約金その他の金銭の支払いを請求することができないことといった内容のものでございます。
 したがいまして、このクーリングオフ制度は、現実に即しまして、消費者の保護のためにきっちり法律に書き込ませていただいたということでございます。
#161
○白浜一良君 まあそれは意義があると思います。
 関連して申上げますが、先ほど冒頭に申し上げたんですけれども、保険というのは難しくて、会社の経営実態ということもそうでしょうし、それから保険の内容というんですか、いいか思いかという判断は非常に難しくて、当然全般的ないわゆる情報開示というのが必要なんですけれども、開示されてもわかりにくいという商品の性格があるわけです。
 そういう意味で申し上げましたら、いろんな話をしても理解しにくい高齢の方とか、それから判断能力が十分でない方がいらっしゃいますね。そういう力は、当然競争をされるわけだから、どんな商品を買ってもあんたの責任ではないかと言ばそれまでなんですが、かといって、商品の性格から多少内容的な難しさもあって、そうそうすべてをばっと判断することが難しい。このリンゴは百円です、隣のスーパーで買うたらこれが八十円だった、安いな、大体品質も同じだと、こういう話でしたらわかりやすいですけれども、非常にそういう面では難しさがあると思うんですよね。
 そういう面で、そういうことも含めて契約者を守るためというか保護するためのいわゆる自己責任ということですよね、当然そういうルールを確立していかなきゃならないわけですが、こういうことに関してどのようなお考えをお持ちでしょうか。
#162
○政府委員(山口公生君) 確かに、保険制度におきましても契約者の自己責任というのが少しずつ求められていく時代に入るかとは思うのでございますが、先生がおっしゃいましたように、非常に保険は約款をお読みいただきましてもわかりづらい。非常に分厚うございますし、また、じゃ簡単にすれば正確性を欠くと、非常に二律背反的なところもございます。そういった性格のものでございますので、自己責任だけで片づけていいものかということがございます。しかも、いわゆる社会的弱者と申されますが、そういった方々に関して言えば、さらにそこには詐欺的なことから守ってあげるとかいうことが必要になるわけでございます。
 私どものできる問題の解決としましては、規制緩和、自由化の中にありましても、そういった社会的弱者がかかわる個人を対象とする保険などについてはこれまでどおり役所が、大蔵省が責任を持って認可をする等をして、きっちりそこは見ていくということか必要ではないだろうかなというふうに思っております、かといって自由化をそれでとめてしまうということではもちろんございませんけれども、そういった保険独特の性格に基づきまして適切な対応をしていく必要があろうと思っております。
#163
○白浜一良君 それではもう少し具体的な話を何点か伺っていきたいと思います。これは法律が成立してないので難しいかもわかりませんが、相互参入の見通しです。時期の問題で先ほども少しお話がございましたが、しかし実際はどの程度の、例えば生保の会社でございましたら生保の会社が損保の子会社を持つ、損保の会社が生保の子会社を持つと。いろいろ意向をお聞きになっているとは思うんですが、どんな見通しですか。わかりましたらちょっとお教えいただきたいと思います。
#164
○政府委員(山口公生君) まだ保険会社から意向をお聞きしておりませんのではっきりわかりませんが、大手の生保の会社は恐らく子会社参入をお考えだろうというふうに思っております。
#165
○白浜一良君 まあそうでしょうね。そういうことだと思います。
 そういう免許の申請のあった子会社というのは、基本的にはもうお認めになるような流れですか。特別何かお考えはありますか。
#166
○政府委員(山口公生君) 子会社もやはり新しい一つの会社でございますので、その設立の際には、免許要件に合致しているかをよく見て、それで免許を与えるかどうかを判断いたします。
#167
○白浜一良君 それから、それぞれ生保全社が省令で定める生保の子会社を持つことができる、損保も省令で定める損保の子会社を持てると、こういうふうに規定されているわけですね、百六条ですか。この大蔵省令で定める生損保会社というのはどのような会社を意図されているんですか。
#168
○政府委員(山口公生君) この百六条にございます「大蔵省令で定める生命保険会社に限る。」あるいは「損害保険会社に限る。」というのは、破綻保険会社を念頭に置いてございます。
#169
○白浜一良君 そうですね。
 それならこういうケースはどうですか。例えば生保会社が既存の損保会社を子会社にすると、こういうケースはあり得るんですか。
#170
○政府委員(山口公生君) 子会社方式による生損保兼営を認める趣旨は、生損保両事業の競争促進を通じて事業の効率化を進め、利用者ニーズへの的確な対応を図るということにあるわけでございます。したがいまして、競争促進に資するという観点からは、原則として既存会社の買収よりも新規会社の設立の方が競争単位がふえるという意味において望ましいと解されるわけでございます。
 既存会社の買収につきましては、それによって寡占化が助長されるような場合にはその認可について慎重に検討せざるを得ないわけでございます。しかしながら、先ほどございました破綻のおそれのある保険会社を救済するような場合などは、競争単位が減少するのをむしろ防ぐという意味におきまして前向きに検討して差し支えないのではないかというふうに考えられるわけでございます。ただ、実際認可するに当たりましては、子会社を設立する保険会社との権衡なども十分踏まえつつ、具体的事案に即して検討してまいりたいというふうに考えております。
#171
○白浜一良君 今のお話を聞いていたらそれはあり得るということですね。競争原理というのは、一応は考えの上では基準にされているわけですが、どうせつぶれるんだったら吸収しても一緒や、なら競争促進を損ねぬと。簡単に言ったらそういうことですね、難しい話をされていますが。
 ですから、既存のそれぞれの保険会社を子会社にするということはあり得ると。銀行の方も、大和銀行がどこかの証券会社を子会社にしましたですよね。あれも経営破綻ということが一応考えの基準になっているわけですが、そういうふうに理解していいわけですな。
#172
○政府委員(山口公生君) 先生のおっしゃるとおりです。
#173
○白浜一良君 それから、これも冒頭に申し上げました相互参入の形態としてのいわゆる持ち株会社方式とかユニバーサルバンク方式とか、金融の方が、銀行、証券、信託が子会社方式で相互参入したんですが、特に最近、金融界でもこういう声がちらちら起こっているんです。
 これは銀行局長の方がいいかもわかりませんが、実際子会社方式で相互参入をやってみて、いい面もあるでしょうけれども、こういう面がよかったけれどもこういう面は悪かったというような、時間の経過がないから難しいかもわかりませんが、だけれども一方でユニバーサルバンク等がいいとか、やっぱり持ち株会社にしていった方がいいとかいう声もちらほら上がっているわけで、そういう観点で何かございますか、こういう点よかったけれどもこういう点悪かったというような。
#174
○政府委員(西村吉正君) 金融制度改革法を議論していただいております段階からこの相互参入の仕方についてはいろんな考え方があったわけでございます。今御指摘のございました、本体で全体の事業ができるといういわゆるユニバーサルバンク方式のような形もあり得まずし、同じように子会社的なやり方をやる場合でも、持ち株会社というやり方で横並びの子会社にする方法もございますし、今のような業態別子会社方式のようなやり方もございますし、それぞれ一長一短があるわけでございますが、その状況を総合的に勘案いたしまして、現段階では業態別子会社方式を主として相互参入をすることがふさわしいという結論に達し、今そのようなやり方で相互参入を実行しておる段階でございます。
 現段階におきましてこのような方式に特段の支障があるということは伺っておりませんが、しかしながら持ち株会社方式というものにつきましては、我が国におきましては現在、独占禁止法第九条という明確な規定がございますのでこのような方式はとれませんけれども、しかし諸外国におきましてはこのようなやり方も可能であるということで、我が国においてもそういう方法が検討できないかというような問題提起がなされておることは事実でございます。
 金融制度調査会におきましても現在そういう問題をも含めまして議論をしておりますけれども、少なくとも現実の課題といたしましては、現在まだ業態別子会社方式による相互参入を推進しておる途中でございますので、この方式を中心に進めてまいりたいと考えておるところでございます。
#175
○白浜一良君 もう少し伺いますけれども、時間の経過が浅いからその程度のお話しかできないとは思いますが、少なくとも金融制度改革法案の審議の中では、相互参入の形態に関しましては、業態別の子会社方式というのはこれは一段階の形態であって、それからまた新しい方に移行するんだという議論は少なくともなくて、この業態別の子会社方式というのは金融の自由化の一つの制度改革の姿であると、少なくとも金融制度改革法案の審議のときにはそういう結論だったですね、違いますか。
#176
○政府委員(西村吉正君) おっしゃるとおりでございまして、現在実行されております金融制度改革のプロセスにおきましては、この業態別子会社方式という方法で相互参入を果たしていこうということでございます。もしそれ以上の議論が必要だといたしますと、改めてまたそのようなことを議論し直すということになろうかと思います。
#177
○白浜一良君 これは答えにくいかもわかりませんが、今回は生損保の相互参入ということに保険がなりました。将来的に考えれば、銀行も証券も保険もという総合的な形態をいずれ考えていかにゃいかぬわけで、保険は保険で相互乗り入れを今回の改正案でやる、証券、銀行の方が先行したと。それを全体としてどうするかという議論の過程で出てくる問題だというふうに考えていいですかね。
#178
○政府委員(西村吉正君) 平成三年に行われました金融制度改革論議の段階におきましても、銀行、証券、信託そしてこの保険業も含めた幅広い相互参入の問題が当時いろいろな場、いろいろな場と申しますのは金融制度調査会であり証券取引審議会であり、あるいは保険審議会であったわけでございますが、そのような各種の場におきまして金融業、広い意味での金融業全体の相互参入の問題が検討されたわけでございます。
 そして、それぞれの場におきまして、相互参入をする場合には業態別子会社方式というものが適当であろうという結論に当時達したわけでございまして、今それぞれの分野でその方式によって相互参入を進めておるところでございますので、現段階では、金融業全体としてそのような方式で相互に切磋琢磨することを進めていると御理解いただきたいと存じます。
#179
○白浜一良君 それ以上おっしゃりにくいとは思うんですけれども、いずれ保険も含めて金融全体の相互参入の問題が出てくるわけで、今の段階での経緯は私はよくわかっていますけれども、今いわゆるユニバーサルバンクとか持ち株会社というのはテーマとしてはぽつぽつ出てくるわけです。するしないは別ですよ、するしないは別ですが、もう一度考え直すというか、将来に向けて何がいいのかと考え直すそういうタイミングじゃないかということを私は言っているわけで、それ上言えませんかね。そのぐらいは言えませんかね。
 するしないは別です。日本は業態別の子会社で相互にやった方がいいんだ、そういう結論になるかもわかりませんが、いろいろお声が出ているわけです。過去の金融制度調査会の経緯はわかりますよ。だけれども、これからのこととして考えたら、もしいろんなテーマが上がってくるとすれば、それぞれ金融が先行しました、保険もこれからやります、そういう経験を経てその相互の参入を検討する段階じゃないかということを私は申し上げているわけで、それぐらい言えないですか。
#180
○政府委員(西村吉正君) ただいま進めております業態別子会社方式につきましても、例えば証券や信託の子会社の分野では業務分野がまだ完全に開放されていない問題だとか、あるいは保険の問題に関しましては、保険業と銀行業、証券業の間の問題はまだ将来の課題として残されておるとか、この業態別子会社方式自体につきましてもまだ今後の課題が残されておって、我々鋭意努力をしていかなければならないわけでございます。
 したがって、現実的な課題としてはまだまだこの業態別子会社方式の分野に我々に対する宿題がたくさん残されておると思っておりますけれども、さらにそこから先の問題としていろいろな議論があることは私どもも承知をしておりますし、今御指摘の持ち株会社方式というものにいろいろな方々が興味を示しておられるというのも事実でございます。現に、金融制度調査会でも近々、約一年間にわたる議論の集約を行うわけでございますが、その中においても、持ち株会社方式というような問題について勉強をしていく必要があるんではないかというようなことも指摘されておるところでございます。
#181
○白浜一良君 わかりました。
 ちょっと保険部長に具体的なことを伺いたいんですが、親会社と手会社の間のクロスマーケティングですか、これは可能なんでしょうか。
#182
○政府委員(山口公生君) 生損保でお互いに子会社を展開した場合の、いわゆる親会社の販売網を使うという意味のクロスマーケティングでございますと、そういった観点は十分に考慮に入れてやっていきたいというふうに思っております。
#183
○白浜一良君 できるということですね。できるということでございましたら、子会社方式とはいえ、実質的にはこれは生損保が合体した会社ができたようなことと実態的には同じですわね。そういうふうに思いますが、それは違いますか。
#184
○政府委員(山口公生君) 今先生がおっしゃったようなのを極端な形でやりますと、生損保の兼営を禁止している意味が全くなくなるわけでございます。同一の会付が単に二つ看板を掲げてやっているというだけのことになります。したがいまして、あくまで子会社である以上は独立性というものを一方で要求されますので、クロスマーケティングということを我々としては尊重しつつも、子会社であるという独立性というのも一方で要求していくということになろうかと思います。
#185
○白浜一良君 そう思うんだけれども、その独自性というのが、クロスマーケティングをやれば、それは独自性はないのと違いますか。子会社の営業店がいっぱいできると。営業店というか支店というんですか、それで親会社があると。両方で両方の商品を売れるということであれば、足した数だけそういう店舗があるのと実際は一緒ですものね。そういう形態の中でどこに独立性というものがあるんですか。何をもって独立性とおっしゃりたいんですか。
#186
○政府委員(山口公生君) 例えばの例で申し上げますと、まず経理区分等ははっきりと別にしてもらわなきゃいけませんし、それから会社の意思決定というのももちろん別じゃなきゃいけませんし、いろんな意味で独立した意思決定、独立したそういった勘定区分等は最低限必要なわけでございます。ただ、営業といいますか募集の面でのそういったクロスマーケティングというのは、できるだけ認めてあげるということは経営資源の有効活用から好ましいことではないかというふうに思っているわけでございます。
#187
○白浜一良君 これも実態面でどうなっていきますか、流れを見なきゃあかんとも思いますが、非常に不安というか、ちょっと紛らわしいなと思われるので確認したわけでございます。
 先ほどの話に戻りますが、銀行、証券と保険も含めた総合的な金融の分野を考えまして、その相互参入という形態の段階を考えましたら、どうしても大きいところ、銀行にしたって証券にしたって、保険会社もそうでございますが、大きいところを中心に子会社ができて一つの全体的な金融の企業体というようなのができ上がっていくと思うんです。そういう意味で考えましたら、中小の会社と申しますか、そういうところが非常に生きにくくなるというか、逆に言いますと非常に特色を出さないと生き残っていけないというか、そういうことにもなるわけでございます。
 そういう面でそれぞれ銀行局長と保険部長にお伺いしますけれども、銀行で言えば信金とか信組だとか第二地銀とか小さなところがありますね。そういうところは取り残されていくような形になると思うんですね、こういう大きな流れの中では。だから、どういう方向が生き残っていく道なのか。また中小の保険会社で見れば、大手を中心として全体的な金融の企業体が形成されていくという中で、中小の保険会社というのはどういう経営方針で生き残っていけるのか。何かやっぱり特色を出さないと生き残っていけないと思うんですが、特にそういう面でお考えになっていることがございましたら、ちょっとそれぞれからお聞きしたいんですが。
#188
○政府委員(西村吉正君) こういう金融制度改革などを通じて行われます金融業の変革というものが進んでいく一方におきまして、伝統的な金融の分野におきましても依然として国民の需要というものは根強くあるわけでございますし、基本的な業務として地域金融機関がそれぞれの地域において住民への金融サービスに尽くすべき分野というものはこれからも残されていくと思いますので、いわゆる地域金融機関の役割というものが軽くなるということは私どもはないと思っております。
 ただ、金融制度改革におきましても、地域金融機関のために何か役立つようなことがあり得るのではないかということで、地域金融機関につきましては、限定された分野ではございますけれども、子会社をつくることなく本体で業務分野を拡大することができるような工夫もなされたところでございます。現在、地域金融機関はそれぞれ信託業務につきまして本体による参入を逐次行っており、それなりの成果を上げつつあるところでございます。
#189
○政府委員(山口公生君) 保険について申し上げますと、今、地域金融機関のお話がありましたような地域性というのは比較的少ないわけでございます。したがって地域性を発揮して生きていくというのが難しい事情にあるわけでございます。そうしますと、中小の保険会社としましては、その規模の格差がそのまま経営の格差とならないようにやはり商品あるいはサービス、その辺でできるだけ特色のある展開をこれからは考えていく必要があるだろうと思うわけでございます。
 なお、なかなか子会社を持って相手の方へ参入するほどの力もないということになりますと、お互いに乗り合いできない中小の生損保の会社が提携を積極的に活用するなどの経営戦略を図ってお客様のニーズに対応していくという、いろんな知恵をこれから出していく必要があるだろうなというふうに思うわけでございます。
#190
○白浜一良君 今それぞれお伺いしましたが、なかなかやっぱり難しいでしょうね、よっぽど頑張らないと。
 もう時間もなくなってまいりまして、あとちょっと何点かポイントだけ伺いたいと思うんですが、まず、ブローカー制度に関しましてちょっと二点ばかり聞きたいんです。これ保証金を供託しなきゃならないと、このようになっておりますが、この金額がばかでかいのかほどほどのものかによって随分違いますね、ブローカーになるかという数が決まっできますものね。この保証金というのは、何か一定の幅で考えていらっしゃるものがございましたらお教えいただきたいんですが。
#191
○政府委員(山口公生君) 今御指摘の保険ブローカーの保証金の額でございますけれども、この金額につきましては、やはり顧客に対する損害賠償債務の支払いを担保するに十分なものでなきゃいけないということがある一方、他方においては、余りにも高額な保証金を要求しますと参入障壁という非難もあるわけでございます。
 したがって、このような考え方に基づきまして具体的な金額を定める必要がありますが、今私どもが研究しておりますのは、外国における例でございますが、外国のブローカーの賠償責任につきましては実は保険の形でやっておりまして、賠償責任保険付保の義務づけをしております。カナダでは日本円でいきますと一事故当たり三千七百万、英国だと一年当たり七千八百万または年間報酬の三倍のいずれか大きい額、フランスは一事故かつ一年当たり一億九千万円以上の、これは保険でございます、これを必ず掛けなさいと、こうなっております。あるいは国内における他業態の保証金供託義務は、投資顧問業者が主たる営業所で二千五百万、その他の営業所につき千二百五十万、あるいは旅行業者、一般旅行業者で七千万円と、こんなオーダーでございます。
 したがいまして、私どもはこういった例を参考にしながら金額を決めつつ、また一部はこの賠償保険で代替するという姿で考えようかと思っております。
#192
○白浜一良君 まあ今はその程度ですかね。
 もう一つ、いわゆる賠償責任保険契約というのが導入されているんですが、大蔵大臣の承認を受けたときはその契約の保険金額に応じて保証金の一部を供託しないことができると、こういう規定になっているんですね。この制度を設けられた理由というのは、ブローカーもできるだけやっぱりたくさんできた方がいいというお考えで」ういう制度を導入されたかどうか、その辺の目的をお伺いしたいと思います。
#193
○政府委員(山口公生君) 賠償責任保険契約による代替を一部認めさせていただきたいと申し上げている趣旨は、保険ブローカーにとっての負担はできるだけ小さくしながら賠償資力はできるだけ高額にということを考えますと、こういったことを考える方がいいだろうと。また保険仲立人廃業後の保証が可能であるというようなメリットもございます。
 ただ、じゃ賠償責任保険だけでいいのかといいますと、故意、重過失の場合に保険がおりないというようなことになりますと今度は契約者保護上問題になるということがありますので、保証金を原則としまして、一部を代替し得る、こういう形を考えたわけでございます。
#194
○白浜一良君 それから、ソルベンシーマージンでいろいろ午前中から話が出ていますが、一つだけ伺いたいのは、このソルベンシーマージンが非常に低いところはもうこの相互参入を認めないぞと、そういうお考えも具体的にはございますか。
#195
○政府委員(山口公生君) 確かにソルベンシーマージンが低い、あるいは傾向的にずっと下がってきているというようなことでありますと、それが他の要素も考え合わせて健全性上問題があるということになりますと、やはり子会社展開については慎重に対応せざるを得ないというふうに思うわけでございます。
 ただ、それだけで決定するわけではございません。経営者の経営方針とか人的資源、経営ノウハウの有無とかいろんな観点ももちろん考え合わせますけれども、ソルベンシーマージンを一つの要素として考えるべきものだとは思っております。
#196
○白浜一良君 わかりました。
 小川局長、ずっといていただいて申しわけございません。質問順番がございまして、申しわけございません。これ一番頭にしたらよかったんですけれども。
 保護基金の問題で、これは各保険会社が積み上げていくんですが、今のところはいわゆる寄附金扱いになるんですか。ところが、実際は損金扱いにしていただいた方が積み立てという意味では充実してくると。これは当たり前のことなんですが、そういう考えも強くあるんですが、特にこの点に関しましてお考えがございましたらお教えいただきたいと思いますが。
#197
○政府委員(小川是君) 保険契約者保護基金というのが今回の法律改正により新たに設けられ、それに拠出する負担金の税制上の取り扱いの問題であると存じます。
 この問題につきましては、拠出が事前の拠出であるか事後の拠出であるか、その組み合わせがどのようになるか、あるいはその他の細目について今後さらに検討が進められるものと承知をいたしておりますので、それを十分承った上で税制上の扱いについても適切な対応を検討してまいりたいと考えているところでございまして、現状では必ずしも明確な一つのものと性格づけがなされておりませんので、税制上の取り扱いを申し上げられる段階にないということを御理解いただきたいと存じます。
#198
○白浜一良君 小川さん、どうも済みません。長時間申しわけございません、大事なお立場でございますのに。
 もう時間が参りましたので、大蔵大臣、いろいろ議論したいことがあったんですが、もう最後でございますのでお伺いしたいんです。
 共済がございますね。これは大蔵省の所管でないものが多いんですが、今回、保険の取り扱いという面で相互参入に伴っていわゆる保護基金という考えが設けられました。当然共済は趣旨が違うといえば違うわけではございますが、共済も、そういう契約者の保護を図るという面でこのような考え方というんですか、保護基金のような考え方の適用を受けるべきじゃないかというふうに私は思うんです。これは大蔵省だけの考えではいかないと思いますが、大蔵省としての見解を伺って質問を終わりたいと思います。
#199
○国務大臣(武村正義君) 共済は私どもの所管ではありませんが、先ほども議論がございましたように、仲間内でつくっているのが普通でございますから、先ほどお話があったように、どんどん一般的に幅広く、百円で組合員なり会員をふやしていくとちょっと別でございますが、そうでなければ仲間内の助け合い運動のようなものでございます。やはり経営の健全性をしっかり確保していただくことが大事ではないか。
 仲間内の事業という意味では、本来こういう生命保険、損害保険のような保護基金は必要ないのではないかと思うわけでありますが、しかし、非常に会員が広がってきておりますと経営上心配な面も出てまいりまして、ここはそういう相関関係がございますが、各監督官庁がしっかり経営指導の責任を全うしていくことが大事だというふうに思います。
#200
○池田治君 私は、相互会社について若干お尋ねをしたいと思います。
 保険会社の形態には株式会社と相互会社がございます。相互会社は相互救済を基本とする保険会社に特有の形態でありまして、特に生保においては大部分が相互会社であろうかと思っております。これは、戦後の法改正に当たりましてマッカーサー司令部が強力に相互会社を推進したということもございまして、現在まで生き長らえていたんだと言われております。
 株式会社ですと、少数株主権の保護とか、取締役の責任とか、第三者に対する会社の責任とか、株主代表訴訟とか、利益配当に関する細かい規定とか、いろいろ会社と社員、会社と第三者の間の権利義務の関係が細かく規定されております。しかし、相互会社においてはややもすれば、相互扶助といいますか、相互救済というような目的のためにこのような規定が若干緩やかなのではないかと思っております。そうして、実際の経営活動に当たっては、両会社とも余り現在は差がなくなってきたのが実情ではないかと思っております。また、保険事業が急激に発達してまいったこともありまして、相互会社も巨大化して、その経営動向が経済全体に及ぼす影響力も次第に大きくなってきたのが現在だと思っております。
 そこで、私は相互会社の存在意義というのはもうほとんどなくなったんではないかと思っておりますが、大蔵当局の方はまだ存在意義があるように考えておられるのでしょうか。この法案によると廃止ということもございませんので恐らく考えておられるんだろうと思いますが、どういう理由でこういうことをお考えになっておるんでしょうか、お尋ねします。
#201
○政府委員(山口公生君) 我が国の生命保険会社の過半は保険業法に基づく相互会社制度をとっております。
 歴史的に見ますと、今先生のおっしゃった戦後の歴史の影響が大きいわけでございますけれども、これは理念的に申し上げますと、相互会社制度が、相互扶助という保険の精神や、安全を見込んで契約時に徴収した保険料を後で契約者に還元するという保険事業の性格に適したものとして保険会社に限って認められているものでございます。また、この相互会社制度には株主が存在いたしません。したがって、株主の配当負担とかそういうものがないわけでございます。したがって、いわゆる実費主義といいますか、その理念に基づく可及的に安い費用での保険保護を提供できるというメリットがあります。
 アメリカにおきましても大手生保の中には相互会社制度をとるものが多うございますし、したがって、今後とも相互会社制度はその存在意義を有する必要な制度であると思うわけでございますが、今回の新しい保険業法案におきましては、各社の経営上の判断から株式会社への転換を希望する場合にはその道を開く。すなわち、相互会社の方が株式会社の方よりすぐれているんだという気持ちはございませんが、相互会社を否定しなければならないという理由もない。どちらを選んでもいいというような考え方で今回相互会社から株式会社への道も開いたと。あるいは、もちろん株式会社から相互会社への道というのも既にございますが、両方通行にさせていただいたということでございます。
#202
○池田治君 そこで、株式会社と相互会社との組織変更についてもお尋ねしますが、今回の法案では、保険会社の組織形態について、株式から相互へあるいは相互から株式へども組織変更ができるようになりましたね。これに対しまして、昭和十四年の保険業法改正のときは、株式会社から相互会社への変更しか規定されていなかった。それが戦後ずっと続いてきたわけですね。
 このときの議事録をとってみますと、山岡萬之助貴族院議員が次のように質問をしております。
 保険会社ハ、資本関係ヨリモ保険金額関係ヲ重ク見ルモノデアリマスルカラ、ソコデ合併、組織変更ナゾノ場合ニ於テ外国、殊ニ「アメリカ」ニ於テハ、此ノ頃相互カラ株式ニ移リ行クコトハ認メナイト云フヤウデアリマス、此ノ案ハ、株式ト相互ト移リ行クコトヲドウ認メテアリマスカ、政府トシテノ御考ハ、ドウ云フ風ニ今後ノ運営ニ付テハ重キヲ置イテ居ルノデアリマスカ、
ということで、昭和十四年ごろから株式と相互会社というのを保険会社が取り入れることについての議論があったようでございます。
 これに対しまして政府委員は、
 組織ノ変更二付キマシテハ、株式カラ相互二移ル場合ノミヲ規定シテ居リマス、組織変更ト致シマシテ八相互カラ株式二更ルコトヲ認メテ居リマス、
 政府ハ、今後相互会社ニ依ッテ保険会社ヲ経営セシムル方針デアルカノヤウニ伝ヘル者ガゴザイマスガ、サウ云フ考ハ持ッテ居リマセヌ、何故ソレナラバ相互カラ株式ニスル場合ノ規定ガ無イカト云フコトニナリマスルト、相互会社ガ其ノ経営ガ行ケナクナッテ、
経営がやっていけなくなってという意味だと思いますが、
 経営ガ行ケナクナッテ、株式ニシテクテハナラナイト云フ場合ガアリト致シマスルト、結局資本ノ力ニ依ッテ相互会社ノ救済ヲ図ラナクテハナラナイ場合デアラウカト考へマス、
 相互会社ガ経営ガ困難ニナッタ場合ニ、株式ノ形式ニ依リマシテ、資金ヲ集メルコトガ困難デアルコトハ想像セラレルノミナラズ、寧ロ左様ナ会社ヲ生ジタ場合ニハ、契約者ニ迷惑ヲ掛ケナイヤウニ契約ヲ移転セシメルナリ、管理セシメルナリ、此ノ法律ノ改正ニ依リマシテ、他ニ適当ナ方法ガ考ヘラレテ居リマスカラ、サウ云フ風ニサシタガ宜シイト云フ考ハ持ツテ居ル訳デアリマス、
というような政府の答弁でございます。
 したがいまして、この議論からいきますと、相互から株式会社への組織変更については認めないと。それはなぜなら、ほかの方法でやりなさい、契約関係を移転したり管理したりするものをほかの機関に任せて救済をしたらいいんであって、株式に頼るようなことをしてもとても資本は集まりませんよと、こういう政府側の答弁であったように思います。
 したがって、今回はそういうことがないような改正案になったわけですけれども、運用につきましては、相互から株式への組織変更ということになりますと、やっぱり経営難に陥った会社のことも念頭にわくわけでございますが、そのような場合に株式を集めて株式会社にしようということが果たしてできるのか。できにくいと思いますが、大蔵としてはどういうお考えを持っておられるか、御答弁願いたいと思います。
#203
○政府委員(山口公生君) 今、先生が昭和十四年の改正時の資料を御披露いただきまして、私どもも大変参考になる御議論を御紹介いただきました。
 確かに相互会社から株式会社への組織変更につきましてはいろんな議論があったかと思いますが、恐らく当時の議論は、契約を強制移転させるかどうか、つまり契約をどう生かすかということをいろいろ議論していたと思うので、そういう頭でいろんな議論がなされていたと思うのでございます。そういった観点できっとそういう御答弁を昔なされたんではないかなと思うわけでございます。
 確かに、先生がおっしゃるようなシチュエーションでありますとなかなか株式会社化は難しいというのは私もそう思います。ただ、私どもが今この業法案でお願い申し上げておりますのは、そういった経営難に陥った場合のみに限るものじゃございませんで、どちらかというと株式会社の方が財産的基礎の確立という意味ではいい面がございまして、そちらを選ぶ場合は、決して経営難でなくても、純資産がありましても株式会社化を経営判断として選択することがあり得るだろう、そういう意味で今回組織変更規定を設けさせていただいた。大分時代の背景が違っているようでございます。
 そういったことで、大変参考になる御意見を御披露いただきましてありがとうございました。
#204
○池田治君 確かに時代が移りまして、この質問者も、保険会社は資本関係よりも保険金額関係を重く見るものであるというような質問をしておりますので、資本関係がどう移るかということだけを念頭に置いていた御質問であり、また政府もそのような答弁をなさっておると思います。
 御答弁いただきまして、相互に組織変更ができるということの自由が今回の改正案で与えられたものだと理解しておきます。
 次に、相互会社の主な機関としては、意思決定機関として社員の総代会、業務執行機関としては取締役会、及び監査機関としての監査役会が置かれておりますが、これは株式会社と同じような三段階の構成でございまして、民主的思想も反映したものと思っております。
 これらの社員総代会を初めとする相互会社の組織、機関につきましては、これまで保険審議会の場などでそのあり方について議論されてきております。一九八九年五月には保険問題研究会から相互会社制度運営の改善についてという報告も出されており、改善もなされてきました。しかし相互会社に対しては、依然として社員の意思が会社経営に適切に反映されていないのではないかといった意見や社員総代会の機能、性格が不明確になってきているという声も大でございます。
 そこで社員総代会制度について伺いますが、総代会は、相互会社の意思決定者たる社員、つまり契約者が極めて多数に上っており、全国に分散していることにもかんがみまして、社員総会にかわるべき最高の意思決定機関として形式上は運営されてきたものだと理解しております。そうであるなら、社員各層の意向を正確、適正かつ幅広く反映させていかなければなりません。そのためには、社員総代の選出方法が一番重要な問題になってくると思います。
 今は保険会社の業界の自主ルールによって社員総代候補者選考基準というものがあって、選考委員会によって基準に従った者を候補とされているようでございます。この選考基準というものはどういうものなのか、内容をまずお教え願います。
#205
○政府委員(山口公生君) 社員総代の選出につきましては、今先生もおっしゃいましたが、社員総代会において社員の中から選ばれた選考委員で組織する社員総代候補者選考委員会というのを設置いたします。この社員総代候補者選考委員会におきまして社員の中から社員総代候補者を選ぶということになっております。この社員総代候補者に対しましては全社員の信任投票を実施しまして、不信任とする投票の数が選挙区の社員数の十分の一に満たないときは選任されたものというふうにみなしております。
 なお、この社員総代の選考につきましては、職業、年齢等に配慮してその選考に当たっているということでございます。
#206
○池田治君 形式はわかりましたが、この選考委員会による選考方法に対しましても、会社にとって好ましい人だけが選出されて一般社員の意思が反映されるような人選になっていないのではないか、こういう疑問もかなり投げかけられております。
 例えば、保険問題研究会などでも提言されておりますが、社員総代の一部について立候補制度などを導入することも必要なのではないかと考えますけれども、大蔵はいかがお考えでしょうか。
 そしてもう一つ、全社員の信任投票といいましても、参議院議員の選挙のように政策を発表して一人一人が投票に行くような信任投票ではございません。小さい文字の葉書を送ってきて、それで賛成の者はこうだ、来ない者は信任とみなす、こういうような一方的な定款的な規定によって信任になったならぬを判断されるわけですから、こういうものをはっきりした全社員の意思、信任ということはなかなか現代社会にあっては言えないんではないか、こう思いますが、大蔵のお考えはいかがでしょうか。
#207
○政府委員(山口公生君) 相互会社につきまして、その総代会を立候補制という議論が従来からございますが、そのメリットは、確かに社員総代になることを希望する社員にその機会が与えられるということになるわけでございます。
 反面、多数の社員による投票は、この方がふさわしい、あるいはこの入はこういう考え方を持っているということをはっきりわかった上で投票するということになりますから、合理的なコストの範囲内でできるかどうか、言ってみれば選挙をやるわけですから大変コストがかかるということ。それから、各社員、例えば一番大きい会社だと千五百万人ぐらいおるわけですから、それが投票すべき候補者を的確に選ぶことができるだろうかという、理屈で考える非常に理想的な姿と現実に照らしたときどうかといろ、問題がございます。
 こうしたことから、立候補制度の採用につきましては、現在各社においてその問題点も含めて慎重に検討を行っているところでございます。
 それから信任投票の制度につきましては、これは現時点においては精いっぱいの仕組みだろうと思うのでございますが、これに限らず総代会の総代の選出についてはいろいろと改善を加えていく必要があるだろうし、そういうふうに各社も努力しております。また、総代会においていろんな多様な意見、特に契約者の方々の意見がよく反映するように地方地方で契約者懇談会等を開いています。そういったものが素直に上がっていって議題になるような、いろいろそういった中身の問題も改善していく必要があろうというふうに思っております。
#208
○池田治君 もう一つお尋ねしますけれども、全社員の中から選ぶということですが、これは立候補制でないんですが、だれがどうして選ぶんでしょうか。一番最初の人はだれが指名するんですか。
#209
○政府委員(山口公生君) 先ほど申し上げましたように、選考委員会というのは、まず総代会において社員の中から選ばれた選考委員で組織する選考委員会でございますから、ちょっとぐるぐるっと回る感じにはなるわけでございますが、一応選考委員という人たちが、学識経験者等が選ばれて、その人たちが恐らく会社が提出するいろんな材料を見ながら候補者を決めていくということだろうと思います。
#210
○池田治君 会社が提出するいろいろな材料をもとにしてと言われますが、その材料がいわゆる候補者基準というものですか。
 私は基準を聞きたいんですけれども、どういうことでどういう人ならば候補者になってもいいということになる基準があるはずなんですよ。会社からいろいろなものが出されて、それに基づいて決めたと言えば、会社の都合のいい人を選んだと言っても同じことじゃないですか。
#211
○政府委員(山口公生君) 明確な基準というものが共通してあるというふうには認識しておりませんが、職業あるいは年齢、性別、それから会社の社長さんだけに偏ることのないように、あるいは消費者の代表のような方もということで、バランスをとりながら決めているというふうに承知しております。
#212
○池田治君 これ以上は質問しても無理だと思いますのでやめますけれども、この基準についてはやっぱり会社の都合のいい人だけがやられるという批判があるわけですから、大蔵もそれなりの御指導を願いたいと思います。
 次に、相互会社の経営のあり方についてお伺いしますが、より公正な業務運営を確保して開かれた幅広い視野、に立った経営を実現するためには、社外取締役も多数受け入れてその機能を十分に発揮させることも重要であるということが審議会等でも言われておりますが、当局としては各相互会社に対して社外取締役の受け入れを促進することを進められるのかどうか、またどのような方策でそれに対処されるのかをお尋ねします。
#213
○政府委員(山口公生君) 昭和四十年の保険審議会におきまして、社外役員の選出はその一部を広く一般社員からも選ぶことが望ましいと答申がありました。同年四月十四日に通達で、会社役員の選出に際しいわゆる社外役員を加えることということで、各社にその改善を求めてまいりました。さらに平成元年の保険問題研究会において、相互会社には社外取締役を必ず置くこととの答申をいただいておりまして、現在、相互会社十六社中十五社でその導入が図られておるわけでございます。
#214
○池田治君 次に、評議員会についてお尋ねします。
 評議員会というのは、相互会社の運営に適時社員の意思を反映させたり、会社運営の公正を図るために経営に関する会社からの諮問を受けたり、また意見を述べたりすることを目的として設置されております。
 このような評議員会も現在では形の上であるだけで、何ら大した役割も果たしていないという声もあるようでございますが、最近における会社から評議員会への諮問の状況はどういうものがあるか、各社ごとの開催の頻度、平均して年に何回ぐらい各社は評議員会を開いているかということがおわかりになりますればお教え願いたい。あわせて、評議員会のあり方、どういう相互会社における位置づけということを大蔵省はお考えになっているかもお聞かせ願います。
#215
○政府委員(山口公生君) 評議員会への諮問の内容あるいは開催の頻度等についてまず申し上げますと、大手の例で申し上げますと、評議員会の開催は年に三回程度行われております。またその際の議題は、経営の基本方針、決算の状況、契約者懇談会の実施状況などに関するものが中心になっているわけでございます。
 この評議員会という制度は、相互会社の運営に適時社員の意思を反映し、また会社運営の公正を図ることを目的として設置された経営諮問機関でございます。社員または学識経験者の中から社員総代会で選出された評議員によって構成されております。
 先ほど申し上げましたように、業務の内容としましては、いろいろ経営上の重要事項について審議する、あるいは会社から諮問を受けた事項も審議する、取締役会へ意見具申を行うなど行っておりますほか、社員総代会に対してもその審議結果の報告を行っております。
 評議員会は設置から既に長期間を経過しているわけでございますが、私ども行政といたしましても、御指摘のように活性化を図る必要があると思いまして通達等によって適宜指導しているところではございますが、今後とも審議の活発化とその機能の発揮が十分になされるように引き続き指導してまいりたいというふうに考えております。
#216
○池田治君 最後に、ディスクロージャーについてお尋ねしますが、本法律案は相互会社の経営状況について一般へのディスクロージャーも義務づけられることになっております。しかし、どこまで実効性の高い内容とするかは、保険契約者にとって重大な関心事でありますが、余り期待できないのじゃないかという声も大であります。なぜなら、法案では、「保険契約者等その他の取引者の秘密を害するおそれのある事項、保険会社の業務の遂行上不当な不利益を与えるおそれのある事項及びその記載のため過大な費用の負担を要する事項については、」公衆にディスクロージャーをしなくてもよいことになっております。
 こういっただし書きといいますか特約条項がございますと、これはいかようにも拡大解釈できるようでございますが、まず「業務の遂行上不当な不利益を与えるおそれのある事項」とはどういうものか。そして「その記載のため過大な費用の負担を要する事項」とはどういうものか。幾らくらいが過大で幾らまでは過小だと言われるのか。これは会社によってそれぞれ違うのではないでしょうか、お尋ねをいたします。
 これが最後ですから大蔵大臣の御見解もお尋ねしたいと思います。
#217
○政府委員(山口公生君) まず、事実関係の分を中心にお答え申し上げます。
 ディスクロージャーで三つの除外要素といいますか規定をしております。「保険契約者等その他の取引着の秘密を害するおそれのある事項」はディスクローズしなくてよろしいと。例えばどういうものかといいますと、個別契約者の契約内容に関する事項、半熟といえば当然だと思うんですが、そういうものはやらなくていいと。それから「保険会社の業務の遂行上不当な不利益を与えるおそれのある事項」、例えば新商品の開発の進捗状況に関する事項などが当たろうかと思います。それから、その記載のため過大な費用の負担を要する事、項」、これは縦覧に供するための統計資料、新しい統計をつくるために多大な費用がかかるというようなものだと思います。ただ、その費用が幾らぐらいかというのは、確かに先生がおっしゃるように各社でまちまちだろうと思うんですが、経営者の良識で適切に判断するということしかないかと思うんですが、そういった条件のもとでのディスクローズでございます。
 ただ、この条件は銀行法等でも同じでございまして、何もこれがあるからディスクローズを制限的にやっていいというものではもちろんございません。今、保険会社は大体銀行など他業態と遜色のないディスクローズをしております。そういうことで今回この法律の規定を置かせていただきましたし、こういったディスクロージャーに前向きに保険会社が取り組むよう指導してまいりたいと思います。
#218
○国務大臣(武村正義君) 特段つけ加えることはありませんが、ディスクロージャーは大変大事な課題だと認識をいたします。銀行など他の業態の開示状況等とのバランスをとりながら、今後とも一層ディスクロージャーの方向で努力をしていかなければならないというふうに認識いたします。
#219
○池田治君 終わります。
#220
○吉岡吉典君 五十数年前の片仮名の読みにくい法律を改正するということは必要だと思います。その際、私はその改正に当たっての基本として貫くべきは、やはり契約者、利用者へのサービス、保護、こういうことであるべきだと思います。
 大臣、その点は異論ないと思いますが、いかがですか。
#221
○国務大臣(武村正義君) 契約者の保護というのは基本でありますし、大変大事なことだと思います。ただ、そのためにも会社の経営がしっかり健全に運営されなければならないということではないかというふうに認識をいたします」。
#222
○吉岡吉典君 私は、この提案理由説明それから衆議院以来の論議を聞いていますと、今度の改正のその基本がやはりどうかなという疑問を持たざるを得ないんです。
 それは、この保険制度をめぐる経済社会情勢の変化にどう対応するかということに力点が置かれ、そしてそれとの関係での経営の健全性、もちろんそのことは契約者の保護、契約者へのサービスということと関係はありますけれども、しかしそれは結果としてそうなるんで、考え方には、前提としてそれを貫くという姿勢が弱いような感じがしてなりません。
 それはこれからの何何か行われるであろう審議を通じていろいろお伺いしていきたいと思いますけれども、一つこういうのを私いろいろ保険の関係者に会って話を聞いている中で感じたのでお答え願いたいのです。
 もちろんそういう自由化、国際化という経済社会情勢の変化もあるけれども、実はそれに加えて今の保険会社の経営の実態というのがこういう改正のもう一つの動機になっているんだということで、これは武村大蔵大臣の衆議院での答弁を見ましても、「生命保険会社の最近の経営状況は、保険料収入の伸び悩みに加えまして、昨今の株式相場の低下や円高など運用環境の悪化等から、厳しい状況にあると聞いております。」云々と、こう述べられている。確かに状況は私はそうだと思いますけれども、そういう結果、保険会社の経営は大ピンチであり、何らかの手を打たなくちゃならないという状況にあるのかどうなのか。
 こういう話も私聞きました。運用利回りが予定利回りよりも大きく下がった結果、今の保険をそのまま続けていたら今の保険料ではもう完全にパンクで、もうどうにもならない事態になりかねない、そういうことがもう一つのこの改正の大きい理由になっているんじゃないかというようなことを関係者からも聞きましたので、それはどういう状況にあるのかを含めてお答え願いたいと思います。
#223
○政府委員(山口公生君) 保険会社の平成六年度の決算につきましては、まだ取りまとめ中でございますのでよくわからないわけでございますが、全般的に申し上げまして、保険料収入の伸び悩みに加えまして株式相場の低下、円高などの運用環境の悪化から厳しい状況にあると聞いております。ただ、各社ともリストラ等事業の効率化に一層努力をしておりまして、事業収益の改善が期待されるわけでございます。長期的にはそういうことでプラスの効果も出てまいってくると思います。
 運用環境に比べて予定利率が高いという問題が確かに現時点においてはございますし、いろいろそういった団体年金のようなものの料率の交渉も始まっているやに聞いております。そういったこともこれから保険会社の採算を左右する観点ではありますけれども、先生がおっしゃったような今大変なピンチだということではございませんで、保険会社としても中長期的に経営の安定を図るべく努力しております。
 それと今回の法律改正そのものとは直接関係があるわけではございませんで、法律改正は長期的な視点から五十六年ぶりの改正をやらせていただく。規制緩和、健全性、公正な事業運営ということで長期的視点に立って改正をお願いしているわけでございます。
   〔委員長退席、理事竹山裕君着席〕
#224
○吉岡吉典君 私は大ピンチだというので不安をあおろうという意図はありませんから、そうでなくということならそれはそれで結構です。
 さて、改正の基本を利用者へのサービス、そして契約者の保護というところに私は置くべきだとさっき言いましたけれども、そうだとすると、私はさっき大臣がお答えになったような経営の健全性ということだけでは十分でないと思うんです。
 私は、特にこの改正に当たって、五十数年ぶりの大改正だというからなおさらのことですが、やはり広く経営者の声を聞くとか、あるいは今全国各地で起こっているいろいろなトラブル、そのトラブルの中には自殺者まで出ているという状況ですね。そういうトラブルの実情、原因、どうやったらいいのか等も含めていろいろ検討されるべきであるし、どうしてもそれは必要だと思います。そういう広く利用者の意見も聞く等の努力というのは作業を行われたかどうか。そういうのはこの保険審議会の答申に任されて、これを受けての改正ということになっているのか。お答え願います。
#225
○政府委員(山口公生君) 保険をめぐるトラブルあるいは訴訟等が多く発生しているという御指摘もあるのでございますけれども、今回の法律改正におきましては、長期的な視点に立ちまして、先ほど申し上げたような趣旨で改正を行おうとするものでございます。従来からこの保険の募集の段階でのいろんなトラブル等につきましては適切に対応するように指導してまいってきているところでございまして、法律が変わる前におきましてもそういったものをできるだけ起こさないようにしていくことが大切だろうということでまいっており、法律改正後もそういった姿勢は必要だろうと思うわけでございます。
 生命保険協会が生命保険相談所の方で苦情あるいは相談を受け付けておりますけれども、平成五年で七千五百五十七件ございました。また、損保協会の損害保険相談室でも相談や苦情を受け付け、五千八十件ございました。これも全部苦情とかトラブルというわけじゃなくて、相談件数の方がかなり多いわけでございますが、保険に対する関心の高まり、保険商品の多様化から、その保険商品の内容、保険金の支払いなどに関する相談が非常にふえております。
 それから、最近の特徴ではございますが、非常に経済状況を反映しまして、個人所得の伸び悩みから、解約に関する相談とか保険会社の減配、保険料引き上げに対する相談も増加しております。中には、おっしゃいましたようないろんなトラブルのような苦情も見受けられます。
 私どもとしましては、保険会社に対して、こういった実情をよく把握しながら、保険募集に当たっては保険商品の内容などを十分に説明するよう指導してまいっているわけでございます。そういった現実のお客様の声を行政にも反映してまいりたいというふうに思っているわけでございます。
#226
○吉岡吉典君 私の質問の中心は、トラブルだけじゃなくて、もちろんトラブルも含めてですけれども、契約者、保険利用者の声を広く聞いたかどうかということですけれども、今の答弁だとそういう作業はなかったように受け取れます。適切な指導を行ってきたということですからね。
 しかし、トラブルだけじゃなくて例えば解約という問題、これもトラブルの一種に加えられるかどうかわかりませんけれども、解約の結果トラブルになっているのもあるかもしれませんけれども、そういうことを含めて、やはりそういうことの現状をよく調べて検討するということは欠くべからざる作業だったと思います。
   〔理事竹山裕君退席、委員長着席〕
 そういう意味で、保険業の現状の中で起こっている幾つかの問題について私はお伺いしたいと思いますが、まず解約ですね。解約というのは一般的に私は契約者にとって不利、損失を受けるものだというのがこれまでも大蔵省が言ってこられたことだというふうに思いますが、その点、解約そのものをどういうふうにごらんになっているのか。
#227
○政府委員(山口公生君) 生命保険会社の個人保険の最近の解約件数の状況は、平成五年で五百二十九万件で、前年度に比較して三十二万件増加しております。
 この原因としましては、全国実態調査によりますと、これは生命保険文化センターの調査で止すが、解約・失効の主な理由では、他の保険、共済に切りかえたものが平成六年二八・三%と理由のトップになっておるわけでございます。また、まとまったお金が必要になったものというのが二五・五%、保険料が払えなくなったものというのが二二・三%に最近増加しておりまして、これはどうも景気の低迷によりまして契約者が保険料負担を軽減させるために解約していることが主な原因ではなかろうかというふうに見られております、
#228
○吉岡吉典君 それは私が次に聞こうと思っていたことで、解約は契約者に不利だ、損になるんだというのが、大蔵省のこれは募取法改正のときの答弁を見ましても、これは契約者に損害を与えるんだと当時の銀行局長が答えていますけれども、そういうふうにごらんになるのか、解約そのものは大したものじゃないというふうにごらんになっているのか、その点極めて端的に。
#229
○政府委員(山口公生君) 解約という事実だけを純粋に考えてみますと、お客さんにとっては不利になるわけでございます。それは解約したことによって解約返戻金というのが継続する場合よりは減るわけでございますね。ただ、解約する事情というのがそれぞれございますので、そういった諸事情を一切捨象しまして解約とそれを継続したということだけを単純に比べたときは、先生のおっしゃるとおり不利だというふうに言えようかと思います。
#230
○吉岡吉典君 不利になるから、例えば乗りかえというふうなものも勝手にやっちゃいかぬと。これは契約者側じゃないですよ、募集する側が。そういうふうに募取法でも決めているわけでしょう。募取法は原則的には乗りかえを禁止しているわけでしょう。それは今度の改正案でもそうなっているわけでしょう。それどうですか。
#231
○政府委員(山口公生君) 御指摘のとおり、今の募取法でも今度の法律におきましても、そういったお客様に不利になることがわかっている、それを乗りかえを推奨するということはやってはならないということにしてございます。
#232
○吉岡吉典君 よその会社の契約者を、不利になる解約をさせて自分の会社と契約を結ばせようとする、そういうことは禁止されておるということですね。これは私は当たり前のことだと思うんです。しかし、現実にはそれが広くやられているんです。そういう状況も検討した上での改正でなきゃ実態に合った改正にならないというのが、私のよく調査したかということで言いたい点であるわけですね。
 これはある保険会社の社内報ですが、今、我が社にしかこういう有利な商品ないんだと、このときにリフォーム、乗りかえをそういう言葉で呼んでいるんですが、これを大いにやれと言って会社の重役がハッパをかけているんですよ、こんなでかい本で。不利になって現行の募取法でもやっちゃいかぬことになっているのを大いにやれと言ってやっているわけですよね。
 だから、いろいろなそういう会社の資料を見ても、今の解約はそういう乗りかえによる解約だと。そういう乗りかえ競争の激化の中に入り込めなんていうふうなことを盛んに言って、それで社内報でそういう契約を結んだ経験交流までやっているんですよ。
 あなた方はそういう状況を御存じですか。そういうことを踏まえてどうやるかということは、適切な指導をやっていますということでは済まない問題があるから私は言っているんですが、そういう盛んにやられている状況を御存じですか。
#233
○政府委員(山口公生君) 生命保険会社におきましてそれぞれの時代の消費者ニーズの変化に応じた新商品の開発が行われているわけでございます。こうした中で、保険会社の募集人がお客さんに対しまして保障額と保障内容の見直し等を提案することは通常行われているところであるわけでございます。
 しかしながら、募集に当たりまして契約者に経済的な不利益を説明することなく、すなわち私が先ほど申し上げました不利益になるということを説明しないで既存契約を不当に中途で解約させて新しい契約に加入させる、これがいわゆる乗りかえ行為でございまして、こうしたものは募取法でも禁止されておりまして、そのような行為があってはならないことは当然だというふうに思っておるわけでございます。
 私どもとしましては、保険会社に対して、保険募集に当たっては商品内容を十分説明するなど、保険募集が適正に行われるよう教育、指導の徹底を引き続き指導してまいりたいと思っております。
#234
○吉岡吉典君 私が聞いたのは、そういう実情を知っているのかということが私の質問ですよ。それにはお答えにならない。だから、あなた方はそれには触れたくないと、やられていてもね。
 私が今のお答えに関連して保険の関係者から聞いていることであれしますと、他社からとってくる、これは禁止ですよね。自分の社内の転換、これも、転換するよりはなぜ追加契約を結ぶ方法をとらないのかというふうに、私も保険のことは幾らか内部でタッチしたこともありますから申し上げますけれども、しかしそこに理由があるんだということを私この間聞いて、ああなるほどそうかと思いました。
 それは、運用利回りが予定利回りよりも大きく下がった結果、今の保険料ではもうもたなくなっちゃったんだと。会社が大変だから、だから社を挙げて今そういう転換を進めているんだと。そこに保険会社がやっていけるかどうかのかぎがあるぐらいにそうなっているんだということを、これ私はある幹部に聞きましたけれどもね、そうだとすると、社内の転換でも、自分の社が結んだものでもそれは決して有利なものにならないと。ましてや、よその会社の契約を破棄させてとってくるというふうなものは、これは法律でも禁止していることですよね。
 そういうふうなことを私は聞きましたけれども、大蔵省としてはそういう点はどうお考えになりますか。
#235
○政府委員(山口公生君) 募集に当たりましては、そういった場合に契約者に経済的な不利益などをきちんと説明するということは特に大切だと思うわけでございます。お客さんの方が説明を聞いた上でそちらを選択されるというなら問題はないわけでございまして、その説明を不十分なままやってしまうということは問題があろうというふうに思うわけでございます。
#236
○吉岡吉典君 今の答弁では私は納得できませんけれども、そういうふうにいろいろな問題がある。
 そして私は、商品の届け出制の導入ということがあるから、商品それ自体についても、今問題のある商品があるかないか、そういうことをやはりこの改正に当たっては十分検討されたかどうかということもお伺いしたいんです。
 例えば、団体定期保険の問題ですね、有名な、訴訟にもなった文化シャッター事件というのがあるんですが、会社が従業員に保険を掛ける、そして従業員が亡くなった、保険金が五千万円出た、遺族には十万円香典を渡しただけだということで訴訟になった事件ですけれども、こういう保険というのは私はどこからどう見てもおかしいと思うんです。
 だから、そういう商品についてもいろいろな面から当然検討がなされなきゃならないし、同時に、この届け出制の導入というようなことはよほど慎重でなきゃならないと思いますけれども、今の商品、そんな心配のあるものはないという見解ですか。どうですか。
#237
○政府委員(山口公生君) 自由化の一つでございます届け出制の導入ということに関連しまして申し上げますと、届け出制を契約者に混乱のないような形で導入するということで、まず企業の物件を対象に始めるということを考えておりまして、今先生の御指摘になったような個人を相手にするようなものにつきましては、大蔵省も認可という形で一つ一つチェックをしていかなければならないだろうというふうに思っているわけでございます。
 それから、団体定期保険について、多額の保険金を企業が受け取ったにもかかわらず従業員の遺族にその一部しか支払われなかったという事例が発生して、それが訴訟になったということは私どもも承知しております。
 この件に関しましては、企業に支払われた保険金の使途について大蔵省が直接指導する立場にはないわけでございますけれども、従業員の福利に資する観点から、当該商品を活用して企業が弔慰金や死亡退職金の原資を確保することは社会的に見て望ましいということだと思っております。現在は被保険者たる従業員の同意を得て契約が行われているわけでございます。こういった経験にかんがみまして、現在、各生命保険会社におきましては、弔慰金規程の具体的な内容と保険の内容との間に大きな隔たりがないかを確認し、団体定期保険の本来の趣旨が損なわれることのないよう最大限の注意を払ってまいっているところでございます。
#238
○吉岡吉典君 大臣、常識的にお伺いしたいんですけれども、従業員が亡くなって五千万円保険金が出た。家族に渡したのは十万円ですよ。一部といえば一部だけれども、五千万円の中の十万円なんというのは一部分とさえ言えないと思いますよ。今の答弁だと、弔慰金制度も検討するとおっしゃるけれども、企業が会社の福利厚生に保険金を充てること自体は構わないというふうな、それは今の保険法上どうなっているかは別として、世間は私は納得できるものではないと思いますよ。
 そういう商品が現にあるわけですから、やはり商品は世間の納得を得ないようなものになってはならないという点で絶えずこれはチェックしていく、そういう努力は必要だというふうに大臣お考えになりませんか。
#239
○国務大臣(武村正義君) 法律全体を改正して、新しい時代に対応し、積極的に国民の御期待にこたえていくということが目的でございます。
 幾つか事例をお示しいただきましたが、いずれにしましても、アンフェアなケースが起こるようなことがあってはならないという姿勢で、大蔵省もこの法律をお認めいただきますれば最善を尽くしていかなければならないと思っております。
#240
○吉岡吉典君 私がきょうここで論議しているのは、個々のケースの解決をどうやるかということではなくて、そういういろいろなトラブルに見られる根本には、商品それ自体にもやはり問題があり、商品の届け出制の導入ですけれども、そういうのはよほど慎重でなくちゃならないんではないかという趣旨で申し上げているわけであります。
 きょうはもう時間が来ましたから、この次に具体的な論議はやっていきたいと思いますけれども、例えば変額保険、これなんかは今全国で三百件も訴訟が起こっている、訴訟と別個に苦情申し込みというのも数百件起きている、こういうふうに言われているわけですね。
 私も今、この変額保険で、相続税対策ということで勧められて全財産を失ったという人の相談を持ちかけられているんです。その人は、相続税対策だといってこの保険を掛けたら相続すべきものがなくなってしまったと、こういう実態で、それこそこの訴えが書いているように自殺でもしなくちゃいかぬかと何回も考えだということですが、こういうのが一件や二件なら別として、訴訟になっているものだけでも数百件もあって、そういうのは私はその保険の商品にやはり問題があると思います。
 したがって私は、こういう改正の際、そういう起きているいろいろな問題についての十分な調査が行われないままやられたのでは、本当に基本として貫くべきだと私が言っている利用者へのサービス、契約者の保護というのを貫いた改正ということにならないと思うんですよね。
 私はさっき解約の問題でも言いましたし、商品の問題でも言いましたけれども、さっきの団体定期保険にしてもこの変額保険にしても、そういうトラブルが見られるところには、やはり商品についての突っ込んだ研究の余地があるということぐらいはせめてお認めにならないと、もうとても国民の間で保険というふうなものは危ないものなんだということになってしまうと思うんですが、結論として大臣いかがですか。
#241
○政府委員(山口公生君) 今回の法律改正におきまして届け出制等の自由化をやりますが、あくまで個人のものは慎重に対応するということで考えております。
#242
○吉岡吉典君 大臣にお聞きしているんです。
#243
○国務大臣(武村正義君) 政府委員の答弁申し上げたとおりであります。
#244
○島袋宗康君 長時間にわたって大変御苦労さまですけれども、いましばらく御辛抱をお願いしたいと思います。
 ちょっと大臣にお尋ねいたしますけれども、今回の法案では目的規定を置くこととしておりますけれども、その中で保険業の公共性をうたっております。同趣旨の規定は銀行法にもありますけれども、この保険業における公共性とは具体的にどういう意味なのか、その辺について御所見を承りたいと思います。
#245
○国務大臣(武村正義君) この法案で言う公共性は、一つは、保険は、社会に発生するさまざまな危険に備え、万が一事故が発生した場合には国民の経済生活を保障するという重要な役割を果たしていることであります。いま一つは、公的な保障の補完や被害者の救済といった役割を担っているということであります。さらに三点目には、保険商品の販売により資金を受け入れ、資産運用の一貫としてこれらを資金需要者に供給するといういわゆる金融仲介機関としての役割を果たしている。以上三点がこの目的規定で言う公共性であると考えております。
#246
○島袋宗康君 法案の第三条において、「生命保険業免許と損害保険業免許とは、同一の者が受けることはできない。」というふうな規定がございまして、法案第百六条で子会社により生損保が相互参入できることになっているわけでありますけれども、第三条から見ると、基本的には兼営してはならないというふうな考え方が盛られておりますけれども、その理由は何でしょうか。生損保それぞれのリスクに相違があるからか、あるいは子会社形態だと兼営のときに存在するリスクがなくなるということなのか。そうだとしたら、それはいかなる根拠に基づくのか、お伺いいたします。
#247
○政府委員(山口公生君) 生損保の兼営が禁止されております理由は、生命保険業と損害保険業において引き受けますリスクや保険期間が違うことから、生損保を兼営することによりまして、損保の短期的かつ優大なリスクと生保の運用リスク簿長期のリスクを同時に保有することが内部補助等の問題を生ぜしめまして、生損双方の経営の健全性に影響を及ぼすことが考えられるからでございます。そういうことで兼営禁止をしておるわけでございます。
 今回、生損保本体での兼営禁止は維持しつつ子会社による相互参入を認めさせていただきたいのは、生損保本体と法人格を別にしまして、それで明確なリスク遮断が可能となるからでございます。そういう理由で、子会社形態をとればそのリスク遮断の観点から兼営禁止の脱法にはならないということを考えているわけでございます。
#248
○島袋宗康君 日本の中小保険会社は、株式市場の低迷による含み益の大幅な減少等がございまして、かつてない厳しい経営環境にあると思います。今回の改正により、子会社をつくることができる中小保険会社はどれぐらいあるのか。
 金融機関の場合と違い、保険の場合は都銀や地銀などの区分はなく、同じ土俵で競争しなければならない。その意味で今回の相互参入は事実上大手のみに限られると考えられますが、その背景には、中小保険会社は第三分野等に特化すべきという行政の考え方があるのではないかというふうに思いますが、その点についてお伺いします。
#249
○政府委員(山口公生君) 子会社の形でそれぞれの分野に相互参入するか否かは各保険会社の経営判断でございますので、現段階でどれくらいの会社が子会社を設立するかは不明でございます。まして、中小の保険会社でそうした意欲を持たれる会社がどれくらいあるか、今のところ余り正確な情報を持っておらないわけでございます。
 ただ、なかなか中小の保険会社の場合は難しい事情にあろうかという気もいたすわけでございます。そうした子会社を持てない生命保険会社または損害保険会社につきまして、今先生の御指摘のような、第三分野に参入すべきだといった考え方が行政の方にあるわけではございません。例えば、生損保のお互いの提携を積極的に活用するなどの経営戦略、あるいはサービスで特色を出すということで、各社が持ち味を生かして利用者のニーズに対応しながら活躍していくということが期待されるわけでございます。
#250
○島袋宗康君 中小保険会社の参入については、大体この法律が制定されてどれぐらいの期間でこういったいわゆる中小保険会社の参入が見込まれるか、そういった見通しについてはございませんか。
#251
○政府委員(山口公生君) 法律をお認めいただきましてその後施行しますれば、いつでもその条件が整ったところから認めていくわけでございますけれども、今申されましたどれくらい子会社展開の希望が出てくるかというのは、まだ私どももよく意見を聴取しておりませんので、確たることを申し上げられないことを御理解賜りたいと思います。
#252
○島袋宗康君 生損保の相互参入といっても、生命保険と損害保険の分野では参入コストに差があると思います。
 例えば、生保が損保に参入する場合、査定網、再保険網にかかる初期投資のコスト、他業リスクの大きさ、営業職員の損保商品習熟の困難さ等が負担になると思います。一方、損保による生保子会社の設立は、初期投資コスト、募集コスト、他業リスクなどの面で生保より取り組みやすいと一般に考えられております。
 こうしたことから、損保の生保参入は行われても生保の損保参入はなかなか起こらないんではないかというふうな指摘がありますけれども、この参入は一方通行的な参入になるおそれがありませんか。そういった点についてお伺いいたします。
#253
○政府委員(山口公生君) 生損保の相互参入には、御指摘のような初期投資コストがかかるということは事実でございます。
 ただ、今先生の例に挙げられたような初期投資コストはいろんなものがあろうかと思います。したがいまして、一概にどちらが有利だということも言えないのではないかというふうに思っております。いずれにせよ、子会社による参入につきましては、それぞれの保険会社がそれぞれ経営判断をなさって、適切に決断をしていただくということだろうと思います。
 それに加えまして大切なことは、子会社展開をする前提として、自分の本業である会社自身がしっかりしたものでなければならないわけでございまして、それが足を引っ張られるような子会社展開でありますと、それはマイナスに働くわけでございます。そういったことも総合的に勘案して決断をされるのではないかというふうに思っております。
#254
○島袋宗康君 子会社設立に当たっては、その資本金基準が参入の大きな壁になると思います。多くの保険会社の参入によって競争の促進が図られるならば、結果としては保険契約者の利益につながると思いますけれども、そうであれば、できるだけ多くの相互参入が行えるように資本基準を下げなければならないというふうに思います。
 そこで、中小の保険会社にとっては、複数の会社が共同出資して子会社をつくる方式とか、あるいはまた他業界との共同出資によって子会社をつくるとか、そういったものが当然考えられるわけでありますけれども、こういう手法は認めることができるのか。もしできないとすれば、その理由についてはどういう御見解なのか、承りたいと思います。
#255
○政府委員(山口公生君) 生損保の相互参入に伴う子保険会社も、おのずから保険会社である以上は、設立の最低資本金は親保険会社と同様に十億円と政令で定める予定でございます。それが一点。
 二点目は、生損保の相互参入に際しましては、金融制度改革を踏まえ、業態別子会社方式が採用されており、法律上は親保険会社が子保険会社の経営を支配し、きちんと責任を持って管理することが必要であるとの観点から、親保険会社が単独で子保険会社の過半の株式を所有または取得する必要がございます。その場合におきましても、子会社方式は、本体で行うかわりに子会社を設立してリスク遮断等を行わしめようというものでございますので、親会社と子会社の一体性を確保する必要があるとの観点から、一〇〇%出資の方が望ましいわけでございます。
 親保険会社が単独で子保険会社の株式を過半数以上一〇〇%未満研何または取得する場合におきまして、残りの株式を共同出資することにつきましては、親会社と子会社との関係が大変複雑となり、特に、その一部出資者と当該子会社との関係をどう位置づけるかなど難しい問題が発生する可能性もあり、独禁法上の見地も踏まえ、具体的状況に即して慎重に検討してまいりたいというふうに考えております。
#256
○島袋宗康君 今の御説明によりますと、複数の会社が共同出資してやるということは極めて困難というふうなことで理解してよろしゅうございますか。
#257
○政府委員(山口公生君) いろいろな難しい問題が特に発生するということで、そういう感触を持っております。
#258
○島袋宗康君 銀行、証券相互乗り入れにおいて論議されましたファイアウォールの内容についてお伺いいたします。
 人、物、金すべての面において厳格にファイアウォールを築くとなれば、それにかかわる投資コストは莫大なものになると思います。仮に、部や支店はもとより、営業拠点レベルまで店舗、要員、機器を分けて配置することになると、中堅以下ではほぼ不可能になると思います。
 今回の改革は、親子間の経営資源をできるだけ共用し、経営コストを下げて、その成果を価格競争に反映させるということだとすれば、おのずとファイアウオールは限定されたものになるはずであります。こういったものについてどういうふうにお考えなのか、お伺いします。
#259
○政府委員(山口公生君) 生損保の相互参入に伴いますファイアウォールとしましては、法律上は、いわゆるアームズ・レングス・ルールと省令委任規定を設けさせていただいております。
 省令以下のファイアウォールの内容につきましては、生損保の場合は同じ保険でございますので、銀行、証券の間におけるような利益相反等といった問題は起こりにくいということ、及び親子間の経営資源の有効活用という観点からのクロスマーケティングの趣旨を踏まえながら、他方、子会社である以上は親会社からある程度独立していることが必要だと考えられること、及び生損保の兼営禁止の趣旨も考慮しながら、現在の生損両業界の実態を十分勘案して定めてまいりたいと考えております。
 今、先生の御指摘のように、銀行と証券との間のような高いファイアウオールですと、大変に莫大なコストがかかるということもございます。経営資源の有効な活用という観点からも問題が生じますので、そういったものよりは低いファイアウオールになろうかというふうに考えております。
#260
○島袋宗康君 次に、保険ブローカー制度についてお伺いします。
 保険ブローカー制度が導入されることになりますと、この制度の導入によって国民にはどのような利便の向上が図られるのか。
 我が国では、生命保険募集人及び損害保険代理店が全国にきめ細かく展開しており、ブローカーが参入できる余地があるのかどうか非常に疑問に思っておりますけれども、それについてはどういう御見解なのか、承りたいと思います。
#261
○政府委員(山口公生君) 保険ブローカーは、御承知のように、保険会社と契約者との間に立って、保険契約者がみずからのニーズに最も適した保険商品を選択することを手伝うという役割があるわけでございます。現在、我が国の保険販売におきましてはブローカーは存在しないわけでございますが、諸外国におきましては、その形態は一様ではないもののブローカーが一般的に認められております。
 ただ、保険ブローカーの予想される機能としましては、諸外国の事情を見ますと、大企業物件を中心としまして、中立的な立場から最も適したいわばオーダーメードの商品を媒介しておるのが通常でございます。したがいまして、現在の損害保険代理店あるいは生命保険募集人とは異なる存在意義があるのではないかというふうに思っております。
 保険ブローカー制度が導入されることによりまして、企業物件が中心になろうかとは思いますが、販売チャネルの多様化及び販売面での競争促進を通じて利用者利便の向上が期待できるものというふうに考えております。
#262
○島袋宗康君 これは国民の立場からの利益というふうなことを考えますと、従来のいわゆる代理店とかいったようなものは特定の会社の代理店というふうになりますけれども、このブローカー制度において複数の保険を紹介することができる、そういった点で国民の利益が図れるというふうに理解してよろしゅうございますか。
#263
○政府委員(山口公生君) 確かに理論的に言うとそういう可能性もあるわけでございます。ただ、諸外国の例を見ますと、個人の物件等についてブローカーが活躍しているという話は余り聞きませんで、むしろ今申し上げた企業物件について活躍をしていると。個人物件につきましては、やはり代理店等でやっているのが実情のようでございます。
#264
○島袋宗康君 生損保の第三分野への相互参入については、中小保険会社や外国保険会社の中に第三分野への依存度の高い会社が存在すること等を踏まえ、他の分野の規制緩和の進展度合いを見て進めることになっております。しかし、この点については国内でも、自由化、規制緩和に逆行するもので、米国の圧力に屈したとの見方もありますけれども、こうした見方について大臣の御所見を承りたいと思います。
#265
○国務大臣(武村正義君) 第三分野における今後の生損保の乗り入れにつきましては、審議会の答申におきましても、早い時期に、中小保険会社、外国保険業者の中に第三分野への依存度の高い会社が存在することなどを踏まえ、所要の激変緩和措置をとることが適当である旨の指摘がされていたところでございます。
 したがって、今回の配慮規定は日米包括協議における保険分野交渉の決着内容に沿うものであるのと同時に、今般の保険制度改革についてのこうした提言を出された審議会答申に沿ったものでもあるというふうに御理解を賜りたいと存じます。
#266
○島袋宗康君 今後こういった規制緩和についてどのように進めていくのか、どういうような手法で規制緩和していくのか、そういった点についてもう一遍お伺いします。
#267
○国務大臣(武村正義君) 御指摘の生損保本体の第三分野相互乗り入れにつきましては、経営環境の急激な変化を避けながら、他の分野の規制緩和の進展度合いを見ながら順次進めてまいりたいと考えます。
#268
○島袋宗康君 第三分野については、人口がふえないことにはマーケットの拡大は図れないと思います。もちろん、普及率が低いという反論もあるでしょうけれども、普及率を今以上に高めるコストとそれから生まれる収益を比べると、果たして経営資源を投入する動機が働くかどうか、必ずしも楽観できないんではないかというふうに考えます。
 今後、第三分野への新規参入が行われず、現状のまま固定化されることはないかどうか、その辺についてお伺いします。
#269
○政府委員(山口公生君) 一般的に申し上げまして、国民のニーズは非常に多様化、高度化してまいっております。今後ともいわゆる第三分野と言われる傷害・疾病・介護分野におけるマーケットは拡大するものと思われるわけでございます。傷害保険の収入保険料全体に占める割合で申し上げますと、一九七三年、昭和四十八年でございますが、このとき三・一%にしかすぎなかったものが、一九九三年、平成五年には二八・二%を占めるまでに成長しております。
 今後につきましては、先生がおっしゃいましたように、人口がふえないことによる影響というもの、これもかなり影響はすると思うのでございますが、一方、人口の急速な高齢化あるいは核家族化、それから疾病構造の変化というものがございまして、国民の老後生活への不安と関心が高まっている。不安を解消しなきゃいけないということで、傷害・疾病・介護分野の商品に対するニーズの多様化も予想されるわけでございます。
 現在におきましても、第三分野について配慮規定を置かせていただきましたが、生保、損保それぞれの分野で第三分野でかなりいろいろな新商品の開発を進めておりまして、そのニーズに的確に対応しようと努力しているわけでございます。
 最近はまた新しく、傷害または疾病により就業、つまり働くことに障害が生じて所得が減少してしまったと、その被害、損害を長期にわたり補償する保険、長期障害所得補償保険といったものが発売されるなど新しい商品が出ておりまして、こういった商品が生損保それぞれの分野でいろいろ開発されてくるものというふうに期待しているわけでございます。
#270
○島袋宗康君 終わります。
#271
○委員長(西田吉宏君) 本日の質疑はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
   午後四時五十七分散会
ソース: 国立国会図書館
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