くにさくロゴ
1995/03/28 第132回国会 参議院 参議院会議録情報 第132回国会 外務委員会 第7号
姉妹サイト
 
1995/03/28 第132回国会 参議院

参議院会議録情報 第132回国会 外務委員会 第7号

#1
第132回国会 外務委員会 第7号
平成七年三月二十八日(月曜日)
   午前十時一分開会
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         田村 秀昭君
    理 事
                野間  赳君
                猪木 寛至君
    委 員
                笠原 潤一君
                成瀬 守重君
                野沢 太三君
                矢野 哲朗君
                大渕 絹子君
                大脇 雅子君
                清水 澄子君
                松前 達郎君
                石井 一二君
                黒柳  明君
                武田邦太郎君
                立木  洋君
   国務大臣
       外 務 大 臣  河野 洋平君
   政府委員
       外務大臣官房外
       務参事官     谷内正太郎君
       外務省総合外交
       政策局長     柳井 俊二君
       外務省総合外交
       政策局国際社会
       協力部長     高野幸二郎君
       外務省総合外交
       政策局軍備管理
       ・科学審議官   林   暘君
       外務省アジア局
       長        川島  裕君
       外務省北米局長  時野谷 敦君
       外務省欧亜局長  野村 一成君
       外務省経済局長  原口 幸市君
       外務省経済協力
       局長       平林  博君
       外務省条約局長  折田 正樹君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        大島 弘輔君
   説明員
       防衛施設庁施設
       部施設取得第二
       課長       金澤 博範君
       環境庁企画調整
       局地球環境部調
       整官       松村  隆君
       外務大臣官房審
       議官       高野 紀元君
       食糧庁業務部輸
       入課長      西藤 久三君
       林野庁林政部木
       材流通課長    米山  実君
       林野庁指導部計
       画課長      工藤 裕士君
       水産庁振興部沿
       岸課長      本田  進君
       工業技術院標準
       部標準課標準企
       画室長      濱田 昌良君
       建設省建設経済
       局建設業課長   竹歳  誠君
       自治大臣官房環
       境対策企画官   佐藤 文俊君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○千九百九十四年の国際熱帯木材協定の締結につ
 いて承認を求めるの件(内閣提出)
○航空業務に関する日本国政府とポーランド共和
 国政府との間の協定の締結について承認を求め
 るの件(内閣提出、衆議院送付)
○所得に対する租税に関する二重課税の回避及び
 脱税の防止のための日本国政府とフランス共和
 国政府との間の条約の締結について承認を求め
 るの件(内閣提出、衆議院送付)
○原子力の安全に関する条約の締結について承認
 を求めるの件(内閣提出、衆議院送付)
○家族的責任を有する男女労働者の機会及び待遇
 の均等に関する条約(第百五十六号)の締結に
 ついて承認を求めるの件(内閣提出、衆議院送
 付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(田村秀昭君) ただいまから外務委員会を開会いたします。
 千九百九十四年の国際熱帯木材協定の締結について承認を求めるの件、航空業務に関する日本国政府とポーランド共和国政府との間の協定の締結について承認を求めるの件、以上二件を便宜一括して議題とし、これより質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#3
○野間赳君 まず、熱帯木材協定につきましてお尋ねを申し上げたいと思います。
 私は、かつて製材業をやっておったことがございます。戦後、戦災復興で山の木を切りまして住宅を建設していきまして、日本の山は相当木材が減ってまいりました。また、山が荒れてきたという傾向になってきたかと私は思っております。その後、輸入木材に依存をしてやっていかなければならないというようなことで、製材の機械を大型のものにやりかえていかなければならない、また木材を載せます台車をかえていかなければならない、そういうふうなことで近代化資金を導入してそういうふうな設備を改善していったのでございます。今日ではそういうふうな業務はやめておるわけでありますが、いずれにいたしましても、国内ではもう到底その賄いがつかないというようなことになってまいりまして、輸入木材の量が大変多くなってきたと私は思っております。
 現在、我が国の木材の総需要というのが、よく言われておりますことでありますが、約一億一千万立米という木材の需要があるようでございます。その七割五分、七五%がもう既に現在では外材に依存をしておるということであります。二割五分が国産材で賄っておると、こういうふうな状況でございます。人口一人当たりということになりますと一人約一立米年間使用しておると、こういう情勢でございます。南洋材はもとよりでございますが、米材、北洋材、そういうふうなものがどんどん入ってきておりまして、丸太、また加工された製品、ベニヤ板、またチップ材、そういうふうなものが入ってきておるわけでありまして、そういうふうな中で南洋木材が千五百万立米という数値を数えるということになっております。
 そういうふうな中で、今回のITTOの協定というのは大変私は重要なことであると思っております。我が国におきましては初めて設置をされました国際機関でもありますし、我が国日本が果たしていかなければならない役割というのはそういった中で非常に私は大きいものがあると思っておりますので、そういうふうな観点に立ちまして二、三質問を申し上げますので、ひとつよろしくお願いを申し上げたいと思います。
 地球環境につきまして、九二年六月にリオで環境と開発に関する国連会議いわゆる地球サミットが開催をされまして、二十一世紀に向けましての行動計画でありますアジェンダ21が採択をされました。御承知のとおりでございます。その第十一章で森林減少対策が記載をされております。また、この地球サミットでは森林原則声明もあわせ採択をされたのでありますが、これらとの整合性と申しますか、実施状況、原則声明がどういうふうなものであるか、この協定のかかわりというのがどういうふうなことになっておるか、まず大臣にお尋ねをいたしたいと思います。
#4
○国務大臣(河野洋平君) 議員お尋ねのアシエンダ21及び森林原則声明等につきまして申し上げたいと思います。
 御指摘のとおり、一九九二年六月に開催されましたUNCEDにおきましてアシエンダ21及び森林原則声明などが採択をされたわけでありますが、アジェンダ21は環境と開発に関する諸問題についての行動計画を包括的にまとめたものでございます。我が国といたしましても、アジェンダ21を踏まえて、国内施策に取り組むとともに、国際協力を積極的に実施してきておりまして、特に環境保全のための国際的な法的枠組みづくりへの貢献、環境ODAの拡充強化などに重点的に取り組んできておるわけであります。
 森林原則声明は、地球のすべての種類の森林を対象として、森林の保全と持続可能な経営に関して、主権と責任、世界の緑化、林産物貿易などにかかわる原則をまとめた十五の原則から成るものでございまして、我が国としてもこの声明を誠実に履行してきているところでございます。
 本協定は、前文におきましてアジェンダ21、森林に関する原則声明を引用していることからも明らかなとおり、UNCEDの中心的な理念でございます持続可能な開発の考え方を基本理念の一つとして作成されたものであって、持続可能な開発の過程に寄与することを目的の一つとしております。より具体的には、熱帯林資源の利用と保全とを両立させることを目指す二〇〇〇年目標の推進をもってその実施に努めていくことといたしているということでございます。
#5
○野間赳君 また、八五年に国連食糧農業機関、FAOが熱帯林の適正な開発と保全を図るために熱帯林行動計画、TFAPを採択いたしました。このTFAPとは、実施状況がどういうふうなことになっておるのか、この協定とのかかわりがどういうふうなことになっておりますか、あわせて組織としてのFAOとITTOとの関係についてお伺いをいたします。
#6
○政府委員(原口幸市君) ただいま先生が御指摘になりました熱帯林行動計画、我々TFAPと言っておりますけれども、これはFAOの熱帯林開発委員会におきまして八五年に採択されたものでございまして、各国の森林、林業の状況、問題点及びその解決の方法を明らかにするための調査を行いまして、その結果に基づいて将来に向けてとるべき具体的な方策から成る国別の熱帯林行動計画を策定して、その実施に先進国、国際機関等が協力していこう、こういう枠組みでございます。
 他方、現在御審議いただいておりますもとになるITTOは、熱帯木材の国際貿易の発展を図りまして熱帯木材生産国の輸出収入の増加及び消費国への供給の安定を確保することを目的としておる商品協定の実施機関でございます。
 六機関の設立を規定している熱帯木材協定においては、熱帯木材の商品協定として、世界の木材経済に関する協議、熱帯木材の国際貿易を持続可能な供給源からのもののみについて行うことを西暦二〇〇〇年までに達成するための加盟国の能力の向上、あるいは国際木材市場の透明性を確保するための市場情報の改善等を目的として、これら目的のため熱帯木材生産国と消費国の間で必要な具体的な政策、具体的に例を挙げますと、例えば二〇〇〇年目標あるいは持続可能な熱帯林経営についての基準及びガイドラインの作成等でございますが、こういう具体的政策を策定する場を設けること、あるいは市場情報、造林、森林経営、林産業等の分野で各種調査、技術協力など種々の事業を実施することを規定しているわけでございます。
 現在御審議いただいておりますこの協定の十四条には、この協定の目的を達成するために関連機関の努力の重複を避けるということを書いておりまして、FAO等の既存の機関の活動の補完性及び効率を高めるための規定でございます。両機関の活動の重複を避けて、かつ足りないところを補うという形での配慮が払われてきております。
#7
○野間赳君 この協定の目玉は二〇〇〇年目標とバリ・パートナーシップ基金というように私は理解をいたしておるわけでありますが、二〇〇〇年目標は、もう既に五年間経過をいたしておりまして、あと五年間がこれからということであります。
 今日までの五年間の成果と、これからの五年間の目標をどういうところに置かれておるのか、あわせてお尋ねをいたしたいと思います。そして、パートナーシップ基金が設立をされるわけでありますが、どのような規模でどのように運営をされていこうとしておるのか、お尋ねを申し上げたいと思います。
#8
○政府委員(原口幸市君) 先生御指摘のとおり五年前に二〇〇〇年目標が採択されまして、以来ITTOとしましては、二〇〇〇年目標を具体的に実施するために事業等の優先事項を定めた行動計画の策定、それから持続可能な熱帯林経営のための基準及びガイドラインの作成、あるいは相当数に上ります事業の実施など、いろいろな取り組みを実施してきております。
 他方、ITTOとしましては、本年、九五年に加盟国から二〇〇〇年目標の実施状況に関する中間的な報告の提出を受けまして、それに基づいて今後の措置を理事会において検討していくという予定になっておりますので、現時点では二〇〇〇年目標の達成状況につきましては定量的な意味で具体的には把握しておりません。
 しかしながら、例えばITTOが一九九〇年に派遣したサラワクの調査団の勧告を受けまして、持続可能な森林計画を達成するための保護林の拡大、あるいは生産林からの木材伐採量を減少させていくという具体的な措置をとったことからでも明らかなように、ITTOが多くの森林生産国において実施している事業の七ないし八割が持続可能な森林経営関係のものであります。また、前述のとおり、持続可能な熱帯林経営のための基準、ガイドラインを作成していること等によりまして、ITTOは二〇〇〇年目標の達成のために着実に貢献していると考えております。
 いずれにいたしましても、世界の熱帯林減少の問題の深刻さ、緊急性にかんがみまして、世界の熱帯林保全の達成のため、我が国としても積極的に引き続きITTOに対して協力していく所存でございまして、また二国間ベースの枠組みにおきましてもこの目的のために努力していく所存でございます。
 それから二番目の御質問でございます基金の規模でございますが、パートナーシップ基金は二〇〇〇年目標達成のために加盟生産国に対して資金援助を行うために設けられたものであります。交渉の過程におきましては、具体的にいかなる資金規模でどういう活動に対して使用されるかということについてはまだ議論がされておりませんで、御質問の点はこの協定の発効後の理事会で検討されることになると思いますが、今までITTOは年間の事業予算額、総額約二十億円ぐらいでございますけれども、その八割を熱帯林保全に直接かかわりのある造林あるいは森林経営の分野に使ってきておりまして、従来からのこうした傾向は今後の検討において考慮されるべきものと考えております。
#9
○野間赳君 本協定を作成するに当たりまして、森林保全の問題で生産国と消費国との間でかなり厳しい対立があったように伺っております。どういうふうなことが議論をされたのか、差し支えのない範囲でその経緯をお教えいただきたい。理事会はコンセンサス方式での運営が原則ということになっておりますが、今後の影響などが気にかかところであります。
 また、熱帯木材以外の木材について二〇〇〇年目標を適用させるべきかどうかという問題が私はあろうかと思うわけでありますが、その辺の動きなどおわかりでございましたらお教えをいただきたい。
#10
○政府委員(原口幸市君) 私の方から前半の御質問をとりあえずまずお答えさせていただきたいと思います。
 この協定の交渉過程におきまして地球環境問題に対する関心が高まりまして、特に熱帯林の持続可能な経営を求める世論を背景といたしまして、環境面の配慮を強化した新協定の作成を望む消費国と国内の貴重な経済資源でもあります熱帯林の利用が外部からの環境保全の理由で制約されることを懸念した生産国との間で厳しい交渉が行われたことは事実でございます。
 交渉での主な争点といたしましては、協定中に二〇〇〇年目標を規定するか否か、それから同協定を規定する場合、目標実施のための資金はどうやって確保していくのか、また同協定の導入によって熱帯木材生産国のみに不利とならないように協定の対象に温帯林も含めるべきかどうかといった問題がございました。
 このように、交渉に臨む立場の違いから生産国と消費国の間の対立はあったわけでございますが、各国とも新協定の早期作成に積極的に貢献するという姿勢でございましたので、四回の交渉会議を通じまして各問題ごとに議論を尽くして徐々に妥協点を探る努力がなされ、最終的にはコンセンサスによってこの協定が採択されるに至った次第でございます。
 したがいまして、交渉会議における生産国と消費国との間の対立点は、双方の歩み寄りによる合意が成立していること、また従来よりITTOは生産国と消費国との協調的な関係を通じて持続可能な森林経営に係る種々の問題、例えば二〇〇〇年目標の採択でありますとか、持続可能な経営についての基準あるいはガイドラインの作成等、こうした問題にコンセンサスで対処していくことができたということから考えまして、今後のITTOの運営にもコンセンサス方式が今回の対立によって深刻な影響を受けることはないと、そのように私どもは考えております。
#11
○政府委員(高野幸二郎君) お尋ねの温帯林等の持続可能な経営に向けてどのような措置がとられているかという点につきましてお答えさせていただきたいと思います。
 大別いたしまして二つございまして、一つはいわゆるヘルシンキ・プロセスと言われているものでございます。これは一九九三年六月、ヘルシンキにおきまして欧州森林保護閣僚会議というものが開催されました。これの対象は欧州の森林でございます。これを対象といたしました持続可能な森林経営のための基準指標づくりというものが開始されたわけでございまして、一連の会議を経まして、九四年六月にはただいま申し上げました閣僚会議のフォローアップ専門家会合におきまして最終的に基準指標が採択された次第でございます。これがいわゆるヘルシンキ・プロセスでございます。
 他方、欧州以外の温帯林等につきましてはいわゆるモントリオール・プロセスと言われているものがございまして、こちらの方は同じく九三年にモントリオールにおきまして温帯林等の持続可能な経営に関する専門家会合というものが開催されまして、欧州以外の温帯林等についての基準指標づくりが開始された。それ以降、九四年六月には国際作業グループというものも発足いたしまして、その後、ジュネーブ、ニューデリー、オタワ、それから昨年十一月の東京会合等を経まして、最終的には本年二月、チリのサンティアゴにおいて開催されましたこの作業グループの会合におきまして基準指標についての最終的な合意がなされたということでございます。
 我が国といたしましても、これらの基準指標に基づきまして、森林の持続可能性を検証しつつ、この分野での取り組みを一層充実させていくことが重要と考えております。また、本分野における国際協力にも積極的に今後取り組んでまいりたいと考えている次第でございます。
#12
○野間赳君 ITTOは日本の数少ない、唯一と言っていいと思いますが、国際機関であります。日本はその活動に対してどのような協力をしてきたか、また熱帯林保全については環境ODAでいろんな形で協力ができると思うわけでありますが、どのようにかかわってきたか、考えられてきたかということをお尋ね申し上げたい。
#13
○国務大臣(河野洋平君) まず、ITTOに対する協力について申し上げたいと思います。
 昨年我が国が理事会の議長を務めたのを初めといたしまして、各種の政策的議論への参加、専門家の派遣、事業の実施のための拠出、本部の誘致と支援などを通じて機関の活動に積極的に貢献をしてまいりました。また、九四年協定交渉においては、バリ・パートナーシップ基金につき消費国の一つとして積極的な姿勢をとり、新協定成立に向けて貢献をしてきたわけでございます。今後とも引き続き支援を行ってまいりたいと考えております。
 環境ODAについてのお尋ねがございました。
 御承知のとおり、我が国は、政府開発援助大綱におきまして環境の保全を基本理念としたほか、環境と開発の両立を原則として掲げて、環境重視を打ち出しているわけでございます。このような観点から、我が国は九二年のUNCEDにおきまして環境分野の援助を九二年度から五年間で九千億円から一兆円をめどとして大幅に拡充強化することを表明いたしまして、九二年度と九三年度の二年間で既にその半分を超える実績を上げたところでございます。
 具体的な協力について若干申し上げれば、タイ、中国、インドネシアにおきまして環境研究研修センターを建設するとともに、環境問題への対処能力向上のための技術協力を実施しているところでございます。森林分野における協力も世界各地で着実に実施をいたしておりまして、九三年度における実績は百六十九億円となっており、主な協力例としては、タイ、ケニアなどにおける苗木の生産や植林の普及を目的とした技術協力や、インド、メキシコなどの大規模な植林計画に対する資金協力が挙げられると思います。
#14
○野間赳君 航空協定についてお伺いをします。
 今回の二国間協定、ポーランドで四十七カ国ということになるそうでございます。ポーランドから申し出があって二十年という歳月が経過をして、今回やっとのことであります、締結にはどういうふうな基準があるのか。私は、今回のことは、関西国際空港の開港待ちということも恐らく一つの大きなことであったかと思うわけでありますが、採算面であるとかまた国交の関係であるとか、そういうふうなもろもろのものを考えてのことで、まだこれから四十カ国が締結を待っておるというような状況である様子でありますが、今後の方針についてお伺いを申し上げたいと思います。
#15
○国務大臣(河野洋平君) 御承知のとおり、我が国の飛行場の状況というものは大変厳しい状況でございます。今、議員御指摘のとおり、なおまた四十カ国近くの国からの申し入れがございます。そうした中で、我が国としては、相手国との間の経済的交流及び人的交流の促進に資するとの観点から、二国間定期航空路線の開設を目的とする航空協定の締結を積極的に推進していくという方針ではございます。
 締結に当たっては、両国間の航空需要、両国間の政治、経済、文化などの交流関係、我が国の空港事情、相手国のハイジャック防止対策への配慮などの諸点を重視しつつ対処していくこととしているわけでございます。
 なお、ポーランドについては、航空需要が不十分なこと、空港事情が逼迫していたことなどから協定締結の要望に応じる状況になかったわけでありますが、ポーランドの民主化以降の二国間関係の緊密化、関西国際空港の開港などの事情を踏まえてこれに応ずることとしたものでございますこ
#16
○野間赳君 ありがとうございました。
 私は条約二件につきましての質疑を終わらせていただきまして、笠原議員から関連質問をお願いいたしたいと思います。
#17
○笠原潤一君 昨年の十一月初め、横浜でアジアフォーラムが開催されたわけです。日華両国から百名の方々が出席されまして、非常に熱心にアジアの問題を御討議いただいたわけでありますが、そのときに公式に李登輝総続からメッセージが送られまして、来年、すなわち本年十一月に大阪で開催されるAPECに出席をしたい希望を表明されたのであります。
 昨年の広島のアジア大会は大変な成功に終わったわけですが、御承知のように、李総統におかれては、公式に招待されましたけれどもああいう政治的な問題があって、日本の大成功に終わることを非常に期待されたために、残念ながら御本人は御出席をされなかったわけであります。そういう点では東洋人の徳といいますか、李総統はそういう意味で日本人の心を大変思いやり、成功に導かれたということで、私も立派な方だと思っておりますし、そういうことであろうと思っています。
 昨年、ジャカルタで村山首相は、中国の江沢民主席との会談で、シアトル、ジャカル夕方式を踏まえて日本でAPECの開催をするという意向を江沢民に伝えられたという話が新聞に出ておりました。
 今世紀最大の国際問題で特に日本のリーダーシップが求められるというのは中台間の関係修復、これが国際間における最大の公約数でありまして、そういう意味で、国際政治のリーダーシップをとる我が国としては、この問題で一番大きな責任を問われると思っております。アジア諸国の皆さんの信頼をから取るためには、文字どおりアジアの盟主である日本が、本年、日本でAPECが開催されますから、それを行い得る絶好の機会ではなかろうかと思っています。
 御承知のように台湾海峡を挟んで両サイド、台湾、中国、そして日本というのは密接不可分の関係にあろうと思っております。日本流で言うなれば向こう三軒両隣の関係、こういう関係ではないかと思っております。そこで日本がよく言う仲介の労、月下氷人の大役を、この際、大阪で行われるAPECの会議において両国の首脳、すなわち江沢民総書記と李登輝総統がお互いに話し合う場を設定する、そういうことが、日中間、日台間はもとより、アジア全域、世界の平和に貢献し、そういう国際問題に対して日本が大いにリーダーシップをとり、全世界が大きな幸福を享受できると私は思っています。
 実は昨年の一月、李総統と台湾でお会いをしたわけです。そのときに私が非常に感銘したのは、この方は西田幾多郎先生を最も尊敬する門弟であるということで、西田哲学に大変に畏敬の念を持っておられる。端々にこの西田哲学の言葉を挟んで我々にお話をしていただいたわけであります。
 東洋道徳というのは、御承知のように東洋の一番真髄は何かといえば徳です。私はモラルだと思っています。ですから、そういう意味で日本がその仲介の労をとることが私は非常にいいことだ。日本がそういう立場をとってやれば、うまく氷解して、お互いに東洋人同上ですから恐らくわかってくる。それが私は東洋の一番最高の道徳ではないかと、こういうふうに思っています。
 特に、日台間は、御承知のように百六十万人が往来しているわけです。我が方八十万、向こうも八十万来て盛んな国際交流、いろんな文化その他においても日台間の交流は非常に大きなものがあります。また、経済活動においては、我が方の台湾に対する黒字は何とここ三年間で百二十九億ドル、百四十二億ドル、百四十五億ドル。考えてみると、日本の黒字の大きな原因の一つはいろんな意味で台湾経済において大変大きな黒字を出していること、これはもう否めない事実でありまして、そういう点からいえば、対中は、ODAでもことしも無償円借款を含めて千五百億円。さらに今、中国が黒字であって、我が方は赤字であります。そういう関係もありますので、この際、こういうような関係をやはり清算するのに一番いい時期ではないかと、こう思っております。
 昔から村八分という言葉がありますが、村八分でも二分の利はあるわけですから、そういう点でいえば、私はこの際、本当に胸襟を開いてそういうことを日本政府が行うのが、この日台間、日中間、それと同時にアジアの全域における平和と信頼の一番大きな醸成につながるものと、こう思っておりますが、大臣、どういうふうにお考えでありましょうか。
#18
○国務大臣(河野洋平君) 日台の民間レベルにおきます交流が極めて盛んだということは、今、笠原議員のおっしゃるとおりだと思います。人的交流、それから経済面におきます大変活発な相互関係というものは着実な伸びも見せているようでございますし、そうした交流が文化的にも経済的にもふえてきているということは、私どもも十分承知をいたしております。
 他方、日中関係は、日中共同声明、日中国交正常化に伴いますさまざまな取り決め等がございまして、政府として政治的に正式なおつき合いをするのは中国にございます北京政府と正式な関係を持つということが取り決められておりまして、この日中共同声明を我が国政府としては忠実に遵守してきているところでございます。
 もちろん中台両当事者間で最近いろいろなやりとりがあるというニュースも私どもも聞いておるわけでございますが、私はこの中台関係というものはやはりすぐれて両当事者間で話し合われるということが重要であって、少なくとも我々は中台関係について第三者が介入することを中国側も望んではおられないというふうに考えているわけでございます。
 この両者の関係がどういうふうに、どういう話し合いになっていくかということを我々は関心を持って見ておりますが、少なくとも現在、国際的に第三者を入れて云々ということを双方ともに望んでおられないというふうに認識をしておりまして、目下、日中関係は政府と政府の関係、口台関係は民間レベルの関係として日中共同声明の精神を引き継いでまいりたいと、私どもはそう考えているところでございます。
#19
○笠原潤一君 今、河野外務大臣のお話を聞きまして、日本政府の立場としては現状はそうであろうと思いますが、かつて田中元総理が中国へ赴かれたその前には御承知のようにキッシンジャーが行った。あのような形になって、アメリカがやったために我が方がついていく。昨年のシアトルもそうでした。ああいう天安門の事件がありながら、アメリカ政府はシアトルヘ江沢民を招いたわけです。そしてああいう会談の結果、今日に至っておるわけです。それで、アメリカが動かないと我が方も動かないというのじゃこれはちょっと日本の、特にアジアの問題でございますから、特に中国との間には日本は何千年かの歴史があるわけです。さらに日台の間も考えてみますと本当に長い歴史があって、そういう仲をとれるのは日本以外にないと私は思っています。
 そういう意味で、日本が本当に胸襟を開いて、襟度を持って、矜持を持って今こそやることが本当に私は両方にいいと思う。結婚だってそうですよ。お互いが言っても仲介をする人がいなきゃいけないんです、お互いで話し合うというのはなかなかこれは大変でしょうから。そういう意味で日本がとるべき道は何か。これはやっぱり中台の間にそういうかけ橋を渡してやる、それが日本のとるべき最高の道だと私は今思っているんです。今、台湾政府を認めよとかそういうことじゃなくて、中台の間にだれかが入らなきゃならぬ。それはアメリカじゃない、日本が入るべきだと。
 私は、そういう意味で河野大臣に申し上げ、それが一番いい時期はどこかといえばやっぱりAPECで、APECの会議は首脳が出てこられるわけですからね。そういう点で、今まではソウルにしてもバンコクにしてもシアトルにしてもジャカルタにしても、たまたま台湾の方は蕭万長その他の方々が出ていかれました。しかし、今回日本で行われる場合には、一番格好の場所であり、仲直りしてもらう一番いい時期だろう、こういうふうに思っていますので、その点をあえて申し上げたわけであります。
 大臣、いかがでございましょうか。
#20
○国務大臣(河野洋平君) これはもう議員十分御承知の上でおっしゃっておられることであろうかと思いますが、中台に対するアメリカの立場と日本の立場は、それは確かに日本は長い歴史を持っておりますけれども、その歴史の中にはやはりいろいろな歴史がございまして、我が国がどういう立場をとるか、あるいはどういう立場をとってはならないかということについては、我が国自身やっぱりみずからを律しなければならないこともあるわけでございます。もちろん我が国がやるべきことがあると。例えば、何か日本がやるべきことがあるということを両当事者から依頼があれば、それは我々はもうできる限りのことをするということもまた必要であろうというふうに思いますが、現時点においてはアメリカはできても日本はやはりより慎重に対応しなければならないという部分もあるというふうに私は思っているわけでございます。
 確かにAPECの場というのは、我が国に各国の首脳が集まられて、アジア・太平洋の経済、そして将来についていろいろ議論をする大事な場でございます。この場をどういうふうにするかということについていろいろ御関心もあると思いますが、議員も先ほど述べられましたように、昨年のジャカルタにおきます村山・江沢民会談のときにもそうでございました。その他何回か総理からも御発言を申し上げておりますが、APECの非公式首脳会談におきます出席者等につきましては、一昨年のシアトル会合及び昨年のボゴール会合でのやり方を踏まえて対応をするということが我が国としての原則的な立場だということはぜひ御理解をいただきたいと思うわけでございます。
#21
○笠原潤一君 あえて申し上げませんけれども、御承知のようにアメリカの上院で李総統を、コーネル大学の卒業生ですから、招こうという決議案も出ておるわけです。したがって、そういうことをアメリカがやったから我が方もということではやはりいけないので、そういう点のリーダーシップをとってもらいたいと、こういうことを申し上げたのであります。
 では、この問題はこれだけにいたしまして、きょう訪朝団が出られますね。もう出られたんですか。
 この問題でありますが、私も朝鮮時報等その地向こうの報道、いろんなものを見ていますと、再三再四韓国の軽水炉については非常に反対をしておられると。なおかつ、つい先日でしたか、もう非常に危険な報道すら来ておると。一体北朝鮮側は何を考えておられるのか。本当に軽水炉は必要なのかどうかということと、彼らの電力需要というものは一体何に頼ろうとしておるのか。鴨緑江があって、恐らく水力発電でも結構充足しておるわけですから。そして、向こうが欲しがるのは重油と米ということでありますから。
 私は、これだけ再三再四、いまだに米朝合意が成っていない。きょうも訪朝団が行かれますけれども、一体それが那辺にあるのか、私は甚だ疑問に思うんです。そういう点について、外務大臣、どういうふうにお考えでございましょうか。これだけ執拗に韓国軽水炉に反対する、こういうことでありますので、どういうことに相なっておるのか、私はさっぱりわからぬわけです。
#22
○政府委員(川島裕君) 北朝鮮にかわりまして理由をるる述べる立場にはないことは御理解をいただきたいのでございますけれども、確かに御指摘のいろいろ問題があろうとは私どもも思っております。
 それで、二十五日から実はベルリンでまさに軽水炉の型の問題を中心として米朝間のやりとりがございまして、これは二十七日、先ほどひとまず中断ということになって終わった次第でございます。これは継続協議ということでございます。交渉両当事者、米朝ともにやりとりの詳細は交渉途中ですので明らかにすることは差し控えるという立場をとっておりますので、私どもとしても詳細に述べるべき立場にはないのですけれども、要するに、ベルリンのやりとりにおきましても韓国型の軽水炉の導入をめぐってずっとやりとりがあったということでございます。
 エネルギー事情から見ますれば、まさに北朝鮮は黒鉛原子炉を中心に相当中長期にわたってエネルギー供給をしていく計画を立てていたのを今凍結しているわけでございますし、エネルギー供給の話が北朝鮮経済にとって非常にかぎとなる分野であるということは、これは明らかなように思われる次第でございます。
 その中で、韓国型軽水炉はだめであるということについては、もう少しやりとりを重ねないと、本当にどういうふうな落ちつき方になるのかということは見えてこないと思いますけれども、ただ、これはKEDOの発足以来明らかなことでございますのは、やはり韓国が資金、財政面においても、さらに幸せば政治的にも非常に中心的な役割を果たすということはこの米朝合意、KEDOのプロセスの不可欠の部分であると思いますし、政府といたしましては、北朝鮮側がそういう韓国側の役割というものを虚心に認めて、しかるべき妥協が図られることを期待したいと思っておる次第です。
#23
○笠原潤一君 それから、これだけ来るのは、南朝鮮型強要は不当であるとか、アジテーターとしてはすごいんですけれども、どの新聞見ても全部、南のあれは不要であるとか、強要するなら大変というようなことばかり、毎日ぐらいこれが来るんです。これだけ反対に次ぐ反対ということですから、私は一体どういうふうに相なっておるかということでお聞きしたわけです。この問題はきょうのまた訪朝団の結果にまちましょう。
 それから次に、円高の問題もG7が本当に果たしているのかということを、プラザ合意以来のことはわかるんですけれども、最近の円高、アメリカの態度を見ますと、実際にこれはもう本当に日米二国間の問題だと思うんです。ですから、この問題についてはちょっと時間もありませんからお答え願わなくてもいいんですけれども、私見を申し上げれば、アメリカは安定しておるし非常にいいと。この前の予算委員会で申し上げたとおりでありますが、やっぱり二国間の問題だと思うんです。最近はヨーロッパにおいても円高是認ですしね。こんなことしたら、日本の国は大変な経済不況に陥ってしまうと思いますし、経済パニックになってしまうのじゃないかと非常に危惧されておりますので、その点を申し上げておきます。
 次に農林水産省にお尋ねしますが、今度WTOで米のミニマムアクセスを認めました。そうすると、アメリカからカーギルとかコンチネンタルが米の輸入に参入したいと。これがおかしなことになりますと、また新たに日米の摩擦が生じてくると思うんです、この問題で。私は、いつも日米の間というのは、不透明な日本の独特の商習慣であるとか、論理的に物を言っても何かアメリカはそうおっしゃるのであって、この問題が再び日米摩擦の火種になってきはしないかという心配をいたしておりますが、その点はいかがでしょうか。
#24
○説明員(西藤久三君) 先生お尋ねのミニマムアクセスに伴う米の輸入につきましては、透明性を確保して競争条件を整備するという観点で指名競争入札によって行うことを基本にするということで、規制緩和の要請にも配慮いたしまして、先般、九日でございますが、従来より緩和した競争参加者の資格要件を設定いたしまして、先週末まで申請を受け付けておりました。
 現在、その申請のあった各業者が資格要件を満たしているかどうかについて整理中でありまして、選考結果については今月中には決定をしたいというふうに思っておりますが、先生御指摘のいわゆる外資系企業であっても私どもが設定をしております要件を満たせば参入し得るものとなっておりまして、具体的に株式会社カーギルジャパンが参入を希望する場合においても、当然その資産、信用、経験等、輸入業者としての一定の資格要件を満たしているかどうかを適正に判断して決定することになるというふうに思っております。
#25
○笠原潤一君 どうもありがとうございました。
 その他まだたくさんの問題をお聞きしたいと思いましたが、時間もございませんので、以上をもって終わります。
#26
○大渕絹子君 どうぞよろしくお願いいたします。
 国際熱帯木材の協定の質疑に入る前に、ちょっと外務大臣にお尋ねをしたいと思います。
 報道によりますと、ゴラン高原へのPKOの派遣につきまして、現地でゴラン高原の国連兵力引き離し監視軍のヨハン・コストフ総司令官が日本の参加については歓迎をしない旨の発言があったように報じられていますけれども、この事実関係と、我が国が調査団を派遣してこれから検討をしようという課題になっているわけですので、外務省としてのこれからの方針を伺いたいと思います。
#27
○国務大臣(河野洋平君) 私も新聞の報道を拝見いたしました。拝見をいたしましたが、その報道の中には、これは日本が言ってみれば押しかけて、日本から来たいと言っているので、国連は頼んだことはないんだという意味のことが書いてございますが、これは全く事実に反します。
 何度か外務委員会でも御答弁を申し上げてまいりましたように、昨年、国連から内々の打診があって我々としても検討をしていたものでございまして、これは国連からの打診がその発端である。その後も引き続き私どもとしては国連とその都度話し合っているわけでございまして、国連からの要請でなければこうしたところに、このゴラン高原の問題がこういう状況になっていないということははっきり申し上げていいと思います。
 それからもう一点、その記事によりますと、どうも日本は語学が、言葉が通じないから来てもらってもうまくできないのじゃないかという意味のことが書いてあったわけでございますが、国際的なPKO活動というものは国際社会、さまざまな国から集まってPKO活動をやるというのが常でございまして、こうしたことで、どこの国の言葉じゃだめだとか、いいとか悪いとかということは、今まで余り聞いたことがないのでございます。もちろん、カンボジアにおきましてもモザンビークにおきましても我が国自衛隊が参りまして相当な仕事をしてくれたわけでありますが、そのときに語学の問題がネックになったというふうには私ども聞いておりません。
 その点についても、もちろんそれぞれ、カンボジアにせよモザンビークにせよ、あるいは人道支援のために行ったザイールにせよ、現地の人との交流が言葉ができることによってもっとうまく交流できるとか、あるいはコミュニケーションがPKO活動の中でスムーズにいくのではないかという問題は、それはそれにこしたことはないという意味ではあろうかと思いますけれども、それが十分でないために適当でないというふうなことは、私どもはこれまでそういう意見があるということを承知しておりません。
 したがいまして、あの報道、発言をなさったという方がそういう発言をされたということは、仮に事実であったとしても、その内容については、今申し上げた二点について、私どもとしては、事実でないし、納得がいかないという思いでございます。
#28
○大渕絹子君 いずれにしても総指揮官がこういう発言をなさるということは、現地ではそれほどPKOの要員について必要でないというふうに私は受けとめておりますが、調査をした段階でどういうふうになるか見守っていきたいというふうに思っています。慎重に扱っていただきたいなというふうに思います。
 もう一点は、公取がODAの談合問題について排除勧告をしたという報道があったわけですけれども、ODAの違反行為といいますかこういう談合の問題、行政処分を受けるというのは今回初めてということの中で、これから日本のODAのあり方そのものも問われていくんだろうと思います。今回はJICAの分野だけでこういう勧告が行われたわけですけれども、ほかの分野でもこうした談合などが行われている可能性も示唆するものだろうというふうに思うわけです。
 外務省としては、この公取の処分についてどう対応し、今後、再発防止のためにどういうふうに取り組んでいかれるのかということをお聞かせください。
#29
○国務大臣(河野洋平君) 前段のゴラン高原の問題は、もうこれは余り多く申し上げるつもりはございませんが、つまりこれから新しくやろうということではなくて、もう長い間あそこはPKO活動がずっと続いているところで、長くやっているカナダから派遣されているPKOの一部がもし日本からの応援があるなら交代したいという、そういうことでございますから、現在そこが穴があいているというわけではないし、新たに始めるために人を集めているというものではないわけで、今、不自由がないといえばそれは不自由はないのだろうと思います。ただしかし、期間が長くなって交代をしたいという強い希望があるという、そういうことだというふうに私どもは聞いております。調査団が行かれますので、その調査団の方々に十分その辺も含めてよく見てきていただきたい。政府が派遣をいたします調査団の報告に基づいて予見を持たずに判断をしたい。それから、与党三党も調査団をお出しになりますので、この報告は十分重要な参考にするべきだというふうに考えております。
 それから、公取からの排除勧告が出たということについては、まことに遺憾なことだというふうに思います。
 私は、ODA関連そしてJICAといういわゆる公的な機関でございますだけに、こうした部分について公取から指摘を受けるというようなことは決してあってはならないことだと。それは、額の大きい小さいの問題ではない、いやしくもこういう部門でこうした指摘を受けるということはまことに遺憾。私は、関係監督の立場にあって、まことに申しわけない、おわびを申し上げたいと思います。こうしたことが決してあってはならぬという立場に立って、再発防止のためにできるだけの方法をとるように私からも命じてございます。ODAが御理解をいただいて年々金額もふえて、大変巨額な金額をお預かりをして国際社会への貢献をするという状況の中で、こうしたことは決してあってはならぬことだというふうに私も思いますし、十分緊張して真剣にこの問題については対処したいと、こう考えております。
#30
○大渕絹子君 ありがとうございました。
 それでは条約の質問の方に入らせていただきますが、野間委員の方からも詳細にわたって質疑がありました。重複を避ける形で質疑をしていきたいというふうに思いますので、よろしくお願いをいたします。
 バリ・パートナーシップ基金についてですけれども、詳細はこれから開催される理事会で決定がされるというふうに先ほど来お話があったわけでございますけれども、ITTOの活動資金の約七割は日本が負担をしている。世界の熱帯木材貿易量の約四割を輸入し、世界一の消費国である我が国としては、このバリ・パートナーシップ基金にどのくらいの拠出を予定しているのか。この件も恐らく理事会で決定をされるんでしょうけれども、国側の予定として、予算としてはどのようなものでしょうか。
#31
○政府委員(原口幸市君) 先生御指摘のとおり、我が国は世界最大の熱帯木材の輸入国でございまして、また熱帯林の保全という地球環境問題を重視するという立場から、これまでもITTOの事業実施のために積極的に協力してきたわけでございます。
 バリ・パートナーシップ基金に対しましても、この機関の本部が横浜にあるということも踏まえまして、一応我が国としては拠出金として十一億二千七百万円を平成七年度の政府予算で計上しているところでございます。
#32
○大渕絹子君 協定の二十七条の「委員会の任務」の中に、造林及び森林経営に関する委員会の活動の中で、造林及び森林経営の分野における協力のため、国連食糧農業機関と国連環境計画とともに、世界銀行や国連開発計画などの機関の活動と調和させることとしていますが、世界銀行や国連開発計画の性格から開発と調和ということになり、ITTOの活動が一定程度制約をされるのではないかというふうに危惧をされるわけですけれども、その点はいかがでしょう。
#33
○政府委員(原口幸市君) 世界銀行あるいは国連開発計画は基本的には途上国の開発を目的とする機関でございますが、最近は世界的な環境問題への関心の高まりということもございまして、これらの機関におきましても熱帯林の保全を含む環境問題には十分配慮する傾向が見てとれます。例えば、世界銀行におきましては、環境アセスメントを強化するとともに、昨年の七月の特別報告書におきまして重点課題として環境の保護を挙げております。また、環境問題はUNDP、国連開発計画におきましても重点項目の一つになっているというふうに承知しております。
 他方、ITTOは、熱帯木材資源の利用と熱帯林の保全との両立を目指した機関でございますが、熱帯林の保全につきましては途上国の人口問題あるいは貧困の問題が深くかかわっております。
 したがいまして、世銀やUNDP等の国連機関の活動とこの機関に基づく活動をこの協定の表現に従えば調和させるということは、熱帯林の保全に対する国際的な取り組みを強化することにも資するのではないかというふうに我々は考えておりまして、したがいましてこの規定によってITTOの活動が何らかの形で将来制約されるという懸念は我々は有しておりません。
#34
○大渕絹子君 ぜひそういう方向で協力をしながら進めていっていただきたいと思います。
 レスター・R・ブラウンさんが出している「地球白書」の中で、
 今日の乱伐林業に終止符を打つ行動を速やかに起こさないかぎり、地球上の天然林のうち、次世代のために残されるものはほとんどなくなるであろう。基本的な課題は、かけがえのない原生林での急速な乱伐を阻止し、持続性を考慮して管理された二次林と植林地への移行を早め、そして木材需要を減らすことである。というふうに書かれています。
 引き続きまして、ITTOの組織については、
 一九八五年に設置され、生産国と消費国を含わせた四八か国で構成されている国際熱帯木材機構(ITTO)も、概して期待外れの成果しかあげていない。期待外れの成果しか上げていないというふうに書かれているんですね。
 当初の協定は、商品機構としてはユニークなもので、「熱帯林とその遺伝子資源の持続的利用と保護」を奨励する国家政策を要求していた。残念なことに、日本の横浜に本部を置くITTOは、これらの目標に向けて、ほとんど進展を見せなかった。だが、九〇年五月にインドネシアで開かれた会議で、二〇〇〇年までに熱帯産木材貿易の全体を持続型生産を基調とするものに転換するという目標が定められたことは、内容的にはまだ不明確な点があるものの、積極的な前進であった。多くの国はそれが実現するまで九年間も待てないというのが実状ではあろうが、この目標はITTOの努力を単なる木材質易の促進にではなく、その持続性に正しく含わせようとしている。一日も早く協定そのものが発効するように期待をしているということでございます。
 この協定の発効の見通しについて、九四年協定は四十一条の規定によって一九九五年の二月一日以降確定的または暫定的に効力を生ずることとなっていますが、現在まだ発効していないということですが、協定の今後の見通し、そしてそれに日本政府としてどういうふうにリーダーシップを発揮していくのかということをお聞きしたいと思います。
#35
○政府委員(原口幸市君) 現在のところ確定的な締結を行った国は、カンボジア、インドネシア、リベリア、マレーシア及びノルウェーの五カ国でございまして、また我が国とフィジーが暫定的な適用の通告を行っております。また、米国、EC諸国は、現在、締結のための準備作業を鋭意進めていると承知しております。
 現在のところ、正直申しましていつごろこの協定の発効要件が満たされるかは明確には申し上げかねる状況でございますけれども、協定の四十一条の規定では、本年九月一日までに発効要件が満たされない場合にはその時点での締約国が会合してこの協定を締約国の間で発効させることを決定することができるということになっておりますので、仮に発効要件が満たされなくてもこの協定に基づいて本年の九月一日以降に発効する可能性が高いと我々は見ております。
 先ほど来先生方からも御指摘がございましたけれども、日本は何といいましても熱帯木材の世界最大の輸入国でございますので、できるだけ早く日本がこの協定を確定的に受け入れるということがその他の国のこの協定参加を促進する上で重要な意味があるのではないかと、そのように期待している次第でございます。
#36
○大渕絹子君 参議院でもこの問題は大変以前から多くの議論をされてきたところでございますけれども、国際問題に関する調査会は「九〇年代の日本の役割」という提言をまとめました。そしてその中で「森林の再生」ということの提言を行い、一昨年の四月二十六日の委員会でこの提言に対して各省庁より報告をいただいています。
 それ以降、とりわけ熱帯林の再生面で大きな成果を上げている点、あるいは計画は立てたけれども進展が見られないというようなものがあったら、その点も踏まえて、農水省、外務省、環境庁、それぞれにお答えをいただきたいというふうに思います。
#37
○政府委員(原口幸市君) それでは先に外務省の方から、うちの関係の部分についてお答えさせていただきたいと思います。
 ITTOの最近の大きな成果といたしましては、先ほども若干御紹介いたしましたけれども、マレーシアのサラワク州がITTOの調査団の勧告を受け入れまして熱帯木材の伐採量を削減したこと、それから造林を含めて熱帯林の持続可能な経営を促進するための事業を数多く実施してきたこと等を挙げることができると思います。また、持続可能な経営が行われている森林からの木材についての認証、ラベリング制度についての研究も開始されているところでございます。
 さらに、昨年の一月に採択された本件協定において、二〇〇〇年目標が協定上の規定として盛り込まれるとともに、この目標のための財源としてバリ・パートナーシップ基金が設立されたことも、熱帯林の再生を含む熱帯林の保全にとって重要な成果ではないかというふうに考えております。我が国といたしましては、新しい協定のもとで今後とも国際熱帯木材協定の活動に積極的に貢献していく所存でございます。また、我が国は環境分野における途上国援助を重視しておりまして、熱帯林を初めとする途上国の森林保全・造成に関する援助についても積極的に実施しているところでございます。
 他方、熱帯林の減少、それから劣化の直接かつ主要な原因である焼き畑移動耕作、あるいは過放牧、それから薪炭材の過伐、農牧地用地への転換等は、その途上国の人口増加等の社会経済的な原因によるところが大きいわけでございますので、熱帯林の保全、再生には長期的かつ幅広い視野に立つ取り組みが必要であるというふうに考えておる次第でございます。
#38
○説明員(工藤裕士君) 林野庁といたしましては、熱帯林を含みます世界の森林の持続可能な経営の確立に向けまして、国際協力の充実強化等に積極的に取り組んできております。
 具体的に言いますと、平成五年度以降、国際協力事業団を通じまして、例えばパナマにおきまして苗木の生産、アクロフォレストリーに係ります技術の開発と訓練を行うための森林保全技術開発計画等のプロジェクト方式の技術協力を新たに実施するなど、熱帯林の保全・造成のための取り組みの充実強化に努めてきております。
 また、熱帯林の保全・造成を直接担います現地の指導者の方々の育成を図るために、平成五年度に熱帯林の緊急保全造成対策人材養成事業というものをつくりまして、国際緑化推進センターという財団法人がございますけれども、これを通じましてマレーシアとか中国、それからインドネシア等の森林部局の担当者を日本に招きまして技術研修を行うなど、人材の養成に努めてきております。
 それから、平成七年度からは焼き畑跡地を対象に住民によります森林造成を推進するための調査とか、癖悪林地という悪い林地がございますけれども、こういった癖悪林地の生産力を回復するための協力案件の発掘を目的とした調査を実施することとしております。
 今後とも、林野庁といたしましては、これまでの国際貢献・協力の実績とか、蓄積された技術、知見を生かしまして、熱帯林の持続可能な経営の確立に向けまして一層の取り組みを推進してまいりたいというぐあいに思っております。
#39
○説明員(松村隆君) 命ばと御説明ございましたが、外務省また林野庁の各般の取り組みと当然私ども環境庁も連携をとりながら取り組みを進めておるわけでございます。
 私ども環境庁といたしましては、国際熱帯木材機関、また国連の持続可能な開発委員会、その作業部会といった国際的な議論に積極的に参画をしておるところでございます。
 また、昨年十二月に策定されました環境基本計画、この中におきまして、森林原則声明、またアジエンダ21の実施を基本としまして熱帯林を含めましたすべての森林の保全、その達成に向けましてさまざまな取り組み、これを推進するということが盛り込まれたところでございます。
 また、国際協力の分野で申し上げますと、マレーシアにおきます熱帯林関係の調査研究といったような取り組みを進めております。
 それで、さらに熱帯材を含みますすべての熱帯木材の有効活用、このための広報活動、これを国内において展開しておるということでございます。
 環境庁といたしましては、これらの取り組みを進めておるわけでございますが、先生御指摘の趣旨も踏まえまして、引き続き一層の取り組みの推進に努めていきたいというふうに考えております。
#40
○大渕絹子君 どうぞ各省庁連携をとりながら持続可能なその熱帯林の開発といいますか、それに努力をしていただきたいというふうに思うわけでございます。
   〔委員長退席、理事猪木寛至君着席〕
 また、日本における熱帯材の使用削減ということも、これは積極的にやっぱり取り組んでいかなければならない問題だろうと思うわけでございます。熱帯材の使用削減に自治体の果たす役割は大変大きいというふうに思います。なぜかといいますと、自治体では公共事業の発注等々もその自治体で行う場合が非常に多いわけで、そこの自治体で熱帯材の使用ということをしない、熱帯材不使用条例ですね、そういうものの制定がされればすごく、一定程度熱帯材の使用というのが規制できるのじゃないかというふうに思うわけでございます。欧米諸国でもこの熱帯材不使用条例というのが議会決議をされたりしているところが大変多くなってきているわけですけれども、我が国の自治体の中にも東京周辺を中心にしてそういう動きが出始めてはいますけれども、まだまだ大変不十分だというふうに思うわけでございます。
 自治省として、こういう熱帯材不使用条例への取り組み、あるいはその使用削減の問題について自治体に対して何か働きかけをしていくべきだと私は思うわけでございますけれども、いかがでございますか。
#41
○説明員(佐藤文俊君) 最近、熱帯林問題への地方自治体の関心というのも徐々にお話のように高まってきているように思われます。そこで、公共工事におきます木材の有効活用ということなど熱帯材の使用の削減ということについて、地方公共団体でいろんな施策を検討して実施するというところもふえてきているというふうに聞いております。このような政策、施策を含めまして広く環境問題につきましては、我々は地方団体が地域の実情に応じて積極的に各種の事業を進めていくということが必要だと考えております。
 そこで、我々といたしましては、平成七年度の地方財政計画におきましても、こういった環境問題、さまざまな環境問題に取り組むための経費、環境保全対策経費と呼んでおりますが、これを拡充しまして、前年度に比べて六%増の二千三百三十億円を計上しております。
 自治省におきましては、今後も地方団体におきますこのようないろんな環境対策の事業、政策というものについての支援を財政措置を通じまして積極的に行ってまいりたいというふうに考えております。
#42
○大渕絹子君 ありがとうございました。
 それでは、同じく熱帯材の使用削減問題で建設省に伺いたいと思います。
 建設産業における熱帯材の型枠用の合板、これが非常に大量に使われているということの中で、建設省は建設業界と協定を結ぶ中でできるだけ削減をするようにというような指導もなさっているというふうに聞いているわけですけれども、その詳細を教えていただきたいと思います。
#43
○説明員(竹歳誠君) お答えいたします。
 地球環境保護の観点から熱帯材の使用の合理化というのは、非常に重要な問題であると認識しております。このため、建設省におきましては、平成四年三月に今後建設産業が重点的に取り組むべき課題、これを示しました第二次構造改善推進プログラムというものを策定いたしまして、これを業界団体に通達しました。この中に南洋材の使用の合理化等について指導をしているところでございます。
 また、より具体的には、建設省の直轄事業の工事におきまして、型枠を使わない工法でございますとか、針葉樹や木材以外の型枠を使うというようなパイロット事業も実施しております。
 建設省としては、今後とも建設産業が地球環境保全に寄与するようにこのような取り組みを積極的に推進していきたいと思っております。
#44
○大渕絹子君 そのコンクリート型枠の問題だけでなくて、住宅用に使われる熱帯材についても代替品などの開発に努めていただきまして、できるだけ使わないで済むような形をとっていっていただきたいことを重ねて強くお願いを申しておきます。
 それから、森林伐採の認証制度について林野庁にお聞きしたいと思います。
   〔理事猪木寛至君退席、委員長着席〕
 我が国も参加をして昨年十月に開かれた森林の保全と開発についての政府間会合で、乱開発を防ぐために管理された森林から切り出された木材がどうかを見分けられるような認証制度を検討すべきとの提言をまとめ、本年四月の国連持続可能な開発委員会に報告すると伝えられていますが、その報告の内容についてお聞かせください。
#45
○政府委員(高野幸二郎君) ただいま御質問にありました会合は、昨年十月にオタワで開かれた会合のことかと思います。
 この会合は、日本も含めまして八十二カ国が参加いたしました。その会合の趣旨は、森林保全それから持続可能な森林経営、これにかかわるさまざまな問題を検討いたしまして、この四月にニューヨークで開かれます国連の持続可能な開発委員会に対してその結果を報告するということで開かれたものでございます。そういうことでさまざまな問題が議論されたわけでございますが、その中の問題としてただいま御質問にございました認証制度というものも議論されたわけでございます。その討議結果をこのオタワ会合から持続町能な開発委員会への報告という形で報告が作成されておりまして、検証制度に関する部分は次のような表現になってございます。
 「適切な国際機関が、各国政府などの参加を得て、森林の経営、保全及び持続可能な開発の推進方策としての認証制度の調和の可能性と、導入にかかる事業の調査、検討のための総合的な多国間の取り組みを開始することも有り得る。」ということになっております。
#46
○大渕絹子君 この認証制度ですけれども、実施をされた場合、ちゃんと有効に区別できますでしょうか、そこがちょっとわからないんですけれども。
#47
○政府委員(高野幸二郎君) 確かにそういう議論も現にございました。私どもとしては、そういう今御指摘の問題点もございますけれども、そこはさらに検討を要するとは思っておりますが、この制度自体は検討に値するアイデアではないかというふうに考えているところでございます。
#48
○大渕絹子君 熱帯材を削減していく方向の中で、我が国の森林の活用ということも十分に考えていかなければならない問題だろうと思います。陸地に占める我が国の森林面積は六七%です。以前は国内村でその多くを賄っていたわけでございますけれども、経済効率だけでなくて国際的な森林の保全という観点から国内の森林の積極的な活用を図るべきだというふうに思うわけですけれども、林野庁どうでしょう。
#49
○説明員(米山実君) お答えいたします。
 現在、御案内のように、地球的な規模での森林の保全と持続的な経営の重要性に対する内外の関心というのが非常に高まっているわけでございます。そういった中で、木材生産国におきましては、資源的な制約あるいは環境保護運動の高まりといったようなことが起こっておりまして、外材の供給という面について見ますと、長期的には不安定な状況が出てきていると思っております。
 一方、我が国の森林資源につきましては、今、先生の御指摘のとおり、これまで森林を育ててまいりまして、一千万ヘクタールにも及ぶ人工林を中心としまして毎年七千万立方メートルの蓄積が増加しているというふうなことで着実に充実しつつありますので、いかにこれを有効に活用していくかということが重要な課題になっているわけでございます。しかしながら、現実に現在の状況を見ますと、我が国の林業、林産業につきましては、山村の過疎化の問題ですとか、あるいは休業労働者の高齢化、減少、あるいは外材や代替材との競合といった極めて厳しい状況にあるわけでございます。
 したがいまして、林野庁といたしましては、いかにしてこのような充実しつつある我が国の国内森林資源を有効に活用していくか、こういう問題認識に立ちまして、林道等の林業基盤の整備ですとか、林業担い手の育成ですとか、あるいは国産材供給体制のためのいろいろな施設の整備等にわたっていろんな施策を講じまして、林業、林産業の体質強化策を講じているところでございます。
 また、利用の面につきましても、例えば間伐材をいろいろな新しい木質建材等に使うような技術的な開発といったようなことも行っておりまして、今後ともこういった施策を進めていきたいというふうに考えております。
#50
○大渕絹子君 積極的に取り組んでくださるという御答弁ですけれども、実際には林野庁としては人員削減というような目標を掲げてずっとやってこられておりますし、日本の森林状態も非常に病んだ状態に置かれているというのが実態でございます。間伐も行われず、枝打ちも行われず、非常に森は病んでいます。少しの風でもすぐに倒れてしまうというような林がもうたくさんございます。こういう状態に遣いやったのは、経済効率優先の中で安いからといって熱帯材に手を出して、そしてそれが瞬く間に全国に広がっていって、国内材を有効に大事に使って育ててきた日本の大事な林業というものを衰退させているという実態がそこにあるわけでございます。
 こういう条約を締結して熱帯材を保護すると同時に、それと同じだけの力をやっぱり国内の林業の発展のためにも尽くしていかなければ、世界と千をつないだ持続可能な開発に日本が真剣に取り組んでいる姿というのは映ってこないだろうと思います。そのことを強く私は訴えたいと思います。
 次に、地球の温暖化問題について。
 森林の問題と温暖化問題というのは切っても切り離せない問題でございますけれども、二十八日から第一回の締約国会議、これは温暖化防止のための気候変動枠組み条約というのがつくられまして、それがきょうからベルリンで開催をされるということになっています。温暖化によって地球の生態系が壊滅的な打撃を受けると専門家はもうこれは随分以前から警告を発しているわけです。リオでの宣言が採択をされたときには一時的に大変盛り上がりを見せて、世界的に地球環境保全について、あるいは温暖化防止について立ち上がったわけですけれども、その資金の拠出ということになるとなかなか各国の反応は鈍いというふうに言われていますけれども、今回の会議で実効性があるものがまとまるのかどうかということをちょっとお聞きをしたいと思います。
#51
○政府委員(高野幸二郎君) ただいま委員からお話がございましたとおり、本日、二十八日からベルリンにおきまして気候変動枠組み条約の第一回締約国会議が開かれるわけでございます。
 今度の締約国会議では幾つか重要な問題がございますが、その中でも一番重要な問題はいわゆる条約の妥当性の問題、これは何のことかと申しますと、委員御承知のとおり、現行条約では今世紀末までにCO2、メタン等の温室効果ガスの排出量を九〇年レベルまで持っていくということがこの条約の目的になっておるわけでございますが、果たしてそれで問題の手当てになるのかどうかという意味での妥当性をこの第一回締約国会議で検討するということになっております。換言いたしますと、二〇〇〇年以降はどうするんだという問題でございまして、新たな規制をさらにかける必要があるんではないかという問題意識からの議論がきょうからの第一回締約国会議で議論される幾つかの大きな問題の中の一番大きな問題でございます。
 これにつきましては、先進国の間で、現状をもってよしとするわけにいかないといいますか、さらなる努力、規制が必要ではないかという一般的な共通の認識がございます。ただ、それを具体的にどういう新たな規制措置をかけるのか、また法律的な形はどういう形式をとるのか等々、これにつきましてはまだ各国でさまざまな意見がございます。
 そういうことで、今度の、きょうからのベルリン会議におきましては各国間の議論がこれから始まるわけでございまして、我が国といたしましてもかねてよりの大変強い関心事項でございますので、今度の締約国会議で建設的な議論が行われるように我が国としても積極的に議論に参加し、かつ貢献してまいりたいというふうに考えておるところでございます。
#52
○大渕絹子君 ぜひ日本としては、アメリカとかあるいはロシア連邦それから中国等々、二酸化炭素あるいはメタンなどの大変排出量の多い国に対しましてもきちんと言っていただきたい、発言をしていただきたいと思います。
 それにつけても、日本でも一九九〇年レベルに二〇〇〇年までにはどうも戻せない見通したということでは強く発言ができない状況だろうというふうに思いますけれども、それでも日本は大変エネルギー政策なども取り込み、あるいはいろんな努力をしながら削減計画も立てているわけですから、そういうこともきちんと踏まえた中で、アメリカのように、大量生産大量消費こそがアメリカの国家であるというような暴言を吐いているというようなことですけれども、そういう観点は注意をしていただくというような方向で取り組んでいただきたいというふうに思うわけでございます。
 それともう一点は、温暖化防止の政策の中で、日本の政策が、原子力発電の推進が温暖化防止につながるというような予算の枠組みになっているということが非常に私は納得ができないわけなんですね。もう時代はそこから大きく変わりまして、太陽光発電であるとかあるいは地熱の発電装置をこれからたくさんつくっていくとかというようなことが求められるのじゃないでしょうか。
 一九九四年の十一月七日のアメリカのタイム誌ですけれども、これの特集が日本語版になっているのがございます。「地球環境の現状」と題するリポートの中で、日本の発電についても、地熱発電を有効的に使えば今の原子力発電の二倍に相当する出力を生むことができるというようなこともきちんと書かれておりますし、太陽がさんさんと降りしきる南洋諸国では大変有効な手だてとして太陽光の発電というようなこともあるというふうに言われているわけですけれども、日本が依然として原子力発電を温暖化防止対策費の中に大幅に見込んでいる。温暖化防止対策費として四千二百七十四億円あるわけですけれども、その中の六五%が原子力開発利用の推進費二千七百九十四億円と、こうなっているわけですね。これではなかなか有効な温暖化防止政策が打ち出していけないのではないかと思いますから、今後の課題ではございますけれども、ぜひ見直していっていただきたいということをお願いしておきたいと思います。
 さて、地球温暖化が深刻な状態であるということをもう少し国民に私は広報活動をする必要があるのではないかというふうに思うわけでございますけれども、環境庁としてはこの取り組みをどのようになさっていますか。
#53
○説明員(松村隆君) 地球温暖化の防止につきましては国民各界各層の理解と協力、これを得て進めていくことが重要だといった点につきましては、先生、御指摘のとおりでございます。
 このため、環境庁におきましては、広報冊子を作成し配布をする、また一般の市民の方々を対象とするシンポジウム、こういったものの開催を通じまして、これまで温暖化の問題に関します普及啓発といった取り組みを進めてきておるところでございますが、今後とも、今ほど先生から重ねて御指摘ございましたこういった趣旨を踏まえまして、いろいろな場を通じまして一層の普及啓発を進めまして、温暖化防止のために最大限努力をしていきたいというふうに思っております。
#54
○大渕絹子君 温暖化の問題と、もう一つ日本にとって深刻な問題は、森林を破壊するという意味なんですけれども、酸性雨の発生というようなことも非常に大きな問題になっているわけでございます。
 その酸性雨に、中国が使っている石炭のエネルギー政策が日本の大気にも大きな影響を及ぼしているというふうに思うわけでございますけれども、中国の石炭政策について日本は何か技術提供なりあるいは資金提供なりして、できるだけ大気汚染を防止するように協力をしていくべきではないかというのが私の訴えでございます。
 諸外国の取り組み方を見てみますと、オーストラリアのカストムコール社というのでしょうか、そこでは採炭用のパイプラインや石炭の洗浄工場などを中国と一緒に同一プロジェクトの中でつくって、そして石炭から出る二酸化硫黄の削減に努めているというふうに聞いています。また、スイスやスウェーデンでは二酸化硫黄を取り除く方式の発電機の開発ができているということですけれども、これは資金が提供されない限り中国は導入できないということの中でドイツからの資金援助を受けながらこれも導入していきたいというようなことが報道されています。
 また、石炭の鉱脈にたまっているメタンガスを利用する方法をアメリカのパワーブリッジ社というところでは提案をしているということであります。これは、石炭を使用するよりもメタンガスの方が大気を汚染することが非常に少ない、有効だということで、国連が千万米ドルを拠出するということの中で、これも実現が可能になったということであります。そういう中で、しかし中国側には石長官僚というのがいまして石炭を使い続けるということに固執をするというようなこともあるというふうに聞いているわけですけれども、日本として何か具体的に協力をしているようなことがあれば教えていただきたいのと、これから先、もう少し積極的に日本の空気を守っていくためにも中国での空気がきれいになっていくことは大切なことだと思いますので、それらについてお聞かせをいただきたいと思います。
#55
○政府委員(高野幸二郎君) 我が国といたしましては、中国の環境問題に対して、当然のことでございますが、大変強い関心を持っております。したがいまして、我が国としての中国に対する経済協力、この中でも環境分野というものを大変重視しているところでございます。さらには、その中でも特に大気汚染それから省エネルギー、この関連を重視いたしておりまして、対中経済協力の中でもこの省エネルギー、大気汚染関連の幾つかのプロジェクトが既に実施済みないしは実施中でございます。特に、九六年から開始されます第四次対中借款、これは前半の三年分が既に決まっておるわけでございますが、その中でも合意案件四十件のうち十五件は環境関連でございます。その十五件の中の一部、例えば陳西省における火力発電プロジェクト、これに関連いたしましては脱硫装置の導入を予定しておりまして、そういう形で環境配慮ということを徹底しているところでございます。
 したがいまして、今後、我が国といたしましては、中国側との政策対話等を通じまして優良案件の発掘、形成、実施ということを鋭意やってまいりたいというふうに考えているところでございます。
#56
○大渕絹子君 ぜひ積極的にかかわっていっていただきたいというふうに思います。
 それでは、通産省にちょっとお聞きをしたいことがございます。
 国連標準化機構が一九九一年から着手をしている環境管理システムあるいは環境監査制度という枠組み、その国際的標準化に対して通産省はどのような取り組みをなさっているのか、教えていただきたい。
#57
○説明員(濱田昌良君) ただいま御質問いただきました環境管理システムの標準化についてでございますけれども、国際標準化機構、ISOでは、地球環境問題に関する世界的関心の高まりを受けまして、国際電気標準会議、IECとともに一九九一年四月に環境に関する戦略諮問グループを設置し、環境に関する標準化の課題について検討を開始したところでございます。そして、その検討結果を受け、一九九三年二月に環境管理に関する標準化の検討を行う専門委員会を設置し、国際規格の制定のための検討作業を進めているところでございます。一九九六年、平成八年春以降、逐次国際規格が整備されていく見込みと聞いております。
 これに対しまして、我が国の取り組みでございますけれども、我が国では、このISOにおける審議に対応いたしまして、一九九三年、平成五年六月に日本工業標準調査会のもとに環境管理規格審議委員会を設置し、国際規格の検討に積極的に参画しているところでございます。今後、国際規格案ができ上がった段階で、日本工業標準調査会の審議を経て、対応するJIS、日本工業規格でございますけれども、ISO規格の制定とあわせて制定する予定でございます。
 なお、我が国における環境管理システム監査制度の導入に当たりましては、既存の類似制度でございますISO九〇〇〇シリーズ、品質システム関連でございますけれども、の枠組みを有効に活用することが適当であると考えておりますが、今後ともISOにおける検討状況、欧米等の動向も注視しつつ、関係省庁及び産業界とも十分な連携をとりつつ、適切な制度のあり方について検討することとしております。
#58
○大渕絹子君 そのISOの提言を受けて欧州の標準化機構はどのように対応していますか。
#59
○説明員(濱田昌良君) ただいま御質問いただきました欧州の動向でございますけれども、欧州委員会は、地球環境問題に関する関心の高まりを受けまして、一九九三年七月に独自の環境管理及び監査要綱、EMASと呼んでおりますけれども、を公表し、本年四月から実施を予定しているところでございます。ただし、欧州各国では制度運用のための体制整備がおくれておりまして、現時点では本制度が本年四月から欧州全域で実施される可能性は少ないと聞いております。
   〔委員長退席、理事猪木寛至君着席〕
 当初、欧州委員会は、ISOで検討されている環境管理システム規格とは異なったスタンダード、イギリスのスタンダードでございますけれども、をベースに想定していたところから、我が国におきましては、我が国産業界において特にダブルスタンダード化、またそれに基づく国際貿易の影響が懸念されておりました。ところが、EMASというのはあくまで欧州域内に立地している企業等を対象とした任意の制度でございます。また、昨年九月のウィーンの会合で欧州の専門家と日米の専門家の間で歩み寄りが見られまして、ISO規格の委員会原案がまとまりました。またさらに、EMAS実施のための規格についてはISOの規格を使おうという方向で欧州の中でも調整が進んでいると聞いておりますので、現段階ではかなりこの懸念が少なくなっていると聞いております。
#60
○大渕絹子君 我が国でもアジア圏の人たちとこうした取り組みを早急に進めていく話し合いといいますか、そういうものを持たなければならないというふうに思うわけですけれども、そこらはどうなっていますか。
#61
○説明員(濱田昌良君) 環境管理システム規格についてのいろんな国との話し合いでございますけれども、これにつきましては各国の標準化機関と個別に話し合いを持っておりますので、そういう場を活用しながら今後連携を深めていきたいと考えている次第でございます。
#62
○大渕絹子君 この環境監査制度というのは、先ほど来批准をいたしましたWTO自由貿易体制の中で何かそれが自由貿易を制限する条件となってくるのではないかという懸念があるわけですけれども、外務省はどういうふうに考えていられますか。
#63
○政府委員(原口幸市君) WTOにおきましては、貿易と環境の問題というのはいわゆるポスト・ウルグアイ・ラウンドの非常に重要な一項目というふうに認識されておりまして、既に貿易と環境に関する委員会というものが設定されております。その委員会におきましていろいろなことが取り上げられることになっておりますが、その取り上げられる問題の一つとして、多角的貿易体制の規定とそれから強制規格、任意規格等を含む物品に関する環境目的のための要件との関係ということが明示的に合意されております。
 ただ、合意はそこまででございまして、御指摘の環境管理あるいは監査制度に関しまして、今後、同委員会においてこれを取り上げようという特段の動きが現時点においてあるということは承知しておりません。
#64
○大渕絹子君 WTOの中で貿易の自由化が進められていく中で、熱帯林を持っている地域でも単一の作物をつくって換金する換金作物、そういうものをつくるためにさらに大規模な伐採が続けられていくというようなことも恐らく起こってくるのではないかというふうに思うわけです。
 日本の農業、米づくりも自由化体制の中で大変厳しい状況に追い込まれてくるわけでございます。環境とそれから持続可能な環境を作り出していく話し合いの場所というのは、当然そのWTOの中にも持っていかなければならない重大なことだろうというふうに思うわけでございます。ぜひ日本から提案をし、持続可能な環境をどう維持していくかということも、いわゆる市場原理だけを追い求めていくような貿易体制の中に組み込んでいくという方向できちっと提言もしていっていただきたいというふうに思うわけでございます。
 何よりもこの熱帯材が産出をされる地域というのは、お話がありましたけれども、人口増加と貧困というようなことの中で大変厳しい状況に置かれている地域でございますから、たとえ日本が熱帯材を輸入しないという状況になったとしても、換金のために日本以外の国に出していかなきゃならない状況というのはつくられてくるだろうというふうに思います。そういう観点からも、極度な開発によって地球の温暖化、地域の土壌が荒らされていくことのないように特段に日本としてもリーダーシップを発揮していっていただきたいということをお願い申し上げまして、大臣に最後にそのことの環境問題への決意をお願いして、終わります。
#65
○国務大臣(河野洋平君) 環境問題はまさに地球的規模の問題でございます。どこか一カ国がどうしたからといって問題が解決するものではありません。しかしながら、いずれにしても消費国と生産国と申しますか、その関係をきちんとしなければ、問題はなかなか解決をしていかないということもわかってきております。とりわけ、経済的に豊かと言われる消費国において、そうした点にも十分な計画性といいますか配慮が必要であろうというふうに思うわけでございます。
 これまで環境問題についてそうみんなが注目をし、考えていたわけではない時期が長くあったわけでありますけれども、こうした問題が実は我々にとって極めて重大な問題であったという認識を皆がするようになった。ここから解決に向けての協力、努力というものが実は出てくることになるだろうというふうに思います。我が国としてもそうした点に十分配慮をしながら、我が国としてなすべき努力をできる限りしたいというふうに考えております。
#66
○大渕絹子君 ありがとうございました。終わります。
#67
○石井一二君 私は、日本・ポーランド航空協定並びに国際熱帯木材協定についてお伺いいたします。
 私の立場は、この両協定に対しましては賛成でございます。そういう前提のもとに、まず最初に、若干アップ・ツー・デートの問題について質問させていただいて、最後に当該の問題について御質問することをお許しいただきたいと、そのように思います。
 そこで、まず最初は、新聞等によりますと、ダライラマ十四世が日本へ近々来られるというように聞いておりますが、このビザの発行は既になされたかどうか、わかればお聞かせを願いたいと思います。
#68
○政府委員(川島裕君) ただいま発給するプロセスに入っております。今、発給したかしないかぐらいの時点でございます。
#69
○石井一二君 したかしないかわからぬと。プロセスがややこしいですが、現地はどこで、今向こうは何時なんですか。
#70
○政府委員(川島裕君) インドで発給することを予定しておりまして、既にインドの我が方大使館に対して発給の指示を出した次第でございます。今十二時で、三時間半の時差でございますので八時半でございます。
#71
○石井一二君 ということは、今現在まだ発行されていないと理解してよろしいですか。
#72
○政府委員(川島裕君) 今の時点ではまだでございます。インド時間できょうの午前中に発給ということを想定しております。
#73
○石井一二君 聞くところによりますと、中国がこの問題に対して、入国を認めるということは両国関係に悪影響を及ぼす、特に一つの中国ということを無視した行動を過去に御本人がやっておるとかいろいろクレームがついているようにも聞いておりますが、そういった日中関係の重要性ということについてどうお考えですか。
#74
○政府委員(川島裕君) 中国側からは、今、先生の言われたような立場の申し入れがあったわけでございます。しかしながら、我が国といたしましては、正規の手続に従ってなされたダライラマよりの入国申請に関しましては、我が国の関係法令に従いまして査証審査を行ったものでございます。また、これを進めるに際しまして、中国側に対しては、我が方の立場を説明して理解を求めるところでございます。
#75
○石井一二君 その正規の手続というのはどういう面を正規とおっしゃるんですか。例えば、今、国籍はどこになっていますか。
#76
○政府委員(川島裕君) 今は無国籍者でございます。
#77
○石井一二君 無国籍者の場合のビザの発行の規定について若干御説明を願いたいと思います。
#78
○政府委員(川島裕君) 無国籍につきましても、いずれかの外国籍を持っている人間と特段変わりはございませんで、通常の手続でございます。
 ちなみに、このダライラマの入国につきましては、岡山に本部を置いてございます黒住教の招きということでございまして、専ら宗教的な活動の目的ということで入国したいというふうに申請があった次第でございます。
#79
○石井一二君 宗教的とおっしゃいましたが、オウム教の教主とこの方は過去五回会っているんですが、四月二日の日曜日に会うのじゃないかといううわさもございますが、その辺、どのような確認をなさっておりますか。
#80
○政府委員(川島裕君) オウム教の報道については承知しておりますけれども、オウム真理教とのかかわり合いの事実関係については、私どもとしては確認し得る立場にございません。
 いずれにいたしましても、査証発給をするか否かということにつきましては、これはオウム真理教とは関係のない話でございまして、通常の手続にのっとって査証の付与を決定した次第でございます。
#81
○石井一二君 河野大臣にお伺いしますが、ここに原文もございますが、中国がこれに対して不快感を催しておると。そういう事実を御認識でございましょうか。
#82
○国務大臣(河野洋平君) 聞いております。
#83
○石井一二君 お聞きになった上での御所見をちょっと承りたいと思います。
#84
○国務大臣(河野洋平君) 査証の発給につきましては、今、政府委員から申し上げましたように、所要の手続がきちんとなされていれば我が国法令にのっとって処理をするということが適切と思っております。この問題が、例えば特定の政治的意図を持っておるとかその他甚だ不都合なものがあれば別でありますけれども、そうでない限りは我が国国内法令にのっとって処理をすることでよろしいかと思います。
#85
○石井一二君 時間の関係もありますので、とりあえず次の質問に移ります。
 たしかきょうと思いますが、連立与党の訪朝団が北朝鮮へ行かれるとお聞きしておりますが、これは党がやっておられるんですか、政府が御関係なんですか。ちょっとその辺の、まず訪朝団の性格づけについて御説明を願いたいと思います。
#86
○政府委員(川島裕君) 党でございます。
 具体的には、今回は自民党、社会党、さきがけ、三党の代表団ということで、三団長がおられて三団が一緒にいらしたと、こういうことでございます。
#87
○石井一二君 その座長というお立場がありますが、座長と団長というのはどう違うんですか。
#88
○政府委員(川島裕君) 私、実はけさ、壮行式と申しますかお見送りに参上したんですが、そのときのお話ですと、団長が、自民党は渡辺元外務大臣、社会党が久保書記長、それからさきがけが鳩山先生と、それぞれが団長でございまして、その三団長の中で渡辺団長が座長というふうに紹介しておられました。
#89
○石井一二君 では、座長というのは、団長三人が会議するときに座長を務めるというだけで、団全体を代表するという意味じゃないですね。
#90
○政府委員(川島裕君) 政府といたしまして断定的に申し上げる立場にはないんですけれども、三団長の中での座長というふうな位置づけというふうに承っております。
#91
○石井一二君 答弁者は、今、これは党がやっていることで政府ではないと言われましたけれども、党がやっておるのであれば、あなたが壮行会にお見送りがてら行く必要はないのじゃないですか。
#92
○政府委員(川島裕君) 外交上意味のある活動につながり得る場合には、従来、いろいろな党の指導的役割の方たちが外国にいらっしゃる際には、側面から、いろいろと申し上げるべきことは申し上げ、御支援申し上げるべき点は御支援申し上げておりますので、これは今回に限らず今までも外務省として対応してきた次第でございます。
#93
○石井一二君 外交上意味があるかないかということを決めるディフィニションの規定というのはどこにあるんですか。
#94
○政府委員(川島裕君) 一般論として申すのはなかなか難しいのでございますけれども、今回につきましては、長きにわたって日朝間の国交正常化交渉が中断しておりますので、政党レベルとしては、国交正常化交渉の再開のきっかけをつかむということが一つの訪朝の目的であるというふうに承っておりますので、今の時点でそういう方向で政治レベルで対話があるということは、それなりに外交的に大変意味があることだと判断した次第でございます。
#95
○石井一二君 今、北朝鮮の国家主席はどなたですか。
#96
○政府委員(川島裕君) 北朝鮮憲法では、主席が国家の首班であり、北朝鮮を代表するとされている次第でございます。
 それで、金日成主席死去の後は、後継者と言われておりますところの金正日書記はいまだ主席には就任していないわけでございます。したがいまして、今の時点では元首はおられないのではないかと思いますけれども、有権的に申し上げる立場にはないことは御理解いただきたいと思います。
#97
○石井一二君 国家の元首のいない国と外交上の交渉あるいはその前提となる合意をしてみてもやや意味が薄いと思うんですが、現在の訪朝時期の是非について大臣はどのような個人的な御見解をお持ちでしょうか。
#98
○国務大臣(河野洋平君) いずれにせよ我が国と北朝鮮の間は国交が御承知のとおりございません。朝鮮半島にあって近年きまざまな問題を有している、我が国としても幾つかの懸念を有しているこの国と話し合うパイプが全くないということについては残念に実は思っているわけでございます。
 どの時期が適当かということについてはいろいろ御意見があるだろうと思いますが、一つの場面と考えての訪朝というふうに思いまして、私どもがこの時期が適当か適当でないかを申し上げる立場ではございませんが、私は決してこの場面でいらっしゃることが極めて不適当だというふうには思いません。
#99
○石井一二君 北朝鮮がお米を欲しいと言うかもしれぬとかいろんな報道がなされておりますが、北朝鮮に対して何らかの援助的な行動をとる場合に、先般来問題になっておりますKEDOの絡み等も含めて米朝合意が守られていくということの前提ということも重要だと思いますが、そういった観点から大臣の御所見をちょっとお伺いできればありがたいと思います。
#100
○国務大臣(河野洋平君) 私は、今も申し上げましたが、朝鮮半島の一角に、国際的に見れば核拡散、我が国あるいは韓国の立場からすれば極めて至近距離に不透明な核開発問題というものがあるということについて強い懸念を持っております。
 この国際社会の懸念あるいは我が国の懸念というものを解消するために米朝合意というものがあって、その米朝合意が実施される一つのプロセスとしてKEDOというものが設立をされたわけでございまして、我が国もそのKEDOに参加をいたしております。我が国は、かねてからこの米朝の話し合いがぜひ合意してほしいと考えておりましたし、その合意について我が国としてはこれを支持している立場でございますから、北朝鮮側と何らかの接触があれば、我が国としては米朝合意が誠実に実施されることを強く期待し、要請するという気持ちでございます。
 そのためには、我々は、韓国炉と申しますか、プロジェクトにおいては韓国型の軽水炉をぜひ採用してほしい、あるいはするべきであるということを述べてほしいと、こう考えているわけでございます。これは我々政府の立場で申し上げているわけでございまして、与党の方々もこうした気持ちは御理解をいただけているものというふうに思っております。
#101
○石井一二君 我が国と北朝鮮は海を通じてつながってもおるわけです。日本海の漁業に関して北朝鮮と我が国の民間との間で取り決めが結ばれまして、北朝鮮の二百海里水域内での操業を過去行ってきましたが、この取り決めが一九九三年末で期限切れとなった。それで、その後更新されることなく現在に至っているわけです。したがって、我が国の漁民は北朝鮮の水域内では操業ができないし、またしていない、また先方からも我が国の近くへはお越しになっていないという状況でございますが、この辺について若干御所見があればお伺いしたいと思います。
#102
○説明員(本田進君) 北朝鮮は昭和五十二年八月に二百海里漁業水域を設定したために、同年九月に日朝漁業協議会と北朝鮮側の朝鮮東海水産協同組合連盟との間で日朝民間漁業暫定合意が締結され、一部水域を除き我が国漁船の安全操業が確保されたわけでございます。
 しかしながら、その後、昭和五十七年から五十九年十月まで及び昭和六十二年の空白期間がございました。それを除きまして暫定合意が継続されてきたわけでございますが、平成四年一月一日に発効した暫定合意が二年間の期限末を迎えるため、日朝漁業協議会は平成五年十一月に北朝鮮に対し暫定合意の延長を協議したい旨打診をしたところでございます。しかしながら、北朝鮮側からは同月末になりまして暫定合意の延長の意思がない旨の通知がございまして、現在、暫定合意は失効しておりまして、暫定合意に基づく我が国漁船の操業は行われていないという状況にございます。
#103
○石井一二君 日本海の漁業について、北朝鮮との間では比較的トラブルが少ないんですが、絶えずトラブルが起こり続けておるのが韓国と我が国との漁業関係の協定に関することでございます。
 これにつきましては、先般の予算委員会の総括質疑でも若干私も河野外務大臣にも今後努力をいただきたい旨を申し入れたわけでございますが、本年の二月二十八日付の水産庁の書面によりますと、日韓漁業実務者協議というものが結ばれたというように聞いておりますが、この概要についてちょっと簡単に御説用いただければありがたいと思います。簡単で結構です。
#104
○説明員(本田進君) 昨年来、日韓漁業実務者協議を実施してまいりましたが、先ほど先生お話しのとおり、先月末、二月二十七日に両国間の合意を見るに至ったところでございます。
 この合意の内容といたしましては、まず両国は、両国周辺水域の漁業資源の効率的な保存管理及び安定的な操業秩序の確立が共通目標であるという認識に立って、将来の望ましい新漁業秩序の形成に共同で努力していくこと。また、この努力の一環として共同漁業資源調査を実施し、この調査を踏まえ、日韓間における将来の望ましい新漁業秩序に関し早期に協議を行うことに合意をしているところでございます。さらに、北海道周辺水域の韓国漁船及び済州道周辺水域の我が国以西底びき網漁船の操業隻数の削減、取り締まり担当者会議の開催の増加など、自主規制措置の内容を強化することとしたところでございます。
#105
○石井一二君 今、取り締まり担当者会議と言われましたけれども、旗国主義というような主義があったりしまして、この取り締まり役がなかなか、口ではいつも言うんだけれども実際はうまく行われていない、違反がどんどん出ているというようなことがトラブルのもとだったんですが、その実効性についてどのように思っておられますか。
#106
○説明員(本田進君) 今回の実務者協議で、先ほどお話し申し上げましたように、日本と韓国は将来の望ましい新漁業秩序の形成に共同で努力していく、それから共同漁業資源調査を実施して、この調査を踏まえて日韓間における将来の望ましい新漁業秩序に関し早期に協議を行うということに合意をしたところでございまして、水産庁としてはこの共同調査を速やかに実施して、早急に日韓間の新漁業秩序の協議を行いたいというふうに考えているところでございます。
 なお、水産庁といたしましては、この新漁業秩序の協議に当たりましては、国際海洋法秩序にのっとって安定的な操業秩序が確立されるとともに、我が国周辺水域の水産資源の持続的な有効利用が確保されるような秩序づくりを目指していきたいというふうに考えているところでございます。
 また、当面の自主規制措置でございますけれども、今回合意された自主規制措置におきましては、従来の対策に加えまして、取り締まり実務者協議の開催の増加とか、違反小型トロール漁船に対する取り締まりの強化、西日本水域への韓国の指導船の派遣の充実などの取り締まり強化策が盛り込まれておるわけでございまして、水産庁といたしましては、こうした合意内容が遵守され、違反操業が減少するよう全力を挙げて対応してまいりたいと考えております。
#107
○石井一二君 いろんな機会を通じて、お互いに約束したことは守っていくという線で御努力をいただくことを重ねて要望しておきます。また、外務省としても関連の分野でできることがあればよろしくお願い申し上げたい、そのように思います。
 次に、きのうおとといの新聞を見ておりますと、ゴラン高原へのPKOの派遣という文字が出ているんですが、ルワンダから帰られた後、今後のPKOプロジェクトについてどのようなお考えをしておるか。これは外務省だけの問題ではございませんが、外務省の立場で御所見があれば、国連関係でもございますので、若干お聞かせをいただきたいと思います。
#108
○政府委員(柳井俊二君) ゴラン高原のPKOに参加するかどうかという問題でございますが、この問題につきましては、これまで国連及びカナダ側と事務的あるいは技術的な意見交換を行ってまいりました。ただ、政府として二足の結論を得ているというわけではございません。この問題につきましては、与党三党が現地に調査団を派遣することを決定されましたので、その調査結果をも踏まえまして今後政府として決定を行うということになろうかと存じます。
#109
○石井一二君 伝え聞くところによりますと、先方は日本の参加を望んでいないというようなことが堂々と活字になっておる。そういった中で、招かれざるところへ行く必要もないと思いますし、またすべきこともあろうと思いますので、慎重に御討議、御審議を願いたいと思います。
 ただ、今のお言葉では与党三党が調査団を出す、その報告を聞いて決めようと、そういうスタンスなんですか。
#110
○政府委員(柳井俊二君) 今までも何回か国際平和協力法のもとでPKOに参加しているわけでございますが、個々のPKOにつきまして事前に慎重にいろいろと調査をいたしまして、その上で総合的に判断して決定するという手続を踏んでおります。
 今回の場合につきましても、先ほどちょっと申し上げましたように、国連及びカナダ側とは意見交換等を行っておりますが、やはり現地の方も視察をするということが必要であろうと思っております。
#111
○石井一二君 これを日本が行おうとすれば輸送業務だと言われているんですが、輸送業務の範囲についてどのような御認識をお持ちですか。
#112
○政府委員(柳井俊二君) まだ決定したわけではございませんけれども、今までの国連及びカナダ側との意見交換等を通じまして、一つの可能性といたしまして現在カナダの部隊が行っております輸送業務、これをかわってもらってはどうかというような考えが示されております。ただ、その詳細につきましてはまだ、今後の調査等の結果を待って、また派遣するということになればその詳細はさらに詰めまして、その上で決定するという考え方でございます。
 それから、先ほどちょっと触れられました現地司令官の発言でございますが、これは報道で承知しておりますが、これまでも国連側から派遣の打診がございまして、特に昨年の五月ごろでございましたが、国連側から非公式にゴラン高原のPKOに参加してみてはどうかというようなお話がございました。そういう経緯でございますので、伝えられておりますところの現地司令官の発言は何らかの誤解があったのではないかというふうに思っております。まだ直接この真意を確認する機会がございませんけれども、近い将来、真意を確認したいと思っております。
 また、報道の中で、語学に問題があるというようなことを言っておられたというふうに報じられておりますけれども、この問題につきましては、これまでも我が国はUNTAC、カンボジアのPKOでございますとか、あるいはモザンビークのPKOに参加しておりまして、語学上特に問題を生ずることもなく、非常に立派な業績を自衛隊の部隊あるいは隊員が上げられておりますので、そういう点は心配しておりません。
#113
○石井一二君 今の御答弁を聞いておりますと、外務省としてヨハン・コストフ・オランダ陸軍少将、総司令官に対して文句を言いたい、このようにもとれるわけですが、近くアプローチをしたいというようなことを言われましたが、あなたがダマスカスヘ行かれるんですか。
#114
○政府委員(柳井俊二君) どういう機会にどういう御趣旨で言われたかということを確認するかはまだ決めておりませんけれども、特に私が行くということを考えているわけではございません。例えば、シリアにございます我が方の大使館を通じて、あるいは今回与党の調査団に、まだ最終的には決まっておりませんけれども、政府側からもだれか行くことになると思いますので、そのようないろいろなチャネルがあると思います。そういう適当な機会をとらえて確認したいと思っております。
#115
○石井一二君 与党の調査団と、こう言われますと、どうもルワンダのときのサファリ見物がぱっと頭にひらめきまして、どれだけ期待していいのかと思うんですが、もしオランダの陸軍少将に何らかの発言取り消しなり誤解を解いた、こういう会話をしたというような事実が起こったら御報告いただきたいと思いますが、それはいかがでしょうか。していただけますか。
#116
○政府委員(柳井俊二君) 何か抗議を申し入れるとかそういうことではございませんで、どういう御趣旨で発言されたかということを確認したいという考えでございます。
 その結果につきましては、もちろん御報告したいと思います。
#117
○石井一二君 次に、今、国民が非常に強く要望しておりますことの一つに、小さな政府をつくってほしい、そのことが即平成九年の消費税のアップ率にも影響しかねないというような背景があるわけですが、その中で外交関係では日本輸出入銀行と海外経済協力基金の統合ということが巷間話をされております。この場合に、外交畑ではOECD、世界銀行、IMF等の国際機関等の理解を得る必要が起こってくるのではなかろうか、そのようにも思われます。
 この問題について、これは経企庁と大蔵省所管の特殊法人でございますが、外務省の御所見を承りたいと思いますが、いかがですか。
#118
○国務大臣(河野洋平君) 特殊法人の整理統合ということは村山内閣としても極めて重要視をしておったわけでございますが、過般、輸出入銀行とOECFとの統合につきまして、大蔵待、経企庁ともにこれを受け入れるということになりました。ただ、その受け入れにつきましては四年後という期間を設定したわけでございます。
 この四年後という意味は何かということでございますが、国際的な理解を求めるために若干の時間が必要だということでございました。恐らく輸出入銀行におきましてもあるいはOECFにおきましてもそれぞれ整理すべきものもあろうかと。つまり統合に際して整理すべき部分もあろうかと思いますし、それらについての時間も必要かと思いますが、国際的な理解を求める必要があるということであれば、外務省としてそうした点でやるべき仕事があればやらなければならぬというふうに思っております。
#119
○石井一二君 消費税のアップが平成九年、そうすると二年以内ぐらいにこういった問題を解決せないかぬわけですが、四年ということで若干その関連性がどうなっておるかと思うんですが、外務省の御認識ではこの統合により何百人ぐらい人が減らせるというように御理解になっておりますか。仄聞している範囲で結構です。
#120
○国務大臣(河野洋平君) 大変恐縮ですが、所管外でございまして、何人ぐらいがどうかということなど詳細については承知をいたしておりません。
#121
○石井一二君 総裁と理事長がなんかのポストが一つ減るだけだというように聞いておりまして、非常にがっかりいたしておりますので、またそういった面で河野外務大臣、特に副総理としての格別の御努力を要望しておきたいと、そのように思います。
 次に、日本・ポーランド航空協定の関連でございますが、日本とアメリカの航空関係の協定を見ておりますと、以遠権という問題で非常に不公平だと言われておるわけですが、日本とポーランドの間の以遠権問題等について特に問題がないか、わかっておればお聞かせを願いたいと思います。
#122
○説明員(高野紀元君) お答えを申し上げます。
 日米間の以遠権の問題でございますが、日米航空協定は一九五三年に締結されたものでございます。協定上の権益に不均衡が存在するということは事実でございます。
 この中で、以遠権につきましては、日本側指定航空企業による米国以遠路線は制限されているのに対しまして、米国の指定航空企業による我が国からの以遠路線の設定については何ら制限がないという状況にございます。
#123
○政府委員(谷内正太郎君) ポーランドとの関係につきまして補足させていただきます。
 本協定の付表におきましては、日本側はワルソー以遠の二地点への以遠権を与えられているのに対しまして、ポーランド側は大阪以遠の地点への以遠権は与えられていないことが明記されておりまして、その解釈については相違があるとは考えておりません。いずれにしましても、日本とポーランドとの間で話し合いまして、より現実的かつ効果的な形でそういう路線が将来引かれるようにというバランスを考えた上で決めておることでございます.
#124
○石井一二君 ハンガリー、ポーランド以外の東欧諸国との航空協定の将来的な締結状況についてちょっと御報告いただきたいと思います.
#125
○政府委員(野村一成君) ハンガリー、ポーランド以外の東欧諸国とは、まだ航空協定を締結しておりません。
 航空協定につきましては、やはり航空需要とか、人的あるいは経済的な交流の実態というものを反映して考える必要があろうかと思います。現状にかんがみますと、ブルガリア、ルーマニアからは締結の申し入れが現にございますけれども、あとチェコとかユーゴスラビア等から過去にはございましたけれども、現在そういうことはございません。
#126
○石井一二君 過去はあったけれども現在はないというのはわかりますが、将来に向けてより積極的に進めていこうという姿勢なんですか、それとも、むしろ受けて立つ、向こうから言ってきたら考えるという姿勢なんですか。その辺はどうですか。スタンスをお示し願いたいと思います。
#127
○政府委員(野村一成君) 基本的には、やはり航空需要と申しますのは人の往来の実態、それから経済の交流というのが反映されるのだろうと思っております。したがいまして、向こうから言ってきたからどうのこうのというのじゃなくて、やはりそういうものの実績が今後どうなっていくかというものを見ながら考えていくというふうに思っております。
#128
○石井一二君 人の往来の数の話が出ましたが、では例えば日本とボーランド間の出入国者数のバランスが今どうなっておるか。
#129
○政府委員(野村一成君) 九三年の統計によりますと、ポーランド人の入国者が二千百七十七名で、日本人のポーランドヘの人国者数が三千四西八十一名でございまして、邦人のポーランド向け出国者か千三百四名上回っております。しかしながら、昨年の統計を見ますと、一月から十月まででございますけれども、これが逆転いたしておりまして、全体の数が五千六百六十四名でございますけれども、逆にポーランド人の入国者数の方が約千六百名上回っている、そういう実態でございます。
#130
○石井一二君 国際熱帯木材協定に関連いたしまして、横浜に本部があるITTO、国際熱帯木材機関というものがございますが、この機関についでごく簡単に、なぜ日本にあるのか、どのような機能を果たしておるのか、日本人職員が何名おるのか。残り時間三分ですから一分ぐらいで答えてもらいたいと思います。
#131
○政府委員(原口幸市君) 日本は熱帯木材、世界で最大の輸入国でございますので、この機関ができるという話が出てきたときにぜひ日本でも、これまで余り国際機関の本部を招致したこともないということもありまして、また横浜の方でもぜひそういうものを招致したいというお話もあったものですから、積極的に誘致をして、成功した次第でございます。
 この熱帯木材機関は、熱帯林業の健全な発展を育成するとともに、現在では熱帯林の保全というところにも大きな役割を果たそうとしているわけでございます。
 ちなみに、人数でございますけれども、今、二十九名おりまして、そのうち日本人が十四名。十四名のうち専門職以上の人は日本人で一名でございます。
#132
○石井一二君 そこで一番偉い方、最高責任者はどなたで、国籍はどうなっておりますか。
#133
○政府委員(原口幸市君) 事務局長が最高責任者でございまして、マレーシアのフリーザイラという方でございます。
#134
○石井一二君 この機関でバリ・パートナーシップ基金の管理に関して具体的にどのような業務をなさっておるか、わかればお聞かせを願いたいと思います。
#135
○政府委員(原口幸市君) バリ・パートナーシップ基金でございますけれども、これは二〇〇〇年目標を達成するために、そのための資金を援助するためにつくるものでございますが、まだ実はアイデアだけありまして、発足していないのでございます。したがって、その管理のあり方等につきましては、発足した晩に理事会において詳細が決定されていく、そういうふうに理解しております。
#136
○石井一二君 この国際熱帯木材協定が締結されることは、私は冒頭申し上げましたように賛成でございますが、この結果、世界の熱帯林の減少につながらないように運営面でもまた発言面でもいろいろ御努力をいただきたいと、そのように要望いたしまして、私の質問を終わります。
#137
○理事(猪木寛至君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後二時に再開することとし、休憩いたします。
   午後零時二十九分休憩
     ―――――・―――――
   午後二時開会
#138
○委員長(田村秀昭君) ただいまから外務委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、千九百九十四年の国際熱帯木材協定の締結について承認を求めるの件外一件を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#139
○猪木寛至君 このたびの国際熱帯木材協定の締結に関しては賛成であります。
 我が国は、この協定において、リーダーシップがとれるというか、我が国が果たす役割あるいは責任というものは大変大きいのではないかなという気がいたします。一方で、我が国は熱帯木材の輸入国であるということで、今その協定の中でやらなきゃならないことがたくさんあるのではないか。
 きのう外務省から送っていただいた資料に「ブラジルの環境と熱帯林」というのがありましたが、その中で、「ブラジルの熱帯林の重要性 (ポイント)ブラジルは世界最大の熱帯林保有国」、二が「我が国のアマゾン熱帯林保全協力の重要性 アマゾン地域の熱帯林保全を目的とした技術協力を実施中」、三番目に「国際熱帯木材機関(ITTO)の対ブラジルのプロジェクト、それから四番目に「九二年のリオ地球サミット後の動き」というのがありました。
 私も一月にブラジルヘ参りまして、ベレンを訪問してまいりまして、たまたま今、熱帯林の植林というかそういうことで大変力を注いでいる会社がありました。私自身も前回お話をさせてもらったときに、ライオンタマリンというこれはお猿の保護だけじゃなくて、それに関連してやはり消滅してしまった自然林を復活させる、そういう大変大きなテーマなんです。
 そういう中で、外務省から出された資料の中で、現在、政府が、例えばブラジル、そういう熱帯林の持っている情報が十分ではないのではないかという気がするんですが、今どのくらい政府側でそういう情報を持っておられるか、ちょっとお聞かせ願いたいと思います。
#140
○政府委員(原口幸市君) 何をもって十分かという判断はなかなか難しいものがあろうかと思いますが、私ども、例えばブラジルにつきましては、先生御指摘のとおり、世界最大の熱帯林を保有しているということであります。したがって、今、世界的にもアマゾンの熱帯林の保全というのは非常に大きな関心を呼んでいるということも十分承知しておりますので、できるだけその関連の情報というのは政府としても集めるように努力している次第でございます。また、ITTOにおきましても、ブラジルにおける熱帯林の現状把握あるいはアマゾンにおける熱帯林の有効活用というようなことについてできるだけの事業を行っていると承知しております。
#141
○猪木寛至君 それからもう一つ、二番目の技術協力という部分でどのような技術協力をされているか。
#142
○政府委員(原口幸市君) 一番最近の例といたしましては、アマゾン地域の熱帯林の持続可能な経営、それから保全技術の開発を目的としたアマゾン森林管理計画というのがございますが、それ以外にも非常に多数の熱帯林保全に関連する技術協力、それから開発調査、そういうものを行っております。
 具体的な項目を挙げると切りがございませんので、もしお差し支えなければ後でリストを提出させていただきたいと思います。
#143
○猪木寛至君 それから、三番目の十九のプロジェクトというのは、具体的にもしわかれば。
#144
○政府委員(原口幸市君) この十九のプロジェクトというのは、ITTOが現在までに行っているプロジェクトでございまして、合計金額が千四十六万六千ドルかかっております。
 その中で三つばかり例を挙げますと、一つはブラジルにおける林産業の総合分析及び評価それから二番目がタパジョス地区国有林。これは六十万ヘクタールある国有林だそうでございますけれども、その持続可能な森林経営計画の策定ということで、その国有林における伐採がいかなる形の伐採が適当かというような、そういう計画を策定しているというふうに承知しております。それから三番目が、プレハブ住宅建設のための熱帯樹種からのウエハーボード材の開発。これは非常に成長の早い熱帯林のある種の木を使いまして、それを細かくチップにしまして新しいボードをつくる。そういうボードが建築に果たしてうまく使えるかどうかとか、そういう技術が確立てきればこれがまた熱帯林の回復というようなことにも随分役立つし、それからそういう木を植林することによって経済にもいい影響があるということで力を入れているというふうに承知しております。
 これも十九ございますが、リストが別途ございますので、後ほと提出させていただきたいと思います。
#145
○猪木寛至君 先ほど申し上げたブラジルの視察の中で、一番今歴史的にといっていいか、そういう植林をされてきた中で永大というのがあります。大体JICAの方もみんなここへ行かれて資料をもらってくるのじゃないかなと思うんですが、非常に実績を上げて、それを商業化して、今順調にいっているという話を聞いてまいりました。
 木材の種類もたくさんあるんですが、その中で技術的な協力なんかは宮脇方式という、これは横浜国立大学の先生なんですが、その人の植林の技術というのを取り入れてやっております。これは大変技術的な問題になるんですが、非常に表土が薄いために植林をしても日本みたいなわけにいかない、根づくまでの技術というのが非常に大変だと思うんです。
 特に、私もずっとやってきたバイオ関係で、サトウキビの搾りかすを堆肥にするということをもう二十何年来やってきたんですが、植林に関して三年ぐらいが一つの山というか、そういう堆肥を非常にうまく与えてあげる、人間に例えれば子供が生まれてお母さんのお乳を飲んで成長していく、その乳離れをするまでの時間というものがすごく大事なんですね。三年から四年、その間の必要な栄養素というもの、肥料を与えてあげる、そしてそれから後は自力で根を張っていって成長していく。そうすると、ブラジルは熱帯で、太陽あるいは水に恵まれていますので、そういうことで再生能力が非常に高いということで、幾つかの再生されたところも見てまいりました。説明を受けなければ何となく、ああ、これが本当の原始林がなと思うような再生した森を見てまいりました。
 いろんな情報というのはやっぱり見てこないとわからないことがあって、アマゾンの中にある米といっても、この中ぐらいの感じの大きな木が一本どんと立っていますと、その周りには全く木がないんですね。ヤシ科の木がずっと何本があって、そしてまたしばらく行ったところにどんと大きいのがある。そういう今までは価値のある木をどんどん切り倒してしまった。
 もう一つは、やはり牧場とか焼き畑、そういうことによってどんどん破壊された土地、そこを再生していく。今、永大さんがやっているんですが、我々もそれに関連して、一ヘクタール当たり大体六千ドル要するんですね。まだ非常にコスト的に高い。六千ドルかかる。だから、苗木をうまくつくることができればもっともっとコストが安くできるのじゃないかなと。
 先ほど同僚議員から質問がありましたが、やはり森との関係というか、今、非常に採算性が低くなってきたために林業というのがどんどん滅びていく。林業を山の中に、何というのかわかりやすく言うと、お金を生むというか、そういうものを導入していく。
 そこで、たまたま私どもが今研究していたEDSというものがあるんです。EDSの訳はエコロジー・ドライ・システムということなんですが、今まで間伐材あるいは風倒木、こういうものが野ざらしになっていて、結局それは逆に言えば成長材に対して害を与えていく。しかし、それを切りおろしてくるのにも大変手間がかかるしお金がかかる。そういうことからほったらかしになっている。
 これはどういうシステムかというと、今までは、そういう木を切ってドライシステムの中に入れますと、表面だけが乾燥してしまって木がねじれたり反ったりあるいは縮んだりという、こういう木の持っている性質のためになかなか有効に使えなかった。このシステムの中でやりますと、どういうことかわかりやすく言うと、木を乾燥させていくときに、例えば魚を我々がとったときに保存するために開きにして日干しにする、あるいはそれをもっと保存しようと思った場合にかつおぶしにするというような形で木を蒸すわけですね。そうすると、非常に遠赤の効果もあって、しんまで通りまして、木が持っている繊維質とそれからリグニンという物質、繊維質は恐らく鉄筋の役をして、そしてリグニンというのはコンクリートの役割をしている。そういうことが非常にアンバランスになるために処理をしたときにその木の癖が出てくる。これで処理すると非常にリグニンの状況がやわらかくなるというか均等化するために、製品化したときにも全然狂いが出てこない。そういうことがもう実証されているんです。
 今回の神戸の大震災においても一番の問題は、木が持っている弱点というか、今回火災が多かった、それから耐震構造として非常に弱かったとか、そういうことに対してたまたまずっと長年やってきた研究が、今回の神戸の地震に対しての答えみたいな形で出てきたんですね。というのは、木は本来は燃えるわけですが、住宅にしたときに燃える欠点、それを燃えなくするという技術もありますし、そして今言ったような狂いかないということ。ですから、普通なかなか間伐材なんというのは建築材には使えないわけですけれども、これが非常に有効に使える。
 ログハウスをつくる場合には一本の丸太でつくるわけですね。なぜかというと、今言ったようにねじれたり反ったりという癖があるから。しかし、これを半分に切って、それを外をきれいにしまして、組み立てていくだけで家ができる。あるいは耐震構造としては六角ハウスというのを考えまして、六角に組んでいくとハチの巣と同じように大変強い構造になる。それで、この間、本山小学校というところに一棟、我々が寄附をさせてもらって、建ててきました。大変好評なものですから、ぜひそれを五棟建ててほしいと、そしてこの四月から授業を再開したいという話があったんですが、我々もボランティアでやっていますから限界があるんです。
 そういう中で新しい技術という、先ほど申し上げた日本がリーダーシップをとれるのじゃないかというのは、そういうようなやはり自然というものとどう調和していくか。それから、そういう木材が持っている、要するにいいところしか使いませんから、要するに廃材になっていく部分までが非常に有効材として生かして使えるという、そういうことからぜひこういう技術を、今、世界に知らしめていきたいということで、私みずから歩いてそういう情報を流しているんです。
 先ほどそれでお聞きしたのは、政府としてはどの辺にそういう技術的な援助をされていますかという質問をさせてもらったわけなんです。実際、永大さんのいろんな技術提供を受けているのは、三菱とそれからパラ州の国立大学の農科大学の研究員ということで、まだまだ国内に大変すばらしい技術が埋もれているのじゃないか。ですからそういうことで、今、私が質問しているのは、せっかくこういう協定を締結されて、この問題が本当にこれから自然環境ということで非常に大事な部分で日本がリーダーシップをとってもらいたいという思いから、今そういうお話をさせてもらったわけです。
 そこで、もうちょっと技術の問題について。
 南洋材なんかでも、例えばゴムの木というのはほとんど利用価値がない、でもこの炉に入れて一回処理をしますと大変すばらしい板材として使えるという。それからもう一つは、やはり付加価値を高めるために、現地においてそういうような技術が生かされれば製品として日本に輸入ができるということ。そして上がったお金、付加何億が高まって利益的に得たものをやはり自然環境へ戻していく。リサイクルというか、やはりそれが私は大事じゃないかなと。今は林業というのは先細りをしていく状況の中でもっともっと効率よく、そして上がった利益というものを次の時代へ向けて植林をしていくというようなことをぜひやってもらいたいと思っているわけです。
 それからもう一つは、この炉で処理したものは大変おもしろい効果が出てくる。竹なんかの場合、これが今度はくぎが打てるとか、それから竹というのは野ざらしにしたらそれこそ三年、五年でだめになってしまうんですが、こういうものも非常に耐女性が高くなってくる。それから虫が食わないということですね。それで、今、コスタリカヘ大変日本政府として援助をされていると思うんですが、竹を利用したこれからの建築材料というか、ただそれはあくまでも竹を利用したというだけなんですが、そういう技術を導入すれば本当に耐女性というものが高まってくる。
 そういうことで、きょう私が質問するよりも皆さんにそういう情報をぜひお伝えしたいなということからお話をさせてもらいました。
 そして、ブラジルに先日行ったときにブラジルの新聞でも一面で扱ってくれた中に、アマゾン道路の問題というのは当然これは自然破壊というものと関連してくるので大変難しい問題ではあるわけです。ブラジルの政府として、今、世界からアマゾンを守れという声が高まっているわけですが、現実にブラジルの経済は大変ここのところへ来てよくなってきましたが、やはり自力でそういうものにこたえられる今状況でない。そのために日本からも相当な援助あるいは世界からの援助を受けているわけです。
 ブラジル経済が立ち直ってくれるためには、今のブラジルの流通経路というか、これはいろんな農産物をつくっても、ヨーロッパに向けての輸出だけで、日本人が七十万、日系全部合わせると百五十万の日系人が今いるわけですが、その流通経路というか、そのためにはアマゾン道路というものが必要じゃないかということで、今からもう二十四、五年前になりますが、私が向こうの政府の方に提案させてもらったことがあって、それがきっかけということじゃないと思いますが、その二年後にアマゾン道路が計画発表になって、そして今回の大統領が大変それに対して積極的である。私がそういう提案をしたから、政治的にも利用されたのかもしれませんが、私の話を一面に載せておりました。
 今後アマゾン道路ができて、今フジモリさんが大統領をやっておられるペルーへ抜けてくれば、やはり貧困で困っている国々が大変潤ってくるのじゃないかなということから、私は道路の推進派というか、それに伴って起きる自然破壊というもの、これをどういうふうに調和していくかということが大事だろうと思うんです。しかしながら、それに反対だけしていてもしょうがない。実際にブラジルの経済が高まるような、今回の協定の中にあるように生産国がやはり経済的に潤っていくような平肋けをしなきゃならない。
 そこで、ブラジルのアマゾン道路という問題について政府としてはどのような考え方を持っておられるか、お聞かせください。
#146
○政府委員(原口幸市君) 今、先生のお話のアマゾン道路でございますけれども、これは事ブラジルに関するだけじゃなくて、非常に象徴的なケースだと思います。
 開発途上国におきましてはやはり経済開発ということが非常に重要な問題でございまして、この具体的なケースに即していえば道路の建設ということが非常にそれに有効であると。他方、同時に、最近環境保全ということが非常に大きくなってきて、まさに環境の保全どこういう開発というのをどうやってバランスをとってやっていくかというのが非常に重要な問題になってきていると思います。
 先ほど私は日本政府がアマゾンにおける熱帯林保全に関連してアマゾン森林管理計画というのをやっていると申し上げましたけれども、これはもう少し詳細に申し上げますと、九五年から三年間かけてやることになっておりまして、まさにことしからやることになっております。その発端となりましたのは、アマゾンの横断道路の建設等によって急速に森林破壊が進んで、それをブラジル政府の側も若干問題視し出しております。それは何も道路の建設をやめるということじゃないんですが、建設をしつつも破壊というものから熱帯林をどうやって守っていくかという非常に難しい問題に答えを見つけようということで、実は国立のアマゾン研究所というところが、アマゾン地域の熱帯雨林について環境保全と持続可能な開発の調和を目指して持続可能な経営を可能とする多角的なモデルを確立することを目的に、ブラジル政府を通じまして日本政府に技術協力を求めてきたということでございます。
 したがって、日本といたしましても、大きく分けて大体二つのエレメントになるんですが、一つは森林の現状の把握調査という問題と、それから天然林の管理手法とか荒廃地の回復手法をどうやって開発していくかという問題で、その後の方の問題につきましては、先ほど先生がちょっと触れられた荒廃地の回復の関連で、例えば種子に関する研究だとか土壌要因の研究とか、そういうものを試験林を通してやっていくというようなことをやっております。
 したがいまして、我が国は、アマゾン横断道路そのものの建設に、今、経済協力はやっておりませんが、むしろそれはブラジル側の問題といたしまして、そういうものが進むにしても熱帯林の保全が同時に達成できるような技術協力という形で協力していきたいと、そのように考えているわけでございます。
#147
○猪木寛至君 今、INPAの話が出ましたが、これも大変資金難で、研究員が千人以上いた研究所なんですが、実際に私が訪問したときには、機材が古くなってしまってもう全くその研究がなされないという陳情があったんですが、今回それに援助されるということで、大変いいことだと思うんです。ただ、実際には年間五億ぐらいの援助を四、五年続けてもらうと大変機能しますよという情報を得ております。
 時間が来たのできょうは終わります。ありがとうございました。
#148
○立木洋君 最初に、熱帯木材協定の問題についてお尋ねしたいと思います。
 地球環境の問題の関心が非常に高まって、本協定が締結に至るということは好ましいことだと思います。先ほども言われておられましたように、できるだけ早く国際的にも発効要件が整って発効されるということが望ましいというふうに思います。
 日本の場合も、先ほど来問題になっている世界のこの熱帯材の輸入量の四割を日本が占めているというわけですから、日本がどういう役割を果たすかということは、今後非常に重要になってくるだろうというふうに思います。その点で具体的に日本がどう積極的に努力されていくのかということを私もきょう質問しようと思っておったんですが、同僚議員からもうほとんど聞いていただいたので、答弁はもうほとんど出されておるので、あえて重ねてお尋ねすることはいたしません。
 ただ一つだけお聞きしておきたいのは、一九七六年のころは二千二百万立米輸入していたんですね、日本は熱帯材を。それが一九九二年には一千百万、大体半分にこの熱帯材の輸入量というのは減っております。もちろん合板が物すごくふえて、丸太がほとんど少なくなっているという状況はありますけれども。
 それで、原口さんがおわかりだったら教えていただきたいんですが、この協定が発効されて進んでいった場合に、日本の熱帯材に対する輸入はどういうふうな推移をするんだろうかということだけちょっとお聞きしておきたいんです。
#149
○政府委員(原口幸市君) 短期的にはいろいろとフラクチュエーションはあると思いますが、長期的には、日本側といたしましても安定供給というのを望んでおりますので、ふえていくのか減っていくのか、私は素人ですので余り申し上げられませんが、ただ一つ言えることは、今まさにみんなが関心を持っている環境の、熱帯林の保全とそれから開発とを何とか調和する形で木材生産が行われるという前提のもとで余り大きな変動がない形で安定供給ができると、そういうような方向に持っていければと願っておりまして、恐らくそういう方向に国際社会も努力するものと思っております。
#150
○立木洋君 先ほど来も出ておりましたように、生産国における熱帯林の保全あるいは造成などについての協力を行って、いわゆる持続可能なやり方をできるだけ進めていけるように日本としても考えていただきたいということだけちょっと要望を最後に申し述べておきたいと思うんです。
 さてそれで、この間からも少し残っている問題の一つなんですが、米軍の駐留経費の問題が現状がどうなっているのかということについて少しお尋ねをしたいんです。
 一九九一年に地位協定の二十四条に基づく特別協定が結ばれて、日本人の労働者の給与や水光熱費を日本側が年々負担をふやしていくという形で、九五年度でこれらの費用については一〇〇%日本側の負担になるというふうに承知しているんですが、間違いございませんでしょうか。
#151
○政府委員(時野谷敦君) そのとおりでございます。年々負担を段階的にふやしてまいりまして、今年度で一〇〇%ということでございます。
#152
○立木洋君 それで、きょうは施設整備に関する費用の問題でお尋ねしたいと思うんです。
 地位協定の二十四条では、もう言うまでもなく、日本からの施設・区域、路線権の提供のための経費を除く米軍を維持する費用はすべて米側の負担になっているというふうになっております。もちろん、一九七三年でしたが、大平さんが外相の時代に、岩国や三沢の施設の移転に伴って、施設の移転に伴う代替施設の建設は追加提供が可能だというふうな見解が発表されたということがありました。さらにその後、一九七八年には、当時の施設庁長官が、大平外相が言われたのはつまりリロケーションなどの運用の指針を述べたものであって新しい住宅の建設を行って提供することは大平答弁に反するものではないんだというふうに述べて、さらに施設の提供の問題についてもより積極的に協力をするというふうになってきているんではないかというふうに理解をしております。
 それで、一九七八年の日米合同委員会で米軍は提供施設の維持管理及び所要の改良またそれに関する費用に対して責任を有するというふうに行ったこの合意は現在どのようになっているんでしょうか。全く変化がないのか、その後変化があったのか。
#153
○説明員(金澤博範君) 米軍に対します提供施設の整備につきましては、今、先生がおっしゃいましたように、地位協定第二十四条二項に基づきまして行っているわけでございます。すなわち、地位協定第二条に定めるすべての施設・区域をこの協定の存続期間中合衆国に負担をかけないで提供するという規定に基づきまして、我が国といたしましては、この点に合致する限り、その経費を負批すべきものという考えでこれまで提供施設整備を行っております。
 具体的な整備につきましては、従来より……
#154
○立木洋君 いや、この合意は変わったのか変わっていないのかだけ答えてもらえばいいんです、時間が短いのでね。
#155
○説明員(金澤博範君) 特に変わってございません。
#156
○立木洋君 変わっていないですね。
 御承知のように、今言われたように、米軍は提供施設の維持管理及び所要の改良またはそれに関する費用に対しては責任を有するという日米間の合意は変更がないということなんですが、私、これを見てみたんですけれども、アメリカの国防総省が毎年度、歳出権限法に基づいて軍事建設予算のリストを発表しております。一九八九年度までは日本で建設された米軍の建設施設についての予算は全部そのリストに計上されてあるんです。ところが、一九九〇年からは、日本で建設されている米軍の施設の建設費用は、米軍のそのリストによりますと全部ゼロになっているんです。これ御確認できますか。
#157
○政府委員(時野谷敦君) 先生ただいまおっしゃいました資料でございますが、私、承知しておりませんので、何ともお答えのしようがございません。
#158
○立木洋君 これは一九九一年に特別協定の審査をしたときに外務省からもらった資料なんですけれども、在日米軍駐留経費のうち日本側が負担している経費は平成三年まで、つまり一九九一年まで書いてあるんですよ。ちゃんと資料をもらっているんです。ところが、これにも米軍側が負担している費用は一九八九年までしか書いていなくて、九〇年度以降についてはいまだ承知していないと。五年前ですよ、時野谷さん。
 ところが、これから以降はアメリカ軍の予算のリストには、日本側で米軍側がアメリカの施設として建設している費用はアメリカの資料では全部ゼロなんです。これは、私、先ほど言いましたようにアメリカの議会の報告で歳出権限法に基づく建設予算のリスト、日本側においてのものです。八九年まで全部あります。九〇年以降全部繰ってみたんだけれども、日本側でつくっているアメリカの建設費の予算は全部ゼロになっているんですよ、
 それで、アメリカの九四年の議会でラーソン・アメリカ太平洋軍司令官がこういうふうに言っているんですね、日本におけるいわゆる軍事用の米軍の建設は数年にわたってゼロにしてきましたと一九九四年のアメリカ議会での公聴会で述べているんです。在日米軍駐留経費のうち米側負担による建設がゼロになっているというのを時野谷局長が御承知ないというのは、私は、いささか怠慢というか、調べる必要があるのに調べていないと。
 この問題に関してはその後どうなっているのか、資料を提供してくださいといって外務省に要求したんですよ。それなのに資料は提供されないんです。ですから私たちは調べたんです、アメリカの議会の報告書によって。そうしたら九〇年以降全部ゼロになっているんです。そうしたら、その金はどこから出ておるんですか、出るということになるんですか。
#159
○政府委員(時野谷敦君) 恐縮ですが、どこから出るとおっしゃいますのは何がでございましょうか。
#160
○立木洋君 私が質問されているのはおかしなぐあいですけれどもね。
 結局、俗に言われている思いやり予算でアメリカに対する駐留経費を日本側が負担をどんどんふやしていっているということになるのじゃないかと。
 ところが、現にこれを見てみますと、九三年度も、上瀬谷の通信施設におけるガソリンスタンド、六億七千三百万円、日本側の施設庁の予算に載っていますよ、これ全部。それから吾妻倉庫、秋月弾薬庫倉庫、それから九四年には富士営舎の地域における道路、硫黄島通信所における貯油施設、川上弾薬庫における倉庫の建設、九五年度には厚木飛行場における駐機場の整備、嘉手納における貯油施設、キャンプ瑞慶覧の道路整備。
 これ全部こういうことがやられているのに、米軍が持つべきこの施設の維持についての負担を、建設費がアメリカの金からは一銭も出ていなくて日本でこれ全部つくってやっているということに結局なるのじゃないですか。物はつくられている、アメリカからは予算として一銭も出ていないといったらその金はどこから出るのか。日本の政府が思いやり予算で出す以外にはないのじゃないでしょうか。結局そうなるのじゃないでしょうか。大臣、いかがでしょう。ここらあたりで一言。
#161
○政府委員(時野谷敦君) 先生がおっしゃっていますことを正確に把握したかどうかちょっと心もとないのでございますが、建設費がないとおっしゃいますのは、もちろん御承知のとおり、在日米軍のアメリカ側の経費、財政事情というのは非常に逼迫している、こういうことでございますので、仏その資料を具体的に承知いたしませんが、もしそういうことであればまさにそういうことの反映であろうというふうに思います。
 既存の、今存在しています施設を維持していくことに伴う経費、これがまさに提供施設整備に当てはまらないようなそういう維持経費ということでございますれば、それは従来とも米側が負担してきているというのが私どもの認識でございます。先生のおっしゃっています資料にそういうものが記載されているか記載されていないかということはあろうかと思いますが、いずれにしても施設整備に当てはまらないようなそういう維持に当たるような経費、これは米側が負担してきていることに間違いはないだろうというふうに思います。
#162
○立木洋君 これは後からごらんになっていただいたらわかりますが、一九八九年までやっているものについては道路の問題だとかいろんな問題、全部これは米側が金出してやっているんです。米側の予算のリストの中に全部載っているんです。ところが、これが一銭もなくなって、道路だとか駐機場だとかそういうものまで全部建設されているのにこれがゼロになっているんですよ、米側の文書には。これはいいかげんな文書ではなくて、歳出権限法に基づく軍事建設予算のリストなんですから、日本側でつくっているものの。それがゼロになっているということは、まさにそれ以外に方法はないんですね。
 これは、今までホーリー在日米軍司令官が防衛庁に対して再々在日米軍の維持管理、設備修理その他の米軍施設費用の増額を日本が検討するように求めてきたと繰り返し言っているんです。それについて外務省は、これまで米軍が要求している融通性の拡大については我々は承知していると言って、外務省も確認をしております。
 だから、そういうことになってくると、道路だとか滑走路だとか飛行機の駐機場だとか、そういうものの再舗装など今後は全部、先ほど言った特別協定での労働者の労務費だとか光熱費だけでなくて、施設の維持だとかなんかの問題に関してまで全部それを日本側でやる。だから、米軍が駐留している施設建設等に関する費用は、米軍が一切ゼロで負担せずに日本側が全部負担するということに今度拡大されていくのじゃないかというふうに私は感じたんですが、その点ほどうなんでしょうか。
#163
○政府委員(時野谷敦君) 提供施設の整備ということに関して申し上げれば、私どもは、従来とも安保条約の目的の達成との関係でありますとか、あるいはそういう経費を負担することに伴う経済的、社会的な影響とかもろもろのそういう要因を考慮して、負担すべきものは負担する、負担できるものは負担するということで対応をしてまいった次第でございまして、その点について将来にわたって何らかの大きな変更を今私ども考えているかといいますと、そういうことはございません。
 あるいは先生がおっしゃっていますのは、新しい特別協定と申しますか、来年三月に失効した後の駐留米軍経費のあり方についてどういうふうな検討をしているかということでございますれば、具体的内容について目下私ども申し上げられません。いろいろな米側の要望も聞きつつ今協議をしている、こういう段階でございます。
#164
○立木洋君 来年度の特別協定をどうするかという問題にも当然かかわってくるだろうと思うんです。
 米側が、一九九〇年三月六日にアダムス准将が述べていることがあるんですけれども、日本における三つの海兵隊のプロジェクト、これについては、日本政府は思いやり予算で出してほしいと我々は思っている、だけれども日本側は出そうとしないけれどもそれを出させるように彼らと今交渉中ですというふうに言っているのが一九九〇年三月六日です。特に、より軍事的なものについては日本側ができるだけ渋る、だけれどもそういう今問題にされている道路だとかあるいは飛行機の駐機場の整備だとか、だんだんそういうものに近づいていく可能性があるのじゃないかという懸念があるんです。
 国防総省が九四年五月に九五年度のアメリカの予算推計値を出しているわけですけれども、それによっても九五年度も日本における米軍の建設に関する予算はゼロなんです。だから九五年度も一切アメリカ側は金を出していないというんです、米軍の建設の施設については。ところが、実際には物が建っていっているということになると、これは極めて奇妙なことになるわけです。
 先般は、私は、武器輸出の問題についてぜひともアメリカ側の態度についての指摘をしてほしいということで、機会があるときにそういうことを伝えたいというふうに述べられたけれども、こういうふうに思いやり予算と言われるものが、いわゆる日本人労働者の賃金だとか光熱費についてはもう全額持つということになって、さらにその上、施設の問題に関してもアメリカは一切米軍の基地内における施設に関しては、九〇年度以降建設費はゼロで全部日本側が持ってきているということに実際には考えざるを得ない状況が、アメリカの文書からでは明らかになっているわけです。これは至急ちゃんと調べていただいて、その問題について明確な、そういうふうな何かずるずると思いやり予算をふやしていくようなやり方ではなくて、明確なやっぱり態度をとるべきではないかと私は思うんです。
 そういうふうなずるずるしたやり方を私は大臣が続けていかれるとは思いませんが、思いたくないので、ぜひ最後に、そういう問題については特別協定の来年度の変更についてはどうするのか、そういう問題をきちっと調べて、どういうふうに措置をされるのか、これはもう全く政治的な判断でございますから、最後に大臣の答弁をいただいて、私の質問を終わりにします。
#165
○政府委員(時野谷敦君) ちょっと一言だけ申し上げますが、先生がおっしゃるように、アメリカの予算のお持ちの資料によれば米軍の建設費がゼロであるというお話でございますが、そのこと自体がおかしいというか、であるにかかわらず、日本側が施設提供という形で支援をしていること自体がおかしいということには直ちにはならないのじゃないかというふうに私は思います。
#166
○国務大臣(河野洋平君) 議員が疑問をお持ちの部分については、これまで政府としていろいろ申し上げてきたことなどを一度、私、議事録その他を読み返してみたいと思っております。
#167
○立木洋君 それだけですか。
 今後どうするかというのをもう少し、もう少し今後の考え方をちょっと述べていただきたいと思います。
#168
○国務大臣(河野洋平君) 読み返してみた上で考えます。
#169
○委員長(田村秀昭君) 他に御発言もなければ、二件の質疑は終局したものと認め、これより討論に入ります。――別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 まず、千九百九十四年の国際熱帯木材協定の締結について承認を求めるの件の採決を行います。
 本件を承認することに賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#170
○委員長(田村秀昭君) 全会一致と認めます。よって、本件は全会一致をもって承認すべきものと決定いたしました。
 次に、航空業務に関する日本国政府とポーランド共和国政府との間の協定の締結について承認を求めるの件の採決を行います。
 本件を承認することに賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#171
○委員長(田村秀昭君) 全会一致と認めます。よって、本件は全会一致をもって承認すべきものと決定いたしました。
 なお、以上二件の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#172
○委員長(田村秀昭君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#173
○委員長(田村秀昭君) 次に、所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国政府とフランス共和国政府との間の条約の締結について承認を求めるの件、原子力の安全に関する条約の締結について承認を求めるの件、家族的責任を有する男女労働者の機会及び待遇の均等に関する条約(第百五十六号)の締結について承認を求めるの件、以上三件を便宜一括して議題といたします。
 政府から順次趣旨説明を聴取いたします。河野外務大臣。
#174
○国務大臣(河野洋平君) ただいま議題となりました所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国政府とフランス共和国政府との間の条約の締結について承認を求めるの件につきまして提案理由を御説明いたします。
 政府は、フランスとの間の現行租税条約にかわる新たな租税条約を締結するため、フランス政府と数次にわたって交渉を行いました結果、平成七年三月三日にパリにおいて、我が方松浦特命全権大使と先方マリアニ予算大臣官房長との間でこの条約に署名を行った次第であります。
 この条約は、現行条約と同様に、経済的、人的交流等に伴って発生する国際的な二重課税を可能な限り回避するとともに、二重課税が発生する場合には、これを排除することを目的として、我が国とフランスとの間で課税権を調整するものであります。
 この条約を現行条約と比較した場合における特色としましては、用語の定義を整備し、親会社が子会社から受け取る配当について源泉地国における限度税率を引き下げるとともに、条約の不正利用防止等について新たに独立の条項を設けたほか、条約全般にわたって最近の租税条約の改善された規定をできる限り取り入れたものであり、近年我が国が諸外国との間で締結した租税条約と同様、OECDモデル条約案に基本的に沿ったものとなっております。
 この条約の締結によって我が国とフランスとの間での二重課税回避の制度がさらに整備され、両国間の経済及び文化の面での交流が一層促進されるものと期待されます。
 よって、ここに、この条約の締結について御承認を求める次第であります。
 次に、原子力の安全に関する条約の締結について承認を求めるの件につきまして提案理由を御説明いたします。
 この条約は、平成六年九月二十日にウィーンで作成されたものであります。
 この条約は、原子力の高い水準の安全を世界的に達成し及び維持すること等を目的として原子力施設の安全を規律する法令上の枠組みを定めること等を締約国に義務づけること等について定めております。
 我が国がこの条約を締結することは、原子力の安全な開発及び利用における国際協力の強化に積極的に貢献する見地から有意義であると認められます。
 よって、ここに、この条約の締結について御承認を求める次第であります。
 次に、家族的責任を有する男女労働者の機会及び待遇の均等に関する条約一第百五十六号一の締結について承認を求めるの件につきまして提案理由を御説明いたします。
 この条約は、昭和五十六年六月にジュネーブで開催された国際労働機関の第六十七回総会において採択されたものであります。
 この条約は、家族的責任を有する男女労働者が、職業上の責任と家族的責任との間にできる限り抵触が生ずることなく職業に従事する権利を行使することができるようにすること等を国の政策の目的とすること等について定めております。
 我が国がこの条約を締結することは、家族的責任を有する労働者の職業上の責任と家族的責任との両立に関する政策の分野における国際協力に寄与する見地から有意義であると認められます。
 よって、ここに、この条約の締結について御承認を求める次第であります。
 以上三件につき、何とぞ御審議の上、速やかに御承認いただきますようお願いいたします。
 以上でございます。
#175
○委員長(田村秀昭君) 以上で三件の趣旨説明の聴取は終わりました。
 三件の質疑は後日に譲ります。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後二時五十三分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト