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1995/05/30 第132回国会 参議院 参議院会議録情報 第132回国会 外務委員会 第14号
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1995/05/30 第132回国会 参議院

参議院会議録情報 第132回国会 外務委員会 第14号

#1
第132回国会 外務委員会 第14号
平成七年五月三十日(火曜日)
   午前十時二分開会
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         田村 秀昭君
    理 事
                大木  浩君
                野間  赳君
                矢田部 理君
                猪木 寛至君
    委 員
                笠原 潤一君
                成瀬 守重君
                野沢 太三君
                宮澤  弘君
                矢野 哲朗君
                大渕 絹子君
                大脇 雅子君
                松前 達郎君
                黒柳  明君
                武田邦太郎君
                立木  洋君
   国務大臣
       外 務 大 臣  河野 洋平君
   政府委員
       外務大臣官房外
       務参事官     谷内正太郎君
       外務省総合外交
       政策局軍備管
       理・科学審議官  林   暘君
       外務省アジア局
       長        川島  裕君
       外務省北米局長  時野谷 敦君
       外務省経済局長  原口 幸市君
       外務省条約局長  折田 正樹君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        大島 弘輔君
   説明員
       科学技術庁長官
       官房審議官    加藤 康宏君
       科学技術庁研究
       開発局宇宙国際
       課長       植田 秀史君
       科学技術庁研究
       開発局宇宙開発
       課宇宙利用推進
       室長       大塚洋一郎君
       食糧庁業務部貿
       易業務課長    西藤 久三君
       水産庁海洋漁業
       部審議官     森本  稔君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○政府調達に関する協定の締結について承認を求
 めるの件(内閣提出、衆議院送付)
○平和的目的のための宇宙の探査及び利用におけ
 る協力のための損害賠償責任に係る相互放棄に
 関する日本国政府とアメリカ合衆国政府との間
 の協定の締結について承認を求めるの件(内閣
 提出、衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(田村秀昭君) ただいまから外務委員会を開会いたします。
 政府調達に関する協定の締結について承認を求めるの件を議題といたします。
 政府から趣旨説明を聴取いたします。河野外務大臣。
#3
○国務大臣(河野洋平君) ただいま議題となりました政府調達に関する協定の締結について承認を求めるの件につきまして提案理由を御説明いたします。
 この協定は、昭和五十四年に作成され、昭和六十二年に改正された現行の政府調達に関する協定にかわるものであり、ウルグアイ・ラウンドと並行して行われた交渉の結果、平成六年四月にマラケシュにおいて作成されたものであります。
 この協定は、政府調達に係る法令、手続等について、締約国の産品、サービス及び供給者に対し内国民待遇及び無差別待遇の原則を適用することを目的とするものであり、適用対象となる機関が拡大されていること、サービスの調達も適用範囲に含められていること等の点において現行の政府調達に関する協定よりも一層充実した内容を有するものであります。
 我が国がこの協定を締結することは、政府調達の分野における国際的な競争の機会を増大し、貿易の一層の拡大を通じて世界経済の発展に寄与するものとして有意義であると認められます。
 よって、ここに、この協定の締結について御承認を求める次第であります。
 何とぞ御審議の上、速やかに御承認いただきますようお願いいたします。
#4
○委員長(田村秀昭君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 この際、平和的目的のための宇宙の探査及び利用における協力のための損害賠償責任に係る相互放棄に関する日本国政府とアメリカ合衆国政府との間の協定の締結について承認を求めるの件を便宜議題に追加して質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#5
○笠原潤一君 笠原潤一であります。お許しをいただきまして質問をしたいと思います。
 まず、政府調達に関する協定の締結について承認を求めるの件でありますが、これは今、外務大臣御説明のとおり、平成六年四月にマラケシュにおいて作成されたわけです。現行の政府調達に関する協定が、今度はこういうことで新しい協定になったわけであります。前回よりも一層充実したということでありますが、同時に、国においても地方自治体においても大変大きな問題を提起するわけであります。政府とか地方自治体も含めるわけでありますが、今まではどちらかといいますとこの政府調達に関しては、特に日本の場合は日本国の産品を調達すると。
 一例を挙げますと、例えば自動車ですね。これはほとんどの官公庁、内閣総理大臣以下、全部の閣僚はもとより役所もほとんど日本車ばかりであります。地方自治体に至っては、戦後の一時期、例えば知事とか市町村長というのは、吉田総理大臣ももちろんそうでありましたが、アメリカのビュイックに乗っておられました。地方においても知事の象徴といえば外車に乗ることで、当時はリンカーン、その後はキャデラックとか、しまいにはベンツに乗るときもあったでしょうけれども、いずれにしても外国の、特に米国製の自動車が使用されておりましたが、それがほとんど昭和四十年代ごろから消え去ってしまいました。
 一時期、日本においては、御承知のように日米の貿易インバランスの問題、摩擦の問題で、国というよりも議会の方てたしか衆参において二台か三台アメリカの自動車をお買いになった。今、委員長車として二台か三台は使われておりますが、米国製というかよその国の特に乗用車はほとんど使われていない。
 たまたま米国とかヨーロッパでしかできないような病院における医療機器の中で特に優秀だと認められるもの、あるいはコンピューターそのものも、NTTはああいうことで入れましたけれども、そういうこと以外にはどちらかというと非常に日本品が多い。中曽根総理のときに日本品愛用運動が起きまして、日本品は世界で一番いいんだというキャンペーンが効いたものですから、ひところの舶来品志向から地方自治体、国全部が外国品はほとんど使わない。むしろそれよりも何か外国品はすぐ事故が起こるとかなんとかというような変な宣伝が効いたのかわかりませんけれども、そういうことがあって外国品の調達ができなかったことも事実です。
 現実には、かつて日米構造協議の中で特に問題になったサービスの分野の中で、私が今から十二、三年前かにアメリカヘ参りまして、当時のダンフォースさんとかそれからUSTRへも参りました。そのときは議会は挙げて談合のコールだったんですね。日本人しか知らぬ談合がアメリカの議会で堂々とまかり通っていた。それはなぜかといったら、関西空港の建設に関して米国の企業が参入したいと。しかし、御承知のように日本ではああいういろんなことがありましたのでそれができなかったので米国議会はいら立っておりまして、「ダンゴー」という言葉がアメリカの議会の流行語になって、すごい勢いだったんです。
 車ほどさようにそういうことでありましたが、今回はサービスの調達の中で建設も含める、こういうことでありまして、そういう意味で非常に画期的なことでありますけれども、しかしこれはやっぱり日本の商習慣があったりいろんな問題があって、非常に私は難しいと思う。これは非常にいいことですけれども、果たして本当に政府調達が可能になるか。もしも不可能になってきますと、なお一層またこれは問題が起きてくると思うんですよ。そういうことでこの協定の承認は私ども当然であると思います、それはWTOも私ども承認したわけですから。
 さらにいろいろな問題がありまして、日本の企業がそういうことで、大手、中小にかかわらず、小さな産品に至るまでこの政府調達を地方自治体まで及ぼすとなると、そこでいろんな問題が起きてきはしないか。そこら辺は大変懸念いたしますが、世界の趨勢としてやむを得ない場合もあるだろうと、こう思っています。
 その点について、まず大臣の所見をお伺いしたいと思います。
#6
○国務大臣(河野洋平君) 今、議員お話しのように、地方自治体においても国際的な広い分野からよりすぐれたものを買うことができるようになるということは大変いいことだと思うんです。ただ、地方自治体によっては国際的な視野に立って公的なものを調達する。しかし、その場合にはその責任の所在がどこにあるかとか、故障したときにはどういうアフターケアがあるかとかメンテナンスはどうかとかいろんな心配などがあって、今お話しのようにこれまでどちらかというとそうしたものの購入に十分な配意がなされなかったということがあると思うのですが、国際的に大変交流も盛んになり、品物の売り買いあるいは今お話しのように建設あるいはサービスその他さまざまな分野についても商慣習その他を十分承知して国際的に見て公正な競争が行われるということになれば、これは広い選択肢の中からよりよいものを選ぶことができるということは悪いことではないわけでございまして、恐らくそういう方向に進んでいくことになるだろうというふうに思うわけです。
 我々は余り偏狭な態度で臨んではいけない。やはり国際社会の中でよりよいものを選ぶ、またつくる方も国際的な競争場裏で十分競争できるものをつくっていく努力をするということが品質を上げることにもまたつながるわけでありますから、こうした競争が適正に行われるということは我々は歓迎すべきものであろうというふうに思います。
#7
○笠原潤一君 今、大臣からお聞きをいたしましたが、問題は、今、非常に景気が悪いわけですね。日本は未曾有の不況なんです。日本経済に占める政府の支出といいますか、これは人件費も産品の調達あるいは公共事業一切含めて、日本経済に与える影響といいますか、日本経済の中に占める政府のあれが大体二〇%と言われていますね。また、政府調達の中でそういうものがどんどん行われてくると非常に経済の拡大に、例えば外国産品は入ったけれども日本経済の空洞化とかいろんな現象が起きてきて、なかんずく中小企業、零細企業は大変厳しい立場に立たされてくると、こう思うんです。そこら辺のところの配慮をしないとこれはむしろ画餅に帰すような気がいたしますので、その点を懸念いたしております。
 今の協定の問題に関連いたしましてちょっとお尋ねしたいんですけれども、先般、橋本通産大臣がアメリカヘおいでになって日米自動車協議が行われました。これは政府調達とも関係なきにしもあらずでありますが、日本とアメリカの自動車及び部品の貿易の動向でありますが、これは九四年でありますが、自動車の部品が輸出が百三十四億ドル、輸入が六億五千万ドル、完成車、日本からアメリカヘ送っていく自動車が二百五十三億ドル近くでありますが、台数は百六十四万台と。ひところ二百万台までいったんですけれども自主規制で、結果としては非常にいいんですけれども、それでもなおかつアメリカ側は、先般カンターさんと橋本大臣の間でああいうことになりまして、ついに決裂といいますか一応物別れになりました。完成車の輸入は十九億ドルですから本当に微々たるものであります、日本の十分の一以下ですから。それから台数は九万二千台ですか。ですから、非常にこれは本当に日本のあれと比べたらけた外れに少ないわけです。部品に至ってもそうですが。
 そこで、問題は、むべなるかなと思うところもあるんです。というのは、御承知のように去年からことし、この前も私が委員会で申しましたように、アメリカは史上空前の景気がいいわけです。特に三大自動車産業は非常にいい。したがって、ミシガンもオハイオもインディアナの辺も失業率がどんどん落ちてまいりまして、五%台という話ですが、実質非常にいいわけです。また史上空前の利益も上げている。
 こういう中で、その原因の大半は、例えば自動車の鉄板であるとかあるいはエンジンであるとか、例えばトーラスのエンジンはヤマハであるとか、日本のいろんな部品が圧倒的に出ていくわけです。百三十四億ドルも出ていくわけですから、アメリカの方から部品を買うと言って、向こうの自動車産業の大部分が日本の部品を使って非常にいいわけですから、非常に優秀な自動車ができて故障も少なくなってきた。これは手前みそじゃありませんよ。そういうことでありますのでは、この部品を買うということは、どういう部品を向こうが要求しておられるのか、そこら辺のことをお聞きしたい。
 先般、たまたま新聞だったかテレビで見ておったら、ケンタッキーでトヨタの自動車が現地生産をするようになってきました。そうしたら、フォークリフトのエンジンをそれに使うとかなんとかというのが出ていまして、最後にはこんなことになったのかなと思って、果たしてそういうエンジンを使って、ケンタッキーでつくっている車は非常にいい車で、ちょっと今忘れましたけれども、それに使ってくるとなるとこれまた向こうでのいろんな問題も起きてきはしないか。そういうことで、私ども、そういう点を懸念しています。
 そういうことの問題でなくて、橋本大臣とカンターさんの間のいろんなやりとりを聞いておりますと、結果、問題は自動車の部品よりも日本市場の閉鎖性にある、これがアメリカ側の一番言いたいところだろうと、こう思うんです。したがって、そういうことについて、例えば部品を買うとなれば日本の自動車産業も何らかの格好でこたえなきゃならぬ。政府が数値目標を示せと言っていますけれども、数値目標を出すわけにいきません。これは民間ですから、橋本さんの言われるように確かにそういうことはできないはずです。
 そうなってくると、問題は今度は規制緩和だということだそうです。規制緩和はいろいろとありましたが、これも向こうのおっしゃることは非常にミニマムなことが主でありまして、そのくらいのことはほとんどのめるんではないかということで、向こうのおっしゃる、例えばスキーの荷台につけるあれとか、いろんな細かいことについては運輸省の方はこれは全面的にのんだということです。したがって、のんだのですからいいんですけれども、たまたま全体的なことでこれが決裂いたしたものですから、結果的にはそれが実行されない、こういうことであります。
 問題は、アメリカ側の意図は那辺にあるのか。特に自動車協議を通じて部品の問題で先ほど示したこういうことの中で、一体どういうことを向こうが望んでおり、どういうことが可能であるか。政府が言うわけにいきませんけれども、民間の中で、例えばトヨタであるとか日産であるとか本田であるとか、そういう企業がどんなものをやっていけるかということは、それは民間ベースの問題ですけれども、そこら辺の問題についてちょっとお尋ねをしたいと思うんです。
#8
○政府委員(原口幸市君) アメリカは、御存じのように、日本に対して市場の閉鎖性ということで近くWTOに提訴をすると言っておりますので、先生おっしゃるように、アメリカ側からすれば日本の市場閉鎖性ということを問題にしているんだと思います。
 しかし、問題は、アメリカが言っている市場の閉鎖性というのは、例えば部品にせよ自動車にせよ思っているほど日本が買ってくれないというところからきているわけですね。その原因というのが、閉鎖性なのか、あるいは我々の立場からすれば日本の消費者あるいはメーカーが本当に欲しているものとぴたりと合ったそういう製品を日本に送ってきているかというところに非常にかかってきているんだろうと思います。ですから、その辺は大いに議論のあるところでございまして、それはやがてWTOの場等で明らかになっていくと思います。
 問題は、したがってアメリカが今までの協議で一番望んでいるのは、一方において規制の緩和等の話ではあるんでしょうけれども、もう少し確実な点、すなわち、例えば部品についてメーカーによる自主的な購入目標計画、ボランタリープランと言っておりますけれども、そういうものを出してくれ、あるいは外車を扱うメーカーの数を合意した一年後にどのくらいにするというようなめどを出してほしい、こういうことを言っているわけですね。それを出せばある意味では確実に外国からの、特にアメリカの場合にはアメリカからということだと思いますけれども輸入がふえるということで、それは結果重視の立場からすれば非常に効果的ということなんですが、他方、日本側の立場からすれば、そういうものは政府が左右できるような問題でないので応じられないというところがあるわけでございます。
 そこで、ではどういう対応策があるかといえば、もちろん交渉事でありまして、またアメリカの立場が変わらないとなかなか解決には至らないところがあると思うのでございますけれども、我々としては既に交渉の過程におきましてできる限りの規制緩和、あるいはディーラーの問題につきましてもできるだけリーズナブルな範囲内でアメリカの要望に応じられるような提案をしているわけでございまして、そういう形で何とか解決のめどが出てくればと期待している次第でございます。
#9
○笠原潤一君 今、経済局長さんがおっしゃった、大抵そうだろうと私も思っていました。しかし、お互いにこじれてもいけませんので、それはWTOの場でお互いに本当に意見の開陳をし合ってそれをやっていただくことが一番いいだろう、こういうことであります。
 それから、河野外務大臣、先般パリまでおいでになってOECDの閣僚会議に御出席になりました。そこでアメリカが言っているような一方的な制裁を、ちょっとこれは問題がありますからコミットメント、宣言文の中にというお話でありましたが、どうもそれは入らなかったということであります。
 問題は、そういうことについて一体いかなる会議の内容、我が方の主張が入れられなかった一つの理由はどんなことであったか、ちょっとお尋ねしたいと思うんです。
#10
○国務大臣(河野洋平君) OECDの会議の中での議論は、これは余り二国間の問題を持ち出して議論するという場ではないわけでございます。しかしながら、やっぱり各国ともに関心は持っているわけですから、それとなくこの問題にかかわるあるいは触れる発言が何カ所かございました。そして、OECDの最終的なコミュニケの取りまとめの中でその問題についての議論があったわけでございます。
 OECDとしては、WTOがスタートをした最初の年ですから、WTOに何を期待するか、あるいはOECDとWTOとの関係をどういう関係にするかというようなことをそのコミュニケの中で書こうという中で、いかなる保護主義にも我々は反汁だ、そしてWTOはいかなる保護主義といえどもこれを拒否する必要があるということをそのコミュニケの中に書こう、こういうことになったわけです。そのいかなる保護主義というときに、いかなる保護主義の中に一方的制裁措置とかいろんなことを例を挙げて書こうじゃないかという議論が一部あったわけでありますが、最終的にはあらゆる形態の保護主義に対抗する我々のコミットメントを再確認するという文言で取りまとめたわけです。したがって、一つは、このコミュニケの中にこの問題について明示的に書かれたということはないわけですし、また明示的に書かれる性質のものでもない。つまりOECDのコミュニケと。いうものはそういうものではないだろうと思います。
 したがって、コミュニケがこういうことになりましたが、議論の中で、すべてとは申しませんが、多くの国がこの一方的措置というものがいかにWTOの精神に反しているかということについてはそれぞれ御発言があったところでございます。
#11
○笠原潤一君 今、大臣からお聞きいたしまして了解はいたしました。いずれにしても、OECDの目的とするところ、いろいろあったでしょうけれども、保護主義への反対、これは一番大きな問題ですし、規制制度を改革しなきゃいかぬ。お互いにいろんな規制を各国がやってはいけないということですから、それはコミュニケの中でも入っておるところでありますから当然であります。
 そこでもう一つは、一番問題になった円高の問題。円・ドルが余りにもこれだけ離れていまして、前に言ったかわかりませんが、OECDで購買力平価は一ドル百五十四円だということですからその半分ぐらいになって、きょうも八十一円か何かになったんですが、また八十円を切るということになったら大変なことです。
 そこで為替相場に関する、この中にも書いてありますが金融資本市場の安定化。国際金融市場というのはどうもさっぱりわからぬわけです、どういうふうに動いているかというのは。株式市場は追跡調査もできますしいろんなことがとにかくできますが、公開もできますけれども、世界のディーラーがどう動かしているのか、何がどうなっているのか、どうもさっぱりつかめないんです。この金融市場の安定といいますか透明性といいますか、それをしない限りは、通貨というのは本当にいろんな意味でフロートし過ぎてしまって世界の経済に大きな打撃を与えるわけですから、そこら辺の問題についてはいろいろな話し合いがあったであろうと思いますが、その点はいかがですか。
#12
○国務大臣(河野洋平君) この点は、我が国から経済企画庁長官が出席をされまして、ワーキングランチの席でも分かれてそういう議論が行われたようでございます。それはもちろん各国ともに今御指摘のような為替市場の問題についてはいろいろ心配もありますし、一体どういう理由でこういうことになるのか、あるいはこういうことをそのままにしておいていいんだろうかというような角度の議論というものがそれぞれあったように伺っております。コミュニケの中には余りそれが明示的に書かれておりませんが、議論としては相当ございました。
 たまたまOECDの会議があったときには円も八十六、七円台というやや円安に振れた状況の中で会議が行われたということもございますが、しかしいずれにせよ、まだまだこれは十分ファンダメンタルズを反映しているという説明をするには十分ではないという認識をそれぞれが持っていたというふうに私は聞いております。
#13
○笠原潤一君 私も幾つかお尋ねしたいと思いましたが、何といっても時間的な制約がございますから。
 今度ハリファクス・サミットに総理、副総理、それからもちろん通産大臣もお出かけになりますが、そこでどういうことを御協議になるか。いろいろお聞きはいたしましたけれども、今一番大きな問題は、この前NPTの、大臣も国連総会に出て結果的に締結されましたが、御承知のように中国が核実験の再開に踏み切った。村山総理が中国へ行かれたときにその話はほとんど出なかったと思うんですけれども、どういうお話をなさったかわかりませんが、核の実験に踏み切っだということです。
 それから、最近、中国は我が国に対して非常にいろんなことをおっしゃいますが、東南アジア各国も中国の軍事脅威については大変に心配しているわけです。南沙列島の問題を初め核実験にしても、中国の軍拡主義といいますか軍事拡張も大変な脅威をASEAN諸国に与えていますから、そこら辺の問題もこれは当然中国に対してそういうことも申し上げてもらう。中国のおっしゃることだけ聞いておって、どうも我が国の外交が中国に対して非常に弱いんじゃないかという意見が圧倒的になり、それが嫌中国になり、もう中国が嫌だという人と、かつては嫌米とかいうのがあったんですけれども、そういうことで厭中、中国をあれするような意見が日本に何となくほうはいとして起こりつつあるわけです。
 もう時間がありませんので言いませんけれども、日本の中には中国に対するそういう問題が今起きつつあるということになりますと、これは日中間は大変な事態に立ち至ると思うんです。政府とかそういうことはおっしゃるけれども、民間の間にそういうものが蔓延してまいりますと大変なことです。私は前のときも大臣にお話ししたように、日本が今とるべき立場は何か。我々もかつていろいろなことがあったかもわからぬけれども、正しいことを言うのが一番大事なことではないだろうか。良薬は口に苦しで、お互いに言いたいことを言って厳しいことを言うことも大事です。
 もう一つは、この前もお話ししましたが、私は、アメリカは上院の決議で李登輝さんを必ずアメリカへ呼びますよと。それは政治的な問題という以上に彼はコーネル大学の出身である。アメリカはユニオンというものを非常に大事にしますから、世界から集まってきて同窓会に出てみんなの意見の交換をするというのは彼らにとって一番大事なことなんですから、恐らくそれは行われるだろうと僕は言っておったんです。しかし日本の方は、そうではない、恐らく難しいだろうとおっしゃっていましたが、現に李登輝さんの渡米はクリントン大統領も許可したんです。
 あの人は京都大学の出身で、前にも申したかもわかりませんが、西田幾多郎先生に大変私淑しておられるという立派な方ですから、そういうことで日本は江沢民さんと今度APECで会って、徐立徳さんの問題はまだ解決はしていないと思いますが、私はそういう意味で日本の政治的な指導者は、東洋は東洋のことなんだからそういうことでお互いに話し合う機会、その仲介の労をとる、お互いにけんかをし合う仲をだれかが中へ入らなかったらこれは絶対だめなんですから、これは日本の伝統的、東洋でもそうですけれども、伝統的なことで、第三者が入ってお互いに言い分を聞いて話し合うということが私は一番大事だと思うんですよ。そういうことをぜひまたお願いしたいと、こう思うんです。
 それから、北朝鮮への米の供与についてでありますが、渡辺訪朝団、三党で行かれまして、いや、北朝鮮は米は十分にあるんだ、食糧は十分にあるとおっしゃっておったにもかかわらず、驚天動地の思いがしたんですが、急に米を供与というか貸してくれと。それは貸してくれでしょう。しかし、それはいろんな問題もありましょうけれども、そういう問題が出てきたわけです。
 ですから、私はそういう点でやっぱり国際場裏というか外交的な言葉というのは難しいし、実際、現実には自分のことも隠さなきゃならぬけれども、背に腹はかえられませんから、そういう点ではいよいよ北朝鮮も米の供与を申し込んできた、こういうことですから、そこら辺のことを本当に真剣に話し合う。
 米朝協議もいまだ暗礁に乗り上げております。前もあそこでとうとう物別れになりましたが、今回もまたクアラルンプールでやっておりますけれども、今なお進展していないということです。
 ここら辺の関係も含めて、特に私はアジアの安定も一番大事なことですし、そういう点でいろんなことを外務大臣、率直に向こうに、嫌なことは嫌でしょうけれども、だれでも聞くのは嫌です、私でもそうです、でも嫌なことを言ってくれる、本当のことを言ってくれるのが一番大事ですからね。中台問題も、私は日本が中に入らなかったらできないと思うものですから、その点はぜひともお願いをしたい、こう思っています。
 私の時間はこれしかありませんので、もう少し自分の持論を展開しながらいろいろお話ししたいと思いましたけれども、時間の関係であとは野沢先生に宇宙開発のことについてまた御質問をいただくわけですが、私の質問はこれをもって終わります。どうぞよろしくお願いしたいと思います。
#14
○野沢太三君 質問に入ります前に、先般サハリンの北部で起こりました大地震につきまして、大変な被害が出ており犠牲者が多数に上っているということを伺いまして、さきの阪神・淡路大震災に照らし大変心を痛めているものでございます。亡くなられました方々に対するお悔やみと被災者に対するお見舞いをはるか日本から申し上げるとともに、できる限りの救援、御支援、御協力をしていかなければならないだろうと決意をしておるものでございます。議会人としてできるだけのことを今後も努めてまいりたいと思います。
 政府におかれましても、既に物資の供給あるいは要員の派遣等についてお申し出をしていただいているようでございますが、なかなか実現のめどがまだ立たないという状況と伺っております。当初の応急復旧あるいは人命救助、それから引き続いてまいります復興に対する支援、協力といった、そのステージ、ステージにおける協力のあり方がいろいろあろうかと思いますので、今後ともひとつ政府におかれましては、特に外交ルートを持っておられる外務省の皆々様については、先方の御要望をよく承り、できる限りの御支援をしていただきまするようお願いをするものでございます。
 この点につきまして、通告はしてございませんが、大臣、一言脚決意をお伺いしたいと思います。
#15
○国務大臣(河野洋平君) 日本時間で土曜日の夜起きましたサハリン北部の地震は、現在まで私どもが知らされております被害状況は、被災者、被害者、いずれの数もまだまだふえる可能性のあると言われているものでございます。いずれにいたしましても、我々も悲惨な地震災害を経験した者として、この極めて近い地域での災害を他人事でない思いで聞いているわけでございます。
 政府といたしましては、いち早くロシアに対しましてお見舞いを申し上げると同時に、我が国としては支援をできる態勢にあるということを通報いたしております。現在は、我が国として物資の支援について準備をいたしておりまして、先方にもまずはこういう物資を我々は準備できるというリストも提出をしたわけでございます。
 ただ、現地はなかなか連絡がとりにくい状況でもございますので、今、私どもといたしましては、もちろん現地とも連絡の最大の努力をいたしまして、できればきょうじゅうにでも、まずサハリン州の首都でございますユジノサハリンスクまでもう物資は持っていってしまう、そしてユジノサハリンスクまでまずお届けをするということにしてはどうかという準備をいたしているところでございます。ただ、ユジノサハリンスクから現地までもまだ数百キロ、たしか八百キロ近い距離があるということでありまして、そこから先のアクセスを考えますとどういう方法が、さらによい方法があるかどうかということを検討しているところでございます。
 なお、ロシア側といたしましては、いち早く現地に入りました責任者の発表によりまして、今、救助のための人員は必要としていない、外国からの応援は必要としていないという意味の御発言があったというふうに聞いておりまして、私どもとしては、緊急援助隊もスタンバイさせておりましたけれども、この実施方については現在の時点では直ちにこれが出動することはないというふうに思っております。
 ただ、時々刻々事態が判明をし、また現地の状況も変わってきてニーズが出てまいりますれば、我が国としてはできるだけの対応をいたしたい、こう考えているところでございます。
#16
○野沢太三君 何とぞよろしくお願いを申し上げたいと思います。
 それでは質問に入らせていただきますが、まず日米自動車協議について二、三お伺いをいたしたいと思います。
 自動車交渉が厳しく対立をしてきている昨今でございますけれども、さきに大臣におかれましてはOECDの閣僚理事会に御出席になり、各国との接触をしていただいたと伺っておるわけでございますが、この辺の日米の議論に対する各国の感想、反応、それがいかようなものであったか。伝えられるところによれば、EU等は日本の言い分に理を認めておる一方、日本市場の閉鎖性についてはやはり注文がある、こういった動きが伝えられておりますが、現場におきまする大臣の要人との接触をされました感想ではどんなぐあいでございましたでしょうか。
#17
○国務大臣(河野洋平君) 先ほども御答弁申し上げましたように、OECDの閣僚理事会におきましては、明示的な形でこの日米自動車・同補修部品問題について議論をするということではございませんでした。しかしながら、先ほども申し上げましたように、コミュニケをつくり上げるというコミュニケ交渉の段階で、閣僚理事会及びドラフトコミッティーのレベルにおきまして、各国から一般論としてWTOの紛争処理手続の遵守の必要性というものについては多くの支持があったということでございます。
 例えば閣僚理事会の席でもEUの代表者は、日本市場の閉鎖性については自分もそう感ずることがある、しかしながらいかなる状況であれ一方的措置というものは認められるものではない、こういったような趣旨の御発言がございましたし、その他、多かれ少なかれ、一方的措置についてWTOの精神に反するということについては、それぞれそうした感想を持っておられるようでございました。
 今申し上げましたように、OECDの閣僚理事会ではそういう状況でございましたが、他方、橋本通産大臣と仏とともども二国間の会談を数多くこなしたわけでありますが、そのバイの会談になりますとそれぞれの国からはいろいろな御議論が出てまいりまして、もちろん一方的措置に対しましての批判的な意見がございました。しかし、その中には、一部の国でございますけれども、我が国の市場の閉鎖性について言及をされた国もあったわけでございます。
 さらには、日米自動車交渉において安易な妥協を行うということは決してやっては困ると。例えば、ヨーロッパの国々の中には、日本がアメリカの主張に安易に妥協することはヨーロッパが日本のマーケットを失うことになる、つまり部品をアメリカからだけ買うという約束をされたらヨーロッパからの部品の売り込みが非常に困難になる、そういう心配もあってそのような御発言もあったわけでございます。
 私どもからは、規制緩和措置を三年間に、五年のものを三年に前倒しをしたことについてできる限り説明をいたしましたが、この三年間の規制緩和措置、さらには透明性等を十分考慮した手順、手続、さらにはこれを継続的に行う規制緩和白書とも言うべきものを毎年提出をするというようなことについては十分な理解がないものもございまして、そうした規制緩和についての我が国のやり方について、そういうことなら結構だというような御発言もあったわけでございます。
#18
○野沢太三君 日米二国間の協議が行き詰まりまして、両国ともにWTOの場で本件の解決をということを望んでいるわけでありますけれども、仮にパネルが設置されてその協議が進んだとしても、引き続き二国間協議の必要というものは続くかと思うんですが、この点の見通しはいかがでしょうか。
#19
○政府委員(原口幸市君) 先生御指摘のとおり、米国がWTO協定に違反する内容の一方的措置を発表したことにつきまして、我が国から米国に対して協議要請を行っておりまして、米国からも一応これに応ずるという回答をいただいております。我が国としては、今後、手続にのっとって日本の主張を行って、早期の問題解決を図りたいと考えております。
 他方、米国は、我が国の自動車市場について米国の方からもこの紛争解決手続を利用する方針であるということを発表しておりますが、両国ともWTOの加盟国でございますので、米国がそういう意向であれば日本としてもこの要請に応じてWTOの場で我が国の主張を別途開陳していくという所存でございます。
 いずれにいたしましても、我が国といたしましては、本問題を国際的に合意されたルールのもとで扱うことが、この問題をいたずらに政治問題化しないで静かな解決を図るという意味でそれなりに意味があるものではないかというふうに思っております。
 他方、先生御指摘のとおり、ではバイの話は一切しないのかということでございますが、私どもは既に何遍もアメリカにも申しておりますが、そもそもバイの話がうまくいかなかった一番大きな問題というのが、アメリカ側が事実上の数値目標の要求それから政府による民間への介入というようなことを求めてきたわけでございますので、この二つの問題についてより柔軟な対応を示していただければ我々としてはいつでも二国間協議に応じる用意があるということを伝えておりまして、事実そのつもりでございます。ですから、ひとえに問題はアメリカ側の態度のレビューということにかかっているのではないか、そのように考えております。
#20
○野沢太三君 常に窓口は開いて協議の準備はあるよというサインは送っておく必要があるんじゃないかと思うんですね、黒字の累積ということを考えますと。その辺については、国際ルールというのはもちろんこれは一番ありがたいルールですが、やはり双方ともに努力すべき要素がまだまだあるんじゃないかと思うわけでございます。
 その意味で、今度サミットがカナダで開かれるとして、この問題を議題としない方針というふうな報道もございますが、せっかく日米の両首脳が集まるのですから、この機会に何とか解決しようという決意の表明くらいは両首脳間でできるんじゃないかと思うんですが、大臣、いかがでしょうか、この点について。
#21
○国務大臣(河野洋平君) G7サミットということになりますと、二国間の問題を扱うというよりはもう少しグローバルな問題を扱うということが多いといいますか、むしろそういうことになるだろうと思います。さらに、G7サミットの場合には議長国、ことしはカナダでございますけれども、議長国が議題の整理をするということになりますので、G7のサミットの場でこの二国間の問題が論ぜられるということは恐らくないだろうと思います。
 ただ問題は、その際に、日米の首脳会談つまり日米二国間の会談が別途行われるということはございます。この日米首脳会談でどういう議題で話し合うかということについては、目下日米双方でテーマの整理をしているところでございます。しかしながら、その際にも、現時点では日米両国での首脳会談で自動車の問題を扱うという予定は目下のところございません。
 この問題は、政治問題として扱うよりは、むしろWTOなどできちんと国際的なルールにのっとって静かに論理的に正しい答えが導き出されるということがいいのではないかというふうに私どもも考えておりまして、日米首脳会談はむしろこれ以外の議題について話し合われる可能性が強い。今は少なくとも自動車の問題を首脳会談でやろうというふうには考えておりません。
#22
○野沢太三君 確かにおっしゃるとおりかと思いますが、要するに両首脳間の人間的な信頼関係といいましょうか、そういった友情といいましょうか、そういうものを固めていく絶好のチャンスだと思いますので、こういう機会もいろいろ活用されて、話し合いのきっかけといいましょうか、今後への可能性を残しておいていただく、これが大事じゃないかと思うわけでございます。
 それでは、時間が厳しくなりましたが、宇宙損害の相互放棄協定について御質問したいと思います。
 これまで人類が月にまで行ったというようなNASAの技術というものは、私どもにとっても大変これは夢を現実のものにするという意味で大きな人間の可能性を広げるお仕事であったかと思いますが、ここに至りまして、損害の相互放棄というような協定が必要となった理由というのは一体どんなものか。これについていかがでしょうか。
#23
○政府委員(林暘君) 御案内のとおり、宇宙分野におきます協力といいますものは非常に多額の経費がかかりますし、かつまた宇宙という特殊な条件のもとでいろいろ行われるということでございますので、事故が発生して損害が生じた場合にその損害賠償をどういうふうに解決するかというような紛争の回避を容易にする、ないしは協力全体の促進を図るということのために損害賠償の請求をあらかじめ相互に放棄しておくということが国際的にかなり広く行われているわけでございます。
 そういうもとで、一九八六年にアメリカのスペースシャトル・チャレンジャーというのが爆発を起こしましたけれども、それ以降、特にアメリカは宇宙開発のパートナーに対して損害賠償の請求の相互放棄を強く求めるようになったわけでございます。
 過去におきましても日本はアメリカといろいろな協力をやってまいりましたけれども、それについては個別の協力案件ごとに取り決めを結んで相互放棄を約束してきたわけでございますけれども、今般、アメリカからあらかじめ一般的に協定を締結してその点を広く解決をしておきたいという要請がございましたので、日本としても、アメリカというのは宇宙開発政策における非常に重要なパートナーでございますし、その協力を円滑に進めていくということの上で相互放棄の枠組みを約束していくことが必要であろうというふうに判断して協定を締結した次第でございます。
#24
○野沢太三君 チャレンジャー事故についてお伺いしますと、いずれもこれは米国の独自の計画による観測機器、そして乗員につきましてもアメリカの皆さん、こういうことでありまして、他国に損害をかけたというものではなかったかと思うんですが、今後宇宙開発を進めるについては、このような協定があることが国際協力の推進に役に立つならば大いに有意義であろうかとは思うんですが、これは日本・アメリカ以外の国との間ではどういうふうになっているか、御説明できますか。
#25
○政府委員(林暘君) 日本がアメリカ以外、特に多数国間では国会の御承認をいただいて締結いたしました宇宙基地協力協定というのがございます。これは、日本とアメリカ、カナダ、欧州の四つの当事者間でやっている協力でございますけれども、この宇宙基地協力協定におきましても同様の損害賠償請求権の相互放棄は規定をしてございます。
 それ以外の国との協力といいますものは、具体的な形での協力という状況にまで必ずしもなっていないかと思いますので、協定の形で請求権の相互放棄を決めたということはないように承知いたしております。
#26
○野沢太三君 日本がその嚆矢であるということであれば、それはまたそれとしての意義があろうかと思いますが、いずれにしましても日本としては、アメリカの既に開発された技術をいろいろと活用しながら日本としても協力を惜しまない、こういうことが大事ではないかと思うわけでございます。
   〔委員長退席、理事猪木寛至君着席〕
 そこで内容ですが、第一条の中に「広く解釈」という部分がございます。相互放棄は広く解釈をすると。この意味はどういう内容と解してよろしいでしょうか。目的のところでございます。
#27
○政府委員(林暘君) 確かに第一条に「相互放棄は、広く解釈するものとする。」という規定がございます。
 この規定は特にアメリカ側が必要とした規定でございまして、日本側の場合には、この協定におきましても放棄する損害賠償責任の内容というものを詳細かつ具体的に記載をいたしておりますので、かかる規定を特に必要とすることはなかったわけでございますが、アメリカの場合には、アメリカ国内の判例におきまして、かかる規定が存在しない場合には損害賠償責任の相互放棄の範囲が狭く解釈されるという可能性が強いので、広範な相互放棄を確保する上でかかる規定が必要であるということで入っているものでございます。
 同様の趣旨から、先ほどちょっと御説明申し上げました多数国間条約であります宇宙基地協力協定の十六条におきましても同じような規定が入っております。
#28
○野沢太三君 これは、そういうことであれば結構かと思います。
 次に、第二条で協定適用の共同活動を七つに限定しております用地球観測プラットホーム技術衛星計画あるいは宇宙飛行士訓練計画を初めといたしまして七項目出ておりますけれども、宇宙開発のプロジェクトはこれ以外にも相当多数に上りまして、いわばメジロ押しと言ってもいいわけでございますが、この七つに限った理由についてはいかがなものでしょうか。
#29
○政府委員(林暘君) 現在、附属書に規定をしてございます共同活動というのは七つ掲げております。これは七つに限るという趣旨ではございませんで、現在それぞれ日米間で共同活動として行っております宇宙関係の協力案件、それの進捗状況を踏まえまして、現段階で日米両国政府がこの協定を適用することが適当であるということで合意したものがこの七つということでございます。したがいまして、将来にわたってこれが七つのままということではございませんで、必要に応じて日米両国政府が合意をすれば、新たな協力活動についてもこの対象に追加するということになろうかと思っております。
#30
○野沢太三君 当面そういうことで結構かと思うんですが、この七つの場合で仮に損害が発生したとした場合に、日米双方の負担の偏りというようなものがないかどうか、協定としての片務性というものは心配ないかどうかということについてはいかがでしょうか。
#31
○政府委員(林暘君) この協定は、御案内のとおり、損害賠償の請求権を相互に放棄するということで、そういう意味において全く対等な同等の義務を負っているわけでございます。
   〔理事猪木寛至君退席、委員長着席〕
 個々の案件につきましてもちろん日米双方がそこに投入いたします資機材の量とか金額というものは異なりますので、それそれによって、かつまたどういう損害がどっちの責任で起こったかということによっても、今御質問の点についてお答えするのはなかなか難しいかと思いますけれども、基本的にこの協定といいますのは、先ほども御説明申し上げましたように、損害賠償の相互放棄をすることによって協力を推進しようという観点から策定したものでございますので、もし損害が起こった場合に双方の損害額が厳密に対等になるようにということでつくったものではございませんので、そういうものとして御理解をいただきたいと思います。
 この七つの計画につきましても、日本側のロケットを使うもの、向こう側のスペースシャトルを使うもの、それぞれが入っておりますので、一概に御質問の点についてもどちらが得か損かということをお答えするのはちょっと難しいかというふうに感じております。
#32
○野沢太三君 一番の心配はロケットの性能、その打ち上げの確率といいましょうか、成功の確率、あるいは失敗の確率と言ってもいいでしょうが、これがやはり決定的に大きく響くように考えられるわけでございますが、これまでの日あるいは米あるいは欧州各国における打ち上げの成功率というものはどの程度のものになっておりますでしょうか。
#33
○説明員(植田秀史君) 御説明申し上げます。
 最近の十年間のデータでございますけれども、日本の場合、二十一回打ち上げを行ってございまして、このうち一回失敗してございます。したがいまして、成功率は約九五%ということになってございます。
 アメリカでございますが、同一期間におきましてアメリカは百八十九回の打ち上げを行いまして、九回失敗してございます。成功率は日本とほぼ同じ、九五%ということでございます。
 欧州につきましては、この期間、十年間に五十五回の打ち上げを行ってございまして、そのうち五回失敗してございます。成功率は約九一%というところでございます。
 以上でございます。
#34
○野沢太三君 このくらいの確率ですとまだ相当な危険性が伴うということかと思います。
 もう古い統計ですけれども、フランスのエミール・ボレルという数学者が、人間が生活していく上に心配のない事故の確率というものはいかがなものかというものを自動車事故を例に算出した統計がございますが、百万分の一くらいにならないと日常生活の上では心配があると。逆にそれくらいに達しないと我々は安心して暮らせないということからいたしますと、この数字というものは大変な、けた違いにまだまだこれは心配な要素があるということであります。
 一般会計でお互いに負担しているということであれば、これはそれなりの開発要素としてやむを得ないと考えられるわけでありますが、今後これが商業レベルにまでだんだん高まっていくとすれば、民間の場合であれば損害保険を適用するという可能性が出てくると思うんですが、これについての検討はいかがでしょうか。
#35
○説明員(植田秀史君) 先生も御指摘のように、国の衛星の打ち上げにつきましては保険というのは付保してございません。それから、やはり国の資金によって開発されました、宇宙開発事業団、これは特殊法人でございますが、宇宙開発事業団の衛展についても、特別な場合を除いて保険は付保していないということでございます。
 しかし、プロジェクトが非常に大型化して経費が多額になってございますし、一方、打ち上げの失敗等も発生しているという状況にかんがみまして、保険を適切に活用するということが今後非常に重要であるというふうには認識してございます。このため、宇宙の保険の活用の仕方について、その基本的な考え方について調査、審議するということで、先月、総理府の宇宙開発委員会のもとに宇宙保険問題等懇談会というのが設けられまして、現在まさに検討が行われているところでございます。
#36
○野沢太三君 これから宇宙飛行船シャトルに乗り組むというようなことで訓練をされている皆さんが万一のことにもならないようにと思うわけでありますが、この被災に対する補償は大丈夫ですか。
#37
○説明員(植田秀史君) 宇宙飛行士の場合は宇宙開発事業団の職員でございまして、事業団の業務の一環としてスペースシャトルに搭乗するということでございますので、万一事故があった場合には労働者災害補償保険法による補償などの公的な社会保険による補償、これが行われるということになってございます。また、宇宙開発事業団も雇用者として当然補償を行うこととしておりますので、十分な補償が行われるものと我々は考えでございます。
 なお、宇宙飛行士本人が任意に生命保険等に加入することももちろん可能でございまして、これまで一般人に比べまして特に不利益はないというふうに聞いてございます。
 以上でございます。
#38
○野沢太三君 ぜひともひとつ、まさに英雄的行為ということになりましょうが、そういった皆さん方について後顧の憂いなく仕事ができまするような措置をお願いしたいと思います。
 時間が厳しくなりましたので一言だけお願いを申し上げますが、宇宙開発は今後とも限りない可能性と人類に対する幸せをもたらす見込みのある分野でありますが、我が国の宇宙開発予算は、アメリカのNASAに比べますとまだ六分の一程度と限られておりますし、要員もまだ二十分の一ということであります。この点につきましては、大臣は科学技術庁長官もお務めになられたお立場もあり、ぜひともひとつ力を入れて推進をしていただきたいと御要望を申し上げまして、質問を終わります。
 以上です。
#39
○大渕絹子君 河野大臣、連日の難問題、大変御苦労さまでございます。
 先ほど来サハリンの大地震について政府の援助といいますか、その方法についてお述べになりました。
 それをお聞きして今率直に思ったわけでございますけれども、阪神大震災におきましても、日本はトラック輸送に頼ったために物資が届くのが非常に遅くなったという実態がありました。そのことを考えたときに、先ほどユジノサハリンスクに物資を届けたいというふうに大臣がおっしゃったわけですけれども、私はむしろ日本から輸送用のヘリコプターを飛ばして被災地に直接届くような方法がとれないだろうかというふうに思うわけでございます。
 こちらにもロシア大使館があるわけでございますからそこの職員に乗っていただいて、民間機をチャーターして届けていくというような方法が日本側から積極的に提起をされた場合に受け入れることは可能ではないかというふうに思うわけですけれども、そのようなことは考えてはおられないでしはうか。
#40
○国務大臣(河野洋平君) やっぱり空輸がいいことは間違いないと思います。
 ただ、これは時々刻々情報をとっておりますので、新たな情報があればまた委員会の途中で御報告はいたしますが、現地の飛行場の状況その他も実はまだ余り正確にわからないということがございます。滑走路が千二百メートルぐらいではないかと言われているわけでございまして、どの程度の飛行機でそこに着陸できるかどうかという問題があります。
#41
○大渕絹子君 ヘリコプターはどうでしょうか。
#42
○国務大臣(河野洋平君) ヘリは航続距離の問題がございます。先ほど申し上げましたユジノサハリンスクから現地まででも八百キロ、こう言いますからこれは相当な航続距離がなければ到達できません。そういったことなどをいろいろ考えて今対応をしようとしているところでございます。
 これはNGOのAMDA、アジアの国境なき医師団ですか、AMDAの人たちはセスナ機をチャーターして飛ぶと言っておられますし、いろいろ方法について目下検討中でございますが、とりあえずとにかくできるだけ近いところまでまず物資を運びたいという気持ちから先ほど、州都でございますユジノサハリンスクは大体我々も要領がわかりつつございます。それから、商用機も飛んでおりますので、これはもちろん日本からはチャーターで行くわけでありますけれども、そこまででも持っていこうかということでございまして、先方から先方の情報について情報がこちらに入り、またここにこういう物が必要だという要請があれば、それはもちろんそういうことにしたいと考えております。
#43
○大渕絹子君 ぜひこちらからも具体的な提案を積極的にして、こういうこともできるこういうこともできるということを働きかけていっていただきたいというふうに思うわけでございます。一番近い隣国でございますから、どうぞよろしくお願いを申し上げます。
 もう一点、近い隣国から米の支援についての要請が来ておるわけでございます。
 本日の日本経済新聞の社説で「北朝鮮へのコメ支援の条件」ということの中で、貸与される米についても日本の納税者の財産であるから適正に使われなければならないということをまず冒頭に掲げまして、その第一の条件として韓国への配慮をまず一番にすべきであるということ、それから第二には食糧難の実態と使途の透明性の確保ということをきちっとやるべきである、第三にはこれを機会に北朝鮮に対外政策の転換を求めていくことが不可欠であるというようなことがるる整然と条件として掲げられております。
 当然これらのことは考慮されるべきことではございますけれども、あくまでも人道的な立場に立ち、食糧に窮している隣国の人たちを助けることを第一の条件にしていただきたいということを私は強く要望するわけでございます。
 それは一昨年、一九九三年の冷害というのは恐らく北朝鮮にとって大変深刻なものであったろうと思うわけでございます。北朝鮮は御存じのように日本の秋田県よりも以北に位置をするわけでございますから、当時日本も岩手、それから青森、北海適は壊滅状態であったということを思い起こしていただいても北朝鮮の生産の状態がどんなであったかは予測ができるわけでございます。そして、昨年来、日本の国民も米を求めて行列をした姿を思い起こしていただく、あるいは終戦直後の食糧難の時代、日本人がどんな状態であったかというようなことも思い起こしていただくときに、何をおいても助けを求めてきている隣国に対して日本が今持っている余剰米を支援していくことは積極的に考えていかなければならないことだというふうに思うわけでございます。
 政府におかれましても、閣僚会議の中でもそのことで人道的な支援を積極的に進めていくということを既に決められて、それへの対応というようなことも始められているように報道されているわけでございますけれども、この北朝鮮への米の支援についてこれからの手順といいますか、政府の予定といいますか、そういうものをお聞かせいただきたいと思います。
#44
○国務大臣(河野洋平君) 少し前になりますが、村山総理が出席をされましたコペンハーゲンの国連の会議がございました。あの席上、北朝鮮の代表者が演説をされまして、その演説の中であの当時は北朝鮮は食糧には困っていないという旨の御発言があったというふうに聞いております。私どもも、今、議員がおっしゃるように、我が国も冷害に見舞われたということもございますから、そうしたこともあるかもしれないという若干の心配は持っておりましたけれども、そうした国際会議におきます一国を代表する立場の方の御発言もあって、これは我々の心配は杞憂であったのだなというふうに思っていたわけでございます。
 ところが、先般、つまり二十六日のことでございますが、日本訪問中の北朝鮮の李成禄国貿促の会長ほかが自由民主党の渡辺美智雄元外務大臣ほか与党関係者にお会いになりまして、米の貸与について申し入れがあったわけでございます。
 そこで、その二十六日午後になりまして、こうしたことを渡辺元副総理・外務大臣は村山総理に対しまして報告をされました。そこで村山総理は、私ども何人かの閣僚を呼ばれまして、いろいろと御指示があったわけでございます。そこで、政府といたしましては、韓国側の理解を得て、人道上の観点から本件支援を進めていく考えだという取りまとめがございました。その後、韓国政府は、二十六日の夕方、何らの前提条件もつけずに北朝鮮が必要とする穀物を提供する用意がある旨改めて明らかにされました。
 政府としては、前に述べました李成禄国貿促会長が渡辺元副総理ほかに対して、韓国が何ら前提条件を付きずに支援を行うなら北朝鮮側としてもこれを受けることを検討する用意がある旨述べられたことに留意しつつ、現在北朝鮮側の対応を注目しているところでございます。
 いずれにせよ、政府としては、本件は人道上の問題としてとらえているところ、仮に北朝鮮側が韓国のこの申し出を拒絶してしまう、韓国の申し出を拒絶して我が国にのみ支援を要請するということになりますと、そこには何らかの政治的意図というものがあるのではないかというふうに考えられるということになりますと今度は純粋に人道上の問題とは言いがたくなってくる。食糧が非常に窮乏しておる、純粋に人道支援を求めるというのであれば、提供する側にまた政治的意図があれば別でございますけれども、何らの前提条件もなく支援をするという申し出があればこれは受け取られるに違いない、あるいは受け取られるべきであろうというふうに見ております。受け取られるべきというのは少し言い過ぎだと思いますが、受け取られるに違いないと思っておりますので、人道上の支援を申し出られて、ここからは受けるけれどもここからは受けないということであると、そこにはやや政治的意図があるのではないかということになり、政治的意図があるということになると我が方としてもそれは人道支援で行うということと少し違ってくるものですから、そこはきちんと見なければなるまいというふうに考えている。それが現在の私どもの立場でございます。
#45
○大渕絹子君 大変微妙な問題に発展していく可能性もあるわけでございますので、日本の立場としては両方にきちんと公平にスタンスをとって、北朝鮮側にも韓国からの人道的援助をきちんと受けられるように助言をし、そして韓国にも政治的意図を前提としないということを条件にして一緒に支援をしましょうというような働きかけをぜひやっていただきたいということでございます。
 与党では韓国に対して代表団を出す旨が決められているようでございますけれども、政府としてはこの問題にもう少し積極的に関与していくということは今まだ考えておられないですか。
#46
○国務大臣(河野洋平君) 朝鮮半島におきます北朝鮮あるいは韓国のお気持ちというものは、この韓国と北朝鮮の関係というものは他国に仲介されて話し合うというそんな仲ではないんだと、むしろ我々の仲というものはもう十分両者で話し合うべきものであるというお気持ちが非常に強いというふうに聞いております。もちろん、我々は北朝鮮からいろいろな話があれば、とりわけ今度のこの問題については詳細に韓国側には御連絡を申し上げるということにしておりまして、現にやっておりますが、踏み込んで仲介の労をとるというところまで振りかぶって踏み込むことが果たして両者の関係からいって実現するためにプラスになるか、あるいはマイナスになるかということもよく考えなければなるまいと思っております。
 繰り返しになりますが、本当に人道上の問題であるならば、純粋に人道上の問題であるならば、これは実現をするべく努力をしなければならないと思います。私の申し上げる純粋に人道上の問題というのは、もしそうであるならばきっと韓国からも支援があって、その支援を北側も気持ちよく受け取られるに違いないということも含めて、人道上の問題であれば我々としてもできるだけのことをするべきだという気持ちでおるわけでございます。
#47
○大渕絹子君 食糧庁の方、見えておられますでしょうか。
 もしこの援助が決まりまして日本から北朝鮮に米の支援をするといたしますと、大体どのくらいの数量が援助の対象になるでしょうか。
#48
○説明員(西藤久三君) 側説明いたします。
 外務大臣の方からるる御説明ございましたが、食糧庁としましても、国交のない北朝鮮への支援につきましては、人道的見地からどのような形で支援が行われるか検討する必要があると考えておりますが、日韓関係の重要性にも十分配慮して対応すべきであることから、いわば外交的枠組みが先行して決められる必要があるものだと考えております。
 そういう中で、食糧庁としましては支援可能量について現在鋭意検討しているところであります。具体的には、緊急輸入米の在庫につきましては業務用、加工用等に売却することとしているところであります。
 今般の援助要請を踏まえて、これに応じ得る数量等がどの程度かということをまさに調査検討しているところでございまして、現時点では具体的な数字まで申し上げられる状況にはございません。
#49
○大渕絹子君 さきに食糧庁は残った在庫米について、八十四万トン、このうちの五十万トンほどを国内の飼料用として販売したい旨発表なさったわけでございますけれども、この飼料用にする米につきましても新たなこういう状況になったわけですから支援米として使うという方向転換も可能なのかどうかということ。
#50
○説明員(西藤久三君) 緊急輸入米の四月末の在庫分、約八十四万トンでございましたが、そのかなりの量を飼料用に売却するということで緊急輸入米の在庫の売却を進めているところでございます。うち、飼料用につきましては既に五月に入ってからも順次売却が進んでいると。それと、先生御案内のとおりでございますが、飼料原料として供給されていた輸入のマイロに代替して緊急輸入米を充てる、飼料メーカーにとりましてはいわば先のそういう原料の手当てをしながら緊急輸入米を一部充てていくという状況になっておりますので、いわば計画的に原料調達をしている実情にある状況にありますので、直ちに飼料用に売却予定していたものを取りやめる、仮にそういうような事態になれば飼料の供給という観点からも問題が出てくることも懸念されますので、そういうことを含めて現在鋭意検討している途上にあるわけでございます。
#51
○大渕絹子君 私は食糧庁に一言言っておきたいのは、北朝鮮がこういう天候のぐあいで米の買い付け等々もままならなかった状況の中に日本が流通する米のほとんどを、二百五十九万トンも緊急に買い付けたという事情が恐らく私はあると思うんです。遠い原因の中にこれはあると思うんです。その余分に買い付けた米が余って、そして動物のえさとして使われていく状況というのは、世界的な食糧事情から見ればこれは許されないことだというふうに思うわけでございます。この点に関して答えは求めませんけれども、そういう事情もあったのではないかということが推測されるわけでございます。
 そして、これは河野大臣にもお聞きをしたいわけですけれども、WTO協定の中で農産物について、特に米について日本は強制的にミニマムアクセスという形でことしもまた三十八万トンも買わなければならないという条件の中に追い込められているということに全く納得いかない。世界じゅうではこの北朝鮮や東南アジアのように食べる物がなくて困っている国も大変存在をしているわけでございます。幸い、日本は昨年豊作でしたから、米については今は余りぎみでございます。またことしも豊作であるならば、その保管をする倉庫さえもないと言われている現状の中でさらに三十八万トンを買わなければならないというこの外交上の規制というのは、これは全く理不尽であり、私たち日本国民にとっては屈辱的なものであるというふうに思わざるを得ないわけでございます。
 これに対して、外務省はこれから先、WTOに対してどういう働きかけをしていく用意があるのかということを私はこの際聞いておきたいと思います。
#52
○政府委員(原口幸市君) お答え申し上げます。
 多角的な自由貿易体制によって大変大きな経済的利益を得ております我が国でございますので、ウルグアイ・ラウンド交渉の成功ということは我が国の大きな国益にも合致したと思っておりますし、またこの成功のために貢献するということは我が国にとっての国際的責務であったとも思っております。ウルグアイ・ラウンド交渉の農業交渉におきましても、自由貿易の原則を堅持すべきであって、包括的な関税化に例外を設けるべきではないという国が当時世界の大勢を占めていたわけでございます。
 こういう状況のもとで我が国として最大限の交渉を行った結果、各国の対立する意見を踏まえたぎりぎりの案として出てきたのが関税化の特例を含む調整案でございました。この調整案は、私どもから見ると、我が国の主張に相当程度配慮をしたものであったと思っておりますし、我が国としては、先ほども申しましたように、ウルグアイ・ラウンド交渉の成功のために応分の貢献を果たすことが国益にも合致するし、国際的な責務であるという観点からこれを受け入れて米の輸入についてミニマムアクセスの機会を設定する義務を負うことになったわけでございまして、我が国としては今後ともこの義務は遵守していく必要がある、このように考えております。
#53
○国務大臣(河野洋平君) 議員のお話ですが、我が国が緊急輸入をしたために北朝鮮の米が足らなくなったということは因果関係としては説明が難しいと思うんです。韓国はこれまで何度か北朝鮮に対して食糧を支援する意図があるということも言ってきたわけでありますが、そうしたことについても北朝鮮は、先ほど申し上げましたが、ついせんだってまでは食糧は十分だということを言ってきたわけでございまして、この点は必ずしも因果関係があるというふうには思いません。
 ただ、後段のお話はこれまでもいろいろと国会でも御議論のあったところでございまして、そうした視点に立つ議論というものも日本の国内ではある。ただ、国際的に見ると、今、政府委員も申し上げましたように、多角的な貿易のシステムというものをつくっていくということになりますと残念ながらこういう状況にもなってくるという点があるわけでございまして、議員がこれまでも何度か国会で意見を述べられましたように、WTOの中でも今後とも農業問題というものはさらに議論をしていかなければならない分野の一つだというふうに私どもも考えているところでございます。
#54
○大渕絹子君 ぜひ前向きに取り組んでいただき、日本からはそういう主張をやっぱり続けて言っていっていただきたいなというふうに思うわけでございます。食糧が余っている国が無理にどうしても買わなければならないというような状況に追い込まれて、食糧に困っている国が買えないというような状況が現実にもこうしてあるわけでございますから、そのことを世界の人々にやっぱり訴えていく必要があるだろうというふうに思いますので、ぜひよろしくお願いを申し上げます。
 またもう一つ、食糧の観点からなんですけれども、きのうから、五月二十九日から開催されている国際捕鯨委員会で、鯨の問題ですけれども、日本は商業捕鯨再開とか調査捕鯨の再開とかということで主張をされているように報道されているわけでございます。日本政府としてこの捕鯨委員会にどのような基本認識で参加をしておられるか、教えてください。
#55
○説明員(森本稔君) お答え申し上げます。
 捕鯨の問題は、単に鯨の保存管理の問題としてとらえるのではなく、広く野生生物ないしは海洋生物資源の合理的利用の一環としてとらえる必要がございまして、今次IWC総会においては具体的には次の四つの基本的認識を念頭に対処していく所存でございます。
 第一点目は、国際捕鯨取締条約の目的でございます鯨類の保存と合理的利用及び一九九二年リオデジャネイロで開催されました国連環境開発会議で合意された持続的開発の原則に沿って、鯨類を含む海洋生物資源を保存しながら持続的に利用すること。
 それから第二点目は、食習慣、食文化はそれぞれの地域の文化、風土及び宗教などに根差した固有のものでございまして、それぞれの食習慣、食文化はお互いに尊重し合うこと。
 それから第三点目は、いかなる保存管理措置も感情にゆだねるのではなく、科学的な調査研究や客観的な事実に基づいて行うこと。
 最後に第四点目は、鯨を含む海洋生物資源は、将来の世界の人口増大に伴い、人類の食糧供給源として重要な役割が期待されており、そのためには海洋生物資源に依存してきた沿岸国と協力関係を強化する必要があるということでございます。
 以上でございます。
#56
○大渕絹子君 その主張に対して各国の対応はどのようでございますか。
#57
○説明員(森本稔君) 鯨の問題につきましては、西欧先進国を中心といたしまして必ずしも捕鯨そのものに理解を示しているわけではございません。科学的な根拠に基づいた決定というものが行われておらず、委員会の構成を見ましても捕鯨を主張する国が少数になっておるということで極めて厳しい状況にあるわけでございます。
#58
○大渕絹子君 南氷洋の鯨類のサンクチュアリーは条約違反であるということが言われているわけでございます。国際捕鯨取締条約の目的規定に反するというふうに言われておりますけれども、この認識についてはいかがですか。
#59
○説明員(森本稔君) 今、委員御指摘のとおりでございまして、昨年の第四十六回IWC年次総会で、南氷洋鯨類サンクチュアリーが採択されましたけれども、この決定はIWC科学委員会の意見も聞かず強行採決されたものでございまして、我が国としては、科学的根拠が全くなく、海洋生物資源の持続的利用を阻害するものと考えております。このため、我が国は昨年八月、資源状況が極めて良好とIWC科学委員会が認めている南氷洋ミンククジラをこのサンクチュアリーの対象とすることに異議申し立てを行ったところでございます。
 我が国としましては、今次総会において、昨年二月のサンクチュアリー作業部会で提起されましたけれども、いまだ解決されていない法的、財政的、政治的側面の検討を直ちに行い、サンクチュアリーの見直しを行うよう要求する所存でございます。
#60
○大渕絹子君 国際野生生物管理連盟とかあるいは国際自然保護連合というような国際的な機関があるわけでございますけれども、これらの機関でも野生生物資源は持続的利用によって、もちろん再生産の範囲内でという条件があるわけですけれども、野生生物の保護につながっていくんだというような理論がありますね。自然環境保護団体といいますか、捕鯨に対して反対をする人たちの意見と一見対立をする形なんですけれども、どちらも保護をうたっている固体なわけですよね。そういう観点について私は一定程度理解をするわけです。鯨は人間が食べるよりも膨大な数の海洋生産物を食べているという実態があります。そういうことからしても、一定種の捕獲を禁止することによって海の生態系そのものが変わっていくということも十分に考えられるわけでございます。そういう観点からも日本の捕鯨再開ができるような主張をこれからもしていっていただきたいと思うわけでございます。
 先ほど基本的な姿勢の中に食文化ということも出てきたわけでございますけれども、私なども新潟の大変山の奥で住んでいましたが、牛肉は食べたことはありませんでしたけれども鯨の肉はいろいろな形で子供のころから食べていたという経験もあるわけでございます。鯨を保護しなければならないという観点はこれはもう第一番目に持っていなければならない観点ですけれども、それと同時に海洋生産物をこれからも一定程度保護していくためには一定程度の捕獲も必要なんだという観点がやっぱり必要なんじゃないかと思います。
 特に、IWCではアラスカとかグリーンランド、ロシアなどの原住民に対しましてはホッキョククジラの生存捕獲を認めているわけでございます。日本における沿岸の小型捕鯨というのは、さっきも言いましたように、日本の歴史においても大変地域社会に根差した商業活動あるいは産業活動であったというふうに認識をするわけでございます。これらについても今捕獲が禁止をされているということでございますので、日本沿岸のミンククジラにつきましてはもう既に今二万五千頭の資源量があるということで、これから暫定的に捕獲を続けていったとしても資源的に少なくなっていく、減少していくということは科学的根拠もないということが認められているというふうに言われているわけでございます。
 これらの点も委員会の中で恐らく主張はしておられるんだと思いますけれども、その行方はどうなりますでしょうか。予測といいますか会議の成り行き、まだ最中ということでわからないということだろうと思いますけれども、お答えいただきたいと思います。
#61
○説明員(森本稔君) 今、委員の御指摘がございました初めのNGOの動きでございますけれども、海外のNGOの捕鯨問題に対する活動を見てみますと、従来は資源状況のいかんにかかわらず鯨は一頭たりとも捕獲してはならない、このような極端な保護運動を展開するグループが主流を占めておりましたけれども、最近では鯨を含む野生生物とのかかわり方であるとか利用のあり方を冷静に考え行動するNGOも出てまいっております。御指摘のありました国際野生動物管理連盟、今回のIWCの総会にも出ておられるようでございますけれども、私どもの基本的な考え方をサポートしていただいておるわけでございます。
 いずれにしましても、今後とも科学的根拠に基づいた主張を粘り強く行うことによりまして鯨の持続的利用に関する我が国の立場について諸外国から理解や協力が得られるよう努力してまいりたいと考えております。
 それから、我が国の沿岸の小型捕鯨についての捕獲枠の行く末、見通しということでございましたけれども、IWCは現在商業捕鯨を一時的に禁止する一方で原住民生存捕鯨は認めております。
 例えば、アラスカ原住民生存捕鯨の対象でございますホッキョククジラにつきましては、その資源状態が保護を要するレベルにあるのにもかかわらず、原住民生存捕鯨というカテゴリーのもとでこの鯨の捕獲を認めてきているわけであります。
 他方、我が国の宮城県鮎川であるとか和歌山県太地等で行われてきました沿岸小型捕鯨について、御指摘にありましたように、地域のニーズ、伝統・文化、社会経済的観点からここ数年数量的に極めて安全を見込んで設定したミンククジラ五十頭の暫定救済枠を要求してまいりましたが、商業的要素が幾分かでも含まれておるという反捕鯨国の主張によりまして原住民生存捕鯨と同様な扱いは認められていない状況にあるわけでございます。
 しかしながら、本件に対する支持はIWCの委員会の中で年々ふえてまいっておりまして、今次総会においても引き続きこの暫定救済枠を要求するつもりでございますけれども、一層多くの支持と理解が得られるよう努めてまいりたいと考えております。
#62
○大渕絹子君 捕鯨に携わってこられた漁師の方たちとか、あるいはいろいろな団体からも一日も早く再開できるようにというような要望も出ておるわけでございますので、一層の努力をしていただきたいと思います。ありがとうございました。
 それでは、きょうの本題でございます日米の宇宙協定について質疑をさせていただきたいと思います。
 日米の宇宙損害協定、日米宇宙開発において起こった事故等によって損害が生じた場合、双方で損害賠償を放棄していこうという条約でございます。
 昨年の十月、米国が我が国に対して正式に提案をしてきたというふうになっているわけですけれども、その正式な要請というのはどういう形で行われるのでしょうか。
#63
○政府委員(林暘君) 本件につきまして申し上げれば、アメリカの国務省の方から具体的な案文をもってこういう協定を締結したいということを言ってきたということでございます。
#64
○大渕絹子君 それから、正式な要請を受けた中で我が国とアメリカとで三度の政府間の交渉が行われたというふうになっているわけですけれども、その交渉の経過の中で主張の隔たりとかあるいは問題点として浮かび上がったことはありますか。
#65
○政府委員(林暘君) アメリカ側が希望いたしておりましたのは、先ほど来御説明申し上げておりますように、宇宙の関係の事柄でございますので宇宙協力ということを促進する上で損害賠償は相互に放棄しようということだったわけでございますけれども、いわゆる損害賠償責任を相互放棄する範囲というものをなるべく広くとりたい、もう少し具体的に申し上げれば、政府が請求権を代位して持つことになる部分についてもお互いに放棄をしたいということを当初求めてきていたわけでございます。
 それに対しまして日本側としては、日本側の政府が請求権を代位することになるものに労災補償の問題とか国民年金とかそういうものがございますが、これらについて日本政府としてこういう代位請求権についてまで放棄することは適当でないということで交渉した結果、そこの部分については協定本体から落として放棄の対象にしなかったということがございます。
 その件につきましては参考で提出しております交換公文で若干の手当てをいたしておりますけれども、一番意見が違ったのはその点でございます。
#66
○大渕絹子君 その交換公文で手当てをしている具体的な中身をちょっと教えてください。
#67
○政府委員(林暘君) 交換公文で手当てをいたしましたのは、今御説明申し上げましたように、政府が結果として請求権を代位することになります部分につきまして、それぞれの代位をした請求権に基づく請求が実態的には金銭上の負担が軽減されるような手当てを双方でとろうということを交換公文では決めたわけでございまして、アメリカ側の場合には代位請求権を連邦政府が獲得した場合に請求は行わないということと承知しておりますので、日本側としては例えば当事者になります宇宙開発事業団が保険を付すなり予算的手当てをするなりということで、結果的にアメリカ側に請求された負担が軽減されるような措置を講じていくということになろうかと思います。
#68
○大渕絹子君 わかりやすく言えば、アメリカ側が負担しなければならないものに対して日本側からお金を供与してそれが支払われるということで受け取ってよろしいですか。
#69
○政府委員(林暘君) 具体的にどこにどういう支払いが行われるかちょっと詳細は私承知しておりませんけれども、結果的にはそういうことになろうかというふうに思います。
#70
○大渕絹子君 附属書で宇宙協力の七件について規定されているわけですけれども、この七件について日米の予算額について率直にぽんぽんぼんぽんと教えていただけませんか。
#71
○説明員(植田秀史君) 御説明申し上げます。附属書の順番に御説明いたします。
 一番目の地球観測プラットホーム技術衛星計画でございますが、日本側は約九百十七億円の予定でございます。アメリカ側は約二百十三億円というふうに聞いてございます。
 それから、二番目の宇宙飛行士訓練計画でございますが、日本側の経費は約二億八千万円の予定でございます。一方、アメリカ側の経費でございますが、これはなかなか計算が難しいのでございますが、例えばこの訓練の一環といたしまして日本人の宇宙飛行士がスペースシャトルに搭乗いたしますが、このスペースシャトルの一機当たりの運航費だけで四百五十億円程度かかるというふうに我々は聞いてございます。
 三番目のマニピュレーター飛行実証試験計画でございますが、これは日本側の経費は約九十三億円の予定でございます。このプロジェクトは日本がつくりましたマニピュレーターをやはりスペースシャトルに搭載いたしますので、アメリカ側の経費といたしましては、スペースシャトルの運航費を考えますと、やはり同じように四百五十億円程度かかるということでございます。
 それから、次の熱帯降雨観測衛星計画でございますが、日本側の経費は約百八十億円の予定でございます。アメリカ側の負担は約二百億円というふうに聞いてございます。
 五番目の環境観測技術衛星計画でございますが、日本側の予算は約七百十一億円の予定でございます。それからアメリカ側は、これは航空宇宙局、NASA分でございますけれども、約百三十億円というふうに聞いてございます。
 次に、六番目の資源探査用将来型センサー計画でございますが、日本側の経費は約二百三十四億円の予定というふうに聞いてございます。アメリカ側の経費は千二百億円程度かかるのではないかというふうに聞いてございます。
 最後の超長基線電波干渉計宇宙天文合計画でございますが、日本側の経費は約百七十億円の予定というふうに聞いてございます。アメリカ側の経費につきましては、これは日本が打ち上げました衛星のデータをアメリカ側が受信して利用するというものでございますので具体的な経費は、例えば受信アンテナの改修等の経費があるだろうというふうには聞いておりますが、具体的な額はアメリカ側からは示されていないということでございます。
 以上でございます。
#72
○大渕絹子君 大変多額なお金のかかる宇宙開発でございますけれども、この協定書とは別に、国際宇宙ステーション計画というものがあって、それに対する協定書も結ばれているというふうに聞いているわけです。書物でこれは読んだことですけれども、この国際宇宙ステーション協定の中身が非常に不平等になっているのではないかという指摘が科学者の中から出ているわけでございます。
 それはどういうことかといいますと、例えばカナダもこの宇宙ステーション協定に入っているわけですけれども、カナダとか日本とかが財政的な問題あるいは国内的な問題でこの計画から撤退をしていきたいと思うときに、今まで開発をした技術と拠出したもの等々は全部その計画の中に置いてこなければならないという条件になっているということと、一方、アメリカが同じようにこの協定から撤退をする場合には、アメリカが持っている技術とかあるいは提供したものに対しては全部アメリカのものとして認められるというような協定の中身になっているということが指摘をされているわけですけれども、この事実関係をちょっと教えていただきたいと思います。
#73
○政府委員(林暘君) 宇宙基地協力協定で今お尋ねのカナダの件でございますけれども、宇宙協力協定でカナダが提供いたしますサービスというのはほかの国が提供するものと若干異なっておりまして、カナダは移動型サービス施設、それからマニピュレーターということで宇宙基地の組み立て、保守に必要不可欠なもの、つまりその宇宙基地の全部に使われるような部分というものを提供することになっているわけでございます。
 例えば、日本は日本が用意しました実験棟を提供することになっておるわけですけれども、カナダはそういうことで各宇宙基地の中で至るところで使われるものを提供することになっているという特殊性がございます。そのために、カナダが脱退するに際しましても、カナダが提供いたしましたマニピュレーターを保持いたしませんと宇宙基地そのものが動かないということがございますので、そのカナダの脱退についてこの宇宙基地の打ち上げを含めて大部分のことを担当しておりますアメリカとカナダとが迅速に交渉を行う、その結果の取り決めにおいてカナダの提供要素の米国への移転について規定する場合には米国がこの移転のための適正な補償をカナダに与えるということを規定しているわけでございます。
 したがいまして、先ほど申し上げましたように、カナダというものが全部で使われるようなサービスをこの宇宙基地の中で提供しているということからくる特殊な取り扱いがカナダについてはなされているということでございまして、ほかの国についてはこういう取り扱いはなされておりません。
#74
○大渕絹子君 それではその協定の中身、不平等性ということは否定をされるというふうに受け取ってよろしいわけですね。
#75
○政府委員(林暘君) 今申し上げました限りにおいてカナダについて若干特殊な規定がございますけれども、これは不平等性ということではないというふうに我々は理解をいたしております。
#76
○大渕絹子君 この点はもう少しこちらも調査をしてからまたお聞きをいたします。
 国際宇宙基地計画ですけれども、先ほどカナダが撤退をしたいというような報道も昨年ですかあって、またもとに戻ってきたというようなことがあるわけですけれども、財政上の懸念というようなことが今もささやかれているわけですね。アメリカで予算案が通るたびにこの計画案が承認をされたかどうかということが日本でも大きく報道され、またロシアの参加ということが宇宙ステーション計画そのものの、打ち上げの角度とか位置とかの問題も大きく変わってきたというようなことの中で財政上の懸念ということが大変心配をされるわけでございますけれども、この件に対して日本政府はどのようにお考えでしょうか。
#77
○説明員(大塚洋一郎君) まず、米国の宇宙基地予算の状況でございますが、昨年の米国議会におきます九五年度予算審議におきましては、宇宙基地予算は当初の要求どおり二十一億ドルで可決されてございます。
 現在、米国議会におきまして九六年度予算審議が行われているところでございますが、NASA全体の予算要求額が減っている中で、宇宙基地予算については昨年同様の二十一億ドルの要求額を確保してございまして、米国大統領府も宇宙基地予算を強く支持しているというふうに承知してございます。
 いずれにいたしましても、宇宙基地予算に関する米国議会の動向につきましては、今後とも十分注視してまいりたいというふうに考えてございます。
#78
○大渕絹子君 ロシアとアメリカの財政上の懸念があるたびにお金は回本が提供してというような、方式にならないようにぜひ、日本としてはどこまで協力をしてやるんだというその目的意識をはっきりして、自分たちの計画と目的に合った段階でお金の拠出もしていっていただきたいなというふうに思うわけでございます。
 日本の宇宙開発の目標を決めるための宇宙政策大綱、これも待たれているわけですけれども、どんなような様子になっておりますか。
#79
○説明員(加藤康宏君) 我が国の宇宙政策大綱でございますが、これは宇宙開発委員会が決めたものでございます。現在のものは平成元年に決められたものでございまして、それから七年ばかりたっておりますので現在それを改定中でございます。
 その改定に当たりましては、昨年の七月に宇宙開発委員会が長期ビジョンというものをまとめられまして報告書を出されました。そういう報告書にまとめられた方向とか、それからその間我が国の宇宙開発を取り巻く内外の情勢の変化、いろいろございます。東西の冷戦が終結して国威発揚から民生重視、衛星の利用もそういう方向に移っておりますし、二十一世紀に向けた人類共通の課題に取り組もう、そういう国際的な方向もございます。そういうようなことを踏まえまして、先生も御指摘のとおり、実現可能な計画を盛り込むべく精力的に審議が行われているところでございます。
 国際協力につきましては、かつては追いつくというのが基本でございましたけれども、今は欧米に並ぶ技術的な力を持っているわけでございますので、例えば先ほど御議論ございましたADEOSというプラットホーム衛星、これも日本が打ち上げますHUロケットに欧米がセンサーを載っけるということで日本の計画に向こうが乗ってくるわけでございますし、先ほど御議論ございました宇宙ステーションの計画でございますが、これはもともとアメリカの発想ではございますけれども、日本がJEMという日本の実験棟をつくって独自の技術でそれを開発する、そういうことで日本としても主体的に取り組んでいるところでございまして、今後とも日本のそういう自主開発技術力、そういうものをもちまして積極的に国際協力に貢献したいと思っております。
#80
○大渕絹子君 最終的な目標とか目的とかが決まっておらないから毛利さんや向井さんが宇宙へ飛び立ってなさった実験についても非常に多くの疑問が寄せられているところでございます。
 毛利さんの場合が二百六十億円、向井さんの場合が六十六億円、合計三百二十六億円という巨費を投じたわけですけれども、その中で行った実験等については、特にコイとか金魚とかメダカとかイモリを使った実験等々につきましては、これはもうアメリカでは既に四年も前にすべての実験が完了してデータも全部できているというような実験が日本の宇宙飛行士によって行われているという報道もあるわけでございます。データさえ公開をしていただければ何ら持ち込む必要もなかったものではないかというような非難も起こっているわけでございます。ですから、何をどういう形でやっていくのかという日本の将来的な目標をきちっと定めた中で宇宙開発に参加をしていっていただきたいと思うわけです。
 宇宙酔いの実験にいたしましても、宇宙飛行士が何人か乗っていらっしゃるわけで、その宇宙飛行士を使っての実験も当然できるわけでございます。そういうことが非難される文章等々も出ているわけでございますので、これからは実験のテーマの選び方についても本当に必要なもの、日本の目標に必要なものを選んでやっていただきたいということを今この宇宙協定ですか、これを結ぶこの場所をかりて申し上げさせていただきたいと思います。
 また、きく六号の失敗という問題もあったわけでございます。
 このきく六号の今後の活用計画についていろんな各国からの要望等々もあるように聞いていますけれども、その件をちょっとお聞かせいただきたいと思います。
#81
○説明員(加藤康宏君) きく六号でございますけれども、御承知のように、昨年の八月に打ち上げられまして、アポジエンジンが故障いたしまして静止軌道には投入できずに現在楕円軌道を周回中でございますが、その後いろんな実験をしております。所期の目的のすべてを達成することはできなかったわけでございますけれども、太陽電池用のパドルとかアンテナを展開するとか、衛星の姿勢をうまくコントロールする、そういうような実験も順調に終えまして、いろんな実験を行っておりますが、その中で通信実験、特に衛星間の通信実験につきまして、これはきく六号を打ち上げる前からアメリカとかヨーロッパから一緒にこれを使って実験したいという要望がございました。したがいまして、静止軌道に投入できなかったものですから実験が危ぶまれたわけでございますが、短期間であればそれができるということがわかりましたので、欧米からの要望もありましてその実験をしつつあるところでございます。
 具体的に申しますと、ヨーロッパとの間におきましては、ヨーロッパの宇宙機関、ESAでございますが、そこが将来打ち上げる衛星に積み込む中継器、それを筑波に持ってまいりまして、そのヨーロッパの中継器ときく六号との間で通信の実験をする、そういうことが既にこの五月に終了しておりまして、現在それを解析中でございます。
 アメリカとの関係におきましては、ことしの六月から七月にかけましてNASAの衛星ときく六号との間で衛星間通信の実験をする予定でございます。
 ということで、そういう要望に対しましても積極的に対応してまいりたいと考えております。
#82
○大渕絹子君 アメリカだけでなく、世界の各国といろいろな技術協定をしながら宇宙開発を進めていっていただきたいということをお願い申し上げます。
 最後に、政府調達に関する協定も本日の議題になっているわけでございますけれども、この協定は適用範囲の拡大ということでそれほど多くの問題点はないように思います。
 特に、政府の行う公共事業等に対しましても、建設工事や自動車の保守・修理サービス、運転者を伴う海上航行船舶の賃貸サービス等々、サービスの分野にもこの協定が適用されるようになったということでございます。これによって公共事業等の透明性といいますか、そういうものは図られていくというふうに私は思うわけでございますけれども、その反面、日本の内需拡大といいますか、政府の行う公共事業によって日本の国内産業を保護してきたような要素もあったと思うわけでございます。そういうことに対して、中小零細の建設業者を初めとする企業に悪い影響が出るのではないかという懸念がありますけれども、外務省はそういう点に対してどのような配慮をなさっていますか。
#83
○政府委員(原口幸市君) お答え申し上げます。
 附属書のIの我が国の部分におきまして、この協定の適用を受ける我が国の機関が中小企業団体から調達するための契約のうち従来から随意契約で行っているものを協定の適用対象外といたしまして、中小企業団体からは従来どおり随意契約により調達し得るようにすることを目的とする注釈をつけてございます。これはある意味では、今、先生がおっしゃったように激変緩和措置といいますか中小企業に対する配慮というところから入ったものでございます。
 それから、建設サービス、確かに新しい分野として協定の対象になりますが、この建設サービスの調達は国によってどこに対象の敷居を設けるかという話がございますが、我が国の都道府県及び政令指定都市及び特殊法人による建設サービスの調達の基準額というのが千五百万SDR以上、邦貨にしますと二十四億円以上ぐらいでございますね。米国、EUの場合にはこれが五百万SDRで七億円以上ということでございますので、日本の場合の方が約三倍の高さになっております。ということは、対象となる範囲がそれだけ狭まるわけでございますね。それは結果として見れば中小企業に対する配慮というか、そういうことにもなろうかと、そのように考えております。
#84
○大渕絹子君 そのことがこの協定といいますか、それを適用しないという障壁になってもいるわけで、そうでしょう、地方政府に関する、主要国間においては各国ともオファーが改善されない限り相互に協定を適用しないという注意事項がございますね。このことが今あなたが答弁なさったそのことにもつながってくるのではありませんか。
#85
○政府委員(原口幸市君) これは、どの範囲をどれだけお互いに出すかというのはリクエスト・アンド・オファーという形で交渉したわけでございます。市場規模あるいは市場アクセスの拡大といったものがオファーによってどの程度均衡するかというのは一応の目の子算でございますけれども計算して、その結果としてお互いに出したものがバランスしているというような認識の一致があればそこで手が打てるということでございますが、例えばアメリカと日本の場合では一部地方公共団体等につきましてそういう認識の一致がなかったものでございますのでその部分については、アメリカが日本に自分の協定上の義務を適用しないというのであれば我々もしないということで、そこは物別れになっているという状況でございます。
#86
○大渕絹子君 終わります。
#87
○委員長(田村秀昭君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時十分に再開することとし、休憩いたします。
   午後零時五分休憩
     ―――――・―――――
   午後一時十三分開会
#88
○委員長(田村秀昭君) ただいまから外務委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、平和的目的のための宇宙の探査及び利用における協力のための損害賠償責任に係る相互放棄に関する日本国政府とアメリカ合衆国政府との間の協定の締結について承認を求めるの件外一件を議題といたします。
    ―――――――――――――
#89
○委員長(田村秀昭君) この際、河野外務大臣から発言を求められておりますので、これを許します。河野外務大臣。
#90
○国務大臣(河野洋平君) 御質問に先立ちまして、午前中の御審議にございましたように、サハリン北部地震に対します物資の支援について御報告を申し上げたいと思います。
 政府は、サハリン北部地震の被災民に対する緊急人道支援の第一陣として、ロシア側の要請を受けまして、毛布、緊急医療セット、食料、人工透析器などの支援物資を供与することを決定いたしました。これらの支援物資は、外務省員が随行いたしまして、早ければ本日午後三時過ぎに函館から海上保安庁のYS11でユジノサハリンスクヘ輸送され、ロシア側現地関係者に引き渡される予定でございます。
 政府といたしましては、今回の被害の規模が拡大していることにかんがみまして、今後追加的な物資を供与、輸送することで引き続き調整中でございます。
 以上、御報告申し上げます。
    ―――――――――――――
#91
○委員長(田村秀昭君) それでは、これより質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#92
○猪木寛至君 ただいま大臣の方から御報告がありましたが、今回は大変早い措置として歓迎いたします。
 先ほどもう、私がきょう質問をしようとした部分、政府調達に関する協定等については出ていますが、自動車摩擦の問題は後ほど質問をしようと思います。
 私、先々週の金曜日からアメリカの方を訪問してまいりました。そのときに、ちょっと私ごとになりますが、プロレスの殿堂入りということで向こうで表彰されまして、これは全米で放送されました。その折に、私どもがいろいろ研究をしているグループがありまして、その中で新しいエネルギーというか磁力エネルギーというのが開発されていますが、その先生とも話しているときに、アメリカに行く前に、今、日本でも大変有名なスティーブン・セガールという俳優さんと連絡がとれて向こうで会う機会があったんです。
 この俳優さんはかつて日本で十五年ぐらい生活したものですから日本語が大変達者で、今アメリカで一番アクションスターで売れているというか、一本の映画で何百億という収入を上げるような大スターなんですが、彼がつくった映画の中に「沈黙の要塞」という映画があるんです。御存じですか、大臣。その中で彼は、環境に関するメッセージ、それから新しいエネルギーということでスピーチをしているんです。
 たまたま私も、私自身のことと、それからもう一つはニューヨークにおける民間団体の環境会議に出席するために行ったんですが、残念ながら時間がなくてオープニングであいさっだけして帰ってきたわけです。そのときに私なりにスピーチを用意して行ったんですが、せっかく用意したものですからちょっと御披露させていただきたいと思うんです。
 二十世紀は石油の世紀と言ってもよいくらいに、世界は石油を中心に動いています。世界経済も政治状況もどれほど石油に左右されているか、はかり知れません。世界は石油を求め、それがもたらす富と力を求める熾烈な争いが今も続いています。世界各国や大企業は、現在も石油が持つ戦略的な価値を最重要視しています。また、アジア諸国にとって、これからもますます石油は高度成長をなし得るための原動力で、必要不可欠なものであります。
 政治や経済の視点から石油は必要ではありますが、人類も生きていくためには何らかのエネルギーに依存しなければなりません。残念ながら今は石油と原子力にエネルギー源の大半を依存しなければなりませんが、石油は地球環境を破壊し続けています。また、原子力もいまだに一〇〇%の安全性を確保できずにいます。一たび事故を起こしたりしたら、人類を終えんに導
 いてしまいます。これらの危険きわまりないものに頼って我々は生きているのです。このことを一日も忘れることなくしっかりと認識しなければなりません。
 この主張は、アメリカの有名な映画スターであるスティーブン・セガール氏も、彼の出演した映画を通して全世界に向けてメッセージしています。スティーブン・セガール氏の思想は、西洋人でもあり、東洋人でもあります。彼は日本の古来からある武道を通して適を完成させた武士です。彼の世界人類の一員としてのメッセージは、今は、一つの国家にとってとか、一つの企業にとってとか、一個人にとってとかではなく、人類全体にとって、地球環境にとって、エネルギー問題に直ちに取り組まねばならないということです。
 ここにスティーブン・セガール氏のメッセージを御紹介いたします。
 私は、政府と大企業の不正を訴えます。今、人類にとって一番必要なものはクリーンなエネルギーです。水素や電気、磁気で動く夢のような発電機です。実用化されれば石油会社はつぶれます。ガソリンエンジンは過去の遺物なのに、石油企業と政府の癒着のために我々は今日も石油を使わされています。つまり、大企業こそが水や空気や食物を汚染しているのです。利益ばかりを追求し、人間中心の会社を無視していて、環境保護には無関心です。
 海を見てください。膨大な量の石油が海を汚し、生物を殺しています。例えばプランクトンは酸素の九割を供給し、海の生態系を守り、食糧供給の根幹を担っているのです。しかし、企業は海に有害廃棄物を捨て、法律さえ都合のよいように操作しています。さらに、企業はマスコミを動かして自分たちを正当化しています。
 我々の気づかないうちに、体は、遺伝子に障害を受ける子供たちがその犠牲になっています。町では何百万台という車が排気ガスをまき散らしています。そして、それは我々の体内に蓄積されていきます。そして、じわじわと健康を侵していくのです。
 二十年前に想像もしなかったでしょう。スモッグで前が見えなくなるとは、大気汚染で空気が吸えなくなるとは、水道が汚染され、水をボトルで買う羽目になるとは、誰もが予想しなかったでしょう。
 原子力も、自然も人間も何もかも破壊してしまいます。
 一九七九年のスリーマイル島の原発の事故や、一九八六年のチェルノブイリ原発の事故を思い出してください。いまだに多くの人が後遺症で苦しんでいます。世界には多くの原子力発電所が稼働しています。だから、あのような事故は百倍も二百倍も起こる可能性が大きいのです。
 石油や天然ガス、原子力などによって、神がくれた自然が侵されているのです。
 この問題に対して、我々は無関心であってはなりません。我々に何ができるか。企業ではなく、市民の利益を代表する機関をつくるのです。
 以上が、スティーブン・セーガル氏のメッセージです。このように映画の中で訴えて、この間会ったときに、ちょっと過激な部分もあるかもしれませんが、本当に命をねらわれたというようなことだったそうです。
 しかしながら、いま一つは、新しいエネルギーというものを非常に要求されているというか期待されている。ちょうど今、政治も経済も、あるいは私どもの心の中も、大変変革期というか、そういう転換期に差しかかっているんだろうと。そういう意味で、今、私はあえてこのスティーブン・セーガル氏のメッセージを読まさせてもらったんです。
 そこで、今回の自動車摩擦について、私自身、アメリカの論評というかUSAツデー、この辺の記事に目を通しますと、まさに市民の声を代表しているのが、我々がいい物を選んで買っているのになぜ悪いというような論評だったんです。
 自動車の摩擦をずっと見ていきますと、一九九二年のアクションプランというか、ブッシュ大統領の訪日以来、このときも大分企業の方が一緒に随行して、政府か民間かが非常に混同されるようなことで、そしてずっとその後の経緯があるわけですが、ここへ来て橋本大臣とのやりとりで、いよいよ一〇〇%関税をかけるという問題になった。国民はこのいきさつの中身までよくわからないし、それで提訴ということになれば、その結果が出るまで待たなきゃならない。しかし、どう見てもアメリカのやってきているやり方というのは理不尽な感じがするんですね。
 今までアメリカという国は力で押し切ってきたし、まさにアメリカ自身の思いどおりになってきたけれども、世界の構造が変わってしまったためにそういうことも通らない。
 例えばアメリカが、では日本の市場を開放するための努力をどれだけしたのかなということを見ていくと、たまたま私もニューヨークから帰るときに領事館の人からも話を聞いたのですが、これは昔、関西空港のとき、建設業界の何か五千から六千社に対して、日本の市場に入るときにはこういうことでという説明会を開くための案内状を出して、そのときに実際に答えてきたのが五社から六社しかなかったという。というのは、要するにそれだけのチャンネルをつくってないというか、今まで権利だけ握ってそのままペーパーマージンを取るというやり方できたわけですから、結局、実際に案内を受けてもその権利が取れないのであれば全く興味がない。
 自動車の問題に戻りますが、そういうことから、先ほども幾つかもう質問がありましたので重ねてお聞きすることはありませんが、まずこの制裁をかけられ、一〇〇%の関税をかけられて、そしてこれからWTOで裁判になったときに、これは十カ月後ですか、裁定が下るのは。その間に、きょうの新聞にも書いてあるんですが、要するに生産が全部とまってしまう。これはアメリカの中の雇用の問題にも影響してくるし、またアジアの中にもそれに依存している人たちがあるわけですから、この辺は私自身もまだ勉強が足らないので、どちらがいいのか悪いのかということを決めがたい。
 しかしながら、ずっと見ていくと、先ほども御答弁にありましたけれども、やっぱり民間に政府が口を出していくということ、これに尽きるんじゃないかなと思うんですが、この経緯について、あるいは今後この対処について、政府の考え方を聞かせていただければ。
#93
○政府委員(原口幸市君) お答え申し上げます。
 午前中にもお答え申し上げましたけれども、アメリカと日本との間で長い間この件について交渉を行ってまいりまして、最後に障害になったと少なくとも日本側から思っている点は、アメリカ側が、全体的な合意を達成するためには、日本の自動車メーカーがどの程度の外国製の部品を買うかというその見通し、今後数年間にわたる調達の自主的な目標を出すべきであるとして、事実、実は去年、日本のメーカーは幾つか出しているわけですが、その数字には必ずしも満足してないものですから、ボランタリープランを出せと言いつつも実態は数字の改定、上乗せというようなことを要求してきているわけです。
 それと、最後の段階になって、外車のディーラー数が一年目にどのくらいになるかというその見通しについてもある程度政府から権威ある数字をもらいたいということで、これはいずれもある意味では政府の手の届かない範囲の問題でございまして、一昨年、当時の宮澤総理とクリントン大統領の間で合意された枠組み合意そのものの中にもガバメントリーチの外の問題は対象としないということがあるものでございますから、日本側は、この部分は我々としてはいかんともしがたい、しかしそれ以外の問題、例えば規制だとかそういう問題についてはできるだけのことはいたしましょうと、こう言っているわけですが、今申しましたように、アメリカはそのガバメントリーチの外の問題について日本側が応じなければ全体の合意がないと言っているものですから、残念ながら現在二国間交渉はストップしたままということになっております。
 他方、それを受けてアメリカ側から、日本側の自動車市場というものはクローズドである、閉鎖的である、したがってこれはWTOの新しい紛争解決メカニズムに基づいて提訴する、こういうことを言ってきておるわけでございます。そうであれば我々としては、日本もWTOのメンバーでございますし、まさにWTOの紛争解決メカニズムというのは、二国間で話してどうしてもうまくいかないときに多国間で国際的なルールのもとで中立的な第三者に判定してもらおうといういいメカニズムでありますから、それを受けて我々もその協議に応ずる。それでその場で日本の立場も主張していくと。
 それから他方、一方的措置について、我々はどう考えてもアメリカ側はWTOの義務に違反しているんではないかと考えておるものですから、これについては日本の方から二十二条の協議を申し入れたということでございます。
 したがいまして、当面我々はこの二つのWTOの紛争処理メカニズムに基づいて議論をマルチの場で進めていこうと思っておりますが、同時に、先ほど申しましたように、アメリカ側がこれまでは主張してきた点でございますが、すなわち数値目標というようなものを求めないとか、政府が民間の問題に介入することを求めないと、そういうことを言ってくれればそのマルチの議論とは別にバイの議論も常に我々応じる用意があるということで、アメリカにもその立場は明らかにしている、こういう状況でございます。
#94
○猪木寛至君 先ほど申し上げた努力の問題ですが、なぜ日本の市場で伸びないかという問題。これは私は、そこの団体の代表的なことを言っているわけじゃなくて、私なりに客観的に見たときに、アメリカの努力が足らないということは、例えばねじを一個とってもアメリカの場合はまだインチ法ですか、日本の場合はセンチというか、メートル法。今、世界でインチを使っているのはアメリカと、イギリスが一部でしょうか、今もう既にイギリスも大分メートル法にかわりつつある。
 そういう先ほど言った世界の構造が変わったという中でやはり世界の状況に合わせない限り、アメリカが自分の車を売りたいとか、例えば右ハンドルにしてもまだまだ数はほんの一部というか、ビッグスリーが直接出しているわけじゃないというようなこともありますね。そういうことで、逆にそういう提言をしたらいかがかなと。本当にアメリカの軍隊の中では一部そういうメートル法をNATOとの関係においてもう取り入れているという話を聞いていますけれども、その辺についてはいかがでしょう。
#95
○政府委員(原口幸市君) 先生御指摘のとおりでございまして、アメリカがメートル法ではなくてヤード・ポンド法に固執しているということは我々から見ると大きな問題だと思っておりまして、実はこの包括協議の前に日米構造協議というのがございましたけれども、その枠内で既にアメリカにはこの問題点は指摘して改善方を求めてきたわけでございますが、しかし一つの国の文化の中に深くしみ込んでしまった度量衡でございますので、なかなかかえがたい面があろうかと思います。
 せっかくの機会でございますので、先生おっしゃいましたヤード・ポンド法だけでなくて、やっぱりアメリカの自動車の問題についていえば、努力が非常に足りないんじゃないかということは我々も何度も申し上げております。説明もしておりまして、例えば日本の市場九八%以上が右ハンドルでございますが、欧州メー力ーからは百数十車が右ハンドルでそのモデルが日本に投入されているのに対して、米国のビッグスリーはまだ現在までのところは右ハンドルを持っている車というのは二つのモデルしか投入していないという状況でございます。
 また、日本の市場では売れ筋の車種というのは二千cc以下の車でございまして、これが日本のマーケットの八〇%を占めているわけでございます。ヨーロッパはこのセグメントについて百二十四車種を既に投入しておるんですけれども、アメリカのビッグスリーはまだこのセグメントについては一車も投入していない。
 そういう点があるので、こういうことをまずやってほしいということを随分言ってはいるのでございますけれども、必ずしもそれで納得してもらってはいないというのが現状でございます。
#96
○猪木寛至君 先ほど申し上げた磁力のエネルギーという問題、この間カリフォルニアに行ったときに、一九九八年から無公害車、これは炭化水素というんですか、HC、全く公害のない車を総生産の二%ずつ市場に出すという条件で、来年の五月にその裁定をするかしないかというのが議会にかかるそうです。しかし現実には、今の状況からすると、無公害車、これはもう電気自動車しかないわけですから、そうするとカリフォルニアというあの広い中に、電気自動車の走行距離なんというのはわずかなものですから、限られているわけなんです。
 そこで、さっき申し上げた磁力エネルギーというのは、今まではリニアモーターカーとか、こういうものは磁力の反発する力を利用して浮かしている。それを回転させることに成功したわけですね。そうするとすべてのエネルギー源に変わっていく。先ほどスティーブン・セガール氏のメッセージを読み上げましたが、エネルギーも新しいものが必ず生まれてこなければ、地球はこのままいけば破滅してしまう、そういう意味で画期的なものというか、自然にあるエネルギーを利用することに成功したんじゃないかなと。
 私も大変エネルギーに興味があって、風車とかいろんなものを自分なりに考えたことがあったんですが、そういう意味で、今後このエネルギーがクリーンエネルギー、まさに無限にあるエネルギー、もっとも磁石はこれはつくらなきゃならないわけですが、そういうものが日本で生まれてきても、そういう技術というものが日本の中ではなかなか評価されないということで、今、世界の特許がおりたそうですが、外国から評価を受けていよいよ世に出る寸前になっている。この間ロサンゼルスで会ったときにスティーブン・セガール氏が、その無公害車をぜひ最初に運転させてくれということでした。
 大変これは構造的に難しいのかなと思ったらそういうことじゃなくて、非常に簡単に今ある電気自動車にそのエネルギーを起こすものを接続すれば車が走るということです。それについてお答えをもらうつもりはありませんが、そういうことが今起きているということをちょっと御披露させていただきたいと思います。
 そして、時間はきょうあともう幾らもないものですから、最後にちょっとお米の問題で、先ほども質問が出ておりましたし、私もこの委員会で何回か米について質問させてもらって、当時は政府としても出すのは難しいという見解であったと思いますし、また二十六日の新聞の中でも、大臣のコメントの中では、国交のない中では難しいというコメントをされているわけですが、ちょうどイベントの当時、私自身、金容淳という人から信頼があるということで、南の政府のメッセージという形でお届けしてくださいと。それは喜んでさせていただきますということで渡した中にお米の問題も入っておりました。
 そして私自身も、本当にお米があるのかということを、そして心を開いて話をしない限りその問題点に我々は協力できないじゃないかということを関係者にも話したんですが、その辺の返りの言葉というのがどうもはっきりしなかったんですね。そのくせ、米はどうなんだ、どうするんだという質問があるから、だったらはっきり言いなさい、幾ら必要なんだとか、そういうことを言えば我々もそれなりに何か動く方法があるじゃないかという話で、今回いよいよ来られて、お米の要請があったと。
 そこで、それはぜひ実現していただきたいという思いと、どういう方法があるのかということで総理は相談されているようですが、緊急援助ということになると赤十字とかそういう形になるのか、それともほかにもそういう出す方法というのはあるのかないのか、お聞かせください。
#97
○政府委員(川島裕君) この問題につきましては、午前中、食糧庁の方からも御説明がありましたけれども、実際にどういうふうなメカニズムと申しますかやり方で出せるかという点につきましては、確かに国交がないということもまさに一つの特別な要因でございますけれども、いろいろ検討すべき点が多々ございますもので、目下のところこれでいこうという感じにはなっていない次第でございます。
 北朝鮮の方からは、先般の申し入れは貸してもらいたいということでございまして、貸すというのが今のいろんな政府のシステムと申しますか体制の中でどういうふうにできるのかというのを目下勉強しているというところでございまして、まだ確たる方向は見えていないという段階でございます。
#98
○猪木寛至君 韓国政府としては緊急に二十万トン出す用意をしておりますという話を聞いたことがあります。先ほど大臣は、そういう要請がなかったから十分足りているんだろうと。しかし、一方の情報としては、もう韓国政府も我々もある程度そういうものを危惧しておりましたから、それをいつ言ってくるのかというあと時期的な問題だったんだろうと思うんです。
 そこで、韓国政府との話し合いの中で日本だけが直接出すというのはなかなか難しいということで、最初は第三者機関を通じて出す方法もないだろうかという我々勝手な考えを研究したことがあるんですが、ひとつ人道的な立場に立ってできるだけ速やかな形で協力できるようにお願いをいたしまして、時間が来ましたので終わります。
#99
○立木洋君 政府調達の問題についてお尋ねをします。
 政府調達に関する日米間の交渉については、河野外務大臣も直接行われたことがおありなので十分御承知なわけですが、この政府調達の分野において日米の比較をしてみると、政府調達額に占める外国調達額の比率は、アメリカが七%、日本が一四・九%、日本の方が倍近く比率は高いですね。アメリカの占める中での日本の比率というのはどうかというとわずか○・三%です、この数年間。日本の場合にはアメリカから七・三%。こういう状態にあるにもかかわらず強力にアメリカ側が要求してきた。
 交渉の内容を見てみますと、一方では調達手続の透明性、公正性を高めるように要求するわけでしょう。ところが一方では、外国製品の調達の大幅な増加を日本政府がコミットせいと、これは全く矛盾したことを平気で言うんですね、アメリカの主張というのは。そういう内容を知ってますます私は驚いたわけです。
 それで、今度サービスの分野やあるいは地方政府の分野にまで拡大されて、今、日米間においてはアメリカの五十一州の中に二十四州の地方政府ということになっているわけですが、日本の場合にはすべての都道府県と十二の政令指定都市を拡大する。こういう状態というのは不公正を許さないためにもアメリカ側がすべての州を適用対象とするまでは日本側も不適用の態度を貫くべきだというふうに私は考えますけれども、大臣、いかがでしょうか。
#100
○政府委員(原口幸市君) お互いに現時点ではバランスしていないと思っていますから、不適用ということになっているわけですね。
 ところが、アメリカとEUの間で、EUの方は最初に出したオファーを全然変えないでアメリカが二十四州から三十七州、それでアメリカとEUの間ではバランスしたと思って不適用を解除したわけですね。したがって、日本側は一切今後改善しない。他方、アメリカが全州にならなくても何がしかの州を拡大するということによってバランスができるという判断が可能であれば再交渉ということはあり得るとは思っております。
#101
○立木洋君 あいまいな妥協はしないということだけははっきり申し上げておきたいと思うんですね。
 特に、これは今度の政府調達協定ができる前の話ですけれども、一九八九年にアメリカの国家科学基金はアメリカの緊急特別会計支出法第三百九十七条によってアメリカ製であることを要求するバイ・アメリカン条項に基づいて音波探知システムの国内調達をしました。アメリカの主張によれば、これは対象外のサービスの調達だということを主張したわけですけれども、ガットの小委員会においてはこのアメリカの主張を退けて政府調達協定の適用のある物品の調達であるというふうに認定して、アメリカに対して協定上の義務に従って調達を行うように要求する旨の報告書を作成しました。しかし、この報告書はアメリカの反対によっていまだに採択されるに至っておりません。
 この問題についてどう考えるのか。これはやっぱり外交上、今後処理していく上で一つの大切な問題なので、それについての考えをぜひ明確にお聞きしておきたいと思います。
#102
○政府委員(原口幸市君) 事実関係はまさに先生が御指摘のとおりだと思います。
 この事実は、やはりこれまであったガットの紛争処理手続というものの欠陥というものを如実に示していると思います。これからはWTOのもとで新しい紛争処理手続ができまして、今回は一国が反対しているだけじゃだめなんです。全員が反対しない限りパネルの報告は採択されるわけでございますから、新しい紛争処理手続のもとではこういう事態は起こり得ない、このように考えております。
#103
○立木洋君 もう一度この問題は後で確かめたいと思いますけれども、前回のWTO協定のときにいろいろ御議論をいたしました。あのときに、アメリカの三〇一条の発動の問題についてこれからどうなるのかということが最大の問題の一つになったわけですね。ところがアメリカは国内法優先で三〇一条はいかなる制約も受けない、だから三〇一条を発動することはあり得るんだということをカンター代表は明確に主張している。こういう問題に対して適切な対応をとらない限り、今後経済主権を守った公正平等な経済の発展にはならないんじゃないかということを私たちが主張しました。今度の自動車部品の要求の問題についてもまさに一方的に制裁を発動するというWTO協定違反を平気でやっているんですね。
 これはアメリカの新聞をいろいろ私は調べてみました。そうすると、ワシントン・ポストにしてもウォールストリート・ジャーナルにしてもあるいはクリントン政府を支持しているニューヨーク・タイムズにしても、この制裁を一方的にやるということはアメリカの誤りだと厳しく批判していますね。前のヒルズ通商代表でさえ、あのカンターさんのやり方は一体何だと、これはアメリカの国内でも大変な非難が行われているわけでしょう。
 日本のこれまでの態度を考えるならば、今度の自動車部品の問題についてはやっぱり明確な態度をとる必要があると思うんです。圧力を加えれば最後には日本がそれに従ってくるなんというふうなことを今後言わせないような毅然とした態度が必要だと思うんですが、橋本通産大臣がおられればお聞きするところですけれども、大臣がおいでにならないので、どうぞ副総理の河野さんに一言御答弁をいただきたいと思います。
#104
○国務大臣(河野洋平君) まさにWTOの精神を守るかどうかという問題でもあります。直接具体的にこの問題を指すわけではありませんが、国際経済の中で強い者が一方的な措置をもって何でもがんがんやるというようなことがあってはならぬということで、国際的なルールをつくってそこに百数十カ国がみんな入って、そういうことがないようにちゃんとルールはルールできちんと問題の処理をしようということにしているわけであります。
 したがって、各国ともにこうした一方的措置についてはこれは明らかに違法ではないかということを多くの国が言っているのもそのためだと思います。これは安易に原則を我が方から曲げるというようなことはしてはならぬ、それは我が国のだめにならないばかりか国際的に見て自由貿易の原則がゆがんでしまうということにもなるだろうと私どもも思うわけです。したがって、この我々の主張というものはやはりきちんと主張すべきものは主張していくという必要があるだろうと思っております。
 ただ問題は、先ほどから政府委員も御答弁申し上げておりますように、ガバメントリーチの外の問題まで言われて、それはできませんと、こう言っているわけですが、そうしたことにアメリカが理解を示せばこれは話し合いで解決をするということもまたあり得る。何も正面切ってけんかばかりすることがいいわけではないのであって、きちんと筋の通った対応を我々は求めているわけで、そうした対応をアメリカがされれば我々も当然二国間の話し合いをすることがいいというふうに思っていることもつけ加えたいと思います。
#105
○立木洋君 ですから、WTOの問題に私の重要な懸念として意見を申し上げてきたのは、経済主権をきちっと守って公正平等な貿易関係の発展ができるようにという点にアメリカの不当な態度があるということを指摘してきたわけですから、この点は十分守っていただくように改めて申し述べておきたいと思うんです。
 さてそこで、このアメリカのバイ・アメリカン法の適用の問題です。
 これについては、政府調達協定の非対象分野において見られるために協定違反の問題は生じないけれども、それ自体内外差別の内容を含むものであり是正が望まれるということがこの通産省が出しておる九五年度版の不公正貿易報告書の中に指摘されております。これはやっぱり是正されるべきものだという指摘があるんですね。
 アメリカのこれまでの態度から見て、やはり国益が絡むと国際的な約束でさえも矛盾する主張も平気で行います、これはもう大臣が経験なさっておられるように。ですから、政府調達においてもこのバイ・アメリカン法を盾にした再度侵犯をしない、そういう態度をアメリカ側にもきちっと求めていく必要が私はあるだろうというふうに考えますけれども、そういう外交的な対応については今後どのようにお考えでしょうか。
#106
○政府委員(原口幸市君) 今度の新しい協定は、前も同じでございますけれども、内国民待遇、それから加盟国の間の無差別待遇を規定しておりますので、今度は新しくその対象の範囲が広がったわけでございます。したがって、その対象セクターについてはバイ・アメリカンというのは認められないわけでございますので、アメリカがもしその分野で依然としてバイ・アメリカンの慣行を維持するのであれば、我々としては紛争処理の手続に基づいてコレクトな対応をしていかざるを得ないと思っております。
#107
○立木洋君 この日米間の経済問題で、今、政府調達の問題やWTOを含む貿易問題等々黒字の問題というのは大きな問題になっていますね。だけれども、私は、日米間の経済関係の問題を考える上で欠くことのできない今の最大の問題の一つはやっぱり円高だと思うんです。これは一九八五年のプラザ合意のときに一ドルが二百四十円でした。それが一九九〇年になって一ドルが百六十円になったんです。現在は八十円台です。十年間で三分の一になったんです。五年間で二分の一。これまた大変な異常な円高なんですが、この問題に関して、大臣、この円高の最も重要だと考えなければならない原因が一体どこにあるとお考えになるのか、端的にお答えいただければありがたいんですが。
#108
○国務大臣(河野洋平君) これは議員、端的にとおっしゃいますけれども、いつもお答えを申し上げておりますが、為替相場というものはそう単純なものではない、さまざまな要素が絡み合って相場というものは決まってくるわけでございまして、どれか一つをとってこれが原因だというほど単純なものでないということは前々からお答えを申し上げているところでございます。
 しかし、昨今の急激な円高というものを見ると幾つか考えられるものがあるんじゃないか。そのどれか一つということではないし、あるいは申し上げるものよりまた別のものもあるかもしれません。よく専門家、関係者などが言っておるものを聞いてみますと、例えばアメリカにおける金利の動向もあるだろう、あるいはメキシコ情勢もあるかもしれない、あるいはヨーロッパにおける政治情勢も一つの原因かもしれない、日米間の貿易動向もその理由の一つにあるかもしれない、日米間の貿易動向というか、貿易動向の先行きの不透明さ、そういったものがやっぱりあるかもしれない。さらには、それは何といったって現在のファンダメンタルズというものが反映するということもあるんだろうと思うんです。
 ただ、ファンダメンタルズが反映されるということが一般的に言われるわけですが、現在のファンダメンタルズということを考えますと、日本の経常黒字はトレンドから見ればそう急激ではありませんけれども縮小の傾向にございます。あるいは金利面でも公定歩合の引き下げがございまして、長短金利ともに極めて低い状況でございます。つまり日米間の金利の差は大変大きくなっている、こういったようなことが見られるわけでございまして、では何が原因なのかということになると、これはなかなかいわく言いがたいものがあると申し上げる以外にないと思います。
#109
○立木洋君 ドルは基軸通貨ですね。アメリカはその責任を守っていますか。私が言いたいのは、アメリカが長期にわたってドルの垂れ流しをやっているんです。年間一千億ドルの赤字です。そんな状態を普通の国がやっておったら経済は成り立っていかぬですよ。あそこは自分が基軸通貨のドルで赤字を払いさえすれば、結局アメリカの銀行の預金がふえるみたいなものですから、平気でそんな態度をとっている。だから、御承知のようにクリントン政権は、円高はドルの最大のてこだと、こう言って日米交渉にまで臨んできているじゃないですか。
 問題は、やはり二月のG7で、為替相場は経済の今おっしゃった基礎的条件を反映させるべきであるということが決められているにもかかわらず為替安定の国際的な合意を無視し続けているんです。私は国内的な要因も申し上げたいわけですが、ここは外務委員会ですから、ですから特にアメリカとの関係の問題で私は今、問題を申し上げたんです。
 この間、富士総合研究所会長の楠川さんが述べていました。一九八五年のプラザ合意以降、日本が買ったドル資産は四十兆円以上も目減りしたと言っているんです。四十兆円も十年間に目減りをするような状態にドルの垂れ流しを放置してきた。これは外交的に言えば、黙っておいて、アメリカさん結構ですといって、アメリカのドル政策に追随していくようなやり方をしていたんでは、これは根本問題は解決できないです。
 国内でどうせいというようなことはいろいろあります。円高の問題のために雇用の問題が大変になり、中小企業の問題が大変になり、これはいろいろあります。これに対する施策もやらなければならない。だけれども、これはもう時間がありませんから、外務委員会ですから、私は特にアメリカのそういう姿勢に対して明確な対応を日本が外交上やる必要がある。それをやらなければ、いつまでたっても円高が続いて大変な状態が引き続いて、いつまでたっても同じことを繰り返して外務委員会で審議しなければならないという状態が私は続くと思うんです。
 私は、そういう外交問題の責任者として、こういうアメリカのドルの垂れ流し政策に対して毅然とした態度をとるべきだと思いますけれども、その点についての大臣の御所見をお伺いしたいんですが、いかがでしょうか。
 一つは、その問題に原因があるかどうかということから始めてください。
#110
○国務大臣(河野洋平君) 私は、確かにG7の財政金融関係の責任者が集まって、その当時、今日の状況が非常に心配だということをこもごも語られたと思うんですね。その後、日本では日銀あるいは大蔵大臣、それぞれ各国のカウンターパートといろいろと御相談になって、協調介入についての御相談もあったでしょう、あるいは金利についても時に話し合われたかもしれません。これは我々が日銀の政策に介入をしてあれこれ言うという立場ではございません。したがって、それぞれの責任ある立場にある方々の御判断ということは、我々それを待たなければならぬと思います。
 ただ、他方、外交の責任者としてお話があるとすれば、私はやはりアメリカにはアメリカの外交政策というものがあって、その外交政策を我々がどう判断していくか。これはアメリカにはアメリカの外交政策があり、我が国には我が国の外交政策があって、もちろん我々はアメリカに対して意見を述べたり、要望したり、あるいは政策的な対話によって、できるだけ政策を一致させられるものは一致させていくという努力をしなければなりませんから、こうしたことについては我々もできる限りのことをしていかなきゃならぬと思います。
 しかし、現在のアメリカが、これは私が思いますのにNAFTAというものをつくって、メキシコのペソの問題で一時は非常に神経質になったけれども、しかしそのペソの問題もどうやら落ちつきかけてきたというようなことを考える、あるいはカナダとの関係も見るというようなことから、アメリカはアメリカでどうも自分自身の心配は余りないなということで、もし仮に心配がないななんという視野でこの問題を考えるとすれば、それはちょっと志が小さいねと、もう少しやっぱり国際基軸通貨としてのドルを考えるならもっと大きな視野で考えてもらわなきゃならぬねと言わなきゃいけないと思うんですね。
 ただ、これを私が言うのではなくて、これはやっぱり大蔵大臣とか、G7のその人たちの集まりの席で言っていただくことが一番適当ではないかというふうに思います。
#111
○立木洋君 本来、武村大蔵大臣だとか日銀総裁などに御質問してやればいいんですけれども、言うべきことは言いますと武村さんはおっしゃるけれども、なかなかそううまくいっていないんですね。
 もう時間がないから最後に二つの点だけ。これは国内問題もありますけれども、国内問題はまた別の機会にします。今、日本に外貨準備高が九百九十七億ドルあります。これのドル保有率というのはどれだけかというと、九八・八%です。ほとんどドルで保有しているんですよ。今、アジア諸国はドルの保有高がだんだん減っているんです。マルクだとか円で保有しているんです。フラン又なんかの場合だって、保有高が今どれだけになっているかというと、一五%を金で保有しています。ところが日本だけです、金で保有しているのは丁二%、あと全部ドルの保有です。これは円高になっていけばどんどん目減りしていくんです。
 こういう国の財政のあり方を考えると、このドルの保有の問題なんかについても、外貨準備のあり方の問題をどうするかというようなことは、やっぱり副総理なんですから、閣議なんかで堂々と意見を述べて、議論をして、日本の経済がどうあるべきか、今の円高にもっと根本的な手を打つべきじゃないかということが私はあってしかるべきだと思うんです。これは何も日銀にそうせいとかどうとかいう意味じゃなくて、議論すべきだと。
 それからもう一つの問題は何かというと、投機です。一日の貿易高がどれだけあるかといったら、金額を見てみますと一日の貿易高が大体平均百億ドルです。だけれども、為替の取引はどれだけかというと大体一日一兆ドル近くです。百倍近くの金が実際に物が動くのと違って為替取引で動いているんです。これは投機です、ある意味で言えば。こんな状態を放置していて、そして本当に為替相場の安定なんかができるのか。これはできないです。だから、結局IMFの場合だって、当初のときに為替相場安定のために資本取引の自由化は制限してもよいというぐらいな協定さえあったんです。そういうことを考えるならば、こういう規制の発動はもちろん日本一国だけでできるものではありません。各国が協調し協力し合わないとそういうものはできませんけれども、少なくとも円高の中心になっている日本なんですから、その努力を日本からやっぱり始める、そして為替の安定を築き上げていく、そういう努力が私はあってしかるべきだと思うんです。
 もう一つは、国内におけるいわゆる円高、リストラ、競争力の強化から輸出過剰、そして貿易黒字の拡大になってまた円高という悪循環、これは国内の問題にもかかわりますから結構ですけれども、これももちろん直さなければならない。
 だけれども、私はさきの二点、投機の問題に対する対応とドルの保有高に対して平気で目減りをさせていく。国民の資産に対してそういう態度をとっていて果たしていいんだろうかという問題にまでなるわけですから、この問題については副総理として明確な御答弁をいただいて、私の質問を終わります。
#112
○国務大臣(河野洋平君) 議員がお話しになったような問題は、もうかなり以前から我々は議論をいたしております。
 もちろん議員ももう御承知だと思いますが、金をもっと多く持てばいいではないかというのは一つの例としておっしゃったんだと思いますが、今はそう金保有の率を変えるということはできないわけでございまして、これは言ってみればそうかなと思うけれども実際はそういうことはできないことになっているわけで、そういうわけにはいかない。
 しかし、いずれにせよ、この円高に対してどう対応するのかということは、これはきちんと議論はしなければならぬというのはもうおっしゃるとおりであります。しかし、この点は大蔵省において十分担当者は対応を考えているわけで、我々がそうした議論をいたしましたときにも大勢で来ていろいろと説明がありました。しかし、この問題についてはなお真剣に対応するようにという指示はいたしております。
 それから投機の問題は、これももう御指摘のとおり、以前からまさに投機筋と言われる投機によって利食うという、その資金がだんだん大きくなって、実際の為替の取引をはるかに上回るという状況になっていることは決して好ましいことではないと思います。しかし、さればといって、それでは投機を制限してしまうことがいいかどうかということになるとこれもまた一概に言えないものがあるということで、引き続き投機の問題については、一部では税金をかけたらどうかとか額の制限をしてはどうかとかいろんな議論はございますけれども、まだまだこれといって決め手になる議論はない。むしろ規制をすることよりはでき得る限り自由にということが本来重要であって、しかしそれが健全な取引というものを余りに阻害するということになれば考えなきゃならぬという議論も依然としてあるという状況で今議論が続いているということだけ申し上げておきます。
#113
○立木洋君 一言だけ。
 大臣、新聞紙上で村山内閣は円高に対して無策だという批判が厳しくあるということは御承知だと思うので、考えるだけじゃなくて実行しないと意味がありませんから、よろしくお願いします。
#114
○委員長(田村秀昭君) 他に御発言もなければ、両件の質疑は終局したものと認め、これより討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
#115
○立木洋君 私は、日本共産党を代表して、政府調達協定について反対の討論を行います。
 我が党は、さきのWTO協定に反対しましたが、その理由の一つは各国の主権を著しく制限するものであるということ、またこの政府調達はウルグアイ・ラウンド協定の一環として協議されてきたもので、WTO協定の附属書四に含まれ、我が国が国の施策として行う中小企業政策に大きな影響を与えることになるということであります。
 アメリカが我が国の政府調達への参入の拡大を要求し、政府はこの要求に応じて実際上アメリカ以上の政府調達率に拡大してきたのがこれまでの経過であります。自由貿易といえども無制限に認められるものではなく、一定分野、特に国の経済の自立にかかわる分野とか国民生活にとって重要な分野が脅かされるときに一定の保護措置をとる権限は認められるべきであります。まして、今日、日本経済は異常な円高のもとで労働者の雇用不安、中小企業の営業危機に直面し深刻な事態にある中で、アメリカが基軸通貨としてのドルの歯どめなき低落を放置して、無責任で横暴な経済覇権主義に対しては、一部閣僚からさえ批判が上がるほどであります。また、円高をつくり出した日本の大企業は、労働者、下請企業を犠牲にする合理化で一層の利益を求めて海外に進出を図り、産業の空洞化を進めています。このような状態の中で、国民の経済主権を擁護することは日本経済の行き詰まりを打開するためにも不可欠のものであり、このために経済の構造的ゆがみを正すことが求められているわけであります。
 以上のような理由で、不況に苦しむ中小企業に受注の減少を招くようなことになり、これに対する対策に制限を加えることになるような協定、しかも経済主権に関して重大な問題点を持つ本協定には反対するものであります。
 次に、宇宙協力での損害賠償相互放棄の日米協定について反対の討論を行います。
 我が国において、宇宙での平和目的については、宇宙事業団法の制定当時から非軍事に限るということを明確にしてまいりました。
 しかるに日本政府は、アメリカ政府が平和目的とは安全保障上の目的のため利用する権利を有すると軍事利用を当然の権利としたのに対し、正しく述べていると何ら異論も反論も表明していないのであります。その上、アメリカ政府がSDI構想を持ち出し宇宙空間の大規模な軍事利用を唱えたときでも、アメリカ側のSDIエネルギー兵器担当官がエックス線レーダーは核兵器だと明確な議会証言を行っているのに対しても、大量破壊兵器の配備を禁じた宇宙条約に反するかどうか現時点では判断できないというような態度をとって、アメリカ側の軍事利用にできるだけ道をあける姿勢を示したのであります。
 本協定の交渉でも、損害賠償について政府の代位請求が我が国法制上放棄できないため、それを考慮するよう要求して協定を作成したにもかかわらず、平和目的とは非軍事に限るという我が国法制上の縛りについて、明文上はもちろんのこと、口頭了解さえ要求しなかったのであります。
 しかも、アメリカ国防省は九五年度にもNASAに対して六千万ドル支出しており、軍事利用、または軍事利用の汎用技術の開発の可能性を完全に否定できません。
 こうした点から、宇宙での共同活動において、アメリカ側の圧力でアメリカ側の軍事利用やその汎用技術の利用を拒否する保証が協定上なされていない以上、賛成できないのであります。
 以上をもって反対の討論といたします。
#116
○委員長(田村秀昭君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。
 これより採決に入ります。
 まず、平和的目的のための宇宙の探査及び利用における協力のための損害賠償責任に係る相互放棄に関する日本国政府とアメリカ合衆国政府との間の協定の締結について承認を求めるの件の採決を行います。
 本件を承認することに賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#117
○委員長(田村秀昭君) 多数と認めます。よって、本件は多数をもって承認すべきものと決定いたしました。
 次に、政府調達に関する協定の締結について承認を求めるの件の採決を行います。
 本件を承認することに賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#118
○委員長(田村秀昭君) 多数と認めます。よって、本件は多数をもって承認すべきものと決定いたしました。
 なお、両件の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#119
○委員長(田村秀昭君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後二時十三分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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