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1995/02/09 第132回国会 参議院 参議院会議録情報 第132回国会 地方行政委員会 第1号
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1995/02/09 第132回国会 参議院

参議院会議録情報 第132回国会 地方行政委員会 第1号

#1
第132回国会 地方行政委員会 第1号
平成七年二月九日(木曜日)
   午後一時開会
    ―――――――――――――
  委員氏名
    委員長         岩本 久人君
    理 事         鎌田 要人君
    理 事         岩崎 昭弥君
    理 事         釘宮  磐君
    理 事         有働 正治君
                石渡 清元君
                鈴木 貞敏君
                関根 則之君
                服部三男雄君
                真島 一男君
                松浦  功君
                上野 雄文君
                篠崎 年子君
                山口 哲夫君
                渡辺 四郎君
                小林  正君
                続  訓弘君
                長谷川 清君
                西川  潔君
    ―――――――――――――
   委員の異動
 一月二十七日
    辞任         補欠選任
     長谷川 清君     浜四津敏子君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         岩本 久人君
    理 事
                鎌田 要人君
                岩崎 昭弥君
                釘宮  磐君
                有働 正治君
    委 員
                石渡 清元君
                鈴木 貞敏君
                関根 則之君
                服部三男雄君
                真島 一男君
                松浦  功君
                上野 雄文君
                篠崎 年子君
                山口 哲夫君
                渡辺 四郎君
                小林  正君
                続  訓弘君
                浜四津敏子君
                西川  潔君
   国務大臣
       自 治 大 臣
       国 務 大 臣
       (国家公安委員
       会委員長)    野中 広務君
   政府委員
       警察庁長官    國松 孝次君
       警察庁長官官房
       長        菅沼 清高君
       警察庁長官官房
       総務審議官    山本 博一君
       警察庁長官官房
       審議官      玉造 敏夫君
       警察庁交通局長  田中 節夫君
       自治政務次官   小林  守君
       自治大臣官房長  秋本 敏文君
       自治省財政局長  遠藤 安彦君
       消防庁長官    滝   実君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        佐藤  勝君
   説明員
       厚生省社会・援
       護局施設人材課
       長        吉武 民樹君
       厚生省老人保健
       福祉局老人福祉
       計画課長     吉冨 宣夫君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○国政調査に関する件
○小委員会設置に関する件
○地方行政の改革に関する調査
 (派遣委員の報告)
 (地方行財政、消防行政、警察行政等の基本施
 策に関する件)
 (平成七年度自治省関係予算及び警察庁関係予
 算に関する件)
○地方交付税法等の一部を改正する法律案(内閣
 提出、衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(岩本久人君) ただいまから地方行政委員会を開会いたします。
 議事に先立ち、去る一月十七日に発生いたしました兵庫県南部地震災害により亡くなられました方々に対しまして御冥福をお祈りし、謹んで黙祷をささげたいと存じます。
 どうぞ御起立を願います。黙祷を願います。
   〔総員起立、黙祷〕
#3
○委員長(岩本久人君) 黙祷を終わります。御着席願います。
    ―――――――――――――
#4
○委員長(岩本久人君) まず、委員の異動について御報告いたします。
 去る一月二十七日、長谷川清君が委員を辞任され、その補欠として浜四津敏子君が選任されました。
    ―――――――――――――
#5
○委員長(岩本久人君) 次に、国政調査に関する件についてお諮りいたします。
 本委員会は、今期国会におきましても、地方行政の改革に関する調査を行いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○委員長(岩本久人君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#7
○委員長(岩本久人君) 次に、小委員会の設置に関する件を議題といたします。
 暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律の運用及び風俗営業に関する制度及び運用等について調査検討するため、小委員七名から成る暴力団員不当行為防止法及び風俗営業等に関する小委員会を設置いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#8
○委員長(岩本久人君) 御異議ないと認めます。
 つきましては、小委員及び小委員長の選任は、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#9
○委員長(岩本久人君) 御異議ないと認めます。
 それでは、小委員に鎌田要人君、服部三男雄君、岩崎昭弥君、篠崎年子君、釘宮磐君、有働正治君及び西川潔君を指名いたします。
 また、小委員長に鎌田要人君を指名いたします。
 なお、小委員及び小委員長の辞任の許可及びその補欠選任、並びに小委員会から参考人の出席要求がありました場合の取り扱いにつきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#10
○委員長(岩本久人君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#11
○委員長(岩本久人君) 次に、地方行政の改革に関する調査を議題といたします。
 まず、先般本委員会が行いました委員派遣につきまして、派遣委員の報告を聴取いたします。釘宮磐君。
#12
○釘宮磐君 委員の派遣について御報告いたします。
 派遣委員は岩本委員長、有働理事、小林委員、続委員及び私、釘宮の五名で、去る一月十七日、十八日の二日間、島根県及び鳥取県を訪問し、県、市町村における財政状況及び地域振興対策等の実情について調査してまいりました。
 一日目は、島根県を訪れ、松江市立湖北中学校、県立松江整肢学園及びケアハウスはなうみ苑を視察した後、島根県当局より財政状況及び当面する行政上の諸課題等について、また松江市当局より町づくり及び文化財の保護等の諸課題を中心にそれぞれ概況説明を聴取いたしました。
 二日目は、鳥取県を訪れ、境港市の海とくらしの史料館、県営境港水産物地方卸売市場、境港、境港市文化ホール、赤碕町のポート赤碕・ふれあい広場建設事業、大栄町の農協スイカ選果場、国府町の因幡万葉歴史館等を視察した後、鳥取県当局より財政状況及び当面する行政上の諸課題等について概況説明を聴取いたしました。
 以下、調査の概要について申し上げます。
 まず、島根県の財政状況でありますが、平成五年度普通会計決算額は、歳入六千三十億円、歳出五千九百二十二億円となっており、実質収支は黒字で推移しております。しかし、歳入のうち県税の占める割合が一〇・二%にとどまるなど自主財源に乏しく、地方交付税、国庫支出金など国に依存する割合は全国平均を大きく上回っております。また、公債費比率も高水準で推移し、財政の硬直化の大きな要因となっております。加えて、高規格道路、ダムなどの基盤整備のための大規模プロジェクトの推進に引き続き多額の財源を要し、平成六年度予算においては大規模事業基金、減債基金等の取り崩しにより対応している状況で、県は地方交付税の過疎県、財政窮乏県への傾斜配分を強く要望しておりました。
 次に、当面する課題及びその対策の状況でありますが、同県では若者を中心に人口の県外流出が続き、現在五十九市町村中三十八町村が過疎地域の指定を受けております。これらの地域では、昭和三十年代以降急激な人口減少が始まり、昭和三十五年から平成二年までの三十年間に三八・五%も減少し、特に近年は従来からの社会減に加えて自然減も深刻化しております。また、人口の高齢化も著しく、平成五年の推計人口に基づく高齢者比率は県全体で二〇・四%となっており、全国第一位であります。このように過疎化、高齢化が加速度的に進行し、定住の条件整備が喫緊の課題となっている一方で、二十一世紀を展望した新たなプロジェクトの構築、さらには環日本海交流の推進や日本海国土軸の形成への期待の高まりなど新たな課題への対応も求められております。
 こうした状況を踏まえ、同県では、一昨年末、新しい島根県長期計画を策定し、特に重点的に取り組む施策として山陰自動車道の建設、都市基盤の整備など六十五の戦略プロジェクトを構築し、既に五十六のプロジェクトについて予算化を行っているとのことでありました。
 過疎対策では、道路や公共施設等の整備に加え、今後は下水道など都市的生活施設の整備、若者の定住促進を図るための産業の振興を重点的に進めていくこととしております。
 また、高齢化対策では、平成十一年度を目標とした老人保健福祉計画を策定し、在宅福祉サービスの充実など高齢者の保健福祉サービス、住環境、雇用問題等を含めた総合的な対策を講ずることとしております。
 次に、松江市の概況について申し上げます。
 同市では、県都にふさわしい活力ある都市づくりを目指して、町づくりや文化財の保護対策に取り組んでおり、町づくりでは松江駅周辺地域の再開発を初め、恵まれた自然環境を生かした広場や公園の整備を推進する一方、文化財の保護にも力を入れており、特にパイロット自治体の指定を受けて松江城公園の周辺整備を重点的に進めております。また、宍道湖及び中海の汚濁防止に努めるとともに、清掃、保健、消防等の広域行政への対応の必要などから周辺市町村との合併を検討しているとのことでありました。
 次に、鳥取県の財政状況でありますが、平成五年度普通会計決算額は、歳入四千百十三億円、歳出四千四十三億円となっており、実質収支は黒字で推移しておりますが、島根県同様、自主財源に乏しく、県税の割合が一一・八%にとどまるなど厳しい状況が続いております。一方、歳出では、環日本海交流の拠点づくり等を反映し、土木費など投資的経費が増大しているほか、今後はウルグアイ・ラウンド農業合意に対応した農山漁村対策の推進など多額の財政需要が見込まれており、県は地方財源の充実強化、中山間地域の市町村への重点支援を要望しておりました。
 次に、当面する課題と対策の状況でありますが、人口はほぼ横ばいで推移しているものの、平成五年の推計人口に基づく高齢者比率は一八・一%で、全国第五位であります。また、中山間地域が県土の八割を占めていることから農林業の振興が重要な課題となっておりますが、近年、担い手の減少や高齢化の進行によって森林の管理水準の低下、耕作放棄地の増加等が顕著となっているとのことであります。
 このため、同県では、平成三年に策定した第六次鳥取県総合計画に基づき、環日本海交流の拠点づくり、高速交通体系の整備促進、地域間交流の促進と観光開発、新しい産業づくり、市町村と連携した地域づくりの五つの課題を県政の重点に据えて各種の施策を展開しております。
 今回視察いたしました境港市の海とくらしの史料館、国府町の因幡万葉歴史館等は地域の歴史・文化を生かした新たな観光の拠点となっており、また大栄町において昨年開催された世界スイカサミットは、町が主体的に取り組み、地域の活性化に大きな成果を上げております。県では、市町村の自主的・主体的取り組みを積極的に支援し、地域の特色を生かした個性的なふるさとづくりを推進することとしており、地域づくり事業に対する国の支援を要望しておりました。
 このほか、全国との交流を拡大するとともに、東西間の時間距離を短縮し、山陰地方の均衡ある発展に大きく寄与するものとして、両県から日本海国土軸と高速道路網の整備促進について特に強い要望がありましたことを申し添えておきます。
 終わりに、警察行政の状況について申し上げます。
 両県の刑法犯罪比率は全国水準より低く、治安情勢は比較的良好であります。しかし、人口比で見た少年非行が全国より高水準となっております。
 また、交通死亡事故については、両県ともわずかに減少傾向にあるものの、夜間における事故の防止対策、高齢者の事故防止対策、飲酒運転に対する指導取り締まり等を強力に進め、交通安全の確保に努めております。
 暴力団については、島根県が六団体約百八十人、鳥取県が十四団体約百九十人を把握しており、暴力団被疑者の検挙やけん銃の押収等、強力な取り締まりとともに、地域住民と一体となった暴力団排除活動を展開しているとのことでありました。
 以上で島根県及び鳥取県における調査の報告を終わりますが、今回の調査に際し、島根、鳥取両県知事を初め関係自治体から終始御協力をいただきましたことに対し深く感謝の意を表します。
 両県から提出されました要望書につきましては、本委員会の会議録の末尾に掲載させていただきたいと存じますので、よろしくお取り計らいのほどをお願い申し上げます。
#13
○委員長(岩本久人君) 以上で派遣委員の報告は終了いたしました。
 なお、ただいまの報告の中で要請のございました要望事項等につきましては、本日の会議録の末尾に掲載することにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#14
○委員長(岩本久人君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。
    ―――――――――――――
#15
○委員長(岩本久人君) 次に、地方行財政、消防行政、警察行政等の基本施策について、野中自治大臣・国家公安委員会委員長から所信を聴取いたします。野中国務大臣。
#16
○国務大臣(野中広務君) 委員長、理事、委員の皆様におかれましては、平素から地方行政及び警察行政の推進に格段の御尽力をいただき、厚く御礼を申し上げます。
 この機会に所管行政の当面する諸問題につきまして所信の一端を申し上げ、皆様の深い御理解と格段の御協力を賜りたいと存じます。
 初めに、このたびの丘庫県南部地震によりお亡くなりになられた方々の御冥福をお祈り申し上げますとともに、負傷された方々や被害をこうむられた方々に対し心からお見舞いを申し上げます。
 このたびの地震では、五千人を超えるとうとい人命が奪われ、多数の建築物、道路などや水道、電気、ガスなどのライフラインが崩壊いたしました。私自身も、この地震が発生した翌日には現地に赴き、実情を視察してまいりましたが、惨状を目の当たりにし、また一瞬にして肉親や財産を失った被災者の方々の心情に思いをいたし、今後の対策に全力を挙げて取り組む決意を新たにしたのであります。
 自治省といたしましては、地震発生後速やかに消防庁に災害対策本部を設置し、職員を現地に派遣、常駐させて被害状況の把握及び現地との連絡調整に努めるとともに、各地方公共団体に消防職員を初めとする関係職員の派遣や緊急物資の搬送などの御協力をお願いいたしました。さらに、私自身を長とする自治省兵庫県南部地震災害対策本部を設置し、全省的な体制をしいて各般の対策に取り組んでおります。
 また、被災者の救援、被災地域の復旧のためには、国のみならず地方公共団体の一体となった協力、応援が不可欠であります。こうした趣旨から、先般大阪府において、近畿・中国・四国地方の知事、政令指定都市の市長にお集まりいただき、被災団体に対する万全の協力を行っていただくよう要請いたしました。
 既に、全国の地方公共団体からは、消防職員約二千六百人を初め、病院、水道、土木等の分野の職員約三千七百人が派遣され、現地での支援活動に当たっております。また、飲料水、食料、医薬品、日用品などの緊急物資も続々と現地に搬送されております。
 さらに、当面の重要な対策として、被災者の住居の確保があります。これについては、既に近隣の地方公共団体を中心として、住宅の確保などにより受け入れが着々と進められておりますが、より一層迅速かつ円滑な受け入れができるよう、受け入れ団体が直接現地に窓口を開設し、被災者からの相談、申し込みに応ずる体制が整備されたところであります。
 今後、人的な応援については、状況の変化に対応して幅広い職種の職員の応援や災害対策の長期化に伴う交代要員の確保などに適切に対応すること、物資の応援について被災地域のニーズにきめ細かくこたえること、被災者の他の地方公共団体への転入手続などについて迅速かつ弾力的に取り扱うことなどが必要であります。また、ごみやし尿の処理、瓦れきの処分などにも適切に対応していかなければなりません。自治省といたしましては、これら応援の効果が十分に発揮されるよう、必要な連絡調整に当たり、地方公共団体の応援活動を全面的にバックアップしてまいりたいと考えております。
 今回の地震により被災地域に刻まれた傷跡は深く、被災者の救援や被災地域の復興には膨大な財政負担が見込まれます。自治省といたしましては、被災団体の財政運営に支障が生じないよう、地方債の配分、特別交付税の配分など適切な財政支援措置を講じてまいります。なお、地方公共団体が被災地域への応援に要した財政負担につきましても、特別交付税その他適切な財政措置により配慮してまいりたいと考えております。
 被災地域の現状や必要とされる対策は日々変化しております。こうした状況に迅速かつ的確に対応するため、今後も引き続き現地や他の地方公共団体との連携を密にし、なし得る限りの対策を全力を挙げて講じてまいる決意であります。
 さて、二十一世紀を間近に控え、内外ともに大きな変革期を迎えつつある中で、国民が豊かさとゆとりを実感できる社会を実現していく上で、地域の総合的な行政主体である地方公共団体の役割はますます増大しております。
 地方行財政を取り巻く環境には依然として極めて厳しいものがありますが、高齢社会に対応した福祉施策、自主的・主体的な地域づくり、社会資本整備、地域環境の保全・創造などをさらに推進していく必要があります。このため、国、地方を通ずる行政改革を一層進めるとともに、今後とも地方税財源の充実確保を図り、地方分権を推進していかなければなりません。
 私は、このような基本的認識のもとに、真の地方自治を確立するため、最大限の努力を払ってまいります。
 以下、概要について御説明いたします。
 まず、地方分権の推進について申し上げます。
 地方がその実情に沿った個性あふれる行政を積極的に展開できるよう、地方の自主性・自立性を強化し、地方自治の充実を図っていくことは極めて大きな意義を有するものであります。
 そのためには、住民に身近な行政はできる限り身近な地方公共団体が担っていくことを基本として、国と地方の役割分担を本格的に見直し、権限移譲、国の関与の廃止や緩和、地方税財源の充実強化を進めていく必要があります。
 政府においては、昨年十二月二十五日に地方分権の推進に関する大綱方針を閣議決定したところであり、この大綱方針の基本的方向に沿って地方分権推進の基本理念や委員会の設置などを盛り込んだ地方分権の推進に関する法律案を今国会に提出することとしております。
 地方分権の推進は今や時代の大きな流れであり、実行の段階にあることから、その計画的かつ着実な実施に向けて、具体的な成果を上げるべく強い決意でこれに取り組んでまいります。
 一方、地方分権は地方公共団体みずからがその期待にこたえ得る役割を果たしていく決意がなくてはならないものであり、地方公共団体の責任はまことに重大であります。
 昨年十月、地方公共団体における行政改革推進のための指針を策定し、通知したところでありますが、地方公共団体がその指針を踏まえ、自主的・主体的な行政改革の推進に従来にも増して積極的に取り組んでいただきたいと考えております。
 なお、本年三月末に期限切れとなる市町村の合併の特例に関する法律につきましては、昨年十一月の地方制度調査会の答申を踏まえ、合併の効果が一層確実に発揮されるような行財政上の支援措置を講ずるべく今国会に同法の改正案を提出したいと考えております。
 このような地方分権を進める基本は、国民が豊かさとゆとりを実感できる魅力ある地域社会を実現することにあります。地方公共団体は地域の総合的な行政主体としてみずからの創意に基づく施策を積極的に展開していくことが何よりも必要であります。
 このため、地域の特色を生かした自主的・主体的な地域づくり、生活に密接に関連した社会資本整備、高齢社会に対応した福祉施策、地域環境の保全・創造、文化・スポーツを通じた地域振興、国際交流・国際協力の推進等、総合的な地域政策を積極的に推進してまいりたいと考えております。
 次に、地方財政について申し上げます。
 地方財政は、地方税や地方交付税が伸び悩んでいることに加え、所得税及び住民税の減税が実施されることから大幅な財源不足が見込まれる上、多額の借入金残高を抱えており、極めて厳しい状況にあります。一方で、公共投資基本計画等の考え方に沿った住民に身近な社会資本の整備、少子・高齢化に対応した福祉施策の充実等、現下の重要政策課題について地方公共団体はますます大きな役割を担うことが求められております。こうした中で、平成七年度の地方財政計画を次のような方針に基づき策定いたしました。
 歳入面におきましては、特に平成七年度の地方財源の不足見込み額について、所得税及び住民税の減税による影響額について補てん措置を講じるとともに、減税分を除いた通常収支の不足見込み額につきましても、地方交付税の所要額の確保、地方債の増発等により完全に補てんすることといたしております。
 歳出面におきましては、経費全般について徹底した節減合理化を図るとともに、生活関連社会資本の整備、少子・高齢化に対応した福祉施策の充実、自主的・主体的な活力ある地域づくりの推進、ウルグアイ・ラウンド農業合意に伴う国内対策としての農山漁村対策、森林・山村対策の拡充、限られた財源の重点的配分に配意いたしております。
 この結果、平成七年度の地方財政計画の規模は歳入歳出とも八十二兆五千九十三億円となり、前年度に比べて二・〇%の増となっております。
 また、地方交付税については、地方財政の円滑な運営に支障が生じないよう、前年度に比べて四・二%増の十六兆一千五百二十九億円を確保しているところであります。
 地方公営企業につきましては、上下水道、交通、病院等住民の日常生活に密接に関連したサービスの積極的な拡充を図り、社会経済情勢の変化に対応した新たな事業の展開を推進するとともに、経営基盤の一層の強化に努めてまいります。
 次に地方税制について申し上げます。
 平成七年度の地方税制改正につきましては、最近における社会経済情勢等にかんがみ、住民負担の軽減及び合理化等を図るため、固定資産税及び都市計画税について臨時的な課税標準の特例措置を設けるとともに、長期譲渡所得に係る個人住民税の税率の見直し並びに住宅及び住宅用土地に係る不動産取得税の税率等の特例措置の適用期限の延長を行うほか、非課税等特別措置の整理合理化等所要の措置を講ずることといたしております。
 また、基地交付金及び調整交付金につきましては、基地所在市町村の実情にかんがみ、増額を図ることといたしております。
 次に、公務員行政について申し上げます。
 公務員行政につきましては、従前に引き続き公務能率の向上、厳正な服務規律の確保、給与・定員管理の適正化、正常な労使関係の樹立等に努めてまいります。また、地方公務員の六十歳代前半期における雇用の推進方策について検討を進めるとともに、地方公務員共済制度に育児休業手当金を創設し、地方公務員の育児休業中の経済的援助を行ってまいりたいと考えております。
 次に、消防行政について申し上げます。
 我が国の消防は、自治体消防として発足してから約半世紀を迎えようとしており、この間、制度、施策、施設等の各般にわたり着実な歩みを進めてまいりました。
 しかしながら、冒頭申し上げましたように、このたびの兵庫県南部地震では五千人を超えるとうとい人命が失われるなど甚大な被害が生じているところであります。また、このほかにも多数の災害や事故が発生して人命や財産が失われております。さらに、都市化の進展、社会経済情勢の変化に伴い、災害の態様も複雑多様化しております。
 私は、このような状況にかんがみ、何よりも人命の尊重を基本としつつ、国民生活の安全を確保していくため、消防力をさらに充実強化するとともに、住民、事業所及び消防機関が一体となった地域ぐるみの消防防災体制を確立していかなければならないと考えております。
 このためには、消防防災通信ネットワークの強化や航空消防防災体制の整備を行うほか、救急業務の高度化や消防水利の多様化を進めるなど、施設の整備や装備の高度化を図るとともに、消防団の活性化と自主防災体制の整備に努めてまいりたいと考えております。
 特に震災対策については、最近における大規模な地震の発生にかんがみ、その充実強化に努めてきたところでありますが、今回の兵庫県南部地震災害をも踏まえ、地域防災計画の見直しの指導及び耐震性貯水槽を初めとする都市型震災対策のための施設等の整備をさらに充実強化してまいります。また、危険物施設の安全確保、住宅防火対策、災害弱者の安全確保等にも努めてまいりたいと考えております。
 次に警察行政について申し上げます。
 まず初めに、このたびの兵庫県南部地震に対する警察の対策についてであります。
 警察におきましては、地震発生後、直ちに警察庁及び関係府県警察に災害警備本部を設置の上、全国から機動隊員等約五千五百人を兵庫県警察に派遣し、約三万人の体制をもって負傷者、被災者の救出、行方不明者の捜索、緊急物資輸送のための交通対策、ヘリコプター等を活用した医師や医療物資の輸送等人命救助を最優先とした活動に全力を尽くしております。
 五千人を超すに至った死亡者の方々につきましては、速やかに検視、身元確認を実施し、遺族への迅速な引き渡しに最大限の努力をいたしてきております。一方、確認された被害状況、死亡者氏名等について二十四時間体制で広く情報提供に努めており、警察庁において海外からの照会への対応も行っております。
 現在、被災地では多くの方々が不自由な生活を余儀なくされているのでありますが、各種警察施設へのこれらの方々の避難収容、警察のヘリコプター、車両、船舶等による救援物資の輸送などの措置はもとより、パトカー、移動交番車、自バイ等を他県からも投入し、民間ボランティアの方々の御協力もいただきながら、被災地におけるパトロールや各種の情報提供、相談活動等を精力的に実施し、住民の方々の安全対策と一般治安の確保に全力を挙げております。
 なお、今回の地震により運転免許証をなくされた方々に対しては被災地に窓口を設置して再交付を行うとともに、免許証の更新ができなかった場合には更新期間を延長する措置を講じているところであります。
 引き続き、全国警察が一丸となって被災された方々のためにすべての手段を尽くしていく所存であり、同時に今後も発生し得るこの種の災害への対策の万全を期するべく努力してまいることとしております。
 次に、犯罪情勢と対策について申し上げます。
 我が国の良好な治安は銃器に対する厳格な規制に負うところが大きいのでありますが、最近、一般市民が銃器犯罪の対象となる痛ましい事件が多発するなど、銃器情勢はまことに憂慮すべき状況にあります。警察としては、けん銃取り締まり体制の拡充及び国内外の関係機関との連携強化を図り、暴力団等の武器庫を直撃する取り締まりと国内に流入拡散するけん銃の摘発に最大限の努力をいたしているところであります。今後とも、銃器犯罪の根絶、暴力団の壊滅に向け、各種施策を強化してまいる所存であります。
 一方、近年、広域にわたる凶悪犯罪や時代の潮流を反映した重要特異な犯罪が多発しているほか、来日外国人による犯罪が依然として増加傾向にあります。こういった情勢を踏まえ、改正警察法の効果的な活用による広域捜査体制の整備、国際捜査協力の強化を図るとともに、捜査員のプロフェッショナル化、科学捜査力の向上に努め、対応の万全を期してまいる所存であります。
 また、薬物事犯については、覚せい剤の乱用に加え、青少年を中心とした大麻事犯の増加、来日外国人による薬物事犯の増加等が見られることから、密輸密売ルートの壊滅や薬物乱用根絶のための諸対策を一層強力に推進することとしております。
 次に、警備情勢と対策についてであります。
 極左暴力集団については、これまで多くの秘密アジトや活動家を摘発、検挙した結果、テロ、ゲリラ事件の発生は大幅に減少しているものの、依然として武装闘争に対する厳重な警戒と徹底した取り締まりが必要であります。特に、本年は十一月に第七回アジア・太平洋経済協力閣僚会議及び非公式首脳会議が大阪府において開催されることから、これに対するテロ、ゲリラ等の凶悪事件を封圧するため、全国警察を挙げた警備諸対策を推進してまいる所存であります。
 また、右翼も不健全な資金獲得活動に伴う犯罪に加え、戦後五十年問題等内外の諸問題に敏感に反応してテロ、ゲリラ等の凶悪事件を敢行するおそれがあります。今後とも、不法行為の防圧、検挙の徹底に努めてまいることといたしております。
 次に、交通情勢と対策についてであります。
 平成六年中の交通事故による死者数は、関係各方面の懸命の努力により、対前年比で二百九十三人の減少を見たものの、残念ながら七年連続して一万人を超えるに至り、まことに憂慮にたえないところであります。また、都市部を中心として交通渋滞や違法駐車問題等多くの課題があります。
 このため、警察としては、交通安全教育の推進、交通安全施設の整備、効果的な指導取り締まり、違法駐車対策等を総合的に推進し、安全で人に優しい交通環境の実現に努めているところであり、特に交通事故死者の三割を超している高齢者の交通安全対策に特段の意を用いることといたしております。
 また、本国会において、自動二輪車に係る運転免許制度、軽自動車の保管場所確保に関する制度の整備等のため、関係法令の改正をお願いいたしたいと考えております。
 次に、市民生活の安全確保についてであります。
 国民各層が安全で平穏な生活の確保を強く求めている現在、発生した犯罪を確実に検挙することはもとより、犯罪等を未然に防止し、被害を回復するための警察活動を充実させていくことが重要であります。特に、被害に遭いやすい高齢者や障害者等の方々に配慮したきめの細かい諸施策が必要とされております。
 そのため、地域の生活安全センターである交番、駐在所の事件、事故への即応能力を高める一方、市民からの各種相談への対応等を充実させるとともに、地域住民の方々や自治体とも連携した幅広い地域安全活動を展開していく所存であります。
 また、本国会において、古物営業に関する規制の緩和を含む規制の合理化を図り、古物市場への贓品の流入防止及び被害品の速やかな発見を促進するため、古物営業法の改正をお願いすることとしております。
 さらに、我が国の将来を担う少年の健全育成はすべての国民の願いでありますが、少年非行の現状には依然として憂慮すべきものがあるため、少年非行や少年被害の実態に応じた諸対策に引き続き努力していくことといたしております。
 以上、警察行政の当面する諸問題について申し上げましたが、諸情勢の急激な変化に対応し、治安の万全を期していくためには、警察体制の一層の充実整備が必要であります。このため、平成七年度予算におきましては、銃器対策を初めとした生活安全対策、交通安全対策、広域捜査力の強化、国際化対策、重大テロ・ゲリラ対策、暴力団対策等を重点に体制整備を図りたいと考えております。
 また、警察職員一人一人の能力の向上と厳正な規律の保持に努めるほか、職員が誇りと使命感を持って職務に精励できるよう、処遇の改善や勤務環境の整備にも努めてまいる所存であります。
 以上、所管行政の当面する諸問題につきまして所信の一端を申し上げましたが、委員長、理事を初め委員の皆様の格別の御協力によりましてその実を上げることができますよう、一層の御指導と御鞭撻をお願い申し上げる次第であります。
#17
○委員長(岩本久人君) 次に、平成七年度自治省関係予算及び警察庁関係予算の概要について、それぞれ政府から説明を聴取いたします。秋本自治大臣官房長。
#18
○政府委員(秋本敏文君) 平成七年度の自治省関係歳入歳出予算につきまして概要を御説明申し上げます。
 第一に、一般会計予算でありますが、歳入は七億七千万円、歳出は十三兆三千七百七十億五千九百万円を計上いたしております。
 歳出予算額は、前年度の予算額十二兆八千二百七十億百万円と比較し、五千五百億五千八百万円の増額となっております。また、この歳出予算額の組織別の額を申し上げますと、自治本省十三兆三千五百六十一億三千百万円、消防庁二百九億二千八百万円となっております。
 以下、この歳出予算額のうち、主な事項につきまして、内容の御説明を申し上げます。
 最初に、自治本省につきまして御説明申し上げます。
 まず、地方交付税交付金財源の繰り入れに必要な経費でありますが、十三兆二千百五十二億九千五百万円を計上いたしております。これは、平成七年度の所得税、法人税及び酒税の収入見込み額のそれぞれ百分の三十二に相当する金額、消費税、消費譲与税に係るものを除きますが、の収入見込み額の百分の二十四に相当する金額並びにたばこ税の収入見込み額の百分の二十五に相当する金額の合算額十三兆六千百四十億六千万円から平成五年度の地方交付税に相当する金額を超えて繰り入れられた額五千七百九十六億六千五百万円を控除した額に平成七年度における加算額千八百十億円を加算した額を交付税及び譲与税配付金特別会計へ繰り入れるためのものであります。
 次に、国有提供施設等所在市町村助成交付金に必要な経費でありますが、二百二十三億五千万円を計上いたしております。これはいわゆる基地交付金でありまして、米軍及び自衛隊が使用する国有提供施設等の所在する都及び市町村に対し助成交付金を交付するためのものであります。
 次に、施設等所在市町村調整交付金に必要な経費でありますが、五十八億円を計上いたしております。これは、特定の防衛施設が所在することに伴い税財政上特別の影響を受ける施設等所在市町村に対し調整交付金を交付するためのものであります。
 次に、新産業都市等建設事業債調整分の利子補給に必要な経費として十五億三千万円を計上いたしております。これは、新産業都市、工業整備特別地域等の建設、整備の促進を図るため、建設事業債の特別調整分について利子補給金を交付するためのものであります。
 次に、公営地下高速鉄道事業助成に必要な経費でありますが、五十六億六千七百万円を計上いたしております。これは、昭和四十七年度から昭和五十七年度までの間において発行された公営地下高速鉄道事業債の支払い利子に相当するものとして発行を認めた企業債の利子の一部について、地方公共団体に助成金を交付するためのものであります。
 次に、公営企業金融公庫の補給金に必要な経費でありますが、五十五億七千三百万円を計上いたしております。これは、公営企業金融公庫の上水道事業、下水道事業、工業用水道事業、交通事業、市場事業、電気事業及びガス事業に対する貸付利率の引き下げに関連し、同公庫に対し補給金を交付するためのものであります。
 次に、公営交通施設改良モデル事業に必要な経費でありますが、六億円を計上いたしております。これは、地域の中核的施設である公営交通のターミナル等について、高齢者や身体障害者に配慮した改造をモデル的に行う地方公共団体に対し事業費の一部を補助するために必要な経費であります。
 次に、明るい選挙の推進に必要な経費でありますが、二十二億九千万円を計上いたしております。これは、政治改革関連法の周知徹底を図り選挙人の政治意識の向上を図る等のために必要な経費であります、
 次に、政党助成に必要な経費でありますが、三百十一億三千四百万円を計上いたしております。これは、法人である政党に対し交付する政党交付金等に必要な経費であります。
 次に、参議院議員通常選挙に必要な経費でありますが、五百五十九億七千五百万円を計上いたしております。これは、平成七年度における参議院議員通常選挙の執行に必要な経費、参議院議員通常選挙の開票速報に必要な経費、選挙人に対する参議院議員通常選挙の啓発の推進をするために必要な経費であります。
 以上が自治本省についてであります。
 次に、消防庁について御説明申し上げます。
 消防防災施設等整備に必要な経費として百七十四億八千七百万円を計上いたしております。これは、市町村の消防力の充実強化を図るとともに複雑多様化する各種災害に備えるため、消防ポンプ自動車、防災行政無線、ヘリコプター、高規格救急自動車、消防団拠点施設、防火水槽、広域消防・無線中継施設などの諸施設等を地域の実情に応じて重点的に整備するために必要な経費であります。
 第二に、特別会計予算につきまして御説明を申し上げます。
 自治省関係の特別会計といたしましては、交付税及び譲与税配付金特別会計があり、交付税及び譲与税配付金勘定と交通安全対策特別交付金勘定があります。
 まず、交付税及び譲与税配付金勘定の歳入予定額は二十六兆四千三百五十億九千二百万円、歳出予定額は二十五兆九千七百九十七億九千二百万円となっております。
 歳入は、交付税及び譲与税配付金特別会計法に基づく一般会計からの受け入れ見込み額、消費税の収入見込み額の五分の一に相当する額、地方道路税の収入見込み額、石油ガス税の収入見込み額の二分の一に相当する額、航空機燃料税の収入見込み額の十三分の二に相当する額、自動車重量税の収入見込み額の四分の一に相当する額、特別とん税の収入見込み額等を計上いたしております。
 歳出は、地方交付税交付金、地方譲与税譲与金及び借入金の償還財源等の国債整理基金特別会計への繰り入れ等に必要な経費であります。
 次に、交通安全対策特別交付金勘定の歳入予定額は九百七十九億六千五百万円、歳出予定額は九百億二千五百万円となっております。
 歳入は、交通反則者納金の収入見込み額等を計上いたしております。歳出は、交通安全対策特別交付金等に必要な経費であります。
 以上、平成七年度の自治省関係の一般会計及び特別会計予算の概要を御説明申し上げました。よろしくお願い申し上げます。
#19
○委員長(岩本久人君) 菅沼警察庁長官官房長。
#20
○政府委員(菅沼清高君) 平成七年度の警察庁予算につきまして、概要を御説明申し上げます。
 平成七年度の警察庁予算総額は二千四百六十億八千七百万円でありまして、前年度予算額二千二百六十五億二千万円に比較しまして百九十五億六千七百万円の増額となっております。
 次に、その内容の主なものにつきまして御説明申し上げます。
 第一は、警察庁一般行政に必要な経費八百五十億三千四百万円であります。この経費は、警察庁、警察大学校及び地方機関の職員並びに都道府県警察の警視正以上の警察官の俸給等の人件費のほか、警察庁、警察大学校及び地方機関の一般事務経費であります。
 第二は、電子計算機運営に必要な経費七十六億一千九百万円であります。この経費は、全国的情報管理システムその他のために設置した電子計算組織の運営に必要な電子計算機の借料とそれに付随する消耗品購入費等であります。
 第三は、警察機動力の整備に必要な経費三百三億八千三百万円であります。この経費は、災害対策の一環ともなりますヘリコプター、警察用車両の購入、警察装備品、警察通信機器の整備及びその維持管理等の経費であります。
 第四は、警察教養に必要な経費五十四億八千五百万円であります。この経費は、警察学校入校生の旅費と警察学校における教養のための講師謝金、教材の整備費等であります。
 第五は、生活安全警察に必要な経費五億一千二百万円であります。この経費は、青少年の非行化防止、風俗取り締まり、麻薬、覚せい剤、密貿易、けん銃等銃砲危険物、公害等に関する犯罪の捜査、取り締まりの指導、連絡等に必要な旅費、物件費等であります。
 第六は、刑事警察に必要な経費二十五億四千五百万円であります。この経費は、暴力団犯罪及び一般犯罪の捜査、取り締まりの指導、連絡等に必要な旅費、物件費、暴力団対策法施行に伴う経費並びに犯罪鑑識に必要な法医理化学機材等の整備費、消耗品費、死体の検案解剖の経費のほか、犯罪統計の事務等に必要な経費であります。
 第七は、交通警察に必要な経費六億二千四百万円であります。この経費は、交通安全に関する広報及び運転者対策等に必要な物件費並びに交通取り締まり指導旅費等であります。
 第八は、警備警察に必要な経費十三億六千八百万円であります。この経費は、警備警察運営及び警衛に関する会議、指導、連絡等の旅費、機材類の整備等に必要な経費であります。
 第九は、警察活動に必要な経費二百二十億七千四百万円であります。この経費は、犯罪の捜査、取り締まり等警察活動に必要な旅費及び捜査費であります。
 第十は、警察電話専用回線の維持に必要な経費三十八億五千五百万円であります。この経費は、警察電話専用回線を維持するためのいわゆる警察電話専用料であります。
 第十一は、犯罪被害給付に必要な経費五億六千二百万円であります。この経費は、殺人、傷害等の犯罪により死亡しまたは重障害を受けた場合、その遺族または被害者に対し国が一定の給付をするために必要な給付金及び事務費であります。
 第十二は、参議院議員通常選挙及び統一地方選挙の取り締まりに必要な経費三億四千九百万円であります。この経費は、参議院議員通常選挙及び統一地方選挙の取り締まりの指導、連絡等に必要な旅費、物件費であります。
 第十二は、千葉県警察新東京国際空港警備隊に必要な経費百一億一千八百万円であります。この経費は、千葉県警察新東京国際空港警備隊の維持、運営に必要な旅費、物件費及び空港警備隊員の人件費等の補助金であります。
 第十四は、船舶の建造に必要な経費一億四千七百万円であります。この経費は、警察用船舶の建造に必要な経費であります。
 第十五は、科学警察研究所に必要な経費十四億三千五百万円であります。この経費は、警察庁の附属機関として設置されています科学警察研究所職員の俸給等の人件費と研究、調査、鑑定等に必要な機械器具類の購入費、維持費、その他一般事務経費であります。
 第十六は、皇宮警察本部の一般行政に必要な経費七十六億千九百万円であります。この経費は、皇宮警察本部職員の俸給等の人件費のほか、その他一般事務経費であります。
 第十七は、皇宮警察本部の護衛、警備に必要な経費四億九千二百万円であります。この経費は、皇居の警備及び行幸啓の護衛に必要な経費ております。
 第十八は、警察庁の施設整備に必要な経費九十八億四千八百万円であります。この経費は、国庫の支弁対象となっております都道府県警察学校等の施設の整備に必要な経費であります。
 第十九は、都道府県警察費補助に必要な経費二百九十億四千百万円であります。この経費は、警察法第三十七条第三項の規定により、都道府県警察の一般の犯罪捜査、交通指導取り締まり、地域警察活動、防犯活動等の一般行政費の補助に必要な経費であります。
 第二十は、都道府県警察の施設整備費補助に必要な経費二百五十九億七千七百万円であります。この経費は、警察法第三十七条第三項の規定により、都道府県警察の警察署、待機宿舎等及び交通安全施設の整備費の補助に必要な経費であります。
 以上、平成七年度の警察庁予算の内容につきまして、その概要を御説明申し上げました。よろしく御審議のほどお願い申し上げます。
#21
○委員長(岩本久人君) 以上で所信及び説明の聴取は終わりました。
 大臣の所信に対する質疑はこれを後日に譲ることといたします。
    ―――――――――――――
#22
○委員長(岩本久人君) 次に、地方交付税法等の一部を改正する法律案を議題といたします。
 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。野中自治大臣。
#23
○国務大臣(野中広務君) ただいま議題となりました地方交付税法等の一部を改正する法律案の提案理由とその要旨について御説明申し上げます。
 今回の補正予算により平成六年度分の地方交付税が七千百九十億四千万円減少することとなりますが、地方財政の状況にかんがみ、当初予算に計上された地方交付税の総額を確保する必要があります。このため、交付税特別会計借入金を七千百九十億四千万円増額し、この額については平成九年度から平成三十八年度までの各年度において償還することといたしたいのであります。
 以上が地方交付税法等の一部を改正する法律案の提案理由及びその要旨であります。
 何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
#24
○委員長(岩本久人君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#25
○釘宮磐君 初めに、今回の阪神大震災において犠牲となられました皆さんに対し心から御冥福をお祈りいたしますとともに、被災をされ、今なお御不自由な生活を余儀なくされております皆さん
    に心からお見舞いを申し上げる次第です。
 また、想像を絶する大災害の中、みずからも被害に遭ったばかりか家族にも犠牲者を出しながら、地震発生以来不眠不休で今日まで頑張っておられる神戸市を初めとする自治体職員、消防職員、さらに警察職員の皆さんに心から感謝と御慰労を申し上げたいと思います。
 今回の大震災を教訓として、その欠陥、問題点を洗い出して今後のあらゆる災害への対応措置を国民に明らかにして、その実現を図ることが今最も重要なことであります。そして、このことこそが五千名を超す死者の無念の思いにこたえる道であると考えます。
 そこで、長期的な調査分析を必要とすることは後に譲るといたしまして、きょう現在時点での反省点、教訓等について直接の所管である自治、消防、警察当局に対し数点にわたり御質問をさせていただきたいと思います。
 今回の阪神大震災は活断層による直下型地震ということで、これまで経験をしたことのない災害であった、そのため自治体等での現場の混乱により早期の対応がとりにくい状況であったことは確かであります。しかしながら、それにしても政府の消火、救助のための対応のおくれについては弁解の余地はないと思います。
 新聞報道によれば、十七日午前五時四十六分に発生した地震の死亡者が消防庁から官邸に初めて報告されたのが九時五十分、被災地の市町村から兵庫県、そして消防庁へと伝えられるのに四時間余りかかったとのことであります。また、防災無線の電源も故障、災害時に強いと言われていた衛星通信ネットワークも非常用発電のための冷却水パイプが破損して作動できず、震災直後約六時間の間、防災通信システムは完全に沈黙していたと言われています。
 今回、官邸の判断、対応が後手に回ったとの批判がありますが、そもそも判断材料となる情報がなかったというのが事実ではないかと思うのであります。
 初期の対応がおくれたことの原因、事実関係はどうであったのか、どこに問題があったのか、消防庁が現在把握しているところでまず報告をお願いしたいと思います。
#26
○政府委員(滝実君) 事実関係を中心にしてお話を申し上げたいと存じます。特に神戸市の対応からまず申し上げたいと存じます。
 まず、神戸市の消防局の対応でございますけれども、基本的には地震発生と同時に各消防署が対応をいたしました。神戸市の消防職員は総勢千三百人でございますけれども、三交代制でございますから当時稼働しておった消防職員は三百五十人程度というふうに私どもは承知をいたしております。ただし、震度五以上の地震発生と同時に消防職員は自動的に非番職員が緊急招集されるというシステムでございますから、何らの連絡なしに当然非番職員が震度五以上の通報と同時に招集を受ける、こういう状況でございますから、一番最初はもちろん当直の職員で消防の対応をいたしましたけれども、順次非常招集の職員が集まってきた、こういうことでございます。
 それから、その他の神戸市の職員は六時に非常招集をかけました。要するに、消防職員以外は改めて非常招集をかけた、こういうことでございます。そういうようなことでございますから、少なくとも神戸市の、あるいは芦屋も西宮もそうなんでございますけれども、初動においてもたつきがあったとか、そういうことは断じてないだろうというふうに思います。
 神戸市には十一の消防署があるのでございますけれども、十一の消防署、その他の出張所、これは地震発生と同時にパニック状態。どういうふうにパニック状態がと申しますと、これは要するに人が家の中につぶされたから助けてくれ、こういうことでまず消防署に駆けつけてきた、こういうことでパニック状態が当初に見られた事情でございます。
 その後、間もなく火災通報等もございまして、以後消防署は当初の救急救助の要請から次第に一一九番、あるいはこれも消防署に駆けづけたことによる要するに消火要請に移っていくと、こういうような時の経過を経ているのが当初の対応でございます。
 それから、私どもの自治省消防庁あるいは周辺の応援体制の問題でございます。
 自治省消防庁は、六時五分に気象台よりのファクスによりまして地震の発生が自動的に消防庁に流れてまいりました。当時、自治省消防庁の当直職員は三人おりまして、この三人がその気象台からの通報に対応したというのが実態でございます。それから、八時に震災対策指導室に災害対策連絡室を置きまして、以後関係県との連絡に当たり、九時には消防庁に災害対策本部を設置する、こういうような状況を踏まえてきたわけでございますけれども、八時に震災対策指導室に本部を置いて以来、関係県との連絡に当たりました。
 それは何かと申しますと、要するに応援体制の準備あるいは情報の確認、こういうことを東京消防庁あるいは大阪市、京都市、そういうようなところとの交信を始めたわけでございます。要するに、当初の情報ではやはり何といっても救助が一番大事だと、こういうこともございましたものですから、とにかく救助であればヘリコプターでもって隊員を現地に輸送する必要があると、こういうことでございましたのでヘリコプターの出動が可能かどうか、あるいは可能な場合には早く準備が整うのはどこの消防隊か、こういうようなことで八時以降そういうような交信作業をいたしました。
 その結果、この現地到着の時間から申しますと、まず一番最初に現地へ到着しましたのが京都市の救助隊でございまして、ヘリコプターの現地到着が午前十一時五十二分に現地に到着をいたしました。これが一番早い到着隊でございます。それから消火隊、これは大阪市の消防本部からの消火隊が現地へ十二時四十分、これは神戸市の一番西の外れの方でございますけれども、この長田地区に入りましたのが十二時四十分でございます。
 私どもは、そういうようなことで周辺県あるいは東京消防庁とも連絡をとりながら対応をとりました。
 一方で、そのほかに市同士が対応いたしております。これはやはり政令市の……
#27
○釘宮磐君  長官、時間がありませんので。
#28
○政府委員(滝実君) それではこの程度にとどめます。
#29
○釘宮磐君 今、長官の現在把握しているところでの報告をお伺いしたんですけれども、私は、今回のこの大震災で一番大事なことは、今回の教訓を生かして今後どうするかということが一番大事なことであろうかと思うんですね。
 そういう観点に立って、次の質問は簡潔に答えていただきたいと思うのでありますが、やはり今回災害を大きくした原因に火災があったと思うんです。長田区あたりではほとんどの家が倒壊し、そしてその下敷きになった人たちが火災によってまさに生きたまま焼かれたというような状況も報道等でされておりますけれども、こういう状況の中で、今回水道管が破裂したり消火栓が使用不可能になったということが言われております。例えば防火水槽あたりがもう少し十分に整備されていればというようなことも言われております。
 消防庁として、初期消火が今回ままならなかったという状況だと思うのでありますけれども、これに対しての対策といいますか、特に関東あたりにはどういう教訓が生かされるのか、その辺をちょっと聞かせていただきたいと思います。
#30
○政府委員(滝実君) 神戸市の場合で申しますと、地震とともに一時間以内に出火した箇所は百四十二カ所というふうに伝えられているわけでございますけれども、これに対応する消防隊は五十一隊でございます。したがって、同時多発型ということが震災の場合にはどうしても避けられないという問題が基本的にございます。その上に立っての消防水利をどう考えるかということだろうと思います。
 ちなみに東京都の場合で申しますと、東京都は全国的には防火水槽がかなりよく整備された地域の一つではないだろうかと。過去の関東大震災あるいは戦災における実情にかんがみて、かなり防火水槽は整備されてまいりまして、現在東京都の防火水槽は二万一千二百十五基、こういうふうに私どもは聞いているわけでございますし、また消防職員も一万七千九百十人ということでございますから、それなりの消防力を持っている地域だというふうに思います。
 しかし、やはりどうしても同時多発型の火災ということを想定する場合には、東京都といえども自力でもって全部の火災を抑え込むというのはなかなか難しい面があるだろうと思います。そういう意味では、東京都はもちろん防災体制の見直しを急速おやりになっておるようでございますけれども、それに加えてやはり広域応援ということはどうしても必要でございます。
 そういう意味で、防火水槽の整備とかそういうような手近に消火をするというような観点からの見直しが一つと、それから広域応援体制というものをどう仕組んでいくか、これは現在の東京都の地域防災計画でもかなり応援協定、あるいは応援ということは意識して記述されているわけでございますけれども、これを今回の反省にかんがみて実践的にどうマニュアル化していくか、こういうようなことが当面の課題ではないかと思います。
#31
○釘宮磐君 今回の震災の際には、行政側の対応のまずさというものが指摘された面もあったんではないかと思うんです。
 これは一つの例でありますけれども、例えば兵庫県と政令指定都市の関係にある神戸市が、ホームヘルパーの派遣を兵庫県の方から申し入れたら、これは縄張り意識だと思うんですけれども、これを一時的に断ったとか、例えば外国から支援申し出のあった捜索犬の派遣について、これが狂犬病の予防接種がなされているかどうか、それによって判断がおくれたとか、こうした通常のお役所仕事、こういったものが事態のおくれを招いたと言っても弁解の余地がないんではないかと思うんです。
 そこでお尋ねをしたいんですが、非常時における行政職員の判断と責任、この点についてはどういうふうに考えればよいのか、お伺いしたいと思います。
#32
○国務大臣(野中広務君) 大規模の災害の発生時には、委員御指摘のように、迅速な災害応急活動を行う必要が緊要でございます。このために、地方公共団体みずからはもちろんのこと、相互間、そして国、地方の相互の連携が一番重要であると、考えておるわけでございます。
 今御指摘のございました兵庫県に神戸市がホームヘルパーを断ったというのは、兵庫県庁及び神戸市に確認をいたしましたけれども、そういう事実はございませんということでございます。
 また、スイスからの救助犬の受け入れについて御指摘がございましたけれども、これは昨日も参議院におきまして外務大臣からお答えをしたところでございますけれども、今回の災害に当たりまして各国から非常に温かい救援の申し出をいただいたわけでございます。それはしかし、被災地の実際のニーズを踏まえましてどう対応するかというのが非常に重要な課題でございまして、現地でのスムーズな援助活動を行うためにも輸送面を含めまして一定の受け入れ態勢を確保する必要があったわけでございます。このため、外国よりの支援の申し出が多うございましたけれども、その都度現地のニーズ、対応の態勢を照会した上、緊急に必要とされるものから受け入れを決定したわけでございます。
 御指摘のスイス犬につきましては、検疫等の手続を一切排して、そして受け入れたのでございまして、その点では敏速な対応を行ったと承知をしておるわけでございます。
 がしかし、初動期におきます多くの問題があの災害を起こしたことも否めない事実でございますので、今回のこの南部地震の教訓を行政の上に十分生かすように、それぞれ運用体制というものを国、地方公共団体、それぞれ十分見直して、地域防災計画をも含めて見直しを指示したところでございます。
#33
○釘宮磐君 今、大臣の答弁を聞きながら、一つ一つの事例についてどうこうという、これはあくまで例をとって言ったわけでありますが、要するにこういうパニック状態になったときに、その場でとっさに判断をするのに一々上司の許可を、決裁を得るとかいうようなことはこれは不可能でありますから、そういう場合にどうするのかということについてぜひ考えておいていただきたい。特に今回は、霞が関は残ったわけでありますから、これはそういう意味では後々霞が関からいろんな指令は出たわけですけれども、東京の場合は霞が関がつぶれる可能性があるわけですから、そういう場合にとっさにだれが判断をするのかということを、それは私はマニュアル化しておかなければいけないというふうに思うわけであります。
 もう時間がありませんので、私はぎょう通告をしてありました部分で、特に、きょう國松長官がお見えでありますので、警察庁、今回の震災の中で得た教訓といいますか、反省点といいますか、その辺について簡潔にまとめてお話しいただきたいと思います。
#34
○政府委員(國松孝次君) 今回の大震災に対する対応につきましては、現在、兵庫県警察を初め全国の警察を挙げて精いっぱいやっておるところでございます。
 次に起こる大震災に備える警察の対応いかにという観点からいたしますと、大きくてかつ痛切な教訓事項がたくさんあるのも御指摘のとおりでございます。
 私ども実務担当者として大臣の御指導のもとに既に検討に入っておるところでございますが、その検討事項は大きく分けまして三点ございます。
 一つは、初期における情報の収集と伝達体制についてでございます。これは今回の地震ではもう少し早期に被災の全体像が把握できなかったかという反省事項がございます。この点につきましては、ヘリコプターからテレビ画像を直接送るというシステムの整備、あるいは一つの通信が不通になりました場合にバックアップをするための警察情報通信網の複線化、あるいは衛星通信設備の拡充といったようなことを現在検討しておるところでございまして、陸空一体となって情報の収集に当たり、それを官邸を初め必要な部署に伝達するシステムをつくってまいりたいと考えておるところでございます。
 次に、緊急援助体制についてが二番目の反省点でございます。これにつきましては、兵庫県警察を初め、もう精いっぱいやっておりまして、私どもとしては可能な限りのことをやっているということでございますけれども、やはりより迅速に、より大量の部隊を送り込む広域対応ができなかったかという点は反省事項でございます。そのためにもいわゆる一定の機能を持ちましたレスキュー部隊を充実するということ、それをかつ広域に運用するための広域緊急援助隊の編成ということを考えておりますほか、大型ヘリコプター等の輸送手段を確保いたしまして部隊を迅速に輸送する手段というものの整備も詰めなければならないと考えておるところでございます。
 それからさらに、現在の実は一番頭の痛い問題でございますが、緊急交通路の確保という問題がございます。事件の当初はどうしても我々の警察活動は人命救助という方向に行ってしまいますので、多くのマンパワーをそちらにとられてしまいます。しかし、これは後から考えますと、やはり当初からもう少し交通規制ということをやらなければならなかったのではないかということで、そのための人員の確保、交通に関します広域の支援体制というものを現在検討中でございます。
 また、現在の法制におきましては、緊急の交通路を確保いたしましても現場の警察官には、その緊急交通路に警察官の制止を聞かずに入ってくる者は、これは違法行為でございますから後で罰金を取るというような法制はできているのでございますが、これを現場の警察官が緊急に排除する、あるいはそれを即時強制的にとめるというような権限は実は与えられておりません。これは、大規模な災害に限りましてはそうした即時強制権的なものも警察官に付与すべく立法も考えなければならぬではないかということも今検討しておるところでございます。
 以上、いろいろと反省すべき点は多岐にわたりますけれども、次にどこで大きな地震が起こるか、地震国日本でございますのでわかりません。それにつきましては、今回の大きな教訓を踏まえまして、少しでもよい対応ができるように現在既に検討を始めているところでございます。
#35
○釘宮磐君 どうもありがとうございました。
 震災については、私は冒頭にも申し上げましたが、今回の震災の教訓を生かして、本当にこれからいっ起こってもおかしくない日本でありますので、ぜひ中長期的にも検討をしていっていただきたい、このように思います。
 それで、もう時間がありませんので、交付税関係についてお伺いをしたいと思います。
 平成六年度当初における地方債借入残高は百兆円を突破して百二兆八千億になると見込まれていました。今回の補正予算を見ると、七千百九十億四千万円の借入金のほかにも地方債の増発要因が幾つかあります。
 まず、減収補てん債の発行であります。地方税収は大幅な減収が生じる見込みであり、これらについては減収補てん債による補てんが必要となるわけでありますが、まずこの減収補てん債の発行額はどの程度見込まれるのか。
 そして次に二つ目として、ウルグアイ・ラウンド農業合意関連対策費や新ゴールドプラン関連の社会福祉施設整備費関連での地方債の発行があると思います。これらの事案についてはいわゆる地方負担がありますので地方債によって対処すると考えられますが、これらの地方債発行額は大体どのぐらいになるのか。
 さらに、これらの諸要因を積み上げると平成六年度末の地方債借入金残高は当初見込みの百二兆八千億円よりもかなり膨らむはずでありますが、これが幾らになるのか。
 以上三点、簡潔に。
#36
○政府委員(遠藤安彦君) お答えを申し上げます。
 第一点の減収補てん債の発行規模でありますが、実はまだ最終的に確定しているわけではございません。各地方団体において税収の見込みを出しておりまして、やはり法人事業税を中心に当初見込みを下回っておるわけでございまして、現在、私どもが把握している数字で申し上げますと、地方団体の規模額約七千九百億程度というような報告を聞いているところでございます。
   〔委員長退席、理事岩崎昭弥君着席〕
 それから、御指摘の第二点は、ウルグアイ・ラウンド農業合意関連対策の国費に関連する地方負担、その中で地方債がどのくらいの規模かと、こういうことでございますが、約四千億というように見込んでおります。
 それから、社会福祉施設整備費に係ります国費に対応する地方負担額、これに充当する地方債でございますが、これにつきましては五十億円程度ということで見込んでございます。社会福祉整備費につきましては、地方負担は全体で三百億程度と見込まれますが、民間の社会福祉法人等に対する地方負担につきましては、地方債ではないということで、交付税の追加財政需要を取り崩していただくという物の考え方でございますので、地方債は五十億程度、これは直接公立の施設の整備分ということでございます。
   〔理事岩崎昭弥君退席、委員長着席〕
 以上のような地方債の状況でございまして、兵庫県南部地震に係る分をまだ入れておりませんが、これまでのところ、地方債の六年度末の残高につきましては約七十八兆六千億程度ということでございまして、交付税特別会計の借入金等も入れました全体の地方団体の借金は百四兆三千億円程度になるものと見込まれるところでございます。
#37
○釘宮磐君 そこで、大臣にお尋ねしたいわけでありますが、地方債借入残高は、昭和五十五年から平成三年度までの十一年間かけて四十兆から七十兆まで三十兆円を増加したわけでありますが、最近では平成三年度から六年度までのわずか三年間で七十兆から、今言われますと百四兆ということで、三十四兆円の残高増となっておるわけであります。このことは地方財政の借金体質が加速度的に進んでいるあかしでありますが、地方財政のこうした状況をどのようにとらえておられるのか、またどのように対処なさるお考えか、お伺いをいたしたいと思います。
#38
○国務大臣(野中広務君) 今、財政局長もお答え申し上げましたように、平成六年度末におきまして補正予算で地方債の増発及び交付税の特別会計借入金によりまして百四兆円を超す借入残高を抱える見込みとなるわけでございます。一方、公共投資基本計画等の考え方に沿いまして、住民に身近な社会資本の整備、少子・高齢化に伴います福祉施策の充実、あるいは自主的・主体的な活力ある地域づくり等、現下の重要な課題を推進していく上で地方団体の担うべき役割はまことに大であります。しかし、財政需要もまた年々増大をすることでございますので、御指摘のように地方財政はまことに厳しい状況に置かれておると認識をしておるわけでございます。
 今後私ども、それぞれ与野党、関係の皆さん方の御理解を得ながら先般税制改正をお願いしたわけでございますけれども、なおより充実した地方の自主的財源を、税財源を確保するために一層の努力をいたしたいと思う次第でございます。
#39
○釘宮磐君 これは昨年の税制改革論議の際にも申し上げましたけれども、やはり後世にツケを残さないという基本的なスタンスというのは我々はとっていかなければならない、このように思うわけでありまして、こういった問題、今後真摯な議論をしていかなければいけないというふうに思うわけであります。
 時間がもうありませんので、最後に一つ。これは震災も含めてこれから本格的な議論に入る予算の問題について、これはもう答弁は求めませんが、私の考えを申し述べさせていただきたいと思うんです。
 現在、伝えられているところでは、今回の復興予算の確保については平成七年度の補正予算で行うつもりであるというようなことが言われております。その中にどういう財源を求めるのかということが今後の議論になってまいるわけでありますけれども、建設国債の増発や赤字国債の発行もあれば、消費税の前倒しや現在行われている所得税減税の停止などが取りざたされております。
 しかし、今国会で審議される平成七年度予算は兵庫県南部地震の起こる前の昨年末に編成されたものであります。震災復興やこの震災によって欠けていることが明らかになった防災対策の予算は平成七年度予算の組み替えによって捻出すべきではないか、九兆円に及ぶ公共事業予算を洗い直して対処すべきではないか、このように思います。復旧復興に要する事業費の最終的積み上げが今年度内には難しいということであれば七年度予算の成立後に形は補正予算であっても実質的な予算の組み替えを行って、増税や安易な国債で賄うべきではないと思うわけであります。政府はこれだけの大災害にもなおメンツにこだわるべきではないと思います。
 そういう意味で、内閣全体でもっと弾力的に考えていっていただきたい、このことを私の考えとして申し上げさせていただきます。
 終わります。
#40
○有働正治君 まず、今回の大震災に際しての犠牲者の方々に心からの哀悼の意を表したいと思います。また、御遺族、被災者の方々にお見舞い申し上げたいと思うのであります。
 私は、交付税そのものの質問を最後に回しまして、限られた時間でありますので、順序をかえてお尋ねしたいと思います。
 一つは、今回の大震災に対する対応の問題でありますけれども、大震災で被災の自治体はもとより、応援部隊を派遣しているほかの自治体等々、財政負担を含めて多大の犠牲、負担が生ずることになるわけであります。とりわけ被災地では小中学校など避難所となっておりまして、教室まで避難住民でいっぱいで、子供たちの授業を再開するためグラウンドに仮設教室をつくりたいといいましても、つぶれた教室の仮設教室なら国の補助が出るが避難所のかわりの仮設教室は補助が出ない、この点も何とかしてほしい等々の要望があるわけであります。
 そこで、大臣にお尋ねするわけでありますが、今回の大震災への対応というのは従来型のやり方では到底対応できない巨額の復興費用がかかるものであります。今年度の特別地方交付税を思い切って増額することはもとより、地方交付税全体の増額を初め被災自治体の復興への財政措置に万全を期すべきであるわけであります。とりわけ、巨額の復興事業を被災自治体の借金に負わせないように努力するということは極めて政府として求められているのではないか、その点でこれまでの枠にこだわらない抜本的な対応で臨んでいただきたいということで、基本姿勢を大臣にお聞きしたい。
#41
○国務大臣(野中広務君) 今回の地震災害に伴います諸般の問題につきましては、委員ただいま御指摘のように、多くの問題があるわけでございます。がしかし、災害対策本部長であります村山総理からは、地方公共団体の財政運営に支障が起きることによって被災者の救援救護あるいは復旧復興という手段がいささかも損じないように、支障のないように十分な手配をしてもらいたいということを自治大臣であります私には言明をされております。
 したがいまして、私も関係府県及び市はもちろんのこと、それぞれ近隣を含めて被災救援に駆けつけていただいた関係府県、市の皆さん方にも財政運営に支障の生じないようには十分な配慮をいたしますのでこの緊急時における対応をぜひお願いいたしたいということをそれぞれ具体的にお願いを申し上げた次第でございます。
 今後もいろいろ困難な問題はございますけれども、今までの法の枠の中で対応できるものは十分し、どうしても対応できないものは特別立法を行い、それも当面行うもの、あるいは長期的に行うものの二つに分けまして、そして今その方途をそれぞれ所管庁で検討を進めておるところでございます。
 自治省といたしましても、今御指摘の特別交付税等につきましても、幸いと申しては失礼でございますけれども、昨年は、いわゆる三陸はるか沖地震がありましたけれども、そのほか大きな災害がなかったために、今後特別交付税の重点配分等はできるだけ可能な限りやってまいり、また今御指摘の特別交付税の増額についても関係当局と協議を進めておるところでございます。
#42
○有働正治君 その交付税だけにとどまらない従来の枠、制度を超えた、借金財政、全般的に地方自治体の財政状況は非常に深刻さが増しているわけでありまして、その上の今回の大震災ということで、制度、枠を超えた抜本的な対応を含めて対応されることを望んでおきたいと思います。
 次に、全国の地方自治体でも、今回の教訓にかんがみまして、大問題となっています地域防災計画の内容について一、二お尋ねいたします。
 消防庁として、また自治省として一般の防災計画とは区別して震災対策編の作成をそれなりに指導してきたわけであります。
 震災対策計画を立てている地方自治体は幾つあるのか。
#43
○政府委員(滝実君) 都道府県におきましては三十五、市町村は四百三十九、これが一般の災害対策とは別に震災対策ということで個別にづくっている団体の数でございます。
#44
○有働正治君 その中で被害想定を作成している県、県レベルで幾つてありますか。
#45
○政府委員(滝実君) 被害想定もレベルがいろいろあろうかと思うのでございますけれども、とにかく想定をしているという県は二十四県でございます。
#46
○有働正治君 防災計画そのものがないのが十四市町村あると私は承知しています。そして、今、答弁ありましたように、震災対策計画がない県が三十五県を引きますと十二県に上りまして、震災編を作成していない市町村が全体の四割ほどになるということであるわけであります。被害想定をしているのが二十四にとどまっているという状況であります。
 この点では、やはり総務庁行政監察局からもたびたび自治省消防庁にも指導勧告が出たわけで、政府自身の対応にも私は問題があったと感ずるわけでありますが、今この防災計画全体の見直しそのものとの兼ね合いで地方自治体の方もこの見直しが課題に上ってきているわけであります。
 自治省としまして、地方自治体が地域防災計画の見直しについてどういう対応を今し始めているのか、どのように掌握されておられるか。
#47
○政府委員(滝実君) この問題につきましては、過般の一月十九日の全国消防防災主管課長会議で、たまたま会議の席上で緊急点検の見直しを指示いたしまして、その結果を私どもとしてももう一遍文書で二月の六日に消防庁の次長名で点検の指示をいたしたところでございます。
 これについては、緊急に点検すべき事項というものを項目として列記をいたしまして、とにかく緊急に見直すべき事項についての概略的な連絡をさせていただきました。この結果につきましては、なおこれからの問題でございますから、緊急にこれに対応してどういうことになっているかは私どもとしてこれからの問題としてフォローさせていただきたいと思います。
#48
○有働正治君 地方との連絡その他の中でかなり見直しの方向で対応しているのか、そこらあたり状況をどう把握されておられるか、その状況をちょっと簡潔に。
#49
○政府委員(滝実君) 私どもが事実問題として掌握いたしておりますのは、早速この結果を受けて消防関係の専門家が現地へ入り、現地のいわば救援救助の一環として現地に入った中で、別途実際のありさまを情報として収集して帰ってきておりますので、かなり各地方団体ともこの問題については積極的な見直しという方向で動いているものと承知をいたしております。
#50
○有働正治君 私も幾つかの自治体の意向を聞きますと、これはもう本当に衝撃を受けています。そして、今回の教訓にかんがみて対応しなくてはいけないと。それに際しては政府の方針を明確にやっぱり今回の教訓にかんがみて対応できるようにしていただき、それに基づいて私どもも積極的に対応するという立場で臨んでいるわけであります。
 例えば千葉県にお聞きしますと、最大震度七をここは一応想定していますけれども、震度七を想定しているのはごく限られていますけれども、これは県土の一割以下の一定部分にすぎないので、そのことを含めて見直さざるを得ないでしょうと。埼玉の場合も、震度六から七への引き上げを含めまして生活必需品の確保等々を全面的に見直したいと。あそこは活断層が走っている地域として非常に衝撃を受けている地域でもあるわけであります。大臣の出身の京都は、お聞きしますと、被害の大きさ、活断層、液状化対策など、現行計画で抜けている部分はもとより、全面的に見直していきたいと。そのほかライフラインの確保、それから弱者に対する対策の問題、予防対策がもっと前面に出なくてはいけない問題等々、各自治体に応じながらそれぞれ必死の取り組みをやっておられるという姿に接することができるわけであります。
 もちろん、政府としても根幹になります防災基本計画の見直しについて対応されておられるわけでありますが、今回の地震からの教訓にかんがみまして、地震に対する特定の対策を強める問題、液状化に対する問題、ライフラインの問題、弱者対策等々含めまして、二十四年ぶりの見直しということで相当抜本的な見直しが私は求められていると思うわけであります。
 そこで、自治大臣にお尋ねするわけでありますすが、この政府の防災基本計画の見直し、それに呼応しながら地方自治体のいわば指導指針、マニュアルともなるわけであります自治省消防庁の防災業務計画、これも根本的に十分耐え得るものに見直す必要があるということだろうと思うのでありますが、そこら辺についての基本的な考えを、大臣、お聞かせいただきたいと思います。
#51
○国務大臣(野中広務君) ただいま委員から御指摘のように、防災基本計画は国の防災に関する基本的な計画として昭和三十八年に策定されたわけで、若干の改正をされましたものの今日に至っておるわけでございます。このたびの震災等を踏まえまして、去る一月二十六日に中央防災会議が決定をされたところであります。具体的なスケジュール等については、本日専門委員会が開催をされ、決定されるところでございます。
 したがいまして、中央防災会議において防災基本計画の見直しが行われます場合に、消防庁としてもそれを待つだけでなく、先ほど長官から言いましたように、このたびの地震災害を踏まえまして地域防災計画に関しまして特に被害の想定、職員の動員・配置、情報収集・伝達体制、応援体制等々の九項目の緊急に点検を行う項目を示しまして、これを去る二月六日にとりあえず地方公共団体において早急な地域防災計画の見直しの留意すべき諸点として通達をし、それぞれ早期にこれが行えるようにお願いをしたところでございます。
#52
○有働正治君 大臣、一点。
 自治省消防庁の防災業務計画そのものについての対応の問題についてのお答えもあわせてお願いします。
#53
○国務大臣(野中広務君) 自治省消防庁といたしましてもこのたびの震災を受けまして、消防庁といたしましては六時五分に気象庁から通知を受けまして、直ちに当直員が関係係長に連絡をし、あらかじめ定められた連絡方法によりまして消防庁関係職員は六時四十分から七時の間にそれぞれ登庁をしたわけでございますけれども、この体制を考えますときにまだまだ、先ほど警察庁長官からもありましたように、情報伝達の多重化ということ、そして現地の状況が映像でつかめるような状況、それを官邸とどのように、あるいは消防庁とどのように連携をしていくかといったような多くの問題を抱えております。
 そういう問題を十分配慮しながら、今それぞれ都道府県に、あるいは都道府県警察においてもヘリコプターを所有しているところでございますけれども、これ私が昨日も運輸大臣等とも話をしておったわけでございますけれども、まだ完全に全国の都道府県にヘリコプターが配置されておるわけではありませんし、そして保管体制も必要でございますので、今回の地震にかんがみましたら、むしろ役所の範囲を超えてヘリの保有機構をつくり、そこで要員確保あるいは要員の養成、あるいは故障等のために使えないヘリの保管、緊急時におけるヘリの集約的ないわゆる運用等についても孝えるべきではなかろうか、このようなことを考えて有機・機動的な対応ができるようにしてまいりたいと考えておる次第であります。
#54
○有働正治君 本当に自治省消防庁の防災業務計画も国の全体の防災基本計画の抜本的見直しとあわせて抜本的にやはり今回の教訓に十分耐え得るものに見直していただきたい。
 それから、大臣も言われました、通達を出して緊急点検を今おやりになっていると。これ自体当然のことでありますけれども、私に言わせればその内容もまだまだ不十分な点があると思うわけであります。例えば弱者対策についてもかなり細かく目配りもする必要があるわけで、災害弱者というだけでくくれば済むという問題でないという問題もあるわけであります。また、最大震度の想定自体も先ほど述べましたようにまだはっきりしていない都道府県もあるわけです。
 それから液状化対策。これは、全域を液状化調査している団体というのは十四県なんです。一部地域を調査している団体は五都県なんです。それで、全域調査している団体のうち、マップなどで地域防災計画に掲載している団体は六県にすぎないという、こういう状況があるわけであります。
 こうした現状から見て、こういう問題についてもきっちり対応する問題等々もあるわけで、そういう緊急点検の内答にやはりそういう点の不十分さもあるということが私は指摘できるんではないかと。
 そういう点の見直しを含め、そして全体の防災基本計画の見直しと相まって、自治省消防庁の防災業務計画そのものも本当に今回の事態に耐える、そして災害に強い、防災に強い都市づくり、町づくり、自治体づくりを進めると。その点で政府のきっちりした基準をこの際抜本的にやっぱり見直す必要がある、そのことを強く要望して、交付税についての質問を予定していましたけれども、残念ながら時間が参りましたので、これは討論の中で趣旨を触れさせていただきますので、そういう立場でこの点も改善していただきたいということを要望して、終わらせていただきます。
#55
○西川潔君 よろしくお願いいたします。
 引き続きまして私の方からも阪神大震災の対策について自治省及び関係省庁にお伺いをいたします。
 野中自治大臣におかれましては、消防、警察、また地方自治体間の調整等と連日大変な御任務でございまして、被災地域の一日も早い復興、そしてまた被災者の皆さん方の生活再建に向けまして、引き続きまして全力でお取り組みいただきますことを心よりお願い申し上げます。そして、御自身の健康にも十二分にお気をつけいただきたいと思います。
 最初にお伺いしたいのは、この数日間、連日のように報道されておりますが、家屋の倒壊の調査でございます。
 被災者が相当混乱をしているということでございますが、行政から危険だから立ち入りを禁止されているのに一部破損と判断されたり、あるいは調査をする職員によりまして判断が変わるなど現場では相当混乱をしている、何とかしてほしいという訴えが非常に強いということでございます。もちろん、これだけ膨大な損壊家屋を一軒一軒調査をするわけですからその作業量のことも考えないといけないでしょうが、だからといいまして被災者の不安や不満による混乱をほうっておくわけにはまいりません。
 認定の基準については、昨日の予算委員会で厚生大臣が答弁をされているのを私もお伺いいたしました。また、一部被災自治体では再調査を行っているようでございますが、このあたり自治省からも何らかの助言、また指導等の御配慮をお願いしたいと私自身思うわけですが、大臣にお伺いします。
#56
○国務大臣(野中広務君) 委員御指摘の家屋の全壊、半壊、一部損傷の認定をめぐりまして現場で混乱が生じており、住民の不満があるということは私も承知をしておるわけでございます。
 罹災の認定というのは、私も現地で見てまいりましたけれども、それぞれ神戸市、兵庫県の職員はもちろん、全国から来ていただいております支援の市町村の関係者あるいは消防団、こういう方々を含めて調査をして決定をしておるわけでございますので、被災者の皆さんからお考えになると不公平をお感じになる面もあろうかと存ずるわけでございます。
 決定に疑義がある場合は再調査を行うということ、そして公平性を期すということをそれぞれ県当局あるいは市、町当局からも聞いておりますので、私どももその趣旨が徹底するようにしてまいりたいと考えております。
#57
○西川潔君 ありがとうございます。
 先日、本会議場でも震災対策について御質問をさせていただいたわけです。その際、自治大臣には周辺自治体における協力体制と災害基金の創設についてお伺いしたいと考えておりましたのですけれども、当日はちょうど大臣は緊急知事市長会議に御出席をなさるということで質問を遠慮させていただいたわけです。改めて本日、周辺自治体を含む各自治体の協力体制の現状、また災害基金制度についてお伺いをしたいと思います。
 大臣の要請もございまして、これまでに各自治体におきましては仮設住宅の建設の用地の確保、被災者の公営住宅や福祉施設への受け入れ等々、さまざまな面におきまして協力体制の充実が強化されておりますが、しかしその一方で、各自治体におきましてはそれらに要する財政負担に対する懸念を持っておられることもこれは事実でございます。
 大臣は、さきの会議の中で、必要とされる被災地への対策には近隣の自治体の連携が不可欠、協力に要した財政的負担については特別交付税で配慮するというお考えを明らかにされました。報道されておりましたし、この点について本日改めて私は大臣にお伺いしたいと思います。
#58
○国務大臣(野中広務君) 今、御指摘いただきましたように、今回の大震災は私どもの想像を絶するものでございましたので、私は本会議を御了承をいただきまして大阪に参りまして、近畿並びに中国、四国の各府県知事さん及び政令指定都市の市長さんにお集まりをいただきまして、近隣からの救援対策をお願いしたわけでございます。
 それは一つには、千を超える避難所で劣悪な条件下で、非常に厳しい寒さの中、暮らしていらっしゃる避難民の皆さんを何とかして、限定された兵庫県、神戸市あるいは近隣の被災の市、町だけでなく広く他に分散することができないか、そして応急住宅もなかなか間に合いませんので、それぞれの地方公共団体が持っておられる住宅等を御提供いただきたい、あるいは収容施設を出していただきたい、そしてそれによる家賃あるいは食費その他光熱水費等は都道府県なり市町村が負担をしていただければ自治省としては交付税で配慮をいたします、特別交付税で配慮をいたしますということを申し上げてお願いをしたわけでございます。
 けれども、なかなか現地の皆さん方というのは神戸、また芦屋、西宮といったような非常に環境のいいところで長年住みなれた方でございますし、まだ倒壊家屋の中には多くの財産を残しておられる方もありまして、いろんな問題が交差いたしまして、被災地へ私も現実に行きまして、何とかひとつ一部の家族だけでも出てくださいというのをお願いしましたけれども、なかなか現地を離れていただくことが困難でございまして、むしろそれぞれ近隣からあけていただいてお待ちをいただいておる住宅なりあるいは宿泊所、時には旅館の借り上げも結構でありますと言ったんですが、それを充足するところには至っておらないというのが現状でございます。
 財政的にはすべて措置をしていきたいと考えております。
#59
○西川潔君 よろしくお願いします。
 これまでに協力体制を強化している周辺自治体より財政支援措置などさまざまな面において国に対する緊急要望が出されているところでございますが、その中から具体的な問題といたしまして社会福祉施設を中心とする当面の緊急課題についてお伺いをしたいと思います。
 まず一点は、被災した社会福祉施設等の復旧にかかる経費でございます。特に手厚い助成措置を早急に講ずる必要があると思うわけですけれども、この点につきましては厚生省さんにお伺いをしたいと思います。
#60
○説明員(吉武民樹君) 兵庫県南部地震によります社会福祉施設の被害につきましては、例えば神戸市の管内の施設につきましては、今、建築の専門家に詳細な調査を引き続きやっていただいておりますのでさらに異同が生ずる可能性がございますが、私どもが現在把握しております被害状況は兵庫県を初め九府県に及んでおります。
 この中で施設の全壊が八施設ございまして、入所施設が三施設、それから適所施設が五施設でございます。それから、半壊が十五施設ございまして、入所施設が三施設、適所施設が十二施設でございます。そのほかに、私ども物損と呼んでおりますが、壁の亀裂等の余り大きくない被害が全体で千六十八ございます。このうち、兵庫県神戸市につきましては六百三十カ所でございます。
 私どもといたしましては、これからこの被災施設の早期復旧に努力をしてまいりたいというふうに思っておりますし、現行制度によりまして、基本的には災害復旧事業につきましては、例えば社会福祉法人で施設を設置されます場合には国から二分の一、それから地方公共団体から四分の一という形で四分の三の補助をさせていただいておりますが、さらに所要の措置を講じられるかどうか検討をいたしているところでございます。
 それから、社会福祉法人がいわゆる自己負担で御用意いただく資金につきましては、社会福祉・医療事業団の方から融資をいたしておりますので、これは通常の融資率が現在財投金利が四・七五%でございまして、現在の通常の金利は四・三%でございますが、この点につきましても特別の措置が講じられるかどうか、ただいま検討しているところでございます。
#61
○西川潔君 ありがとうございました。
 次に、例えば被災地のお年寄りに対して行われている府県の域を越えまして施設への入所あるいは在宅サービスの緊急提供についてでございますが、これにかかった経費については、国庫補助はあるものの、最終的には被災自治体の負担となります。しかし、現実にはこうした被災自治体への請求ができるんだろうか。結果、それが難しいとなればサービスを提供した自治体の負担、こうなるわけですけれども、この点、今回のような緊急的な施設入所や在宅福祉サービスにかかる経費につきましては全額国庫負担あるいは国庫負担の割合を特例的に高くするような措置が必要であるのではないか、こう思うわけですが、この点についてはいかがでしょうか。
 また、被災地域内にある特別養護老人ホームへの職員の派遣についてでございますが、現在、兵庫県内あるいは近隣府県から介護職員の派遣が行われているところでございます。これらは施設の業務の一環として派遣とされるわけですから、この費用につきましては派遣した施設の負担となっているところでございますが、この費用についても国庫補助の対象とする必要があるのではないかと思うわけですけれども、この二点につきましても引き続き厚生省にお伺いしたいと思います。
#62
○説明員(吉冨宣夫君) 最初の点でございますが、今回罹災されました高齢者や障害者の方に対します府県域を越えて提供されます緊急的な施設入所あるいは在宅サービスに要する経費につきましては、原則としてサービスを受ける方の住所地でございます兵庫県下の市町が実際には費用を省担する、こういうことになるわけでございます。ただ、その場合、国としましてはその二分の一を補助する方向で現在財政当局と折衝中でございます。なお、残りの地方負担分につきましても適切な措置が講ぜられるものと、このように考えております。
 また、二番目のお尋ねの点でございますけれども、他府県から兵庫県下の施設への職員の派遣につきましては、こういった職員の方は、今回罹災されました高齢者や障害者の方が施設へ緊急入所される、そういった事態に対応するために主として派遣されるものでございます。この場合、派遣を受けております施設に対しましては、その緊急入所に伴う経費としまして人件費等必要な費用が支払われる、こういうことになっているわけでございます。そうしましたことから、派遣側と実際にそういった職員の方を受け入れる施設側、この両者の間で適切な費用の負担といいますか、そういったものがなされる必要がある、このように考えておるところでございまして、現在その方法につきまして検討しているところでございます。
 また、これ以外に、例えば旅費とかそういったもので必要な経費がございましたら、その対応につきましては弾力的に対応してまいりたい、このように考えております。
 以上でございます。
#63
○西川潔君 細やかな部分までひとつどうぞよろしくお願いしたいと思います。厚生省につきましてはまた引き続きよろしくお願いいたします。
 改めて大臣にお伺いいたします。
 こうした周辺自治体が支援、協力の充実強化に伴う財政負担はいずれにいたしましても免れないわけでございますから、その点、各自治体が財政面での心配をすることなく今後とも支援体制の充実強化に努めていただけるよう御配慮をお願いしたいと思うんですが、一言お願いいたします。
#64
○国務大臣(野中広務君) 委員御指摘のように、被災対策に対しまして、被災地域の地方公共団体のみならず、近隣から多数の地方公共団体の支援、協力が得られておるところでございます。
 今後、この支援、協力に要する近隣地方公共団体の財政負担につきましては、先ほども申し上げましたように、分野ごとに関係省庁において財政措置をされるものであろうかと存じますけれども、いずれにいたしましても、これら御支援をいただきました地方公共団体の財政運営には支障が生じることのないよう、特別交付税その他の適切な財政措置により配慮をしてまいる所存でございます。
#65
○西川潔君 よろしくお願いいたします。
 最後に一点お伺いいたします。
 今回の震災によりまして近隣市町村、府県との広域的な連携の大切さ、また消防、警察が重要なかなめであることを改めて私も感じました。こうした観点から考えますと、自治体の防災計画は、国土庁というよりも自治省が権限を持って、自治大臣の助言のもと、広域的な広がりを持った地域の防災計画をより一層整備をしていただくことが必要ではないかと思うわけですけれども、最後に自治大臣の御見解をお伺いして、最後の質問にしたいと思います。
#66
○国務大臣(野中広務君) お説のように、大規模広域的な災害に対しまして関係近隣地方公共団体がその区域を越えて機動的、効果的に救援活動を対処し、連携を強化することが最重要課題であると考えておるわけでございます。そのため災害対策基本法では、防災対策を広域で実施することが効果的な事項について協議会を設置し、一つの地方公共団体の区域を越えて防災計画を策定できるようにしておるところでございます。
 今後、今度の震災の教訓をも踏まえまして、さらに応援、共闘等が十二分に、今日までもやられてまいりましたけれども、果たせるように私どももそれぞれ関係地方公共団体を指導してまいりたいと思うわけでございます。
 この地震対策について、その所管をどうするかは自治大臣としての私がコメントするべき立場ではないので、現在は災害対策担当大臣を任命いたしまして総責任を担当大臣に持っていただき、各省庁間の連絡調整を含めて対応していただいておるところでございます。
#67
○西川潔君 ありがとうございました。
#68
○委員長(岩本久人君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
#69
○有働正治君 私は、日本共産党を代表して、地方交付税法等の一部を改正する法律案に反対する討論を行います。
 反対する第一の理由は、改正案が地方交付税特別会計の借入金七千百九十億四千万円の元金の全額を地方負担とし、地方交付税の総額確保における国の責任を放棄するものとなっているからであります。
 年度当初の交付税の総額確保については、交付税が国税正税の一定割合を原資とするものであり、国税の税収の見込みそのものが国の権限に属することであり、また地方に配分される交付税総額が自治、大蔵両大臣による地方財政対策で決定されることから、国がその責任を負うべきものであります。したがって、今回のように年度途中に交付税の減額が生じた場合、その補てんは国の責任でなされなければなりません。ところが改正案は、補てんは当然のこととしても、借入金の償還が全額地方負担とされ、責任を負うべき国が負担するのは減収に伴う減額分の利子だけであり、実態は地方が借金をして財源補てんをするという国の責任放棄の内容になっていると言わざるを得ません。
 反対する第二の理由は、交付税特別会計における償還期間の引き延ばしは借金を長期にわたって温存することとなり、交付税制度の趣旨にも反するからであります。
 改正案は、所得税減税の影響分の九百四十億八千万円についての借入金の償還について三十年としております。これは昨年の消費税の税率引き上げの際の法改正で減税財源として発行されたつなぎ公債の償還期間を三十年としたことに準ずるものとされておりますが、償還期間の引き延ばしは交付税特別会計が長期に借金を温存することとなり、単年度主義を建前とする交付税制度の趣旨にも反するものであります。
 ここ数年、地方財政は年間十兆円を超す借金が急増し、九五年度には地方の借入金残高は百十六兆六千億円というこれまでにない巨額な額が見込まれています。このような地方財政の危機に当たり、政府は景気対策のために自治体に対して地方単独事業を強制し、地方財政の破綻を押しつけるようなことは絶対にやめるべきであります。
 最後に、阪神大震災の被災者救済と復興に対し、地方財政においても政府として万全の措置をとるよう強く要求して、私の反対討論を終わります。
#70
○委員長(岩本久人君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。
 これより採決に入ります。
 地方交付税法等の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#71
○委員長(岩本久人君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#72
○委員長(岩本久人君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後三時二分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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