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1995/02/17 第132回国会 参議院 参議院会議録情報 第132回国会 地方行政委員会 第3号
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1995/02/17 第132回国会 参議院

参議院会議録情報 第132回国会 地方行政委員会 第3号

#1
第132回国会 地方行政委員会 第3号
平成七年二月十七日(金曜日)
   午後一時三十分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 二月十七日
    辞任         補欠選任
     松浦  功君     河本 三郎君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         岩本 久人君
    理 事
                鎌田 要人君
                岩崎 昭弥君
                釘宮  磐君
                有働 正治君
    委 員
                石渡 清元君
                河本 三郎君
                鈴木 貞敏君
                関根 則之君
                真島 一男君
                上野 雄文君
                篠崎 年子君
                山口 哲夫君
                渡辺 四郎君
                小林  正君
                続  訓弘君
                浜四津敏子君
                西川  潔君
   国務大臣
       自 治 大 臣  野中 広務君
   政府委員
       警察庁長官官房
       総務審議官    山本 博一君
       自治政務次官   小林  守君
       自治大臣官房長  秋本 敏文君
       自治省財政局長  遠藤 安彦君
       自治省税務局長  佐野 徹治君
       消防庁長官    滝   実君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        佐藤  勝君
   説明員
       国土庁防災局震
       災対策課長    橋本  健君
       大蔵省主税局税
       制第三課長    竹内  洋君
       文部省初等中等
       教育局特殊教育
       課長       嶋崎 和男君
       厚生省社会・援
       護局更正課長   冨岡  悟君
       建設大臣官房技
       術調査室長    城処 求行君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○地方税法の一部を改正する法律案(内閣提出、
 衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(岩本久人君) ただいまから地方行政委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 本日、松浦功君が委員を辞任され、その補欠として河本三郎君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(岩本久人君) 地方税法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。野中自治大臣。
#4
○国務大臣(野中広務君) ただいま議題となりました地方税法の一部を改正する法律案の提案理由とその要旨につきまして御説明申し上げます。阪神・淡路大震災の被災者の負担の軽減を図るため、個人住民税の特例措置を講ずる必要があります。
 以上がこの法律案を提案いたします理由であります。
 次に、この法律案の要旨につきまして御説明申し上げます。
 阪神・淡路大震災により住宅や家財等の資産について損失を受けたときは、平成七年度個人住民税において、平成六年中の所得につき、当該損失の金額を雑損控除の適用対象とすることができる特例を講じることといたしております。
 以上が地方税法の一部を改正する法律案の提案理由及びその要旨であります。
 何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
#5
○委員長(岩本久人君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#6
○岩崎昭弥君 時間を厳守しようということになりましたものでちょっと早口で恐縮ですが、お願いしたいと思います。
 阪神大震災は、五千三百人を超える死者と三十万人に及ぶ避難者を出し、被災人口は約三百万人に達しております。同時に、神戸市を初め多くの町の都市機能が壊滅的な打撃を受けました。
 政府においても、現地対策本部を設置し、小里地震対策担当大臣を任命され、緊急対策に当たっておられるところであります。私たちも政府に対し提案し、また要求いたしたい緊急対策はさまざまありますが、この地行委員会では、当面、次の諸点につき政府の対応をお聞きしたいと思うのであります。
 まず最初に、過日のテレビで見た一場面を紹介いたします。
 中小企業の靴製造業者のあるあるじが瓦れきとなった工場の前で数名の従業員一人一人に解雇通告を行いまして、その後この工場再建をどうするか、工場再建には最低一億円の資金が必要だがその資金対策はどうするのかと瓦れきを眺めながら考え込む姿が実に痛々しく映っていたのであります。
 しかし、このような悲痛な情景は被災地のどこにも見られる風景であります。私は、この状況を原点にして、これからの質問を行いたいと思うのであります。
 ここは地行委員会で自治省にはいささか失礼でありますが、時間の関係で質問と答弁を逃してしまうおそれがありますので一点だけ大蔵省の見解をお聞きしておきたいと思うのであります。
 それは欠損金の繰り戻しによる還付についてであります。
 法人税法の第八十一条では欠損金の繰り戻しによる措置を定めておりますが、国の財政難を理由として措置法第六十六条の十四で現在これを停止しております。しかし、今、私が紹介した靴製造業者のように、今般の大震災で欠損になる中小法人は多数に上ると推定されます。
 これらの法人を救済し、その立ち直りを図るのは政府と行政の急務であろうと思います。阪神の被災地からは政府に対して数多くの要望が出されておりますが、欠損金の繰り戻しによる還付もその要求の一つだと思うのであります。該当する中小企業法人、特に資本金一億円以下の業者に対しては前年度に支払った法人税は還付するのが当然の措置だと考えております。加えて、被災地からの復興、再生に係る要望では、欠損金の繰り戻し期間を前三事業年度に延長してほしいとの要望もあります。私の政治判断では二事業年度程度は遡反するのが当然の措置ではないかと考えるのでありますが、大蔵省の見解を承りたいのであります。
 ちなみに、措置法の第六十六条の十四でも会社の更生手続の開始等、著しい困窮に陥った場合にはこの停止を除外することにしておるのであります。これは法人税法の第八十一条の四項にあります。その事情に準じますと、措置法第六十六条の十四をこの国会で改正し、不適用措置を解除するべきだと私は考えるのでありますが、大蔵省はどのように対応するか承りたいと思います。
#7
○説明員(竹内洋君) 今御質問ございました欠損金の繰り戻し制度でございますが、まさに仕組みそのものについては先生から御指摘のとおりの仕組みでございます。
 ただ、今まさに所得税につきましてお諮りしているところでございますが、法人税など所得税に係る緊急対策以外の税制上の対応につきましては、地震の災害状況、各方面での取り組みの状況等を踏まえながら、税制の仕組みの中でいかなる、対応が適切かつ可能かどうか現在鋭意検討を進めているところでございます。
 いずれにいたしましても、欠損金の繰り戻し還付の適用停止の解除につきましては、他の施策との関係にも留意させていただきまして、措置の必要性、有効性等について総合的に検討すべき事柄であると考えておりまして、適切に対応してまいりたいと考えているところでございます。
#8
○岩崎昭弥君 今のお話はちょっと生ぬる過ぎて、被災者は頭にくると思うんです。
 欠損金の繰り戻しによる還付は、岐阜県でも実例があることを私は知っておるんです。日東あられであったじゃないですか。五年間さかのぼってやったんです。ただし、すべての法人が五年間仮にさかのぼるとしても、税金が全部戻るわけではないんですよ。それぞれの計算があるわけですね。
 だから、私がここで指摘するのは、欠損金の繰り戻しによる還付は被災事業者の事業の再建を促進するために、これは精神的にも促進するために政府の誠意を示す措置だというふうに私は考えておるんです。だから、そういう立場で答えてください。
#9
○説明員(竹内洋君) 今まさに御指摘でございますが、欠損金の繰り戻しの制度、仕組み、概要はもう御説明するまでもございませんが、法人の事業年度の所得が欠損となった場合に、青色申告法人については、災害による損失を含め、欠損金について前一年間の法人税の繰り戻し還付の制度が措置されているが、現在厳しい財政事情という背景がございまして、時限的措置としてその適用停止をお願いしているところであるわけでございます。
 まさに先生今御指摘がございましたように、今回の地震についてはいろいろ税制上の諸措置、所得税関係につきましてはおかげさまで本日提出させていただいたわけでございますが、その他の措置につきましても、先ほども申し上げましたことを繰り返して大変恐縮でございますが、他の施策との関係にも留意いたしまして、措置の必要性、有効性につきまして至急かつ総合的に検討させていただきまして、早急に対応する所存でございます。
#10
○岩崎昭弥君 今の答弁には納得しませんね。災害の現場へ行ってくださいよ。
 ところで、一方自治省は、地方税には還付制度がないわけです、したがいましてこの問題については被災企業の法人住民税それから法人事業税について今後問題が起こってくると思うんですが、どのように対応されるか、所見を承りたいのであります。
#11
○政府委員(佐野徹治君) 法人の住民税、事業税につきましては、現在、減免通達の趣旨を踏まえまして、関係地方公共団体におきましては期限の延長措置が講じられているところでございます。
 被災企業に対します法人の住民税、事業税の対応につきましては、制度上基本的にその課税標準は法人税額または法人税の所得計算の例による所得というふうにされておりますこと等からいたしまして、今後の法人税の取り扱いの動向等を踏まえ、適切に検討してまいりたいと考えておるところでございます。
#12
○岩崎昭弥君 それでは、時間が余りないものですから質問事項を全部一緒に質問しますので、後で一括して自治省は答えてください。
 今回の震災における住家被害を見ますと、二月七日現在で全壊が八万一千八百三十九戸、半壊が六万九千二百八十二戸であります。全焼は七千百十九戸、半焼が三百四十二戸であります。これらの数字は関東大震災に次ぐ甚大な被害を物語っていると思うのであります。
 そこで、自治大臣と自治省に次の三点について質問をいたします。
 その第一番目は、御承知のように、国税、地方税とも税の申告期限は三月十五日です。しかし、災害等による税の申告期限の延長については、国税通則法の十一条にもありますが、災害のやんだ日から二カ月以内の期限を指定して延長することになっております。実際には地方自治体の長が申告期限を延長することを決めるんですが、今回の災害においては、指定の十三市町で異なる申告日をつくるのではなく、申告期限は統一すべきであると私は考えるのであります。被災程度に差があるために申告期限は地域によって異なってもよいという意見もあるようでありますが、私はそうは思いません。被災地の市町村は税の申告期限を統一した方がPRもしやすいし、住民も行政上もやりやすいと私は思うのであります。また、被災者がほぼ正常な生活に戻る月日を考慮に入れますと、実質六カ月程度延長すべきだと考えるのでありますが、これに対する自治省の考え方を聞きたいのであります。
 第二問は、今回の災害が甚大かつ広域であることは周知のとおりであります。さきに住家被害の数字を挙げましたが、事業用資産、すなわち事業所、償却資産などの消滅は、正確な数字と価格はなおしばらくつかめないでありましょうが、莫大な金額になると思うのであります。このことから推察できることは、地方税の減免額の増大と被災市町村の税収の落ち込みであります。災害の生じた今年度はもちろん、翌年度においても地方税の落ち込みによる市町村の財政的影響は極めて大きいと思われます。すなわち、被災市町村については地方債を充て、財政運営に支障の生じないよう十分な配慮が必要だと考えますが、自治省の考えを承りたいのであります。
 第三問は、固定資産税の家屋の減免措置についてであります。
 家屋税の減免については、半壊の場合は当然半分減額することになるんですが、半壊の場合でも今回は大規模の修繕や増改築が必要となります。大都市では都市計画の見直しや市街地再開発とあわせて家屋の移転等もあり得ることでありますし、またその促進を図る観点からも半壊家屋については家屋税の全額免除措置を講ずべきだと思うのであります。その分は当然国税措置も必要になろうかと思いますが、自治大臣に所見を承りたいと思います。
 以上、三点です。
#13
○国務大臣(野中広務君) 最初御指摘の災害等によります地方税の期限の延長につきましては、国税庁長官が地域及び期日を指定して画一的に期限を延長する場合には、地方公共団体の長はその国税に係る期限の延長の措置に準じて画一的に延長することが適切であるとされておるわけでございまして、通達上、委員御指摘の今回の指定の十三市町は国税における取り扱いと同一になると存じております。なお、兵庫県内の市、町の中には、期限の延長につき既に期限を三月三十一日と定めて延長しておるところもありますが、最終的な取り扱いとしては国税と横並びの取り扱いになるものと考えております。
 第二の災害が非常に広域的で、かつ今度の災害で翌年度においても地方税の減免額について地方債を充て、財政運営に支障がないようにせよというお話は委員御指摘のとおりでございまして、今回の災害の広域性あるいは被害の甚大性にかんがみまして、基本的には、お願いを申し上げておりますように、平成七年度におきましても平成六年度に準じて通達を基準として減免を実施することが適当であると考えております。
 このようなことから、地方税の減免に対する財政措置として、阪神・淡路大震災に係る特別財政援助法において地方財政法第五条の特例を設けまして、現行の災害対策基本法においても発行が可能な災害が発生した年度、すなわち平成六年度だけでなく平成七年度においても地方税の減免額に対して歳入欠陥債を充てることができますよう、制度改正を行う方向で現在法改正の準備を進めておるところでございます。いずれにいたしましても、国会の御審議をお願いしたいと考えております。
 また、家屋の損傷の激しい現状にかんがみまして、固定資産税の家屋の減免についてお触れになったわけでございますけれども、災害が発生いたしました場合の固定資産税の減免の取り扱いにつきましては、先般来申し上げておりますように、事務次官通達においてその基準を示しておるところでございます。その中で家屋につきましては損害の程度に応じて段階的に減免を行うこととしておるところでございます。これは、資産価値に応じまして課税するという固定資産税の基本的性格を踏まえまして、課税の公平の観点から、その所有する固定資産の損害の程度に応じた減免を講じることが最も適当と考えているものでございまして、御理解を賜りたいと存じます。
 残余の法人の住民税等につきましては政府委員からお答えをいたします。
#14
○政府委員(遠藤安彦君) ただいま大臣がお答えをいたしたとおりでございますが、一番最後の点について、半壊の場合でも全額免除を講じてはどうかというのは大臣が御答弁されたとおりでございますけれども、これにつきましても歳入欠陥債の対象と当然なるわけでございます。ただし、地方税の減免の範囲、これにつきましては、やはり地方公共団体間の均衡でございますとか公平の観点から次官通達がございますので、こういう基準によっていただくことが必要であると考えているところでございますので、この点についても御理解を賜りたいと思います。
#15
○岩崎昭弥君 ちょっと時間が余りましたので大蔵省にまた言いますが、私先ほど言いましたように、欠損金の繰り戻しは岐阜県で日東あられで行われたわけです、五年さかのぼって。これは単一の会社だったから事は簡単だということでやりなさったんだろうと思うんですが、今度は物すごく住民の皆さんが被害を受けておるんです。したがって、私がさっき指摘しましたように、大蔵省はその事態を深刻に受けとめて、きちっと答えを出してください。そのことをお願いして、質問を終わります。
#16
○続訓弘君 具体的な質問に入ります前に、私たちの阪神・淡路大震災に対する姿勢をこの際明らかにしておきたいと思います。
 すなわち、私たちは、このたびの大震災発生時における村山内閣の危機意識の欠如、初動対応の混乱等、その責任は極めて重大であると考えます。しかし、現在の最重要課題は三十万人にも及ぶ被災者の皆さんの要請に的確にこたえることであります。このためにとられる政府の施策には全面的に協力をするということであります。本日提案されました地方税法の一部を改正する法律案に対しまして即日衆参両院で議決するという異例の措置もただいま申し述べました姿勢のあらわれであります。また、私たちは党を挙げて真剣に阪神大震災対策に取り組んでいくこともこの際明らかにしておきたいと思います。私自身も、その一環として、せんだって銀座の街頭に立って義援金の募金活動に従事いたしました。そして、道行く人々の真心に触れさせていただきました。
 また、御案内かと存じますけれども、昭和五十八年の十月三日、三宅島の雄山の大爆発がございました。同じく六十一年の十一月二十一日、これまた大島の大噴火がございました。私は、鈴木知事のもとで当時副知事で、両方とも副知事でございまして、副本部長としてこの対策に従事いたしました。即日対策本部を設けて、一人の犠牲者もなくあの大災害の対応を果たしたわけであります。特に、大島の場合はその日のうちに、海上保安庁二十三隻、海上自衛隊十二隻、さらに東海汽船八隻を動員して一万四百七十六人の全島民を下田や東京都にその日のうちに避難させたという経緯がございました。
 そんな思いを込めて実は被災地に飛んでまいりました。それも、私は現地の方々に御迷惑をかけない、そんな趣旨で秘書と二人で現場をつぶさに視察してまいりました。そして、幾十人かの人たちとじかに接し、その窮状のありさまを見、かつその訴えを伺ってまいりました。
 その声の幾らかをここで大臣に御紹介申し上げて、大臣の所見を伺いたいと存じます。
 それは、多くの方々から、国の対応が適切であったらこんなに多くの仲間を犠牲にすることはなかったと涙ながらの訴えでありました。また、政府は私たち被災者のことを真剣に考えてくれているのだろうか、誠意がなさ過ぎるとの訴えもございました。また、民間団体やボランティアの対応はその日のうちにちゃんと対応されたのにもかかわらず、政府の対応は残念ながら二日後であったとの不満の声も伺いました。今は一刻も早く避難所暮らしから開放されて応急住宅に入りたいとの切実な訴えもございました。そして、異口同音に一日も早い政府の適切な対策を渇望しているとの声に集約されました。
 この生の声を御紹介申し上げて、大臣の所信を伺いたいと存じます。
#17
○国務大臣(野中広務君) このたびの阪神・淡路大震災につきまして、ただいま続委員から、かって東京都副知事時代の噴火のあの生々しい状況の中から救援活動をおやりになりました経験を踏まえながら、あるいは現地に足を運ばれましたその教訓の中からそれぞれ御指摘を賜ったわけでございますけれども、少なくとも私ども今までの地震を考えますときに、今回の地震と異なりますことは、何といっても予期しない震度七という地震であったこと、あるいはその機能の中心地であります兵庫県県庁所在地あるいは神戸市の市役所所在地を含めて直下型地震の中心の被害を受けておったということ、あるいはそれによりまして通信機能あるいは道路交通等のすべてが遮断をされたという想像を絶した状況の中におきます幾つかの支援対策でありましただけに、御指摘のようないろんな批判を受けることは私どもも甘んじて受けなくてはならないと考えておるわけでございます。
 けれども、私は、あの瓦れきの中から市役所や県庁に出勤をし、あるいは県警本部や消防本部に出動、出勤をし、みずから家族に犠牲を出しながら初動の態勢に取り組んだ、それぞれの部署で活躍した諸君のあの痛ましい現状を思うときに、今日振り返ってみて多くの問題が指摘をされるといたしましても、困難な中からも何とかして被災者の救援に当たりたいとした切実なあの活動は頭の下がる思いでございますとともに、直ちに全国の多くの消防あるいは警察官を初めとする、またボランティア関係の皆さん方の厚い御支援をいただくことができましたことは、我が国の大きな震災に対する温かい皆さん方の善意であったと感謝をいたしておるわけでございます。
 したがいまして、少なくとも私ども自治省におきます例えば消防の取り扱いにつきましても、地震が起きました後、六時五分の気象庁からの通報以来、それぞれ政令指定都市に対します救援の準備段階での支援をお願いをするとか、あるいは関係都道府県の被害の状況の把握に努めるとか、あるいは警察庁におきましても直ちに全国機動隊の出動態勢を整えますとともに、被害の状況把握に努める等の初動態勢におきましてそれぞれ可能な限りの努力をしたと思いますし、今日もなお金国消防の皆さん、消防団員の皆さん、あるいは全国から五千五百名の警察官の応援体制をいたし、特に最近は避難地におきます人たちの心情を思い、全国から婦人警察官を百名余り動員をいたしまして、避難場所にそれぞれきめ細かな女性としての対応をいたしたりして気配りをしながら進めておるところでございます。いろいろ御批判はあろうと思いますけれども、すなわち今申し上げたようなそれぞれの体制における努力が行われたわけでございまして、政府関係機関におきましても連絡を十分とりつつ、順次復旧体制に向かって歩みを進めつっあると考えておるわけでございます。
 初動の態勢につきまして御指摘をいただきましたけれども、そういう困難な中から考えますときに、兵庫県知事からの応援要請、あるいはそれに伴います被害状況の把握、こういった問題を考えますときに、私はあの時点におきましては可能な限りの努力をされたと思うわけでございます。
 また、近隣あるいは政令指定都市からの支援につきまして私みずからも関係知事並びに市長にお願いをいたしまして、職員の派遣あるいはそれぞれ関係物資の応援等につきましても対応をいたしますとともに、消防本部におきます取り扱いといたしましては現地にそれぞれ消防庁の現地連絡本部を置きますとともに、自治省の機能をも代表させまして現地に消防庁次長を派遣し、常駐で今消防庁職員が当たっておるところでございます。各府県の連絡事務所の調整本部も置きまして、各府県、ブロックごとの救援対策にもそれぞれ府県からの本部を置いていただき、そしてその調整に当たっておるところでございます。これから長期にわたろうと思いますけれども、関係府県、市の職員の皆さんのまた派遣応援もいただきまして万全を期してまいりたいと存じておるわけでございます。
 応急住宅等につきましても言及がございましたけれども、現在、神戸市及び各関係兵庫県下の被災市、町の要求を入れまして四万戸規模の応急住宅を発注し、順次これが入居をいただいておるところでございます。また、昨日も神戸市長等から独居老人等の入居についてもう少し小さな応急住宅等の要請もあったようでございまして、小里災害担当大臣においてこれも対応することといたしておるのでございます。
 なかなか兵庫県という、あるいは神戸市という非常に好地の少ないところで、しかもあの地を離れたくないとおっしゃる皆さん方の心情、消防庁の職員が芦屋、西宮等の被災地の避難場所で避難をしておられる皆さん方に一週間前に調査をいたしましたら、八八%の皆さんがあの地を離れたくない、ここで避難生活をやっても離れたくないという熱いお気持ちであるだけに、私ども、各府県で公営住宅やら宿泊所等を用意していただきましたけれどもここに十分入っていただくことができないというむしろいら立ちを持っておるわけでございまして、何とかしばらくでもという願いを皆さん方にお届けしておりますけれども、それがなかなか機能しておらないことをもどかしく思っておるわけでございます。
 けれども、瓦れきの処分等を初め、個人にわたる被災につきましても公的援助を行って、そしてこれを措置する等、その震災以後の対応につきましては与野党の皆さん方の御協力をもいただきながら敏速かつ的確に措置をしてまいって、十分ではございませんし、傷ついたお心を慰めることはできませんし、被害を取り戻すことはできませんけれども、私どもがかって経験したことのないこの大震災に対して私ども全力を挙げて淡路、そして阪神間の関係の被災者の皆さん方のお心に報いてまいりたいと考えておる次第でございます。
#18
○続訓弘君 今、大臣から対応策についての切々たるお話を承りまして、私も感動いたしました。
 ただ、大島全島民のあの被災住宅、被災者の方々の当時の心情を思います。ときに、何としても一カ月が限度だと。もう島に帰してほしい、当時の地震学者はまだまだ余震が危ない、そういう状況の中で一カ月にして全島民がまたお帰りになりました。
 そういう意味で、ぜひ応急住宅については早急に建設をしていただき、今なお二十一万人の人たちが避難所暮らしをしておられる、それを一日も早く応急住宅に収容されることをこの際切に要望申し上げます。
 そして、第二点について御質問申し上げます。
 それは、二月十四日付の日本経済新聞に兵庫県と神戸市が今回被災者の苦しみに対して住民税の減税をやるというような朗報を報道しておりました。
 実は、お隣にお座りの小林委員、参議院の地方分権及び規制緩和に関する特別委員会の委員長でございますけれども、午前中、参考人のお三方、東洋大学法学部教授の坂田期雄氏、静岡県の金谷町長の孕石善朗氏、立教大学法学部教授の新藤宗幸氏、このお三方から参考意見を伺いました。その際も私はこの新聞報道を示しながら意見の開陳をお願いいたしました。新藤教授も孕石参考人も、二人ともこの新聞報道のようにぜひこの際は被災者の身になって住民税の減税があればいいなと、同時にそれが地方財政法第五条第一項第五号に基づくような措置をとられないことを望むというようなお話がございました。
 平成三年三月二十六日の当委員会で、ここにお座りの委員長、岩本委員が当時、四年前でありますけれども、東京都知事選に磯村尚徳さんが出られまして住民税一兆円の減税を公約に掲げられましたが、それに関連して自治省当局と質疑を交わされました。私は記録を読んでみました。その記録によれば、特別の必要があるとそれぞれの地方自治体が認める場合にこれを下回る税率を定めることは法的には可能でございます、ただしその際はその団体に余裕があると認めて起債の制限が課せられます、こんな趣旨の答弁がございました。もし仮に二月十四日付の日本経済新聞の記事がこれに該当するとするならば、せっかくの減税はこの地方財政法の五条第一項第五号の規定によって不可能になると考えられます。
 先ほど大臣は財政法の五条の改正をもくろんでいると、こういうお話でございましたけれども、その改正の中に今兵庫県や神戸市がとられようとする措置は該当しないということになるのかどうなのか、その辺のことを明確にお答えいただきたい。
#19
○国務大臣(野中広務君) 御指摘の税の減免措置につきましては、今回の場合は地方税法第三百二十三条の規定等によりまして、委員御承知のとおりに、地方公共団体が地震の発生等の特別な事情によりまして納税者の担税能力が弱まったことに着目をして、標準税率での課税を前提としながらも住民税等の一部または全部を減免しようとすることにございます。したがいまして、今回の地方税の減免に対する減収額につきましては、歳入欠陥債によりその減収を補てんし、その元利補給について特別交付税上の措置を講じようとするものでございます。
 いわゆる元利補給につきまして私が申し上げましたのは、従来は五七%でございますけれども、今回、地震の災害の深刻さを考えまして、府県におきましては八〇%、市町村におきましては七五%の償還をいたしたいと考えて法の改正を検討しておるところでございます。
#20
○続訓弘君 それでは今回の減免措置はこの地方財政法第五条とは関係ない、こういうことでございますね。
#21
○政府委員(遠藤安彦君) 先ほど大臣が御答弁をいたしましたのは、現在の災害対策基本法の規定にょりますと、歳入欠陥債の発行につきましては、災害が起こった年度の税の減免、これに対して起こすことができるという規定があるわけでございますが、この現在御審議をいただいております法律を含め、平成七年度においても税等の減免というのが当然予想されるわけでございますので、その場合にもこの地方財政法五条の規定にかかわらず歳入欠陥債が発行できるという旨の規定を設けるために所要の改正をしたいという意味で御答弁を申し上げたものと理解をいたしております。
#22
○続訓弘君 私が伺っているのは歳入欠陥債ではなくて、税を減免したときにこの地方財政法第五条は適用するのかしないのか、その辺のことを伺いたいんです。
#23
○政府委員(遠藤安彦君) 税の減免は減免の規定、地方税法等の規定によりまして非常に大きな災害等の場合に減免をすることができることになっております。この減免の基準等につきましては通達が出ておるわけでございまして、地方団体間のバランスだとか、それから被害の程度といったようなバランスを考慮して減免をした場合については歳入欠陥債が発行できるという規定が、先ほども言いましたように、災害対策基本法にあるわけでございまして、その規定の適用年度を翌年度まで広げたいというのが現在検討いたしております改正をいたしたいという趣旨でございます。
#24
○続訓弘君 今回御提案の地方税法の改正案は例の奥尻島だとか、あるいははるか沖だとか、あるいは雲仙・普賢岳災害等に対してはどうなんでしょうか。
#25
○政府委員(佐野徹治君) この制度は阪神大震災によりまして被害を受けたものにつきまして、災害は平成七年の一月十七日に発生したわけでございますが、平成七年一月十七日に発生した被害につきましての雑損控除の適用は、この法律の手当てをいたしません場合には平成八年度の課税分、個人住民税の課税分に適用になるわけでございますけれども、それを前倒しすることも可能な措置を講じたいというものでございまして、地方税法の手当てをいたすことによりまして、平成七年度課税分におきまして、ことし発生をいたしましたものにつきましての雑損控除の適用を可能にしようというものでございます。
#26
○続訓弘君 テレビ報道なり新聞報道によれば、この阪神大震災の被害は日本全国に及んでいる、国民経済を直撃していると。例えば、北海道や沖縄への観光客のキャンセルが相次いているとか、あるいは物流、生産面でも大変マイナスの影響があると。そうなりますと、私は税収に響くんじゃないかと。
 そして、実は二月十五日の毎日新聞によりますと、二十四日に提出されるだろう第二次補正予算に対して、税収減が六千億円見込まれる、その結果、一定割合の地方交付税の財源が千八百億減収になる予定だと、こんな報道もございました。
 この際、地方団体がせっかく地方財政計画に基づいて、あるいは地方交付税に基づいて既に予算を計上しております。それが今のような状況で税収減になったときに地方団体は大変困る。その意味で、そういう補てん策を考えておられるのかどうなのか、その辺も明確にしていただきたい。
#27
○国務大臣(野中広務君) 委員十分に御承知のとおりに、地方交付税は地方税と並んでもう地方団体の基幹的な財源であることは申し上げるまでもございません。これが年度の途中でその額が変更になるとするならば、各地方公共団体の財政運営に重大な支障を生ずるわけでございますので、私といたしましては、国税の減額補正がありましても、地方団体に交付される地方交付税総額には影響しないように適切に対処してまいる所存であります。
#28
○続訓弘君 あわせて来年度予算につきましてもぜひ今の姿勢を貫いていただきますことをお願い申し上げまして、質問を終わります。
#29
○有働正治君 限られた時間内での質問で、私も端的にお尋ねしますので端的にお答えいただくようお願いします。
 地震対策とのかかわりの問題で、今、全国で観測強化地域として東海、南関東の二つの地域が指定されています。そして、兵庫、阪神地域を含めました全国八つの地域に特定観測地域が指定されているわけであります。この中で一定財政対策がとられて進められているのは東海地方六県、百六十七市町村であります。それは一九八〇年の法律、地震財特法によって事業の優先確保、あるいは一定の項目についての補助卒のかさ上げが図られ、国の財政的保障が一定とられてきたからであります。
 ところがこの法律は、この間延長が図られてきましたが、三月で期限が切れるわけであります。未達成の項目も多々残っているわけであります。もちろん、これは議員立法として提案された経緯があるわけでありますが、期限切れに対して政府としてどう対応されようとしておられるのか、政府の見解をまず求めます。簡単に。
#30
○説明員(橋本健君) いわゆる地震財特法でございますが、これは大規模地震対策特別措置法、これにおきまして地震防災対策強化地域内の地方公共団体が地震防災強化計画というものをつくりまして、その中で地震防災上緊急に整備すべき施設等を整備するというものでございます。この整備につきまして、地方公共団体に係る財政的負担を軽減する目的で昭和五十五年に議員立法で制定され、その後六十年、平成二年に延長されてきたものでございます。
 このように議員立法で制定、延長がなされてきたというものでございますが、強いて考えを申し上げますと、懸念されている東海地震の切迫性はいささかも減じていない、そういう状況下では延長が必要であると考えております。
#31
○有働正治君 大臣、ちょっとお尋ねしたいのでありますが、静岡県当局からも実情を払お聞きいたしました。現地も見てまいりました。
 関係の自治体は、この間、財特法によりまして国が一定の措置をとってこられたこと、それで対応が進んできたこと、それに対しては当然のことながら感謝している、これが大前提でありますが、同時に、今回の兵庫の深刻な教訓から、いろいろ見直して拡充していただきたいというのが内々の希望としてはあるようであります。
 政府としても、今回の大震災にかんがみまして、いろいろな基準も改正するなど地震への対応措置をとるという方向で今進められているわけでありますから、私は、単なる延長だけでなく、今回の教訓にかんがみまして、補正、補強等が必要な場合はそれも加味しながら拡充も前向きに検討するという姿勢で臨んでいただきたいと思うのでありますが、大臣の決意だけちょっとお述べいただきたい。
#32
○国務大臣(野中広務君) 御指摘のように、現在も依然としてこの地域におきます地震対策の強化につきましては、地方公共団体からも非常に強い延長の要望が出てきておるわけでございます。
 今、委員が御指摘になりましたように、今回の阪神・淡路大震災の教訓をも私ども深めながら、これを所管されます国土庁と協力をし適切に対処してまいりたいと存じておりますが、御承知のように議員立法によります法律でございますので、ぜひ国会において十分御対応を願いたいと存じております。
#33
○有働正治君 教訓にかんがみて積極的に対応する意向も示されたわけで、そういう方向で望みたいと思います。
 そのほか南関東の観測強化地域がありますし、全国八つの特定観測地域が指定されているわけであります。これに関連しまして、今回の重大な教訓にかんがみまして、全国知事会、全国都道府県議会議長会、全国市長会などいわゆる地方公共団体六団体から緊急の要望が私どものところにも政府にも届けられていると思います。それは、今回の教訓にかんがみまして、地震予知連絡会の特定観測地域などを大幅に拡大するなどして地震予知体制の整備、強化を図って災害に強い町づくりを推進していただきたい、そういう要望であります。
 この点について、担当省として、今回の教訓にかんがみて、見直すところは積極的に見直してこういう地方六団体の要望にもこたえるように御検討いただきたいということを望むわけでありますが、いかがでありますか。
#34
○国務大臣(野中広務君) 御指摘の地震財特法におきましては、地震防災対策強化地域内の地方公共団体、現行では東海地域のみでありますけれども、これにつきましての消防施設の補助のかさ上げについて行っておるところでございます。南関東地域及びその他の特定観測地域につきましては、消防施設強化促進法及び予算の補助として大震火災対策施設等について助成を行っておるところでございます。
 今回の阪神・淡路大震災に見るまでもなく、震災対策の充実を図る必要がありますので、今後それぞれ、今御指摘の地方公共団体の要望をも踏まえ、各省庁とも緊密な連絡をとりながらその充実強化に努めてまいりたいと存じております。
#35
○説明員(城処求行君) 御承知のとおり、地震の専門家にお集まりいただいています地震予知連絡会がございます。ここで地震予知の研究を効率的に進めるということで特定観測地域等が指定されているわけでございます。
 最近の地震活動の状況を踏まえまして、私どもも地域選定の見直し、検討の議論というのがこの場で進められるものというふうに考えておりますので、関係の機関とも連絡をとって対応をしてまいりたいというふうに考えております。
#36
○有働正治君 本当に、全国の火山列島の中で関係自治体は非常に衝撃を受けています。今、建設省の担当の方も積極的に対応する、また大臣の方も積極的に今回の教訓にかんがみてということをおっしゃられましたので、この観測地域拡大、それから東海地方にだけしか対応しておられなかった一定の財政的措置、これをやっぱり拡充していくと。
 私も全国の自治体にお聞きしますと、自分たち自治体としても精力的に進めなくてはいけないという対応を意欲的に述べておられます。同時に、東海地方その他が一定対応が進んできたのは地震財特法があって国の一定の財政措置がとられてきた、このことを抜きには語れないということを特に御要望したいと。これに対して大臣も積極的に対応していくとおっしゃられたわけでありますので、地震財特法をこういう地域にも拡大する、あるいはそれに準じて対応するということを先ほどの答弁を踏まえて積極的に対応されることを重ねて強く要望しておきます。
 引き続き、当面の緊急の問題で幾つかお尋ねいたします。
 それは固定資産税の減免制度の拡充の問題であります。
 現行制度で建物の十分の二以上の価格減が固定資産税の減免の対象となっているわけでありますが、十分の二以下の損壊でも修繕に多額の費用がかかるわけであります。とりわけ分譲マンションの住民は十分の二以下のところも多いわけであります。多くのマンション管理組合では、修繕に多額の金がかかるのですぐには組合として取り組めず、みんなで自費で修繕するしかないということをおっしゃって、政府の対応を強く求められています。罹災証明の調査についても、目視で外からチェックしているわけですけれども、十分でないという実態が表面化して見直しが今大々的に進められているところであります。
 そこで、大臣、お尋ねしますけれども、固定資産税の減免を損壊が十分の二以下の方々も対象にするなど、被災者の方々ができるだけ広く救済されますように、枠を超えまして弾力的、柔軟な対応をやっていただけないだろうかと深刻な被災者の共通した声でありますので積極的に御検討いただきたいということであります。
#37
○国務大臣(野中広務君) 家屋の損害につきましては、委員が今御指摘のとおりに、十分の二以上のものを減免対象としておるわけでございます。これはもう申し上げるまでもなく、市町村の基幹税目であります固定資産税の性格も踏まえますと、その所有する固定資産の損害の程度に応じて減免を講じることが適当としたものでありまして、その下限を十分の二としたことと私は存じております。
 今回の災害につきましても、今御指摘のように、当初それぞれ全壊、半壊、一部損傷等の判定をいたしましたけれども、全国から応援に駆けつけた皆さん方によってやられましたためにいろいろな不満等も出ておるようでございますので、そういう不満を吸収いたしまして再度それぞれ判定をしておるところでございます。
 したがいまして、こういう災害につきましては、その広域性、被害の甚大性等にかんがみまして、平成七年度におきましても平成六年度に準じて通達を基準として減免を実施しようと考えておるわけでございます。災害に際しましては、損害の程度は従来からこのような割合で取り扱ってきたところでありまして、固定資産税の性格からいたしますと、先ほど申し上げましたように、引き続きこのような考え方で対応をしてまいらなければならないと存じますので御理解をいただきたいと思うわけでございます。
 県におかれましては、いわゆる法令等で適応できないきめ細かな救済につきまして、基金を積んで対応いたしたいという知事の御意向等もお伺いをいたしておりますので、私どもそういう基金のあり方の中からまたきめ細かな住民への対応ができますように十分応援をしてまいりたいと考えておる次第であります。
#38
○有働正治君 本当に極めて深刻で、枠を超えて、今、大臣最後に述べられたように、十分の二以下の方々にもできるだけ柔軟に、弾力的に御希望に沿うように切に強く要望しておきます。
 次に、現地でまた応援に入られた全日本教職員組合、全教の先生方から、弱者と言われる中で障害児学級、障害児学校の児童生徒の問題について幾つかの改善の要望が出されています。
 文部省にお尋ねします。
 一つは、障害児学校に通学する経路が変更になったり、あるいは交通の渋滞によって通学ができない、あるいは地域教室にとどまっている児童生徒、この児童生徒の通学を保障するためにバスの増車あるいはタクシーの利用等によって通学手段を確保していただきたいというのがこういう先生方、そして父母の方々も含めての願いであります。当然、子供たちの気持ちでもあります。これについての積極的な対応を求めるわけであります。
#39
○説明員(嶋崎和男君) お答えいたします。
 特殊教育諸学校、特殊学級に在籍する児童生徒が今回の地震の被害によりまして通常の経路、方法での通学ができない場合、この間の通学を保障いたしますために学校長等がタクシー会社等と契約してタクシー利用による通学を行う場合、この経費につきまして私ども特殊教育の就学奨励費の支給対象としての弾力的な対応を認めているところでございます。
#40
○有働正治君 そういうことで積極的に漏れなく対応していただきたいと思います。
 次に、厚生省にお聞きします。
 こういう体に障害を持っている児童生徒、もちろんお年寄りの方々、社会的弱者と言われる方々の共通の問題でもありますが、仮設のおふろやおふろ屋さんの利用がなかなか困難なのであります。したがって、非常に悲惨な状況に今置かれていまして、各学校区ごとなりに入浴サービス車をもっともっとふやしていただけないか、あるいはこの点で支援サービス体制を確立するなどして対応していただけないだろうかと。政府が一定対応をしていることは私も承知はしています。しかし、それではまだまだ間尺に合っていないというのが深刻な実情であります。この点について抜本的な対応を求めるわけであります。
#41
○説明員(冨岡悟君) 御説明申し上げます。
 たくさんの被災者がおられる中で、おふろは大変重要な課題となっております。そういった中で障害を持たれた方や高齢者の入浴につきましてはまた特別の配慮が必要でございます。
 こういった方々につきましては、社会福祉施設が持っております。そういう特別な機能を持ちましたおふろに入れるようにする、それからまたそういう施設が持っております入浴車を巡回する、こういったこと。それからまた、兵庫県の社会福祉協議会が中心となりまして、被災地の外の市、町が持っております移動入浴車、現在二十二台が稼働しておりますが、こういったものの支援をもって介助入浴サービスを提供いたしております。また、神戸市におきましては七台の入浴車が現在活動しているということでございます。
 そういうふうにいろいろな手段をもちましてやっておりますが、何分、現在まだ水道も完全に復旧しておりません。また、道には瓦れきが残っていたりということで必ずしも十分な対応ができないといった面がございます。今後の回復に合わせまして、できるだけこういったサービスを増強してまいりたいと思っております。
#42
○有働正治君 いま一つ、車いすなど自助具あるいは補助具が破損したり使えなくなるというような事態が起きて深刻な状況が生まれているわけであります。この点で無料貸与あるいは修理と出張サービスセンターの設置など具体的な手だてを求めたいというのが関係者の強い要望でありますが、この点、厚生省、いかがでありますか。
#43
○説明員(冨岡悟君) 御説明申し上げます。
 障害者の方が使います車いすといった補装具につきましては、各都道府県からの御協力、また関係業界からの寄贈等によりまして、兵庫県で三百九十一台、また神戸市で三百七十六台が確保されまして、無償で貸与されているところでございます。なお、さらに必要な場合には他府県への提供等の協力要請をすることによって需要を満たすことといたしております。
 また、これらの費用につきましては、先月の二十五日に、災害等により前年度と当該年度との所得に著しい変動があった場合、そういうふうにみなして減免する取り扱いといたしております。
 以上でございます。
#44
○有働正治君 終わります。
#45
○西川潔君 私は、まず雑損控除の算定方法及びその手続についてお伺いしたいと思います。
 今回の災害によりまして初めてこの雑損控除の申告手続をなさる方がほとんどだと、こういうふうに思うわけです。申告する場合は住宅、個別の家財等々の被害額を時価で計算して積み上げること、こうなっておるわけですけれども、こうした状況の中で被害者の方々がそうした作業を行うのは相当な負担となるのではないかなというふうに考えます。特に、お年寄りの皆様方が複雑な手続をスムーズに行えるかどうかということを大変心配するわけですけれども、この点、報道によりますと、国税庁の方では今回の建物の全壊、半壊といった被害程度に応じまして細やかな控除額を認定する方法を検討しておられるということでございますが、自治省といたしましてのこの算定方法の簡素化についてお伺いしたいと思いぎす。
#46
○政府委員(佐野徹治君) 今回の申告の場合は、通常申告を必要としない給与所得者等でも雑損控除の申告を行うことが予想されるわけでございまして、申告者数が大幅に増加することが予想されるわけでございます。このため、今回の申告に際しましては、国税庁におかれては簡易な方法により損害を計算できるよう取り扱うこととされると、このように伺っておるわけでございます。自治省といたしましても、国税庁とも十分連絡をとりながら、納税者の方の申告事務が円滑に行われるよう、その方法等につきまして検討し、地方公共団体に対しまして適切に助言、指導を行ってまいりたいと考えている次第でございます。
#47
○西川潔君 よろしくお願いいたします。
 次に、災害の減免通達の改正についてお伺いしたいと思うわけですが、今回の通達によりますと、現行では六百万円以下が対象となっているわけですけれども、一千万円以下に広げる改正を行うことになっているわけです。
 そこで、一点確認させていただきますが、損害の程度が所得税の場合は五〇%以上、住民税の場合は三〇%以上という点については変わりはないのでしょうか。また、罹災証明によりますと二〇%以上が家屋の半壊ということになっておりますが、これと税の減免とはどういう関係にあるのか。税の対象は家屋だけでなく家財も対象となるために、家屋の半壊以上の被害の場合ですとほとんどの場合減免の対象になると推定できるのでしょうか。この点についてお伺いしたいと思います。
#48
○政府委員(佐野徹治君) 災害によりまして被害を受けた納税者の救済対策につきましては、これまでいわゆる災害減免通達によりまして被害者の救済に遺漏なきを期するように指導してきたところでございます。
 今回、所得税におきます所得要件の引き上げ措置に対応いたしまして、個人住民税におきましても通達における所得限度額等につき、社会経済情勢の変化等に対応いたしまして、六百万円以下から一千万円以下に引き上げることとして、減免通達の改正を行いたいと考えております。
 なお、損害の程度による区分につきましては、現行では十分の三以上十分の五未満のとき、それから十分の五以上のとき、この二段階に分けております。所得税の場合には十分の五以上が対象になるわけでございますけれども、住民税につきましては、事柄の性格上、十分の三以上十分の五未満のときにつきましても減免の対象とするというような措置を講じておるところでございます。この二段階の区分につきましては現行どおりといたしたいと考えております。
 なお、雑損控除につきましては、現行の制度ではいわゆる生活に必要な資産、住宅だとか家財だとか、こういうものが損失をこうむった場合に雑損控除の対象になるというようになっておるわけでございまして、今回もそれらの資産につきまして損失が生じました場合には雑損控除の対象になるというわけでございます。
#49
○西川潔君 ありがとうございました。
 次に、申告窓口の職員の配置についてお伺いしたいと思います。
 被災自治体ではこれまでに当面の応急対応に相当な職員の皆さんが当たっておられるわけですけれども、そうした中で今回の申告あるいは減免の手続に当たる職員の配置が果たして十分にできるのであろうか、特に小さな町の場合を心配いたしておるわけです。いろんなところからいろんな声が聞こえてくるわけですけれども、この状況をどのように認識されておられるのか。また、税務担当職員の応援派遣についての検討は行われているのか。きのうもきょうもお願いされたことですけれども、なるべくなら巡回をしていただけるようなこともできないだろうかというような声もございますが、いかがでございましょう。
#50
○国務大臣(野中広務君) 御指摘のように、今回の申告の場合は通常申告を必要としない給与所得者等でも申告を行うことが予想されるわけでございます。申告者が大幅に増加することは御指摘のとおりだと存じております。このため、現在、例えば兵庫県におきましては要請があれば県内市町村からの応援体制を組むことも検討しておると聞いております。自治省といたしましても、必要に応じまして他の地方公共団体と協力して要請をして適切に関係者の事務の対応に努力をしてまいりたいと考えております。
#51
○西川潔君 ぜひよろしくお願いいたします。
 次に、被災者の方々へのPRについてちょっとお伺いしたいんです。
 被災者の方々への生活の情報、行政の取り組みについて、これまでにもマスコミや広報紙等によりましてその周知に御努力いただいていることはよく私も承知いたしております。現地の方々によりますと、いまだに情報が入りにくくて伝わってこないという声も聞こえてくるわけです。毎日のテレビ報道等によりましても、報道してもらえるところとしてもらえないところでは随分違うというようなことも聞くわけです。特に視覚に障害をお持ちの皆様方、また聴覚に、体に障害をお持ちの皆様方が一層深刻な、こういうことが問題となっておるわけです。
 今回の制度改正の内容も含めまして、あらゆる生活情報がもっともっと隅々まで行き渡るような御配慮をお願いしたいと思うんですけれども、いかがでございましょう。
#52
○国務大臣(野中広務君) 今回の災害によりまして被災をされた関係の皆さん方に、私ども、当面する税の問題はもちろんのこと、あらゆる情報をきめ細かく伝わるようにしていかなくてはならないということについては御指摘のとおりでございます。私も幾つかの事象を見ながらその伝達にまだ十分でない点を痛切に感じておるものでございます。
 政府といたしましては、今御指摘ございましたように、関係地方公共団体を通じまして、あらゆる広報媒体を通じて、例えばテレビ、ラジオ、新聞等を活用して、あるいはパンフレットを作成する寺お願いをするとともに、政府といたしましても先般「今週の日本」という別冊版をつくりまして、細かくその対応策について全員に配付するよういたしております。その中にはいろいろお願いをいたしております税制上の措置等につきましても今日まで決定したもののすべてを入れ、また瓦れき等の処分等についても入れておるわけでございますけれども、なかなかそれが被災者に十分理解され伝わっておるかということを考えますと、先ほど申し上げましたように、十分でない点を痛切に感じる点も多いわけでございます。
 今後とも、政府広報はもちろんのこと、自治省といたしましても関係地方公共団体と連携をいたしながら、あるいは税につきましては国税庁とも十分連絡をとりながら、PRの方法について知恵を絞り、被災者に対する広報には十分な対応に努めてまいりたいと存じております。
#53
○西川潔君 ありがとうございます。よろしくお願いいたします。
 私どもは定期的に被災地の方へ寄せていただきまして、そして皆さん方にお伺いすることをこうして委員会でお願いしているわけです。
 先週の日曜日も参りまして地主の方々といろいろお話をして、寄り寄り皆さんが集まっていろいろな計画も出るわけですけれども、お役所の方へ参りますとどうしてもそちらの範囲内でもって、今度は地域で何とか生活の立て直しをというふうにお伺いするとどうしても抽せんになったりとか、いろいろ難しい問題があるというようなお話もたくさん聞いております。また、この日曜日ですけれども、見せていただきましたら、公のところからですからなかなか我々のところまで手が届かない、少しでも早くこういう瓦れきの処理なども半倒壊のところもよろしくお願いしたいということも聞くわけですけれども、なかなか難しい問題点がたくさんございますので、PRの方もよろしくお願いしたいと思います。
 最後に、ぜひとも御配慮いただきたいことについて御質問をさせていただきたいと思うわけです。
 このたびの震災被害の大きかった兵庫県あるいは大阪府、大臣の地元であります京都府、いずれの地域におきましても神戸市、大阪市、京都市という政令指定都市がございます。そして、今回の震災対策を進めていく中で、ごく一部ではございますけれども、府と県と政令指定都市との間で連絡あるいは連携というものがうまくいかなかった部分も多々あったのではないかということでございますし、また知り合いの行政職員の方からも反省するような声もお伺いもいたしました。また、新聞報道では具体的な事例を取り上げて批判をしたりする記事も目にしたわけです。被災自治体はもちろんのことですが、大阪府や京都府等々周辺自治体においてもさまざまな面で支援協力に全力を挙げて取り組んでいただいていることは承知いたしておりますし、前回の委員会でも大臣初め政府委員の皆さん方にも御質問させていただきまして、本当に頑張っておられるという御答弁をいただきました。ですからあえてその一部だけの報道内容を引用するようなことは控えさせていただきます。
 また、その一方で、こうした報道記事や指摘がある以上はそれを耳にしたり目にしたり、そしてまた皆さん方からの陳情もございますが、行政に対して少なからずとも不安を抱いたこともこれは事実でございます。そうしたときに、神戸市あるいは大阪市、京都市は政令指定都市だからといったことで連絡や連携に支障を来さないための確実な方法を日ごろから確立しておく必要があるのではないかなと、私自身こういうふうに思うわけですけれども、大臣に今の内容のお話で一言ございましたらいただいて、終わりにしたいと思います。
#54
○国務大臣(野中広務君) 今回の災害に対しまして、今お話をいただきましたように、ボランティアの皆さん方が各分野で大変な御活躍、御協力をいただいておることに厚く感謝をしておる次第であります。
 御指摘の兵庫県が要請をした手話ボランティアに対する派遣の問題についてでございますけれども、私も実はそういう報道が二月十日になされたのを知っております。それぞれ京都市及び大阪市に、あるいは京都府及び大阪府に照会をいたしましたところ、一月二十人日に京都府から京都市へ連絡をいたしておるようでございます。京都市の担当者からは、記事に書かれておるような、府から要請があればすぐに派遣したのに、そんなことは全然言っていないということであります。また、大阪府においても一月二十八日に大阪市及び管下の市町村に兵庫県からの通知を送付して連絡をしたということを申しております。
 けれども、一般論としては、なかなかこの政令指定都市と府県との関係というのはいろいろと問題があるわけでございますので、こういう時が時だけによりきめ細かく対応を、被災地の立場に立って、兵庫県からあったから府県だけといったようなことのないように、私どもはこういうことについて十分配慮をしてまいりたいと考えております。
#55
○西川潔君 終わります。
#56
○委員長(岩本久人君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。これより討論に入ります。――別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 地方税法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#57
○委員長(岩本久人君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#58
○委員長(岩本久人君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後二時五十一分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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