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1995/03/24 第132回国会 参議院 参議院会議録情報 第132回国会 地方行政委員会 第8号
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1995/03/24 第132回国会 参議院

参議院会議録情報 第132回国会 地方行政委員会 第8号

#1
第132回国会 地方行政委員会 第8号
平成七年三月二十四日(金曜日)
   午後一時三十分開会
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         岩本 久人君
    理 事
                鎌田 要人君
                岩崎 昭弥君
                釘宮  磐君
                有働 正治君
    委 員
                石渡 清元君
                鈴木 貞敏君
                関根 則之君
                服部三男雄君
                真島 一男君
                松浦  功君
                上野 雄文君
                篠崎 年子君
                山口 哲夫君
                渡辺 四郎君
                小林  正君
                続  訓弘君
                浜四津敏子君
                西川  潔君
   国務大臣
       自 治 大 臣
       国 務 大 臣
       (国家公安委員
       会委員長)    野中 広務君
   政府委員
       警察庁長官    國松 孝次君
       警察庁刑事局長  垣見  隆君
       自治大臣官房長  秋本 敏文君
       自治省行政局公
       務員部長     鈴木 正明君
       自治省財政局長  遠藤 安彦君
       自治省税務局長  佐野 徹治君
       消防庁長官    滝   実君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        佐藤  勝君
   説明員
       厚生省保険局医
       療課長      下田 智久君
       建設省都市局都
       市計画課長    澤井 英一君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○地方行政の改革に関する調査
 (地下鉄駅構内毒物使用多数殺人事件等に関す
 る件)
○地方税法の一部を改正する法律案(内閣提出、
 衆議院送付)(閣法第九二号)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(岩本久人君) ただいまから地方行政委員会を開会いたします。
 地方行政の改革に関する調査を議題とし、地下鉄駅構内毒物使用多数殺人事件等について報告を聴取いたします。野中国家公安委員会委員長。
#3
○国務大臣(野中広務君) 地下鉄駅構内毒物使用多数殺人事件及び品川区先路上における公証役場事務長被害の逮捕監禁事件捜査に伴うオウム真理教関係箇所に対する捜索の実施状況について御報告を申し上げます。
 まず、地下鉄駅構内の毒物使用多数殺人事件について申し上げます。
 去る三月二十日午前八時過ぎごろ、朝の通勤ラッシュ時間帯をねらい、営団地下鉄日比谷線、丸ノ内線、千代田線において、何者かが不審物を車両内に置き去ったことにより、車両及び築地駅等十六駅の構内にサリンと推定される有毒ガスが立ち込め、乗客等多数が死傷するという事件が発生いたしました。
 事件認知直後においては、警視庁レスキュー部隊を含む機動隊、交通整理班等約一万一千名を各現場に急行させ、負傷者の救助活動、避難誘導等の措置に当たる一方、特別捜査本部を設置し、犯人検挙のため全力の捜査活動に当たっているところであります。
 また、警察庁では、同日、対策室を設置し、事態の把握に努めるとともに、公共交通機関等における警戒強化と再発防止に万全を期するよう、全国の都道府県警察に対して指示をしたところであります。
 本事件は、朝のラッシュ時間帯をねらい、何の関係もない善良な市民を大量無差別的に殺傷するという悪質きわまりない事件でありますところから、全国警察を挙げて犯人の早期検挙と再発防止のために全力を尽くしてまいる所存でありますので関係各位の御協力をお願いいたします。一次に、オウム真理教関係箇所に対する捜査状況について申し上げます。
 去る二月二十八日午後四時二十分ごろ、品川区上大崎三丁目先路上において、公証役場事務長が複数の男に拉致され車でいずれかに連れ去られた事件について捜査を進めましたところ、本件はオウム真理教関係者による犯行と認められたことから、警視庁においては、三月二十二日の早朝より約二千五百名体制で、都内を初め静岡県内、山梨県内のオウム真理教関係箇所合計二十五カ所を捜索し、各種薬品と思われる物件多数を押収しております。
 また、残念ながら拉致された被害者の発見救出には至っておりませんが、捜索場所に不法に監禁されていた他の被害者の救出を図るとともに、監禁していた犯人四名を逮捕したところであります。
 いずれにいたしましても、拉致された被害者の早期救出に努めるとともに、捜索によって発見押収された大量の薬品と思われる物件が、どのような意図により保管されていたか等、その背景については現段階では判然としませんが、早急にその全容の解明を図るべく捜査に万全を期してまいる所存であります。
 なお、本日午前八時より、大阪府警において、三月十九日に発生しました大阪大学学生の拉致事件に関連して、オウム真理教の施設四カ所を一斉捜索しております。
 以上申し上げ、詳細は政府委員から説明をいたさせます。
#4
○委員長(岩本久人君) 次に、補足説明を聴取いたします。警察庁垣見刑事局長。
#5
○政府委員(垣見隆君) ただいま大臣から報告いたしましたことに補足をして説明させていただきます。
 まず、地下鉄駅構内毒物使用多数殺人事件でございますが、同事件による被害の状況は、本日八時現在、死亡者十名、負傷者約三千七百名となっております。
 現在までの捜査の状況でありますが、事件発生当日、警視庁築地警察署に約三百名体制の特別捜査本部を設置し、現場において発見・押収した遺留物の分析、目撃情報の入手等所要の捜査に全力を尽くしているところであります。
 犯行に使用された有毒ガスにつきましては、現場に遺留されていた物件を回収するなどして、警視庁の科学捜査研究所及び警察庁の科学警察研究所において、それぞれ多角的に鑑定を実施しているところでありますが、現時点におきまして有機リン系物質であるいわゆるサリンである疑いが極めて強いという状況にあります。
 また、現場で目撃された不審者につきましてもその特定に向け鋭意捜査を続行しているほか、乗客など多数の関係者から情報の入手等に努めておりますが、現時点におきましては犯人を特定するまでの有力な情報の入手には至っておりません。
 先ほど大臣からの報告にもございましたように、本件は、有毒ガスを使用し、わずかの間に数千名の死傷者を出すという、これまでに例を見ない悪質、凶悪な犯行であり、国民の皆様方に多大の不安感を抱かせた事件でありますことから、一刻でも早く犯人を検挙して事案の全容を解明すべく、警察の総力を挙げて捜査に全力を尽くしてまいる所存でございます。
 なお、昨年六月、長野県で発生いたしましたいわゆる松本サリン事件につきましては、その解明に向け捜査続行中でありますものの残念ながら犯人の検挙に至っておりませんが、この事件も今回の事件同様、犯行にサリンと思われる有毒ガスが使用され、多数の死傷者を出した悪質な事案でありますことから、薬品入手ルートの解明や動機、背景等に関し、聞き込みなど所要の捜査を推進し、早期解決に努めてまいる所存であります。
 次に、オウム真理教関係箇所に対する捜索などの実施状況についてであります。
 この事件は、その形態からして何らかのトラブルに端を発するものと思料されたことから、警視庁において捜査本部を設置し、所要の捜査を行いましたところ、オウム真理教関係者が深くかかわり、かつ犯行に及んだものとの確証を得たことにより、三月二十二日早朝を期して、オウム真理教東京総本部を初め静岡及び山梨県内所在の関係箇所に対し捜索を実施したものであります。
 その結果、被害者の発見救出には至っておりませんが、山梨県内のオウム真理教施設に不法に監禁されていた男女六名を救出するとともに、犯行にかかわった信者と見られる男性四名を現行犯逮捕いたしております。
 また、捜索により、それぞれの場所から薬品様の物品を含め相当量のものを押収いたしておりますが、それらにつきましては、現在分析検討中のところであります。
 なお、犯行に使用した車両の捜査等から犯人の一名と思料される者が特定できたため、三月二十二日、被害者の早期救出という観点も含めて、全国に手配をいたしたところでございます。
 今回のオウム真理教に対する捜査は、公証役場事務長に対する逮捕監禁事件に端を発したものでありますが、捜索場所に他の被害者が監禁されていたことや、各捜索場所に多量の薬品と思われる物品が存在していたことなどから、それらの背景等をも含め徹底してその全容解明に努めてまいる所存でございます。
#6
○委員長(岩本久人君) 以上で報告の聴取は終わりました。
    ―――――――――――――
#7
○委員長(岩本久人君) 次に、地方税法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。野中自治大臣。
#8
○国務大臣(野中広務君) ただいま議題となりました地方税法の一部を改正する法律案の提案理由とその要旨につきまして御説明申し上げます。
 阪神・淡路大震災の被災者の負担の軽減を図る等のため、固定資産税及び都市計画税の特例措置並びに不動産取得税の非課税措置を講じる等の必要があります。
 以上がこの法律案を提案いたしました理由であります。
 次に、この法律案の要旨につきまして御説明申し上げます。
 その一は、道府県民税及び市町村民税についての改正であります。
 個人の道府県民税及び市町村民税につきましては、道府県民税について阪神・淡路大震災に係る財産形成住宅貯蓄等の利子等に係る利子割の額を還付する等の措置を講じることといたしております。
 その二は、事業税についての改正であります。
 事業税につきましては、阪神・淡路大震災に伴い申告等の期限が延長された場合における中間申告納付の特例等を講じることといたしております。
 その三は、不動産取得税についての改正であります。
 不動産取得税につきましては、被災市街地復興土地区画整理事業に係る復興共同住宅区内の土地の共有持ち分等の取得について、非課税措置を講じることといたしております。
 その四は、固定資産税及び都市計画税についての改正であります。
 固定資産税及び都市計画税につきましては、阪神・淡路大震災により住宅が滅失・損壊した場合に、平成八年度分及び平成九年度分について、住宅が再建されるまでの間は、その敷地であった土地を住宅用地とみなして課税標準の特例措置等を適用するとともに、滅失・損壊した家屋及び償却資産の所有者等がこれにかわるものを平成十年一月一日までの間に取得した場合等に、三年度間二分の一を軽減する措置を講じることといたしております。
 以上が地方税法の一部を改正する法律案の提案理由及びその要旨であります。
 何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
#9
○委員長(岩本久人君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#10
○浜四津敏子君 地方税法についての質問に入ります前に、ただいま御報告いただきました今回のいわゆる地下鉄サリン事件についてお伺いいたします。
 御報告でも触れられましたが、この事件は対象が不特定多数の無差別殺人とも言うべきものでありまして、大変理不尽きわまりない許しがたい事件であります。こうした事件は国民のだれもが対象になり得る可能性があるものでありまして、多くの国民の方々が非常に不安感、また恐怖感を抱いておられます。今回の事件の早期解決とともに、このような事件が二度と起こらないように再発の防止に全力を挙げていただきたいと思います。
 その再発防止の対応策でございますが、先日の報道によりますと、政府としてはサリンに関する特別立法等を考えておられるというふうに聞いております。これは対応策の一例だと思いますが、警察庁としてはこの再発防止策として具体的にどのようなことを考えておられるのか、お示しいただきたいと思います。
#11
○政府委員(垣見隆君) お答えいたします。
 ただいま御指摘いただきましたように、今回の地下鉄における大量殺傷事件につきましては、社会一般に重大な不安を生じさせているということにかんがみまして、まず犯人あるいは犯人グループの早期検挙に向けた捜査活動を早急に徹底して実施をするということが第一でございますが、あわせて同種事案の再発防止のため、公共輸送機関や多数人の蝟集場所を中心にした所要の警戒措置等を講ずるように全国警察に指示をいたしているところでございます。
#12
○浜四津敏子君 また、このような事件の再発防止に向けての国家公安委員長としての決意のほどを自治大臣にお伺いしたいと思います。
#13
○国務大臣(野中広務君) 本件は、先ほど来御報告を申し上げ、ただいま委員からも御指摘がございましたように、サリンによって人を大量無差別的に殺傷するという事件が発生をしておるのでございます。社会一般に重大な不安を生じさせておるにもかかわらず、現在公共の危険を防止する観点からサリンやサリンの原料物資の所持等を取り締まる法規が残念ながら存在をしておらないところが現実であるのでございます。
 そこで私は、今回このような極めて悪質な事犯であることにかんがみまして、国民に多大な不安を与えることから徹底した捜査を行い、早期に事件の解明を行いますとともに、これによって生ずる責任のすべては国家公安委員長たる私が負うことによりまして今後厳正かつ適正な事件処理が行われ、かつそれによって国民の不安を解消できるよう國松警察庁長官にも要請をしたところでございます。
 今後、先ほど申し上げましたように、法規が存在しておらない状況でございますので、サリンの所持等を含め、この取り締まりのための特別立法の検討をただいま関係閣僚に要請をし、そして鋭意検討を進めておるところでございます。
#14
○浜四津敏子君 それでは、地方税法の一部を改正する法律案についてお伺いいたします。
 前回の改正と今回の一連の改正案は、不幸にも大震災によって家屋が滅失・損壊した方々にとりましては、十二分とは言えないにしても、大変いい施策ではないかと評価しております。
 私はこの法案が出されましてから一つ気になっていたことがありますので、質問させていただきます。阪神・淡路大震災以前の災害でも、規模こそ異なりますが、今回と同じような被害が出たものがございます。その人たちへの救済についてお伺いしたいと思います。
 例えば、平成六年十二月二十八日には三陸はるか沖地震がありました。また、平成五年七月十二日に発生して奥尻島で大被害を出した北海道南西沖地震が起きました。また、さらにその三年前の平成二年十一月十七日、雲仙・普賢岳の噴火等があります。
 この被害の状況でございますが、三陸はるか沖地震では、住居家屋の全壊が四十八棟、半壊三百七十八棟、一部損壊五千八百三棟、大変大きな被害になっております。また、北海道南西沖地震では、全壊が六百一棟、半壊四百八棟、一部損壊五千四百九十棟、その他床上浸水、床下浸水が多数出ている。また、雲仙・普賢岳噴火におきましては、火砕流、噴石あるいは火山れきによる被害、また土石流等によって多くの損害がありました。こうした被害で家も財産も失った方々にしてみれば、同じ天災、同じ災害ではなかったのかというふうに思います。こうした方々への救済もせめて今回の阪神・淡路大震災の場合と同じくらいにすべきではないか、こう思います。
 ちなみに三陸はるか沖地震における政府の救済策は、災害救助法の適用がありまして、また災害弔慰金の支給、また災害援護資金の貸し付け、あるいは住宅関係融資等々がなされましたが、しかし地方税関係での救済策はなされておりません。また、北海道南西沖地震におきましても、一部税務上の措置、申告納付等の期限の延長等はなされたようですけれども、これも地方税関係については救済策はなされなかったように理解しております。こうした方々への救済策、救済内容は今回の阪神・淡路大震災における救済策とかなり違いがあるのではないかというふうに思います。
 こうした方々にも今回の阪神・淡路大震災に対する救済と同程度の救済が必要ではないかと考えますが、いかがでしょうか。
#15
○政府委員(佐野徹治君) 地方税関係におきましては、災害が発生をいたしました場合には、この被災に対しましては条例に基づく減免により対応することができることとなっているわけでございます。
 今回、阪神・淡路大震災につきまして特別の地方税法の改正法案を提案させていただいております。
 その理由でございますけれども、今回の震災につきましては、その被害が広範な地域にわたっているということ、それからまた同時、大量、集中的に発生をした極めて甚大なものである、こういったことを考えますと、現行の諸制度が想定しております災害とは面的にも、また量的にも相当性格を異にするものではないかということがございます。また、震災による影響は阪神・淡路の地域にとどまらず、我が国経済社会全体に関する問題となっている、そういったことからこの救済なり復興のためには新たな対応が必要であると、そういった認識をいたしておるところでございます。
 今回の震災につきましては、全体の法制上の手当てにつきましても特別に阪神・淡路大震災復興の基本方針及び組織に関する法律といった法律が制定をされまして、そしてこの法律に基づきまして阪神・淡路復興対策本部が設置されるなど、この地域の被災者に対しましては既存の枠組みとは異なる対応が行われることとされているわけでございます。
 今回の改正法案はこういった全体の趣旨を税制の分野で具体的に措置をしようとするものでございまして、国税における対応とあわせて地方税における取り扱いにおきましても阪神・淡路大震災による被害に着目し措置をしたものでございます。
 冒頭に申し上げましたように、地方税におきましては、地域の被災状況に応じてこれまでにも被災地方団体の条例によりまして個別に減免の対応が行われてきているということでございますので、御理解をいただければと思います。
#16
○浜四津敏子君 それでは、次に地域防災計画の見直しについて伺います。
 今回の直下型地震を踏まえまして、平成七年二月六日付で、消防庁次長名で各都道府県知事に対しまして「地域防災計画に係る緊急点検の実施について」と題する通知が出されました。
 現在の自治体の地域防災計画の多くは直下型地震を想定しておりません。今回の消防庁からの通知は直下型地震を想定したものでありますが、各自治体は一斉に見直しを進めていると理解しております。
 大体いつごろまでにまとめる予定になっているのか、またこの進捗状態につきまして御説明いただきたいと思います。
#17
○国務大臣(野中広務君) 委員がただいま御指摘をいただきましたように、地域防災計画の見直しにつきまして、消防庁次長名をもちまして先般、二月六日付で今次震災の甚大な被害と、そしてそれのさまざまな点検すべき内容を入れまして指導を通知したところでございます。
 これを踏まえまして、現在各地方公共団体では見直しに取り組んでおられるところでございますが、短期的には一つは例えば職員の動員配備あるいは通信施設の耐震性の確保、あるいは防火水槽の緊急整備等といった事項についてできるだけ早急に見直しを図る必要があると考えてお願いをしておるところでございます。
 また、地震の被害想定につきましては、地域の特性やあるいは災害の危険性を十分に把握した上で具体的な想定を行い、それに応じた予防及び応急対策計画を定める必要があると存じますので、現在消防庁では学識経験者や防災行政機関の職員から成る地震防災対策検討会を二班に分けてそれぞれ連日審議をいただいておるところでございます。できるだけ早く、四月中にその結論を得たいと思っておるのでございますが、今日までそれぞれ学識経験者あるいは防災行政機関から成る職員の検討会の一回一回をそれぞれ都道府県に通知をいたしまして、地域防災計画の見直しの参考に供しておるところでございます。
 ほぼ四月中にその結論を得たいし、提言をいただきたいと存じておりますので、これがまとまりましたら、地方公共団体に対しましてできるだけ早くその見直しが円滑に行われるようにまた通知をし、指導してまいりたいと存じております。
#18
○浜四津敏子君 また、報道によりますと、神戸市の各署に配備されている消防ポンプ車というのはわずかに基準の四四%に当たる六十四台にすぎない、こう報道されました。また、職員も基準の七〇%以下と言われております。
 現時点における全国の消防施設、また消防職員の基準と実態を明らかにしていただきたいと思います。また、それに加えまして充足に向けての対策についても御説明いただきたいと思います。
#19
○政府委員(滝実君) 御指摘のように、神戸市の場合には、特に中心となるポンプ車の台数がかなり少ない、こういうような報道がされているわけでございます。私どもは、やはり消防力の基本は何といっても消防ポンプ自動車でございますので、これの充足というものがまず第一に考えるべきことではないだろうかというふうに存じておるわけでございます。
 お尋ねいただきました全国の状況でございますけれども、消防ポンプ自動車の充足率は八八・七%、それから現有車両、ポンプ式自動車以外に救急車両でございますとかあるいははしご車とか、そういう全体としての車両に対してそれぞれ職員の定員を定めているわけでございますけれども、そういった現有車両に対する消防職員の充足率は七〇・六%、こういうような状況でございます。いずれにいたしましても、やはり今回の経験にかんがみれば、とにかく基本となるこの資機材のまず充足というのを急がなければなりません。そういう意味で、例えば神戸市の場合には消防ポンプ自動車の充足が何よりも大事でございます。
 それからまた、特に神戸市の場合には、今回消防団員は非常に活躍をしていただいたのでございますけれども、消火に当たる場合のポンプ車あるいは動力ポンプがどうも町場の方の消防団には欠けていたとか、救急救助の方では大変活躍していただいたのでございますけれども、消火となるとどうもその辺が弱かった、そういうような問題がございますものですから、消防本部が使用いたします消防ポンプ自動車の充足あるいは消防団にも消火用のポンプあるいは救助用の資機材、こういうようなものをなるべく速やかに配備する、こういうことが大きな課題だというふうに存じておりますし、神戸市の方もそういうような観点から急いでいるような状況でございます。
 それからもう一つは、これは今回の反省でございますけれども、やはり震災の場合には消火栓に頼るということは困難であるということでございますので、当然のことながらそういう観点からの防火水槽の整備というのは、神戸市の場合にも急がれるわけでございますけれども、やはり全国的にもこういった点について点検を進め、それなりの応急の対策を講じてまいる必要がある、私どもはそういう観点から、今回、地域防災計画の見直しにあわせまして、個々の消防当局に対しては応急の点検を進めるようにしてまいりたいと存じておるわけでございます。
#20
○浜四津敏子君 先ほどもお話ししました本年二月六日付の消防庁次長名義の通知でございますが、その中に「緊急に点検すべき事項」として「防災施設の整備について」、こういう項目が挙げられております。その中には「避難施設、水利施設、通信施設等の防災施設整備が被害想定に対応できるものであること。また、これらの施設については耐震性が十分確保できているものであること。」、こういう内容が書かれてございます。
 例えば、地震の震度が六やその場合と震度五の場合とでは被害の規模が極端に異なってまいります。震度六やあるいは七になりますと、水道管は破滅的な打撃を受けまして消火栓が使えなくなる。神戸でも今回消火栓が使えないところがありました。東京都は消火栓の全滅を前提に水槽の整備を進めております。現在、二十二区だけで一万三千八百十その水槽が二百五十メートル置きに整備されております。また、神奈川県、そして静岡県でもこの消火栓の全滅を前提として整備を進めていると伺っております。
 この「地域防災計画に係る緊急点検の実施について」、この中で示されているこの計画も消火栓の全減を前提としているんでしょうか、あるいはどの程度のことを前提としての計画を意味しておられるんでしょうか。
#21
○国務大臣(野中広務君) 委員がただいま御指摘いただきましたように、今次阪神・淡路大震災におきましてはほとんど消火栓が機能しなくて全滅をしたという状況にかんがみまして、消火栓以外の消火用水を確保することが今回の地震災害の大きな教訓となったのでございます。御指摘のように、二月六日付の消防庁次長通達におきましても、防火水槽や地域の実情に応じた海水、あるいはため池、河川等の自然水利をも含めまして、多様な消防水利を確保するよう指示をいたしましたところでございます。
 今御指摘ございましたように、東京都、神奈川県及び静岡県等におきましては、大地震における断水等による消火栓の機能低下に対応するための防火水槽等の整備が行われておるところでございます。
 私どももこのようなことを十分参考にいたしまして、今後とも多様な消防水利の確保について地方公共団体を指導してまいる所存でございます。
#22
○浜四津敏子君 今回の大災害は、消火栓が全減して手が回らなかった、「延焼招いた「想定外」」、こういう記事にもなっております。
 また、神戸市内の火災現場で調査を続けておられる神戸大学教授の室崎教授が、これは新聞紙上でございますが、「大地震の場合、消防力は必ず不足する。火災を消防だけの問題にせず、川を掘り下げて自然水を消火に使えるようにしたり、住宅の自動消火装置を普及させるなど、事前にできる対策は何でも講じておくぐらいの気構えが必要だ」、こういう提言をされております。
 いずれにしても、こうした被害を事前に食いとめることができると考えられる措置は、この教授がおっしゃっておられるように、何でも全力で講じていただきたい、またこちらもともに取り組ませていただきたい、こう思います。
 次に、二月二十八日のこの地行委員会で質問させていただきましたが、自治省は平成七年度においても引き続き地方税の減免措置を講じることを決定したと伝えられたが、具体的にどの程度の減免措置になるのか、また税目として新たな減免措置が加わるのか、こういう質問をさせていただきました。それに対しまして自治省の方から「今回の災害の広域性、甚大性にかんがみまして、基本的には平成七年度におきましても平成六年度に準じて減免を実施することが適当であると考えておりまして、近く通知を発したいと考えております。」、こういう御回答をいただきました。
 この通知は既に発せられたのでしょうか。
#23
○政府委員(佐野徹治君) 今回の阪神・淡路大震災におきましては、平成六年度の分につきましては、従前から事務次官名での災害の基本通達がございまして、この基本通達に基づいて減免措置を講じる、このような通達を一月に出したところでございますけれども、今回の震災の広域性なり、被害の甚大性等にかんがみまして、平成七年度におきましても基本的には平成六年度に準じてこの災害の減免の次官通達を基準として減免を実施することが適当である、こういった旨の通知を去る三月九日に出しておるところでございます。また、あわせまして同日付、三月九日付でございますけれども、平成六年度及び平成七年度の不動産取得税及び事業所税の減免措置の取り扱いについての通知も行ったところでございます。
 こういった通知等に基づきまして、それぞれの関係地方公共団体におかれましては適切な対応がなされるものと考えておる次第でございます。
#24
○浜四津敏子君 今回の震災では、神戸では幅の広い道路やあるいは並木道あるいは公園で火災がとまっていたという事実がございます。公園の整備あるいは緑の効用を生かした町づくり、災害に強い町づくりの必要性を痛感したわけでございます。今回の震災では二次災害とも言える火災によりまして多くの犠牲者を出したわけでございます。したがって、今後の阪神地区の復興に当たりましては、先ほどお話ししました公園の整備ある。いは緑の効用等を生かした防災対策が求められる、こう思います。また、緑地、特に常緑広葉樹の火災に対する効用というのは、関東大震災直後に現在の林野庁に当たる山林局の研究者による調査でも指摘されていたというふうに言われております。
 こうした観点からの幅広い、災害に強い町づくりについて自治省のお考えを例えればと思います。
#25
○政府委員(滝実君) 御指摘ございましたように、関東大震災の際にも震災予防調査会が火災に関する報告書を残していただいております。それを拝見いたしますと、確かに常緑広葉樹が火災の延焼拡大に非常に効果があったということが写真入りでかなり記述されているわけでございます。
 今回の神戸におきましてもほぼ同様な例があるわけでございまして、これは私どもも消防の立場から、やはり何といってもこういう同時多発ということを考えた場合には、広い道路、それから公園、あるいはそれに伴う常緑広葉樹、こういうような観点からの配慮がぜひ町づくりの中では必要だろうというふうに考えておりまして、この辺は、私どもも検討会を現在やっておりますけれども、その中にも町づくりの専門家に出席をしていただいておりますので、そういう意味での意見も当然出てくるだろうというふうに期待をいたしているところでございます。
#26
○浜四津敏子君 最後に、これは通告しておりませんので今おわかりになる範囲で結構でございますが、先日、最高裁判所が定住外国人の地方参政権を合憲とする判断を示しました。非常に画期的な判決であると評されております。
 自治省としてこの最高裁の判断に対する御見解がありましたら、それをお伺いしたい。また、仮にこの最高裁の判断を具体化していくというお考えがおありの場合には、どのようにそれを具体化されていくのか、お答えできる範囲で結構ですのでお答えいただければと思います。
#27
○国務大臣(野中広務君) 先般、在日外国人の選挙権の付与につきまして最高裁判決が出されましたことは委員御指摘のとおりでございまして、私ども最高裁の判決を尊重しなければならない立場にあることは言をまたないのでございます。この判決を厳粛に受けとめてまいりたいと考えておるところでございます。
 ただ、判決が求めておる選挙権を付与すべき外国人の範囲というものをどのように特定をしていくのか、あるいは定住外国人と地方公共団体とのかかわりをどのように考えるのか、あるいは国政と地方公共団体とのあり方と選挙権付与との問題をどのように整合的に考えるのか、さまざまな検討課題があるわけでございます。今、与党プロジェクトにおいても御検討をいただいておるようでございますし、私ども自治省といたしましても、今回の最高裁判決を受けまして、そのあり方について法務省と協議をしながら検討を進めておるところでございます。
#28
○浜四津敏子君 検討すべきことはたくさんあるかとは思いますが、最高裁でこうした合憲の判断がなされたのでありますから、一刻も早くそれらを明文化した法律を規定する方向に向けて御努力いただきたいと思います。
 ありがとうございました。
#29
○有働正治君 冒頭の報告との関連で一、二お尋ねします。
 オウム真理教に関する捜索で押収された化学物質、その化学物質から見ました場合に、サリンが製造できる可能性があるというふうに警察としては見ておられるかどうか、またそのことも念頭に置いて分析あるいは捜索されるのかどうか、その点まずお答えください。
#30
○政府委員(垣見隆君) お答えいたします。
 今回、拉致事件の被害者の救出、被疑者の発見、証拠物の発見等のために捜索をいたしましたのは先ほど御説明いたしたとおりでございますが、その捜索において多数の薬品類等を押収いたしております。この薬品類等につきましては、現在警視庁において整理をし、まだ一部は運搬できなくて現地に保管をしているものもございますけれども、そういうものも含めて整理分析を始めたところでございまして、この詳細な内容及びそれらの薬品類をどういうふうに評価するかにつきましては現時点では答弁いたすことができない段階でございますので、御理解を賜りたいと存じます。
#31
○有働正治君 サリンとの関係も念頭に置いて今後分析するかどうか、そこら辺はどうですか。
#32
○政府委員(垣見隆君) ただいま申し上げましたように、それらの薬品類等の整理分析が行われた段階では、それらがまたどういう目的で何のために所持、保管をされていたか等につきましては、当然のことながら調査をし、また捜査をしてまいることとなると存じます。
#33
○有働正治君 それから、地下鉄サリン事件の捜査いかんによっては、今回のオウム真理教捜査との関連、可能性はどうなのか、あらゆる可能性の一つに今回のオウム真理教の捜査の関係者等も念頭にあるのかどうか、その点は。
#34
○政府委員(垣見隆君) お答えをいたします。
 警察におきましては、各種の犯罪容疑情報がございました場合には、必要な情報収集をし、法令に従い、また得られた証拠に基づいて、違法行為があれば厳正に対処をするという考えで活動をいたしているところでございます。
 今回、御案内のように、品川区内における公証役場に御勤務の仮谷さんの拉致監禁事件につきまして捜査を進めておりまして、その過程でオウム真理教の関係者の関与が明確になりましたことからオウム真理教関係施設の捜索を実施したところでございます。
 その捜索の過程でいろいろな薬品類等が押収されたことは、先ほど御指摘もいただき、また御答弁申し上げたわけでございますけれども、当然のことながら捜査の過程ではそれらを分析整理をして、必要なまた調査なり捜査をしていくわけでございます。
 それから、その事件と他の事件との関連につきましては、現在私どもとして確たる御返答を申し上げる段階には至っておらないということを御理解いただきたいと存じます。
#35
○有働正治君 重大事件であります。厳正に早期に解決を求めておきます。あらゆる可能性を的確に対応していただきたいということだけ述べて、法案に関する質問を行います。
 阪神・淡路大震災で受けた病院の対策の問題であります。
 今回の大震災で各地の病院が水道がストップ、あるいは手術もできない状況に追い込まれるなど、大打撃を受けたことは御承知のとおりです。改めて病院など医療機関の抜本的震災対策が要求されているわけで、全国の地方自治体の重要な課題ともなっているわけであります。
 時間の関係で大臣にお尋ねしますけれども、今の自治体病院の震災対策、それから医療機関に優先的に水を回す体制をとってほしい、この点、兵庫県医師会の瀬尾会長さんなども強く要望されているところであります。そういう関係者からの要望に自治大臣として積極的に対応していただきたいということでありますが、いかがでしょうか。
#36
○国務大臣(野中広務君) 御指摘のように、今回の阪神・淡路大震災におきましては、公立病院等におきまして給水タンクの被害等、さまざまな問題が生じたと私どもも承知をしておるところでございます。
 ただいま御指摘のような非常事態に対応できるよう、今後厚生省初め関係省庁と連携をとり、適切な対応ができるように行ってまいりたいと存じております。
#37
○有働正治君 関連して、自治体病院の赤字対策の問題について一、二お尋ねしておきます。
 厚生省に聞きますけれども、自治体病院の経営が非常に厳しい状況にあることは御承知のとおりであります。その病院経営、赤字がふえる要因の一つに消費税の問題があると私は認識しているわけでありますが、厚生省として病院経営上とのかかわりで消費税がどういう状況にあるのか、どう認識されておられるのか。
 それと、対策として本来医薬品等は非課税に私はすべきであると考えるわけであります。現行制度からいっても、少なくとも消費税の全額を社会保険診療報酬の点数に加えて、自治体病院の経営が原価割れにならないよう適正化を図るべきだと思うわけでありますが、この二点について簡潔にお答えいただけますか。
#38
○説明員(下田智久君) 社会保険診療報酬は御指摘のように非課税でございますが、保健医療機関が購入いたします医薬品あるいは医療材料等につきましては消費税が課税をされますので、それに従って価格が上昇するということになります。消費税分を円滑かつ適正に転嫁できますよう、消費税の導入にあわせまして平成元年に診療報酬の改定を行ったところでございます。
 具体的には、消費税導入当時の仕入れ物品の価格の動向等を踏まえまして、薬価基準につきましては薬価ベースで二・四%、これを医療費ベースに直しますと〇・六五%になりますが、そのほか診療報酬につきましては〇・一一%、合わせまして医療費ベースで〇・七六%の引き上げを行ったところでございます。
 その後におきまして四回の改定を行っておりますけれども、薬価基準につきましては、薬価調査におきまして医療機関に納入される価格を消費税抜きの実勢価格として調査いたしまして、その上で消費税分を上乗せしたものを新薬価ということといたしておりまして、消費税を織り込んだ薬価設定を行っておると考えております。
 また、そのほか診療報酬におきましては……
#39
○有働正治君 簡単でいいですから。事情は知っていますから、今後どうするかという問題。
#40
○説明員(下田智久君) 医療経済実態調査を踏まえまして、消費税分を含めた医業費用、支出を勘案して対策を講じておるといったところでございます。
#41
○有働正治君 私、幾つかの自治体病院の経営状況を現場にも出かけて直接話も聞いて調べました。例えば、五百床規模の東京青梅市の青梅市立病院では年間購入費、これは建設工事費を含むわけでありますが、三十七億円、平成五年度。その三%が消費税と見られ、消費税は約一億円にも上っています。青梅市立病院の赤字は年間約一億七千万円と言われ、消費税が戻ってくれば赤字の大部分が補てんされるということを指摘され、関係者は強くその改善を求めておられました。
 熊本市の熊本市民病院では消費税負担分が年間一億六千八百万円と言われています。この熊本市民病院、五百八十床、毎年三、四億円の黒字でしたけれども、平成二年度から赤字となって、年二、三億の赤字であります。この二、三億の赤字のうち一億六千万円が消費税負担当分と言われるわけであります。
 ほかの幾つかの県の調査によりますと、島根県立中央病院の課税仕入れにかかる支払い消費税は平成五年度で一億一千四百万円、鳥取県鳥取市立病院でも平成五年度分だけで一億七千九百万円、このように試算されて、大きな負担になって経営の大きな赤字の要因で、その是正が求められていると。
 そこで、自治大臣にお尋ねいたします。
 全国の自治体病院開設者協議会から私も要望書を受け取りました。政府にも当然のことながら要望書が出されているわけであります。その要望項目の中で特に消費税の全額を社会保険診療報酬の点数に加え原価割れにならないよう適正化すること、このことを強く訴えられているわけであります。
 大臣も自治体病院の深刻な状況等は十分御承知のとおりでございます。その点での今後の改善を強く要望に沿って図っていただきたい。この点についての御見解を、大臣、もう時間がないから簡単でいいです。
#42
○政府委員(遠藤安彦君) 簡単にということですから私からお答えをさせていただきたいと思います。
 社会保険診療については、御説のとおり、消費税が非課税とされているわけでありますけれども、仕入れ段階等には当然課税されているわけでありますから、この点について国において診療報酬を決定する際に適正に反映されている必要があるだろうというように私ども考えております。今後とも、関係省庁において適切な対応がなされるものと考えておりますが、私どももそういった点に注意してまいりたいというように思っております。
#43
○有働正治君 大臣、その点いかがですか。
#44
○国務大臣(野中広務君) 今、財政局長から答弁を申し上げたとおりでございまして、今後、診療報酬の点数の改定等が行われる際に検討をされるべきものだと関係省庁と適切に協議をしてまいりたいと存じます。
#45
○有働正治君 次の問題として医療施設整備の補助金制度の問題がありますけれども、自治体病院は地域の中核的な病院として重大な責務を負っておりまして、その中で高額な医療機器を購入して対応している状況にあります。しかし、それとても十分に対応できないという状況も私どもに強く訴えられているところであります。
 時間がございませんので、私、状況を述べますけれども、この点でもいろいろ調べてみました。
 青梅市立病院では、国の補助はがん用の機材でも三千万円までが補助対象でありまして、三千万円申請しても三分の一ということで一千万円しか出ない。これではエックス線エコーしか買えない。MRIは定価二億円、脳・心臓血管撮影装置は一億二千万、コバルトリニアックなど照射装置は三億円。これらを購入しても国からは一千万円しか補助されない。だからリースでやっている。リース料は年間二億五千万円払わざるを得ない。これが病院経営を苦しくしている一つであると訴えておられました。
 熊本市民病院でも、定価五億円前後の医療機器を購入するのに国からは一千万円しか補助されず、起債で対応し、結局借金となっていると。五カ年計画で二十億円の設備投資(MRI、エックス線CT、血液分析装置、結石破砕装置など)を行ったけれども、国からの補助はゼロだったと。
 島根県の松江市立病院では、平成元年から三年でMRI(核磁気共鳴イメージング装置)、血管連続撮影装置(シネアンジオ)など七億一千八百万円ほど医療機器を購入したけれども、このうち国からはMRIに二千万円補助が出ただけだと言っておりました。
 鳥取県鳥取市立病院でも、平成六年に購入した医療機器、六つの装置七億円のうち国庫補助金はMRIの一千万円のみだという状況であったわけであります。
 そこで、大臣にお尋ねしますけれども、先ほど述べました全国の自治体病院開設者協議会の要望書の中でも、医療施設等の整備の助成費の充実強化という項目が挙げられて、強く改善が求められているわけであります。厚生省など関係省庁とも協力して、現在の補助制度を見直して補助対象を広げる、あるいは補助率を上げる等々、今日の病院経営の状況をかんがみて、そしてまた自治体病院が中核医療機関としての役割が果たせるよう積極的に御検討いただきたい、こういうことでありますが、いかがですか。
#46
○政府委員(遠藤安彦君) 大臣のお答えの前にちょっと事務的なことをお答えさせていただきたいと思います。
 自治体立の病院の場合、高度医療機器の購入につきましては国庫補助のある場合もありますしない場合もありますが、ある場合においてもない場合においても残りの部分については地方債を充てまして、その元利償還については地方交付税に算入をいたしておりまして、一般会計から病院の特別会計に繰り出しをしていただくという制度になっておりますので、補助金以外の部分については一般会計から適切な対応がなされているというように私どもは認識をいたしております。
#47
○国務大臣(野中広務君) 公立病院は、委員御指摘のように、地域全体の医療を質的にも量的にもカバーするものでございます。それだけに、中心的な役割を担いますとともに、民間医療施設が進出しにくい僻地、離島、こういうところの医療もまた担っておるところでございます。それだけに非常に採算性に問題があることは私どももよく承知をしておるところでございます。
 ただいま、高度医療器具の購入を含めまして、この自治体病院の経営のあり方につきましては、今後も公立病院の大きな使命を踏まえながら、国庫補助金、地方債、地方交付税等の所要の措置を、財政局長が答弁いたしましたように、講ずることによって十分その確保が図られるよう一層の努力をしてまいりたいと考えております。
#48
○有働正治君 終わります。
#49
○西川潔君 よろしくお願いいたします。
 今回の地方税法の改正につきましては、被害者の状況の把握がある程度できた時点においての復興に必要な措置を講じるためのものとまずは評価をさせていただきます。
 当初の政府の対応につきましては、いろいろと制度的な備えがなかったためもあったでしょうけれども、その不手際が指摘されたわけですけれども、しかしその後の復興に向けての対応につきましては迅速にさまざまな対策をおとりいただいているわけです。
 そこで、まず大臣にお伺いいたします。
 今回の地方税法の改正による震災対策としての効果についての御見解、そしてまた自治省には、その中でも被災市街地復興推進地域内において行われる土地区画整理事業に伴う不動産取得税等の非課税措置は事業遂行にどれだけの効果があるとお考えであるか、お伺いしたいと思います。
#50
○国務大臣(野中広務君) 現在提案をさせていただいております法案は、委員がただいま御指摘のように、今回の阪神・淡路大震災によりまして五千人を超える方々がお亡くなりになり、広範な範囲におきまして甚大な被害が生じたことを踏まえまして、あの大震災発生直後から税制として何をなすべきなのか、一体何ができるのかということを総合的、多面的に検討を行ってきたところでございます。先般の個人住民税におきます緊急対応の措置に続きまして、さらなる対応といたしまして取りまとめをさせていただいたところでございます。
 地方公共団体の条例に基づく減免と合わせましてこれらの措置を活用いただくことによりまして、被災地における住民の方々の生活や企業活動、事業活動等に、あるいはそれを克服することによって復旧・復興に向けてお取り組みをいただけるように私どももこの取り組みが生かされることを期待しておる次第でございます。
 なお、区画整理の問題についてただいま御指摘があったわけでございますけれども、被災地の復興計画は町づくりが基本でございます。兵庫県あるいは神戸市、西宮市、芦屋市等を含めまして、それぞれ地方公共団体が地域の住民の方々の意向を十分反映しながら作成をされることだと考えるわけでございます。それだけに、土地区画整理事業は土地の所有者などの地区のそれぞれの皆さんがその所有している土地の面積やあるいは位置などに応じて土地を少しずつ提供、いわゆる減歩をしていただくわけでございます。これによって道路、公園などの公共施設用地を整備することによりまして良好な市街地形成を行う事業でございます。そういう際に、この町づくりの基本といたしまして、それぞれの段階において関係住民と十分意見を交換することによって行っていただきたいと私どもも要請をしておるところでございます。
 今後とも、具体的な都市計画を進められる際にさまざまな形で地域住民の方々の意向が十分くみ上げられ、住民主体の町づくりを推進していただきたいと考えておるところでございます。
#51
○西川潔君 実は被災者の御家族の方からお便りをいただいたんですけれども、土地区画整理事業につきましてちょっと読ませていただきたいと思います。
 私の両親は、神戸市東灘区森南町に住んでおりました。今回の地震でご多聞に漏れず家屋が全壊致しました。幸いにも、両親共に無事脱出できました。父は八十六歳、母は七十九歳です。震災以降、小生は、家内と毎週被災地に通い、壊れた家屋の中から、いくらも持ち出せませんが、利用できそうなものを危険を冒しつつ取り出し、先日家屋の解体まで行いました。
 ところが、二月二十六日に現地に居りましたら、近隣の方から、市の土地区画整理事業につき説明を受けた方がよいとの話を聞き、早速、森公園のテントに出向きました。
 そこでは、「十七メートル幅の道路をつけてあげる。そのためには、各戸から一〇%の土地を無償提供せよ。」と市の職員は説明しました。一瞬、私は耳を疑いました。私の父は、もと鉄鋼会社に勤めた真面目なサラリーマンでありまして、私を含む三人の子どもに対して高額な教育費を出費しながら育て、戦争の困難な体験もし、給料の中からかなりをさいて、ようやく、森南町の地に土地を購入し家を建てました。定年退職後は、静かに、父は病身がちな母を庇いながら、夫婦で老後を過ごしておりました。この地震で、家屋全部と、ほとんどの家財を失い、父の財産として残った物は、唯一つ土地しかありません。父の唯一の残ったなけなしの財産である土地を一〇%も無償で神戸市の土地区画整理事業として取り上げるとは、信じられません。現在、父親は年金生活者で、細々と質素に暮らしております。一〇%の土地は、時価では、父親の一年間の年金収入の何倍もの金額価値に相当いたします。それにも関わらず、神戸市はそのような理不尽な計画を強行しようとしています。
 たまたま、その現場に行き合わせた私が、近隣の人から聞いて、神戸市の計画を知り、市職員の不十分な説明を聞いたのです。避難されている方には、このような計画を全く説明も受けずに居られる方々も数多く居られることと思います。それにもかかわらず、強引に計画を強行しようとしています。更に、財産として土地しか残らなかった、老人夫婦から更にその財産の一部まで、無償で没収しようとしているのです。というお手紙をいただいたわけです。
 今回の震災を教訓といたしまして、震災に強い町づくりのために土地区画整理事業が必要なことであるということはもちろん私も理解をいたしますが、しかし被災された方々にとっては震災によりまして家族を亡くされ、そして家をなくされ、財産をなくされということでございます。残ったのは土地だけという方々もたくさんおられるわけですけれども、それぞれ皆さん方が自分の土地から一〇%の無償の拠出をお願いしますと十分な説明もなく言われたということでございます。
 これでしたら二重三重の苦しみと思うわけですけれども、このことに対して大臣に言いただければと思います。
#52
○国務大臣(野中広務君) ただいま西川委員からお手紙の内容をお聞きいたしまして、あの大震災に遭われた上に多年住みなれた非常に愛着のある土地の一部を失われるそれぞれ被災者のお気持ちは私としても心の痛むところで、十分お察しするところでございます。
 ただ、先ほど申し上げましたように、土地区画整理事業というのは基本的にはそれぞれの所有者や地区の皆さん方が少しずつ土地を提供していただいて道路、公園等をつくるのを基本として公共施設を整備することになり、その結果災害に強い町づくりというものを形成していく事業でございます。
 私の聞いたところでは、今御指摘の森南地区におきます都市計画の審議会のあった三月十六日の審議の際におきましては、委員の御指摘のようなことも踏まえながら今回の都市計画が一刻も早く町づくりに着手するため緊急に行われたという事情があったようでございまして、そういう状況から町づくりを進めるそれぞれの段階においてそれぞれ関係住民の意見を十分聞いた上で、その意見の集約を含めてやるようにという附帯意見がついたと伺っておるところでございます。
 今、委員御指摘のような事情のあったことをまた関係当局にも申し上げて、そして十分関係者の意向が踏まえられ、そして住民の皆さん方の合意の上にこの事業が推進していただけるように私どもも努力をしてまいりたいと考えております。
#53
○西川潔君 よろしくお願いいたします。
 そこで、建設省に一つお伺いしたいんですけれども、この神戸市東灘区森南地区では、三月十七日に土地区画整理事業の都市計画決定が住民の反対の声を押し切る形で、また避難している住民の方々に十分な説明がないということも新聞にも報道されていたわけです。私自身も疑問に感じてこうして質問をさせていただいているわけです。
 土地区画整理事業などには建築制限を適用しなくて最長二年間の建築制限のできる特別立法の被災市街地復興推進地域の指定による建築制限を適用して、その間に十分に住民と話し合ってある程度の納得が得られたところで行うということでよかったのではないかなと思うわけですけれども、この点、建設省といたしましてはどのように考えておられるのか、お伺いしたいと思います。
#54
○説明員(澤井英一君) 今回の土地区画整理事業などの都市計画決定は、いわば最も被災が集中した地域につきまして、そういった地域のできるだけ早く生活の再建を進めるということが大事であるという判断のもとで、避難されている方はもちろんたくさんまだおられる状況でございますが、例えば避難先が市外であってもその所在がわかっている方にはできるだけそのお知らせをするというようなことも含めてできるだけの周知措置を講じながら、また都市計画決定された今後の問題として、事業化が具体化していく段階で被災者の方々の生活再建などにきめ細かな対応をしていく、そのためのいろんな特例措置も国の方でも用意をさせていただいているわけでございますが、そういったことを活用しながらきめ細かに対応していく、こういうことを前提として今回の都市計画決定は行われたというふうに私ども理解しております。
 例えば、区画整理が都市計画決定されますと、土地の先行買収についての五千万控除というような特例、これも、現在御審議を賜っているところでもございますけれども、可能になりまして生活再建に非常に役立つと。それからまた、今後の問題として地区の整備方針などにつきましては、むしろ住民の方々の協議会で具体的に御検討いただく、そういうようなことも地元公共団体では考えておりまして、いろんなことを考えながら弾力的に対応していくという方針と聞いております。こういった公共団体の判断につきましては、私どもとしても十分理解できるというふうに考えております。
 いずれにいたしましても、引き続き住民の理解と協力をいただきながら円滑に町づくりが進むように私どもも万全の支援と的確な指導をしてまいりたいと考えております。
#55
○西川潔君 どうぞひとつよろしくお願いいたします。
 最後に大臣にお伺いしたいんですけれども、被災市街地復興特別措置法の第四条によりますと、国及び地方公共団体は、被災市街地の緊急かつ健全な復興を図るための施策の策定及び実施に当たっては、地域における創意工夫を尊重し、並びに住民の生活の安定及び福祉の向上等に配慮するとともに、地域住民等の理解と協力を得るよう努めなければならないとございます。
 一般的に、地方公共団体が行政を進める上におきまして、地域住民の理解と協力を得るための努力は大変大切なことであると思います。この点について最後に大臣に一言お伺いをして、終わりたいと思います。
#56
○国務大臣(野中広務君) 委員御指摘のように、一般的な都市づくりはもちろんのこと、今回のような阪神・淡路大震災における物的、精神的にも多大の被害を受けられ、今日なお劣悪な状況に置かれておる皆さん方の心情を察して、これからも関係住民の皆さん方の意見もよく聞き、合意、理解をいただきながら事業を進めていくべきだと考えております。
#57
○西川潔君 ありがとうございます。
 終わります。
#58
○委員長(岩本久人君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。――別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 地方税法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#59
○委員長(岩本久人君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#60
○委員長(岩本久人君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後二時四十四分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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