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1995/04/13 第132回国会 参議院 参議院会議録情報 第132回国会 地方行政委員会 第10号
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1995/04/13 第132回国会 参議院

参議院会議録情報 第132回国会 地方行政委員会 第10号

#1
第132回国会 地方行政委員会 第10号
平成七年四月十三日(木曜日)
   午後二時開会
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         岩本 久人君
    理 事
                鎌田 要人君
                岩崎 昭弥君
                釘宮  磐君
                有働 正治君
    委 員
                石渡 清元君
                鈴木 貞敏君
                関根 則之君
                服部三男雄君
                真島 一男君
                松浦  功君
                上野 雄文君
                篠崎 年子君
                山口 哲夫君
                渡辺 四郎君
                小林  正君
                続  訓弘君
                浜四津敏子君
                西川  潔君
   国務大臣
       自 治 大 臣
       国 務 大 臣
       (国家公安委員
       会委員長)    野中 広務君
   政府委員
       警察庁刑事局長  垣見  隆君
       警察庁交通局長  田中 節夫君
       警察庁警備局長  杉田 和博君
       自治政務次官   小林  守君
       自治大臣官房長  秋本 敏文君
       自治省行政局公
       務員部長     鈴木 正明君
       自治省行政局選
       挙部長      谷合 靖夫君
       消防庁長官    滝   実君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        佐藤  勝君
   説明員
       大蔵省銀行局保
       険部保険第二課
       長        浦西 友義君
       運輸省自動車交
       通局技術安全部
       管理課長     影山 幹雄君
       運輸省自動車交
       通局技術安全部
       審査課長     中島 恒夫君
       労働省労働基準
       局補償課長    堺谷 勝治君
       建設省道路局道
       路環境課長    吉岡 和徳君
   参考人
       地方公務員災害
       補償基金理事長  中島 忠能君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○参考人の出席要求に関する件
○地方行政の改革に関する調査
 (地下鉄駅構内毒物使用多数殺人事件等に関す
 る件)
○道路交通法の一部を改正する法律案(内閣提出
 、衆議院送付)
○自動車の保管場所の確保等に関する法律の一部
 を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
○地方公務員災害補償法等の一部を改正する法律
 案(内閣提出、衆議院送付)
○銃砲刀剣類所持等取締法の一部を改正する法律
 案(内閣提出、衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(岩本久人君) ただいまから地方行政委員会を開会いたします。
 まず、参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 地方公務員災害補償法等の一部を改正する法律案の審査のため、参考人として、本日、地方公務員災害補償基金理事長中島忠能君の出席を求めることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(岩本久人君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#4
○委員長(岩本久人君) 次に、地方行政の改革に関する調査を議題とし、地下鉄駅構内毒物使用多数殺人事件等について報告を聴取いたします。警察庁垣見刑事局長。
#5
○政府委員(垣見隆君) 地下鉄駅構内毒物使用多数殺人事件の捜査状況及びオウム真理教関係箇所に対する捜索等の捜査状況について御報告をいたします。
 まず、地下鉄駅構内毒物使用多数殺人事件でございますが、事案の概要につきましては先般御説明いたしたところでございますので、詳細は省略させていただきます。
 同事件による被害の状況は、本日現在、死亡者十一名、負傷者約五千数百名を把握しております。
 これまでの捜査状況についてでありますが、目下、警視庁築地警察署に設置いたしました特別捜査本部を中心に、全国警察とも必要な連携をとりながら鋭意捜査を進めているところであります。
 具体的には、被害者の方や当時地下鉄に乗り合わせていた多くの乗客などの方々への聞き込み捜査などから不審者や不審物件に関する情報を数多く入手しておりますので、それらの解明捜査を丹念に行っておりますほか、それらの情報をもとに、関係駅に設置されている防犯カメラのビデオテープを回収し、目撃された不審者などが収録されていないかなどの分析も行っているところであります。さらには、犯行に使用されたサリンと思われる物質を包んでいた新聞紙や容器と見られるビニール様の袋につきましても、その入手経路などの解明に全力を尽くしているところであります。
 次に、オウム真理教関係箇所に対する捜索などの捜査状況についてであります。
 本件は、御案内のとおり、本年二月二十八日、都内で発生いたしました公証役場事務長被害の逮捕監禁容疑で捜索を実施したものであります。目下、本件被害者の所在捜査に全力を尽くしているほか、本件犯行の被疑者一名を警察庁特別手配被疑者に指定し、全国に公開手配ポスターなどを掲示するなどして早期検挙に努めているところであります。
 なお、本件捜索時、山梨県上九一色村施設内において昏睡状態の男女六名を監視していた医師など四名を監禁容疑で逮捕し、同容疑を立証するため、三月二十六日に同施設を、四月七日に東京都中野区所在のオウム真理教附属病院を捜索しましたほか、四月八日、同病院長を山梨県上九一色村施設内で女性信者を監禁した容疑で逮捕いたしております。
 また、山梨県上九一色村の施設においてサリンの製造に必要と見られる多量の化学薬品などを押収したことにより、殺人予備の容疑を立証するため、三月二十六日以降、山梨県上九一色村所在の施設を初め、同県富沢町、群馬県長野原町などの関連箇所に対しても捜索を行ったところであり、とりわけ上九一色村所在の施設においては捜索などを通じて化学プラント用の設備を発見したことにより、同設備の検証を含め、現在も捜索を続行中のところであります。
 また、四月六日未明、都内において建造物侵入により逮捕されたオウム真理教関係者らの車内から銃器の部品ではないかと思われる物品多数が発見されたため、同日、銃刀法違反容疑で車両等四カ所の捜索を実施するとともに、四月八日には武器等製造法違反容疑により山梨県富沢町所在のオウム真理教関連施設を、また九日には静岡県内の同教関連施設に対する捜索を実施し、関係箇所から工作機械などを押収いたしております。
 そのほか、数都府県において、それぞれの事件解明のため、オウム真理教関係施設などに対し多数箇所の捜索を実施してきているところであります。
 以上、これまでの捜査概要を御説明いたしましたが、今後さらに徹底した捜査を強力に推進し、早期にその全容の解明を図ってまいる所存でございます。
#6
○委員長(岩本久人君) 警察庁杉田警備局長。
#7
○政府委員(杉田和博君) 次に、警察庁長官狙撃事件の捜査状況につきまして御報告を申し上げます。
 本事件につきましては、警視庁におきまして南千住警察署に公安部長を長といたします特別捜査本部を設置して、犯行現場及び逃走方向を中心にした目撃者捜し、さらにまた犯行後逃走に使用した自転車の発見等、所要の捜査を鋭意推進しているところでございます。また、全国警察におきましても関連情報の収集に努めているところであります。
 これまでの捜査から、犯人は、出勤時の長官を待ち伏せまして、二十数メートル離れた場所から四発発射をいたしまして、そのうち三発を命中させ國松長官に重傷を負わせた後、近くにとめてあった黒っぽい自転車で逃走したことは判明しておりますけれども、いまだ犯人の特定には至っておりません。
 具体的な捜査内容につきましては現在捜査中でございますので詳しくは申し上げられませんけれども、犯人の人相、着衣、さらにまた使用された銃器、逃走手段等についていろいろな目撃情報等が寄せられておりまして、現在こうした情報の裏づけの捜査を実施しているところでございます。
 引き続き犯人の検挙に全力で取り組んでまいりたいと考えております。
 以上でございます。
#8
○委員長(岩本久人君) 以上で報告の聴取は終わりました。
    ―――――――――――――
#9
○委員長(岩本久人君) 次に、道路交通法の一部を改正する法律案及び自動車の保管場所の確保等に関する法律の一部を改正する法律案を一括して議題といたします。
 両案の趣旨説明は前回既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#10
○岩崎昭弥君 最初に、改正道路交通法関係についてお尋ねをいたします。
 今回の自動二輪車の運転免許に関する改正についての基本的なスタンスについてお伺いをしたいと思います。また、今回は法改正に当たって事前に警察の考え方を開示し、国民の意見を反映すべく意見を集約されたというふうに聞いております。その姿勢は警察行政が市民に開かれた行政を志向しようとしているものであり、高く評価できるものであります。
 そこで、国民の意見の状況についてはどのようなものであったか、また国民の意見を警察行政にどう生かしていこうとしておられるのかを承りたいと思います。
#11
○国務大臣(野中広務君) 今回の改正の検討につきましては、平成六年七月の閣議決定を受けまして、大型自動二輪車につきまして指定自動車教習所における技能検定制度の導入に向けて具体的方策の検討を行うこととされたことを契機とするものでございます。
 改正の検討に当たりましては、今、委員から御指摘ございましたように、広く国民の意見を反映するために意見を募りましたところ、数多くの貴重な御意見が寄せられたところでございます。特に、大型自動二輪車の技能検定制度を導入することにつきましては、免許取得の機会が拡大することなどの理由から多くの御賛同をいただいたところであります。
 警察といたしましては、これらの意見も踏まえまして、二輪車の有しておる経済的、社会的利点の確保、増進及び国民の利便性の向上に配意しつつ、二輪車運転者等の安全を確保することができる運転免許制度となるように改正を行うことにしたものであります。
#12
○岩崎昭弥君 今回の改正によって自動二輪車免許の取得の機会が多くなり、特に大型自動二輪車の免許保有者の増加が見込まれるのであります。
 一方、平成二年までに減少傾向にあった自動二輪車による交通事故による死者数は平成六年には再び増加に転じたと聞いております。このデータを平成五年度の警察白書で見ますと、若年者の状態別死者数の推移、これは昭和五十四年から平成四年までのものですが、これによりますと自動二輪車乗車中の事故死が最高であります。しかし、これが昭和六十三年時をピークにいたしまして減少傾向になりつつあったのが再び増加しつつあるということであります。
 そこで、今回の改正で二輪車の交通事故が増加しては意味がないのでありまして、今回の改正作業の検討結果を踏まえ、今後の二輪車の安全対策について警察庁としてはどのようにして臨まれるのかを伺いたいと思います。
#13
○政府委員(田中節夫君) 自動二輪車乗車中の死者数は、ただいま委員御指摘のとおり、ここ数年減少傾向にありましたけれども、平成六年中におきます自動二輪車乗車中の死者数は一千百九十八人で、一昨年に比べまして七十六人増加しております。いまだ減少傾向が定着していない状況にあるというふうに考えております。
 また、自動二輪車乗車中の死者数の六割が十六歳から二十四歳までの若年者となっておる。少子・高齢化社会に向かいまして、将来の我が国を担っていく若者が自動二輪車乗車中を含めまして交通事故で死亡したり負傷することは、本人の家族や肉親の悲しみはもちろんでありますが、国家社会にとりましても大きな損失となっており、自動二輪車の事故防止は交通事故防止対策の中でも重要な施策の一つと考えております。
 警察といたしましては、従来から初心運転者期間制度の効果的な運用あるいは免許取得時講習の受講の義務づけ等々の施策を推進しておりますが、今回の改正を機に教育体系の整備を図り、安全な運転者の養成に重点を置いた施策を強力に推進してまいる所存でございます。
#14
○岩崎昭弥君 自動二輪車の死亡事故を見ますと、その五二・一%が自動二輸車と自動車との接触、衝突によるものであると聞いております。自動二輪車と自動車の接触は、運転者の視線の位置が違うんですね、これが事故誘発の大きな原因であると私は思っております。すなわち、自動二輪車の視線は進行方向の道路の近くに視線を向けがちでありますし、自動車の運転者の視線は進行方向のかなり前方を向いているのであります。したがいまして、二輪車と自動車の走行車線を区別すれば事故はかなり防げそうでありますが、日本の道路事情がそれを許しません。だから自動二輪車と自動車との事故対策が難しいゆえんでもあります。
 こうした条件下でできることは一体何かということになると思うんです。
 自動二輪車に対する事故防止対策を講じていくためには、自動二輪車の運転者自身に対する対策は当然重要でありますが、四輪自動車の運転者に対する対策についてもさらに強力に推進していくべきではないかと考えておるのでありますが、この点に対する考え方をお聞きしたいと思います。
#15
○政府委員(田中節夫君) 自動二輪車の事故防止対策といたしましては、二輪運転者に対します交通安全教育の充実は必要でございますし、今後とも強力に推進していく必要があると考えておりますが、委員御指摘のとおり、四輪車の側からも、混合交通における二輪車と四輪車とのかかわり合いの中で交通事故を防止するためには、相互の車両特性等を十分理解し、お互いの運転行動を予測及び尊重することが必要不可欠でございます。
 初心運転者対策といたして、昨年五月から実施しております指定自動車教習所のカリキュラムの中におきましても、普通自動車のカリキュラムの中で二輪車の特性等の教習項目を新設する、そして二輪車及び四輪車から相互にどのように見え、どのように通行するかというようなことにつきまして、またそれについてどのような配慮が必要かということにつきまして指導し、また技能教習におきましても二輪車への気配りの仕方、危険を予測した運転という項目の中で指導しておるところでございます。
 今後とも、これらの教習内容の充実を図るとともに、また既に四輪免許を受けている方につきましても各種講習や街頭におきます指導、取り締まり活動を通じて二輪車に対する気の配り方、運転の仕方につきまして充実した指導を行っていきたいというふうに考えておるところでございます。
#16
○岩崎昭弥君 十分な対策をお願いしたいと思います。
 今回の改正によりまして新たに指定自動車教習所で行う大型自動二輪免許のカリキュラムを策定することになるでしょうが、私が思うには、運転免許の学科試験問題は受験するときだけ暗記をしておればよくて、本当の意味で運転者に対する安全教育的な面は欠けているのではないかというふうに思うのです。現に四輪自動車で言いますと、私自身もそういう部類の一人であるわけです。
 この点についてはどのように考えておられるのか、また今回の改正を機会に学科試験の見直しを進めていくということはするのかしないのか、お聞きをしたいと思います。
#17
○政府委員(田中節夫君) 現行の学科試験のやり方、内容につきましては、委員御指摘のとおり、従来からいろんな問題点が指摘されたところでございます。
 そこで、平成六年度におきまして安全な運転に関する必要な知識をより的確に判定するための学科試験のあり方につきまして調査研究を行いました。学識者の参画もいただきながら実施したところでございます。
 今後、この調査研究結果を踏まえまして、学科試験を通じて運転に必要な知識が自然に身につくようにするために、イラスト等を使った現実に直面する交通場面での危険予測あるいは回避、そして判断力、それに対応する対応力、そういうものを判定する問題等を取り入れるほか、多くの解答肢を与える多肢選択式による解答方式の導入などにつきましても検討を行うこととしたいというふうに考えているところでございます。
#18
○岩崎昭弥君 次に、歩行補助車、駆動補助機付自転車は高齢者や身体障害者にとっては大変便利なものであります。その構造的な基準については規則等において細かく定めておられると思うのでありますが、問題はこれを使用する者に対する交通安全上の指導についてであります。こういった点につきましてどのような方策を考えておられるのか承りたいと思います。
#19
○政府委員(田中節夫君) 歩行補助車につきましては、主として高齢者の方が利用することになるということが予想されます。そういうことを踏まえまして、私どもにおきましては多くの機会を利用いたしまして利用者に対します安全指導を進める、そのほかにメーカーや販売店を通じましてユーザーに対する安全指導が行われるよう指導していくことにしております。
 また、駆動補助機付自転車、いわゆるハイブリッド自転車でございますが、これにつきましても、私どもの指導はもちろんでございますけれども、私どもの指導のみならず、メーカーや販売店からユーザーに対しまして、その車両の特性、あるいは安全な利用方法につきまして適切な指導が行われるよう指導してまいりたいと考えております。
#20
○岩崎昭弥君 次に、今度は保管場所の関係についてお尋ねをいたします。
 都市部や団地周辺における違法駐車は改善をされつつありますが、私から見ますとまだ不十分なように思えるのであります。違法駐車の問題は交通事故を誘発したり、特にバスの定時走行を阻害するなど公共交通機関にも重大な支障を与えているばかりでなく、住宅団地等においては救急車や消防車の通行を阻害している状況があるわけであります。特に本年一月の阪神・淡路大震災のような大災害が発生した場合には、住民の避難妨害になったり、また人命救助、消火作業や緊急物資輸送の障害になったりしておるわけであります。
 ですから、今回の改正を機会にさらに違法駐車対策は徹底して行ってもらいたいが、これについては大臣の決意のほどを伺いたいと思います。
#21
○国務大臣(野中広務君) 違法駐車の問題につきましては、交通の円滑を阻害いたします。また、交通事故の誘因となるだけでなく、住宅地等におきましても緊急自動車の通行を阻害するなどの国民生活の各般に大きな影響を及ぼしておる重要な問題と認識をしておるところでございます。
 また、委員から今御指摘ございましたように、阪神・淡路大震災等のあの大災害発生のときには住民の避難妨害にもなりましたり、さらには救助活動等の障害になることが起きたわけでございますので、この点でもゆるがせにできない重大な問題であると認識をしておるところでございます。
 警察としましては、今後も関係機関・団体と連携をいたしまして総合的対策を推進いたしますとともに、危険性、迷惑性の高い違反を重点とした取り締まりの強化を行ってまいりたいと存じております。また、今回の保管場所法の改正を機に保管場所確保の徹底を図って、その万全を期してまいりたいと存じております。
#22
○岩崎昭弥君 次に、今回の保管場所法の改正に伴って実施予定の軽自動車の保管場所の届け出等の適用地域の拡大案についてであります。
 平成二年の改正の際の審議では、違法駐車問題は緊急対策として法改正を行ったはずでありますが、今回の拡大の対象となる三十万人以上の市及び東京・大阪圏の適用が実際に施行されるのは前回の改正から五年もたつことになり、また警察の最終目標である十万人以上の市に至ってはさらに五年も後のことになるのであります。
 実は保管場所の確保は、宅地建物等の条件から見ると大都市ほど難しく、中小都市の方が確保しやすいというのが常識であります。
 だから、要望意見を含む質問でありますが、緊急の対策として改正した割には適用地域の拡大は少し遅過ぎはしないか、その辺の理由について伺いたいと思います。
#23
○政府委員(田中節夫君) 軽自動車に係ります保管場所法の適用地域の拡大につきましては、駐車問題が深刻化している都市から順次適用していくということで、前回の改正の際にも委員会で警察庁の方から申し上げたと存じますけれども、緊急の対策として法改正を行う、しかも一番問題の多いところから適用地域とするというようなことで、平成三年の法改正後の施行に当たりましては東京特別区と大阪市に限って適用したところでございまして、順次適用地域を拡大していくということでございました。
 今回私どもはこの法改正が成立いたしましたならば適用地域の拡大を図ることを考えているわけでございますけれども、人口十万人以上の市に適用地域を拡大するというふうに考えております。その実施時期につきましては、やはり駐車問題の深刻化している地域から広げていく。そしてまた、国民に新しい義務を課すことになりますので、激変緩和を図るというような観点から国民への周知徹底を図る。そして十分周知を図った上で、そして届け出義務をきちっと課してまた取り締まりも適正に対応してまいりたい、こういうことで段階的に適用地域を拡大していくということでございまして、この経緯につきましてはいろんな方からの御意見も踏まえてこのような案を考えておるところでございます。
#24
○岩崎昭弥君 今の答弁を聞いておりまして大体推測はつくのでありますが、軽自動車の適用地域の拡大の基準となった三十万人あるいは二十万人、十万人の人口数や、東京・大阪圏の範囲三十キロ以内とする根拠についてもう少しデータ等があったらお聞きをしたいと思うんです。
#25
○政府委員(田中節夫君) 適用地域の拡大の基本的な考え方でございますけれども、拡大に当たりましては駐車問題が深刻化した都市から順次適用していくということは先ほど申し上げました。
 その際の基準といたしまして、都市の人口と申しますのは一般的な市街地の規模あるいは自動車の台数、交通需要あるいは交通混雑の程度にほぼ比例していると見られます。また、登録自動車の適用地域拡大の際にも人口を基準として適用地域を順次広げていったというような経緯がございますので、今回もそのような考え方で人口規模を基準としているものでございます。
 また、東京圏及び大阪圏に所在する市につきましては、東京、大阪という大都市に近接いたしまして、これらの大都市と社会的あるいは経済的、交通的にも一体となって市街地を形成している、駐車問題も同様の問題が起きているということから、人口要件に満たないものでありましても三十キロメートル以内につきましては適用地域にしたいというふうに考えておるところでございます。
 この際に、三十キロメートルになぜしたかということでございますけれども、一般的に通勤あるいは物流の問題等々考えますと、一体としてとり得る地域はほぼ三十キロメートルぐらいであろうというようなことで三十キロメートルという線を引いたわけでございます。
#26
○岩崎昭弥君 次に、駐車違反や保管場所違反をなくするためには警察の取り締まり力だけに頼っておったのでは限界があると思うのであります。したがいまして、関係機関・団体が協力して行っていかなければならないと思うのでありますが、特に軽自動車や自動車等の販売店等に対する指導を強化することも重要であります。
 ところで、平成二年の保管場所法の改正の際の当委員会における附帯決議に「関係業界に対して法改正の趣旨の徹底を図り、自動車の登録時に際し、不正行為が行われないよう強力に指導すること。」とありますが、自動車業界に対しての指導状況はどのようなことになっているのか、また今回の法改正に当たっては軽自動車業界にどのような指導を行おうとしておられるのか、聞いておきたいと思います。
#27
○政府委員(田中節夫君) 自動車の保管場所の確保等に対します自動車業界に対する指導状況でございますけれども、自動車の不正登録防止のために運輸省と連携いたしまして、関係業界はもとよりでありますけれども、各ディーラーに対しましても強力に指導いたしております。そしてまた、私どもといたしましては、悪質な事犯につきましては検挙を行い、不正登録の防止を図っておるところでございます。
 委員御指摘の軽自動車につきまして適用地域を拡大した場合の問題でございますけれども、この届け出制度の適用地域拡大に当たりましては、全国の軽自動車の販売店の団体でございます全国軽自動車協会連合会というものがございます。その連合会におきましては、現在、政令指定都市等を初めといたしまして大きな都市におきましては、販売前に車庫の有無を確認する自主的な活動を行っております。そのほか適用地域及び実施時期につきましても広報活動を行うというふうにしておりますので、私どももこのような団体の活動に支援協力するという形でこの保管場所の確保ができるよう努めてまいりたいというふうに考えておるところでございます。
#28
○岩崎昭弥君 平成四年三月に警察庁、それから建設省及び運輸省の三省によって設立されました交通事故総合分析センターの活動についてであります。
 田中局長は、本年二月十六日の衆議院交通安全対策特別委員会において、交通事故防止対策の施策の推進に当たっては交通事故分析の高度化に努め、その分析結果に基づいたきめ細かな対策を講ずることとしていると答弁をされております。また、平成四年の道路交通法改正の際の当委員会の附帯決議には、「関係各省庁は、」「同センターによる事故調査及び分析の成果が、効果的な交通安全対策の樹立等に生かされ、ひいては交通事故の減少に結びつくよう努めること。」となっておりますが、分析センターの活動についてのPRが少し足りないように思うのですが、いかがなものか。特に、この分析センターの事業活動を通じて各省庁が行う交通事故防止対策の施策に反映されているのか、またその活動の実態について伺いたいと思います。
#29
○政府委員(田中節夫君) 財団法人交通事故総合分析センターの活動状況についての御質問でございますが、このセンターは警察庁の保有する交通事故統計データ及び運転者管理データ、運輸省の保有いたします自動車登録データ並びに建設省の保有いたします道路交通センサステータの提供を受けまして統合データベースを構築して、これを活用した事故分析を行っております。
 このほかに、平成五年八月から茨城県のつくば市及び土浦市周辺におきまして、個別の交通事故を対象に運転者、車両、道路、救急医療等の多角的な事項につきまして現場調査を含めた詳細な調査を行うミクロ調査を実施しておるところでございます。
 これらの分析結果につきましては、既に運輸省が道路運送車両の保安基準を改正し、大型後部反射器の装備義務づけ対象車種を拡大した際に、その基礎資料として活用されましたほか、建設省の行います事故多発区間における交通安全対策に活用されるなど、関係省庁、関係機関の行う交通安全対策及び調査研究に活用されております。
 また、PRが足りないのではないかという委員の御指摘がございましたけれども、分析センターにおきましては、分析結果の成果を報告書にまとめて公表したり、あるいは一般向けの広報・啓発資料を作成するなど広報に努めておるところでございます。
 ただ、委員御指摘のような問題もございますので、今後ともその活動ぶりにつきましてPRをする、国民に広く知っていただくべく努力をしてまいりたいというふうに考えておるところでございます。
#30
○岩崎昭弥君 交通事故を防止することや交通渋滞を解消するためには、信号機の数をふやすよりもさまざまな交通状況に対応できるように信号機等の交通安全施設を高性能化した方がより効果があるというふうに聞いております。
 ところで、平成三年度から始まった第五次交通安全施設等整備事業五カ年計画はことしで終了いたしますが、その進捗状況は一体どうなっているのかということであります。また、来年度から始まることが予想される第六次五カ年整備計画については、警察庁としてはどのような基本的な考えでおられるのか、またその予想される効果についてはどのように考えておられるのかを聞いておきたいと思います。
#31
○政府委員(田中節夫君) 交通事故を防止するためには、信号機を増設するよりも信号機の高度化を図った方がいいのではないかという御指摘でございます。
 平成六年中の死亡事故の発生状況を見ますと、やはり交差点内の死亡事故というのは全体の三六%を占めております。そのうち五六%が信号機のない交差点で発生しているというところを見ますと、引き続き住宅地等におきましては信号機の新設の重要性が認められるというふうに考えております。ただ、御指摘のように、地域によりましては増設するというよりもむしろ高度化を図るというようなことが肝要であると思いますので、私どもも、従来もそうでありますけれども、車両感知器を用いた交通量に応じた信号の運用を行う、あるいは隣合った信号機を系統的に制御し車両をスムーズに通過させるなど、さらに高度化を図ってまいりたいというふうに考えておるところでございます。
 次に、第五次の五カ年計画の進捗状況はどうかという御質問でございますが、第五次五カ年計画は平成七年度で終わります。平成七年度の当初予算の状況を見ますと、特定事業、これは国が半分の補助金を出す事業でございますが、これが一〇一・八%の達成率、地方単独事業につきましても一〇一・九%ということでございまして、いずれも一〇〇%を超える進捗状況となっておるところでございます。
 次に、来年度から始まります第六次の五カ年計画につきましてはどのような考え方でいるか、またその効果はどうかという御指摘でございますが、第六次の五カ年計画につきましては、従来から進めてまいりました交通事故の抑止あるいは交通の円滑化、さらに生活環境の保全、駐車の適正化というような従来の目的に加えまして、さらに生活の場における安全の確保、交通情報の収集・提供の充実等の施策を新規の重点施策として進めてまいる所存でございます。
 また、予想される効果でございますが、具体的な整備計画を現在策定中でございますので明確な数字を申し上げることはできませんが、交通事故の軽減、あるいは交通量の適切な分散誘導等につきまして大きな効果があるものというふうに考えておるところでございます。
#32
○岩崎昭弥君 規制緩和に関連しまして、高速道路上のバイクの最高速度を引き上げるべきなどの意見や二人乗りを認めてもいいという意見があるようでありますが、私は、規制緩和はこれは経済の面では行われても効果があると思うんですが、社会的な規制はやっぱり緩めるべきではないという考えを持っております。したがいまして、交通関係では十分な安全を担保しなければならないと考えておりますが、警察庁の意見を聞きたいと思うんです。
#33
○政府委員(田中節夫君) ただいま委員から御指摘いただきました自動二輪車の問題でございますが、これは市場開放問題苦情処理対策本部、いわゆるOTOに外国から問題提起されたものでございまして、かねてから日本の国内でもメーカー等から同様の要望があるものでございます。
 二つございますが、一つは速度規制の問題でございます。
 現在、自動二輪車の高速自動車国道での法定速度につきましては時速八十キロメートルになっております。普通自動車と大型乗用車につきましては時速百キロメートルでございます。これにつきまして普通自動車並みの百キロメートルに引き上げてはどうかという意見でございますが、交通事故の実態から見まして高速自動車国道におきます自動二輪車の事故率が他の車種に比較して高いこと、時速八十キロメートルを超える速度で走行中に事故が発生いたしました場合はより被害の大きい事故になる可能性が高くなるというふうに考えております。ただ、他方で速度差があることによりましてかえって危険が生じているのではないかというような御意見もございます。
 そこで、自動二輪車の法定速度の引き上げにつきましては、今申し上げましたようないろんな考え方がございますので、交通事故の実態等につきましても十分調査して、より交通安全に資するというような観点で少しく勉強してまいりたいというふうに考えておるところでございます。
 また、二人乗りの問題でございますが、これにつきましては、首都高速道路、名神高速道路が供用されましたそのすぐ後に自動二輪車の二人乗りによります事故が多発いたしました。そのことから昭和四十年に高速自動車国道、それから都道府県公安委員会が指定する自動車専用道路で二人乗りが禁止されました。その後二人乗りを禁止する道路の範囲が拡大され、現在では高速自動車国道、それからすべての自動車専用道路で禁止されております。
 これにつきましては、高速自動車国道におきますところの自動二輪車の事故率が他の車に比較して高いこと、それから二人乗りの場合、急制動、急ブレーキでございますが、それから急ハンドルの場合に非常にバランスを崩しやすいというふうに考えられます。そういう点考えますと、高速自動車国道におきまして自動二輪車の二人乗りを認めるかどうかにつきましては、交通安全の確保という観点からはこれは十分に慎重に対応していく必要があるというふうに考えておるところでございます。
#34
○岩崎昭弥君 了解いたします。
 最後に、大臣に伺いたいのでありますが、今回の改正二法を含め、今後の交通事故防止対策に対する大臣の決意のほどを伺いまして、私の質問を終わります。
#35
○国務大臣(野中広務君) 平成六年中の交通事故によりますとうとい人命を失われた方は、関係方面の懸命の努力にもかかわりませず、残念ながら七年連続して一万人を超えるに至っておるわけでございます。交通事故でお亡くなりになったりあるいは負傷をした方々の御家族や肉親の悲しみを考えますと、まことに憂慮にたえないところでございます。
 国民の安全と保護を責務といたします警察といたしましては、交通事故防止対策を重要な警察の施策の一つと考えておりまして、今後とも関係機関・団体と連携して、一人でも、一件でも交通事故の被害を減少さすべく最大限の努力をしてまいる決意であります。
#36
○岩崎昭弥君 終わります。
#37
○釘宮磐君 法案の質問に入ります前に、最近の問題につきまして若干お伺いをいたしたいと思います。
 統一地方選挙前半が終わりました。そこで、中間的な総括をお聞きしたいと思うわけであります。
 まず第一に、大臣にお伺いしたいのでありますが、東京、大阪知事選に顕著にあらわれた無党派層の台頭について、内閣の一員としてこれをどういうふうに受けとめておられるのか、お伺いをしたいと思います。
#38
○国務大臣(野中広務君) 東京、大阪等におきましてそれぞれ、今、委員が御指摘になったような選挙結果が出ましたことは、私はそれなりに重く厳粛に受けとめるべきであると考えておるわけでございます。
 ただ、これはこの事実を踏まえながらより政党が活性化し、そして国民の信頼にこたえられる透明性を持たなくてはならないと存じますとともに、とかく選挙が一般的に扱われやすい中において、首長というものは政治のトップであり、また一方、行政のトップでもあるわけでございますので、私ども今後この結果を厳粛に踏まえながらも国民各層がそういう首長というもののあり方について十分御理解をいただくような方途はまた啓蒙啓発をしていかなくてはならないと考えておる次第でございます。
#39
○釘宮磐君 大臣の今の答弁を聞いていまして、私はこう思うんです。
 まず、今回の大阪、東京に見られるこの無党派層の結集というのは、最近の政党また政治家に対する不信感のあらわれである、このように思うわけであります。特に、各党の事前の談合めいた候補者調整、こういうようなものがある意味では私は有権者の怒りを買った、このように思うわけであります。こういうことが続きますと民主政治が極めて危機的な状況になるおそれがある、このように思うわけでありまして、私はそういう意味で今回の与党の責任は非常に大きい、このように思います。特に昨年来、政党の理念や公約というものがいとも簡単に変えられる、こういうふうなことが今回の結果につながった、このように私は思っております。
 次に、今回の選挙、こうした白けムードとともにいま一つ選挙の盛り上がりに欠けだということが言われているわけでありますけれども、この原因の一つにいわゆる事前ポスター、立候補予定者が今まで街路に事前にポスターを張っておったわけでありますが、これが今回公選法の改正によって制限が強化されました。このことが大きいのではないかという指摘もあったわけであります。実際に私も選挙運動をやってみまして、これは本当にいつ選挙があるのかというようなことを随分聞いたわけであります。私は、こういう状況の背景に、今回の特に都道府県議会議員選挙が前回の六一・〇五%の投票率から五六・二三%へ低下をしておるわけでありまして、そこで国民の選挙への関心というもの、このまま何も手を打たなければますます投票率というのは下がっていく、ましてや先ほど冒頭に述べましたような結果が出てくるとなれば私は大変なことではないのかな、このように思うわけであります。
 そこで、例えばマスコミを使ったPRであるとか選挙キャンペーン、こういうようなものが必要ではないのか。また、投票日についても日曜日がいいのか、また平日あたりに行うこともこのあたりで検討してみることも必要なのではないか、そういうことも感じたわけでありますが、この点についていかがでしょうか。
#40
○国務大臣(野中広務君) 最初に、知事選挙を顧みてお話がございまして、今回のこの無党派の方々の当選に対して与党の責任が大であるとおっしゃいましたけれども、これは私は決して無党派の方でないと思っておりまして、少なくとも東京、大阪で当選された方は二十四年間の参議院議員としての経験も持たれた方でございます。ただ、選考過程についていろいろ批判をいただくことはあったであろうと思いますけれども、釘宮委員が今おっしゃいましたように、大阪等においては共産党を除くオール与党の推薦でもございますし、また東京も与党だけが戦った選挙ではないわけでございまして、一方的に与党の責任であるかのような考え方は私は肯定をすることはできないのでございます。
 さて、ただいま御指摘がございました四月九日に行われました選挙におきましては、知事選挙におきましては投票率が五五・一二%と前回に比べまして〇・六九%高くなったわけでございますけれども、今御指摘ございましたように、都道府県の議員選挙では五六・二三%にとどまりまして、残念ながら前回より四・二六%低下したところでございます。
 自治省といたしましても、テレビスポットによる啓発のほか、新聞、ラジオ、ポスター、交通広告等さまざまなメディアを活用いたしまして投票日の周知や投票総参加を訴えてきたところでございますが、引き続き後半の四月二十三日執行の市区町村選挙に向けまして、各選挙管理委員会と連携を図りながら一層の啓発活動に努めてまいる所存でございます。
 なお、御指摘のございました平日投票についてでございますけれども、学校等の投票所施設の確保という問題やらあるいは投票所事務に従事をしていただく方々の確保の問題等さまざまな問題があるわけでございますし、一方、企業等の便宜供与が徹底しないと投票率にかなりの悪影響を与えることになると思われるところでございます。ちょうど平成四年の五月に行った世論調査の結果では、回答の約八〇%がやはり投票日を日曜日または祭日と答えておられることから考えますときに、平日投票につきましては慎重な検討が必要であると考えておるところでございます。
 また、投票日を二日制にするというようなことについてもいろいろ議論のあるところでございますけれども、現に不在者投票の制度があるわけでございますので、この投票所の確保やあるいは事務を行う人たちの確保等の観点からもなかなか困難な課題であると考えておるところでございます。
#41
○釘宮磐君 今、与党がどうだとか、与党だけの責任ではないとかというような話がありましたが、私はやはりこういった問題については、今、現に政権を持っている政党というのはそれだけの責任は負わなきゃならない、このように私はあえて申し上げておきたいと思います。
 三番目に、今度連座制の強化というものが公選法の改正の中で行われまして、今回この選挙法が改正されて初めての選挙であります。これから違反などが摘発されてくると思うわけでありますが、警察庁としてこれらに対してどのような姿勢で臨まれるおつもりなのか、決意をお聞きしたいと思います。
#42
○国務大臣(野中広務君) 今回公職選挙法の改正後初めての選挙が行われたわけでございますが、今御指摘の連座制の強化を含めて、警察といたしましては厳正公平な取り締まりに当たるものと承知をいたしております。
#43
○政府委員(垣見隆君) ただいま大臣から御答弁申し上げましたけれども、今回の統一地方選挙につきましては、一連の公職選挙法の改正を受けて施行されたある意味で最初の全国的規模の重要な選挙であると認識をしておりまして、各都道府県警察においては法改正の趣旨にのっとり、違反・取り締まり体制を強化するなどして厳正かつ徹底した取り締まりに当たっているところでございます。
#44
○釘宮磐君 この問題について私があえてここで申し上げたのは、この選挙の後には参議院選、そして小選挙区による衆議院選があるわけでありますけれども、特に小選挙区による衆議院選挙というのはかなり今までよりもエリアの小さい選挙区で選挙が行われる。そういう中で、私は法に基づいてかなり厳正にやるという姿勢を見せていただかないとこれは相当金まみれの選挙になりかねないという危惧を持つわけでありまして、そういう意味での決意を私は警察庁にぜひお願い申し上げたい、このように思います。
 続きまして、治安悪化に関する点についてお伺いをいたしたいと思います。
 近年、我が国の治安は急速に悪化しているように思われます。国民の間にも治安に対する不安が広まっていることが先日総理府から発表された世論調査結果、この世論調査結果では周囲で犯罪が起こる不安を感じるという人が六三%もいたということであります。
 こういう中にあって、ことしに入ってから先ほど御報告いただきましたいわゆる地下鉄サリン事件やオウム真理教事件、國松警察庁長官狙撃事件など立て続けに発生をいたしております。このことは国民の不安を極限にしていると言っても過言ではないと思うわけでありますが、この事態に対する警察庁の認識と決意について改めてお伺いしたいと思います。
#45
○国務大臣(野中広務君) 今御指摘ございましたように、サリンを使用したと見られます地下鉄駅構内におきます事件、また國松警察庁長官狙撃事件、さらにはオウム真理教をめぐる逮捕監禁その他のさまざまな事件など一連の事件は法秩序に対する重大な挑戦とも言うべき凶悪な犯罪が発生をしておるわけでございます。国民生活の基盤である治安の骨幹を揺るがしかねない深刻な事態に至っておるものと認識をしておるところでございます。
 現在、これらの事件につきましては、関係警察の総力を挙げてそれぞれ取り組んで一刻も早い犯人の検挙と全容解明に取り組みますとともに、再発防止にさらに努力をしておるところでございます。国家公安委員長といたしましても、国民の不安を一刻も早く解消するため、警察の組織の総力を挙げて捜査が行われますよう督励いだすとともに、諸対策の推進に努めておるところでございます。
 また、国民の皆さん方からも大変多くの情報が寄せられておるところでございまして、この種恐るべき犯罪について大きな関心と御理解をいただいておることを感謝いたしますとともに、また国民の信頼にもこたえ得るように一刻も早く犯人検挙と全容解明に努力をしてまいりたいと存じております。
#46
○釘宮磐君 これまで我が国の治安のよさは世界的にも高く評価され、東京は女性や子供が夜中に一人で歩ける数少ない大都市とさえ言われてきました。しかし、この我が国の誇りであった治安に対する信頼が最近の凶悪事件の頻発によって安全神話の崩壊という形で揺らいでおります。
 我が国の治安が近年急速に悪化した原因は一体何なのか、これまで良好な治安を維持できた理由は一体どこにあるのか、その辺の認識についてお伺いしたいと思います。
#47
○国務大臣(野中広務君) 警察におきましては、事件に強い警察の確立という方針のもとでさまざまな施策を推進してきたところであります。また、国民の皆さんの理解と協力を得ました結果、現在までおかげで良好な治安が維持をされ、治安のいいのが我が国の誇れる一つの文化でもあったわけでございますけれども、御指摘のように、残念にも最近におきますさまざまな事件の続発というのは、国民の治安に対する安心感に大きな陰りを生じていることは重大な問題であると認識しておるわけでございます。
 先ほど申し上げましたように、犯人を一刻も早く検挙するとともに、同種事犯の再発防止に努めまして国民に安心していただけるよう政府を挙げて取り組んでまいりたいと考えておるところでございます。
#48
○釘宮磐君 罪もない一般市民の無差別殺人をねらった地下鉄サリン事件やその国の治安の責任者である警察庁長官の狙撃、こういったものはこれまで犯罪の中でもタブーと考えられてきたものであり、まさに常識の一線を越えた犯罪と言えると思います。
 このような狂気の犯罪を検挙できないような事態となれば、我が国の治安は根底から覆され、世界各国にはかり知れない影響を及ぼすと言えると思います。しかも、最近の重要犯罪の検挙率は、平成四年こそ持ち直したようでありますが、低下傾向であり、甚だ心もとないと言えましょう。
 このような状況を打開するためには、機器材の整備や捜査員のプロフェッショナル化はもとより、国民の人権を守り、かつ警察権力の肥大化につながらないことに配慮した上での刑事警察力の量的増強も必要なのではないかと思うわけであります。警察庁は行革の横並びを気にするが、治安のこれ以上の悪化を食いとめてほしいというのが国民の切なる願いであり、本気で取り組むべきであると思います。
 定員管理は横並びではなくめり張りをつけるべきだと考えますが、この点についていかがでしょうか。
#49
○国務大臣(野中広務君) 警察におきましては、犯罪情勢の広域化あるいは凶悪化のさまざまな状況等に対応をいたしますために、警察法の改正やらあるいは捜査力のレベルアップのための種々の施策を行ってまいりましたし、最近におきましては重要犯罪の検挙率も向上の傾向を見せてきたところであります。しかしながら、凶悪、特異な事犯の続発といった最近の治安情勢の変化に対応するために、今、委員御指摘のように、その必要とする人員や装備の点も含めまして、十分必要な体制の整備につきまして検討をしているところでございます。
 国会関係の皆さん方の御協力もいただきながら、その予算措置等につきましても配慮をしてまいりたいと考えておるところでございます。
#50
○釘宮磐君 サリン事件について、このサリンの問題については後日当委員会で法案審査が行われるわけでありますが、この事件について二点ほどお伺いをしたいと思います。
 まず第一は、昨年の六月に松本サリン事件が発生をし、多数の死傷者を出しました。そして今回地下鉄サリン事件という大惨事が起こったわけでありますが、その間に山梨県でいわゆる悪臭騒ぎがあり、サリンの残留物が発見されたということが報道をされました。
 昨年の六月の時点でサリン、イコール大量殺りくテロ、すなわち国家的危険という認識があれば警察はあらゆる角度から捜査に着手すべきではなかったかと指摘する声もあります。また、その点でサリンに対する危機意識が不足していたのではないか、もしその時点で危機意識を持って捜査が展開されていたのなら未然に防げたのではないかという意見があるわけでありますが、このことについて警察庁の所見をお伺いしたいと思います。
#51
○政府委員(垣見隆君) お答えいたします。
 御指摘のように、昨年六月松本市内で発生いたしました中毒事件につきましては、有機燐系物質のサリンと推定される毒ガスが犯行に使用されたということが当時判明したわけでございます。
 この事案、サリンが使用されたのもちろんでございますけれども、多数の死者、傷害者というか病院へ入院された方も多数おるわけで、大変重大な事案というふうに私どもは認識して長野県警察を中心に捜査をしてまいりました。
 しかし、その捜査途上というか、その全容が解明されない段階で今回地下鉄駅構内において再びサリンである疑いが極めて強い有毒ガスにより多くの犠牲者を出す事件が発生したということは大変残念でございますし、私どもとしては二度にわたって国内で有毒で極めて殺傷力の強いサリンと思われる物質が使用されたこと、またそれを使用した人物が国内にいるという事実について大変厳しく受けとめているところでございます。
 現在、警察の総力を挙げて被疑者の早期検挙を図るとともに、再発防止についても万全を期してまいりたいと考えております。
#52
○釘宮磐君 サリンが特に危険な化学兵器であることにかんがみますと、これは国家的緊急事態ではないか、このように考えるわけであります。サリンは今までイラクが使用した以外ほかに例を見ない凶悪な兵器の一種であります。そのサリンが国内で使用されたとなれば、これは国家を挙げて取り組むべき事態と考えるべきであります。
 そこで、危険性や取り扱いについて警察の知識や能力だけで十分であったのか、またこのような国家的危険犯罪に対しての他省庁との連携が必要だったと思うのでありますが、その点についてはどうだったのか、その辺についてお伺いをしたいと思います。
#53
○政府委員(垣見隆君) お答えいたします。
 松本で発生しましたサリン事件でございますけれども、当初必ずしもその物質が何であるか判明いたしませんでした。どうも有機燐系の物質ではないかということであったわけですけれども、しかし先ほど申したように死傷者が多数出ている事案で、大変重大な事案だということで、この種の事案、現行の警察法の枠組みの中では都道府県警察が対応するわけでございますけれども、警察庁におきましても当初から大変重要な事件だということで警察庁の機関でございます科学警察研究所の所長以下の職員を、これは事件が六月二十七日十一時過ぎでございますが、発覚というか全容が判明したのが二十八日でございますので、二十八日午前に現地へ派遣をして、地元の長野県警察の科学捜査研究所の職員等とともにその原因の究明に当たらせたところでございます。
 ただ、そういう中でいろいろな作業はし、私どもの持てる力としては十分それなりに発揮をしたと思うわけでございますけれども、御指摘いただきましたように、サリンという物質につきましてはある意味で警察としても予期をしないような化学物質であったことは事実でございます。この問題についてその後国内、特に大学の先生方、あるいはこれもいろいろ言われておりますけれども、防衛庁の専門の方々にも御意見を聞きながら捜査解明に当たってきたところでございます。
 この種の事案、先ほど申したように、警察として必ずしも事前に予期し得なかった事案でございますので内部体制としても十分な体制を持っていない、また知識も持っていないという面もございます。今後、この種の事件の対応に遺憾のなきを期すように化学知識を有する専門的捜査員の育成、採用、また専門的な捜査チームの設置を図ったり、あるいは鑑定技術の向上を図ったりすること、さらには内外の専門機関との連携を図るということも大変重要であろうと思います。
 重ねて申し上げますけれども、本件というか、この松本の事件あるいは地下鉄のサリン事件につきましては特に防衛庁には大変多大の御支援をいただいているということを重ねて申し添えさせていただきます。
#54
○釘宮磐君 今の答弁をお聞きしておりまして、私はやはりこれは警察に対する挑戦だと思うんですね。そういう意味では国民に信頼される警察であらなければならない、いろんな事態を想定をしなければならない、このように思うわけでありまして、そういう事態を想定していなかったということは非常に残念であります。
 それでは、國松長官の狙撃事件について一点だけお伺いをしたいと思います。
 警察のトップがねらわれたわけであります。SPがついていなかったとのことでありました。地下鉄サリン事件やオウム真理教の強制捜査を背景として考えたときに、今回のことはある程度予測がてきたのではないか、このように思うわけであります。
 国家の緊急事態においては、警察も含め、国家の要人の警護はもっと慎重に考えるべきではなかったのか。また、この際、警察庁が合同庁舎で他の省庁と同居をしている点で警備上で問題はないのか。さらには、危機管理という面からSPをつける基準、警察庁の建物、長官の宿舎の警備、これらについて改めて考え直さなければならない、そういう事態に立ち入ったというふうに思うわけでありますが、その点についてはいかがでしょうか。
#55
○政府委員(杉田和博君) 警察庁長官につきましては、これまでも自宅及びその周辺におきまして警戒を実施しておりましたけれども、三月二十日、いわゆる地下鉄サリン事件が発生したことに伴いまして警察官を増強配置して警戒を強化しておったところでございます。そういう警戒のもとで今回のような事案が起きたということでございまして、まことに遺憾に思っております。今後は配置の人員、さらにまた警戒のやり方、こういうものに十分に検討を加えまして万全を期したいと考えております。
 今回の事件の発生にかんがみまして、主要な警察幹部についてもさらに自宅等の警戒を強化いたしますとともに、警察官による身辺の警戒もあわせて行うことにいたしました。また、御指摘の警察庁庁舎におきましても入り口におきますチェック、こういうものを厳重にするとともに、職員等により施設内外の巡視警戒を強化いたしておるところでございます。
 委員御指摘のとおり、大変に厳しい情勢でございますので、今後とも警護、警戒というものについては情勢というものを十二分に判断いたしまして、事前に手を打つ等の配慮もいたしまして万全を期す覚悟でございます。
 以上でございます。
#56
○釘宮磐君 ぜひ頑張っていただきたい、私はそのことをお願い申し上げたいと思います。
 さて、オウム真理教の問題について二点だけお伺いをしたいと思うんですが、オウム真理教に対する捜査は日々新しい展開を繰り広げております。きょうは早朝からテレビで全国一斉に摘発が行われているということであります。今後の捜査の推移を見守っていかなければならないと思うわけでありますが、少々気がかりな点について二点ほどお伺いをいたしたいと思います。
 私はかつて警察捜査とマスコミ報道の行き過ぎについて当委員会で懸念を示したことがあるわけでありますが、今回も地下鉄サリン事件の二日後の強制捜査がなぜ周知の事実となったのか。強制捜査の前夜から警察の動きはオウム真理教の各支部の荷物の運搬などがマスコミで報道され、警察の動きはオウム真理教のみならず広く国民に知れ渡るところとなったわけであります。せっかくの強制捜査であるのに証拠隠滅の機会を与えたのではないか、このように危惧をするわけでありますが、警察の情報管理という意味で、警察の内部に内通者はいないとは思いますが、この情報管理についてお伺いをしたいと思います。
#57
○政府委員(垣見隆君) お答えいたします。
 捜査につきましては、当然のことながら証拠物の散逸等あるいは被疑者の逃走等を防ぐためにも秘密裏に行うというのが原則でございます。今般の捜索を実施するに当たりましても、事前にその事実を察知されないようにという点は特に念を押したわけでございますが、残念ながら御指摘いただいたような状況がその後の捜査等でも少しずつ判明をし出しております。
 ただ、若干申し上げさせていただくと、今回の捜索におきましては捜索場所が大変広範囲であったこと、またそのため大変多数の警察官、二千五百名ほどの警察官を動員いたしました。しかも、不測の事態を防止するために防毒ガスマスク等の着脱訓練等も事前に実施をいたしました。そういうようなことから、通常の捜索に比べて秘密の保持というのが難しかったのではないかというふうに考えております。
 御指摘いただきましたように、この捜査あるいは捜索を秘密裏に実行するということは大変重要なことということはもう私ども肝に銘じておりますし、今後いろいろな捜査が行われるわけでございますが、証拠物の散逸を防止し捜査を円滑に進めていくためにも秘密の保持というか捜査情報の管理については徹底をしてまいりたいというふうに考えております。
#58
○釘宮磐君 強制捜査後にオウム関連のテレビ番組、これは大変な頻度でございまして、番組は軒並み高い視聴率を上げているそうであります。そのためかどうかはわかりませんが、独占取材とか生出演とかいって彼らの主張がテレビで連日のごとく流されております。報道の自由との関係でまことに難しい問題ではありますが、これは結果として布教に手をかすことにはならないかと私は危惧をするわけであります。
 そういった意味で、マスコミ関係者の私は良識にある程度訴えたいわけでありますけれども、最近ではオウム関係者がタレント的な存在となっているという事実もあるようであります。また、新情報などといって元信者のインタビューなどが放映をされておりまして、これはかなり最近は各局が争ってやっているというようなところがあるわけでありますが、今後の捜査に影響が出てこないのかどうか、そういった意味では警察庁としてマスコミ各界に対しての申し入れ等はしているのかどうか、その辺もお伺いしたいと思います。
#59
○政府委員(垣見隆君) お答えいたします。
 委員御指摘のように、捜査活動と報道というかマスコミとの関係というのは大変難しい問題でございます。今回のオウム真理教をめぐる数々の犯罪容疑あるいは疑惑事案につきましては、国民の皆様も大変関心を持っているという点がございます。そういう意味で、報道機関の方も国民に対して情報を提供するというような観点でいろいろな活動をされていることと思いますが、いわゆる犯罪報道のあり方につきましては、私どもとしてはあくまでもやはり報道機関の良識と責任においていろいろお考えをいただくべき事項ではないかというふうに考えております。
 ただ、一点つけ加えて申し上げさせていただきますと、もう御案内のとおり、犯罪捜査というのは、先ほども警察の情報管理をしっかりしろという御指摘をいただいておりますが、基本的にはやはりできる限り秘匿のうちに目的を達するという活動でございます。そういう意味で、この捜査活動といわゆる報道機関による取材活動というのはかねてからある意味での緊張関係にあるわけでございます。そういう中で、私どもとしてはやはり先ほども御指摘いただきましたように情報管理をきちっとし、必要な秘密を保持して、しかも迅速的確に捜査活動を行い所期の目的を達成してまいりたいというふうに考えているところでございます。
#60
○釘宮磐君 それでは、道交法の改正の方に移らせていただきたいと思います。
 今回の改正は自動二輪に関する免許取得の改正でありますが、自動二輪車に関する事故死亡者が近年減少傾向にあるわけであります、昨年は若干増加したようでありますが。そういう中での自動二輪免許制度の改正の必要性、こういうようなものを私は若干疑問視するわけでありまして、規制緩和の一環とも言われておりますが、大型自動二輪車について取得年齢を引き上げることは逆に規制強化であり、技能検定制度の導入、これが取得しやすくなったということで規制緩和というように言われておりますが、ならば技能検定は公安委員会の審査よりもレベルが低いということになるわけでありまして、そういう点についてはどのようにお考えでしょうか。
#61
○政府委員(田中節夫君) 今回御審議を賜っております道交法改正は中心が自動二輪免許制度の改正でございますけれども、この規制緩和と言われているものにつきましては、いわゆる指定自動車教習所におきます技能検定を導入するということにつきまして、限定なし自動二輪車免許につきまして指定自動車教習所におきます技能検定制度を導入した場合には、従来は公安委員会に直接来て試験を受けるというような機会しかございませんでしたけれども、国民の免許取得機会が指定自動車教習所においても受けられるということで拡大する、そういう意味で規制緩和というふうに申し上げているわけでございます。
 その中で、それならば大型自動二輪免許につきまして十八歳に引き上げることにつきましては規制強化ではないかという御指摘でございますが、この大型自動二輪免許につきましては、従来からこれは法律上は十六歳で免許を取得できるわけでございますけれども、大変に大きな車でございますし、その運転につきましては精神的な問題あるいは肉体的な問題もございますので十八歳になってから取得するように指導を行ってまいりました。そういう意味では、従来の指導を踏まえたものでございまして、必ずしも規制強化には当たらないのではないかというふうに私どもは考えております。
 また、技能検定制度の導入によりまして、それが規制緩和というのであれば技能検定と公安委員会が行います試験との関係はどうかという御指摘でございますが、技能検定は公安委員会が行います技能試験に準じて行うものでございまして、指定自動車教習所におきまして技能検定制度が導入されましてもこの技能検定制度の内容につきましてはいささかも公安委員会の行う試験の水準より低くなることはない、そういうことは決してないというふうな方向で検討しているわけでございまして、そういう意味合いでは規制緩和というのはその点については当たらないというふうに考えておるところでございます。
#62
○釘宮磐君 先ほども岩崎委員が御質問をしておりましたが、今回、改正に当たって国民一般から広く意見を求めたということでありまして、これは岩崎委員の指摘にもありましたが、国民に開かれた警察のあり方として評価ができるわけであります。
 その中で若干気になりますのは、送られてきた意見の中に業界団体の組織票と思われるものが多数見られたというようなことが言われておりますが、実態はいかがですか。
#63
○政府委員(田中節夫君) 今回の改正の検討に当たりまして広く国民の意見をお聞きするということで、昨年の六月十三日から十一月の終わりまで六カ月間、全国から御意見をいただきました。合計で二千七百十一通の御意見がございました。それらの意見の中におきましては、免許年齢の引き上げ、あるいはこの技能検定制度の導入につきましては免許取得の機会が拡大するということで賛成であるというような御意見もございました。
 ただ、今、委員御指摘のように、この二千七百十一通のうちには同一文書をコピーした上で署名したもの、あるいは同一の筆跡で発信地、署名が異なっているなど特異な形態の意見の提出がございまして、それは約一千通に上っております。
 その中身は、免許取得年齢につきましては原付につきましては十四歳まで引き下げてはどうかというようなこと、それから免許取得年齢の引き上げではなくて安全教育を徹底するという形でもって二輪車事故防止対策を実施してはどうかというような意見の内容でございまして、ほぼ同一の意見の内容でございました。
 ただ、私どもといたしましては、こういうような組織的な票につきましてはやや問題があるというふうに考えまして、それ以外の御意見につきまして十分に参考にさせていただいた上で今回の法改正に臨んだわけでございます。
#64
○釘宮磐君 それでは、保管場所法改正に関する質問をさせていただきますが、今回軽自動車適用地域の拡大が予定されているのは都市部において依然として路上を駐車場がわりとしている軽自動車の数が一向に減らないためであろうと思うわけであります。
 警察では昨年の九月に路上駐車の実態調査を行っているようでありますが、その概況をまず説明していただきたいと思います。
#65
○政府委員(田中節夫君) 昨年、路上駐車の状況を調べました。これによりますと、平成二年、車庫法が改正された時点に比べまして、これは瞬間の路上の駐車台数でございますけれども、施行前に比べますと東京都内でマイナス二九・六%、大阪府内ではマイナス二二・八%ということで大変減少しております。
 減少理由といたしましては、保管場所法の改正に伴いまして広報啓発活動あるいは取り締まりが実施された、さらにはディーラー等によりますところのいろんな広報啓発活動が実を結んだというふうに考えておるところでございます。
#66
○釘宮磐君 この法案が平成二年に改正をされたわけでありますが、この平成二年の改正を機に今まで車庫証明が要らなかった軽に車庫証明が必要になったわけでありますから当然その駐車場の確保が懸念をされたわけでありますが、この五年間の間にいわゆる網にかかった適用地域における駐車場の整備状況、これについてはどうであったのか、お答えをいただきたいと思います。
#67
○説明員(吉岡和徳君) お答えいたします。
 一般公共の用に供します駐車場は、都市地域におきまして平成二年三月末時点では約五十一万台の整備がされておりました。駐車需要に対しましては駐車場が不足しまして、路上駐車が蔓延するなど交通渋滞や交通事故の原因となり、安全で円滑な道路交通の確保の観点から大きな問題となっていたところでございます。
 このため、長期的には駐車需要をおおむね充足させることを目標に、公共と民間の適切な役割分担のもとに、まず公共駐車場につきましては、従来からの有料道路融資事業等の無利子融資制度に加えまして、新たに平成三年度に特定交通安全施設等整備事業によります補助制度を創設いたしました。三大都市圏におきましては直轄及び補助事業で五十六カ所の整備を進めているところであります。また、民間駐車場につきましても、道路開発資金等の低利融資制度に加えまして、新たに共同駐車場整備促進事業の創設、あるいは税の優遇措置の創設拡充、駐車場の附置義務制度の強化などを行ってきたところであります。
 これらによりまして、平成六年三月末には、三大都市圏の一時預かり駐車場は約十四万台ふえまして約六十五万台にまでなっております。路上駐車の減少に効果があったものと考えておる次第でございます。
#68
○釘宮磐君 いわゆる路上駐車が減るという意味でこの軽自動車の車庫証明を必要とする地域を拡大していくということについては私も異論を挟む余地はありませんが、今申し上げましたように、一方でそのことによって駐車場を確保するということがこれはもう大前提になるわけでありますから、その整備というものを一緒にやっていかなきゃいけない。ですから、警察は確かに摘発をする、指導をする方でありますけれども、建設省においてはその辺のところを縦割り行政にならないようにぜひやっていただきたい、このように思います。
 ちょっと質問の時間がなくなってしまって、各省庁に出てきていただいておったんですが時間がありませんので、大変申しわけありません。
 最後に一点だけお伺いをしたいことは、いわゆる路上における放置自動車の問題についてお伺いをしたいと思うんです。
 私は田舎に住んでおるわけでありますけれども、最近、例えば山であるとか高原地帯であるとか、そういうところに放置自動車というのが散見をされるわけであります。この問題については、実は衆議院の交通安全対策特別委員会においても議論をされたようでありまして、特に十六条の問題が議論をされたようであります。そこで指摘されている点について警察庁は、ユーザー側の責任強化は重要な問題であるというふうに答弁をしておるようであります。
 私は、この問題が生じる背景には、廃車となった自動車を処分ルートにのせる社会システムが十分でない、このことが非常に問題であると思うんです。その構築をメーカーなどとも一体となって取り組む必要があると思うのでありますが、この点に保ついて。運輸省ですか。
#69
○説明員(影山幹雄君) お答え申し上げます。
 ただいま先生御指摘のとおりでございまして、放置自動車が年々増加し、道路交通あるいは市民生活に大きな影響を与えております。そういったことを踏まえまして、この防止及び処理につきましては関係機関が協力いたしまして解決すべき問題というふうに私どもも考えております。
 このような観点から、運輸省それから通産省の両省の指導でございますけれども、これによりまして自動車関係団体が平成三年の七月に、不法放棄を未然に防止するため、一つは販売店等を通じまして実費により廃車を回収するシステム、これを構築しております。もう一つが、実はもう既に放置された車についてでございますけれども、市町村がこれを回収するわけでございますけれども、その廃車処理の費用を負担する仕組み、これを整備して機能させております。ちょっと申し上げますと、実績といたしまして平成六年で処理台数が約一万九千台、処理費用といたしまして一億七千万円をこの関係業界の方で負担いたしております。
 私どもといたしましては、この放置自動車の回収システム、今後ともさらに有効に機能し、またその回収の実効が上がるよう引き続き関係業界を指導してまいりたい、このように考えております。
#70
○有働正治君 審議二法案について私どもも賛成であります。
 そこで、きょうは法案に関連いたしまして交通安全対策、とりわけエアバッグ問題を私は取り上げたいと思います。
 まず、警察庁にお尋ねします。
 最近の交通事故の新しい特徴として自動車運転中の事故もふえていると承知していますけれども、この運転中の事故の状況、昭和五十四年の数字、それから近年、平成四年ないし六年、どう変化しているのか、またその原因は何と考えておられるか、まずお示しいただきたい。
#71
○政府委員(田中節夫君) 交通事故の状況でございますけれども、状態別死者数のうち自動車乗車中の死者数は昭和五十年から次第に多くなっておりまして、その推移を見ますと、昭和五十四年が二千九百九十八人、平成四年が四千七百八十三人、平成五年が四千八百三十五人、平成六年が四千四百八十二人となっております。昨年は一昨年に比べて若干減少はしておりますけれども、平成六年を昭和五十四年と比べますと約一・五倍に増加しております。
 第一当事者であります自動車運転者が交通死亡事故を起こしたその原因を見ますと、平成六年中は最高速度違反が千六百七十四件と一番多いわけでございますけれども、特に近年問題になっておりますところのシートベルトの関係で申しますと、依然としてシートベルト非着用の死者数の割合が高い、平成六年中に自動車乗車中死者数の七四・四%がシートベルトをしていないというような状況でございます。
#72
○有働正治君 そこで、そういう問題についていわば警察としてどう対応して対策をとって指導なり、強化しているのか、そこらあたりいかがでありますか。
#73
○政府委員(田中節夫君) 特に交通事故防止対策につきましては、交通事故を起こさないように安全運転教育あるいは指導、取り締まり、規制等につきましていろいろ施策を行ってきているわけでございますけれども、事故が起きた場合の被害の軽減ということで、最近私どもにおきましてはシートベルトの着用については最も大きな事故軽減対策として推進をしておるところでございます。
#74
○有働正治君 シートベルトが重要であるということは言うまでもありません。いろんな現場を見たり、皆さん方の研究所でのテスト等も私も拝見させていただきました。
 同時に、運転中の安全を守る上で、シートベルトをつけた上でエアバッグ、これも効果的だと私は考えるわけでありますが、この点についての政府としての認識、いかがでありましょうか。
#75
○政府委員(田中節夫君) エアバッグにつきましては、現段階で車両に装備されておるものは大部分が正面から衝突したときに作動する設計となっております。
 それのみでは十分な乗員の保護の効果は得られないといった限界はありますけれども、シートベルトを装着することを前提とした場合であれば、より高度の乗員の安全性を担保することができるものでありまして、シートベルトの乗員保護機能を補完し得る装置であるというふうに考えておるところでございます。
#76
○有働正治君 アメリカの場合、エアバッグが義務化されているわけでありますけれども、これによる交通安全の効果、これは政府としてどういうふうに認識されておられますか。
#77
○政府委員(田中節夫君) アメリカでエアバッグの装着が義務化された、そのことによってどういうような効果があったかということにつきましては、公的な資料に接しているわけじゃございませんけれども、昨年十二月にNHKの報道がございまして、その中では八千人の死者数が減少したというようなことも言われております。
 私どもといたしましては、そのような数字が、公的な資料ではございませんけれども、シートベルトの装着を前提とした場合において、より高度な乗員の安全性の確保を図各装置であるということで、警察としてはその普及が進むことが望ましいというふうに認識しておるところでございます。
#78
○有働正治君 アメリカでこの義務化によって運転中の交通事故での死亡可能性が三割ほどは減っだということが指摘されているわけであります。アメリカでは一億九千万台の車が走って、法律でエアバッグ装備を義務化すると。そこで、今、局長もおっしやられたように、年間八千人ほどの命がエアバッグで助かったということも指摘されているわけであります。アメリカでは運転席、助手席、両方にエアバッグがついている車を買いたいという人は多い、ほとんどそうだというふうに私も承知しています。アメリカ自動車メーカーのコマーシャルも安全重視で、エアバッグというのを一つのセールスポイントにしているという状況もあるようであります。
 そこで、運輸省にまず聞きますけれども、アメリカ運輸省の行っている自動車アセス、これを日本でも実施すべきだという声がかねて強かったわけでありますが、今後運輸省としての実施方針、これをお示しいただきたいと思います。
#79
○説明員(中島恒夫君) 自動車ユーザーに対しまして自動車の安全性に関する情報を提供することにつきましては、我が国におきましてもユーザー。によります自動車の選択を通じまして安全性の増進に寄与するものというふうに認識いたしております。
 したがいまして、運輸省におきましても、平成三年度から六年度にかけまして、ユーザーに提供する情報の内容とか試験方法などにつきまして検討を実施してまいりました。これまでの検討結果を踏まえまして、今年度、平成七年度におきましては、具体的車名を明らかにいたしまして、衝突安全性能など個々の自動車の安全性能につきましてユーザーにわかりやすく提供する予定でございます。
#80
○有働正治君 アメリカでは運輸省が、その年発売の新型車四十台を運輸省が直接店から買って衝突実験をして、安全性を数値で示して、どの車はどの程度安全かと、車ごとに五段階評価などに表にいたしまして消費者に公表する、こういうアセスを行っていると。時速六十キロ近くで衝突実験、世界一厳しいテストということが言われているわけで、消費者はそのアセス結果を参考にしながらより安全な車を選ぶと。アメリカではエアバッグについても性能のよい、より安全な車を選ぶということで行われたというふうに私は承知しているわけでありますが、今御答弁なされた、日本でのこの間のテスト等々は大体そういうことを、内容はかなり類似した内容で、具体的にどの車はこうだと、具体的にはどんな感じになるのでありましょうか。
#81
○説明員(中島恒夫君) 先ほど申し上げましたように、これまではユーザーに対しまして提供する情報の内容だとか試験方法につきまして、判別性だとか再現性がいいかどうかというのを検討してまいったところでございます。
 それらを踏まえまして、平成七年度におきまして、具体的な車名を明らかにいたしまして、個々の自動車の安全性能というものを今年度明らかにしていきたいというふうに考えておるところでございます。
#82
○有働正治君 ユーザーに非常にわかりやすいようにぜひ実現してもらいたい。
 そこで、警察の方にお尋ねしますけれども、日本の自動車事故分析センターの報告でエアバッグの効果についてどう分析されているのか。調査あるいは実験の結果、しかるべき効果があったというふうに報告されていると私は承知していますけれども、この点いかがでありましょうか。
#83
○政府委員(田中節夫君) 交通事故総合分析センターにおきましては、自動車安全運転センターで調査いたしました事故調査、そういうものにつきまして分析をいたしました。その結果、平成五年三月に、「交通事故による被害の実態とその軽減対策に関する調査研究」という報告書がまとめられてございます。その中で、エアバッグの問題に関しまして、調査対象となった三百八十五件の事故のうち、エアバッグ装備車が関係した事故が七件、七台、そのうち二件、二台につきましてはエアバッグが作動し、これにより乗員の頭部、顔面の被害は低減されたと思われると、そういうふうなことが記載されてございます。
#84
○有働正治君 日本車にはエアバッグがついていないという点で私は問題があると考えるわけであります。日本で年間八百五十万台ほど生産されている車のうち百六十万台にはエアバッグをつけて生産されているわけでありますが、これは主としてアメリカ向けの輸出車であります。アメリカ国内の安全基準のため輸出向けにはエアバッグをつけて生産される。国内向けでも新車の一割程度には運転席のみエアバッグをつけられるようにしてつくられていますけれども、運転席のみのオプション設計で助手席はつけられていないようであります。アメリカでは両方ついている。
 そこでお尋ねしますけれども、エアバッグをつけた軍とつけない車、価格差というのは大体どれぐらいなのか。
#85
○説明員(中島恒夫君) エアバッグを装着している車と装着していない車の価格差につきましては、現在我々が調べましたところによりますると五万円から十一万円程度となっております。今後の技術開発等によりまして一層価格が下げられるということを期待しておるところでございます。
#86
○有働正治君 めちゃくちゃに高いというほどではないわけであります。
 そこで、運輸省にお尋ねしますけれども、このエアバッグの効果についてはアメリカでもかなり、八千人近くがこのために命が救われたと、また国内の関係機関の分析によってもしかるべき効果がある、警察当局もこれについては効果もある、シートベルトと併用すればより効果がある、とりわけ正面の場合には効果があるということを御答弁なされたわけであります。そこで、やはり人の命にかかわる問題、やっぱり命こそ大事で命を大事にする政治という立場から見まして、このエアバッグを普及するということが私は大事ではないかと。
 そういう点からいいまして、自動車業界などに対する働きかけ、その点で車の保険料を安くするとか等々、自動車業界その他に対しても誘導策、これが求められているのではないかなという気がいたしますけれども、まず運輸省の方にお尋ねいたします。
#87
○説明員(中島恒夫君) エアバッグの普及を図るために、運輸省といたしましては自動車メーカーに対しましてエアバッグの標準装備、もしくはエアバッグ装備を希望するユーザーに対しまして対応可能なようにエアバッグ装備が可能な車種の拡大というものを指導しているところでございます。また、先ほど御指摘ございましたように、ユーザーに対する個々の自動車の安全性能に関する情報提供というものを今年度から実施する予定にしてございます。
 今後とも、安全性の確保というのを重点に、エアバッグの普及というものを一層図っていきたいというふうに考えております。
#88
○有働正治君 大蔵省にお尋ねしますけれども、アメリカではエアバッグ装着の車の保険料というのは、運転席と助手席、両方装備の場合は三割引き、シートベルトと運転席と助手席両方のエアバッグがそろっていれば四割引きというふうに保険料を安くして誘導策を積極的に行って、それが生命を守る、また保険会社にとってもそれが保険料を支払わなくて済む効果があるということもあるようであります。
 保険業界に対する指導監督というのは大蔵省であるわけでありまして、この点でも積極的に対応する必要があるのじゃないかと。日本では一般的に言って大体一割引き程度にとどまっているようである、その点は対応が私は弱いのではないかと。この点の改善と指導を求めるわけでありますが、いかがでありましょうか。
#89
○説明員(浦西友義君) エアバッグ装備と保険料の関連につきましてお答え申し上げます。
 エアバッグ装備車につきましての自動車保険の割引制度は、交通事故による死亡者が一万人を超え第二次交通戦争と言われ始めました平成三年に外国の例も参考にして導入されたものでございます。
 具体的内容を申し上げますと、エアバッグを装備しておれば、エアバッグが機能するような事故を起こした場合、自動的に働きまして安全性の効果が得られるということから、保険面でもエアバッグ装備にインセンティブを与えるということのために搭乗者傷害保険につきまして一〇%の割引制度が取り入れられたものでございます。
 本制度は導入されましてからそれほど期間がたっていないため、現状十分な統計数値はないわけでございますが、今後損害率等の状況を見ながら適切な対応を図ってまいりたいというふうに考えているところでございます。
#90
○有働正治君 やはり積極的に対応していただきたいと思います。
 エアバッグというのはシステム的に、センサーが衝突を感知してコントロールユニットへ信号が送られて、コントロールユニットからエアバッグモジュールへエアバッグを膨らませるための信号が送られ、エアバッグモジュール内でパットに折り畳んで入っているガス発生剤に点火し窒素ガスが発生しエアバッグが瞬間的に膨らむ、〇・二秒の間にコンピューター判断で風船状に膨らんで乗員の頭部、胸部への衝突を和らげる、そういう点で効果があると。
 今、大蔵省も御答弁になったように、第二次交通戦争、一万人を切っていたのが再び七、八年前から一万人突破、そういう中でこういう保険の割引も考慮されて、にもかかわらず依然として交通事故は減っていないし深刻な状況にあるというわけですから、やはりもう七、八年たっているわけですから、この間の経緯にかんがみて積極的にやっぱり対応していただきたいと重ねて要望しておきます。
 そこで、本当に人命尊重という立場からいってエアバッグ装備の義務化の問題、これも検討する必要があるし、対応していただきたい。この点で亀井運輸大臣は、ことし二月二十二日の衆議院交通安全委員会の我が党議員の質問に対しまして、運輸省としてはエアバッグについては推奨、奨励している、今後警察庁等とも協議してさらに踏み込んだ対応をすべきかどうか積極的に検討したいと前向きに積極的に検討していく意向を表明されているわけであります。
 車両の安全基準の問題が第一である、これは私も承知しているわけでありますが、交通事故死をなくす、交通安全を高める、そういう点からいって警察最高責任者としての国家公安委員長としてエアバッグの装備義務化についても関係省庁とも協力して積極的に政府としても検討して対応していただきたい、こういうことでありますが、いかがでありましょうか。
#91
○国務大臣(野中広務君) 自動車の装備に関する安全基準の向上につきましては従来から運輸省が主体となって進めてきておられるところでありますが、警察といたしましても交通安全の確保の観点から必要な情報交換を行うなど適切に対応してきておるものと承知をいたしております。
 エアバッグにつきましては、先般、同僚代議士が羽田空港の前で正面衝突をされました際にも、代議士本人は後部座席で顔面挫傷あるいは胸部骨折等をやったわけでございますけれども、運転者はエアバッグがついておったために何一つ事故がなかったというようなことを私もつい最近承知いたしておりまして、その安全性について深く認識をしているところでございます。
 今後、委員御指摘のエアバッグの装備義務化につきましても、乗員の安全確保という装備の安全性基準とかかわる問題でございますので、運輸省とも十分情報交換をいたして、さらにその安全性が発揮されるように努力をしてまいりたいと考えております。
#92
○有働正治君 それから、メーカー、ディーラー、保険業界に対して、企業としての社会的責任に照らしまして、もっと交通安全対策に積極的に取り組んで協力を求めるという点も政府として積極的に対応していただきたいと思うわけであります。
 自動車工業会の方にお尋ねしたところ、エアバッグはコストが問題で、ハンドル取りかえで装着するものとして日本では運転席用のものが出ているが、法令で義務化されていないのでそうはいきませんよといういわば答えであったわけであります。つまり、政府がきっちり対応していけばそれに対応せざるを得ない面もあるけれども、そうなっていないからということを暗に言外に述べられたわけであります。
 さきに述べましたように、アメリカの場合は保険料の割引制度を大々的に進めて、そしてそれが効果を上げているということもあるわけでありますが、ところが日本の場合には保険会社も消極的です。理由は、メーカー、ディーラーが保険代理店となっておりまして、保険会社とメーカーのつながりがあるというふうにアメリカ側が批判しているわけであります。日本ではメーカーが保険会社を怖がらないという状況があります。
 日本損害保険協会にお話を聞きますと、エアバッグの法制化を政府に働きかけることは考えていないと。しかし、エアバッグが効果があると思われているので一定の割引は私どもも行っているけれども、しかし政府に働きかけて積極的にやるなんということは考えていませんというようないわば感じであったわけなんですね。
 したがいまして、こういう関係業界、やっぱり生産している、あるいはそういう関係の仕事に携わっている以上、国民の生命を本当に大事にして生命を守る、それに最大限寄与するというのは企業としての社会的責任からいって私は当然だと思うんですね。その点で政府はやはりイニシアチブをとって関係省庁とも協力しながら対応していただく、このことが求められていると。
 そういう点で、国家公安委員長として、また国務大臣として、メーカー、ディーラー、保険業界に積極的に対応するように、保険割引の引き上げ等を含めまして、これだけの、一万人を超える交通事故死、深刻であります。閣議等でも問題にするなどして積極的に働きかけていただきたいという点で大臣の見解を求めるわけであります。
#93
○国務大臣(野中広務君) エアバッグは自動車の乗員のより高度な安全性の確保を図ることのできる装置であると考えられておるところでございますので、その普及が進むことが望ましいと考えておるところでございます。
 法律上の義務化につきましては、委員が御指摘のように、関係省庁はもちろん、関係業界等が広く連携をしながら積極的に検討をしていくべき重要な課題であると認識をいたしております。
#94
○有働正治君 だから関係者との調整等々が必要であることは言うまでもありませんが、大臣もこの重要性については述べられたわけですから、そういう立場で積極的に政府として挙げて交通事故対策の一つの手だてとして取り組んでいただきたいというのを重ね重ね要求いたしまして、質問を終わります。
#95
○西川潔君 よろしくお願いいたします。まず私は道交法の改正からお伺いをいたします。
 最初に、第二条九号にございますが、「原動機付自転車及び身体障害者用の車いす」という部分を「原動機付自転車、自転車及び身体障害者用の車いす並びに歩行補助車その他の小型の車で政令で定めるもの」と改める点につきましてお伺いしたいと思います。
#96
○政府委員(田中節夫君) 委員御指摘の第二条第九号の規定と申しますのは、原動機を用いるもののうち自動車としては取り扱わないものを列挙した規定でございます。いわゆる駆動補助機付自転車、ハイブリッド自転車でございますが、原動機を用いておりますので現行法では排気量によりましては自動車または原動機付自転車として取り扱われる可能性がありますが、今回の改正で人の力を補うために原動機を用いるもので一定の基準に該当するものについては自転車に該当することを明確にする。また、歩行補助車につきましても、原動機を用いるものでありますと現行法では同様に自動車または原動機付自転車として取り扱われる可能性がございますので、このうち一定の基準を満たすものにつきましては、これを通行させている者につきましては歩行者として取り扱うということを明確にするものでございまして、第二条第九号の改正は今申し上げましたような規定を明確にするために規定の整備を行うものでございます。
#97
○西川潔君 この項目については電気動力を活用した自転車、あるいはお年寄りなどが利用されている歩行の際の補助車を想定されていることと思うわけです。この自転車については既に電気動力が活用されているわけですが、一方の歩行者用補助車についても現在電気動力を活用した補助車を開発中と伺っておるわけです。
 今後、超高齢化社会を迎えましてお年寄りがふえる中で、心身の衰えとともに少なからず外出をする機会がふえればいいな、生活のゆとりや潤いという面では一つの大きなメリットではないかな、こういうふうに思うわけですけれども、しかしそこで若干心配をいたしますのは、やはり安全面ということでございます。この点、警察庁ではどのような御認識をお持ちでしょうか、お伺いします。
#98
○政府委員(田中節夫君) 原動機を用います歩行補助車につきましては、一定の基準を満たすものについてのみ歩行者として取り扱うと考えております。
 その具体的な事由につきましては現在検討を進めているところでございますが、基準の策定に当たりましては、この車は高齢者が使用することを念頭に置きながら、しかも歩道を通行しても他の歩行者に危険を及ぼすことのないように十分に配慮されたものにするつもりでございます。
 また、歩行補助車は、御指摘のように、主として高齢者の方が利用するものであることを踏まえまして、メーカーあるいは販売店を通じましてユーザーに対します安全指導が行われるよう努めてまいりたいと考えております。
#99
○西川潔君 次に、電気動力を活用している補助車として近年お年寄りの間で大変普及しておりますが、電動三輪車についてお伺いいたします。
 テレビなどでもよくコマーシャルに出てまいりますが、まずはこの電動車いすについて現在の道交法上の位置づけでございます。そして、そこに至ったこれまでの経緯について、そしてまた普及状況についてもお伺いしたいと思います。
#100
○政府委員(田中節夫君) 原動機付車いすにつきましては、大きさ、速度など一定の要件を満たすものにつきまして道路交通法上歩行者として取り扱っておるところでございます。
 その経緯といたしましては、高齢者あるいは身体障害者の方々が積極的に社会参加の機会を得るというような観点で原動機を用いた車いすが普及してきておりまして、ただ原動機のついたままでございますと、先ほど申し上げましたように、原動機付自転車あるいは自動車に該当するおそれがあるというわけでございましたので、一定の要件を満たす車いすにつきましては歩行者として取り扱い、歩道を通行させることが交通の安全と円滑の観点からも適当であると考えられましたので、平成四年に道路交通法の改正をお願いいたしまして歩行者として取り扱う旨を規定したところでございます。
 なお、普及状況でございますが、電動車いすの業界団体の調査によりますと、概数でございますけれども、約十二万台というふうに聞いております。
#101
○西川潔君 ありがとうございました。
 この電動三輪車について、ある調査結果を見ておりますと、六十歳以上の年齢層で全体の九割近くを占めております。高齢者の利用率が大変高くなってきているわけです。また、電動三輪車を利用することによってほとんどの方が行動範囲が広まり、特に自動車免許を持たないお年寄りにとって非常に高い評価が得られております。
 しかし、その一方で、電動三輪車という構造上、歩行の安定性にはやややっぱり問題があります。車いすと共通の問題点といたしましては、自転車や歩行者との接触の危険性です。歩道のない道路での車道歩行時のドライバーからの視認性、これが問題になっております。また、路肩から脱輪をして動けなくなるというようなトラブルもあります。歩行上の障害物のため、やむを得ず車道におりたところ自動車に衝突をされるといった事故に遭っているという例もお伺いいたします。
 この点、電動車いすにまつわる交通事故の状況等お伺いしたいと思います。
#102
○政府委員(田中節夫君) 電動車いすにかかわります交通事故の状況でございますが、平成六年におきます交通死亡事故の件数は一件でございます。交通事故件数は八十五件を数えております。なお、死亡事故につきましては車道横断中の車いすに普通自動車が衝突したものでございます。
 なお、平成五年には死亡事故が六件発生しておりまして、いずれも車道走行中の電動車いすに自動車が衝突したものでございます。
#103
○西川潔君 ふえればこちらもふえるということでございますが、気をつけなければいけないと思います。
 また、今後この電動車いすあるいは電動三輪車の普及によりまして、お年寄りや体の御不自由な方々にとりまして外出の機会がふえます。そしてまた、行動範囲が広がることは大変お年寄りにとってもうれしいというようなことをお伺いしております。その一方で、交通事故をやっぱり防がなければいけませんし、一層の安全対策が必要になってくるわけですけれども、その一つにはもちろん道路、歩道等の整備ですね。そして、例えば切り下げ部分については車体が斜めになって転びそうになって危険であるという不安も与えているそうでございます。
 こうしたハード面での整備、そしてまた安全な運転方法の普及など安全対策について各関係機関の協力のもと推進していっていただきたいと思うわけですが、自治大臣、いかがでございましょうか。
#104
○国務大臣(野中広務君) 電動車いすの安全利用につきましては、先ほども警察から説明がございましたように、各種の機会を利用いたしまして高齢者に対する安全指導を行っておりますほか、電動車いすのメーカーが結成をいたしております電動車いす安全普及協会やあるいは販売店を通じましてユーザーに対する安全指導等を実施しておるところでございます。
 道路あるいは歩道等、ただいまそれぞれ委員から御指摘をいただきました点を含め、今後とも関係諸団体と連携を図り、車いすの利用者の方々への指導を含めて積極的に取り組んでまいりたいと思うわけでございます。こうした方々をこれを通じまして交通の場から優しく受け入れるような環境づくりというものに十分配慮を加えながら車いすの通行の安全を確保してまいりたいと存じます。
#105
○西川潔君 まことに細かいことばかりでございますが、どうぞよろしくお願いいたします。
 次に、今度は駐車行政についてお伺いをしたいと思います。
 今回の保管場所法の改正案では軽自動車に対しまして一層の規制の強化を図るということで、その御趣旨また必要性については理解をいたします。
 違法駐車対策については、改めて言うまでもないわけでございますが、規制の強化だけで解決をするということではなく、駐車場の整備、物流の改善、駐車違反に対する取り締まりなど、あらゆる角度からの総合的な対策が必要であると思うわけですけれども、現時点での駐車対策の課題、そしてまた長期的な課題についてお伺いをしたいと思います。
#106
○国務大臣(野中広務君) 違法駐車の問題につきましては、交通の円滑を阻害するだけでなく、交通事故の誘因ともなるわけでございますので、国民生活の各般に大きな影響を及ぼす重要な問題であると認識をしておるところでございます。
 今この問題につきまして西川委員から御指摘がございましたとおり、駐車場の整備、あるいは物流の改善、さらには駐車違反の取り締まり等々、いろいろな角度から総合的な対策を推進することが必要であるわけでございます。
 警察といたしましても、パーキングメーターやあるいは駐車誘導システム等の整備拡充、あるいは危険性、迷惑性の高い違反を重点とした取り締まりの強化、さらに駐車マナーの向上のための運転者教育、加えまして自治体における違法駐車防止条例等の駐車対策への支援等を一層推進する所存でございます。
#107
○西川潔君 私自身も車の運転をする方ですが、ハンドルを手にして一人のドライバーの立場に立ちますと、本当にもう日本全国の道路というのは駐車禁止で当たり前というのが皆さん実感だと思うんです。現実に全国の幅五・五メートル以上の道路約二十四万キロのうち七五%が駐車禁止の規制があるということでございますから、そういった認識が一般的だと思うわけです。これまで駐車禁止でなかったところが新たに規制になったということの方がむしろ当たり前のような印象で、逆に規制が外されるということについては、そんなことあり得ないだろうなというのが実感なんです。
 そんな中で、警察庁がことしの一月に駐車規制を緩和する旨の通達を出されたという報道をお伺いいたしましたし、目にもいたしました。いい意味でこれは、あ、意外だなというふうに思いました。
 この通達を出されたその趣旨、背景についてお伺いしたいと思います。
#108
○政府委員(田中節夫君) 駐車規制につきましては、幹線道路等で特に必要ある区間については駐車禁止規制を強化する一方、交通実態や駐車場におきましてパーキングメーターを設置するなど、従来からきめ細かな規制に努めているところでございます。
 御指摘の通達は、このような基本的な考え方に沿いながらも、駐車というのも一つの自動車の利用の一形態であるというふうに考えまして、交通の安全と円滑に支障がない場所についての駐車規制を見直し、ドライバーの利便性及び駐車の効用の面に配意した駐車管理を行うこととしたものでございます。
 具体的には、住居地域と都心部以外の地域におきますところの駐停車禁止規制の見直し、二つ目に山間部等の幹線道路におきます駐停車禁止規制の見直し、三つ目にパーキングメーター等設置場所におきますパーキングメーター等の運用時間以外の、いわゆる裏規制と申しておりますけれども、その駐停車禁止規制の見直し、四つ目に貨物自動車を対象としたパーキングメーター等の運用、この四点につきまして地域や路線ごとに見直しをするよう府県警察に指示したものでございます。
#109
○西川潔君 めり張りのきいた駐車対策とでも申しましょうか、本当に規制が必要な面では規制を強化する、その一方で見直しが必要な面では緩和するということで、この点については大変柔軟な対応をおとりになったと率直に評価をさせていただきたいと思います。
 そこで、緩和という面で一点具体事例に基づきましてお伺いをしたいと思うわけです。
 一昨年の三月、新聞報道でございますが、大分県別府市ではホームヘルパー等が寝たきり老人の介護で訪問をする際に使用する自動車を駐車禁止の対象車両から外すよう交渉していたが、このほど県公安委員会から駐車禁止除外指定車の標章が交付されることになったという内容でございました。この事実関係について、そしてまた、その後警察庁では関連の通知を出されたというふうに伺っておりますが、その点についても御説明をいただきたいと思います。
#110
○政府委員(田中節夫君) 委員御指摘の大分県の事例でございますけれども、報告によりますと、御指摘のとおり、老人ホームサービスや老人訪問看護事業等に使用いたします車両に対しまして駐車禁止の除外あるいは駐車許可の措置をとっているというような報告を受けております。平成六年末現在、六十四台の車両に対しまして除外措置を行っているという報告でございます。
 こうした駐車禁止の例外的措置は各都道府県公安委員会において判断するものでございますが、警察庁といたしましても、厚生省からの要望もございまして、それを踏まえまして、緊急性、必要性が高い在宅老人福祉事業のために使用する車両につきましては、道路交通法第四十五条第一項に基づき、警察署長の駐車許可で対応する旨の通達を発し、具体的な申し出がありました場合には道路交通の状況等勘案しながら適切な措置が図られるよう指導しているところでございます。
#111
○西川潔君 この件に関しましては、本当に皆さん方大変喜んでおられるわけでございます。少し車をとめたりなんかすると、こんなところにと言う人も、意味のわからない、内容のわからない人はそう言う方もいらっしゃいますのでも、このことはたくさんの方が本当にお喜びになっておられます。
 今、御説明をいただきましたが、通知の中には実はホームヘルパーさんの訪問に使用する自動車については触れられていないようでございます。
 今年度から厚生省の新事業といたしまして二十四時間の巡回型ホームヘルプサービスが始まりました。この巡回型につきましては、これまでのような週に一回、数時間という滞在型とは異なりまして、一日数回、数十分、しかも朝でも昼でも夜でも夜中でも、いつでもどこでもだれでもということで、恐らく効率的に事業を進めていくためには自動車の使用も相当多くなるのではないかなというふうに思います。いずれにいたしましても、これから事業が始まるわけでございますし、現在のところは仮定の話にすぎませんが、しかし超高齢化社会を迎えまして在宅介護サービスの必要性が高まることはもう間違いのないことでございます。
 今後、こういった点についても柔軟な対応をおとりいただくように本当にお願いしたいと思います。大臣に御見解をお伺いいたしまして、最後の質問にしたいと思います。
#112
○国務大臣(野中広務君) 警察におきましては、緊急性あるいは公益性等が高い事業に従事する車両に対しましては、駐車禁止規制の除外あるいは駐車許可の措置を行っているところであります。同時に、訪問看護事業等に使用する車両に対しましても同様の措置をしているところでございます。
 今後も、高齢者福祉の観点からさまざまな新たな在宅老人福祉事業が実施をされるものと思われるわけでございますが、これらにつきましては具体的な構想ができ上がった段階で、先ほど来お話のありますように、できるだけその人たちの介護が十分行き届くように、関係省庁、団体等の要望を踏まえながら、駐車秩序確保との調和を十分配慮しながら必要な措置を検討してまいりたいと存じます。
#113
○西川潔君 よろしくお願いします。
 終わります。
#114
○委員長(岩本久人君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 それでは、これより両案について討論に入ります。――別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 まず、道路交通法の一部を改正する法律案の採決を行います。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#115
○委員長(岩本久人君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 次に、自動車の保管場所の確保等に関する法律の一部を改正する法律案の採決を行います。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#116
○委員長(岩本久人君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、両案の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#117
○委員長(岩本久人君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#118
○委員長(岩本久人君) 次に、地方公務員災害補償法等の一部を改正する法律案を議題といたします。
 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。野中自治大臣。
#119
○国務大臣(野中広務君) ただいま議題となりました地方公務員災害補償法等の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及びその概要を御説明申し上げます。
 政府は、国家公務員の災害補償制度につきまして、人事院の意見の申し出を受けて、国家公務員災害補償法の一部を改正する法律案を今国会に提出いたしておりますが、地方公務員の災害補償制度につきまして、これと同様の制度改正を行うなど、所要の措置を講ずる必要があります。
 以上がこの法律案を提出いたしました理由であります。
 次に、この法律案の概要につきまして御説明申し上げます。
 まず、地方公務員災害補償法の一部改正について御説明申し上げます。
 第一に、介護補償の創設であります。
 傷病補償年金または障害補償年金を受ける権利を有する者で、一定の支給事由により常時または随時介護を要するものに対して、当該介護を受けている期間、介護に要する費用を補償することとしております。
 第二に、遺族補償年金の支給水準の改善であります。
 遺族補償年金を受けることができる子、孫または兄弟姉妹の範囲を、十八歳に達する日以後の最初の三月三十一日までの間にある者とするとともに、遺族補償年金の最高額である平均給与額の二百四十五日分を受ける場合の遺族数が五人以上となっておりますものを遺族数が四人の場合にもこの年金の最高額に該当するようにし、遺族数が二人及び三人の場合についても年金の支給額を引き上げることとしております。
 第三に、年金たる補償の支給期月の改善でありますが、現在年四回の支払いとなっている年金たる補償について、年六回支払うように改めることとしております。
 第四に、福祉施設の内容の改善等であります。
 福祉施設という名称を福祉事業に改め、福祉事業の内容に、被災職員が受ける介護の援護及び公務上の災害を防止するために必要な事業を加えることとしております。
 第五に、罰金額及び過料額の適正化でありますが、経済情勢の変化等を勘案し、所要の引き上げを行うこととしております。
 次に、消防団員等公務災害補償等共済基金法等の一部改正についてでありますが、地方公務員災害補償法の一部改正に合わせまして、消防団員等福祉施設という名称を消防団員等福祉事業に改め、消防団員等福祉事業の内容に被災団員が受ける介護の援護を加えるとともに、消防団員等公務災害補償等共済基金が市町村等に支払う経費の対象に介護補償を加えることとしております。
 以上がこの法律案の提案理由及びその概要であります。
 何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御可決賜りますようお願い申し上げます。
#120
○委員長(岩本久人君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#121
○渡辺四郎君 まず、基金の理事長にきょうは来ていただきまして、ありがとうございます。後ほどいろいろと聞かせていただきます。
 まず、法案の質疑に入る前に、前回、平成二年六月十九日の本委員会でのこの災害補償改正案のときに、三点にわたっての附帯決議が実はつけられております。その第一点が、地方公務員の良好な職場環境の保全と健康管理について万全を期することというのが第一点です。それから第二点に、特に災害の予防及び職業病の発生防止のための努力を本委員会としては政府に要請をしていたわけですが、その後具体的にどのような対策を講じでどのような結果が得られたのか、まずそのことからお聞きしたいと思います。
#122
○政府委員(鈴木正明君) それぞれの地方団体におきましては、職員の健康と安全を確保するということで、従来から安全衛生管理体制の整備を進め、また職場環境の整備あるいは健康管理に努めてきております。
 自治省といたしましても、このような地方団体の取り組みを進めるため、平成三年三月に設立されました財団法人の地方公務員安全衛生推進協会と連携をとりながら、この面の情報提供あるいは技術援助に取り組んできております。
 具体的には、学校給食事業における安全衛生管理の問題、あるいは現業職場の安全活動の向上策について、また産業医活動の活性化、こういったことについて調査研究を行いましてその成果を地方団体にお示しするといったこととか、担当課長会議あるいは担当者の研修会というものを実施いたしましてこういった面の啓発を進めると。さらには、学校給食の関係では、給食調理員の指曲がり症につきまして平成四年度に中央労働災害防止協会から調査結果を受けまして、それを踏まえまして公務災害の認定に資していくということと同時に、その防止対策ということを取りまとめまして各地方団体に安全衛生管理要綱というものを周知いたしてきておりまして、御指摘の附帯決議の趣旨を踏まえまして指導、助言に努めてきているところでございます。安全衛生管理体制の整備状況を見ましても、逐年整備率は上昇してきておりまして、そういう状況にございます。
 今後も、地方団体の良好な職場環境の保全、また健康管理ということは重要な課題と認識しまして、地方団体に一層の指導と助言に努めてまいりたいと考えております。
#123
○渡辺四郎君 次の点は基金にお聞きするということで、理事長に来ていただいたのはここにあるわけですが、これも前回の附帯決議の中で、公務災害の審査及び認定についてということで、その当時懸案中のものを含めて作業の処理が非常におくれておる、期間として十年から十五年ぐらいかかる案件がありまして、これを急いでもらいたいということを含めた附帯決議を実はつけたわけであります。
 そういう状況の中で、その後その結果がどうなっておるのか、現在もまだ十年なり十五年なりもかかるような案件があるのかどうか、そういうものを含めてその進捗状況、これをひとつ基金の方からお聞きをしたいと思います。
#124
○参考人(中島忠能君) 今、先生から御指摘の件につきましては、私たちかねがね問題視をしております。
 特に、御指摘のように附帯決議がございまして、それ以来、基金本部におきましては支部と緊密な連絡をとりまして、附帯決議の趣旨に沿うように努力をしてまいりました。その結果、公務災害の認定の件につきましては、さすが十年、十五年放置してあるというものがなくなっております。現在一番古いもので平成二年に受け付けたものでなお二件残っておるようでございますけれども、附帯決議の御趣旨というものがございますし、せっかくのこのたびの御指摘でございますので、そういうものも含めましてできるだけ早期に処理ができるように支部の方と緊密な連絡をとって努力をしてまいりたいというふうに思います。
 審査会の件につきましても、この認定の話と同様でございまして、やはり古いものがまだ残っております。ただ、支部審査会というのは独立の機関でございますので、それに対する接触の仕方というのは注意しなければなりませんが、御趣旨というのはよくわかりますので一層努力してまいりますので、しばらく時間をちょうだいいたしたいと思います。
#125
○渡辺四郎君 その中で公務災害の認定請求の受理件数の問題で、確かに政府からいただいた資料の中にも出ておりますけれども、必ずしも減っておるという状況じゃなくて、やっぱり三万台の大台を割る傾向はないようですね。その原因が一体どこにあるのか、わかっておればひとつお聞かせ願いたい。問題は、今、理事長がおっしゃったように、私も支部の基金の労働側の参与をしておりまして、これに出ておるのは基金の本部に上がった部分だけですよ。支部段階で認定をされずに、逆に言ったら却下をされて裁判ざたを起こしたり何やらする部分という案件が相当数あるわけですね。ですから、やっぱり基金全体として掌握するのは難しいかもしれませんけれども、どのくらいの公務災害の認定の申請が出たのか、件数として。これからいきますと非常に認定件数も申請件数から見て大体一〇〇%に近いくらい認定になっているようにありますけれども、現実はとてもじゃない。四分の一、二五%ぐらい、支部の基金段階ではそのくらいしか私は認定されてないと思うんですね。
 その問題を尋ねてみますと、支部基金の審査委員の中に労働基準局の人が審査委員におるわけですが、いろいろやろうとしますと、どうしても労災に波及するからとか、労働災害との関連がありますからというようなことでなかなか公務災害の認定をしようとしない傾向がずっとあるわけです。ですから、僕らは独立機関じゃないか、労働災害とは別だ、公務災害だといって最後の段階でも大分言ってまいりましたけれども、なかなかそこらが労働災害との関連で、波及させたくないというのか広がらせたくないというのか、そういう関係で抑えてくる傾向が一つあるんです。ここらはやっぱり地方支部の指導の中でもぜひひとつ基金の方からもそういう部分については御指導を願いたいというふうに思うわけです。
 そういう中でいま一つの問題として、余りにも労働災害そのものに対して認定をしないものですから裁判ざたになって、被災者の方が裁判を起こしている。ということは、裁判の方が先行し出したわけですね。タイトルだって「中高年配慮し基準緩和 過労死認定 行政より裁判所が先行」というようなタイトルで出るように裁判所の方が労働基準局よりも先行し出した、あるいは基金の方よりも。基金というのは本部でなくて支部の方ですよ。
 そういう点から見た場合、今度、特に過労死の問題で、労働災害の方も例えば心筋梗塞とかクモ膜下出血とか、こういう部分についてもかなり緩和をしたようですけれども、ここらについてはやっぱり広く認定をする必要があるわけですから、大臣の御見解あるいは理事長の見解を聞いておきたいと思うんです。
#126
○参考人(中島忠能君) たくさん御指摘がございましたので、順次お答え申し上げたいと思います。
 一つは公務災害の請求及び認定件数の推移でございますが、昭和五十九年度に三万四千七百七十一件ございました。それから、平成元年になりますとそれが三万一千五百二十七件、平成五年度は三万六百八十六件と若干減ってきております。若干減っておりますけれども、その背景というのは、一つはやはり一番大きな背景は、完全週休二日制というのが浸透いたしまして、勤務日数が少なくなるということで少し公務災害の件数が減っておるのだと思いますけれども、やはり基本的には各職場、各公務員の労働災害の防止に対する意欲の高揚が必要だというふうに思いますので、私たちもそういう面において各地方団体の任命権者サイドに働きかけておるところでございます。なかなか時間を要する問題でございますけれども、極力努力をしてまいりたいというふうに思います。
 それから、いわゆる過労死に関連いたしまして認定基準の緩和の話がございましたけれども、労働省の方で去る二月一日にいわゆる脳・心臓疾患に係る認定基準というものを改正して、施行いたしました。国家公務員、地方公務員、それぞれ、少しおくれましたけれども、三月三十一日にその通知を出したところでございます。
 ただ、こういう問題を処理するに当たりまして、私たちはやっぱり法を執行する立場でございますので国家公務員災害補償法あるいは労働者災害補償法というものと均衡をとるということが原則としてございますので、そういう基準というもの、基本というものを踏まえながらも、やはり地方公務員の世界でできるだけ迅速に、そしてよりきめ細かな認定ができるように努力をしていかなきゃならないというので、その限りにおいて努力をしているところでございます。
 先生からごらんになりますとなお歯がゆいものがあろうかと思いますけれども、私たちできるだけいろいろな方々の御意見を聞きながら努力をしてまいる所存でございますので、また機会を見て御指導いただきたいというふうに思います。
#127
○渡辺四郎君 理事長からお話がありましたけれども、先ほど大臣から提案の説明がありまして、その中で幾つかの部分で確かに評価できる部分が改正の中にあるんです。
 その中で若干お尋ねしたいわけですけれども、今回の介護補償の創設は、近年、少子社会、核家族化が進んでいくという中で、重度の被災者が家庭で家族のみによって十分な介護を受けることが非常に難しくなってきたというのが一つあると思うんです。そういう点から見れば、私は大変結構なことであるというふうに実は思っておるわけです。
 そこで、今回介護補償の創設で三十条の二が新設をされて、「自治省令で定める程度のものにより、」「常時又は随時介護を受ける場合に通常要する費用を考慮して自治大臣が定める金額を支給する。」、こうありますが、自治省令で定める程度、すなわち対象者の範囲及び自治大臣が定める具体的な金額についてはどういうふうにお考えなのか、お聞きをしたいんです。
#128
○政府委員(鈴木正明君) 今回の改正により創設されます介護補償の支給対象の考え方でございますが、障害補償年金あるいは傷病補償年金を受けている方、この方のうち障害または傷病等級が一級に該当する方で常時介護を必要とするという人をまず対象と考えております。
 また、障害等級の一級あるいは二級に該当する人で例えば脊髄損傷などで神経あるいは精神に著しい障害によって随時介護を要する方、あるいは胸腹部臓器の著しい障害によりまして随時介護を必要とする人、この人も対象とすることといたしまして自治省令で定めたい、こういうふうに考えております。
 それから次に、具体的な補償額でございますが、介護補償は平成八年度から支給されるということになりますのでそれで申し上げますと、常時介護を必要とする人につきましては、家族等の介護を受けて民間介護事業者に支出した費用がないか、または月額五万七千六百円を下回る場合、この場合は月額五万七千六百円の定額ということで考えております。また、民間介護事業者等に支出した費用が月額五万七千六百円を超える場合には、限度額がありますが、限度額が十万六千二百円、これを限度額としまして支出した費用に見合うものを支給する、こういうふうに考えております。
 また、随時介護を必要とする人でございますが、その人につきましては、家族等の介護を受けて民間介護事業者等に支出した費用がない家族介護だけの場合、あるいは支出したとしても月額二万八千八百円を下回る場合、この方については月額二万八千八百円の定額支給ということでございます。民間介護事業者等に支出した費用がそれを超える場合には、限度額五万三千百円を限度額としましてその支出した費用を支給する、このように定めることを予定いたしております。
#129
○渡辺四郎君 大臣、今、部長の方からお話があったように、平成八年から実施して、一級の常時介護者に対して定額で最低五万七千六百円、最高で十万六千二百円。
 ILO百二十一号の第十一条は介護料の支払いを定めておりますが、問題は重度障害者の例えは家族であろうと、あるいは看護婦さんを雇って介護していただこうと、その費用を見なさいというのが百二十一号の十一条の内容なんですね。
 そういう点から見た場合、これは労災と横並びしておるものだからこういう金額になっておりますが、五万七千円とか最高で十万六千二百円ということで、常時介護の要る方についてその程度の介護の金額では私はやっぱり完全な介護はできないんじゃないかと。しかし、全体的に今まで横並びで来ておるものですからね。やっぱり災害補償ですから、一般的には大きく言えば社会保障かもしれませんけれども、災害補償という被災者の立場に立った、あるいはその家族の立場に立ったそういう介護料を、事故に遭わなけりゃ元気で勤めができるわけですから、そういう立場でこの部分についてはこれから後ひとつぜひ検討していただきたいと思うわけです。
 もう時間がなくなりましたが、最後に、地下鉄サリン事件で東京都の都庁職員が三十五人、このうち十四名が入院をしたというふうに報道されております。都教育庁関係の職員十四名が被害に遭って被災をしたわけですが、これについてどういうふうに補償関係の部分についてやられておるのか、現状をひとつお聞かせ願いたいと思います。
#130
○参考人(中島忠能君) 御説明申し上げます。
 いわゆる地下鉄サリン事件に係る被害の状況及び公務災害認定の状況でございますが、まず被害に遭われた地方公務員の方を少し種類別に分けてみますと、一つは通勤途上において被害を受けられた方が非常に多いんじゃないか。ちょうど出勤時刻帯に当たっておりますので、そういう方が非常に多いだろうと思います。もう一つは、公用出張中あるいはまた地方から東京に来ておられて、それぞれ用件を果たすために用件先に出向かれるときに被害を受けられた方というのが第二番目に多いと思います。そして第三番目は、やはりこれが一番お気の毒なんですけれども、人命の救助とかあるいはまた犯罪の捜査というものに従事しておられる警察官とかあるいはまた消防職員が被害を受けられた、こういうふうに、想像の上でございますけれども、三つぐらいに分けられるだろうと思います。そして、そのほとんどの方が私が今申し上げましたような過程において被害を受けられましたので公務災害に該当するんじゃないかというふうに今のところ考えております。
 具体的にまだ認定申請というのが一件も出てきておりませんので、出てきましたら早速私たちの方では実態をよく聞きまして、非常に緊急を要する事態でございますので早期に処理をするように努めてまいりたいというふうに考えております。
#131
○渡辺四郎君 ありがとうございました。
 終わります。
#132
○小林正君 基金の中島参考人、御苦労さまでございます。
 今回の地方公務員災害補償法等の一部を改正する法律案にかかわりまして、渡辺委員からも御指摘がございましたので、できるだけ重複を避けながら御質問をさせていただきたいと存じます。
 まず、一般的に考えてみまして、公務災害によって被災をした職員の家族が被災以前の生活の水準と被災以後その生活水準が維持、保障されるのかどうか、そういう問題についてお尋ねをしたいと思います。
#133
○政府委員(鈴木正明君) このたびの改正におきましては、介護補償の創設ということでございまして、介護中心に体系的にこの関係の手当てをしていこうという考え方でございます。法律改正事項以外でも例えば長期家族介護者に対する援護金の制度なども考えているところでございます。
 お話の水準でございますが、一つはILOの基準というものが、国際的な基準というものがございます。また、ILOの条約あるいは勧告といったことで基準がありますが、一応現在の水準はその基準を満たしておりまして、先進国諸国の水準に達している、こういうふうに見ております。
 しかし、御指摘のように被災職員や家族の生活といった点につきましては、やはり被災職員の生活実態の把握に努めまして、その都度その都度水準について検討をしていかなきゃならぬ、こういう考え方を持っております。
#134
○小林正君 こういうことを申し上げるのは、結局自分がどういう状況になろうとも、公務遂行中に起きた災害でもって以後そのことが結果として家庭の破壊や崩壊につながるような事態ということが避けられるということが職員にとっては職務に専念できる最低条件ではないかな、こういうふうに思うものですからお尋ねをしているわけです。今のお話では先進各国と比べても遜色がない、こういうことではありますけれども、実態的には、私も公務災害の基金支部の業務にかつて携わったこともございますのでいろんな実態についても知っているわけですけれども、そういう状況に果たしてなり得ているのかどうか若干疑問を感じざるを得ないわけでございます。
 それから、先ほどの渡辺委員の御質問にもありましたけれども、家族が介護される場合の補償の内容というのは一体どうなっているのか、その辺についてお尋ねしたいと思います。
#135
○政府委員(鈴木正明君) 家族によりまして介護を受けているケースがあるわけでございますが、この場合はいわば介護費用の支出ということが伴っていないということからいろいろ議論はあったわけでございます。基本的には、民事損害賠償の実務等の取り扱いを踏まえまして、家族による介護労働につきましても一定の方向でやっぱり金銭的評価というものが行えるのではないかということで行いまして、今回介護補償の対象とすることと考えております。
 こういうことで、具体的に申し上げますと、被災職員の方が反復継続して家族によって介護を受けている場合、この場合には家族から介護を受けたという事実に基づいて一律的に定額を支給するという方法で考えております。具体的な給付水準は、家族の介護労働をパートタイム労働者ということで金銭的に評価いたしまして、平成八年度で常時介護の場合五万七千六百円というものの支給を行うことといたしております。
#136
○小林正君 これは当然、介護のためにみずから働く意思のある人がその時間を割がなければならない、その部分についての補償をしていくというのは基本的に重要なことだと思いますので、ぜひ今後とも充実、改善を図っていく必要があるだろうと、このように考えております。
 次に、これも先ほどの御質問にもありましたが、介護補償の上限が平成八年度から十万六千二百円、こういうことですけれども、実際に介護サービスを受ける場合にそれを上回るような実態というのも当然かなり出てきているというふうに思うわけですが、こうした実態と、それからこの制度とあわせて、何かこうしたことについてのさらに充実させるような工夫、努力というものが行われているのかどうか、その辺について伺います。
#137
○政府委員(鈴木正明君) 介護補償につきまして、先ほども申し上げましたが、上限額というものを設定いたしているわけでございます。基本的には労災制度あるいは国公災制度というものとの均衡を考えているわけでございますが、そのもとになる考え方を申し上げさせていただきますと、この介護補償の上限額につきましては、現行のいろいろな制度の中の介護手当の中で最も高い水準であります原爆被害者に対する介護手当、こういったものの上限額とのバランスというものも一つ考えております。また、介護料というものを現在福祉施設として行っておりますので、その支給の実態というものも踏まえまして先ほどの額で設定をさせていただいておるということでございます。
 それで、重度の被災職員の方には、いわゆる障害の場合は障害補償年金に加えましてこの介護補償が給付されて生活されていくわけでございますが、なおお話しのように介護補償の上限額を上回って介護サービスを受ける場合というものもあろうかと思いまして、今回は福祉事業としまして例えば介護サービスを受けた場合の利用料金の一定割合を支給するといった事業、ホームヘルプサービス事業などを考えておりますので、そういったことを実施することによりましてこれらの方の介護ニーズに対応していきたいと考えております。
#138
○小林正君 確かに一つの制度だけじゃなくて、あわせて対応することによってそうした措置が改善をされるように御努力をお願いしたいというふうに思います。
 次に、今度の法案の中で消防団員、職員ではなくて団員の問題についてもあるわけですけれども、消防団員というものについて、阪神・淡路大震災の中で大変その活躍が顕賞されました。地域社会がきちっと成立をしているところの中の団員の活動等については相当深い結びつきの中で大変な働きがあるわけですけれども、どうもやっぱり日本全国至るところで都市化の波が押し寄せているという状況の中で、地域社会の崩壊過程だというような言い方もあって、団員の減少の問題というのがかなり話題になってきているわけですが、こうした問題についてどういう問題意識をお持ちなのか、お伺いをしたいと思います。
#139
○国務大臣(野中広務君) 消防団員は、委員が今御指摘になりましたように、常備消防と並びまして地域における消防防災の中核といたしまして、長年の歴史を踏まえながら消防団が重要な役割を果たしておるわけでございます。
 今回の阪神・淡路大震災におきましても、延べ七万人以上の消防団員の皆さんに救助・消火活動、さらにはさまざまなボランティア活動を含めて力強い御支援をいただいた限りでございます。被災者にとっても今なお力強い支えと心の非常なぬくもりを与えておるところでございまして、私どもとしても感謝をしておるところでございます。
 ただ、今御指摘ございましたように、近年、社会情勢の変化等に伴いまして消防団員の減少等の問題が生じてきておるわけでございます。
 このような問題に対処いたしまして、消防団の活性化を図りますために、消防庁ではかねてから消防団の施設、装備の充実、消防団員の処遇の改善、さらに青年層、女性層への団員の参加の促進等を積極的に進めてきておるところでございます。また、消防団を含む地域の消防防災活動のすそ野の拡大のために、町内会等の自主防災組織や婦人防火クラブあるいは少年消防クラブ、事業所の自主防災組織等の育成強化が重要でございます。このため、消防庁といたしまして、これら民間の防災組織の活動拠点となる防災センターやあるいは活動資機材等の整備を進めてき、かつ今後積極的に進めてまいりたいと考えておるわけでございます。
 なお、消防団の拠点施設の整備事業あるいは消防団活性化総合整備事業、またふるさと消防団活性化助成事業等によりまして消防団の施設、装備の充実を図りますとともに、地方交付税の基準財政需要額におきまして報酬、出動手当等の算入額の改善も行ってまいり、先ほど申し上げましたように、青年層、女性層にアピールする人物による消防団員への積極的な参加を呼びかけてまいりたいと考えておるところでございます。
 いずれにいたしましても、消防団の重要性にかんがみまして、今後その活性化に努め、団員の確保対策を推進してまいる所存でございます。
#140
○小林正君 そういう大変な御努力がされているわけですけれども、実際に消防団という組織のない自治体というものが全国ではあるんでしょうか。あったら実態をちょっと教えていただきたいと思います。
#141
○政府委員(滝実君) 昔から消防団のない市町村というのは全国で七市町村ございます。基本的には、大阪府管内の市が五都市、それからあと二つばかりの村と市がございます。
#142
○小林正君 次に、消防団の皆さんが消防なり防災活動を行ってそのことから被災されるという状況の中で、職員と違って共済基金での対応がされて、今回これが民間法人化するということのようでありますけれども、このことが今までの制度の中でより積極的な意味がどういう形であるのかということについてお尋ねしたいと思います。
#143
○国務大臣(野中広務君) 消防団員等公務災害補償等共済基金につきましては、特殊法人の見直しの一環といたしまして今回法人のあり方や事業のあり方につきまして真剣な検討を重ねました結果、御承知のように自治省は公営企業金融公庫とこの消防団員等公務災害補償等共済基金の二つより特殊法人を持っておらないところでございます。そういう状態でございますけれども、特殊法人の見直しの積極的な対応のために、時あたかも阪神・淡路大震災において積極的に消防団員が献身的な努力をされておる真っ最中でございまして身を切られる思いもいたしましたし、苦渋の選択でございましたけれども、積極的に地方分権を進める自治省といたしまして、二つあるから二つでそのまま置いておくということじゃなしに、二つの中の消防団員等共済基金を民間法人化することによって特殊法人の見直しに努力をし、成果を得たいと考えた次第でございます。
 今回の大震災でも多くの団員の皆さんが、それぞれ通常の職業に従事をしながら、災害の発生した場合にみずからの手でみずからのふるさとを守るために極めて重要な役割を果たされておるところでございます。団員の皆さんが安んじてその勤務に従事されるためには、活動による災害に対して補償が的確に実施されることが不可欠であることは申し上げるまでもないわけでございます。
 この民間法人化に当たりましては、今後この共済制度の公正、確実な実施を確保しながら、なお被災の消防団員に対する適切な給付の水準を確保いたしまして災害補償の的確な実施を行いますとともに、消防基金が消防団員の公務災害防止、さらには健康増進等の事業をより弾力的に推進することによりまして災害の未然防止に積極的に取り組むように措置をいたしてまいり、この民間法人化の成果が活動の上で上がったというようにやってまいりたいと考えておるところでございます。
#144
○小林正君 消防団員の皆さんが献身的に消火、防災等の活動をされる、これもやっぱり裏腹の関係で、そうした補償が的確に迅速に行われるという裏づけというものがやはり重要だろうというふうに思いますので、団員の減少化の傾向というものが一方にある中での対応としてそうした制度の充実というものをぜひお願い申し上げたいというふうに思います。
 それでは次に、基金の関係についてお尋ねしたいと思いますが、先ほど渡辺委員からも出ておりましたけれども、私もやってみて感じるのは、やはり非常に日数がかかるという基本的な問題があって、審査会自体もメンバーの人たちの日程調整から始まってなかなか次の機会までの間に時間があるというようなことがあったり、それからトラブルがある場合は一層、当然主張される方々の意見も十分聞くということのために客観的に時間がかかっちゃうということも当然出てくるわけですけれども、補償の本来の趣旨を生かすためには迅速にそのことが執行されるというのがやっぱり一番重要な課題ではないかなということが一点。
 それから、もう一つは認定基準の問題で、時代や社会の進展に伴って今まではそうしたことが社会通念上も位置づかなかったようなことが新たな問題として提起をされ、例えばコンピューターソフトの開発といったようなことが結果として過労死を招いたなんというケースも私も知っておりますけれども、そういうような事態も起きていると。それまでは考えられなかったような新たな状況であるわけで、そうしたものについてはむしろ進んで、先ほどの新聞記事の紹介で裁判の判例が先行するような御指摘もあったわけですけれども、やはり何よりもこの基金の性格から考えてみましても新たな事態というものを十分に先取りをする形で、過労死が世界に通用する言葉になってしまうような事態というのはやっぱり避けなきゃならないだろうと、こういうふうにも思います。認定基準がこの二月から一定程度の見直しがされたということも伺っておりますけれども、基本的な考え方を二点目にお伺いしたいと思います。
#145
○参考人(中島忠能君) 最初の審査に時間がかかり過ぎるというお話につきましては、先ほど渡辺先生からもお話がございましたし、重ねてのお話でございますので、私たち支部審査会に対する接触の仕方というものをよく考えながらできるだけ支部審査会における審査がスムーズに進むように工夫してみたいといいますか、実情をよく御説明して支部審査会で認識していただいて事がうまく進むように努力をさせていただきたいというふうに思います。
 二点目の認定基準の改正でございますが、これは時代の趨勢といいますか、あるいはまた医学の進歩といいますか、そういうものをよく把握しながら認定基準というものを適時適切に改正していく努力というものをしなきゃなりませんが、いずれにいたしましても地方公務員災害補償、国家公務員災害補償、労働者災害補償という三本の補償制度がございますので、三者よく連絡しながら時代の趨勢に合致するような体系ができるようにこれからも私たちは私たちなりにひとつ努力をしてまいりたいというふうに思います。
 それから、三点目の判例の動向との関係でございますが、これにつきましても私たち判例というものをよく勉強しながら、そして判例が確定したならばその確定した判例というものをよく念頭に置きながら仕事をしていかなきゃならないというふうに思います。また、そういう考え方で支部の方にもよくお話をして、判例の動向とそごがないような仕事ができるように努力をさせていただきたいと思います。
#146
○小林正君 日数がかかり過ぎるという問題、それからまた認定基準の問題についても、審査会のメンバーを見ていますとやっぱり、時代、社会を先取りするようなメンバー構成になっていればいいんですけれども、旧来の陋習に非常にこだわる方もおったりしてなかなかうまくいっていないんじゃないかなという気が率直にする場面もありました。
 それから、これは労災の追随というような横並び云々という話もあったんですけれども、認定基準をどうするかというような問題について言えば、やっぱりこれは民間追随ということがいいのかどうか。例えば、週休二日制の問題についても民間先行、官が追随し、その官が追随したことの実績がまた民間に一定の影響を与えて進展しているというようなこともありますね。ですから、そういうことで考えると、公務員の場合がこの問題に関しては、結局人間の命にかかわる問題等については公も氏もないわけで、そのことにかかわってはできるだけそうした条件が整っていて、むしろ先導的な役割を果たさなければいけない分野もあろうかというふうに思いますので今後の課題として御検討賜ればと、このように思います。
 それから、先ほど地下鉄サリン事件についてのお話がございまして、まだ認定が上がっていないということですが、あの事態が発生したのが三月二十日で一定の期間がたっていますね。これはいつごろ上がってくることになるのか、中央の方は御存じないのかもしれませんが、どこで滞っているのか、手続的には一体どのくらいの日数を要してそのことが具体的に執行される段階まで行くのか。
 それからもう一点は、阪神・淡路大震災でも同様のことが起きているわけですけれども、こっちの方はどういう進展状況なのか、お伺いしておきたいと思います。
#147
○参考人(中島忠能君) 御説明申し上げます。
 いわゆるサリン事件に係る公務災害の認定請求の話でございますけれども、ぼちぼち二十日たっておりますのでもう出てくるんじゃないかというふうに思いますが、重ねてのお話でございますので支部の方にもう一度連絡してみたいというふうに思います。
 それから、阪神・淡路大震災の公務災害の状況でございますが、これにつきましては地震発生時及び地震発生後応急対策あるいは復旧対策に従事中災害に遭われた方、二つに分けられると思いますが、その双方を合わせまして認定請求が出てきておりますのは、地元の公務員に関しては百十一件ございます。百十一件ございまして、現在までに百一件について公務災害の認定をいたしております。あと十件残っておりますけれども、その十件につきましても支部の方でできるだけ速やかに仕事をしていただくようにお願いをしているところでございます。
 その他二、三御指摘がございましたが、御指摘をよく承りましたから私たちひとつ法の範囲内で努力をさせていただきたいと思います。
#148
○小林正君 以上で終わります。
#149
○有働正治君 私は、法案の具体的な中身についてお尋ねします。国家公務員災害補償法の改正とのかかわりで、地方公務員の場合、具体的にどうなるかと端的にまず幾つかお尋ねしますから、端的にお答えください。
 ホームヘルプサービスや介護機器のレンタルを利用した場合、料金の全額を基金から支給する必要があるわけですけれども、地方公務員の場合、利用料金の何割支給になるのかということが一点。
 それから、長期家族介護者に対する援護金制度の創設が盛り込まれるわけでありますけれども、地方公務員の場合、具体的にこの援護金というのは幾らになるのか、まずお尋ねします。
#150
○政府委員(鈴木正明君) これは法律改正の中身そのものではございませんが、今回の制度改正に当たりまして、今お話しのホームヘルプサービス事業等を行うことを考えております。
 これにつきましては、自宅で介護を受けられる方が民間事業者からその介護サービスを受ける、この利用料金の七割を支給するということを考えております。また、介護機器のレンタル事業につきましてもレンタル料金の七割を支給する、こういうことを予定いたしております。
 また、お話しの長期介護者に対する援護金でございますが、障害補償年金などを受けている方で重度の介護の方が公務上の事由によらずに亡くなった場合、こういう場合には年金の支給がなくなりますので、残された家族というんでしょうか、介護をされてきた家族の世帯収入全体にしてみるとその分かなり減るということでございまして、そういった生活の激変を緩和して自立した生活への援助を行う、こういう趣旨で援護金制度を検討いたしておりまして、援護金としては百万円を支給するということで制度の検討をいたしております。
#151
○有働正治君 七割、それから百万円、それ自体が私はもっともっと引き上げる必要があると、関係者の強い要望であるということも述べておきます。
 それから、補償額の算定の基礎となります平均給与額の最低補償額の引き上げ、これが具体的に幾らから幾らになるのか。それから、年金等の算定の基礎として用いています平均給与額の最高限度額の年齢階層区分、これが地方公務員の場合、国家公務員とのかかわりでどういうふうに今度なっていくのか。そしてまた、遺族特別援護金それから障害特別援護金、それぞれ第一級の場合、現行七百六十万円、五百六十万円でありますが、これがどのように引き上げになるのか。
 三点まとめて簡潔にお答えください。
#152
○政府委員(鈴木正明君) 今のお尋ねはいずれも法律改正の内容そのものではございませんでございまして、法律が成立を見させていただいた後でいろいろ制度として検討すると、こういうものでございますが、平均給与額の最低補償額につきまして、これは雇用保険の賃金日額の最低日額と大体趣旨も同じでございまして、従来からそれとのバランスということで定められてきております。それで、今回雇用保険の方も改善が行われておりますので、平均給与額の最低補償額を三千九百六十円から四千百五十円に引き上げるということで検討をいたしております。
 それから次に、補償のベースとなります平均給与額の最高限度額、これを年齢階層別に定めているわけでございますが、現在六十五歳以上については一律の限度額が定められておりまして、そういう六十五歳以上という年齢区分になっております。これを六十五歳から七十歳未満という区分と七十歳以上と二つに分けまして、六十五歳以上七十歳未満の年齢区分についての最高限度額を引き上げる、こういう予定で検討しております。
 それから、特別援護金、障害特別援護金の改善内容でございますが、これも民間企業における同じような給付の支給実態あるいは改善状況というものを反映させていくという考え方のものでございまして、遺族特別援護金につきましては、例えば遺族補償年金の受給権者の場合で申し上げますと、七百六十万円から九百万円に引き上げるといった改善を考えておりますし、また障害特別援護金につきましては、例えば障害等級一級の方でございますが、その方については五百六十万円から七百十万円ということの改善を行いまして、これはいずれも労災制度、国公災といったものとの関連で考えております。
#153
○有働正治君 法案自体は私は賛成でありますが、それぞれ関係者、労働者の要望はもっともっと改善を求めているということで、今後も引き続き改善を求めておきます。
 次に、地方公務員災害補償基金での救済問題などについてお尋ねしますけれども、基金本部審査会の出した裁決につきまして、一九七〇年から一番新しい時点までのおよそ四半世紀における裁決の件数、その中での救済裁決の件数、その比率をまずお示しいただければと思います。
#154
○参考人(中島忠能君) 御説明いたします。
 再審査請求の件数は、御指摘の期間内に五百二十二件ございました。平成六年度末においては裁決済みが四百九十一件、取り下げが九件、審理中二十二件となっています。その裁決済み四百九十一件の内訳でございますが、棄却が四百五十三件、九二・二%、取り消しが十八件、三・七%、却下が二十件、四・一%、そういう内容でございます。
#155
○有働正治君 そうしますと、三・七%、十八件とおっしゃられた、これが救済裁決件数ということになるわけでありますね。四%にも満たないということで極めて低いわけであります。その中で保育園、養護学校の保母職員などの訴えの被災害性頸肩腕障害、腰痛、これを見てみますと、一件も救済されていないようであります。非常に救済裁決が低いということ、これは私は問題だと思うわけであります。ほかの行政不服審査のケースよりもはるかに低い、突出していると言わざるを得ません。
 例えば、全部挙げるわけにはいきませんから私学げますと、比較的審査請求事件数も多い税務署の課税処分に対する不服申し立て手続と比較検討しますと、国税庁及び国税不服審判所の発表によりますと、一九九二年の税務署への異議申し立て立件の再調査件数は六千五百五十三件、これに対して課税処分の一部ないし全部を取り消した件数、納税者から見ての救済決定、これは六百四件で救済率九・二%であります。また、税務署長の再調査を不満としまして国税不服審判所に不服申し立てがなされました三千四十一件に対し、国税不服審判所が課税処分の一部ないし全部を取り消した裁決六百三件で救済率一九・二%であるわけです。税務署寄りとの批判も少なくないこういう異議手続の国税不服審判所等に対する審査請求手続と比較しても、地公災基金の行政不服審査請求手続における救済率というのは私は極めて異常に低いと、これはやっぱり問題があると言わざるを得ないわけであります。
 大臣、今お聞きされたとおり、救済裁決が今審議中のかかわりではほかの状況から見ても非常に低いという、この点どういう御感想でありましょうか。この法の精神からいって、地方公務員の遺族の生活安定、福祉向上に寄与するというその精神からいってもっと改善の余地は私はあるのではないかと思うわけでありますが、いかがでありますか。
#156
○参考人(中島忠能君) あらかじめ少し事務的に説明をさせていただきたいと思いますが、本部審査会のことについての御質問がございましたので、先ほど御説明申し上げましたが、本部審査会に上がってくる前に支部の審査会で一応審査されております。
 その支部の審査会の昭和四十二年から平成五年度までの状況を申し上げますと、審査件数一千七百九件、そして裁決済みが五年度末で一千三百五十八件、取り下げが百五十四件、審理中百九十七件。裁決済み一千三百五十八件の内訳は、棄却が一千二十九件、七五・八%、取り消し、いわゆる救済が二百八十九件、二一・三%、却下が四十件ということになっておりまして、支部審査会と本部審査会という二段階審査をいたしておりますので、支部審査会の段階では二〇%を超えるものが救済されておる、その両方を合わせた上で評価をしていただきたいというふうに思います。
#157
○有働正治君 そういう言いわけは通らないですよ。私が指摘している現実を問題にしているわけで、そのことを問題にしなくちゃいかぬわけで、その点で大臣、感想はいかがですか。
#158
○国務大臣(野中広務君) 地方公務員の災害補償制度につきましては、ただいま理事長から説明を申し上げましたように、その審査の内容につきましては高度の専門的技術の判断が要求をされます。また、中立・公正性が要求をされるわけでございますので、私といたしましてはそれぞれの災害補償につきまして今日まで適切な判断と審査が行われてきたと考えておるところでございます。
#159
○有働正治君 全然問題になりませんよ。大臣は権限もあるし、法律上権限も明記されているわけでありますから、きちんと内容を精査して、報告等を求めることもできるわけですからきちんと対応することを求めておきます。
 なぜほかの行政不服審査のケースよりもはるかに低い救済率になっているか。
 大臣は中立性と言われたわけですけれども、やはりその点についてさまざまな指摘があるわけです。例えば、今、理事長がお見えですけれども、この方も天下りなんです。公務員部長さん、今答弁されている方がもうしばらくすると理事長さんになる。歴代そうなんですよ。それから、先ほど渡辺委員も御指摘なされましたけれども、労働基準局関係者、行政機関OB、人数の比率からいってもこれが全体の四分の一を占めているんです。そういう点では中立性そのものも問題があると。こういうのをよしとするという大臣答弁は全くいただけません。
 それから、過労死弁護団全国連絡会議の地方公務員災害補償基金への要請行動などに対して、基金が審査請求及び再審請求の実態を明らかにしてほしいと言ってもなかなか明らかにしないということで、基金が極めて閉鎖的であるということが厳しく指摘されているわけです。そういう点については抜本的に改善を求めておきます。
 そういう批判がないようにすべきであるということ、そういう点で理事長、改善すべき点は改善すると、こういう厳しい指摘があることも受けとめて対応すると、結論だけ述べてください。
#160
○参考人(中島忠能君) せっかくの御指摘でございますが、私たちに今情報提供すべきだという御指摘がございましたけれども、審査会の審査の内容あるいはまた判断の結果というものにつきましてはプライバシー保護との関係もございますので、当該本人には当然その内容等をお知らせしておりますけれども、直接利害関係のない第三者につきましてはプライバシーの侵害と個人の利益を保護するという観点からお知らせをすることを差し控えております。
#161
○有働正治君 全く自治省の役人の答弁みたいな態度ではだめですよ。そういうことを私は言っているんじゃないので、結果について、その他についてお聞きしてもなかなか知らされない現実があることを厳しく指摘しておきますから、改善を求めます。
 それから最後に、地下鉄サリン事件についての被害者の救済の問題で、労働者災害補償保険法での労災適用の問題、それから被害を受けた方々のうち死亡された方々についての遺族特別支給金あるいは遺族補償年金、葬祭料支給の問題、被害を受けた方々のうちアルバイト、パート社員、外国人にも労災法を適用する等、きちんと広く救済する方向で対応していただきたいという点でありますが、いかがでありますか。
#162
○説明員(堺谷勝治君) お答え申し上げます。
 地下鉄サリン事件に関します労災保険の適用につきましては、一つは業務上の災害という形で被災された方々と、もう一つは通勤途上で被災された方々がございまして、その二つの形で適用がなされております。
 まず、営団地下鉄の職員の皆様方が車両の中、もしくは駅の構内にございました有害物を除去する際に被災されたり、また乗客の方々を誘導する際に被災されたということがございましたが、これにつきましては、地下鉄の職員の方々の本来の職務であるということにかんがみまして、労災保険の適用は当然にあるものと考えております。
 一方、今回の災害はちょうど通勤時間帯にございまして、多くの通勤途上の方々が被災されましたが、これにつきましても、今回のサリン事件の発生の状況でございますとか発生の場所、発生の時間等を考えまして、これは労災保険上でいうところの通勤災害に該当すると考えております。
 それから、給付の中身でございますけれども、給付の中身につきましては労災保険上各種の、遺族補償給付を初め各種の給付が定められておりますので、法に定めたとおり給付をしてまいりたいと考えております。
 なお、最後に雇用形態につきまして、パートの方々とか外国人の方々にどうなのかというお尋ねでございますが、これにつきましても労災保険では、雇用形態のいかんを問わず、労働者であれはすべて労災保険の適用がございます。また、給付の中身も全く一般の労働者の方々と同様の給付を行うこととなっております。
#163
○有働正治君 地方公務員の方々も被災されているわけであります。この点について自治省として災害補償法で労災と認め万全の措置、それから死亡された方々についての遺族に対する対応等万全を期していただきたい。この点だけお答えいただきたいと思います。
#164
○参考人(中島忠能君) 御説明いたします。
 先ほど小林先生に対する御答弁で申し上げましたように、私たち認定においても、あるいはまたその後の措置においても万全を期すように努力をしてまいりたいということでございます。
#165
○有働正治君 終わります。
#166
○西川潔君 よろしくお願いいたします。
 最初に、遺族補償年金を受け取ることができる子等の年齢要件緩和についてお伺いをいたします。
 まずはこの改正点の趣旨から御説明をお願いします。
#167
○政府委員(鈴木正明君) 現行制度におきましては、遺族補償年金を受けることができる遺族のうち、子、孫、兄弟姉妹、これにつきましては満十八歳を超えると受給資格がなくなるということにされておりますが、現在では高校への進学が一般となっております状況で、満十八歳に達した時点で直ちにこれらの人の稼得能力を期待して遺族補償年金を受けることができる遺族から外すということは適当とは言えないという状況になってきておりまして、こういったことを考慮しまして今回年齢要件につきまして十八歳になった年度の年度末までということに要件を緩和しようとするものでございます。
#168
○西川潔君 この問題につきましては、遺族基礎年金あるいは児童扶養手当など、幾つもの制度にわたっての長年の懸案事項でございます。私も母子家庭のお母さん方からせめて高校を卒業するまでは打ち切らないでほしいという切実な声をたくさん今までもお伺いいたしました。これまでに社会労働委員会とかあるいは予算委員会でたびたびお願いをしてきたという経緯もございまして、各制度における改正を大変うれしく思っている一人でございますけれども、この点を高く評価する上でさらに要望という意味でお伺いをしたいと思います。
 今回の改正によりまして、例えばお父さんが公務災害によりまして亡くなって、残されたお母さんと子供さんが頑張って生きていく上で一つの明かりがともされたと思うわけですけれども、しかし例えば母子家庭のお母さんが公務災害で亡くなった場合はどうでしょうか。今回の改正で高校を卒業するまでは遺族補償年金を受けることができますが、しかし例えば子供が大学生であった場合は、生計を支えてきたお母さんが亡くなり、さらに遺族補償年金が受けられないとなりますと、大学を続けることができません。あるいは高校生にとりましては進学をあきらめざるを得ません。こういうケースも事実そこそこあるというふうに伺ってもおります。
 生計を立てていた大黒柱が仕事の上で災害に遭ったときにできるだけ現状維持できるよう、このような場合には例えば大学を卒業するまでは年金を受給できるようにならないものかと思うわけですけれども、この点は自治省だけの問題ということではございませんので、大臣が内閣の一員として御検討をお願いしたいなというふうに思うんですけれども、一言お言葉をいただけないでしょうか。
#169
○国務大臣(野中広務君) お話の趣旨は十分私どもも理解するところでございますけれども、先ほど公務員部長からお答えをいたしましたように、このたび十八歳の年度末といたしましたことから考えますと、それぞれ他の国家公務員制度あるいは労災制度、厚生年金、国民年金制度等の公的年金制度においても受給資格者となる子等の年齢要件が十八歳の年度末とされておること等から考えますと、なかなかこれらと均衡を保つ上で非常に困難と思うわけでございます。
 しかし、御指摘のような遺族たる子が教育を受ける期間につきまして教育費がかかることはもう委員御指摘のとおりでございまして、その問題につきましては奨学援護金を支給しているところでもございます。今後とも、国公災制度、労災制度等の関係も踏まえながら、このような遺族に対する援助の充実には十分配慮をしていかなくてはならないと考えるわけでございます。当面、大学におきましては月額二万九千円の奨学援護金で対応していただきたいと考えておる次第でございます。
#170
○西川潔君 次に参ります。
 災難は本当にいつどこで起こるかわからないわけですけれども、残された遺族についてもいろいろなケースが考えられます。例えば、夫が病気で働くことができず、妻の収入によって生計を維持してきた家庭のような場合、奥さんが仕事で亡くなった場合でも夫、つまり男性には六十歳以上という年齢要件がございますので、それより年齢の若い方には年金を受ける資格がございません。こういった点についても今後の課題として検討を本当にお願いしたいと思います。
 次に、遺族補償年金の額についてお伺いしたいと思います。
 この額の改善については理解をいたしますが、その額の算定方法についてお願いします。
#171
○政府委員(鈴木正明君) 遺族補償年金の算定でございますが、被災当時におけるその職員の方の平均給与額に受給資格を有する遺族の数に応じて定められる率がございまして、例えばその遺族の人数が四人の場合であれば現行では二三〇ということになっておりまして、平均給与額に二三〇という率を乗じて算定するということになります。この平均給与額というのは、災害発生の日が属する月の前月から過去三カ月間、その間にその職員に支払いました給与・給料と期末勤勉手当などの一時的なものを除く諸手当、これの総額というものをその期間の総日数で割った額ということでございます。
#172
○西川潔君 そこでお伺いしたいのは、若年時被災者の給付額についてでございますが、この算定の基礎となる平均給与額とは被災前三カ月間に支払われた総給与が対象となっております。若くして給料が低い時点で被災され亡くなられた場合には、当然ながら年金額も低くなるわけです。
 これまでにも若干の改善が行われてきたことは承知をいたしておりますが、この問題のさらなる改善策として年齢スライド制を導入すべきではないかというふうに思うわけです。この点についてはいかがお考えでございましょうか。
#173
○政府委員(鈴木正明君) 災害補償制度における補償の考え方でございますが、被災職員の被災したことによる損失を補てんするという基本的な考え方に立っております。
 したがいまして、先ほど言いましたように、給与総額をベースに計算すると。そうなりますと、若いときに被災した場合には給与は低いわけですから一般的には年金たる補償の額は相対的に低くなる。これをじゃどうするか、こういう議論でございます。
 この点に関しましては、現在年齢階層別の最高・最低限度額制度も導入されているところでございますが、労働大臣の私的諮問機関でございます労働基準法研究会というところでも検討がなされてきておりまして、平成元年度でございますが、年齢スライド制につきまして幾つかの問題点が指摘されております。
 一つは、具体的な年齢カーブの設定というものができるのかできないのか、またそのあり方については実証的な検討を行う必要があるのではないか。また、高齢者の所得というのは一般的に低減していくということになりますので、高齢者の所得保障という観点からも慎重に検討する必要があるといった趣旨の見解が示されておりまして、この問題に関しましては、私ども地方公務員災害補償制度といたしましても労災あるいは国公災との均衡ということも考えながら慎重に対応していかなければならないかなと考えております。
#174
○西川潔君 いろいろ議論のあるところですが、よろしくお願いいたします。次に、介護補償制度についてお伺いしたいと思います。
 今回の措置によりまして、被災職員の介護を行う家族の負担に配慮したという点については私ももちろん評価をさせていただくわけですけれども、一口に家族介護と申しましても、実際に介護なさっておられる家族にとっては並大抵の御苦労ではないわけです。例えば、介護をする家族の仕事は続けられるだろうか、仮に仕事をやめれば経済的にどうなるんだろうか、今の住宅のままで介護ができるんだろうか、それは幾つもの不安、心配があるわけです。
 今回の改正においては介護機器レンタル制度あるいはホームヘルプサービス制度が創設されるということですけれども、そうしたサービスを受けるにしても、住宅そのものがそれに対応できなければ絵にかいたもちということになるわけです。
 そういった意味におきまして、介護支援対策には住宅改造などの援助についても検討がぜひ必要ではないかなと思うんですけれども、自治大臣の方から御所見をお伺いしたいと思います。
#175
○国務大臣(野中広務君) 委員が御指摘になりましたように、実際に在宅で介護を受けますためには、介護をする人の負担をより軽減するためにも、例えば家庭内におきます段差の解消とか、あるいは手すりや入浴しやすい浴槽の設置など、介護に十分配慮した住宅の改良等が必要になると考えるわけでございます。被災職員がこのような住宅改良を行う場合につきまして、例えば貸付金あるいは利子補給等を考慮してまいらなければならないと考えております。
#176
○西川潔君 次に、災害予防についてお伺いをいたします。
 我が国の公務員災害、民間の労働災害の発生件数は年間七十万件ぐらいあるということを伺っておりますが、最近では技術革新やOA化などの理由によりまして新たな職業病も続出をしております。そうした中で、それぞれの職業病や災害を事前に防ぐ、予防するということは使用者側としても最も大切なことではないかなと思うわけです。
 先日報道で目にいたしました香川県のお話ですが、香川県内の自治体ではホームヘルパーに対してB型肝炎予防のためのワクチンを接種する動きが広がっているということでございます。
 それぞれの職域によって起こり得る可能性のある災害予防については使用者側である国また自治体の義務として万全の対策を講じていただきたいと、こう思うわけですけれども、大臣の御決意をお伺いして質問を終わりたいと思います。
#177
○国務大臣(野中広務君) 地方公務員の公務災害は、認定件数で見てまいりますと、通勤災害と合わせまして年間約三千万件に上っております。このような公務災害の発生状況をそれぞれ見てまいりますと、件数、公務災害の内容とも職種によって特徴がございます。特に、清掃あるいは教職員あるいは消防、警察職員等の公務災害の件数が多い状況にあるわけでございます。これらの公務災害を防止することは極めて重要な課題でございます。委員が御指摘のとおりであろうと考えております。
 地方公共団体の職員の安全と健康を確保いたしますために、これまでも各地方公共団体において安全衛生管理体制を整備するなどの取り組みを行ってきたところでございますけれども、今後福祉事業をより拡充し、地方公務員災害補償基金におきましてその情報や経験を活用して公務上の災害防止をするために必要な事業を行うことといたしました。
 一つには、地方公務員の公務災害の発生事例についての統計の分析や類型化等による公務災害の発生原因の調査研究、さらにこれを活用した防止対策の検討、さらにはその成果を地方公共団体への普及等を行うことにしておるところでございます。
 この公務災害防止事業の実施に当たりましては、今、委員が御指摘のとおり、職種ごとに分析調査をし、かつ実施をして効果的な防止対策の普及を図っていく必要があると考えるわけでございます。
 自治省といたしましても、各地方公共団体における安全衛生管理体制の整備の推進とあわせまして、公務災害の事前防止に積極的に取り組んでまいる所存でございます。
#178
○西川潔君 ありがとうございました。
 終わります。
#179
○委員長(岩本久人君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。――別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 地方公務員災害補償法等の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#180
○委員長(岩本久人君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#181
○委員長(岩本久人君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#182
○委員長(岩本久人君) 次に、銃砲刀剣類所持等取締法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 政府から趣旨説明を聴取いたします。野中国家公安委員会委員長。
#183
○国務大臣(野中広務君) ただいま議題となりました銃砲刀剣類所持等取締法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び内容の概略を御説明いたします。
 最近、けん銃を使用した凶悪な犯罪が急増し、銃口が市民生活や言論・政治活動、企業活動に向けられ、またけん銃が暴力団員以外の者に拡散し不法所持事件が後を絶たないなど、けん銃使用犯罪の実情は急激に悪化しているところであり、政府としては、昨年十一月末以来、全力を挙げてけん銃取り締まりの強化等の各種施策を推進しているところであります。
 この法律案は、その一環として、けん銃等の発射を抑止するため、不特定もしくは多数の者の用に供される場所等においてけん銃等を発射することを禁止し、及びけん銃実包の所持を規制するとともに、けん銃等の密輸入を防止するため、けん銃等の密輸入に関する罰則の強化及びけん銃等として物品を輸入した者に対する罰則の新設を行うほか、けん銃等に関する犯罪の捜査に当たり警察官等が行うけん銃等の譲り受け等に関する規定の新設等、所要の規定の整備を行うことをその内容としております。
 以下、各項目ごとにその概要を御説明いたします。
 まず第一に、けん銃等の発射に関する規制の強化等についてであります。
 その一は、不特定もしくは多数の者の用に供される場所もしくは乗り物に向かって、またはこれらの場所等においてけん銃等を発射することを禁止し、不法に発射した場合には無期または三年以上の懲役を科すこととするものであります。
 その二は、けん銃実包の所持、輸入等を禁止し、密輸入した場合には七年以下の懲役または二百万円以下の罰金を、不法に所持等した場合には五年以下の懲役または百万円以下の罰金を科すこととする等、所要の罰則を整備することとするものであります。
 その三は、けん銃実包を不法に所持する者が実包を提出して自首した場合に刑を減軽し、または免除することにより、不法に所持されているけん銃実包の提出を促すこととするものであります。
 第二に、けん銃等の密輸入等に関する罰則の強化等についてであります。
 その一は、けん銃等の営利目的の輸入罪の法定刑のうち懲役に併科される罰金の上限を五百万円から一千万円に、けん銃部品の輸入罪の法定刑を三年以下の懲役または五十万円以下の罰金から五年以下の懲役または百万円以下の罰金にそれぞれ引き上げるなど、罰則の強化を行うこととするものであります。
 その二は、密輸入の予備をした者が実行の着手前に自首した場合等に刑を減軽し、または免除するものであります。
 その三は、密輸入資金等提供罪に関する国外犯処罰規定等を新設することとするものであります。
 その四は、通関等の際にけん銃等を抜き取り、または別の物に差しかえた上でけん銃等の密輸入等に関する人物を特定し検挙しようという捜査手法、クリーン・コントロールドデリバリーの実効を上げるため、けん銃等としての物品の輸入、所持等を行うことを新たに処罰することとするものであります。
 その他、この法律案では、巧妙化するけん銃犯罪に対する取り締まりを効果的に行うため、警察官または海上保安官は、けん銃等に関する犯罪等の捜査に当たり、都道府県公安委員会の許可を受けた場合には、何人からもけん銃等を譲り受けることができることとする等、所要の規定の整備を行うこととしております。
 なお、この法律は公布の日から起算して一月を経過した日から施行することとしております。
 以上がこの法律案の提案理由及び内容の概略であります。
 何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御賛同賜らんことをお願いいたします。
#184
○委員長(岩本久人君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 本案に対する質疑は後日に譲ることとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後五時四十三分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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