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1995/05/19 第132回国会 参議院 参議院会議録情報 第132回国会 地方行政委員会 第13号
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1995/05/19 第132回国会 参議院

参議院会議録情報 第132回国会 地方行政委員会 第13号

#1
第132回国会 地方行政委員会 第13号
平成七年五月十九日(金曜日)
   午後五時四十一分開会
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         岩本 久人君
    理 事
                鎌田 要人君
                岩崎 昭弥君
                釘宮  磐君
                有働 正治君
    委 員
                鈴木 貞敏君
                関根 則之君
                服部三男雄君
                真島 一男君
                松浦  功君
                上野 雄文君
                篠崎 年子君
                山口 哲夫君
                渡辺 四郎君
                小林  正君
                続  訓弘君
                浜四津敏子君
                西川  潔君
   国務大臣
       自 治 大 臣
       国 務 大 臣
       (国家公安委員
       会委員長)    野中 広務君
   政府委員
       警察庁長官官房
       長        菅沼 清高君
       警察庁生活安全
       局長       中田 恒夫君
       警察庁刑事局長  垣見  隆君
       警察庁警備局長  杉田 和博君
       自治大臣官房長  秋本 敏文君
       自治大臣官房総
       務審議官     二橋 正弘君
       自治省行政局公
       務員部長     鈴木 正明君
       自治省財政局長  遠藤 安彦君
       自治省税務局長  佐野 徹治君
       消防庁長官    滝   実君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        佐藤  勝君
    説明員
       防衛庁人事局人
       事第一課長    新貝 正勝君
       大蔵省銀行局中
       小金融課長    田村 義雄君
       文化庁文化部宗
       務課長      中根 孝司君
       厚生省老人保健
       福祉局老人福祉
       計画課長     吉冨 宣夫君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○地方交付税法の一部を改正する法律案(内閣提
 出、衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(岩本久人君) ただいまから地方行政委員会を開会いたします。
 地方交付税法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。野中自治大臣。
#3
○国務大臣(野中広務君) ただいま議題となりました地方交付税法の一部を改正する法律案の提案理由とその要旨について御説明申し上げます。
 今回の補正予算における所得税及び法人税の収入見込み額の減少に伴い、平成七年度分の地方交付税が三百七十七億六千万円減少することとなりますが、地方財政の状況にかんがみ、当初予算に計上された地方交付税の総額を確保する必要があります。このため、地方交付税法附則第三条の規定に基づく特例措置として三百七十七億六千万円を地方交付税の総額に加算するとともに、平成九年度から平成十三年度までの各年度において当該年度分の地方交付税の総額に加算する額を変更するものであります。
 以上が地方交付税法の一部を改正する法律案の提案理由及びその要旨であります。
 何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御可決いただきますようお願い申し上げます。
#4
○委員長(岩本久人君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#5
○釘宮磐君 まず、地下鉄サリン事件、オウム真理教関係について質問をさせていただきたいと思います。
 その第一点は、オウム真理教信者の社会復帰のための対応のあり方、この点についてお伺いをいたしたいわけであります。
 十六日、オウム真理教団の麻原代表の逮捕により、今後同教団の解散等が考えられるわけですが、多数の信者の離脱も今後起こってくるであろうと思います。同教団に対する社会の批判が一層強まることも予想されるわけですが、信者のほとんどは今回の一連の犯罪については何も知らなかったであろうし、その意味では彼らも犠牲者であり、今後の最大の課題は信者の社会復帰であろうか、このように思うわけです。
 しかし、信者の多くはいわゆるマインドコントロールによって精神的なダメージを受けており、資産も教団に収奪され財産的な基盤もない、また就職しようとしてもいわれない差別を受ける可能性も高い、特に家族で出家した場合などは帰る家もないといったような深刻な事態が予想されるわけであります。
 信者の社会復帰に当たっては、我々社会ができる限り手助けをしていくことが必要であり、行政も支援を行う必要も出てくるのではないかと考えるわけであります。特に、マインドコントロールされている信者に対するカウンセリング、その後のアフターケアについては精神科や心理学の専門家、宗教家、元信者などを中心とした組織的対応が必要となってこようと思います。行政も積極的な対応をとる必要があるのではないか、このように考えるわけでございます。
 最近、特にテレビ等で報道されている中には、子供の問題等は特に深刻でございます。ある子供がインタビューの中で、オウムの子供は嫌だというようなそういう差別的な、これは子供に罪はないわけですけれども、そういうインタビューを聞きましたけれども、こういった問題等も含めて今後の対応、これはもう大変な問題であろうかと思います。政府の対応というわけには、この場では答弁が難しいと思いますので、閣僚の一人としてその辺についての考え方を聞かせていただきたいと思います。
#6
○国務大臣(野中広務君) 今、釘宮委員から御指摘がございましたように、今回オウム真理教によって地下鉄サリン事件等想像を絶する、我が国犯罪史上に類例を見ない悪質な犯罪が敢行をされたことが明らかになったわけでございます。しかし、委員が御指摘になりましたように、大多数の信者は心の救いを求めて入信した人もあると思います。また、健康を求めてヨガを通じて入信をした人もあろうと思います。
 したがいまして、私ども村山内閣といたしましては、既に十数日前、総理から、この善良な信者がどのようにして地域社会から白眼視されないで一般社会に同化していくことができるか、もう一つは、財産を失い、そして出家をして帰るところのないそういう信者をこれから精神的、身体的にもどうケアをしていくか、こういう問題について関係省庁間において十分協議を進め、そしてやがてそういう時期が来たときに政府としてそれぞれ所管庁において十分な対応ができるように、また何の罪もない子供たちがあのような劣悪な状況に置かれ、精神的、健康的にも問題があるので、児童福祉法の精神からいっても非常に深刻な状態にあるだけに、その措置に万全を期してもらいたいということで関係省庁でただいま協議を進めておるところでございます。
 その成果を待ってそれぞれ所管庁において適切に、今、委員がお話しになりましたように、一方において犯罪を憎み、そして徹底した検挙と、そしてこれを立件していく道をたどりますとともに、善良な信者の社会的復帰について十分な対応をいたしてまいりたいと考えておるところでございます。
 警察といたしましても、またそれぞれ近親者や家族あるいは信者等の相談窓口を設けて受理をして、それぞれ関係の向きにこれを連絡しておるところでございます。また一方におきましては、脱会をしようとする信者に対してこれを妨害する動きもなしとしないわけでございまして、かかる事犯につきましてはまた違法行為があれば徹底して警察として厳正に対処してまいりたいと思うわけでございます。
 一方、あの上九一色村を初めとしてオウムのそれぞれの施設を持った市町村におきましては、これからどのようにして平和を保っていくかという大きな課題があるわけでございます。関係府県はもちろん、市町村と十分協議して自治省としても対応をいたしてまいりたいと存じております。
#7
○釘宮磐君 これからオウム真理教については解散を含むいろんな法的な手だてがとられていくのであろうと思いますけれども、先日、与謝野文部大臣が閣議後の記者会見で、早ければ来月にもオウム真理教の解散請求が行われるとのことを申しておられました。法令違反によって活動中の宗教法人が解散命令を受けるということは、宗教法人法の施行以来初めてのケースであるということであります。
 そこで、具体的にどのような手続が行われることになるのか、その辺について文部省にお聞かせをいただきたいと思うんです。
 宗教法人法第八十一条に基づく裁判所の解散命令が確定された場合、清算の手続に入ることになると思います。信者の多くはお布施と称して実際にはマインドコントロールや強迫によってその財産を教団に収奪されたというのが真実ではないかと思うんです。よって、清算手続に入った場合には、これは信者側から教団に移った財産の返還を求める請求が相次いで起こされるのではないか、このように思うわけであります。
 今後、清算手続に入った場合に、教団資産と信者による財産返還に関してはどのような法律関係となるのか、この辺もあわせて確認をさせていただきたい。
#8
○説明員(中根孝司君) お答え申し上げます。
 まず、最初のオウム真理教を解散させる場合の具体的な手続の問題でございますが、これにつきましては、委員御承知のように、宗教法人法の第八十一条という規定がございまして、その一項一号には、宗教法人が法令に違反して著しく公共の福祉を害すると明らかに認められる行為をした場合には、所轄庁、利害関係人もしくは検察官の請求により、または職権で裁判所は解散を命ずることができる、こういうふうに規定されておるところでございます。
 先ほど委員からの御指摘がございますように、八十一条一項一号を適用した例は過去にないわけでございます。そういった意味におきましても、私どもオウム真理教についての裁判所の解散命令を請求するに当たりましては、法令の解釈等を含め慎重に検討する必要があるということでございますが、現在どういう手続を考えておるかということでございますけれども、請求するに当たりましては、まずこの宗教法人法の第八十一条の解釈を確定するとともに、違反事実の特定とその事実を裏づける証拠資料の収集確保に努めなければならない、こういうふうに思っているわけでございます。その上で、具体的な法と具体的な事実及びそれを実証すべく裏づける証拠資料をもとにいたしまして、解散事由に該当するかどうかの判断をいたします。そういたしまして、解散事由に該当すると確信するに至りますればその時点で行うと、こういうふうに考えておるところでございます。
 なお、具体的にどうするのかということでございますが、法律解釈等を初め資料収集の方法等いろいろ問題があるわけでございます。したがいまして、私どもといたしましては関係機関との間で綿密な連絡を取り合いながら解散命令の請求につき適切に対応していきたい、かように考えているところでございます。
 それから、もう一点のお布施をした信者に宗教法人がお持ちの資産、財産を返すべきではないか、こういう問題でございますが、宗教法人法の建前からいきますと、宗教法人が解散命令によりまして、裁判所の方が解散命令を出すということで確定いたしますと、いわゆる清算手続に入ることになります。清算手続に入りますと、現在の事務等を終止いたしまして、当該法人についての債権、債務がどういう形にあるのかを特定いたしまして、債権につきましてはこれを支払い、債務についてはこれを取り立てる、こういった作業を経た上で最終的な残余財産につきましては、これは当該宗教法人の規則の定めるところによる、こういうふうに宗教法人法の五十条では規定されているところでございます。
 したがいまして、信者さんからの御寄附等につきましての争いにつきましては、その清算の過程におきまして、例えば訴訟等におきまして当該宗教法人と信者さんの間で損害賠償なりいろんな形での債権があるということになりますればその時点で清算人から弁済することとなりますけれども、残余財産につきましてはこれは法律上信者さん等に帰属させることはできない、こういうような仕組みになっているところでございます。
#9
○釘宮磐君 このオウム真理教の解散に伴う問題というのは、このほかにもいろんな問題が出てくるだろうというふうに思うんですが、自治省の所管する熊本県の波野村ですね、ここがもう御案内のように道場用地の村への贈与のかわりに九億二千万円の和解金を払うことを約束しているわけです。既に今日現在で五億七千万円を支払ったということであります。
 今後、同教団が解散されたとしても、この和解は有効に成立していることから、清算手続の中で和解金の残金も支払わざるを得ないというふうに理解をしておるのかどうか、この点をちょっとお聞きしたいと思います。
#10
○政府委員(遠藤安彦君) お答えを申し上げます。
 御指摘のとおりに、熊本県の波野村は和解金の支払いの問題があるわけでありますが、各般の経過の中で村の判断として村議会の議決も経て訴訟上の和解に応じたということでございます。この訴訟上の和解というのは確定判決と同一の効果を持つということでございますから、仮に解散して清算されたとしても、裁判上の判決と同一の効果というのが引き続きあるというように考えられるのではないかというように考えられるわけであります。
 いずれにしても、今後の推移がどうなるかということにつきましては今の段階で確定をしているわけではありません。したがって、これからの状況、事態、そういったものがどのように推移をしていくのか、そういったことを踏まえつつ関係者とも法的にきちんと詰めた上で誤りなき対応をするように指導をしていきたいというように考えている次第であります。
#11
○釘宮磐君 今の答弁では場合によっではこれは払わざるを得ないというふうに聞こえるわけでありますけれども、払うお金はこれは税金でありますよね。ですから、これは波野村の村長が紛争解決のための最善の手段、当事者しかわからないぎりぎりの選択だというようなことを言われているようであります。その苦渋はよくわかるわけでありますけれども、この和解金が税金である、さらに私人ではなく自治体であるというようなことを考えたときに、この問題については慎重に今後自治省としても見守って誤りなきようにしていただきたい、このことを申し添えておきたいと思います。
 時間が余りありませんので、もう最後の質問にさせていただきます。
 今回のオウムの捜査で、これは警察庁にお伺いをしたいわけでありますけれども、警察庁そのものは全国都道府県警察の調整が主な仕事でございます。したがって、全国的な視点からの統一された広域的な捜査力が欠けているのではないかというような指摘が今回されておるわけでありますが、今回の事件のような場合は公安事件的な色彩も強く、組織的に見ると警視庁の刑事部と公安部にまたがるような事件であります。その点で両部の連携が重要と考えられるわけでありますが、縦割り組織の弊害が生じているのではないかというような問題がこれまた指摘をされております。
 今回の戦後最大と言われるオウム真理教のこうした事件について、捜査上、組織上の改善点、教訓めいたもの、そういったものを国家公安委員長としてどのように認識をしておられるがお伺いをしたいと思います。
#12
○国務大臣(野中広務君) 今回のオウム真理教に関係いたします一連の事件に対しまして、警察では各都道府県警察が連携を密にいたしますとともに、日本警察の総力を挙げて、刑事、公安を初め各部門が協力をして今日まで捜査を進めてきたものと承知をいたしております。したがいまして、私自身、それぞれ報告を受けながら、委員が御指摘になりましたような公安警察と刑事警察との上に問題があったなどと考えておる向きはいささかもないのでございます。
 今後とも、広域捜査のあるべき方向というのは、今回の異常なオウム真理教の事件の全容解明を待ちまして、さらに法的な問題あるいは組織の問題等十分点検をし配慮してこれからの対応を考えてまいらなくてはならないと存じております。
#13
○続訓弘君 私は、青島知事に対する小包爆弾事件に関連をして御質問申し上げます。
 就任間もない青島知事に対しまして、この十六日に現職の都議会議員名義で小包が送られた、それを開封した秘書が二カ月の重傷を負われた、こういうふうな報道がなされております。その経過についてまず伺い、そしてこの事案は私は民主主義に対する挑戦であり、都民に対する許されざる挑戦だと思います。その原因がどこにあるかわかりませんけれども、何としてもこの事案を解決して、日本は一番安全な町だ、美しい町だと世界に私どもは誇りを持っておりました。そのイメージが一挙に崩れた、そのことの威信を警察当局として直ちに回復していただきたい、このことをお願い申し上げて、経過とそしてその犯人逮捕に対する意気込みをお聞かせいただきたいと存じます。
#14
○政府委員(杉田和博君) お答えをいたします。
 まず、事案の経過でございますけれども、五月十六日の火曜日午後六時五十七分ころ、東京都庁第一庁舎七階の知事室内におきまして、知事室の秘書担当副参事が知事室に届けられていた郵便物を開封し、中に入っていた本を開いたところこれが爆発、同副参事が両手等に重傷を負っておるのでございます。
 この郵便物でございますけれども、五月十二日の金曜日、渋谷区内の知事の公舎に届けられていたものを事件当日、知事室の職員が他の郵便物の数通とともに受領をいたしまして、知事室に届けたものでございます。
 事件の背景につきましては、現在鋭意捜査中でございます。今のところ、爆発物の鑑定、さらにまた関係者の事情聴取等を行っているところでありますけれども、いずれにいたしましても、御指摘のとおり事案は極めて重大であるという認識のもとに鋭意捜査して解決に導きたい、かように考えております。
 以上でございます。
#15
○続訓弘君 ぜひその御努力をお願い申し上げます。
 次に、都市博に関連をして御質問いたします。
 本日のある新聞に政府関係者が青島知事の都市博中止発言を批判しておられるかのような記事が掲載されておりました。
 私は、この問題は東京都自身の問題であり、青島知事が都民や都議会の意見を真剣に検討してみずから判断を下されるテーマだと思います。したがって、政府関係者が立ち入ってコメントすべきものではないと思いますけれども、自治大臣としての所見はいかがでしょうか、お伺い申し上げます。
#16
○国務大臣(野中広務君) 青島知事が選挙の公約において、東京都が計画をしてまいられました世界都市博について中止を公約してまいられましたことは私もよく承知をいたしております。昨日までの都議会の決議案等の採択等につきましても承知をしておるところでございます。
 ただ、公約というのは、私は一般論としてそれぞれいわゆる首長というものの公約は継続性のものについてやはり慎重であるべきであると考えておる一人でございます。
 これからのあるべき方向については、新たな問題については大胆な公約は必要で、またそれはよしとしなければならないと思いますけれども、当然議会の議決を経て、それぞれ都市博などは閣議決定、了解を得でやってきた問題でもございます。特に、委員御承知のように、その国際性や政策的な意義というものはまことに高いわけでございます。東京都の要請を受けまして政府といたしましても、今申し上げましたように、平成五年の十一月に必要な協力を行うという閣議了解を行いまして税制面でも支援をしてきたところでございます。
 したがいまして、同博覧会が仮に中止になりました場合は、数多くの都市や国連の参加協力を得ておることから、国際的な問題にもなりかねないと考えます。また、臨海副都心開発計画と密接な関連を有する同博覧会が中止をされることによりまして、同開発計画に悪影響を及ぼしかねないと考えるところでございます。
 いずれにいたしましても、世界都市博の開催は基本的には東京都の問題として対応が決められるべきことであることは委員御指摘のとおりでございますが、私どもといたしましては、都議会の賛同をも得られまして都が一体となって取り組んでこられた問題でありますので、都の総意のもとに今後の対応が決定されていくことを期待しておるところでございます。
#17
○続訓弘君 私は、ただいま申し上げましたように、この問題は都民と都議会がいろんな議論をし、そしてその議論を慎重に受けとめて知事自身が判断されるテーマだと思います。
 次に、東京協和・安全信組の問題について大蔵当局にお伺いいたします。
 実は、この問題について私は三月十五日の本会議でも申し上げました。それは、大蔵省主導によるこの共同銀行の設立に対する問題に対して東京都民あるいは都議会はノーと言っておりますよ、しかしながらこの問題は大変重要な問題でしょう、この問題の解決には相当な覚悟が必要でありましょう、そしてそのためには従来の考え方を改めて思い切った施策が必要じゃないでしょうか、それには三つの方法が考えられますよ、こんなふうに私は申し上げました。総理にも申し上げ、かつ野中大臣にも意見を求めたわけであります。
 いよいよ新都知事が誕生じ、その知事は記者会見の中でこんなふうにおっしゃいました。私ばかりでなく、私の対抗馬として出馬された方々の得票数まで含めると、大体投票してくれた方の七〇%以上は信組の救済に都民の貴重な税金は使うべきでないとこうおっしゃって、融資に反対だと、こういう明確な断を下されております。しかし、今なお大蔵当局としてこの信組の問題に対して、東京都と大蔵省と日銀が交わしたあの三百億はどうしても必要なのかどうなのか、その辺のことについて大蔵当局の御所見をまず伺いたいと存じます。
#18
○説明員(田村義雄君) お答え申し上げます。
 東京協和、安全両信組の処理に対する東京都の支援問題についてのお尋ねでございます。
 先生御承知の、東京都において本件についてのいろんなこれまでの経緯あるいは考え方を踏まえまして新しい知事のもとで検討が進められることになると考えますが、いずれにせよ大蔵省といたしましては、まず東京都における検討を見守って、その検討結果を伺った上で私どもとしても預金者保護あるいは信用秩序の維持ということに留意しながら適切に対処してまいりたいと思っておりますが、まず東京都においてどのように御検討されるのかを今見守っているということでございます。
#19
○続訓弘君 東京都の意思云々とおっしゃいましたけれども、ただいま私は知事の記者発表の言葉を引用しながらこうなるであろうというお話を申し上げました。しかし、それでもなお大蔵当局としてあのスキームを壊すべきではないと。
 壊すことによって、せっかくのあのスキームがすべて壊れてしまうということであるとするならば、私が三月十五日に提案申し上げたような方向でやはり大蔵当局としても本腰を入れて検討すべきではないかと思いますけれども、再度その点についての御見解を承りたいと存じます。
#20
○説明員(田村義雄君) 先生から具体的な提言が三点ございました。地方債の発行許可制度の廃止の問題、それから地方道路譲与税の財源調整の問題、それから信用組合の監督権限といいますかその機関委任事務、これをむしろ都道府県知事へ全面的に移譲すべきではないか、ここら辺に向かってどう考えるかと、こういうお話でございました。そのときも自治大臣からこの地行の場で詳細な御答弁がございました。
 私、ちょっと自分の担当のまずこの信用組合に係る機関委任事務の都道府県知事への全面的移譲の問題について申し上げますと、信用組合、これはもう先生御承知のとおり、地域性あるいは協同組織性が非常に強いということから、その監督権限は都道府県知事に委任されているわけでございます。
 もちろん、本件はすぐれて地方自治あるいは地方分権の問題とまさに関係するわけでございます。現状の制度の中でも、それが金融システム全体の安定性を維持するという観点から、国としても必要な場合には例えば都道府県の検査等に緊密に協力をしているわけでございまして、現在はそういう対応をとっておりますけれども、先生の御意見なども踏まえまして、今後機関委任事務のあり方、それから信用秩序との絡み等を考えながらどのように考えていくか、さらに十分検討を加える必要がある課題であると思っております。
#21
○続訓弘君 ぜひ、真剣に検討をお願い申し上げます。
 続いて、交付公債の問題について御質問申し上げます。
 私は、予算委員会で短い時間でございましたので意は尽くせませんでした。私がかつて経験をしたことがございますのは昭和四十年の初めから五十年代にかけてでありましたけれども、たまたま当時は地方財政が非常に不如意でありました。そこで、交付公債制度を活用して必要な都市施設用地等を確保したわけであります。
 先ほどの予算委員会で質問申し上げたときに、金融機関が今抱えている不良債権の処理のために云々という答弁がございましたけれども、私はそういうことは申し上げておりません。確かに五十兆円を超える不良債権を抱えてみんなが困っておられる、その問題の解決なくして景気浮揚策はあり得ないだろう、こういうことも言われておりますよと。
 しかも、この不良債権の対象の土地は首都圏域が中心になっております。御案内のように、各都市は二十年も前に都市計画決定をしております。例えば、東京の場合は計画道路がたくさんあります。公園がたくさんあります。しかし、二十年前にあるいは三十年前に都市計画決定をしながら、今なお土地が入手できません。なぜならば、その取得する金がない、あるいは事業が進捗をしない、そういう状況から実は用地取得がネックになって事業が進捗をしないということもございます。そこで、今回も五十兆の不良債権の中の今申し上げた既に都市計画決定がされているそういう用地に対して、今回十億円程度の交付公債を発行してそれを利用する、活用することが結果として景気浮揚策にもつながるんじゃないでしょうか、しかも金のない状況の中では一番いい方法ではないでしょうか、そういう意味を込めて実は御質問申し上げたわけでありますけれども、事務当局に交付公債制度の経過等々について、メリットはどういうメリットがあるのか、そしてまた現在交付公債制度の活用が下火になっている理由は何なのか、その辺のことについて経過を御説明願いたいと存じます。
#22
○政府委員(遠藤安彦君) 御質問の交付公債でありますが、これは地方債の一種でありますけれども、現実には資金を借り入れて支払うという形ではなくて地方公共団体が地方債の証券を交付することによって現金の支払いにかえるものでございます。
 メリットとしては、以上のようなものでありますので、地方団体は差し当たって資金調達の必要がなく支払い事務が完了するということで、確かに資金需要がタイトであるというような時代においては便利な方法として用地買収費、漁業補償の支払いといったようなものに活用されてきた経緯がございます。
 ただ、最近はこの交付公債による事例というのは年間十億円ぐらいの許可実績でありまして非常に少なくなってきておりますが、土地の所有者などがやはり現金で支払いをしてほしいという要望が非常に強いわけでありまして、用地買収等の場合にやはり通常の起債によって現金を用意して、現金をもって用地取得をするということで交付公債の活用が減少をしてぎているというように認識をいたしております。
#23
○続訓弘君 先ほど私、十億円云々と申し上げましたけれども、十兆円規模で考えていただければ大変ありがたいと、こう申し上げたかったわけであります。
 時間もございませんので、私はこの際、こういう制度を活用することによって景気浮揚策につながるんじゃないだろうか、ぜひ検討方をお願い申し上げたい、こういうふうに要望申し上げまして、質問を終わらせていただきます。
#24
○有働正治君 まず、オウム真理教、サリン事件をめぐって幾つかお尋ねします。
 一つは、松本サリン事件であります。
 松本サリン事件、これはサリンという物質という点では地下鉄サリン事件と関連性があるわけで、それとのかかわりではオウム真理教との関連性も指摘されるわけであります。当然この関連性で捜査しておられると思うわけでありますが、今日どういう認識と方向性を持っておられるか、まずお答えいただきます。
#25
○政府委員(垣見隆君) 御案内のとおり、これまでの捜査によりまして、オウム真理教幹部らが組織的にサリンを製造し、地下鉄サリン事件を敢行したことが解明されつつあるわけでございます。そういう中で、同教幹部らを逮捕し、現在捜査を進めているところであります。
 一方、いわゆる御指摘の松本サリン事件についてでございますが、現在までのところ被疑者等の特定に至っておりませんが、同事件におきましてもサリンという物質が使用されているというか検出をされているわけでございまして、そういう意味で共通事項がございます。地下鉄サリン事件とこの松本サリン事件の関連性の有無については当然のことながら視野に入れて捜査を行い、今後解明を図ってまいる考えでございます。
#26
○有働正治君 早急に解決を求めます。
 第一発見者の河野義行さんに対しまして私から言わせれば事実上の被疑者扱いとして捜査してきた経緯があると考えるわけであります。この間の捜査を踏まえまして、事件当初と今日では被疑者扱いの問題をめぐって変化があるのかないのか、今日はどういう考えでおられるのか、端的にお答えください。
#27
○政府委員(垣見隆君) 現在捜査中の事件につきまして、特定の人物についてどのような見方をしているかについて申し上げることは差し控えさせていただきたいと存じます。
#28
○有働正治君 事実上の被疑者扱いとして対応してきた、これに対して河野さんが人権侵害ということで三月三日、日本弁護士連合会に人権救済の申し立てを行っておられるわけであります。少なくとも真相が究明されたら、それとの関係でこういう人権救済問題、捜査当局として必要があればきっちり対応するということはいかがでありますか、国家公安委員長。
#29
○政府委員(垣見隆君) ただいま申し上げたとおりでございますけれども、一般論として若干御説明をさせていただきたいと存じますが、犯罪捜査におきましてはあらゆる可能性を考えながら、当然のことながら法令の定めるところに従い行うわけでございますが、その過程で被害者を初め関係者の方々のいろいろな御協力をいただいております。その過程で関係者の方に時間的な負担あるいは精神的負担等も与えることもあろうと思いますが、そういうような御協力をいただかなければ事件の真相解明に至らないわけでございます。
 警察といたしましては、そのような関係者の御協力にこたえるためにできることとしては、やはり捜査を早期に徹底して行い、事案の真相を解明するということに尽きるのであろうというふうに考えておりますので御理解をいただきたいと存じます。
#30
○有働正治君 それは警察の言い分を当然視して、是認して、今後もそれは当然だという私に言わせれば居直り的な発言としか聞こえないわけであります。本人は明白にそういう被疑者扱いとして大変な、しかも子息までそういう扱いを受けたということが指摘されているわけで、新聞社の謝罪広告の中でも、大手新聞は訂正記事、謝罪記事を載せていますが、その中では、事件当初の報道が、警察にも確認して報道したけれども、その後の警察の調べあるいは事実と違うという点等々もあったのでということで、警察とのかかわりについても指摘して謝罪しているところもあるわけであります。したがって、きちっと全容が解明されたその上に立って、こういう問題に対して単なる協力的な扱いではなかったということで厳重に対応していただきたいということを私は要望しておきます。
 それから、河野さんの奥さんのことでありますが、河野さんは十六日、後遺症で今も意識が戻らない奥さんのことに対しまして、犯罪被害者等給付金支給法を適用するよう県の公安委員会に申請されておられます。この問題も本当に痛々しいことであります。速やかに積極的な対応を求めるわけでありますが、いかがでありますか。
#31
○政府委員(菅沼清高君) 御質問の件につきましては、お話のとおり、河野さん側から犯罪被害給付金の申請が出ておりまして、これを受理いたしております。
 犯罪被害給付金の制度につきましては、既に御承知と思いますけれども、事故は除かれておりまして、犯罪の中でも過失によるものは除かれております。したがいまして、故意による犯罪によって死亡もしくは重障害に陥った者がその遺族を含めて対象となるわけでございまして、この件につきましては、当初、事故か犯罪か、また犯罪の場合には過失か故意かということがよく判断できませんでしたのでこの件についての対応は難しいという観点でございましたけれども、次第にいろんな事情が判明してきておりますので、まだ最終的な状態としてどういうぐあいに対応できるかわかりませんけれども、受理をいたしまして、今言いましたような観点から検討してまいる、このように考えております。
#32
○有働正治君 きっちり対応することを強く要望しておきます。
 次に、防衛庁の方にお尋ねします。
 現職自衛官の化学兵器防護マニュアルを渡した件がここ数日来のマスコミでも指摘されています。現職自衛隊の幹部でありますけれども、地下鉄サリン事件で殺人容疑で逮捕された井上容疑者に化学兵器などに対する部内専用の防護マニュアル等を手渡していたと。私もいろいろ確認をしていますけれども、この事実関係、防衛庁の対応、これを求めます。できるだけ簡単に。
#33
○説明員(新貝正勝君) お答えいたします。
 報道にありましたのは東北方面航空隊第二対戦車ヘリコプター隊所属の二等陸尉が内部資料を井上容疑者に渡したというものにまつわるものでございますが、実は報道に特殊防護などというふうなものを渡したというふうになされておりますが、現時点ではその内部資料がどれかというのが、本人の供述が二転三転しておりまして、まだ確定されておりません。したがって、現時点においてはその調査を続行しておるところでございます。
 したがいまして、今後この調査が進んで規律違反が明らかになりますれば厳正に処分するという考えております。
#34
○有働正治君 渡した事実そのものは事実のようであります、その内容についてはいろいろということのようでありますが。
 私も本委員会で取り上げてまいりました自衛隊のこういう犯罪行為に対する協力、これが私から言えば秘密漏えい的な内容も含むものだと解するわけでありますが、一連の問題を含めまして厳正に捜査するように、私も自衛隊の中のオウム信者、一般的にオウム信者だからどうこうということで私は言っているわけじゃないんです。それがやっぱりこういう重大な犯罪に協力、加担するということは許されないということで、その点で厳正に対応するということを求めます。
#35
○説明員(新貝正勝君) 先生おっしゃるとおりでございまして、いろいろ特異な事案が起こっておりますことを私ども十分承知しております。したがいまして、捜査に対しては万全の協力を行っているところでございますし、また内部におきましてもいろんな関係がないかということで徹底した調査を行っているところでございます。
#36
○有働正治君 防衛庁、結構でございます。
 次に、オウム真理教の科学部門の最高責任者と言われる村井氏刺殺をめぐりまして、暴力団あるいは右翼とのかかわりなど容疑者の背後関係、報道では刺殺依頼をめぐって資金の流れもあったという指摘まで、これは報道でありますけれども、あるわけであります。また、オウム真理教が麻薬等をつくって右翼等に販売していた、こういう指摘もなされているわけであります。こういう点について、きっちり対応されていると思いますが、どういう認識でおられるか、今後どういうふうに対応されていくのか、この点について。
#37
○政府委員(杉田和博君) お答えをいたします。
 御指摘の事件の実行犯につきましては、御案内のとおり、既に一名被疑者を検挙いたしております。これは既に起訴されておりますので現時点では被告人でありますけれども、彼はある右翼団体の構成員ということを称しておりました。しかし、この団体は活動の実態が全くないということが判明をいたしました。また、その後本件の共犯者といたしまして暴力団の幹部を逮捕いたしております。この右翼団体と暴力団の関係につきましては、逮捕したこの暴力団幹部が実体のない政治団体の結成に関与したものであるということがわかっております。
 本事件に関しましては、現在犯行の動機、背景その他について鋭意捜査中でございますけれども、いずれにいたしましても今後取り調べ、裏づけ捜査を徹底いたしまして全容の解明をいたしてまいりたい、かように考えております。
#38
○有働正治君 最後に、国家公安委員長にお尋ねいたします。
 再発防止との関係では大臣もたびたび予算委員会を含めまして、本会議を含めまして答弁されておられますが、いかにもサリンが存在しないかのような報道も一部にあるので、この点は危惧するわけであります。この点についてどう認識しておられるか。また、再発防止に全力を挙げていただく、これが国民の要望であります。同時に、未解明の問題が多々あるわけで、その全容の早期究明、このために全力を挙げるという点での見解、所見を求めます。
#39
○国務大臣(野中広務君) たびたび御答弁申し上げておりますように、村山総理からも再三再四にわたりまして私どもに対しまして事件の徹底した早期解明、さらにはこの種悪質な犯罪の再発防止について指示をいただいておるところでございます。大量のサリンが生成されたということは捜査の状況から想像をできないわけでございますけれども、微量であったとしてもサリンが残存をしておるということはまだ私どもとしては否定することができない状況でございます。わずかでも残っており、これが使われました場合には悲惨な事故を起こすわけでございまして、徹底してこの残存物がないかどうかを解明し、その他毒性のもの、あるいは銃器等についても徹底した捜査をやって再発防止に努めてまいらなくてはならないと考えております。
#40
○有働正治君 次に、消防力の整備とのかかわりで、消防職員の団結権の問題についてお尋ねいたします。
 この六月に開催される第八十二回ILO総会におきまして、日本における消防職員の団結権問題が再び取り上げられる見通したと承知しているわけであります。このILO総会に日本政府として消防職員の団結権問題についてどのような報告を行う予定でおられるのか、積極的に対応されるのかどうか、所見をまず求めます。
#41
○国務大臣(野中広務君) 御指摘の問題につきましては、目下、自治省と自治労との協議を行って、何とかこの問題の解決策につきまして具体的、現実的な形で行えるよう種々協議を行っているところでございます。
 現在のところ、協議の大詰めという微妙な時期でありますので、その内容についてお答え申し上げることは差し控えさせていただきたいと存じておるところでございますが、何とかして国民的コンセンサスが得られるような適切な解決策が得られるように私どもとしても努力をしてまいりたいと考えております。
#42
○有働正治君 私は、ILO加盟百七十一カ国の中で消防職員に団結権がない国は日本だけだと承知しているわけであります。国際的な流れ、そういう国際社会の中で日本の消防職員の団結権問題というのはいわば例外的な特異な存在で、権利が認められていないという点は非常に重大だというふうに思うわけであります。
 今、大臣おっしゃられましたけれども、この問題で自治省として、団結権にかわるものとして消防当局と消防職員の代表が協議する委員会をつくる方向で検討されているという報道もされているわけであります。これは消防職員の総意の反映や運動を権利として保障するものとはならないわけであります。消防当局の意向の範囲内での職員代表となる危険性も持たれているわけであります。
 こうしたやり方につきましては、五月に全労連、これは全国のナショナルセンターの一つで、その加盟の自治体労働者の労働組合であります自治労連の代表団がジュネーブのILO本部に行って種々要請、懇談した際にも、ILO事務局としてもこういうのは認められないというふうに語ったと私は聞いております。こういう私に言わせればこそくなやり方はやめるべきで、思い切った団結権を認めるべきだというふうに考えるわけであります。
 特に日本の消防職員、私もたびたび本委員会で取り上げさせていただきましたけれども、国民の生命、財産を守るというこの重責を、本当に長時間労働、賃金水準も自治体職員に比して特に若い職員の方々は低い、拘束時間も非常に長い、それに見合う賃金の保障が十分されていない、職場環境も大変改善の余地が残されている、仮眠室が個室でない等々を含めまして、私は本当に職場のこういう改善が消防職員がその職員を果たしていくという意味で非常に重要であると考えてこの間も質問したわけでありますが、その改善を進める上でも、消防職場に労働組合があって、そして対等な関係で物も言って改善も求めて、そして改善を図る、こういうことが非常に大事だということを感じるわけであります。
 さきに述べました全労連、自治労連の代表団の報告によりますと、ジュネーブのILO本部に五月十一日に要請に行った際、ベルナルド・ジェルニコン国際労働基準局長・結社の自由部長はこうおっしゃっていたそうであります。消防職員に団結権が保障されるものと信じていると語って、ILOの専門委員会や条約適用委員会で継続して検討してこの六月の総会でも取り上げも、それに日本は積極的に対応してもらうようにと強く要望されているわけであります。
 そういう国際的な流れから見ましても、またILOのそういう意向から見ましても、やはり積極的にこたえるという方向でぜひ対応していただきたいということで再度大臣の決意、これを求めるわけであります。
#43
○国務大臣(野中広務君) 消防職員のあり方というのは、消防団を含めまして、それぞれの国にそれぞれの歴史があると私は考えておるところでございます。
 今、委員御指摘のように、消防職員が置かれております二十四時間体制の中における多くの問題については、積極的にその処遇の改善等に今日までも努めてまいりましたし、今後もまた給与、人員、執務環境等の改善に努めていかなくてはならないと考えておるところでございます。
 このような点も踏まえまして、現在、自治労と協議を行っておるところでございます。さらに誠意を持って話し合いを重ね、適切な解決策を見出してまいりたいと考えております。
#44
○有働正治君 そのほか消防力整備の問題で幾つか質問を準備いたしましたけれども、時間になりましたので、準備された方々におわびをいたしまして、私の質問を終わります。
#45
○西川潔君 私は、阪神・淡路大震災の復旧・復興関連についてお伺いをいたします。
 震災が発生してから既に四カ月が経過しておるわけですけれども、今もなお三万四千人近くの方々が避難所生活を余儀なくされておられます。
 被災者の状況に応じまして施策の見直し、一層の充実が求められていると思うわけですけれども、今後の復旧・復興対策につきまして、どのような点に配慮しあるいは重点を置いて被災自治体等の支援に取り組んでいかれるのか、まず大臣にお伺いしたいと思います。
#46
○国務大臣(野中広務君) 被災をいたしましたそれぞれの地方公共団体に対する財政措置といたしましては、災害復旧事業債の事業区分の見直しやら単独災害復旧事業債に対する地方交付税措置の充実などをいたしまして所要の措置を講じてきたところでございます。それぞれ被災地方公共団体の財政運営に支障がないように対応してまいったつもりでございます。
 今後、災害復旧にあわせまして被災地域の復興を具体的にどのように進めるべきであるかは当該地方公共団体や復興委員会等において検討が進められておるところでございます。復興対策の具体的な内容が明らかになりました段階で、国庫補助の充実等状況を踏まえまして、地方団体の財政運営にさらに支障が生ずることのないように、地方債、地方交付税等の必要な財政措置を講じてまいりたいと考えております。
 また、人的な支援につきましては、本年四月以降、全国の地方公共団体から、今日までは救援派遣でございましたけれども、土木、建築等の専門職を初めといたしまして広範な職種の職員三百十三名が中長期的にわたって派遣をされました。兵庫県あるいは神戸市等のそれぞれ職員として兼務をしながら被災地の避難所の所管等の比較的短時間の人的支援を引き続いて行うなど積極的な対応がされているところでございます。
 自治省といたしましては、被災いたしました地方公共団体の要請を受けまして、全国の地方公共団体に対しましても協力依頼を行いまして、地方団体間の調整に意を用いておるところでございます。派遣の方式、派遣職員の身分の取り扱いの具体的な内容について指導をいたしますなど積極的に対応してきたところでございまして、今後も引き続き被災地方団体のそれぞれニーズに的確に適応をして適切に対処をしてまいりたいと考えておるところでございます。
#47
○西川潔君 ありがとうございました。引き続きよろしくお願いしたいと思います。
 そこで、本日はお年寄りなど災害弱者に対する施策の具体的な取り組みについてお伺いをしたいと思います。
 被災された高齢者の中で何らかの援助を必要とする方々の実態が今どうなっているのか、厚生省にお伺いしたいと思います。
#48
○説明員(吉冨宣夫君) 被災地におきます援護を必要とされる高齢者の状況につきましては、二月から三月にかけまして地元自治体によります実態調査が実施をされております。
 その結果につきましては、神戸市では介助を必要とされる高齢者が避難所に四百九十八人、在宅で千百六十八人でございます。また、神戸市以外の兵庫県下の市町では保健指導やヘルパー派遣等の措置を講じました在宅の高齢者の方が二千九十五人、こういったような状況になってございます。また、四月の時点で二千名を超えます高齢者の方が兵庫県内外の施設に緊急に入所をされていらっしやいます。
 このような状況でございます。
#49
○西川潔君 新聞報道なんかでもしばしば取り上げられているわけですけれども、多くのお年寄りが老人ホームにショートステイという形で緊急入所なさっておられます。厚生省の方針では通常一週間から一カ月が限度のところということでございまして、相談に応じてくれるところもたくさんございますし、大体が三カ月をめどに各施設に入所依頼しているということでございますけれども、三カ月を現在は既に超過しておるわけです。
 そうした中で、例えば入所なさっておられるお年寄り御本人は大変日々の生活が不安だと思うわけですけれども、この先一体どうなっていくのかなと。また一方、施設側にとりましても定員をオーバーしている状態で被災されたお年寄りを引き受けておられるわけですから、二人部屋を三人部屋にするなど病院でいえば社会的入院のような措置をされておられるわけですけれども、定員がふえたままの状態でサービスの内容が十分にできるのだろうか、あるいはまた震災前から入所待ちをしておられるお年寄りの入所が進まないというようなことにもなっておるわけですけれども、非常に深刻な問題になっております。
 こうした問題の解決のために早急に具体策に取り組む必要があると僕自身思うわけですけれども、この対策についてもう一度厚生省の方にお伺いしたいと思います。
#50
○説明員(吉冨宣夫君) 今回の震災で被災をされました高齢者の方で特別養護老人ホーム等へ緊急に入所されている方につきましては、これまでショートステイの期間を弾力的に運用するということで、先ほど先生の方から期間を限定しているのではないかというような御指摘でございましたけれども、その期間につきましては特段設定をしないで弾力的に運用するという形で受け入れを継続しているところでございます。
 ただ、入所期間の長期化ということに伴いまして今後入所されている方の処遇体制の確保を図る、こういうことが必要でございます。そういうことから、新たに施設が整備されるまでの間は一時的な措置としまして定員の一割までの範囲で措置入所として取り扱って差し支えない、こういったような取り扱いとすることとしております。
 なお、定員を超えまして受け入れました場合でも、入所者に対しますサービス水準が低下しないように、職員配置基準でございますとかそういった点につきまして十分な配意をするように指導徹底をする、こういうことといたしております。
 また、こういった定員超過の状況につきましては、早期にその解消を図るべく施設整備の促進方につきまして地元自治体に対しまして指導、支援をしてまいりたい、このように考えております。
#51
○西川潔君 ありがとうございました。
 御説明では定員の一割増の入所を認める特例措置をとられているということですけれども、これも緊急的なものでございまして定員のオーバーの状態には変わりはないと思うわけです。サービスの面でも不安もございますし、本来は在宅の充実強化によりましてお家で過ごしていただけるわけですけれども、今回は震災の被害に遭われてお家がないということでございますので、やはり被災地におきましては老人ホームの増設あるいは増床ということが必要になってくるのではないかなというふうに思うわけです。
 各自治体における老人保健福祉計画の前倒し、これを可能とする財政支援が必要ではないかなというふうに思うわけですけれども、国としてどういった支援策を考えておられるのか、自治省、そしてまた厚生省にお伺いしたいと思います。
#52
○国務大臣(野中広務君) 今回の震災被害地のそれぞれの自治体におかれましては、今、西川委員が御指摘になりました老人ホームの増設かつ増床等のための老人保健福祉計画の前倒し実施について関係省庁において協議が行われておると聞いておるところでございます。
 自治省といたしましても、関係省庁における措置に対応しながら、地方負担額につきまして所要の財源措置を講ずるなど、地元の要望を十分踏まえまして支援措置を講じてまいりたいと存じております。
#53
○説明員(吉冨宣夫君) 今回の震災によりまして被災された高齢者の方など、新たに援護を必要とする方が増加をしてきておるわけでございます。このため、こういった方を支援するための保健福祉サービスの拡充ということが大変重要な課題ではないかと、このように認識をしているところでございます。
 このため、被災自治体では、老人保健福祉計画に基づきましたサービス提供基盤の着実な整備に加えまして、こういった援護を必要とします高齢者の方の急増ということに対応しますために、必要に応じまして施設の増設等を図っていく必要があるのではないかと、このように考えております。
 既に兵庫県の方からは、予定されておりました施設整備を前倒しをしまして整備をしたい、こういったようなことで協議をいただいております。
 厚生省としましても、こういった地元自治体の御要望、こういったものを十分踏まえまして、今後とも積極的にこういった自治体に対します支援をしてまいりたい、このように考えております。
#54
○西川潔君 どうぞよろしくお願いをいたします。
 次に、震災に乗じた犯罪防止対策についてお伺いをしたいと思います。
 今回、阪神・淡路大震災では補修などを必要とする悪質な訪問販売が暗躍をしているということでございます。
 具体的な手口といたしましては、新聞等々を読みますと、点検商法、見本工事、にわか業者ということでございまして、ひどいのになりますと点検商法、屋根のかわらがずれていませんか、点検をしましょう、点検するだけは無料ですからと言って入り込んでまいりまして、これは修理する必要がありますね、契約をいたしましょうと。かわらがずれていない場合でも、セールスマンが屋根の上に上がってセールスマンがずらして、そしておりてきて契約を結ぶという、こんな悪質なことが行われているということでございます。
 これはもう本当に踏んだりけったりということで被災者の方々は大変だと思います。そしてまた、アパートの入居の仲介詐欺とか現実にたくさんのことが起こっているわけですけれども、警察庁にこの実態を御説明いただきたいと思います。
#55
○政府委員(中田恒夫君) お答え申し上げます。
 今回の震災に際しまして、混乱なりあるいは被災者の窮状につけ込んでそれを食い物とする悪質な商法があってはいけないということは私どもとしても大変警戒をしておるところでございまして、発災後、復旧復興活動が緒についた段階で、私どもとしても警察庁におきましては緊急の通達を発してございます。
 単に被災地であります兵庫県警のみならず、事柄の性格上、全国の警察で取り締まりを最優先課題としてやりなさいということで取り組んでおるところでございまして、現在までに全国で二十二事件、四十四人を検挙しておるところでございます。
 その摘発例を通じて犯罪の手口といいますか、それらのものの代表例というようなものを申し上げますと、例えば兵庫県下の被災者に震災の救済対策で神戸市が家屋修理については補助金を出すということを決めたというようなことをだましまして、法外な値段で屋根がわら修理契約を締結するといった大阪の業者を訪問販売法違反で検挙している例とか、あるいはやはり屋根がわらでございますけれども、この修理契約で代金が法外に高額だったということで、大阪の被災者の方なのでありますが、解約を申し入れましたところ、その業者が解約するなら五十万円出せと、言うことを聞かなければ生駒の山に埋めたろかと、こういうようなことを申しまして契約解除に応じなかったというようなことでその大阪の業者を恐喝と訪問販売法違反で逮捕した事犯。それからまた、委員が今御指摘でもありましたが、被災地の避難所を回って、保証金を負担すれば先着順で百五十名の方に一年間家賃等が無料のマンションを提供するというようなことを偽りまして、被災住民からマンション入居を勧誘していたということで詐欺未遂で逮捕した事犯というようなものがございます。
#56
○西川潔君 毎日大変不安な生活をしておられまして、いろんな声を聞くんですけれども、あともう一分三十秒ぐらいで終わらなければいけなくなりましたので最後に一つ。
 御質問をいろいろさせていただきましたが、やはり地域の方々に正確な情報、そして今のような不安なことが日々の生活ではもうどうしようもないということをお伺いいたします。最後に今後のことを大臣にお伺いして、質問を終わりたいと思います。
#57
○国務大臣(野中広務君) 先ほど申し上げましたように、被災地方公共団体のそれぞれの施策につきまして、財政運営が困難を来さないように十分の対処をしてまいりますとともに、ただいま被災地において悪質な事犯がそれぞれ報告をされたわけでございますが、今後このような事犯が増大しないように今回の補正予算におきましても地方警察官五百人の増員の所要経費をお願い申し上げておるところでございます。
 委員が御指摘になりましたように、被災住民が安心して復旧・復興活動に従事していくことができますように諸対策を一層強力に推進してまいる所存でございます。
#58
○委員長(岩本久人君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
#59
○有働正治君 私は、日本共産党を代表して、地方交付税法の一部を改正する法律案に対する反対の討論を行います。
 反対の第一の理由は、本法案が、国の政策減税に伴う地方交付税の減額分を国の責任で補てんせず、実質的には地方の財源で補てんするものであり、国の責任放棄だからであります。
 今回の補正予算案による所得税八十億円、法人税千百億円の減収に伴う地方交付税の減額は、政策減税に伴う減額であり、その補てんは国の責任であるにもかかわらず、本法案では、形式的には国の一般会計からの特例措置で補てんされてはいるものの、同額を将来の国の一般会計から交付税特別会計へ繰り入れるべき額から減額することになっており、実質的には地方の財源で補てんするものであります。国の責任放棄と言わなければなりません。
 第二の理由は、地方財政の深刻な状況の中で、本法案のように、地方自治体へ犠牲を押しつけることは許されないからであります。補正予算に伴う地方債一兆千八百二十億円増発の結果、地方財政の借金総額は、九五年度末に百二十兆円近くまで膨らむ見通しであり、極めて重大です。地方に配分される交付税総額が自治、大蔵両大臣による地方財政対策で決定されることから、交付税の総額確保については国がその責任を負うべきものであり、今回のようなやり方が繰り返されることは許されません。
 第三の理由は、我が党の組み替え要求に対し、政府自身が補正措置という実質組み替えで対応すると言ってきた補正予算案について、当初予算全体を見直し、浪費・不要不急経費にメスを入れ、財源を確保し、抜本的な円高対策をとるなど抜本的な編成替えを行えば、その中で国庫負担による地方交付税の財源確保が十分可能です。にもかかわらず、政府は、みずからの言明にも反し、その努力もせず、地方財源の先取りによる国の責任回避、地方自治体への犠牲をつくり出しているからであります。
 最後に、地方財政の深刻な危機のもとで、政府はこれまでの政策を抜本的に改め、地方財政においても万全の措置をとるよう強く要求して、私の反対討論を終わります。
#60
○委員長(岩本久人君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。
 これより採決に入ります。
 地方交付税法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#61
○委員長(岩本久人君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#62
○委員長(岩本久人君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後七時散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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