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1995/02/21 第132回国会 参議院 参議院会議録情報 第132回国会 内閣委員会 第2号
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1995/02/21 第132回国会 参議院

参議院会議録情報 第132回国会 内閣委員会 第2号

#1
第132回国会 内閣委員会 第2号
平成七年二月二十一日(火曜日)
   午前十時開会
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         岡野  裕君
    理 事
                板垣  正君
                瀬谷 英行君
                寺澤 芳男君
    委 員
                井上  孝君
                岡部 三郎君
                久保田真苗君
                栗原 君子君
                高桑 栄松君
                永野 茂門君
                山下 栄一君
                吉田 之久君
                聴濤  弘君
                田  英夫君
   国務大臣
       国 務 大 臣
       (内閣官房長)  五十嵐広三君
       国 務 大 臣
       (総務庁長官)  山口 鶴男君
   政府委員
       内閣官房内閣外
       政審議室長
       兼内閣総理大臣
       官房外政審議室
       長        谷野作太郎君
       内閣総理大臣官
       房審議官     平野 治生君
       内閣総理大臣官
       房審議官     安藤 昌弘君
       総務庁恩給局長  石倉 寛治君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        菅野  清君
   説明員
       外務省欧亜局ロ
       シア課長     原田 親仁君
       厚生省社会・援
       護局援護課長   橋口 典央君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○恩給法等の一部を改正する法律案(内閣提出、
 衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(岡野裕君) ただいまから内閣委員会を開会いたします。
 恩給法等の一部を改正する法律案を議題といたします。
 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。山口総務庁長官。
#3
○国務大臣(山口鶴男君) ただいま議題となりました恩給法等の一部を改正する法律案について、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
 この法律案は、最近の経済情勢等にかんがみ、恩給年額及び各種加算額を増額することにより、恩給受給者に対する処遇の改善を図るほか、目症程度の戦傷病者に係る傷病賜金について支給要件の緩和を図ろうとするものであります。
 次に、この法律案の概要について御説明申し上げます。
 この法律案による措置の第一点は、恩給年額の増額であります。
 これは、平成六年における公務員給与の改定、消費者物価の上昇、その他の諸事情を総合勘案し、平成七年四月分から恩給年額を一・一%引き上げるとともに、普通恩給及び普通扶助料の最低保障額に係る七十五歳の年齢区分を廃止しようとするものであります。
 第二点は、寡婦加算及び遺族加算の年額の増額であります。
 これは、普通扶助料を受ける妻に係る寡婦加算の額を平成七年四月分から、他の公的年金における寡婦加算の額との均衡を考慮して引き上げるとともに、遺族加算の額についても、戦没者遺族等に対する処遇の改善を図るため、同年四月分から公務関係扶助料に係るものにあっては十三万一千九百円に、傷病者遺族特別年金に係るものにあっては八万四千九百五十円にそれぞれ引き上げようとするものであります。
 第三点は、目症程度の戦傷病者に係る傷病賜金の支給要件の緩和であります。
 これは、下士官以下の旧軍人で目症程度の障害を有する者に給する傷病賜金について、平成七年七月から、症状の固定が退職後三年以内であることを要しないこととし、第一目症については四万八千円を、第二目症については三万二千円をそれぞれ一時金として支給しようとするものであります。
 以上がこの法律案の提案理由及びその内客の概要であります。
 何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御賛同あらんことをお願いいたします。
#4
○委員長(岡野裕君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#5
○板垣正君 初めに、恩給の改善についてお伺いいたしますが、昨年年末、平成七年度の予算編成をめぐりまして、恩給の扱いにつきましても受給者の立場からいろいろな心配もあったわけでございます。特に、財政が極めて厳しい、かつ公務員の給与も例えばボーナスをカットするとか、こうした民間と相呼応しながら、必要やむを得ざる措置でございましょうが、そういう中で恩給の成り行きについてもいろいろな折衝の経緯があったとも承っておりますが、総務庁長官の格段の御尽力によって基本線を貫いて受給者も非常に安心いたしておるわけでございますが、改めてこの改善、増額措置についての総務庁長官の基本的なお考えと申しますか、姿勢と申しますか、承りたいと思います。
#6
○国務大臣(山口鶴男君) 板垣委員からお話がございましたように、予算編成の当時の状況は財政も極めて窮屈でございましたし、また公務員給与につきましても本俸につきましては一・二%程度の、給与自体は改善ではございましたが、ボーナスのカット等もございまして、大変状況が厳しかったことは御指摘のとおりでございます。
 しかし、恩給が国家補償的性格を有するものであるということを認識いたしまして、公務員給与の改定、物価の変動等諸般の情勢は考慮するわけでございますが、できる限り公務員の給与の改善率に近い形で恩給の改善を図りたい、私は政治家としてもそう考えましてそのような努力をいたした次第でございます。
 そういう中で、本年四月から一・一%の改善を行うことができました。今後ともやはり公務員の給与の改定にできるだけ近づける形で恩給の改善はすべきものであるというふうに考えておる次第でございます。
#7
○板垣正君 ただいま御回答のとおりにやはり恩給、関連する遺族援護法もございますけれども、いわゆる国家補償としての精神、理念、こういうのを歴代いろいろな形ではございますけれども、六十二年以来現在の総合勘案方式、これも厳密に言いますといろいろな意見はございますが、今、長官お話しのとおりになるべく公務員給与のアップ率に近づける、そういう姿においてやはりほかの年金とはおのずから違う、国家補償的な立場に立っての改善措置、こういうことで今回も御配慮いただいた。またただいま、今後もやはりこうしたあり方において改善を図っていく必要があるという今後に向けての御決意のほどもあわせて承りましたので、何とぞ今後の御配慮もよろしくお願い申し上げる次第でございます。
 次は、私も最近、現地に改めて行ってまいりましたが、阪神大災害、まことに突然襲った想像を絶する大災害でございまして、五千人を超す方がとうとい命を失われた、まことに痛恨のきわみでございまして、改めて追悼の誠を捧げ、また傷つかれた方、家屋を失いまさに路頭に迷うという悲惨な状態が展開されておる。こうした中で、政府当局また現地、まさに総力を挙げてこの救援・復旧の対策に取り組んでいただいておる姿もよく承知いたしております。
 そういう中でも、どうしても弱い立場の方にしわ寄せがいく。亡くなった方々にも高齢の方が非常に多いということは本当に痛ましい思いでございます。そういう意味におきましては、災害を受けられた方々ひとしく大変な御苦労をいただいているわけでございますけれども、私どもの立場では、なかんずくいわゆる恩給受給者、また後から厚生省の方にも伺いたいと思いますけれども、これらの方々の被災の状況。
 私も地元の遺族会等に参りましたけれども、局部的なことはいろいろ伺いますけれども、なかなか全体の状況等掌握しきっておらないし、またまだそこまで落ちついていない、こういうことでもございますが、恩給当局の方でいわゆる恩給受給者の方々の被災をされた状況等について、もし掌握しておられればその辺を伺いたい、こう思います。
#8
○政府委員(石倉寛治君) お答えをいたします。
 このたびの阪神・淡路大震災によりまして恩給受給者の方々がどの程度に被災されたかということにつきましては、いまだつまびらかにしないところが多々ございまして申しわけないのでございますが、しかし対象になります受給者が被災地に大体四万二千人ほどおられるということがわかっております。これらの方の中の相当の方が被害を受けられたと思われるわけでございます。このため、恩給局といたしましては今回の大震災の状況を踏まえまして、これらの方々の御負担にならないよう、また恩給受給に支障を来さないように適切な対応を行っているところでございます。
 各論として個々に申し上げますと、一つは、まず震災によりまして恩給証書を紛失された方につきましてでございますが、その旨の申し出をいただければ速やかに再交付するという体制をとってございます。また、恩給を担保に国民金融公庫の融資を希望される方がございます。この方々に対しましては、恩給証書を紛失している場合もございます。その場合には、この融資の申請と同時に恩給証書の再交付ができるように、同時に処理ができるように考えているところでございます。
 それから二番目に、被災地域に居住している方の恩給受給権調査というのを生年月日ごとにやっておるわけでございますが、申し立て書の提出期限の延長などによりまして被災者の負担をできるだけ軽減したいと考えておるところでございます。さらに、被災地域に居住されている方から恩給申請がございます場合には、できるだけ早く対応したいと考えております。
 今後の対応でございますけれども、このように今回の大震災により被災された恩給受給者の方々につきましては、事務手続について被災者の負担の軽減を図ることは当然でございますけれども、今後とも受給者の方々からの相談や照会、こういったものには親身になって対応をするなど、被災者の立場に十分配慮して事務を進めていくという覚悟でございます。
#9
○板垣正君 一層の御配慮をお願いいたしたいと思います。
 厚生省はお見えですね。こうした戦没者あるいは傷痍軍人その他、いわゆる戦傷病者遺族等援護法のかかわりでいろいろ関係の方もおられるわけでございますが、今、恩給局に伺ったのと大体同じようなことで現地の状況をどういうふうに認識しておられるか、またどういう措置を講じておられるか伺いたいと思います。
#10
○説明員(橋口典央君) お答え申し上げます。
 兵庫県の被災地域におきます年金受給者の方々は千二百四十八人というふうに把握しておりまして、このうちお亡くなりになりました方々、これは当方で保管しています居住者リストと新聞報道との照合によりまして、二月十一日現在で八名というふうに承知しております。
 それから二点目の、年金受給の手続上どのような対応をしておるかという御質問でございますけれども、厚生省といたしましては年金受給の手続上、極力被災者の方々の御負担にならないよう、また年金受給に支障を来すことがないよう対応していくこととしております。
 具体的には、先ほど総務庁の方から御説明がありましたこととほぼ同じでございますけれども、年金証書を紛失された方につきましては、これは郵政省と協議いたしまして、兵庫県下の郵便局でございますとどこでも本人と確認した上で申し立て事項を郵政省の支払い資料及び厚生省が提供いたします受給者資料と突合、確認いたしましてお支払いするということにしております。
 それから、年金証書を紛失された方からその旨申し出ていただきますと速やかに援護年金証書を交付することとしておりますけれども、例えば年金証書を担保に国民金融公庫の融資を希望される方が証書を紛失されている場合には、公庫の支店または代理店で証書の再交付の申請を同時に行えるように被災者の方々の便宜を図っているところでございます。さらに、被災地域に居住している方かもの援護年金請求に対しましては迅速に対応することとしております。
 なお、兵庫県の被災地域の受給者の方々に対しまして、去る二月十三日にお見舞い状を発送申し上げましたところでございますけれども、今後とも被災された方々からの御相談、お問い合わせには十分に意を用いてまいりたいというふうに考えております。
 以上でございます。
#11
○板垣正君 一層の御配慮をお願いします。
 厚生省にもう一件伺いますが、平成七年度のかかわりですけれども、終戦五十年に当たって、改めて年金等を受けておられない遺族に特別弔慰金を差し上げる、こういうことで手続はこれからでございますけれども、これは兵庫県下では大体どのくらいの受給者、権利者がおられるか。また、これは相当膨大な手続になってくると思いますけれども、今度の被災というようなこと等のかかわりで特に考えておられることがあるかどうか、その点を伺いたいと思います。
#12
○説明員(橋口典央君) お答え申し上げます。
 ただいま先生から御指摘のありました特別弔慰金につきましては、二月三日の閣議決定によりまして国会の方に届けさせていただいたところでございますけれども、具体的にどのような手続をもって対応していくかは、国会での御審議を受け法律が成立してからの検討になろうかと思います。
 今おっしゃいました特別弔慰金の受給者は全国で百五十一万件を予想しておりますけれども、このうち具体的に被災地の方にどのくらい充てられるかについては現在のところ数を持ち合わせておりません。しかしながら、ただいま先生のおっしゃいましたような御趣旨は、現在年金等について対応しております方向で十分意を用いてまいりたいというふうに考えております。
#13
○板垣正君 ぜひ対処をお願いいたします。
 次に、恩給全般のことでお伺いしたいと思います。
 資料によりますと、ことしの七年度の恩給費は総額で一兆五千九百九十二億ということでございます。今まで一兆六千億という台がずっと続いてまいりまして、これは予算の中でも相当な割合を占めるわけでございますけれども、いずれにしましてもそういう膨大な受給者、広い意味における戦後処理と申しますか、そういう中でついに一兆六千億台を割ったというのはある意味の感慨を持つわけでございます。
 それで、今回の場合、もちろん昨年増額措置がとられた増額分とか、あるいはことしの予算に組んでいただいた、ことしの増額措置でも百三十六億の新たなる措置をとっていただくわけではございますけれども、受給者が約四万七千人の減が見込まれるということで、その減額分というのが年間五百九十億円、こういうことで差し引き一兆五千億台、こういうことでございます。
 そこで、今後どういう見通しに立っておられるのか。つまり受給者、普通恩給なり公務扶助料なり傷痍軍人関係なり等ございます。あるいはこれらの方々の現在の平均年齢、そして今後の三年なり五年なりの見通しで恩給全体のスケールというのはどういうふうな推移を見るであろうか。その辺について当局に御検討中であれば伺いたいと思います。
#14
○政府委員(石倉寛治君) 今後の受給者の見通してございます。
 恩給受給者の失権による減少等をどのように見込むかというのは、推計はなかなか難しゅうございますが、仮に平成七年度の予算において見込んだ人員等を基礎にいたしまして厚生省の簡易生命表で機械的に推計いたしますと、三年後で約百七十万人、五年後で約百五十万人、十年後で約百二十万人と見込まれております。平成七年度では百七十七万七千人で予算を組んでございますので、こんな形で推移していくのではないかというふうに考えております。
 なお、受給者の平均年齢は徐々に高齢化をいたしております。平均年齢七十六歳に達しているというふうに考えております。
#15
○板垣正君 現在の公務扶助料、その受給者、あるいは恩給の区分別の受給者の数がもしわかれば教えていただきたいと思います。
#16
○政府委員(石倉寛治君) 普通恩給で七十三万二千人でございます。これの恩給額が四千八百億円でございます。それから傷病恩給が七万八千人でございまして、千六百億弱でございます、それから扶助料等でございますが、これが九十六万七千人、これで九千五百六十億ぐらいになります。合わせまして先ほど申しましたように百七十七万七千人、恩給額でいきまして一兆五千九百六十三億円になるわけでございます。
#17
○板垣正君 普通扶助料九十六万とおっしゃいましたね。いわゆる普通扶助料ですね、普通扶助料があり特例扶助料があり公務扶助料がありますから、その辺わかったら教えてください。
#18
○政府委員(石倉寛治君) 普通扶助料の受給者が六十五万五千人でございます。それから、その他の扶助料の方々を合わせまして九十六万七千人になるということでございまして、個々にもう少し詳しく申しますと公務扶助料だけで二十六万一千人、それから増加非公死の扶助料で二万三千人、特例扶助料で七千人、それから傷病者遺族特別年金で二万一千人、こういう内訳になってございます。
#19
○板垣正君 わかりました。
 援護法関係の遺族年金、傷病年金等の受給者、こういうことについて今伺ったと同じようなこれからの見通し等を伺いたいと思います。
#20
○説明員(橋口典央君) お答え申し上げます。
 遺族援護法による援護年金対象者数は平成六年九月末現在で約六万四千人でございます。
 今後の見通しということでございますけれども、受給者の死亡により完全に失権されまして年金受給者が減る場合と、それから次の順位の遺族が受給されるようになります場合で数が変わらない場合がございますので、減少数をどのように見込むか等困難な要素もございますけれども、仮に受給者数を平成七年度予算案における受給人員を基礎といたしまして予算要求時の推計方法によって機械的に推計いたしますと、三年後には四万九千人、五年後には四万三千人、十年後には三万一千人になると見込まれます。
 以上でございます。
#21
○板垣正君 その中の戦没者の遺族のいわゆる遺族年金ですね、遺族年金についての数字がもしわかれば教えていただきたい。
#22
○説明員(橋口典央君) 遺族年金の受給者が、今申し上げましたのは遺族年金が七年度予算で約三万七千人ということでございます。この推計は特に個別的にはいたしておりません。
#23
○板垣正君 改めて総務庁長官、今、当局からそれぞれお話がありましたとおりに受給者の高齢化も進んでおりますし、しかも逐次予算的にもピークを過ぎているといいますか、それだけに今後の措置についても、財政は依然として非常に厳しいし、また戦後五十年もたったんだからもうこの辺で特別扱いは要らないんじゃないかというふうな論議も一部にあるやにも聞いておりますけれども、やはりここまで積み重ねていただいた国の施策として、こうした受給者の立場、国家の基本姿勢に立って、国家補償の理念を貫いて今後さらにこれらの方々に対する改善措置についての総務庁長官としての御信念を承り、終わりたいと思います。
#24
○国務大臣(山口鶴男君) 委員御指摘のように、我が国の経済、財政は、国におきましても二百兆円を超える公債、また地方財政におきましても百兆円を超える地方債というものを抱えております大変な事態であるということはもう御指摘のとおりでございます。
 しかし、恩給受給者の方々は年々高齢化し、また数も低減をいたしておるという状況もございます。また、恩給が国家補償的な性格を持つということは先ほどお答えもいたしましたとおりでございます。しかも、この受給者の皆さん方はいずれも過去におきまして大変な御苦労をいただいた方であり、またその御家族でもあるということを考えますならば、やはり恩給の国家補償的性格というものは堅持をいたしまして対応すべきものであるというふうに考えておる次第でございます。
#25
○板垣正君 ありがとうございました。よろしくお願いいたします。終わります。
#26
○瀬谷英行君 恩給の金額は年々変わってきているわけですけれども、私の父親が明治の終わりのころに郵政関係のところに職を奉じて、昭和二十年、終戦の年に退職をしているんです。そして恩給をもらうことになったんだけれども、御承知のとおり昭和二十一年、二十二年と、あのころは毎年どんどん物価が上がりました。その物価に比べてもらう恩給というのは、今具体的に覚えていませんけれども、これはひどいじゃないかというふうに私は言われたんですよ。これじゃもらいに行く足代の方が余計かかってしまうというようなそういう意味のことを言われた記憶があるんです。恩給がこれでいいんだろうかという疑問をあのころ持ったんですね。自分が恩給をもらうなんて年はまだまだ先だと思っていたんですけれども、恩給受給者である父親から言わせれば、これはひど過ぎるという一語に尽きたわけです。
 そこで現在、例えば三十年なり四十年ぐらい、いろいろ仕事はあると思うけれども、平均して公務員として仕事をしてきた人が一体どのくらいの恩給をもらっているものか、概算で結構なんですけれども、わかったら教えていただきたい。
#27
○政府委員(石倉寛治君) お答えをいたします。
 普通恩給につきましては、平均年齢が七十六・三歳になってございまして、平均年額で六十二万五千円でございます。あと、いわゆる増加恩給で見ますと七十五・四歳で三百二十五万八千円でございます。これは傷病者の場合でございます。それから公務扶助料、戦死者の遺族でございますが、もう奥様の年齢ですが、七十九・六歳で百八十六万四千円、大体こんなところが目安かと存じます。
#28
○瀬谷英行君 私も七十何歳の口になっているんで、もし人生航路が変わっておったならば、普通の一般的な恩給受給者であったらどのぐらいもらえるようになっているのかなということが見当つかなかったんです。今聞いて、これは平均ですからいろいろ差があるでしょうけれども、終戦直後のころの恩給というのはともかく全然上がらないと言ってもいいぐらいわずかだったですね。そのことだけを覚えているんですよ、金額が当時の物価に比べてどのぐらいだったかということは覚えていないけれども。だけれども、ああいうことがあってはいけないという気がするんです、今後の問題として。現在いろいろなものを加算して年にどのぐらいもらえるかということをお聞きしたかったわけでありますが、あのころほどひどくはないということだけはわかりました。
 この機会に、災害地の恩給受給者が四万何千とかいうふうに言われましたけれども、それらの方々は、中には家屋を失って無一文になってしまった、住まうところがない、これから家を建てるということになると、家一軒建てるにはそう簡単な金じゃできないわけです、仮に土地があったとしても。そうすると、それらの人たちはどうやって住まいを確保することができるんだろうかということをちょっと考えてみると、これは大変だなと思います。それから、マンションに住むとか公営住宅に入るとかというような方法で一時しのぎをするにしても相当な金がかかるだろうというふうに思いますが、そういう被災者に対する措置というものは現状はどんなことが考えられているのか、これもお伺いしたいと思います。
#29
○国務大臣(山口鶴男君) この点につきましては、今、村山内閣といたしまして、阪神・淡路大震災の復興に全力を挙げるということで取り組んでおります。
 御案内のように、仮設住宅につきましては三月までに三万戸を建てるということで仕事をいたしておりますが、三万戸でも不十分だということで四万戸にこれをふやしまして、そのための用地獲得に今懸命に努力をいたしておるという状況でございます。それから御指摘の家屋が破壊された、あるいは消失をした、あるいは大きな損傷を受けたという方々に対する住宅金融公庫等の融資の問題につきましても、これはできる限り従来よりは有利な状況で対応すべく、今その措置につきまして小里地震担当大臣を中心にいたしまして全力を挙げて努力しているということでございます。
#30
○瀬谷英行君 こういう前例のないような大地震だったからこそ地震大臣ができたわけです。しかし、あらかじめ想定できないんです、こういう大地震は、大地震に限らずそうですけれども。ところが、一月十七日の神戸の場合は早朝に突然大地震に見舞われた。
 よく初動のおくれ云々ということが言われるんですけれども、考えてみると、初動のおくれとかなんとか言ってみても、現地では消防関係者も警察関係者も、あるいは県庁、市役所、区役所といったような地方公務員にしても、水道とか電気、ガス、医療施設関係、これらの人たちが同じように地震に揺さぶられたわけだし、同じようにやはり家がつぶれたり家族に死傷者が出たりという人が出ているわけです。
 そうすると、それらの人たちが持ち場持ち場へ集まってきて応急の出動態勢を組むのに果たしてどれだけの時間がかかっただろうか、またどれだけのパーセンテージでもって対応する人が集められただろうかということになるとそう簡単にはいかないだろうということは容易に想像はつくわけです。だから、そういう場合に一体、応急処理の指揮系統といいますか、これはどういうふうになっているのか。これは今後も考えなきゃいけないと思うんです。
 自衛隊に早く出動を要請しろと、自衛隊はすぐ出たのかどうかいろいろ言われます。だけれども、自衛隊といえども本職が消防でもなければ工事関係者でもないわけですね。だから、すぐ出てこいと言われたってどこへ行って何をするのか。例えば火災がひどい、もし火災がひどいとすれば、どことどこに火災が起こっているのか。道路が壊れた、あるいは鉄道が壊れた、通信機能も麻痺してしまったと、こういうところに、どこに行って何をしろということがわからない場合には、自衛隊が仮に駆けつけたとしても、一体どこから手をつけて何をしていいのかということがわからないという気がするんです。
 これは、こういう場合にはどこが中心になって災害対策を指揮することになるのか。各省庁別にはいろいろな、例えば鉄道で言えば運輸省もあるし、道路で言えば建設省もあるし、いろいろあるんですけれども、地震対策の組織ができたのはこの災害の後ですから。その点、一体どういうふうにすればいいのか。当時はどうだったのかということを初動のおくれという一つの大ざっぱな批判とあわせてお答えいただきたいと思います。
#31
○国務大臣(山口鶴男君) 今回の阪神・淡路大震災発生の際の初動の態勢が大変おくれたのではないかというような御批判はしばしば国会等でございました。政府といたしましては、反省すべき点は反省し改善すべきところは改善するということで今日までまいったわけでございます。
 率直に申しまして、今、委員御指摘のとおり、あの震災が発生しました際、自衛隊に要請すべき兵庫県庁、知事にいたしましても、幹部職員、その他一般職員にいたしましても、また神戸市の市長及び幹部職員にいたしましても、消防その他の人たちにいたしましても、また警察官及び警察職員の方々にいたしましても、それぞれの方々が皆被災者であったわけでございまして、なかなか知事や市長さん、あるいは幹部職員等の方々が県庁、市役所等に参集するのに大変な苦労があったということを私ども聞いておるわけでございます。そういうわけでございますから、貝原兵庫県知事が自衛隊に対して出動を要請したのは午前十時であったと、これはそういった意味でのやむを得ざる点だったのではないだろうかと一面思っております。
 県庁と災害発生地が離れておったところ、例えば北海道で昨年、一昨年大きな地震がございました。この場合、北海道庁及びその知事、幹部職員の皆さん方は被災者ではございませんでしたから、十八分後に自衛隊に対しては北海道知事の場合は出動要請もいたしたそうでございます。
 ですから、そういう意味で村山総理が社会党であるから出動要請がおくれたとかというようなことは全くないわけでございますし、要は出動要請をすべき方々が集まって、しかも御指摘のような指揮命令系統をきちっとして、そして要請すべきことは要請するという対応ができたかどうかというところに私は問題があったというふうに思っておる次第でございます。
 したがいまして、これからはそういった県庁所在地等が直下型地震で襲撃された場合の危機管理体制、これを一体どうするか。その場合の通信、例えば電話通信等も大変混乱をしたそうでございますし、それからまた気象庁、観測所から地震の状況等につきましての報告等も通信施設が途絶えたりいたしましたために大変おくれた等々の問題もございますが、いずれにいたしましても、防災対策、特に通信網の整備につきましては今後きちっと努力をいたすと同時に、決して何と申しますか、これからは自衛隊法を改正して、要請がなくても出動できるようにしたらどうかというようなことは、これは私はすべきではないと思っております。やはり地方自治体が消防にしろ警察にしろ対応しているわけでございますから、そこと関係なしに自衛隊の方が出動しましても、これはなかなか仕事がはかどるはずもない。したがいまして、日ごろから地域防災計画をきちっと立てて、そうして県と、あるいは市と自衛隊その他の機構とが、絶えず地震等が発生した場合にどのように連係プレーを行うかというような日ごろの訓練をきちっとやっておくということが何よりも必要ではないだろうか。
 そういう意味では、これからの防災計画をきちっと樹立いたしますと同時に、また官邸におきましても、官邸の機能を強化いたしまして官邸が危機に対してきちっと対応できるそういった仕組み、体制というものを確立すべく今、官房長官を中心にして懸命な努力もいたしている次第でございます。本日の閣議におきましても、一応そのような形で今、各省間の話し合い、体制づくりに努めておるという趣旨の報告も官房長官からございました。そういうことをきちっと着実に進めていくことが必要であるというふうに認識をいたしております。
#32
○瀬谷英行君 幾ら遅滞なく行動せよと言ってみても、地震の起きる前から行っているわけにはいかないんですからね、これは。かといって自衛隊を県庁や市役所に常時駐屯させておくわけにもいかない。自衛隊が行こうと思っても道路が壊れて中に入れないという事態もあるだろう。そういうことを考えたならば、地震というのはいつ何ときどういう状況のもとで起こるかわからないということなんですから、不意打ちの場合には一体どこが要請をしたり、あるいは行動の指揮をしたりしたらいいのかという指揮系統を明らかにしておかないと、いざという場合にごたごたするだけだというふうに思います。それらの点を勘案して防災対策というものを講じておかないと、これはいざという場合には役に立つまいというふうに思います。
 今回の神戸の大地震においていろんなことがあったと思いますけれども、今後のことを考えたならば、中心をどこに置くのか、だれが指図をするのかといったような、それこそ軍隊の指揮命令のような格好と似た迅速な行動の指示を与え得る体制というものを整えることが必要だろうというふうに思われますが、その点について、各役所別に言うと担当の役所はいっぱいあるわけですからどれに聞いていいかわからないということになるので、そこで総理府とすれば、それらの取りまとめということを考えて今後の対応策を考えておいたらどうかというふうに思うわけでありますが、その点についての御意見をお聞きして、私の質問を終わります。
#33
○国務大臣(山口鶴男君) 今回の事態を反省いたしまして、やはり問題点は、それぞれの部署における入手した情報が的確に総理官邸に集中するというシステムにおいて欠けた点があったんではないかと反省をいたしております。
 したがいまして、総務庁としましては、昨年十二月二十五日の行革大綱の閣議決定の際に、行政通信網の整備の計画についてあわせて決定をいたしました。行政の情報を一貫して統一的に運用するようなシステムをきちっといたすことが、今申し上げましたように情報が的確に総理官邸に集中するということになるのではないかと思っております。総務庁としてはそのような努力をいたしますし、また官邸におきましては官邸において、官邸がこういった事態に即応できるような官邸機能の強化について努力もしている。両々相まって今回の震災に対する教訓を生かすということにいたしたいと考えておる次第でございます。
#34
○吉田之久君 今、阪神大震災に対する対応の仕方、いろいろ問題が提起されておるところでございます。したがって、まずその問題からお尋ねいたしたいと思います。
 確かに長官がおっしゃるとおり、指揮命令系統が直ちには確立てきなかったという事情はよくわかります。要請なしに自衛隊が出動できないということも大事な定めてございます。しかし、そういう指揮命令系統が確立てきないほど急な大変な震災であったということも証明されているわけでございます。神戸であのような状態でございますが、もしも東京で同じような地震が起こったときに、そして官邸もがたがたになったときに一体どうするんだろうかというのが国民の重大な不安でございます。
 だから私は、平時におきましてはあらゆる手続が完璧にとられ、そして閣議が開かれ、官庁ともよく連絡をとり、地方自治体とも緊密な提携を保ちながら事を進めるというのは極めて立派なことだと思うのでございますが、とっさに家が崩れ、人が死に、火災が起こっておるときに丹念に延々と民主的な手続をとっておるだけで本当に国民の生命、財産は守られるのであろうかという重大な問題に今、国家自身が直面していると思うんです。
 そこで私は、いろいろ官邸のシステムを強化されることは非常に重要でございますが、幾ら強化したって命令が届かなければどうにもならない。だから、ああいう場合には可及的速やかに総理みずからが、今はテレビの時代でありますからテレビの前に出て全国民に告ぐ、重大な事態が起こった、自衛隊は直ちに出動してもらいたい、あるいは警察も消防もあらゆる行政機関も範囲を超えて対応できる限りの対応を急いでくれ、一切の責任は総理大臣である私が負うという決意を表明して指示されればまさに立派な指示要請だと思うんです。そうでもしないと、民主主義は残ったけれども国家は滅んでしまうというようなことがあり得ると思うのでございます。
 台風の場合ならば予知できます。昔の空襲ならばちょっとわかります。しかしこの地震というものは、あるいはこれからのミサイルがいつ飛んでくるかもしれないというこういう国際情勢下において、単に手続的な民主主義だけがすべてであろうかという点で非常に私も疑問を感じておるわけでございますが、その点いかがお考えでございましょうか。まず山口総務庁長官。
#35
○国務大臣(山口鶴男君) これはもう関東大震災クラスの東京直下型地震、それが起きましたということを考えました場合は、これは大変な事態であるし、またそれに対する備えを一体どうするかということは今から考えておかねばならぬ重大な課題だというふうに認識をいたしております。したがいまして、この今の永田町の官邸以外に防災の司令室をどこに置くかということで立川等に対する備えもあるようでございます。しかし立川には活断層もある、それでは一体どうするかというようなことについても検討いたしていると思います。
 いずれにいたしましても、東京が直下型地震に襲われた場合を想定いたしまして、それに対する備えを今のうちからきちっとやっておくことが必要であると思いますし、それからまた先ほど情報が官邸に集まる機能をきちっとすることが必要だというふうに申しましたが、今回の場合は、官房長官もおられるわけでございますが、なかなか的確な災害の状況が官邸に届くという状況でなかった点はこれは大変残念なことである、これは改めなきゃいかぬと思っておりますが、そういうシステムをきちっとしておけば、委員が御指摘のようにそのとき総理大臣が的確な対応をもするということも可能であろうかというふうに考える次第でございます。
#36
○吉田之久君 この点、官房長官も同じお考えでございましょうか。
#37
○国務大臣(五十嵐広三君) 今度の場合に一番問題であったと思いますのは、災害が発生する、このときの震度六というような情報はすぐ入るわけなのでございます。しかし、例えばこの間の三陸はるか沖地震の場合も震度六なんですね。震度六でもどれだけの災害の規模であるかということの把握は、やっぱりそれぞれの地震の状況によって違うわけですから、これをどう早くおよその規模というものを掌握するかというところが一番大事であったが、これが難しかったということだと思うのです。
 御承知のように、五時四十六分に地震が発生して、テレビでこれはどなたもごらんになっていたと思うのでありますが、七時になりましても例えば死者の数なんというのは出てこないわけですね。しかしこれもまた当然の話で、我々はちょっと地震の規模というのは死者何人ということでまず感じようと思うのでありますが、しかし死者の数というのは警察が死者を確認して発表することになりますから、これはずっと後になるわけであります。
 あの日、一月十七日十二時のNHKの発表で二百三人というのが出ているんですが、その時点でもそのぐらいのものなんですね。ですから、ましてあの七時、八時、九時ぐらいの状況というのは、どの程度の災害の規模なのかということの状況把握がなかなか困難であった。しかも、今ほど首都についても触れられましたが、そういう意味でも我々は大変反省材料にもなるし参考にもなると思いますのは、県都である神戸が直撃をされて、県庁も市役所も、そういう意味ではそういうところ自身が、司令塔がいきなり被害を受けていたということ等もあってなかなかそこの状況の把握というものも困難であった。
 これは、たしか三日ほど前のNHKで、二時間ぐらいの特集番組を組んで非常に詳細に報道されておりましたので、これはあるいはごらんになっているかと思いますが、私も見て大変勉強になったのであります。そこら辺が、つまり初期の地震災害の規模の把握というのが一番大事であり、これが十分に行えなかったという点が最大の問題であったというふうに思うのですね。
 これは、この間アメリカのFEMAのウィット長官がおいでになられていろいろお話をしたんですが、FEMAなんかの場合にはFEMAなりにいろいろなことを考えていて大変参考になることが多うございました。
 今度、けさの閣議で決定をいたしまして、即日きょうから実施をしようということにいたしました即応体制では、例えば震度五以上になりましたら自衛隊も警察も消防も海上保安庁も所有するヘリはできるだけ早く上空に上げて被害の状況を把握するように努める、そういうようなことも直ちにさせよう。それから、実は意外に民間で公共的な仕事をしているところの諸機関が早期にいろんな情報というものを掌握している。これはNTTであり、JRであり、あるいは電力ですね。ここらのところというのは、私もきのうも関西電力の秋山社長から直接いろいろお話を聞きましたが、非常にきちんとした情報の掌握の仕方をしておりますので、これら民間の情報というものを直ちにこれも我々の方でいただくようなシステムに今度したのであります。そうしますと、非常に多元的で立体的な情報の把握ができて、かなり早期に地震の規模の把握ができるということもありますので、そういうこと等を今懸命に努力しているところであります。
#38
○吉田之久君 官房長官のおっしゃることは一々よくわかります。ただ、あなたあるいは今の政府のそういう考え方は旧来の考え方から一歩も出ていないと思うのです。もちろん死者の数は大事であります。しかし、死者が出始めたということぐらいは直ちにわかるはずでございます。高速道路がひっくり返っちゃった、新幹線が壊れた、それだけでも異常な事態だということはだれでも直観できるはずでありまして、死者が百人なのか千人なのか、そんなことを考える前に、これは……
#39
○国務大臣(五十嵐広三君) いや、そのことを申し上げているんです。
#40
○吉田之久君 だから異常、緊急事態だということ、まずこの認識ですね。だから今までの起こった災害は一応それまでの教訓として、しかし今度の災害から改めて抜本的にいろいろな対策を講じ直す。ヘリの活用も大いに大事だと思います、陸路が遮断され、海路が封じられたらそれしかないんですから。そのとき、今日、日本の自衛隊や警察や消防あるいは民間のヘリがこういう災害時を想定したときに、これで十分なんだろうかということも検討しなければなりません。
 私は大ざっぱに言って、かなり大型のヘリを、できれば緊急に日本じゅうのいろいろそういう各分野で総合して一万機ぐらいのヘリを用意して、各小さな県でも百機ぐらいはあると、そこらを総合すればかなりのいろんな緊急援助ができるはずでございます。今までは自衛隊の出動を要請するにしたってその自治体の長が要請しなきゃならない、これは原則としてわかります。
 しかし、こういう直下型の大震災が起こったら、一つの町で考えれば、一軒の家がもう一遍につぶれて燃えているんですね。そこのあるじが助けてくれと言わない限り助けないのかと。隣家が、自治会会長が直ちに緊急体制をとるはずでございました。だから、国家という枠の中で、あれほどの大都市周辺がごそっとやられた場合には知事の要請を待っているとか、それじゃ間に合わないと思うのですね。そういうときのために総理大臣がおると、自衛隊の最高の指揮責任者がおるんですから、これ以上の人はいないんですから。
 そういう非常事態のときにどうするかということを考えないと、幾らデータを早くとったって指揮命令しなかったら、また日は、時間はたっていくわけでございます。その辺はひとつよくお考えいただかなければならないと思うのでございます。
#41
○国務大臣(五十嵐広三君) 前段の方のお話はそのとおりでありまして、実は今度即応体制の状況、先ほども御説明したようにこんなのは黙っていてもヘリが飛ぶようにしよう、あるいは民間の情報、これも今まで全然やってないですから民間の情報も全部とるようにしよう。それから当直体制も強化して、あるいは災害専門官も入れるようにしよう。こういうようなこともとりあえずできることはもう今の法律体系、制度でできることなんだから、やれることはもうとにかくどんどんやろうということをけさ決めて即刻実施していこう、こういうぐあいに思っているんです。
 それから、今の指揮命令のことでありますが、本当からいえば災害の現場近くにいる人が一番早いわけなんですから、知事が決められないんなら総理が早く決めろというのもこれも本当は変な話で、総理よりは知事の方がずっと現場の近くにいて本来であれば直ちにそれは状況を目の前に見ながら自衛隊に要請できるという筋のものなんですから、そこがそうでなかったというところには、ここもお話しのように一つの重層的な指揮命令といいますか、そんなものも要るのかなということなんであろうと思いますが、原則はやっぱり災害の近くにあるところで直ちに指示し行動ができるということが一番僕は好ましいことだというふうに思っているわけなんです。
 それから、例えばアメリカのFEMAあたりの話を聞きますと、やはり一定の災害がありますと、命令を受けるとか受けないとかじゃなくて、そんなものは全部現場のところに即応体制の責任が行っておりまして、もう直ちにそこで、来るも来ないもない、自分たちで動くというような状況になっている向きもFEMAの体制ではあると思いますが、その辺のところをまた参考にしながら、実はきょう、総勢で七、八名ぐらいになりましたか、FEMAに実態調査に出発をいたしたところでありまして、その結果なども参考にしながら、なお強化していきたいと思います。
#42
○吉田之久君 いろいろ御検討いただいている点はよく承りましたが、知事といえども、知事も死んでしまうときもありますし、総理だってやられるときはあるんですから、そんなときにどうすると。あらゆる異常事態を想定して指揮命令系統を直ちにとれる、ほとんど自動的にとれるという体制を改めてひとつ御検討いただきたい。またの機会にいろいろと論議をいたしたいと思います。
 ところで、きのうの夕刊でフランスの第二次大戦の五十周年記念を五月八日にやる予定でございまして、この式典に日本を招待しないと書かれております。いろいろ理由は、日本はまだこの時期では交戦中だったとか、あるいはロンドンもモスクワも呼んでいないとか、それから気になりますのは、「米国がこの九月に準備している第二次大戦の終戦五十周年の式典への招待に日本政府が困惑しているなどの理由から、招待しないことを最終的に決めた。」、こう書かれているわけでございます。
 私個人としては招待してくれなくったって別にどうということはないと思うんですが、何かひっかかるものがあるんですね。なおフランスは日本に何かのこだわりを持っているんだろうか。あるいは一遍に聞いて恐縮ですが、アメリカの方の記念式典が行われます場合に、九月二日の対日戦勝記念日等が予定されておるようでございますが、招待があれば日本はどう対応するのか、ちょっとその辺のところをお聞かせいただきたい。
#43
○国務大臣(五十嵐広三君) フランスの式典につきましては、まだフランス側からは公式な話は来ておらないのであります。
 いずれにいたしましても、今年は五十周年でありますし、さまざまな国でさまざまな行事が行われる。それらに関連して招待のある場合もありますしない場合もあろうというふうに、これは我が国だけではなくていずれもそういうことであろうというふうに思いますが、やはりその場合にその国、それからその式典の行事の内容、目的、あるいは参加する国々等を十分に我々としては吟味して参加すべきと思われるところには参加をする、あるいはこれは遠慮した方がいいと思うところがあれば遠慮する場合もあるというふうに思いますので、そこは我が国の主体的な判断でそれぞれ識別をしたい、こういうぐあいに思います。
#44
○吉田之久君 次に、恩給の問題についてお伺いをいたします。
 先ほども同僚委員の御質問がありましたときにお答えいただいておりますが、だんだんに恩給受給者が減少する、百八十二万五千人がことしは百七十七万八千人になる、一年間で四万七千人減じた。それで五年先、十年先の見通しも先ほど御答弁がありましたけれども、平均年齢が七十六歳でございますか、そうなりますといかに長寿大国でありましてもここ十年、二十年の間に加速的に受給者が減っていくと思われます。
 そこで、いろいろと改善措置を講じられておられることは非常に結構でございますが、私は一番気になりますのはシベリア抑留者の問題でございます。いろいろロシアの方からは労働賃金証明書を送ってきたようでございますが、これを政府は正式に受領されたのでございますか。また、どう対応しようとなさっているのでございますか。
#45
○説明員(原田親仁君) お答え申し上げます。
 労働証明書の発給の件でございますけれども、ロシア側から、ロシア政府の決定に従いまして個人の要請に基づいて抑留されている期間の労働証明書を発給しているとの通報を受けております。
 労働証明書に関します政府の基本的な立場というのは、このような証明書を発給するか否かは第一義的には抑留国であるロシアの問題であって、この証明書に基づいて抑留者の所属国たる我が国が抑留者に対しまして労働賃金を支払うこの国際法上の義務を負うことはないということでございます。このような点につきましては既にロシア側に対しまして通報済みでございます。
 また、ロシア外務省としましても、労働証明書の発給につきまして我が方に通報するに際しましては、労働証明書の発給の事実を単に伝達するだけであって、ロシア側として我が国に何ら新たな措置を求めるものではないという説明をしております。
#46
○吉田之久君 ロシア側の説明は別といたしまして、我が国の経過から申しますと、日本人の捕虜の労働賃金はアメリカ、イギリスなどいずれも抑留国が発行した証明書によって日本政府が補償を実施していますね。例えば昭和二十七年九月六日、大蔵省の理財局長は日本銀行国庫局長あてに「英軍発行の個人計算カードに対する支払について」という文書通達を出しておりますし、二十九年三月二十七日には、大蔵大臣が日本銀行あてに三十四億六千三百六十七万円を「内地指定預金内訳帳科目「一般部」より当座預金へ組替整理方取り計らい願いたい。」というような措置が講じられております。
 こういう一連の経過と、今度ロシアが証明書を出してきた、全然無縁のものなのか、全くかかわりないのか、それはそのときそのときで考えればいいのか、その辺が我々にはよくわからない。
#47
○政府委員(平野治生君) その措置を行ったのは大蔵省でございますが、私どもは、ただいま先生から御指摘がございましたオーストラリアとかあるいはニュージーランド、そういうところから引き揚げてこられた方々に対しまして一定の額を払ったということは承知いたしております。
 それは大蔵省の説明によりますと、当時いわゆる占領国といいますか、そういうところにかわって我が国が払ったんであって、我が国が補償したんではないというふうに私どもは聞いております。
#48
○吉田之久君 かわって払ったとすれば、お返しいただいたんですか。
#49
○政府委員(平野治生君) そういう問題につきましては、いわゆるサンフランシスコ平和条約のときにいろんな形で、いわば相殺した形で済んでいるというふうに私どもは伺っております。
#50
○吉田之久君 それはあなた方の見解ではありましょうが、国民には全くよくわからない。どこでどういうふうに決済されたのか、あるいは相済みになったのか。その不満が合うんと残って、極めて深刻に、かつ既に八十歳を超えようとするこの人たちの思いの中に募ってきておる。その抑留者並びにその遺族は何と五十万人だと言われております。これはやっぱり大問題だと思うんですね。
 両大臣お越してございますが、ちょっとこのシベリア抑留者に対する配慮がなさ過ぎるのではないか。いろいろ旧ソ連と日本との微妙な関係もよくわかります。国際的に腹立たしい問題もいっぱいあります。それと犠牲になった人とは別でございますからね。この点、どちらかの大臣から何か御見解はございませんか。
#51
○国務大臣(五十嵐広三君) 戦争が終わりましたのに、当時シベリアなどの地で本当に想像を絶するような御苦労をなされたという抑留者の問題につきましては、我々は戦後五十年たって振り返りながら改めて本当に胸の痛む思いであります。
 このシベリア抑留者の補償問題につきましては、昭和五十九年に戦後処理問題懇談会で提言をいただいている中に含まれているわけでございますが、昭和六十二年にその提言の上に立って平和祈念事業特別基金等に関する法律も制定をいたしまして、一応慰労金の支給、慰労品の贈呈をいたしているところであります。
 今、吉田委員のお言葉はよく私どもも感ずるところがあるのでありますが、以上のような経過の中から、この問題に関しましては今後ともこの法律に基づく慰藉事業を適切に推進するという考えでございます。
#52
○吉田之久君 ことしは戦後五十周年でございます。だから不戦決議とか謝罪決議とか、これは国会が決めることでございます。いろんなことを考えるべき年でございますが、私はそれよりも何よりもこういう本当に残された大きな問題、当時の日本の人口からいえば百人に一人がシベリアに抑留されたと言っても決して言い過ぎでないほどの数になるのでございまして、それがほとんど顧みられないままで、いろいろと特別基金をつくって慰める事業などをやり、あるいは木杯やわずかな金は差し上げられたようでございますが、今の時代にちょっと余りにも申しわけ的過ぎる。
 この問題は、やっぱり改めて抑留者の方々と懇切丁寧に話し合い、今の法律の中で善処しようというのじゃなしに、本当にそれが問題ならば法律を変えればいいわけでありまして、我々国会は法律を変える機能を持っているわけでございますから、超ベテランの二人の大臣にこの機会に私は特にその辺のことを申し上げたい、国民の声を代表して申し上げたい。
 同時に、だんだん恩給受給者が減っていく、これは時代の流れでございますが、しかし残された恩給欠格者がたくさんいるということなんですね。その数は全国で二百五十三万人とも言われております。そして、先ほどお話のありました慰藉事業の対象者は百八万人だと聞いておりますが、せっかく恩給という制度があって国家補償的な給付がなされている、それは非常にとうといことでございますし、まただんだん受給者が減っていく、したがって予算が少しずつ減っていっていいはずでございますが、そういう中でもなお特段の改善措置を講じられるということは私は非常に行き届いたことだと思うのでございます。
 しかし欠格者は、例えば旧軍人で十二年にわずか一カ月満たないところの人たちがそのまま全く大きな格差を残されたまま今日に至っておる。完全に平等にしろとは私は言いませんけれども、ほとんどそういう国の思いやりで余りにも等しくないではないかという思いは人間だったらするはずでございまして、年老いただんだんと死期に近づいている旧軍人たちがみんな三々五々寄って昔の戦友会をやる。しかしそこでも、おまえは恩給をもらっているからいいな、おれはもらっていないんだよと、だんだん溝ができたり組織が分かれたり、そのままこの人たちの人生を終わらせていいんだろうか。私は重大な疑問を感ずるんです。
 だんだんと全体の受給者が減ってくる、したがってそれだけ予算もだんだんと減ってくる。いずれ急速に私は受給者は減ってくると思うんですね、加速的に。そういう中で、同じようにとは言いませんけれども、やっぱり十一年の人も繰り上げよう、次は十年の人も繰り上げよう、額は半分か三分の一でも辛抱してくださいよと、何か最後のそういう配慮が今、財政的にしようと思えばできる時期に来ていると思うのでございますね。その辺をひとつ御配慮いただけないだろうか。
 大きな問題であります。簡単にはいきませんけれども、政府を代表される二人の長官がお越してございますから、どうかひとつそういう思いを閣議にも上せていただけないだろうかと思うわけでございます。
#53
○国務大臣(山口鶴男君) 担当ではございません、官房長官の方が担当でございますが、政治家として、今、吉田委員の御指摘された問題は同じように心が痛む問題であるというふうに認識をいたしております。
 ただ問題は、制度というのは一つの線を引くわけでございまして、その線を引きますと線の引いた中に入るか入らぬかということで御指摘のようないわば格差と申しますか不公平と申しますかというのが生ずることはどうしてもやむを得ない点があろうかと思いますが、そこをどう国民の立場に立って理解と協力を得るような処理をするかということが我々政治家の一つの任務ではないだろうかということも思っております。
 したがいまして、これらの問題につきましてどうするかということについては、閣議の後は同じ政治家あるいは国務大臣という立場で意見交換をすることもございますが、どう処理したらいいのかということは十分御指摘の点を胸に置いて当然これからも考え、また相談もさせていただきたいというふうに思います。
#54
○委員長(岡野裕君) 吉田君、時間です。
#55
○吉田之久君 引かれた線を守るということは民主主義のルールで大変重要でございます。しかし、それを守っているだけでは、先ほどの大災害の問題あるいは今度の恩給の問題でも本当は解決しないところが残ってくるんですね。だから、それをどう乗り越えるかということが重要な問題でございます。それを考えるのが政治家だと。人に優しい政治と総理はおっしゃっておりますから、どうかひとつ、私どもも申しますけれども、お二人の大臣もそういう思いをひとつ大いに吐露したいろんな話し合いを早急に進めていただきたいということをお願いいたしまして、私の質問を終わらせていただきます。
#56
○聴濤弘君 恩給法の改正との関連で、私も戦後処理の未処理の問題について二点御質問したいと思います。
 第一は、官房長官もここにいらっしゃいますので、先ほども問題になりましたシベリア抑留者への未払い賃金の補償問題について質問をしたいと思います。
 この問題については既に今も議論がありましたので、その問題の所在がどこにあるかということについてはもうるる説明する必要はないことだと思います。実はこの問題はいろいろな経過がありますけれども、今私は新しい状況が生まれていると思うんです。というのは、社会党がこの問題は非常に熱心にこれまで取り上げてきた問題です。その社会党の委員長を首班とする村山内閣ができたということ、これはこの問題に新しい状況を生んだと、こう理解して何ら不思議はないと思うんです。
 ちょっと調べてみまして、ごく最近のものですけれども、九一年の社会党の五十八回大会が採択した運動方針案、この中でもこのシベリア抑留者に対する措置の拡充ということが決められておりますし、九二年、戦後補償の解決に向けた予算拡充に関する申し入れ、これは当時の田邊委員長のときですけれども、政府に対して、やはりこのシベリア抑留の問題は重要なので予算措置を拡大せよという申し入れをやっております。それから八六年、石橋委員長のときですけれども、戦後処理の問題に関する政府への申し入れ、中曽根総理へ申し入れておりますが、それのトップにシベリア抑留者に対する補償問題というのが出ております。
 それから、私はこれは一番重要な資料だと思うんですけれども、八七年には社会党と公明党と民社党が共同でこの問題の法案を提出しておる。それで、審議未了でこれはそのままになってしまったんですが、三党共同でこの問題をきちっと解決すべきだと。今先ほどもありましたけれども、ニュージーランド、オーストラリア、東南アジア、その場合にはこれは払っているわけで、ソ連の抑留に対して払わないということは不合理だということも説明されてこの法案が提出されております。
 そういうことでありますから、この経過から見ましても、しかも今、戦後五十年の節目の年であります、そういうことから考えて村山内閣としてこの問題について、今までの経過はいろいろあったのは私も知っておりますが、こういうことを約束してきた党として今の政府内部で改めてこの問題について再検討を加えるという御意向があるかどうか、この点について官房長官にお尋ねしたいと思います。
#57
○国務大臣(五十嵐広三君) 先ほどもお答え申し上げたところでありますが、戦争が終わりまして、しかもその後にシベリアで本当に筆舌に尽くしがたい大変な御苦労をおかけいたしました抑留者の皆様につきましては、本当に振り返ってみて改めて大変胸の痛む思いがすることでございます。昭和五十九年に戦後処理問題懇談会が提言を出していただきまして、ここにのせられている趣旨を踏まえて昭和六十三年に平和祈念事業特別基金等に関する法律をつくったということで、シベリア抑留者に関する慰労金の支給、慰労品の贈呈等を行ってまいっておりますことは御承知のとおりでございます。
 一方、政党としても、この問題について取り組みをいたした党は社会党を初めそれぞれあるわけでございまして、お話のような社会党としての見解もございましたことは事実であろうというふうに思います。
 今、連立内閣を構成する中で、昨年の夏、戦後処理にかかわる全体的な議論をいたしました中で、八月三十一日、戦後処理に関する村山総理大臣の談話を発表させていただきました。この談話で五十周年に当たってとろうと考えている内容を決めさせていただきました。
 御案内のように、一つはサハリン残留韓国・朝鮮人問題、一つはいわゆる従軍慰安婦の問題、一つは台湾における確定債務問題、これらの諸問題とあわせて歴史認識、研究等をこの際しっかりやっていこう。それを含めて、またアジア諸国との平和友好交流を深めていこうということでの平和交流基金事業というようなものをこの際実施しようということに連立内閣として村山総理が決めさせていただいたような次第でございます。
 以上のような経過でございますので、シベリア抑留者の問題につきましては、今後とも平和祈念事業特別基金等に関する法律に基づいて慰藉事業を適切に推進するということでございますので、御了承いただきたいと思う次第であります。
#58
○聴濤弘君 先ほど紹介しましたような態度を社会党としてはとってきたわけですから、政権についた今、従来を踏襲するのではなくて、改めて政府の態度を与党間で検討する、政府内でも検討する、こういう態度を当然とるべきだというふうに私は思います。そのことは今、長官の答弁があったんですが、やはりそれが筋だと私は思う。それを提起されることを私はいわば要望して次の問題に移りたいと思います。今の問題も時間があればもう少しやりたいんですが、次の問題に移ります。
 次は、従軍看護婦慰労給付金の問題についてです。
 これは、旧日赤の従軍看護婦、それから旧陸軍、旧海軍の従軍看護婦の慰労金が七九年に創設されましたが、それ以来今日まで三回しか金額が改定されていないんですね。そのため、現状では最低が年額十三万円、最高が三十九万円という状況です。七割の方々が最低のところにあります。最高の三十九万円を受け取っておられる方はわずか三人しかおりません。これは余りにもひどいので、九四年、昨年の十二月十五日ですが、与党三党の戦後五十年プロジェクトで慰労給付金の引き上げが合意されております。私はここに与党三党の文書を持っております。
 私が質問いたしたいのは、そういうことが決められ合意されているんだけれども今度の予算措置の中にそれが入っていない。具体的な問題ですので具体的にお聞きいたしますが、それではいつこの合意を実現されるのか、いつ引き上げられるのか、どのくらいの額を予想されているのか、その点について質問をいたします。
#59
○政府委員(安藤昌弘君) お答え申し上げます。
 旧日本赤十字社の救護看護婦等の慰労給付金につきましては、その実質価値を維持する必要があることから、先生御指摘のとおり、これまで昭和六十年度、平成元年度及び平成四年度におきまして増額措置を講じてきたところでございます。
 また、今もお話がございましたように、昨年の十二月に与党戦後五十年問題プロジェクトにおきまして、「政府は、旧日本赤十字社救護看護婦等慰労給付金支給額改定にあたっては、受給者の置かれた状況に配慮し、消費者物価の動向をより適切に反映させた措置を講ずるべきである。」という合意がなされたところでございます。
 総理府といたしましては、この与党三党合意を踏まえまして平成八年度より適切に措置すべく検討してまいりたい、このように考えておる次第でございます。
#60
○聴濤弘君 額は想定されていますか。
#61
○政府委員(安藤昌弘君) ただいまも申し上げましたとおり、増額措置につきましては、受給者の置かれた状況に配慮し、今後の消費者物価の動向を踏まえということでございますので、その点を踏まえまして慎重に検討してまいりたいということでございます。
#62
○聴濤弘君 関係者からは一万円程度はもうぜひやってくれと非常にこういった具体的な要求がありますので、要望が出されておりますので、配慮をしていただきたいというふうに思います。
 それからもう一つ、この問題に関連してですけれども、そもそも従軍看護婦というのは、兵役の義務のない女性の身でありながら軍の命令で軍人と同じように戦地へ行って御苦労を重ねられた人たちなんですね。それで、今最高の高齢者は九十七歳、平均で七十六歳です。早くいろんな要望をかなえてあげなかったら、これは本当に間に合わないと思うんですね。しかも、何十万人おられるとかそんな話じゃないんです。わずか千九百九十人ですよ。この方々の要望にこたえられないなどというようなことはあり得ないと思うんですね。
 ですから、私はもう一つ要望したいし質問したい点は、こういう方々に対しての制度とシステムにつきまして、いろいろ要望がなければこの額が上がらない、こういうシステムになっているんですね。だから、そうじゃなくて恩給に準じて毎年見直す、こういうシステムがあって私はしかるべきだと思うんです。といいますのは、七八年の八月のことですけれども、当時、新自クがありましたので全部で六党ありましたが、六党が超党派で合意してこの慰労金制度ができた。そのときにどういう合意ができたかといいますと、恩給制度を準用し、戦地加算を考慮し、兵に準ずる処置をとる。恩給制度を準用しということが合意されているんです。
 ですから、何年ごとにここで取り上げる、あるいはいろんな関係者が要望する、それでやっとちょっと上がるというんじゃなくて、毎年こういうものは見直していく、恩給制度に準じてやっていく必要があるんじゃないか。毎年でなければ、もっと短い期間でこれは見直していくということもあってしかるべきだと私は思います。
 この点については判断の問題ですから、官房長官か山口長官が、どちらかにお答えいただきたいというふうに思います。
#63
○政府委員(安藤昌弘君) ただいま御指摘のありました慰労給付金につきましては、兵役の義務のない女性の身でありながら軍の命令等により戦地等に派遣され、旧陸海軍の戦時衛生勤務に従事したという大変このような特殊な事情を考慮し、その労苦に報いるために支給するものでございますので、したがいまして恩給とは異なり、所得の保障を図るという年金的な性格を有するものではないということで、その処遇内容に差異が生ずることはやむを得ないのではないか、このように考えております。
#64
○国務大臣(五十嵐広三君) 今、政府委員から説明したようなことでございますが、しかし先ほどの委員の御質問の御趣旨の中には大変ごもっともだと思われる点もございますので、なおよく検討してまいりたい、このように思います。
#65
○聴濤弘君 終わります。
#66
○委員長(岡野裕君) 他に御発言もないようでありますので、質疑は終局したものと認めます。
 本日はこれにて散会いたします。
   午前十一時三十六分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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