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1995/03/28 第132回国会 参議院 参議院会議録情報 第132回国会 内閣委員会 第5号
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1995/03/28 第132回国会 参議院

参議院会議録情報 第132回国会 内閣委員会 第5号

#1
第132回国会 内閣委員会 第5号
平成七年三月二十八日(火曜日)
   午前十時一分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 三月十七日
    辞任         補欠選任
     北澤 俊美君     山下 栄一君
 三月二十七日
    辞任         補欠選任
     聴濤  弘君     高崎 裕子君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         岡野  裕君
    理 事
                板垣  正君
                瀬谷 英行君
                寺澤 芳男君
    委 員
                井上  孝君
                岩崎 純三君
                村上 正邦君
                久保田真苗君
                粟原 君子君
                高桑 栄松君
                永野 茂門君
                山下 栄一君
                吉田 之久君
                高崎 裕子君
                田  英夫君
   国務大臣
       大 蔵 大 臣  武村 正義君
       国 務 大 臣
       (内閣官房長官) 五十嵐広三君
       国 務 大 臣
       (総務庁長官)  山口 鶴男君
   政府委員
       人事院総裁    弥富啓之助君
       人事院事務総局
       給与局長     小堀紀久生君
       人事院事務総局
       職員局長     武政 和夫君
       総務庁長官官房
       審議官
       兼内閣審議官   土屋  勲君
       総務庁人事局長  杉浦  力君
       総務庁恩給局長  石倉 寛治君
       防衛庁防衛局長  村田 直昭君
       防衛庁人事局長  萩  次郎君
       大蔵大臣官房総
       務審議官     竹島 一彦君
       大蔵大臣官房参
       事官
       兼内閣審議官   福田  誠君
       大蔵省主計局次
       長
       兼内閣審議官   武藤 敏郎君
       大蔵省銀行局長  西村 吉正君
       大蔵省国際金融
       局長       加藤 隆俊君
       文化庁次長    林田 英樹君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        菅野  清君
   説明員
       公正取引委員会
       事務局官房総務
       課長       上杉 秋則君
       警察庁刑事局刑
       事企画課長    篠原 弘志君
       労働省労働基準
       局職業病認定対
       策室長      加治原 修君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○国家公務員等共済組合法の一部を改正する法律
 案(内閣提出、衆議院送付)
○国家公務員災害補償法の一部を改正する法律案
 (内閣提出、衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(岡野裕君) ただいまから内閣委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 去る十七日、北澤俊美君が委員を辞任され、その補欠として山下栄一君が選任されました。
 また、昨二十七日、聴濤弘君が委員を辞任され、その補欠として高崎裕子君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(岡野裕君) 国家公務員等共済組合法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。武村大蔵大臣。
#4
○国務大臣(武村正義君) ただいま議題となりました国家公務員等共済組合法の一部を改正する法律案につきまして、提案の理由及びその内容を御説明申し上げます。
 政府は、雇用保険法の改正により民間において育児休業給付が設けられることとなったことを踏まえ、国家公務員等の育児休業中の経済的援助を行うため、雇用保険法に基づく給付に見合う給付を国家公務員等共済組合制度の中に設ける必要があり、本法律案を提出した次第であります。
 この法律案は、雇用保険法における育児休業給付と同様の内容の給付とし、国家公務員等共済組合制度の短期給付の中に新たに育児休業手当金を創設し、組合員が国家公務員の育児休業等に関する法律等の規定に基づく育児休業を取得した場合に、育児休業をした期間一日につき標準報酬の日額の百分の二十五に相当する金額を支給することとするものでございます。
 なお、育児休業手当金の創設に伴い、義務教育諸学校等の女子教育職員、看護婦、保母等に係る育児休業給につきまして、人事院からの意見の申出を踏まえ、廃止することとしているところでございます。
 以上が、この法律案の提案の理由及び内容でございます。
 何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同くださいますようお願い申し上げます。
#5
○委員長(岡野裕君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 これより質疑に入ります。
 質疑のある方は、順次御発言願います。
#6
○板垣正君 初めに、ただいま御説明のございました国家公務員等共済組合の改正案について、大蔵大臣、この法律によりまして、いろいろな経緯を経ながら、また関係の方々の御尽力によりまして、育児休業手当が創設をされるということは大変意義深いことと思うのでございます。従来は、女性教職員とか看護婦さんとか一部限られた方に掛金相当のものを差し上げるという程度のものでございましたのが、今回は官、公、反すべて掛金は免除される、かっこうした手当を差し上げると、こういうふうな姿に相なるわけでございます。
 そこで、やはり高齢化社会の到来、女性の方の職場進出と家庭との両立という形、特に子育ての問題、それが近年生まれるお子さんが少ない。そういう中で、そういう問題も含めてこの育児休業手当が創設されるということは、そういう面で大蔵大臣、これで我が国も諸外国に比べても引けをとらないこうした制度のスタートを切ることになった、あるいは今申し上げた女性、特に女性の職業との両立なりあるいは少子の問題等、そうした基本的なことについての御見解を承りたいと思います。
#7
○国務大臣(武村正義君) 女性の職場進出の進展やますます少子化が進んでいること、こういう状況に対応いたしまして、育児休業の取得を援助し、促進し、将来を担う世代の健全な育成を図っていこうという趣旨でございます。我が国経済社会の今後の活力を維持していく上では大変重要な課題だと考えます。
 御指摘のように、昨年、雇用保険法の改正が行われまして、民間については育児休業給付が既にスタートをしているわけでありまして、これに対応しまして国家公務員等につきましてもこの雇用保険法と同様の経済的な援助を行っていこうという考えでございます。人事院からの申し出がございました。
 そういう経緯を踏まえて、国家公務員共済制度の中にこのたび育児休業手当金を創設させていただきたいというふうに考える次第でございます。
#8
○板垣正君 この趣旨が生かされるように、今後ともよろしくお願い申し上げておきます。この法案について、私はそうした立場で積極的に賛成でございます。
 そこで、この機会に官房長官に御出席をお願いいたしました。今、突発をいたしましたサリン事件、この問題について、このサリン事件とオウム真理教団との関連の問題でございます。
 東京の地下鉄のあのサリン事件、さらには昨年六月の松本サリン事件、これとオウム真理教団の関連ありと、政府としてはそこまで断定されるところまで来ていますか、そこを伺います。
#9
○国務大臣(五十嵐広三君) この機会に、いわゆるサリン事件、またオウム真理教問題につきまして若干の見解を申し上げたいと思います。
 地下鉄有毒ガス事件につきましては、朝方のラッシュで大変混雑する地下鉄におきまして、何者かがサリンと思われる有溝ガスを流出させて多数の死傷者を出した事件でございまして、これまでに例を見ない悪質かつ卑劣な犯行であります。国民に多大な不安と脅威を与えて、社会、公共への危険性の極めて高い事案であって、許すことのできない事件であると認識している次第であります。警察においては所要の体制を確立して、現在、被疑者の早期検挙と事案の解明に最大の努力を払っていると承知いたしております。
 一方、オウム真理教内の施設に対する捜索等の状況についてでありますが、二月二十八日に品川区内で発生した逮捕、監禁事件容疑で、三月二十二日、この関連施設等に対する捜索等を実施したところ、捜索場所からサリンの製造が可能と思われる大量の化学薬品などを押収したと聞いております。警察では、これらの結果などを総合的に検討して、殺人予備の容疑で引き続き山梨県下所在のこの施設の捜索等を実施してその全容を早急に解明すべく、現在全力を挙げて取り組んでいるとの報告を受けている次第であります。
#10
○説明員(篠原弘志君) オウム真理教とのかかわりについての点でございますけれども、昨年の松本市におきます事件、また三月二十日の地下鉄駅構内におきます毒ガスによります事件の現場におきましての採取した試料の分析によりますと、サリンが使用された疑いが強いとのことであります。
 また、既に御承知のように、山梨県内のオウム真理教関連施設に対します一連の捜索につきましては、サリンの製造に必要とされる薬品類を押収しているところではございますけれども、現時点におきましては、これをもって地下鉄駅構内など一連の事件とオウム真理教とを直ちに結びつけて考えるべきではないのではないかというふうに考えております。
 現在、鋭意捜査を進めているところでございますので、詳細については答弁を差し控えさせていただきたいというふうに思っております。
#11
○板垣正君 今、官房長官から御答弁がありましたとおりに、これはまことに重大な事件でございます。一般の市長を対象にして、まさに無差別、毒ガスによる殺人、まさに組織的なテロでございまして、これに対する国民の今なお深刻な不安がございます。さらには国際社会にも非常に大きな影響をもたらしておる。つまり今後忌むべきゲリラ、テロ活動等にこうしたものが使われる、その一線を越えて行われたのが我が国でございますから、そういう面におきましても今お話しのとおり早く解明し、まさに犯人を検挙する、事態を解明する。
 しかし、政府として、当局としていろいろもうお調べのことと思いますけれども、やはりオウム真理教団という存在、こうしたものの日々明るみに出つつある姿は、この平和な自由な民主的な日本の社会において、こうしたことが今まで許されてきたということに改めて深い怒りを感ずるのではないでしょうか。
 そこで、昨年六月の松本事件なり、あるいはその後いろいろな捜査等も進められたでしょう。あるいはこのオウム教団をめぐって、今回改めて全国的に百件を超す、逮捕したとか監禁したとか電話を傍聴したとか、またいろいろなことがもう従来から問題になっている。そういうことが今まである意味では部分的にとどまっておって、改めて全容が出てきたわけでございますけれども、いわゆる不当拉致事件の捜査で当局が家宅捜索をやるという令状をとったのはいつなのか。
 伝えられるところによると、三月中旬には家宅捜索の令状をとっておった、受けておったと。しかし、事前にいろいろ相手が相手でありますから防護服とか毒ガスマスクを借りるとか、またそれの改めての教育訓練といいますか、そうこうしているうちに二十日のあの朝の事態を迎えたと。二十二日に全面的な捜査が入ったと。令状をとって早く家宅捜索を行う、実質的に容疑濃厚であるという捜査が決断されておったならば、あくまで仮定の問題でありまするけれども、しかし二十日のあの事態は回避できたんではないのか。そういう点では、この流れの中における警察当局、捜査当局は余りにも慎重過ぎたんではないのか。決断が足りなかったんではないのか。
 もう一つは、宗教法人法の運用が余りにも寛大過ぎるというのか寛容過ぎるというのか、まさに別世界をつくってしまっている。それが免税措置のもとで公然と許されている。これは大変なことではありませんか。
 この二点の問題について、官房長官どうお考えでございますか。
#12
○説明員(篠原弘志君) 警察の捜査が慎重過ぎたのではないかという御指摘でございますけれども、私ども警察におきましては、宗教団体にかかわるものか否かにかかわらず、犯罪容疑があると認める場合におきましては必要な捜査を行って、刑罰法令に触れる行為がありました場合については事案の実態に応じて厳正な対応をしているところでございます。
 オウム真理教をめぐる違法行為容疑事案につきましては、これまで関係都道府県警察におきましてそれぞれ所要の捜査を行ってきたところでございまして、その一つとして目黒区の拉致事件につきましての強制捜査が行われたわけでございますけれども、御指摘のような令状を三月中旬にとっておったのではないかというような事実はございません。事案の流れ、捜査の流れに応じて強制捜査についての検討をやっておりましたけれども、令状の請求発付につきましては直近の時点でございます。
#13
○板垣正君 やはり、この問題は一つの国家の危機管理の一面ですね。あの阪神大震災、不幸な、しかも甚大な人命初め被害をもたらしました。しかし、あの震災に対しましても、やはり我が国の危機管理体制が果たして十分であったかという点についてはいろいろな面からひとしく反省をしたわけですね。また、それに対応する新しい対応も迫られておるし、逐次検討、着手されつつあると思う。
 今度の地下鉄サリン事件も全く予想されなかったことではない。もう既にオウム教の方からもサリンの問題がいろいろ流されてくるとか、あるいは外国の専門家等もこういうことはあり得るよと、これは地下鉄であるとか、そういう密集した、密閉されたところ、そういうところでサリンなりそれに準じたものが使われる、こういうことが巷間いろいろ言われるというふうな流れもあった。そういうものも含めてのこの国の危機管理体制、これは国が何としても国民の生活の安全、これを守り抜く、生命、財産の安定を守り抜く、不安感を除く、社会の秩序を保つ、これは最も基盤でございましょう。基本でございましょう。
 そういう点について、あの大震災は不可避のあれであったとはいいながら、それに対応する姿において、あるいは今回のサリン事件が平和な島と言われたこの日本で起こったということにおいて、あるいはこれはもうバブル崩壊以来と言ってもいいかもしれません。そういう間における大きな変動というか変革といいますか、政治体制も大きく、既成体制が大きく崩壊し、なおそうした混迷の過程にある。経済の問題も極めて深刻でございます。金融の問題、円高の問題、不況の問題、それに加えたこうした今回の阪神の地震対応なり、そして恐るべき大量虐殺と言ってもいい組織的なテロ、こういうことについて日本のこの社会的な背景をどう見るのか。日本の安全神話というものが崩壊しつつあるんじゃないのか。
 これは一部外国の見方からも、日本という国の、意外に広範な病んでいる部分があるんではないのか、病んでいる部分があると。今までは経済大国、繁栄を誇ってきた、あるいは地震が来ても大丈夫ですよと胸を張っておった、一番治安がいいんですよと。その根底がまさに次々と崩され、そうした日本の持っている国家の基盤なり社会的背景が案外不安定なものじゃないかという見方も出てきているというのは、これは私ども深刻に、真剣に受けとめなければならないと思いますけれども、官房長官、どういう御見解でしょうか。
#14
○国務大臣(五十嵐広三君) 時代とともに、危機の内容であるとかあるいは犯罪の性格であるとか、こういうものが随分やっぱり変わってきているというふうに思います。こういうものに対応して、正確なその種危機であるとか犯罪に対する現代的な対応のシステムなり体制なりというものを私どもが最善を尽くして整えていくということが必要であろうと思いますし、あるいはそういう状況を予見しての予備体制というようなものも整えていくということが大事なものであろうというふうに思っております。
 そういう意味では、私どもとしても、例えば内閣における危機管理体制を含む機能全体についてのこの際見直しと強化を図るべきだろう。単に強化というよりいわば近代化というものであろうというふうに思いますが、この種のことにつきましても昨年の秋以来実は真剣に取り組んでおるところでございまして、特に年度明け早々、四月には他国の、アメリカであるとかフランスであるとかあるいはイギリス、ドイツなどのこの種の体制についての調査というものへの派遣も予定をいたしましたり、そういう面では本当に安全であるという我が国の誇るべき今までの経過というものを大事に、新しい時代でもそれを保持しながらいけるような体制にしっかり取り組んでまいりたいと、こういうぐあいに思う次第であります。
#15
○板垣正君 まさにおっしゃるとおりに、非常に急テンポに時代が変わりつつある。そういう中にそれに対応するシステム、これは今お話のとおりに対応して、まさに緊張感を持って対処していかなければならない。
 もう一度確認いたしたいと思いますが、戻りますけれども、宗教法人のあり方。日本は信教の自由も保障されておる。こういう点において、それはまさに誇るべきことかもしれませんけれども、反面、宗教法人という認可を一回とれば、これはある意味の聖域になってしまうんです。しかも特権を与えられておる。そういう中で、今回捜査によって明るみに出ているような、もう想像を絶するような、宗教と全く何の関係もない、言ってみれば殺人の準備をやっていた。そういうものが宗教法人の名のもとにのうのうと庇護を受けてきたということは許されないことであります。
 当然、こうした宗教団体は早く解散命令が出なけりゃならない。これらを含めて、やはり宗教団体、宗教法人、これはもちろん大部分はまともなものでございましょうけれども、その仕組みに隠れてそうしたことが行われる可能性は今後もあり得るわけでございます。
 そういう点で官房長官、どうでしょうか、やはり宗教法人法なりあるいはその認可体制のあり方、あるいは認可した後やはり相当これは政府としても、認可当局としても警戒をして対処していかなければならないんではないのか。そういう立場も、まさに新しいシステムの中で宗教の存在というものも、非常に大きなある意味では影響力ある存在になりつつあるという面から、その辺の御見解を承りたい。
#16
○国務大臣(五十嵐広三君) 宗教法人に対する制度につきましては種々の議論があることはよく承知しているところでありますが、その見直しにつきましては、宗教法人制度が憲法の信教の自由、政教分離の原則と密接に関係するものでありますところから、これはやっぱり慎重でなければならないと考えているところであります。しかし、宗教法人といえども法令に従った活動を行わなければならないのは当然であって、法令に違反する場合は当該法令によって処罰されることはもとよりのことであろうというふうに思います。
 今回の事件は極めて特異なものであって、この事件のために宗教法人制度一般の見直しを行うかどうかという点については、政府部内としてはそういう議論には及んでおらないということであります。
#17
○板垣正君 納得はできませんが、もう時間もありません。
 最後に、国会決議の問題で、今申し上げましたようにやはり大きな今、転換期にある、そしていろいろ混迷がある、社会的な不安というものも忍び寄っている。しかしまた、そういう中から、阪神大震災で若い人がボランティアで一万人からの大学生が頼まれないでも行ってああいうところに身を擁するというような新しい流れというものもある。反面、オウム真理教団には大学を出た人も含めて一万人から若い者が行って、そういうもとで恐るべきああいう枠の中に閉じ込められた姿を露呈する。
 いろいろなこともございますし、やはり戦後五十年という大きな節目の中で冷静に、かつ史的な冷静な分析に基づいて、この国の今後のあり方、基本方向、改めて国の方向、理念といいますか、大いに活力あふれる、活力ある方向を見出すということは当然だと思います。
 しかし、といって、今言われているような国会の場におきまして戦争に対する謝罪とか反省とか、これはもう謝罪という言葉はありませんよ、反省の決議です、不戦の決議ですと。こういったような問題については、御案内のとおりに党の立場においてもそれぞれ見解があります。しかも、これは基本に触れる見解であります。国民の皆さんの中にも、これはようやく冷静に戦後五十年を見返る、過去の歴史を見返るという意味においても新しい歴史の認識というようなものも出てくるでございましょうし、従来のようにただ一辺倒に、我が国の歴史が一方的に誤りであった、一方的に恥ずべきものであった、だから謝罪をし反省すべきであるというような空気はごく一部の限られたものであります。
 そういう立場のものが中心といいますか、一つの流れとして、三党合意があったじゃないか、だから決議をしろ決議をしろというような格好になってまいりますと、これはもう大変な混乱、大変な事態を招来するんではないかと憂慮します。したがいまして、これは国会の問題、各党の問題とはいいながら、官房長官あるいは村山総理も何とか早くまとめて決議をしてもらいたい、村山さんが中国に行くまでには何とか間に合わないだろうかなんというような話すら出てくるというそんな軽々しいものではない。この問題は基本の問題でありますから、譲れないところはもう一歩も譲れないという立場がこれは国民の中にもございますし、私どもにもあるわけでありますから、これは政府の立場においても慎重の上にも慎重に対処していただかなければならないと思いますが、その点についての官房長官の御見解を承りたいと思います。
#18
○国務大臣(五十嵐広三君) 今、委員御質問のお話の中にもございましたように、いわゆる戦後五十年に当たっての国会決議に関しましては、これは村山内閣が形成される折の与党三党における合意文書の中に明確に国会決議を行うことに言及されているわけであります。
 したがいまして、さまざまな政策上の異なりを持っている三党ではありますが、この内閣を形成する上では基本的なお互いの合意としてこの問題が存在しているところでありまして、これはあくまでも国会の議論で、国会の場でお決めいただくことでありますから政府側として特にどうこうと申し上げるのはいかがかというふうに思いますが、前段申し上げたような趣旨からいえば、政府としてはその決議を期待しているということが言えるのではないかと、こういうふうに思う次第であります。
#19
○板垣正君 終わります。
#20
○久保田真苗君 初めに、法案について伺います。
 育児休業法が成立しましたのは平成三年の五月でした。その当時は無給でした。そして、収入がないのに保険料あるいは年金の掛金を払うということはかなり大きな負担でございました。しかし、その後、国民年金法の改正によりまして、この四月から育児休業期間中は年金や健康保険料の掛金が免除されるということになりまして大変喜んでおります。
 また、今回の改正によりまして、育児休業給付が休業前賃金の二五%受けられるようになるわけでございます。そして、国家公務員等共済組合法によりまして育休給付というものが出ますし、所得税、地方税はかからないということになるわけですし、民間の方も雇用保険法によって同様無税ということになるというふうに理解しております。
 そういたしますと、この育休給付は大体丸々手取りになるというふうに理解してよろしいのか、またその平均的な月の金額はどのくらいになるのか、お願いいたします。
#21
○政府委員(武藤敏郎君) ただいま御指摘がありましたとおり、この育児休業手当金の趣旨に従いまして、税制上非課税、それから育児休業期間中の共済組合の掛金につきましてはこれを免除するということといたしておりますので、百分の二十五は手取りベースでも維持されるということでございます。
 さらに、平均的な給付月額は幾らぐらいかというお尋ねでございますが、平成五年度の実績をもとに五千名弱のサンプル調査をいたしましたところ、育児休業休暇をとりました方の標準報酬月額の平均が二十六万円でございました。その二五%ということで、この手当金の平均給付月額は六万五千円程度というふうに計算されます。
#22
○久保田真苗君 一般に育児給付の額が少ないんじゃないかという意見もございますし、私も育休手当は多い方がいいと思いますけれども、しかし二五%は実額としては見た目よりもよくなっているということで非常に大きい前進だと思っております。
 また、もう一つ、一般職公務員につきましては九四年九月から介護休業制度が実施されておりますし、民間では一九九九年ですから大分遅いんですけれども、実施されることになるわけでございますね。一部の企業ではもう既に労使協議によって実施し、あるいは協議中のところもあるわけでございます。
 これにつきまして、私は介護休暇というものについての今後の方向について大蔵大臣にお願いしておきたいと思うんですけれども、介護休暇は男女職員の配偶者、父母、子、配偶者の父母、それに人事院規則で見ますと祖父母それから同居の兄弟と、そういうものもカバーされるということなんでございます。それの負傷あるいは疾病、または老齢によって日常生活を営むことに支障があるものというふうにかなり弾力的に考えられておると思います。
 それで、私が一つ指摘しておいて、そして今後のいろいろな社会サービス、それから公共投資等にぜひ結びつけていただきたいと思うのは、この中に老齢という定義があるんですが、病気あるいはけがというようなものはいずれ治る、治ってまた復帰するということが明らかでございます。老齢の場合はリハビリで復帰する場合もあるけれども、しかしそれが長期に及んでますます介護が必要になっていくというケースも多かろうというふうに思うわけでございます。
 そこで、こうした介護休暇、特に老齢者に対する介護休暇が本当に生かされるためには、やはり社会サービスの発展というものが必要でございまして、今回、政府はILO百五十六号条約の批准を予定しておられるようでございまして、これは大変勤労者家庭にとって喜ばしいことなのでございますけれども、それでは日本の場合、高齢者の介護というものが一般先進国の社会サービスで受けられているのと比較いたしますと必ずしもそうはなっていない。それは、つまり今までが必ずしも生活者重視ということに眼目を置いてこなかったことだと思います。
 そうしますと、三カ月以内の休暇をとった後、それでもやはり足りないからと休暇がきっかけになって退職するということを余儀なくされる。その場合は圧倒的に女性が多いだろうと思うのでございますけれども、そういう事態になることを私は心配いたします。
 したがいまして、この介護休暇というものを認めていただいたからには、やはりそれなりの今後の公共投資におきまして、例えばリハビリテーションの施設ですとか、あるいはスープの冷めない距離の適切な住宅であるとか、つまり高齢化社会に向けての重点化というものを、今までも志してはいただいたけれども、私もその難しさは実感しておりますので、ひとつぜひそういう方向に政府の公共事業、公共投資というものを向けていただきたいというお願いでございますが、大臣、いかがでございましょうか。
#23
○国務大臣(武村正義君) 介護休暇をめぐって大変貴重な御意見ありがとうございました。
 新公共投資十カ年計画も、抽象的ではございますがそういう趣旨をうたっております。福祉や環境、文化等の役割を比率の上でも高めていこうという考えでございますし、そういう中で今のような御趣旨が生かされるように努力をしてまいりたいと存じます。
#24
○久保田真苗君 次にお伺いしたいのは、大臣が昨日なさいました記者会見でございまして、円高・株安に対する姿勢といいますか、方策をお示しになったわけでございます。
 ここには、いわゆる三点セットのようなものが、新聞報道で見ますと臨調介入、それから公定歩合の引き下げを示唆なすった、それから補正予算の中で円高対策を盛り込むということをおっしゃったわけでございます。
 それで、もう少し具体的に例えればと思いますけれども、大臣として、どういう御認識でこの発表をなさったのでございましょうか。
#25
○国務大臣(武村正義君) 日本の経済は、政府としましては緩やかながら回復基調をたどっているという認識でいるわけでございますが、ここのところ御指摘の急速な円高、国際通貨の動き、それに加えて株価の下落というふうな状況が出ておりまして、こうした状況の推移いかんによっては、回復基調に入ろうとしている我が国の経済の行方に悪影響を及ぼすのではないかというところを大変危惧いたしているところでございます。ぜひ回復基調を確実なものにしていかなければなりません。
 そういう意味で、この時期に適切かつ機動的な財政・金融運営について万全を期してまいりたいという考え方を表明させていただいたものでございます。趣旨はそういうところでございます。
#26
○久保田真苗君 利下げの件ですけれども、日本はかなり、かなりというよりも史上最低の公歩の水準にあるわけでございます。引き下げというようなものも限度がありそうな感じがいたします。また、これはアメリカの利上げと日独の引き下げ、そういうものの協調が必要だというふうに言われておりますけれども、そういうことを期待できるというふうにお考えでしょうか。
#27
○国務大臣(武村正義君) 日本の金融市場の現状は、今御指摘ございましたように、公定歩合は史上最低の水準にございます。また、各種の金利も全体として緩和された状況にあるというふうに認識をいたします。
 今、アメリカ、ドイツとのいわゆる金利政策の協調が前提あるいは背景にあるのかという御質問でございますが、絶えず各国の通貨当局とはいろいろなレベルで連携をいたしているところでございます。しかし、今回の世界通貨のいわば乱高下とも言うべき急激な変動状況に対する認識の点では一致をいたしておりますが、置かれておりますそれぞれの国の経済状況は御承知のように違います。そういう意味で今後も適切な市場介入という行動もございます、これは当然ですが。
 同時に、金利も含めた政策協調というテーマにつきましては、来月はG7やAPECの蔵相会議も控えておりますが、ふだんの電話等による連携だけでなしに、当然各国の経済のファンダメンタルズそのものについての意見交換を行うことにもなると思っておりまして、今後もそういう努力は続けていきたいと思っております。
 今回の発表は、日本政府として、従来の日本銀行の表明しておられます機動的、弾力的な対応という考え方を私どもの立場でもこの時期に改めて同じ表現で申し上げたということでございます。
 それ以上、公定歩合そのものにつきましては控えさせていただきたいと存じます。
#28
○久保田真苗君 補正予算に円高対策を盛り込むということなんですが、具体的にどういうことを考えられますか。
 例えば、一昨年の秋に円高差益還元対策というものをいたしました。あのときから見ますとレートは恐らく一五%切り上がっていると思うんです。そうしますと、そういうことも全産業あるいは消費者に波及さすために必要じゃないかというふうな考えを持ちますが、いかがでございましょうか。
#29
○国務大臣(武村正義君) おっしゃるとおりだと思います。
 けさも、先ほど閣議の場でそういう発言も相次ぎまして、輸出産業を中心とした円高の不安といいますか、困難な状況にどう対応していくかという問題が片方でございます。これは中小企業対策、雇用対策等々でございますが、同時に御指摘のような円高メリットをどう具体的に、できるだけ国民の暮らしに生きるような還元策をとっていくかということが大変大事なテーマだというふうに私も思いますし、内閣全体も共通の認識でございました。
 ぜひ今後の政策対応の中でそういった努力をしていかなければならないというふうに思います。
#30
○久保田真苗君 大変適切に対応していただけることを心から願っております。
 ただ私は、このとき規制緩和が大詰めになりますので、これについてもちょっと伺いたいんです。
 こうした、今言われたような財政・金融対策によるある程度短期的なもの、これも重要なのでございますけれども、それで円高の問題が解決されるだろうかということに私は多少の疑問を持つわけです。
 それはつまり、言われているところの一連の経済構造の改革という点に関しまして、日本はこれまでの日米協議におきましても管理貿易につながること、例えば目標値の設定などに反対しながら、市場開放とか内需拡大とかあるいは規制緩和、その先頭に立つのは規制緩和、独禁法の適用、そういったものをいわば正攻法でやるということをずっとやってきたわけですね。
 ところが、今回の規制緩和の状況を拝見しますと、私は村山内閣が行革に政治生命をかけていられることは大いに期待しますし、今まで必要だと言われながら実行できなかったことをぜひやっていただきたいと大いに期待もしているんですけれども、今から決まりますところの規制緩和の中身について、決意と中身に多少の乖離があるんじゃないか、あるいは非常にゆっくりであって目標がはっきり出ないんじゃないか、そういうことを心配いたします。そういたしますと、円高というものもそれに応じて反応してくるんじゃないか、そのことがまず解決されるということが非常に必要ではないかと私は思うのでございます。
 それで、時間の関係で、この点について大蔵大臣の御認識について伺いたいのと、もう一つは、五年と言われているけれども、行革委員会の寿命は三年なんですね。これ幸いですから三年でもってやってしまう、そのくらいに切り上げていただかないと、日本としての姿勢にますます疑問を持たれて、今後も円高と黒字と、そうしたものに苦しむんじゃないかと思いますが、お答えをお願いいたします。
#31
○国務大臣(武村正義君) おっしゃるとおり、円高の背景を詰めてまいりますと、一つの問題は日本の市場が十分開放されていないという見方を諸外国に与えている。日本はそれなりの努力をしてきているわけでありますが、貿易を含めた経常収支の黒字という状況が一向に改善されないということから、絶えずそのことを指摘されるところであります。
 結局、内需を拡大していくことが基本でありますが、内需を拡大することによっていわゆる外から日本に対してさまざまな物やサービスが入ってくるという状況にならなければいけない。そのことが経常収支の黒字を縮小する方向を実現することになるわけであります。細川内閣スタート直後からそのことを一番重大な課題としながら、ここ二年来、今日まで取り組んできているところでございます。
 ある意味では規制緩和というのは細川内閣から見ても五回目になりましょうか、今回。今回は特段また五カ年計画という前提で政府を挙げて取り組んでおりまして、過般、二応各省庁が考え方を発表して、それに対して内外からいろんな御批判なり追加の御注文なりを今伺っておりまして、それをさらに極力実現する方向で一つ一つ整理をいたしておりまして、三十一日までには最終案を固めたいということであります。
 全体のことを私はよく理解できておりませんが、大蔵省につきましても、大体各種挙がっております項目の八〇%ぐらいはゴーといいますか、実現を目指す方向で整理をしておりますし、外国から、アメリカ、ヨーロッパ等から具体的に指摘されている項目は九〇%ほどむしろ実現の方向で固めたいと思っておりますが、政府全体としてもかなりの意欲で今回はこの規制緩和計画をまとめているところでございます。
 三カ年に短縮すべし、前倒しすべしという御主張はこれは承りましたが、私の段階で答えはできませんが、ローリングシステムをとろうということでございますから、たとえそうであってもなるべく早目に実施をしていこうということでいかなければいけないというふうに思います。
#32
○久保田真苗君 この真剣味と、それから迅速性というのは非常に大事なような気がいたします。それは、対外的にもそうですし、内部における逼塞感を払拭するためにも必要だと思います。ぜひ、この中身についての真剣さが出るように、そして迅速にできるように、そのことは大蔵省に結局はね返ってくる問題ですからぜひともよろしくお願いして、終わります。
 ありがとうございました。
#33
○山下栄一君 冒頭、ただいまも久保田委員の方から御質問がございました昨日の緊急記者会見、円高対策の内容でございますけれども、主要各国通貨当局と連携して為替市場で適時に有効な行動をとると、これは新聞報道による内容でございます。先ほども大臣、触れられたわけでございますが、この協調介入につきましてでございますが、来月のAPEC蔵相会議またG7、この場で具体的な政策の御提案をされる御予定はあるのか、またそういう具体的な政策を考えておられるのかということをお聞きしたいと思います。
#34
○国務大臣(武村正義君) 今ここで事前にどういう発言をするかというところまで申し上げるのはひとつ遠慮をさせていただきたいと存じます。
 APECは一年に一回でございますが、G7は年四回は最低開かれておりまして、ある意味では蔵相レベルの会合としてはかなり頻繁な方でございますが、その時々、各国の経済諸情勢の報告を基本にしながら意見交換をし、共通の問題についても議論をしているところでございまして、次回もそういう意味では各国経済や世界経済全体についての真剣な意見交換を行うことになろうかと思っております。ただ、ここで何か提案をするとか、こうこうこうであるということを言い過ぎますと、それ自身いずれにしても非常に影響を与える問題でございますので、そこはお許しをいただきたいと思います。
 もちろんこういう会合そのものがすべてというよりも、ふだんも私自身も電話等も含めていろいろとアメリカ初め会談をしているところでございまして、そういう日ごろの意見交換の延長の中でひとつG7にも対応してまいりたいというふうに思っております。
#35
○山下栄一君 先日の衆議院の大蔵委員会での参考人とのやりとりの中で参考人の方が提案されていたようですけれども、G7の中に通貨問題に関する検討委員会を設置する、そういうことを日本として提案したらどうかというようなこともお話があったとお聞きしたわけでございますが、こういう提案についてはどのようにお考えでしょうか。
#36
○国務大臣(武村正義君) 私、その提案は伺ったことがありませんが、提案は提案として承らせていただきます。
 ただ、G7そのものが通貨を非常に大きなテーマにいたしておりますだけに、私ども自身の会合の責任の問題でもあるというふうに思っております。
#37
○山下栄一君 次に、平成七年度の補正予算案の中に円高対策を具体的に入れていくということでございますけれども、先ほど円高メリット、円高差益策とか中小企業対策とか言われましたが、公共事業に関する追加予算措置、こういうことについてはどうでしょうか。
#38
○国務大臣(武村正義君) 昨日、平成七年度の補正予算、これは阪神・淡路大震災を基本にしたものでありますが、この国会中に提案をさせていただきたいと、そういう前提で作業に着手をいたしますということを申し上げました。震災復旧・復興対策が基本でありますが、昨今の門高・株安等の経済状況の中で、そういう状況に対応すべき財政措置、具体的には中小企業対策とか雇用対策等でありますが、そういったもので必要なものはやはり補正の対象として議論をしなければならないというふうに思っているところでございます。
 公共事業全体につきましては、御承知のように過般お認めいただいた平成六年度の第二次補正予算も今ちょうど執行の準備をしていただいて、これから施行に入るところでございます。そこへ新年度予算を、これも早期にお認めいただきましたが、この一年間の予算の大きな公共事業そのものをどう年度を通じて、特に昨今の経済情勢の中で執行を図っていくかという問題がございます。加えて、平成七年度の今申し上げた第一次の補正予算対応というふうに、この時期は今年度の二次補正、新年度予算、それから新年度の補正予算と、いわゆる執行の対象になる公共事業量はかなり今大きいものが存在しているわけでありまして、これをどう積極的に施行を図っていくかというところに焦点を置きたいというふうに思っているところであります。
#39
○山下栄一君 金融政策についてですけれども、非常に微妙な問題でございますが、これは公定歩合、金利引き下げを含めた一段の金融緩和、こういうことを念頭に置いておられるということでよろしいでしょうか。
#40
○国務大臣(武村正義君) 私どもはそういうことを念頭に置く置かないはコメントはしていないわけでございまして、先ほども申し上げたように、弾力的、機動的という表現は日本銀行が今日まで絶えずおっしゃっている表現であります。そういう表現をこの際、大蔵大臣のこの方針の中にも盛り込まさせていただいたと。問題は、日本銀行に主体性がありますので、日本銀行がこの時期の経済状況を見てどう機動的、弾力的な対応をお考えになるかということで御理解を賜りたいと存じます。
#41
○山下栄一君 これもきょうの新聞の記事で、別の内容でございますけれども、大蔵幹部十六人、ゴルフ接待というような記事が載っておったわけでございますけれども、高橋元理事長が代表を務めるゴルフ場で大蔵官僚十六人ですか、田谷さん、中島さん含めてゴルフ接待というような、具体的な役職まで含めて記事が載っておるわけでございますが、このことについては先日の大蔵省の幹部の処分の段階で既に掌握されていたということでしょうか。
#42
○国務大臣(武村正義君) 私ども大蔵省の処置をいたしましたときに、その直前にこの二人については私自身も直接会ってヒアリングをいたしました。個々の行為について確認をしたわけでありますが、しかし何といいますか、検事の取り調べ等ではありませんので事細かに状況全部を聞きただしているわけではありません。全体としてどういう程度のつき合いであったか、そのつき合いがいわゆる公務の世界で、法律には違反しないにしても社会常識としてもあるいは公務員のいわば節度といいますか一般的な常識を超えるものであったかどうか、その点で判断をして、この二人については節度を超えているという判断をして処分の対象にしたわけであります。
 きょうの新聞を私はまだ読んでおりませんが、いずれにしましても大蔵省全体としては紀律保持委員会というのを直ちに設置いたしました。その中に特にこの問題については総点検部会というのを設置しまして、顧問弁護士もお願いをして、こうした新聞記事や週刊誌等の報道や問い合わせがあった場合には一つ一つの事例について、専門家の力もかりながら客観的にきちっと事実を掌握いたしたいというふうに思っている次第であります。
 少なくともこの報道は高橋氏とゴルフをしたという記事ではないように伺っております。
#43
○山下栄一君 きょうの新聞の記事内容を読んでいらっしゃらないというお話でございましたけれども、事務局サイドで結構でございますけれども、極めて具体的にこう書いてございますので、日にちまで挙げて回数まできちっと書いてあるわけでございますが、このことについて例えば紀律保持委員会等で具体的に掌握され、これは節度を超えない程度であるとかないとかのことについてまで進んでおるのかということを確認したいと思います。
#44
○政府委員(竹島一彦君) 中島次長、田谷前税関長以外の職員についても、きょう各紙において御指摘のような記事が載っておるわけでございますが、これは事前にそういう情報も入手いたしましたので、私どもとして関係者といいますか、指摘を受けたと思われる者につきましてでき得る限りの範囲で事情を聞きました。
 その中で、事実でないと思われる内容も記事になっておりますし、そうではなくて事実と思われるものもあったことは事実でございますけれども、いずれにしてもただいま大蔵大臣が御答弁申し上げましたように、高橋氏と一緒にゴルフをしたということではないということでございます。
 いずれにいたしましても、現時点で私どもの把握しているところによりまして申し上げるわけでございますけれども、直ちに何らかの処分をしなきゃならぬというようなものではなく、当然このような私的な交際の範囲でございますし、私どもの調べでは直ちに問題にすべき職員はいないというふうに考えております。
 私どもの調査だけで十分かどうかということもあろうかと思いますが、今後とも先ほど申し上げました紀律保持委員会で今回の事態の状況の把握も含めまして、引き続き状況の把握に努めてまいりたいと存じております。
#45
○山下栄一君 厳正な対応をしたいということの大臣の発言が前々からございますので、きちっと対応をお願いしたいと思います。
 あわせまして、これに関連して、アメリカ合衆国の方では具体的な大統領令の中で、役人、公務員の接待については一回二十ドルまでというふうな具体的な金額まで上限を決めて非常に厳しく対応されておるということでございますし、また法律の中でも、贈り物その他食事の接待等の厳しいルールがあるようでございますけれども、大蔵省におかれましても具体的な倫理規程ですね、そういうものを明文化してやはり国民にこの姿勢を示していくということ、こういうことも大事なのではないかと思うのでございますけれども、この点についていかがでしょうか。
#46
○政府委員(竹島一彦君) 御指摘の点も含めまして、先ほど申し上げました紀律保持委員会で検討をしていかなければならないと考えております。
 ただ、私的な交際ということでもございまして、役所といたしまして具体的にプライバシーとの関連もある事柄について規則を定めてということについてもそれなりに限界があろうかと思いますけれども、いずれにしてもこの綱紀の粛正ということが実効が上がるようにするためには職員に対する綱紀粛正のまさに心構えから始めまして、具体的にどういうことがあるか考えてまいりたいと存じております。
#47
○山下栄一君 済みません長くなりました。
 法律の内容につきまして何点か、時間がありませんけれども質問したいと思います。
 今回の共済組合一部改正案でございますけれども、育児休業手当ということで共済制度の中に組み込むというそういう方法でなされることになったわけでございますけれども、以前のいわゆる教育職員または看護婦さん、保母さんにつきましては昭和五十一年以来育児休業給という給与の中に入れまして給与として国から支給されておった、そういう方式だったわけでございますけれども、今回は共済制度の中に組み込む、このように判断された理由につきまして、人事院並びに大蔵省のお考えをお聞きしたいと思います。
#48
○政府委員(武政和夫君) 人事院では、育児休業法成立の際に国会の附帯決議をいただいております。その附帯決議の趣旨を踏まえまして、育児休業期間中の経済的援助のあり方について検討を行ってまいりましたが、民間におきまして本年四月から雇用保険制度において育児休業給付が支給されるという状況になってまいりました。
 そういう状況を踏まえまして、人事院としましては公務においてもこれに見合う措置をとることが必要ではないかというふうに考えまして、その場合、民間の育児休業給付が既存の社会的制度である雇用保険制度からの給付であることを考慮すれば、職員の生活の安定と福祉の向上に寄与することを目的としました相互救済制度でありまして、出産や休業等に関しまして必要な給付を行っております現行国家公務員等共済組合制度で給付を行うのが現実的かつ適当なものではないかというふうに考えまして、同制度において給付水準及び実施時期等民間の育児休業給付に見合った給付を行いますよう所管省庁であります大蔵省に対しまして意見を申し入れたところであります。
#49
○山下栄一君 国庫負担なんですけれども、これは法律の文案から考えますと雇用保険法の規定にのっとってということで政令で定める割合を乗ずるとなっているんですけれども、これは具体的にはどういう数字になるわけでしょうか。
#50
○政府委員(武藤敏郎君) 民間の雇用保険と同様に十分の一という国庫負担率にしております。
#51
○山下栄一君 十分の一というのは法律そのものから出てこない内容ですね。政令でこれから定められる、そういうことですね。
 共済制度の中の短期給付の中に育児休業手当という形で組み込まれることになったわけでございますが、これは共済組合によりましては年齢的に育児休業をとる年齢の方がたくさんいらっしゃる、そのような職場、例えば国立病院等におきましては新しい制度の導入によりまして非常にこの制度を活用する方もふえてくる、受給者もふえるということが考えられるわけでございまして、短期給付経理への影響、例えば掛金率を上乗せしなきゃならないとかそういうことにまで及んでくるのではないかというふうに心配するわけでございますが、こういうことも計算に入れて導入されたというふうに考えてよろしいんでしょうか。
#52
○政府委員(武藤敏郎君) 国庫負担割合を十分の一とした理由といたしましては、民間準拠、雇用保険に倣ったわけでございますけれども、その雇用保険ではなぜ十分の一にしたかという点につきましては、現在いわゆる失業給付に対しましては国庫負担が二〇%となっておるわけでございます。この雇用継続給付は、失業という事態には立ち至っていないという意味におきまして国の負担すべき部分もより少なくていいであろうというような基本的考え方等々を勘案いたしまして、失業給付の場合の半分の一〇%にした、こういうことでございます。
 もちろん、その結果、それぞれの組合の短期の掛金率を今後考える場合に、国庫負担があるということ、それ以外にもこの育児休業給付が全体として見ますと比較的小規模のものにとどまる、現在給付総額が七年度で三十億円程度というふうに我々見込んでおりますけれども、全体の中で見ますとそういう比較的小規模なものでございますので、両々相まちまして当面七年度におきましては掛金率の変更は必要ない、こういうふうに考えておるわけでございます。
#53
○山下栄一君 もう時間になっておりますので、結構です。
#54
○高崎裕子君 まず大臣にお尋ねいたしますが、大蔵省は共済年金の特別掛金の対象の中に寒冷地手当を含めて今年度中に政令改正を行いたいというふうにしているわけですが、この寒冷地手当というのは寒冷積雪地の生計費が増嵩するという実情から、厳しい冬を乗り越えるために必要費を補てんするという性格のもので、いわば現物支給的な性格を持っており、報酬とはならないものなわけですね。
 また、特別掛金は年金額に反映しないものですから全くそういう意味では取られ損になるという問題もあり、通勤手当が同じようなものでありながら給付に反映するのとは違っているというところでも問題だ。そして、寒冷地といういわば地域的な手当ですから、そういう意味では強い不公平感も生ずるという点で、これは特別掛金の対象からぜひ除外していただきたいというふうに思うのですけれども、これはちょっと時間がないので大臣にお願いいたします。
#55
○国務大臣(武村正義君) 寒冷地手当が実費弁償的な性格を有しているという点については、通勤手当のように実費弁償的な性格の強い給付も既に保険料の対象となっていることからも、特段、特別保険料の対象とすることの妨げにはならないというふうに考えております。
#56
○高崎裕子君 これは、共済連合会が掛金については一・四六%引き上げるということも打ち出して、組合員一人当たりで見ますと五千四百円の引き上げになる、そして一時金からの徴収を入れると月に六千円ぐらいの引き上げという点では、私はもう大変な負担増になるという点で特に寒冷地の生活は厳しいわけですから、やっぱり私は実質的な寒冷地手当の引き下げに当たる、こういう特別掛金の対象になるという点からはぜひ除外していただきたいというふうにここは強くお願いをいたしまして、人審院にお尋ねいたします。
 今、指摘しましたように、共済では寒冷地手当が対象になり、実質的に引き下げられるという中で、人事院は昨年十一月に突然この寒冷地手当を見直すという方向を打ち出されたわけで、私も何度も人事院に来ていただきましたが、支給額それから支給方法について見直しをするというふうに繰り返し言われています。この支給額の水準というのは一般の給与の場合と同じで、民間におけるこの種手当の支給額のほかに実体生計費における寒冷増嵩分及び燃料価格の動向などについての調査研究が絶えず行われて、それらとの関係において必要な改定が行われてきたというふうに聞いています。
 昭和二十四年に制定されて以来、六十三年まで九回改定されてきたわけですけれども、これは適切に改定してきたというふうに言われているわけですけれども、そうであればなぜ今この支給額等について見直しなのかということが私は全く理解ができないわけなんです。昭和六十三年の改定、これを私どもは手当の引き下げになり私たちとしては改悪だということで反対したわけですけれども、この六十三年の改定のときと比較して現在、決定的な変化があるのでしょうか。
#57
○政府委員(弥富啓之助君) 寒冷地手当は御承知のとおりでございまして、寒冷地に在勤する職員の冬期間における寒冷積雪による暖房燃料費等生計費の増嵩分を補てんする趣旨で支給される手当でございます。
 この寒冷積雪によって増嵩する寒冷生計増嵩費につきましては、生活水準の向上やただいまライフスタイルの変化等によりまして寒冷地手当の支給地と非支給地との間で以前ほど大きな差が見出しにくくなっているところが現実でございます。
 このような情勢のもとで寒冷地での生計費増嵩分を超えていると思われる手当を支給することは、我々として公務部内の給与配分の均衡の観点から考えまして問題があるのではないか。この際、寒冷地手当の水準の適正化を図るための見直しを行う必要があると判断したものでございます。
 今、御質問になかったかと思いますが、また八月一括前払いの支給方法、これは問題がございまして、これについても現在は暖房用の主原料である灯油を夏期に一括購入するという事情にないこともございます。この際、あわせてその合理的な支給方法を実現するため見直しを行う必要があると考えているところでございます。
#58
○高崎裕子君 私が今質問いたしましたのは、今問題がある問題があるということでもう何か先に見直しが前提のようなお話をされるんですけれども、六十三年の改定のときと比較して今現在その決定的な変化があるのかどうかという点についてはいかがですか。
#59
○政府委員(小堀紀久生君) 総裁がお答え申しましたような状況は徐々に生じているわけでございまして、そういう意味で私どもとしては定期的に見直しを行ってきたという事情がございます。
 それで、特に今どうしてかという御指摘でございますけれども、現在でもさまざまな給与改善の要求が行われております。特に、最近のように公務員給与の改善原資が小さいときには給与の配分の問題というのは重要になってまいりますので、そういう点からの適正化を検討していく、そういう状況でございます。
#60
○高崎裕子君 この決定的な変化ということについては説明がまだ全くされていないわけですけれども、私は実際に調査をしてみたわけです。
 今、人事院もお話しされましたように、暖房用燃料費のほかに、特に防寒用被服費、あるいは防寒、防雪用の住居費、また除雪費など寒冷諸経費の増嵩分というのは極めて大きいわけで、その分が見られてきたということです。
 実際、例えば暖房が必要な期間は十一月から四月といっても、十月も五月も北海道ではストーブをたくわけですね。そしてその星も、例えば老人とか子供がいるとやっぱり一晩じゅうたかなきゃならないというようなことで暖房費もかさむ。それから家族構成によっても違ってくるわけで、子供部屋では補助暖房が必要で、特に受験勉強をしている子供については長時間暖房がかかる、あるいはトイレにパネルヒーターが必要だというような、本当に暖房にかかわる費用というのは具体的には物すごくかかっているわけですね。
 それから、車についてはスパイクタイヤが禁止されてスタッドレスタイヤになる。これは二年で買いかえると四本で十万円かかるわけで、それにプラス、チェーンが二万円ぐらいかかる。あるいは冬はエンジンがかかるのに時間がかかるために燃料費が夏の二割から三割増になる。あるいは住宅でも寒冷地仕様で、断熱材とか二重窓とか雪が落ちないようにスノーダクト、玄関フードというような寒冷地独特の必要な経費がある。除排雪でも、官舎とかそれから業者にこれを委託するということで、一世帯当たりにすると年間五万から六万かかると。スキー授業も必ず一年に三回ぐらいあるわけですから、子供は成長しますので二年に一回スキーを買ったりそれからスキーのためのウェアなども買わなきゃならない。
 こういう寒冷地にとっての私が今具体的に指摘した項目というのは、これは人事院としても生活必需品だというふうに見ているということでよろしいわけですね。
#61
○政府委員(小堀紀久生君) 今いろいろ御指摘がございましたけれども、いわばそういうものを総合的に反映したものが生計費ということになっているわけでございまして、そういうことで寒冷地における生計費とそれから暖地における生計費、そういうものの差が以前ほど大きくなくなっている、そういう状況がございますので、手当等の関係を総合的に見直そうということでございます。
#62
○高崎裕子君 今、私が指摘したものが寒冷地においての生活必需品であるという認識については、それでよろしいわけですね。
#63
○政府委員(小堀紀久生君) いろんな経費が総合されて先ほど申し上げました寒冷増嵩費になっているということでございます。
#64
○高崎裕子君 時間ですので、続きは後でまたしたいと思います。
#65
○委員長(岡野裕君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#66
○委員長(岡野裕君) 御異議ないと認めます。
 それでは、これより討論に入ります。――別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 国家公務員等共済組合法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#67
○委員長(岡野裕君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#68
○委員長(岡野裕君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#69
○委員長(岡野裕君) 続いて、国家公務員災害補償法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。山口総務庁長官。
#70
○国務大臣(山口鶴男君) ただいま議題となりました国家公務員災害補償法の一部を改正する法律案について、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
 本年二月十七日、人事院から国会及び内閣に対し、国家公務員法第二十三条の規定に基づき、国家公務員災害補償法の改正に関する意見の申出が行われました。この人事院の意見の申出にかんがみ、国家公務員災害補償法について所要の改正を行うこととし、ここにこの法律案を提出した次第であります。
 次に、法律案の内容について、その概要を御説明申し上げます。
 第一に、介護補償制度を創設することとし、障害補償年金等を受ける権利を有する者で、人事院規則で定める程度の障害により常時または随時介護を要するものに対して、病院等に入院している期間を除き、介護補償を支給することといたしております。また、この介護補償は、月を単位として、常時または随時介護を受ける場合に通常要する費用を考慮して人事院規則で定める額といたしております。
 第二に、遺族補償年金を受けることができる子、孫または兄弟姉妹の要件を緩和し、十八歳に達する日以後の最初の三月三十一日までの間にあることといたしております。
 第三に、遺族補償年金の額について、最高額である平均給与額の二百四十五日分を支給する場合の遺族の人数を四人以上とするとともに、遺族の人数が二人及び三人の場合の額を引き上げることといたしております。
 第四に、年金たる補償の支払い回数を年六回とし、支払い期日を偶数月とすることといたしております。
 第五に、福祉施設を福祉事業に名称変更するとともに、被災職員が受ける介護の援護を福祉事業として明示することといたしております。
 第六に、罰則の罰金額の上限について、二十万円に引き上げることといたしております。
 以上のほか、施行期日及びこの法律の施行に関し必要な経過措置について規定するとともに、関係法律の規定の整備を行うことといたしております。
 以上が、この法律案の提案理由及び内容の概要であります。
 何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御賛同あらんことをお願いいたします。
#71
○委員長(岡野裕君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#72
○板垣正君 ただいま御説明いただきました国家公務員災害補償法の問題について、総務庁長官にお伺いいたします。
 この基本は、介護補償制度の創設ということで、従来の経緯また現状等から大変意義のあることだと存じます。今までは介護料、こういうことで福祉施設、今度は福祉事業となるわけですね。要するに福祉施設からの給付という格好になっておりまして、今度は介護補償制度という制度として、補償の一つとしてこれはある意味で格上げされたと受けとめていいのか。また、その内容等も、常時あるいは随時介護が必要とされる場合も含めて行われる、特に家族だけではなかなか大変であります。
   〔委員長退席、理事瀬谷英行君着席〕
 もう当然の流れとして民間事業者からの介護サービスを受ける、こういうことについての介護補償制度ができたことは、制度としての一つの大変画期的なものではないか、そういう意味合いで介護料から介護補償になったというその辺の意義について、長官、もう一度その辺の意義をお話しいただきたいと思います。
#73
○国務大臣(山口鶴男君) 板垣委員御指摘のとおり、今までは恩恵的な形だったものを今度は国としては義務であると、また補償を受ける職員の側からすれば権利であるという形でこの内容を前進させたというふうに御理解いただきたいと存ずる次第であります。
 いずれにいたしましても、この措置は民間企業等に適用される労働者災害補償保険法との均衡を図るとともに、政府といたしましては、中立的、専門的機関であります人事院の意見の申し出を尊重するという基本姿勢に立ちまして、意見の申し出に沿って所要の改正をすることにいたした次第でございます。
 なお、今回の改正における介護補償の創設は、御指摘のように高齢化、核家族化の進展等を踏まえたものでございますが、今後とも高齢化、核家族化の進展等、社会経済情勢の変化に対応するように、人事院の専門的な調査研究の結果に基づく意見の申し出がなされまするならば、これに適切に対応いたしてまいりたいと考えておる次第でございます。
#74
○板垣正君 もう一つの柱と申しますか、具体的に介護補償を設けられ、そして今度は福祉事業という立場で介護の援助の拡充を図っていくと、つまり社会復帰の面、そうした面でホームヘルプサービス制度の創設をする、介護機器レンタル制度の創設をしその費用も七割は負担しますよと、こういうことも一つの大きなこれは人事院のもとでの御意見であり、またお扱いであると存じますけれども、今のこうした介護の内容のより積極的な改善も恐らくいろいろ検討されていると思いますが、そういう点について政府のこれからの考え方をできたら伺いたいと思います。
#75
○政府委員(杉浦力君) お答え申し上げます。
 基本的には今、私どもの大臣が申し上げたとおりでございますが、ホームヘルパーの派遣とか介護機器の貸与とか、こういった点につきましても今後の施策の一つといたしまして、福祉事業の一環として今回の法律の改正に基づきましてやらせていただきたいと思っております。
 そのほかいろいろなこと、まだ今後も検討しなければならない問題があると思いますが、それを先ほど大臣申し上げましたように、専門機関の人事院がいろんな点を検討の上でお出しいただきますならば、私ども適切に対処させていただきたいと思っております。
#76
○板垣正君 大事な問題でありますから、今後さらに人事院におかれても十分検討されることでございましょうし、政府としても積極的に対応、取り組んでいただきたい、こう思うわけでございます。
 なお、この改正点が幾つかございます。この中で、別の立場でございますけれどもお伺いしておきたい問題。年金たる補償の支払い期日を改善するという、従来年四回支給であったのを隔月、年六回と、これは受給者の立場からしても大変御配慮いただいたやり方だと思いますね。私ども一番日ごろお世話になっております恩給あるいは公務扶助料、遺族年金、特に恩給関係等の扱いは従来、御案内のとおり年四回の支給と、こういうことでございますが、やはりこの受給者もほとんど高齢化いたしておりますし、支給日を待ち焦がれているというような心情なんですね。そういう点でこれがやはり横並びと言ってはなんですが、恩給の方でも年六回というようなことがもし御検討願えればというような気持ちを抱くわけでございますが、この点は当局はいかがですか、恩給局長。
#77
○政府委員(石倉寛治君) 先生も御承知のとおり、この支払い回数その他の問題につきましては、長い伝統で四回ということになっておるのは御承知のとおりでございます。
 しかし、これを年六回に変えるということになりますと、いわゆる恩給支給期と予算計上年度の関係がございまして、移行の初年度について見ますと、どうしても十三カ月の予算を組まなければならない、こういう状況になるわけでございます。御承知のように一カ月約千三百億円ほどの所要経費が恩給費として出されておりますので、これをさらに積み上げて予算化するということは大変なことでございます。したがいまして、厳しい財政事情のもとで六回払いの実施ということは大変困難であると考えておるところでございます。
#78
○板垣正君 確かにいろいろ難しい点もあろうかと思います。こちらの補償年金の方も年六回というのは平成八年からですね、今後の検討課題にしていただければと思います。
 今度は話題を変えまして防衛庁の方にお伺いしてまいりたいと思います。
 今回の東京地下鉄サリン事件、まことに恐るべき憎むべき犯罪行為でございますが、これに対して自衛隊が今いろいろ対応していただいておるということも伺っておりますが、そのことについて伺いたいが、その前に、あの一月の阪神大震災、これが発生いたして以来、各関係の方々は大変努力をされてきているわけでございます。自衛隊も大変な努力をされて、前回この委員会でも御報告いただいたような救援活動を展開していただき、国民も感謝し、私ども高く評価いたしておりますが、承ると、そろそろこれも五月の連休前ぐらいで一応自衛隊としての救援体制は終わりにするというふうな報道もございますが、大体そういうふうな方向で行っているんですか、その点を承ります。
#79
○政府委員(村田直昭君) 御質問の点でございますが、阪神・淡路大震災にかかわりますところの自衛隊の災害派遣活動の終了時期ということでございますけれども、これにつきましては兵庫県等とも十分に調整した上で決定するということにしておりまして、現段階において一部報道されておりますように、五月の連休前に活動を終了するということを決定したという事実はございません。
 一部、知事さんが会見の中で、これは三月十七日の兵庫県知事の記者会見でございますけれども、自衛隊にお願いしている瓦れき処理というのは非常に限られておりまして、これも市や町と協議していただきながらその対象を決めていただくということで、最終的に私の方にそれが上がってきまして、私の方から自衛隊と協議するということになりますが、私の今までに得た感触では、連休前には自衛隊に担当をしていただく瓦れき処理はほぼ収束できるのではないかと思っておりますというようなことを発言されたというふうには承知しておりますが、具体的に県当局との間で決定をしたという事実はございません。
#80
○板垣正君 県当局と十分御協議いただき、有終の美といいますか、県民の信頼も得られたわけでありますから、そこをきちっとして始末をつけていただきたい、こう思うわけでございます。
 さて、そこでこの三月二十日に突発をいたしました東京の地下鉄の、これは今まで日本に、松本の例はございましたけれども、大都会の地下鉄の中でああした計画的な組織的なテロ、こうしたものが行われる、これは世界にも例がないそういう恐るべき行為が行われたということ、こういう事態を招来したということは私どもは非常に残念であります。先ほども前段の時間で警察当局も判断が甘かったんじゃないのかと申し上げたんですけれども、いずれにしましても、こういう事態においてはやはり自衛隊の専門的な機能、専門的な組織、活動というふうなものが期待もされかつ対応していただいた、
 これは不幸なことではございましたけれども、阪神大震災における危機管理体制がいろいろ言われた、そういう意味の反省あるいは教訓というようなものも生かされたと言えるんでしょうか。比較的早く適切な対処をしていただいたように思いますけれども、具体的にどう対処され活動されたか、その点を伺いたいと思います。
   〔理事瀬谷英行君退席、委員長着席〕
#81
○政府委員(村田直昭君) お尋ねの三月二十日に起こりました都内の地下鉄における毒性ガス事室でございますけれども、その際の自衛隊の活動の概要について申し上げます。
 警察庁の方から要請がございまして、警察庁あるいは警察科学研究所に自衛隊の化学防護の専門職員を四名派遣しまして、自衛隊が持っております化学防護のためのいろんな知見というものを提供するということとともに、今度は治療その他のために警察病院等に医官等計三十五名を派遣しておるところでございます。
 それから、実際に地下鉄の構内あるいは車両等においてそういう毒性ガスがまかれたということに伴いまして、それを除去する必要があるということになりまして、これはあくまで部隊活動でございますものですから東京都知事及び千葉県知事から災害派遣の要請がございまして、これに基づきまして、あらかじめこれも待機をしておりました練馬の第一師団の化学防護小隊、それから市ヶ谷の第一師団第三二普通科連隊、それから大宮の第一〇一化学防護隊及び群馬県相馬原の第一二師団の化学防護小隊、これらはいずれもある時点において市ヶ谷に集まってきておりまして、そういうものを含めまして隊員計約二百名、除染車約十両等を派遣しまして、霞ケ関駅、日比谷駅、築地駅、小伝間町駅、後楽園駅及び松戸、これは車両基地になっておるそうでございますが、松戸におきまして検知や除染という作業を行ったというところでございます。
 なお、この件につきましては、この事件が発生しましてから、八時五十分に警察から連絡がありまして、直ちに先ほど言いましたように警察庁に連絡要員を派遣しましてこの対応に当たったということでございます。
#82
○板垣正君 一部報道等によりますと、この事態、極めて異常な事態でございますが、東部方面総監あるいは第一師団、第一二師団管内約一万二千人部隊に第三種非常勤務体制を指令したと。一万二千人のそういう体制をとったということも言われておりますが、そういうことは事実ですか。
#83
○政府委員(村田直昭君) これにつきましてはそれぞれの部隊におきましてすぐに非常呼集等を行いまして体制をとりましたが、これは突発的に起こりましたものですから、その際に連絡要員を派遣いたしまして対応をとって、その後、先ほど私が申しましたように市ヶ谷に化学関係の職種の者を集めたということでございます。
 今、一万数千名の体制をとったのではないかと言われたのはこの件ではないんじゃないか。二十二日に警察庁の方で例のオウム真理教の関係で捜索に入ったという際に、私どももあらかじめそのような機材を貸してほしいというような要請、それからその機材の使い方についての訓練の要請というのがありまして、その打ち合わせをしておりました。したがって、いつ起こるかということについては私ども承知しておりませんでしたが、そういうことが近々あるということについて承知しておりましたので、そういうような体制をとっておったということでございまして、これは地下鉄事件の方ではなくて、二十百の捜査の際ということで御理解いただきたい。
#84
○板垣正君 それほど警察当局と打ち合わせの結果だと思うんですけれども、初めてというか、ああした大規模な、そしていよいよ家宅捜索に入る、それは拉致された方を捜査するというのが令状ではありますけれども、もう想像の赴くところ、当然サリンのどんな事態が起こるかわからないという中で、いろいろ緊張した場面もあるいはあったんじゃないかと思います。
 そこで、今度は山梨県の上九一色村の家宅捜索というんですか、ここの捜査について毒ガス処理の専門家十一名が自衛隊から派遣されて活動されている。これはどういう対応で活動されているわけですか。
#85
○政府委員(村田直昭君) 先生御指摘の十一名の者ですが、これは警視庁が三月二十二日に山梨県上九一色村のオウム真理教の施設を捜索した際に、捜索により発見されました不審な液体あるいは機材というものがございまして、それがどういうようなものであるかというようなことにつきまして調査を行うという場合に警察庁としても慎重を期すると、過去にそのような事案があったというような話もございますので慎重を期するということから、警察庁の方から我が方に対して、防衛庁に対して科学防護専門職員の派遣要請がございました。この要請に基づきまして、警察庁の職員と兼職をさせる。なぜならば、この職員は捜査に協力してその知見を活用して、その液体等がどういうものであるとか、そういうようなことについての捜査業務を行うということでございましたものですから、兼職という格好で現地に派遣をしておるわけでございます。
 そして、これにつきましては同様のことがクウェートとイラクとの戦争が終結した後、イラクの化学兵器の解体をするという例の国連のスキームがございまして、そこに我が方から自衛官二名を三回にわたって六名派遣しておりますが、その際もこれを行うというスキームの中で、外務省の職員としてそういう知見を活用し仕事を行ったというケースがございます。
 そういうものとあわせて、同じようなスキームということで、これは捜査を行う、捜査の手伝いをするということで兼職という格好で警察庁に派遣をし捜査に当たらせたということでございます。
#86
○板垣正君 こういう事態、いわゆる救援体制、救援活動というようなものもいろんな態様が考えられる。今回の場合は、今お話しのとおりに地下鉄の汚染されたものをあれする部隊を派遣して、これは都知事からの災害派遣、こういう格好で部隊が支援活動を行われた。山梨のあの現場の方は、国家行政組織法に基づく官庁間協力という姿で専門家が警察官の職務を兼務するという格好でやられた、こういうことでございます。そうした面では、今回の事態に対応する上において格別の支障はなかった、こういうふうに受けとめてよろしいですか。
#87
○政府委員(村田直昭君) 先生御指摘のとおり、今私が御報告しましたような作業、仕事を行う上で三つのスキームで考えています。
 一つは、ある知見を持っておる職員がその知見を官庁間と協力してそこの職場に、現場に参りまして職員としての知見をもって協力する、いわゆる官庁間協力というスキームでございます。それから先ほどの除染のように、部隊が出動して薬剤の除去あるいは中和に当たるというような災害派遣というようなスキーム。それからもう一つは、先ほど言いましたように、捜査という極めてこれは刑事、警察が行う事項でございますし、それについては防衛庁として職務権限がないわけでございまして、その知見はしかし活用しなければならぬということで兼職という格好で、刑事といいますか捜査の協力をするという格好の三つのスキームを今回使って、この事案については整々と協力が行われたということでございます。
#88
○板垣正君 再びあってはならない今回のサリンによるこうした事態。防衛庁は本職は国の防衛であります、同時に、国の治安の維持ということも当然考慮の中に入れなきゃならない、またそれに伴う治安出動というようなものも明記されておる。しかし、自衛隊が治安出動に出動などということはこれはもう大変な事態でございまして、そうした事態を招来すること自体あってはならない。しかし、今回のこうした事態というものはそういう根っこを持っておりますね。これがもっと徹底してこうしたことが行われる、あるいはもっと人が密集しておってしかも密閉されたようなところでこうしたガスが発射される、持ち込まれる、こういうことになりますとまことに大変でございます。
 私どもは治安の面においては警察なり当局を信頼しているわけですけれども、防護服も自衛隊からお借りしなきゃならない、ガスマスクも自衛隊からお借りをして、そして着方、つけ方、訓練、こういうところも教わって出かけていったと、警察がおられないのであれなんですけれども。そういうのでいいのか。
 確かに日本は世界でも一番平和で安全である、ある面、治安は保たれていると言われてきましたが、どうもそういうものがほころびかかって、逆に世界を驚かすような、どうもあの社会は大分病んでいるのじゃないかという見られ方をするような事態がいろいろあらわれているということは大変憂慮されることであり、その根っこにあるものは何か、そこを見きわめていく政治の責任というものは非常に大きいと思うんです。政府なりあるいは政治の責任は国民の平和、安全、安心、そういうものを目に見えない活動でもずっと支えているし、またそういう不祥事態は未然に起こさせない、こういうことがこれは国の防衛の問題でもあるいは治安の問題でも、今回のような不祥事態というような問題についても言えるんじゃないのでしょうか。
 これは国の基本にかかわる問題であり、内閣全体の問題でもあろうと思いますから、せっかくの機会でありますから、総務庁長官、いかがでしょうか。今度のこういう事態を教訓として、さらに相当な危機感を持って対処していかなければならないと思いますが、その辺の御見解を承れればと思います。
#89
○国務大臣(山口鶴男君) 御指摘のとおりだと思います。
 実は、我が国の場合、御案内のようにサリンなどという有毒ガスというものは国内にあり得ないという立場の法体系になっておるわけでございますので、結局サリンというような有毒ガスを持っていてもこれに対する罰則規定は現在のところはない、こういう状況であります。今、議論をいただいておるのは有毒化学兵器を禁止する条約、これに伴います法律、これが今国会に提案をされまして今、御論議をいただいているわけでございますが、結局は現在のところそういうものはあり得ないという立場の法体系になっているというところにそもそも問題があったというふうに思います。
 先週の閣議、サリン事件がありました後の閣議でございましたが、閣議後の懇談で私もその点を指摘いたしました。また、私はたまたま学校が化学だったものでサリンの化学方程式もある程度承知をいたしておるものですから、これはどうも有機燐化合物に対して弗素を結合させた極めて有毒な物質だ、したがってこれをつくるというのは相当な化学的な知識が必要だ、したがって今回の犯行は相当知識のあるしかも確信を持った確信犯的な犯罪だと思う。現在、条約及び法律の審議をいただいているけれども、この問題に関しては特別法を制定して厳格に取り締まるということが必要ではないかと思うということを申しまして、昨日、与党の政策調整会議におきましてはそういった特別法が必要だということで意見の一致もされておるようでございます。政府・与党一体となりまして、この問題に対してはきちっとした対応をすべきである、またしなきゃならぬというふうに思っている次第であります。
 そういうわけでございますから、警察もこういった有毒ガスに対する備えというものは十分でなかったと思っております。委員御指摘のとおりの状況がございました。これらの問題について、自衛隊のいろいろ御協力をいただかなきゃならぬという警察の体制、場合によってはそのことも必要だと思いますが、やはりこういう状況になりましたときには警察自体これに対する備えというものをきちっとするように、多分国家公安委員会としても警察庁としても私は対応いただけるのではないだろうか。特別法の制定、それに対する対応というものが必要であるし、また内閣としても出。していかなきゃならぬということだと存じます。
#90
○板垣正君 ありがとうございました。終わります。
#91
○久保田真苗君 国公災害補償法関係で、板垣委員の方に今回の介護料等についての意義を十分お話しくださいました。私は小さいのを一つだけ伺いたいと思います。
 それは遺族補償年金の額なんですが、従来の区分の五人以上から四人以上にする、額は同じようなことなんだけれども。二、三人のところを厚くする、そのやり方は職員の分布からいって適切だと思います。ですけれども、実際五人以上というかあるいは多子家族とか、それから二世帯家族とか、そういういっぱい家族のいる人というのはほとんどいないんでしょうか。もしいるのだったらそこのところはどういうふうに考えられるのか、御説明いただきたいと思います。
#92
○政府委員(杉浦力君) 先生今おっしゃいました、年金をいただく場合には遺族の数によって金額が変わるということで、そして現在の最高をいただけるのは五人以上となっておりますが、今私の手元にございます数字で申し上げますと、五人以上はほんのわずかでございます。全体が約千四百五十ほどございますうちで六という数字になっております。したがいまして、五人以上にわざわざ限定しなければというよりは、さらに四人に下げても下げた方が効率的だということでございます。四人のところも受給者数は約二十人でございます。千五百人弱の中から二十人ぐらいが四人になるということでございます。
#93
○久保田真苗君 たとえ六人でも、そこが非常に困るということになる場合にはまた改善を考えていただきたいと思いますし、今回は非常にいい前進だったと思っております。賛成でございます。
 それから次に、規制緩和が大詰めになっております。それで、まだ決定したものを拝見はしておりませんけれども、私としましては、もう前川リポートのころから規制緩和と言いながら、認識は十分にありながら実行が実に難しかった、その意味で村山内閣が政治生命をかけてもこれをやるんだということで取り組んでいらっしゃるということを大変よくおやりになるとは思うんですけれども、拝見していますとかなり難しそうですね。世間の評価というものも迅速性あるいは中身の問題についていろいろございます。私は、ぜひこれは非常に意味のあるものにしていただきたいということを思っているわけなのでございます。
 それで、大臣にお伺いしたい二、三の点がございます。
 一つは、豊かさを肌で実感できる、そういう経済大国でありたいという願いがあるわけでございます。また、今回の行革あるいは規制緩和の意義もそれが一つの非常に大きいことだと思います。ところで、内外価格差というものがございまして、円高になりますと内外価格差も勢い開いていくわけでございます。しかし、価格差は決して円高のためだけではございませんで、本来喜べるはずの自国の通貨の強さを必ずしもそう受けとめられないというところに一つのゆがみがある、つまり内外価格差は日本の経済のゆがみをあらわしたものじゃないか、象徴するものじゃないかと私は思うわけです。
 それで、この内外価格差を規制緩和の一つの目安にしてはどうかという、そういう御意見がございますね。長官はどのようにお考えでしょうか。
#94
○国務大臣(山口鶴男君) 御指摘のように、内外価格差というものの縮小に向かって努力をしなきゃならぬということは当然だと思います。本日も閣議後の懇談でたまたま、円高が非常に進んでおりまして、これに対する大蔵大臣としての円高・金融対策等を昨日発表になったものですから、それをめぐって議論をいたしました。
 いずれにいたしましても、この円高メリットというものが完全に還元されておるかといいますと必ずしもそうではない。特に高村経企庁長官も言っておりましたが、書籍でありますとか化粧品でありますとかいうものに対しては円高メリットというものがほとんど効果を上げていない、一面、円高メリットがやはり還元されている分野もある、こういったものについて物価担当会議を昨日も開いて今、全力を挙げているところですというような報告もございましたが、いずれにいたしましてもこの内外価格差に対しましては規制緩和が一つの重要な政策課題であるということは、私もそのとおりだと思います。
 ただ、この内外価格差は、規制の問題ばかりではなくて、日本の地価が非常に高いということもありましょう、商習慣というものもありましょう、その他いろんな要素というものがあるわけですから、規制緩和だけで内外価格差をこの程度縮小するという数値目標というのは私はなかなか難しいのではないか。参議院の予算委員会でも随分御議論になりましたが、そこはやはりさまざまなものの総合でもって内外価格差というものができているということは御理解いただきたいということを終始中してきた次第であります。
 ですから、規制緩和によって内外価格差を縮小する努力は私ども懸命にいたしたいと思います。中間報告、七百項目ばかりいたしましたが、さらに努力をいたしまして、年度末には千項目を超える規制緩和項目を発表いたしたいと考えておる次第でございます。
#95
○久保田真苗君 おっしゃいます化粧品や書籍というのは結局再販価格の維持、それの規制を撤廃しないといけませんので、それは公取委に頑張っていただきたいんですが、確かに土地とかいろいろな条件があるし、雇用にも関係が出てくる問題だと思います。ですから、それは短兵急にやれということではないんですけれども、私などがある程度消費者の立場に立ってみますと、内外価格差の大きいものは三つ、大づかみにして三つだと思うんです。その一が食料品、その二が住宅、そしてその三が公共料金だと思います。
 この食料品につきましては、決定を見ていないので私は新聞だけで言っているんですけれども、農産物の価格支持制度というのが非常に広範囲にあります。そうしたものは農産物については全く触れられていないんだとか、あるいは触れられてもその肝心のところは何にも出さないんだとか、そういうお話が耳に入るわけでございます。価格支持制度というものはいろいろありますけれども、しかし今の内外価格差だったら、食料品は押しなべておととしの調査で三倍以上ですから、主要都市と比べて東京は。今は四倍ぐらいになっているんじゃないでしょうか。
 こういうふうになってまいりますと、価格支持制度そのものを全然見直さないというのでは、私は生活者にとってひど過ぎるんじゃないかと思うんですね。それはいろいろあります。でも、本当にたんぱく質ですとか、それから穀類ですとか生鮮食品ですとか、そういったものに価格支持制度があって、しかも輸入の数量制限品目が実に多いわけです。そういう状態ですと、このままで行ったんでは、もしこの五カ年計画の中に出ないのであれば一体先ほどうなるのか。それは、お米はウルグアイ・ラウンドで一応の決着ができています、国内対策も必要です。ですけれども、それでは麦はどうなのか。昔の総理大臣が貧乏人は麦を食えと言って大変非難されたこともありますけれども、でも麦に逃げられたんですね、という感じを私は持つんですよ。
 どこにも逃げる道がないというような価格支持というようなものは、私は五年もほっておくべきじゃないと思いますが、どうお考えでしょうか。
#96
○国務大臣(山口鶴男君) 政府といたしましても、食料品につきましても規制緩和を進める必要があるという認識のもとに、御存じだと思いますが、行政改革推進本部のもとに規制緩和検討委員会、これを設けまして、各界の有識者の方々にお集まりいただきまして御議論をいただきました。
 その検討委員会の意見報告では、御指摘のありましたような食糧管理制度に関しての意見がございました。そしてまた加工原料乳・乳製品、あるいは砂糖関係、でん粉、小麦、農業資機材関係、その他等にわたりましてもそれぞれ規制緩和をすべきであるという意見を承っております。
 それを土台にいたしまして、総務庁といたしましてはできる限り検討委員会の意見を実行に移すべく各省庁と随分話し合いを積み重ねてまいった次第でございまして、当面は、米の流通規制については稲作経営の活性化を図り消費者ニーズの多様化に対応するよう必要最小限のものに緩和をしていく。具体的には、出荷取扱業者、販売業者について従来の指定制、許可制から登録制に変更する、また登録要件も簡素化するということで中間報告に一応織り込むことになりました。その他の問題については中間報告に盛り込むに至らなかったんですが、その後三十一日、年度末までに先ほど申し上げたように千項目を超える規制緩和の案を五カ年計画として策定すべく今、努力をしているところでございまして、今後できる限りの努力を続けてまいりたいと考えておる次第でございます。
#97
○久保田真苗君 いろんな名前で出ている価格支持制度、私は特にたんぱく質とかそれから穀類、生鮮食品、特に今ぜひ国民生活上基本的に必要だと思うようなものにはやっぱり政府の立場で、農水省だけの立場じゃなく、また生産者の立場だけじゃなく、それを取り上げてやっていただきませんと、それは今短兵急に全部をやってほしいというわけではない。したがって、私は、政府の方としても消費者に、全部をこのまま維持してもう逃げ場のないような食料価格を形成しているということについては、ここはある程度折り合う形である程度のものを出していただきたい。そうでございませんと、豊かさの実感できない最たる項目だと思いますね。
 それから、次は住宅なんです。住宅も居場所が安定しないということは、これは悲惨なことでございます。ですから、住宅については特に規制緩和とそれから市場開放によって、住宅は日本にできるのがほとんどでございましょうから、こちらへ海外の企業も入ってもらう。つまり、私の認識では、六百三十兆円あって兵庫の復旧活動があると、そういう公共事業というものは十分にあるんだという認識で、むしろ間に合わないぐらいじゃないか。こういう需要の多いところに外国からの参入を思い切って認めて、それが何が悪いのかという感じを持つわけでございます。その辺がしっかりと押さえているかどうかということについて、大臣はどういうふうにごらんになっていらっしゃいますか。
#98
○国務大臣(山口鶴男君) 御指摘の住宅の問題でございますが、政府といたしましても住宅、土地関係につきましては規制緩和の重点分野というふうに指定をいたしまして努力してまいりました。
 見直しの基本方針の一つとして、規制の国際的整合化を図り、外国事業者、外国製品等の我が国市場への参入阻害要素を除去するという立場で努力してまいりましたし、御指摘の阪神・淡路大震災に対する仮設住宅につきましても、外国からの輸入というものも小里地震担当大臣の方でも努力をいたしまして、そういう点についても目配りをいたしてまいった次第でございます。
 また、中間公表におきましても、住宅建設コストの逓減を図る観点から、建設資材等にかかわる相互認証制度などが盛り込まれております。いわゆるJASの問題も、この問題について取り上げてまいったところでございます。
 なお、食料品に関しまして、先ほど私の答弁にちょっと不足がございますので、政府委員の方から補足して答弁させていただきます。
#99
○政府委員(土屋勲君) 食料品の関係の規制緩和の問題でございますが、現在、年度末を目指しまして政府として計画をつくっております中に輸入割り当て制度の見直し等を入れる方向で調整をいたしておりまして、具体的にはでん粉に係る輸入割り当て制度、あるいは指定乳製品に係る輸入割り当て制度、畑作物に係るもの、麦に係るもの等について計画の中に取り込むべく調整を進めておるところでございます。
#100
○久保田真苗君 わかりました。ぜひ適切な御対処をお願いいたします。
 それで、今の住宅の関連でいわゆる公共事業につきましての需要もたくさんあるというふうに考えるわけですが、この公共事業についての芳しくない話というものがしばしば聞かれるわけです。それは今に始まったことではございません。この公共事業への参入規制というものが強くて、そしてその中で談合が行われる、それはもう日常茶飯事。しかも、その価格が税金だからだれも損じないんだというような感じで非常に高くついているということはゆゆしいことだと思うんです。
 それで私は、この関係は公取委のお仕事が多いと思うんですね。公取委の方にも伺いたいし大臣にも伺いたいんですが、この公共事業への外資の参入ということについて、公取委は入札談合等どういうふうに対処していかれるのか。あるいはもう一つ、日本の公正取引委員会はかなり弱くて小さいんだといううわさが専らでございまして、これは日本が真剣に市場開放等に取り組んでいることにならないと思うんですね。
 公正取引委員会に伺いますが、今の入札談合の件、それからもう一つは公正取引委員会が本当に機能を発揮するためにはどういう点を強化したらいいのか、これを伺わせてください。
#101
○説明員(上杉秋則君) 御説明申し上げます。
 公取の強化、どういう点が強化されるべきかというお尋ねでございますけれども、我が国の経済力に見合った豊かな国民生活を実現していく、あるいは我が国経済を国際的により開かれたものにしていく。いずれも我が国の事業者間の公正かつ自由な競争を促進するということを通じて消費者利益を確保していく。まさに独占禁止法の目的とするところそのものでございます。また、規制緩和が進展いたしますと、やはり規制緩和後の市場においてこういったことに取り組んでいく必要が増大するということで、私どもは公取の果たすべき役割はますます大きくなっていくんだというふうに認識いたしております。
 現在、政府におきましては行財政改革が推進されております厳しい状況の中で、関係各方面の御理解を得ながら、私どもの組織、定員につきまして整備充実が図られてきているところでございますが、今後とも各方面の理解を得ながら引き続き機構、定員の拡充強化に努めていきたい、競争政策の有効かつ的確な運用を推進してまいりたいというふうに考えております。
 住宅建設等の公共工事の入札談合の点についてのお尋ねでございますけれども、もちろんこういった入札談合行為というのは入札制度の根幹を失わせるものでございまして、独禁法違反行為ということで積極的にその排除に努めているところでございます。
 建設業、これには電気工事等を含む範囲で申し上げておるんですけれども、私ども昭和五十二年以降、四十八件につきまして法的措置をとっております。これまで延べ千六十八名の事業者に対しまして総額五十二億四千九百九十六万円の課徴金の納付を命じているところでございます。
 今後とも、入札談合について、住宅等についての御指摘もありましたけれども、情報収集が極めて重要でございますので、その面に一層努力いたしまして、具体的な情報に接しました場合には厳正に対応していきたいと考えております。
#102
○久保田真苗君 大臣、これは新聞なんかで申し上げて失礼なのでございますけれども、公取委の強化について、総務庁としては慎重に対応するのがこれまでの経過というふうに出ているので、まさかとは思うんですけれども、普通の常識で言いますと慎重に対応というのは、余りやらないとか消極的など。御真意のほどを伺って終わりにしたいと思います。
#103
○国務大臣(山口鶴男君) 実は、国家公務員の組織、定員に関します査定権は総務庁が持っております。ちょうど予算の査定権を大蔵省が持っていると同じでありまして、大蔵省も予算に関してはこれは一生懸命予算をふやしましょうというようなことはなかなか言えない立場でございます。したがって、総務庁も組織、定員の問題について今、行政改革を進めるという立場もございますものですから、大いにふやしましょうというようなことはなかなか言いがたい立場にあるということは御理解をいただきたいと思うんです。
 ただ、実態としましては、平成七年度予算編成に当たりましては、他の省庁は増員は厳しく査定いたしましたが、公正取引委員会につきましては要望どおり定員増を認めた次第でございます。また、三月三十一日に決めます規制緩和に対する五カ年計画の策定につきましても、総論でこの公取委員会の組織、人員について体制を強化するということを、総務庁としても私は賛成であるということを申し上げて、そういう趣旨をこの策定方針の中には織り込みたいと思っております。
 そういった立場上やはり慎重にならざるを得ない点はひとつ御理解をいただきまして、この問題が重要であるということは十分認識して精いっぱいの対処をいたしたいと思っております。
#104
○高桑栄松君 それでは、質問をさせていただきますが、最初に地下鉄サリン事件の被害状況と補償のことですが、被害者総数と、それから国家公務員及び防衛庁関係の職員の方々がどれくらいの被害を受けておるか、それからその補償措置はどうなっているか、ひとつ伺いたいと思います。これは人事院と防衛庁でしょうかね。
#105
○政府委員(武政和夫君) 被災者の状況でございますが、二月二十四日現在におきまして人事院が把握している一般職の国家公務員の被災者は八十二人であります。幸いにこれらの中には死亡者や重体者はおりませんが、そのほとんどは軽傷者でありますが、入院した者というのは十九人おります。
 人事院としましては、事件当日でありますけれども、災害補償の実施機関である各省庁に対しまして、通勤災害として認定することを検討することを前提にしまして、災害の発生状況等について個別事案ごとに報告を求めております。
 本件災害につきましては、個別事案ごとに見てみないと何とも申せませんが、基本的には通勤環境に内在する危険性が具体化したものとして、通勤災害として認定できるのではないかというふうに考えております。通勤災害として認定されますれば、治療を受けて、それに要した療養費につきましては、療養補償が行われることとなるということでございます。
#106
○政府委員(萩次郎君) 防衛庁職員につきまして申し上げます。
 三月二十七日現在でございますが、防衛庁職員約七十名が治療を受けております。そのうち入院をいたしました者が四十名、幸いにして入院した者も本日現在では全員退院をしております。なお、防衛庁の正規の職員ではございませんが、共済組合、準公務員が八名ほど被害を受けておりますが、そのうちの一名が重症で、現在も入院中ということでございます。
 それで、補償措置の方でございますが、これは一般職並びで行うわけでございますけれども、防衛庁といたしましては、通勤途上における災害ということで公務災害補償を行いたいというふうに考えております。なお、共済組合の準公務員の方は、公務災害にはなりませんので、一般の労災の適用ができるものということで現在、検討を行っておるところでございます。
#107
○高桑栄松君 今、伺いまして非常に目立つのは、一般国家公務員の被災者が八十二名で、防衛庁が七十名というのは非常に数が接近しておりますので、防衛庁が非常に多かったと、素人的に言うとねらわれたかと思うくらい突出しておりますね。これは何か理由が考えられるでしょうか。
#108
○政府委員(萩次郎君) 御存じのとおり、防衛庁の所在いたしますのが六本木でございまして、日比谷線、千代田線の経路でございます。それから、その経路には目黒区、世田谷区、新宿といったところに所在します防衛庁のいろんな機関等がございまして、およそ一万三千人がその経路の地下鉄などを利用しておるということもあるいは関係するかと思いますが、そのほか出勤の時間帯の問題もございましょうし、その理由を挙げろと言われますと、必ずしも明らかではないというところでございます。
#109
○高桑栄松君 理由といっても確実に因果関係がわかるわけじゃなくて、まことに推測というか関心を持ったというだけでございますけれども、これは時間帯が一つだとねらわれれば非常にたくさん被害を受けますが、時差出勤があるとその分だけ緩和されますね。だから時差出勤をどちらかがなさっていたのかなと、ちょっとばかりこれはそんなふうにも思いましたけれども、それはそれで結構です。
 次に、阪神・淡路大震災のことも同じような質問をと思いましたけれども、時間のこともございますので、これはその中の一つで、海上保安官が大震災の際に救援業務中にクモ膜下出血で死亡されて、この方は過労死と認定をされたということでございました。警察官及び海上保安官は、職務が危険であるということで特別公務災害制度というのがある、この場合には五〇%金額が加算されると承りましたが、この方の場合はどうなっていたのかということです。
#110
○政府委員(弥富啓之助君) このたびの海上保安官の公務災害につきましては、慎んで哀悼の意を表したいと存じます。
 人事院といたしましては、実施機関でございます海上保安庁の方から過労死の認定の協議が参りましたので、速やかに回答を行ってきたところでございます。
 さて、今お話しの特別公務災害、これは災害基本法に規定されているところでございますけれども、警察官、海上保安官等職務の内容が特殊な職員がその生命または身体に対する高度の危険が予測される状況下において、被疑者の逮捕、天災等における人命救助等の困難な職務に従事して被災した場合に、遺族補償等に一定の割り増しをするものでございます。
 今回の阪神・淡路大震災の救援業務中に海上保安庁の職員がクモ膜下出血で倒れられました本件につきましては、海上保安庁において公務上災害と認定しているわけでございますが、本件の場合、通常の救援活動中の長期間労働が有力な原因となってクモ膜下出血を発症したものと考えられるわけでございます。したがって、特別公務災害を適用するため、その生命または身体に対する高度の危険が予測される状況下で職務に従事していたという前提を欠いておるものでございまして、そのための制度は適用できなかったということでございます。
#111
○高桑栄松君 その認定の条件というのは私もよくわかりませんし、私がよく調べたというわけじゃございませんのでこれは承っておきますが、今度の大震災のような自然災害では、極めて突発的であって時間もまことに不確定なわけでございますし、それから一刻を争うことが多いからほとんど休養することもなく超過勤務に次ぐ超過勤務になるだろう、こんなふうに思われますが、そういったときにやはり過労死の問題というものが起こり得るわけだと思うんです。
 そういたしますと、今言った公務員の特別公務災害制度というようなことで、加算制度というようなことを拡大適用するお考えがないか、人事院総裁に承りたいと思います。
#112
○政府委員(弥富啓之助君) ただいまお答えを申し上げましたように、自然災害の場合はできないというわけではございません。
 自然災害の場合でございましても、警察官や海上保安官、建設省、地方建設局に勤務されているというような方で河川または道路の管理に従事する職員等、こういう方々が生命または身体に対する高度の危険が予測される状況下で人命の救助等の職務に従事したということが認められますならば、先ほど申し上げましたように特別公務災害の適用の対象となるわけでございまして、これは非常に高度な危険が予測される中で危険をも顧みず職務を行った結果生じた災害の補償を手厚くするという趣旨でございます。
 その適用の要件がこのように現在の法律上では限られておるものでございまして、御理解をいただきたいと存ずる次第でございます。
#113
○高桑栄松君 私の感想を申し上げますと、自然災害ですから予測ということは結果論になってくるんじゃないかなと思いますが、その結果論でやはり非常に過労が重なるということもあり得るわけだから御検討いただきたいな、こんなふうに思います。
 それでは、本論に戻りまして、今回の改正で福祉施設が福祉事業と名称を変えた。これを一般常識的に見ますと、施設と書いてあるんですから国家公務員のための特別な、例えば労災病院とか今の労働省の福祉事業団のああいったものが国立てできるかとか、あるいはリハビリテーション施設、こういったような施設が設置運営されることを予定されておったから福祉施設という名前を使っておられたんじゃないか。今までそういう施設がなかったのはなぜであるか、伺いたいと思います。
#114
○政府委員(武政和夫君) 先生御指摘のとおり、現行補償法におきましては付加的に行う諸施策について福祉施設という名称を付しております。しかし、現在行われております内容としましては金銭の給付が主体であります。したがいまして、福祉施設の名称とマッチしないじゃないかという指摘が従来からありましたが、今般ホームヘルプサービス制度あるいは介護機器レンタル制度といったような福祉施策の充実を人事院規則レベルですが行うことを予定しております。
 また最近、船員保険法その他社会保険関係の法令におきましても福祉施設から福祉事業といったようなものに内容を変更しております。したがいまして、国公災におきましても今後の施策の内容の広がりに対応し得る名称に変更するのが適切ではないかというふうに考えたわけであります。しかし、実態に即してよりわかりやすい名称にするというのが意図したそのものでありまして、施策内容の変更をいたしたものではありません。
 今後、法律上としては施設ということも想定されるわけですが、ただ現実的、合理的理由があるか、また別の観点からの検討は施設については必要ではないかというふうに考えております。
#115
○高桑栄松君 今のお話をもう一度人事院総裁に承りたいと思いますが、施設を事業と変えることによって施設を設置運営する予定が全く放棄されたわけではないということでしょうか。人事院総裁、いかがでしょうか。
#116
○政府委員(弥富啓之助君) おっしゃるとおりでございます。
#117
○高桑栄松君 そうしますと、先ほど来伺っておりますと、例えば民間の労災病院あるいはリハビリテーション施設等々がいざ緩急あれば使われるということだと思います。
 国家公務員共済組合の虎の門病院あるいは全国的にいろんなのをお持ちのようでありますが、これもあくまでも組合員の施設なわけでございますが、そういったところを優先的に仮に使うというか、連携をしていくということになりますと、一般には昔、医師会で夜間救急センターをつくったりするときに空きベッドをどう用意するかというようなことがありまして、その分を市は助成しているわけですよ。そういったようなことが、今のような施設を健康保険で支払えばいいというのではなく、あるいはどんどん変えられていっている測定器具だとか検査器具だとか、こういったようなものに対する一部助成というような形ででも連携強化をする必要はないかというふうなこと。これは総務庁でしょうか。
#118
○国務大臣(山口鶴男君) ただいま委員御指摘の点につきましては、国家公務員が公務または通勤によって災害を受けました場合、必要があれば労災病院、共済病院など御指摘の医療機関において医療を受けることが可能でありまして、国家公務員であったといたしましても民間の被災者、労働者と同様に適切かつ迅速な医療を受けられるという形になっております。
 なお、労災病院、共済病院などの医療機関につきましては、それぞれの所管官庁におきまして御指摘のような措置を講じられておるというふうに承っております。
#119
○高桑栄松君 わかりました。
 それで、先ほどホームヘルパーだとかあるいは介護機器レンタルのお話がちょっと出ておりましたが、これはこれから積極的にまたお考えのようでありますから結構なことで評価いたしますが、しかし補助率が七割とか、あるいは利用回数、金額等に縛りがかけられております。これは労働災害であれば全額補助しなければならないのではないかと思いますが、どうしてこういう縛りがかかっているのか、承りたいと思います。
#120
○政府委員(武政和夫君) ホームヘルプサービスでありますれば週一回ないし二回、あるいは介護機器レンタルにつきましては三万五千円を限度としてというふうにそれぞれ基準を定めておるわけですが、これは主としまして民間労働者との均衡を考慮しまして同じ内容にするという考え方であります。
 介護支援施策の重要性ということを考えますと、今後もできる限りそういった被災者の負担を軽減するという観点から、労災における同様の制度の動向というものを見守りながら対応してまいりたいというふうに考えております。
#121
○高桑栄松君 これから高齢化社会等もありまして、一般論としても病人であるとか被災者を含めまして介護をする施設等々が必要になってまいりますし、在宅介護というのが主流というか非常に重要なポイントになってくるかと、私もそう思っております。しかし、希望すれば入所できるという施設がこの場合、国家公務員に対しては整備、確保されているのかどうか承りたいと思います。
#122
○政府委員(武政和夫君) 直接的に労災病院相当のものは持っておりませんが、労災病院の方に対しましても受け入れということを要請しておりますし、その他の病院につきましても利用でき、それにつきましては公務上でありますから負担をかけないということとしておりますので差し支えないというふうに考えております。
#123
○高桑栄松君 家庭介護、在宅介護の件で申し上げますと、これは金を出せばいいというよりは、人手、マンパワーの問題もありまして各家庭は非常に大変な負担だと思うんです。しかし、直接的にはやはりお金がとりあえず一つの役割を果たすわけですから、そういうことを考えますと、在宅介護の場合を考えると介護補償額を大幅に引き上げる必要があるのではないか、こう思いますが、いかがでしょうか。
#124
○政府委員(武政和夫君) 先ほども申し上げて恐縮でございますが、やはり民間とか他の制度の介護という面で同じ側面がございますので、その辺の動向を注視しながらというふうに基本的に考えております。
#125
○高桑栄松君 時間がだんだんなくなってまいりましたが、過労死の問題をちょっと伺いたいと思います。
 まず労働省に、この二月一日付で過労死について新認定基準を通達されたというふうに聞いておりますが、その新認定基準を通達された理由というか内容について伺いたいと思います。
 そして、あわせて、国家公務員を対象とした同じような過労死についての認定基準というのがやはり必要になってくるんじゃないかと思いますが、その検討状況、実施時期等を人事院に伺いたいと思います。
#126
○説明員(加治原修君) 御説明申し上げます。
 いわゆる過労死の労災認定をめぐりましては各方面からさまざまな御意見があり、また裁判においても平成六年に入って国側が敗訴する事案が続いたこともありまして、省内にプロジェクト委員会を設けて労災認定に係る問題点の整理、検討を行い、その結果を受けて、より積極的な対応を行うように改善を図ったところでございます。
 主な改正の内容につきましては、業務の過重性の評価に当たり年齢、経験等を考慮することとしたこと、発症前一週間より前の業務についても積極的に評価することとしたこと、継続的な心理的負荷について手続を明確にして積極的な対応を図ることとしたことなどでございます。
#127
○政府委員(弥富啓之助君) 人事院では既に早くから、例えば昭和六十二年十月に脳血管疾患及び虚血性心疾患等の公務上災害の認定指針、これを各省庁にお示ししたところでございまして、これにはもう既に本年二月に労働省で改正した認定基準の内容も含まれているところでございまして、またその後の医学的知見や社会情勢の変化に対応して現行認定基準の見直し、充実化が必要であると判断をいたしまして、平成五年に内科学の専門家五名を委員とする専門家会議を設置いたしまして具体的な検討を行ってまいったところでございます。
 人事院といたしましては、上記の専門家会議の検討を踏まえまして、今般、主に次の点について現行認定基準の見直しをし、充実化が必要であるとの結論に達し、本年度末にこれらの改善を取り込んだ新認定基準を発出することといたしております。
 恐縮でございますが、具体的に申し上げますと、第一点といたしましては、現行認定基準の認定対象疾病に新たに心臓性突然死を加えること。第二点目といたしましては、現行認定基準においては業務量や超過勤務時間数などの単に量的側面を重視している嫌いがございますので、これに加えて質的な側面から来る精神神経ストレス、例えば国際紛争の中におけるストレスとか地震災害等におけるストレス、あるいは長期の単身赴任等についても総合評価要素として重視するということにしております。第三点といたしましては、心臓・脳疾患事案の早期認定の促進のために、これは簡易認定調査票を作成いたしまして各実施機関に活用させることといたしております。
 以上であります。
#128
○高桑栄松君 終わります。
#129
○高崎裕子君 人事院にお尋ねいたしますけれども、先ほど寒冷地手当との関係での見直しとして、昭和六十三年以降について一つは暖地との比較の問題で余り違いがなくなったというふうにも言われましたけれども、これは一体どういうことなのか、何を根拠としてそう言われているんでしょうか。
#130
○政府委員(小堀紀久生君) 先ほど申し上げましたのは、寒冷地手当を支給されていない地域の暖房用燃料費等の生計費に対しまして、寒冷地手当が支給されている地域の寒冷積雪の度に応じた増加する生計費、これが手当創設時等から一貫して差が下がっておりまして、そういう意味で生計費、寒冷増嵩費全体が差がなくなっているという認識を持っております。
#131
○高崎裕子君 私、何度も申し上げているんですけれども、昭和六十三年以降を、今おっしゃったように暖地との比較が一体どうなのか、そして下がっている、差が下がっているというふうに言われるんですけれども、その根拠は一体何なのかということについてお尋ねしているんです。
#132
○政府委員(小堀紀久生君) 生計費そのものが、だんだん生活水準の向上あるいは生活様式の変化等によりまして、必要最低限の生計費的なものから選択的な生計費というものに移りつつあるということが第一点でございます。
 それから第二点は、そういう生計費が変わらないのにもかかわらず寒冷地手当は一定率で出しているということもございまして、自動的に増加しているということもございまして、そういうものが総合いたしまして問題が生じているということでございます。
#133
○高崎裕子君 選択的生計費というお話で生活費の問題を出されましたけれども、先ほども私は指摘しましたが、要するに同じものであっても、例えば車についてスタッドレスタイヤが必要だ、四駆の車が必要だ、あるいは防寒具といっても寒冷地についてはこれは生活必需品である、そしてそうでないところはなくても過ごせる、スキーに行くのに四駆が必要だというような、やっぱり趣味、レジャー、そういう面もあって、単純にライフスタイルが変わったということで比較できないことははっきりしているわけで、そういうふうにおっしゃる根拠ですね。どういうものでおっしゃっているのか、なかなかお答えいただけないんですけれども、これはどういうものを根拠としておっしゃっているんでしょうか。
#134
○政府委員(小堀紀久生君) 御指摘のように、生計費の中身といってもいろいろございます。光熱費、それから家庭用耐久財、衣類、履物等いろいろございますが、そういうものが総合されて寒冷生計増嵩費になっているわけでございまして、ただいまいろんな観点から現在の状況に合った寒冷生計増嵩費はどう考えていくのかということを総合的に検討している状況でございます。
#135
○高崎裕子君 ですから、要するに違いがなくなったと言われても根拠は今おっしゃるわけではなくて、今そういうことを含めて検討されているということなわけですね。
 それで、私は具体的にここはお示ししてお聞きしたいんですけれども、先ほど私も具体的に寒冷地の実態をお話しいたしました。特に、国公労連の皆さんは、アンケート調査もして、私どもも懇談もさせていただきましたし、準拠労働者もたくさんいらっしゃいますので、やっぱり私はこの寒冷地の実態をぜひ正確に把握していただきたいというふうに思うんですけれども、人事院は繰り返し総務庁の家計調査、これを根拠の一つとされているわけですけれども、私もいただいた総務庁の調査を調べてみて驚いたんですね。
 昭和六十三年、実施は平成元年ですけれども、この年の改定のときの電気代、ガス代を除いた灯油代を含むその他の光熱費というのが、札幌で調べましたら何と一年間で合計三万五千四百二十三円という実態になっているんです。これは私も札幌に住んでいますけれども、余りにも実態と乖離した低い数字だなというふうに思うんですけれども、一方、昭和六十三年の改定のときの人事院がよりどころとされた数値というのは、北海道消費者協会の調査なわけですね。そこの灯油の使用量ということがあるわけですけれども、この消費者協会の資料でも年間七万三千円というのが消費量に見合う灯油の金額になっているわけです。
 ですから、総務庁の六十三年の根拠となっているその調査でも七万三千円だということで改定をされたのに、総務庁の家計調査ではそれの半分以下の数字で札幌の消費量というふうになっていて、これだけ見ても実態と余りにも乖離しているということで、これは抽出される対象というものの数字だとかそういう問題が反映してくるわけで、やっぱりこれだけで実態を見て乖離しているとかそういうふうに判断しては絶対ならないというふうに思うんで、私はぜひここはお願いしたいんですけれども、初めから乖離している、切り下げを前提として見直しをするということではなくて、しっかり実態を見るということで人事院としては臨まれるということでこれはよろしいわけですね。
#136
○政府委員(小堀紀久生君) 何回も申し上げて恐縮でございますけれども、生計費というのは人それぞればらばらでございまして、そういうものを全体的に総合いたしましたのが総務庁調査の家計調査の中で客観的な数字としてあらわれているということは事実でございますので、そういうものを中心に見ていかなきゃいけないと思いますけれども、そのほかにいろいろこういうものが必要であるという御意見は承っております。
 そういうものにつきましても、私どもこれからそれが客観的に正しいものかどうかという面を含めて検討してまいりたいと思っております。
#137
○高崎裕子君 そこで、私も今、国公労連の皆さんのアンケート調査などもお話ししましたけれども、例えば消費者協会の実際の灯油の使用量というのは一千八百といいますけれども、実際は二千リットルを超えているという話も皆さんからこもごも出されており、暖房の点で言いますと、これは消費者協会でも、今多様化になっていて、家族構成によっても違っており、補助暖房として電気ストーブなどを使ったり、一世帯で三台分はストーブなんかも設置している。
 ですから、灯油の消費量だけで見ては実態を見誤るという問題もありますので、ぜひ私は寒冷地の実態調査を実態に即してしていただきたいし、この調査のデータは、ぜひ公表していただきたいし、今こういう公務員の皆さんがアンケート調査も含めて貴重な資料をつくっておりますので、ぜひ今、家計調査だけではなくていろいろな必要な調査をして検討するということですので、やっぱりそういう立場で公務員の皆さんの意見も十分聞いていただきたいというふうに思いますが、この点いかがでしょうか。
#138
○政府委員(小堀紀久生君) この見直しに当たりましては、関係職員団体の意見を聞きながら検討を進めているつもりでございます。
 ただ、寒冷増嵩費の実態を正確に把握するためには、やはり広く国民一般の生計の実態を調査した家計調査を初めといたしまして、専門機関が調査した各種資料がございます。そういうものを中心に検討してまいりたいと思っております。
#139
○高崎裕子君 これは、公務員の皆さんが当事者ですから、ぜひここの意見は聞いていただくということでよろしいですね。
#140
○政府委員(小堀紀久生君) 関係者の御意見は、十分承ってまいりたいと思います、
#141
○高崎裕子君 最後に大臣にお尋ねいたしますけれども、昨年八月の人勧で一・一八%の、言ってみれば勧告史上最低の水準のベアだと。そして、先ほどもお尋ねしたんですが、共済年金の特別掛金に寒冷地手当まで含まれるということも含めて、やっぱり実質賃金のダウンだという実情の中で、今もう人事院が寒冷地の手当の見直しということで、これは要するに手当の引き下げを前提ではなくよく調査してということですが、総務庁としてもぜひこれは切り下げ前提の見直しにすべきではないという立場で対応していただきたいですし、これは国家公務員労働者だけではなくて準拠労働者、そしてまた農協の労働者の皆さんを含めて民間にも広く波及していくということでその影響ははかり知れないものがあるわけで、ぜひここは特に寒冷地に住む公務員労働者の皆さんの意見も十分聞いていただきたいというふうに思いますが、いかがでしょうか。
#142
○国務大臣(山口鶴男君) 総務庁としましては、第三者機関であります、しかも労働基本権に対する代償措置である人事院勧告、これを尊重するという立場で対処いたしてまいりました。
 昨年の人勧は、参議院の先生方の御協力もいただきまして十月中に成立という、いまだかつてない早期成立を実現できまして心から感謝いたしております。
 総務庁としては、できる限り速やかに人事院勧告を実施する、そして実施をするのにも財源がいつも問題になるわけでございますから、本年度の予算編成に当たりましても一・五%のベースアップ財源を確保する努力もいたしまして、私どもとしては人事院の勧告を尊重するという態度でございます。
 人事院勧告についてはとやかく私ども申し上げるということは、この際は控えさせていただきたいと存じます。
#143
○高崎裕子君 終わります。
#144
○委員長(岡野裕君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#145
○委員長(岡野裕君) 御異議ないと認めます。
 それでは、これより討論に入ります。――別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 国家公務員災害補償法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#146
○委員長(岡野裕君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#147
○委員長(岡野裕君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。本日はこれにて散会いたします。
  午後一時二分散会
ソース: 国立国会図書館
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