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1995/01/25 第132回国会 参議院 参議院会議録情報 第132回国会 本会議 第3号
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1995/01/25 第132回国会 参議院

参議院会議録情報 第132回国会 本会議 第3号

#1
第132回国会 本会議 第3号
平成七年一月二十五日(水曜日)
   午前十時一分開議
    ━━━━━━━━━━━━━
#2
○議事日程 第三号
  平成七年一月二十五日
   午前十時開議
 第一 国務大臣の演説に関する件(第三日)
 第二 国務大臣の報告に関する件(平成七年兵
 庫県南部地震災害に関する報告について)(第
 二日)
    ━━━━━━━━━━━━━
○本日の会議に付した案件
 一、裁判官訴追委員及び同予備員辞任の件
 一、裁判官訴追委員等各種委員の選挙
 一、国家公務員等の任命に関する件
 以下 議事日程のとおり
     ―――――・―――――
#3
○議長(原文兵衛君) これより会議を開きます。
 この際、お諮りいたします。
 武田邦太郎君から裁判官訴追委員を、磯村修君及び河本英典君から同予備員を、それぞれ辞任いたしたいとの申し出がございました。
 いずれも許可することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○議長(原文兵衛君) 御異議ないと認めます。
 よって、いずれも許可することに決しました。
     ―――――・―――――
#5
○議長(原文兵衛君) この際、
 裁判官訴追委員一名、同予備員二名、
 検察官適格審査会委員予備委員一名の選挙を行います。
 つきましては、これら各種委員の選挙は、いずれもその手続を省略し、議長において指名することとし、また、裁判官訴追委員予備員の職務を行う順序は、これを議長に一任せられたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○議長(原文兵衛君) 御異議ないと認めます。
 よって、議長は、裁判官訴追委員に猪熊重二君を、同予備員に中村鋭一君及び浜四津敏子君を、検察官適格審査会委員予備委員に吉田之久君を、それぞれ指名いたします。
 なお、裁判官訴追委員予備員の職務を行う順序は、第三順位の山崎順子君を第二順位に、中村鋭一君を第三順位に、浜四津敏子君を第四順位といたします。
     ―――――・―――――
#7
○議長(原文兵衛君) この際、国家公務員等の任命に関する件についてお諮りいたします。
 内閣から、
 航空事故調査委員会委員長に竹内和之君を、同委員に相原康彦君、川井力君、小林哲一石及び東口實君を、
 また、労働保険審査会委員に林部弘君及び山口泰夫君を任命することについて、それぞれ本院の同意を求めてまいりました。
 まず、航空事故調査委員会委員長、同委員のうち相原康彦君及び東口貴君、並びに労働保険審査会委員の任命について採決をいたします。
 内閣申し出のとおり、いずれも同意することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#8
○議長(原文兵衛君) 総員起立と認めます。
 よって、全会一致をもっていずれも同意することに決しました。
 次に、航空事故調査委員会委員のうち川井力君及び小林哲一君の任命について採決をいたします。
 内閣申し出のとおり、これに同意することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#9
○議長(原文兵衛君) 過半数と認めます。
 よって、これに同意することに決しました。
     ―――――・―――――
#10
○議長(原文兵衛君) 日程第一 国務大臣の演説に関する件(第三日)
 日程第二 国務大臣の報告に関する件(平成七年兵庫県南部地震災害に関する報告について)(第二日)
 以上両件を一括して議題といたします。
 昨日に引き続き、これより順次質疑を許します。久保亘君。
   〔久保亘君登壇、拍手〕
#11
○久保亘君 私は、日本社会党・護憲民主連合を代表し、村山総理の施政方針演説に対して、総理並びに関係閣僚に質問いたします。
 去る十二月二十八日の三陸はるか沖地震、そして一月十七日早朝に発生した兵庫県南部地震によって犠牲になられた方々の御冥福吃お祈りするとともに、被害に遭われた人々に心からお見舞いを申し上げます。
 被災地で日夜黙々と救援活動に取り組まれている関係者の御労苦には頭の下がる思いであり、心から感謝と敬意の気持ちをあらわしたいと存じます。
 被災者の皆さんは、今、極限状況の中で冷静さを保ち生活再建への努力を続けられておられます。私たち政治に携わる者は、被災者の苦痛を一日も早く解消するために全力を挙げなければなりません。村山首相を先頭にする今日までの政府の努力を多とし、政府とともにさらに全力を尽くす決意を込めて政府の一層の努力を要請するものであります。
 私は、震災の中で新しい生命が誕生じ、さらに百時間以上もたった倒壊の瓦れきの現場から生還したお年寄りの声をお聞きしたとき、人間の生命の輝きととうときに深い感動を覚えたのであります。被災者の皆さんが困難を乗り越え、復興に向けてさらに努力されることを心から祈念いたします。
 私たち日本社会党は、与党と協力して、即日、地震対策本部を設置し、直ちに現地調査団を派遣して被害状況の把握に努めてまいりました。政府に対しては、人命の救助とライフラインの復旧を政治の最大緊急の課題として取り組むことを強く要請するとともに、速やかに補正予算の財政措置をとるよう申し入れてきたところであります。
 地震発生から九日目を迎えた今日なお、兵庫県下の市街地では三十一万人を超える市民が避難生活を余儀なくされ、行方不明になった被災者の救生活動も懸命に続けられております。この状況を見て総理は被災者にどのようなメッセージを送られるのか、お伺いいたします。
 人々が求めているのは、すぐ反応が返ってくる政府であります。総理、大震災対策は政権の評価にかかわる国政の最優先課題であります。費用を惜しむことなく、救援、復旧に取り組まなければなりません。
 被災者は真冬の寒風に耐えており、この際、官民の所有する保養・福利施設を被災者の避難所に開放すること、保有地を仮設住宅地として提供することなど、政府の指導力を発揮し、これを迅速に実現していただきたいのであります。さらに、生命にかかわる医療、医薬品が圧倒的に不足しており、あらゆる対策を講じて万全を期すよう強く要請いたします。この点に関する総理並びに小里担当大臣の答弁を求めたいと思います。
 今回の阪神大震災は都市型災害の典型であります。その視点から総理の考え方を伺いたいと思います。
 兵庫県南部地震は、地震災害がいかに複合的な災害を誘発するものであるか、さらには、地震そのものより都市自体がいかに危険な要素を抱え込み、突然強い衝撃を受ければ、都市はその機能を失い、殺りくのマシンとなって市民の生命を奪うものであるかということを象徴的に示しました。このことは、戦後の国づくりと深く関連しているのであります。
 戦後の瓦れきの中から国家の再建を志した私たちは、社会の工業化と経済成長路線を選択してまいりました。その結果、GNPは飛躍的に増大し、経済生活水準も向上したのであります。しかし、そこでは大規模集中型の生産と効率性原理が優先され、集中する人口と産業を収容する都市拡張政策が命題となり、生活の安全性や防災計画など社会基盤の整備が後回しにされたと言わなければなりません。それが今回の複合的かつ連鎖的な都市災害を呼び起こす要因ともなっており、今後の都市計画のあり方に大きな教訓を残したのであります。今次震災を人災と見る意見にも謙虚でなければなりません。
 そして、このことは、都市の空間を構成している道路、水道、建築物、鉄道網などの要素を防災の観点から総点検することを私たちに迫っているのであります。また、防災の観点から都市の管理ができなければ的確な対策も打ち出せないということを示しております。総理の都市災害に対する基本的な認識と特別立法措置を含む復興対策について、お尋ねしたいと存じます。
 さらに、行方不明者の救生活動や被災者への情報活動がおくれたのはなぜか、耐震性があるとされてきた高速道路や鉄道の高架橋など都市施設が容易に崩壊したのはなぜか、初動の段階で同時多発性火災の消火が困難をきわめた原因はどこにあるのかなと、今後の防災対策に必要不可欠な調査と解明が求められております。総理の見解を伺いたいと存じます。
 今回、兵庫県知事からの要請を受けて自衛隊が出動し本格的な救援活動が開始されたのは地震発生から四時間後とされていますが、災害救助における自衛隊の訓練、装備、組織力に期待する国民の間には、なぜもっと早く災害派遣を決定できなかったのかという疑問も強く存在しているのであります。この点、総理はどのように認識されているのか、率直な御意見を承りたいと思います。
 あわせて、在日米軍を初め外国からの支援申し出が政府によって断られたとの内外の報道について、その経緯を報告していただきたいと思います。
 被災地の復興には膨大な財政投資が必要であり、特に緊急なものは九四年度予算で補正し、九五年度以降は復旧の全体計画を明確にして補正の財政措置を今国会中にとるべきであります。この際、総理並びに大蔵大臣の積極的な答弁を求めるものであります。
 地震予知と防災の関係についてもお尋ねしたいと思います。
 ここでは縦割り行政の弊害があらわれているのであります。東海地震の予知は気象庁が担当し、地震予知連絡会は国土地理院、地震予知推進本部は科学技術庁、地震予知計画の策定は文部省、防災は国土庁であります。このばらばらの体制では日常的な連絡は困難であり、省益中心の考えが生まれる危険性も否定できないのであります。したがって、行政組織が予知と防災に一体となって取り組むためには組織の再編成が必要であり、組織の一体化に向けた積極的な対応が求められているのであります。この問題に関する総理の御見解を求めます。
 次に、九五年度予算に関連して総理の見解を求めたいと存じます。
 九五年度政府予算は、村山内閣にとって初の本格的な予算編成となるのであります。このため、私たち連立与党は、政府と協力しつつ村山内閣のカラーが国民の前にはっきりと映し出される予算内容に仕上げる努力をしてまいりました。
 それは、第一に、冷戦終結後の世界の動向に対応し目に見える軍縮への第一歩となるよう努めたことであり、第二に、来るべき高齢化社会への対応やゆとりある生活の実現を目指したことであります。第三は、生活関連や科学技術、研究関連の社会資本への公的投資を拡充して景気回復を後押しするとともに、産業空洞化の回避や二十一世紀に向けた経済フロンティアの開拓など、未来志向型の予算としたことであります。
 戦後五十周年にふさわしく、戦争責任を明確にして、今後の国際的友好協力を進めるに当たってその具体的な裏づけとなる関連予算も盛り込まれており、野党の皆さんにも賛同をいただけるものと確信しております。
 東西冷戦の終結は、国際的な軍縮を推進する絶好の機会を私たちに与えてくれました。世界でも有数の防衛予算を持つ我が国は、世界に先駆け世界のモデルとして、防衛費の削減に努め、国際社会の信頼を獲得しなければならないと考えております。今回の予算案で、自衛隊の正面装備を削減し防衛予算の伸び率を〇・八六%という低い率に圧縮したことはそのあらわれであり、これを契機に軍縮国家への軌道を確実なものにしなければなりません。総理の軍縮に対する基本姿勢を伺いたいと存じます。
 今回の予算案は、留学生交流など平和友好計画に手厚い予算を盛り込み、二十一世紀を背負う国際化時代の若い世代の期待にこたえております。高齢者の生活の質の向上を目指して九五年度から新ゴールドプランもスタートさせました。幼い子供たちの健やかな成長を願ってエンゼルプランも策定しております。それぞれのライフステージに合わせた予算内容となっているのであります。
 産業構造の転換に不可欠な基礎研究の推進や情報通信の高度化など新産業分野の開発に重点配分されていることも今回の予算案の特徴であり、野党の皆さんの御協力を得て早期に成立させ、景気回復を初め国民生活の安定に努めたいと考えております。
 総理、あなたが初めて編成した政府予算案は、今日の日本と世界にとっていかなる意味を持つものと位置づけられておるのか、この際、所見を伺っておきたいと存じます。
 次に、行政改革についてお伺いいたします。
 政府を改善するという挑戦は、日本にとって新しい挑戦ではないが、しかし、今日特に緊急性を有する挑戦であります。したがって、総理は施政方針演説の中で、行政改革は村山内閣にとって最重要課題であることを強調され、言葉だけの改革に終わることのないよう不退転の決意と勇気を持って実りのある改革を断行する所存であると述べられました。
 行政改革についての国民の関心は極めて大きいものがあり、村山内閣が今国会の最優先課題として取り組むことが強く期待されております。
 特に、特殊法人の整理合理化は、村山内閣がさきの臨時国会において消費税のアップを決める際、歳出削減の一環として国民に公約したものであり、内閣の命運をかけて実行しなければならない課題であります。九十二法人の中には既に使命を終えたものもあります。しかし、高級官僚の天下り先がなくなることから関係省庁の抵抗が予想されるのであり、総理の強力なリーダーシップのもとで改革を推進しなければなりません。特殊法人の改革や規制緩和の具体的方向づけの目標期限も迫っており、この際、行政改革に対する総理の決意を改めて求める次第であります。
 特殊法人の整理合理化を進めるに当たって考慮しなければならないことは、職員の雇用問題であります。多くの職員は特殊法人の整理合理化に伴う雇用不安を抱えてお力、現在、与党間で検討されている横断的雇用保障の制度化によって雇用対策を進めることが重要であると考えます。総理の御見解をお聞かせいただきたいと思います。
 私は、この際、地方分権の推進についてもお尋ねいたします。
 総理は、地方分権の推進に関する法律案を今国会へ提案されることを言明されております。私も賛成であります。戦後五十年がたった現在、中央指導の画一的な社会経済発展のあり方は既に限界に来ており、社会的成長を促すためには地域の発意と創造性を最大限尊重することが求められております。
 地方分権の推進に関する大綱方針は、そうした分権をめぐる機運を反映したものであり、分権化に向けた一里塚ともなるのであります。また、設置される地方分権に関する委員会は分権推進のかなめとなるものであり、その機能と権限は法律に明確に規定されなければなりません。分権の法制化問題、さらには同委員会の機能と権限について総理の見解を伺います。
 国の行政は、簡素がつ効率的に行われる必要があります。地方公共団体に任せるものは任せて、国の仕事は外交、防衛など、どうしても国が関与しなければならない内政の課題に限定すべきではないかと考えます。大綱ではこの視点が明確ではありません。「国から地方へ」と施政方針で述べられた国と地方の役割はどうあるべきか、総理の見解をお尋ねいたします。
 政治改革はいまだ道半ばにあります。政治改革は、政治改革関連四法の制定でその一歩を踏み出したのであります。
 私たち社会党は、政治腐敗や利益誘導型政治の根絶に向けて、族議員のばっこを許さず、企業献金をなくすことを主張しております。国民の間には、村山連立政権のもとでこそそれらの改革が可能であるという期待感も強いのであります。しかし、現実には、企業献金と族議員が復活する兆しが濃厚になっており、政治改革に対する総理のリーダーシップが求められております。今後の政治政章に対する総理の見解を求めたいと存じます。
 私は、ここで、戦後五十年を迎えるに当たり総理の所見を伺いたいと考えております。
 私たちは、今、二つの命題に直面いたしております。一つは過去とどう向き合うのかということであり、いま一つはこれからの五十年をどう生きるのかということであります。
 私たちは、あの十五年戦争を通じて、アジア・太平洋の広大な地域を侵略し、植民地支配を続け、域内諸国の人々の生命や財産に多大な犠牲を強いてきました。虐殺や強制連行、従軍慰安婦など、著しい人間破壊の行為を積み重ねてきたのであります。
 歳月の経過がこの歴史的な事実を変えることはありません。風化することもなく、現実の問題としてその姿を見せているのであります。このため、歴代の総理は、域内諸国の訪問に当たっては、まずこの過去の歴史に触れざるを得ませんでした。私たちは、この過去を安易に忘却するのではなく、歴史の真実として受けとめ、それに立ち向かう勇気が求められております。
 日本のアジア・太平洋地域における歴史的責任とは、侵略戦争の歴史を他民族に転嫁することなく、みずからの歴史として認識し、その歴史を担い続けることであります。日本の過去の過ちに直接加担した者はそれを記憶し、加担しなかった者はその歴史に学び、過去を知らなければなりません。それが国際社会に対する日本国民の道義であります。
 今、私たちがなすべきことは、過去の過ちについて関係諸国に正式に謝罪し、犠牲者に対しても率直に謝罪して、必要な償いを講じることであります。
   〔久保亘君降壇〕
#12
○議長(原文兵衛君) 久保君の残余の質疑は後に回すことといたします。
 このまましばらくお待ちください。
 ちょっと申し上げます。久保議員はしばらく自席において休みますから、次に進みます。
    ―――――――――――――
#13
○議長(原文兵衛君) 星川保松君。
   〔星川保松君登壇、拍手〕
#14
○星川保松君 私は、新緑風会を代表し、総理並びに関係大臣に御質問をいたしますが、まず、一月十七日の早朝に発生しました兵庫県南部地震によって不幸にして亡くなられた方々とその御遺族の皆様に深く哀悼の意を表し、被災された方々に心からお見舞いを申し上げます。
 まだ行方不明の方も多数あり、多くの方が倒壊した建物の中に閉じ込められているものと見られます。何よりもこうした方々の救出に全力を挙げなければなりません。一刻も早い救助を祈るとともに、こうした方々の救助活動に御苦労なさっておられる皆様に心から深く感謝し、一層の御努力をお願いする次第であります。
 また、被災者の皆さんは、被災時に張り詰めていた気持ちも次第に解けてどっと疲れの出てくるころかと心配されます。一年のうち最も寒さの厳しい季節のさなか、大変な御苦労をなさっておられる被災者の皆さんのために、政府は各省庁総力を挙げで救援対策と災害からの復興に全力を挙げるよう、強く要請するものであります。
 次に、避難場所の整備についてお尋ねをいたします。
 避難生活をされている方々については、当初、水、食料、薬品などの不足、通信手段の欠如等が問題になりました。
 災害対策基本法には、自治体はそれぞれ地域防災計画を策定し、災害時における避難についても定めることになっています。それに基づいて自治体が避難場所を指定しているわけでありますが、国土庁は避難場所の条件等は別に示さず、自治体に任せているとのことであります。したがって、避難場所というところはどういうところか何も知らずに駆けつけ允被災者の方々は、ただ場所があるだけで生活に必要な物は何もなく、災害対策本部との連絡さえとれないことに驚いたようであります。
 避難場所が学校であれば、校庭を臨時のヘリポートにして緊急の輸送に備えることもできますぐらいは備えるようにすべきだと思いますが、国土庁の見解をお聞かせ願います。
 次に、ライフラインの被害時対策についてお尋ねをいたします。
 このたびの都市直下型地震は、水道・電気・ガス・電話等の都市のライフラインを一挙に切断してしまうという予期しない深刻な被害をもたらしました。
 我々は、安定したライフラインを信じて非常事態に備える予備の心を忘れていたようであります。自動車にもフットブレーキとハンドブレーキの二系統のブレーキがあって安全に備えているように、水道には井戸や貯水槽、電気には自家発電機やバッテリー、有線電話に対しては無線電話、陸上輸送に対しては船舶による海上輸送あるいはヘリコプターによる空中輸送という、一つの手段や方法のみに頼らず、災害時に備え別の方法や手段も常に備えておくべきだと思われます。総理の言う日本列島全体の災害対策の見直しにもこのような発想が必要だと考えますが、この「常の備え」についてはどのように考えておられますか、お尋ねをいたします。
 次に、被害状況の早期把握についてでございます。
 災害の発生時、被害の状況をどう把握するかによって対策への対応が大きく異なります。
 このたび発生した地震災害の把握に当たって、当局は当初これほどの大災害になるとは想定しなかったところに敏速な対応に欠ける原因があったようであります。
 災害が生じたときには直ちに被害状況調査を行う体制を確立する必要があります。最も手早く被害状況を調査できるのは、ヘリコプターによる空中からの調査でありましょう。全国に出先機関を持つ建設省がその任に当たるのが一番いいかと思いますが、現在、建設省には「あおぞら号」というヘリコプターが一機しかなくしかも今回の地震発生時は修理中であったそうでございます。
 地方建設局ごとに一機ずつ備えるとか、災害時に直ちに民間機をチャーターできる体制をしき、家屋、道路、橋梁等の被害状況を調査し、災害規模に応じた早期の災害対策が開始されるようにすべきだと思います。総理並びに建設大垣の所見をお伺いいたします。
 次に、直下型地震を想定した防災計画についてであります。
 防災計画の最も進んでいると言われる東京都も、これまでは、主にマグニチュード七・九の関東地震級の巨大地震が相模トラフで起きたことを想定して被害予測や対策を立ててきたが、国の防災会議から直下型地震がある程度切迫していると指摘され、一九九四年から九六年までの三年間で新たに直下型地震の被害想定と対策をまとめていると伝えられます。東京のみならず各都市においても、直下型地震を想定した被害予測や対策を取り入れて防災計画の見直しを行うべきであります。
 このたびの都市直下型地震の悲惨な状態に、首都圏の住民は人ごとでないと大変心配しています。我々は、国会移転の時期を早めて、過密都市東京の防災計画に協力すべきであると思います。
 次に、被害建物の安全性判定制度についてお尋ねをいたします。
 今後もマグニチュード六程度の余震もあり得ると言われ、避難生活を送る人々の中には、被害を受けた自宅に戻って住んでよいものか判断に迷っている人も多いようであります。
 米国のカリフォルニア州では、特別な試験に合格した者に検査官、ビルディングインスぺクターの資格を与え、この検査官の検査の結果、建物に赤・危険、黄・制限つき立ち入り可、青・使用可の表示をしており・判定士が居住不能と判定すれば強制的に取り壊されるということであります。
 静岡、神奈川の両県に判定士制度があり、建設省は今回の地震で二百八十名ほどの判定士を現地に派遣したとのことであります。
 危険な被害建物から住民を守り、また被災者のための住宅がどれだけ必要かを知ることができます。ぜひ制度化すべきだと思いますが、建設大臣のお考えを承りたいと存じます。
 次に、地震発生の予知対策についてであります。
 この科学の発達した時代に、地震の何分か前でも発生を知ることができたらどれほどの人々が助かったかとたれしもが思うところであります。
 京都大学防災研究所の地震予知研究センターは兵庫県南部地震の前夜に前震と見られる小規模の地震が四回あったことを明らかにしましたが、これらの前震を把握したのは、本震発生後、震源付近の観測データを詳細に検討した結果であったそうであります。
 地震予知連絡会の茂木清夫会長は「小規模な地震を前震かどうか区別することは難しいし、地震の予知のためには、前震の発生だけではなく、地殻のひずみや地下水の水位なども検討しなくてはならない。しかし、そのような観測データを一元的に二十四時間監視しているのは東海地域だけだ」と話していると報道されております。この監視の行き届いていると言われる東海地域では予知が可能なのでありましょうか。
 また、科学技術庁では海底地震の予知の研究を行っているようですが、予知の可能性についではどのような見通しを持っておられるか、お聞きしたいと思います。
 次に、列島の東西交通の確保についてであります。
 日本列島の中央には脊梁山脈が走り、列島を縦断する交通路線のほとんどは太平洋と日本海沿岸に分かれています。神戸市付近も、高速道路、一般国道、新幹線、在来線のすべてが集中しておりますが、その東西に走る路線はすべて地震の被害を受け、交通上、日本列島が分断される形になり、空を除き列島の東西の往来も輸送もできなくなりました。
 寺田寅彦先生は、その「天災と国防」の中で「廿世紀の現代では日本全体が一つの高等な有機体である。各種の動力を運ぶ電線やパイプが縦横に交叉し、色々な交通網が隙間もなく張り渡されている有様は高等動物の神経や血管と同様である。その神経や血管の一箇所に故障が起きればその影響は忽ち全体に波及するであらう。」と言っております。
 日本列島全体の安全確保についての国土庁長官の見解をお聞かせいただきたいと思います。
 次に、いわゆる災害減免法等についてであります。
 災害減免法は、サラリーマンと公的年金受給者の源泉所得税の徴収猶予を確定申告で精算できることを定めております。
 ところが、甚大な被害を受けた七百二十万円以下のサラリーマンがこの適用を受けようといたしますと、災害のあった日以後最初に支給される給料日の前日までに手続を終えなければなりません。今回の地震の被害者でこのような手続のできる人が、一人でもいるでしょうか。法は被害者の迅速な救済を求めているのに、政令が道を閉ざした形になっています。政府が本政令を改め、遡及して実施することを求めます。
 また、災害減免法と雑損控除についても多くの不備があります。この際、適用要件の緩和と手続の簡素化を図るべきだと思いますが、総理のお考えをお聞きいたします。
 ひたすら豊かな暮らしを追い求めてきた我々に、このたびの兵庫県南部地震は、豊かな暮らしの前にまず安全な暮らしの必要なことを教えてくれました。いかに豊かな暮らしも、災害に追えばひとたまりもないからであります。国家として何よりも先になさねばならぬことは、地震、津波、台風など自然災害の多いこの国の国民に安全な喜らしを保障することであります。
 今、兵庫県南部地震の被害者救済と災害からの復興を実践し、その決意のほどを国民に示されるよう、総理に求めるものであります。
 次に、行政改革について、総理並びに関係大臣にお尋ねをいたします。
 総理は、長年の懸案であった政治改革、税制改革等に区切りをつけて、今度は行政改革を断行することを表明されました。いかなる障害をも乗り越えて断固として実践されることを期待いたします。
 行政改革のうち、いわゆる地方分権を主に質問をいたします。
 まず、地方分権という言葉でありますが、この言葉は二つの問題を含んでいると思います。その一つは、すべての行政権限は根源的には国家権力に発するものであるという中央集権国家の思想を前提にしている節があり、したがって分権は、国家がその権力の一部を地方公共団体に分から与えるという、国家が地方に権限を与えてやるといった恩恵的な響きを持っていることであります。
 地方自治の進んでいる欧米では、初めに主権を持つ公共団体がそれぞれの地方にあって、お互いに主権の一部を委譲し国家を形成したとの考えが強いのであります。その典型が連邦国家であり、そのような考えのもとに立ては、地方分権という言葉よりは国と地方の権限の見直しという表現の方がより適切ではないかと思いますが、総理並びに総務庁長官の御意見をお聞かせ願いたいと思います。
 地方分権というと、中央政府の官僚の皆さんは目くじらを立てるようであります。我が国が近代統一国家の形態をとったのは明治以後であります。すなわち明治新政府は、慶応三年の大政奉還によって幕府から統治権の委譲を受け、さらに明治二年の落籍奉還によって三百諸侯の地方統治の権限を引き揚げ、一国の統治権のすべてを掌握しました。そして、明治四年に廃藩置県を行い、全国を直接統治するために府知事や県令を派遣したのであります。この中央集権体制は戦後の日本国憲法の制定まで続きました。日本国憲法には、地方自治に関する規定が盛り込まれ、自治体の長などは公選となりましたが、国の権限の大幅な地方への委譲があったとは言えません。したがって、廃藩置県の一八七一年以来百二十年余温めてきた政府の権限を地方自治体にとられるような気がするのかもしれません。
 しかし、このたびは総理も国と地方の関係を抜本的に見直そうというのでありますから、役所の皆さんも胸襟を開いていただきたいと思います。そのために総理には官僚の皆さんをしっかり説得していただきたいものであります。
 次に、シャウプ勧告に見る事務の分け方について御質問をいたします。
 昭和二十四年に出されたシャウプ使節団による日本税制報告書の「職務分掌」という項目には、「市町村の適当に遂行できる事務は都道府県または国に与えられないという意味で、市町村には第一の優先権が与えられるであろう。第二には都道府県に優先権が与えられ、中央政府は地方の指揮下では有効に処理できない事務だけを引受けることになるであろう。」と書いてあります。翻訳文のため回りくどくなっていますが、要するにすべての行政事務をまずオープンに考えて、その中から一番初めに市町村にできる事務を市町村に選ばせ、二番目に都道府県に選ばせ、あとの地方の手に余る事務は国がやるようにすればいいという、まことに明快な事務配分の原則を示しておるのであります。
 このたびの国と地方の事務や権限の見直しに当たっては、こうした方法を用いてはいかがでしょうか。
 次に、地方六団体の地方分権推進要綱についてお尋ねをいたします。
 地方六団体は、この要綱をまとめた理由として次のようなことを挙げております。
 一、国政は細かい事務から解放され、国際的業務に専念すべきである。二、中央集権的な行政のために首都圏への一極集中が行われ、地方は過疎化し、地域経済の空洞化が起こった。三、全国一律の基準では地域の特性を生かした町づくりは実現できない。四、自治体のみずからの手により立案・調整された施策の遂行には自立的な行財政システムが必要である。五、国と地方の役割分担を見直し、国と地方を通じた抜本的な行政改革を断行すべきである。
 このいずれもがいわゆる権限の委譲を受ける側からの貴重な声であります。国は謙虚にこれに耳を傾けなければならないと思いますが、総理はどう受けとめられますか、お伺いいたします。
 次に、要綱の内容についてであります。
 第一に、国は「全国的に統一して処理すべき事務及び生命、安全等の基準の設定に関する事務に専念し、地方公共団体はその他の国内の行政に関する全ての事務を所掌する」とし、国の所掌する事務は次に限るとして、十六の項目を列挙しているわけでございます。これは、地方自治法第二条では、地方公共団体の事務の方を「例示すると、概ね次の通り」としていわゆる例示列挙をしているのに対し、国の事務を限定列挙し、その他はすべて地方の事務という大胆な提言であります。
 第二に、地方公共団体に対する国の関与については、法律の明文の規定のある場合に限るとし、関与の内容に異議ある場合の不服の申し出の制度を提唱しております。これは国の関与を自治体がいかにうるさく感じているかを物語っておるわけでございます。
 第三に、税制では事務配分の見直しに応じた税源を確保すること、また現行の歳出と税収の乖離の縮小、新たな税目や標準税率によらぬ課税への不干渉など課税の自主権を主張しております。これは国が自治体の自主的課税権にまで干渉していることを示しておるわけであります。
 第四に、事務配分の見直しに伴う地方交付税の抜本的見直し、それから地方交付税は国の一般会計を通さず交付税特別会計へ直接繰り入れるよう求めております。ここでは、国が自治体に事務だけを押しつけて十分な財源措置をしないことへの不信感、それに、地方交付税は一たん国の財布に入れると国が自分の金のように思って手をつけたがるのを防止しようという気持ちがあらわれているようであります。
 第五に、地方分権を推進するには、内閣に独立の行政委員会として地方分権委員会の設置を提唱しております。委員は五名とし、国会の同意を得て総理大臣が任命し、委員長の任免には天皇の認証を要するものとしております。
 第三次行革審のとき、その中に設けられた豊かなくらし部会で、当時の部会長であった細川さんが地方への思い切った権限委譲が必要であるとしてその検討に入りました。そのとき各省庁から猛烈な抵抗を受け、地方分権特例制度がたちまち骨抜きにされたということでありました。
 私が調べてみますと、部会の専門委員の中に各省庁の兄事務次官が九名も民間人の肩書で入り込んでおりました。これらの方々が、もはや地方に委譲すべき権限など何もないと言って抵抗したと当時の新聞が報じております。このような妨害を受けることなく権限委譲が進められるようにとの配慮から、しっかりした権限を持つ委員会の設置を提唱しているものと思います。保以上、地方六団体の地方分権推進要綱について、総理並びに総務庁長官のお考えをお聞かせ願いたいと思います。
 最後に、政府みずからの行政改革についてお尋ねをいたします。
 総理が施政方針演説の中で力説されました行政改革の中に、欠けている視点が一つあります。それは、中央政府みずからの行政改革についてであります。
 政府内部の行政改革にもいろいろあるでありましょうが、ほとんどの人が日ごろ痛切に感じている問題の一つを取り上げてみたいと思います。それは、大蔵省に権限が集中し過ぎているのではないかという問題であります。
 今日の大蔵省は、国の財務、通貨、金融、外国為替、証券取引、造幣・印刷事業などをつかさどり、なかんずく予算の編成権を通じて実質的に国家行政全般を統括するような地位にあると言われております。
 そもそも大蔵省ができたのは、六四五年の大化の改新後、唐を模範とする律令制が導入され、二官八省が設置され、太政官のもとに中務、式部、治部、民部、兵部、刑部、大蔵、宮内の各省が設置されたときにさかのぼります。このときの大蔵省には典鋳、掃部、漆部、縫部、織部の五つのつかさが所属しておりました。度量衡の管理以外はいずれも物をつくる仕事が主で、今で言えば現業部門であります。当時既に主計寮と主税寮というのがありましたが、これは大蔵省ではなくて民部省の所属でありました。以来、明治まで千二百年間このまま推移しましたが、明治になって大蔵省に民部省が合併されたり、また分離されたりという変遷を経ながら、今日のような権限の集中した省になったようであります。
 予算の編成権だけでも、どこへなどと差し出がましいことは申しませんが、分離して他へ移管したらいかがでしょうか総理にお伺いして、私の質問を終わります。(拍手)
    ―――――――――――――
#15
○議長(原文兵衛君) まず、先ほどの久保君の質疑に対する答弁を求めます。
   〔国務大臣村山富市君登壇、拍手〕
#16
○国務大臣(村山富市君) 久保議員の質問にお答えを申し上げたいと思いますが、残念ながら、兵庫県の南部地震に当たりまして、ついに亡くなられた方が五千名を超す惨事となりました。
 今、久保議員からも、そうした亡くなられた方や遺族の方々、そしてなお避難生活を続けております現地の事情を踏まえた立場から、私に対して、そうした被災者にどのようなメッセージを送られるかということについての御質問がございました。
 私自身、実際に現地に参りまして、実情をつぶさに調査もいたしましたし、また被災者自身から直接お話も承り、同時に知事や市長等からも実情についてお話を承ってまいりました。これはもう口では言えない深刻な状況になっておることは、もう皆さん御案内のとおりであります。
 しかし、それぞれの報道を通じて皆さんも御案内のように、ああいう厳しい何もかも不足をしておる難儀な状況の中で、それぞれの皆さんが力を出し合い、知恵を出し合い、助け合って、支え合ってやっておるあの姿には別の意味で私は感動を覚えましたが、それだけに政府としても、そうした皆さん方の気持ちに十分こたえ得るように、それぞれの施策については万全を期していかなければならぬと考えておりますが、議会の皆さんにも御協力をいただきまして、政府、議会一体となって県・市町村の要望にこたえ、被災者の気持ちに十分対応して、元気を出して一日も早く復旧、再建が可能になるような、そういう方策を講じていくことが当面私どもに課せられた課題だと、責任だと、こう痛感をいたしておりますが、そういう気持ちを現地に伝えて、皆さんにも頑張っていただきたいということを申し上げたいと存じます。
 なお、保養・福利施設の開放や仮設住宅の提供、医療・医薬品の供給などに関しての質問がございました。
 現在、仮設住宅の用地として、国有地の活用はもとより、各自治体、民間からも土地の提供や協力をいただいているところでありますが、今後これらを有効に活用しながら、仮設住宅用地の提供等、被災者の住宅の確保に何よりも優先的に万全を期してまいりたいというふうに考えておるところでございます。
 また、医療や医薬品につきましても、現在、全国の都道府県からのスタッフ派遣等により避難所に救護センターを設置するなどの取り組みを行っているところでございますが、何分寒さの厳しい折でもあり、インフルエンザが流行するといったような傾向も見られる状況にございますから、今後とも必要な医療・医薬品等の供給に政府として総力を挙げて取り組んでいかなければならぬと考えているところでございます。
 次に、都市災害に対する基本的な認識についての御質問がございましたが、我が国の大都市は人口や産業が集積をし、建築物の密集や交通のふくそう、ライフラインヘの高度な依存など防災上多くの課題を抱えており、特に大規模な地震が発生すると甚大かつ広範な被害が生じるおそれがございます。このため、都市における災害対策とりわけ震災対策は特に緊急な課題であると認識しておりまして、その充実強化を図ってまいる所存でございます。
 次に、特別立法措置についての御質問でございますが、政府は今一丸となって、災害対策基本法等、今の法体系の中でやれることはすべてやり尽くす、こういう立場からあらゆる対策を講じているところでございますが、さらなる立法措置については、今回の地震による被害の甚大性にかんがみ、被災地方公共団体の実情や意見等も十分踏まえながら検討しなければならない課題であると認識をしているところでございます。
 次に、行方不明者の救生活動等におくれがあったのではないかとの質問でございますが、地震発生後直ちに地元警察及び消防は救助活動等を開始しております。さらに、被災地以外の地域からの応援部隊につきましても、警察は徳島県警による第一陣が淡路島へ午前十時に、消防は大阪市消防局による第一陣五十人が神戸市へ午後一時四十分に、また自衛隊は姫路からの第一陣二百十五人が神戸市へ午後一時十分に、それぞれ現地へ到着後、救助、消火活動に従事してきたところでございます。したがいまして、初動の対応にできる限りのことはされたと考えておりますが、今後の教訓として十分検討し、見直すべきところは見直すことが必要であると考えておるところでございます。
 また、被災者への情報提供については、被災者が多数に及んでおるため、また広範な地域にわたっておるため、当初は情報を十分に提供できなかった面もあったのではないかと思いますが、今後は被災者の生活情報の提供に最大限切努力を払って、何よりも不安を解消していく、そして少しでも安心してもらえるということのために情報の提供は必要であると考えておりまするから、これからもさらに努力を続けてまいりたいと考えているところでございます。
 さらに、高速道路の高架橋など、安全性についてでございますが、我が国の道路橋につきましては、技術基準を定め、関東大地震クラスのまれに起こる大きな地震に対しても落橋が生じないよう整備を行ってきたところでございます。しかし、今回の地震では震度七という我が国未曾有の大きな揺れが生じたとはいえ、高架橋が落橋するという大きな被害が発生したことを重く受けとめなければならないと考えております。そのため、地震工学、橋梁工学の専門家から成る道路橋震災対策委員会において被災原因の徹底的な究明を図りながら必要な対策を講じていかなければならぬと考えているところでございます。
 次に、消火が困難をきわめた原因についてお尋ねがございました。
 今回の地震に際しましては、神戸市内では、第一に、地震直後に多数の家屋が倒壊、火災等が同時に発生したため、多くの地点での消火活動及び救助活動に対応する必要が生じたことから、現地の消防部隊のみでは対応し切れなか、たものでございます。第二に、火災現場に消防自動車が到着しても、現地の消防水利が消火栓中心であるため地震による水警破裂等偉い消防水明がほとんど使用できない状態となり、初期消火力できず延焼を食いとめることができなかったものである。と考えられます。このため、他府県等の消防本部に対しまして水槽つき消防ポンプ自動車等の派遣を要請し、これを活用した消火活動を行うとともに、河川水や海水等を使った消火活動に努めたところでございますが、消防水利の不足のため鎮圧までに約一日を要したものでございます。
 したがって、今回の経験に照らして災害時の消火体制については見直し、検討されなければならない点が多々あると考えておりますから、この教訓を生かして今後に備えなければならぬと考えているところでございます。
 なぜもっと早く自衛隊等の災害派遣決定ができなかったのかとの質問でございますが、自衛隊は今回の地震直後に、兵庫県知事からの災害派遣要請を受ける前から、必要に応じ自発的に各種の対応を行ったところであると承っております。また、派遣規模についても地震被害による困難な状況のもとで可能な限り努力を行ったものであると考えておりますが、なお、今回の教訓に学んで見直すべき点は率直に見直しをしなければならぬと考えておるところでございます。
 次に、地震の予知と防災について組織の一体化を図るべきではないかとの御質問でございますが、地震予知の推進につきましては、科学技術庁長官を本部長とした地震予知推進本部を中心に関係機関が密接な連携を図りながら観測研究を実施しているところでございます。また、中央防災会議及び国土庁が震災対策の総合的調整を実施し、地震予知を含めた震災対策を政府全体で推進しでいるところでございます。政府といたしましては、今後とも関係省庁の連携とその総合的調整を一層充実強化して震災対策に全力を挙げていかなければならぬと考えているところでございます。
 次に、軍縮についての御質問がございましたが、我が国の安全を一層確固としたものとするためには国際社会をより平和で安定したものとしていくことが肝要であります。国際社会における軍備管理・軍縮の動きはかかる観点から見て歓迎すべきものであり、我が国としてもこのような軍備管理・軍縮の促進を訴えていくことが必要であると考えております。一他方、平成七年度防衛関係費につきましては、一段と深刻さを増している財政事情等を踏まえながら、その対前年度伸び率を〇・八六%と昭和三十五年度以来の低い伸び率に抑制したものでございます。
 また、我が国といたしましては、周辺諸国との信頼関係の構築を進めつつ、今後の我が国の防衛力のあり方につきまして検討を行っているところでございますが、これについては冷戦後の国際情勢の変化、国際社会における軍備管理・軍縮に向けての努力、将来における我が国の人的資源の制約の増大、科学技術の進歩、一段と深刻さを増している財政事情等を十分検討した上で、今後とも慎重に検討することが必要であると考えているところでございます。
 次に、平成七年度予算編成の意味についての御質問がございましたが、戦後五十周年の節目に当たりまして、内外のさまざまな課題に適切に対処し、思い切った改革によって自由で活力ある経済社会、次の世代に引き継いていける知的資産、安心して暮らせるやさしい社会を創造していくこと、また、世界に向かっては、我が国にふさわしい国際貢献による世界平和の創造に取り組んでいくことが重要であると考えております。
 財政につきましては、このような認識を踏まえまして、今後急速に進展する人口の高齢化や国際社会における我が国の責任の増大など社会経済事情の変化に弾力的に対応するため、公債残高を累増しないような財政体質をつくり上げていくことが基本的な課題であり、財政改革を引き続き強力に推進することが必要であると考えております。
 平成七年度予算は、こうした考え方を踏まえまして、極めて厳しい財政状況のもと、徹底した歳出の洗い直しに取り組む一方、限られた財源の中で資金の重点的、効率的な配分に努め、質的な充実に配意することとして編成したものでございます。
 本予算は、二十一世紀に向け我が国が新たな地平を切り開くための課題に正面から取り組んだものと確信をしているところでございますので、御理解と御協力を賜りたいと存じます。
 次に、行政改革に対する決意についてのお尋ねがございました。
 行政改革を内閣の最重要課題の一つとして取り組み、国民の目に見える形で成果を上げるよう全力を傾ける決意でございます。
 御指摘の特殊法人の改革につきましては、政府・与党一体となって、特殊法人の設立当時の原点に立ち返って事業の役割、意義を改めて検討するとともに、行政の減量化と新たな時代の要請にこたえるため、総合的かつ全般的な見直しを進めながら、本年度末には統廃合、事業・組織のスリム化、その他の整理合理化の問題について具体的な結論を出すように今全力を挙げて取り組んでいるところでございます。
 また、規制緩和につきましては、本年度内に今後五年を期間とする規制緩和推進計画を策定し、さらに積極的かつ計画的に規制緩和を推進してまいる所存でございます。
 次に、特殊法人の整理合理化に伴う職員の雇用問題についてお尋ねがございました。
 特殊法人の整理合理化に当たって職員の雇用問題について考慮する必要があるとの意見は各方面からいただいているところでございまして、今後、与党の御検討も十分踏まえて適切な対策を進めていく必要があると考えているところでございます。
 次に、地方分権の推進についてのお尋ねでありますが、政府といたしましては、昨年十二月二十五日、地方分権大綱を閣議決定したところでございます。この地方分権大綱に沿って、国と地方との役割分担の見直し、権限の委譲等に積極的に取り組むとともに、地方分権を推進するために十分な機能を備えた委員会を設置する所存でございます。このため、今国会に地方分権推進の基本理念や委員会の設置などを盛り込んだ地方分権の推進に関する法律案を提出することといたしておるところでございますので、何分の御理解と御協力をお願い申し上げたいと存じます。
 次に、国と地方の役割についてのお尋ねでありますが、政府といたしましては、先ほど申し上げましたように、昨年十二月二十五日、地方分権大綱を閣議決定し、これに沿って国と地方の役割分担の見直し等を行うことといたしております。
 地方分権大綱では、「国は、国家の存立に直接かかわる政策、国内の民間活動や地方自治に関して全国的に統一されていることが望ましい基本ルールの制定、全国的規模・視点で行われることが必要不可欠な施策・事業など国が本来果たすべき役割を重点的に分担することとし、その役割を明確なものにしていくものとする。」としているところでございます。
 いずれにいたしましても、国と地方の役割の見直しに当たりましては、地方公共団体の自主性、自立性を高め、住民に身近な行政は住民に身近な地方公共団体において処理することを基本に進めることが重要であると考えておりますので、このような視点に立って地方分権を進めてまいる所存でございます。
 地方分権の推進につきましては、現内閣の重要課題の一つと位置づけているところでございまして、実りある成果をおさめるべく努力を払ってまいる決意でございます。
 次に、企業献金と族議員についての、政治政章に絡んでお尋ねがございました。
 今回の制度改革は、政治改革のいわば出発点であると考えておりまして、今後さまざまな課題に真剣に取り組み、国民の政治に対する信頼の確立、政治腐敗の根絶に向けて努力を重ねていく決意でございます。
 なお、御指摘のありました企業等の団体献金につきましては、改正法の施行後五年を経過した場合には、資金管理団体に対するものは禁止措置を講ずるとともに、政党・政治資金団体に対する献金のあり方についても見直しを行うこととされており、廃止を含め検討がなされるものと考えております。
 いわゆる族議員の問題についても、今回の改革によりその弊害は是正されていくことを期待しておるところでございます。各党各会派におかれましてもい引き続き御論議をいただき、御検討いただきますように心からお願いを申し上げる次第でございます。
 久保議員は、以上の質問で体調を壊されて御退席になりましたので、久保議員に対する答弁は以上で終わらせていただきます。
 ありがとうございました。(拍手)
   〔国務大臣小里貞利君登壇、拍手〕
#17
○国務大臣(小里貞利君) 兵庫県南部地震対策について貴重な御意見をお聞かせいただきながらお尋ねございました問題点につきまして、御答弁申し上げます。
 ただいま総理の方からも一部答弁ございましたが、重複を避けて申し上げますが、まず保養・福利施設の開放、仮設住宅地の提供及び医療・医薬品の供給などに関しての質問でございますが、現在、仮設住宅の用地といたしまして、国有地の活用はもちろん、各自治体、民間からも積極的に土地の提供をいただいているところでございます。また、昨日あるいは数日前から、仮設住宅の建設用地として利用可能な国有地等につきまして、各大臣各省庁の協力をいただきまして調査を行ってまいりました。その結果もおおむね出そろってまいりましたので、今後また現在、これらを有効に活用し、仮設住宅用地の提供等、被災者の住宅の確保に政府といたしましては万全を期して、全力を傾倒してまいっておるところでございます。
 また、医療・医薬品につきましても、現在全国の都道府県の御協力をいただきまして、また、それらの協力によりましてスタッフの派遣等も積極的にいただいておりまして、避難所に救護センターを設置するなどの取り組みを行っておるところでございますが、これで十分とは決して思っておりませんでして、今後とも必要な医療・医薬品等の供給に政府として総力を挙げて取り組んでまいる所存でございます。(拍手)
   〔国務大臣武村正義君登壇、拍手〕
#18
○国務大臣(武村正義君) 今回の地震災害つきましては、関係省庁全力を挙げて救援活動、復旧対策に取り組んでいただいているところでございますが、こうした努力に支障が起こることのないよう、財政当局としましても財政的な必要な措置に最善を尽くしてまいりたいと考えております。
 その一環として、久保議員の御意見にもございましたように、まずは六年度第二次補正予算の準備作業に取りかかることにいたしております。昨日の対策本部におきまして、私からも、各省庁におかれてもこの補正予算編成のために御努力を陽りたい旨お願いをいたしました。
 何といいましても、現地で各省庁が被害の状況をきちっと掌握していただいて、さらにその上で査定を終えて数字の上で予算編成と、こういう俊取りでございますが、年度内編成という目標のもとに少してもこの作業を早く終えて。緊急なものからまずは今年度の第二次補正予算という形で議会に御提案をさせていただきたいというふうに考えております。よろしくお願いいたします。(拍手)
    ―――――――――――――
#19
○議長(原文兵衛君) 次に、星川君の質疑に対する答弁を求めます。
   〔国務大臣村山富市君登壇、拍手〕
#20
○国務大臣(村山富市君) 星川議員の質問にお答えを申し上げたいと存じます。
 最初の質問は、平成七年兵庫県南部地震に対する捜索・救助活動に関する御質問でございました。
 現在、被災地以外の地域からの応援も含め、消防約五千人、警察約三万人、自衛隊約一万六千二百人の体制で全力で行方不明者の捜索・救生活動に当たっているところでございます。
 被災者の方々の救援対策につきましては、もう何分九日目を迎えまして何かと難儀をされている実態を深刻にとらえながら、食料・水・毛布等の生活必需物資の供給に万全を尽くすとともに、仮設トイレ等の避難所の生活環境対策や、けがをされた方々、厳しい寒さの時期でもありますから医療対策についても全力を尽くしているところでございます。
 また、応急仮設住宅約一万五千戸と、公営・公団住宅等への受け入れ約二万五千戸、合わせて四万戸の住宅を確保したところでございます。
 さらに、被災地域の再建、復興を図るため、被災自治体における意向を踏まえて、復興に対する事業費の確保など、政府としてもあらゆる対策を講じてまいる所存でございます。
 次に、災害対策の見直しに当たりまして、ライフラインについて一つの手段に頼らず別の手段も常に備えるとの発想が必要との御質問でございました。
 現代都市の経済活動、市民生活において、電気・ガス・水道・電話等のライフライン機能が果たす役割は極めて大きいものと認識をいたしております。したがいまして、ライフラインの災害対策におきましては、個々の構造物の耐震性を向上させるとともに、供給ルートの多重化、拠点の分散化等による被害の防止・軽減対策を一層推進させることが重要であると考えておるところでございます。
 次に、災害が生じたときに直ちに被害状況調査を行う体制を確立すべきなどの御指摘がございましたが、被害状況調査につきましては、消防、警察において迅速な被害状況把握に努めているところでございますが、今後とも、ヘリコプターによる空中からの調査も含め、いち早く被害状況の把握ができるよう対処してまいりたいと考えているところでございます。
 また今後は、自衛隊による被害状況の把握についても、今回の経験に学び、さらに体制等の充実に努めてまいらなければならないということを痛感いたしておるところでございます。
 次に、災害減免法や雑損控除の取り扱いに関する質問がございましたが、今回の兵庫県南部地震による被災納税者に対する税関係の対応といたしましては、まず喫緊の対応として、平成六年分所得税の確定申告時期が近づいていることも踏まえ、国税庁では、本日、今回の災害により多大な被害を受けた神戸市を初め十八市町の納税者について、申告、納付等の期限の延長の措置を講じたところでございます。
 次に、当面の対応といたしましては、今回の災害により実際に損害をこうむった納税者の皆様につきましてはその所得税負担の減免の問題がございます。このため、雑損控除制度や災害減免法によってできる限りの配慮を行いますが、平成七年に入ってから申告納税までの間に発生した今回の災害の損害を平成六年分所得税において考慮できないかどうか、事務当局において検討いたしておるところでございます。
 いずれにいたしましても、今風の災害が想像を超える事態であり、被災地においては税関係でもぎ面するさまざまな事情があると考えられますので、国税当局等を通じてその実情の早急な把握に努めているところでございます。
 次に、被災者救済対策と災害復興を実践すべきではないかとの御質問でございますが、自然災害から国民の生命及び財産を守ることは国の基本的責務であり、政府においては災害対策基本法等に基づき各般にわたる災害対策を推進しているところでございます。今回の地震に対しましても、全閣僚をメンバーとする緊急対策本部や非常災害対策本部を中心に現地にも対策本部を設置するなど、政府一体となつて被災者救済等にあらゆる対策を講じているところでございます。
 今後とも、今回の地震における被災者救済対策と災害復興に万全を期すとともに、自然災害から国民の生命及び財産を守るため、災害予防施策の充実強化、迅速的確な災害応急対策、災害復旧対策の推進に努めてまいる所存でございます。
 次に、地方分権という言葉についてのお尋ねがございましたが、地方分権の推進につきましては、地方がその実情に沿った個性あふれる行政を積極的に展開できるよう、国と地方の役割分担を本格的に見直し、権限委譲や国の関与等の廃止・緩和、地方税財源の充実強化を進め、地方公共団体の自主性、自立性を強化していくことが必要であると考えてしるところでござします。したがいまして、御指摘の国と地方の権限の見直しは重要なことでございますし、地方分権の推進ということでは、地方公共団体の自主性、自立性の強化に向けた、より包括的な取り組みを考えているところでございます。
 いずれにいたしましても、地方分権の推進は今や時代の大きな流れでございまするし、実行の段階にあることから、その計画的かつ着実な実施に向けて具体的な第一歩を踏み出すことが何よりも重要であると考えているところでございます。
 次に、国と地方の関係を抜本的に見直す決意についてお尋ねがございましたが、政府といたしましては、先ほども御答弁申し上げましたように、昨年十二月二十五日、地方分権大綱を閣議決定したところでございます。この地方分権大綱に沿いまして、国と地方の役割分担の見直し、権限の委譲等に積極的に取り組む所存でございます。今国会に地方分権推進の基本理念や委員会設置などを盛り込んだ地方分権の推進に関する法律案を提出することといたしたところでございます。
 地方分権を推進することは、現内閣の重要課題の一つとして位置づけており、二十一世紀に向けた時代にふさわしい国と地方の関係を確立するため、私としても具体的な成果を上げるべく強い決意で取り組んでいきたいと考えているところでございます。
 次に、シャウプ勧告における事務配分の考え方を用いてはどうかとのお尋ねでございますが、御指摘のように、シャウプ勧告においては地方優先の原則等が述べられておりまして、国と地方の役割分担を見直していく上で貴重な考え方であると認識をいたしております。
 政府におきましても、昨年十二月二十五日に閣議決定いたしました地方分権大綱において、住民に身近な行政は住民に身近な地方自治団体が処理することを基本とし地方分権を推進していくこととしておりまして、御指摘の趣旨も踏まえながら国と地方の役割分担を見直し、地方分権を具体的に進めてまいりたいと考えているところでございます。
 次に、地方分権の推進の必要性についてのお尋ねでありますが、先ほど来御答弁申し上げておりますように、昨年九月の地方六団体からの意見を初め、さまざまな視点からその必要性が指摘されているところでございます。特に、地方が実情に沿った個性あふれる行政を展開できるよう、その自主性を強化し地方自治の充実を図っていくことは、民主政治の原点であると考えております。
 地方分権の推進につきましては、現内閣の重要課題の一つとして位置づけているところでございまして、実りある成果をおさめるべく今後も一層努力を払ってまいる決意でございます。
 次に、地方六団体の地方分権推進要綱についてのお尋ねがございましたが、昨年九月、全国知事会を初めとする地方六団体から地方自治法に基っぺ初めての意見具申がなされ、また、行政改革推進本部に設置されました地方分権部会において、昨年十月、鈴木全国知事会会長からじきじきに説明を伺ったところでございます。政府といたしましては、その内容も踏まえながら、昨年十二月二十五日、地方分権大綱を閣議決定したところでございます。
 この地方分権大綱に沿いまして、国と地方の役割分担の見直し、国の関与の整理、地方公共団体の財政基盤の整備等に積極的に取り組むとともに、地方分権を推進するために十分な機能を備えた委員会を設置いたしたいと考えているところでございます。このため、今国会に委員会の設置などを盛り込みました地方分権の推進に関する法律案を提出することといたしたところでございます。なるべく早期に御審議をいただけるよう鋭意検討を進めている段階であることを申し上げておきたいと存じます。
 次に、予算編成権についてお尋ねがございました。
 予算は歳入を担当する部局と一体とならなければその適正かつ円滑な編成が困難であり、かつ、主要先進諸国の大宗においても同様の体制がとられているところでございます。また、財政投融資、税制、金融等、他の政策手段とも整合性をとりながら策定していく必要があるため、同一大臣の責任のもとに一体的に政策を遂行していくことが必要であると考えております。さらに、G7等における国際的な政策調整を考えた場合にも、財政・金融政策の一体的な運営の必要性は一層高まっているところでもございます。
 したがいまして、御指摘のような予算編成権を大蔵省から分離して他へ移管するといった考えにつきましては、予算編成に期待される総合調整機能の低下をもたらすという問題もあり、今後慎重に検討の上判断をされなければならない課題であると考えておるところでございます。
 残余の質問につきましては、関係大臣から答弁をさせます。(拍手)
   〔国務大臣小澤潔君登壇、拍手〕
#21
○国務大臣(小澤潔君) 私に与えられた御質問は三点であります。これらについてお答えを申し上げたいと思います。
 まず第一点は、学校の校庭の利用及び避難場所についての御質問でありますが、学校の校庭につきましては緊急輸送用の臨時ヘリポートとして使用することも可能でありますが、使用に当たっては避難しておられる方々の安全の確保に十分配慮する必要があります。また、緊急時におきましては、避難場所と災害対策本部との間の通信の確保は必要であると考えており、この趣旨を関係省庁にも十分伝えてまいりたいと思います。
 次は、国会移転の時期を早めてはいかがかという御質問ですが、国会等の移転につきましては、二十一世紀の我が国の政治、経済及び文化のあり方に大きな影響を及ぼす課題であると認識しており、地震等の大規模災害に対処するためにも、また東京の災害対策の充実を図るためにも、積極的に検討を進めることが極めて緊要であります。
 現在、国会等の移転に関する法律に基づき設置された国会等移転調査会において調査、審議が鋭意進められているところであり、国土庁といたしましては今後とも調査、審議の円滑な推進に努めてまいりたいと考えております。
 次は、交通路線の整備による日本列島全体の安全確保の問題についてでありますが、我が国は自然的条件が諸外国に比べて極めて厳しく、地震、台風等の多くの災害発生原因を抱えております。このため、国民生活や経済活動の安定、安全を確保し、安心して暮らせる国土を形成して保いく上で、これらの災害に対し強靱な交通体系を総合的に形成することは国土政策上最も重要な施策であると認識をいたしております。
 日本列島全体を災害に対して安全な国土とするため、陸路、水路、空路にわたる複数ルート、複数機関による多重系交通網の形成に努めてまいる所存であります。(拍手)
   〔国務大臣野坂浩賢君登壇、拍手〕
#22
○国務大臣(野坂浩賢君) 星川議員にお答えをいたします。
 質問は三点ございました。
 まず第一に、被害の状況調査のためにヘリコプターを各建設局単位に配置したらどうか、ありがたい御質問をちょうだいしておりますが、まず現況を申し上げますと、大規模な災害が発生した場合にはヘリコプター等で被害状況というものを早期に調査を行うことは御指摘のとおりだと考えております。
 このために建設省といたしましては、測量用航空機、国土地理院が持っております、そして建設省と、一機ずつそれぞれ持っておりますが、おっしゃるとおり、「あおぞら号」は定期点検の整備中でございました。したがいまして、このヘリコプター、民間のヘリコプターをチャーターする体制をとっております。ちなみに、年間契約で二千時間、単価契約をとっておるところでございます。したがいまして、測量用航空機で五回、民間のヘリコプターで十八回、二時間から八時間にわたってそれぞれ建設省が必要とする状況というものは的確に調査をしたつもりでございます。
 しかし、今後の取り組みの問題でございますが、取り組みにつきましては、非常に重要な御指摘でございますので、我々は前向きに検討し、機数についても配置についても十分な検討をして御期待に沿いたい、こういうふうに思っております。
 第二番目の問題は、被害建築物の判定士の制度化の問題についてでございました。
 政府としては、現在非常に心配しておりますのは、余震による建築物の倒壊あるいは部材の落下等が生ずる第二次災害をどうやって防止をするかということが今一番大きな課題であります。したがいまして、御指摘のありましたように、アメリカ等は赤、青、黄色の紙を張ったというお話がございましたが、我々は、地方公共団体がやるべき仕事でありますけれども、公団や各県から動員をいたしまして、お話がありましたとおり二百八十名、その後続々と追加をしておりますが、一月十八日からその作業に入っておるところでございます。
 したがって、今後の取り組みにつきましては、その制度化の必要については今回の経験を十分踏まえまして検討してまいりたい、判定士の制度化については神奈川県等の問題についても十分参考にして前向きに検討してまいりたい、そのように考えております。
 第三番目の問題は、地震予知の問題でございました。
 いわゆる東海地域、こういうところは大丈夫だというふうに考えておるかということでございましたが、東海地域におきましては、これまでの観測、調査の結果から、大規模地震の発生の仕組みに関する解明が進んでおります。したがって、国土地理院など各関係機関の観測データを総合的に常時監視をして前兆現象を捕捉することにより、予知が可能と考えられております。この点については、常に総理大臣から言われておりますように、縦割り行政ではなしに、各省庁連絡を十分とってやらなければならぬということを実行しなければならぬと考えておるわけであります。
 建設省といたしましては、関係省庁との連携のもとに、地震予知の推進に向けて今後ともGPSやVLBI、こういうものについての全国的な観測施設の充実を図るなど、積極的に観測、研究を進めて地震予知ができるような体制をできるだけ速やかに配備してまいりたい、このように考えておりますので、御了承をいただきたいと思います。
 以上であります。(拍手)
   〔国務大臣田中眞紀子君登壇、拍手〕
#23
○国務大臣(田中眞紀子君) お答え申し上げます。
 いわゆる東海地震につきましては予知はほぼ可能であると申し上げられると思いますが、そのほかにつきましては、困難なところと、それから予知が可能かもしれないというところとに分かれておりますことは大変残念でございます。
 ですが、地震の予知の推進ということは極めて重要な事柄でございますので、関係省庁と連絡を緊密にとりまして、東海地震だけではなくて他の海底地震につきましても、観測及び研究を充実してまいります。(拍手)
   〔国務大臣山口鶴男君登壇、拍手〕
#24
○国務大臣(山口鶴男君) 星川議員にお答えをいたします。
 地方分権という言葉よりも国と地方の権限の見直しという言葉が適切ではないかと、こういう御指摘でございました。
 地方分権という用語につきましては、平成五年六月の衆参両院における全会一致の地方分権推進に関する決議を初めといたしまして、議員立法であります国会等の移転に関する法律、あるいは行革審、地方制度調査会の答申等々においてしばしば使われている言葉でございます。
 地方分権は、中央集権とのいわば対比において使われる用語であると考えておりますが、この地方分権という用語の中には、国と地方の権限の見直しの問題のみならず、国と地方の事務配分に応じた税財源の配分という問題をも含めた概念ではないか、かように考えておるわけでございまして、そういう意味では広く一般に定着している言葉であると認識をいたしておる次第であります。
 したがいまして、こういった考え方から、昨年十二月の閣議におきまして、「地方分権の推進に関する大綱方針」という形で決定をさせていただいた次第であります。
 次に、シャウプ勧告に関して御意見がございました。
 御指摘のシャウプ勧告は、日本の民主化を推進するためには地方自治を大いに強化する必要があるという考え方から出された、まさに地方優先の原則をお述べになった勧告である、かように認識をいたしております。そういう立場で、総理も御答弁をされましたが、住民に身近な行政は身近な地方公共団体が処理する、これを基本といたしまして地方分権の推進を徹底的にやってまいりたい、かように考えておる次第でございます。
 最後に、地方六団体の地方分権推進要綱について御意見がございました。
 地方行政に長らく携わられました星川議員の深い経験に裏打ちされた御意見として拝聴いたしておった次第でございます。この地方六団体の意見も、まさにこれは極めて貴重な御意見、かように認識をいたしております。
 分権大綱を決定するに当たりましては、議論がさまざまございました。しかし、村山総理のリーダーシップのもとに、地方分権推進に関する機関はこれは地方分権推進委員会ということでなければならない、こういう立場を決定いたしまして、そういう内容を含めた形で分権大綱を決定したという点でぜひ御理解を賜りたいと思う次第でございます。
 以上であります。(拍手)
#25
○議長(原文兵衛君) これにて午後一時まで休憩いたします。
   午前十一時四十九分休憩
     ―――――・―――――
   午後一時二分開議
#26
○副議長(赤桐操君) 休憩前に引き続き、会議を印刷きます。
 国務大臣の演説及び国務大臣の報告に対する質疑を続けます。立木洋君。
   〔立木洋君登壇、拍手〕
#27
○立木洋君 私は、日本共産党を代表して、首相の施政方針並びに地震災害の報告に対し質問をいたします。
 最初に、兵庫県南部地震についてであります。
 私は、兵庫県南部地震で亡くなられた方に深く哀悼の意をささげ、御遺族の方々にお悔やみ申し上げるとともに、負傷された方や被災者の皆さんに心からお見舞いを申し上げます。
 また、多くの困難を乗り越え奮闘されている被災者の方とともに、各地で義援募金をなされ、さらに救援・救助活動に取り組んでおられる皆さんに敬意を表し、速やかな救援・復旧活動の前進のために日本共産党もともに全力を挙げて奮闘するものであります。
 今回の地震は、亡くなられた方は五千名にも上り、二万数千人に上る負傷された方、被災者百万人にも及ぶという戦後最大の大惨事になりました。何よりも、行方不明の方の捜索と最後の一人まで救出することを初め、人命救助を最優先にすべきであります。
 地震発生以来既に九日目を迎えた今日、多くの国民の皆さんの救援の手が差し伸べられているとはいえ、さらに一層の救援活動が求められています。倒壊した家屋から脱出され避難所に入られた方など、さまざまなところに避難されておられる被災者の方が必要とされる食料・水・医療品。衣類の提供はもとより、救援活動について国の対策本部は人員の動員、交通の整理・案内の徹底、さまざまな物資輸送力の確保、衛生管理・医療の徹底、とりわけ重傷者、妊産婦、乳幼児、寝たきりのお年寄りや障害者の方への行き届いた対応などに万全を期すよう改めて強く求めるものであります。
 特に緊急に求められている住居について、公共住宅の活用や仮設住宅の建設はもちろんですが、現状の三万六百戸の計画では全く不十分であります。政府は、それにとどまらず、すべての被災者を対象に国有地の提供なども含め、住宅を大量に提供できるよう速やかにあらゆる手段を講ずべきであることを強く要求します。
 さらに、被災者の多くの方は、生活の拠点だった住宅を初めすべての財産を失い、文字どおり途方に暮れています。この際、国の責任で被害を受けた土地、家屋、家財に対する補償制度の創設を真剣に検討すべきではありませんか。ところが、そうした検討もないまま、厚生省からは当面のいわゆる生活資金として被災者に一世帯二十万円を低利で融資する制度をつくると伝えられています。なぜ金利までかけるのでしょうか。被災者の方への万全の救援対策というのなら、生活資金についてこそ真に心のある対策をとるべきではありませんか。
 言うまでもなく地震は天災であります。しかし、地震に対する適切な対応が進められていたならば、人命、財産への甚大な被害を食いとめ、被害を最小限に抑えることは不可能ではありません。
 現在、我が国はすぐれた科学技術の水準と経済力を持っています。今回見られたような、壊れた家屋の下敷きになった人に救出の手が届かなかったというような作業のおくれ、火災の広がりに対して効果的な消火活動ができないような事態、さらに被災者が一日じゅう食事もできず医療品の不足や医療の不行き届きなどの耐えがたい苦痛な事態は、適切な対応によって避けることができたはずであります。それが政治の責任です。政府は初動のおくれを認めましたが、これは人命にかかわる極めて重要なことであり、今後の教訓とするためにも、その原因をあいまいにせずに明確にすることを求めます。
 日本列島は、地球の地震エネルギーの大半が集中する環太平洋地帯にあって、世界でも最も地震の多く発生する地震列島であります。このことは戦後死傷者を出したマグニチュード六・七以上の大型地震が十六回にも及んでいることを見ても明白です。この地震の発生への対策は日本の一部特定地域にとどまらず、日本刑鳥全体がその対象とされなければなりません。そのために何よりも地震に強い国土・都市づくりの事業を国の事業として明確に位置づけ、財政措置を含めて計画的、系統的に推進すべきです。さらに、災害の予防事業を柱として防災対策上の不十分な体制を速やかに改めるべきです。
 例えば被災地兵庫県では、一九八〇年から十年間に避難の指定地が千五百三十五カ所から千三百九十六カ所に減っています。また、東京都ではこれまでの十五年間に一層必要とされる化学消防車は一台もふやされず、ポンプ車は逆に減っているのであります。このような逆行する状況はあってはならないことではありませんか。あわせて明確な答弁を求めるものです。
 次に、地震の予知、予報に関してです。
 今、全国で十カ所の観測地域が指定されており、大阪、兵庫も含まれていますが、強化地域は南関東と東海地方のみであります。首相は予知・予報能力のための体制の強化や研究開発の促進について言及されましたが、それは実質が伴わなければなりません。例えば、地震予知関係の予算は八省庁合わせてわずか百六億八千九百万円という貧弱な状態ですし、さらに地震観測の中心である気象肝の地震対策の推進費はわずか二億六百万円で、前年比一六・九%の大幅減というありさまであります。これは当然根本的に改めるべきではありませんか。
 次に、高速道路、鉄道施設の耐震性の再検討の問題です。
 八九年のサンフランシスコ地震及び昨年のノースリッジ地震での高速道路の崩壊について、日本の高速道路の耐震性の見直しを求める意見が出されていました。日本共産党の上田耕一郎参議院議員はこの見直しを予算委員会で強く求めたのに対し、建設省道路局長は、マグニチュード八クラスの極めてまれな大地震に対しても橋梁の破壊などの被害は生じないよう処置していると答え、さらに、昨年二月の訪米調査後も、当局は、得るべき教訓はなく日本の構造物は安全と断定したのでした。
 しかし、この神話は完全に崩れました。現に、山陽新幹線は九カ所の橋げたの落下を初め少なくない被害を受け、高速道路も橋脚は倒壊し橋げたも落下するという無残な状態です。この輸送施設等の崩壊を見ても設定値の甘さは免れません。通勤時間帯にこの地震が起こっていたならばと身のものよだつ思いがいたします。
 何よりも、これまでの関東大震災の枠内にとどまった対策ではなく、今回の地震によって輸送施設等の崩壊という事実の率直な反省から出発すべきではありませんか。耐震性の基準の抜本的な見直しについて答弁を求めます。
 兵庫県南部地震で示された事態は、まさしくこれまでの政治のあり方が真に国民の安全と安定を第一義のものとして国民に責任を負う立場を貫くものであったかを厳しく問うものとなっています。
 首相が復旧復興対策を、資金の面でも遅延させることなく万全の財政金融措置を講じるというの朴真実であるならば、ゼネコンや大企業中心の公共事業ではなく、自主的な立場に立って六百三十兆円の公共投資基本計画を大幅に見直し、国民にとっての不要不急な大規模な公共事業を直ちに延期、中止の措置をとり、地震に強い国土。都市づくりの方向に振りかえることにこそ力を入れるべきであります。
 私は、この見地に立って、真に国民の立場に立った行政改革を進め、浪費とむだに根本的にメスを入れる道こそが大震災の速やかな復旧復興の遺につながるものとして、次の政治姿勢の転換を提起するものであります。
 第一に、国民生活に対する政治の責任についてであります。
 戦後五十年を経た日本経済は、世界第二位の経済力を持つに至りました。しかし、国民の生活け経済大国にふさわしく豊かになったでしょうか。
 例えば、EC主要国の国内総生産に対する社会保障給付費の割合を見ると、フランスは二八・三%、西ドイツは二八・一%、オランダは三〇・七%であるのに、日本はその半分にも満たない一一・二%という貧弱さであります。
 政府は、高齢化社会危機論を振りまきながら、社会保障総費用に占める国庫負担を、一九八〇年二八・一%から一九九一年二〇・一%へと激減させています。「やさしい政治」というのならば、民生の安定を第一とする方向にこそ施策を根本的に転換すべきであります。
 この根本的な施策実現の課題を税収不足など財源の問題にすりかえることは、決して許されません。国民本位の立場でむだや浪費にメスを入れるならば、その実現は不可能ではないからであります。
 まず第一に、政府は大企業優遇政策を根本的に改めることです。
 政府は、バブルの時代に大もうけをした大銀行の膨大な不良債権を買い取る機構を設けて、そこに持ち込んだ銀行には事実上減税措置を受けられる仕組みをつくりました。このことによって、九三年三月から九四年十一月までの間に銀行から買い取った不動産担保つき不良債権は六兆七千四百億円余、その実際の買い取り価格は三兆一千六百億円余りで、銀行の減税額は銀行の売却損の三兆五千八百億円の半分、一兆八千億円にも上るのであります。
 一兆八千億円といえば、九五年度予算の生活保護費の一・七倍、中小企業対策費の九・七倍にも上る膨大な金額であります。これほど巨額の大銀行の税金をまけてやって、バブル崩壊の後始末を国民に押しつけることは断じて容認できません。このような大企業優遇措置をとりながら、何が税収不足というのでしょうか。明確に答えていただきたい。
 しかも、円高を利用した大企業のリストラ、海外進出や製品の逆輸入の増大で産業空洞化の進行によって、中小企業や雇用問題はもちろんのこと、国民生活への重圧は極めて深刻になっています。
 首相はこれを抑制するどころか、我が国企業の海外進出はあくまで民間企業の自主的な判断と責任において行われていると弁護し、その上、海外に進出する大企業の法人税を減免する外国税額控除による不当なみなし控除まで温存しています。さらに、外国に類例を見ない残高二十五兆円にも上る膨大な引当金という税金逃れと事実上の利益隠しを容認していることなど、だれが見ても大企業優遇の最たるものではありませんか。この目に余る大企業優遇についても当然見直すべきであります。産業空洞化の規制とあわせて答弁を求めます。
 次に、軍事費の大幅削減を実施することであります。
 九五年度の防衛予算は五兆円に近づく巨額なもので、中曽根軍拡路線と言われた当時の予算に比較して一・五倍にも上るものになっています。しかも正面装備では、これまでソ連のバックファイア爆撃機に対抗する洋上防空の口実でアメリカ側から要求されてきたF15戦闘機や最新鋭ミサイル護衛艦の導入なとをあわせて計上しています。ソ連が崩壊した後にも、この対ソ戦略型として計画してきた新規正面装備、これに契約額で八千二百億円もかけるというのはだれが見ても膨大なむだ遣いではありませんか。
 また、アメリカと共同で開発するミサイル攻撃をミサイルで防衛するという戦域ミサイル防衛構想の調査研究費を計上しましたが、この計画は関連の経費込みで二兆円にも達すると言われる巨額のものであります。
 アメリカの国防報告によれば、この構想は第一義的にはアメリカ軍隊の前方展開部隊及び同盟国の防衛にあることが明確にされています。この米軍部隊や同盟国への攻撃に対して日本が共同対処することは、憲法上許されない集団的自衛権の行使ではありませんか。直ちに中止すべきものであります。
 村山内閣は軍事費を抑制したと言いますが、多額の後年度負担で支出する正面装備にあわせて、アメリカに米国よりも安くつくと喜ばれている六千億円に上る米軍駐留経費の負担や、七千億円を大きく上回る自衛隊の訓練費を計上して、結局、九五年度予算は実質的にも四百億円増の軍拡の継続になっているのであります。条約上全く義務のない米軍に対する思いやり予算は十八年間で二兆円を超え、今年度予算は二千七百十四億円であります。さきに挙げた地震予知関係の予算はこの思いやり予算のわずか四%にしかすぎません。
 行政改革を最重要課題と言うならば、むだと浪費をなくす真の行政改革として、大企業優遇施策や軍事費に厳格にメスを入れ、国民の安全と安定のための政治こそ真にこれを最優先とし、今日の大震災に全力を尽くすべきことを重ねて強く求めるものであります。明確な答弁を求めます。
 第二に、政治改革の問題についてです。
 それは、あの大騒ぎをした政治改革なかんずく小選挙区制とは一体何だったのかということであります。ここにも国民本位とした政治の根本から逸脱した姿勢を取り上げざるを得ません。
 本来、政党は綱領、政策を掲げ、国民に結びついた組織を持ち、公約を実現するために活動するものであります。ところが、今多くの政党は消費税、米輸入自由化などでは公約違反を繰り返し、綱領や政策を示すことさえできず、組織をみずから崩すような解体現象が起こっています。
 その上、財政は党費や国民からの献金、機関紙収入に基づくのではなく、その大半を企業や団体自由を侵害する政党助成金を少しでも多く受け取ろうとして、さらに企業に献金を依頼しています。しかも、党の離合集散も、助成金を多く受け取ることを基準にして行われているというありさまです。これは、政治改革どころか、国民のための政治とは全く無縁であります。公的助成といううまい汁を吸いながら企業への政治献金要請とは手前勝手で、国民を愚弄するものとの厳しい批判が国民からほうはいと起こってくるのは当然であります。しかも、被災者の中から、各政党は国民の税金である助成金を全額救援金に回せという声が出ているのも当然ではありませんか。日本共産党は憲法違反の助成金を受け取らないということを改めて表明いたします。首相はこの政治改悪の助成制度をあくまで続けるつもりですか。明確に答えていただきたい。
 今や業界の政党に対する献金が相次いで公然と復活してきています。その上、企業献金を再開した日経連はことしの春闘に対して賃上げゼロの方針を定め、日経連会長は賃金を大幅に上げたいのなら企業はどんどん海外に出ていくだけだと威圧的な言辞さえ吐いていますが、このような横暴な態度に出られるのも、それを正すべき政治が企業献金によってゆがめられているからにほかなりません。
 河野外相、企業・団体献金はいかに政治資金収支報告書に記載され透明度が強調されても、その献金は、財界の首脳陣が公然と政治を金の力で動かすためのものと述べているように、合法的に政治を買収する資金であることは覆い隠すことはできません。このことをどう考えているのでしょうか。
 首相、主権在民の原則をゆがめるこの企業。団体献金を容認して、それでまともな政治改革と言えるのでしょうか。こうした政治のゆがみを正してこそ、政治の基本を、財界の利益優先ではなく、国民の立場を貫いて大震災を復旧復興し、真に国民の安全のために寄与するものではありませんか。政官業の癒着、腐敗を生み出す根源にメスを入れずに、国民の安全と安定にこたえ得る政治となり得ないことは明白であります。明確な答弁を求めるものです。
 最後に、戦後五十年を迎えて、世界平和に対し我が国の果たすべき役割について質問をいたします。
 この半世紀老特徴づける最も重大な問題の一つは、核兵器という人類史上未経験の核エネルギー利用の残忍きわまりない大量殺りく兵器の沈めに、世界平和が脅かされてきたことであります。広島、長崎の被爆を経験した日本にとって、核兵器廃絶の全人類的課題のために政府が先頭に立って努力することこそ、真の国際貢献の遺にほかなりません。
 村山内閣は、さきの国連総会で初めて核兵器の究極的廃絶に向けた核軍縮に関する決議を提案し採択されたことを自画自賛しています。しかし、今の国際政治の舞台では、非同盟諸国が核兵器使用の禁止の要求とあわせて、期限を切った核兵器廃絶への誓約と全面廃絶の期日を再確認することを要求しているように、速やかな核兵器の廃絶が提起されているのであります。それをあえて究極のものとすることは、核兵器廃絶の課題を遠いかなたに先送りし事実上棚上げするものではありませんか。
 しかも、政府は、アメリカなど既存の核保有国の核兵器独占がいつまでも続くことを保障する核拡散防止条約の無期限延長を支持するという核兵器の存続を認める態度に固執することが、どうして核兵器をなくすことになるのでしょうか。こまかしてはありませんか。首相は、期限を切って核兵器廃絶を実現させることを緊急課題として追求するのか否か、明確に答弁をしていただきたい。
 国連のガリ事務総長は、かつて軍事力の行使を認めた平和執行部隊構想を示しましたが、その構想はソマリアにおいて明確に破綻し、旧ユーゴ紛争においても展望のない泥沼状態に陥ってみずから撤回せざるを得ませんでした。このことは、国際的な紛争は力によるのではなく、国連憲章の原点に立ち返って解決すべきことを示しています。
 ましてや、憲法に極めて先進的な平和原則を持つ日本政府が自衛隊の海外派遣を行うことは、憲法上の根拠は全くなく、日本国としてのあるべき国際貢献ではありません。自衛隊派遣を積み重ね、さらにゴラン高原の自衛隊派遣の準備調査やPKF凍結解除を進めようとすることも、日本政府が憲法の平和原則よりも対米追随による軍事的貢献を優先させるためではありませんか。
 自衛隊のルワンダ難民問題への派遣について、AFP通信は、第二次世界大戦以降初めてみずからの指揮下で海外活動を行う最初の日本兵が到着、国際社会で大きな役割を演じ、国連安保理で常任理事国の席を得たい日本にとって部隊の到着は非常に象徴的なものであると指摘をしています。
 自衛隊の海外出動を積み重ね派遣五原則さえ踏みにじってでも軍事的役割を一層強めているのは、日本が常任理事国入りを果たすためのものであり、そして常任理事国に入ることによってアメリカの世界戦略を国連の場でも一層補完する役割を担うことを目指しているのではありませんか。あわせて答弁を求めるものであります。
 日本の国連安保理の常任理事国入りは、明白に憲法に反するものであります。国連安保理の常任理事国は、国連憲章によって、国連軍事参謀委員会に参加し、国連軍の戦略指導を行うことが規定されています。政府もそのことを認めています。この軍事参謀委員会で行われる戦争準備にかかわる軍の配置や移動、使用する武器や作戦計画、そして戦争の発動から終結に至るまですべての重要な軍事的な協議や決定に自衛隊幹部が参加することが、戦争そのものへの関与として国の意思の介在すら禁止している日本国憲法にどうして違反しないというのでしょうか。
 首相、憲法九十九条で憲法を尊重し擁護する義務が問われている責任において、明確な答弁を求めます。
 首相は、今回の日米首脳会談で日米安保体制の堅持を重ねて表明し、それをアジア・太平洋地域さらに世界全体における重要さを強調したことは、アメリカの世界戦略への一層の危険な道を歩むものとして断じて容認できません。このことを厳しく指摘をして、私の質問を終わります。(拍手)
   〔国務大臣村山富市君登壇、拍手〕
#28
○国務大臣(村山富市君) 立木議員の質問にお答えを申し上げます。
 まず第一の質問は、被災者に対する住宅対策についてのお尋ねでありますが、一日も早く被災者の住生活が安定するよう、応急住宅対策を鋭意推進しているところでございます。
 まず、公共住宅の空き家の活用につきましては、住宅・都市整備公団、地方公共団体等に指示または要請を行い、受け入れ可能戸数の増加を図り、これまでに約二万五千戸を確保したところでございます。また、応急仮設住宅の建設につきましては、国有地・公団所有地等の提供や、住宅・都市整備公団による地方公共団体の建設業務の支援等を行い、兵庫県における計画戸数を当初の約五千戸から本日の時点においては一万五千戸にまで増加させるとともに、迅速な建設の促進を図っているところでございます。さらに、公的な宿泊施設等を活用した居住場所の確保についても、関係省庁等が連携し、地方公共団体に対し施設の一時的な使用等に係る情報提供を積極的に進めていくことといたしております。
 今後とも、地元地方公共団体と緊密な連携をとりつつ、応急住宅対策を積極的に推進してまいりたいと考えているところでございます。
 次に、被災者の生活条件への行き届いた対応に万全を期せとの質問でございますが、既に小里大臣に、被災者の方々に対する対策の中でもガス、電話、水、住居、医療などの生活関連分野に特に重点を置いて対応するよう指示したところでございまして、現在、政府の非常災害対策本部と現地対策本部が一体となって、ライフライン関係、住宅確保対策、医療対策等に万全を期しているところでございますので、御理解をいただきたいと存じます。
 次に、被害を受けた被災地の土地、家屋、家財に対する補償制度の創設を検討すべきとの御質問でございますが、補償制度の創設には基本的に困難な問題があることを御理解いただきたいと思います。
 いずれにいたしましても、政府は一丸となってあらゆる対策を講じておるところであり、被災者が安心して暮らせるよう、各種の融資制度を活用するなど被災者の立場に立った支援を行い、その生活再建の実現に全力で努めてまいる所存でございます。
 次に、今回の地震災害について適切な対応がなされなかったと思うかどうかとの御質問でございますが、地震発生後、直ちに地元警察及び消防は救助活動等を開始いたしております。さらに、被災地以外の地域からの応援部隊につきましても、警察は徳島警察による第一陣が淡路島へ午前十時に、消防は大阪市消防局による第一陣五十人が神戸市へ午後一時までに、自衛隊は姫路から第一陣二百十五人が神戸市へ午後一時十分に、それぞれ現地到着後、救助・救援活動等に従事をいたしております。
 初動の対応には可能な限りの努力をしたところでございますが、今後の教訓とすべき点がなかったかどうかについては十分検討してまいりたいと考えているところでございます。
 次に、地震に強い国土・都市づくりを計画的、系統的に推進すべきではないかとの御質問でございますが、地震多発国である我が国は、過去多くの地震災害を経験しております用地震対策は特に緊急な課題であると認識をいたしております。
 地震に強い国土・都市づくりは国と地方公共団体が協力して行うべきものであり、従来より適切な財政措置を講じてきたところでもございますが、今後とも日本列島全体を視野に入れつつ、計画的、系統的な施策の推進に努めてまいる所存でございます。
 次に、災害の予防事業についてのお尋ねでございますが、兵庫県内の避難場所につきましては、この十年間の数を見ましても各年度に変動があるところでありますが、平成六年度の現況では過去十年間で最も多くなっております。
 また、東京都の消防力の整備につきましては、災害の実態を勘案して行っており、消防ポンプ自動車が減ったのは、はしご車、救助車等新たな行政需要の増大した分野への消火力を強化しようとの考えに基づくものでございまして、化学車につきましてもほぼ適正な配備がなされていると聞いております。なお、消防ポンプ自動車につきましても、消防団所有のものを含めればふえているところでございます。
 災害からとうとい人命と財産を保護するためには平素からの衡えが重要であると認識しておりまして、今後の防災対策につきましても、予防対策に一段と重点を置いて進める必要があると考えているところでございます。
 次に、地震予知関係予算を抜本的に拡充すべきとの御指摘でございますが、地震多発国である我が国といたしましては、地震災害の軽減を図る上で地震予知研究の推進は重要な課題と認識をいたしております。政府といたしましては、今回の経験も踏まえまして、今後とも地震予知関係経費の確保に最大限努力をし、地震予知研究や地震の観測、監視の推進を図ってまいる所存でございます。
 次に、高速道路の耐震性についてでございますが、我が国の道路橋につきましては、技術基準を定め、関東大地震クラスのまれに起こる大きな地震に対しても落橋が生じないよう整備を行ってきたところでございます。しかし、今回の地震では震度七という我が国未曾有の大きな揺れが生じたこととはいえ、高架橋が落橋するという大きな被害が発生したことを童く受けとめているところでございます。そのため、地震工学、橋梁工学等の専門家から成る道路橋震災対策委員会において披災原因の徹底的な究明を図り、必要な対策を講じなければな暑いと麦ているところでございます。
 次に、鉄道施設の耐震性についての御指摘でありますが、一月二十日、運輸省に学識経験者等を委員とする鉄道施設耐震構造検討委員会を設置いたしました。被災施設の調査分析、耐震構造の今後のあり方等について検討を開始いたしたところでございます。
 次に、公共事業予算のあり方についてお尋ねがございましたが、毎年度の公共事業予算の編成に当たりましては、その時々の社会経済情勢や財政事情等を勘案しながら、我が国の社会資本の整備を着実に進めるための必要な経費を適切に計上してまいったところでございます。
 また、御指摘の地震に強い国土づくりや都市の防災面への配慮につきましては、これまでもその重要性を十分認識して所要の予算措置を講じてきたところでございますが、今回の経験にかんがみ、今後とも適切に対処してまいる所存でございます。
 次に、今後の社会保障施策の方向性についてお尋ねがございましたが、少子化、高齢化の急速な進展に伴い、年金、医療、福祉などの社会保障需要も増大していく中で、適切な給付やサービスをできる限り過重な負担にならないように配慮をしながら実現していくことが求められております。我が国の社会保障は国際的にも相当高い水準にありますが、社会保障制度をより公平公正、効率的なものへと再構築をして、我が国独自の福祉社会の実現を図っていくことが必要であると考えています。
 私といたしましては、このような考え方に基づきまして、少子・高齢社会においても国民が安心して暮らしていけるような福祉社会の実現に向けて今後一層努力をしてまいりたいと考えているところでございます。
 税収との関係で共国債権買取機構についてのお尋ねがございましたが、税収の状況につきましては、高齢化の加速進展、厳しい国際経済環境、構造的なディスインフレの進行等を勘案すると、過去に見られたような大幅な税収の増加を期待することはできない状況にございます。
 なお、御指摘の共国債権買取機構は、この機構に不動産担保つき債権を時価で適正に売却することにより、不良債権に係る損失を早期に処理することを主たる目的として設立されたものでございますが、金融機関がその有する不良債権をこの機構に譲渡した場合の経理処理自体は、法人税法等の考え方にのっとったもので、減税措置であると位置づけるのは適当ではないと考えております。
 次に、大企業優遇税制の是正といった点について具体的な御指摘がございましたが、外国税額控除制度は国際約二重課税の排除措置として国際的に確立した制度でございまして、優遇税制といった観点から議論すべきものではないと考えております。また、引当金制度も、税制調査会の答申でも述べられておりますように、法人税の課税所得を合理的に計算するために設けられているものでございまして、制度自体を政策税制と考えることは適当でないと考えております。
 いずれにいたしましても、税負担の公平確保は税制における最も重要な理念の一つであり、企業税制についても、御指摘の項目も含め、おのおのの制度の趣旨や利用実態等を踏まえながら実情に即した見直しを検討していくことは当然であると考えているところでございます。
 次に、大企業の海外進出に関連をして規制をすべきではないかとお尋ねがございましたが、我が国企業の海外進出はあくまでも民間企業の自主的な判断と責任に基づいて行われているものでございまして、これを規制することは、世界的な貿易・投資自由化の動きに逆行すること、投資を通じアジア諸国等々の経済発展に貢献していくことは先進国としての我が国の国際責務であること、より最適な生産体制を追求しようとする企業の海外進出をも拒み、結果として国際競争力を欠く産業を温存し、内外価格差を拡大すること等の理由により適当ではないものと考えております。
 産業空洞化に対する対策といたしましては、むしろ規制緩和の推進等による内外価格差の是正、産業構造転換の円滑化、新規産業の育成といった構造改革を通じ、自由で柔軟な活力と創造性にあふれた経済の実現を目指すことが適当であると考えておるところでございます。
 次に、防衛予算についてお尋ねがございましたが、平成七年度における正面経費につきましては、内外諸情勢の変化を受けて修正された中期防の残事業について平準的取得に配慮をするとともに、事業の緊要性を吟味し、抑制した必要最小限のものを計上したところでございまして、膨大なむだ遣いとの御指摘は当たらないものと考えております。
 次に、戦域ミサイル防衛についての御質問がございましたが、米国が進めている戦域ミサイル防衛につきましては日米間で事務レベルの検討を行っているところでございます。政府といたしましては、このような検討をも踏まえて、戦域ミサイル防衛の我が国防衛政策上の位置づけ、これに対する我が国の対応等について慎重に判断をしていくこととなると考えておるところでございます。
 次に、防衛予算についてのさらなるお尋ねがございましたが、平成七年度防衛関係費につきましては、一段と深刻さを増している財政事情等を踏まえ、その対前年度伸び率を〇・八六%、対前年度増加額を四百一億円と抑制したところでございます。この防衛関係費全体の増加額四百一億円は、隊員の給与・食事代である人件・糧食費の増加額七百三十九億円をすら下回っていること、御指摘の教育訓練費等各種経費について削減・圧縮を図らざるを得なかったこと等を勘案すれば、平成七年度防衛関係費は極めて抑制された内容となっておると考えているところでございます。
 次に、大企業優遇施策や軍事費に厳格にメスを入れ震災対策に力を入れるべきではないかとの御質問でありましたが、平成七年度予算につきましては、効率的で節度ある防衛力の整備を図る観点から防衛関係費の厳しい見直しを行うなど、従来にも増して徹底した歳出の洗い直しを行うとともに、限られた財源の中で資金の重点的、効率的配分に努め、厳しい中でも真に必要な施策には十分配慮するなど、質的に充実したものとなっておると考えておるところでございます。
 震災対策につきましても、我が国はその地理的条件から地震災害を含む種々の災害の被害を受けやすく、政府は、これら各種の災害に適切に対処するため、防災基本計画に基づき、防災に関する科学技術の研究の推進、災害予防の強化、国土保全の推進、災害応急対策及び災害復旧の迅速適切化に重点を置いて災害対策を推進してまいることを御理解願いたいと思います。
 次に、政治改革についての御質問がございましたが、私は、政治に対する国民の信頼を回復するために政治倫理の確立が何よりも重要であると認識をいたしております。同時に、今回の改革により、制度面においても政党助成制度を初め選挙制度や政治資金制度の改革が行われることとなり、政治改革の実現に向けて大きな第一歩を踏み出し、その意義は極めて大きいと認識をいたしておりますので、御指摘の点は当たらないものと考えます。
 政治改革は幅広い内容を持つものであり、今回の改革にとどまらず、さらなる改革を引き続き推進をして、何よりも国民の信頼を回復することが重要であると認識をいたしておるところでございます。
 次に、政党助成についてのお尋ねでありますが、このたびの改革においては個人中心の選挙や政治活動を政党中心のものに抜本的に改めることとしたところでございまして、これにより政党の財政基盤の確立強化が不可欠となることから、政党に対する公費助成を行い、民主主義のコストともいうべき政党の政治活動の経費を国民全体で負担をしていただくこととしたものでございまして、御理解をいただきたいと存じます。
 次に、企業・団体献金についてのお尋ねでありますが、いわゆるゼネコン汚職に見られるように、近年続発する腐敗事件の多くが企業・団体献金に起因することにかんがみ、政治改革の一環として、このたびの改正におきましては、企業等の団体献金は政党、政治資金団体並びに資金管理団体以外の者に対しては一切禁止することとされておりますし、さらに改正法の施行後五年を経過した場合には、資金管理団体に対するものは禁止措置を講ずるとともに、政党、政治資金団体に対する献金のあり方につきましても見直しを行うものとされたことなど、政治が企業・団体献金によってゆがめられるとか、企業・団体献金がわいろで主権在民の原則をゆがめるものであるとは考えておりません。この問題は、政治改革の趣旨を体して適切に対処していくべきものであると考えているところでございます。
 次に、核兵器廃絶についてのお尋ねがございましたが、我が国は唯一の被爆国として、核の惨禍が二度と繰り返されるようなことがあってはならないと心から願っており、非核三原則を堅持するとともに、核兵器の究極的廃絶に向けて核軍縮を積極的に進めていくことが必要であると考えております。
 このような観点から、我が国は核兵器の究極的廃絶に向けた核軍縮決議を国連総会に提案をし、圧倒附多数で採択をされました。また、すべての核兵器国に対し一層の核軍縮努力を行うよう促していくとともに、全面核実験禁止条約交渉の早期妥結に向けての貢献等を通じ、着実な核軍縮を進めていくため積極的な努力を展開してまいりたいと考えておるところでございます。
 次に、核兵器廃絶の期限を切るべきとの御指摘がございましたが、核兵器の廃絶に向かっためには、実現可能な具体的な措置を一歩一歩進めていくことが重要であり、現時点においてあらかじめ核兵器廃絶の期限を設定することは現実的ではなく、適当でないと考えています。
 近年、米ロ間の核兵器削減合意、全面核実験禁止条約交渉の進展等、核軍縮の具体的進展が見られますが、我が国といたしましては、このような動きを一層促進し、現実的かつ着実な核軍縮に努力していくことこそが核兵器廃絶への近道であると考えているところでございます。
 次に、核不拡散条約の無期限延長を支持することが核兵器をなくすことになるかとの質問でございますが、我が国といたしましては、我が国を含む国際的な安全保障を確保するためには、まずもって核兵器国をこれ以上広げてはならないと考えており、この核不拡散体制を安定的なものとするとの観点から、NPTの無期限延長を支持するものでございます。
 他方、NPTをなくせば核兵器国がなくなるということではありませんから、NPTを通じ核兵器の廃絶を究極的目標として現実的かつ着実な核軍縮の努力を行っていくことこそが重要でございます。既に米ロ軍縮合意、核実験禁止問題などで大きな進展が見られていますが、引き続き、NPT第六条の規定に従いまして、すべての核兵器国に対し一層の核軍縮努力を促していく所存でございます。
 次に、期限を切って核兵器廃絶を実現させることを緊急課題として追求するかとの御指摘でございますが、我が国は、唯一の被爆国として核兵器の廃絶を目指し、現実的かつ着実な核軍縮のために努力を続けてまいる所存でございます。
 自衛隊の海外派遣は対米追随優先ではないかとの御指摘でございますが、国連を中心とした国際社会の平和と安全を求める努力に対し、資金面だけでなく、国際平和協力法に基づき自衛隊を含めた人的な面でも貢献を行うことは、今日の我が国の国際的地位と責任にふさわしい協力のあり方であると考えております。
 憲法の範囲内で、国際平和協力法に基づき、国連平和維持活動や人道的な国際救援活動に対し積極的に貢献を行っていくことは、国際協調のもと、恒久の平和を希求する我が国憲法の理念にも合致するところであり、対米追随との御指摘は全く当たらないと考えているところでございます。
 次に、自衛隊の海外への派遣と安保理常任理事国入りについてお尋ねがございましたが、我が国が、国連を中心とした国際社会の平和と安全を求める努力に対し、資金面だけではなく人的な面でも我が国の国際的地位に見合った貢献を行うことは、国際社会の一員として当然の責務であると考えており、安保理常任理事国入りのために人的な貢献を行っているなどということは決して考えてはおりません。
 我が国といたしましては、ルワンダ難民救援等の経験を踏まえながら、いわゆる五原則を含む国際平和協力法に基づき、今後とも国連平和維持活動及び人道的な国際救援活動に対する協力を積極的に行ってまいりたいと考えているところでございます。
 次に、我が国の常任理事国入りについてのお尋ねがございましたが、常任理事国になることは、国連の重要な意思決定機関である安全保障理事会に常時参加をし、平和憲法を持つ日本の立場を安保理の決定に、より効果的に反映させることができるものであると考えております。安保理改組の問題は今後も国連において議論されていく問題でありますので、引き続き国民の一層の御理解を踏まえて取り組んでまいる所存でございますが、いずれにいたしましても、アメリカの世界戦略を補完する役割を担うなどということは考えておりませんので、明確にしておきたいと存じます。
 次に、我が国の国連軍事参謀委員会への参加と憲法との関係についてのお尋ねがございましたが、国連憲章第四十七条三項によれば、軍事参謀委員会は兵力の戦略的指導につき責任を負うこととなっております。このような軍事参謀委員会の活動は正規の国連軍が編成されることが前提となっております。この国連軍は安保理が加盟国との間で締結する特別協定に基づいて提供される兵力により構成されることとなっておりますが、今日に至るまでかかる特別協定が締結されたことはなく、また、締結の見通しも全く立っておりません。
 いずれにいたしましても、我が国は憲法の範囲内で安保理における責任を果たす所存でございます。
 残余の質問につきましては、関係大臣から答弁をさせます。(拍手)
   〔国務大臣河野洋平君登壇、拍手〕
#29
○国務大臣(河野洋平君) 政治資金に対するお尋ねでございます。
 民主的な政治の運営にコストがかかる、こういう点については共産党の皆さんも御理解がいただけると思います。これは、私ども自由民主党よりも日本共産党の方がはるかに多い政治資金を集めていらっしゃることを見てもはっきりしております。
 問題は、法の範囲内で政党が政治資金を集めるということが重要であると思います。政党は、それぞれの考え方によって、支援してくださる方々からみずからの政党活動のための資金を集めるということが考えられるわけでございます。もちろん、法の範囲内でございます。私がきのう御答弁を申し上げましたのは、その法の範囲内であったとしても、国民から疑惑を招かれるようなことは厳に慎まなければならないし、透明度を高める努力というものは必要であるということを申し上げたわけでございます。
 いずれにせよ、改正されました政治資金規正法は旧来よりもはるかに透明度を高めることを求められているわけでございまして、その法に従って私どもは努力をしたいと思っております。(拍手)
    ―――――――――――――
#30
○副議長(赤桐操君) 林寛子君。
   〔林寛子君登壇、拍手〕
#31
○林寛子君 私は、総理の施政方針のうち、教育、文化、科学技術を中心として質問をいたしますが、まず、兵庫県南部地震に対して申し上げなければなりません。
 私が、五十年前、神戸の長田小学校から鳥取へ集団疎開をしていましたが、終戦で引き揚げてきて焦土と化した神戸の町を見て、これが神戸なのかと目を疑ったのでございます。それほど悲惨でございました。ところが、五十年間国際都市神戸として繁栄に努力し見事に立ち直ったあの神戸が、一月十七日午前五時四十六分、何の予知も聞かされることなく、一瞬の間に五十年前の戦後の焦土と化した町にタイムスリップしてしまったのです。
 想像を絶する大災害であります。私の故郷の多くの先輩、友人、子供、そして親戚が、何と死者五千七十人、行方不明者、現在でも六十九人、けが八二万六千五百九人、家屋の倒壊七万四千百十七棟の悲劇に見舞われました。やっと通じた電話の向こうで、「おばちゃん、地獄やで」と言ったおいやめいの言葉が今も耳についています。神戸の出身者として、心から皆さんにお悔やみとお見舞いの誠をささげたいと思います。
 最も重要である初動の決定的なおくれがあったとはいえ、その後の事態に対応する政府の危機管理体制の不備や事態の対応と、悲惨な中で警察や自衛隊を初めとする関係部門の献身的な働きと、涙の出るような被災者の助け合う心と努力に、また全国からは、物資は言うに及ばず、ボランティアとして現地に入り、温かい手を差し伸べていられる皆様にも、心から敬意を表したいと思います。
 しかしながら、政府、行政の対応については、海外の報道においても対応の悪さが指摘されているのみならず、被災者の皆様の評価が、人間らしい対応をしてほしいの一言に集約されるいら立ちで進んでいることに、深い憂慮を感じるものであります。今後の対応によってこのような評価が変わっていくことを切望します。
 この際、ただしておきたいことがあります。
 今般の地震発生に当たって、海外三十八カ国と二国際機関から援助の申し出があったことがわかりました。一国民として心から感謝の念を禁じ得ないところでございますが、伝えられるところによれば、一月十九日、スイスから来た十二匹の捜索犬の検疫をどうしようかと迷ったり、アメリカの多くのオファーの中で、米海軍のインディペンデンスを横須賀から神戸沖に停泊させれば二千人のベッドや衣料等の提供もできるのに断ってきたとロス・タイムに報道されております。その他、海外からは、日本よりの返事が遅い、あるいは悪いといった対応があったと言われております。これが事実とすれば、大変困ったことであります。
 つきましては、どのような申し出がどこからあったのか、現在の検討の状況及び返事を差し上げたかどうかについて、外務大臣から御報告を伺いたいと思います。
 このような災害の発生に対して、十分な予報対策をとり得なかった今日までの我が国科学技術の立ちおくれを国会議員の一人として深く反省をいたす次第でございます。
 先年、アメリカのサンフランシスコやロサンゼルスの地震で、当地の高速道路等に甚大な被害が出たのを見て、我が国の関係者や専門家は、地震国日本はそれなりに十分な計算をして建設しているので大丈夫だと聞いておりましたが、このような認識がいかに甘いものであったのか、今回実によくわかったのであります。そうである以上、科学技術に対すみ慢心とおごりを捨て、二度とかような災害が生じないよう国を挙げて取り組まなければならないと思うものであります。
 例えば、米国の連邦緊急事態管理庁いわゆるFEMAのジェニングズ元副長官の発言は、こうです。
 たとえわずかであっても、事前の対策や救援態勢の整備がしっかりしていれば助かったかもしれない命がみすみす失われたとすれば、それは人災だ。あらゆる可能性を考えて不断の準備をするのが政治であり行政だ。今この時期に抜本的な見直しをしなければ、必ず同じような悲劇は繰り返される。かつてメキシコ市の地震予知警報システムを視察したことがあるが、日本の援助で整備されたものですばらしい施設だった。対外援助と国内行政を混同するつもりはないが、五千人もの人が地震で亡くなる国が他国の防災援助というのも皮肉なことではないか。危機管理と救援態勢の中心は何といっても自衛隊だ。物量、技術、装備、あらゆる面で自衛隊にまさる組織はなく、練度も世界の最高レベルにある。自衛隊が最大限に活動できるよう法整備を図る必要がある。自治体の要請がなければ出動できないなどの制約があるというなら改めればいい。緊急時には、警察、滑防などと横の連絡行動ができるようにすれば、それぞれがトップの指示を待って行動するより迅速だ。神戸の悲劇を繰り返さないためにも危機管理の考え方を根本から改めることが必要だ。神戸を教訓として今すぐ危機管理体制の見直しを呼びかけたい。例えば六カ月という期間を区切って直ちに取り組むべきだと指摘しています。
 この兵庫の貴重な経験を今後の危機対策に生かし、フェニックス兵庫として復興することを全国の方々に参考にしてほしいとの貝原知事の決意を、総理があらゆる手段を尽くすとの御言葉どおり、災害復旧、復興のために特別法の制定、特にライフライン施設の早期復旧等、全力を尽くしてくださることを再度この場で言明していただきたいと思います。
 戦後空前の大惨事となった大地震で明けた一九九五年、平成七年でありますが、皆様御存じのとおり、本年は第二次世界大戦後五十年の節目の年であります。以下、私は、この戦後五十年を振り返りながら、特にこの半世紀の我が国の教育、科学技術の功罪に視点を置きながら、これからの二十一世紀に向かつて我が国文教・科学政策の課題について考えてみたいと思う次第でございます。
 一九四五年、昭和二十年、我が国は民主平和国家の建設を目指しその第一歩を踏み出しましたが、なかんずく新しい国家建設を進めていくその担い手である着い世代の教育の重要性を最優先政策の一つとして、いわゆる六三三制の言葉で象徴される新しい学校制度に転換いたしました。この制度により、教育の成果は我が国産業の他に類のない急速な成長をもたらし、国民生活の向上となって今日に至っていることは御周知のとおりであります。
 しかし、このような文教政策は企業利潤を優先する誤った政策であり、社会主義国家の教育こそ最善のものであると常に我々に対決姿勢をとって、そこから一歩も前進できなかった政党がありましたが、私どもはこの間一貫して、我が国の発展に結びつく教育政策を進めるべく努力して成果を上げてまいったのであります。このことについては皆さん十分におわかりのことであろうかと思いますので、これ以上は触れません。
 社会的には高度の経済成長を達成し、先進国の仲間入りを果たし、国民生活を向上させた我が国教育制度も、昭和五十年代に入り、我が国の国際的地位の向上に伴って大きな手直しが求められることになりました。模倣ではなく創造こそこれからの国際社会では求められているのであり、金太郎あめ的均一人間であるよりは個性豊かな行動力のある人間が求められてきたのであります。
 ここで私が、平素から、そして迫りくる二十一世紀の社会を考えるとき緊急に取り組まなければならないと考える文教課題について述べておきたいと思います。
 来るべき二十一世紀に我が国は大きな問題に直面するでありましょうが、中でも高齢化社会の問題、廃棄物処理の問題、環境破壊の問題等が何よりも焦眉の問題となっていることは異論のないことではないかと思います。
 これらの制度の改善や関係法規の整備は進められてきているとは思いますが、しかし、ここで大事なことは、制度や法規の運用は結局国民一人一人の心の問題、なかんずく二十一世紀を背負う着い世代の心の問題に帰するのではないかと存じます。制度や法規を支えるものとして人々の心のあり方が問われてきていると思います。我が国社会の必然的成り行きとしての高齢化社会で、もし着い人たちが老人を尊敬し慈しむ心がなければ、どんなに新しい近代的な設備を備えた福祉施設も冷たい牢獄と化してしまうでしょう。
 「国家は人によって栄え人によって滅ぶと申します。」と総理の教育に関する所信を伺い、まことに立派で、そのとおりだと存じますが、また、いま一度教育上の課題を見直し、より魅力的な心の通う教育を実現するために教育改革を推し進めていかなければなりませんとおっしゃいましたが、どのように改革なさるおつもりなのか、中身がありません。
 もし改革というお言葉にうそがないなら、戦後猫の目のように変わる入試制度と言われ受験生が不安に駆られることを、今、五十年での見直しをしていただきたい。例えば、米国のような入学したい者には門戸を開き入ってから勉強しなければ卒業できない制度に思い切って変えたら、受験学校と化してしまったと言われる中学、高校が真の勉強の場となるでしょう。
 制度や法律の整備とあわせ、人々の心の持ち方を変えなければ、すなわち生活の基本姿勢といったものを変えていかな竹れば、二十一世紀の我が国は、もっと大きく言えば地球は、繁栄、存続し得ないのではないかとさえ思っているわけであります。この心のあり方の問題、やはりこれに取り組むのは教育でなければならないと思っております。
 いま一つ、戦後五十年の節目を迎えた本年、御提案し、ぜひ真剣に実現に向けて検討していただきたいことがございます。
 国民だれもが二度とこのような戦争を繰り返してはならないと胸に深く刻んだところから我が国の戦後は出発したとの総理の認識には賛成であります。ただ、「このような戦争」とはどういうことを言っておられるのでしょうか。我々にとっては辛い議論ではありますが、戦争の意義づけをはっきり示さない限り、総理が何度足を運び謝って歩いても心が通じ合うことはないのではないでしょうか。さらに、我々は次の世代に、総理の言われる「このような戦争」をどのような説明し語り継ぐべきなんでしょうか。このことこそ戦後処理の第一歩なのではないでしょうか。
 聞くところによりますと、ドイツでは正しい歴史認識の教育の普及ということで、第二次大戦のときの対戦国が協力し合ってすぐれた教科書センター、ブラウツシュバイク国際教科書センターを設置し、活動し、相互の立場の理解に成果を上げているとのことでございます。我が国にも文部省の下に教科書研究センターがございますが、その事業内容はどうも国内の教科書の収集が中心のようでございます。
 そこで、新たに戦後五十年記念事業として、今申しましたドイツの教科書センター以上のものを計画し、アジアの近隣諸国はもとより、世界へ教育発信できるようなものをつくり、教育面での、摩擦どころか、貢献できる窓口にして立派な戦後五十年記念事業として数年かけても完成させていただきたいのですが、外務大臣の前向きな答弁を期待いたしますが、いかがでしょうか。
 この国際問題の関連で、村山総理に確認し御答弁いただきたいことがございます。総理、よろしいですか。
 今までの総理は官邸の執務室に、また各大臣、政務次官室には日の丸が置かれておりましたが、現村山総理の執務室には日の丸がございますか。また、村山総理が年末に大分へ総理になられて初のお里帰りをなさったときのことで、さぞ大歓迎され、ついお口を滑らされたのかもわかりませんが、こう言われたそうであります。すなわち、法律にも規定していない国旗日の丸の掲揚を学校に義務づける文部省はけしからぬとの発言をなさったことが新聞に報道されております。
 もしこれが事実であるとするならば、これこそけしからぬお話であって、自民、さきがけと組んだ連合政権の総理の発言です、自民とさきがけに了解を得てのことなのか。それなら、この三党連合政権は旧来の社会党と同じものなのか。また、昨年九月の、日の丸を国旗、君が代を国歌であるとの認識に立つとした社会党の新政策に反するものではありませんか。何が何やらわからなくなってしまうわけであります。
 国旗・国歌はいずれの国でもその建国の理念、国家と国民を象徴していて、文化と伝統に基づき国民は誇りを持って大切にしているのです。したがって、国家間において相互に主権を尊重し協力していく上からも、国旗・国歌を相互に尊重することは国際的な礼儀です。
 御承知のように、平成元年三月に告示された学習指導要領によって、入学式、卒業式などにおいては、その意味を踏まえ、国旗を掲揚するとともに国歌を斉唱するものと取り扱いが明確になっております。村山総理の発言に対し、文部大臣はさぞお困りだと思いますが、今後どのように対処されるのか。また、この発言で現場で苦労してきた学校の諸先生方に対しても、総理は指導力を発揮されて、その責任において社会党本部の屋上に国旗を掲揚されるのが一番明快な御答弁だと思いますが、いかがでしょうか。
 事のついでに、いま一つ、総理の政治姿勢について伺います。
 自衛隊違憲、日米安保反対、原発反対、日の丸・君が代反対は言うに及ばず、記憶の新しいものでは、昭和六十三年、反消費税でこの参議院の議場では二十四時間三十三分に及ぶ反対の牛歩、国連平和維持活動PKOでは、同じくこの議場で十六時間三十分の反対、また議員総辞職届などなど、あらゆることに反対をされた社会党。また、この議場にも反消費税の公約で当選された多くの議員がおられます。私は、反対は反対としての御意見をどうこう言うのではありません、それは御自身の御主張なさることなんですから。
 ただ、社会党の村山委員長の総理の誕生なんですから、少なくとも一度は消費税廃止法案を提出された後、改めて税制の見直しをしたその上で消費税率五%とされるべきだと投票した有権者は思っています。そして、一言「ごめんなさい」と言っていただきたいとも思っていられるのです。
 人間は、間違いを起こすことを恐れるよりも、間違いを間違いとして「ごめんなさい」の一言を言う勇気がどれほど教育上も、また、政治が最高の道徳と言われることの実証にもなると私は信じます。
 三十七年間、ただ反対してこられた社会党の公約を、政権担当するために、自民、さきが付と三党合意との一言で国民の見えないところであっという間にすべて政策が変更されたことは、まさに政治家の信頼を根底から覆すもので、政治不信になるのもむべなるかなと思いますが、総理の有権者にわかる御答弁をいただきたいと存じます。
 さらにもう一つ、日本国憲法の成り立ちの是非はさておき、平和憲法のもとで今日の民主平和国家が築かれ、世界の先進国にまで育て上げた諸先輩や国民の努力にはただただ敬意を表したいと思いますが、私たち親は子供を育てるときに、あっという間に小さくなる洋服にうれしい悲鳴を上げながら成長に合った洋服を何を節約しても調えるものです。
 我が国も、戦後五十年で世界のだれもが想像し得ない成長をしたものですから、現状に即さない点や不都合が多々あるのは当然です。その点を国会で論議しないで、どこでするのでしょうか。我々はへ憲法改正是か非かの問題についてもタブー視するものではなく、議論することが必要と考えておりますが、総理のお気持ちを伺わせていただきたいと思います。
 次に、文化の創造と発信に関連して質問します。
 総理は、「これからの日本は、積極的な文化の創造と発信を通じて、人々が心にゆとりと潤いを持って人間らしく生きることができる真の文化国家を目指すべきである」と考えると申されました。日本から外国へ文化発信するには、まず自国の文化認識がなければなりません。
 失礼ですが、ひな壇にお並びの各大臣で、例えば国立劇場へ式典ではなく観劇に行かれた方は何人いらっしゃるでしょうか。代表して、総理にだけはその御経験がおありかどうか、御答弁いただきたいと思います。
 総理がおっしゃるような文化発信のためには、我が国のよき伝統文化を継承し、各地の民芸をも助成し、世界に発信できる文化国家として、その法的基盤の整備を確立するため芸術文化振興基本法を制定することを提唱するものです。
 最後に、科学技術の振興に関連して伺います。
 総理は、施政方針の中で、尽きることのない知的資源として科学技術の重要性を挙げられたことは評価いたします。私は、人材の育成・確保や研究者の研究環境の改善を図るための施策を通じ科学技術創造立国を目指して全力を傾けていくとの総理の決意表明は、力強いものを感じました。
 昭和四十年代の前半、科学技術基本法の審議や、昭和五十年代前半、福田内閣において科学技術立国が重要施策と位置づけられたことを含め、このことは長年にわたって歴代内閣によって強調されてきたところであり、それなりの成果を上げてきたと評価されていると思います。私も関係者の一人として努力してまいりました。
 しかし、残念ながら、今や日本の科学技術は既に一流のものとは必ずしも言えないのが実情と考えます。基礎科学の充実が叫ばれ、その分野への研究投資の強化が図られました。この分野は長い長い努力の蓄積が必要なことは言うまでもなく、まだまだ基礎科学のただ乗り論が解消されるにはほど遠い状況でございます。世界に誇った産業技術は、日本産業の国際的競争力の相対的な低下とともに色あせたものになりつつあります。日本産業の空洞化に先立って、日本の科学技術の空洞化が始まっていることを認識すべきであります。
 さらに憂えるべきは、若者の科学技術離れの風潮が定着化しつつあることであります。
 総理の言う、今こそ、戦後長く続いた諸制度を謙虚に見直し、新たな歩みを始めるべきであります。科学技術分野における人材養成・確保、地域における知的な活動拠点の創出、科学技術情報流通の促進のためのインフラ整備等々、知的な未来社会を創造するための課題は山積しております。また、これらのための研究開発投資の大幅な拡大に格段の努力が必要であります。
 科学技術立国推進のためには、各省にまたがる弊害や単年度予算では長期計画にはほど遠く、今日の先端技術も日進月歩で見直さなければならないものでもあり、そのための政策や国際研究レベルの評価をする制度を確立することや、科学技術基本法もぜひ超党派で法制化に努力していきたいと存じます。
 現在、政府が進めている行財政改革においても、科学技術を一層効果的に振興するとの観点からの配慮が不可欠であると思いますが、これらに対する総理及び科学技術庁長官の見解をお伺いして、私の質問を終わります。(拍手)
    〔国務大臣村山富市君登壇、拍手〕
#32
○国務大臣(村山富市君) 林議員の質問にお答えをいたします。
 まず最初は、災害対策の特別立法の制定についての御質問でありますが、政府は一丸となって有害対策基本法等に基づき対策に万全を尽くして去るところでございますが、さらなる立法措置については、今回の地震による被害の甚大性にかんがみ、被災地方公共団体の実情、意見等も踏まえつつ検討しな壮ればならない今後の当面の課題で右ると考えております。
 また、ライフライン施設の早期復旧についてでありますが、電気については仮設備による復旧券見たところでございまするし、ガス、水道、電話等につきましても早期復旧が行われますよう全力を尽くしているところでありますが、私自身先頭に立って、内閣一体となって全力を挙げて取り組んでまいりたいという決意を持っていることを申し添えておきます。
 次に、戦後の教育についてお尋ねがございました。
 我が国の教育の発展は、社会経済の発展の原動力となり、国民生活や文化の向上に寄与しております。このことは国際的にも評価されていると認識をいたしております。ただ、一方でいわゆるいじめの問題や受験戦争の激化を初めとし、さまざまな問題が指摘されておりますが、個性重視や国際化への対応など新たな課題も生じておると存じます。
 いずれにいたしましても、教育については、常に問題提起を行い広く議論することは大いに意義があることだと考えていることを申し上げたいと思います。
 次に、入試制度に関するお尋ねがございましたが、入試制度の改善は、常によりよき方途を求めて不断の努力を続けていくべき重要な課題であると考えております。同時に、受験者の立場に配慮して一定の安定性も必要であると考えております。このため、大学入試につきましては、当面、現行制度の基本的な枠組みのもとで受験生の能力、適性等を多面的に判定する方向での着実な改善に努めてまいりたいと存じます。
 また、入学しやすく卒業が困難な制度として採どうかとの御指摘でございますが、その制度を揃用いたしますと、留年者や退学者が大量に出るなど種々の問題もあると考えられます。
 いずれにいたしましても、魅力的な心の通う排育を実現するために、入試の多様化、個性化を含め、各般の施策を推進して教育改革に積極的に取り組んでいかなければならぬと考えております。
 次に、二度と繰り返してはならないこのような戦争とはどういう意味かどの御質問でありますが、私は、さきの大戦によって国民に多くの犠牲がもたらされたのみならず、アジア近隣諸国の人々にも今なお大きな傷跡が残されておる、そのような悲惨な戦争を二度と繰り返してはなら行い、こう申し上げたのでございまして、我が国は、その反省に立って、不戦の誓いを新たにしたがら恒久的平和に向けてさらに努力していかなければならないという考えを持っている次第でございます。
 次に、学校における国旗・国歌の指導についてお尋ねがございましたし、私の執務室に日章旗があるかという質問でございましたが、私の、総理の執務室には日章旗が常時置かれております。
 また、これまでも国会で申し上げてまいりましたが、これからの国際社会に生きていく国民のためにも、日章旗や国歌というのは大変大切なことだと考えております。
 私は、率直に申し上げたのでありますが、やはり日の丸を持って侵略行為が行われたりあるいは植民地支配が行われたという反省に立って考えるべきではあるという戦後の国民の感情というものも、無視してはならないというふうに思ってまいりました。しかし、もう五十年だった今日、例えばオリンピックで日本の選手が勝ち日章旗が上がりますと皆感激して手をたたく、あるいは日本の船が外国に行く場合には日章旗を掲げて行っているわけであります。それだけ国民の中に定着をしているわけでありますから、もうこれはやはり認めるべきではないかというふうに私は申し上げたのでございます。
 ただ、これは法律で日章旗と決められたものではございませんから、強制できるものではないということはもう申し上げるまでもございません。したがって、あくまでも指導原理に基づいて指導すべき立場に置かれるべき問題であると私は申し上げたのでございます。したがって、児童生徒の内心にまで立ち入って強制しようとする趣旨のものではなく、あくまでも教育指導上の課題として指導を進めていくことが必要であると考えているところでございます。
 次に、社会党本部においてはこれまで国旗の掲揚がなされてきておりませんけれども、今後も社会党本部において適宜判断されるものであると考えているところでございます。
 次に、社会党の政策転換につきましては、これまでにおいても何度も説明をいたしたところでございますが、社会党の結党以来の政策方針は誤っておるとは考えておりません。しかし、冷戦終結後の新しい世界情勢を踏まえまして、我が国において戦後長い期間続いてまいりました保革対立の構図が崩れた今日において、従来の基本政策についても今日の時点で新たな転換を図ることが妥当であるとの考え方に立って、社会党においても十分議論をした結論として政治方針、政策を決定したものでございまして、御指摘のような謝罪をしなければならないとは考えておりません。
 次に、憲法改正論議についてのお尋ねでありますが、憲法をめぐる議論が行われること自体は何ら制約さるべきものではないということは言うまでもございません。しかしながら、国の基本法である憲法の改正につきましては、世論の成熟を見定めるなど極めて慎重な配慮を要するものと考えております。憲法改正をめぐっては、最近、各方面からさまざまな意見が出されておりますが、現在、国民の中で憲法改正の具体的内容について合意が形成されているとは考えておりません。したがって、現段階において内閣として憲法を改正するという考えは持っておりません。
 次に、私に対して、国立劇場に観劇に行った経験があるかとのお尋ねでありますが、私自身は演劇には日ごろから興味を持っております。残念ながらまだその機会がなく、国立劇場に行ったことはございません。
 次に、科学技術の振興に関する御指摘でありますが、施政方針演説でも述べましたように、尽きることのない知的資源である科学技術は、私たちの未来を創造し知的でダイナミックな経済社会を構築するかぎであると認識をいたしております。今後の科学技術政策の基本につきましては、平成四年四月に閣議決定をいたしました科学技術政策大綱に沿いまして「地球と調和した人類の共存」「知的ストックの拡大」、「安心して暮らせる潤いのある社会の構築」という三つの目標を目指し、積極的かつ総合的な科学技術政策を展開していく考えであります。
 このような考え方に立ちまして、今後、時代の要請に即応した行財政改革を推進しつつ、我が国の研究開発活動を活性化し科学技術創造立国を実現するよう、全力を傾けてまいりたいと考えているところでございます。
 残余の質問につきましては、関係大臣から答弁をさせます。(拍手)
   〔国務大臣河野洋平君登壇、拍手〕
#33
○国務大臣(河野洋平君) 今般の震災に際しまして、世界の多くの国々からお見舞いのメッセージあるいは支援の知らせが届いております。ちなみに、二十四日までにその数は五十二カ国及び国連、WHO、EU、さらに多くのNGO、つまり民間の方々からも支援の申し出がございます。
 こうした極めて困難な状況の中で、諸外国から届いたこれらのお見舞いや申し出に対しまして、国民から得ている被災地に対する御支援と同様に、心から感謝の意を表しながらお受けをいたしております。
 この諸外国からの支援について申し上げれば三つぐらいに分けられると思いますが、一つは、災害救助隊や地震の専門家を派遣するという、つまり人を派遣してあげます、こういうお申し出、それからもう一つは、物資の供与、必要なものがあればお届けしましょう、こういうお申し出、さらには義援金の申し出、こういった種類に分けられると思います。
 私どもといたしましては、こうしたお申し出がございますと直ちに、事務的には国土庁でございますが、しかるべき場所に連絡をいたしまして、地元のとにかくニーズと合わなければなりませんから、地元が何を求めているか、地元が今一番緊急的に何を欲しがっているかということとうまくマッチするかどうかということを判断していただく、こういう作業をいたしているところでございます。
 この結果、これまでアメリカから在日米軍によります物資の供給がございました。あるいは、スイスから捜索犬及び救助隊員の派遣がございました。フランスからも災害救助の部隊が来てくれております。そのほかにも、タイ、韓国、中国、オーストラリア、フィンランド、イギリス、ブルネイ、モンゴル、ジョルダン、カナダ、ドイツ、こういった国々から物資が届いているということを御報告申し上げたいと思います。
 それから、正しい歴史認識の普及のためにどういう取り組みをするか、こういうお尋ねでございました。
 昨年の八月、過去の歴史を直視するため、歴史図書・資料の収集、研究者に対する支援などを行う歴史研究支援事業を交流事業とともに、二本柱の一つとする平和友好交流計画を発足させておりまして、現在、この計画の中にございますアジア歴史資料センターの設立について官房長官のもとで有識者会議を設けて検討中でございます。(拍手)
   〔国務大臣与謝野馨君登壇、拍手〕
#34
○国務大臣(与謝野馨君) 学校における国旗・国歌の指導についてのお尋ねでございますが、これからの国際社会に生きていく国民の基礎的、基本的な資質として、我が国の国旗・国歌はもとより、諸外国の国旗・国歌に対する正しい認識と、それらを尊重する態度を育てることは重要であると考えております。
 学校教育においては、社会科や特別活動などにおいて国旗・国歌の意義や取り扱いについて指導を行っており、今後ともその充実に努めてまいりたいと考えております。
 次に、芸術文化振興のための基本法を制定すべきではないかとの御質問でございますが、今日、個性豊かな文化の創造と発信を通じて国際貢献を果たし真の文化国家を目指すことが、政府としても重要な課題の一つとなっております。
 このため、平成七年度予算案におきましては、厳しい財政状況のもとで、文化庁予算については対前年度比一二・一%増の六百六十七億円を計上するなど、文化振興施策の一層の推進に努めているところでございます。
 文部省といたしましては、御指摘の芸術文化の振興に関する法的基盤の整備についても慎重に検討しつつ、今後とも文化立国の構築に向けて文化振興施策の充実に最大限の努力を傾注してまいる所存でございます。(拍手)
   〔国務大臣田中眞紀子君登壇、拍手〕
#35
○国務大臣(田中眞紀子君) お答え申し上げます。
 林先生が科学技術の振興に多大な関心と熱情を持っていらっしゃることを伺いまして、大変心強く感じました。御指導いただきたいと思います。
 先ほど総理から御答弁がございましたとおりに、科学技術が未来を創造し知的でダイナミックな経済社会を構築するかぎであるとの認識に立ちまして、科学技術政策大綱に基づき積極的かつ総合的に諸施策を推進いたしております。
 具体的には、平成七年度の予算で科学技術振興、調整費が三十億円増額されましたので、それを有効に使わせていただきます。」
 また、若者の科学技術離れの対策につきましては、先生も御存じだと思いますが、昨年十二月に決定されました「科学技術系人材の確保に関する基本指針」に基づきまして施策を強力に推進しているところでございます。
 さらに、国民生活に密着した科学技術による国際社会への貢献、先端科学技術分野の研究開発等、科学技術の振興に全力で取り組んでまいります。(拍手)
    ―――――――――――――
#36
○副議長(赤桐操君) 西川潔君。
   〔西川潔君登壇、拍手〕
#37
○西川潔君 私は、二院クラブの皆さんのお許しをいただきまして、村山総理の施政方針鷹を初め、このたびの兵庫県南部地震対策についてお伺いをいたします。
 質問に入ります前に、まずこのたびの兵庫県南部地震によりましてとうとい生命を失われた皆様方に心より御冥福をお祈り申し上げます。そして、被災者の皆様にも心よりお見舞いを申し上げます。
 私自身も、すぐに現場の方へ行ってまいりました。そして、町を歩きまして、本当に勝手に涙が出てまいりました。一生懸命頑張ってマンションを買い、そして家を建て、会社をつくり、一生懸命頑張ってこられた皆さん方が、一瞬の間に瓦れきの山と化しているわけです。それも、夢も希望もないわけです。そういう現状を見せていただきまして、こういうときにこそお互いに支え合って頑張らなくてはいけないなというふうに思いました。
   〔副議長退席、議長着席〕
 地震発生から八日間がたった今もなお三十万近くの方々が、寒さの厳しい中、不自由な避難所での生活を送っておられます。総理大臣、被災者の皆さんはきょうの不安、あしたの不安、さらにはこれから先の生活に対する非常に多くの不安をお感じになっておられます。こうした不安を少しでも和らげていただくために今最も必要なことは、政府としてどんな支援対策を講じていくのかを、できる限り被災者の皆さん方にわかるように具体的にお答えをいただきたいと思います。現地の皆さん方は、今、国が何をしてくれるのかというのを、潔さん、行って聞いてきてもらいたいというふうにおっしゃっておられました。
 被災者の方々に対する政府としての当面の支援対策及び生活再建策に絞って、総理大臣並びに関係大臣にいろいろとお伺いをいたします。
 まず、総理大臣です。
 避難所で生活をなさっている住民への支援対策及び被災者の生活再建策についてです。特別立法の制定、並びに省庁の垣根を越えてこういうときには復興対策に取り組む機関の設置も含めまして、今後の復興対策について基本的なお考えをお伺いしたいと思います。
 まず、避難所についてでありますが、避難所については、厳しい寒さに震え不自由な生活に耐え忍んでいる方々の負担を少しでも和らげていただくために、また、避難所の過密状態の解消、プライバシーを守る空間の確保のためにも、電気、ガス、水道等利用できる周辺自治体の公共施設を利用するなど、自治体の枠を超えた広域的な取り組みが必要ではないかなと思います。
 お昼のNHKのニュースも見せていただきましたが、自衛隊の皆さん方がおふろを提供されておられました。皆さん、それはそれはもう大変な喜びようでございました。ぜひおふろなども、そしてトイレなども早急によろしくお願いしたいと思います。
 国が調整機能を発揮いたしましてこうした広域的な情報提供、新たな避難所の設置等を進めるべきではないかと思うんですが、このことに対しましては小里担当大臣にお伺いをしたいと思います。
 また、寒さや疲労、栄養不足の中でインフルエンザなどの流行、さらに、ストレスが高まるなど、新たには挫滅症候群など、そして心の面での健康についても大変心配されております。被災者の皆さんの心身の健康を守り感染症を防ぐための対応策として、各避難所に一チームの医療救護班の設置ができないものか、これは厚生大臣の御見解をお伺いしたいと思います。
 これはもう、御見解というよりも、現場を見ていただいたらよくわかるんですが、もうつぐってもらいたいんです。必ずつくっていただきたいと思います。それはそれはもう不安な生活をしておられます。
 次に、家を失われた方々の住宅の問題であります。
 一部報道によりますと、応急住宅については十万戸が必要であるというふうに聞いておりますが、正確には現在何人の方が新たな住居を必要とされ、その中でどれだけの確保のめどが立っているのか、また不足分についてはどのような見通しで、いつまでに確保するのか、そして今回、この垂オ込みで入れなかった方々は、小里大臣、あとの方々は、いつまで、どれくらいの期間でお世話になれるのかというようなことを明確にここでお答えいただきたいと思います。
 また、被災者の方の中には、住宅ローンを残したまま家を失った方もたくさんいらっしゃいます。そうした方々を支援するために国はどのような措置を考えているのか。これは別に僕は嫌みで言うのではありませんが、「政党助成金の法律ができるのが、潔さん、早かったな。しかし、災害の対策は遅いで」というのが皆さん方の声です。ですから、私は何も嫌みでそういうことを言っているのではありません。普通一般ではそういうふうな考え方なんです。こういうときは別ですから、特別立法で、後でとか言わないで、事後処理で十分できることがいっぱいあるわけですから、ぜひお願いしたいと思います。
 この際、減税措置や融資制度はもちろんのことですが、新たな助成制度の創設が不可欠であります。この点については、大蔵大臣の御見解をお伺いしたいと思います。みんなが本当にほっとするような、安心するような御答弁をいただきたいと思います。
 また、報道によりますと、政府では、全国自治体による拠出金や支援金を積み立てて、その運用益を被災者の生活援助資金に充てるために新たな基金の設立を検討しているということでありますが、この点について小里担当大臣の御見解をお伺いしたいと思います。
 我々も、タレント議員として、微力ではございますが、みんなで力を合わせて義援金の募金に立ったり、そしてまた少ない品物ではございますが、みんなでそれぞれに個々に何ができるか、国には何をしてもらうか、自分のできることということでいろいろと、小さいことですけれどもやらしていただいているわけですけれども、その全国の義援金なんかのお金を、きのうの新聞によりますと、着のみ着のままで出た、何か買いたくてもお金がないという主婦の方の新聞記事も出ておりましたが、それは、もう一方円でも二万円でも三万円でもいいです、みんなはその気持ちで全国からそういう義援金を送って、そしてまた募金に立ったりしているわけですから、そういう方々にはお話を十二分にお伺いして、その場でどうぞお使いいただきたい。僕らは、直接使っていただきたい、そういう気持ちでみんなで協力しているわけですから、ぜひこの点につきましても担当大臣にお伺いしたいと思います。
 次に、災害廃棄物処理についてお伺いをいたします。
 五万九千棟を超す家屋の損壊や高速道路、橋などの崩壊で排出された瓦れきや廃材、壊れた家電製品など、地震による災害廃棄物は推計で約千百万トン以上に上るというふうに新聞にも載っております。被災者の方々の中には、個人の私有地の瓦れきを処理する費用については個々が負担しなくてはならないのかという不安を持っていらっしゃる方がたくさんいらっしゃいます。私の事務所にもたくさんの電話がありました。テレビでこう言っていた、ラジオではこう言っていましたよ、こういうことを大変不安に思うからぜひきょう聞いてもらいたいという電話がたくさんありました。この点について政府の対応を明らかにしていただきたいと思います。どこまで国が負担してくれるのか、個人はするのか、また全くしなくていいのか、明確にお願いします。
 また、最終処分場の確保など、この膨大な廃棄物処理の手順、そしてまた見通しについて総理の御見解をお伺いします。
 現在、被災地域内にある特別養護老人ホーム、そしてまた障害をお持ちの皆さん方の施設などは、自宅が壊れたり、あるいは介護者を失ったお年寄りを緊急に受け入れているものの、職員も被災して手が足りない状況が続いております。けさのNHKでもやっておりました。他府県からの介護職員に協力をお願いするとともに、特別の財政支援を行う必要があると考えます。これは厚生大臣にお答えをいただきたいと思います。
 次に、災害医療についてお伺いします。
 今回の震災発生後、診てくれる病院が見つからない、救急車も来ない、病院に行っても薬がない、十分な治療が受けられない、そしてお医者様がいらっしゃらない、そういう状況が続きましたし、現在も続いています。今後、災害医療について根底から早急に検討、整備する必要があるのではないかと思います。特に災害時の情報網、全国共通無線の整僚、救急用のヘリコプター、素人考えですが、本当にこういうときにはヘリコプターがもっともっとたくさん活用できないものかな、ないものかな、そして整備、確保、医薬品の供給について災害医療計画をはっきりとこの際示していただきたいと思います。この点につきましては厚生大臣にお答えをいただきたいと思います。
 そして、このたびの大災害に対しましては、政府の対応のおくれなどについてさまざまな批判がなされております。しかし、今日のこの事態は現内閣の責任だけではないと僕は思います。これまで長年にわたり国の危機管理体制を怠ってきた歴代内閣、そして国会の責任であると思います。このことを政府、国会も反省するとともに、みんなで力を合わせて頑張らなければいけないと思います。二度とこのような多くの犠牲者を出さないように対策に万全を挙げる必要があると思います。
 今こそ、これまで「人にやさしい政治」をいつもおっしゃっておられる村山総理大臣の真髄が問われると思います。本当に第一印象では優しい御近所のおじさん、何かお願いするとやっていただけそうな、こういうときに本当にお願いしたいと思います。
 テレビを見ましたけれども、「総理大臣、来るだけやったらあかんで」と言われていましたね。来るだけではだめ、あと何かしてくれる、助けてもらえる、こういうときのためにみんなたくさんの税金を納めているわけですから、ぜひひとつ大変でしょうが頑張っていただきたいと思います。我々でできることがあればどこにでも走りますから、またおっしゃっていただければ結構です。
 次に、高齢社会について少しお伺いをしたいと思います。一人のお年寄り、あるいはお年寄りを支える家族の一人としての立場に立ってお伺いをいたします。
 高齢社会に向けて最大の課題は介護問題であります。今や介護問題はお年寄り自身にとっても、あるいはお年寄りを支える家族にとっても、最も大きな不安材料であります。今、早急に求められているのは、国民のだれもがいつでもどこでも必要な介護サービスをスムーズに受けられる介護システムの構築です。
 そのためには、これまでのように週に何回とか、一日一回行けばよいとか、在宅サービスの発想そのものを変えていただきたいと思います。ひとり暮らしや御家族が働きに出ているお年寄りであっても、本人が希望すれば在宅が続けられる介護サービスが保障されなければならないと思います。総理大臣はこの点をどのように考えておられるのか、今後どのような形で介護サービスを構築していかれるのか、お伺いしたいと思います。
 あわせて、介護における自助、公助、共助のバランス、負担のあり方並びに介護サービスを担う人材の養成・確保策についてもお聞かせいただきたいと思います。また、これと関連いたしまして、介護保険の創設について政府といたしましてはどのような見解を持っておられるのか、これは厚生大臣にお伺いしたいと思います。
 同時に、介護保険の創設は、年金、医療保険、福祉全般にかかわるこれは大きな問題であります。我が国の社会保障制度全体の再構築なくしてはなし得ない課題でありますので、今後、介護保険を検討する際には、広く国民の声を聞き、国民的議論を巻き起こしながら、広く社会保障全般にわたる総合的な見直しを行っていく必要があると思います。厚生大臣の御見解をお伺いします。
 去る十二月には、大蔵、厚生、自治三大臣の合意により新ゴールドプランが策定されました。介護の基盤整備は待ったなしの時期を迎えております。
 新ゴールドプランが平成七年度からスタートすることになったことについては私は高く評価をしますが、しかし、新ゴールドプランの目標水準は、厚生省が夏に示しました素案を相当下回る結果となりました。政府は、これで本当に安心して老後を託せる基盤整備ができると考えておられるのか、厚生大臣の御見解をお伺いします。
 特に高齢者介護サービス基盤整備の着実な推進については、消費税率の見直しに関連して行われる検討の中で財源の確保を含め改めて検討するとされております。一体これは何を意味するのでしょうか。わかりますよ。わかりますけれども、わかりませんわ、これは。策定された新ゴールドプランでは、高齢社会を支える介護基盤としてはなお不十分であると政府自身がお認めになっておられるのでしょうか。総理の御見解をお伺いします。
 新ゴールドプランでは、住宅対策、町づくりの推進が支援施策の中に入っているものの、具体的な目標水準は示されておりません。私は不十分という気がいたします。
 総理、社会党は、従来、新ゴールドプランの閣議決定を主張されておられました。新ゴールドプランについては建設省、運輸省にも参加をしていただき、政府全体で取り組む施策として閣議決定するべきではないかと思います。御意見を総理からお伺いしたいと思います。
 死はだれにでも訪れてまいります。しかし、一生懸命頑張って老後を不幸な生活を送らなければいけない、こんな不幸せなことはございません。どうぞよろしくお願いしたいと思います。
 最後に、もう一度、兵庫県南部の地震対策を早くお願いいたします。
 私の質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)
   〔国務大臣村山富市君登壇、拍手〕
#38
○国務大臣(村山富市君) 西川議員の御質問にお答えしたいと思いますが、被災地の現状を踏まえ、お困りになっている皆さんの立場に立っての具体的な御質問でございました。
 避難生活者への支援対策及び被災者の生活再建策について、まず御質問がございました。
 避難生活者への支援対策といたしましては、飲料水・食料及び生活必需品等の物資の確保や供給体制の整備、応急仮設住宅の建設や空き家公営住宅の確保などの住宅対策等を講じてまいったところでございます。
 また、被災者の生活再建策につきましては、本日より行う住宅金融公庫による災害復興住宅資金の貸し付け等の各種の災害関連融資及び既存債務の償還条件の緩和等の措置を実施しているところでございます。さらに、きのうの閣議におきまして、兵庫県南部地震を激甚災害に指定いたしました。被災により休業している労働者に対して雇用保険制度を適用するなどの措置を行うことを決めたところでございます。
 また、被災地の今後の復興対策の基本的な考えについての御質問がございましたが、政府は一丸となって災害対策基本法時今の法体系の中であらゆる対策を講じるとともに、全閣僚をメンバーとする緊急対策本部や非常災害対策本部を中心に政府一体となって取り組んでおるところでございますが、さらにそれらの対策を一層推進していく。同時に、地元の県や市と十分連携をとり得る体制をつくるために現地に対策本部を設置いたしました。国土政務次官を本部長として現地に常駐する体制をとっておるわけでありますが、万全を期する体制を確立してまいったところでございます。
 さらに、立法措置につきましては、今回の地震による甚大な被害の実情にかんがみまして、被災地方公共団体の実情、意見等も踏まえながら検討しなければならない課題であると認識をいたしておるところでございます。
 次に、災害廃棄物の処理についてのお尋ねでありますが、災害により発生しました個人の瓦れき等の廃棄物の収集、運搬、処分については、廃棄物処理法に基づきまして市町村が主体になって行うことになっておりますが、国はその費用の二分の一を補助する制度となっておりますので、この制度により災害廃棄物の処理が行われるものと考えております。
 また、現在、道路、橋などの崩壊箇所から排出されております瓦れきを含めた処理を要する廃棄物量、近隣の最終処分場の残余容量、最終処分担までの輸送手段等について精力的に検討を行っているところでございますが、その結果を踏まえまして、膨大な災害廃棄物の処理が円滑に進むよう、廃棄物発生場所ごとの最終処分場のあっせんな少必要な調整を行ってまいりたいと考えています。
 なお、大阪湾広域臨海環境整備センターの海南埋立処分場を初めとして、産業廃棄物処理業者の処分場などにより、その処分先の確保にできる隔り努力をしてまいりたいと考えておるところでございます。
 また、被災地の今後の復旧対策及び国の危機管理体制の見直しについて御質問がございましたが、国の当面の復旧対策といたしまして、先ほど申し上げましたように、住宅の確保、ガス・水指等のライフライン、医療、さらには生活関連公圭施設の早期復旧など、日常生活の一刻も早い正常化を目指して努力してまいる所存でございます。
 また、国の危機管理体制についてでありますが、防災上の危機管理体制の整備は重要な課題と認識しております。今回の経験に照らして、今後見直すところは率直に見直しながら、その強化に努力してまいりたいと考えております。
 いずれにいたしましても、私がみずから先頭に立ち、内閣一体となって取り組んでまいる所存でございます。
 次に、高齢者の介護についてのお尋ねでありますが、在宅介護サービスにつきましては、高齢者が可能な限り住みなれた家庭で安心して暮らし続けることができるようその充実に努めるとともに、サービスの提供に当たりましては、画一的なものではなく、おのおのの利用者のニーズに合わせ、その心にこたえ得るようなものにすることが大事だと思いますから、十分なサービスが柔軟に提供されるよう引き続き今後も努力を続けてまいりたいと考えております。
 介護システムの構築に関するお尋ねもございましたが、昨年十二月に策定いたしました新ゴールドプランでも、国民だれもがスムーズに利用で当る介護サービスの実現を図る観点から、新しいく護システムの創設を含めた総合的な高齢者介護対策の検討を進めておるところでございます。
 また、昨年十二月、厚生省の有識者による研密会においても、高齢者の自立支援を基本理念として、既存制度の介護に関連する各制度を再編成し社会保険方式の導入等を含む新しい介護システムの創設が提言をされておるところでございますが、今後こうした研究会報告等も参考にしながら、介護サービスのあり方や費用負担の仕組み、人材の養成。確保等について厚生省の関係審議会において幅広い観点から検討を進めてまいりたいと考えているところでございます。
 次に、新ゴールドプランについてのお尋ねがございましたが、新ゴールドプランは、全国の自治体で作成されてまいりました老人保健福祉計画を踏まえまして作成されたものでございまして、計画に示されたニーズに十分こたえられるものと承知をいたしております。
 御指摘の点につきましては、昨年十二月の三大臣の合意の趣旨は、今次税制改革における財源措置を踏まえつつ、今後の高齢者介護サービスと基盤整備の着実な推進について、消費税率及び地方消費税率の見直しに関連をして行われる社会保障等に要する費用の確保について、財源の確保を含め改めて検討を行う旨述べたものであると承知をいたしております、
 新ゴールドプランに取り組む政府の体制についての御質問がございましたが、新ゴールドプランにつきましては、従来のゴールドプランを全面的に見直し、高齢者介護サービスの整備目標を引き上げるとともに、今後取り組むべき施策の基本的枠組みを新たに策定することとされたものでございます。
 今般新たに取り組むことといたしました住宅対策、町づくりに関する部分については建設大臣も合意をされており、さらに三大臣合意に際しましては官房長官も立ち会われていることから、実質的には政府のプランと御理解をいただいても結構だと考えております。
 残余の質問につきましては、関係大臣から答弁をさせます。(拍手)
   〔国務大臣小里貞利君登壇、拍手〕
#39
○国務大臣(小里貞利君) 三点お尋ねでございます。
 まず、厳しい避難所の実態に触れながら温かい御配慮とともにお尋ねでございますが、周辺市町村の既に施設がいわば整っておる電気、ガス、水道等について、それらを広域市町村の緊密な連携のもとに活用させていただくためのいわば政府が調整能力を発揮してやるべきではないか、そういうような御指摘のお尋ねでございます。
 周辺自治体の公共施設を利用いたしまして新たな避難所の設置等を進めるべきというお話でございますが、もう既に被災者の受け入れ対策につきましては、近隣地方公共団体におきまして公営住宅、宿泊施設等を提供していただきながら、兵庫県及び被災市を通じまして希望者の受け入れを現在行っておるところでございます。決してこれで十分であると思っておりませんが、さらに一段と努力を加えていきたいと思っております。
 さらにまた、本日は、御承知であるかもしれませんが、大阪におきまして近隣の十四府県三政令都市の皆様方の御協賛によりまして、兵庫県南部地震対策緊急知事市長会議が開催されておりました。自治大臣を初め関係者の御協力をいただきまして、被災者の迅速な受け入れ等についても具体的な要請を既に行いつつあるところでございます。
 このように、よりきめ細やかな配慮のお願いをさらに一段と進めてまいる所存でございます。
 次に、第二問でございますが、応急住宅の必要戸数、あるいは確保のめど、そして現在の実態、特に不足分はどうなっておるか、こういうようなお話でございますが、まず被災者に対する応急的な仮設住宅につきましては、災害救助法に基づき簡単な住宅を仮設し、一時的な居住の安定を図ることを目的といたしました応急仮設住宅の設置を行っているところであります。
 兵庫県南部地震の住家被害の詳細は現在調査中であり、確定を得るところに至っておりませんが、兵庫県からは応急仮設住宅一万五千戸を設置する計画をお出しいただきましたので、急遽、発注いたしまして、現在約三千戸が発注されているところであります。
 このうち、けさほどの報告によりますと、二千戸は既に着手をいたしまして、ここ一両日中にこの使用ができるという報告でございます。残る戸数につきましても、順次発注されることを、計画を確認いたしておるところでございます。
 また、被災者の住生活の安定を目的とした応急住宅対策といたしましては、住宅・都市整備公団、地方公共団体の協力をいただきまして、さらにまた私どもも積極的に要請を行いまして、公共住宅の空き家を活用した受け入れ可能戸数の増加を積極的に図り、今や、建設省、府県・市の協力をいただきましてこれまでに約二万五千戸を確保したところでございます。
 今後とも、地方公共団体と緊密な連携をとりつつ応急住宅対策を積極的に推進してまいる決意でございます。
 最後のお尋ねでございますが、政府での被災者の生活援助のための基金の設立についてのお話でございますが、現在、災害対策基本法を初めとする現行制度の精いっぱいの運用によりまして適切な災害対策を積極的に展開いたしているところであります。したがいまして、現時点におきましては基金を設立するまでもなく、決して先生のその御発言の趣旨を否定するものではございませんが、住民の立場に立ったきめ細やかな対応を進めているところでございまして、さらにそのような趣旨におきまして政府がより積極的に主体に対応を進めてまいりたいと考えております。
 以上でございます。(拍手)
   〔国務大臣井出正一君登壇、拍手〕
#40
○国務大臣(井出正一君) 西川議員にお答えをする前に、私も去る二十一日、現地に伺い、つぶさに実情を見てまいりました。想像を絶する惨状を目の当たりにして、言葉を失う思いがいたしました。そのような状況の中で、被災者の皆さんが悲しみ苦しみに耐えながら沈着な行動をとられていらっしゃることに感銘を覚えました。救援の手の遅いことに対し不満や怒りをぶつけられることを覚悟して赴いたのでございますが、安置された御遺体の傍らで、大臣、ドライアイスがないんです、一刻も早く手配してください、お願いしますといった哀願に近い遺族のお言葉にかえって胸が痛くなりました。むしろ罵声を浴びせられた方が精神的には楽でした。
 厚生省といたしましても、今週月曜日から現地に本省から二十名スタッフを、国立神戸病院内に一角をお借りしまして、派遣しております。県あるいは神戸市を初め関係市町村と緊密な連絡をとりながら、被災者の皆さんの援助と生活の安定のために最大限の努力をしてまいるつもりであります。
 さて、各避難所に医療救護班を設置すべきではないかとの御質問でございますが、避難所における被災民に対する医療の確保が急務となっていることから医師、看護婦の常駐する避難所救護センターを設置したところでございまして、現在、兵庫県内に四十九カ所設置し、医療スタッフ約五百五十名によって運営されているところであります。また、昨晩、今後さらに四十一カ所の避難所救護センターを新設することが決まりまして、厚生省の調整のもとに全国から医師七十三名、看護婦百二十六名、保健婦七十三名、薬剤師九名、そのほか七十三名の合計三百五十四名の医療スタッフを派遣することといたしまして、既に一部が現地に向かっております。
 避難所救護センターの設置されていない避難所、比較的小規模でありますが、については目下のところ医師、看護婦による巡回診療体制を設けて対応しているところであります。
 今後とも医療の提供体制の整備に最大限の努力を払っていかなくてはならぬと、こう考えております。
 被災地の施設への支援についてのお尋ねでございますが、老人ホーム等の施設において職員の被災や罹災者の緊急入所により人手が足りない状況にあることは承知しております。このため厚生省では、各自治体、関係団体に対し職員の確保が困難な施設への職員派遣につき協力を依頼しており、既に兵庫県内の施設に職員が派遣されているところであります。また、派遣可能な人員数の調査を進めており、近隣府県において福祉関係で約千人の支援態勢が準備されております。今後とも、兵庫県、神戸市などと十分に連携をとり、必要な施設に円滑に職員が派遣できるよう引き続き支援してまいりたいと考えております。
 なお、こうした支援に要する経費につきましては、施設の運営費において特別な配慮を行うなど、必要に応じた対応について検討してまいる所存であります。
 三番目に、災害時において被災者の方々に対する医療の確保が最重要の課題であることは私も認識しております。このため、今回の震災におきましても、医師、看護婦などの医療マンパワーや医薬品等を確保しつつ、救護所の設置や巡回診療の実施等を通じて被災者の方々に対する医療の確保に努めているところでありますが、しかし現実は、いろんな情報不足があったり、あるいは道路が混乱状況にありましたものですから、私の役所の部屋へも、現地の病院の先生、院長先生からヘリコプターを早く何とかならぬかとかいろんな御要請もございました。
 したがいまして、今後の災害医療のあり方につきましては、今回の教訓を生かしつつ、御指摘の情報網の整備、救急用ヘリコプターの活用、医薬品の供給などの課題も含め、今後関係省庁とも協議しながら検討を進めていくべき課題だと認識しております。
 次に、介護保険の創設についてのお尋ねでありますが、高齢者の介護問題は国民の老後生活の最大の不安要因であり、国民だれもが身近で必要な介護サービスがスムーズに利用できるような新しい介護システムの構築が大きな課題となっております。
 御指摘の公的介護保険制度につきましては、昨年の九月、社会保障制度審議会社会保障将来像委員会の第二次報告において提言がなされたほか、十二月には、厚生省の研究会においても高齢者自身がサービスを選択することを基本とする社会保険方式の導入が提言されています。
 今後、こうした指摘を踏まえつつ、新しい高齢者介護システムの構築に向けて、来月から老人保健福祉審議会等の関係審議会において幅広い御検討をお願いしたいと考えております。
 なお、介護問題は、御指摘のように、福祉、医療、年金等社会保障制度全般にわたる課題ですので、新介護システムの検討に当たっては、既存の介護に関連する各制度のあり方について十分議論しつつ、幅広い観点から検討を進めてまいりたいと考えております。
 最後に、新ゴールドプランについてのお尋ねでございますが、新ゴールドプランは、先ほど総理もお答えになられましたが、国民が安心して老後の生活を迎えることができる介護体制を整備するため、全国の地方自治体で作成された老人保健福祉計画の集計結果を踏まえて策定したものであります。したがって、これにより計画に示された地域のニーズに十分おこたえすることができるものであり、新ゴールドプランの着実な推進により、老人保健福祉計画に基づく自治体の取り組みを全力を挙げて支援していきたいと考えております。
 なお、今次税制改革の趣旨を踏まえて行われる社会保障等に要する費用の確保についての検討の中で、今後取り組むべき施策の基本的な枠組みに基づくサービス基盤の整備とあわせて、整備目標のさらなる充実を行うことについては検討することとしております。
 以上でございます。(拍手)
   〔国務大臣武村正義君登壇、拍手〕
#41
○国務大臣(武村正義君) 被害者の救済につきましては、回復不能の死亡や重度の陣書といった痛ましい方々につきましては、災害弔慰金制度、災害障害見舞金制度等により、弔意あるいは見舞いを行うということになってまいります。
 また、住居、家財等の物的被害につきましては、災害復興住宅貸付制度、あるいは災害援護資金等の融資制度を実施していくということになります。その他税制面におきましても、申告、納付等の期限の延長、納税の猶予、租税の軽減免等の制度が設けられているわけであります。総理からもお答えをいたしましたが、今回の災害による損害を平成六年分所得税において考慮することができないか、目下、事務当局で真剣に検討をいたしているところでございます。
 今の税法でございますと、災害のあったその年の所得から被害額を控除する、こういう仕組みになっておりますので、年のしょっぱなにこの地震が起こりましたので、これから一年後、一年間かけて出てくる所得を来年の申告において控除してもらうと、効果が一年以上ずれるわけです。それを何とか法律改正をして、新法で去年の平成六年の所得からことし起こった地震の被害額をストレートに控除するということになれば、もう三月の申告で源泉徴収の方は税金が還付されるということで、そういう仕組みを今真剣に詰めて、決まりますれば国会にお諮りをさせていただきます。(拍手)
#42
○議長(原文兵衛君) 西野康雄君。
   〔西野康雄君登壇、拍手〕
#43
○西野康雄君 新党・護憲リベラルを代表して、総理初め関係大臣に質問を申し上げますが、その前に、国立劇場だけではなく国立演芸場の方にも各大臣は足を運んでいただいて、本当に貧しい中で一生懸命伝統芸能を守ろうとしている若手の落語家や講談師に力添えをしていただきたい、かようにお訴えをさせていただきます。
 質問を申し述べる前に、十七日に起きた阪神大震災で犠牲になられた方々とその御遺族に対し慎んでお悔やみを申し上げるとともに、負傷された方々及び被災なされた方々に心からお見舞い申し上げます。そして、被災者の一人として質問をさせていただきます。
 総理には初期対応のおくれは十二分に反省していただきたいことは言うまでもありませんが、だれが悪い、かれが悪いといった後ろ向きの議論や質問をするつもりはございません。地震が起きてから私は毎日自転車で時間の許す限り、尼崎、地元の西宮、芦屋、神戸市の東灘区、灘区を中心に回りました。被害の状況と被災者の思いを聞いてまいりましたので、そのことを中心に質問をさせていただきます。
 まず自衛隊の状況ですが、早く出動していればという議論もありますが、人命救助重言うならば消防のレスキューの出動なのです。自衛隊とレスキューの混同が論議の中に最近見受けられます。
 さて、その自衛隊ですが、被災直後から二日目ぐらいまでは手持ちぶさたの様子が散見されました。これは自衛隊の責任と言うより、スコップを除くと救助道具というもの、その道具らしいものを持っていなかったんです。そういった点と、自治体が自衛隊を使いこなせなかったのではないかということが考えられました。
 芦屋浜一丁目の方の御意見の受け売りですが、自治体と自衛隊の日ごろの意思の疎通、そしてまた災害時に備えて両者間の訓練をしっかりやるべきだと思いますが、総理のお考えをお聞かせください。
 また、災害時に自衛隊を使えと言いながら、防衛関係費の中には災害対策関係の項目が設けられておりません。ついでながら、防災関連の予算で言うなら、国土庁関連では防災のための集団移転促進事業費四億余り、災害対策費二億余り、自治省所管では防災知識啓発等で約八千万、運輸省所管で地震観測施設整備費二億余等です。災害復旧等の事業費を除くと、各省庁とも災害対策に関する認識の甘さがこの予算の点からもうかがえます。開発や公共施設をつくることも大事ですが、国家予算を防災の視点から見直す必要があると考えますが、総理はいかがお考えですか。
 今回の震災の調査は、当然土木や建築の専門家に当たらせるでしょう。総理の答弁にも専門家という言葉がしばしば出てまいりました。しかし、私は、こういった専門家だけではなく、ライフラインを復旧させるために従事した人、看護婦、医師、消防士、そして被災者からも徹底的な聞き取り調査を行い、膨大な資料を集め、防災計画に生かされるように提案をいたします。これは、私が聞き取り調査をした中にも貴重な御意見があったから申し上げるのです。総理にこの点もお伺いいたします。
 また、自衛隊法を改正せよという意見もございますが、これはおかしな論理であります。法の不備を言う前に、なぜ初期行動にもたつきがあったのかを明確にさせるべきなのです。そうでないと、法の不備ということで責任逃れの論理が出てまいります。法の改正の前に、人命救助で言うならば、消防のレスキューこそを充実させなければならない。しかしながら、このことをば今までどなたも指摘をなさっておられませんでした。総理は自衛隊法の改正をどう思われるか、お伺いをいたします。
 地震庁の設置の提案も昨日ございましたが、新党。護憲リベラルは、むしろ一九九四年のロス地震のときに活躍したアメリカ連邦非常事態管理局FEMAに学ぶべきだと考えます。地震、台風、火災、洪水等、ありとあらゆる災害に備えられるような組織です。総理の御意見をお伺いいたします。
 危機管理の問題が盛んに出ますが、私が当選してから海部内閣や宮澤内閣、細川内閣、羽田内閣等々いろいろと経験しましたが、防災について、また非常時の際の対応についてどれほど国会で論議されたでしょうか。過去を調べると、我田引水的になりますが、新党・護憲リベラルの國弘正雄が予算委員会で二回、科学技術特別委員会で一回、地震問題を防災の観点から取り上げているのみでした。これは田中眞紀子長官も御記憶のことだと思います。
 一億円ふるさと創生金ばらまきのときでも、金のカツオだ、一億円の金塊だと大騒ぎをしたときに、防災のためにそのお金で井戸を掘りなさい、テントの備蓄をしなさいと注意した人々や各級議員がいたでしょうか。日本全体が油断をしていたのです。
 私は日ごろから水資源の多様性を提唱しておりますが、この際、避難場所に指定されている学校や公園に、ふだんは散水用にして節水を図り、非常時には生活用水に使用できるよう井戸を一本創設する、そういう政策を提唱させていただきます。総理の見解はいかがでしょうか。
 また、被災者の方々から雇用の不安、震災を理由に首切りなどがないだろうかと語られました。中小企業の災害休業に対して労基法に基づく労働者への休業手当を完全適応実施や中小零細企業で働く人々の雇用の確保に万全を期していただきたい。そしてまた、ボランティア活動をしたいが会社の理解が足りない、そういう声もありましたことを御報告いたします。
 今回は学生の皆さんのボランティア活動には頭が下がる思いです。被災者の一人として御礼をし上げますとともに、日本の社会がボランティア活動がやりやすい社会にしなければならないことも痛切に感じました。ボランティア活動のための諸条件の整備を速やかにお願いいたします。
 また、地方自治体はボランティアの受け入れの訓練ができておらず、兵庫県のローカルパーティーである護憲社会党が雨よけシートを大量に自治体へ持っていったり、おにぎりの配布等を申し出ても、対応する職員が判断に窮したりする場面がよくあったそうです。また、自治体の中にはボランティア活動に来た人を断ったりしたやに聞いております。自治体にきちんとボランティアを受け入れるノウハウを身につけさせるべきだと考えますが、総理の御意見をお伺いいたします。
 次に、郵政大臣に伺います。
 今回の震災では報道関係者が大量に流入し、テレビは番組別にクルーが参り、無神経にマイクを被災者に向けたり、ヘルメットもかぶらず女性リポーターが阪神高遠道の倒壊現場からリポートしたり、取材のヘリコプターが何機も空を舞ったりして大変でした。ヘリコプターで被災地へ飛んだ議員もいて、美談のように伝えられていますが、半壊した現場で生き埋めになっている人や家屋から身の回りの品を取り出している人には、あのヘリコプターの振動は恐怖以外の何物でもありません。生き埋めの方の捜索は声が頼りなのに、その声がヘリコプターの音で聞こえないこともたびたびあったんです。軽々にヘリコプター、ヘリコプターと言うことは少しやめていただきたいな。身内の安否を気遣ってラジオにかじりついでいる人には、あの騒音は大変な妨げでありました。
 リポーターやコメンテーターの不用意な発言が流言飛語の原因ともなっていたのではないかと推測されることが多々ありました。一例は、二十三日に大地震がもう一度襲うというふうなことがまことしやかに避難所で語られておりました。こんな非常時には共同取材方式をとるなりして、できるだけ被災者へ配慮をするということが望ましいかと思います。マスコミ関係者に非常時の報道のあり方の、そしてまた注意の喚起を促していただきたいし、またマニュアルづくりを要請していただきたいと思います。そして、兵庫県では、八十億円かけた衛星利用の通信システムがまるで役に立ちませんでした。非常時の通信システムの研究をお願いいたします。
 続いて、建設大臣にお伺いいたします。
 建設関係の労組である全日建運輸連帯労組は、山陽新幹線は海砂利を使っているから危険だ、コンクリート神話は崩壊していると何年も前から警告していました。結果はそのとおりでした。傷み方が東海道新幹線と明確に違います。また、阪神高速道の倒壊では鉄骨の溶接の手抜きが報道されています。幾ら耐震構造を持っているといっても、使われる機材や工法に手落ちがあっては何にもなりません。手抜きがあってはならないことなんです。民間のマンション等の建物も同様のことが言えます。この検査体制をどうするのかが今後の課題かとも思えます。安心してマンションに暮らせないという不安の声にお答えをください。
 また、大臣の耳に既に入っているかと思いますが、淀川河口の堤防が液状化現象で二キロにわたって崩壊をしたと昨夜報道されました。近年問題になっている河口堰ですが、河口部分は人口実中の地域でもあります、このようなところではきちんと防災対策を練らなければなりません。例えば長良川河口堰について言うならば、マイナスメートル地帯で地盤の液状化地帯であります。さらに、まことに貧弱な堤防しかありません。このようなところで直下型地震が起きたならば、地震と大洪水で大変な被害が出ると予想されます。濃尾平野は、一八九一年に内陸部で濃尾地震が起こって以来、空白域となっております。また、活断層の地帯でもあり、いつ直下型地震が起きても不思議はない地帯です。長良川河口堰の運用は、安全が十二分に確認できるまでは運用してはならないと考えます。御意見をお保伺いいたします。
 亀井運輸大臣にお伺いをいたします。
 神戸は、山を削り海を埋め立て、高層建築物を建てることが都市開発だとしてベイエリア開発を推し進めてまいりました山神戸空港もその一環です。神戸市は、岡崎宏美衆議院議員率いる護憲社会党を除くと、自民党から共産党に至るまでオール与党体制で、無批判に近い状態で種々の開発行為や空港を促進してまいりました。ここはむしろ神戸空港を十年、二十年と延期させ、インナーシティーの開発、具体的には一番被害の大きかった長田区や兵庫区の整備に力を入れさせるべきだと考えます。
 亀井運輸大臣の神戸空港に関する所見をお伺いいたします。
 国土庁防災局は総勢五十人、そして震災対策課は九人です。しかも、建設省などの出向組が大半です。これでは心もとないことおびただしいではありませんか。防災面での政策を充実するためにも国土庁の機構改革やあり方が問われているかと思います。
 長官の御所見をお伺いいたします。
 以上で質問を終えさせていただきますが、昼夜を分かたずライフラインの復旧や被災地の復興に当たられている皆様には心から被災者の一人として御礼を申し上げます。
 最後に、各大臣にお願いをいたします。
 私は、ここのところ葬式やお悔やみの毎日です。遺骨が見つかった人は、お骨が見つかっただけでも幸いですとおっしゃいます。葬式を出された方は、葬式を出せただけでもよかったと申されます。家をなくした方は、命があって幸せですとおっしゃられます。私は、家の中がめちゃくちゃになっただけで、被災者と言うにははばかられるような幸せ者です。家の前を買い出しで通られる方から、旭堂小南陵さん無事でよかったですねと声をかけられると、涙がこぼれるほどうれしくなるのです。被害に遭われた方は、運がよいという意味だけで幸いとおっしゃらずに、幸せと言えないような小さな小さなことを幸せと表現して生きる励みにしておられます。
 どうか、通り一遍の紙切れの答弁だけではなく、被災者の方々の心に響くような御答弁をお願いして、新党・護憲リベラルを代表しての質問を終えさせていただきます。(拍手)
   〔国務大臣村山富市君登壇、拍手〕
#44
○国務大臣(村山富市君) みずから被災者でありながら、被災地域の救援や復旧に駆けずり回って御尽力をされております西野議員の心打たれる御提言、御意見に対して、心から敬意を表したいと思います。
 まず、質問の第一は、地方自治体と自衛隊との合同訓練についてのお尋ねでありますが、各地方公共団体では、大規模災害に備えて定期に防災訓練を行っておるところでございます。毎年九月一日の防災の日には総合防災訓練実施大綱を定めまして、政府も参加をした訓練が行われているところであります。今後とも、防災訓練につきましては自衛隊を初め各関係機関の参加を求めて、その内容の充実に努めてまいらなければならないと考えておるところでございます。
 次に、国家予算を防災の視点から見直す必要があるのではないかとの御指摘でございますが、我が国はその地理的、気象的条件により種々の災害の被害を受けやすく、政府はこれら各種の災害に適切に対処するため、防災基本計画に基づき、防災に関する科学技術の研究の推進、災害予防の強化、国土保全の推進、災害応急対策及び災害復旧の迅速適正化に重点を置いて災害対策を推進してきておるところでございます。今後とも、関係省庁間の連絡を緊密に図りながら適切な予算編成に努力してまいる所存でございます。
 次に、震災の調査に際し、土木や建築の専門家だけではなくて幅広く聞き取り調査等を行い、防災計画に生かすべきではないかとの御質問でございますが、全く御意見のとおりだと考えます。
 防災基本計画を抜本的に見直すことといたしておりますが、土木及び建築のみならず、防災に関連する幅広い分野の有識者の意見を総合的に踏まえて行うことが大事だというふうに思います。
 次に、自衛隊の初期行動と自衛隊法改正についての御質問でございますが、自衛隊の初期の対応につきましては、地震被害による困難な状況のもとで可能な限りの努力を行ったものであると考えておりますが、今回の経験に照らし、今後の教訓とすべき点がなかったかどうかについて十分に検討を加えながら、その対応を見直すべきところは率直に見直してまいりたいと考えております。さらなる立法措置が必要かどうかにつきましては、その上で検討さるべき課題であると考えているところでございます。
 次に、政府の防災体制について、アメリカ連邦非常事態管理局に学ぶべきではないかという御質問でございますが、政府といたしましては、当面、現行の組織を最大限活用して災害対策に全力を挙げてまいりますが、危機管理体制の充実強化の一環としてアメリカ連邦非常事態管理局等、諸外国の体制についても研究をしてまいりたいと考えておるところでございます。
 次に、避難場所への井戸一本政策についての御質問がございましたが、避難場所ごとにさまざまな状況が考えられますので、貴重な御意見として承り、今後種々の観点から検討を加えてまいりたいと考えています。
 次に、今回の地震にかかわる雇用対策についての御質問がございました。
 今般の地震災害の被災地域においては、復旧に相当長期間を要すると見込まれる状況になっておりますので、地域の雇用状況への悪影響が懸念されるところでもございます。
 このため、当面の緊急雇用対策として、被災地域内で雇用の維持を図ろうとする事業主への雇用調整助成金の支給、被災による事業所の休業や一時的な離職により賃金を受けられない方々への失業給付の支給等、特例的な措置を講ずることといたしてまいりたいと考えています。これらの措置により、被災者の方々が仕事の面で苦境に立つことのないよう万全の措置を講じてまいる所存でございます。
 次に、ボランティアの活動に対する御意見がございましたが、西野議員の御意見がありましたように、今回の被災地における、全国から協力に駆けつけてまいっております献身的なボランティアの皆さんの活動に対しましては、心から感謝の意を表したいと存じます。
 生きがいを持って安心して暮らせる社会の実現のためには、ボランティア活動を促進していくことが重要であります。このため、自由時間の拡充やボランティアに関する情報提供などの環境整備を積極的に進めていくことが必要であると存じます。
 また、ボランティアの受け入れについてのお尋ねもございましたが、今回の災害において多くのボランティアの方々が今も申し上げましたように目をみはるような活躍をされていることについて、十分承知をいたしております。大規模災害時においてはボランティア活動の果たす役割は広く、今後こうした点を踏まえた地域の防災体制を考えていくことも十分意義があることだというふうに私も理解をいたしております。
 残余の質問につきましては、関係大臣から答弁をさせます。(拍手)
   〔国務大臣大出役君登壇、拍手〕
#45
○国務大臣(大出俊君) 私に御質問が二問ございます。
 西野さんから被災地西宮中心に大変な御苦労をされておられる御質問でございまして、私の近い親戚が西宮におりますが、ようやく安否がわかったような状況でございまして、大変な話でございます。また、現地に私も参りまして、何人も局員の死んでいる中央郵便局などなどずっと歩いてまいりましたので、お気持ちを本当によく理解をいたしているつもりでございます。
 第一問は、今回の震災では報道関係者が大量に入ってこられておって、取材をされているヘリコプターによる騒音がラジオを聞く被災者への妨げになったり、リポーターなどの不用意な発言が流言飛語の原因ともなっていたのではないか、したがって、このような非常時には共同取材方式をとるなりしてできるだけ被災者の神経をいら立たせないでほしい、マスコミ関係者に非常時の報道のあり方について注意を喚起するとともにマニュアルづくりを要請していただきたいという御質問でございます。
 NHKそして民間の放送事業者の皆さんに、第一報の災害発生状況の報道から始まりまして、生活状況の報道あるいは復興の状況、そしてまたテロップなどを入れまして視聴覚障害者などなどに対する報道、外国の方々に対する報道、一々ございますので、ずっとこの間、担当局からお話をしながら要請もしながら進めてきたわけでございますが、しかし、郵政本省あるいは私のところにも参りましたが、近畿電気通信監理局にたくさんの視聴者の皆さんからの御意見などが寄せられております。ただいま御指摘をいただきましたような点もこの中に多々ございます。直接、私、現地で聞いてもまいりました。
 そこで、郵政省といたしましては、その都度、NHKあるいは民間放送事業者に対して、これらの被災者の皆さんの立場に立った報道、正確な情報提供などについて要請をしているところでございます。
 そこで、御指摘のマニュアル云々でございますけれども、ここに地元の関西テレビのマニュアルがございますが、非常に立派にできておりまして、災害放送で必ず守るべきこと、市民の心理的動揺を防止し、人心の安定を図る、被害状況ばかりをセンセーショナルに伝えることでないこと、安全無事情報や被災者への注意、アドバイス情報を丁寧に伝えることなどなどがございます。
 したがいまして、マニュアルはあるのでありますけれども、実際に今度の報道がどうなっていたかという点、そういう意味で足らざるところを補うのみならず、今回の報道の結果を、たくさんの御意見が上がっておりますから、私どもの方から皆さんに要請をいたしまして、御指摘のようにこれからひとつ逐次御相談をさせていただこう、こう思っている次第でございます。
 それから次に、非常時の通信システムの研究についての御質問がございました。
 災害発生時において住民への情報をできるだけ早く提供する、そういう意味で、兵庫県では平成三年に自治省と郵政省の共管法人である財団法人自治体衛星通信機構を通じまして、県庁とすべての市町村相互を結ぶ防災無線、御指摘の点でございますが、導入をしたところでございます。
 今回は、兵庫県からの情報を詳しくとってみましたけれども、全地球局百六十三局づくっているわけでございますけれども、県庁にございますセンター局ほか五つの局が地震によりまして使えなくなりました。一時停止をしたものが六時間後に動くようになって、現在は動いているわけでございますけれども、今回の地震による教訓を外しまして、より災害に強い通信ネットワークづくりということで、非常時における通信システムの構成をこれから十分ひとつ研究し、力を入れてまいりたい、こういうふうに思っています。
   〔国務大臣野坂浩賢君登壇、拍手〕
#46
○国務大臣(野坂浩賢君) 西野議員にお答えをいたします。
 御案内のとおりに、阪神高速道路倒壊に関する原因についての内容について御質問がございました。その内容は、鉄骨の溶接に手抜きがあったのではないか、こういう点等、全日建運輸連帯労組が前々から指摘をしておった、こういうふうなお話でございます。
 御案内のように、従来から阪神高速道路公団におきましては、例えば、鉄筋のガス接着というよりも圧接と私は説明を聞いておりますが、圧接部分につきましては現場で抜き取り検査をやっております。抜き取り検査をやって、それを強度の試験を行って、一応適切に対応しておる、こういうふうに理解をしており、考えておりました。しかし、現実に倒れた。
 したがって、我々建設省といたしましては、今回の地震による被災について、私も十七日、十八日に現場に参りましたが、徹底的に被害状況を調査して、地震工学学会あるいは橋梁工学学会へ専門家の皆さん方に相集まっていただきまして、委員会は既に決めておりますので、直ちに原因の究明、その原因の究明を徹底的に行って、対応策を講じてまいりたい、このように考えております。
 それから二番目の質問は、民間建築物、この検査体制はどうしていくのか、こういう御質問でございました。
 建築に当たりましては、御承知のとおりでありますが、建築基準法、建築士法等の規定によって材料や構造等に関する基準を定めております。建築士が皆さんも御案内のとおり設計をし工事の監理をするわけでありますが、これらの材料の品質や構造の適正さを確保する等の制度を設けております。したがいまして、建築物の性能の確保を図るために、今後ともこれらの制度の的確な運用に努めていかなければ全部民間の建物を我々が一つ一つ検査はできませんので、品質の管理その他については設計士等に極めて厳重に制度の運用を図っていきたい、このように考えておりますので、御了承をいただきたいと思っております。
 省らに、長良川に関連をして淀川の堤防の決壊、これについての言及がございました。
 確かに調査をいたしますと、かたい断層の上に液状化するような粘土がございまして、それが三メートルばかり落下しております。それらについては、現在、第二次災害が起きないように全文を挙げて復旧して民心の安定に努めておるというのが現状でございます。
 今、最後に長良川の河口堰の問題について御提言がございました。
 この河口堰の問題につきましては、全日本の立場でいろいろな関心がございますが、マグニチュード八・〇の濃尾地震などの過去の多くの地震、それから養老断層などの活断層を考慮して、最新の基準に基づいて耐震設計をしております。したがいまして、地震に対する十分な安全性というものを確保しておるつもりでございます。したがって、堤防についてもいわゆる淀川で起きたような事態がないように幅の広いブランケットを長くつくっておりまして、濃尾地震クラスの地震が来ても長良川の水があふれ出るようなことはない、致命的な事態は起こらない、こういうふうに私どもは考えております。
 河口堰のごく近傍には活断層は見当たりません。活断層は見当たりませんので、さらにこの事態を踏まえて、念には念を入れて本年度の活断層など防災面の調査を調査委員会の先生方の御指導を得て進めております。
 特に、中間報告を一月の中旬にいただきました。いただきましたが、今御指摘がありましたように、この活断層の問題、地震の問題については、さらに検討する必要があるということを申し上げまして、一月の末まで待ってほしいということで調査委員会にさらに検討を進めていただいております。その結果を得て賛成・反対の皆さんや地元の自治体やあるいは学者であります調査員の先生方に相集まっていただいて、高所大所から御議論をちょうだいして、最終的には私が責任者でございますので、その結果を見て判断をさせていただきたい、こういうふうに考えております。
 以上です。(拍手)
    〔国務大臣亀井静香君登壇、拍手〕
#47
○国務大臣(亀井静香君) 西野議員から震災復興、都市づくりについては自然環境保護に最大限の配慮をすべきだというお話がございましたが、私も全く同感でございます。
 そういう立場に立ちまして、神戸空港の建設をいたしたいと思います。内陸部における復興、これはもう全力を挙げなければならぬことであります。しかし、兵庫、神戸には大変な人口、産業が集積をいたしております。この地域の将来の発展のためにはやはり神戸空港が必要であると、このように判断をしておるわけでございます。
 以上でございます。(拍手)
   〔国務大臣小澤潔君登壇、拍手〕
#48
○国務大臣(小澤潔君) 西野議員さんがみずから被災者であることを知り、またその奮闘、活躍ぶりに感銘をいたしたところであり、最高の敬意と保感謝をささげながら、ともども頑張ってまいりたいと思いますので、先生よろしくお願いをいたします。
 国土庁の機構改革等につきましての御質問でありますが、国土庁におきましては、昭和五十九年に防災局を開設し、被害に関する施策の推進、関係省庁間の連絡調整体制の強化を図るとともに、その後も逐次、組織、定員の増強に努めてまいったところであります。
 御指摘の点につきましては、今回の震災が未曾有の被害であることにかんがみ、特に特命大臣が任命され、各省庁の御協力を今まで以上にお願いをしながら必死の対策をしてまいる決意でありますので、御理解をいただきたいと思います。
 以上です。(拍手)
#49
○議長(原文兵衛君) 久保君の残余の質疑を行います。久保亘君。
   〔久保亘君登壇、拍手〕
#50
○久保亘君 発言に先立ちまして、私の残余の質問について発言の機会をいただきましたことに、議長初め議員の皆様に心から御礼を申し上げます。
 戦後五十周年を迎えた一九九五年の今、私たちがなすべきことは、過去の過ちについて関係諸国に正式に謝罪し、犠牲者に対しても率直に謝罪して必要な償いを講ずることであり、国民の総意と促して、日本の過去を厳しく反省し、未来への平和保の決意を表明する国会決議をこの国会で採択して、新しい五十年の出発を目指す日本を内外にアピールすることであります。
 日本社会党は、戦争責任の問題では一貫して取り組みを続けてまいりました。日本社会党の村委員長に、首相として、国会決議に関する見解と決意を伺いたいのであります。
 国会決議によってみずからの立場を明確にしてこそ、日本はアジアの人々とこれからの五十年を、世界の未来を分かち合い、アジア文明の共同体の一員として、疎んじられることなく、信頼の上にともに生きることができるものと信ずるのであります。
 私は、戦後五十周年を迎えた政府の記念事業として、二つの問題を提案したいと考えております。
 一つは、世界有数の森林国である日本が、地球環境保全の立場から、公的資金を大幅に投入して民有林と国有林に財政援助し、森林王国への計画的な事業を開始するということであります。これは森林は文化のふるさとという問題意識に基づいております。
 二つには、既に本院有志を中心に超党派で進められ実現に向かっております、未来に生きるアジアと日本の子供たちの文化と平和交流の機能を持った国際子供図書館を早く設立し、子供文化立国を創造するということであります。これはアジアと日本の未来への投資であります。総理の意欲ある答弁を求めたいと存じます。
 次に、さきの日米首脳会談の成果と今後の課題について伺います。
 今回、総理として初めて渡米され、クリントン大統領との日米首脳会談に臨まれました。今回の会談は、包括経済協議で決裂した昨年二月以来の日米関係を修復し、創造的パートナーシップ確立への第一歩を踏み出したものとして評価されるのであります。特に、冷戦構造の崩壊で我が国の安全保障政策が軍縮の視点から見直しを迫られている今日、那覇軍港や読谷補助飛行場のパラシュート降下訓練の廃止と、その施設の返還、県道百四号線越えの実弾砲撃演習の廃止など、沖縄の在日米軍基地の整理縮小問題で協議することが合意されたのでありますが、これは極めて意義深いのであります。
 今回の日米首脳会談が大きな成果として評価されるのは、まさにこの合意事項が具体的に実行されたときであり、沖縄県民の期待もそこにあります。総理は、どのような手順で合意事項を実行される見通しなのか、見解を伺いたいと存じます。
 首脳会談において、総理は、北朝鮮、朝鮮民主主義人民共和国の軽水炉転換支援問題でも意味のある財政的役割を果たすと発言され、積極的な財政支援の姿勢を示されました。朝鮮半島の安定を確立し日朝国交正常化を促進していく上でこの問題は重要であり、国民の理解も求めなければなりません。私たちは、人類最後の戦争となる核戦争を阻止するために行動しなければなりません。具体的な援助の内容について、総理の見解を求めておきたいと思います。
 ポスト冷戦時代の国際関係を考えたとき、日米関係もまた新たな対応を迫られております。我が国は、日米関係を軸としながらもアジアの中の日本であるという立場を明確にして、アジア太平洋地域に視点を移動させた外交活動の基本姿勢を表明すべきときに来ており、国際社会では外交姿勢のあいまいな日本は許されないと考えるのであります。その立場から、アメリカとの関係においても真のパートナーシップに基づいて、ノーと言える日本ではなく、両国が相互にノーもイエスもはっきりと言える日米関係を確立しなければなりません。外交の基本について総理の見解を伺いたいと存じます。
 アメリカは、昨年十月、人種差別撤廃条約を批准しました。人権は国境を越えた普遍的なテーマであり、人は生まれながらに平等であります。冷戦後の世界が人権や民主主義に対してより深い関心を高めている現状を考えるならば、日本も人種差別撤廃条約の批准を避けることはできないのであります。政治のやさしさとは人間の尊厳を重んじる社会環境をつくることであり、それが人を差別もしないし差別もされない文化を生み出すのであります。
 国内的には、内閣同和対策審議会答申が出されて三十周年になりますが、しかし、生活、労働、産業、教育の分野では今なお差別事件が相次いでおり、部落解放基本法の制定は焦眉の課題となっております。この法制定と同条約の批准は村山政権の歴史的な使命であると考えるのであります。総理の決意を伺いたいと存じます。
 私たちは、五十年前、世界に誇る日本国憲法を手にしました。自国のことのみに専念して他国のことを無視してはならない、世界の中の日本と自由で活力ある経済社会を志向しながらも公正な社会を政治の最大の使命とする、この二つの指標こそ二十一世紀に向かう地球文明の原理であり、共生の論理であります。
 私たちは、この指標のもとに、平和と公正の理念を掲げて国際協調路線を歩むことを日本からのメッセージとして世界に発信し、阪神大震災に寄せられている世界各国の支援に深い感謝の念を表明し、私の代表質問を終わります。(拍手)
   〔国務大臣村山富市君登壇、拍手〕
#51
○国務大臣(村山富市君) 久保議員の残された、今御質問のございました点についてお答えを申し上げたいと思います。
 過去を反省して未来への平和の決意を表明する国会決議を採択するなど、新しい出発を遂げる日本の姿を全世界にアピールすべきではないかとの御指摘がございました。
 御指摘の国会決議につきましては国会が決定されるべきことと考えておりますが、戦後五十周年を迎え、私は、我が国の侵略行為や植民地支配などが多くの人々に耐えがたい苦しみと悲しみをもたらしたことを心に深くとどめ、深い反省の上に立って、不戦の決意のもと、世界平和の創造に力を尽くしてまいりたいと。思っております。
 このような見地から、昨年八月の私の談話で述べたとおり、平和友好交流計画や戦後処理の個別問題について、誠意を持って対応してまいりたいと考えております。
 次に、森林王国への計画的な事業開始についてのお尋ねがございました。
 我が国は、国土の約七〇%が森林に覆われております。森林は、緑と水の源泉であり、美しい日本の象徴とも言うべき存在であります。地球環境の保全を図り豊かな国民生活を実現していくためにも、これを次の世代へ引き継いていくことが大切であると考えております。このため、全国森林計画に基づき、各般の施策を着実に実施しているところでございます。今後とも、これらの森林を整備するための施策を、御指摘にもありましたように、総合的、計画的に展開をしてまいりたいと考えているところでございます。
 次に、国際子供図書館を設立をし、子供文化立国を創造する構想の趣旨については、貴重な御提案の一つとして重く受けとめておるところでございます。なお、御指摘の点につきましては、国立国会図書館において、同館の支部上野図書館の今後の活用方策の一環として、御提案の趣旨も踏まえた検討が行われるものと承知をいたしております。政府といたしましても、国会及び国会図書館における検討の動向を関心を持って見守りながら、その検討の結果を踏まえ、適切に対処してまいる所存でございます。
 次に、在沖縄米軍基地の整理縮小問題についてお尋ねがございました。
 戦後五十周年という節目の年に当たり、特に沖縄県民の関心の高い御指摘の三つの問題につきまして、早急に何らかの解決が図られるよう努力したいと考えており、さきの日米首脳会談におきましても、クリントン大統領との間でこの問題を話し合ってきたところでございます。
 いずれにいたしましても、政府といたしましては、安保条約の月内達成と地域住民の要望との調和を図りつつ、地元の御協力も得ながら、この問題の進展が得られるよう引き続き努力をしていく考えでございますが、先般も沖縄県知事とお会いをいたしまして地元の協力も要請したところでございまするし、現在、関係当局においてさらに検討は進められておる段階にあることについて御報告を申し上げておきたいと存じます。
 次に、北朝鮮の軽水炉転換に対する我が国の財政支援についてのお尋ねがございました。
 北朝鮮の核兵器開発問題は、国際社会の安全保障にかかわる重大な問題であるとともに、我が国の安全保障上の重大な懸念事項でもございます。この問題に関する米朝合意の着実な実施はまさに我が国の平和と安全に直結している問題であり、我が国政府としても、軽水炉プロジェクトの全体像のもとで、意味のある財政的役割を果たす用意があることを先般の日米首脳会談においてクリントン大統領に申し上げた次第でございます。国民の皆様の御理解もいただけるものと私は確信をいたしております。
 ただし、財政的貢献の具体的内容につきましては、今後、プロジェクトの全体像を見きわめながら協議されていくものであり、現時点において予断を持ってお答えすることは差し控えさせていただきたいと存じます。
 次に、ポスト冷戦時代の日米関係の基本についてお尋ねがございましたが、日米関係は日本外交の基軸であり、ポスト冷戦の世界にあっても、日米関係の一層の発展はアジア・太平洋地域及び世界の平和と繁栄のために不可欠でございます。このような基本に立って、この地域に見られるさまざまな協力の動きをさらに促進していくとともに、我が国はより幅の広いアジア・太平洋外交を展開していくこととしておるところでございます。
 今後、アジア・太平洋地域ひいては世界の平和と繁栄を図るためにも、このたびの日米首脳会談の成果を踏まえ、日米両国が一層の責任を担い合いながら協力関係を発展させていくよう、政府としてさらに努力を尽くしてまいる所存でございます。
 次に、人種差別撤廃条約についての御質問がございましたが、現在、百四十二カ国が締約国となっており、我が国としても、あらゆる形態の人種差別を撤廃するとの本件条約の趣旨にかんがみ、早期締結が重要だと考えているところでございます。
 他方、本件条約の締結につきましては、条約が規定する処罰義務と表現の自由等、憲法が保障する基本的人権との関係をいかに調整するかなどの困難な問題がございまして、この点を含め検討をさらに進めて、早期に批准ができるよう今後もさらに努力をしてまいりたいと考えているところでございます。
 次に、部落解放基本法についての御質問がございましたが、本内閣は「人にやさしい政治」を掲げており、その中心は、いろいろな立場や状態にある人々が社会全体の支え合いの中で、人権が守られ、差別のない、公正で充実した生活を送ることができる社会を建設することにございます。
 この基本的な視点に立って、同和問題についても、憲法に保障された基本的人権にかかわる重要な問題であるという認識のもとに、政府といたしましては、現行の地対財特法に基づき啓発等の各般の事業を積極的に推進することにより同和問題の早期解決に努力をしているところでございます。
 同和問題の早期解決に向けた方策のあり方につきましては、さきに政府が実施し現在取りまとめ中でございます同和地区実態把握等調査の結果も踏まえ、地域改善対策協議会に設置された総括部会において引き続き精力的に審議を進めていただくことといたしております。また、人権と差別問題に関するプロジェクトチームにおいて与党各党間の話し合いも進められておりますので、その議論の動向にも十分留意しながら、政府・与党一体となって対処してまいりたいと考えておるところでございます。
#52
○議長(原文兵衛君) これにて質疑は終了いたしました。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後四時十分散会
ソース: 国立国会図書館
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