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1995/02/17 第132回国会 参議院 参議院会議録情報 第132回国会 本会議 第5号
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1995/02/17 第132回国会 参議院

参議院会議録情報 第132回国会 本会議 第5号

#1
第132回国会 本会議 第5号
平成七年二月十七日(金曜日)
   午後三時三十一分開議
    ━━━━━━━━━━━━━
#2
○議事日程 第五号
  平成七年二月十七日
   午後三時三十分開議
 第一 国会議員の選挙等の執行経費の基準に関
  する法律の一部を改正する法律案(内閣提出
  )
    ━━━━━━━━━━━━━
○本日の会議に付した案件
 一、請暇の件
 一、国会法第三十九条ただし書の規定による議
  決に関する件
 一、阪神・淡路大震災復興の基本方針及び組織
  に関する法律案(趣旨説明)
 一、日程第一
 一、地方税法の一部を改正する法律案(内閣提
  出、衆議院送付)
 一、阪神・淡路大震災の被災者等に係る国税関
  係法律の臨時特例に関する法律案(内閣提
  出、衆議院送付)
 一、災害被害者に対する租税の減免、徴収猶予
  等に関する法律の一部を改正する法律案(内
  閣提出、衆議院送付)
     ―――――・―――――
#3
○議長(原文兵衛君) これより会議を開きます。
 この際、お諮りいたします。
 古川太三郎君から海外旅行のため来る二十二日から八日間の請暇の申し出がございました。
 これを許可することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○議長(原文兵衛君) 御異議ないと認めます。
 よって、許可することに決しました。
     ―――――・―――――
#5
○議長(原文兵衛君) この際、国会法第三十九条ただし書の規定による議決に関する件についてお諮りいたします。
 内閣から、阪神・淡路復興委員会特別顧問に衆議院議員後藤田正晴君を任命することについて、本院の議決を求めてまいりました。
 内閣申し出のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#6
○議長(原文兵衛君) 過半数と認めます。
 よって、衆議院議員後藤田正晴君が阪神・淡路復興委員会特別顧問につくことができると決しました。
     ―――――・―――――
#7
○議長(原文兵衛君) この際、日程に追加して、
 阪神・淡路大震災復興の基本方針及び組織に関する法律案について、提出者の趣旨説明を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#8
○議長(原文兵衛君) 御異議ないと認めます。小里国務大臣。
   〔国務大臣小里貞利君登壇、拍手〕
#9
○国務大臣(小里貞利君) 阪神・淡路大震災復興の基本方針及び組織に関する法律案について、その趣旨を御説明申し上げます。
 平成七年一月十七日に発生いたしました阪神・淡路大震災は、阪神・淡路地域において、死者・行方不明者が五千三百名を超えるなど未曾有の震災被害をもたらしました。
 この阪神・淡路大震災は、国民生活に甚大かつ深刻な被害をもたらし、内外の経済に深刻な影響を与えているところであります。今後、生活の再建、経済の復興等の救援策の一層の充実を図るとともに、関係地方自治体に対し最大限の支援を行い、阪神・淡路地域の復興に全力を挙げて取り組む所存であります。
 この法律案は、このような状況にかんがみ、阪神・淡路地域の復興を迅速に推進するため、その復興についての基本理念を明らかにするとともに、阪神・淡路復興対策本部の設置等を行おうとするものであります。
 以上がこの法律案を提出する理由であります。
 次に、この法律案の要旨を申し上げます。
 第一に、阪神・淡路地域の復興は、国と地方公共団体とが協同して、生活の再建、経済の復興及び安全な地域づくりを緊急に推進すべきことを基本理念として行うものとしております。
 第二に、国は、基本理念にのっとり、阪神・淡路地域の復興に必要な別に法律で定める措置その他の措置を講ずるものとしております。
 政府といたしましては、所得税の雑損控除の前倒し適用等税制の特例を定めた阪神・淡路大震災の被災者等に係る国税関係法律の臨時特例に関する法律案、災害被害者に対する租税の減免、徴収猶予等に関する法律の一部を改正する法律案及び地方税法の一部を改正する法律案並びに被災市街地復興推進地域内における土地区画整理事業の特例等を定めた被災市街地復興特別措置法案について国会に提出させていただいておりますが、このほか、阪神・淡路大震災に対処するための特別の財政援助等を定める法律案等の検討も急いでいるところであります。そのほか多くの分野にわたって復興を進めるための措置についても検討を進め、必要なものについては、できる限り早急に成案を得て、順次御審議いただきたいと考えております。
 第三に、関係行政機関の復興施策に関する総合調整などを行うため、総理府に阪神・淡路復興対策本部を置くとともに、その長を阪神・淡路復興対策本部長として内閣総理大臣をもって充てるものとすう等、阪神・淡路復興対策本部の事務及び組織に関して必要な事項を定めることといたしております。
 そのほか、これらに関連いたしまして関係規定について所要の改正を行うこととしております。
 以上が、阪神・淡路大震災復興の基本方針及び組織に関する法律案の趣旨でございます。(拍手)
    ―――――――――――――
#10
○議長(原文兵衛君) ただいまの趣旨説明に対し、質疑の通告がございます。発言を許します。矢原秀男君。
   〔矢原秀男君登壇、拍手〕
#11
○矢原秀男君 私は、平成会を代表して、ただいま議題となりました阪神・淡路大震災の復興に関する緊急特別立法に対し、若干の質問を行います。
 具体的な質問に先立ち、去る一月十七日未明、五時四十六分、直下型大地震で亡くなられた五千三百七十八名を超える方々の御冥福を心よりお祈り申し上げます。また、御遺族の皆様に慎んでお悔やみを申し上げます。
 そして、焼失家屋七千四百五十六戸、倒壊家屋十四万四千三十二戸の御家族の皆様、負傷者三万二千八百九十八名の方々、そして九百六十四カ所に避難をされていらっしゃる二十一万三千三百七十九名の皆様に衷心よりお見舞いを申し上げますとともに、これからの人生に、御健康に留意をされ、希望と勇気を持って再起されますことを心から願っております。
 そして、寝食を忘れて救援、復旧のために御尽力くださっている自治体関係者、自衛隊、警察、消防等の皆様、さらにボランティアの皆様方に対し心より感謝申し上げ、敬意を表する次第であります。
 総理、トップリーダーには決断力、実行力、先見性が必要であります。行政の最高の統括者としての責任感と強い意志が求められます。大震災発生から今日までの総理の言動、対応からは、そうした姿勢が酌み取れません。
 今回の大震災の場合では、前例にこだわらない措置をとるべきではなかったのか、まず総理の御所見を伺いたい。
 また、被災現場においては生き埋めとなった人を一人でも早く救出をする、一軒でも延焼を食いとめる、大災害対策は最初の二十四時間が大事です。総理官邸に平素からの危機管理体制があれは、多くの人命と財産を救うことができたのではないか。初動態勢のおくれなど、総理の政治生命を問う怨嗟の声が日増しに高まっております。特に総理の一月十七日、十八日の動きは、余りにも鈍いものでありました。今回の総理の対応では、いざというときには当てにならない政府といった烙印が押されかねません。危機管理体制をどのように構築していくのか、明確に伺いたい。
 次に、応急仮設住宅についてお伺いします。
 避難所生活が本日で既に一カ月になりました。Pタイルや板の上で厳寒の冬を越す。その上、水もトイレも不足した中で、食事も満足にのどを通らないと思う。プライバシーの保護など全くないのであります。このような生活を余儀なくされている方々がまだ九百六十四カ所の避難所に二十一万三千三百七十名の人々がおられる事実を、しっかり認識しなければなりません。
 しかし、この一カ月間の仮設住宅の入居戸数は、十五日現在わずかに七百戸で、足りないのであります。これでは、政府は避難者のことを本気になって考えているのか全く疑問であります。中には、病気で苦しんでいる方、障害者の方、高齢者及び小さな子供など、社会的また災害的な弱者の方がたくさんいらっしゃるわけであります。総理は、こういう方にいつまで避難所生活をさせるのか、はっきりとした御所見を伺いたいのであります。
 当初、応急仮設住宅の入居の希望者は十一万世帯であったと言われております。それに対して仮設住宅の建設目標は四万戸で、公的住宅については全国的な広がりの中で三万戸が用意をされました。しかるに、仮設住宅用地はまだ一万戸分不足しており、公的住宅については入居戸数は七千戸で、残りの二万三千戸は遠くて希望者がなかったのであります。
 住宅の確保で大事なことは、住民の希望を十分酌み取っていくことでございます。細心の配慮が欠けてはいけないのであります。この点、近接した仮設住宅の用地及び公的住宅の準備にどう取り組み、どれだけ確保できたのか、厚生大臣及び建設大臣にお尋ねいたします。
 また、一月二十六日に農水省では農地法施行規則の改正を行いました。これは、応急仮設住宅建設の場合、農地転用の許可を不要とする措置であります。農水省がこの許可不要の措置を行うことはいいにしても、地元の自治体は手が回らないのであります。国の方で農地所有者に働きかけをしよう、そして用地の提供をお願いしていこう、そういう一分の努力は、避難者の立場に立った場合に、思いやりというのか、国でやるべきは当然ではないんでしょうか。農林大臣の御所見を伺いたい。
 また、住宅用地がないと言われておりますが、阪神地区及び播磨地区等における市街化農地は六千百八十五ヘクタールもあります。これらの一部の農地を生かせないのか、農水大臣の御意見をお聞きしたい。
 さらに、同じ地域に市街化調整区域は十八万二十二ヘクタールもあります。このうちの一部でも住宅用地として活用できるよう改正すべきではないのですか、建設大臣にお尋ねをいたします。
 次に、ライフラインのうち特に水道についてお伺いをいたします。
 被災者の方々の生の声は、水が欲しい。皆様も御承知のとおりでございます。被災直後には飲用水から始まり、時間の経過とともに、炊事用、手洗い用の水の必要性、また入浴をしたい、どれも皆極めて切実なものばかりであります。御承知のとおりでございます。
 現時点での水道復旧の総額は、兵庫県だけで約五百六十一億円に達している。これに対して、国庫補助率二分の一となる従来からの補助制度では、残額だけでも約二百八十億円になります。超過負担です。
 この水道の災害復旧事業を激甚災害法の対象事業にすべきであり、国庫補助率を大幅に引き上げる英断をすべきと思うが、総理及び厚生大臣はどのように考えていらっしゃるのか、伺います。
 また、厚生省は平成三年六月に「二十一世紀に、向けた水道整備の長期目標」を策定、推進しております。計画の大きな柱として地震や渇水に負けない強い水道をつくることを掲げておりますが、進捗は余り芳しくありません。今回の大震災の教訓を生かしてこれを全国的に強力に推進すべきと思いますが、厚生大臣の所見を伺います。
 次に、自衛隊の中に大災害の専門組織を編成することが急務であると思います。提言をしたいと思います。
 この組織は、大災害に緊急出動できる姿勢がとられなければなりません。参考として、米国の連邦緊急事態管理庁FEMAやフランスの災害救助隊DICAがあります。米国のFEMAにあっては、二十四時間体制で、いざというときには四千人を超す臨時スタッフも応援に駆けつける仕組みとなっております。一方、フランスのDICAにおきましては、大規模な地震等、また人命救助と環境破壊の防止に、専門に海外にも出動できることになっております。派遣命令から三時間以内に世界じゅうどこでも出動できる体制が整えられ、迅速性もあります。
 このような諸外国の例に倣い、日本型災害救助組織を自衛隊の中に設置すべきではないかと思いますけれども、総理の御所見を伺います。
 次に、災害に強い都市づくりについてでありますけれども、阪神・淡路復興法案により国の復興対策本部が設置されることになりました。兵庫県では、災害に強い町づくりを進めるための復興計画、ひょうごフェニックス計画を準備しております。国は自治体の意向を尊重して全面的なる絶大な支援を貫いていただきたいと考えておりますけれども、復興対策本部長としての総理の御所見を伺いたいのであります。
 また、被災市街地復興特別措置法案によれば、建築の諸施策の多くは今回の活断層上に想定をされております。防災技術上、また生命の安全性をいかに保障するか、地元の皆さんにいかに説得をするか、建設大臣に伺いたいのであります。
 また、現在、四全総にかわる次期全国総合開発計画、五全総を国土庁が中心となって策定作業を進めております。今回の大震災を教訓に、防災思想を含めた災害に強い国土をつくり、国土構造の創成が求められているところであります。遷都及び分都等いわゆる首都機能維持の対策を含めた災害に強い、かつ均衡ある国土づくりについて、総理はどのような展望、考えを持って行政官庁をリードしていかれようとしているのか、明確に示してもらいたいのであります。
 次に、復興財源について伺います。
 今回の大震災は、被害額十兆円を優に超過するものであります。
 まず、具体的に二点伺います。
 本日、重ねて神戸市等からの緊急要望がございました。一つは、瓦れき等の災害廃棄物の処理については、量的に、トン数に直せば千三百万トンになんなんとしております。その事業費は約四千億円と算定されております。
 この国庫補助率二分の一を激甚災害対象事業並みの十分の八以上にお願いをしたい。また、できれば所要額の全額を補助対象にしていただきたいとの切なる要望がありますけれども、これに対する総理の所見を伺いたいのであります。
 二つ目には、港湾施設の復旧に力強い助成をいただいておりますけれども、中でも民間所有の港湾施設に対する国庫補助制度の創設並びに長期三十年無利子融資を要望しておりますけれども、これに対して総理大臣の御答弁をお願いしたいのであります。
 政府は、十六日、阪神・淡路大震災の復旧対策費などを盛り込んだ九四年度第二次補正予算案を決めたようであります。規模は一兆二百二十億円となっておりますけれども、地元では、あと何年間で復興できるのであろうかという切ない希望があります。地元は、一日でも早く復興したい、お願いをしたい、自分で立ち上がりたい、こういう叫びであります。
 今回も、ちなみにこの法律案は五年の時限立法であります。果たして、巨額の被害額、十兆円もの復興財源を何年間で手当てできるのか、重ねて総理並びに大蔵大臣の所見を伺いたいのであります。
 最後に、二つの提言を申し上げたい。
 一つは、避難を余儀なく続けておられる方々の勇気を喚起するため、力強い再起を期して、三兆円の災害復興基金の創設を提唱したいのであります。今まで提唱されている基金の規模では、十分なる対応はおぼつかないのであります。
 二つ目には、私も、廃墟の神戸に立って見ておりますときに、どうしても神戸を中心とする関西でオリンピックの誘致を提唱したい。世界並びに日本各地の皆様からの限りない真心の御支援に対し、再起復興の礎に寄与できればと思うところであります。総理の御意見を承りたい。
 以上、数点にわたり質問を申し上げましたけれども、何とぞ総理並びに関係大臣の誠意ある御答弁をお願いをいたしまして、質問を終わります。(拍手)
   〔国務大臣村山富市君登壇、拍手〕
#12
○国務大臣(村山富市君) 矢原議員の質問にお答えする前に、今もお話がございましたように、五千三百人を超す方々が亡くなられ、想像を絶する大きな被害をもたらしました阪神・淡路地区の地震が発生をしましてから、ちょうど一カ月を迎えました。改めて、亡くなられた方々や遺族の方々に謹んで哀悼の誠をささげたいと思います。また、負傷された方々や被災された方々に対しましてもお見舞いを申し上げたいと思います。
 また、みずから被災をされたにもかかわらず不眠不休で救援や復旧に取り組んでおります県、市町村の職員、消防署、警察、自衛隊の皆さん、そして医療関係の皆さん、そしてさらに、全国から駆けつけてこれまた献身的に救援活動に携わっておりますボランティアの皆さん方に、改めて心から感謝を申し上げたいと思います。
 国も国会も一体となって必要な救援対策と復興に全力を挙げて取り組んでまいりたいと考えておりますから、被災地の皆さん方も元気を出して頑張っていただきたいと心からお願い申し上げたいと思います。
 続いて御質問にお答えを申し上げたいと思いますが、今回の大震災では前例にこだわらない措置をとるべきではないかとの御質問でございます。
 今回の地震発生後、直ちに非常災害対策本部を設置をいたしまして、当面の応急対策を講じてまいりました。また、私自身が本部長となり全閣僚により構成される緊急対策本部を設け、さらには現地対策本部を神戸市に設置をし、また新たに兵庫県南部地震対策担当大臣を任命をいたしまして非常災害対策本部長に充てるなど、政府一体となって被災者の救援対策や復旧対策に全力を挙げてきたところでございます。
 さらに、地震発生後一カ月を経過をし、被災地の総合的、計画的な復興について地元自治体を支援をしながら、国としても一体となって取り組んでいく必要があることから、復興のための施策に関する総合調整を実施する阪神・淡路復興対策本部を設置することといたしました。あわせて、有識者の方々による復興委員会も発足をさせたものでございます。
 こうした措置は、これまでの前例にとらわれない措置でありまして、政府といたしましては、引き続き被災者の救援対策と復旧・復興対策に万全を期してまいりたいと考えておるところでございます。
 次に、危機管理体制についての御質問でございますが、今回の地震発生以来、私は災害対策の最高責任者として、迅速かつ的確な対策を講じるため、可能な限りの努力をしてまいりました。また、関係閣僚にも、やれることはすべてやり尽くす決意で取り組むようお願いをしたところでございます。
 しかしながら、災害発生当初の対応についていろいろな御意見と御批判があることは、私も十分承知をいたしております。それだけに、今後は、政府及び関係機関が一体となって災害に迅速かつ的確に対応できるよう、情報収集及び伝達体制のあり方など、今後の教訓として見直すべきところは率直に見直すことによって災害時の危機管理体制の充実強化を図ってまいりたいと考えているところでございます。
 次に、避難生活についてのお尋ねでございますが、避難所等で不便な暮らしを余儀なくされている被災者の方々の生活の安定を目指し、関係省庁の緊密な連絡のもと、民間の全面的な協力もいただきながら、住宅の確保対策に全力を挙げているところでございます。
 このうち、応急仮設住宅の設置につきましては、約四万戸の設置計画を立て、約三万戸につきましては既に発注もし、三月中の完成を目指して最大限の努力を傾注いたしております。残りの一万戸につきましても、速やかに関係機関と調整の上、用地を確保し、発注することといたしておるところでございます。
 このほか、公営や公団の住宅の確保にも万全を期して、一日も早く平常生活の回復を図ってまいりたいと、全力を挙げて取り組んでおるところでございます。
 次に、水道の災害復旧事業に関するお尋ねでありますが、政府といたしましても、地元自治体と一体となりまして地震発生直後から復旧作業に全力を挙げ、一日も早い断水解消を目指してきておるところでございます。今後、必要な支援策につきましては、今回の地震による被害の甚大性にかんがみまして、特例的措置の検討を行うなど適切な対応を行ってまいりたいと考えているところでございます。
 次に、日本型災害救助隊組織についての御質問でありますが、自衛隊は、我が国の防衛とともに、必要な場合、災害派遣等を実施することを任務といたしておりまして、平素から所要の防衛の態勢をとるとともに、その組織、装備や能力を生かして、広範多岐にわたる災害派遣活動をこれまでも行ってきたところでございます。したがって、災害救援や復旧のための組織をつくるということについては、一つの考え方であると思いますが、現状に照らして慎重な検討が必要な課題であると考えておるところでございます。
 次に、兵庫県復興計画に対しての支援姿勢についてお尋ねがございましたが、現在、地元兵庫県におきましては、今回の大震災を教訓として、災害に強い町づくり等を理念とする長期的ビジョンに立った復興計画の策定に着手していると聞いております。
 阪神・淡路大震災復興の基本方針及び組織に関する法律案においては、復興の基本理念として、国と地方公共団体が適切な役割分担のもとに地域住民の意向を尊重しつつ協同して行われるべきものであると掲げております。また、復興対策本部の事務につきましても、関係地方公共団体が行う復興事業への国の支援に関する総合調整を内容として掲げておるところでございます。
 したがって、今後発足する復興対策本部は、こういった考え方を踏まえ、地元地方公共団体の主体性を尊重しつつ、これを最大限支援するとともに、また、国として行うべき施策を積極的に推進していくということを基本姿勢として進めてまいりたいと考えているところでございます。
 次に、被災市街地復興特別措置法案についての御質問でございますが、本法案は、市街地の面的整備による公共施設やオープンスペースの確保、再開発事業の機動的な実施などにより復興を進めようとするものでございます。これにより、災害に強い町づくりが推進されるものと考えております。
 建築物や道路橋などの公共施設の地震に対する安全性につきましては、専門家の英知を集め、被災原因を徹底的に究明をし、災害に強い国土づくりに向けて必要な措置を講じてまいる所存でございます。
 次に、災害に強い国土づくりについてのお尋ねでありますが、政府といたしましては、現在、国土審議会におきまして、平成八年度中を目途に、来るべき二十一世紀にふさわしい国土づくりの指針を示す新しい全国総合開発計画の策定作業を進めているところでございます。
 国民の生命と財産の安全確保は国土づくりの基本であり、新しい全総計画においても、安全で質の高い国土の形成が最も重要な課題であると考えております。したがって、新しい全総計画の策定に当たりましては、今回の阪神・淡路大震災を初めとする最近の一連の災害についての経験等を踏まえ、首都機能の維持対策を含め、災害に強い国土づくりを行うべく鋭意努力してまいる所存であります。
 また、国会等の移転につきましても、国会等の移転に関する法律に基づいて設置をされました国会等移転調査会におきまして調査、審議が鋭意進められておりますが、引き続き内閣の重要課題の一つとして推進をしてまいりたいと考えておるところでございます。
 次に、神戸を全国に誇れる防災都市づくりのモデルとするため国は財政面で強力な支援を行うべきではないかとの御質問でありますが、政府といたしましては、現在、今回の大震災に対処するための特別の財政援助等を定める法律案等の準備を急いでいるところでございます。さらに、必要となる財政措置につきましては、平成六年度第二次補正予算の編成作業に鋭意取り組んでおりまして、本日中にもその骨格を固め、二十四日にも国会に提出をしたいと考えておるところでございます。
 これらの措置は、被災地の復興の基盤づくりや被災者の生活再建になくてはならない措置でございますので、国会の御協力をいただいて速やかな成立をお願い申し上げたいと考えておるところでございます。
 次に、瓦れきの処理についてのお尋ねでありますが、今回の震災につきましては、被災規模が極めて甚大であり、都市機能が麻痺し、社会全体に与える影響が多大なことから、特例的に個人や中小企業の損壊建物等の解体処理については自己負担なしに公費負担によるところとしたところでございます。
 これに要しまする費用につきましては、国がその二分の一を補助することといたしておりまするが、残りの二分の一につきましても地方債の発行が認められ、その一定割合は地方交付税による措置が行われることとなっておりまして、国としても適切に対処してまいりたいと考えておるところでございます。
 次に、港湾施設の復旧に対する支援についてのお尋ねでありますが、民間所有の港湾施設におきましては大きな被害が発生しているところでもございますから、神戸港等の復興の観点から特に重要なものにつきましては、日本開発銀行からの低利融資による支援を可能とする方向で検討いたしておりまして、国が対応すべき施設の復旧とあわせ、全体としてできる限り早い復旧ができるよう取り組んでまいる所存でございます。
 次に、復興財源に関するお尋ねでありますが、今回の地震災害につきましては、財政的にも必要な措置を適時適切に講ずる所存であり、その一環として、六年度第二次補正予算の編成作業に鋭意取り組んでいるところでございます。この第二次補正予算に関しましては、現在最終的な詰めを行っている段階であり、本日中にその骨格を固めたいと考えておりますが、いずれにいたしましても、財源に支障を来すことのないよう対応してまいりたいと考えているところでございます。
 今後とも、復興のための財源措置を考えるに当たりましては、必要な財源はきちんと確保する、また、財源の求め方は国民の理解が得られるものとするということを基本として、幅広い見地から検討してまいりたいと考えておるところでございます。
 さらに、兵庫県の提唱する基金の設置についてのお尋ねがございましたが、地元兵庫県などの地方公共団体の基金設置の構想につきましては、地元地方公共団体において被災者のニーズなどを勘案しながら具体的な検討を進めているところと聞いておりますが、その考え方や内容が具体化した段階で、政府といたしましても各般にわたる災害救助対策、災害復旧・復興対策等の一環として、雲仙の際の財政措置なども参考としながら適切な支援をしてまいりたいと考えておるところでございます。
 次に、関西にオリンピックを誘致すべきではないかとのお尋ねでありますが、オリンピックヘの開催立候補は、国際オリンピック委員会のオリンピック憲章により、開催を希望する都市が、その国のオリンピック委員会、日本の場合は日本オリンピック委員会の承認を得て行うものとされております。したがって、まず、関西地区においてオリンピックの開催を希望することについて、地元の皆さんの声を十分集約することが必要ではないかと考えておるところでございます。
 残余の質問につきましては、各関係大臣から答弁をさせます。(拍手)
   〔国務大臣井出正一君登壇、拍手〕
#13
○国務大臣(井出正一君) 矢原議員の御質問にお答えをいたします。
 まず第一の仮設住宅の用地の確保についてのお尋ねでございますが、現在、応急仮設住宅約四万戸の建設計画のうち約三万戸について用地も確定し既に発注したところであり、残りの約一万戸については、国有地や関係市町の公有地を中心に調整を急いでおり、二月十四日現在で約十五ヘクタールが確保されているところであります。
 応急仮設住宅の設置に当たりましては、入居者の要望、生活環境等を考慮して、極力身近なところに設置することとしているところでありまして、約二万九千戸については、被災者の同一市町内に建設することとしているところであります。しかしながら、短期間に大量の仮設住宅を設置する必要があり、用地の関係により県外に設置せざるを得ない場合も考えられますが、その場合にも、被災者の職場等の条件やその他の御要望に配慮し、十分被災者の方々の理解を得て進めてまいりたいと考えております。
 今後とも、用地の選定に当たりましては、被災者の御要望に十分配慮をしつつ、早急な確保を図ってまいりたいと考えております。
 次に、水道の災害復旧事業に関するお尋ねでございますが、先ほど総理からも御答弁がありましたように、厚生省としましては、従来より、被災水道事業者等が行う水道施設の災害復旧につきまして、原則としてそれに要する費用の二分の一を補助してきているところであります。しかし、今回の地震による被害の復旧のために必要な支援策につきましては、その極めて甚大な被害状況を踏まえた特例的措置の検討を行うなど、適切な対応を行ってまいりたいと考えております。
 最後に、地震や渇水に強い水道の整備についてのお尋ねでございますが、厚生省では、御指摘くださったように、平成三年六月に定めたふれっしゅ水道計画の中で、地震や渇水に負けない強い水道づくりをその主要課題の一つに掲げ、その推進に向けて全国の水道事業者等を指導するとともに、必要な施設整備について国庫補助による支援を行ってきているところであります。
 具体的な支援策といたしましては、一つに衝撃に弱い石綿セメント管等の老朽管の更新、二番目に緊急時の給水拠点となる配水池の容量の増強、三番目に水道施設の広域化等に対する補助を充実してきているところでありますが、今回の震災を教訓として、重要なライフラインである水道を災害に強いものとするための取り組みを一層強力に推進してまいる所存でございます。
 以上でございます。(拍手)
   〔国務大臣野坂浩賢君登壇、拍手〕
#14
○国務大臣(野坂浩賢君) 矢原議員にお答えをいたします。
 お話がありましたように、被災者の声を代弁して切々と訴えるそのことを聞きながら、胸がうずき、胸が痛む思いがいたしておりますが、質問のあった点は三点でありますので、御説明を申し上げたいと思います。
 住宅及び住宅用地の確保についての御質問でございましたが、被災地におきましては、多くの住民の方々が避難所等で不自由な生活を余儀なくされており、一刻も早く少しでも落ちついた生活を営んでいただけるように、当面の居住場所の確保のための応急対策を強力に推進してまいったところであります。
 このため、政府としては応急仮設住宅の建設を最重点の課題として取り組んでおり、建設省としても、大量の応急仮設住宅を緊急に供給するに当たって最大限の支援を行うとともに、その用地の確保につきましても、住宅。都市整備公団に兵庫県、大阪府を中心として保有地八十八ヘクタールを提供することを要請するなど、積極的に協力をしてまいったつもりであります。
 また、これとあわせて、被災者が一時的に避難するために、兵庫県や大阪府や近隣の府県において公営住宅、公団住宅等、約九千三百戸でありますが、これを確保し、親類や縁者を頼って避難する場合に備えて全国の空き家の提供もお願いしてきたところであります。これまで、受け入れ可能住宅を約二万六千五百戸確保し、現在七千四百戸が入居しているところでございます。引き続いて、その入居を促進するために、近隣府県、公団等の職員を被災地の地方公共団体へ派遣、全国の入居可能な公営住宅等に関する情報リストを被災地の各所に配置、被災者用公営住宅等斡旋支援センターによるあっせん等の措置を講じてまいったところであります。
 今後とも、これらの措置を一層推進することにより、被災者の居住の安定を図ってまいる所存であります。
 次に、住宅用地の確保についての御質問でございますが、非常災害のため必要な応急措置として行う開発行為、建築物の新設等については、市街化を抑制すべき地域である市街化調整区域においても許可を受けずに行うことができるよう制度上措置されているところでございます。
 恒久的な住宅建設のためには市街化区域への編入が必要となってまいりますが、そのことは県知事の判断を基本とするものであり、国としても住宅宅地ニーズに的確に対応できるよう配慮してまいる所存であります。
 第三点の被災市街地復興特別措置法案につきましては、総理大臣から詳しくお話がございましたので、重複を避けます。
 最後に、被災原因を徹底的に究明して、災害に強い国土づくりに向けて必要な措置を講じてまいる決意でございます。
 以上でございます。(拍手)
   〔国務大臣大河原太一郎君登壇、拍手〕
#15
○国務大臣(大河原太一郎君) 矢原議員の御質問にお答えいたします。
 まず、農地の応急仮設住宅用地への提供についてでございますが、今回の阪神・淡路大震災の被害の状況にかんがみまして、地方公共団体が応急仮設住宅等を建設する場合について農地転用の許可を不要とする措置を講じ、県及び市町村を通じて関係者にその趣旨の徹底を図ったところでございます。
 用地の取得につきましては、地元の事情を熟知している県及び市町村において取り組まれているところでありますが、国としてもその円滑な推進に極力協力いたしたいと考えております。
 次に、市街化区域内農地の活用についてでありますが、この農地の転用につきましては既に届け出制としているところでありますので、地元の意向に沿って、住宅用地はもとより、緑地としての活用が円滑に行われるものと考えております。(拍手)
   〔国務大臣武村正義君登壇、拍手〕
#16
○国務大臣(武村正義君) 政府は、今回の震災に当たりましては、財政面、法制面ともに強力な支援を行うべく全力を尽くしているところでございます。
 本日、数本の法律を上程いたしておりますが、引き続き今回の大震災に対処するための特別な財政援助等を定める法律案を検討いたしておりまして、総理がお答えいたしました六年度の第二次補正予算の提案と並行して努力をさせていただきたいと思っております。(拍手)
#17
○議長(原文兵衛君) これにて質疑は終了いたしました。
     ―――――・―――――
#18
○議長(原文兵衛君) 日程第一 国会議員の選挙等の執行経費の基準に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。選挙制度に関する特別委員長上野雄文君。
    ―――――――――――――
   〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
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   〔上野雄文君登壇、拍手〕
#19
○上野雄文君 ただいま議題となりました法律案につきまして、選挙制度に関する特別委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
 本法律案は、最近における公務員給与の改定、賃金及び物価の変動等の事情を考慮し、国会議員の選挙等の執行について、国が負担する経費で地方公共団体に交付するものの基準を改定しようとするものであります。
 委員会におきましては、経費算定基準の妥当性と地方公共団体の負担状況、阪神・淡路大震災の選挙執行等に及ぼす影響、裁判官国民審査における点字投票のあり方等につきまして質疑が行われましたが、その詳細は会議録に譲ります。
 質疑を終局し、採決の結果、本法律案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
#20
○議長(原文兵衛君) これより採決をいたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#21
○議長(原文兵衛君) 総員起立と認めます。
 よって、本案は全会一致をもって可決されました。
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#22
○議長(原文兵衛君) この際、日程に追加して、
 地方税法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#23
○議長(原文兵衛君) 御異議ないと認めます。
 まず、委員長の報告を求めます。地方行政委員長岩本久人君。
    ―――――――――――――
   〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
   〔岩本久人君登壇、拍手〕
#24
○岩本久人君 ただいま議題となりました法律案につきまして、地方行政委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
 本法律案は、阪神・淡路大震災の被災者の負担の軽減を図るため、阪神・淡路大震災によりその者の有する資産について受けた損失の金額については、納税義務者の選択により、平成六年において生じた損失の金額として、平成七年度以後の年度分の個人住民税の雑損控除額の控除等の特例を適用しようとするものであります。
 委員会における質疑の詳細は会議録に譲ります。
 質疑を終局し、採決の結果、本法律案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
#25
○議長(原文兵衛君) これより採決をいたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#26
○議長(原文兵衛君) 総員起立と認めます。
 よって、本案は全会一致をもって可決されました。
     ―――――・―――――
#27
○議長(原文兵衛君) この際、日程に追加して、
 阪神・淡路大震災の被災者等に係る国税関係法律の臨時特例に関する法律案
 災害被害者に対する租税の減免、徴収猶予等に関する法律の一部を改正する法律案
  (いずれも内閣提出、衆議院送付)
 以上両案を一括して議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#28
○議長(原文兵衛君) 御異議ないと認めます。
 まず、委員長の報告を求めます。大蔵委員長西田吉宏君。
    ―――――――――――――
   〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
   〔西田吉宏君登壇、拍手〕
#29
○西田吉宏君 ただいま議題となりました両法律案につきまして、委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
 まず、阪神・淡路大震災の被災者等に係る国税関係法律の臨時特例に関する法律案は、阪神・淡路大震災による被害が広範な地域にわたり、同時・大量・集中的に、かつ、平成六年分の所得税の申告期限前という特殊な時期に発生したこと、及び、大震災が神戸港という我が国の貿易拠点を直撃し甚大な被害を引き起こしたこと等を踏まえ、被災者等の負担の軽減を図る等のため、平成六年分の所得において大震災による住宅家財等の損失の金額を雑損控除の適用対象とする特例、また、被災者に係る関税の納期限を延長する特例等、緊急に対応すべき措置を講ずるものであります。
 次に、災害被害者に対する租税の減免、徴収猶予等に関する法律の一部を改正する法律案は、被災者を含む災害被害者の負担の軽減を図るため、所得税の減免または徴収猶予等の適用対象となる者の所得限度額を現行の六百万円から一千万円に引き上げる等の措置を講ずるものであります。
 委員会におきましては、両法律案を一括して議題とし、質疑が行われましたが、その詳細は会議録に譲ります。
 質疑を終了し、順次採決の結果、両法律案はいずれも全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、両法律案に対し、附帯決議が付されております。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
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#30
○議長(原文兵衛君) これより両案を一括して採決いたします。
 両案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#31
○議長(原文兵衛君) 総員起立と認めます。
 よって、両案は全会一報をもって可決されました。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後四時二十六分散会
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ソース: 国立国会図書館
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