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1995/02/24 第132回国会 参議院 参議院会議録情報 第132回国会 本会議 第7号
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1995/02/24 第132回国会 参議院

参議院会議録情報 第132回国会 本会議 第7号

#1
第132回国会 本会議 第7号
平成七年二月二十四日(金曜日)
   午後三時一分開議
    ━━━━━━━━━━━━━
#2
○議事日程 第七号
  平成七年二月二十四日
   午後三時開議
 第一 国務大臣の演説に関する件
 第二 千九百九十四年の国際コーヒー協定の締
  結について承認を求めるの件
 第三 千九百八十八年五月三十一日に総会にお
  いて採択された千九百二十八年十一月二十二
  日の国際博覧会に関する条約(千九百四十八
  年五月十日、千九百六十六年十一月十六日及
  び千九百七十二年十一月三十日の議定書並び
  に千九百八十二年六月二十四日の改正によっ
  て改正され及び補足されたもの)の改正の受
  諾について承認を求めるの件
 第四 大都市地域における住宅及び住宅地の供
  給の促進に関する特別措置法の一部を改正す
  る法律案(内閣提出、衆議院送付)
 第五 都市再開発法等の一部を改正する法律案
  (内閣提出、衆議院送付)
 第六 被災市街地復興特別措置法案(内閣提
  出、衆議院送付)
    ━━━━━━━━━━━━━
○本日の会議に付した案件
 一、日程第一
 一、阪神・淡路大震災に対処するための特別の
  財政援助及び助成に関する法律案(趣旨説明
  )
 一、日程第二より第六まで
     ―――――・―――――
#3
○議長(原文兵衛君) これより会議を開きます。
 日程第一 国務大臣の演説に関する件
 大蔵大臣から財政について発言を求められております。
 この際、あわせて、日程に追加して、
 阪神・淡路大震災に対処するための特別の財政援助及び助成に関する法律案について、提出者の趣旨説明を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○議長(原文兵衛君) 御異議ないと認めます。
 これより順次発言を許します。武村大蔵大臣。
   〔国務大臣武村正義君登壇、拍手〕
#5
○国務大臣(武村正義君) 今般、平成七年一月十七日に発生した阪神・淡路大震災等に対応し必要な財政措置を講ずるため、平成六年度補正予算(第2号)を提出することとなりました。この御審議をお願いするに当たり、補正予算の大要を御説明申し上げます。
 今回の阪神・淡路大震災は、阪神・淡路地域に未曾有の被害をもたらしました。ここに、改めて、亡くなられた方々と御遺族に対し深甚なる弔意を表しますとともに、被災者の方々に心からお見舞いを申し上げます。
 政府としては、今日に至るまで、被災者の救助や生活再建への支援など当面緊急を要する措置に努力してまいりましたが、今後とも被災地域の速やかな復興に向けて全力を挙げて取り組んでまいります。
 今国会に提出いたしました平成六年度補正予算(第2号)の大要について御説明を申し上げます。
 今回の補正予算につきましては、歳出面において、阪神・淡路大震災等に対応するため、当面緊急に必要となる経費を追加することとしておりますが、今回の大震災の甚大さにかんがみ、厳しい財政事情のもと、補助の特例等を特段の措置として講ずることとしております。他方、歳入面におきましては、今回の大震災により生じた被害を勘案して租税及び印紙収入の減収を見込むこととし、その他収入の増加を見込んでなお不足する歳入に対し、やむを得ざる措置として公債の追加発行を行うこととしております。
 今回の一般会計補正予算につきましては、歳出面において、災害救助等関係経費一千四百十億円、災害廃棄物処理事業費三百四十三億円、災害対応公共事業関係費六千五百九十四億円、施設等災害復旧費五百四十四億円、災害関連融資関係経費九百十三億円、その他の阪神・淡路大震災関係経費百十九億円、地方交付税交付金三百億円を計上しております。
 他方、歳入面におきましては、その他収入三百四十三億円、公債金一兆五千九百億円を計上し、合計一兆六千二百四十三億円の追加を行うとともに、租税及び印紙収入六千二十億円を修正減少しております。
 なお、公債金の増一兆五千九百億円のうち七千七百九十四億円が建設公債、八千百六億円が特例公債の発行によるものとなっております。特例公債の発行等につきましては、別途、阪神・淡路大震災に対処するための平成六年度における公債の発行の特例等に関する法律案を提出し、御審議をお願いすることとしております。
 この結果、平成六年度一般会計予算の総額は、歳入歳出とも第一次補正後予算に対し、一兆二百二十三億円増加して、七十二兆四千三百五億円となっております。
 以上の一般会計予算補正等に関連して、特別会計予算及び政府関係機関予算につきましても所要の補正を行うこととしております。
 財政投融資計画につきましては、阪神・淡路大震災等に対応するため、この補正予算において、日本開発銀行及び地方公共団体に対し総額三千七百五十億円の追加を行うこととしております。
 以上、平成六年度補正予算(第2号)の大要について御説明いたしました。
 何とぞ、関係の法律案とともに御審議の上、速やかに御賛同いただきますようお願い申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
#6
○議長(原文兵衛君) 小里国務大臣。
   〔国務大臣小里貞利君登壇、拍手〕
#7
○国務大臣(小里貞利君) 阪神・淡路大震災に対処するための特別の財政援助及び助成に関する法律案につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。
 平成七年一月十七日に発生いたしました阪神・淡路大震災は、阪神・淡路地域において未曾有の震災被害をもたらしました。
 この法律案は、阪神・淡路大震災による甚大かつ深刻な被害に緊急に対処することにより、被災地域の迅速な復興に資するため、地方公共団体等に対する特別の財政援助並びに社会保険の加入者等についての負担の軽減、中小企業者及び住宅を失った方等に対する金融上の積極的支援等、被災者への特別の助成措置を行うこととするものであります。
 以上が、この法律案を提出する理由であります。
 次に、この法律案の要旨を申し上げます。
 第一に、公共土木施設の災害復旧事業等に関し、阪神・淡路大震災による被害が発生した兵庫県及び政令で定める市町村について、激甚災害に対処するための特別の財政援助等に関する法律に規定する特定地方公共団体とみなす特例を設けております。
 第二に、阪神・淡路大震災による被害の実情等を踏まえ、特段の財政援助が必要な施設の災害復旧事業について国が補助等を行うこととしております。なお、補助率については、現在、激甚災害に対処するための特別の財政援助等に関する法律において対象とされている施設の補助率との均衡を踏まえ、さらに特段の配慮をして設定しております。
 具体的には、交通安全施設、水道、一般廃棄物の処理施設、工業用水道施設、改良住宅及び都市施設等については十分の八の補助を、警察施設、公立病院、公立火葬場、公立屠畜場、公立及び社会福祉法人設置の社会福祉施設、中央卸売市場並びに消防施設については三分の二の補助を、政令で定める民間病院及び商店街振興組合等の共同施設については二分の一の補助を、神戸港指定法人が管理する施設については補助及び無利子融資を行うこととしております。
 第三に、社会保険の加入者等についての負担の軽減については、医療保険等において一部負担金及び保険料の免除等を行うこととしております。
 第四に、中小企業者及び住宅を失った方等に対する金融上の支援については、中小企業信用保険のてん補率の引き上げ、無担保・無保証人保険の別枠の設定、中小企業近代化資金の新規借入金に係る償還期間の延長、商工組合中央金庫の中小企業者への貸付限度額の引き上げ、住宅金融公庫における災害復興貸し付けの据置期間の延長等の措置を講ずることとしております。
 その他にも、就職内定者を雇用安定事業等の対象とするとともに、船員保険における失業保険金等の支給の特例措置を実施し、さらに、平成六年度に加え平成七年度にも歳入欠陥等債の発行を可能とするなど、幅広い特別の措置を講ずることとしております。
 以上が、阪神・淡路大震災に対処するための特別の財政援助及び助成に関する法律案の趣旨でございます。(拍手)
    ―――――――――――――
#8
○議長(原文兵衛君) ただいまの演説及び趣旨説明に対し、質疑の通告がございます。順次発言を許します。片上公人君。
   〔片上公人君登壇、拍手〕
#9
○片上公人君 私は、平成会を代表し、平成六年度阪神・淡路大震災関連補正予算案並びに村山内閣の政治姿勢について、今国民のだれもが疑問に感じていることを率直にお伺いしたいと思います。
 村山内閣は、マスコミや国民の間から自社さきがけ連立政権のあり方に批判が集中し、多くの疑問が投げかけられてまいりました。政府の大震災への対応ぶりや行政改革への取り組み方を見ると、国民の見る目がいかに正しいものであったか証明されたと言わざるを得ません。もちろん、多くの国民が深い失望と怒りを政府に向けております。
 さらに、大地震の直後に地元対策に専念するために我々が十日間の政治休戦を提案したにもかかわらず、総理はこれを拒否されましたが、今日顧みて、果たしてそれでも現地への対応は十分できたとあなたは胸を張って言えますか。総理、その責任の所在を明らかにしていただきたい。
 総理は、行政改革に内閣の命運がかかっていると発言したが、その中で特殊法人の改革についてはかけ声とは裏腹にどれも形式的な数合わせに終始しました。特に、改革に一番熱心かと思われていた大蔵大臣所管の法人については、日本輸出入銀行と日本開発銀行の整理統廃合案が打ち上げ花火のように幾つか示されたにもかかわらず、検討もせず先送りしているではありませんか。こんないいかげんなことで改革は本当に可能なのか。
 一昨日の衆議院予算委員会においても、大蔵大臣は所管が省庁間にまたがっているやの弁明をしておりましたが、これこそ本末転倒の論理であります。まさに、そのような不効率な省庁の縄張れ争いこそ真っ先に改革すべきであります。
 我々は、さきに特殊法人の整理統廃合に限らず中央省庁の再編、公務員定数の純減まで盛り込んだ改革案を提示いたしましたが、総理、ここまで踏み込んで実行をするつもりはあるのか、この際明確にお答えをいただきたい。
 加えて、金融にまつわるゆゆしきスキャンダルが噴出しておりますが、これは政権の末期的症状のあらわれであります。乱脈経営によって倒産した二つの信用組合を何ゆえに国民の血税という公的資金によって救済しなければならないのか。そこまでする大義名分は一体どこにあるのか。地震という大災害によって財産を失っても国はその補償をしないのに、乱脈経営で倒産すれば救済するのか。事の真相を国民の前にぜひ明らかにしていただきたい。
 次に、平成六年度第二次補正予算案についてであります。
 財源については、安易に公債発行に頼っただけのものと言わざるを得ません。そのような安易さが与党内部から増税容認発言を生み、国民の間に不安感、不信感として広がっております。
 総理、これは景気にも反映します。このような不信感を払拭するためには、総理の口から増税は絶対にいたしませんという公約をいただきたいと思うのであります。国民の前で約束できますか、はっきりと答弁をいただきたいと思います。
 財源について今大事なことは、国民が期待感、安心感を抱ける骨太な対応策を国が示すことであります。そうした観点から、私は、政府が昨年十月に決定した公共投資基本計画六百三十兆円の中の弾力枠三十兆円を震災対策費として充てる方針を今明確に決定すべきと考えます。総理の見解を伺いたい。
 また、当面の具体策として、例えばNTT株やJT株に転換を認める国債、いわゆるバラデュール・ボンドの日本版を発行すること、さらにODA資金の見直し、また特殊法人の統廃合による補助金の削減など真剣に検討すべきと考えますが、いかがですか。
 このまま財源捻出の努力もせずに、震災前に編成された七年度予算を成立させ、新たに復興対策補正予算を追加するようなことをすれば、国民の政治不信はさらに増幅することは必定です。予算の優先順位を見直すことによって不要不急の経費を節減し、もって復興財源に充てるという、我々がさきに提案した予算の組み替えを行うことこそ政治の信頼を取り戻す最善の方策であり、責任ある政治ではないですか。総理の御所見を伺います。
 次に、中小零細企業対策について伺います。
 神戸の地場産業として有名なケミカル産業の場合、組み立て工場だけの再建では生産は再開されません。素材の着色、裁断、縫製など各工程が細かく零細事業者に分業化されております。これらが一挙に立ち上がらなければ商品生産はできないのであります。ところが、これら実際に生産の大半を担う中小零細事業者には救済の手が届いていない。無担保・無保証の融資といいましても、信用保証協会の審査が厳しく、資金が回らないのであります。
 そこで、融資利率のさらなる軽減と融資枠の拡大とともに、本来、直接融資を受けにくい零細事業者にも資金が回るように抜本策を講ずるべきであります。明確な答弁を求めます。
 次に、激甚災害法の対象施設の追加について伺います。
 今回限りの特別措置として、国の補助率をかさ上げする対象に水道施設、交通安全施設、一般廃棄物施設、都市排水施設などが挙げられております。どれも住民や都市活動にとってかけがえのない重要性、公共性があり、極めて大切な施設であることは言うまでもありません。一方、既存の激甚法の対象とされている施設には河川、道路、下水道等がありますが、両者のグループには何ら違いがないのであり、同じ扱いをすべきであります。
 したがって、補助率をかさ上げする等の一回限りの特別措置とすべきではなく、これを機会に、激甚法の対象施設として追加し恒久化することを提案するものであります。この提案に対する総理のお考えを伺います。
 私は、「二〇〇X年遷都の日」という本の中で、東京一極集中を危惧し、またその周辺都市の災害による危険性をも懸念し、首都機能移転の必要性を提言しましたが、今回の阪神・淡路大震災は都市型地震災事の危険性をまざまざと見せつけました。政府は平成四年、国会移転法を成立させ、首都機能の移転について検討されていますが、今こそ直下型地震の教訓を生かし、早急に実現すべきではありませんか。総理の御見解を伺いたいと思います。
 次に、被災された方々への対策についてお尋ねいたします。
 被災以来、私の地元では、関係者の数々の努力にもかかわらず、いまだガス、水道がとまっており、入浴すら満足にできない多くの方々がいます。なかんずく、あの地震発生直後、自力で、あるいはボランティアの手を借りて避難所にたどり着いたお年寄りや障害者の方々が実に過酷な環境に置かれております。避難当初の健康すら維持できずに、インフルエンザや脱水症状による衰弱が目立っており、中でも、夜間のトイレを気兼ねして飲食を細め日増しに弱っていくお年寄りの方々、これは何も別世界の話ではございません。総理、今回じこの日本で進行しておる現実でございます。せっかく救済されながら、避難所生活の中で亡くなられた方が出ていると聞いております。
 総理はでき得る限りの支援をと何度も口にいたしましたが、これまで一体何をやってこられたのか。被災地では再び人災との批判が渦巻いております。高齢者や障害者、あるいは慢性疾患の患者、乳幼児など、弱者すべてに多様なニーズに合わせた快適な環境を即刻提供すべく総合的な対策を講ずることは至極当然ではありませんか。これ以上無為無策を続けるならば、明らかに人災と言わざるを得ません。総理、この責任は一体どうとるおつもりなのか、明らかにされたい。
 また、お年寄りや障害者の中には、避難所や仮設住宅へ移動したものの、なれない生活で不眠や精神不安になり、「壊れとっても構へんから今住んどるところがええ。ここで死んでも構へん。」と壊れた家に住み続ける人も大勢いらっしゃいます。こうした半壊住宅を修理する資力がない人のためにある災害救助法の住宅応急修理制度の適用条件を緩和し、思い切った運用を図るべきではないかと思います。総理の決断を求めたい。
 避難生活の長期化に伴い、被災者の方々の心のケアが緊急の課題となっております。既に現地では、悪夢や幻覚など震災の恐怖が繰り返し被災者を襲うなどのDSD、すなわち災害ストレス症が懸念されております。米国ではこうした対策として、組織的に被災者の心理的なサポートを行う体制があり、ロサンゼルス大地震の際には心のケア対策に大変力を注いだと聞いておりますが、我が国も早急に心のケア対策に万全を期するべきであります。
 また、今回の大震災は、被災地の未来を担う子供たちにもさらに深刻な影を落としています。阪神・淡路地域の教育現場におけるスクールカウンセラーの集中的な配置を図るべきであります。DSD対策とあわせ政府の取り組みを明らかにされたい。
 総理、人にやさしいとは、みずからに最も厳しいことを課し、かつ実行する人のみにその言葉を使う資格が与えられるのであります。あなたが後世にその名を残すことができるか、それとも何ら指導力も発揮できず、決断もできなかった、国民を見捨てた総理として語り継がれるか、その帰趨はまさにあなたの胸三寸にあることを申し上げ、私の質問を終わります。(拍手)
   〔国務大臣村山富市君登壇、拍手〕
#10
○国務大臣(村山富市君) 片上議員の御質問にお答えをいたしたいと思います。
 今回の地震発生直後、国会が開催されたわけでありますが、今お話もございましたように、政治休戦の提案がございました。私は、そのお話を承りながら、国会の皆さんと震災対策について議論をする中から必要な政策を講じていく、政府と国会が一体となって被災者の救援対策に万全を期していくということこそがむしろ必要ではないか、こういうふうに考えたわけでございます。
 この間、非常災害対策本部に加えまして、総合的な対策を講ずるため、全閣僚をメンバーとする緊急対策本部や被災者のニーズを施策に反映させるため現地対策本部を設置するとともに、専任大臣を任命するなどいたしてまいりまして、全力を挙げて取り組んで、きたつもりでございます。
 今後は、災害に強い町づくりを念頭に置いて、被災地の復旧、復興に全力を挙げて取り組むことが私に課せられた最大の責任であると考えていることを申し上げておきたいと思います。
 次に、特殊法人についてお尋ねがございましたが、御案内のように、第三次行革審に基づきまして細川内閣のときに決定をされましたが、その決定を一年間前倒しをして実行しようと、こう私どもは決意をしたわけでございます。
 その決意に立ちまして、すべての法人の事業の合理化、効率化を実施し、さらに十四の法人を七法人に統合し、五つの法人について廃止、民営化等を行うとともに、財務内容を積極的に公開する等の改革を、本日、閣議決定をいたしたところでございます。また、政府系金融機関の見直しにつきましても、年度内に結論を得るべく今最大限の努力をいたしておるところでございます。
 特殊法人の整理合理化の閣議決定は昭和六十年以来十年ぶりのことでございまして、私は、各大臣がそれぞれが所管をする事項については真剣に取り組んでやっていただいたと確信を持って申し上げたいと考えています。
 今後とも、これを着実に実施していくとともに、規制緩和、地方分権など各般の行政改革の課題に積極的に取り組んでまいりたいと考えていることを申し上げておきたいと思います。
 次に、社会経済情勢の変化に対応して簡素にして効率的である政府を実現することは重要な課題であると、私どもは認識をいたしております。
 このため、中央省庁などの行政組織につきましては、地方分権との関連や規制緩和の推進状況も十分に念頭に置きながら、引き続き不断に見直しを進めてまいるべき課題であると考えております。また、国家公務員の定員につきましては、第八次定員削減計画に基づきまして定員削減を着実に実施するとともに、増員を厳に抑制し、総数の縮減を図ってまいる考えでございます。
 次に、東京協和信組と安全信組の問題についてお尋ねでございましたが、両信用組合の乱脈経営の実態を解明することはぜひやらなければならない大事なことだと考えております。
 その一方で、現在の我が国の経済・金融情勢のもとでは、倒産による預金保険金の支払いという事態によって預金や金融機関に対する国民の信頼を失うことはぜひとも避ける必要があるという観点から、今回の処理策は、東京都、日銀、大蔵省が合意によって取りまとめられたものでございます。
 次に、二次補正の財源に関連をして、いわゆるバラデュール・ボンドなど幾つかの御提案とともにお尋ねがございましたが、今回の補正予算におきましては、阪神・淡路大震災に対応するためやむを得ず公債の発行を行った次第でございます。
 復旧のための財源につきましては、いかなる形であれ、いずれは国民の皆様に支えていただかざるを得ないものでございますが、その具体的な方法につきましては、歳出歳入両面にわたり、国民各層の御意見や国会での御論議を十分踏まえながら、今後とも幅広い観点から検討し考えていかなければならない問題であると考えております。
 次に、七年度当初予算の組み替えについてでございますが、この平成七年度予算は政府として最大限努力を傾け編成したものでございまして、歳出の根源にまでさかのぼって洗い直し優先順位を決めたものでございます。歳出の削減による財源の捻出につきましては、にわかに結論が得られるものではないと考えております。なお、復旧、復興につきましては責任を持って対応してまいる所存でございます。
 次に、被災地の中小零細企業向けの融資については、事業再開に要する資金の円滑な供給を図るため、従来の激甚災害の場合をさらに下回る融資利率の実現や低利融資枠の拡大、さらには無担保・無保証人保険の拡充など、思い切った措置を講じたところでございます。今後とも、被災中小企業者の実情を注視しながら、適時適切な対応を行ってまいりたいと考えているところでございます。
 次に、今回の水道施設等への特別措置は、阪神・淡路大震災において未曾有の被害が生じたことにかんがみまして、これに緊急に対処する必要があることから特別立法という形で実施することとなったものでございます。一方、これらの施設の激甚災害法への追加につきましては、激甚災害法の体系やこれまでの災害における措置とのバランス等を勘案すると、慎重に対応することが必要であると考えているところでございます。
 次に、国会等の首都機能の移転につきましては、国会等移転調査会においてその具体化に向けた調査、審議が鋭意進められているところでございますが、地震等の大規模災害への対応力を強化する上でも積極的に検討を進めることが緊要であると認識をいたしております。今回の地震における教訓をも踏まえまして、引き続き内閣の重要課題の一つとして推進をしてまいる所存でございます。
 避難生活の改善につきましては、これまでも国と地方自治体が一体となって、いわゆる弱者の方々を念頭に置きながら、医療体制の確保、畳・暖房器具等の配備、仮設ぶろの設置など、関係者の不眠不休の努力によってできる限りの対策を講じてきたところでございます。しかし、御指摘もございましたように、私も、この集団で避難生活をされておる現状というのはあらゆる意味でもう限界に達しているんではないかというふうに思われる前もございまするので、今後とも、食事の提供状況等の生活実態を踏まえながら、きめ細かな生活環境の改善に万全を期してまいりたいと考えているところでございます。
 住宅の応急修理につきましては、災害救助法の応急修理の基本原則を踏まえながら、必要なケースについては適切に対応するよう地元自治体を指導してまいりたいと考えているところでございます。
 災害体験は被災者の心身の健康に大きな影響を及ぼすものと心配しているところでございます。このため、これまで精神科救護所の設置や巡回相談の実施などを行ってきたところでございますが、今後とも、地域の専門家等の協力のもとに、被災者の心の健康対策の充実にさらに努力をしてまいる所存でございます。
 スクールカウンセラーについてお尋ねがございましたが、被災児童生徒に対する心のケアは重要であり、文部省においては、カウンセリングの専門家の協力をいただきまして、学校における心の健康相談活動が十分実施されるよう指導いたしているところでございます。今後とも、兵庫県教育委員会とも相談をしながら、医師会などの協力もいただいて、カウンセラーなどの専門家の活用に一層努めてまいる所存でございます。
 最後に、私といたしましては、今回の経験に照らしまして、見直すべき点は率直に見直しながら、また、私みずからが先頭に立って引き続き被災者の救援策と復旧・復興対策の推進に全力を挙げてまいる決意でございます。これに全力を尽くすことこそが私に与えられた使命であると改めて強く申し上げておきたいと存じます。
 以下の質問につきましては、関係大臣から答弁をさせます。(拍手)
#11
○議長(原文兵衛君) ただいま理事が協議中でございますしばらくお待ちください。
    ―――――――――――――
#12
○議長(原文兵衛君) 池田治君。
   〔池田治君登壇、拍手〕
#13
○池田治君 私は、新緑風会を代表いたしまして、平成六年度第二次補正予算に関する財政演説及び関連する法案に対しまして、瓦れきの山と化しました阪神・淡路地区の再生と復興を願いつつ、総理及び関係大臣に質問を行います。
 阪神・淡路大震災が発生してからはや一カ月が経過いたしましたが、いまだに体育館や公民館などに二十数万人を超す地域住民の方々が避難生活をされておられます。
 地震発生とほぼ同じころ、ヨーロッパでは大洪水に見舞われ、オランダで二十五万人の避難者が出たと報じられております。台風など風水害と地震とでは災害の態様が異なるとはいえ、神戸とオランダの間では大きな差があることが目につきます。あちらでは整然とベッドが並び、仕切りのカーテンもついたプライバシー保護などに配慮したものとなっているのに感心しております。
 我が国は世界第二位の経済大国、また世界有数の海外資産保有国としての地位を占めておりますが、神戸とオランダの状況を比べ、対応の相違を思い知らされ、経済大国とは一体何なのか、何をもって言うのか、この意味を改めて考えるときが来ていると痛感いたしております。
 これまでの防災対策は、災害を防止するための施策を中心に進められていたと思うのでありますが、一方で、今回の大震災は、人間は自然に対しては無力であるということも如実に示しました。被災規模を限りなく小さくすることの努力は当然のことでございますが、災害に遭った後の対応、初期の対応のみなうず、中長期を含めて迅速に高度な施策が実施できるよう体制を築き上げる必要があると思うのでありますが、これについて総理の御所見を求めます。
 次に、第二次補正予算の内容について具体的にお伺いいたします。
 補正予算の歳出は一兆二百二十三億円、その財源は国債を発行して確保することになっております。この中にはいわゆる赤字国債が八千百六億円も含まれており、今次の臨時緊急の措置としては理解するものの、国債残高が平成七年度末には二百十二兆円に達しようとしております。さきに伺った大蔵大臣の平成七年度予算の財政演説では、赤字国債を発行しないようにするための財政上のやりくりを述べておられましたが、こうしたやりくりによるいわゆる隠れ借金がおよそ四十一兆五千億円もあるなどして、構造的に深刻な財政状況にあると認識しております。そして、これらは、国債という形で表面にあらわれているかどうかの違いはありますが、いずれも国の借金であり後世代の負担になるものでございます。
 総理、あなたはこうした財政の現況をどのように認識しておられるのかをお伺いいたします。
 次に、大震災の財源手当てについて伺います。
 財政制度審議会や総理の私的諮問機関である二一会の提言や意見、また近年の赤字国債の財源手当ての経緯を見ますと、赤字国債の累積をとめるためにどのような方法をとればよいかということに苦慮しておられますが、マスコミの報じるところによりますと、総理は消費税率の引き上げをしないと述べておられます。赤字国債の財源手当てはどのような方針で当たられるのでしょうか。今般の災害の復旧に係る負担は現世代で行うのか、あるいは将来の世代にも負担してもらうのかで赤字国債の償還年限を変えることになりますが、総理のお考えはどのようなものかお伺いいたします。
 次に、平成七年度における災害関連に伴う赤字国債発行の可能性についてでございますが、今回の補正予算で、建設国債で対応できない災害弔慰金、仮設住宅、災害廃棄物処理事業などの経費はこの補正予算案でおおむお解決できるのでしょうか。もし解決するのであれば平成七年度は赤字国債に頼らなくても済むということになりますか、この見通しについては、大蔵大臣、いかがでしょうか、お伺いいたします。
 さらに、今回、国民金融公庫、住宅金融公庫等政府系金融機関におきましては、被災者の方々に対して低利融資を行うこととしておりますが、民間金融機関に対する支援策についてはどのようにお考えになっておられるのでしょうか。被災者の中には、既存の住宅ローンを抱えながら、将来の住宅の手当てをどのようにしたらよいのか思案に暮れている方々がたくさんおられます。
 政府は、一貫して民間の住宅ローンについて免除することはできないとの姿勢を崩しておられませんが、ならば、これらの民間金融機関に対して補助なり手当てなりをすることはできないのでしょうか。被災者の住宅ローンはバブルのときに生じた不良債権とは異なるものであることをいま一度認識され、民間金融機関の抱える住宅ローンについて援助をする考えはないか、重ねて大蔵大臣の答弁を求めます。
 次に、国におきましては、阪神・淡路大震災財。政援助法案で公共土木、公共施設、社会福祉法人の社会福祉施設、さらには民間施設など多方面にわたって補助率の引き上げが行われ、また地方税の減免を行う場合には歳入欠陥債の対象とすることとしております。さらに進んで、平成六年度分の地方交付税総額の特例法案で三百億円の加算等をして、被災地域の地方公共団体に対し復旧・復興対策経費の手当てをしておられますが、今回の補正関連による裏負担分あるいは地方公共団体の単独事業等の財源手当てはどのようになるのか、それの交付税措置はどのようになるのかを自治大臣にお伺いいたします。
 次に、災害復旧・復興対策が景気に対する影響の点でございます。
 当面、物流や生産にマイナス、その後は復興需要による景気浮揚効果が生じ、景気の落ち込みはこれ以上進まないとする見解がございます。他方では、住宅建設などに関係する区画整理等における所有権や賃借権等の権利の調整に手間取って、今後三年程度は景気にマイナスの作用が働くのではないかという見方もございます。
 政府において景気の動向に十分注意を払うことは当然でございますが、この際、日本経済の体質を改めるため、災害に強い経済システムに向けた改革に必要な行政改革や規制緩和を積極的に進めるとともに、耐震性の高い生活・産業の基盤構築に対する金融・税制上の措置もあわせて考える必要があると思われますが、大蔵大臣の御所見をお伺いいたします。
 復旧事業が進んでくるに従って、仮設住宅や道路、岸壁の補修向けなど緊急性の高い資材では、関係業界からの引き合いが急増しております。これらの資材では流通段階で買い占める行為も見られており、じわじわと値が上がり始めていると聞いております。経済企画庁や通産省等で物価の動向について監視を強めているとは思いますが、災害などの非常時を想定して物資の買い占めや便乗値上げを禁じた国民生活安定緊急措置法の適用の用意もしておくべきだと考えますが、経企庁長官の御見解を承りたいと思うのであります。
 以上、総理を初め関係国務大臣に幾つかの質問をいたしました。
 今回の震災で住民の多くは、いざというときに役立たない役所、そして国だと言っております。国家、国民の間に信頼関係が築かれない国家、国民も不幸であります。これを回復するには、政治において国民が住んでいてよかった日本と実感できる国家にする努力をする必要があると思います。この意味で、平成七年度予算においては、大幅な既定経費の組み替えを含め、災害対策の充実を図られることを強く要望して、私の質問を終わります。(拍手)
   〔国務大臣村山富市君登壇、拍手〕
#14
○国務大臣(村山富市君) 池田議員の質問にお答えを申し上げたいと思います。
 我が国は災害に見舞われやすい条件下にあることから、災害に強い国土づくりに努める一方、災害応急対策や生活再建のための被災者支援、地域の復興のための対策の充実を図るなど、総合的な災害対策を推進してきたところでございます。
 しかしながら、避難所につきましては、今回の経験を踏まえ、御指摘のございました外国の例等も参考にしながら、被災者の方々の要望、健康状態やプライバシーにも配慮しながら住環境の整備を図ってまいる所存でございますが、今後の防災計画の中で検討されなきゃならない大きな課題であると考えておるところでございます。
 国家財政についての認識に関するお尋ねでありますが、我が国財政は、御指摘もございましたように、巨額の国債残高を抱えるなど一段と深刻さを増すに至っておるということについては、十分認識をいたしておるところでございます。
 このような状況を踏まえながら、健全な財政体質を確保していくということは、財政運営の基本的方向に沿って、今後ともあらゆる経費について制度の根本にまでさかのぼった見直しや施策の優先順位の厳しい選択を行うなど、一層努力を払ってまいらなければならないと考えておるところでございます。
 今般の震災対策のための特例公債の償還負担のあり方についてお尋ねがございました。
 巨額の公債残高を抱えている厳しい財政事情や、世代間の負担の公平を十分勘案しながら考えていかなければならない問題であると存じます。国会での御論議を踏まえながら、国民の御理解を求めつつ幅広い見地から検討してまいらなければならない課題であると考えているところでございます。
 七年度予算の組み替えについてのお尋ねがございましたが、復旧や復興のための財政需要をある程度見きわめた上で七年度当初予算を修正するためには、相応の時間を要するものと考えられます。
 今、御審議をいただいておりまする七年度予算の修正という問題につきましては、予算に盛り込まれた各般の緊要な施策に係る支出もおくれざるを得ないと思いまするし、また、景気全体に対する影響等から考えてまいりましても望ましいことではないと考えておりますので、この点につきましては御理解をいただけるものと存じます。
 いずれにいたしましても、今後とも震災への財政需要につきましては、財源の問題も含め適時適切に対応してまいりたいと考えているところでございます。
 残余のことにつきましては、関係大臣から答弁をさせます。(拍手)
   〔国務大臣武村正義君登壇、拍手〕
#15
○国務大臣(武村正義君) 今回の補正予算に計上されております災害弔慰金、仮設住宅、災害廃棄物処理事業などの経費は、原則として平成六年度中の財政需要に対応するものであります。当然のことながら、平成七年度以降の仮設住宅等の財政需要については、その対応を完了しているわけではございません。
 いずれにせよ、阪神・淡路大震災に関しては、これから本格的な復旧・復興対策に取り組んでいこうとするやさきでございますし、これに要する費用についても具体的なことを今数字で申し上げる段階ではありませんが、今後どのような経費がどのくらい必要であるかが明らかになってくるのとあわせながら、その具体的な費用負担のあり方についてもあらゆる可能牲について真剣に検討をしていかなければならないと考えます。
 次に、民間金融機関の住宅資金貸し付けについては、そもそも第一義的には個々の民間金融機関の自主的な経営判断によって行われるべきであると考えます。財政資金を用いた政府による政策金融につきましては、政府系金融機関を通じて行われることが基本ではないかと考えます。政府としましては、一刻も早い復旧に向けて被害の実態に対応し、適切かつ迅速な対応をとるべく今後とも最善を尽くしてまいります。
 次に、金融・税制上の対応としましては、先般、既に種々の低利融資制度の創設や実施等とともに、所得税における緊急対応について措置をいたしたところでございます。さらに、税制上の仕組みの中で今後いかなる対応が適切かつ可能かどうかについては、地震災害の状況、各方面での取り組みの状況等を踏まえながら、現在、鋭意検討を進めているところでございます。
 ただ、御指摘のような防災対策の充実といった観点からの措置につきましては、今回の震災を契機として今後各分野を通じた災害対策の検討が行われることと考えます。そのような総合的な災害対策の中で検討を行ってまいりたいと存じます。(拍手)
   〔国務大臣野中広務君登壇、拍手〕
#16
○国務大臣(野中広務君) 池田議員の御質問にお答えいたします。
 今回の阪神・淡路大震災に対処するための第二次補正予算によります国庫補助事業の地方負担や必要な単独事業につきましては、原則として可能なものは地方債を充当いたしたいと存じております。なお、必要となります地方一般財源につきましても、特別交付税の配分を通じて措置を行い、被災地方公共団体の円滑な事業の執行を確保してまいります。
 また、発行いたします地方債の元利償還金につきましては、事業の性格等に応じまして適切な交付税措置を行うなどにより、被災地方公共団体の財政運営に支障の生じることのないよう対処してまいる所存であります。(拍手)
   〔国務大臣高村正彦君登壇、拍手〕
#17
○国務大臣(高村正彦君) 建設資材については、総じて価格は安定しております。したがって、現時点では国民生活安定緊急措置法の発動は考えておりません。今後とも、建設資材の需給・価格動向について調査、監視を強化するとともに、情報提供に努める等、適切な対応を図ってまいります。(拍手)
    ―――――――――――――
#18
○議長(原文兵衛君) 橋本敦君。
   〔橋本敦君登壇、拍手〕
#19
○橋本敦君 私は、日本共産党を代表して、政府の財政演説等に関し、総理に質問いたします。
 阪神・淡路大震災は、戦後最悪の大惨事となりました。一カ月を過ぎた今も、二十万人を超える被災者は依然として暖房も温かい食事も入浴もままならず、プライバシーもない厳しい避難所生活を余儀なくされています。果たしてこの状態がいつまで続くのか、人々のストレスと疲労はもはや限界に来ています。そのため、被災者への救援の規模とスピードを今回の甚大な被害の実態に即応したものに引き上げることは、国政の緊急かつ最大の任務となっています。
 まず、人間らしい家庭生活を最低限取り戻すために何よりも今急がれるのは、仮設住宅の大量建設であります。倒壊・焼失家屋が十五万戸にも及ぶという状況のもとで、仮設住宅には九万戸の申し込みが殺到しました。それにもかかわらず、政府はいまだに三月末までに三万戸、四月にわずか一万戸ふやすというのみであります。これでは希望者全員が入居するなど到底できないではありませんか。
 高齢者や公害患者の皆さん、障害者など社会的弱者と言われる皆さんを優先して入居していただくのは当然ですが、それさえ抽せんで、これに外れた多くの人々が不安と途方に暮れています。また、長年住みなれた土地の近くで暮らしたいという被災者の心情と要求は切実かつ当然のものであり、仮設住宅の建設についてもこの住民の要求は十分尊重すべきであります。
 総理、これほどに深刻な事態の根本的打開のためには、直ちに十万戸程度の思い切った建設計画を立てる、希望する被災者のすべてがいつまでに身近などこの仮設住宅に入居できるのか、それを自治体の責任とするのでなく、被災者すべてに明確な展望と希望を与えるべきであります。これはまさに政府の責任ではありませんか。
 次に、食事の問題でありますが、長引く避難所生活の中で、被災者、特に老人や子供たちにとって栄養の摂取は健康を保持する差し迫った問題となっています。にもかかわらず、一日わずか八百五十円の基準は本補正予算でも何ら改善されていません。それが総理の言う「人にやさしい政治」なのでしょうか。国は自治体任せにせず、みずからの責任で特別基準を設定し、少なくとも最低千三百円以上に直ちに改善すべきであります。総理の責任ある答弁を求めます。
 第二は、被災者の生活再建であります。
 被災地では、我が家を一瞬にして失い途方に暮れている人々、工場や店が倒壊しあすの暮らしのめどが立たない人々など、深刻な状況がいまだに放置されています。一瞬にしてすべてを失った廃墟の中で、どうやって生活や営業の再建に乗り出せるのか、それには国の積極的な援助が必要であります。そのため我が党は早くから、国が被災者への家屋、財産の個人補償に踏み出すことを強く要求しております。
 政府は、生活再建は自立自助と言いますが、そもそも震災がこれほど大規模になったことについては、安全神話に流され地震観測や消防力整備などの防災対策を怠ってきた国の責任も重大ではありませんか。
 大阪市議会でも、個人補償の制度化を求める意見書を全会一致で議決しています。また、今回の大震災に当たって全国からこれまでに一千億円を超える義援金と無数の国民の善意が寄せられており、個人補償に対する国民的な合意は得られると確信します。問題は総理の決断にかかっています。いかがですか、総理、明確にお答えいただきたいのであります。
 第三に、復興事業の財源対策であります。
 阪神大震災は、国民にとって真の安全保障とは何かという政治の根本問題と、それにふさわしい予算のあり方を厳しく問うものとなりました。緊急対策と復興、地震に強い国土づくりを進めるために、財源問題でも我が党が要求したような不要不急の経費の削減などを含め、九五年度本予算の抜本的組み替えをなすべきであります。
 その組み替えの第一は、既に世界第二位の規模となり、来年度も増額されて四兆七千億円にも達する軍事費を半減することであります。
 安全保障というなら、地震国この日本で、国民の命と財産を震災から守ること以上に大きな政治の任務はありません。そのため、戦闘機や戦車を初め不要の正面装備費の削減は当然であります。例えば、戦車二十両を削るだけでも消防ポンプ車が四千五百台もふやせるのです。さらに、米国防総省の東アジア戦略報告草案では、前方配備の米軍部隊は米本国に置くより日本に置く方が安上がりであるとまで言っているではありませんか。このように、世界でも突出している米軍駐留経費の負担二千七百億円もの米軍への思いやり予算は、今こそ思い切って削減すべきであります。
 総理、日米安保条約を堅持するというあなたは、そのゆえにこの軍事費については一切手がつけられないのですか。はっきりお答えください。
 第二は、年間五十二兆円に上る公共投資を抜本的に見直し、その財源も震災復興と全国的な防災対策の事業に優先的に振り向ける組み替えてあります。
 巨大プロジェクトのうち、東京臨海副都心開発、大阪ベイエリア開発、長良川河口堰を初め不要不急の事業は中止すべきであります。また、新幹線、高速道路工事を初め公共建築物について、震度七以上の直下型地震にも耐えられるよう直ちに総合的な安全基準の見直しをなすべきであります。そして、安全性が保障されるまでは工事の拡大延長はやめ、その予算は既存の施設の抜本的な耐震補強工事のために充てるべきであります。
 また、建設省の公共工事評価委員会がアメリカに比べて三割も高いという公共事業費にも抜本的にメスを入れて、予定価格の適正化を進めることによっても数兆円規模の財源が可能ではありませんか。
 第三は、政党助成金についてであります。
 被災者が言葉に尽くせない苦難を負わされているときに、政党が国から三百九億円という巨額の政治資金の助成を受けることなど許されるでしょうか。我が党は、憲法違反の政党助成金を受け取らない態度を既に明らかにしています。総理は、この助成金の返上について、政党が決めることであるなどと逃げた答弁をするのではなく、みずから進んでイニシアチブをとり、政府の責任で予算上これを全額カットし、災害対策に充てるべきであると思いますが、いかがですか。
 次に、本補正予算では財源の多くを赤字国債に求めていますが、これはあくまでも臨時緊急の一時的なものにとどめるために、九五年度本予算の本格的組み替えで補てん措置をとるべきであります。
 政府は、組み替えには時間がないなどと、こう言いますが、このような政府の姿勢は、国民の命と安全を守るという今問われている政治の根本的責任に背を向けるものと言わねばなりません。九五年度本予算は大震災の前に編成されたもので、戦後これほど最大の震災が起き、その救援と対策が政治の最大の任務となった以上、それに対応できるよう抜本的に組み替えることは当然政府の責務であると言わねばなりません。
 ましてや、以上指摘した予算の抜本的組み替えによる不要不急の経費削減もせず、大震災の復興を口実にして将来国民に増税を強いることなどは断じて許されないと思いますが、総理、いかがですか。このことを厳しく指摘するものであります。
 日本共産党は、被災者の救済と被災地の復興、国民の命と安全を守る国づくりのために、引き続き全力を挙げることを表明して質問を終わります。(拍手)
   〔国務大臣村山富市君登壇、拍手〕
#20
○国務大臣(村山富市君) 橋本議員の質問にお答えを申し上げたいと思います。
 応急仮設住宅の設置計画についてお尋ねでございますが、兵庫県と協議の上、必要とされた四万戸の設置計画を立て、現在までに約三万戸を発注し、三月中の完成を目指し最大限の努力を傾注いたしているところでございます。
 その後の追加戸数につきましては、地元自治体において必要性を的確に把握していただき、それに基づき兵庫県と十分協議をし、必要量の確保を図れるよう今後とも積極的に努力してまいりたいと考えていることを申し上げておきたいと思います。
 避難所の食事についてお尋ねがございましたが、去る十三日及び二十一日、厚生省から兵庫県を通じまして栄養面等に配慮した適切な食事の提供が行われるよう重ねて要請したところでございますが、これらの現状を踏まえまして地元自治体に取り組んでいただき、特別基準の設定も含め適切に対処してまいりたいと考えていることを申し上げておきたいと存じます。
 被災者に対する資金援助の問題でありますが、自然災害により個人が被害を受けた場合には自助努力による回復が原則であります。しかしながら、政府といたしましては、被災者の実情に配慮した支援措置を幅広くかつきめ細かく実施し、さらに特別立法によりこれを一層拡充いたしまして、一日も早く被災者の生活再建が実現されるよう努力いたしているところでございますので、御理解をいただきたいと存じます。
 平成七年度防衛予算関係についてお尋ねがありましたが、予算は一段と深刻さを増している財政事情等を踏まえ、昭和三十五年度以来の低い伸び率にとどまる中、例えば御指摘の正面経費も圧縮するなど、各種の経費の削減、圧縮を図ることにより極めて抑制してきたものとなっていることは御案内のとおりであります。
 また、我が国といたしましては日米安保体制の効果的運用を確保するため、在日米軍駐留経費負担につきましては、自主的にできる限りの努力を払ってきているところでございます。このような経費負担は、米軍の我が国におけるプレゼンスを支える大きな柱であって、現在の良好な日米関係の維持にとり重要な要素となっていることは御案内のとおりであります。したがって、かかる防衛関係費を削減する考えはございません。
 公共事業の拡張等を見直し、予算組み替えをとの点についてでございますが、平成七年度予算は、政府として、先ほども申し上げましたように、最大限の努力を傾けて編成し提出したものでございます。歳出の削減による財源の捻出につきましてはにわかに結論が得られる問題ではないものと考えます。
 いずれにいたしましても、必要な財政需要を賄うに要する財源をどうしていくかという問題につきましては、先ほども申し上げましたが、今後国会での御論議を踏まえ、国民の御理解を得ながら適切に対応してまいる所存でございます。
 新幹線、高速道路等の安全基準についてでございますが、今回の被災状況を踏まえ、専門家による委員会の設置をし、耐震構造のあり方等について検討を進めるなどの取り組みを行っておるところでございますが、徹底した見直しのもとに適切に対応してまいりたいと考えております。
 公共事業のコストについてのお尋ねでありますが、公共工事の積算に当たりましては、会計法令の規定に基づきまして取引の実例価格を適正に反映し、発注者が厳正に予定価格を設定しているところでございます。
 昨年十二月、建設省は公共工事の建設費の縮減に関する行動計画を策定したところでございまして、これに基づき輸入資材の活用、技術開発を推進するなど、今後とも建設費の一層の低減に努め、公共事業を適正に執行してまいりたいと考えているところでございます。
 政党助成につきましては、政治改革について国会でたびたび議論を重ねていただきましたが、その結果成立を見た政党助成法に基づきまして、いわば民主主義のコストと言うべき政党の政治活動の経費を国民全体で負担していただこうとするものでございまして、民主主義の発展のために重要な意義を持つ制度であると考えております。
 予算の組み替えにより特例公債の発行を補てんし、また増税を回避すべきではないかとのお尋ねでございますが、現在御審議をお願いいたしておりまする平成七年度予算につきましては、政府として、先ほども申し上げましたが、最大限の努力をして編成し提出したものでございまして、これを組み替え再提出することは適当と考えておりません。
 いずれにいたしましても、阪神・淡路大震災に関しましては、今回の六年度第二次補正予算において公債発行によったものも含め、震災に対処するための費用に係る国民全体としての負担のあり方につきましては、今後の財政運営を行うに当たり幅広い観点から真摯な検討がなされなければならない問題点であると考えておることを申し添えておきたいと思います。
 以上でございます。(拍手)
#21
○議長(原文兵衛君) これにて質疑は終了いたしました。
     ―――――・―――――
#22
○議長(原文兵衛君) 日程第二 千九百九十四年の国際コーヒー協定の締結について承認を求めるの件
 日程第三 千九百八十八年五月三十一日に総会において採択された千九百二十八年十一月二十二日の国際博覧会に関する条約(千九百四十八年五月十日、千九百六十六年十一月十六日及び千九百七十二年十一月三十日の議定書並びに千九百八十二年六月二十四日の改正によって改正され及び補足されたもの)の改正の受諾について承認を求めるの件
 以上両件を一括して議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。外務委員長田村秀昭君。
    ―――――――――――――
   〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
   〔田村秀昭君登壇、拍手〕
#23
○田村秀昭君 ただいま議題となりました条約二件につきまして、外務委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 まず、千九百九十四年の国際コーヒー協定は、現行の千九百八十三年の協定にかわるものでありまして、コーヒーに関する問題について国際協力を強めもこと、コーヒーの国際貿易の拡大を促進すること等を主たる目的とするものであります。
 次に、国際博覧会条約の改正は、国際博覧会の種類について、これまでの一般博覧会及び特別博覧会の区分を廃止し、新たに博覧会国際事務局の登録を受ける登録博覧会及び認定を受ける認定博覧会の区分を設け、その開催に関する一般的な条件について定めるものであります。
 委員会における質疑の詳細は、会議録によって御承知願います。
 質疑を終え、採決の結果、両件はいずれも全会
 一致をもって承認すべきものと決定いたしました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
#24
○議長(原文兵衛君) これより両件を一括して採決いたします。
 両件を承認することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#25
○議長(原文兵衛君) 総員起立と認めます。
 よって、両件は全会一致をもって承認することに決しました。
     ―――――・―――――
#26
○議長(原文兵衛君) 日程第四 大都市地域における住宅及び住宅地の供給の促進に関する特別措置法の一部を改正する法律案
 日程第五 都市再開発法等の一部を改正する法律案
 日程第六 被災市街地復興特別措置法案
  (いずれも内閣提出、衆議院送付)
 以上三案を一括して議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。建設委員長合馬敬君。
    ―――――――――――――
   〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
   〔合馬敬君登壇、拍手〕
#27
○合馬敬君 ただいま議題となりました三法律案につきまして、建設委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
 まず、大都市地域における住宅及び住宅地の供給の促進に関する特別措置法の一部を改正する法律案は、大都市地域内の都心の地域を中心として良質な住宅に対する著しい需要が存する現状等にかんがみ、住宅及び住宅地の供給を促進するため、都心の地域及びその周辺の地域において良質な共同住宅を供給する都心共同住宅供給事業の制度を創設するとともに、土地区画整理促進区域及び住宅街区整備促進区域に関する都市計画を定める場合における要件の緩和、特定土地区画整理事業及び住宅街区整備事業の施行地区の面積の下限の引き下げ等の措置を講じようとするものであります。
 次に、都市再開発法等の一部を改正する法律案は、大都市地域を中心として居住環境の良好な住宅市街地を整備し都市の健全な発展を図る必要性が高まっている現状等にかんがみ、都市における土地の合理的かつ健全な高度利用と市街地の環境の改善を図るため、市街地再開発事業の施行区域要件の緩和、再開発地区計画及び住宅地高度利用地区計画に関する都市計画を定める場合における要件の緩和、建築物の形態を適切に誘導するための地区計画制度の拡充、建築物の形態に関する規制の合理化、土地の所有者等がその意思表示により建築協定に加入できることとする建築協定区域隣接地制度の創設等の建築協定制度の拡充等の措置を講じようとするものであります。
 次に、被災市街地復興特別措置法案は、阪神・淡路大震災により激甚な被害を受けた市街地の緊急かつ健全な復興が喫緊の課題となっていること等にかんがみ、大規模な火災、震災その他の災害を受けた市街地についてその緊急かつ健全な復興を図るため、都市計画に被災市街地復興推進地域を定めることができることとし、被災市街地復興推進地域内において施行される土地区画整理事業及び第二種市街地再開発事業についての特例を定めるとともに、大規模な火災、震災その他の災害により滅失した住宅に居住していた者等について公営住宅などの入居者資格の特例を設けるなど、特別の措置を講じようとするものであります。
 委員会におきましては、三法律案を一括して議題として質疑を行いましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。
 質疑を終了し、討論に入りましたところ、日本共産党を代表して上田委員より、都市再開発法等の一部を改正する法律案及び被災市街地復興特別措置法案に対し反対する旨の意見が述べられました。
 討論終局の後、三法律案について順次採決の結果、大都市地域におけも住宅及び住宅地の供給の促進に関する特別措置法の一部を改正する法律案は全会一致をもって、また都市再開発法等の一部を改正する法律案及び被災市街地復興特別措置法案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、被災市街地復興特別措置法案に対し、附帯決議を付することに決定いたしました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
#28
○議長(原文兵衛君) これより採決をいたします。
 まず、大都市地域における住宅及び住宅地の供給の促進に関する特別措置法の一部を改正する法律案の採決をいたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#29
○議長(原文兵衛君) 総員起立と認めます。
 よって、本案は全会一致をもって可決されました。
 次に、都市再開発法等の一部を改正する法律案及び被災市街地復興特別措置法案を一括して採決いたします。
 両案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#30
○議長(原文兵衛君) 過半数と認めます。
 よって、両案は可決されました。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後四時二十四分散会
ソース: 国立国会図書館
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