くにさくロゴ
1995/03/22 第132回国会 参議院 参議院会議録情報 第132回国会 本会議 第13号
姉妹サイト
 
1995/03/22 第132回国会 参議院

参議院会議録情報 第132回国会 本会議 第13号

#1
第132回国会 本会議 第13号
平成七年三月二十二日(水曜日)
   午後三時一分開議
    ━━━━━━━━━━━━━
#2
○議事日程 第十三号
    ―――――――――――――
  平成七年三月二十二日
   午後三時 本会議
    ―――――――――――――
 第一 平成七年度一般会計予算
 第二 平成七年度特別会計予算
 第三 平成七年度政府関係機関予算
    ━━━━━━━━━━━━━
○本日の会議に付した案件
 一、請暇の件
 以下 議事日程のとおり
     ―――――・―――――
#3
○議長(原文兵衛君) これより会議を開きます。
 この際、お諮りいたします。
 椎名素夫君から海外旅行のため来る二十八日から十一日間の請暇の申し出がございました。
 これを許可することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○議長(原文兵衛君) 御異議ないと認めます。
 よって、許可することに決しました。
     ―――――・―――――
#5
○議長(原文兵衛君) 日程第一 平成七年度一般会計予算
 日程第二 平成七年度特別会計予算
 日程第三 平成七年度政府関係機関予算
 以上三案を一括して議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。予算委員長坂野重信君。
    ―――――――――――――
   〔審査報告書は本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
   〔坂野重信君登壇、拍手〕
#6
○坂野重信君 ただいま議題となりました平成七年度予算三案につきまして、予算委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。
 平成七年度予算の内容は、既に武村大蔵大臣の財政演説で説明されておりますので、これを省略させていただきます。
 平成七年度予算三案は、一月二十日、国会に提出され、一月二十五日、大蔵大臣より趣旨説明を聴取し、衆議院からの送付を待って、三月一日から審査に入りました。
 自乗、本日まで審査を行ってまいりましたが、この間、三月十日には公聴会を、十四日、十五日には金融、震災対策及び行政改革等に関する集中審議を、また十七日、二十日には委嘱審査を行ってまいりました。さらに、予備審査中の一月三十一日から二月二日にかけては、鳥取、岡山及び鹿児島、宮崎の各県に委員を派遣して現地調査を行ったほか、二月八日には阪神・淡路大震災に関する集中審議を行うなど、今日国政が直面する諸課題について終始熱心かつ濃密な審査を行ってまいりました。
 以下、質疑のうち主なもの若干につき、その要旨を御報告申し上げます。
 まず、阪神・淡路大震災について、「地震発生直後の政府の初動対応には、情報収集のおくれなど、問題があったのではないか。危機管理体制を今後どう構築していくのか。今なお現地では多くの被災者が不自由な避難所生活を余儀なくされ、特に高齢者や身体障害者等は厳しい状況に置かれており、一刻も早い仮設住宅への入居を待ち望んでいるが、今後の建設の見通しはどうか。さらに復旧・復興のためには七年度予算を組み替えて対応すべきではなかったか。また、早期の七年度補正予算も必要と思うが、その提出時期はいつごろか、その際の財源はどのようにして確保するのか。」との質疑があり、これに対し村山内閣総理大臣及び関係各大臣より、「地震の起きた朝七時半ごろ第一回の被害状況の報告があったが、その後被害が甚大であるとの報告が相次いであり、直ちに朝の閣議で非常災害対策本部の設置を決定し対応に当たってきた。その後、政府としても内閣全体で責任を持って対応に当たる必要があると考え、総理みずからが本部長となる緊急対策本部を設けたほか、専任の担当大臣も置き、また、現地対策本部を設けるなど、懸命の努力を続けてきた。なお、初動期における対応についての御批判や御意見は謙虚に受けとめ、改めるべきは改めて、今後の恒久的な防災対策に生かしていきたい。今後、事態に迅速に対応できる体制をどのように構築していくかについては、できれば防災臨調のようなものを設置し、国民の声を反映させながら、国と地方が一体となって取り組んでいける仕組みをつくっていく必要があると考えているが、なおもう少し時間をかけて検討していきたい。避難所生活者が最も強く望んでいる仮設住宅の建設については、三月中に三万戸を、そして四月中にさらに一万戸を建設する計画で、現在、鋭意関係方面を督励しているところである。なお、避難所の高齢者や身体障害者等については、パトロール隊が巡回する中で、発見に努め、必要に応じ施設等への入所、あるいはホームヘルパーの派遣などを実施している。今後の復旧・復興については、当面必要な経費は六年度第二次補正予算で手当てをした。七年度予算の組み替えには時間を要し、各種施策、景気への影響もあるので、予算成立後、新年度に入りさまざまな条件が整い次第なるべく早い時期に補正による対応をとりたいと考えているが、現時点においては明確な時期を申し上げる状況ではない。その際の補正予算の財源については、あらゆる可能性を考えていかなければならないが、既存予算のやりくりを第一に考えるべきである。それでも足りない場合は増税か国債かの選択を迫られるが、最終的には国民の皆さんのお支えてこの大震災という事態に対応していくしかすべはないと考えている。」との答弁がありました。
 次に、財政問題について、「政府は、毎年度の予算編成で歳出の繰り延べなどのいわゆる隠れ借金等を行っているが、七年度予算ではこれらを除いた実質的な歳入歳出のギャップはどの程度あるのか。また、財政の中期展望で示されている平成八年度約十兆円の歳入歳出ギャップはどのようにして穴埋めするのか。現在、政府は二百兆円を超える公債残高を抱えているが、今後これをどのように処理していくのか。また、平成十二年度に公債依存度を五%以下にするとの目標は達成の見込みがあるのかどうか。との質疑があり、これに対し武村大蔵大臣等より、「実質的な歳入歳出ギャップについて厳密に定義することは難しい。あえて言えば、公債発行額の十二兆五千九百八十億町と繰り入れ特例法等による措置分六兆円を加えると約十九兆円になるが、減税のための特例債分を差し引けば、そのギャップは約十六兆円となる。財政の中期展望で示した平成八年度約十兆円の歳入歳出ギャップをどう解消するかについては現段階で具体的な対応を示すことは困難であるが、公債残高が累増しないような財政体質にするという基本方針を堅持していきたい。政府としては、今後、赤字国債を二度と安易に発行することのないようにするとともに、建設国債といえども一定の制約を持たせないと際限なく累増していく危険があり、現在ある二百十三兆円の公債残高はできたら減らす方向で決意を新たにし、大蔵大臣としては阿修羅のような心境で財政への責任を果たしていかなければならないと考えている。平成十二年度公債依存度五%以下の目標については、明確な意味での政府全体の統一意思という扱いではないが、財政審からの答申もあるので、当面、五年程度の期間を念頭に置いて達成に向け努力していきたい。」との答弁がありました。
 経済・景気問題については、「景気が緩やかに回復しているときに大震災に見舞われたが、景気への影響をどのように見ているのか。とりわけ、被災地での雇用確保及び中小企業対策をどう図っていくのか。また、急激な円高が進行しているが、政府はその要因と経済への影響をどのように分析し対応を考えているのか。」との質疑があり、村山内閣総理大臣及び関係各大臣並びに日本銀行総裁より、「現在、景気は、企業設備投資が調整を続けているものの、全体として回復基調をたどっているところである。今回の震災によって当面はマイナスの影響を受けるが、既に復旧が始まるとともに、代替生産が進んでおり、さらに、今後は本格的な復興が開始されることを考えれば、現在の回復傾向が直ちに途切れることはないものと考えている。しかし、被災地での雇用対策については、深刻な影響が懸念されることから、雇用調整助成金や失業給付に特例措置を講ずる一方で、事業主団体に対し雇用の安定について強く要請を行っているところである。また、被災中小企業支援対策のほか、資金調達の円滑化、きめ細かい経営相談の実施などに努め、中小企業の立ち上がりに全力を挙げている。また、急激な円高の背景には、日米間の貿易不均衡のほか米国の政治経済情勢もあったと思うが、今回はメキシコの通貨危機やヨーロッパの通貨不安などもあったと認識しており、各国のファンダメンタルズを反映したものではなく、思惑的、投機的な要素が多いと考えている。我が国経済に対しては、一円の円高は、自動車産業において年間約三百十億円の、また電機産業においては約二百三十億円もの影響を受けるものであり、我が国産業は極めて厳しい状況に置かれている。今後とも為替安定のための協調介入など適宜適切な行動をとっていく必要があるが、やるからには効果の上がるものでなければならないと思っている。」との答弁がありました。
 東京協和及び安全信用組合の経営破綻とその処理について、「平成五年九月に両信用組合の経営悪化が判明したにもかかわらず、なぜ今日まで放置してきたのか。信用組合の監督責任が、国の機関委任事務として都道府県に任されているからといって、大蔵省に責任がないとは言えないのではないか。また、今回の処理に当たって、預金保険機構からの払い戻しの方法をとらなかったのはなぜか。さらに、東京都議会が、東京共同銀行設立のための三百億円の融資資金の拠出をやめて財政調整資金に組み入れたことは、日銀、東京都、大蔵省が考えた基本的スキームが崩れたのではないか。」との質疑に対し、村山内閣総理大臣及び関係各大臣等より、「平成五年八月から九月にかけて両信用組合に対する検査の後、東京都は、両組合に対し経営内容の改善指導を強化することにより経営問題の解決に努めてきたと聞いている。大蔵省としても、これらの東京都の検査に協力し、両組合の経営状態について把握していたが、その時点においては、このような方針によって解決を目指すという東京都の判断を尊重してきた。しかし、昨年、再度の検査の結果、自力再建が困難になったことが判明したので、昨年秋口から東京都、日本銀行及び大蔵省との間で処理策について議論を始め、十二月に今回の処理スキームができたものである。両信用組合の監督責任は、第一義的には機関委任をしている東京都にあるものと考えるが、機関委任事務の性格からいえば、信用組合を含めた責任は大蔵大臣にある。しかし、対処方策を合意した今は、東京都、日銀、大蔵省の三者の共同責任として対処していく。預金保険機構の払い戻しの方法をとらなかったのは、国民が信用秩序を信じ切っている状況のもとで、もし金融機関の倒産が起きた場合にどのような影響が出るかを真剣に考えてみると、我が国ではペイオフをとるのはまだ時期尚早と判断せざるを得なかった。また、三者の合意に基づいて東京都が提案した補正予算が都議会で修正されたことは残念である。しかし、処理対策案に従って東京共同銀行は設立の認可を受け、日銀等からの出資も終了し、今月二十日から営業開始の状況にある。したがって、今回の東京都の措置がこの基本的スキームに直ちに影響を与えるものではないと考えているし、都議会の五党会派の声明文でも、都の監理監督の責任は重く預金者保護のために十分な責任を果たしていかなければならないと述べており、現状では楽観も悲観もしてない。」との答弁がありました。
 また、行政改革について、「政府が行政改革に取り組む姿勢はどうか。今回の特殊法人の見直しはほんの入口だと思うが、中央省庁再編のビジョンはあるのか。また、政府が、昨年十二月、閣議で決定した地方分権推進に関する大綱方針の基本理念は何か。規制緩和の目標はどこに置いているのか。」との質疑があり、これに対し村山内閣総理大臣及び関係各大臣より、「行政改革は、簡素で効率的な政府にすることによって国民から信頼される行政を実現することが大きな目的である。現在、政府が取り組んでいる行政改革は、大きく分けて、特殊法人の見直し、規制緩和、地方分権の三つであるが、それぞれ密接に関連しており、先般設置された行政改革委員会において、その改革推進に鋭意取り組んでいるところである。政府としては、現在進めている規制緩和や地方分権が推進されれば、当然中央省庁の仕事はスリムになるので、状況を見ながら中期的な課題として中央省庁の統合の問題についても考えていきたい。地方分権の推進については、地方が個性ある行政を積極的に展開できるよう、国と地方の役割分担を見直し、権限委譲を進めるとともに、地方税財源の充実強化に努め、地方が自主的に行政を進めていくことが地方分権のねらいであり、先般このような趣旨を盛り込んだ地方分権推進法案を提出したところである。規制緩和は、我が国経済社会を国際的に調和のとれたものにするとともに自由で創意に満ちた経済社会を築き上げていく上で、ぜひとも取り組まなければならない重要な課題である。そのため、三月十日、各省庁から出された中間報告に基づいて、本年度内に規制緩和五カ年計画を策定する方針で臨んでいるところである。」との答弁がありました。
 最後に、去る二十日の早朝、地下鉄車内等で発生したサリン殺傷事件について、委員会を代表して委員長より、「サリン殺傷事件についての現在までの捜査の進展状況はどうか。また、今後の捜査の見込み及び昨年の松本市内のサリン発生事件との関連はどうか。」との質疑を行い、これに対し村山内閣総理大臣及び関係各大臣等より、「三月二十日午前八時過ぎ、地下鉄各線において不審物から毒性ガスが発生し、今朝までに八名の方が死亡、三千六百余名の方が負傷するという事件が発生した。現在までの捜査において、サリンである疑いが強いが犯人に直接結びつく情報の入手には至っていない。また、松本市内のサリン事件等の物質とも類似点があるので、これらの情報ともあわせて、犯人の検挙及び薬物の特定に向けて捜査を進めるとともに、被害者の救援に全力を尽くしていきたいが、何の関係もない不特定多数の人々を殺傷する極めて悪質かつ組織的なこのような犯罪は断じて許すことができない。国民の皆さんからの御協力もいただいて、このような事件が二度と起きないよう再発の防止に内閣を挙げて全力で取り組んでいきたい。」との答弁がありました。
 質疑はこのほか、自衛隊の災害救援活動のあり方、輸送網再構築の重要性、災害復興基金創設の必要性、ボランティア活動の受け皿づくり、二信用組合問題に関する官僚処分問題、戦後五十周年への取り組み方、核問題及び朝鮮半島エネルギー開発機構への対応、高齢化社会と介護問題、障害者及び難病対策、農業農村活性化策など広範多岐にわたりましたが、その詳細は会議録によって御承知願いたいと存じます。
 質疑を終局し、討論に入りましたところ、平成会を代表して寺澤委員が反対、自由民主党を代表して成瀬委員が賛成、新緑風会を代表して磯村委員が反対、日本社会党・護憲民主連合を代表して藁科委員が賛成、日本共産党を代表して有働委員が反対の旨、それぞれ意見を述べられました。
 討論を終局し、採決の結果、平成七年度予算三案は賛成多数をもっていずれも原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
#7
○議長(原文兵衛君) 三案に対し、討論の通告がございます。順次発言を許します。永野茂門君。
   〔永野茂門君登壇、拍手〕
#8
○永野茂門君 私は、平成会を代表して、ただいま議題となりました平成七年度予算三案に対し、反対の討論を行うものであります。
 なぜ反対なのか。国民世論の大多数が反対しているからであります。
 去る三月十五日付で報道された世論調査によれば、村山内閣を支持しない国民が三四%、関心がない国民が三七%に上り、合わせて七一%もの世論が村山政権に背中を向けているのであります。これをもってしても、本予算案が国民に目を向けたものになっておらず、大多数の国民が反対していることは明らかであります。
 一月十七日に発生した阪神・淡路大震災は史上まれに見る死傷者と経済的損害をもたらし、その悲惨な光景はマスメディアを通じて世界に伝えられ、だれもが一刻も早い政府の対応を切望いたしました。にもかかわらず、政府の初動対応はおくれにおくれ、本来有している機能さえ十分に活用することができず、その後の救援活動においても多くの混乱を生じたことは、国民の期待を大きく裏切るとともに村山内閣の危機管理能力の欠如を露呈する結果となりました。
 今回の大震災並びに一昨日起きた極悪非道の地下鉄無差別殺人事件は、無防備、無警戒の日本社会に大きな警告を発しました。今や、両事件の教訓を踏まえて、国土並びに国民の生命、財産の安全を確保するため、危機管理体制の整備が緊急の課題となっており、考え得るあらゆる重大事態を想定して危機に対処できるよう、その体制を構築しなければなりません。しかしながら、これに対する村山内閣の対応は甚だ寒心にたえません。
 次に、村山総理は、消費税の税率変更の前提として行政改革に不退転の決意で取り組むと再三述べてこられましたが、特殊法人の見直しさえ具体的内容には一切手をつけず、ただ小手先で数を減らすことだけにきゅうきゅうとし、朝三暮四の内容であります。
 規制緩和の問題につきましても同様であります。先ごろ取りまとめられた中間報告の内容は甚だ期待外れのものであり、今や国民、経済界からの非難が沸き起こっていることは御承知のとおりであります。みずからの血は流さずに、国民に対しては規制を緩めずむしり取る、これが村山内閣の実態であると断言せざるを得ないのであります。このような中で、メジロ押しの公共料金値上げを行ったことは全く納得がいきません。
 本予算におきましては、公共投資基本計画やガット・ウルグアイ・ラウンド合意に基づく農業対策など、今後長期にわたって多額の支出を要する施策が単に機械的に盛り込まれている一方で、予算配分の硬直性は一向に改善されず、歳出の見直しは極めて不十分なものにとどまっております。
 今後、大幅か歳入増加が期待できない今日、削るべきは削り、重要項目については優先的にこれを推進するよう配分の見直しが強く求められておりますが、本予算では旧態依然たる編成しか行っていないのであります。
 議題となっております平成七年度総予算を私なりに申し上げれば、第一に空洞化予算、第二に先送り予算、第三にばらまき予算であり、総括して表現すれば無責任予算であると指摘することができます。
 以下、その根拠と反対の主な理由を申し述べます。
 反対の第一の理由は、阪神・淡路大震災の復旧・復興対策予算が全く計上されていない空洞化予算であることであります。
 さきの大震災により亡くなられた方々は五千四百人余に上り、被害総額は十兆円を超えると言われております。そして、今なお多くの方々が不自由な生活を余儀なくされております。一刻も早い復旧と確実な復興を図るため、新進党は本予算の組み替えを再三にわたって要求してまいりました。しかるに、政府がこれを無視し、本格的復興対策予算を七年度補正予算に先送りしたことは、国民生活と予算の重大性を全く理解していない愚挙であると言わざるを得ません。もし政府の論理に従うのであれば、本予算は暫定予算にすぎず、内容のない空洞化予算であり、被災地の厳しい状況にかんがみれば甚だ遺憾であり、決して容認できるものではありません。厳しい財政状況下で真剣に復旧・復興に対応しようとするものであれば、本予算を根本から洗い直し、組み替えを行うのが当然であり、こうした最重要の震災対策が欠如した本予算案はまさに空洞化予算であって、組み替えを怠った政府の怠慢ぶりには断固抗議するものであります。
 反対の第二の理由は、隠れ借金などの不明朗なやりくりが行われ、かつ財政再建の姿勢が全く見られない先送り予算であることであります。
 歳入の低迷と歳出需要拡大の著しい乖離を埋めるため、本予算では、一般会計承継債務の償還延期や、国民年金、厚生年金特別会計への繰り入れの先送り、さらには決算調整資金への繰り戻しの先送りなど、本来本年度予算に計上すべき経費を先送りしており、その総額は六兆円を超え、単年度にしては過去最高の規模に達しています。歳入の不足をこうした国庫内のやりくりで埋め合わせる手法は、財政の実態を故意にゆがめ、その厳しい状況を国民の目から覆い隠すものであり、財政民主主義の観点からは決して容認できない先送り予算と言わねばなりません。
 また、財政再建への取り組み姿勢が全く見られません。
 我が国の国債発行残高は、七年度末には二百十兆円を超える見通しで、国民一人当たり百七十万円という膨大な借金を抱えることになります。一般会計歳入における公債依存度も拡大傾向にあるにもかかわらず、政府は、依存度を五%以下にするという財政再建目標の達成を平成十二年に先送りするという全く無責任きわまる姿勢に終始し、実効ある財政再建のための具体的方策を何ら提示しておりません。これでは恒常的な借金依存体質にのめり込み、公債発行残高がさらに膨張することはだれの目にも明らかであり、このような先送り予算を編成する一方で、確固とした財政再建策を打ち出せない村山内閣に対して反省を促すものであります。
 反対の第三の理由は、公共事業費の配分が極めて硬直的であり、全般的にばらまき予算になっている点であります。
 本予算の編成に当たり、政府は三千億円の公共投資重点枠を新設して配分比率の変更を図ったものの、その額は公共事業関係費全体の三%にすぎず、事業別シェアの変化は大きいものでもわずかコンマ数%にとどまり、変更幅の合計は細川内閣のもとで編成された六年度予算の変更幅をむしろ下回っております。
 しかも、阪神・淡路大震災による極めて大きな被害に直面し、防災都市づくり、災害に強い国土づくりが緊急重要な課題となっているにもかかわらず、本予算にはこうした視点が全く盛り込まれておりません。これでは現状における国民のニーズに応じるものとは到底言えず、「人にやさしい政治」とはかけ離れたものであり、ガット・ウルグアイ・ラウンド合意に基づく農業対策予算などとともに、従来型のばらまき予算そのものであると言わざるを得ません。
 これらを総じて平成七年度政府予算案は文字どおり無責任予算と断ぜざるを得ず、反対するものであります。
 最後に、村山内閣は、阪神・淡路大震災に対する初動対応の失態のみならず、経済面においても、東京協和・安全両信用組合の破綻に対する大蔵、日銀主導の救済対応策は整合性がなく、国民に理解を得られない対応に終始しました。また、一ドル九十円割れという日本経済がかつて経験したことのない急激な円高に対して何ら有効な解決策を提示することもできず、ここにおいても危機管理能力の欠如を再度国民に露呈する結果となりました。
 平成会といたしましては、このような村山内閣の無策と怠慢そして無責任を厳しく糾弾するとともに、内容が欠如し、問題を先送りにしたままばらまきに終始した本予算案に強い反対を表明して、討論を終わります。(拍手)
#9
○議長(原文兵衛君) 片山虎之助君。
   〔片山虎之助君登壇、拍手〕
#10
○片山虎之助君 私は、自由民主党を代表して、ただいま議題となりました平成七年度予算三案に対し、賛成の討論を行うものであります。
 政権が誕生して八カ月余りが経過いたしましたが、この間、総理は、歴代の連立内閣がなし得なかった税制改革をなし遂げ、また特殊法人の見直し、規制緩和の推進、地方分権の実現に向けて着々とその実を上げてこられたことはまことに御同慶の至りであります。
 さらに、先般の阪神・淡路大震災においては、総理を本部長とする緊急対策本部を設置するほか、専任の震災担当大臣を置き、総理みずからが陣頭指揮をとってその対応に全力を注がれるなど、内閣が一体となり誠心誠意努力してきたことはあまねく国民の理解するところであります。
 また、過日のサリン地下鉄テロ事件についても迅速的確な対応がとられたところであります。
 さて、今日、我が国を取り巻く情勢はまことに厳しいものがあり、世界に目を向ければ、世界貿易機構の創設、APECの自由化宣言など、貿易自由化への動きが加速され、米市場を初め我が国のより一層の市場開放が求められております。他方、我が国経済は、緩やかな回復基調にあるものの、その足取りは依然として鈍く、最近の急激な円高の影響も懸念され、政府のタイムリーな施策が強く要請されております。加えて、少子化傾向の進む中、本格的な高齢化社会の到来を迎え、社会保障の充実が引き続いて必要とされているところであります。
 本予算案は、一段と厳しい財政状況のもとで、これらの社会的要請に的確にこたえた極めて適切な内容となっており、一日も早い成立が待たれるところであります。
 一部に本予算を組み替えるべきだという意見もありますが、阪神・淡路大震災に対する緊急な復旧対策については、既に平成六年度補正で手当てをしており、本格的な復興等は平成七年度に補正予算をもって対応することが効果的であることは当然であります。予算の組み替えのため本予算成立をおくらせることは、国民経済及び国民生活に多大な影響を与えるものであり到底容認することはできません。
 以下、順次三案に賛成する主な理由を申し述べます。
 その第一の理由は、景気に対する配慮が十分になされていることであります。
 本予算案においては、厳しい財政状況のもと、公共事業費は前年度に比べ四・六%増と、一般歳出の三・一%増を上回る伸びが確保され、またその内容は、昨年十月に新たに策定された公共投資基本計画を念頭に置き国民生活の質の向上に結びつく分野に重点が置かれております。さらに、本年も五・五兆円に及ぶ所得減税が継続されることから、これらの諸施策が相まって景気回復をより着実に進めるものと強く確信する次第であります。
 賛成する第二の理由は、少子化・高齢化社会への対応策が盛り込まれるなど、社会保障の充実が図られている点であります。
 すなわち、従前のプランを全面的に見直した新ゴールドプランに基づき、ホームヘルパーの大幅な増員等の在宅福祉対策や特別養護老人ホームの拡充など、老人介護対策の充実が図られていることであります。また、少子化、女性の社会進出等の状況変化を踏まえ、女性の子育てと仕事の両立を図るために、低年齢児保育促進事業の創設、時間延長型保育サービス事業の拡充等を図ったことも、村山内閣のきめ細かな配慮を示すものであり、大いに是認し得るところであります。
 賛成する第三の理由は、緊急を要するウルグアイ・ラウンド農業合意関連対策を含めた農業対策に適切な予算が計上されている点であります。
 我が国農業が、食糧自給率の低下、専業農家さらには新規就農者数の減少などさまざまな構造的問題を抱えていることは御承知のとおりであります。本予算案の中で、農業基盤の整備、農地流動化対策、新規就農者対策等の諸施策を充実していることは、外国との競争に耐え得る足腰の強い高生産性農業の育成に大きく寄与するものであり、まことに時宜を得たものと言えましょう。
 賛成する第四の理由は、我が国に対する国際貢献の要請に十分こたえた内容となっていることであります。
 これを経済協力費で見ますと、前年度に比べ三・六%増と、公共事業費に次ぐ第二番目の高い伸びを確保しております。また、その内容についても、国民総参加型のODAの推進、開発における女性の役割の重視、環境への配慮等がなされており、顔の見える外交として国際的にも高い評価を得るものと確信しております。
 最後に、阪神・淡路大震災の復旧・復興に全力を挙げるとともに、近時の円高により厳しい経営環境に置かれている中小零細企業の支援に万全を期することは、まさに「人にやさしい政治」を目指す村山内閣の使命であります。
 政府におかれましては、本予算の成立後、早急に復興対策、円高対策を推進すべく補正予算の編成に取り組まれんことを強く要望いたしまして、私の賛成討論といたします。ありがとうございました。(拍手)
#11
○議長(原文兵衛君) 井上哲夫君。
   〔井上哲夫君登壇、拍手〕
#12
○井上哲夫君 私は、新緑風会を代表しまして、ただいま議題となりました平成七年度予算三案に対し、反対の討論を行うものであります。
 冒頭、この二十日発生の東京地下鉄サリン事件について申し上げます。
 卑劣きわまりないテロ事件で非業の死を遂げられた十名の方々の無念さ、遺族の悲しみと憤り、そして今なお生死の境にある負傷者の苦痛を思うとき、その痛ましさに私も心痛むばかりであります。
 この犯行は社会的混乱をねらった組織的なテロ行為とも考えられ、私たちは挑戦状を受けているかもしれません。そうだとすれば、絶対に許すことはできません。断固として捜査に当たるばかりか、この種のテロ行為の根絶対策の検討を政府に強く求めるものであります。
 去る一月十七日未明に発生の阪神・淡路大震災は、だれもが予期せぬ未曾有の被害をもたらし、戦後最大の大震災となりました。今回の震災に際しての政府の対応については、初動のおくれを初め、緊急物資の輸送や医療体制などにも混乱を来すなど、我が国の大規模災害に対する危機管理能力の欠如を如実に露呈し、日本国内はもとより、諸外国からも厳しい批判が寄せられているのであります。かかる事態を招き、結果として国民の生命、財産を守るべき政治に対し国民の信頼を失わせた村山内閣の責任は、極めて重大であります。
 政府においては、早急に、的確な情報収集機能の強化はもとより、国と地方、さらに民間とが密接に連携をとりつつ、こうした災害に対し迅速かつ効果的な措置が講じられるシステムを確立し、あわせて防災国土軸の形成など、災害に強い国土づくりに直ちに取り組むよう強く求めるものであります。
 さて、本予算案については、依然として既得権を前提にした硬直的、固定的な予算配分が行われていることに加え、単なる予算のばらまきと批判される予算計上が随所に見られ、雇用や福祉など国民生活と密接に関連した分野の施策が極めて不十分に終わっております。
 しかも、阪神・淡路大震災の発生によって予算編成の前提条件が大きく変わったことから、本予算は現状に的確に対応できないいわば欠陥予算であり、到底認めることはできないのであります。
 以下、本予算案に反対する主な理由を申し述べます。
 反対の第一の理由は、阪神・淡路大震災の復旧・復興対策費が何ら計上されておらず、また防災都市づくりといった観点も盛り込まれていないことであります。
 被災地の一日も早い復旧・復興は、地域住民はもとより全国民の切なる願いであり、本格的な復興事業の開始が強く求められているのであります。さらに、今回の大震災を教訓とし、防災都市づくりの取り組みも緊急の課題となっておりますしかるに、政府が本予算の組み替えによりこうした措置を講じなかったことは、国民の期待にこたえるものとは言えないわけであります。
 政府は、七年度予算の補正による実質組み替えに言及しておりますが、財政法二十九条が政策的経費の補正計上を限定的に規定していることからすれば、本格的な復興のための経費や防災都市づくり関連の予算は可能な限り当初予算に計上すべきであり、初めから補正を前提にしている本予算は財政法の趣旨を無視したもので、決して認めることができないのであります。
 反対の第二の理由は、雇用対策や円高。空洞化対策、福祉などへの取り組みがまことに不十分なことであります。
 我が国経済は、緩やかな回復過程に入ったとはいえ、依然として企業のリストラは続けられており、設備投資は低迷の域を脱しておらず、雇用情勢も極めて厳しい状況にありますしかるに、本予算における失業対策費は前年度比〇・三%増の低い伸びにとどまり、特に中高年齢失業者の職業訓練等に助成する職業転換対策事業費は一〇%近くも減額しているのであります。新規事業育成のための予算措置についても金額自体が少ない上、内容的にも期待外れであります。
 また、七年度から本格的にスタートをした新ゴールドプラン関連の予算についても、二十一世紀の超高齢化社会へ対応していくのには全く不十分な内容に終わっており、この分野における予算措置の拡充、前倒しを強く求めるものであります。
 反対の第三の理由は、いわゆる隠れ借金が大幅に増加していることであります。
 本予算においては、一般会計承継債務の償還延期八千五十四億円を初め、厚生年金特別会計への国庫負担分の繰り延べ四千百五十億円、地方財政対策に伴う繰り延べ分七千四百十七億円等の歳出の繰り延べ、ツケ回しが多用されております。その規模は総計三兆円に及び、単年度としては過去最大で、隠れ借金の七年度末の残高は実に四十一兆円を上回るものであります。こうした隠れ借金の拡大は、財政の厳しい実態を国民の目から覆い隠すものであり、かかる政府の財政手法は国民を欺瞞するものにほかなりません。
 第四の反対の理由は、財政体質の悪化が進んでいることであります。
 我が国財政の現状は、国債発行額が十二兆円を超え、当初予算としては過去十年間で見ても極めて高い水準にあるほか、国債残高も七年度末には二百十兆円を超えるなど一段と厳しい状況を迎えており、今まさに実効ある財政再建への取り組みが強く求められているのでありますしかるに、政府は国債依存度を五%以下にするという財政再建目標の先送りを繰り返すだけで、歳出構造の抜本的な改革につながる措置を何ら講じていないのであります。
 この際、政府は、小さな政府を目指す方向性を明確に示すとともに、予算編成において従来からの積み増し方式を改め、本当の意味で国民のニーズに的確にこたえた予算配分を行い、効果的かつスリムな財政をつくり上げるべきであります。
 反対の第五の理由は、公共事業費の配分比率の見直しが一向に進んでいないことであります。
 政府は、七年度予算の編成に際して三千億円の公共投資重点化枠を新設し、公共事業費の配分比率の見直しを図ろうとしたのでありますが、本予算案における事業別シェアの変更幅の合計は六年度の一・六%から○・七%へ、省庁別シェアも〇・九%から○・四%へと、いずれも前年度の半分以下に低下しているのであります。配分比率見直しへの取り組みがむしろ後退をしており、予算配分の見直しに消極的な政府の姿勢は決して容認できません。
 最後に、村山内閣は行政改革を最重要課題としております。そして、その出発点は消費税率上げのための財源確保でありました。特殊法人の整理合理化案も、当初、民営化による税外収入の確保などの財政効果にあったと言えますしかるに今回の統合案は、小手先だけの数合わせの域を出ておらず、国民の期待は根底から裏切られたと言わざるを得ません。行政改革は税制改革の大前提という与党の公約は完全にほごにされ、行政改革でどれだけ歳出削減を行うかも国民の前に示すことなく、行政改革の幕引きを図ろうとするものであります。これでは、消費税アップのための行革の看板も泣いております。
 また、東京協和・安全両信用組合の救済問題に関しましては、官僚と企業の癒着と批判される行為に対し全く手かるい処分しかできないことに、国民は怒りすら持っております。
 一方、破綻金融機関の処理方法についても、東京共同銀行が二十日営業を始めましたが、政府は、金融機関の情報公開を一層進めるばかりか、処理方法の透明化と多様化を急ぎ検討すべきことを要求して、私の反対討論を終わります。(拍手)
#13
○議長(原文兵衛君) 山本正和君。
   〔山本正和君登壇、拍手〕
#14
○山本正和君 私は、日本社会党・護憲民主連合を代表して、ただいま議題となりました平成七年度予算三案について賛成の討論を行うものであります。
 阪神・淡路大震災の惨状は、私たちの胸を痛め、目を覆うばかりでありました。政府は、今回の震災に当たって、村山総理みずからが本部長となり、全閣僚を構成員とする緊急対策本部を設置するとともに、現地にも対策本部を置くほか、災害対策担当大臣を任命し、さらには復興対策本部を設置し、我が国が戦後初めて経験した事態の中で可能な限りの取り組みがなされたことを評価し、さらに今後の対策の強化を改めて要望いたします。
 大震災が本予算の国会提出直前に発生したことから、本七年度予算には震災対策が含まれておりませんが、ここで一番重要なことは、いかに実効性のある手法をとるかということではないでしょうか。既に緊急の復興対策が特別立法と六年度第二次補正予算の成立により整備されている現状では、予算の組み替えや修正の要求を振りかざすのは、まさに本末転倒以外の何物でもありません。復旧・復興計画や費用の概要がある程度把握された段階で補正を行うべきであり、それによってこそ有効かつ計画的な施策をなし得るものであることは明白であります。
 他方、震災対策以外でも、解決すべき国政の課題は山積しています。今や戦後の我が国の発展を支えてきたさまざまなシステムもゆがみを生じ、その抜本的な見直しと新たな歩みのスタートが待ったなしの状態となっております。
 平成七年度予算は、一段と深刻さを増した財政事情の中ではありますが、高齢化対策、景気対策、さらには空洞化対策等、山積する課題に対応すべく最大限の配慮を加えたものであり、震災復旧を中心として政府が早期に大型補正を策定することを表明しておりますことから、一日も早く本七年度予算を成立させることこそが今我々に与えられた最大の任務であると強く認識するものであります。
 以下、賛成の主な理由を申し述べます。
 賛成の第一の理由は、景気対策に配慮していることであります。
 ようやく緩やかながら回復基調が定着しつつありますが、その回復のテンポは大変遅いものとなっています。加えて、急激な円高の進展は、企業にさらなるリストラを要求し、産業の空洞化を招きかねない状況となっています。
 こうした中で、恒久減税三兆五千億円に加え、定率減税二兆円という思い切った減税を実施したことは、個人消費の回復をより着実にする上で欠くべからざるものであります。
 また、一般会計を実質○・三%増に抑える中で、公共事業関係費は四%の伸びを確保しており、この面でも景気への配慮が見られます。その公共事業の内容も、社会経済情勢や国民ニーズの変化に適切に対応すべく公共投資重点化枠を設けるとともに、住宅・市街地、下水道・環境衛生等の分野の伸びを六%増とするなど、生活者重視の姿勢をより顕著に示したものであります。
 第二の理由は、平和を志向する施策を実施することとしていることであります。
 すなわち、防衛関係費の伸び率を昭和三十五年度以降最低の伸びにとどめたことは、冷戦終結後の世界の情勢に的確に対応したものであります。また、戦後五十周年に当たり、留学生交流の事業や、台湾確定債務問題、従軍慰安婦問題への積極的な取り組みのための予算を計上していることは、近隣諸国との平和友好関係を一層深めるものであります。さらに、ODAの伸び率も四・〇%増を確保するとともに、NGOに対する補助の拡大や草の根レベルでの支援など、顔の見えるきめ細かな援助を行うこととしており、これらはいずれも世界平和を希求する我が国の立場をより鮮明に国際社会にアピールするものであります。
 第三の理由は、お年寄りや障害者、子供の福祉と人権に配慮した村山内閣の人にやさしい予算となっていることであります。
 とりわけ、高齢化社会への対応として、高齢者保健福祉十カ年戦略を全面的に見直した新ゴールドプランに約六千億円を計上し、介護対策等のさらなる充実を図るとともに、緊急保育対策として子育て支援の強化を図っております。加えて、いじめ問題への対応策等を講じており、これらの施策を通じ、だれもが社会参加でき生きがいを持って安心して暮らせる社会の実現へ積極的に取り組んでいることは、まことに時宜を得たものであります。
 第四の理由は、社会経済構造の変革に対応する予算を計上していることであります。
 円高の進行により喫緊の課題となっている産業構造転換に対応すべく、ベンチャービジネスの振興等のための予算を計上するとともに、円滑な労働力の移行を実現するための各種の雇用対策が盛り込まれております。また、基礎研究や研究基盤の充実、環境基本計画推進、力強い農業構造の実現など、いずれも社会構造改革に積極的に対応した予算を計上しており、二十一世紀に向けた産業構造のあり方に大きな指針を与えているものとして評価いたします。
 以上、平成七年度総予算三案に賛成する主な理由を申し述べましたが、政府におかれましては、本予算成立後、速やかに阪神・淡路大震災対策や円高対策に必要な施策の把握に努め、早期に補正予算を編成し、遺漏なき復旧・復興対策を行われることを強く要望いたします。
 また、三月二十日に発生した地下鉄サリン無差別殺人事件の真相究明と犯人逮捕に政府が全力を挙げて取り組まれることを強く要請し、私の賛成討論を終わります。(拍手)
#15
○議長(原文兵衛君) 吉川春子君。
   〔吉川春子君登壇、拍手〕
#16
○吉川春子君 私は、日本共産党を代表して、政府予算三案に対し反対の討論を行います。
 本国会における最大の課題は、言うまでもなく阪神・淡路大震災の救援、復興です。同時に、地震国日本で再びこのような痛ましい被害を出さないため万全の措置を講ずることであります。
 ところが、大震災前に組まれた本予算案は、これらの対策に対し全く不十分なもので、消防庁予算は軍事費のわずか〇・四%にしかすぎません。耐震貯水槽は、今回の大震災でその不備が重大問題になったのに、一九八一年度の二百六十四基が半分以下の百十九基に減らされているのです。また、日本に二千程度あると言われている活断層のうち、解明が進んでいるのはわずか数十にすぎないのに、本予算案で地震予知関係予算は百七億円に満たない微々たるものです。さらに、防災機関の最前線である気象庁測候所の定員削減、夜間無人化も進められているのです。
 予算は政治の顔です。政府が今日明らかになったこれまでの防災対策の不十分さを真に教訓とするならば、直ちに抜本的に予算の組み替えを行うべきなのです。
 我が党は、国が責任を持って救援、復興の財政措置をとること、防災優先の見地から予算全体を見直すこと、財源は浪費に徹底的にメスを入れるとの三つの柱から成る予算の組み替え案の提案を行いましたが、政府はそれを拒否し、地震発生前に組んだ旧来型の予算に固執したのです。これは、一日も早い救援と復興、震災に強い国づくりを求める被災者や国民の願いに対し、余りにも真剣さに欠ける態度と言わねばなりません。
 さて、去る十三日、コペンハーゲンの国連世界社会開発サミットで、デンマークのラスムセン首相など主催者から、人間の安全保障というテーマが強調されました。この考えは政治の根本的あり方を示す考え方として国際的にも確認され、そのための経費は軍事費を削減して賄うことも共通の認識として宣言に盛り込まれたのです。
 ところが、村山内閣が実際にやっていることは何でしょうか。軍縮の看板を掲げながら、今年度の予算案では世界第二位の軍事費をさらにふやして四兆七千億とし、在日米軍経費は六千億を超え、そのうち思いやり予算は前年比八・四%増の二千七百十四億円となっています。その結果、米軍をして本国にいるより日本にいる方が安くつくと言わしめているのです。
 他方、年金に対する国庫負担を六千五百二十二億円、国保・老人保健への国庫負担を六百六十億円減らしています。特にお年寄りは、生活、健康、時には生存まで脅かされようとしています。まさに総理の言う軍縮や「人にやさしい政治」とは名ばかりのものでしかないことを示す予算案です。
 ODAについても、日本の援助は貧困者に焦点を当てていないと国連の人間開発報告書で指摘を受けていますが、初等教育、保健・医療、飲み水など、人間開発の項目はわずか三・四%にしかすぎません。一兆一千六十一億円という膨大なODA予算のほとんどは、アメリカの世界戦略に呼応するとともに、大企業の海外進出のために使われているのが実情ではありませんか。我が党は、国民の期待のみならず、世界諸国民の期待に照らしても本予算案には賛成できないのです。
 不況と急激で異常な円高と産業空洞化のもと、失業率は二・九%の高率を示し、国民生活は依然として厳しい状況にあります。基軸通貨国の上にあぐらをかいてドル垂れ流しを続け、ドルへの信用を低下させてきたアメリカに厳しい対応を迫らずに追随し、日本の大企業や多国籍企業が異常な競争力のもとで黒字体質を強め、それが円高を引き起こすと一層の合理化やリストラでさらに黒字を拡大するという悪循環を繰り返してきた政府の責任は、重大です。
 本予算案もこうした悪循環を促す大企業へのリストラ支援策と対米追随の経済政策がメジロ押しです。今年度中に決定される規制緩和策しかり、事業革新円滑化法に基づく増加試験研究費税額控除制度しかり、特定不況業種法改正による出向支援策しかりです。しかも、一方で公共料金を軒並み引き上げるという、消費税率引き上げとともに国民に一層の犠牲を押しつける予算と言わざるを得ないのです。
 いわゆる政治改革法が成立し、本予算案に初めて政党助成金が三百九億円盛り込まれました。政治をきれいにすると言って小選挙区制を導入し、企業献金をなくすために民主主義のコストとして国民に負担をしてもらうという名目で導入された政党助成金ですが、企業献金をなくすどころか、自民党はこのたび国民政治協会を通じて業界団体と企業に百二十億円もの献金を要請しました。割り当て限度いっぱいの助成金を受けるためには一・五倍の実績をつくる必要があると昨年末から財界も企業献金を再開し、政治家や政党のパーティーも花盛りです。これが偽りの政治改革の行き着く先です。こんなことが許されてよいはずがありません。
 今問題になっている東京協和、安全信組をめぐる疑惑も、政治家、官僚との癒着、六千万円のパーティー券に見られる政治献金、腐敗政治の根源である企業献金を温存し、さらに助長する政党助成金を計上している本予算案を認めることは、絶対にできません。
 ことしは戦後五十周年の年です。第二次世界大戦で日本軍国主義は他民族への侵略によってアジア諸国民二千万人以上、国内で三百十万人以上の人々のとうとい命を奪い、史上最大規模の惨禍をアジア・太平洋諸国にもたらしました。
 戦後、新しい憲法は、侵略戦争と専制政治、覇権主義に対する反省を内外に表明し、第二次世界大戦の歴史的教訓に立って、恒久平和、国民主権、基本的人権、議会制民主主義、地方自治など、平和と民主主義の諸原則を明記しました。戦後政治の原点はまさしくここにあります。
 ところが、歴代の自民党政府は一貫して侵略戦争と軍国主義の歴史に無反省の態度をとり続け、村山首相も、我が党の上田議員の質問に対し、一般的に戦争の目的を特定することは容易でないと述べて、侵略戦争と認めることを拒否しました。我が堂上田議員の発言を予算委員長職権で一部削除することを我が党は断じて認めることはできません。削除に同意した各党のみならず、国会が国際的に責任を厳しく問われることになるでしょう。
 村山首相は、予算案で、従軍慰安婦等に対する個人補償を棚上げにした国民基金構想として盛り込んでいます。しかし、政府の民間カンパ構想に対し、元従軍慰安婦の皆さんが、自分たちが欲しいのはお情けではない、日本政府の侵略戦争に対する反省と謝罪、その上に立った政府による個人補償ですと、きっぱりと拒否しています。
 政治家による侵略戦争を肯定する発言が相次ぎ、また、従軍慰安婦に代表される戦後補償問題にも決着がつけられない日本は、アジアや世界の国々から信頼はから取れないのです。
 我が党は、憲法の平和主義、民主主義の原則は二十一世紀に継承されるべき人類にとっての普遍的価値を持つものとしてこれからも守り抜くことを強調し、反対討論を終わります。(拍手)
#17
○議長(原文兵衛君) これにて討論は終局いたしました。
    ―――――――――――――
#18
○議長(原文兵衛君) これより三案を一括して採決いたします。
 表決は記名投票をもって行います。三案に賛成の諸君は白色票を、反対の諸君は青色票を、御登壇の上、御投票を願います。
 議場の閉鎖を命じます。氏名点呼を行います。
   〔議場閉鎖〕
   〔参事氏名を点呼〕
   〔投票執行〕
#19
○議長(原文兵衛君) 投票漏れはございませんか。投票漏れはないと認めます。投票箱閉鎖。
   〔投票箱閉鎖〕
#20
○議長(原文兵衛君) これより開票いたします。投票を参事に計算させます。議場の開鎖を命じます。
   〔議場開鎖〕
   〔参事投票を計算〕
#21
○議長(原文兵衛君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数        二百三十三票
  白色票           百六十票
  青色票           七十三票
 よって、三案は可決されました。(拍手)
     ―――――・―――――
  〔参照〕
 賛成者(白色票)氏名      百六十名
      青木 幹雄君    井上 吉夫君
      井上 章平君    井上  孝君
      井上  裕君    伊江 朝雄君
      石井 道子君    石渡 清元君
      板垣  正君    岩崎 純三君
      上杉 光弘君    上野 公成君
      浦田  勝君    遠藤  要君
      小野 清子君    尾辻 秀久君
      大河原太一郎君    大木  浩君
      大島 慶久君    大塚清次郎君
      大浜 方栄君    太田 豊秋君
      合馬  敬君    岡  利定君
      岡野  裕君    岡部 三郎君
      加藤 紀文君    狩野  安君
      鹿熊 安正君    笠原 潤一君
      片山虎之助君    鎌田 要人君
      木宮 和彦君    北  修二君
      久世 公堯君    沓掛 哲男君
      倉田 寛之君    河本 三郎君
      佐々木 満君    佐藤 静雄君
      佐藤 泰三君    斎藤 十朗君
      斎藤 文夫君    坂野 重信君
      沢田 一精君    志村 哲良君
      清水嘉与子君    清水 達雄君
      下稲葉耕吉君    下条進一郎君
      陣内 孝雄君    須藤良太郎君
      鈴木 省吾君    鈴木 貞敏君
      関根 則之君    田沢 智治君
      竹山  裕君    坪井 一宇君
      中曽根弘文君    永田 良雄君
      楢崎 泰昌君    成瀬 守重君
      西田 吉宏君    野沢 太三君
      野間  赳君    野村 五男君
      服部三男雄君    林田悠紀夫君
      二木 秀夫君    真島 一男君
      前島英三郎君    前田 勲男君
      増岡 康治君    松浦  功君
      松浦 孝治君    松谷蒼一郎君
      溝手 顕正君    宮崎 秀樹君
      宮澤  弘君    村上 正邦君
      守住 有信君    森山 眞弓君
      矢野 哲朗君    柳川 覺治君
      山崎 正昭君    吉川  博君
      吉川 芳男君    吉村剛太郎君
      会田 長栄君    青木 薪次君
      穐山  篤君    一井 淳治君
      糸久八重子君    稲村 稔夫君
      今井  澄君    岩崎 昭弥君
      岩本 久人君    上野 雄文君
      小川 仁一君    及川 一夫君
      大渕 絹子君    大森  昭君
      大脇 雅子君    梶原 敬義君
      上山 和人君    川橋 幸子君
      菅野  壽君    喜岡  淳君
      北村 哲男君    久保  亘君
      久保田真苗君    日下部禧代子君
      栗原 君子君    佐藤 三吾君
      櫻井 規順君    志苫  裕君
      清水 澄子君    篠崎 年子君
      庄司  中君    菅野 久光君
      鈴木 和美君    瀬谷 英行君
      竹村 泰子君    谷畑  孝君
      谷本  巍君    種田  誠君
      千葉 景子君    角田 義一君
      浜本 万三君    肥田美代子君
      深田  肇君    渕上 貞雄君
      細谷 昭雄君    堀  利和君
      前畑 幸子君    松前 達郎君
      三上 隆雄君    峰崎 直樹君
      村田 誠醇君    本岡 昭次君
      森  暢子君    矢田部 理君
      安永 英雄君    山口 哲夫君
      山田 健一君    山本 正和君
      吉田 達男君    渡辺 四郎君
      藁科 滿治君    田  英夫君
      西野 康雄君    西川  潔君
      赤桐  操君    河本 英典君
      椎名 素夫君    堂本 暁子君
      西岡瑠璃子君    三石 久江君
      安恒 良一君    山田  勇君
    ―――――――――――――
 反対者(青色票)氏名      七十三名
      足立 良平君    荒木 清寛君
      井上  計君    石井 一二君
      泉  信也君    猪熊 重二君
      牛嶋  正君    及川 順郎君
      大久保直彦君    風間  昶君
      片上 公人君    勝木 健司君
      刈田 貞子君    北澤 俊美君
      釘宮  磐君    黒柳  明君
      小林  正君    木暮 山人君
      木庭健太郎君    田村 秀昭君
      高桑 栄松君    武田 節子君
      都築  譲君    続  訓弘君
      常松 克安君    鶴岡  洋君
      寺崎 昭久君    寺澤 芳男君
      直嶋 正行君    中川 嘉美君
      中西 珠子君    中村 鋭一君
      永野 茂門君    野末 陳平君
      長谷 川清君    浜四津敏子君
      林  寛子君    平野 貞夫君
      星野 朋市君    松尾 官平君
      矢原 秀男君    山崎 順子君
      山下 栄一君    横尾 和伸君
      吉田 之久君    和田 教美君
      粟森  喬君    井上 哲夫君
      池田  治君    磯村  修君
      乾  晴美君    猪木 寛至君
      江本 孟紀君    小島 慶三君
      笹野 貞子君    武田邦太郎君
      萩野 浩基君    古川太三郎君
      市川 正一君    有働 正治君
      上田耕一郎君    聴濤  弘君
      高崎 裕子君    立木  洋君
      西山登紀子君    橋本  敦君
      林  紀子君    吉岡 吉典君
      吉川 春子君    翫  正敏君
      喜屋武眞榮君    島袋 宗康君
      下村  泰君
     ―――――・―――――
#22
○議長(原文兵衛君) 本日はこれにて散会いたします。
   午後四時二十五分散会。
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト