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1995/05/16 第132回国会 参議院 参議院会議録情報 第132回国会 本会議 第23号
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1995/05/16 第132回国会 参議院

参議院会議録情報 第132回国会 本会議 第23号

#1
第132回国会 本会議 第23号
平成七年五月十六日(火曜日)
   午後三時二十一分開議
    ━━━━━━━━━━━━━
#2
○議事日程 第二十三号
  平成七年五月十六日
   午後三時開議
 第一 国務大臣の演説に関する件(第二日)
    ━━━━━━━━━━━━━
○本日の会議に付した案件
 議事日程のとおり
     ―――――・―――――
#3
○議長(原文兵衛君) これより会議を開きます。
 日程第一 国務大臣の演説に関する件(第二日)
 昨日の国務大臣の演説に対し、これより順次質疑を許します。吉田之久君。
   〔吉田之久君登壇、拍手〕
#4
○吉田之久君 私は、平成会を代表して、今回の補正予算をめぐる政治課題について、総理並びに関係大臣に質問いたします。
 今や日本の安全神話は内外ともに崩れ去った感があります。しかも、その原因のすべては村山内閣の不備にあります。その点から、ことしに入ってからの村山内閣を検証してみたいと思います。
 新年早々の一月十七日朝、阪神・淡路大震災が発生、死者五千五百人という痛恨の大惨事となりました。この地震の発生に際して首相官邸は、当初、事の重大性を認識せず、やがて茫然自失、その間多くの犠牲者を出し、国民の憤激を買い、また全世界に政府の危機管理能力の欠如を露呈する結果となったのであります。
 続いて、三月二十日、地下鉄サリン事件が発生、さらに警察庁長官狙撃事件、横浜異臭事件、また、事もあろうに五月五日のこどもの日に新宿地下鉄青酸ナトリウム事件が発覚、相次ぐ凶悪テロの連続で国民は不安きわまる毎日を送っています。そして、きょうついに麻原代表は逮捕されましたが、事件の本格的な究明はいよいよこれからであります。
 一方、構造的不況はさらに深刻、はたまた自動車部品をめぐるアメリカの高圧的姿勢、とどまるところを知らぬ円高の進行など、まさに国難ここに見る思いがいたします。
 特に問題なのは、自社政権という本来異質な組み合わせのために、政府は与党間のあつれき、摩擦を避けることにきゅうきゅうとして、目下の最重要課題である行政改革、規制緩和などをすべて先送りしていることであります。驚くほど無気力で、謝罪、償いのみの外交に終始している村山内閣に対し、今や国民の非難はごうごう、与党内部からも既に早期退陣の声が出始めています。
 総理、あなたの政権は既に液状化現象を呈しているのであります。あなたはこの一年を回顧され、無理を重ねた連立政権のゆえにあなた自身のリーダーシップをついに発揮できなかった無念さをかみしめておられることでありましょう。しかし、事ここに至っては、人心一新のために潔く退陣して信を国民に問うべきときは来たと思いますが、いかがでありますか。厳粛にお尋ねいたします。
 次に、円高対策について質問いたします。
 すこぶる投機的色彩の強い今日の円高には、何よりもその投機を押さえ込むに足る市場への強いインパクトを全世界に向けて発信することが不可欠であります。そのためには、円高の背景にある経常黒字を削減するため具体的な努力目標としての数値を提示するなど、思い切った方針を速やかかつ果敢に打ち出すべきでありました。
 しかるに、政府・日銀は事の本質を見誤り、ひたすら国際協調という他力本願を決め込み、いたずらに時間を浪費した責任は重大であります。ようやく先月中旬になって、公定歩合の引き下げを行い、政府の緊急円高対策を発表しましたが、時既に遅く、しかもその内容は具体性に欠け、国際的な非難を高めただけであります。
 リストラに次ぐリストラで疲労の極限にある多くの輸出関連企業にとって、このまま八十円台前半の円高が続けば、中小企業の大半は倒産し、国内の製造業はほとんど海外に流出し恐るべき産業空洞化をもたらし、日本経済の沈没は必至であります。
 我々は、まず一ドル百円を目標に、一千三百億ドルの経常収支の黒字を三年間で半減させ、他方、国費十兆円を投じて一般道路、空港、港湾、新幹線、情報通信、住宅、下水道を整備し、石油やレアメタルなどの緊急購入を実施するべきだと主張していますが、政府の補正予算は我々の要求のわずか四分の一、総額二兆七千億円にすぎません。これでは、戦後最大の経済的難局に直面している我が国の経済を救済することは到底不可能であります。
 一体、総理、大蔵大臣はこの事態にどのように対処されるのか、篤と承りたいのであります。
 ことしは戦後五十年という大きな節目の年でありますが、この年に日米包括協議が決裂し日米関係が極めて緊張した状態になっていることは、まことにゆゆしい問題であります。
 もちろん、米国政府の要求は市場原理に反し管理貿易につながるものだという我が国の主張にも、理はあります。米国に対してノーと言ってWTOに提訴することによって留飲を下げたい気持ちもわかりますが、それは極めて皮相的な対応と言わなければなりません。
 今、我々が強い危惧の念を抱くのは、過去の交渉と異なり日米の両首脳が全く歩み寄りの姿勢を見せていない点であります。
 海部内閣のときも日米間が大変緊張したことはありました。しかし、そのときは決裂ぎりぎりのところで、当時のブッシュ大統領から直接電話が入り、来週パームスプリングで会いましょうということになり、両国首脳は八時間も話し合いました。しかし、今年正月に村山総理が訪米した際、クリントン大統領との会談は昼食を交えてわずか二時間にすぎません。これでは用意されたペーパー以上のことを話し合えるはずはありません。
 最近のクリントン大統領の対日姿勢は選挙を意識したものと評する向きもありますが、選挙は一年半も先であり、今回の決裂は決してアメリカにおける国内的なジェスチャーだけだとは思えません。その根底には村山内閣に対する決定的な不信感が横たわっていると考えるべきであります。
 日米交渉決裂後の日米関係修復について総理の見解を承りたいと存じます。
 次に、社会資本整備の推進について伺います。
 二十一世紀初頭、我が国が本格的少子・高齢社会に突入するその前に福祉施設を初めとするさまざまな社会資本を整備することが必要不可欠であるという認識は、多くの国民に支持されています。また、日米構造協議から出発した四百二十兆円の公共投資基本計画は、昨年の日米包括協議を経て六百二十兆円に増額され、今後の我が国の社会資本整備の目標となっております。しかし、いまだ投資の内訳や中身は示されず、既存の公共事業五カ年計画との関係も不明確であります。
 経企庁長官のお答えを願います。私たちは、六百三十兆円の投資計画については、政府と民間研究機関との間に官民による競争見積もりの制度を導入し、可能な限り建設単価の引き下げを行い、投資効果の拡大を図るべきだと考えますが、いかがでありますか。
 聞くところによると、バブルの最盛期に比べ、現在は土地代は二分の一、建設費は三分の一程度下がっているようでありますが、建設省の工事単価の見直しについてどのように対応されているのか、あわせて建設大臣に伺います。
 次に、ゴラン高原への我が国からのPKO要員の派遣についてお尋ねいたします。
 政府は、昨年五月の国連からの打診を受けて、ゴラン高原に展開している国連兵力引き離し監視隊、UNDOFのカナダ後方支援部隊の一部機能を引き継ぐことについて検討してこられました。現地に派遣された政府調査団によれば、参加五原則の要件は満たされるとの結果が報告されております。カナダ部隊との交代を円滑に行うためには、五十嵐官房長官も五月中旬ごろには我が国の考えをまとめる必要があると明言しておられました。
 一年間も検討を続けた上で今なお派遣を決定しないならば、カナダ政府や国連の我が国に対する信頼は大きく失墜してしまうでありましょう。さらに、この上派遣の可否そのものになおあいまいな態度をとり続けるのであれば、一層我が国への信頼を損なうことは明白であります。
 政府は、この際、十一月派遣を直ちに決定すべきであり、それができないのであるならばもう今後の派遣はあきらめるべきであると考えますが、総理の明快な御答弁をお願いいたします。
 なお、この際、災害救助と自衛隊の関係について伺っておきます。
 今度の震災時における自衛隊員の不眠不休の活動には、国民から多くの感謝が寄せられています。しかし、それにしては自衛隊員に対する政府の対応は余りにも冷ややかだと言わざるを得ません。なぜなら、大震災の救出に出動した警察官や消防隊員に比べて、自衛隊員には処遇や手当の面で著しい格差があったことであります。人事院の所管の外にあり要求権も交渉権も持たない自衛隊員に対し、せめて災害派遣のときだけでももう少し温かい配慮があってしかるべきと考えます。
 なお、今次補正予算によって災害派遣の自衛隊にとって欠くことのできない車両装備等が果たして充足されるのかどうか。例えば、近年の防衛費削減で陸上自衛隊所有のトラック二万四千台は相次ぐ廃車で補充されず、現在一万四千台、充足率は六〇%に落ち込んでおり、災害時に威力を発揮するオートバイはわずか全国で三百二十台、その充足率は何と一五%にすぎないのであります。総理と防衛庁長官はこの実情を何と見られますか。
 なお、この機会にぜひ申し上げておきたいことは、災害派遣の場合の自衛隊機の装備の不完全さについてであります。
 昨年十二月夜、北海道奥尻島で大けがをした人を病院に運ぶために出動した航空自衛隊の救難ヘリが吹雪のため山腹に衝突、機長以下五人の隊員が殉職していますが、このヘリには地形探知用のレーダーが備えつけられておりません。かつて沖縄宮古島でも救急患者空輸の際、同じような理由によって自衛隊員が犠牲になっています。
 自衛隊への災害派遣の要請は、悪天候など極めて条件が過酷で民間では対応できない場合がほとんどであります。それだけに、より安全に行動できる装置を完備すべきであるのに 災害派遣は自衛隊の二義的任務であるとの理由で予算措置なども後回しにされ、ためこうした悲しむべき結果を招くのでありまして、まことに事は重大であります。災害時に身の危険を挺して活動する自衛隊員を思い政府に特段の配慮を求めるものでありますが、防衛庁長官のお考えを聞いておきたいと思います。
 次に、規制緩和の推進についてでありますが、政府は、三月末、千九十一項目の規制緩和推進五カ年計画を決定しながら、わずか半月もしないうちにこれを三カ年計画に短縮しました。まことに思いつき、おざなりの感があります。しかも、今回示された中身を見ると、肝心のものはほとんど先送りされ、とても真剣なものとは受け取れません。
 私は、ここに、規制緩和の最も有効な第一弾は都市計画法の抜本的見直しであると提言いたします。
 昭和四十四年、この法律の制定以来四半世紀たった今、市街化調整区域においても電力、ガス、上下水道、道路交通網も整い、その多くは既に住宅に適用されてしかるべき地域となっています。したがって、これらの地域を適切に市街化区域に参入させれば住宅問題は一気に解決し、景気も全国的に浮揚すると思われます。この分失われる農地は、減反を強いられている遊休農地を存分に活用することによって補われるはずであります。一石三鳥にも四鳥にも及ぶこの手法の導入こそ我が国の経済と国民生活に起死回生の道を開くものと確信いたしますが、総理、建設大臣の所感をお伺いいたします。
 次に、私は、低金利時代におびえる老人だちの存在について申し上げます。
 平成三年から下げ続けた公定歩合がついに一%まで下げられたことで、老後の生活を預貯金の金利に頼っている老人たちの悲鳴と怨嗟の声はすさまじいものがあります。私の知っているお年寄りも「今回の利下げは政府の方針としては仕方ないのでしょうが、どんな低金利時代でも老人に対してはせめて年四%以上を確保する措置を講じてほしい。」と切々と訴えています。この人たちは、老後のためにと質素倹約を旨として、こつこつとためてきた貯金の利息でささやかな年金生活の足しにしようと生きてきた人たちであります。金利六%時代には月に十二万円あったものが、二年前には六万円になり、今度は二万円そこそこになるのだから、もはや生きる希望を失ったと嘆いています。
 「人にやさしい政治」を説かれる総理、こうした心痛む老人たちの叫びにどうおこたえになりますか、お尋ねいたします。
 今すべての国民の耳目を集めているオウム真理教団はついに幹部みずからがサリンをつくったことを供述するに至りましたが、この事件の最も重要な側面は、恐るべき劇物の製造や武器購入が国境を越えて導入されたり実験されていたことであります。これは形を変えた国際的な凶悪犯罪であり、国家転覆の陰謀と断ずべきであります。
 政府は、世界的な提携対応を講ずるべきであると考えますが、総理の見解を求めます。
 また、注意を要する薬品の大量購入などへの追跡調査、特に毒物劇物に指定されたものの保管は必ず届け出や登録の制度化を図るなどの厳しい対応が急がれるべきだと思いますが、いかがでありますか。
 すべての国民は一日も早く安心して暮らせる社会秩序への回復を求めています。政府は、ここに全知全能を絞ってその期待にこたえるとともに、直ちにオウム真理教団を解散させるべきだということを強く総理に求めて、私の質問を終わります。(拍手)
   〔国務大臣村山富市君登壇、拍手〕
#5
○国務大臣(村山富市君) 吉田議員の質問にお答えを申し上げたいと思います。
 村山内閣に対する批判や早期退陣についてのお尋ねでございますが、私は昨年六月に就任して以来、政治改革はもとより、税制改革、規制緩和、特殊法人の見直し、地方分権の推進などの行政改革、さらには被爆者援護法、世界貿易機関への参加など、懸案となっておりました困難な課題に一つの大きな区切りをつけ、大胆な改革の推進に取り組んでまいりました。御承知のとおり、本年は戦後五十年の節目の年であるとともに、二十一世紀を間近にして、戦後の我が国を支えてきた経済社会システムの思い切った見直しのために取り組むべき課題はなお山積しております。
 特に、地下鉄サリン事件を初め相次ぐ事件の犯人逮捕と全容解明を早急に行うとともに、阪神・淡路大震災からの復旧・復興を初め災害に強い都市づくりや危機管理体制の確立を進めることが、社会不安の解消、安心できる政治の実現に不可欠の課題であると考えています。
 また、円高・経済対策を機動的かつ積極的に推進することにより、景気の回復と経済構造改革を実現し、我が国経済の将来について明るい展望を見出していくことが求められております。
 さらに、日米間の当面する自動車・同部品協議への対応、来るべきサミット、APEC大阪会議への取り組みなど、対外経済政策もゆるがせにできない課題でございます。
 こうした山積する課題を前に、政治の空白は許されるものではなく、国民の皆様の御意見に謙虚に耳を傾けながら引き続きこれらの課題に全力で取り組み、未来への展望を切り開いていくことこそが私に課せられた使命であると確信いたしております。したがって、私としてはこのような時期に退陣する考えは全くございません。
 次に、経済的難局への対処方針についてのお尋ねでありますが、我が国経済は、戦後二番目の長期の不況を経験したものの、現在緩やかながら回復基調をたどっております。ただし、最近の急激な為替相場等の変動は我が国経済の先行きに重大な悪影響を及ぼすおそれがございます。
 こうした事態に対処するため、政府は、四月十四日、現在の景気回復基調をより確実なものとすること等のため、機動的な内需振興、規制緩和の前倒しと輸入促進策、経済構造改革の推進などを内容とする緊急円高・経済対策を決定いたしました。その予算面の具体化として、今般総額二・七兆円の七年度補正予算を取りまとめ、昨日、国会に提出したところでございます。
 政府といたしましては、景気の先行きに生じている不透明感を払拭し現在の回復基調をより確実なものとするため、補正予算の一日も早い成立第期待しているところであり、対策に盛り込まれている各般の施策の着実な実施に努めるなど、今後とも引き続き為替相場の動向等も含む内外の経溶動向に対応した適切かつ機動的な政策運営に全力を挙げてまいる所存でございます。
 次に、日米交渉決裂と今後の日米関係についてのお尋ねでありますが、残念ながら、先般、自動車・同部品分野での協議については決着には至りませんでした。しかし、日米包括経済協議は、昨年十月来、政府調達、保険、板ガラス、金融サービス等の分野で決着を見ており、また投資分野での協議、さらにはコモンアジェンダのもとでの協力も推進しており、全体として見れば着実に成果を上げてきていると認識をいたしております。
 この中で、自動車・同部品分野の協議については、去る十一日の米側の発表を受けて、今後我が国としては、この分野に関する話し合いの場をWTOに移すことになります。これにより、政府としては、本件を政治問題化することなく、国際ルールに基づいて、冷静に話し合いで解決を図ることに全力を尽くしてまいりたいと考えているところでございます。
 自由と民主主義、市場経済原理といった基本的価値観を共有し、世界のGNPの約四割を占める日米の良好な協力関係は、世界平和と繁栄にとっても不可欠であります。日米両国政府の間では、日米関係について、政治・安全保障、経済、グローバルな協力等、バランスのとれた形でさらに発展させていくとの認識で一致をいたしております。このような認識のもとで、我が国としても、日米関係を引き続き外交の基軸とし、一層緊密な協力関係を構築するため主体的に取り組んでいきたいと考えております。
 次に、ゴラン高原PKOへの我が国の要員の派遣についてのお尋ねでございますが、この件につきましては、先ほどもお話がございましたように、現在連立与党内で御検討いただいておるところでございますが、政府としては、その経過も踏まえながら政府としての方針を取りまとめたいと考えております。
 次に、自衛隊の災害派遣のための車両等の充足についての御質問でございますが、今回の補正予算におきましては、阪神・淡路大震災からの復旧・復興を行うと同時に、地震災害等の防止のために緊急に対応すべき事業を盛り込むことにしており、かかる観点から、所要の車両等の装備の充足をし、その向上を図ることとしておるところでございます。
 次に、規制緩和と都市計画法についての御質問でございますが、都市計画による規制は、安全の確保、良好な市街地の計画的な形成など、国民生活の質の向上を図るための社会的規制でございます。こうした観点に立ちまして、今国会でも高度利用の推進と居住環境の向上のため、規制緩和の要請も踏まえ、都市計画法の改正をいただいたところでございます。今後とも、住宅問題を含め都市計画制度の的確な運用と充実を図ってまいりたいと考えておることについて、御理解を賜りたいと存じます。
 次に、金利と年金生活者への対応についてお尋ねがございましたが、老齢福祉年金の受給者等を対象としている福祉定期預金につきましては、従来と同様の金利すなわち現在の平均的な金利より三%高い四・一五%での預け入れが可能であり、これによって年金生活者等に対応しているところでございます。また、新ゴールドプランに基づいて福祉の充実などに努めておるところでございますので、御理解を賜りたいと存じます。
 次に、警察においてこれまで懸命に捜査を行った結果、オウム真理教幹部らが組織的にサリンを製造し地下鉄サリン事件を敢行したことを解明し、本日早朝を期して関係被疑者を逮捕するなど、事案の全容解明に向けて着実に捜査が行われているものと承知をいたしております。
 このサリンの問題につきましては、世界各国も重大な関心を有しているところでございまして、今後とも各国と緊密に連携を図りつつ同種事案の発生防止に努めてまいりたいと考えております。
 危険な薬品の追跡調査及び毒物劇物の保管等についてのお尋ねでございますが、毒物及び劇物取締法におきましては、保健衛生上の見地から毒物劇物の販売業等の登録や譲渡手続等の必要な規制を行っているところでございます。さらに、今回の事件等を踏まえ、毒物劇物の流通実態の把握に努めるとともに、その適正な保管管理の一層の徹底等のため、譲渡手続の遵守等について都道府県や業界団体を通じて指導しておるところでございます。
 毒物劇物の保管の届け出の制度化等につきましては、警察の捜査結果や流通実態の調査結果等を踏まえ、現行法の趣旨、目的を勘案しつつ、必要があれば適切に対応してまいりたいと考えております。
 国民の社会秩序の回復を求める期待にこたえる」べきではないかとのお尋ねでありますが、これまで警察においてオウム真理教をめぐる種々の犯罪容疑について鋭意捜査を実施しており、オウム真理教幹部らが組織的に地下鉄サリン事件を敢行したことを解明するなど、全容解明に向けて着実に進められているところでございます。
 政府といたしましては、国民の不安を一刻も早く解消するため、関係省庁がより一層連携を密にして再発防止等の諸対策を強力に推進し、国民の期待にこたえてまいりたいと考えておるところでございます。
 残余のことにつきましては、関係大臣から答弁をさせます。(拍手)
   〔国務大臣武村正義君登壇、拍手〕
#6
○国務大臣(武村正義君) 経済の対処方針でありますが、総理の御方針に従って全力を尽くしてまいりたいと思います。(拍手)
   〔国務大臣高村正彦君登壇、拍手〕
#7
○国務大臣(高村正彦君) 公共投資基本計画は、二十一世紀初頭には社会資本が全体としておおむね整備されることを目標とし、今後十年間の期間における社会資本整備の基本的な方向を政府の指針として示したものであります。本計画では、生活者重視の視点に立って、公共投資のうち生活環境、福祉、文化機能に係るものの割合を六〇%台前半に増加させることとしております。
 個別分野の具体的な姿については、その時々の情勢に応じ、本計画を踏まえて公共事業関係長期計画や各年度の予算等において示されることとなっております。いずれにせよ、本計画の具体的実施に際しては、財政の健全性を確保しつつ、各時点での経済財政事情を踏まえ、機動的、弾力的に対処していくことが重要と考えております。(拍手)
   〔国務大臣野坂浩賢君登壇、拍手〕
#8
○国務大臣(野坂浩賢君) お答えをいたします。
 今、お話がありましたように、最盛期のバブル時代と比べて土地代は二分の一あるいは建設費は三分の一縮減になったんではないか、さらにそれを値下げするために基準表の見直しはどうかという御質問でございますが、公共工事の積算に当たりましては、会計法令の規定によって、取引の実例価格、これに基づいて厳正に予定価格を定めております。
 したがいまして、労務費、資材費、機械経費等の積算基準類も、実際の施工及び取引の実例価格に応じて、言うなれば、実勢価格が下がればそれに応じて積算に用いる単価を下げるというように、適宜的確に改定をしております。
 建設省といたしましては、昨年の十二月に「公共工事の建設費の縮減に関する行動計画」を策定したところでありますが、この計画に基づきまして、輸入資材の活用などの資材費の低減、工場製品の積極的活用などの生産性の向上、施工のロボット化などによる技術開発の推進等の諸施策を積極的に推進し、建設費の縮減に努めてまいる所存でございます。
 なお、規制緩和の有効な第一弾は都市計画法の問題だというお話がございまして、総理大臣からお答えがありましたが、そのとおりでありますと。言うとまたもっとやれということになりますか保ら、申し上げますが、規制緩和と都市計画法についての質問につきましては、その規制は安全の確保、良好な市街地の計画的な形成など、国民生活の質の向上を図るための社会的規制であることを踏まえて正確に運用されるべきものと考えております。
 このような観点に立ってこれまでも都市計画制度の見直しを進めてきたところでありますが今国会でも高度利用の推進と居住環境の向上のために、規制緩和の要請も踏まえて、都市計画法の改正を皆さんの御協力でいただきました。ありがとうございました。
 御指摘の市街化区域と市街化調整区域の線引きは、道路、公園などの公共施設が整備されないまま無秩序に市街地が拡大することを防止するために行うものでございます。御承知のとおりでございます。具体的な線引きの見直しはおおむね五年ごとに定期附に行うことにしておりますが、さらに土地区画整理事業の実施、地区計画の策定など計画的な市街化の見通しがついた区域につきましては随時必要に応じて見直しが行われておるということを、御承知おき願いたいと思います。
 今後とも、御指摘の線引きについてその見直しの的確な推進を図るなど、都市計画制度の適正な運用と充実を図ってまいりたいと考えております。
 以上であります。(拍手)
   〔国務大臣玉沢徳一郎君登壇、拍手〕
#9
○国務大臣(玉沢徳一郎君) 吉田議員の御質問にお答え申し上げます。
 まず、災害派遣時の自衛隊員に対する処遇でありますが、派遣された隊員が安んじて業務に従事し、かつみずからの業務に誇りを持つとの観点から、その処遇等には万全を期する必要があると考えておりまして、今回の阪神・淡路大震災におきましても、特異な状況下であることを考慮し、災害派遣手当や増加食を支給するほか、消耗の激しい日用品の現物支給を行ったところであります。
 なお、自衛官と地方公務員の警察官等では給与体系を異にしていることから一概に比較することは困難であると考えますが、自衛官の給与については従来から一般職の国家公務員のそれと相互に均衡するよう措置するものとされており、現行制度のもとにおきましては給与の公正は十分に保障されていると認識しております。したがって、全体的に見まして御指摘のような格差はないと考えているところであります。
 次に、災害派遣の場合の自衛隊機の装備についての御質問でありますが、災害派遣の実施に当たりましては、自衛隊の持つ機動力を十分に発揮するとともに、災害の態様等に応じ各種の現有装備品を有効に活用して迅速かつ的確に対応してきているところであります。自衛隊機等の装備品につきましては、引き続き安全確保に十分留意して整備に努めてまいる所存であります。
 次に、今回の補正予算における自衛隊の災害派遣のための車両等の充足についての御質問でありますが、今回の補正予算におきましては、阪神・淡路大震災からの復旧・復興を行うと同時に地震災害等の防止のために緊急に対応すべき事業を盛り込むこととしておりまして、かかる観点からオートバイ等の装備の充実、向上を図ることといたしております。
 また、陸上自衛隊所有のトラック等の車両の充足につきましては、今後、自衛隊の機動力を充実強化していくという観点からも、まずその整備に当たりまして平時の災害派遣や教育訓練に支障が生じないよう万全を期してまいる所存であります。
 以上であります。(拍手)
    ―――――――――――――
#10
○議長(原文兵衛君) 石井道子君。
   〔石井道子君登壇、拍手〕
#11
○石井道子君 私は、自由民主党を代表いたしまして、平成七年度補正予算案につきまして、総理並びに関係閣僚に質問をいたしたいと存じます。
 本補正予算は、財政演説にもありますように、喫緊の課題である大震災や円の高騰等に対応したものであり、厳しい財政事情にもかかわらず国民の要望にこたえるべく早急に総額二兆七千三百億円に上る対応をされましたことについて、まず敬意を表したいと存じます。
 本年一月、阪神・淡路地域において多くの犠牲者を出す痛ましい大震災が起こり、高速道路等の高架橋が倒れ、新幹線などの交通も遮断されました。さらに、東京では警察庁長官の狙撃事件が起こり、三月二十日の早朝には地下鉄の満員通勤電車において猛毒神経ガス、サリンによる殺傷事件が起こりました。
 世界の中で、日本は治安もよく住みよい安全な国として高く評価をされてまいりましたけれども、今まで信じて疑わなかった安全神話が崩壊し、多くの国民の皆様方があすは我が身かと大きな不安におとしめられています。国民の生命、財産を守ることは国家の最大の使命であります。村山総理は、安心できる政治を大きな旗印にされておりますが、国民生活の安全を守るため、防災、治安等の危機管理及び再発防止にどのように取り組まれようとしているか、まず伺いたいと存じます。
 国際的に見ても日本は容易ならざる局面に立たされており、日本経済の体力から大きくかけ離れた円相場の高騰が起こり、先般、日米包括協議が決裂し、経済の視界が不透明になってきております。
 アメリカは、先日、日本の市場の閉鎖性についてWTOに提訴通告を行い、さらに通商法三〇一条に基づき対日制裁リストを公表する方針を固めたと聞いております。日本政府は、それが公表されたら直ちにWTOに提訴し、アメリカの管理貿易につながる要求や一方的制裁措置がWTOの自由貿易のルールに反することを堂々と主張すべきと考えますが、外務大臣の確固たる方針を確認いたします。
 総理が今月初め中国を訪問され、中国政府の首脳等と世界やアジアの平和、経済問題等について意見交換されたと存じますが、総理のアジア外交の方針から見てどのような具体的な成果が上がったのか、総理に伺いたいと存じます。
 ことしの秋には北京で第四回世界女性会議が開催されますが、特にアジアの近隣諸国に対し、女性の地位向上、福祉についてどのような貢献をされようとしているのか、あわせてお聞かせ願いたいと存じます。
 次に、阪神・淡路大震災及び防災について伺います。
 本年一月十七日未明五千人を超える死者を出した未曾有の大災害から、四カ月が過ぎようとしております。この間、人生最大の試練に遭遇されてもくじけずに苦難を克服され、みずからり再興に立ち向かわれていらっしゃる被災者の皆様に、どうか頑張ってくださいと、この場をおかりして心よりお慰めと励ましの声援を送らせていただきます。
 今回の補正予算では復旧関係で一兆四千三百億円が計上されておりますが、「人にやさしい政治」を実行する村山内閣として、果たしてハード中心の予算をつけただけでよろしいのでしょうか。
 応急の仮設住宅は三万四千戸が建設され、公営住宅等の空き家への入居あっせんもされたと聞いておりますが、今なお三万七千人の方々が避難所暮らしを余儀なくされていらっしゃるのはどういうことなのでしょうか。中でも、ひとり暮らしや介護が必要なお年寄りは住みなれた地元をなかなか離れられないというお気持ちがあると思うのでございます。
 総理、今回のような大災害で一番被害を受けるのは高齢者や障害者、子供たち等の弱者なのでございます。この人たちに目を向けた介護、メンタルケア、遺児の救済等きめ細かい対策を行うことが真に「人にやさしい政治」ではないでしょうか。この問題にどのように対応されますか、総理及び大蔵大臣のお考えをお伺いいたします。
 膨大な量に上る瓦れきはまだ数多く残されているようですが、これは恒久住宅の建設を初め、新しい町づくりや環境面等からも早急に処理を進める必要があります。どのような体制で、いつごろまでに処理する見通しか、厚生大臣に伺います。
 また、今回たくさんの医療や福祉施設、教育機関等の施設が被災をし、その一日も早い復旧が待たれるところでございます。公的機関には国庫補助のかさ上げ等が実施されましたけれども、すべての住民にかかわる重大な問題として、公的、民間、分け隔てなく、その復旧に国として援助をしなければならないと考えますが、どのような措置をされますか、厚生大臣、文部大臣に伺います。
 国際観光都市である神戸は、港とともに栄え、繁栄してまいりました。神戸港は我が国貿易額の一一%を占め、国際海上輸送の拠点機能を果たしておりましたが、その港も壊滅し、我が国経済全体に深刻な影響を与えております。耐震性の強い港をつくるのはもぢろん、アジア地域の拠点港として国際海運から見て魅力ある港づくりが求められますが、総理の御所見をお伺いいたします。
 神戸市復興計画検討委員会は六月に基本計画を策定する予定とのことですが、二度と同じような惨事を繰り返さないように、政府としても、今後日本の防災都市づくりの見本となるように神戸市や淡路島の復興計画を支援し、この実現に全力を傾けていくことを被災者並びに国民に約束していただきたいと思います。総理、いかがでしょうか。
 補正予算には緊急の耐震補強の防災対策も盛り込まれていますが、備えあれば憂いなしの例えのごとく、全国的な防災に万全を期すために、社会経済情勢の変化に対応し、地域の特性を生かした防災基本計画の抜本的な見直しを行うべきと考えますが、お考えをお伺いしたいと存じます。
 次に、円高是正及び景気対策について伺いたいと存じます。
 円高は、我が国の経済の体力に見合ったものであれば本来国益になり、円高差益を具体的に還元していけば国民生活にメリットをもたらすはずのものであります。三月から始まった急激な円相場の上昇は、我が国の産業界、経済界に深刻な影響を与えております。このままでは、景気、雇用面で国民の暮らしに悪影響をもたらす心配が出ております。
 円高の背景には日本の大幅な貿易黒字が指摘をされ、その削減方策が先月政府が公表いたしました緊急円高・経済対策に盛り込まれておりますが、補正予算で円高是正対策をしっかり肉づけしていけば円相場がもっと鎮静化する見込みがあるのかどうか、例えば輸入促進税は輸入をどの程度加速する効果が期待できるのか、我が国の今後の対応について具体的に海外にもわかりやすく説明していく必要があります。
 規制緩和についても、政府としては、五カ年計画を二年前倒ししたようですが、果たして輸入増大や円高差益還元にどのような効果があるのか示す必要があります。例えば、内外価格差の大きい生活物資や公共料金についてどの程度価格の引き下げ効果が期待できるのか、総理に御説明してほしいと存じます。
 ゴールデンウイーク中に与党議員団が訪米し、アメリカ政府、議会関係者等と会談をした際、日本の今回の対策が余り理解されていないとの報告がありましたので、特にこの点を強調いたしておきます。
 内需拡大を図り、景気回復を確かなものにするために、経済フロンティア拡大の投資を補正予算に盛り込み、研究開発や情報通信等の無形の知的資産形成に対し、赤字国債発行に踏み切って新しい公共投資の道を開かれたことは画期的であります。日本経済・産業の新しい展望を切り開くとともに、医療や福祉の面において研究や情報の開発が役立つよう十分配慮すべきでありますが、大蔵大臣、いかがでしょうか。
 円高によって九割の中小企業が「円高の影響がある」と回答している調査があります。今までの血のにじむようなリストラ努力が水泡に帰さないように、政府はリストラ支援法の一部改正案提出を初めいろいろ対策を打ち出していますが、緊急避難的な超低利のつなぎ資金の融資をもう一工夫されるよう要望いたします。
 また、雇用情勢は製造業を中心に依然厳しく、完全失業率は三月には三%となり、一番しわ寄せを受けるのは高齢者や女性、新卒者であります。さらに、多くの企業は来春も採用を手控える動きも出ておりまして、このままでは社会不安を招きかねません。
 政府は、「失業なき労働移動」の実現を目指されておりますが、広範な業種を対象としたきめ細かな就業促進対策等、新しい雇用アクションプログラムを用意されるかどうか、総理の御見解をお聞かせください。
 次に、オウム真理教の問題等について質問いたしたいと存じます。
 地下鉄サリン発散殺傷事件は、警察当局も想像さえしなかった無差別テロ事件であり、完全に治安対策の盲点を突かれたものと申し上げなければなりません。事件発生後、警察関係者の日夜にわたる懸命の捜査が行われ、ようやく本日、オウム真理教の麻原代表が殺人容疑等で逮捕されました。並々ならぬ御労苦に対し感謝を申し上げる次第でございますが、本事件について一日も早く犯行の全容を解明し、速やかに社会不安を解消していただきたいと存じます。
 また、このような大きな反社会的事件を引き起こしたオウム真理教を生み出した治外法権的な聖域が公益性を持つべき宗教法人制度にあったことは、大きな驚きであります。信教の自由は保障されなければなりませんが、これを隠れみのに悪用し公共の福祉を害することは断じて許すことはできません。宗教法人法の第八十一条の解散命令の速やかな請求・審査を望みますとともに、宗教法人のあり方について十分審議を尽くし、二度とこのような反社会的な団体が生まれないように情報公開を初め必要な法改正を検討していただきたいのでありますが、文部大臣、いかがでございましょうか。
 それにつけましても、幼げな子供たちがヘッドギアをつけ、栄養不良になっている痛々しい姿をテレビで見るにっけましても、驚きを通り越して心底怒りが込み上げてまいります。この子供たちをどのようにして養護し、教育し、心をいやしていくのか、心配でなりません。一連の事件において、まさに道義地に落ちたという思いで、まことに残念至極でございます。本事件の反省に立ち、人づくり教育のあり方について御所見をあわせてお聞かせ願いたいと存じます。
 終わりに一言申し上げます。
 村山連立政権は、誕生以来やがて一年近くになります。総理に対する信頼感を中心として、責任と安定の政治を目指しつつ、与党三党の民主的手続を重視した政策協調によって、本年度予算の早期成立を初め、選挙制度の改正、年金改正、税制改革、WTO加入のための国内対策、特殊法人の統廃合等、数多くの難しい重要課題をなし遂げてまいりました。また、長年の課題でありました地方分権の推進につきましては、昨日その法律が成立をしたところであります。
 今回の大震災やサリン事件等はだれしも予見しがたい不幸な惨事であり、まさに国難とも言うべき状況にありますが、このようなときこそ、国民の大切な今、暮らしをしっかり守るために政治が懸命に取り組んでいるかどうかを国民は真剣に注目しているのであります。
 それにこたえるため、本補正予算を早期成立させなければなりません。私ども与党はもちろんですが、野党の皆様方も大局的見地に立って一致協力し、全力を挙げて国難を乗り切っていかなければならないと存じます。
 総理は、強い信念を持って勇猛心を発揮され、この一年間培われた国の最高指導者としての力を存分に発揮していただきますよう切にお願いを申し上げまして、私の質問を終わります。(拍手)
   〔国務大臣村山富市君登壇、拍手〕
#12
○国務大臣(村山富市君) 石井議員の質問にお答えを申し上げたいと思います。
 防災、治安等の危機管理についての御質問でございますが、今回の阪神・淡路大震災やサリン等を使用しての無差別テロ事件などの経験を踏まえ、まず災害対策の面につきましては、政府としては制度の見直しを含めて全般的な検討を進めているところでございます。一危機管理の確立という観点から、現行制度のもと、当面政府として決定した措置としては、災害発生時の総理官邸等への迅速な情報連絡体制の整備を行ったところでございます。また、政府として適切かつ迅速な応急対応を可能にするため、現在、中央防災会議におきまして防災基本計画の見直しを進めているところでございます。
 さらに、中長期的観点からは、自然災害に対応した国、地方公共団体等による防災体制のあり方について、現在、防災問題懇談会において精力的に検討を行っていただいておりますので、同懇談会での議論を踏まえ、引き続き緊急即応体制の充実強化について施策の充実に努めてまいりたいと考えております。
 また、サリン等を使用しての無差別テロに対しては、警察において、現在、地下鉄等の交通機関や地下街、公共施設等大勢の人々が集まる場所を中心に、再発防止のための警戒活動を強化しているところでございます。
 政府におきましても、危機管理の確立という観点から、サリン問題対策関係省庁連絡会議を設置するなど、関係省庁のより一層緊密な連携のもと諸対策を推進しているところでありまして、今後とも再発防止に全力で取り組んでまいる所存でございます。
 次に、先般の私の中国訪問の成果についてお尋ねがございましたが、戦後五十周年の節目の年に総理として中国を訪問し、過去の歴史への真摯な認識に立って未来志向の日中関係を構築していくこと、及びアジア・太平洋、ひいては世界の平和と繁栄に向け日中間で協力し貢献していくことを中国側との間で確認できたことは極めて有意義であったと考えます。この間、盧溝橋を訪れ、平和の決意を新たにしたことも御承知のとおりでございます。
 また、今回、中国側指導者との間でアジア・太平洋情勢を含む幅広い問題についても率直かつ熱のこもった意見交換を行うことができました。
 首脳会談の性質上、やりとりの詳細をすべて明らかにすることは差し控えさせていただきたいと思いますが、例えば北朝鮮の核開発問題について米朝合意の着実な実施と粘り強い対話による解決の重要性につき日中で認識が一致をし、あるいは、日中経済関係について中国側から我が国の対中投資の促進につき要請があったのに対し、私からは投資環境整備の重要性を指摘申し上げるなど、日中双方が胸襟を開いてお互いの立場を表明し、理解を深めることができました。
 私は、良好な日中関係は二国間関係のみならず国際社会の平和と安定にとっても重要であると考えますが、今回の訪中により中国側指導者との間の個人的な信頼関係を一層強固なものとし、日中友好関係をさらに発展させることに寄与することができたと確信をいたしておるところでございます。
 第四回世界女性会議は、今日の国際社会において女性の地位向上が極めて重要な課題となっていること、また初めてアジア地域で開かれる世界女性会議となることから、我が国としても特に重視しており、この会議の重要性を十分踏まえつつ、途上国における女性の地位向上と福祉のための支援の強化を図っていく所存でございます。具体的には、今年度予算においてJICAや国際機関、NGO等を通じて女性支援を拡充強化するための予算措置等を講じております。
 次に、復旧・復興に関連をし、高齢者への対策等ソフト面についてのお尋ねでございますが、今回の災害では多くの方々が被災し、政府としてもその支援対策に万全を期しており、中でも災害弱者と言われます高齢者や障害者の方々、あるいは親御さんを亡くされた子供さんたちなどには十分な配慮が必要であると考えております。
 このため、応急仮設住宅への弱者の優先的入居、遺族年金の早期支給、メンタルケアヘの支援など各般の措置を既に行っているところでございますが、あわせて今回の補正予算の編成に当たりましても、地元のお考えも伺いながら、高齢者等のためのケアつき仮設住宅、施設での弾力的受け入れ、施設復旧、障害者のための情報ネットワーク事業などに伴う必要な財源措置を適切に講ずることとしておりますので、御理解をいただきたいと存じます。
 次に、神戸港の新しい港づくりについてのお尋ねでございますが、神戸港は我が国の国際海上コンテナ貨物の三割を取り扱う国際貿易の重要拠点でもございます。今回の震災によって神戸港の外国貿易機能は壊滅的な打撃を受け、阪神地区はもとより、我が国全体の経済社会に対して極めて大きい影響を与えたことは御存じのとおりでございます。
 これら被災した施設を一日も早く復旧することはもちろんでありますが、これに加えて、高規格の国際コンテナターミナル群の整備を早急に進めること等により、神戸港の魅力向上に今後も努めてまいりたいと考えております。
 次に、神戸と淡路島の復興計画についての国の支援についてのお尋ねでありますが、阪神・淡路地域の復興につきましては、生活の再建、経済の復興、安全な地域づくり在緊急に推進し、もって活力ある関西圏の再生を実現することを基本理念として、関係地方公共団体が行う復興事業への国の支援その他復興に関する施策を政府一丸となって着実に推進してまいりたいと考えております。
 阪神・淡路地域の復興計画につきましては、現在、地元の地方公共団体において計画の策定に向けての検討作業が進められているところでございますが、政府としても、地方公共団体の主体性を尊重しながら、また阪神・淡路復興委員会の御意見も踏まえつつ、これを最大限支援してまいりたいと考えているところでございます。
 次に、防災基本計画の見直しの基本的考え方についての御質問でありますが、防災基本計画につきましては、今般の阪神。淡路大震災の経験及び都市化、高齢化、情報化等の社会経済情勢の変化等を踏まえ、災害対策の迅速な対応、災害に強い施設の整備等の的確な実施を図る観点から抜本的な見直しを行っているものでございます。
 なお、御指摘の構造物の耐震性の強化につきましては、防災基本計画の見直しの際に必要な事項を盛り込むことといたしていることについて御理解を賜りたいと存じます。
 次に、緊急円高・経済対策の物価に与える効果についてのお尋ねでございますが、対策に盛り込まれた差益還元策は、物価の安定をより一層促進する効果があると考えております。この効果を量的に明示することは困難なことを御理解いただきたいと思いますが、政府は一体となって内外価格差の是正・縮小を図るため、毎年一斉に個別分野ごとに実態調査を行い、内外価格差の要因を明らかにし、それを踏まえ、競争環境の整備や輸入拡大に向け、規制の緩和、独禁法の厳正な運用、競争制限的な取引慣行の是正等の具体的な対応を進めてまいります。
 また、公共料金の引き下げ等につきましては、現段階で考えられる最大限のものを対策に盛り込んだところでございますが、今後とも、円高差益の還元を含め、可能なものについては積極的に引き下げを図ってまいりたいと考えております。
 最後に、新しい雇用対策についてのお尋ねでございますが、政府としては、円高の進行のもとで雇用維持の一層の支援を図るため、雇用調整助成金の特例措置を当面継続することといたしております。
 さらに、今後は構造的な問題を抱える業種からの「失業なき労働移動」を進めることが重要であります。このため、今国会で成立をいたしました改正業種雇用安定法の円滑な施行に努めてまいる所存でございます。なお、この準備の一環として、地域レベルの円高等雇用対策協議会の設置など関連する施策を補正予算案に計上しているところでございますので、御理解と御協力を賜りたいと存じます。
 残余の質問につきましては、関係大臣から答弁をさせます。(拍手)
   〔国務大臣武村正義君登壇、拍手〕
#13
○国務大臣(武村正義君) 阪神・淡路大震災で被害を受けた高齢者や障害者など、いわゆる災害弱者の方々への支援策につきましては、きめ細かい配慮が必要と認識をいたします。
 このため、政府としましては、ただいま総理からも答弁がございましたように、各般の措置を講しているところでございますが、さらに今回の補正予算におきましては、高齢者等のためのケアつき仮設住宅、老人・障害者・児童関係の各種施設における弾力的受け入れ、介護が必要な高齢者等のための施設の復旧、障害者のための情報ネットワークの整備などについて所要額を計上し、災害弱者への支援に万全を期しているところでございます。
 また、今後の公共投資の研究開発、情報通信分野における医療、福祉面の配慮につきましても、ぜひ重視を図ってまいりたいと考えております。(拍手)
   〔国務大臣河野洋平君登壇、拍手〕
#14
○国務大臣(河野洋平君) 石井議員御承知のとおり、我が国もアメリカもいずれもWTOの加盟国であります。したがいまして、我が国の自動車・同部品市場に関連してアメリカがWTOの紛争解決手続を求めるということであれば、我が国としてもこれに応じ、WTOの紛争解決手続にのっとって我が国の主張を貫いてまいる所存であります。また、アメリカがWTO協定違反を構成する一方的措置の発表を行う場合には、WTOでの話し合いをこちらから求めたいと考えております。(拍手)
   〔国務大臣井出正一君登壇、拍手〕
#15
○国務大臣(井出正一君) 石井議員にお答えをいたします。
 まず、瓦れき処理についてのお尋ねでございますが、これまでに国、県、関係市町及びその他の関係者による災害廃棄物処理推進協議会の設置や兵庫県による災害廃棄物処理計画の作成などにより、その円滑な処理に取り組んできているところであります。さらに、今後仮置き場や積み出し基地を増設するとともに、破砕・選別施設や焼却施設を設置するなどにより、瓦れきの処理を促進することとしております。
 厚生省といたしましては、平成七年度中におおむね瓦れき処理が完了するよう関係地方公共団体の取り組みを支援してまいる考えでございます。
 次に、医療施設や福祉施設の復旧のための援助についてのお尋ねでございますが、被災した医療機関については、従来予算補助の対象とされていなかった民間医療機関についても、災害復旧費補助金として救急医療を担う病院に対する国庫補助制度を新たに創設するとともに、医療施設近代化施設整備事業の補助要件を改正し、患者の療養環境等を改善する病院及び在宅当番医を担っている診療所に対して国庫補助を実施することとしたところでありまして、今回の補正予算におきましてもこれらの経費として七十八億円を計上しているところであります。
 また、歯科診療所につきましては、被災した診療所はすべて民間立てありましたが、共同診療所の整備、歯科検診・保健指導事業等の緊急歯科保健事業を行うため五億円を計上したところであります。
 さらに、社会福祉・医療事業団による貸し付けについても、被害の著しい民間の医療施設に対して低利融資等賞し付け条件の緩和を行ってきましたが、さらに今回の補正において融資規模の拡大を行うこととしております。
 被災した特別養護老人ホーム等の社会福祉施設につきましては、公立てあるか社会福祉法人立てあるかにかかわらず、国庫補助率のかさ上げ措置を講じたところであります。
 さらに、民間の社会福祉施設に対する社会福祉・医療事業団の融資についても、無利子とする措置を講じたところでございます。
 以上です。(拍手)
   〔国務大臣与謝野馨君登壇、拍手〕
#16
○国務大臣(与謝野馨君) まず第一に、阪神・淡路大震災に係る私立学校施設の復旧についてでございますが、文部省としては、私立学校の教育研究活動の一刻も早い回復に向けて、平成七年度の補正予算において私立学校施設の本格復旧のための予算を計上し、この中で大学の建築基準単価を実勢に応じたものになるよう大幅に引き上げるとともに、復旧融資について金利のさらなる引き下げ等を行うこととしております。また、特に私立学校については、新たに、施設面に加えて教育研究活動の面での復旧に対する予算措置を講じることとしております。
 このように、施設面及び教育研究活動の両面における施策の充実を通じて、今般の震災で被災した私立学校の災害復旧が円滑かつ迅速に実施できるよう適切に対処してまいりたいと考えております。
 次に、宗教法人についての御質問でありますが、宗教法人法は、宗教法人が法令に違反して、著しく公共の福祉を害すると明らかに認められる行為をした場合には、所轄庁、利害関係人もしくは検察官の請求により、または職権で、裁判所は解散を命じることができると規定されております。
 オウム真理教に係る事件に関しては、教団幹部の監禁罪等による逮捕、起訴に次いで、本日は麻原教祖が殺人罪等の容疑で逮捕され、引き続き捜査が進められているところであります。
 文部省としては、今後これらの幹部の起訴の状況を見定めつつ、関係機関と協議の上、解散請求につき適切に対処してまいる所存でございます。
 また、宗教法人制度のあり方に関しては、目下宗教法人審議会において御審議をいただいているところであります。この問題は、信教の自由や政教分離の原則にかかわる問題であり、慎重な検討が必要ですが、できるだけ早期に取りまとめをいただきたいとお願いしているところであります。
 次に、オウム真理教の子供たちの養護、教育についてであります。オウム真理教の施設から保護された子供たちについては、児童相談所において詳しい事情を聞き、その結果を踏まえ、子供たちにとってどこに帰すのがよいかという問題を含めて適切に対応することといたしております。これらの子供たちについては、健全な成長ができるような環境で生活し、子供たちにふさわしい保護者のもとで学校に通わせることが必要であります。年齢も家庭の事情も置かれていた状況も違うため、一人一人の状況に応じた対応を要するものと考えております。
 文部省としては、今後とも関係機関と連携しながら、これらの子供の教育についても適切な対応をしてまいります。
 最後に、本事件の反省の上に立った教育のあり方ということを御質問されましたが、子供たちの教育については、学校、家庭、地域社会が一体となってそれぞれの教育機能を発揮することが、より豊かな人格形成につながると考えております。特に学校教育においては、みずから考え、理性的に判断し、行動できる資質や能力を身にづけるとともに、豊かな人間性を育てるよう一層努力してまいる所存であります。(拍手)
    ―――――――――――――
#17
○議長(原文兵衛君) 会田長栄君。
   〔会田長栄君登壇、拍手〕
#18
○会田長栄君 私は、日本社会党・護憲民主連合を代表して、先日政府から提案のありました平成七年度補正予算案について、総理及び関係大臣に質問いたします。
 今、国民の最大の関心の的は東京地下鉄サリン事件、そしてオウム真理教の問題であり、國松警察庁長官の襲撃事件であり、東京二信用組合の乱脈経営と政治家のかかわりの問題であり、阪神・淡路大震災の救援と復興を中心とする今後の地震対策の問題であり、いじめによる子供の自殺問題など、そして特に円高急騰による輸出関連企業、特に中小企業経営者、雇用労働者の不安でありましょう。政府・与党もかつて経験したことのないこの課題解決に向かって全力を挙げて国民の切なる願いにこたえるべく日夜奮闘されていることに、まず敬意を表します。
 サリン事件など発生以来、土曜日も日曜日もなく、そして連休もなく問題解決のために全努力を集中している警察官並びに関係者の皆さんに、心より感謝を申し上げます。
 さて、私は、先般の与党・政府の緊急円高・経済対策は、赤字国債の発行も辞さずという決意で内需振興策を打ち出したこと、経常収支の削減を捲進するために有効な規制緩和策を前倒ししたこと、経済体質の改革や輸入促進策の拡充を図ったことなど、広範かつ思い切った施策を盛り込んだ内容になっていることを高く評価するものであります。
   〔議長退席、副議長着席〕
 また、阪神大震災の復旧・復興、円高の直撃を受けている中小企業への対策のほか、新しい産業の創出につながる情報通信及び科学技術の両分野にも重点配分するなど、先見性に富んだものと認識しております。
 そこで、この補正予算案の持つ意味と、どのような効果が期待できるかについて、まず村山総理にお伺いいたします。
 私は、今回の積極的な財政発動は必ず大きな成果を生むものと期待しております。しかしながら、その結果としての公債の累増については軽視されてはならないものと考えるものであります。この一次補正後の国債発行残高は二百十六兆円に膨らみ、国債残高の村払い費だけでも十兆円を大きく上回ると承知しております。他方、我が国は世界でも例を見ないほどのスピードで高齢化、少子化の道を進んでいることでもあります。財政対応力を回復することが喫緊の課題になってくるものではないでしょうか、大蔵大臣の御所見を伺います。
 今回の補正予算案の特徴は、積極的な輸入促進策がとられているところにあります。特に、輸入促進税制は考え得る限りの拡充措置を講じているところでありましょう。この改正の考え方及び具体的な内容について、大蔵大臣の御見解を伺います。
 次に、中小企業対策等について伺います。
 今春以来の円の急騰は、我が国の産業界、とりわけ輸出関連下請分野に深刻な影響をもたらしました、また、このことによる失業も現実の問題となりつつあります。こうした点に関して、今回の補正予算は手厚い措置を講じていると考えるものでありますが、その実施に当たり、融資や信用保証の窓口対応の改善も含めたきめの細かい対策が必要であると考えるものであります。通産大臣の御所見をお伺いいたします。
 さらに、長期的トレンドとしては円高基調がさらに続くと思われます。したがいまして、この急激な円高については、否定的な側面ばかりでなく、そのメリットについても十分理解されることが重要であります。すなわち、そめ差益が具体的に還元されるようにすること、例えば輸入建材や住宅、自動車等の輸入促進のための規制緩和措置の推進、民間における制限的な取引慣行の改善等、政府としても一層の努力をいただきたいと思うのであります。
 また、このことと関連をして、公正取引委員会の組織、体制につきましても抜本的強化を行う必要があると考えるものであります。総理の御所見をお伺いいたします。
 我が国の経済・産業構造の改革をさらに推進するため、科学技術及び情報通信の分野において大幅に歳出を追加することとしたことは画期的なことであると考えます。こうした科学技術振興、高度情報社会の基盤整備を進めるに当たっては、生活者の視点やグローバル化に対応した公正競争の視点が重要であります。今回の科学技術・情報通信分野の対策について、その意義と効果を総理にお伺いいたします。
 さて、総理、未曾有の大災害となった阪神・淡路大震災も、地震発生直後の混乱を乗り越えて、政府・与党一丸となって着実に対策を進めてまいりました。しかしながら、今なお不十分な点、改善すべき事項、さらに中長期的な観点から取り組まなければならない課題があろうかと存じます。今後の災害復旧・復興に当たってどのようにリーダーシップを発揮していかれるのか、改めて総理の御決意のほどをお伺いいたします。
 地震発生後、四カ月余を経過した今日においても、なお三万人を超える住民の方々が避難所で不自由な生活を余儀なくされています。今回の補正予算で必要な応急仮設住宅はすべて手当てできることになるのでありましょうか。また、既に完成した応急仮設住宅の入居状況はどのような状況になっていましょうか。また、避難所から遠いことで、せっかく当選した仮設住宅の入居を断念された方も多かったと聞きます。これからは、必要な戸数を確保することに加えて、個々の事情をも踏まえた仮設住宅の建設など、きめ細かな対策が重要となると考えますが、厚生大臣のお考えをお伺いいたします。
 同時に、長期化が予想される復旧・復興の過程を考えれば、応急仮設住宅だけではなく、本格的な復興に向けた公共賃貸住宅の建設もあわせて進めていかなければならないと考えます。この点に関し、地震対策担当大臣の御所見を伺います。
 また、被災した道路、鉄道、港湾などの公共施設の早期復旧も当面の緊急課題でありましょう。九四年度の第二次補正予算でも手当てが行われておりますが、今回の補正予算で必要な措置がすべてとられたのでありましょうか。
 加えて、私立の学校、病院などの民間施設の復旧についても、復旧費の補助や政府関係機関による長期かつ低利の融資の充実など、政府による支援が不可欠なものと考えます。これらの被災した公共施設等の復旧について、その見通しを地震対策担当大臣に向います。
 阪神・淡路大震災は、被災した地域だけの問題だけではありません。大規模の地震がいつどこで発生しても不思議ではない我が国であります。すべての地域の問題でもあります。したがいまして、次に、全国的な観点から緊急に進めなければならない防災対策について伺います。
 高速道路や鉄道、港湾施設、病院・学校を初めとする公共施設、電気、ガス、水道などの耐震性の向上を図ることが急務であります。あす起こるかもしれない非常災害に即時対応できるように、観測体制を強化し、防災情報通信システムや災害時の救急医療体制の整備、警察、消防、自衛隊の的確な運用を図るための防災計画の強化など、災害時の危機管理システムを抜本的に強化していくことも緊急の課題でありましょう。
 また、中長期的な課題とはいえ、消防水利施設や防災拠点の整備、公園、緑地の整備などによる震災に強い町づくりも求められているところであります。
 今回の補正予算でも防災対策についてかなりの配慮がなされているものと思いますが、どのように手当てされているのか、今後政府としてどのように取り組まれていくのか、総理大臣並びに地震対策担当大臣にお伺いいたします。
 最後に、三月二十日に発生した地下鉄サリン事件について、総理にお伺いします。
 このサリン事件は、それが起きることすら信じられないような事件であります。もし今後とも同様な事件が起きるとするなら、社会はパニックに陥ることはもちろんのことでありますが、日本の国際的信用を失墜することになりましょう。
 したがいまして、このサリン事件に対してどのように対処されるのか、今後の対策はいかにあるべきか、総理の御所見と御決意を伺って、私の代表質問を終わります。(拍手)
   〔国務大臣村山富市君登壇、拍手〕
#19
○国務大臣(村山富市君) 会田議員の質問にお答えを申し上げたいと存じます。
 今回の補正予算の持つ意味と効果についての御質問でございますが、先般の緊急円高・経済対策は、不況対策として公共投資等の規模追加に重点を置いたこれまでの経済対策とは趣を異にし、最近の急激な円高に対応し、機動的な内需振興策に加え、規制緩和の前倒しや経済体質の改革方策、輸入促進策など、従来の手法とは異なる広範かつ思い切った諸施策を盛り込んだものであり、今回の補正予算におきましてはこうした広範な措置の実施に必要な財政措置等として総額二兆七千二百六十一億円を計上しております。
 今後、今回の補正予算を含む緊急円高・経済対策を速やかに実施していくことは、景気の先行きに生じている不透明感を払拭し、現在の回復基調をより確実なものとするとともに、我が国経済の中長期的発展を確保するなど、我が国経済に好影響を与えるものと考えております。
 次に、円高差益還元に向けた取り組みについてのお尋ねでございますが、円高のメリットにつきましては、市場メカニズムを基本としつつ、政府としてもこれを国民生活や経済の各分野に円滑に浸透させていくことが重要であると考えおります。
 このような観点から、先般の緊急円高・経済対策におきましても、関係業界への円高差益還元の要請、円高差益還元状況に関する情報収集・提供の充実強化、公共料金の引き下げ等について幅広い施策を盛り込み、現在これらを積極的に推進しているところでございます。
 さらに、御指摘の規制緩和、競争制限的な取引慣行の是正等につきましても、内外価格差の是正・縮小に向けた取り組みの一環として積極的に推進しているところでございます。
 次に、公正取引委員会の強化についてお尋ねがございましたが、規制緩和を積極的に推進し公正かつ自由な競争が行われるためには、独禁法の厳正な運用等競争政策の積極的展開を図ることが重要であり、公正取引委員会の果たすべき役割はますます大きくなっていくと認識をいたしております。
 このような観点から、公正取引委員会の組織、体制につきましては、平成七年度予算におきましても事務局の定員を五百六名から五百二十名に増員することを盛り込むなど整備充実に努めてきたところでございますが、引き続きその拡充強化を図る必要があると考えていることについて御理解を賜りたいと存じます。
 次に、科学技術・情報通信分野の対策についてのお尋ねでございますが、これらの分野は、尽きることのない知的資源として、知的でダイナミックな経済社会の実現を促進し新しい産業の創出をもたらす上で大きなかぎとなるものでございます。
 このような観点から、今回の補正予算におきましては、科学技術の分野について大学、国立試験研究機関、研究法人における先端的研究の推進を初め、ハード、ソフト両面にわたる研究開発のインフラの整備など、対策強化を図ってございます。また、情報通信の分野について、ソフトウエアの高度化、医療・福祉や産業分野における情報化、通信・放送の技術革新など所要の予算措置を盛り込んだところでございます。
 これらの措置により、我が国経済・産業構造の改革がさらに推進をされ、将来の展望が切り開かれていくものと考えておるところでございます。
 次に、今後の災害復旧・復興に当たっての私の決意についてのお尋ねでございますが、阪神・淡路大震災の対策につきましては、政府としてこれまでも講じ得る政策手段を最大限活用して思い切った施策を講じてきたところでございます。
 今回の補正予算におきましても、六年度二次補正予算に続き阪神・淡路地域の復旧・復興事業を可能な限り盛り込み、一兆四千億円を上回る経費を計上したところでございます。また、現在、地元地方公共団体において十カ年間の復興計画の策定作業を進めているところでございますが、これについても政府として最大限の支援を講じていくなど、今後とも阪神・淡路地域の復旧・復興に万全を期すべく、政府一丸となって対策を進めてまいる所存でございます。私自身も、阪神・淡路復興対策本部長として内閣の先頭に立って取り組んでまいる決意でございます。
 次に、今回の補正予算での防災対策についての御質問でありますが、今回の補正予算におきましては、阪神・淡路大震災からの復旧・復興に係る経費として一兆四千億円余を計上する一方、全国ベースでの緊急防災事業として地震予知等に関する科学技術の研究、災害対策用資機材及びシステムの整備、観測体制の強化並びに公共土木施設等の耐震性の向上を図るため、七千九百億円に上る経費を計上しております。
 今後、これらの予算の迅速かつ適切な執行に努めるなど、防災体制の充実に努めてまいる所存でございます。
 次に、地下鉄構内におけるサリン事件についてのお尋ねでありますが、本事件は、朝のラッシュ時間帯をねらい善良な市民を大量無差別に殺傷するという悪質きわまりない犯罪であり、憤りにたえないところでございます。このような中で、警察においては、地下鉄サリン事件がオウム真理教幹部らによる組織的な犯罪であることを解明し、本日早朝を期して関係者を逮捕するなど、徹底した捜査を行っているところであります。
 今後とも、国民の不安を一刻も早く解消するため、警察において早期に全容を解明するとともに、警戒措置に万全を期し、政府としても、関係省庁が緊密に連絡をして同種事案の再発防止のための諸対策を推進してまいる所存でございます。
 残余の質問につきましては、関係大臣から答弁をさせます。(拍手)
   〔国務大臣武村正義君登壇、拍手〕
#20
○国務大臣(武村正義君) 財政対応力を回復することが喫緊の課題であるという御所見でございますが、私も同感であります。
 たびたび申し上げておりますように、我が国財政は、巨額の公債残高を抱えるなど極めて厳しい状況にあり、先進国の中でも一、二を争う悪い環境にございます。それが一段と深刻さを増すに至っているわけであります。
 このような状況のもとで、本格的な高齢化社会の到来に備え、福祉の充実、社会資本の整備、国際社会への貢献等々さまざまな財政需要に適切にこたえていくため、この公債残高の累増に伴う国債費の重圧が政策的経費の圧迫要因となっている現在の硬直的な財政構造の改善を図っていくことがますます急務であります。財政審会長も指摘されておりますように、公債残高が累増しないような財政体質をつくり上げるという努力目標に積極的に取り組んでいくことが必要であります。今後、新たな決意を持って一層努力をさせていただきます。
 輸入税制についての御質問でございますが、さらなる輸入拡大のためのインセンティブとして、他のさまざまな輸入促進策とあわせて、今回税制においても輸入促進税制を拡充することにいたしたものでございます。
 具体的には、本税制における税額控除割合、準備金積み立て割合等は、それぞれ製品輸入の増加割合に応じたものとされておりますが、現行制度ではその増加割合が一〇%を超える場合には一定の上限が設定されておりました。今回の措置は、これを増加割合三〇%の場合までかさ上げをして、その増加割合に応じインセンティブが最大現行の二倍となるよう税額控除割合等を引き上げるものでございます。(拍手)
   〔国務大臣橋本龍太郎君登壇、拍手〕
#21
○国務大臣(橋本龍太郎君) 議員からお尋ねのありましたように、中小企業の今回の融資関係につきまして私どもなりに工夫をいたしました。
 この経営の安定を図りますためにも、政府系の中小企業金融機関による低利融資制度の創設だけではなく、中小企業信用保険の特例の円高関係枠の創設といった措置を講じますと同時に、新たにリストラ関係の貸し付けの拡充を図るといった措置もとったわけであります。
 そして、従来からこうした場合に実態に応じたものになるように、議員からも御指摘がありましたが、こうした点につきましては配慮をいたしてまいりました。殊に信用保証協会に対しましても、中小企業の立場に立った保証を行うように適宜指導をしてまいったところであり、今回も同様の措置をとるつもりであります。
 なお、市中の金融機関につきまして、中小企業に対する円滑な貸し出しが図られるように、これは五月十二日の閣僚懇談会の席上、適切な指導を大蔵大臣にお願いをいたし、こうした措置もあわせて対応してまいりたいと考えております。(拍手)
   〔国務大臣井出正一君登壇、拍手〕
#22
○国務大臣(井出正一君) 会田議員にお答えをいたします。
 応急仮設住宅の必要戸数についてのお尋ねでございますが、兵庫県による四万戸の設置計画に基づき、平成六年度の予備費及び補正予算で三万戸分を措置し、今回の補正予算案には現段階において建築が明確になっておる残り一万戸分を計上しております。
 先般、兵庫県から設置計画の追加要望を受けましたが、これから建築する仮設住宅は避難所の解消を図るための最終的な必要数を確保するものでありまして、完成した仮設住宅の入居状況及び避難世帯の住宅の必要性等を十分把握した上で最終必要戸数を協議されたい旨、指示したところであります。
 したがいまして、今後の追加分につきましては、財政需要が算定できる段階にないため、今回の補正予算への計上は行わなかったところであります。今後、兵庫県から最終的な必要戸数の協議があった場合は適切に対応していきたいと考えております。
 次に、応急仮設住宅の入居状況についてのお尋ねでございますが、約四万戸の目標のもとに、五月十四日現在、三万八千七百五戸が完成し、三万二千三百九十三戸を入居決定し、そのうち二万七千七百六戸についてかぎをお渡ししているとの報告を受けているところでありますが、今後も入居促進が行われますよう兵庫県を強力に指導してまいる所存ております。
 次に、避難所から遠いため仮設住宅の入居を断念された方が多く、きめ細かな対策が必要ではないかとのお尋ねでございますが、仮設住宅の建設に当たってはできる限り被災地の近くに用地を求め、一日も早く被災者の住宅の確保を図るという方針のもとに、速やかにかつ大量に整備を進め、目標約四万戸のうち三万九千戸の完成を見、順次入居いただいているところであります。
 仮設住宅の設置場所の中には、市街の中心部から若干遠方のところも正直のところございますが、仮設住宅を百五十戸以上設置する箇所の大半については、一キロ以内に店舗や医療機関、学校、保育所、金融機関など日常生活に必要な生活基盤が整っているとの報告を受けているところであります。
 また、高齢者や障害者を対象として、従前の居住地の近くで福祉等のケアを受けながら生活できる地域型仮設住宅を約千五百戸設置することとしており、五月十二日現在、九百六十三戸が完成し、順次入居されているところであります。
 今後とも、バス路線の充実等も関係機関に働きかけながら、きめ細かな対応を進め、被災者の生活に支障の出ないよう地元自治体を指導してまいりたいと考えておるところであります。(拍手)
   〔国務大臣小里貞利君登壇、拍手〕
#23
○国務大臣(小里貞利君) 五項目についてのお尋ねでございますが、まず、応急仮設住宅だけでなくて本格的な復興に向けて公共賃貸住宅を初め恒久住宅の建設を早急に進めるべきであるというお話でございますが、まさにそのとおりでございます。
 このため、兵庫県を中心に、国及び地元公共団体が協力をいたしまして、ひょうご住宅復興三カ年計画が作成をされました。今後三カ年間に、既に着手分の一万五千戸に加えまして新規に十一万戸を建設し、合計十二万五千戸の住宅を供給することといたしております。
 特に注目申し上げるべきは、被災者の中に高齢者が多いということでございまして、自力再建が困難な方が多く見込まれることから、新規に建設する十一万戸の七割に当たる七万七千戸を公共賃貸住宅の建設等により公的に供給することといたしております。
 これらの住宅建設を支援するために、政府といたしましては、公営住宅の建設等に係る補助率の引き上げ、平成六年度第二次補正予算や平成七年度予算の重点配分によりまして所要予算の確保を図ってきたところであります。平成七年度第一次補正予算案におきましても公共賃貸住宅等の建設のための予算を確保することといたしております。
 次に、被災をいたしました道路の復旧についてのお尋ねでございます。
 被災いたしました道路の復旧については、今回の地震では特に落橋、橋脚の破壊、損壊等大規模かつ広範囲な被害を受けたところでありますが、地震発生直後、高速自動車国道、阪神高速道路、直轄国道で二十七路線、三十六区間あった通行どめの区間については早急な応急復旧に努め、一般車両ないしは緊急車両用といたしまして逐次交通開放を行い、一部区間を除き交通確保を図ってまいったところでございます。
 次に、被災いたしました施設の復旧につきましての予算措置のお尋ねでございます。
 平成六年度第二次補正予算で百九十七億円を確保いたしましたほか、七年度第一次補正予算案で五十二億円を計上いたしております。また、港湾関係におきましては、公共港湾施設、海岸保全施設の災害復旧費等を平成六年度第二次補正予算で一千百九十九億円、七年度第一次補正予算案で三千六百五十四億円を計上しておりまして、鉄道を含め必要な措置を講じたところであります。
 次に、復旧の見通しといたしましては、鉄道につきましては、一月十七日中に運転再開できなかった区間は六百三十八キロメートルに及んだのでありますが、安全確保を第一に運転再開に鋭意努めていただきました結果、現在までに東海道・山陽新幹線の全線を初め六百九キロメートルの運行が再開されております。残る二十九キロメートルの不通区間につきましても、九月をめどにできる限り早期の運転再開に努めてまいっておるところでございます。
 次に、私立学校の復旧についてのお尋ねでございます。
 政府といたしましては、私立学校の教育研究活動の一刻も早い回復に向けて、平成七年度の補正予算におきまして私立学校施設の災害復旧については本格的な復旧工事等のための予算を計上し、この中で、大学の建築基準単価を実勢に応じたものとなるよう大幅に引き上げることにいたしました。同時に、新たに教育研究活動復旧のための補助や学費減免事業に対する経常費助成を実施することといたしました。さらに、復旧融資につきましても貸付金利を引き下げるなど所要の予算措置を講ずることといたしたところでございます。
 最後に、民間病院の復旧に対する政府の支援及び復旧の見通しのお話がございました。民間医療機関の復旧に対する支援につきましては、救急医療を担っている民間病院等に対する災復旧に要する経費、被災した医療機関であって患者の療養環境等の改善をする病院及び在宅当番医制を担っている診療所に対しまして、医療施設近代化施設整備事業を実施するための経常費として七十八億円を計上いたしておるところであります。
 また、歯科診療所につきましても、特に地元から強い要請がございましたので、共同診療所の整備、歯科検診・保健指導事業等の緊急歯科保健事業を行うことといたした次第でございます。(拍手)
    ―――――――――――――
#24
○副議長(赤桐操君) 市川正一君。
   〔市川正一君登壇、拍手〕
#25
○市川正一君 私は、日本共産党を代表して、財政演説に対し、総理並びに大蔵大臣に質問いたします。
 今日、阪神・淡路大震災問題、円高不況問題、サリン・オウム問題等々、政治・経済・社会の各分野にわたる深刻な行き詰まりと危機に直面して、村山内閣に対する国民の不満といら立ちはその極に達しています。
 最初に大震災対策の問題でありますが、もともと、本年度予算は大震災が起きる前に編成されたものでありました。その後発生した大惨事の救援、復旧のために国家財政が大きな責任を果たさなければならない以上、我が党が提案したように、予算案を洗い直し、軍事費などの浪費や不要不急の経費を削り、組み替えることは、一致した国民世論でもありました。しかるに村山内閣は、組み替えに匹敵する補正を理由に応じませんでした。
 ところが、今回の補正予算案は、当初予算に指一本さわらないばかりか、財源も新たに赤字国債の大増発に依存するものとなっています。時期的にも不要不急経費の洗い直し、また削減は十分可能であったにもかかわらず、なぜ答弁どおり組み替えて提出しなかったのか、まずは伺いたいのであります。
 私は、先週、神戸市内の被災地を訪れ、四カ月が過ぎた今もなお四万人の人たちが避難所やテントでの暮らしを続けている現場、また、半壊の住宅や親戚、知人宅に住まわっている方々を含めれば十万人に及ぶその実態を調査してまいりました。
 第一にお聞きしたいのは、四月二十八日、政府の阪神・淡路復興対策本部の避難所の早期解消方針に呼応するかのように、神戸市当局はこの七月に避難所を解消したい旨を発言しています。このため、避難所で生活している被災者の間に、どこへ行けというのかと大きな不安と怒りが巻き起こっております。何の見通しもない早期解消というのは、結局避難所から被災者を追い出すことでしかありません。最後の一人まで仮設住宅を保障するのが当然の責任ではないのですか、はっきりお答えいただきたい。
 さらに、政府は、仮設住宅の空き家が全部入居しなければ新たな仮設住宅を建設しないとしています。隣近所の助け合いの中で暮らしてきたお年寄りに見も知らぬ遠方の仮設住宅に入れというのですか。また、商店主やケミカルシューズのような業者、そこで働いていた被災者は、遠くの仮設住宅に入れば収入の道が途絶えてしまうではありませんか。
 このような数合わせの仮設住宅づくりではなく、これはある新聞の社説の一節でありますが、「仮設商店街のそばに仮設住宅が出来れば、地域社会の生活がよみがえる。高齢者も暮らせる街が戻る。」、そういうみんなの願いにこたえるべきではありませんか。
 そのために、仮設住宅の建設目標を思い切って引き上げ、事業用地や私有地も活用して被災地近辺に建設すること、二階建ての仮設住宅、住居つき仮店舗、また仮設工場の建設、これを助成することが求められています。具体的な答弁をいただきたいのであります。
 兵庫県の事業所の九割を占める中小商工業者や地場産業の営業と仕事を保障する仮設店舗、仮設工場についても、第三次の新規建設を見送り、さらに震災復旧特別融資も七月末で打ち切ろうとしています。復旧・復興に今こそ必要なのは、これらの事業や制度を拡充し、期限を延長することではありませんか。お答えいただきたいのです。
 第二に、復興に向けて、福祉や医療、教育あるいは町の復興事業など、政府や自治体がやらなければならない仕事は山積しております。被災自治体の職員は日夜懸命に努力していますが、正規の職員だけでは到底間に合うものではありません。この際、被災者を臨時に公務員として採用する臨時公務員制度を設けることを提案いたしますが、総理、いかがでしょうか。
 第三に、住宅再建計画は、二十万戸をはるかに超えると見られる必要数に対して三年間で十二万戸の計画にとどまっています。さらにまた、住民合意を無視した上からの強引な都市計画決定が押しつけられています。これでは被災者住民の追い出しを前提にしたものになってしまいます。雲仙・普賢岳災害の場合、住宅全壊には助成金や見舞金など最高千百五十万円が支給されています。今回の震災で被害を受けた住宅の再建について、国が責任を持って支援することを強く求め、答弁を求めるものであります。
 さて次に、空前の異常円高と長引く不況問題についてであります。
 日本経済と国民生活がこれによって深刻な打撃を受けているそのさなかに、村山総理あなたは、四月四日には、困ったものだとまるで人ごどのように言うだけ、八日に至っては、外国のものは安くなるし外国旅行も安くできる、本当は喜んでいい、こう話っています。余りの無為無策、無責任さに、国民はこれが一国の総理の言うことかとあきれ果てるばかりです。
 この異常円高の根源には、アメリカの横暴、すなわちドル安容認政策、ドル重れ流し政策、双子の赤字問題があることは内外周知のところであります。これに対して、ドイツ政府は抗議を行いましたが、少なくとも改善措置をとるよう毅然として公式にアメリカに要求し交渉すべきではないのですか、所見を伺います。
 いま一つは、日本側の背景として、労働者や下請の犠牲をてこにし、膨大な貿易黒字を生んでいる日本の大企業の横暴があります。彼らは、円高を逆用して産業空洞化もお構いなしに海外移転を強行し、その結果海外生産による逆輸入が急増しております。一ドル八十円台の製品や部品が輸入されれば、自動車、電機関係の下請中小企業、さらには地域経済を支えている繊維などの地場産業に壊滅的な影響を与えることは明白であります。
 雇用問題も、完全失業率は三%、その数は二百十九万と過去最高に達しております。
 村山内閣は、円高対策で公定歩合を〇・七五%引き下げ一%にしましたが、円高是正には何ら効果を発揮しなかったばかりか、この間の公定歩合の引き下げで預貯金の金利が約二%引き下げられ、庶民は一年間で六兆円を奪われました。
 このように、中小企業や労働者を犠牲にし、個人消費を落ち込ませる対策でどうして円高是正や内需拡大、景気回復ができるのでしょうか、総理の認識を伺いたいのであります。
 今、重要なことは、為替投機の規制など大企業への民主的規制を強め、産業空洞化の防止、労働者の雇用確保、中小企業と地域経済、これを守るなど、大企業が本来果たすべき社会的責任を遂行させることであります。総理にそうした措置を実施する決意がおありなのかどうか、答弁を求めます。
 次に、地下鉄サリンとオウム真理教問題でありますが、我が党は早くからオウム真理教の反社会的行為を断固として追及し、上九一色村、富沢町などで住民の先頭に立って戦ってまいりました。
 我が党が指摘したように、八九年の坂本弁護士一家の誘拐事件、九四年の松本サリン事件、同年七月の上九一色村異臭問題などでの捜査の見込み違いや手落ち、立ちおくれに見られる対応に重大な問題があり、解決をおくらせました。我が党はこれらの点を厳しく指摘し、厳正かつ徹底した捜査を要求してまいりましたが、本日ようやく麻原教祖の逮捕によって捜査は重大な新局面を迎えました。
 かくて、許すべからざる無差別テロがオウム真理教の組織的犯行である疑いが具体的に濃厚になり、反社会的集団としての実態もいよいよ明白になったと考えますが、総理はこの点とう認識されているのか伺いたいのであります。
 同時に、事件全容の徹底的解明と、残されたサリンあるいは銃の追及、不法事件の断固たる再発防止、宗教法人オウムの解散請求、さらに上九一色村住民の切実な要求であるオウムの全面撤去、これらは政府の緊急重大な責務でありますが、総理の決意並びに政府の今後の具体的対応をこの国会の場で国民の前に明らかにしていただきたいのであります。
 最後に、戦後五十周年の日を三カ月後に控えた現在、日本国民はもとより世界各国も注目している戦後五十年国会決議をめぐってただしたい。
 この問題の原点は、日本がさきの戦争を侵略戦争と認め、その認識の上に政府が反省と謝罪を内外に表明すること及び内外の戦争被害者への補償問題を国家責任を明確にして対処することの二点にあります。
 村山総理自身も、昨年五月、衆議院における社会党代表質問の中で、戦後五十周年の節目に当たり、侵略戦争の過ちに対する国家意思の表明として謝罪と不戦の決議を行うことを提案しているではありませんか。この原点について総理の認識と見解を伺いたいのであります。
 今、日本共産党以外の保守翼賛体制が村山内閣の悪政を支え、公約違反が国民の政治不信を深め、痛ましいいじめによる自殺やオウム問題などに見られる社会の病理現象が広がっているときに、日本共産党は広範な国民との共同を広げ、日本の民主的再生を目指し奮闘することを表明し、私の質問を終わります。(拍手)
   〔国務大臣村山富市君登壇、拍手〕
#26
○国務大臣(村山富市君) 市川議員の質問にお答えを申し上げます。
 今回の補正予算は、当初予算に手をつけず、財源を赤字国債に依存した反国民的なものではないかとのお尋ねでございますが、七年度補正予算においては、緊急円高・経済対策の一環として阪神・淡路大震災等に対応するために必要な経費を可能な限り盛り込んだほか、緊急防災対策費、科学技術・情報通信振興特別対策費、円高対応のための中小企業等特別対策費等の追加、さらには阪神・淡路大震災への税制上の対応などを盛り込んでおり、政府として最善のものと考えております。
 今回の補正の財源としては、建設公債の増発に加え、特例公債の発行によらざるを得なかったところでございます。特例公債の発行につきましては、不透明感の漂う経済状況のもと経済運営に万全を期さなければならないこと等にかんがみれば、財源面における臨時緊急の措置として特例公債の発行によることもやむを得ないものと考えた次第でございます。
 しかしながら、我が国財政は巨額の公債残高を抱え極めて脆弱な体質になってお只今回のやむを得ない公債の増発に伴いこの財政体質が一段と悪化することとなることから、今後の財政運営を行うに当たりましては、平成六年度第二次補正予算において発行した公債と合わせ、その償還に係る国民全体としての負担のあり方についてさまざまな観点から真摯な検討がなされなければならないと考えているところでございます。
 次に、避難所の早期解消のための仮設住宅の設置についてお尋ねがございましたが、現在、仮設住宅を必要とする被災者全員に供給できるよう、約四万戸の設置計画のもと、国、地元自治体、関係業界が一体となって全力を傾注しており、約三万九千戸の完成を見ているところでございます。
 先般、兵庫県から設置計画の追加要望を受けましたが、これから建築する仮設住宅は避難所の解消を図るための最終的な必要数を確保するものであるため、完成した仮設住宅の入居状況及び避難世帯の住宅の必要性等を十分きめ細かく把握した上で最終必要戸数を協議していただくよう指示したところでございます。今後、兵庫県から最終的な必要戸数について協議がある場合には適切に対応していく方針でございます。
 次に、仮設住宅の設置場所や建設目標の引き上げ等についてのお尋ねでございますが、仮設住宅の建設に当たりましては、できる限り被災地の近くに用地を求め、また高齢者、障害者のために従前の居住地の近くで福祉等のケアを受けながら生活していただく地域型仮設住宅も建設しているところでございます。
 仮設住宅の追加建設につきましては、先ほども述べましたように、完成した仮設住宅の入居状況及び避難世帯の住居の必要性等を十分把握の上、兵庫県から避難所解消を図るための最終戸数として協議があれば適切に対応していきたいと考えているところでございます。
 また、仮設店舗や仮設工場の建設につきましては、中小企業事業団による高度化融資制度を活用していただきたいと考えております。
 次に、被災中小企業者への支援策についてお尋ねでございますが、政府といたしましては、被災中小企業者の操業の再開を支援するため、中小企業事業団の高度化事業の活用により仮設工場及び仮設店舗の設置に対する支援制度を創設いたしました。現地では、仮設工場の第一期分、二期分を合わせて六カ所を建設、約二百六十社程度の入居を見込んでおります。
 今後につきましては、県がちの要望に応じて、引き続き本制度による仮設工場、仮設店舗の建設支援を実施してまいります。また、被災中小企業者に対する金融措置といたしましては、今回、合計六千五百億円に上る低利融資規模を追加することとしたところであり、特に政府系中小企業金融機関については八月以降も延長する方向で検討していく考えでございます。
 次に、救援と復興のために被災者を採用する臨時公務員制度の創設についてお尋ねがございましたが、今回の阪神・淡路大震災の復興対策等につきましては、地元地方公共団体の職員のみならず、全国各地の地方公共団体から派遣された職員が御尽力をいただいているところでございます。また、公務員としての経験や知識を特段要しない分野におきましては、現行制度を活用することにより臨時職員を採用することも可能であり、被災地地方公共団体において具体的な業務の内容や業務量等の実情において適切に対応されるものと考えているところでございます。
 次に、被災者の住宅の再建等に対する国の支援についてのお尋ねでございますが、現在、兵庫県を中心に国及び地方公共団体が協力をして、ひょうご住宅復興三カ年計画案が作成されており、国といたしましては、同計画案に基づく住宅建設を支援するため、公営住宅、特定優良賃貸住宅等の公的賃貸住宅の供給を積極的に促進することといたしております。また、個人の自力による住宅の再建・取得の支援策につきましても、住宅金融公庫貸付制度や既往貸し付けに対する救済措置の大幅拡充等の措置を講じております。
 今後とも、本格復興に向けた恒久住宅の建設などを強力に支援してまいる所存でございますので、御理解を賜りたいと存じます。
 米国にマクロ経済政策の改善措置を公式に要求すべきではないかとのお尋ねでございますが、四月二十五日のG7会合では、最近の為替の変動は主要国における基礎的な経済状況によって正当化される水準を超えており、こうした変動の秩序ある形での反転が望ましいことが合意されております。また、双子の赤字につきましては、米国も日米包括経済協議において、財政赤字を相当程度削減し、国内貯蓄を奨励し、国際競争力を強化するという中期的な目標を積極的に追求することを公約しており、クリントン政権のもと、努力が払われております。我が国としては米国がこの目標に向けてさらに努力していくよう求めてまいりたいと考えております。
 次に、経済対策に対するお尋ねでございますが、先般の緊急円高・経済対策は、最近の急激な円高に対応し、機動的な内需振興策に加え、規制緩和の前倒しや輸入促進策のほか、中小企業対策や雇用対策、経済構造改革策など、広範かつ思い切った諸施策を盛り込んだものでございます。また、日本銀行による公定歩合の引き下げは、金利負担の軽減等を通じて企業の活動に好影響を与え、景気回復に大きく寄与するものと考えられ、これがひいては消費者にも好ましい影響を及ぼすものと考えております。
 したがって御批判は当たらないと考えており、今後、今回の補正予算を含む本対策を速やかに実施していくことによって、景気の先行きに生じている不透明感を払拭し現在の回復基調をより確実なものとすることができると考えているところでございます。
 次に、大企業への規制を強めるとともに、大企業の社会的責任を果たさせることについてのお尋ねでございますが、急激な円高などを背景に製造業を中心に行き過ぎた海外進出が進展する場合、国内製造業の空洞化、ひいては雇用への悪影響が生じかねない懸念があることは認識をいたしているところでございます。このような構造的問題に対処するためには、創造力と活力にあふれた経済社会を構築する構造的な政策に取り組んでいくことが重要と認識をいたしております。
 こうした観点を踏まえ、政府は今般、機動的な内需振興とともに、中小企業対策、雇用対策のほか、研究開発、情報化の推進等を内容とする経済フロンティアの拡大等の経済構造改革を含む緊急円高・経済対策を決定いたしました。これに基づき今般七年度補正予算を取りまとめ、昨日、国会に提出をし御審議をお願いすることとしたところでございます。今後とも、対策に盛り込まれている各般の施策の着実な実施に努めてまいる所存でございます。
 このような施策を講じることにより、御指摘のような産業空洞化の防止、雇用確保、中小企業と地域経済を守ることといったことが可能となると考えているところでございます。
 次に、オウム真理教に対する認識についてのお尋ねでございますが、警察においては、同教団について、御案内のとおり、本日、地下鉄サリン事件を組織的に敢行したとして幹部らを逮捕したところでございます。現在、警察において鋭意捜査を行っているところであり、今後その全容について捜査の過程において明らかにされるものと考えております。
 御質問に係る事件については、発生当初から、それぞれ捜査本部を設置するなど着実に捜査がなされているものと理解をいたしております。
 次に、事件内容の徹底解明と残されたサリンや銃の追及等についてのお尋ねでございますが、現在、警察において地下鉄サリン事件や武器等の製造などオウム真理教をめぐる種々の犯罪容疑について捜査を推進しているところでございまして、早期に全容解明がなされるものと確信をいたしております。政府としても事態の重大性を十分に罰識をし、関係省庁が緊密な連携を保持しつつ、百発防止など必要な対策を講じてまいる所存でございます。
 次に、国会決議に関する質問でございますが、戦後五十周年を迎えるに当たり、私は所信表明申し上げましたように、我が国の侵略行為や縮民地支配などが多くの人々に耐えがたい苦しみと悲しみをもたらしたことに対し、深い反省の念に立って、世界平和の創造に向け力を尽くすことが日本の歩むべき道であると考えております。
 また、いわゆる戦後処理問題につきましては、これまでサンフランシスコ講和条約や二国間冬約、さまざまな国内措置によって誠実に対処してきております。
 いずれにいたしましても、国会決議の問題は国会において決定いただくべき事柄であります。現在、関係者の間で検討が行われていると承知いたしておりますので、これを期待を込めて見守っているところでございます。
 残余の質問につきましては、関係大臣から答弁をさせます。(拍手)
   〔国務大臣武村正義君登壇、拍手〕
#27
○国務大臣(武村正義君) 私には総理と並んで同じ質問をいただいたわけでありますが、予算の組み替えに関しても、アメリカの通貨政策にしましても、総理のお答えと全く同じでございます。繰り返す必要はないと思います。
 いずれにしましても、予算の組み替えの考えはありません。
 特例公債は、臨時緊急の措置として、大変残念でありますが、目をつぶってとらせていただいた次第であります。
 アメリカは、マクロ政策として二つの赤字の問題、したがってまた貯蓄増強の問題をみずからも重視をいたしております。G7でも二国の蔵相会談でも、絶えずルービン長官はそのことを一生懸命説明をしてくれているわけでありまして、我々はそのアメリカ政府のマクロの方針をしっかり注視をしていきたいと思っております。(拍手)
#28
○副議長(赤桐操君) これにて質疑は終了いたしました。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後五時四十三分散会
ソース: 国立国会図書館
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