くにさくロゴ
1995/05/19 第132回国会 参議院 参議院会議録情報 第132回国会 本会議 第24号
姉妹サイト
 
1995/05/19 第132回国会 参議院

参議院会議録情報 第132回国会 本会議 第24号

#1
第132回国会 本会議 第24号
平成七年五月十九日(金曜日)
   午前九時三十二分開議
    ━━━━━━━━━━━━━
#2
○議事日程 第二十四号
  平成七年五月十九日
   午前九時三十分開議
 第一 国際連合要員及び関連要員の安全に関す
  る条約の締結について承認を求めるの件(衆
  議院送付)
 第二 沖縄県における駐留軍用地の返還に伴う
  特別措置に関する法律案(衆議院提出)
    ━━━━━━━━━━━━━
○本日の会議に付した案件。
 一、予算委員長坂野重信君解任決議案(永野茂
  門君発議)(委員会審査省略要求事件)
 一、保険業法案及び保険業法の施行に伴う関係
  法律の整備等に関する法律案(趣旨説明)
 一、日程第一及び第二
 一、平成七年度一般会計補正予算(第1号)
 一、平成七年度特別会計補正予算(特第1号)
 一、平成七年度政府関係機関補正予算(機第1
  号)
 一、地方交付税法の一部を改正する法律案(内
  閣提出、衆議院送付)
 一、平成七年度における公債の発行の特例に関
  する法律案(内閣提出、衆議院送付)
 一、租税特別措置法の一部を改正する法律案
  (内閣提出、衆議院送付)
 一、特定中小企業者の新分野進出等による経済
  の構造的変化への適応の円滑化に関する臨時
  措置法の一部を改正する法律案(内閣提出、
  衆議院送付)
     ―――――・―――――
#3
○議長(原文兵衛君) これより会議を開きます。
 この際、お諮りいたします。
 永野茂門君発議に係る予算委員長坂野重信吾解任決議案は、発議者要求のとおり委員会審査を省略し、日程に追加してこれを議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○議長(原文兵衛君) 御異議ないと認めます。
 よって、本案を議題といたします。
 まず、発議者の趣旨説明を求めます。永野茂門君。
    ―――――――――――――
   〔議案は本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
   〔永野茂門君登壇、拍手〕
#5
○永野茂門君 私は、ただいま議題となりました予算委員長坂野重信君解任決議案に関し、その提案理由を申し述べます。
 平成七年度当初予算は、去る一月二十日国会に提出され、衆議院の議決を経て、本院において三月二十二日可決されました。右当初予算案審議に際し、平成会は、本年一月十七日の阪神・淡路大震災という未曾有の大災害の復旧・復興のための当初予算の組み替えを提案いたしました。これに対し、政府・与党は、予算の編成時期、予算組み替えの時間的困難性を理由としてこれを拒否し、その上で大震災対策を含めた抜本的補正予算を早期に国会に提出する旨を確約いたしました。
 今回の補正予算案は、平成七年度当初予算の実質的組み替え予算と見るべき重要な予算案であり、本予算に準ずる重要予算案であります。
 右の観点に立って、平成会は、補正予算の慎重審議を求め、少なくとも五日間の審議日程を要求いたしました。しかし、衆参両院を代表する与野党各会派の協議の結果、補正予算審議日程を衆参おのおの二日半とすることの合意を見ましたので、平成会といたしましては、審議日程を五月十九日より二日半とすることを要求いたしました。
 しかるに、与党は、予算委員会理事懇談会の数次にわたる協議において、六十九日一日のみの線を強く主張いたしました。しかし、与党の主張する予算審議一日だけとする理由は全く合理性がないものでありまして、与党が一日だけの審議とする第一の理由は、本補正予算は災害対策を中心とするものであるから一日も早い成立が必要とするものであります。しかし、予算を五月十九日に成立させるということと五月二十三日に成立させるということでは、災害対策の実施に何の消長を来すものではないことは明らかであります。
 理由の第二として、本補正予算の一日も早い成立を地方公共団体が期待しているというものでありますが、これについても、右第一に対すると同様に、予算審議二・五日間とした場合と一日に限定した場合とで地方公共団体の予算措置に関しまして何ら変わりはないものであります。
 理由の第三は、五月二十三日には外務、通産、経企の各大臣が海外に派遣され、予算審議上支障を来すというものでありますけれども、平成会は、今回に限定する特別の措置として、補正予算の緊急性と国務大臣の海外派遣の重要性との調和を図る観点から、右各国務大臣の代理大臣による予算審議を提案しているものであります。したがって、右の理由も一日に限定する理由とはならないものであります。
 以上の状況のもとにおきまして、平成会は補正予算の二日半審議を強く主張いたしました。
 しかるに、予算委員長坂野重信君は、予算委員会理事懇談会において各会派理事間において真剣に日程協議が行われているにもかかわらず、職権にて審議日程を五月十九日本日一日とする旨を決定いたしました。この決定は、与党側の主張に一方的に加担する不公正な決定であって到底許されるべきものでないことはもとより、参議院における予算審議権を実質的に否認する独断行為であって参議院の権威を甚だしく失墜するものであり、平成会は、このような不適切、不公正な委員長を予算委員会委員長として信任することはできません。よって、当院が予算委員長坂野重信君の解任を決議することを要請するものであります。
 以上であります。(拍手)
    ―――――――――――――
#6
○議長(原文兵衛君) これより採決をいたします。
 表決は記名投票をもって行います。本案に賛成の諸君は白色票を、反対の諸君は青色票を、御登壇の上、御投票を願います。
 議場の閉鎖を命じます。氏名点呼を行います。
   〔議場閉鎖〕
   〔参事氏名を点呼〕
   〔投票執行〕
#7
○議長(原文兵衛君) 投票漏れはございませんか。投票漏れはないと認めます。投票箱閉鎖。
   〔投票箱閉鎖〕
#8
○議長(原文兵衛君) これより開票いたします。投票を参事に計算させます。議場の開鎖を命じます。
   〔議場開鎖〕
   〔参事投票を計算〕
#9
○議長(原文兵衛君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数        百九十七票
  白色票          五十三票
  青色票         百四十四票
 よって、本案は否決されました。(拍手)
     ―――――・―――――
  〔参照〕
 賛成者(白色票)氏名      五十三名
      足立 良平君    石井 一二君
      泉  信也君    猪熊 重二君
      牛嶋  正君    及川 順郎君
      大久保直彦君    風間  昶君
      片上 公人君    勝木 健司君
      北澤 俊美君    釘宮  磐君
      小林  正君    木暮 山人君
      白浜 一良君    田村 秀昭君
      高桑 栄松君    武田 節子君
      都築  譲君    続  訓弘君
      鶴岡  洋君    寺崎 昭久君
      寺澤 芳男君    直嶋 正行君
      中川 嘉美君    中西 珠子君
      中村 鋭一君    永野 茂門君
      長谷 川清君    浜四津敏子君
      林  寛子君    平野 貞夫君
      広中和歌子君    星野 朋市君
      松尾 官平君    矢原 秀男君
      山崎 順子君    山下 栄一君
      横尾 和伸君    吉田 之久君
      小島 慶三君    古川太三郎君
      市川 正一君    有働 正治君
      上田耕一郎君    聴濤  弘君
      高崎 裕子君    立木  洋君
      西山登紀子君    橋本  敦君
      吉岡 吉典君    吉川 春子君
      堂本 暁子君
    ―――――――――――――
 反対者(青色票)氏名      百四十四名
      青木 幹雄君    井上 吉夫君
      井上 章平君    井上  孝君
      井上  裕君    伊江 朝雄君
      石井 道子君    板垣  正君
      岩崎 純三君    上杉 光弘君
      上野 公成君    浦田  勝君
      遠藤  要君    小野 清子君
      大河原太一郎君    大木  浩君
      大島 慶久君    大塚清次郎君
      大浜 方栄君    太田 豊秋君
      岡  利定君    岡野  裕君
      岡部 三郎君    加藤 紀文君
      笠原 潤一君    片山虎之助君
      鎌田 要人君    木宮 和彦君
      北  修二君    久世 公堯君
      沓掛 哲男君    倉田 寛之君
      河本 三郎君    佐々木 満君
      佐藤 静雄君    佐藤 泰三君
      斎藤 十朗君    斎藤 文夫君
      坂野 重信君    志村 哲良君
      清水嘉与子君    清水 達雄君
      下稲葉耕吉君    陣内 孝雄君
      須藤良太郎君    鈴木 栄治君
      鈴木 省吾君    鈴木 貞敏君
      関根 則之君    田沢 智治君
      高木 正明君    竹山  裕君
      坪井 一宇君    中曽根弘文君
      永田 良雄君    楢崎 泰昌君
      成瀬 守重君    西田 吉宏君
      野沢 太三君    野間  赳君
      野村 五男君    南野知惠子君
      服部三男雄君    林田悠紀夫君
      二木 秀夫君    真島 一男君
      前島英三郎君    前田 勲男君
      増岡 康治君    松浦  功君
      松浦 孝治君    松谷蒼一郎君
      宮崎 秀樹君    宮澤  弘君
      村上 正邦君    守住 有信君
      森山 眞弓君    矢野 哲朗君
      山崎 正昭君    吉川 芳男君
      吉村剛太郎君    会田 長栄君
      青木 薪次君    穐山  篤君
      一井 淳治君    糸久八重子君
      稲村 稔夫君    今井  澄君
      岩崎 昭弥君    岩本 久人君
      上野 雄文君    小川 仁一君
      及川 一夫君    大森  昭君
      大脇 雅子君    上山 和人君
      萱野  茂君    川橋 幸子君
      喜岡  淳君    北村 哲男君
      久保  亘君    久保田真苗君
      日下部禧代子君    栗原 君子君
      志苫  裕君    篠崎 年子君
      庄司  中君    鈴木 和美君
      瀬谷 英行君    竹村 泰子君
      谷畑  孝君    谷本  巍君
      千葉 景子君    角田 義一君
      浜本 万三君    肥田美代子君
      深田  肇君    渕上 貞雄君
      細谷 昭雄君    堀  利和君
      松前 達郎君    三重野栄子君
      峰崎 直樹君    村田 誠醇君
      矢田部 理君    山口 哲夫君
      山田 健一君    山本 正和君
      吉田 達男君    渡辺 四郎君
      藁科 滿治君    磯村  修君
      武田邦太郎君    星川 保松君
      翫  正敏君    田  英夫君
      西野 康雄君    島袋 宗康君
      下村  泰君    西川  潔君
      山田 俊昭君    赤桐  操君
      河本 英典君    椎名 素夫君
     ―――――・―――――
#10
○議長(原文兵衛君) これにて正午まで休憩いたします。
   午前九時五十二分休憩
     ―――――・―――――
   午後零時一分開議
#11
○議長(原文兵衛君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。
 この際、日程に追加して、
 保険業法案及び保険業法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案について、提出者の趣旨説明を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#12
○議長(原文兵衛君) 御異議ないと認めます。武村大蔵大臣。
   〔国務大臣武村正義君登壇、拍手〕
#13
○国務大臣(武村正義君) ただいま議題となりました二法律案につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。
 初めに、保険業法案について御説明を申し上げます。
 保険業をめぐる近年の金融の自由化、国擦化等の環境の変化は、著しいものがあります。今回の保険制度改革は、このような経済社会情勢の変化に対応するとともに保険業の健全性を確保することを目的としたものであり、二十一世紀に向けて新しい保険制度を構築するため、政府といたしましてはこの法律案を提出することとした次第でございます。
 以下、その大要を申し上げます。
 まず、規制緩和、自由化の推進に関する事項であります。
 第一に、生損保が子会社方式で相互参入できることとし、生命保険会社の損害保険子会社及び損害保険会社の生命保険子会社に係る規定を設けることとしております。さらに、いわゆる第三分野と呼ばれる傷害・疾病・介護分野につきましては、所要の激変緩和措置をとりながら生損保が本体で相互参入できることとしております。
 第二に、保険商品・料率算出方法に関して、現在は一律認可制となっているのを改めまして、一部届け出制へ移行するための所要の規定を設けることとしております。
 第三に、国際的な整合性にもかんがみ、保険会社からの委託を受けない独立した新たな販売チャンネルとして、保険仲立人を保険契約の締結の媒介を行う者として法律上位置づけることとしております。
 次に、保険業の健全性の維持に関する事項であります。
 第一に、保険会社の健全性維持のための指標として保険会社の自己資本比率を導入することとし、大蔵大臣は、自己資本比率その他保険会社の財産の状況等を勘案して、経営の健全性を確保するための改善計画の提出を求めることができる旨の規定を置くこととしております。
 第二に、保険会社は保険契約者保護基金を設け、破綻保険会社の保険契約を救済保険会社に包括移転等をする際に、同基金から救済保険会社に資金援助を行うことができることとし、そのための所要の規定を設けることとしております。
 最後に、公正な事業運営の確保に関する事項であります。
 第一に、社員総会にかわるべき機関として、総代により構成される総代会を法律上規定することとしております。また、相互会社における経営チェック機能の強化を図るため、少数社員権、少数総代権の行使要件を大幅に緩和することとしているほか、社員の代表訴権につきましても単独権化することにいたしております。
 第二に、ディスクロージャー規定の整備として、保険会社は、事業年度ごとに業務及び財産の状況に関する事項を記載した説明書類を作成し、本店及び支店に備え置き、公衆の縦覧に供する旨の規定を置くこととしております。
 以上のほかにも、保険募集の取締に関する法律及び外国保険事業者に関する法律の保険業法への一本化をするとともに、相互会社から株式会社への組織変更などの規定を設けることといたしているほか、保険制度全般にわたって所要の規定の整備を図ることといたしております。
 次に、保険業法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案について御説明申し上げます。
 今御説明申し上げました保険業法案の提出に伴い関係法律の整備等を行う必要がありますので、この法律案を提出することとした次第でございます。
 その大要を申し上げます。
 損害保険料率算出団体に関する法律につきまして算定会が算出する保険料率について認可制から届け出制へ移行する等の改正を行うこととしているほか、その他十九法律につきまして保険業法の準用規定を改正するなど、所要の規定の整備を図ることといたしております。
 以上、二つの法律案につきましてその趣旨を御説明申し上げた次第であります。(拍手)
    ―――――――――――――
#14
○議長(原文兵衛君) ただいまの趣旨説明に対し、質疑の通告がございます。発言を許します。白浜一良君。
   〔白浜一良君登壇、拍手〕
#15
○白浜一良君 私は、平成会を代表いたしまして、ただいま議題となりました保険制度改革関連二法律案に対し、総理並びに大蔵大臣に質問いたします。
 まず、最近の経済情勢についてお伺いいたします。
 我が国経済は、政府の景気回復の過程にあるとの認識にもかかわらず、一向にそれを肌で感じることができません。企業は急騰する円高に対策を立てるすべもなく、また証券市場も長期にわたり低迷を続けており、このため、銀行及び保険会社等金融機関の株式保有に係る含み益も減少し、決算もままならない状況に追い込まれております。
 産業界を初め金融・証券界からも政府、日銀に対し有効な円高対策、証券市場活性化対策を求めておりますが、この間、政府の行動は後手に回り、APEC蔵相会議あるいは先日のG7でも効果的な為替安定策の合意を得ることに失敗し、去る四月十四日に出した緊急円高・経済対策は、市場関係者から、もともと円高基調を変えるような内容が出てくるとの期待は小さく、その意味で失望感も余りないと皮肉られる始末で、タイミング、内容ともに、失望を通り越し、為替市場、評券市場から無視される存在でしかなかったのであります。
 こうした状況を見ると、村山内閣は、経済判断を的確に行う人材は見当たらず、経済運営に対し何ら有効な策を持っていないとの印象を持たざるを得ません。経済のファンダメンタルズと乖離した円高に対し今後どのような対策を講じようとしているのか、また、今後、証券市場活性化対策を含めどのような金融政策をとっていくのか、具体的かつ明確な答弁を総理に求めます。
 さて、本論に入り、今回の保険制度改革の理念について伺います。
 今回の保険制度改革は、金融の自由化、国際化等の保険制度を取り巻く環境の変化に対応し、また保険業の健全性を確保するために行われるものであるとされております。
 そこで伺いますが、我々利用者にとって具体的な利点ほどこにあるのでしょうか。具体的にどのような点について利用者の利便の向上が図られるのでしょうか。
 さきの平成四年に実施された金融制度改革においても、利用者のための改革と言われておりましたが、実際そこで行われたのは、経営の悪化した金融機関を救済するための子会社化と機関投資家等を顧客とするホールセール中心の子会社の設立にすぎないのでありました。
 国民にとって、不慮の事故、死亡、災害に際し保険の保障は大きな頼りとなる必要欠くべからざる存在であり、保険に加入することは保険会社から約束を担保されたことになります。その約束が果たされなくなることは論を待たず、保険会社の経営の健全性は維持されなければなりませんが、今回の保険制度改革において利用者にどのような利益があるのか、この点について国民の前にはっきりと説明しなければ、保険リスクの異なる生損保が相互参入を行う意味が理解できるものではありません。保険制度改革の理念と利用者への利便の向上について、総理に具体的に明らかにしていただきたいのであります。
 また、今回の法案では、生命保険会社と損害保険会社が子会社方式によりそれぞれの分野に相互参入することとしております。これは、さきの銀行及び証券会社の金融制度改革と同様のいわゆる業態別子会社方式と言われるものであり、この保険制度改革をもって一連の金融制度改革の総仕上げと位置づけられております。
 しかしながら、去る三月三十一日の政府の規制緩和推進計画の中には独禁法における持ち株会社規制規定の見直し検討が入れられ、また二月の行政改革推進本部規制緩和検討委員会の意見報告では、金融、証券、保険の分野における持ち株会社方式あるいはユニバーサルバンク方式等による相互参入の検討も必要とされており、今後、業態別子会社方式を転換して、持ち株会社方式やユニバーサルバンク方式により金融制度改革が推し進められていくような気配が感じられます。
 金融制度調査会は、平成三年に出した答申の中で、銀行業務と証券業務の間の相互参入については、各金融機関が本体で銀行業務及び証券業務を幅広く行うユニバーサルバンク制度は銀行経営の健全性の維持、利益相反による弊害防止の面では現時点では問題が多い、また持ち株会社方式についても金融制度見直しの目的だけのためにその改正を求めることは適当ではないとしております。
 こうした理由から平成四年の金融制度改革においては業態別子会社方式が採用されたわけでありますが、業態別子会社方式は持ち株会社方式やユニバーサルバンク方式に至る単なる一里塚にすぎないのでしょうか。今回の保険制度改革が完了した際には、あっさりとこの方式は捨てられてしまうのでしょうか。
 特にユニバーサルバンク方式では、強い金融機関はますます強く勢力を拡大していくことも懸念されているところであり、保険も含め金融制度の中で今後も業態別子会社方式は維持されていくのかどうか、まず大蔵大臣に見解をお伺いいたします。
 さらに保険審議会が平成四年六月に出しました答申においては、生損保相互乗り入れの後、銀行、信託、証券業務についても段階的に相互参入していくことが適当である旨の内容が書かれておりますが、政府としては、この方向に沿って将来的に保険、銀行、信託、証券の各業態が相互参入していくことが適当であり、保険改革実施の後にはこれに着手していくと考えておられるのでしょうか、あわせて大蔵大臣に見解を求めます。
 次に、今回の保険業法案において、生損保の各業態の定義が定められることになりましたが、その中で、生命保険及び損害保険いずれか一万のみに属すると判断しがたいいわゆる第三分野と呼ばれている傷害、疾病・介護保険について、生損保各保険会社本体で参入できることとしております。
 現行保険業法が生損保の明確な定義規定を置いていないことから、第三分野保険については、生損保いずれに属するのか論争が続けられ、結局、大蔵省がすみ分けの調整を行い、定額保障的保険については生命保険会社が、実損てん補的な保険は損害保険会社が行うこととなり、今日に至っております。
 今回の改革ではこの境界線をなくし、生損保いずれも自由に第三分野に参入できることとするのでありますが、保険業法案の附則において、第三分野への本体相互参入については、これらの分野への依存度の高い中小国内保険会社及び外国保険会社に配慮しつつ、他の規制緩和の進展度合いを見ながら進めていくこととされており、これは、昨年十月に日米保険協議の交渉に際し米国が強く要求した結果だとも言われております。
 今回の保険制度改革を政府が保険契約者のためのものといっても、その背後には米国に対する配慮が色濃く出ていると言わざるを得ず、現状固定、現状追認型の改革にすぎないのではないかとの疑念も出てきております。
 大蔵大臣としてはこのような配慮規定についてどのような認識を持っておられるのでしょうか。生損保が自由に参入できるのはいつごろになるのでしょうか、具体的に明らかにしていただきたいのであります。
 次に、経営危機対応制度の一環として設立される保険契約者保護基金についてお伺いいたします。
 この保護基金は、経営が破綻した保険会社を合併等で救済する保険会社に対し、生命保険と損害保険の業界ごとにつくる基金から金銭贈与などで支援することを目的とするものであると承知しておりますが、そもそも、この基金はどのような理念に基づいて設立されるのでしょうか。
 このような経営危機対応制度を設けることと今後保険料率の自由化が進んでいくこととを結びつけると、低廉な保険料で契約を勧誘し、その後の運営・責任は基金に任せる、また保険契約者も最後には基金が救済してくれるという両者のモラルハザードを招く懸念もあります。この点について大蔵大臣はどのような見解を持っておられるのでしょうか。
 また、このスキームでは、保険契約は救済した保険会社に包括的に移転されることとなっておりますが、包括移転される保険金の額に上限は設けられないのでしょうか。銀行等の金融機関における預金保険機構の場合はペイオフについては一人当たり一千万円という上限が設けられていることと対比すれば、今回の基金は小口の保険と同時に何億円もの高額保険も救済されることになりますが、これは二信用組合問題で議論となった大口優遇、大口救済につながるおそれはないのでしょうか。
 さらに、法案では、基金への加入について明確に規定されておりませんが、仮にすべての保険会社が強制的に加入を義務づけられることとなるとすれば、中小保険会社や外国保険会社にとってその資金負担に耐えられ得るのかどうかといった問題も生じますが、基金の当面の運営方針についても大蔵大臣に見解を明らかにしていただきたいのであります。
 次に、今回の改革では、保険会社の経営の健全性をあらわす指標として支払い余力を示すソルベンシーマージン基準が導入されることとなりますが、この基準が保険行政において早期警戒装置としてどのように使われるか、お示しいただきたいのであります。
 ソルベンシーマージンで誤解を招きやすいのは、将来最大限見込まれるリスクに対して十分な支払い余力を持っていないからといって保険会社が倒産したり債務超過に陥るわけではないという点であり、通常の契約上の支払い義務に支障が生ずるものではないということであります。
 こうしたことから、ソルベンシーマージン比率のトレンドを見ることが重要とする立場からはこれを公表すべきであるとの見解が出され、反面、公表すると数値だけがひとり歩きし、かえって保険契約者などの混乱を招くこととなり、公表すべきではないとの見解もあります。私は、さきに申し上げたソルベンシーマージン比率の内容を保険行政が周知徹底した上で公表すれば、混乱を招くこともなく、むしろ保険契約者の保険会社選択の判断材料として有用ではないかと考えますが、大蔵大臣の見解を求めるものであります。
 以上、今回の保険制度改革関連二法案に関して質問してまいりましたが、約半世紀ぶりに行われる今回の改革が、株式市場の低迷、円高に加えて、長引く不況で保険商品の販売も不振をきわめるなど、発案時とは打って変わった逆風が吹く中で行われようとしているのであります。これがいかなる影響を及ぼすものか、今後議論を尽くさなければなりませんが、認識すべきことは、我々がさまざまなリスクにさらされたとき、そのリスクを回避する手段として生命保険や損害保険が必要不可欠な存在だということであります。
 一例を挙げれば、今や民間生命保険の世帯加入率は八〇%を超え、これに簡易保険及び共済を加えれば九〇%を超える普及率となっており、国民生活と深く根づいていることを再認識しなければなりません。
 こうした意味からも、今回の保険制度改革が保険会社の経営の健全性を促し、保険契約者の利便の向上につながることを願うものであり、最後に総理に、公的保険を含めた保険制度全体の中で民間保険のあるべき役割と保険制度改革に取り組む決意とを伺って、私の質問を終わります。(拍手)
   〔国務大臣村山富市君登壇、拍手〕
#16
○国務大臣(村山富市君) 白浜議員の質問にお答えを申し上げたいと思います。
 今後の円高・経済対策についてのお尋ねでございますが、急激な円高などの最近の事態に対処するため、政府は、機動的な内需振興策に加え、規制緩和の前倒しや輸入促進などのほか、経済構造改革など、広範かつ思い切った諸施策を盛り込んだ緊急円高・経済対策を決定いたしております。対策の一環として編成される今回の補正予算は、こうした広範な措置の実施に必要な財政措置として総額約二・七兆円を計上したところでございます。
 政府といたしましては、対策に盛り込まれておりまする各般の施策の速やかな実施に努めるとともに、今後とも計き続き為替相場の動向等を含む内外の経済動向に対応した適切かつ機動的な政策運営に全力を挙げてまいる所存でございますので、御理解を賜りたいと存じます。
 次に、金融行政についてのお尋ねでございますが、まず、金融機関の不良債権問題につきましては、従来からの発想にとらわれることなく、おおむね五年の間に積極的な処理を進め、問題解決のめどをつけることとする旨表明したところでございます。
 また、証券市場の活性化につきましては、基本的に景気の回復を通じた企業業績等の回復の進展等により図られていくべきものであり、先般の緊急円高・経済対策に盛り込まれた内需振興策、規制緩和推進計画の前倒し実施、経済構造改革の推進等の施策は、今後、証券市場にも必ずや好影響を与えるものと確信をしているところでございます。
 さらに、政府といたしましては、市場が本来の機能を発揮する上で必要な環境整備をすることが責務であるとの考えに立ちまして、先般の対策にも投資信託改革、店頭市場改革等の証券市場活性化策を盛り込んだところでございます。今後とも、これらの施策を着実に実施し、市場の活性化に努めてまいりたいと考えております。
 次に、保険制度の改革の理念と利用者の利便の向上についてのお尋ねがございましたが、今般の保険制度改革の大きな柱は、一つは規制緩和、自由化の推進、二つ目には保険業の健全性の維持、三つ目には公正な事業運営の確保でございます。今後、保険会社が国民生活の安定や国民経済の発展に向けてその社会的役割を十分に発揮できるようにするとともに、二十一世紀に向けて国民の信頼にこたえる新しい保険制度を構築しようとするものでございます。
 利用者の利便の向上につきましては、例えば規制緩和、自由化を通じまして新商品の開発の活性化、迅速化が図られることが期待されるところでありまして、契約者にとりましても、みずからのニーズに合致した新たな保険サービスの提供を速やかに受けることが可能となると考えております。また、競争が促進をされ保険料率が弾力化されるだけではなく、保険仲立人制度が導入されることによりまして保険商品購入ルートの選択肢が広がるといったことも期待さわるところてございますが、こうした点で利用者の利便の向上が図られるものと考えているところでございます。
 さらに、保険制度全体の中で民間保険のあるべき役割と保険制度改革に取り組む決意についての御質問でございますが、民間保険は、国民の自助努力を支えることを通じ、国の社会保障制度を補完し、あるいはそれを充実したものとすることにつきましては、御意見もございましたように、重要な役割を担っておると考えております。
 今後、高齢化社会の進展等を背景として、国民の保障ニーズも多様化、高度化していくことが予想されておりますが、これに対応するため、規制緩和、自由化を進め、民間保険においても個々人のニーズに合った多様な商品開発が進められることが必要であり、この点からも、この保険制度改革に全力を挙げて取り組んでまいりたいと考えているところでございます。
 残余の質問につきましては、関係大臣から答弁をさせます。(拍手)
   〔国務大臣武村正義君登壇、拍手〕
#17
○国務大臣(武村正義君) 四点お尋ねをいただきました。
 まず相互参入についての御質問でございますが、金融制度調査会及び証券取引審議会の審議におきましては、御指摘のユニバーサルバンク方式のように各金融機関が本体で銀行業務及び証券業務を幅広く行う場合には、銀行経営の健全性の維持や利益相反による弊害防止等の面で問題が多いことから、持ち株会社あるいは業態別子会社方式という別組織による相互参入が議論されたところであります。
 このうち、持ち株会社方式につきましては、独占禁止法第九条の持ち株会社の禁止が我が国産業全体に関するものであり、金融制度見直しという目的のためだけにその改正を求めることは適当でないという判断がされましたことから、最終的には業態別子会社方式が採用されることになりました。今回の保険制度改革におきましても、この金融制度改革の趣旨を踏まえまして、業態別子会社方式を採用したところであります。
 平成五年四月の金融制度改革法の施行を受けまして、業態別子会社の設立による銀行、信託、証券の相互参入が実施に移されているところでございますが、当面は、業態別子会社方式による現行の金融制度改革の着実な実施を図っていくことが重要であると考えております。
 保険業と銀行・証券等の相互参入の時期に係るお尋ねでございますが、昨年六月の保険審議会郵告におきましては、まず子会社方式による生撮倶の相互乗り入れを含む保険制度の自由化を進めることが肝要であり、その定着を見きわめた後で子会社による他業態への進出も含めた制度改革が完了するよう段階的に行うべきであるというふうに答申を受けているところでございまして、生損保の相互乗り入れ及び現在実施されている金融制度改革の実施状況を見きわめた上で今後検討をしてまいる所存であります。
 次に、傷害・疾病・介護分野、いわゆる第三分野における今後の生損保の相互乗り入れの問題でございますが、平成四年六月の保険審議会答申におきましては、中小保険会社、外国保険業者の中に第三分野への依存度の高い会社が存在すること等を踏まえて、所要の激変緩和措置をとることが適当である旨指摘されております。日米包括協議における保険分野交渉の決着内容に沿うものであると同時に、今般の保険制度改革についての提言を行った保険審議会答申にも沿ったものでありまして、第三分野に対する配慮規定を設けることになった次第であります。
 この配慮規定については、第三分野に依存度の高い保険会社が、第三分野以外の保険会社または損害保険の固有分野において十分事業展開をなし得る環境が整備されたときに必要性がなくなるものと考えておりますが、規定の終了時期を明確にすることは現時点におきましては困難であることを御理解賜りたいと存じます。
 次に、保険会社が経営危機に陥った場合に備えて、保険契約者等の保護を図るためのシステムを整備しておくことが重要であります。自由化を進める上でも不可欠の前提であります。こうした観点から、保険会社間の相互援助による保険契約者等の救済制度として、円滑に契約移転等を行うために保険契約者保護基金を設けることにいたした次第であります。
 この基金による資金援助は、契約者保護のため一保険契約の円滑な移転等による保険契約の継続が重要との観点から救済保険会社に対して行われるものでありまして、いわゆる破綻保険会社自体を救済するための制度ではありません。
 また、この基金の資金援助だけでは保険契約の移転等を行うことができない場合には、異議申し立て手続を経て保険金額の削減等の契約条件の変更を行うことになっております。ケースによっては、保険契約者の自己責任が問われることもあり得る形となっております。したがって、保険会社及び保険契約者の御指摘のモラルハザードを招くことはないのではないかというふうに考えます。
 また、この基金による資金援助の制度は、結果として、大口小口を問わず保険契約者の保護を図るものでありますが、これは、一つは、保険契約の利益はほとんどが最終的に個人に帰着するものであること、一つは、保険は預金と異なり、大口小口のいかんにかかわらず同じ母集団を形成し、相互扶助の仕組みで相応の負担を行っているものであること、もう一つは、大口といいましても、中小企業の事業主が万が一の場合に備えて事業の継続を図るために加入している例など、その必要性からやむを得ず大口で加入している場合なども含まれていることなどを考えますと、大口小口で取り扱いに差を設けることは困難と考えます。
 また、基金は民法上の公益法人となっておりまして、基金への加入は形としては任意でありますが、大蔵省としましては、保険契約者等の保護を図り保険業に対する信頼性を維持するという基金の目的を踏まえて、全保険会社が加入することを期待してまいります。
 また、この基金の負担金につきましては、現在、生損保業界において、各社の負担能力を勘案しながら、どのように分担するかについての基準を検討しているところでございます。
 最後に、ソルベンシーマージン基準の問題でございますが、保険会社の監督上、保険会社の経営について早期の事前チェックを行うための一つの手段として今回初めて導入するものであります。まず第一に、保険業界における定着を図ることが必要であると考えております。
 議員の御指摘のように、今後、ソルベンシーマージン基準の成熟度合いを見ながら、契約者に無用な誤解が生じないことを確認しつつ、各保険会社に当該比率をディスクローズさせることを指導していくことを検討してまいりたいと考えております。(拍手)
#18
○議長(原文兵衛君) これにて質疑は終了いたしました。
     ―――――・―――――
#19
○議長(原文兵衛君) 日程第一 国際連合要員及び関連要員の安全に関する条約の締結について承認を求めるの件(衆議院送付)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。外務委員長田村秀昭君。
    ―――――――――――――
   〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
   〔田村秀昭君登壇、拍手〕
#20
○田村秀昭君 ただいま議題となりました条約につきまして、外務委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 この条約は、近年、国際連合の平和維持活動等に従事する要員の死傷者数が増加し、これらの要員の安全確保が国際社会にとって極めて重要な課題の一つとなっていることにかんがみ、平成六年十二月に第四十九回国連総会において採択されたものでありまして、国連の平和維持活動要員等に対する殺人、誘拐の行為等を犯罪として定め、その犯人の処罰、当該犯罪についての裁判権の設定等について定めるものであります。
 委員会におきましては、この条約が対象とする要員の範囲及び活動、我が国が派遣したPKO要員に対する適用関係、この条約の実効性等について質疑が行われましたが、詳細は会議録によって御承知願います。
 質疑を終え、採決の結果、本件は全会一致をもって承認すべきものと決定いたしました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
#21
○議長(原文兵衛君) これより採決をいたします。
 本件を承認することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#22
○議長(原文兵衛君) 総員起立と認めます。
 よって、本件は全会一致をもって承認することに決しました。
     ―――――・―――――
#23
○議長(原文兵衛君) 日程第二 沖縄県における駐留軍用地の返還に伴う特別措置に関する法律案(衆議院提出)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。沖縄及び北方問題に関する特別委員長坪井一宇君。
    ―――――――――――――
   〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
   〔坪井一宇君登壇、拍手〕
#24
○坪井一宇君 ただいま議題となりました法律案につきまして、委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 本法律案は、衆議院提出に係るものでありまして、第百二十九回国会以来、衆議院において継続審査とされ、今国会において修正議決されたものであります。
 本法律案は、駐留軍用地及び駐留軍用地跡地が広範かつ大規模に存在する沖縄県の特殊事情にかんがみ、駐留軍用地の返還に伴う特別の措置等を講じ、もって沖縄県の均衡ある発展並びに住民の生活の安定及び福祉の向上に資することを目的としております。
 その主な内容は、国は返還の見通しが立った駐留軍用地について当該土地の所有者等に通知すること、返還が合意された駐留軍用地について返還実施計画を策定しなければならないこと、所有者等が当該土地を使用せず、かつ収益していないときは、当該所有者等の申請に基づき賃借料等の相当額を基準とする給付金を支給すること等であります。
 なお、本法律は、平成七年六月二十日から施行し、平成十四年六月十九日限りその効力を失うこととなっております。
 委員会におきましては、趣旨説明を聴取し、討論に入りましたところ、日本社会党・護憲民主連合を代表して渕上委員、平成会を代表して星野理事、日本共産党を代表して市川委員、新党・護憲リベラル・市民連合を代表して中尾委員、二院クラブを代表して島袋委員より、それぞれ本案に賛成する旨の意見が述べられました。
 討論を終わり、採決の結果、本法律案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
#25
○議長(原文兵衛君) これより採決をいたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#26
○議長(原文兵衛君) 総員起立と認めます。
 よって、本案は全会一致をもって可決されました。
 これにて休憩いたします。
   午後零時三十九分休憩
     ―――――・―――――
   午後七時三十一分開議
#27
○議長(原文兵衛君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。
 この際、日程に追加して、
 平成七年度一般会計補正予算(第1号)
 平成七年度特別会計補正予算(特第1号)
 平成七年度政府関係機関補正予算(機第1号)
 以上三案を一括して議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#28
○議長(原文兵衛君) 御異議ないと認めます。
 まず、委員長の報告を求めます。予算委員長坂野重信君。
    ―――――――――――――
   〔審査報告書は本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
   〔坂野重信君登壇、拍手〕
#29
○坂野重信君 ただいま議題となりました平成七年度補正予算三案の委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。
 一般会計補正予算は、最近の急激な為替レートの変動を含む内外の経済動向に対応して、景気回復基調をより確実なものとすること等のため、去る四月十四日に決定した緊急円高・経済対策の一環として、阪神・淡路大震災からの復旧・復興のほか、円高への対応等を主な内容とするものであります。
 歳出につきましては、阪神・淡路大震災等関係経費を初め、緊急防災対策費、科学技術・情報通信振興特別対策費、円高対応中小企業等特別対策費、輸入促進関係経費等について措置するほか、地方交付税交付金について所要の措置を行うこととしており、歳出の純追加額は二兆七千二百六十一億円となっております。
 他方、歳入につきましては、阪神・淡路大震災への税制上の対応及び今回の対策に盛り込まれた税制上の措置に伴い、租税及び印紙収入について減収を見込むとともに、その他収入の増加を計上するほか、財政法第四条の規定に基づく公債二兆二千六百二十二億円の増発、及び平成七年度における公債の発行の特例に関する法律案に基づく公債五千六百三十八億円とを合わせて、合計二兆八千二百六十億円の公債を発行することとしております。
 本補正の結果、平成七年度補正後予算の総額は、歳入歳出とも当初予算に二兆七千二百六十一億円を追加し、七十三兆七千百三十二億円となっております。
 また、一般会計の補正に関連して、国立学校特別会計、道路整備特別会計など十三特別会計予算、及び国民金融公庫、住宅金融公庫及び中小企業信用保険公庫の三政府関係機関予算について、所要の補正が行われております。
 補正予算三案は、五月十五日国会に提出され、衆議院からの送付を待って、本日、武村大蔵大臣から趣旨説明を聴取した後審議に入り、村山内閣総理大臣並びに関係各大臣に対し国政全般にわたり熱心に質疑を行ってまいりました。
 以下、質疑のうち主なもの若干につき、その要旨を御報告申し上げます。
 補正予算に直接かかわるものとして、「今回の補正予算の性格は何か。補正予算の財源はそのほとんどが公債で賄われているが、今後の財政運営の方針を伺いたい。」との質疑のほか、「阪神・淡路大震災についての復興計画策定の見通しはどうか。」との質疑があり、これに対し武村大蔵大臣及び関係大臣より、「今回の補正予算は、第一に阪神・淡路大震災の復旧・復興のために一兆四千億円強の予算を計上し、六年度補正予算と合わせると二兆四千億円強となり、緊急対応と復旧についておおむね全うすることができると考えている。第二は、全国の緊急防災対策として鉄道、道路、建物等について必要な予算を組んでいる。さらに、円高について中小企業対策や雇用対策予算を組んだほか、我が国経済・産業の構造転換を進めるために科学技術・情報通信振興対策予算などを計上したものである。加えて、最近のオウム事件等の犯罪に対応するための経費を計上しているものである。」、今後の財政運営については、「今日、国債残高は二百十六兆円に達しようとしており、我が国財政は極めて脆弱で、今後国債がさらにふえていくような不健全な財政運営には慎重でなくてはならない。今回の国債発行は景気回復を優先させること等のためにやむを得ざる措置として決断したものである。」、また阪神・淡路の今後の復興計画については、「目下地元では、悲惨な経験を踏まえて、被災者の声を聞きながら県、市、可及び関係団体が一体となる挙県体制で進めており、六月いっぱいにまとまることを期待している。」との答弁がありました。
 質疑は、このほか、東京共同銀行スキームの運営方針、地方分権への取り組み姿勢、円高対策の経済効果、オウム真理教と宗教法人のあり方、原発立地政策の進め方、中小企業及びベンチャービジネス支援策、内外価格差の解消策、日米自動車摩擦とWTO提訴問題、仮設住宅の建設・入居状況、テロ防止対策など多岐にわたりましたが、その詳細は会議録によって御承知願いたいと存じます。
 質疑を終局し、討論に入りましたところ、平成会を代表して北澤委員が反対、自由民主党を代表して山崎委員が賛成、日本共産党を代表して有働委員が反対の旨、それぞれ意見を述べられました。
 討論を終局し、採決の結果、平成七年度補正予算三案は賛成多数をもっていずれも原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
#30
○議長(原文兵衛君) 三案に対し、討論の通告がございます。順次発言を許します。猪熊重二君。
   〔猪熊重二君登壇、拍手〕
#31
○猪熊重二君 私は、平成会を代表して、ただいま議題となりました平成七年度補正予算三案について反対の討論を行うものであります。
 我が国経済は、長期にわたる不況からようやく脱却し、回復基調が定着したかに見えました。しかし、それもつかの間、阪神・淡路大震災の発生、急激な円高の進行、株価の長期低迷、さらに不良債権処理をめぐる金融システムの混乱といういわば四重苦に見舞われ、再び景気が腰折れする懸念すら高まっているのであります。
 とりわけここ数カ月の間に二割近くの円高の進行は、輸出関連企業の大半が採算割れに落ち込むなど、国民生活にも重大な影響を与えています。こうしたことから、新進党は、三月二十八日に円高の非常事態に対処するため緊急経済対策を提言するなど、政府の機敏な対応を強く求めてまいりました。しかし、政府の対応は鈍く、ようやく四月十四日に緊急円高・経済対策を発表しましたが、その内容は具体性に欠けた単なる飾り言葉の羅列に終始したものでした。果たせるかな、これを発表した途端、逆に為替は円高に振れ、株価も下落するなど、市場の失望感を惹起する結果となりました。
 今、政府に求められているのは、内需拡大を図り貿易黒字の大幅削減につながる思い切った景気対策、経済改革を内外に発信することでありますしかるに、この緊急円高・経済対策の一環として提出された本補正予算は、復旧・復興対策に十分を期したと言える内容ではなく、また、円高対策としても全く不十分の一語に尽きる、力量不足の補正予算と断ぜざるを得ません。
 以下、本補正予算に反対する理由を申し上げます。
 反対の第一の理由は、震災の復旧・復興対策並びに防災対策が不十分なことです。
 あの震災から既に四カ月が経過しましたが、町中には今なお倒壊寸前のビルが散在し、四万人もの人々が不自由な避難所生活を送っているほか、雇用情勢も一段と悪化しているなど、現地では厳しい状況が続いていることに思いをはせば、復旧・復興の一日も早い実現は被災住民のみならず全国民の強い願いであります。さらに、今回の大震災を教訓に地震列島日本の防災対策に万全を期すことは、今や最大の政治課題であります。
 しかるに、本補正予算では、被災者向け公的住宅についても、計画戸数の約半分への着手にとどまっているのであります。また、首都高速の橋梁補強でも、実際に補強を予定しているのは対象全体の三分の一にとどまっております。さらに、瓦れき処理の計上でも、当初の政府見通しの二倍近くの額を計上しなければならなくなっており、今回の見通しもその正確さが大いに疑問視されるなど、とても容認できる内容ではありません。
 反対の第二の理由は、円高対策が全く不十分なことです。
 新進党は、総額約十兆円の予算措置を伴う緊急対策の速やかな実施を強く求めてまいりました。しかるに本補正では、景気対策としての公共事業はほとんど計上せず、円高対策として、科学技術・情報通信振興のための経費など、トータルでもわずか四千五百億円余の金額を計上しているにすぎません。さらに、中小企業融資に対する金利減免措置も不十分で、我々が円高の地場産業への深刻な影響を考慮し地方公共団体への緊急財政措置を行うことなどを強く要求しているにもかかわらず、全くこれを無視していることは遺憾のきわみであります。
 反対の第三の理由は、当初予算の抜本的な見直しとはほど遠い内容となっていることです。
 そもそも、政府は、我々に本補正での予算の組み替えに匹敵する大幅な当初予算の見直しを約束したことを思い出していただきたい。我々は、財源措置として、当初予算における経費の洗い直し、公共事業全体の見直し等が俎上に上ると思っていたにもかかわらず、本補正は当初予算の大枠にはほとんど手を触れることなく編成されております。新進党は、このような事態を受け、衆議院で約十三兆円の予算措置を内容とする本補正の組み替え要求を提出し、村山内閣に的確な補正予算編成を行うチャンスを与えましたが、誠意を全く示さずこれを拒否した態度には怒りを禁じ得ません。
 最後に、本補正提出前に、訪米した与党自民党の総務会長が、事もあろうに米国通商代表部で十兆円規模の二次補正の編成を公言するとは、一体どういうことでありましょうか。与党みずから本補正予算の不十分さを世界に向かって宣伝しているに等しいではありませんか。
 以上のとおり、村山内閣の危機管理能力の欠如は救いがたく、現下の厳しい経済社会情勢を打破する残された唯一の道は村山内閣の退陣しかないことを強く強調して、私の反対討論を終わります。
 ありがとうございました。(拍手)
#32
○議長(原文兵衛君) 成瀬守重君。
   〔成瀬守重君登壇、拍手〕
#33
○成瀬守重君 私は、自由民主党を代表いたしまして、ただいま議題となりました平成七年度補正予算三案につき賛成の討論を行います。
 本年に入り大事件が続発し、国民の生命と財産を守ることが我々の最大の使命であり、それにこたえる今次補正予算を一刻も早く成立させることが国民共通の願いであります。
 阪神・淡路大震災発生から四カ月が経過した現在、政府、自治体並びに被災者の御努力により、被災地域の復旧・復興は着実に進みつつあります。この足取りをさらに確実なものにするため、住宅供給や瓦れき処理などへの財政措置が緊要となってまいります。
 一方、経済情勢に目を向けますと、一ドル八十円台という異常な円高で、回復に向け歩み始めた日本経済は苦境に立たされており、国としてもあらゆる手段を尽くし、これを克服することが求められております。
 サリン・無差別テロ事件は、オウム真理教の麻原代表等が警察関係者の御労苦により十六日逮捕されましたが、このような凶悪事件の再発防止に万全を期していかなければなりません。
 本補正予算は、これらの国民全体の切実な要望に的確にこたえた内容となっており、大いに賛意を表するものであります。
 以下、その主な理由を申し述べます。
 賛成の第一の理由は、阪神・淡路大震災復旧・復興関係費並びに緊急防災対策費が適切に計上されている点であります。
 道路や港湾の復旧及び住宅供給等の公共事業の追加のほか、瓦れき処理事業費等、合わせて一兆四千三百億円が計上されており、被災地の復旧・復興の足取りを確実にするものと確信いたしております。また、七千九百億円の緊急防災対策費は、震災に備え全国の道路、鉄道、学校施設等の耐震性の強化等を図るもので、異議を差し挟む余地は全くありません。
 賛成の第二の理由は、万全の円高・経済対策が盛り込まれている点であります。
 今回は、経済フロンティア拡大のために、特に科学技術・情報分野に思い切った重点投資が図られております。この分野は、新産業の創出につながることが期待され、経済波及効果も高いことから、経済対策として極めて有効なものであります。また、中小企業への低利融資を拡充するための七百億円の財政措置は、円高により厳しい経営状況にある中小企業を支援するものとして欠くことのできないものであります。
 賛成の第三の理由は、三百四十億円の緊急犯罪対策費が計上されている点であります。
 地下鉄サリン事件や警察庁長官狙撃事件等がつて例のない凶悪犯罪が続き、一刻も早い事件の解決と再発防止が国民共通の願いであります。今回の補正では、装備の充実や通信システムの整備など、犯罪の近代化に対応する措置がなされており、国民の期待に迅速かつ適切にこたえた政府の姿勢に大いに賛同いたす次第であります。
 以上述べましたように、国難とも言うべき緊急事態に対処するため、財政事情厳しき中、今回、政府が国民の安全、生活を第一に考え、特例公債の発行を含め思い切った財政施策を実施いたしましたことは、まことに適切であり評価されるものであります。
 最後に、本補正予算成立後には速やかに執行に着手し、一刻も早い阪神・淡路地域の復興を実現するとともに、実態とかけ離れた円高の是正と確実な景気回復に向けたさらなる努力を政府に要望し、私の賛成討論を終わります。(拍手)
#34
○議長(原文兵衛君) これにて討論は終局いたしました。
    ―――――――――――――
#35
○議長(原文兵衛君) これより三案を一括して採決いたします。
 三案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#36
○議長(原文兵衛君) 過半数と認めます。
 よって、三案は可決されました。(拍手)
     ―――――・―――――
#37
○議長(原文兵衛君) この際、日程に追加して、
 地方交付税法の一部を改正する法律案(内閣提出、粂議院送付)を議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#38
○議長(原文兵衛君) 御異議ないと認めます。
 まず、委員長の報告を求めます。地方行政委員長岩本久人君。
    ―――――――――――――
   〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
   〔石本久人君登壇、拍手〕
#39
○岩本久人君 ただいま議題となりました法律案につきまして、地方行政委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
 本法律案は、今回の補正予算における国税の減少に伴い、平成七年度分の地方交付税が三百七十七億六千万円減少することから、地方交付税の総額を確保するため、特例措置として同額を地方交付税の総額に加算するとともに、同加算額を平成九年度から平成十三年度までの五年度間で償還する措置を講じようとするものであります。
 委員会における質疑の詳細は会議録に譲ります。
 質疑を終局し、討論に入りましたところ、日本共産党を代表して有働理事より反対の意見が述べられました。
 討論を終わり、採決の結果、本法律案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
#40
○議長(原文兵衛君) これより採決をいたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#41
○議長(原文兵衛君) 過半数と認めます。
 よって、本案は可決されました。
     ―――――・―――――
#42
○議長(原文兵衛君) この際、日程に追加して、
 平成七年度における公債の発行の特例に関する法律案
 租税特別措置法の一部を改正する法律案
  (いずれも内閣提出、衆議院送付)
 以上両案を一括して議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#43
○議長(原文兵衛君) 御異議ないと認めます。
 まず、委員長の報告を求めます。大蔵委員長西田吉宏君。
    ―――――――――――――
   〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
   〔西田吉宏君登壇、拍手〕
#44
○西田吉宏君 ただいま議題となりました両法律案につきまして、委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
 まず、平成七年度における公債の発行の特例に関する法律案は、平成七年度の一般会計補正予算において必要となる財源を確保するため、平成七年度の公債の発行の特例等の措置を講じようとするものであります。
 次に、租税特別措置法の一部を改正する法律案は、さきの緊急円高・経済対策の一環として輸入促進税制を拡充するとともに、中小リストラ法の改正に伴い、欠損金の繰り戻し還付の不適用措置の対象から除外される中小企業者の範囲を拡大するなど、所要の措置を講じようとするものであります。
 委員会におきましては、両法律案を一括して議題とし、質疑が行われましたが、その詳細は会議録に譲ります。
 質疑を終了し、討論に入りましたところ、日本共産党を代表して吉岡吉典委員より両法律案に反対する旨の意見が述べられました。
 討論を終了し、順次採決の結果、両法律案は多数をもっていずれも原案どおり可決すべきものと決定をいたしました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
#45
○議長(原文兵衛君) これより両案を一括して採決いたします。
 両案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#46
○議長(原文兵衛君) 過半数と認めます。
 よって、両案は可決されました。
     ―――――・―――――
#47
○議長(原文兵衛君) この際、日程に追加して、
 特定中小企業者の新分野進出等による経済の構造的変化への適応の円滑化に関する臨時措置法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#48
○議長(原文兵衛君) 御異議ないと認めます。
 まず、委員長の報告を求めます。中小企業対策特別委員長石渡清元君。
    ―――――――――――――
   〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
   〔石渡清元君登壇、拍手〕
#49
○石渡清元君 ただいま議題となりました特定中小企業者の新分野進出等による経済の構造的変化への適応の円滑化に関する臨時措置法の一部を改正する法律案につきまして、中小企業対策特別委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 本法律案は、最近の急激な円高の進展により中小企業者の経営環境が一層厳しくなっている現状にかんがみ、中小企業者が行う新分野進出等の新たな事業活動及びこれらの準備のための事業活動に対して、中小企業近代化資金等助成法の特例及び課税の特例の措置を講じようとするものであります。委員会におきましては、中小企業への円高の影響と本法による施策の効果、現行法による新分野進出等の計画の実施状況、事業展開計画の承認要件等の諸問題について質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。
 質疑を終わり、採決の結果、本法律案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
#50
○議長(原文兵衛君) これより採決をいたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#51
○議長(原文兵衛君) 総員起立と認めます。
 よって、本案は全会一致をもって可決されました。本日はこれにて散会いたします。
  午後八時散会
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト