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1995/06/13 第132回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第132回国会 国会等の移転に関する特別委員会 第4号
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1995/06/13 第132回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第132回国会 国会等の移転に関する特別委員会 第4号

#1
第132回国会 国会等の移転に関する特別委員会 第4号
平成七年六月十三日(火曜日)
    午前十時十五分開議
出席委員
  委員長 中山 利生君
   理事田野瀬良太郎君 理事 西田  司君
   理事 村田敬次郎君 理事 永井 哲男君
   理事 玄葉光一郎君
      木部 佳昭君    東家 嘉幸君
      根本  匠君    古屋 圭司君
      大畠 章宏君    関山 信之君
      田邊  誠君    中島 武敏君
 出席政府委員
        国土庁大都市圏
        整備局長    荒田  建君
 委員外の出席者
        参  考  人
        国会等移転調
        査会長
        (関西経済連
        合会相談役)  宇野  收君
        国会等の移転に
        関する特別委員
        会調査室長   杉本 康人君
    ―――――――――――――
委員の異動
六月十三日
 辞任         補欠選任
  中村 正男君     大畠 章宏君
同日
 辞任         補欠選任
  大畠 章宏君     中村 正男君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 国会等の移転に関する件〔国会等移転調査会の
 第二次中間報告(首都機能移転の範囲と手順・
 新首都の都市づくり)について〕
     ――――◇―――――
#2
○中山委員長 これより会議を開きます。
 この際、一言申し上げます。
 先般来、新進党の所属委員に出席を要請いたしておりますが、御出席がありませんので、この際、やむを得ず委員会を開会いたします。
 国会等の移転に関する件について調査を進めます。
 本日は、去る九日に国会に報告されました国会等移転調査会の第二次中間報告「首都機能移転の範囲と手順・新首都の都市づくり」につきまして、参考人から意見を聴取いたしたいと存じます。
 本日御出席願っております参考人は、国会等移転調査会長宇野牧君であります。
 この際、参考人に一言ごあいさつを申し上げます。
 本日は、大変御多用中にもかかわらず御出席をいただきまして、まことにありがとうございます。
 まず、宇野参考人から、国会等移転調査会の第二次中間報告の概要について御説明をいただきました後、委員からの質疑に対して忌憚のない御意見をお述べいただきたいと存じます。
 なお、議事の順序でございますが、最初に二十分程度御意見をお述べいただき、その後、委員からの質疑にお答え願いたいと存じます。
 それでは、宇野参考人、お願いいたします。
#3
○宇野参考人 おはようございます。国会等移転調査会の会長をいたしております宇野でございます。
 本日は、多少異常な状態の中で、こういう席にお招きをいただきまして、調査会の第二次の中間報告の内容について御説明を申し上げる機会をいただきまして、ありがとうございます。
 国会等移転調査会におきましては、昨年の六月に「移転の意義と効果」につき第一次の中間報告をまとめまして、この場で説明をさせていただきましたけれども、今般、去る六月六日に開催されました第六回の調査会におきまして第二次中間報告を取りまとめ、同日夕方、村山内閣総理大臣に直接御報告をいたしました。その後、九日付で総理から国会に報告されたというふうに承っております。
 国会等移転調査会の基本部会は、昨年の六月に「移転の意義と効果」に関する中間報告を取りまとめました後、九月七日以来、本年の五月十七日まで六回にわたって検討を進めてまいりました。
 一方、新都市部会の方は、昨年の四月二十六日に第一回会合を開催して以来、本年の五月十七日まで計十回にわたりまして検討を進めてまいりました。また、昨年の十一月には新首都の都市の空間的なイメージを盛り込んだ「「新首都のビジョン」に関する中間的とりまとめ」を公表して、国民各層の議論に供したところでございます。
 報告書をごらんいただきたいと思いますが、報告書を一ページめくっていただきまして、まず「目次」をごらんいただきたいと存じます。
 この報告書は、第一編が「首都機能移転の範囲と手順」、そして第二編が「新首都の都市づくり」の二部構成となっております。第一編が基本部会の検討結果を、第二編が新都市部会の検討結果をそれぞれ調査会で取りまとめたものでございます。
 それでは、まず第一編の「首都機能移転の範囲と手順」から御説明をいたしたいと思います。
 三ページからの「第一章 移転の対象の範囲」では、まず、新首都にあるべき機能について述べております。すなわち、「新首都は、首都機能移転がめざす二十一世紀のわが国のあり方にふさわしい機能を果たせるよう創られるべきである。」と述べた上で、新しい政治・行政機能、本格的な国際政治機能及び日本の進路を象徴する機能の三つの観点から、新首都にあるべき機能について検討した旨を述べております。なお、ここでは、単に東京から移転する機能のみならず、二十一世紀の新首都にふさわしい機能として新たに整備すべき機能等についても記述いたしております。
 まず、三ページの下から「(一)新しい政治・行政機能」では、新首都の政治・行政機能は、従来のそれとは異なった新しい政治・行政システムにふさわしい機能となることが必要であると述べた上で、三権の中枢である首都機能のほかに、政党本部等の立法関係機能、マスコミ、シンクタンク等の首都機能を支える民間機能、情報機能等が必要であるとしております。
 五ページからの「(二)本格的な国際政治機能」では、新首都には多様な国際政治や地球的視野に立った国際的活動の中心地としての機能、海外への援助活動など国民レベルでの相互理解を深める国際交流機能等を発揮することが求められ、首都機能としての外交機能のほかに、大使館等の外交関係機能、国際機関等の国際交流機能、国際情報拠点の機能を備える必要があること。
 六ページからの「(三)日本の進路を象徴する機能」では、新首都には日本の歴史や伝統を体現するとともに、二十一世紀に生きる国民が未来に託する夢をはぐくみ、我が国のアイデンティティーを世界に伝えてゆく役割が求められており、日本の文化や進路を示す機能、国際的な文化・学術交流を深める機能、未来の文化を生み出す機能が求められると述べております。
 八ページからの「二 移転の対象となる首都機
能の範囲」でございますが、首都機能は、現在の組織のまま移転するのではなく、移転の過程を通じて見直していき、新しい政治・行政システムとして新首都に形成すべきであるものと考え、移転の対象の範囲は、簡素で効率的な政府の実現を目指して、必要最小限度の機能であるべきであると強調をいたしております。このような観点から、立法機能としては国会の機能を、行政機能としては中枢性の高い政策立案等に係る機能や危機管理機能を考え、司法機能としては最高裁判所の機能をそれぞれ移転の対象と考えております。
 十ページからの「第二章 移転のプログラム」でございますが、「早期移転の必要性」というところで、先般の阪神・淡路大震災の経験を教訓といたしまして、国の災害対応力の強化の観点から首都機能を東京と同時被災する可能性の少ない地域に早期移転すること、また国政全般の改革も急がれることなどから、早期移転のためのプログラムを示すことが必要であると指摘しております。
 十二ページからの「段階的移転の考え方」では、首都機能移転は大規模プロジェクトであるから、新首都づくりの各段階において移転の規模や内容についての検討を行いつつ、逐次移転を進めることとなると述べております。
 首都機能については、国会と内閣は同時に移転すべきであるとした上で、内閣を支える中央省庁の機能は一時に移転することは困難でありますから、地方分権、規制緩和を初めとする国政全般の改革を踏まえた行政組織の見直しの進捗との整合を図りつつ、各省庁ごとに政策企画部門と実施部門など機能の性格に応じて水平分割する方法と省庁単位で行政組織を垂直分割する方法を適切に組み合わせて、段階的に移転すべきであるとしております。また、首都機能移転の具体的なプログラムを策定するためには、総合的に移転方法を検討する場を設置することが適当であるとしております。
 次に、十四ページからの「第一段階における新首都の機能」では、国政全般の改革を最優先するとともに、国の災害対応力の多重性を確保することが重要であること、そのためには国権の最高機関である国会の率先移転を行うことが最優先であり、国会の移転をもって首都機能移転の第一段階とすること、中央省庁等については、国会や内閣との関係から、国政の円滑な運営に支障を生じないよう各省庁の政策企画部門を中心とする必要最小限の機能を移転することが適当であると述べております。また、大規模災害時にも国の情報機能が十分に発揮されるよう、新首都に情報機能の先行整備を図るべきであることを提言しております。以上を踏まえて、第一段階の新首都の規模は、およそ十万大規模と想定しております。
 十六ページの「成熟段階における新首都の機能」では、魅力的な都市として成熟した時点での新首都の機能のあり方は、未来の国民の求めるところにゆだねられるべきであり、将来の選択が可能になるよう、余裕やゆとり、自由度、弾力性を確保しておくことが重要と考え、成熟段階における新首都の人口規模としては、最大限で約六十万人程度と想定しております。
 以上が、第一編の「首都機能移転の範囲と手順」の概要でございます。
 次に、第二編の「新首都の都市づくり」でございますが、十七ページをごらんいただきたいと思いますけれども、「新首都のビジョン」では、まず「新首都のイメージ」において、国民や世界に開かれた新首都づくりを目標に、これを象徴する、だれもが自由に集うことができる緑の広場を設けるとともに、平和主義を掲げる国家の首都、日本の未来像を考える文化都市、さらに文化都市にふさわしい施設等を設けるとしています。また、新首都づくりを環境共生型の都市づくりの先導的プロジェクトと位置づけております。
 新しい国会議事堂は、威圧感のある外観を避け国民に開かれた印象を与えるデザインとし、中央官庁地区の町並みは、庁舎が緑豊かな景観の中にゆったりと配置された開放的で品格のあるものとするとしております。その他、新首都の交通施設や商業・業務地区、住宅地のイメージを記述しており、新首都の都市景観は、町並みが親近感や開放感を感じさせつつも、全体的には一国の首都たるにふさわしい風格ある景観を形成するとしております。また、将来の世代がこの都市を適切に機能させ、質的、機能的に高めていけるようにするため、都市づくりのプロセスにゆとりや柔軟性を持たせることが必要であるといたしております。
 二十三ページからの「新首都の都市形態」では、新首都の規模を人口で最大約六十万人程度、開発される面積でおおむね九千ヘクタールと想定し、首都機能の効率的な運営の確保と移転先地の自然条件や地域社会との調和などを考慮して、国会都市と呼ぶ中心都市とその他の小都市群が自然環境豊かな数百平方キロメートルの圏域に配置されている都市形態を提示しております。
 二十五ページからの「新首都づくりの手順」では、新首都づくりは非常に規模の大きなプロジェクトであるため事業は長期間を要する一方、政経分離や国政全般の改革を進めるためには国会の移転をできる限り早期に行うことが必要であることから、新首都の建設は段階的に行うとともに、特に第一段階として、建設開始から約十年で国会を開催することを目標とし、国会都市から着手すべきであるとしております。その規模としては、人口約十万人、開発面積約二千ヘクタール程度と想定いたしております。
 二十七ページからの「第四章 新首都づくりの制度・手法」では、まず基本的な考え方として、首都の建設という特別な公共性を持つプロジェクトであることから、思い切った新しい制度・手法を導入して取り組む必要があるとしております。
 二十八ページの「優れた都市環境の形成と自然的環境の保全」では、首都にふさわしい美観と風格を保持し、環境との調和・共生を図るため、新首都の圏域全体を国民共有の公園都市のように考え、公的主体が圏域内の土地をできる限り広範に取得し、いわゆるリースホールド方式を活用するなど個々の土地所有者に対する規制のみに頼ることのない土地利用の管理手法を導入することを提案しております。
 二十九ページからの「土地投機の防止と円滑な土地取得」では、公的主体に先買い権を付与するとともに、買い取り価格を候補地選定段階の地価を基準に算定するなど移転先地に対する土地投機が結果的に利益とならないようにすること、また、大規模な国有地等の活用や地元の土地所有者に対する生活再建のための措置を講ずることを提案しております。
 三十一ページからの「計画・事業の実施主体」では、国自体が第一義的な責任を持って新首都づくりに当たる必要があるとともに、圏域全体に及ぶ一体性と建設期間を通じた一貫性を持って実施するためには強力な体制を整備する必要のあること、そのためには、新首都建設に一元的な責任を有する特別な国家機関を設立し、基本的な方針の策定や諸施策の総合調整等を行う一方、都市づくりの企画立案、面的開発事業、関連公共公益施設整備事業等は国の設立する一つの実施主体が一元的に行うことを提案しております。
 三十三ページの「開かれた手続き」では、新首都づくりのプロセスが国民の目から見てわかりやすく進められるとともに、内外からすぐれたアイデアや技術を集め、国民一人一人が参加意識を持てることが重要であることを述べた上で、モニタリング機関の設置や国と地元自治体との協議会の設置、国民参加のイベントの継続的な実施を提案しております。
 三十四ページの「地方行政や住民自治との関係」では、新首都の都市建設は国の責任のもとに実施されるべきことから、都市づくりに関する国と地元地方公共団体との役割分担のあり方について十分に検討する必要があること、三十五ページの「財源対策」では、集中的な公共投資による事業の迅速な実施に対応し、国民共有の資産として質の高いストック形成が行われるように、所要の財源の確保が必要であることを述べております。
 三十六ページの「今後の課題」では、今後、具
体的な移転先地が選定される段階においてより詳細な検討が必要であること、土地対策に関連する制度・手法の一部については移転先地の選定段階において同時に設置される必要があることを述べております。
 以上が「第二編 新首都の都市づくり」の概要でございます。
 最後に、三十七ページの「おわりに」でございますが、ここにありますように、阪神・淡路大震災の経験により危機管理の重要性が改めて認識される中で、首都機能移転の必要性、緊急性についての論議が高まっております。本調査会におきましては、首都機能移転の早期実現に向けて、残された課題であります移転先地の選定条件やその選定の方法、移転の時期の目標及び東京の整備のあり方につきまして早急に検討を開始いたしたいと思っております。
 また、国会におかれましても、国民にわかりやすいPRの実施に努められ、一歩一歩実現に向けて国民の合意の形成が図られますよう御努力をお願いいたしたいと思います。
 以上をもちまして私の報告とさせていただきます。ありがとうございました。(拍手)
#4
○中山委員長 ありがとうございました。
 以上で参考人からの意見の聴取は終わりました。
#5
○中山委員長 これより質疑を行います。
 この際、委員各位に一言申し上げます。
 質疑につきましては、理事会の協議によりまして、一回の発言時間は三分程度となっておりますので、委員各位の御協力をお願いいたします。
 なお、御発言は、委員長の許可を得てお願いいたします。
 それでは、質疑を始めたいと思います。どうぞ挙手をして、自席からそのままで結構でございます。
#6
○田野瀬委員 自民党の田野瀬でございます。
 昨日の懇談会で、宇野会長から、いよいよ選定基準の決定の話し合いに入っていく、この別紙の第三タームに入ってくる、その選定基準を決めるのに全然候補地を想定せずにはなかなかしにくい、一つか二つに絞って候補地を想定しながら選定基準を決めていく、こういうお話がございました。ということになりますと、もうその時点で候補地が限りなく絞られていくということになりはしないか。
 それも一つの方法かもわかりませんが、そういうことになりますと、候補地を決定するそのプロセスが非常に大事であるという今までの議論、国民の合意が必要である、こういう議論とどういうふうに整合性を持たせていくのか、この辺のところをまず会長からお伺いいたしたいと思います。
#7
○宇野参考人 この問題、今、田野瀬先生からお話がございましたが、私の個人的な話をちょっときのう申し上げたわけでありまして、調査会としては、選定の条件、方法等をこれから詰めていくというところでありまして、この場所がよろしいということを推薦申し上げるということは調査会の権限の外であると思います。ただ、私の感じをきのう申し上げましたのは、全国に十も二十も候補地がどんどんありまして、こうなっていますよというような話だけをいたしますと、大変混乱をするだろうと私は思ったということでございます。
 一方、やはり国民が合意して、国民がその過程をよく知っておって、ある程度の国民のコンセンサスがないと詰められないという命題がありますので、この二つの問題を、絞り込む必要があるけれども一方で絞る過程がよくわかっていないといけないというこの相矛盾するような問題をどうするかというのは、これは甚だ難しい問題だと思います。調査会としては、その手前のところまでをできるだけ用意して、あとは国会に報告をして、国会でその決定をやっていただくということでないと決められない問題だと思っておりますが、これは甚だ難しい、しかも非常に大事な問題だと思っております。
#8
○田野瀬委員 ということは、ちょっと今の話、理解しにくいのですが、二つの相矛盾する点をどうするのか、結局結論が出ておらないということでしょうか。会長としては一つ二つに絞り込んでやっていきたいが、そういうことになると限りなく候補地が決まっていくということになるので国民の合意をなかなか得にくいだろうという、この二つの相矛盾するところを整理して、その話し合いに入るということなんでしょうか。
#9
○宇野参考人 私は、そういう方向に皆さんの議論がなっていけば、一つの調査会としての報告をオフィシャルに出す以外に、大体こういう過程でありましたということを添えて申し上げて、それが国会での議論の展開のときにお役に立つのではないかなというふうに思っておりますが、これはこれからの調査会の議論の進行の中でのことでございますから、今、余り確言はいたしかねるということでございます。
#10
○中島(武)委員 私、日本共産党の中島武敏でございます。
 前回も宇野会長にいろいろとお尋ねしたこともあるのですが、きょう最初に伺いたいと思っておりますのは、第二次の中間報告第四章第五項、ここに「開かれた手続き」ということが強調されているのです。これは新都市づくりについての話なんですけれども、プロセスが国民の目にわかりにくい、各方面からよく知恵を集めて、国民一人一人が何らかの形で参加しているという意識を持てるようにすることが大切なんだということが強調されておりまして、決定の過程もわかるようにするし、公正や透明性が大事なんだ、こういうことを強調しておられる。
 私は、この限りにおいては非常に賛成なんです。私は、今度の首都機能の移転というのは国民主権にかかわる重大問題だというように思っています。そういう点では、やられる事業も東京都の臨海開発なんかとは比較にならないぐらい大規模なものでもありますし、ですから、どうしても必要だと思いますのは、何といっても国民に対する十分な情報の公開ですね。そして国民的な論議、さらに国民的な合意、こういうことが非常に不可欠だ、どうしても必要だと思うのですね。
 それで、端的に会長に伺いたいのですけれども、だからそういうことがちゃんとできるというためには、調査会にどんな資料が出されて、そしてどんな議論がやられて、そしてこの中間報告になったのか。いろいろな議論があったのだと思うのです、私は知りませんけれども。そういう点を明らかにして、そして議事録なんかも公開するとかいうふうにして、国民的な議論ですね、何が焦点なのか、何が問題なのか、ここのところがよくわかるようにすることが必要じゃないかと思うのですけれども、いかがなものでございますか。
#11
○宇野参考人 今、中島先生からお話ございましたように、非常に大きな問題でありますから、まず国民的な合意が必要であるということも本当によくわかっております。調査会ができまして一年余り、実はその問題を一生懸命皆さん議論をしたのでありますが、一つの方法として私どものやりましたことは、歴史的にこういうことですねというような問題について議論をすると同時に、新聞等にもそういうものが報ぜられたことがございましたが、それ以外に公聴会を東京、名古屋、新潟でやりまして、なおこれから公聴会を続けてまいります。
 そういうようなことが非常に必要だということはもう大変に認識をしておりますが、一つ考えなければいかぬのは、そもそも合意というのはどの点になったら本当の合意なんですかということになりますと、一億二千万の人がみんな合意するかといったら、これは先生御承知のとおり不可能でありますから、大勢は見たところどうかなというようなことでモニターをいたしましたところでは、ほぼ七割近くの方が移転は必要であるということはおっしゃっているなというような理解を私どもはいたしております。
 しかし、これから先に、いよいよ合意があって、どの地点がいいか、それをどうして進めるか
ということになりますと、さらにまたもう一つの意味の開かれた合意がないといけないという段階に差しかかっていくわけであります。そこで、特にお願いを申し上げたいのは、国会での議論、国会での発言、国会でのそういうものが、国民に対する情報ということが非常に大きな問題でございますから、国会での特に懇話会、懇談会、推進委員会という形でできているこうした会合の発言が非常に大きな問題になりますので、むしろ私の方から、その合意の形成は率先して国会でやっていただきたいということをお願い申し上げたいというふうに思います。
    〔委員長退席、西田委員長代理着席〕
#12
○中島(武)委員 国会での議論は、御指摘のとおり私は大いに大事だと思うのです。
 同時に、調査会で、私どもがいただいておるのはこれだけなんですね。さっきも言ったのですけれども、これに至るには、やはり私は随分いろいろな議論があったのだと思うのですね。それから資料も提出されて、それに基づいてのいろいろな議論がある。だから、そういうところを公開していただくと国民わかりもするのじゃないか。それこそ、ここで言っているような、国民一人一人が何らかの形で参加しているんだ、こういう気持ちになると思うのです。
 今、正直に申しますけれども、調査会では一生懸命やっていただいておりますが、国民は、一体何が議論されているのかというのはわかりにくいのじゃないですか。わからないのじゃないですか。国会も努力する必要はあると思いますよ。ですけれども、調査会としてもそういう点を、情報公開を大いにやっていただきたいということを私は重ねて申し上げて、それで、聞いておきたいなと思っていることはたくさんあるのです。たくさんあるのですけれども、その次をちょっと聞かせてもらいたいと思うのです。
 これは、私、丁寧に読んでいるのですけれども、国会等の移転というのは、もともとの出発点は東京一極集中を是正するということが目標に掲げられていたのじゃないかと思うのですね。ところが、第二次報告を読みますと、どうもそれは後景に退いてしまって、地震が前面に出てきて、国会や内閣や各省庁の機能が地震にも耐えられるようにしないといかぬというので移転、こういうふうにどうも私には見受けられます。また、事実そうじゃないかと思うのです。
 それで、ちょっと一言申し上げたいと思うのは、かねて東京都は、一極集中是正がこれによってできるとは思わない、分権と展都だという考え方を随分明らかにしてきました。こんな分厚いものも発表しております。それで、つい最近ですけれども、俗称で言えば首都圏サミットですか、七都県市の首脳会議でアピールを発表いたしましたね。ここで強調されていることは何かといえば、首都圏アピールですけれども、結局、遷都よりは分権と展都が必要なのじゃないかという見解を述べているのですね。そして、その方が効果的なのじゃないかという見解を述べているのですね。お読みになっていらっしゃると思うのですけれども。
 私も、国会移転で東京の一極集中が解決するというふうにはちょっと思えないのです。それから東京都との間の論争も、まだ結論がついているとは言えないのだと私は思うのですね。それで地震を奇貨として移転というのは、私はちょっと、国民わかるがするという上からいっても早計に過ぎるんじゃないかなというふうに思うのですけれども、この点はどうですか。
    〔西田委員長代理退席、田野瀬委員長代
    理着席〕
#13
○宇野参考人 誤解があるといけませんので申し上げておきたいと思いますが、首都移転の問題は、まず移転ありきから始まったということではないということでございます。
 これは先般の、昨年のときにも申し上げたかと思いますが、大きな歴史の流れで見まして、日本はこれだけ中央集権国家で発展をしてまいりましたけれども、今から二十一世紀を考えた場合に、今のシステムのままではいけない幾つかの問題が出ていることは、もう先生御承知のとおりでございます。
 つまり一言で言えば、一極に集中した権限とか財源とかというこのシステムは、二十一世紀にこのまま持っていきますと弊害の方が多くなるという大きな時代の転換期に来ておるわけでありますから、この二十一世紀の中で、国のやるべき本当に大事な機能だけをどこかへ持っていって新しい時代を画する必要があるという歴史的な意味合いを皆強く意識して、議論をしてきたわけでございます。これは公開しても、そういう議論があったということがはっきりわかっていただけると思うのです。
 そういう中でやはり、仮に東京で直下型の地震が起こったらこれはえらいことだから移転をしなきゃいかぬなという議論があったことも事実なんです。しかしながら、それは移転のワン・オブ・ゼムの理由であったと思います。ところが、御承知の一月の関西の地震が起こりましてから、これは東京で起こったらえらいことだということがありましたので、今はそういう災害対応を強化するという意味での移転問題が相当強く出ておりますけれども、やはり二十一世紀の日本を考えて、今のままのシステムではいけないから、この際、国の本当にやるべき機能だけはどこかへ移しておく必要があるよというのは基本的にあったということは事実でございます。
 それからもう一つは、地方分権等の問題は、今まさに御指摘のとおり、地方分権が理想のとおりに進めば、これは目に見えない首都移転ができているのと同じ効果があるわけですから、分権が進めばそれはそれで十分だよという意見もございます。
 しかしながら、先ほど申し上げた歴史的な大きな転換点に来ているという意味での首都機能の移転と、それから同時に地方分権というのは車の両輪でありまして、なおもう一つ加えるならば、今問題になっている規制緩和も、これまた次の新しい時代のために必要なことでありますから、規制緩和と地方分権と、そして首都機能を移転して小さな首都をつくるというのが二十一世紀をにらんだ日本のための三本柱であるというふうに私は思っておりますので、災害対応のためだけを考えてやっておるんじゃないかというようなことは、ちょっとこれは誤解であるというふうに思います。
    〔田野瀬委員長代理退席、委員長着席〕
#14
○中島(武)委員 分権と規制緩和を強調される気持ちはわからぬではないのです。ですけれども、実際に移転いたしますのは、何ぼ早く見ても、報告によりますと十年先ですよね。国会が移転するのは十年先。何かこれを引き金にしてという考え方が大分強いのですけれども、この間、十年間どうするのかな。大事だと言われる分権なりなんなりは十年間ほっておくのか。それをやるのが先決ではないかという議論がありますね。だから、どうも私には大分急いでいらっしゃるなという気がしてならぬわけなんです。
 それで、後でお尋ねしてもいいのですけれども、ちょっと地震のことに関して、これは一つの大きな理由になっていますから、またお尋ねしたいと思うのです。
 阪神の大震災で大きな被害を受けたのは一体どこなのかということになりますと、やはり建築物でいえば古い木造建築ですね。それから新幹線とかあるいは高速道路あるいは港湾、これは非常に壊滅的な打撃を受けました。だけれども、例えば新しい建築物、神戸の市役所なんかはそれほど被害を受けたということはないのですね。だから、その辺のところも考えなければいかぬ。
 僕もいろいろなものを読んでみて思うのですけれども、日笠端さんという東京理科大の教授がおられますよね。あの方の書いたものを読んだのです。そうしたら、こういうことを書いているのですね。この方は移転賛成論者なんです。ですけれども、「東京にある首都機能は、皇居とともにその立地条件、環境条件、建物の構造から最も安全
であるといわれている。」と言っているわけです。私も、永田町は一番安全じゃないかなというふうに率直に言って思うのですよね。地盤もしっかりしているし、建物もしっかりしているし、それから緑もありますしね。そういう点では、私もこれは同意見。しかし、永田町は本当に安全なのかどうなのかという点では、ライフラインとか建物についても耐震的な立場から再点検する、必要な措置を行う、こういうことは必要だと思うのです。
 だけれども、東京は御存じのとおりなんですよ。周辺は木造住宅が非常に多いのですね。それから高層建築でも弱いものもあるのです。それから新幹線だ、高速道路だ、その他の交通網だということになりますと、いざ一たん緩急、緩急というのは地震が起きた、大きい地震があったという場合に、じゃ職員の皆さんは駆けつけてこれるかといったら、駆けつけてこれないおそれがあるんですよね。だから、そういう点では、職員の皆さんのための安全な宿舎なんかも考えるということが必要なんであって、東京からよそへ行けば安全なのか、どうもこれはわかりにくい議論なんです、私には。
 第一、日本にそんなに地震に安全なところというのは一体どこにあるのか。何かこれによりますと、六十キロ圏から域外というのですけれども、六十キロ圏というと近いんですね。南関東地震で危ない、こういうふうに言っているのですけれども、どうなのかな、そんな安全なところがあるんだろうか。活断層は物すごく走っていますしね。そういう点で、率直なあれですけれども、私はやはり東京の地震対策を強化するということこそ先決じゃないのかなという気がするわけなんですね。
#15
○宇野参考人 今、ちょっと移転の問題と外れた災害対応の東京の問題が前面に出たのですが、調査会としては、移転と同時に起こってくる東京の整備問題というのも来年の春までの検討事項でございますから、その議論も十分いたしたいと思います。
 私はまた関西におって、私もまたわずかでありますが地震の災害を受けた立場で非常に感じますのは、御指摘のとおり、やはり建物の構造によって非常に被害を受けたところと受けていないところがありますから、被害、被害というけれども一様の問題ではないのですが、私がむしろ強く感じましたのは、被害が起こったときに起こった情報管理機能の混乱、これが一番大きな問題だと思うのです。
 したがって、東京で、首都移転をするという問題がいろいろ議論されまして、特に災害対応の面から見て今非常に緊急の問題として取り扱われているときに、何が一番大事であるかということになりますと、情報のセンターがどこか一カ所ですぐまとまるようなことだけは、これは早くやらぬといかぬ。しかし、情報というのも、人が伴わない情報はあり得ないわけですから、最小限度、中央の情報管理機能を出すための人、またその人たちが集まるための宿舎、そこへ持っていくための交通の整理というふうな問題、これは早急の問題として取り上げなければいかぬことだというふうに理解はいたします。
 しかしながら、もっと基本的に、二十一世紀をにらんだ首都はどうあるべきかという問題は、それに続いて非常に出ておるわけでありますから、その辺の議論を調査会としては来年の春までにいたしまして、そして先生方の最終決断をひとつやっていただきたいというふうに考えております。
#16
○玄葉委員 さきがけの玄葉光一郎です。宇野会長、いつも御苦労さまでございます。
 今の中島委員とは逆の立場になります。つまり、率直に申し上げて、早期移転の必要性というのを強く感じております。
 それは、先ほど宇野会長もおっしゃられたように、二つのメカニズムとかシステムを断ち切る、政官民の癒着構造とかあるいは東京一極集中の問題、いわゆる「集中が集中を呼ぶメカニズム」と前のレポートで出されたように、そういうことがまず一つはあるのだろう。先ほど中島委員は分権をやればいいじゃないかとかいろいろおっしゃったのですけれども、どうして同時並行で悪いのか。あるいは東京のような情報発信能力を持つような都市がもう一つできたら、やはり一極集中を壊す相当な起爆剤になるだろう、そのように私は思っております。
 それに、何といっても災害対応力の問題というのは、やはりこう考えなければいけないのじゃないだろうか。つまり、危機管理というのは、例えば東京で震度八に耐えられるような耐震構造のものをみんな用意したといっても、震度九が来たらどうしようもなくなるわけですよね。震度九に耐えられるものをつくっても、震度十が来たらどうしようもないわけで、危機管理というのは、やはりそういうものに耐えられるような、国土全体で担保していくというか保険を掛けていくというか、そういうふうにしていかないと成り立たないのだろう、そういうふうに思うのですね。ですから、どうしても早期移転というのは必要なんだろう。そして、先ほど宇野会長おっしゃったように、まさに早く移転先を決めて、そこにもう最初に情報のバックアップ機能だけでも持っていくということが何より必要なんだろうという意味では、私はとにかく早期移転については強く強調したいという立場であります。
 そこで、この問題、第二次中間報告が出されたわけでありますけれども、阪神大震災があったにもかかわらず、もう一つ思ったような盛り上がりに欠けているなという気も率直にしております。何が原因がといったら、やはりいっどこに移転するのかということがまだ書かれていないということなんだろうと思うのです。せめていつという部分について、つまり時期をできるだけ早く明示をするという作業が必要になってくるのだろうというふうに思いますけれども、その点についての会長のお考えをお聞きしたいというふうに思います。まず第一点、その点でございます。
#17
○宇野参考人 いよいよ具体的なお話に相なってくるわけでありますが、今御指摘のありましたいつという問題でございますが、今度の報告でも書いておりますように、私どもは諸般の事情から考えて、できるだけ早くその審議をする必要があるということでございますけれども、その時期は、昨日も推進懇談会の中にも出ておりましたが、二年以内という決議があったというふうに私も理解をいたしております。私どもは、いずれにしても来春報告を出しまして、それが調査会としての最終報告ということになると思いますが、国会の方でお考えになっておる二年以内というようなことは私どもとしても大変大きな目標に相なりますので、できるだけそういうことを頭に置いて考えてまいりたいと思います。
 ただ、その場合に問題になるのは、先ほども皆さんから御指摘になっているように、そこで非常に開かれた合意の形成という過程をとったかという問題と、それから、そういうときには時期の問題だけでなくて、極めて絞り込んだ形の、頭に大体こういうところだなということが出ないで何となく漠然と書いたのでは、こんな嫁さん欲しいというけれども具体的には何も名前が出ない嫁さんはだめだといってきのうお話があったのと同じでありまして、その辺の相矛盾する問題をどういうふうにまとめて報告を出すかというのが私どもの苦心のしどころであります。しかし、いずれにしてもお願いいたしたいのは、それを最終決定されるのは国会なんです。ですから、国会の先生方に、それを受けてさっと行動していただけるということを大変期待申し上げるということでございます。
#18
○玄葉委員 今、時期の問題、村田先生が会長をお務めになられているきのうの議連で、二年以内ということでございます。我々はもちろんそれを受けて精いっぱいの活動をタイミングよく展開をしたいと思っておりますけれども、そうすると、政府のこの調査会の場合は、来年三月までに時期を明示をするというふうに考えてもよいのでしょうか。
#19
○宇野参考人 先ほども申し上げておりますように、来年の春には、選定をする基準あるいはその方法、そして時期というふうな問題を報告としてできるだけ明確に出したいというふうに思っております。
 ただ、何遍も申し上げておりますように、私どもは、この場所にしてくださいとかこの時期にしてくださいとかというところまで書き込めるかどうかはちょっと微妙なところであります。調査会はそこまでをやりまして、後はボールは国会に参りますということでありますから、その辺をひとつ、あうんの呼吸でお願いを申し上げたいというふうに思う次第でございます。
#20
○玄葉委員 今度は、また時期の問題とか具体的な問題とちょっと外れてしまうのでありますけれども、きょう一緒に配っていただいたものにドイツの報告がございます。これは私的な意見で結構でございますけれども、新首都を考える上でのイメージとして、諸外国、いろいろ例があるわけでありますが、会長御自身はどんなものが日本の新首都のイメージに近いとお考えになられているか、その点、もしお考えがあればお聞かせをいただきたいなというふうに思います。
#21
○宇野参考人 これは今の段階ではどこに行くかということは決まらないわけでありますから、ドイツのようにベルリンに行くと決めてやっているのとは大分違うわけです。
 ただ、今、玄葉先生から御質問のありますどういうイメージかとおっしゃいますと、もう既に今回の中間報告で書いておりますように、三つの性格を考えております。一つは、二十一世紀に日本を象徴するような首都であってほしい。象徴というのは具体的に何かというと、もう日本が既に宣言しておりますように、平和ということが国と国との関係では当然出てくるわけです。それから人と人との関係では、文化という問題だと思います。それから、今非常にやかましくなっております自然と我々との関係ということになると、これは環境ということでありますから、象徴的に言えば平和と文化と環境というものを頭に置いた、そうした首都をつくりたいというのが抽象的な考え方であります。
 そういう面から見ると、私ども今まで見てまいりましたワシントンDCは、そういうものについてやはりアメリカの一つの物の考え方、自由あるいは平和というふうな問題が一つの都市建設の中に出ておるなというふうに思いますが、ドイツもまた平和については非常に意識を持ったベルリンづくりということを考えておるなというふうに感じました。
#22
○田邊委員 宇野さんは前から非常に熱心にこのことについて取り組んでいただいておりまして、私感謝をいたしておるわけですが、私や村田さんその他が国会移転の問題を取り上げて決議を起こそうというときは、各党とも実は大変異論があったのです。そんな、国会だけ先に移転するようなことがあっていいのかという話もあったのですが、ようやく機は熟してきました。阪神・淡路大震災があったからという意見もありますけれども、私は、それは一つの表にあらわれた現象であって、本来的に言えば、いよいよこれは時期は熟したというよりも、せっぱ詰まってきた。
 ちょっとほかの意見もあります。まだそこまでいっていないじゃないか、慌てることはないじゃないかという意見もありますが、しかし、慌ててやらなきゃならぬことになったらこういったことはできないのでありまして、まだちょっと余裕があるかな、反対もあるかなというところで思い切って先駆的な役割を果たす必要がある、こう私は思うので、その意味では、調査会の報告、そしてまた来年に向けての一層の御研さんは大変ありがたい。
 それから、青写真は立派にできつつあると思うので大変うれしく思っておるのですが、宇野会長も言われたとおり、問題は、一体具体的な選定になったときにどうするのかということが一つあります。それから方法論もありますけれども、この中にもありまするけれども、私が心配するのは、ある程度のタイムラグがある。国会が移る、それから官庁の主要な機能が移る。しかし、それが全体的な六十万都市になるまでの間、この間というものが非常に大事であると同時に困難を伴うのじゃないか、こう思うので、その点についてのもう少し具体的な示唆が今後示されるとありがたいと思うのです。
 それから、ざっくばらんに申し上げまして、調査会としては、機能についての限度があるから、こうこうそこがいいというようなことを具体的に言うことはもちろん差し控えなきゃならぬでしょうが、今、あうんの呼吸と宇野さんおっしゃったのですけれども、どうでしょう、調査会がある程度の段階に来たときに、これはもうそういう正規の調査会と政府、あるいは正規の調査会と国会というのじゃなくて、我々もこういう場所では我田引水的なことは言ってはならぬと思っておりますけれども、きのうもちょっと懇談会に出た意見で、国会議員は自分のところは手を挙げない、なかなかいい意見だと私は思うのです。しかし、そういうことも含めてざっくばらんに話し合う場所というものが、そろそろことしから来年に向けてあってもいいのじゃないか。また、そういうのが必要だ。
 その中で、腹の中というものがお互いにわかり合って、調査会は、なるほどこういう方向であれば、この青写真のもとにこういう場所というものを選ぶべきである、ないしはその手順というのはこういう方法で、中島さんも言ったけれども、なるべくひとつ我々は国民にわかりやすい形でやりたいけれども、それはまた逆に百家争鳴になってもいけない、こういう難しさがあるわけですから、その辺について、ひとつお話し合いをするような場所があっていいのじゃないだろうかと私はひそかに思っているのですが、いかがでしょうか。
#23
○宇野参考人 大変難しいボールを投げられたわけでありますが、実際問題としては、やはりそういうインフォーマルな会合がありまして、そしてお互いの考えていることがもう少し深く理解ができるというような機会がありますと、調査会としてはいいと思います。
 ただし、これは先ほど中島委員からも先生からもお話がございました公正、透明な合意の形成というふうな理解でやっていただけるようになりませんと、何か密室で勝手にやったのかなというふうなことになっては、何のためにやったのかわからない。だけれども、皆さん御理解いただいているように、抽象的な話は幾らやったってもう無意味であるという段階が近づいておるというのも事実でございますから、あくまで私どもは公正な、透明な段階を踏みながら、なおかつ理解を深めるという意味での会合でありましたならば、私は個人としては大変ありがたいことかというふうに思います。
 ここへ参りますまでに海外の情勢を見てまいりまして、ワシントンDCを見たり、キャンベラを見たり、ベルリンの問題を見てまいりましたが、ワシントンやキャンベラが決まったときは、ワシントンの場合は、南軍と北軍の何というか妥協のところでワシントンにしておこうかなというふうに決まったと聞いておりますし、キャンベラの場合は、シドニーとメルボルンとの間のところでいこうじゃないかというようなことで決まったという意味では、最後は妥協というような問題もこれはあるかもしれません。
 しかし、私どもの日本国の立場を考えると、先ほどから御指摘がありましたように、事態は刻々と変わっておって、早く決めなければどうにもならぬというふうな状態に来ておるのも事実でありますから、大事なことだからみんな議論をしろというのも大事でありますが、余り議論をしておるうちに事態は変わってしまう。特に、私は経済人として心配いたしますことは、日本の国力がもう移転をするだけの国力がなくなってしまうというふうな事態になってしまってから議論をしても、これはもうどうにもならないという問題もこれございまして、やはり今はその時期だなと。
 それからもう一つは、地方分権の問題が出ましたが、先生方のおかげで地方分権法が先月できました。分権法は、御承知のとおり五年間の時限立法でございます。五年間の時限の間に本当の意味での分権がどこまで進むかわかりませんが、相当進むことは間違いございません。これは目に見えない遷都であります。
 一方でそういう状態が成っているのだから、非常にスリムになった中央の政府機能、立法機能、司法機能というものを移転をすることによって、国が人心一新をするんだというチャンスにも相なるわけであります。そういう意味で、今から来年の春までのところが非常に大事な時期でございますから、さらに理解を深めて、そして立法のリーダーシップを出していただくということの足しになるならぜひお願いをいたしたいというふうに思います。
#24
○村田(敬)委員 各先生方から非常にいい意見をたくさん聞かせていただいております。
 実は、先日首相官邸で行われた国会等の移転に関する調査会、宇野会長が主宰をしておる調査会、数日前ですが出席をいたしました。それから昨日は、先ほど田邊先生が御指摘になった新首都推進懇談会、これは私が会長をしておりますが、それに大体百名近い議員あるいは代理の方が出られて、活発な論議が行われました。非常にこの問題については、大きく問題が集約しつつあるという認識を持っておるわけでございます。
 というのは、東京のことが非常に議論になりましたからここで申し上げるのですが、東京は、明治維新の直後、百十五万くらいの規模だったのですね。今は少なくとも千二百万以上。東京圏と言われるのは三千万。つまり、この百二十年の間に大変な東京の人口規模の集中があった。したがって、東京がもう明治以前とはすっかり変質をして、一極集中がきわまっておるということが指摘をされると思います。これは宇野会長はっとによく御存じのとおりでありますが、いわゆる産業の発展によって日本がこういうふうに近代国家として進んでいく過程で、一極集中がすっかりきわまってしまった。
 江戸時代はそれじゃどうだったかというと、司馬遼太郎の書いておる「菜の花の沖」という小説で読んでみると、あれは高田屋嘉兵衛という船頭さんが大きく成長していく過程で江戸のことが非常にたびたび出てくるのですが、あのころはむしろ上方・堺、今の大阪、神戸、京都等が産業の中心であって、江戸は行政首都であった。そういう形態がすっかり変わって、一極集中になってしまった。
 したがって、先ほど来宇野会長が御指摘になるように、新首都の設置とそれから地方分権、それからもう一つ規制緩和ということも会長言われましたが、この新首都の設置と地方分権を並行してやっていくということが、これからの私は国土計画の基本だと思います。これは政府で出しておる全国総合開発計画を遣っていけば、三全総以降、新首都を設置するということを非常にはっきり言っていることでもわかりますし、地方分権については、地方分権法ができたという先ほどの御指摘でもわかるところでございまして、二十一世紀は世の中が新しくなりますから、どうしてもそういう設計をしていかなければならない新しい時代だ。
 したがって、百年河清を待つようなことをいつまで言っていてもしょうがないので、二年以内に新首都の地域の決定だけはやるべきだということをきのうの新首都推進懇談会が決定をしていただきました。それと同時に、ある閣僚からは、それならば新首都決定のための国民投票の法律をつくったらどうかというような非常に具体的な意見も飛び出して、昨日の新首都推進懇談会は大変活発に推進をされたわけでございます。
 そこで、先ほどお話があったような、宇野調査会、それから国会議員が二百五十人も入っておる新首都推進懇談会、それから堺屋太一君のような方が主宰をしておられる社会経済国民会議的ないわゆる民間組織、そういうものが一緒になっていろいろこれからの進め方を、先ほど中島さんも言われましたが、開かれた手続の中で進めていくことをやっていくのが必要なのではないかと私は思っておりますが、そういったことについて宇野会長の所見をお承りしたい。これからそれを進めていくのに、例えばそういう団体の合同でシンポジウムをやるとか、あるいは公聴会をやるとか、そういうようなことについての協力方式はいかがなものであろうか。
 だから、二年以内に新首都の候補地は決定をする、そしてもっと具体的な手続がどんどん決まっていくような、そういうシンポジウムなりあるいは公聴会なり合同の会議なりをするということについてのお考えはいかがであろうか、これを伺いたいと思います。
#25
○宇野参考人 大変結構な御提案だと思います。
 近く調査会はいよいよ第三ステージに入りますので、それに非常に関連いたしますので、今のシンポジウム、公聴会、その他含めた合同のいろいろな機会を持つということについて、皆さんともよく議論をいたしまして、ぜひひとつ進めてまいりたいというふうに考えております。
#26
○中島(武)委員 話がそっちの方へ大分行っているのですけれども、移転するに当たって、二つだけ宇野会長にぜひ聞いておきたいなと思うことがあるのです。
 さっきちょっと、人心一新論が当初からの一つの目的だということが言われて、私はそのことについて特に触れなかったのですけれども、私は、これも私の率直な意見ですけれども、やはり一番肝心なのは政治の中身ではないかなという考えなのです。今、無党派層が続出いたしております。場合によっては過半数を超える、六割、七割というような数字なんかも出てくるのですけれども、これは宇野会長、では仮に首都を移転したということになったらこういうのはみんな解消するのかというと、私はそうは考えにくいのですね。やはり問題は政治の中身だということを非常に感じるのですね。
 そういう上からいって、最初にちょっとお尋ねしたいと思っておりますことは、一昨年来、大手ゼネコンの汚職事件ですね、これで国民の間に、大型プロジェクト、公共事業に対して非常にいわば不信が出てきたと思うのですよ。それで、調査会が行っておられる公聴会の中でもいろいろ意見がありまして、実は今申し上げたことを非常に心配する意見もあって、やはりその問題を解決することの方が先決ではないのかという御意見があったと思うわけです。
 この点は非常に大事な問題であって、そういう国民的な信頼を政治が回復しませんと、首都移転、首都移転といっても、どれくらいの規模のもの、へえ、そんな大きなもの、それはまた群がり集まるのがいるね、こういう話になって、私はなかなかこの点の、国民的信頼を得るという問題は非常に大事な問題だと思うのですね。だから、人心一新、二十一世紀を展望して、あるいは二十一世紀の首都のあり方、政治のあり方、だけれども、それにはやはり今言ったその辺のところの問題は、一つどうしてもはっきりしておかなくてはいかぬ問題じゃないかと私は思うのです。
 その点では、大きな企業、大きいとは限らないのですけれども、大企業からのあるいは財界からの政治献金だとかあるいは天下り問題だとか、政治の側で解決をしなければならない問題が随分あると私は思うのですね。そういうことを抜きにして急いでもうまくいかないのじゃないかというのが、私、ひとつぜひ会長の見解を聞いておきたいなと思う問題なのです。どうでしょうか。
#27
○宇野参考人 御指摘の問題は私自身が非常に悩んでいる問題ですけれども、一言で言えば、やはりすべての、政治だけではないと思います。私ども経済界の中にも問題がございますし行政の方にも問題がありますが、世の中がすべて不信の時代に入っているといえば、そういう時代かもしれません。
 したがって何をやってもだめよということになるのか、だから何かやらぬとこれは突破口がない
のじゃないかという一つの問題を考えましたときに、首都移転というものは、なるほど、今のような政治の不信あるいは経済界の慣習を置いていったらまた不信を呼ぶような事件が起こるじゃないかという懸念はございますけれども、ここではっと思いを変えるための仕組みとして考えますと、首都移転というのは大きな意味があるというのは歴史が証明しているのではないかと私は思うのです。
 これは大変昔の話を言いますと、平家がもうどうにもならなくてやはり兵庫の福原へ首都を持ってこうということをやったのですが、時既に遅くして、もう平家は滅亡してしまったわけですね。だけれどもあの考え方は間違いなかったのであって、後に続いた源氏は鎌倉に政府を置くことによって新しい武家政治ができたという歴史が日本の中にもあるわけであります。
 今回の問題がそういうふうになることを大変な期待を持って私は言っておりますので、今不信の時代であるからこれはできないと言ってしまうと何もできなくなってしまうということをむしろ私は恐れるというふうに思っております。大変書生論でございますが、そういう感じがいたします。
#28
○中島(武)委員 私は今宇野会長の意見を聞いて、しかし、何もしないというのではなくて、まさにそのことに、移転というのは何年も先の話に実際にはなるわけですから、やはりそのことに真剣に取り組むべきではないかということなのです、私の見解は。
 それからもう一つ伺いたいことがあるのですけれども、今度の報告書を読んでみますと、今後適切な時期において財源問題は検討されることが望ましい、こういうふうになっていますね。
 それで、莫大な財源を要することはもう明瞭だと思いますし、それから国土庁の試算では十四兆円、こういう発表をなさっている。それから村田さんの毎日新聞のインタビュー、これも私拝見しておりますが、これによりますと、六百三十兆は政府の公約だ、その一割あれば十分できるのじゃないか、こういう見解を述べておられる。そうすると六十三兆円ということでしょうか。
 波及効果とかいろいろなことでまたこの数字も膨れるかもしれないのですけれども、私が思うのは、結局財源をどうするのかということですね。だから、それはやはり増税に頼る以外になくなってくるのではないのか。そんなに打ち出の小づちのようにお金が出てくるわけではありません。宇野会長が努力して一生懸命調査会でおやりになっても、そのことも含めて調査会は議論していらっしゃるのかどうかということもあるのです。そこも聞きたいところなのですけれども、何か絵にかいたもちになってしまう危険性もある。いや、絵にかいたもちにしなければ猛烈な大増税攻勢が生まれてくるのではないか、そういう問題を内包しているわけですね。その辺についても、二つと申し上げたのはもう一つはそれなのですけれども、そのことをぜひひとつ伺いたいと思うのです、
#29
○宇野参考人 今、二つ目というのは財源問題というふうに理解をいたしておりますが、大変簡潔に中間報告をしておりまして、これは十分な検討をした結果という数字ではございません。具体的に言えば、先ほどの十四兆というのもごくごく試算をざっとしたということであります。したがって、その次の成熟段階で幾らかかるかという問題も、まだこれから検討しなければいかぬ問題でございます。
 ただ、大きく申しますならば、村田先生が何かインタビューでお話しになったということでありますけれども、日本全体として六百二十兆円という大きな公共投資の問題を対外的にも約束し、国内的にもそれは大きな日本の制度の改革と景気の振興というものに絡めた金額が既に出ておるわけでありますから、その中でこの首都移転の費用をどう位置づけるかということであれば、これは私は可能な問題であると思います。
 しかし、よく考えてみると、この財源は税金で賄うのですか赤字国債でやるのですかというような問題なんかもすべて絡んでおりますが、今、日本の置かれている状態、大きく日本経済の振興というものを考えますと、こういう公共投資がどういう意味があるかということから見ますと、私は、財界人としてはこれは積極的にやるべきだというふうに思っております。
#30
○村田(敬)委員 今中島委員からの御質問に宇野会長がお答えになった、私はこれで大変よくわかったのでございますが、中島委員の話の中に私の新聞のインタビューが出てきましたので、ちょっと補足をさせていただきます。
 人口規模それから財源規模というのは、そのタームを十年でとるかあるいは三十年でとるかということによっても変わってまいりますし、私は、日米構造協議の中で出た六百三十兆円というものの中のある部分を首都移転に使い、それからまたある部分は当然地方分権に使うわけでございますが、これは内需の拡大のためにいいことであって、必要な経費は使う。不必要なものは使わない。したがって、宇野会長の言葉をかりれば、規制緩和等々によって不必要なものを削って必要なものに回すということで特に増税は必要でない、こういうふうにこのことについては思っておるわけでございます。
 まだ、たくさん話したいことがありますが、きょうは宇野会長が主役の舞台でございますから、この程度だけちょっと補足させていただきます。
#31
○永井(哲)委員 社会党の永井哲男です。本日は大変御苦労さまです。
 この報告書の中で、これは三十一ページなのですけれども、新首都づくりの統括機関として一元的な責任を有する特別な国家機関を設立する、その中で新首都づくりに係る諸施策の総合調整等の権限を付与するというような形になっておりますが、先ほど宇野さんも言われたように、地方分権化、規制緩和、そして新首都の移転というのが二十一世紀の三本柱だというふうに言われましたが、その中でイメージする機関が、例えば分権化の促進との調整とか規制緩和との調整というようなところを含むのか、それとも単なる建設を総合的にやるというようなイメージなのでしょうか、そこのところはどうなのでしょうか。
 そしてまた、首都移転という過程の中で、そういう規制緩和なり各省庁とのいろいろな整理統合、そういったところをどう調整していくかというようなところが議論になったでしょうか、その点をお聞きいたします。
#32
○宇野参考人 これは私の理解では、直接は規制緩和とは関連はしていないと思います。しかし、御承知のとおり、今規制緩和がどんどん進んでいく過程で、間接的にはこれは関連はしておると思います。
 問題はむしろ、非常に広大な土地を頭に置いて大きな首都機能の移転というものを長期的にやっていこうということになってまいりますと、統括した機関がないと各省別の縦割りの今の状態をベースにはとてもできない。それから同時に、その間に調整機能というものがないとこれはできないという意味で、一つの国家機関をつくることが前提でないとこれは進められないということを書いておりますので具体的に書きましたけれども、具体的にはどういうふうにするのかという問題はこれから考えないといけない問題だと思います。
 それからもう一つは、今御質問の中にちょっと入っておらない問題かもしれませんが、その手前で土地を確保しなければいかぬですね。そうしますと、広大な土地を確保するということと、しかもそのときに当然起こってくる投機をどういうふうにして防止するかという問題を同時にやらなければいかぬ。これまた大変難しい問題でありますから、それにはまた一つの事業主体が要りますねという問題もこの報告書の中に書いておるわけであります。
 それからなお、いよいよ都市ができるということになれば、その中に入れるいろいろな施設をどういう形で配分していくかという問題がありまして、これまた一つの事業主体が要りますねということになりますので、土地を確保する事業主体
と、総合的な方針を立て調整をするという国家機関と、それからその中へ建物をどうして入れていくかという都市計画その他をやっていく機関というものが三つ要るのか、一つでできるのかというような問題は一応頭の中にありますけれども、一応並べてそういう主体が要りますねということを書いておるわけであります。その過程で、さっきお話しになりましたような行政改革とか規制緩和とかという問題が相絡んできますので、これからの議論として検討してまいりたいというふうに考えております。
#33
○中山委員長 以上で参考人に対する質疑は終了いたしました。
 この際、参考人に一言お礼を申し上げます。
 宇野参考人には、貴重な御意見をお述べいただき、まことにありがとうございました。委員会を代表して厚くお礼を申し上げます。
 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
    午前十一時三十八分散会
ソース: 国立国会図書館
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